JP2004526796A - ポプコーンポリマーの成長阻止 - Google Patents

ポプコーンポリマーの成長阻止 Download PDF

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Abstract

ブタジエンなどのジエン化合物の重合を、少なくとも一種の第一のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールを、安定な窒素酸化物及び/又は少なくとも一種のアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基で置換されたヒドロキシルアミンである低窒素含有量成分、並びに/又は第二の異なるヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールと組み合わせ、任意に水素移動剤を含有する組成物に添加によって阻止することができることが発見された。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明はジエンモノマーの重合を阻止する方法及び組成物に関し、より詳しくは、一態様において、ポプコーンポリマーの成長を引き起こすブタジエンの重合を阻止する方法及び組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ジエンなどのオレフィンの製造においては、合成ゴム、特にスチレン−ブタジエンゴム等の目的とする重合が終了した後のモノマーの回収中、または精製・蒸留・回収中のオレフィンの意図しない重合に起因して、多孔性で三次元構造を有する、いわゆるポプコーンポリマーが処理装置中で頻繁に生成するという望ましくない事態がおこる。ポプコーンポリマーは、気相及び液相の両方において発生する。オレフィンモノマーの濃度が高く、温度が高い場合に、ポプコーンポリマーはより発生しやすくなる。過酸化物に由来する場合のある、微量の酸素が重合反応の開始剤として作用する場合がある。もし、鉄さびが存在していると、ポプコーン重合反応を相当に加速する。
【0003】
スチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸及びそのエステル、ビニルアセテート、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等の数多くのオレフィンモノマー、及び1,3-ブタジエン、ジエン及びクロロプレンなどのジエン(ジオレフィン)は、製造及び回収中に精製装置に到達すると、高温、高モノマー濃度、気液相の共存、湿度、微量の酸素及び鉄さびという、ポプコーン重合の発生を非常に誘起しやすい特定の条件に曝される。石油中の不飽和化合物又はその誘導体が望ましくなく重合すると、装置の汚れも発生する。
【0004】
ポプコーンポリマーは「種」を形成する傾向があり、この種はモノマーが無くなるまで増殖し続けることもある。この現象のために、ポプコーンポリマーの微小な粒子がポリマーの大きな塊に急速に成長する。そして、ポプコーンポリマーは、製造されたオレフィンを精製・回収するためのシステム内に取り付けられた熱交換機、蒸留塔及び管に付着して汚染し、精製操作の効率を低下させる。極端な場合においては、ポリマーの増殖中に発生した機械的な圧力が装置を変形したり破断したりすることもある。
【0005】
ポプコーンポリマーが急速に増殖する理由は、ポリマーが形成するにつれて、ポリマーの内部にラジカル活性点が新しく形成され、この新しく形成されたラジカル活性点からポリマーが成長する。このようなラジカル活性点は驚くほど長寿命である。装置の運転の一時停止中にポリマーが周囲の空気に曝され、運転を再開した結果、モノマーと接触すると、現存する活性点から成長と増殖が再び始まる。
【0006】
ポプコーンポリマーは、あらゆる溶媒に不溶であり、加熱による除去ができないような性質のものである。この扱いにくいポプコーンポリマーを除去するためには、装置を解体して機械的に清掃しなくてはならない。装置の使用を一時的に停止して清掃することによって、莫大な経済的損失が発生する。
【0007】
数多くの防止剤がポプコーン重合を阻止する目的で提案されている。例としては、ニトレート、窒素酸化物、ニトロソ化合物、アルキルフェノール、芳香族アミン、ヒドキシルアミン等を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの防止剤を効果的に使用するためには、これらの防止剤を運転中に連続的に装置に注入しなくてはならない。
【0008】
アルキル置換ジ-ニトロフェノール及びニトロソフェノールと称される化合物は、スチレン産業に広汎な用途を見出した。しかしながら、このような化合物は殺虫剤としても機能し、或いは扱うのに危険であるので、その使用中止を環境団体及び政府機関から推奨されてきた。
【0009】
最近、安定なフリーラジカルと称される新しいクラスの化合物が、ニトロフェノール化合物に代わるものとして研究されている。安定なフリーラジカルはモノマー重合に対して効果的であるが、目下のところ、費用がかかって使いにくい。安定なフリーラジカル重合防止剤を用いることに係る問題のいくつかを解決する組成物及び方法が考案されれば、望ましいであろう。
【0010】
全ての重合防止剤が全てのオレフィン、特にジエンの望ましくない重合を阻止するのに適切というわけではないことにも注意を払う必要がある。したがって、モノオレフィンに有用な重合防止剤はジエンの望ましくない重合を阻止するのに効果的であるとは思われない。また、あるジエンの重合を阻止するのに効果的な化合物又は組成物が、他のジエンの重合を阻止するのに必ずしも効果的であるということもできない。化学は経験科学であり、特定の実験をすることなく、ある特定の防止剤又はその組み合わせが効果的かどうかを前もって予測するのが困難なことがよくある。本願の主題となる発明は、ジエン、特に1,3-ブタジエン(単にブタジエンと称されることもある)の重合防止剤を提供することに焦点を絞っている。ブタジエンに係るポプコーン重合の問題点について、以後により詳細に記述する。
【0011】
合成ゴムの製造において、原料の第一の選択肢はブタジエンである。ブタジエン(BD)は室温で無色の気体である。他のオレフィンが製造されるときにブタジエンも共生産されるので、ブタジエンの大部分はオレフィンのプラントから供給される。ブタジエンは、触媒を用いてブタン又はブチレンを脱水素することによって製造することができる。
【0012】
ブタン又はブチレンからブタジエンへの脱水素は、1200゜F(649℃)、減圧下で触媒床上に原料ガスを通過させることによって行うことができる。次いで、流出ガスは抽出蒸留工程を通り抜ける。
【0013】
ブタジエンは触媒を用いた脱水素で製造することができるが、国内で生産されているブタジエンの大部分は抽出蒸留によって得られている。ブタジエンは、ブタジエンの沸点を低下させる溶媒を用いて、C流から回収・精製することができる。この抽出を容易にするために使用される最も一般的な溶媒は、N−メチルピロリドン(NMP)及びジメチルホルムアミド(DMF)である。
【0014】
未精製のブタジエンは、残っている溶媒、C化合物及び他の汚染物質を分離する一連の反応塔を経て蒸留によってさらに精製される。BD製造過程における更なる要素は、溶媒回収セクションである。ストリッパーカラムから、有用成分の少ない溶媒のスリップ流が再生されて、重成分と汚染物質とを除去する。これによって、ポリマー添加物及び分解生成物の存在が低減される。
【0015】
BD製造の精製段階中で、いくつかの望ましくないBD重合反応が起こる。これらの内、最も望ましくないのはポプコーンポリマーの形成である。BD処理設備へのポプコーンポリマーの影響は、非常に深刻であり、このポリマーによって実際に熱交換チューブが曲がっているのが発見されている。
【0016】
ブタジエンポプコーンポリマーは不溶性であるが、稠度にばらつきのある容易に膨張するポリマーである。このポリマーは、ブタジエン又は他のモノマーの存在下で、同じタイプの材料をより多く生成させるという独特の性質を有している。
【0017】
先に議論したように、ポプコーンポリマーは活性フリーラジカルセンターによって成長することが研究調査によって示されている。これらの活性センターは、膨張及び成長に起因する緊張によって炭素−炭素結合が破断することによって生成される。このような現象はBDプラントといくつかの研究所で観察されているが、研究所での制御された条件下でブタジエンポプコーンポリマーの形成の研究に使用することのできる標準的な試験方法があるようには思えない。
【0018】
ポプコーンポリマーの形成を制御するのにやや効果のある化学添加物が発見されたことを示唆する文献がある。tert-ブチルカテコール(TBC)、ジニトロテトラオキサイド、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシベンジルフェニルアミン、及び有機硫酸塩のエステルなどの化学添加剤が、ポプコーン成長にマイナスの影響を示すことが実証された添加剤の一部である。
【発明の開示】
【発明の要約】
【0019】
したがって、本発明の目的は、ジエン化合物、特にブタジエンの重合を効果的に阻止する方法及び組成物を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、ジエン化合物、特にブタジエンの重合を効果的に阻止する、安定なフリーラジカルのみを使用するよりも高価ではない方法及び組成物を提供することである。
【0021】
本発明のこれらの目的及び他の目的を実行するに際し、一形態において、ジエン化合物の重合を阻止する、少なくとも2つの成分を有する組成物が提供される。1つの成分は、tert-ブチルカテコール(TBC)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール(DTBMP)、2,4-ジ-tert-ブチルフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ノニルフェノール、2,6-ジ-t-tert-ブチル-4-sec-ブチルフェノール、2-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4-メトキシフェノール,ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン(DTBHQ)、tert-アミルヒドロキノン、2,5-ジアミルヒドロキノン、3,5-ジ-tert-ブチルカテコール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキノンモノエチルエーテル、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、または3,3,3',3'-テトラメチル1,1-スピロビス-インダン-5,5',6,6'-テトロール(Tetrol)よりなる群から選択されるヒンダードフェノール又は立体障害作用を示す置換基のないフェノールである。2番目の成分は、窒素含有量の少ない成分から選択され、それは、安定な窒素酸化物及び/又は少なくとも1つのアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基で置換されたヒドロキシルアミン、及び/又はヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールの前記グループから選択される第二のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールであってもよい。
【発明の詳細な記述】
【0022】
ヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールと低窒素含有量成分(安定な窒素酸化物及び/若しくは置換ヒドロキシルアミン)との組み合わせ、並びに/又は2種の異なるヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノール、任意に水素移動剤を含むこともできる組成物は、ジエンモノマー重合を制御するのに効果的な処理剤である。
【0023】
本発明の組成物及び方法によって重合阻止することのできる好適なジエンモノマーは、1,3-ブタジエン、置換ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどを含むが、必ずしもこれらに限定されない。好ましくは、ジエンモノマーは1,3-ブタジエン(BD)である。
【0024】
(低窒素含有量成分)
低窒素含有量成分としては、以下にさらに記載する安定な窒素酸化物、又はその分子中に1個又は2〜3個の窒素原子を有する他の化合物を使用することができる。本発明の態様の中には、窒素原子が1つである化合物が好ましいものもある。少なくとも1つのアルキル基、アリール基又はアルキルアリール基で置換されたこのような好適なヒドロキシアミンの具体例としては、N-エチルヒドロキシルアミン(EHA)、N,N'-ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、N-エチル-N-メチルヒドロキシルアミン(EMHA)、N-イソプロピルヒドロキシルアミン(IPHA)、N,N'-ジブチルヒドロキシルアミン(DBHA)、N-アミルヒドロキシルアミン(AHA)、N-フェニルヒドロキシルアミン(PHA)等とそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0025】
(適切な窒素酸化物)
ジエン化合物の重合を阻止するのに有用な組成物の安定な窒素酸化物としては、以下の化学式を有するものを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0026】
【化1】
Figure 2004526796
【0027】
ここにおいて、R、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、炭素数が1〜約9、好ましくは約1〜3の直鎖、分岐又は環状アルキル基から独立に選択することができる。ここで、yは平均して約1〜約6である。Zは水素、酸素、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル、アリール基、アルカリル基、複素環式アルキル基よりなる群から選択され、Zが炭素原子を含有している場合は、炭素原子の数は約1〜9であり、好ましくは1〜3である。
【0028】
本発明の組成物に好適であって上記定義に該当する安定な窒素酸化物の具体例としては、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシル(TEMPO)、4-OXO TEMPO、1-オキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-オキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジ-4-ノン、1-オキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジ-4-ニル-2-アセテート、1-オキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジ-4-ニル-2-エチルヘキサノエート、及びこれらの混合物を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0029】
(立体障害作用を示す置換基のないフェノール、又はヒンダードフェノール)
本発明の重合阻止組成物に好適なヒンダードフェノール又は立体障害作用を示す置換基のないフェノールとしては、tert-ブチルカテコール(TBC)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール(DTBMP)、2,4-ジ-tert-ブチルフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,4,6−トリ-tert-ブチルフェノール、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHD; 2,6-ジ-tert-ブチル-パラクレゾール及び2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールとしても知られている。)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ノニルフェノール、2,6-ジ-ブチル-4-sec-ブチルフェノール、2-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン(DTBHQ)、tert-アミルヒドロキノン、2,5-ジ-アミルヒドロキノン、3,5-ジ-tert-ブチルカテコール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキノンモノエチルエーテル、ヒドロキノンモノベンジルエーテル又は3,3,3',3'-テトラメチル-1,1-スプロビス-インダン-5,5',6,6'-テトロール(Tetrol)、及びその混合物を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されない。好ましいヒンダードフェノールとしてはBHT、TBC、TBHQ及びDTBMTを挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0030】
2種のヒンダードフェノールを組成物中で使用するときには、2つの好ましい組み合わせとしては、TBHQとBHTとの組み合わせ、及びTBHQとDBHQとの組み合わせを挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0031】
(水素移動剤)
容易に水素を提供することのできる化合物であれば、いかなる化合物であっても水素移動剤として使用することができることが期待される。本発明において水素移動剤を使用するのは任意であるが、好ましい場合もある。特に、組成物が、安定な窒素酸化物を有せず、代わりに2種の異なるヒンダードフェノール又は立体障害作用を示す置換基のないフェノールを有している場合に好ましい。本発明の重合防止組成物での使用に適した水素移動剤としては、ナフタレン、アントラセン、デカリン、ヒドロキノン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン(TETRALIN(R)、デュポン)、9,10-ジヒドロアントラセン、フルオレン(α-ジフェニレンメタン)、スクワラン(ペルヒドロスクワレン、2,6,10,15,19,23-ヘキサメチルテトラコサン、スピナカン及びドデカヒドロスクワランとしても知られている)、スクワレン(スピナセン)、テトラメチルヒドロキノリン及びこれらの混合物を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0032】
(配合比)
ジエン化合物の重合を阻止するのに有用な、本発明によるヒンダードフェノール、立体障害作用を示す置換基のないフェノール、水素移動剤、及び安定な窒素酸化物の効果的な量には、多くの因子が影響する。この因子としては、ジエン化合物の性質、ジエン化合物の濃度、ジエン化合物の温度及び圧力環境、特定のヒンダードフェノール及び立体障害作用を示す置換基のないフェノールの性質、使用される水素移動剤、使用される安定な窒素酸化物等を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されない。このようなことを含んだ上で、ジエン化合物中の、ヒンダードフェノールもしくは立体障害作用を示す置換基のないフェノール、安定な窒素酸化物及び水素移動剤の効果的な割合について、一般的なガイドラインを記載しておく。
【0033】
この発明の組成物は、処理されるジエン化合物の全量に基づいて、ヒンダードフェノールもしくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールを約1〜約10,000 ppm、水素移動剤を使用する場合はそれを約1〜約10,000 ppm、及び安定な窒素酸化物を約1〜10,000 ppm有することができる。好ましくは、処理されるジエン化合物の全量に基づいて、ヒンダードフェノールもしくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールを約1〜約5,000 ppm、水素移動剤を約1〜約400-500 ppm、及び安定な窒素酸化物を約1〜5,000 ppm有することができる。
【0034】
組成物、又は成分のブレンド物と考えた場合は、ジエン化合物に加えられる前の段階で、ヒンダードフェノールもしくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールは全組成物の約1〜約30 wt%であり、一方、第二成分(第二のヒンダードフェノールもしくは立体障害作用を示す置換基のないフェノール、又は低窒素量成分)は全組成物の約5〜約45 wt%である。好ましくは、前記組成物が、約5〜約10 wt%の第一のヒンダードフェノールもしくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールを含有し、約10〜20 wt%の第二成分を含有するとよい。この組成物の残りの部分としては、適切な不活性溶媒であればいかなるものも使用することができ、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン(NMP)等、およびそれらの混合物を例として示すことができるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0035】
組成物の成分は、単純に混ぜ合わせることができる。これらの成分をジエン化合物に別々に添加してもよいが、ジエン芳香族化合物に添加するのに先立って1つの組成物に混合しておくこともできる。
【0036】
本発明を特定の例に関してさらに説明するが、これらは本発明を限定することを意図するものではなく、本発明を完全に記載するためのものである。
【0037】
(ポプコーンポリマーガラス管反応試験方法)
ポプコーンポリマーガラス管反応試験方法によると多くの試料の評価を同時に行うことができる。その方法は以下に記載するとおりである。
(1) ポプコーンポリマーの「種」を入手する(本発明の例においては、BD保持タンクより1996年に種を取得した。)。150ワットの投光照明具でポプコーンポリマーの「種」を一晩活性化させる。「種」は、最初ペトリ皿に入れて覆いをした。次いで、これらを前記照明具からの白色光に、約20時間さらした。照明具は、皿の上方12インチ(30.5 cm)のところに配した。
(2) ガラス反応容器に1 ml の脱イオン水を加える。脱イオン水が入ったガラス反応容器に約0.6200 gのBDポプコーンの種を置く。あれば、反応抑止剤を脱イオン水に添加して、TEFLONアダプターで密封する。金属製のアダプタープラグを使用して、アダプターを完全に遮断する。気密なシリンジを使用して、TEFLONアダプターの最上部にある隔膜ポートから反応容器の中へ15mlのブタジエンモノマーを注入する。
(3) 次に、BDポプコーンの「種」とブタジエンモノマーとを含有している反応容器を、60℃の一定温度を保つことのできるブロックインキュベータバスに入れる。14日〜28日の試験を行う。インキュベータバスから反応容器を除去する。
(4) 金属製のアダプタープラグをゆっくりと開けて、BDを容器から排気する。反応容器をゆっくりと開けて、水/BD混合物をデカントする。N-ヘプタンの大部分から実質的に濁りがなくなるまで、湿ったポリマーをn-ヘプタンで洗浄する。乾燥した窒素を反応容器に吹き込んでポリマーをさらに乾燥させる。毛抜きとスパチュラとでポプコーンポリマーを注意深く取り出し、100 ml のビーカーに入れる。各30 ml のn-ヘプタンでポプコーンポリマー材料を3回洗浄する。
(5) ポプコーンポリマー試料をペトリ皿に移す。ペトリ皿を真空オーブンに入れる。試料を212°F(100℃)、30 mmHg真空下で30分間乾燥する。ペトリ皿と試料とをオーブンから取り出す。デシケータにペトリ皿と試料とを入れる。1時間冷却し、ポプコーンポリマーの重量を記録する。新しいポリマーの成長分の重量は、全ポプコーンポリマー重量から元の種の重量を減ずることによって得ることができる。
【0038】
(結果)
3つの対照(ブランク)、比較組成物A、本発明の一組成物(例5、TEMPOとTBCとのブレンド物)についての上記試験方法を用いた試験について、表1に報告する。組成物Aは85%活性TBCを29%、85%DEHAを25%、及び46%DMFの組成を有している。
【0039】
【表1】
Figure 2004526796
【0040】
以下に示すデータは、本発明に記載されている添加剤の選択された組み合わせの結果についてまとめている。
【0041】
【表2】
Figure 2004526796
【0042】
第二の成分とTBHQとを使用した例10と11とは、TBHQのみを使用した例8よりも優れた%抑止を与えていることが理解されよう。
【0043】
以下に示すデータは、本発明に記載されている添加剤の選択された組み合わせの結果についてまとめている。
【0044】
【表3】
Figure 2004526796
【0045】
*最終重量は元の重量よりも軽い。これは、元の組成物の重量の計量ミスか、ポリマー洗浄段階での非常に少量のロスに起因する可能性が高い。それでも、元の組成物Aは、DMF溶媒を含有しなかったこと以外は組成物Aと全く同一である再調合組成物と変わらないことが、目視による観察から明らかであった。
【0046】
本発明の例16及び17は、より高価なTEMPO単独を同量で使用した比較例18よりも優れるか、少なくとも同等の結果を与え、DTBMP単独を同量で使用した比較例19よりも優れた結果を与えたことに注意されたい。
【0047】
(例20〜31)
例20〜31の結果は、図1に報告されている。図1は、前記試験方法を用いて60℃で14日間行った、BDポプコーンポリマーの生成に与える選択された防止剤の効果を示している。全投与量は防止剤合計250 ppmであった。2以上の成分が使用されたときは、合計で250 ppmになるように各成分を等量で用いた。「-1」という印の付いた例は、1つの試験についてのみの結果であることを示している。特に注がない場合は、ここに報告されている他の例全ての結果は、2以上の試験の結果の平均である。図1に報告されている例22、23、30及び31の結果からわかるように、本発明の組成物は問題のポリマーを低減させるのに優れていることが理解されよう。
【0048】
(例32〜37)
POLYFREE 150(PF 150)、POLYFREE 595(PF 595)、TERT-ブチルカテコール(TBC)及び本発明実施例の125 ppmの2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール(DTBMP)と125 ppmの2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン(DTBHQ)との効果を比較するために、前記ブタジエンポプコーンポリマー試験方法による試験を行った。POLYFREE 150とPOLYFREE 595とは、ベーカー・ペトロライト・コーポレイション(Baker Petrolite Corporation)による市販の重合防止剤である。結果のグラフは図2に示されている。
【0049】
POLYFREE 595は、同量では、TBCほど効果的ではないことが理解される(例34と例33とを比較されたい。)。しかしながら、POLYFREE 595は、ブランクと比べると61%の改良を示している。例37の本発明のブレンド物は、同濃度で、例36のPOLYFREE 150と同等の性能を示している。
【0050】
(例38〜41)
TEMPO単独(例38)と、組成物A単独(例39)と、本発明のブレンド物であるBHT、DTBHQ、及び水素移動剤である1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンの2種の異なった濃度でのブレンド物(例40と例41)との効果を比較するために、前記ブタジエンポプコーンポリマー試験方法による試験を行った。結果のグラフは図3に示されており、本発明のブレンド物800 ppmを使用したものが70%抑止という最高の結果を示した。
【0051】
(例42〜46)
各々合計濃度が250 ppmである組成物A単独(例43)と、本発明のTBCとTEMPOとのブレンド物(例44)と、本発明のDTBMPとTEPCOとのブレンド物(例45)と、TEMPO単独(例46)との効果を比較するために、前記ブタジエンポプコーンポリマー試験方法による試験を行った。結果のグラフは図4に示されており、例44の本発明のブレンド物は例43の組成物Aに匹敵する結果を与えており、例45の本発明のブレンド物は例46で使用されたTEMPO単独に匹敵する結果を与えた。
【0052】
明細書の上記部分において、その具体的態様を参照しながら本発明を記述し、ブタジエンのようなジエン化合物の重合を阻止する組成物を提供するのに効果的であることを実証してきた。しかしながら、添付の請求項に記載されている、本発明のより広い精神及び範囲から離れることなく、様々な変更や改変を加えることができるのは明らかである。したがって、明細書は、限定的な意味合いではなく、例示的なものと見なされるべきである。例えば、他の比率若しくは割合、又は異なった方法で添加された、具体的に試験されたもの以外の成分の特定の組み合わせであって、請求項に記載されている要素の範囲内にあるがこの明細書中で重合防止を向上させるための特定の組成物として具体的に記載又は試験されていないようなものも、本発明の範囲内に入ることが期待される。
【0053】
[図面の簡単な説明]
[図1]図1は、防止剤の候補となる様々な化合物及びそれらの組み合わせを用いた、ポプコーンポリマーの低減%を示すグラフである。
[図2]図2は、防止剤の候補となる様々な化合物及びそれらの組み合わせについてのポプコーンポリマーの形成を示すグラフである。
[図3]図3は、防止剤の候補となる様々な化合物及びそれらの組み合わせを用いた、ポプコーンポリマー成長阻止の度合いを示すグラフである。
[図4]図4は、防止剤の候補となる様々な化合物及びそれらの組み合わせについてのポプコーンポリマーの形成を示すグラフである。

Claims (27)

  1. a) tert-ブチルカテコール(TBC)、
    tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、
    2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール(DTBMP)、
    2,4-ジ-tert-ブチルフェノール、
    2,5-ジ-tert-ブチルフェノール、
    2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、
    2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール、
    ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、
    2,6-ジ-tert-ブチル-4-ノニルフェノール、
    2,6-ジ-t-tert-ブチル-4-sec-ブチルフェノール、
    2-ブチル-4-メチルフェノール、
    2-tert-ブチル-4-メトキシフェノール,
    ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、
    2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン(DTBHQ)、
    tert-アミルヒドロキノン、
    2,5-ジアミルヒドロキノン、
    3,5-ジ-tert-ブチルカテコール、
    ヒドロキノン、
    ヒドロキノンモノメチルエーテル、
    ヒドロキノンモノエチルエーテル、
    ヒドロキノンモノベンジルエーテル、及び
    3,3,3',3'-テトラメチル1,1-スピロビス-インダン-5,5',6,6'-テトロール(Tetrol)
    よりなる群から選択される第一のヒンダードフェノール又は立体障害作用を示す置換基のないフェノール、並びに
    b) 低窒素含有量成分及び第二のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールよりなる群から選択される少なくとも一種の追加成分(該低窒素含有量成分が安定な窒素酸化物及び少なくとも1つのアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基で置換されたヒドロキシルアミンよりなる群から選択され、該第二のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールが前記a)より選択される)
    を有することを特徴とする、ジエン化合物の重合を阻止する組成物。
  2. 前記b)追加成分が、式
    Figure 2004526796
    (但し、R、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、炭素数が1〜約9の直鎖、分岐又は環状アルキル基から独立に選択することができ;yは平均して約1〜約6であり;Zは水素、酸素、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル、アリール基、アルカリル基、複素環式アルキル基よりなる群から選択され、Zが炭素原子を含有している場合は、炭素原子の数は約1〜9である。)を有する安定な窒素酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記b)追加成分が安定な窒素酸化物2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシル(TEMPO)であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. 前記b)追加成分が置換ヒドロキシアミンであって、
    N-エチルヒドロキシルアミン(EHA)、
    N,N'-ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、
    N-エチル-N-メチルヒドロキシルアミン(EMHA)、
    N-イソプロピルヒドロキシルアミン(IPHA)、
    N,N'-ジブチルヒドロキシルアミン(DBHA)、
    N-アミルヒドロキシルアミン(AHA)、
    N-フェニルヒドロキシルアミン(PHA)、及び
    類似の化合物とこれらの混合物
    よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 前記b)追加成分が、前記a)群より選択される第二のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. さらに、任意に
    1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、
    9,10-ジヒドロアントラセン、
    フルオレン(α-ジフェニレンメタン)、
    スクワラン、
    スクワレン、及び
    テトラメチルヒドロキノリン
    よりなる群から選択される水素移動剤を含有することを特徴とする請求項5に記載の組成物。
  7. 前記組成物が以下の群より選択される、二種のヒンダードフェノールの組み合わせを含有することを特徴とする請求項5に記載の組成物。
    a) DTBHQとBHT
    b) DTBHQとDTBMP
  8. 第一のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールが組成物の約1〜約20重量%を占め、第二のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールが組成物の約5〜約45重量%を占めることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  9. a) tert-ブチルカテコール(TBC)、
    tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、
    2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール(DTBMP)、
    2,4-ジ-tert-ブチルフェノール、
    2,5-ジ-tert-ブチルフェノール、
    2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、
    2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール、
    ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、
    2,6-ジ-tert-ブチル-4-ノニルフェノール、
    2,6-ジ-t-tert-ブチル-4-sec-ブチルフェノール、
    2-ブチル-4-メチルフェノール、
    2-tert-ブチル-4-メトキシフェノール,
    ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、
    2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン(DTBHQ)、
    tert-アミルヒドロキノン、
    2,5-ジアミルヒドロキノン、
    3,5-ジ-tert-ブチルカテコール、
    ヒドロキノン、
    ヒドロキノンモノメチルエーテル、
    ヒドロキノンモノエチルエーテル、
    ヒドロキノンモノベンジルエーテル、及び
    3,3,3',3'-テトラメチル1,1-スピロビス-インダン-5,5',6,6'-テトロール(Tetrol)
    よりなる群から選択される第一のヒンダードフェノール又は立体障害作用を示す置換基のないフェノールと
    b) 低窒素含有量成分及び第二のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールよりなる群から選択される少なくとも一種の追加成分(該低窒素含有量成分が安定な窒素酸化物及び少なくとも1つのアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基で置換されたヒドロキシルアミンよりなる群から選択され、該第二のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールが前記a)より選択される)と
    混合物の重合防止に効果のある量をジエン化合物に添加することを含む、ジエン化合物の重合を抑止する方法。
  10. 前記b)追加成分が、式
    Figure 2004526796
    (但し、R、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、炭素数が1〜約9の直鎖、分岐又は環状アルキル基から独立に選択することができ;yは平均して約1〜約6であり;Zは水素、酸素、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル、アリール基、アルカリル基、複素環式アルキル基よりなる群から選択され、Zが炭素原子を含有している場合は、炭素原子の数は約1〜9である。)を有する安定な窒素酸化物であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記b)追加成分が安定な窒素酸化物2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシル(TEMPO)であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  12. 前記b)追加成分が置換ヒドロキシアミンであって、
    N-エチルヒドロキシルアミン(EHA)、
    N,N'-ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、
    N-エチル-N-メチルヒドロキシルアミン(EMHA)、
    N-イソプロピルヒドロキシルアミン(IPHA)、
    N,N'-ジブチルヒドロキシルアミン(DBHA)、
    N-アミルヒドロキシルアミン(AHA)、
    N-フェニルヒドロキシルアミン(PHA)、及び
    類似の化合物とこれらの混合物
    よりなる群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  13. 前記b)追加成分が、前記a)群より選択される第二のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  14. さらに、任意に
    1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、
    9,10-ジヒドロアントラセン、
    フルオレン(α-ジフェニレンメタン)、
    スクワラン、
    スクワレン、及び
    テトラメチルヒドロキノリン
    よりなる群から選択される水素移動剤を含有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記混合物が以下の群より選択される、二種のヒンダードフェノールの組み合わせを含有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
    a) DTBHQとBHT
    b) DTBHQとDTBMP
  16. 第一のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールが組成物の約1〜約30重量%を占め、第二のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールが組成物の約5〜約45重量%を占めることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  17. 前記ジエン化合物がブタジエンであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  18. a) ジエン化合物、
    b) tert-ブチルカテコール(TBC)、
    tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、
    2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール(DTBMP)、
    2,4-ジ-tert-ブチルフェノール、
    2,5-ジ-tert-ブチルフェノール、
    2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、
    2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール、
    ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、
    2,6-ジ-tert-ブチル-4-ノニルフェノール、
    2,6-ジ-t-tert-ブチル-4-sec-ブチルフェノール、
    2-ブチル-4-メチルフェノール、
    2-tert-ブチル-4-メトキシフェノール,
    ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、
    2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン(DTBHQ)、
    tert-アミルヒドロキノン、
    2,5-ジアミルヒドロキノン、
    3,5-ジ-tert-ブチルカテコール、
    ヒドロキノン、
    ヒドロキノンモノメチルエーテル、
    ヒドロキノンモノエチルエーテル、
    ヒドロキノンモノベンジルエーテル、及び
    3,3,3',3'-テトラメチル1,1-スピロビス-インダン-5,5',6,6'-テトロール(Tetrol)
    よりなる群から選択される第一のヒンダードフェノール又は立体障害作用を示す置換基のないフェノール、並びに
    c) 低窒素含有量成分及び第二のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールよりなる群から選択される少なくとも一種の追加成分(該低窒素含有量成分が安定な窒素酸化物及び少なくとも1つのアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基で置換されたヒドロキシルアミンよりなる群から選択され、該第二のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールが前記a)より選択される)
    を有することを特徴とする、ジエン化合物の重合が阻止された組成物。
  19. 前記b)追加成分が、式
    Figure 2004526796
    (但し、R、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、炭素数が1〜約9の直鎖、分岐又は環状アルキル基から独立に選択することができ;yは平均して約1〜約6であり;Zは水素、酸素、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル、アリール基、アルカリル基、複素環式アルキル基よりなる群から選択され、Zが炭素原子を含有している場合は、炭素原子の数は約1〜9である。)を有する安定な窒素酸化物であることを特徴とする請求項18に記載の組成物。
  20. 前記b)追加成分が安定な窒素酸化物2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシル(TEMPO)であることを特徴とする請求項18に記載の組成物。
  21. 前記b)追加成分が置換ヒドロキシアミンであって、
    N-エチルヒドロキシルアミン(EHA)、
    N,N'-ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、
    N-エチル-N-メチルヒドロキシルアミン(EMHA)、
    N-イソプロピルヒドロキシルアミン(IPHA)、
    N,N'-ジブチルヒドロキシルアミン(DBHA)、
    N-アミルヒドロキシルアミン(AHA)、
    N-フェニルヒドロキシルアミン(PHA)、及び
    類似の化合物とこれらの混合物
    よりなる群から選択されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  22. 前記b)追加成分が、前記a)群より選択される第二のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールであることを特徴とする請求項18に記載の組成物。
  23. さらに、任意に
    1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、
    9,10-ジヒドロアントラセン、
    フルオレン(α-ジフェニレンメタン)、
    スクワラン、
    スクワレン、及び
    テトラメチルヒドロキノリン
    よりなる群から選択される水素移動剤を含有することを特徴とする請求項22に記載の組成物。
  24. 前記組成物が以下の群より選択される、二種のヒンダードフェノールの組み合わせを含有することを特徴とする請求項22に記載の方法。
    a) DTBHQとBHT
    b) DTBHQとDTBMP
  25. 第一のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールが組成物の約1〜約30重量%を占め、第二のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールが組成物の約5〜約45重量%を占めることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  26. 前記ジエンがブタジエンであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  27. 前記第一のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールが組成物に基づいて約1〜10,000 ppm存在し、前記第二の第一のヒンダードフェノール若しくは立体障害作用を示す置換基のないフェノールがジエン全量に基づいて約1〜10,000 ppm存在することを特徴とする請求項18に記載の方法。
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