JP2005526949A - 生体分子の等電点によって生体分子を分析するためのバッファのアレイ - Google Patents

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Abstract

本発明は、第2次元の分析を必要に応じて併用することで、等電点によって生体分子を分析するための、マトリックス、アレイ、システムおよび方法に関する。本明細書中で提供されるマトリックス、アレイ、システムの各種取り合わせは、電場の影響下での生体分子を、その生体分子の等電点と同じpH値を備えるIEFバッファへと蓄積させることを引き起こすのに有用である。本方法は、例えば、研究目的および診断目的について有用である。

Description

(発明の分野)
本発明は、電場における等電点による1次元での分離に基づき、生体分子を調製、分類、蓄積または分析するため、そして必要に応じて引き続き第2次元での第2の分析ための、マトリクス、アレイ、システムおよび方法、ならびにそれらの使用に関する。
(発明の背景)
等電点集束、またはpH勾配中での集束の背景にある基本原理は、荷電した分子が、その等電点(正味の電荷が0)に等しいpH勾配中の位置に移動する場合、電場中で動かなくなることである。このプロセスは、溶液中の特定のタンパク質の開始位置から独立して起こる。これは、pHがpIに等しい領域に移動する場合のタンパク質の実効電荷の消失の結果である。
タンパク質の等電点を決定するための種々の技術が記載されている。代表的には、目的のタンパク質はpH勾配を含有するゲル中に直接注入されるかまたは与えられ、ここで、このpH勾配は電場の方向に平行であり、そしてタンパク質は、単に、その等電点に等しいpH環境に達する前に、多くの異なるpH環境を通って一方向に移動することによって、他のタンパク質から分離され得るだけである。これらの技術は、以下の不都合を欠点として持つ:(1)これら技術は、タンパク質を分離するために比較的長時間を要する。なぜなら、分画速度は0に漸近する傾向にあるからである;(2)これら技術は、比較的高電圧(代表的に、1000V以上)を要し、そして(3)これら技術は冷却機構を要する。従来のIEF方法は、労力がかかり、時間を消費し、標準化されておらず、高価でありそして感度が良くない。従来の等電点集束ゲルの別の実践的な制限は、タンパク質の直線的な分散を向上させるために、pH勾配内に漸増性の小さなpH変化を有するゲルを製造することが困難であることである。
上記の等電点集束工程を使用する、タンパク質の2次元分析は、同じ問題を欠点として持つ。例えば、Zuoら、(2000)Analytical Biochemistry 284:266−278は、pH範囲を通る一方向性の移動によって、等電点に基づくタンパク質の分離、その後のドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)を記載する。Beckerら、(1998)J.Micromech.Microeng.8:24−28は、pHの一定範囲を通る、タンパク質の一方向性の移動、その後の平面チップ上での第2次元の分離をも記載する。米国特許第6,254,754号(Ross)も参照のこと。
従って、これらの制限に起因して、1次元分析および2次元分析のための、特定のセル、レーンおよびマトリクスの設計、ならびにチャンバー中でのセル、レーンおよびマトリクスの配向ならびに特定のシステムのみが可能であり、これによってサンプルの1次元分析および2次元分析のための、より速い方法、より感度が良い方法、より正確な方法、より柔軟な方法およびより安価な方法(自動化システム、高スループット分析システムを含む)の開発を制限する。生体分子の1次元分析および2次元分析のためのより良いツールおよび方法は、例えば、薬物開発、医療研究、ならびに疾患の前診断および/または診断に有用である。特に、より良いツールおよび方法は、プロテオーム分析のために必要である。本発明は、これらの問題および他の問題を解決する。
(本発明の要旨)
生体分子を、その等電点によって1次元で分析または調製するため、そして必要に応じて他の分析方法と組み合わせられる、マトリクス、アレイ、システム、および方法が開発された。このアレイは、チャンバーまたはセルを備え、その中で、生体分子が、等電点集束(「IEF」)バッファを通ってその中を移動することによって、単離され得る。IEFバッファのpH範囲は、非常に狭く(例えば、0.1以下のpH単位;0.02以下のpH単位;または0.01以下のpH単位にわたる)。1つの実施形態によると、生体分子は、チャンバーの泳動バッファを通って移動し、そしてチャンバー内のIEFバッファ中か、またはIEFバッファを含むセル中に捕捉されるようになる。IEFバッファのpH値と同じではないpI値を有する生体分子は、電場の方向を変更することによって取り除かれる。このチャンバーまたはセルが閉口してその結果、電流がIEFバッファまたはセルへの入口の反対側から出ることを妨げている場合、1つの好ましい実施形態によると、電場は可逆的である。このチャンバーまたはセルが開口している場合、電場は一方向性であり得る。
泳動バッファ中の生体分子の移動は、電場によって形成される対流熱によって増加され得る。別の実施形態によると、泳動バッファ中の生体分子の移動は、IEFバッファを横切る生体分子を含む泳動バッファを循環させるデバイスによって、増加され得る(例えば、攪拌子、ポンプ、または泳動バッファに対するIEFバッファの移動による)。
別の実施形態によると、泳動バッファを含有するチャンバーは、複数のIEFバッファおよび/またはセルを備え、これらは、物理的な分離によるか、または泳動バッファを通ってではなくむしろ、1つのIEFバッファ/セルから別のIEFバッファ/セルへの直接の生体分子の移動を実質的に妨げる基板によって、互いから隔てられる。生体分子は、最初に、泳動バッファを通って移動し、異なるIEFバッファまたはセルに到達する。別の実施形態において、IEFバッファまたはセルは、同じpH値または異なるpH値を有する。なお別の実施形態によると、このデバイスは、非常に狭く、実質的に重ならないpH範囲を有する、多数の個別の隔てられたIEFバッファを備え、その結果、分離された物質の得られる画像は、従来のIEFゲルからの画像と位置的に同等であるが、従来のIEFゲルよりも高い分離能を有する。
生体分子は、等電点に基づき、単一実体としてか、または複合体の一部として分離され得る。例えば、生体分子(「標的生体分子」)は、これを特異的に認識する他の分子(「標的認識分子」)と共に複合体を形成し得る。この複合体は、複合体の等電点に基づき、他の非複合体化生体分子から分離され得る。複数の別個の単離されたIEFバッファを狭いpH範囲および段階(例えば、0.1以下のpH単位)で使用する、1次元分析方法または2次元分析方法が、提供される。より好ましくは、このpH範囲または段階は、0.02以下のpH単位だけ離れたpI値を有する生体分子を分析するために、0.02以下のpH単位である。このことは、生体分子に対して非透過性であるメンブレンまたは材料を使用することによって、1つのセルから隣接するセル中(例えば、僅かに異なるpH値を有するIEFバッファを含むセルの間)への生体分子の拡散を避ける。IEFバッファまたはそのIEFバッファを含む各セルは、物理的に分離された、不連続の個別の実体である。
随意にkV範囲の電源の使用を避けて、低い印加電圧で高電場を使用することを可能にする分析方法が開発されている。1つの好ましい実施形態において、セルにおいてIEFバッファのインおよびアウトの電場を可逆的に方向付けるためのデバイス、および随意に、複数のセルの周囲に同時にバッファを循環させるためのデバイスは、この方法およびシステムにおいて使用される。チャンバーを冷却するためのデバイスを、僅かに必要とするか必要としない分析方法もまた提供される。2次元のマトリクスは、1次元目の分離および第2次元の分離の間に、生体分子の操作を最低限に必要とするかまたは必要とせず、これによって時間および労力を減らし、そして試験される生体分子の損失を最低限にする。
別の実施形態は、分析の第2の手段(例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析、親和性クロマトグラフィー、ゲル電気泳動など)と組み合わせた使用に適切なIEF技術を提供する。
このシステムおよび方法は、少量または多量の特定の生体分子(例えば、タンパク質または核酸分子)を分離および/または精製することが可能である。標的認識生体分子(「TRB」)と複合体化した標的生体分子(「TB」)を検出するための方法もまた、提供される。この標的生体分子は、複合体形成を促進するかまたは阻止する環境において、TBと複合体を形成し得る。1つの実施形態において、標識した標的認識生体分子は、標的分子含有サンプルの導入前に、IEFバッファセル、レーンまたはマトリクス中に直接置かれる。
1次元分析および2次元分析のためのこれらのシステムおよび/または方法は、薬物スクリーニング、医学的研究(例えば、薬物発見、薬物治療のモニタリング、遺伝子分析もしくはプロテオーム分析、および医療診断に対する生物学的な応答様式の増強された検出)、ならびに診断学(例えば、プロテオーム分析)のための、サンプルの高スループット分析のために、小型化され得、そして自動化され得る。このシステムは、自動化された相互作用する構成要素(例えば、pH溶液またはゲル(イモビリン(immobiline)または両性電解質混合物、など)でチャネルを充填するための滴定装置、IEFバッファを含むセルから生体分子を回収するための抽出器、生体分子を染色するためのデバイス、生体分子を検出および走査するためのデバイス、ならびに画像を記録および分析するためのデバイス)を有するように構築され得る。このシステムおよび/または方法は、所望される薬物の効能について有用な候補の高スループットスクリーニングのために、自動化され得る。
このシステムの発明は、種々の摂動および刺激(例えば、薬物、薬物候補、または生物学的経路を探査するために設計された実験状態、ならびに特定の疾患もしくは疾患状態、または特定の疾患もしくは疾患状態の処置に対応するヒトおよび動物における変化)に応答する生体分子の検出を増強するための方法を提供する。
(詳細な説明)
(I.IEFシステム)
IEFシステムは、以下の要素を備える:1以上のIEFバッファ、電気泳動バッファ、バッファを含むようにチャンバおよび/またはセルを備えるデバイス、ならびにこのデバイスに電流を印可するための手段。このシステムはまた、デバイスを冷却するための手段、および標的認識生体分子(「TRB」)を含み得る。
(A.IEFバッファ)
所定のpH値付近の緩衝化能を有する成分(緩衝剤)またはpH勾配を形成するように構成された成分(例えば、両性電解質、固定化剤または緩衝剤の組み合わせ)を含む。このIEFバッファは、液体もしくはスラリーまたはゲルの形態であり、その結果、生体分子のpIが、IEFバッファのpH範囲内になければ、生体分子は、IEFバッファを通過し得る。IEFバッファは、必要に応じて、他の成分(例えば、尿素、界面活性剤、および還元剤)を含み得る。例えば、Malloyら,Anal.Biochem.280:1〜10頁(2000)を参照のこと。IEFバッファが、電場の影響下で、機能的に安定であることが望ましい。
IEFバッファまたはIEFバッファを含むセルは、手動により、または種々のデバイスにより形成され得る。例えば、IEFバッファは、基質の表面上または基質の溝またはチャネル中に沈着(例えば、コート、プリントまたはスポット)され得る。この基質は、以下に記載されるようなマトリクス、またはこのマトリクスと同一の材料から製造されたビーズであり得る。一つの実施形態に従って、IEFバッファは、酸性溶液および塩基性溶液を混合し、所望のpH値を有するバッファを形成するデバイス(「滴定器」)によって作製され得る。このバッファは、モノマー(例えば、アクリルアミド)および重合化剤と合わせられ、そしてマトリクス上の所望の位置にIEFバッファを配する別のデバイス(「マトリクスプリンター」)に充填される。例えば、図25を参照のこと。これらのデバイスは、自動化システムに取り込まれ得る。
両性電解質は、両性であり(すなわち、酸性媒体中で正に荷電され、そして塩基性媒体中で負に荷電される)、可溶性であり、そして約300u〜1000uのM値を有する、一連の種々のオリゴアミノ酸および/またはオリゴカルボン酸である。両性電解質は、調製されるか、または購入され得る。例えば、種々のキャリア両性電解質が、当該分野で公知である(例えば、31〜50頁,Righetti,P.G.,(1983)Isoelectric Focusing:Theory,Methodology and Applications,T.S.WorkおよびR.H.Burdon編,Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam;米国特許第3,485,736号)。あるいは、市販の両性電解質としては、Ampholines(LKB)、Servalytes(Serva)、BiolytesおよびPharmalytes(Amersham Pharmacia Biotech,Uppsala,Sweden)が挙げられる。
固定化剤は、一般式:CH=CH−CO−NH−Rの両性ではない二官能性アクリルアミド誘導体である。固定化剤は、調製されるか、または購入され得る。例えば、固定化剤を合成するための方法は、当該分野で公知である(Bjellquistら,(1983)J.Biochem.Biophys.Methods.,6:317)。この固定化剤を、アクリルアミドを用いて共重合して、IPG(固体化されたpH勾配)を形成し得る。IPGは、当該分野で公知の方法によって調製され得るか、または購入され得る。
pH勾配は、両性バッファまたは両性でないバッファを混合することによって形成され得る。例えば、このような緩衝剤の組み合わせは、Allen,RCら,Gel Electrophoresis and Isoelectric Focusing of Proteins:Selected Techniques,Berlin:Walter de Gruyter & Co.(1984);および米国特許第5,447,612号(Bier)に記載されている。いくつかのIEF緩衝剤は、50mMのグリシン;14mMのNaOH;50mMのHEPES、12mMのNaOH;50mMのTHMA、44.6mMのHCl;52mMのクエン酸;96mMのNaHPO;50mMのBICINE、18mMのNaOH;および50mMのDMGA、40mMのNaOHを含む。
各セル中のIEFバッファによって形成されるpH勾配は、狭いpH範囲または広いpH範囲を有し得る(例えば、それぞれ、pH6.8〜pH7.8またはpH6.8〜pH12.8)。IEFバッファは、極度に狭いpH範囲(例えば、5.50〜5.60(0.1pH単位以下の差))または極端に狭いpH範囲(例えば、5.52〜5.54(0.02pH単位以下の差))を有し得る。このことは、IEFバッファが、特定のpH値に調整された一つの緩衝剤であり得るので可能である。この場合において、IEFバッファのpH範囲は、緩衝剤が調整されたpH値付近の緩衝剤の緩衝化能と等しい。
用語「間隔」は、IEFバッファによって形成されたpH勾配内での、pH値の増分差をいう。用語「ステップ」は、2種の異なるIEFバッファ間でのpH値の増分差をいう。例えば、一つのセル内で、この間隔は、そのセル内における全pH範囲(例えば、このセル内におけるpH6.8、pH7.0、pH7.2など)にわたり、0.02pH単位程度の小ささであり得る。別の例において、セル番号1中のIEFバッファとセル番号2中のバッファとの間のpH「ステップ」は、0.1pH単位であり得る。例えば、セル番号1中のIEFバッファは、pH6.8で開始してpH7.8で終了するpH勾配を有し得、セル番号2中のIEFバッファは、pH7.9で開してpH8.9で終了するpH勾配をを有し得る(すなわち、pH7.9−pH7.8)。用語「pH範囲」は、IEFバッファまたはIEFバッファを含むセル中で、最も高いpH値〜最も低いpH値(例えば、pH7.9〜pH8.9)をいうか、またはIEFバッファまたはIEFバッファを含むセル中で、最も高いpH値と最も低いpH値との間の差(例えば、1.0pH単位)をいう。セル内の間隔は、均一でなければならないわけではない。さらに、複数のセルうちの2つのセル間のpHステップも、均一でなければならないわけではない。一つの実施形態に従って、このマトリクスは、IEFバッファ、あるいは極度に狭いpH範囲または極端に狭いpH範囲、および各セル間に小さなpHステップを有する、IEFバッファを有するセルを含む。
一つの実施形態に従って、セル中のIEFバッファのpH範囲は、狭いpH勾配(例えば、1未満のpH単位または数pH単位まで)である。別の実施形態に従って、セル中のpH勾配は、数pH単位を超える。一つの実施形態に従って、IEFバッファのpH間隔は、0.1pH単位以下である。別の実施形態において、IEFバッファのpH間隔は、0.02単位以下である。一つの実施形態に従って、2以上のIEFバッファ間のpHステップは、0.01単位以下である。別の実施形態に従って、2以上のIGFバッファ間のpHステップは、0.02単位以下である。
(B.セル)
セルは、その中に、そして/またはその壁に組み込まれたIEFバッファを有する中空構造である。そのセルは、球形、三角形、正方形、矩形および円柱形を含む任意の形状を有し得る。セルは、その構造の形状に依存して、1つ以上の壁を有し得る。このセルの壁は、その構造の中心に向いた内部側壁、およびこのセルの外側に向いた外部側壁を有し得る。例えば、図1を参照のこと。所望の用途に依存して、セルの壁は、生体分子透過性、生体分子不透過性、および/または電場透過性もしくは電場不透過性である、メンブレン、メッシュまたは固体から作製され得る。
このセルの壁のいくらかは、電場に対して不透過性であり得る。しかし、このセル壁は、電流がこのセルへと通過するように構築されなければならない。IEFバッファは、このセルの壁に組み込まれ得る。例えば、Whatman GF/Dガラス繊維フィルタディスクは、アクリルアミドに漬けられ、これは、重合してゲルになり得、次いで、IEFバッファに浸漬される。従って、このディスクは、セルの壁を形成するために使用され得る。従って、生体分子は、この生体分子のpI値と同じpH値のIEFバッファ中に浸漬された壁を有するセル中でトラップされ得る。
目的の生体分子を含むサンプルが、このシステムの泳動バッファに添加される場合、少なくとも1つのセル壁は、この目的の生体分子の1つ以上に対して透過性でなければならない。一実施形態において、セル壁の全てが、目的の生体分子に対して透過性である。別の実施形態において、1つを除いて全てのセル壁が、生体分子不透過性および/または電場不透過性である。一実施形態において、一次元の電場に向いた一次元の電場と同じ方向のセル壁は、目的の生体分子に対して透過性である。代替の実施形態によると、目的の生体分子が、(1)目的の生体分子を含むサンプルを、このシステム中のセル中のIEFバッファに添加し、そして(2)目的ではない生体分子および/またはイオンを、このセルの外に移動させることによって、調製される場合、セル壁は、この目的の生体分子に対して実質的に不透過性であり得る。このように、このセルは、マトリクス、アレイ、システムおよび方法と組み合わせて、一次元工程で使用され得る。
セルは、いくつかの様式で空間的に配置され得る。例えば、このセルは、隣接して配置され得、例えば、ここで、生体分子透過性材料または生体分子不透過性材料は、別のセルに隣接したセルを離す。例えば、図6aおよび6bを参照のこと。一実施形態によると、IEFバッファまたはセルは、「分離され」、その結果、生体分子は、あるIEFバッファを通って直接別のIEFバッファに至るか、またはあるセルの壁を通って直接別のセルに至るよりむしろ、IEFバッファまたはセルの周りを循環する泳動バッファを通って移動することによって、あるIEFバッファから別のIEFバッファまで、実質的に移動する。例えば、図5a、5bまたは2を参照のこと。一実施形態によると、この分離されたセルは、隣接しているが、これらを分離する生体分子不透過性材料を有する。例えば、図6を参照のこと。あるいは、分離されたIEFバッファまたはセルは、隣接していない。一実施形態によると、IEFバッファまたはセルが、隣接して配置される場合、別のIEFバッファまたはセルに隣接していないIEFバッファまたはセルの壁の少なくとも1つは、泳動バッファと接触し、そして試験されている生体分子に対して透過性である。IEFバッファまたはセルは、マトリクスの一部を形成し得る。IEFバッファまたはセルは、このセルが、一次元の電場に対して平行に配置される場合、互いに連続して隣接されなくてもよい。
生体分子透過性材料または生体分子不透過性材料は、所望の結果に依存して、メンブレンであり得る。このメンブレンは、これがメンブレンの細孔中の電場中に正味の電荷を実質的に有さない様に、調製され得る。代替の実施形態において、メンブレンのpHは、このメンブレンの両側のpHの中間のpH値であり得る。このことは、メンブレン上の電荷の存在または捕捉により生じる、メンブレンを通るバルク流体の流れ(電気浸透)を最小限にするために望ましい。所望の結果に依存して、有用なメンブレンとしては、Martinの米国特許第4,243,507に記載されるメンブレンが挙げられる。あるいは、メンブレンは、Faupelの米国特許第4,971,670に記載されるような、イモビリン(immobiline)に共有結合されたメンブレンを含み得る。
セルが、泳動バッファと接触し得る限り、このセルは、チャンバに直接的または間接的に連結され得る。例えば、このセルは、チャンバの底部または側面に直接連結されるか、または絶縁支持体によって、チャンバに取り付けられ得る。例えば、図5aまたは5cを参照のこと。あるいは、このセルは、チャンバに連結されるかまたはこのチャンバに連結されたポストに連結されたマトリクス中に配置され得る。なお別の実施形態において、緩衝剤であるIEFバッファを含むセルは、泳動バッファ中を自由に浮遊し得るが、このセルは、セル中のIEFバッファのpH範囲を示すように、区別されるべきである。例えば、図5bを参照のこと。マトリクスまたは個々のセルは、チャンバに連結され得、その結果、これらは、このチャンバ内で回転する。
これらの方法およびシステムの感度は、IEFバッファまたはセルのサイズが減少するにつれて、増加する。一実施形態によると、IEFバッファまたはセルのサイズ、特に、IEFバッファまたはセルの長さは、可能な限り小さい。IEFバッファまたはセルの長さとは、第2次元の電場の方向に対して平行なIEFバッファまたはセルの最も広い断面をいう。このIEFバッファまたはセルの幅とは、第2次元の電場の方向に対して垂直のIEFバッファまたはセルの最も広い断面をいう。一実施形態において、セルの長さは、任意のサイズ(例えば、10μm〜5.0mm)であり得る。別の実施形態において、セルの幅は、任意のサイズ(例えば、10μm〜10.0mm)であり得る。
レーンは、種々のサイズであり得る。一実施形態によると、このレーンの幅は、20μm〜1mmである。例えば、このレーンの幅は、100μmであり得る。別の実施形態によると、各レーンの幅は、3〜10mmである。
このレーンは、分離技術(例えば、サイズ、形状、電荷、親和性またはこれらの組合せによる)に適切な材料を含み得る。このような材料としては、クロマトグラフィー、電気泳動(例えば、SDS−PAGE、ゾーン電気泳動、アフィニティ電気泳動、キャピラリー電気泳動)、および通電クロマトグラフィーに適切な材料が挙げられ得る。従って、一実施形態において、このレーンは、クロマトグラフ物質(例えば、液体クロマトグラフィー)または電気泳動(例えば、キャピラリーゾーン電気泳動、架橋ゲルまたは非架橋ゲルを使用するキャピラリーゲル電気泳動)およびキャピラリー等電集束法に有用な物質で満たされたキャピラリー管であり得る。一実施形態によると、第2次元は、電場媒介分離技術である。
一実施形態に従うレーンは、電気泳動分離に適切なゲル様材料を含み得る(例えば、US6,197,173(Kirpatrick))。このゲル様材料は、重合されたモノマーから構成され得る。このゲルは、問題の生体分子を変性させ得るかまたは変性させ得ない。このゲルは、種々の細孔サイズを有し得る。従って、このレーンは、さらなる成分(例えば、ウレア、界面活性剤および還元剤)を必要に応じて含み得る。例えば、Malloyら、Anal.Biochem.280:pp.1−10(2000)を参照のこと。このレーン自体が、一次元のIEFバッファ中に蓄積された生体分子のさらなる分離のためのIEFバッファを含み得る。あるいは、IEFバッファを含むレーンは、SDSを泳動バッファに添加することによって、SDS−含有ゲルに変換され得、従って、生体分子は、分子量に基づいて二次元で分離され得る。
一実施形態によると、このレーンは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ゲルおよびポリアクリルアミドゲルを含むように予め作製される。別の実施形態によると、このレーンのある長さは、2つの生体分子不透過性層の間に挟まれる。さらなる実施形態によると、このレーンがSDSゲルおよびポリアクリルアミドゲルを含む場合、このレーンは、マトリクス層と別の層との間に挟まれ得、ここで、両方の層は、電場がこのレーンを透過し得、そして電場をIEFバッファからレーンに向かって下向きに方向付け得る限り、生体分子不透過性かつイオン不透過性であり得る。例えば、図16を参照のこと。
このレーンは、手により形成され得るか、または種々のデバイスにより形成され得る。例えば、アクリルアミド溶液および重合剤が、デバイス(「マトリクスプリンター」)に充填され得、このデバイスは、レーンを、アレイ上の所望の位置に配置する。例えば、図26を参照のこと。改変されたオフィスインクジェットプリンターは、一例である。このようなデバイスは、自動化システムに組み込まれ得る。
一次元工程および/または二次元工程における使用のためのゲルを作製するために、従来のアクリルアミド/ビス−アクリルアミド溶液またはアガロース溶液に加えて、種々のモノマーが使用され得る。従来の化学重合ゲルにおいて、ヒドロキシエチルメタクリレートおよび他の低分子量アクリレート型化合物をモノマーとして使用することが知られている;これらは、「Lone−Ranger」ゲルとして市販されている。1つ以上のアクリレート型基で置換されたポリマーの使用もまた、水と混和性の有機溶媒(例えば、アルコールまたはアセトン)との混合溶媒における分離のために特に適切であるとして、文献(ZewertおよびHarrington,Electrophoresis 13:pp.824−831,(1992))に記載されている。ゲル形成モノマーはまた、架橋を形成し得る材料と組み合わせた、光重合性反応性基を含む実質的に水溶性の任意の分子であり得るが、ただし、この組合せは、一旦重合されると、特定の型の電気泳動に適切なゲルを形成する。
例示的な材料としては、以下が挙げられる:メチレン−ビス−アクリルアミドまたは他の公知の架橋剤と組み合わせた、アクリルアミド;ヒドロキシエチルメタクリレート、ならびにアクリル酸、メタクリル酸およびそれらのアルキル置換誘導体の他の低分子(約300ダルトン未満)誘導体(例えば、クロトン酸);ビニルピロリドンおならびに他の低分子量ビニル化合物および低分子量アリル化合物;非イオンポリマーのビニル誘導体、アリル誘導体、アクリル誘導体およびメタクリル誘導体(アガロース(「Acrylaide」架橋剤、FMC Corp.)、デキストランおよび他の多糖類のこのような誘導体を含む)、ならびに誘導体(例えば、セルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロースを含む));ポリビニルアルコール;グリコールのモノマー誘導体、オリゴマー誘導体およびポリマー誘導体(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよびそれらのコポリマーのポリマーを含む);他の水混和性ポリマーのアクリル誘導体、ビニル誘導体またはアリル誘導体(例えば、ポリHEMA(ポリヒドロキシエチルアクリル酸)、ポリマーN−イソプロピルアクリルアミド(これは温度感受性である)、マレイン酸ポリマーおよびコポリマー、部分的に加水分解されたEVAC(エチレンと酢酸ビニルとのポリマー)、エチレンイミン、ポリアミノ酸、ポリヌクレオチド、ならびにこれらのサブユニットの互いとの、およびより疎水性の化合物(例えば、ピリジン、ピロリドン、オキサゾリジン、スチレンおよびヒドロキシ酸)とのコポリマー)。重合性材料は、特に、溶媒または界面活性剤が、このゲル形成溶液中に含まれる場合、水溶性であることを全く必要としない。
一般的なポリマーの重合性誘導体を作製するための方法は、当該分野で公知である;例えば、ヒドロキシル基へのアリルグリシジルエーテルの付加は、酸、無水物またはアシルクロリド(例えば、無水アクリル酸)とのヒドロキシルのエステル化と同様に、公知である。アミンは、アシル無水物またはアシルクロリドで容易に誘導体化される。上記の誘導体化ポリマーの多くは、1つより多い活性基を含み、その結果、自己架橋性である。架橋剤(一分子あたり平均して1つより多い反応性基を含む)の添加は、わずか1つの反応性基を有するモノマー(例えば、アクリルアミド)からゲルを形成するために必要である。これには、多重誘導体化ポリマーに加えて、メチレンビス−アクリルアミド、エチレングリコールジアクリレートおよび1つより多いエチレン性不飽和官能性を有する他の低分子(例えば、アクリル、ビニルまたはアリル)が挙げられる。
候補非アクリルアミドモノマーとしては、例えば、以下が挙げられ得る:アリルアルコール、HEMA(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、アリルグリシジルデキストラン、ポリビニルアルコールのアリルグリシジル誘導体、およびセルロールおよび誘導体のアリルグリシジル誘導体、酢酸ビニル、ならびに1つ以上のアクリル基、ビニル基またはアリル基を含む他の分子。
IEF/レーンユニットは、レーンと共にIEFバッファを含むIEFバッファまたはセルである。一実施形態において、IEF/レーンユニットは、予め作製され、その結果、IEFバッファは、レーンと接触する。例えば、図16Dを参照のこと。別の実施形態において、IEF/レーンユニットは、予め作製され得、その結果、IEFバッファおよびレーンは、別個であるが、互いに連結され得る。例えば、IEFバッファおよびレーンは、マトリクス中で移動可能であり得、その結果、これらは、所望の時間に、一緒にされ得る。別の例において、このIEFバッファおよびレーンは、これら2つを一緒に連結するゲルプラグを介して連結され得る。IEFバッファまたはセルが、レーンに連結される場合、このIEFバッファまたはセルとレーンとの間の連結は、目的または問題の生体分子の移動に対して許容性でなければならない。
(C.マトリクス)
マトリクス(またはマトリクス層)は、固体材料または半固体材料(例えば、セラミック、ガラス、ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)(例えば、ルサイト)、またはゲル)であり、これは、1つまたは複数のセルおよび/またはIEF/レーンユニットを構成する。一実施形態によると、このマトリクスを形成する材料は、導電性が乏しい。別の実施形態によると、このマトリクスは、部分的または全体的に、レーンの長さに接触するように、生体分子不透過性かつイオン不透過性(BIA)である材料から作製される。IEF/レーンユニットは、例えば、ゲルとしてのマトリクスの表面上に配置され得、図15のマトリクスBまたはCは、マトリクス層中のエッチングされた溝部内に配置され得るか、またはIEFバッファまたはセルが一次元の泳動バッファと接触し得る限り、このマトリクス層を通って延び得る。一実施形態によると、IEFバッファ、セルまたはレーンが、マトリクスを通って延びる場合、IEFバッファ、セルまたはレーンの側面のうち泳動バッファと接触している1つは、生体分子不透過層で覆われる。このマトリクスは移動可能であるか、またはチャンバ内にあり得る。
このマトリクスは、例えば、マトリクスの1つの側面を通ってこのマトリクスの反対の側面まで通る穴をあけ、チャネルをIEFバッファで満たし、そしてこのチャネル内の開口部をイオン透過性のタンパク質透過性メンブレンで密閉することによって、作製され得る。あるいは、このチャネルは、特定のpH範囲を有するゲルへと固化するIEFバッファと混合された、ポリマー(例えば、アガロースゲルまたはポリアクリルアミドゲル)で満たされ得る。このマトリクス中のセルはまた、1つの溝部または複数の溝部(これは、マトリクス、例えば、図15のマトリクスAまたはD)の反対側を通って延びない)を生成することにより、作製され得る。これらの溝部は、マトリクスの任意の側面上に作製され得る。一実施形態によると、これらの溝部は、マトリクスの一方の側面上にある。これらの溝部は、1種または複数種のIEFバッファで満たされ得る。
1つの実施形態に従って、IEFバッファまたはセルは、生体分子がIEFバッファまたはセルから別のIEFバッファまたはセルへと、互いに直接的に移動する代わりに、電気泳動バッファを介して、実質的に移動するように、分離される。セルがマトリクスの1つの側面を通ってマトリクスの反対の側面に伸長する場合、それは、チャネルと呼ばれ得る。マトリクス内のチャネルは、代表的に、互いに平衡に配置される。1つの実施形態に従って、マトリクス層は、複数の同一の配向のIEF/レーンユニットを含む。別の実施形態に従って、複数の同一の配向のIEF/レーンユニットは、互いに平行におよび/またはタンデムに配置され得る。別の実施形態に従って、マトリクスまたはチップは、較正曲線を作製する際に使用するためのIEFバッファを含むか、または他のセルからの結果と比較するための標準を有する、サブセットのセルを含むように予め設計される(例えば、図15)。別の実施形態に従って、マトリクスまたはチップは、目的の公知の生体分子(例えば、疾患状態に対する生体分子マーカー)または疾患状態を示す一連の生体分子のpIに対応するpH値を有する、予め選択されたセットのIEFバッファを含む予め作製された診断ツールである。
較正曲線は、サンプル中の標的生体分(「TB」)の量を決定するのに有用である。定量的な較正曲線は、既知の濃度の既知の生体分子または既知の生体分子を含む複合体を混合し、そして適切なIEFバッファを有するセル中で既知の生体分子または複合体の蓄積を評価することによって作成され得る。好ましくは、TBおよび/または標的認識分子(「TRM」)が市販されるかまたは容易に入手可能である場合、市販または容易に入手可能なTBを、既知の生体分子として使用するか、または較正曲線のための複合体を形成するために、市販または容易に入手可能なTRMと接触させる。既知の生体分子は、標識付けされ得るか、または標識された複合体中に存在し得る。好ましくは、同じ標識が較正曲線を作成し、そしてサンプルを試験するプロセスにおいて使用される。電気泳動バッファに添加される既知の生体分子または複合体の濃度は、蓄積されるセルにおけるシグナルの量に対してグラフ化され得る。このグラフは、蓄積されるセルにおけるシグナルの量に基づいて、サンプル中のTBの濃度を外挿するための手段として使用され得る。例えば、図29を参照のこと。
複合体が各セルに分離された後、複合体は、第2次元における分析(すなわち、セルの外側の分析)に供され得る。例えば、第2次元の分析は、SDS PAGE、質量分析法、およびHPLCクロマトグラフィーのような分析の方法を含む。
第1次元の電場は、IEFバッファへと通過し得るべきである。電場の方向とマトリクスとの間の角度は、電場が、チャネル内のIEFバッファ中を通過し得る限り、互いに対して+90°〜−90°の間であり得る。1つの実施形態において、角度は、+90°である。別の実施形態において、電流は、可逆ではなく、システムを横切って単一方向に流れ、ここで、IEFバッファおよびセルは、隣接せず、そして問題の生体分子に対して透過性の壁は、電流の方向に対して垂直に配向され、サンプルが、電気泳動バッファに直接添加される。別の実施形態において、このシステムは、攪拌手段(例えば、磁性攪拌バー)を備える。なお別の実施形態において、実験の間、電気泳動バッファ内に生成される対流は、このシステムが攪拌される唯一の手段である。
1つの実施形態において、サンプルのハイスループットスクリーニングのために、セルを含むマトリクスが小さなチップ様構造である場合、有用である。チップは、所望の小型化した表面特徴を有するために、マイクロ製造され得る(例えば、ドライエッチ、ウェットエッチ、レーザーエッチまたは機械加工、成型もしくはエンボス加工され得る)任意の材料から作製され得る。チップは、ポリマー、セラミック、ガラス、その複合体、その積層体などであり得る。実施における、マイクロ製造技術(例えば、バルクエッチング、表面マイクロ機械加工、厚膜プロセシング、レーザーアブレーション、レーザーエッチング、成型およびエンボス加工)の使用によって、マイクロスケールの成分および構造の整列において高い程度の正確性が可能である(例えば、E.W.Beckerら、(1986)Microelectronic Engineering 4:35−56)。1つの実施形態において、チップは、複数のセルを含み、ここで、2つ以上のセルは、異なるIEFバッファを有する。例えば、図11を参照のこと。別の実施形態において、サブセットのセルのIEFバッファのpH値は、TBを含む複合体が蓄積しているセルのIEFバッファのpHと同じではない。
マトリクスの寸法は、例えば、1×1cm〜10×10cmであり得る。1つの実施形態に従って、マトリクスは、レーンの数、それらのレーンの長さおよびそれらの間の間隔に依存して、5×5cmまたは4×10cmである。1つの実施形態に従って、マトリクスの厚みは、1mmである。
(D.アレイ)
アレイは、第2の層をさらに含むマトリクスである。第2の層は、一般的に、サンプル中の実質的な量の生体分子がIEF分離工程の間にレーンにおいて局在化することを妨げるように、レーンの1つの側面を覆うように機能するが、電場が、第2次元の工程の間、レーンを貫通することを可能にする。従って、第2の層は、レーンの長さおよび幅と同じかまたはそれより大きいレーンスクリーニング領域(LSA)を含み、ここで、このLSAは、生体分子に対して不透過性であり、そしてイオンに対して透過性である。第2の層は、全体的に、LSA材料から作製され得るか、またはレーンの寸法を有するLSA材料の一部を有するように構築され得る。1つの実施形態に従って、LSAは、伝導性ではない。別の実施形態に従って、レーンは、マトリクス層とLSAとの間に挟まれる。
生体分子不透過性であるがイオン透過性である材料は、当該分野において公知である(例えば、セロハン、ポリエーテルスルホン、ナイロン、セルロースアセテート、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、ペルフルオロスルホネートカチオン交換メンブレン(例えば、Nfionメンブレン)および他のペルフルオロ化イオン交換メンブレン)。
第2の層は、必要に応じてさらに、第2の層の平面を通る穿孔を含む。この穿孔は、この穿孔が、IEFバッファまたはIEFバッファを含むセル上に位置付けられるように、配置され得る。穿孔の機能は、IEF分離工程の間、IEFバッファまたはセルにサンプル中の生体分子がアクセスし得ることである。例えば、図16aおよびbを参照のこと。第2の層は、マトリクスから脱着可能であり得るか、マトリクスに永久的に結合可能であり得るか、または全くマトリクスに結合され得ない。アレイの例は、図15Bおよび16Cならびに図17の「第2」および「マトリクス」の組合せに見られ得る。
(E.チャンバ)
チャンバは、電気泳動バッファを含む容器である。例えば、図2を参照のこと。1つの実施形態に従って、チャンバは、小容量の電気泳動バッファ(すなわち、電場がIEFバッファまたはセルおよびレーンに通過し得るように、セルおよび電極と接触するのに必要とされる最小量)を保持するように設計される。別の実施形態に従って、チャンバの外側は、さらに、電流がチャンバを通って電極へと通るのを可能にするためのコネクタをさらに含む。なお別の実施形態に従って、チャンバは、使い捨て可能である。
(F.電気泳動バッファ)
電気泳動バッファは、電流を伝達し得るチャンバ中の溶液である。例えば、電気泳動バッファは、0.01M KSOであり得る。電気泳動バッファは、他の薬剤(例えば、生体分子の活性および/または安定性を維持するために有用な薬剤(例えば、ピプロテアーゼインヒビターまたは洗浄剤))を含み得る。第1次元において使用される電気泳動バッファは、必要に応じて、第2次元の工程において、同じバッファまたは異なるバッファに変更され得る。あるいは、第2次元の工程において、電気泳動バッファは存在しない。1つの実施形態に従って、電気泳動バッファは、複合体が適切なセルに蓄積し得るように、IEFバッファのpH範囲および目的の生体分子について最適化される。電気泳動バッファは、IEFバッファまたはセルに入る生体分子の移動度を増加または減少させるpH値であるように調節され得る。
(G.電場を作製および/または電場を方向付けするためのデバイス)
IEFバッファまたはセルを通る電場を方向付けするためのデバイスは、例えば、カソード電極およびアノード電極ならびに電圧電源の使用を含む。1つの実施形態に従って、デバイスは、交流電場を作製し得る。電極は、電場がIEFバッファまたはセル内を通過するように、IEFバッファまたはセルの反対側に配置され得る。1つの実施形態に従って、電極は、ワイヤである。別の実施形態に従って、電極は、ワイヤまたは薄いプレートの平行なセットである。例えば、図2〜6を参照のこと。デバイスは、AC電圧またはDC電圧を供給し得る。IEFバッファまたはセルが閉鎖系である(例えば、電場がIEFバッファまたはセルの1つの側を通って、IEFバッファまたはセルの反対側から外に通過できない)場合、このデバイスは、IEFバッファまたはIEFバッファを含むセルの内外に電場を方向付ける(すなわち交流電場)ことができることが有利である。交流電場の配向は、アレイの面またはIEFバッファまたはセルの面に対して垂直である必要はない。これは、アレイの面に対して+90°と−90°との間であり得、IEFバッファまたはセルの軸に対して平行な電場成分を常に供給する。
1つの実施形態に従って、電極は、白金またはチタンから作製されるか、あるいは、白金またはチタンでコーティングされる。1つの実施形態に従って、電極は、0.5cm〜10cmの間の距離で離れる。別の実施形態に従って、電極は、5cm離れる。さらなる実施形態に従って、電極間の距離は、電気泳動バッファが依然としてセルを横切って循環し得る最小距離である。さらなる実施形態に従って、電極は、マトリクスまたはセルの長さとほぼ同じ距離離れる。
電気泳動バッファに印加される電圧は、DCまたはACであり得る。IEFバッファまたはセルが閉じており、そして印加される電圧がDCである場合、電場がIEFバッファまたはセルの内外に方向付けられるように、電場の方向を手動的にまたは自動的に交互させるための方法がなければならない。1つの実施形態に従って、電場の方向は、例えば、手動的にまたは自動的に、印加される電圧の極性を切り換えるか、または一定の電場内でIEFバッファまたはセルを180°回転させることによって、変更され得る。1つの好ましい実施形態に従って、電圧は、ACである。
(H.バッファを循環させるための方法)
IEFバッファまたはセルを横切って電気泳動バッファを循環させるためのデバイスは、同時に、例えば、当該分野で公知の液体を循環させるための磁性プレートまたは他のデバイス(例えば、ポンプ、振動子(例えば、ピエゾ振動子、攪拌機、可傾式(tilting)デバイス)によって制御されるチャンバ内に配置される攪拌バーを備える。図2を参照のこと。別の実施形態において、循環させるためのデバイスは、電気泳動バッファに対してIEFバッファまたはセルを移動させるための機構であり得る。例えば、IEFバッファまたはセルは、電気泳動バッファ中で回転し得る。このようなデバイスの活動は、この方法およびシステムにおいて、第1次元の工程(IEF工程)の間、有用である。電気泳動バッファの循環または電気泳動バッファに対するセルの循環は、それらのそれぞれのIEFバッファまたはセルに対する目的の生体分子の高速な曝露を促進する。あるいは、この方法およびシステムは、このような循環デバイスを欠き得る。別の実施形態において、循環は、単に、等電集束法の間に自然に生成される対流によって提供される。1つの実施形態に従って、生体分子を循環させるのに十分な対流エネルギーの量は、電気泳動バッファ1cm当たり、10−10ジュールである。
(I.電場を方向付けるための手段)
IEFバッファまたはセルから離れてレーンの長さの下方に電場を方向付けるためのデバイスは、構成要素のいくつかの異なる配置を含み得る。このデバイスは、IEFバッファ内の生体分子をレーン中に下へと移動させるように機能する。従って、レーン分離を含む、第2次元の電場の方向は、主に、IEFバッファから離れてレーンの下方向であるべきである。例えば、1つの電極は、IEF/レーンユニットの一端(例えば、IEFバッファの先端)に配置され得、そして別の電極は、IEF/レーンユニットの他端(例えば、レーンの末端)に配置され得る。あるいは、1つの電極は、レーンの末端に配置され得、そして他の電極は、IEF分離工程の前に使用されたものであり得る。図28を参照のこと。供給される電圧は、DCであり得る。電源およびDC電流を供給し得る電極は、市販され、そして当該分野で公知である。
(J.システムまたはキット)
システムは、分解されているかまたは組み立てられたキットとして販売され得るいくつかの構成要素を備える。キットの構成要素としては、以下が挙げられる:IEFバッファ、セル、マトリクスまたはアレイ;および必要に応じて、IEFバッファおよびセルならびに/または電気泳動バッファを含むチャンバの内外に電場を方向付けるためのデバイス。このシステムはまた、必要に応じて、IEFバッファまたはセルから離れて、レーンの長さの下方に電場を方向付けるためのデバイスを備える。このシステムは、必要に応じて、さらに、IEFバッファまたはセルを横切る電気泳動バッファを循環させるためのデバイスを備える。システムの例は、図17および図28に示される。1つの実施形態に従って、チャンバは、使い捨て可能であり、電圧供給源と接触させるために、チャンバの底面または側面に接続されるコネクタを有する。
システムは、さらに以下のいずれか1つを備え得る:セルまたはレーン内のサンプルの生体分子を方向付けるためのデバイス;検出デバイスからデータを受信するためのデバイス;および受信されたデータを処理するためのデバイス。1つの実施形態に従って、走査型ミクロデンシトメーターが、セルまたはレーンからのシグナルを検出、受信および処理する。
(検出デバイス)
セルまたはレーンのサンプル中の生体分子を検出し、検出デバイスからのデータを受信し、そして受信されたデータを処理するために必要な1つ以上のデバイスがコンピューターにパッケージされ得る。
検出デバイスは、スペクトルの波長、複数の波長または1つの波長である電磁放射を、同時にまたは連続的に、レーンに投射するように設計され得る。1つの実施形態に従って、照射光源は、単色である。例えば、検出デバイスは、狭いスペクトルの光が、それぞれのIEFバッファ、セルまたはレーン上に投射された後に、特定の波長のそれぞれのIEFバッファ、セルまたはレーンからの吸収の大きさを迅速に連続的に読み取る特注の光度計であり得る。あるいは、検出デバイスは、それぞれのIEFバッファ、セルまたはレーンを同時に読み取り、そして/またはいくつかの波長におけるそれぞれのIEFバッファ、セルまたはレーンから発せられる電磁放射に関連する読み取りを行うように設計され得る。
適切な検出デバイスとしては、肉眼、分光光度測定検出機器、化学発光検出機器、光度測定/濃度測定検出機器、電気化学検出機器または放射化学検出機器が挙げられるがこれらに限定されず、このデバイスは、生体分子が標識されるか否か、および標識の型に依存する。この標識は、シグナルを発生する反応を引き起こすためかまたは上で言及した方法に従って検出可能なシグナルを増加させるために、他の成分を必要とし得る。適切なシグナル発生システムの詳細な議論は、Ullmanら、米国特許第5,185,243号(11〜13欄)(これは、本明細書中で参考として援用される)において見出され得る。標識を結合するための技術の詳細は、当該分野で公知である。例えば、Matthewsら、Anal.Biochem.(1985)151:205−209、およびEngelhardtら、欧州特許出願番号0302175を参照のこと。
(コンピューター性能)
1つの実施形態に従って、コンピューターは、モジュールを備え、このモジュールは、コンピューターに以下の工程を実行させ得る:(a)レーンからの実験データを受容する工程、ならびに(b)サンプル中の生体分子および/またはサンプル中の目的の生体分子に代表的なプロフィールを作成する工程。このような分子は、疾患において、より機能的に注釈した薬物標的を迅速に同定し、選別し、そして選択する際に有用であり得る。別の実施形態に従って、このコンピューターは、モジュールを備え、このモジュールは、コンピューターに以下の工程を実行させ得る:(a)レーンからの実験データを受容して、サンプル中の生体分子のプロフィールを作成する工程;(b)参照プロフィールを受容する工程;ならびに、(c)これら2つのプロフィール間の類似性の客観的な測定値を算出する工程。この参照プロフィールは、当該分野で公知の値であり得るか、または研究者によってプログラム化された値であり得る。
(ネットワーキング)
コンピューターは、ネットワークに接続され得、このネットワークは、他のローカルコンピューターシステム、リモートコンピューターシステム、またはワイドエリア通信ネットワーク(例えば、Internet)へのイーサネット(登録商標)リンクの一部であり得る。このネットワークリンクは、コンピューターがデータおよび処理タスクを他のコンピューターリンクと共有することを可能にする。共有データへのアクセスは、診断目的、予備診断目的、または一般的な研究目的のための遺伝子分析またはプロテオーム分析のために、特に有用である。例えば、このコンピューターは、既知の情報を使用して特定の疾患状態または特定の疾患に対する感受性の指標である特定のプロフィール(例えば、タンパク質またはRNA発現パターン)を認識するように、予め設定され得る。次いで、被験体由来のサンプルが、このシステムを使用して試験され、このサンプル中の生体分子が同じプロフィールを示すか否かが決定され得る。
(サンプルおよびバッファ操作)
さらになお、このシステムは、以下のうちの、少なくとも1つ、組み合わせまたは全てをさらに備え得る:サンプル供給器、廃液処理器、バッファ供給器、染色試薬供給器、アレイ操作システム、およびディスプレイ。サンプル供給器は、サンプルのアリコートをチャンバに加えるようにプログラムされ得る。廃液処理器は、分析の間いつでも、廃棄物質(例えば、その使用後の移動バッファ)を排出するようにプログラムされ得る。バッファ供給器は、分析間いつでも、新たなバッファまたは異なるバッファを放出するようにプログラム化され得る。染色試薬供給器は、設定期間にわたって、染料を放出し、生体分子をこの染料に曝すようにプログラム化され得る。アレイ操作システムは、分析の間、必要な場合に、マトリクス、アレイまたはチャンバを移動させるようにプログラム化され得る。ディスプレイは、第1次元または第2次元の分析結果に関する情報を与える、スクリーンまたは他のデバイスであり得る。例えば、図27を参照のこと。
(自動化)
1つの実施形態に従って、このシステムは、全体または一部が自動化されており、その結果、1つまたは多くのサンプルが、この方法に従って分析され得る。例えば、サンプルは、このシステムに加えられ得、このシステムは、第1次元または第2次元の分析の全ての工程を実行し、レーンの画像を回収し、受容し、処理し、そして特定の生体分子または生体分子のパターンが存在するか否かを決定するようにプログラムされる。
システムは、さらなる自動化された相互作用構成要素(例えば、チャネルを、pH溶液またはゲル(Immobiline、両性電解質混合物など)で充填するための滴定器(titrator)、および生体分子をIEFバッファ、セルまたはレーンから回収するための抽出器)を有するように構築され得る。1つの実施形態に従って、このシステムは、サンプル、化合物または薬物の高スループットスクリーニングのために自動化される。
(II.分析または分離されるべきサンプル)
(A.分析または分離されるべき生体分子)
生体分子は、電荷を有する生物学的サンプル中に存在する任意の有機分子(例えば、ペプチド、タンパク質、オリゴ糖類、脂質、ステロイド、プロスタグランジン、プロスタシクリン、核酸(DNAおよびRNAを含む))を含む。本明細書中で使用される場合、用語「生体分子」は、未改変の生体分子、糖化生体分子、非糖化生体分子、リン酸化生体分子、非リン酸化生体分子、および他の改変生体分子を含む。例えば、生体分子は、(例えば、35S−メチチオニン標識または32P−標識によって)第1次元での分離前に、標識され得る。1つの実施形態に従って、この生体分子は、タンパク質であり、これは、人為的に作製されても天然に存在していてもよい。タンパク質は、以下からなる群より選択されるがこれらに限定されない長さを有し得るペプチドである:500未満の残基、300未満の残基、200未満の残基、100未満の残基、50未満の残基、25未満の残基、および15未満の残基。
(B.標的生体分子および標的認識分子)
標的生体分子(「TB」)は、標的認識分子(「TRM」)によって特異的に認識可能な、目的の生体分子である。1つの実施形態において、この標的生体分子は、疾患または状態についてのマーカーである。この標的生体分子は、サンプルに対して内因的であるかまたはサンプルに対して外因的である(すなわち、サンプルまたは移動バッファに加えられる)生体分子であり得る。目的の生体分子は改変され得、その結果、この生体分子は、TRMに対してそれ以上の親和性を有するTBである。例えば、目的の生体分子は、TRM(例えば、抗体)に特異的に結合するエピトープを含むペプチドをさらに含有するように、共有結合によって改変され得る。
TRMは、TBの一部に特異的に結合する分子である。TRMは、検出のためのシグナルを提供または増幅するため、および/あるいはバックグラウンドを越えて識別可能なシグナルを提供するために有用であり得る。例えば、TRMは、TBを特異的に認識する標識された抗体(例えば、一価(モノエピトープ(monoepitopic))または多価(ポリエピトープ(polyepitopic))の、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体または抗体フラグメント(例えば、Fab、FvおよびF(ab’)2、Fab’など)であり得る。さらに、特定の標的生体分子に対する結合親和性が維持される限り適切である場合、凝集体、ポリマー、および免疫グロブリンまたはそれらのフラグメントの結合体が使用され得る。この標的生体分子が抗体である場合において、抗体に特異的に結合する抗体が、使用され得る。別の例において、TBがそれぞれ、レセプターまたはリガンドである場合、TRMは、このTBに結合するリガンドまたはレセプターであり得る。なお別の例において、このTRMは、TBが核酸分子である場合、TBに特異的に結合するかまたはTBに特異的にハイブリダイズする一本鎖核酸分子であり得る。あるいは、このTRMは、核酸分子に結合する核酸結合タンパク質(例えば、転写因子、スプライシング因子、ヒストンなど)であり得る。なお別の例において、TBが酵素である場合、TRMは、その酵素の活性部位に特異的に結合する分子であり得る。
従って、TBおよびTRMは、以下であり得る:sm−RNA、r−RNA、t−RNA、DNA、DNA−RNA二重鎖;ポリヌクレオチド結合剤(例えば、制限酵素、アクチベーター、レプレッサ、ヌクレアーゼ、ポリメラーゼ、ヒストン、修復酵素、化学療法剤(これらに限定されない));抗原および抗体;非免疫学的対(例えば、アビジンおよびビオチン);レセプターおよびリガンド(膜結合レセプター(例えば、Gタンパク質レセプター(例えば、ムスカリン性レセプター、アドレナリン作用性レセプター、プロスタグランジンレセプターおよびドーパミンレセプター(例えば、D2レセプター))、チロシンキナーゼ(インスリン様IGF、表皮EGF、神経NGF、線維芽細胞型FGF増殖因子)、イオンチャネルならびにT細胞レセプター)を含む)。
(C.生体分子のための標識またはタグ)
生体分子は、IEF分離工程の前または第2次元での分離の後に、例えば、肉眼、分光光度測定手段、化学発光手段、光度測定/濃度測定手段、電気化学手段もしくは放射化学手段によってか、または表面プラズモン共鳴像によって検出するために、タグ化され得る。このタグは、標識されるかまたは内因的に検出可能であり、かつこの生体分子を特異的に認識する、検出可能な分子(例えば、化合物、核酸またはタンパク質(例えば、抗体))である。この生体分子がIEF分離工程の前にタグ化される場合において、この生体分子のpIは、そのタグの存在に起因して変化するようであり、それによって、このIEFバッファまたはセルのpH値は、複合体を捕捉するために、従って変化する。この生体分子は、第2次元での後、当該分野で公知の方法(例えば、ウエスタンブロッティング)によって、タグ化され得る。
生体分子のための数種の非特異的染料(例えば、クマシーブルー、銀染色、ヘキスト色素および4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(4’,6−diamidoino−2−phenylindole)(DAPI))は、当該分野で公知であり、生体分子をタグ化するために有用である。使用される染料およびタグは、目的の生体分子に従って、変更される。
生体分子を検出するために有用な標識としては、以下が挙げられ得る:蛍光発光団、基質、電子伝達剤、補酵素、エンハンサー、酵素、酵素産物と反応する物質、触媒、アクチベーター、補因子、インヒビター、清掃細胞、金属イオン、およびシグナル発生物質の結合のために必要とされる特定の結合物質。標識の例としては、以下のような蛍光発光団が挙げられる:フルオレセイン、シアニン色素、クマリン、フィコエリトリン、フィコビリンタンパク質(phycobiliprotein)、塩化ダンシル、イソチオシアネート、ローダミン化合物、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド、ならびにフルオレサミンおよびTexas Red。適切な標識としては、例示目的であって制限ではないが、以下が挙げられる:酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、グリコール−6−ホスフェート−デヒドロゲナーゼ(「G6PDH」)および西洋ワサビペルオキシダーゼ);プロモーター;色素;電子発光標識(例えば、ルテニウムキレート);化学発光剤(例えば、イソルミノール);感作物質;補酵素;酵素基質;放射標識(例えば、125I、131I、14C、H、57Coおよび75Se)。適切な酵素および補酵素は、Litmanらに対する米国特許第4,275,149号(19−28欄)、およびBogulaskiに対する米国特許第4,318,980号(10−14欄)に開示されており;適切な蛍光剤および化学蛍光剤は、Litmanら(30−31欄)に開示されている(これらは、本明細書中で参考として援用される)。
目的の生体分子に対して開発された抗体は、蛍光発光団で標識され得る。この蛍光発光団は、特定の波長における高い吸収係数または高い蛍光収率を有するように選択され得る。
標識を有さない検出(例えば、表面プラズモン共鳴)を使用して、単一の生体分子または複合体を検出し得る。例えば、セルまたはマトリクスは、チャンバ内の固体支持体上に配置され得、これは、様々なpH範囲のセルが1種以上のビオチン分子上に配置される様式でビオチン化されている。標的生体分子または標的認識分子は、ストレプトアジピンに結合されるように改変され得、次いでセルまたは移動バッファに導入され得る。適切なpIの複合体は、適切なpHを保有する1つ以上のセルに拡散し、そして存在するビオチン分子とともに3元複合体を形成する。このような結合は、固相状態の下にある表面プラズモン共鳴センサによって検出され得、この共鳴シグナルは、この検出手段によって、検出および処理される。
TBおよびTRMを含む複合体(ここで、この複合体の成分は、互いに共有結合または非共有結合している)は、TBおよびTRMのみを含み得るか、または他の分子(例えば、他の生体分子、金属イオン、検出部分または標識)をさらに含み得る。この複合体の全体のpI値は、この複合体が特定のセル内に蓄積するかまたは装置のいずれのセルでも蓄積しないのかを決定する。目的の複数の複合体が単一サンプル中でモニタリングされる場合、これらの複合体は、同じpI値も有さないし同じ標識も使用しないことが、非常に望ましい。
(D.サンプル)
サンプルは、任意の生存する生物から得られたか、任意の生存する生物によって排出されたか、または任意の生存する生物によって分泌された、任意の固体サンプルまたは液体サンプルをいい、これらの生物としては、単細胞微生物(例えば、細菌および酵母)および多細胞生物(例えば、植物および動物(例えば、脊椎動物または哺乳動物)、および特に、健康もしくは適度に健康なヒト被験体、または診断もしくは調査されるべき状態もしくは疾患に罹患したヒト患者)が挙げられる。生物学的サンプルは、任意の部位から得られた生物学的流体(例えば、血液、血漿、血清、尿、胆汁、滑液、脳脊髄液、羊水、精液、頚管粘液、痰、唾液、歯肉滲出液、眼房水もしくは硝子体液、または任意の体内分泌液)、漏出液、滲出液(例えば、膿瘍または感染もしくは炎症の任意の他の部位から得られる流体)、あるいは関節(例えば、正常な関節、または慢性関節リウマチ、変形性関節症、痛風性関節炎もしくは敗血性関節炎のような疾患によって影響を受けた関節)から得られる流体であり得る。
あるいは、サンプルは、任意の器官または組織(生検または剖検標本を含む)から得られ得るか、あるいは細胞(初代細胞または培養細胞のいずれか)または任意の細胞、組織もしくは器官によって調整された媒体を含み得る。所望ならば、この生物学的サンプルは、予備プロセス(予備分離技術を含む)に供され得る。例えば、細胞または組織は抽出され、そして異なる非細胞分画(例えば、細胞の異なる部分において見出される、タンパク質または薬物)において、生体分子の別々の分析のために非細胞分画に供され得る。Deutscher(編)、Methods In Enzymology 第182巻、147−238頁(1990)を参照のこと。
(III.使用方法)
(A.分析)
研究者が、広範囲または狭い範囲の異なるpH値を試験することを可能にすることによって、生体分子のpIを迅速に決定するための、マトリクス、アレイ、システムおよび方法が有用である。1つの実施形態において、サンプル中の目的の生体分子は、異なるpH範囲で複数のセルに直接配置され得、そして前述の検出デバイスおよび検出システムによって、手動または自動で分析され得る。別の実施形態において、サンプル中の目的の生体分子は、IEFバッファ/セルまたはレーンを用いて移動バッファ中に直接配置され得、そして前述の検出デバイスおよび検出システムによって、手動または自動で分析され得る。
分別、分離、特徴付け、定量、および/または他の分子に対して比較された生体分子は、当該分野で公知の方法および市販のシステム(例えば、銀染色、免疫染色、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、アフィニティークロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、ポリアクリルアミド電気泳動、SDS−PAGE、遠心分離、勾配ゲル電気泳動、等電点集束技術、タンパク質含有領域の切り出し後の当該分野で公知の他の分析方法(例えば、質量分析、例えば質量分析(PE Biosystems、PerSeptive DE−STR MALDI−TOF−MSおよびBruker Esquire Ion−Trap MS))によって、さらに評価され得る。従来のIEF集束後のMALDI TOF分光分析とは異なり、このシステムは、少量の生体分子の検出を可能にする。例えば、このシステムは、銀染色を用いて10〜200kDの標準的範囲でフェムトモル量程度の量のタンパク質、高いアトモル量のタンパク質、または1〜200pgのタンパク質を検出することができる。
これは、レーンユニットにつきIEFバッファを含む5cm×5cm以下のマトリクスを用いる小規模の二次元分析を実施し、従来のより大きなIEF集束ゲル上で分離された生体分子に対して、分離された生体分子を比較し、そして別の技術(例えば、質量分析)によるさらなる分析のために従来のIEF集束ゲル上に切り出されるべき適当な領域の位置を決定するために、より小さな規模の分析を用いることにより達成され得る。拡大鏡および特注カッターを備えた特別ホルダーは、目的の生体分子を含む位置の切り出しを容易にし得る。切り出された部分におけるタンパク質の量は、例えば、本方法により分離された既知量の生体分子を染色することにより調製された光学密度較正スケールを用いることにより、概算され得る。
このように、このシステムは、質量分析により検出可能な生体分子の範囲を拡張し、そして細胞において低レベルで発現されがちであるタンパク質の分析を可能にする。従って、ピコグラム量以下の範囲のタンパク質が、質量分析により検出および可視化され得る。このシステムは、生体分子のpI値およびその質量を観察するための正確かつ再現性のある方法を提供する。
サンプル中のタンパク質が血液または組織サンプルに由来する場合、疾患特異的タンパク質が、一次元または二次元で分離され得、そしてレーン中のこれらのタンパク質は、当該分野で公知の方法(例えば、銀染色、免疫染色、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、アフィニティークロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、ポリアクリルアミド電気泳動、SDS−PAGE、遠心分離、勾配ゲル電気泳動、等電点集束技術、タンパク質含有領域の切り出し後の当該分野で公知の他の分析方法(例えば、質量分析など))によって評価され得る。
1つ以上の生体分子が、pIに従って集められ、分別され、分離され、精製され、特徴付けられ、定量され、および/または他の生体分子に対して比較され得る。これらの生体分子の濃度は、サンプル中で増大もしくは減少し得るか、または事象に応じて物理的に改変され得る。例えば、本方法およびシステムは、疾患状態、薬物処置、ライフサイクル、または他の刺激因子に応じた生体分子における変化を定量的かつ/または定性的にモニターし得る。例えば、タンパク質のリン酸修飾またはタンパク質レベルが、タンパク質またはタンパク質周囲の環境を刺激因子で処理する前および後に、モニターされ得る。このシステムおよび方法は、刺激因子での処理後に異なるpH値を有するセルにおけるタンパク質の蓄積を観察するために使用され得る。
非疾患動物または植物に対する、動物または植物由来のサンプルにおけるタンパク質の異常な発現は、特定の疾患の証明であり得る。生体分子の相対的な豊富さは、疾患(例えば、癌)の診断または予備診断のために正常なパターンに対して比較され得る。セルにおける生体分子の相対的な豊富さは、分離前にサンプルに既知量の特定のタンパク質を導入し、そして添加されたタンパク質の光学密度に対して光学密度測定値を比較することによって標準化され得る。代替の実施形態では、正常な動物または植物に比較した試験動物または植物における生体分子の物理的特徴の出現または消失または移動が、疾患状態を診断または予備診断するために使用され得る。なお別の実施形態では、正常な動物または植物に比較した試験動物または植物における生体分子の改変が、疾患状態を診断または予備診断するために使用され得る。
疾患状態は、サンプルにおける生体分子の変化(例えば、糖尿病被験体におけるヘモグロビン)または生体分子の欠失または付加(例えば、細菌感染由来のタンパク質)によって検出され得る任意の疾患である。例えば、以下の遺伝病は、DNAまたはタンパク質レベルの変化によって診断され得る:ハンティングトン病、前立腺癌、ぜい弱X症候群A型、筋緊張性ジストロフィーI型ケネディ病、マチャド−ジョセフ病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、および脊髄延髄筋萎縮症。疾患または状態はまた、遺伝子(例えば、BRCA1、BRCA2、APCをコードする遺伝子;ジストロフィン、β−グロビン、第IX因子、第VIIc因子、オルニチン−d−アミノトランスフェラーゼ、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、もしくは嚢胞性線維症膜貫通レセプター(CFTR)をコードする遺伝子;またはプロトオンコジーン)に関連し得る。モニターされ得るタンパク質の例は、前立腺癌について前立腺特異的抗原(PSA)、心臓病について心臓酵素である。あるいは、タンパク質の群がモニターされ得る。なお別の実施形態では、潜在的な疾患状態を決定するために、特定のmRNA濃度プロフィールが分析され得る。
なお別の代替の実施形態では、サンプルは、細胞培養物または細胞のないインビトロアッセイから得られ得る。例えば、細胞画分の使用を含むアッセイ由来のサンプルが、細胞画分が、薬物またはいくつかの他の刺激因子によって撹乱される前および後に、一次元または二次元の分析に供せられ得る。別の実施形態では、発達中の生物に由来または被験体の組織に由来する抽出物が、そのライフサイクルの間にその生物または動物において生じる変化を理解するために分析され得る。例えば、生物学的事象の阻害剤、増強剤、または開始剤である化合物が同定され得る。これらのアッセイの全てにおいて、TBおよびTRMは、試験されるべき抽出物、被験体、または生物に刺激因子が適用された後、抽出物に添加され得る。1つの実施形態では、生物学的事象を引き起こす候補分子(タンパク質および化合物を含む)の高スループットスクリーニングのための方法(これは、システムまたは方法を用いてサンプルにおけるTB(1つまたは複数)を検出する工程を包含する)が企図される。
一実施形態によれば、TRMが、TBを含むサンプルを泳動バッファに添加する前または後に、サンプルに添加され得る。1つの実施形態によれば、TRMは、サンプルが泳動バッファに添加される前に、TBを含むサンプルに添加される。全ての場合において、互いに対するそれらの結合を阻害も破壊もしない条件下で、互いに対してTBおよびTRMを曝露することが最も望ましい。
用語「プロテオーム」は、ゲノムによって発現されるタンパク質の全てを指す。プロテオミクスは、身体におけるタンパク質の同定および研究、ならびに生理的機能および病理生理機能におけるそれらの役割の決定を包含する。この方法、マトリクス、アレイおよびシステムは、プロテオームをモニターするためのより迅速なより感度の高い技術を可能にする。本発明により、細胞活性のより詳細かつ正確な機能的プロテオミクスマップが開発され得、このことは、疾患のよりよい理解および新規な医薬の発見につながる。
本明細書中で使用される用語「モニター」は、連続した測定ならびに終末測定を包含することが意図される。いくつかの実施形態では、サンプルの生体分子が、連続的に測定される。他の実施形態では、生体分子は、細胞または被験体が刺激されるか、またはそれ以外に撹乱される(例えば、薬物の添加または細胞もしくは被験体の周囲の環境の変化によって)前および後に分析される。さらに他の実施形態では、生体分子は、撹乱されなかったサンプルのコントロール群において測定され、そしていくつかの実験群の細胞構成要素が測定され、コントロール群の構成要素と比較される。他の実験設計もまた、撹乱に応じた生体分子の変化を検出するための方法に適切であることが当業者に明らかである。
(B.分離)
本システムは、サンプル中の生体分子を互いから分別する方法を提供する。この方法の一実施形態によれば、生体分子を含むサンプルがシステムに添加され、IEFバッファまたはセルを横断して循環され、IEFバッファまたはセルの中および外の交互に可逆性の電場に曝露され;次いで、必要に応じて、二次元に分離される(例えば、IEFバッファまたはセルからレーンの下側に向かう電場に生体分子を曝露することにより)。
このシステムは、サンプル中の生体分子を特徴付ける方法を提供する。一実施形態によれば、IEF装置において泳動バッファにサンプルを添加し、電場を生成し、泳動バッファを循環させ、そして電場の方向を周期的に逆にすることにより、目的の生体分子(単数または複数)が、一次元に分離され、調製され、および/または分析され得る。あるいは、サンプルは、セル、チャネル、またはレーンに直接添加され得る。この方法の別の実施形態によれば、生体分子を含むサンプルがシステムに添加され、IEFバッファまたはセルを横断して循環され、IEFバッファまたはセルの中および外の交流電場に曝露され;二次元に分離される(例えば、IEFバッファまたはセルからレーンの下側に向かう電場に生体分子を曝露し、次いでレーン中の生体分子の位置または量を決定することにより)。レーン中の生体分子の位置または量の同定は、生体分子のpI、生体分子の分子量、および/またはその改変状態を決定する際に有用であり得る。コントロールサンプル中の同じ生体分子に比較した試験サンプル中の生体分子の位置の変化は、生体分子の改変(例えば、リン酸化など)を示し得る。コントロールサンプル中の同じ生体分子に比較した試験サンプル中の生体分子の量の変化は、例えば、生体分子の発現の変化または生体分子の安定性の変化に起因する、試験した生体分子の量の増加または減少を示し得る。
このシステムは、マトリクス、アレイ、またはシステムを用いてサンプル中の生体分子の量を定量する方法を提供する。レーン中の生体分子の量は、上述したように当該分野で公知の機器で検出され得る。あるいは、レーン中の生体分子は、当該分野で公知の機器によって検出可能である別の分子と結合され得る。生体分子の量は、同じ生体分子または同様のタイプの生体分子(タンパク質決定のためのBSA)の既知量を用いた標準曲線から外挿され得る。レーン中の生体分子はまた、分析および定量のためにレーンから切り出され得る。
この方法の一実施形態によれば、1つの生体分子がモニターされる。この方法の別の実施形態によれば、複数の生体分子がコンピューターによってモニターされる。さらなる実施形態によれば、試験サンプル中の生体分子または目的の複数の生体分子に対応するデータが、疾患を有さない被験体または疾患を有する素因のない被験体(すなわち、正常な被験体)からの生体分子または複数の目的の生体分子に対応するデータに比較される。コンピューターが、2セットのデータ間の類似点および相違点を比較および計算することができることが望ましい。コンピューターのパラメーターは、正または負の結果が示されるのを上回る閾値を達成するように設定され得る。
別の実施形態によれば、システムは、目的の生体分子を含むサンプルをシステム中のセルに添加することにより、目的の生体分子からサンプル中の生体分子および/またはイオンを取り出すために使用され得る。この場合、セル中のIEFバッファは、目的の生体分子のpIを取り囲むpH値(単数または複数)を有する。従って、システム中の可逆性の電場および循環手段が適用される場合、他の生体分子またはイオンはセルの外に移動するが、目的の生体分子はセル中に留まる。目的の生体分子は、IEFバッファまたはセルから回収され得る。あるいは、サンプルがセル中に配置され、そして電流が、バッファまたはセルの生体分子透過壁の面に垂直な一方向にIEFバッファまたはセルを通過し得る。
明細書全体を通して、用語「含む(comprise)」または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」のようなその変形は、述べた整数または整数群を含むが、いかなる他の整数または整数群も排除しないことを示すことが理解される。
本明細書中に引用した全ての参考文献、特許、および特許出願は、参考として援用されている。米国仮出願第60/305,802号(2001年7月16日に出願);第60/310,316号(2001年8月6日に出願);第60/340,698号(2001年10月28日に出願、および第60/377,044号(2002年4月30日に出願)は、本明細書中に参考として援用される。
多数の実施形態を提供したが、基本的な構成が、組成物および方法を利用する他の実施形態を提供するように変更され得ることは明らかである。従って、範囲は、以下に記載する特定の実施例よりむしろ本明細書中で言及される本発明の実施形態および明細書によって包含されることが理解される。
(実施例1)
(分子量標準)
0.1mm×0.1mm×3.0mmの大きさの溝を、薄層パラメトキシメチルアンフェタミン(PMMA)プレート中に刻んだ。この溝に10%SDSポリアクリルアミドゲルを満たした。レーンの一方の端に、8.80の固定化pH(任意に選択した)を有するIEFバッファのスポットを堆積させた。タンパク質100ng毎に、Amersham Pharmacia BiotechによるラダーマーカーRPN800(分子量10〜250kD)をスポットに注入した。金属性電極を固定化pH勾配ゲルに連結し、そして別の金属性電極をこのpHから最も遠く離れたレーンの末端に連結した。
このプレートを1%SDS 50mM tris−グリシンバッファ(pH8.3)中に浸漬させた。36ボルトの電圧(電場約100v/cm)を5分間電極に印加した。次に、このレーンを銀染色し、固定した。図18は、顕微鏡下で観察される分離したバンドの光学走査である。
(実施例2)
(pH8.65±0.05における血漿のタンパク質の二次元分析)
pH値8.65±0.05を有するpHゲルの100ミクロン直径のスポット(緩衝溶液と混合されたポリアクリルアミドゲル)を、ポリマーウエハ(例えば、1cm×1cm×0.3mmのPMMA)上に沈着させた。このウエハを、スターラーバーを備え、そして泳動バッファとして1Mの硫酸ナトリウムバッファを充填された小さいチャンバに入れた。100ngの血漿サンプルを、200μlの泳動バッファを含むチャンバ(1cm×1cm×0.2cm)に導入した。50Vの電圧を、0.5分ごとに電流の方向を180°変化させながら、ウエハの面に対して垂直に、5分間印加した。次に、このウエハを泳動バッファから取り出し、そして蒸留水でリンスした。ゲルスポットをウエハから取り出し、そして実施例1に記載されるように、プレート上のレーン(10% SDS−PAGE)の一端に配置した。
このプレートを、1%SDS 50mM tris−グリシンバッファ(pH8.3)に浸漬した。36ボルトの電圧(電場約100v/cm)を、電極に5分間印加した。次に、レーンを銀染色し、そして定着させた。図19は、約8.65±0.05の等電点を有し、そしてレーンにおいてSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離した、血漿サンプル中のタンパク質の光学走査である。このレーンは、顕微鏡下で観察される場合に現れるとおりである。
(実施例3)
(pH7.50〜8.50における血漿の二次元分析)
(1)IEFバッファ
0.02pH単位刻みで7.50〜8.50までのpH値を有する50のIEFバッファを調製した。
(a.pH7.50〜7.68のIEFバッファ、10%ポリアクリルアミド)
25mlの0.1M N−2−ヒドロキシエチルピペリジン(hydrosyethylpiperisine)−N−3−プロパンスルホン酸(EPPS)(25,232g/L)を、5グラムのポリアクリルアミド(Biorad)および以下に示される体積の0.1M NaOHと混合した。この混合物の体積を、25℃の水を用いて50mlに増加させた。
Figure 2005526949
(b.pH7.70〜7.88のIEFバッファ、7%ポリアクリルアミド)
25mlの0.1M N,N−ビス(2−ヒドロキシメチル)グリシン(BICINE)(16,317g/L)を、3.5グラムのポリアクリルアミドゲル(Biorad)および以下に示される体積の0.1M NaOHと混合した。この混合物の体積を、25℃の水で50mlに増加させた。
Figure 2005526949
(c.pH7.90〜8.26を有するIEFバッファ、10%ポリアクリルアミド)
50mlの0.1M トリス−アミノメタン(Tris)(12.114g/L)を、7.0グラムのポリアクリルアミドゲル(Biorad)および以下に示される量の0.1M HClと混合した。この混合物の体積を、水で100mlに増加させた。
Figure 2005526949
(d.pH8.30〜8.50を有するIEFバッファ、8%ポリアクリルアミド)
100mlの0.04M 5,5−ジエチルバルビツラールNa(veronal Na)を、8.9グラムのポリアクリルアミドゲル(Biorad)および以下に示される体積の0.2M HClと混合した。
Figure 2005526949
IEFバッファを、個々に過硫酸アンモニウムと混合し、そして薄いルサイトチップ上の平行な線に沈着させた。各線は、100ミクロンの幅および厚さ、および1cmの長さ、ならびに異なるpHを有した。IEFバッファを沈着させたチップの寸法は、1.2cm×1.2cmであった。
(2)泳動バッファ
脱イオン蒸留水(ddHO)中の7M尿素、2.2Mチオ尿素、1.1%(w/v)テトラデカノイルアミドプロピルジメチルアンモニオプロパンスルホネート(ASB14)、10%(w/v)ジメチルアセトアミド(DMAc)、0.55mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の最終濃度を有する5mlの溶液を、30ECで、回転テーブル上で30分間、溶解するまで混合した。溶解のために必要である場合、5mlのddHOを添加した。次に、0.4gのアンバーライトを添加し、そしてこの溶液を32ECで10分間回転させた。次いで、この溶液を、0.45Φmシリンジフィルタに、気泡を形成せずに通過させた。次に、以下の成分を、水と共に、以下の最終濃度で添加した:2%クエン酸−クエン酸Naバッファ(pH4.0)(w/v)、2mMトリ(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP);2mMアクリルアミド;1%グリセリン。最終体積:10ml。泳動バッファの成分のいくつかの最終濃度は、以下の通りである:7.7M尿素、2.2Mチオ尿素、1.1% ASB14、11% DMAc、0.55mM EDTA。
泳動バッファのpHを、塩化水素で4.0に調整した。
(3)第一の次元の分離:等電集束工程
第一の次元の分離(IEF)を実施するために、上記IEFバッファを沈着させたチップを、1cmの間隔を空けた2つの電極間のチャンバに入れた。このチャンバは、2ml体積の容量を有した。しかし、この工程においては、ルサイトチップの端部が0.2mmの深さまで泳動バッファで覆われるような量の泳動バッファでのみ満たした。その結果、レーンの面積全体ではなく、レーンの各々の端部における小さい面積が、泳動バッファに覆われた。1マイクログラムのヒト血漿タンパク質混合物を、泳動バッファに添加した。電場をこのチップに印加した。この電場を、+80V〜−80Vおよび1HZの周波数の矩形波形によって発生させた。10分間、スターラーバーを使用してこの血漿タンパク質をチャンバにわたって、そしてIEFバッファへと循環させた。
(4)第二の次元での分離:SDS−ポリアクリルアミド電気泳動
第一の次元での分離を実施した後に、1.3cmの間隔を空けた2つの電極の間に発生する電場がレーンに対して平行であり、そしてレーン上の領域から離れる方に向くように、これらの電極の間のチャンバ内にチップを再度配向させ、そして同じ泳動バッファで覆った(ここで、IEF工程において蓄積されたタンパク質は、このレーンの反対の端部に向かう)。3% SDS溶液を、最終濃度2% SDS泳動バッファまで、泳動バッファに添加した。SDSの添加の直後に、100Vを使用して約5分間、電場を発生させた。
第二の次元での分離の後に、チップを硝酸銀溶液に浸漬し、そしてUV光に露光して、迅速に銀染色した。銀染色後、このチップを、市販のオフィススキャナ(UMAX ASTRA 2200)によって走査した。走査された画像をデジタル化し、そして10倍に拡大した(図7A)。図7Bは、従来の等電集束法を使用した、7.50〜8.50のpIを有するヒト血漿の、銀染色したゲルの光学走査である(Swiss Data Baseから入手した)。図21Aおよび21Bにおけるタンパク質の多くの位置は、同じである。図21Aは、マトリクス、アレイ、システムおよび方法の使用が、従来の方法よりずっと良好な結果を与えることを示す。二次元IEF−SDS分析の分解能および感度は、かなり改善される。
(実施例4)
(pH5.50〜6.00における血漿の二次元分析)
(1)IEFバッファ
0.02pH単位刻みで5.50〜6.00までのpH値を有する25のIEFバッファを調製した。
(a.pH5.50〜5.72のIEFバッファ、7%ポリアクリルアミド)
25mlの0.1M 2−(N−モルホリン)エタノールスルホン酸(MES)を、3.5グラムのポリアクリルアミドゲル(Biorad)および以下に示される体積の0.1M NaOHと混合した。この混合物の体積を、水で50mlに増加させた。
Figure 2005526949
(b.pH5.74〜5.98を有するIEFバッファ、9%ポリアクリルアミド)
25mlの0.1Mトリス(ヒドロキシメチル(hydroxymethil))アミノメタン−マレエート(Tris−マレエート)を、9グラムのポリアクリルアミド(Biorad)および以下に示される体積の0.2M NaOHと混合した。この混合物の体積を、水で100mlに増加させた。
Figure 2005526949
IEFバッファを、過硫酸アンモニウムと個々に混合し、そして薄いルサイトチップ上の平行な線上に沈着させた。各線は、100ミクロンの幅および厚さ、および1cmの長さ、ならびに異なるpHを有する。IEFバッファが沈着されるチップの寸法は、1.2cm×1.2cmであった。
(2)泳動バッファ
泳動バッファは、実施例3に記載されたものと同じであった。
(3)第一の次元での分離:等電集束工程
第一の次元の分離(IEF)を実施するために、上記IEFバッファを沈着させたチップを、1cmの間隔を空けた2つの電極間のチャンバに入れた。このチャンバは、2ml体積の容量を有した。しかし、この工程において、ルサイトチップの端部が0.2mmの深さまで泳動バッファで覆われるような量の泳動バッファでのみ満たした。その結果、レーンの面積全体ではなく、レーンの各々の端部における小さい面積が、泳動バッファに覆われた。1マイクログラムのヒト血漿タンパク質混合物を、泳動バッファに添加した。電場をこのチップに印加した。この電場を、+80V〜−80Vおよび1HZの周波数の矩形波形によって10分間発生させた。この10分の間、スターラーバーを使用してこの血漿タンパク質をチャンバにわたって、そしてIEFバッファへと循環させた。
(4)第二の次元での分離:SDS−ポリアクリルアミド電気泳動
第一の次元での分離を実施した後に、1.3cmの間隔を空けた2つの電極の間に発生する電場がレーンに対して平行であり、そしてレーン上の領域から離れる方に向くように、これらの電極の間のチャンバ内にチップを再度配向させ、そして同じ泳動バッファで覆った(ここで、IEF工程において蓄積されたタンパク質は、このレーンの反対の端部に向かう)。3% SDS溶液を、泳動バッファ中2% SDSの最終濃度に、泳動バッファに添加した。SDSの添加の直後に、100Vを使用して約5分間、電場を発生させた。
第二の次元での分離の後に、チップを硝酸銀溶液に浸漬し、そしてUV光に露光して、迅速に銀染色した。銀染色後、このチップを、市販のオフィススキャナ(UMAX ASTRA 2200)によって走査した。走査された画像をデジタル化し、そして10倍に拡大した(図22B)。図22Aは、従来の等電集束法を使用した、5.50〜6.00のpIを有するヒト血漿の、銀染色したゲルの光学走査である(Swiss Data Baseから入手した)。
図22Aおよび22Bにおけるタンパク質の多くの位置は、同じである。図22Bは、マトリクス、アレイ、システムおよび方法の使用が、従来の方法よりずっと良好な結果を与えることを示す。二次元IEF−SDS分析の分解能および感度は、かなり改善される。
(実施例5)
(アレイを使用する二次元分析)
1つのIEF/レーンユニットを備えるアレイを構築し、そして二次元分離において使用した。
(1)アレイ
2% SDSを含む10%ポリアクリルアミドゲルを、1mmの厚さのルサイトウエハ上の狭いレーンとして沈着した。このレーンの寸法は、10mm長さ、0.1mm幅および50ミクロン厚さであった。次いで、このレーンを、200ミクロンの直径の円形穿孔を有する100ミクロンの厚さのセロハン層で覆った。このセロハンの層をレーンと整列させ、その結果、この円形穿孔は、このレーンの一端に位置した。
ポリアクリルアミドゲル、pH7.00のバッファ、および過硫酸アンモニウムを混合することによって、IEFバッファを調製し、7%ポリアクリルアミドゲルを形成した。50mlのN−エチルモルホリン−HCl(Sigma)を8mlの1M HClおよび42mlの水と混合することによって、pH7.00のバッファを調製した。1滴のIEFバッファを穿孔内に沈着させ、そして固化させた。
(2)第一の次元での分離:等電集束法
上記のように調製したアレイを、泳動バッファ(pH6.9)、スターラーバーおよび電極を含むチャンバに入れた。この泳動バッファは、HClと混合された1μM KSOからなった。1マイクログラムのヒト血漿タンパク質を含有するサンプルを、この泳動バッファに添加した。+30V〜−30Vの電圧および1Hzの周波数の矩形波を8分間発生させ、この間に、泳動バッファを循環させた。
(3)第二の次元での分離:SDS−PAGE
第二の次元での分離のために、30VのDC電圧を、レーンに沿って5分間印加した。
第二の次元での分離の後に、アレイを硝酸銀溶液に浸漬して、このレーンを染色した。このレーンを、紫外線照射のもとで3分間、銀染色した。
図23は、銀染色されたウエハの拡大された光学走査を示す。暗領域は、染色されたヒト血漿タンパク質(約7.0の値のpIを有する)である。
(実施例6)
(3つの電極を使用する二次元分析)
実施例5に記載されたようなアレイを調製した。
(1)第一の次元での分離:等電集束法
アレイを、泳動バッファ(pH6.9)、スターラーバーおよび3つの電極を含むチャンバに入れた。この泳動バッファは、HClと混合された1μM KSOからなった。1マイクログラムのヒト血漿タンパク質を含有するサンプルを、この泳動バッファに添加した。アレイの面に平行な2つの電極を使用して、+30V〜−30Vの電圧および1Hzの周波数の矩形波を8分間発生させ、この間に、泳動バッファを循環させた。
(2)第二の次元での分離:SDS−PAGE
第二の次元での分離のために、30VのDC電圧を、レーンに沿って5分間印加した。このことを、IEF工程において使用された電極の1つを電源から取り外し、この電極をレーンのIEFバッファから最も遠い端部に再度取り付け、そして電場を活性化させることによって、達成した(例えば、図28)。この場合には、小さいが望ましくない、レーンに平行ではない電気力が存在し、有意により大きい電気力が、IEFバッファから離れる方向でこのレーンに沿って印加されており、これによって、このレーンにおけるタンパク質の有意かつ効率的な分離が可能になる。
第二の次元での分離の後に、アレイを硝酸銀溶液に浸漬して、このレーンを染色した。このレーンを、紫外線照射のもとで3分間、銀染色した。
図24は、拡大された、銀染色されたウエハーの、拡大された光学的スキャンを示す。暗い領域は、約7.0のpI値を有する、染色されたヒト血漿タンパク質である。
(実施例7)
(Lucite Matrixを用いるタンパク質混合成分の分離)
直径1mmで2mmの深さの25個の穴を、矩形のプラスチック(Lucite)プレートの表面に空け、そして2%のアガロースゲルで充填した。これらの穴(本明細書中において以降「チャネル」と示す)を、互いに約3mmの距離を空けて、グリット様の様式で配置した。各々のチャネルの一方の側面を、市販のナイロンメンブレン(ICN、Irvine CA)から作製されるタンパク質イオン透過メンブレンを用いて密封した。
シトクロムC、デオキシヘモグロビン、ヘモグロビンαβ、C−フィコシアニン、レンズマメレクチン、およびフェリチン(BioRad)の等電点pIに対応するpH値を有するアイソフォーカシング(isofocusing)バッファを調製した。チャネルバッファ(本明細書中において以降、「IEFバッファ」と示す)を、グリシン、HEPES(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−エタンスルホン酸)、トリス(ヒドロキシメチル)アミンメタン(THMAM)、クエン酸、BICINE(N,N−ビス(2−ヒドロキシメチル)グリシンまたはβ,β−ジメチルグルタル酸(DMGA)のいずれかと水とを混合し、そして各々のIEFバッファを、水酸化ナトリウム、塩酸またはNaHPOを用いて異なるpHに滴定することにより調製した。以下の表Iを参照のこと。
(表I.IEFバッファおよび対応するタンパク質)
Figure 2005526949
マトリクスにおける各連の垂直のチャネルを、3μlの1つの型のIEFバッファ(表1)で充填した。充填したチャネルを、タンパク質イオン透過メンブレン(上記のものと同じ)で密封した。
チャネルおよびIEFバッファを含むマトリクスを、幅50mm、高さ100mm、および長さ50mmの内側寸法を有するチャンバーにおける2つの白金電極の間に配置した。各々の電極は、このマトリクスとほぼ同じ寸法を有し、そして互いから約5cm間隔で幾何学的に平行に構成された。このチャンバーは、このマトリクスおよび電極がこの電気泳動バッファに浸漬されるように50mlの0.01M KSOの電気泳動バッファをさらに含んだ。撹拌棒が、このチャネル全域で電気泳動バッファの循環を確保するようにチャンバー中に存在した。このチャンバーを、マグネチックスターラー上に配置した。
以下のタンパク質のいずれか1つ(1μg)を、このチャンバー中の電気泳動バッファに添加した:シトクロムC、デオキシ−ヘモグロビン、ヘモグロビンα β 、C−フィコシアニン、レンズマメレクチン、およびフェリチン(BioRad)。これらのタンパク質を、チャンバー中で25ECで撹拌しながら、100Vの直流電圧(E=20V/cm)を、この電極に2分間、印加した。その後さらに2分間、電場の方向を、反転させた。この工程を、5回繰り返した。
各々のタンパク質のタンパク質分類を、チャネルの垂直の列(カラム)のうちの1つへのタンパク質の蓄積を観察することによって観察した。一般的に、タンパク質分類は、10分間以内に完了した。
(実施例8)
25個のチャネルのマトリクスを、チャネルの5つの垂直の列の各々を以下のもので充填したことを除いて実施例7に記載するように調製した:表Iからのバッファ番号6、バッファ番号4、およびバッファ番号3。図9の左から右を、夫々、参照のこと。次いで、マトリクスを、実施例7に記載されるような電気泳動バッファを有するチャンバー内に配置した。1μgのフェリチン、フィコシアニン(BioRadにおけるカタログ番号第161〜0310のIEF標準の第一のバンド)、フィコシアニン(BioRadにおけるカタログ番号第161〜0310のIEF標準の第二のバンド)およびヘモグロビンα β を、電気泳動バッファに添加した。これらのタンパク質を、チャンバー中で25ECで撹拌しながら、100Vの直流電圧(E=20V/cm)を、この電極に2分間、印加した。その後、さらに2分間、電場の方向を反転させた。この工程を、5回繰り返した。この工程を、5回繰り返した。
各々のタンパク質のタンパク質分類を、チャネルの第一の垂直の列へのフェリチンの蓄積、チャネルの第二の垂直の列へのフィコシアニン(第一のバンド)の蓄積、チャネルの第三の垂直の列へのフィコシアニン(第二のバンド)の蓄積、およびチャネルの第五の垂直の列へのヘモグロビンα β の蓄積を観察することによって観察した。図9を参照のこと。陰性コントロール(すなわち、チャネルの第4の垂直の列)は、いずれのタンパク質の蓄積も示さなかった。さらに、タンパク質の等電点に対応しないpH値を有するIEFバッファを含むチャネルにおいて、タンパク質の蓄積は、ほとんど観察されなかったか、または全く観察されなかった。一般的に、タンパク質分類は、10分間以内に完了した。
(実施例9)
(糖尿病を診断する方法)
糖尿病の診断のためのホールマークは、試験される患者の血液中の糖化されたヘモグロビンの量の増加である。血液中の糖化されたヘモグロビンの量は、糖化されたヘモグロビン対総ヘモグロビンのパーセント比として表現され得る。従って、糖化されたヘモグロビン(HbA1c)および糖化されていないヘモグロビン(HbA1)の濃度が、糖尿病を診断するために測定されるべきである。
糖化されたヘモグロビンおよび糖化されていないヘモグロビンのpIを、従来のIEFゲル電気泳動を用いて、夫々、pH6.95およびpH7.22であると決定した。従って、2つのpHコンパートメント(すなわち、pH6.95およびpH7.22)を備える診断チップを調製した。
このチップを、直径2mmで1mmの深さの2つの穴を、矩形のプラスチック(Lucite)プレートの表面に空け、そして3%のポリアクリルアミドゲルで充填することによって作製した。これらの穴(本明細書中において以降「チャネル」と示す)を、互いに約3mmの距離を空けて配置した。各々のチャネルの一方の側面を、市販のナイロンメンブレン(ICN、Irvine CA)から作製されるタンパク質イオン透過メンブレンを用いて密封した。
pH6.95の値を有する等電点電気泳動バッファを、22.4mlの0.1M NaOHを50mlの0.1M KHPOとを混合し、そして総容積100mlのHOを添加することによって調製した。pH7.22のpH値を有する等電点電気泳動バッファを、36mlの0.2M NaHPOを、14mlの0.2M NaHPOと混合し、そして100mlの総容量のHOを添加することによって調製した。IEFバッファを、アクリルアミド過硫酸塩と混合した。これらの混合物を、別個のチャネルに添加し、そしてその中で重合した。充填したチャネルを、タンパク質イオン透過メンブレン(上記と同じもの)を用いて密封した。
チップを、図2に示されるような2つの白金電極の間の分離チャンバーに配置した。分離チャンバーの内側寸法は、幅50mm、高さ100mmおよび長さ50mmであった。各々の電極は、このマトリクスとほぼ同じ寸法を有し、そして互いから約5cm間隔で幾何学的に平行に構成された。このチャンバーは、このマトリクスおよび電極がこの電気泳動バッファに浸漬されるように10mlの10%HEPES緩衝液(pH7.44)電気泳動バッファをさらに含んだ。スターラー(攪拌棒)が、このチャネルの全域で電気泳動バッファの循環を確保するようにチャンバー中に存在した。このチャンバーを、マグネチックスターラー上に配置した。電極を、極性を反転し得る電源に接続した。
糖化されたヘモグロビンを、Abbot[N1A86−10]から入手した。夫々、較正曲線の作成において使用するために、糖化されていないヘモグロビンH−3883を、Sigma[9008−02−0]から入手した。較正曲線のための各々の混合物を調製する前に、糖化されたヘモグロビンおよび糖化されていないヘモグロビンの吸光率を、複数の濃度で、測定して、これらが、較正曲線のために用いられる範囲を超えて一定であることを確認した。例えば、以下の表1および図13を参照のこと。各々についての吸光率は、その濃度の2桁上を通して一定であった。測定を、Pharmacia製の市販の分光光度計LKB 2202を用いて実施した。
Figure 2005526949
較正曲線を作成するために、各々が2つのセル(pH.6.95セルおよびpH7.22セル)を有する6つのマルチセルチップを、種々の比率の市販のヘモグロビンおよび糖化されたヘモグロビンを有する混合物に曝した。例えば、糖化されていないHbへの糖化されたHbの混合物を、一定の容量のHEPES−NaOH(pH7.5)に再懸濁した。表2を参照のこと。610nmの吸光度の読み値を、各々のセルについて得た。吸光度%を、糖化されたヘモグロビンについての吸光度の読み値を、糖化されたヘモグロビンおよびヘモグロビンについての吸光度の読み値の合計で割ることによって算出した。各々の混合物についての糖化されたヘモグロビンの濃度%(x軸)を、各々の混合物において、既知のモル濃度の糖化されたヘモグロビンを既知の糖化されたヘモグロビンおよび糖化されていないヘモグロビンの総モル濃度で割ることにより算出した。糖化されたヘモグロビンの吸光度% 対 濃度%に対して相関する直線を、算出されたデータから作成した。「x」は、pH6.95およびpH7.22でのサンプルについての吸光度の読み値から算出された吸光度%が生じた、較正曲線上の場所を示す。サンプル中の総ヘモグロビンに対する糖化されたヘモグロビンの%を、較正曲線から外挿した。表2を参照のこと。
(表2.種々の濃度のHbA1cおよびHbA1を用いる較正)
Figure 2005526949
各々の混合物について、上記のチップを備えるチャンバーに10ulのサンプルを添加し、そして10分間にわたり150Vに供した。電場の方向を、1回/分で反転させた。ヘモグロビンは、本アッセイで検出し得る610nmで強い吸収を有した。従って、糖化されたヘモグロビンまたは糖化されていないヘモグロビンを検出するために、TRMも標識も添加する必要はなかった。
pH6.95およびpH7.22のコンパートメントにおいて蓄積された、夫々、糖化されたヘモグロビンおよび糖化されていないヘモグロビンの吸光度を、分光光度計を用いて測定した。これらの結果を、総ヘモグロビンに対する糖化されたヘモグロビンの、濃度% 対 吸光度%として表した(それぞれ X軸 対 Y軸)。図14を参照のこと。詳細には、試験される混合物における糖化されたヘモグロビンの吸光度%を、pH6.95のコンパートメントからの吸光度の読み値を、pH6.95およびpH7.22のコンパートメントからの吸光度の読み値の合計により割り、そして100倍することによって、算出した。各々の混合物についての糖化されたヘモグロビンの濃度%を、各々の混合物についての糖化されたヘモグロビンの既知の濃度を、各々の混合物中の糖化されたヘモグロビンおよび糖化されていないヘモグロビンの既知の総濃度の合計で割ることによって算出した。糖化されたヘモグロビンの吸光度% 対 濃度%に対して相関する直線を、算出されたデータから作成した。図14を参照のこと。
次いで、血液サンプルを、患者から得た。血液を、500gで遠心分離した。上清の10ulのアリコートを、上記のチップを備えるチャンバーに添加し、そして10分間にわたり150Vに供した。サンプル中の糖化されたヘモグロビンの吸光度%(「Y」値)を、上記のように算出した。サンプルについての糖化されたヘモグロビンの濃度%は、図14に作成された直線からの外挿に基づき、約5.2%であった。この結果は、試験されたヒトが糖尿病を有することを示す。この%は、制御下にあるが、正常の範囲の3〜4%より高い糖尿病を有する人について典型的である。
(実施例10)
(等電点電気泳動についての収集効率(collection efficiency)を決定する方法)
タンパク質が等電点電気泳動プロセスにより分離される効率を決定するための手段として、既知の量のAlexa Flour 594ヤギ抗マウスIgG(重鎖および軽鎖;Jackson Immuno Research Laboratories;pI=8.2)を、システムの電気泳動バッファ中に沈殿させた。このチャンバーは、「分離チップ」:直径100ミクロンおよび総容積1nlの単一のチャネルを備える。各々のチャネルは、pH8.2±0.05pH単位のpH範囲を有するIEFバッファを有した。このIEFバッファを、Tris Glycine(pH8.20±0.05pH単位、Biorad、カタログ番号161−0771)を、標準ポリアクリルアミドゲルへと混合することにより作製した。
このシステムを較正するために、10,000分子、50,000分子、100,000分子、300,000分子、700,000分子、および1,000,000分子の上記IgGを、アクリルアミドに添加し、そして個々のpH8.2のチャネルにおいて重合した。それらの蛍光を、蛍光強度を定量するために、Zeiss Axiovert 200蛍光顕微鏡を、Axiovision2.05を用いて使用して、測定した。蛍光マーカーの蛍光強度 対 濃度の較正曲線を、実験値の蛍光強度との比較のために作成した。
次いで、50,000分子および100,000分子、および1,000,000分子の上記IgGを、上記システムにおいて試験した。各々の量を、チャンバーの電気泳動バッファ中に個々に沈殿させた。等電点電気泳動を、固定した分離条件下で、上記のように(30Vの直流電流で、0.1mlのTris Glycine(pH4.8)において、狭い範囲のpHのチャネルを通して10分間)、同一の分離チップを用いて各々の量について実施した。各々の実験の後で、蛍光強度を、Zeiss Axiovert 200蛍光顕微鏡を用いて測定し、そして較正結果と比較した。
これらの結果は、このプロセスの回収効率が、r=0.9999の相関関数で100%に近いこと示し、このことは、これらのタンパク質のほとんど全てが、この実験の10分間の持続時間の間にこれらのpHチャンバーへと分離されることを示す。図29を参照のこと。このフィッティングについてのS値は、45.85であった。横座標は、較正の実施において測定された蛍光値を表し、一方、縦座標は、等電点電気泳動実施後に得られた蛍光値を表す。これらの数値は、サンプル中のタンパク質分子の総数を表し、これは、狭いpHチャネルにおける高感度の等電点電気泳動を実証する。
図1は、(A)IEFバッファを収容し、そしてタンパク質を有するセル、およびセルの対向する側にあるイオン透過性メンブレン、ならびに(B)複数のセルを備えるマトリクス、を示す。 図2は、チャンバーのいずれかの側に2つの電極板を備える装置、およびその電極間にある、複数のセルを備えるマトリクスを示す。このチャンバーはマグネチックスターラーの上にある。この電場の方向は可逆的である。 図3は、2つの電極板の間のチャンバーの底の上で浮遊したマトリクスを含む装置を示し、ここで、泳動バッファは、スターラーバーによって補助されて、マトリクス周囲に流れ得る。この電場の方向は可逆的である。 図4は、マトリクスが回転して、泳動バッファ中の生体分子をセル開口部にわたって分散させる装置を示す。随意に、このチャンバーはまた泳動バッファを循環させるためのスターラーバーを有し得る。この電場の方向は可逆的である。 図5は、3つの装置を示す:(A)ここで、複数のセルは、チャンバー中かつ2つの電極板の間に、泳動バッファ中の遮断された支持体上に個別にかつランダムに取り付けられる;(B)ここで、複数のセルは、2つの電極板の間で、チャンバ中で自由に漂っている;そして(C)ここで、複数のセルは互いに取り付けられ、そして2つの電極板の間で回転する。スターラーバーは泳動バッファを循環させるために使用される。この電場の方向は可逆的である。 図6は、列になって隣接し、各セル中に存在するpH範囲を実質的に維持するメンブレンによって隔てられ、そして電場の方向に対して(A)平行に配置されるかまたは(B)垂直に配置される、複数のセルを備えるチャンバーの頂面図を示す。スターラーバーは泳動バッファを循環させるために使用される。この電場の方向は可逆的である。 図7は、第2次元でSDS−PAGEキャピラリー電気泳動に供されている、マトリクスのセル中での生体分子を示す。 図8は、セルが第2次元での電気泳動のためのSDSポリアクリルアミドゲルに取り付けるために線形に連続して調整され得る、マトリクスを示す。 図9は、チャネルが複数のIEFバッファを含んでいるアガロースゲルから構成されるマトリクスを示す。各々の垂直方向のカラムのチャネルは、バッファを収容しない第4カラムのチャネル以外は、同じIEFバッファを収容する。フェリチン、フィコシアニン(第1のバンド)、フィコシアニン(第2のバンド)およびヘモグロビンは、それぞれ第1垂直カラム、第2垂直カラム、第3垂直カラムおよび第4垂直カラムに蓄積した。 図10は、サンプル中の3つの標的生体分子を分析するように設計されたチップの図である。第1列、第2列および第3列におけるチップの各セル中の各IEFバッファは、種々のTB/TRMを含む複合体(例えば、それぞれ、TB1/TRM1、TB2/TRB2またはTB3/TRM3)のpIと同じpHを有する。第4列は、較正曲線を作成するためのコントロール、標準またはデータ点として使用のために、泳動バッファに添加された非TB分子を受容するように設計されたセルを含む。従って、第4列のIEFバッファは、非TB生体分子のpI値と同じpH値を有する。 図11は、2つの電極板の間に位置するマルチセルチップを含むチャンバーの図である。このチャンバーは、電場の極性を逆転させ得る電源へと取り付けられ得る。このチャンバーはさらに、マルチセルチップのいずれかの側上の両区画中に、泳動バッファを撹拌するための機構を備え得る。 図12は、マルチセルチップのための検出デバイスのイメージである。1個以上の複合体が、チップ中の複数のセルに受容された後、このチップは、検出デバイス中に配置され得る。マルチセルチップ中の蛍光標識された複合体は、検出用の光源(例えば、単色光源)によって刺激され、次いで標識から放射した光が、フォトダイオードによって捕捉され、電気信号に変換され(読出しユニット)、そしてコンピュータによって分析され得る。このチップは、光源およびダイオードに対して移動可能であるホルダー中に入れられ得る。あるいは、光源およびダイオードは、このチップに対して移動可能であり得る。 図13は、種々の濃度のヘモグロビンの610nmにおける吸光度のグラフ表示である。各データポイントは、異なる濃度のヘモグロビンを有する溶液を充填した長方形の標準キュベットから取った吸光度の読取り値を表す。 図14は、糖尿病について試験された血液サンプルの較正曲線のグラフ表示である。X軸は、糖化ヘモグロビンのモル濃度 対 糖化ヘモグロビンと未糖化ヘモグロビンとのモル濃度の合計の比であり、百分率で表現されている。Y軸は、糖化ヘモグロビンの吸光度 対 糖化ヘモグロビンと未糖化ヘモグロビンとの吸光度の合計の百分率比である。 図15は、マトリクスおよびアレイの例を示す。図15Aは、それぞれIEFバッファ(「b」)を含む4つのマトリクスの例の側面図を示す。マトリクスAおよびDは、IEFバッファを含む溝を有する。マトリクスBおよびCは、マトリクスの表面上にIEFバッファを有する。マトリクスCおよびDは、「c」と示した領域を有し、この領域は、レーンである。マトリクスA〜Dは、2次元分析のためのシステムにおいて第2層と組み合わせて使用され得る。等電点電気泳動工程のための電場の方向は、「E1」として示される。マトリクスAおよびB中の「b」の一部はまた、(例えば、二次元分離の間に電気泳動バッファにドデシル硫酸ナトリウムを添加することによって)二次元分離のためのレーンとして役立ち得る。別の実施形態に従って、マトリクスA〜Dは、等電点電気泳動工程の間に、同一のE1場において任意の方向に90°回転され得る(示さず)。図15Bは、アレイを示し、ここで、穿孔を含む第2層がマトリクス上に配置され得、その結果、このマトリクス中のIEFバッファは、一次元での分離の間に、電気泳動バッファと接触し得る。 図16は、アレイの例に関する。図16(A)は、アレイの第2層の例の上面図である。この例において、第2層は、電気泳動バッファ中で、生物学的分子に対して不透過性であるが、イオンに対して透過性である材料から製造される。図16(B)は、マトリクスの例の上面図である。このマトリクスは、レーンを形成するためにゲルで充填される矩形溝およびIEFバッファで充填される円形溝を備える。図16(C)は、図16(B)のマトリクスの上に合わされた図16(A)に示される第二層の上面図であり、その結果、IEFバッファが、この第二層における穿孔を介して曝される。図16(D)は、図16(C)のアレイのIEF/レーンユニットの一つの側面図である。図16(E)は、図16(C)のアレイの一部の側面の拡大図(点線の円)である。この頂部層は、図16(A)に示される第二層であり、そしてこの底部層は、図16(B)に示されるマトリクスである。 図16は、アレイの例に関する。図16(A)は、アレイの第2層の例の上面図である。この例において、第2層は、電気泳動バッファ中で、生物学的分子に対して不透過性であるが、イオンに対して透過性である材料から製造される。図16(B)は、マトリクスの例の上面図である。このマトリクスは、レーンを形成するためにゲルで充填される矩形溝およびIEFバッファで充填される円形溝を備える。図16(C)は、図16(B)のマトリクスの上に合わされた図16(A)に示される第二層の上面図であり、その結果、IEFバッファが、この第二層における穿孔を介して曝される。図16(D)は、図16(C)のアレイのIEF/レーンユニットの一つの側面図である。図16(E)は、図16(C)のアレイの一部の側面の拡大図(点線の円)である。この頂部層は、図16(A)に示される第二層であり、そしてこの底部層は、図16(B)に示されるマトリクスである。 図17は、電気泳動バッファを含むチャンバ中にアレイを備えるシステムの例の上面図である。攪拌棒は、「b」においてIEFバッファまたはセルを横切る生体分子の循環を可能にするようにチャンバ中にある。電極A1およびB1は、等電点電気泳動工程の間、周期的に方向を逆にする電場を形成する。 図18は、下記実施例1に記載されるように調製された市販のタンパク質標準の銀染色したゲルの電子走査である。 図19は、下記実施例2に記載されるように調製されたヒトの血漿の銀染色したゲルの光学走査である。 図20は、7.5〜8.5のpIを有するヒトの血漿タンパク質の分離に使用されるマトリクスの上面図である。このマトリクスは、1×1cm LUCITETMチップである。マトリクス上の各レーンは、IEFバッファおよびアクリルアミド混合物を堆積する改変インクジェットによって、ゲルのレーンが平行になるように引かれ、ここで、各レーンは、均一な幅および100ミクロンの厚さおよび1cmの長さを有したが、異なるpH(すなわち、pH7.50、7.52、7.54、7.56、7.58などで開始して8.50まででの50のレーン)を有した。このマトリクスは、チャンバ中のいくらかの電気泳動バッファ中に配置され、その結果、レーンの各々の一方の端部が、電気泳動バッファ中に浸漬される。ヒトの血漿サンプルを、周期的に方向を逆にする電場を電気泳動バッファに適用させながら、攪拌棒を用いて、レーンの端部を横切って電気泳動バッファ中で循環させた。数分後、この電場は、スイッチが切られ、3%のSDS溶液を、この電気泳動バッファに添加し、そして全チップを、電気泳動バッファ中に浸漬させた。次いで、このレーンに対して並行な一方向の電場を、等電点電気泳動工程で使用したIEFバッファの端部から離れる、レーンの長さの下に向かう方向に適用した。次いで、このチップを、銀染色した。図20において観測可能な灰色のスポットおよび黒色のスポットは、銀染色されたタンパク質である。 図21は、2次元分析に従って、および伝統的な2次元IEF−SDS−PAGE分析に従って調製されたヒト血漿の比較である。図21(A)は、実施例3において使用した銀染色チップのデジタル化光学走査である。この走査は、Swiss Protein 2D画像との比較のために、スケールが拡大されている。図21(B)は、7.50〜8.50のpIを有するヒト血漿タンパク質の、公開された銀染色2次元ゲルである。 図22は、二次元分析に従って、および伝統的な二次元IEF−SDS−PAGE分析に従って調製されたヒト血漿の比較である。図22(A)は、5.50から6.00のpIを有するヒト血漿タンパク質の、公開された銀染色2次元ゲルである。図22(B)は、実施例4において使用した銀染色チップの、デジタル化光学走査である。この走査は、10倍に拡大されている。 図23は、単一のキャピラリーSDS−PAGEレーンの光学走査である。このレーンの暗色領域は、約7.0のpIを有する銀染色ヒト血漿タンパク質である。ヒト血漿タンパク質を、実施例5に記載されるように、調製したアレイを使用して分離に供した。 図24は、単一のキャピラリーSDS−PAGEレーンの光学走査である。レーン中の暗色領域は、約7.0のpIを有する銀染色ヒト血漿タンパク質である。ヒト血漿タンパク質を、実施例6に記載されるように、3電極システムにおいて実施例5に記載されるように調製したアレイを使用して、分離に供した。 図25は、マトリクス上でIEFバッファ領域を形成し得る装置の概略図である。酸性溶液および塩基性溶液を混合して、所望のpH値を有するバッファを形成するデバイス(「滴定器」)が、使用される。このバッファは、モノマー(例えば、アクリルアミド)および重合化剤と合わせられ、アレイ上の所望の位置にIEFバッファを配する別のデバイス(「マトリクスプリンター」)に充填される。 図26は、マトリクス上にレーンを形成し得る装置の概略図である。アクリルアミド溶液および重合化剤が、アレイ上の所望の位置にレーンを配するデバイス(「マトリクスプリンター」)に充填される。 図27は、一つの自動化システムの概略例である。このシステムは、例えば、二次元電気泳動分析チャンバにサンプルを供給するためのデバイス(「サンプル供給器」)、廃棄物を除去するためのデバイス(「廃棄物処理器」)、新しい電気泳動バッファを添加するためのデバイス(「バッファ供給器」)、二次元分析後にマトリクスを染色するためのデバイス(「染色剤供給器」)、染色されたチップをスキャナにもたらすためのデバイス、(「アレイ操作システム」)、チップを走査するためのデバイス(「スキャナー」)、走査された画像を受容および記録するためのデバイス(「コンピュータ」)、記録した画像を分析するためのデバイス(「ソフトウェア」)、および記録された画像を表示するためのデバイス(「ディスプレイ」)を提供する。 図28は、三電極システムの例の図である。 図29は、ゲル中への標識されたタンパク質の分散 対 等電点電気泳動の10分後の標識された抗体の観察された蛍光によって決定される、較正された蛍光をプロットすることによってIEFシステム内の分離効率を示す図である。この数は、サンプル中のタンパク質分子の総数を示し、タンパク質分離においてほぼ100%の効率を実証する。

Claims (189)

  1. 等電点電気泳動(IEF)バッファが0.1pH単位以下のpH範囲を有する、分離された等電点電気泳動(IEF)バッファまたは該IEFバッファを含むセルを含む、マトリクス層。
  2. 前記IEFバッファまたは前記IEFバッファを含むセルが0.02pH単位以下のpH範囲を有する、請求項1に記載のマトリクス層。
  3. 前記マトリクス層が複数の分離された等電点電気泳動(IEF)バッファまたはIEFバッファを含む分離されたセルを含む、請求項1に記載のマトリクス層。
  4. 前記IEFバッファまたは前記セルが、0.1pH単位以下のpHステップを有する、請求項3に記載のマトリクス層。
  5. 前記pHステップが0.02pH単位以下である、請求項4に記載のマトリクス層。
  6. 前記IEFバッファまたセルの一つの側を除いて全ての側が、生体分子不透過性領域であり、そして必要に応じてイオン不透過性領域である、請求項1に記載のマトリクス層。
  7. 前記複数のIEFバッファまたセルの一つの側を除いて全ての側が、生体分子不透過性であり、そして必要に応じてイオン不透過性領域である、請求項3に記載のマトリクス層。
  8. システムであって、以下:
    (a)泳動バッファを含むチャンバ;
    (b)IEFバッファまたはIEFバッファを含むセル;
    (c)IEFバッファまたはセルの内外で交流電場を生成するためのデバイス;ならびに必要に応じて
    (d)該IEFバッファまたはセルに亘って該泳動バッファを循環するためのデバイス
    を備える、システム。
  9. 前記IEFバッファが0.1pH単位以下のpH範囲を有する、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記IEFバッファが0.02pH単位以下のpH範囲を有する、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記システムが複数のIEFバッファまたはIEFバッファを含むセルを備える、請求項8〜10のいずれか1項に記載のシステム。
  12. 前記複数の、IEFバッファまたはセルが互いに分離されている、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記複数のIEFバッファまたはセルが0.1pH単位以下のpHステップを有する、請求項11に記載のシステム。
  14. 前記複数のIEFバッファまたはセルが0.02pH単位以下のpHステップを有する、請求項11に記載のシステム。
  15. 前記IEFバッファまたはセルにわたって前記泳動バッファを循環させるためのデバイスをさらに備える、請求項8に記載のシステム。
  16. 前記電場に対して平行に整列して配置されているときに、前記複数の、IEFバッファまたはセルが互いに分離されている、請求項11に記載のシステム。
  17. 前記複数のIEFバッファまたはセルが互いに平行にかつ前記電場の方向に平行に整列して配置されている、請求項11に記載のシステム。
  18. 前記複数のセルがマトリクスに固定されている、請求項11に記載のシステム。
  19. 前記複数のIEFバッファまたはセルがセルの相互接続チェーンへと分離可能であるマトリクスを形成する、請求項11に記載のシステム。
  20. 前記IEFバッファまたはセルが0.1mm〜2.0mmの長さを有している、請求項8に記載のシステム。
  21. 前記IEFバッファまたはセルが2mmの長さを有している、請求項8に記載のシステム。
  22. 前記IEFバッファまたはセルが0.1mm〜2.0mmの幅を有している、請求項8に記載のシステム。
  23. 前記IEFバッファまたはセルが1mmの幅を有している、請求項8に記載のシステム。
  24. 前記IEFバッファが緩衝剤を含む、請求項8に記載のシステム。
  25. 前記IEFバッファが前記電場の中で狭いpH勾配を形成する、請求項8に記載のシステム。
  26. 前記複数の、IEFバッファまたはセルが、互いと比較して複数の異なるpH範囲を有する、請求項11に記載のシステム。
  27. 前記セルの壁が生体分子またはイオンに対して透過性である、請求項11に記載のシステム。
  28. 前記IEFバッファまたセルの一つの側を除いて全ての側が、生体分子不透過性領域であり、そして必要に応じてイオン不透過性領域である、請求項8に記載のシステム。
  29. サンプル中の生体分子を等電点電気泳動するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)IEFバッファまたは該IEFバッファを含むセルの内外で方向付けられる交流電場に該サンプルを供し、そして必要に応じて、該IEFバッファに該生体分子を含む泳動バッファを循環する工程;および
    (2)該IEFバッファ中で該生体分子を捕捉する工程;
    を包含する、方法。
  30. サンプル中の生体分子を特徴付けるための方法であって、該方法は以下の工程:
    (1)IEFバッファの内外で方向付けられる交流電場に該サンプルを供し、そして必要に応じて、該IEFバッファに該サンプルを含む泳動バッファを循環する工程;および
    (2)別のサンプル由来の生体分子に対して該IEFバッファ中の生体分子を比較する工程
    を包含する、方法。
  31. サンプル中の生体分子を定量するための方法であって、該方法は以下の工程:
    (1)IEFバッファの内外で方向付けられる交流電場に該サンプルを供し、そして必要に応じて、該IEFバッファにわたって該サンプルを含む泳動バッファを循環する工程;および
    (2)該IEFバッファ中の生体分子の量を決定する工程
    を包含する、方法。
  32. サンプル中の生体分子の存在または非存在を決定づける方法であって、該方法は以下の工程:
    (1)IEFバッファの内外で方向付けられる交流電場に該サンプルを供し、そして必要に応じて、該IEFバッファにわたって該サンプルを含む泳動バッファを循環する工程;および
    (2)該生体分子が該IEFバッファ中に存在するか否かを決定する工程
    を包含する、方法。
  33. 被験体における疾患状態の診断または予備診断を行う方法であって、該方法は以下の工程:
    (1)IEFバッファの内外で方向付けられる交流電場に被験体由来の生体分子を含むサンプルを供し、そして必要に応じて、該IEFバッファにわたって該サンプルを含む泳動バッファを循環する工程;および
    (2)疾患を有さないかまたは該疾患を有する素因がない正常な被験体に由来のサンプルからの生体分子と工程(1)に供した生体分子を比較する工程
    を包含する、方法。
  34. 請求項33に記載の方法であって、前記正常な被験体に由来の生体分子が、IEFバッファの内外で方向付けられた交流電場に、正常な被験体に由来するサンプルを供することによって調製され、そして必要に応じて、該IEFに亘って該生体分子を含む泳動バッファを循環する工程を包含する、方法。
  35. 生体分子を調製する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)IEFの内外で交流電場を生成することによって該IEFバッファにおける生体分子を捕捉し、そして必要に応じて該IEFに亘って該生体分子を含む泳動バッファを循環する工程および
    (2)生体分子を回収する工程
    を包含する、方法。
  36. 生体分子を分類する方法であって、該方法は、以下の工程:
    請求項8〜14のいずれかに1項に記載のシステムにおいて泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加して、交流電場を生成して、そして必要に応じて、前記IEFバッファに亘って該泳動バッファを循環させる工程
    を包含する、方法。
  37. 被験体における疾患状態の診断または予備診断を行う方法であって、該方法は以下の工程:
    (1)請求項8〜14のいずれかに1項に記載のシステムにおいて泳動バッファに生体分子を含むサンプルを添加して、前記交流電場を生成して、そして、必要に応じて、前記IEFバッファに亘って該泳動バッファを循環させる工程;および
    (2)該被験体由来の該IEFバッファ中の生体分子を、疾患を有さないかまたは該疾患を有する素因がない正常な被験体に由来のサンプルからの生体分子に対して比較する工程
    を包含する、方法。
  38. 請求項33に記載の方法であって、ここで、前記正常な被験体に由来の生体分子が、請求項8〜14のいずれかに1項に記載のシステム中の泳動バッファに該正常な被験体由来の生体分子を含むサンプルを添加して、前記交流電場を生成して、そして、必要に応じて、前記IEFバッファに亘って該泳動バッファを循環させることによって調製される、方法。
  39. 前記生体分子を第2次元の分析に供する工程をさらに包含する、請求項36に記載の方法。
  40. 前記第2次元の分析が前記生体分子の質量による分析である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記第2次元の分析がポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)による分析である、請求項40に記載の方法。
  42. 前記第2次元の分析が質量分析法、キャピラリー電気泳動、および液体クロマトグラフィーによる分析である、請求項40に記載の方法。
  43. 請求項39に記載の方法であって、該方法は、以下:
    (a)前記第2次元の分析における生体分子の存在を、該第2次元の分析における別の生体分子に対して比較する工程;
    (b)該第2次元の分析における該生体分子の量を決定する工程;
    (c)該生体分子が第2次元の分析において存在するか否かを決定する工程;および
    (d)該第2次元の分析における生体分子を回収する工程
    からなる群より選択される工程
    をさらに包含する、方法。
  44. 分離したIEF/レーンユニットを含むマトリクス層であって、該IEF/レーンユニットが、以下:
    (a)分離された等電点電気泳動(IEF)バッファまたはIEFバッファを含む分離されたセル;および
    (b)レーン
    を備え、ここで、該IEFバッファは、0.1単位以下のpH範囲を有する、
    マトリクス層。
  45. 前記IEFバッファが、0.02pH単位以下のpH範囲を有する、請求項44に記載のマトリクス層。
  46. 前記IEFバッファまたはセルが前記レーンと接触するかまたは該レーンに接続可能である、請求項44に記載のマトリクス層。
  47. 複数の同一方向を向いたIEF/レーンユニットを備える、請求項44に記載のマトリクス層であって、前記IEFバッファまたはセルの各々が互いに分離されている、マトリクス層。
  48. 前記複数のIEFバッファまたは前記セルが、0.1pH単位以下のpHステップを有する、請求項47に記載のマトリクス層。
  49. 前記pHステップが0.02pH単位以下である、請求項47に記載のマトリクス層。
  50. 前記IEF/レーンユニットが生体分子不浸透領域(BIA)によってその長さおよび幅に沿って支持されている、請求項44に記載のマトリクス層。
  51. 前記レーンがドデシル硫酸ナトリウムおよびポリアクリルアミドゲルを備える、請求項44に記載のマトリクス層。
  52. 前記レーンがマトリクス層と別の層との間に位置付けられている、請求項51に記載のマトリクス層であって、ここで、両方の層は、生体分子不透過性かつイオン不透過性である、マトリクス層。
  53. マトリクス層および第2層を備えるアレイであって、該マトリクス層はIEFレーンユニットおよび生体分子不透過性領域(BIA)を備え、ここで、
    該IEF/レーンユニットは、以下:
    (a)IEFバッファまたはIEFを含むセル;および
    (b)レーン
    を備え、ここで、該BIAはその長さおよび幅に亘って該レーンと接触しており、ここで、
    該第2層は、該レーンの長さおよび幅と同じかまたはそれらを超える長さおよび幅であるレーンスクリーニング領域(LSA)を備えており、ここで、該LSAがイオンに対して透過性であり、かつ生体分子に対して不透過性であり;そして
    該レーンは、該マトリクス層と該LSAとの間に位置づけられている、
    アレイ。
  54. 前記IEFバッファまたはセルが前記レーンと接触しているかまたは該レーンに接続可能である、請求項53に記載のアレイ。
  55. 請求項53に記載のアレイであって、ここで前記第2層は、該第2層の面に垂直なパーフォレーションをさらに備え、ここで、該パーフォレーションが該IEFバッファまたはセルの上に位置付けられるように配置される、アレイ。
  56. 前記IEFバッファまたはセルが、0.1pH単位以下のpH範囲を有して売る、請求項53に記載のアレイ。
  57. 前記pH範囲が0.02pH単位以下である、請求項56に記載のアレイ。
  58. 請求項53に記載のアレイであって、前記マトリクス層が複数の同一方向を向いたIEF/レーンユニットを備え、そして前記第2層は、該レーンがマトリクスとLSAとの間に位置付けられるように配置される複数のLSA備える、アレイ。
  59. 前記複数のIEFバッファまたはセルが互いに分離されている、請求項58に記載のアレイ。
  60. 前記複数のIEFバッファまたはセルが重なり合うpH範囲を有さない、請求項59に記載のアレイ。
  61. 2つ以上のIEFバッファの間のpHステップが0.1pH単位以下である、請求項58に記載のアレイ。
  62. 2以上のIEFバッファの間のpHステップが0.02pH単位以下である、請求項61に記載のアレイ。
  63. 前記IEFバッファまたはセルが目的の生体分子を捕捉するために予め選択されていたpH範囲を含む、請求項53または58に記載のアレイ。
  64. 各レーンの幅が20ミクロン〜1mmから選択され、そして各レーンの長さが3〜10mmから選択される、請求項58に記載のアレイ。
  65. 各レーンの幅が100ミクロンである、請求項58に記載のアレイ。
  66. マトリクス層の厚さが1mmである、請求項53に記載のアレイ。
  67. 前記第2層の厚さが100ミクロンである、請求項53に記載のアレイ。
  68. 前記アレイの面積が1cm×1cm〜10cm×10cmで選択される、請求項58に記載のアレイ。
  69. 前記アレイの面積が5cm×5cmまたは4cm×10cmである、請求項68に記載のアレイ。
  70. 前記レーンがドデシル硫酸ナトリウムおよびポリアクリルアミドゲルである、請求項53に記載のアレイ。
  71. 前記第2層が前記マトリクス層に接続されている、請求項53に記載のアレイ。
  72. 前記LSAが伝導性ではない、請求項53に記載のアレイ。
  73. システムであって、以下:
    (a)泳動バッファを含むチャンバ;
    (b)分離したIEF/レーンユニットを含むマトリクス層であって、該IEF/レーンユニットが、以下:
    (i)IEFバッファまたはIEFバッファを含むセル;および
    (ii)レーン
    を備える、マトリクス層;
    (c)IEFバッファまたはセルの内外で方向付けられた交流電場を生成するためのデバイス;
    (d)該レーンの長さに沿って該IEFまたはセルから離れるように電場を方向付けるためのデバイス;および必要に応じて
    (e)IEFバッファまたはセルに亘って該泳動バッファを循環させるためのデバイス
    を備える、システム。
  74. 前記IEFバッファまたはセルが前記レーンに接触しているかまたは該レーンと接続可能である、請求項73に記載のシステム。
  75. システムであって、以下;
    (a)泳動バッファを含むチャンバ;
    (b)マトリクス層および第2層を備えるアレイであって、ここで、該マトリクス層は、IEF/レーンユニットおよび生体分子不透過性領域(BIA)を含み、ここで、該IEF/レーンユニットが、以下:
    (i)IEFバッファまたはIEFバッファを含むセル;および
    (ii)レーン
    を備え、ここで、該BIAが該レーンとその長さおよび幅に亘って接触し、
    ここで、該第2層が該レーンの長さおよび幅と同じかまたはそれらを超える長さおよび幅であるレーンスクリーニング領域(LSA)を備え、ここで、該LSAはイオンに対して透過性でありかつ生体分子に対して不透過性であり、
    ここで、該レーンは、該マトリクス層と該LSAとの間に位置付けられている、
    アレイ;
    (c)IEFバッファまたはセルの内外で方向付けられた交流電場を生成するためのデバイス;
    (d)該レーンの長さに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように電場を方向付けるためのデバイス;および必要に応じて
    (e)IEFバッファまたはセルに亘って該泳動バッファを循環させるためのデバイス
    を備える、システム。
  76. 前記IEFバッファまたはセルが0.1pH単位以下のpH範囲を有する、請求項73〜75のいずれか1項に記載のシステム。
  77. 前記pH範囲が0.02pH単位以下である、請求項76に記載のシステム。
  78. 複数のIEF/レーンユニットを備える、請求項73〜75のいずれか1項に記載のシステム。
  79. 前記IEF/レーンユニットの中の前記IEFバッファまたはセルが互いに分離されている、請求項78に記載のシステム。
  80. 前記IEFバッファまたはセルが前記レーンに接触しているかまた接続可能である、請求項73〜75のいずれか1項に記載のシステム。
  81. 請求項75に記載のシステムであって、前記第2層は、該第2層の面に垂直なパーフォレーションをさらに備え、ここで、該パーフォレーションが該IEFバッファまたはセルの上に位置付けられる、システム。
  82. 請求項75に記載のシステムであって、前記第2層が、前記レーンが前記マトリクス層と前記LSAとの間に位置付けられるように配置された複数のLSAを備える、システム。
  83. 請求項78に記載のシステムであって、前記第2層は、該第2層の面に垂直な複数のパーフォレーションをさらに備え、ここで、該パーフォレーションが該IEFバッファまたはセルの上に位置付けられる、システム。
  84. 前記交流電場の方向が前記マトリクス層の面に垂直であるように前記マトリクスが前記チャンバ中で位置付けられる、請求項73に記載のシステム。
  85. 前記複数のIEFバッファまたはセルの前記pH値が互いに重なり合わない、請求項82に記載のシステム。
  86. 前記複数のIEFバッファまたはセルが0.1pH単位以下のpHステップを有する、請求項78に記載のシステム。
  87. 前記pHステップが0.02pH単位以下である、請求項86に記載のシステム。
  88. 各レーンの幅が20ミクロン〜1mmから選択されかつ各レーンの長さが3〜10mmから選択される、請求項78に記載のシステム。
  89. 各レーンの幅が100ミクロンである、請求項78に記載のシステム。
  90. 前記マトリクスの厚さが1mmである、請求項73または75に記載のシステム。
  91. 前記第2層が100ミクロンである、請求項75に記載のシステム。
  92. 前記アレイの面積が1cm×1cm以上かつ10cm×10cm以下である、請求項75に記載のシステム。
  93. 前記アレイの面積が5cm×5cmまたは4cm×10cmである、請求項92に記載のシステム。
  94. 前記レーンがドデシル硫酸ナトリウムおよびポリアクリルアミドゲルを含む、請求項73または75に記載のシステム。
  95. 前記第2層が前記マトリクス層に接続されている、請求項75に記載のシステム。
  96. 前記LSAが伝導性でない、請求項75に記載のシステム。
  97. 請求項73または75に記載のシステムであって、該システムは、以下:
    (1)前記レーン中のサンプルの生体分子を検出するためのデバイス;
    (2)該検出デバイスからのデータを受信するデバイス;
    (3)受信したデータを処理するためのデバイス
    を備える、システム。
  98. 複数のレーンからの信号を検出、受信、および処理するためのスキャニングミクロデンシトメーターをさらに備える、請求項73〜75に記載のシステム。
  99. 請求項98に記載のシステムであって、該システムは以下:
    (1)サンプルフィーダ;
    (2)廃棄物処理器;
    (3)バッファフィーダ;
    (4)染色試薬フィーダ;
    (5)アレイ操作システム、および
    (6)ディスプレイ
    からなる群より選択されるデバイスのうちのいずれか1つを備える、システム。
  100. 自動化された、請求項75また78に記載のシステム。
  101. サンプル中の生体分子を分類する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)IEF/レーンユニットのIEFバッファの内外で方向付けされている交流電場に該サンプルを曝露し、そして必要に応じて該IEFバッファに亘って泳動バッファを循環する工程;および
    (2)該レーンに沿って該IEFバッファから離れるように交流電場を生成する工程
    を包含する、方法。
  102. サンプル中の生体分子を特徴付けるための方法であって、該方法は以下の工程:
    (1)IEF/レーンユニットのIEFバッファの内外で方向付けされている交流電場に該サンプルを曝露し、そして必要に応じて該IEFバッファに亘って泳動バッファを循環する工程;および
    (2)該レーンに沿って該IEFバッファから離れるように交流電場を生成する工程;および
    (3)別のサンプルに由来する生体分子に対して該レーンにおける生体分子を比較する工程
    を包含する、方法。
  103. サンプル中の生体分子を定量するための方法であって、該方法は以下の工程:
    (1)IEF/レーンユニットのIEFバッファの内外で方向付けされている交流電場に該サンプルを曝露し、そして必要に応じてIEFバッファに亘って泳動バッファを循環する工程;
    (2)該レーンに沿って該IEFから離れるように交流電場を生成する工程;
    (3)該レーンにおける生体分子の量を決定する工程
    を包含する、方法。
  104. サンプル中の生体分子の存在または非存在を決定するための方法であって、該方法は以下の工程:
    (1)IEF/レーンユニットのIEFバッファの内外で方向付けされている交流電場に該サンプルを曝露し、そして必要に応じてIEFバッファに亘って泳動バッファを循環する工程;および
    (2)該レーンに沿って該IEFから離れるように交流電場を生成する工程;
    (3)該レーンにおけて生体分子が存在するか否かを決定する工程
    を包含する、方法。
  105. 被験体における疾患状態の診断または予備診断を行うための方法であって、該方法は以下の工程:
    (1)IEF/レーンユニットのIEFバッファの内外で方向付けされている交流電場に該サンプルを曝露し、そして必要に応じて該IEFバッファに亘って泳動バッファを循環する工程;および
    (2)該レーンに沿って該IEFから離れるように交流電場を生成して、該生体分子のパターンを形成する工程;
    (3)該疾患を有していないかまたは疾患を有する素因がない正常な被験体に由来するサンプルからの生体分子のパターンに対して該レーンにおける生体分子のパターンを比較する工程
    を包含する、方法。
  106. 請求項105に記載の方法であって、前記正常な被験体に由来する生体分子のパターンが、以下:
    (1)IEF/レーンユニットのIEFバッファの内外で方向付けされている交流電場に該正常な被験体に由来するサンプルを曝露し、そして必要に応じて該IEFバッファに亘って泳動バッファを循環する工程;および
    (2)該レーンに沿って該IEFから離れるように電場を生成して該レーンにおける生体分子のパターンを形成する工程
    を包含する、方法。
  107. 被験体における疾患状態の診断または予備診断を行うための方法であって、該方法は以下の工程:
    (1)IEF/レーンユニットのIEFバッファの内外で方向付けされている交流電場に該被験体に由来する生体分子を含むサンプルを曝露し、そして必要に応じて該IEFバッファに亘って泳動バッファを循環する工程;および
    (2)該レーンに沿って該IEFから離れるように交流電場を生成する工程;および
    (3)該疾患を有していないかまたは疾患を有する素因がない正常な被験体に由来するサンプルからの生体分子に対して該レーンにおける生体分子を比較する工程
    を包含する、方法。
  108. 請求項107に記載の方法であって、前記正常な被験体に由来するサンプルが、以下:
    (1)IEF/レーンユニットのIEFバッファの内外で方向付けされている交流電場に該正常な被験体に由来する生体分子を含むサンプルを曝露し、そして必要に応じてIEFバッファに亘って泳動バッファを循環する工程;および
    (2)該レーンに沿って該IEFから離れるように交流電場を生成する工程;
    によって調製される、方法。
  109. サンプル中の生体分子を等電点電気泳動するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    請求項73〜78に記載のいずれか1項に従うシステム中の泳動バッファに、該生体分子を含むサンプルを添加して、該IEFバッファまたはセルの内外で交流電場を生成し、そして該泳動バッファを該IEFまたはセルに亘って循環させる工程を包含する、方法。
  110. サンプル中の生体分子を分離するための方法であって、該方法は以下の工程:
    (1)請求項73〜78のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)交流電場を生成する工程;および
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程
    を包含する、方法。
  111. サンプル中の生体分子を特徴付けるための方法であって、該方法は、以下:
    (1)請求項73〜78のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)交流電場を生成する工程;
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程;および
    (4)該レーンにおける生体分子の位置を決定する工程
    を包含する、方法。
  112. サンプル中の生体分子の量を定量する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項73〜78のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)交流電場を生成する工程;
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程;および
    (4)該レーンにおける該生体分子の量を決定する工程;
    を包含する、方法。
  113. サンプル中の生体分子の存在または非存在を決定する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項73〜78のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに、サンプルを添加する工程;
    (2)交流電場を生成する工程;
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程;および
    (4)該レーンにおいて該生体分子が存在するか否かを決定する工程;
    を包含する、方法。
  114. 被験体における疾患状態を診断するかまたは予備診断するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項73〜78のいずれか1項に記載のシステムの泳動バッファに、該疾患状態に罹患してるかまたはこの状態に罹患しやすくなっていることが疑われる被験体に由来する該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)交流電場を生成する工程;
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程;および
    (4)該疾患を有していないかまたは疾患を有する素因がない正常な被験体に由来するサンプルからの生体分子のパターンに対して該レーンにおける生体分子のパターンを比較する工程;
    を包含する、方法。
  115. 請求項114に記載の方法であって、前記正常な被験体に由来するサンプルが、以下:
    (1)請求項73〜78のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに、該正常な被験体に由来する生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)交流電場を生成する工程;および
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成して、生体分子のパターンを形成する工程;
    から調製される、方法。
  116. 被験体における疾患状態を診断するかまたは予備診断するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項73〜78のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに、該疾患状態に罹患してるかまたはこの状態に罹患しやすくなっていることが疑われる被験体に由来する該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)交流電場を生成する工程;
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程;および
    (4)該疾患を有していないかまたは疾患を有する素因がない正常な被験体に由来するサンプルからの生体分子対して該レーンにおける生体分子を比較する工程;
    を包含する、方法。
  117. 請求項114に記載の方法であって、前記正常な被験体に由来するサンプルが、以下:
    (1)請求項73〜78のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに、該正常な被験体に由来する生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)交流電場を生成する工程;および
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程;
    によって調製される、方法。
  118. 前記デバイスが、交流電場の工程の間にIEFバッファまたはセルの亘って泳動バッファを循環させる、請求項110〜117のいずれか1項に記載の方法。
  119. 前記サンプルがヒト由来である、請求項110〜117のいずれか1項に記載の方法。
  120. 前記生体分子はアミノ酸を含む、請求項110〜117のいずれか1項に記載の方法。
  121. 前記レーンがドデシル硫酸ナトリウムおよびポリアクリルアミドゲルを含む、請求項110〜117のいずれか1項に記載の方法。
  122. 請求項110〜117のいずれか1項に記載の方法であって、
    ドデシル硫酸ナトリウムが、交流電場を生成する工程の後および
    前記レーンの長さに沿って前記IEFバッファまたはセルから離れるように交流電場を生成する工程の間またはその前に、
    前記泳動バッファに添加される、方法。
  123. 請求項110〜117のいずれか1項に記載の方法であって、該方法は、質量分析法、キャピラリー電気泳動、および液体クロマトグラフィーからなる群より選択される方法によって、前記生体分子を分析する工程をさらに包含する、方法。
  124. サンプル中の標的生体分子(「TB」)の存在、非存在、または量を分析するためのTBシステムであって、該システムは、以下:
    a.請求項8〜12のいずれか1項に記載のシステム;および
    b.複合体でTBに対して結合する標的認識分子(「TRM」);
    を含み、ここで、該システムのセルのうちの少なくとも1つの中にあるIEFバッファはTBに結合したTRMを含む複合体の等電点(pI)に等しいpH値を含む、システム。
  125. サンプル中の標的生体分子(「TB」)の存在、非存在、または量を分析するためのTBシステムであって、該システムは、以下:
    a.請求項73〜80のいずれか1項に記載のシステム;および
    b.複合体でTBに対して結合する標的認識分子(「TRM」);
    を含み、ここで、該システムのセルのうちの少なくとも1つの中にあるIEFバッファはTBに結合したTRMを含む複合体の等電点(pI)に等しいpH値を含む、システム。
  126. 等電点電気泳動システムのセルにおけるTBに結合したTRMを含む複合体を検出するデバイスをさらに備える、請求項124または125に記載のシステム。
  127. 前記TRMが抗体である、請求項124または125に記載のシステム。
  128. 前記TRMが標識されているかまたは検出部分に結合している、請求項124または125に記載のシステム。
  129. 前記TRMが蛍光発光団で標識されている、請求項124または125に記載のシステム。
  130. 前記システムが既知量の複数の既知分子をさらに含みそしてIEFバッファのサブセットが該既知分子のpI値に等しいpH値を含む、請求項124または125に記載のシステム。
  131. 前記システムが被験体の疾患または状態の診断に対して使用される、請求項124または125に記載のシステム。
  132. 前記IEFのセルがチップの中にある、請求項124または請求項125に記載のシステム。
  133. TB−TRM複合体を分類する方法であって、IEFバッファの内外で方向付けられている交流電場にTB−TRM複合体を曝露する工程を包含し、ここで、該IEFバッファは、TB−TRM複合体のpI値と同じpH値を含む、方法。
  134. サンプル中のTBの存在、非存在、または量を分析するための方法であって、該方法は、以下:
    a.TBとTRMとが結合することを可能にする条件下で該サンプルをTRMと合わせる工程;および
    b.IEFバッファまたはIEFバッファを含むセルの内外の交流電場を生成することによって、泳動バッファを含むチャンバ中の未結合TBからTRMに結合したTBを含む複合体を分離して、そして必要に応じて該IEFバッファに亘って泳動バッファを循環させる工程:ならびに
    c.該IEFバッファ中のTB−TRM複合体の存在、非存在、または量を観察する工程;
    を包含し、ここで、該IEFバッファは、TB−TRM複合体のpI値と同じであるpH値を含む、
    方法。
  135. サンプル中のTBの存在、非存在、または量を分析するための方法であって、該方法は、以下:
    a.TBとTRMとが結合することを可能にする条件下で該サンプルをTRMとを合わせる工程;および
    b.IEF/レーン単位のIEFバッファの内外の交流電場を生成することによって、泳動バッファを含むチャンバ中の未結合TBからTRMに結合したTBを含む複合体を分離して、そして必要に応じて該IEFバッファに亘って該泳動バッファを循環させる工程:
    c.該レーンに沿って該IEFバッファから離れるように電場を生成する工程;ならびに
    d.該レーン中のTB−TRM複合体の存在、非存在、または量を観察する工程;
    を包含し、ここで、該IEFバッファは、TB−TRM複合体のpI値と同じであるpH値を含む、
    方法。
  136. サンプル中のTBの存在、非存在、または量を分析するための方法であって、該方法は、以下:
    a.TBとTRMとが結合することを可能にする条件下で該サンプルをTRMと合わせる工程;および
    b.請求項124に記載のTBシステムにおいて未結合のTBからTRMに結合したTBを含む複合体を分離する工程であって、そして、必要に応じて、前記IEFバッファに亘って前記泳動バッファを循環させる工程;ならびに
    c.該IEFバッファ中のTB−TRM複合体の存在、非存在、または量を観察する工程;
    を包含し、ここで、該IEFバッファは、TB−TRM複合体のpI値と同じであるpH値を含む、
    方法。
  137. サンプル中のTBの存在、非存在、または量を分析するための方法であって、該方法は、以下:
    a.TBとTRMとが結合することを可能にする条件下で該サンプルをTRMと合わせる工程;および
    b.請求項125に記載のIEF/レーンユニットのIEFバッファを使用するTBシステムにおいて未結合のTBからTRMに結合したTBを含む複合体を分離する工程であって、そして、必要に応じて、前記IEFバッファに亘って前記泳動バッファを循環させる工程;ならびに
    c.該レーンに沿って該IEFバッファから離れるように電場を生成する工程;
    d.該レーン中のTB−TRM複合体の存在、非存在、または量を観察する工程;
    を包含する、
    方法。
  138. 前記TRMが検出部分に結合してるかまたは標識されている、請求項134〜137のいずれか1項に記載の方法。
  139. 前記TRMが蛍光発光団で標識されている抗体である、請求項134〜137のいずれか1項に記載の方法。
  140. 請求項110〜117および134〜137のいずれか1項に記載の方法であって、既知量の複数の既知分子が、以下:
    (1)該既知分子を工程(a)のサンプルに添加する工程および
    (2)該既知分子の各々をセル中で分離および集積されることを可能する工程
    によって、較正曲線を作成するのに使用される、方法。
  141. 動物の疾患または状態の診断を行うために使用される、請求項134〜137のいずれか1項に記載の方法。
  142. 生物学的事象を観察するために使用される、請求項134〜137のいずれか1項に記載の方法。
  143. 化学的化合物または生体分子をスクリーニングするために使用される、請求項134〜137のいずれか1項に記載の方法。
  144. システムであって、以下:
    (a)泳動バッファを含むチャンバ;
    (b)0.1pH単位以下のpH範囲を有する、IEFまたはIEFバッファを含むセル;
    (c)該IEFバッファへと第1電場方向付けるためのデバイス;および必要に応じて
    (d)該IEFまたはセルに亘って該泳動バッファを循環するためのデバイス
    を備える、システム。
  145. システムであって、以下:
    (a)泳動バッファを含むチャンバ;
    (b)分離したIEF/レーンユニットを含むマトリクス層であって、該IEF/レーンユニットが、以下:
    (i)IEFバッファまたはIEFバッファを含むセル;および
    (ii)レーン
    を備え、ここで、該IEFバッファまたは該IEFを含むセルが0.1pH単位以下のpH範囲を有する、マトリクス層;
    (c)第1の次元において、該IEFバッファへと方向付けられた交流電場を生成するためのデバイス;
    (d)該レーンの長さに沿って該IEFまたはセルから離れるように電場を方向付けるためのデバイス;および必要に応じて
    (e)IEFバッファまたはセルに亘って該泳動バッファを循環させるためのデバイス
    を備える、システム。
  146. システムであって、以下;
    (a)泳動バッファを含むチャンバ;
    (b)マトリクス層および第2層を備えるアレイであって、ここで、該マトリクス層は、IEF/レーンユニットおよび生体分子不透過性領域(BIA)を含み、ここで、該IEF/レーンユニットが、以下:
    (i)IEFバッファまたはIEFバッファを含むセル;および
    (ii)レーン
    を備え、ここで、該BIAが該レーンとその長さおよび幅に亘って接触し、
    ここで、該第2層が該レーンの長さおよび幅と同じかまたはそれらを超える長さおよび幅であるレーンスクリーニング領域(LSA)を備え、ここで、該LSAはイオンに対して透過性でありかつ生体分子に対して不透過性であり、
    ここで、該レーンは、該マトリクス層と該LSAとの間に位置付けられている、
    ここで、該IEFバッファまたは該IEFを含むセルが0.1pH単位以下のpH範囲を有する、マトリクス層;
    (c)第1の次元において、IEFバッファまたはセルに対して電場を方向付けるためのデバイス;
    (d)該レーンの長さに沿って該IEFまたはセルから離れるように電場を方向付けるためのデバイス;および必要に応じて
    (e)IEFバッファまたはセルに亘って該泳動バッファを循環させるためのデバイス
    を備える、システム。
  147. 前記IEFバッファが0.02pH単位以下のpH範囲を有する、請求項144〜146のいずれか1項に記載のシステム。
  148. 複数のIEFバッファまたはIEFバッファを含むセルを備える、請求項144〜147のいずれか1項に記載のシステム。
  149. 前記複数のIEFバッファまたはセルが互いに分離されている、請求項148に記載のシステム。
  150. 前記複数のIEFバッファまたはセルが0.02pH単位以下のpHステップを有する、請求項148に記載のシステム。
  151. 前記IEFバッファまたはセルに亘って泳動バッファを循環させるためのデバイスをさらに備える、請求項144〜146のいずれか1項に記載のシステム。
  152. 前記第1の次元の電場がAC電圧デバイスまたはDC電圧デバイスから生成される、請求項144〜146のいずれか1項に記載のシステム。
  153. 前記IEFバッファまたはセルがレーンに接触するかまたは該レーンに接続可能である、請求項145〜146のいずれか1項に記載のシステム。
  154. 前記第2層が、第2層の面に垂直なパーフォレーションをさらに備え、ここで、該パーフォレーションがIEFバッファまたはセル上に位置付けられてる、請求項146に記載のシステム。
  155. 前記第2層が、前記レーンがマトリクス層とLSA層との間に位置付けられるように配置された複数のLSAを備える、請求項146に記載のシステム。
  156. 前記第2層が、第2層の面に垂直な複数のパーフォレーションをさらに備え、ここで、該パーフォレーションが複数のIEFバッファまたはセル上に位置付けられてる、請求項155に記載のシステム。
  157. サンプル中の生体分子を等電点電気泳動するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    請求項144〜152のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに、該生体分子を含むサンプルを添加する工程;該IEFバッファまたはセルに対して電場を生成する工程;および必要に応じて、該IEFバッファまたはセルの亘って該泳動バッファを循環する工程
    を包含する、方法。
  158. サンプル中の生体分子を分離するための方法であって、以下の工程:
    (1)請求項145〜152のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;および
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように電場を生成する工程;
    を包含する、方法。
  159. サンプル中の生体分子を特徴付けるための方法であって、該方法は、以下:
    (1)請求項144または147〜152のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファに対して電場を生成する工程;
    (3)該IEFバッファ中に該生体分子が存在するか否かを決定する工程
    を包含する、方法。
  160. サンプル中の生体分子を特徴付けるための方法であって、該方法は、以下:
    (1)請求項145〜152のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)該IEFに対して電場を生成する工程;
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程;および
    (4)該レーンにおける生体分子の位置を決定する工程
    を包含する、方法。
  161. サンプル中の生体分子の量を定量する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項144または147〜152のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;
    (3)該IEFバッファ中の該生体分子の量を決定する工程;
    を包含する、方法。
  162. サンプル中の生体分子の量を定量する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項145〜152のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程;および
    (4)該レーンにおける該生体分子の量を決定する工程;
    を包含する、方法。
  163. サンプル中の生体分子の存在または非存在を決定する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項144または147〜152のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに、サンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;
    (3)該IEFバッファ中に該生体分子が存在するか否かを決定する工程;
    を包含する、方法。
  164. サンプル中の生体分子の存在または非存在を決定する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項147〜152のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに、サンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程;および
    (4)該レーンにおいて該生体分子が存在するか否かを決定する工程;
    を包含する、方法。
  165. 被験体において疾患状態を診断するかまたは予備診断するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項144または147〜152のいずれか1項に記載のシステムの泳動バッファに、該疾患状態に罹患してるかまたはこの状態に罹患しやすくなっていることが疑われる被験体に由来する該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;
    (3)該疾患を有していないかまたは疾患を有する素因がない正常な被験体に由来するサンプルからの生体分子のパターンに対して該レーンにおける生体分子のパターンを比較する工程;
    を包含する、方法。
  166. 被験体における疾患状態を診断するかまたは予備診断するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項147〜152のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに、該疾患状態に罹患してるかまたはこの状態に罹患しやすくなっていることが疑われる被験体に由来する該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成して、生体分子のパターンを形成する工程;および
    (4)該疾患を有していないかまたは疾患を有する素因がない正常な被験体に由来するサンプルからの生体分子のパターンに対して該レーンにおける生体分子のパターンを比較する工程;
    を包含する、方法。
  167. システムであって、以下:
    (a)泳動バッファを含むチャンバ;
    (b)分離したIEFバッファまたはIEFバッファを含む分離したセル;
    (c)IEFバッファへと電場を方向付けるデバイス;ならびに必要に応じて
    (d)該IEFまたはセルに亘って該泳動バッファを循環するためのデバイス
    を備える、システム。
  168. システムであって、以下:
    (a)泳動バッファを含むチャンバ;
    (b)分離したIEF/レーンユニットを含むマトリクス層であって、該IEF/レーンユニットが、以下:
    (i)分離したIEFバッファまたは分離したIEFバッファを含むセル;および
    (ii)レーン
    を備える、マトリクス層;
    (c)第1の次元でIEFバッファへと方向付けられた電場を生成するためのデバイス;
    (d)該レーンの長さに沿って該IEFまたはセルから離れるように電場を方向付けるためのデバイス;および必要に応じて
    (e)IEFバッファまたはセルに亘って該泳動バッファを循環させるためのデバイス
    を備える、システム。
  169. システムであって、以下;
    (a)泳動バッファを含むチャンバ;
    (b)マトリクス層および第2層を備えるアレイであって、ここで、該マトリクス層は、IEF/レーンユニットおよび生体分子不透過性領域(BIA)を含み、ここで、該IEF/レーンユニットが、以下:
    (i)分離したIEFバッファまたはIEFバッファを含む分離したセル;および
    (ii)レーン
    を備え、ここで、該BIAが該レーンとその長さおよび幅に亘って接触し、
    ここで、該第2層が該レーンの長さおよび幅と同じかまたはそれらを超える長さおよび幅であるレーンスクリーニング領域(LSA)を備え、ここで、該LSAはイオンに対して透過性でありかつ生体分子に対して不透過性であり、
    ここで、該レーンは、該マトリクス層と該LSAとの間に位置付けられている、
    マトリクス層;
    (c)第1の次元においてIEFバッファまたはセルに対して電場を方向付けるためのデバイス;
    (d)該レーンの長さに沿って該IEFまたはセルから離れるように電場を方向付けるためのデバイス;および必要に応じて
    (e)IEFバッファまたはセルに亘って該泳動バッファを循環させるためのデバイス
    を備える、システム。
  170. 0.1pH単位以下または0.02pH単位以下の前記IEFバッファがpH範囲を有している、請求項167〜169のいずれか1項に記載のシステム。
  171. 前記複数のIEFバッファまたはIEFバッファを含むセルを含む、請求項167〜170のいずれか1項に記載のシステム。
  172. 前記複数のIEFバッファが0.02pH単位以下のpHステップを有する、請求項171に記載のシステム。
  173. 前記IEFバッファまたはセルに亘って泳動バッファを循環させるためのデバイスをさらに備える、請求項167〜170のいずれか1項に記載のシステム。
  174. 前記電場がAC電圧デバイスまたはDC電圧デバイスから生成される、請求項167に記載のシステム。
  175. 前記第1の次元の電場がAC電圧デバイスまたはDC電圧デバイスから生成される、請求項168〜169のいずれか1項に記載のシステム。
  176. 前記IEFバッファまたはセルがレーンに接触するかまたは該レーンに接続可能である、請求項168〜169のいずれか1項に記載のシステム。
  177. 前記第2層が、第2層の面に垂直なパーフォレーションをさらに備え、ここで、該パーフォレーションがIEFバッファまたはセル上に位置付けられてる、請求項169に記載のシステム。
  178. 前記第2層が、前記レーンがマトリクス層とLSA層との間に位置付けられるように配置された複数のLSAを備える、請求項169に記載のシステム。
  179. 前記第2層が、第2層の面に垂直な複数のパーフォレーションをさらに備え、ここで、該パーフォレーションが複数のIEFバッファまたはセル上に位置付けられてる、請求項169に記載のシステム。
  180. サンプル中の生体分子を等電点電気泳動するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    請求項167〜174のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに、該生体分子を含むサンプルを添加する工程;該IEFバッファへと電場を生成する工程;および必要に応じて、該IEFバッファまたはセルの亘って該泳動バッファを循環する工程
    を包含する、方法。
  181. サンプル中の生体分子を分離するための方法であって、該方法は以下の工程:
    (1)請求項168〜174のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)IEFに対して電場を生成する工程;および
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程
    を包含する、方法。
  182. サンプル中の生体分子を特徴付けるための方法であって、該方法は、以下:
    (1)請求項167または170〜174のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)IEFバッファへと電場を生成する工程;
    (3)該レーンにおける生体分子の位置を決定する工程
    を包含する、方法。
  183. サンプル中の生体分子を特徴づけるための方法であって、該方法は以下の工程:
    (1)請求項168〜174のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;および
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程
    (4)該レーンの中の生体分子の位置を決定する工程
    を包含する、方法。
  184. サンプル中の生体分子の量を定量する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項167または170〜173のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;および
    (3)該IEFバッファにおける該生体分子の量を決定する工程;
    を包含する、方法。
  185. サンプル中の生体分子の量を定量する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項167〜174のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程;および
    (4)該レーンにおける該生体分子の量を決定する工程;
    を包含する、方法。
  186. サンプル中の生体分子の存在または非存在を決定する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項167または170〜174のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに、サンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;および
    (3)該IEFバッファにおいて該生体分子が存在するか否かを決定する工程;
    を包含する、方法。
  187. サンプル中の生体分子の存在または非存在を決定する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項168〜174のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに、サンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成する工程;および
    (4)該レーンにおいて該生体分子が存在するか否かを決定する工程;
    を包含する、方法。
  188. 被験体における疾患状態を診断するかまたは予備診断するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項167または170〜174のいずれか1項に記載のシステムの泳動バッファに、該疾患状態に罹患してるかまたはこの状態に罹患しやすくなっていることが疑われる被験体に由来する生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;
    (3)該疾患を有していないかまたは疾患を有する素因がない正常な被験体に由来するサンプルからの生体分子のパターンに対して該レーンにおける生体分子のパターンを比較する工程;
    を包含する、方法。
  189. 被験体における疾患状態を診断するかまたは予備診断するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (1)請求項168〜174のいずれか1項に記載のシステムにおける泳動バッファに、該疾患状態に罹患してるかまたはこの状態に罹患しやすくなっていることが疑われる被験体に由来する該生体分子を含むサンプルを添加する工程;
    (2)該IEFバッファへと電場を生成する工程;
    (3)該レーンに沿って該IEFバッファまたはセルから離れるように該電場を生成して、生体分子のパターンを形成する工程;および
    (4)該疾患を有していないかまたは疾患を有する素因がない正常な被験体に由来するサンプルからの生体分子のパターンに対して該レーンにおける生体分子のパターンを比較する工程;
    を包含する、方法。
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