JP2003528816A - ヒトおよび動物の病原体のゲノム由来の構築物に基づいたdnaワクチン - Google Patents

ヒトおよび動物の病原体のゲノム由来の構築物に基づいたdnaワクチン

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Abstract

(57)【要約】 1以上の大きなゲノムDNAフラグメントを投与することによって、被験体に免疫応答を惹起する方法が提供される。抗原性ポリペプチドをコードする配列を同定する方法も提供される。また、1以上の大きなゲノムDNAフラグメントを含むワクチン組成物も提供される。本発明は、遺伝的構築物の使用を提供し、この構築物は、この構築物を脊椎動物被験体に投与することによって被験体に免疫応答を惹起するための医薬の製造において、病原体由来の少なくとも5kbのサイズのゲノムDNAフラグメントを保有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般的にワクチン組成物およびその使用方法に関する。より詳細に
は、本発明は、1以上の巨大ゲノムDNAフラグメントを被験体に投与すること
によって被験体における免疫応答を惹起することに関する。
【0002】 (背景) 細胞媒介免疫応答を誘導するワクチンは、寄生虫、自己免疫障害、アレルギー
疾患および癌と戦う重要なストラテジーとして現される。一般的に、従来のワク
チンストラテジーは、「生(live)」または「死(dead)」ワクチンの
いずれかの投与を含む。Ertlら(1996)、J.Immunol.156
:3579〜3582。いわゆる生ワクチンは、弱毒化微生物および生きている
ベクターに基いた組換え分子を含む。死ワクチン(dead vaccine)
は、死滅病原体の全部、およびサブユニットワクチン(例えば、可溶性病原体サ
ブユニットまたはタンパク質サブユニット)に基くワクチンを含む。一般的に、
生ワクチンは、免疫化された被験体に効果のある免疫応答を提供することにおい
て成功を収めている:しかし、このようなワクチンは、免疫無防備状態もしくは
妊娠中の被験体には危険であり得、病原生物に復帰し得、または他の病原体で汚
染され得る。Hassettら(1996)、Trends in Micro
biol.8:307〜312。死ワクチンは、生ワクチンに関する安全性面で
の問題を回避する;しかし、このようなワクチンは、しばしば免疫化された被験
体に適切および/または有効な免疫応答を提供することに失敗する。
【0003】 より最近、針および注射器を用いる筋肉内(Wolffら(1990)、Sc
ience 247:1465:1468)または皮下注射(Razら(199
4)、PNAS USA 91:9519〜9523)によるプラスミドDNA
の直接注射が記載される。弾道的(ballistic)DNA送達または粒子
媒介DNA送達といわれる別のアプローチは、DNAでコーティングした微視的
な金のビーズを表皮細胞に直接投与するための針のない粒子送達デバイスを使用
する(Yangら(1990)PNAS USA 87:9568〜9572)
。従って、多くの送達技術(核酸でコーティングしたミクロ粒子を標的組織に送
達する粒子媒介技術を含む)を使用して、免疫化のための核酸を送達し得る(例
えば、1999年2月2日に発行された、共有に係る米国特許第5,865,7
96号を参照のこと)。粒子媒介核酸免疫化技術は、ナノグラムのDNA量の皮
下送達後に体液性および細胞傷害性の両方のTリンパ球免疫応答を惹起すること
を示されてきた。Pertmerら(1995)、Vaccine 13:14
27〜1430。このような粒子媒介送達技術は、他の型の核酸接種と比較され
、顕著に優れていることが見出されている(Fynanら(1995)、Int
.J.Immunopharmacology 17:79〜83、Fynan
ら(1993)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:11
478〜11482、およびRazら(1994)、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 91:9519〜9523)。
【0004】 制御された投薬量の、無傷の皮膚へ、および皮膚を介して、固形薬物含有粒子
を送達するための針のない注射の使用を伴う、新規な経皮的薬物送達系が、記載
されている。特に、Bellhouseらに与えられた共有に係る米国特許第5
,630,796号は、超音速ガス流(supersonic gas flo
w)と同調して、薬学的粒子を送達する粒子送達デバイス(例えば、針のない注
射器)を記載する。粒子送達デバイスが、粉末の薬物化合物および組成物の経皮
的送達のために用いられ、生きた細胞中の遺伝物質の送達(例えば、遺伝子治療
)、および皮膚、筋肉、血液、またはリンパへの生物薬剤の送達のために用いら
れる。針のない注射器はまた、薬物および生物製剤を、組織表面、固形腫瘍およ
び/または外科的な腔(例えば、腫瘍切除後の腫瘍ベッド、または腔)へ送達す
るために、手術と組み合わせて使用され得る。実質的に固形の粒子形態に適する
ように調製され得る薬学的な薬剤は、このようなデバイスを用いて、安全かつ容
易に送達され得る。
【0005】 1つの特定の粒子送達デバイスは、一般的に、最初はノズルを介した通路を塞
いでおり、そしてノズルの上流端に実質的に隣接している変化させた破裂し得る
膜を有する、細長い管状ノズルを含む。送達される治療剤の粒子は、破裂し得る
膜に隣接して配置され、そして膜を破裂させ、そしてそれらの下流端から送達の
ためのノズルを通して超音速ガス流(薬学的粒子を含む)を産生するために充分
な膜の上流側へのガス圧を加える加圧手段を用いて送達される。従って、粒子が
、破裂し得る膜の破裂を容易に得ることのできるマッハ1〜マッハ8の間の送達
速度で針のない注射器から送達され得る。
【0006】 超音速ガス流中に同調する薬学的粒子を有する代わりに、ノズルの下流端が、
静止している「裏返し」位置(ここでは、薬学的粒子を含有するために、隔壁が
下流面に凹面に存在する)と活性な「裏返し」の位置(ここでは、隔壁が、隔壁
の上流面に適応された超音波衝撃波の結果として、下流面に外向きに凸面である
)の間を動くことができる双安定の隔壁を提供されることを除いては、別の粒子
送達デバイスの構成は、一般的に、上記と同様の要素を含む。この様式において
、この隔壁の凹面内に含有される薬学的粒子は、それらの経皮的送達のためのデ
バイスから、標的化された皮膚または粘膜表面へ、高初速で発射される。
【0007】 上記のデバイスの構成を用いる経皮的送達は、一般的に、約0.1〜250μ
mの間の範囲のおよそのサイズを有する粒子を用いて実行される。約250μm
より大きな粒子がまた、粒子サイズが皮膚細胞に有害なダメージを引き起こす点
である、上限の粒子サイズでデバイスから送達され得る。送達された粒子が貫通
する実際の距離は、粒子サイズ(例えば、概算的な球状の粒子幾何学から想定さ
れる名目状の粒子の直径)、粒子密度、粒子が皮膚表面に衝突する初速度、そし
て皮膚の密度および運動粘度に依存している。針のない粒子注射に一般的に用い
るための標的粒子密度は、約0.1と25g/cm3との間の範囲であり、そし
て注入速度は、一般的に約150と3,000m/秒との間の範囲である。
【0008】 DNA−ワクチンで達成される有効な保護のレベルは、伝統的なタンパク質サ
ブユニットワクチンおよび死滅または弱毒化したウイルスワクチンにより惹起さ
れた保護レベルと類似する;しかし、天然の感染から回復した後の回復期動物に
観察されるより伝統的に低い。Manickanら(1997)、Critic
al Review Immunol.17:139〜154.ヘルペス感染は
非常に流行し、そしてヘルペス感染は2種のウイルス(単純ヘルペスウイルス1
型(HSV−1)および単純ヘルペス2型(HSV−2))によって引き起こさ
れる。通常、HVS−1は、幼児期おいて後天性であり、そして口内感染の主な
原因である。通常、HSV−2感染は、性的に感染した陰部感染に関する。しか
し、陰部ヘルペスの25%までは、HSV−1により引き起こされる。天然の感
染は、他の種(すなわち、HSV−2)への暴露にもかかわらず、1つの種(す
なわち、HSV−1)で感染させた個体が、他の種で低い感染率を有するという
点では、2つのHSV種間の交差保護を与えるようである。Mertzら(19
92)、Ann.Intern.Med.116:197−202。このような
所見に対する理由は完全に解明されてはいない。単純ヘルペスウイルス(HSV
)での感染に対してほぼ完全な保護が死滅または改変したウイルスを用いるワク
チンによりマウスおよび/またはブタにおいて達成され得るが、回復期の動物に
おける保護の程度は、ワクチン性能の改善のための目標を規定する。
【0009】 HSVは、約150〜160kbpのゲノムを有する二本鎖DNAウイルスで
ある。HSV−1ゲノムおよびHSV−2ゲノムは、同一線形順序に並んでおり
、そしてゲノム全体にわたって50%の相同性を共有する。いくつかのゲノムに
対して、2つのウイルス型間のアミノ酸の同一性は80〜90%同じである。こ
の類似性の結果、多くのHSV特異的抗体は、両方のウイルスに対して交差反応
的である。
【0010】 このウイルスのゲノムは、膜にエンベロープされた20面体のヌクレオカプシ
ド中に包まれる。この膜(またはエンベロープ)は、少なくとも10のウイルス
にコード化された糖タンパク質を含み、最も豊富なのはgB、gC、gDおよび
gEである。ウイルス性糖タンパク質は、ウイルスの細胞レセプターへの結合プ
ロセスおよび細胞内へのウイルスの侵入を可能にするウイルスと宿主細胞膜の融
合に関与する。糖タンパク質は、ビリオン表面上に位置する。結果として、これ
らは中和抗体の標的であり、そして抗体は細胞の細胞毒性(ADCC)に依存す
る。ウイルスの型の中で、制限された(1〜2%)種から種への糖タンパク質遺
伝子の配列多様性が存在する。ウイルスゲノムはまた、70以上の他のタンパク
質をコードし、これらのタンパク質は、カプシドとエンベロープの間に位置する
ビリオン外皮に関するVP16およびVP22のようなビリオンタンパク質を含
む。さらに、約5つのICP群が、ウイルスによりコードされる(例えば、IC
P−4を含むワクチンに関するWO/9516779を参照のこと)。これらの
初期タンパク質は、ウイルス複製サイクル初期、ウイルスのライフサイクル後期
にのみ生成されるエンベロープ糖タンパク質との接触において合成される。
【0011】 HSVの分子構造および分子構成の再調査のため、例えば、Roizmanお
よびSears(1996)「Herpes simplex viruses
and their replication」、Fields Virol
ogy、第3編、Fieldsら編、Lippincott−Raven Pu
blishers、Philadelphia、PAを参照のこと。
【0012】 HSVワクチンの開発アプローチの1つは、予防および治療の両方が示されて
きた単離された糖タンパク質の使用であった。例えば、Burkeら、Viro
logy(1991)181:793〜797;Burkeら、Rev.Inf
ect.Dis.(1991)13(Suppl 11):S906〜S911
;Strausら、Lancet(1994) 343:1460〜1463;
Hoら、J.Virol.(1989)63:2951〜2958;Stran
berryら、J.Infect.Dis.(1988)157:156〜16
3;およびStanberryら(1987)J.Infect.Dis.15
5:914〜920;Stanberry、L.R.「Subunit Vir
al Vaccines:prophylactic and therape
utic use」:Aurelian L(編)Herpesviruses
、the Immune Systems and Aids、Kluwer、
Boston、309〜341頁を参照のこと。しかし、臨床試験は、gB糖タ
ンパク質およびgD糖タンパク質からなるサブユニットワクチンでワクチン接種
されたヒトにおける顕著な予防免疫性を示すことに失敗してきた。
【0013】 免疫学的エピトープをコードする配列を同定する方法の1つは、発現ライブラ
リーの使用を包含し、そして発現ライブラリー免疫法(ELI)として公知であ
る。国際公開WO96/31613は、cDNA由来のクローン化された発現ラ
イブラリーまたはフラグメント化されたゲノムDNAを被検体に導入することが
、免疫原エピトープを有する配列を含むライブラリーを選択するために定量化さ
れ得る免疫応答を誘発することを報告する。選択されたプールは、次に同定され
そして特徴づけされる。使用されるゲノムフラグメントは、比較的小さく、約1
0と100塩基対の間の長さである。さらに、ELI法において、ゲノムフラグ
メントは外因性(すなわち、異種)プロモーターを有するベクターにスプライス
される。ELIのゲノムクローンには、未同定の配列が残っており、従って、い
ずれの抗原配列も、特定のワクチンが開発される前に、広範囲に精製されかつ特
徴づけされなければならない。
【0014】 これらの報告にかかわらず、抗原に対する動物の天然の応答をより緊密に模倣
する免疫応答を惹起する方法の必要性が残っている。本発明は、このことおよび
その他の問題に対する解決法を提供する。
【0015】 (発明の要旨) 本発明は、被検体において免疫応答を惹起する方法および組成物を提供する。
1つの局面において、本発明は、1以上の病原体から得られたまたは1以上の病
原体から誘導されたゲノムDNAフラグメントを保有する構築物を投与する工程
を包含する脊椎を有する被検体における免疫応答を惹起する方法を提供する。一
旦ゲノムDNAフラグメントが被検体に投与されると、ゲノムDNAフラグメン
トに存在するコード配列によってコードされる抗原が免疫応答を惹起するに十分
な量で発現される。ゲノムフラグメントは、好ましくは5キロベース(kb)以
上の大きさである。特定の方法において、構築物は、約5kbと25kbの間の
大きさのゲノムDNAフラグメントを保有するプラスミドである。なお他の方法
において、構築物は、約25kbと約50kbとの間の大きさのゲノムDNAフ
ラグメントを保有するコスミドである。特定の方法において、ゲノムDNAフラ
グメント中に含まれるコード配列(すなわち、抗原コード配列)の発現は、異種
プロモーターによって駆動されない。例えば、病原体は、細菌の1以上の型また
はウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス、すなわち「HSV」)の1以上の
型であり得る。構築物(例えば、プラスミドまたはコスミド)は、例えば、経皮
投与によって投与され得る。
【0016】 従って、本発明はまたゲノムDNAフラグメントを少なくとも5kbの大きさ
で保有する遺伝的構築物の使用を提供し、このゲノムDNAフラグメントは、前
記構築物を被検体に投与することにより脊椎を有する被検体における免疫応答を
惹起する薬剤の製造における病原体由来であり、これにより、前記ゲノムDNA
フラグメントに含まれる配列によりコードされた抗原が、免疫応答を惹起するに
十分な量で発現される。
【0017】 別の局面において、本発明は、脊椎のある被検体における免疫応答を惹起する
方法を提供する。この方法は以下の工程を包含する:(a)1以上の病原体から
得られたまたは1以上の病原体に由来したゲノムDNAフラグメントを保有する
構築物でコーティングしたコアキャリアを提供する工程であって、ここでゲノム
DNAフラグメントが抗原をコードする配列を含む工程;および(b)粒子媒介
経皮送達技術を使用して被験体にコーティングしたコアキャリアを投与する工程
であって、ここでゲノムDNAフラグメントに存在するコード配列によりコード
された抗原が、免疫応答を惹起するに十分な量で被検体において発現される工程
。ゲノムDNAフラグメントは、約5キロベースより大きな大きさである。特定
の方法において、この構築物はプラスミドであり、そして約5〜25キロベース
の範囲の大きさのゲノムDNAフラグメントを保有する。他の方法において、こ
の構築物はコスミドであり、そして約25〜50キロベースの範囲の大きさのゲ
ノムDNAフラグメントを保有する。特定の方法において、この構築物(例えば
、プラスミドまたはコスミド)のゲノムDNAフラグメント中に含まれるコード
配列の発現は、異種のプロモータによって駆動されない。本明細書中で記載され
た任意のプラスミドまたはコスミドに対するコアキャリアは代表的には平均約0
.5〜約5μmの直径を有し、そして被験体へ経皮送達させるに十分な密度を有
する。コアキャリアは、金属、例えば金で構成され得る。例えば、病原体は、細
菌の1以上の型、ウイルスの1以上の型であり得、そして2以上の異なる病原体
由来であり得る。なおさらなる方法は、初回投与および追加免疫投与を提供する
ために工程(b)を繰り返す工程を包含する。
【0018】 従って、本発明はまたゲノムDNAフラグメントを少なくとも5kbの大きさ
で保有する遺伝的構築物の使用を提供し、このゲノムDNAフラグメントは、前
記構築物を被検体に投与することにより脊椎を有する被検体における免疫応答を
惹起する薬剤の製造における1以上の病原体由来であり、ここで、この遺伝的構
築物はコアキャリア上にコートされ、そしてコートされたコアキャリアは経皮粒
子媒介送達技術を使用して被験体に投与され、さらにここで、ゲノムフラグメン
ト中に存在するコード配列によりコードされた抗原は、免疫応答を惹起するに十
分な量で被験体において発現される。
【0019】 本発明のなお別の局面において、抗原ポリペプチドをコードする配列を同定す
るための方法が提供される。この方法は以下の工程を伴う:(a)1以上の病原
体から得られた、または1以上の病原体に由来するゲノムDNAフラグメントを
保有する構築物を投与する工程であって、ここでこのゲノムDNAフラグメント
が、抗原ポリペプチドに対するコード配列を含むかまたは含んでいると疑われ、
そして被験体への送達において、抗原ポリペプチドが、免疫応答を惹起するに十
分な量でコード配列から発現される、工程。および(b)抗原ポリペプチドをコ
ードする構築物上の配列を同定する工程。1つの方法において、工程(b)は、
工程(a)の構築物の1以上のフラグメントを投与する工程および抗原ポリペプ
チドをコードするフラグメントを同定する工程を包含する。別の方法において、
工程(b)は、構築物を配列決定する工程を包含する。
【0020】 従って、本発明はゲノムDNAフラグメントを少なくとも5kbの大きさで保
有する遺伝的構築物の使用をさらに提供し、このゲノムDNAフラグメントは、
被験体にこの構築物を投与することにより抗原ポリペプチドをコードする配列を
同定するための組成物の製造における1以上の病原体に由来し、ここでこのゲノ
ムDNAフラグメントは、この抗原ポリペプチドをコードする配列を含み、送達
において、この抗原ポリペプチドは、免疫応答を惹起するに十分な量で発現され
;そして抗原ポリペプチドをコードする構築物上の配列を同定する。
【0021】 関連する局面において、本発明は、1以上の病原体から得られるかまたは1以
上の病原体に由来するゲノムDNAフラグメントを保有する1以上の構築物を含
むワクチン組成物を提供し、このようなワクチン組成物として、例えば、単純ヘ
ルペスウイルス−2(HSV−2)由来のゲノムDNAフラグメントを保有する
1以上の構築物(例えば、クローン番号68)を含むワクチン組成物が挙げられ
る。特定の実施形態において、この構築物は約5kb〜25kbの範囲の大きさ
のゲノムDNAフラグメントを保有するプラスミドである。なお他の実施形態に
おいて、この構築物は約25kb〜約50kbの範囲の大きさのゲノムDNAフ
ラグメントを保有するコスミドである。本明細書中で記載されるすべての方法ま
たは組成物において、HSV−2のようなウイルスの初期領域(例えば、ICP
27、ICP0、ICP4、ICP22など)、例えば、HSV−2ゲノムのお
およそヌクレオチド114589からヌクレオチド134980をスパンする領
域、またはHSV−2ゲノムのヌクレオチド110931からヌクレオチド13
9697をスパンするEcoRIフラグメントを含み得る。HSV−2ゲノム配
列は公表された供給源(例えば、GenBank登録番号NC 001798で
寄託された)より入手可能である。特定の実施形態において、構築物(例えば、
プラスミドまたはコスミド)のゲノムDNAフラグメント中に含まれるコード配
列の発現は、異種プロモーターによって駆動されない。ワクチン組成物はまた、
1以上のアジュバンドを含み得る。
【0022】 本明細書中の開示を考慮すると、本発明のこれらおよび他の実施形態は当業者
が容易に思いつく。
【0023】 (本発明を実施するための形態) 詳細に本発明を記載する前に、本発明は、特定の抗原または抗原をコードする
配列を限定しないことが理解される。また、開示される方法の異なる適用が当該
分野における特定の必要性に合わせて変更され得ることも理解される。また、本
明細書中で使用される用語法は、本発明の特定の実施形態を記載する目的のみの
ためであり、そして限定を意図しないことも理解される。
【0024】 本明細書中で引用される全ての出版物、特許および特許出願は、前出または後
出であろうと、本明細書によってその全体が参考として援用される。
【0025】 本明細書および添付された特許請求の範囲において使用される場合、単数型の
「a」、「an」および「the」は、その内容が明らかに別のものを指定しな
い限り、複数の対象を含むことを注意しなければならない。従って、例えば、「
ある抗原」に対する参照は、2以上のこのような抗原の混合物を含み、「粒子」
に対する参照は、2以上の粒子の混合物に対する参照を含み、「ある賦形剤細胞
」に対する参照は、2以上のこのような細胞の混合物を含む、などである。
【0026】 (定義) 他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的および科学的用
語は、本発明が関係する分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ
意味を有する。
【0027】 以下の用語は、以下に示されるように定義されることが意図される。
【0028】 用語「ワクチン組成物」は、抗原を含む任意の薬学的組成物(例えば、抗原を
コートするポリヌクレオチド)を意図し、その組成物は、被験体における疾患ま
たは症状を予防または処置するために使用され得る。従って、この用語は、両方
のサブユニットワクチン(すなわち、天然において抗原が結合される生物体全体
から分離および分散された抗原を含むワクチン組成物、ならびに全て殺されるか
、弱毒化されるか、または不活性化された細菌、ウイルス、寄生虫あるいは他の
微生物全体を含む組成物)を含む。
【0029】 用語「経皮」送達とは、皮内(例えば、真皮または上皮中へ)、経皮(tra
nsdermal)(例えば、「経皮(percutaneous)」)および
経粘膜の投与(すなわち、皮膚または粘膜組織中へのもしくはそれを通る薬剤の
通過による送達)を意図する。例えば、以下を参照のこと:Transderm
al Drug Delivery :Developmental Issu
es and Research Initiatives,Hadgraft
and Guy(編),Marcel Dekker,Inc.,(1989
);Controlled Drug Delivery :Fundamen
tals and Applications,Robinson and L
ee(編),Marcel Dekker Inc.,(1987);および
Transdermal Delivery of Drugs,Vols.1
−3,Kydonieus and Berner(編),CRC Press
,(1987)。従って、この用語は、米国特許第5,630,796号に記載
される粒子送達デバイス(例えば、無針シリンジ)からの送達、および米国特許
第5,865,796号において記載されるような粒子媒介される送達からの送
達を包含する。
【0030】 「コアキャリア」とは、核酸(例えば、DNA)が、規定された粒子サイズを
付与し、そして充分に高い密度を提供して細胞膜貫通に必要なモーメントを達成
し、その結果、そのDNAが粒子媒介技術(例えば、米国特許第5,100,7
92号に記載される技術)を用いて送達され得るようにコーティングされるキャ
リア粒子を意味する。コアキャリアは、代表的には、タングステン、金、白金、
フェライト、ポリスチレン、およびラテックスのような材料を含む。例えば、以
下を参照のこと:Particle Bombardment Technol
ogyfor Gene Transfer,(1994)Yang,N.版,
Oxford University Press,New York,NY
10−11頁。
【0031】 「粒子送達デバイス」または「針のない注射」は、皮膚を突き刺す従来の針を
有さない、粒子状組成物を経皮的に送達する装置を意味する。本発明での使用の
ための粒子送達デバイスは、本明細書を通して議論される。
【0032】 「抗原」は、宿主の免疫系を刺激して、細胞性の抗原特異的な免疫応答、また
は体液性の抗体応答を生じる1以上のエピトープを含む分子を意味する。従って
、抗原としては、タンパク質、ポリペプチド、抗原性タンパク質フラグメント、
オリゴ糖類、多糖類などが挙げられる。さらに、抗原は、任意の既知のウイルス
、細菌、寄生虫、植物、原生生物、または真菌由来であり得、そして生物体全体
であり得る。この用語はまた、腫瘍抗原を含む。同様に、抗原を発現するオリゴ
ヌクレオチドまたはポリヌクレオチド(例えば、DNAの免疫適用において)は
また、抗原の定義に含まれる。合成抗原(例えば、ポリエピトープ、隣接エピト
ープ、および他の組換え体または合成的に由来する抗原)もまた含まれる(Be
rgmannら(1993)Eur.J.Immunol.23:2777−2
781;Bergmannら(1996)J.Immunol.157:324
2−3249;Suhrbier,A.(1997)Immunol.and
Cell Biol.75:402−408;Gardnerら(1998)1
2th World AIDS Conference、Geneva,Swi
tzerland、June 28−July 3、1998)。
【0033】 「安定な免疫応答」は、本発明の方法は、免疫化された被験体に、抗原(単数
または複数)に特異的なBおよび/またはまたはTリンパ球の産生によって特徴
付けられる免疫応答を引き起こし得ることを意味する。
【0034】 用語「ペプチド」は、その最も広い意味で使用され、2以上のサブユニットア
ミノ酸の組成物、アミノ酸アナログまたは他のペプチド模倣物をいう。このサブ
ユニットは、ペプチド結合または他の結合(例えば、エステル結合、エーテル結
合など)によって結合し得る。本明細書中で使用される場合、用語「アミノ酸」
は、天然アミノ酸、および/または天然でない、すなわち合成アミノ酸のいずれ
かをいい、これは、グリシンおよびDまたはLの両方の光学異性体、ならびにア
ミノ酸アナログおよびペプチド模倣物を含む。3以上のアミノ酸のペプチドは、
一般的に、ペプチド鎖が短い場合、オリゴペプチドと呼ばれる。ペプチド鎖が長
い場合、このペプチドは、典型的に、ポリペプチドまたはタンパク質と呼ばれる
【0035】 用語「病原体」は、広義の意味で使用され、免疫応答を誘発する任意の分子の
供給源をいう。従って、病原体としては、有毒のウイルスまたは弱毒化ウイルス
、細菌、真菌、原生動物、寄生虫、癌細胞などが挙げられるが、これらに限定さ
れない。典型的に、免疫応答は、これらの病原体によって産生される1以上のペ
プチドによって誘発される。以下に詳細に記載されるように、これらの病原体お
よび他の病原体由来の抗原性ペプチドをコードするゲノムDNAは、自然の感染
に対する応答を模倣する免疫応答を引き起こすために使用される。本明細書中の
教示から、この方法は、1以上の病原体から得られるゲノムDNAの使用を包含
することも明白である。
【0036】 用語「核酸分子」および「ポリヌクレオチド」は、任意の長さのヌクレオチド
(デオキシリボ核酸またはリボ核酸のいずれか)の重合形態、あるいはそれらの
アナログと交換可能に使用され、そしてそれらをいう。ポリヌクレオチドは、任
意の3次元構造を有し得、そして既知または未知の機能を行い得る。ポリヌクレ
オチドの非限定的な例としては、遺伝子、遺伝子フラグメント、エキソン、イン
トロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA
)、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分枝
ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任
意の配列の単離されたRNA、核酸プローブおよびプライマーが挙げられる。
【0037】 ポリヌクレオチドは、典型的に、4つの核酸塩基:アデニン(A);シトシン
(C);グアニン(G);およびチミン(T)(ポリヌクレオチドがRNAの場
合は、チミン(T)の代わりにウラシル(U))の特定の配列からなる。従って
、用語ポリヌクレオチド配列は、ポリヌクレオチド分子の直鎖状の代表である。
この直鎖状の代表は、中央処理単位を有するコンピュータのデータベースへの入
力であり得、そして機能的なゲノム研究および相同性研究のような生命情報科学
の適用のために使用され得る。
【0038】 「ベクター」または「構築物」は、核酸分子を標的細胞に移入し得る任意の成
分である(例えば、ウイルスベクター、非ウイルスベクター、粒子状キャリア、
およびリポソーム)。「プラスミド」ベクターは、宿主細胞で自己複製し得る染
色体外の遺伝的エレメントである。「コスミド」ベクターは、バクテリオファー
ジラムダ(λ)のcosは配列を使用する特定の型のプラスミドベクターである
。用語「cos末端」または「cos部位」とは、λDNAの一本鎖の12塩基
対の相補的伸展をいう。コスミドは、例えば、約50kbのサイズに至るまでの
、大きな挿入を保有し得、一方、典型的なプラスミドは、10kbのサイズのフ
ラグメントを保有し得る。大きなフラグメントを保有するこれらの能力のために
、コスミドは、ゲノムライブラリーの構築のために有用である。典型的には、「
ベクター」、「構築物」、「発現ベクター」、および「遺伝子移入ベクター」は
、目的の遺伝子の発現を指向し得、そして標的細胞に遺伝子配列を移入し得る任
意の核酸構築物を意味する。従って、この用語は、クローニングビヒクルおよび
発現ビヒクル、ならびにウイルスベクターを含む。「ゲノムライブラリー」は、
生物の全ゲノムを一緒に発現する組換え核酸分子の収集体である。
【0039】 「コード配列」はまたは選択されたポリペプチドを「コードする」配列は、適
切な調節配列(または「制御配列」)の制御下におかれた場合、インビボでポリ
ペプチドへと転写(DNAの場合)または翻訳(mRNAの場合)される核酸分
子である。コード配列の境界は、5’(アミノ)末端での開始コドンおよび3’
(カルボキシ)末端での翻訳停止コドンによって決定される。コード配列は、ウ
イルス由来のcDNA、原核細胞または真核細胞のmRNA、ウイルスまたは原
核細胞DNA由来のゲノムDNA配列、および合成DNA配列さえ挙げられるが
、これらの限定されない。転写終止配列は、コード配列に対して3’側に位置し
得る。コード配列の転写および翻訳は、代表的に、「制御エレメント」によって
調節され、転写プロモーター、転写エンハンサーエレメント、シャインおよびダ
ルガーノ配列、転写終止シグナル、ポリアデニル化配列(翻訳停止コドンの3’
側に位置する)、翻訳開始の最適化のための配列(コード配列の5’側に位置す
る)、および翻訳終止配列が挙げられるが、これらの限定されない。
【0040】 「プロモーター」は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの転写を指
示するヌクレオチド配列である、プロモーターとしては、誘導性プロモーター(
プロモーターに作動可能に連結したポリヌクレオチド配列の発現が、分析物、補
因子、調節タンパク質などにより誘導される場合)、抑制性プロモーター(プロ
モーターに作動可能に連結したポリヌクレオチド配列の発現が、分析物、補因子
、調節タンパク質などにより抑制される場合)および構成性プロモーターが挙げ
られ得る。用語「プロモーター」または「制御エレメント」は、全長プロモータ
ー領域およびこれらの領域の機能的(例えば、転写または翻訳を制御する)セグ
メントを含むことが意図される。
【0041】 「単離されたポリヌクレオチド」分子は、核酸が天然に見い出される生物全体
から分離および分散された核酸分子;通常、天然にそれと関連する配列に(全体
または一部が)ない核酸分子;または、天然に存在するが、それと関連する(以
下に詳細に規定されるような)異種配列を有する場合、配列である。配列は、供
給源分子の領域と同じか、またはこれらと実質的に同じ塩基対配列、そのcDN
A、それらの相補体を有する場合、あるいは以下に記載されるような配列相同性
を表示する場合は、分子「由来」であるか、または分子「から得られる」。
【0042】 「作動可能に連結される」とは、そのように記載された成分が、それらの普通
の機能を奏するように構成されるエレメントの配置をいう。従って、(例えば、
目的の抗原をコードする)コード配列に作動可能に連結した所定のプロモーター
は、適切な酵素が存在する場合にそのコード配列の発現をもたらし得る。プロモ
ーター又は他の調節エレメントは、その発現を方向付けるように機能する限り、
その配列と連続している必要はない。従って、例えば、転写されたが、未だ翻訳
されていない配列の介入は、プロモーター配列とコード配列との間に存在し得、
そしてなおこの核酸配列およびプロモーター配列は、コード配列に「作動可能に
連結され」ていると考えられ得る。
【0043】 核酸分子を記載するために本明細書中で使用される場合、「組換え(体)」は
、その起源または操作により、(1)それが天然に関連づけられているポリヌク
レオチドの全てまたは一部と関連づけられず、および/または(2)それが天然
に連結するポリヌクレオチド以外のポリヌクレオチドに連結するゲノム、cDN
A、半合成、または合成起源のポリヌクレオチドを意味する。タンパク質または
ポリペプチドに関して使用される場合、用語「組換え体」は、組換えポリヌクレ
オチドの表現によって産生されるポリペプチドを意味する。
【0044】 核酸およびアミノ酸の「配列同一性」を決定するための技術はまた、当該分野
において公知である。代表的に、そのような技術は、遺伝子についてのmRNA
のヌクレオチド配列を決定する工程、および/またはそれによりコードされるア
ミノ酸配列を決定する工程、ならびに第2のヌクレオチド配列またはアミノ酸配
列とこれらの配列を比較する工程を包含する。一般的に、「同一性」とは、それ
ぞれ、2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列のヌクレオチド対ヌ
クレオチドまたはアミノ酸対アミノ酸の正確な一致をいう。2つ以上の配列(ポ
リヌクレオチドまたはアミノ酸)が、それらの「パーセント同一性」を決定する
ことによって比較され得る。2つの配列のパーセント同一性は、核酸配列または
アミノ酸配列のいずれにおいても、整列された2つの配列の間の正確に一致する
数を、より短い方の配列の長さにより除算し、そして100を乗算したものであ
る。核酸配列に対する近似のアラインメントが、SmithおよびWaterm
an、Advances in Applied Mathematics 2
:482−489(1981)の局所的相同性アルゴリズムによって提供される
。このアルゴリズムは、Dayhoff、Atlas of Protein
Sequence and Structure,M.O.Dayhoff編、
5補遺、3:353−358、National Biomedical Re
search Foundation,Washington,D.C.,US
Aによって開発された得点マトリックスを使用することによってアミノ酸配列に
対して適用され得、そしてGribskov,Nucl.Acids Res.
14(6):6745−6763(1986)によって規格化され得る。配列の
パーセント同一性を決定するためのこのアルゴリズムの例示的実行が、「ベスト
フィット(Best Fit)」ユーティリティーアプリケーションにおけるG
enetics Computer Group(Madison,WI)によ
って提供される。この方法についてのデフォルトパラメータは、Wiscons
in Sequence Analysis Package Program
Manual、Version8(1995)(Genetics Comp
uter Group,Madison,WIから入手可能)中に記載される。
本発明の文脈においてパーセント同一性を確立する好ましい方法は、Unive
rsity of Edinburghによって著作権が所有されて、John
F.CollinsおよびShane S.Sturrokによって開発され
て、そしてIntelliGenetics,Inc.(Mountain V
iew,CA)によって配給されるMPSRCHパッケージのプログラムを使用
することである。デフォルトパラメータが得点表について使用される場合、この
スート(suite)のパッケージから、Smith−Watermanアルゴ
リズムが使用され得る(例えば、12のギャップオープンペナルティー、1のギ
ャップイクステンションペナルティーおよび6のギャップ)。その生成されたデ
ータから、「一致」値は、「配列同一性」を示す。配列間のパーセント同一性ま
たは類似性を計算するための適切な他のプログラムは、一般的に当該分野におい
て公知であり、例えば、別のアラインメントプログラムはBLASTであり、デ
フォルトパラメータと共に使用される。例えば、BLASTNおよびBLAST
Pは、以下のデフォルトパラメータを使用して使用され得る:遺伝子暗号=標準
;フィルター=なし;鎖=両方;カットオフ=60;予期(expect)=1
0;マトリックス=BLOSUM62;説明=50配列;分類(sort by
)=高得点(HIGH SCORE);データベース=非重複性、GenBan
kおよびEMBLおよびDDBJおよびPDBおよびGenBank CDS翻
訳およびSwissタンパク質およびSpupdateおよびPIR。これらの
プログラムの詳細は、以下のインターネットアドレス:http://www.
ncbi.nlm.gov/cgi−bin/BLASTにおいて見出され得る
【0045】 あるいは、相同性は、相同な領域間の安定な二本鎖を形成する条件下で、ポリ
ヌクレオチドのハイブリダイゼーションによって決定され得、次いで一本鎖特異
的ヌクレアーゼを用いて消化し、そして消化されたフラグメントのサイズを決定
する。上記の方法を使用して決定される場合、2つのDNA配列または2つのポ
リペプチド配列は、その分子の定義された長さに渡って、その配列が少なくとも
約80%〜85%配列同一性、好ましくは少なくとも約90%配列同一性および
最も好ましくは少なくとも約95%〜98%配列同一性を示す場合、互いに「実
質的に相同」である。本明細書中で使用される場合、また、実質的に相同である
とは、特定化されたDNA配列またはポリペプチド配列に対して完全な同一性を
示す配列をいう。実質的に相同であるDNA配列は、例えば、その特別な系につ
いて定義されるようなストリンジェントな条件下におけるサザンハイブリダイゼ
ーション実験において同定され得る。例えば、ストリンジェントなハイブリダイ
ゼーション条件は、50%ホルムアミド、5×デンハルト溶液、5×SSC、0
.1%SDSおよび100μg/mlの変性サケ精子DNAを含み得、そして洗
浄条件は、37℃にて2×SSC、0.1%SDS、次いで68℃にて1×SS
C、0.1%SDSを含み得る。適切なハイブリダイゼーション条件を定義する
ことは、当業者の範囲内である。例えば、Sambrookら、前出;DNA
Cloning、前出;Nucleic Acid Hybridizatio
n、前出を参照のこと。
【0046】 本明細書中で使用される場合、用語「アジュバント」とは、薬物、抗原、ポリ
ヌクレオチド、ベクターなどの作用を増強する任意の材料をいう。常に明白にい
われるわけではないが、野生型または精製されたペプチドアジュバントと類似の
生物学的活性を有する分子(例えば、組み換え的に産生されたもの、またはそれ
らのムテイン)、およびこれらの分子をコードする核酸が意図され、本発明の精
神および範囲内で使用されることが意図される。
【0047】 本明細書中で使用される場合、用語「処置」は、以下の任意のものを含む:感
染または再感染の予防;症状の減少または除去;および病原体の減少または完全
な除去。処置は、(感染の前に)予防的に、または(感染後に)治療的になされ
得る。
【0048】 「脊椎動物」は、任意の数の亜門cordata、時に哺乳動物(ヒトおよび
他の霊長類を含むが、これらに限定されない)を意味する。この用語は、特定の
年齢を意味しない。従って、成体および新生児の両方の固体が包含されることが
意図される。
【0049】 (発明の一般的概要) 本発明を詳細に記述する前に、本発明は、特定の処方物または特定のプロセス
パラメーターに限定されず、もちろん、それ自体が変化し得るということが理解
されるべきである。本明細書中で使用される専門用語は、本発明の特定の実施形
態のみを記述する目的のためであり、そして限定することを企図されないことが
また理解されるべきである。
【0050】 本発明は被験体の免疫応答を惹起する新規の方法を提供する。簡単には、1以
上の病原体(例えば、細胞、組織、ウイルスなど)を表す巨大ポリヌクレオチド
(例えば、DNA)フラグメントを保有するベクターライブラリーが作製される
。代表的には、このベクターは、プラスミドまたはコスミドであり、ゲノムフラ
グメントの大きさに依存する。ライブラリーは、オーバーラップ挿入または非オ
ーバーラップ挿入を含む。1以上の選択されたゲノムライブラリークローンは、
次に免疫応答を惹起するに十分な量で被験体に投与される。この方法において、
多数の抗原(およびこれらの対応するエピトープ)が、1回の免疫化工程におい
て被験体に投与され得る。さらに、巨大ゲノムフラグメントがこれらの内因性の
発現制御エレメントを含む構築物(例えば、コスミドまたはプラスミド)により
運ばれるため、さらなる分子操作(例えば、ゲノムフラグメントに存在するコー
ド配列から発現を駆動するための異種プロモーター配列の挿入)が必要とされな
い。しかし、異種制御は、例えば、ゲノム配列が細菌のような真核生物由来であ
る場合に、構築物中に存在し得る。さらに、内因性制御エレメント(例えば、シ
スおよび/またはトランス作用調節エレメント)が、宿主被験体における抗原の
発現を駆動し、従って、免疫原性遺伝子産物が天然の感染のレベルと類似のレベ
ルで産生されるため、この構築物により惹起された免疫応答全体が、天然の感染
に起因する応答をより緊密に模倣する。対照的に、前述した発現ライブラリー免
疫法における異種のプロモーターの使用は、非選択的な病原体遺伝子の発現を生
じる。
【0051】 本発明はまた、抗原フラグメントをコードする配列を同定するための効率的な
方法を含む。詳細には、公知の遺伝的組成物を有する構築物の使用が、抗原ポリ
ペプチドをコードする配列を同定する方法を可能にする。例えば、被験体におい
て免疫応答を誘導するコスミドまたはプラスミドクローンが同定される。次に被
験体における免疫応答に含まれる正確な配列は、当該分野で公知の方法(例えば
、クローンの配列決定)または挿入するコスミドもしくはプラスミドのさらなる
フラグメント化およびより小さなこれらのフラグメントの免疫原性に対する試験
を行うことにより決定され得る。
【0052】 本発明のポリヌクレオチドは、例えば、従来のトランスフェクション技術によ
りまたは粒子上にポリヌクレオチドをコーティングし、次に粒子媒介トランスフ
ェクションを使用して細胞にコーティングした粒子を投与することによりインビ
トロまたはインビボで細胞中に導入され得る。あるいは、ポリヌクレオチドは粒
子(例えば、パウダー)の形態で提供され得、これらは以下および国際公開番号
WO98/10750の開示(本明細書中で参考として援用される)により詳細
に考察される。
【0053】 本発明の利点として、(i)免疫応答を惹起するために使用される抗原の数を
拡大すること;(ii)天然の感染抗原をより緊密に模倣する抗原(例えば、エ
ピトープ)の配列(array)を提供すること;(iii)抗原とこれらに関
する野生型調節エレメントを同一細胞に同時に送達することを達成し、複数の抗
原の協調した発現を達成すること;(iv)天然の感染により惹起される免疫応
答と類似の免疫応答を惹起すること;(v)天然の感染により惹起される免疫応
答よりもより保護性のある免疫応答を惹起すること(例えば、免疫優先抗原の排
除または免疫応答を阻害する遺伝子の排除により);(vi)免疫応答を惹起す
るために使用するプラスミドの引続く産生のため最も有効な抗原の組み合わせを
同定すること;および(vii)抗原プロセシングおよび細胞内感染のクリアラ
ンスに通常含まれる抗原提示経路を誘発することが挙げられるが、これらに限定
されない。
【0054】 (抗原) 本明細書中で記載される方法は、広範で多様な細胞、組織およびヒトの病原体
または動物の病原体に対して免疫応答を惹起することにおいて有用である。これ
らの病原体は、1以上の抗原を含む。コスミドまたはプラスミドライブラリーの
ためのDNAゲノム供給源の例としてウイルス、細菌細胞、真菌細胞、および他
の病原性生物が挙げられるが、限定ではない。
【0055】 適切なウイルス抗原として、肝炎ウイルスファミリー(A型肝炎ウイルス(H
AV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、δ型肝炎
ウイルス(HDV)、E型肝炎ウイルス(HEV)およびG型肝炎ウイルス(H
GV)を含む)から得られるかまたはこれらに由来するウイルスが挙げられるが
、これらに限定されない。例えば、国際公開番号WO89/04669;同WO
90/11089;および同WO90/14436を参照のこと。HCVゲノム
はいくつかのウイルスタンパク質(E1およびE2を含む)をコードする。例え
ば、Houghtonら(1991)、Hepatology14:381〜3
88を参照のこと。これらのタンパク質をコードする配列を含むゲノムフラグメ
ントおよびこれらの抗原フラグメントは、本方法における使用が見出される。同
様に、HDV由来のδ抗原に対するコード配列が公知である(例えば、米国特許
第5,378,814号を参照のこと)。
【0056】 同様の様式において、ヘルペスウイルスファミリー由来の広範で多様なタンパ
ク質は、本発明において抗原として使用され得る。このようなタンパク質として
、単純ヘルペスウイルス(HSV)1型および2型(例えば、HSV−1および
HSV−2の糖タンパク質gB、gDおよびgH)由来のタンパク質;水痘−帯
状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン−バーウイルス(EBV)およびサイ
トメガロウイルス(CMV)(CMVgBおよびCMVgHを含む)由来の抗原
;およびHHV6およびHHV7のような他のヒトヘルペスウイルス由来の抗原
が挙げられる(例えば、Cheeら(1990)、Cytomegalovir
uses(J.K.McDougall編、Springer−Verlag、
125〜169頁);McGeochら(1988)、J.Gen.Virol
.69:1531〜1574;米国特許第5,171,568号;Baerら(
1984)Nature310:207〜211;およびDavisonら(1
986)、J.Gen.Virol.67:1759〜1816)。
【0057】 種々のヒト免疫不全ウイルス(HIV)ゲノムサブタイプを含むHIV抗原(
例えば、多数のHIV−1単離体およびHIV−2単離体)が公知でありかつ報
告されており(例えば、Myersら、Los Alamos Databas
e、Los Alamos National Laboratory、Los
Alamos、New Mexico(1992);およびModrowら(
1987)、J.Virol.61:570〜578を参照のこと)、そしてこ
れらの単離体のいずれかに由来するかまたはこれらの単離体のいずれかから得ら
れるゲノムフラグメントを含む抗原は、本発明おける使用が見出される。さらに
、種々のHIV単離体のいずれかに由来するかまたはこれらの単離体のいずれか
から得られる他の免疫原性タンパク質は、本明細書中における使用を見出され、
これらは1以上の種々のエンベロープタンパク質(例えば、gp160およびg
p41)、gag抗原(例えば、p24gag、p55gag)、ならびにpo
l,env,tat,vif,rev,nef,vpr,vpuおよびHIVの
LTR領域由来のタンパク質を含む。
【0058】 他のウイルスに由来するまたは他のウイルスから得られる抗原もまた、本明細
書中での使用が見出され、このような抗原として、例えば、以下に挙げられる科
のメンバー由来の抗原が挙げられるが、限定ではない。ピコルナウイルス科(例
えば、ポリオウイルス、ライノウイルスなど);カリチウイルス科;トガウイル
ス科(例えば、風疹ウイルス、デング熱ウイルスなど);フラビウイルス科;コ
ロナウイルス科;レオウイルス科(例えば、ロタウイルスなど);ビルナウイル
ス科;ラブドウイルス科(Rhabodoviridae)(例えば、狂犬病ウ
イルスなど);オルトミクソウイルス科(例えば、A型、B型およびC型インフ
ルエンザウイルスなど);フィロウイルス科;パラミクソウイルス科(例えば、
流行性耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウ
イルスなど);ブンヤウイルス科;アレナウイルス科;レトロウイルス科(例え
ば、HTLV−I;HTLV−II;HIV−1(HTLV−III、LAV、
ARV、hTLRなどとしても公知))。これらに含まれる抗原として、単離体
HIVIIIb、HIVSF2、HIVLAV、HIVLAI、HIVMN;HIV−1CM235
HIV−1US4;とりわけHIV−2;サル免疫不全ウイルス(SIV);乳頭
腫ウイルス属、ダニ媒介の脳炎ウイルス;など由来の抗原が挙げられるが限定で
はない。例えば、これらのウイルスおよび他のウイルスの記述に対して、Vir
ology、第3版(W.K.Joklik編、1988);Fundamen
tal Virology、第2版(B.N.FieldsおよびD.M.Kn
ipe編、1991)を参照のこと。
【0059】 いくつかの状況において、代表的には、粘膜表面を介して身体に侵入し、ヒト
の疾患(例えば、HIV(AIDS)、インフルエンザウイルス(Flu)、単
純ヘルペスウイルス(性感染、単純ヘルペス、STD)、ロタウイルス(下痢)
、パラインフルエンザウイルス(呼吸感染)、ポリオウイルス(灰白髄炎)、R
Sウイルス(呼吸感染)、麻疹ウイルスおよび流行性耳下腺炎ウイルス(麻疹、
流行性耳下腺炎)、風疹ウイルス(風疹)、およびライノウイルス(普通感冒)
が挙げられるが、これらに限定されない)を引き起こすかまたはヒトの疾患に関
係するとして公知のウイルス性病原体から得られるかもしくはこれらに由来する
選択されたウイルス性抗原が好まれ得る。
【0060】 細菌性抗原および寄生生物性抗原を含むゲノムフラグメントは、以下に挙げら
れる疾患(限定ではない)に対して応答性の公知の原因物質から得られるかまた
はこれらに由来し得る。ジフテリア、百日咳、破傷風、結核、細菌性肺炎もしく
は真菌性肺炎、中耳炎、淋病、コレラ、腸チフス、髄膜炎、単核細胞症、ペスト
、細菌性赤痢もしくはサルモネラ症、レジオネラ疾患(Legionaire’
s Disease)、ライム病、らい病、マラリア、鉤虫、オンコセルカ症、
住血吸虫症、トリパノソーマ症、リーシュマニア症(Lesmaniasis)
、ジアルジア属、アメーバ症、フィラリア症、ボレリア属(Borelia)、
および旋毛虫症。なおさらなる抗原は、従来にはないウイルス(例えば、クール
ー、クロイツフェルト−ヤーコプ病(CJD)、スクラピー、ミンクの伝染性脳
症および慢性消耗病の原因因子)、あるいは狂牛病に関連するプリオンのような
タンパク質様感染粒子から得られるか,またはそれらに由来し得る。
【0061】 特定の病原体としてM.tuberculosis、Chlamydia、N
.gonorrhoeae、Shigella、Salmonella、Vib
rio Cholera、Treponema pallidua、Pseud
omonas、Bordetella pertussis、Brucella
、Franciscella tulorensis、Helicobacte
r pylori、Leptospria interrogaus、Legi
onella pneumophila、Yersinia pestis、S
treptococcus(A型およびB型)、Pneumococcus、M
eningococcus、Hemophilus influenza(b型
)、Toxoplasma gondic、Complylobacterio
sis、Moraxella catarrhalis、Donocanosi
s、およびActinomycosis;カンジダ症およびアスペルギルス症を
含む真菌性病原体;テニア属、吸虫類、回虫、アメーバ症、ジアルジア症、クリ
プトスポリジウム属、住血吸虫属、ニューモシスティス、トリコモナス症および
旋毛虫症を含む寄生性病原体が挙げられ得る。従って、本発明はまた、多数の獣
医学の疾患(例えば、手足口病、コロナウイルス属、Pasteurella
multocida、Helicobacter、Strongylus vu
lgaris、Actinobacillus pleuropneumoni
a、ウシのウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、Klebsiella pn
eumoniae、E.coli、Bordetella pertussis
、Bordetella parapertussisおよびBordetel
la brochiseptica)に対する適切な免疫応答を提供するために
使用され得る。
【0062】 (アジュバンド) いくつかの実施形態において、本発明は適切なアジュバンドまたはアジュバン
ドの組み合わせで効率的に使用され得る。例えば、適切なアジュバントとしては
、限定はしないが、以下が挙げられる。水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウ
ム、硫酸アルミニウムなどのようなアルミニウム塩(ミョウバン)から形成され
るアジュバント;完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイン
トアジュバント(IFA)のような水中油および油中水の乳濁液処方物;リポ多
糖(例えば、リピドAまたはモノホスホリルリピドA(MPL)(Imotoら
(1985)Tet.Lett.26:1545−1548)、トレハロースジ
ミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS))を含む細菌細胞壁成分か
ら形成されるアジュバント;熱ショックタンパク質またはこれらの誘導体;AD
P−リボシル化細菌毒素(ジフテリア毒素(DT)、百日咳毒素(PT)、コレ
ラ毒素(CT)、E.coli非耐熱性毒素(LT1およびLT2)、Pseu
domonasエンドトキシンA、PseudomonasエキソトキシンS、
B.cereus細胞外酵素、B.sphaericus毒素、C.limos
um細胞外酵素、C.botulinum C2およびC3毒素、ならびにC.
perfringens、C.spiriforma、およびC.diffic
ile由来の毒素、Staphylococcus aureusEDIN、お
よびCRM197のようなADP−リボシル化細菌毒素変異体、非毒素ジフテリア
毒素変異体(例えば、Bixlerら(1989)Adv.Exp.Med.B
iol.251:175;およびConstantinoら(1992)Vac
cineを参照のこと);Quil A(米国特許第5,057,540号)の
ようなサポニンアジュバント、またはISCOM(免疫賦活複合体)のようなサ
ポニンから生成された粒子;インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、
IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−12など)、イン
ターフェロン(例えば、γインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因
子(M‐CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)、ディフェンシン1または2、RA
NTES、MIP1−αおよびMIP−2などのようなケモカインおよびサイト
カイン;N‐アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(th
r−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン
(nor−MDP)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニ
ル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3
ヒドロキシホスホリロキシ)−エチルアミン(MTP−PE)などのようなムラ
ミルペプチド;CpG分子ファミリー、CpGジヌクレオチドおよびCpGモチ
ーフ(例えば、TCCATGACGTTCCTGATGCT(配列番号1)およ
びATCGACTCTCGAGCGTTCTC(配列番号2))を含む合成オリ
ゴヌクレオチド(例えば、Kriegら、Nature(1995)374:5
46およびDavisら、J.Immunol.(1998)160:870〜
876を参照のこと)由来のアジュバンド;およびPCPP(ポリ[ジ(カルボ
キシルアトフェノキシ)ホスファゼン)(Payneら、Vaccines(1
998)16:92〜98)のような合成アジュバント。このようなアジュバン
トは、多数の業者から市販されている(例えば、Accurate Chemi
cals;Ribi Immunechemicals,Hamilton,M
T;GIBCO;Sigma,St.Louis,MO)。
【0063】 このアジュバンドは個々に送達され得るかまたは2以上のアジュバンドの組み
合わせで送達され得る。この点に関して、組み合わされたアジュバンドは、免疫
応答を促進することにおいて相加的または相乗的効果を有し得る。相乗的効果は
、2以上のアジュバンドを組み合わせることによって達成される結果が、個々に
投与された場合に各アジュバンドを用いて達成された結果を単に加えることによ
り期待される結果よりその効果が大きいことである。
【0064】 (ゲノムライブラリーの調製) ゲノムライブラリーは当該分野で公知の任意の方法により生成され得る。ゲノ
ムDNAに対して種々の供給源が使用され得る。ゲノムDNAは、例えば、Ad
vanced Biotechnologies Inc(ABI)およびCl
onetech,Inc.のような供給源から商業的に入手可能であり得る。別
の標準的な供給源は、もちろん生物(例えば、ウイルス、細菌、寄生生物または
他の病原体)、細胞(例えば、癌細胞)、または選択された組織から単離された
ゲノムDNAである。あるいは、DNAは、当該分野で利用可能な技術によりR
NA(例えば、RNAウイルス)から調製され得る。ゲノムDNAは、選択され
た供給源から標準的な手順により単離され得る。標準的な手順は、代表的には連
続的なフェノールおよびフェノール/クロロホルム抽出に続くエタノール沈殿を
含む。沈殿後、生物、細胞または目的の組織由来のDNAは、制限エンドヌクレ
アーゼで処置され得る。このような制限エンドヌクレアーゼは、完全にDNAを
消化するかまたは部分的にDNAを消化するかのいずれかにより適切なフラグメ
ントを生成し得る。選択された大きさのDNAフラグメントは多くの技術によっ
て分離され得る。このような方法として、アガロースまたはポリアクリルアミド
ゲル電気泳動またはパルスフィールドゲル電気泳動(Carleら(1984)
Nuc.Acid Res.12:5647〜5664;Chuら(1986)
Science234;1582;Smithら(1987)Methods
in Enzymology151:461)が挙げられ、クローニングのため
の適切な大きさの開始マテリアルを提供する。
【0065】 本明細書中で使用する核酸配列を得る別の方法は、組換え手段によるものであ
る。従って、所望の核酸配列は、標準的な分子生物学手順を使用して同じ配列を
保有するベクターから切除され得る。部位特異的DNA切断は、当該分野で一般
的に理解され得る条件(詳細は、市販されている制限酵素の製造者により指定さ
れる)下で適切な制限酵素を用いて処置することにより行われ得る。所望される
場合、切断されたフラグメントの大きさの選別が、標準的な技術を使用するポリ
アクリルアミドゲルまたはアガロースゲル電気泳動により行われ得る。
【0066】 所望される場合、制限切断フラグメントは、標準的技術を使用して4つのデオ
キシヌクレオチドトリホスフェート(dNTP)の存在下でE.coliポリメ
ラーゼI(Klenow)の巨大フラグメントを用いて処置することにより平滑
末端化され得る。クレノウフラグメントは5’一本鎖突出末端を埋めるが、たと
え4つのdNTPが存在しても3’一本鎖突出末端は消化する。所望である場合
、選択されたdNTPの1つのみまたは選択されたdNTPのいくつかを供給す
ることによって天然の突出により決定された制限内で選択的な修復が行われ得る
。クレノウ処置後、混合物は、例えば、フェノール/クロロホルム、およびエタ
ノール沈殿で抽出され得る。S1ヌクレアーゼまたはBAL−31を用いる適切
な条件下での処置は、任意の一本鎖部分の加水分解を生じる。
【0067】 一旦ゲノムフラグメントが調製または単離されると、このような配列は適切な
任意のベクターまたはレプリコンにクローン化され得る。多数のクローニングベ
クターが当業者に公知であり、適切なクローニングベクターの選択は、好みの問
題である。1つの好ましい実施形態において、ゲノムフラグメントがコスミドに
クローン化されコスミドライブラリーが作製される。コスミドクローニングベク
ターが使用される場合、フラグメントは巨大であり、好ましくは約20,000
bp(20kb)〜50,000塩基対(50kb)の間の大きさ(またはこれ
らの間の任意の整数)、好ましくは約25kb〜50kbの間、より好ましくは
30〜35kb〜50kbの間、およびさらに好ましくは約35kb〜50kb
の間である。適切なコスミドベクターは、例えば、市販されているSuperC
os1 Cosmid Vector Kit(Stratagene、La
Jolla、California)である。コスミドへのDNAのライゲーシ
ョンは、製造者により指導されたように行うかまたはこの明細書の教示の観点に
おける当該分野での公知の方法を使用して経験的に決定され得る。
【0068】 別の好ましい実施形態において、ゲノムフラグメントをプラスミドにクローニ
ングし、プラスミドライブラリーを作製する。プラスミドクローニングベクター
を使用する場合、フラグメントは、代表的には、約5,000bp(5kb)と
25,000塩基対(25kb)との間(または、その間の任意の整数)のサイ
ズであり、好ましくは、約10kbと25kbとの間、より好ましくは、約10
〜15kbと25kbとの間、そしてさらにより好ましくは、約15kbと20
kbとの間である。適切なプラスミドベクターは、市販されている。プラスミド
へのDNAの連結は、本明細書中の教示を考慮して、当該分野で周知の方法を使
用して実施される。
【0069】 上記のように、本発明の1つの利点は、その大きいゲノムフラグメントが、内
因性の転写および翻訳調節エレメントを含むことである。このような調節性の制
御配列としては、例えば、プロモーター(転写開始に関連する配列)、エンハン
サー(転写を増強するシス作用性配列)、および他のエレメント(化学的または
物理的刺激(調節化合物の存在を含む)に応答してコード配列の発現を開始また
は停止させるエレメントを含む)が挙げられる。従って、好ましい実施形態にお
いて、ベクターおよび/または挿入されるポリヌクレオチドの分子改変の数は、
最小化される。
【0070】 ベクター構築物内の選択されたヌクレオチド配列が、例えば、そのゲノムフラ
グメントが、細菌または他の原核生物由来であり、そして発現が、真核生物被験
体中で所望される場合に、異種調節配列(例えば、異種プロモーター)の制御下
に配置され得ることもまた、可能である。目的の特定のタンパク質をコードする
配列の改変は、この目的を達成するために所望され得る。例えば、いくつかの場
合において、その配列を制御配列に適切な方向で連結する(すなわち、読み枠を
維持する)ように、その配列を改変することが必要であり得る。制御配列および
他の調節配列は、ベクターへの挿入前に、そのコード配列に連結され得る。ある
いは、コード配列は、制御配列および適切な制限部位を既に含む発現ベクターに
、直接クローニングされ得る。
【0071】 (ポリヌクレオチドの投与) 本明細書中に記載されるゲノムフラグメントおよび補助物質は、任意の適切な
方法によって投与され得る。好ましい実施形態(以下に記載される)において、
ポリヌクレオチドフラグメントを、それらのフラグメントを含む適切な構築物(
例えば、コスミドまたはプラスミド)は、コアキャリア粒子上にコートし、そし
て次いで、そのコート粒子を被験体または細胞に投与することによって、投与さ
れる。しかし、これらのゲノムフラグメントはまた、ウイルスベクターを使用し
てまたは非ウイルス系(例えば、裸の核酸送達)を使用しても送達され得る。
【0072】 (ウイルスベクター) 多くのウイルスベースの系が、遺伝子送達のために使用されている。例えば、
レトロウイルス系が、公知であり、これは、一般に、組み込み欠損(integ
rated defective)プロウイルス(「ヘルパー」)を有するパッ
ケージング株を使用する。このプロウイルスは、そのウイルスの遺伝子の全てを
発現するが、パッケージングシグナル(psi配列として公知)の欠失に起因し
てそれ自身のゲノムをパッケージングし得ない。従って、この細胞株は、空のウ
イルスシェルを産生する。プロデューサー株は、パッケージング株から誘導され
得、この株は、ヘルパーに加えて、そのウイルスの複製およびパッケージングに
シスに必要とされる配列(長末端反復(LTR)として公知)を含むウイルスベ
クターを含む。目的のゲノムフラグメントは、このベクターに挿入され得、そし
てこのレトロウイルスヘルパーによって合成されたウイルスシェルにパッケージ
ングされ得る。次いで、この組換えウイルスを、単離しそして被験体に送達し得
る(例えば、米国特許第5,219,740号を参照のこと)。代表的なレトロ
ウイルスベクターとしては、LHL、N2、LNSAL、LSHLおよびLHL
2ベクター(例えば、米国特許第5,219,740号(これは、その全体が参
考として本明細書中に援用される)に記載される)のようなベクター、ならびに
、これらのベクターの誘導体(例えば、本明細書中に記載の改変型N2ベクター
)が挙げられるが、これらに限定されない。レトロウイルスベクターは、当該分
野で周知の技術を使用して構築され得る。例えば、米国特許第5,219,74
0号;Mannら(1983)Cell 33:153−159を参照のこと。
【0073】 アデノウイルスベースの系は、遺伝子送達のために開発されており、そして本
明細書中に記載のゲノムフラグメントを送達するために適切である。ヒトアデノ
ウイルスは、二本鎖DNAウイルスであり、これは、レセプター媒介エンドサイ
トシスによって細胞に侵入する。これらのウイルスは、ゲノム移入に特に良好に
適切である。なぜなら、これらは、増殖および操作が容易であり、そしてインビ
ボおよびインビトロでの広範な宿主範囲を提示するからである。例えば、アデノ
ウイルスは、造血起源、リンパ起源および骨髄起源のヒト細胞を感染し得る。さ
らに、アデノウイルスは、静止状態ならびに複製中の標的細胞を感染する。宿主
ゲノムに組み込むレトロウイルスとは異なり、アデノウイルスは、染色体外に維
持され、従って、挿入性の変異に関連する危険性を最小化する。このウイルスは
、高力価で産生され、そして精製および保存され得るのに安定である。複製コン
ピテントな形態にあっても、アデノウイルスは、ほんの低レベルの罹患を生じる
のみであり、ヒトの悪性疾患に関連しない。従って、アデノウイルスベクターは
、これらの利点を使用して開発されてきた。アデノウイルスベクターおよびそれ
らの使用の説明については、例えば、Haj−AhmadおよびGraham(
1986)J.Virol.57:267−274;Bettら(1993)J
.Virol.67:5911−5921;Mitterederら(1994
)Human Gene Therapy 5:717−729;Sethら(
1994)J.Virol.68:933−940;Barrら(1994)G
ene Therapy 1:51−58;Berkner,K.L.(198
8)BioTechniques 6:616−629;Richら(1993
)Human Gene Therapy 4:461−476を参照のこと。
【0074】 アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)もまた、本明細書中に記載のいくらか
の小さいゲノムフラグメント(例えば、5kb)を投与するために使用され得る
。AAVベクターは、任意のAAV血清型(限定されないが、AAV−1、AA
V−2、AAV−3、AAV−4、AAV−5、AAVX7などが挙げられる)
から誘導され得る。AAVベクターは、全体または一部が欠失された1以上のA
AV野生型遺伝子(好ましくは、repおよび/またはcap遺伝子)を有し得
るが、1以上の機能的な隣接する逆方向末端反復(ITR)配列を保持し得る。
機能的ITR配列は、一般に、AAVビリオンのレスキュー、複製およびパッケ
ージングに必要であると考えられている。従って、AAVベクターは、少なくと
も、このウイルスの複製およびパッケージングのためにシスに必要な配列(例え
ば、機能的ITR)を含む。ITRは、野生型ヌクレオチド配列である必要はな
く、そしてその配列が、機能的なレスキュー、複製およびパッケージングを提供
する限り、例えば、ヌクレオチドの挿入、欠失または置換によって変更され得る
【0075】 AAV発現ベクターは、少なくとも、転写の方向にある作動可能に連結された
成分として、転写開始領域を含む制御エレメント、目的のDNAおよび転写終結
領域を提供するように、公知技術を使用して構築される。制御エレメントは、哺
乳動物細胞において機能的であるように選択される。作動可能に連結された成分
を含む、この得られた構築物は、機能的AAV ITR配列に(5’側および3
’側で)結合される。適切なAAV構築物は、当該分野で周知の技術を使用して
設計され得る。例えば、米国特許第5,173,414号および同第5,139
,941号;国際公開番号WO92/01070(1992年1月23日公開)
およびWO93/03769(1993年3月4日公開);Lebkowski
ら(1988)Molec.Cell.Biol.8:3988−3996;V
incentら(1990)Vaccine 90(Cold Spring
Harbor Laboratory Press);Carter,B.J.
(1992)Current Opinion in Biotechnolo
gy 3:533−539;Muzyczka,N.(1992)Curren
t Topics in Microbiol,and Immunol.15
8:97−129;Kotin,R.M.(1994)Human Gene
Therapy 5:793−801;ShellingおよびSmith(1
994)Gene Therapy 1:165−169;およびZhouら(
1994)J.Exp.Med.179:1867−1875を参照のこと。
【0076】 (従来の薬学的調製物) 本発明のゲノムDNAフラグメントを含む調製物の処方(アジュバント組成物
の添加を含むかまたは含まない)は、標準的な薬学的処方物の化学および方法(
これらの全ては、当業者に容易に利用可能である)を使用して行われ得る。例え
ば、1以上のゲノムフラグメント(例えば、プラスミドまたはコスミドに存在す
る)を含む組成物に、1以上の薬学的に受容可能な賦形剤またはビヒクルを合わ
せて、液体調製物を提供し得る。
【0077】 補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質など)が、賦形剤また
はビヒクル中に存在し得る。これらの賦形剤、ビヒクルおよび補助物質は、一般
に、組成物を受ける個体において免疫応答を誘導せず、かつ過度の毒性を伴わず
に投与され得る、薬学的薬剤である。薬学的に受容可能な賦形剤としては、水、
生理食塩水、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、グリセロールおよびエタ
ノールのような、液体が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に受容可
能な塩(例えば、鉱酸塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩な
ど);ならびに有機酸の塩(例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安
息香酸塩など)が、これらに含まれ得る。必要ではないが、特に、ペプチド、タ
ンパク質または他の同様の分子について、それらがワクチン組成物に含まれる場
合に、安定化剤として作用する薬学的に受容可能な賦形剤を、その調製物が含む
こともまた、好ましい。これもまたペプチドについて安定化剤として作用する適
切なキャリアの例としては、限定はしないが、薬学的グレードのデキストロース
、スクロース、ラクトース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、イノ
シトール、デキストランなどが挙げられる。他の適切なキャリアとしては、これ
もまた限定はしないが、デンプン、セルロース、リン酸ナトリウムもしくはリン
酸カルシウム、クエン酸、酒石酸、グリシン、高分子量ポリエチレングリコール
(PEG)およびこれらの組み合わせが挙げられる。薬学的に受容可能な賦形剤
、ビヒクルおよび補助物質の徹底的考察は、REMINGTON’S PHAR
MACEUTICAL SCIENCES(Mack Pub.Co.、N.J
.1991)(本明細書中に参考として援用される)にて入手可能である。
【0078】 核酸取込みおよび/または発現の特定の促進剤(「トランスフェクション促進
剤」)もまた、この組成物中に含まれ得、それは例えば、ブピバカイン、カルジ
オトキシンおよびスクロースのような促進剤、ならびに核酸分子を送達するため
に慣用的に使用されるリポソーム調製物もしくは脂質調製物のような、トランス
フェクション促進ビヒクルである。アニオン性リポソームおよび中性リポソーム
は、核酸分子を送達するために広く利用可能であり、かつ周知である(例えば、
Liposomes:A Practical Approach(1990)
RPC New Ed.、IRL Pressを参照のこと)。カチオン性脂質
調製物もまた、核酸分子の送達における使用のための周知のビヒクルである。適
切な脂質調製物としては、DOTMA(N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ
)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド)(商標名Li
pofectinTMの下で入手可能)およびDOTAP(1,2−ビス(オレイ
ルオキシ)−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン)(例えば、Felgne
rら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:74
13〜7416;Maloneら(1989)Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 86:6077〜6081;米国特許第5,283,185号
および同第5,527,928号および国際公開番号WO90/11092、W
O 91/15501およびWO 95/26356を参照のこと)が挙げられ
る。これらのカチオン性脂質は、好ましくは、中性脂質(例えば、DOPE(ジ
オレイルホスファチジルエタノールアミン)と会合して使用され得る。上記脂質
調製物またはリポソーム調製物に添加し得るなおさらなるトランスフェクション
促進組成物としては、スペルミン誘導体(例えば、国際公開番号WO 93/1
8759)および膜透過性化化合物(例えば、GALA、グラミシジンSおよび
カチオン性胆汁酸塩(例えば、国際公開番号WO 93/19768を参照のこ
と))が挙げられる。
【0079】 あるいは、本発明の核酸分子は、粒子状キャリアにカプセル化されても、吸着
されても、または結合してもよい。適切な粒子状キャリアとしては、ポリメチル
メタクリレートポリマーに由来するキャリア、ならびにポリ(ラクチド)および
ポリ(ラクチド−co−グリコシド)に由来するPLG微粒子が、挙げられる。
例えば、Jefferyら(1993)Pharm.Res.10:362〜3
68を参照のこと。他の粒子状の系およびポリマー(例えば、ポリリジン、ポリ
アルギニン、ポリオルニチン、スペルミン、スペルミジン、ならびにこれらの分
子の結合体のような、ポリマー)もまた使用され得る。
【0080】 従って、処方されたワクチン組成物は、代表的には、免疫学的応答をマウント
するに十分な量で、選択された病原体由来の少なくとも1つのゲノムフラグメン
トを含むポリヌクレオチド(例えば、プラスミドまたはコスミド)を含む。適切
な有効量は、当業者により容易に決定され得る。このような量は、慣用的試験を
介して決定され得る比較的広範な範囲内にある。例えば、免疫応答は、1μg程
度の少なさのDNAを使用して得られているが、一方他の投与は、2mgまでの
DNAが使用されいる。ゲノムフラグメントを含むポリヌクレオチドの有効用量
は約10μg〜1000μgの範囲内にあるが、この範囲を超える用量およびこ
の範囲より下の用量もまた、有効であることが見出され得ることが、一般的に予
期される。従って、この組成物は、約0.1%〜約99.9%のポリヌクレオチ
ド分子を含み得る。
【0081】 (従来の薬学的調製物の投与) 上記の薬学的調製物の投与は、処置の過程の間中、連続的または断続的に、一
用量で効果を及ぼし得る。送達は、最も典型的に、液体組成物のためおよび粒子
状組成物を含む液体懸濁液のために従来の針およびシリンジを介する。さらに、
種々の液体ジェット注入器が、当該分野において公知であり、そして本組成物を
投与するために利用され得る。最も有効な投与の手段および用量を決定する方法
は、当該分野において周知であり、そして送達ビヒクル、治療の組成物、標的細
胞および処置されている被験体によって変化する。一回または複数回の投与は、
主治医によって選択されている用量レベルおよびパターンによって実施され得る
。1より多いゲノムフラグメントが、送達されるポリヌクレオチドベクター構築
物によって運ばれ得ることが理解されるべきである。あるいは、別のベクター(
例えば、コスミドまたはプラスミド)(それぞれ、任意の病原体由来の1以上の
抗原を発現する)はまた、本明細書中に記載されるように、被験体に送達され得
る。
【0082】 さらに、本発明の方法によって送達されたポリヌクレオチドは、他の適切な組
成物または治療と組み合わされることも意図される。例えば、被験体における免
疫応答を増強するために、本明細書中に記載される組成物および方法は、薬理学
的因子、サイトカインなどのような補助物質(例えば、アジュバント)をさらに
含み得る。補助物質は、例えば、本明細書中に記載されるDNAワクチン(例え
ば、コスミドまたはプラスミド)の投与時に、投与前に、または投与に続いて、
タンパク質または他の高分子として投与され得る。核酸分子組成物はまた、当業
者に公知の方法を用いて、被験体に直接投与され得るか、あるいは、被験体由来
の細胞へエキソビボで送達され得る。
【0083】 (コートされた粒子) 1つの実施形態において、ゲノムフラグメントを含む構築物(例えば、プラス
ミドまたはコスミド)、および他の補助成分(例えば、アジュバント)は、キャ
リア粒子を用いて送達される。このような核酸調製物を投与するための粒子媒介
送達方法は、当該分野において公知である。従って、一旦、調製され、そして安
定に精製されると、上記のプラスミドおよびコスミド構築物は、当該分野におい
て公知の種々の技術を用いて、キャリア粒子(例えば、コアキャリア)上にコー
トされ得る。キャリア粒子は、適切な粒子送達デバイスからの細胞内送達のため
に典型的に使用される粒子サイズの範囲で適切な密度を有する材料から選択され
る。最適なキャリア粒子のサイズは、もちろん、標的細胞の直径に依存する。
【0084】 本発明の目的のために、タングステン、金、白金およびイリジウムコアキャリ
ア粒子が使用され得る。タングステンおよび金粒子が好ましい。タングステン粒
子は、直径が0.5〜2.0μmの平均サイズにおいて容易に入手可能である。
このような粒子は、粒子送達方法における利用のために最適な密度を有し、そし
てDNAによる高度に有効なコーティングを可能とするが、タングステンは、特
定の細胞型に対して潜在的に有毒であり得る。従って、金粒子または微晶質の金
(例えば、金パウダーA1570(これは、Engelhard Corp.、
East Newark、NJから入手可能))はまた、本方法による使用を見
い出す。金粒子は、サイズの均一性(1〜3μmの粒子サイズがAlpha C
hemicalsから入手可能、または0.95μmを含む範囲の粒子サイズが
Degussa、South Plainfield、NJから入手可能)、お
よび減少した毒性を提供する。
【0085】 多くの方法が公知であり、そして金またはタングステン粒子状にDNAまたは
RNAをコーティングまたは沈殿させるために記載された。このような方法のほ
とんどは、通常、前もって決められた量の金またはタングステンとプラスミドD
NA、CaCl2およびスペルミジンを組み合わせる。得られた溶液は、反応混
合物の均一性を保証するために、コーティング手順の間、頻繁にボルテックスさ
れる。核酸の沈殿後、コートされた粒子は、適切な膜へと移され得、そして使用
前に乾燥させられ、サンプルモジュールまたはカセットの表面上へコートされ、
あるいは適切な粒子送達デバイスにおける使用のための送達カセットへと充填さ
れ得る。
【0086】 ペプチドアジュバント(例えば、サイトカインおよび細菌毒素)はまた、同じ
かまたは類似したコアキャリア粒子上にコートされ得る。例えば、ペプチドは、
経験的に決定された割合で2つの成分を単に混合することによるか、硫酸アンモ
ニウム沈殿または当業者に知られた他の溶媒沈殿方法によってか、あるいはキャ
リア粒子へのペプチドの化学結合によって、キャリア粒子に付着され得る。L−
システイン残基の金への結合は、以前に記載された(Brownら、Chemi
cal Society Reviews 9:271−311(1980))
。他の方法としては、例えば、無水エタノール、水、またはアルコール/水混合
物中にペプチドアジュバントを溶解させ、一定量のキャリア粒子をこの溶液に添
加し、次いで、ボルテックスする間に、空気または窒素ガス流の下でこの混合物
を乾燥させる方法が挙げられる。あるいは、アジュバントは、真空下での遠心分
離によってキャリア粒子上に乾燥させ得る。一旦乾燥すると、コートされた粒子
は、適切な溶媒(例えば、エチルアセテートまたはアセトン)中に再懸濁され、
そして実質的に均質な懸濁液を提供するために(例えば、超音波処理によって)
粉砕させ得る。次いで、アジュバントでコートされたコアキャリア粒子は、ゲノ
ムフラグメント構築物を有するコアキャリア粒子と結合され得、そして一回の粒
子注入工程において投与され得るか、またはゲノムフラグメント組成物とは別々
に投与され得る。
【0087】 (コートされた粒子の投与) 本発明の核酸調製物で(単独に、または例えば、アジュバント調整物と組み合
わせて)コートされたキャリア粒子は、これらの形成に続いて、粒子媒介送達技
術を用いて被験体に送達される。
【0088】 粒子媒介送達技術に適した種々の粒子送達デバイスは、当該分野において公知
であり、そして全て本発明の実施における使用に適している。現在のデバイス設
計は、標的細胞にコートされたコアキャリアを進ませるために、爆発性の電子ま
たはガス放電を利用する。コートされた粒子は、それら自身が移動可能なキャリ
アシートに放出可能に付着され得るか、またはガス流が通る表面に移動可能に付
着し、粒子を表面からから持ち上げ、そしてそれらを標的に向かって加速し得る
。ガス放電デバイスの例は、米国特許第5,204,253号に記載される。爆
発型のデバイスは、米国特許第4,945,050号に記載される。電子放電型
の粒子加速装置の一例は、米国特許第5,120,657号に記載される。本明
細書中での使用に適した別の電子放電装置は、米国特許第5,149,655号
に記載される。これらの特許の全ての開示は、本明細書中でその全体が参考とし
て援用される。
【0089】 コートされた粒子は、投与処方物に適合可能な形態で、そして所望の免疫応答
を引き起こすのに有効な量で、処置されるべき被験体に投与される。投与される
べき組成物の量(これは、核酸分子の場合は、通常、用量あたり0.001〜1
00.0μg、より典型的には、0.01〜10.0μgの範囲の核酸分子であ
り、そしてペプチドまたはタンパク質分子の場合は、1μg〜5mg、より典型
的には、1〜50μgのペプチドである)は、処置されるべき被験体に依存する
。必要な正確な量は、免疫化される個体の年齢および通常の状態、選択される特
定のヌクレオチド配列またはペプチド、および他の因子に依存して変化する。適
切な有効量は、瞬時の仕様の読み取りに依存して、当業者によって容易に決定さ
れ得る。
【0090】 従って、本明細書中に記載されるゲノムフラグメントの有効量は、免疫化され
た被験体に適切な免疫応答を引き起こすのに十分であり、そして普通の治験によ
って決定され得る比較的幅広い範囲になる。好ましくは、コートされたコア粒子
は、処置される被験体に免疫応答(例えば、T細胞活性化)を引き起こすために
、適切なレシピエント細胞に送達される。
【0091】 (粒子状組成物) あるいは、本発明のゲノムフラグメント(例えば、ゲノムフラグメントを有す
るプラスミドまたはコスミド構築物)および1以上の選択されたアジュバントは
、粒子状素子得物として処方され得る。より具体的には、目的のゲノムフラグメ
ントを含む粒子の処方は、標準的な薬学的処方化学または方法論を用いて実施さ
れ得、これらは全てかなり熟練した当業者に容易に利用可能である。例えば、1
以上のベクター構築物および/またはアジュバントは、1以上の薬学的に受容可
能な賦形剤またはビヒクルと結合し得、ワクチン組成物を提供し得る。界面活性
剤または乳化剤、pH緩衝物質などのような補助物質は、賦形剤またはビヒクル
に存在する。これらの賦形剤、ビヒクルおよび補助物質は、通常、それら自身は
、その組成物を受け取る個体に免疫応答を引き起こさず、そして過度の毒性なし
で投与され得る薬学的因子である。薬学的に受容可能な賦形剤としては、水、生
理的食塩水、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、グリセリンおよびエタノ
ールのような液体が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に受容可能な
塩としては、その中に、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リ
ン酸塩、硫酸塩など);および有機酸の塩(例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、
マロン酸塩、安息香酸塩など)が含まれ得る。必要とされないが、また、核酸組
成物は、特に、ペプチド、タンパク質あるいは他の同様なアジュバントまたは補
助的材料のために、スタビライザーとして作用する薬学的に受容可能なキャリア
を含むことも好ましい。ペプチドのためのスタビライザーとしても作用する適切
なキャリアの例としては、限定なしに、以下が挙げられる:薬学的グレードのブ
ドウ糖、スクロース、ラクトース、トレハロース 、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、デキストランなど。他の適切な
キャリアとしては、また限定なしに、以下が挙げられる:デンプン、セルロース
、リン酸ナトリウムまたはリン酸カルシウム、クエン酸、酒石酸、グリシン、高
分子量のポリエチレングリコール(PEG)、およびそれらの組合せ。薬学的に
受容可能な賦形剤、キャリア、スタビライザーおよび他の補助物質の徹底的な議
論は、REMINGTONS PHARMACEUTICAL SCIECES
(Mack Pub.Co.、N.J.1991)において利用可能であり、こ
れは本明細書中で参考として援用される。
【0092】 処方された組成物は、上記のように免疫的応答を引き起こすのに十分な量の目
的のゲノムフラグメントを含む。適切な有効量は、当業者によって容易に決定さ
れ得る。このような量は、通常、目的の核酸構築物の約0.1μg〜25mg以
上の範囲の比較的広い範囲にあり、そして特定の適切な量は、通常の治験によっ
て決定され得る。この組成物は、約0.1%〜約99.9%の核酸分子を含み得
る。アジュバントが組成物に含まれる場合、または粒子状アジュバント組成物を
提供するための方法が使用される場合、アジュバントは、上記のような適切な量
で存在する。次いで、組成物は、標準的な技術(例えば、単純エバポレーション
(空気乾燥)、真空乾燥、スプレー乾燥、凍結乾燥(freeze dryin
g)(凍結乾燥(lyophilization))、スプレー凍結乾燥、スプ
レーコーティング、沈殿、超臨界流体粒子形成など)を用いて、粒子として調製
される。所望される場合、得られた粒子は、共有に係る国際公開番号WO97/
48485(これは本明細書中で参考として援用される)に記載される技術を用
いて密度を高められ得る。
【0093】 一回単位の用量または多用量の容器(これには、使用前に粒子がパッケージさ
れ得る)としては、適切な核酸構築物(例えば、プラスミドまたはコスミド)お
よび/あるいは(例えば、ワクチン組成物を提供するための)選択されたアジュ
バントを含む適切な量の粒子を同封する密閉してシールされた容器が挙げられ得
る。粒子状組成物は、無菌の処方物としてパッケージングされ得、次いで、密閉
してシールされた容器が本発明の方法における使用まで処方物を無菌に保つため
に設計され得る。所望される場合、容器は、粒子送達デバイスにおける直接の使
用のために適合され得る。このような容器は、カプセル、ホイルポーチ、袋(s
achet)カセットなどの形態をとり得る。適切な粒子送達デバイス(例えば
、無針シリンジ)は、本明細書中に記載される。
【0094】 粒子がパッケージングされる容器は、組成物を同定し、そして明らかな用量の
情報を提供するために、さらに標識され得る。さらに、容器は、政府の機関(例
えば、食品医薬品局)に規定された形式の警告で標識され得、ここで、この警告
は、ヒト投与のために容器の中に含まれる抗原、アジュバント(またはワクチン
組成物)の製造、使用あるいは販売の連邦法の下におけるこの機関による承認を
示す。
【0095】 次いで、粒子状の組成物(目的の1以上のフラグメント単独を含むか、または
選択されたアジュバントと組み合わせた)は、経皮送達技術を用いて投与され得
る。好ましくは、粒子状組成物は、パウダー注入方法を用いて、例えば、共有に
係る国際公開番号WO94/24263、WO96/04974、WO96/1
2513およびWO96/20022(これらは全て、本明細書中で参考として
援用される)に記載されるシステムのような無針シリンジシステムから送達され
る。このような無針シリンジシステムからの粒子の送達は、典型的に、通常0.
1〜250μmの範囲、好ましくは、約10〜70μmの範囲のおおよそのサイ
ズを有する粒子で実施される。約250μmより大きな粒子はまた、デバイスか
ら送達され得、これは、粒子のサイズが皮膚細胞に対して厄介な損傷を引き起こ
す点である上限を有する。送達される粒子が標的表面を貫通する実際の距離は、
粒子サイズ(例えば、球状の粒子ジオメトリーを粗く仮定する名目上の粒子直径
)、粒子密度、粒子が表面に衝突する初期速度、ならびに標的化された皮膚組織
の密度および力学的粘度に依存する。この点において、無針注入における使用の
ための最適な粒子密度は、通常、約0.1と25g/cm3の間、好ましくは約
0.9と1.5g/cm3の間の範囲であり、そして注入粘度は、通常、約10
0と3,000m/秒の間の範囲であるか、またはそれより大きい。適切なガス
圧によって、10〜70μmの平均直径を有する粒子は、駆動しているガス流の
超音速に近づく速度でノズルを通って加速され得る。
【0096】 所望される場合、これらの無針シリンジシステムは、ゲノムフラグメントおよ
び/または選択されたアジュバントを含む粒子の適切な用量を含む前もって充填
された状態で提供され得る。充填されたシリンジは、密閉してシールされた容器
内にパッケージングされ得、この容器は、さらに上記のように標識され得る。
【0097】 従って、約10〜約250μm、好ましくは約10〜150μmの範囲、そし
て最も好ましくは約20〜約60μmのサイズ;および約0.1〜約25g/c
3の範囲の粒子密度、ならびに約0.5〜約3.0g/cm3、またはそれ以上
のバルク密度を有する核酸粒子を得るための方法が使用され得る。
【0098】 同様に、約0.1〜約250μm、好ましくは約0.1〜約150μmの範囲
、そして最も好ましくは約20〜約60μmのサイズ;約0.1〜約25g/c
3の範囲の粒子密度、および好ましくは、約0.5〜約3.0g/cm3、そし
て最も好ましくは約0.8〜約1.5g/cm3のバルク密度を有する選択され
たアジュバントの粒子を得ることができる。
【0099】 (粒子状組成物の投与) 粒子状組成物(例えば、パウダー)を、それらの形成に続いて、適切な経皮送
達技術を用いて、脊椎動物被験体の組織に経皮的に送達し得る。目的の物質を投
与するのに適した種々の粒子送達デバイスは、当該分野において公知であり、そ
して本発明の粒子における使用が見い出される。特に好ましい経皮粒子送達シス
テムは、制御された用量でインタクトな皮膚および組織へ、そしてそれらを通っ
て固体粒子を発射するために、無針シリンジを利用する。例えば、Bellho
useらに対する米国特許第5,630,796号(これは、無針シリンジ(こ
れは、「PowderJect(登録商標)粒子送達デバイス」としても知られ
る)について記載する)。他の無針シリンジコンフィギュレーションは、当該分
野において公知であり、そして本明細書中に記載される。
【0100】 本明細書中に記載される治療的有効量の粉体化分子を含む組成物は、上記の粒
子送達デバイスによって任意の適切な標的組織へと送達され得る。例えば、組成
物は、筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、軟
骨性骨(bone cartilge)、膵臓、腎臓、膀胱、胃、腸管、精巣、
卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺および結合組織に送達され得る。核酸分子の
ために、送達は、好ましくは、最後まで分化した細胞へと送達され、そしてこれ
らの細胞においてこの分子は発現する;しかし、この分子はまた、未分化の細胞
または部分的に分化した細胞(例えば、血液の幹細胞または皮膚の繊維芽細胞)
へ送達され得る。
【0101】 粉体化された組成物は、投与処方物と適合可能な形態で、そして予防的および
/または治療的に有効である量で、処置されるべき被験体に投与される。送達さ
れるべき組成物の量は、通常、0.5μg/kg〜100μg/kgの範囲の用
量あたりの核酸であるが、処置されるべき被験体に依存する。他の医薬品(例え
ば、生理学的に活性なペプチドおよびタンパク質)のための用量は、通常、約0
.1μg〜約20mg、好ましくは、10μg〜約3mgの範囲である。必要な
正確な量は、処置されるべき個体の年齢および通常の状態、処置される状態の重
篤度、送達される特別の調製物、投与部位および他の因子に依存して変化する。
適切な有効量は、当業者によって容易に決定される。
【0102】 従って、この粒子状化合物の「治療的有効量」は、疾患または状態の徴候の処
置または予防するのに十分であり、そして通常の治験を通して決定され得る比較
的幅広い範囲になる。
【0103】 以下は、本発明を実施するための特定の実施形態の例である。実施例は、例示
的な目的のみのために提供され、そして本発明の範囲をいかなる形態でも限定す
ることを意図しない。
【0104】 (実施例) 使用された数値(例えば、量、温度など)に関して、正確さを保証するための
試みがなされたが、もちろん、いくらかの実験誤差および偏差を考慮するべきで
ある。
【0105】 (実施例1:HSV−2コスミドを用いる核酸免疫化) HSV−2ゲノムDNAを含むDNAワクチンコスミドを用いる核酸の免疫化
の特異性および有効性を評価するために、以下の研究を実施した。
【0106】 (A.コスミド調製) HSV−2コスミド: HSV−2ゲノムDNAを、HSV−2株MS(ATCC番号VR−54T)
でVero細胞(ATCC番号CCL−81)を感染させ、そしてこの感染細胞
からゲノムDNAを単離することによって得た。HSV−2ゲノムのフラグメン
トを含むコスミドを、上記のように、制限酵素EcoRI(New Engla
nd Biolabs)によってHSV−2ゲノムDNAを消化することによっ
て生成した。図1に示されるように、HSVゲノムをマッピングした。そしてH
SVゲノムは、矢印で図中に示されるように、少なくとも10のEcoR1部位
を含む。消化されたDNAを、StratageneからのSuperCos
1 Cosmid Vector Kitを用いて、製造者の指示に従って、コ
スミドに連結させた。まず、ポジティブコスミドを、精製したコスミドDNAの
EcoRI消化によって生成されたフラグメントのサイズから同定した。消化さ
れたDNAを、1%アガロースゲル上に充填した(15時間パルス場電気分解、
0.5×TBE緩衝液中で、6V/cm、120°角、14℃での実行時間)。
さらなる同定は、他の制限酵素によって作製した制限マップに基づいた。この予
備分析を使用して、図1に示されるHSV−2ゲノムに対するフラグメントの位
置を決定した。例えば、コスミド番号68は、示される7番目から10番目のE
coR1部位に伸びるHSV−2ゲノムのフラグメントを含み、一方、クローン
番号74は、1番目から4番目の示されたEcoR1部位を通って伸びるHSV
−2フラグメントを含む。
【0107】 (B.コートされた微粒子の調製) コスミドDNAを、Eisenbraumら((1993)DNA Cell Biol.12:791−797)によって記載される技術を用いて、1〜3
μmの金粒子(Degussa Corp.、South Plainfiel
d、NJ)上にコートした。簡潔にいうと、13.26mgの1〜3ミクロンの
金パウダー(Degussa)および適切な量のコスミドDNA(金パウダー1
mg当たり2μg)を、0.05Mのスペルミジン(Sigma) 500μl
を含む1.5mlの遠心管に添加することによって、コスミドDNAを金パウダ
ーに付着させた。コスミドDNAおよび金を、ボルテックスする間に、10%の
CaCl2(Fujisawa)液滴 500μlの添加によって共沈殿させ、
その後、沈殿物を数分間静置させた。金/DNA沈殿物を、15秒間のマイクロ
遠心分離(microcentrifuge)における遠心分離によって濃縮し
、無水エタノール(Spectrum)中で3回洗浄し、そして適切な量のエタ
ノール(8.84mg金パウダー/1mlエタノール)およびポリビニルピロリ
ドン(pyrrilodine)(PVP)(Spectrum)(0.05m
g/エタノール1ml)に再懸濁させた。次いで、懸濁液を、ガラスバイアルに
移し、これにキャップをして、そして2〜5秒間、ソニケーティング(soni
cating)水浴に浸してクランプを溶解させた。次いで、このエタノール溶
液をTefzel管材(McMaster−Carr)へと注入し、そして遠心
力を用いて、金/DNAを管材の側面に付着させた。次いで、残りのエタノール
を、小さな制御された窒素ガス流を用いて放出した。次いで、この管を窒素ガス
流と共に1時間乾燥させ、そして次いで、0.5インチのカートリッジへと切り
分けた。このカートリッジを、使用まで防湿剤を用いて、きつくキャップしたガ
ラスシンチレーションバイアル中において、4℃で貯蔵した。
【0108】 次いで、DNAコートされた金粒子を、McCabeに対する米国特許第5,
584,807号に記載されるように、Tefzel(登録商標)管材に充填し
、そして粒子送達デバイスにおいてカートリッジとして利用するために、この管
材を1,27cmの長さに切り分けた。ヘリウム−パルスPowerJect(
登録商標)XR粒子送達デバイスは、以前記載されており(米国特許第5,58
4,807号を参照)、そしてこれを、PowderJect Vaccine
s、Madison、WIから得た。ワクチン接種において、各1.27cmの
カートリッジは、通常、1μgのDNAでコートされた0.5mgの金粒子を含
んだ。
【0109】 (C.免疫化) Balb/cマウスを、コスミドでコートされた単一鋳造の金ビーズを用いて
、粒子媒介送達によって免疫化した(約1μgコスミド/1mg金、鋳造あたり
0.5mgの送達される金)。動物を初回刺激後4週間目に、ブーストした。血
清をブースト時(4週間目)におよびその後2週間後(6週間目)に収集した。
【0110】 6週間目のマウスの血清抗体レベルをELISAを用いて検出した。簡潔に言
うと、HSV−2抗原をPBS中に10μl/mlの濃度で調製した。約1μg
タンパク質/ウェルの濃度のために、HSV−2抗原調製物 100マイクロリ
ットルを、96ウェルプレート(Costar)の各ウェルに添加した。このプ
レートを4℃で一晩インキュベートし、次いで、PBS/0.05%Tween
20溶液で3回洗浄した。このプレートを、5%の粉乳と共にPBS/Twe
enで、室温で1時間ブロックした。PBS/Tween中において1:100
で、希薄なウサギ抗HSV−2(コントロール)抗体またはマウス血清(未知)
を、適切なウェルに添加した。このプレートをPBS/0.05% Tween
20で3回洗浄した。PBS/Tween中のヤギ抗ウサギに結合したビオチ
ンの1;8000期尺物を調製し、そして100μlを各ウェルに添加した。こ
のプレートをPBS/0.05% Tween 20で3回洗浄した。ストレプ
トアビジン−HRPの1:8000希釈物を調製し、100μlを各ウェルに室
温で1時間のインキュベーションの間添加した。このプレートをPBS/0.0
5% Tween 20で6回洗浄した。TMBを使用直前に調製し、100μ
lを各ウェルに添加し、そして室温で15分間インキュベートした。反応を1N
のNH2SO4 100μlの添加によって停止させ、そして光学密度の値を45
0nmで自動化プレートリーダー上で読んだ。1:160希釈物からの値を、個
体動物(各群あたり4匹)について平均化し、そしてコントロール群(エンプテ
ィ(empty)ベクターでワクチン接種された動物)の光学密度を減算した。
特定のコスミドの結果を図2に示す。バー上の数は、異なるコスミドクローンの
名前である。
【0111】 (D.細胞性免疫応答) 脾臓細胞増殖アッセイを、HSV−2ゲノム由来のコスミドが細胞性免疫(C
MI)応答を惹起する能力をさらに評価するために行った。このアッセイは、H
SV−2抗原に反応して、インビトロで培養された脾臓由来のリンパ球が増殖す
る(すなわち、増殖および分裂し、次いで数を増やす)能力を測定する。増殖量
が多ければ、より高い刺激指数スコアによって評価されるので、抗原に対すr免
疫応答はより強い。
【0112】 BALB/cマウスを、pTargetベクター(Promega)へとクロ
ーン化されたHSV−2ゲノムDNAから増幅させたHSV−2 gD−抗原P
CRの発現に対する遺伝子を含むプラスミドか、またはHSV−2ゲノム由来の
コスミド(上記のように番号68と命名された)のいずれかを用いて免疫化した
。PowderJect(登録商標)XR粒子送達デバイスを使用して、プラス
ミド/コスミドDNAコートされた金粒子を表皮へと送達することによってマウ
スをワクチン接種した。マウスをプライムおよび2回のブーストで(それぞれ4
週間離して与えた)免疫化した。各免疫化は、1μgのDNA/0.5mg金を
送達する単一の注入剤からなっていた。これらのマウスに、タンパク質抽出物(
PBS中の100μg)も耳介に注入し、第3のブースト免疫化後1〜2週間目
に、これらのマウスの遅延型過敏性応答を起こす能力を評価した。これらの動物
の右耳および左耳に、HSV−2感染した、またはHSV−2感染していない培
養VERO細胞(ATCC番号CCL−81)由来のタンパク質抽出物を、それ
ぞれ注入した。
【0113】 タンパク質注入後3週間目に、2匹の非免疫ナイーブマウスと共に、各免疫化
群(図の凡例欄において、「gDプラスミドおよびコスミド番号68」と命名さ
れる)から2匹のマウスを屠殺した。これらの動物由来の脾臓細胞を単離し、そ
して純粋なgDタンパク質(0.1μg/ウェル)か、またはHSV−2感染し
たVERO細胞タンパク質抽出物(25または10μg/ウェル)のいずれかと
共に、あるいは添加される抗原なしでインビトロで培養した。培養の3日後に、
異なる脾臓細胞集団の抗原に惹起された増殖応答を、分裂細胞中へ取り込まれた
放射線標識されたチミジンの量によって測量した(シンチレーションカウンター
において、1分ごとの数として測定した)。刺激指数を、抗原刺激された脾臓細
胞内に取り込まれた放射能の量(すなわち、1分あたりの数(cpm))を、そ
れらの抗原刺激されていない脾臓細胞部分のcpmで除算することによって計算
した。図3において、抗原刺激された非免疫ナイーブ脾臓細胞の刺激指数を、免
疫化されたマウス由来の脾臓細胞の刺激指数から減算し、gD−抗原発現プラス
ミドによって惹起された抗原特異的細胞性免疫のレベルの、HSV−2ゲノム由
来のコスミドによって惹起されたレベルと比較した、真の代表値を得た。
【0114】 これらの結果は、明らかに、HSV−2ゲノム由来のコスミド番号68は、マ
ウスにおいて、HSV−2抗原に対する強力なCMI応答を惹起し得ることを示
す。gDタンパク質に対するCMI応答は、コスミド番号68で免疫化したマウ
スから得られた脾臓細胞のCMI応答と比較して、gDプラスミド免疫化された
マウスから得られた脾臓細胞に対してわずかにより高い。対照的に、HSV−2
感染したVERO細胞(これは、HSV−2抗原の多重配列を含む)由来のタン
パク質抽出物に対するCMI応答は、コスミド番号68で免疫化されたマウスか
ら得られた脾臓細胞に対して、単一のgD抗原発現プラスミドで免疫されたマウ
スから得られた脾臓細胞のCMI応答と比較して、有意により高かった。従って
、これらのデータは、より強力なCMI応答を引き起こすために、コスミドベー
スのDNAワクチンの使用することの有用性を示す。
【0115】 同様に、モルモット動物モデル系において、上記のHSV−2ゲノム由来のコ
スミドを用いて実験を行った。このコスミドもまた、これらの動物において、強
力なCMI応答を惹起した。免疫化されたモルモットにおける引き続いてのチャ
レンジ研究において、保護免疫が観察されなかったが、これらの結果は、決定的
ではないと考えられた。
【0116】 (実施例2:HSV−2プラスミドを用いた核酸免疫化) (A.プラスミド構築物) HSV−2ゲノムDNAを、HSV−2株MS(ATCC番号VR−54T)
でVERO細胞(ATCC番号CCL−81)を感染し、そして精製したウイル
ス粒子からゲノムDNAを単離することによって得た。ゲノムDNAを用いて、
PCRを行い、プラスミドベクターへのクローニングのためのセグメントを増幅
した。
【0117】 プライマーgB2(これは、以下の配列を有する:CGC GTC TAG
AAA CGT TCG CGA CCA CGG GTG AC(配列番号3
))およびプライマーgB3(これは、以下の配列を有する:CGC GTC
TAG ATG ATG GGG TCC CGC TAA CTC GC(配
列番号4)(これらは、それぞれ、HSV−2ゲノムの58160および529
30での配列に対応する)を用いて、PCRによって、約5200bpの産物を
増幅した。第2のPCR産物を、プライマーgB2(配列番号3)およびプライ
マーgB4(これは、以下の配列を有する:CGC GTC TAG ACC
TTC ATG ACC GCG CTG GTC CT(配列番号5))(こ
れらは、それぞれ、HSV−2ゲノムの58160および49670での配列に
対応する)を用いて、生成した。これは、約8500bpの産物を産生した。両
方の産物は、糖タンパク質Bプロテインをコードするゲノム配列を含む。
【0118】 PCRサイクルの仕様は以下のとおりであった:98℃30秒、70℃10分
、を35サイクルについて。PCR反応を、Expand Long temp
ate PCR system(Boehringer Mannheim)を
用いて実施した。反応条件は、各プライマー 20pモル、HSV−2ゲノムD
NA 1μg、1×緩衝液番号1(5mM Tris−HCl、pH9.2、1
.6mM (NH42SO4、1.75mM MgCl2)、200μM デオキ
シヌクレオチド(dNTP、Sigma)、1% DMSO、10mM MgS
4、50μlまでのH2Oおよび1UのExpand DNAポリメラーゼ)。
PCR産物を、さらなる100μM dNTPの添加後に、1U Taq DN
Aポリメラーゼ(Promega)と共に、この産物を72℃で10分間インキ
ュベートすることによって、「Aテール化(A−tailed)」した。PCR
フラグメントをアガロースゲルから精製し、そしてpGEM−T Easyベク
ター系(Promega)へ、製造者の指示を用いて、連結させた。TOP 1
0 E.coliコンピテント細菌(Stratagene)を、エレクトロポ
レーションによって連結混合物で形質転換し、そしてプラスミドを保持する細菌
をアンピシリンで調製した寒天プレート上で単離した。DNAミニプレッツを、
選択された細菌クローンの一晩の培養物から作製し、そして精製したプラスミド
を所望の挿入物について試験した。アガロースゲル上での移動度および適切な制
限パターンを使用して、ポジティブプラスミドを同定した。
【0119】 (B.コートされた微粒子の調製) プラスミドDNAを、Eisenbraumら((1993)DNA Cel
l Biol.12:791−797)によって記載された技術を用いて、1〜
3μmの金粒子(Degussa Corp.、South Plainfie
ld、NJ)上にコートした。簡潔にいうと、プラスミドDNAを金パウダーお
よび適切な量のプラスミドDNAを、スペルミジンを含む遠心管に添加すること
によって、金粒子に付着させる。プラスミドDNAおよび金を、ボルテックスの
間に、CaCl2(Fujisawa)液滴の添加によって共沈殿させ、この後
、この沈殿物を数分間静置した。金/DNA沈殿物をマイクロ遠心分離(mic
rocentrifuge)における遠心分離によって濃縮し、無水エタノール
中で3回洗浄し、そして適切な量のエタノールおよびポリビニルピロリドン(p
yrrilodine)(PVP)に再懸濁させた。次いで、懸濁液を、ガラス
バイアルに移し、これにキャップをして、そして2〜5秒間、ソニケーティング
(sonicating)水浴に浸してクランプを溶解させた。次いで、このエ
タノール溶液をTefzel(登録商標)管材(McMaster−Carr)
へと注入し、そして遠心力を用いて、金/DNAを管材の側面に付着させた。次
いで、残りのエタノールを、小さな制御された窒素ガス流を用いて放出した。次
いで、この管を窒素ガス流と共に1時間乾燥させ、そして次いで、カートリッジ
へと切り分けた。このカートリッジを、使用まで防湿剤を用いて、きつくキャッ
プしたガラスシンチレーションバイアル中において、4℃で貯蔵した。
【0120】 (C.免疫化) C57/黒マウスを、プラスミドでコートされた単一鋳造の金ビーズ(約2μ
gプラスミド/mg金、鋳造あたり0.5mgの送達される金)を用いて、粒子
媒介送達によって免疫化した。動物を初回刺激後4週間目にブーストする。血清
をブースト時(4週間目)に収集し、そして、その後2週間後(6週間目)にも
収集する。
【0121】 6週間目のマウスの血清抗体レベルを、上記の実施例1に記載されるのと実質
的に同じELISAを用いて検出する。脾臓細胞増殖アッセイもまた、HSV−
2ゲノム由来のプラスミドが細胞性免疫(CMI)応答を惹起する能力をさらに
評価するために行う。
【0122】 従って、この研究は、免疫応答を惹起するためにプラスミドベースのDNA ワクチンを使用することの有用性を示す。
【0123】 従って、免疫応答を惹起するための新規な組成物が、記載された。これらの組
成物を使用する方法もまた記載された。本発明の好ましい実施例は、いくらか詳
細に記載されたが、明らかなヴァリエーションが、添付される特許請求の範囲に
よって規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ること
が理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明で使用される種々のHSV−2コスミドの略図である。番号は
、動物を免疫化するために使用されるコスミドクローンに対する命名を表す。各
々のコスミドは、HSV−2由来の約30,000〜40,000塩基対のDN
Aを含む。
【図2】 HSV−2コスミドで免疫化したマウスの血清抗体レベルを示す。
【図3】 図3は、HSV−2gDプラスミドまたはHSV−2コスミドで免疫化した動
物における抗原特異的脾臓細胞増殖を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/04 A61P 31/04 31/12 31/12 31/22 31/22 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL, IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,L C,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG ,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,T J,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU ,ZW (72)発明者 ロバーツ, リー ケイ. アメリカ合衆国 ウィスコンシン 53711, マディソン, サイエンス ドライブ 585 (72)発明者 パイン, レンドン ジー. アメリカ合衆国 ウィスコンシン 53711, マディソン, サイエンス ドライブ 585 (72)発明者 ブラウン, ラルフ ピー. アメリカ合衆国 ウィスコンシン 53711, マディソン, サイエンス ドライブ 585 Fターム(参考) 4C076 AA29 AA95 CC32 CC35 DD21 4C084 AA13 MA02 MA43 NA14 ZB332 ZB352 4C085 AA03 BA07 BA51 BA78 EE01 EE03 EE05 4C087 AA01 AA02 BC83 MA02 NA14 ZB33 ZB35

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遺伝的構築物の使用であって、該構築物は、該構築物を脊椎
    動物被験体に投与することによって該被験体に免疫応答を惹起するための医薬の
    製造において、病原体由来の少なくとも5kbのサイズのゲノムDNAフラグメ
    ントを保有し、ここで、該ゲノムDNAフラグメントに含まれる配列によってコ
    ードされる抗原が、免疫応答を惹起するために十分な量で発現される、使用。
  2. 【請求項2】 前記ゲノムフラグメント内に含まれるコード配列の発現が、
    異種プロモーターによって駆動されない、請求項1に記載の使用。
  3. 【請求項3】 前記構築物が、5kb〜25kbのサイズの前記ゲノムフラ
    グメントを保有するプラスミドである、請求項1または2に記載の使用。
  4. 【請求項4】 前記構築物が、少なくともの25kbのサイズの前記ゲノム
    フラグメントを保有するコスミドである、請求項1または2に記載の使用。
  5. 【請求項5】 前記ゲノムDNAフラグメントが、約35kbと約50kb
    の間のサイズである、請求項4に記載の使用。
  6. 【請求項6】 前記構築物が、2以上の病原体由来のゲノムフラグメントを
    保有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
  7. 【請求項7】 前記病原体が細菌である、請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の使用。
  8. 【請求項8】 前記病原体がウイルスである、請求項1〜7のいずれか1項
    に記載の使用。
  9. 【請求項9】 前記ゲノムフラグメントが1より多いウイルス由来である、
    請求項6に記載の使用。
  10. 【請求項10】 前記構築物が、経皮投与によって投与される、請求項1〜
    9のいずれか1項に記載の使用。
  11. 【請求項11】 前記構築物が、コアキャリア上に提供される、請求項10
    に記載の使用。
  12. 【請求項12】 遺伝的構築物の使用であって、該遺伝的ゲノム構築物は、
    脊椎動物被験体に免疫応答を惹起するための医薬の製造において、1以上の病原
    体由来の抗原をコードする、少なくとも5kbのサイズのゲノムDNAフラグメ
    ントを保有し、ここで、該遺伝的構築物は、コアキャリア上にコートされ、そし
    て該コートされたコアキャリアは、経皮的な粒子媒介送達技術を用いて該被験体
    に投与され、そしてさらに、該ゲノムフラグメントに存在するコード配列によっ
    てコードされる抗原が、免疫応答を惹起するために十分な量で該被験体に発現さ
    れる、使用。
  13. 【請求項13】 前記ゲノムフラグメント内に含まれるコード配列の発現が
    、異種プロモーターによって駆動されない、請求項12に記載の使用。
  14. 【請求項14】 前記構築物が、5kb〜25kbのサイズの前記ゲノムフ
    ラグメントを含むプラスミドである、請求項12または13に記載の使用。
  15. 【請求項15】 前記構築物が、少なくともの25kbのサイズの前記ゲノ
    ムフラグメントを保有するコスミドである、請求項12または13に記載の使用
  16. 【請求項16】 前記ゲノムDNAフラグメントが、2以上の病原体由来で
    ある、請求項12〜15のいずれか1項に記載の使用。
  17. 【請求項17】 前記病原体がウイルスである、請求項12〜16のいずれ
    か1項に記載の使用。
  18. 【請求項18】 前記ゲノムDNAフラグメントが2以上のウイルス由来で
    ある、請求項12〜17のいずれか1項に記載の使用。
  19. 【請求項19】 前記病原体が細菌である、請求項12〜17のいずれか1
    項に記載の使用。
  20. 【請求項20】 前記投与が、プライムおよびブースター投与を提供するた
    めに繰り返される、請求項12〜19のいずれか1項に記載の使用。
  21. 【請求項21】 前記コアキャリアが、約0.5μm〜約5μmの平均直径
    および前記被験体への送達を可能にするために十分な密度を有する、請求項12
    〜20のいずれか1項に記載の使用。
  22. 【請求項22】 前記コアキャリアが金属から構成される、請求項12〜2
    1のいずれか1項に記載の使用。
  23. 【請求項23】 前記金属が金である、請求項22に記載の使用。
  24. 【請求項24】 遺伝的構築物の使用であって、該構築物が、被験体に該構
    築物を投与することによって、抗原性ポリペプチドをコードする配列を同定する
    ため;および該抗原性ポリペプチドをコードする該構築物上で、該配列を同定す
    るための組成物の製造において、1以上の病原体由来の、少なくとも5kbのサ
    イズのゲノムDNAフラグメントを保有し、ここで、該ゲノムDNAフラグメン
    トは、該抗原性ポリペプチドについてのコード配列を含み、そして送達の際に、
    該抗原性ポリペプチドが、免疫応答を惹起するために十分な量で発現される、使
    用。
  25. 【請求項25】 前記ゲノムフラグメント内に含まれるコード配列の発現が
    、異種プロモーターによって駆動されない、請求項24に記載の使用。
  26. 【請求項26】 前記構築物が、5kb〜25kbのサイズの前記ゲノムフ
    ラグメントを保有するプラスミドである、請求項24または25に記載の使用。
  27. 【請求項27】 前記構築物が、少なくとも25kbのサイズの前記ゲノム
    フラグメントを保有するコスミドである、請求項24または25に記載の使用。
  28. 【請求項28】 前記抗原性ポリペプチドをコードする前記配列が1以上の
    前記遺伝的構築物のフラグメントを投与し、そしてどのフラグメントが該抗原性
    ポリペプチドをコードする該配列をフラグメントを含むのかを同定することによ
    って同定される、請求項24〜27のいずれか1項に記載の使用。
  29. 【請求項29】 前記抗原性ポリペプチドをコードする前記配列が、前記遺
    伝的構築物を配列決定することによって同定される、請求項24〜27のいずれ
    か1項に記載の使用。
  30. 【請求項30】 1以上の病原体由来のゲノムDNAフラグメントを保有す
    る1以上の構築物を含むワクチン組成物であって、該ゲノムフラグメントが、少
    なくとも5kbのサイズでありかつ少なくとも1つの抗原をコードする配列を含
    む、ワクチン組成物。
  31. 【請求項31】 前記ゲノムフラグメント内に含まれるコード配列の発現が
    、異種プロモーターによって駆動されない、請求項30に記載のワクチン組成物
  32. 【請求項32】 単純ヘルペスウイルス−2(HSV−2)由来のゲノムD
    NAフラグメントを保有する1以上の核酸構築物を含む、ワクチン組成物。
  33. 【請求項33】 前記ゲノムフラグメント内に含まれるコード配列の発現が
    、異種プロモーターによって駆動されない、請求項32に記載のワクチン組成物
  34. 【請求項34】 HSV−2由来の前記ゲノムDNAフラグメントが、図1
    のHSV−2ゲノムマップに示される7番目から10番目までのEcoR1部位
    に広がる配列に対して実質的に相同な配列を含む、請求項32または33に記載
    のワクチン組成物。
  35. 【請求項35】 脊椎動物被験体に免疫応答を惹起するための方法であって
    、該方法は、少なくとも5kbのサイズのゲノムDNAフラグメントを保有する
    核酸構築物を投与する工程を包含し、ここで、該ゲノムフラグメントは、1以上
    の病原体由来であるか、または1以上の病原体から得られており、そして該構築
    物は、該ゲノムDNAフラグメントに含まれる配列によってコードされる抗原に
    対して免疫応答を惹起するために十分な量で、該被験体に投与される、方法。
  36. 【請求項36】 脊椎動物被験体に免疫応答を惹起するための方法であって
    、該方法は、以下の工程: (a)1以上の病原体由来であるか、または1以上の病原体から得られたゲノ
    ムDNAフラグメントを保有する構築物でコートされたコアキャリアを提供する
    工程であって、ここで、該ゲノムフラグメントは、抗原をコードする配列を含み
    かつ5kbより大きなサイズである、工程;および (b)粒子媒介経皮送達技術を用いて、該被験体に該コートされたコアキャリ
    アを投与する工程であって、ここで、該ゲノムフラグメントに存在するコード配
    列によってコードされる抗原は、免疫応答を惹起するために十分な量で、該被験
    体に発現される、工程、 を包含する、方法。
  37. 【請求項37】 抗原性ポリペプチドをコードする配列を同定する方法であ
    って、ここで、該方法は、以下の工程: (a)少なくとも5kbのサイズでありかつ1以上の病原体から得られたか、
    または1以上の病原体由来であるゲノムDNAフラグメントを保有する1以上の
    構築物を投与する工程であって、ここで、該ゲノムフラグメントは、該抗原性ポ
    リペプチドに対するコード配列を含み、そして、送達の際に、該抗原性ポリペプ
    チドは、免疫応答を惹起するために十分な量で該コード配列から発現される、工
    程;および (b)該抗原性ポリペプチドをコードする該構築物上に該コード配列を同定す
    る工程、 を包含する、方法。
  38. 【請求項38】 前記ゲノムフラグメント内に含まれるコード配列の発現が
    、異種プロモーターによって駆動されない、請求項35〜37のいずれか1項に
    記載の方法。
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