JP2005526793A - ワクチン用イミダゾキノリンアジュバント - Google Patents

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Abstract

本発明は、ワクチン、ワクチンアジュバント、分子生物学および免疫学の分野に関し、概してアジュバントおよび核酸免疫化技術に関する。さらに具体的には、本発明はある種のアジュバント組成物と、このような組成物を使用するワクチンおよび/または核酸免疫化方法とに関する。

Description

発明の分野
本発明は、ワクチン分野、ワクチンアジュバント分野、分子生物学分野および免疫学分野に関し、一般にアジュバントおよび核酸免疫技法に関する。さらに具体的には、本発明はある種のアジュバント組成物と、このような組成物を使用するワクチンおよび/または核酸免疫方法に関する。
発明の背景
発現産物に対する免疫化の目的のためにDNAおよびmRNAを哺乳類の組織に注射する技法は当技術分野において記載されている。本明細書において「核酸免疫化」と呼ばれる技法は液性および細胞性免疫応答を誘発することが示されている。例えば、エンベロープ糖タンパク質、gp160をコードするDNA構築物で免疫化したマウスの血清はイムノアッセイにおいて組換えgp160と反応することが示されており、注射したマウスのリンパ球は組換えgp120に応答して増殖することが示された。Wangら(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 4156-4160。
同様に、ヒト成長ホルモン(hGH)遺伝子で免疫化したマウスは抗体系免疫応答を証明した。Tangら(1992) Nature 356: 152-154。哺乳類プロモーターによって誘導されるインフルエンザ核タンパク質をコードするDNAの筋肉内注射は、その後の致死的なウィルスの抗原投与からマウスを防御することができるCD8+CTL応答を誘発することが示されている。Ulmerら(1993) Science 259: 1745-1749。注射部位の免疫組織化学的検討は、DNAは骨髄芽球によって取り込まれ、ウィルスタンパク質の細胞質産生を少なくとも6ヶ月間証明することができたことを明らかにした。
発明の概要
イミダゾキノリンアミン化合物は、初回免疫化または追加免疫化の12〜36時間後に局所投与される場合、有効なアジュバントとして作用することを本発明者らは見出した。また、この化合物は、細胞性免疫を刺激する際に有効であることが見出された。この化合物は、免疫応答を改良することができることが既知の一連の関連化合物の1つである。
従って、本発明は抗原に対する免疫応答を増強する方法であって、イミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、6,7-融合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、1,2-架橋イミダゾキノリンアミン、チアゾロ-およびオキサゾロ-キノリンアミンまたはピリジンアミン、イミダゾナフチリジンまたはテトラヒドロイミダゾナフチリジンアミンである化合物を投与する段階を含み、化合物が(i)抗原投与または(ii)抗原を発現することができるポリヌクレオチドの投与の12〜36時間後に局所的または経皮的に投与される方法を提供する。
発明の詳細な説明
本発明は特定の抗原または抗原をコードするヌクレオチド配列に限定されないことが理解されるべきである。開示されている方法の異なる使用は当技術分野における具体的な必要性に合わせて調整しうることも理解されるべきである。本明細書において使用されている用語は本発明の特定の態様を記載する目的のためだけであり、限定する意図のものではないことも理解されるべきである。
また、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されている単数形「1つの」、「ある」、および「その」は、内容が明らかにそうでないことを記載していない限り、複数の言及も含む。従って、例えば、「ある1つの抗原」への言及は2つ以上のこのような抗原の混合物を含み、「ある1つの粒子」への言及は2つ以上の粒子の混合物への言及を含み、「ある1つのレシピエント細胞」への言及は2つ以上のこのような細胞を含む等である。
本明細書に引用されている全ての、文献、特許および特許出願は、上記または下記するかどうかにかかわらず、全体の内容が参照として本明細書に組み入れられている。
本発明は、抗原に対する免疫応答を増強する方法を提供する。本発明の方法において、本発明の化合物は、抗原投与または抗原を発現することのできるポリヌクレオチドの12〜36時間後に個体に局所的または経皮的に投与される。従って典型的には、本発明の化合物は、抗原またはポリヌクレオチド投与の16〜32時間後、20〜28時間後または好ましくは22〜26時間後に投与される。従って、本発明の化合物は抗原またはポリヌクレオチド投与の約24時間後に投与することができる。
抗原またはポリヌクレオチドの投与(その後、本発明の化合物が投与される)は、投与療法において実施されるポリヌクレオチドまたは抗原の一連の投与の1つであってもよい。従って、抗原またはポリヌクレオチドの投与は初回免疫投与であっても、または追加免疫投与であってもよい。従って、本発明の一態様において、本発明の化合物は初回免疫投与の12〜36時間後および/または追加免疫投与の12〜36時間後に投与される。
一態様において、抗原またはポリヌクレオチドの投与と本発明の化合物の投与の間の12〜36時間の期間(または、上記の他の期間のいずれか)には個体には何もさらに投与されない。または、いくつかの態様では、この期間に抗原またはポリヌクレオチドが投与されない、または好ましくは少なくとも前回投与されたものと同じ抗原またはポリヌクレオチドが投与されない。一態様において、本発明のさらに別の化合物はこの期間に投与されない。
言い換えると、いくつかの態様では、抗原またはポリヌクレオチド投与後に規定した期間のいずれかが経過するまで、さらに別の抗原もしくはポリヌクレオチドおよび/または本発明の化合物が投与されない。このような抗原またはポリヌクレオチドは、前回投与されたものと同じまたは異なってもよい。
本発明の目的は抗原に対する免疫応答を増強することである。好ましくは、細胞性免疫が増強され、特にCD8 T細胞応答が増強される。この場合には、本発明の化合物の投与はCD8 T細胞応答のレベルを増加し、例えば抗原経験CD8 T細胞のレベルを増加する。CD8 T細胞応答の増加は、ELISPOTアッセイ、好ましくは、IFN-ガンマELISPOTアッセイなどの任意の好適なアッセイを使用して測定することができる(従って、このようなアッセイにおいて検出することができる)。
一態様において、CD4 Th1応答などのCD4 T細胞応答も増強される。従って、抗原経験CD4 T細胞のレベルも増加されうる。CD4 T細胞のこのような増加レベルは、増殖アッセイなどの好適なアッセイを使用して検出することができる。
本発明の化合物の投与は、免疫応答を細胞性応答に移行させることができる。従って、免疫応答はTh1応答に移行することができるおよび/またはIgG2aに対するIgG1の比が低下しうる。一態様において、本発明の化合物の投与は抗体応答の低下を生じる。
本発明の化合物は、イミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、6,7-融合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、1,2-架橋イミダゾキノリンアミン、チアゾロ-およびオキサゾロ-キノリンアミンまたはピリジンアミン、イミダゾナフチリジンまたはテトラヒドロイミダゾナフチリジンアミンから選択される。
本発明の好ましい化合物には、以下の式I〜V:
式I
Figure 2005526793
(式中、
R11は、炭素原子数1〜10のアルキル、炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル、アシルオキシ部分が炭素原子数2〜4のアルカノイルオキシであり、アルキル部分が炭素原子数1〜6を含有するアシルオキシアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルからなる群より選択され、ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニル置換基は、任意に、炭素原子数1〜4のアルキル、炭素原子数1〜4のアルコキシおよびハロゲンからなる群より独立に選択される1つまたは2つの部分によってベンゼン環が置換されており、ただしベンゼン環が2つの部分で置換されている場合には、部分は一体として炭素原子数が6以下であり、
R21は、水素、炭素原子数1〜8のアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルからなる群より選択され、ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニル置換基は、任意に、炭素原子数1〜4のアルキル、炭素原子数1〜4のアルコキシおよびハロゲンからなる群より独立に選択される1つまたは2つの部分によってベンゼン環が置換されており、ただしベンゼン環が2つの部分で置換されている場合には、部分は一体として炭素原子数が6以下であり、
各R1は、炭素原子数1〜4のアルコキシ、ハロゲンおよび炭素原子数1〜4のアルキルからなる群より独立に選択され、nは0〜2の整数であるが、ただしnが2である場合には、R1基は一体として炭素原子数が6以下である)、
式II
Figure 2005526793
(式中、
R12は炭素原子数2〜10の直鎖または分岐鎖アルケニルおよび、炭素原子数2〜10の置換直鎖または分岐鎖アルケニルからなる群より選択され、置換基は、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルおよび炭素原子数3〜6のシクロアルキル並びに炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルで置換された炭素原子数3〜6のシクロアルキルからなる群より選択され、
R22は、水素、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐鎖アルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルからなる群より選択され、ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニル置換基は、任意に、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシおよびハロゲンからなる群より独立に選択される1つまたは2つの部分によってベンゼン環が置換されており、ただしベンゼン環が2つのこのような部分で置換されている場合には、部分は一体として炭素原子数が6以下であり、
各R2は、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシ、ハロゲンおよび炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルからなる群より独立に選択され、nは0〜2の整数であるが、ただしnが2である場合には、R2基は一体として炭素原子数が6以下である)
式III
Figure 2005526793
(式中、
R23は、水素、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐鎖アルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルからなる群より選択され、ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニル置換基は、任意に、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシおよびハロゲンからなる群より独立に選択される1つまたは2つの部分によってベンゼン環が置換されており、ただしベンゼン環が2つのこのような部分で置換されている場合には、部分は一体として炭素原子数が6以下であり、
各R3は、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシ、ハロゲンおよび炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルからなる群より独立に選択され、nは0〜2の整数であるが、ただしnが2である場合には、R3基は一体として炭素原子数が6以下である)、
式IV
Figure 2005526793
(式中
R14は、-CHRxRy(式中、Ryは水素または炭素-炭素結合であるが、ただしRyが水素である場合には、Rxは炭素原子数1〜4のアルコキシ、炭素原子数1〜4のヒドロキシアルコキシ、炭素原子数2〜10の1-アルキニル、テトラヒドロピラニル、アルコキシ部分が炭素原子数1〜4であり、アルキル部分が炭素原子数1〜4のアルコキシアルキルであり、2-、3-または4-ピリジルであるが、ただしRyが炭素-炭素結合である場合には、RyとRxは一体として、ヒドロキシおよび炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキルからなる群より独立に選択される1つ以上の置換基で任意に置換されたテトラヒドロフラニル基である)であり、
R24は、水素、炭素原子数1〜4のアルキル、フェニルおよび置換基が炭素原子数1〜4のアルキル、炭素原子数1〜4のアルコキシおよびハロゲンからなる群より選択される置換フェニルからなる群より選択され、
R4は、水素、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシ、ハロゲンおよび炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルからなる群より選択される)、
式V
Figure 2005526793
(式中、
R15は、水素、炭素原子数1〜10の直鎖または分岐鎖アルキルおよび置換基が、炭素原子数3〜6のシクロアルキルおよび炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルによって置換されている炭素原子数3〜6のシクロアルキルからなる群より選択される炭素原子数1〜10の置換直鎖または分岐鎖アルキル、炭素原子数2〜10の直鎖または分岐鎖アルケニルおよび置換基が炭素原子数3〜6のシクロアルキルおよび炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルによって置換されている炭素原子数3〜6のシクロアルキルからなる群より選択される炭素原子数2〜10の置換直鎖または分岐鎖アルケニル、炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル、アルコキシ部分が炭素原子数1〜4であり、アルキル部分が炭素原子数1〜6であるアルコキシアルキル、アシルオキシ部分が炭素原子数2〜4のアルカノイルオキシであり、アルキル部分が炭素原子数1〜6のアシルオキシアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルからなる群より選択され、ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニル置換基は、炭素原子数1〜4のアルキル、炭素原子数1〜4のアルコキシおよびハロゲンからなる群より独立に選択される1つまたは2つの部分によってベンゼン環が任意に置換されているが、ベンゼン環が2つの部分で置換されている場合には、部分は一体として炭素原子数が6以下であり、
R15は、好ましくは、炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキルによって置換されているC1〜2アルキル基であり、さらに好ましくは、R15は、炭素原子数3のヒドロキシアルキルによって置換されているC1アルキル基であり、
R25は、
Figure 2005526793
(式中、
RSおよびRTは、水素、炭素原子数1〜4のアルキル、フェニルおよび置換基が炭素原子数1〜4のアルキル、炭素原子数1〜4のアルコキシおよびハロゲンからなる群より選択される置換フェニルからなる群より独立に選択され、
Xは、炭素原子数1〜4のアルコキシ、アルコキシ部分が炭素原子数1〜4であり、アルキル部分が炭素原子数1〜4であるアルコキシアルキル、炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキル、炭素原子数1〜4のハロアルキル、アルキル基が炭素原子数1〜4であるアルキルアミド、アミノ、置換基が炭素原子数1〜4のアルキルまたはヒドロキシアルキルである置換アミノ、アジド、クロロ、ヒドロキシ、1-モルホリノ、1-ピロリジノ、炭素原子数1〜4のアルキルチオからなる群より選択され、
R5は、水素、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシ、ハロゲンおよび炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルからなる群より選択される)である)
の1つによって記載される1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンまたは上記のいずれかの薬学的に許容されうる塩が挙げられる。
好ましい6,7融合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン化合物は以下の式VI:
Figure 2005526793
(式中、mは1、2または3であり、
R16は、水素、炭素原子数3、4または5の環状アルキル、炭素原子数1〜10の直鎖または分岐鎖アルキルおよび置換基が炭素原子数3〜6のシクロアルキルおよび炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルによって置換されている炭素原子数3〜6のシクロアルキルからなる群より選択される炭素原子数1〜10の置換直鎖または分岐鎖アルキル、炭素原子数1〜10で、フッ素または塩素原子数1つ以上のフルオロ-またはクロロアルキル、炭素原子数2〜10の直鎖または分岐鎖アルケニルおよび置換基が炭素原子数3〜6のシクロアルキルおよび炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルによって置換されている炭素原子数3〜6のシクロアルキルからなる群より選択される炭素原子数2〜10の置換直鎖または分岐鎖アルケニル、炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル、アルコキシ部分が炭素原子数1〜4であり、アルキル部分が炭素原子数1〜6であるアルコキシアルキル、アシルオキシ部分が炭素原子数2〜4のアルカノイルオキシまたはベンゾイルオキシであり、アルキル部分が炭素原子数1〜6であるアシルオキシアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニル
並びに-CHRxRy
(式中、
Ryは水素または炭素-炭素結合であるが、ただしRyが水素である場合には、Rxは炭素原子数1〜4のアルコキシ、炭素原子数1〜4のヒドロキシアルコキシ、炭素原子数2〜10の1-アルキニル、テトラヒドロピラニル、アルコキシ部分が炭素原子数1〜4であり、アルキル部分が炭素原子数1〜4のアルコキシアルキルであり、2-、3-または4-ピリジルであるが、ただしRyが炭素-炭素結合である場合には、RyとRxは一体として、ヒドロキシおよび炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキルからなる群より独立に選択される1つ以上の置換基で任意に置換されたテトラヒドロフラニル基である)
からなる群より選択されるが、ただし任意のこのようなアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはアシルオキシアルキル基は窒素原子に直接結合する完全に炭素置換された炭素原子を有さず、ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニル置換基は、任意に、炭素原子数1〜4のアルキル、炭素原子数1〜4のアルコキシおよびハロゲンからなる群より独立に選択される1つまたは2つの部分によってベンゼン環が置換されており、ただしベンゼン環が2つの部分で置換されている場合には、部分は一体として炭素原子数が6以下であり、
R26は、水素、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐鎖アルキル、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖ヒドロキシアルキル、モルホリノアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニル並びに
-C(RS)(RT)(X)(式中、RSおよびRTは、水素、炭素原子数1〜4のアルキル、フェニルおよび置換基が炭素原子数1〜4のアルキル、炭素原子数1〜4のアルコキシおよびハロゲンからなる群より選択される置換フェニルからなる群より独立に選択され、ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニル置換基は、任意に、メチル、メトキシおよびハロゲンからなる群より選択される部分によってベンゼン環が置換されており、
Xは、炭素原子数1〜4のアルコキシ、アルコキシ部分が炭素原子数1〜4であり、アルキル部分が炭素原子数1〜4であるアルコキシアルキル、炭素原子数1〜4のハロアルキル、アルキル基が炭素原子数1〜4であるアルキルアミド、アミノ、置換基が炭素原子数1〜4のアルキルまたはヒドロキシアルキルである置換アミノ、アジド、炭素原子数1〜4のアルキルチオおよびアルキル部分が炭素原子数1〜4のモルホリノアルキルからなる群より選択される)からなる群より選択され、
R6は、水素、フルオロ、クロロ、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルおよび炭素原子数1〜4で、フッ素または塩素原子が少なくとも1の直鎖または分岐鎖フルオロ-またはクロロアルキルからなる群より選択される)ならびに薬学的に許容されうる塩によって規定される。
好ましいイミダゾピリジンアミン化合物は、以下の式VII、
Figure 2005526793
(式中、
R17は、水素、-CH2RW(式中、RWは炭素原子数1〜10の直鎖、分岐鎖または環状アルキル、炭素原子数1〜10の直鎖または分岐鎖アルケニル炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖ヒドロキシアルキル、アルコキシ部分が炭素原子数1〜4であり、アルキル部分が炭素原子数1〜6であるアルコキシアルキル、フェニルエチルからなる群より選択される)および-CH=CRZRZ(式中、各RZは、独立に、炭素原子数1〜6の直鎖、分岐鎖または環状アルキルである)からなる群より選択され、
R27は、水素、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐鎖アルキル、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖ヒドロキシアルキル、アルコキシ部分が炭素原子数1〜4であり、アルキル部分が炭素原子数1〜6であるアルコキシアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニル、アルキル部分が炭素原子数1〜4のモルホリノアルキルからなる群より選択され、ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニル置換基は、任意に、メチル、メトキシおよびハロゲンからなる群より選択される部分によってベンゼン環が置換されており、
R67およびR77は、独立に、水素および炭素原子数1〜5のアルキルからなる群より選択されるが、ただしR67およびR77は一体として炭素原子数が6以下であり、R77が水素である場合には、R67は水素以外であり、R27は水素またはモルホリノアルキル以外であり、R67が水素である場合には、R77およびR27は水素以外である)ならびに薬学的に許容されうる塩によって規定される。
好ましい1,2-架橋イミダゾキノリンアミン化合物は以下の式VIII、
Figure 2005526793
(式中、
Zは、
-(CH2)p-(式中、pは1〜4である)
-(CH2)a-C(RDRE)(CH2)b-(式中、aおよびbは整数であり、a+bは0〜3であり、RDは水素または炭素原子数1〜4のアルキルであり、REは炭素原子数1〜4のアルキル、ヒドロキシ、-ORF(式中、RFは炭素原子数1〜4のアルキルである)および-NRGR’G(式中、RGおよびR’Gは、独立に、水素または炭素原子数1〜4のアルキルである)からなる群より選択される)
-(CH2)a-(Y)-(CH2)b(式中、aおよびbは整数であり、a+bは0〜3であり、YはO、Sまたは-NRJ(式中、RJは水素または炭素原子数1〜4のアルキルである)である)
からなる群より選択され、
qは0または1であり、R8は炭素原子数1〜4のアルキル、炭素原子数1〜4のアルコキシおよびハロゲンからなる群より選択される)および薬学的に許容されうる塩によって規定される。
好適なチアゾロ-およびオキサゾロ-キノリンアミンおよびピリジンアミン化合物には、式IXおよび式IXa、
Figure 2005526793
または
Figure 2005526793
(式中、
R19は、酸素、硫黄およびセレニウムからなる群より選択され、
R29は、
-水素、
-アルキル、
-アルキル-OH、
-ハロアルキル、
-アルケニル、
-アルキル-X-アルキル、
-アルキル-X-アルケニル、
-アルケニル-X-アルキル、
-アルケニル-X-アルケニル、
-アルキル-N(R59)2
-アルキル-N3
-アルキル-O-C(O)-N(R59)2
-ヘテロサイクリル、
-アルキル-X-ヘテロサイクリル、
-アルケニル-X-ヘテロサイクリル、
-アリール、
-アルキル-X-アリール、
-アルケニル-X-アリール、
-ヘテロアリール、
-アルキル-X-ヘテロアリールおよび
-アルケニル-X-ヘテロアリール
からなる群より選択され、
R39およびR49は、各々独立に、
-水素、
-X-アルキル、
-ハロ、
-ハロアルキル、
-N(R59)2
であるかまたはR39とR49は一体とした場合、融合芳香環、ヘテロ芳香環、シクロアルキル環または複素環を形成し、
Xは、-O-、-S-、-NR59-、-C(O)-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-および結合からなる群より選択され、
各R59は、独立に、HまたはC1-18アルキルであ、
式IXおよびIXaについて、「アルキル」および「アルケニル」という用語は、特に明記しない限り、炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜8の直鎖または分岐鎖または環状基(すなわち、シクロアルキルおよびシクロアルケニル)をいう)の化合物が挙げられる。典型的なアルキル基は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル等である。例示的な環状基には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルおよびアダマンチルが挙げられる。例えば、「アルコキシ」等に使用する場合の接頭語「アルク」も同じ意味を有する。
「アリール」という用語は、炭環式芳香環または環系をいう。アリール基は、好ましくは、フェニルなどの6員環またはナフチルなどの芳香族多環式環系である。最も好ましいアリール基は、以下に規定する1つ以上の置換基によって置換されていてもよいフェニルである。他の好適なアリール基の例には、ビフェニル、フルオレニルおよびインデニルが挙げられる。
「ヘテロアリール」という用語は、ヘテロ原子が窒素、酸素および硫黄から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する芳香族環または環系をいう。好適なヘテロアリール基には、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、テトラゾリル、イミダゾ等が挙げられる。R3およびR4を一体として考慮し、5-または6-員環ヘテロ芳香族環を形成する場合には、ヘテロ原子は窒素、酸素または硫黄であり、環はこのような原子の1つ以上を含有することができる。好ましくは、ヘテロ原子は窒素または硫黄である。R3およびR4によって形成される好ましいヘテロ芳香族環は、2本の線が融合されている場所を示す以下の式によって例示されている。
Figure 2005526793
「複素環状」および「ヘテロシクリル」という用語は、1つ以上の環ヘテロ原子(例えば、O、S、N)を含有する非-芳香族環または環系をいう。例示的なヘテロ環状基には、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、ピペリジノ、ピペラジノ、チアゾリジニル、イミダゾリジニル等が挙げられる。
上記の環および環系は全て、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ポリハロアルキル、パーハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、トリフルオロアルコキシ(例えば、トリフリオロメトキシ)、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、ニトリルおよびアルコキシカルボニルから選択される1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。好ましい置換基はC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、C1-4アルコキシメチルおよびトリフルオロメチルである。
「ハロ」という用語は、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素などのハロ原子をいう。
好適なイミダゾナフチリジンおよびテトラヒドロイミダゾナフチリジン(maphthyridine)化合物は以下の式XおよびXIのものである:
式X
Figure 2005526793
(式中、
Aは=N-CR=CR-CR=、=CR-N=CR-CR=、=CR-CR=N-CR=または=CR-CR=CR-N=であり、
R110は以下からなる群より選択され:
-水素、
-以下からなる群より選択される1つ以上の置換基によって置換されていてもよいC1-20アルキルC2-20アルケニル:
-アリール、
-ヘテロアリール、
-ヘテロシクリル、
-O-C1-20アルキル、
-O-(C1-20アルキル)0-1-アリール、
- O-(C1-20アルキル)0-1-ヘテロアリール、
- O-(C1-20アルキル)0-1-ヘテロシクリル、
-C1-20アルコキシカルボニル、
-S(O)0-2- C1-20アルキル、
-S(O)0-2- (C1-20アルキル)0-1-アリール、
-S(O)0-2- (C1-20アルキル)0-1-ヘテロアリール、
-S(O)0-2- (C1-20アルキル)0-1-ヘテロシクリル、
-N(R310)2
-N3
オキソ、
-ハロゲン、
-NO2
-OHおよび
-SHおよび
-C1-20アルキル-NR310-Q-X-R410または-C2-20アルケニル-NR310-Q-X-R410(式中、Qは-CO-または-SO2-であり、Xは結合、-O-または-NR310-であり、R410はアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルである)または以下からなる群より選択される1つ以上の置換基によって置換されていてもよい-C1-20アルキルまたは-C2-20アルケニル
-アリール、
-ヘテロアリール、
-ヘテロシクリル、
-O-C1-20アルキル、
-O-(C1-20アルキル)0-1-アリール、
-O-(C1-20アルキル)0-1-ヘテロアリール、
-O-(C1-20アルキル)0-1-ヘテロシクリル、
- C1-20アルコキシカルボニル、
-S(O)0-2-C1-20アルキル、
-S(O)0-2-(C1-20アルキル)0-1-アリール、
-S(O)0-2-(C1-20アルキル)0-1-ヘテロアリール、
-S(O)0-2-(C1-20アルキル)0-1-ヘテロシクリル、
-N(R310)2
-NR310-CO-O-C1-20アルキル、
-N3
オキソ、
-ハロゲン、
-NO2
-OHおよび
-SH、またはR410は、
Figure 2005526793
(式中、Yは-N-または-CR-であり、
R210は、以下からなる群より選択される:
-水素、
-C1-10アルキル、
-C2-20アルケニル、
-アリール、
- C1-10アルキル-O- C1-10アルキル、
- C1-10アルキル-O- C2-20アルケニルおよび
以下からなる群より選択される1つ以上の置換基で置換されている- C1-10アルキルアルキルまたは- C2-20アルケニル:
-OH、
-ハロゲン、
-N(R310)2
-CO-N(R310)2
-CO- C1-10アルキル、
-N3
-アリール、
-ヘテロアリール、
-ヘテロシクリル、
-CO-アリールおよび
-CO-ヘテロアリール、
各R310は、独立に、水素およびC1-10アルキルからなる群より選択され、
各Rは、独立に、水素、C1-10アルキル、C1-10アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルからなる群より選択される)である)または薬学的に許容されうる塩
式XI
Figure 2005526793
(式中、
Bは-NR-C(R)2-C(R)2-、-C (R)2-NR- C(R)2- C(R)2-、C(R)2- C(R)2-NR -C(R)2-または- C(R)2- C(R)2- C(R)2-NR-であり、
R111は以下からなる群より選択され:
-水素、
-以下からなる群より選択される1つ以上の置換基によって置換されていてもよいC1-20アルキルC2-20アルケニル:
-アリール、
-ヘテロアリール、
-ヘテロシクリル、
-O-C1-20アルキル、
-O-(C1-20アルキル)0-1-アリール、
- O-(C1-20アルキル)0-1-ヘテロアリール、
- O-(C1-20アルキル)0-1-ヘテロシクリル、
-C1-20アルコキシカルボニル、
-S(O)0-2- C1-20アルキル、
-S(O)0-2- (C1-20アルキル)0-1-アリール、
-S(O)0-2- (C1-20アルキル)0-1-ヘテロアリール、
-S(O)0-2- (C1-20アルキル)0-1-ヘテロシクリル、
-N(R311)2
-N3
オキソ、
-ハロゲン、
-NO2
-OHおよび
-SHおよび
-C1-20アルキル-NR311-Q-X-R411または-C2-20アルケニル-NR311-Q-X-R411(式中、Qは-CO-または-SO2-であり、Xは結合、-O-または-NR311-であり、R411はアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルである)または以下からなる群より選択される1つ以上の置換基によって置換されていてもよい-C1-20アルキルまたは-C2-20アルケニル
-アリール、
-ヘテロアリール、
-ヘテロシクリル、
-O-C1-20アルキル、
-O-(C1-20アルキル)0-1-アリール、
-O-(C1-20アルキル)0-1-ヘテロアリール、
-O-(C1-20アルキル)0-1-ヘテロシクリル、
- C1-20アルコキシカルボニル、
-S(O)0-2-C1-20アルキル、
-S(O)0-2-(C1-20アルキル)0-1-アリール、
-S(O)0-2-(C1-20アルキル)0-1-ヘテロアリール、
-S(O)0-2-(C1-20アルキル)0-1-ヘテロシクリル、
-N(R311)2
-NR311-CO-O-C1-20アルキル、
-N3
オキソ、
-ハロゲン、
-NO2
-OHおよび
-SH、またはR411は、
Figure 2005526793
(式中、Yは-N-または-CR-であり、
R211は、以下からなる群より選択される:
-水素、
-C1-10アルキル、
-C2-10アルケニル、
-アリール、
- C1-10アルキル-O- C1-10アルキル、
- C1-10アルキル-O- C2-10アルケニルおよび
以下からなる群より選択される1つ以上の置換基で置換されている- C1-10アルキルアルキルまたは- C2-10アルケニル:
-OH、
-ハロゲン、
-N(R311)2
-CO-N(R311)2
-CO- C1-10アルキル、
-N3
-アリール、
-ヘテロアリール、
-ヘテロシクリル、
-CO-アリールおよび
-CO-ヘテロアリール、
各R311は、独立に、水素およびC1-10アルキルからなる群より選択され、
各Rは、独立に、水素、C1-10アルキル、C1-10アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルからなる群より選択される)である) または薬学的に許容されうる塩。
上記の置換基R11〜R111は、一般に、本明細書において「1-置換基」と命名される。好ましい1-置換基は、炭素原子数1〜6のアルキルおよび炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキルである。さらに好ましくは1−置換基は2-メチルプロピルまたは2-ヒドロキシ-2-メチルプロピルである。
上記の置換基R21〜R211は、一般に、本明細書において「2置換基」と命名される。好ましい2-置換基は水素、炭素原子数1〜6のアルキル、アルコキシ部分が炭素原子数1〜4であり、アルキル部分が炭素原子数1〜4であるアルコキシアルキルおよび炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキルである。さらに好ましくは、2-置換基は水素、メチル、ブチル、プロピルヒドロキシメチル、エトキシメチルまたはメトキシエチルである。
nが0、1または2となりうる場合には、nは好ましくは0または1である。
本発明の化合物は、以下の式XII、
Figure 2005526793
(式中、
R18は-アルキル-NR3-SO2-X-R4または-アルケニル-NR3-SO2-X-R4であり、
Xは結合または-NR5-であり、
R4はアリール、ヘテロシクリル、アルキルまたはアルケニルであり、その各々は以下からなる群より選択される1つ以上の置換基によって置換されていてもよい:
-アルキル、
-アルケニル、
-アリール、
-ヘテロアリール、
-ヘテロシクリル、
-置換アリール、
-置換ヘテロアリール、
-置換ヘテロシクリル、
-O-アルキル、
-O-(アルキル)0-1-アリール、
-O-(アルキル)0-1-置換アリール、
-O-(アルキル)0-1-ヘテロアリール、
-O-(アルキル)0-1-置換ヘテロアリール、
-O-(アルキル)0-1-ヘテロシクリル、
-O-(アルキル)0-1-置換ヘテロシクリル、
-COOH、
-CO-アルキル、
-CO=アルキル、
-S(O)0-2-アルキル、
-S(O)0-2-(アルキル)0-1-アリール、
-S(O)0-2-(アルキル)0-1-置換アリール、
-S(O)0-2-(アルキル)0-1-ヘテロアリール、
-S(O)0-2-(アルキル)0-1-置換ヘテロアリール、
-S(O)0-2-(アルキル)0-1-ヘテロシクリル、
-S(O)0-2-(アルキル)0-1-置換ヘテロシクリル、
-(アルキル)0-1-NR3 R3、
-(アルキル)0-1-NR3-CO-O-アルキル、
-(アルキル)0-1-NR3-CO-アルキル、
-(アルキル)0-1-NR3-CO-アリール、
-(アルキル)0-1-NR3-CO-置換アリール、
-(アルキル)0-1-NR3-CO-ヘテロアリール、
-(アルキル)0-1-NR3-CO-置換ヘテロアリール、
-N3
-ハロゲン、
-ハロアルキル、
-ハロアルコキシ、
-CO-ハロアルコキシ、
-NO2
-CN、
-OH、
-SHおよびアルキル、アルケニルまたはヘテロシクリル場合には、オキソ、
R28は以下からなる群より選択される:
-水素、
-アルキル、
-アルケニル、
-アリール、
-置換アリール、
-ヘテロアリール、
-置換ヘテロアリール、
-アルキル-O-アルキル、
-アルキル-O-アルケニルおよび
以下からなる群より選択される1つ以上の置換基で置換されている-アルキルまたはアルケニル:
-OH、
-ハロゲン、
-N(R3)2
-CO-N(R3)2
-CO-C1-10アルキル、
-CO-C- C1-10アルキル、
-N3
-アリール、
-置換アリール、
-ヘテロアリール、
-置換ヘテロアリール、
-ヘテロシクリル、
-置換ヘテロシクリル、
-CO-アリール、
-CO-(置換アリール)、
-CO-ヘテロアリールおよび
-CO-(置換ヘテロアリール)、
各R3は、独立に、水素およびC1-10アルキルからなる群より選択され、
R5は、水素およびC1-10アルキルからなる群より選択されるか、またはR4とR5が組み合わさって、3〜7員環の複素環または置換複素環を形成し、
nは0〜4であり、存在する各R80は、独立に、C1-10アルキル、C1-10アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルからなる群より選択される)または薬学的に許容されうる塩によって規定されうる。
本発明の化合物は、以下の式(XIII)、
Figure 2005526793
(式中、
R131は、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキルおよび炭素原子数1〜6の置換直鎖または分岐鎖アルキルからなる群より選択され、置換基は、ハロゲン、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシまたはヒドロキシアルキルから選択され、置換基のアルキル基は炭素原子数1〜4であり、
R132は、水素、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキルおよび炭素原子数1〜6の置換直鎖または分岐鎖からなる群より選択され、置換基はX-R’(式中、Xは-NR’’、-O-または-S-であり、R’は水素または炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルであり、R’’は水素または炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖である)であり、
R130は、水素、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシ、ハロゲンおよび炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルである)によってさらに規定されうる。
本発明の好ましい化合物は式(XIII)
(式中、
R131は、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル、炭素原子数1〜6の置換直鎖または分岐鎖アルキルからなる群より選択され、置換基はアルコキシ、ヒドロキシまたはヒドロキシアルキルから選択され、置換基のアルキル基は炭素原子数1〜4であり、
R132は、水素、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキルおよび炭素原子数1〜6の置換直鎖または分岐鎖からなる群より選択され、置換基はX-R’(式中、Xは-NR’’であり、R’は水素または炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルである)であり、
R130は、水素、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシ、ハロゲンおよび炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルである)の化合物であり、
本発明のさらに別の好ましい化合物は式(XIII)
(式中、
R131は、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルおよび炭素原子数1〜4の置換直鎖または分岐鎖からなる群より選択され、置換基はヒドロキシ、炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキルから選択され、
R132は、水素、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルおよび炭素原子数1〜4の置換直鎖または分岐鎖アルキルからなる群より選択され、置換基はX-R’(式中、Xは-Oであり、R’は水素または炭素原子数1または2の直鎖または分岐鎖アルキルである)であり、
R130は、水素である)の化合物である。
本明細書において使用する(特に、式XIIに言及して使用する)、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」および接頭語「-アルク」という用語は、特に規定しない限り、直鎖および分岐鎖基並びに環状基、すなわちシクロアルキルおよびシクロアルケニルを含む。特に明記しない限り、これらの群は炭素原子数が1〜20であり、アルケニルおよびアルキニル基は炭素原子数2〜20である。好ましい基は炭素原子数の合計が最高10である。環状基は炭環式または多環式であってもよく、好ましくは炭素原子数3〜10である。例示的な環状基には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびアダマンチルが挙げられる。
「ハロアルキル」という用語は、利用可能な水素原子が全てハロゲン原子で置換されている基を含む1つ以上のハロゲン原子によって置換されている基を含む。これはまた、接頭語「ハロアルク-」を含む基にも当てはまる。好適なハロアルキル基の例はクロロメチル、トリフルオロメチル等である。
本明細書において使用する「アリール」という用語は、炭環式芳香環または環系を含む。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニルおよびインデニルが挙げられる。「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つの環状ヘテロ原子(例えば、O、S、O)を含有する芳香環または環系を含む。好適なヘテロアリール基には、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、テトラゾリル、イミダゾ、ピラゾロ、チアゾロ、オキサゾロ等が挙げられる。
「ヘテロシクリル」は少なくとも1つの環状ヘテロ原子(例えば、O、S、O)を含有する非芳香環または環系を含む。例示的なヘテロシクリル基には、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリジニル、イミダゾロジニル等が挙げられる。
特に明記しない限り、「置換シクロアルキル」、「置換アリール」、「置換ヘテロアリール」および「置換ヘテロシクリル」という用語は、関心対象の環または環系が、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルカルボニル、ハロアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ)、ニトロ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、アルカノイルチオ並びにシクロアルキルおよびヘテロシクリルの場合にはオキソからなる群より独立に選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されていることを示す。
本発明の好ましい化合物はイミキモドである。
Figure 2005526793
イミキモドは1-(2-メチル-プロピル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンである。それは分子式C14H16N4および分子量240.3を有する。
式(XIII)の好ましい化合物はレシキモド:
Figure 2005526793
である。
レシキモドは4-アミノ-2-エトキシメチル-α、α-ジメチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-エタノールである。(R-848、S-28463)
本発明の化合物は、例えば、US-B1-6,245,776号、US-A-4,689,338号、US-A-5,389,640号、US-A-5,268,376号、US-A-4,929,624号、US-A-5,266,575号、US-A-5,352,784号、US-A-5,494,916号、US-A-5,482,936号、US-A-5,346,905号、US-A-5,395,937号、US-A-5,238,944号、US-A-5,525,612号、US-B1-6,323,200号、US-B1-6,331,539号および国際公開公報第99/29693号に記載されている既知の手段によって製造することができる。
抗原または抗原をコードするポリヌクレオチドはワクチン組成物の形状であってもよい。「ワクチン組成物」という用語は、被験者の疾患または状態を予防または治療するために使用することができる、抗原(例えば抗原をコードするポリヌクレオチド)を含有する任意の薬学的組成物を意図している。従って、この用語は、サブユニットワクチン、すなわち天然では結合している生物全体から分離され、別個の状態になっている抗原を含有するワクチン組成物および死滅、弱毒化または不活性化されている細菌、ウィルス、寄生虫または他の微生物全体を含有する組成物を含む。
本方法において、本発明の化合物は局所的または経皮的に送達される。一般的にこのような局所的送達は経皮的送達である。「経皮的」という用語は、皮内(例えば、真皮または表皮内)、経皮(例えば、「経皮的」)および経粘膜投与、すなわち、皮膚もしくは粘膜組織内または皮膚もしくは粘膜組織を介して薬剤を通過させることによる送達を意図している。例えば、経皮的薬物送達:開発の問題点および研究の第一歩(Transdermal Drug Delivery: Developmental Issues and Research Initiatives), Hadgraft およびGuy(編), Marcel Dekker, Inc., (1989)、薬物送達の制御:基礎と応用(Controlled Drug Delivery : Fundamentals and Applications), RobinsonおよびLee(編), Marcel Dekker Inc., (1987)並びに経皮的薬物送達(Transdermal Delivery of Drugs), 1〜3巻、KydonieusおよびBerner(編), CRC Press, (1987)を参照されたい。
従って、局所的または経皮的送達は、米国特許第5,630,796号に記載されている粒子送達装置(例えば、無針シリンジ)からの粒子の送達および米国特許第5,865,796号に記載されているコーティングしたコア担体の粒子媒介性送達を含む。
「コア担体」は、核酸(例えばDNA)または抗原が、粒子媒介性送達、例えば、米国特許第5,100,792号に記載されているものを使用して送達されうるように、細胞膜透過に必要な推進力を得るために規定の粒子サイズおよび十分に高い密度を与えるために核酸または抗原がコーティングされている担体粒子を意味する。コア担体は、典型的には、タングステン、金、白金、フェライト、ポリスチレンおよびラテックスなどの材料を含む。例えば、遺伝子導入のための粒子銃技術(Particle Bombardment Technology for Gene Transfer), (1994) Yang, N. 編、Oxford University Press, New York, NY 10〜11ページを参照されたい。
「粒子送達装置」または「無針シリンジ」は、皮膚に穿刺する従来の針を用いないで粒状組成物を経皮的に送達する装置を意味する。本発明に使用するための粒子送達装置は本発明の書類にわたって考察されている。
「抗原」は、宿主の免疫系を刺激して細胞抗原特異的な免疫応答または液性抗体応答を形成する1つ以上のエピトープを含有する分子を意味する。従って、抗原には、タンパク質、ポリペプチド、抗原性タンパク質断片、オリゴ糖、多糖等が挙げられる。さらに、抗原は、任意の公知の生物または病原体、例えばウイルス、細菌、寄生虫、植物、原生動物、もしくは菌類に由来するものであってもよく、完全な生物体であってもよい。この用語には腫瘍抗原も含まれる。同様に、DNA免疫化用途におけるように抗原を発現するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドも抗原の定義に含まれる。
合成抗原、例えば、ポリペプチド、隣接エピトープおよび他の組換えまたは合成誘導抗原も含まれる(Bergmannら(1993) Eur. J. Immunol. 23: 2777-2781、Bergmannら(1996) J. Immunol. 157: 3242-3249、Suhrbier, A. (1997) Immunol. and Cell Biol. 75: 402-408、Gardnerら(1998)第12回世界AIDS会議(12th World AIDS Conference), Geneva, Switzerland, 6月28日〜7月3日、1998年)。
「ペプチド」という用語は、広義的な意味において、2つ以上のサブユニットアミノ酸、アミノ酸類似物または他のペプチド模倣物の化合物を言うために使用される。サブユニットはペプチド結合によってまたは他の結合によって、例えば、エステル、エーテル等によって結合されうる。
本明細書において使用する「アミノ酸」という用語は、グリシンおよびDまたはL光学異性体並びにアミノ酸類似物およびペプチド模倣物を含む、天然および/または非天然または合成アミノ酸をいう。3つ以上のアミノ酸のペプチドは、ペプチド鎖が短い場合には、通常オリゴペプチドと呼ばれる。ペプチド鎖が長い場合には、ペプチドは、典型的には、ポリペプチドまたはタンパク質と呼ばれる。
抗原は、典型的には、1つ以上のT細胞エピトープを含む。「T細胞エピトープ」は、一般に、T細胞応答を誘導することができるペプチド構造の特徴である。これに関しては、T細胞エピトープは、MHC分子のペプチド結合裂け目で伸張した立体配座を取る鎖状のペプチド決定因子を含むことが当技術分野において認められている(Unanueら、(1987) Science 236: 551-557)。本明細書において使用するT細胞エピトープは、一般に、約8〜15、好ましくは5〜10以上のアミノ酸残基を有するペプチドである。
本発明の化合物はアジュバントとして作用する。しかし、さらに別のアジュバントも本発明の方法に使用することができる。典型的には、このような別のアジュバントは抗原と、または抗原を発現するポリヌクレオチドと同時投与される。本明細書において使用する「アジュバント」は、薬物、抗原、ポリヌクレオチド、ベクター等の作用を増強する任意の材料をいう。
従って、アジュバントの一例は「サイトカイン」である。本明細書において使用する「サイトカイン」という用語は、例えば、成長、増殖または成熟を誘導する細胞に対する種々の影響を発揮する数多くの因子の任意の1つをいう。ある種のサイトカイン、例えば、TRANCE、flt-3LおよびCD40Lは、APCsの免疫刺激能力を増強する。単独使用または併用使用することができるサイトカインの限定するものではない例には、インターロイキン-2(IL-2)、幹細胞因子(SCF)、インターロイキン3(IL-3)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン12(IL-12)、G-CSF、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、インターロイキン-1α(IL-1a)、インターロイキン-11(IL-11)、MIP-1a、白血病抑制因子(LIF)、c-kitリガンド、トロンボポイエチン(TPO)、CD40リガンド(CD40L)、腫瘍壊死因子関連活性化誘導性サイトカイン(TRANCE)およびflt3リガンド(flt-3L)が挙げられる。サイトカインは、例えば、Genzyme(Framingham, MA)、Genetech(South SanFrancisco, CA)、Amgen(Thousand Oaks, CA)、R&D Systems and Immunex(Seattle, WA)などのいくつかの製造供給元から市販されている。
これらの分子の多数の配列は、例えば、GenBankデータベースからも利用可能である。常に明白に記載されているわけではないが、野生型または精製サイトカイン(例えば、組換えにより作製されているまたはその突然変異体)と同様の生物活性を有する分子およびこれらの分子をコードする核酸は本発明の精神および範囲内で使用されることが意図されている。
選択された抗原と(本発明の化合物などの)アジュバントとを含む組成物またはアジュバントと同時投与されるワクチン組成物は、アジュバントを用いないで投与した等量の抗原によって誘発される免疫応答より、免疫応答を誘発する能力が大きい場合には、「免疫原性の増強」を示す。このように、抗原がより強い免疫原性であるため、または抗原投与される被験者において免疫応答を達成するのに比較的低い用量またはわずかな用量の抗原が必要となるため、ワクチン組成物は「免疫原性の増強」を示す。
このような免疫原性の増強は、動物にアジュバント組成物および抗原対照を投与し、ラジオイムノアッセイ、ELISAs、CTLアッセイ等などの標準的なアッセイを使用して両者の抗体力価および/または細胞免疫を比較することによって判定することができる。
「核酸分子」および「ポリヌクレオチド」という用語は同様に使用され、任意の鎖長のポリマー形態のヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドまたはそれらの類似物をいう。ポリヌクレオチドの限定するものではない例には、遺伝子、遺伝子断片、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離型DNA、任意の配列の単離型RNA、核酸プローブおよびプライマーが挙げられる。
ポリヌクレオチドは、典型的には、4つのヌクレオチド塩基:アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)およびチミン(T)(ポリヌクレオチドがRNAの場合には、ウラシル(U)がチミン(T)に代わる)の特定の配列を含む。従って、ポリヌクレオチド配列という用語は、ポリヌクレオチド分子のアルファベット順の表記である。このアルファベット順の表記を、中央演算処理装置を有するコンピュータのデータベースに入力して、機能的ゲノム工学および相同性検索などのバイオインフォマティクス用途に使用することができる。
本発明に関連して使用する「遺伝子」は、遺伝的機能が関連している遺伝的核酸(染色体、プラスミド等)におけるヌクレオチドの配列である。遺伝子は、生物のゲノム内の特定の物理的な位置(「遺伝子座(gene locus)」または「遺伝子座(genetic locus)」を占めるポリヌクレオチド配列(例えば、哺乳類のDNA配列)を含む生物の遺伝単位である。遺伝子は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド(例えば、tRNA)などの発現産物をコードすることができる。または、遺伝子は、タンパク質および/または核酸の結合などの特定の事象/機能のゲノム位置(例えば、ファージ結合部位)を規定する場合もあり、この遺伝子は発現される産物をコードしない。典型的には、遺伝子はポリペプチドコード配列などのコード配列およびプロモーター配列、ポリ-アデニル化配列、転写調節配列(例えば、エンハンサー配列)などの非-コード配列を含む。多数の真核細胞遺伝子は、「イントロン」(非-コード配列)が間に入っている「エクソン」(コード配列)を有する。ある場合には、遺伝子は別の遺伝子と配列を共有する場合がある(例えば、重複遺伝子)。
「コード配列」すなわち選択したポリペプチドを「コードする」配列は、適当な調節配列(または「制御要素」)の制御下に置かれる場合に、インビボにおいて転写され(DNAの場合)、翻訳される(mRNAの場合)核酸分子である。
コード配列の領域は、5’(アミノ)末端の開始コドンおよび3’(カルボキシ)末端の翻訳停止コドンによって決定される。コード配列には、ウィルスのcDNA、原核細胞または真核細胞mRNA、ウィルスまたは原核細胞DNAのゲノムDNA配列および合成DNA配列が挙げられるが、これらに限定されない。転写停止配列はコード配列の3’に位置する場合がある。コード配列の転写および翻訳は、典型的には、転写プロモーター、転写エンハンサー要素、転写停止信号、ポリアデニル化配列(翻訳停止コドンの3’に位置する)、翻訳の開始を最適化する配列(コード配列の5’に位置する)および翻訳停止配列を含むが、これらに限定されない「制御要素」によって調節される。
「プロモーター」は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの転写を開始するヌクレオチド配列である。プロモーターには、誘導性プロモーター(プロモーターに機能的に結合したポリヌクレオチド配列の発現が分析物、補助因子、調節タンパク質等によって誘導される場合)、抑制性プロモーター(プロモーターに機能的に結合したポリヌクレオチド配列の発現が分析物、補助因子、調節タンパク質等によって抑制される場合)および構成プロモーターを挙げることができる。また、このようなプロモーターは組織特異性も有しうる。
「プロモーター」または「制御要素」という用語は全長のプロモーター領域およびこれらの領域の機能的な(例えば、転写または翻訳を制御する)セグメントことが意図されている。抗原を発現することのできるポリヌクレオチドに存在するプロモーターは一般に、皮膚周辺に見られる細胞にコード配列を発現させることができる。
抗原または抗原を発現することのできるポリヌクレオチドはベクターの形態で送達することができる。「ベクター」は遺伝子配列を標的細胞に導入することができる(例えば、ウィルスベクター、非-ウィルスベクター、粒子担体およびリポソーム)。典型的には、「ベクター構築物」、「発現ベクター」および「遺伝子導入ベクター」は、関心対象の遺伝子の発現を誘導することができ、遺伝子配列を標的細胞に導入することができる任意の核酸構築物を意味する。従って、この用語はクローニングおよび発現搬送体並びにウィルスベクターを含む。
「単離型ポリヌクレオチド」分子は、分子が天然に見出される生物全体から分離されて別個の状態の核酸分子または天然ではそれに通常結合している配列の全てもしくは一部を欠損する核酸分子または天然に存在するが、異種配列(以下に規定する)が結合している配列である。
「機能的に結合された」とは、そのように記載されている成分が通常の機能を果たすように構成されている要素の配列をいう。従って、コード配列(例えば、関心対象の抗原)に機能的に結合している所定のプロモーターは、調節タンパク質および適切な酵素が存在する場合には、コード配列の発現に影響することができる。いくつかの例では、ある種の制御要素は、それらが発現を誘導する機能を果たす限り、コード配列に隣接する必要はない。例えば、翻訳されないが、転写される配列の介在配列がプロモーター配列とコード配列の間に存在することができ、プロモーター配列はコード配列に「機能的に結合している」と考えられうる。
核酸分子を記載するために本明細書において使用する「組換え」は、起源または操作に関して、(1)天然に結合するポリヌクレオチドの全てまたは一部に結合していない、および/または(2)天然に結合するもの以外のポリヌクレオチドに結合しているゲノム、cDNA、半合成または合成起源のポリヌクレオチドを意味する。タンパク質またはポリペプチドに関して使用する「組換え」という用語は、組換えポリヌクレオチドの発現によって産生されるポリペプチドを意味する。
タンパク質抗原は、本明細書に記載のいくつかの抗原など、天然型の抗原と相同性および/または配列の同一性を有することがある。同様に、抗原を発現することができるポリヌクレオチドは、本明細書に記載の抗原をコードするものなど、天然型配列との相同性および/または配列同一性を有する配列を有する。核酸およびアミノ酸の「配列の同一性」を決定する技法も当技術分野において既知である。典型的には、このような技法は、遺伝子のmRNAのヌクレオチド配列を決定する段階および/またはそれによってコードされるアミノ酸配列を決定する段階およびこれらの配列を第2のヌクレオチドまたはアミノ酸配列に比較する段階を含む。
一般に、「同一性」は、2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の、それぞれ、正確なヌクレオチド対ヌクレオチドまたはアミノ酸対アミノ酸対応をいう。「同一性の割合」を求めることによって2つ以上の配列(ポリヌクレオチドまたはアミノ酸)を比較することができる。2つの配列の同一性の割合は、核酸配列であろうがまたはアミノ酸配列であろうが、並べた2つの配列間の正確な一致の数を短い方の配列の長さで割って、100倍したものである。
核酸配列の適当なアラインメントは、SmithおよびWatermanの局所的な相同性アルゴリズム、Advances in Applied Mathematics 2: 482-489(1981)によって提供される。このアルゴリズムは、Dayhoff, タンパク質配列および構造のアトラス(Atlas of Protein Sequence and Structure), M. O. Dayhoff編 5 suppl. 3: 353-358、National Biomedical Research Foundation, Washington, D. C. USAによって開発され、Gribskov, Nucl. Acids Res. 14(6): 6745-6763(1986)によって正規化されたアミノ酸置換行列を使用することによってアミノ酸配列に適用することができる。配列の同一性の割合を求めるためのこのアルゴリズムの例示的な実施は、Genetics Computer Group(Madison, WI)によって「BestFit」利用性用途において提供されている。この方法のデフォルトパラメーターはWisconsin Sequence Analysis Package Program Manual, Version 8(1995)(Genetics Computer Group, Madison, WIから入手可能)に記載されている。本発明に関連して同一性の割合を確立する好ましい方法は、Edinburgh大学が著作権を有し、John F. CollinsおよびShane S. Sturrokによって開発され、IntelliGenetics, Inc.(Mountain View, CA)によって流通されているMPSRCHパッケージのプログラムを使用することである。この一式のパッケージから、Smith-Watermanアルゴリズムを使用することができ、デフォルトパラメーターをアミノ酸置換表に使用する8例えば、ギャップオープンペナルティは12、ギャップ延長ペナルティは1、ギャップは6)。作製されたデータから、「マッチ」値は「配列の同一性」を反映する。配列間の同一性または類似性の割合を算出するための他の好適なプログラムは一般に当技術分野において既知であり、例えば、別のアラインメントプログラムは、デフォルトパラメーターを使用するBLASTである。例えば、BLASTNおよびBLASTPは以下のデフォルトパラメーターを使用して使用することができる:遺伝子コード=標準、フィルター=なし、鎖=両方、カットオフ=60、期待値=10、行列=BLOSUM62、性状=50配列、ソーティング=HIGH SCORE、データベース=重複のない、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS翻訳+Swissタンパク質+Spupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は以下のインターネットアドレスで見出すことができる:http://www.ncbi.nlm.gov/cgi-bin/BLAST。
または、相同性は、相同性領域間で安定な2本鎖を形成する条件下においてポリヌクレオチドをハイブリダイゼーションし、その後1本鎖特異的ヌクレアーゼで消化し、消化した断片のサイズ決定をすることによって決定することができる。上記の方法を使用して測定するとき、規定した長さの分子において配列が少なくとも約80%〜85%、好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%〜98%の配列の同一性を示す場合には、2つのDNAまたは2つのポリペプチド配列は互いに「実質的に相同」である。
本明細書において使用される、実質的に相同とは、明記されているDNAまたはポリペプチド配列と完全な同一性を示す配列もいう。実質的に相同なDNA配列は、その特定の系について規定するように、例えば、緊縮条件下におけるサザンハイブリダイゼーション実験において同定することができる。例えば、緊縮ハイブリダイゼーション条件は50%ホルムアミド、5×デンハルト液、5×SSC、0.1%SDSおよび100pg/ml変性サケ精子DNAを含むことができ、洗浄条件は37℃において2×SSC、0.1%SDS、その後68℃において1×SSC、0.1%SDSを含むことができる。適当なハイブリダイゼーション条件を規定することは当技術分野の範囲内である。例えば、Sambrookら、上記、DNAクローニング(DNA Cloning)、上記、核酸ハイブリダイゼーション(Nucleic acid Hybridization)上記を参照されたい。
本明細書において使用する「治療」という用語は以下のいずれかを含む:感染または再感染の予防、症状の低下または排除および病原(例えば、HIV)の低下または完全な排除。治療は予防的(感染前)に実施されてもまたは治療的(感染後で、AIDS発症の前または後)に実施されてもよい。「有効な量」は、有用な結果または望ましい結果を得るのに十分な量である。有効な量は用量の1回以上の投与、適用において投与することができる。「同時投与する」または「同時投与」という用語は少なくとも2つの物質の投与をいう。同時投与は、物質を同時または異なる時期に投与することによって実施することができる。また、同時投与は、1つ以上の送達手段を使用した送達を含む。
本発明の方法は、好適な免疫応答を刺激する目的のために実施される。好適な免疫応答は、本発明の方法が、免疫化した被験者において、抗原に特異的なBおよび/またはTリンパ球の産生によって特徴付けられる免疫応答を生じ、免疫応答は同種または異種株の関連病原体によるその後の感染から被験者を防御することができ、病原体負荷を低下することができ、非免疫化被験者と比較して短い時間で感染の回復を生じることができまたは疾患症状の臨床発現を予防もしくは低下することができることを意味する。
一般に、本発明の方法を実施する被験者は、脊椎動物被験者である。「脊椎動物」とは、ヒトおよび他の霊長類、並びにマウスおよびラットなどのげっ歯類を含むが、これらに限定されない脊索動物亜門、特に哺乳類の任意のメンバーを意味する。この用語は特定の年齢を指定しない。従って、成人および新生児個体も含まれることが意図されている。一態様において、被験者は関連した疾患に罹患しやすいかまたはHIVのリスクがある。
抗原を発現することができるポリヌクレオチドはまたDNA-ワクチンと呼ばれる(本明細書の開示内容から明らかであるように、これはDNAではなくポリヌクレオチドからなる場合がある)。DNA-ワクチンは、一般に、標的化される組織に存在する細胞によって新規合成のために関連する抗原をコードするプラスミドからなる。ウィルスプロモーター、例えば、サイトメガロウィルス(CMV)のプロモーターは一般に、DNA-ワクチンプラスミド構築物において使用され、抗原の発現を誘導する。「未処理の」形態および粒子に結合した、これらのDNA-ワクチンプラスミドの送達は、液性および細胞性免疫応答を誘発することが示されている。(例えば、Wangら、(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 4156-4160、Tangら、(1992) Nature 356: 152-154、Fynan、上記を参照されたい)。
本発明のポリヌクレオチドは、例えば、トランスフェクションによってまたは粒子にポリヌクレオチドをコーティングして、コーティングした粒子を細胞に投与することによってインビトロまたはインビボにおいて細胞に導入することができる。または、ポリヌクレオチドおよび/またはペプチドは、以下および参照として本明細書に組み入れられている国際公開番号国際公開公報第97/48485号および国際公開公報第98/10750号の開示内容にさらに詳細に考察されている粒子状の(例えば、粉末)形態で提供されてもよい。
従って、本発明は、抗原をコードする配列が、コード配列を発現させることができる調節要素に機能的に結合している、選択された抗原または選択された抗原をコードするポリヌクレオチドを投与することによって、脊椎動物においてCTL応答(典型的にはCD8 T細胞応答)を含む、免疫応答を誘発することを含む。
抗原
本明細書に記載する方法は、癌、アレルギー、毒性並びにウィルス、細菌、真菌および他の病原生物などの病原体による感染症を含むが、これらに限定されない数多くの状態を治療および/または予防するために、多種多様の抗原に対する免疫応答を誘発する。
本発明の組成物および方法に使用するのに好適なウィルス抗原には、A型肝炎ウィルス(HAV)、B型肝炎ウィルス(HBV)、C型肝炎ウィルス(HCV)、デルタ肝炎ウィルス(HCV)、E型肝炎ウィルス(HEV)およびG型肝炎ウィルス(HGV)を含む肝炎ウィルスファミリーから得られるまたは誘導されるものが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、国際公報番号、国際公開公報第89/04669号、国際公開公報第90/11089号および国際公開公報第90/14436号を参照されたい。HCVゲノムは、E1およびE2を含むいくつかのウィルスタンパク質をコードする。例えば、Houghtonら(1991) Hepatology 14: 381-388を参照されたい。これらのタンパク質および抗原断片をコードする配列を含有する核酸分子は本発明の方法に使用を見出している。同様に、HDVの8-抗原のコード配列が知られている(例えば、米国特許第5,378,814号を参照されたい)。
同様に、HSV-1およびHSV-2糖タンパク質gB、gDおよびgHなどの1型および2型単純ペルペスウィルス(HSV)由来のタンパク質、水痘帯状疱疹ウィルス(VZV)、エプスタイン-バーウィルス(EBV)並びにCMV gBおよびgHを含むサイトメガロウィルス(CMV)の抗原、並びにHHV6およびHHV7などの他のヒトヘルペスウィルスの抗原を含むヘルペスウィルスファミリーの多種多様を本発明の抗原として使用することができる。(例えば、Cheeら(1990)サイトメガロウィルス(J. K. McDougall編、Springer Verlag, 125〜169ページ、McGeochら(1988) J. Gen. Virol. 69: 1531-1574、米国特許第5,171,568号、Baerら(1984)Nature 310: 207-211およびDavisonら(1986) J. Gen Virol. 67: 1759-1816を参照されたい)。種々のサブタイプのHIVのメンバーを含む多数のHIV-1およびHIV-2単離株のgp120分子などのヒト免疫不全ウィルス(HIV)抗原が既知で、報告されており(例えば、Myersら、Los Alamos Database, Los Alamos National Laboratory, Los Alamos, New Mexico(1992)およびMondowら(1987) J. Virol. 61: 570-578)を参照されたい)、これらの単離株のいずれかから誘導されるまたは得られる抗原を含有する核酸配列は本発明において使用を見出している。
さらに、gap160およびgp41などの種々のエンベロープタンパク質、p24gagおよびp55gagなどのgag抗原並びにHIVのpol、env、tat、vif、rev、nef、vpr、vpuおよびLTRから誘導されるタンパク質の1つ以上をコードするする配列を含む種々のHIV単離株のいずれかから得られるまたは誘導される他の免疫原性タンパク質は本明細書において使用を見出している。
限定するものではないが、ピコナウィルス科(例えば、ポリオウィルス、ライノウィルス等)、カリシウィルス科、トガウィルス科(例えば、風疹ウィルス、デングウィルス等)、ブタコレラウィルス科、コロナウィルス科、レオウィルス科(例えば、ロタウィルス等)、ビルナウィルス科、ラボドウィルス科(例えば、狂犬病ウィルス等)、オルトミキソウィルス科(例えば、A、BおよびC型インフルエンザウィルス等)、フィロウィルス科(例えば、おたふく風邪ウィルス、麻疹ウィルス、呼吸器合胞体ウィルス、パラインフルエンザウィルス等)、ブニヤウィルス科、アレナウィルス科、レトロウィルス科(例えば、単離株HIVI11b、HIVSF2、HTLVAV、HIVLAI、HIVLAI、HIVMAを含むが、これらに限定されないHTLV-1、HTLV-11、HIV-1(HTLV-111、LAV、ARV、hTLR等しても既知))、特にHIV-1CM235、HIV-1、HIV-2、サル免疫不全ウィルス(SIV)、パピローマウィルス、ダニ媒介農園ウィルス等などの他のウィルスから誘導されるまたは得られる抗原も本明細書において使用を見出している。例えば、これらのウィルスおよび他のウィルスの記載についてはVirology, 第3版(W. K. Joklik編、1099年)、基礎ウィルス学(Fundamental Virology)、第2版(B. N. FieldsおよびD. M. Knipe編、1991年)を参照されたい。
いくつかの内容に関しては、選択される抗原は、典型的には粘膜表面を介して生体内に侵入し、これらに限定されないが、HIV(AIDS)、インフルエンザウィルス(Flu)、単純ヘルペスウィルス(性器感染症、ヘルペス、STDs)、ロタウィルス(下痢)、パラインフルエンザウィルス(呼吸器感染症)、ポリオウィルス(小児麻痺)、呼吸器合胞体ウィルス(呼吸器感染症)、麻疹およびおたふく風邪ウィルス(麻疹、おたふく風邪)、風疹ウィルス(風疹)およびライノウィルス(風邪)などのヒト疾患の原因となるまたはヒト疾患に関連することが既知のウィルス病原体から得られるまたは誘導されることが好ましい場合がある。
好適な細菌および寄生虫抗原は、ジフテリア、百日咳、破傷風、結核、細菌性または真菌性肺炎、中耳炎、淋病、コレラ、腸チフス、髄膜炎、単核球症、ペスト、細菌性赤痢またはサルモネラ症、レジオネラ病、ライム病、ハンセン病、マラリア、鉤虫病、回旋糸状虫症、住血吸虫症、トリパノソーマ症(Tripamasomialsis)、リーシュマニア症、ジアルジア、アメーバ症、フィラリア、ボレリアおよび旋毛虫症を含むが、これらに限定されない疾患の原因となる既知の起因菌から得られるまたは誘導される。よりさらに別の抗原は、クール病、クロイツフェルト-ヤクブ病(CJD)、スクレーピー、伝染性ミンク脳症および慢性消耗病の病原菌などのこれまでにない病原体または狂牛病に関連するプリオンなどのタンパク質性感染粒子から得られるまたは誘導することができる。
抗原を誘導することができる具体的な病原菌には、結核菌、クラミジア、淋菌、シゲラ、サルモネラ、コレラ菌、梅毒トレポネーマ、シュードモナス、百日咳菌、ブルセラ、野兎病菌、ピロリ菌、レプトスピラインテロガンス、レジオネラニューモフィラ、エルシニアペスチス、レンサ球菌(AおよびB型)、肺炎球菌、髄膜炎菌、ヘモフィルスインフルエンゼ(b型)、トキソプラズマゴンヂ、カンピロバクター感染症、モラクセラカタラーリス、ドノバノーシスおよび放線菌症、カンジタ症およびアスペルギルス症を含む真菌病原体、条虫、吸虫、線虫、アメーバ症、ジアルジア症、クリプトスポリジウム、住血吸虫、カリニ肺炎、トリコモナス症および旋毛虫症を含む寄生虫病原体が挙げられる。従って、本発明は、口蹄疫、コロナウィルス、パスツレラムルトシダ、ヘリコバクター、円虫(Strongylus vulgaris)、アクチノバシラスプルニューモニエ、ウシ下痢ウィルス(BVDV)、クラブシエラニューモニエ、大腸菌、百日咳菌、パラ百日咳菌および気管支敗血症菌などの数多くの動物疾患に対する好適な免疫応答を提供するためにも使用することができる。
典型的には、上記に掲載した抗原の1つ以上に対応する(コードする)ヌクレオチド配列を、以下に記載するように、ヌクレオチドの製造に使用する。
遺伝子の単離およびポリヌクレオチドの構築
本発明のポリヌクレオチドは、ウィルス、非-ウィルス、細胞または組織特異的プロモーター(例えば、ワクチン化対象の被験者の種の細胞における配列の転写を制御する調節要素由来のプロモーター)に機能的に結合した少なくとも一つの抗原(例えば、ウイルス、細菌、菌類、寄生虫、毒素、アレルゲン、または癌細胞に由来する、および/またはそれらによって発現される抗原)をコードする。
これらのポリヌクレオチドは、特にT-リンパ球を活性化する際に抗原に対する免疫応答を誘発する際に有用である。本発明に使用するために選択されるヌクレオチド配列は、例えば、標準的な技法を使用して望ましい遺伝子またはヌクレオチド配列を含有する細胞からこれを単離することによって既知の起源から誘導することができる。
同様に、ヌクレオチド配列は、当技術分野において既知の標準的なポリヌクレオチド合成モードを使用して合成により作製することができる。例えば、Edgeら(1981) Nature 292: 756-762、Nambairら(1994) Science 223: 1299-1301、Jayら(1984) J. Biol. Chem. 259: 6311-6317を参照されたい。一般に、合成オリゴヌクレオチドは、Edgeら、上記およびDuckworthら(1981) Nucleic Acids Res. 9: 1691-1706によって記載されているホスホトリエステル方法またはBeaucageら(1981) Tet. Letts. 22: 1859およびMatteucciら(1981) J. Am. CHem. Soc. 103: 3185によって記載されているホスホルアミダイト方法によって作製することができる。合成オリゴヌクレオチドはまた、市販の自動オリゴヌクレオチド合成装置を使用して作製することができる。従って、ヌクレオチド配列は、特定のアミノ酸配列の適当なコドンを用いて設計することができる。
一般に、目的の宿主において発現するのに好ましいコドンが選択される。完全な配列は標準的な方法によって作製される重複オリゴヌクレオチドから集められ、完全なコード配列に集成される。例えば、Edgeら(上記)、Nambairら(上記)およびJayら(上記)を参照されたい。本明細書に使用する核酸配列を得る別の方法は組換え手段による。従って、望ましいヌクレオチド配列は、標準的な制限酵素および手法を使用してこれを保有するプラスミドから切断することができる。
部位特異的DNA切断は一般に当技術分野において理解されており、その特定なものは市販の制限酵素の製造業者によって明記されている条件下において、好適な制限酵素(または複数の酵素)で処理することによって実施される。望ましい場合には、切断された断片のサイズ分離は、標準的な技法を使用してポリアクリルアミドゲルまたはアガロースゲル電気泳動によって実施することができる。
制限酵素で切断した断片は、標準的な技法を使用して4つのデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTPs)の存在下において大腸菌DNAポリメラーゼの大型の断片で処理することによって平滑末端にすることができる。クレノー断片は5’ 側の1本鎖オーバーハングを補充するが、4つのdNTPsが存在しても3’側に突出する1本鎖を消化する。望ましい場合には、オーバーハングの性質によって決定される限度内で1つだけまたはいくつかの選択されたdNTPsを供給することによって選択的な修復を実施することができる。クレノー処理後、混合物を例えば、フェノール/クロロホルムで抽出して、エタノール沈殿することができる。
適当な条件下におけるS 1ヌクレアーゼまたはBLA-31による処理によって任意の1本鎖部分は加水分解される。
特定の核酸分子を単離するためのさらに別の便利な方法は、ポリメラーゼレンサ反応(PCR)による。Mullisら(1987) Methods Enzymol. 155: 335-350。この技法はDNAポリメラーゼ、通常熱安定性DNAポリメラーゼを使用して、DNAの望ましい領域を複製する。複製されるDNAの領域は、望ましいDNAの対向する末端および対向する鎖に双方的な特定の配列のオリゴヌクレオチドによって同定されて複製反応を開始する。複製の最初の回の産物はその後の複製の鋳型であり、複製サイクルを反復して連続して実施することにより使用するプライマー対が定めるDNA断片の幾何学的な増幅が実施される。この方法により、オリゴヌクレオチドプライマーに添加する配列を組み込むことによって、DNA産物の末端にヌクレオチド配列を容易に付加することもできる(例えば、PCRプロトコール、方法と応用指針(PCR Protocol, A Guide to Methods and Applications), Innisら、(編) Harcourt Brace Jovanovich Publishers, NY(1994)を参照されたい)。各増幅反応に使用するPCR条件は実験的に決定される。数多くのパラメーターが反応の成功に影響する。特に、アニーリング温度および時間、伸張時間、Mg2+およびATP濃度、pH並びにプライマー、鋳型およびデオキシリボヌクレオチドの相対的な濃度である。
望ましいタンパク質のコード配列が作製されまたは単離されたら、このような配列を任意の好適なベクターまたはレプリコンにクローニングすることができる。数多くのクローニングベクターが当業者に既知であり、適当なクローニングベクターの選択は選択可能である。当技術分野において既知の標準的な手法を使用して他の配列へのライゲーションを実施する。
以下に詳細に記載するように、望ましいタンパク質をコードする配列が、この発現構築物をコードするベクターによって形質転換された宿主組織のRNAに転写されるように、選択するヌクレオチド配列をプロモーターなどの調節配列の制御下に置くことができる。
プロモーター
本発明のポリヌクレオチドに選択された抗原の発現は、ウィルス、非-ウィルス、好ましくは哺乳類、細胞-(または組織-)特異的なプロモーターなどのプロモーターによって誘導される。好ましい態様において、プロモーター以外に、送達されるヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質配列の発現を調節することができる他の調節配列を付加することが望ましい場合がある。好適な追加の調節配列は当業者に既知であり、例として、調節化合物の存在を含む化学的または物理的刺激に応答してスイッチがオンまたはオフされるコード配列を発現させるものが挙げられる。他の種類の調節要素、例えば、エンハンサー配列がベクターに存在してもよい。
制御配列に対するコード配列の位置づけおよび配向によって、コード配列が制御配列の「制御」下において転写されるように、発現ベクターは、特定のコード配列が適当な調節配列を有するベクター内に位置するように構築される(すなわち、DNA分子の制御配列に結合するRNAポリメラーゼがコード配列を転写する)。関心対象の特定のタンパク質をコードする配列の改変はこの目的のために望ましい場合がある。例えば、いくつかの場合において、適当な配向を有する制御配列に結合するように配列を改変する、すなわち、リーディングフレームを維持することが必要な場合がある。制御配列および他の調節配列は、ベクターに挿入される前にコード配列にライゲーションすることができる。
または、コード配列は、制御配列および適当な制限部位をすでに含有する発現ベクターに直接クローニングすることができる。
一般に、本発明の方法に使用される核酸は、好適な制御配列および任意にサイトカインまたは他の免疫増強作用のあるポリペプチドをコードする補助的なヌクレオチド配列を有するコード領域を含有する。核酸分子は、一般に、レシピエント細胞に転写および翻訳を誘導するために必要な要素を含むベクターの形態で作製される。
アジュバント
被験者の免疫応答を増強するために、本明細書に記載する組成物および方法は、補助的な物質/アジュバントおよび薬剤などの本発明の化合物、サイトカイン等をさらに含むことができる。好適なアジュバントは、(本発明のポリヌクレオチドによって送達される場合を含めて)抗原に対する被験者の免疫応答を増強する任意の物質を含む。それらは、例えば、抗原/MHC複合体を安定化させることによって、より多くの抗原/MHC複合体を細胞表面に存在させることによって、APCsの成熟を増強することによってまたはAPCsの寿命を延長することによって(例えば、アポトーシスを阻止することによって)任意の数の経路に影響を与えることによって免疫応答を増強することができる。本明細書に記載するように、これらのサイトカインは、機能的ペプチドをコードするペプチドまたはポリヌクレオチドとして送達され、免疫応答を誘発する際にも有用である。
宿主の免疫応答(例えば、サイトカイン)を刺激、改変または調節することが既知のペプチドをコードする補助的な核酸配列を、上記の抗原をコードするポリヌクレオチドまたはペプチド抗原と共にポリヌクレオチドとして同時投与することができる。これらのヌクレオチドは、抗原をコードする配列を保有する同一のベクターで投与することもまたは別個のベクターで投与することもできる。いくつかの例では、抗原をコードする配列およびアジュバントをコードする配列が同一のプロモーターの制御下にあるポリヌクレオチドを設計することが望ましい場合がある。
ポリヌクレオチドおよびアジュバントの投与
本明細書に記載するポリヌクレオチド、アジュバントおよび補助的な物質(本発明の化合物を含む)は任意の好適な方法によって投与することができる(本発明の化合物は局所的または経皮的に投与される)。以下に記載する好ましい態様において、それらは、粒子にコーティングし、粒子を被験者または細胞に投与することによって投与される。しかし、それらはまた当技術分野において既知のウィルスベクターを使用することによってまたは例えば、米国特許第5,589,466号に記載されている非-ウィルス系を使用することによって送達することもできる。
ウィルスベクター
数多くのウィルスに基づいた系が遺伝子送達に使用されている。例えば、レトロウィルス系が既知であり、一般にウィルスの遺伝子の全てを発現するが、psi配列として既知のパッケージングシグナルの欠損のために自身のゲノムをパッケージングすることができない組み込まれた欠陥プロウィルス(「ヘルパー」)を有するパッケージング系統を使用する。従って、細胞系統は空のウィルス殻を産生する。産生株系統は、ヘルパー以外に、長い末端反復(LTRs)として既知のウィルスの複製およびパッケージングに必要な配列をcis内に含むウィルスベクターを含有するパッケージング系統から誘導することができる。関心対象の遺伝子はベクター内に挿入し、レトロウィルスヘルパーによって合成されるウィルス殻にパッケージングすることができる。次いで、組換えウィルスを単離し、被験者に送達することができる(例えば、米国特許第5,219,740号を参照されたい)。代表的なレトロウィルスベクターは、例えば、全体の内容が参照として本明細書に組み入れられている米国特許第5,219,740号に記載されているLHL、N2、LNSAL、LSHLおよびLHL2ベクターなどのベクター並びに本明細書に記載されている改変N2ベクターなどのこれらのベクターの誘導物が挙げられるが、これらに限定されない。レトロウィルスベクターは、当技術分野において既知の技法を使用して構築することができる。例えば、米国特許第5,219,740号、Mannら(1983) Cell 33: 153-159を参照されたい。
アデノウィルスに基づいた系は遺伝子送達のために開発されており、本明細書に記載されているポリヌクレオチドを送達するのに好適である。ヒトアデノウィルスは、受容体媒介性のエンドサイトーシスによって細胞に侵入する2本鎖DNAウィルスである。これらのウィルスは、増殖および操作が容易であり、インビボおよびインビトロにおいて広い宿主範囲を示すので、遺伝子導入に特に好適である。例えば、アデノウィルスは、造血、リンパ系および骨髄起源のヒト細胞に感染することができる。さらに、アデノウィルスは、静止状態および複製中の標的細胞に感染する。宿主のゲノムに組み込むレトロウィルスとは異なり、アデノウィルスは染色体外に存在するので、挿入突然変異に関連するリスクが最小になる。ウィルスは高い力価で容易に作製され、安定であるので、精製および保存することができる。複製可能な形態であっても、アデノウィルスは罹病率はごく低く、ヒトの悪性化に関連しない。従って、これらの利点を利用しているアデノウィルスベクターが開発されている。アデノウィルスおよびそれらの用途の記載は、例えば、Haj-AhmadおよびGraham(1986) J. Virol. 57: 267-274、Bettら(1993) J. Virol. 67: 5911-5921、Mitterederら(1994) Human Gene Therapy 5: 717-729、Sethら(1994) J. Virol. 68: 933-940、Barrら(1994) Gene Therapy 1: 51-58、Berkner, K. L. (1988) Bio Techniques 6: 616-629、Richら(1993) Human Gene Therapy 4: 461-476を参照されたい。
アデノ随伴ウィルスベクター(AAV)も本明細書に記載するポリヌクレオチドを投与するために使用することができる。AAVベクターは、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAVX7等を含むが、これらに限定されない任意のAAV血清型から誘導することができる。AAVベクターは、全てまたは一部を欠損するAAV野生型遺伝子、好ましくはrepおよび/またはcap遺伝子の1つ以上を有するが、隣接する機能的な1つ以上の逆方向末端反復(ITR)配列を保持することができる。機能的なITR配列はAAVビリオンのレスキュー、複製およびパッケージングに必要である。従って、AAVベクターは、ウィルスの複製およびパッケージング(例えば、機能的なITRs)に必要な配列を少なくともcisに含む。ITR配列は野生型ヌクレオチド配列である必要はなく、配列が機能的なレスキュー、複製およびパッケージングを提供する限り、例えば、ヌクレオチドの挿入、欠損または置換によって改変することができる。
AAV発現は、既知の技法を使用して、転写の方向に機能的に結合された成分として転写開始領域、関心対象のDNAおよび転写を含む制御要素を少なくとも提供するように構築される。制御要素は、哺乳類細胞において機能的であるように選択される。機能的に結合されている成分を含有する得られた構築物に機能的なAAV ITR配列が結合される(5’および3’)。好適なAAV構築物は、当技術分野において既知の技法を使用して設計することができる。例えば、米国特許第5,173,414号および同第5,139,941号、国際公報番号国際公開公報第92/01070号(1992年1月23日公開)および国際公開公報第93/03769号(1993年3月4日公開)、Lebkowskiら(1988) Molec. Cell. Biol. 8: 3988-3996、Vincentら(1990) ワクチン90(Vaccines 90) (Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Carter, B. J. (1992) Current Opinion in Biootechnology 3: 533539、Muzyczka, N. (1992) Current Topics in Microbiol. and Immunol 158: 97-129、Kotin, R. M. (1994) Human Gene Therapy 5: 703-801、Shelling and Smith (1994) Gene Therapy 1: 165-169およびZhouら(1994) J. Exp. Med. 179: 18671875を参照されたい。
薬学的製剤
アジュバント組成物を添加したまたは添加しない本発明の抗原およびポリヌクレオチドを含む製剤の製剤化または本発明の化合物の製剤の製剤化は、全てが当業者が容易に利用可能である標準的な薬学的製剤の化学および方法を使用して実施することができる。適当な場合には、本発明の化合物は以下に記載するように製剤化し、投与することもできる。
例えば、1つ異常の抗原または1つ以上の核酸分子(例えば、プラスミドまたはウィルスベクターの形態で存在する)を含有する組成物に薬学的に許容されうる1つ以上の賦形剤または担体と組み合わせて液体製剤を提供することができる。
湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質等などの補助的な物質が賦形剤または担体に存在してもよい。これらの賦形剤、担体および補助的な物質は、一般に、本発明の組成物を投与する個体に免疫応答を誘導せず、過度の毒性を生じることなく投与することができる薬剤である。
薬学的に許容されうる賦形剤には、水、生理食塩液、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、グリセロールおよびエタノールなどの液体が挙げられるが、これらに限定されない。製薬学的に許容されうる塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸等などの鉱物酸および酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩等などの有機酸の塩の塩も含まれてもよい。それらがワクチン組成物に含まれる予定の場合に、特にペプチド、タンパク質または他の同様の分子のための安定化剤として作用する薬学的に許容されうる賦形剤を製剤が含有することも、必要ではないが、好ましい。ペプチドの安定化剤としても作用する好適な担体の例には、薬学等級のデキストロース、スクロース、ラクトース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、デキストラン等が挙げられるが、これらに限定されない。
他の好適な担体には、デンプン、セルロース、リン酸ナトリウムまたはカルシウム、クエン酸、酒石酸、グリシン、高分子量ポリエチレングリコール(PEGs)およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容されうる賦形剤、担体および補助的な物質の十分な考察は、参照として本明細書に組み入れられているレミントンの薬科学(REMINGTONS PHARMACEUTICAL SCIENCES)(Mack Pub. Co., N. J. 1991)において利用可能である。
例えば、ブピバカイン、カルジオトキシンおよびスクロースなどの促進因子並びに通常核酸分子を送達するために使用されるリポソームまたは脂質製剤などのトランスフェクション促進担体のような、核酸取り込みおよび/または発現のある種の促進因子(「トランスフェクション促進剤」)も例えば、非-ウィルスベクター組成物に含むことができる。陰イオン性および中性リポソームは、核酸分子を送達するために広範に利用可能であり、既知である。(例えば、(リポソーム:実用方法(Liposomes: A Practical Approach) RPC New Ed., IRL Pressを参照されたい)。
陽イオン脂質製剤も、核酸分子の送達に使用するために既知の担体である。好適な脂質製剤には、商標名Lipofectinとして入手可能なDOTMA(N-[1-(2,3ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロライド)およびDOTAP(1,2-ビス(オレイルオキシ)-3-(トリメチルアンモニオ)プロパン)が挙げられる。例えば、Felgnerら(1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 7413-7416、Maloneら(1989) Proc. NAtl. Acad. Sci. USA 86: 6077-6081、米国特許第5,283,185号および同第5,527,928号並びに国際公開番号国際公開公報第90/11092号、国際公開公報第91/15501号および国際公開公報第95/26356号を参照されたい。これらの陽イオン脂質は、好ましくは、中性脂質、例えば、DOPE(ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)と関連して使用することができる。上記脂質またはリポソーム製剤に添加することができるさらに別のトランスフェクション促進組成物には、スペルミン誘導体(例えば、国際公開番号国際公開公報第93/18759号を参照されたい)およびGALA、グラミシジンSおよび陽イオン短銃酸塩などの膜透過性化合物(例えば、国際公開番号国際公開公報第93/19768号を参照されたい)。
または、本発明の抗原または核酸分子は粒子状担体で封入、粒子状担体に吸着または粒子状担体に結合することができる。好適な微粒子担体には、ポリメチルメタクリレートポリマーから誘導されるものおよびポリ(ラクタイド)およびポリ(ラクタイド-コ-グリコライド)から誘導されるPLG微粒子が挙げられる。例えば、Jefferyら(1993) Pharm. Res. 10: 362368を参照されたい。他の粒子状系およびポリマー、例えば、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、スペルミン、スペルミジンなどのポリマーおよびこれらの分子の結合物も使用することができる。
従って、製剤化されたワクチン組成物は、典型的には、免疫学的応答を増加するのに十分な量の関心対象の抗原をコードする配列を含有する抗原またはポリヌクレオチド(例えば、プラスミド)を含む。適当な有効量は当業者によって容易に理解することができる。このような量は、通常の治験により決定することができる比較的広い範囲に入る。抗原の場合には、10μg〜1g、例えば、100μg〜0.1gを使用することができる。免疫応答は、1 pg程度のDNAを使用して得られているが、他の投与では、最高2 mgのDNAが使用されている。ゲノム断片を含有するポリヌクレオチドの有効な量は約10 pg〜1000μgの範囲内であるが、この範囲を超える用量およびこの範囲より少ない量も有効であることが見出される場合もあることが一般に予想される。従って、組成物は、本発明の抗原、ポリヌクレオチドまたは化合物を約0.1%〜約99.9%を含有することができる。本発明の化合物の場合には、1μg〜10gが典型的に投与され、好ましくは0.1mg〜50mg、最も好ましくは1mg〜5mgが投与される。
薬学的製剤の投与
典型的には、本発明の化合物(一般に上記の量)が、直径1〜6cm、好ましくは2〜4cmの領域に(局所的または経皮的に)適用される。
化合物は、一般に、抗原またはポリヌクレオチドを投与する部位に適用される(または、その部位の2cm以内などのその近辺)。別の態様では、化合物は、抗原またはポリヌクレオチドを投与する部位の流入領域リンパ節などの抗原またはポリヌクレオチドを投与する部位に免疫学的に関連する部位に適用される。
上記の薬学的製剤(抗原またはポリヌクレオチドを含有する)の投与は、1回以上の投与(典型的には2、3、4回以上の投与)で実施することができる。本発明の化合物は、抗原またはポリヌクレオチドの少なくとも1回の投与、例えば、抗原またはポリヌクレオチドの2、3、4回以上の投与の少なくとも各回の12〜36時間後に投与される。
送達は、粒子状組成物を含有する液体組成物および液体懸濁液のための従来の針およびシリンジを介してもよい。また、種々の液体ジェット式注射器が当技術分野において既知であり、本発明の組成物を投与するために使用することができる。最も効果的な投与手段および投与量を決定する方法は当業者に既知であり、送達担体、治療組成物、標的細胞および治療対照の被験者によって異なる。単回投与および多数回投与が実施されることがあり、用量レベルおよびパターンは担当医によって選択される。複数の抗原が投与されうること、または複数の抗原配列がポリヌクレオチドベクター構築物によって保持されうることを理解されたい。
または、一つ以上の抗原を発現する配列を各々含む別個のベクター(例えばプラスミドまたはウイルスベクター)は、本明細書に記載のように被験者に送達することもできる。
さらに、抗原またはポリヌクレオチドを他の好適な組成および治療と併用することができる。例えば、被験者の免疫応答を増加するために、本明細書に記載する組成物および方法は、薬剤、サイトカイン等などの補助的な物質(例えば、アジュバント)をさらに含むことができる。例えば、タンパク質または他の高分子のような補助的な物質を、本明細書に記載するポリヌクレオチドの投与と同時、投与の前または投与の後に投与することができる。核酸分子組成物は、当業者に既知の方法を使用して被験者に直接投与されてもまたは別の方法として、被験者由来の細胞に半ビボにおいて送達することもできる。
コーティング粒子
一態様において、本発明のポリヌクレオチド(例えば、DNAワクチン)、アジュバントおよび/または化合物は担体粒子(例えば、コア担体)を使用して送達される。このような製剤を送達する粒子媒介性方法は当技術分野において既知である。従って、上記の物質は、作製し、好適に精製されると、当技術分野において既知の種々の技法を使用して担体粒子(例えば、コア担体)にコーティングすることができる。担体粒子は、適当な粒子媒介性送達装置からの細胞内送達のために典型的に使用される粒子サイズの範囲内の好適な密度を有する材料から選択される。最適な担体粒子サイズは、当然のことながら、標的細胞の径に依存する。または、コロイド金粒子を使用することができ、コーティングしたコロイド金は組織(例えば、皮膚または筋肉)に投与(例えば、注射)され、その後免疫担当細胞に取り込まれる。
本発明の目的のためには、タングステン、金、白金およびイリジウム担体粒子を使用することができる。タングステンおよび金粒子が好ましい。タングステン粒子は、径0.5〜2.0 umの平均サイズが容易に入手可能である。このような粒子は粒子加速送達方法に使用するのに最適な密度を有し、DNAによる効率の高いコーティングを可能にするが、タングステンはある種の細胞種に毒性を生じる可能性がある。金粒子または微結晶金(例えば、粉末A1570、Engelhard Corp., East Newark, NJから入手可能金)も本発明に用途を見出している。金粒子はサイズが均一である(粒子サイズ1〜3 umはAlpha Chemicalsから入手可能であり、0.95 umを含む粒子サイズの範囲はDegussa, South Plainfield, NJから入手可能である)。
数多くの方法が既知であり、金またはタングステン粒子にDNAまたはRNAをコーティングまたは沈降するために記載されている。ほとんどのこのような方法は、一般に、所定の量の金またはタングステンにプラスミドDNA、CaCl2およびスペルミジンを組み合わせる。得られた溶液は、コーティング手法中連続的に撹拌し、反応混合物の均一性を確実にする。核酸の沈降後、コーティングした粒子を好適な膜に移し、使用前に乾燥し、試料モジュールもしくはカセットの表面にコーティングするかまたは好適な粒子送達装置に使用するための送達カセットに添加することができる。
ペプチドアジュバント(サイトカイン)も好適な担体粒子、例えば、金またはタングステンにコーティングすることができる。例えば、実験的に決定された比で2つの成分を単純に混合することによって、硫酸アンモニウム沈降もしくは当業者に既知の他の溶媒沈降法によってまたは担体粒子にペプチドを化学的に結合することによってペプチドを担体粒子に結合することができる。金へのL-システイン残基の結合は以前に記載されている(Brownら、Chemical Society Reviews 9: 271-311(1980))。他の方法は、例えば、ペプチドを無水エタノール、水またはアルコール/水混合物に溶解する段階と、このよう液を一定量の担体粒子に添加する段階と、次いで撹拌しながら、空気または窒素の気流下において混合物を乾燥する段階を含む。または、ペプチド抗原は、真空下におい遠心分離によって担体粒子上で乾燥させることができる。コーティングされた粒子は、一旦乾燥されると、好適な溶媒(例えば、酢酸エチルまたはアセトン)に再懸濁させ、粉砕して(例えば、超音波処理によって)、実質的に均一な懸濁液を提供することができる。
コーティングした粒子の投与
核酸製剤またはペプチドもしくはタンパク質アジュバント製剤または本発明の化合物をコーティングした担体粒子は、形成されると、粒子媒介性送達技法を使用して例えば、経皮的に被験者に送達される。粒子媒介性送達技法に好適な種々の粒子送達装置は当技術分野において既知であり、全て本発明を実施する際に使用するのに好適である。現在の装置設計は、標的細胞にコーティングしたコア担体粒子を噴射するために爆発的、電気的またはガス放出を使用している。コーティングした粒子は、可動性キャリアシートに剥離可能であるように結合することができ、またはガスの流動が通過する表面に離脱可能であるように結合し、粒子を表面から持ち上げ、それらを標的に向かわせることができる。ガス放出装置の一例は米国特許第5,204,253号に記載されている。爆発型装置は米国特許第4,945,050号に記載されている。電気的放出型粒子加速装置の一例は米国特許第5,120,657号に記載されている。本明細書に使用するために好適な別の電気的放出装置は米国特許第5,149,655号に記載されている。これらの特許の全ての開示内容は全体の内容が参照として本明細書に組み入れられている。
コーティングされた粒子は、投与製剤に適合する方法で、望ましい免疫応答を生じるのに有効な量が治療対象の被験者に投与される。核酸分子の場合には、一般に用量あたり0.001〜100.0μg、さらに典型的には0.01〜10.0μgの核酸分子、本発明の抗原ペプチドまたはタンパク質分子または化合物の場合には、1μg〜5mg、さらに典型的には1〜50ugのペプチドである送達される組成物の量は、治療対象の被験者に依存する。正確な必要量は、免疫化される個体の年齢および全身状態並びに選択した特定のヌクレオチド配列またはペプチド並びに他の因子に応じて変わる。適当な有効量は、本明細書を読むと当業者によって容易に決定されうる。
従って、本明細書に記載されている抗原またはそれをコードする核酸または本発明の化合物の有効量は、免疫化した被験者に好適な免疫応答を生じるのに十分であり、通常の治験により決定することができる比較的広い範囲に入る。好ましくは、コーティングされた粒子は、治療後の被験者に免疫応答(例えば、T-細胞活性化)を生じるために好適なレシピエント細胞に送達される。
粒子状組成物
または、本発明の抗原、ポリヌクレオチド、アジュバントまたは化合物は粒子状組成物として製剤化することができる。これは、全てが当業者に容易に利用可能である標準的な薬学的製剤の化学および方法を使用して実施することができる。
粒子状組成物は許容されうる賦形剤または担体を含む。湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質等などの補助的な物質が賦形剤または担体に存在してもよい。これらの賦形剤、担体および補助的な物質は、一般に、組成物を投与する個体に免疫応答を誘導せず、過度な毒性を生じることなく投与することができる薬剤である。薬学的に許容されうる賦形剤には、水、生理食塩液、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、グリセロールおよびエタノールなどの液体が挙げられるが、これらに限定されない。製薬学的に許容されうる塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸等などの鉱物酸および酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩等などの有機酸の塩の塩も含まれてもよい。特にペプチド、タンパク質または他の同様の抗原のための安定化剤として作用する薬学的に許容されうる担体を抗原組成物が含有することも、必要ではないが、好ましい。
ペプチドの安定化剤としても作用する好適な担体の例には、薬学等級のデキストロース、スクロース、ラクトース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、デキストラン等が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な担体には、デンプン、セルロース、リン酸ナトリウムまたはカルシウム、クエン酸、酒石酸、グリシン、高分子量ポリエチレングリコール(PEGs)およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容されうる賦形剤、担体、安定化剤および補助的な物質の十分な考察は、参照として本明細書に組み入れられているレミントンの薬科学(REMINGTONS PHARMACEUTICAL SCIENCES)(Mack Pub. Co., N. J. 1991)において利用可能である。
製剤化された組成物は、上記に規定するように、免疫学的応答を増加するのに十分な量の本発明の抗原、ポリヌクレオチド、または化合物を含む。適当な有効量は当業者によって容易に決定されうる。このような量は比較的広い範囲に入り、一般に約0.1μg〜25mg以上の範囲内であり、具体的な好適な量は通常の治験により決定されうる。組成物は約0.1%〜約99.9%の抗原を含有することができる。アジュバントが組成物に含まれる場合または本発明の方法が粒子状アジュバント組成物を提供するために使用される場合には、アジュバントは上記の好適な量が存在する。次いで、単純な留去(空気乾燥)、真空乾燥、スプレー乾燥、凍結乾燥(凍結乾燥)、スプレー-凍結乾燥、スプレーコーティング、沈降、超臨界流体粒子形成等などの標準的な技法を使用して組成物を粒子として製剤化する。望ましい場合には、参照として本明細書に組み入れられている共通の所有である国際公開番号国際公開公報第97/48485号に記載されている技法を使用して、得られた粒子を緻密化することができる。
これらの方法は、約0.1〜約250 um、好ましくは約10〜約150 um、最も好ましくは約20〜約60 umの範囲のサイズおよび約0.1〜約25g/cm3の粒子密度および約0.5〜3.0g/cm3以上のバルク密度を有するポリヌクレオチド粒子を得るために使用することができる。
同様に、約0.1〜約250 um、好ましくは約0.1〜約150 um、最も好ましくは約20〜約60 umの範囲のサイズ、約0.1〜約25g/cm3の範囲の粒子密度および好ましくは約0.5〜約3.0g/cm3、最も好ましくは約0.8〜約1.5g/cm3のバルク密度を有する本発明の抗原、アジュバントまたは化合物の粒子を得ることができる。
粒子状組成物の投与
粒子状組成物(例えば、粉末)は、形成後、好適な経皮的粒子送達技法を使用して脊椎動物組織に経皮的に送達することができる。関心対象の物質を投与するのに好適な種々の粒子送達装置が当技術分野において既知であり、本発明を実施する際に用途を見出している。特に好ましい経皮的粒子送達システムは、制御された用量の固体粒子を無傷の皮膚および組織内およびそれらを介して放出するために無針シリンジを使用する。例えば、無針シリンジ(「パワージェット粒子送達装置」としても既知)について記載している、Belhouseらに付与された米国特許第5,630,796号を参照されたい。他の無針シリンジ構成が当技術分野において既知であり、本明細書において記載されている。
次いで、経皮的な送達技法を使用して粒子状の組成物を投与することができる。好ましくは、粒子状組成物は、高圧注射法を介して送達され、例えば、全てが参照として本明細書に組み入れられている共通の所有の国際公開番号国際公開公報第94/24263号、国際公開公報第96/04947号、国際公開公報第96/12513号および国際公開公報第96/20022号に記載されているものなどの無針シリンジから送達される。このような粒子送達装置からの粒子の送達は、一般に0.1〜250 umの範囲、好ましくは約10〜70 umの範囲の適当なサイズを有する粒子を用いて実施される。約250 umより大きい粒子も装置を用いて送達することができ、上限は、粒子サイズが皮膚細胞に有害な障害を生じると思われる点である。送達される粒子が標的表面を貫通する実際の距離は、粒子サイズ(例えば、公称粒子径はほぼ球形の粒子幾何学を取る)、粒子密度、粒子が表面に衝突する初速度並びに標的とされる皮膚組織の密度および運動学的粘性に依存する。これに関しては、無針注射に使用するための最適な粒子密度は、一般に、約0.1〜25 g/cm3、好ましくは約0.9〜1.5 g/cm3の範囲であり、注射速度は、一般に、約100〜3,000 m/sec以上の範囲である。適当なガス圧では、平均径が10〜70 umの粒子は、誘導ガス流動の超音速速度に近い速度でノズルを介して加速されうる。
望ましい場合には、これらの粒子送達装置(例えば、無針シリンジ)は、関心対象の抗原および/または選択したアジュバントを含む粒子の好適な用量を含有する負荷前の状態で提供される。負荷後のシリンジは、上記のようにラベルをさらに付けることができる密閉容器に詰めることができる。
本明細書に記載する治療的に有効な量の粉末分子を含有する組成物は、上記の粒子送達装置により任意の好適な標的組織に送達されうる。例えば、組成物は、筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ液、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺および結合組織に送達されうる。核酸分子では、送達は、好ましくは、分子が発現される最終分化細胞に実施されるが、分子は血液の幹細胞および皮膚線維芽細胞などの非分化または部分的に分化した細胞にも送達されうる。
粉末状組成物は、投与製剤に適合する方法で、予防的および/または治療的に有効な量が治療対象の被験者に投与される。送達される組成物の量は、一般に用量あたり0.5μg/kg〜100μg/kgの核酸分子の範囲であるが、治療対象の被験者に依存する。
用量は50 kgの被験者に対して0.5μg程度であってもまたは約0.01μg/kgであってもよい。生理学的に活性なペプチドおよびタンパク質などの他の薬剤の用量は、一般に約0.1μg〜約20 mg、好ましくは10μg〜約3 mgの範囲である。正確な必要量は、治療対象の個体の年齢および全身状態、治療される状態の重症度、送達される特定の製剤、投与部位並びに他の因子に応じて変わる。適当な有効量は、当業者によって容易に決定されうる。
従って、本発明の粒子状組成物の「治療的に有効な量」は疾患または状態の症状の治療または予防を生じるのに十分であり、通常の治験で決定することができる比較的広い範囲に入る。
本発明の化合物を送達するための好ましい製剤
本発明の化合物は、薬物の局所的または経皮的送達に好適な薬学的製剤の形態で投与される。製剤は、治療的に有効な量の本発明の化合物と、一般に薬学的に許容されうる担体を含む。典型的には、本発明の化合物は、製剤中で、製剤の総重量に対して約0.05〜20重量パーセント、好ましくは0.5〜約10重量パーセントの量が存在する。好ましい態様において、製剤は約2〜約7重量パーセントの本発明の化合物、例えば約5パーセントを含有する。
典型的には、製剤はクリーム、軟膏または絆創膏(adhesive coating)(感圧性絆創膏(adhesive coating)または接着剤をコーティングしたシート材など)の形態である。製剤は、薬物の皮膚透過性を増強する物質をさらに含んでもよい。
製剤は、好ましくは実質的に刺激性がない。このような製剤は、参照として本明細書に組み入れられている、米カンザス州Topekaの食品医薬品協会によって1959年に初版が発行された食品医薬品局の薬理学部門作製のDraizeら、「食品、薬物および化粧品における化合物の安全性評価(Appraisal of the Safety of Chemicals in Food, Drugs and Cosmetics)」に記載されているものなどの白ウサギにおける従来の反復皮膚刺激試験において許容されない皮膚刺激を生じない(第2版は1965年に印刷)。
イソステアリン酸、オレイン酸またはそれらの混合物などの脂肪酸が本発明の製剤に組み入れられる。製剤に存在する脂肪酸の総量は、製剤の総重量に対して約3重量パーセント〜約45重量パーセント、好ましくは約5重量パーセント〜約25重量パーセントである。
製剤は、好ましくは、本発明の化合物と、任意に脂肪酸を含有するクリームである。クリームは、一般に、混合物中に油相と水相を含む。
任意に、本発明の製剤(特に、それがクリームまたは軟膏の場合には)皮膚軟化剤、乳化剤、増粘剤および/または保存剤を1種以上含有することができる。
皮膚軟化剤は、典型的には、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびセテアリルアルコールなどの長鎖アルコール、ワセリンおよび軽油などの炭化水素またはアセチル化ラノリンである。製剤中の皮膚軟化剤の総量は、好ましくは、製剤の総重量に対して約5重量パーセント〜約30重量パーセント、さらに好ましくは約5重量パーセント〜約10重量パーセントである。
乳化剤は、典型的には、非イオン界面活性剤、例えば、ポリソルベート60(ICI Americas製)、モノステアリン酸ソルビタン、ポリグリセリル-4-オレエートおよびポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルまたは3価陽イオンである。一般に、乳化剤の総量は、好ましくは、製剤の総重量に対して約2重量パーセント〜約14重量パーセントであり、さらに好ましくは約2重量パーセント〜約6重量パーセントである。
Veegum. TM.K(R.T. Vanderbilt Company, Inc.製)および長鎖アルコール(すなわち、セチルアルコール、ステアリルアルコールまたはセテアリルアルコール)などの薬学的に許容されうる増粘剤を使用することができる。存在する増粘剤の総量は、好ましくは、製剤の総量に対して約3重量パーセント〜約12重量パーセントである。
メチルパラベン、プロピルパラベンおよびベンジルアルコールなどの保存剤が製剤に存在してもよい。このような保存剤の適当な量は当業者に既知である。
任意に、ベンジルアルコール、乳酸、酢酸、ステアリン酸または塩酸などの追加の可溶化剤が製剤に含まれることもある。追加の可溶化剤を使用する場合には、存在する量は、好ましくは、クリームの総重量に対して約1重量パーセント〜約12重量パーセントである。
任意に、製剤は、グリセリンなどの保湿剤およびステアリン酸ブチルなどの皮膚透過増強剤を含有することができる。
1つのクリームにおいて1つの成分が2つ以上の機能を果たすことがある、すなわち、セチルアルコールが皮膚柔軟剤および増粘剤として作用することができることは当業者に既知である。
一般に、本発明のクリームは、油相と水相が混合されたものからなり、エマルジョンを形成する。好ましくは、本発明のクリームに存在する水の量は、クリームの総重量に対して約45重量パーセント〜約85重量パーセントである。
製剤が軟膏である場合には、ワセリンまたはポリエチレングリコール400(Union Carbide製)をポリエチレングリコール3350(Union Carbide製)と組み合わせたものなどの薬学的に許容されうる軟膏基剤を使用することができる。本発明の軟膏に存在する軟膏基剤の量は、好ましくは、軟膏の総重量に対して約60重量パーセント〜約95重量パーセントである。
好ましい態様において、製剤は、イソステアリン酸(isotearic acid)、セチルアルコール、ステアリルアルコール、白色ワセリン、ポリソルベート60、モノステアリン酸ソルビタン、グリセリン、キサンタンガム(xanthum gum)、精製水、ベンジルアルコール、メチルパラベンおよびプロピル-パラベンを含む水中油型クリーム基剤を含むクリームである。このようなクリームは、5%イミキモドを含有するアルダラ-イミキモドクリームの形態であってもよい。
別の好ましい態様において、製剤は、本発明の化合物約1パーセント、イソステアリン酸約10パーセント、ベンジルアルコール約2パーセント、セチルアルコール約2.2パーセント、ステアリルアルコール約3.1パーセント、ポリソルベート60約2.55パーセント、モノステアリン酸ソルビタン約0.45パーセント、グリセリン約2パーセント、メチルパラベン約0.2パーセント、プロピルパラベン約0.02パーセントおよび精製水約76.48パーセントを含み、全ての割合は製剤の総重量に対してである。
別の態様において、製剤は、本発明の化合物約1パーセント、イソステアリン酸約10パーセント、セチルアルコール約6パーセント、ポリソルベート60約2.55パーセント、モノステアリン酸ソルビタン約0.45パーセント、グリセリン約2パーセント、メチルパラベン約0.2パーセント、プロピルパラベン約0.02パーセントおよび精製水約77.78パーセントを含み、全ての割合は製剤の総重量に対してである。
本発明のさらに別の態様は、本発明の化合物約1パーセント、イソステアリン酸約10パーセント、ベンジルアルコール約2パーセント、セチルアルコール約1.7パーセント、ステアリルアルコール約2.3パーセント、ポリソルベート60約2.55パーセント、モノステアリン酸ソルビタン約0.45パーセント、グリセリン約2パーセント、メチルパラベン約0.2パーセント、プロピルパラベン約0.02パーセントおよび精製水約77.78パーセントを含み、全ての割合は製剤の総重量に対してである。
製剤は、本発明の化合物約5パーセント、イソステアリン酸約25パーセント、ベンジルアルコール約2パーセント、セチルアルコール約2.2パーセント、ステアリルアルコール約3.1パーセント、ワセリン約3パーセント、ポリソルベート60約3.4パーセント、モノステアリン酸ソルビタン約0.6パーセント、グリセリン約2パーセント、メチルパラベン約0.2パーセント、プロピルパラベン約0.02パーセントおよび精製水約53.48パーセントを含んでもよく、全ての割合は製剤の総重量に対してである。
または、製剤は、本発明の化合物約1パーセント、イソステアリン酸約5パーセント、ワセリン約15パーセント、軽油約12.8パーセント、ステアリン酸アルミニウム約8パーセント、セチルアルコール約4パーセント、ポリグリセリル-オレエート約3パーセント、アセチル化ラノリン約1パーセント、プロピルパラベン約0.063パーセント、Veegum K約1パーセント、メチルパラベン約0.12パーセントおよび精製水約49.02パーセントを含んでもよく、全ての割合は製剤の総重量に対してである。
本発明の感圧性接着剤組成物は、一般に、本発明の化合物、脂肪酸および感圧性接着剤ポリマーを含む。本発明の感圧性接着剤組成物に存在する本発明の化合物の量は、好ましくは、接着剤組成物の総量の約0.5重量パーセント〜約9重量パーセント、さらに好ましくは約3重量パーセント〜約7重量パーセントである。存在する脂肪酸の量は、好ましくは、接着剤組成物の総重量の約10重量パーセント〜約40重量パーセント、さらに好ましくは約15重量パーセント〜約30重量パーセントである。
好ましくは、本発明の感圧性接着剤組成物に使用される接着剤ポリマーは、本発明の化合物に実質的に化学的に不活性である。接着剤ポリマーは、好ましくは組成物の総重量に対して約55重量パーセント〜約85重量パーセントの量が存在する。好適な接着剤ポリマーには、主要な成分として(すなわち、ポリマーの総モノマーの少なくとも約80重量パーセント)、炭素原子数4〜10のアルキルアルコールの疎水性モノマーアクリル酸またはメタクリル酸エステルを含有するアクリル接着剤が挙げられる。好適なモノマーの例は、「Aモノマー(A Monomer)」に関連して以下に考察されているものである。これらの接着剤ポリマーは、以下に掲載する「B モノマー(B Monomers)」などの少量の他のモノマーをさらに含有してもよい。
好ましい接着剤には、以下のようにAおよびBモノマーを含有するアクリル系感圧性接着剤コポリマーが挙げられる:モノマーAは、炭素原子数4〜10、好ましくは炭素原子数6〜10、さらに好ましくは炭素原子数6〜8、最も好ましくは炭素原子数8のアルキルアルコールの疎水性モノマーアクリル酸またはメタクリル酸エステルである。好適なAモノマーの例は、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-イソヘプチル、n-ノニル、n-デシル、イソヘキシル、2-エチルオクチル、イソオクチルおよび2-エチルヘキシルアクリレートである。最も好ましいAモノマーはイソオクチルアクリレートである。
モノマーBは、アクリル酸、メタクリル酸、アルキル基の炭素原子数が1〜3であるアルキルアクリレートおよびメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、第三ブチルアクリルアミドなどの低級アルキル置換アクリルアミド(すなわち、アルキル基が炭素原子数1〜4である) 、ジアセトンアクリルアミド、n-ビニル-2-ピロリドン、ビニル第三ブチルエーテルなどのビニルエーテル、無水マレイン酸の誘導体などの置換エチレン、ジメチルイタコネートおよびモノエチルホルメートおよびビニルパーフルオロ-n-ブチレートからなる群より選択される強化モノマーである。好ましいBモノマーはアクリル酸、メタクリル酸、上記のアルキルアクリレートおよびメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミドおよび上記の低級アルキル置換アクリルアミドである。最も好ましいBモノマーはアクリルアミドである。
本発明の感圧性接着剤組成物の一態様において、上記のAおよびBモノマーを含有する感圧性接着剤コポリマーは、好ましくは、コポリマーの全モノマーの総重量に対して約80重量パーセント〜約98重量パーセントの量のAモノマーを含有する。Aモノマーは、さらに好ましくは、約88重量パーセント〜約98重量パーセントの量が存在し、最も好ましくは、約91重量パーセント〜約98重量パーセントの量が存在する。このようなコポリマーのBモノマーは、好ましくは、コポリマーのモノマーの総重量に対して約2重量パーセント〜約20重量パーセント、さらに好ましくは約2重量パーセント〜約12重量パーセント、最も好ましくは2〜9重量パーセントの量が感圧性接着剤コポリマーに存在する。
本発明の感圧性接着剤組成物の別の態様において、接着剤コポリマーはコポリマーの全モノマーの総重量に対して約60〜約80重量パーセント(好ましくは、約70〜約80重量パーセント)のアルキルアルコールの上記疎水性モノマーアクリル酸またはメタクリル酸エステル(すなわち、上記のモノマーA)、コポリマーの全モノマーの総重量に対して約4〜約9重量パーセントの、アクリル酸、メタクリル酸、アルキル基の炭素原子数が1〜3のアルキルアクリレートまたはメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、低級アルキル置換アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドおよびN-ビニル-2-ピロリドンからなる群より選択される強化モノマーおよびコポリマーの全モノマーの総重量に対して約15〜約35重量パーセント(好ましくは、約15重量パーセント〜約25重量パーセント)のビニルアセテートを含む。この態様では、好ましいアクリル酸またはメタクリル酸エステルはイソオクチルアクリレートであり、好ましい強化モノマーはアクリルアミドである。
上記の接着剤コポリマーは既知であり、製造方法は当業者に既知であり、例えば、開示内容が参照として本明細書に組み入れられている米国特許第24,906(Ulrich)に記載されている。重合反応は、有機ペルオキシド(例えば、ベンゾイルペルオキシド)または有機アゾ化合物(例えば、DuPont製の商標名「Vazo 53」で入手可能な2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))などのフリーラジカル開始剤を使用して実施することができる。
上記のものなどの感圧性接着剤は本質的に弾性および粘性で、好適に熱および光安定性であるので、増粘剤または安定化剤を添加する必要性がない。しかし、望ましい場合には、これを添加することができる。
任意に、本発明の感圧性接着剤組成物(または実際には本明細書に記載する任意の他の組成物)は、モノラウリン酸グリセリル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピルおよびN,N-ジメチルドデシルアミン-N-オキシドなどの皮膚透過増強剤を1種以上を1つの成分としてまたは2つ以上の成分の組み合わせとして含有することもできる。皮膚透過増強剤は、好ましくは、感圧性接着剤ポリマーまたはコポリマーと実質的に均質な混合物を形成する。本発明の感圧性接着剤組成物に存在する皮膚透過増強剤の総量は、好ましくは、接着剤組成物の総重量に対して約3重量パーセント〜約25重量パーセント、さらに好ましくは約3重量パーセント〜約10重量パーセントである。
皮膚透過増強剤が1つの製剤である場合には、好ましくは、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、オレイン酸エチルまたはモノラウリン酸グリセリルなどの皮膚透過増強剤である。皮膚透過増強剤の組み合わせを使用する場合には、好ましくは、オレイン酸エチルとモノラウリン酸グリセリル、オレイン酸エチルとN,N-ジメチルドデシルアミン-N-オキシド、モノラウリン酸グリセリルとN,N-ジメチルドデシルアミン-N-オキシドおよびオレイン酸エチルとモノラウリン酸グリセリルおよびN,N-ジメチルドデシルアミン-N-オキシドなどの組み合わせである。
上記の感圧性接着剤組成物は、好ましくは、フィルムなどのシート材の好適なバッキングの表面にコーティングされて、感圧性接着剤コーティングシート材を形成する。本発明の感圧性接着剤コーティングシート材は、湿式接着剤を所定の均一な厚さまで好適な剥離ライナーにナイフコーティングすることによって作製することができる。次いで、接着剤をコーティングしたこの剥離ライナーを乾燥し、従来の方法を使用してバッキングに積層する。好適な剥離ライナーには、Daubert Co.製の商標名Daubert 164Zとして入手可能なものなどの好適なシリコーン型コーティングをコーティングした、ポリエステルウェブ、ポリエチレンウェブまたはポリスチレンウェブまたはポリエチレンコーティング紙などの既知のシート材を含む従来の剥離ライナーが挙げられる。バッキングは、適宜密閉、非-密閉または通気性フィルムであってもよい。バッキングは、ポリエチレン、特に低密度ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ランダム配向ナイロン繊維、ポリプロピレン、エチレン-ビニルアセテートコポリマー、ポリウレタン、レーヨン等などの感圧性接着剤テープの従来の材料のいずれであってもよい。ポリエチレン-アルミニウム-ポリエチレン複合体などの層状化されたバッキングも好適である。バッキングは、接着剤コーティングの成分と実質的に無反応でなければならない。本発明の好ましいバッキングは低密度ポリエチレンである。
本発明の感圧性接着剤をコーティングしたシート材は、テープ、パッチ、シート、包帯または当業者に既知の任意の他の形態などの物品の形態で製造されうる。
好ましくは、パッチ形態の物品は、本発明の接着剤をコーティングしたシート材から製造され、哺乳類の皮膚に適用される。パッチは、適宜、新鮮なパッチと交換されて、本発明の化合物の特定の望ましい治療効果を維持する。
本発明の方法に使用するのに好適な製剤は、従来技術、例えば、(本発明の方法に使用するための好ましい製剤を開示している)US-A-5,238,944号、US-A-4,689,338号、(ニトログリセリンの皮膚透過増強剤としてのオレイン酸エチルとモノラウリン酸グリセリルの組み合わせの用途を開示しており、3つの成分は全て経皮的パッチの接着剤層に含有される)米国特許第4,751,087号、(水性系における皮膚透過増強剤としてのN,N-ジメチルドデシルアミン-N-オキシドの用途を開示している)米国特許第4,411,893号、(吸収-増強量の炭素原子数6〜12の少なくとも1種の脂肪酸と任意に脂肪酸モノグリセリドを含む担体に分布した薬理学的に活性な薬剤を含む容易に吸収可能な薬学的組成物を開示している)米国特許第4,722,941号、(無傷の皮膚を介して経皮的に送達可能な薬物の経皮的流入を増強するためにモノラウリン酸グリセリルを使用する方法を開示している)米国特許第4,746,515号に記載されている。
以下は、本発明を実施するための具体的な態様の実施例である。実施例は、例示の目的だけのために提供されており、いかなる意味においても本発明の範囲を限定する意図のものではない。
実施例
材料および方法
プラスミド
B型肝炎表面抗原(HBsAg)による免疫化のために、HCMVプロモーター/エンハンサーを含有するプラスミドを使用して、HBsAgの発現を誘導した。1つの実験では、本発明者らは、ケラチン14プロモーターをHCMVプロモーターの代わりに使用したプラスミドも使用した。このプロモーターは、発現パターンがさらに制限されており、多数の細胞種において発現されるHCMVプロモーターと異なって、皮膚においてだけ発現されることが予想される。
HSV-2抗原による免疫化では、いくつかの場合において、HCMVプロモーターを使用するgDまたはgBタンパク質を発現する単一遺伝子のプラスミドを使用した。単一遺伝子のプラスミドは、PCRによってゲノム配列を増幅し、pTARGET発現ベクターにPCR断片を挿入することによって作製した。いくつかの例において、HSV-2のゲノム断片を、本発明者らがサブゲノムワクチンと呼ぶ免疫化に使用した。これらはHCMVプロモーターを使用しないで、断片に存在する遺伝子の本来のプロモーターを使用する。ゲノム断片は、Stratagene製のSuperCosバックボーンにクローニングした。サブゲノムワクチンは、ゲノムのヌクレオチド110,931〜147,530を含有する約36,000塩基のゲノムセグメントを有する。
いくつかの実験において、コレラ毒素(CT)遺伝子AおよびBサブユニットを含有するプラスミドを使用した。使用した別のプラスミドはHSP70位でを発現した。この遺伝子は、マウス脾細胞から得られるRNAのRT-PCR反応からクローニングされ、pTARGETベクターにクローニングされた。
全てのDNA構築物は、精製キット(Qiagen)を使用して細菌抽出物から精製し、純度は、全または消化後のプラスミドのアガロースゲル電気泳動およびA260/A280比を求めることによって評価した。
局所的アジュバント
イミキモドは、処方箋によってアルダラクリームの形態で入手した。塗布は、消毒綿を使用してつまんだマウスの腹部にクリームをこすりつけた。クリームは5%溶液である。約20 ulを使用し、従って約1 mgが各マウスに投与された。
DNAワクチンの作製
金粒子へのDNAの沈降は、DNAワクチンのカルシウム/スペルミジン製剤化の標準的な手法を使用して実施した。50 mMスペルミジンの300 mlを含有する小型の遠心管中でDNAを2ミクロンの金粒子と混合した。添加するDNAの量は、金粒子1 mgあたり2μgであり、典型的には金26 mg(DNA52μg)のバッチを作製した。DNAは、回転式ミキサーで管を連続撹拌中に、10%CaCl2の1/10容量を添加することによって金に沈降させた。DNA-金複合体は無水エタノールで3回洗浄し、次いでTefzel管に添加し、乾燥し、XR-1装置に使用するために0.5インチのセグメントに切断した。
2つ以上のDNAを使用する例は、先ずDNA構築物を混合し、次いで金に沈降させることによって実施した。こうすることによりDNAsが同一粒子上に配置される。
免疫化のためには、DNAワクチンは、XR-1装置によってBalb/Cマウスの腹部に送達される。1回のショットを免疫化のために実施した。いくつかの実験は初回免疫投与だけを使用し、他は初回免疫投与および4週間経過時の追加免疫投与を使用した。試料は、最後の免疫化の2週間後に動物から採取した。
抗体ELISA
ELISAアッセイを使用して血清抗体を抗体についてアッセイした。Falcon Pro Bind マイクロタイタープレートに4℃において抗原のPBS溶液(リン酸緩衝生理食塩液、Bio Whittaker)を終夜コーティングした。HBsAg ELISAのためには、抗原は、ウェルあたり0.1μgの精製HBsAg(BioDesign)であり、HSV ELISAaのためには、抗原は、ウェルあたり5μgの感染細胞抽出物(Advanced Biotechnologies Incorporated) であった。プレートは5%粉乳/PBSで室温において1時間ブロックし、洗浄緩衝液(10 mM Tris緩衝生理食塩液、0.1%Brij-35)で3回洗浄し、希釈緩衝液(2%粉乳/PBS/0.05%Tween20)で希釈した血清試料をプレートに添加し、室温において2時間インキュベーションする。
プレートを3回洗浄し、希釈緩衝液で8000倍希釈したビオチン化ヤギ抗-マウス抗体(Southern Biotechnology)をプレートに添加し、室温において1時間インキュベーションした。インキュベーション後に、プレートを3回洗浄し、PBSで8000倍に希釈したストレプトアビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼ結合物(Southern Biotechnology)を添加し、プレートを室温においてさらに1時間インキュベーションした。プレートを3回洗浄し、次いで基質溶液を添加し(BioRad)、反応を1N H2SO4で停止した。光学密度を450 nmで読んだ。試料を既知の力価の標準と比較することによってHBsAgのエンドポイント力価を算出した。
細胞培養
単細胞懸濁液をマウス脾臓から得た。脾臓はメッシュを介して圧搾して、単細胞懸濁液を作製し、次いで細胞を沈殿させ、ACK緩衝液(Bio Whittaker, Walkersville MD)で処理して、赤血球細胞を溶解させた。HEPES、1%グルタミン(Bio Whittaker)および5%熱不活性化ウシ胎仔血清(FCS、Harlan, Indianapolis IN)を添加したRPMI 1640培地で2回洗浄した。細胞を計数し、5%熱不活性化FCS、50 mMメルカプトエタノール(Gibco-BRL, Long Island NY)、ゲンタマイシン(Gibco-BRL)、1 mM MEMピルビン酸ナトリウム(Gibco-BRL)およびMEM非必須アミノ酸(Sigma, St. Louis MO)を添加したHEPESおよび1%グルタミンを含有するRPMI 1640からなる「トータル」培地に適当な濃度に再懸濁した。次いで、細胞懸濁液を種々のイムノアッセイに使用した。CD8特異的アッセイのためには、既知のCD8エピトープに対応するペプチドの存在下において細胞をインビトロで培養した。BALB/CマウスにおけるHBsAgについては、ペプチドの配列はIPQSLDSWWTSL(QCB Inc)であった。Balb/CマウスにおけるHSV CD8応答につては、ICP27に見られるHGPSLYRTFペプチドを使用した。ペプチドはDMSO(10 mg/ml)中で作製され、培養培地で10 mg/mlに希釈した。
ELISPOT
IFN-g ELISPOTアッセイのためには、Millipore Multiscreen膜濾過プレートに、15μg/ml抗-IFN-g抗血清(Pharmingen)の滅菌0.1 M炭酸緩衝液pH9.6溶液50 ulで4℃において終夜コーティングした。プレートを滅菌PBSで6回洗浄し、次いで10%ウシ胎仔血清(FBS)を含有する組織培養培地で室温において1〜2時間ブロックした。培地を除去し、脾細胞を、ウェルあたり合計1×106細胞をウェルに分注した。免疫化した動物の細胞が1×106細胞未満しか添加されないウェルについては、未処理の動物の細胞を使用して合計を1×106にした。細胞は、上記のペプチドの存在下において組織培養インキュベーターにおいて終夜インキュベーションした。プレートをPBSで2回および蒸留水で1回洗浄した。次いで、PBSで3回洗浄した。ビオチン化抗IFN-gモノクローナル抗体(Pharmingen)をプレートに添加し(1μg/mlのPBS溶液50ug)、室温において2時間インキュベーションした。プレートをPBSで6回洗浄し、次いでストレプトアビジンアルカリ性ホスファターゼ結合体(PBSで1000倍希釈、Pharmingen)を添加し、室温において2時間インキュベーションした。プレートをPBSで6回洗浄し、発色基質(BioRad)を添加し、黒点が出現するまで反応を進行させた。水で3回洗浄することによって反応を停止した。プレートを乾燥し、顕微鏡下でスポットを計数した。
IFN-g ELISA
CD8 IFN-g ELISAについては、ペプチドの存在下において細胞を丸底96ウェル組織培養プレートで終夜培養した。上清の試料を取り、IFN-gレベルの測定に使用した。高結合プレート(Costar)に、0.5μg/mlの抗-マウスIFN-g抗体(Pharmingen)の炭酸緩衝液pH 9.6溶液の100 ulをコーティングした。プレートは10% FBSを含有する組織培養培地で室温において1時間ブロックし、次いでTBS洗浄緩衝液で3回洗浄した。培養細胞から得られた上清試料を組織培養培地で希釈して、プレートに添加し、室温において2時間インキュベーションした。プレートは洗浄緩衝液で3回洗浄し、二次抗体(0.5μg/mlのビオチン化ラット抗-マウスIFN-gのPBS溶液、Pharmingen)をプレートに添加し、室温において1時間インキュベーションした。プレートを3回洗浄し、ストレプトアビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼ結合物(PBSで2000倍希釈、Southern Biotechnology)を添加して室温において1時間インキュベーションする。プレートを3回洗浄し、次いで基質溶液を添加し(BioRad)、反応を1N H2SO4で停止した。光学密度を450 nmで読んだ。
UV-不活性化HSV-2で刺激した細胞でIFN-g ELISAを実施する場合には、増殖プレートの上清(下記)を実験IFN-g源として使用した。それ以外は手法は上記と同じであった。
増殖アッセイ法
増殖のためには、細胞はCostar96ウェルプレート(Corning Incorporated, Corning NY)で3×105細胞/ウェルの濃度で培養した。UV-不活性化したウィルス(最初のmoi 2)または感染細胞タンパク質抽出物(ウェルあたり2および0.5μg)をトルプリケートでウェルに添加し、細胞をCO2雰囲気下で37℃において3日間インキュベーションした。次いで、メチル-3Hチミジン(NEN, Boston MD)を添加し(ウェルあたり0.5 mC)、細胞をさらに18時間培養してから、プレートを処理した。刺激指数は、抗原で刺激した細胞のトリプリケートウェルの平均cpmを培地だけで培養した細胞のトリプリケートウェルの平均で割ることによって算出した。
イミキモドのアジュバント作用の可能性を検討する最初の実験
マウスは、高用量(1μg)または低用量(50 ng)のワクチンを使用して、HBsAgを発現するプラスミドを含有するDNAワクチンで免疫化した。免疫化の1日前(-1日目)、免疫化当日(0日目)、免疫化の1日後または2日後に、アルダラ5%イミキモドクリームで処理した。1つの群は3日間(0、1および2日目)処理した。マウスにはワクチンの投与は1回で、2週間後に犠牲にして免疫応答を測定した。図1に示す結果はCD8 IFN-g ELISAのものである。このデータからは、アルダラは細胞免疫応答を増加することを示した。いくつかの影響が0日目に見られたが、1日目にはさらに良好になったと思われるが、これは主に2つの強力な応答因子によるものであった。値は4匹の別個のマウスの平均であった。
血清抗体も試験したが(図2)、これらは初回免疫投与のわずか2週間後であるので、変化の傾向があった。
実施例2
免疫化後1日目に適用した場合、イミキモド細胞応答を増強する
実施例1に記載する実験を反復した。また、種々の用量の別のアジュバント(アジュバントA)を試験した。HCMVプロモーターによりHBsAg遺伝子を発現するプラスミドを使用して動物に初回免疫投与および追加免疫投与を実施した。抗体レベルはアジュバントAによってわずかに影響されたが、この場合ではイミキモドの影響を明らかに見ることができ、抗体レベルの強力な低下が見られた(図3)。
IFN-g ELISAおよびELISPOTによって示される細胞応答は、イミキモドによる処理は応答を増強することを示した。免疫化の0日目にアルダラで処理した動物は最も強力な影響を示した(図4)。
これは図5に示すデータによって確認される。以下の実験の全てにおいて、アルダラクリームは免疫化の0日目に投与した。
実施例3
種々の異なる追加免疫投与および初回免疫投与法に対するイミキモドの影響
この実験は、ケラチン14プロモーターによりHBsAgを発現するプラスミドを含む。これを使用して、異なる細胞におけるこの抗原の発現を実施して変更し、これが免疫応答に影響を与えるかどうかを見た。マウスは2回免疫化した。いくつかは初回免疫投与時のみにアルダラクリームで処理し、いくつかは追加免疫投与時のみにアルダラを投与し、1つの群は初回免疫投与時および追加免疫投与時にアルダラを投与した。
結果を図6に示す。抗体力価はこれらの処理によって増加せず、実際には低下が見られることが多かった。2回免疫化したマウスの最も顕著な低下は、初回免疫投与時および追加免疫投与時にアルダラクリームを投与した群である。図において、未処理の動物は「N」と表示をつけ、HA-と表示をつけた動物(第6群)は1回だけ免疫化を実施した。
細胞性免疫応答を測定したとき(図7および8)、本発明者らは予想したパターンを得られなかった。その理由は、HCMVプラスミド(H,H)で2回免疫化した対照群は、前に見られた(先の実験を参照されたい)よりかなり高い応答を示したからであった。異常に高い対照によりアルダラの影響の解釈を不可能にしたが、H,H対照はそのそばのH,K群により類似していると考えると、アルダラの影響を外挿することができる。全体的にみると、アルダラは細胞応答を増強し、抗体応答を阻害すると思われる。
実施例4
イミキモドを使用してHSV-2抗原に対する応答を増強する
この実験に使用した3種のDNAワクチン。膜タンパク質であると思われる全長の糖タンパク質を発現する単一遺伝子gDプラスミド。細胞から分泌されるように切断型のタンパク質を発現する単一遺伝子gBプラスミド。第3の種類のプラスミドは、HSV-2のゲノム断片を含有するサブゲノムワクチン(SV)である。この断片には、gDの遺伝子が存在するが、gBの遺伝子は存在しない。このワクチンの関心対象の他の遺伝子は即時型早期遺伝子ICP0、4 22および27である。使用したアジュバントは局所的に適用されるアルダラクリームであり、CT遺伝子は0、1および2日目に投与したワクチンおよび別のアジュバント(アジュバントB)と同じ金粒子で同時送達した。
細胞性免疫測定(図9および10)は、CTアジュバントは他のアジュバントより優れていることを示すが、アルダラクリームの何らかの作用も明らかであった。
実施例5
アジュバント群の試験
アジュバント群を、サブゲノムワクチンであるHSV-2ワクチンとの作用について試験した。この場合には、アジュバントAおよびHSP遺伝子並びにアルダラクリームおよびCT遺伝子を使用した。全てのアジュバントは、本発明者らが以前にHBsAgを用いた実験において最適な影響を観察した用量を投与した。アルダラは免疫化の1日後に適用し、アジュバントA(150 ng)は免疫化当日に投与し、CTおよびHSP遺伝子は、それぞれワクチン:アジュバント比9:1および20:1でサブゲノムワクチンと同時送達した。動物は初回免疫投与および追加免疫投与した。抗体応答はワクチンから典型的に低く、アジュバントはどれも抗体応答を増加する強力な能力を示さなかった(図11)。
細胞性免疫応答は、UV-不活性化HSV-2に対して応答する増殖およびワクチンから発現されるICP27タンパク質に対する特異的なCD8応答によって測定した(図12〜14)。
実施例6
抗体サブクラス試験
HBsAg特異的抗体のサブクラスを検討するために、異なる実験の血清試料についてELISAを実施した。アジュバントを用いないDNAワクチンの応答はIgG1/IgG2aの比が約3を示す。免疫応答の強い細胞性への偏りが強力なIgG2a応答によって示され、従ってこの比は1以下に近づくと思われる。本発明者らがアルダラと共に試験したアジュバントには、この比が低下するものがあり、免疫応答を細胞性応答に偏らせることができることを示している(図15)。例えば、PGE2は、それがアルダラのように細胞性応答を増強しても、全体的には同じ影響を示さないが、それは免疫応答を等しく移行するとは思われない。イミキモドのこの特徴は、抗体応答が有害であるまたは大きく偏った細胞性応答が必要とされる場合には重要である場合がある。
実施例7
イミキモドのアジュバント活性のさらに別の特徴
DNAによる粒子媒介性免疫化(PMID)のアジュバントとしてのイミキモド(アルダラクリーム)の有効性を評価するためにさらに2つの実験を実施した。両方の実験は、試験ワクチンとしてHBV sAgおよびcAgを発現するプラスミドを使用した。DNAの投与量、アルダラの製剤(未処理対対照クリームで希釈)およびアルダラの投与回数は変えた。読み取りは、2つの抗原に対する抗体力価およびサイトカインELISPOTを含んだ。先の実施例の結果から予想されるように、イミキモドは、主にIFN-g ELISPOT応答を増強し、抗体力価およびIL-4 ELISPOTに対してはほとんど影響しなかった。これらの結果も、PMIDの1日目または7日目のアルダラの送達は、一般に、PMID投与時に送達された対照クリームまたはアルダラと比較してより効果的であることを示した。
PMIDのアジュバントとしてのイミキモドの有効性を試験するために、ND5.5装置を使用してHBVs Ag-およびcAg-をコードするDNAを投与し、イミキモドをアルダラクリームとして投与した。第一の実験において、DNAの異なる用量およびアルダラの投与回数を試験した(表1)。第二の実験において、HBV-をコードするDNA(2μg)の単回投与を、PMIDワクチン化の1日目のアルダラ、PMIDと同時の希釈アルダラおよびPMIDの1週間後のアルダラと共に試験した(表2)。
5〜10匹のBalb/cマウスからなる群は、0日目(初回免疫投与のみ)または0日目および28日目(初回免疫投与および追加免疫投与)に各々1回のショットで剃毛した腹部にワクチン化した。PMIDは、1mg Auのペイロードおよび35barシリンダーを備えるND5.5装置を使用して投与した。アルダラは、上記の表に示す用量および回数で投与した。イミキモドは、薬局から得られるアルダラクリーム(5%イミキモド)として投与した。実験1では、少量の未計量の量のアルダラを、クリームをすり込んだ消毒綿を使用して示した経過時間に送達した。実験2では、20 mlのアルダラを計量し、マウスに塗布した。対照クリームは、アルダラ系クリームと同じ成分の多くを含有する市販のハンドクリームであった。アルダラを希釈した群では、対照クリームとアルダラの5:1混合物を、3方向ストップコックを使用して2つのシリンジ間で乳化した。
マウスは、初回免疫投与/追加免疫投与群では4週間目に眼窩から採血した。血液は心臓内穿刺によって採血し、2週間目(初回免疫投与のみ)または6週間目(追加免疫投与+2週間)の犠牲時に細胞アッセイのために脾臓を切除した。血清は、実験室内ELISAsを使用して抗-sAgおよび抗-cAg抗体について分析した。個々のマウスの脾細胞は、g-IFNおよびIL-4 ELISPOTアッセイのためにタンパク質またはペプチドで刺激した。3つのセットの抗原を使用した:1)Biodesign製の無傷のcAg、2)重複sAgペプチドのライブラリー(Chiron社が合成した3アミノ酸がオフセットされた15 mers)および3)MHCクラスI分子Ldに結合することが既知のsAg(アミノ酸28〜39)の主要抗原ペプチド。特異的なスポット形成細胞は、培地だけで培養した細胞で形成されたスポットの数を引くことによって算出した。
先に観察されたように、イミキモドはどちらのHBV抗原に対する免疫応答も増加しなかった(データは示していない)。第一の実験において、ELISPOTアッセイで測定したとき、IL-4分泌に対するイミキモドの影響も示されなかった(示していない)。図16に示すように、抗原に応答してg-IFNを分泌する細胞の頻度の増加が観察された。sAgペプチドライブラリーに対する応答(主にCD4+細胞)が示されるが、同じ応答は、CD8+細胞を刺激するクラスI-制限ペプチドで観察された(示していない)。低容量のHBVをコードするするDNAでは、イミキモドは、3つの経過時点の全てにおいて投与するとき、g-IFN分泌を増加したが、PMID後24時間における投与が最も有効であった。最高用量のDNAでは、イミキモド投与は、PMID直前または直後に送達される場合にはわずかに抑制的であるが、24時間後に投与される場合には、増加する。
第二の実験では、初回免疫投与/追加免疫投与法およびアルダラを対照クリームと混合することによってイミキモドの用量を低下する試みを行った。本発明者らがイミキモドを測定する方法を持っていなかったとき、本発明者らは混合がどのように有効であるかについて不確かであることが注目されるべきである。この検討では、対照クリームを投与したマウスのg-IFN ELISPOT応答は初回免疫投与のみでは正常より高かった。従って、アルダラによる応答の増加は観察されなかった(データは示していない)。これは、残念なことに、第一の検討と一致しない。しかし、追加免疫投与した動物では、g-IFNを分泌する細胞の頻度の増加が、以下の経過時点においてアルダラを投与した場合に観察された:初回免疫投与のみの24時間後、初回免疫投与および追加免疫投与の24時間後、追加免疫投与のみの24時間後および追加免疫投与の7日後。最も大きな影響はアルダラの後期の投与で観察された(追加免疫投与の1および7日後)(図17)。
本発明者らは、追加免疫投与およびアルダラ処理後長期間の経過時点においてELISPOTを試験しなかったので、この影響が一過的であるかどうかはわからない。実験1と同様に、CD+応答はCD4+応答と同様であり、例外は、追加免疫投与のみの24時間後に送達したアルダラは、初回免疫投与のみの後に送達した場合と比較して高くなかった。実験1(初回免疫投与のみの検討)と異なり、IL-4 ELISPOT応答の増加が追加免疫投与後に観察され、特に追加免疫投与の7日目に処理した群に観察された(データは示していない)。
これらの実験は、イミキモドは、PMIDワクチン化後にg-IFN分泌細胞の頻度を増加することを示す。この影響の最適な経過時点は、PMIDのほぼ1日目〜最長7日目であると思われる。
Figure 2005526793
Figure 2005526793
実施例8
レシキモドのアジュバント活性
レシキモドは、0日目の免疫化の-2、-1、0、1、2または3日目にBalb/cマウスの腹部の皮膚に局所的に送達する。レシキモドによる治療後に見られる細胞応答および抗体応答を評価し、大量の従来のデータと比較することができるように、免疫化は、B型肝炎表面抗原を発現するDNAワクチンを使用する。製剤は0.05%クリームまたはDMSO溶液(約5 mg/ml)からなる。理想的には、両方の種類の製剤を試験する。マウスの半数を免疫化の7日後に犠牲にして細胞性免疫応答(CD8 ELISPOT)を測定する。残りのマウスは免疫化後28日間飼育し、初回免疫投与と同じスケジュールで追加免疫投与し、次いで2週間後に犠牲にして抗体および細胞応答を試験する。血清を使用して抗体力価および免疫応答の傾向を示すIgG抗体のサブクラスの分布を評価する。
免疫化の前または後に、レシキモドはDNAワクチンに対する免疫応答を増強する。同様の化合物であるアルダラについて見られるように、レシキモドを免疫化の1日後に送達すると増強が生じる可能性がある。最も高い可能性で、細胞性免疫応答の増加が見られる。レシキモドは抗体応答を増強する能力を有する可能性があるが、これは本発明者らが使用する送達部位および投与スケジュールでは生じない場合がある。理論的には、1つの経過時点(増強時点とは異なる)では、レシキモドの抑制作用が見られる場合もあり、他の用途に利用することができる。使用する用量は、レシキモドの活性がインビボにおいて見られる範囲であると思われ、本発明の方法をさらに改良すると、レシキモドの用量および製剤が最適化される。
材料および方法
プラスミド
免疫化のためには、既知の免疫応答を有するDNAワクチンプラスミドを使用する。プラスミドWRG7128は、HCMVプロモータ/エンハンサーを使用してB型肝炎表面抗原(HBsAg)を発現し、細胞応答および抗体応答を形成する適当な選択である。
局所的なアジュバント
レシキモドは、0.05%クリームまたは5 mg/mlのDMSO溶液として製剤化される。クリームの塗布は、消毒綿を使用してマウスの腹部を拭く。約20mlのクリームをこの方法によって適用する。DMSO溶液は、50ugを送達するピペッターを使用してマウスの腹部に拡散する。
DNAワクチン
金粒子へのDNAの沈降は、DNAワクチンのカルシウム/スペルミジン製剤の標準的な手法を使用して実施される。50 mMスペルミジン300 mlを含有する小型の遠心管内でDNAを2ミクロンの金粒子と混合する。添加するDNAの量は金粒子1mgあたり2μgであり、典型的には26 mgの金のバッチ(52μgのDNA)を作製した。DNAは、回転式ミキサーで管を連続的に撹拌中に、10%CaCl2の1/10容量を添加することによって金に沈降させる。DNA-金複合体を無水エタノールで3回洗浄し、テフゼル管に添加し、乾燥して、XR-1装置に使用するために0.5インチのセグメントに切断する。
免疫化のためには、DNAワクチンをBalb/Cマウスの腹部にXR-1装置によって送達する。免疫化のために1回のショットを適用する。いくつかの実験は初回免疫投与だけを使用し、他は初回免疫投与および4週間目の追加免疫投与を実施する。
抗体ELISA
血清試料は、ELISAアッセイを使用して抗体についてアッセイする。Falcon Pro Bind マイクロタイタープレートに、抗原のPBS(リン酸緩衝生理食塩液、BioWhittaker)を4℃において終夜コーティングする。HBsAg ELISAのためには、抗原は、ウェルあたり0.1μgの精製HBsAg(BioDesign)である。プレートは5%粉乳/PBSで室温において1時間ブロックし、洗浄緩衝液(10 mM Tris緩衝生理食塩液、0.1%Brij-35)で3回洗浄し、血清試料は希釈緩衝液(2%粉乳/PBS/0.05%Tween20)で希釈し、プレートに添加し、室温において2時間インキュベーションする。プレートを3回洗浄し、希釈緩衝液で8000倍希釈したビオチン化ヤギ抗-マウス抗体(Southern Biotechnology)をプレートに添加し、室温において1時間インキュベーションする。
インキュベーション後に、プレートを3回洗浄し、PBSで8000倍に希釈したストレプトアビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼ結合物(Southern Biotechnology)を添加し、プレートを室温においてさらに1時間インキュベーションする。プレートを3回洗浄し、次いで基質溶液を添加し(BioRad)、反応を1N H2SO4で停止する。光学密度を450 nmで読む。試料を既知の力価の標準と比較することによってHBsAgのエンドポイント力価を算出する。サブクラス評価のためには、使用するビオチン化抗-マウス抗体はIgG1またはIgG2a特異的であるが、アッセイは同一である。
細胞培養
単細胞懸濁液をマウス脾臓から得る。脾臓はメッシュを介して圧搾して、単細胞懸濁液を作製し、次いで細胞を沈殿させ、ACK緩衝液(Bio Whittaker, Walkersville MD)で処理して、赤血球細胞を溶解させる。HEPES、1%グルタミン(Bio Whittaker)および5%熱不活性化ウシ胎仔血清(FCS、Harlan, Indianapolis IN)を添加したRPMI 1640培地で2回洗浄する。細胞を計数し、5%熱不活性化FCS、50 mMメルカプトエタノール(Gibco-BRL, Long Island NY)、ゲンタマイシン(Gibco-BRL)、1 mM MEMピルビン酸ナトリウム(Gibco-BRL)およびMEM非必須アミノ酸(Sigma, St. Louis MO)を添加したHEPESおよび1%グルタミンを含有するRPMI 1640からなる「トータル」培地に適当な濃度に再懸濁する。CD8特異的アッセイのためには、既知のCD8エピトープに対応するペプチドの存在下において細胞をインビトロで培養する。BALB/CマウスにおけるHBsAgについては、ペプチドの配列はIPQSLDSWWTSL(QCB Inc)。ペプチドはDMSO(10 mg/ml)中で作製され、培養培地で10 mg/mlに希釈する。
ELISPOT
IFN-g ELISPOTアッセイのためには、Millipore Multiscreen膜濾過プレートに、15μg/ml抗-IFN-g抗血清(Pharmingen)の滅菌0.1 M炭酸緩衝液pH9.6溶液50 ulで4℃において終夜コーティングする。プレートを滅菌PBSで6回洗浄し、次いで10%ウシ胎仔血清(FBS)を含有する組織培養培地で室温において1〜2時間ブロックする。培地を除去し、脾細胞は、ウェルあたり合計1×106細胞をウェルに分注する。免疫化した動物の細胞が1×106細胞未満しか添加されないウェルについては、未処理の動物の細胞を使用して合計を1×106にする。細胞は、上記のペプチドの存在下において組織培養インキュベーションにおいて終夜インキュベーションする。プレートをPBSで2回および蒸留水で1回洗浄する。次いで、PBSで3回洗浄する。ビオチン化抗IFN-gモノクローナル抗体(Pharmingen)をプレートに添加し(1μg/mlのPBS溶液50ug)、室温において2時間インキュベーションする。プレートをPBSで6回洗浄し、次いでストレプトアビジンアルカリ性ホスファターゼ結合体(PBSで1000倍希釈、Pharmingen)を添加し、室温において2時間インキュベーションする。プレートをPBSで6回洗浄し、発色基質(BioRad)を添加し、黒点が出現するまで反応を進行させる。水で3回洗浄することによって反応を停止する。プレートを乾燥し、顕微鏡下でスポットを計数する。
(図1〜図17) 一連のワクチン化実験における本発明の化合物のアジュバント活性を示す。
(図16) イミキモドをpdpsc18.1のアジュバントとして使用する場合に、初回免疫投与の2週間後のIFN-γ sAgELISPOTを示す。図の1〜13のカラムの投与は以下のようである:
1. 2.0μg pdsc 18
2. 0.2μg pdsc 18
3. 0.02μg pdsc 18
4. 2.0μg pdsc 18 IMQ前
5. 0.2μg pdsc 18 IMQ前
6. 0.02μg pdsc 18 IMQ前
7. 2.0μg pdsc 18 IMQ後
8. 0.2μg pdsc 18 IMQ後
9. 0.02μg pdsc 18 IMQ後
10. 2.0μg pdsc 18 IMQ24時間pp
11. 0.2μg pdsc 18 IMQ24時間pp
12. 0.02μg pdsc 18 IMQ24時間pp
13. 2μg p7313plc
(図17) HBV sAgペプチドのIFN-γELISPOTを示す。

Claims (14)

  1. 個体において抗原に対する免疫応答を増強または刺激するための薬物の製造における化合物の使用方法であって、該化合物がイミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、6,7-融合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、1,2-架橋イミダゾキノリンアミン、チアゾロ-またはオキサゾロ-キノリンアミンまたはピリジンアミン、イミダゾナフチリジンまたはテトラヒドロイミダゾナフチリジンアミンであり、且つ該化合物が、(i)抗原投与または(ii)抗原を発現することができるポリヌクレオチドの投与の12〜36時間後に個体に局所的または経皮的に投与される、使用方法。
  2. 化合物がイミダゾキノリンである請求項1記載の方法。
  3. 化合物がイミキモドまたはレシキモドである請求項1記載の方法。
  4. 抗原またはポリヌクレオチドが局所的または経皮的に投与される、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 抗原またはポリヌクレオチドが粒子の形態で投与される、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 化合物が粒子の形態で投与される、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 抗原、ポリヌクレオチド、または化合物がコア担体にコーティングされている、請求項5または6記載の方法。
  8. 抗原、ポリヌクレオチド、または化合物が無針シリンジを使用して投与される、請求項5〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 化合物がクリームの形態で投与される、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 抗原またはポリヌクレオチドの投与を反復して初回抗原投与および追加免疫投与を提供する、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 状態を治療または予防するために抗原またはポリヌクレオチドが投与される、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 抗原に対する免疫応答を刺激するために、抗原、または抗原を発現することができるポリヌクレオチド、ならびにイミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、6,7-融合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、1,2-架橋イミダゾキノリンアミン、チアゾロ-およびオキサゾロ-キノリンアミンもしくはピリジンアミン、イミダゾナフチリジンもしくはテトラヒドロイミダゾナフチリジンアミンである化合物を含有する製品であって、該化合物が抗原またはポリヌクレオチドの投与の12〜36時間後に局所的または経皮的に投与される、製品。
  13. 個体において抗原に対する免疫応答を増強する方法であって、イミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、6,7-融合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、1,2-架橋イミダゾキノリンアミン、チアゾロ-またはオキサゾロ-キノリンアミンまたはピリジンアミン、イミダゾナフチリジンまたはテトラヒドロイミダゾナフチリジンアミンである化合物を投与する段階を含み、 且つ該化合物が、(i)抗原投与または(ii)抗原を発現することができるポリヌクレオチド投与の12〜36時間後に個体に局所的または経皮的に投与される、方法。
  14. 抗原、または抗原を発現することができるポリヌクレオチドを投与する段階と、抗原またはポリヌクレオチドの投与の12〜36時間後に請求項13記載の化合物を投与する段階とを含み、該化合物が局所的または経皮的に投与される、ワクチン化の方法。
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