JP2005527662A - 変性多環式芳香族炭化水素を含んでなる炭化水素混合物 - Google Patents

変性多環式芳香族炭化水素を含んでなる炭化水素混合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、変性多環式芳香族化合物または変性PACを含んでなる炭化水素混合物であって、平均分子量200〜10000の化学構造を有し、該化学構造が式(I):(A)(PAC)により表され、式中、xおよびyはAおよびPAC単位の数に相当する整数であり、x/yが1以上、好ましくは1〜50になる様に選択され、Aは、2〜60個の炭素原子を含んでなる重合可能なモノマーに対応する単位である。

Description

発明の分野
本発明は、石油留分から得られる、変性多環式芳香族炭化水素または変性PACを含んでなる炭化水素混合物に関する。本発明は、これらの炭化水素混合物の製造方法およびこれらの炭化水素混合物の使用にも関する。
石油留分から、またはそれらの精製から得られる炭化水素中に芳香族化合物が存在することは、精製業者にとって大きな問題である。芳香族化合物の中には、商業的製品の良好な品質に必要なものも、多環式芳香族炭化水素またはPACの様に、環境や特に人間にとって有毒なものもある。実際、毒性学的標準は、これらのPAC芳香族化合物の幾つかを発癌性の危険性を示す物質の中に分類している。
PACの表現は、本説明の残りの部分で、化学構造の中に異原子、例えば硫黄、窒素および酸素、を含んでなる化合物を包含する、すべての多環式芳香族化合物を意味する。これらのPACの中には、純粋な縮合されたPAH、つまり多環式芳香族化合物があるが、これらの幾つかは、発癌性および/または突然変異誘発性物質として認められている物質のリストに入っている。
従って、これらのPAHの幾つかを含む石油留分の中には、発癌性Cat2(動物中で発癌性である物質)に分類されているものがある。
従って、精製業者の主な心配事は、市販の製品から、その後の使用に関係なく、これらのPAC化合物を制限、さらには排除することである。
これら石油留分のPAC含有量を低減させ、それらの発癌力を下げるための数多くの方法が研究されている。
これらの方法の中の多くは、ジベンゾチオフェン誘導体、カルバゾール誘導体および縮合多環式芳香族炭化水素(PAH)を抽出または転化する様に設計されている。研究されている経路は、接触水素化、酸化脱硫または電荷移動複合体の形成によるこれらの化合物の抽出である。
これらの方法はすべて精製業者にとって重要であるが、使用する方法はすべての炭化水素留分に対して100%有効ではなく、好ましくない生成物が処理前に抽出されるので、材料損失を引き起こすことが多い。
歴青質サンド、タールおよびチャコール残留物の処理分野では、製造業者は、PVC、ブタジエン−スチレン、アントラセンおよびポリスチレン油からなる群の重合体および所望により塩化第二鉄を加えて留分および抽出物を分離し、次いでこうして得られた混合物を加熱し、それらのベンゾピレン含有量を実質的に下げることを選択している(DE4138561、および文献Janusz Zielinsky in Polymery-Tworzywa wielkoczasteczlowe, 1995, 40 (10), 591およびJ. Am. Chem. Soc., Div. Fuel Chem. (1995), 40 (4), 768-770参照)。
日本国特許05271117号には、硫黄含有多環式芳香族炭化水素、特にジベンゾチオフェン、を含むコールタールから抽出された芳香族ナフタレン留分の精製が記載されている。この精製方法の第一工程では、酸触媒、クレー、アルミナまたはゼオライト、好ましくはゼオライトY、の存在下で、温度50〜250℃で、これらの硫黄含有多環式化合物上にオレフィンを重合させる。第二工程で、こうして形成された重合体を蒸留により抽出し、精製された芳香族留分を得ている。
提案されている方法のどれも、完全に、または部分的に芳香族系の炭化水素混合物中でのPAC混合物の処理を意図していない。
その上、重合の分野では、個別に得た多環式芳香族炭化水素またはPACを、重合遅延剤(retardant)として使用することが公知である。従って、遅延剤として、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンまたはベンゾピレンを個別に使用することは可能である。この遅延剤効果は、重合反応におけるそれらの実際の反応性によって実質的に異なる。
発明の具体的説明
本発明の状況では、本出願者は、石油留分中の他の芳香族化合物との混合物中に存在するPACを優先的に変性させることを意図し、従って、PAC分子上の最も反応性が高い化学的箇所をブロックし、こうして変性したPACにそれらの芳香族的特徴は保存させることをねらった選択的製法を使用することを意図する。これらの良く知られている箇所は、化学的には最も反応性が高い箇所である(J.L. Ihrig and S. Pal Sood in Journal of polymer science, Part A, Vol. 3, 1573-1586 1965)。無論、この選択的方法は、最初から存在する非PAC芳香族炭化水素の化学構造を変性させることがあるが、これは本発明の目的ではない。
従って、本発明の第一の課題は、変性多環式芳香族化合物または変性PACを含んでなる炭化水素混合物であって、これらの変性PACが、平均分子量150〜10000の化学構造を有し、この化学構造が下記の式(I)
(A)(PAC) (I)
により表され、式中、xおよびyは、それぞれAおよびPAC単位の数に相当する整数であり、x/yが1以上、好ましくは1〜50になる様に選択され、
A単位は、2〜60個の炭素原子を含んでなる重合可能なモノマーまたはモノマーの混合物を表す。
初期PACの表現は、本説明の残りの部分で、炭化水素混合物中に最初に、1個以上のAモノマーを付加させる前に存在していたPACを意味するものとする。変性PACの表現は、式(I)の化合物を意味するものとする。
本説明の残りの部分で、A単位は、それを発生したモノマーの性質に関連して説明され、Aモノマーと呼ばれる。
本発明の好ましい実施態様では、変性PACは平均分子量が150〜5000であり、x/y比が1〜20である。
本発明の式(I)におけるA単位は、好ましくは下記の式(II)
Figure 2005527662
に対応する化学構造を有するAモノマーに対応し、式中、R、R、RおよびRは、同一であるか、または異なるものであって、水素、直鎖状または分岐鎖状の、1〜10個の炭素原子を含んでなるアルキル基(該アルキル基は、置換されていないか、またはハロゲン原子、芳香族または非芳香族環および/またはアルキルオキシカルボニルアセテート、アクリレートおよびアルキルアクリレート基により置換されている)からなる群から選択されるか、または少なくとも2個の基RとR、またはRとRが結合され、5または6個の炭素原子を含む環を形成する様に選択される。
本発明の好ましい実施態様では、Aモノマーは、2〜10個の炭素原子を含んでなるアルケンおよびジエンから、好ましくはブタジエン、イソプレン、プロペンおよびイソブテンから選択されたオレフィンである。
第二の好ましい実施態様では、Aモノマーは、ハロゲン化アルケニル、好ましくは塩化ビニル、アルケニルアセテート、好ましくは酢酸ビニル、アクリル酸誘導体、好ましくはアルキルアクリレートおよびメタクリレート、特にメチルアクリレートおよびメタクリレート、スチレンおよびその誘導体、および少なくとも1個の酸素、窒素または硫黄異原子を含んでなる複素環式化合物、好ましくはテトラヒドロフラン、エポキシドおよびシクロシロキサンから選択される。
平行して、式(I)におけるPAC単位は、ピレン、フェナントレン、アントラセン、ベンゾピレン、ベンゾアントラセン、クリセン、ベンゾペリレン、フルオランテン、ベンゾフルオランテン、ナフタレン、アセナフテン、フルオレン、アセナフチレンおよびジベンゾチオフェンおよびカルバゾール群の誘導体からなる群の多環式芳香族化合物に相当する。
本発明の混合物は、直鎖状または分岐鎖状の、飽和または不飽和の、所望により硫黄、窒素または酸素異原子を含むパラフィン、ナフテンおよび/または芳香族炭化水素からなる群の炭化水素も含んでなる。
本発明の第二の課題は、変性PACを含む炭化水素混合物の製造方法であって、未変性PACを含む炭化水素混合物に、少なくとも1重量%のAモノマー、および所望により少なくとも0.1重量%のイオン系および/またはフリーラジカル重合開始剤を加える第一工程を少なくとも含んでなる方法である。
本発明の方法では、Aモノマーを、混合物の初期PACがAモノマーに対して好ましくは1を超える移動定数を有する様に選択する。初期PACの濃度は一般的に低いので、加えるAモノマーの量をできるだけ制限するために、Aモノマーは、これらのPACに対する移動定数ができるだけ高いAモノマーから選択するのが好ましい。
さらに、使用する重合反応に関係なく、開始剤は、使用するAモノマーの性質に応じて選択する。
本方法の第一の実施態様では、重合反応がフリーラジカル重合反応である場合、Aモノマーはハロゲン化アルケニル、好ましくは塩化ビニル、アルケニルアセテート、好ましくは酢酸ビニル、アルキルアクリレートおよびメタクリレート、好ましくはメチルメタクリレート、およびスチレンおよびその誘導体からなる群のモノマーから選択し、開始剤は、アゾおよび過酸化物開始剤、好ましくはアゾビスイソブチロニトリルおよび過酸化ベンゾイル、からなる群から選択する。
本発明の方法の第二の実施態様では、重合反応がイオン系、好ましくは陽イオン系の重合反応である場合、Aモノマーは、アルケン、ジエン、好ましくはブタジエン、イソプレン、プロペンおよびイソブテン、スチレンおよびその誘導体、および少なくとも1個の酸素、窒素または硫黄異原子を含んでなる複素環式化合物、好ましくはテトラヒドロフラン、エポキシドおよびシクロシロキサンからなる群のモノマーから選択され、イオン系開始剤は、好ましくは陽イオン系開始剤から選択される。
この実施態様では、陽イオン系開始剤は、アルミニウム、チタン、スズおよびハロゲン化ホウ素を含んでなる群のルイス酸、およびブレンステッド酸、好ましくは過塩素酸、硫酸およびトリフリック(triflic)酸、からなる群から選択される。
炭化水素混合物中におけるこれらの重合反応は、変性PACが分解しない温度で行うのが最も有利である。従って、反応は大気圧、室温以上で行うのみならず、低温でも、例えば降伏点(yield point)が非常に低い炭化水素では0℃未満でも行うことができる。好ましくは、反応のための温度範囲は、活性中心、ラジカルまたはイオンを混合物中に存在するPACに移動させるための反応を促進する温度範囲を含んでなる。ある種の非常に粘性の高い生成物に対しては、高温または定圧で反応を行っても、本発明の枠から外れることにはならない。
本発明の好ましい実施態様では、初期PACを含む炭化水素混合物に、1〜100重量%のAモノマーおよび0.1〜5重量%の重合開始剤を加える。本発明の枠から外れることなく、炭化水素混合物の物理化学的特性を変えるために、PACと反応したAモノマーの量を増加することが可能であることは極めて明らかである。
本方法の第一工程の後、炭化水素混合物が、混和し得ない2つの相に分離する場合、本発明の方法は、デカンテーション、濾過、遠心分離または蒸留により分離する少なくとも一つの第二工程を含んでなるのが有利である。分離操作を繰り返しても、本発明の枠から外れることにはならない。
本発明の第三の課題は、本発明の変性PACを含む混合物を、可塑剤、歴青質製品、接触クラッキング生成物、大気圧残留物、減圧下残留物、潤滑ベースおよび可燃物、燃料または燃料油の完全な、または部分的な成分として、使用することである。
事実、先行技術の開示とは異なり、本発明の変性PACを含む炭化水素は、それ自体で使用できる。場合により、これらの変性PACは、製品の物理化学的特性を改良し、それらの粘度増加および初期PAC含有量の低減を促進する。
本説明の残りの部分では、例により本発明を説明するが、本発明の範囲を制限するものではない。
例1
この例は、PAC100ppmを含む、350℃〜550℃石油留分からなる減圧蒸留物の芳香族抽出物(以下、「抽出物」)に応用した本発明のフリーラジカル重合方法を説明する。
これらのPACを変性するために、本手順を実験室規模で、冷却器および不活性ガス(窒素)用の入口を備え、攪拌機を取り付けた100mlの2つ口丸底フラスコを80℃の油浴中に6時間入れて行う。幾つかの混合物を試験し、試料X〜Xとして表Iに示す。反応後、過剰のモノマーを減圧下で蒸発させた。
Figure 2005527662
こうして製造した各試料をGC−MS(カップリングガスクロマトグラフィー−質量分析法)で分析し、フリーラジカル重合後の試料X〜XのPAH含有量(PAC中の含有量)を測定した。
これらの分析の、なお存在するPAHの性質に関連する結果を下記の表IIに示す。
Figure 2005527662
試料の毒性は、Concaweによる「Aromatic Extracts」と題する文書(The Oil Companies European Organization for Environmental and Health Protection)、7頁、と一致している。
最も毒性の強いPAH化合物は、X〜Xに関しては6時間の間に50%強、さらには70%強が除去されることが観察される。毒性の最も低い(+/-)試料に関しては、重合中の反応性ははるかに低い。
一般的に、除去されるPAHの百分率は、酢酸ビニル濃度が増加する時(XからX)およびAIBN濃度が増加する時に(XからX)に増加する。
芳香族抽出物により形成される反応媒体では、酢酸ビニルの重合開始およびPAHの百分率低下が、AIBNの存在下ではより効果的である(過酸化ベンゾイルに関する下記の表III参照)。
Figure 2005527662
例II
この例は、フリーラジカル重合開始剤の効力を比較する様に設計されている。2種類の重合開始剤を、酢酸ビニルの存在下における例1の芳香族抽出物の、初期PAHの変性に関して試験した。
ベンゾイルアセテート(CCO)に対して、(過酸化ジベンゾイル)/(VA)の比を0.06にして、重合手順を91℃で6時間行う。
tert−ブチルペルオキシベンゾエート(CCOOC(CH)に対して、開始剤/(VA)の比を0.06にして、重合手順を110℃で6時間行う。
芳香族抽出物およびVAの量は、それぞれ10gである。初期PAHと反応したVAの量は、過酸化ベンゾイルおよびtert−ブチルペルオキシベンゾエートに関してそれぞれ0.13gおよび0.25gに相当する。
結論として、これらの収率と比較して、重合開始剤としてAIBNの存在下で例1で得た収率の方が高い。芳香族抽出物により形成された反応媒体では、AIBNによる酢酸ビニル重合の開始が、より効率的である。
例III
モノマーとして、例1のVAに代えてスチレンを使用し、例Iと同じ温度および持続時間の条件下で、5種類の試料を調製した。
試料Y1に関する質量比およびGC−MSによる分析の結果を下記の表IVおよびVに示
す。
Figure 2005527662
Figure 2005527662
重合したスチレンの質量は、実質的に定量的である。しかし、PAHの百分率低下は、酢酸ビニルと比較して、より低い。単独重合は、PAHへの移動と比較して好ましい。
例IV
この例は、例Iの温度および持続時間の条件下で、VAの代わりに別のモノマーとしてブチルビニルエーテル(BVE)の使用を説明する。芳香族抽出物の量は、AIBN、例えば(AIBN)/(BVE)=5x10−2の存在下でBVE5gあたり10gである。重合したBVEの量は、0.05gである。分析結果を下記の表VIに示す。
Figure 2005527662
重合した質量は非常に低いが、PAHへの移動は高い。PAHの百分率低下は、VAに対するそれと同等である。
例V
この例は、PAH100ppmを含む例Iの減圧蒸留物の芳香族抽出物に適用した、本発明の陽イオン系重合方法を説明する。
これらのPAHを変性させるために、冷却器および不活性ガス用入口を取り付けた3つ口丸底フラスコ中での実験室規模で反応を行う。丸底フラスコ中に、芳香族抽出物Bg、モノマー(スチレン)Cg、および開始剤を含む溶液Dmlを導入する。この例では、この溶液は、ニトロベンゼン50ml中に塩化アルミニウム6.67gを含む。
各種試薬の濃度を変えて4回の試験を行った。これらの試験を、下記の表VIIではZ〜Zと呼ぶ。
Figure 2005527662
ポリスチレンの収率は、モノマーの量が芳香族抽出物の量と等しくなった時にのみ、高くなる。分析により、最良の結果はZ3で得られ、除去されたのが実質的にベンゾ(e)ピレンであることが分かる(表VIII)。
Figure 2005527662
例VI
この例は、酢酸ビニルと、家庭用燃料油またはFOD中に含まれるPACとの重合に関する。試験は、例Iの条件下で、重合開始剤としてAIBNを使用して行う。
結果を下記の表IXに示す。
Figure 2005527662
各試験に対して、2つの明らかに異なった相、すなわちFODと同じ外観を有する液相およびゲル相が得られた。
これらの相をデカンテーションにより分離し、FODに類似した外観を有する第一液体からPACが消失する速度を観察した。
結果を、FOD中に見られる2種類の最も毒性の強いPAHと関連させて下記の表Xに示す。
Figure 2005527662
FODの場合、ベンゾ(a)アントラセンの完全な消失および約70%までのクリセンの消失(実験E3)が観察される。

Claims (15)

  1. 変性多環式芳香族化合物または変性PACを含んでなる炭化水素混合物であって、前記変性PACが、平均分子量150〜10000の化学構造を有し、前記化学構造が下記の式(I)
    (A)(PAC) (I)
    により表され、式中、xおよびyが、それぞれAおよびPAC単位の数に相当する整数であり、x/yが1以上、好ましくは1〜50になる様に選択され、
    前記A単位が、2〜60個の炭素原子を含んでなる重合可能なモノマーまたはモノマーの混合物を表す、混合物。
  2. 前記変性PACの分子量が150〜5000であり、前記x/y比が1〜20である、請求項1に記載の混合物。
  3. 前記A単位が、下記の式(II)
    Figure 2005527662
    のAモノマーに対応し、式中、R、R、RおよびRが、同一であるか、または異なるものであって、水素、直鎖状または分岐鎖状の、1〜10個の炭素原子を含んでなるアルキル基(前記アルキル基は、置換されていないか、またはハロゲン原子、芳香族または非芳香族環および/またはアルキルオキシカルボニルアセテート、アクリレートおよびアルキルアクリレート基により置換されている)からなる群から選択されるか、または少なくとも2個の基RとR、またはRとRが結合され、5または6個の炭素原子を含む環を形成する様に選択される、請求項1または2に記載の混合物。
  4. 前記Aモノマーが、2〜10個の炭素原子を含んでなるアルケンおよびジエンから、好ましくはブタジエン、イソプレン、プロペンおよびイソブテンから選択されたオレフィンに相当する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の混合物。
  5. 前記Aモノマーが、ハロゲン化アルケニル、好ましくは塩化ビニル、アルケニルアセテート、好ましくは酢酸ビニル、アクリル酸誘導体、好ましくはアルキルアクリレートおよびメタクリレート、特にメチルアクリレートおよびメタクリレート、スチレンおよびその誘導体、好ましくはスチレン、および少なくとも1個の酸素、窒素または硫黄異原子を含んでなる複素環式化合物、好ましくはテトラヒドロフラン、エポキシドおよびシクロシロキサンから選択された化合物に相当する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物。
  6. 前記PAC単位が、ピレン、フェナントレン、アントラセン、ベンゾピレン、ベンゾアントラセン、クリセン、ベンゾペリレン、フルオランテン、ベンゾフルオランテン、ナフタレン、アセナフテン、フルオレン、アセナフチレンおよびジベンゾチオフェンおよびカルバゾール群の誘導体からなる群の芳香族炭化水素のPAC単位に相当する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の混合物。
  7. 直鎖状または分岐鎖状の、飽和または不飽和の、所望により硫黄、窒素または酸素異原子を含むパラフィン、ナフテンおよび/または芳香族炭化水素を含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の混合物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の炭化水素混合物の製造方法であって、未変性PACを含む前記炭化水素混合物に、少なくとも1重量%のAモノマー、および少なくとも0.1重量%のイオン系および/またはフリーラジカル重合開始剤を加える第一工程を少なくとも含んでなる、方法。
  9. 前記重合反応がフリーラジカル重合反応である場合、前記Aモノマーが、ハロゲン化アルケニル、好ましくは塩化ビニル、アルケニルアセテート、好ましくは酢酸ビニル、アルキルアクリレートおよびメタクリレート、好ましくはメチルメタクリレート、およびスチレンおよびその誘導体からなる群のモノマーから選択され、前記開始剤が、アゾおよび過酸化物開始剤、好ましくはアゾビスイソブチロニトリルおよび過酸化ベンゾイル、からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記重合反応がイオン系、好ましくは陽イオン系の重合反応である場合、Aが、アルケン、ジエン、好ましくはブタジエン、イソプレン、プロペンおよびイソブテン、スチレンおよびその誘導体、および少なくとも1個の酸素、窒素または硫黄異原子を含んでなる複素環式化合物、好ましくはテトラヒドロフラン、エポキシドおよびシクロシロキサンからなる群のモノマーから選択され、前記開始剤が、イオン系、好ましくは陽イオン系である、請求項8に記載の方法。
  11. 前記陽イオン系開始剤が、アルミニウム、チタン、スズおよびハロゲン化ホウ素を含んでなる群のルイス酸、およびブレンステッド酸、好ましくは過塩素酸、硫酸およびトリフリック(triflic)酸、から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記重合反応が、変性PACの分解温度未満の温度で行われる、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記初期PACを含む前記炭化水素混合物に、1〜100重量%のAモノマーおよび0.1〜5重量%の重合開始剤を加える、請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記第一工程の後、得られた混合物が2つの異なった相を有する場合、デカンテーション、遠心分離または蒸留により分離する第二工程を含んでなる、請求項8〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の炭化水素混合物の、可塑剤、歴青質製品、接触クラッキング生成物、大気圧残留物、減圧下残留物、潤滑ベースおよび可燃物、燃料または燃料油の組成物における使用。
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