JP2005529356A - 太陽電池配列および液晶ディスプレイを備える装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、太陽電池配列（１）および液晶ディスプレイ（２）を備える装置に関する。前記太陽電池配列（１）は、少なくとも部分的に透明なキャリア（４）と、少なくとも１つの太陽電池（１）とを備え、太陽電池には、少なくとも１つの少なくとも部分的に透明な接点（５）と、光起電活性層（６）と、接点（７）とが積層配列において設けられている。液晶ディスプレイ（２）は、少なくとも１つの第１の偏向器（１２）と、第１の少なくとも部分的に透明なキャリア（９）と、第１の少なくとも部分的に透明な接点（１４）と、液晶（１１）と、第２の透明な接点（１５）と、第２の透明なキャリア（１０）と、第２の偏向器（１３）と、反射器（１６）とを積層配列において備え、太陽電池（１）のキャリア（４）は、液晶ディスプレイ（２）のキャリア（９、１０）の１つである。本発明はまた、このような装置を製造する方法に関する。本発明の装置は時計、特に腕時計のエネルギー源および表示ユニットとして特に適している。

Description

本発明は、請求項１の序文(introductory clause)に記載された太陽電池配列および液晶ディスプレイを備える装置、およびこのような装置の製造方法並びに適用の可能性に関する。

太陽電池配列、すなわち、いわゆる互いに接続されたいくつかのまたは複数の個別の電池で構成されたモジュールである単一の太陽電池および配列は、従来技術より数多く変形されて知られている。液晶ディスプレイまたはいわゆるＬＣＤも様々な実施の形態で知られている。太陽電池配列およびＬＣＤは異なる使用目的で別個の部品として市販されている。

また、計時器、特に腕時計のエネルギー源として太陽電池配列を使用することは以前から知られている。さらに、液晶ディスプレイを使用して時刻、日付等を示すことも知られている。

腕時計の大多数は，アナログで時間を表示する文字盤を備えている。この目的のため、エネルギー源としての働きをする前述の型式の腕時計の太陽電池配列は通常、文字盤の形態で設計されている。ソーラー腕時計として知られるこれらの太陽電池式腕時計の多くにおいて、日付または他の特殊な機能を示すための前記ＬＣＤはこの文字盤に挿入されている。この種のソーラー腕時計ではソーラー文字盤およびＬＣＤは別個の部品であるため、前記部品は通常互いの上に積層されて配置されている。

このような積層配列においては、いわゆるデータウィンドウの後ろに配置されたＬＣＤを読む際のトンネル印象が欠点である。

本発明は、新規のディスプレイの可能性、および２つの光学素子、すなわち太陽電池配列およびＬＣＤを積層する際に可能な効果をもたらす太陽電池配列およびＬＣＤを備える装置を提供することを目的とする。

この目的は、請求項１の特徴を有する太陽電池配列およびＬＣＤを備える装置によって達成される。

本発明の有利な実施の形態および展開は従属請求項に示されている。

本発明は通常、公知の型式の太陽電池配列およびＬＣＤに基づく。積層配列の形態の太陽電池配列には、１つまたはいくつかの太陽電池のための１つの少なくとも部分的に透明なキャリアが少なくとも設けられ、それを１つまたはいくつかのモジュールに相互接続することができる。各太陽電池はまた、原則として、１つの少なくとも部分的に透明な接点と１つの金属接点との間に組み込まれた少なくとも１つの光起電活性層を含む。

上述の太陽電池構造は互いの上に配置された複数のこのような積層配列を含むことができ、特に、いわゆる多接合配列も含まれることは当業者には知られている。

いわゆる薄膜太陽電池配列、即ち光起電活性層がアモルファスシリコンである配列のキャリア材料としては通常、ガラスが使用される。しかし、合成材料、セラミック等もキャリア材料として考えられる。

光起電活性層として例えば結晶シリコン等の結晶性物質を有する太陽電池配列の場合、この結晶性物質自体がキャリアに機能を引き受けることができる。

本発明で使用されるＬＣＤには、その積層配列において、少なくとも１つの第１の偏向器と、少なくとも部分的に透明なキャリアと、少なくとも部分的に透明な第１の接点と、液晶と、第２の透明な接点と、第２の透明なキャリアと、第２の偏向器と、反射器とが設けられている。

本発明の主な概念は、これまでは別個の部品であった太陽電池配列およびＬＣＤを単一の部品に統合すること、およびこれらを好ましくは光起電活性層およびＬＣＤの光学面が本質的に同一の面内となるように組み合わせることである。これは、本発明によれば、ＬＣＤの１つのキャリアが太陽電池配列のキャリアとして機能することで実現される。

原則として、ＬＣＤは太陽電池配列の下または上、または太陽電池配列の開口部内に配置することができる。それにより、太陽電池配列またはその一部がＬＣＤの一部の機能も引き受け（またはその逆）、全体構造の高さが大幅に減少する。

本発明の第１の変形例において、太陽電池配列のキャリアをＬＣＤの第１のキャリアとすることを提案する。この場合、ＬＣＤは太陽電池配列の下に配置される。最も簡単な場合、太陽電池配列およびＬＣＤは互いに隣接して配置されるが、互いに横方向に離間されている。この場合、太陽電池配列およびＬＣＤはほぼ完全に分離される。しかし、太陽電池配列およびＬＣＤは少なくとも部分的に横方向に互いに重なり合うようにすることもできる。

第１に述べた実施の形態においては、太陽電池配列の透明な接点をＬＣＤの第１の透明な接点としても使用するか、または逆にＬＣＤの第１の透明な接点を太陽電池配列の第１の透明な接点としても使用することにより、構造高さのスペースを節約し、その一方で太陽電池配列およびＬＣＤを有するそのような装置の製造における処理工程の数を可能な限り少なくすることが有利である。

太陽電池配列およびＬＣＤを少なくとも部分的に重なり合うように配置する第２の形態では、太陽電池配列を少なくとも部分的に半透明に設計することが有利である。太陽電池配列はこの重なる領域においてのみ半透明に設計することが好ましい。このような重なりによって、新規のディスプレイの可能性、および２つの光学素子に対する効果が得られる。

本発明の２つの実施の形態を図面に示し、それらについて以下により詳細に説明する。

図１に示された計時器、特に腕時計のソーラー文字盤の第１の実施の形態では、一般的に知られている型式の太陽電池配列１およびＬＣＤ２が設けられている。図２および図３は、現在使用されている最新技術によるソーラー文字盤およびＬＣＤ２の基本的な設計を示している。

本実施の形態において、ソーラー文字盤はその構造において単一の太陽電池１である。当業者には当然のことであるが、ソーラー文字盤を複数のそのような単一の電池によっても形成することができ、それらを対応する方法で（可能な限り直接基板上に）相互接続することができる。

この場合、ソーラー文字盤はガラス製の透明キャリア４で構成され、その上には、透明な導電性金属酸化物（ＴＣＯ＝透明導電酸化物）で作成された透明（前部）接点５と、アモルファスシリコンで作成された光起電活性層６と、金属で作成された（後部）接点７とが適用されている。透明接点５、光起電活性層６および接点７で構成される３層は（データ）ウィンドウ３の領域で除去されて、開口部８が形成されている。

ＬＣＤ２は、ＴＣＯで塗膜され且つ互いに接着された２つの透明キャリア９、１０によって接触を維持している活性液晶１１と、２つの偏向器１２、１３と、１つの反射器１６とで構成されている。透明接点を示す両面ＴＣＯコーティングは図面では参照番号１４および１５で示されており、接着ボンドは参照番号１７ａで示されている。尚、（指示番号に対応する）構造化された組織を有するＴＣＯ層は簡略にするため平滑な表面として描かれている。

図１の例においては、太陽電池１およびＬＣＤ２で上に説明した２つの要素が組み合わされて示されおり、透明キャリア４、基板ガラスおよび太陽電池１が、業界用語ではＬＣＤカバーガラスとも呼ばれる第１の透明キャリア９の機能を同時に引き受けるようにソーラー文字盤が示されている。この構造では、光起電活性層６およびＬＣＤ２の光学面は一致している。すなわち、より具体的には、ＬＣＤ２の各番号は（データ）ウィンドウ３と同一の面内に現れている。

ＬＣＤ２を有する時計のソーラー文字盤（太陽電池１）の上述の第１の実施の形態は以下のように製造することができる。

太陽電池１が必要とする処理温度によって液晶１１またそれによってＬＣＤ２が損傷を受ける可能性があるため、太陽電池１をはじめに製造しなければならない。次に、（データ）ウィンドウ３を開ける。その領域において接点７の金属および光起電活性層６のみを除去した後、透明接点５、ＴＣＯ層および太陽電池１を対応して構成し、液晶１１との接触を維持するために使用することができる。しかし、この領域に透明接点４０としてさらなるＴＣＯ層を適用することも可能である。第２の透明キャリア１０を有する接着ボンド１７ｂは、光起電活性層６内の開口部８によって画定される視認可能な領域の外側にある。最後に、ソーラー文字盤を示す太陽電池１の上部に第１の偏向器１２が適用される。

ソーラー文字盤の第２の実施の形態では、図４に示されるように本発明に従って配置されたＬＣＤ３を有する時計が同様に製造される。

基本的な要素は上述の実施の形態と同様であり、それらは図５および図３に見られるように、最新技術による薄膜太陽電池１およびＬＣＤ２である。ソーラー文字盤を形成する太陽電池１の（データ）ウィンドウ３に領域において、透明接点５、光起電活性層６および（金属）接点７の３つの層すべてが除去されるのではなく、通常は非透明の（金属）接点７のみが除去される点においてのみ、図４に示された形態は上述の実施の形態と異なっている。光起電活性層６を今回は半透明に設計して、次に太陽電池１およびＬＣＤ２である２つの光学要素を互いの上に積層することによって新規のディスプレイの可能性および効果が生じる。

本発明に従って配置されたＬＣＤを有する時計のソーラー文字盤の第１の実施の形態を断面図で示している。 最新技術による太陽電池の基本的な設計を示している。 最新技術によるＬＣＤの基本的な設計を示している。 本発明に従って配置されたＬＣＤを有する時計のソーラー文字盤の第２の実施の形態を断面図で示している。 最新技術による太陽電池の基本的な設計を示している。

符号の説明

１ 太陽電池
２ 液晶ディスプレイ
３ ディスプレイウィンドウ
４ 透明キャリア
５ 透明接点
６ 光起電活性層
７ 接点
８ 開口部
９ 第１の透明キャリア
１０ 第２の透明キャリア
１１ 液晶
１２ 第１の偏向器
１３ 第２の偏向器
１４ 第１の透明接点
１５ 第１の透明接点
１６ 反射器
１７ａ、１７ｂ 接着ボンド
１８ 表示領域

Claims (13)

1. 太陽電池配列および液晶ディスプレイ（２）を備える装置であって、前記太陽電池配列は
   少なくとも部分的に透明なキャリア（４）と、
   少なくとも１つの太陽電池（１）とを備え、前記太陽電池には、
   少なくとも部分的に透明な１つの接点（５）と、
   光起電活性層（６）と、
   接点（７）とが少なくとも積層配列において設けられ、
   積層配列において前記液晶ディスプレイ（２）には、
   第１の偏向器（１２）と、
   少なくとも部分的に透明な第１のキャリア（９）と、
   少なくとも部分的に透明な第１の接点（１４）と、
   液晶（１１）と、
   第２の透明な接点（１５）と、
   第２の透明なキャリア（１０）と、
   第２の偏向器（１３）と、
   反射器（１６）とが少なくとも設けられ、
   前記太陽電池（１）の前記キャリア（４）は、前記液晶ディスプレイ（２）のキャリア（１０）であることを特徴とする、装置。
2. 前記太陽電池配列（１）の前記キャリア（４）は、前記液晶ディスプレイ（２）の前記キャリア（９）である、請求項１に記載の装置。
3. 前記太陽電池配列（１）の前記透明な接点（５）は、前記液晶ディスプレイ（２）の前記第１の透明な接点（１４）である、請求項２に記載の装置。
4. 前記太陽電池配列（１）は、少なくとも部分的に半透明に設計される、請求項２または３に記載の装置。
5. 前記太陽電池配列（１）は接点（７）が除去される領域（８）を有し、前記領域（８）内に前記液晶ディスプレイ（２）が配置される、請求項２、３または４に記載の装置。
6. 前記光起電活性層（６）は前記領域（８）内において除去される、請求項５に記載の装置。
7. 前記太陽電池（１）の前記透明な接点（５）は前記領域（８）内において除去される、請求項６に記載の装置。
8. 前記太陽電池配列（１）の前記キャリア（４）は計時器の文字盤である、請求項２乃至７のいずれかに記載の装置。
9. 前記太陽電池配列（１）の前記キャリア（４）は、前記太陽電池（１）の前記光起電活性層（６）である、前記請求項のいずれかに記載の装置。
10. 請求項７に記載の装置を製造する方法であって、
    第１のステップにおいて、前記太陽電池配列（１）が製造され、
    第２のステップにおいて、前記接点（７）、前記光起電活性層（６）および前記透明な接点（５）が前記領域（８）内で除去され、
    第３のステップにおいて、前記第１の透明な接点（１４）が適用され、
    第４のステップにおいて、前記第１の透明な接点（１４）が構成され、
    第５のステップにおいて、前記第２の透明な接点（１５）を含む別個に製造された積層体と、前記第２の透明なキャリア（１０）と、前記第２の偏向器（１３）と、前記液晶（１１）とが接着されることを特徴とする、方法。
11. 請求項６に記載の装置を製造する方法であって、
    第１のステップにおいて、前記太陽電池配列（１）が製造され、
    第２のステップにおいて、前記接点（７）および前記光起電活性層（６）が前記領域（８）内で除去され、
    第２のステップにおいて、さらなる透明な第１の接点（１４）が部分的に適用され、
    第４のステップにおいて、少なくとも１つの太陽電池（１）の前記透明な接点（５）および可能であればさらなる第１の接点（１４）が構成され、
    第５のステップにおいて、前記第２の透明な接点（１５）を含む別個に製造された積層体と、前記第２の透明なキャリア（１０）と、前記第２の偏向器（１３）と、前記反射器（１６）と、前記液晶（１１）とが接着される、方法。
12. 請求項５に記載の装置を製造する方法であって、
    第１のステップにおいて、前記太陽電池配列（１）が製造され、
    第２のステップにおいて、前記接点（７）が前記領域（８）内で除去され、
    第３のステップにおいて、透明な第１の接点（１４）が適用され、
    第４のステップにおいて、前記透明な接点（１４）が構成され、
    第５のステップにおいて、前記第２の透明な接点（１５）を含む別個に製造された積層体と、前記第２の透明なキャリア（１０）と、前記第２の偏向器（１３）と、前記反射器（１６）と、前記液晶（１１）とが接着される、方法。
13. 計時器、特に腕時計のエネルギー源および表示ユニットとしての請求項１乃至９のいずれかに記載の装置の使用法。

Images