JP2005529931A - 膜相互作用の可逆的改質 - Google Patents

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Abstract

化合物の膜相互作用の可逆的改質方法に関する。膜相互作用の改質は、in vitro及びin vivoにて、分子の細胞への送達を促進すべく使用されてもよい。膜の活性化合物を可逆的に不活化する本願に述べるモディファイヤーは、クロスリンカー又は分子の電荷を反転すべく使用されてもよい。

Description

発明の詳細な説明
(関連出願の相互参照)
本願は、2002年5月24に出願した米国仮出願番号60/383,298号に基づく優先権を主張する。
(シークエンス一覧に関する表示)
(背景)
投与に関する種々の方法及びルートは、ペプチド、ホルモン、蛋白、酵素などの医薬品、低分子薬物及び生物学的活性化合物をその作用部位へと送達すべく開発されてきた。非経口的な投与ルートには、血管内(静脈、動脈)、筋内、実質内、経皮、皮下、腫瘍内、腹腔内及びリンパ内を含み、ニードルやカテーテルを使用する。血液循環系は、医薬品の全身的な分布を提供する。ポリエチレングリコールやその他の親水性ポリマーは、血液成分との相互作用を防止し、且つ、細網内皮系によるオプソニン化、ファゴサイトーシス及び取り込み(uptake)を阻止することにより、医薬品の防御性を提供すべく、且つ、血流へと医薬品の循環時間を増加すべく使用されてきた。例えば、アデノシンデアミナーゼは、アデノシンデアミナーゼの欠損症の患者の処置において、この酵素の循環時間及び持続性を増加すべく、ポリエチレングリコールにて共有的に改質されてきた。投与後の医薬品の制御された放出は、著しく発達している。
生物学的活性化合物及びマクロ分子のための合成送達ビヒクルの合理的なデザインにおいて、エンドソームにおける逸脱を提供する問題は、細胞質及び核の作用部位へと効果的な送達に対する臨界的なバリアとなる可能性がある。このバリアを克服する試みにおいて種々の方法が使用されてきており、バリアには:細胞のエンドソーム膜と仮説的に融合するリポソーム;エンドソーム膜と融合又は破裂するウィルス;及びエンドソーム膜を不安定化又は破壊するポリマーベースの又はその他の非ウィルス系;が含まれる。現在、これらシステムのいずれにおいても、分画の包含された内膜から共にエンドサイトーシスされる材料の有効な逸脱に影響を与えるものはない。エンドソームによる放出及びこれを合成的に促進する理解は、多いに未解決の工程を残存させている。エンドソームによる放出を達成するためのウィルス及び合成の工程のいずれも、膜の融合又は崩壊のいずれかを惹起すべく、エンドソーム及び/又はライソソームの酸性化にしばしば依拠している。ウィルスに関して、細胞内画分の低下されたpHは、エンドソームによる逸脱を誘導する今フォメーションの変化を惹起する。細胞質とエンドソームとのpHの勾配は、クロロキニンなどのモノアミンがエンドソーム内を濃縮させ、pH勾配を崩壊させる。PEIなどのポリアミンに存在するpH感受性アミンは、エンドソームによる放出において役割を担っている可能性があるが、そのプロトン化の役割は不明である。いくつかのリポソームをベースとしたシステムに関して、pH感受性グループは、プロトン化における位相変化の実行を可能とする脂質に導入されている。最終的に、プロトン化可能なグループを含有するペプチド及び合成ポリマーは、酸性環境化において、より高親媒性で膜活性を向上させるべく、ウィルスシーケンスの後にモデル化されてきた。酸性ベシクルに膜活性を限定することにより、原形質膜に対する効果及びこれによる細胞毒性は、理論的に減弱される。
不幸なことに、膜崩壊に影響を及ぼすプロトン化を使用することは、エンドソームの崩壊は、pH勾配を崩壊する(つまり、膜のインテグリティーは、pH勾配の保持に基づいている)という理論的な難問に付きまとわれている。pH勾配の損失により、pH依存性エンドソーム分解性薬剤の活性は逆転される。したがって、送達は、マクロ分子が拡散する前の、エンドソーム膜の放出により、潜在的に限定されている。エンドソーム又はリソソーム内で不安定なリンケージの使用は、リポソーム又は、キャリアによる薬物のカップリングに以前使用されてきていた[Blattlerら、1985年]。特に、無水シトラコン酸は、DOPE(ジオレオイルフォスファチジルエタノールアミン)の第1級アミンを可逆的に改質すべく使用されてきた[Reddy及びLow、2000年]。しかしながら、この試薬の回復の速度論は、細胞内において有用であるには遅すぎる。さらに、この化合物は、結合しているエンドソーム分解薬物の膜活性を阻害することに関して効果的でないことが発見されている。現在利用可能なエンドソーム分解剤に関連する問題を解決すべく、我々は、生物学的薬剤の活性をマスクしない、化学的結合分解に依拠する急速で不可逆的な活性化の工程を開発した。
エンドサイトーシスに依存した送達システムに加えて、化合物の細胞内部への送達に関してエンドサイトーシスに依拠しない細胞透過性化合物は、現在述べられている。これらキャリアによる送達には、この化合物の高度に陽イオン化されたアルギニンリッチなペプチドに対する結合を含んでいる[Lindgrenら、2000年]。かかる重要なペプチドの一つは、
Figure 2005529931
(配列番号1)であって、HIVウィルスのTAT蛋白に由来している。種々の分子に結合した際、このペプチドは、in vitro及びin vivoのいずれでも、細胞内送達を促進する[Schewarzeら、1999年;Lee及びPardridge、2001年]。他の重要な分子に含まれるのは、VP22、ヘルペスSV蛋白及びANT蛋白に由来するペプチドを包含し、(
Figure 2005529931
(配列番号2))であって、ドロソフィラの転写因子であるアンテナペディアのホメオドメインに由来するペプチドである。これらペプチドは、非常に高い陽イオン残基、特にアルギニンを有すること以外には目立ったホモロジーを有していない。事実、アルギニン残基のみで構成されるぺプチド及びペプチドアナログは、輸送特性を有することが示されている[Futaki、2002年]。これらペプチドの全てに関して、輸送は、エンドサイトーシスを介して起こっていないようである。なぜなら、エンドサイトーシスが不可能な温度である4℃においても送達が即座に起きているからである。しかしながら、これら陽イオン性輸送ペプチドへのコンジュゲートによる分子の送達は選択的ではない。この特異性の欠除は、TAT改質ストレプトアビジンの臓器内分布をもたらし、コンジュゲートされていないストレプトアビジンの分布と同様である[Lee及びPardridge、2001年]。膜活性化合物を用いるため我々が開発したこの化合物及び工程は、細胞透過性化合物の活性を制御するという機能も有している。
(概略)
好適実施例において、アミンを有する分子を置換無水マレイン酸及びこの誘導体で改質する工程に付いて述べており、この改質の分解は、pH7未満で加速される。この改質の分解において、この分子におけるアミンは、再生される。この分子は、この分子が他の化合物又は送達剤とリンクし、この分子の活性を変化させ、或いは、この分子を不活化すべく、この分子の細胞膜との相互作用を変化すべく改質されてもよい。好適な置換無水マレイン酸は、無水マレイン酸二置換体である。
好適実施例において、アミンを有する分子の改変により分子の膜との相互作用を可逆的に変化させることが可能な化合物が述べられており、これは:図1Aに示された一般構造を有する置換無水マレイン酸であって、無水結合に対するRは、炭素−酸素又は炭素−炭素結合であってもよく、R1又はR2のいずれかで、両方でなくてもよく、水素原子であってもよい。好適な置換無水マレイン酸は、無水マレイン酸二置換体であって、R1及びR2はいずれも水素原子ではない。二置換体は、無水物とアミンとの間に形成される共有結合のpH不安定性を増加することを発見した。好適な無水マレイン酸二置換体は、カルボキシジメチル無水マレイン酸(CDM)又は、2−プロピオニック−3−メチル無水マレイン酸であって、R1又はR2がメチル基であり、R2又はR1が−(CHCOOHである。カルボキシル基の導入により、この無水物の電荷及び水溶性が増加し、且つ、膜の活性化及び細胞透過性化合物の不活化が促進する。他の機能基は、R1及び/又はR2のいずれに導入されてもよい。
好適実施例において、図1Aに示した一般式を有する二機能性置換無水マレイン酸を備えた可逆的共有的クロスリンカーについて述べており、R1又はR2はチオエステルである。このチオエステル基は、末端のシステイン又は、2又は3つの結合にてアミンから分離されたチオールを有する他の分子への結合を可能とする。好適な二機能性無水マレイン酸二置換体は、カルボキシメチル無水マレイン酸チオエステル(CDM−チオエステル)であって、R1又はR2は、メチル基であり、且つ、R2又はR1は、−(CHCOSCHCOOHである。このチオエステルを有する無水マレイン酸二置換体は、アミンを有する分子を適切なチオールを有する分子へと共有的に結合すべく使用されてもよい。このチオールの結合は、生の化学的ライゲーションを介して起こる。このチオエステル自体、N−ヒドロキシサクシニミジルエステルなどの活性化エステルと比較して相対的に安定であるが、即座に且つ選択的にN−末端性システイン基に結合する。この反応混合物は、他のアミン又は他のチオールを含んでいてもよいが、チオエステルにて、安定なアミドを形成すべく適切なチオールへと結合する。
好適実施例において、アミンを有する生物学的に活性な分子を可逆的に不活化する工程について述べており、この分子は、置換無水マレイン酸により改質されている。この分子の不活化の効率は、無水マレイン酸のR1及びR2の位置の置換基により影響される(図1A参照)。この改質の回復は、上記の生物学的に活性な分子におけるアミンを再生し、これにより、この分子の活性は、pH<7にて加速される。
好適実施例において、分子の細胞内部への送達工程について述べており:膜活性化合物を可逆的に不活化し、且つ、改質された膜活性化合物及び細胞の分子を関連付けることを有しており、上記の化合物及び上記の分子は、エンドサイトーシスされ、且つ、上記の膜活性化合物の活性は、エンドソーム/リソソームによる膜の崩壊を起こすことにより回復される。上記の膜活性化合物の可逆的な不活化は、上記化合物を置換無水マレイン酸と反応することにより改質することで構成されている。エンドソーム又はライソソームの酸性pH環境への曝露は、上記無水物の分解による上記膜活性化合物の再活性化を惹き起こす好適な置換無水マレイン酸は、無水マレイン酸二置換体である。好適な無水マレイン酸は、CDM又はCDM−チオエステルである。CDMに存在する追加のカルボン酸は、特定の膜活性化合物の不活化を促進する。この細胞は、in vitro又はin vivoのいずれに存在していてもよい。
好適実施例において、陽イオン性輸送分子の可逆的な不活化に関する方法を述べており:この分子を、置換無水マレイン酸と反応することにより改質することを有している。この可逆的に不活化された輸送分子は、その後、細胞に関連付けられてもよく、この輸送分子の活性は、回復される。無水物改質の分解による上記の輸送分子の再活性化は、エンドソーム/リソソーム又は腫瘍領域などの酸性環境化において促進される。この輸送分子は、他の機能性置換基又は生物学的活性化合物の結合によりさらに改質されてもよい。他の置換基又は化合物は、この輸送化合物又は上記の無水物に結合されてもよい。この改質された陽イオン性輸送分子は、in vitro又はin vivoに存在するいずれの細胞に送達されてもよい。
好適実施例において、可逆的共有結合を介した二つの分子のリンク又は結合方法を述べており、この分子の一つはアミンを有している。このリンケージは、二機能性置換無水マレイン酸(図1A)を有しており、R1又はR2は、反分子と共有又は非共有相互作用を形成してもよい反応性置換基を有している。非共有性相互作用を形成する反応性置換基の例は、ビオチンであって、これは、ストレプトアビジンと安定的な相互作用を形成する。共有性相互作用を形成する反応性置換基の例はチオエステルである。この二機能性置換無水マレイン酸は、分子の、アミンを有する生物学的活性化合物への可逆的な結合を提供してもよい。低下したpHに曝露すると、この分子は、分解して、上記の生物学的化合物又は医薬品が再生する。この分子は、上記の化合物の標的化又は送達、この化合物の可逆的な不活化、又は他の目的の機能を促進する。好適なチオエステルを有するリンカーは、CDM−チオエステルである。CDM−チオエステルにて二つの分子をリンクすべく、CDM−チオエステルの無水物は、アミンと反応され、その後、このチオエステルは、他の分子の適切なチオールと反応される。代替的に、この二機能性無水物は、同一の分子にともに存在するアミン及びチオールを架橋すべく使用されてもよい。
好適実施例において、アミンを、置換無水マレイン酸と反応することにより可逆的に改質する工程を述べている。例えば、エンドソーム又はライソソーム又は腫瘍領域など、低いpHにてインキュベートすることにより、上記の置換無水マレイン酸の分解及び上記のアミンの再生が加速する。アミンの改質は、アミンを有する分子の化学的及び物理的特性を変更してもよい。好適な置換無水マレイン酸は、無水マレイン酸二置換体である。
好適実施例において、生物学的活性化合物の活性を、in vivoにおける腫瘍の近傍の領域へと標的化する工程について述べており:上記化合物を、置換無水マレイン酸にて改質することにより可逆的に不活化し、且つ、改質されたこの化合物を動物へと注入することを有している。酸性の腫瘍の領域において、上記の改質の回復は加速され、上記の活性化合物が再生する。もし、この化合物がアミンを有している場合、この化合物自体は、不活化されてもよい。代替的に、この化合物は、TAT−CDM−チオエステルなどの、可逆的に不活化された標的分子に結合されてもよい。TATは、細胞透過性ペプチドである。他の例において、非腫瘍細胞への関連付けは、CDM−PEGなどの置換無水マレイン酸での改質により阻害される。
好適実施例において、アミンの電荷を可逆的に変更する方法について述べており:このアミンを、置換無水マレイン酸と反応することにより改質することを有している。この置換無水マレイン酸は、限定しないが、CDMなどの酸性機能性置換基を有していてもよく、この陽イオン電荷を有するアミンを、陰イオンの電荷を有するカルボキシルへと可逆的に変換することを可能としている。このアミンは、ポリアミンに存在していてもよい。この方式において、ポリアミンは、部分的又は完全に改質されてもよく、電荷の中和又は回復の幅広い範囲を可能としている。上記のアミンの、陰イオンの電荷を有する無水物の改質の分解による再生は、pH<7にて加速される。
(詳細な記述)
アミンを有する化合物を可逆的に改質するのに有用な無水マレイン酸誘導体について述べている。また、生物学的活性化合物の可逆的不活化、架橋、又はその他の改質する方法についても述べている。上述の分子及び方法は、その他の可逆的改質方法に対して、幾つかの有意な進歩を与えている。第1に、ジスルフィド含有架橋剤などの多くの可逆的試薬とは異なり、この無水マレイン酸誘導体の分解は、改質されていない当初のアミンを再生する。第2に、緩徐に酸性の生理的条件において、上述の無水物は、非常に急速に分解され;分解される他の不安定結合に必要な数時間又は数日などと比べて、数分で分解される。それにもかかわらず、本願の方法を用いると、アミン含有化合物の改質は、直接的で容易である。さらに、in vivo又はin vitroでのこの改質の回復は、本質的に一方向である。この特徴は、この改質が、膜活性化合物を可逆的に阻害するのに使用される際、特に有用である。一度、この改質が分解されると、上記の膜活性化合物は、局所のpHが酸性でない場合であっても、活性を保持している。逆に、陽イオン性脂質などの膜を活性化及び崩壊すべくプロトン化に依拠する多くの化合物は、pHが上昇しても、潜在的に不活化される。
無水物は、無水マレイン酸に関して、図2に示した一級アミンと共有結合を形成している。無水コハク酸(図1B)に関して、得られる共有結合は、安定であり、生理的条件では可逆的でない。無水マレイン酸(図1A)に関して、得られる共有結合は、生理的条件下で分解され得る。このアミド結合の不安定性は、無水マレイン酸の不飽和の炭素−炭素結合の置換度合いにより直接影響を受ける[Kirby及びLancaster、1972年;Nieto及びPalacian、1983年]。親の無水物、無水マレイン酸は、置換されておらず、最も安定なマレアミック酸(maleamic acid)を形成している。シトラコン酸及びcis−アコニット酸由来マレアミック酸は、それぞれ一つの置換を有しており、pHにより、より不安定性を有している。ジメチル無水マレイン酸二置換体に由来するマレアミック酸は、最もpHに不安定である。
上記無水物の反応性置換基に付加的な機能を追加する無水マレイン酸誘導体について述べている。例えば、無水マレイン酸二置換体は、R1又はR2が、チオエステル反応性置換基を有し、これにより、カップリング試薬又は架橋剤として使用されてもよい二機能分子(CDM−チオエステル)を形成する。この分子において、R1又はR2のカルボキシル基は、チオエステルとして前活性化される。このチオエステルは、N末端のシステイン又は、生の化学的ライゲーションと呼ばれる工程においてアミド結合を形成すべく、2つから3つの結合にて、アミンとリンクされる他のチオールと反応してもよい。このチオエステルの安定性は、アミン及びチオエステルと反応することなくマレアミック酸置換基を形成すべく、化合物におけるアミンと、CDM−チオエステルの無水物と反応することを可能とする。このチオエステルは、その後、N末端のシステイン基又は、第二の化合物の適当なその他のチオールと反応することが可能となる。
無水マレイン酸誘導体を用いて、膜活性化合物を生物学的活性化合物とリンクするカップリング技術を開発した。膜活性化合物の生物学的活性化合物へのカップリングは、特定の生物学的活性化合物の細胞、特にin vivoの細胞への送達に有益である。上記の膜活性化合物の他の分子へのカップリングに加えて、この工程は、上記の膜活性化合物の活性を可逆的に阻害してもよく、従って、毒性が軽減される。同様の様式において、生物学的活性化合物と膜活性化合物との両方を、例えば、ポリマーなどの第3の分子へと結合することも可能である。この両化合物は、CDM−チオエステルの酸に不安定なマレアミック基を介して結合される。このチオエステルは、生の化学的ライゲーションを介してシステイン含有ポリマーへとカップルされてもよい。同様の技術は、生物学的活性化合物の標的置換基又はその他の所望する化合物への結合へ適用されてもよい。
その他の機能性置換基は、R1又はR2のいずれかの一つの上記無水物へと結合されてもよいことを想定されていてもよい。上記の無水物のアミンへのカップリングを阻害することなく、他の分子への共有的又は非共有的相互作用を可能とする種々の置換基を使用してもよい。
(定義)
(機能性置換基)
機能性置換基は、細胞標的化シグナル、核局在化シグナル、エンドソーム又はその他の細胞内ベシクルの内容物の放出を促進する化合物(放出シグナル)、細胞透過性化合物及びその他の、化合物又は複合体の挙動又は相互作用を変化させる化合物を含む。機能性置換基は、反応性置換基、他の分子又は種々の他のR置換基との非共有性相互作用を提供する分子を含んでもよい。
(細胞標的化シグナル)
細胞標的化シグナルは、生物学的活性化合物の細胞への関連付けを促進する種々のシグナルである。これらシグナルは、薬物や核酸などの生物学的活性化合物を改質可能であり、且つ、これらを細胞の位置(例えば、組織)又は、培養又は個体全体における細胞内の位置(例えば核)などへ方向付けてもよい。このシグナルは、化合物の細胞表面への結合性及び/又は細胞内画分の関連付けを増加してもよい。外来遺伝子の細胞内又は組織配置の改質により、生物学的活性化合物の機能を促進してもよい。細胞標的化シグナルは、限定しないが、タンパク質、ペプチド、脂質、ステロイド、糖、炭化水素、(非発現の)ポリ核酸又は合成化合物であってもよい。リガンドなどの細胞標的化は、受容体への細胞結合性を増加する。種々のリガンドは、薬物及び遺伝子を細胞又は特定の細胞性受容体へと標的化すべく使用されている。このリガンドは、細胞膜内、細胞膜上、又は細胞近傍の標的を検索してもよい。リガンドの受容体への結合は、典型的にエンドサイトーシスにより開始する。リガンドは、アシオログライコプロテイン又はガラクトース残基をもちいることにより、アシアログライコプロテイン受容体に標的化する試薬を含む。インスリン、EGF又はトランスフェリンなどの他のタンパク質をこの標的化に用いてもよい。RGD配列を有するペプチドは、種々の細胞の標的化に用いられてもよい。細胞上のチオール、スルフヒドリル又はジスルフィド基と反応する化学置換基は、種々のタイプの細胞を標的化すべく使用されてもよい。葉酸又はその他のビタミンは、標的化に使用されてもよい。他の標的化群は、脂質、脂肪酸、コレステロール、ダンシル化合物及びアムフォテリシン誘導体などの膜と相互作用する分子を含む。加えて、細胞を結合すべくウィルス性タンパク質を用いてもよい。
化合物又は複合体の細胞への相互作用の後、その他の標的化群は、生物学的活性化合物の、細胞の特定の部位への送達性を増加すべく使用されてもよい。
(核局在化シグナル)
核局在化シグナルは、細胞周期の中間状態において、医薬品を、核近傍及び/又は核へと移行する標的化を促進する。かかる核移行シグナルは、SV40ラージT抗原NLSや、ヌクレオプラスミンNLSなどのタンパク質又はペプチドであってもよい。これらの核局在化シグナルNLS受容体(カリオフェリンα)などの種々の核移行因子と相互作用し、その後、カリオフェリンβと相互作用する。この核移行タンパク質は、それ自体、NLSとして機能する。なぜなら、これらは、核孔又は核へと標的化されているからである。例えば、カリオフェリンβ自体は、DNAを核孔複合体へと標的化可能である。種々のペプチドは、上記のSV40T抗原に由来している。その他のNLSペプチドは、hnRNP A1タンパク質、ヌクレオプラスミン、c−mycなどに由来している。多くの生物学的活性化合物、特に、多くの電荷を有する化合物は、生物学的膜と架橋することができない。これら化合物を細胞へと導入すべく、細胞は、エンドサイトーシスにより取り込まなければならず、つまり、エンドソームへと取り込まなければならず、或いは、化合物の架橋を可能とすべく、細胞膜を破壊しなければならない。エンドソームによる導入の場合、エンドソームの膜は、エンドソームの外側へと動き且つ、細胞質へと動くことを可能とすべく崩壊されなければならない。細胞への侵入経路は、細胞膜の破壊を要求する。膜構造の変化を可能とする化合物は、膜活性化合物と称する。構造におけるこの変化は、膜上の一つ以上の効果を誘導する化合物により示されてもよく、この効果は:低分子の透過性、ポアの形成、膜の融合及び/又は分裂を可能とする変更、大分子の透過性、膜の溶解若しくは崩壊又は膜位相の移行を可能とする変更からなる群から選択される。この変更は、赤血球の溶解(溶血)、リポソームの漏出、リポソームの融合、細胞融合、細胞溶解及びエンドソームによる放出からなる群から選択された少なくとも一つのアッセイにおける化合物の活性により機能的に規定されてもよい。膜活性薬剤の例は、膜の活性が赤血球由来のヘムを放出(溶血)する能力により示される、蜂の毒ペプチドであるメリチン(mellitin)である。
さらに特に、膜活性化合物は、膜を通過すべく、50原子の質量ユニット以上の分子量を有する分子の輸送を可能とする。この輸送は、膜構造の全体的な消失、膜構造におけるホール(又は孔)の形成、膜を介した分子の補助された輸送又は、脂質二重構造の際配置若しくは秩序破壊のいずれかにより達成されてもよい。加えて、リボソーム又は細胞膜間の輸送は、これら二つの膜の融合により達成されてもよく、従って、これら二つの膜の内容物が混合される。
これら膜活性化合物又は放出シグナルは、エンドソーム(早期又は後期)、ライソソーム、ファゴソーム、ベシクル、小胞体、ゴルジ体、トランスゴルジ網(TGN)及び筋小胞体などの、細胞内小器官からエンドサイトーシスされた物質の放出を促進する。この放出に含まれるのは、細胞内画分から細胞質又は核などの他の小器官への移動である。放出シグナルは、クロロキン、バフィロマイシン又はブレフェルディンA1及びER保持シグナル(KDEL配列、配列番号3)などの化合物、インフルエンザウィルスのヘマグルティニンサブユニットHA−2ペプチドなどのウィルス成分及び他のタイプの両親媒性ペプチドを含む。膜活性化合物が活性化される時及び場所の制御は、効果的な輸送に関して重大である。もし、膜活性薬剤が、特定の時間及び場所において制御的である場合、生物学的活性化合物の生物学的膜への輸送を促進するであろう。膜活性化合物が、誤ったタイミングで活性化しすぎ又は活性化する場合、輸送は起こらず、或いは、輸送は、細胞の破壊又は細胞死に関連づけられる。自然は、膜の融合及び毒性を有することなく活性が輸送を補助するように調節される膜活性化合物の使用を含む生物学的活性化合物の膜輸送を可能にする種々のストラテジーを進化させてきた。多くの脂質ベースの輸送処方は、膜融合に依拠し、幾つかの膜活性ペプチドの活性は、pHにより制御される。特に、ウィルスのコート蛋白は、しばしば、pH感受性であり、中性又は塩基性pHにて不活性であり、エンドソームに見出される酸性条件下にて活性である。
(膜活性ペプチド)
膜活性ペプチドは、ペプチドの膜活性化合物である。多くの天然由来の膜活性ペプチドがあり、これらには、限定されないが:セクロピン(cecropin)(昆虫)、マガイニン(magainin)(ハチ)、CPF1、PGLa、ボンビニンBLP−1(これら全ては、両性類由来である)、セミナルプラスミン(ウシ)、インドリシジン、バクテネシン(これら二つは、ウシ好中球由来)、タキプレシン(カニ)、プロテグリン(ブタ白血球)、及びディフェンシン(ヒト、ウサギ、ウシ、カビ類及び植物由来)、グラミシディンA及びフラミシディンC(bacillus brebis)、ニシン(lactococcus lactis由来のランティバイオティクス)、アンドロクトニン(サソリ)、カルディオトキシンI(コブラ)、サエリン(カエルであるlitoria splendida)及びダーマセプティン(カエル)及びこれらに類するペプチドを含む。ウィルス由来ペプチドもまた、膜活性を有することが示されており、限定しないが:ヘマグルティニンサブユニットHA−2(インフルエンザ)、E1(セムリキ森林熱ウイルス)、F1(センダイ及びハシカウィルス)、gp41(HIV)、gp32(SIV)、vp1(ライノウィルス、ポリオウィルス及びコクサッキーウィルス)並びにこれらに類するものを含む。メリティンは、高度に細胞毒性を有し、且つ、溶血性膜活性ペプチドである、ハチ毒の26残基のペプチド成分
Figure 2005529931
(ミツバチペプチド配列、配列番号4)である。天然由来又は合成由来のこの配列の多重的な変異体もまた、膜活性を有している。加えて、合成ペプチドは、合成され、膜活性を有している。ロイシン及びリジンリッチな合成配列(KL又はKLnモチーフ)は、膜活性を有することを示されている。特に、KL3と称されるペプチド
Figure 2005529931
は、膜活性を有している。これらは、異なる膜活性ペプチドの全ての間でホモロジー又は構造的類似性を有していない。従って、これらは、それらの膜活性により規定される。
(膜活性ポリマー)
膜活性ポリマーは、膜活性を有するポリマーである。
(膜活性両親媒性物質)
膜活性両親媒性物質は、親水部分及び疎水部分を有する両親媒性の膜活性化合物である。かかる化合物の例は、ドデシルアミン及びドデシルサルフェートなどの界面活性剤又は洗剤が挙げられる。
(両親媒性化合物)
両親媒性化合物は、は、親水性を有しつつ、他方では疎水性を有する分子である。疎水性なる用語は、定性的な意味合いにおいて、その化学残基が水を排除する性質を有していることを示す。炭化水素は、疎水基である。親水性なる用語は、定性的な意味合いにおいて、その化学残基が水になじむ性質を有していることを示す。典型的に、かかる化学的置換基は、水溶性であり、水素結合や水のアクセプターである。親水性置換基の例は、以下の化学残基を有する化合物を含む:炭水化物、ポリオキシエチレン、オリゴヌクレオチド並びにアミン、アミド、アルコキシアミド、カルボン酸、イオウ又は水酸基を有する置換基である。
(細胞透過性化合物)
陽イオン性取り込み(import)ペプチド(ペプチドトランスロケーションドメイン、メンブレントランスロケーションペプチド、アルギニンリッチモチーフ、細胞透過性ペプチド及びペプトイド分子トランスポーターなどとも称される)細胞透過性化合物は、生物学的膜を通過することが可能な化合物である。加えて、これらは、膜を横切って結合される分子の輸送が可能である。細胞透過性化合物は、膜活性化合物の別の形態である。典型的にアルギニン及びリジンリッチな陽イオン取り込みペプチドの例は、TAT(配列番号1)、VP22ペプチド及びANTpペプチド(配列番号2)を含む。しかしながら、細胞透過性化合物は、厳密にはペプチドではない。アミン又はグラニジウム基がリッチな短く、ペプチドではないポリマーもまた、生物学的膜を移行する分子を運ぶことができる。膜活性ペプチドと同様に、陽イオン性取り込みペプチドは、厳密なアミノ酸配列に関する要求性よりも、その活性により規定される。
他の機能性置換基は、ポリエチレングリコールなどの化合物を有し、分子及びそれ自身並びに他の分子との相互作用を減少する。かかる置換基は、血清因子又は細胞と分子又は送達される複合体との間の相互作用を制限するのに有用である。
他の機能性置換基は、アルカリ鎖及びコレステロールやコレステロール誘導体などのその他の疎水性置換基を有する。これらの疎水性置換基は、膜に結合すべく、膜を破壊すべく、或いは、疎水的相互作用を提供すべく使用されてもよい。
(膜透過性分子)
膜透過性分子は、細胞膜二重層を通過することが可能な分子である。この二重層を介してこれら分子の移動は、さらなるタンパク質、化合物又は化学品を必要としない。事実、電荷を有し或いは高い極性の分子に対する細胞膜の不透過性の特徴ゆえ、細胞質に到達する必要のある多くの低分子薬物は、膜透過性である。薬物設計は、水溶性と膜透過性とで均衡を取る必要がある。しかしながら、特定の薬物、例えば、抗がん剤であるドキソルビシンに関して、特異的でない膜透過性は、標的化されていない細胞において負の非特異的効果をもたらす。係る薬物の膜透過特性を可逆的に不活化する能力は、毒性を軽減しつつ、薬物の効果を向上すべく使用されてもよい。
(反応性置換基)
反応性置換基は、他の置換基と共有結合を形成し得る置換基である。共有結合を形成する反応性得置換基は:イソチオシアネート、イソシアネート、アクリルアジド、酸ハライド、O−アシル尿素、N−ヒドロキシコハク酸エステル、サクシイミド、エステル、チオエステル、アミド、尿素、スルフォニルクロライド、アルデヒド、ケトン、エーテル、エポキシド、カーボネート、アルキルハライド、イミドエステル、カルボキシレート、アルキルフォスフェート、アリルハライド(例えば、ジフルオロジニトロベンゼン)及び無水物からなる群から選択されてもよい。
R置換基は、種々の置換基を有し、一つは、上記の無水マレイン酸に結合することが望ましい。R置換基は、ペプチド、タンパク質、抗原、ハプテン、ビオチン、核酸、アルキル基などからなる群から選択されてもよい。
(CDM(2−プロピオニック−3−メチル無水マレイン酸))
CDMは、ジメチル無水マレイン酸二置換体のカルボン酸を有する誘導体である。CDMは、ジメチルオキソフルタレート及びトリエチル−2−フォスフォノプロイオネートとのHorner−Emmons反応の後に、刊行済みの方法(図3)に従って、そのエステル基の鹸化を介して合成される[Naganawaら、1994年]。カルボキシレートを有する置換基の添加により、電荷及びこの化合物の水溶性が増加する。cis−無水アコニット酸は、同様のカルボン酸基を有しているが、第二のRの位置への二置換体を有していない。
(フォスフォロジアミデートモルフォリノオリゴヌクレオチド(PMOs))
PMOsは、モルフォリノサブユニットから合成され、そのそれぞれは、6員環のモルフォリノ環に結合された一般的な塩基の一つを有している。このサブユニットは、非イオン性のフォスフォロジアミデート内部サブユニットリンケージにより結合される。PMOsは、立体障害機構によりその効果を発揮し、且つ、標的のRNAの翻訳又はスプライシングを阻害すべく使用されてもよい。PEG及びデキストランと同様に、オリゴヌクレオチドは、流動相エンドサイトーシスにより吸収され、細胞膜を直接横切って拡散することができない。
(架橋)
架橋は、二機能性試薬(クロスリンカー)にて、二つ以上の分子を結合することを参照している。二機能性試薬は、二つの反応性末端を有する分子である。この反応性末端は、ホモ二機能性分子として同一であってもよく、或いは、ヘテロ二機能性分子として異なっていてもよい。この結合は、共有結合であってもよく、或いは、安定な非共有結合であってもよい。
(不安定結合)
不安定結合は、選択的に破断されることが可能な共有結合である。つまり、この不安定結合は、他の共有結合を切断することなく、他の共有結合の存在により切断されてもよい。例えば、ジスルフィド結合は、例えば、分子ないに存在する可能性のある炭素−炭素、炭素−酸素、炭素−イオウ、炭素−窒素結合など種々の他の結合、の分解なしに、チオールの存在にて切断されることが可能である。不安定性は、また、分解可能性を意味している。
(不安定リンケージ)
不安定リンケージは、不安定結合を有し、二つの他の置換基との間にリンク又はスペーサーを提供する化学的化合物である。リンクされるこの置換基は、生物学的活性化合物、膜活性化合物、膜活性を阻害する化合物、機能性反応性置換基、モノマー及び細胞標的化シグナルなどの化合物から選択されてもよい。上記のスペーサーグループは、化学残基を有していてもよく、この残基は、アルカン、アルケン、エステル、エーテル、グリセロール、アミド、糖類、多糖類及び酸素やイオウや窒素などのヘテロ原子からなる群から選択された残基であってもよい。上記のスペーサーは、電気的に中性であってもよく、正又は負の電荷を露出していてもよく、或いは、全体的に中性、正又は負の電荷を有しつつ、正及び負の電荷を露出していてもよい。
(pH不安定性)
pH不安定性は、酸性条件下(pH<7)にて、共有結合が選択的に切断されることを参照している。つまり、このpH不安定結合は、他の共有結合を切断することなく、酸性条件下にて切断されてもよい。pH不安定性なる用語は、pHに不安定、pHに非常に不安定、及びpHに極端に不安定なリンケージ及び結合の両方を含んでいる。
pH不安定結合のサブセットは、非常のpHに不安定である。本発明の目的に関して、pH5での切断に関する半減期が45分未満である場合、この結合は非常にpHに不安定であると考慮される。
pH不安定結合のサブセットは、極度にpHに不安定である。本発明の目的に関して、pH5での切断に関する半減期が15分未満である場合、この結合は極端にpHに不安定であると考慮される。
改質と呼ばれる工程を介して改質を形成すべく、もし、この二つが、共有結合で結合されている場合、二番目の分子により分子は改質される。つまり、この二つの分子は、一つの分子における原子と二番目の分子における原子との間で共有結合をし、その結果、新しい単一の分子を形成する。化学的共有結合は、電子密度を共有する二つの原子間での相互作用的な結合である。
(生の化学的ライゲーション)
生の化学的ライゲーションは、化合物のチオエステルのカルボキシレートとアミンtの間でアミド結合を形成することであって、例えば、末端のシステインのように、アミンから2又は3個の原子を隔ててチオールをも有している。
(電荷、極性及びサイン(sign))
化合物の電荷、極性及びサインは、化合物が一つ以上の電子を消失しているかどうか(正電荷、正極性、正のサイン)或いは、一つ以上の電子を獲得しているかどうか(負電荷、負極性、負のサイン)を参照している。
(例)
1. 2−カルボキシエチル−3−メチル無水マレイン酸(CDM−チオエステル)の合成
CDM無水物(100mg)を10mLの塩化メチレンに溶解した。この溶液に2mLの塩化オキサリルを加えた。一昼夜撹拌した後、過剰の塩化オキサリルは、ロータリーエバポレーションにより除去され、澄明な油状物質を得た。CDMの酸塩化物は、その後、10mLの塩化メチレンに溶解した。この溶液に、200mgのメルカプト酢酸及び100μLのジイソプロピルエミルアミンを加えた。この溶液を1時間撹拌し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去した。得た油状物質を、高い真空条件下(0.2torr)に3時間載置し、過剰のメルカプト酢酸及びジイソプロピルエチルアミンを除去した。得た産物は、水:アセトニトリル9:1の溶液に溶解し、C18逆相カラムにて、水アセトニトリル9:1に0.1%のトリフルオロ酢酸を加えた溶離的にて、アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸溶液)にて溶出するHPLCにより精製した。
2. 無水マレイン酸二置換体の改質によるポリアミンの荷電反転
環状無水物を、ポリアミンポリ−L−リジン(PLL)にて反応した。200μgのPLL、2mgのHEPEPS及び0.4mgのNaOHを含有する100μLの水に、に0.4mgCDM含有又はジメチル無水マレイン酸(アルドリッチ社)含有50μLエタノールに加え、急速に撹拌した。cic−無水アコニット酸(アルドリッチ社)に関しては、1mgの無水物、5mgのHEPES及び1mgNaOHを使用した。同様に、PLLは、二つの無水コハク酸又は無水シトラコン酸の等量に反応した。PLLと無水物との反応の後、トリニトロベンゼンスルフォン酸(TNBS)アッセイを行ったところ、PLLのεアミンは、カルボキシレートに完全に変換していた。これらポリアミンの電荷密度は、その後、陽イオン性の蛍光標識のPLLの凝集能力を検討することにより同定された。中性pHにおいて、サクシニル化されたPLLの一つの機能性等量は、PLLの凝集に必要である。同様に、シトラコニル化されたPLLの1等量及びcis−アコニチン化されたPLLの0.5等量(これは、反復単位当たり、二つのカルボン酸基を有している)は、PLLを凝集に必要である。逆に、ジメチル無水マレイン酸により改質されたPLLは、10等量を加えた場合であっても、PLLの凝集することは出来ない。同様に、CDM改質PLLの電荷密度は、二つのカルボン酸当たり一つの電荷である。無水物の離れたカルボン酸は、改質されたポリマーに電荷を加える一方、無水物のカルボン酸は、ポリアニオンに対して電荷的に貢献しないようである。
3. グリシンアラニンジペプチドのアシル化及び分解速度論
マレアメート(maleamate)の酸触媒分解率は、グリシンアラニンジペプチドを用いた評価した。CDM及びジメチルマレアミド改質されたグリシンアラニン(GA)は、400μgCDM又はジメチル無水マレイン酸含有20μLエタノールを、200μgGA、2.4mgHEPES含有44μL溶液に加えることにより合成した。この改質ペプチドをpH5の溶液に加えることにより分解を進行させた。種々の時間において、10μgのアリコートを除去し、0.5mLの0.4mMTNBS(pH9)含有100mM炭酸水素ナトリウム溶液(pH9)に加えた。マレアミド酸二置換体は、マレアミド酸一置換体は、よりも急速に分解した。時間の関数として、ln[1−(At/A0)]のプロットは、直線に回帰し、その傾きは、−kであり、これは、分解反応の反応定数であって、ここで、Atは、時間tにおける吸光度であり、A0は、改質されていないGAの吸光度である。ジメチルマレアミド酸及びCDM改質グリシンアラニンの分解に関する定数は、それぞれ、0.4/分(t1/2=1.5分)及び0.3/分(t1/2=2分)であった。cis−アコニット酸改質の回復に関する同様の分析で明らかになったのは、およその半減期が300分(5時間)という非常に緩徐な分解速度であったということである。
Figure 2005529931
4. 無水マレイン酸二置換体の改質による膜活性ペプチドの可逆的不活化
ミツバチ由来のメリチン(配列番号4)を、pH7.5にて、4つのリジン残基に対して2モル等量のサクシニル酸、cis−アコニット酸、ジメチルマレイン酸、シトラコン酸及びCDM無水物にてアシル化した。200μgメリチン、500μgHEPES及び100μgNaOH含有20μL水の溶液に、0.1μgCDM又はジメチル無水マレイン酸含有50μLエタノール溶液を加え、急速にボルテックスした。cis−無水アコニチン酸に関しては、250μgの無水物、1.25mgのHEPES及び250mgのNaOHを使用した。TNBSによるアミン含量の測定により明らかになったのは、これら無水物の全てにより、メリチンのアシル化が完全に起きていたということである。
この改質ペプチドの膜活性は、赤血球(RBC)溶血アッセイを用いて測定した。ブタの全血をヘパリン含有容器に採取した。RBCは、2,500rpm、5分遠心分離して分離させ、100mMのリン酸緩衝液にて3回洗浄した。20μLの洗浄されたRBC懸濁液を、500μLのリン酸緩衝液に加えた。この溶に、種々の量のペプチドを加え、このサンプルを37℃、1.5時間インキュベートした。その後、サンプルを14,000rpm、1分間遠心分離した。RBCの溶血は、上清における541nmの吸光度を測定することにより同定した。ジメチル無水マレイン酸を除くこれら全ての無水物による改質は、膜活性の完全な消失をもたらした。
CDM又はcis−無水アコニット酸のいずれかにより改質されたメリチンを、pH5にてインキュベートした。種々の時間において、pH7.5の緩衝液を添加することによりpHを上昇させ、各サンプルの溶血活性を測定した。CDMメリチンに関する膜活性は、25分以内に100%に回復した。活性の回復に関する速度論(ln[1−(At/A0)]にてプロット)により、0.07/分(t1/2=10分)の定数を得た。cis−アコニチル化されたメリチンをpH5にて27時間インキュベートすることにより、30%のみの活性の回復が見られた。この分解速度論解析により、0.015/時間(t1/2=47時間)の定数を得た。これらの結果が示すのは、CDMは、膜活性ペプチドの活性を阻害可能である、ということである。さらに、この阻害は、生理的なpHにより、経時的に回復し、エンドサイトーシスを介した物質の細胞への送達が可能となる。
6. エンドサイトーシス画分からの蛍光ポリエチレングリコールのCDM−メリチン媒介放出
ガラス製カバーストリップ上にて培養したHeLa細胞を、37℃、10分間、400μg/mL改質メリチン含有/不含の1mLDMEM中で、1mg/mLのPEG3000を用いてインキュベートした。この後、細胞を洗浄し、10%ウシ血清含有DMEM中にて、37℃、35分間インキュベートした。その後、細胞を、PBS(シグマ社)にて3回洗浄し、4℃、4%ホルムアルデヒド(シグマ社)含有PBSにて30分間固定し、PBSにて3回洗浄した。その後、カバーストリップを、蛍光顕微鏡のガラススライド上に載置した。このサンプルの画像は、Zeiss社製LSM510共焦点顕微鏡にて取得した(Zeiss、ドイツ)。CDM−メリチンを有していない場合、蛍光−PEGは、破裂した様相を呈し、これは、エンドソーム及び/又はライソソームの局在を示す。逆に、CDM−メリチンを含有する場合には、蛍光は、細胞全体に観察され、このことは、エンドソーム/ライソソームから蛍光−PEGが放出されたことを示している。cis−アコニット酸改質メリチンと共インキュベートすると、コントロールとして蛍光−PEG単独と比較できない破裂した蛍光が得られた。同様の結果は、蛍光標識10kDaデキストランをマーカー分子として用いた場合にも観察された。加えて、エンドソームの酸性化の阻害剤であるバフィロマイシンは、蛍光−PEGの放出を阻害した。
細胞を400μg/mLのCDM−メリチンにて10分間インキュベートすると、視覚的に明らかな細胞毒性効果は観察されなかった。逆に、10μg/mLの改質されていないメリチンは、10分未満で、細胞を完全に破壊した。加えて、細胞毒性をより高感度で指示するべく、プロピオジウムヨーダイド染色を使用した。細胞をCDM−メリチンにて10分間曝露すると、〜1%の細胞のみがプロピオジウムヨーダイドにて核染色され、これはコントロールサンプルと同様であった。従って、CDM−メリチンは、エンドソームによる放出を可能とする一方、細胞毒性を実質的に軽減した。
7. CDM−改質膜活性ペプチドによる、オリゴヌクレオチドの細胞質/核送達
HeLa−LUC/705細胞は、安定に一体化された、スプライシングサイトが欠失した変異ルシフェラーゼ遺伝子を保持している(Gene−Tools、Philomath、OR)。この変異スプライシングサイトは、トランケートされた不活性なルシフェラーゼ蛋白をコードするmRNAを産生する。適切なフォスフォロジアミデートモルフォリノオリゴヌクレオチド(PMO、
Figure 2005529931
配列番号6)の存在は、このスプライシングサイトをブロックし、正常なスプライシング及び全長の活性な酵素の発現をもたらす。従って、この細胞株におけるルシフェラーゼ活性は、細胞質/核に存在する(エンドソーム画分から放出された)PMOの量に直接比例する。
HeLa−LUC細胞は、2.5μMのPMO±CDM−メリチン、シトラコン酸−メリチン又はアコニチン酸−メリチンにてインキュベートした。細胞は、37℃、5%CO2のインキュベーター内で4時間インキュベートした。その後、培地を10%仔牛血清含有DMEMに置換し、さらに48時間培養した。この細胞を採取し、そのライゼートは、Lumat LB9507ルミノメーター(EG&G Berhold、Bad−Wildbad、ドイツ)を用いてルシフェラーゼ発現を検討された。PMOとCDM−メリチンとの共インキュベートにより、PMO単独のインキュベートによるよりも、ルシフェラーゼ発現が5〜12倍に増加した。cis−アコニチン酸改質メリチン及びシトラコン酸改質メリチンのいずれでも、ルシフェラーゼ活性/PMO送達のいずれも増加しなかった。
Figure 2005529931
これらデーターが示すのは、cis−アコニチン酸改質メリチン及びシトラコン酸改質メリチンではなく、CDM−メリチンは、オリゴヌクレオチドの細胞への送達を経時的に可能にする、ということである。
8. オリゴヌクレオチドのポリマーへの可逆的結合
in vivoにて、生物学的活性物質を細胞へと送達するために、可逆的に改質された膜活性化合物は、送達される分子に複合化されなければならない。PMOをCDM改質メリチンにて結合すべく、アミド結合を形成すべくチオエステル及びN−末端システイン基を反応する生の化学的ライゲーションに基づくカップリング技術を開発した。この工程の有益性は、アミドへと変換される(CDMの)酸が、チオエステルとして前活性化されてもよいということである。このチオエステル自体、N−ヒドロキシサクシニミヂルエステルなどの活性化エステルと比較して相対的に安定であるが、N−末端システイン基と急速且つ選択的にカップルする。この反応混合物は、他のアミン及び他のチオールを含有していてもよいが、安定なアミドを形成すべく、アミノ末端システインのみがカップルする(アミンの2〜3の結合のうちのチオール)。
このチオエステルの安定性は、アミンとチオエステルとを反応することなく、マレアミド酸基を形成すべく、PMOにおけるアミンにて、CDM−チオエステルの無水物と反応することが可能である。得たチオエステルは、その後、アミノ末端のシステイン基と反応することが可能となり、ポリエチレンイミンなどのポリカチオンに存在する(PEI−Cys)。この方式において、酸不安定性マレアミド基を介したPMOのポリカチオンの結合が可能となる。PMOのPEI−Cysへの結合の後、CDM−チオエステル改質メリチンは、PEI−Cys、PMO及びCDM改質メリチンを有する単一分子複合体を形成すべく、PEI−Cys−PMOコンジュゲートへと結合される。
システイン改質ポリエチレンイミンを合成するため、Nα−Fmoc−S−tert−ブチルチオ−L−システイン(20mg)を5mLのアセトニトリルに溶解した。この溶液にジシクロヘキシルカルボジイミド(10mg)及びN−ヒドロキシサクフィニイミド(5mg)を加えた。一昼夜、サクシニミジルエステルを形成させた。その後、反応されたジシクロヘキシルウレアをフィルタリングし、エステルは、ポリエチレンイミン(20mg)含有10mLエタノール溶液に加えられた。10分後、この誘導体化されたポリマーは、45mLのジエチルエーテルにて沈殿された。その後、このポリマーは、2mLのピペリジンに溶解され、FMOC基を除去した。このポリマーを再び、ジエチルエーテルにて沈殿させた。改質されたポリマーは、2mLの水に溶解し、塩酸を加えてpH4に調節した。
(オリゴヌクレオチド−ポリカチオン複合体送達アッセイ)
0.5mモルのアミン改質PMO(配列番号6、Gene Tools、Philomath、OR)を、1nモルCDM−チオエステル含有500mgHEPES緩衝液(pH7.9)と反応した。改質されたPMOは、その後、10μg/mLPEI−Cys、1mMジチオスレイトール及び5mMHEPES緩衝液pH7.5含有50μL溶液に加えられた。メリチンは、3重量等量HEPES塩基存在下0.5重量等量のCDMチオエステルと反応することにより改質された。1時間のコンジュゲーションの後、CDM−チオエステル改質メリチンは、PEI−Cys−PMO複合体に加え、最終濃度を80μg/mLメリチンとした。同様の条件を、シトラコン酸−メリチン又はアコニチン酸−メリチンのPEI−Cys−PMOへの結合に利用した。
HeLa Luc/705細胞は、HeLa細胞に用いた同様の条件にて培養した。細胞を、3×10細胞/ウェルの密度にて、24穴培養ディッシュに載置し、24時間インキュベートした。培地を0.5mLDMEMに変え、PMO複合体を加えた。細胞を、37℃、5%COインキュベーターにて、4時間インキュベートした。その後、培地を10%仔牛血清含有DMEMに変えた。その後、細胞をさらに48時間インキュベートした。その後、細胞を採取し、そのライゼートに関してルシフェラーゼ発現を測定した。
PEI−Cys−PMO−CDM−メリチン負荷は、PMOの送達に効果的であったが、PEI−シトラコン酸−メリチン及びPEI−Cys−PMO−アコニチン酸−メリチンでは効果的でなかった。
Figure 2005529931
9. 細胞透過性化合物の可逆的阻害
陽イオン性取り込みペプチドであるシステイン−TAT(CGRKKKRQRRR、配列番号7)を、蛍光テキサスレッドにて標識した。この改質は、このペプチドの取り込み特性に影響を与えず、且つ、内在化に関して視覚的アッセイを提供する。1mgシステイン改質TAT(配列番号7)(10mg/mL)及び10mMHEPES緩衝液pH7.5の溶液に、0.2mgのテキサスレッドC5ブロモアセタミド(モレキュラープローブ)含有500μLエタノール溶液に加えた。室温にて一昼夜反応した後、スピードエバポレーションにより、エタノールを除去し、標識ペプチドを得た。
この標識ペプチドは、その後、無水マレイン酸二置換体、ジメチルマレイン酸及びCDMにてアシル化された。TAT−テキサスレッド(50μg、10mg/mL)を、100mMHEPES緩衝液pH7.9の存在下、ジメチルマレイン酸又はCDM無水物を添加することにより改質した。
TAT媒介送達を分析するため、HeLa細胞を、ウェル当たり50,000〜100,000個の密度にて、ガラスカバーストリップを有する6穴プレートに載置した。24〜28時間後、細胞が40〜75%のコンフレントに達した際、培地を吸引し、1.0mLのDMEMに置き換え、4℃にて前冷却又は37℃にて前加熱した。その後、TATコンジュゲートを加え、細胞を4℃又は37℃にてインキュベートした。4℃において、エンドサイトーシスは完全に阻止され、このTATコンジュゲートは、原形質膜を直接介してのみ細胞に侵入した。37℃では、エンドサイトーシス内在化も可能である。一定の温度にて1〜2時間インキュベートした後、細胞をPBSにて3回洗浄し、4%ホルムアルデヒド含有PBSで、4℃、30分間固定し、再びPBSにて3回洗浄した。その後、カバーストリップをスライド上に載置し、Zeiss社LSM510、共焦点顕微鏡にて観察した。蛍光標識コンジュゲートに関して、励起のために、488nmの波長のアルゴンレーザーを使用し、且つ、検出のため、長い通路の505フィルターを使用した。ローダミン又はテキサスレッドコンジュゲートに関しては、励起のため、543nmのHeNeレーザーを使用し、検出のため、長い通路の585フィルターを使用した。
4℃にて改質ペプチドを細胞に加えることにより、ペプチドの移行は起こらなかった。この改質されていないペプチドは、これらの条件下、極度な細胞内局在化を示した。37℃にシフトすると、ジメチルマレアマート改質TATは、その活性を回復し、その一方、CDM改質ペプチドは回復しなかった。推定すると、ジメチルマレアマート改質TATは、37℃において、エンドソームの酸性環境下にて内在化される。一度、酸性環境化に載置されると、無水物は分解され、TATペプチドの活性が回復する。逆に、CDM改質TATは、37℃において、有意にエンドサイトーシスされず、従って、酸性環境を経験しない。従って、移行活性の回復能力は、酸性環境化へのエンドサイトーシスに依存するようであり、且つ、ジメチルマレアマート基の分解は、この活性TATペプチドの再生に依存するようである。
10. CDMを用いたPEGの可逆的結合
CDM及びCDM−チオエステルの簡便な合成を示す。CDM及びその誘導体の合成に関する簡便性は、他の酸分解性材料を簡便に製造することを可能とする。特に、ポリエチレングリコール(PEG)は、CDMの酸塩化物を介して、CDMにコンジュゲートされてもよい。2−プロピオニック−3−メチル無水マレイン酸(30mg、0.16mモル)含有5mL塩化メチレン溶液に、塩化オキサリル(200mg、10等量)及びジメチルホルムアミド(1μL)を加えた。一昼夜反応させ、過剰量の塩化オキサリル及び塩化メチレンを、ロータリーエバポレーターにより除去し、酸塩化物である澄明な油状物質を得た。この酸塩化物を、1mLの塩化メチレンに溶解した。この溶液に、平均分子量5,000のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(815mg、1等量)及びピリジン(20μL、1.5等量)含有10mL塩化メチレン溶液に加えた。その後、この溶液を一昼夜撹拌した。その後、溶媒を除去し、得た固形物を8.15mLの水に溶解した。一方、Garman及びKalindjianは、PEG含有無水マレイン酸を、2−ブロモメチル−3−メチル無水マレイン酸を用いて合成した[Garman及びKalindjian、2000年]。この合成を再現すべく試みたが不成功に終わり、この中間体は、「高収率及び高品質にて調製することは困難である」と報告した[Greenwaldら、2000年]。合成における困難性は、酸分解性PEG誘導体の合成に対するCDMの貢献度が重要であるものとしている。Cy3Label IT標識プラスミッドDNAは、1.2倍の過剰電荷を有するポリ−L−リジン(分子量52,000)を有する粒子へとコンパクトにされた。その後、この粒子は、非反応性ポリエチレングリコール(分子量5000)又はアミン反応性CDM−PEGにて、ポリ−L−リジンのアミンに対して0.5モル等量にて反応された。50μgのDNAを含有する粒子は、20g以下のオスICRマウスの尾静脈から注射された。1時間後、採血し、Cy3蛍光物が血液循環中に存在することが確認された。その後、このマウスを屠殺し、肝臓、肺、腎臓及び脾臓を採取し、凍結切片作成のため、凍結し、得たスライスは、Cy3蛍光物に関して検討された。見出されたのは、PEG−CDM改質は、非改質PLL−DNA粒子に対して、循環時間を劇的に増加させたということである。非反応性ポリエチレングリコールにて処置された蛍光粒子にて注射された動物は、1時間目において、血液循環中に蛍光物が見出されず、極小量の蛍光物が、肝臓、腎臓又は脾臓に見出され、大部分の蛍光物が肺に残存していることが見出された。CDM−PEGにて処置された蛍光粒子を注射された動物では、非常に高いレベルの蛍光物が、1時間目において、血液循環中に見出され、肝臓、腎臓及び脾臓に拡散した高レベルの蛍光物が見出されたが、肺にはほとんど見出されなかった。
11. 抗がん剤であるドキソルビシンの可逆的改質
ドキソルビシン(Dox)含有50mMのHEPES緩衝液pH7.9の溶液に、3等量のCDMアダクト(例えば、CDM又はPEG−CDMなどのCDMポリマーコンジュゲート)を加えた。改質されたDOXは、その後、組織培養中の細胞に加えられ、或いは、in vivoに注入された。
12.標的化送達のための、膜透過性ペプチドの可逆的阻害
ストレプトアビジンは、6モル等量のサクシニミジル4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート(Pierce社製のSMCC)の反応によりマレイミド基にて反応された。肝臓標的化ペプチドである
Figure 2005529931
(配列番号8)は、上記のマレイミド基による反応により、ストレプトアビジンにコンジュゲートされた。18個のアミノ酸/デキストランを有する分子量70,000のアミノデキストラン(モレキュラープローブ)を、5モル等量のCy3NHSエステル(アマシャム社製)と反応した。このCy3標識デキストランは、その後、5等量のNHS活性化ビオチンと反応した。その後、Cy3及びビオチン標識デキストランは、20モル等量のSMCCと反応した。Cy3/ビオチン/SMCC改質デキストランは、セファデックスG25を用いたサイズ排除クロマトグラフィーにより単離した。Cys−TAT蛋白(上述にて調製済み)は、その後、マレイミド−チオールカップリングを介して、上記のデキストランとコンジュゲートされ、デキストランは、サイズ排除クロマトグラフィーにより単離された。45μgのCy3/ビオチン/TAT−デキストランを、4mgHEPES塩基存在下、80μgのCDMと反応した。
非改質及びCDM改質Cy3/ビオチン/TAT−デキストラン(45μg)を、36μgの肝臓標的化ペプチド−ストレプトアビジン含有250μLのPBSに加えた。これらサンプルを、マウスの尾静脈に注射した。注射後10分で、マウスを屠殺し、肝臓を採取し、顕微鏡観察のため、凍結、切片作成した。TAT細胞透過性ペプチドがCDMにて可逆的に改質された際、より広範に分布した標識デキストランが肝臓において観察された。
同様な様式において、ジフテリアトキシンなどの毒物又は、抗がん剤は、TATペプチド(配列番号1)などの細胞透過性分子にコンジュゲートされてもよい。CDMの改質によるTATペプチドの不活化は、非特異的毒性を阻止するであろう。腫瘍における低下したpH環境下でのTATの活性化は、毒物の癌細胞への侵入をもたらすであろう。
上述は、本発明の趣旨を示すためだけに考慮されている。さらに、当業者に取って多くの改変及び変更は即座に行うことが可能であるので、示し且つ述べた正確な構造及び制御にのみ本発明を限定することは望ましくない。従って、全ての適切な改変及び等価物は、本発明の範囲内に収まるものである。
Aは無水マレイン酸誘導体の図であり、Bは無水コハク酸誘導体の構造の図である。 無水マレイン酸誘導体及び第1級アミンとで形成される可逆的共有結合に関する図である。 カルボキシジメチル無水マレイン酸の合成に関するステップを示す図である。 A及びBは、in vivoでの、ストレプトアビジンの幹細胞への送達を示している。ストレプトアビジンは、幹細胞標的化ペプチド及びTAT細胞透過性ペプチドにリンクされる。この細胞透過性ペプチドは、改質されておらず(A)、且つ、CDMでの改質により可逆的に不活化されている。高度に陽イオン性のTATペプチドがCDMの改質により可逆的に不活化される場合、より広い範囲のストレプトアビジンの分布が観察された。

Claims (19)

  1. 化合物の脂質膜との相互作用を変化させるように、アミン含有化合物を可逆的に改質する方法であって:
    前記化合物の前記アミンに置換無水マレイン酸を共有的に結合することを有する方法。
  2. 前記置換無水マレイン酸は、無水マレイン酸二置換体からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記無水マレイン酸二置換体は、負荷電した無水マレイン酸二置換体であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記無水マレイン酸二置換体は、2−プロピオニック−3−メチル無水マレイン酸からなることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  5. 前記置換無水マレイン酸は、二機能性無水マレイン酸からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記置換無水マレイン酸は、チオエステル置換無水マレイン酸からなることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記置換無水マレイン酸は、CDM−チオエステルからなることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記置換無水マレイン酸は、CDM−チオエステルからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記化合物は、膜活性化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 前記膜活性化合物の改質は、前記化合物の膜活性を不活化することを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記膜活性化合物は、メリチンからなることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  12. 前記化合物は、細胞透過性化合物からなることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記細胞透過性化合物は、アルギニンリッチなペプチドからなることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記細胞透過性化合物は、TATペプチドからなることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  15. 前記化合物は、細胞透過性薬物からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 前記化合物の改質は、前記化合物の正電荷を減弱することからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. 前記化合物の改質は、前記化合物の電荷を反転することからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  18. 前記改質は、前記化合物の毒性を軽減することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  19. 分子を細胞に送達する方法であって:
    化合物の脂質膜への相互作用を変化させるように、アミン含有膜活性化合物を、該化合物の前記アミンに置換無水マレイン酸を共有的に結合することにより可逆的に改質し、
    前記分子を前記の改質された化合物に関連付け、且つ
    前記化合物を前記細胞に送達する、
    ことからなることを特徴とする方法。
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