JP2005526497A - 免疫刺激性、共有結合性脂質化オリゴヌクレオチド - Google Patents

免疫刺激性、共有結合性脂質化オリゴヌクレオチド Download PDF

Info

Publication number
JP2005526497A
JP2005526497A JP2003566020A JP2003566020A JP2005526497A JP 2005526497 A JP2005526497 A JP 2005526497A JP 2003566020 A JP2003566020 A JP 2003566020A JP 2003566020 A JP2003566020 A JP 2003566020A JP 2005526497 A JP2005526497 A JP 2005526497A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecule
epitope
group
oligonucleotide
lipophilic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003566020A
Other languages
English (en)
Inventor
ジアング,ジ−フア
コガンティ,ラオ,アール.
ヤラマチ,ダマヤンジ
バエク,ミュン−ギ
Original Assignee
ビオミラ,インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ビオミラ,インコーポレーテッド filed Critical ビオミラ,インコーポレーテッド
Publication of JP2005526497A publication Critical patent/JP2005526497A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H21/00Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/0005Vertebrate antigens
    • A61K39/0011Cancer antigens
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/39Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by the immunostimulating additives, e.g. chemical adjuvants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P33/00Antiparasitic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/04Immunostimulants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/555Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by a specific combination antigen/adjuvant
    • A61K2039/55511Organic adjuvants
    • A61K2039/55555Liposomes; Vesicles, e.g. nanoparticles; Spheres, e.g. nanospheres; Polymers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/555Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by a specific combination antigen/adjuvant
    • A61K2039/55511Organic adjuvants
    • A61K2039/55561CpG containing adjuvants; Oligonucleotide containing adjuvants

Abstract

CpGジヌクレオチドユニットを含む共有結合的に脂質化されたオリゴヌクレオチド、またはその類似体が、単独または免疫原および/または非免疫学的薬剤と組み合わせて、癌細胞または病原体による疾病に対する保護のための免疫刺激性薬剤として使用することができる。
特別のバックボーンをもった脂質化オリゴヌクレオチド、8個未満のヌクレオチドをもつ脂質化オリゴヌクレオチド、および長いヌクレオシド間結合によって結合した複数のCpGジヌクレオチド含有セグメントを含む脂質化オリゴヌクレオチドが特に関心をもたれる。これらの化合物もまたそれ自体新規である。

Description

本発明はCpGジヌクレオチドユニット、またはその類似体、を構成する共有結合的に脂質化したオリゴヌクレオチドの免疫刺激剤としての使用に関する。特別なバックボーンをもつ脂質化したオリゴヌクレオチド、8以下のヌクレオチドをもつ脂質化したオリゴヌクレオチド、およびヌクレオシド間の長い結合によって結合した複数のジヌクレオチド含有CpGセグメントを構成する脂質化したオリゴヌクレオチドは、特に興味深い。
侵入する微生物に対する効果的な宿主の防衛には、外来性の病原体の検知と微生物作動体応答の迅速な展開を必要とする(Krutzikら、2001)。特に、病原体関連分子パターン(PAMPs)とも呼ばれる、微生物侵入者の分子サインとして見ることのできる、微生物代謝の構成的および保存的生成物を認識することによって、生得的な免疫系は、感染の存在および性質を検知することができる(Janeway、1992)。PAMPsは、生得的な免疫系の種々のパターン認識受容体(PRRs)によって認識され、これは細胞表面、細胞内区分に発現されるか、または血流および組織液中に分泌される。そして、生得的な免疫系は、宿主防衛の第一線を提供し、そして順応性免疫応答のエフェクタークラスの開始および決定を制御する(Medzhitov、2001)。
Toll様受容体リガンド
(TLR)ファミリーの最近の発見および性質決定よって、生得的免疫分野に新しい関心を駆り立てた。TLRsもまたパターン認識受容体(PRRs)であり、動物免疫中で独特かつ必須の役割をもつ。哺乳動物種においては少なくとも10種類のTLRsが現在まで知られており(Medzhitov、2001)、そしてそれぞれが生得的な免疫認識において異なる役割をもっているようである。数ダースのTLRリガンドが同定されてきた(Akiraら、2001)。
構造および起源の多様性にかかわらず、TLRリガンドはいくつかの共通の性質をもつ。たとえば、ほとんどのTLRリガンドは保存された微生物生成物(PAMPs)で、これは感染の存在を合図する;そして多くの個々のTLRsは構造的に無関係なリガンドをいくつか認識することができる。TLRリガンドが生得的な免疫系の強力な活性化因子であることは明らかで、これは順々に順応性免疫反応を方向付けて決定する。
CpGモチーフ
パターン認識の最も不思議な例は、TLR9によるバクテリアDNAにおける非メチル化CpGモチーフの認識かもしれない(Hemmiら、2000)。実際、ある特定の配列中における非メチル化バクテリアDNA(いわゆるCpGモチーフ)は、その強力な免疫刺激性活性によってかなり前から知られている(Kriegら、Nature、1995)。
WO98/18810(アイオワ大学研究財団)は、非メチル化CpGジヌクレオチドを含んだ特定の核酸が、被験者のリンパ球を活性化し、被験者の免疫応答をTh2からTH1に向け直し、すなわち、IL−12、IFN−ガンマ、およびGM−CSFを含むTh1サイトカインの生産を増やすということを、教示する。特に、これは式
5’NCGX3’
によって「表現された」約8から30塩基の単離された免疫刺激性核酸配列を開示していて、ここで式中少なくとも一のヌクレオチドが連続的なCpGsを分離し、XはA、GまたはTで、XはCまたはTで、Nは任意のヌクレオチドで、そしてN+Nは0から26のヌクレオチドであり、後者はCCGG四量体または一のCCGもしくはCGG三量体を含まないという条件付きである。マウス細胞の刺激に関して、二の5’プリン(好ましくはGpA)および二の3’ピリミジン(好ましくはTpTまたはTpC)によって隣接されたCpGについて優先が明示されている。
著者は、8塩基以下のオリゴマーは非刺激性で(25頁、16から17行)、調べたオリゴマーが7−マー(表1、4e)であることを報告している。以下も参照のこと、Soneharaら、「5’−CG−3’モチーフをもつ六量体回文構造オリゴヌクレオチドのインターフェロンの生成誘発」、J. Interferon & Cytokine Res., 16:799-803(1996)(「微々たる」ACGTのIFN誘導活性)。対照的に、本発明においては、脂質化すれば、ジヌクレオチドそのものさえも活性をもつことを見出した。
WO98/40100(オタワ市ローブ研究所、チ−アジャン、およびアイオワ大学研究財団)、WO99/51259(アイオワ大学研究財団)、WO99/61056(オタワ病院のローブ健康研究所、CPG免疫製薬会社)は、類似を教示している。WO98/40100が少なくともオチゴヌクレオチド5塩基の長さであることを限定している一方で、それでもなお、所望の免疫刺激活性のためには少なくとも8塩基を要することを教示している。WO01/97843は、免疫刺激性核酸が6ヌクレオチド以上の任意の長さを持つことができることを述べている(7頁、12行)。WO99/61056(3頁、30行)は、8ヌクレオチドが好ましくはあるが、6ヌクレオチドが粘膜の免疫を誘導することができることを暗示している(8頁、17行)。
WO01/12804(ハイブリドン社)は、CpGの5’末端に直に隣接している2塩基が2’−OMe置換であることが望ましいことを教示している。
WO01/97843(アイオワ大学研究財団)は、CpGオリゴヌクレオチドが「Tリッチ」であることが望ましいことを教示している。すなわち、25%以上のT、より好ましくは、40%以上、50%以上、60%以上、80%以上、または90%以上のTである。少なくとも3の連続したT塩基からなる少なくとも一のポリTモチーフを構成することが望ましいことを教示している。長めのポリTモチーフ(少なくとも4から9のT)および複数のポリTモチーフ(少なくとも2から8)についての優先を明示している。同様に、ポリA、ポリC、およびポリGモチーフの望ましさも開示している。
WO00/54803(Panacea Pharmaceuticals、LLC)は免疫原に対するアレルギー反応を改善するためのCpG含有オリゴヌクレオチドの使用に関する。Th2タイプアレルギー免疫反応からTh1タイプ免疫反応への転換についてのDeKruyff、USP6,086,898(2000)も参照。
WO01/07055は、インビボのより高い安定のための、特定のトポロジーをもつCpGオリゴヌクレオチドの使用を教示する。
リポテイコ酸;二本鎖リボ核酸
構造的に関連するグラム陽性バクテリアからのリポテイコ酸(LTA)およびウイルスからの二本鎖RNA(dsRNA)もまた、宿主生得的免疫を活性化する性質によってよく知られている。最近の研究は、TLR4はLTA認識に関与し(Takeuchiら、1999)、TLR3はdsRNAについて細胞表面受容体として働く(Alexopoulouら、2001)ことを示している。
タイコ酸はポリオールリン酸ポリマーで、リン酸ジエステル結合によってリビトールまたはグリセロールのいずれかと結合している。天然のタイコ酸のポリオール鎖への置換基には、D−アラニン(エステル結合)、N−アセチルグルコサミン、およびグルコースを含む。リビトールタイコ酸中、1,5−リン酸ジエステル結合が存在する。グリセロールタイコ酸中、1,2−または1,3−リン酸ジエステル結合が存在する。グリセロールタイコ酸は非置換か、残りの部位で置換(たとえばアラニルまたはグリコシル)されている。
グリセロール核酸
Usman、JubyおよびOgilvie、「グリセロヌクレオシドホスホラミダイトシントンおよび非環式オリゴヌクレオチドの固相中合成におけるその使用」Tetrahedron Lett., 29:4831-4(1988)には、ヌクレオチドのホモオリゴマー(2から8ユニット長)合成が記述されていて、ここではアデニンあるいはチミンのいずれかはグリセロヌクレオシドの一部である。グリセロヌクレオシドそれ自体、特にプリン(アデニンおよびチミン)を塩基構成成分として含むものは、強力な抗ウイルス剤であることがついでに記述されている。
SchneiderおよびBenner、「柔軟なヌクレオシド類似物を含有するオリゴヌクレオチド」J. Am. Chem. Soc. 112:453-55(1990)は、リボースがグリセロール誘導体によって置換されたオリゴヌクレオチドを開示している。しかしながら、バックボーン中の変更は、安定な二重鎖構造を形成するためのオリゴヌクレオチドの安定性を減じることを見出した。各グリセロールヌクレオシドは約9から15℃、二重鎖DNAの融点を降下した。SchneiderおよびBennerによるオリゴヌクレオチド合成は、少なくとも9塩基長で、そしていずれも5’−CG−3’を構成していない。
他のオリゴヌクレオチド類似物
オリゴヌクレオチド類似物、特にヌクレオシド間の結合を修飾したものは、従来技術で知られている。たとえば、Cook、米国特許5,717,083; Weis、米国特許5,677,439;Rosch、米国特許5,750,669;Cook、米国特許6,114,513;Cook、米国特許6,111,085;Uhlmannら、「PNA:異常な結合性質をもった合成ポリアミド核酸」Angrew. Chem. Int. Ed. 37:2796-2823(1988)。
化学的に修飾した核酸
EnglishおよびGauss、「プローブおよび阻害剤としての化学的に修飾したオリゴヌクレオチド」Angrew. Chem. Int. Ed. Engl.、30:613-29(1991)には、ソラレン、アクリジン、ビオチン、または酵素を含むように修飾したオリゴヌクレオチドが言及されている。
既知の末端遊離基(水酸基)には、1−エトキシエチル、エトキシメチル、ベンズヒドリル、ベンジル、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル、メチル、エチル、アセチル、トシル、テトラヒドロピラニル、トリフルオロアセチル、アミノアシル、グリシル、ロイシル、シアノエチル、アニシル、ベンジル、およびフェニル、ならびに二機能性保護基(一般に2’および3’を結合する)を含む。
既知の末端グリコール保護(二機能性)ラジカルは、他に断らない限り2’および3’水酸基を結合していて、イソプロピリジン、ホウ酸塩、およびカルボニル2’:3’−リン酸塩(環式)を含む。
合成過程で使用されるN−保護ラジカルには、ベンゾイル、ベンジル、トシル、トリチル、アニソイル、ベンズヒドリル(ジフェニルメチル)、モノメトキシトリチル(p−アニシルジフェニルメチル)、ジメトキシトリチル(ジ−p−アニシルフェニルメチル)、テトラヒドロピラニル、ダンシル、およびN−シクロヘキシル−N’[−(4メチルモルフォリノ)アミジノ]が含まれる。
リン酸保護基には、5’−シアノエチル;3’(または2’)―シアノエチル、アニシル(MeOPh)、ベンジル、およびフェニルが含まれる。
脂質化核酸
Hostetler、米国特許5,827,831は、多くの種類の薬の経口投与が、1−O−アルキル、1−O−アシル、1−S−アシル、および1−S−アルキル−sn−グリセロ−3−リン酸誘導体に適切な官能基を持った薬を変えることで促進されることを教示しており、これらの誘導体を脂質プロドラッグと呼んでいる。Hostetlerによって教示された薬の種類には、「たとえば、9−ベータ−D−アラビノフラノシルシトシン(以下、シトシンアラビノシドまたはアラ−C)、9−ベータ−D−アラビノフラノシルアデニン(以下、アデニンアラビノシドまたはアラ−A)、5−フルオロウリジン、6−メルカプトプリンリボシド、または2’−アラー−フルオロ−2−クロロデオキシアデノシンといったヌクレオシド類似物を構成している抗がん剤」、および「抗ウイルスヌクレオシド、特に米国特許第5,223,263号に開示されている抗ウイルスヌクレオシドの、1−O−アルキルリン脂質誘導体」を含む。抗ウイルスのカテゴリーにおいて、3’デオキシ、3’−アジドチミジン(AZT)、アシクロビル、フォスカーネット、ガンシクロビル、イドクスウリジン、リババリン、5−フルオロ−3’−チア−2’,3’−ジデオキシシチジン、トリフルリジン、およびビダラビンについて特に言及されている。いかなるオリゴヌクレオチドについての脂質化については言及はされていない。
Sridhar、米国特許5,756,352は、チオ陽イオン脂質化核酸共役体を開示している。陽イオン脂質は陰イオン核酸分子に非共有結合的に結合する。本発明は、オリゴヌクレオチドへの親油性基の共有結合性の付加を要する。
Chengら、米国特許5,646,126は、3’末端に付加した、親油性基をもった二本鎖オリゴヌクレオチド、好ましくはステロイド構造、を開示している。このオリゴヌクレオチドは8から18塩基(鎖あたり)を構成している。これより短いオリゴヌクレオチド、または少なくとも一定の二本鎖構造をもついかなる分子についても、開示あるいは示唆していない。
Chengらは二本鎖構造をもった3種の分子を考えている。第1のタイプでは、オリゴヌクレオチドは回文構造であり、そのため2つの分子が共同で二重鎖を形成する。第2のタイプでは、2つの異なってはいるが実質的に相補的な鎖が、ハイブリッド形成して二本鎖を形成する。最後に、第三のタイプでは、オリゴヌクレオチドは少なくとも一部がそれ自体相補的であり、そのため「ヘアピン」で二本鎖構造を形成している。
彼らに興味を抱かせたオリゴヌクレオチドは抗がん作用をもつものである。彼らのオリゴヌクレオチドが免疫刺激作用をもつかどうかについてはいかなる開示も示唆もしていない。
これらのオリゴヌクレオチドのいくつか(たとえば、120H、128H、001H、167H、002H、089H、589H、178H、678H)は、5’−CG−3’を構成する。配列128H(CACACGTGTG)(SEQ ID NO:1)の3’修飾は、コレステロール*、ヘキシルアミン、アクリジン、ヘキサノール、ヘキサデカン、コレスタノール*、エルゴステロール、スチグマスタノール*、スチグマステロール*、およびメチルリサコール酸を含み、*印の修飾のみが抗がん作用をもつ(Cheng 図10参照)。このため、Chengらは、その図1のステロイド骨格をもったものの他にについてはそれ以上の3’親油性修飾をもったものの実験をやめている。Chengらは5’親油性付加物についてのいかなる開示も教示もしていない。
Chengらはバックボーン修飾、特にホスホロチオネート(P−S0)結合、の可能性について予想している一方で、ペプチド核酸(PNA)またはグリセロール核酸(GNA)バックボーンについて特には示唆していない。実際、GNAバックボーンは二重鎖の安定性を減じるので、GNAバックボーンの使用は、Chengらのオリゴヌクレオチド二重鎖の教示に反したであろう。
目標とした核酸
Manoharan、米国特許6,300,319は、細胞表面受容体リガンドをオリゴヌクレオチドに付着して、問題となる細胞へのオリゴヌクレオチドの運搬を促進することを開示している。Manoharanは、天然オリゴヌクレオチドはポリアニオンでかつ細胞への透過性に乏しい一方で、メチルホスホネートは中性でかつはるかに容易に摂取されることを記述している。Manoharanによって予想されたリガンドは、主にガラクトース、N−アセチルガラクトサミン、フコース、マンノース、およびシアル酸といった炭水化物(標的細胞表面レクチン)である。親油性基については考慮されていない(下記、表K−2参照)。
本発明は、免疫系を刺激する方法に関し、これはオリゴヌクレオチドの投与からなり、このオリゴヌクレオチドは、(1)一またはそれ以上の「CxG」ジヌクレオチドユニット(すなわち、核酸塩基シトシンを提示しているヌクレオチドが直接、核酸塩基グアニンを提示しているヌクレオチドに結合している)、またはその免疫刺激的類似物、および(2)一またはそれ以上の共有結合的に付加して(組み入れられて)いる親油性基、から構成されている。
CxGジヌクレオチドユニットの存在は、オリゴヌクレオチドにTLRリガンド能を与える。
親油性基は、直接的であるかあるいはリポソームの薬物送達処方への脂質化オリゴヌクレオチドの組み入れを通してかのいずれにしろ、細胞膜へのオリゴヌクレオチドの浸透を促進することができる。また、細胞表面脂質受容体と相互作用することもできる。
CxGを含有する5塩基以下のオリゴヌクレオチドが免疫刺激活性をもつことをも我々は見出し、そしてこれが親油性基の存在によるものであるとする。
このオリゴヌクレオチドが、グリセロール核酸バックボーンといったオルタナティブなバックボーンを構成することができ、そして免疫刺激活性をもつことをも見出した。
本発明のこのオリゴヌクレオチドは、Chengによって調べられたガン細胞のための細胞毒性を持つこともできるが、必要とするものではなく、そして、ガンに罹患している人同様そうではなく免疫系刺激作用を要する人にも投与することができる。
本発明はまた、脂質化オリゴヌクレオチドのある特定の種類についても、化合物それ自体で、関連する(用語「脂質化オリゴヌクレオチド」は、以下、単に一またはそれ以上の親油性基をもつオリゴヌクレオチドを意味する)。
一のクラスでは、脂質化オリゴヌクレオチド中のヌクレオチド数は8以下(Cheng、米国特許5,646,26、によって教示された脂質化オリゴヌクレオチドの最小)である。8は、免疫刺激剤として教示されている非脂質化CpG含有オリゴヌクレオチドに関連するWO98/18810によって教示されているヌクレオチドの最小数でもある。さらに好ましくは5ヌクレオチド以下である。図7の1から7の化合物は、このクラスの非制限的な例であり、化合物1、2、6および7はジヌクレオチドであり、一方化合物3、4および5はヘキサヌクレオチドである。
二番目のクラスでは、脂質化オリゴヌクレオチドは複数のオリゴヌクレオチドセグメントを構成し、少なくとも2のセグメントのそれぞれは少なくとも一の「CxG」ジヌクレオチドユニットを含み、直接または間接に、ヌクレオシド間の「長い」結合を構成する成分によって、このような「CxG」含有セグメントの少なくとも2つが結合している。長いヌクレオシド間結合によって結合している二つのCpG含有セグメントをもった、このようなマルチセグメント脂質化オリゴヌクレオチドの非制限的な例は、図3に示されている。
三番目のクラスでは、脂質化オリゴヌクレオチドは、少なくとも一の「CxG」ジヌクレオチドユニットをもつのみならず、少なくとも一対の隣接するチミン核酸塩基をもち、これは図19に示されるように二量体化されている。
本発明の免疫刺激分子は、修飾オリゴヌクレオチドである。これらのオリゴヌクレオチドは、以下で定義する、少なくとも一のCxGジヌクレオチド(好ましくは、CpGジヌクレオチド)、またはその類似物であり、そして少なくとも一の共有結合的に組み込まれた親油基である。この親油基は、このオリゴヌクレオチドの遊離末端に結合することができ、またはオリゴヌクレオチド内部にある。このオリゴヌクレオチドは直鎖状、環状、または分枝状であることができ、そして非核酸成分を含むことができる(親油基を含むが、限定するものではない)。このヌクレオチドは、DNAまたはRNA中に通常見られるヌクレオチドに限定されない。
分子
分子は共有または非共有結合によって結合した複数の原子からなる化学的な実在物である。それゆえ、二本鎖DNA分子中では、二本のオリゴヌクレオチド鎖があり、非共有的な塩基対が保持しあって二重鎖を形成する。この二重鎖は、一の分子とみなされる。この二重鎖が解離すると、各鎖はそれ自体として一の分子とみなされる。
リンカーおよび結合作用因
分子の合成を議論するとき、「リンカー」および「結合作用因」を区別するのが有益である。「結合作用因」は、少なくとも二つの反応性機能性基をもつ単分子である。二つ(あるいはそれ以上)の(同一あるいは異なる)標的分子との反応後、「基質残基−リンカー−基質残基」という形の新規の分子を形成する。このため、リンカーは、その役割を終えた後は結合作用薬の残基となる。
免疫刺激性分子
用語「免疫刺激性オリゴヌクレオチド」は、少なくとも一のオリゴヌクレオチド鎖を形成する免疫刺激性分子を意味するものとする。
どんな方法でも免疫細胞を刺激するならば、分子は免疫刺激性と考えられる。たとえば、ナチュラルキラー細胞の溶菌活性を刺激することができ、B細胞もしくはT細胞増殖を刺激することができ、抗体生成を刺激することができる等のリンパ球によって、たとえばサイトカイン(たとえば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−10、IL−12、IL−15、IFN−ガンマ、TNF−アルファ、G−CSF、GM−CSF、TGF−ベータ、FLT−3リガンド、CD40リガンド)生成を刺激することができる。
好ましくは、この分子はT細胞増殖を引き起こす。しかしながら、免疫刺激活性の任意の従来技術に従って対象の免疫系を免疫刺激することができる。本明細書の「免疫反応の特徴付け」、WO98/18810の20頁、15から21行、26行から21頁3行、およびKriegら、1995(B細胞活性)、Alexopouloら、2001(NF−kB活性、タイプ1インターフェロン生成)、Hemmlら、2000(マクロファージおよび働いているリンパ節からのサイトカイン生成)、Takeuchiら、1999(マクロファージによるIL6、一酸化窒素およびTNFアルファの生成;B細胞増殖およびMHCクラスII発現;セリン/スレオニンキナーゼIRAKの活性化)を、免疫刺激活性の様々な手段のために参照。
免疫刺激分子は、ある局面において免疫刺激性で、他の局面において免疫抑制であることができる。
用語「免疫刺激性オリゴヌクレオチド」は、少なくとも一のオリゴヌクレオチド鎖を構成する免疫刺激性分子である。
本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、他の免疫刺激性分子と組み合わせて使うことができる。
必ずしも必要ではないが、免疫刺激性オリゴヌクレオチドはリポソーム中に存在することができる。
免疫刺激性分子は、製薬的に投与された免疫原なしに使用して、疾病に関連する生得的な免疫反応を増強することができ、これは既に発現しているか(この場合、使用は治療である)、あるいは対象が経験する危険にあるか(この場合使用は予防的である)にかかわらない。
免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、製薬的に投与された免疫原と組み合わせて使用することができる。免疫原は一あるいはそれ以上のエピトープに対する特異的な免疫反応を誘発する。すなわち免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、免疫賦活剤として、その免疫反応を非特異的な方法で増強する。それ故、免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、任意の免疫原とともに使用することができる。
幾つかの実施例では、免疫刺激性オリゴヌクレオチドおよび免疫原は同一の分子であり、すなわち、免疫原はオリゴヌクレオチドを成分として、また同様に関心のある特異的なエピトープを成分として構成される。このオリゴヌクレオチドは、次に直接的(親油基が直接にヌクレオチドに付加(組み込み)される)に脂質化され、あるいは間接的に脂質化、すなわち、ペプチド成分に付加、される。
好適な実施例では、免疫原のエピトープはMUC1ペプチドエピトープである。免疫原がオリゴヌクレオチドからなる場合、オリゴヌクレオチド成分のバックボーンは少なくとも一部がPNAオリゴマーであることがさらに好ましい。択一的に、オリゴヌクレオチド成分はペプチド成分に付加することができる(エピトープを構成する)。
オリゴヌクレオチド
オリゴヌクレオチドはオリゴマーで、単量体のユニットはヌクレオチドあるいはモノヌクレオチドと呼ばれる。オリゴヌクレオチドは二あるいはそれ以上のモノヌクレオチドから構成される。これは任意の数の非ヌクレオチド化学的成分から構成され、そしてこのため本発明のオリゴヌクレオチドは少なくとも親油基を帯びる必要がある。本発明のオリゴヌクレオチドは、「CxG」ジヌクレオチドユニット、またはその類似物を成分とするので、ヘテロオリゴマーでもある。
オリゴヌクレオチドは、以下により、構成されると考えることができる。
(1)一連のモノヌクレオチド、
(2)一連のモノヌクレオシド、各隣接する対はヌクレオシド間リンカーによって結合している、または
(3)一連の核酸塩基、各隣接する対は塩基間リンカーによって結合している。
用語「構成される」は、本発明のオリゴヌクレオチドが、少なくとも一の親油基を含まなければならず、そして、一あるいはそれ以上のアミノ酸残基、一あるいはそれ以上の核酸塩基には付加していない炭水化物、およびそのようなものといった他の化学的成分を含むことができるので、使用されている。
ヌクレオチド
本発明の目的のために、ヌクレオチドは単量体で、(1)以下に定義する核酸塩基、および(2)当該のヌクレオチドの核酸塩基を直接または間接に対応する(が同一である必要はない)少なくとも一の隣接するヌクレオチドの結合手段に結合する結合手段から構成される。(この結合手段は脊椎要素と呼ぶことができる。なぜなら、集団的に、これらの脊椎要素はバックボーンと呼ばれるからである。)この定義は、従来のヌクレオチドのIUPAC定義よりも故意に広いものである。
オリゴヌクレオチドの脊椎要素は、DNAおよびRNAと同じであることができ、あるいは異なることができ、この場合、「オールタナティブなバックボーン」と呼ぶものを形成する。脊椎要素は、全ヌクレオチドが同一であることもでき、あるいは異なることもでき、ハイブリッドバックボーンをもたらす。
もし、DNAおよびRNAの場合のようにオリゴヌクレオチド鎖が直線ならば、あるいは環状ならば、このとき結合手段(脊椎要素)は三価の手段であり、一の原子価は核酸塩基に結合し、他の二つの原子価は配列中の前および後のヌクレオチドの結合手段(脊椎要素)に直接結合する(オリゴヌクレオチドはジヌクレオチドであることもでき、この場合、脊椎要素はそれぞれ一の自由原子価をももつことに注意)。
オリゴヌクレオチドが枝分れする場合、結合手段は代わりに核酸塩基を分枝コア手段に結合する二価の手段となることができる。各分枝コア手段は少なくとも二つの脊椎要素に結合して、このためこのような要素に間接的に結合するようはたらく。各ヌクレオチドの結合手段間の限界、および分枝コア手段は、いくらか任意である。
DNAおよびRNA中では、各ヌクレオチドは本質的に窒素性塩基(核酸塩基)、糖、および糖の5’炭素に結合するリン酸基からなる。DNAおよびRNAの配列の多様性は、窒素性塩基の位置間の多様性に起因する。DNA中、塩基はアデニン、グアニン、シトシンまたはチミンである。RNA中、チミンはウラシルに置換する。集団的に、これらの5つの塩基は、ここでは標準の核酸塩基として言及される。標準的でない核酸塩基を使用することもでき、これについては以下で議論する。
対応する標準的なヌクレオチドは、それぞれ糖およびリン酸基から構成され、アデニル酸(AMP)、グアニル酸(GMP)、シチジル酸(CMP)、チミジル酸(TMP)、およびウリジル酸(UMP)と厳密に呼ばれる。しかしながら、対応する塩基(A、C、G、T、U)に対応して同定されることが珍しくない。
適切な核酸命名法のためには、IUPAC−IUBバイオケミカル命名委員会(CBN)、「核酸、ポリヌクレオチドおよびその成分のための省略および記号」、勧告1970、www.chem.qmul.ac.uk/iupac/misc/naabb.html.。しかしながら、ここで熟慮するDNAおよびRNAのある類似物についての記述の単純性のために、ときに我々は通常の命名法から離れる。
DNAまたはRNAの糖は、五炭糖で、5つのメンバーからなる環(4つの炭素および一の酸素)で、RNAの場合はリボースであり、DNAの場合は2−デオキシリボースである。これらは標準的な糖と考えられる。標準的でない糖を使用することもできて、これは以下に議論する。糖の代わりに、非炭水化物成分を使用することもできる。
DNAまたはRNAヌクレオチドの塩基−糖成分はヌクレオシドと呼ばれる。標準的なDNAおよびRNAのヌクレオシドは、アデノシン、グアノシン、シチジン、チミジン、およびウリジンと呼ばれる。
本発明中、ヌクレオシドは標準的でないこともできる。非標準は、非標準的な核酸塩基の使用、非標準的な糖相当物の使用、または糖相当物への核酸塩基の非標準的な付加の使用の形をとることができる。DNAおよびRNA中、ピリミジン塩基のN−3またはプリン塩基のN−9からのグリコシド結合によって、核酸塩基は糖に結合する。
リン酸基は、DNAおよびRNAの標準的なヌクレオシド間結合を供する。非標準的なヌクレオシド間結合を使用することもでき、これは以下で議論する。
塩基間リンカーを可視化することもできる。DNAおよびRNA中、塩基間リンカーは、糖−リン酸−糖である。これらの塩基間リンカーは重複する。
塩基間およびヌクレオシド間結合のトポロジー
DNAおよびRNA中の塩基間結合のトポロジーは、反転「Y」トポロジーとして記述することができる。各核酸塩基は単糖に直接結合し、各糖は二つのリン酸基に結合する。塩基間リンカーは糖−リン酸−糖で、重複している。ヌクレオシド間リンカーはリン酸基で、個別的である。糖および/またはリン酸は、もちろん他の化学的成分に置換することができ、DNAまたはRNAオリゴマー中におけるように、これは「Y」トポロジーを保存する。
本発明のオリゴヌクレオチドは、他のトポロジーを持つことができる。「V」トポロジーにおいては、各核酸塩基は二つの付加部位をもつ。核酸塩基の一番目の付加部位は、隣接する核酸塩基の二番目の付加部位に、リンカーによって結合する。この塩基間リンカーは、DNAおよびRNA中の糖およびリン酸両方の位置を占める。「V」トポロジー中の塩基間リンカーは個別的である。「V」トポロジー中、ヌクレオシドはちょうど核酸塩基であり、ヌクレオシド間リンカーは塩基間リンカーと同様である。
核酸塩基(窒素性塩基)
用語「核酸塩基」は、オリゴヌクレオチド中に次々と組み込まれるヌクレオチドの中に組み込むことのできる窒素性塩基を指す。
核酸塩基は、プリンまたはピリミジンの類似物であることもできるが、好ましくはプリンまたはピリミジンである。天然DNAにおいては、プリンはアデニン(A)またはグアニン(G)で、ピリミジンはシトシン(C)またはチミン(T)である。天然RNAにおいては、ウラシル(U)がチミンの代わりに現れる。核酸は、窒素性塩基が上記5つ以外の一であるように調製される。たとえば、37CFR§1.822(p)(1)中に列挙された非標準的塩基。
ピリミジンは6員環をもち、そして、DNAおよびRNA中、糖に直接結合するのはN−3である。N−2、C−2、C−4、C−5およびC−6上での置換が可能である。
置換基は、環の原子に付加する官能基である。置換基は、好ましくは水素以外の6以下の原子である。可能な置換基は、ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、アルキル、ビニル(−CH=CH)、アリル(−CHCH=CH)、カルボキシ(−COO)、ホルミル(−CH=O)、ヒドロキシ(−OH)、オキシ(またはオキソ)(=O)、チオ(−SH)、スルホ(−SOH)、チオキソ(=S)、セレノキソ(=Se)、アミノ(−NH)、アミノオキソ(=NH)、シアノ、ニトロ(−NO)およびニトロソ(−N=O)官能基、ならびにそれらの組み合わせによって得られるそれ以上の置換体で、たとえばハロアルキル、ヒドロキシアルキルアルコキシ(−OR)、アミノアルキル(−NHRまたは−NR)、アルキルアリル、およびチオアルキル(−SR)である。Rは好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、イソブチル、n−ブチル、二級ブチルまたは三級ブチルである。
ゼロ、一、二、三、四または五の独立的な選択置換基であることができる。
シトシンは、2−オキシ、4−アミノ−ピリミジンである。チミンは、2,4−ジオキシ,5−メチルピリミジンである。ウラシルは、2,4−ジオキシピリミジンである。
プリンは融合した5員環および6員環をもち、そしてDNAおよびRNA中では、糖に直接結合するのはN−9である。N−1、X−2、N−3、C−8、N−7、およびC−6上での置換が可能である。可能な置換基は、ピリミジンの場合と同じである。0から6の置換が可能である。
アデニンは6−アミノ−プリンである。グアニンは2−アミノ−6−オキシ−プリンである。
特に関心のある選択的なプリンは、ヒポキサンチン(6−オキシプリン)、キサンチン(2,6−ジオキシプリン)およびオロチン酸(2,4−ジオキシ,6−カルボキシプリン)である。
加えて、アザ(NがCを置換)、デアザ(CがNを置換)することもできる。
CxGジヌクレオチドユニット
本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも一の「CxG」ジヌクレオチドまたはその類似物から構成される。用語「CxG」ジヌクレオチドは、塩基シトシン(C)から構成される一番目のヌクレオチドが、「x」で表されたリンカーによって、塩基グアニン(G)から構成される二番目のヌクレオチドに付加していることを示している。リンカー「x」がリン酸基から構成されるかまたはヌクレオチドが糖成分から構成されるかは必要でない。
「CxG」ジヌクレオチドは好ましくは「CpG」ジヌクレオチドである。用語「CpG」ジヌクレオチドは、塩基シトシン(C)から構成される一番目のヌクレオチドが、リン酸基(p)から構成されるリンカーによって、 塩基グアニン(G)から構成される二番目のヌクレオチドに付加していることを示している。ヌクレオチドが、DNAまたはRNA中のようにリン酸−糖ヌクレオチドである必要はない。DNAまたはRNAヌクレオチドである場合には、配向は5’−CpG−3’として理解される。
選択的に、CxG(CpGを含む)ジヌクレオチドはシトシン類似物によって置換することができ、これはピリミジンで、チミンまたはウラシルに対するよりもよりシトシンに類似している。シトシンは、以下に示すようにチミンおよびウラシルとは異なる。すなわち(1)1から6の位置で、シトシンは−N=C(NH)−をもち、チミン(およびウラシル)は−HN−C(=O)−をもち、(2)5の位置では、シトシンは置換されず、チミンはメチル化されている。シトシン類似物は、これらの特徴を保存している。しかしながら、シトシン類似物は、好ましくは5−メチルシトシンではなく、というのもこのメチル化は、非脂質化CpGオリゴヌクレオチド中で免疫刺激効果を大幅に減じるからである。
同様に、CxG(CpGを含む)のグアニンは、グアニン類似物によって置換することができ、これはプリンで、アデニンに対するよりもグアニンに類似している。グアニンはアデニンとは以下のように異なる。すなわち、(1)1から6の位置で、グアニンは−HN−C(=O)−をもち、アデニンは−N=C(NH)−をもつ。そして(2)2の位置で、グアニンはアミノ化されており、アデニンは置換されていない。グアニン類似物はこれらの特徴を保存している。好ましくは、グアニン類似物はグアニンのメチル化誘導体ではない。
これらの置換が一方または両方された場合、「CxG」(または「CpG」)ジヌクレオチドの類似物を得る。
CxGジヌクレオチドは標準的なDNAまたはRNAバックボーン(これはCpGジヌクレオチドの特別な場合である)を持つことができ、または代替のバックボーンを持つことができる。代替のバックボーンはCpG結合に限定され、またはオリゴヌクレオチド中の他で同様に生じる。
免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、複数のCxG(特にCpG)ジヌクレオチドから構成されることができる。たとえば、図3を参照。CxGは隣接または非隣接である。
全体的な塩基/ヌクレオチド配列
記号A、C、G、TおよびUを、特定の核酸塩基を構成するヌクレオシドを同定するものとしてのみここでは使用する。すなわち、ヌクレオシドは必ずしも、DNAまたはRNA中のようにリボースまたは2−デオキシリボースを構成する必要はない。
CxGにその5’末端(または、オリゴヌクレオチドがDNAの場合は、5’末端と考えられるところ)で隣接している塩基は、たとえあったにしても、好ましくはAT、GA、またはGTである。CxGにその3’末端(またはオリゴヌクレオチドがDNAである場合は3’末端と考えられるところ)で隣接している塩基は、たとえあったにしても、好ましくはTA、TT、またはATである。
これら隣接する塩基は、WO01/12804によって教示されているように修飾(非標準的な)塩基であることができる。
CxGジヌクレオチドが他のヌクレオチドによって隣接されている実施例においては、最も好ましい配列は、以下の一またはそれ以上のコピーから構成される。すなわち、
(A)Kモチーフ、これは単球およびB細胞を刺激し、TCGTAまたはTCGTTといったIL−6の分泌を刺激し、
(B)Dモチーフ、これはNK細胞およびIFN−ガンマの分泌を刺激し、ATCGATのようなパリンドロームの配列といったものである。
特に興味深い配列にはGTCGTT(ヒトに最適)、GACGTT(マウスに最適)、およびGGTGCATCGATGCAGGGGGG(SEQ ID NO:3)が含まれる。
オリゴヌクレオチドは、WO01/97843に教示されているようにTリッチであることができる。
核酸塩基修飾の特別な場合は、チミンダイマーの修飾である。DNA中、二つの隣接チミジンヌクレオシド(TT)が生体内で二量体化して、各々の一の六員環が結合して、融合した四つの六員環によって結合した二つの六員環を持つ構造の、新しい融合したポリ芳香族構造をとることができる。これをチミジンダイマーと呼ぶ。しかしながら、同じ反応がチミンヌクレオ塩基をもつ2つの非正常ヌクレオシド間に起きるので、さらに一般にチミン二量体と呼ばれる。
チミジン二量体化は、天然においてDNAに対する紫外線の損傷の結果として生じる。免疫系は、このためチミジンダイマーの形成に敏感であると考えられている。このため、塩基配列にチミンダイマーを慎重に組み込むことで、オリゴヌクレオチドによって誘発される免疫反応を強めることができる。チミンダイマーの形成は、以下で表現することができる。
┌┐
TT
オリゴヌクレオチド長
従来技術は一般的に、免疫刺激性オリゴヌクレオチドがCpGから構成され、少なくとも5、6または8の塩基長(鎖あたり、二重鎖の場合)であることを教示している。本発明がこれらの範囲を実施例として包含する一方(親油基の含有を教示している点で、従来技術と識別している)、我々は、ジヌクレオチドでさえ、脂質化されると、活性を持つことを見出した(参照、図7および16)。このため、本発明は、一つの鎖上の核酸塩基数が8以下、すなわち2、3、4、5、6または7であるオリゴヌクレオチドをも含む。
本発明におけるオリゴヌクレオチド中の核酸塩基の最大数は100で、好ましくは50で、さらに好ましくは30で、いっそう好ましくは20で、最も好ましくは10である。本発明の好適な具体例では、前記の好ましい最小数と好ましい最大数の任意の割合の組み合わせを含む。
従来技術に使用されている非脂質化オリゴヌクレオチドの塩基よりも少ない塩基をもつ脂質化オリゴヌクレオチドは、すなわち、2から5または2から4塩基をもち、特に関心をもたれる。
鎖形成
本発明の分子は、一本鎖または二本鎖であることができる。二本鎖であるために、二本の鎖は、実質的に相補的な塩基(A:T、C:G等)の配列の特徴をもたねばならず、そしてバックボーンは安定な二重鎖の構造に適合していなければならない。
少なくとも一部が相補的である二本の鎖を持つ場合、分子は二本鎖であると考えられる。このため、二本鎖分子は、一部が二本鎖であるかまたは完全に二本鎖であることができる。一の鎖が他よりも長いことにより、あるいは鎖中に整列した塩基が互いに水素結合をとらないことにより、分子は一部が二本鎖である分子であることができる。
分子は以下の場合二本鎖構造をもつ。すなわち(1)少なくとも一部が二本鎖の分子で、または(2)一本鎖の折りたたみの結果として少なくとも一部が自己相補的な構造であり、それにより安定な二本鎖の第二の構造をもつ場合である。
分子が少なくとも一部二本鎖であるとき、好適な具体例においては、一の鎖が二またはそれ以上のヒポキサンチンから構成され(ヒポキサンチンはヌクレオシドイノシン、I、に対応する塩基である)、そして他の鎖は二またはそれ以上の相補的なシトシンから構成される。さら好ましくは、このような塩基対が21を越えない。生成オリゴ(I:C)成分は、dsRNAのTLR−3リガンド活性を模倣することを意図する。
このI:C対形成は、多くの方法によって達成することができる。たとえば、一の鎖がIから構成され、他の鎖がCから構成されることができる。関心のある他の二本鎖の具体例は、一の鎖が(IC)から構成され、そして他が、(CI)から構成されて、I:C塩基対合が生じる。I:C塩基対合を生じるようなIおよびCの他の配列も可能である。
分子が一本鎖の形状で使用される場合、互いに自己相補的な部位を含むように設計することができて、このためオリゴヌクレオチドはこれらの部位が二次構造を形成するように折り畳まれる傾向をもつ。これらの二次構造は、酵素分解からヌクレオチドを守ることができる。
二本鎖分子の鎖が非共有結合(水素結合によるワトソン−クリック塩基対合)によって正常に保持される一方、一の鎖の5’末端を近位の他の鎖の3’末端に結合するヌクレオシド間結合によって二本鎖を安定化させることができる(これ以降、問題の末端は自由末端ではもはやなくなる)。これは末端の一対のみによりなされることができ、または両方の末端によりなされることができる。同様の方法で、自己相補性により折り畳まれた一本鎖分子は、このような結合によって折りたたみ構造を安定化させることができる。どちらの場合も、親油基をこの結合中に組み込むことができる。
択一的に、分子は一本鎖でありかつ安定な二次構造の形成を避けるようにデザインすることができる。
一般的に、二本鎖構造は、到達するまでの分解に対してより大きな耐性を供し、一本鎖構造は、ひとたび無事に到達した後のより大きな生得的な活性を供する。
選択的なバックボーン
本発明のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド中のいくらかまたは全部の一またはそれ以上の「選択的なバックボーン」(すなわち、DNAまたはRNAのバックボーン以外のバックボーン)によって特徴付けることも可能であるが、必要ではない。選択的なバックボーンは、酵素分解に対してより耐性があるオリゴヌクレオチド作るために、あるいは他の有用な効果を達成するために使用することができる。
選択的な(異常な)バックボーンは、一またはそれ以上の通常でないヌクレオシド間結合の導入により、または通常の糖を通常でない成分によって置換することによって与えられる。
DNA、RNAおよびLTAは、基本的にわずかに異なる建築成分(DNAに対してデオキシリボース、RNAに対してリボース、そしてLTAに対してグリセロール)をもつジリン酸エステルポリマーであり、このため、PAMPsとしてこれらは互いに構造的に接近して関連している。これらの免疫活性の性質が、受容体−TLRsの同一基によって媒介されるために、これのTLRリガンドを分子構造の同一タイプにグループ化することは合理的である。さらには、TLRsのリガンド特異性の要求が比較的小さいように思われる。このため、DNA、RNA、LTA、および/またはグリセロール−塩基核酸(GNA)のハイブリッド構造は、複数のTLRsに対して強いリガンドである可能性があると我々は認知する。
糖およびリン酸の置換
標準的な脊椎の要素は、「糖相当物」および「リン酸相当物」から構成される。「糖相当物」はDNAまたはRNAの糖成分と構造的な役割が同一にはたらく任意の化学的な成分で、すなわち、核酸塩基を「リン酸相当物」に結合する。これは、標準的な糖成分2−デオキシリボースおよびリボースを含むが、限定はされない。同様に、「リン酸相当物」は、DNAまたはRNAのリン酸成分と構造的な役割が同一にはたらく任意の化学的な成分で、すなわち、隣接するヌクレオシドの「糖相当物」を結合する。これは、標準的なリン酸成分を含むが、限定はされない。
一般的に、リン酸相当物にリン酸が残存する場合に糖相当物を同定するのは困難ではなく、または糖相当物に糖が残存する場合にリン酸相当物を同定するのは困難ではない。しかしながら、両方が同時に変化する場合は、任意の分界が必要となる。
以下が示されている。すなわち(1)問題になるオリゴヌクレオチド鎖(または、セグメントか分枝のばあいは、セグメントそのもの)の中の一番長い鎖を同定する。(2)問題になる(1)の鎖中の核酸塩基から伸びている原子の一番短い鎖を同定する。そして(3)鎖(2)が鎖(1)のどの場所で付着しているかを同定する。すべての側鎖および付着部位を含む、すべての鎖(2)、さらに、(a)付着部位の原子と同一環の構成員(DNAおよびRNAは、オリゴヌクレオチドの主鎖の核酸塩基に糖の二つの環状原子群を通じて付着している)、または(b)付着部位の直近に隣接していているが六族原子(例えば酸素)ではないものである鎖(1)のすべての原子に、糖相当物は対応する。
この定義により、DNAおよびRNA中の糖相当物は単に糖で、図5のグリセロール核酸中の糖相当物はグリセロール残基−CH−CH(−O−)−CH−であり、図5のペプチド核酸の糖相当物は−CH−N(−C(=O)CH−)−CH−である。
次にリン酸相当物は、脊椎要素の残部として同定することができる。すなわち、図5のDNAおよびGNAのリン酸基、および図5のPNAの−C(=O)−NH−CH−である。こららは、これら分子のためのヌクレオシド間リンカーでもある。すなわち、ヌクレオシド間リンカーは、一のヌクレオシドの糖相当物と他のヌクレオシドの糖相当物とをつなげる。
Vトポロジーをもつオリゴヌクレオチドにおいて、塩基間リンカーは、本願請求項の目的のための糖相当物およびリン酸相当物の両方として考えることができる。
ヌクレオシド間結合
標準的なヌクレオシド間結合は、O−P(O3’)(O5’)=Oである。
この構造中、3’と表示された酸素は、DNAおよびRNA中、ヌクレオシド糖の3’炭素に付着していて、他の5’と表示された酸素は、同様に他のヌクレオシド糖の5’炭素に付着している。これら二つの酸素は、亜リン酸原子とともに、オリゴヌクレオチドの最も長い鎖上(または、分子がセグメントをもっていて分枝している場合はオリゴヌクレオチドセグメント)にあるので、主鎖原子と呼ぶことができる。他の二つの酸素は、ヌクレオシド間の最も直接の結合の部分ではないので、側鎖原子である。ヌクレオシド間結合のバリエーションは、(1)主鎖のみに影響する、(2)側鎖のみに影響する、および(3)両方に影響する、として類型化できる。
側鎖修飾があるところでは、側鎖中の非水素原子の数はそのままであることができる。たとえば、二重結合している酸素は、=S、=Se、または=Te、ならびに/または単結合している酸素は、−CH、−NH、−OH、−SH、−SeH、−TeH、または−Xといった単一非水素原子をもった一価のラジカルによって置換することができる。
代わりに、側鎖の一またはそれ以上が、より大きな置換基であることができる。このような置換基は、核酸塩基と関連して述べたものを含むことができるが、限定されるものではない。この置換基は、炭素、ケイ素、酸素、窒素、硫黄、セレン、テルル、リン、およびホウ素からなる群から選択される非水素原子の、好ましくは50を越えないもの(さらに好ましくは25を越えない、もっと好ましくは10を越えない、最も好ましくは5を越えない)から構成される有機成分である。この置換基は、親油基、本開示中の他において定義した特に強力または高度に親油性の基であることができ、または含むことができる。
主鎖修飾があるところでは、非水素原子の数はそのまま変化しないでいることができる。このため、酸素(−O−)は、−CH−、−NH−、−S−、−Se−、または−Te−にそれぞれ置換することができる。
同様に、リン原子を置換することができる。置換する原子の原子価が、リン原子の原子価よりも小さい場合、側鎖酸素の除去または修飾を強いることになる。置換原子は、たとえば、ホウ素、炭素、ケイ素、または窒素であることができる。
長くするために主鎖も修飾することができ、主鎖のもとからの酸素およびリン原子は保持または非保持している。このような修飾は、一またはそれ以上の成分延長の封入を伴い、これは好ましくは、−CH−、−CHZ−、−NHZ−、−O−、−C(=O)−、−C(=S)−、−C(=Se)−、−C(=Te)−、および−PO−からなる群から独立に選択されるもので、式中、Zはハロゲンまたは、炭素、ケイ素、酸素、窒素、硫黄、セレン、テルル、リン、およびホウ素からなる群から選択される非水素原子の、好ましくは50を越えないもの(さらに好ましくは25を越えない、もっと好ましくは10を越えない、最も好ましくは5を越えない)から構成される有機成分である。
代替の結合には以下を含む:
3’−O−P−O−5’主鎖についての可能な置換には、3’−O−CHC(=O)−O−5’、3’−O−C(=O)−NH−5’、および3’−CHCHCHS−CH−5’を含む。
核酸分子全体は、このような修飾した結合によって形成することができ、またはある部分のみ影響されることができる。
このため、本発明中に使用するのに適した核酸分子は、リン酸メチル、Millら、Biochemistry、18:5134-43(1979)参照、ホスホロチオエート、Matsukuraら、Proc. Nat. Acad. Sci.、84:7706-10(1987)参照、インターカレートする薬剤に共有結合的に結合したオリゴデオキシヌクレオチド、Zerialら、Nucleic Acids Res.、15:9909-19(1987)参照、ポリ(L−リシン)と接合するオリゴデオキシヌクレオチド、Leonettiら、Gene、72:32-33(1988)参照、およびリボース由来のサブユニットから集合したカルバメートに連結したオリゴマー、Summerton、J.、Antisense
Nucleic Acids Conference、37:44(ニューヨーク 1989)参照、を含むが、これに限定するものではない。ボラノリン酸エステル、ホルムアセタール、シロキサン、ジメチレンチオレート、スルホキシデートおよびスルホン酸エステルもまた、従来技術で知られている。
全体的な概説として、UhlmanおよびPeyman、"Antisense Oligonucleotides:A New Therapeutic Principle," Chem. Revs.、90:544-84(1990)参照。架橋中に含まれていないリン酸の酸素が置換されている、修飾ヌクレオチド間リン酸残基(メチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミデート、およびリン酸エステル)をもったオリゴヌクレオチド、架橋中に含まれるリン酸の酸素が置換されている(架橋リン酸アミドエステル、架橋チオリン酸エステル、架橋メチレンホスフェート)オリゴヌクレオチド、ならびにシロキサン、炭酸、炭酸メチルエステル、アセトアミドエステル、カルバメート、およびチオエーテル架橋といったさらにラジカルなリン酸置換について、議論している。
これはまた、たとえば、ポリ(N−ビニル)、ポリ(メタクリルオキシエチル)、ポリ(メタクリルアミド)、およびポリ(エチレンイミン)といった合成ポリマーで、糖およびリン酸を置換する可能性についても議論している。本発明のいくつかの実施例では、ヌクレオシド間結合の少なくとも一つは、これらの構造の一つである。本発明の他の実施例では、ヌクレオシド間結合についてこれらの構造の一つもない。
ヌクレオシド間修飾
リボース(RNA)糖または2−デオキシリボース(DNA)糖を他の成分で置換することも可能で、これは少なくとも三機能である(これは核酸塩基、および二つのリン酸基ならびにこれらの置換基に結合しなければならない)。この成分は他の炭水化物(糖)、または無関係の成分であることができる。
成分が炭水化物の場合、これは単糖類であることが好ましい。単糖類は、炭素を3またはそれ以上もつポリヒドロキシアルデヒド(H[CHOH]−CHO)もしくはポリヒドロキシケトン(H−[CHOH]−CO­­−[CHOH]−H)、または以下に議論するその誘導体である。三炭糖、四炭糖、五炭糖、六炭糖、七炭糖もしくは八炭糖、またはその誘導体であることが好ましく、さらに好ましくは五炭糖(5つの炭素)または六炭糖(6つの炭素)、ならびにその誘導体である。リボースは七炭糖である。
各単糖類ユニットは、アルドース(アルデヒドカルボニル基または潜在的なアルデヒドカルボニル基をもつ)またはケトース(ケトンカルボニル基または潜在的なケトンカルボニル基)であることができる。ケトースの場合、カルボニルケトン(またはケトース誘導体として、潜在的なケトンカルボニル)の位置は変化することができる。
単糖類ユニットは、さらに一以上のカルボニル(または潜在的なカルボニル)基をもつことができ、このため、ジアルドース、ジケトース、またはアルドケトースであることができる。用語「潜在的なアルデヒドカルボニル基」は、閉環から生じるヘミアセタール基、およびケトン相応物(ヘミケトン構造)を指す。
幾つかの好適な実施例において、単糖類ユニットは環状ヘミアセタール(環化アルドース)または環状ヘミケタール(環化ケトース)である。三員環をもつ環状構造はオキシロースで、四員環をもつ環状構造はオキセトースで、五員環をもつ環状構造はフラノースで、六員環をもつ環状構造はピラノースで、七員環をもつ環状構造はセプタノースで、八員環をもつ環状構造はオクタノースで、その他もろもろである。閉環の位置の割り振りは変わることができる。
単糖類は、直線または環状で、環状が好ましい。3−8の環原子をもつ環状構造が好ましく、フラノースおよびピラノースが特に好ましい。リボースはピラノースである(環原子の一つは酸素である)。
単糖類ユニットはさらに、制限なく、デオキシ糖(アルコール性水酸基が水素に置換)、アミノ糖(アルコール水酸基がアミノ基に置換)、チオ糖(アルコール性水酸基がチオールに置換、もしくはC=OがC=Sに置換、または環状構造の環酸素が硫黄に置換)、セレン糖、テルル糖、C−置換単糖類、不飽和単糖類、アザ糖(環炭素が窒素に置換)、アミノ糖(環酸素が窒素に置換)、アルジトール(カルボニル基がCHOH基に置換)、アルドン酸(アルデヒド基がカルボキシル基に置換)、ケトアルドン酸、ウロン酸、およびその他であることができる。
特に興味のある炭水化物誘導体は、アルジトール、好ましくは3−8炭素原子、特にリビトールおよびグリセロールを含む。リビトールは、リボースに対応する5炭素アルジトールである。グリセロールは3つの炭素をもつ。核酸塩基は、直接または間接に、糖間結合に関与しない任意の炭素に付加することができる。
特に興味のあるRNA類似体はリボヌクレオチドが2’修飾、例えば2’O−メチル誘導体を含む。
ヌクレオシドが糖を含む場合、ヌクレオシド間結合は、必須ではないが、DNAまたはRNAにおけるように3’ないし5’結合であってもよい。例えば、あるいは5’ないし5’および3’ないし3’結合でもよい。あるいは3’および5’炭素以外の炭素を含むことができる。
糖はまた非炭水化物部分により置換され、または置換なしで除去されても良い。
さらに若干の興味ある構造の参考には、Leuman、「DNA類似体:超分子原理から生物学的性質」Bioorganic & Medicinal Chem.,10:841−54(2002)。収載した構造は4’−6’結合ヘキソピラノシル−NAs、2’−4’結合ペントピラノシル−NAs、3’−4’結合ペントピラノシル−NAs、ヘキシトール−NAs、ロックした核酸(例えば、ベータ−D−リボ−LNA)、およびビシクロ−およびトリシクロ−DNAsを含む。
ペプチド核酸オリゴマー
特定の間新のある代替の背景のカテゴリーはPNAオリゴマーのように(図5および図7化合物7)ヌクレオシド間結合がペプチド(−NHCO−)結合からなる。PNAオリゴマーはここではヌクレオシド間結合がペプチド(−NHCO−)結合からなる近接する一連のヌクレオチドとして定義される。
古典的なPNAオリゴマーは、(2−アミノエチル)グリシンユニットから構成され、核酸塩基がメチレンカルボニルリンカーに付加されている。すなわち、構造
H−(−HN−CH−CH−N(−CO−CH−B)−CH−CO−)−OH
をもち、式中、かっこでくくった下部構造はPNAモノマーである。
PNAオリゴマー中、核酸塩基BはバックボーンNから3つの結合により分離していて、側鎖の付着部位は、6つの結合により分離している。塩基A、G、T、CおよびUが好ましい。
PNAオリゴマーは、さらに一またはそれ以上のアミノ酸残基、特にグリシンおよびプロリンから構成されることが好ましい。
以下であるような関連する分子を容易に想像することができる。(1)−COCH−リンカーが他のリンカー、特に以下に定義する小さい二価のリンカー要素から構成されるリンカーに置換し、(2)側鎖が、主鎖のうちペプチド結合に関与していない3つの炭素原子の一つに付加している(古典的なPNAのNに付加する側鎖に代わってあるいは加えて);および/または(3)ペプチド結合がシュードペプチド結合に代えられている。
ペプチド結合は、二つの小さな二価のリンカー要素、−NH−および−CO−を持っている。このため、シュードペプチド結合の好ましいクラスは、二つの小さな二価のリンカー要素からなるものである。それぞれは、アミン(−NH−)、置換アミン(−NR−)、カルボニル(−CO−)、チオカルボニル(−CS−)、メチレン(−CH−)、一置換メチレン(−CHR−)、二置換メチレン(−CR−)、エーテル(−O−)およびチオエーテル(−S−)からなるグループから独立に選択することができる。さらに好ましいシュードペプチド結合は、以下を含む。
N修飾 −NRCO−
カルバΨ −CH−CH
デプシΨ −CO−O−
ヒドロキシエチレンΨ −CHOH−CH
ケトメチレンΨ −CO−CH
メチレンオキシ −CH−O−
還元型 −CH−NH−
チオメチレン −CH−S−
チオペプチド −CS−NH−
レトロ−インベルソ −CO−NH−
単一分子は、一種類以上のシュードペプチド結合をもつことができる。
Uhlmannら、「PNA:Synthetic Polyamide Nucleic Acids with Unusual Binding Properties」、Angew. Chem. Int. Ed. 37:2796-2823(1998)は、幾つかのPNA類似物を記述している。これらは、リン酸エステル核酸(N−(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルリン酸バックボーンをもつ)、オルニチン、プロリン、ジアミノシクロヘキサン、および2−アミノプロパンジオールのリン酸アミドをもったバックボーンをもつPNA類似物、ならびに中心のアミド結合が立体配置的に決定されるC=C二重結合によって置換されたPNA類似物を含む。その図11および12中のA−Oを参照。
オリゴヌクレオチドがさらにペプチドエピトープを含むように設計されているとき、少なくとも一部は、PNAオリゴマーバックボーンを使用することが特に有利であることができる。
グリセロール核酸オリゴマー
ポリオール由来核酸オリゴマーもまた興味をもたれる。このポリオールは通常のオリゴヌクレオチドの糖を置換する。グリセロールそのものは、1,2,3−プロパントリオールである。しかしながら、他のポリオールもまた興味を持たれる。このポリオールが3以上の炭素を持つ場合、塩基間の間隙は増大する。炭素数3から6のポリオールが好ましい。以降、用語「GNAオリゴマー」を高次ポリオールの使用を包含するものとして使う。
Leumannは、グリセロールDNAの3’メチル類似物(1’、2’−セコDNA)を生成したと記述している。
1978年に、ZamecnikおよびStephenson(Zamecnik & Stephenson、1978)は、初めて治療目的の合成オリゴヌクレオチドの使用を提案した。この原理に関連する主な問題は、オリゴヌクレオチドの細胞外酵素および細胞内酵素に対するオリゴヌクレオチドの不安定性ならびに細胞膜を通じての透過の困難さである(Uhlmann & Peyman、1990)。このため、代替の化学的に修飾したオリゴヌクレオチドを、種々の酵素に対するより高い安定性および細胞膜を透過するための高い能力を達成するために、アンチセンスのオリゴヌクレオチドとして調製する。同様に、GNAはヌクレアーゼに対してより安定であることが期待され、そして親油性修飾を通じてGNAは、より容易に細胞膜を透過しやすくなる。
幾つかの実施例において、標準的なリン酸ヌクレオシド間結合が保存されている。図6に見られるように、グリセロール結合作用薬は、−CH−CH(−O−)CH−の形の三機能リンカーとなり、ここでC−2炭素は−O−を通じて核酸塩基結合している。図7、化合物6も参照。
他の実施例においては、標準的なリン酸結合が、−リン酸−リンカーZ−リン酸の形の一つによって置換している。これらの実施例においては、Zは好ましくは脂肪性であり、さらに好ましくは−[(小さなアルキル)−O−]で、式中「小さなアルキル」は6を越えない炭素数で、そしてnは1から20である。さらに好ましくは、小さなアルキルは−CHCH−、および/またはn=6で、図3、および図7化合物2に示されたとおりである。
分節オリゴヌクレオチド
以下に定義するように、長いヌクレオシド間結合の存在によってセグメントが画定される。
短いヌクレオシド間結合は、5原子を越えない主鎖をもつ結合である(DNAおよびRNA中、通常の結合はリン酸基で、3原子の主鎖O−P−Oをもつ)。この定義により、通常のPNAヌクレオシド間結合、−C(=O)−NH−CH−、は主鎖に3原子しかもたないので(C−N−C)短い結合となる。
長いヌクレオシド間結合は、短い結合には適格でない任意のヌクレオシド間結合である。このため、図3に示された結合は長い結合である。図3に示されたとおり、長いヌクレオシド間結合は少なくとも一の親油基をもつ。
オリゴヌクレオチドのセグメントは、(1)二またはそれ以上のヌクレオシドの連続的な一連で、隣接部分は短いヌクレオシド間結合によって連結しているか、または(2)他のヌクレオシドへの連結が長いヌクレオシド間結合である単一ヌクレオシドであるものとして定義される。
このため、図3において、CpG−長い結合−CpGの形の二つのセグメントオリゴヌクレオチドをみることができ、式中、各CpGはセグメントと考えられる。CxG−長い結合−CxGの形の構造、式中「X」は短い結合である、もまた二つのセグメントオリゴヌクレオチドである。GpApCpGpTpT−長い結合−GpApCpGpTpTの形の構造、すなわち化合物1(図7)のヘキサヌクレオチドが図3の化合物の各CpGを置換している、もまた同様に2つのセグメントオリゴヌクレオチドである。GxAxCxGxTxT−長い結合−GxAxCxGxTxT、式中「x」はすべて短い結合(同一あるいは異なることができる)で、2つのセグメントオリゴヌクレオチドである。
多くの生物系では、リガンドの効果は単一の分子の部分が複数のコピーとして存在する場合に強められる。たとえば、集中発生したエピトープを伴う直鎖状の分子の形で、WO98/46246参照、またはいくつかのエピトープを呈する枝分れした分子の形で(たとえば、4つのエピトープが枝分れしたリシンコアに付加している、MAP−4)で、免疫原が構成されている。
好ましい実施例においては、オリゴヌクレオチドは、少なくとも二つのセグメントから構成され、そしてセグメントのうち少なくとも二つはそれぞれ少なくとも一のCxGジヌクレオチドユニットから構成される。望ましくは、セグメントのすべてがそれぞれ少なくとも一のCxGジヌクレオチドユニットから構成される。
好ましくは、直接あるいは間接に、長いヌクレオシド間結合によって、少なくとも一対のCxG含有セグメントが連結する。このため、稀なケースでは、(CxG含有セグメント)−長い結合−(CxG含有セグメント)を我々はもつ。たとえば、(CxG含有セグメント)−長い結合−(他のセグメント)−長い結合−(CxG含有セグメント)を我々はもつこともできる。
本発明の複数のセグメントからなるオリゴヌクレオチドは、二つ以上のセグメントをもつことができる。この場合、直鎖状であることができる。すなわち、セグメント(−長い結合−セグメント)で、式中nは少なくとも2で好ましくは20を越えず、より好ましくは10を越えず、さらに好ましくは5を越えない。直鎖構造は非環式または環式である。後者の場合、たとえば次式を我々はもつことができる。
複数のセグメントからなる環式のオリゴヌクレオチドは、適切な結合によって、二つ以上のセグメントから構成されることができる。もちろん、本発明の単一セグメントのオリゴヌクレオチドも環式であることができる。たとえば以下である。
環式分子の利点は、安定な三次元構造を形成することができることにあり、これはレセプター結合親和性および特異性を強めることができる。
代替として、分枝であることもでき、たとえば3つのセグメントそれぞれが三価のコア成分に結合して、セグメントの3対のそれぞれについて長いヌクレオシド間結合としてはたらく。または、四つのセグメントが四価のコア成分に結合することができる。複数の分枝する場所をもつさらに複雑な分枝構造も可能である。
特に興味深い枝分れした長い結合は、ペンタエリスリトール(PET)構造から構成されるもので、このような構造はJiangら、U.S. Provisional Appl. No. 60/378,645、2002年5月9日申請(Docket:JIANG5-USA)に議論されていて、ここではその全てを参照として組み込む。
長い結合は、独立に、柔軟または強固であることができる。長い結合の長さは、CxGジヌクレオチドユニットの間隙が実質的に受容体結合成分の間隙に適するように調節できる。
セグメント中、内部のヌクレオシド間結合のすべてが化学的に同一である場合、単一のセグメントを得る。結合が変わる場合、ハイブリッドセグメントを得る。GpApCpGpTpTは単一のセグメントである。式中xがリン酸(p)でない他の短い結合であることを示すGpApCxGpTpTは、ハイブリッドセグメントである。任意のセグメントは、単一のセグメントまたはハイブリッドセグメントである。
自由末端;5’および3’
この開示中、親油基が自由末端、または特に5’もしくは3’末端に付加すると述べられた場合、この基は共有結合的に末端に組み込まれると理解され、すなわち、これは末端の少なくとも一部になる。
直鎖オリゴヌクレオチドは二つの自由末端をもつ。DNAおよびRNA中、これら自由末端は5’末端および3’末端と同定される。DNAおよびRNA中、ヌクレオチドは5’から3’へのリン酸ジエステル結合(C−O−P(=O)−O−C)によって結合しているということができて、これは前記リン酸基を利用する。特に、一のヌクレオチドの糖の5’炭素は、そのリン酸基の酸素に結合する。同一リン酸基の他の酸素は、順番に前のヌクレオチドの糖の3’炭素に結合する。
続いて、DNAまたはRNAの最初のヌクレオチドは、5’炭素に付加する自由なリン酸基をもつ。同様に、対応するモノヌクレオチドの化学的性質のため、最後のヌクレオチドは3’末端に付加する自由な水酸基をもつ。このため、DNAおよびRNAは通常5’リン酸および3’水酸基末端をもつ。
分子生物学の従来技術では、DNAまたはRNAの5’および/または3’末端を修飾することができることが知られている。最も一般的な修飾は、3’水酸基から3’リン酸への変換である。同様に、5’リン酸を5’水酸基に変換することができる。
用語5’末端および3’末端は、DNAまたはRNAのみならず、DNAまたはRNAの糖ユニットは保持していて、かつ、糖ユニット上の付着部位(5’および3’炭素)を変えることなくヌクレオシド間結合を変えているだけの類似物にも、直ちに適応できる。これらの用語は、親油基がDNAまたはRNAモノヌクレオチドに付加している限り(図6参照;3’末端への付加)、ハイブリッドバックボーンをもつオリゴヌクレオチドにも使用することができる。
オリゴヌクレオチドの5’末端への言及は、代替のバックボーンを使用しているためにオリゴヌクレオチドが実際には真の5’または3’末端を持たない場合には、もしあるならば、DNAまたはRNA配列内部の5’末端に最も近い末端として定義される。DNAまたはRNA配列がない場合には、5’末端は、少なくとも一のCxGジヌクレオチドユニットのシトシン(C)に最も近いオリゴヌクレオチド末端を意味するものと考え得る。内部DNAもしくはRNAの3’末端への言及によっても3’末端は同様に定義され、または必要な場合、CxGジヌクレオチドユニットのグアニンの位置の参照により定義される。
環式オリゴヌクレオチド中、自由末端はない。しかしながら、親油基はヌクレオシド間結合中に組み込むことができる。
分枝オリゴヌクレオチド中、枝は一の自由末端をもち、そして、直接または間接に他の一端はオリゴヌクレオチドの残部に付着している。
親油基および強親油基
オリゴヌクレオチドは、通常、そのリン酸基のために強親水性(および疎油性)である。通常の窒素性塩基アデニン、グアニン、シトシン、チミンおよびウラシルもまた親水性である。
本発明のオリゴヌクレオチドの親油性は、一またはそれ以上の親油基を共有結合的に組み込むことによって増大し、さらに好ましくは、以下に定義するように強親油性または高親油性である。
これらの親油基は、以下の部位の一またはそれ以上において組み込まれることができる:
分子の自由末端の一または両方の少なくとも一部(3’修飾について図2そして5’修飾について図4を参照);
ヌクレオシドの置換基の少なくとも一部;または
ヌクレオシド間結合の少なくとも一部(図3参照)。
オリゴヌクレオチドは、以下に述べる基準によって水素でない少なくとも5原子からなる任意の成分が親油基として認められる場合に、親油基から構成されると考えられる。このため、親油基は、たとえば、末端成分上のまたはヌクレオシド間結合上の側鎖であることができ、これは全ての末端成分またはヌクレオシド間結合とは逆である。
組込みは直接もしくは間接であることができ、たとえば、親油基は5’もしくは3’末端に、リン酸基もしくは−O−結合(水酸基の残基)、もしくは他のリンカーを通じて付加することができる。
オリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端が親油基から構成される場合、好ましくは、全5’末端または3’末端は、リン酸基、または、一またはそれ以上の酸素が硫黄、セレンもしくはテルル原子によって置換しているリン酸基の類似物をまったく排除して、親油基である。このため、図7の化合物1中、親油基はSMILES記号CC(O)CCCCCCCCCCをもつ。
図3は、通常の糖−リン酸バックボーンをもつCpGジヌクレオチドに付加する親油基を示す。3’末端は、リン酸基を持つように修飾されていて、すなわちリン酸基は親油基に酸素の一つを通じて結合している。図4は、親油基が5’リン酸末端に付加しているオリゴヌクレオチドを示している。
親油性成分は、脂肪族または芳香族であることができ、直鎖状または分枝状であることができる。好ましい親油性成分の一部が、図2に描かれていて、そして以下のように特徴付けることができる:
直鎖脂肪族、14炭素
上記と同様だが、C−2でヒドロキシル化
分枝脂肪族、一の枝が14炭素、C−2で分枝し−O−を通じて他の14炭素鎖にいく
CH−C(CHOH)(CH−O−14炭素アルキル)の形をした分枝脂肪族
(CHCHO)14炭素アルキルの形をした直鎖脂肪族
脂肪族と融合した芳香族混合物(図2参照)
以下の好ましい親油基を描いた図7も参照;
1)−CH(OH)−10炭素アルキル
2)−PO−(CHCHO)−PO−CHOH−10炭素アルキル
3)から5)−PO−CHOH−10炭素アルキル
6)14炭素アルキルである他は上記の通り
7)−CH−O−14炭素アルキル
基の親油性は、分子HZ(式中Zは問題となる基)の、非極性溶媒(たとえばエタノール、ジオキサン、アセトン、ベンゼン、n−オクタノール)および水のあいだでの、STPにおける分配係数を計ることで決定することができる。親油性は、この分配係数の対数として定義することができて、ここでは非極性溶媒を好む分子について正である。このため、親油基は、logPがゼロよりより大きい基である。
分配係数(P)は、二つのほとんど混合することのできない溶媒からなる2相系中の溶解物質の平衡状態濃度の比として定義される。このような系の一つは、n−オクタノール:水で、オクタノール相は約20%の水を含むとともに水相は0.008%のオクタノールを含む。このため、関連する分配係数(Pow)は、水(w)で飽和したオクタノール(o)中の溶質のモル濃度の、オクタノールで飽和した水中の溶質のモル濃度に対する比である。N−オクタノールは、多くの膜成分と同様に両親媒性であるために、生体膜の代用物として有用である。(logPへの以後の言及は、とくに断らない限りはlog
Powを意味する)
少なくとも一の親油基は、好ましくは強親油基である。本開示の目的のために、強親油基は、n−オクタノール:水の分配係数のlogとして計算される親油性が、遺伝的に符号化したアミノ酸の側鎖(以下、側鎖として言及)の任意のものについて、以下に(A)−(C)として記述する従来技術である3方法の任意の一つによって計算されるものよりも、大きいものとして定義される。親油性側鎖をもつ遺伝的に符号化したアミノ酸は、脂肪性のアミノ酸アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、およびメチオニンで、そして芳香性アミノ酸トリプトファン、チロシンおよびフェニルアラニンである。(「強親油性」についての標準として、親油性の遺伝的に符号化したアミノ酸の使用をした根拠は、PNAsの一部であるからである)
一の実施例では、問題となる側鎖は、その親油性、および関連する側鎖の親油性を以下の方法(A)に従って決定する場合、関連する側鎖の任意に比してより親油性である。
二番目の具体例では問題となる側鎖は、その親油性、および関連する側鎖の親油性を以下の方法(B)に従って決定する場合、関連する側鎖の任意に比してより親油性である。
三番目の実施例では問題となる側鎖は、その親油性、および関連する側鎖の親油性を以下の方法(C)に従って決定する場合、関連する側鎖の任意に比してより親油性である。
四番目の実施例では問題となる側鎖は、その親油性、および関連する側鎖の親油性を、
分配係数を決定する好ましい方法、この方法は予測したlog Pow値に基づいて選択する、に従って決定する場合、関連する側鎖の任意に比してより親油性である。(この予測値そのものは、下記方法(C)よって決定される)
(A)予測されたlog Pow値が0から4について、EPA Product Properties Test Guidelines OPPTS 830.7550
EPA 712-c-96-038(August 1996)中に記述されている振盪フラスコ法(負のlog Pow値は、化合物が親油性では全くないことを示す)
(B)予測されたlog Pow値が4から6について、EPA Product Properties Test Guidelines OPP13 830.7570 EPA 712-c-96-040(August 1996)中に記述されている液体クロマトグラフィー評価法。(この方法は予測したlog Pow値が0から6と見積もられると使用することができる。)
(C)予測されたlog Pow値が6以上について、Meylanら、「Atom/fragment contribution method for estimating octanol-water partition coefficients」、J. Pharm. Sci.、84:83-92(1995)に記述されている予測的な方法。(予測したlog Pow値が6以上の場合、実験的な決定が必要となることに注意。)
Meylanの方法中、予測したlog Powは、各フラグメントについての加重係数(生の係数に、そのフラグメントのコピー数を乗じる)を定数0.2290に加えることで得られる。考慮のフラグメントは、−CH(0.5473)、−CH(0.4911)、−CH(0.3614)、−OH(-1.4086)、−NH(-1.4148)、−C(=O)N(-0.5236)、−SH(-0.0001)、−NH−(-1.4962)、−N=C(-0.0010)、−O−(-1.2566)、アルデヒド−CHO(-0.9422)、3+C付加する第三級C(0.2676)、Hのない第三級でないC(0.9723)、芳香族のC(0.2940)、芳香族のN(5員環)(-0.5262)、および芳香族に付加している−OH(-0.4802)を含み、ここでは特に断らない限り脂肪族または脂肪族に付加している。
Powの決定法についてのより詳細な情報については、Sangster、J.、「Octanol-Water Partition Coefficients:Fundamentals and Physical Chemistry」(April 1997)(ISBN 0471-9739)参照。
オクタノール−水分配係数の作表のため、EPA「Chemicals in the Environment:OPPT Chemicals Fact Sheets」 the USDA Pesticide Properties Database、Sangster、J.、「Octanol-Water Partition Coefficeints of Simple Organic Compounds」、J. Phys. Chem. Ref. Data、18:1111-1230(1989);Verbruggen、E.M.J.ら、「Physiochemical Properties of Higher Nonaromatic Hydrocarbons:Literature Study」、J. Phys. Chem. Ref. Data、29:1435-46(2000)参照。さらなる情報として、ペン州立大学図書館、物理科学図書館、オクタノール−水分配係数(2001年8月21日更新)、URLは下記の通り。
libraries.psu.edu/crsweb/physic/coefficients.htm.。他の化合物について編集されたPow値は異なる方法論によって決定することができる。
Meylanアルゴリズムは、プログラムLogPow(KowWin)で実行される。このプログラムのオンライン版は、esc.syrres.com/interkow/kowdemo.htmにおいて利用可能で、CAS登録番号またはSMILES構造表示法のいずれかで受け入れられる。このプログラムは、そのデータベース中にある場合は実験的に決定した値も報告している。
基のlogPが、Meylanアルゴリズムによって予想したところ、ゼロよりも大きい場合、その基は親油性であると予想される。好ましくは、Meylanアルゴリズムによって予想されるlogPが少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、さらに高いことがより好ましい。
少なくとも一の親油基が好ましくは「強親油性(Meylan)基」である。本願発明の目的のために、「強親油性(Meylan)基」は、Meylanアルゴリズムによって計算した親油性が、少なくとも2.7であるものとして定義できる。遺伝的に符号化したアミノ酸の側鎖についてMeylanアルゴリズムによって予測されたもっとも高いlogPは2.60(Trp)であり、同一の側鎖について実験的に決定したもっとも高いlogPは2.89(ILe)である。もっとも「強い親油基」はまた「高親油(Meylan)基」であり、逆も真である。
好ましくは、親油基は水素以外の100を越えない原子、より好ましくは80を越えない同様の原子、さらに好ましくは60を越えない同様の原子、いっそう好ましくは40を越えない同様の原子から構成される。
好ましくは、親油基は水素以外の少なくとも5原子(ロイシンはこのような原子を4つもつ)、より好ましくは少なくとも11の同様の原子(トリプトファンは10もつ)、さらに好ましくは少なくとも13の同様の原子、いっそう好ましくは少なくとも21の同様の原子から構成される。
好ましくは、側鎖は、成分炭素、ケイ素、水素、酸素、窒素、硫黄、およびリンに制限された基本構成成分をもつ。好ましくは、水素に関与しない側鎖中の結合の大部分は、炭素−炭素結合である。
好ましくは側鎖は、−Y­−がスペーサーで、−Zが一またはそれ以上の脂肪性および/もしくは一あるいはそれ以上の芳香性成分である、一般式−Y−Zのものである。
スペーサーは、好ましくは、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−PO−、−C(=O)−、および−C(=S)−からなる群から選択される。Zは好ましくは脂肪性である。代替として、スペーサーはY’であることができ、ここでY’は−アルキル−Yで、このアルキルは炭素数1から4の小さいアルキルである。他のスペーサー、および他の一般形も、許容できる。
脂肪性成分、たとえば−Zのようなもの、は独立した一またはそれ以上のスペーサーを含み、これは好ましくは、上に定義した群から選択される。
親油性側鎖は、すべて一または複数の脂肪性成分、すべて一または複数の芳香性成分、または少なくとも一の脂肪生成分および少なくとも一の芳香性成分の組み合わせであることができる。
各脂肪性成分は、個々に、直鎖状、環式、直鎖および環式の組み合わせ、分枝であるが非環式、または分枝であるが一もしくはそれ以上の枝が環式成分から構成されることができる。また、飽和または不飽和であることもできる。飽和している場合、一またはそれ以上の二重結合および/または一またはそれ以上の三重結合があることができる。
一の実施例では、側鎖は直鎖状側鎖で、これはエーテル、すなわち−(CH2)−O−(CHで、式中「i」は0または1で、jは6から26である。化合物1a中、「i」は0で「j」は14である。
他の好ましい実施例では、側鎖は2つの分枝脂肪性成分で、一般構造−Y1Y2(Z1、Z2)をもち、式中Y1はヌル(すなわち、主鎖炭素が直接Y2に結合している)、または上で定義したようなスペーサーで、Y2はY1(またはY1がヌルの場合は、主鎖炭素)をZ1およびZ2に連結している小さな分枝アルキル基で、Z1は−O(CHCHで、そしてZ2は−O(CHCHで、式中mおよびnは独立して6から26の範囲の整数から選ばれる。好ましくは、Y1は−C(=O)−または−NH−、およびY2は−CH(CH)−CH−である。
他の好ましい実施例では、側鎖は3つの分枝脂肪性成分で、一般構造−Y1Y2(Z1、Z2、Z3)をもち、式中Y1はヌル(すなわち、主鎖炭素はY2に直接結合している)、または上に記述したスペーサーであり、Y2は小さな分枝アルキル基でY1(またはY1がヌルの場合は、主鎖炭素)をZ1、Z2およびZ3に連結していて、Z1は−O(CHCHで、そしてZ2は−O(CHCHで、Z3は−O(CHCHで、式中m、nおよびkは独立して6から26の間から選ばれる。Y2は好ましくは−C(CH−)(CH−)CH−である。
他の好ましい実施例では、側鎖は一またはそれ以上の脂肪酸成分からなる。このため、側鎖は−Y1Y2(Z1...Zi)の形であることができ、式中iは1から2、Y1は前記の通りで、Y2はヌルまたは、Y2を1−3Z基に連結しているアルキル基で、そして少なくとも1のZ基は−O−CO−Qの形の脂肪酸基であることができ、ここでQは主にアルキルだがアルケニル、アルキニルまたはエーテル結合を含むことができる。脂肪酸はカルボン酸で、しばしば動物もしくは植物の脂肪もしくは油から抽出もしくは含有しているものである。すべての脂肪酸は、4から22の炭素原子を含む炭化水素基の鎖から構成されて、そして末端カルボキシルラジカルによって特徴付けられる。「炭素数:二重結合数」、および選択的にシス/トランス異性体の位置によって命名することができる。このため、適切な脂肪酸は、4:0、6:0、8:0、10:0、12:0、14:0、16:0、16:1(9c)、18:0、18:1(9c)、18:2(9c、12c)、18:3(9c、12c、15c)、18:4(6c、9c、12c、15c)、18:3(9c、11t、13t)、18:1(9c)、12−OH、20:1(9c)、20:1(11c)、20:4(8c、11c、14c、17c)、20:5(5c、8c、11c、14c、17c)、22:0、22:1(11c)、22:1(13c)、22:5(7c、10c、13c、16c、19c)および22:6(4c、7c、10c、13c、16c、19c)と命名されたものを含み、このすべては天然産グリコシドに見出される。
側鎖が複数の環状成分から構成される場合、これらは融合されている(ポリ環状成分)かあるいは融合されていないことができ、同一または異なる数の側鎖を持つことができる。典型的には、このそれぞれが3から6の側鎖をもつ。一またはそれ以上の側鎖は、二重または三重結合を持つことができる。環式成分は、特徴としてヘテロ環であることができる。一の好ましい実施例では、側鎖はステロイド成分から構成される。これは四つの融合環をもつ多環成分で、一つは5側であり三つは6側である。
脂肪性成分は、一またはそれ以上のホスホリル基から構成されることができ、そして、この場合、側鎖中のこのような基の数は、好ましくは2を越えないものである。ホスホリル基は、たとえばリピドモノホスホリルリピドA(MPLA)といったバクテリア膜のリピド中に見出される。
芳香性成分は、一またはそれ以上の環を構成することができる。一以上の環が存在する場合、この環は融合または非融合することができる。
プログラムLogKowを使用することで、いくつかの好ましい基(表1、2)、およびいくつかの参照化合物(表3、4)についてのlogPを計算した(以下を参照)。表K−2中の化合物は、不適切なものである必要はない。LogKowが供する実験的なデータベース値も、以下に与える。表3中、灰色にした列は親水性化合物である。
標的にする成分
本発明のオリゴヌクレオチドは、さらに一またはそれ以上の細胞タイプ特異的標的成分を付加的に持って、特定の細胞タイプへの到達を改善することができる。たとえば、細胞表面受容体によって特異的に認識される炭水化物またはペプチド成分から構成されることができる。有用な炭水化物成分は、ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)、フコース、マンノース、およびシアル酸(N−アセチルノイラミン酸)を含む。
他の免疫調節成分
本発明のオリゴヌクレオチドはさらに、一またはそれ以上の、CxGジヌクレオチドユニット以外の免疫調節成分から構成することができる。
たとえば、前記したようなチミジンダイマーから構成することができる。リポテイコ酸またはその誘導体から構成することもできる。LTAは、グラム陽性バクテリアの膜成分で、生得の免疫反応を活性化することができる。一の可能な誘導体は、D−アラニンおよびグリセロール成分の第二ヒドロキシル基の間のエステル結合が、アミン結合に置換したもので、これは加水分解に対する耐性を増加させる。LTA類似の成分を、オリゴヌクレオチドの3’または5’末端に付加することができ、または一またはそれ以上のヌクレオシド間結合に組み込むことができる。
免疫原
本発明の免疫原は、少なくとも一の疾病関連のB細胞またはT細胞エピトープで、これは以下に定義してあり、そして、対象(これは、ある場合には、リポソームとまたは抗原提示細胞と会合する)に対して適切に投与した場合、病気に対して保護性である体液性および/または細胞性免疫反応を誘発する。
本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの投与および免疫原の投与の間隔が、免疫原に対するオリゴヌクレオチドの免疫反応を強めることができるよう、長くならないという条件下、免疫原とともに(同一または別々の組成として)投与することができ、または免疫原の投与前もしくは後に投与することができる。
もっとも好ましい免疫原性の組成は、Kogantyら、「Synthetic Glyco-Lipo-Peptides as Vaccines」、U.S. Provisional Appl. No.60/377,595、2002年5月6日出願(Docket:Koganty4.1-USA)、これは全体としてここに参照として組み込まれる、に記述されているBLP25リポソームワクチン製剤から構成される。このリポソーム製剤は、MUC1誘導25−マーリポペプチドからなり、これもそこに記述されていて、もっとも好ましい免疫原である。この組成は、オリゴヌクレオチドを免疫賦活剤として含むことができる。他の免疫賦活剤または他の免疫学的作用薬を含むこともできる(たとえば、サイトカイン)。
エピトープ
本発明のエピトープは、B細胞またはT細胞であることができ、制限なく、ペプチド、炭水化物、リピド、グリコペプチドおよび糖脂質を含む任意の化学的性質であることができる。このエピトープは、少なくとも実質的に天然エピトープと同様である。天然エピトープと同一、または天然エピトープの修飾した形であることができる。「MUC1エピトープ」といった用語は、他の条件がない場合、MUC1の天然エピトープのみならず、実質的に天然エピトープと同一である変異体エピトープを包含することを意図している。このような変異体エピトープは、天然MUC1エピトープと交差反応する。同様に、「腫瘍関連エピトープ」のような用語は、天然および変異体エピトープの両方を含むが、変異体エピトープは天然腫瘍関連エピトープと交差反応するものである。
B細胞エピトープ
B細胞エピトープは、B細胞によっておよび抗体によって認識されるエピトープである。
B細胞ペプチドは、典型的には長さが少なくとも5つのアミノ酸で、さらにしばしば少なくとも6のアミノ酸であり、なおしばしば少なくとも7または8のアミノ酸であり、そして連続的(「直鎖」)または非連続的(「立体配置的」)(後者は、一次アミノ酸配列の物理的に近接していない部分の配列を、近接するところへ持ってくる、タンパク質の折りたたみによって形成される)であることができる。
B細胞エピトープもまた、炭水化物エピトープであることができる。
T細胞エピトープ
T細胞エピトープは、もしあるとして、問題となる対立遺伝子による細胞免疫反応を刺激もしくは強めるのに、予防上もしくは治療上有用であることができる程度に病害もしくは有害な状態と関連のある、ハプテンを含む抗原のT細胞エピトープと少なくとも実質的に同一である任意のT細胞エピトープであることができる。このような病害および状態は、住血吸虫病および、レーシュマニアのような寄生虫病に限らないが、カンジダ症のような真菌感染症、ハンセン病のようなバクテリア感染症、HIV感染のようなビールス感染症、および癌、特に固形腫瘍を含む。勿論、関連した病害または有害な状態に対しエピトープの特異性の度合いを高め、さらにエピトープに対する免疫応答の刺激が有害な影響から自由になるらしい。
エピトープは勿論、細胞免疫応答が起こるようにT細胞受容体によって認識されなければならない。ペプチドに対し、T細胞エピトープはクラスIまたはクラスII
MHC分子と相互作用することができる。クラスIエピトープは通常8ないし15、さらにしばしば長さが9−11のアミノ酸である。クラスIIのエピトープは通常5−24(24量体はクラスIIグルーブにフィットできる最長ペプチドである)、さらにしばしば8−24のアミノ酸である。免疫原がこれらのサイズよりも大きい場合、MHCクラスIまたはII分子と相互作用するためにさらに適しているサイズのフラグメントに免疫系によって処理される。
炭水化物T細胞エピトープは単糖ユニット(例えば、Tn)と同じに小さくてもよい。好ましくは5糖よりも大きくない。
多くのT細胞エピトープが既知である。追加のT細胞エピトープを同定するいくつかの技術がこの分野では認識されている。一般に、これらはT細胞エピトープを潜在的に提供する分子を調製し、その分子に免疫応答することを特徴的に含む。免疫応答の特徴的方法は後述する。
HLA−1のようなMHCクラスI分子の特定の対立遺伝子によって「制限される」ようなCTLエピトープ関連は、そのようなエピトープが問題の対立遺伝子によって結合され発現されることを示している。これは、前記エピトープが、HLA−A2、HLA−A3、HLA−B7、またはHLA−B44といったMHCの形の異なる対立遺伝子によって結合および発現することができないということを意味するものではない。
疾病関連および疾病特異的エピトープ
疾病は、ウイルス、単細胞生物、もしくは多細胞生物の感染または寄生によって、またはガン(腫瘍)細胞の発生もしくは増殖によってもたらされる有害な臨床的な状態である。(興味深いガンには、WO98/18810およびWO99/51259に述べられているものを含む。)
単細胞生物は任意の単細胞病原体もしくは寄生虫であることができ、バクテリア、菌もしくは原虫を含む。(興味のあるウイルス、バクテリア、および菌は、WO98/18810およびWO99/51259に述べられているものを含む。)多細胞生物は、任意の病原体または寄生虫であることができ、原虫、虫、もしくは節足動物を含む。多細胞器官は内部寄生者と外部寄生者の両方を含む。内部寄生者は、免疫反応を誘発しやすいが、しかし、保護性の免疫反応を誘発する程度であり、外寄生生物およびその抗原は、本発明の範囲内にある。
エピトープは、ウイルス小片によって提示したか、またはウイルス性ゲノムによってエンコードされて感染細胞に発現した場合に、ウイルス性疾患に直接関連しているということができる。
エピトープは、原因生物の細胞内、表面、もしくは分泌抗原によって提示した場合に、単細胞もしくは多細胞生物による疾患に直接関連しているということができる。
エピトープは、特定の腫瘍の細胞内、表面、もしくは分泌抗原によって提示した場合に、その特定の腫瘍に直接関連しているということができる。問題となる腫瘍タイプのすべての株細胞によって、または特定の腫瘍の全細胞によって、または腫瘍の全生存期間を通じて提示される必要はない。問題となる腫瘍に特異的である必要はない。エピトープは、なんらかの腫瘍(ガン、新生物)と関連している場合は、一般的に「腫瘍に関連した」ということができる。
腫瘍は、間葉または上皮起源である。ガンは、大腸癌、直腸癌、頸癌、乳癌、肺癌、胃癌、子宮癌、皮膚癌、口癌、舌癌、口唇癌、喉頭癌、腎臓癌、膵臓癌、前立腺癌、脳腫瘍、および白血病を含む。
エピトープは、対象の感染細胞によって特異的に産生もしくは過剰産生される場合、または、疾病に対して特異的ではあるが、非免疫的に対象の他の細胞によって特異的に産生もしくは過剰産生される、たとえば腫瘍により分泌される調節物質の結果として近接の細胞から過剰産生される血管形成ファクター、場合に、疾病に間接的に関連しているといえる。
用語「疾病に関連したエピトープ」は、天然の疾病エピトープを認識する抗体またはT細胞が類似の非天然エピトープをも認識するくらい問題となる疾病に天然に関連したエピトープと十分に類似している任意の非天然産生エピトープをも包含する。特定の疾病または疾病の程度に関連したエピトープについても同様のコメントを適用することができる。
エピトープが検出可能かつ臨床的に有用な程度に、他の原因よりもより頻繁に特定の原因に関連する場合、そのエピトープはその原因(疾病原因生物、または、より特定には、腫瘍といったもの)に特異的であるということができる。予防上、治療上または診断上の有用な効果が得られるならば、完全な特異性は必要ない。
「特異的腫瘍−特異的」エピトープの場合、他の腫瘍または正常細胞とよりも、その腫瘍とさらに頻繁に関連する。好ましくは、問題となる腫瘍と関連して発生する頻度ならびに、(a)腫瘍が除去されたタイプの正常細胞、および(b)他の腫瘍の少なくとも一種に関連した発生頻度との間で、統計学的に有意な(p=0.05)違いが存在すべきである。エピトープは、正常細胞とともにある場合に比して、(どれかまたは全部の種類の)腫瘍とともにある場合により頻繁に関連する場合に、一般的に「腫瘍特異的」ということができる。すべての腫瘍と関連する必要はない。
用語「腫瘍特異的エピトープ」は、類似のエピトープによって刺激された抗体またはT細胞が、天然エピトープによって刺激されたCTLsと本質的に同様の特異性であるくらいに、問題となる腫瘍に特異的な(適切なら、腫瘍一般に特異的な)天然産生エピトープに十分類似している、任意の非天然産生エピトープをも包含する。
一般的に、より高い特異性は一般的により少ない反対の効果を導くので、(投薬の経路および影響を受けた正常組織に依存して)腫瘍対正常特異性は、腫瘍対腫瘍特異性よりも重要である。腫瘍対腫瘍特異性は、治療的使用とは逆に診断的使用に重要である。
用語「特異的」は、完全な特異性を意味するよう意図しているのではなく、単に、対応する正常な対象に比べて病原体または腫瘍に関連する発生の確率が、臨床的に有用な違いであることを意味するように意図している。
寄生虫関連エピトープ
一の実施例では、エピトープは寄生虫関連エピトープで、たとえばレーシュマニア、マラリア、トリパノソーマ症、バベシア症、または住血吸虫症に関連したエピトープといったものである。好適な寄生虫関連エピトープは、以下を含むが、これに制限されるものではない。
ウイルス関連エピトープ
他の実施例中、エピトープはウイルス性エピトープであり、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)、エプスタイン−バーウイルス(EBV)、または肝炎に関連したエピトープである。好適なウイルス性エピトープは、以下を含むが、これに制限されるものではない。
細菌関連エピトープ
エピトープは、細菌性抗原と関連することもできる。好適なエピトープは、以下を含むが、これに限定されるものではない。
ガン関連エピトープ
他の実施例において、エピトープはガン(腫瘍)に関連していて、呼吸器系(肺、気管、喉頭)、消化器系(口、食道、胃、腸)、排泄系(腎臓、膀胱、大腸、直腸)、神経系(脳)、生殖系(卵巣、子宮、子宮頸部)、分泌系(乳房、肝臓、膵臓、前立腺)、皮膚等のガンを含むが、これに限定するものではない。ガンの二つの主要な群は、間葉由来かつ骨および筋肉に影響する肉腫、および上皮由来かつ乳腺、胃、子宮、皮膚および舌のガンの大部分を作る癌腫である。肉腫は、線維肉腫、リンパ肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫および脂肪肉腫を含む。癌腫は、腺がん、基底細胞癌腫、およべ扁平上皮がんを含む。
ガン関連エピトープは、変異体p53、部位変異Rasオンコジーン遺伝子生成物、her
2/neu、c/erb2、およびMUC1コアタンパクといったペプチドエピトープ、ならびにシアリルTn(STn)、TF、Tn、CA125、シアリルLe、シリアルLeおよびP97といった炭水化物エピトープを含むが、これに限定するものではない。
炭水化物エピトープ
炭水化物エピトープも興味深い。たとば通常のヒトガンに大いに発現する腫瘍関連炭水化物エピトープの3種のいずれもが示すことができる。これらは特に、ラクトシリーズタイプ1およびタイプ2鎖、ガン関連ガングリオ鎖、および中性スフィンゴ糖脂質を含む。ラクトシリーズタイプ1鎖およびタイプ2鎖の例は、以下の通りである。すなわち、ルイスa、二量体ルイスa、ルイスb、ルイスb/ ルイスa、ルイスx、ルイスy、ルイスa/ ルイスx、二量体ルイスx、ルイスy/ ルイスx、トリフコシルルイスy、トリフコシルルイスb、シアロシルルイスx、シアロシルルイスy、シアロシル二量体ルイスx、Tn、シアロシルTn、シアロシルTF、TFである。ガン関連ガングリオ鎖の例は、以下の通りである。すなわち、GM3、GD3、GM2、GM4、GD2、GM1、GD−1a、GD−1bである。中性スフィンゴ脂質は、グロボトリオース、グロボテトラオース、グロボペンタオース、イソグロボトリオース、イソグロボテトラオース、ムコトリオース、ムコテトラオース、ラクトトリオース、ラクトテトラオース、ネオラクトテトラオース、ガングリオトリオース、ガングリオテトラオース、ガラビオース、および9−O−アセチル−GD3を含む。
多数の臨床的に重要な抗原は炭水化物決定基をもつ。このような抗原の一つの群は、腫瘍関連ムチンから構成される(Rousselら、Biochimie 70、1471、1988)。
一般的に、ムチンは唾液、胃液、等の中に見出される糖タンパク質で、粘性の溶液で、体の外部表面および内部表面上の潤滑剤または保護剤としてはたらく。ムチンは、典型的には高分子量(しばしば1,000,000ダルトンをこえる)で、大規模にグリコシル化されている。ムチンのグリカン鎖はO−結合(セリンまたはトレオニン残基に対して)で、糖タンパクの分子量の80%以上に達することができる。ムチンは管状上皮細胞および同一由来の腫瘍によって産生され、そして分泌され、または不可欠な膜タンパクとして細胞に結合する(Burchellら、Cancer Res.、47、5476、1987;Jeromeら、Cancer Res.、51、2908、1991)。
癌性の組織は、正常な対応物に比べてグリコシル化が比較的されていないことが知られている異常なムチンを産生する(Hullら、Cancer Commun.、1、261、1989)。ガン細胞中のタンパク質グリコシル化機構の機能的変化のために、腫瘍関連ムチンは典型的には短く、不完全なグリカンを含む。このため、ヒト乳脂肪小球に関連した正常なムチンが基本的に四糖グリカン
、gal β1-4 glcNAcp1-6(gal β1-3)gal NAcαおよびそのシアル酸付加類似物(Hullら)からなる一方で、腫瘍関連Tnハプテンは、単糖残基、α−2−アセトアミド−3−デオキシ−D−ガラクトピラノシル、および二糖類β−D−ガラクトピラノシル−(1−3)α−アセトアミド−2−デオキシ−D−ガラクトピラノシルのT−ハプテンからのみなる。腫瘍関連ムチンの他のハプテンは、たとえばシアリル−Tnおよびシアリル−(2−6)Tハプテンで、末端シアリル残基の短いTnおおびTグリカンへの付加によって生じる(Hanischら、Biol. Chem. Hoppe-Seyler、370、21、1989;Hakormori、Adv. Cancer Res.、52:257、1989;Torbenら、Int. J Cancer、45、666、1980;Samuelら、Cancer Res.、50、4801、1990)。
TおよびTn抗原(Springer、Science、224、1198、1984)は、多くの初期癌腫細胞およびその転位(全ヒト癌腫の90%以上)の外表面膜上に免疫反応形で見出される。腫瘍マーカーとして、TおよびTnは、いくつかの癌腫の早期の免疫組織化学的検出および予後判定を可能とする(Springer)。最近では、腫瘍組織上のシアリル−Tnハプテンの存在が、好ましくない予後のパラメータとして同定されている(Itzkowitzら、Cacer、66、1960、1990;Yonezawaら、Am. J. Clin. Pathol.、98 167、1992)。異なる3種の腫瘍関連炭水化物抗原が、通常のヒト癌において高度に発現する。TおよびTnハプテンは、ラクト系列タイプ1、およびタイプ2中に含まれる。加えて、ガン関連ガングリオ鎖およびスフィンゴ糖脂質は、様々なヒトガン上に発現する。
腫瘍関連ムチンによって提示される変化したグリカン決定基は、患者の免疫系によって非自己または外部者として認識される(Springer)。特に、多くの患者において、Tハプテンに対する強力な自己免疫反応が観察される。これらの反応は、容易に測定することができ、従前可能だったよりも早期に、高い感応性および特異性で癌腫の検出が可能となる。最後に、TおよびTnの発現の程度は、癌腫の分化の程度としばしば関連する(Springer)。
炭水化物ハプテンの広範な議論が、Wong、USP 6,013,779において示されている。種々の炭水化物は、本発明に従っては、特に腫瘍の検出および治療における使用のために、合成糖リポタンパク免疫原中に組み込まれることができる。Tn、T、シアリルTnおよびシアリル(2→6)Tハプテンが特に好ましい。
特に、腫瘍を検出および治療するために、通常のヒト癌に高度に発現する3種類の腫瘍関連炭水化物エピトープがアミノ化化合物と接合する。これらは、特にラクト系列タイプ1およびタイプ2鎖、癌関連ガングリオ鎖および中性スフィンゴ糖脂質を含む。
ラクト系列タイプ1およびタイプ2鎖の例は以下の通りである。
本発明に従ってアミノ化した化合物に接合する癌関連ガングリオ鎖の例は以下の通りである。
癌関連ガングリオ鎖
上記に加えて、本発明に従ってアミノ化した化合物に中性スフィンゴ糖脂質も接合できる。選択した中性スフィンゴ糖脂質
球形トリオース: Galα→4Galβ1→4Glcβ1→
球形テトラオース: GalNAcβ1→3Galα→4Galβ1→4Glcβ1→
球形ペンタオース: GalNAcα1→3GalNAcβ1→3Galα→4Galβ1→4Glcβ1→
イソ球形トリオース: Galα→3Galβ1→4Glcβ1→
イソ球形テトラオース: GalNAcβ1→3Galα1→3Galβ1→4Glcβ1→
ムコトリオース: Galβ1→4Galβ1→4Glcβ1→
ムコテトラオース: Galβ1→3Galβ1→4Galβ1→4Glcβ1→
ラクトトリオース: GalNAcβ1→3Galβ1→4Glcβ1→
ラクトテトラオース: GalNAcβ1→3GalNAcβ1→3Galβ1→4Glcβ1→
ネオラクトテトラオース: Galβ1→4GlcNAcβ1→3Galβ1→4Glcβ1→
ガングリオトリオース: GalNAcβ1→4Galβ1→4Glcβ1→
ガングリオテトラオース: Galβ1→GlcNAcβ1→4Galβ1→4Glcβ1→
ガラビオース: Galα→4Galβ1→
9-O-アセチル-GD3: 9-O-Ac-NeuAcα2→8NeuAcα2→3Galβ1→4Glcβ1→
クラスター形成エピトープ
幾つかの実施例では、一以上のエピトープが与えられて、エピトープがクラスター形成している。
炭水化物エピトープクラスターが、文献中に報告されてきたが、その重要性についてはいまだ明らかに定義されてこなかった。Reddishら、Glycoconjugate J.、14:549-60(1977)(クラスター形成 STn)、Ragapathiら、Cancer Immunol. Immunother、48:1-8(1999)参照。同様に、O−グリコシル化部位が報告されている。Gendlerら、J. Biol. Chem.、263:12820(1988)参照。
以下の米国特許は「クラスター形成したエピトープ」という表現を用いている。
6,376,463
6,258,937
6,180,371
5,929,220
5,888,974
5,859,204
5,744,446
以下の米国特許は、「クラスター形成した」および「炭水化物エピトープ」を列挙している。
6,365,124
6,287,574
6,013,779
5,965,544
5,268,364
4,837,306
ムチンエピトープ
実施例中、エピトープは癌関連ムチンのエピトープである。ムチンは、高分子量(>1,000,000ダルトン)および大規模なグリコシル化(80%以上)によって特徴付けられる糖タンパク質である。ムチンは、細胞外で発現することができ、または明瞭な外部の領域、膜貫通の領域、および細胞質領域のあるときの不可欠な細胞膜糖タンパクとして発現することができる。細胞膜ムチンは、柔軟な桿体として存在して、細胞表面から比較的大きな距離で突出して、糖衣の重要な構成要素を形成し(Jentoff、1990)、その炭水化物末端部位はおそらく抗体および免疫系の細胞と接触する最初の部位である。
異常なまたは癌関連ムチンは、比較的少ししかグリコシル化されていないことが知られていて(Hullら、1989)、そのため正常に陰性の炭水化物−エピトープ(Hashishら、1989;Torbenら、1990;Samuelら、1990)、ペプチド−エピトープ(Burchllら、1987)およびおそくらく糖タンパク−エピトープを発現する、対応するその正常細胞ムチンに抗原的に異なっている。このため、細胞表面ムチンが突出するので、これらそのものが免疫攻撃の標的としてはたらくことができる(Henningsonら、1987;Fungら、1990;Singhalら、1991;Jeromeら、1991;Oncogen, EP
268,279;Biomembrane Institute、WO89/08711;Longenecker、USP 4,971,795)。幾つかの環境下では、癌関連細胞膜ムチンが、他の細胞表面抗原を「マスク」して癌細胞を免疫攻撃から防御することができる(Codingtonら、1983;Friberg、1972;Millerら、1977)。
ムチンエピトープは、コアペプチド、炭水化物、または糖ペプチドであることができる。エピトープを運搬することができるムチンの制限のない例は、ヒト腫瘍関連Thomsen-Friedenrieich抗原(Maclean、1992)、エピグリカニン関連糖タンパク(Codington、1984)ヒツジ下顎ムチン、ウシ下顎ムチン、乳癌ムチン(たとえば、乳癌肺瘍ムチンを含むヒト多型上皮ムチン、Gendler、1988、1990;乳癌上皮腫瘍抗原、Hareuveni、1990、乳癌、Hull、1989)、哺乳動物腫瘍ムチン(たとえば、マウス乳腺癌、Fung、1990)、腎臓(例えば、腎細胞癌)、卵巣(たとえば卵巣癌関連皮脂線性腺抗原、Layton、1990)、膀胱、大腸(たとえば、結腸直腸癌中のシアロシル−Tn、Itzkowitz、1990)、膵臓腫瘍ムチン(Lan、1990)、胆嚢、膀胱、大腸(たとえば、悪性大腸粘膜ムチン、Torbin、1980)および幾つかの肺細胞組織から発生するムチンのような癌ムチン、メラノーマムチン(たとえば、メラノーマ関連抗原、Kahn、1991)、上皮腫瘍細胞ムチン、白血病関連ムチン、癌胎児性の抗原、または、癌関連ムチンもしくは異常なグリコシル化(Hakomori、1989、およびSinghal、1990)といった異常なムチンの既知の特徴に従う異常な細胞に関連する任意の他のムチンである。
MUC1エピトープ
ヒトMUC1遺伝子生成物は、種々の名前で言及されていて、MAM6、乳ムチン;ヒト乳脂肪球形抗原(HMFG);ヒト乳腺上皮抗原、CA15−3、CA27.29;エピシアリン;および多型性上皮ムチン(PEM)(Taylor-Papadimitriouら、1988に概説)(このセクションで不完全に引用された参照のための完全な参照は、Longeneckerら、08/229,606を参照)を含む。このムチンはヒト乳房(Gendlerら、1988)、膵臓(Lanら、1990)および特定の卵巣癌細胞(Laytonら、1990)に強力に発現する。種々の癌に発現するMUC1エンコードムチンは同一のタンデム反復コアペプチド配列を含んでいるが、グリコシル化の相違が存在する(Gendlerら、1988;Lanら、1990)。ガン細胞中のグリコシル化条件下、ガン細胞上のMUC-1分子は、正常上皮細胞上には発現しない(すなわち陰性である)陰性のエピトープを発現する。
MUC1は、クローン化およびマップ化された最初の癌関連ムチンで(Gendlerら、1990)、最近ではマウスの乳腺株細胞、410.4中に形質移入されている(Lalaniら、1991)。MUC1形質移入410.4細胞は、細胞表面上にMUC1遺伝子産生物を発現する。
グリコシル化のパターンは、ヒト癌関連MUC1によって発現する陰性のペプチドエピトープと同一のものを発現するムチンから誘導される悪性の細胞と類似であるが、異なっている(Taylor-Papadimitriouら、1988)。Lalaniおよび共同研究者(1991)は、マウスの410.4細胞形質移入体の免疫原性について調べている。これらの研究者は、細胞腫瘍発生形質移入体410.4細胞の低投与量を拒否したマウスが、形質移入していない野生型410.4では効果がみられない一方で、形質移入体410.4細胞の高投与量を連続的に移植した後に腫瘍を発生しなかったことを示した(Taylor-Papadimitirouら、1988)。(完全な参照のために、Longenecker5-USA、およびその参照4-11を参照)。
癌細胞上の陰性のMUC-1ペプチド配列を擬態する合成ペプチド抗原から構成される癌ワクチンが、マウスモデル中の腫瘍細胞を発現しているMUC-1に対する効果的な抗がん免疫療法を誘導する。Finnおよび共同研究者は、癌患者が、癌細胞上のMUC-1分子上に発現したペプチドエピトープを認識する特異的な非MHC制限細胞障害性T-リンパ球(CTL)を産生することができることを示した(米国シリアル番号08/229,606、docket
Longenecker5-USA、ここで参考文献として組み込む、の参照12および53-551を参照)。特にMUC1配列SAPDTRP(SEQ ID NO:2のAAs11-17)が、T細胞エピトープおよびB細胞エピトープの両方であることが示されている。チンパンジーの合成MUC−1抗原を用いた免疫化が、MUC−1に対する特異的抗体およびCMIの発生を誘導することが示されている。
ヒト上皮ムチンMUC1が、乳腺、卵巣および膵臓の90%以上において過剰発現して、そしてこれらの腫瘍中で異常にグリコシル化されている。SM3抗体はMUC1のコアタンパクに結合し、腫瘍糖タンパクにも結合する。おそらくSM3エピトープが上述の異常なグリコシル化の結果として曝露されるからである。
ヒトMUC1のアミノ酸配列は、SWISS−PROTデータベース中にP15941として利用可能である。反復回数は、高度に多型性である。北欧人においては21から125に変化する。もっとも頻繁な対立遺伝子は、41および85繰り返す。タンデムに繰り返すイコサペプチドは、次のかっこで示されたように、三カ所で多型性の基底をなす。PAPGSTAP[P/A/Q/T]AHGVTSAP[D/E][T/S]R(SEQ ID NO:5)。一般的な多型性は、二重の突然変異DT→ESおよび単一置換P→A、P→QおよびP→Tに同等である。もっとも頻度の高い置換DT>ESは反復の50%以下おこる。マウスMUC1については、SWISS−PROT Q02496参照。
Mollerら、Eur. J. Biochem. 269:1444-55(Mar. 2002)は、NMR分光を使ってSM3抗体のペンタペプチドMUC1エピトープPDTRPへの結合および、スレオニンがアルファ−d−GalNAcへO-系列である関連糖ペンタペプチドへの結合を調査している。Mollerは、PDTがSM3抗体と、RPよりもより強く相互作用することを見出し、RPが変異に対して耐性のあること示唆している。対照的に、糖ペプチドは、もっとも強い効果はProlとの場合ではあるが、そのアミノ酸を使用してSM3と相互作用する。ドッキング研究がなされていて、3D構造が推論可能でまたは決定できる変異ペプチドとのものについてなされている。
Hiltboldら、Cancer Res.、58:5066-70(1988)は、100アミノ酸の合成MUC1ペプチドとインビトロで初回刺激を受けたCD4+ T細胞が、5回の非グリコシル化タンデム反復を示して、樹状突起細胞によって提示され、IFN−ガンマおよび中程度の細胞学的活性を産生する。コアペプチド配列も同定していて、PGSTAPPAHGVT(SEQ ID NO:6)で、HLA-DR3によって提示される場合この反応を誘発する。
Heukampら、Int. J. Cancer、91:385-92(2001)は、不定数の直列反復部位の外側に位置する3つのMUC1由来ペプチドをもつA2/K(b)遺伝子組換えマウス中でペプチド特異的CTL免疫を導きだした。これらのペプチドは、MUC(79-87)(TLAPATEPA)(SEQ ID NO:7)、MUC(167-175)(ALGSTAPPV)(SEQ ID NO:8)およびMUC(264-72)(FLSFHISNL)(SEQ ID NO:9)。すべてHLA−A0201のペプチド結合モチーフに従う。
Engelmannら、J. Biol. Chem. 276:27764-9(Jul. 2001)は、MUC1の直列反復部位の三つの配列変異形を報告している。変異形1はDTをESに置換した。
Soaresら、J. Immunol. 166:6555-63(Jun. 2001)は、七つの直列反復MUC1ペプチドを使用して免疫反応を誘発した。樹状突起細胞上にペプチドが届くと、T細胞免疫のみが誘発された。可溶性ペプチドとともに注入した場合、Ab産生も引き起こった。
Von Mensdorff-Pouillyら、J. Clin. Oncol. 18:574-83(Feb. 2000)は、乳癌患者に、抗MUC1抗体レベルの免疫測定において、BSAに結合するMUC1トリプル直列反復ペプチドを用いた。
Dentonら、Pept. Res. 7:258-64(Sept./Oct. 1994)、T−BおよびB−T両方の配向性において、既知のマウスT細胞エピトープにMUC1ムチンB細胞ペプチドエピトープがコリニアーに類似。
Brossartら、Blood、93:4309-17(June、1999)は、MUC1アミノ酸配列を分析してHLA−A2分子への高い結合可能性をもつ二つの新規のペプチドを同定した。一つは、不定直列反復部位からで、もう一つはそれ以外の部位からであった。
Carmonら、Int. J. Cancer、85:391-7(Feb. 2000)は、分子の非直列反復部位からのHLA−A2.1選択モチーフペプチドの抗腫瘍能を評価している。Pieterszら、Vaccine、18:2059-71も参照(Apr. 2000)。
Keilら、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 40:366-9(Jan. 2001)は、MUC1エピトープを破傷風毒素エピトープに結合した。
Schreiberら、Anticancer Res. 20:3093-8(Sep.
/Oct. 2000)は、五つのMUC1直列反復をもったペプチドが、一の反復のみをもつペプチドに比して、細菌性熱ショックタンパク質DnaK(哺乳類熱ショックタンパク質は抗原プロセシングに関わる)への結合親和性が3倍であることを示した。
Von Mensdorff-Pouillyら、Int. J. Cancer、86:702-12(Jun. 2000)は、天然MUC1 IgGおよびIgM抗体のもっとも頻度の高い最小エピトープ配列がRPAPGS(SEQ ID NO:10のAAs 9-14)、PPAHGVT(SEQ ID NO:11;これはSEQ ID NO:10のAAs1-3につながるAAs17-20に同等)。MUC1ペプチドワクチン接種は、主に、直列反復のPDTRPAP(SEQ ID NO:10のAAs6-12)およびSTAPPAHGV(SEQ ID NO:2のAAs1-9)配列に対して、それぞれ、IgMおよびIgG抗体の高タイターを誘起した。乳癌患者からの天然MUC absは、非グリコシル化ペプチドとに比して、GalNac-グリコシル化ペプチドとより強く反応した。欧州特許出願1,182,210;Sandrin、米国特許6,344,203;Finn、米国特許5,744,144も参照。Petrakouら、「Epitope Mapping of Anti-MUC1 Mucin protein core Monoclonal Antibodies」(21-29);Imaiら、「Epitope Characterization of MUC1 Antibodies」(30-34)、Scholら、「Epitope Fingerprinting Using Overlapping 20-mer peptides of the MUC1 Tandem repeat sequence」(35-45)、およびBlockzjil、「Epitope characterization of MUC1 Antibodies」(46-56)、すべてMUC1に対するモノクローナル抗体についてのISOBM
TD−4国際ワークショップ(Nov. 1996)中、Tumor Biology、19 Suppl. 1:1-152(1998)に別刷、も参照。
Von Mensdorff-Pouillyら、「Human MUC1 Mucin:a multifaceted glycopotein」、Int. J. Biol. Markers、15:343-56(2000)も参照。
このため本発明は、MUCの少なくとも一の天然B細胞および/もしくはT細胞エピトープ、またはそのような天然エピトープと実質的に同一の少なくとも一の変異エピトープからなる免疫原を基としている。本発明は、さらに、エピトープの一部ではない付加的なMUC1配列を包含することができる。
好ましくは、前記免疫原は、MUC1のB細胞エピトープおよびT細胞エピトープ(それぞれの場合について、天然エピトープまたはその許容変異であることができる)の両方を包含し、そしてこれらエピトープは同一、重複、または異なっていることができる。
抗原のT細胞エピトープおよびB細胞エピトープは重複することができる。たとえば、MUC−1の場合、SAPDTRP(SEQ ID NO:10のAAs 4-10)はT細胞エピトープで、一方PDTRP(SEQ ID NO:10のAAs 6-10)は単にB細胞エピトープである。
さらに、付加的なB細胞エピトープ、および/または付加的なT細胞エピトープを包含することができる。B細胞エピトープは、同一または異なることができ、そして同様にT細胞エピトープも同一または異なることができる。
本発明の抗原が、少なくとも5個のアミノ酸のMUC1配列と少なくとも実質的に同一のMUC1関連配列を包含する場合、前記MUC1関連配列は、対応するMUC1配列中に見られた一またはそれ以上のグリコシル化部位を含むことができる。変異の結果として、可能なグリコシル化部位の数について対応するMUC1配列と異なることができ、または可能なグリコシル化部位の数について同一であることができる。
グリコシル化可能な部位は、(1)MUC1誘導腫瘍糖タンパク中の実際にグリコシル化している部位、(2)前記腫瘍糖タンパク中の実際にはグリコシル化されていないがグリコシル化される可能性のある部位、および/または(3)前記糖タンパクの隣接部位であることができる。同様に、実際のグリコシル化部位は、(1)MUC1誘導腫瘍糖タンパク中の実際にグリコシル化されている部位、(2)前記腫瘍糖タンパク中の実際にはグリコシル化されていないがグリコシル化される可能性のある部位、および/または(3)前記糖タンパクの隣接部位であることができる。MUC1誘導腫瘍糖タンパク中で正常にグリコシル化される全グリコシル化部位のうちの全くないか、一か、幾つかまたは全部は、本発明の抗原においてグリコシル化されることができる。
MUC1は多型性の抗原で、以下の配列の完全および不完全な反復の、変数(典型的には21-125、特に41または85)で特徴付けられる。
GVTSAPDTRPAPGSTAPPAH(SEQ ID NO:10)
この配列の複数の反復があるために、示される出発部位は任意で、そしてエピトープは二つの反復をつなぐ。
従って、本発明の免疫原は、前述の完全な反復配列またはその環状順列であることができる。さらに、前記反復またはその環状順列の二またはそれ以上のコピーを包含することもできる。このため、化合物1aおよび1bにおいて、上記反復の環状順列(TSA...で出発して、HGVで終了)の二つのコピーがあって、無関係のSSL配列が続く。
問題となっている各MUC1エピトープは、不定の直列反復部位のエピトープか、または前記部位の外部にあるエピトープに相当する。前者はRPAPGS(SEQ ID NO:10のAAs 9-14)、PPAHGVT(SEQ ID NO:11)およびPDTRP(SEQ ID NO:10のAAs 6-10)を含む。配列PDTRPAPGS(SEQ ID NO:10のAAs 6-14)は、特に興味深く、なぜなら二つの重複エピトープを含んでいるからである。PDTRP配列は、溶媒にさらされる突起した小頭部の先端部を形成して、安定タイプIIベータターンを形成する。
非VNTR部位エピトープは、MUC(79-87)(TLAPATEPA)(SEQ ID NO:7)、MUC(167-175)(ALGSTAPPV)(SEQ ID NO:8)およびMUC(264-72)(FLSFHISNL)(SEQ ID NO:9)を含む。
好ましくは、免疫原は多型性エピトープP[D/E][T/S]RPまたはその実質的に同一な変異体である。さらに好ましくは、PDTRP(SEQ ID NO:10のAAs 6-10)またはその実質的に同一な変異体を包含する。
幾つかの実施例において、免疫原は少なくとも一の20アミノ酸配列(効果的な直列反復)で、単にMUC1直列反復から一もしくはそれ以上の保存的な置換および/または単一の非保存的な置換によって異なり、そしてMUC1の不定直列反復部位のエピトープを包含する(ともに同一であるか、または変異形を許容する)。好ましくは、あったとしても、保存的な置換によってのみ異なり、さらに好ましくは、単一の保存的な置換によって以上は異ならず、より好ましくは、このような直列反復において同一である。MUC1の直列反復は不完全で、このため配列は一の反復については同一であるが他については同一でないこともできるということに注意しなければならない。また、これらの反復中、対立遺伝子の配列が存在し、この配列は、対立遺伝子について同一であるが他については同一でないことができる。
これらの実施例のサブセットにおいて、免疫原は、2(全部で40のアミノ酸)、3(全部で60のアミノ酸)、4、5、6、7または8といった、複数の非重複有効性直列反復を包含する。これらの有効性直列反復は、それぞれ同一であることができるが、必要ではない(対照的に、天然ヒトMUC1ムチン、反復数は典型的には21-125、に注意)。
一またはそれ以上の有効性直列反復に加えて、免疫原のペプチド部分は付加的なアミノ酸部分配列を包含することができる。この場合、これらの部分配列は付加的なエピトープを包含することができ、これはMUC1不定直列反復部位エピトープ(有効性直列反復がだめになっている)、その部位の外側からのMUC1エピトープ、または他の癌抗原のエピトープであることができる。免疫調節性要素をも含むこともできる。Longeneckerら、08/229,606を参照。
好ましくは、MUC1直列反復の一またはそれ以上のセリンおよび/またはスレオニンがグリコシル化されて、好ましくはTnまたはシアリルTnによってグリコシル化される。天然ヒトMUC1ムチン中、五つの正常なグリコシル化部位が反復ごとにある。正常MUC1中、これら五つの部位のうち平均2.6が事実上占有されている。グリコシル化アミノ酸の反復ごとの平均数は、「天然値」と比して、それ以下、同じ、またはそれ以上であることができる。
好ましくは、Kogantyら米国仮出願60/377,595、2002年5月6日出願(登録書:Koganty4.1-USA)、参照として組み込む、に開示されているように、免疫原は脂質化されている。さらに好ましくは、そのC末端部位に、配列SSLを包含し、その両方のセリンは脂質化されている。
天然発生エピトープの同定
他の天然発生エピトープは、Kogantyら、米国仮出願60/377,595(Koganty4.1-USA)に述べられている方法によって同定することができる。
エピトープ変異体
一般的に、天然に発生する疾病または腫瘍特異的エピトープと同一のエピトープに加えて、本発明は、そのようなエピトープと異なってはいるが実質的に同一のエピトープを包含し、そしてこのため、当然に疾病または腫瘍特異的である。天然発生エピトープと実質的に同一ではないが、それでもなお3D立体配座の類似性の結果として、後者と交差反応性である。
ペプチド部分のアミノ酸配列の許容できる修飾の一つの種類は、アミノ酸置換である。保存的な置換は、アミノ酸を他の同様の大きさ、電荷および極性のアミノ酸で置き換える。これらはペプチドの立体配座を実質的に変更しやすくはない。本発明のタンパク質またはペプチド分子中で作ることのできる置換の種類は、異なる種の相同的なタンパク間のアミノ酸変化の頻度の分析に基づき、これはSchulzら、上記の表1-2、およびCreighton、上記の図3-9といったものである。このような分析に基づき、保存的置換は、以下の5つのグループの一の変化としてここに定義される。
表V
1.小さい脂肪族、非極性またはわずかに極性の残基:Ala、Ser、Thr(Pro、Gly)
2.極性、負荷電残基およびそのアミド:Asp、Asn、Glu、Gln
3.極性、正荷電残基:His、Arg、Lys
4.大きい脂肪族、非極性またはわずかに極性の残基:Met、Leu、Ile、Val(Cys)
5.大きい芳香族残基:Phe、Tyr、Trp
グループ1から3のセットの範囲内のなんらかの関連物および変異体は、半保存的と考えることができる。同様に、グループ4および5の範囲内の変異体は半保存的と考えることができる。
残基Pro、GlyおよびCysは、タンパク質構築におけるその特別な役割のために括弧でくくられる。Proはペプチド鎖を強固にし、そしてアルファらせん構造と干渉する傾向にある。Glyはペプチド鎖を柔軟にし、そしてアルファらせんの間またはベータ鎖の間の「ループ」中よく見られる。システイン残基のチオールグループは、酸化されて隣接していないシステイン残基間のジスルフィド結合を形成する。
前記グループ中、以下の置換は「高度に保存的」であると考えられる。
Asp/Glu、His/Arg/Lys、Phe/Tyr/Trp、Met/Leu/Ile/Val
半保存的置換は、上記グループ(I)から(V)のうち二つの間の交換として定義され、上記(I)、(II)および(III)から構成される高次グループ(A)に制限されるか、上記(IV)および(V)からなる高次グループ(B)に制限される。また、Alaは、グループIでないすべてのアミノ酸について半保存的置換であると考えられる。
エピトープは基準エピトープの免疫学的な活性の少なくとも10%をもち、かつ一の非保存的置換を越えずに基準エピトープと異なる場合(下記を除く)に、基準エピトープ(たとえば天然発生エピトープ)と実質的に同一であると考えられる。好ましくは、任意の非保存的置換は、半保存的置換である。好ましくは、非保存的置換がない。
保存的置換が任意の数あることができる。好ましくは、そのような置換が3を越えず、さらに好ましくは、2を越えず、そしてより好ましくは、1を越えない。
高度に保存的な置換は、他の保守的な置換に比して活性に影響をおよぼしにくく、保存的置換は単なる半保存的置換に比して活性に影響をおよぼしにくく、そして半保存的置換は他の非保存的置換に比して活性に影響をおよぼしにくい。加えて、単一の置換は複数の変異体に比して活性に影響をおよぼしにくい。
興味のあるペプチドの置換変異体は、単一または複数のいずれについても、もとのペプチドの効力を完全には持つことはできないかもしれないが、このような変異体は有用であることができる。
置換は、遺伝的な符号化されたアミノ酸、または天然発生アミノ酸にも制限されない。ペプチド合成によってエピトープが調製されるとき、所望のアミノ酸を直接使用することができる。代替的に、遺伝的に符号化されたアミノ酸は、これを選択した側鎖または末端残基と反応する能力のある有機誘導剤によって、修飾されることができる。
他の交換グループに属する遺伝学的に符号化されたアミノ酸よりも、もとのアミノ酸、および同一交換グループ中の他のアミノ酸に大きさ(体積)および疎水性(親油性)において類似している場合、遺伝学的に符号化されていないアミノ酸は、遺伝学的に符号化されたアミノ酸の保存的置換と考えることができる。
エピトープ変異体を同定する方法は、Kogantyら、米国仮出願60/377,595(Koganty4.1-USA)に述べられている。
類似物
開示した化合物の類似物もまた興味深い。
類似物は、その化学的構造に基づき、化合物に細切れにしたビットマップ構造フィンガープリントを割り当てて、広範な化学的データベース中の各化合物のフィンガープリントに対する類似性を決定することで、同定することができる。前記フィンガープリントは、1999年1月8日現在の公開ソフトウェアに従って、Daylight Chemical Information Systems, Inc.からその目的で市販されているフィンガープリントソフトウェアによって決定することができる。本質的に、そのアルゴリズムは、各原子についてビットパターンを最も近い近隣で、7つの結合長までの筋道をもって、産生する。各パターンは、疑似乱数の産生器への種子としてはたらき、そのアウトプットはビットのセットで、発生するフィンガープリントに論理的に順序づけられる。このフィンガープリントは、固定あるいは不定の大きさであることができる。
このデータベースは、SPRESI'95(IfoChem GmbH)、Index Chemicus(ISI)、MedChem(Pomona/Biobyte)、World Drug Index(Derwent)、TSCA93(EPA)、May bridge organic
chemical catalog(Maybridge)、Available Chemicals Direcory(MDLIS Inc.)、NCI96(NCI)、Asinex catalog of organic compounds(Asinex
Ltd.)、またはIBIOScreen SC and NP(Inter BioScreen Ltd.)、または社内データベースであることができる。
基準化合物のデイライトフィンガープリントに少なくとも0.85(Tanamoto係数)の類似であるデイライトフィンガープリントを持つ場合、その化合物は基準化合物の類似物である。
基準化合物から等配電子の置換によって概念的に誘導できる場合も、化合物は基準化合物の類似物である。
相同体は、アルキル成分中のメチレン基の数が増大または減少することによって異なる化合物である。
古典的なアイソスターは、Erlenmeyerの定義に合致する。すなわち、「電子の末梢性の層が同一と考えることのできる原子、イオンまたは分子」。古典的なアイソスターは以下を含む。
非古典的なアイソスター対は-CO-および-SO2-、-COOHおよび-SO3H、SO2NH2および−PO(OH)NH2、ならびに−Hおよび−F、−OC(=O)−およびC(=O)O−、−OHおよび−NHを含む。
免疫反応の特徴付け
細胞が媒介する免疫反応は、インビトロまたはインビボでアッセイすることができる。通常のインビトロアッセイはT細胞増殖アッセイである。血液試料を関心のある疾病に罹患した患者からとり、その疾病に関連した、またはワクチン接種した個人からとる。この個人のT細胞はこのため、増殖によりその抗原に新しくさらされることに反応するよう初回刺激を受ける。増殖は、DNA複製におけるその役割のためにチミジンを要する。
一般的に、T細胞増殖はB細胞増殖に比して大規模であり、分離されていない細胞群においてさえも強いT細胞反応を検知することができる。しかしながら、T細胞の精製は、T細胞反応の検知を容易にするのに望ましい。その抗原特異的増殖を実質的に逆に影響しなければ、T細胞精製の任意の方法をとることができる。ここでの好ましい手順は、10.7の特別な密度の等密度の勾配で、すなわちFicoll-HypagueまたはPercoll勾配分離で、まず全リンパ球個体群を捕集により得る(血液、脾臓、リンパ節から)。この細胞の混合個体群を、次に数通りの方法を経てT細胞個体群にさらに精製する。もっとも簡便な分離は、B細胞および単球/マクロファージ個体群のナイロンウールカラムへの結合に基づくものである。T細胞個体群は、ナイロンウールを通過し、90%以上の精製T個体群を単一の経過により得ることができる。他の方法には、補体タンパク質の存在下、非T細胞個体群(ネガティブ選択)を溶解するために、B細胞に対する特異的抗体および/または単球抗原を使用することを含む。さらに他の方法は、抗T細胞抗体(CD3)が固相マトリックス(磁性ビーズといったもの)に結合して、このためT細胞が付着してこれを非T細胞個体群から分離する(すなわち、磁性的に)ことを可能にする、ポジティブ選択である。これらは、機械的または化学的分裂によってマトリックスから回収することができる。
精製T細胞個体群を得れば、照射を受けた抗原提示細胞(脾臓マクロファージ、B細胞、樹状突起細胞はすべて存在)の存在下、培養される(これらの細胞は、トリチウム化チミジンに反応および組み込まれることを防止するために照射を受ける)。生存可能なT細胞(20ユニットでIL2で補充される100μl培地中のウェルあたり100,000-400,000)は、次に試験ペプチドまたは他の抗原とともに、3から7日間、試験抗原とともに1から100μg/mlの濃度で培養される。
抗原刺激期間の終わりに、幾つかの方法で反応を測定することができる。まず、細胞のない上清を培養して、特異的サイトカインの存在を試験する。αインターフェロン、IL2またはIL12の存在は、Thヘルパータイプ1個体群反応を示す。IL4、IL6およびIL10の存在はともに、Tヘルパータイプ2免疫反応を示す。このため、この方法は、ヘルパーT細胞サブセットの同定を許容する。
ブラストジェネシスと名付けられた2番目の方法は、抗原刺激期間の終わりに、トリチル化チミジンを培養に加え(たとえば、ウェルごとに1μキュリー)、4から16時間かけて放射性標識をつけた代謝生成物を細胞に組み込ませ、続いてシンチレーションカウントのためにフィルター上で培養する。組み込まれた放射性チミジンの水準は、T細胞複製活性度の測定となる。ネガティブ抗原または抗原非存在対象ウェルが、刺激指標の面からブラストジェニック反応を算出するために使用される。これはCPMテスト/CPM対照である。好ましくは、達成する刺激指標は、少なくとも2で、より好ましくは少なくとも3で、さらに好ましくは5で、もっとも好ましくは少なくとも10である。CMIは、標準的な実験動物、たとえばマウスの、インビボで測定することもできる。マウスは初回刺激抗原で免疫化される。T細胞の反応をまったあと、このマウスをテスト抗原のフットパッド注射によって攻撃する。DTH反応(テストマウスの腫脹)は、たとえば、生理食塩水溶液を注射した対照マウスと比較される。
好ましくは、反応は、少なくとも0.10mm、より好ましくは少なくとも0.15mm、さらにより好ましくは0.20mm、もっとも好ましくは少なくとも0.30mmである。
インビボで、体液性免疫反応は、免疫化したマウスからの血液をとり、関心のある抗原に結合する抗体の存在下、その血液をアッセイすることによって測定する。たとえば、テスト抗原は固定され試料とともに培養されて、それよって同族の抗体を捕獲し、そして捕獲抗体を次に、標識化した抗アイソタイプの抗体とともに固相で培養することによって測定する。
好ましくは、体液性免疫反応は、望まれる場合、少なくとも1/100の抗体タイターによって示されるのと少なくとも同じ強さで、より好ましくは少なくとも1/1000であり、さらにより好ましくは少なくとも1/10,000である。
製薬的組成および方法
対象
本発明のワクチンのレシピエントは、体液性免疫反応または細胞免疫反応を経て特異的免疫を取得することできる任意の脊椎動物であることができる。
哺乳動物においては、霊長目(ヒト、類人猿およびサルを含む)、偶蹄類(馬、ヤギ、ウシ、ヒツジ、豚を含む)、齧歯類(マウス、ラット、ウサギ、およびハムスターを含む)、および食肉目(猫、および犬を含む)の哺乳動物が好ましいレシピエントである。鳥においては、七面鳥、ニワトリおよび同目の他のメンバーが好ましいレシピエントである。もっとも好ましいレシピエントはヒトである。
本発明の好ましい対象動物は霊長類の哺乳類である。用語「哺乳類」によっては、哺乳綱に属するそれぞれの個体を意味し、これは、もちろん、ヒトを含む。本発明は、獣医学への使用も同様に意図しているが、特に、ヒト被検者の治療に対して有用である。用語「非ヒト霊長類」は、ヒト科をのぞく類人猿亜目の任意のメンバーを意図している。このような非ヒト霊長類は、新世界サル上科、オマキザル科(オマキザル、ホエザル、クモザルおよびリスザルを含むアメリカ大陸のサル)、およびマーモセット科(マーモセットを含む);オナガザル上科(マカク、マンドリル、ヒヒ、テングザル、モナザル、およびインドの聖ヒトザルを含む);およびヒト上科、ショウジョウ科(テナガザル、オランウータン、ゴリラ、およびチンパンジーを含む)を含む。アカゲザルはマカクの一メンバーである。
免疫刺激組成物
本発明は、上で開示したように、少なくとも一の免疫刺激性オリゴヌクレオチド分子からなる少なくとも一の製薬的組成物の使用を企図している。
この免疫刺激性組成物は、対象の免疫学的準備状態を非特異的に増大させるかさもなくば変更するのに使用することができる。
このため、製薬的に投与した免疫原と組み合わせて投与して、微生物もしくは非微生物、または腫瘍によって示された免疫原に対する生得的な免疫反応を強めることができる。このため、罹患した疾病に対する対象の抵抗性を増大し、または存在している疾病を治療するために使用することができる。これらの使用において、たとえば細菌感染の治療のための抗生剤といった前記疾病に対する非免疫学的薬剤と組み合わせて、選択的に使用することできる。
または、疾病に対して保護性の特異的免疫反応を誘発する、免疫原を構成する製薬的な組成の一部または組み合わせで使用することができて、この場合では疾病特異的反応を増強する効果をもつ。さらに、これらの免疫学的薬剤は、前記疾病に対する非免疫学的薬剤とともに使用することができる。
本発明の製薬的な組成物のいくつかは、少なくとも一の免疫原を、保護性の免疫反応を誘発するのに十分な量含んでいる。この反応は、体液性、細胞性、またはその組み合わせである。この組成物は複数の免疫原からなる。
少なくとも一の免疫原は、好ましくはそれ自体が免疫原性の糖脂質ペプチドで、またはリポソームへの組込みの結果として免疫原性となる糖脂質ペプチドである。糖脂質ペプチドは、米国仮出願60/377,595、2002年5月6日出願(ドケットKoganty4.1-USA)に述べられていて、これはすべてここに参照として組み込む。
前記免疫原は、免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与する前、投与した後、または投与と同時に投与することができる。同時に投与する場合、単一の組成としてあるか、または異なる組成としてあるかであり、異なる組成は異なる経路で投与することができる。オリゴヌクレオチド分子は、他の免疫賦活剤を使用することができる場合も、そして非特異的免疫刺激性の他に有用な活性を持つことができる場合も、免疫賦活剤として考えられる。
さらに、免疫原および免疫刺激性オリゴヌクレオチドの役割を、少なくとも一のCxGジヌクレオチドユニット、少なくとも一の親油基、および少なくとも一のエピトープからなる単一分子に組み込むことができる。
製薬的な組成は好ましくはさらにリポソームを含む。好ましいリポソームは、Jiangら、PCT/US00/31281、2000年11月15日出願(ドケットJIANG3A-PCT)、およびLogeneckerら、08/229,606、1994年4月12日出願(ドケットLONGENECKER5-USA、およびPCT/US95/04540、出願1995年4月12日(ドケットLONGENECKER5-PCT)に含まれる。
組成は、抗原提示細胞を含むことができ、この場合免疫原は、投与前に先立ち、より効果的な提示のために、細胞上にパルスで送ることができる。
組成は、従来技術に既知の補助的な薬剤または賦形剤を含むことができる。たとえば、Berkowら編、「The Merk Manual、第15版」、Merk & Co.、Rahway、N. J.、1987;Goodmanら編、「Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版、Pergamon Press、Inc.、Elmsford、N. Y.,(1990);Avery's Drug Treatment:Principles and Practice of linical Pharmacology and Therapeutics、第3版、ADIS Press、LTD.、Williams and Wilkins、Baltimore、MD.
(1987)、Katzung版、Basic and Clinical Pharmacology、第5版、Appleton and Lange、Norwalik、Conn.(1992)、これら参考文献およびその中での引用は、ここに参照として完全に組み込まれる。
製薬的な組成は、即効性の免疫刺激脂質化オリゴヌクレオチドの他に、さらに免疫賦活剤を含んで、非特異的に免疫反応を強めることができる。幾つかの免疫賦活剤は、体液性免疫反応および細胞性免疫反応の両方を増強することができ、そして他のsは一または他に特異的である。幾つかは一を増強し、他を阻害する。免疫賦活剤の選択は、このため、所望の免疫反応に基づく。
製薬的な組成は、細胞性もしくは体液性免疫反応のいずれかを支持または阻害するサイトカイン、またはこのようなサイトカインに対する阻害性抗体といった、他の免疫調節物質を含むことができる。
本発明に従う製薬的な組成は、少なくとも一のガン化学療法物質を含むことができ、たとえば抗代謝生成物、ブレオマイシンペプチド抗生物質、ポドフィリンアルカロイド、ビンカアルカロイド、アルキル化作用薬、抗生物質、シスプラチン、またはニトロソ尿素からなるグループから選択される。
製薬的な組成は、ガンマグロブリン、アマンタジン、グアニジン、ヒドロキシベンズイミダゾール、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、チオセミカルバゾン、メチサゾン、リファンピン、リブビリン、ピリミジン類似体、プリン類似体、フォスカーネット、ホスホ酢酸、アシクロビル、ジデオキシヌクレオシド、またはガンシクロビルから選択される、少なくとも一のウイルス性化学的療法化合物を含むことができる。Katzung、上記、およびそこで引用している参照、798から800頁および680から681頁、それぞれ、参照はここに完全に参照として組み込まれる。
製薬的な組成は、少なくとも一の抗バクテリア剤を含むことができる。このような薬剤は、ペニシリン、セファロスポリン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、アミノグリコシド、ポリミキシン、スルホアミド、およびトリメトプリムを含む。特に関心のある特異的薬剤のいくつかは、アモキシシリン、アンピシリン、ベンジルペニシリン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、エンロフロキサシン、エリスロマイシン、リンコマイシン、およびリファンピシンである。
製薬的な組成は、少なくとも一の抗寄生虫薬を含むことができる。抗寄生虫薬は、節足動物、蠕虫(線虫、蟯虫、線虫、鈎虫、条虫、鞭虫、および住血吸虫を含む)、および原虫(アメーバ、およびマラリア、トキソプラズマ、およびトリコモナス生物体)に対して使われるのに適した薬剤を含む。実施例は、チアベナゾール、種々のピレトリン、プラジカンテル、ニクロスアミド、メベンダゾール、クロロキンHCl、メトロニダゾール、ヨードキノール、ピリメタミン、メフロキンHCl、およびヒドロキシクロロキンHClを含む。
製薬的な組成は、疾病の症状を改善する少なくとも一の薬剤を含むことができる。症状は、たとえば、痛みおよび発熱を含む。
これらの種々の活性薬剤は、前記免疫原または前記免疫刺激性脂質化オリゴヌクレオチド分子と同一の組成の一部として、同時に投与する別々の組成の一部として、または対象に異なるタイミングで投与される別々の組成の一部として、投与することができる。
製薬的な目的
本発明の目的は、疾病から対象を保護することである。「感染または疾病からの保護」にあるような、用語「保護」は、ここでは、「予防」、「抑制」または「治療」を包含して使用される。「予防」は、疾病の誘発に先立つ製薬的な組成の投与を含む。「抑制」は、疾病の臨床的な発現に先立つ製薬的な組成の投与を含む。「治療」は、疾病の出現後の製薬的な組成の投与を含む。治療は改善性または治癒であることができる。
ヒトおよび獣医学的な医薬において、「予防」および「抑制」の間を区別することは常には可能でないということを理解しなければならない。なぜなら、究極的な誘導的な現象は知られていない、潜在的、または現象の出現後にしか患者をよく確かめられないからである。このため、用語「防御」を使用して、「治療」とは異なるが、ここに定義した「予防」および「抑制」の両方を包含するようにするのが通常である。ここで使用する用語「保護」は、「防御」を包含するよう意図している。たとえば、Berker、上記、Goodman、上記、Avery、上記およびKatzung、上記、これらおよびこれらで引用されている参照はここに完全に参照として組み込まれる。
与えられる「保護」は、完全である必要はなく、すなわち、疾病が完全に予防または根絶される必要はなく、対象個体群に比較して統計的に有意な改善(p=0.05)が存在すればよい。保護は、疾病症状の発症の重症度または急性度を軽減することに限定することができる。競合的な薬剤に比して比較的小さい程度の保護しか供さない薬剤も、特定の個人について他の薬剤が効果的でない場合、他の薬剤と組み合わせて保護の程度を増大できる場合、または競合的な薬剤に比して安全な場合は価値がある。
好ましくは疾病ステージの時期を一致させて、非治療対照群と治療完了群の疾病の持続時間、重症度、等を比較することで、治療の効果を判定することができる。
防御の効果は、通常、処置群の疾病の発生率および対照群の発生率を比較することで確認することができ、ここで処置群および対照群は等しいリスクであると考えられて、またはリスクの予想される違いについて補正をかける。
一般的に、防御は、家族歴、個人の既往歴、または原因薬物への曝露の上昇を鑑みて、疾病のについて高いリスクであると考えられた場合に与えられる。
製薬的な投与
本発明の少なくとも一の保護的薬剤を、前記の製薬的な組成を使用して、意図した目的を達成する任意の方法により、投与することができる。
投与は経口または非経口的で、そして、非経口的な場合、局所的または組織的のいずれでもよい。たとえば、このような組成の投与は、皮下、静脈内、皮内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、経皮、または頬側経路といった種々の非経口的な経路によることができる。非経口的投与は、ボーラス注入によってまたは時間をかけての漸進的な灌流によることができる。本発明の製薬的組成を用いた好ましい方法は、皮下、筋肉内または静脈内による適用である。たとえば、Berker、上記、Goodman、上記、Avery、上記およびKatzung、上記を参照。これらは、その中に引用された参照も全て含んで、完全にここに参照として組み込まれる。
活性特異的免疫療法による免疫反応によって軽減することのできる疾病または状態を、予防、抑制、または治療するための典型的な療法は、上記の製薬的な組成の有効量投与することを含み、これは単一の治療として投与されるか、または増強またはブースター投与量として、一週間から約24ヶ月の間の期間内繰り返される。
効果的な投与量は、レシピエントの年齢、性別、健康、および体重、併用の治療、もしもあるなら、治療回数、そして所望の効果の性質に依存すると理解される。以下に用意した効果的な投与量の範囲は、本発明を制限することを意図せず、好ましい投与量の範囲を説明するためのものである。しかしがら、もっとも好ましい投与量は、個々の対象にあわせられていて、これは当業者にとって、過度の実験をせずに、理解および決定できるものである。これは、典型的には、標準の投与量の調製を含み、たとえば、患者が低体重の場合は投与量を減少する。たとえば、Berkowら編、「The Merck Manual、第15版」Merck and Co.、Rahway、N. J.、1987;Goodmanら編、「Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版」Pergamon Press、Inc.、Elmsford、N.Y.、(1990);「Avery's Drug Treatment:Principles and Practice of Clinical Pharmacology and Therapeutics、第3版」AIDS Press、LTD.、Williams and Wilkins、Baltimore、MD.(1987)、Ebadi、「Pharmacology」、Little、Brown and Co.、Boston、(1985);Chabnerら、上記;De Vitaら、上記;Salmon、上記;Schroederら、上記;Sartorelliら、上記;およびKatsung、上記、これら参照およびその中で引用された参照は、ここに完全に参照として組み込まれる。
ヒトに用いる前に、まず、安全性および効力について実験動物で評価する。ヒト臨床実験では、問題となる薬についての臨床前のデータに基づき、そして類似薬(あれば)についての通例の投与量に基づいて、ヒトで安全と考えられる投与量からはじめる。この投与量が効果的である場合、もし望まれるならば、投与量は減らされて、最小有効投与量を決定する。この投与量が有効でない場合、患者の副作用の徴候を観察しながら、慎重に増やされる。たとえば、Berkowら編、「The Merck Manual、第15版」、Merck and Co.、Rahway、N. J.、1987;Goodmanら編、「Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Thrapeutics、第8版」Pergamon Press、Inc.、Elmsford、N.Y.、(1990);「Avery's Drug Treatment:Principles and Practice of Clinical Pharmacology and Therapeutics、第3版」AIDS Press、LTD.、Williams and Wilkins、Baltimore、MD.(1987)、Ebadi、「Pharmacology」、Little、Brown and Co.、Boston、(1985)、これらの参照およびその中で引用された参照は、ここに完全に参照として組み込まれる。
各治療に要する全投与量は、予め決定したかまたは臨時の免疫化の予定に従って、複数回の投与(同一または異なることができる)または単一の投与で与薬することができる。この予定は、免疫学的に効果的になるように、すなわち抗原に対する効果的な免疫反応を誘発し、そしてそれによって、可能ならば他の薬剤と組み合わせて、保護を供するように選択される。これを達成する投与量を、「治療上効果的な投与量」として定義する。(各投与量が、それだけで与薬した場合、効果的でなくとも、予定は免疫学的に有効であり、そして「治療上効果的な投与量」は免疫化の予定の前後関係においてもっともよく解釈されることに注意)。この使用に効果的な量は、たとえば、ペプチド成分、投与方法、治療する疾病の段階および重症度、患者の体重および一般的な健康状態、ならびに処方する医師に依存する。
典型的には、70kgの大人について、医薬品の活性成分の一日量は、10ナノグラムから10グラムの範囲である。免疫原について、このような患者に対するより典型的な一日量は、10ナノグラムから10ミリグラムであり、さらに適当には1マイクログラムから10ミリグラムである。しかしながら、本発明はこれらの投与量の範囲に制限されるものではない。
留意すべきことは、本発明の組成は重篤な疾病段階においてもすなわち、生命を危うくするまたは生命を危うくする可能性のある状況においても、一般的に使用することができる。このような状況では、外来性物質の最小化およびペプチドの相対的な無毒性の観点から、治療医師にとって、これらのペプチド組成の実質的な超過投与が好ましく感じる可能性がある。
効果的である任意の間隔で投与されることができる。間隔が短すぎる場合、免疫麻痺または他の副作用が生じうる。間隔が長すぎる場合、免疫が苦しくなりうる。最適な間隔は、個々の投与量が大きい場合に長くすることができる。典型的な間隔は、1週間、2週間、4週間(または1ヶ月)、6週間、8週間、(または2ヶ月)および1年である。付加的な投与量の与薬の妥当性、および間隔の増加または減少の妥当性は、患者の免疫適格性(たとえば、関連する抗原に対する抗体の水準)の観点から、継続根拠を再評価することができる。
好適な与薬形式は、疾病、免疫原、および投与方法に依存する。可能性として、錠剤、カプセル、トローチ剤、歯科ペースト剤、坐薬、吸入剤、溶剤、軟膏および非経口的デポを含む。たとえば、Berker、上記、Goodman、上記、Avery、上記、およびEbadi、上記。これらの参照およびその中で引用された参照は、ここに完全に参照として組み込まれる。
免疫原性を強める方法で免疫原を投与することができ、たとえば、抗原提示の「内在性経路」が生じるように、抗原性の物質を細胞内区画に投与する。たとえば、免疫原はリポソーム(これは細胞と融合する)によって閉じこめることができ、またはウイルス性ベクター(これは細胞に感染する)のコートタンパク質に組み込まれることができる。
他のアプローチは、免疫原がペプチドの場合に適応できるのだが、免疫原をエンコードしているむきだしのDNAを、筋肉内注射で宿主に注入するものである。このDNAは内部移行して発現する。
本発明の組成により、自己のPBLsを初回刺激することも可能である。PBLsは顕著かつ所望の反応をもつことを確認し、そしてPBLs、またはそのサブセットを対象に投与する。
リポソーム製剤
リポソームは、水性区分の周りを囲む一またはそれ以上の脂質二重膜からなる顕微鏡的な小胞である。たとえば、Bakker-Woudenbergら、Eur. J. Clin. Microbiol. Inect. Dis.12(補遺1):S61(1993)およびKim、Drugs、46:618(1993)を参照。天然の細胞膜にも見出される大量の脂質分子で、リポソームを調剤することができるので、リポソームは通常安全に与薬することができ、かつ生分解性である。
リポソームは、極性脂質の物理的な自己組織化による球形の粒子で、これはリポソーム中の膜組織化を決定する。リポソームは、一層または多層の種々の大きさをもつ小胞として形成することができる。このようなリポソームは、それ自体免疫原性の性質を持たない小さな分子から構成されるが、巨大分子の粒子のごとく振る舞い、かつ強力な免疫原性の特徴を示す。
リポソームの調製には、種々の方法が利用可能であり、たとえば、Szokaら、「Ann. Rev. Biophys. Bioeng. 9:467(1980)、米国特許第4,235,871、4,501,728、4,837,028、および5,019,369に記述されていて、これはここに参照として組み込まれる。調製の方法に依存して、リポソームは一層または多層であることができ、そして約0.02マイクロメーターから約10マイクロメーターを越える範囲の直径をもつサイズで変化する。種々の薬剤は、リポソーム中に封入することができる。疎水性の薬剤は二重膜により仕切られ、親水性の薬剤は内部水溶性スペース内に仕切られる。たとえば、Machyら、「Lipsomes in Cell Biology and Pharmacology(John Libbey、1987)、およびOstroら、「American J. Hosp. Pharm.」46:1576(1989)を参照。
リポソームは実質的に任意のタイプの細胞に吸収され、そして組み込まれた薬剤を放出する。代替的に、前記リポソームは標的細胞と融合して、それによってリポソームの内容物が標的細胞に移される。代替的に、リポソームは食細胞によりエンドサイトーシスによって取り込まれることができる。エンドサイトーシスに引き続き、リソソームによるリポソーム脂質の分解、そして封入薬剤の放出がある。Scherphofら、Ann. N. Y. Acad. Sci.、446:368(1985)。
本発明の方法に使用される他の適切なリポソームは、多重層膜小胞(MLV)、少層膜小胞(OLV)、単層膜小胞(UV)、小単層膜小胞(SUV)、中型単層膜小胞(MUV)、大型単層膜小胞(LUV)、巨大単層膜小胞(GUV)、多小胞小胞体(MVV)、逆相蒸発法(REV)によって作られた単一層もしくは少層小胞体、逆相蒸発法によって作られた多重膜小胞体(MLV−REV)、安定多数膜小胞体(SPLV)、凍結および解凍MLV(FATMLV)、押し出し法によって調製した小胞体(VET)、フレンチプレスによって調製された小胞体(FPV)、融合により調製された小胞体(FPV)、脱水−再水和小胞体(DRV)、および気泡体(BSV)を含む。当業者は、これらのリポソームの調製のための技術が従来技術に知られていることに気づく。「Colloidal Drug Delivery Systems」、66巻(J. Kreuter編、Marcel Dekker、Inc.、1994)。
「リポソーム製剤」は、インビトロで生成した脂質小胞体で、この中に本発明の抗原を組み込むことができる。このため、「リポソームに結合した」は、抗原がリポソームに一部組み込まれまたは付着していることをしめす。本発明の免疫原は、リポソームに結合した抗原であるが、前記リポソームについては、免疫原ではなく、またはリポソームなしの状態でも免疫原となることができる。
幾つかの異なる免疫原が、同一のリポソームに、またはそれぞれが異なるリポソームに組み込まれことができ、そしてリポソームは対象に対して、一緒に投与されるかまたは個別に投与される。
分子の脂質部位は自然に脂質二重膜中に組み込まれるので、脂質含有免疫原はリポソームに組み込まれることができる。このため、糖リポペプチドは、リポソームの「表面」上に提示されることができる。代替的に、ペプチドはリポソーム内に封入されることもできる。リポソームの調製技術およびペプチドといった分子を用いた調剤技術は、当業者によく知られているものである。
リポソームの形成には、一またはそれ以上の脂質を要する。単独または組み合わせで、リポソーム二重膜構造を形成することが可能な任意の脂質を使用することができる。一般的には、これらのリピドは少なくとも一のリン脂質を含む。前記リン脂質は、天然材料からのリン脂質、修飾された天然リン脂質、半合成リン脂質、完全合成リン脂質、または非天然頭部基をもったリン脂質(必然的に合成)であることができる。もっとも関心のあるリン脂質は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチド酸、およびホスファチジルイノシトールである。
前記リポソームは中性、正荷電、および/または負荷電脂質を含むことができる。ホスファチジルコリンは、中性リン脂質である。ホスファチジルグリセロールは負荷電糖脂質である。N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライドは正荷電合成脂質である。他は、3ベータ−[N−(N’,N”−ジメチルアミノエタン)カルバモイル]−コレステロールである。
一般的に、脂質は、一またはそれ以上の脂肪酸群からなる。これらは飽和または不飽和で、炭素数が変わり、一般的には12−24の炭素である。特に関心のあるリン脂質は、下記脂肪酸をもつものである。C12:0、C14:0、C16:0、C18:0、C18:1、C18:2、C18:3(アルファおよびガンマ)、C20:0、C20:1、C20:3、C20:4、C20:5、C22:0、C22:5、C22:6、およびC24:0であり、ここで第一の数字は脂肪酸鎖中の総炭素数で、第二の数字は二重結合の数を表す。哺乳動物または植物材料由来の脂肪酸は、すべて偶数の炭素数をもち、その不飽和は3つの炭素間隔で離れていて、それぞれ介在性のメチレン基をもつ。
リポソームは、特定の標的細胞に対して特別な親和性を持つ資質を含むことができる。たとえば、ラクトースセラミドは、肝細胞について(およびおそらく肝ガン細胞についても)特別の親和性を持つ。
好ましいリポソーム形成においては、成分脂質はホスファチジルコリンを含む。より好ましくは、コレステロールも含み、さらにより好ましくは、ホスファチジルグリセロールも含む。コレステロールは、「液体−結晶状態」二重膜の浸透性を減ずる。
脂質の自己組織化性質の利用で、極性脂質に一またはそれ以上の免疫原を付加することができ、次々にリポソーム粒子の一部となる。各免疫原は一またはそれ以上の抗原決定基(エピトープ)を含む。これらのエピトープは、B細胞エピトープ(抗体によって認識される)またはT細胞エピトープ(T細胞によって認識される)であることができる。リポソームは関連する免疫原によって誘発された免疫反応を免疫賦活するようはたらくことができる。免疫賦活剤を単に免疫原と混合するよりも、局所的に高い効果的な濃度をもつことで、より効果的になりやすくなる。
さらに、上述の免疫原の代わりに、ハプテンを付加することができる。免疫原のように、ハプテンは抗原決定基からなるが、しかしそれのみでは免疫反応を誘発するのには小さすぎる定義である(通常、ハプテンは5,000ダルトンよりも小さい)。この場合、脂質成分は免疫賦活剤としてのみならず、免疫原キャリアとしてはたらくことができ、ハプテンおよび脂質接合体は合成免疫原として振る舞う(すなわち、この物質に対して、体液性免疫反応および/または細胞免疫反応を誘発することができる)。
脂質が免疫原キャリアとしてはたらかない場合でも、ハプテンにになわれたリポソームはまだ合成抗原として振る舞うことができる(すなわち、たとえば抗体またはT細胞といった、体液性または細胞性免疫系の成分によって認識される物質である)。用語「抗原」はハプテンおよび免疫原の両方を含む。
免疫賦活剤
低分子量の合成抗原は、弱い免疫原であることができ、これは完全な合成のワクチンの成功に対する最大の障害であると一般的に理解される。このような合成抗原の免疫原としての性質を改善する一つの方法は、免疫賦活剤の環境中に送達することである。従来技術に通常知られているように、免疫賦活剤は、特異的な抗原刺激と組み合わせてはたらいて、抗原に対する特異的な反応を強める物質である。理想的な免疫賦活剤は、非特異的に宿主の免疫系を刺激するものと考えられていて、これは、任意の異質な抗原と引き続いて遭遇すると、その異質な抗原に対して強力かつ特異的な免疫反応を生じさせる。このような強力かつ特異的な免疫反応は、その記憶によっても特徴付けられるので、宿主免疫系のTリンパ球(T細胞)が活性化したときのみ生じる。
T細胞ブラストジェネシスおよびIFN−g生成は、免疫反応を測定する二つの重要なパラメーターである。実験的に、T細胞ブラストジェネシスは、T細胞増殖と直接関連するDNA合成を測定し、これは次には、T細胞活性の直接の結果となる。一方、IFN−gは、活性化されたT細胞によって分泌される主要なサイトカインである。このため、T細胞ブラストジェネシスおよびIFN−g生成はT細胞活性化を誘導し、これは、宿主免疫系を助けて任意のタンパク質をもととする抗原に対する強力かつ特異的な免疫反応を誘導する免疫賦活剤としての能力を示唆する。
免疫原単独によって誘発される水準に比して、少なくとも一のリポソーム/免疫原コンビネーションに対する反応において、T細胞ブラストジェネシスの生成水準またはインターフェロンガンマの生成水準のいずれかを有意に(p=0.05)上昇させる場合、この化合物は免疫賦活剤と考えられる。好ましくは、ともに上昇させる。好ましくは、上昇は、少なくとも10%であり、より好ましくは少なくとも50%であり、さらにより好ましくは少なくとも100%である。
多くの免疫賦活剤が当業者に知られており、これはフロイントの完全免疫賦活剤、サポニン、DETOX(Ribi Immunochemicals)、Montanide ISA-51、-50および-70、QS−21、モノホスホリルリピドAおよびそれらの類似体を含む。脂質免疫賦活剤は、リポソームの状況で示されることができる。
いくつかの免疫賦活剤は、リポソーム−送達免疫原を免疫賦活するのに特に適応である。たとえば、モノホスホリルリピドA(MPLA)は、Tリンパ球に特異的なリポソームの抗原の増加した提示を引き起こす効果的な免疫賦活剤である。Alving、C. R.、Immunobiol.、187:430-446(1993)。当業者は、たとえばリピドAおよびその誘導体といった、脂質に基づく免疫賦活剤も適当であることを認識するであろう。ムラミルジペプチド(MDP)も、リポソームに組み込まれると、免疫賦活性の上昇を示した(Gupta RKら、「Adjuvants-A balance between toxicity and adjuvancity」、Vaccine、11、293-306(1993))。
本発明のオリゴヌクレオチドはもちろん免疫賦活剤としてはたらくことができるが、他の免疫賦活剤も選択的に使用することができる。
実施例
全般:融点は補正していない。空気および水分感応性反応は、すべて窒素雰囲気下で行った。無水THF、DMFおよびジクロロメタンは、Aldrichから購入し、他の乾燥溶剤は通常の方法で調製した。ACSグレード溶媒はFisherから購入し、蒸留せずにクロマトグラフィーに使用した。TLCプレート(シリカゲル60F254、厚さ0.25mm、Merck)およびカラムクロマトグラフィー用のフラッシュシリカゲル60(35-75μm)は、Rose Scientific、カナダ、から購入した。Hおよび31Pスペクトルは、Brucker AM 300MHz、Brucker AM 400MHz、Varian Unity 500MHz、またはBrucker DRX 600MHz分光器のいずれかを、プロトンケミカルシフトのための内部標準としてのTMSとともに用いて記録した。電子噴霧マススペクトル分析を、MS50BまたはMSD1 SPCマススペクトロメーターのいずれかを用いて行った。
化合物8の調製
DCM/THF(10:1、500mL)中、1,2−ドデカンジオール(5.0g、24.7mmol)およびDIPEA(3.86g、5.2mL、27.7mmol)の溶液に、0℃において2時間かけて、ゆっくりDMT−Cl溶液(100mLのDCM中、0.2g、27.2mmol)を加えた。この混合物を0℃において3時間撹拌し、続いて通常の液体精密検査をした。生成物をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル、3:1)によって精製して化合物8を得た(6.5g、52%)。C3344(504.44)。TLC:R=0.67(ヘキサン/酢酸エチル、2:1)。H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.88(t、J=6.5Hz、3H)、1.24(br
s、16H)、1.37(m、2H)、2.32(d、J=3.5Hz、1H、OH)、3.00(dd、J=9.0、7.0Hz、1H)、3.16(dd、J=9.0、3.5Hz、1H)、3.77(m、1H)、3.79(s、6H、2OCH)、6.85-7.60(m、13H、Ar−H)。
修飾CPG樹脂9の調製
長鎖アミノアルキル基(lcaa−CPG)(0.6g、57μmol)で修飾した調節細孔ガラス(CPG)樹脂を、DMF(1.5mL)中において無水コハク酸(57mg、0.57mmol)で一晩処理した。溶媒を排出して、樹脂をDMF(×5)で洗浄した。この過程をもう一度繰り返した。樹脂上の未反応遊離アミンを、NMI/AcO/THF(1:1:8、v/v/v)で5分間処理してキャップした。この樹脂を次に完全にTHF(×5)およびCHCN(×5)で洗浄し、高い減圧下乾燥してコハク酸付加担体を得た。
コハク酸付加CPG樹脂(0.3g、〜28.5μmol)をTHF(2mL)中で懸濁して、化合物8(43mg、85.5μmol)、DIC(14μL)、およびDMAP(cat.)を加えた。混合物を室温で12時間撹拌した。溶媒を排出して、この反応をもう一度繰り返した。樹脂上の未反応遊離カルボン酸を、メタノール/DIC/DMAPで3時間処理してキャップした。この樹脂を次に完全にTHF(×5)およびDCM(×5)で洗浄し、減圧下乾燥して脂質修飾CPG樹脂9を得た。
化合物1−5の調製
a)脱トリチル化
脂質修飾CPG樹脂9(0.3g、28.5μmol)をトリクロロ酢酸(TCA)(DCM中1%、w/v)で5分間処理してDMT基を除去した。この過程をもう一度1分間繰り返してから、DCM(×5)、アセトニトリル(×5)およびTHF(×3)で完全に洗浄した。
b)カップリング
この樹脂を次に無水THF(2mL)中で膨張させ、そしてホスホラミダイト試薬(42.8μmol、1.5
eq.)およびテトラゾール(3.0mg、42.8 mol)を加えた。混合物にNガスの泡を16時間通した。溶媒の除去および樹脂の洗浄後、ホスホラミダイトとのカップリングをもう一度繰り返した。
c)キャッピング
この樹脂上の未反応の遊離水酸基を、NMI/AcO/THF(1:1:8、v/v/v)で5分間処理してキャップした後、DCM、アセトニトリルおよびTHFで完全に洗浄した。
d)酸化
この樹脂を次に2−ブタノンペルオキシド(DCM中、2.0 mL、0.1 M)で5分間処理してから、DCM、アセトニトリル、およびTHFで完全に洗浄した。
合成は、脱トリチル化、カップリング、キャッピングおよび酸化の段階を繰り返すことで続けられる。
e)開裂および最終分解
合成が完成したら、この樹脂をまずTCA(DCM中1%、w/v)で5分間処理して5’末端DMT保護基を除去し、次にDCMおよびアセトニトリルで完全に洗浄した。この樹脂を次に20%水酸化アンモニウム(水溶液)を用いて50−55℃で24時間処理した。この樹脂を濾過して濾液を減圧濃縮し、そして残渣は水―メタノール(1:1)中に再度溶解して、HPLCにより精製して化合物1−5を得た(2.5〜5.0mg)。
f)HPLCの状態
カラム:Vydac C4 semi-Prepカラム、10×250
mm;溶媒A:50mMトリエチルアンモニウム酢酸(TEAA)を含む水中の5%アセトニトリル、pH=7.0;溶媒B:50mMのTEAAを含む水中の50%アセトニトリル、pH=7.0。グラジエント:30分で20%アセトニトリルから45%アセトニトリル。流速:3.0mL/分。UV検出はe260nm。
g)構造確認
化合物1−5の構造を、電子噴霧マススペクトルデータによって確認した。
化合物1:C315014(820.44)、ES−MS(m/z、負のモード)実測値:819(M−H)
化合物2:C437523(1164.66)、ES−MS(m/z、負のモード)実測値:1163(M−H)
化合物3:C731042239(2098.86)、ES−MS(m/z、負のモード)実測値:2098(M−H)、2121(M+Na−2H)
化合物4:C711011941(2061.83)、ES−MS(m/z、負のモード)実測値:2060(M−H)、2083(M+Na−2H)、2105(M+2Na−3H)、2127(M+3Na−4H)、2171(M+5Na−6H)、
化合物5:C711002238(2054.82)、ES−MS(m/z、負のモード)実測値:2054(M−H)、2076(M+Na−2H)、2098(M+2Na−3H)。
化合物11の調製
無水DMF中(200mL)の化合物10の溶液(5.0g、23.1
mmol)にゆっくりNaH(2.2g、91.7mmol)を0℃で加え、混合物を1時間撹拌した。DMF(30mL)中の1−ブロモヘキサデカン(17.8g、17.8mL、58.4mmol)を1時間かけて滴加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。水(5.0mL)を加えて反応をクエンチして、DMFを減圧下に除去した。通常の水溶性精密検査により黄色シロップを得た(粗製23.0g)。このシロップをDCM/TFA/水(100:2.5:0.25、200mL)で室温にて3時間処理した。混合物を水で洗浄し(50mL×2)て、そして飽和NaHCOで洗浄した(50mL)。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、そして残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル、4:1、次に2:1)で精製して化合物11を得た(二過程で9.73g、72%)。
3776(585.01)。TLC:R=0.29(ヘキサン/酢酸エチル、3:1)。H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.88(t、J=6.5Hz、6H、2CH)、1.25(br s、52H)、1.56(m、4H)、2.85(t、J=5.0Hz、2H、2OH)、3.42(t、J=6.5Hz、4H)、3.51(s、4H)、3.65(d、J=5.0Hz、4H)。
化合物12の調製
化合物11(2.33 g、4.00mmol)を無水ピリジン(30mL)およびDCM(27m)に溶解し、DMAP(46mg、0.38mmol)を加えた。DMT−Cl(1.49g、4.40mmol)をDCM(13mL)中に溶解し、反応フラスコに滴下加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。メタノール(5mL)を加えて反応をクエンチして、溶媒をトルエンで共蒸留により除去した。残渣をDCM(400mL)中に再度溶解し、溶液を飽和NaHCO(150mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、そして残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル、10:1、次に5:1)で精製して化合物12を得た(3.05g、86%)。
5894(886.94)。TLC:R=0.57(ヘキサン/酢酸エチル、5:1)。H NMR(500MHz、CDCl):δ 0.86(t、J=6.5Hz、6H、2CH)、1.23(br s、52H)、1.48(m、4H)、2.95(t、J=6.0Hz、1H、OH)、3.09(s、2H)、3.34(m、4H)、3.45(d、J=9.0Hz、2H)、3.49(d、J=9.0Hz、2H)、3.66(d、J=6.0
Hz、2H)、3.77(s、6H、2OCH)、6.78-7.41(m、13H、Ar−H)。
化合物13の調製
化合物12(423 mg、0.48mmol)をピリジン(7mL)に溶解し、無水コハク酸アンジドライド(140mg、1.4mmol)およびDMAP(120mg、1.0mmol)を加えた。混合物を室温で60時間撹拌して、次にトルエンで共蒸留により除去し濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル、4:1:2%、0.1%ピリジン存在下)で精製して化合物13を得た(425mg、94%)。R=0.19(ヘキサン/酢酸エチル、5:1:2%)、C6298(986.72)、ES−MS(m/z)実測値:1009.7(M+Na)。H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.86(t、J=6.5Hz、6H、2CH)、1.25(br s、52H)、1.48(m、4H)、2.46-2.59(m、4H)、3.09(s、2H)、3.32(t、J=6.
Hz、4H)、3.36(d、J=9.0Hz、2H)、3.42(d、J=9.0Hz、2H)、3.80(s、6H、2OCH)、4.18(s、2H)、6.80-7.43(m、13H、Ar−H)。
化合物14の調製
DCM(10 mL)中、化合物13(0.18g、0.18mmol)およびp−ニトロフェノール(33.8mg、0.24mmol)の溶液に、DCC(50mg、0.24mmol)を加えた。混合物を室温で6時間撹拌した。尿素を濾過して除去し、濾液を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル、4:1)で精製して化合物14を透明なシロップ状で得た(0.18g、89%)。C6810111(1108.01)TLC:R=0.75(ヘキサン/酢酸エチル、3:1)、H NMR(500MHz、CDCl):δ 0.88(t、J=6.5Hz、6H、2CH)、1.25(br
s、52H)、1.47(m、4H)、2.59(t、J=6.5 Hz、2H)、3.10(s、2H)、3.32(m、4H)、3.37(d、J=9.0 Hz、2H)、3.41(d、J=9.0
Hz、2H)、3.78(s、6 H、2OCH)、4.20(s、2H)、6.80-8.20(m、17H、Ar−H)。
修飾CPG樹脂15の調製
lcaa−CPG樹脂(1.0g、95μmol)を、無水DMF(3.0mL)中に懸濁し、化合物14(0.26g、235μmol)を加えた。DIPEAを加えてpHを9に調製し、この混合物にNガスの泡を3日間通した。溶媒を排出して、続いて樹脂をDMF(×5)およびDCM(×5)で洗浄した。樹脂上の未反応遊離アミンを、NMI/AcO/THF(1:1:8、v/v/v)で15分間処理してキャップした。この樹脂を次に完全にアセトニトリル(×5)およびDCM(×5)で洗浄し、高い減圧下乾燥して脂質修飾CPG樹脂15を得た。この樹脂をp−トルエンスルホン酸(アセトニトリル中0.1M)でテストすると、オレンジ色を示して、DMT基の存在を示した。同様に、ニンヒドリンネガティブテストは、樹脂上の遊離アミンのないことを示した。
化合物18の調製
ナトリウム水素化物(817mg、34mmol)を無水DMF中(20mL)および化合物17(3.0g、23mmol、20mLを無水DMFに溶解)に滴下によりゆっくり0℃で加えた。混合物を室温で30分間撹拌してから臭化ベンジル(4.3g、2.97mL、25mmol)を滴下によりゆっくりと加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。次に溶媒を高い減圧下除去して、続いて通常の水溶性精密検査を行った。粗製の生成物をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル、6:1)で精製して化合物18を得た(4.65g、94%)。TLC:R=0.46(ヘキサン/酢酸エチル、6:1)。C1318(222.13)。ES−MS(正のモード、m/z)、実測値245(M+Na)。H NMR(300MHz、CDCl):δ 1.37(s、3H、CH)、1.42(s、3H、CH)、3.45(dd、J=10.0、5.5Hz、1H)、3.55(dd、J=10.0、5.5Hz、1H)、3.73(dd、J=8.5、6.5Hz、1H)、4.04(dd、J=8.5、6.5Hz、1H)、4.30(m、1H)、4.53(d、J=12.0Hz、1H)、4.59(d、J=12.0Hz、1H)、7.35(m、5
H、Ar−H)。
化合物19の調製
化合物18(4.6g、20.7mmol)をHOAc−HO(4:1、40mL)に溶解し、40℃にて1.5時間撹拌した。溶媒を除去して、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール、1:1:0.1)で精製して化合物19を得た(3.6g、95%)。TLC:R=0.36(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール、1:2:0.1)。C1014(182.09)。H NMR(300MHz、CDCl):δ 3.55(dd、J=10.0、6.5Hz、1H)、3.58(dd、J=10.0、4.0Hz、1H)、3.64(dd、J=11.0、5.5Hz、1H)、3.71(dd、J=11.0、3.5Hz、1H)、3.90(m、1H)、4.55(s、2H)。
化合物20の調製
化合物19(5.4g、29.6mmol)を無水アセトニトリル(700mL)に溶解し、トリエチルアミン(2.0ml)を加えた。混合物を-50℃に冷却して、ベンゾイルシアニド(3.5g、26.7mmol、無水アセトニトリル150mL中に溶解)を窒素雰囲気下、ゆっくり滴下して加えた。反応混合物を-50℃で1時間さらに撹拌して、メタノール(20mL)で反応をクエンチした。溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル、4:1)で精製して化合物20(5.1g、60%)を得、未反応開始物質19(1.0g、18%)を回収した。TLC:R=0.33(ヘキサン/酢酸エチル、3:1)、C1718(286.12)。ES−MS(正モード、m/z)実測値:287(M+H)、309(M+Na)。H NMR(300MHz、CDCl):δ 2.65(d、J=5.0Hz、1H、OH)、3.59(dd、J=9.5、6.0Hz、1H)、3.65(dd、J=9.5、5.0Hz、1H)、4.18(m、1H)、4.39(dd、J=11.0、5.5Hz、1H)、4.44(dd、J=11.0、4.5Hz、1H)、4.59(s、2H)、7.26-8.04(m、10H、Ar−H)。
化合物21の調製
化合物20(1.8g、6.29mmol)を無水ジクロロエタン(20
mL)に溶解し、パラホルムアルデヒド(2.6g)を加えた。混合物を0℃に保ち、HCl(g)の泡を3時間通した。次にHCl(g)を除去して無水塩化カルシウムを加え、混合物を10分間撹拌した。固体を濾過してから無水ジクロロエタンで洗浄した。濾液を濃縮して残渣を高い減圧下簡単に乾燥して粗製化合物21(2.0g)を得た。これを直接次の反応段階に用いた。
化合物23の調製
方法A: 化合物22(480mg、2.23mmol)を無水DMF(10mL)に溶解し、ナトリウム水素化物(71mg、2.96mmol)を加えた。混合物を室温で40分間撹拌してから、粗製化合物21(500
mg、〜1.48mmol、DCMの2mLに溶解)をゆっくり滴加した。混合物を60℃に加温して、20時間撹拌し、そしてメタノール(1mL)を加えて反応をクエンチした。溶媒を除去し、次に通常の水溶性精密検査を行った。有機層からは、種々の油状の残渣が得られ、これはフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール、1:1:0.01)で精製して化合物23(230mg、30%)を得た。
方法B: 化合物22(480mg、2.23mmol)を無水DCM(12mL)に溶解し、ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA、640mg、3.14mmol)を窒素雰囲気下に加えた。混合物を室温で45分間撹拌してから、透明な溶液を0℃に冷却した。化合物21(500mg、〜1.48mmol、DCMの2mLに溶解)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(8.0mg、0.02mmol)を加えて、混合物を室温で16時間撹拌した。温度を60℃に上げ、混合物をさらに2時間撹拌した。ジクロロメタン(100mL)を加えて、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL×3)および塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥してから濃縮した。残渣はフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール、1:1:0.01)で精製して化合物23(255mg、34%)を得た。
TLC:R=0.33(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール、1:2:0.1)、C2927(513.18)。ES−MS(正モード、m/z)実測値:514(M+H)、536(M+Na)。H NMR(600MHz、CDCl):δ 3.63(dd、J=10.5、6.0Hz、1H)、4.34(m、1H)、4.42(dd、J=12.0、6.5Hz、1H)、4.46(dd、J=12.0、4.0Hz、1H)、4.53(d、J=12.0
Hz、1H)、4.57(d、J=12.0Hz、1H)、5.44(d、J=10.5Hz、1H)、5.51(d、J=10.5Hz、1H)、7.26(m、1H)、7.34(m、4H)、7.41(m、2H)、7.49(m、1H)、7.53(m、2H)、7.63(m、1H)、7.76(br s、1H)、7.88(br s、2H)、7.96(m、1H)、7.98(m、1H)、8.55(br s、1H)。
化合物24の調製
化合物23(800mg、1.56mmol)を無水DCM(65mL)に溶解し、三塩化ホウ素(DCM中1M溶液、2.5mL)を、窒素雰囲気下、-78℃でゆっくりと加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌した。DCM−MeOH(1:1、10mL)を加えて反応をクエンチしてから溶媒を除去した。残渣はフラッシュクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール、100:5)で精製して化合物24(500mg、76%)を得た。TLC:R=0.58(ジクロロメタン/メタノール、96:4)、C2221(423.13)。ES−MS(正モード、m/z):424.1(M+H)、446.1(M+Na)。H NMR(300MHz、CDCl):δ 3.30(br s、1H、OH)、3.76(dd、J=12.0、6.0Hz、1H)、3.85(dd、J=12.0、4.0Hz、1H)、4.23(m、1H)、4.41(dd、J=12.0、6.0Hz、1H)、4.48(dd、J=12.0、4.5Hz、1H)、5.46(d、J=11.0Hz、1H)、5.51(d、J=11.0Hz、1H)、7.38-8.01(m、12H、Ar−H)、9.00(br s、1H)。
化合物25の調製
化合物24(120mg、0.28mmol)をDCM(12mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、0.5mL)を加えた。ホスホルアミダイト
Cl−P(OCHCHCN)N(Pr)(93 mg、91.3μL、0.39mmol)を窒素雰囲気下室温で加えた。混合物を30分間撹拌してから、DCM(50mL)で希釈した。このDCM層を10%NaHCO溶液(15mL)および塩水(15mL)で洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。残渣はフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル、1:2、0.1%EtNとともに)で精製して化合物25(140mg、79%)を得た。TLC:R=0.54(ヘキサン/酢酸エチル、1:2)、C3138P(623.25)。ES−MS(正モード)、実測値624.2(M+H)、646.2(M+Na)。H NMR(300MHz、CDCl):δ 1.18(s、6H、2CH)、1.20(s、6H、2CH)、2.68(t、J=6.0Hz、2H)、3.60(m、2H)、3.85(m、4H)、4.31(m、1H)、4.38-4.55(m、2H)、5.40(dd、J=10.5、1.5Hz、1H)、5.57(dd、J=10.5、8.0Hz、1H)、7.35-8.00(m、12H)、9.00(br s、1H)。31P NMR(500MHz、CDCl):ä 150 27、150.40。
化合物26の調製
化合物17(500mg、0.47mL、3.78mmol)、三級ブチルジフェニルシリルクロライド(TBDPS−Cl、1.25、1.18mL、4.536mmol)およびイミダゾール(309mg、4.536mmol)を無水DMF(4mL)に溶解し、混合物を3時間室温で撹拌した。溶媒を除去して、続いて通常の水溶性精密検査を行った。生成物はフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル、10:1)で精製して化合物26(1.40g、100%)を得た。TLC:R=0.43(ヘキサン/酢酸エチル、9:1)、C2230Si(370.20)。ES−MS(正モード)、実測値393(M+Na)。H NMR(300MHz、CDCl):δ 1.05(s、9H、3CH)、1.35(s、3H、CH)、1.39(s、3H、
CH)、3.65(dd、J=10.5、6.5Hz、1H)、3.74(dd、J=10.5、4.5Hz、1H)、3.92(dd、J=8.5、6.0Hz、1H)、4.07(dd、J=8.5、6.5Hz、1H)、4.20(m、1H)、7.35-7.68(m、10H)。
化合物27の調製
化合物26(31.0g、83.78mmol)を、40℃においてHOAc−HO(4:1、100mL)で40分間処理した。溶媒を除去して、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル、10:1と続いて4:1)で精製して化合物27(23.8g、95%)を得た。TLC:R=0.40(ヘキサン/酢酸エチル、1:1)、C1926Si(330.20)。ES−MS(正モード)、実測値353(M+Na)。H NMR(400MHz、CDCl):δ 1.05(s、9H、3CH)、2.60(br s、2H、2OH)、3.64(dd、J=11.5、5.5Hz、1H)、3.69(dd、J=11.5、4.0Hz、1H)、3.70(dd、J=10.0、6.0Hz、1H)、3.74(dd、J=10.0、4.5Hz、1H)、3.81(m、1H)、7.37-7.67(m、10H、Ar−H)。
化合物28の調製
化合物27(8.0g、24.2mmol)およびDIPEA(3.12g、4.2mL、24.2mmol)の無水DCM溶液(800mL)に、窒素雰囲気下、室温において4,4’−ジメトキシトリチルクロライド溶液(DMT−Cl、200mLのDCMに溶解)をゆっくり滴下して加え、そして混合物をさらに2時間撹拌した。溶媒を除去して、生成物をフラッシュクロマトグラフィ(DCM/酢酸エチル、100:1、0.1%EtNとともに)で精製して化合物28(12.3g、80%)を得た。TLC:R=0.35(DCM/酢酸エチル、100:2)、C4044Si(632.24)。ES−MS(正モード)、実測値655(M+Na)。H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.99(s、9H、3CH)、2.44(d、J=5.0Hz、1H、OH)、3.77(m、2H)、3.78(s、6H、2OCH)、3.88(m、1H)6.80-7.85(m、23
H、Ar−H)。
化合物29の調製
化合物28(3.20g、5.06mmol)を無水THF(100mL)に溶解し、DIPEA(15mL)を加えた。メトキシメチルクロライド(MOM−Cl、4.89g、4.6mL、60.76mmol)を0℃にてゆっくりと滴下して加え、そして次に反応混合物を55℃にて5時間撹拌した。混合物を0℃に冷却して飽和NaHCO(水性)(20mL)を加えた。有機層を分離して、水層を酢酸エチルで抽出した(3×40
mL)。あわせた有機層をNaSOを用いて乾燥してから濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル、10:1、0.1%EtNとともに)で精製して化合物29(2.7g、79%)を得た。TLC:R=0.57(ヘキサン/酢酸エチル、4:1)、C4248Si(676.20)。ES−MS(正モード、m/z)、実測値699(M+Na)。H NMR(300MHz、CDCl):δ 1.00(s、9H、3CH)、3.21(dd、J=10.0、6.0Hz、1H)、3.27(dd、J=10.0、4.5Hz、1H)、3.31(m、3H、OCH)、3.74(d、J=5.5Hz、2H)、3.77(s、6H、2OCH)、3.91(m、1H)、4.72(d、J=11.5Hz、1H)、4.75(d、J=11.5Hz、1H)、6.70-7.60(m、23H、Ar−H)。
化合物31の調製
化合物29(500mg、0.74mmol)を無水DCM(10mL)に溶解し、DIPEA(2.0mL)を加えた。臭化ジメチルホウ素溶液(DCM中1.5M、2.5mL、3.75mmol)を-78℃において加えてさらに1時間撹拌した。この反応は、ゆっくり室温にまで加温し、ヨウ化ナトリウムを加えた。混合物を室温にて16時間撹拌した。一方、化合物30(246mg、1.11mmol)を無水DMF(6mL)中に溶解して、ナトリウム水素化物(40mg、1.67mmol)を加えた。混合物を室温にて10分間撹拌し、上記反応フラスコへゆっくりと加えた。反応混合物を室温にて1時間撹拌し、次に、60℃にて16時間撹拌し、そして最後に、80℃にて6時間撹拌した。次に、溶媒を除去して、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン/メタノール、2:1.5:0.1)で精製して化合物31(185mg、29%)を得た。TLC:R=0.57(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール、5:10:1)、C5055Si(865.40)。ES−MS(正モード、m/z)、実測値866(M+H)。H NMR(600MHz、CDCl):δ 0.95(s、9H、3CH)、1.25(d、J=7.0Hz、3H、CH)、1.26(d、J=7.0Hz、3H、CH)、2.72(m、1H)、3.14(dd、J=10.0、6.5Hz、1H)、3.18(dd、J=10.0、4.0Hz、1H)、3.66(dd、J=5.5Hz、2H)、3.76(s、6H、2OCH)、4.05(m、1H)、5.84(d、J=10.5Hz、1H)、5.87(d、J=10.5Hz、1H)、6.76(m、4H、Ar−H)、7.15-7.58(m、19H、Ar−H)、7.89(s、
1H)。
化合物32の調製
化合物31(220mg、0.254mmol)を無水THF(60mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム溶液(THF中1.0M、0.15mL、0.51mmol)を加えた。混合物を室温にて1時間撹拌して、次に溶媒を除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール、、1:2:0.5)で精製して化合物32(140mg、91%)を得た。TLC:R=0.36(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール、1:2:0.5)、C3437(627.28)。ES−MS(正モード、m/z)、実測値650.3(M+Na)。H NMR(600MHz、CDCl):δ 1.16(2d、J=7.0Hz、各3H、2CH)、2.55(m、1H)、3.05(dd、J=10.5、4.0Hz、1H)、3.09(dd、J=10.5、6.0Hz、1H)、3.46(dd、J=12.0、7.0Hz、1H)、3.49(dd、J=12.0、3.5Hz、1H)、3.69(s、6H、2OCH)、3.79(m、1H)、5.75(s、2H)、6.70-7.27(m、13H)、7.85(s、1H)。
化合物33の調製
1−テトラデカノール(200mg、0.933mmol)およびDIPEA(0.5mL)を無水DCM(10mL)に溶解し、ホスホルアミダイト試薬Cl−P(OCHCHCN)N(Pr)(265mg、260L、1.1mmol)を添加した。混合物を室温にて1時間撹拌して、DCM(50mL)で希釈した。DCM層を10%NaHCO(水溶液)(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、NaSOを用いて乾燥してから濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル/1:4、1%のEtNとともに)で精製して化合物33(382mg、、100%)を得た。これは直接次の段階の反応に用いる。
化合物34の調製
無水DCM(6mL)中の、化合物32(50mg、0.080mmol)、化合物33(70mg、0.160mmol)およびテトラゾール(20mg)の混合物を室温にて1時間撹拌した。次に2−ブタノンペルオキシド溶液(DCM中、1M、1.0mL)を加えて、反応混合物を室温にて10分間撹拌した。溶媒を除去して、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール、1:2:0.5)で精製して化合物34(53mg、、79%)を得た。TLC:R=0.22(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール、1:2:0.2)、C516910P(956.48)。ES−MS(正モード、m/z)、実測値957(M+H)、979(M+Na)。H NMR(500MHz、CDCl):δ 0.88(t、J=7.0Hz、3H、CH)、1.25(m、28H、11CH、2CH)、1.64(m、2H)、2.75(m、2H)、2.88(m、1H)、3.20(m、2H)、3.80(s、6H、2OCH)、4.00(m、2H)、4.05-4.24(m、5H)、5.85(m、2H)、6.80(m、4H)、7.20(m、9H)、8.00(s、1H)、9.25(s、1H)、12.20(s、1H)。
化合物35の調製
化合物34(150mg、0.157mmol)を、室温にて10分間、トリクロロ酢酸溶液(DCM中3%、w/v、3mL)で処理した。混合物を減圧下濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル/DCM/メタノール、2:8:0.5)で精製して化合物35(101mg、、99%)を得た。TLC:R=0.31(酢酸エチル/DCM/メタノール、2:1:0.3)、C3151P(654.34)。ES−MS(正モード、m/z)、実測値655.4(M+H)、677.4(M+Na)。
化合物36の調製
無水DCM(7mL)中の、化合物25(140mg、0.225mmol)、化合物35(100mg、0.153mmol)およびテトラゾール(20mg)の混合物を、室温にて3時間撹拌した。2−ブタノンペルオキシド溶液(DCM中、1.0M、2.0mL、2.0mmol)を加えて、反応混合物を10分間撹拌した。溶液をDCM(100mL)で希釈して、有機層を10%のNaHCO(水性)(20mL)、および塩水(20mL)で続けて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後に濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン/DCM/メタノール、5:2:2:1)で精製して化合物36(117mg、、64%)を得た。TLC:R=0.34(DCM/メタノール、9:1)、C55741016(1192.47)。ES−MS(正モード、m/z)、実測値1193.5(M+H)、1215.5(M+Na)。H NMR(600MHz、CDCl):δ 0.86(t、J=7.5Hz、3H、CH)、1.25(m、28H、11CH、2CH)、1.65(m、2H)、2.75(m、5H)、3.30(m、2H)、4.10-4.60(m、14H)、5.44(m、1H)、5.58(m、1H)、5.82(m、2H)、5.88(m、2H)、7.38-8.20(m、13H)、9.40(br s、1H、NH)、12.20(br s、1H、NH)。
化合物6の調製
化合物36をエタノール(2.0mL)に溶解し、濃水酸化アンモニウム(58%、4.0mL)を加えた。混合物を55℃にて24時間撹拌し、次に減圧下、濃縮した。残渣を水(8.0)に再溶解し、0.22μmフィルターで濾過後、透明溶液を凍結乾燥して粗製生成物(80
mg)を得、これをさらにHPLCによって精製して化合物6(41.3mg、、61%)を得た(HPLCの条件は、実施例3に与えられ、これは化合物1-5の精製のために述べられているとおりである)。TLC:R=0.16(クロロホルム/メタノール/水/濃水酸化アンモニウム、5:3:0.5:0.5)、C315413(808.33)。ES−MS(正モード、m/z)、実測値831(M+Na)、853(M+2Na-H)、875(M+3Na-2H)、897(M+4Na-3H)。H NMR(500MHz、DMSO−d):δ 0.85(t、J=7.0Hz、
3H、CH)、1.22(br s、22H、11CH)、1.41(m、2H)、3.39(m、2H)、3.52-3.72(m、9H)、3.94(m、1H)、5.12(d、J=10.0Hz、1H)、5.16(d、J=10.0Hz、1H)、5.68(s、2H)、5.75(d、J=7.5Hz、1H)、6.25(br s、2H)、7.12(s、1H)、7.48(s、1H)、7.68(d、J=7.5Hz、1H)、8.11(s、1H)。
化合物7の調製
ペプチドおよびペプチド核酸のハイブリッド構造を、固相ペプチド合成の標準的な技術によってペプチドシンセサイザーを用いて調製した。Fmoc/Bhoc化学を用いて、固相支持体としてワング樹脂を選択した。反応大略と反応条件は図15に記載されていて、樹脂からの開裂後、生成物をHPLCによって精製し、ES−MS分光データによって構造決定した。
化合物7:C44721410(956.55)。ES−MS(正モード、m/z)、実測値957.5(M+H)、979.5(M+Na)、1001.5(M+2Na-H)、1023.5(M+3Na-2H)、1045.5(M+4Na-3H)。
BLP25リポソームワクチンの調製
典型的には、リポソーム製剤は、生理食塩水1ml(0.9%NaCl溶液)中、400μgのMUC1ベースのリポペプチドBP1−148(図17)、HN−STAPPAHGVTSAPDTRPAPGSTAPPK(PAL)G−OH、200μgのCpG類似体1−6、6.94mgのコレステロール、1.46mgのジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPC)および11.62mgのジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)から構成される。
このリポソーム構成物は、まず、リン脂質、コレステロールおよびCpG類似物1−6を三級ブタノールに53℃で溶解することによって構成する。次に、三級ブタノール溶液にリポペプチドおよび水(5%、v/v)を加えた。生成した透明の95%三級ブタノール溶液を、50℃にて、すばやく撹拌している約4倍の水に18ゲージニードルつきのガラス注射器で注入した。この方法により作られた小さな単層小胞(SUV)を冷却し、0.22μmろ過膜に通して滅菌し、ガラス瓶にいれて冷却保存した。この乾燥粉末を注入前に無菌生理食塩水で再び水和して、多層大型小胞を形成した(MLV)。形成リポソームはマウスの免疫化に使用した。
リポソームワクチンによる免疫化マウス
MUC1を主原料とするリポペプチドBP1−148(図17)の400μgを含有するBLP25リポソームワクチン、および一投与につき200μgのCpG類似体によって皮下注射によりC57−黒色マウスを免疫化した。ワクチン注入から9日後に、このマウスを犠牲にして、流入領域リンパ節(局所的反応)または脾臓(系統的反応)からリンパ球を採取して、各グループの免疫反応を決定した。免疫化マウスから採取したリンパ球を、ペプチド配列HN−STAPPAHGVTSAPDTRPAPGSTAPPK−OH(配列番号11)をもつMUC1を主原料とする追加免疫抗原BP1−151の存在下、インビトロ培地で培養した。
T細胞増殖の測定
T細胞増殖を、標準Hチミジン組込みアッセイを用いて評価した。簡単には、ナイロンウール通過鼠径リンパ節リンパ球を、0.25×10/ウェル、各マウス群からプールし、抗原発現細胞(APCs)としてはたらく未処置のマイトマイシンCで処理した同質遺伝子的な脾細胞0.25×10/ウェルを含む培地に加えた。各ウェルに、MUC−1主材料25−量体ペプチドの20μgを追加免疫抗原として加えた。この培地を、300μL/ウェルの総量で72時間培養し、続いて、50μL量中H−チミジン1μCiを添加した。プレートをさらに18から20時間培養した。細胞を培養して[H]dTh組込みを液体シンチレーションカウンターによって測定した。化合物1−6または対照の天然R595リピドAによって免疫賦活した種々のリポソームワクチンに対応するT細胞増殖の結果は、図16に示されている。
R595リピドAは、バクテリアSalmonella minnesota、R595から単離した天然解毒化リピドA生成物である。この物質は、Avanti Polar Lipids、Inc.、USAから市販されている。R595リピドAは強いワクチン免疫賦活剤で、ヒトへの使用のための臨床的治験に現在あり、このため、化合物1−6の免疫刺激的な(免疫賦活的な)性質と比較するための参照としてここでは選ばれる。
図16に示されるとおり、化合物1−6は、抗原特異的T細胞増殖を強めるための強力な免疫賦活活性を示す。これらすべてのCpG類似体は、R595リピドAと比較して同一またはより大きい活性の量を示す。化合物3−6は、R595リピドAに比して明らかに強力な活性を示す。興味深いことに、グリセロール主原料CpG類似体6は、天然DNAバックボーンをもつ化合物1および2と比べて強力な活性をもつ。集団的に、これらのデータは、非メチル化CpGユニットを含有する短いオリゴヌクレオチド配列(ジヌクレオチドと同程度の小ささ)およびその構造類似体が、強力な親油基によって修飾される場合、強力な免疫刺激性の性質をもつことを示す。
化合物7の生物学的活性は、評価されていない。
この明細書で引用された文書は、この明細書で引用された文書が適切な従来技術であることを認め、またはこの明細書で引用された文書が本願請求項のいずれについての特許性についても考え抜かれた材料と認めることを意図するものではない。日付についての全記述またはこれら文書の内容についての表現は、出願人が利用できる情報に基づいており、日付またはこれら文書の内容の正確さについてのいかなる承認をも構成することはない。
添付した請求項は、好適な実施例の詳説を制限しないものとして扱われなければならない。
他で述べたものに加えて、本願の出願時にもっとも最新である版で、以下の参照がここに参照として組み込まる:Kay、Phage Display of Peptides and Proteins:A Laboratory Manual;the John Eiley and Sons Current Protcols series、including Ausubel、Current Protocols in Molecular Biology;Coligan、Current Protocols in Protein Science;Coligan、Current Protocols in Immunology;
Current Protocols in Human Genetics;Current Protocols in Cytometry;Current Protocols in Pharmacology;
Curret Protocols in Neuroscience;Current Protocols in Cell Biology;Current Protocols in Toxicology;Current Protocols in Field Analytical Chemistry;Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry、および、Current Protocols in Human Genetics;ならびに、以下のCold Spring Harbor Laboratory Publications;Sambrook、Molecular Cloning:A Laboratory Manual;Harlow、Antibodies;A Laboratory Manual;Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual;Methods in Yeast Genetics:A Cold Spring Harbor Laboratory Course Manual;Drosophila Protocols;Imaging Neurons:A Laboratory Manual;Early Development of Xenopus laevis:A Laboratory Manual;Using Antibodies:A Laboratory Manual;At the Bench:A laboratory Navigator;Cells:A Laboratory Manual;Methods in Yeast Genetics:A Laboratory course Manual;Discovering Neurons:The Experimental Basis of Neuroscience;Genome Analysis:A Laboratory Manual Series;Laboratory DNA Science;Strategies for Protein Purification and Characterization:A Laboratory Course Manual;Genetic Analysis of Pathogenic Bacteria:A Laboratory Manual;PCR Primer:A Laboratory Manual;Methods in Plant Molecular Biology:A Laboratory Course Manural;Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual;Molecular Probes of the Nervous System;Experiments with Fission Yeast:A Laboratory Course Manual;A Short Course in Bacterial Gnenetics:A Laboratory Manual and Handbook for Escherichia coli and Related Bacteria;DNA Science:A First Course in Recombinant DNA Technology;Methods in Yeast Genetics:A Laboratory Course Manual;Molecular Biology of Plants:A Laboratory Course Manual.
ここで参考文献として引用された参考文献はすべて、学術誌の記事もしくは要約、刊行物、通信、以前もしくは他の関係する米国もしくは外国特許出願、刊行された米国もしくは外国特許、または任意の他の参考文献も含めて、参考文献として個々に組み込まれ、これはこれら参考文献中のすべてのデータ、表、図面、および文章をも含む。加えて、ここで引用した参考文献中に引用された参考文献のすべての内容もまた、ここに完全に参考文献として組み込まれる。
既知の方法過程、通常の方法過程、既知の方法または通常の方法への言及は、いかなる面においても、いかなる意味でも、本発明がその関連する技術によって開示、教示または示唆されることを記述または包含することを許容するものではない。
前述の特定の実施例は、本発明の一般的な性質を完全に明らかにして、他の者が、当業者の通常の知識(ここで引用した参考文献の内容を含む)を適用することにより、本発明の一般的な概念から離れることなく、過度の実験なく、特定の実施のための種々の応用に容易に修正および/または適応することができる。このため、こような適用および修正は、ここで示された教示およびガイダンスに基づき、開示した実施例の同等物の意味するところおよび範囲のなかにある。ここでの表現または用語は、記載の目的のためであって制限のためではないと理解すべきであり、したがって本明細書の用語および表現は、一般的な当業者の一の知識と組み合わせて、ここで示された教示およびガイダンスの知識の観点から当業者によって解釈されるべきである。
本発明の実施に有用または好ましいものとしての部門または範囲のいかなる記述も、前記部門または範囲の各個々のメンバーもしくは値のそれぞの記述と同様に、任意の下位分類(たとえば、一またはそれ以上のメンバーの開示を省略したもの)またはそれに含まれる下位領域ものとして考えられるべきである。
好適な実施例の各記述は、不可能な組み合わせ(たとえば、本発明の要素に相互に排他的)または本明細書の記載によって排しているものをのぞいては、このような好適な実施例の任意の可能な組み合わせを意味していると考えられるべきである。
本発明の実施例が先行技術によって開示されている場合、本発明の記述は、そのような実施例を除いてここに開示している発明を包含するものと考えられなければならない。
本発明は、出願人によって企図したように、添付の請求項に述べられたもの、そして現在請求していない組み合わせを含むがそれに限定するものではない。従来技術において開示された一またはそれ以上の欠点を克服する範囲において制限される範囲で、本発明はさらに対象を含むものである。従来技術によって開示または示唆された対象を請求項が侵食する範囲において、本願出願人は、その請求項から侵食する範囲を除いて対応する発明を企図するものである。
本明細書中の任意の場所で引用した特許、特許出願、文献、記事、およびオンライン情報を含む全ての参考文献は、ここに参考文献として組み込まれ、前記参考文献中に引用された参考文献も同様である。
非メチル化CpG含有ヌクレオチド配列の、構造−活性関係である。 種々の親油性基で3’末端を修飾したCpGジヌクレオチドである。 二価のリガンドとしての修飾CpGジヌクレオチドで、二つのセグメントは、それぞれCpGを提示する。 5’末端を親油性基で修飾したヘキサヌクレオチドATCGATである。 GNA(グリセロール核酸)、DNA、およびPNA(ペプチド核酸)の構造比較である。 3’末端を親油性基で修飾したヘキサヌクレオチドGtcgTTで、式中cgジヌクレオチドはグリセロールを基部とするバックボーンをもつ。 DNA(化合物1から5)、GNA(6)およびPNA(7)バックボーンをもつCpG含有脂質化オリゴヌクレオチドである。 ホスホラミダイト法による固体状ヌクレオチド合成のための基本構成要素である。 脂質化オリゴヌクレオチド合成のための、長鎖アミノアルキル管理下細孔ガラス(lcaa−CpG)樹脂の修飾である。 固相での脂質化CpGジヌクレオチド1の調製である。 脂質化オリゴヌクレオチド16の合成のための、ペンタエリスリトール誘導ジリポアルコール11の調製およびその処理である。 グリセロール−シトシンホスホラミダイト25の調製である。 グリセロール−グアノシン調製の基本構成要素32である。 グリセロール−塩基CpGジヌクレオチド6の合成である。 Fmoc/Bhoc化学を使用した標準固相ペプチド合成によるPNA−基部CpG類似物7の調製である。 CpG類似物1から6の免疫刺激補助剤の性質である。BLP25リポソームのワクチン製剤の単一投与をして免疫化したC57Bl/6マウス由来の抗原特異的なT細胞の、インビトロの増殖。このワクチン投与は、抗原としてMUC1誘導25−マーリポペプチド20μg、および免疫賦活剤として合成CpG類似物1−6のひとつ10μgを含む。免疫賦活剤R595リピドA(解毒したSalmonella minnesota R595由来のリピドA生成物)を比較に用いた。 第一の配列は、SEQID NO:11である。第二の構造は、リポペプチドBP1−148の構造で、腫瘍−結合MUC1ムチンから誘導した修飾25アミノ酸配列(SEQID NO:2)を構成する。SEQ ID NO:2は、あとでSEQ ID NO:10中におかれるMUC1の直列の繰り返しである、SEQ ID NO:11のAAs1-25に対応し、AAs14-20に対応し、AAs1-18が続いている。前記BLP25リポソームワクチン製剤は、前記免疫賦活剤の一つと組み合わせたこのリポペプチドである。 ペンタエリスリトール要素を構成する長い多価のヌクレオシド間結合をもつ枝分かれした3つのセグメントのオリゴヌクレオチドである。このオリゴヌクレオチドは親油基としてのコレステロール残基をさらに構成する。 CpG含有オリゴヌクレオチドで、フランキング塩基をもち、3’末端で脂質化されている。最後のオリゴヌクレオチドはSEQID NO:3である。 長いヌクレオシド間結合によって環化した脂質化オリゴヌクレオチドで、親油性基を構成している。 CpGジヌクレオチド同様、チミジン二量体を構成する脂質化オリゴヌクレオチドである。 GNAバックボーンをもった脂質化オリゴヌクレオチドである。 リポタイコ酸由来の構造である。 修飾リポテイコ酸バックボーンで、式中、D−アラニンおよびグリセロールユニットの第二級水酸基間のエステル結合が、アミド結合に置換したものである。これは、加水分解に対してより耐久性があると予想される。 LTA/GNAおよびLTA/DNAハイブリッドである。 オリゴ(I:C)。脂質化オリゴ−イノシン酸およびオリゴ−シチジル酸は二本鎖複合体を形成してdsRNAの働きを模倣することができる。ここでdsRNAはTLR−3のリガンドである。示されてはいないが、このオリゴヌクレオチドはさらにCpGを構成することができ、またはこのオリゴヌクレオチドはそれ自体もともと付加的な免疫賦活剤として使用することができる。 自己相補的な領域を形成するオリゴヌクレオチド。図中、一のセグメントはオリゴイノシン酸で、第二のセグメントはオリゴシチジル酸であり、長いヌクレオシド間結合によって結合している。鎖はリンカーでヘアピン状になって二本鎖の二次構造を形成する。変数nは0から6である。示されてはいないが、このオリゴヌクレオチドはさらにCpGを形成することができ、またはこのオリゴヌクレオチドはそれ自体もともと付加的な免疫賦活剤として使用することができる。 自己相補的な領域を形成するオリゴヌクレオチド。オリゴヌクレオチドは二つのI(CI)Cセグメントを構成する。これらは、挿入図に示されるように配向および整列すると、互いに補完しあう。変数nは0から4で、挿入図では、n=3である。示されてはいないが、このオリゴヌクレオチドはさらにCpGを形成することができ、またはこのオリゴヌクレオチドはそれ自体もともと付加的な免疫賦活剤として使用することができる。

Claims (100)

  1. (1)複数のヌクレオチドを含み、各ヌクレオチドは核酸塩基を含み、そしてそれによって少なくとも一のCxGジヌクレオチドユニトオまたはその類似物を含む、少なくとも一のヌクレオチド配列、および(2)少なくとも一の共有結合的に組み込まれた親油基、から構成される、少なくとも一のオリゴヌクレオチド鎖を含む、免疫刺激性分子の有効量を免疫学的に対象に投与することから構成される、対象の免疫系を刺激する方法。
  2. 前記要素(1)がCxGジヌクレオチドユニットから構成される、請求項1記載の方法。
  3. 前記CxGジヌクレオチドユニットがCpGユニットである、請求項1または2記載の方法。
  4. 少なくとも一の親油基が強親油基である、請求項1ないし3記載のいずれかの方法。
  5. 少なくとも一の親油基が強親油基(Meylan)である、請求項1ないし4記載のいずれかの方法。
  6. 少なくとも一の親油基が、Meylanアルゴリズムに従って、少なくとも4の、予測したlogPをもつ、請求項1ないし5記載のいずれかの方法。
  7. 少なくとも一の親油基が、Meylanアルゴリズムに従って、少なくとも7の、予測したlogPをもつ、請求項1ないし5記載のいずれかの方法。
  8. 少なくとも一の親油基が、Meylanアルゴリズムに従って、少なくとも10の、予測したlogPをもつ、請求項1ないし5記載のいずれかの方法。
  9. (a)式中nは6から26の範囲の値をもつ整数である−(CH)NHCO−(CH)CH、(b)式中mおよびnは6から26の範囲の値をもつ整数である
    (c)式中Xが−O−、−S−、または−NH−であり、−Rが脂肪族である−XR、
    (d)式中Xが−O−、−S−、または−NH−であり、−Rが少なくとも部分的に芳香族である−XR、からなるグループから少なくとも一の親油基が選択される、請求項1ないし8記載のいずれかの方法。
  10. −Rが、下記の構造の一つから構成されるグループから選択される基である、請求項9記載の方法。
    式中、m、n、およびkは独立性の整数で、3から30の範囲の値である。
  11. 少なくとも一の親油基が、図2に描いた親油基のグループの一つである、請求項1ないし9記載のいずれかの方法。
  12. 前記分子が少なくとも2個の親油基を含む、請求項1ないし11記載のいずれかの方法。
  13. 前記分子が少なくとも2個の強親油基を含む、請求項12記載の方法。
  14. 前記分子が少なくとも2個の強親油基(Meylan)を含む、請求項12記載の方法。
  15. 各ヌクレオチド鎖につき8個未満の核酸塩基である、請求項1ないし14記載のいずれかの方法。
  16. 各ヌクレオチド鎖につき5個未満の核酸塩基である、請求項15記載の方法。
  17. 前記各核酸塩基が、アデニン、グアニン、チミン、シトシン、ウラシル、およびヒポキサンチンからなるグループから選択される、請求項1ないし16記載のいずれか方法。
  18. 前記各核酸塩基が、アデニン、グアニン、チミン、およびシトシンからなるグループから選択される、請求項1ないし16記載のいずれかの方法。
  19. 少なくとも一のヌクレオチドが、核酸塩基−炭水化物ヌクレオシドから構成される、請求項1ないし18記載のいずれかの方法。
  20. 前記炭水化物が単糖類である、請求項19記載の方法。
  21. 前記単糖類の炭素原子数が3ないし8である、請求項19記載の方法。
  22. 前記単糖類がペントースである、請求項21記載の方法。
  23. 前記単糖類がアルドースである、請求項20ないし22記載のいずれかの方法。
  24. 前記単糖類が環化されている、請求項20ないし23記載のいずれかの方法。
  25. 前記単糖類がピラノースである、請求項19記載の方法。
  26. 前記単糖類がリボースまたは2−デオキシリボースである、請求項20記載の方法。
  27. 前記一本鎖ヌクレオチドのすべてが、核酸塩基−炭水化物ヌクレオシドから構成される、請求項1ないし26記載のいずれかの方法。
  28. 少なくとも一のヌクレオチドがさらにリン酸を含む、請求項1ないし27記載のいずれかの方法。
  29. 少なくとも一のヌクレオチドがただ1個のリン酸のみを含む、請求項28記載の方法。
  30. 少なくとも一の鎖はDNAまたはRNAである、請求項29記載の方法。
  31. 少なくとも一の親油基は、少なくとも一の鎖の自由末端に共有結合的に組み込まれる、請求項1ないし30記載のいずれかの方法。
  32. 少なくとも一の親油基は、少なくとも一の鎖の3’末端に共有結合的に組み込まれる、請求項1ないし31記載のいずれかの方法。
  33. 前記親油基がリン酸基を通して前記末端に付加している、請求項31または32記載の方法。
  34. 少なくとも一の親油基がヌクレオシド間結合に組み込まれる、請求項1ないし33記載のいずれかの方法。
  35. 少なくとも一の親油基が核酸塩基の置換体である、請求項1ないし34記載のいずれかの方法。
  36. 少なくともオリゴヌクレオチドの一部が、DNAおよびRNAのバックボーンとは異なるバックボーンをもつ、請求項1ないし35記載の方法。
  37. 前記バックボーンが、ヌクレオシド間結合がリン酸基でないという点で異なる、請求項36記載の方法。
  38. 前記バックボーンが、少なくとも一のヌクレオチドがリボースまたは2−デオキシリボースを含まない通常でないヌクレオチドである、請求項36記載の方法。
  39. 前記通常でないヌクレオシドが糖を含む、請求項38記載の方法。
  40. 前記通常でないヌクレオチドが糖を含まない、請求項38記載の方法。
  41. 前記オリゴヌクレオチドが少なくとも一部PNAオリゴマーである、請求項40記載の方法。
  42. 少なくとも一の通常でないヌクレオチドが、核酸塩基−O−アルキルの形の通常でないヌクレオシドを含み、式中−O−アルキルはポリオールの残基であり、そしてアルキルが6を越えない炭素原子である、請求項40記載の方法。
  43. 前記ポリオールがグリセロールで、このため前記アルキルが3個の炭素原子である、請求項42記載の方法。
  44. 少なくとも通常でないヌクレオシドがリン酸基に結合している、請求項36ないし40、42または43記載のいずれかの方法。
  45. 隣接する二つの前記通常でないヌクレオシドがあって、これらヌクレオシドの間の前記ヌクレオシド間結合がリン酸基である、請求項44記載の方法。
  46. 隣接する二つの前記通常でないヌクレオシドがあって、これらヌクレオシドの間の前記ヌクレオシド間結合が、−リン酸基−リンカーZ−リン酸基−であり、式中リンカーZが脂肪族である、請求項44記載の方法。
  47. リンカーZが、−[小さなアルキル−O]の形で、式中nは1から20で、そして小さなアルキルは6を越えない炭素である、請求項46記載の方法。
  48. リンカーZが、−[CHCHO]−の形である、請求項47記載の方法。
  49. 前記ジヌクレオチドユニットが非天然ヌクレオシドから構成され、またはヌクレオシド間結合がリン酸基でない、請求項1ないし48記載のいずれか1項記載の方法。
  50. CxGジヌクレオチドユニットが、二つの非天然ヌクレオシドから構成され、そしてこれらヌクレオシドの間のヌクレオシド間結合がリン酸基である、請求項1ないし48記載のいずれか1項記載の方法。
  51. 前記ジヌクレオチドユニットが、二つの非天然ヌクレオシドから構成され、そしてこれらヌクレオシド間の前記ヌクレオシド間結合が、−リン酸基−リンカーZ−リン酸基−であり、式中リンカーZが脂肪族である、請求項49記載の方法。
  52. リンカーZが、−[CHCHO]−でnが1ないし20の、請求項51記載の方法。
  53. 前記ジヌクレオチドユニットがPNAオリゴマーである、請求項49記載の方法。
  54. 前記ジヌクレオチドユニットがGNAオリゴマーである、請求項49記載の方法。
  55. 前記分子が二本鎖構造をもたない請求項1ないし54記載のいずれかの方法。
  56. 前記分子が少なくともいくらかの二本鎖構造をもつ請求項1ないし54記載のいずれか1項記載の方法。
  57. 各オリゴヌクレオチド鎖につき7個を越えない核酸塩基がある、請求項1ないし56記載のいずれか1項記載の方法。
  58. 各オリゴヌクレオチド鎖につき4個を越えない核酸塩基がある、請求項1ないし56記載のいずれか1項記載の方法。
  59. 前記分子がさらに、少なくとも一のエピトープを含む請求項1ないし58記載のいずれか1項記載の方法。
  60. 少なくとも一のエピトープが炭水化物エピトープである請求項59記載の方法。
  61. 少なくとも一のエピトープがペプチドエピトープである請求項59または60記載の方法。
  62. 少なくとも一のエピトープがB細胞エピトープである請求項59ないし61のいずれか1項記載の方法。
  63. 少なくとも一のエピトープがT細胞エピトープである請求項59ないし62のいずれか1項記載の方法。
  64. 少なくとも一のエピトープがMUC1エピトープである請求項59ないし63のいずれか1項記載の方法。
  65. 前記オリゴヌクレオチドが環化していて、このため自由末端がなく、そして親油基が前記分子中の任意の場所に組み込まれている、請求項1ないし64のいずれか1項記載の方法。
  66. 前記分子が二またはそれ以上のセグメントからなり、各セグメントは短いヌクレオシド間結合によって互いに結合しているヌクレオシドからなり、各セグメントは少なくも互いに長いヌクレオシド間結合によって結合していて、少なくとも前記セグメントの二つはそれぞれ少なくとも一のCxGジヌクレオチドユニットまたはその類似物からなる、請求項1ないし64のいずれか1項記載のいずれかの方法。
  67. 前記セグメントが前記ヌクレオシド間結合によって結合して、一またはそれ以上の直鎖を形成する、請求項66記載の方法。
  68. 二またはそれ以上のセグメントが、二またはそれ以上のヌクレオシド間結合によって環化されている、請求項66記載の方法。
  69. 少なくとも一のヌクレオシド間結合が高めの結合次数で、同時に二またはそれ以上のセグメントと互いに結合していて、それによって前記セグメントが結合して分枝構造をとる、請求項66記載の分子。
  70. 少なくとも一のヌクレオシド間結合がペンタエリスリオールユニットからなる請求項66記載の分子。
  71. 前記分子が以下の構造特性をもち、式中Rは親油基で、A、A、およびAが独立して結合の腕が0ないし20原子長で、R、R、およびRが独立して水素原子、親油性基またはオリゴヌクレオチド残基からなる群から選択される、請求項66記載の分子。
  72. 前記ヌクレオチド配列が、チミン二量体を形成するように二量体化される、少なくとも隣接する一対のチミン核酸塩基を含む、請求項1ないし71のいずれか1項記載の方法。
  73. 少なくとも一の親油基が、オリゴヌクレオチド鎖の5’末端に共有結合的に組み込まれる、請求項1ないし72のいずれか1項記載の方法。
  74. 前記分子が癌細胞に対して細胞障害性の活性をもたない、請求項1ないし73のいずれか1項記載の方法。
  75. 対象がガンに罹患していない、請求項1ないし74のいずれか1項記載の方法。
  76. 対象が他のガン予防法を全く投与されていない、請求項1ないし75のいずれか1項記載の方法。
  77. 前記分子が、対象中に既に存在する病原体または癌に対する特異的生得的な免疫反応を増強する、請求項1ないし76のいずれか1項記載の方法。
  78. 前記対象に対して免疫原からなる製薬的な組成の投与して、前記分子が前記免疫原に対して特異的に誘発した免疫反応を増強することをさらに含む、請求項1ないし76のいずれか1項記載の方法。
  79. 前記分子および前記免疫原が同時に投与される請求項78記載の方法。
  80. 前記分子および前記免疫原が同じ組成中で投与される、請求項79記載の方法。
  81. 前記免疫刺激性オリゴヌクレオチド分子が、前記病原体または癌に対する保護的な特異的免疫反応を誘発する免疫原でもある、請求項78記載の方法。
  82. 免疫刺激する対象のための合成物の製造についての、請求項1ないし74のいずれか1項記載で定義した免疫刺激性分子の使用。
  83. 少なくとも一のオリゴヌクレオチド鎖から構成され、前記鎖はヌクレオチド配列からなり、前記ヌクレオチド配列は複数のヌクレオチドからなり、各ヌクレオチドは核酸塩基からなり、そしてこれは少なくとも一のCxGジヌクレオチドユニットまたはその類似物からなり、ならびに(2)少なくとも一の共有結合的に組み込まれた親油基から構成され、ここで前記鎖のヌクレオチドの数は8未満である、免疫刺激性分子。
  84. 前記分子の性質が、請求項2ないし75記載のいずれかに従ってさらに限定される、請求項83記載の分子。
  85. (I)少なくとも一のオリゴヌクレオチド鎖からなり、これは(1)複数のヌクレオチドからなる少なくとも一のヌクレオチド配列からなり、各ヌクレオチド配列は核酸塩基からなり、そしてこれは少なくとも一のCxGジヌクレオチドユニットまたはその類似物からなり、および(2)少なくとも一の共有結合的に組み込まれた親油基からなり、並びに(II)エピトープからなる、免疫刺激性分子。
  86. 少なくとも一のエピトープが炭水化物エピトープである請求項85記載の分子。
  87. 少なくとも一のエピトープがペプチドエピトープである請求項85または86記載の分子。
  88. 少なくとも一のエピトープがB細胞エピトープである請求項85ないし87のいずれか1項記載の分子。
  89. 少なくとも一のエピトープがT細胞エピトープである請求項85ないし88のいずれか1項記載の分子。
  90. 少なくとも一のエピトープがMUC1エピトープである請求項85ないし89のいずれか1項記載の分子。
  91. 前記分子の性質が、請求項2ないし59の記載のいずれかに従ってさらに限定される、請求項85ないし90のいずれか1項記載の分子。
  92. (I)少なくとも一のオリゴヌクレオチド鎖から構成されていて、そのオリゴヌクレオチド鎖が(1)複数のヌクレオチドからなる少なくとも一のヌクレオチド配列からなり、各ヌクレオチドはヌクレオシドからなり、各ヌクレオシドは核酸塩基からなり、各ヌクレオシドは少なくとも一の他のヌクレオシドにヌクレオシド間結合によって結合していて、
    ここで前記分子は二またはそれ以上のセグメントからなり、各セグメントは短いヌクレオシド間結合によって互いに結合しているヌクレオシドからなり、各セグメントは長いヌクレオシド間結合によって少なくとも他のセグメントに結合していて、
    少なくとも二の前記セグメントがそれぞれ少なくとも一のCxGジヌクレオチドユニットまたはその類似物であり、
    ならびに前記オリゴヌクレオチド鎖が(2)少なくとも一の共有結合的に組み込まれた親油基からなる、
    免疫刺激性分子。
  93. 前記セグメントが前記ヌクレオシド間結合によって一またはそれ以上の直鎖を形成する、請求項92記載の分子。
  94. 一またはそれ以上のセグメントが一またはそれ以上の前記の長いヌクレオシド間結合によって結合して環式構造を形成する、請求項92記載の分子。
  95. 少なくとも一のヌクレオシド間結合が高めの結合次数で、同時に三またはそれ以上のセグメントと互いに結合していて、それによって前記セグメントが結合して分枝構造をとる、請求項92記載の分子。
  96. 少なくとも一のヌクレオシド間結合がペンタエリスリトールユニットからなる請求項92記載の分子。
  97. 前記分子が以下の構造特性をもち、式中Rは親油基で、A、A、およびAが独立して結合の腕が0ないし20原子長で、R、R、およびRが独立して水素原子、親油性基またはオリゴヌクレオチド残基からなる群から選択される、請求項92記載の分子。
  98. 前記分子の性質が、請求項2ないし64のいずれか1項記載に従ってさらに限定される、請求項92ないし97のいずれか1項記載の分子。
  99. 少なくとも一のオリゴヌクレオチド鎖から構成されていて、前記鎖が(1)ヌクレオチド配列からなり、前記ヌクレオチド配列は複数のヌクレオチドからなり、各ヌクレオチドは核酸塩基からなり、そしてこれは少なくとも一のCxGジヌクレオチドユニットまたはその類似物からなるもので、さらに前記鎖が(2)少なくとも一の共有結合的に組み込まれた親油基からなり、ここで、前記ヌクレオチド配列は少なくとも隣接する一対のチミン核酸塩基をもっていて二量体化によりチミン二量体を形成している、免疫刺激性分子。
  100. ヌクレオシド間結合が、ポリ(N−ビニル)、ポリ(メタクリルオキシエチル)、ポリ(メタクリルアミド)、およびポリ(エチレンイミン)からなる群からは選択されない、請求項1ないし81のいずれか1項記載の方法。
JP2003566020A 2002-02-04 2003-02-04 免疫刺激性、共有結合性脂質化オリゴヌクレオチド Pending JP2005526497A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US35319502P 2002-02-04 2002-02-04
PCT/CA2003/000135 WO2003066649A1 (en) 2002-02-04 2003-02-04 Immunostimulatory, covalently lipidated oligonucleotides

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005526497A true JP2005526497A (ja) 2005-09-08

Family

ID=27734279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003566020A Pending JP2005526497A (ja) 2002-02-04 2003-02-04 免疫刺激性、共有結合性脂質化オリゴヌクレオチド

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7741297B2 (ja)
EP (1) EP1474432A1 (ja)
JP (1) JP2005526497A (ja)
AU (1) AU2003203079B8 (ja)
CA (1) CA2474709A1 (ja)
WO (1) WO2003066649A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017057540A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 塩野義製薬株式会社 免疫賦活活性を有する核酸誘導体
WO2018179172A1 (ja) * 2017-03-29 2018-10-04 塩野義製薬株式会社 免疫賦活活性を有する核酸誘導体

Families Citing this family (60)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6207646B1 (en) 1994-07-15 2001-03-27 University Of Iowa Research Foundation Immunostimulatory nucleic acid molecules
US20030026782A1 (en) * 1995-02-07 2003-02-06 Arthur M. Krieg Immunomodulatory oligonucleotides
US20030022854A1 (en) 1998-06-25 2003-01-30 Dow Steven W. Vaccines using nucleic acid-lipid complexes
ES2340499T3 (es) 2001-06-05 2010-06-04 Curevac Gmbh Arnm de antigeno tumoral estabilizado con un contenido de g/c aumentado.
DE10162480A1 (de) 2001-12-19 2003-08-07 Ingmar Hoerr Die Applikation von mRNA für den Einsatz als Therapeutikum gegen Tumorerkrankungen
US7820627B2 (en) 2002-05-09 2010-10-26 Oncothyreon Inc. Lipid A and other carbohydrate ligand analogs
US8263091B2 (en) * 2002-09-18 2012-09-11 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Method of treating and preventing infections in immunocompromised subjects with immunostimulatory CpG oligonucleotides
WO2004050846A2 (en) * 2002-12-02 2004-06-17 Biosynexus Incorporated Wall teichoic acid as a target for anti-staphylococcal therapies and vaccines
WO2004053104A2 (en) 2002-12-11 2004-06-24 Coley Pharmaceutical Group, Inc. 5’ cpg nucleic acids and methods of use
EP1851248B1 (en) 2005-02-10 2016-08-10 Baylor Research Institute Anti-interferon alpha monoclonal antibodies and methods for use
DK2380584T3 (da) * 2005-07-01 2014-01-20 Index Pharmaceuticals Ab Immunstimulerende fremgangsmåde
SI2179737T1 (sl) 2005-07-01 2014-02-28 Index Pharmaceuticals Ab Modulacija reakcije na stereoide
JP2009513629A (ja) * 2005-10-28 2009-04-02 インデックス・ファーマシューティカルズ・アクチエボラーグ 炎症性疾患を予防、処置、および/または緩和する組成物および方法
DE102006007433A1 (de) * 2006-02-17 2007-08-23 Curevac Gmbh Adjuvanz in Form einer Lipid-modifizierten Nukleinsäure
EP1820804A1 (en) * 2006-02-20 2007-08-22 Humboldt-Universität zu Berlin Lipidated oligonucleotides
GB0608838D0 (en) 2006-05-04 2006-06-14 Novartis Ag Organic compounds
DE102006035618A1 (de) * 2006-07-31 2008-02-07 Curevac Gmbh Nukleinsäure der Formel (I): GlXmGn, insbesondere als immunstimulierendes Adjuvanz
JP2010507361A (ja) 2006-07-31 2010-03-11 キュアバック ゲーエムベーハー 具体的には免疫刺激剤/アジュバントとしての、一般式(I):GlXmGn、または一般式(II):ClXmCnで表される核酸
PT2078080E (pt) 2006-09-27 2015-09-18 Coley Pharm Gmbh Análogos dos oligonucleotídeos cpg que contêm análogos t hidrofóbicos com atividade imunoestimulante potenciada
AU2008222523A1 (en) * 2007-03-07 2008-09-12 Nventa Biopharmaceuticals Corporation Double-stranded locked nucleic acid compositions
WO2009030254A1 (en) 2007-09-04 2009-03-12 Curevac Gmbh Complexes of rna and cationic peptides for transfection and for immunostimulation
SG188104A1 (en) 2008-01-31 2013-03-28 Curevac Gmbh Nucleic acids comprising formula (nuglxmgnnv)a and derivatives thereof as an immunostimulating agents /adjuvants
CN104001170B (zh) 2008-06-27 2016-08-24 硕腾有限责任公司 新颖的佐剂组合物
JP5759992B2 (ja) * 2009-08-07 2015-08-05 グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム 脂質付加オキソアデニン誘導体
US20110053829A1 (en) 2009-09-03 2011-03-03 Curevac Gmbh Disulfide-linked polyethyleneglycol/peptide conjugates for the transfection of nucleic acids
WO2011126937A1 (en) * 2010-04-06 2011-10-13 The University Of North Carolina At Chapel Hill Targeted intracellular delivery of oligonucleotides via conjugation with small molecule ligands
US10913767B2 (en) * 2010-04-22 2021-02-09 Alnylam Pharmaceuticals, Inc. Oligonucleotides comprising acyclic and abasic nucleosides and analogs
WO2011149733A2 (en) * 2010-05-24 2011-12-01 Merck Sharp & Dohme Corp. Novel amino alcohol cationic lipids for oligonucleotide delivery
MX347471B (es) * 2010-05-28 2017-04-24 Zoetis Belgium S A Vacunas que comprenden colesterol y cpg como moleculas portadoras-adyuvantes unicas.
BR112013002298A2 (pt) 2010-07-30 2016-05-24 Curevac Gmbh complexação de ácidos nucleicos com componentes catiônicos reticulados com dissulfeto para transfecção e estimulação imunológica.
WO2012019168A2 (en) 2010-08-06 2012-02-09 Moderna Therapeutics, Inc. Engineered nucleic acids and methods of use thereof
US20120237975A1 (en) 2010-10-01 2012-09-20 Jason Schrum Engineered nucleic acids and methods of use thereof
CN105193724A (zh) 2011-02-24 2015-12-30 肿瘤防护公司 含有佐剂的以muc1 为基础的糖脂肽疫苗
EP2500349B1 (en) * 2011-03-11 2015-05-06 Universitätsklinikum Freiburg Synthetic LTA mimetics and use thereof as vaccine component for therapy and/or prophylaxis against gram-positive infections
AU2012236099A1 (en) 2011-03-31 2013-10-03 Moderna Therapeutics, Inc. Delivery and formulation of engineered nucleic acids
US9464124B2 (en) 2011-09-12 2016-10-11 Moderna Therapeutics, Inc. Engineered nucleic acids and methods of use thereof
EP3682905B1 (en) 2011-10-03 2021-12-01 ModernaTX, Inc. Modified nucleosides, nucleotides, and nucleic acids, and uses thereof
EP2773327A4 (en) 2011-11-02 2015-06-03 Univ California NEW PROGRAMMING OF CELL ADHESION
US20130210896A1 (en) * 2011-11-09 2013-08-15 City Of Hope Immunotheraphy of Brain Tumors Using a Nanoparticle CpG Delivery System
RS63244B1 (sr) 2011-12-16 2022-06-30 Modernatx Inc Kompozicije modifikovane mrna
WO2013113326A1 (en) 2012-01-31 2013-08-08 Curevac Gmbh Pharmaceutical composition comprising a polymeric carrier cargo complex and at least one protein or peptide antigen
US9572897B2 (en) 2012-04-02 2017-02-21 Modernatx, Inc. Modified polynucleotides for the production of cytoplasmic and cytoskeletal proteins
EP2833892A4 (en) 2012-04-02 2016-07-20 Moderna Therapeutics Inc MODIFIED POLYNUCLEOTIDES FOR THE PRODUCTION OF PROTEINS AND PEPTIDES ASSOCIATED WITH ONCOLOGY
US9283287B2 (en) 2012-04-02 2016-03-15 Moderna Therapeutics, Inc. Modified polynucleotides for the production of nuclear proteins
US10501512B2 (en) 2012-04-02 2019-12-10 Modernatx, Inc. Modified polynucleotides
JP6375289B2 (ja) 2012-04-05 2018-08-15 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー 免疫刺激組成物およびその使用方法
ES2921623T3 (es) 2012-11-26 2022-08-30 Modernatx Inc ARN modificado terminalmente
US8980864B2 (en) 2013-03-15 2015-03-17 Moderna Therapeutics, Inc. Compositions and methods of altering cholesterol levels
RU2723328C2 (ru) 2013-08-21 2020-06-09 Куревак Аг Вакцина против респираторно-синцитиального вируса (рсв)
NZ733383A (en) 2013-09-19 2022-12-23 Zoetis Services Llc Oil-based adjuvants
WO2015048744A2 (en) 2013-09-30 2015-04-02 Moderna Therapeutics, Inc. Polynucleotides encoding immune modulating polypeptides
AU2014329452B2 (en) 2013-10-03 2019-06-20 Moderna Therapeutics, Inc. Polynucleotides encoding low density lipoprotein receptor
ES2806575T3 (es) 2013-11-01 2021-02-18 Curevac Ag ARN modificado con propiedades inmunoestimuladoras disminuidas
US10369216B2 (en) 2014-04-01 2019-08-06 Curevac Ag Polymeric carrier cargo complex for use as an immunostimulating agent or as an adjuvant
JP7113620B2 (ja) 2015-01-16 2022-08-05 ゾエティス・サービシーズ・エルエルシー 口蹄疫ワクチン
US10940201B2 (en) 2015-09-30 2021-03-09 Shionogi & Co., Ltd. Nucleic acid derivative having immunostimulatory activity
US10300145B2 (en) 2016-07-15 2019-05-28 Massachusetts Institute Of Technology Synthetic nanoparticles for delivery of immunomodulatory compounds
US11958889B2 (en) * 2017-10-25 2024-04-16 Janssen Pharmaceuticals, Inc. Compositions of phosphorylated tau peptides and uses thereof
MX2021009508A (es) 2019-02-08 2021-09-08 Ac Immune Sa Metodo para la administracion segura de una vacuna de peptido de tau fosforilado.
US11591377B2 (en) 2019-04-24 2023-02-28 Janssen Pharmaceuticals, Inc. Heterologous administration of tau vaccines

Family Cites Families (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4235871A (en) 1978-02-24 1980-11-25 Papahadjopoulos Demetrios P Method of encapsulating biologically active materials in lipid vesicles
DE3224788A1 (de) * 1981-07-17 1983-02-03 South African Inventions Development Corp., Scientia, Pretoria,Transvaal Traegergebundenes immunogenes material
US4501728A (en) 1983-01-06 1985-02-26 Technology Unlimited, Inc. Masking of liposomes from RES recognition
US5019369A (en) 1984-10-22 1991-05-28 Vestar, Inc. Method of targeting tumors in humans
US5223263A (en) 1988-07-07 1993-06-29 Vical, Inc. Liponucleotide-containing liposomes
US4837028A (en) 1986-12-24 1989-06-06 Liposome Technology, Inc. Liposomes with enhanced circulation time
US4958013A (en) * 1989-06-06 1990-09-18 Northwestern University Cholesteryl modified oligonucleotides
US5411947A (en) 1989-06-28 1995-05-02 Vestar, Inc. Method of converting a drug to an orally available form by covalently bonding a lipid to the drug
US6114513A (en) 1990-01-11 2000-09-05 Isis Pharmaceuticals, Inc. Thiol-derivatized oligonucleotides
DE59108644D1 (de) 1990-07-02 1997-05-07 Hoechst Ag Oligonucleotid-analoge mit terminalen 3'-3'-bzw. 5'-5'-Internucleotidverknüpfungen
WO1992002534A2 (en) 1990-08-03 1992-02-20 Sterling Drug, Inc. Compounds and methods for inhibiting gene expression
US5744144A (en) 1993-07-30 1998-04-28 University Of Pittsburgh University Patent Committee Policy And Procedures Synthetic multiple tandem repeat mucin and mucin-like peptides, and uses thereof
US5637684A (en) 1994-02-23 1997-06-10 Isis Pharmaceuticals, Inc. Phosphoramidate and phosphorothioamidate oligomeric compounds
US5646126A (en) 1994-02-28 1997-07-08 Epoch Pharmaceuticals Sterol modified oligonucleotide duplexes having anticancer activity
CA2189356A1 (en) 1994-05-02 1995-11-09 Ting Chi Wong Process for preparation of glycosides of tumor-associated carbohydrate antigens
US6207646B1 (en) * 1994-07-15 2001-03-27 University Of Iowa Research Foundation Immunostimulatory nucleic acid molecules
US5756352A (en) 1995-06-07 1998-05-26 Gen-Probe Incorporated Thiocationic lipid-nucleic acid conjugates
AUPN568095A0 (en) 1995-09-27 1995-10-26 Austin Research Institute, The Anti-Galalpha(1,3)Gal antibody binding peptides
US5856462A (en) * 1996-09-10 1999-01-05 Hybridon Incorporated Oligonucleotides having modified CpG dinucleosides
US6111085A (en) 1996-09-13 2000-08-29 Isis Pharmaceuticals, Inc. Carbamate-derivatized nucleosides and oligonucleosides
DE69841122D1 (de) 1997-03-10 2009-10-15 Coley Pharm Gmbh Verwendung von nicht-methyliertem CpG Dinukleotid in Kombination mit Aluminium als Adjuvantien
JP3771660B2 (ja) * 1997-03-11 2006-04-26 大鵬薬品工業株式会社 分岐型オリゴヌクレオチド
US6218371B1 (en) 1998-04-03 2001-04-17 University Of Iowa Research Foundation Methods and products for stimulating the immune system using immunotherapeutic oligonucleotides and cytokines
IL139813A0 (en) 1998-05-22 2002-02-10 Loeb Health Res Inst At The Ot Methods and products for inducing mucosal immunity
US6300319B1 (en) 1998-06-16 2001-10-09 Isis Pharmaceuticals, Inc. Targeted oligonucleotide conjugates
US6086898A (en) 1998-06-23 2000-07-11 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Method of converting a Th2-type allergic immune response into a Th1-type immune response
WO2000054803A2 (en) 1999-03-16 2000-09-21 Panacea Pharmaceuticals, Llc Immunostimulatory nucleic acids and antigens
DE19935756A1 (de) 1999-07-27 2001-02-08 Mologen Forschungs Entwicklung Kovalent geschlossenes Nukleinsäuremolekül zur Immunstimulation
ES2233426T3 (es) 1999-08-13 2005-06-16 Hybridon, Inc. Modulacion de la estimulacion inmunitaria medida por cpg de oligonucleotido por modificacion de la posicion de los nucleosidos.
WO2001083503A2 (en) 2000-05-01 2001-11-08 Hybridon, Inc. MODULATION OF OLIGONUCLEOTIDE CpG-MEDIATED IMMUNE STIMULATION BY POSITIONAL MODIFICATION OF NUCLEOSIDES
JP2003535907A (ja) 2000-06-22 2003-12-02 ユニバーシティ オブ アイオワ リサーチ ファウンデーション 抗体誘導性細胞溶解を促進し、そして癌を処置するための方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017057540A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 塩野義製薬株式会社 免疫賦活活性を有する核酸誘導体
JPWO2017057540A1 (ja) * 2015-09-30 2018-06-21 塩野義製薬株式会社 免疫賦活活性を有する核酸誘導体
WO2018179172A1 (ja) * 2017-03-29 2018-10-04 塩野義製薬株式会社 免疫賦活活性を有する核酸誘導体
JPWO2018179172A1 (ja) * 2017-03-29 2020-02-06 塩野義製薬株式会社 免疫賦活活性を有する核酸誘導体

Also Published As

Publication number Publication date
AU2003203079B2 (en) 2008-08-07
AU2003203079B9 (en) 2009-01-15
WO2003066649A1 (en) 2003-08-14
US7741297B2 (en) 2010-06-22
EP1474432A1 (en) 2004-11-10
CA2474709A1 (en) 2003-08-14
AU2003203079A1 (en) 2003-09-02
US20060189550A1 (en) 2006-08-24
AU2003203079B8 (en) 2009-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7741297B2 (en) Immunostimulatory, covalently lipidated oligonucleotides
JP7053106B2 (ja) リピドa模倣体、調製方法、及びその使用
US10144933B2 (en) Chiral nucleic acid adjuvant having immunity induction activity, and immunity induction activator
AU724325B2 (en) Pharmaceutical compositions comprising a polynucleotide and optionally an antigen especially for vaccination
US8916169B2 (en) Enhanced immunogenicity of tumor associated antigens by addition of alphagal epitopes
JPWO2015108048A1 (ja) 抗腫瘍作用を有するキラル核酸アジュバンド及び抗腫瘍剤
EA008741B1 (ru) Аналоги олигонуклеотидов с-класса с улучшенной иммуностимулирующей эффективностью
AU2003224878B2 (en) Synthetic glyco-lipo-peptides as vaccines
JP2014518841A (ja) アジュバントを備えたmuc1ベースのグリコリポペプチドワクチン
EP1680446B1 (en) Compositions comprising melittin-derived peptides and methods for the potentiation of immune responses against target antigens
JP6165182B2 (ja) 免疫アジュバントとしてのグリコシル化により改変された四官能性非イオン性両親媒性ブロックコポリマーの使用
JP2005509591A (ja) ヌクレオシドワクチンアジュバント
NL2018803B1 (en) Adjuvant compounds
WO2014070663A1 (en) Compositions and methods for diagnosis and treatment of malignant gliomas
WO2021193900A1 (ja) ポリヌクレオチド-ペプチドコンジュゲートを含む免疫誘導剤およびそれを含む医薬組成物