JP2005530849A - 炭化水素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

触媒の存在下、高温高圧下に少なくとも2段階での一酸化炭素と水素との反応による、炭化水素の製造兼熱の発生方法であって、(i)一酸化炭素及び水素を含むガスを触媒含有第一反応器部に導入し、更に該第一反応器部に冷却流動媒体を導入する工程、(ii)該一酸化炭素の一部を第一反応器部において一酸化炭素及び水まで接触的に反応させると共に、反応熱の少なくとも一部を冷却流動媒体で直接、吸収する工程、(iii)該反応器部から炭化水素、水、未転化原料及び冷却流動媒体を含む反応生成物流を取り出す工程、(iv)取り出した冷却流動媒体含有流の少なくとも一部を冷却して、熱を発生させる工程、(v)任意に、取り出した流れから水を除去する工程、(vi)別の(複数の)反応器部において、工程vで得られた水蒸気により、工程i〜vを少なくとも1回繰り返す工程を含む該方法。本発明は、更に該方法を行うのに好適な反応器に関する。

Description

本発明は、触媒の存在下、高温高圧下に少なくとも2段階での一酸化炭素と水素との反応による、炭化水素の製造兼熱の発生方法に関する。
多くの文献に、炭化水素質供給原料、特にガス状炭化水素質供給原料の転化方法、特に天然供給源、例えば天然ガス、随伴ガス及び/又は石炭床メタンのメタンから、液体製品、特に酸素化物、例えばDME及びメタノールや、液体/固体炭化水素への転化方法が記載されていることは公知である。
近年、幾つかの文献は、遠隔地(例えば砂漠、熱帯雨林)及び/又は沖合いで天然ガス及び/又は随伴ガスのような豊富なガス状炭化水素質供給原料について述べている。このような所では、通常、人口が少ないこと及び/又は産業もないことから、ガスを直接使用することは不可能である。例えばパイプラインにより、又は液化天然ガスの状態でガスを輸送することは、極めて高価な出費を必要とするか、或いは容易には実行できない。この点、比較的少量のガス生産量及び/又はガス田の場合は、一層ひどい。ガスの再噴射(及び後で生産)も可能であるが、生産コストが嵩むし、また随伴ガスの場合は、原油の生産に望ましくない影響を与える可能性がある。随伴ガスを燃焼させるのは、炭化水素源の枯渇及び大気汚染の観点から望ましくない選択でとなっている。原油と一緒に発見されたガスは、随伴ガスとして知られているが、原油とは別に発見されたガスは、非随伴ガス又は天然ガスとして知られている。随伴ガスは、原油中に溶解した“溶液ガス”として及び/又は原油の主要層の近くに“ガスキャップガス”として発見されるかも知れない。随伴ガスは、通常、非随伴ガスよりも炭化水素分子(エタン、プロパン及びブタン)が非常に多い。
炭化水素質供給原料の液体及び/又は固体炭化水素への転化に多く使用される方法は、フィッシャー・トロプシュ法である。炭化水素質供給原料は、第一工程で水素と一酸化炭素との混合物(合成ガスということが多い)に転化される。次に水素と一酸化炭素との混合物は、第二工程において、高温高圧下、好適な触媒上で、メタンから炭素原子数200以下、或いは特定の状況下ではそれ以上の炭素原子を有する高分子に至る範囲のパラフィン系化合物に転化される。
フィッシャー・トロプシュ反応を行う際は、多数の触媒が使用されてきた。不飽和化合物は勿論、飽和化合物も主として触媒金属化合物に従って、1種以上の特定の促進剤、及び温度、圧力、GHSV、H/CO比等の反応条件を利用できる。反応は、非常に発熱性かつ感温性で、このため所望の炭化水素生成物選択率を維持するには、温度制御が必要である。
フィッシャー・トロプシュ反応を行うため、多種の反応器システムが使用されている。開発されたフィッシャー・トロプシュ反応器システムとしては、固定床反応器、特に多管式固定床反応器、同伴(entrained)流動床反応器及び固定式流動床反応器のような流動床反応器、並びに3相スラリーバブル塔及び沸騰床反応器が挙げられる。
市販の固定床フィッシャー・トロプシュ反応器は、通常、垂直多管式固定床反応器を有する。小さい触媒粒子(特定直径、通常、約1〜3mmの特定直径で、通常、15mm未満の長さを有する)は、円筒容器では、大量の、例えば1,000〜10,000又は更にそれ以上の長い管(通常、長さ8〜10m)に詰められる。ガスは、通常、管の頂部から導入され、生成物及びあれば未転化原料は、管の端部に収集される。これらの管は、冷却媒体、通常、水と水蒸気との混合物で囲まれている。触媒床は、通常、特定の粒子形状(円筒形、三葉体形(trilobe)、球形等)に従って、約0.3〜0.5のオーダーの空隙を含有する。固定床反応器は、スケールアップが容易な簡素性及び転化動力学を与える。
固定床フィッシャー・トロプシュ反応器は、圧力降下及び熱移動制限により束縛されることが多い。一般に、高い生産性及び高いC+選択率と共に、低いメタン選択率は、通常、200μ未満のオーダーの小さい触媒粒子によって達成できる。ここで、“選択率”は(形成された基準生成物のモル)/(転化したCOのモル)比をいう。しかし、固定床反応器システムでは、圧力降下は、非常に大きい触媒粒子の実用を制限する。直径1〜3mmの範囲の造形押出物(三葉体、四葉体(quadralobe)等)を使用することが多い。これより小さい押出物は、商業的量で製造し、かつ床中に大きい圧力降下を作ることは困難なので、殆ど使用できない。
フィッシャー・トロプシュ反応は、極めて高い反応熱を特徴とする。悪いことには、固定床反応器の熱移動特性は、比較的低い物質速度のため、劣っている。しかし、このガス速度を上げることにより、熱移動を向上させようとすると、高いCO転化率は得られるが、反応器中に過大な圧力降下が生じ、商業的実行可能性を制限する。商業的に関心のある所望のCO転化率及びガススループットを得るための必要な条件では、半径方向の高い温度勾配が生じる。このような半径方向の過剰な温度勾配を避けるには、フィッシャー・トロプシュ固定床反応器の直径を5又は7cm未満にしなければならない。フィッシャー・トロプシュ固定床反応器で高活性の触媒を所望どうりに使用すると、この状況はなお一層悪化する。熱移動特性の悪いことから、局部的な暴走(熱スポット)を起こす可能性があり、これにより触媒の局部的な失活が起こる。軸の温度勾配は、管上に存在することが多い。特定の最高温度を超えることはできないので、触媒の一部は、最適水準以下で働く。
前述のように、反応器中の過大な圧力降下を避けるため、直径が200μより大きい触媒粒子を使用すると、メタン選択率が高く、また一般に経済的価値が高い高分子量パラフィンに対する選択率が低くなる。この選択率は、反応剤(CO及びH)の触媒粒子内への輸送速度に対し、不均衡な触媒細孔拡散制限のためである。この状況に対処するため、触媒粒子の外側端縁上の薄層に限定して活性金属成分を有する触媒粒子を使用することが提案されている。このような触媒は、製造コストが高くなる上、反応器の有効容積をうまく利用できるとは思われない。
固定床設計の全体的な性能を改良する手段として液体の再循環を使用することが記載されている。このようなシステムは、反応剤ガス及び不活性液体の両方を(好ましくは、触媒に対し上向き流又は下向き流で)同時に導入する“細流(trickle)床”反応器(固定床反応器システムの部分集合の一部として)とも呼ばれている。このような反応剤ガス及び液体の流れがあると、CO転化率及び生成物選択率についての反応器性能は改良される。細流床システム(いずれの固定床設計についても)では、高い物質速度で操作した際に圧力降下を伴うという制限がある。固定床においてガスを満たす間隙(通常、<0.50)では、高い物質速度は得られるが、過大な圧力降下を生じる。圧力降下が大きすぎると、粒子の磨滅/破砕を起こす可能性がある。したがって、反応器の単位容量当り、転化を受ける物質のスループットは、熱移動速度のため制限される。個々の触媒粒子を大きくすると、(所定の圧力降下に対して)一層高い物質速度が得られるので、熱移動は、僅かに改良できるが、触媒活性の向上と組合せた場合の高沸点生成物に対する選択率の低下及びメタン選択率の増大は、一般に、熱移動の向上による商業的動機を相殺する。
フィッシャー・トロプシュ触媒の性能は、個々の触媒粒子内の熱移動制限に敏感である。フィッシャー・トロプシュ生成物選択率は、H/CO原料比に敏感であることが知られている。この原料比を大きくすると、選択率は低下する(即ち、高いメタン及び低沸点液体選択率)が、式:(転化したCOの容積)/(触媒の容積−時間)で表示できる触媒生産性は向上する。比較的長い拡散長さを有する大きい触媒粒子を使用する固定床操作では、触媒容積内のH/CO比は、かなり変化できる。したがって、圧力降下を軽減すると共に、熱移動を改良するため(物質速度を上げることにより)、大きい触媒粒子を使用すると、フィッシャー・トロプシュ固定床触媒システムの性能は、粒子内拡散距離が長いため、劣化し、特に固定床の上部でH/CO比が増大する可能性がある。この性能劣化は、高価値の生成物に対する生産性の低下及び選択率の低下により、性能に影響を与える。
フィッシャー・トロプシュ三相スラリーバブル塔反応器は、一般に固定床設計よりも熱移動及び拡散性の点で利点がある。液体の連続マトリックス中で上向き流のガスにより懸垂させて、小さい触媒粒子を導入する多数の設計が記載されている。このような設計では、反応器の直径は、もはや熱移動特性によって制限されない。連続液体マトリックスの運動により、商業的に高い生産性を達成するのに十分な熱移動が得られる。触媒粒子は、液体の連続相内で運動し、その結果、個々の粒子から良好な熱移動が起こり、一方、反応器中の大きな液体在庫品により、高い熱慣性度が得られる。この高い熱慣性度は、熱の暴走を誘導する可能性のある急激な熱上昇を防止するのに役立つ。更に、小さい粒子は、触媒内部での拡散抵抗に対する悪い影響を最小にする。
三相バブル塔に関連する主な技術的問題には、流体力学及び固体の管理がある。反応器のパラメーターは、所望のCO転化水準を達成するのに十分なガス/液体接触を行うように、選択しなければならない。この種の反応器では、H反応剤及びCO反応剤は、原料ガス(反応器容量中に泡立たされている)から液相中に移動しなければならない。いったん液相に入ると、溶解したこれらの反応剤は、触媒表面とと接触して反応する。反応剤の液相からの触媒表面への移動は、この液体連続相の撹乱及び触媒表面までの拡散の長さに依存する。スラリー反応器では、容認できない生成物選択率を誘導する物質移動を避けるには、小さい触媒粒子が好ましい。
しかし、反応器直径の強い機能となると報告されている液相逆(back)混合は、同じ転化率で操作する固体床反応器よりも大きな反応器容量を必要とする非常に低い動的駆動力を生じる。十分な気体−液体−固体混合及び液体−固体分離を必要とすると、設備要件、及び商業的設計に関連するスケールアップの問題は複雑化する。
小粒子は、ガス流により容易に流動化されるので、これらのシステムに使用できる。反応器中の圧力降下は、床のほぼ静頭に限定される。小粒子は、表面積が大きいため、固定床フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成反応器に比べて、液体−固体物質移動も向上する。結局、粒子の大きさは、固体管理システムにより制限される。
後者の固体管理の問題については、スラリー反応器システムを複雑にする多くの問題がある。第一に、ガスの分配器自体、大きな問題となる可能性がある。分配器は、触媒が沈降及び/又は沈下して反応器底部に付着(lay on)する“デッド”帯域を防止しながら、潜在的に極めて大きい直径に亘って多少均一に分配することが望ましい。反応器底部自体、分配器であってもよい。第二に、触媒/蝋分離は、触媒の最小の大きさを制限する、かなりの技術的障害となり得るし、また触媒粒子の磨滅により、特に長期間に亘り、及び/又は悪い設計のガス分配器と協力して、極めて悪い影響を受ける可能性がある。
固定床反応器及び三相スラリー反応器の商業的設計では、通常、反応熱を除去するため、沸騰水を利用する。固定床設計では、個々の反応器管は、水/水蒸気を含むジャケット内に配置される。反応熱は、各管内の触媒床の温度を上昇させる。この熱エネルギーは、ジャケット内で水を強制的に沸騰させる管壁に移動する。スラリー反応器内には、通常、スラリー容量内に管が配置され、熱は、この液体連続マトリックスから管壁に移動する。管内で水蒸気を作ると、必要な冷却が得られる。次にこの水蒸気は、反応器外部の他の熱交換器で冷却/凝縮されるか、或いは、任意に過熱後、水蒸気タービンの駆動に使用される。
流動床型フィッシャー・トロプシュ反応器は、固定床反応器よりも極めて良好な熱移動特性も与え、また極めて小さい触媒粒子を使用できる。これらの反応器は、本質的に“乾燥”で操作する。乾燥とは、反応条件では液体である種(species)の製造速度が極めて低く、ゼロに近くなければならないことを意味する。そうしなければ、急激な触媒脱流動化が起こる可能性がある。実際には、この乾燥には、極めて高い反応器操作温度を必要とする。このような温度では、メタンに対する選択率が高くなる上、芳香族のような多数の一層望ましくない化学種が製造される。触媒/ガス分離も、流動床システムによるかなりの技術的、経済的障害ともなり得る。
PCT出願WO 98/38147には、固定分散触媒配列を付与するため、並列溝一体式触媒支持体を用いる反応器システムが提案されている。ここで検討、提示された実施態様には、縦溝に入れた活性金属を有する長い一体式支持体(例えば軸長さ10cm)付き触媒が含まれている。この出願は、該触媒をTaylor流体系で使用することを意図している。“Taylor流体系”は、通常、半径方向の有効寸法と比べて長い軸寸法を有する小毛管流(例えばL/D>1000)を意味する。溝内のガス及び液体のTaylor流は、溝とほぼ同じ直径を有し、かつ連続的円筒状気泡間に同伴ガス気泡がない、液体中の周期的円筒状ガス気泡として定義してよい。
PCT出願WO 98/38147
本発明の目的は、ガス状炭化水素質供給原料から特に通常、液状の炭化水素を製造する前記従来法の欠点を解消する効率的、低コストで無駄のない方法計画を提供することである。更に特に本発明方法は、この供給原料を極めて高い選択率で所望の炭化水素に転化する方法に関する。このような極めて高い選択率と関連して、極めて高い熱効率が得られる。本発明方法を使用すると、90%を超えるC+炭素効率が得られと同時に、十分に最適化した方法では、75%を超える熱効率を得ることができる。
本発明は、フィッシャー・トロプシュ反応を2つ以上の、好ましくは断熱性の、反応器で行うことを提案する。ここで各反応器部は、好ましくは高い間隙率の、固定触媒床である。これらの反応器部に反応剤及び冷却媒体を導入して、反応剤は、部分的に転化させ、冷却媒体は、フィッシャー・トロプシュ反応で発生した熱を直接、吸収する。これらの反応器部から反応生成物、未転化原料及び加熱された冷却媒体を取出し、未転化原料は、少なくとも一部、反応器部の(他の)1つに再導入する。炭化水素生成物は、取り出してよい。フィッシャー・トロプシュ反応で形成された水は、好ましくは除去し、加熱された冷却媒体は、同時に熱を発生しながら、冷却し、反応器部に再導入する。反応器部間で反応剤に水素を添加することが好ましい。
したがって本発明は、触媒の存在下、高温高圧下に少なくとも2段階での一酸化炭素と水素との反応による、炭化水素の製造兼熱の発生方法に関し、この方法は、
i)一酸化炭素及び水素を含むガスを触媒含有第一反応器部に導入すると共に、該第一反応器部に冷却流動媒体を導入する工程、
ii)該一酸化炭素及び水素の一部を第一反応器部において炭化水素及び水まで接触的に反応させると共に、反応熱の少なくとも一部を冷却流動媒体で直接、吸収する工程、
iii)第一反応器部から炭化水素、水、未転化原料及び冷却流動媒体を含む反応生成物流を取り出す工程、
iv)取り出した冷却流動媒体含有流の少なくとも一部を冷却して、熱を発生させる工程、
v)任意に、取り出した流れから水を除去する工程、
vi)工程v)で得られた少なくとも未転化の一酸化炭素及び水素を含む流れを、触媒含有第二の又は別の反応器部に導入し、更に該第二又は別の反応器部に冷却流動媒体を導入する工程、
vii)任意に、水素含有流を該第二又は別の反応器部に導入する工程、
viii)該一酸化炭素及び水素の一部を第二又は別の反応器部において一酸化炭素及び水まで接触的に反応させると共に、反応熱の少なくとも一部を冷却流動媒体で直接、吸収する工程、
ix)任意に、更に複数の別の反応器部で工程iii〜viiiを繰り返す工程、及び
x)最後の反応器部から炭化水素、水、あれば未転化一酸化炭素及び未転化水素、並びに冷却流動媒体を含む反応生成物を取り出す工程、
を含む。
この提案方法の重要な利点は、極めて高いCO転化率及び極めて高いC+選択率を得ることができることである。更に、通常の固定床反応器と比べて、オレフィンの量が比較的多い生成物が得られる。これにより、生成物は、化学的利用に一層有用となる。圧力降下が比較的少ないので、大きな(及び高価な)圧縮器を使用しなくて済む。高転化率を得るためのガスの再循環を必要としない。固定床反応器のスケールアップは、比較的容易である。触媒の取込み及び取出しは、従来の固定床反応器に比べてかなり簡単である。構造化触媒、例えば触媒薄層を被覆した一体式構造又は平板構造の導入は、容易に行える。触媒は、平坦な温度勾配が得られる点で比較的短い反応器床に使用するのが最適である。冷却流動媒体を使用すると、慣用の固定床反応器と比べて、熱移動特性が大幅に改良される。多数の反応器部を使用すると、方法全体を幾つかのやり方で適応させることが可能で、例えば異なる反応器部に異なる触媒を使用でき、一方、各反応器部の温度を独立的に制御できる。更に、全体の反応器空間をできるだけ効率的に利用するため、触媒は、各反応器において、大きさを変えてもよい。段階間で水を除去すると、反応剤の部分圧(同じ全圧で)を高くでき、その結果、二酸化炭素の形成が少なくなる。段階間で水素を添加できれば、H/CO比が高くなって、C5+炭化水素に対する選択率が向上する。反応器部に冷却用内部品がないので、反応器の建造は、比較的容易かつ比較的安価である。更にまた、間接冷却システムに高価な反応器空間を必要としない。冷却流動媒体の冷却に、標準的な熱交換設備が使用できる。高価な管シートは、必要としない。スラリーシステムのスケールアップに伴う問題である動力学制御、逆混合、ガス分配及び固体管理は存在しない。非常に高い転化率及び選択率が得られる。
最小数の前記効果を得るには、段階(又は反応器部)の数は、少なくとも2、好ましくは少なくとも3である。最大数は、50以下、或いはそれ以上であってもよいが、方法の制御を複雑化することなく、方法(及び関連の全ハードウエア)を実施するには、多くとも40段階が好ましい。この新方法の最大の利点と、複雑化しすぎない方法及び方法制御とを組合せるためには、段階の数は、5〜20が非常に好適で、更に好ましくは8〜12である。原則として、各反応器部は、1つの反応器で操作できる。幾つかの反応器部を1つの反応器に組合せることが好ましい。好適には、少なくとも2つの反応器部は、1つの反応器に組合せる一方、多くとも25の反応器部、好ましくは多くとも15の反応器部は、1つの反応器に組合せる。反応器部を多くしすぎると、ハードウエア及び方法制御が一層複雑化する。更に好ましくは、3〜7の反応器部を1つの反応器に組合せる。
第一反応器部への原料ガスのH/CO比は、3〜0.3の範囲又はそれ以上か、それ以下であってよい。H/CO比は、非常に好適には2.0〜0.4、特に1.6〜0.4、好ましくは1.1〜0.5の範囲である。H/CO比が低いほど、C選択率は高くなることは理解されよう。したがって、この比は、低いことが好ましい。この消費比率は、通常、2.0〜2.1の範囲なので、消費量未満の原料比を使用すると、反応中、H/CO比の低下が起こる。望ましくない副反応、特に触媒上のコークス形成を回避するには、この比は、0.2未満に低下しないことが望ましい。好ましい実施態様では、各反応器部の原料比は、消費量未満、例えば1.1〜0.5の範囲であり、これらの段階間で水素を添加して、前記比を再び高い値、好ましくは1.6〜0.4、更に好ましくは1.1〜0.5の範囲の値に上げる。水素は、実質的に純粋な水素(即ち、98容量%を超える水素)であることが好ましい。しかし、H/CO比が(非常に)高い合成ガスも使用してよい。例えば4、好ましくは6、更に好ましくは10の比も使用してよい。このような水素含有ガスは、いかなる不活性ガス(窒素、メタン、貴ガス)も含まないことが好ましい。不活性ガスの含有量は、好ましくは10容量%未満、更に好ましくは4容量%未満である。
1段階当りのCO転化率(第一反応器部への原料流を基準とするCOの転化率)は、好適には2〜50容量%、好ましくは3〜40容量%、更に好ましくは6〜15容量%の範囲である。1段階当りの転化率は、反応器部の合計数に関連することが理解されよう。例えば反応器部数が8〜12の範囲では、1段階当りの転化率は、12.5〜8.3容量%の範囲である。
本発明方法は、第一反応器部、好ましくは全ての反応器部において、反応により発生する熱の少なくとも50%、特に少なくとも80%が冷却流動媒体により、好ましくは少なくとも90%、更に好ましくは少なくとも95%吸収されるような方法で行うこのが好適である。熱の一部は、反応器部の冷却システムで間接的に冷却することにより除去してよい。しかし、これは、好ましい実施態様ではない。局部的に温度を抑えるため、例えば反応器部上の熱勾配における特定の最大値を避けるため、反応器部の特定部分は、別途に間接冷却してよい。
別々の反応器部で行う本発明方法は、好ましくは断熱方法、即ち、反応器部内で熱を除去しない方法である。少量の反応熱は、反応器の壁経由で消散することは理解されよう。この熱は、発生熱の全量に対し少量である。更に詳しくは、少なくとも第一反応器部は、断熱性反応器部であり、好ましくは全ての反応器部は、断熱性反応器部である。
反応器1つ当りの冷却流体の温度上昇は、好適には3〜30℃、好ましくは5〜20℃、更に好ましくは7〜15℃の範囲である。これより低い水準では、本方法は、効率が低くなり、これより高い水準では触媒床の入口と端部との温度差が大きくなる。端部での温度が高すぎると、C+選択率の低下や、幾つかの場合には、触媒の失活さえ起こるかも知れないし、床入口の温度が低すぎると、触媒の効率的利用が低下する。
本発明方法は、好適には一酸化炭素及び全水素のGHSVは、共に、触媒の全容積(空隙を含む)に対し2000〜20000Nl/l/h、好ましくは3000〜10000Nl/l/hの範囲である。この原料流は、あれば一酸化炭素も含めて、第一反応器部への原料や、中間の水素添加分(addisions)を含むが、不活性分(inerts)(メタン、窒素、水蒸気等)は含まない。
本発明方法は、通常、各反応器部に導入したガス画分と冷却流動媒体との容量比(STP)は、0.3〜3、好ましくは0.5〜2の範囲、更に好ましくは約1である。これより低い値では、不十分な冷却能力となり、またこれより高い比では、多すぎる量の冷却流体が生じ、反応効率を低下させる。
本発明で使用される触媒は、好適にはフィッシャー・トロプシュ反応に活性な1つ以上の金属を含む。担体上の鉄、コバルト又はニッケルが極めて好適である。担体上の触媒活性金属の量(純金属として計算)は、担体材料100重量部当り、好ましくは3〜300重量部、更に好ましくは10〜80重量部、特に20〜60重量部の範囲である。促進剤は、1つ以上の金属又は金属酸化物から選択してよい。好適な金属酸化物促進剤は、元素の周期表第IIA、IIIB、IVB、VB及びVIB族、或いはアクチニド及びランタニドから選択してよい。特に、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、トリウム、ウラン、バナジウム、クロム及びマンガン、の酸化物が、極めて好適な促進剤である。本発明に使用されるワックスの製造用触媒の特に好ましい金属酸化物促進剤は、マンガン及びジルコニウム酸化物である。好適な金属促進剤は、周期表第VIIB又はVIII族から選択してもよい。レニウム及び第VIII族貴金属は、特に好適で、白金及びパラジウムが特に好ましい。触媒に存在する促進剤の量は、好適には、担体100重量部当り0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜40重量部、更に好ましくは1〜20重量部の範囲である。
本発明方法は、好適には固定床、好ましくは空隙容積50〜85容量%、好ましくは60〜80容量%の範囲の固定床の形態の触媒システムを使用する。原則として、いかなる触媒形態も可能である。球、中空球、押出物、中空押出物、環、サドル、構造化包装等が可能である。好ましい空隙容積を得るため、触媒床は、好ましくは1つ以上の一体構造、好ましくはセラミック一体構造、金属押出一体化物又はカーボン一体化物、波板層、特に金属波板層、細目網又は削り屑(shavings)、特に金属削り屑を含む。セラミック担体は、好適には多孔質耐火性酸化物、好ましくはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアから選ばれた耐火性酸化物である。担体の他の実施態様は、アルミニウム、鉄又は銅、特にステンレス鋼製の平板、細目網又は削り屑である。全ての反応器部は、同じ触媒を含んでもよいし、また異なる反応器部は、異なる触媒を含んでもよいことは理解されよう。特定の反応器部用原料の正確な組成及び特定反応器部による目的に応じて、異なる触媒を使用してよい。更に、原料、触媒及び目的に応じて、反応器部に特定の反応条件を採用してもよい。
本発明方法で使用される冷却流動媒体は、好適には1つ以上の有機化合物、好ましくはフィッシャー・トロプシュ炭化水素、更に好ましくはC14+フィッシャー・トロプシュ炭化水素よりなる。反応開始時に特定の流動媒体を使用してよいが、好ましい実施態様として、再循環プロセスでこの冷却流動媒体を使用する場合は、開始時の冷却流動媒体は、液体反応生成物と一緒に反応系から除去されて、この冷却流動媒体は、徐々にフィッシャー・トロプシュ生成物で置換されることは理解されよう。冷却流動媒体は、好ましくは反応条件中、不活性、かつ安定であることは理解されよう。
本方法では、いずれの反応器部から取り出され、他の反応器部に導入される冷却流動媒体流の温度が5〜20℃、好ましくは7〜15℃、更に好ましくは関連する反応器部の温度上昇分、低下するような方法で熱交換する。このようにして、安定な方法が得られる。特定の状況では、熱交換量は、全ての反応器部に対して温度勾配が作られ、好ましくは全ての反応器部に対して連続的な温度上昇が作られるような方法で調節する。各反応器部で所望の温度を作るため、特定の触媒に応じて、多少の熱を交換してもよい。
好適には、反応器部から取り出した流れは、液体流とガス状流とに分離し、次いで液体流及びガス状流を各々、好適には80〜150℃、好ましくは90〜130℃の範囲の温度に冷却する。液体流は、液体反応生成物及び冷却流動媒体を含み、ガス状生成物は、未転化反応剤、ガス状炭化水素生成物、水蒸気、及びあれば不活性分を含む。反応器部から取り出した流れを、まず冷却し、液体流とガス状流とに分離し、次いでガス状流を冷却することも可能であることは理解されよう。これらの組合わせも可能である。冷却した液体流は、同じ又は異なる反応器部において、冷却流動媒体として使用される。液体生成物を含むこの冷却生成物は、所望生成物としてこの方法から除去するか、或いは更なる仕上げ(work−up)部に送る。殆どの場合、冷却流動媒体は、反応生成物と同じなので、冷却流動媒体と反応生成物とを分離する必要はない。ガス状流は、好適には80〜150℃、好ましくは90〜130℃の範囲の温度に冷却する。ガス状流を冷却すると、炭化水素凝縮物及び水が得られる。この水は、好ましくは炭化水素凝縮物から分離し、炭化水素流は、所望生成物として、この方法から取り出すか、或いは更なる仕上げ部に送る。凝縮生成物を1つ以上の反応器部で冷却流動媒体として使用するのは、反応条件下では大量に蒸発して、反応剤部分圧の低下が起こるので、余り望ましくない。少なくとも未転化原料を含む残りのガス状流は、次の反応器部に導入する。この流れには、水素を添加、使用することが好ましい。効率の点から、2つ以上の反応器部からガス状流を組合わせた後、冷却することが可能である。同等の反応器部を有する2つ以上の同等の反応器を使用すること、及び同等の反応器部から取り出した流れを組合わせ、次いで組合わせ冷却及び更なる処理後、ガス状流及び冷却流動媒体を次の同等の反応器部に再導入することも可能であることに注目されたい。同様な構造は、液体流の冷却に対しても、2つ以上の同等の反応器部を有する1つの反応器でも、2つ以上の同等の反応器間でも可能である。水の一部又は全部は、膜分離により、取り出したガス状流から除去してもよい。
反応器部の後に取り出した流れから除去される水の量は、反応器で形成された水に対し50〜95%、好ましくは60〜90%の範囲である。この除去量は、前述のような好ましい温度範囲を使用することにより得られる。
反応器部からの冷却された冷却流動媒体は、同じ反応器部に導入しても、或いは異なる反応器部に導入してもよいことは理解されよう。好適には反応器部からの冷却した冷却流動媒体は、次の反応器部に導入する。更に、多数の反応器部からの冷却流動媒体は、組合せて、多数の反応器部に再導入してもよい。冷却流動媒体は、反応器部で発生した熱の大部分を吸収するので、特定部の温度制御が、特定の反応器部に送った冷却流動媒体の量及び冷却流動媒体の温度により実現できるのは明白である。好ましい選択は、容易に制御できることから、量の制御である。
本発明方法を効率的な方法で行うには、反応器部からの未転化一酸化炭素及び水素のうち、少なくとも75容量%、好ましくは90%、更に好ましくは100%は、次の反応器部に導入する。
炭化水素合成反応の温度は、好適には170〜320℃、好ましくは190〜270℃の範囲であり、圧力は、5〜150バール、好ましくは20〜80バールの範囲である。反応器部入口と引き続く反応器部入口との間の圧力降下は、1000〜50000Pa、好ましくは5000〜40000Pa、更に好ましくは10000〜25000Paの範囲である。
本発明方法は、好適にはいかなる不活性ガスも含まない水素と一酸化炭素との混合物により行われる。これにより、最も効率的な方法が得られる。しかし、通常の固定床反応器と比べて、圧力降下は、余りひどくなく、特定量の不活性分を含む合成ガスも使用可能である。第一反応器部へのガス原料中の不活性分の含有量は、好適には50容量%以下、好ましくは20容量%以下、更に好ましくは10容量%以下である。この不活性分、特に窒素は、炭化水素質原料の部分酸化に使用される酸素含有ガス流に存在してもよいし、或いは炭化水素質原料自体、例えば天然ガス中の窒素及び/又は貴ガスに存在してもよい。
通常液体の炭化水素は、少量のC−〜C19+化合物は存在してもよいが、特にC〜C18炭化水素の混合物である。これら混合物は、STPで液体である。C〜C化合物は、通常、ガス状炭化水素とみなされる。通常固体の炭化水素は、C19+化合物からC200以下の化合物までの混合物である。少量のC18−化合物は、存在してもよい。通常固体の炭化水素は、STPで固体である。フィッシャー・トロプシュ法で作った炭化水素混合物は、CからC200又はなおそれ以上まで変化する。C19+炭化水素の量は、好ましくは少なくとも60重量%、好ましくは70重量%、更に好ましくは80重量%である。これらの炭化水素は、本来、パラフィン系であるが、相当量のオレフィン及び/又は酸素化物も存在してよい。オレフィン又は酸素化化合物のいずれも、好適には20重量%以下、好ましくは10重量%以下、存在してよい。これらの化合物は、分岐、特にメチル分岐は、数%存在してよいが、殆どノーマル化合物である。
一部は、いわゆる中間留出物の沸点範囲を超える沸点を有するが、通常固体の炭化水素に関する問題を避けるため、この部分は、比較的少量に維持することが望ましいかも知れない。この目的に最も好適な触媒は、コバルト含有フィッシャー・トロプシュ触媒である。ここで用いた“中間留出物”という用語は、原油の通常の大気圧蒸留で得られたケロシン及びガス油フラクションの沸点範囲に実質的に相当する沸点範囲の炭化水素混合物をいう。中間留出物の沸点範囲は、一般に約150〜約360℃の範囲内にある。
本方法で得られた高沸点範囲の炭化水素は、単離して、それ自体、当該技術分野で公知の接触水素化分解し、中間留出物としてもよい。接触分解は、このパラフィン系炭化水素を高温高圧下、水素の存在下に、水素化活性を有する1つ以上の金属を担体上に支持して含有する触媒と接触させることにより行われる。好適な水素化分解触媒としては、元素の周期表第VIB及びVIII族から選ばれた金属を含有する触媒が挙げられる。水素化分解触媒は、第VIII族の1つ以上の貴金属を含むことが好ましい。好ましい貴金属は、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びオスミウムである。水素化分解段階で使用される最も好ましい触媒は、白金含有触媒である。本方法をできるだけ簡単に保持するには、水素化分解は、通常、好ましい選択ではない。
水素化分解触媒に存在する触媒活性金属の量は、広範な制限内で変化でき、通常は、触媒材料100重量部当り、約0.05〜約5重量部の範囲である。
接触水素化分解の好適な条件は、当該技術分野で公知である。通常、水素化分解は、約175〜400℃の範囲の温度で行われる。水素化分解法に適用される通常の水素部分圧は、10〜250バールの範囲である。
本発明は、更に前述のような方法を行うための1つ以上の反応器に関する。極めて好適な反応器は、長い円筒状容器で、使用時、垂直型反応器となる。好ましい一実施態様では、1つの反応器は、3〜7の反応器部を有し、この反応器は、好適にはほぼ同じ間隔で、2〜6の平板を有し、こうして3〜7の反応器部を作る。また使用時、幾つかの反応器部で反応器を分割する2〜6の平板は、好ましくは水平位置にある。各反応器部は、固定床、該固定床上の上流端部でガス及び液体を分配する手段、及び該触媒床の下流端部でガス及び液体を収集する手段を有する。好適な設計では、外側の反応器壁によって境界を定めた(大きな)触媒床がただ1つ存在する。触媒床の上には、前記分配器用の空間があり、触媒床の下には、ガス及び液体の収集用空間がある。ガス及び液体は、該液体用の1つ以上のパイプ及び該ガス用の1つ以上のパイプにより、反応器部から除去してよい。代替法として、ガス及び液体は、1つ以上の共通のパイプで除去後、反応器外で(1つ以上の標準分離容器内で)分離してよい。通常、ガス及び冷却流動媒体は、触媒床上の第一反応器部の頂部に導入する。ガス及び液体は、第一反応器部の下端部で反応器から除去し、分離後、冷却し、液体生成物を除去し、次いで多くの場合、水を除去し、任意に水素を添加し、第二反応器部の頂部に導入するなどを行う。前述のように、水の除去は、各反応器部の後で行ってよいが、各第二又は更には第三の反応器部後で、行ってもよい。また幾つかの反応器部の液体流も組合せ、冷却した後、反応器部に再導入してもよい。1つの反応器部からの液体は、同じ反応器部に再導入してもよい。ガス流は、殆どの場合、第一反応器部から第二反応器部、第三反応器部等に流す。幾つかの垂直型反応器の他、水平型反応器を用いることも可能である。これらの水平型反応器は、垂直型反応器について説明したのと同様な区画を持っていてもよいが、ガス/液体分散物を水平方向に移動させる実質的に水平の溝を有する構造化触媒包装を備えた区画を持っていてもよい。

Claims (18)

  1. 触媒の存在下、高温高圧下に少なくとも2段階での一酸化炭素と水素との反応による、炭化水素の製造兼熱の発生方法であって、
    i)一酸化炭素及び水素を含むガスを触媒含有第一反応器部に導入すると共に、該第一反応器部に冷却流動媒体を導入する工程、
    ii)該一酸化炭素及び水素の一部を第一反応器部において炭化水素及び水まで接触的に反応させると共に、反応熱の少なくとも一部を冷却流動媒体で直接、吸収する工程、
    iii)第一反応器部から炭化水素、水、未転化原料及び冷却流動媒体を含む反応生成物流を取り出す工程、
    iv)取り出した冷却流動媒体含有流の少なくとも一部を冷却して、熱を発生させる工程、
    v)任意に、取り出した流れから水を除去する工程、
    vi)工程v)で得られた少なくとも未転化の一酸化炭素及び水素を含む流れを、触媒含有第二の又は別の反応器部に導入し、更に該第二又は別の反応器部に冷却流動媒体を導入する工程、
    vii)任意に、水素含有流を該第二又は別の反応器部に導入する工程、
    viii)該一酸化炭素及び水素の一部を第二又は別の反応器部において一酸化炭素及び水まで接触的に反応させると共に、反応熱の少なくとも一部を冷却流動媒体で直接、吸収する工程、
    ix)任意に、更に複数の別の反応器部で工程iii〜viiiを繰り返す工程、
    x)最後の反応器部から炭化水素、水、あれば未転化一酸化炭素及び未転化水素、並びに冷却流動媒体を含む反応生成物を取り出す工程、
  2. 段階の数が、5〜20、好ましくは8〜12の範囲である請求項1に記載の方法。
  3. 1段階当りのCO転化率(第一反応器部への原料流を基準とするCOの転化率)が、3〜40容量%、好ましくは6〜15容量%の範囲である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 第一反応器部へのガス原料中のH/CO比が、1.6〜0.4、好ましくは1.1〜0.5の範囲であり、特に第一段階に続く1つ以上の段階で追加の水素が導入される方法、好ましくは第二以降の段階へのH/CO比が1.6〜0.4、更に好ましくは1.1〜0.5の範囲となるような請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 第一反応器部、好ましくは全ての反応器部において、反応により発生した熱の少なくとも50%、好ましくは少なくとも90%が、冷却流動媒体で直接、吸収される請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 少なくとも第一反応器部が、断熱反応器部であり、好ましくは全ての反応器部が、断熱反応器部である請求項5に記載の方法。
  7. 1つの反応器部当りの冷却流動媒体の温度上昇が、5〜20℃、好ましくは7〜15℃の範囲である請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 一酸化炭素及び水素のGHSVが、共に触媒の全容積(空隙を含む)に対し2000〜20000Nl/l/h、好ましくは3000〜10000Nl/l/hの範囲である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 各反応器部に導入されたガス画分と冷却流動媒体画分との容量比(STP)が、0.5〜2の範囲、好ましくは約1である請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 触媒が、担体上に鉄、コバルト又はニッケル、特にコバルトを、好ましくはマンガン及びジルコニウム酸化物又はレニウム及び白金から選ばれた1つ以上の促進剤と組合わせて、含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 触媒が、固定床、好ましくは空隙比が50〜85容量%、好ましくは60〜80容量%の範囲にある固定床の形態の担体を含む請求項10に記載の方法。
  12. 固定床が、一体構造、好ましくはセラミック一体構造、金属押出一体化物又はカーボン一体化物、波板層、特に金属波板層、細目網又は削り屑、特に金属削り屑を含む請求項11に記載の方法。
  13. 熱交換により、いずれの反応器から取り出された流れの温度も、5〜20℃、好ましくは7〜15℃、更に好ましくは関連する反応器の温度上昇分、低下する請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 1つ以上の反応器部、好ましくは各第二反応器部から取り出された冷却流が、液体流とガス流とに分離され、引き続きガス流が、好適には80〜150℃、好ましくは90〜130℃の範囲の温度に冷却される請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 反応器の取出し流から水を分離することにより、好ましくは冷却後の水の凝縮に続いて、冷却取出し流から又は冷却ガス流から水を分離することにより、或いは取出し流から膜分離により、該方法から水が除去される請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 反応器部からの冷却された冷却流動媒体が、同じ反応器部に導入されるか、或いは反応器部からの冷却された冷却流動媒体が、次の反応器部に導入される請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  17. 炭化水素合成反応の温度が、170〜320℃、好ましくは190〜270℃の範囲であり、圧力が、5〜150バール、好ましくは20〜80バールの範囲である請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法を行うのに好適な反応器。
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