JP2005522692A - 分析物センサー - Google Patents

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Abstract

本発明は、標的化された分析物を潜在的に含有する試料の導入に適合した第一の区画と、バリア(B1)によって第一の区画(S1)から分離された第二の区画(S2)とを含む分析物センサーに関し、分析物は第一の区画中の成分、またはバリアと関連付けられたポリペプチド(PP)と相互作用し、その結果、種のバリアを横切っての輸送が起こり、輸送される種またはその誘導体は検出器によって検出され、それにより、分析物の存在を示す。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする、2002年4月5日に出願された仮出願第60/370,500号に基づく米国特許法題19条(e)の優先権を主張する。
分析物センサー(analyte sensor)は広い範囲の適応で有用である。医療および医薬分野では、それは臨床診断および新しい薬物の発見で使用することができる。また、分析物センサーはバイオテロリズム日物質または毒性化学物質の放出を検出するのに用いる場合、個人の安全および国家の維持で役割を演じることができる。分析物センサーは、暴露を早期に警告することによって、特に労働者を毒性化学物質に暴露することから保護する産業背景で用いることができる。
効果的であるべき分析物センサーでは、それはある程度の感度および特異性を有し、分析物の特定の種(species)またはクラスを検出しなければならない。好ましくは、センサーは広い範囲の環境、安定な、例えば、長時間継続するセンサー能力の提供、安価で、例えば、好ましくは再使用可能であり、ポータブルであることに適合すべきである。これらの特徴の1以上における改良は、従って、望ましい。本発明の目的は、従来の分析物センサーの所望の特徴を取り込み、またはそれを改良する分析物センサーの新規な配置を提供することにある。
本発明は、デュアル・チャンバーおよびマルチ・チャンバーの分析物チャンバーに関し、ここに、分析物または分析物誘導体種は、チャンバーを分離するバリアを横切って輸送されて、分析物の検出を行う。
1つの実施形態において、分析物は第一の区画に導入され、バリアは第一の区画を第二の区画から分離する。加えて、第一の区画は分析物と相互作用させるための少なくとも1つの成分を含み、その結果、バリアを横切って種が輸送される。本発明の目的では、輸送される種は、例えば、電子、プロトン、原子、分子、またはアニオン、カチオンまたは特定の原子価のイオンを含めたイオンであり得る。輸送される種または輸送される種の誘導体は検出され、従って、分析物の存在を示す。
もう1つの実施形態において、バリアは合成ポリマーの少なくとも1つの層を含み、該層は比較的プロトンを透過するが、バリアを横切ってのプロトンの輸送に関与することができる。
さらにもう1つの実施形態において、バリアはポリペプチドに関連付けられた生物学的膜を含み、ここに、該ポリペプチドは、分析物または分析物の誘導体との相互作用に際してバリアを横切っての種の輸送に関与することができる。輸送される種または輸送される種の誘導体は検出され、従って、分析物の存在を示す。好ましくは、この実施形態の検出器は(i)膜に付着していないか、あるいは(ii)50nm以上だけ膜から分離されているのいずれかである。
分析物およびポリペプチドおよび/または輸送される種および検出器の相互作用を容易とするために、さらなる成分をチャンバーの1以上に供することができる。
特に好ましい実施形態においては、バリアは合成ポリマーの少なくとも1つの層を有する生体適合性膜を含み、該膜は少なくとも1つのポリペプチドに関連付けられている。該ポリペプチドは、分析物または分析物の誘導体との相互作用に際してバリアを横切っての種の輸送に関与することができる。輸送される種または輸送される種の誘導体が検出され、それにより、分析物の存在を検出する。
もう1つの好ましい実施形態において、合成ポリマーは少なくとも1つのブロックコポリマーおよび少なくとも1つの非ブロックポリマーまたはコポリマーを含み、該ポリペプチドはバリアを横切ってプロトンを輸送することができる。
さらに、分析物およびポリペプチドおよび/または輸送される種および検出器の相互作用を容易とするために、さらなる成分をチャンバーの1以上に供することができる。
さらにもう1つの実施形態において、バリアはプロトン不透過性であり、好ましい態様においては、実質的にプロトン不透過性であるが、バリアを横切ってのプロトンの輸送に関与することができる合成ポリマー材料の少なくとも1つの層を含む。バリアを横切って輸送されたプロトンが検出され、それにより、分析物の存在を検出する。
特に好ましい検出器は電流を検出するのに適合している。しかしながら、他のタイプの検出器が考えられる。
もう1つの実施形態において、検出デバイスは分析物センサーを含み、さらに、分析すべき試料を少なくとも2つの試料成分に分離するのに適合した分離モジュールを含む。移動エレメントは、分離された成分の少なくとも1つを分析物センサーの第一の区画まで移動させて、分析物の存在を検出するのに適合する。試料は多数の分離を受けることができ、これは1を超えるタイプの分離デバイスを含むことができる。
もう1つの実施形態は分析物センサーのアレイを含む。該アレイは1を超える分析物センサーを含み、異なる分析物を検出するのに適合している。別法として、アレイは同一分析物を検出するために種々のセンサーおよび/または検出器を使用することができる。
本発明のさらにもう1つの実施形態は、本発明の種々の分析物センサーを用いて1以上の分析物の存在を検出する方法に関する。
一般に、分析物センサーは少なくとも1つの化学物質または生物学的物質を検出するためのデバイスであるか、該デバイスの一部である。そのようなデバイスはそれが作用する試料を受領して、物質の存在および/またはそのような物質の量を示す応答を供するのに適合している。別法として、デバイスまたはセンサーは、それについて物質の検出が望まれる試料中に入れることができる。さらに、センサーまたはデバイスは少なくとも1つのセンサーを含むことができるが、1以上のセンサー、またはセンサーのアレイを含んで、1を超える物質を同定または測定することもできる。
図1A〜Cは、電流の検出に基づく検出器を有する分析物センサーの1つの実施形態を示す。分析物検出器は第一の電極E1、第二の電極E2、およびバリアB1を含み、該バリア−B1は、それを横切って膜M1が配置される開口を有する。1つの態様に置いて、膜M1はポリマー含有生体適合性膜、プロトン・トンネリング膜(「PTM」)またはその組合せである。バリアB1および膜M1は第一の区画または側面S1および第二の区画または側面S2を分離する。第二の電極E2は、電極E1のための対電極を供する1つの方法を提供する。
膜M1は、ある区画からほかの区画への膜を横切っての種の輸送に関与することができる1以上のポリペプチドまたはポリペプチド複合体PPを取り込んでも取り込まなくてもよい。図1Cは、図1Aに示された膜M1のその部分の拡大図である。膜貫通ポリペプチドPPは、側面S1およびS2双方に暴露された部分を有する、該膜の全体にわたる膜1と関連付けられて描かれる。この構成を膜貫通ポリペプチドという。模式的ポリペプチドPPは膜貫通ポリペプチドとして示されるが、本発明では他の膜会合も考えられることは認識されるであろう。膜に埋められた、または該膜と関連付けられているが、膜貫通ポリペプチドでもなくてもよい一体的ポリペプチドも考えられる。膜の表面の種々の構造と、またはポリペプチド複合体の形成における一体的タンパク質との会合を有する周辺ポリペプチドも考えられる。1つの好ましい実施形態において、主として側面S1において、分析物または分析物誘導体と相互作用するポリペプチドの表面を有する、すなわち、側面S1で分析物または分析物誘導体と相互作用するように配置されたポリペプチドの活性部位を有する作り出された膜M1がある。
ポリペプチドが分析物化学の一部として、または膜と関連付けられて用いられるならば、ポリペプチド複合体を含むことができるポリペプチドは分析物と直接相互作用することができるか、あるいはそれは「分析物の誘導体」と相互作用することができる。「分析物の誘導体」とは、例えば、プロトンまたは反応生成物または副産物を含めた分析物の導入に際して、またはそれに続いて第一の区画で形成されたいずれの種もいい、触媒として作用し、消費されない、あるいは検出された種を生じさせる単に試薬である種を含む。分析物の誘導体が分析物それ自体よりはむしろ、または分析自体に加えてポリペプチドと相互作用する場合、第一の区画は、さらに、分析物が存在する場合に分析物の誘導体の形成を行うのに必要な成分を含む。
同様に、検出器は、分析物の導入に対して応答して膜を横切って輸送される種と必ずしも直接的に相互作用しなくてもよいが、「輸送される種の誘導体」に対して作用することができる。本発明の目的では、輸送される種の誘導体は、タンパク質、カチオンまたは任意の正に荷電した種、電子、アニオンまたは任意の負に荷電した種、または化合物のように、かつ、さらに、輸送される種が触媒として作用し、消費されない場合の反応の生成物を含めた、輸送される種の存在に応答して生じたいずれの種も意味する。輸送される種それ自体よりはむしろ、またはそれに加えて輸送される種の誘導体である場合、適切には、第一または第二の区画は、輸送される種が存在する場合に検出された誘導体の形成を行うための必要な成分を含む。
本明細書中で用いる用語「輸送」は、一般には、膜を横切るプロトン、電子、原子または分子であれ、種の移動をいい、能動的および受動的プロセスを共にいうことができる。好ましい態様において、分析物センサーは生体適合性膜を含み、そこでは、関連付けられたポリペプチドは膜を横切っての第一の区画から第二の区画への分子、原子、プロトンまたは電子の輸送に関与することができ、それは、そのような輸送を容易にする分子構造の形成に関与することを含む。より特に好ましい本発明の態様において、ポリペプチドはレドックス酵素および/またはプロトンの膜貫通輸送に関与することができる酵素である。
種がバリアまたは膜を横切って輸送される時に種は不変のままである必要はなく、化学反応、反応の連鎖またはシリーズが膜内で起こってもよく、その結果、膜を横切っての改変されたまたは改変されていない種が輸送される。すなわち、「輸送される種」に言及する場合、これは、第一の側において膜に侵入する種が、反対側の区画に導入される種と同一種でない状況も含む。生体適合性膜、PTMまたは他のバリアを横切るプロトンの輸送を議論する場合、正確なメカニズム、または正確な移動された種が知られている必要はないことが認識されよう。「プロトン」の場合には、移動された種はプロトンそれ自体、正に荷電した水素、ヒドロニウムイオン、H3+または、事実、いくつかの他の正に荷電した種であろう。しかしながら、便宜のために、これらを集合的に本明細書中では「プロトン」として特徴付ける。輸送される種は負に荷電した粒子を含むこともでき、アニオンおよびカチオンを共に含むことができる。
本明細書中で用いる「生体適合性膜」は、膜として用いるのに適したシート、プラグまたは他の構造を形成する合成ポリマー材料の1以上の層であり、しばしば、生物学的起源のポリペプチドまたは他の分子と会合する。「生体適合性」とは、該膜が、膜およびポリペプチドが相互に会合する場合に、本発明で用いるのに適したポリペプチドの機能の全てを無力にしない、またはそうでなければ妨害しない合成ポリマー材料を含むことを意味する。生体適合性膜はPTMであってもよい。生体適合性膜は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする2002年4月15日に出願された国際出願番号PCT/US02/11719の一部継続出願である「Biocompatible Membranes and Fuel Cells Produced Therewith」なる発明の名称の、同一出願人による同時係属米国出願第10,213,530号、および全て2002年4月15日に出願された米国出願第10,123,022号、第10/123,039号、第10/123,021号、第10/123,020号および第10/123,008号の各々において詳細に議論されている。
本明細書中で用いられる用語「バリア」および「膜」は、共に、空間、流体(液体または気体)、固体などを選択的に分離するのに用いることができる材料のシート、層またはプラグのような構造をいう。しかしながら、用語「バリア」は、しばしば、その膜が一部にすぎないより大きな構造をいい、しばしば、該バリアはそれを横切って膜が位置する穴または孔を含有し、該バリアは、しばしば、膜の支持体として働く。「膜」は生物学的、生体適合性、およびプロトン・トンネリング膜を含むことができる。本明細書中で用いる「バリア」および「膜」は共に、他の種に対しては不透過性でありつつ、1つの区画から他の区画へのいくつかの種の通過または拡散を可能とする半透性材料を含むことができる。本明細書中でいうバリアおよび膜は共に「プロトン・トンネリング」活性を呈するように設計することができる。
本発明のいくつかの態様において、半透性バリアを使用して、標的化された分析物を潜在的に含有する試料の導入に適合した第一の区画、および第二の区画を分離する。区画を規定する壁のいずれかに関して包埋されまたは固定化されていてもいなくてもよい第一の区画に配置された成分は、分析物と反応し、次いで、バリアを横切って移動することができるタンパク質、電子、原子または分子であれ、種を生じるのに適合している。反応は、そのサイズ、形状または電荷、あるいはその組合せのため、バリアを横切って輸送され得る種を生じさせることができる。本明細書中において、「輸送」は、濃度勾配の結果としてそのような種が移動する状況をいうのに用いられる。
さらにもう1つの態様において、バリアとは、第一の区画と第二の区画とを分離し、それにより、酵素を含んでもよい第一の区画中の成分と分析物との相互作用が、プロトン・トンネリングを介してバリアを横切って輸送できるプロトンの生成を生じさせる比較的プロトン不透過性構造をいうことができる。
好ましくは、バリアB1は、ポリペプチドPPが作用すべき分析物またはその誘導体に対して透過性ではない。しかしながら、所与の測定に対して必要なシグナル/ノイズ比が達成される限り、いくらかの漏れは許容できる。
本発明によると「関連付けられた」は、状況に応じて多数の事柄を意味することができる。ポリペプチドは、1以上のその表面に結合することによって、および/または(窪みまたは孔(pore)のように)膜の表面の1以上のなかに留められるかまたは結合されることによって生体適合性膜またはPTMと会合することができる。「結合した」への言及は、物理的結合ならびに静電的水素結合およびイオンまたは共有結合、またはその組合せを含む。「関連付けられた」ポリペプチドは、膜の内部内に、または膜内に含まれる小胞またはルーメン中に配置することができる。ポリペプチドは連続層の間に配置することもできる。ポリペプチドは同様に膜に埋めることができる。事実、特に好ましい実施形態においては、ポリペプチドが少なくとも膜の少なくとも1つの表面を通じて部分的に露出し、および/またはレドックス反応に関与でき、あるいは分子、原子、プロトンまたは電子のポリペプチド媒介輸送、あるいはまたは膜の一方側から他方側へ、プロトンを移動させる方法としてのプロトン・トンネリングいずれかに関与することができるような方法で、ポリペプチドは膜に埋められるか、または一体化される。
バリアの一方側から他方側へ分子、原子、プロトンまたは電子を輸送させる文脈で、用語「関与」および「関与する」は、例えば、ポリペプチドが物理的にまたは化学的にバリアを横切る分子、原子、プロトンまたは電子を「ポンピング」する能動的輸送を含み、これは、ポンピングがpH、濃度または電荷勾配、または任意の他の能動的輸送メカニズムに従って、またはそれに抗して行われる状況を含む。しかしながら、「関与」はそのように限定される必要はない。例えば、ポリペプチドは、そのような輸送を容易とする構造を形成することによって輸送に関与することができる。さらに、ポリペプチドは、化学反応に関与し、それにより、反応生成物が、さらに修飾されまたは修飾されることなく能動的にまたは受動的にバリアを横切って輸送できるようになることによって、輸送に関与することができる。
「ポリペプチド媒介輸送」は、単に構造的に静的チャネルを供する以外の方法で、バリアを横切っての種の輸送においてバリア会合ポリペプチドが(受動的拡散を除く)役割を演じるプロセスを含む。もう1つの方法を述べると、「ポリペプチド媒介輸送」は、バリア会合ポリペプチドの存在の結果、濃度単独以外の何かに応答して膜の一方側から他方側へ種が効果的に輸送されることを意味する。レドックス反応の文脈では、「関与する」は、ポリペプチドが種の酸化および/または還元を引き起こし、または容易とし、あるいはその反応プロトン、電子または酸化されたもしくは還元された種へ運び、またはそこから運び出すことを意味する。PTMの文脈では、「関与」および「関与する」は、PTMを横切ってのプロトンの輸送で役割を演じることを意味する。特定の操作理論に拘束される意図はないが、これは、層または膜を横切ってのプロトン・トンネリングによるプロトンの移動を含むことができる。この用語は単なるプロトン透過性を排除する。再度、特定の操作理論に拘束される意図はないが、ポリペプチドは、もし存在すれば、PTMの表面へのプロトンの侵入を容易とすることができ、その後、プロトン・トンネリングは生体適合性膜またはPTMの他方側へのプロトンの輸送を完了することができる。
「ポリペプチド」は、しばしば、しかし必ずしもそうではないが、触媒として化学反応に関与できるか、または(膜、生体適合性膜、PTMまたはその組合せを含めた)バリアの一方側から他方側への分子、原子、プロトンまたは電子の輸送に関与でき、またはそのような反応または輸送を容易とし、または可能とする分子構造または化合物の形成に関与できる少なくとも4つのアミノ酸を含む少なくとも1つの分子を含む。ポリペプチドは一本鎖または多重鎖であってよく、単一のサブユニットまたは多数のサブユニットとして存在することができる。それは、専ら、アミノ酸、またはアミノ酸および他の化合物または分子の組合せよりなることができる。これは、例えば、PEGペプチド(pegalated peptide)、ペプチド核酸、ペプチドミメティックス、および核タンパク質複合体を含むことができる。例えば、グリコシル化の生成物のような修飾を含むアミノ酸の鎖も考えられる。本発明によるポリペプチドは、一般には、生物学的分子または誘導体、あるいは生物学的分子のコンジュゲートである。従って、ポリペプチドは、単離することができる分子、ならびに組換え技術によって生産することができるか、あるいは全部または一部が化学的に合成されなければならない分子を含むことができる。従って、かかる用語は、天然に生じるタンパク質および酵素、その突然変異体、その誘導体およびコンジュゲート、ならびに全合成アミノ酸配列およびその誘導体およびコンジュゲートを含む。1つの実施形態において、本発明によるポリペプチドは、バリアまたは膜の一方側からそのもう1つの側への分子、原子、プロトンおよび/または電子の輸送に関与することができ、酸化または還元に関与することができ、あるいは(「複合体1」ともいう)DH-複合体Iのような電荷駆動プロトンポンピングポリペプチドである。
「生物活性物質」は、細胞、ウイルス、組織、器官または生物に作用することができる化学物質のような物質を含み、限定されるものではないが、細胞、ウイルス、器官または生物の機能の変化を生じさせる殺虫剤、薬物、または毒性物質を含む。本発明の好ましい分析物センサーは、生きた生物のある形態において見出すことができる、少なくとも部分的に機能的なポリペプチドを取り込む膜を含むので、該分析物センサーは「生物活性物質」を同定するのに特に適している。
図2A〜図2Bは、用いられる分析物センサーまたは分析細胞を示す。標的化された分析物を含有する溶液は、矢印によって示されるように、側面S1に導入される。PPは分析物または(存在する場合は)誘導体に作用し、側面S2において測定可能な変化を生じる。好ましい実施形態においては、測定可能な変化は、側面S1に配置された標準電極E2に抗して測定された、電極E1における電気的ポテンシャルの差を生じさせる。
図2Bに示すように、電極は複数の電極(第1の電極E1A、第2の電極E1B、これを続けて、例示では、第7の電極E1G)に分割することができる。別々の電極を用いて、一時的な制御データ(temporal control data)を供することができる。例えば、もし分析細胞が正しく作動し、分析物が示したように左側から導入されるならば、ポリペプチド(PP)によって生じる効果は第一の電極で開始されるべきである。適当な相対速度論で順次の電極まで進行する。一時的制御データは、例えば、2つの方法で生じさせることができ、導入された試料を分析するのに個々にまたは一緒に用いることができるデータの2つの組を供する。第一の方法において、分析物ならびにいずれかのキャリア溶媒の全てが同一速度で区画を横切って移動するように、強制流動を用いる。直列におけるいずれかの特定の検出器の出力は、系列においてより早期に膜を横切る種の輸送をもたらす相互作用との関連で、どれだけ多くの標的化された分析物が枯渇したかによって影響されるであろう。第2の方法は自由流動を含み、そこでは、混合物中の個々の分析物に対する応答速度が分析物の移動度に応じて異なる。
図2Cに示されるように、別々の電極(E21A−E21E)を別々の膜(M21A−M21E)と整列させることができる。この実施形態において、電極は、非整列膜を横切る事象に効果的に感受性でないように設置することができる。従って、別々の膜は、各々、区別されるポリペプチドまたはポリペプチドの混合物を含有することができ、同一試料を側面S1を通過させて、別々の分析結果を生じさせることができる異なる応答を生じさせることができる。例えば、ポリペプチドの混合物は、活性の源を同定するためのコンビナトーリアルスクリーニングにおいて、または逆に、分析物(またはその誘導体)がポリペプチドのいくつかの別々のファミリーのいずれかにおいて活性を誘導しないスクリーニングで用いることができる。そうでなければ区画化されていない別々の膜が検出で別々に用いることができる場合、デバイス(またはより大きなアレイの成分)を「分析物センサーの組み合わせアレイ」と呼ぶことができる。
もう1つの実施形態において、セルまたは分析物センサーは、その各々が、異なる分析物、または同一分析物に関して異なる試料を検出または測定するのに適合し得る、セルまたはセンサーのアレイの一部であり得る。そのようなアレイは、第一のセルC1、第二のセルC2などと共に図3に模式的に示される。
さらにもう1つの実施形態において、アレイの区画はカスケードとすることができ、すなわち、カスケードにおいては、第一の分析物センサーの第二の区画は、試料のさらなる分析のための第二の分析物センサーの第一の区画である。この実施形態において、第一の分析物センサーの輸送される種は、効果的には、第二のセンサーの分析物である。例えば、いくつかの分析物が第一のセンサーの成分またはポリペプチドに関して反応して区別される輸送される種を生じることが知られている場合、カスケードによるおける第二および/または引き続いてのセンサーは、第一のセンサーの区別される輸送される種の間を識別し、それにより、分析物を検出するように適合させることができる。さらにもう1つの態様において、電荷が検出器によって測定される場合、第一の分析物センサーのカソード区画は第二の分析物センサーのアノード区画として働くことができる。分析物、または分析物の誘導体は第一の区画を横切って移動して、第一の検出事象を生じる相互作用に関与し、第二の検出事象はシリーズにおいて第二の膜を含む。もちろん、カスケードにおいてバリアの数、膜、センサーおよび検出事象に制限はなく、好ましくは、少なくとも2つの検出事象がある。カスケーディングセンサーアレイのもう1つの実施形態において、第一の分析物センサーにおける試料のテストに際して、試料を第一の分析物センサー区画から取り、第二の分析物センサーに適用する。チュービングおよびポンプのような移動エレメントをこの目的で使用することができる。移動は自動または手動であってよい。
好ましい態様において、電流を検出する場合、1つの電極は第一の区画に配置され、第二の電極は第二の区画に配置される。これは、分析物またはその誘導体と相互作用するポリペプチドによって引き起こされた化学的変化を検出する、異なる図面における電極E1およびE2によって示される。
もちろん、当業者に知られた多くの他の検出方法を使用することができる。そのような方法は、限定されるものではないが、(化学的に、酵素的に、免疫学的に発色する)比色、クロマトグラフィー、(質量分析の使用を介することを含めた)分光学、および化学物質を検出するいずれかの他の方法を含むことができる。検出は、例えば、電流または電圧メーター、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、質量分析計、核磁気共鳴分析器、赤外分光計、紫外分光計および/またはラマン分光計、C、H、N、O検出器、水分検出器、導電率センサー、温度計、酸素センサー、pH検出器、比色検出器、濁度メーター、粒子カウンター、粒子サイズ検出器などを含むことができる。
本発明で有用な検出器は、輸送の方向および使用される検出方法に依存して、第一の区画または第二の区画いずれかに配置することができる。そして、いくつかの例においては、1を超える検出方法を使用することができ、事実、特異的分析物を同定する必要があり得る。さらにもう1つの態様において、本発明のセンサーまたはセルへの未知試料の導入の間またはその後に試料を、第二の区画または第一の区画から取り出し、方向付けし、外部検出器に供給する。
いずれの検出器についても、検出される特定の物質はバリアを横切って輸送される種であってもなくてもよく、それは、例えば、当業者によって知られた試薬によって生じたさらなる代替物であってよく、側面S2に供することができる。いくつかの態様において、ポリペプチド(PP)との相互作用の結果として、または化学反応の結果として、バリアを横切って輸送される種は、分析物の導入に際して、適当であれば、そのような分子種の酸化的誘導体の使用によって測定することができる。例えば、グルコースオキシダーゼは、グルコースのグルコン酸の変換に際してグルコースから電子を生じて、その電子は電極で測定することができる。
好ましい電極の所定の位置にある検出器D1を利用する分析セルを図1Dに示す。二次サンプリングまたは分離を検出で利用する場合、クロマトグラフィーまたは質量分析におけるように、側面S2から分離デバイスへの試料の機械化された移動が、当分野で知られているように、好ましく用いられる。もし誘導体が検出されれば、輸送される種の存在に基づいて測定された物質を生じさせるのに必要な、酵素または試薬のようなさらなる成分が、分析物センサーの適当な区画に供される。
本発明の分析セルまたはセンサーで用いられる提案されたポリペプチド(または複合体)の多くは、分析触媒ポリペプチドを電極に付着させた生物学的膜に一体化させるシステムで用いられているものと同一である。そのようなシステムで用いられるように、生物学的膜は、図4に示すように、電極に隣接し、かつ膜によってトラップされた溶液のポケットを形成すると信じられている。図4において、生物学的膜(BM)を電極E2に付着させ、それは、取り込まれたポリペプチドPPを有する。分析的に重要な事象は、トラップされた溶液TS中で起こると信じられる。図4における説明は比較的大きな単一容量のトラップされた溶液を示すが、溶液は多数の非常に小さな容量、または非常に浅い容量を含むことができる。そのような小さな容量は、例えば、WO93/21528(Eur.Inst.Technol.)に教示されているように、生物学的膜がチオ含有リンカーを備えた電極と会合する場合に起こる。
1つの実施形態において、分析物センサーは分析に付すべきいずれかの溶液をフラッシュし、再度用いることができる。検出が側面S2において起こる場合、もし適当であれば、別々のフラッシュまたは設定溶液を用いて、使用の間にその側面は好ましくはフラッシュされる。フラッシングを、ポリペプチドと生体適合するように適合された第一の溶液で行い、続いて、分析反応を支持するように適合された溶液の再導入を行うことができる。特に、支持溶液のコストが合理的である場合、フラッシュはそのような反応性支持溶液を含むことができる。
別の実施形態においては、分析物センサーは使い捨てであり、これは、毒性または有害物質を検出するのに適合したセンサーで特に有用である。使い捨てセンサーは、患者からの試料中の分析物を検出するのに医療診断で特に有用であり得る。そのような分析物は、限定されるものではないが、アミノ酸、酵素基質、または病気状態もしくは疾患を示す生成物、病気状態または疾患の他のマーカー、薬物乱用、治療および/または薬理学物質、電解質、注目する生理学的分析物(例えば、塩化もしくは炭酸水素(CO2)カルシウム、カリウムもしくはナトリウム、グルコース、尿素(血中尿素窒素)、乳酸塩、ヘマトクリット、およびヘモグロビン)、脂質などを含む。もう1つの実施形態において、分析物センサーは血中グルコースをモニターするのに用いることができる。さらに、使い捨てセンサーは放射性種の検出の関係で特に有用であり得る。
[支持体としてのバリア]
本発明による好ましい実施形態においては、膜は、B1として図面中に示されたバリアまたは支持体の開口または孔内に、またはそれを横切って配置および/または形成することができる。「開口したバリア(perforated barrier)」は、その中へ、またはその上へ膜を配置することができる少なくとも1つの穴(hole)、開口(aperture)または孔(pore)を有するものである。開口は、例えば、パンチ、ドリル、レーザードリル、ストレッチングなどによって形成させることができる。
ある好ましい実施形態においては、バリアはガラスまたは(ポリ酢酸ビニル、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、Kapton(登録商標)(ポリイミドフィルム、Dupont de Nemours,Wilmington,DEのような)ポリマー、(Dupont de Nemours,Wilmington,DEからのTeflon(登録商標)のような)過フッ素化ポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF、例えば、Atofina,Philadelphia,PAによってKynarTMとして販売されるほぼ59%フッ素を含有する半結晶性ポリマー)、PEEK(後に定義)、ポリエステル、UHMWPE(後に記載)、ポリプロピレンまたはポリスルホン、石灰ガラスまたはボロシリケートガラス、または金属でコーティングした前記いずれかである。金属を用いて、(例えば、チオールリンカーで)(両親媒性分子の単層または二層のような)生体適合性膜またはPTMを固定することができる。本発明の特に好ましい態様において、開口バリアは誘電性材料で作成される。1つの実施形態において、開口されたまたは多孔性基材はフィルムである。カプトンおよびテフロン(登録商標)のような、高天然表面電荷密度を持つ支持体または基材はいくつかの実施形態において好ましい。非共有結合相互作用が膜の付着を支持する場合、支持体の膜相互作用部分は直接的に、またはコートし、または誘導体化して、膜との相互作用を安定化する疎水性表面を供することができる。
膜を固定することは必須ではないが、膜と一体化された複合体Iとで確立されたように、当分野で知られた固定技術を用いて膜を安定化することができる。例えば、図5Aに示すように、アルキレンテイルを適当な表面に付着させて、親油性表面LS1を形成することができる。表面付着は、金被覆表面とのチオール媒介連結を含めた当分野で知られたいずれかの数の化学を用いることができる。あるいは、図5Bに示すように、リン脂質を、リン脂質のヘッド基からのポリエチレンオキサイドブリッジを介して表面アタッチメントに付着させることができる(例えば、WO93/21528参照)。
バリアは、さらに、適当な材料の織物またはメッシュであり得る。そのような織物は、膜が規則的な近い間隔で支持され、確立されるのを可能としつつ、大きな表面積を提供する。そのような織物支持体は、さらに、より強い材料の足場によって支持することができる。例えば、図6Aに示された足場S1は織物F1を支持する。
そのような織物またはメッシュは、適当なポリマーで形成すると、加熱されて重ねた織物ストランドを部分的にまたは十分に合体させつつ圧縮することができ、よりスムーズな表面を持つ織物またはメッシュを提供することができる。
図6Bに示されるように、電極E11を位置させる方法のように、膜へ支持または付着させないにも拘わらず、電極をバリアに一体化させることができる。
開口されているが他は中実なバリアを用いる場合、バリアの厚みは、例えば、15マイクロメートル(μm)〜50μm、または15μm〜30μmである。開口の幅は、例えば、20μm〜200μm、または60μm〜140μm、または80μ〜120μmである。
バリアおよび金属化表面における開口は、例えば、当分野で周知のフォトリソグラフィーのマスキングまたはエッチング技術で構築することができる。別法として、金属化表面(電極)は、例えば、(i)マスクを通じての薄膜蒸着、(ii)薄膜光規定(photo-defining)によって金属化のブランケットコーティングを適用し、パターンを選択的にエッチングして金属化とし、または(iii)金属含浸レジストを用いるエッチングなくして直接的に金属化パターンを光規定することによって形成することができる(DuPont Fodelプロセス,Drozdyk et al.,「Photopatternable Conductor Tapes for PTP Applications」,Society for Information Display 1999 Digest,1044−1047;Nebe et al.,米国特許第5,049,480号)。1つの実施形態において、バリアはフィルムである。例えば、バリアは、金属化によって「開口」部の外側で非透過性とされる多孔性膜であってよい。金属層の表面は、例えば、電気メッキによって他の金属で修飾することができる。そのような電気メッキは、例えば、クロム、金、銀、白金、パラジウム、ニッケル、その混合物など、好ましくは金および白金で行う。
別の実施形態において、バリアは膜とまったく関連付けられていないが、プロトン・トンネリング活性を呈する合成材料で作成される。この例においては、分析物の第一の区画への導入、および第一のチャンバーに配置されたポリペプチドまたは他の反応性成分での分析物またはその誘導体の挿入の結果として第一の区画に放出されたプロトンはバリアを横切って輸送され、輸送される種またはその誘導体が検出され、分析物の存在を示す。
[膜形成、タンパク質取込み]
生物学的膜は、例えば、Niki et al.,の米国特許第4,541,908号(シトクロムCの電極へのアニーリング)およびPersson et al.,J.Electroanalytical Chem.292:115,1990に詳細に記載されている方法によってその中に取り込まれた織物バリアおよびポリペプチド中の開口穿孔または開口を横切って形成することができる。そのような方法は、脂質または他の両親媒性物質およびポリペプチドの適当な溶液を調製するステップであって、ここで、該ポリペプチドは界面活性剤で安定化された溶液中の混合物に供給することができるステップと、一旦脂質または他の両親媒性物質およびポリペプチドの適当な溶液が作成されれば、開口誘電性基材を溶液に浸漬して、ポリペプチド含有膜層を形成するステップとを含む。音波処理または界面活性剤希釈は層へのポリペプチドの取込みを容易にすることができる。例えば、Singer,Biochemical Pharamacology 31:527−534,1982;Madden,「Current concepts in membrane protein reconstitution,」Chem.Phys.Lipids 40:207−222,1986;Montal et al.,「Functional Reassembly of membrane proteins in planar lipid bilayers,」Quart.Rev.Biophys.14:1−79,1981;Helenius et al.,「Asymmetric and symmetric membrane reconstitutions by detergent elimination,」Eur.J.Biochme.116:27−31,1981;Volumes on membranes(e.g.,FleischerおよびPacker(eds.))In methods in Enzymology series,Academic Press参照。
ポリペプチドを生物学的膜に取り込む1つの方法は以下の通りである。ポリペプチド(例えば、プロトン輸送酵素複合体I)の取込みは、該ポリペプチドを含有する小胞の、10mM塩化カルシウムを含有する溶液中での、膜との融合によって達成される。小胞と膜との融合を促進するための物質としてのカルシウムの使用は、Landry et al.,「Purification and Reconstitution of Epithelial Chloride Channels」191 Methods in Enzymology 572,582(1990)(582における);Schindler,「Planar Lipid−Protein Membranes...」171 Methods in Enzymology 225,226(1989)に記載されたように、当分野でよく認識されている。さらに詳しくは、小胞を膜上に注入し、次いで、500マイクロリットルのような比較的小容量中で側面S1でインキュベートする。これは、実質的には、(582における)Landry et al.,または(236における)Schindlerの方法である。タンパク質を含有する小胞は、タンパク質の界面活性剤溶液を、音波処理を用いて脂質から新たに形成された小胞と共にインキュベートすることによって調製された。これは、実質的には、(音波処理の代わりに渦を用いる)252におけるSchindlerに記載された方法である。この方法は成功して適用されて、大腸菌の過剰発現から得られた複合体Iが、テフロン(登録商標)バリア中の開口を横切って形成された安定な膜に取り込まれた。
特定のポリペプチドを特定の膜に取り込む方法は、一般に、通常の方法によって最適化されることは認識されるであろう。さらなるガイダンスは、今日、生物学的膜材料にうまく取り込まれた多くの膜タンパク質から供される。
膜を形成する方法は共通性を有する傾向がある。小さな開口を持つテフロン(登録商標)のような疎水性材料で作成された薄い隔壁は、導入された少量の脂質(または他の両親媒性物質)を有する。両親媒性物質−被覆開口を希薄な電解質溶液に浸漬し、その際、脂質液滴は薄く、自然に、自己配向して、該開口にわたる平面二層となる。かなりの面積の膜が、この一般的技術を用いて調製されている。膜それ自体の形成のための当分野で周知の通常の方法はラングミュアー・ブロジェット技術、セルフ・アッセンブリ技術、および注入技術である。これらは、引用することにより本明細書の一部をなすものとする同時係属米国出願第10/213,530号に詳細に記載されている。
膜層は、ガラス、炭素、すなわち、疎水性を増加させるように修飾された表面、またはポリジメチルシロキサン(PDMS)のようなポリマーに被覆することによるように、固体材料に対して形成することができる。PDMSのようなポリマーは、その上を膜を用いて孔をスパンすることができる優れた多孔性支持体を供することができる。
(ブロックコポリマーで特に好ましい)コーティング方法は、(銅被覆のような)導電体の最初のコーティングまたはラミネーション、続いてのメッキ、スパッタリング、または金または白金のような貴導電体(noble conductor)で被覆するためのもう1つの被覆手法の使用を含む。もう1つの方法はクロムまたはチタンのような付着層を支持体に直接的にスパッタリングし、続いて、メッキ、スパッタリングまたは貴導電体を付着させるための他のコーティング手法を行うことである。外側金属層は、好都合には、ドデカンチオールなどで処理して、その疎水性を増加させる。カプトンおよびテフロン(登録商標)のような、高天然表面電荷密度を持つ支持体が、ある実施形態では、好ましい。
いくつかの実施形態においては、ポリペプチドは、膜貫通効果を有するとは予測されず、あるいはそのような膜貫通効果は親油性電子移動メディエーターによって促進される。本発明の目的では、膜貫通効果は、ポリペプチドそれ自体が、膜を横切って種を十分に輸送する能力を有することを意味する。これらの場合、膜結合性は、膜に取り込まれる両親媒性化合物の極性端部にポリペプチドを連結するために、当分野で知られた(典型的には親水性の)リンカーによってなすことができる。WO93/21528(Eur.Inst.Technol.)に記載されたポリエチレンオキシドリンカーと共にリン脂質誘導体が例示される。貫通効果がない場合、分析物センサーは、ポリマーまたはガラス支持体へのポリペプチドの時間依存性吸着からの干渉が低下したセンサーの再使用を支持するポリペプチドに対する環境を供する。また、そのような場合には、側面S2は非常に限定されたサイズのものであり得る。
[生体適合性膜]
本発明の分析物センサーで有用な生体適合性膜は、本明細書中で記載する1以上のポリペプチドと関連付けられた場合、本発明の目的を満足するいずれかの合成ポリマー材料から形成することができる。そのような膜を製造するのに用いられる同様の方法および材料の多くは、PTMの形成にも適用され、これは後に本明細書中でより詳細に議論する。
有用な合成ポリマー材料はポリマー、コポリマーおよびブロックコポリマー、ならびにそれらの混合物を含む。これらは結合でき、架橋でき、機能性化でき、またはそうでなければ相互に会合させることができる。「機能性化」は、ポリマー、コポリマーおよび/またはブロックコポリマーが、それが当分野で知られた重合(例えば、ブロックの架橋)、特定の表面化学への固定(例えば、ある種の硫黄結合の使用)、電子キャリアまたは電子移動メディエーターを共有結合させることを介する促進された電子輸送であるかを問わず、特定の機能を実行するように選択された末端または反応性基で修飾されていることを意味する。典型的には、これらの末端または反応性基はポリマーまたはブロックそれ自体の構成要素とは考えられず、しばしば、合成の最後または合成の後に付加される。合成ポリマー材料は、一般に、仕上げた膜の少なくとも約50重量%の、より典型的には仕上げた膜の少なくとも約60重量%、しばしば、その約70重量%および多くて約99重量%の間の量で仕上げた膜(用いる状態の膜)に存在させる。合成ポリマー材料の全量の一部は、仕上げた生体適合性膜中の全合成ポリマー材料の重量に基づいて、重量で一般に約1/3までが安定化ポリマーであり得る。
本発明で有用な生体適合性膜は、好ましくは、ポリマーまたはコポリマーのような他の合成ポリマー材料を含む、または含まない、かつ添加剤を含む、または含まない、A−B、A−B−AまたはA−B−Cブロックコポリマーのような1以上のブロックコポリマーから製造される。
1つの適当なブロックコポリマーは、Corinne Nardin,Wolfgang Meierおよびその他による一連の論文に記載されている。Angew Chem Int.編39:4599−4602,2000;Langmuir 16:1035−1041,2000;Langmuir 16:7708−7712,2000。それは、機能性化ポリ(2−メチルオキサゾリン)−ブロック−ポリ(ジメチルシロキサン)−ブロック−ポリ(2−メチルオキサゾリン)トリブロックコポリマーとして特徴付けられる。
Nardin−Meierポリマーは、機能的ポリペプチドを取り込むことができる比較的多くの膜を提供することができる。ポリマー分子の端部におけるメタクリレート部位は、ポリペプチド取込み後にフリーラジカル媒介架橋を可能にして、より大きな機械的安定性を供する。
そのような合成膜を、ある種の脂質の存在を好むまたはそれを要求するポリペプチドで用いる場合、そのような脂質は、例えば、ポリペプチドを膜に挿入するプロセスで供され、あるいは膜形成に取り込まれる。
有用なブロックコポリマーの他の例は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする同時係属米国出願第10/213,530号に記載されており、限定されるものではないが、両親媒性ブロックコポリマー;5−(N,N−ジメチルアミノ)イソプレン、スチレンおよびメタクリル酸からのトリブロック・コポリアンフォライト類;Shell Chemical Companyから入手可能な商品名KRATON(登録商標)下で販売されているスチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロックコポリマーを含む。好ましいブロックコポリマーはスチレン−エチレン/プロピレン(S−EP)タイプのものであり、やはりShell Chemical Companyから入手可能な商品名KRATON(登録商標)下で商業的に入手可能である;シロキサントリブロックコポリマー;およびPDMS−b−PCPMS−b−PDMS(PDMS=ポリジメチルシロキサン、PCPMS=ポリ(3−シアノプロピルメチルシクロシロキサン)。DEO−CPPO−CPEOトリブロックコポリマー;PEO−PDMS−PEOトリブロックコポリマー[ポリエチレンオキサイド(PEO)は水性相に可溶性であり、他方、ポリ−ジメチルシロキサン(PDMS)は油相に可溶性である];PLA−PEG−PLAトリブロックコポリマー;ポリスチレン−b−ブタジエン−b−スチレン)トリブロックコポリマー[通常用いられる熱可塑性エラストマーであり、BASF、Ludwigshafenドイツ国からのStyroluxを含む];ポリ(エチレンオキサイド)/ポリ(プロピレンオキサイド)トリブロックコポリマーフィルム[BASF,Ludwigshafenドイツ国からのPluronic F127、Pluronic P105またはPluronic L44];ポリ(エチレングリコール)−ポリ(プロピレングリコール)トリブロックコポリマー;PDMS−PCPMS−PDMS(ポリジメチルシロキサン−ポリシアノプロピルメチルシロキサン)トリブロックコポリマー;アゾ−機能性スチレン−ブタジエン−HEMAトリブロックコポリマー、重合可能な末端基を担う両親媒性トリブロックコポリマー;シンジオタクチックポリメチルメタクリレート(sPMMA)−ポリブタジエン(PBD)−sPMMAトリブロックコポリマー、第三級アミンメタクリレートトリブロック(ABジブロックコポリマー);生分解性PLGA−b−PEO−b−PLGAトリブロックコポリマー;ポリラクチド−b−ポリイソプレン−b−ポリラクチドトリブロックコポリマー;PEO−PPO−PEOトリブロックコポリマー;ポリ(イソプレン−ブロック−スチレン−ブロック−ジメチルシロキサン)トリブロックコポリマー;ポリ(エチレンオキサイド)−ブロック−ポリスチレン−ブロック−ポリ(エチレンオキサイド)トリブロックコポリマー;ポリ(エチレンオキサイド)−ポリ(THF)−ポリ(エチレンオキサイド)トリブロックコポリマー;エチレンオキサイドトリブロック;ポリE−カプロラクトン[Birmingham Polymers];ポリ(DL−ラクチド−コ−グリコリド)[Birmingham Polymers];ポリ(DL−ラクチド)[Birmingham Polymers];ポリ(L−ラクチド)[Birmingham Polymers];ポリ(グリコリド)[Birmingham Polymers];ポリ(DL−ラクチド−コ−カプロラクトン)[Birmingham Polymers];スチレン−イソプレン−スチレントリブロックコポリマー[Japan Synthetic Ruber Co.];PEO/PPOトリブロックコポリマー;PMMA−b−PIB−b−PMMA[線状トリブロックTPE];PLGA−ブロック−PEO−ブロック−PLGAトリブロックコポリマー[スルホン化スチレン/エチレン−ブチレン−スチレン(S−SEBS)TBCポリマープロトン伝導性膜。Dais Analytic,Odessa FLからProtolyte A700として入手可能];ポリ(1−ラクチド)−ブロック−ポリ(エチレンオキサイド)−ブロック−ポリ(1−ラクチド)トリブロックコポリマー;ポリ−エステル−エステル−エステルトリブロックコポリマー;PLA/PEO/PLAトリブロックコポリマー;PCC/PEO/PCCトリブロックコポリマー[前記ポリマーは2以上の混合物で用いることができる。例えば、第1のポリマーの重量パーセントで測定した2つのポリマー混合物において、そのような混合物は20〜25%、25〜30%、30〜35%、35〜40%、40〜45%または45〜50%を含むことができる。];Polymer Source,Inc.,Dorval,Quebec,カナダ国から入手可能な様々なブロックコポリマー、以下のものを含む。ポリ(t−ブチルアクリレート−b−メチルメタクリレート−b−t−ブチルアクリレート);ポリ(t−ブチルアクリレート−b−スチレン−b−t−ブチルアクリレート)[Polymer Source,Inc.];ポリ(t−ブチルメタクリレート−b−t−ブチルアクリレート−b−t−ブチルメタクリレート);ポリ(t−ブチルメタクリレート−b−メチルメタクリレート−b−t−ブチルメタクリレート);ポリ(t−ブチルメタクリレート−b−スチレン−b−t−ブチルメタクリレート);ポリ(メチルメタクリレート−b−ブタジエン(1,4−付加)−b−メチルメタクリレート);ポリ(メチルメタクリレート−b−n−ブチルアクリレート−b−メチルメタクリレート);ポリ(メチルメタクリレート−b−t−ブチルアクリレート−b−メチルメタクリレート);ポリ(メチルメタクリレート−b−t−ブチルメタクリレート−b−メチルメタクリレート);ポリ(メチルメタクリレート−b−ジメチルシロキサン−b−メチルメタクリレート);ポリ(メチルメタクリレート−b−スチレン−b−メチルメタクリレート);ポリ(メチルメタクリレート−b−2−ビニルピリジン−b−メチルメタクリレート);ポリ(ブタジエン(1,2付加)−b−スチレン−b−ブタジエン(1,2付加));ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−スチレン−b−ブタジエン(1,4付加));ポリ(エチレンオキサイド−b−プロピレンオキサイド−b−エチレンオキサイド);ポリ(エチレンオキサイド−b−スチレン−b−エチレンオキサイド);ポリ(ラクチド−b−エチレンオキサイド−b−ラクチド);ポリ(ラクトン−b−エチレンオキサイド−b−ラクトン);a,w−ジアクリロニル末端ポリ(ラクチド−b−エチレンオキサイド−b−ラクチド);ポリ(スチレン−b−アクリル酸−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−ブタジエン(1,4付加)−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−ブチレン−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−n−ブチルアクリレート−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−t−ブチルアクリレート−b−スチレン)[Polymer Source,Inc.,];ポリ(スチレン−b−エチルアクリレート−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−エチレン−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−イソプレン−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−エチレンオキサイド−b−スチレン);ポリ(2−ビニルピリジン−b−t−ブチルアクリレート−b−2−ビニルピリジン);ポリ(2−ビニルピリジン−b−ブタジエン(1,2付加)−b−2−ビニルピリジン);ポリ(2−ビニルピリジン−b−スチレン−b−2−ビニルピリジン);ポリ(4−ビニルピリジン−b−t−ブチルアクリレート−b−4−ビニルピリジン);ポリ(4−ビニルピリジン−b−メチルメタクリレート−b−4−ビニルピリジン);ポリ(4−ビニルピリジン−b−スチレン−b−4−ビニルピリジン);ポリ(ブタジエン−b−スチレン−b−メチルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−アクリル酸−b−メチルメタクリレート):ポリ(スチレン−b−ブタジエン−b−メチルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−ブタジエン−b−2−ビニルピリジン);ポリ(スチレン−b−ブタジエン−b−4−ビニルピリジン);ポリ(スチレン−b−t−ブチルメタクリレート−b−2−ビニルピリジン);ポリ(スチレン−b−t−ブチルメタクリレート−b−4−ビニルピリジン);ポリ(スチレン−b−イソプレン−b−グリシジルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−a−メチルスチレン−b−t−ブチルアクリレート);ポリ(スチレン−b−a−メチルスチレン−b−メチルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−2−ビニルピリジン−b−エチレンオキサイド);ポリ(スチレン−b−2−ビニルピリジン−b−4−ビニルピリジン)。
前記ブロックコポリマーは単独で、あるいは同一または異なるクラスの2以上の混合物で用いることができる。例えば、第一のポリマーの重量パーセントで測定した2つのブロックコポリマーの混合物において、そのような混合物は10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%、30〜35%、35〜40%、40〜45%または45〜50%を含むことができる。3つのポリマーを用いる場合、最初のものはポリマー成分全部の10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%、30〜35%、35〜40%、40〜45%または45〜50%を含むことができ、第二のものは残りの10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%、30〜35%、35〜40%、40〜45%または45〜50%であり得る。
もう1つの方法を述べれば、混合物中の各ブロックコポリマーの量は、用いるブロックコポリマーの性質および数ならびに得られるべき所望の特性に従ってかなり変化し得る。しかしながら、一般には、本発明に従う混合物の各ブロックコポリマーは、膜または溶液中の全ポリマーの重量に基づいて少なくとも約10%の量で存在させる。これらの同一の一般的範囲は1以上のポリマー、コポリマーおよび/またはブロックコポリマーとの混合物から生産される膜に適用される。また、単一のポリマー、コポリマーまたはブロックコポリマーを少量の区別されるポリマー、コポリマーまたはブロックコポリマー、1.0重量%と少ない膜で「ドープ」して、膜の特性を調整することができる場合もある。
本発明の実施形態は、限定されるものではないが、A−B、A−B−AまたはA−B−Cブロックコポリマーを含む。A(またはC)のトリブロックコポリマーについての平均分子量は、例えば、1,000〜15,000ダルトンであって、Bの平均分子量は1,000〜20,000ダルトンである。より好ましくは、ブロックAおよび/またはCは約2,000〜10,000ダルトンの平均分子量を有し、ブロックBは約2,000〜10,000ダルトンの平均分子量を有する。
ジブロックコポリマーを用いるならば、Aについての平均分子量は約1,000〜20,000ダルトンの間、より好ましくは、約2,000〜15,000ダルトンである。Bの平均分子量は約1,000〜20,000ダルトンの間、より好ましくは、約2,000〜15,000ダルトンである。
好ましくは、ブロックコポリマーは、(i)予期される操作および貯蔵温度にて固体を提供し、(ii)ミセルよりはむしろ膜様構造の形成を促進するように選択された疎水性/親水性バランスを有する。より好ましくは、疎水性含有量(またはブロック)は親水性含有量(またはブロック)を超える。従って、ジブロックまたはトリブロックコポリマーの少なくとも1つのブロックは好ましくは親水性である。湿潤可能な膜が可能であるが、好ましくは、疎水性および親水性合成ポリマー材料の含有量は膜をわずかに湿潤性とする。
前記したように、本発明の1つの好ましい実施形態において、合成ポリマー材料の混合物を用いて製造された生体適合性膜が提供される。そのような混合物は、それらの各ブロックの分子量を除いて同一である2以上のブロックコポリマーの混合物であり得る。例えば、生体適合性膜は、その双方がポリ(2−メチロオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ−2−メチロオキサゾリン)であり、その1つが2kD−5kD−2kDの平均分子量を有し、他方が3kD−7kD−3kDの平均分子量を有し、かつ第二のブロックコポリマーに対する第一のブロックコポリマーの比率が用いる全合成ポリマー材料の約67%〜33%w/wである2つのブロックコポリマーの混合物を用いて製造することができる。この短い参照は、大部分のブロックコポリマーの第一のブロックが約2000ダルトンの分子量を有し、第二のブロックが5000ダルトンの分子量を有し、第三のブロックが2000ダルトンの分子量を有することを意味する。小さな割合のブロックコポリマーは、各々、約3000、7000および3000ダルトンのブロックを有する。
さらに、2以上の全く異なるブロックコポリマーを用いることができ、それらの各ブロックのサイズのみが異なる異なるブロックコポリマーおよび同一ブロックコポリマーの混合物も考えられる。しかしながら、混合物はブロックコポリマーに限定されない。
ポリマーおよびコポリマーは単独で、組み合わせて、本発明に従うブロックコポリマーと組み合わせて用いて、本明細書中に記載する特性を有する生体適合性バリアおよび膜を製造することができる。有用なポリマーおよびコポリマーは、好ましくは、室温(約25℃)で固体である。それらは、用いるいずれかの他の合成ポリマー材料、用いるいずれかの添加剤、および用いるポリペプチドを収容することができる溶媒または溶媒系に溶解させることができる。生体適合性膜を製造するのに有用なポリマーおよびコポリマーは
、限定されるものではないが、ポリスチレン、ポリジメチルシロキサンのようなポリアルキルおよびポリジアルキルシロキサン、ポリメチルメタクリレートのようなポリアクリレート、ポリブタジエンのようなポリアルケン、ポリアルキレンおよびポリアルキレングリコール、スルホン化ポリスチレン、ポリジエン、ポリオキシラン、ポリ(ビニルピリジン)、ポリオレフィン、ポリオレフィン/アルキレンビニルアルコールコポリマー、エチレンプロピレンコポリマー、エチレン−ブテン−プロピレンコポリマー、エチルビニルアルコールコポリマー、過フッ素化スルホン酸、塩化ビニルおよびアクリロニトリルのコポリマーのようなビニルハロゲンポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸/エチレンコポリマーおよび他の可溶性であるが一般には疎水性のポリマーおよびコポリマー(全て分子量は約5,000および約500,000の間)を含む。特に好ましいポリマーはポリ(n−ブチルアクリレート);ポリ(t−ブチルアクリレート);ポリ(エチルアクリレート);ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート);ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート);ポリ(メチルアクリレート);ポリ(n−ブチルメタクリレート);ポリ(s−ブチルメタクリレート);ポリ(t−ブチルメタクリレート);ポリ(エチルメタクリレート);ポリ(グリシジルメタクリレート);ポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート);ポリ(メチルメタクリレート);ポリ(n−ノニルメタクリレート);ポリ(オクタデシルメタクリレート);ポリブタジエン(1,4−付加);ポリブタジエン(1,2−付加);ポリイソプレン(1,4−付加);ポリイソプレン(1,2−付加および1,4付加);ポリエチレン;ポリ(ジメチルシロキサン);ポリ(エチルメチルシロキサン);ポリ(フェニルメチルシロキサン);ポリプロピレン;ポリ(プロピレンオキサイド);ポリ(4−アセトキシスチレン);ポリ(4−ブロモスチレン);ポリ(4−t−ブチルスチレン);ポリ(4−クロロスチレン);ポリ(4−ヒドロキシルスチレン);ポリ(a−メチルスチレン);ポリ(4−メチルスチレン);ポリ(4−メトキシスチレン);ポリスチレン;アイソタクチックポリスチレン;シンジオタクチックポリスチレン;ポリ(2−ビニルピリジン);ポリ(4−ビニルピリジン);ポリ(2,6−ジメチル−p−フェニレンオキサイド);ポリ(3−(ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)スチレン);ポリイソブチレン;ポリ(9−ビニルアントラセン);ポリ(4−ビニル安息香酸);ポリ(4−ビニル安息香酸ナトリウム塩);ポリ(塩化ビニルベンジル);ポリ(3(4)−ビニルベンジルテトラヒドロフルフリルエーテル);ポリ(N−ビニルカルバゾール);ポリ(2−ビニルナフタレン)およびポリ(9−ビニルフェナントレン)を含む。ポリマーおよびコポリマーは一般には合成ポリマー材料であるので、それらは、ブロックコポリマーおよび混合物について既に記載したのと同一量で用いることができる。
本発明の特に好ましい態様において、生体適合性膜は合成ポリマー材料、好ましくは、少なくとも1つのブロックコポリマー(最も好ましくは、少なくとも部分的には両親媒性であるもの)および生体適合性膜を安定化させることができる合成ポリマー材料を含む。ある種のポリマー、最も顕著には、複数の水素結合(「水素結合リッチ」)を形成することができる親水性ポリマーおよびコポリマーは膜を安定化できることが判明した。安定化ポリマーの文脈では、用語「ポリマー」はモノマー、ポリマーおよびコポリマーを含む。この文脈では、「疎水性」は、安定化ポリマーが水または水混和性溶媒に溶解する、または可溶化することを意味する。いずれかの特定の操作理論に拘束される意図はないが、そのようなポリマーの使用は、生体適合性膜の構造にポリペプチドを機能的に一体化させるのを援助することができると考えられる。安定化ポリマーは、生体適合性膜に、同一条件に暴露された場合に安定化ポリマーなくして製造された同一の生体適合性膜と比較した場合に、より大きな操作寿命および/または機械的欠陥に対するより大きな抵抗性を付与する。合成ポリマー材料が分析物センサーで用いられる安定化ポリマーを含む安定化された生体適合性膜は、例えば少なくとも約10%、より好ましくは少なくとも約50%、最も好ましくは少なくとも約100%の増大した操作寿命を要することができる。
本発明の生体適合性膜においてポリペプチドを安定化することができる特に好ましいポリマーはデキストラン、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキサイド、ポリアクリルアミド、およびポリアルキレンアミンを含む。これらの安定化ポリマー(再度、コポリマーを含む)は、一般には、合成ポリマー材料として用いられるポリマーおよびコポリマーよりも低い平均分子量を有する。それらの分子量は、一般に、約1,000ダルトン〜約15,000ダルトンの範囲である。生体適合性膜を安定化することができる特に好ましいポリマーは、限定されるものではないが、約2,000および約10,000の間の平均分子量を有するポリエチレングリコール、約2,000および約10,000の間の平均分子量を有するポリエチレンオキサイド、約5,000および15,000ダルトンの間の平均分子量を有するポリアクリルアミドを含む。他の安定化ポリマーはポリプロピレン、ポリ(n−ブチルアクリレート);ポリ(t−ブチルアクリレート);ポリ(エチルアクリレート);ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート);ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート);ポリ(メチルアクリレート);ポリ(n−ブチルメタクリレート);ポリ(s−ブチルメタクリレート);ポリ(t−ブチルメタクリレート);ポリ(エチルメタクリレート);ポリ(グリシジルメタクリレート);ポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート);ポリ(メチルメタクリレート);ポリ(n−ノニルメタクリレート);およびポリ(オクタデシルメタクリレート)を含む。
生体適合性膜で用いる安定化ポリマーの量は、特性においていくらか測定可能な改良が実現され、かつ生体適合性膜の機能が不適切にも阻害されない限り臨界的ではない。機能および寿命のいくらかの釣合が予測される。しかしながら、一般には、仕上げられた生体適合性膜で見出される合成ポリマー材料全量の関数としての用いる安定化ポリマーの量(重量)は、一般には、1/3以下、典型的には30重量%以下である。好ましくは、用いる量は5および約30%の間、より好ましくは約5および約10重量%の間であり、仕上げられた膜において合成ポリマー材料の約15重量%が用いられる。
1以上のポリマー、コポリマーおよび/またはブロックコポリマー、および/または安定化ポリマーに加えて、本発明の合成ポリマー材料は少なくとも1つの添加剤を含むことができる。ポリペプチドである添加剤が用いられる。なぜならば、ポリペプチドは脂質のようなある種の添加剤の存在を好み、またはそれを要するからである。添加剤は架橋剤および脂質、脂肪酸、ステロールおよび他の天然生物学的膜成分ならびにそれらの合成類似体を含む。これらは、一般に、溶液中である場合、合成ポリマー材料に添加される。これらの添加剤は、もしまさに存在すれば、一般には、合成ポリマー材料の重量に基づいて、約0.50%および約30%の間、好ましくは約1.0%および約15%の間の量で見出される。
生体適合性膜が架橋部位を取り込む場合、架橋で有用な手法はラジカル生成剤またはラジカル増殖剤との化学的架橋、およびさらなるラジカル増殖剤を含むまたは含まない、光化学ラジカル発生を介する架橋を含む。パラメーターは、膜材料、生体適合性膜セグメントのサイズ、支持体の構造などのような条件に依存して調整することができる。ポリペプチドに対する損傷を最小化するように注意すべきである。1つの特に有用な方法は、中性pHで過酸化物を用い、続いて酸性化することを含む。
[プロトン・トンネリング膜]
本発明の1つの態様は2つの区画を分離するバリアを有する分析物センサーを含み、該バリアは比較的プロトン透過性であるが、該バリアを横切ってのプロトンの輸送に関与することができる。特定の操作理論に拘束される意図はないが、そのような輸送はプロトン・トンネリングの結果と考えられる。
本発明のさらにもう1つの実施形態は、膜の第一の側から第二の側へのプロトンの輸送に関与することができる少なくとも1つのポリペプチドに関連付けられたPTMと共にバリアを含有する分析物センサーであって、輸送を促進する分子構造の形成を含むことができる、分析物センサーである。好ましくは、ポリペプチドは、それがPTMを横切ってプロトンを輸送することに関与できるように、PTMと会合する。1つの実施形態において、そのようなポリペプチドは、通常、PTMに結合した、またはそれと隣接する別々の生体適合性膜の一部として提供される。もう1つの実施形態において、そのようなポリペプチドは、現実には、PTMの一部である。そのような膜は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする、「Proton−Tunneling Membranes and Fuel Cells」なる発明の名称の同時係属仮出願第60/415,686号に詳細に記載されている。
「プロトン・トンネリング」は、観察された現象を記載するのに本明細書中で用いられる語である。プロトン・トンネリング膜またはバリアは、好ましくは固体、液体、気体、イオンおよび、特に、プロトンの流れに対して不浸透性である合成ポリマー材料(ポリマー、コポリマー、ブロックコポリマーおよびその混合物)の1以上の層を含む。少なくとも、電流により測定した場合、プロトンの流れの大部分は、これらの膜を横切るプロトン・トンネリングの結果であると考えられ、単なるプロトン透過性の結果ではない。本明細書中で用いるように、用語「比較的プロトン不浸透性」は、電流またはプロトンの流れが(ある条件下で)層または膜を横切って起きるが、そのような電流の少量は、もしあれば、プロトン透過性によるものであることを意味する。プロトン・トンネリングは、特に、ポリペプチドを含まない層または膜における残りの電流の輸送についての理由であると考えられる。しかしながら、たとえ説明としてのプロトン・トンネリングが不完全または不正確であったとしても、プロトン透過性によるものではありえない電流は測定可能な事実である。それは、本発明に関するプロトンのこの流れであり、「比較的プロトン不浸透性」という語は、合成ポリマー材料が、適切に選択され、層または膜に形成される場合に、その大部分が浸透性以外のメカニズムを介するプロトンの流れを許容するという事実を反映することを意味する。なお、これらのプロトン・トンネリング膜またはバリアは、本発明の最も好ましい実施形態に当てはまるように完全にプロトン不透過性であっても、誘電性ではない。これは、適当な材料を用い、その材料が本明細書中に記載されるように適切に調製される場合、プロトンの流れを許容することを意味する。適切に製造され、かつ使用されれば、完全に誘電性であると予測されていた、プロトン・トンネリングが可能な合成ポリマー材料の層は、事実、層の一方側から他方側へのプロトン輸送を効果的に可能とすることが判明した。本発明の基準を満足し、そのような挙動を呈する膜は、本明細書中では、プロトン・トンネリング挙動を呈するといい、これは、プロトン・トンネリング膜または「PTM」である。
本明細書中で議論した理由で、プロトン・トンネリングは、PTMのポリマー材料内でのプロトンとある種のパイ結合との間のカチオン相互作用のため起こると考えられる。この相互作用は、過剰の正の電荷によって駆動されると考えられる。プロトンの運動エネルギーの量を修飾することによっておよび/または層内で用いられるポリマー材料のプロトン親和性の性質を改変することによって、層を横切ってのプロトン移動の速度および程度を調整、および最も好ましくは増加させることができる。
この現象は、ポリスチレン系ポリマーのようなある種のポリマー材料で起こることが本発明者らによって観察されており、ここに、ベンゼン環内の非局在化電子雲がプロトンに対して量子井戸(またはトラップ)として働く。現象としての、芳香族構造とのカチオンの結合は、カチオンおよび有機溶媒、またはアミノ酸に関するごとき他の文脈で注記されてきた。(Dougherty,D.A.,「Cation Pi Interactions in Chemistry and Biology:A New View of Benzene,Phe,Tyr,and Trp.」Science 271:163−168(1996);Scrutton,N.S.,and Raine,A.R.C.,「Cation−Pi bonding and amino−aromatic interactions in the biomolecular recognition of substituted ammonium ligands」Biochem.J.319:1−8(1996);Cubero,E.et al.,「Is Polarization important in cation−Pi interactions?」Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:5976−80(1998);Gallivan,J.P.およびDougherty,D.A.,「Cation−Pi interactions in structural biology」Proc.Natl.Acad.Sci USA 96:9459−64(1999);Hunter,C.A.et al.,「Substituent effects on cation−Pi Interactions:A quantitative study」Proc.Natl.Acad.Sci.USA 99:4873−76(2002)参照のこと)。
今回、本発明によるポリマー層においては、量子井戸、またはそのような井戸の間の連続経路が芳香族環の存在によって作り出され得ることが判明した。これらの環がメチル基のような電子雲を強化する置換基を担う場合、あるいは非共役環またはジ芳香族またはポリ芳香族の場合に、プロトン・トンネリング活性は、低下することが判明した。もし、別法として、置換基が電子雲を弱めるならば、ハライド置換スチレンに関しては、プロトン・トンネリング活性は増強される。これらの結果は現在の研究に合致する。
いずれかの特定の操作理論に制限されることなく、本発明のポリマー膜内部のプロトンは量子井戸によってトラップできると考えられる。トンネリング効果を介して膜に入る、膜の一方側から入手可能なエネルギー性プロトンがなければ、膜それ自体は、一般にはプロトンに対して不透過性のままである。1つのプロトンがトンネリングを介して膜に入れば、もう1つのプロトンは、エネルギーまたはプロトンが移動するにつれ、膜の他方側から出ると考えられる。これは、なぜプロトン輸送が、濃度勾配によるよりもむしろ過剰な電荷によって駆動されるように見えるかを説明できる。
本発明による「量子井戸」もまた、特定の観察を説明するのに用いられる用語である。しかしながら、それは限定することを意図しない。量子井戸はエネルギーバリアの概念化である。井戸がより深くなれば、トンネリングに必要なエネルギーは多くなる。本発明で有用でないある種のポリマー材料においては、プロトンの層の一方側から他方側への伝達が可能ではない。説明として量子井戸を用い、これらのポリマー材料は、プロトンをトラップし、プロトン・トンネリングをクエンチできる非常に深い井戸を表わす。概念的には、運動エネルギーがいかなるものであっても、前提の内では、プロトンは、そのような井戸を通じて、またはそれからトンネリングを行うには不十分であろう。そのような材料が、本発明によると完全に誘電性である。井戸がより狭くなれば、プロトンが層から逃げ、それを通ってトンネリングできる確立は高くなる。プロトンの運動エネルギーの量を調整することによっておよび/または井戸の深さを調整することによって(ある種の芳香族またはプロトンについての共鳴種の電子雲の親和性)、プロトン・トンネリングの確立を増加または減少させ、プロトン流の速度および密度を増加させることができる。
ジューテリウムのようなプロトン種の、「余りにも深い」井戸への強い結合、すなわち、ジューテリウム含有液体へのそのような材料の浸漬を検出するには、液体を交換し、材料からのジューテリウムの喪失速度を見る。特徴的に「余りにも浅い」井戸を含む材料はプロトンを移動させず、また対照を超えるレベルで測定可能にジューテリウムに結合しないであろう。
PTMは(親密に接触したまたは相互に隣接した層を含めた)単一層または複数層であってよく、PTMは固体支持体(バリア)に結合できるか、あるいはそうでなければ誘電性材料の開口または孔を横切って伸びるか、誘電性材料の開口または孔内に配置することができる。あるいは、独立構造のプロトン・トンネリングバリアを使用することができる。
1つの実施形態において、本発明は、第二の区画から第一の区画を分離する合成ポリマー材料の少なくとも1つの層を有する膜を含む。該層は比較的プロトン不透過性であって、誘電性ではなく、かつ、第一の側から第二の側へのプロトンの輸送に関与することができる。用いる合成ポリマー材料は、好ましくは、共鳴を呈する少なくとも1つの種、より好ましくは、少なくとも1つの芳香族基を含む。合成ポリマー材料は、好ましくは、比較的低い静電結合エネルギーおよび/または比較的低い分極エネルギーの量を有する。
一般的な事項において、PTMは、プロトン・トンネリングを呈する合成ポリマー材料を選択し、第一の側および第二の側を有する合成ポリマー材料から層を形成することによって作成される。層は、層の第一の側から層の第二の側へプロトンを輸送することができなければならない。
合成ポリマー材料を選択するにおいて、限定されるものではないが、考慮する材料の量子井戸の深さ、プロトン・トンネリングについてのその性質、一般的には薄いが不透過性の層がその材料から製造できるか否か、材料が少なくとも比較的プロトン不透過性である比較的薄い層を製造できるか否か、相対的静電結合エネルギーおよび/または相対的分極エネルギーを含めた多数の因子を考慮することができる。
本発明によれば、PTMについての2つの基本的基準がある。まず、それは、透過性以外のメカニズムを介して、好ましくはプロトン・トンネリングを介して、プロトン、好ましくは比較的低くさえある運動エネルギーのプロトンの流れを可能とし、促進し、または刺激する材料から作成されなければならない。これらの材料は比較的浅い量子井戸を有すべきである。比較的プロトン不透過性であるポリマー層を用いることができるが、膜を形成するポリマー層はできる限りプロトン不透過性であるのが好ましい。透過性が低くなると、より良好である。従って、偶然のプロトンの遺漏または層からの濾過を除いて全て排除する、「実質的に全体がプロトン不透過性」である材料を用いるのが好ましい。第2に、PTMは、プロトン・トンネリングを起こさせる方法で製造しなければならない。
第一の基準に関しては、全ての材料がプロトン・トンネリングを可能としたり、それを促進したりするのではない。プロトン・トンネリング活性は、例えば、膜がブチレンのような非共役不飽和ポリマー成分を含む場合に見掛け上ブロックされる。1−2ブタジエンおよびポリスチレンのコポリマー(P2867 Polymer Source,Inc.)は、その双方がポリスチレン−ポリ1−4ブタジエン−ポリスチレントリブロックコポリマーである、P127(Polymer Source,Inc)または3G55(BASF、Ludwigshafen,ドイツ国)で製造される膜中20%w/wと低いところで、プロトン・トンネリング活性の劇的な低下を呈する。プロトン・トンネリング活性の完全なクエンチングは50%w/wだけ起こる。他方、そうでなければ、完全にP127または3G55で作成された同一の膜は有意なプロトン・トンネリングを呈する。ポリビニルピリジンのニトロベンゼン環のような別の環構造もまた、プロトン・トンネリング活性を呈するが、プロトン化が電子雲の強度を十分に低下させるのみである。従って、本発明の重要な態様は、プロトン・トンネリングを介してプロトン移動を行うポリマー材料の選択である。選択された材料は、プロトン不透過性である他の固体/半固体三次元構造の層/膜へ形成されることができるべきである。
ベンゼン環のような芳香族基を含むいずれの合成ポリマー材料も、潜在的に、本発明で有用であろう。厳密に言えば芳香族環を保有しないが、共鳴電子を共有することができる他の化学種も有用であろう。共鳴を呈する種を含めたいずれの合成ポリマー材料も可能な候補である。これは、共鳴ハイブリッドを含む。芳香族化合物およびこれに関して共鳴を呈する化合物は、共鳴を呈する複素環を含むことができる。合成ポリマー材料は均一なもの(homogeneous)とすることができ、コポリマーまたはブロックコポリマーまたは混合物であり得る。層または膜で用いられる合成ポリマー材料の全てが、それがモノマーまたはブロックであろうが、プロトン・トンネリングを容易にする能力を保有する必要があるのではない。
前記したように、メチル基または一般的には電子陽性基(electron positive groupe)のような電子雲を強化する基で置換された共鳴構造を呈する化合物はプロトン・トンネリング活性を低下させることができる。これは、より深い井戸を堀り、従って、それをトンネリングが起こるのを困難とすると考えられる。別法として、ハライドのような電気陰性基(electron negative groupe)およびヒドロキシ基のような電子吸引種のような共鳴電子雲を弱める置換基の使用は、プロトン・トンネリングを増強させ、あるいは類似体を完成するためには、より浅い井戸を供することができる。芳香族特徴を呈するが、一般的にはプロトン・トンネリングに導かない他の化合物は、電気陰性種または十分なプロトン化での置換を増加させて、電子雲の強度を減少させることによって、本発明では有用とされ得る。
例えば、本明細書中で議論した溶媒蒸発方法によって製造された純粋なポリスチレン−系ホモポリマー(分子量250,000−Acros Organics,Lot No.A014302901,Geel,ベルギー国)から形成された膜はプロトン・トンネリング活性を示した。また、特に有用なポリスチレン系膜は3G55のようなポリスチレン−ブロックコポリマーから製造することもでき、ここに、ポリスチレンは柔軟性ブロックで形成され、強力であるが変形可能な膜が形成されるのを可能とする。
プロトン・トンネリングの程度および、もしあれば、プロトン透過性の程度のテストは慣用的な方法で行うことができる。1つの好ましい方法は、好ましくは、ZnまたはAl金属アノードおよびPTMを有するテストセルを製造することである。テストセルは、まず、カソード区画のpHを測定し(カソード区画における電解質のpHを測定した)後、2〜20オームのような所定の負荷下で、所定の時間、一般には約1時間以上作動させる。一旦負荷が除去されたならば、電流および電圧を経時的に測定し、カソード区画のpHを最後に測定する。陰極液(カソード区画中の電解質)のpHおよび容量のいずれかの測定可能な変化から、透過性を介してアノードからカソードへ膜を横切るプロトンの数を計算することができる。プロトンの合計数、膜の面積、テストの実行時間を用いて、プロトンに対する透過性を計算することができる。テストの間に膜を介してアノードからカソードへ横切るプロトンの正味の数は、電流の流れに相似(analogous)する。プロトン透過性による電流は、テストセルの測定された電流出力から差し引くことができ、その差はプロトン・トンネリングによるものである電流である。一般には全体を通じて真実であるように、「電流」は経時的な電子の流れであって、電流はテストセル中の(および膜を横切る)(プロトンを含めた)イオンの流れを測定するために用いることができる。従って、本明細書中では、「電流」は、しばしば、同様にプロトンの流れを記載するのに用いられる。従って、プロトンの流れを可能としない材料は、本出願の目的では、誘電性である。
一般に、本発明による層または膜は比較的プロトン不透過性であり、従って、それを横切って流れるいずれの電流の大部分も、プロトン透過性以外の何かによるものであろう。好ましくは、プロトン・トンネリングはプロトンの流れの大部分、より好ましくは、圧倒的大部分に関与するであろう。しかしながら、好ましくは、プロトン透過性と比較したプロトン・トンネリングのような、透過性以外からの電流の相対的割合は1:1よりもかなり大きいであろう。より好ましくは、少なくとも10:1における電流比が観察される(プロトン・トンネリング:プロトン透過性)。より好ましくは、少なくとも100:1であり、なおより好ましくは少なくとも1000:1である。最も好ましくは、電流の全ては透過性以外の何かによるものであり、好ましくは、プロトン・トンネリングによるものである。もちろん、これは、PTMが実質的にプロトン透過性であることを意味するであろう。一般に、本発明で有用なポリマーは、比較的低い静電結合エネルギーまたは比較的低い量の分極エネルギーのいずれかを有するであろう。好ましくは、双方は低い。事実、比較的高い静電結合エネルギーおよび比較的高い量の分極エネルギーを共に有する材料は、通常は、PTMベースの分析物センサーで用いられるPTMを形成するのに有用ではない。逆に、もし静電結合エネルギーおよび分極エネルギーの量が共に低ければ、考慮する材料はPTMで用いられる良好な候補である。好ましくは、本発明の分析物センサーで用いられるPTMでは、静電結合エネルギーは約19.3Kcal/モル未満、より好ましくは15.0Kcal/モル以下である。分極エネルギーの量は好ましくは約16.2Kcal/モル未満、より好ましくは10.0Kcal/モル以下である。静電結合エネルギーおよび分極エネルギーの数値の双方は、静電結合エネルギーおよび分極エネルギー双方を測定し、計算するための方法を記載する目的でここに参照してそのテキストを組み込む、Cubero et al.,「Is polarization important in cation−Pi Interactions?」95Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1998)5976−80に記載された技術および計算を用いて測定され、計算される。
これらの特性を呈する合成ポリマー材料の例は、5−(N,N−ジメチルアミノ)スチレンからのトリブロックコポリアンフォライト[Bieringer et al.,Eur.Phys.J.E.5:5−12,2001。それらのポリマーの中にはAi146323、Ai312346、Ai422335、Ai562321、Ai571132がある];スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロックコポリマー[(KRATON)G 1650、29%スチレン、8000.溶液粘度(25重量%ポリマー)、100%トリブロックスチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(S−EB−S)ブロックコポリマー;(KRATON)G 1652、29%スチレン、1350溶液粘度(25重量%ポリマー)、100%トリブロックS−EB−Sブロックコポリマー;KRATON]G 1657、4200溶液粘度(25重量%ポリマー)、35%ジブロックS−EBブロックコポリマー。スチレン−エチレン/プロピレン(S−EP)タイプは商品名(KRATON)G 1726下で商業的に入手可能である、28%スチレン、200溶液粘度(25重量%ポリマー)、70%ジブロックS−EPブロックコポリマー;(KRATON)G−1701X a37%スチレン、>50,000溶液粘度、100%ジブロックS−EPブロックコポリマー;および(KRATON)G−1702X、28%スチレン、>50,000溶液粘度、100%ジブロックS−EPブロックコポリマー、全てShell Chemical Company,Houston,Texas,USAから入手可能];ポリ(スチレン−b−ブタジエン−b−スチレン)トリブロックコポリマー[通常用いられる熱可塑性エラストマー、BASF、Ludwigshafen,ドイツ国からのStyroluxを含む];アゾ−機能性スチレン−ブタジエン−HEMAトリブロックコポリマー、重合性末端基を担う両親媒性トリブロックコポリマー;ポリ(イソプレン−ブロック−スチレン−ブロック−ジメチルシロキサン)トリブロックコポリマー;ポリ(エチレンオキサイド)−ブロック−ポリスチレン−ブロック−ポリ(エチレンオキサイド)トリブロックコポリマー;スチレン−イソプレン−スチレントリブロックコポリマー[Japan Synthetic Rubber Co.,MW=140kg/モル、PS/PI=15/85のブロック比];[ポリ(スチレン−コ−4−スチレンスルホン酸またはその塩)のアイオノマー;ポリ(スチレン−コ−N−メチル2−ビニルピリジニウムヨージド)アイオノマー;ポリ(スチレン−コ−N−メチル4−ビニルピリジニウムヨージド)のアイオノマー;ポリ(スチレン−コ−金属アクリレート)のアイオノマー;ポリ(スチレン−コ−金属メタクリレート)アイオノマー;ポリ(スチレン−コ−金属4−ビニルベンゾエート)のアイオノマー;ビチオフェン標識ポリスチレン;ブロモ−ビチオフェン標識ポリスチレン;3−アームポリスチレン;4−アームポリスチレン8−アームポリスチレン;アミノ末端ポリ(スチレン−b−イソプレン);アミノ末端ポリスチレン;カルボキシ末端ポリエステル;塩化カルボキシル末端ポリスチレン;クロロ末端ポリスチレン;ジメチルクロロシラン末端ポリスチレン;ジメチルシラン末端ポリスチレン;ヒドロキシ末端ポリスチレン;スルホン酸ナトリウム塩末端ポリスチレン;スルホン酸末端ポリスチレン;チオール末端ポリスチレン;ビニル末端ポリスチレン;α,ω−ジカルボキシ末端ポリスチレン;α,ω−ジヒドロキシ末端ポリスチレン;α−ヒドロキシ−ω−スチレン末端ポリスチレン;α−ヒドロキシル−ω−アミノ末端ポリスチレン;α−ヒドロキシル−ω−カルボキシ末端ポリスチレン;α,ω−ジスルホン酸末端ポリスチレン;アミノ末端ポリ(2−ビニルピリジン);カルボキシ末端ポリ(2−ビニルピリジン);クロロ末端ポリ(2−ビニルピリジン);ジメチルクロロシラン末端ポリ(2−ビニルピリジン);ヒドロキシ末端ポリ(2−ビニルピリジン);チオール末端ポリ(2−ビニルピリジン);ビニル末端ポリ(2−ビニルピリジン);α,ω−ジヒドロキシ末端ポリ(2−ビニルピリジン);α,ω−ジカルボキシ末端ポリ(2−ビニルピリジン);カルボキシ末端ポリ(4−ビニルピリジン);ヒドロキシ末端ポリ(4−ビニルピリジン);ビニル末端ポリ(4−ビニルピリジン);ランダムコポリマーポリ(スチレン−コ−4−ブロモスチレン);ランダムコポリマーポリ(スチレン−コ−t−ブチル−4−ビニルベンゾエート);ランダムコポリマーポリ(スチレン−コ−t−ブチルメタクリレート);ランダムコポリマーポリ(スチレン−コ−ブタジエン);ランダムコポリマーポリ(スチレン−コ−p−カルボキシルクロロスチレン);ランダムコポリマーポリ(スチレン−コ−p−クロロメチルスチレン);ランダムコポリマーポリ(スチレン−コ−メチルメタクリレート);ランダムコポリマーポリ(スチレン−コ−4−OHスチレン);ランダムコポリマーポリ(スチレン−コ−4−ビニル安息香酸);交互コポリマーポリ(カルボtert.ブトキシα−メチルスチレン−アルト−無水マレイン酸);交互コポリマーポリ(a−メチルスチレン−アルト−メチルメタクリレート);交互コポリマーポリ(スチレン−アルト−メチルメタクリレート);ポリ(ブタジエン−b−スチレン−B−メチルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−アクリル酸−b−メチルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−ブタジエン−b−メチルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−ブタジエン−b−2−ビニルピリジン);ポリ(スチレン−b−ブタジエン−b−4−ビニルピリジン);ポリ(スチレン−b−t−ブチルアクリレート−b−メチルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−t−ブチルメタクリレート−b−2−ビニルピリジン);ポリ(スチレン−b−t−ブチルメタクリレート−b−4−ビニルピリジン);ポリ(スチレン−b−イソプレン−b−グリシジルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−a−メチルスチレン−b−t−ブチルアクリレート);ポリ(スチレン−b−a−メチルスチレン−b−メチルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−2−ビニルピリジン−b−エチレンオキサイド);ポリ(スチレン−b−2−ビニルピリジン−b−4−ビニルピリジン;ポリ(t−ブチルアクリレート−b−スチレン−b−t−ブチルアクリレート);ポリ(t−ブチルメタクリレート−b−スチレン−b−t−ブチルメタクリレート);ポリ(メチルメタクリレート−b−スチレン−b−メチルメタクリレート);ポリ(メチルメタクリレート−b−2−ビニルピリジン−b−メチルメタクリレート);ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−スチレン−b−ブタジエン(1,4付加));ポリ(エチレンオキサイド−b−スチレン−b−エチレンオキサイド);ポリ(スチレン−b−アクリル酸−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−ブタジエン(1,4付加)−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−ブチレン−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−n−ブチルアクリレート−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−t−ブチルアクリレート−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−エチルアクリレート−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−エチレン−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−イソプレン−b−スチレン);ポリ(スチレン−b−エチレンオキサイド−b−スチレン);ポリ(2−ビニルピリジン−b−t−ブチルアクリレート−b−2−ビニルピリジン);ポリ(2−ビニルピリジン−b−ブタジエン(1,2付加)−b−2−ビニルピリジン);ポリ(2−ビニルピリジン−b−スチレン−b−2−ビニルピリジン);ポリ(4−ビニルピリジン−b−t−ブチルアクリレート−b−4−ビニルピリジン);ポリ(4−ビニルピリジン−b−メチルメタクリレート−b−4−ビニルピリジン);ポリ(4−ビニルピリジン−b−スチレン−b−4−ビニルピリジン);ポリ(イソプレン−b−N−メチル2−ビニルピリジニウムヨウジド);ポリ(ブタジエン−b−N−メチル4−ビニルピリジニウムヨウジド);ポリ(スチレン−b−アクリル酸);ポリ(スチレン−b−アクリルアミド);ポリ(スチレン−b−セシウムアクリレート);ポリ(スチレン−b−アクリル酸ナトリウム);ポリ(スチレン−b−メタクリル酸);ポリ(スチレン−b−メタクリル酸ナトリウム);ポリ(スチレン−b−N−メチル2−ビニルピリジニウムヨージド);ポリ(スチレン−b−N−メチル−4−ビニルピリジニウムヨージド);ポリ(2−ビニルピリジン−b−エチレンオキサイド);ポリ(N−メチル2−ビニルピリジニウムヨージド−b−エチレンオキサイド);ポリ(N−メチル4−ビニルピリジニウムヨージド−b−メチルメタクリレート);ポリ(t−ブチルアクリレート−b−2−ビニルピリジン);ポリ(t−ブチルアクリレート−b−4−ビニルピリジン);ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート−b−4−ビニルピリジン);ポリ(t−ブチルメタクリレート−b−2−ビニルピリジン);ポリ(t−ブチルメタクリレート−b−4−ビニルピリジン);ポリ(ブタジエン−b−4−ビニルピリジン);ポリ(イソプレン(1,4付加)−b−2−ビニルピリジン);ポリ(イソプレン(1,2付加)−b−4−ビニルピリジン);ポリ(イソプレン(1,4付加)−b−4−ビニルピリジン);ポリ(エチレン−b−2−ビニルピリジン);ポリ(エチレン−b−4−ビニルピリジン);ポリ(イソブチレン−b−4−ビニルピリジン);ポリ(スチレン−b−ブタジエン(1,4付加));ポリ(スチレン−b−n−ブチルアクリレート);ポリ(スチレン−b−t−ブチルアクリレート);ポリ(スチレン−b−t−ブチルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−n−ブチルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−t−ブチルスチレン);ポリ(スチレン−b−ε−カプロラクトン);ポリ(スチレン−b−シクロヘキシルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−N,N−ジメチルアクリルアミド);ポリ(スチレン−b−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−ジメチルシロキサン);ポリ(スチレン−b−グリシジルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−2−ヒドロキシエチルメタクリレート);コレステリルクロロホルメートを含むポリ(スチレン−b−2−ヒドロキシエチルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−N−イソプロピルアクリルアミド);ポリ(スチレン−b−イソプレン(1,4付加));ポリ(スチレン−b−L−ラクチド);ポリ(スチレン−b−メチルアクリレート);ポリ(スチレン−b−メチルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−n−プロピルメタクリレート);ポリ(スチレン−b−メチルメタクリレート(アイソタクチック));ポリ(スチレン−b−2−ビニルピリジン);ポリ(スチレン−b−4−ビニルピリジン);テーパー付きブロックコポリマーポリ(スチレン−b−ブタジエン);テーパー付きブロックコポリマーポリ(スチレン−b−エチレン);ポリ(2−ビニルナフタレン−b−メチルメタクリレート);ポリ(2−ビニルピリジン−b−e−カプロラクトン);ポリ(2−ビニルピリジン−b−メチルメタクリレート);ポリ(2−ビニルピリジン−b−4−ビニルピリジン);ポリ(4−ビニルピリジン−b−メチルメタクリレート);ポリ(2−ビニルN−メチルピリジニウムヨージド※);ポリ(4−ビニル−N−メチルピリジニウムヨージド※);ポリ(スチレンスルホン酸);ポリ(4−アセトキシスチレン);ポリ(4−ブロモスチレン);ポリ(4−t−ブチルスチレン);ポリ(4−クロロスチレン);ポリ(4−ヒドロキシルスチレン);ポリ(a−メチルスチレン);ポリ(4−メチルスチレン);ポリ(4−メトキシスチレン);ポリスチレン;ポリスチレン広分布;アイソタクチックポリスチレン;シン



ジオタクチックポリスチレン;ポリ(2−ビニルピリジン);ポリ(4−ビニルピリジン);ポリ(3−(ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−スチレン);ポリ(4−ビニル安息香酸);ポリ(塩化ビニルベンジル);ポリ(3(4)−ビニルベンジルテトラヒドロフルフリルエーテル);ポリ(N−ビニルカルバゾール);前記のすべてはPolymer Source,Inc.,Dorval,Quebecから入手可能)を含む。
より好ましくは、非ランダムコポリマーを用いる。本発明による膜を形成するためのアイソタクチックまたはシンジオタクチックポリスチレンのような特によく配向した材料の使用は、プロトン・トンネリングフラックスのなおより高い密度を提供することができる。米国特許第4,980,101号参照。
これまでに議論した生体適合性膜に関しては、非ランダムブロックコポリマーから生産されたものを含めた、本発明のPTMと共に安定化ポリマーを用いるのが望ましく、同一の原理、方法および安定化剤を一般に使用することができる。本発明の特に好ましい態様においては、製造されたPTMおよび/またはいずれかの生体適合性膜は合成ポリマー材料、好ましくは少なくとも1つのブロックコポリマー(最も好ましくは、少なくとも部分的には両親媒性であるもの)および膜を安定化できる合成ポリマー材料を含むことができる。
用いる安定化ポリマーの量は、特性のいくらかの測定可能な改良が実現され、機能が不適切にも妨害されない限り、臨界的ではない。機能および寿命のいくらかの交換が予測される。しかしながら、一般には、仕上げられた膜で見出される合成ポリマー材料の全量(重量)の関数としての、用いる安定化ポリマーの量は、一般には、1/3以下であり、典型的には、30重量%以下である。好ましくは、用いる量は5および約30%の間であり、より好ましくは、仕上げられた膜における約5および約15重量%の合成ポリマー材料を用いる。
ポリマー材料を使用してPTMを製造する議論に戻ると、前記ポリマー、コポリマーおよびブロックコポリマーは、生体適合性膜の製造と同様に、単独、または同一または異なるクラスの2以上の混合物で用いることができる。
例えば、第一のポリマーの重量%で測定された2つのブロックコポリマーの混合物において、そのような混合物は10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%、30〜35%、35〜40%、40〜45%または45〜50%を含むことができる。3つのポリマーを用いる場合、第一のものは全ポリマー成分の10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%、30〜35%、35〜40%、40〜45%または45〜50%を含むことができ、第2のものは残りの10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%、30〜35%、35〜40%、40〜45%または45〜50%を含むことができる。
もう1つの方法を述べれば、混合物中の各ポリマーの量は、用いるポリマーの性質および数ならびに得られる所望の特性に従ってかなり変化させることができる。しかしながら、一般には、本発明による混合物の各ポリマーは、膜または溶液中の全ポリマーの重量に基づいて少なくとも約10%の量で存在させる。これらの同一の一般的範囲は、1以上のポリマー、コポリマーおよび/またはブロックコポリマーとの混合物から製造されたPTMに適用されるであろう。また、単一ポリマー、コポリマーまたはブロックコポリマーを少量の区別されるポリマー、コポリマーまたはブロックコポリマー、1.0重量%と少量の、膜の特別の特性を調整するための膜で「ドープ」することができる場合もある。
PTMは、限定されるものではないが、A−B、A−B−AまたはA−B−Cブロックコポリマーを含むことができる。A(またはC)のトリブロックコポリマーについての平均分子量は、例えば、1,000〜15,000ダルトンであり、Bの平均分子量は1,000〜20,000ダルトンである。より好ましくは、ブロックAおよび/またはCは約2,000〜10,000ダルトンの平均分子量を有し、ブロックBは約2,000〜10,000ダルトンの平均分子量を有する。
ジブロックコポリマーを用いるならば、Aについての平均分子量は約1,000〜20,000ダルトンの間、より好ましくは約2,000〜15,000ダルトンである。Bの平均分子量は約1,000〜20,000ダルトンの間、より好ましくは約2,000〜15,000ダルトンである。
好ましくは、ブロックコポリマーは、(i)予測される操作および貯蔵温度において固体を供し、および(ii)ミセルよりはむしろ膜様構造の形成を促進するように選択される疎水性/親水性バランスを有する。より好ましくは、疎水性含有量(またはブロック)は親水性含有量(またはブロック)を超えるべきである。従って、ジブロックまたはトリブロックコポリマーの少なくとも1つのブロックは好ましくは疎水性である。湿潤膜が可能であるが、好ましくは、疎水性および親水性合成ポリマー材料の含有量は膜をわずかに湿潤性とする。
前記のように、本発明の1つの実施形態において、合成ポリマー材料の混合物を用いて製造したPTMが提供される。そのような混合物は、その各ブロックの分子量を除いて同一である2以上のブロックコポリマーの混合物であり得る。例えば、生体適合性膜は、(Polymer Sourceからの)2つのブロックコポリマー3G55およびP127の混合物を用いて製造することができ、第二のブロックコポリマーに対する第一のブロックコポリマーの比率は用いる全合成ポリマー材料の約67%〜33%w/wである。
もちろん、2以上の全く異なるブロックコポリマーを用いることができ、その各ブロックのサイズのみが異なる異なるブロックコポリマーおよび同一のブロックコポリマーの混合物も考えられる。しかしながら、混合物はブロックコポリマーに限定されない。
ポリマーおよびコポリマーは、本発明に従い、単独で、組み合わせて、およびブロックコポリマーと組み合わせて用いて、本明細書中に記載した特性を有するPTMを製造することができる。有用なポリマーおよびコポリマーは、好ましくは、室温(約25℃)で固体である。それらは、用いるいずれかの他の合成ポリマー材料、用いるいずれかの添加剤、およびもし用いればポリペプチドに適用することができる溶媒または溶媒系に溶解させることができる。
1以上のポリマー、コポリマーおよび/またはブロックコポリマー、および/または安定化されたポリマーに加えて、本発明の合成ポリマー材料は少なくとも1つの添加剤を含むことができる。添加剤は架橋剤、および脂質、脂肪酸、ステロールおよび他の天然の生物学的膜成分およびそれらの合成類似体を含むことができる。これらは、一般に、溶液中においては、合成ポリマー材料に添加される。これらの添加剤は、もし存在すれば全く、一般に、合成ポリマー材料の重量に基づいて、約0.50%および約30%の間、好ましくは約1.0%および約15%の間の量で見出されるであろう。
バリア、PTMまたは生体適合性膜が架橋剤部位を取り込む場合、架橋で有用な手法はラジカル−形成または増殖剤での化学的架橋、およびさらなるラジカル増殖剤を用いてまたは用いることなく光化学ラジカル発生を介する架橋を含む。パラメーターは、膜材料、生体適合性膜セグメントのサイズ、支持体の構造等のような条件に依存して調整することができる。もしあれば、用いるポリペプチドに対する損傷を最小化するように注意すべきである。1つの特に有用な方法は、中性pHにおいて、過酸化物を用い、続いて、酸性化することを含む。
柔軟性ブロックを持つポリスチレン−系ブロックコポリマーは、プロトン・トンネリング活性を示す、強力であるが変形可能な膜を形成されるのを可能とする。ポリスチレン、ポリフルオロスチレン、ポリクロロスチレンまたはポリブロモスチレンを含めたプロトン・トンネリング活性を呈するホモポリマーで調製物をドーピングすることを介して、いくつかのブロック−コポリマー系膜においてプロトン・トンネリング活性のレベルを増加させることが可能である。
他の芳香族ポリマー側鎖、ならびにスチレン性ポリマーの別の置換基はそのようなプロトン・トンネリング効果を示すことが予測され、これは、限定されるものではないが、ポリフルオロスチレン、ポリ(ジフルオロ)スチレン、ポリ(トリフルオロ)スチレン、ポリ(ジブロモエチル)スチレン、ポリアミノスチレン、ポリフェノール、クロロおよびフルオロ等を含めた、スチレンで活性であることが見出されたことが同様なピリジン環置換基、シクロペンテンまたはシクロペンタジエンおよびそれらの誘導体、ピロリジンおよびその誘導体、または可逆的にプロトンと結合する親和性、またはそうする能力を呈するいずれかの共役環系を含む。
しかしながら、適当なポリマー材料を単に選択するのでは一般に不十分である。層または膜が製造される方法は、PTMを作成することができるか否かにおいて重要な役割を演じることが見出された。すなわち、プロトン・トンネリングに対して高度に伝導性であることが見出された材料の使用は、本発明に従ってPTMを製造するのに十分ではないであろう。
一般に、本発明によるPTMは、構造的一体性およびプロトン不透過性、好ましくは、実質的に全プロトン不透過性を依然として維持しつつ、できる限り薄くすべきである。この目標を達成する1つの方法は、非常に薄いフィルムを、支持体構造として作用する他の表面にキャストすることによる。例えば、膜または層は、多孔性材料、またはドリリングによるようにしてそれに開口または穴が形成された材料の表面にキャストすることができる。孔または開口は、層の一方側の一部に対するアクセスを可能とし、他方、他の側は完全に露出させることができる。単一の層を全表面を横切ってキャストする代わりに、より小さな膜を隣接する各開口または孔にキャストし、またはそこに置くことができる。もう1つの代替法において、膜または層は開口または孔内に形成することができる。
別法として、膜は固体表面にキャストし、それから取り出し、いくつかの他の形態の個体支持体の上または中に置くことができる。ポリマー単層または二層はそのような適用で望ましい。
同様に、より厚い層を製造することができる。一般に、これらの層は約5ミクロン以上の厚みを有することができ、しかしながら、好ましくは、それは出来る限り薄いであろう。十分なプロトン・トンネリング活性が観察される限り、上限は重要ではない。これらの測定は膜の最も広い点で取られる(対向表面の点の間の最大距離)。しかしながら、このタイプの膜を使用する場合、それは図8に示されたもののような構造を含むのが好ましい。図8はPTM100の実施形態を断面にて示す。かかる膜は多数の孔104を含有し、これは、膜またはインターフェース106の比較的狭い部分を規定する。これらの界面領域106は、膜100の周囲の部分102よりも有意に薄い。
これらの界面部分106はプロトン・トンネリングの部位、またはプロトン・トンネリングの少なくともより大きな部分である。孔104によって作られた比較的薄い界面106は、1平方センチ当たり数千個の比較的薄い膜バリアを作ることができ、他方、比較的厚い部分102は支持超構造として作用して、構造的一体性を供する。このように、膜100は孔を含有するフォームに似ている。この文脈において、膜はプロトン不透過性であって、好ましくは実質的に完全にプロトン不透過性でなければならないので、「孔」は、膜100の厚みを走る、または横切るチャネルと等しくない。そのようなチャネルは透過性を増加させ、従って、一般に望ましくない。孔104の幅、深さおよび数は一致したり、または秩序立っている必要はない。しかしながら、好ましくは、膜100は、比較的薄い部分106の含有量を最大化するように形成される。
図8に示された比較的大きな割合の界面領域106を含むPTMを作り出すために本発明に従って使用することができるもう1つの方法は、ミクロ粒子108の使用である。他のポリマー材料、トウモロコシ澱粉、ポリスチレンおよびアイソタクチックポリスチレンを含めた何かからミクロ粒子を作成することができる。事実、これらのミクロ粒子は、それ自体が、膜材料それ自身よりもプロトン・トンネリングに対してより伝導性である材料から作成することができる。好ましい粒子は、同素環、複素環、多環、芳香族または混合炭素ベースの環構造を含む材料を用いて製造される。図8に示すように、種々のミクロ粒子108によって示された位置は、プロトン・トンネリングに対して影響してもしなくても良い。ミクロ粒子108aは、例えば、膜100のポリマー材料内に完全に包まれる。この位置決定は、プロトンによるミクロ粒子108aへのアクセスを大いに低下させる。従って、プロトン・トンネリングに対して有益ではないようである。しかしながら、ミクロ粒子108bは膜100の1つの表面に配置される。この表面、孔104の反対側であるが、膜100を通る穴を生じない。この結果、膜100は比較的狭くなり、前記したように界面領域106を作り出すと考えられる。プロトン・トンネリングが現実の粒子によって、または比較的より薄い界面領域106に対するアクセスを可能とする膜100の材料および粒子それ自体の間の小さなギャップまたは経路によって促進されるか否かは明らかではない。しかしながら、そのような粒状物質の使用はプロトン・トンネリングを改良することができることが示されている。
一般に、これらのミクロ粒子は、層/膜100の厚みよりも大きな少なくとも1つの寸法を有して、それが粒子108aによって示されるように全く包まれないことを確実とすべきである。一般に、粒子のサイズは約10〜50ミクロンの範囲とすることができる。粒子の量は、膜が活性で、そのより少ない量にての膜よりもプロトン・トンネリングの点で有利を供する限り、重要ではない。しかしながら、他の膜材料の重量の3〜4倍の重量が通常は現実的な限界である。
本発明に従ってPTMを作るのに用いられるもう1つの技術は表面湿潤化である。表面湿潤化は、表面の荷電効果を克服することができ、これは、プロトンの移動に干渉し、あるいは、孔内の表面張力の低下を促進し、従って、より完全な湿潤化および、従って、膜の比較的より薄い界面領域に対するプロトンについてのより完全な界面を可能とする以外は何もしない。しかしながら、いずれにせよ、表面湿潤化技術の使用は、PTMを横切ってプロトンを輸送する能力を大いに増強することが判明した。
そのような表面湿潤化は、湿潤化剤を取り込む膜の形成、湿潤性を確立するための膜の表面の修飾を通じて、あるいは他の手段によって達成することができる。その例として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のような水混和性有機溶媒での表面の単純な処理が、プロトン・トンネリング活性を可能とするのに十分である。しかしながら、ポリマー膜の表面は湿潤剤の添加に対して安定であるのが好ましい。米国特許第6,436,696号(ここに、リパーゼでの処理はポリエステルの表面湿潤性を改良する)におけるように、表面をポリビニルアルコールまたはグリセロールで、または表面特性を改変する酵素でコーティングするごとき他の処理も可能である。
米国特許第6,433,243号または米国特許第6,440,571号、米国特許出願第20020004140号、米国特許出願第20020120333号、米国特許出願第20020061406号または米国特許出願第20020017487号におけるごとき親水性または両親媒性ポリマーの表面への結合またはグラフティング、または米国特許出願第20020051845号におけるごとき超臨界二酸化炭素を用いるそのような手法を用いることもでき、但し、これらのプロセスはプロトンが膜に入るのに必要な構造を閉鎖しないものとするが、これは特定の形態を意味することを意図しない。
湿潤剤の使用に先立って、膜またはその1つの層を酸で処理し、続いて、中和するのが望ましいであろう。酸のタイプおよびその濃度は、酸洗浄で調製された膜と、酸洗浄なくして同一に調製された膜との間で改良が観察される限り、臨界的ではない。酸は、限定されるものではないが、塩酸、硫酸、硝酸、アスコルビン酸、クエン酸のような有機酸および鉱酸を含む。一般に、酸は少なくとも約1規定の濃度を有するであろう。酸処理の時間の長さも、前記した目的が満足され、膜の構造的一体性が弱められない限り臨界的ではない。しかしながら、一般に、処理は数秒〜数分継続される。本発明による膜の少なくともいくつかで、このさらなる処理ステップは膜を最小にしか収縮させず、そのモジュラスおよび固さを増加させることが観察された。一般に、その後、湿潤化を前記したように用いる。
プロトン・トンネリングを促進し、効果的なPTMを製造するもう1つの方法は、PTM内で、またはそれと会合させてある種のポリペプチドを用いることである。この点に関し、2つの興味ある現象が観察されている。まず、PTMを、例えば、NADHデヒドロゲナーゼのようなブロックコポリマーおよびポリペプチドから構成される生体適合性膜と緊密に接触させた場合(「複合体I」)、プロトンが双方の層を横切って効果的に輸送される。事実、生体適合性膜の輸送の効率は危うくされない。第二に、本明細書中で記載されたようなPTM、複合体Iも含めた単層PTMとして作成される膜は、例えば、プロトンを伝達するのにやはり有用である。図8において、ポリペプチド112がPTM100と関連付けられて示される。これらのポリペプチドは、孔内に配置された膜100(110a参照)の一部、またはその単一表面に配置することができ(110b参照)、あるいは膜を横切ることができる(100c参照)。この第二の実施形態について特に興味深いのは、層の他の表面に対する一方の表面から輸送されたプロトンの量は、プロトン・トンネリング能力を有しない同一量の複合体Iでの膜の生成、およびプロトン・トンネリング能力を有するが、複合体Iを有しない膜の生成から予測されることを超えることである。このような相乗作用は本発明によれば通常ではない。本質的には、この実施形態は、十分に浅い量子井戸を有するプロトン・トンネリング材料から生体適合性膜を作り出す。
本発明により用いることができるポリペプチドは、PTMと関連付けられているか、またはポリペプチドと関連付けられた生体適合性膜層と隣接するPTM層を有する組み合わされた膜におけるかを問わず、膜の第一の側から第二の側へプロトンを輸送することに関与することができ、そのような輸送を促進する分子構造の形成に関与することを含む。また、本発明において有用なポリペプチドは、付加された場合、またはPTMと関連付けられた他の方法にて、プロトン・トンネリングを促進する任意のものも含む。好ましくは、ポリペプチドは、PTMを横切ってプロトンを輸送するのに関与することができるように、PTMと会合する。
[電子移動メディエーター]
「電子キャリアー」とは、酵素反応において電子を供するのに用いられる分子をいう。電子キャリアーは、限定されるものではないが、還元されたニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(示されたNADH;酸化された形態の示されたNADまたはNAD+)、還元されたニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(示されたNADPH;酸化された形態の示されたNADPまたはNADP+)、還元されたニコチンアミドモノヌクレオチド(NMNH;酸化された形態NMN)、還元されたフラリンアデニンジヌクレオチド(FADH2;酸化された形態FAD)、還元されたフラビンモノヌクレオチド(FMNH2;酸化された形態FMN)、還元された補酵素Aなどを含む。電子キャリアーは、補酵素A、プロトポルフィリンIX、ビタミンB12のような電子供与性補欠分子族が取り込まれたタンパク質を含む。さらに、電子キャリアーはグルコン酸(酸化された形態:グルコース)、酸化されたアルコール(例えば、エチルアルデヒド)などを含む。
「電子移動メディエーター」とは、電子キャリアーから放出された電子の電極への移動を促進する組成物をいう。
電子移動メディエーターは、当分野において他の文脈では、Wingard et al.,Enzme Microb.Technol.4:137−142、1982(メチルビオロゲン);Palmore et al.,J.Electroanalytical Chem.443:155−161、1998年2月10日(1、1’−ジベンジル−4、4’−ジピリジニウムジクロライド、ベンジルビオロゲン);Matsue et al.,Biochem.Biophys.Acta、1038:29−38、1990(N、N、N’、N’−テトラメチルフェニレンジアミン、TMPD)に示されるように知られている。さらなる電子移動メディエーターの中には、複合体Iを用いて燃料電池デバイスで成功して用いられているメチルビオロゲン、TMPDおよびフェナジンメトスルフェート(PMS)がある。
いくつかの実施形態における電子移動メディエーターを用いて、バリアB1における電気化学還元から空間的に分離された電極へ電子を移動させる。いくつかの実施形態において、これらは側面S2に取り込むことができる。
[例示的ポリペプチド]
本発明の分析物センサーのいくつかの態様において、一旦特異的分析物が導入されれば、生体適合性膜またはPTMを横切っての種の輸送に関与することができるポリペプチドを使用する。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、一般には、生体適合性膜を横切っての側面S1から側面S2への化学物質またはプロトンの輸送、または例えば、電子移動メディエーターを用いて電極まで運ぶことができる電子の引き抜きである触媒活性を有することができる。
本明細書中において、「ポリペプチド」に対するいずれの言及も、単一ポリペプチドを含むことができるが、分析物センサーがそれに基づく輸送に関与することができる機能的ユニットを一緒になって供するポリペプチドの複合体に対する言及を含むことに注意すべきである。
適切であれば、分析物を、ポリペプチドPPが作用することができる形態へ変換する酵素または試薬のような成分を含む。そのような酵素はポリペプチドPPに隣接して固定化することができる。
本発明により生体適合性膜またはPTMを形成するように合成ポリマー材料と会合することができ、かつ酸化/還元および膜貫通輸送機能(分子、原子、プロトン、電子)の一方または双方に関与することができる有用なポリペプチドの例は、限定されるものではないが、NADHデヒドロゲナーゼ(「複合体I」)(例えば、大腸菌からのもの、Tran et al.,「Requirement for the proton pumping NADH dehydrogenase I of Escherichia coli in respiration of NADH to fumarate and its bioenergetic implications」、Eur.J.Biochem.244:155、1997)、NADPHトランスヒドロゲナーゼ、プロトンATPaseおよびシトクロムオキシダーゼおよびその種々の形態を含む。さらなるポリペプチドは、(Sigma Chemicalから入手可能な多数のタイプのこの酵素を含めた、いくつかの源から入手可能なNADHを用いる)グルコースオキシダーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(NADPH、Boehringer Mannheim、Indianapolis、IN)、6−ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ(NADPH、Boehringer Manheim)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(NADH、Boehringer Manheim)、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(NADH、Sigma、Boehringer Manheim)、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(NADH、Boehringer Manheim;NADPH、Sigma)、a−ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体(NADH、Sigma)およびプロトン−移動ピロホスフェートを含む。また、コハク酸:キノンオキシドレダクターゼも含まれ、また、「Complex II」、「A structural model for the membrane−integral domain of succinate:quinone oxidoredactases」Hagerhall、C.およびHederstedt、L.FEBS レター389;25−31(1996)および「Purification、crystallisation and preliminary crystallographic studies of succinate:ubiquinone oxidoreductase from Escherichia coli.」Tornroth、S.et al.,Biochim.Biophys.Acta 1553;171−176(2002)、ヘテロジスルフィドレダクターゼ、F(420)H(2)デヒドロゲナーゼ、(Baumer et al.,「The F420H2 dehydrogenase from Methanosarcina mazei is a Redox−driven proton pump closely related to NADH dehydrogenases」275 J.Biol.Chem.17968(2000))またはギ酸ヒドロゲンリアーゼ(Anedrews et al.,A 12−cistron Escherichia coli operon(hyf)encoding a putative proton−translocating formate hydrogenlyase system)143 Microbiology 3633(1997))、ニコチンアミドヌクレオチドトランスヒドロゲナーゼ:「Nicotinamide nucleotide transhydrogenase:a model for utilization of substrate binding energy for proton translocation」Hatefi、Y.およびYamaguchi、M.、Faseb J.、10;444−452(1996)、プロリンデヒドロゲナーゼ:「proline Dehydrogenase from Escherichia coli K12」Graham、S.et al.,J.Biol.Chem.259;2656−2661(1984)、およびシトクロムをいい、限定されるものではないが、(ウンデシル−b−D−マルトシドまたはシクロヘキシル−ヘキシル−b−D−マルトシドいずれかで結晶化された)シトクロムCオキシダーゼ、シトクロムbc1:「Ubiquinone at Center N is responsible for triphasic reduction of cytochrome bc1 complex」Snyter、C.H.およびTrumpower、B.L.、J.Biol.Chem.274;31209−16(1999)、Cytochrome bo3:「oyxgen reaction and proton uptake in helix VIII mutants of cytochrome bo3.」Svensson、M.ら Biochemistry 34;5252−58(1995)、「Thermodynamics of electron transfer in Escherichia coli cytochrome bo3.」Schultz、B.E.およびChan、S.I.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95;11643−48(1998)、およびシトクロムd:「Reconstitution of the Membrane−bound、ubiquinone−dependent pyruvate oxidase respiratory chain of Escherichia coli with the cytochrome d terminal oxidase.」Koland、J.G.et al.,Biochemistry 23;445−453(1984)、JoostおよびThorens、「The extended GLUT−family of sugar/polyol transport facilitators:nomenclature sequence characteristics、and potential function of its novel members(review)」18 Mol.Membr.Biol.247−56(2001)を含み、およびGoldin、A.L.、「Evolution of voltage−gated Na(+)channels.」J.Exp.Biol.205;575−84(2002)、Choe、S.、「Potassium channel structures.」Nat.Rev.Neurosci.3;115−21(2002)、Dimroth、P.、「Bacterial sodium ion−coupled energetics.」Antonie Van Leeuwenhoek 65;381−95(1994)、およびPark、J.H.およびSaier、M.H.Jr.、「Phylogenetic、structural and functional characteristics of the Na−K−Cl cotransporter family.」J.Membr.Biol.149;161−8(1996)に開示されたものを含めた選択的チャネルタンパク質を含む。前記の全てはここに参照して組み込む。
加えて、修飾された酵素のような遺伝子的に修飾されたポリペプチドを用いることができると考えられる。酵素を遺伝的に修飾するための1つの通常に適用される技術は、組換えツール(例えば、エキソヌクレアーゼ)を用いて、N末端、C末端または内部配列を欠失させる。これらの欠失産物を作り出し、通常の実験を用いて系統的にテストする。しばしば当てはまるように、遺伝子産物の重要な部分は、注目する市販の機能に対してほとんど影響を見出すことができない。より焦点が当てられた欠失および置換は、本発明で用いることができる酵素を供する安定性、操作温度、触媒速度および/または溶媒適合性を増加させることができる。勿論、望ましいように、本明細書中に記載する種々のポリペプチドの混合物を用いることが可能である。
[シトクロムP450(CYP)]
シトクロムP450「オキシドレダクターゼ」(「CYP」)は酸素および電子キャリアー(一般に、NADPHまたはNADH)を利用して、酸素をヒドロキシル化、エポキシド化または過酸化反応において基質に付加する。CYPの重要なサブセットは、しばしば、薬物と反応して、一次的には、これらの生体異物化学物質をより水溶性とし、よって、その排出を促進する。CYPはそのような薬物を活性化し、または不活化し、あるいはいくつかの場合には、そのような薬物の毒性誘導体を生じるように作用することもできる。また、薬物は、有害な薬物相互作用についての可能性を生じるCYPの阻害剤として作用することもでき、ここに、薬物を除去し、よって、薬物についての予測される薬物動態学を確立するように作用するCYPが不活化される。そのような阻害の結果、予測されるよりも長く身体に薬物が滞留し、形成された薬物および毒性の余りにも大きな可能性に導く。CYP阻害は、潜在的に、重要な薬理学的介入を不能とすることによって潜在的に害を引き起こすもう1つの薬物の活性化を妨げることもできる。
ヒトにおいては、20を超えるCYP酵素のファミリーから、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1および3つの密接に関連する「CYP3A」酵素(CYP3A4、CYP3A5およびCYP3A7)は、ほとんど全ての臨床的に有用な医薬の代謝を説明する。CYP3A4は、CYPのより臨床的に重要なものの1つであると信じられ、それが経口投与医薬に作用する早い機会を有するように、小腸ならびに肝臓で存在する。
本発明の分析セルを用いて、化学物質が所与のCYPによって作用されるか否か、または化学物質が、最初の化学物質がCYPの阻害剤または活性化剤あるかを問わず、CYPによって作用される化学物質と共に分析セルに導入されるかを測定することができる。
CYP活性は、例えば、電子移動メディエーターへの電子の遺漏によって検出される。
CYP1A2についての配列情報はSwiss−Prot受託P05177下で見出すことができ;CYP2C9については受託P11712下で;CYP2C19については受託P33261下で;CYP2D6については受託P10635下で;CYP2E1については受託P05181下で;CYP3A4については受託P08684下で;CYP3A5については受託P20815下で;CYP3A7については受託P24462下で見出すことができる。組換え体の膜環境CYPへの復元は、CYPアッセイの通常の構成要素である。例えば、Hanna et al.,J.Biol.Chem.276:39553−39561、2001参照。
[糖トランスポーター]
以前の研究では、グルコーストランスポーターを用いて、生物学的膜を横切って、グルコースを、電極に付着させた水性ゲルの薄い層まで輸送させてきた。該生物学的膜はゲルにも結合された。ゲル、架橋ゲルまたは芳香族ポリアミン−ポリマーのいずれかをアビジンでドープし、電気重合によって金属電極に沈積させる。(10nm厚み未満の)この層は膜下区画として働く。人赤血球から精製された促進されたグルコーストランスポーター(GLUT−1)を、人工ビオチニル化脂質を含有する脂質膜に取り込み、グルコース感受性電極の活性化された表面と反応させた。Neumann−Spallart et al.,Appl.Biochem.Biotechnol.68(3):153−69、1997。
本発明においては、糖トランスポーターは、バリアB1の膜M1に取り込まれ、その膜は電極上に支持されていない。トランスポーターはC5〜C9糖、または(アセチル化されていてもよい)アミンまたは水素による水酸化物の1〜2の置換によって、カルボン酸(またはその塩)を形成するためのさらなる酸化によって、1以上のヒドロキシルのメチル化またはエチル化によって、1以上のヒドロキシルにおけるホスホエステルの形成によって、または脱水反応によって形成されたエーテルブリッジによってそのアノマー炭素において接合された前記分子の2つによって(全体として、分子のクラスを一般に「糖」ともいう)それに関連する分子のいずれかの促進トランスポーターであり得る。好ましくは、トランスポーターはグルコースまたはフルクトース、最も好ましくはグルコースを輸送する。トランスポーターは、好ましくは、(赤血球からの)GLUT1、(肝臓からの)GLUT2、(脳からの)GLUT3、(筋肉からの)GLUT4、(小腸からの)GLUT5および(ミクロソームからの)GLUT7を含むGLUTxファミリーのメンバーである。非常に多数のこれらのトランスポーターがクローン化されており、それらについての情報はSwiss−Protデータベースで見出すことができる。
トランスポーターは検出側面S2への選択的侵入方法を提供する。側面S2においては、グルコースオキシダーゼが連結されるかまたは吸収された電極を含めた通常の検出手段を使用することができる。あるいは、バリアB1によって供される選択性のため、側面S2で測定される適当な波長における光学回転、着色した産物を形成するジフェニルヒドラジンとの反応などにおける増加または減少を測定することを含めた選択性がより低い検出方法を用いることができる。
[アミノ酸トランスポーター]
非常に多数のアミノ酸トランスポーターが特徴付けされており、それらは、分析セルで用いることができる。そのようなアミノ酸トランスポーターは、γアミノ酪酸、タウリン、および植物または動物で利用される他のアミノ酸についてのトランスポーターを含む。トランスポーターが、グリシントランスポーターGlyt1の場合におけるナトリウムおよび塩化物のような他の分子を共輸送する場合、共輸送された部位は適切には側面S1またはS2に置かれる。あるいは、そのようなトランスポーターは、従って、共輸送された物質に依存する輸送を支持するのに必要な供された共輸送物質およびアミノ酸を検出することができる。また、共輸送された部位は、それが、アミノ酸が輸送された場合に、他の側に検出可能に輸送されるように、共輸送された部位は優先的に置くことができる。従って、いくつかの実施形態において、側面S1への輸送は、活性の表示、または活性の補足的表示を供することができる(共輸送された物質に対するこれらの考慮は、いずれの共輸送するトランスポーターにも適用されるが、そのようなアミノ酸トランスポーターには適用されない)。
これらのアミノ酸トランスポーターが脂質二重層類似システムで復元できることは、例えば、Fafournoux et al.,J.Biol.Chem.264:4805−4811、1989によって記載された可溶化された「システムA」アミノ酸トランスポーターのリポソームへの復元によって示されている。
再度、電極に付着させたアミノ酸異化酵素を利用する系のような、高度に特殊化された検出系に加えて、バリアB1によって供される選択性はより低い選択性の検出の使用を可能とする。そのような検出はアミンについての比色検出(例えば、ニンヒドリンとの反応)およびアミンについての蛍光測定検出(例えば、o−フタルアルデヒドとの反応)などを含む。
[電子および/またはプロトン輸送タンパク質]
(分析物としての、または分析物の異化の結果としての)電子キャリアーの存在は、そのような電子キャリアーからの電子を輸送するレドックス酵素で検出することができる。適当な電子移動メディエーターの使用は、別々に位置する電極へそのような電子を運ぶ。あるいは、トランスポーターがプロトンを共輸送する場合、pHの変化を検出することができる。
酸化/還元およびプロトンポンピング機能の一方または双方を供する特に好ましいレドックス酵素の例は、例えば、NADHデヒドロゲナーゼ(「複合体I」)、NADPHトランスヒドロゲナーゼ、プロトンATPase、およびシトクロムオキシダーゼおよびその種々の形態などを含む。オペロンから発現される複合体I NADHデヒドロゲナーゼ(または、NADH:ユビキノンオキシドレダクターゼ)は、オペロン中のT7プロモーターを置き換えて、本発明で有用な量を供することによって、大腸菌で過剰発現させることができる。
複合体Iは、ドデシルマルトシドでの可溶化を用い、前記したSpehrらによって記載された方法によって、過剰発現する大腸菌から単離することができる。
さらなるレドックス酵素は、生体適合性膜またはPTMと人工的に会合させることができる。例えば、親水性端部に連結されたタンパク質反応性部位を有する両親媒性分子を用いて、ポリペプチドを生体適合性膜またはPTMに直接的にまたは間接的に会合させることができる。間接的会合は、例えば、ビオチニル化酵素に強く会合させるためのアビジンの両親媒性物質へのカップリングを含む。この使用、および他のレドックス酵素の使用については、補酵素Qのような脂質可溶性電子移動メディエーターは、側面S2への電子の運動を促進することができる。理解できるように、レドックス酵素のいくつかは、還元された電子キャリアーの発生がシグナルを誘発する事象ではないように、予期される分析物(または誘導体)の存在に依存して反応する。これらの場合、還元された電子キャリアーは、単一トリガリング反応を支持するのに十分な量で側面S1において供される。
本発明で用いられるいずれのポリペプチドの源も、より温度安定性ポリペプチドを供する好熱性生物であり得ることが認識されるであろう。例えば、複合体Iは、(複合体Iにつき他の箇所で用いられたタイプの界面活性剤抽出を用いる予備的単離を記載する)Scheide et al.,FEBS Letters 512:80−84、2002に記載されているように、90℃にて最適に作動する形態でAquifex aeolicusから単離することができる。
1つの実施形態において、本発明は毒性スクリーニングを提供し、それにより、生物活性物質または期待される生物活性物質(例えば、薬物)を、神経伝達物質につき多数のトランスポーターに対してテストする。
[孔形成性ポリペプチド]
グラミシジン(Gramacidin)は、有機溶媒中で安定であり、従って、生体適合性膜への取り込みに導く孔形成性膜ポリペプチドである。グラミシジンは、種、例えば、イオンとの対または群にて機能し、2以上のグラミシジン分子が関連付けられて孔を形成する場合にのみ膜を通過する。種の輸送を可能とする膜の能力は、グラミシジン分子の会合した対または群の数によって測定される。本発明の分析物センサーを用いて、分析物または分析物の誘導体がグラミシジンに作用するか、またはグラミシジンと相互反応して、グラミシジン対の孔形成機能を阻害するかを測定することができる。本発明のこの実施形態において、グラミシジン孔を通っての輸送が可能であることが知られた種は、分析物センサーの第一の区画に導入することができ、第二の区画におけるこの種の存在は、グラミシジン孔が種輸送を可能とするように機能していることを示す。グラミシジンと相互作用して孔および検出された種の輸送を破壊する分析物または分析物の誘導体の存在。例えば、第二の区画におけるシグナルの低下または排除による検出は、分析物の存在を示す。グラミシジンは、約1:50,000と低い量のポリマーに対するポリペプチドの質量比にて膜に取り込むことができ;好ましくは、有用な量は約1:100〜約1:50,000である。
[生体適合性膜およびPTMを含めたバリアの形成]
用いるポリペプチドの量は、用いるポリペプチドタイプ、PTMまたは生体適合性膜の性質および機能、それが用いられる環境、および用いるポリマー材料などで変化するであろう。しかしながら、一般には、幾らかのポリペプチドが存在し、かつ機能的である限り、かつ用いるポリペプチドの量が膜形成を妨げず、または膜を不安定にしない限り、かつ、もしPTMで用いれば、プロトン・トンネリングが増強される限り、ポリペプチドのいずれの量も有用である。一般に、ポリペプチドの量は、生体適合性膜またはPTMの最終重量に基づいて少なくとも約0.01重量%、より好ましくは少なくとも約5重量%、なおより好ましくは、少なくとも約10重量%、なおより好ましくは、少なくとも約20重量%、および最も好ましくは30重量%以上であろう。最大量は、安定かつ機能的膜を形成する能力を除き、同様に限定されない。溶媒に対するポリペプチドの量は0.001%w/vと低く、かつ50.0%w/vと高くすることができる。好ましくは、濃度は約0.5%〜約5.0%w/vである。より好ましくは、濃度は約1.0%〜約3.0%w/vである。これらの範囲は、PTMおよび生体適合性膜双方に適用される。
共溶媒、界面活性剤などのような適当な可溶化および/または安定化剤も、特に、ポリペプチド溶液に関連して必要であり得る。可溶化界面活性剤は、典型的には、0.01%〜1.0%濃度レベルで有用であり、より好ましくは、約0.5%までが考えられる。そのような界面活性剤はイオン性界面活性剤:ドデシル硫酸ナトリウム、N−ドデシルサルコシン酸ナトリウム、N−ドデシルベータ−D−グルコピラノシド、オクチル−ベータ−D−グルコピラノシド、ドデシル−マルトシド、デシル、ウンデシル、テトラデシル−マルトシド(一般に、イオン性界面活性剤の一般的形態としての、糖に結合した約8以上の炭素のアルキル鎖)オクチル−ベータ−D−グルコシドおよびポリオキシエチレン(9)ドデシル−エーテル、C129、ならびにトリトンX−100またはノニデットP−40のような非イオン性界面活性剤を含む。また、有用なのは、BASFのPluronic series、またはDisperplast(BYK−Chemie)のような、界面活性剤の特性を呈するある種のポリマー、典型的にはジブロックコポリマーである。
合成ポリマー材料溶液を製造するのに用いる溶媒は、好ましくは、用いる水(ポリペプチド溶液はしばしば水を含む)および合成ポリマー材料(ポリマー、コポリマーおよび/またはブロックコポリマー)の少なくとも1つの双方と混和性であるように選択される。しかしながら、前記したように、水混和性でない溶媒または混合物を用いて膜を形成することが可能である。溶液を製造するための溶媒の使用が好ましいが、本明細書中で用いる用語「溶液」は、一般には、同様に懸濁液を含むことに注意されたし。
ブロックコポリマーを用いる場合、溶媒はこれらの合成ポリマー材料を可溶化すべきである。合成ポリマー材料は溶媒に比較的わずかにしか溶けないが(5%w/v未満)、それは、好ましくは、5%w/vよりも可溶性であり、一般には、溶解度は溶媒に対して少なくとも5〜10%w/v、好ましくは10%w/v合成ポリマー材料よりも大きい。
適当な溶媒は、限定されるものではないが、メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソプロパノール、1−プロパノールのような1および12炭素の間の低分子量脂肪族アルコールおよびジオール、フェノール、ベンジルアルコールのようなアリールアルコール、アセトン、メチルエチルケトンのような低分子量アルデヒドおよびケトン、ベンゼン、シクロヘキサン、トルエンおよびテトラヒドロフランのような環状化合物、ジクロロメタンおよびクロロホルムのようなハロゲン化溶媒および1,4−ジオキサン、通常なアルカン(C2−C12)および水のような通常の溶媒物質を含む。混合物が適当な混和性、蒸発速度、および個々の溶媒について記載された他の基準を有する限り、溶媒混合物も可能である。ペルオキシドのようなプロトン−破壊的汚染物を形成するいずれかの傾向を有する溶媒成分は、それらが適当に精製され、取り扱うことができる限り用いることができる。溶媒は、典型的には、30% v/v以上のポリペプチド/合成ポリマー材料溶液、好ましくは20% v/v以上、有用には10% v/vを含む。
生体適合性膜またはPTMが界面活性剤、脂質(例えば、カルジオリピン)、ステロール(例えば、コレステロール)または緩衝液および/または塩のような「他の材料」を含むべき場合、膜の形成に先立って他の材料もまた添加される。他の材料は、仕上げられた生体適合性膜の重量に基づいて、約0.01%から約30%、好ましくは約0.01%から約15%の間の量にて存在させる。他の材料は、添加物とは反対に、最もしばしばポリペプチド溶液と混合するが、合成ポリマー溶液とは混合しない。
PTMにおけるプロトン・トンネリングを改良するための1つの技術は、ドーピングの使用である。ドーパントは、粒子とは反対に、使用する溶媒または溶媒の組合せにおいて一次的合成ポリマーと共に可溶性である。これは、例えば、約20重量%までのポリスチレン、ポリフルオロスチレン、ポリクロロスチレン、またはポリブロモスチレンを含めたプロトン・トンネリング活性を呈するホモポリマーを含めることによって達成することができる。
PTM形成は、特に、いくつかの方法で達成することができる。他の技術は、まず、適当な溶媒で用いるべきポリマーの溶液を作成することを含む。PTMの作成で一般に有用な溶媒は既に議論した。しかしながら、ほとんどのスチレンポリマーでは、脂肪族または芳香族有機溶媒が必要とされる。3G55のペレットを溶解させるためには、50%v/vアセトンとアルカン溶媒(ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはオクタンいずれか)との混合物が有用であるが、テトラヒドロフラン中のSTYROLUX 3G55(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロックポリマー)ペレットの溶解が好ましい。有用な溶液の濃度は1%〜50%w/vで変化し、より好ましくは、濃度は5%〜10%w/vである。
ポリエチレン、アイソタクチックポリスチレン、またはコーンスターチ、ドーパントなどで生成されたもののような、PTMに非溶解性ミクロ粒子を含ませることは、もし考えられれば、この時点でポリマー溶液に添加すべきである。
また、ドデシルマルトシド、トリトンX−100、ノニデットP−40、ドデシル硫酸ナトリウムのような界面活性剤、またはプルロニックL0101(BASF)のようなポリマー界面活性剤を膜形成性溶液に含めることもできる。そのように含めると、必ずしもさらなる界面活性化を必要としない湿潤性表面が提供される。もしPTMがポリペプチドを含むべきならば、それもまたこの時点で添加すべきである。ポリペプチドは膜形成性溶液に直接添加することができるか、あるいは本明細書中に議論するように、まず、導入用の別の溶液に入れることができる。
1つの実施形態において、ポリマー溶液は、ポリイミド(Kapton)、熱形成ポリスチレンシートまたはポリスルホンのような材料の薄いシート支持体中の開口に接触させることができる。後者の2つの材料については、支持体もまた溶媒(THF)に溶解性であり、従って、結合は前者の場合におけるよりも完全であり、ここに、もし膜形成性ポリマーおよび支持体の機械的特性が、ホモポリマーポリクロロスチレンとのように、よくマッチしなければ、離層が起こり得る。
支持体中の開口は、1ミクロンと小さくすることができるか、あるいはポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標)、Dupont社製)のような離層裏打ちの必要性なくして数ミリメートルと大きくすることができる。そのような裏打ちに関しては、直径が1cmを超える開口を用いることができる。
また、これらのポリマー材料で支持されていない膜をキャストすることもできる。規則的なまたは不規則な形状の膜が、平方インチよりも大きな領域にてキャストされており、より大きな膜が可能である。
前記したように形成された全てのPTMは、少なくとも加えて15分間真空乾燥に先立って目に見えて乾燥するまで、換気フード中での溶媒蒸発を介して形成される。
乾燥に続き、PTMの表面を処理して、(特に、界面活性剤を用いてポリマーシートを形成する場合)より大きな湿潤度を可能とすることができる。そのような処理は、一次的には、湿潤溶液の浴中への浸漬または湿潤溶液で膜の表面を最小にコーティングするまたはスプレイすることを含む。湿潤溶液は、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール)またはアルコール・水混合液、界面活性剤溶液(前記した化合物の1%w/vまで)を含むか、あるいは膜の表面をより親水性にする他の処理を含むことができる。ポリペプチドをPTMに含ませる場合、界面活性剤を全く添加する必要はないであろう。これは、多くの有用なポリペプチドが単離され、商業的には、既に界面活性剤を含有する溶液中にて提供されるからである。しかしながら、プロトン輸送が可能な酵素の存在は表面湿潤に対する必要性を全く排除できると考えられる。界面活性剤としてポリペプチドを取り込むPTM中でさらなる表面湿潤剤を用いることが、ある場合にポリペプチドを変性しかねない場合、やはり注意すべきである。
本発明によると、生体適合性膜、およびポリペプチドを含むPTMは、得られる生体適合性膜およびPTMが本明細書中で記載するように有用である限り、膜の製造で用いられる多数の従来技術のいずれか1つを用いて合成ポリマー材料から製造することができる。PTMの形成でやはり有用な生体適合性膜を形成する1つの方法は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする、2002年8月7日に出願された同時係属米国出願第10/213,477号に記載されている(発明者Rosalyn RittsおよびHoi−Cheong Steve Sun;譲受人PowerZyme,Inc.)。
しかしながら、一般に、本発明の分析物センサーで用いることができるポリペプチドと会合させた生体適合性膜およびPTMは共に以下のステップを含む。
1.溶媒または混合溶媒系中の合成ポリマー材料の溶液または懸濁液を形成する。該溶液または懸濁液は2以上のブロックコポリマーの混合物であり得るが、それは1以上のポリマーおよび/またはコポリマーを含むことができる。該溶液または懸濁液は、好ましくは、1〜90%w/v合成ポリマー材料、より好ましくは2〜70%、またはなおより好ましくは3〜20%w/vを含む。7%w/vが特に好ましい。
2.(典型的には、可溶化界面活性剤と共に)1以上のポリペプチドを、別々に、または存在するポリマー溶液または懸濁液に添加することによって、溶液または懸濁液に入れる。合成ポリマー材料を可溶化するのに用いる溶媒が同一である場合、またはポリペプチドを可溶化できるものに対して同様の特徴および溶解性である場合、通常、ポリペプチドをポリマー溶液または懸濁液に直接添加するのがより便利である。さもなければ、合成ポリマー材料およびポリペプチドを含有する2以上の溶液または懸濁液は、恐らくは、さらなる共溶媒または可溶化剤と混合しなければならない。最もしばしば、ポリペプチドで用いる溶媒は水性である。
これらの溶液および/または懸濁液の混合はしばしば比較的簡単なことであり、手によって、または自動混合ツールによって達成することができる。また、加熱または冷却は、用いる溶媒およびポリマーに応じて膜の形成で有用であり得る。一般に、迅速に蒸発する溶媒は冷却しつつ良好に膜を形成する傾向があり、他方、極端にゆっくりと蒸発する溶媒は僅かな程度の加熱から最も利益を受けるようである。最も好都合な特徴を持つものを選択するのに用いられる溶媒の沸点を調べることができるが、但し、それは用いるポリマーに適したものとする。しかしながら、もちろん、溶媒ポリマー混合物にポリペプチドを取り込む必要性も考慮しなければならず、これは、些細でないことであり得る。例えば、10mg/mlの複合体Iを有する5マイクロリットルの界面活性剤安定化複合体I(0.15%w/vドデシルマルトシド)を、アセトンおよびヘキサンの50/50混合液中の3.2%w/vポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロックコポリマーの混合物(BASFから入手可能な商標STYROLUX 3G55下で販売される完全に疎水性のトリブロック)に混合し、膜形成を可能とするようにそれを沈積させることが可能である。この場合、最終混合物は、合成ポリマー材料の重量に対して、約5%v/vの水、および0.75%w/w複合体Iを含む。一般には、溶液は少なくとも約30分間有用である室温で十分に安定であり、但し、溶媒はその時間の間は蒸発しないものとする。また、それらは冷蔵条件下で一晩、またはそれよりも長く貯蔵できる。
3.ポリペプチドおよび合成ポリマー材料を共に含むある容量の最終溶液または懸濁液を膜に形成し、少なくとも部分的に乾燥させ、それにより溶媒の少なくとも一部を除去する。本発明により製造された膜のいくつかを完全に乾燥するか、または実質的にそれを乾燥することが可能である。実質的に乾燥とは、室温で数時間放置されればしばしば保持される約15%までのいくらかの残存する溶媒があることを意味する。生体適合性膜は、PTMとは反対に、観察されたプロトン・トンネリング特性を有しないポリマーを選択することによって形成することができる。1つの実施形態において、生体適合性膜を形成し、第2の膜と会合させることができる。この第2の膜はPTMであり、すなわち、それらは多層膜を形成する。好ましくは、2つの膜は積み重ねることなどにより、本質的に接触させて置く。さもなければ、それらは間を開けることができ、ギャップはいくらかの流体、通常は、液体電解質によって満たされる。
特に好ましい実施形態において、仕上げられた膜の重量の実質的に全てはポリペプチドまたは合成ポリマー材料いずれかであろう。添加剤および安定化ポリマーを含めた合成ポリマー材料の量は、もしあれば、仕上げられた膜の約70重量%〜約99重量%の範囲である。しかしながら、比較的高いポリペプチド含有量を有するのが望ましいか、あるいはいくらかの溶媒を保持する必要があり、従って、合成ポリマー材料の量はそれに従って低下させることができる。しかしながら、一般に、仕上げられた生体適合性膜の少なくとも約50重量%は合成ポリマー材料であろう。合成ポリマー材料が、安定化ポリマー以外のブロックコポリマーおよびポリマーまたはコポリマーを含む混合物である場合、ブロックコポリマーは膜の少なくとも約35重量%の量で存在させることができる。膜の約30重量%までは、本明細書中で定義された「添加剤」および「他の材料」(集合的に)であり得る。より好ましくは、添加剤および他の材料の量は膜の約15重量%までである。合成ポリマー材料の約30重量%までは安定化ポリマーであり得る。一般に、安定化ポリマーは用いる合成ポリマー材料の約5重量%および約20重量%の間の量で存在させる。これらの数は、PTMの表面を処理するのに用いられるミクロ粒子およびいずれかの湿潤剤が専らである。
いずれの溶媒が本発明で特に有用であるか、およびポリマーおよびポリペプチドならびに溶媒のいずれの組合せを用いるべきかを識別するのは、多数の因子に依存し、そのいくつかは、混和性、蒸発等の項目ですでに議論した。ポリマーおよびポリペプチド構成要素は、溶媒または溶媒混合液に完全に溶解できなければならない。蒸発速度が、一回で膜を生じるのに十分長くなければならない。しかしながら、時間の量は余りにも長くて、製造を非現実的とするものであってはならない。無極性溶媒が有用であろうが、一般的には、より無極性の溶媒はある状況では有用ではなかろう。というのは、ポリマーのイオン性またはヒドロキシル構成要素は完全に無極性の溶媒には貧弱にしか溶解できないからである。従って、ポリスチレンのような高度に剛性で疎水性の成分を溶解させることができ、アクリル酸のような高度にイオン性の成分を同時に溶解させることはできない。しかしながら、完全に疎水性の特徴のポリマーでは、無極性溶媒が好ましい。溶媒は、一般には、部分的に非水性であるべきである。というのは、ポリマーは少なくとも部分的には非水溶解性だからである。水混和性は膜タンパク質の復元で最も望まれるが、それは厳密に限定する因子ではない。従って、好ましくは、全ての溶媒は非水である。しかしながら、ポリペプチドおよび安定化ポリマーについての溶媒は圧倒的に水または少なくとも水混和性である。
少なくとも1つの合成ポリマー材料および安定化ポリマーを共に含めた生体適合性膜を形成する好ましい方法は、ブロックコポリマーの適当な溶液を作成し、次いで、通常はポリマーおよびポリペプチドを別々に安定化するステップを含む。他の箇所で記載したように、ポリペプチドは1以上の界面活性剤または界面活性剤を含むことができ、典型的には、水溶溶液である。一旦適当な溶液が作成され、混合されたならば、例えば、開口誘電性基材を溶液でコーティングし、続いて、溶媒を少なくとも部分的に蒸発させることを含めた本明細書で記載した、または当分野で知られた技術のいずれかによって膜を作成することができる。そのような蒸発は真空中で促進することができる。
水素結合リッチな安定化ポリマーを含めた生体適合性膜を形成する1つの方法は以下の通りである。
1.供給された溶媒中のプロトライト(Protolyte)A700ブロックコポリマーの溶液または懸濁液を等容量のエタノール(5%水w/v)で希釈する。該溶液は約5%w/vのブロックコポリマーを含有する。
2.別途、943mgのポイエチレングリコール(PEG8000)を混合して、約2.3%w/vの濃度を有する溶液を得ることによって、安定化剤の水性溶液または懸濁液を作成する。溶液中の安定化剤の濃度は飽和限界に近い。
3.次に、0.15%w/vのドデシルマルコシドと共に10mg/mlの大腸菌由来の複合体Iを含む4マイクロリットルの溶液を、6マイクロリットルの該PEG溶液に添加し、それらを混合して溶液または懸濁液を生じさせる。
4.次いで、10マイクロリットルの溶液を、ブロックコポリマーを含む10マイクロリットルの溶液と混合する。
5.小容量(例えば、4マイクロリットル)の得られた溶液を、直径が100マイクロメートルで、深さが1ミルである開口を有する、1ミル(25.4ミクロン)の厚みのKAPTON(ポリイミドのブランド)の穴のあいた基材の開口(支持体を通じてドリルした穴)のサブセットの開口に滴下する。
6.該溶液をフード中で風乾させ、溶媒を除去する。
7.必要に応じて、ステップ5およびステップ6を反復して全ての開口を被覆する。
ブロックコポリマーの存在下で非水性溶媒と混合するに先立って、安定化ポリマーを含有する溶液にポリペプチドを導入する前記方法は、生体適合性膜で用いるポリペプチドの機能を安定化すると考えられる。しかしながら、該ポリマーおよびブロックポリマーを混合し、得られた溶液を一般には水性のポリペプチド溶液と混合することもできよう。所望により、各開口をチェックして膜の形成を確実とし、あるいは少なくとも統計学的に関連する数の開口を顕微鏡でチェックする。もし開口が膜を含まなければ、さらなる溶液およびミクロピペットスケールのピペッティングデバイスを用いて修復する。典型的には、非常に小容量の溶液がそのような穴を修復するのに必要であるにすぎない。真空装置またはデシケーター中で膜を完全にまたは実質的に完全に乾燥することができる。このように形成された膜を、所望であれば、真空中で乾燥するか、あるいはデシケーター中で乾燥することができる。
パラメーターは膜材料の、生体適合性膜のサイズ、生体適合性膜の厚み、支持体の構造等のような条件に依存して調整することができる。
一旦ポリペプチド/合成ポリマー材料溶液が製造されたならば、それは膜に形成することができる。本発明による生体適合性膜はそれ自体で独立している膜であり得る。そのような膜は、溶液をパン中へ、またはシート上に、それらが所望の厚みを達成するように注ぐことによって形成される。一旦溶液が乾燥され、溶媒が乾燥して除去されたならば、乾燥した膜をパンから取り出し、または裏打ち層から剥がすことができる。適当な粘着防止剤を用いて、この工程において援助することができる。生体適合性膜は、ガラス上に、表面修飾して疎水性を増大させる炭素、または(ポリ酢酸ビニル、PDMS、Kapton(登録商標)、過フッ素化ポリマー、PVDF、PEEK、ポリエステル、またはUHMWPE、ポリプロピレンまたはポリスルホンのような)ポリマーをコーティングすることによるようにして、固体材料に対して形成することができる。PDMSのようなポリマーは、生体適合性膜をその上に形成することができる開口を確立するのに用いることができる優れた支持体を提供する。
次いで、膜を切断し、または所望の形状とし、あるいはそのまま用いる。さらに、膜の使用を容易とするために、膜を物理的に、または固定デバイスまたは接着剤を通じて、所望であれば、ホルダーに付着させることができる。これは、フレームが支持体であって、膜がキャンバスである場合に、絵を描くに先立って、キャンバスをフレーム上に延ばすことと観念できる。別法として、膜は直接的に、そのような構造との関連において形成することができる。適当な類似のものを、気泡を吹きつけ、それを石鹸および水の溶液に浸漬するために用いる子供の気泡杖(children's bubble wand)を取るであろう。石鹸および水の膜が杖の開口を横切って形成される。膜の周辺における構造材料は膜を扱い、操作することを可能とし、剛性および強度を提供する。また、それは膜の所望の形状を提供することを助ける。物理的構造および本発明の膜形成性溶液を用い、同様のプロセスを使用することができる。
本発明で用いる生体適合性膜は、所望により、固体支持体に対して安定化される。そのような安定化を達成するための1つの方法は、脂質関連分子の硫黄媒介連結を用いて、金属表面またはもう1つの固体支持体の表面を生体適合性膜に接着し、連結し、または結合する。例えば、多孔性支持体を犠牲または除去可能な充填剤層でコートし、コートされた表面を、例えば、研磨によって平滑化することができる。そのような多孔性支持体は、典型的には、プロトン伝導性ポリマー膜をコーティングに続いて平滑化でき、後記する処理に対して安定である限り、議論したプロトン伝導性ポリマー膜のいずれも含むことができる。1つの有用な多孔性支持体はガラスフリットである。次いで、平滑化表面を(必要であれば先の洗浄と共に)クロムの第一の層および金のオーバーコートのような金属でコートする。次いで、犠牲材料を溶解によるようにして取り外し、孔を囲う金属化表面で、残る以外は、それで孔上の金属化を行う。犠牲層はフォトレジスト、パラフィン、(エチルセルロースのような)セルロース樹脂等を含むことができる。
連結体または接着体は、生体適合性膜を連結するのに適合したアルキルチオール、アルキルジスルフィド、チオ脂質等を含む。そのような連結体は、例えば、Lang et al.,Langmuir 10:197−210,1994に記載されている。このタイプのさらなる連結体はLangらの米国特許第5,756,355号およびHuiらの米国特許第5,919,576号に記載されている。
生体適合性膜は、例えば、Niki et al.の米国特許第4,541,908号(シトクロムCの電極へのアニーリング)およびPersson et al.,J.Electroanalytical Chem.292:115,1990に詳細に記載された方法によってその中に取り込まれた孔、穴または開口およびポリペプチドを横切って形成することができる。そのような方法は、既に議論したポリペプチドおよび合成ポリマー材料の適当な溶液を作成するステップを含むことができ、開口された基材、好ましくは、誘電性基材を溶液に浸漬して、ポリペプチド含有生体適合性膜を形成する。音波処理または界面活性剤希釈が、生体適合性膜への酵素取り込みを容易とするのが必要であろう。例えば、Singer,Biochemical Pharmacology 31:527−534,1982;Madden,「Current concepts in membrane protein reconstitution」,Chem.Phys.Lipids 40:207−222,1986;Montal et al.,「Functional reassembly of membrane proteins in planar lipid bilayers」Quart.Rev.Biophys.14:1−79,1981;Heleniusら.「Asymmetric and symmetric membrane reconstitution by detergent elimination」,Eur.J.Biochem.116:27−31,1981;Volumes on membranes(例えば、Fleischer and Packer(編))、Methods in Enzymology series,Academic Press参照。
別法として、小さな開口を持つテフロン(登録商標)のような疎水性材料で(好ましくは、必ずしも必要ではないが)作成された薄い隔壁は、少量の導入された両親媒性体を有する。コートされた開口を、その上で液滴が薄くなり、開口にわたって自然に自己配向する希薄な電解液溶液に浸漬させる。かなりの面積の生体適合性膜がこの一般的技術を用いて調製されている。生体適合性膜それ自体の形成用の2つの通常の方法はラングミュア−ブロジェット技術および注入技術である。前記を参照し、また、引用することにより本明細書の一部をなすものとする同時係属米国出願第10/213,530号に詳細に記載されている。
基材の厚みは、それが開口を有する穴が開けられた基材であるか多孔性材料であるかを問わず、例えば、約15マイクロメートル〜約5ミリメートル、好ましくは約15〜約1,000マイクロメートル、より好ましくは約15マイクロメートル〜約30マイクロメートルであり得る。穴または孔の幅は、例えば、約1マイクロメートル〜約1,500マイクロメートル、より好ましくは約20〜約200マイクロメートル、なおより好ましくは約60〜約140マイクロメートルである。約100マイクロメートルが特に好ましい。好ましくは、穴または孔は、面積の約50〜約75%のような、チャンバーの間の輸送に関連する誘電性基材のいずれかの領域の領域の約30%過剰を含む。
本発明による生体適合性膜の厚みは、特定のサイズの孔、穴、パンまたはトレイ等に導入される容量の制御のように公知の技術によって調整することができる。膜の厚みは、その組成および機能によって大いに支持される。複合体Iのような膜貫通プロトン輸送複合体を含むことを意図した膜は、ポリペプチド複合体に対して十分な支持体および配向を供するのに十分な厚みでなければならない。しかしながら、余りにも厚くて、膜を横切ってのプロトンの効果的な輸送を妨げるものであってはならない。約100の開口アレイの直径100ミクロンの開口または穴、以前に同定されたMeier et al.の論文の1つに記載された約7%w/vのポリ(2−メチルオキサゾリン)−ブロック−ポリ(ジメチルシロキサン)−ブロック−ポリ(2−メチルオキサゾリン)−トリブロックコポリマーを含有するコポリマー溶液中の約4マイクロリットルの量にて複合体Iを含む溶液については、適当な厚みの膜を得ることができる。膜の厚みは、その必要な寿命、その機能等に依存して広く変化することができる。プロトンを輸送するために設計された膜は、例えば、しばしば、酸化反応に関連するポリペプチドと関連付けられた膜よりも薄い。しかしながら、一般には、膜は約10ナノメートル〜100マイクロメートルの間、またはそれよりも厚いであろう。事実、分析物センサー中でプロトンを輸送するのに有用な生体適合性膜は10ナノメートル〜10マイクロメートルまでの厚みで成功している。再度、より厚い膜が可能である。
[1つの実施形態の操作]
本発明の分析物センサーの好ましい実施形態において、センサーは分析物の導入に適合した第一の区画、およびポリペプチドと関連付けられた生体適合性膜を含むバリアによって第一の区画から分離された第二の区画を含む。このポリペプチドはバリアを横切っての種(この場合はプロトンの輸送)に関与することができる。電極の対を含む検出器を用いて、輸送される種を検出し、第一の電極はアノード区画に配置され、および第二の電極はカソード区画に配置される。
図9は、この実施形態によるアノード側の模式的ブロックダイアグラム表示を示す。アノード区画は、分析物、メタノールを潜在的に含有する溶液が導入される第一の区画である。この場合、標的化された分析物は消費され、単一の炭素分子に変換され、その消費がプロトンを生じる有機分子である。センサーが検出するように適合する他の化合物の例は、限定されるものではないが、酸化可能な糖および糖アルコール、アルコール、ピルベート、スクシネート等、脂肪酸、乳酸、クエン酸等のような有機酸、アミノ酸および短いポリペプチド、アルデヒド、ケトン等を含む。この実施形態における分析物であるメタノールはまずポリペプチド、この場合、DHで示されるアルコールデヒドロゲナーゼによって最初に作用される。後記で分かるように、アルデヒドデヒドロゲナーゼおよびギ酸デヒドロゲナーゼのような他のデヒドロゲナーゼを用いることもでき、あるいはそれを相互に組み合わせて用いることができる。これらのポリペプチドは、分析物に作用して電子およびプロトンを生じさせる酵素である。
プロトンおよび電子は、分析物に対するポリペプチドの配位作用によって、補因子ともいわれる電子キャリアーまで移動される。1つのそのような電子キャリアーはNAB+/NADHである。電子キャリアーは、存在する場合、一般には、約1マイクロモル〜約2モル、より好ましくは約10マイクロモル〜約1モル、および最も好ましくは約100マイクロモル〜約500ミリモルの間の濃度で供される。
ポリペプチド、プロトンおよび電子の影響下で、NAD+はNADHに変換される。この点から、電子および/またはプロトンは多数のさらなる補因子および/または移動メディエーターの間で扱われ、やりとりすることができる。電子移動メディエーターは電子キャリアーから放出された電子のもう1つの分子、この場合には、典型的には電極への移動を容易とする。その例は、これまでに同定されたものに加えて、フェナジンメトスルフェート(PMS)、ピロロキノリンキノン(メトキサチンとも呼ばれるPQQ)、ヒドロキノン、メトキシフェノール、エトキシフェノール、または他の典型的なキノン分子、メチルビヨルゲン、1,1’−ジベンジル−4,4’−ジピリジニウムジクロライド(ベンジルビヨロゲン)、N,N,N’,N’−テトラメチルフェニレンジアミン(TMPD)およびジシクロペンタジエニル鉄(C1010Fe、フェロセン)を含む。電子移動メディエーターは、存在する場合、一般に、約1マイクロモル〜約2モルの間、より好ましくは約10マクロモルおよび約2モルの間、なおより好ましくは約100マイクロモルおよび約2モルの間の濃度で供される。
しかしながら、簡単のために、図9に示すように、還元された補因子または電子キャリアーは、次に、本発明による生体適合性膜に包埋されたポリペプチド、この場合、複合体I(CI)のデヒドロゲナーゼDH機能と相互作用することができる。複合体I(CI)はNADH分子からプロトン、ならびに電子を放出する。電子は直接アノードまで流れるであろう。しかしながら、よりしばしばは、それらは移動メディエーターによって捉えられ、これは、次いで、電子をアノードまで輸送する。ATMは活性輸送膜をいう。
NADHデヒドロゲナーゼ複合体Iは、生体適合性膜を横切ってプロトンを輸送することにやはり関与することができる点で興味あるポリペプチドである。しかしながら、特に興味あるのは、移動したプロトンが、複合体Iのデヒドロゲナーゼ部分の作用によって放出されたプロトンでは必ずしもないことである。従って、最も成功したのは、本発明のこの特別の態様による分析物センサーはアノード区画においてさらなるプロトン種を含むであろう。複合体Iのプロトン輸送機能は、レドックス機能として、図9に示す。
移動メディエーターが電子をアノードに与える場合、それは酸化され、他の電子キャリアーを酸化することによって放出されたさらなる電子を得ることができるようにする。また、今や、酸化された補因子(NAD+)は、ポリペプチドと分析物との相互作用に際してプロトンおよび電子を受け取る準備ができている。ちょうど記載した反応はアノード電極において、およびアノード区画において起こり、化学的には以下のように例示することができる。
Figure 2005522692
この反応は以下の反応によって供することができる。
Figure 2005522692
従って、反応および電子生成反応の合計は以下の通りである。
Figure 2005522692
メタノールのような有機分子から(先に説明したNADHのような)還元された電子キャリアーを生じさせるのに用いることができるポリペプチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)の形態で出発することができる。適当なADH酵素は、例えば、Ammendola et al.,「Thermostable NAD(+)−dependent alcohol dehydrogenase from Sulfolobus solfataricus:gene and protein sequence determination and relationship to other alcohol dehydrogenases」,Biochemistry 31:12514−23,1992;Cannio et al.,「Cloning and overexpression in Escherichia coli of the genes encoding NAD−dependent alcohol dehydrogenase from two Sulfolobus species」,J.Bacteriol.178:301−5,1996;Saliola et al.,「Two genes encoding putative mitochondrial alcohol dehydrogenases are present in the yeast Kluyveromyces lactis」,Yeast 7:391−400,1991; and Young et al.,「Isolation and DNA Sequence of ADH3,a nuclear gene encoding the mitochondrial isozyme of alcohol dehydrogenase in Saccharomyces cerevisiae」,Mol.Cell Biol.5:3024−34,1985に記載されている。もし得られたホルムアルデヒドが酸化されれば、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(AND)を用いる。適当なALD酵素は、例えば、Peng et al.,「cDNA cloning and characterization of a rice aldehyde dehydrogenase induced by incompartible blast fungus」,GeneBank Accession AF323586;Sakano et al.,「Arabidopsis thaliana[thale cress]aldehyde dehydrogenase(NAD+)−like protein」GeneBank Accession AF327426に記載されている。もしさらなる得られたギ酸が酸化されれば、ギ酸デヒドロゲナーゼ(FDH)を用いる。適当なFDH酵素は、例えば、Colas des Francs−Small et al.,「Identification of a major soluble protein in mitochondria from nonphotosynthetic tissues as NAD−dependent formate dehydrogenase[from potato]」、Planto Physiol.102(4):1171−1177,1993;Hourton−Cabassa,「Evidence for multiple copies of formate dehydrogenase genes in plants:isolation of three potato fdh genes,fdh1,fdh2 and fdh3」,Plant Physiol.117:719−719,1998に記載されている。
後に議論する理由で、用いるのに適合しているか、あるいはそうでなければキノン−ベースの電子キャリアを収容することができるポリペプチドを用いるのが有用で有り得る。そのようなポリペプチドは、例えば、Pommier et al.,「A second phenazine methosulphate−linked formate dehydrogenase isoenzyme in Escherichia coli」,Biocim Biophys Acta.1107(2):305−13,1992(「The diversity of reactions involving formate dehydrogenases is apparent in the structures of electron acceptors which include pyridine nucleotides,5−deazaflavin,quinones,and ferredoxin」);Ferry,J.G.「Formate dehydrogenase」FEMS Microbiol.Rev.7(3−4);377−82,1990(キノン活性を持つホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ);Klein et al.,「A novel dye−linked formaldehyde dehydrogenase with some properties indicating the presence of a protein−bound redox−active quinone cofactor」Biochem J.301(Pt 1):289−95,1994(結合したキノン補因子を持つデヒドロゲナーゼについての多数の論文の代表);Goodwin et al.,「The biochemistry,physiology and genetics of PQQ and PQQ−containing enzymes」Adv.Microb.Physiol.40:1−80,1998(キノンを利用するアルコールデヒドロゲナーゼについて);Maskos et al.,「Mechanism of p−nitrosophenol reduction catalyzed by horse liver and human pi−alcohol dehydrogenase(ADH)」J.Biol.Chem.269(50):31579−84,1994(酵素によるNADH還元に続くNADHから電極への電子のメディエータ−触媒移動の例);およびPandey,「Tetracyanoquinodimethane−mediated flow injection analysis electrochemical sensor for NADH coupled with dehydrogenase enzymes」Anal.Biochem.221(2):392−6,1994に記載されている。
カソード区画(第二の区画)におけるカソードでの対応する反応は、有用なレドックスポテンシャルにて製造された電子を消費するいずれの反応でもあり得る。酸素を用い、例えば、該反応は以下のものであり得る。
Figure 2005522692
反応2を用い、陰極液(カソード区画で用いられる電解質)を緩衝化して、水素イオンを消費させることができ、水素イオン供与化合物を分析物センサーの操作の間に供給することができるか、あるいはより好ましくは、アノードおよびカソード区画の間のバリアは中和水素イオン(水素イオンまたはプロトン)を送達するのに十分効果的なものとする。
1つの実施形態において、カソードにおける対応する反応は以下のものである。
Figure 2005522692
このカソード反応の結果、水の正味の生成が起こり、これは、もし重要であれば、例えば、オーバーフロー液体のための空間を供することによって、または気相廃棄(vapour-phase exhaust)を供することによって取り扱うことができる。多数の電子アクセプター分子は、しばしば、操作温度において固体であるか、キャリア液体中の溶質であり、その場合、カソードチャンバーはそのような非気体材料を運ぶように適合すべきである。
[分離デバイス]
本発明のさらにもう1つの実施形態において、試料を少なくとも2つの試料成分に分けるのに適合した分離モジュールを含む検出デバイスが提供される。そのような分離は、例えば、クロマトグラフィー、電気泳動、電荷流(charge-flow、ここで、電場または磁場は流体流内の種の異動に影響する)、移動に影響する音波を生じさせるイオンパルスデバイス、(例えば、光または両親媒性物質で)pH変化を誘導し、その結果、移動速度が区別されるデバイス、密度または沈降速度に基づいて分離する(例えば、そのデバイスから分離された層が遠心後に分析物センサーを通って排出される)遠心分離機、細胞ソーター、および化学または細胞種を分離するためのいずれかの他のデバイスによって達成することができる。分離の結果、次いで、少なくとも1つの成分は移動エレメント、例えば、チュービングおよびポンプによって、特定の分析物を検出するのに適合した本発明の分析物センサーの第一の区画に移動され、またはそこへ向けられる。
(センサーの使用のためのこのまたは他の文脈における)細胞検出では、検出された種は細胞の酵素産物、または抗体またはもう1つのアフィニティー結合により細胞に結合した酵素によって製造された酵素産物であり得る。
流動検出においては、支持試薬を同時流動させるのが時々有用であろう。1つの場合、支持試薬は必要な1以上の成分を加えるが、分離デバイスからの流れには供給しない。その中へ分離デバイスからの流れが流入する生体適合性膜の他方側で、もし必要であれば同時流動を用いて、いずれかの検出支持成分の新鮮な供給を確保することができる。例えば、図7に示すように、分離デバイスSepは流体の流れを(隣接する矢印によって示された)チュービングT1に供給し、貯蔵器Res1はチュービングT2を介して(側面S1およびS2を有する)分析物センサーASにおける検出用の試薬(もし必要であれば)を共する(隣接矢印によって示される流れ)。チュービングT1およびT2を通じての流れは、ミキサー、例えば、スタティックミキサーを含むことができる接合J1において接合し、合わされた流れは分析物センサーASの側面S1まで進み、次いで、チュービングT4を通じて外へ出る。接合J1は、適切には分析物センサーから近くまたは遠くに置かれて、貯蔵器Res1からの流体によって要求されるいずれかの化学(例えば、反応キネティックス)を支持することができる。貯蔵器Res2は、必要なら、側面S2へチュービングT5を通じて、それからチュービングT6を通じて取り出し、試薬を提供する。
試料を分離することなく注入する場合(例えば、アイテムSepをインジェクターで置き換える場合)、同一タイプの支持試薬の流れを用いることができるのは明らかであろう。次いで、データまたは読出を分析物センサーS1/S2から取る。
また、分離モジュールは、成分の分析物センサーへの移動に先立って1を超える分離を行うことができるのも明らかであろう。分離モジュールは、試料を一連の分離に付すのに適合させることができ、これは、1を超えるタイプの分離デバイスを用いて達成することができる。例えば、細胞ソーターを使用し、続いて、遠心し、または複数回遠心することができる。さらにもう1つの例では、試料を遠心に付し、続いて、クロマトグラフィーカラムによって分離することができる。
[実施例1〜436] (生体適合性膜)
〔実施例1〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は以下の通りに製造した。2KD−5KD−2KDの平均分子量を有する、7%w/v(70mg)のブロックコポリマー(ポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチル(オキサゾリン)))を、磁気スターラーを用いて攪拌しつつ、95%v/v/5%v/vエタノール/水溶媒混合液に溶解させた。6マイクロリットルのこの溶液を取り出し、水中の0.015%w/vドデシルマルトシド、40マイクログラムの複合体I(10mg/ml)を含有する4マイクロリットルの溶液と混合した。次いで、これを混合する。得られた溶液は4.2%w/vのポリマー、55%v/vのEtOH、45%v/vのH2O、0.06%w/vのドデシルマルトシドを含有し、タンパク質/ポリマーの比率は6%w/wである。
〔実施例2〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、より少量のポリペプチド溶液を用いて、合成ポリマー材料に対して0.015%w/vドデシルマルトシドおよび1.5%w/wポリペプチドを含む最終溶液を供する変化を施して、実施例1に記載するように調製した。
〔実施例3〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、より少量のポリペプチド溶液を用いて、0.03%w/vのドデシルマルトシドを含む最終溶液を供し、最終溶液が合成ポリマー材料に対して3.0%w/wのポリペプチドを含有する変化を施し、実施例1に記載するように調製した。
〔実施例4〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、より少量のポリペプチド溶液を用いて、0.045w/vのドデシルマルトシドを含む最終溶液を供し、最終溶液が合成ポリマー材料に対して4.5%w/wのポリペプチドを含有するよう変形を施し、実施例1に記載するように調製した。
〔実施例5〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、より少量のポリペプチド溶液を用いて、0.0075w/vのドデシルマルトシドを含む最終溶液を供し、最終溶液が合成ポリマー材料に対して0.75%w/wのポリペプチドを含有するよう変形を施し、実施例1に記載するように調製した。
〔実施例6〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、合成ポリマー材料を元来5.0%w/vの溶液に存在させる変形を施し、実施例5に記載するように調製した。実施例1に記載したタイプの十分なポリペプチド溶液を添加して、合成ポリマー材料に対して0.0075%w/vのドデシルマルトシドおよび0.75%w/wのポリペプチドを含む最終溶液を得た。
〔実施例7〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、実施例1に記載した十分なポリペプチド溶液を含めて、0.015%w/vのドデシルマルトシドを含む最終溶液を得、最終溶液が合成ポリマー材料に対して1.5%w/wのポリペプチドを含有するよう変形を施し、実施例6に記載されたタイプで調製した。
〔実施例8〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、実施例1に記載された十分なポリペプチド溶液を含めて、0.03%w/vのドデシルマルトシドを含む最終溶液を得、最終溶液が合成ポリマー材料に対して3%w/wのポリペプチドを含有するように変形を施し、実施例6に記載したタイプで調製した。
〔実施例9〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、実施例1に記載された十分なポリペプチド溶液を含ませて、0.045%w/vのドデシルマルトシドを含む最終溶液を得、最終溶液が合成ポリマー材料に対して4.5%w/wのポリペプチドを含有するよう変形を施して、実施例6に記載したタイプで調製した。
〔実施例10〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、実施例1に記載された十分なポリペプチド溶液を含ませて、0.06%w/vのドデシルマルトシドを含む最終溶液を得、最終溶液が合成ポリマー材料に対して6.0%w/wのポリペプチドを含有するように変形を施し、実施例6に記載したタイプで調製した。
〔実施例11〜15〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各溶液で用いる合成ポリマー材料の量が元来10%w/vであった以外は、各々、実施例1〜5に記載されたように調製した。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載したタイプの十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.06、0.15、0.03、0.045および0.0075%w/vのドデシルマルトシド、および6.0、1.5、3.0、4.5および0.75%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造された。
〔実施例16〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に実施例3に記載されるように調製したが、合成ポリマー材料を溶解させるのに用いた溶媒はエタノール、25%v/vのメタノールおよび、実施例3に示された量の水を含んだ。十分なポリペプチド溶液を用いて、合成ポリマー材料に対して0.03%w/vのドデシルマルトシドおよび3.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液を得た。
〔実施例17〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に実施例2に記載したように調製したが、合成ポリマー材料を溶解するのに用いた溶媒は、47.5%v/vのエタノール、2.5%v/vの水、25%v/vのテトラヒドロフラン(「THF」)、25%v/vのジクロロメタンを含有した。十分なポリペプチド溶液を用いて、合成ポリマー材料に対して0.015%w/vのドデシルマルトシドおよび1.5%w/wのポリペプチドを含む最終溶液を得た。
〔実施例18〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に実施例6に記載するように調製することができるが、合成ポリマー材料を溶解するのに用いた溶媒は9.5%v/vのエタノール、0.5%v/vの水、40%v/vのアセトン、および40%v/vのヘキサンを含むものであった。
〔実施例19−24〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、前記実施例11〜15に記載されたように調製したが、ドデシルマルトシドの最終濃度は0.15%w/vであった。本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、前記実施例4に記載するように調製することができるが、ポリペプチド溶液で用いた界面活性剤の残りはドデシルb−D−グルコピラノシドであり、界面活性剤の最終濃度は0.15%w/vである。
〔実施例26〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、前記実施例9に記載したように調製したが、ポリペプチド溶液で用いた界面活性剤は、BASF、Ludwigshafenドイツ国からの商標PLURONIC L101、ロットWPDX−522B下で販売されるポリマー界面活性剤、および同一濃度の実施例9で特定されるドデシルマルトシドの混合物を含んだ。ポリマー界面活性剤は最終溶液中でのその供給された濃度の0.1%w/wまで希釈した。
〔実施例27〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、前記実施例2に記載したように調製したが、ポリペプチド溶液で用いた界面活性剤は、BYK Chemie,Wallingford CTからの商標DISPERPLAST、ロット番号31J022下で販売されるポリマー界面活性剤、および同一濃度の実施例2で特定されるドデシルマルトシドの混合物を含むものであった。ポリマー界面活性剤は最終溶液中の供給された濃度の0.135%v/vまで希釈した。
〔実施例28〜32〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例6〜10に記載したように調製することができるが、用いた合成ポリマー材料は3kD−7kD−3kDの平均分子量を有するポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)(5%w/v)であり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載したタイプの十分なポリペプチド溶液と混合する場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015、0.030、0.045および0.060%w/vドデシルマルトシド、および0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%v/vポリペプチドを含む最終溶液が製造される。
〔実施例33〜38〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、各々、一般に、実施例1〜5に記載したように調製されるが、用いた合成ポリマー材料は、その双方が、そのうち1つが2kD−5kD−2kDの平均分子量を有し、他方が1kD−2kD−1kDの平均分子量を有し、第二のブロックコポリマーに対する第一のブロックコポリマーの比率が用いた全ポリマーの約67%〜33%w/wであるポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)(合計7%w/v)である2つのブロックコポリマーの混合物であった。6マイクロリットルのその溶液の実施例1に記載したタイプの十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.06、0.015、0.030、0.045および0.0075%w/vのドデシルマルトシド、および0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造された。
〔実施例39〜43〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例11〜15に記載するように調製することができるが、用いる合成ポリマー材料は、その双方が、その一方が1kD−2kD−1kDの平均分子量を有し、他方が3kD−7kD−3kDを有し、第二のブロックコポリマーに対する第一のブロックコポリマーの比率は用いる全ポリマーの約33%〜67%w/wであるポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)(10%w/v)である2つのブロックコポリマーの混合物であり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載したタイプの十分なポリペプチド溶液と混合する場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.075、0.15、0.30、0.45および0.60%w/vのドデシルマルトシド、および0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造される。
〔実施例44〜48〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例6〜10に記載されたように調製することができるが、用いる合成ポリマー材料は、その双方が、その一方が2kD−5kD−2kDの平均分子量を有し、他方が3kD−7kD−3kDの平均分子量を有し、第二のブロックコポリマーに対する第一のブロックコポリマーの比率が用いる全ポリマーの約33%〜67%w/wであるポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)(5%w/v)である2つのブロックコポリマーの混合物であり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載されたタイプの十分なポリペプチド溶液と混合する場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015、0.030、0.045および0.060%w/vのドデシルマルトシド、および0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造される。
〔実施例49〜53〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例1〜5に記載されたように調製することができるが、用いる合成ポリマー材料は、その双方が、その一方が2kD−5kD−2kDの平均分子量を有し、他方が3kD−7kD−3kDの平均分子量を有し、第二のブロックコポリマーに対する第一のブロックコポリマーの比率は用いる全ポリマーの約67%〜33%w/wであるポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)(7%w/v)である2つのブロックコポリマーの混合物であり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載したタイプの十分なポリペプチド溶液と混合する場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.06、0.015、0.030、0.045および0.0075%w/vのドデシルマルトシド、および6.0、1.5、3.0、4.5および0.025%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造される。
〔実施例54〜58〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例1〜5に記載されたように製造することができるが、用いる合成ポリマーは、85%v/vトリブロックコポリマー溶液、15%v/vのポリエチレングリコール溶液の割合の、水中のほぼ3,300ダルトンの平均分子量を持つ23.5%w/vのポリエチレングリコールの溶液と混合した、95%のエタノール、5%の水の溶媒中の平均分子量2kD−5kD−2kDの平均分子量を有するポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)(7%w/v)の混合物であり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載したタイプの十分なポリペプチド溶液と混合する場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.06、0.015、0.030、0.045および0.0075%w/vのドデシルマルトシド、および6.0、1.5、3.0、4.5および0.75%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造される。
〔実施例59〜63〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、実施例12に記載されたように調製したが、用いた合成ポリマーは、85%v/vのトリブロックコポリマー、15%v/vのポリエチレングリコール溶液の割合の、水中のほぼ8,000ダルトンの平均分子量を持つ23.5%w/vのポリエチレングリコールの溶液と混合した95%のエタノール、5%の水溶媒中の2kD−5kD−2kDの平均分子量を有する10%w/vのポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)の混合物であった。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載されたタイプの十分なポリペプチド溶液と混合した場合、合成ポリマー材料に対して0.15%w/vドデシルマルトシドおよび1.5%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造された。同様な溶液は実施例11および13〜15の手法を用いて作成することができる。
〔実施例64〜68〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例28〜32に記載したように調製することができるが、用いた合成ポリマーは、85%v/vのトリブロックコポリマー溶液、15%v/vのポリエチレングリコール溶液の割合の、水中のほぼ3,300ダルトンの平均分子量を持つ23.5%w/vポリエチレングリコールの溶液と混合した95%エタノール、5%水の溶媒中の3kD−7kD−3kDの平均分子量を有する5%w/vのポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)の混合物であり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載したタイプの十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015、0.030、0.045および0.060%w/vのドデシルマルトシド、および0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造される。
〔実施例69〜73〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例1〜5に記載したように調製することができるが、用いる合成ポリマーは、85%v/vのトリブロックコポリマー溶液、15%v/vのポリエチレングリコール溶液の割合の、水中のほぼ8,000ダルトンの平均分子量を持つ23.5%w/vのポリエチレングリコールの溶液と混合した95%エタノール、5%水の溶媒中の3kD−7kD−3kDの平均分子量を有する7%w/vのポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)の混合物であり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載されたタイプの十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して、0.060、0.015、0.030、0.045および0.0075%w/vのドデシルマルトシド、および6.0、1.5、3.0、4.5および0.75%v/vのポリペプチドを含む最終溶液が製造される。
〔実施例74〜78〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例6〜10に記載されたように製造することができるが、使用される合成ポリマーは、80%v/vのブロックコポリマー、20%v/vポリスチレンの割合の50%v/vアセトン、50%v/vオクタン中の分子量が約250,000の5%w/vポリスチレンの溶液と混合された50%v/vアセトン、50%v/vヘプタンの溶媒中の2kD−5kD−2kDの平均分子量を有する5%v/vのポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)の混合物であり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載されたタイプの十分なポリペプチド溶液と混合する場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015、0.030、0.045および0.060%w/vドデシルマルトシド、および0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%w/wポリペプチドを含む最終溶液が製造される。
〔実施例79〜83〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例1〜5に記載したように調製することができるが、合成ポリマーは、各々、66%v/v〜33%v/vの割合の、50%v/vTHF、50%v/vのジクロロメタンの溶媒中の4kD−8kD−4kDの平均分子量を有する5%w/vのポリメチルメタクリレート−ポリジメチルシロキサン−ポリメチルメタクリレートの溶液と混合した95%エタノール、5%水の溶媒中の2kD−5kD−2kDの平均分子量を有する7%w/vのポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)の混合物であり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載されたタイプの十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.06、0.015、0.030、0.045および0.0075%w/vのドデシルマルトシド、および6.0、1.5、3.0、4.5および0.075%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造される。
〔実施例84〜88〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例11〜15に記載されたように製造したが、用いる合成ポリマー材料は、5%v/vの水を含有するエタノールで50%v/vに希釈され供給された溶媒中のDais Analytic,Odessa,FLによるProtolyte(登録商標)A700、ロット番号LC−29/60−011として供給された10%v/wのスルホン化スチレン/エチレン−ブチレン/スルホン化スチレンであった。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載されたタイプの十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015、0.030、0.045および0.060%w/vのドデシルマルトシドおよび0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%のw/wポリペプチドを含む最終溶液が製造された。
〔実施例89〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、実施例84に記載したように調製することができるが、合成ポリマー材料を希釈するのに用いる溶媒は50%v/vのテトラヒドロフラン(「THF」)、50%v/vのジクロロメタンを含むことができる。
〔実施例90〜94〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、前記実施例84〜88に記載されたように調製したが、ドデシルマルトシドの最終濃度は0.15%w/vであった。
〔実施例95〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に前記実施例85に記載したように調製することができるが、ポリペプチド溶液で用いる界面活性剤はドデシルb−D−グルコピラノシドおよびドデシルマルトシドの混合物を含むことができ、界面活性剤の最終濃度は0.15%w/vである。
〔実施例96〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、前記実施例87に記載するように調製したが、ポリペプチド溶液で用いた界面活性剤はBASF、Ludwigshafenドイツ国からの商標PLURONIC L101、ロットWPDX−522B下で販売されるポリマー界面活性剤および実施例87で特定される同一濃度のドデシルマルトシドの混合物を含んだ。ポリマー界面活性剤は、最終溶液におけるその供給された濃度の0.1%v/vまで希釈した。
〔実施例97〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、前記実施例88に記載されたように調製したが、ポリペプチド溶液で用いる界面活性剤はBYK Chemie、Wallingford CTからの商標名DISPERPLAST、ロット番号31J022下で販売されるポリマー界面活性剤、および実施例88で特定される同一濃度のドデシルマルトシドの混合物を含んだ。ポリマー界面活性剤の最終濃度は、最終溶液中での供給された濃度の0.135%v/vまで希釈した。
〔実施例98〜102〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例84〜88に記載されたように調製したが、用いる合成ポリマー材料は、その一方が5%v/v水を含有するエタノールで50%v/vに希釈され供給された溶媒中のDais Analytic、Odessa、FLによってProtolyte(登録商標)A700、ロット番号LC−29/60−011として供給された10%w/vのスルホン化スチレン/エチレン−ブチレン/スルホン化スチレンであり、その他方が2kD−5kD−2kDの平均分子量を有する5%w/vのポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)であり、第二のブロックコポリマーに対する第一のブロックコポリマーの比率は用いる全ポリマーの約67%〜33%w/wである2つのブロックコポリマーの混合物であった。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載された十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015、0.030、0.045および0.060%w/vのドデシルマルトシド、および0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造された。
〔実施例103〜107〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例84〜88に記載されたように調製したが、用いる合成ポリマー材料は、その一方が5%v/vの水を含有するエタノールで50%v/vに希釈され供給された溶媒中のDais Analytic、Odessa、FLによってProtolyte(登録商標)A700、ロット番号LC−29/60−011として供給される10%w/vのスルホン化スチレン/エチレン−ブチレン/スルホン化スチレンであり、その他方が2kD−5kD−2kDの平均分子量を有する5%w/vのポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)であり、第二のブロックコポリマーに対する第一のブロックコポリマーの比率は用いる全ポリマーの約33%〜67%w/wである2つのブロックコポリマーの混合物であった。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載された十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015、0.030、0.045および0.060%w/vのドデシルマルトシド、および0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造された。
〔実施例108〜112〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例103〜107に記載されたように製造することができるが、用いる合成ポリマー材料は、その一方が5%v/vの水を含有するエタノールで50%v/vに希釈され供給された溶媒中のDais Analytic、Obessa、FLによってProtolyte(登録商標)A700、ロット番号LC−29/60−011として供給された10%w/vのスルホン化スチレン/エチレン−ブチレン/スルホン化スチレンであり、その他方が50%v/vTHF、50%v/vジクロロメタンの溶媒混合物中の4kD−8kD−4kDの平均分子量を有する5%w/vのポリメチルメタクリレート−ポリジメチルシロキサン−ポリメチルメタクリレートであり、第二のブロックコポリマーに対する第一のブロックコポリマーの比率は用いる全ポリマーの約67%〜33%w/wである2つのブロックコポリマーの混合物であり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載したタイプの十分なポリペプチド溶液と混合すると、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015、0.030、0.045および0.060%w/vのドデシルマルトシド、および0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造される。
〔実施例113〜117〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例103〜107に記載されたように製造することができるが、用いる合成ポリマーは、その一方が5%v/v水を含有するエタノールで50%v/vに希釈され供給された溶媒中のDais Analytic、Odessa、FLによってProtolyte(登録商標)A700、ロット番号LC−29/60−011として供給された10%w/vのスルホン化スチレン/エチレン−ブチレン/スルホン化スチレンであり、その他方が50%v/vのTHF、50%v/vのジクロロメタンの溶媒混合液中の4kD−8kD−4kDの平均分子量を有する5%w/vのポリメチルメタクリレート−ポリジメチルシロキサン−ポリメチルメタクリレートであり、第二のブロックコポリマーに対する第一のブロックコポリマーの比率が用いる全ポリマーの約33%〜67%w/wである2つのブロックコポリマーの混合物であり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載されたタイプの十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015、0.030、0.045および0.060%w/vのドデシルマルトシド、および0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造される。
〔実施例118〜122〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例84〜88に記載したように調製したが、用いる合成ポリマー材料は、85%v/vのトリブロックコポリマー溶液、15%v/vのポリエチレングリコール溶液の割合の、水中のほぼ3,300ダルトンの平均分子量を持つ23.5%w/vのポリエチレングリコールの溶液と混合した、5%v/vの水を含有するエタノールで50%v/vに希釈され供給された溶媒中のDais Analytic、Odessa、FLによってProtolyte(登録商標)A700、ロット番号LC−29/60−011として供給された10%w/vのスルホン化スチレン/エチレン−ブチレン/スルホン化スチレンの混合物であった。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載したタイプの十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015、0.030、0.045および0.060%w/vのドデシルマルトシド、および0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造された。
〔実施例123〜127〕
本発明による生体適合性膜を製造するために有用な溶液は、一般に、各々、実施例84〜88に記載されたように調製したが、用いた合成ポリマー材料は、85%v/vのトリブロックコポリマー溶液、15%v/vのポリエチレングリコール溶液の割合の、水中のほぼ8,000ダルトンの平均分子量を持つ23.5%w/vポリエチレングリコールの溶液と混合した、5%v/vの水を含有するエタノールで50%v/vに希釈され供給された溶媒中のDais Analytic、Odessa、FLによってProtolyte(登録商標)A700、ロット番号LC−29/60−011として供給された10%w/vのスルホン化スチレン/エチレン−ブチレン/スルホン化スチレンの混合物であった。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載されたタイプの十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015、0.030、0.045および0.060%w/vのドデシルマルトシド、および0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造された。
〔実施例128〜132〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例6〜10に記載されたように調製することができるが、用いる合成ポリマー材料は、50%v/vのTHF、50%v/vのジクロロメタンの溶媒混合物中の4kD−8kD−4kDの平均分子量を有する5%w/vのポリメチルメタクリレート−ポリジメチルシロキサン−ポリメチルメタクリレートであり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載されたタイプの十分なポリペプチド溶液と混合する場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015、0.030、0.045および0.060%w/vのドデシルマルトシド、および0.75、1.5、3.0、4.5および6.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造された。
〔実施例133〜134〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例6および7に記載されたように調製したが、用いる合成ポリマー材料は、アセトンおよびヘキサンの50%/50%v/v混合液中のBASF、Ludwigshafenドイツ国によってStryolux(登録商標)3G55、ロット7453064Pとして供給される3.2%w/vのポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンであった。6マイクロリットルのその溶液の実施例1の記載されたタイプの十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075および0.015%w/vのドデシルマルトシドおよび0.75および1.5%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造された。
〔実施例135〜136〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例6および7に記載したように調製したが、用いた合成ポリマー材料は、アセトンおよびヘプタンの50%/50%v/v混合液中のBASF、Luewigshafenドイツ国によってStryolux(登録商標)3G55、ロット7453064Pとして供給される3.2%w/vのポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンであった。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載されたタイプの十分なポリペプチド溶液と混合すると、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075および0.015%w/vのドデシルマルトシド、および0.75および1.5%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造された。
〔実施例137−138〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例135および136に記載したように製造したが、用いた合成ポリマー材料は、アセトンおよびヘプタンの50%/50%v/v混合液中のBASF、Ludwigshafenドイツ国によってStryolux(登録商標)3G55、ロット7453064Pとして供給された5%w/vのポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンであった。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載されたタイプの十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075および0.015%w/vのドデシルマルトシド、および0.75および1.5%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造された。
〔実施例139−141〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例6〜8に記載されたように調製することができるが、用いる合成ポリマー材料は、各々、約80%v/v〜20%v/vの割合の、アセトンおよびヘキサンの50%/50%v/v混合液中のBASF、Ludwigshafenドイツ国によってStryolux(登録商標)3G55、ロット7453064Pとして供給される5%w/vのポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン、および同一溶媒中の2kD−5kD−2kDの平均分子量を有する5%w/vポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)の混合物であり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載したタイプの十分なポリペプチド溶液と混合した場合、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015、および0.030%w/vのドデシルマルトシド、および0.75、1.5および3.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造される。
〔実施例142−145〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例139〜141に記載されたように製造することができるが、用いる合成ポリマー材料は、各々、約80%v/v〜20%v/vの割合の、アセトンおよびヘキサンの50%/50%v/v混合液中のBASF、Ludwigshafenドイツ国によってStryolux(登録商標)3G55、ロット7453064Pとして供給される5%w/vのポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン、および同一溶媒中の3kD−7kD−3kDの平均分子量を有する5%w/vのポリ(2−メチルオキサゾリン)−ポリジメチルシロキサン−ポリ(2−メチルオキサゾリン)の混合物であり得る。6マイクロリットルのその溶液を実施例1に記載したタイプの十分なポリペプチド溶液と混合すると、各々、合成ポリマー材料に対して0.0075、0.015および0.030%w/vのドデシルマルトシド、および0.75、1.5および3.0%w/wのポリペプチドを含む最終溶液が製造される。
〔実施例146−290〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例1〜145に記載されたように調製することができるが、合成ポリマーと混合するポリペプチド溶液は、Roche、Indianapolis、INから入手可能な0.15%のThesit(ポリオキシエチレン(9)ドデシルエーテル、C12E9)も含むことができる水中の10mg/mlのスクシネート:ユビキノンオキシドレダクターゼ(複合体II)の溶液であり得る。この界面活性剤は、一般に、同様な濃度の実施例1〜145におけるドデシルマルトシドを置き換える。
〔実施例291〜435〕
本発明による生体適合性膜を製造するのに有用な溶液は、一般に、各々、実施例1〜145に記載したように調製することができるが、合成ポリマーを希釈するのに用いるポリペプチド溶液は、0.15%のトリトンX−100も含むことができる水中の10mg/mlのニコチンアミドヌクレオチドトランスヒドロゲナーゼの溶液であり得る。この界面活性剤は、一般に、同様な濃度の実施例1〜145におけるドデシルマルトシドを置き換える。さらに、ドデシルb−D−グルコピラノシドを含む実施例1〜145においては、この界面活性剤は同様な濃度のノニデットP−40と置き換えることができる。
〔実施例436〕
誘電性の穴を開けた支持体上に膜を形成する。該支持体はDuPontから入手可能なKAPTON(1ミル厚み)で作成され、直径が100マイクロメーターおよび深さが1ミルの開口を持つようにレーザー・ドリル処理する。開口のアレイは1,700開口/cm2と高い密度を有することができる。生体適合性膜は、先に詳細に記載したPEG8000/PROTOLYTE A700膜を用いて開口を横切って形成される。ブロックコポリマー、安定化ポリマーおよびポリペプチドを含有する得られた最終溶液を、次いで、ピペットにより、一回につき4マイクロリットルにて滴下して開口を完全に覆うように、基材上に沈積させる。溶媒をフード下で室温にて蒸発させた。膜−支持体アセンブリーを使用に先立って真空チャンバー中で貯蔵した。
〔実施例437−464〕 (プロトン・トンネリング膜)
実施例437〜439については、以下のPTM溶液を用いた。
テトラヒドロフラン(ロット15879CA、Aldrich、Milwaukee、WI)中の50mg/mlのポリスチレン−ポリ(1−4)ブタジエン−ポリスチレン(3G55ロット7453064P、BASF、Ludwigshafen、ドイツ国)の溶液を、連続的に攪拌しつつ、ガラス瓶中の溶媒にポリマーペレットを溶解させることによって調製した。
〔実施例437〕
Kapton(ポリイミド、Dupont)支持体をレーザードリリングして、各々直径がほぼ100ミクロンの100開口(10×10)の4アレイの組を作成し、アレイ当たりほぼ0.055cm2の開いた領域、または開口に隣接するほぼ33%の開いた領域を持つ領域にわたる0.22cm2の合計開いた領域を作成した。アレイをピースの中央として、Kaptonをほぼ1インチ×1.75インチに切断し、Lexanの3/8インチの厚みのピース中のより大きな開口(ほぼ1インチ)上に一時的に設置した。
マイクロピペットデバイスを用い、前記した4マイクロリットルのポリスチレン−ポリ(1−4)ブタジエン−ポリスチレン溶液を、アレイ中の全ての開口を被覆するように、各アレイに適用した。溶液を化学フード中で風乾し、次いで、真空オーブンに移し、いずれかの圧力で室温にて15分間完全に乾燥させた。
次いで、膜と共に支持体をオーブンから取り出し、Lexanから取り出し、5分間70%エタノール(30%脱イオン水)に浸漬させた。
次いで、以下のテストセルを構築することによって、膜をテストした。ポリスルホンプレート(2”×3”×3/8”)を外側シェルとして機能させた。亜鉛ホイルのピース(1”×3”×0.25mm、Goodfellow LS237171、Cambridge、England)をアノードとして機能させ、続いて、シリコーンゴムガスケット(3/8”厚み)でアノード区画をKapton支持体/膜に対してシールし、次いで、第二のガスケット(1/4”厚み)で支持体を黒鉛カソードに対してシールした。(Poco、Decatur、TX)。第一のプレートと同一サイズの最終ポリスルホンプレートをネジを介して第一のプレートに固定し、層を一緒に締め付けたが、ネジは電極にも、また陽極液または陰極液にも接触させなかった。
次いで、陽極区画に0.8mlの2.3Mテトラメチルアンモニウム(TMA)−フォルメートpH8.0および0.2mlの2.6TMA−OH(pH 15)の混合物を満たし、カソード区画を0.1N H2SO4および1%H22で補足した1.0mlの100マイクロモルのTMA−スルフェートpH7.0(最終濃度)を満たした。
アノードおよびカソードを、電位計と平行に、コンピューター−制御の可変負荷回路を介して結合させた。電流および電圧を測定し、膜を通じてアノード区画からカソード区画へのプロトンの移動に合致させて、テストセルによって生じさせた。
〔実施例438〕
(さらなる未知の可塑剤を含む)1−mm厚みのポリスチレンシートを1”×1.75”のサイズに切断し、7/16”直径の開口をその中央でパンチした。開口に沈積させた場合、液体が開口から離れて小さな距離(1/4インチ未満)だけ超えてポリエチレンおよびテフロン(登録商標)ピースの間をはじくことができないように、該ピースをバインダークリップでほぼ3”×3”×3/8”のポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標)−Dupont)ブロックに固定した。
100マイクロリットルの容量の前記したポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマー溶液を開口中に沈積させた。溶媒を化学ヒュームフード中で蒸発乾固させ、次いで、装置を真空フードまで輸送し、そこで、膜を室温にて15分間乾燥させた。
真空フードからの取り出しに続き、膜−ポリスチレン支持体をテフロン(登録商標)ブロックから機械的に脱離させ、70%エタノール中で5分間インキュベートし、実施例437に記載したようにテストした。テストセルの電圧および電流出力を、アノード区画からカソード区画へのプロトン移動と合致させた。
〔実施例439〕
2.25”×2”×20ミルの粉砕した空間を持つアルミニウムキャスティングブロック(3.25”×3”×1/2”)を、前記ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマー溶液(280マイクロリットル)を、THF中の25mg/mlジオクチルスルホスクシネートのナトリウム塩(ロット11312、Aldrich Chemical,Milwaukee,WI)の1mlの懸濁液と共に、50mg/mlのポリ(4−クロロスチレン)(P1351、Polymer Source、Dorval、Quebec)の70マイクロリットルの溶液およびTHF中の50mg/mlの超高分子量ポリスチレン(UHMWPE)ミクロ粒子(GSI Exim America、Mason、OH;グレードXM221U、ロット19110A)の350マイクロリットルの懸濁液と混合することによって形成されたポリマー溶液の層で被覆した。実施例437におけるように、溶媒をヒュームフード中で蒸発させ、次いで、膜を真空オーブン中で乾燥した。脱イオン水に浸漬させることによって、膜をキャスティング金型から放出させ、次いで、エタノールに15分間浸漬させた。
実施例437におけるように膜をテストしたが、より小さなプレートを3.25”×3×面積のもので置き換え、シートアルミニウム(Goodfellow、LS238505 LC)のピースをアノードとして機能させた。
このアセンブリーは、アノードからカソードへのプロトンの移動に合致した電圧および電流も生じた。
〔実施例440〕
膜を前記実施例437におけるように形成させたが、まず膜をエタノールに浸漬させることなくテストセルを組み立てた。テストセルは合致した電圧出力を生じさせず、電流出力を生じさせなかった。これは、アノードおよびカソードの間の完全な誘電体によって生じた出力と合致し、プロトン移動が起こらないものである。
〔実施例441〕
1.6マイクロリットルの0.15%ドデシルマルトシド(Sigma)の水性溶液をポリマー溶液にさらに含めて、膜を前記実施例437におけるように形成した。真空乾燥に続き、テストセルの組立に先立って膜をエタノールに浸漬させなかった。しかしながら、膜は、アノードからカソードへの膜を通ってのプロトン移動に合致した電流および電圧を生じた。
〔実施例442〕
膜を前記実施例437におけるように形成させ、次いで、組立に先立って、70%エタノールの代わりに0.15%ドデシルマルトシドの溶液に浸漬させた。
〔実施例443〕
実施例437におけるように、ポリスチレン−ポリ(1−4ブタジエン)−ポリスチレンブロックコポリマー(Polymer Source)の50mg/ml溶液から膜を形成させた。エタノール浸漬し、前記したようにテストセルに組み立てると、この第二の製造業者からの材料はプロトン移動をやはり示した。
〔実施例444〕
80%(v/v)の前記した50mg/mlのポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマー溶液および50mg/mlのポリ(4−クロロスチレン)(Polymer Source)の20%(v/v)の溶液の混合物にて、膜を前記実施例437におけるように形成させた。
〔実施例445〕
ポリ(4−メチルスチレン)でポリ(4−クロロスチレン)を置き換え、膜を前記実施例443におけるように形成させた。
〔実施例446〕
60%(v/v)のポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマー溶液および40%(v/v)のポリ(4−クロロスチレン)溶液にて、膜を前記実施例443におけるように形成させた。
〔実施例447〕
250mg/mlのポリスチレン(250,000mw、Polymer Source)の溶液を用い、膜を前記実施例437におけるように同一のKapton支持体上に形成させた。エタノール浸漬、および燃料電池組み立てに続き、この膜はやはりプロトン移動を示した。
〔実施例448〕
ポリマーとしてポリ(1−4ブタジエン)−ポリスチレン−ポリ(1−4ブタジエン)を用い、膜を前記実施例437におけるように形成させた。
〔実施例449〕
ポリスチレン−ポリ(1−2ブタジエン)−ポリスチレンブロックコポリマーを用い、膜を前記実施例437におけるように形成させた。テストセルは合致した電圧出力を生じず、電流出力を生じなかった。これは、アノードおよびカソードの間の完全な誘電体によって生じた出力と合致し、プロトン移動が起こらないものである。
〔実施例450〕
膜を前記実施例437におけるように形成させた。テストセル組立に先立って、膜をイソプロパノールに浸漬させた。
〔実施例451〕
ポリマーとしてポリ2−ビニルナフタレンを用い、膜を前記実施例438におけるように形成させた。
〔実施例452〕
ポリマーとしてポリ(2−ビニルピリジン)−ポリ(1−2ブタジエン)−ポリ(2−ビニルピリジン)を用い、膜を前記実施例438におけるように形成させた。テストセルは合致した電圧出力を生じず、電流出力を生じなかった。これは、アノードおよびカソードの間の完全な誘電体によって生じた出力と合致し、プロトン移動が起こらないものである。
〔実施例452〕
膜を実施例450におけるように形成し、エタノール中への浸漬に続き、1N硫酸(Optimaグレード、Fisher Scientific、Pittsburgh、PA)中で一晩インキュベートし、次いで、テストセルに組み立てた。
〔実施例453〕
前記3に記載した100マイクロリットルのポリマー−UHMWPE−界面活性剤溶液にて、前記実施例438に記載したポリスチレン支持体を用い、膜を形成した。
〔実施例454〕
THF単独中の10mg/mlのポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマーを用い、膜を前記実施例439におけるように形成した。
〔実施例455〕
ジオクチルスルホスクシネートを等質量のプルロニックL−101(BASF)で置き換える以外は、前記実施例439におけるようにに膜を形成させた。
〔実施例456〕
UHMWPEを等質量のコーンスターチ(Argo)で置き換える以外は、前記した実施例439におけるように膜を形成させた。
〔実施例457〕
UHMWPEを等質量のアイソタクチックポリスチレン(Polymer Source)で置き換える以外は、前記実施例439におけるように膜を形成させた。
〔実施例458〕
膜を前記実施例437におけるように形成させ、エタノールに5分間浸漬させた。処理に続き、膜/支持体を設置し、2つの20ミリリットル区画を分離する2つのO−リングの間をシールした。区画を一方側は0.1N硫酸で満たし、他方側は0.1N水酸化ナトリウムで満たした。膜のいずれか側の溶液のpHをモニターした。24時間にわたり、いずれか側のpHは不変であった。
〔実施例459〕
以下の修飾を施して、実施例437からのブロックコポリマー溶液を用いて膜を形成した。14.4マイクロリットルの溶液に1.6マイクロリットルの以下の:10mg/mlの大腸菌複合体I、50mMのMES pH6.0、50mMのNaCl、0.15%ドデシルマルトシドを含有する溶液を添加した。膜を実施例437におけるように形成し、テストした。生じたプロトンフラックスは標準PTMのそれの3倍であった。
〔実施例460〕
膜を前記実施例459におけるように製造し、膜/支持体を設置し、2つの20ミリリットル区画を分離する2つのO−リングの間をシールした。該区画を一方側は0.1N硫酸で満たし、他方側は0.1N水酸化ナトリウムで満たした。膜のいずれか側で溶液のpHをモニターした。24時間にわたりいずれか側のpHは不変であった。
〔実施例461〕
以下を例外として、膜を実施例459におけるように形成した。ポリペプチド、緩衝液、塩および界面活性剤を含有する、ブロックコポリマー処方に添加した溶液を、ブロックコポリマーに混合するに先立ち、沸騰水浴中で10分間で100℃まで加熱した。形成された膜を実施例1におけるようにテストした。(実施例5におけるように)セルは、同様な量のドデシルマルトシド界面活性剤単独にてPTMよりも小さな出力を生じた。
〔実施例462〕
膜を前記実施例449におけるように形成させた。14.4マイクロリットルのポリスチレン−ポリ(1−2ブタジエン)−ポリスチレンブロックコポリマーに、以下の:10mg/mlの大腸菌複合体I、50mMのMES pH6.0、50mMのNaCl、0.15%ドデシルマルトシドを含有する1.6マイクロリットルの溶液を添加した。膜を実施例437に記載したように形成し、テストした。テストセルは、今や、電流および電圧を生じた。
〔実施例463〕
膜を前記実施例459におけるように製造した。テストセル組立およびテストに先立って、膜を70%エタノール(30%脱イオン水)に浸漬させた。テストセルは、未処理膜よりも少ない出力を生じた。
〔実施例464〕
膜を実施例439におけるように製造した。キャストからの取出に続き、2−cm×2−cm平方を膜から切り出し、Docuseal−40ラミネーター(Quartet)にてラミネーティングパンチ(ABC Docuseal、Quartet Co.Skokie、IL)中の1−cm×1−cm開口を横切ってラミネートした。ラミネートした膜を実施例1におけるように活性化し、プロトン移動活性につきテストし、これは存在しないことが判明した。
膜を前記実施例29におけるように形成し、ラミネートした。ラミネートした膜を、50%アセトン、50%ヘキサンの混合物の薄い表面コーティングで処理した。次いで、溶媒を蒸発させた。これは、フォーム様構造の概観を膜に戻すことが判明し、ラミネーションに先立っての元の膜からの低下したレベルにかかわらず、次いで、プロトン移動活性を再度呈した。
一般的な現象として、界面活性剤を添加することなく形成した実施例437〜464でテストした膜の全ては、湿潤剤での表面処理の不存在下では完全に誘電性であった。
〔実施例465〕 (分析物センサーの製造)
分析物センサーは以下のようにに構築することができる。
直径100マイクロメーターおよび深さ1ミルの開口にてレーザードリリングしたDuPont(1ミル厚み)から入手可能なKAPTONで作成された、支持体としての、誘電性の穴を開けたバリア上に膜を形成することができる。開口は、1,700開口/cm2と高い密度を有することができる。先に詳細に記載したPEG8000/PROTOLYTE A700膜を用い、生体適合性膜を開口を横切って形成させる。ブロックコポリマー、安定化ポリマーおよびポリペプチドを含む得られた最終溶液を、次いで、ピペットによって一度に4マイクロリットルを滴下して開口を完全に被覆するように、基材上に沈積させる。溶媒をフード下で室温にて蒸発させる。次いで、膜−支持体アセンブリーを使用に先立って真空チャンバーに貯蔵することができる。
セルはDELRANプラスチックから構築することができる。次いで、前記したように製造した膜−支持体アセンブリーを、ゴムガスケットを備えた燃料電池内の所定の位置にシールして、2つの区画、アノード区画およびカソード区画を形成することができる。次いで、アノードおよびカソード区画を水性電解質(アノード区画では1MのTMA−ホルメートpH10、およびカソード区画では1%過酸化水素を含有する100mMのTMA−スルフェート、pH2.0)で満たす(各々、20ml)。次いで、チタンホイルアノードを電子的に変化させる負荷に平行に連結することができる。アナログ/デジタルボードを備えたコンピューターを用いて、電流および電圧出力を測定する。これらのエレメントをカソード区画中の黒鉛カソード電極に配線することによって回路は完成する。
チタンホイルアノードをアノード区画の電解質に浸漬させる。アノード(第一の)区画に、検出すべき分析物となるべき5%v/vメタノールを導入し、12.5mMのNAD+を電子キャリアーとして用い、1Mヒドロキノンを電子移動メディエーターとして用い、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ(5,000ユニット)、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(10ユニット)およびギ酸デヒドロゲナーゼ(100ユニット)を可溶性酵素として用いる。
本明細書中にて特定の実施形態を参照して本発明を記載してきたが、これらの実施形態は本発明の原理および適用の単なる例示であると理解されるべきである。従って、多数の修飾を例示的実施形態になすことができ、添付の請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲を逸脱することなく、他の配置を工夫することができるのが理解されるべきである。
本発明の分析物センサーの1つの実施形態を示す。 膜を含むバリアの側面図である。 図1A〜Bに示された分析物センサーの膜と関連付けられた膜貫通タンパク質のクローズアップ図である。 本発明の分析物センサーのもう1つの実施形態を示す。 本発明の分析物センサーのさらなる実施形態を示す。 分析物センサーのアレイを示す。 先行技術の生物学的膜タイプのセンサーを示す。 膜をバリアに固定させることを示す。 織物/メッシュに支持された膜を示す。 付着された分析物センサーを備えた分離デバイスを示す。 本発明の1つの態様によるPTMの断面図である。 本発明の1つの実施形態における分析物センサーのアノード区画での電子およびプロトンの移動の模式的表示である。

Claims (49)

  1. 分析物の導入に適合した第一の区画と、
    第二の区画と、
    前記第一の区画および第二の区画を分離するバリアであって、前記第一の区画は前記分析物と相互作用するのに適合した少なくとも1つの成分を含有し、該相互作用の結果、前記バリアを横切って種が輸送される場バリアと、
    前記輸送される種、または前記輸送される種の誘導体を検出し、それにより、前記分析物の存在を検出するのに適合した検出器と
    を含んでなる分析物を検出するための分析物センサー。
  2. 前記少なくとも1つの成分が少なくとも1つのポリペプチドを含み、該ポリペプチドは前記分析物または前記分析物の誘導体と相互作用して、化学反応に関与できる請求項1のセンサー。
  3. 前記バリアが前記輸送される種に対して少なくとも部分的に透過性であり、前記少なくとも1つの成分は前記分析物と相互作用するのに適合している請求項1または請求項2のセンサー。
  4. 前記バリアの透過性が前記輸送される種のサイズに依存する請求項3のセンサー。
  5. 前記輸送される種の透過性が前記輸送される種の電荷に依存する請求項3のセンサー。
  6. 前記輸送される種の透過性が前記輸送種の電荷およびサイズに依存する請求項3のセンサー。
  7. 前記検出器が、電流メーター、電圧メーター、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、質量分析計、核磁気共鳴検出器、赤外分光計、紫外分光計、またはラマン分光計、C、H、N、O検出器、水分検出器、導電率センサー、温度計、酸素センサー、生物学的酸素センサー、pH検出器、比色検出器、濁度メーターおよび粒子サイズおよび分布検出器よりなる群から選択される請求項1のセンサー。
  8. 分析物の導入に適合した第一の区画と、
    第二の区画と、
    前記第一の区画および第二の区画を分離するバリアであって、該バリアはポリペプチドと関連付けられた生物学的膜を含み、前記ポリペプチドは前記分析物、または前記分析物の誘導体との相互作用に際して前記バリアを横切っての種の輸送に関与することができるバリアと、
    前記輸送される種、または前記輸送される種の誘導体を検出し、それにより、前記分析物の存在を示すのに適合した検出器であって、該検出器(i)は前記膜に付着しておらず、あるいは(ii)50nm以上だけ前記膜から分離されている検出器と
    を含んでなる分析物を検出するための分析物センサー。
  9. 前記輸送される種が前記第一の区画から前記第二の区画に輸送される請求項8のセンサー。
  10. 前記輸送される種が前記第二の区画から前記第一の区画に輸送される請求項8のセンサー。
  11. 前記第一の区画が、前記分析物の前記誘導体の形成を行うのに適合した少なくとも1つの成分をさらに含む請求項8のセンサー。
  12. 前記第一の区画または第二の区画は、前記輸送される種の前記誘導体の形成を行うのに適合した少なくとも1つの成分をさらに含む請求項8のセンサー。
  13. 前記検出器が電流メーター、電圧メーター、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、質量分析計、核磁気共鳴検出器、赤外分光計、紫外分光計またはラマン分光計、C、H、N、O検出器、水分検出器、導電率センサー、温度計、酸素センサー、生物学的酸素センサー、pH検出器、比色検出器、濁度メーター、および粒子サイズおよび分布検出器よりなる群から選択される請求項8のセンサー。
  14. 分析物の導入に適合した第一の区画と、
    第二の区画と、
    前記第一および第二の区画を分離するバリアであって、該バリアは合成ポリマーを含む少なくとも1つの層を有する生体適合性膜を含み、該膜は少なくとも1つのポリペプチドと関連付けられており、前記ポリペプチドは前記分析物、または前記分析物の誘導体との相互作用に際して前記バリアを横切っての種の輸送に関与することができるバリアと、
    前記輸送される種、または前記輸送される種の誘導体を検出し、それにより、前記分析物の存在を示すのに適合した検出器と
    を含んでなる分析物を検出するための分析物センサー。
  15. 前記合成ポリマーが少なくとも1つのブロックコポリマーおよび少なくとも1つの非ブロックポリマーまたは非ブロックコポリマーを含む請求項14のセンサー。
  16. 前記輸送される種がタンパク質であり、前記少なくとも1つのポリペプチドが前記バリアを横切ってのタンパク質の輸送に関与できる請求項14または15のセンサー。
  17. 前記輸送が少なくとも約10ピコアンペア/cm2の電流密度を生じる請求項16のセンサー。
  18. 前記輸送が少なくとも約10ミリアンペア/cm2の電流密度を生じる請求項16のセンサー。
  19. 前記少なくとも1つのポリペプチドが前記少なくとも1つの層に包埋された請求項14のセンサー。
  20. 前記少なくとも1つのポリペプチドがポリペプチド複合体である請求項14または19のセンサー。
  21. 前記少なくとも1つのポリペプチドが、前記生体適合性膜の少なくとも約0.01重量%の量で存在する請求項14のセンサー。
  22. 前記少なくとも1つのポリペプチドが、前記生体適合性膜の少なくとも約5重量%の量で存在する請求項14のセンサー。
  23. 前記少なくとも1つのポリペプチドが、前記生体適合性膜の少なくとも約10重量%の量で存在する請求項14のセンサー。
  24. 前記合成ポリマーが少なくとも1つのブロックコポリマーを含み、前記少なくとも1つのブロックコポリマーは親水性含有量を超える疎水性含有量を有する請求項14のセンサー。
  25. 前記少なくとも1つのブロックコポリマーが約1,000〜約20,000ダルトンの平均分子量を有する少なくとも1つのブロックを有する請求項24のセンサー。
  26. 前記少なくとも1つのブロックが、約1,000〜約20,000ダルトンの平均分子量を有する少なくとも第二のブロックを有する請求項25のセンサー。
  27. 前記少なくとも1つのブロックコポリマーが、前記生体適合性膜の重量に基づいて、少なくとも約35重量%の量で供される請求項24のセンサー。
  28. 前記少なくとも1つのブロックコポリマーが、前記生体適合性膜の重量に基づいて約35重量%〜約99重量%の量で供される請求項24のセンサー。
  29. 前記合成ポリマーが複数のブロックコポリマーを含む請求項24のセンサー。
  30. 前記少なくとも1つのポリペプチドがレドックス反応に関与できる請求項14または15のセンサー。
  31. 前記少なくとも1つのポリマーまたはコポリマーが約5,000〜約500,000ダルトンの分子量を有する請求項15のセンサー。
  32. 前記輸送される種が前記第一の区画から前記第二の区画に輸送される請求項14のセンサー。
  33. 前記輸送される種が前記第二の区画から前記第一の区画に輸送される請求項14のセンサー。
  34. 前記第一の区画が、前記分析物の前記誘導体の形成を行うのに適合した少なくとも1つの成分をさらに含む請求項14のセンサー。
  35. 前記第一の区画または第二の区画が、前記輸送される種の前記誘導体の形成を行うのに適合した少なくとも1つの成分をさらに含む請求項14のセンサー。
  36. 前記検出器が電流メーター、電圧メーター、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、質量分析計、核磁気共鳴検出器、赤外分光計、紫外分光計またはラマン分光計、C、H、N、O検出器、水分検出器、導電率センサー、温度計、酸素センサー、生物学的酸素センサー、pH検出器、比色検出器、濁度メーター、および粒子サイズおよび分布検出器よりなる群から選択される請求項14のセンサー。
  37. 前記センサーが使い捨てである請求項1、8および14のいずれか一項のセンサー。
  38. 分析すべき試料を少なくとも2つの試料成分に分離するのに適合した分離モジュールと、
    前記試料成分の少なくとも1つを請求項1、8および14のいずれか一項に記載の分析物センサーの第一の区画に移動させるのに適合した移動エレメントと
    を含む検出デバイス。
  39. 前記分離モジュールが前記試料を一連の分離に付すのに適合した請求項38の検出デバイス。
  40. 前記分離モジュールが複数の分離デバイスを含む請求項39の検出デバイス。
  41. 前記分離デバイスが細胞ソーター、クロマトグラフィーカラムおよび遠心分離機よりなる群から選択される請求項40の検出デバイス。
  42. 請求項1、8および14のいずれか一項に記載の分析物センサーを供するステップと、
    分析物を含有する試料を前記第一の区画に導入するステップと、
    前記分析物の存在につき前記検出器を観察するステップと
    を含む分析物の存在に関して試料を分析する方法。
  43. 請求項1、8および14のいずれかに記載の2以上の分析物センサーを含む、少なくとも1つの分析物を検出するためのセンサーアレイ。
  44. 前記分析物センサーが少なくとも2つの分析物を検出するのに適合した請求項43のセンサーアレイ。
  45. 分析物の導入に適合した第一の区画と、
    第二の区画と、
    前記第一および第二の区画を分離するバリアであって、該バリアは少なくとも1つのポリペプチドと関連付けられた膜を含み、該ポリペプチドは前記バリアを横切っての検出された種の輸送に関与することができ、前記ポリペプチドは前記分析物または前記分析物の誘導体と相互作用し、それにより、前記検出された種の輸送が低下されるのに適合するバリアと、
    前記低下を検出し、それにより、前記分析物の存在を検出するのに適合した検出器と
    を含んでなる分析物を検出するための分析物センサー。
  46. 前記ポリペプチドが孔形成性ポリペプチドである請求項45の分析物センサー。
  47. 前記ポリペプチドがグラマシデンである請求項46の分析物センサー。
  48. 前記膜が、合成ポリマーを含む少なくとも1つの層を有する生体適合性膜である請求項45、46および47のいずれかの分析物センサー。
  49. ポリマーに対する前記ポリペプチドの質量比が約1:100〜約1:50,000である請求項45の分析物センサー。
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