JP2005527237A - 植物油の物理的精製を行うための前処理方法 - Google Patents

植物油の物理的精製を行うための前処理方法 Download PDF

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ラクシュミ アヌ プラババァティ デビ ベタラ
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    • C11B3/00Refining fats or fatty oils
    • C11B3/003Refining fats or fatty oils by enzymes or microorganisms, living or dead

Abstract

【課題】クエン酸や水酸化ナトリウムのような化学物質を添加または無添加の酵素溶液を使用する方式の植物油の脱ガム処理を行う改良された方法を提供する。
【解決手段】植物性粗原油(1000g)に15mlの水にクエン酸(0.65g)、水酸化ナトリウム(0.2g)及び酵素レシターゼ‐Novo(360単位)を溶解した溶液を添加し、ハイシェアミキサーにより20分間完全に攪拌し、次いで、温度を40℃に維持して60分間攪拌器で攪拌する。油の温度を70℃に上げ遠心分離を行ってガムを除去し、次いで、脱ガム油を4%の活性漂白土と1%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白する。その後、油を0.2℃/分の冷却速度で静かに攪拌しながら18時間かけて18℃まで冷却し、ろ過してワックス除去する。

Description

本発明は、米ぬか油、大豆油、ひまわり油及びやし油のような植物油を物理的に精製するための前処理方法に関する。特に、本発明は植物油の簡単且つ経済的に魅力のある前処理方法に関し、該方法は(a)麹菌(Aspergillus oryzae)のような微生物からの商業的に利用できるホスホリパーゼAによる酵素脱ガム工程、(b)漂白土と活性炭素を用いる酵素脱ガム油の漂白、(c)漂白された脱ガム油の低温度における脱蝋(米ぬか油の場合)により物理的精製に供されるリンが5ppm以下の油を得る、ステップを含む。
植物油はリン脂質、脂肪酸、色素、臭気化合物のような多くの不純物を含んでおり、これらは人間が直接消費するに適したものとする為に取除かなければならない。食用油脂の精製は二つのルート、化学的または物理的精製によって行われる。化学的精製においては、水で処理した後アルカリで処理されガム質と遊離脂肪酸とに分解される。アルカリは遊離脂肪酸と反応して油及び水中に存在する石鹸を生成し、中和油を吸蔵する大量のエマルジョンを形成し、結果として油の高度の損失を招く。特に、米ぬか油のような高度に遊離脂肪酸を含む油においては、エマルジョン化は大きな精製ロスを招く。このプロセスにより生成される石鹸ストックは重大な廃棄問題を引き起こす。物理的精製方法は、最も発展性のある代替手段で、水蒸気ストリッピングにより脱臭と共に遊離脂肪酸を取除く脱ガム油の処理工程を含む。結果として、油の損失は減少し、遊離脂肪酸は蒸留により取除かれ品質が改良される。
物理的精製は遊離脂肪酸を高度に含む植物油にはより魅力的である。しかしながら、物理的精製の実際の経験では、極めて良質の原料油の時にのみ望ましい結果をもたらす。リン含有量が5ppm以下であることが理想的である。それゆえ、物理的精製の成功のためには効果的な前処理ステップが最も重要なのである。
かくして、物理的精製をする前の粗原油の前処理に重点をおかねばならない。研究者達はリンのレベルを5ppm以下に減少する効果的脱ガム処理の確立に彼等の興味を移してきた。水脱ガムは水和可能なリン脂質を除去する最も簡単な方法であるが、非水和リン脂質が存在するために、粗原油の種類や品質によって80〜200ppmのリンが油中に残る。酸脱ガム(文献1)、スーパー脱ガム(特許文献1)、ユニ脱ガム(特許文献2)、膜脱ガム(特許文献3)など多数の脱ガム技術が非水和リン脂質を除去するために提案されている。しかしながら、これらすべての方法は固有の欠点を有し、油の当初の品質にかかわりなくすべての油について産業的スケールで適用することができない。
酵素脱ガムは最初RoehmとLurgiにより報告されエンジマックス処理(Enzymax Process)(特許文献4)として知られる。ホスホリパーゼAが使用され、非水和リン脂質を加水分解して水和可能なリゾ化合物とする。この方法は最初水脱ガムした後の大豆油、菜種油、ひまわり油に適用され、リンのレベルが5ppmに達する油を得ている。物理的精製に適した油とするため酵素処理の後に通常の漂白ステップを行う。使用された酵素は豚の膵臓から分離された。酵素をもたらす豚の膵臓の使用には限度があり、商業的スケールの要求に適合することは困難である。
Lurgiの方法は以下の構成からなる。植物性粗原油とクエン酸とを混合し、約70℃に加熱し、次いで40〜45℃の範囲に冷却し、NaOHを加え、その後酵素を用いて40〜45℃で6時間処理し、70℃の温度で遠心分離して脱ガム油を得る。この処理方法はコストが非常に高い。
Aalrust等(特許文献5)は下記の酵素脱ガムを報告している。130ppmのリンを含む水脱ガムした大豆油を、水33.3gr中にクエン酸ナトリウム1grとドデシル硫酸ナトリウム20grを添加したものを加え、大豆油1リットル当たり1000ユニットのホスホリパーゼAで処理する。大豆油を3時間の間外部の遠心ポンプにより1分間に3回循環し、その後75℃に加熱し更に1時間処理を継続して、リン3ppmの油を得ている。この処理の主たる欠点は大量のドデシル硫酸ナトリウムを使用することである。水も3.3%ほど使用する。
八木等(特許文献6)も未精製大豆油を脱ガムするため、豚の膵臓に由来するホスホリパーゼA(油1kg当たり100〜2000ユニット)を用いた酵素脱ガムを報告している。しかしながら、この研究者は酵素の溶液を造るために非常に大量の水を使用している。大豆油1.5kg当たり酵素溶液1.5リットルであり、経済的に可能性ある処理方法ではない。
その他幾つかのグループがこの方法を修正して、豚の膵臓から分離したホスホリパーゼAを用いた植物油の酵素脱ガムについて報告している。(特許文献5、6、7)
この方法を営業的に発展性のあるものとするためには、酵素の代替的資源を見出す必要があり、ホスホリパーゼ酵素をもたらす微生物資源に由来するノヴォジーム(M/sNovozymes)を見出した。フザリウム・オキシスポラムから分離するホスホリパーゼAが植物油の酵素脱ガムに使用されている。(文献2)報告されているこの酵素処理方法は、主として大豆油、菜種油、ひまわり油を初期工程で通常の水脱ガム処理する。次いで、シェアミキサを用いて水脱ガム油に0.1〜0.15%のクエン酸を加えて70〜75℃で混合し、40〜60℃に冷却する。それから0.03〜0.05%の水酸化ナトリウムを加え完全に混合する。次のステップで、油1kg当たり100〜800LEU、好ましくは375単位以上、のレシタ−ゼ‐Novoをシェアミキサーを用いて混合し40℃攪拌しながら5〜6時間保つ。この油を70℃に加熱し遠心分離して酵素的に脱ガムした油を得る。この報告された方法の主たる欠点はクエン酸、水酸化ナトリウム、酵素水溶液を添加する一連の操作の間特定のpHに維持し、反応時間が長いことである。この酵素脱ガム処理は米ぬか油には敷延していない。
Loeffler等(特許文献8)は残留リン190ppmのウエット脱ガム処理された大豆油を水(油ベースの5%)とクエン酸(1%)の存在のもとに40℃でアスペルギリス・ニガーから分離したホスホリパゼを使用して酵素脱ガム処理を報告している。この方法では6時間でリン含有<10ppmが達成されている。この方法は水、クエン酸の高いパーセントを要し、脱ガム処理時間が長い。
特許文献9は幾つかの処理ステップからなる油の脱ガムの酵素処理を記載している。ホスホリパーゼで処理した後、酵素溶液は遠心分離で除去され残留した油を3〜6pHの水で洗浄し、最終的にフーラー土で処理する。酵素処理及び洗浄ステップの間大量の水、油の30〜200重量%、が使用される。
J. Am. Oil Chem. Soc., 48, 971, 503 Hvolvy A. Eur. J. Lipid Sci. Technol. 103, 2001, p.333−340 K. Clausen ドイツ特許2609705 EP0348004 USP4062882 EP0513709 USP5264367 USP5532163 特開平2−153997 USP6001640 EP−A0622446
本発明の主たる目的は、クエン酸や水酸化ナトリウムのような化学物質を添加または無添加の酵素溶液を使用する方式の植物油の脱ガム処理を行う改良された方法を提供するにある。本発明の他の目的は、米ぬか油及び大豆油のような植物油の酵素脱ガム処理を遂行するにある。
本発明の他の目的は、麹菌のような微生物から分離されたホスホリパーゼA(Novozymes A/s Denmark)を用いた改良された酵素脱ガム処理方法を開発するにある。更に、本発明の他の目的は、従来技術の方式に比して反応時間を短縮する酵素脱ガム処理方法を開発するにある。
更に、本発明の他の目的は、報告されている従来の方法においては3つの異なるステップで添加されていたクエン酸、水酸化ナトリウム、酵素溶液を、酵素溶液と共に1ステップで添加する酵素脱ガム処理を遂行するにある。
更に、本発明の他の目的は、クエン酸や水酸化ナトリウムを添加することなく、また如何なる特定のpHに維持することもなく酵素溶液のみで行える酵素脱ガム処理方法を開発するにある。
更に、本発明の他の目的は、酵素脱ガム処理の後に水による洗浄ステップの必要がなく、水の流出の発生を減少させ環境にやさしい処理方法を開発するにある。
更に、本発明の他の目的は、従来の脱ガム処理に比して酵素脱ガム処理中の顕著な油の損失を減少させる、米ぬか油や大豆油などの物理的精製の前処理ステップを開発するにある。更に、本発明の他の目的は、物理的精製に供する5ppm以下のリン含有前処理油を得るにある。
したがって、本発明は、米ぬか油、大豆油、ひまわり油及びやし油からなる群から選択された植物油の物理的精製の前処理方法において、ホスホリパーゼA酵素を用いて酵素脱ガムするステップと、ガムを分離するステップと、得られた脱ガム製品を漂白するステップとからなる。
本発明の他の実施の形態においては、植物油はクエン酸及び水酸化ナトリウムを添加することなく脱ガム処理される。
本発明の他の実施の形態においては、クエン酸及び水酸化ナトリウムは、混合物のpHを維持するために、酵素と共に一度に植物油に添加される。
本発明の他の実施形態においては、植物油は米ぬか油であり、脱ガムされた米ぬか油は漂白の後に脱蝋される。
本発明の他の実施形態においては、ホスホリパーゼA酵素は麹菌のような微生物資源から分離される。
本発明の他の実施形態においては、酵素は油1kg当たり200〜520単位の活性度範囲で溶液の形で添加される。
本発明の他の実施形態においては、漂白は2〜4%の漂白土と0〜1%の活性炭素を用いて行われる。
本発明の他の実施形態においては、使用するクエン酸の量は油の0〜0.065%であり、使用する水酸化ナトリウムの量は油の0〜0.02%である。
本発明の他の実施形態においては、酵素脱ガム処理は20〜120分の範囲の時間で、35〜40℃の温度で行われ、その後酵素処理された油を70〜80℃の範囲に加熱する。
本発明の更なる他の実施形態においては、酵素処理の後におけるガムの除去は連続遠心分離を用いて行う。
本発明の更なる他の実施形態においては、漂白した脱ガム油は12〜18時間の範囲で静かに攪拌しながら1分間0.2〜0.5℃の割合で18〜20℃の範囲に冷却され、物理的精製に供される残留リンが5ppm以下の油を得る。
本発明の更なる他の実施の形態においては、同じ品質の油を得る従来方法に比較し漂白土の消費量が0.5〜1%減少し、特に、米ぬか油の場合、漂白土の消費による油の損失が減少する。
本発明の更なる他の実施の形態においては、脱ガム処理の後の従来の水洗浄ステップは不要となる。
本発明の更なる他の実施の形態においては、従来方法及び酵素脱ガム処理の先行技術の方法に比して油が高温度に曝される時間が短縮され、油の品質の劣化が減少する。
本発明の更なる他の実施の形態においては、クエン酸及び水酸化ナトリウムを添加せずに酵素脱ガム処理を行うので、高品質のガムが得られる。酵素脱ガムステップにおいて、好ましくは種々の油に対して0.3〜2.5%の水が添加される。酵素脱ガム油の漂白のために、好ましくは2〜4%の漂白土と0.5〜1%の活性炭素が使用される。漂白した脱ガム油の脱蝋は、好ましくは、70℃からの油の冷却は12〜18時間静かに攪拌しながら1分間に0.2〜0.5℃の割合で冷却することにより18〜20℃の温度範囲で行われる。脱蝋は米ぬか油の場合のみ必要である。
本発明は、米ぬか油、大豆油などの植物油の前処理のための改良された経済的に魅力ある方法であり、(a)麹菌のような微生物資源から得られる商業的に利用可能なホスホリパーゼAによる酵素脱ガム処理で、油1kg当たり200〜520単位の活性範囲の酵素溶液を、クエン酸(油の0〜0.065%)及び水酸化ナトリウム(油の0〜0.02%)と共に1ステップで添加する方式を用い、特定のpHに維持または維持することなく、35〜45℃の温度で20〜120分の反応時間で処理し、(b)その油を70〜80℃に加熱し、連続遠心分離によりガムを除去し、(c)酵素脱ガム油を2〜4%の漂白土と0〜1%の活性炭素を用いて漂白し、(d)漂白した脱ガム油を、米ぬか油の場合のみ、70℃から1分間0.2〜0.5℃の割合で18〜20℃まで12〜18時間静かに攪拌しながら冷却して脱蝋を行う、ステップからなり、物理的精製に共するための残留リンが5ppm以下の油を得る。
1.本発明は米ぬか油や大豆油のような植物油の物理的精製に適した改良された前処理方法である。
2. 本発明は、アスペルギリス・オリゼのような微生物資源から分離された酵素(ホスホリパーゼA)を用いる改良された酵素脱ガム処理方法である。
3. 本発明は先行技術の酵素脱ガム処理方法に比較して脱ガムに要する時間を顕著に短縮する。
4. 本発明はクエン酸、水酸化ナトリウム、酵素溶液を従来報告されている方法のように異なる3ステップで添加する方法に代えて一度に添加する。
5. 本発明は、70℃でクエン酸を添加し、40〜60℃で水酸化ナトリウムを添加し、40℃で酵素溶液を添加するといった一連の操作の必要性のない簡単で経済的に魅力ある方法である。クエン酸、水酸化ナトリウム及び酵素の水溶液が40℃で油に添加されハイシェアミキサーで混合して、反応時間を短縮し、エネルギを節約する。
6. 本発明はクエン酸及び水酸化ナトリウムを添加する必要がなく、必要な場合でも従来方法に比較してより少ない量の添加で済む。
7. 本発明は場合によっては特定のpHに維持する必要がない。
8. 本発明は、従来の酸脱ガム処理のような水洗浄のステップが不要であり、水の流出が発生せず環境にやさしい方法である。従来の脱ガム処理において2〜4%と報告されているのに比べ、米ぬか油の場合は最大で油の1.6%、他の植物油では2〜2.5%の水が酵素脱ガム処理の間に添加されるのみである。
9. 本発明においては、酵素脱ガム処理における損失油の量は従来の燐酸脱ガム処理より少ない。酵素脱ガムにより得られるガムは約1.5%でガムの油含有量は30〜40%であり、従来の脱ガムにおけるガム量が2〜4%、油含有量が50〜60%と比較して少ない。酵素脱ガム処理における油の節約となる。
10.本発明は脱ガム及び漂白におけるニュートラル油の損失を顕著に減少する。
11. 本発明は、リン含有が5ppm以下で極めて品質の良い油を得ることのできる前処理方法である。
12. 本発明は、通常、最初の水脱ガムステップを必要としない。
13. 本発明は、酵素脱ガム処理により副産物としてリゾ・レシチンを産し、従来方法で生産されるレシチンより高値で売れる。
14. 本発明においては、レシチンを選択的に加水分解し、トリアシルグリセロールを加水分解しないホスホリパーゼA酵素を用いる。
15. 本発明においては、処理の間油の脂肪酸組成に変化がない。
16. 本発明による前処理方式は現存する植物油精製産業において多少の変更を行うことにより容易に採用できる。
本発明は、クエン酸及び水酸化ナトリウムを使用するステップを選択的なものとし、単に緩衝用として用いる、植物油の前処理としての酵素処理方法を提供する。米ぬか油、大豆油、ひまわり油及びやし油からなる群から選択された植物油の物理的精製に供するための前処理で、酵素脱ガム処理、漂白、脱蝋(米ぬか油の場合)からなる。
幾つかの報告されている酵素処理方法において用いられている最初の水脱ガム処理ステップは削除される。酵素脱ガム処理にはアスペルギルス・オリゼのよううな微生物資源から分離された商業的に利用可能なホスホリパーゼAを用いる。媒体のpHを維持するために用いるクエン酸及び水酸化ナトリウムは酵素溶液と共に一度で添加される。脱ガムの反応時間は従来の酵素処理に比し顕著に短縮される。
同じ品質の油を得るために消費される漂白土の量は従来の処理と比較して0.5〜1%減少し、特に、米ぬか油の場合においては、漂白土の消費による油の損失も減少する。脱ガム処理の後の従来の水洗浄ステップは、酵素脱ガム処理の後に削除され損失油も減少し結果として環境に優しい方法となる。従来方法または先行技術の酵素脱ガム処理方法と比較しても、油が高温度に曝される時間が短縮され油の品質が劣化する機会が少なくなる。本酵素脱ガム処理はクエン酸及び水酸化ナトリウムの添加なしで行うこともできるため、非常に高品質のガムを得る結果となる。
本発明の広い応用範囲は、米ぬか油、大豆油などの植物油でホスホリパーゼAを使用して脱ガムを行い、漂白、脱蝋して残留リンを5ppm以下のレベルに減少したことにより試されている。
好ましくは、油1kg当たり200〜520単位の範囲のホスホリパーゼAを使用して酵素脱ガム処理を行う。好ましくは、油との重量比で0〜0.065%のクエン酸と0〜0.02%の水酸化ナトリウムを添加する。好ましくは、酵素脱ガム処理ステップにおいて種々の油によっては0.3〜2.5%の水を使用する。好ましくは、35〜45℃の温度で行う。好ましくは、反応時間は20〜120分である。好ましくは、酵素脱ガム油の漂白に2〜4%の漂白土と0.5〜1%の活性炭素を使用する。
好ましくは、漂白した脱ガム油の脱蝋は70℃から1分間0.2〜0.5℃の割合で18〜20℃まで12〜18時間静かに攪拌しながら冷却して行う。脱蝋のステップは米ぬか油の場合のみ必要となる。
ホスホリパーゼは水和リン脂質も非水和リン脂質をも水溶性のリゾ‐リン脂質に変換する触媒作用を行い、リゾ‐リン脂質は遠心分離により除去され、得られる脱ガム油が含むリンは低いものとなる。ホスホリパーゼAはリン脂質の第2位置の脂肪酸を選択的に加水分解し、一方、ホスホリパーゼAはリン脂質の第1位置の脂肪酸を加水分解し、いずれのホスホリパーゼの場合もトリグリセリドを分解しない。本発明においては、営業的に利用可能なアスペルギリス・オリゼのような微生物資源から分離したホスホリパーゼAを酵素脱ガム処理に使用する。
酵素脱ガム油の遊離脂肪酸の穏やかな増加は油中のリン脂質が酵素の加水分解により脂肪酸を遊離するためである。通常、脱ガム処理中ガムは同量のトリグリセリドを保持する。酵素脱ガムにおいては、リゾ‐リン脂質の分子量及び量は少なくなり、このためリゾ‐リン脂質を含むニュートラル油は、従来の脱ガム処理方法に比較して、やや少なくなる。本発明の広い応用範囲は、米ぬか油、大豆油などの植物油をホスホリパーゼAで脱ガムし、漂白、脱蝋し残留リンのレベルを5ppm以下にしたことで実証済みである。
本発明は、Lurgi等の方法で使用している最初のクエン酸処理を行わない。このように本発明においては、酵素はクエン酸と水酸化ナトリウムの水溶液に混合され、直接植物油と混合される。
以下に実験例を説明するが、これら実験例は本発明の説明のためであり、技術範囲を限定するためと解釈すべきではない。
実施例1
リン含有量348ppm、色調43ロヴィボンド単位(1/4’’セル)、酸価15.3の米ぬか粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。15mlの水にクエン酸(0.65g)、水酸化ナトリウム(0.2g)及び酵素レシターゼ‐Novo(360単位)を溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により20分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を40℃に維持して60分間攪拌器で攪拌した。油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を4%の活性漂白土と1%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白した。その後、油を0.2℃/分の冷却速度で静かに攪拌しながら18時間かけて18℃まで冷却し、ろ過してワックス除去した。漂白し脱蝋した脱ガム油(915g、酸価15.9)の残留リンのレベルは1ppm、色調は25ロヴィボンド単位(Y+5R、1’’セル)であった。これを物理的精製に供した。
実施例2
リン含有量348ppm、色調43ロヴィボンド単位(1/4’’セル)、酸価15.3の米ぬか粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。16mlの水にクエン酸(0.65g)、水酸化ナトリウム(0.2g)及び酵素レシターゼ‐Novo(360単位)を溶解して、油に添加した。混合物を40℃の温度で20分間ハイシェアミキサー(8000rpm)により完全に攪拌した。次いで、油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を4%の活性漂白土と1%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白した。その後、油を0.2℃/分の冷却速度で静かに攪拌しながら18時間かけて18℃まで冷却し、ろ過してワックス除去した。漂白し脱蝋した脱ガム油(915g、酸価15.9)の残留リンのレベルは1ppm、色調は25ロヴィボンド単位(Y+5R、1’’セル)であった。これを物理的精製に供した。
実施例3
リン含有量348ppm、色調43ロヴィボンド単位(1/4’’セル)、酸価15.3の米ぬか粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。15mlの水にクエン酸(0.65g)、水酸化ナトリウム(0.2g)及び酵素レシターゼ‐Novo(360単位)を溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により10分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を40℃に維持して60分間攪拌器で攪拌した。その後油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を4%の活性漂白土と1%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白した。その後、油を0.2℃/分の冷却速度で静かに攪拌しながら18時間かけて18℃まで冷却し、ろ過してワックス除去した。漂白し脱蝋した脱ガム油(916g、酸価16.0)の残留リンのレベルは2ppmであった。これを物理的精製に供した。
実施例4
リン含有量348ppm、色調43ロヴィボンド単位(1/4’’セル)、酸価15.3の米ぬか粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。16mlの水にクエン酸(0.32g)、水酸化ナトリウム(0.1g)及び酵素レシターゼ‐Novo(360単位)を溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により20分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を35℃に維持して60分間攪拌器で攪拌した。その後油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を4%の活性漂白土と0.5%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白した。その後、油を0.2℃/分の冷却速度で静かに攪拌しながら18時間かけて18℃まで冷却し、ろ過してワックス除去した。漂白し脱蝋した脱ガム油(915g、酸価15.9)の残留リンのレベルは2ppm、色調は25ロヴィボンド単位(Y+5R、1’’セル)であった。これを物理的精製に供した。
実施例5
リン含有量348ppm、色調43ロヴィボンド単位(1/4’’セル)、酸価15.3の米ぬか粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。16mlの水に400単位の酵素レシターゼ‐Novoを溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により20分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を45℃に維持して60分間攪拌器で攪拌した。油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を4%の活性漂白土と1%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白した。その後、油を0.2℃/分の冷却速度で静かに攪拌しながら18時間かけて18℃まで冷却し、ろ過してワックス除去した。漂白し脱蝋した脱ガム油(912g、酸価16.1)の残留リンのレベルは2ppm、色調は25ロヴィボンド単位(Y+5R、1’’セル)であった。これを物理的精製に供した。
実施例6
リン含有量528ppm、色調45ロヴィボンド単位(1/4’’セル)、酸価34.6の米ぬか粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。15mlの水にクエン酸(0.65g)、水酸化ナトリウム(0.2g)及び酵素レシターゼ‐Novo(360単位)を溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により10分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を40℃に維持して60分間攪拌器で攪拌した。その後油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を4%の活性漂白土と1%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白した。その後、油を0.2℃/分の冷却速度で静かに攪拌しながら18時間かけて18℃まで冷却し、ろ過してワックス除去した。漂白し脱蝋した脱ガム油(911g、色調26ロヴィボンド単位(1’’セル)酸価35.4)の残留リンのレベルは2ppmであった。これを物理的精製に供した。
実施例7
リン含有量528ppm、色調45ロヴィボンド単位(1/4’’セル)、酸価34.6の米ぬか粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。15mlの水に400単位の酵素レシターゼ‐Novoを溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により10分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を40℃に維持して110分間攪拌器で攪拌した。油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を2%の活性漂白土と1%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白した。その後、油を0.2℃/分の冷却速度で静かに攪拌しながら18時間かけて18℃まで冷却し、ろ過してワックス除去した。漂白し脱蝋した脱ガム油(915g、色調29ロヴィボンド単位(1’’セル)酸価35.3)の残留リンのレベルは3ppmであった。これを物理的精製に供した。
実施例8
リン含有量528ppm、色調45ロヴィボンド単位(1/4’’セル)、酸価34.6の米ぬか粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。16mlの水に400単位の酵素レシターゼ‐Novoを溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により10分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を40℃に維持して60分間攪拌器で攪拌した。その後油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を4%の活性漂白土と0.5%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白した。その後、油を0.2℃/分の冷却速度で静かに攪拌しながら18時間かけて18℃まで冷却し、ろ過してワックス除去した。漂白し脱蝋した脱ガム油(912g)の残留リンのレベルは3ppm、色調は26ロヴィボンド単位(Y+5R、1’’セル)であった。これを物理的精製に供した。
実施例9
リン含有量528ppm、色調45ロヴィボンド単位(1/4’’セル)、酸価34.6の米ぬか粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。16mlの水に360単位の酵素レシターゼ‐Novoを溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により10分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を40℃に維持して1時間攪拌器で攪拌した。その後油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を4%の活性漂白土と1%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白した。その後、油を0.5℃/分の冷却速度で静かに攪拌しながら18時間かけて18℃まで冷却し、ろ過してワックス除去した。漂白し脱蝋した脱ガム油(909g、酸価35.4)の残留リンのレベルは3ppm、色調は25ロヴィボンド単位(Y+5R、1’’セル)であった。これを物理的精製に供した。
実施例10
リン含有量528ppm、色調45ロヴィボンド単位(1/4’’セル)、酸価34.6の米ぬか粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。16mlの水に360単位の酵素レシターゼ‐Novoを溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により10分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を40℃に維持して60分間攪拌器で攪拌した。その後油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を3%の活性漂白土と1%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白した。その後、油を0.2℃/分の冷却速度で静かに攪拌しながら18時間かけて18℃まで冷却し、ろ過してワックス除去した。漂白し脱蝋した脱ガム油(914g、酸価35.3)の残留リンのレベルは3ppm、色調は25ロヴィボンド単位(Y+5R、1’’セル)であった。これを物理的精製に供した。
実施例11
リン含有量260ppm、色調40ロヴィボンド単位(1/4’’セル)、酸価14.5の米ぬか粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。16mlの水に320単位の酵素レシターゼ‐Novoを溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により10分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を40℃に維持して1時間攪拌器で攪拌した。その後油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を4%の活性漂白土と1%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白した。その後、油を0.5℃/分の冷却速度で静かに攪拌しながら18時間かけて18℃まで冷却し、ろ過してワックス除去した。漂白し脱蝋した脱ガム油(916g、酸価15.1)の残留リンのレベルは1ppm、色調は25ロヴィボンド単位(Y+5R、1’’セル)であった。これを物理的精製に供した。
実施例12
リン含有量120ppm、色調38ロヴィボンド単位(1/4’’セル)、酸価14.2の水脱ガム米ぬか油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。15mlの水に200単位の酵素レシターゼ‐Novoを溶解して、油に添加した。混合物を40℃の温度に維持しハイシェアミキサー(8000rpm)により20分間完全に攪拌した。次いで、油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を4%の活性漂白土と1%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白した。その後、油を0.5℃/分の冷却速度で静かに攪拌しながら18時間かけて18℃まで冷却し、ろ過してワックス除去した。漂白し脱蝋した脱ガム油(914g、酸価14.7)の残留リンのレベルは1ppm、色調は23ロヴィボンド単位(Y+5R、1’’セル)であった。これを物理的精製に供した。
実施例13
リン含有量350ppm、酸価3.6の大豆粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。25mlの水にクエン酸(0.65g)、水酸化ナトリウム(0.2g)及び520単位の酵素レシターゼ‐Novoを溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により20分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を40℃に維持して100分間攪拌器で攪拌した。その後油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を2%の活性漂白土と0.5%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白した後ろ過した。漂白した脱ガム油(934g)の残留リンのレベルは3ppmで、更に物理的精製方法により精製される。
実施例14
リン含有量200ppm、酸価3.2の大豆粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。25mlの水に320単位の酵素レシターゼ‐Novoを溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により20分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を40℃に維持して100分間攪拌器で攪拌した。その後油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を2%の活性漂白土と0.5%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白し、ろ過した。漂白した脱ガム油(936g)の残留リンのレベルは1ppmで、更に物理的精製方法により精製される。
実施例15
リン含有量300ppm、酸価2.2のひまわり粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。15mlの水に200単位の酵素レシターゼ‐Novoを溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により20分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を40℃に維持して100分間攪拌器で攪拌した。その後油の温度を80℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を2%の活性漂白土と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白し、ろ過した。漂白した脱ガム油(936g)の残留リンのレベルは1ppmであった。これは更に物理的精製方法により精製される。
実施例16
リン含有量18ppm、酸価4.2のパーム粗原油(1000g)を2000mlのビーカーに採取した。3mlの水に200単位の酵素レシターゼ‐Novoを溶解して、油に添加した。混合物をハイシェアミキサー(8000rpm)により20分間完全に攪拌した。次いで、ビーカーの内容物を丸底フラスコに移し変え、温度を40℃に維持して100分間攪拌器で攪拌した。その後油の温度を70℃に上げ遠心分離を行った。次いで、脱ガム油を2%の活性漂白土と0.5%の活性炭素と共に700mmHgの減圧状態にして100℃で20分間漂白し、ろ過した。漂白した脱ガム油(936g)の残留リンのレベルは1ppmで、更に物理的精製方法により精製される。

Claims (15)

  1. 米ぬか油、大豆油、ひまわり油及びやし油からなる群から選択された植物油の物理的精製の前処理方法において、ホスホリパーゼAの酵素溶液を用いて前記植物油を酵素脱ガム処理し、ガムを分離し、得られた脱ガム植物油を漂白し、物理的精製に供される脱ガム植物油を得ることを特徴とする前処理方法。
  2. 前記植物油はクエン酸及び水酸化ナトリウムを添加せずに脱ガム処理されることを特徴とする請求項1記載の前処理方法。
  3. 前記酵素脱ガム処理において、クエン酸及び水酸化ナトリウムは、混合物のpHを維持するために、酵素と共に一度に植物油に添加されることを特徴とする請求項1記載の前処理方法。
  4. 前記植物油は米ぬか油であり、脱ガム処理された米ぬか油は漂白の後に脱蝋されることを特徴とする請求項1記載の前処理方法。
  5. 前記酵素ホスホリパーゼAは麹菌(Aspergillus oryzae)のような微生物資源から分離されることを特徴とする請求項1記載の前処理方法。
  6. 前記酵素は油1kg当たり200〜520単位の活性度範囲の溶液の形で添加されることを特徴とする請求項1記載の前処理方法。
  7. 前記漂白は2〜4%の漂白土と0〜1%の活性炭素を用いて行われることを特徴とする請求項1記載の前処理方法。
  8. 前記クエン酸の量は油の0〜0.065%であり、前記水酸化ナトリウムの量は油の0〜0.02%であることを特徴とする請求項3記載の前処理方法。
  9. 前記酵素脱ガム処理は20〜120分の範囲の時間で、35〜40℃の温度で行われ、その後酵素処理された油を70〜80℃の範囲に加熱することを特徴とする請求項1記載の前処理方法。
  10. 酵素処理の後におけるガムの除去は連続遠心分離により行うことを特徴とする請求項1記載の前処理方法。
  11. 前記漂白された脱ガム油は12〜18時間の範囲で静かに攪拌しながら1分間0.2〜0.5℃の割合で18〜20℃の範囲に冷却され、物理的精製に供される残留リンが5ppm以下の油を得ることを特徴とする請求項1記載の前処理方法。
  12. 脱ガム処理した後の水洗浄ステップは不要とされることを特徴とする請求項1記載の前処理方法。
  13. 前記脱ガム処理において、油の種類によって0.3〜2.5%の水を添加することを特徴とする請求項1記載の前処理方法。
  14. 麹菌からなる微生物資源から得られるホスホリパーゼAを油1kg当たり200〜520単位の活性範囲の溶液とし、クエン酸(油の0〜0.065%)及び水酸化ナトリウム(油の0〜0.02%)と共に添加する植物油の脱ガム処理で、特定のpHに維持または維持することなく、35〜45℃の温度で20〜120分の反応時間で処理し、その油を70〜80℃に加熱して連続遠心分離によりガムを除去し、酵素脱ガム油を2〜4%の漂白土と0〜1%の活性炭素を用いて漂白し、漂白した脱ガム油を、70℃から1分間0.2〜0.5℃の割合で18〜20℃まで12〜18時間静かに攪拌しながら冷却して、物理的精製に共するための残留リンが5ppm以下の油を得ることを特徴とする請求項1記載の前処理方法。
  15. 前記酵素脱ガム処理における油の損失は減少し、ガムの油含有量は30〜40%であることを特徴とする請求項1記載の前処理方法。
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