JP2005532276A - 免疫化組成物およびアミロイド前駆体タンパク質のβ−セクレターゼ開裂部位に対する免疫応答を誘発する方法 - Google Patents

免疫化組成物およびアミロイド前駆体タンパク質のβ−セクレターゼ開裂部位に対する免疫応答を誘発する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は多重抗原ペプチド系(MAPS)のような抗原生成物またはAβPPのβ−セクレターゼ開裂を架橋するAβPPエピトープを表示する糸状のバクテリオファージを含む免疫化組成物、および免疫化組成物を用いAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対する免疫応答を誘発するための方法を提供する。本発明はまたAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対する抗体およびアミロイドβの形成を阻害するための方法におけるそれらの使用に向けられている。

Description

本発明は免疫化組成物およびアミロイド前駆体タンパク質のβ−セクレターゼ開裂部位に対する免疫応答を誘発する方法に関する。さらに本発明はアミロイド前駆体タンパク質のβ−セクレターゼ開裂部位に対し生じたまたは発生した抗体および受動免疫化におけるその使用に関する。
アミロイド前駆体タンパク質およびβ−セクレターゼ
患者の脳における短いアミロイドペプチドの細胞外析出はアルツハイマー病の病原において中心的イベントであると考えられている。アミロイドがADの初期の病原において重要な役割を演じるという証拠はまずADの家族性形態(FAD)またはダウン症候群によって影響を受けた各人の研究から来る。アミロイドβペプチド(Aβ)の生成はその前駆体タンパク質、AβPP(アミロイド前駆体タンパク質)における開裂の制御されたカスケードによって起きる。少なくとも3個の酵素はAβPPタンパク質分解に応答でき、α、β、およびγセクレターゼと試験的に名づけられた。いくつかのこれらセクレターゼの最近の同定はこれらセクレターゼがどのようにアミロイドペプチド形成を制御しているか理解する際の主な飛躍である。主な治療ゴールの一つは大きい前駆体タンパク質からAβを生成するセクレターゼの抑制である。プロテアーゼ標的の理論的特殊性および扱いやすさは、血液脳バリヤに浸透するセクレターゼ−特異的プロテアーゼを生成できることを示唆している。スクリーニングまたは合理的設計のアプローチによってインヒビターを同定するためβ−セクレターゼ酵素(BACE)の能力の新知識を用いる多くの研究は既に進行中である(米国特許第5,744,346;5,942,400;6,221,645B1;6,313,268B1;および刊行されたPCT出願WO00/47618、WO98/21589、およびWO96/40885)。この点で、Aβの追加の証拠はないので、この代謝産物の減少について重大な関心がない。β−およびγ−セクレターゼの両方は体内の多くの異なる細胞に存在し、AβPPに加えて基質をもつと想定することは妥当である。従って、これら酵素の一つの完全阻害は、多分必要であろう慢性的な治療条件下で、毒性の問題となる。mRNAレベルでは、BACEは広くヒト脳に発現する。発現はまた、この組織での酵素活性が低いが、膵臓では高い。AβPP開裂は別として、BACEが他の活性をもつかは知られておらず、その結果β−セクレターゼ阻害剤が何の毒性をもつかを予言するには早すぎる。
アミロイド前駆体(AβPP)のタンパク分解の処理がアルズハイマー病での病理学および次の認識低下に偶然であると考えられるアミロイドβ(Aβ)ペプチドを生成する。Aβ形成を開始するため、β−セクレターゼはAβのN−端末でAβPPを開裂し、APPsβ、約100−kDの可溶性N−末端フラグメント、およびC99を放出し、12kDのC末端フラグメントは膜結合のままである。β−セクレターゼ開裂の正確な部位は決定された(図1)。アミロイドプラークAβはAsplで開始し、従ってこの開裂部位が主な関心事である。残基671と672のAβPP間の、Aβペプチド配列のアミノ酸末端でのβ−セクレターゼによる開裂はβ−開裂可溶性AβPPの生成と細胞外放出、および対応する細胞結合カルボキシ末端フラグメントに導く。
家族性のAD家族の一つはβ−セクレターゼの予言された開裂部位と一致したAβPPでの突然変異を持つことが示された。この二重突然変異はまずスウェーデン系図で同定され、また細胞内にトランスフェクションされたとき機械論的に野生配列に関係のあるAβペプチドの過剰生産になることが見出され、これはβ−セクレターゼ酵素に対しより良い基体であることを示唆している。この予言は最近真実であることが確証された。APPのP1位置でのMetのLeu置換は、早発性ADの原因となる「スウェーデン」家族AD突然変異に見出され、劇的にβ−セクレターゼ開裂を高めるが、多くの他の置換体(例えば、MetをValに)はβ−セクレターゼ開裂を減少する。これらの発見はAβペプチドのN末端を遊離させた開裂事象に応答できるβ−セクレターゼ活性の存在を示し、プロセスがリソソームよりも分泌性であることを示し、その仮説はその時は好ましかった。
血液脳関門
血液脳関門(BBB)(ジョンソン、1992;エルミッシュ、1992;シュロッスハウエル、1993)はアニオン電荷と固く結合した微小血管内皮細胞の単層により形成された。この層は2液体含有区画:血漿(BP)と脳実質の細胞外液体(ECF)を分け、脳のアストログリアル細胞によって囲まれている。BBBの主機能の一つはBPとECFの間の成分の移送を制御することである。BBBは血液から脳細胞までの大抵の薬剤分子の自由な通過を制限する。
一般に、高い極性の大分子、例えばペプチド、タンパク質(例えば、酵素、成長因子およびそれらの共役体、オリゴヌクレオチド、遺伝的ベクターその他)はBBBを横切らない。従って、CNSへの乏しい薬剤供給は神経変性の障害や神経性の病気の治療に対しそのようなマクロ分子の応用を制限する。
脳への治療剤のいくつかの供給のアプローチはBBBを包囲する。そのようなアプローチはくも膜下腔内注射、外科的インプラント(オンマヤ、1984および米国特許5,222,982)および間質性注入(ボボら、1994)を用いる。これら戦略は薬剤をCNSへ、脳脊髄液(CSF)または脳実質(ECF)内に直接の投与により供給する。
脳脊髄液を介して中枢神経系へ薬剤を供給することはその発明の後に「オンマヤ貯蔵所」と名づけられた硬膜下に移殖可能なデバイスによって達成される。貯蔵所は癌における化学療法剤の局在化した術後の供給のために大抵は用いられる。薬剤をデバイスに注入し、次いで脳の周りの脳脊髄液に放出される。露出した脳組織の特定領域に向けられ次に薬剤を吸着する。この吸着は薬剤が自由に移動しないので制限される。アユブ・オンマヤによって開発された改変デバイスは、これによって貯蔵所が腹腔に注入され、脳の脳室空間にはるばる(脊椎から取り出され脊椎に戻る)脳脊髄液によって注入薬剤が移送され、薬剤投与のために用いられる。
対流を増強した供給による脳の種々の領域にマクロ分子の拡散はBBBを取り囲む投与の別の方法である。この方法は:a)白質への間質性注入中の圧勾配を創造し、脳間質(簡単な拡散を補う対流)を通る流れを増加させ;b)圧勾配を長期にわたって(24時間ないし48時間)維持し、灰質への(好中球因子、抗体、成長因子、遺伝子ベクター、酵素等の)移動化合物の放射状の浸透を可能にし;そしてc)全身性レベルより上の大きさのオーダーによって薬剤濃度を増加する。直接の脳実質への直接の注入によって、米国特許第6,005,004号の部位特異的生体分子コンプレックスは、神経細胞またはグリア細胞へ薬剤を送り、必要に応じて、これら細胞によって得られる。さらに、神経細胞標的または内部移行部分を含む部位特異的コンプレックスは神経細胞膜を浸透し薬剤を内部移行することが出来る。
CNSへの薬剤供給を改善する別の戦略はBBBを経る薬剤吸収(吸着および移送)および細胞による取込みを増加させることである(ブロードウェル、1989;パードリッジら、1990;バンクスら、1992;およびパードリッジ、ブラニクら著、1991)。脳へのBBBによる薬剤の通過は薬剤自身の透過性を改善するかまたはBBBの特性を変更することによって高められる。従って、薬剤の通過は化学的変更によってその脂質溶解性を増加して、および/またはカチオンキャリヤへのカップリングによって、またはさらにBBBを通過する薬剤を移送できるペプチドベクターへ共役カップリングすることによって促進することができる。ペプチド移送ベクターはまたBBB浸透化合物としても知られている(米国特許第5,268,164号)。
ファージディスプレイ:
組み合わせファージディスプレイペプチドライブラリーはタンパク質:タンパク質相互作用を研究するために有効な手段を提供する。この技術は対応する遺伝子青写真に関連したランダムペプチドの非常に大きいコレクションの生産に依存する(スコットら、1990;ダウエル、1992;レーンら、1993;コーテセら、1994;コーテセら、1995;コーテセら、1996)。ランダムペプチドの提示はM13、fdおよびf1のような糸状のバクテリオファージの外面に発現したキメラタンパク質を構築することによって達成される場合が多い。この提示は、結合アッセイに基づき分析できるレパートリーをつくり、特定化したスクリーニング図式は(バイオプランニングと呼ばれる(パームレイら、1988))所望の結合性質を用いてペプチドのアフィニティ単離と同定に導く。この方法では受容体(コイブネンら、1995;ライトンら、1996;スパークスら、1994;ラスグアニリら、1996)、酵素(マテウスら、1993;シュミッツら、1996)または抗体(スコットら、1990;スワーラら、1990;フェリチら、1991;ルザゴら、1993;ホエスら、1993;ボニカストルら、1996)に結合するペプチドを有効に選択した。
フィラメント状バクテリオファージはF−エピソーマを運ぶエシェリシアコリ細胞を感染する細胞非溶解の雄特異的バクテリオファージである(参照、モデルら、1988)。フィラメント状ファージ粒子は円形一本鎖DNAゲノム(+鎖)を含む長さ900nmで厚さ10nmの薄い管状構造である。ファージのライフサイクルは一本鎖DNAゲノムが宿主に入ることによって続くバクテリアのF−線毛へのファージの結合を必要とする。円形一本鎖DNAは宿主複製法によって認識され相補二次DNA鎖の合成はファージ複製起点(−)構造で開始される。二本鎖DNA複製形は一本鎖DNA環状ファージゲノムの合成のための鋳型であり、複製起点(+)構造で開始する。これらは最後にビリオンに充填され、ファージ粒子は宿主への溶解または明らかなダメージを起こすことなくバクテリアから押出される。
ペプチド表示系はファージの2個の構造タンパク質;pIIIタンパク質およびpVIIIタンパク質を活用した。pIIIタンパク質はファージ当り5個のコピーに存在しビリオンの1個のチップに排他的に見出される(ゴールドスミスら、1977)。pIIIタンパク質のN−末端ドメインは伝染力プロセスに必要なノブ様構造を形成する(グレイら、1981)。それはF−線毛のチップへのファージの吸着、続いてバクテリア宿主細胞への一本鎖ファージDNAの浸透および転位置を可能にする(ホリガーら、1997)。pIIIタンパク質は広範な変更に耐えられ、従ってそのN−末端でペプチドを発現するために用いられた。外来ペプチドは長さ65アミノ酸残基までであり(ブルスナーら、1996;ケイら、1993)ある場合にはpIII官能基に著しく影響することなく全長のタンパク質ほどの長さである(マクカフェルチら、1990;マクカフェルチら、1992)。
一本鎖ファージDNAを囲む円筒状タンパク質エンベロープは2700のコピーの主被膜タンパク質pVIIIからなり、α−らせんサブユニットは50個のアミノ酸残基からなる。pVIIIタンパク質それ自身は、ビリオンの長軸に浅い角度で配向したタンパク質のα−らせん体をもつ、らせんパターンに配列される(マービンら、1994)。このタンパク質の一次構造は3つの分離したドメインを含む:(1)酸性アミノ酸に富み、外側の環境に曝されているN−末端部;(2)(i)ファージ粒子におけるサブユニット:サブユニット相互作用および(ii)宿主細胞における膜貫通機能に対し応答できる中心疎水性ドメイン;および(3)ファージの内側に埋められファージ−DNAと結合する、C−末端でクラスター形成した、塩基性アミノ酸を含む第三のドメイン。pVIIIは23アミノ酸リーダーペプチドを含むプリコートタンパク質として合成され、それはバクテリアの内膜を横切るトランスロケーションの際に開裂し成熟した50−残基の膜貫通のタンパク質を生成する(スギモトら、1977)。ディスプレイ骨格としてpVIIIを使用するとそのN−末端で6残基よりも長くないペプチドの追加を許容できるという事実によって妨げられる(グリーヌッドら、1991;イアンノロら、1995)。さらに大きい挿入片はファージアセンブリイと衝突する。さらに大きいペプチドの採用は、しかしながら、モザイクファージは組換え体、ペプチド含有、pVIIIタンパク質と野生型pVIIIとのインヴィヴォ混合によって生成される(フェリチら、1991;グリーンウッドら、1991;ウイリスら、1993)。これは、ファージ粒子の構築中に野生型コートタンパク質を分散したファージ表面で低密度(粒子当り数十から数百のコピー)でキメラpVIIIタンパク質を取込むことができる。モザイクファージを生成できる2つの系が用いられた;スミスによって命名された「タイプ8+8」と「タイプ88」系である(スミス、1993)。
「タイプ8+8」系は異なる2つの遺伝子ユニットに別別に位置する2つのpVIII遺伝子をもつことを基礎とする(フェリチら、1991;グリーンウッドら、1991;ウイリスら、1993)。組換えpVIII遺伝子はファージミドに位置し、プラスミドは複製のそれ自身の起源に加えて、複製およびパッケージ信号のファージ起源を含む。野生型pVIIIタンパク質はヘルパーファージでファージミドハーボリングバクテリアを重感染することによって供給される。さらに、ヘルパーファージは、ファージミドとヘルパーゲノムの両方をヴィリオンにまとめるファージ複製とアセンブリー方法を提供する。従って、2つのタイプの粒子はこのようなバクテリア、ヘルパーおよびファージミドによって分泌され、その両方は組換えおよび野生タイプのpVIIIタンパク質の混合物を組み込む。
「タイプ88」系は一つになって2つのpVIII遺伝子および同じ感染性ファージゲノムを含むことによって利益を得る。従って、これはヘルパーファージと重感染を不必要にする。さらに、モザイクファージの一つだけのタイプが生成される。
ファージゲノムは10個のタンパク質(pIからpX)を符号化し、その全部が感染性子孫の生成に必須である(フェリチら、1991)。タンパク質のための遺伝子は2つの非コード領域によって分離された2つの緊密な転写性ユニットに作り上げられる(ヴァン・ウェゼンビークら、1980)。1の非コード領域は、「遺伝子間の領域」と呼ばれ(pIVとpII遺伝子の間に位置すると定義される)、DNA複製の(+)および(−)起源および、カプシド形成の開始が可能な、ファージのパッケージングシグナルを含む。この遺伝子間の領域の部分は重要ではない(キムら、1981;ドットら1984)。さらに、この領域は複数の部位で外来DNAsの挿入を許容できることが見出された(メッシング、1983;モセスら、1980;ザチェルら、1980)。ファージの第二の非コード領域はpVIIIとpIII遺伝子との間に位置し、またプルックスン(クレバーら、1995)によって示されたように外来組換え遺伝子を組み込むために用いられた。
ファージディスプレイを用いる免疫化:
エピトープからなる小さい合成ペプチドは、一般にペプチドの化学合成を要する乏しい抗原であり、大きいキャリヤの結合させる必要があるが、そのときでも低い親和性免疫応答を誘発することができる。抗−AβP抗体を高めるための免疫化手順は、抗原としてEFRHペプチドのみを表示する糸状ファージを用い、本発明者の実験室で開発された(フレンケルら、2000および2001)。糸状バクテリオファージは近年、ファージコートタンパク質をコードする遺伝子の5’末端でランダムオリゴヌクレオチドをクローニングすることによって生成したペプチドの大レパートリーの表面に「ディスプレイ」のために用いられた(スコットおよびスミス、1990;スコット、1992)。最近報告されたように、糸状バクテリオファージは種々の生物製剤での外来ペプチドの発現と提示に優れたビヒクルである(グリーンウッドら、1993;メジンスキ、1994)。糸状ファージの投与はファージ効果系に強い免疫応答を誘発する(ウイリスら、1993;メオラら、1995)。上記ファージコートタンパク質pIIIおよびpVIIIはファージディスプレイに用いられることが多かったタンパク質である。特異的ペプチド抗原を得るための組換え糸状ファージのアプローチは、得られた生成物が翻訳機の生物学的忠実度の結果でありペプチドの固相合成で共通の70−94%の純度水準を必要としないので、化学合成を超える主な利点をもつ。追加物質がバクテリア培地の生長によって得られるので、ファージは容易に再生可能な抗原源を示す。
ファージを表示するEFRH(SEQ ID NO:2)エピトープでの免疫化は、短期間で、高濃度の高親和性(IgG)抗体を生じβ−アミロイドの生成を妨げさらに毒性効果を最少にすることができる。血清中の抗体水準はファージに対するペプチドコピーの数に関係することが見出された(フレンケルら、2000b)。
EFRH(SEQ ID NO:2)ファージから得られた抗体は全アミロイドβを用いた直接注入により生じた抗体に免疫学的性質が似ている(表1)。これら抗体は全長Aβ−ペプチド(1−40)を認識し全Aβペプチドおよび/またはアミロイドβに対し生じた抗体として抗−凝集性を示す(フレンケルら、2000b、2001)。糸状ファージの高免疫化は自己抗原に対し抗体を産生することができる。抗原としてEFRH(SEQ ID NO:2)ファージでのギニアピッグの免疫化は、Aβペプチド配列がヒトのそれと同じであり、自己抗体の生成となった(フレンケルら、2001)。
表1:アミロイド抗−凝集抗体(フレンケルら、1998)と比較したf88−EFRHに対し生じた血清抗体のAβ内に種々のペプチドによる競合的阻害
*フレンケルら、1998
**ELISAアッセイにより検出できなかった10−2M以下のIC50値。
上記データは自己エピトープを表示する組換えバクテリオファージが病気治療のための自己抗体を誘発するワクチンとして用いられることを示した。糸状ファージは通常大腸菌の実験室菌株を用いて生長し、天然産の菌株は異なるが、腸へのファージの供給が腸管内菌叢感染の結果であると考えることは当然である。本発明者の実験室はUV不活性ファージがそれらの感染性対応物と同様に免疫原性であることを見出した。pIII免疫マウスで見出された長く持続する免疫応答を説明できる免疫動物の腸に長く持続する糸状ファージの証拠がある(ズエルヘルら、2000)。
ファージの高抗原性によれば、鼻腔内経路によって投与することができ、アジュバントを何も用いずに免疫化するための一番容易な方法である。嗅覚の変化はアルツハイマー病で役割を演じることが提案されているように(ムルフィー、1999)、粘膜免疫化は病気の局所の病的影響を妨げるための特異的AβIgA抗体の効果的誘発である。
抗−凝集β−アミロイド抗体(ソロモンおよびフレンケル、2000)対全β−アミロイドを高める際のファージ−EFRH抗原の効力は次のことを示す。
a.ファージの高免疫原性はアジュバント投与の必要がなく数週間の短期でIgG抗体を高力価に生成することができる;
b.抗原の自己発現は長く持続する免疫化となる;
c.β−アミロイド形成でのEFRHエピトープおよびその高免疫原性の鍵となる役割は全β−アミロイドペプチドを認識する抗−凝集性抗体に導き、β−アミロイド原繊維の使用を代用する。
抗体工学
抗体工学方法は生物学的活性(ウインターら、1994)を維持しながらmAbsのサイズを最少にする(135−900kDa)ために利用された。これらの技術および大きい抗体遺伝子レパートリーを作るためのPCR技術の応用は、一本鎖Fv(scFv)抗体(ホーゲンブームら、1998)の単離と特性化のための可変性ツールを抗体ファージに演じさせる。scFvsはさらなる操作のためファージの表面に表示でき、あるいは可溶性scVs(〜25kd)フラグメントとして放出することができる。
本発明者の実験室は親のIgM分子(フレンケルら、2000a)に似た抗−凝集性を示すscFvを操作した。scFv構築のために、抗−AβPIgM508ハイブリドーマからの抗体遺伝子をクローニングした。分泌した抗体は培養したPC12細胞に毒性効果を妨げる際にAβP分子に対して特異的活性を示した。部位特異的一本鎖Fv抗体は細胞内または細胞外のアプローチを介して脳に治療抗体を標的にする第一段階である。
ここに引用する文献は、そのような文献が適切な従来技術であることを承認するものではなく、本明細書の請求項の特許性を考慮する材料でもない。文献の内容および日付に関する記述は出願時に入手できる情報によるものでありそのような記述の正確性に関して承認するものではない。
本発明はアミロイド前駆体タンパク質(AβPP)のβ−セクレターゼ開裂部位に対する免疫応答を誘発する抗原生成物の免疫有効量を含む免疫組成物を提供する。
本発明はまた、本発明による免疫組成物をそれを必要とする対象/患者に投与することを含むAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対する免疫応答を誘発するための方法を提供する。
本発明によりさらに、AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対する抗体の抗原結合部分からなる分子を提供する。本発明によるこの分子はAβPPのβ−セクレターゼ開裂をブロッキングするための方法に用いられる。
本発明による分子の好適例は一本鎖抗体であり、これは糸状バクテリオファージ表示ビヒクルの表面に示されるとき、本発明によるアミロイドβの生成を阻害する方法に用いられる。
本発明によれば多重抗原ペプチド系(MAPS)のような抗原生成物またはAβPPのβ−セクレターゼ開裂を架橋するAβPPエピトープを表示する糸状のバクテリオファージを含む免疫化組成物、および免疫化組成物を用いAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対する免疫応答を誘発するための方法を提供する。本発明はまたAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対する抗体およびアミロイドβの形成を阻害するための方法におけるそれらの使用法を提供できる。
β−セクレターゼ開裂はAβの遊離N−末端を生成し、したがってアミロイド形成の第一の重大な意味をもつ段階と考えられている。「未知の」効果へと導かれる酵素それ自体を阻害する可能な問題を避けるため、本発明者は、Aβのインヴィヴォ形成を阻害しそしてアルズハイマー病の発現を阻害または妨げるため、AβPPのβ−セクレターゼの開裂部位をブロッキングできる抗−AβPP抗体を生成することによって、AβPPのβ−セクレターゼ開裂をブロッキングする新規なアプローチを開発した。
本発明は、またここでは免疫組成物と呼ばれ、AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対する免疫応答を誘発する免疫有効量の抗原生成物を含むワクチンに関し、そしてこの免疫組成物をAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対する免疫応答を誘発するために用いる方法に関する。AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対する免疫応答を誘発するためのこの方法は本発明による免疫組成物をそれを必要とする対象/患者に投与することを含む。
本発明はさらにその表面に、AβPPのβ−セクレターゼ開裂をブロッキングすることによってAβの形成を阻害するためAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋するAβPPエピトープへの結合できる抗体の少なくとも抗原−結合(免疫学的)部分を、暴露するビールス表示ビヒクルを投与することによって受動的免疫化する方法に関する。この受動的免疫化は、用いられた表示ビヒクルが受給者/患者内に複製できる場合には例外的に長期であることができる。
この明細書と請求の範囲のために、「患者」、「対象」および「受給者」の語は相互に交換して用いられる。それらは予防的、実験的、または治療処置を目的とするヒトおよび他の哺乳類を含む。また、「アミロイドβペプチド」および「βアミロイドペプチド」は「β−アミロイドペプチド」、「βAP」、「βA」、および「Aβ」と同義である。これら語の総てはアミロイド前駆体タンパク質(AβPP)から導いたプラク形成ペプチドに関連する。
ここで用いられるように、「処理」の語は病気の進行を実質的に阻害する、遅くするまたは転換すること、病気の臨床的徴候を実質的に回復させまたは病気の臨床的徴候の出現を実質的に妨げることを含む。
「免疫応答」またはその同義語「免疫学的応答」は、受給者患者のAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋するAβPPエピトープに対し向けられた有利な体液性(抗体媒介)および/または細胞性(抗原特異的T細胞またはそれらの分泌生成物により媒介)応答の発生を意味する。そのような応答は免疫原の投与によって誘発された活動的応答または抗体の投与によって誘発された受動的応答であることができる。細胞質免疫応答はクラスIまたはクラスIIMHC分子と結合してポリペプチドのエピトープの提示によって誘発され、抗原−特異的CD4Tヘルパー細胞および/またはCD8細胞障害性T細胞を活性化する。応答はまた単球、マクロファージ、NK細胞、好塩基球、樹状細胞、アストロサイト、ミクログリア細胞、好酸球または他の生得的な免疫の成分を含む。
ここに用いられるように、「活性免疫」は抗原の投与によって対象に与えられた何らかの免疫を意味する。
ここに用いられるように「受動的免疫」は抗原の投与なしで対象に与えられた何らかの免疫を意味する。従って「受動的免疫」は、受給者にその表面で示された抗体の抗原−結合/免疫部分を含む複製表示ビヒクルの投与を含むが、これに限られない。そのようなビヒクルの複製は活性であるが、免疫応答は受給者の立場から受動的である。
この明細書および請求の範囲のために、「エピトープ」および「抗原決定要因」はBおよび/またはT細胞が応答する抗原の部位を可換的に意味する。B細胞エピトープはタンパク質の三次の折りたたみによって並列された近接アミノ酸または非隣接アミノ酸からの両方を形成できる。近接アミノ酸から形成されたエピトープは代表的には変性溶媒に暴露され、三次の折りたたみによって形成されたエピトープが変性溶媒での処理で一般に失われる。エピトープは一般的に少なくとも3、および通常はそれ以上、少なくとも5または8−10のアミノ酸を独特の空間的コンホメーションに含む。エピトープの空間的コンホメーションを決定する方法は例えば、X線結晶学および2次元核磁気共鳴を含む。参照、例えば、分子生物学での諸方法におけるエピトープマッピングプロトコル、66巻、グレン・イー・モリス著(1996)。同じエピトープを認識する抗体は標的抗原への他の抗体の結合をブロックするため1の抗体の能力を示す簡単なイムノアッセイで同定される。T細胞はCD8細胞に対し約9個のアミノ酸またはCD4細胞に対し約13−15個のアミノ酸の連続エピトープを認識する。エピトープを認識するT細胞はインヴィトロアッセイで同定され、抗原依存増殖を測定し、エピトープへの応答における初回刺激を受けたT細胞(ブルケら、1994)によるHチミジン結合によって、抗原依存死滅(細胞障害性Tリンパ球アッセイ、チゲスら)によってまたはサイトカイン分泌によって決定される。
AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対し免疫応答を誘発するように本発明による免疫組成物に用いられる抗原生成物の好適例は(1)複数のペプチド抗原系(MAPs)に構造的に基づいた抗原、樹状ポリマー系、β−セクレターゼ開裂部位を示す抗原性ペプチドはコア分子から放射する枝に共有結合する、および(2)その表面にAβPPのβ−セクレターゼ開裂を架橋しているAβPPエピトープを表示するウイルス性表示ビヒクルを含む。
樹状ポリマーに構造的に基礎を置く本発明の好適例に用いられる抗原生成物は、通常のポリマーに対するよりは高い濃度の分子容量ユニットに対する官能基に特徴がある。一般に、樹状ポリマーは少なくとも2個の官能基をもつコア分子から発生する2またはそれ以上の同一の枝を基礎とする。そのようなポリマーはデンケワルターらの米国特許第4,289,872号およびトマリアらの複数の米国特許に、米国特許第4,599,400および4,507,466号を含めて記載されている。他のクラスのポリマーはエリックソンの米国特許第4,515,920号に記載されている。それらの構造はコア体幹および複数の枝をもつツリーとして象徴化できるのでポリマーはしばしば樹状ポリマーと呼ばれる。しかし、ツリーとは異なって、樹状ポリマーの枝はすべて実質的に同一である。この樹状系は複数の抗原ペプチド系(MAPS)と呼ばれ、2またはそれ以上の、通常は同一の、少なくとも二機能性の主ユニットからなる樹状コアに共有結合した抗原性分子である。枝での各二機能性ユニットは追加の成長のためのベースを提供する。複数の抗原ペプチド系の樹状コアはリジン分子からなることができ、全抗原に高い免疫原性を与える。例えば、リジンはペプチドボンドを介してそのアミノ基の各々によって2個の追加のリジンに結合する。この第二世代の分子は4個の遊離アミノ基をもち、その各々は追加のリジンに共有結合でき、8個の遊離アミノ基と第三世代の分子を形成する。ペプチドはこれら遊離基の各々に結合し八価の多重ペプチド抗原(MAP;図2)を形成する。プロセスは繰り返し分子の第四またはそれ以上の世代を形成する。各世代では、遊離アミノ基の数は幾何級数的に増加し2で示され、nは世代の数である。あるいは、4個の遊離アミノ基をもつ第二世代の分子を使用して四価のMAP、すなわち、コアに共有結合した4個のペプチドをもつMAPを形成することができる。多くの他の分子、例えばアスパラギン酸およびグルタミン酸を含めその両者が2個のカルボキシル基および1個のアミノ基をもち2の遊離カルボキシル基をもつポリアスパラギン酸またはポリグルタミン酸を生成する分子を用いて、多重抗原ペプチド系の樹状コアを形成することができる。
以下の議論から明らかになるように、本発明の生成物を形成するために用いられるキャリヤまたはコア分子のいくつかは通常ポリマーとし認められないような分子量である。しかし、それらの基本構造は樹状ポリマーに類似しているので、それ自体を記載するには便利である。従って、「樹状ポリマー」の語はときには本発明の生成物を限定するためにここでは用いるだろう。その語は3個ほどの少ないモノマーを含むものと同様にポリマーとみなされるに十分な大きさのキャリヤ分子を含む。
樹状ポリマーの合成を行うための必要な化学は既知であり手に入れ易い。アミノ酸を用いて、反応すべきでない官能基をブロックし次いで官能基が反応すべきであるときにブロッキング基を除去する化学が、詳細に多くの特許や技術文献の論文に記載されてきた。樹状ポリマーと全体マップはメリフィールド合成のように樹脂に生成し次いでポリマーから除去することができる。トマリアはアンモニアまたはエチレンジアミンをコア分子として用いた。この方法では、コア分子はミカエル付加によってアクリレートエステルと反応しエステル基を加水分解によって除去する。得られた第一世代分子は、エチレンジアミンを用いるときアンモニアと4個の遊離カルボキシル基の場合に3個の遊離カルボキシル基を含む。トマリアは樹状ポリマーをエチレンジアミンを用い次いで他のアクリルエステルモノマーによって伸ばし、所望の分子量に達するまで配列を伸ばした。しかし、樹状ポリマーの各枝は選択された方法の任意の数によって長くすることができることは、当業者には容易に明らかとなろう。例えば、各枝は複数の反応によってリジン分子を用いて伸ばすことができる。
エリックソンは古典的マリフィールド技術を用い、実質的に任意の所望の分子量のポリペプチドを固体樹脂支持体から成長させる。この技術は樹状ポリマーの調製のために用いられるので、樹脂支持体にポリマーを結合する結合分子は三機能である。官能基のひとつは樹脂への結合に含まれ、他の二つの官能基はポリマーの成長のための出発点として役立つ。ポリマーは所望の分子量が得られたとき樹脂から除去される。一つの標準開裂法は1時間0℃で液体フッ化水素で処理される。他の、さらに満足な方法では、タムら(1983)によって記載されたようにフッ化水素とジメチルスルフィド(HF:DMF)のコンプレックスを用いることである。この方法は副作用とペプチドのロスを最小限にする。
デンケワルターは彼の方法の1例では、コア分子としてリジンを用いる。コア分子のアミノ基はウレタン基に変換してブロックされる。カルボキシル基はベンズヒドリルアミンと反応してブロックされる。ウレタン基の加水分解は樹状ポリマーの成長に対し出発点として役立つ2個の遊離アミノ基でリジンのベンズヒドリルアミドを生成する。
樹状ポリマーを生成する3つの入手可能な方法のこの簡単な概略は最近の技術の基本を当業者に教えるのに充分でなければならない。また当業者にポリマーの顕著な特徴を教示するだろう。そのうちの最重要なものの一つはポリマーが多数の入手可能な官能基を小さい分子容量で提供する。その結果、抗原をこれら入手可能な官能基に結合することにより少量で高濃度の抗原を得ることができる。さらに、得られた分子生成物は高い割合の抗原を比較的小さいキャリヤを含む、すなわち、抗原対キャリヤの割合が非常に高い。これはワクチンに対し基礎として用いられる従来の生成物と対照的である。これら従来の生成物は多くは大量のキャリヤに少量の抗原からなる。
抗原キャリヤとして樹状ポリマーの他の重要な特徴は正確な構造が知られていることである。組織刺激作用または他の望まない反応を生むそれ自身抗原である汚染物はなく、正確な抗原濃度は既知であり、抗原は組織的にキャリヤ上に分布し、そしてキャリヤは1個以上の抗原に対しベースとして用いられるので、多価ワクチンを製造できる。ワクチンのための基礎としてMAPSの基本的利点は鍵穴リンペットヘモシアニン、テタヌストキソイドおよびウシ血清アルブミンのような天然キャリヤを用いる他の系に似ないものであり、キャリヤとしてMAPSの樹状ポリマーは抗原が既知の濃縮物に分散している完全に限定された化学物質である。さらに、抗原は分子の大部分からなり、天然キャリヤの場合のように、比較的小さい限定されていない割合の分子ではない。
MAPSを用いて、ここでは免疫組成物と呼ばれるワクチンを製造するとき、コア分子はリジンのような天然産アミノ酸が好ましく、その結果、通常の代謝経路に従い身体に分配される。しかし、以降にさらに詳しく述べるように、天然産ではないアミノ酸は、α−アミノ酸ではないものでも、用いることができる。酸、またはコア分子を構築する際に用いられる任意の他の非対称分子はDまたはL形であることができる。
樹状ポリマーは基本的にポリアミドポリマーとして上記したが、この発明のキャリヤが樹状ポリアミドに限定されないことは容易に明らかとなろう。少なくとも2個の入手できる官能基をもつ広範囲の分子のいくつかはコア分子として役立つことができる。プロピレングリコールは、例えば、ポリエステル樹状ポリマーの基礎として役立つことができる。選択されたグリコールまたはアミンと共にコハク酸はコア分子として働きポリエステルまたはポリアミドを生成する。ジイソシアネート類を用いてポリウレタンを生成することができる。重要な点はコア分子が少なくとも2個の入手できる官能基をもち、それらから同一の枝を、少なくとも2個の入手できる機能性またはアンカー基を各枝にももつ追加の分子で経時的タイプの反応により生成することができることである。コア分子が2個の入手できる官能基をもち各継承世代が2個の入手できる官能基をもつ簡単な場合には、抗原分子がアンカーとなる事ができるアンカー部位の数は2で表され、nは世代数である。
樹状ポリマーの化学のさらに完全な議論はトミリアら(1985)、アハロニら(1982)、および次にあげる米国特許第4,289,872号、4,558,120号、4,376,861号、4,568,737号、4,507,466号、4,587,329号、4,515,920号、4,599,400号、4,517,122号、および4,600,535号が参照される。
本発明の免疫組成物に用いられる抗原生成物は、好適例において、同じかまたは異なる抗原性分子に共役結合した複数のアンカー部位を用いて樹状ポリマーベースからなる多重抗原ペプチド系を与える。ポリマーは少なくとも2個の官能基をもつ中央コア分子からなり、官能基にはターミナル官能基をもつ分子枝が共有結合している。枝のターミナル官能基は、ここでペプチド抗原として主として記載される抗原性分子に共有結合する。
選択された抗原は別々に合成されまたはあるいは入手されそしてキャリヤに結合することができる。あるいは、抗原はキャリヤ上に合成される。例えば、抗原がオリゴペプチドまたは比較的低分子量のポリペプチドであり、ポリマー上の入手可能な官能基がアミノ基またはカルボキシル基である場合、抗原は既知のペプチド合成技術を用いるポリマーの各枝を伸ばすことによって合成することができる。
図2A−2Cは本発明の実施に用いられる樹脂上のMAP樹状ポリマーの3例の構造を示す。見られるように、これらは第三世代樹状ポリリジン生成物である。例えば、MAPコアを持つ8本の枝または4本の枝のワング樹脂として、多くの供給者、すなわち、Advanced ChemTech,Inc.Louisville,KYから市販されている、あるいはPamまたはPop樹脂にポリマーを生成することによって従来の固相技術で製造することができる。ミチェルら(1987)およびタムら(1980)参照。ポリマーを次いで好ましくはHF:DMSを用いる樹脂から切断することができる。樹状ポリリジンは、元来樹脂に結合したアラニンリンカーから構築される。グリシンのような他のリンカーを用いることができる。勿論、リンカーを省略し、または複数のリンカー分子を用いることができる。
残基6がMetであるSEQ ID NO:1の残基1−8(図2A)、残基6がLeuであるSEQ ID NO:1の残基1−8(図2B)、または各ターミナルリジン部分の入手できる官能基の各々に直接結合したSEQ ID NO:5(図2C)を図2A−2Cに示す。抗原が比較的短い、例えば6ないし14の残基のペプチドである場合には、グリシン、アラニンまたはベータアラニンの簡単なトリ−またはテトラペプチドのようなリンカーによってポリリジンを伸ばすことが有用である。しかし、14残基以上をもつ抗原性ペプチドに対し、リンカーは通常不要である。
好ましくはターミナル部分に入手できる官能基の各々に結合し、八価のMAPを形成するペプチド抗原は次の通りである。
(MAP)−ISEVKMDA(SEQ ID NO:1の残基1−8、残基6はMetである)は常人のAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋するエピトープを含む;および
(MAP)−ISEVKLDA(SEQ ID NO:1の残基1−8、残基6はLeuである)はADのスウェーデン変異でのAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋するエピトープを含む。
ペプチド抗原は、例えば、MAPコア樹脂である8分枝ワング樹脂、樹脂−β−Ala−Lys−2Lys−4Lys−4Fmoc上で(C−終端からN−終端まで成長する)合成される。8分枝ワング樹脂は供給者から得られ、Advanced ChemTec,Inc.,Louisville,MY(www.peptide.com)、樹木のように分枝した7個のリジンが結合するベータアラニンからなる切断できる部分をもつ。枝の終端は8個のFmoc基全体に対し各2個のEmoc基をもつ4個のリジンである。MAPの合成は供給者の指示、あるいは米国特許5,229,490およびTamら(1989)に開示されたようなペプチド合成の任意の数のプロトコルにしたがって行われる。
本発明の好適例はコア分子としてリジンに生成物を作るように主に応用されるとき、便宜のために記述される。実際、リジンおよびリジン様分子、すなわちオルニチン、ノルリジンおよびアミノアラニンは、比較的入手が容易で、作業しやすく、収率がよいので、本発明の生成物を作るために好ましい分子である。このようなコア分子は次の一般式で表される。
式中のx、yおよびzは0から10までの整数、好ましくは0ないし4であり、少なくともそのうちの一つは1であり、アミノ基は同じ炭素原子に結合することができない。最も好ましい分子は、x、yおよびzの合計が2から6であり、アミノ基は少なくとも2個のメチレン基によって分離される。
他の好ましいコア分子はエチレンジアミンおよび長鎖をもつ様分子、例えばプロピレンジアミンおよびブチレンジアミンを含む。このような分子は次の一般式で表される:
N−CH−(CH−CH−NH
式中のnは0から10までの整数、好ましくは0ないし3であり、勿論アンモニアもまたコア分子として用いることができる。
大多数の病気に対する合成ワクチンの開発は、ワクチンが天然タンパク質に基づく必要がないが、天然タンパク質の低分子量セグメントに基づくことができるという認識のため、大いに促進されてきた。通常免疫原決定因子またはエピトープと呼ばれているこれらのセグメントは、例えば、天然タンパク質抗原の感染性ベクターによる感染に対し保護するであろう抗体の生成を刺激できる。免疫原決定因子はしばしば手軽に合成できる低分子量のペプチドである。それらが合成できない場合は天然タンパク質それ自体から純粋な形で分離することができる。
以下に、これら抗原免疫刺激薬は抗原タンパク質として好ましい。
本発明で用いられる主な具体例は、複数の抗原、例えばAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位のエピトープを含む抗原ペプチドのような複数の抗原が有用な官能基に共有結合する樹状コア分子またはポリマーからなる抗原生成物として広く定義される。抗原またはエピトープは異なるが、好ましくは抗原またはエピトープが同じである。
さらに好ましくは、本発明で用いられる主な具体例は、選択された長さの枝が結合している少なくとも2個の有用な官能基をもつ中心コア分子である樹状ポリマー塩基からなるキャリヤ系または抗原生成物として定義される。分子終端の各枝は少なくとも1個の有用なアンカー官能基で終端し、複数のものは抗原分子に共有結合する。
樹状ポリマーの有用な終端官能基に共有結合した抗原ペプチドは、AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋するエピトープの少なくとも1個のコピーを含む。エピトープの1以上のコピー、例えば2まやは3個のコピーが、抗原ペプチドに存在するとき、2−8のアミノ酸残基、好ましくは2−4の残基のスペーサーがエピトープの複数のコピーを分離する。
本発明で用いられる好適例では、エピトープはISEVKMDAまたはISEVKLDA(SEQ ID NO:1の残基1−8)である。小さい抗原ペプチド、例えば6−12個の残基をもつものに対し、8枝樹状ポリマー(8個の終端官能基)たとえば8枝MAPワング樹脂が好ましい。しかし、さらに大きいペプチドに対し、約20個以上のアミノ酸残基の範囲では、4枝樹状ポリマー、例えば4枝MAPワング樹脂が好ましい。
樹状ポリマーの利点は所望により、2個以上の異なる抗原に対しキャリヤとして働くことができることである。例えば、(MAP)−VKMDAEFRH(SEQ ID NO:5)はAβPPの2個の異なるキイエピトープ、β−セクレターゼMet−Asp開裂部位およびAβのEFRH集合性部位の組み合わせを示す。本発明に用いられる抗原性生成物の1具体例は、樹状ポリリジンまたは異なるアミノブロック基を用いる他の構造的に似ている分子の使用に基づき、その一つは酸加水分解に安定であり、他のものはアルカリ加水分解に安定である。これは直交性保護方法によってリジンのアミノ基のいずれかを保護することを可能にする。
フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)は塩基不安定保護基であり、酸性脱保護に完全に安定である。t−ブトキシカルボニルブロッキング基(Boc)は塩基性状態で安定であるが、50%トリフルオロ酢酸のようなマイルドな酸性状態では安定ではない。Boc−lys(Boc)−OH、Boc−lys(Fmoc)−OH、Fmoc−lys(Boc)−OHまたはFmoc−ys(Fmoc)−OHを選択することによって、一組の抗原をリジンのアルファアミノ基に置き、他のものをオメガアミノ基に置くことができる。ペプチド合成の当業者は多様なブロック基および他の樹状ポリマーを用いる同じタイプの生成物を得る方法を容易に発明することができる。
MAPSの合成に適用できる少数の一般の知見は当業者には助けとなろう:こえらは
1.合成は一般に長いカップリング時間(2−4時間)を要する。
2.ジメチルホルムアミドは一般にメチレンジクロライドよりも安定な溶媒である。
3.ペプチド樹脂は分解が極端に難しいので合成のどの段階でも乾燥すべきではない。
4.カップリングは定量的ニンヒドリン法によりカップリングを完了するため密にモニターすべきである。
5.MAPSはHFまたはTFMSA(タムら、1983および1986)のいずれかの改良された酸脱保護法によって強酸触媒副反応を避けるためジメチルスルフィド中で樹脂から良く開裂される。
6.MAPSは樹脂基体から開裂後に強く凝集する傾向がある。精製は、p−クレゾールおよびチオクレゾールのような開裂反応の望まない芳香族添加剤を除去するように、尿素およびメルカプトエタノール中8Mの透析媒体中で塩基性で強く変性する状態下に大規模な透析によって最良に行われる。さらに精製は、所望により、高速ゲル浸透またはイオン交換クロマトグラフィを用いて行われる。大抵の場合MAPSはさらに精製することなく直接用いられる。
ここに示し議論した構造の多くの変化が可能であることは当業者には明らかであろう。このような変更の全ては特にこの発明の範囲内に含まれる。例えば、米国特許5,229,490参照、その全体の内容をここに参考文献として組み込む。
本発明に用いられる抗原性生成物はその利点の中でアジュバント性を与える親油性膜アンカー部位を含むことができる。MAPのカルボキシル終端での親油性膜−アンカー部分はさらにリポソームまたはミセル形態によってさらに非共有増幅を行うことができる。従って、本発明の免疫化組成物は、抗原性生成物を含み、さらに大きい供給効率、および併用を減らす投薬のために、リポソーム内の封入含み、種々の媒体を用いてさらに調製することができる。リポソームの調製は当該分野では良く知られている。
トリパルミトイル−S−グリセリルシステイン(P3C)およびパルミトイルリジン(PL)は本発明に用いる抗原性生成物に適する親油性部分の非限定例である。P3Cは、エシェリシア・コリからのリポアミノ酸であり、非毒性アジュバントとして特に成功したB細胞分裂促進物質である。参照、米国特許5,5,80,563およびデフォールトら、(1992)、全体の内容をここに参考文献として組み込む。
抗原生成物としてこの発明に用いるMAPsは小さい分子量で高濃度の抗原を提供するので、多くの場合、本発明のワクチン/免疫化組成物を、アジュバントなしで用いることができる。しかし、アジュバントを用いる場合、哺乳類の免疫原系を刺激するように通常用いられるものの任意の中から選択してもよい。
ここで用いられる「アジュバント」の語は、抗原と合わせて投与する場合、抗原への免疫応答を促進するが、単独投与する場合は抗原への免疫応答を生じない化合物を意味する。アジュバントはリンパ球補充、Bおよび/またはT細胞の刺激、およびマクロファージの刺激を含むいくつかの機構によって免疫応答を増大する。
本発明による免疫化組成物に用いられる抗原性生成物としてウイルス性表示ビヒクルは二本鎖DNAウイルス、一本鎖DNAウイルス、RNAウイルス(正または負の鎖)であることができる。好ましくは、表示ビヒクルはfd、f88、f1、およびM13のような糸状のバクテリオファージである。その線状構造により、糸状ファージは異なる種類の膜に対し高い透過性をもち(スコットら、1990)嗅索にしたがい、患部を標的にするように辺縁系を介して海馬に達する。クロロホルムでの糸状ファージの治療は線形構造を円形に変え、脳へのファージの供給を妨げる。
fd糸状ファージが本発明で使用するために特に好ましいファージ配列であるが、全糸状ファージは非常に似ており同じ遺伝子組織をもつことを理解すべきである(モデルら、1988)。従って、本発明の基本は任意の糸状のファージ、例えばM13、f1その他に応用出来る。
好ましくは、表示ビヒクルはレシピエントにおいて増殖することができる。従って、例えば、バクテリオファージ表示ビヒクルは細菌叢、例えばレシピエントの身体に住むエシェリシア・コリで増殖することができる。あるいは、表示ビヒクルはインヴィヴォ非増殖粒子であることができる。自然の腸内細菌叢(デルマストロら、1997;ウイリスら、1993;およびポウルら、1999)の潜在的感染に関するものが表示されているが、ファージのUV失活は感染性対応物と同じ免疫原であることを示した。失活ファージの使用は、宿主細胞での続く発現のためファージ符号化導入遺伝子の核内への組込みを防ぐことができ、これは重要な実際的な考慮である。従って、変わりの好適例にしたがい、本発明で用いる表示ビヒクルは複製または非複製のいずれかであることができる。
ファージまたはウイルス表示はファージまたはウイルス被膜タンパク質を用いて融合タンパク質としてcDNAクローンを発現することを含む。符号化抗原を発現するためcDNAが選択された場合、そのときはファージまたはウイルスは抗原表示ビヒクルとして用いられ、レシピエント内に任意に複製することができる。
ファージまたはウイルスによって表示された抗原は抗原精製なしで、直接ワクチン化に用いられる。この場合、被覆タンパク質の大部分は、ワクチン化した対象に関して「非自己」であるから、一般の免疫応答を刺激するために役立つ。抗原被覆タンパク質融合は表示したcDNA遺伝子生成物内のエピトープに対して特異的抗体を導き出す。
本発明による免疫化組成物に用いる抗原性生成物の好適例によれば、表示ビヒクルは、レシピエントにその1010ユニットの3回投薬の導入に続いて30日以内、ELISAによって決定されるとき、レシピエント中の抗体の力価は1:50,000以上であるように選択される。
本発明のワクチン/免疫化組成物は製薬学的に受容できる免疫応答を行うに十分な本発明の抗原生成物と共に、キャリヤ、賦形剤、アジュバント、または補助剤からなるように定められる。有効量は非常に小さい。知られているように、抗原と共に変化する。この発明のMAPS抗原性生成物を用いて、低分子量での抗原の高濃度のため、同じ抗原を用いる通常のワクチンを用いるよりは低い。有効量を構成する量はワクチンが最初の処理としてまたはブースター処理として意図するかどうかにより変わる。
この発明の生成物を使用直前に製薬学的に受容できるキャリヤを用いて再構成する用意のできた凍結乾燥したまたはフリーズドライした粉末として提供することが便利である。
予防応用には、本発明の免疫組成物は、生化学的、病理組織およびまたは行動性の病気の症状を含め、病気の発症に十分な量で、その合併症および病気の発現中に示す中間の病理学的表現型に影響されやすいか、さもなければアルツハイマー病の危険にある対象/患者に投与する。アルツハイマー病の既知の遺伝的なリスクをもつ各人はこの病気の経験がありそのリスクが遺伝的または生化学的マーカーの分析により決定される関連性をもつものを含む。アルツハイマー病のリスクの遺伝的マーカーはAPP遺伝子での突然変異、特に位置717および位置670および671での突然変異を含み、ハーデイおよびスウェディッシュ突然変異をそれぞれ含む。治療応用には、本発明の免疫組成物は、アルツハイマー病の発現においてその合併症および中間の病理学的表現型を含め、(生化学的、病理組織および/または行動性の)アルツハイマー病の症状を少なくとも一部抑えるに十分な量でアルツハイマー病の疑いがあるかまたは既に罹っている患者に投与される。AβPPのβ−セクレターゼ開裂を止めてAβの形成を阻止するに十分な量を有効投与量として定義する。AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対する免疫応答を誘発する方法では、本発明の免疫化組成物は十分な免疫応答が達成されるまで数回通常投与される。一般には、免疫応答はモニターされ免疫応答が弱まり始める場合に繰り返し投与される。
AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対する免疫応答を誘発するための本発明の免疫化組成物の有効投与量は、投与手段、標的部位、患者の生理的状態、患者がヒトか動物か、投与された他の薬物、および処置が予防か治療かを含む多くの異なる因子によって変わる。通常、患者はヒトであるが、遺伝形質を転換した哺乳類を含む人でない哺乳類も処置することができる。治療投薬は安全で効力を最適にするため滴定する必要がある。抗原の量はアジュバントも投与されるかどうかに依存し、アジュバントの不在でさらに高い投薬がさらに必要とされるらしい。一人あたりの患者につき1−500μgおよびさらに通常は一回の注入で5−500μgをヒトの投与に用いられる。場合により1注射につき1−2mgの多投与量が用いられる。代表的には約10、20、50または100μgは各ヒトの注射に用いられる。抗原のマスはまた全体として抗原のマスに免疫原内の免疫原エピトープのマスに依存する。注入のタイミングは1日1度から1年に1回まで有意義に変わることができる。抗原の投与量が与えられる任意所定の日に、投薬は患者1人につき1μg以上であり、アジュバントを投与する場合は通常患者1人につき10μg以上であり、アジュバントがないときは患者1人につき10−100μg以上である。代表的な処置は免疫注射つづいて例えば6週間の間隔でブースター注入からなる。他の処置は免疫注射つづいて1,2および12ヶ月後のブースター注入からなる。他の処置は死ぬまで2ヶ月ごとに必要とする。あるいは、ブースター注入を免疫応答のモニターによって示されるように不規則な基準にあることができる。
免疫応答を誘発/顕在化するための本発明の免疫化組成物は予防および/または治療上の処理のための非経口、局所、静脈内、経口、皮下注射、動脈内、頭蓋内、腹膜内、鼻腔内または筋肉内手段によって投与される。他のルートが等しく効果があるが、免疫原剤の投与のもっとも代表的ルートは皮下注射である。次のもっとも一般的ルートは筋肉内注射である。このタイプの注射は腕または脚の筋肉で最も代表的に行われる。
本発明の免疫化組成物は時にはアジュバントと組合せて投与される。種々のアジュバントは本発明の抗原生成物と組み合わせて用いられ、免疫応答を顕在化する。好ましいアジュバントは免疫原への固有の応答を増加し、応答の質的形態に影響する免疫原に構造変化を起こさない。好ましいアジュバントは水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウム、3デ−O−アシル化モノホスホリルリピドA(MPL(登録商標))を含む(参照GB2220211、RIBI イムノケム・リサーチ社、ハミルトン、モンタナ、コリキサ)。Stimulton(登録商標)QS−21は南アフリカで発見されたキラヤ・サポナリア・モリナーの樹皮から単離されたトリテルペングリコシドまたはサポニンである(参照、ケンシルら、1995);US特許第5、057、540(アキラ・バイオファーマスーチカルス、フラミンガム、MA)。他のアジュバントは水エマルジョン油(例えばスクアレンまたはピーナツ油)であり、任意にモノホスホリルリピドAのような免疫刺激剤と組合せる(参照、スタウトら、1997)。別のアジュバントはCpG(WO98/40100)である。或いは、抗原生成物はアジュバントに結合できる。しかし、そのようなカップリングはそれへの免疫応答の性質に影響するようにエピトープのコンフォメーションを実質的に変えるべきではない。アジュバントは、アジュバントの投与前、同時、または後に、別別に投与された本発明の抗原生成物を用いて免疫化組成物の成分として投与される。
好ましいクラスのアジュバントはアルミニウム塩(alum)、例えば水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムである。このようなアジュバントはMPLまたは3−DMP、QS−21、ポリグルタミン酸またはポリリジンのようなポリマーまたはモノマーアミノ酸のような他の特殊な免疫刺激剤を用いてまたは用いずに使用することができる。アジュバントの別のクラスは油−イン−水エマルジョン処方である。このようなアジュバントはムラミルペプチド(例えば、N−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(nor−MDP)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタルニニル−L−アラニン−2−(1’−2’ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(MTP−PE)、N−アセチルグルクサミニル−N−アセチルムラミル−L−Al−D−イソグル−L−Ala−ジパルミトキシプロピルアミド(DTP−DPP)テルアミド(登録商標))、または他のバクテリア細胞壁成分を用いてまたは用いずに使用することができる。油−イン−水エマルジョンは(a)MF59(WO90/14837)、これは5%スクワレン、0.5%トゥイーン80および0.5%スパン85(種々の量のMTP−PEを任意に含む)を含み、モデル110Yミクロ流動機(ミクロフルイデクス、ニュートンMA)のようなミクロフルイダイザーを用いるサブミクロン粒子に処方する。
(b)SAF、10%スクアレン、0.4%トゥイーン80、5%プルロニックブロックポリマーL121、およびthr−MDPを含み、サブミクロンエマルジョンにミクロ流動化するかまたは大粒子の大きさのエマルジョンを生成するようにボルテックスする、そして(c)Ribi(登録商標)アジュバントシステム(RAS)(Ribi ImmunoChem, Hamilton, MT)2%スクアレン、0.2%トゥイーン80、および5モノホスホリルリピドA(MPL)、チエハロースジマイコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)、好ましくはMPL+CWS(Detox(登録商標)からなる1以上のバクテリア細胞壁成分を含有。好ましいアジュバントの他のクラスはサポニンアジュバント、例えばStimulon(登録商標)(QS−21、アキラ、フラミンガム、MA)またはそこから生成した粒子、例えばISCOMs(免疫刺激複合体)およびISCOMATRIXである。他のアジュバントは完全フロインドアジュバント(CFA)、不完全フロインドアジュバント(IFA)およびサイトカイン、例えばインターロイキン(IL−1、IL−2、およびIL−12)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)を含む。
アジュバントは単一組成物のような免疫原を用いて投与され、または免疫原の投与前、投与時または投与後に投与される。免疫原およびアジュバントは同じバイアルに包装供給されるか、または別々のバイアルに包装され使用前に混合される。免疫原およびアジュバントは一般に意図する用途を示すラベルで包装される。免疫原およびアジュバントが別々に包装される場合、包装は一般に使用前に混合するための指示を含む。アジュバントおよび/またはキャリヤの選択はアジュバント含有の免疫原製剤の安定性、投与経路、投与スケジュール、ワクチン化された種のためのアジュバントの効力に依存し、そしてヒトでは、製薬学的に受容できるアジュバントは適切な調節体によってヒト投与がよいと考えられたまたは是認されるものである。例えば、完全フロインドアジュバントはヒトの投与には適さない。Alum、MPLおよびQS−21が好ましい。任意に、2以上の異なるアジュバントを同時に用いることができる。好ましい組み合わせはAlumとMPL、AlumとQS−21、MPLとQS−21、およびAlumとQS−21とMPLを含む。また、不完全フロインドアジュバントは、任意にQS−2、およびWPLおよびそれらの全ての組合せを用いることができる(チャンら、1998)。
本発明の抗原性の生成物はしばしば活性剤、すなわち、抗原性生成物、および種々の他の製薬学的に許容される成分からなる製薬学的組成物として投与される。レミントンのファーマスーチカル・サイエンス(15版、マック出版社、イーストン、ペンシルベニア、1980)参照。好ましい形態は投与および治療の応用の意図する形に依存する。組成物はまた、望まれる処方によって、製薬学的に受容できる無毒のキャリヤまたは希釈剤も含むことができ、これらは動物またはヒトの投与のための製薬組成物を処方するために一般に用いられるビヒクルとして定義される。希釈剤は組合せの生物学的活性に影響を与えないように選択される。このような希釈剤の例は蒸留水、生理的リン酸緩衝食塩水、リンガーの溶液、デキストロース溶液、およびハンクの溶液である。さらに、製薬学的組成物または製剤はまた他のキャリヤ、アジュバント、補助剤、無毒の非免疫原安定剤等を含む。
製薬学的組成物はまた大きい徐々に代謝するマクロ分子、例えばタンパク質、多糖体、例えばキトサン、ポリ乳酸、ポリグルコール酸およびコポリマー(例えばラテックス機能化セファロース(登録商標)アガロース、セルロース等)、重合体アミノ酸、アミノ酸コポリマー、およびリピド凝集体(例えば油滴またはリポソーム)を含む。さらに、これらのキャリヤは免疫刺激剤(すなわち、アジュバント)として働くことができる。
非経口的投与のために、本発明の抗原生成物は水油、生理食塩水、グリセロール、またはエタノールのような無菌液である製薬学的キャリヤを用いて生理学的に受容できる希釈剤中に溶解した物質の溶液または懸濁液の注射用投薬量として投与できる。さらに、補助物質、例えば湿性または乳化剤、界面活性剤、pH緩衝物質等が組合せ中に存在させる。製薬学的組成物の他の成分は石油、動物、植物、または合成の起源、例えば、ピーナツ油、大豆油、および鉱物油のものである。一般に、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールのようなグリコールは液体キャリヤ、特に注射用溶液が好ましい。
一般に、組成物は液体溶液または懸濁液として注射可能に調製される;注射前に液体ビヒクル中、溶液または懸濁液に適した固体の形態を調製できる。調製はまた上記のように(ランガー、1990およびハンス、1997参照)リポソームまたはミクロ粒子、例えばアジュバント効果を高めるためのポリラクチド、ポリグリコリド、またはコポリマーに、懸濁しまたは封入することができる。
治療に従う患者はアルツハイマー病のリスクがあるが症状を示していない各人、ならびに現在症状を示している患者を含む。実質的には誰もが十分長く生きていればアルツハイマー病に罹るリスクがある。従って、本抗原性生成物は一般の住民に予防的に投与することができ、対象の患者のリスクの評価の必要がない。本方法はアルツハイマー病の既知の発生学的リスクをもつ各人に特に有効である。そのような各人はこの病気の経験がある親類がいる者、およびリスクが遺伝子または生化学のマーカーの分析により決定されるものを含む。アルツハイマー病へのリスクの遺伝子マーカーはAPP遺伝子での突然変異体、特にハーデイおよびスウェーデン家族AD突然変異体と呼ばれる位置717および位置670および671での突然変異体を含む。他のリスクのマーカーはプレセニリン遺伝子、PS1およびPS2、およびApoE4、ADの家族歴、高コレステロール血症またはアテローム性動脈硬化症での突然変異体である。現在アルツハイマー病に罹っている各人は特徴のある痴呆、ならびに上記のリスク因子の存在から認識される。さらに、多くの診断テストはADをもつ各人を同定するために入手される。これらはCSFtauおよびAβ42レベルの測定を含む。高くなったtauおよび減少したAβ42レベルはADの存在を示す。アルツハイマー病に罹った各人はADRDA基準によって診断することができる。
無症候性患者では、治療は任意の年齢(例えば、10、20、30)で開始できる。しかしながら通常、患者が40、50、60または70になるまで治療を始める必要はない。代表的には治療は期間の間中、複数の投与を必要とする。治療は抗体、または時間外の本発明の抗原性応答へのB−細胞応答をアッセイしてモニターすることができる。応答が下がる場合、ブースター投薬が示される。潜在的なダウン症候群患者の場合には、母親または誕生直後に治療剤を投与して出産前に治療を開始できる。
また本発明はアルツハイマー病に罹ったまたは罹り易い患者においてAβPPのβ−セクレターゼに対する免疫応答を検出する方法を提供する。本方法は患者に投与される治療コースをモニターするために特に有用である。本方法を用いて免疫原の投与に応答して生成される抗体をモニターして徴候的な患者の治療処置および無症候性患者の予防的処置の両方をモニターすることができる。
抗原性生成物の投薬をする前に患者における免疫応答のベースラインの値を決定し、そしてこれを治療後の免疫応答の値と比較するいくつかの方法が必要である。かなりの増加(すなわち、同じサンプルを繰り返し測定する際に実験エラーの代表的な限度よりも大きく、そのような測定手段からひとつの標準偏差として示される)が免疫応答の値では正の治療結果を表示する(すなわち、薬剤の投与は免疫応答を達成するかまたは増加する)。免疫応答に対する値が有意に変化しないか、または減少するならば、負の治療結果が示される。一般に、免疫原性剤を用いた初期過程の治療を受ける患者は継続的な投与で免疫応答の増加、これは結局安定状態になる、を示すことが期待される。薬剤の投与は一般に免疫応答が増加する間は継続される。安定状態になることは免疫原の投与が中止できるかまたは投与量または回数を減らすことができるインジケーターである。
他の方法では、免疫応答のコントロール値(すなわち、平均および標準偏差値)がコントロール母集団に対して決定される。代表的にはコントロール母集団における各人は前の治療を受けていない。次いで抗原性生成物を投与後に患者の免疫応答の測定値をコントロール値と比較する。コントロール値に対してかなりの増加(例えば、平均から標準偏差の1以上)が正の治療結果を表示する。かなりの増加または減少の不足は負の治療結果を表示する。薬剤の投与は一般に、免疫応答がコントロール値に比例して増加する間、継続する。前と同じく、コントロール値に関して安定状態になることは治療の投薬が投与量または回数の停止または減少できることの指標である。
他の方法では、免疫応答のコントロール値(例えば、平均および標準偏差値)が、抗原性生成物で治療を受けその免疫応答が治療に答えて安定状態になった各人のコントロール母集団から決定される。患者の免疫応答の測定値はコントロール値と比較される。患者の測定レベルがコントロール値とかなり異なる(例えば、標準偏差の1以上)ならば、治療を中止することができる。患者のレベルがコントロール値よりもかなり低いならば、薬剤の投与の継続は保証される。患者のレベルがコントロール値以下を持続するならば、そのときは治療の養生法を変えて、例えば、異なるアジュバントを使用しても良い。
他の方法では、現在は治療を受けていないが、以前に治療過程を受けていた患者は、免疫応答に対しモニターして治療の再開が必要かどうか決定される。患者の免疫応答の測定値は、先の治療過程の後に患者が得た免疫応答の先の値と比較刷ることができる。先の測定と比べてかなりの減少(同じサンプルを繰り返し測定してエラーが代表的な限度よりも大きい)が治療を再開できる指標である。あるいは、患者で測定した値を、治療の過程を受けた後に患者の母集団で決定されたコントロール値(平均プラス標準偏差値)と比較することができる。あるいは、患者で測定した値を、病気の徴候がない予防的に治療した患者の母集団、または病気特性の回復を示す製薬学的に治療した母集団におけるコントロール値と比較することができる。これらのすべての場合に、コントロールレベルに関してかなりの減少(すなわち、標準偏差値以上)が治療を患者に再開しなければならないい指標である。
分析のための組織サンプルは代表的には患者からの血液、血漿、血清、粘液または脳脊髄液である。サンプルは抗原性生成物への免疫応答の指標のために分析される。免疫応答はAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位、すなわちELISAに特異的に結合する抗体の存在から決定することができる。
本発明のさらなる見方は本発明による免疫化組成物での抗原性生成物上で運ばれるようなAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋するAβPPエピトープに対し高められた抗体のために、そしてそのような抗体の抗原−結合部位を含む分子のために提供する。
「抗体」の語は本発明の抗体の具体化に関して用いられるとき、無傷の抗体、例えばポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体(mAbs)、ならびにそのタンパク質分解性フラグメント、例えばFabまたはF(ab’)2フラグメントを含む。さらに、抗体の可変領域を符号化するDNAを他の抗体に挿入しキメラ抗体を生成し(参照、例えば、米国特許4,816,567)またはT細胞受容体に挿入し同じ広い特異性をもつT細胞を生成することができる(参照エシャーら、1990およびグロッスら、1989)。また一本鎖抗体を生成し用いることができる。一本鎖抗体は抗原結合能力をもち、免疫グロブリン軽重鎖(VH−VLまたは一本鎖FVに結合)の可変領域に相同的または類似のアミノ酸配列の一対からなる一本鎖複合体ポリペプチドであることができる。VHおよびVL共に天然のモノクローナル抗体配列をコピーしまたは1または両方の鎖が米国特許5,091,513(その全体をここに参考文献として組み込む)に記載されたタイプのCDR−FR構成からなることができる。軽鎖および重鎖の可変領域に類似の別々のポリペプチドをポリペプチドリンカーによって共に保持する。特にVHおよびVL鎖のポリペプチド構造を符号化するDNAが知られている、このような一本鎖抗体の製造法は、米国特許4,946,778、5,091,513および5,096,815に記載された方法にしたがい行うことができる、これら特許は各その全体をここに参考文献として組み込む。
特異的に分子と反応し分子を抗体に結合することができるならば、抗体は分子を「結合できる」と言う。「エピトープ」の語は、抗体によって結合されることができる任意の分子の位置に言及することを意味し、その抗体によっても認識することができる。エピトープまたは「抗原性決定因子」はアミノ酸または糖側鎖のような分子の通常化学的に活性な表面グループからなり、特別な3次元構造の特性ならびに特異的チャージ特性をもつ。
ポリクローナル抗体は抗原で免疫化した動物の血清から引き出された抗体分子の不均一母集団である。
モノクローナル抗体(MAbs)は特異的抗原に対し抗体の実質的に同種の母集団である。MAbsは当業者に知られた方法で得られる。参照、例えばコーラーら、(1975);米国特許4,376,110;ハーロウら、(1988);およびコリガンら、(2001)、これらの全体の内容を参考文献としてここに組み込む。このような抗体はIgG、IgM、IgE、IgA、およびその任意のサブクラスを含む任意のイムノグロブリンクラスの任意のものであることができる。この発明のmAbsを生成するハイブリドーマはインヴィトロまたはインヴィヴォで培養できる。mAbsの高力価はインヴィヴォ生成で得られ、各ハイブリドーマからの細胞はプリスタン初回刺激Balb/cマウスに腹腔内に注入されて高濃度の所望のmAbsを含む腹水液を生成する。アイソタイプIgMまたはIgGのMAbsはそのような腹水液から、または培養上澄液から、当該技術分野で良く知られたカラムクロマトグラフィを用いて精製することができる。
キメラ抗体は分子であり、その異なる位置は、マウスのmAbおよびヒトイムノグロブリン一定領域から誘導された可変領域を持っているような、異なる動物種から誘導される。キメラ抗体は適用中に免疫原性を減らし、収率を増加するように主として用いられ、例えばマウスmAbsはハイブリドーマからの収率が高いが、ヒトでの免疫原性は高く、ヒト/マウスキメラまたはヒト化のmAbsが用いられる。キメラおよびヒト化抗体およびそれらの製造法は当該分野では良く知られている、例えばカビリイら(1984)、モリソンら(1984)、ブリアンら(1984)、カビリイら、欧州特許0125023(1984)、ニューバーガーら(1985)、タニグチら、欧州特許0171496(1985)、モリソンら、欧州特許0173494(1986)、ニューバーガーら、WO8601533(1986)、クドオら、欧州特許0184187(1986)、サハガンら(1986);ロビンソンら、WO9702671(1987)、リウら(1987)、サンら(1987)、ベターら(1988)、およびハーロウら(1988)。これら文献はここに参考文献として組み込まれる。
「抗体の抗原結合部位を含む分子」は、任意のアイソタイプおよび任意の動物細胞ラインまたは微生物によって産生した、または例えば組替え抗体を構築するためのファージ表示技術によってインヴィトロで産生した、任意のアイソタイプの無傷のイムノグロブリン分子だけではなく、その抗原結合反応性フラクションを含み、これらに限られないが、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)フラグメント、その重鎖および/または軽鎖の可変部分、およびこのような反応フラクションを組み込むキメラまたは一本鎖抗体、またはこのような反応性フラクションを含む分子の部分によって治療部分に届けるために開発された分子を含む。このような分子は任意の既知の技術によって提供され、これらに限られないが、酵素開裂、ペプチド合成または組替え技術を含む。
証拠の増加体は中心嗅覚経路における嗅覚欠乏および退行性変化が初期にADの臨床過程で影響を受けることを示している。さらに、ADに含まれる解剖パターンは嗅覚経路がAD発現の初期段階であることができることを示唆している。
嗅覚受容体ニューロンは鼻腔の上皮性ライニングにある二極細胞である。それらの軸索は篩状のプレートを横切り脳の嗅覚球における嗅覚路の最初のシナプスに突出する。鼻上皮からの嗅覚ニューロンの軸索は1000個のミエリン欠如の繊維の束を形成する。この配置はウイルスまたは他の輸送物質がBBBを横切るCNSへアクセスすることができるハイウェイを作る。
ADの初期段階では、BBBはCNSへ末梢において循環する抗体の侵入を制限することができる。対照的に、AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋するエピトープに対し向けられた抗体の抗原結合部位をもつ一本鎖抗体または分子は、その抗体または分子はファージ表面に示されており、鼻腔内投与によってCNSへ直接供給されるばかりか、患者のAβによる嗅覚の永久損傷を防ぐための可能性を有する。先に示したように、鼻腔内投与は(マチソンら、1998;チョウら、1997およびドラギアら、1995)ウイルスと巨大分子をCSFおよびCNSに直接入れることができる。
脳へのアデノウイルスベクターへの供給地点として嗅覚受容体ニューロンを用いることが文献に報告されている。この方法はうわさでは明らかな毒性がなく12日間脳内にレポーター遺伝子を発現させる(ドラギアら、1995)。
従って、本発明による受動的な免疫化のための方法にしたがい、AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位をブロックできる抗体の免疫学的抗原結合部位を示すビヒクルをこの経路を経て脳に供給する。
Aβは特異的ニューロンの母集団において局在化した毒の影響を導く血液脳関門を横断する周辺組織での細胞によって連続生成されるので、そのようなビヒクルの鼻腔内投与もまたプラークを形成するために入手可能な周辺Aβの量を最少化することにより病気の進行を防ぐことができる。
抗体ファージまたはウイルス表示は、例えば、ファージまたはウイルスコートタンパク質へ抗体可変領域のコード配列を融合することによって行われる。このために、抗体生成細胞から単離した可変(V)領域(VおよびV)mRNA、ランダムに集めた重鎖および軽鎖をcDNAに逆転写し一本鎖Fv(scFv)を符号化する。これらのカセットはファージまたはウイルス表面に発現または表示するためファージミドのような適当なベクターに直接クローニングする。抗体遺伝子型と表現型との間のこの結合は、固定化または標識化した抗原を用いて、抗原特異的ファージまたはウイルス抗体を濃縮することができる。関連する抗体を表示するファージまたはウイルスは抗原で被覆した表面に保持されるが、非粘着性のファージまたはウイルスは洗い流される。結局は結合分析のため、結合したファージまたはウイルスは表面から回収され、適当な宿主細胞に再感染され、そしてさらに濃縮するため再成長することができる。
抗体ファージまたはウイルス表示の成功はこの表示と濃縮法の組合せを基に決まる。ファージまたはウイルス抗体遺伝子は配列決定し、突然変異しスクリーニングして抗原結合を改良することができる。
抗原に対するその特異性および親和性を変えるような抗体分子の種々の領域をコードする遺伝子を再配列することが可能である。抗体はファージまたはウイルスの表面にさらに操作するために維持しまたは可溶性scFv(〜25kDa)フラグメントとして放出される。
1990年代の初期のその発明以来、抗体ファージ表示はモノクローナル抗体の産生およびその操作を根本から変えた。これは、ファージ表示が抗体にインヴィトロで完全に作られることを可能にし、免疫系と免疫法をバイパスし、抗体の親和性と特異性のインヴィトロ調整を可能にするからである。従って、最も有効な新ワクチン開発戦略はこの技術を用いる。
さらなる特徴はベクターに追加され、その安全性を確保しおよび/またはその治療効力を高める。そのような特徴は、例えば、抗菌性感受性のような組替えウイルスで感染した細胞に対して否定的に選択するように用いられる。したがって負の選択は抗菌性の追加によって誘発性の自殺を与えるので感染を抑制することができる手段である。そのような保護は、例えば、ウイルスベクターまたは組替え配列の変化した形態を生じる突然変異が起きるならば、細胞形質転換は起こらないことを保証する。発現が特定細胞タイプに限られる特徴も含まれる。そのような特徴は、例えば、所望の細胞タイプに特異的な調節性要素およびプロンプターを含む。
多くの場合に、宿主防御機構を回避することを引き出した非常に特定化した感染性薬剤がウイルスである。代表的には、ウイルスは特定の細胞タイプで感染し伝播する。ウイルスベクターの標的となる特異性はその自然の特異性を用いて、予め決められた細胞タイプを特異的に標的として感染した細胞に組替え遺伝子を導入する。
抗体の直接の脳への配達は脳への輸送体として嗅覚ニューロンを用いることによってBBBを経て克服する。嗅覚上皮では、主要な嗅覚ニューロンの樹状突起は鼻ルーメンと接触し、軸索を経て、これらのニューロンも脳の嗅球に結合する。嗅覚上皮と接触するファージは一次嗅覚ニューロンに取り出され嗅球に輸送され、そしてさらに脳の他の領域にも輸送される。
本発明のさらなる面は、製薬学的に受容できるキャリヤ、賦形剤、希釈剤、または補助剤、およびAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋するエピトープに対し向けられた一本鎖抗体をその表面に示すウイルス表示ビヒクルを含む製薬組成物を提供する。
一般的に本発明を記載したが、同じものは実例として次の実施例を参照してさらに容易に理解されるが本発明を制限するものではない。
物質と結果
免疫化
3群のBalb/cマウスを3種にMAP(8分枝)共役ペプチドを注入した:
ISEVKMDA(SEQ ID NO:1の残基1−8、残基6はMetである)、VKMDAEFRH(SEQ ID NO:5)およびISEVKLDA(SEQ ID NO:1の残基1−8、残基6はLeuである)。ストック溶液(2mg/ml)は次のように調製した:1000μlの2回蒸留した水(DDW)、665μlのフロイントアジュバント(最初の注入の完全フロイントアジュバントおよび次の注入の不完全フロイントアジュバント)および335μlのペプチドストック溶液。300μlのワクチン溶液(免疫化組成物)を各マウスに最初の注入後2週間毎に注入した。MAP−ISEVKLDAに対して生じた最高の免疫応答は図3に示す。
IgG力価数量化のためのELISA法
96−穴ELISAプレートを50μl/穴ペプチドストック溶液でコーティングバッファー(0.1M NaCO,pH9.6)に1:500に希釈してコーティングし、終夜4℃でインキュベーションした。プレートを2xPBS(0.05%TWEEN)および2xPBSで洗浄し3%ミルク/PBS180μl/穴でブロックし、1.5時間37℃でインキュベーションした。1%ミルク/PBS50μl/穴の血清希釈液を1時間37℃でインキュベーションし、次いで1時間37℃でインキュベーションした1%ミルク/PBSに1:5000に希釈して共役した50μl/穴α−マウス−IgG(H+L)HRPで再度洗浄した。さらにPBS(0.05%TWEEN)で洗浄し、最後にPBSで洗浄した。50μg/穴の15mlの0.05Mクエン酸緩衝液と30mgのOPDおよび5μlの30%Hを用いて反応を行った。反応時間は5−10分で次いで25μl/穴の4M
HClを添加して反応を停止した。
細胞ライン
細胞培養−チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を10%ウシ胎児血清(FCS)および2.5mM L−グルタミンを含むダルベッコの修飾エーグル培地(F−12)で成長させた。野生タイプAβPPを発現する安定にトランスフェクションしたCHO細胞ラインはリポフェクチン介在トランスフェクション(ライフテクノロジー社、ガイサースバーグ、MD)を用いる発現ベクターpCMV751で発生しG418耐性によって選択した。6穴プレートに次に各トランスフェクションした細胞ラインからの2.5×10ないし4×10細胞を播種した。終夜培養後、血清を含まない媒体を各穴に添加し次に細胞をAβPP血清の抗−β−セクレターゼ開裂部位の溶液とコントロールとして非注射のマウス血清で培養し、次いで48時間培養した。培地を各穴から集めてELISAにかけた。
2部位−サンドウイッチAβELISA
2部位−サンドウイッチELISAを用いて上記血清処理および未処理の細胞からのAβ生成と分泌を測定した。モノクローナル抗−Aβ抗体266を捕獲抗体として用いた。96穴プレートを266(0.1μg/穴)と0.1M炭酸塩緩衝液(0.1M
Na2CO3、pH9.6)で被覆し、終夜4℃で培養した。プレートを2×PBSt(0.05% TWEEN)および2×PBSで洗浄し、続いて180μl/穴3%BSA/PBSでブロックし、2.5時間37℃で培養し、上記のように洗浄した。全Aβに対しビオチニル化モノクローナル抗−Aβ抗体6C6(125ng/穴)およびAβ1−42特異的に対しビオチニル化モノクローナル抗Aβ1−42抗体8G7(25ng/穴)を、両方とも1%BSA/PBS中で、検出に用いた。プレートを洗浄しアヴィジン−共役アルカリ性ホスファターゼ(シグマ、セントルイス、MO)(1μg/穴)を2時間室温で添加し、次いで3×PBSt(0.05%TWEEN)および4×PBSで洗浄した。基質P−ニトロフェニルホスフェート(PnPP;シグマ)をレポーター系として用いた。50μl/穴(15ml)のジエタノールアミン緩衝液と30mgのPnPPで反応させた。PnPPフルオレセンスは405nmの波長で試験した。標準曲線をつくるためAβ標準(1−28)およびAβ標準(1−42)を、血清を含まない媒体または抽出緩衝液中でプロテアーゼインヒビターと1%BSAの存在で調製した(図4)。図4はELISAによって測定するときの成長媒体に対する全アミロイドベータペプチド(Aβ)分泌の阻害を示す。
細胞内Aβの数量化(1−42)
CHO細胞はそれらの成長媒体中で細胞スクレーパーを用いて各穴から収集した。収集した媒体は3000gで2分間遠心分離し、数集した細胞はPBSで洗浄し2回遠心分離した。細胞は100μlの70%ギ酸に懸濁し、10秒間プローブソニケーターを用いて超音波処理した。溶液を100,000gで20分間4℃で遠心分離し不溶物を除去した;上澄み液を1.9mlの1M TRISで中和した。この溶液のサンプルをHOで1:3に希釈し、上述のように、300μlのそれをELISAのために添加した。5日だけ培養した後、ELISAで測定すると、Aβ(1−42)蓄積のかなりの阻害が見られた(図5)。
細胞へのBACE(β−セクレターゼ)とのAβPP−血清抗体コンプレックスの共存のための共焦点顕微鏡
AβPP751を過剰発現するCHO細胞を24時間6穴プレートで成長させて、3×PBSで洗浄し、4%(PBS中)パラホロムアルデヒドで30分間室温で固定した。細胞を上記のように洗浄し5分間1%BSA/PBS中0.3%TRITON−100を添加して透過させ、0.5%3×(BSA/PBS)で洗浄した。2時間ラビット血清1:150で非特異的結合をして上記のように洗浄した。1:2000の希釈で、AβPP血清またはα−BACE1(βセクレターゼ酵素自体に対し産生させた、カルビオケム、サンジエゴ、CA)の抗−βセクレターゼ開裂部位を添加し、次いで2時間培養し、上記のように洗浄し、次のように二次抗体にさらした。AβPP血清の抗−βセクレターゼ部位に対するα−マウス−Cy3および/またはα−BACE1に対するα−ラビット−FITC。図6において、AβPP抗体およびBACE抗体の抗−βセクレターゼ開裂部位の共焦点顕微鏡は細胞核周囲の領域に共存(明るいスポット)を示した。
β−セクレターゼ開裂部位に対する抗体の内部移行アッセイのための免疫蛍光顕微鏡
AβPP751を過剰発現するCHO細胞は24時間6穴プレートで成長させた。洗浄後、AβPP血清の抗−βセクレターゼ部位を1:500に希釈して含む新しい媒体を添加した。細胞を30分間培養し次いで3×PBSで洗浄し室温で30分間4%(PBS中)パラホルムアルデヒドで固定させた。上記のように細胞を洗浄し、1%BSA/PBS中0.3%TRITON−100を添加して透過した細胞に分けて5分間培養した。コントロールとして、未処理細胞を0.5%3×(BSA/PBS)で洗浄した。ブロッキング段階は3%BSAで2時間行い上記のように洗浄した。二次抗体を1時間室温で暗所で培養し、その後、3×PBSで洗浄しプロロングアンチフェードキット(モレキュラープローブ、ウジェーヌ、OR)でマウントした。図7Aは固定し透過した後に内部移行した抗−β−セクレターゼ開裂部位AβPP抗体の免疫染色を示す。図7Bはコントロールである。
AβPP組換マウスのプラーク形成の阻害
6匹のマウスを上記のように免疫化し3匹のマウスをコントロールとして用いた。免疫化5ヶ月後、マウスを犠牲にして脳切片を標準のThSプロトコルプラーク染色にかけた。プラク数を顕微鏡試験下に数え、未処理のマウスと比較して、抗原で免疫化した遺伝子組替えマウスのプラーク数の減少を観察した(図8)。
本発明を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなくまた過度の実験をすることなく広範囲の同等のパラメーター、濃度、および条件内で行われることが当業者によって正しく認識されるだろう。
この発明はその特定例に関して記載したが、さらに変更することも可能であることは理解されるだろう。この応用は任意の変化、用途、または一般に、本発明の原理に従い本発明の採用をカバーするものであり、本発明が関係する分野内の既知のまたは通例のプラクチス内となるように、そして請求の範囲のなかで示される前述の基本的特徴に応用されるように本開示からのそのような逸脱を含む。
ここに引用した全参考文献は、関連する米国または外国特許出願の前に刊行された対応するジャーナルやアブストラクトを含め、或いは他の参考文献は、全てのデーター、表、数字、および引用文献に示されたテキストを含め、全体をここに参考文献として組み込む。さらに、ここに引用した参考文献内に引用された参考文献の全内容も全体を参考文献として組み込む。
工程の既知の方法、従来法の工程、既知の方法または従来法の参照は本発明の解釈、記述または実施例が開示され、教示され、または関連した分野で示唆されることを許すものではない。
特定の実施例の前記記述は本発明の一般的性質を完全に示し、他者は、(ここに引用した参考文献の内容を含め)当業者の範囲で知識を応用することにより、本発明の一般的概念から逸脱することなく、過度の実験をすることなく、前記特定例のような種々の応用を容易に変更しおよび/または種々採用することができる。従って、そのような応用や変更はここに示される教示やガイダンスに基づき、開示した好適例の意味および同等の範囲内である。ここにある術語または用語は記述のためのものであり制限するものではないということを理解すべきであり、本明細書の用語または術語はここに示される教示やガイダンスに照らして、当該分野の通常の知識と組み合わせて当業者によって解釈されるべきである。
AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を囲むアミノ酸配列(SEQID NO:1)を示す。開裂はMet(M)およびAsp(D)の間にあり、開裂部位に基礎を置く残基0と1を示し、残基0(P位置)は通常Metであるが「スウェーデン」家系AD変異においてLeuであることが見出される。 本発明による8分枝ホモワング樹脂の多重抗原性ペプチド(MAP)の具体例の代表を示す。矢印は開裂部位を示しISEVKMDA(SEQID NO:1の残基1ないし8、残基6はMetである)。 同様にISEVKLDA(SEQID NO:1の残基1ないし8、残基6はLeuである)。 同様にVKMDAEFRH(SEQID NO:5)抗原性ペプチド配列。 MAP−ISEVKLDA(SEQID NO:1の残基1−8、残基6はLeu)で免疫化した後、免疫応答を示すグラフ。 ELISAで測定したとき48時間後の成長媒体への全アミロイドベーターペプチド(Aβ)分泌の阻害を示すグラフ。 ELISAで測定したとき5日のインキュベーション後のAβ1−42ペプチドの細胞内蓄積の阻害を示すグラフ。 本発明による抗−βセクレターゼ開裂部位抗体およびβ−セクレターゼ酵素自体に対し生じたBACE抗体の核周囲領域において共存を示す共焦点顕微鏡画像。 APP抗体および二次抗体の抗−βセクレターゼ開裂部位で免疫化した透過させた細胞(図7A)およびコントロール細胞(図7B)の画像。 未処理のマウスと比較した、抗原で免疫化した遺伝子組替えマウスのプラーク数の減少を示すグラフ。

Claims (22)

  1. アミロイド前駆体タンパク質(AβPP)のβ−セクレターゼ開裂部位に対する免疫応答を誘発する抗原生成物の免疫有効量、および製薬学的に受容できるキャリヤ、希釈剤、賦形剤、アジュバント、または補助剤からなる、免疫組成物。
  2. 前記抗原生成物が、コア分子に造られ、分枝を提供するように少なくとも二官能性である樹状ポリマーからなり、AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋するAβPPエピトープからなる抗原性ペプチドが共有結合によって結合する16個までの末端官能基を含む、請求項1記載の免疫組成物。
  3. 前記樹状ポリマーが、抗原性ペプチドを結合する8個の末端官能基を含む、請求項2記載の免疫組成物。
  4. AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋する前記AβPPエピトープがSEQ
    ID NO:1の残基1ないし8からなる、請求項2記載の免疫組成物。
  5. AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋するAβPPエピトープがSEQ
    ID NO:5からなる請求項2記載の免疫組成物。
  6. 前記抗原性ペプチドがAβPPの前記β−セクレターゼ開裂部位の2個の重なるAβPPエピトープからなる、請求項2記載の免疫組成物。
  7. 前記2個の重なるAβPPエピトープが同一である、請求項6記載の免疫組成物。
  8. 前記コア分子がリジンである、請求項2記載の免疫組成物。
  9. さらに前記樹状ポリマーに結合したアジュバント性質をもつ分子からなる、請求項2記載の免疫組成物。
  10. 前記抗原生成物がリポソームに封入されている、請求項2記載の免疫組成物。
  11. 前記抗原生成物がAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋するAβPPエピトープをその表面に示すウイルス表示ビヒクルからなる、請求項1記載の免疫組成物。
  12. 前記ウイルス表示ビヒクルが糸状バクテリオファージである、請求項11記載の免疫組成物。
  13. AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋する前記AβPPエピトープがSEQ
    ID NO:1の残基1ないし8からなる、請求項11記載の免疫組成物。
  14. AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位を架橋する前記AβPPエピトープがSEQ
    ID NO:5からなる、請求項11記載の免疫組成物。
  15. 請求項1記載の免疫組成物をそれを必要とする対象に投与し、AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対し免疫応答を誘発し、AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位をブロックし、これによってアミロイドβの生成を阻害することからなるAβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対し免疫応答を誘発する方法。
  16. AβPPのβ−セクレターゼ開裂部位に対し抗体の抗原結合部位からなる分子。
  17. モノクローナル抗体である請求項16記載の分子。
  18. 一本鎖抗体である請求項16記載の分子。
  19. その表面に請求項18記載の分子を表示する糸状バクテリオファージ表示ビヒクル。
  20. 請求項19記載の糸状バクテリオファージ表示ビヒクルおよび製薬学的に受容できるキャリヤ、賦形剤、希釈剤、または補助剤からなる、製薬組成物。
  21. 請求項19記載の糸状バクテリオファージ表示ビヒクルをそれを必要とする対象の嗅覚系に投与することからなる、アミロイドβの形成を阻害する方法。
  22. β−セクレターゼの存在でAβPPと請求項16記載の分子を接触させてAβPPのβ−セクレターゼ開裂を阻害してなる、AβPPのβ−セクレターゼ開裂を阻害する方法。
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