JP2005519433A5 - - Google Patents

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Description

イオン源の為の間接加熱ボタン型カソード 発明の分野
本発明は、イオン源用、特に、イオンを目標基板(例えば、半導体ウエハ)に注入する為のイオン注入機用途の、間接加熱式ボタン型カソードに関する。
発明の背景
イオン源のアークチャンバ内で間接加熱式カソードを使用することが知られている。そのような配置形態において、カソードは、熱電子の放出前面と、後面とを有するボタンとして形成される。ボタンは、典型的には、後面の電子衝突により、更に、カソード型ボタンの後面の後方に配置されるフィラメントから放出、加速された電子により、加熱される。この構造を用いてフィラメントは、イオン源のアークチャンバ内で形成されるアークプラズマ内のエネルギッシュな粒子によるスパッタリングから保護される。加熱されたカソードのボタンは、熱電子を、その前面で放出し、これらは、アークチャンバ内のアーク電位により加速され、必要なアークを開始し維持する。カソードのボタンは、直接加熱式フィラメント型カソードと比較すると、比較的に厚く、丈夫に形成可能なので、動作中、長寿命を与える。
イオン源の為の間接加熱式ボタン型カソードは、米国特許第5497006号に開示されている。
半導体デバイスの製造における一定処理は、比較的高いエネルギで原子種の注入を必要とするので、種は半導体基板の深い深さに注入される。高エネルギのイオン注入機は、米国特許第4667111号及び第6423976号に開示されている。これらの従来技術に係る高エネルギ注入機は、高周波ライナ加速器を使用し、注入に必要な高エネルギまでイオンを加速する。他の形式の高エネルギ加速器も同様に、イオン注入機の用途の為に知られているが、高周波四極子(RFQ)加速器、タンデトロン加速器を含む。そのようなデバイスは、500KeVから2MeV間のエネルギでの注入に望まれる種の単一荷電イオンを生み出す為に使用されてきた。固定電圧静電加速器も同様に知られており、200KeVを超えるエネルギで単一電荷イオンを生み出すことができる。しかし、より高いエネルギの為には、より高い荷電(通常、二重荷電、三重荷電)状態で所望のイオン種を使用することが知られている。電界により荷電粒子に送出されたエネルギは、粒子における電荷の数に直接比例する。
イオン源の作動は、より高い荷電状態でイオンの生産を高める為に最適化されてもよい。しかし、これは、通常、より集中的なアークを持つイオン源の作動に関連するので、イオン源内の消費可能な要素、特にカソードの寿命を減少させる。妥協点は、通常、所望の高電荷状態でのビーム電流とカソードの寿命との間で行われる。
所望の多重荷電種の比較的に高い電流を発生させる為にカソードを動作する一方、カソード寿命を最大にする為、イオン源の性能を改善する試みが行われてきた。例えば、「ELS2:二重カソードを備えた長寿命ソース」(I. Jonoshita氏他、イオン注入技術−98 pp. 239-241)は、通常の電子リフレクタを交換する為に、イオン源のアークチャンバ内で第2のボタン型カソードを使用する方式を説明する。適度の寿命の増加が証明された。米国特許第5703372号を参照する。
発明の概要
本発明の目的は、イオン注入機のイオン源の為に改善されたカソード構造を提供することであり、十分なカソード寿命で多重荷電状態イオンの保護の為にイオン源を最適化させる。
そのため、本発明は、イオン源の為の間接加熱式カソードであって、使用中に熱電子を放出しプラズマを形成する為の前面と、使用中に電子加熱に露出する為に前記前面と対向する後面とを有するボタン部材を備え、ボタン部材は、カラーピースと、カラーピースに固定されたスラグピースとを備え、スラグピースは、それぞれ、ボタン部材の前面と後面の中央部分を与え、カラーピースは、それぞれ、中央部分を囲む前面と後面の周辺部分を与え、ボタン部材は、ボタン部材の後面の中央部分が使用中に電子加熱されるときボタン部材の前面の中央部分がその周辺部分より高温になるようにスラグピースとカラーピース間に熱障壁を有する、前記間接加熱式カソードを提供する。
ボタン部材の中央スラグピースとカラーピース間の熱障壁のため、加熱される熱量は、減少され、ボタン部材の前面の中央部分は、高温に加熱され、熱放出を増加する。そのため、カソードの電子放出領域は、大きさを小さくすることができ、アークチャンバ内で、より集中されたプラズマを生じる。より集中されたプラズマは、高エネルギ密度を有する傾向にあり、高荷電状態で好ましいイオン産出が生じる。ボタン部材のカラーピース及びスラグピースの両方は、タングステンでもよく、厚く形成され、カソード寿命を長くしてもよい。
また、本発明は、イオン源の為の間接加熱式ボタン型カソードであって、使用中に熱電子を放出しプラズマを形成する為の前面を有し、放出する為の前記面は、第1仕事関数を有する第1材料により与えられた中央部分と、前記中央部分の周りで、前記第1仕事関数より大きな第2仕事関数を有する第2材料により与えられた周囲部分とを有する、間接加熱式ボタン型カソードを提供する。ボタン型カソードの電子放出面の中央部分は、周辺部分より低い仕事関数を有するので、電子放出は、中央部分から使用中に集中される。特定実施形態において、タンタルのスラグは、タングステンのカラーに嵌合され、カソードのボタン部材を形成する。
スラグピースは、スラグピースがボタンの後面後方に突き出すようにカラーピースより厚く形成可能である。その結果、スラグピースの後面は、ボタン部材後方に配置されたフィラメントからの加速電子による電子加熱の主要な部分を受容する。
また、スラグピースの前面は、ボタン部材の熱電子放出面の中央部分を形成するが、凹部に形成されてもよい。これにより、前面から放出された一次電子の僅かな集束が生み出され、プラズマのエネルギ密度が更に増加される。
変形されたボタン型カソードは、典型的に固体タングステン製ボタン部材を有する従来のボタン型カソードを、イオン源の最小の追加変形で交換する為に使用可能である。
以下、本発明の実施例を添付図面を参考にして説明する。
好適実施形態の詳細な説明
以下の詳細な説明および請求の範囲において、上部と下部、後部と前部のような相対的な用語は、説明を簡単化する為に使用されている。上部と下部は、図1で例示された実施例の、方向性の参考の為に使用されているにすぎないので、実際の実施形態の実装において、垂直に対して全方向が実現可能である。後部と前部は、文脈から区別が明らかとなるように使用されている。例えば、イオンビームが前部から放出される従来例に従ってアークチャンバを参考に、用語が使用されている。同様に、前部という用語は、隣接するアークチャンバ壁から離れて、アークチャンバの内側にむけられる面を示す為に、カソードのボタン部材の面を参考に使用されている。
図1において、イオン源のアークチャンバは、後壁11,上端壁12,下端壁13を有するアークチャンバ本体10を備える。後壁11、上端壁12、下端壁13は、グラファイト製ライナ14,15,16により保護されている。アークチャンバは、前板17を有し、前板17は、スリット開口18を与え、スリット開口18を通ってアークチャンバ内で形成されたイオンが抽出され、所望のイオンビームを与える。
アークチャンバ本体10の上端壁12は、アパーチャ18を有し、この中に取り付けられているのがカソード構造体9である。カソード構造体19は、ボタン部材21を下端部で支える円筒体20を備える。円筒体は、クランプ部材22で所定位置にクランプされているが、クランプ部材22は、アークチャンバ本体10の後部でイオン源部24に対し電気的に絶縁性の取付け部23に固定されている。クランプ部材22は、アークチャンバ本体の上端壁12、グラファイト製ライナ15を通る対応したアパーチャを通り、アークチャンバの内側に短い間隔で貫通するボタン部材21を備えて、アパーチャ18に対し間隔を開けてカソード構造体の円筒体20を保持する。
タングステン製フィラメント25は、また、追加クランプ部材26でクランプされ、フィラメント要素27は、円筒カソード本体20内で、ボタン部材21の後部に対し短い間隔で位置決めされている。
説明された実施形態において、棒28は、円筒カソード本体20の外端部を横切って固定され、フィラメント要素27に対する一つの連結リードは、クランプ部材26で固定されるべき円筒カソード本体20の上開口端を通って外に伸びている。
アークチャンバ本体10の下端部13は、グラファイト製ライナ16における対応アパーチャを通ってアークチャンバの内部と連通するアパーチャ29を有する。通常、タングステン製の逆カソード又は電子リフレクタ30は、アパーチャ29を通って伸びるようにクランプ配置形態31により取り付けられている。電子リフレクタ30は、クランプ31に保持された外端部を有し、アパーチャ29の内側壁表面と間隔を開けて伸びる、シャフト部分32を備えて形成されている。シャフト部分32は、ネック部分34によりヘッド部分33に連結されている。ヘッド部分33は、シャフト部分32の軸周りに円形になっており、カソード構造体19のボタン部材21の直径、約6mmという軸の厚さと実質的に同一か僅かに大きい直径を有する。電子リフレクタ30を支持するクランプ配置形態31は、それ自体、イオン源24上に絶縁性取付け部35により取り付けられている。
供給管36は、アークチャンバ本体10の後壁11を通って嵌合され、注入の為に所望のイオンを発生させる為に所望の処理ガスの供給をアークチャンバに与える。
前述され図1に例示されたイオン源アークチャンバは、ベルナス(Bernas)型チャンバであり、これは当業者に既知なので、カソード及び電子リフレクタ間で軸方向に伸びる磁界は、磁石配置形態により提供され、これは、図1に示されていない。
動作において、フィラメント供給部(図示せず)からのフィラメント電流は、タングステンフィラメント27を通って流れる。フィラメント27は、また、カソード構造体19に対し負にバイアスがかけられている。そのため、フィラメント27により放出された熱電子イオンは、カソードのボタン部材21の後面に衝突する為に加速され、必要な熱電子放出温度までボタン部材を加熱する。カソード構造体19は、ボタン部材21を含み、それ自体、アーク供給部により負にバイアスがかけられ、アークチャンバの本体10とボタン部材21間にアーク電位を提供する。ボタン部材21の前(下)面から放出された熱電子は、磁界により閉じ込められ、電子リフレクタ32のヘッド33とカソードのボタン部材21間を実質的に軸方向に移動する。電子リフレクタ32も、通常、カソード構造体19と同一電位で、カソード本体10に対しバイアスがかけられている。
カソードボタン部材21からのエネルギッシュな一次熱電子は、供給管36によりアークチャンバに供給される処理ガスの分子をイオン化し、電子リフレクタのヘッド33とカソードのボタン部材21間の空間で、アークチャンバ内にプラズマを生み出される。当業者に既知のように、処理供給ガスは、注入されるべき原子種を含むように選択され、アークチャンバ内のプラズマは、供給ガス分子の解離から生じる様々な分子及び原子種のイオンを生成可能である。さらに、アークチャンバ内のプラズマ内のガス種は、異なる荷電状態にイオン化されてもよいことが既知である。より高い荷電状態は、通常、プラズマ内の高いエネルギ密度の結果として生成される。
図1に見られるように、カソード構造体19のボタン部材21は、外部カラーピース41に嵌合されたスラグピース40または中央スタッドを備える。この構造体を、図2〜図4を参考に詳述する。カソード構造体は、通常、タングステンで形成される円筒本体20を備える。本体20は、円筒本体を内側端部44と外側端部45に本質的に分離する、向き合うカットアウト42,43を有し、内側端部44は、ボタン部材21のカラーピース41を支え、外端部によりカソード構造体は、図1に示されるようにクランプ配置形態22により固定されている。ボタン部材のカラーピース41は、外側環状リベート46で形成され、リベート46は、カソード本体20の内側端部44の、僅かにリベートされた内側エッジ47に圧入を形成する。アセンブリにおいて、カラー41は、また、タングステンで形成され、カソード本体20の内端部に係合するように圧入されている。その後、2つの部品は、電子ビームにより一緒に溶接される。
カラーピース41は、カソードボタン部材の円筒スラグピース40を支える。この実施例におけるスラグピース40も同様にタングステンで形成される。スラグピース40は、カラーピース41の円筒ボア48に嵌め込まれている。ボア48は、第1外部長さ部分50と第2内部長さ部分49を有し、第1外部長さ部分50は、ボタン部材の前面に隣接し、第2内側長さ部分49は、ボタン部材の後面に隣接している。内側部分49は、ボア48の外側部分50の直径より僅かに小さい直径を有する。直径の差は、約0.2mmと同程度に小さい。スラグピース40の外径は、ボア48の外側部分50の直径と実質的に同一でもよい。部品を組み立てる際、スラグピース40は、液体窒素中でスラグピースを冷却することにより、縮んでボア48に嵌め込まれる。その後、スラグピース40とカラーピース41間の主な連結は、ボア48の内側部分49のみであり、スラグピース40は、ボア48の外側部分50に固定されずに適合する。その結果、スラグピース40とカラーピース41間の熱伝導は、減じられ、熱障壁が2つの部品間に形成される。
ボア48の内側部分49の軸方向の長さは、外側部分50の長さより著しく小さくなっており(通常、20%未満の長さであり)スラグピース40とカラーピース41間の良好な熱接触の表面領域を最小にするのが好ましい。
例示された実施例において、ボア48は、約6mmの軸方向全長を有し、内側部分49は、約1mmの長さを有する。
ボア48の大きな部分にわたるスラグピース40とカラーピース41間の自由適合は、この領域にわたり貧弱な熱接触を与える。ボア48の外側部分50は、スラグピース40より僅かに直径が大きく、動作中、2つの部品間に小さな環状の間隙を与えてもよい。しかし、そのような、いかなる隙間でも、ボア48の外側部分50の、軸方向の長さにわたるスラグピース40からの伝導による熱損失が減じられるという要求に可能な限り小規模に合致すべきである。
スラグピース40とカラーピース41間の熱障壁は、2つの部品間の接触領域を減少させる、どんな技術によってでも生み出すことができ、同時に、スラグピース40に近づく実質的に軸方向の厚みをカラーピース41に持たせることは可能である。例えば、ボア48の内側部分49は、スラグピース40との接触領域を更に減少させる為に、軸方向断面において、ピラミッド状または台形状を有するように形成可能である。
また、減じられた直径の内側部分49を有するカラーピース41の代わりに、ボア48は、スラグピース40の大半の長さにわたり自由適合を与えてもよく、スラグピース40は、ボア48の内側部分を把持する為に、その後、軸方向の位置で拡大環状リブを有してもよい。
図3に見られるように、スラグピース40は、カラーピース41の後面を超えて、短い距離だけ僅かに(通常、約1mm)突き出ている後面51を有する。また、スラグピース40の前面52は、球状に凹部になるように形成される。一実施例において、スラグピースは、約7mmの長さ、約8mmの直径を有し、スラグピースの凹部の、前部表面52の曲率半径は、約10mmでもよい。この実施例において、カラーピース41の外径は、約16mmであり、軸方向の厚みは、約6mmでもよい。
前述され図面に例示された間接加熱式ボタン型カソードは、従来のカソードに対し多くの利点を有する。
スラグピース40は、図3に示されるように、カラー41に対して後方に突き出ているので、カソード本体(20)の内部のフィラメント27(図1)と、ボタン部材21の後部との間の電界は、スラグピース40の後面51にわたり高められる。その結果、フィラメント27からの電子束によるボタン部材の加熱は、スラグピースの後面にわたり集中される。
カラーピース内でスラグピースを固定する方法により提供される熱漏れのため、スラグピース40からカラーピース41までの熱伝導は減少される。そのため、後面51上の電子の衝突により加熱されるべき熱質量は減じられ、同様に、スラグピース40自身からの熱損失も減じられる。実用上、スラグピース40の後面51は、使用される材料(例えばタングステン)の溶融点近くまで加熱可能である。熱漏れは、スラグピース40の前面52が高温で動作できるようにし、それにより、前面52(すなわち、ボタン部材の前面中央部)からの熱電子放出を高める。
重要なことは、カラーピース41の前面が、スラグピース40の前面と実質的に同一平面にあり、スラグピースとカラーピースは、ほぼ同一の軸方向の長さを有する点である。これにより、動作中、カラーピースの腐食によるカソードの早期故障が防止される。また、スラグピース40とカラーピース41の間の機械的連結がカラーピース41の内面に隣接しているので、カソードは、故障前にカラーピースの、ほぼ完全な軸方向の厚みの腐食を寛大に扱うことができる。この設計は、ボタン部材の完全前面領域にわたる実質的に軸方向の厚みを有するボタン部材の利益を与え、その上、熱障壁を与えることにより、全体のボタン部材の高い熱質量の必然的な問題を避ける。
スラグピース40の前面52の凹部形状は、放出された熱電子をアークチャンバの軸方向に集中させる傾向を有する。
上記識別された、これらの特徴は、アークチャンバ内で生成されたプラズマの集中を高めるのに役立ち、プラズマ密度を増加し、満足できるカソード寿命を維持する。これにより、アークチャンバは、高い荷電状態でイオン種の生産を最適化することができる。特に、イオン源は、三重に荷電されたリンイオンの生産の為に最適化可能である。
100Vのアーク電圧、2.7Aのカソード電流のため、本発明を実施し、前述されたカソードの寿命は、1.7mAのP+++ビームを連続して運転するとき、50時間を超える。比較すると、同一の電圧及び同一のアーク電流の下で固体タングステン製ボタン部材を備えた従来技術に係るカソードは、僅か0.5mAのP+++ビーム電流を与え、丁度、16時間で焼き切れる。
他の実施形態において、スラグピース40は、タンタルで形成される。タンタルは、タングステンの熱電子仕事関数(4.55eV)より低い熱電子仕事関数(4.25eV)を有する。その結果、タンタル製スラグピース40及びタングステン製カラーピース41を備えるボタン部材が加熱されるとき、たとえ、スラグピース40と、包囲するカラーピース41の両方の前面部が同一温度であっても、タンタル製スラグピース40の前面52から都合良く熱電子放出される。タングステン及びタンタルの代わりに、適切な仕事関数を有する他の材料も、カラーピース41とスラグピース40の為に使用可能である。例えば、カラーは、Ta又はWのスラグと組み合わせて、レニウム(仕事関数:4.96eV)で形成可能である。Ta製スラグカソードは、動作中、見せかけではないアークをを生み出すことも分かってきた。これは、Ta製スラグピースが溶融点(約2850℃)付近で動作するので、急速に再結晶することが理由かもしれない。動作中のカソードのスパッタリングは、小さ粒子を除去し、見せかけのアーク放電の原因になる。
カウンタカソード30も同様に、タンタルで形成されてもよい。これは、前述したように見せかけのアークを減少することにより、性能の改善に貢献する可能性がある。
本発明の他の実施形態において、ボタン部材の中央部分は、カラー部分より低い仕事関数を持ち、両方の部分間に熱漏れが無いものでもよい。更なる実施例において、中央部分は、平坦な電子放出面を有いてもよく、また、ボタン部材の残部と同一の軸方向の厚みを有してもよい。また更なる実施例において、ボタン部材は、前の電子放出面が凹部で形成されたタンタルまたはタングステンの単一ディスクとして形成可能である。
他の配置形態も同様に、添付請求の範囲により規定された発明の範囲内にある。
図1は、イオン注入機に使用され、本発明を実施する変形ボタン型カソードを含むイオン源のアークチャンバの横断面図である。 図2は、本発明を実施する変形ボタン型カソードの正面図である。 図3は、図2のA−A線で切断されたボタン型カソードの横断面図である。 図4は、ボタン型カソードの斜視図である。
符号の説明
10…チャンバ本体、11…後壁、12…上端壁、13…下端壁、14…グラファイト製ライナ、15…グラファイト製ライナ、16…グラファイト製ライナ、17…前板、18…スリット開口、19…カソード構造体、20…カソード本体、21…ボタン部材、22…クランプ部材、23…絶縁製取付け部、24…イオン源部、25…タングステン製フィラメント、26…クランプ部材、27…タングステン製フィラメント、28…棒、29…アパーチャ、30…電子リフレクタ、31…クランプ配置形態、32…シャフト部分、33…ヘッド部分、34…ネック部分、35…絶縁性取付け部、36…供給管、40…スラグピース、41…カラーピース、42…カットアウト、43…カットアウト、44…内側端部、45…外側端部、46…環状リベート、47…内部エッジ、48…ボア、49…第2内側長さ部分、50…第1外側長さ部分、51…後面、52…前面

Claims (16)

  1. イオン源の為の間接加熱式カソードであって、使用中に熱電子を放出しプラズマを形成する為の前面と、使用中に電子加熱に露出する為に前記前面と対向する後面とを有するボタン部材を備え、ボタン部材は、カラーピースと、カラーピースに固定されたスラグピースとを備え、スラグピースは、それぞれ、ボタン部材の前面と後面の中央部分を与え、カラーピースは、それぞれ、中央部分を囲む前面と後面の周辺部分を与え、ボタン部材は、ボタン部材の後面の中央部分が使用中に電子加熱されるときボタン部材の前面の中央部分がその周辺部分より高温になるようにスラグピースとカラーピース間に熱障壁を有し、ボタン部材のスラグピースとカラーピースは、同一材料で形成されている、前記間接加熱式カソード。
  2. カラーピースにより与えられた前記前面の周辺部分が、スラグピースにより与えられた前記前面の中央部分の少なくとも周囲部と実質的に同一平面になっている、請求項1記載の間接加熱式カソード。
  3. カラーピースは、スラグピースを収容する中央ボアを有し、中央ボア及びスラグピースの一つは、前記前面付近に第1長さ部分、前記後面の前記周辺部分付近に第2長さ部分を有し、第1長さ部分は、前記第1長さ部分に沿って、カラーピースとスラグピースの間に自由嵌合を与える大きさになっており、第2長さ部分は、カラーピース内でスラグピースを把持する大きさになっており、前記ボアの全長の半分未満まで伸びている、請求項1記載の間接加熱式カソード。
  4. 第2長さ部分は、ボアの全長の20%未満まで伸びている、請求項3記載の間接加熱式カソード。
  5. スラグピースは、カラーピースに対して後方に突き出ており、ボタン部材の後面の中央部分は前記後面の周辺部分の後方にある、請求項1〜4のいずれか一項に記載の間接加熱式カソード。
  6. イオン源の為の間接加熱式ボタン型カソードであって、使用中に熱電子を放出しプラズマを形成する為の前面を有し、放出する為の前記面は、第1仕事関数を有する第1材料により与えられた中央部分と、前記中央部分の周辺で前記第1仕事関数より大きな第2仕事関数を有する第2材料により与えられた周囲部分とを有する、間接加熱式ボタン型カソード。
  7. 前記中央部分は、円形であり、前記第2部分は、環状である、請求項記載の間接加熱式ボタン型カソード。
  8. 前記ボタン部材は、前記第2材料のカラーと、前記カラーに固定された第1材料のスラグとを備える、請求項または記載の間接加熱式ボタン型カソード。
  9. 前記ボタン部材は、使用中に電子加熱に露出する為に前記前面に対向する後面を有し、前記スラグは、前記カラーに対し後方に突き出ている、請求項記載の間接加熱式ボタン型カソード。
  10. 放出する為の前記面の少なくとも一部は、凹部になっている、請求項6〜9のいずれか一項に記載の間接加熱式ボタン型カソード。
  11. 放出の為の前記面の前記中央部分は、凹部になっている、請求項10記載の間接加熱式ボタン型カソード。
  12. 前記第2材料は、タングステンである、請求項6〜11のいずれか一項に記載の間接加熱式ボタン型カソード。
  13. 前記第1材料は、タンタルである、請求項6〜12のいずれか一項に記載の間接加熱式ボタン型カソード。
  14. イオン注入の為に使用されるプラズマを生成する方法であって、
    プラズマを生成する為に内部加速用アークチャンバ内に熱電子を放出する為の前面を備えたボタン部材を有する間接加熱式カソードを備えたアークチャンバを提供するステップと、
    第1仕事関数を有する第1材料で、放出の為の前記面の中央部分を形成するステップと、
    前記中央部分の周囲に、前記第1仕事関数より大きな第2仕事関数を有する第2材料で、前記面の周辺部分を形成するステップと、
    前記ボタン部材を加熱し、ボタン部材の前記前面の少なくとも前記中央部分からの熱電子放出を生じさせる為に、前記前面に対向した前記ボタン部材の後面上で、フィラメントにより放出された熱電子を加速するステップと、
    前記アークチャンバ内でガス分子を電離し内部にプラズマを生成する為に前記ボタン部材の前記前面からの前記放出された熱電子を加速する為に前記カソードに電気的バイアスをかけるステップと、
    を備える、前記方法。
  15. 対向する第1壁及び第2壁を有するアークチャンバと、
    前記第1壁内に配置された間接加熱式ボタン型カソードと、
    前記第2壁内に配置された電子リフレクタと、
    を備えるイオン源であって、
    前記ボタン型カソードは、使用中に熱電子を放出し、前記アークチャンバ内でプラズマを生成する為に概略円形の前面を備えたディスク形ボタン部材を有し、放出の為の前記面は、第1仕事関数を有する第1材料により与えられる中央部分と、前記中央部分の周囲で前記第1仕事関数より大きな第2仕事関数を有する第2材料により与えられた周辺部分とを有し、前記電子リフレクタは、ディスク形ヘッド部材を有し、前記ヘッド部材は、前記ボタン部材の前記前面の方に向けられた前記第1材料で形成された概略円形の反射面を与え、
    前記イオン源は、更に、前記ボタン部材の前記前面と前記ヘッド部材の前記反射面との間に配列された前記アークチャンバ内に磁界を与え、前記カソード及び前記電子リフレクタ間の前記アークチャンバ内で伸びる円柱に電子を閉じ込める為の磁石を備える、前記イオン源。
  16. 前記第1材料はタンタルであり、前記第2材料はタングステンである、請求項15記載のイオン源。
JP2003573666A 2002-03-06 2003-02-20 イオン源の為の間接加熱ボタン型カソード Expired - Fee Related JP4271584B2 (ja)

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