JP2005520928A - サブミクロンのポリテトラフルオロエチレン粉体の製造法とそれらの製品 - Google Patents

サブミクロンのポリテトラフルオロエチレン粉体の製造法とそれらの製品 Download PDF

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Abstract

易流動性で容易に分散可能な状態で、サブミクロンのポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)粉体を製造する方法。照射を受けたPTFE出発物質を所望の溶媒に仕込み、PTFE粒子がサブミクロンサイズになるまで、粉砕処理する。続いて、サブミクロン粒子を溶媒から回収し、乾燥させて、1.00μm未満のサイズの粒子を有しうる粉体を生成する。乾燥PTFE粉体は、所望の応用系に、サブミクロンサイズに容易に分散する。上記方法のサブミクロンPTFE粉体は、易流動性で各種の応用系に容易に分散し、粉塵性でも自己凝集性でもない。高い安定性を呈し、上記分散体を製造する他のプロセスよりもかなり緩やかな攪拌ですむサブミクロンのPTFE粒子の改良された水性及び有機分散体も形成できる。上記の改良されたPTFE分散体は、界面活性剤、湿潤剤、レオロジー改質剤、pH調整剤等を添加するか或いは無添加で製造できる。

Description

関連出願のクロスリファレンス
本出願は、仮出願の出願番号60/364,565(2002年3月14日出願)の利益を主張する。
本発明は、概して、サブミクロンサイズのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉体の製造法に関する。さらに具体的には、本発明は、界面活性剤、湿潤剤、レオロジー剤(流動付与剤)、pH調整剤を添加して又は無添加で、サブミクロンのPTFE粉体を生成する方法に関する。さらに、本発明は、本明細書に開示された方法に従って生成されるサブミクロンのPTFE粉体に関し、上記粉体は、易流動性で、選択された応用系(application system)で容易に分散し、自己凝集性(self-agglomerate)が殆どなく、取り扱いの際に空気中への粉塵性が殆どない。さらに、本発明は、水性及び有機分散媒でサブミクロンサイズにPTFE粒子を分散する改良法、上記方法に従って形成される分散体(dispersions)にも関する。
サブミクロンのPTFE粒子を含有する水性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散体と、上記サブミクロンPTFE分散体を形成する方法は、通常、当技術分野では公知ある。当技術分野で公知のプロセスから生じるサブミクロンのPTFE分散体は、一般に販売され、それらの分散された状態で使用され、所望の応用系に直接取り込まれうる。さらに、上記の公知のサブミクロンのPTFE分散体は、選択された応用系において所望の最終濃度に希釈されうる又は濃度を下げうる「親分散体(master dispersion)」又は濃縮分散体として、使用されうる。
通常、上記公知のサブミクロンのPTFE粒子分散体は、分散剤を使用し、昇温及び加圧下で緩やかな攪拌条件下、水中重合で生成される。しかしながら、上記公知のサブミクロンのPTFE分散体は、経時及び温度変化に特性的に不安定である。さらに、上記公知のサブミクロンPTFE分散体は、経時と共に凝集する傾向があり、物理的な攪拌又は機械的な取り扱いに対して非常に影響を受けやすいので、汚染され易い。従って、水性及び有機媒体において、サブミクロンのPTFE分散体を形成する改良された方法の必要性が存在する。
PTFE分散体と同様に、乾燥PTFE粉体の製品は、当技術分野で公知であり、通常、当業界において入手可能である。PTFE粉体を製造する製造業者が、フルオロポリマー業界に数社あり、そのうちの何社かは、自社の粉体のPTFE粒子のサイズを「サブミクロン」又はサブミクロンのサイズに分散することが可能であると記載している。当技術分野で公知であり、本発明の方法と製品に関連する上記PTFE粉体には、「微粉体」のPTFE製品(PTFE凝固分散体、PTFE凝集固体、又は懸濁重合よりもむしろ乳化重合又は分散重合によって形成されるPTFEとして公知である)が主に含まれる。
上記の微粉体PTFE製品、凝集PTFE固形製品、及び乳化重合で形成されるPTFE製品は、通常、主PTFE粒子の緩やかな凝集体からなり、PTFE粒子の主粒径は、1.00μm未満、即ち約0.1μm〜約0.5μmの範囲でありうる。固体の回収時、主PTFE粒子は、「塩析」として知られるプロセスにおいて塩(例、アンモニウムカーボネート等)の使用、pH調整、界面活性剤を用いる液性の中和等を経て、凝集された後、デカンテーション等の様々な方法で回収されうる。具体的には、乳化重合時に、大きな顆粒状のPTFE結晶粒子の生成を回避するために、PTFEは、湿潤剤を用いて重合される。
工業的な応用分野において、上記の市販の微粉体のPTFE製品の最終用途として、一般的に、PTFEテープ、PTFEチューブ、及び燒結PTFEシート又はテープが、挙げられる。通常、微粉体のPTFE製品は、「ペースト押出し成型」として、当技術分野で一般的に呼ばれるプロセスを経由し、そのプロセスによって、PTFEは、運搬台に乗せられ、押出されて、テープ、チューブ、シートに成型される。微粉体のPTFE製品がペースト押出し成型を上手く行なう能力は、PTFE粒子の伸び率に起因すると信じられている。しかしながらPTFE業界が発展するにつれて、上記のテープ及びシートにおける不揃いが、観察され、主な当業者は、上記の微粉体PTFE製品のPTFE粒径が減少することを懸念した。同様に、上記の市販の微粉体PTFE製品は、かなりの粘着性及びフィブリル化を呈すると知られている。
PTFE粉体の様々な例が、当技術分野に存在する。例えば、ICI Fluoropolymers社は、FLUOROGLIDE FL 1700として公知の市販品を製造しており、該製品は、潤滑剤として働き、製品説明書には、高せん断混合を経る処理によりサブミクロンの粒径を達成することを目的とした白色、微細分級、きめの粗い低分子量PTFE粉体と記載されている。FLUOROGLIDE FL 1700に関する当技術分野で公知の資料によると、上記材料は、ホスト媒体の耐磨耗性を改善し、潤滑性、非粘着性、及び摩擦特性を向上させる添加剤として、主に使用されることがわかる。
さらに、DuPont社製のPTFE微粉体製品は、当技術分野で公知であり、ZONYL Fluoroadditive MP 1100として市販されている。上記製品は、他の材料の添加剤として(例えば、所与の系に低表面エネルギー及び他のフルオロポリマーの特性を付与するために、加工助剤、グリース添加剤、オイル添加剤、或いはオイル又はグリースの濃縮剤として)の使用を対象とした、白色、易流動性のPTFE粉体と記述されている。DuPont ZONYUL MP 1100製品は、乾燥潤滑剤として、単独で使用しうる。
サブミクロンPTFE粉体及びサブミクロンPTFE分散体を製造するための改良された工程を作り出すというフルオロポリマー製造業者の願望は、微細径又はサブミクロンのPTFEに関して存在する広範囲に及ぶ数々の最終用途から生じる。例えば、少量(例えば、約0.1〜2重量%)の粉体化されたPTFEを様々の組成物に含有させて、以下の好適で有益な特性を提供しうる。(i)インクにおいて、PTFEは、優れた表面摩耗抵抗及び耐摩擦性を提供する。(ii)化粧品において、PTFEは、シルク様の感触を提供する。(iii)遮光剤において、PTFEは、UVからの遮蔽を高め、或いはSPF(日焼け防止指数)を増大させる。(iv)グリース及びオイルにおいて、PTFEは、より優れた潤滑性を提供する。(v)コーティング及び熱可塑性物質において、PTFEは、改善された耐磨耗性、耐化学特性、耐候性、耐水性、フィルム硬度を提供する。
サブミクロンPTFE粉体及び分散体に関する他のさらに具体的な最終用途には、これに限定されないが、(i)無電解ニッケルコーティング中にサブミクロンPTFE粒子の均一な分散体を含有させて、上記コーティングの摩擦及び磨耗特性を改善する(Hadleyら、Metal Finishing, 85:51-53 (1987年12月))、(ii)PTFE粒子が表面仕上げ層に対して摩擦抵抗を提供する電気的なコネクタ接触の表面仕上げ層に、サブミクロンのPTFE粒子を含有させる(米国特許第6,274,254号明細書、Abysら)、(iii)界面層が光導波路ファイバの一部分である界面層中の固体潤滑剤として、フィルム形成接着剤中にサブミクロンのPTFE粒子を使用(米国特許第5,181,268号明細書、Chien)、(iv)乾燥エンジンオイル添加剤中に、サブミクロンのPTFE粉体(顆粒状PTFE粉体とTiO2と一緒に)を使用し、上記添加剤が、負荷のかかった表面の滑り特性を改善する(米国特許第4,888,122号明細書、McCready)、(v)金属と金属合金の表面処理システム中に、サブミクロンPTFEと自触媒作用のあるニッケル/リンとを混合使用し、PTFEが、結果としての表面に、潤滑性、低摩擦性、耐磨耗性を付与する(“Niflor Engineered Composite Coatings,” Hay N., International, Ltd. (1989))。PTFEの最終用途のさらなる具体的な例として、PTFEをエンジンオイルへ添加する例、PTFEをグリース中に濃縮剤として使用する例、PTFEを工業的な潤滑添加剤として使用する例が挙げられる。
さらに、ポリマーに添加剤として用いる特定の繊維を形成するPTFE粉体の使用は、PTFE粉体が上記繊維から形成される繊維及び織物の非湿潤性を改善する点で重要である。従って、PTFE粉体の添加剤を含有する繊維は、濾過及び脱水プロセスに使用される織物製品等の工業用織物において、有益である。上記のPTFE粉体の添加剤を含有する繊維は、カーペット、スポーツウェア及びアウターウェア用の生地、熱気球、自動車及び航空機の座席、傘等の製造にも使用されうる。上記の織物にPTFEを含有させると、織物製品の洗浄がさらに容易になる等の多くの利点が生じる。
しかしながら、PTFE粉体及びPTFE分散体に関連する技術分野の技術者が、媒体(例、鉱油、その他の合成油、樹脂、ポリマー等)中に適切に安定化し分散するコロイド状のPTFEの獲得方法を体得する困難を経験してきたことに気づくことは、重要である。PTFE粒子の真に安定なコロイド状懸濁液が、サブミクロンサイズで適切な界面化学特性を有する粒子を必要とすることは、業界で認識されていた。従って、サブミクロンのPTFE粒子の安定なコロイド状懸濁液又は分散体を形成する新規な方法は、重要であり、当業界で望まれている。
サブミクロンPTFE粉体及びサブミクロンPTFE分散体を含む多くの応用または最終用途(上記に記載した最終用途等)に関して、応用系又は最終用途系に付与される有益な効果は、PTFE粒子の化学的不活性及び/又はPTFE粒子の低摩擦係数に起因する。さらに、サブミクロンPTFE粒子は、上記のように低粒径であるので、より大きなPTFE粒子と比較すると、かなり高い(表面積/重量)比を有する。従って、サブミクロンPTFE粒子は、(より大きなPTFE粒子と比較すると)、同じ重量を含有する場合、所望の応用系に有益な効果を、さらに良好に供与することが可能である。それ故、サブミクロンPTFE粉体及びサブミクロンPTFE分散体を調製するための新規な方法は、多くの最終用途、製品及び/又は組成物に利点となるであろう。
要約すると、易流動性で、各種の応用系に容易に分散し、自己凝集しない(従って、所望の応用系にサブミクロンPTFE粉体を分散させるのに、高価な化学添加剤もかなり多量のエネルギーも必要でない)サブミクロンPTFE粉体を調製するための、簡便で確実な方法が必要となる。さらに、経時に対してさらに安定して、凝縮し難く、温度変化及び物理的攪拌の影響を受けにくい、サブミクロンPTFE粒子の水性及び有機系の両分散体を形成する改良された方法が必要とされる。本発明の開示は、上記及び他の必要性を記載する。
本発明は、一般的に、サブミクロンPTFE粉体を製造する方法と、サブミクロンPTFE分散体を製造する改良法とに関する。さらに、本発明は、易流動性で、自己凝集性がなく、所望の応用系に入れると容易に分散し、取り扱いの際に粉塵として飛散しない、本発明に従って形成されるサブミクロンPTFE粉体に関する。
本明細書で用いる通り、一般的な化学略語「PTFE」は、ポリテトラフルオロエチレンを意味するのに使用される。しかしながら、簡略化のため、一般的な用語「PTFE」は、本明細書において、共重合体材料の大部分がポリテトラフルオロエチレンである共重合体を記載するのにも使用される。例えば、用語「PTFE」は、以下のポリマーと共重合する(又は以下のポリマーを含有する)ポリテトラフルオロエチレンを意味するのに使用される。フッ素化エチレンとプロピレンの共重合体(「FEP」)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエーテルの共重合体であるパーフルオロアルコキシ樹脂(「PFA」)、エチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体(「ETFE」)、ポリクロロトリフルオロエチレン(「PCTFE」)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体である「ECTFE」、ポリビニリデンフルオライド(「PVDF」)、及びポリビニルフルオライド(「PVF」)。用語「PTFE」が、本明細書において、上記のポリマーのうちの1種と共重合するポリテトラフルオロエチレンを記載するのに使用される場合、ポリマー中のポリテトラフルオロエチレンの実含有量が、約70重量%以上であることを意図する。
さらに、本明細書で用いる用語に関して、用語「PTFE出発物質」は、PTFE粒子の緩やかな凝集体(agglomerates)を含有する市販のPTFE製品を意味するのに使用され、上記PTFE粒子は、1.0μm未満の主粒径、さらに具体的には、約0.1〜0.5μmの主粒径を有する。さらには、用語「PTFE出発物質」は、本明細書において、以下の1つで知られる市販のPTFE製品が挙げられる:(i)「微粉体(fine powder)」PTFE出発物質、(ii)PTFE粒子の「凝固分散体(coagulated dispersion)」、(iii)「乳化重合」又は「分散重合」で生成されるPTFE粉体。具体的には、「PTFE出発物質」の定義は、理論に捕らわれるのを望まないが、上記の微粉体PTFE製品、PTFE凝固分散体、乳化重合で生成されるPTFE製品は、市販のPTFE製品のうちで最も小さな主粒径を有すると信じられているので、本明細書において、上記の微粉体PTFE製品、凝固分散体の形態のPTFE、及び乳化重合から生成されるPTFEが挙げられる。さらに説明すると、本発明の記載に使用される用語「PTFE出発物質」は、(懸濁重合で生成される)顆粒状PTFE出発物質を含むことを意味しない。
さらに、本明細書で使用されている専門用語に関して、用語「サブミクロンPTFE粉体」は、本発明の方法から結果として生成される一般的なPTFE粉体の最終製品を意味し、乾燥PTFE粉体粒子(溶媒を除去後)は、実際にはサブミクロンサイズよりも大きいが、乾燥PTFE粉体を選択した応用系に分散すると、PTFE粒子はその後サブミクロンサイズとなる。同様に、用語「乾燥PTFE粉体」及び「乾燥PTFE粉体粒子」は、当応用分野において、所望の応用系に容易に分散される前に、回収・乾燥されたPTFE粉体及び/又は回収・乾燥・粉体化されたPTFEを意味するのに使用される。
一般的に、本発明により記載される方法は、サブミクロンPTFEを造る公知のプロセスに対して改善されている。なぜなら、本発明に従って形成されるサブミクロンPTFE粉体は、粉体から最初の溶媒が除去され、得られる乾燥PTFE粉体は使用者によって任意の所望の系に仕込む(place into)ことが可能なものだからである。サブミクロンPTFE粒子を調製する多くの従来技術の方法において、粒子は、通常、元来のPTFE分散体を調製するのに使用される最初の溶媒を取り込んだ液体形態又は分散された形態で使用されなければならない。従って、本発明の方法は非常に望ましい方法であって、これにより、サブミクロンPTFE粉体がPTFE濃縮体から回収され、引き続いて、使用者が選択した応用系に分散させることができる。
さらに、本発明の方法が界面活性剤、湿潤剤、レオロジー剤、pH調整剤の添加を必要としない点において、本発明の方法は、サブミクロンPTFE粒子を製造する公知の方法とは異なる。しかしながら、使用者が選択した特別な応用系において、所望又は必要であるならば、前述の薬剤(及び他の試薬)を添加してもよい。
本発明の好適な一方法において、微粉体PTFE出発物質は、最初に約5〜120メガラド(megarad)、好ましくは約10〜100メガラド、最も好ましくは約20〜90メガラドで放射線照射を受ける。PTFE出発物質の照射を伴う第一工程は、当技術分野で公知の特許及び文献の主題であった。例えば、PTFEの照射の初期の記載は、米国特許第3,766,031号明細書(Dillon)に含まれ(その記載は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている)、上記特許文献は、PTFEを試料皿に如何に載せ、照射するかを記載する。
さらに、本発明の譲渡人が所有する米国特許第4,748,005号明細書及び同4,777,192号明細書(Neubergら)は、PTFE材料をブレンダーで攪拌しながら、PTFE材料をリボンブレンダーに仕込み、ブレンダーの特定の箇所に電子線照射を行う、PTFEの商業生産バッチ処理を開示する。米国特許第4,748,005号明細書及び同4,777,192号明細書は、参照され、本明細書に完全な形で組み込まれている。PTFE粒子を照射する方法及びPTFE粒子の照射に使用される装置を開示する他の米国特許として、米国特許第5,149,727号明細書及び同5,296,113号明細書(Luniewski)、及び米国特許第5,968,997号明細書(Luniewskiら)が挙げられ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
照射工程後、照射を受けたPTFE出発物質をプロセスの次の工程で直接使用してもよいし、或いは、組成物中からフッ化水素(HF)及び他の副生成物を除去するために、照射を受けたPTFEを最初に加熱処理(bake)してもよい。
次に、照射を受けたPTFEを、選択した1種の溶媒又は多種の溶媒に加える。本発明の上記の方法で使用しうる溶媒にとして、これに限定されないが、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(「IPA」)、ブタノール、アミルアルコール等)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン等)、グリコール(例、エチレングリコール、プロピレングリコール等)、炭化水素(例、ヘキサン、オクタン、デカン、ミネラルスピリット等)、芳香族炭化水素(例、トルエン、ベンゼン等)、ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、水、様々な他の一般的な溶媒が挙げられる。
本発明の上記方法に有益な溶媒(上述した溶媒及び他の溶媒を含む)は、粉砕(grinding)工程(以下に詳細を記載)のために、PTFE粒子を湿潤させる特性を有するのが望ましく、さらに粉砕工程後、溶媒からPTFE粒子が容易に分離されるのが望ましい。粉砕工程の後、PTFE粒子を分離するのに用いる一般的な手法として、これらに限定されないが、濾過、遠心分離、超臨界ガス抽出(critical gas extraction)、蒸発、及び、PTFEが分離又は凝集(flocculate)して、濾過、すくい上げ又は遠心分離で除去が可能となるような他の液体との混合(co-mingling)が挙げられる。上記及び他の分離方法を以下にさらに詳細に記載する。
本発明に係るサブミクロンPTFE粉体を製造する上記方法の重要な点は、界面活性剤、湿潤剤、レオロジー剤又はレオロジー調節剤(rheology agent)、pH調節剤を無添加で、照射を受けたPTFE出発物質を、選択した溶媒に直接添加しうることである。前に記載した通り、サブミクロンPTFE粉体を製造するための、当技術分野で公知の従来プロセスは、通常、上記の薬剤の添加が必要である。
放射線照射されたPTFE出発物質を、選択した1種の溶媒又は多種の溶媒(PTFE粒子の「溶媒濃縮体(solvent concentrate)」と本明細書で称されるものを形成する)に直接仕込んだ後、溶媒濃縮体に粉砕工程を施し、PTFE粒子がサブミクロンサイズになるまで、上記の粉砕を続ける。本明細書で使用される通り、用語「粉砕(grinding)」は、PTFE粒子の粒径を小さくする3種の別個の手順を意味する。具体的には、本明細書で用いる「粉砕」は、以下の(i)〜(iii)を意味する:(i)固形結晶状PTFE粒子そのものを実際に破砕し、それによって、粒径をサブミクロンサイズにまで小さくする。(ii)PTFEのうちより大きな凝集体を脱凝集し(de-agglomerateing)、それによる「粉砕」の目標はPTFE粒子を主粒径に維持することであり、主粒径が約1.00μm未満のPTFE粒子主粒径を回収する。(iii)PTFE粒子そのものを実際に粉砕することと、大きなPTFE凝集体をより小さなPTFE粒子に脱凝集する両方の組合せ。理論で縛られることを望まないが、本発明の好適な方法で生じる粒径の減少が、PTFE粒子を実際に破砕することに起因するのか、単により大きなPTFE凝集体をそれらの「主粒径」のPTFE粒子に脱凝集することに起因するのか、或いは両方の組合せなのか明確に分かっていないので上記の説明ができる。
粉砕工程は、一般的に、サンドミル、バスケットミル、水平式メディアミル、他の同様な装置で行なう。混合物を砕き、適切な粒径分布が達成され、殆どのPTFE粒子がサブミクロンサイズであると判定がされるまで再循環する。
本発明の方法のこの時点で、生成するサブミクロンPTFE濃縮体は、乾燥後、容易に回収可能でかつ容易に使用可能な状態になり得るサブミクロンPTFE粒子の特性を有する。従って、溶媒濃縮体中のサブミクロンPTFE粒子の粒径分析は、通常約0.25〜約0.4μmの平均粒径を示すが、サブミクロンPTFE粒子そのものは、濾過、遠心分離、蒸発、通気後に浮選(aeration followed by flotation)、超臨界ガス抽出及び/又は回収のための水とPTFE溶媒濃縮体との混合(co-mingling)方法で容易に回収しうる。
特定の実施形態において、サブミクロンPTFE粉体を得るために、サブミクロンPTFE粒子の溶媒濃縮体を、通常の濾紙を用いて濾過し、それによって、サブミクロンPTFE粒子を濾紙で捕集しうる。別法として、溶媒からサブミクロンPTFE粒子を分離するために、サブミクロンPTFE粒子の溶媒濃縮体を遠心分離してもよい。濾過又は遠心分離のいずれかの後に、生成するPTFE/溶媒ケーキを乾燥(通常、オーブンで)させてもよい、或いは溶媒を除去するために最初に水と混合してもよい。溶媒を除去するために水と最初にPTFE/溶媒ケーキを混合する実施形態において、混合物を再度濾過、遠心分離、デカンテーション等を行なった後に乾燥させる。
乾燥後、生成する乾燥PTFE材料を、約5μm〜約75μmの平均凝集体粒径を有する柔らかく易流動性のPTFE粉体を得るために、エアーミル、チョッパー、メカニカルミル又は同様の装置で、粉体化してもよい。(PTFE粉体粒子の凝集体の実際のサイズは、粉体化の強度、循環処理の回数、粉体化に許容される時間に応じて決まる)。乾燥PTFE粉体粒子の粒径を、約5μm〜約75μmの範囲に維持することにより、取り扱い時に簡単に空気中に「飛散」しない、柔らかく易流動性(soft free-flowing)のPTFE粉体を生じる。
意外なことに、上記に記載の方法に従って生成した乾燥PTFE凝集粉体は、様々な所望の応用系に容易に分散可能であり、粉体化した凝集体の緩やかな混合又は攪拌のみを必要とする。例えば、溶媒、樹脂、コーティング、又は別の所望の液体応用系への乾燥PTFE凝集粉体の分散において、乾燥PTFE粉体の凝集体はサブミクロンのPTFE粒子に戻って分散させることが可能である。
さらに、上記方法で生成されるサブミクロンのPTFE粉体は、易流動性であり、所望の応用系に分散されない自己凝集性の生成物を殆ど或いは全く生成しない。PTFE粒子の粒径が非常に小さい(サブミクロンの)結果として、粒子の曝露される表面積がかなり増大するため、当業者であればPTFE粒子が自己凝集する確率が高くなると予測するので、上記の結果(具体的には、生成したサブミクロンのPTFE粉体は、自己凝集する傾向は非常に低い)は全く予想外である。
特定の条件下(高い組成圧(high composition pressures)、高温、又は過度の振動)では、本発明に従って生成したサブミクロンのPTFE粉体に付与される改良された特性にもかかわらず、かなりの量の凝集形成が生じうる。上記の場合、約1%〜約25重量%の使用濃度で、公知の抗粘結剤(anti-caking agent:例、珪藻土、デンプン、非結晶質シリカ等)をサブミクロンのPTFE粉体と混合してもよい。
本発明の別の実施形態において、溶媒濃縮体自体は、他のどんな添加剤も含有しない分散したPTFE粒子を含んでなり、粉砕後有用であり、様々な適用に利益又は有益をもたらしうる。例えば、界面活性剤、湿潤剤、レオロジー剤、又はpH調整剤のいずれも無添加のIPAに、照射を受けたPTFE粒子を直接加える溶媒濃縮体は、離型剤として直接用いてもよいし、或いは、PTFEベースのグリースを生成するために、照射を受けたPTFE粒子の溶媒濃縮体をグリースキャリヤーと混合した後、減圧及び/又は熱により、IPAを除去してもよい。照射を受けたPTFE粒子の溶媒濃縮体を、スプレー又はエアロゾルとして、或いは、適用(例、金属形成、延伸、ローリング等)のドライフィルム潤滑剤として、直接用いてもよい。
同様の方法において、照射を受けたPTFEを樹脂又は非溶媒キャリヤーに加えた後、粉砕してもよく、それによって、生成したサブミクロンのPTFEの濃縮体を所望の応用系に用いてもよい。例えば、照射を受けたPTFEをD.E.R. 331エポキシ樹脂(Dow Chemicalより製造)に加えて、粉砕してもよく、それによって、濃縮体は、缶塗装用に有用である。さらに、照射を受けたPTFEをCarboset515アクリル樹脂(NOVEONより製造)に加えて、粉砕してもよく、それによって、濃縮体は接着剤に有用である。同様に、照射を受けたPTFEをM-8020ヒドロキシポリエステル(Reichholdより製造)に加えて粉砕してもよく、それによって、濃縮体は器具のコーティングに有用である。
さらに、本発明の方法は、応用系がインク樹脂(任意の所望の添加剤と共に)であるインクにサブミクロンのPTFE粒子を組み込むのにも有用でありうる。例えば、上記の方法に従って生成した約25%〜約70重量%のサブミクロンのPTFE粉体を、Algan's al-gloss H083(改良フェノール性炭化水素樹脂)等の分散体ビヒクルに分散した後、濃度を下げて、他の添加剤及び/又は樹脂と共に用いて、ヒートセットインクを作製する。サブミクロンのPTFE粉体をシートフィード型インク(sheet feed ink)に混合するために、約25%〜約70重量%のサブミクロンのPTFE粉体をADM's「Superb」(アルカリ精製したあまに油)に分散し、続いて濃度を下げて、シートフィードインクを作製する。上記のような適用において、サブミクロンのPTFE粉体を直接インク樹脂に加えた後、さらに所望の添加剤のいずれかを添加してもよい。また、所望の添加剤を最初に選択したインク樹脂に加えた後、追加のサブミクロンのPTFE粉体を加えてもよい。
さらに、光ファイバーコーティングへの使用に関して、本発明の方法に従って生成されるサブミクロンのPTFE粉体を、トリプロピレングリコールジアシレート中に所望の応用系として混合してもよい。さらに、自動車関連の部品(例、ヘッドライト、テールライト等)用のコーティングにおける使用に関して、本発明の方法に従って生成されるサブミクロンのPTFE粉体は、樹脂/モノマーの組み合わせに分散してもよく、樹脂は、例えば、エトキシレートトリメチルプロパントリジアシレートであり、モノマーは、例えば、エトキシレート1,6ヘキサンジオール-ジアシレートである。
本発明の他の実施形態において、照射を受けたPTFEを、樹脂、ポリマー、モノマー、ワックス等に混合した後に、PTFE粒子が媒質中に分散してサブミクロンの粒径まで小さくなるまで、シングルスクリュー溶融押出機、ツインスクリュー溶融押出機、マルチスクリュー溶融押出機、バンバリー(Banburry)ミキサー又はブレンダー、もしくは分散ミキサー(dispersion mixer)等の装置内でかなり激しく攪拌してもよい。例えば、照射を受けたPTFEをポリエチレン(PE)のペレットと混合した後、PTFE粒子の粒径が1.00μm未満になるまで、単回処理又は複数回の処理のため、ツインスクリュー溶融押出機内に供給してもよい。上記の実施形態において、PTFEの照射強度は通常約1〜約50メガラド、好ましくは約5〜約40メガラド、さらに好ましくは約15〜約35メガラドである。
理論に縛られることを望むわけではないが、高せん断力、延伸力又は伸長力、粒子間の摩擦は、溶融押出機もしくは粘着性流体を取り扱うために設計された同類の装置を伴う、上記のパラグラフに記載した実施形態と同様な実施形態において、粒径を減じるメカニズムを提供すると確信されている。従って、例えば、30重量%の照射を受けたPTFEをPE中に仕込んだ後、サブミクロンサイズまでPTFE粒子の粒径を減じるために、かなり強力に装置内で攪拌してもよい。これは結果として、約0.1%〜約7.5重量%のサブミクロンのPTFE粒子を含有する最終ポリマーを供給するために、一定量のPE中に押出すことによって、濃度を低下させた濃縮体又は「マスターバッチ」となる。
上記に記載した実施形態に加えて、本発明はサブミクロンのPTFE粒子の改良された分散体を各種の応用系で形成させる方法も包含する。本発明の上記実施形態において、サブミクロンのPTFE粒子の安定化した分散体は、選択したPTFE出発物質を最初に照射した後、PTFE粒子が緩やかな攪拌でサブミクロンサイズに分散される所望の応用系に、照射を受けたPTFE材料を直接加えることにより形成される。上記のサブミクロンのPTFE粒子の改良された分散体が、界面活性剤、湿潤剤、レオロジー剤又は改質剤、及びpH調整剤を無添加で形成されることもある。しかしながら、必要な場合或いは便利な場合は、上記の薬剤が上記の実施形態に従って形成された安定性サブミクロンのPTFE分散体に含有されることは許容できる。
理論に縛られることを望むわけではないが、PTFE出発物質(微粉体のPTFE製品、凝固した固体PTFE製品、又は乳化重合により形成した固体PTFE製品)を照射する工程は、主PTFE粒子の稠性を変更し、PTFE粒子がさらに容易に分散できるようになり、粘着性及びフィブリル化(fibrillation)を示す典型的な傾向を呈さないことが確信されている。従って、本発明の記載する実施形態において、穏やかな攪拌をしながら照射を受けたPTFE材料を所望の応用系に仕込む(placed into)際に、PTFE出発物質を照射することにより、主PTFE粒子は遊離するか或いはそれらの凝集状態から分離すると確信されている。
本発明に関して実施された実験により、PTFE出発物質が受ける照射量とPTFE粒子のサブミクロン分散体に達するのに必要とされる攪拌強度の間には、負の相関が存在することが示唆される。従って、以下にさらに記載するように、PTFE出発物質が約28メガラドの照射レベルまで照射を受ける本発明の実施形態は、さらに、照射を受けたPTFE粒子の溶媒濃縮体の粉砕だけでなく、かなりの時間と激しい攪拌も必要とするが、一方、PTFE出発物質が約72メガラドの照射レベルまで照射を受ける本発明の実施形態では、サブミクロンサイズまでのPTFE粒子の同程度の分散がより少ない時間で攪拌強度も小さくて達成され、照射を受けたPTFE出発物質が所望の応用系に直接分散されるうる程度までさえ達成される。
さらに、市販のPTFE材料(例、PTFE微粉体製品又は乳化重合から回収されるPTFE固体)はフィブリル化する傾向があり、せん断時にフィブリル(小繊維)、鎖又は繊維を形成しやすいことはよく知られている。しかしながら、PTFE出発物質が、約28メガラドの照射を受け、溶媒、樹脂等において、長尺せん断又は粉砕プロセスを経た本発明の特定の実施形態において、結果として生成するサブミクロンのPTFE製品はフィブリル化していないことを示す。従って、PTFE出発物質が受けた照射強度とPTFE粒子が呈するフィブリル化の程度には、負の相関が存在する。故に、0メガラド〜約28メガラドの範囲の照射量での一連の実験により、照射強度とPTFE出発物質のサンプルが呈するフィブリル化の程度の間に、正確な数理的関数が認められるだろう。
要約すると、本発明のある実施形態においては、適切なPTFE出発物質を選択する際に、本発明の実施形態であるが(具体的には、該方法が照射を受けたPTFE粒子の溶媒中への仕込み、粉砕、及び例えば、濾過を用いての回収を含むような実施形態)、粉砕又は脱凝集工程が除去された他の実施形態で形成されたサブミクロンのPTFE粉体と同一の基本的特性を有するサブミクロンのPTFE粉体を製造できることは明らかである。
上記に記載の実施形態に従って形成された改良されたサブミクロンのPTFE分散体を、サブミクロンのPTFE粉体についての上述のような説明した全ての応用系に用いてもよい。
本発明は、本明細書に開示される詳細な実施形態に関して、以下にさらに記載される。
さらに、本発明の目的及び利点は、添付の図面と共に検討するならば、詳細な説明の解釈からさらに十分に理解されるだろう。
本発明は、サブミクロンのPTFE粉体を製造する方法、及びその製品を開示する。さらに具体的には、本明細書に記載される方法に従って生成されたサブミクロンのPTFE粉体は、易流動性であり、取り扱いの際に空気中への粉塵性が殆どなく、所望の応用系又は媒体に仕込まれる場合、殆ど或いは全く自己凝集(self-agglomerate)しない。
本発明の特定の好適な実施形態において、PTFE出発物質が最初に選択される。既に検討した通り、用語「PTFE出発物質」は、微粉体のPTFE製品(例、約0.1μmの主粒径を有する微細なPTFE粉体)、PTFE粒子の凝固分散体(凝集分散体:coagulated dispersion)、又は乳化重合法により形成されたPTFE粉体を表すために使われる。本発明の記載に使われる用語「PTFE出発物質」に、懸濁重合により合成される顆粒状のPTFE材料が含まれる意味ではない。
本発明に使用されうるPTFE出発物質の例として、Daikin F103、F301、及びF104の微粉体のPTFE製品等が挙げられる。本発明における使用に適切な市販のPTFE出発物質の他の例を、それに限定するわけではないが、下の表1に示す。
Figure 2005520928
上記の表1に列挙した市販のPTFE出発物質の例には、「微粉体」PTFE製品として分類され、それぞれの粉砕比に従ってグループ分けされるPTFE製品が含まれる。本発明に用いるのに適切な市販のPTFE出発物質の多くの補足例が、Ebnesajjad, Fluoroplastics Volume 1: Non-Melt Processible Fluoroplastics, The Definitive User's Guide and Databook, Plastics Design Library (2000)に見つけられ、それらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
上記に詳細に説明する通り、用語「PTFE」は、ポリテトラフルオロエチレンだけでなく、共重合体を表すために本明細書で用いられ、該共重合体材料の大部分が、ポリテトラフルオロエチレンであり、さらに具体的には、共重合体含有量の約70重量%以上がポリテトラフルオロエチレンである。
サブミクロンのPTFE粉体を生成するための本発明の好適な一実施形態において、選択されるPTFE出発物質は最初約20〜約40メガラドの照射を受ける。PTFE出発物質の照射に続いて、所望量の照射を受けたPTFEが選択した1種又は多種の溶媒に直接加えられる。特定の好適な実施形態において、例えば、最大約40重量%の照射を受けたPTFE出発物質が、溶媒(例、IPA、アセトン、ブチルカルビトール等)に加えられる。通常、選択した1種又は多種の溶媒中の照射を受けたPTFEの濃度は約5重量%〜約45重量%である。特定の好適な実施形態において、IPAを含有する溶媒中の照射を受けたPTFEの濃度は約25重量%である。
選択した1種又は多種の溶媒への照射を受けたPTFEの上記添加は、サブミクロンの乾燥PTFE粉体が求められる実施形態において、界面活性剤、湿潤剤、レオロジー改質剤又はレオロジー剤、もしくはpH-調整剤を無添加で実施される。しかしながら、上記の薬剤の使用はPTFE粒子の分散体が生成され、かつ所望の応用系が上記の薬剤の使用を必要とする本明細書に記載される実施形態において、適切である場合もある。
サブミクロンの乾燥PTFE粉体が必要とされる本発明の実施形態において、選択した1種又は多種の溶媒への照射PTFEの添加は、PTFE/溶媒の混合物を混合しながら徐々に実施される。PTFE粒子の「前分散体(pre-dispersion)」の上記の混合は、PTFE粒子の沈降を回避するために、最初の粉砕処理が完了するまで続けるのが望ましい。
照射を受けたPTFEを選択した1種又は多種の溶媒に加えた後、PTFE粒子がサブミクロンサイズになるまで、上記のPTFE粒子の「前分散体」を粉砕する。好適な実施形態において、粉砕は、サンドミル、バスケットミル、水平式メディアミル等を用いて実施してもよい。特定の好適な実施形態において、水平式メディアミルを用いて、サブミクロンサイズまでPTFE粒子を粉砕する(或いは、既に記載した如くその主粒径のPTFE粒子にまでPTFE凝集体を脱凝集化する)、水平式メディアミル(horizontal media mill)は、約3500RPMの回転速度で実施し、約0.6mm〜約0.8mm径のビーズを用いる。
各々の粉砕処理が完了した後、或いは、水平式メディアミル等の装置を用いて粉砕の一連の処理(例えば、連続5回の処理)が完了した後に、PTFE粒子の粒径を検定してもよい。本発明の好適な実施形態において、「前分散体」(照射を受けたPTFEと選択した1種又は多種の溶媒を含んでなる)中のPTFE粒子の粒径は、粉砕処理を約7〜約10回した後に、サブミクロンサイズに達成するだろう。
得られるサブミクロンのPTFE粒子の溶媒濃縮体を直接処理してもよいし、或いは、濾紙にサブミクロン粒子が捕集される一般的な濾紙を用いて濾過してもよい。溶媒濃縮体を濾過するよりもむしろ、サブミクロンのPTFE粒子を溶媒から分離するために、サブミクロンPTFE粒子の濃縮体を遠心分離してもよい。さらに、IPAが選択した溶媒である実施形態においては、PTFEが分離するか又は凝集するように、サブミクロンのPTFE粒子の溶媒濃縮体を水と混合して、除去のために、濾過してすくい上げるか又は遠心分離してもよい。(前述した通り、超臨界ガス抽出、蒸発、通気後の浮選は、サブミクロンのPTFE粒子の溶媒濃縮体からサブミクロンPTFE粒子を回収する方法である。)
所望の回収方法(例、濾過又は遠心分離)の後、溶媒を除去するために、得られたPTFE/溶媒のケーキをオーブン内で乾燥させてよいし、或いは水と混合してもよい。PTFE/溶媒ケーキを水に混合して溶媒を除去する場合、混合物を再び濾過した後に乾燥させる。
本発明の特定な実施形態において、高速ミキサーを用いて攪拌しながら、未処理の温水を所望量のサブミクロンPTFE粒子の溶媒濃縮体に加える。これは、サブミクロンのPTFE粒子からの溶媒を除去するために行われる。上記の実施形態において、水とPTFE粒子の溶媒濃縮体の混合物は通常約10分間混合した後、約10分間静置しても差し支えない。通常の濾紙を用いてサンプルを濾過し、約60℃の温度のオーブン内で乾燥させる。
本発明の方法において、得られたサブミクロンの乾燥PTFE粉体のサンプルは、綿毛のような柔らかさ(fluffy consistency)を有するのが望ましく、例えばビニール袋中で粒子を砕くために、最小限の振盪のみを必要とするのが望ましい。代わりに、得られる乾燥PTFE粉体のサンプルは、凝集を砕くために、材料を粉体化するのに通常使用される装置で処理してもよい。例えば、乾燥PTFE粉体サンプルは、凝集を砕くために一回の処理のためにエアーミルで処理してもよい。上記の方法に従って得られる製品は、サブミクロンのPTFE粉体であるのが望ましい。
本発明の方法に従って生成したサブミクロンのPTFE粉体は、易流動性であり自己凝集しない所望の特性を有する。従って、得られるサブミクロンのPTFE粉体は、選択した応用系またはターゲット媒体中に分散されるために増強された力等の多くの利点を有する。選択した応用系中に分散されるために増強された力により、本発明に基づいた方法により生成されたサブミクロンのPTFE粉体は、分散系に所望の特性を付与することがより可能になる。
本発明の別の好適な実施形態において、上記分散体中のPTFE粒子がサブミクロンサイズまで分散する、改良され安定化したPTFE分散体を製造する方法を開示する。上記の実施形態において、PTFE出発物質は最初に微粉体PTFE製品、凝固したPTFE固体製品、及び乳化重合で生成されたPTFE粉体製品からなる群から選択される。適切なPTFE出発物質を選択した後、その選択したPTFE出発物質は、約5メガラド〜約120メガラド、好ましくは約10〜約100メガラド、さらに好ましくは約20〜約90メガラドの強度で照射を受ける。照射工程の後、照射を受けたPTFE出発物質を、場合により、HF副産物分子及び分散系からの低分子量種を除去するために加熱処理してもよい。
エアーミル、チョッピング装置、ハンマーミル等を用いて、照射を受けたPTFE粉体を粉砕し、その結果して、PTFE粉体粒子は、約5μm〜約75μmの平均粒径を有するようになる。得られる非粉塵性で非凝集性の乾燥PTFE粉体は、選択した応用系に容易に分散することが可能であり、上記PTFE粒子は、サブミクロンサイズに分散される。具体的には、本実施形態で生成される乾燥PTFE粉体は、添加剤(例、界面活性剤、湿潤剤、レオロジー剤又は改質剤、pH調整剤等)を添加又は無添加で応用系に分散しうる。
本発明の方法において、重要な工程として、生成するPTFE粉体粒子がサブミクロンサイズであることを確認するために、該PTFE粒子の粒径の定量が挙げられる。具体的には、用語「サブミクロン」及び「サブミクロンサイズ」は、本発明の方法で生成されるPTFE粉体及び安定化したPTFE分散体のサンプルの粒径分析の結果を記載するために本明細書で使用され、粒径試験媒体中のPTFE粒子の数字上の計算による50%以上が1.00μm未満のサイズであり、粒径試験媒体中のPTFE粒子の数字上の計算による75%以上が1.00μm未満のサイズであるのがさらに好ましく、粒径試験体質中のPTFE粒子の数字上の計算による90%以上が1.00μm未満のサイズであるのが最も好ましい。
本発明の特定の好適な実施形態において、生成するサブミクロンのPTFE粉体粒子の粒径分析は、英国マルバーン(Malvern, UK)のMalvern Instruments社から市販されているレーザー回析式粒度分布測定装置であるマルバーン社製マスターサイザー2000粒径分析器(Malvern Mastersizer2000 Particle Size Analyzer)を用いて実施される。いくつかの明確に区別された手順を用いて、分析される生成したサブミクロンのPTFE粉体のサンプルが乾燥状態かもしくは特有の液体分散剤に分散しているかどうかに応じて、PTFE粒子の粒径分析を行う。
本発明の方法に従って生成したサブミクロンの乾燥PTFE粉体のサンプルを分析する場合、乾燥粉体の標準的操作手順が設定されうる。例えば、特定の好適な実施形態において、マルバーン社製マスターサイザーに備えられる乾燥粉体PTFEのQSOP(「品質標準操作手順(Quality Standard Operating Procedure)」)が、乾燥PTFE粉体粒子の粒径分析を実施するために選択されうる。上記QSOPを表2に記載する。
Figure 2005520928
特に、サブミクロンの乾燥PTFE粉体のサンプルを検討する場合、マスターサイザーはScirocco2000乾式アクセサリーを採用する。好適な実施形態において、Scirocco2000の蓋を開き、およそ2グラムのサブミクロンの乾燥PTFE粉体サンプルを試料皿に載せ、蓋を閉める。適切なアイコンを選択して、マスターサイザー2000ソフトウェアプログラムを開く。所望のSOPを選択した後に(本明細書において、サブミクロンの乾燥PTFE粉体のQSOP)、サンプル情報を入力する。その後、スタートを押して粒径分析を始める。
好適な実施形態において、獲得した粒径測定値において僅かな偏差を平均するために、乾燥粉体PTFEの粒径分析を約1分の全記録時間でおよそ5回繰り返す。本発明の方法に従って生成したサブミクロンの乾燥PTFE粉体のサンプルに関するマルバーン社製マスターサイザーからの粒径分析の結果を示す粒径分布グラフの例は、図1として示す。この図は、乾燥PTFE粉体(乾燥PTFE粉体が続いてサブミクロンサイズなる応用系に分散する前)のサンプルに関する結果を示し、PTFE粒子の大部分が10μm未満のサイズである事実は予想された結果である。さらに、図1は、乾燥PTFE粉体のサンプル中のPTFE粒子の26.68%が、1.00μm未満のサイズであることを示し、乾燥PTFE粉体の上記サンプル(本発明の方法に従って生成された)は一旦所望の応用系に仕込まれると、100%のPTFE粒子が分散され、サブミクロンサイズになることを示唆する。
本発明に従って生成された乾燥PTFE粉体が、特に液体応用系又は分散剤(従ってその乾燥粉体相よりもむしろ液体相中にある)に分散する場合、乾燥PTFE粉体用の分散剤として選択される液体に応じて、PTFE粒子の粒径を測定する独特な手順を用いる。PTFE粉体の液体分散の粒径分析のために、マルバーン社製マスターサイザー2000を今までどおり使用するが、Scirocco2000乾式アクセサリーよりむしろHydro 2000Sを使用する。さらに、サブミクロンのPTFE粉体が液体応用系に分散しているサンプルに関して、マルバーン社製マスターサイザーを用いて全ての粒径分析を行う間を通じて、キャリヤー溶液が必要となる。
IPAが、「分散剤」(又は、粒径分析のため、サブミクロンPTFE粉体が分散している液体媒体)として選択される実施形態において、およそ2グラムの乾燥PTFE粉体をプラスチック製の20mL容量キュベットに入れてもよく、キュベットは最大20mLのマークまでIPAを満たしてよい。従って、IPAはキャリヤー溶液として働く。場合により、約0.2グラムのSTGE界面活性剤をIPAキャリヤー溶液に加えてもよい。「STGE」はSurfynol TG-E界面活性剤を表す。STGEは非イオン界面活性剤であり、Air Products and Chemical社により製造され、STGEが選択したキャリヤー溶液に混合されるにつれて迅速な分散を促進し、サブミクロンのPTFE分散体の維持を助成する。
IPA中のサブミクロンのPTFE粉体サンプルを分散させるために、キュベットの蓋をしっかり閉めて約30間振盪する。続いてキュベットの蓋を開け、サンプルを約1分間超音波処理する。別の実施形態において、約2重量%の乾燥PTFE粉体を所与の容量のIPAに加え、ブレンダー又は高速分散機を用いて、約3〜5分間、PTFE粉体をIPAと混練する。
その後、適切なアイコンを選択して、マスターサイザー2000ソフトウェアプログラムを開く。所望のSOPを設定した(本明細書においてIPA中に分散するサブミクロンのPTFE粉体に関するSOP)後に、サンプル情報を入力する。IPA中に分散するサブミクロンのPTFE粉体粒子の粒径を測定するのに用いるマルバーン社製マスターサイザーに関するSOPを、下の表3に記載する。
Figure 2005520928
IPAを分散系中の分散剤として用い、マルバーン社製マスターサイザーシステムをIPAで清浄する。IPAとPTFEの両方の適切な屈折率値(上の表3に示す)をマスターサイザーに設定しバックグランドを測定する。次に、PTFE粒子の粒径を正確に測定するために、必要量のサンプルが添加されたことを示すメッセージが現れるまで、IPA中に分散するサブミクロンのPTFE粉体のサンプルをマスターサイザーに添加する。
超音波処理器を50%で運転させ、「スタート」ボタンを押す。得られる粒径測定の僅かな偏差を平均するために粒径の測定を約5回(例えば、毎分1回5分間)行う。
本発明の方法に従って生成され、IPA中に分散するサブミクロンのPTFE粉体のサンプルに関する粒径分析を実施する通常の研究において、約95%以上のPTFE粒子が1ミクロン未満の粒径を有することが結果よりわかる。例えば、図2は、本明細書に開示される通り生成され、IPA中に分散するサブミクロンのPTFE粉体のサンプルの粒径分布のグラフを示し、該分布から、97.89%のPTFE粒子が1.00μm未満のサイズであることが明らかになる。
さらに、マルバーン社製マスターサイザーの粒径分析を用いて、本発明の方法に従って生成される乾燥PTFE粉体が鉱油中に分散する実施形態において、サブミクロンのPTFE粒子の粒径を検定してもよい。上記実施形態のキャリヤー溶液を調製するために、約15mLのLonzest SMO界面活性剤を1ガロンの鉱油(例、Magiesol Oil #47等)と混合してもよい。その後、約1グラムのサブミクロンPTFE粉体をプラスチック製のキュベットに入れて、約20mLの鉱油キャリヤー溶液をキュベットに加えてもよい。混合物を約30秒間振盪する。続いて、サンプルを1分間超音波処理する。他の実施形態において、試験用の分散したサブミクロンPTFE粉体のサンプルは、ブレンダーか高速分散機のどちらかを用いて、鉱油中の約2重量%の乾燥PTFE粉体(本発明の方法に従って生成される)を約3〜5分間混合することより調製される。約5〜10滴のIPAと5〜10滴の水を分散系に滴下してもよい。
鉱油中に分散するサブミクロンのPTFE粉体のサンプルの粒径を分析するために、マルバーン社製マスターサイザーにSOPを設定する。このSOPを下の表4に示す。
Figure 2005520928
マスターサイザーシステムを最初にIPAで清浄した後、上記に記載の鉱油キャリヤー溶液で清浄する。次にバックグランドを測定する。鉱油溶液に分散するサブミクロンのPTFE粉体を含有するサンプルを、PTFE粒子の粒径を測定するのに十分なサンプルが添加されたことを示唆するメッセージが現れるまで、マスターサイザーに加える。次に、超音波処理器を50%で運転させ、「スタート」ボタンを押す。得られる粒径の測定の僅かな偏差を平均するために、粒径の測定を約5回繰り返す(例えば、1分後に約5〜7回)。
本発明の方法に従って生成され、鉱油中に分散するサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する典型的な粒径分析結果は、約85〜95%のPTFE粒子が1ミクロン未満の粒径を有することを示す。例えば、図3は、本発明の方法に従って生成され、鉱油中に分散するサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示し、その結果から、1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合は98.07%であることが明らかになる。
同様に、マルバーン社製マスターサイザーを用いて、乾燥PTFE粉体が水中に分散する実施形態におけるサブミクロンのPTFE粒子の粒径を検定してもよい。具体的には、約1グラムの乾燥PTFE粉体をプラスチック製の20mL容量のキュベットに入れて、それに10mLのIPAを加える。次に、キュベットに蓋をして、約15秒間出来る限り十分振盪する。その後、10mLの水をキュベットに加え、容器中の内容物を約15秒間振盪する。続いて、約0.2グラム(又はピペットで10滴)のSTGE界面活性剤をキュベットに滴下する。キュベットに再び蓋をして、約15秒間振盪した後、キュベットを開けて、サンプルを1分間超音波処理する。他の実施形態において、本発明の方法に従って生成される乾燥PTFE粉体の約2重量%を所与の容量の水に分散し、約2重量%のSTGE界面活性剤を加える。上記の実施形態において、ブレンダーか高速分散機かのどちらかを用いて分散体を約3〜5分間混練する。続いて、約98%の水と約2%のSTGE界面活性剤との溶液を調製し、該溶液はキャリヤー溶液として働く。
本発明の方法に従って生成され、水に分散するサブミクロンPTFE粉体のサンプルの粒径分析に用いるSOPを下の表5に記載する。
Figure 2005520928
マスターサイザーシステムをIPAで清浄した後、分散系に水を2回流す。次に、0.3グラムのSTGE界面活性剤をマスターサイザーシステムに加える。次に、バックグランドを測定する。水中に分散するサブミクロンPTFE粉体を含有するサンプルを、粒径を定量するのに十分なサンプルが加えられたことを示唆するメッセージが現れるまで、マスターサイザーに加える。超音波処理器を50%で作動させ、「スタート」ボタンを押す。水中に分散するサブミクロンPTFE粉体のサンプルの粒径測定は、得られる粒径測定における僅かな偏差を平均するために、通常約5回(例えば、1分後に約5〜7回)行われる。
通常、本発明の方法に従って生成され、水に分散するサブミクロンPTFE粉体のサンプルの粒径分析から、約95%を超えるPTFE粒子が1ミクロン未満のサイズである粒径分布がわかる。例えば、図4は、本発明の方法に従って生成され、水に分散させたサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示し、1.00μm未満の粒子のパーセントは91.09%であることが分かる。
以下の実施例は、本発明を例証することを目的とし、決して本発明を限定するとして解釈されるべきではない。
(実施例1)
サブミクロンのPTFE粉体の調製及び粒径測定;溶媒:IPA
本実施例において、以下の手順に従ってサブミクロンのPTFE粉体を合成した。最初に、IPA中のサブミクロンのPTFE粒子の溶媒濃縮体を調製した。具体的には、25重量%のDaikin F104微粉体のPTFE出発物質(28メガラドで照射を受けた)を75重量%のIPAと混合した。照射を受けたPTFE出発物質を、高速ミキサーを用いて混練しながら、IPAに徐々に加えた。続いて、水平式メディアミルを用いてPTFE出発物質とIPAの混合物を粉砕した。本実施例で採用する水平式メディアミルは直径約0.6mm〜約0.8mmのビーズを使用し、3500RPMで粉砕した。PTFE粒子が沈降するのを回避するために、最初の粉砕処理が完了するまで、PTFE出発物質とIPA溶媒との上記「前分散体」を常に混合し続けていた。
水平式メディアミルを用いた5回の粉砕処理後、PTFE粒子の粒径を点検した。水平式メディアミルを用いて約7〜10回の処理後、PTFE粒子がサブミクロンになったことが判明した。
PTFE粒子の粒径がサブミクロンであることが確認されると直ぐ、上記で調製した1500グラムのサブミクロンPTFE/IPAの分散体を5ガロンのバケットに仕込んだ。3500RPMで高速ミキサーを用いて、分散体を混練しながら、3ガロンの未処理の温水を5ガロンのバケットに加えた。混練を10分間続けさせた。続いて、分散体を10分間静置した後、濾過し、60℃まで過熱したオーブン内で乾燥させた。
生成した乾燥PTFE粉体サンプルは、綿毛のような柔らかさを有した。粒子を砕くために、ビニール袋中でサンプルを振盪した(代わりに、粒子を砕くために、サンプルをエアーミルよって粉砕処理を1回行うことが可能である)。粒径分析後、結果として生成するPTFE粉体はサブミクロンのPTFE粉体であることが判明した。
(実施例2)
サブミクロンのPTFE粉体の調製及び粒径測定;溶媒:水/IPA
本実施例において、上記の実施例1に記載したのとまったく同じ手順を実施したが、粉砕するのに用いた溶媒は、生水(25重量%)とIPA(50重量%)からなり、照射を受けたPTFE出発物質の使用量は25重量%にとどまった。結果として生成される乾燥PTFE粉体が、選択した分散剤としてのIPA中に分散する。粒径分析を(サブミクロンPTFE粉体のサンプルが、IPA中に分散する上記に詳細に説明した方法を用いて)実施し、PTFE粒子の100.00%が、1.00μm未満のサイズであることを確認した。本実施例に関する粒径分布のグラフを図5に示す。
(実施例3)
サブミクロンPTFE粉体の調製及び粒径測定;溶媒:ブチルカルビトール
本実施例において、粉砕に用いた溶媒が、IPAでなくブチルカルビトールであったことを除いて、上記の実施例1に記載したのと同じ手順に従った。従って、上記溶媒中の照射を受けたPTFE出発物質の開始の混合物は、照射を受けたPTFE出発物質(25重量%)とブチルカルビトール(75重量%)を含有した。
最初、本実施例において生成した乾燥PTFE粉体で粒径分析を実施し(粒子がサブミクロンサイズになるように液体中に分散する前に)、図6は本実施例の乾燥PTFE粉体の粒径分析の結果を示す。図6に表す粒径分析の結果は、乾燥PTFE粉体のサンプルの粒径を測定するための方法及び標準操作手順(上記に詳細に記載)を用いて得られ、1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合は36.07%であることが判明した。
本実施例で生成した乾燥PTFE粉体は、続いてIPA、選択した分散剤中に分散し、PTFE粒子はサブミクロンサイズまで分散した。IPA中に分散するサブミクロンのPTFE粉体のサンプルに関する方法及び標準操作手順(上記に詳細に記載)を用いてサンプルの粒径分析を実施した。予想した通り、図7から、IPA中に分散するサブミクロンのPTFE粉体の本サンプルに関して、1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合は100.00%であることがわかった。
(実施例4)
サブミクロンのPTFE粉体を回収する好適な方法を定める実験;溶媒:IPA
本実施例において、IPA中に分散するPTFEの分散体からサブミクロンのPTFE粉体を回収する好ましい方法を定めるために6種の実験を実施した。6種全ての実験において、使用したPTFE出発物質は28メガラドで照射を受けたDaikin F104微粉体のPTFE出発物質であり、6種全ての実験において、照射を受けたPTFE出発物質を、最初にIPA(本実施例のための選択した溶媒)中に仕込んだ。
6種のサンプルの各々に関して、サブミクロンPTFE粉体が回収された条件を以下の表6に列挙する。
Figure 2005520928
上記の表6に記載した6種の実験全てから、乾燥PTFE粉体のサンプルが生成された。速度4で5分間Warringブレンダーを用いて、6種のサンプルを各々粉体化した。続いて、約2重量%の各乾燥PTFE粉体と2滴のアセトンとを鉱油と組み合わせることにより、6種の乾燥PTFE粉体の各々のサンプルを鉱油中に分散した。6種のサブミクロンPTFE粉体のサンプルの6種の鉱油分散体は、速度4で5分間Warringブレンダーを用いて、各6種のサンプルを混練することにより完成した。
続いて、6サンプルの各々で粒径分析を実施して、PTFE粉体粒子が鉱油に分散する場合のサブミクロン粒径に分散した程度を検定した。一般的には、鉱油に分散するサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する方法及び標準操作手順(上記に詳細に記載)を用いて、粒径分析を実施した。しかしながら、本実施例に関する各粒径分析においては、5グラムのサブミクロンPTFE粉体の特定の鉱油分散体を15グラムの鉱油を加えたガラス瓶に入れた。さらに、QC超音波破砕機を用いて6種の調製サンプルの各々を各2分間超音波処理した。
次に、各サンプルをマスターサイザーに加え、5滴の水をマルバーン社製マスターサイザー内を循環する鉱油に滴下した。粒径を測定するために各々サンプル1分間運転した。得られる粒径測定における僅かな偏差を平均するために、各サンプルに対しておよそ5〜7回粒径を測定した。
本実施例で実施した6種の各実験に関する粒径分布のグラフを図8〜13に示す。図8は実験4.1に関するグラフを示す。実験4.1において、サブミクロンPTFEとIPAの分散体をオーブン内で直接脱水し、1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合は67.87%であった。同様に、図9は実験4.2に関するグラフを示す。実験4.2において、IPAを分離しPTFEを乾燥させる前にIPA中に分散したPTFE分散体を最初に遠心分離し、1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合は43.29%であった。図10は1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合が74.59%である実験4.3に関するグラフを示す。実験4.3において、IPA中に分散するPTFE分散体を遠心分離した後、乾燥の前に洗浄し、濾過した。
図11は実験4.4に関する粒径分布の結果を示す。実験4.4において、IPA中に分散するPTFE分散体を濾紙で濾過し、乾燥させた。実験4.4に関して1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合は66.34%であった。実験4.5に関して、PTFE/IPA分散体を濾過した後、洗浄し乾燥前に再び濾過した。図12は、1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合が90.22%であることを示す。最後に、実験4.6では未処理の温水をPTFE/IPAのサブミクロン分散体に加え、高速分散機を用いてPTFEを分離し、PTFEを乾燥させる前に濾過した。図13に示す通り、1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合は100.00%であった。
本実施例に記載する6種の全ての回収方法から、サブミクロンサイズに分散可能であるPTFE粉体粒子が生されることは明らかである。実験4.6で、最良の結果を得たが、さらに激しい攪拌をする及び/又は攪拌時間を長くすることで、6種全てのサンプルのPTFE粒子の100%が、1μm未満のサイズで鉱油中に分散するだろうと予測される。
(実施例5)
乾燥したサブミクロンPTFE粉体粒子で実施した篩分け試験
本実施例において、篩分け試験を実施して、本発明の方法に従って生成される乾燥PTFE粉体(所与の応用系でサブミクロンサイズに分散する前)が、どの程度各種の篩目を通過したかを検定した。本試験は、分散する前の乾燥PTFE粉体粒子の粒径を示すのに役立った。Micron Air Jet篩を用いて、乾燥PTFE粉体粒子に関する上記の篩分け試験を実施した。4種の異なる篩目を用いて、本発明の方法に従って生成される乾燥PTFE粉体のサンプル10グラムを各篩目で試験した。Micron Air Jet篩を、各試験中に3分間運転させた。上記の篩分け試験の結果を下の表7に示す。
Figure 2005520928
上記の表7に示す結果は、粉体化した後の乾燥PTFE粒子の相対サイズを示し、PTFE粒子の易流動性を確証する。約5〜約75μmの粒径範囲を有する易流動性で非粉塵性のPTFE粉体が、緩やかな混合を必要とするだけで、各種の応用系にサブミクロンサイズに容易に分散できるのは予想外のことであった。
(実施例6)
未照射のPTFE出発物質で実施した篩分け比較試験
本実施例は、上記の実施例5に対して比較例としての役割を果たす。具体的には、本実施例において、本発明の方法を経ない未照射のPTFE出発物質のサンプルで篩分け試験を実施した。Daikin F104微粉体のPTFE出発物質を正確に10グラム用いて篩分け試験を実施して、PTFEがどの程度各種の篩目を通過できたかを検定した。Micron Air Jet篩を用いて上記篩分け試験を実施し、4種の異なる篩目を用いた。具体的には、使用した4種の篩目は、200メッシュ、270メッシュ、400メッシュ、及び500メッシュ(メッシュ数順に)であり、PTFEサンプルを200メッシュ上に置いた。Micron Air Jet篩を、試験中、3分間運転させた。本篩分け試験の結果を以下の表8に示す。
Figure 2005520928
上記の表8に示す結果は、サンプルのどの未照射PTFE粒子も200メッシュの目さえも通過しなかったことを示す。従って、上記の結果から、Daikin F104微粉体のPTFE出発物質は、非常に粘着性があり、非流動性で、最大75μmまでのサイズの粒子が通過できる篩を通過することが不可能であることがわかる。従って、本発明に従って生成されたサブミクロンPTFE粉体(例、上記の実施例5において、分析し篩にかけたサブミクロンのPTFE粉体)は、易流動性、非粉塵性、各種の応用系に容易に分散する傾向をはじめとする多くの利点を呈することが明らかである。
(実施例7)
ボールミル内で混練後PTFE出発物質の粒径分析
本実施例も、本明細書で分析したPTFEサンプルがPTFE粒子の溶媒濃縮体の粉砕を含む本発明の方法を経ない点で、比較例としての役割を果たす。具体的には、本実施例において、照射を受けたPTFE出発物質と未照射のPTFE出発物質の両方のサンプルに対して、ボールミル内でのPTFE粒子の混合性(mixability)を試験した。本実施例に用いるPTFE出発物質は、既に上述したDaikin F104微粉体のPTFE出発物質であり、PTFE出発物質のサンプル7.1は28メガラドで照射を受けたが、PTFE出発物質のサンプル7.2は未照射であった。
最初に、照射を受けたPTFE出発物質(サンプル7.1)約20重量%を、ボールミルと共に用いる特殊な容器内の約80重量%のIPAに加え、容器を閉じた。(本明細書で採用するボールミルは、オハイオ州クリーブランド(Cleveland, Ohio)のReliance Electric Industry Companyで製造されたReliance Electric 5.200, Duty Masterであり、ボールミルを約1725RPMの回転速度で用いた)。サンプルを保持する容器にビーズを全然加えなかった。ボールミルのロール上に容器を置き、ミルを作動させて約40分間運転させた。その後、ミルの運転を停止してサンプルをさらに分析するために容器を開けた。
サンプル7.1中のPTFEを容器の底部に沈降させ、IPAから完全に分離させた。PTFEがIPAから完全に分離したら直ぐに粒径分析のためにPTFEを回収した。具体的には、透明なIPAを除去してPTFEを回収するためにサンプル7.1をデカントした。回収されたPTFEを秤量し、PTFE:生水=約1:4の重量比で生水に加えた。次に、上記のPTFEと水を混練するために、速度4で約2分間ワーリングブレンダーを使用した。ブレンダーを停止させた後、PTFEが水面に浮遊した。続いて、PTFEを濾過した後、約50℃の温度でオーブン内で乾燥させた。乾燥PTFE粉体サンプルの粒径を測定する方法及び標準操作手順(上記に詳細に記載)を用いてサンプル7.1の粒径分布を検定した。図14はサンプル7.1の粒径分布のグラフを示し、1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合は9.80%であることが判明した。
本「比較」例の重要な部分は、50%で総計6分間、QC超音波破砕機を用いてサンプル7.1を超音波処理する事実を伴う(但し、上記の実験4.6で分析したPTFEサンプルは、総計2分間超音波処理されるだけであり、図13の結果は1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合は100.00%であることを示す)。従って、本実施例から、本発明の好適な方法に対して許容されている超音波処理量の3倍の処理時間でさえも、28メガラド(サンプル7.1の如く)で照射を受けているが粉砕工程を包含する本発明の方法を経ていないPTFE出発物質のサンプルは、サブミクロンのPTFE粒子に効果的に分散しないことがわかる。
本実施例で上記に記載したのと全く同じ手順をサンプル7.2、PTFE出発物質の未照射のサンプルに関して実施し、サンプル7.2からのPTFE粉体の製品に関して粒径分析を行った。図15はサンプル7.2に関する粒径分布のグラフを示し、1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合が0.61%であることが確認された。サンプル7.1と同様に、50%で総計6分間、QC超音波破砕機を用いてサンプル7.2を超音波処理した。従って、本実施例から、本発明の好適な方法に対して許容されている超音波処理量の3倍の処理時間でさえも、照射を受けておらず且つ粉砕工程を含む本発明の方法を経ていないPTFE出発物質のサンプル(例、サンプル7.2)は、サブミクロンのPTFE粒子に効果的に分散しないことがわかる。
従って、本実施例の結果(上記の実験4.6及び図13に関して示される結果と比較した場合)から、サンプル7.1とサンプル7.2の両方から製造されたPTFE粉体粒子は、かなり長い分散時間を見込んだ場合でさえも、サブミクロンサイズに分散するのは不可能であると言える。
(実施例8)
PTFE粒子の安定化した有機分散体の組成
本実施例において、PTFE粒子の分散剤として有機溶媒用いて、サブミクロンPTFE粒子の分散体を製造した。具体的には、使用したPTFE出発物質はDaikin F104微粉体の出発物質であり、使用したサンプルは28メガラドで照射を受けた。以下を含有する配合物を調製した。照射を受けたDaikin F104 PTFE出発物質25重量%、有機分散剤として水素化ポリイソブテン(具体的にはAmoco社より製造されているPanalin L-14E)68重量%、無臭のフルオロ界面活性剤(具体的には3M社より製造されているFC740)2重量%、及び非イオンポリマー(具体的にはICI社より製造されているHypermer B206)5重量%。
本実施例において、フルオロ界面活性剤の全量(2重量%)と4重量%のHypermer B206のみを、30重量%のPanalin L-14Eオイルに加えた。照射を受けたPTFE出発物質を全量(25重量%)ゆっくりとPanalin L-14Eオイル混合物に加え、「前分散体」を製造した。続いて、回転速度1700RPM、40ポンド/時の速さで、メディアミル内で上記前分散体を13回粉砕処理した。(本実施例に使用したメディアミルは、約1.6mm〜2.2mmの直径を有する16オンスのセラミック製ビーズを用いるRed Headメディアミル、Model L-2、シリアルNo. 81-J-1496-6であった)。
メディアミルで13回処理後、Microtrac粒径分析器を用いて、前分散体中のPTFE粒子の粒径を検定し、粒径分析を実施した。この時点で、PTFE粒径の平均値は、0.7μm未満であるのが望ましく、PTFE粒子の約90%が、1.00μm未満のサイズであるのが望ましい。
続いて、残留Panalin L-14Eオイル(38重量%残留)と残留Hypermer B206(1重量%残留)を前分散体に加え、最終混合物をメディアミル内でさらに2回粉砕処理して、最終のPTFE分散体を製造した。上記の最終のPanalin L-14EオイルのPTFE分散体は、芳香族炭化水素の香りがしないことを観察した。
最終のPanalin L-14E オイル中に分散するPTFE分散体の4オンスの4種サンプル(本明細書ではサンプル8.1〜8.4として表示)を試験して、サンプルの粒径分布を検定した。Microtrac粒径分析器を用いて、4種のサンプル各々において粒径分析を実施した。
サンプル8.1は25.75%のPTFE濃度、及び0.33μmの平均粒径値を有することが判明した。サンプル8.1における1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合は98.3%であることが判明した。サンプル8.2は25.60%のPTFE濃度、及び0.74μmの平均粒径値を有することが判明した。サンプル8.2における1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合は92.0%であることが判明した。サンプル8.3は25.00%のPTFE濃度、及び0.68μmの平均粒径値を有することが判明した。サンプル8.3における1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合は91.5%であることが判明した。サンプル8.4に関して平均粒径値は0.68μmであることが判明し、サンプル8.4において90%を超えるPTFE粒子が0.81μm未満のサイズであることが判明した。サンプル8.4は21.452%のPTFE濃度を有することがわかった。Microtrac粒径分析器を用いて作成した、サンプル8.4に関する粒径分布のグラフを図16として示す。このグラフから、PTFE粒子の大部分が1.00μm未満のサイズで、具体的には、上記サンプルにおいて90%を超えるPTFE粒子が、0.81μm未満のサイズであることを確認した。
従って、本実施例の結果から、照射を受けたPTFE出発物質のサンプル中のPTFE粒子がメディアミルを用いて粉砕を経て、有機媒体(例、Panalin L-14Eオイル等)にサブミクロンサイズまで分散することによる本発明の方法に従って、サブミクロンPTFE粒子の分散体を形成しうることがわかる。
(実施例9)
PTFE粒子の安定化した水性分散体の組成
本実施例において、PTFE粒子の水性分散体を製造した。具体的には、分散体の組成を以下の表9に記載する。
Figure 2005520928
本実施例に関連する装置には、プロペラ羽根ミキサー付きの250ガロンのタンクが備えられている。さらに、粉砕に使用した装置は、約1.6〜2.2mmの直径を有するジルコニアケイ酸塩の粉砕ビーズを使用したRed Headメディアミルであった。
以下の手順を実施した(1600ポンドのトータルバッチ重量ベースを基準として)。濾過水を250ガロンのタンクに入れ、プロペラ羽根ミキサーを900RPMの回転速度でスタートさせ、混練を開始した。次に、重炭酸ナトリウムを加え、混合物が透明になるまで、約15分間混練した後、混合物のpHを記録した。この時点のpHは約7.5〜9.0であるのが望ましい。続いて、STGE界面活性剤、Disperbyk 181、及びNuosept 95を混合物に各々加えた。上記の混合物を900RPMの回転速度で約10分間混練した。
続いて、Pemulen 1622を段階的に篩をかけて混合物に混ぜ、混合物を1450RPMの回転速度で約1時間混練した。次に、照射を受けたPTFE出発物質を混合物に加え、攪拌機の回転速度を約1550RPMまで上げた。塊がないように見えるまで分散体を約45分間混練した。混合物を粉砕のためメディアミルに放出する前に攪拌機の回転速度を1300RPMまで落とした。
水性PTFE分散体の粉砕はRed Headメディアミルを用いて行った。最初に、系に冷却水が流れていることを確認した。次に、後部の混合釜からのバルブを開け、分散体がメディアミルを通って流れるようにした。ポンプ速度を約5〜8psigを示すように設定し、分散体をメディアミルの放出口から後部混合釜に戻して供給した。メディアミルを2回の追加処理運転をした。続いて、分散体のサンプルの粒径分析を実施してPTFE粒子のサイズを検定した。粒径分析の結果がPTFE粒子がサブミクロンサイズに到達したことを示すまで、メディアミルで繰り返し処理を実施した。本実施例に従って製造された水性PTFE分散体のサンプルに関する粒径分布のグラフを図17として示し、1.00μm未満の粒径を有するPTFE粒子の割合が100.00%であることが判明した。従って、本実施例の結果から、大量のPTFE粒子の水性分散体が、照射を受けたPTFE出発物質が水性分散媒質に分散してメディアミルを用いて粉砕することによる本発明により形成されることがわかる。
(実施例10)
PTFE粉体サンプルの粒径比較
本実施例において、PTFE粉体の2種のサンプルで粒径分析を実施し、その結果を比較した。具体的には、サンプル10.1(本発明により記載された方法に従って生成されたサブミクロンPTFE粉体のサンプル)とサンプル10.2(溶媒中のPTFE粒子の粉砕を含む本発明に開示された方法を経ていない照射を受けたPTFE出発物質のサンプル)を用いて比較した。
サンプル10.1は、本発明により記載されたサブミクロンの乾燥PTFE粉体を製造する方法に従って生成したサブミクロンのPTFE粉体のサンプルであった。具体的には、Daikin F104微粉体のPTFE出発物質のサンプルを最初に28メガラドで照射した後に、粉砕のための溶媒としてのIPAに加えた。粉砕を実施し、PTFEを濾過し、乾燥させた。マルバーン社製マスターサイザーを用いて、粒径分析をするために、その結果生成した乾燥PTFE粉体をIPAと水の混合物中に分散させた。図18に示す通り、サンプル10.1の粒径分析から、サンプルのPTFE粒子のうち80.51%が1.00μm未満のサイズであることが明らかになった。サンプル10.1のPTFE粒子の平均粒径は0.861μmであることが判明した。
サンプル10.2はDaikin F104微粉体PTFE出発物質のサンプルであった。該サンプルを28メガラドで照射し、分散系からHF副産物分子を除去するために熱処理した。サンプル10.2は粉砕されなかったので、粉砕工程を伴うサブミクロンのPTFE粉体を生成するための本明細書に記載の方法を経なかった。マルバーン社製マスターサイザーを用いて実施される粒径分析のために、照射を受けたPTFE出発物質のサンプルをIPAと水の混合物中に分散させた。図19に示す通り、サンプル10.2の粒径分布から、PTFE粒子のうち4.27%が1.00μm未満のサイズであることがわかった。サンプル10.2がさらに強い強度(例えば、70メガラドを超える強度)で照射を受けると、照射を受けたPTFE粒子のサブミクロンサイズまでの分散性がかなり増加することが予測される。
(実施例11)
照射及び分散を経て製造されるサブミクロンPTFE粉体/分散体の粒径分析
本実施例において、適切なPTFE出発物質を照射すること、及び照射を受けたPTFE粉体が所与の応用系中にサブミクロンサイズ粒子で分散することのみを伴う本明細書に記載される実施形態に従って、サブミクロンPTFE粉体を生成した。具体的には、本実施例において、ドラム缶入りPTFE出発物質(例、Daikin F104微粉体のPTFE出発物質)を1缶入手して、0℃より低い温度で保存した。少量のPTFE出発物質のサンプル(例えば、約4オンス)を室温まで温めた(約30℃まで温めてもよい)。同時に、0℃に保ったPTFE出発物質のサンプルと室温まで温めたPTFE出発物質のサンプルの粘着性を比較するために指先試験(finger rub test)を行った。
続いて、Daikin F104 PTFE出発物質の40ポンドのサンプル2種を同一の試料皿で調製し、サンプル11.1を0℃より低い初期温度に保ち、一方サンプル11.2を室温(約30℃)に保つ。その後、約70メガラドの強度で、サンプル11.1及び11.2を照射する。照射を受けたPTFE出発物質のサンプルを試験し、PTFE粒子が如何に容易にサブミクロンサイズに分散するかを検定する。粒径分析を行うために、IPAと水が50/50の混合物(STGE界面活性剤を添加)中に照射を受けた各サンプル入れてこの分析を行う。マルバーン社製マスターサイザーを用いて粒径分析を行い、サンプル11.1(0℃未満の温度に一貫して保たれた)に関する粒径分布から、1.00μm未満のサイズのPTFE粒子の割合が、室温に達したサンプル11.2よりも高いことがわかる。総体的に、サンプル11.1と11.2の両方ともサブミクロンPTFE粒子を含有するサンプルに容易に分散することが予測される。サンプル11.1と11.2をさらに分析するために、赤外線分光測定を各サンプルに対して行い、サンプルに関して官能基の解析を行う。さらに、上記サンプルの相転移温度及び融点を検定するためにDSCを実施した。
(実施例12)
PTFEの分散性とメルト・インデックスの相関の測定
本実施例において、選択したPTFE出発物質としてDaikin F104微粉体を用い、上記PTFE出発物質を常に0℃より低い温度に保つ。PTFE出発物質の40ポンドサンプル6種(サンプル12.1〜12.6)を同一の試料皿に置く。続いて、以下の表10に列挙する種々の強度で、6種のサンプルを照射する(約30℃の室温で)。
Figure 2005520928
続いて、照射を受けたPTFEサンプルの各々を、各サンプルの粒径分析をするため、IPAと水が50/50の混合物(STGE界面活性剤を少量添加)に仕込み、それによって、サンプルをIPA/水の応用系に仕込んだ場合、照射を受けたPTFEサンプルのPTFE粒子がいかに容易にサブミクロンサイズに分散するかを検定する。粒径分布のデータを用いて、種々のサンプルのメルト・インデックスと比較して(特定のサンプルが受ける照射強度を基準として)、照射を受けたPTFE粒子がどのくらいの分散性があるかの相関を検定する。従って、本実施例により、PTFE出発物質を照射し、照射PTFE出発物質を所望の応用系に分散させることにより、サブミクロンのPTFE粒子の分散体を製造する本発明の実施形態において好適である至適照射量を定量できる。
(実施例13)
72メガラドで照射後のPTFE分散体の粒径分析
本実施例において、本発明の特定の実施形態に従って、PTFE粒子の分散体を製造した。具体的には、PTFE微粉体出発物質の7種のサンプル、具体的にDaikin F104 PTFE出発物質を72メガラドの強度で最初に照射した。続いて、PTFE凝集を砕くため、照射を受けた7つのPTFE微粉体サンプルの各々をエアーミルで1回処理した。
照射を受けたPTFE粉体サンプル各々の粒径分析を行った。7つのサンプルの各々1グラムを別々のプラスチック製の小瓶に入れ、10グラムのIPA、10グラムの水、及び0.2グラム(又は10滴)のSTGE界面活性剤を7種のサンプル各々に加えた。IPAと水との混合物中の照射を受けたPTFEサンプルの分散体を含有する各小瓶を、出来る限り約30秒〜約1分間振盪した。QC超音波破砕機を用いて7種のサンプル各々を約1分間超音波処理した。
マルバーン社製マスターサイザーを用い、IPA/水の混合物中に分散するPTFE粒子の粒径分析を行った。具体的には、マルバーン社製マスターサイザーシステムを、最初にIPAで清浄した後、分散系を2回水洗いした。約0.3グラムのSTGE界面活性剤をマスターサイザー内の水系に加えた。粒径分析をするため7種のPTFE分散体サンプルの各必要量をマスターサイザーに滴下した。マスターサイザーを2分間運転させた。7種のサンプルに関する粒径の結果を下の表11に示す。
Figure 2005520928
上記の表11の結果から、72メガラドで照射を受けた後、粉砕工程を行わず、IPAと水の混合物に分散したPTFE微粉体出発物質のサンプルに関して、粉体サンプル中のPTFE粒子は、サブミクロンサイズに分散する傾向がかなり認められる。従って、上述したように、高強度(例えば、照射強度が約72メガラド)の照射は、PTFE粉体のサンプルをサブミクロンサイズに分散するのに必要な攪拌時間及や力学的エネルギー量を抑える役割を果たすことが予測される。
本発明の方法に従って生成される乾燥PTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示す。 本発明の方法に従って生成され、IPA中に分散するサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示し、粒径分布は、1.00μm未満のサイズが97.89%であることを示す。 本発明の方法に従って生成され、鉱油中に分散するサブミクロンのPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示し、粒径分布は、1.00μm未満のサイズが98.07%であることを示す。 本発明の方法に従って生成され、水に分散するサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示し、粒径分布は、1.00μm未満のサイズが91.09%であることを示す。 粉砕のための溶媒として水/IPAを用い、IPA中に分散するサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示し、粒径分布は、1.00μm未満のサイズが100.00%であることを示す。 粉砕のための溶媒としてブチルカルビトールを用いる本発明の方法に従って生成された乾燥PTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示す。 粉砕のための溶媒としてブチルカルビトールを用い、サブミクロンPTFE粉体がIPA中に分散するサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示し、粒径分布は、1.00μm未満のサイズが100.00%であることを示す。 粉砕のための溶媒としてIPAを用い、サブミクロンPTFE粉体のサンプルが鉱油中に分散し、比較のため6種の異なった回収方法を採用したサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示す。 粉砕のための溶媒としてIPAを用い、サブミクロンPTFE粉体のサンプルが鉱油中に分散し、比較のため6種の異なった回収方法を採用したサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示す。 粉砕のための溶媒としてIPAを用い、サブミクロンPTFE粉体のサンプルが鉱油中に分散し、比較のため6種の異なった回収方法を採用したサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示す。 粉砕のための溶媒としてIPAを用い、サブミクロンPTFE粉体のサンプルが鉱油中に分散し、比較のため6種の異なった回収方法を採用したサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示す。 粉砕のための溶媒としてIPAを用い、サブミクロンPTFE粉体のサンプルが鉱油中に分散し、比較のため6種の異なった回収方法を採用したサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示す。 粉砕のための溶媒としてIPAを用い、サブミクロンPTFE粉体のサンプルが鉱油中に分散し、比較のため6種の異なった回収方法を採用したサブミクロンPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示す。 溶媒としてのIPAとボールミル内で混練した照射を受けたPTFE出発物質のサンプルに関する粒径分布のグラフを示す。 溶媒としてのIPAとボールミル内で混練した未照射のPTFE出発物質のサンプルに関する粒径分布のグラフを示す。 本発明に従って生成したPTFE粒子の有機分散体からのサンプルに関する粒径分布のグラフ(Microtrac粒径分析器を用いて作成)を示し、粒径分布は、0.81μm未満のサイズが90%を超えることを示す。 本発明に従って生成したPTFE粒子の大スケールの水性分散体からのサンプルに関する粒径分布のグラフを示し、粒径分布は、1.00μm未満のサイズが100.00%であることを示す。 粉砕のための溶媒としてIPAを用い、サブミクロンPTFE粉体がIPAと水の混合物に分散する本発明の方法に従って生成されたサブミクロンのPTFE粉体のサンプルに関する粒径分布のグラフを示し、粒径分布は、1.00μm未満のサイズが80.51%であることを示す。 28メガラドで照射を受け、粉砕処理を施されていない、IPAと水の混合物に分散するPTFE出発物質のサンプルに関する粒径分布のグラフを示し、粒径分布は、1.00μm未満のサイズが4.27%であることを示す。

Claims (21)

  1. 以下の工程:
    (a) PTFE出発物質を選択する工程;
    (b) 約5〜約120メガラドの強度で前記PTFE出発物質を照射する工程;
    (c) 照射を受けたPTFE出発物質を溶媒に加えて混合物を形成する工程;
    (d) 前記PTFE粒子がサブミクロンのサイズになるまで、前記照射を受けたPTFE出発物質と前記溶媒との前記混合物を粉砕及び/又は脱凝集化する工程(ここで、約50%を超える前記PTFE粒子は1.00μm未満のサイズである);
    (e) 前記粉砕及び/又は脱凝集化された、前記の照射を受けたPTFE出発物質と前記溶媒との混合物から前記PTFE粒子を回収する工程;
    (f) 前記回収されたPTFE粒子を乾燥する工程;
    (g) 前記の回収・乾燥されたPTFE粒子を粉体化する工程(ここで、乾燥PTFE粉体は結果として約1.00μm未満〜約100μmの平均凝集PTFE粒径を有し、そして前記乾燥PTFE粉体は、前記乾燥PTFE粉体を所望の応用系に分散する場合に約50%を超える前記PTFE粒子が1.00μm未満のサイズであるような、所望の応用系に容易に分散可能なものである);
    を含むサブミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉体を製造する方法。
  2. 前記PTFE出発物質が、微粉体のPTFE、PTFEの凝固分散体、及び乳化重合の結果として生成したPTFE出発物質からなる群の1つである請求項1に記載の方法。
  3. 前記の照射を受けたPTFE出発物質の溶媒への添加が、界面活性剤、湿潤剤、レオロジー剤、又はpH調整剤のいずれも無添加で行われる請求項1に記載の方法。
  4. 前記の回収方法が、濾過、遠心分離、蒸発、超臨界ガス抽出、及び前記溶媒を除去するために他の流体と混合した後に濾過及び/又は遠心分離からなる方法の群から選択される請求項1に記載の方法。
  5. 前記PTFE出発物質がポリテトラフルオロエチレン又はポリテトラフルオロエチレン共重合体(ここで、共重合体材料の大部分がポリテトラフルオロエチレンである)を含むものである請求項1に記載の方法。
  6. 前記のサブミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉体を、添加剤を添加して又は無添加で、所望の応用系に分散する工程(ここで前記応用系が水性又は有機系で、そして前記サブミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉体中のPTFE粒子がサブミクロンサイズに分散する)をさらに含む請求項1に記載の方法。
  7. 以下の工程:
    (a) PTFE出発物質を選択する工程;
    (b) 約5〜約120メガラドの強度で、前記PTFE出発物質を照射する工程;
    (c) 照射を受けたPTFE出発物質を溶媒に加えて、混合物を形成する工程;
    (d) 前記の照射を受けたPTFE出発物質と前記溶媒との前記混合物を、前記PTFE粒子がサブミクロンサイズになるまで、粉砕及び/又は脱凝集する工程(ここで、約50%を超える前記PTFE粒子は1.00μm未満のサイズである);
    を含むサブミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉体を製造する方法。
  8. 前記PTFE出発物質が、微粉体のPTFE、PTFEの凝固分散体、及び乳化重合の結果生成されるPTFE出発物質からなる群の1つである請求項7に記載の方法。
  9. 前記の照射を受けたPTFE出発物質の前記溶媒への前記添加が、界面活性剤、湿潤剤、レオロジー剤、pH調整剤のいずれも無添加で行われる請求項7に記載の方法。
  10. 前記PTFE出発物質が、ポリテトラフルオロエチレン又はポリテトラフルオロエチレン共重合体(ここで、共重合体材料の大部分がポリテトラフルオロエチレンである)を含むものである請求項7に記載の方法。
  11. 前記のサブミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉体を、添加剤を添加して又は無添加で、所望の応用系に分散する工程(ここで前記応用系が水性又は有機系で、そして前記サブミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉体中のPTFE粒子がサブミクロンサイズに分散される)をさらに含む請求項7に記載の方法。
  12. 以下の工程:
    (a) PTFE出発物質を選択する工程;
    (b) 約1〜約50メガラドの強度で前記PTFE出発物質を照射する工程;
    (c) 前記照射を受けたPTFE出発物質に樹脂、ポリマー、モノマー、又はワックスを加える工程;
    (d) 混合装置を用いて、前記の照射を受けたPTFE出発物質を高攪拌により分散する工程(ここで、前記PTFE粒子はサブミクロンサイズに分散する);
    を含むサブミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散体を製造する方法。
  13. 前記PTFE出発物質が、微粉体のPTFE、PTFEの凝固分散体、及び乳化重合の結果として生成されるPTFE出発物質からなる群の1つである請求項12に記載の方法。
  14. 前記の照射を受けたPTFE出発物質の樹脂、ポリマー、モノマー、又はワックスへの添加が、界面活性剤、湿潤剤、レオロジー剤、pH調整剤のいずれも無添加で行われる請求項12に記載の方法。
  15. 前記混合装置が、シングルスクリュー溶融押出機、ツインスクリュー溶融押出機、マルチスクリュー溶融押出機、バンバリーミキーサー、及び分散ミキサーからなる群から選択される請求項12に記載の方法。
  16. 以下の工程:
    (a) PTFE出発物質を選択する工程;
    (b) 約1〜約120メガラドの強度で前記PTFE出発物質を照射する工程;
    (c) 前記の照射を受けたPTFE出発物質を、添加剤を添加して又は無添加で、所望の応用系に分散する工程(ここで、前記応用系が水性又は有機系で、そして前記照射を受けたPTFE出発物質中の前記PTFE粒子がサブミクロンサイズに分散する);
    を含むサブミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散体を製造する方法。
  17. 前記PTFE出発物質が、微粉体のPTFE、PTFEの凝固分散体、及び乳化重合の結果として生成されるPTFE出発物質からなる群の1つである請求項16に記載の方法。
  18. 前記PTFE出発物質がポリテトラフルオロエチレン又はポリテトラフルオロエチレン共重合体(ここで、前記共重合体材料の大部分がポリテトラフルオロエチレンである)を含むものである請求項16に記載の方法。
  19. ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉体であって、前記サブミクロンPTFE粉体が、易流動性で、容易に分散可能であり、非凝集性で、非粘着性であり、フィブリル化を呈さないポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉体。
  20. 求項1又は7に記載の方法に従って生成されるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉体であって、易流動性で、容易に分散可能であり、非凝集性で、非粘着性で、フィブリル化を呈さない前記粉体。
  21. 請求項6、11、12又は16に記載の方法に従って生成される分散したサブミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含有する組成物であって、前記組成物は安定で、非凝集性であり、そして前記分散体中の約50%を超える前記PTFE粒子が1.00μm未満のサイズである前記組成物。
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