JPH076718A - 電子ビーム加工機用電子銃 - Google Patents

電子ビーム加工機用電子銃

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JPH076718A
JPH076718A JP5146146A JP14614693A JPH076718A JP H076718 A JPH076718 A JP H076718A JP 5146146 A JP5146146 A JP 5146146A JP 14614693 A JP14614693 A JP 14614693A JP H076718 A JPH076718 A JP H076718A
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electron
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vacuum container
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Tsuyoshi Nakamura
強 中村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直熱型よりも加熱電力が多くなく、かつ、寿
命が従来の傍熱型より長くしかも安定した陰極を有する
電子ビーム加工機用電子銃の提供。 【構造】 背後型加熱用補助電子銃9を真空容器10内
に密封し、少なくとも前記補助電子銃9の副陰極5の電
子放出面と対向する真空容器壁を高融点金属で構成し
て、該高融点金属を主陰極とする。また、真空容器10
内にゲッターが設けられたものもある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子ビーム加工機用電子
銃に関し、特に傍熱型熱陰極電子銃に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子ビーム装置の電子銃は大別し
て熱陰極電子銃、電界放出電子銃、プラズマ電子銃が使
用されてきた。〔電子・イオンビームハンドブック第2
版pp.115〜pp173.日刊工業新聞社、昭和6
1年)。なかでも、熱陰極電子銃は古くから電子源とし
て広く使用されている。熱陰極電子銃はさらに純金属陰
極、単原子層陰極、酸化物陰極に大別される。一般的に
タングステンあるいはタンタルの高融点金属を用いる純
金属陰極は、その良好な安定性から半導体製造装置のよ
うな高精度なマイクロビームを要求される加工装置か
ら、低真空雰囲気で大電流を必要とする電子ビーム加工
装置まで広く使用されてきた。最も広く使用されている
タングステン陰極の場合、直線型、ヘアピン型、メッシ
型、リボン型など直接通電して加熱する方法(直接型)
と、円柱状あるいはボタン型の高融点金属陰極を電子衝
撃によって加熱する方法(傍熱型)が用いられてきた。
直熱型は製作が容易で過度の熱変動についても良好であ
ること、また、傍熱型は寿命が長いことなど、それぞれ
特有載り点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の電子ビ
ーム加工機用の、純金属の熱陰極電子銃は直熱型陰極の
場合、高融点金属に直接通電することにより動作温度ま
で加熱しなくてはならないため、通電する電流を効率よ
く熱に変換するには電気抵抗が高くなるように陰極の断
面積を小さくし、一般に図5に示すような構造で陰極2
3にヘアピン型あるいはリボン型を用いるため、高温に
よる金属の蒸発、ビーム照射時の陰極へのイオン衝撃に
よるスパッタリング等による陰極材の消耗に弱く、寿命
が短いという欠点を有していた。
【0004】また、傍熱型陰極は、高融点金属の周囲あ
るいは背後に別に設けられた加熱用フィラメントを補助
電子銃の副陰極として電子衝撃法により加熱するため、
副陰極用の電源が必要になり、直熱型に比べ、加熱電力
が余分に必要になること、および、陰極の寿命は直熱型
より長いものの、加熱用フィラメントの寿命によって制
限されるなどの欠点を有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電子ビーム加工
機用電子銃は、背後加熱傍熱型の電子ビーム加工機用電
子銃において、背後加熱用補助電子銃を真空容器内に密
封し、少なくとも該補助電子銃の副陰極の電子放出面と
対向する真空容器壁を高融点金属で構成して、該高融点
金属を主電子ビーム発生用の主陰極とする構造を有す
る。
【0006】また、前記陰極部内にゲッターを有するも
のおよび前記ゲッターの電源と復陰極ヒータ電源を併用
するもの、さらに、前記真空容器の真空引き後、真空容
器を封止し、該真空容器内のゲッターを一定期間毎に飛
ばすことにより、常に真空容器を高真空に維持するもの
も本発明に含まれる。
【0007】
【作用】このように、補助電子銃を真空内に密封し、さ
らに、ゲッターを用いることにより、副陰極への残留ガ
スの汚染あるいは残留ガスのイオン化による衝撃を低減
し、また、真空容器内に密封されているので溶接時に発
生する金属蒸気のイオン衝撃を防止する。
【0008】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0009】図1は本発明の電子ビーム加工用電子銃の
一実施例で、3電極方式の原理によって動作する電子銃
である。
【0010】この電子ビーム加工機用電子銃は主陰極8
と、ウエルト電極1と、アノード2を有する。タングス
テンあるいはタンタル等の高融点金属の主陰極8は真空
容器10の一部として構成されている。真空容器10
は、主陰極8と、副陰極5と、絶縁物支持体6と、副電
子ビーム補正電極11を有し、真空引きした後封止する
ことで高真空を維持する。真空容器10内には、主陰極
8を電子衝撃によって加熱するための副電子ビーム4を
発射する背後加熱用補助電子銃9が副陰極5を主体とし
て設置されている。副陰極5は絶縁物支持体6によって
保持され、真空容器10とは絶縁されている。副陰極5
は真空を維持したまま電流を導入できる電流導入端子7
を通してヒータ電源15からヒータ用電力を供給され副
陰極動作温度まで加熱される。動作可能となった副陰極
5からは、副加速電圧14により副電子ビーム4が副電
子ビーム補正電極11により照射方向を補正され、主陰
極8に照射される。電子衝撃を受けた主陰極8は動作可
能温度まで加熱され、アノード2と主陰極間の電位差で
ある主加速電圧12によって主電子ビーム3を射出し、
ウエネルト電極1に印加されたバイアス電圧13によっ
て制御される。
【0011】副陰極5の陰極材としては真空容器10内
に設置されているため、高真空内のみで動作可能な低仕
事関数の陰極材を用いることが可能である。図1では1
例として含浸型陰極を用いた構造としてある。含浸型陰
極は図4に示すように、サポートスリーブ20に含浸材
19が取り付けられ、サポートスリーブ20内にヒータ
22とポッテング材21が埋め込まれた構造となって
いる。一般的に含浸型陰極の動作温度は1000度C前
後で、タングステン陰極と比較すると1/2以下とな
り、低電力化が可能となる。低電力を考慮した場合、他
の陰極材としてL aB6系陰極(不図示)や酸化物陰極
〔不図示)を使用することも可能である。
【0012】図2は、図1に示す副陰極5を内臓する真
空容器10内にゲッター16と、ゲッター電源17を設
けた構造を示したものである。真空容器10を真空引き
後封止し、ゲッター16を飛ばすことにより真空容器1
0内をさらに高真空にすることができる。図3は、図2
で示したゲッター電源17をヒータ電源15と兼用する
ことで電源構造を簡易にしたものである。ゲッター16
とヒータの切り替えスイッチ18を用いることにより可
能である。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、背後加熱
用補助電子銃の副陰極を高真空容器内に設置することに
より、残留ガスによる汚染が極めて小さく、副陰極とし
て仕事関数の低い含浸型陰極、LaB6系陰極、酸化物
陰極等を用いることが可能になり純金属陰極に比較して
動作温度を低くでき、低消費電力化もでき、さらに高真
空内での使用のため、従来の傍熱型陰極の寿命を制限し
ていた副陰極の寿命を長くすることができる。また、副
陰極に、高融点金属を使用しても残留ガスによる汚染が
少なくより安定な副電子ビーム照射が可能になり、主陰
極加熱が安定し、より安定な主電子ビーム照射が可能に
なり、これにより、従来問題であった陰極の長寿命化、
低消費電力化が両立できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子ビーム加工機用電子銃の一実施例
で3電極方式により動作する電子銃の基本構造の概略図
である。
【図2】図1に示す副陰極5を内臓する真空容器10内
にゲッターを設けた構造の概略図である。
【図3】図2に示すゲッター16の電源を副陰極電源と
共用にした構造の概略図である。
【図4】含浸型陰極の概略構造図である。
【図5】従来の陰極の概略構造図である。
【符号の説明】
1 ウエネルト電極 2 アノード 3 主電子ビーム 4 副電子ビーム 5 副陰極 6 絶縁物支持体 7 電流導入端子 8 主陰極 9 背後加熱用補助電子銃 10 真空容器 11 副電子ビーム補正電極 12 主加速電圧 13 バイアス電圧 14 副加速電圧 15 ヒータ電源 16 ゲッター 17 ゲッター電源 18 切り替えスイッチ 19 含浸材 20 サポートスリーブ 21 ポッテング材 22 ヒータ 23 陰極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背後加熱傍熱型の電子ビーム加工機用電
    子銃において、 背後加熱用補助電子銃を真空容器内に密封し、 少なくとも該補助電子銃の副陰極の電子放出面と対向す
    る真空容器壁を高融点金属で構成して、該高融点金属を
    主電子ビーム発生用の主陰極とする構造を有することを
    特徴とする電子ビーム加工機用電子銃。
  2. 【請求項2】 前記真空容器内にゲッターを有する請求
    項1記載の電子ビーム加工機用電子銃。
  3. 【請求項3】 前記ゲッターの電源と復陰極ヒータ電源
    を併用する請求項1または2記載の電子ビーム加工機用
    電子銃。
  4. 【請求項4】 前記真空容器の真空引き後、真空容器を
    封止し、該真空容器内のゲッターを一定期間毎に飛ばす
    ことにより、常に真空容器を高真空に維持する請求項2
    または3に記載の電子ビーム加工機用電子銃。
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