JP2005524184A - 電気通信事業者の金融取引サービスを可能にするシステムおよびそのような取引を実施する方法 - Google Patents

Abstract

無線電気通信事業者の加入者が移動電話機、または無線通信網に接続可能な電子デバイスで金融取引を実行可能にするシステムである。システムは取引処理プラットフォームで構成され、電気通信事業者のコンピュータにインストールされ、無線通信網に接続され、電気通信事業者の他の要素とインタフェースをとり、金融取引アカウントを管理し、加入者が送信した金融取引を検証／実行し、取引の確認、アカウント・ステートメントの作成、報告などの他のタスクを実行する。システムは、また、加入者の移動電話機または接続可能な電子デバイス、または移動電話機または接続可能な電子デバイスに挿入された加入者識別モジュール（ＧＳＭ用のＳＩＭ、ＣＤＭＡ用のＵＩＭ、３Ｇ ＵＭＴＳ用のＵＳＩＭなど）で実行するクライアント・ソフトウェアで構成される。

Description

本発明は、無線電気通信システムに関し、特に無線電気通信事業者が金融取引サービスを提供することを可能にするシステム、および無線通信網を通してこのような取引を実施する方法に関する。

インターネットなどのネットワークの発展は、電子商取引のような新しい概念の出現に関与してきた。しかし、電子支払いシステムは、このような最近の進歩に後れをとり、今日、電子ディジタル支払いシステムを実施しようとする全ての試みは、本当に簡単で、効果的、ユーザ・フレンドリ、確実で、拡張性があり、展開しやすいなどであることを目指す難問に直面している。大抵の場合、ディジタル支払いシステムは、複雑なアーキテクチャを実施する必要があり、多くの当事者、特に銀行等のような金融機関の介入も必要とする。さらに、このようなシステムを実施するには、一般的に、専用のインフラストラクチャをインストールする必要があり、消費者の間に大量に展開するのが困難になった。ディジタル・システムは、既に電気通信セクタ、特にＧＳＭ、ＣＤＭＡおよびＷ−ＣＤＭＡ、ＣＤＭＡ２０００等のような移動電話システムで大きい成功を収めている。このようなシステムは、ますます多くの機能および性能を消費者に提供している。したがって、このようなシステムは、わずか数年で極度に普及し、人口の有意の部分が現在、音声ばかりでなくデータ転送のためにもディジタル移動電話機を常に使用している。ディジタル移動電話機は、多くの人々にとって自然な、または不可欠でさえある仲間になっており、本発明を通してこの使用法を拡張することが当然想定される。

本発明の目的は、電子金融取引の実施の複雑な問題に解決法を提供することである。

本発明は、無線電気通信事業者が金融取引サービスを加入者に提供できるようにする革新的なシステムについて説明する。本発明は、システムが金融機関（銀行、貯蓄銀行、クレジットカード会社など）のかかわり合いを必要とせず、専用ネットワーク・インフラストラクチャをインストールする必要がなく、クレジットカードまたはデビットカードのような他の伝統的な支払い手段の使用を必要とせず、加入者による特殊な装置を必要とせず、ある事業者の既存の無線通信網およびシステム、さらに既存の移動電話機を十分に使用することを特徴とする。これは、電気通信事業者がその加入者に対して金融取引アカウントを開設して、管理し、移動電話機または接続可能な電子デバイスから金融取引を実行するツールおよび権利を提供することを特徴とする。金融取引アカウント、方法および対応するツールは、１人の関係者、すなわち電気通信事業者が運営し、制御しているので、システムおよびそのセキュリティ・アーキテクチャを大幅に単純化する。また、複数の当事者間に起こり得る利害関係の衝突も回避する。

システムは、取引処理プラットフォームで構成され、取引処理プラットフォームは電気通信事業者のコンピュータにインストールされ、無線通信網に接続され、電気通信事業者のシステムの他の要素（加入者のデータベース、認証センタ、会計システムなど）とのインタフェースをとり、金融取引アカウントを管理して、加入者が送信した金融取引を検証／実行し、取引の確認、預金取引明細書の作成、報告などのような他のタスクを実行する。このプラットフォームは、本発明で記載する金融取引を実行する方法を実施する。

システムは、クライアントのソフトウェアでも構成され、これは加入者の移動電話機またはその接続可能な電子デバイス、または移動電話機または接続可能な電子デバイスに挿入する加入者識別情報モジュール（ＧＳＭ用のＳＩＭ、ＣＤＭＡ用のＵＩＭ、３Ｇ ＵＭＴＳ用のＵＳＩＭなど）で実行される。このようなクライアントのソフトウェアにより、加入者は、本明細書に記載した上記方法に従って取引オーダーを作成し、評価して、無線通信網を通して取引処理プラットフォームへと送信することができる。

このシステムにより、加入者は、自身のディジタル移動電話機または無線通信網に接続した電子機器を使用して、他人への支払い、商人への支払いなどの取引を簡単、確実かつユーザ・フレンドリな方法で実行することができる。このようなシステムの利点は、容易に想像される。しかし、例えば、以下のような、今日まだ存在していない新しい可能性ももたらすことができる。

−数百万人が１つの組織に即座に支払う：これは、ＴＶ番組で組織された寄付のキャンペーンに当てはまる。ＴＶに（寄付する先の）１つの数字を表示することにより、多数の視聴者が移動電話機を使用して寄付をし、寄付の主催者が結果をリアルタイムで追跡することができる。
−無記名で当事者に支払うことができる。
−数字だけで識別された知らない当事者に支払うことができる。

金融取引を実行するこのシステムおよび方法は、既存の支払い手段、すなわち現金、クレジットまたはデビットカード、小切手、振り替えに対する革新的な代替方法となる。１つの解決法という利点でこれらの全ての手段を１つにまとめるからである。
本発明を、添付の図面に関して以下でさらに詳細に説明する。

本発明は、電気通信事業者が加入者に金融取引アカウント（ＦＴＡ）を提供することを特徴とする。この金融取引アカウントは、銀行の当座預金と非常に似ており、これによって所有者は預金し、第三者からの支払いおよび振り替えを受け取り、第三者への支払いを実行し、当座貸越しを有し、信用を得るなどを実行することができる。ＦＴＡ契約は、電気通信事業者と加入者との間で契約され、使用条件を定義する。このような条件は、ＦＴＡの一般的使用条件、最低残高、信用または当座借越し限度、支払利息、預金から発生した利子、取引限度額、サービスおよび取引料金、課金条件、取引量による値引き、プライバシー、支払いの匿名性、信用の回収、信用のリロード、前払いなどを含むが、それに限定されない。

金融取引アカウントの開設は、各加入者が既に電気通信事業者のシステムによって、名前、住所、ＩＤカード番号、銀行口座番号などの一連の個人データで明白に識別されているので容易なプロセスである。
申し込みの結果、加入者は一意の移動電話番号を入手し、この移動電話番号は電話通信事業者の課金および会計システムにおいて加入者の電話口座と直接連結している。

本発明は、加入者の「移動電話番号」がその金融取引アカウントの識別にも使用されることを特徴とする。したがって、加入者は、第三者から自分のＦＴＡで直接支払い取引を受けるために自分の移動電話番号を述べるだけでよい。

本発明の代替実施形態では、電気通信事業者は、金融取引アカウントに特殊な番号（移動電話番号とは異なる）、すなわち「ＦＴＡ番号」を提供する。これは、加入者がある程度のプライバシーを守りたく、自分の移動電話番号をあまり多くの人に開示したくない場合、特に都合がよい。
したがって、金融取引サービスに登録したい加入者は、２つのアカウントを有する。一方は移動電話アクティビティがログされる電話アカウントであり、一方は預金および金融取引の決済専用の金融取引アカウントである。

本発明の代替実施形態では、電話アカウントおよび金融取引アカウントを１つのアカウントに統合する。これは、プリペイド電話のアカウントの場合特に有用である。これにより電気通信事業者は、プリペイド加入者に「デビットのみ」の金融取引サービス機能を提供することができる。
これで加入者は、自分の移動電話機および本明細書でさらに説明する方法を使用して、簡単な方法で金融取引を実行することができる。

本発明の代替実施形態では、加入者は、自分の移動電話機以外のモバイル機器を使用することができ、その機器としては、パーソナル・コンピュータ、ＰＤＡ、オーガナイザ、ポケット・コンピュータ、ディジタル・カメラ、または識別され、事業者の無線通信網に接続される機能を有する任意の他の電子機器を使用することができるが、それに限定されない。以下ではこれらの機器を「接続可能な電子デバイス」と呼ぶ。

本発明は、また、システムが以下の要素またはサブシステムで構成されることを特徴とする。
ソフトウェア・プラットフォーム：取引処理プラットフォーム（ＴＰＰ）
本発明は、このプラットフォームを電気通信事業者の既存のコンピュータで、または専用コンピュータで実行できることを特徴とする。これは事業者の無線システムのある重要な要素と接続し、それとインタフェースをとる。これは、加入者のデータベース、認証モジュール、種々のデータ・チャネル、課金システム、会計システム、インターネットなどであるが、これに限定されない。

このプラットフォームはシステムの心臓部であり、以下のような一連の機能を実行するが、それに限定されない。
・移動電話機からの取引注文をデータ・チャネルを通して受信し、解釈する。
・情報またはアカウント状態要求をデータ・チャネルを通して受信し、解釈する。
・取引を処理する（関連する信用およびデビットの操作を様々なアカウントで実行する）。
・取引を決済する。
・移動電話機との間でデータを送受信するため、適切なデータ・チャネルを選択する。
・取引通知、確認、または拒否を関連する当事者に送信する。
・ＦＴＡ状態を所有者に送信する。
・電気通信事業者と加入者との間で確立された商取引状態の結果として、ＦＴＡの状態およびパラメータを管理、更新、変更する。
・各ＦＴＡの条件に従って該当する当事者に対して取引料金を課金し、インボイスを送付し、処理する。
・ＦＴＡ明細書を確立する。
・アカウント台帳を確立し、会計処理する。
・ＦＴＡの所有者にオンライン・レポートを提供する。
・警告およびアドバイスを自動的に生成する。
・アカウント明細書、取引通知、会計レポートなどの印刷したレポートを生成し、送付する。

クライアント・ソフトウェア・プログラム：モバイル取引管理ソフトウェア（ＭＴＭＳ）
本発明は、クライアントのソフトウェアが移動電話機または接続可能な電子デバイスのメモリ、または加入者の識別モジュールのメモリ（ＧＳＭ用のＳＩＭカード、またはＣＤＭＡ用のＵＩＭカード、３Ｇ ＵＭＴＳ用のＵＳＩＭカードまたは同等品）に記憶され、移動電話機または接続可能な電子デバイスのマイクロプロセッサの一方によって、またはＳＩＭのマイクロコントローラによって、またはＳＩＭと移動電話機または接続可能な電子デバイスのプロセッサとの両方によって実行できることを特徴とする。

このクライアント・ソフトウェアによって、以下で説明する方法に従い移動電話機または接続可能な電子デバイスから金融取引を実行することができる。これにより、金融取引アカウントの状態および状況に関する情報を検索することもできる。そのために、以下のような一連の機能を実行するが、それに限定されない。

・加入者の行動を促すために、移動電話機または接続可能な電子デバイスの画面に体系的に情報を表示する。
・取引データ捕捉のために画面およびフィールドを生成する。
・パスワードの入力を促す。
・加入者を認証する。
・取引のデータ・ファイルを作成する。
・取引関連データ・ファイルを（必要に応じて）暗号化する。
・取引関連データ・ファイルのディジタル署名を生成する。
・移動電話機または接続可能な電子デバイスの機能、および取引データの特徴（サイズ、優先度など）に従って使用すべき最も適切なデータ・チャネルを検出する。
・選択したデータ・チャネルを通して取引データ・ファイルを取引処理プラットフォームに送信する。
・移動電話機または接続可能な電子デバイスのレベルで金融取引サービス・パラメータを管理する。
・移動電話機または接続可能な電子デバイスの金融取引サービスの起動または停止を管理する。
・取引関連データ・ファイルを受信し、解釈して、暗号化する。
・ディジタル署名を検証する。
・取引確認、取引の拒否、ＦＴＡの残高または状況、要求に対する返答、ＦＴＡパラメータの更新、クライアント・ソフトウェアの更新などを含むが、それに限定されない、ＴＰＰからのデータおよび情報を表示する。

本発明は、また、加入者が金融取引サービスに登録すると、このソフトウェアを移動電話機または接続可能な電子デバイスのメモリ、またはＳＩＭ（またはＵＩＭまたはＵＳＩＭ）のメモリにロードすることを特徴とする。これは通常、電気通信事業者の販売時点管理システム（ＰＯＳ）において、ＰＯＳと移動電話機または接続可能な電子デバイスとの間の適切な接続デバイスによって、またはＳＩＭ（またはＵＩＭまたはＵＳＩＭ）の場合は、ＰＯＳに接続したカード読み取り装置によって実行される。

本発明の別の実施形態では、このソフトウェアを移動電話機または接続可能な電子デバイスのメモリ、またはＳＩＭ（またはＵＩＭまたはＵＳＩＭ）のメモリに既にプレロードし、このような場合は、登録後にこのソフトウェアの使用を起動するだけでよい。これは、起動コードを手動で入力してＰＯＳにて直接実行するか、ＴＰＰから移動電話機にこのような起動カードを無線送信して実行される。

本発明の別の実施形態では、このソフトウェアをＴＰＰから移動電話機または接続可能な電子デバイスまたはＳＩＭ（またはＵＩＭまたはＵＳＩＭ）に直接、無線でダウンロードし、加入者が金融取引サービスに登録すると、自動的に起動する。

本発明は、ＭＴＭＳが、ＦＴＡ契約で言及された条件、さらにＦＴＡの現在の残高および／または信用限度を表すパラメータのファイルを含むか、管理することを特徴とする。
本発明は、また、ＭＴＭＳが取引データを、取引注文をＴＰＰに送信する前のそのパラメータと比較することを特徴とする。
このファイルは定期的に、特にＦＴＡのパラメータまたは残高に変化があった場合に更新することができる。

これが特に興味深いのは、ＭＴＭＳが、加入者により取引が生成されると、それに関して一連の有効性チェックを実行し、加入者が入力した取引データがＦＴＡの状態と適合しない場合は、加入者に変更を促すことができるからである。これは、無効な取引がＴＰＰに送信されるのを回避することにより、データ網およびＴＰＰへの負荷を削減するという利点も有する。

取引関連データおよび情報の送信
本発明は、金融取引に関連するデータ、およびＴＰＰと移動電話機または接続可能な電子デバイス間の情報の（いずれかの方向の）送信が、無線通信網に存在する１つまたはいくつかのタイプのデータ・チャネルを使用していることを特徴とする。
ディジタル無線電気通信システムでは、いくつかのデータ・チャネルが使用可能であり、今後はそれが増加する。説明および単純化のために、ＧＳＭの例を挙げる。ＧＳＭまたはＵＭＴＳシステムは、以下のようないくつかのデータ・チャネルを提供することができる。

ＵＳＳＤ：非構造化付加サービス・データ
ＨＳＣＳＤ：高速回線交換データ
ＳＭＳ：ショート・メッセージ・サービス
ＧＰＲＳ：汎用パケット無線システム
ＥＭＳ：エンハンスト・メッセージ・サービス
ＭＭＳ：マルチメディア・メッセージ・サービス

これらのデータ・チャネルは全て、異なる特徴、機能、利点および欠点を有する。また、移動電話機は、上記６つのチャネル全てを必ずしもサポートしていない。今日のところ、全てのＧＳＭ移動電話機はＵＳＳＤおよびＳＭＳをサポートする。一方、これより新しいか、今後の電話のみがＧＰＲＳ、ＥＭＳまたはＭＭＳをサポートする。

本発明は、ＴＰＰが取引関連データまたは情報を移動電話機または接続可能な電子デバイスに送信する必要があるたびに、使用すべき最も適切なデータ・チャネルを選択することを特徴とする。システムは、１つの取引に１つまたはいくつかのデータ・チャネルを使用することができ、データ・チャネルの選択は以下のようないくつかの考慮事項に依存するが、それに限定されない。

・移動電話機または接続可能な電子デバイスのタイプおよび機能
・移動電話機が「電源オン」か「電源オフ」か？
・時間
・データ・チャネルまたはネットワークの負荷
・移動電話機の実際の位置
・優先度
・データの量またはファイルのサイズ
・データが暗号化されているか否か

本発明は、また、移動電話機または接続可能な電子デバイスが取引データまたはデータ要求を送信する必要があるたびに、ＭＴＭＳが使用される最も適切なデータ・チャネルを選択することを特徴とする。データ・チャネルの選択は、以下のようないくつかの考慮事項に依存するが、それに限定されない。

・移動電話機または接続可能な電子デバイスのタイプおよび機能
・時間
・ＴＰＰからの命令
・データ・チャネルまたはネットワークの負荷
・優先度
・データの量またはファイルのサイズ
・データが暗号化されているか否か。

金融取引を実行する方法
本発明は、金融取引が加入者によって、上記ソフトウェア（ＭＴＭＳ）を正しくロードし、以下で説明するような方法に従う移動電話機または接続可能な電子デバイスで開始／実行されることを特徴とする。
金融取引の主なタイプは、一般的に支払い取引であり、このような取引は、多種多様な方法で実施し、実行することができる。本発明を理解するために、以下の説明はいくつかの方法のみに制限され、これは取引のシナリオと呼ばれ、おそらく最も頻繁に遭遇する状況を表す。

取引のシナリオ
各シナリオは、支払いをこのような支払いを受け取る受取人（Ａ）に送りたい支払人（Ｂ）を含む。場合によっては、「Ａ」が「Ｂ」に支払い要求を送信することにより、プロセスを開始する。
シナリオ１：支払人（Ｂ）が、「Ａ」からの介入なしに受取人（Ａ）のために支払いオーダー（ＰＯ）を生成する。
シナリオ２：受取人（Ａ）が支払い要求（ＰＲ）を生成し、支払人（Ｂ）に送信する。「Ｂ」はＰＲを受信し、受理した場合は「Ａ」のために支払いオーダー（ＰＯ）を生成する。

支払人と受取人との両方が同じ電気通信事業者でＦＴＡ契約に署名し、自分の金融取引アカウントを有しており、電気通信事業者から提供される金融取引サービスを活かすことができる。「Ａ」または「Ｂ」は、個人、店舗、または組織（会社、組合、クラブなど）でよい。

取引のプロセス
説明および単純化のため、以下のプロセスは、今日まで世界中で最も広く使用されているディジタル移動電話システムであるＧＳＭシステムを使用して説明する。

シナリオ１：簡単な支払いのシナリオ
支払人（Ｂ）が、移動電話機または接続可能な電子デバイスで、および金融取引サービスによってＸドルの金額を受取人（Ａ）に支払いたいと考える。「Ｂ」は「Ａ」を知っているか、その移動電話番号またはＦＴＡ番号によって「Ａ」を識別することができるので、「Ｂ」はＸドルの値の支払いオーダー（ＰＯ）を生成し、「Ａ」に送信する。
これは、親または親戚に送金したい人、または請求書（電気、電話、賃貸料など）に対して支払いたいと考える人、または上記のように寄付をしたい人の非常に一般的なシナリオである。

本発明は、移動電話機または接続可能な電子デバイスから直接、支払いオーダーを生成し、支払いオーダーを取引処理プラットフォームに送信して、ＴＰＰを処理させ、「Ａ」への支払いを実行し、「Ａ」および「Ｂ」へのこのような支払いの実行を確認する方法を特徴とする。方法はいくつかのステップに分解され、これを以下でさらに説明する。

本発明は、また、支払い取引を匿名で実行できることを特徴とする。この場合、受取人は、支払者が誰であるかを知らずに支払いを受け取る。このような可能性の利点は明白である。
本発明は、また、支払いの実行日および時刻を支払者が選択できることを特徴とする。

ステップ１：「Ｂ」が支払いオーダー（ＰＯ）を作成し、署名する
そのために「Ｂ」は送受器上でメニュー選択を通して金融取引機能を起動する。これは、ＧＳＭシステムのＳＩＭツール・キット（ＳＴＫ）メニューにより容易に可能になる。
送受器は画面を表示し、以下のデータを入力するよう「Ｂ」に促す。

受取人番号：「Ａ」の移動電話番号または「Ａ」のＦＴＡ番号（図３の１５８１２３４５６７８）
金額ドル：Ｘ（図３の１，２３８．８８）
匿名性：ＹまたはＮ（ＹＥＳまたはＮＯ）
優先度：（最優先レベル）
オブジェクト：（任意選択）
コメント：（任意選択）

「Ｂ」が必要なデータを全てキー入力したら、送受器のＹＥＳキーを押してＰＯの入力を終了する。次に、ＭＴＭＳは、以下のような一連のチェックを実行するが、それに限定されない。
・移動電話番号またはＦＴＡ番号のフォーマットをチェックする。
・支払うべき金額ＸをＦＴＡの残高および／または信用限度、および他のＦＴＡの契約パラメータと突き合わせてチェックする。

「Ｂ」が入力したデータがＭＴＭＳによって有効であると判明したら、送受器がＰＯに関するデータがある新しい画面を表示し、ＰＯ番号「ｗｘｙｚ」を加えて、「Ｂ」に検証、確認および署名を促す。
そうでない場合、ＭＴＭＳは警告を表示するか、「Ｂ」にＰＯ変更を要求する可聴メッセージを生成する。これは、例えば、ＦＴＡの契約で許可された限度額を上回るＸドルの金額などである。

検証／確認／署名は、「Ｂ」が秘密にしているパスワード（英数文字の列）のキー入力によって実行される。本発明の別の実施形態では、ＰＯの検証／確認／署名は、送受器または接続可能な電子デバイスの機能に依存する別の認証手段を使用してトリガされる。このような手段には以下のものがある。

・送受器に指紋センサが装備されている場合は指紋認識。
・送受器で音声認証アルゴリズムを実行できる場合は音声認証。
・送受器にディジタル・カメラが装備され、顔面認証のアルゴリズムがインストールされている場合は顔面認識。
・生物測定学的手段を使用しても使用しなくても、任意の他の認証方法も想定することができる。

検証／確認／署名を実行したら、「Ｂ」はもう何もしなくてもよい。

ステップ２：支払いオーダーをＴＰＰに送信する
本発明は、「Ｂ」が検証／確認／署名を実行すると、送受器のＭＴＭＳがＰＯのデータ、および検証された日付および時刻を有するデータ・ファイル（ＰＯＢ（ｘ，Ａ））を生成することを特徴とする。

本発明は、また、ＭＴＭＳが、送受器または接続可能な電子デバイスのメモリで使用可能な暗号アルゴリズムおよび秘密鍵を使用して、ＰＯＢ（ｘ，Ａ）のディジタル署名（ＤＳ（ＰＯＢ））を生成することを特徴とする。これは、電気通信網が移動電話機を認証するために使用するアルゴリズムおよび秘密鍵でよいか、金融取引専用のアルゴリズムおよびキーでよい。

本発明の別の実施形態では、電気通信事業者は公開鍵インフラストラクチャ（ＰＫＩ）を使用し、移動電話機または接続可能な電子デバイスのメモリ、またはＳＩＭのメモリに安全に記憶された秘密鍵および公開鍵を各ＦＴＡ加入者に提供する。公開鍵アルゴリズムは、ディジタル署名を生成し、取引データ・ファイルを暗号化し、同じファイルを暗号解読し、ディジタル署名を検証するなどの目的のためにＭＴＭＳおよびＴＰＰが使用する。

本発明の別の実施形態では、暗号アルゴリズムおよびキーはＳＩＭの安全なメモリに記憶され、ＳＩＭプロセッサがディジタル署名を生成および／または検証する。
ディジタル署名が生成されると、ＭＴＭＳは（すでに説明したように）最も適切なデータ・チャネルを選択し、選択したデータ・チャネルに従ってファイルをフォーマットして、データ・ファイル（ＰＯＢ（ｘ，Ａ））をディジタル署名ＤＳ（ＰＯＢ）とともにデータ・チャネルを通して取引処理プラットフォーム（ＴＰＰ）へと送信する。

本発明の別の実施形態では、ディジタル署名の生成に使用したものと同じアルゴリズムおよびキーを使用して、データ・ファイル（ＰＯＢ（ｘ，Ａ））を暗号化するか、ＰＫＩを使用する場合は、ＴＰＰの公開鍵を使用してデータ・ファイルを暗号化する。
データ・ファイル（ＰＯ_Ｂ（ｘ，Ａ））は、それと同時に、送受器のメモリまたはＳＩＭのメモリに記憶される。

ステップ３：ＴＰＰによる支払いオーダーの処理
ＴＰＰが、対応するディジタル署名ＤＳ（ＰＯＢ）を有するデータ・ファイルＰＯＢ（ｘ，Ａ）を受信すると、ＴＰＰは発信者を「Ｂ」であると検出することができる。
ＴＰＰは、ディジタル署名ＤＳ（ＰＯＢ）を（「Ｂ」によって生成され、ＰＯＢ（ｘ，Ａ）に適用されたものとして）検証し、これによりＰＯの実際の発信者として「Ｂ」を認証することができる。

ＴＰＰは、ＴＰＰ自身の内部クロックが生成したタイム・スタンプ（日付および時刻）を追加し、「Ｂ」が送信した支払いオーダーのデータを抽出する。
ＴＰＰは、肯定応答メッセージを「Ｂ」に戻し、その形態は「Ｂ」が選択した優先度によって決定される。以下は、送信され、送受器の画面に表示されるメッセージの例である。すなわち「あなたのＰＯ番号ｗｘｙｚを受信しました。実行結果を間もなくお送りします。ありがとうございました。」である。

データ・ファイルが暗号化されている場合、ＴＰＰが実現する最初の操作は、適切なアルゴリズムおよびキーでファイルを解読することである。
ＴＰＰは、取引を検証し、実行するために、一連のチェックを実行する。ＴＰＰは、移動電話番号またはＦＴＡ番号によって指定されている受取人「Ａ」が、実際にＦＴＡ加入者か否かを検証する。次に、ＴＰＰは、ＦＴＡ契約に含まれる「Ｂ」のＦＴＡパラメータの状態を、「Ａ」に支払うべき金額Ｘドルと突き合わせてチェックする（現在の残高、当座借り越し、信用限度、取引限度など）。

「Ａ」に代わって「Ｂ」が送信したＰＯに関してこのような有効性チェックを実行した後、ＴＰＰは取引を許可するか、拒否することができ、次の２つの状況が生じる。
−取引を許可する。
−取引を拒否する。

１−取引を許可する
本発明は、ＴＰＰが取引を処理し、以下の操作を遂行することを特徴とする。
ＴＰＰが、「Ｂ」のＦＴＡからＰＯの金額、すなわちＸドルを借方に記入する。
ＴＰＰが、「Ｂ」のＦＴＡからの取引料金（もしあれば）に対応する金額Ｙドル（図３の画面８の１．２４ドル）を借方に記入する。この取引料金は、電気通信事業者と「Ｂ」との間でＦＴＡ契約にて規定される。
ＴＰＰが、金額Ｘドルを「Ａ」のＦＴＡの貸方に記入する。
ＴＰＰが、「Ａ」のＦＴＡからの取引料金（もしあれば）に対応する金額Ｚドル（図４の画面１１の１．４８ドル）を借方に記入する。この取引料金は、ＦＴＡ契約において電気通信事業者と「Ａ」との間で規定されている。

このような借方および貸方への記入操作の後、各ＦＴＡの残高は以下のようになる。
「Ｂ」の場合→残高Ｂ２＝残高Ｂ１−Ｘ−Ｙ。
「Ａ」の場合→残高Ａ２＝残高Ａ１＋Ｘ−Ｚ。
ＴＰＰは、取引番号を生成して、この取引を識別する。
ＴＰＰは、電気通信事業者の取引料金口座の貸方にＹ＋Ｚを記入する。
本発明の別の実施形態では、取引手数料Ｙおよび／またはＺは、「Ｂ」および／または「Ａ」の個々の電話料金に課金される。

ステップ４：「Ｂ」に取引実行を確認する
本発明は、ＴＰＰが以下のデータを含む取引確認通知を「Ｂ」に対して生成することを特徴とする。
−取引番号（図３の画面６のＢ２１６６９）
−ＰＯ番号
−取引実行の日付および時刻（図３の画面６、７の２００２．０４．２８−１８：５８：４８）
−受取人：「Ａ」の移動電話番号またはＦＴＡ番号
−金額：Ｘドル
−取引料金：Ｙドル
−ＦＴＡの新しい残高：残高Ｂ２（図３の画面８の４，５１２．１２ドル）
−支払いの匿名性：ＹＥＳまたはＮＯ
−（Ｂが送信した）支払いの目的
−（Ｂが送信した）コメント

この取引確認通知に関するデータは、使用するデータ・チャネルに従いＴＰＰがフォーマットし、支払人「Ｂ」に送信される。
別の実施形態では、このデータは、関連するアルゴリズムおよびキーで暗号化し、「Ｂ」に送信される。
「Ｂ」は送受器または接続可能な電子デバイスの画面にこの通知を表示することができる。この通知は、送受器のメモリまたはＳＩＭのメモリにも記録され、これで支払いオーダーの記録が消去される。
送受器またはＳＩＭのメモリは、「Ｂ」が実行するいくつかの取引を記録できるような方法で構成される。これにより、「Ｂ」は、電気通信事業者が定期的に自分に提供する口座のステートメントの正確さをチェックすることができる。

ステップ５：「Ａ」に支払いアドバイスを送信する
本発明は、ＴＰＰが以下のデータを有する支払いアドバイスを「Ａ」に対して生成することを特徴とする。
−取引番号
−取引の日付および時刻
−受領金額：Ｘドル
−取引料金：Ｚドル
−ＦＴＡの新しい残高：残高Ａ２（図４の画面１１の１１，２３６．４０ドル）
−支払人「Ｂ」の移動電話番号またはＦＴＡ番号または（匿名の場合）開示しない
−目的：（「Ｂ」が送信した通り）
−コメント：（「Ｂ」の送信した通り）

ＴＰＰは最初に、「Ａ」に警告を送信し、支払いの受領を「Ａ」に知らせる。以下は警告の例である。すなわち「ＦＴＡにＸドルの支払いを受けました。支払いアドバイスの取引の詳細をご覧ください。」である。
この支払いアドバイスに関するデータは、使用するデータ・チャネルに従いＴＰＰがフォーマットし、受取人「Ａ」に送信される。

別の実施形態では、このデータは、関連するアルゴリズムおよびキーで暗号化し、「Ａ」に送信して、「Ａ」の送受話器のＭＴＭＳで相互に解読される。
「Ａ」は、送受器の画面にこの通知を表示することができる。この通知は、送受器またはＳＩＭのメモリにも記録される。
送受器またはＳＩＭのメモリは、「Ａ」が受領したいくつかの取引を記録できるよう構成される。これによって、「Ａ」は、電気通信事業者が定期的に自分に提供する口座のステートメントの正確さをチェックすることができる。

ステップ６：取引をＴＰＰに記録する
本発明は、ＴＰＰが取引、全ての取引の詳細（取引番号、「Ｂ」からＰＯを受信した日付および時刻、ＰＯ番号、取引実行の日付および時刻、支払人（Ｂ）の移動電話番号またはＦＴＡ番号、受取人（Ａ）の移動電話番号またはＦＴＡ番号、支払い金額Ｘドル、支払いが匿名か否か、優先度、（Ｂが送信した）支払いの目的、（Ｂが送信した）コメント、「Ｂ」に対する取引料金Ｙドル、「Ａ」に対する取引料金Ｚドル、「Ｂ」に対する確認の日付および時刻、および使用するデータ・チャネル、「Ａ」に対する確認の日付および時刻および使用するデータ・チャネル、ディジタル署名）をログに記録することを特徴とする。
このログは、全ての金融取引アカウントの管理のため、および会計目的に特に有用である。

２−取引を拒否する
本発明は、ＴＰＰが最も高速のデータ・チャネルで即座に「Ｂ」に警告を送信し、その支払いオーダー番号ｗｘｙｚが拒否されたこと、および拒否の理由を通知することを特徴とする。警告は、支払人（Ｂ）の送受器に表示される。
一例として、このような警告は以下の形態をとることができる。すなわち「金額ＸドルのＰＯ番号ｗｘｙｚは拒否されました。理由：当座貸し越しが許可された限度を超えています。ＦＴＡアドバイザにご連絡ください。」である。
「Ｂ」と「Ａ」の金融取引アカウントの借方にも貸方にも記入はなく、「Ａ」にアドバイスは送信されない。
「Ｂ」の送受器のメモリまたはＳＩＭのメモリに記録されたＰＯを、「拒否：日付および時刻」に言及して更新する。
ＰＯの詳細は、拒否された取引のログに登録される。

シナリオ２：受取人からの予備要求での支払い
このシナリオでは、受取人（Ａ）がＴＰＰを介して支払人（Ｂ）に支払い要求（ＰＲ）をアドレス指定する。
これは、例えば、小売店で生じ、ここでは店主がＦＴＡで直接支払いを受領することに関心がある。
これが、「Ｂ」が以前に移動電話番号またはＦＴＡ番号を何らかの手段で「Ａ」に与えていたことを想定していることは明白である。
支払い要求を生成するには、「Ａ」は移動電話機上でメニュー選択して適切な機能を起動する。これは、一般的に、ＧＳＭシステムのＳＩＭツール・キット（ＳＴＫ）メニューにより可能になる。

送受器は画面を表示し、「Ａ」に以下のデータの入力を促す。
支払人番号：「Ｂ」の移動電話番号または「Ｂ」のＦＴＡ番号
金額ドル：Ｘ
ＰＲ番号：ａｂｃｄｅ
目的：（任意選択）
コメント：（任意選択）

ＰＲの入力が終了すると、「Ａ」は送信命令を起動する。「Ａ」の送受器のＭＴＭＳが最も適切なデータ・チャネルを選択し、このデータ・チャネルに合わせてフォーマットしたファイルを生成し、ファイルをＴＰＰに送信する。このファイルを受信すると、ＴＰＰは、これが「Ａ」によって「Ｂ」を宛先に送信された支払い要求であることを認識する。ＴＰＰは、このような潜在的取引が許可されるか否かを決定するために予備検証を実行し、「Ｂ」に警告を送信する。

取引が許可されると、この警告はＰＲに関する全てのデータ、および対応する支払いオーダーが許可できるという記載を含む。次に、警告は適切なデータ・チャネルを通して「Ｂ」に送信され、「Ｂ」の送受器に表示される。

一例として、この警告は以下の形式を有することができる。
支払い要求：
発信者：「Ａ」の移動電話番号または「Ａ」のＦＴＡ番号
金額：Ｘドル
ＰＲ番号：ａｂｃｄｅ
目的：「テキスト・・・」
コメント：「テキスト・・・」

この取引を許可することができます。支払いたい場合はＹＥＳを押してください。
「ＹＥＳ」を押すことにより、「Ｂ」はシナリオ１で前述したように検証／確認／署名するため、自動的に送受器または接続可能な電子デバイス上で十分に準備が整った支払いオーダーを入手する。次に、シナリオ１で説明した通りにプロセスが続行される。

取引を許可できない場合は、「Ｂ」と「Ａ」との両方に警告が即座に送信され、「Ａ」が送信したＰＲに対応する支払い取引が許可されないことを述べる。
一例として、警告は以下の形式を有することができる。
「Ａ」への警告：「申し訳ありませんが、「Ｂ」様へのＰＲ第ａｂｃｄｅ号に関する取引は許可されません！」
「Ｂ」への警告：「「Ａ」様からＸドルのＰＲ第ａｂｃｄｅ号を受信しました。この取引は許可されません。理由：ＦＴＡの残高が十分ではありません。」

この方法は、支払人および受取人の両方にとっていくつかの利点を有する。
これにより、受取人はＴＰＰから即座にフィードバックを受け取り、支払人が実際に要求金額を支払えるか知ることができる。
支払人にとっても非常に都合がよい。ＰＲから受信したデータで、ＰＯを自動的に生成できるからである。したがって、支払人は、データを入力する時間を費やしてＰＯを作成する必要がなく、検証／確認／署名するだけである。

本発明の別の実施形態では、支払い要求（ＰＲ）は、ＴＰＰを通して通過することなく、メッセージング・サービス（ＳＭＳ、ＥＭＳ、ＭＭＳなど）を通して「Ａ」から「Ｂ」へと直接送信することができる。この場合、ＴＰＰによって予備検証を作成することができず、警告を送信することもできない。
この場合、「Ａ」はＭＴＭＳの対応する機能を使用して、特殊構造のメッセージを生成する。

メッセージの一形式は以下の通りである。
毎度ありがとうございます。「Ｘドル」をお支払いください。
宛先：「Ａ」の移動電話番号またはＦＴＡ番号
ＰＲ番号：ａｂｃｄｅ
表題：「目的」
コメント：「テキスト（もしあれば）」

このメッセージは「Ｂ」に直接送信される。
受信すると、このようなメッセージは「Ｂ」の送受器のＭＴＭＳによって支払い要求として認識され、「Ｂ」からの簡単かつ迅速な返答を可能にするような方法で表示される。
「Ｂ」は、「Ａ」のために対応する支払いオーダーの生成を開始するため、送受器のＹＥＳまたはＮＯキーを押すだけである。
「Ｂ」が受諾した場合、「Ｂ」はシナリオ１と全く同じ方法で支払いオーダーを生成することができるが、この場合、「Ｂ」は支払いオーダーの生成に必要な全データをキー入力する必要がない。「Ａ」から送信された支払い要求を含むメッセージから、それを検索できるからである。

他の取引のシナリオ
本発明を例示し、よく理解できるよう、２つの主な取引シナリオについて詳細に説明してきた。本発明は、以下を含むがそれに限定されない他の取引シナリオを実施できることを特徴とする。

−異なる支払い、取引のシナリオ：これはシナリオ１と同様であるが、実際の支払い（すなわち借方および貸方の記入操作）は支払いオーダーより後の日付で実行される。この場合、支払人はＰＯに、支払いが行われるべき実行日を追加する。これは、日付を固定した請求書（電気料金、アパートの賃借料、電話料金など）の支払いにとって興味深いものになる。
−支払い要求とは異なる支払いの取引のシナリオ：これはシナリオ２と同様であるが、上記のように支払いが異なる。
−条件付きの支払い、取引のシナリオ：これは一般に、条件の組に適合した場合に支払いが実際に実行される異なる支払いのシナリオである。条件は、「Ａ」および／または「Ｂ」または第三者「Ｃ」によって満たされる。これは、商品またはサービスがきちんと配送された時点でまたは後でのみ支払人が支払いに合意するという状況で魅力的になり得る。

これは以下の例で説明することができる。
「Ｂ」が「Ａ」から書籍を購入する。書籍は郵送で配送され、「Ｂ」は書籍の受領後のみ支払いに合意する。したがって支払い条件は、郵便局（Ｃ）による配達の確認である。この場合、「Ａ」は「Ｂ」が受け入れるＰＲを発行し、後者はシナリオ２で説明したのと同じように対応するＰＯを発行する。しかし、支払いは、書籍の受領確認後のみＴＰＰによって実行される。配達した場合、「Ｃ」は以下のデータを含む配達確認通知（ＤＣＮ）をＴＰＰに送信する。

ＤＣＮ番号：１２３４５６
差出人：「Ａ」の移動電話番号またはＦＴＡ番号
ＰＲ番号：ａｂｃｄｅ
受取人：「Ｂ」の移動電話番号または「Ｂ」のＦＴＡ番号
商品受け取り：日付および時刻

受信すると、ＴＰＰはこのＤＣＮを「Ｂ」に送信する。「Ｂ」はこの通知を受信し、これを送受器または接続可能な電子デバイスに表示することができ、受諾する場合は、ＰＯを実行する場合と同じ方法でパスワードをキー入力することにより、検証／確認／署名を表示する。これは、ＤＣＮのディジタル署名を生成する効果を有する。ＤＣＮはディジタル署名とともに、「Ｂ」によってＴＰＰに送り戻される。ＴＰＰは、受信すると「Ｃ」および「Ａ」にメッセージを送信し、「Ｂ」による書籍の受領および受諾に関して知らせ、「Ａ」のために支払いを実行する。

特殊なラインとアカウント
電気通信事業者から提供される金融取引サービスを通した支払いの可能性を顧客に提供することに関心がある店主または店のオーナーは、実際には音声呼び出しに使用されない１つまたはいくつかの移動電話加入者および関連する金融取引アカウントに支払いたいとは考えない。

本発明は、電気通信事業者が、音声機能を非活動化して、データ・チャネルのみが使用可能である移動電話ラインを提供することを特徴とする。この移動電話ラインには、データ専用ラインである、または金融取引のみのラインでさえあるということを人々が明瞭に認識できる番号を与えることもできる。例えば、中国では、移動電話番号は往々にして、１３９、１３８などの３つの識別数字で始まる。「データ専用」移動電話番号は、８３９、８３８などの上位３桁を与えることができる。

一般的に店舗のＰＯＳは、支払い（主な機能である）を受け取るのみで、支払う必要は滅多に、または全くない。商店主にとって、ＰＯＳ端末に関連する金融取引アカウントは、支払いを受け取るのみで、支払うことができないような方法で構成すると非常に都合がよいことがある。

本発明は、電気通信事業者が特定の金融取引アカウントの可能性を、第三者からの支払い受け取りのみで、第三者に支払いを発行しないなどに制限するが、それに限定されないことを特徴とする。
このように本発明を説明してきたが、同じ方法が多くの方法で変えることができることが明白である。このような変更は、本発明の範囲からの逸脱とは見なされず、当業者にとって明白なこのような変形は、特許請求の範囲に含まれるものとする。

システムの概要、および取引処理プラットフォームを無線通信網に接続し、電気通信事業者のサブシステムとインタフェースをとる方法を示す図である。 本明細書に詳細に説明する取引シナリオ１のフローチャートを示し、種々のステップを表す。右側のアイコンは、タスクを実行する場所、すなわち移動電話、ＴＰＰを示す。 図２で言及した支払人の移動電話機の種々の画面表示を示す。 図２で言及した受取人の移動電話機の種々の画面表示を示す。

Claims (58)

1. 無線電気通信事業者の加入者が、移動電話機または無線通信網に接続することができる電子デバイスで金融取引を実行できるようにするシステムであって、
   加入者が、電気通信事業者によって開設され、管理された１つまたはいくつかの金融取引アカウントを有し、これが預金を受け取ることができ、これで借方および貸方の記入操作を実行することができ、
   −取引処理プラットフォームを備え、これは、ソフトウェア・システムが電気通信事業者の既存のコンピュータまたは専用のコンピュータ上で実行し、
   少なくとも加入者のデータベース、無線通信網または無線通信網のあるデータ・チャネル、会計システム、および電気通信事業者のインフラストラクチャの他の異なる要素とインタフェースをとり、
   例えば、借方の記入、貸方の記入、取引の確認、預金取引明細書の作成、報告など、金融取引関連の動作および操作を管理し、
   無線通信網を通して移動電話機または接続可能な電子デバイスとの間で取引関連データまたは他の情報を送信し、さらに、
   −移動電話機、または無線通信網に接続可能な電子デバイス、または移動電話機または接続可能な電子デバイスに挿入される加入者識別モジュール（ＧＳＭ用のＳＩＭ、またはＣＤＭＡ用のＵＩＭ、またはＵＭＴＳ、ＷＣＤＭＡ用のＵＳＩＭ、または同等物など）で実行できるクライアント・ソフトウェア・プログラムを備え、
   クライアント・ソフトウェアの機能が、
   パスワードの入力または他の手段によって加入者を認証できるようにすることと、
   金融取引関連データの捕捉または検証および表示を可能にすることと、
   無線通信網またはこのようなネットワークのある特定のデータ・チャネルを通して、金融取引関連データまたは金融取引アカウント情報を送受信できるようにすることと、を含むことを特徴とするシステム。
2. 前記金融取引アカウントの各々が１つの無線電話ラインに関連することを特徴とする、請求項１に記載のシステム。
3. 前記金融取引アカウント番号が前記移動電話機の番号と同じであることを特徴とする、請求項１または２に記載のシステム。
4. 前記金融取引アカウント番号が前記移動電話機の番号と異なることを特徴とする、請求項１または２に記載のシステム。
5. 前記金融取引アカウントの使用条件が、事前に加入者と電気通信事業者との間で指定されている（金融取引サービス契約）ことを特徴とする、請求項１乃至４のいずれか１項に記載のシステム。
6. 前記金融取引アカウントが、支払いの受領に制限され、支払いを発行しないことを特徴とする、請求項５に記載のシステム。
7. 金融取引アカウントに関連する前記無線電話ラインが、音声通信機能を非活動化され、データ・チャネルのみを維持することを特徴とする、請求項１乃至６のいずれか１項に記載のシステム。
8. 金融取引アカウントが、移動電話加入アカウントとともに１つのアカウントに統合されることを特徴とする、請求項３に記載のシステム。
9. 前記クライアント・ソフトウェアが、加入者の移動電話機または接続可能な電子デバイスのメモリに予めロードされているか、予め存在することを特徴とする、請求項１乃至８のいずれか１項に記載のシステム。
10. 加入者が金融取引アカウントを開設すると、前記クライアント・ソフトウェアが、このような加入者の移動電話機または接続可能な電子デバイスのメモリにロードされることを特徴とする、請求項１乃至９のいずれか１項に記載のシステム。
11. 前記クライアント・ソフトウェアが前記加入者識別モジュールのメモリに予めロードされていることを特徴とする、請求項１乃至８のいずれか１項に記載のシステム。
12. 加入者が金融取引アカウントを開設すると、前記クライアント・ソフトウェアが、前記加入者識別モジュールのメモリにロードされることを特徴とする、請求項１乃至８のいずれか１項に記載のシステム。
13. 前記クライアント・ソフトウェアが前記無線通信網を通して無線でロードされることを特徴とする、請求項１０または１２に記載のシステム。
14. 加入者が金融取引アカウントを開設すると、前記クライアント・ソフトウェアが起動されるか、または使用可能にされることを特徴とする、請求項９乃至１３のいずれか１項に記載のシステム。
15. 前記クライアント・ソフトウェアの起動が特定コードの入力によって実現されることを特徴とする、請求項１４に記載のシステム。
16. 前記クライアント・ソフトウェアを起動する前記特定コードが、前記無線通信網を通して無線で送信されることを特徴とする、請求項１５に記載のシステム。
17. 前記クライアント・ソフトウェアが、前記加入者の移動電話機または接続可能な電子デバイスのマイクロプロセッサによって実行可能であることを特徴とする、請求項９乃至１６のいずれか１項に記載のシステム。
18. 前記クライアント・ソフトウェアが、前記加入者識別モジュールのマイクロプロセッサによって実行可能であることを特徴とする、請求項９乃至１６のいずれか１項に記載のシステム。
19. 前記クライアント・ソフトウェアが、一部は前記加入者の移動電話機または接続可能な電子デバイスのマイクロプロセッサで、一部は前記加入者識別モジュールのマイクロプロセッサで実行可能であることを特徴とする、請求項９乃至１６のいずれか１項に記載のシステム。
20. 前記クライアント・ソフトウェアが、加入者固有の暗号キーを使用して、暗号アルゴリズムおよび／またはディジタル署名アルゴリズムを含むか、または起動可能であることを特徴とする、請求項１７乃至１９のいずれかに記載のシステム。
21. 前記クライアント・ソフトウェアのために、暗号／解読関連の操作またはディジタル署名の生成／検証が前記加入者識別モジュールのマイクロプロセッサによって実行されることを特徴とする、請求項１７または２０に記載のシステム。
22. 加入者の暗号化キーが、前記加入者および加入者の金融取引アカウントに固有であることを特徴とする、請求項２０に記載のシステム。
23. 前記クライアント・ソフトウェアが、前記加入者の移動電話機または接続可能な電子デバイスまたは前記加入者識別モジュールのメモリに記憶され、前記加入者の金融取引アカウントの使用条件に連結されたパラメータを含むデータ・ファイルを生成するか、読み取るか、または更新することが可能であることを特徴とする、請求項１７乃至１９のいずれかに記載のシステム。
24. 前記データ・ファイルが、以下の前記加入者の金融取引アカウント・データ、すなわち現在の残高、信用限度、借方記入操作の最低金額、借方記入操作の最高金額のうちの少なくとも１つを備えることを特徴とする、請求項２３に記載のシステム。
25. 移動電話機または接続可能な電子デバイス上で金融取引オーダーを作成するか、検証し、これを無線通信網を通して取引処理プラットフォームに送信するために、請求項１乃至２４のいずれか１項に記載のシステムで加入者が使用する方法であって、
    少なくとも受益者（受取人）番号と金額とを有する取引データを捕捉することと、
    パスワードを入力するか、または別の加入者認証手段を使用することにより取引データを検証することと、
    無線通信網を通して取引データを送信することと、を含む方法。
26. 前記取引データが受益者（受取人）から受信されることを特徴とする、請求項２５に記載の方法。
27. 前記取引データの捕捉が口頭で実行されることを特徴とする、請求項２５に記載の方法。
28. 前記検証が、前記移動電話機または接続可能な電子デバイス上の加入者の指紋認証機構によって実行されることを特徴とする、請求項２５乃至２７のいずれか１項に記載の方法。
29. 前記検証が、加入者の音声認証機構によって実行されることを特徴とする、請求項２５乃至２７のいずれか１項に記載の方法。
30. 前記検証が、加入者の顔面認証機構によって実行されることを特徴とする、請求項２５乃至２７のいずれか１項に記載の方法。
31. 前記加入者が優先度レベルを指定することを特徴とする、請求項２５乃至３０のいずれか１項に記載の方法。
32. 前記加入者が匿名のままでいることを指定することを特徴とする、請求項２５乃至３１のいずれか１項に記載の方法。
33. 前記加入者が、前記取引の実行日および実行時刻を指定することを特徴とする、請求項２５乃至３２のいずれか１項に記載の方法。
34. 前記加入者が、前記取引の実際の実行のために満たすべき条件を指定することを特徴とする、請求項２５乃至３３のいずれか１項に記載の方法。
35. 前記検証が、前記取引データのディジタル署名の生成をトリガすることを特徴とする、請求項２５乃至３４のいずれか１項に記載の方法。
36. 前記検証が、前記取引データの暗号化をトリガすることを特徴とする、請求項２５乃至３５のいずれか１項に記載の方法。
37. 無線通信網上で前記取引データを送信する１つのデータ・チャネルが、いくつかの使用可能なチャネルから選択されることを特徴とする、請求項２５乃至３６のいずれか１項に記載の方法。
38. 前記取引データを送信するためのデータ・チャネルの選択が、以下のパラメータ、すなわち移動電話機または接続可能な電子デバイスのタイプおよび機能、現在の日付および時刻、取引処理プラットフォームからの命令、データ・チャネルまたはネットワーク負荷、優先度レベル、取引データの量、前記データが暗号化されているか否かのうちの少なくとも１つを考慮することによって実現されることを特徴とする、請求項３７に記載の方法。
39. 前記クライアント・ソフトウェアが、請求項２５乃至３８のいずれかに記載の方法を実現できることを特徴とする、請求項１７乃至１９のいずれか１項に記載のシステム。
40. 前記クライアント・ソフトウェアが、請求項２４に記載のファイルに含まれるパラメータと前記取引データを比較し、前記取引が許可されるか否かを決定することを特徴とする、請求項３９に記載のシステム。
41. 前記クライアント・ソフトウェアが取引番号を生成し、前記取引データに前記番号、および検証の日付および時刻を追加することを特徴とする、請求項３９または４０に記載のシステム。
42. 前記クライアント・ソフトウェアが、前記取引データを送信するために選択したデータ・チャネルに従ってこのような取引データをフォーマットすることを特徴とする、請求項３９乃至４１のいずれか１項に記載のシステム。
43. 前記クライアント・ソフトウェアが、暗号化した形式の前記取引データを前記ディジタル署名とともに前記取引処理プラットフォームに送信することを特徴とする、請求項３９乃至４２のいずれか１項に記載のシステム。
44. 金融取引アカウント所有者（支払人）が別の金融取引アカウント所有者（受取人）のために取引処理プラットフォーム上で発行する金融取引を処理するために請求項１乃至２４のいずれか１項、および請求項３９乃至４３のいずれか１項に記載のシステムで使用する方法であって、
    請求項２５乃至４３のいずれか１項により支払人の移動電話機または接続可能な電子デバイスから検証および送信された取引オーダー・データを無線通信網を通して受信することと、
    このようなデータを分析し、支払人の金融取引アカウント状況、および使用条件と比較することと、
    取引を許可できるか、または拒否できるかを決定することと、
    取引を許可または拒否することと、
    取引を実行し（許可された場合）、支払人のＦＴＡで取引金額を借方に記入し、受取人のＦＴＡで取引金額を貸方に記入すること、
    あるいは取引を拒否して、拒否通知を支払人に送信することと、
    取引の詳細を取引ログに記録することと、を含む方法。
45. 取引手数料を、前記支払人および／または受取人の金融取引アカウントから借方記入することを特徴とする、請求項４４に記載の方法。
46. 取引手数料を、前記支払人および／または受取人の電話料金に課金することを特徴とする、請求項４４に記載の方法。
47. 前記無線通信網を通して前記支払人に前記取引実行の確認を送信することを特徴とする、請求項４４乃至４６のいずれか１項に記載の方法。
48. 前記無線通信網またはインターネットを通して前記受取人に取引アドバイスを送信することを特徴とする、請求項４４乃至４７のいずれか１項に記載の方法。
49. 取引オーダーを受信すると、前記取引データにタイム・スタンプを追加することを特徴とする、請求項４４乃至４８のいずれか１項に記載の方法。
50. 取引オーダーを実行すると、取引データにタイム・スタンプを追加することを特徴とする、請求項４４乃至４９のいずれか１項に記載の方法。
51. 実行される各取引に一意の番号を割り当てることを特徴とする、請求項４４乃至５０のいずれか１項に記載の方法。
52. 適切なキーを使用して、前記取引オーダー・データを解読するか、または添付された前記ディジタル署名を検証するか、あるいはその両方を実行することを特徴とする、請求項４４乃至５１のいずれか１項に記載の方法。
53. 前記取引処理プラットフォームから前記金融取引アカウント所有者に送信されるデータの一部が暗号化されるか、ディジタル署名される、あるいはその両方であることを特徴とする、請求項４４乃至５２のいずれか１項に記載の方法。
54. 暗号化／解読、および／またはディジタル署名の生成／検証が公開鍵インフラストラクチャを使用することを特徴とする、請求項３５および３６のいずれか１項、および請求項５２および５３のいずれか１項に記載の方法。
55. 前記ソフトウェア・システムが、請求項４４または請求項４５乃至５４のいずれか１項に記載の方法を実現できることを特徴とする、請求項１乃至２４のいずれか１項および請求項３９乃至４３のいずれか１項に記載のシステム。
56. 前記ソフトウェア・システムが、取引関連データまたはアカウント情報を前記金融取引アカウント所有者に送信するために、前記無線通信網の最も適切なデータ・チャネルを選択することを特徴とする、請求項５５に記載のシステム。
57. 前記データ・チャネルの選択プロセスが、以下のパラメータ、すなわち前記移動電話機または接続可能な電子デバイスのタイプおよび機能、前記移動電話機または接続可能な電子デバイスの実際の位置、現在の日付および時刻、データ・チャネルまたはネットワークの負荷、優先度レベル、取引データの量、前記データが暗号化されているか否かのうちの少なくとも１つを考慮することを特徴とする、請求項５６に記載のシステム。
58. 前記ソフトウェア・システムが、前記無線通信網を通して前記移動電話機または接続可能な電子デバイスに非活動化命令を送信することにより、前記クライアント・ソフトウェアを非活動化できることを特徴とする、請求項１または請求項９乃至２３のいずれか１項に記載のシステム。

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