JP2005533176A - クロロアルカリ隔膜電解槽の陰極フィンガー構造体 - Google Patents

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Abstract

改良された電圧とファラデー効率を有するクロロアルカリ隔膜電解槽用の陰極フィンガー構造体が記述され、突起を備えるシートが各フィンガー内部に挿入されることを特徴とする。各フィンガーを形成する、有孔シートの織り合わされたワイヤーメッシュは、導電性接続によって、好ましくは溶接によって、各突起の頂上に固定され、これによって電流分配の最適な均一性が与えられる。この突起は好ましくは球形キャップに等しい形状を有し、五つ目型のパターンで配置される。各フィンガーの内容積は突起を備えるシートによって2つの部分に細分され、この部分において、水素気泡の自由な上昇運動および分けられた水素の自由な縦の運動の両方が電解槽の周囲室に向かって生じる。各フィンガーの内容積の内側において、生成物の苛性ソーダおよび消耗した塩化ナトリウムにより構成された溶液の自由な再循環が発生して、前記水素気泡によって支えられる。

Description

アルカリハロゲン化物の溶液、特に、塩化ナトリウム溶液の電気分解による塩素の製造は、今日では、極めて大きな産業関連性を有する電気化学的プロセスであり、これは三つの異なる技術、即ち、膜電気分解、隔膜電気分解および水銀陰極電気分解の手段によって実施できる。
第一の技術は、最も進歩し、そして最近確立した技術であって、電解槽電圧が低いこと、および苛性ソーダの濃縮に必要な蒸気の使用量が少ないこと、に起因するエネルギー消費がすくないことによって特徴づけられる。他の二つの技術は、槽電圧が高いこと、そして隔膜電解槽の場合には、商用値の最大50重量%まで苛性ソーダを濃縮するのにかなりの量の蒸気が必要であること、に起因して、エネルギー消費が大幅に増大することによって、大きく悪影響を受ける。しかしながら、明らかな利点にもかかわらず、前記膜技術は、いぜんとして予想される市場浸透より低いことによって特徴づけられ、今に至るまで、新規なプラントの建設にはほとんど使用されることはなく、そして既に旧式で維持が困難な隔膜プラントおよび水銀陰極プラントの交換にのみ使用されている。この状況は、ほとんど、既存の隔膜および水銀陰極の全てが70年代および80年代に建造されたものであるため、資本コストが実質的にかからず、また後に経験する絶え間ない改良によって、アスベスト繊維および水銀の放出に関連する環境汚染の問題が本質的に解決され、一方では、これらのエネルギー消費が改善されて、前記膜技術の弱点が減少する、事実に基づくものである。
隔膜プラントの特殊な場合において、過フッ素化ポリマーで結合されたアスベスト繊維から成る隔膜は、種々の添加剤、例えば、酸化ジルコニウムの繊維または粒子によって親水化された過フッ素化ポリマー繊維から成る隔膜によって取って代わられた。更に、白金族の金属酸化物によって活性化されたチタンから作られた従来の発泡性陽極は、弾性圧力を働かせて、陽極の可動表面を米国特許5,534,122で開示されたような隔膜と直接にそして長時間接触させることのできる装置を備えた、いわゆるゼロギャップバージョンのおかげで著しく改良された。また、前記陽極は、ダブルエキスパンダー、即ち、米国特許5,993,620で示すように、電流を陽極の可動表面から電流分配バーまで通過させる継手を備え、これにより、かなりのオーム低下を減少させる。更に、この陽極は、塩水の内部再循環を著しく増大させる装置を有利に備えることができ、これによって低電圧および酸素発生の減少で示される利点が得られ、この2つの要素は共に、生成した塩素のトン当たりのエネルギー消費を下げることができ、この後者の改良点は米国特許5,066,378に開示される。最後に、WO01/34878で示すように、陽極がチタンシートを用いて固定される銅ベースを保護するために使用されるゴムライニングを交換し、そして陰極本体と陽極支持ベースとの間および各陽極とその支持ベースとの間に新タイプの弾性シールを使用すると、電気分解プラントを構成する個別の電解槽の動作寿命を著しく伸ばすことが可能となり、その結果、維持費が更に削減され、そして電解槽の設計を変えることなく生産能力を増強できる。
クロロアルカリ隔膜電解槽の作動の極めて明解な説明はUllmannの化学技術百科事典、5aEd.,Vol.A6,pp.424−437,VCHで与えられ、一方、これらの電解槽の内部構造の詳細は米国特許5,066,378の図面に詳細に示される。
隔膜電解槽の動作を改良するために、この数年間に出されたいくつかの提案は、多かれ少なかれ、隔膜と陽極を適切な方法で支持ベースに固定する大幅な改造を見い出すことに向けられるが、これに反して、陰極、即ち、適切な電気接続部を有する陰極本体も水素発生反応と苛性ソーダの生成が生じる活性陰極表面の構造体も両方とも、あまり注目されなかった。特に、後者の要素、即ち、活性陰極領域は、導電性材料、一般に炭素鋼、から作られた織り合わされたワイヤーのメッシュまたは有孔シートのような、孔を備える導電性表面から構成され、この導電性表面は、角柱状構造体を形成するように成形されて、周囲室に溶接によって固定されたほぼ平坦な長方形断面を有し、この周囲室は、同様に織り合わされたワイヤーまたは有孔シートから構成されて、前記陰極本体の側壁に接続され、そして生成物の苛性ソーダと消耗した塩化ナトリウムとを含有する溶液のための出口を与えるために底部に少なくとも1つのノズルを備え、そして水素を排出するために頂部に少なくとも1つのノズルを備える。当業者に“フィンガー”として知られる、これらの構造体の上に、前記隔膜が、ポリマーの繊維および粒子を含有する水性縣濁液から真空吸引によって堆積し、これは、上述したように、隔膜自体を構成する。この隔膜電解槽構造体において、この隔膜を被覆されたフィンガーは陽極に挿入され、そしてその表面は隔膜の表面に接触するか、またはこれから数ミリメートル離間する。両方の場合において、フィンガーは隔膜を磨耗させて、その劣化を生じさせるたわみを受けてはならない。更に、操業を通じて、電流はフィンガーの全表面にできるだけ均一に伝導されなければならず、不均一な分配は電解槽の電圧を増大させ、そして同時に塩素中の酸素量を高めながら、苛性ソーダの生成効率を低下させるであろう。結果として、最高の成果を得るために、フィンガーは適切な剛性を備え、そして同時に高い電気伝導を有する必要がある。
スイスのDiamond Shamrock Technologies SAに許可された米国特許4,138,295および米国のEltech System株式会社によって出願されたごく最近の特許出願のWO00/06798によれば、フィンガーは、炭素鋼または銅から作られた縦方向に波形に形成された内部シートを備え、織り合わされたワイヤーのメッシュまたは有孔シートが、好ましくは溶接によって、前記波形の頂点に固定されて、均一な電流の分配の問題および剛性の問題を解決している。しかしながら、このように縦方向に形成された上述の波形は、水素気泡が垂直方向に自由に上昇して、フィンガーの上部母線に沿って集合し、そしてここから上述したガス用の少なくとも1つの出口を備える周囲室に入ることを許容しない。縦方向に波形に形成されたシートは、水素をそれぞれの波形の下に集め、そして適当な開口を通って周囲室中に出て行くまで、それぞれの波形に沿って縦方向に流動させる。この流れはほとんど均等化されないため、各波形の下に存在する水素の量は変わりやすく、そしてさまざまな程度まで隔膜の対応の対面領域を閉塞する。従って、縦方向に波形に形成された内部シートは電流分配の必然的なアンバランスを生じることが結論できる。このアンバランスは、順に、苛性ソーダの濃度を不均一にさせて、ファラデー効率と塩素中の酸素量との両方に悪影響を与える。
イタリアのO.De Nora Impianti Elettrochimici S.p.Aに許可された米国特許4,049,495は、縦方向に配列された波形を有する波形の内部シートの使用を開示する。この場合、水素はフィンガーの上部に自由に集合できるが、周囲室に向かう流れは波形の上部によって妨害されることが明らかである。更に、所定の電流分配を得るためには、縦方向の波形の剛性効果は不満足であろう。
共に、米国のPPG Industries Inc.,に許可された米国特許の3,988,220および3,910,827は、前に考慮したフィンガーに類似するフィンガー内部の要素の構造、即ち、有孔シートの水平ストリップおよび溶接されたシートの縦ストリップを備えた縦方向の導電性バーの構造を開示する。適切な剛性を疑いなく確保できるが、後者の解決法は米国特許4,049,495の場合に議論した水素放出が困難である問題を伴う。これに反して、米国特許の3,988,220の構造は、剛性、均一な電流分配、および自由な水素の排出の要求に対して満足な回答を提出するが、複雑な構造のために、製造が困難であり、従って容認できないほどコスト高になる。更に、米国特許の3,988,220の構造体は、フィンガーの内側の生成物の苛性ソーダの適切な再循環を生じさせる水素気泡の上昇運動を許容させないため、この失われた再循環の結果、高濃度の苛性ソーダのポケットが、特に電流分配および隔膜の多孔度が異常である場合、形成され、ファラデー効率および塩素中の酸素量に悪影響を与えるであろう。
従って、本発明の目的は、十分な剛性と電流分配の均一性によって特徴づけられ、そして従来技術の構造体の欠点を克服できる、クロロアルカリ(chlor-alkali)隔膜電解槽に特に適する新規なフィンガー構造体(finger structure)を提供することである。
第一の態様において、本発明は、高い導電性を有し、そしてフィンガーの全表面上に電流分配の十分な均一性を保証できるクロロアルカリ隔膜電解槽のためのフィンガー構造体から構成される。
第二の態様において、本発明の構造体は、前記クロロアルカリ隔膜電解槽の陽極の磨耗を引き起こす可能性があり、そして前記フィンガー上に置かれた隔膜を損傷する可能性がある曲げを防止するのに必要な剛性によって特徴づけられる。
第三の態様において、本発明の構造体は、電解槽の周囲室に向かって縦方向にフィンガーの上方母線に沿って分離される、水素気泡の自由な上昇運動および水素の自由な流れを許容する。
更なる態様において、本発明の構造体は、水素気泡の上昇運動によって引き起こされる苛性ソーダの自然な内部再循環を促進して、フィンガー内部に実質的に均一な濃度を確保する。
これらおよびその他の利点は、以下の本発明の詳細な説明によって明確になるであろう。
本発明は、特にクロロアルカリ隔膜電解槽に有用な、隔膜電解槽のフィンガーのための新規な構造体から構成される。
好ましい態様において、新規なフィンガー構造体は、周囲室と流体連絡する内容積を定める中空部分を含み、この中空部分が、突起を備えた1枚または多数のシートを含む電流分配補強要素を収納する。
本発明は平易にするためにクロロアルカリ隔膜電解槽を参照して説明されるが、本発明の構造体はフィンガーを備えた全ての隔膜電解槽に適用できることが理解される。本発明の構造体は同時に以下のa)〜d)を達成できる。
a)フィンガーおよびフィンガー上に置かれた隔膜の全表面上の電流の均一な分配。
b)フィンガーとフィンガーに挿入される前記電解槽中の陽極との間に摩擦を生じさせて、磨耗に基づく隔膜の損傷を生じさせる曲げを防止するような適切な剛性。
c)フィンガーを構成する導電性材料で作られたメッシュまたは有孔シートの表面上で生じた水素気泡の自由な上昇運動、および前記電解槽の周囲室に向かう水素の同様に自由な縦方向の流れ。
d)前記メッシュまたは有孔シートの表面上の水素と同時に生じた苛性ソーダの前記フィンガー内部における最適な再循環、その結果として、隔膜の多孔度が局部的に不均等であり、そして電流分配が異常である場合であっても、苛性ソーダ濃度が均一化されること。
この一連の利点は、本発明の特に好ましい態様に従って、それぞれのフィンガーの内側に縦方向に挿入された少なくとも1枚の電流分配補強シートを使用することによって達成され、ここで前記シートは両側に突起を備える。
図1および図2に示すように、ここでは、本発明に従うシート(1)の一部および二つの横断面がそれぞれ描かれており、突起が好ましくは五つ目型のパターンに従って配列され、これらの突起は原フラットシート(1)の塑性変形によって得られた球形のキャップに類似する。観察者の方向に突出する突起(2)は連続ラインによって示され、一方、反対側の方向に突出する突起(3)は点線で示される。図2は、X−X線およびY−Y線に基づく二つの横断面を示し、二つの断面図において、シート断面の厚さはハッチングで特定される。
プラスチック加工による突起の実現、例えば、適当なプレスおよび工具を用いてシートを変形させること、は特に好ましい製造方法であるが、別々に得られた突起を平坦なシート上に溶接またはろう付けすることに基づく製造方法も、使用可能であり、そしてこのようにして得られた構造物も本発明の範囲内に入ることが理解される。しかしながら、これらの方法は、プラスチック加工の方法よりも本質的にそして確実に費用を高くする労働力を必要とすることが当業者に理解されるであろう。
図1および図2において、突起は球形キャップに等しいが、異なる形状、例えば、図3に示すような楕円形のキャップ、または図4に示すような角柱状の形態も可能であり、これらの図において、観察者の方向に突出する突起(それぞれ、(4)および(6))は、前と同様に、連続ラインによって示され、一方、反対側の方向に突出する突起(それぞれ、(5)および(7))は、点線で示される。平坦な原シートの塑性変形による製造方法は、容易に自動化されて、労働力を大幅に低減できるため、好ましいけれども、他の形状も更に考えられる。
本発明の特に好ましい態様は、シートの完全に平坦な垂直部分が存在しない五つ目型のパターンまたは類似物に従う突起の配列である。図1から明らかなように、シートの各垂直部分は、横断曲げを弱めるシートの傾向として定義される高剛性を効果的に協力して与える、いくつかの突起の少なくとも一部に影響を与える。この態様は、フィンガー間に入れられる必要がある陽極を備えた導電性支持体を有するフィンガーを備えた陰極体の組み立てを通じてのたわみを回避するために、またはガス状塩素気泡の上昇運動により引き起こされる塩水の特定の熱膨張または乱流が生じる操作を通じてのたわみを回避するために重要である。隔膜で裏打ちされたフィンガーおよびいったん挿入された陽極が互いに直接接触するか、または数ミリメートルだけ離間している場合を考えると、フィンガーの屈曲は、陽極を容易に磨耗させて、隔膜を損傷させ、その結果、操業停止の状態になるであろう。
図1の五つ目型の配列と比較すると、図5は、本発明のそれほど好ましくはない態様に従う球形のキャップ形状の突起を備えたその他のシートを示し、中心間の距離および外輪および内輪の曲げ半径は前述の場合と同じであるが、四角のメッシュパターンに従って配列され、そして種々の要素は図1で使用された同じ参照番号で示される。直前に説明した事例において、曲げ抵抗の用語で表現されて得られた剛性は図1のシートの場合よりも著しく低い。
図6は、図1の五つ目型のパターンに従って配列されて、塑性変形、例えばプレス成形によって得られた球形キャップの形状の突起(2)および(3)を備える内側に配置されたシート(1)を有する織り合わされたワイヤーメッシュ(8)から作られたフィンガーから成る本発明に従う集成体の一部の部分破断側面図を示す。本発明に従う各フィンガーが2枚の重ねられたシートを備えることも全く可能である。隔膜は(10)で示される。
図6を参照すると、織り合わされたワイヤーメッシュから成るフィンガーの表面は、好ましくは溶接によって各突起の頂上(9)の上に固定され、この突起の配列は反復的であり、この溶接方法は容易に自動化されて、時間、労働力および製造コストをかなり節約できることが、即座に理解できる。突起の頂上(9)上に各フィンガーの表面を固定すると、シート(1)によって運ばれる電流を各フィンガー(8)の織り合わされたワイヤーメッシュの表面に極めて均等で規定の方法で分配させることが必要である複数の等しいオーム経路が生成する。更に、この固定(9)によって、前記フィンガー(8)‐プレス成形シート(1)集成体は、最適の支持と剛性が保証される。
織り合わされたワイヤーメッシュまたは穿孔シートを溶接すると、前記集成体はシート単独の剛性よりも大きな剛性を与えられるが、上述したような低い剛性で特徴付けられるタイプのシートが本発明の好ましい態様を与えないにもかかわらず、図5で概略的に示すように、完全に平坦な垂直部分が存在する突起を備えたプレス成形シートを使用することも可能である。
更なる態様において、両側に突起を備えるシートが、それぞれが接触面と反対側の表面に突起を備える一対の互いに接触するシートと交換されてもよい。
図7が本発明に従う前記フィンガー‐メッシュ‐プレス成形シート集成体の一部において矢印で概略的に示すように、突起を備えるシートを使用すると、各フィンガー内部で稼動中に生じた水素気泡(11)の自由な上昇運動を引き起こす。その結果、フィンガーの上方母線(12)に沿って集められた水素は、クロロアルカリ隔膜電解槽中に備えられた周囲室に向かって自由に流れ、次いで、ここから前記周囲室の頂部に配置されたノズルを通って一般的なマニホールドの方向に排出される。
本発明に従う突起を備えるシートは各フィンガーの内容積を2つの部分に細分し、そしてその厚さはシートが取り付けられるフィンガーの厚さの実質的にほぼ半分である。各部分の容積はシートの突起によってほんの部分的に占有され、従って水素気泡の上昇運動は苛性ソーダの効果的な自然の再循環を生じる。本発明に従う前記フィンガー‐メッシュ集成体の横断面図を概略的に示す図8の矢印で描かれるこの再循環は、隔膜の多孔度が不均一な場合であっても、また電流が異常に局部的に分配される場合であっても、この再循環により、電気分解を通して各フィンガー内部で苛性ソーダの実質的に均一な濃度が維持されることにおいて、特に有益である。従って、有効な再循環がない場合には、苛性ソーダ濃度が局部的に増大すると、プロセスのファラデー効率に悪影響が生じ、結果として、塩素中の酸素量が増大するであろう。当業者に知られているように、多数の塩素使用者は、例えば、ジクロロエタンおよび他の塩素化誘導体の製造プラントの場合のように、塩素中の酸素量が特定の臨界限度を超えないことを求めており、これを超えると、液化とそれに続く再蒸発による塩素の浄化が必要となる。従って、電解槽に装着される本発明のフィンガー構造体のような、これらの全ての装置は、製造された塩素が高品質レベルであることを保証し、明白な利点を与える。
必ずしも必要ではないが、図面に示されない開口が、本発明に従う突起を備えるシートの残りの平坦な領域に作られてもよく、これらの開口は、本発明のシートによって各フィンガーの内側に形成された容積の2つの部分の中に存在する苛性ソーダの混合を支持するために与えられる。
本発明に開示した内容の有効性を比較評価するために、100kAの電流を供給されたクロロアルカリ工業プラントの一系列の隔膜電解槽のうちの2つの電解槽を改造した。この系列の電解槽は、米国特許4,138,295およびWO00/06798で記述したように、縦方向に波形に形成された6mm厚のシートを収納する炭素鋼の織り合わされたワイヤーメッシュから成るフィンガーを含む陰極本体を備える。陰極本体が稼動数年後に既にフィンガーメッシュの摩滅を示したこれら2つの電解槽に対して、使用箇所の交換に必要な処置が実施され、以前に使用した同じタイプの織り合わされたワイヤーメッシュを用いてフィンガーが改造されたが、これら2つの電解槽のうちの1つの電解槽であって、以後、電解槽Aと呼称される電解槽の内部シートは本発明に従う突起を備える2枚のシートで交換され、そして残りの電解槽であって、以後、電解槽Bと呼称される電解槽の内部シートは米国特許3,988,220に記述された有孔シート片で交換された。特に、本発明に従うシートは6ミリメートルの厚さを有し、そして図1の五つ目型のパターンに従って配列される球状のキャップに類似する突起を備え、2つの隣接するキャップの中心間の距離は57.7ミリメートルに等しく、そして各突起は外輪の半径および内輪の半径が、それぞれ20ミリメートルおよび14ミリメートルに等しいことによって特徴づけられる。示された寸法は本発明の好ましい態様に従って選ばれ、一般に5〜7ミリメートルの厚さを有するシートが好ましく、一方で、突起間の最適の距離は50〜65ミリメートルの範囲内にあり、外輪の半径および内輪の半径はそれぞれ17〜22ミリメートルおよび12〜16ミリメートルの範囲内にある。
電解槽Bのフィンガーの厚さ6ミリメートルの有孔シートのストリップを、電解槽Aの各フィンガー中に設置される本発明に従う一組のシートのそれに類似する電流通過のためのセクションが得られるような数で各フィンガー中に挿入した。3列の各ストリップ上に形成された開口の直径は8ミリメートルであった。
新規な一組の封止ガスケットを陰極本体と陽極ベースとの間に、陰極本体とカバーとの間に、ノズルとパイプとの間にそれぞれ設置し、そして新規な隔膜を設置したことを除いて、その他の改造は、電解槽AおよびBの残りの部分に対して実施されなかった。
別の部材、特に隔膜、の安定性に必要であると考えられる操作の数週間後に、電解槽の電圧、苛性ソーダ製造のファラデー効率および生成物塩素中の酸素量を測定し、下記の結果を得た。
プラントの改造されない電解槽: 電圧3.6ボルト、ファラデー効率93%、塩素中の酸素量3%
本発明に従う電解槽A: 電圧3.5ボルト、ファラデー効率95%、塩素中の酸素量2.3%
米国特許3,988,220に従う電解槽B: 電圧3.55ボルト、ファラデー効率94%、塩素中の酸素量2.7%。
上記説明は、本発明を限定するものではなく、本発明はその範囲から逸脱することなく異なる態様に従って実施でき、そしてその範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定められる。
明細書の説明および特許請求の範囲において、用語の「含む(comprise)」は、その他の要素または成分の存在を除外するものではない。

Claims (21)

  1. 周囲室と流体連絡する内容積を定める中空体であって、化学的に不活性な多孔質隔膜で被覆されて、孔を備えた導電性表面により範囲を定められた中空体、を含む隔膜電解槽用の陰極フィンガー構造体において、前記中空体が、突起を備えた少なくとも1枚のシートで構成された補強および電流を分配する内部要素を収納することを特徴とする、前記フィンガー構造体。
  2. 前記孔を備えた導電性表面は織り合わされたワイヤーメッシュまたは有孔シートであることを特徴とする、請求項1のフィンガー構造体。
  3. 前記少なくとも1枚のシートはその両方の主面に突起を備える単一のシートであることを特徴とする、請求項1または2いずれかのフィンガー構造体。
  4. 突起を備える前記シートは導電性接続によって前記導電性表面に固定されることを特徴とする、請求項1〜3いずれかのフィンガー構造体。
  5. 前記導電性接続は前記突起の少なくとも一部の頂上に配置されることを特徴とする、請求項4のフィンガー構造体。
  6. 前記導電性接続は電流の均一な分配に適した複数のほぼ均一なオーム経路を確立することを特徴とする、請求項4または5いずれかのフィンガー構造体。
  7. 前記突起は球形キャップまたは楕円形キャップまたは角柱状のキャップに相当する形状を有することを特徴とする、請求項1〜6いずれかのフィンガー構造体。
  8. 前記突起は四角の網目パターンに従って配列されることを特徴とする、請求項1〜7いずれかのフィンガー構造体。
  9. 前記突起は五つ目型のパターンに従って配列されることを特徴とする、請求項1〜7いずれかのフィンガー構造体。
  10. 前記少なくとも1枚のシートの各垂直断面は前記突起の少なくとも1つの一部を含むことを特徴とする、請求項1〜9いずれかのフィンガー構造体。
  11. 2つの隣接するキャップの中心間の距離は50〜65ミリメートルであり、そして前記キャップの外輪の半径および内輪の半径は、それぞれ17〜22ミリメートルおよび12〜16ミリメートルであることを特徴とする、請求項7〜10いずれかのフィンガー構造体。
  12. 前記シートの厚さは5〜7ミリメートルであることを特徴とする、請求項1〜11いずれかのフィンガー構造体。
  13. 前記中空体により定められた前記内容積は前記少なくとも1枚のシートによって前記周囲室と流体連絡する2つの部分に細分され、そしてそれらの部分は前記突起によって部分的に占有されて、電解質の自然な内部再循環のために利用できることを特徴とする、請求項1〜12いずれかのフィンガー構造体。
  14. 突起を備える前記少なくとも1枚のシートは残りの平坦な領域に開口を更に備えることを特徴とする、請求項1〜13いずれかのフィンガー構造体。
  15. 前記突起は前記少なくとも1枚のシートの塑性変形によって得られることを特徴とする、請求項1〜14いずれかのフィンガー構造体。
  16. 前記突起は前記少なくとも1枚のシート上に固定された別個の部品であることを特徴とする、請求項1〜14いずれかのフィンガー構造体。
  17. 前記突起は溶接またはろう付けによって前記少なくとも1枚のシート上に固定されることを特徴とする、請求項16のフィンガー構造体。
  18. 陽極区画室および不活性な多孔質隔膜によって分離された陰極区画室を含む電気分解電解槽であって、前記陰極区画室は、電解質排出用の底部に少なくとも1つのノズルおよびガス出口用の頂部に少なくとも1つのノズルを備えた周囲室と、前記周囲室に電気的に接続する請求項1〜14いずれかの複数の陰極フィンガーと、から構成される、前記電気分解電解槽。
  19. 塩化ナトリウム溶液を請求項18の電解槽の陽極区画室に供給し、電流を印加し、そして前記複数の陰極フィンガーの前記内容積の内側で生成した苛性ソーダと消耗した塩化ナトリウムとの溶液を電解質排出用の前記ノズルを通じて排出し、そして水素流をガス出口用の前記ノズルを通じて排出する、ことを含む、クロロアルカリ電気分解の方法。
  20. 前記水素流は前記複数の陰極フィンガーの前記内容積の内側で自由な上昇運動を示し、そして前記周囲室に向かう自由な縦の運動を示すことを特徴とし、また苛性ソーダと消耗した塩化ナトリウムとの溶液は前記複数の陰極フィンガーの内容積内で自由な再循環を示すことを特徴とする、請求項19の方法。
  21. 添付した図を参照して実質的に明細書中で記述した隔膜電解槽用の陰極フィンガー。
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