JPH07335161A - 電子銃 - Google Patents
電子銃Info
- Publication number
- JPH07335161A JPH07335161A JP12238794A JP12238794A JPH07335161A JP H07335161 A JPH07335161 A JP H07335161A JP 12238794 A JP12238794 A JP 12238794A JP 12238794 A JP12238794 A JP 12238794A JP H07335161 A JPH07335161 A JP H07335161A
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- JP
- Japan
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- cathode
- thin film
- electron gun
- lab
- electron
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 六ほう化ランタン(LaB6)を用いてなる
陰極1を備えたマイクロトロン等の電子銃において、陰
極材であるLaB6とその支持部材2との相互作用や、
電子放射面以外の支持部材と接触していない陰極材面か
らの蒸発による陰極(LaB6)の体積減少を抑制して
陰極消耗速度を減少し、長寿命化する。 【構成】 前記陰極1の電子放射面以外の表面を前記L
aB6との反応性に乏しい材質からなる薄膜11で覆
う。
陰極1を備えたマイクロトロン等の電子銃において、陰
極材であるLaB6とその支持部材2との相互作用や、
電子放射面以外の支持部材と接触していない陰極材面か
らの蒸発による陰極(LaB6)の体積減少を抑制して
陰極消耗速度を減少し、長寿命化する。 【構成】 前記陰極1の電子放射面以外の表面を前記L
aB6との反応性に乏しい材質からなる薄膜11で覆
う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線加速器等に用い
られる電子銃に係り、特に陰極の消耗を抑えて長寿命化
した電子銃に関するものである。
られる電子銃に係り、特に陰極の消耗を抑えて長寿命化
した電子銃に関するものである。
【0002】
【従来の技術】真空中で陰極を加熱して放出した熱電子
を高電界で加速する電子線加速器、例えばマイクロトロ
ンの従来の電子銃の要部断面を図2((a)は側断面
図、(b)は(a)図中の陰極部分の縦断面図)に、全
体の概略構成を図3に示す。
を高電界で加速する電子線加速器、例えばマイクロトロ
ンの従来の電子銃の要部断面を図2((a)は側断面
図、(b)は(a)図中の陰極部分の縦断面図)に、全
体の概略構成を図3に示す。
【0003】これらの図に示すように、従来の電子銃
は、凸型の陰極1と、この陰極1を加速器本体に取り付
けるためのカソードホルダ3、前記陰極1をカソードホ
ルダ3に固定する支持部材2、前記陰極1を加熱するた
めの補助フィラメント4及び陽極5とを備えて構成され
ている。ここで、陰極1は電子放射材としての特性に優
れる六ほう化ランタン(LaB6)を用いてなり、また
支持部材2とカソードホルダ3はタンタル(Ta)を用
いてなる。
は、凸型の陰極1と、この陰極1を加速器本体に取り付
けるためのカソードホルダ3、前記陰極1をカソードホ
ルダ3に固定する支持部材2、前記陰極1を加熱するた
めの補助フィラメント4及び陽極5とを備えて構成され
ている。ここで、陰極1は電子放射材としての特性に優
れる六ほう化ランタン(LaB6)を用いてなり、また
支持部材2とカソードホルダ3はタンタル(Ta)を用
いてなる。
【0004】前記陰極1の加熱は次のように行われる。
まず、補助フィラメント4に電流を流して加熱する。こ
れによって補助フィラメント4から熱電子6が放出され
るが、この熱電子6はカソードホルダ3全体にパルス電
圧8を印加することでカソードホルダ3に集められる。
まず、補助フィラメント4に電流を流して加熱する。こ
れによって補助フィラメント4から熱電子6が放出され
るが、この熱電子6はカソードホルダ3全体にパルス電
圧8を印加することでカソードホルダ3に集められる。
【0005】この熱電子流(電流)によってカソードホ
ルダ3全体が約1700℃に加熱され、陰極1から電子
ビーム7が放出される。放出された電子ビーム7は、ア
ース電位にある陽極5との電位差によって加速され、電
子銃外へ放出される。
ルダ3全体が約1700℃に加熱され、陰極1から電子
ビーム7が放出される。放出された電子ビーム7は、ア
ース電位にある陽極5との電位差によって加速され、電
子銃外へ放出される。
【0006】なお、この種の電子銃に関しては、LaB
6を用いてなる陰極1に脱落防止用の段差を設け、熱伝
導を低減するためのヒートダムを設け、また陰極1と支
持部材2を一体化させるために陰極1をグラシイカーボ
ンで覆って加熱,硬化させたものが出願されている(特
願平2−72170号)。
6を用いてなる陰極1に脱落防止用の段差を設け、熱伝
導を低減するためのヒートダムを設け、また陰極1と支
持部材2を一体化させるために陰極1をグラシイカーボ
ンで覆って加熱,硬化させたものが出願されている(特
願平2−72170号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述従来
の電子銃では、次のような問題点があった。すなわち、
陰極1の材質LaB6は高温下で他の金属との反応性に
富むものであり、支持部材2の材質Taとの接触部にお
いて、下記(1)式に示す相互作用によるランタン(L
a)の昇華、ボロン(B)のタンタル(Ta)中への拡
散のため、陰極1(LaB6)の体積減少が大きかっ
た。
の電子銃では、次のような問題点があった。すなわち、
陰極1の材質LaB6は高温下で他の金属との反応性に
富むものであり、支持部材2の材質Taとの接触部にお
いて、下記(1)式に示す相互作用によるランタン(L
a)の昇華、ボロン(B)のタンタル(Ta)中への拡
散のため、陰極1(LaB6)の体積減少が大きかっ
た。
【0008】 LaB6+Ta→LaB4+TaB→LaB4+La+B+TaB→La↑+B+Ta3B4 →TaB2+Ta3B4+TaB …(1) また、陰極1の電子放射面とその側面からの蒸発による
体積減少も大きかった。
体積減少も大きかった。
【0009】このため、陰極1と支持部材2の間に隙間
ができて陰極1ががたつき、電子ビーム7が不安定にな
ったり、陰極1の加熱が不十分になったりして、電子銃
としての寿命を縮めるという問題点があった。
ができて陰極1ががたつき、電子ビーム7が不安定にな
ったり、陰極1の加熱が不十分になったりして、電子銃
としての寿命を縮めるという問題点があった。
【0010】本発明の目的は、陰極材であるLaB6と
支持部材との相互作用や、電子放射面以外の支持部材と
接触していない陰極面からの蒸発による陰極(La
B6)の体積減少を抑制して陰極消耗速度を減少し、長
寿命の電子銃を提供することにある。
支持部材との相互作用や、電子放射面以外の支持部材と
接触していない陰極面からの蒸発による陰極(La
B6)の体積減少を抑制して陰極消耗速度を減少し、長
寿命の電子銃を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、六ほう化ラ
ンタン(LaB6)を用いてなる陰極を備えた電子銃に
おいて、前記陰極の電子放射面以外の表面を前記LaB
6との反応性に乏しい材質からなる薄膜で覆うことによ
り達成される。
ンタン(LaB6)を用いてなる陰極を備えた電子銃に
おいて、前記陰極の電子放射面以外の表面を前記LaB
6との反応性に乏しい材質からなる薄膜で覆うことによ
り達成される。
【0012】
【作用】前記薄膜の存在により、LaB6からなる陰極
はその周囲の支持部材と直接接触しなくなり、両者の相
互作用は抑制される。また、陰極が加熱されることによ
る、それ自体の蒸発も、薄膜の存在により電子放射面か
らに限られ、電子放射面以外の表面からの蒸発が抑制さ
れる。これらにより、陰極(LaB6)の体積減少が抑
制されて陰極消耗速度が減少し、長寿命化される。
はその周囲の支持部材と直接接触しなくなり、両者の相
互作用は抑制される。また、陰極が加熱されることによ
る、それ自体の蒸発も、薄膜の存在により電子放射面か
らに限られ、電子放射面以外の表面からの蒸発が抑制さ
れる。これらにより、陰極(LaB6)の体積減少が抑
制されて陰極消耗速度が減少し、長寿命化される。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明による電子銃の一実施例の要部を
示す断面図で、(a)は側断面図、(b)は(a)図中
の陰極部分の縦断面図で、これらの図において、11は
LaB6と反応しない材質であるレニウム(Re)や炭
素(C)等、ここではレニウム(Re)からなる薄膜で
ある。その他、図2と同一符号は同一部分又は相当部分
を示す。
する。図1は、本発明による電子銃の一実施例の要部を
示す断面図で、(a)は側断面図、(b)は(a)図中
の陰極部分の縦断面図で、これらの図において、11は
LaB6と反応しない材質であるレニウム(Re)や炭
素(C)等、ここではレニウム(Re)からなる薄膜で
ある。その他、図2と同一符号は同一部分又は相当部分
を示す。
【0014】すなわち本発明の電子銃は、図示するよう
にLaB6からなる陰極1を、電子放射面(図示下端
面)だけ残して陰極材質LaB6と反応しないか著しく
反応し難い材質(LaB6と反応性の乏しい材質)であ
るレニウム(Re)の薄膜11で覆ってなるものであ
る。
にLaB6からなる陰極1を、電子放射面(図示下端
面)だけ残して陰極材質LaB6と反応しないか著しく
反応し難い材質(LaB6と反応性の乏しい材質)であ
るレニウム(Re)の薄膜11で覆ってなるものであ
る。
【0015】薄膜11の厚さは、例えば50μmとす
る。この薄膜11は、例えば、耐熱性に優れるCVD
(Chemical Vapor Deposition)法により形成される。
このレニウム(Re)の薄膜11で覆った陰極1は、従
来の電子銃と同様に支持部材2によってカソードホルダ
3に固定される。
る。この薄膜11は、例えば、耐熱性に優れるCVD
(Chemical Vapor Deposition)法により形成される。
このレニウム(Re)の薄膜11で覆った陰極1は、従
来の電子銃と同様に支持部材2によってカソードホルダ
3に固定される。
【0016】このように構成することで、薄膜11の存
在により、LaB6からなる陰極1はその周囲の支持部
材2と直接接触しなくなるので両者の相互作用は抑制さ
れる。また、陰極1が加熱されることによる、それ自体
の蒸発も、薄膜11の存在により電子放射面からに限ら
れ、電子放射面以外の表面からの蒸発が抑制される。し
たがった、陰極1(LaB6)の体積減少が抑制されて
陰極消耗速度が減少し、長寿命化される。
在により、LaB6からなる陰極1はその周囲の支持部
材2と直接接触しなくなるので両者の相互作用は抑制さ
れる。また、陰極1が加熱されることによる、それ自体
の蒸発も、薄膜11の存在により電子放射面からに限ら
れ、電子放射面以外の表面からの蒸発が抑制される。し
たがった、陰極1(LaB6)の体積減少が抑制されて
陰極消耗速度が減少し、長寿命化される。
【0017】なお上述実施例では、LaB6からなる陰
極1へのレニウム(Re)薄膜11の覆い形成をCVD
法により行ったが、これのみに限られず、例えば薄いシ
ート状のレニウム(Re)を陰極1と支持部材2との間
に挿入することによりレニウム(Re)薄膜11の覆い
形成を行ってもよい。また、薄膜11は陰極材質LaB
6と反応しないか著しく反応し難い材質(LaB6と反応
性の乏しい材質)であればよく、レニウム(Re)のみ
に限定されない。
極1へのレニウム(Re)薄膜11の覆い形成をCVD
法により行ったが、これのみに限られず、例えば薄いシ
ート状のレニウム(Re)を陰極1と支持部材2との間
に挿入することによりレニウム(Re)薄膜11の覆い
形成を行ってもよい。また、薄膜11は陰極材質LaB
6と反応しないか著しく反応し難い材質(LaB6と反応
性の乏しい材質)であればよく、レニウム(Re)のみ
に限定されない。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、陰
極材であるLaB6と支持部材との相互作用や、電子放
射面以外の支持部材と接触していない陰極材面からの蒸
発による陰極(LaB6)の体積減少を抑制して陰極消
耗速度を減少し、長寿命の電子銃を提供できるという効
果がある。
極材であるLaB6と支持部材との相互作用や、電子放
射面以外の支持部材と接触していない陰極材面からの蒸
発による陰極(LaB6)の体積減少を抑制して陰極消
耗速度を減少し、長寿命の電子銃を提供できるという効
果がある。
【図1】本発明による電子銃の一実施例の要部を示す断
面図である。
面図である。
【図2】従来の電子銃の要部断面を示す図である。
【図3】従来の電子銃全体の概略構成図である。
1 LaB6からなる陰極 2 支持部材 3 カソードホルダ 4 補助フィラメント 5 陽極 6 熱電子 7 電子ビーム 8 パルス電圧 11 LaB6と反応性の乏しい材質からなる薄膜
Claims (2)
- 【請求項1】 六ほう化ランタン(LaB6)を用いて
なる陰極を備えた電子銃において、前記陰極の電子放射
面以外の表面を前記LaB6との反応性に乏しい材質か
らなる薄膜で覆うことを特徴とする電子銃。 - 【請求項2】 前記薄膜はCVD法を用いてなる請求項
1に記載の電子銃。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12238794A JPH07335161A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 電子銃 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12238794A JPH07335161A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 電子銃 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07335161A true JPH07335161A (ja) | 1995-12-22 |
Family
ID=14834543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12238794A Pending JPH07335161A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 電子銃 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07335161A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08339774A (ja) * | 1995-06-13 | 1996-12-24 | Hitachi Medical Corp | 電子銃 |
JP2008166265A (ja) * | 2006-12-04 | 2008-07-17 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 電子放出源 |
WO2010123007A1 (ja) * | 2009-04-20 | 2010-10-28 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | 希土類六ホウ化物冷陰極電界放出型電子源 |
JP2019526922A (ja) * | 2016-09-07 | 2019-09-19 | ペイトン タービン テクノロジーズ エルエルシー | 同軸型電子銃 |
-
1994
- 1994-06-03 JP JP12238794A patent/JPH07335161A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08339774A (ja) * | 1995-06-13 | 1996-12-24 | Hitachi Medical Corp | 電子銃 |
JP2008166265A (ja) * | 2006-12-04 | 2008-07-17 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 電子放出源 |
WO2009069335A1 (ja) * | 2007-11-30 | 2009-06-04 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | 電子放出源及び電子放出源の製造方法 |
US8456076B2 (en) | 2007-11-30 | 2013-06-04 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Electron emitting source and manufacturing method of electron emitting source |
WO2010123007A1 (ja) * | 2009-04-20 | 2010-10-28 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | 希土類六ホウ化物冷陰極電界放出型電子源 |
JP2011014529A (ja) * | 2009-04-20 | 2011-01-20 | National Institute For Materials Science | 希土類六ホウ化物冷陰極電界放出型電子源 |
JP2019526922A (ja) * | 2016-09-07 | 2019-09-19 | ペイトン タービン テクノロジーズ エルエルシー | 同軸型電子銃 |
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