JP2005518442A - 界面バイオマテリアル - Google Patents

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ダニエル ジェイ. ケナン,
エリザベス ビー. ウォルシュ,
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Abstract

複数の結合剤を使用して調製される界面バイオマテリアルであって、各結合剤は、非生物学的基材に特異的に結合する第1のリガンドおよび生物学的基材に特異的に結合する第2にのリガンドを含む。複数の結合剤を使用して調製される界面バイオマテリアルもまた提供され、各結合剤は、非生物学的基材および非結合ドメインに特異的に結合する、生物学的基材に対する結合を実質的に示すリガンドを含む。結合剤を調製するための方法、界面バイオマテリアルを調整するための方法、および界面バイオマテリアルを使用するための方法もまた、提供される。

Description

(関連出願との相互参照)
本出願は、米国仮特許出願第60/331,843号(2001年11月20日出願)(本明細書中にその全体が参考として援用される)に基づき、これに対する優先権を主張する。
(助成金の陳述)
本研究は、一部で、国立保健衛生研究所からの助成金番号5 T32 GM08555−08、同1 R01 CA77042−03、および同1 R21 CA81088−02による支援を受けた。従って、米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
(発明の分野)
本発明は、一般に、非生物学的基材と生物学的基材との間の相互作用を媒介する界面バイオマテリアル、および同バイオマテリアルを調製および使用する方法に関する。とりわけ、本発明は、各々の基材の特異的結合を介して基材間の結合界面を作り出す、結合剤に関する。本発明は、非生物学的基材への特異的結合を介して基材間の非結合界面(実質的に生物学的基材に非結合である)を作り出す、結合剤にも関する。
(略語の表)
AFM − 原子間力顕微鏡
Ang1 − アンジオポエチン1(Angiopoitin−1)
BAP − 細菌性アルカリホスファターゼ
BNHS − ビオチンN−ヒドロキシスクシンイミドエステル
BSA − ウシ血清アルブミン
DMSO − ジメチルスルホキシド
DWI − 拡散荷重画像化(diffusion−weighted imaging)
ELISA − 酵素連結イムノソルベントアッセイ
ExFms − Fmsレセプターの精製細胞外ドメイン
ExTek − Tie2レセプターの精製細胞外ドメイン
FMOC − N−9−フルオレニルメトキシカルボニル
fMRI − 機能的MR画像化
FTIR − フーリエ変換赤外分光法
GFP − 緑色蛍光タンパク質
GST − グルタチオン−S−トランスフェラーゼ
HPLC − 高処理液体クロマトグラフィ
HRP − 西洋ワサビペルオキシダーゼ
IFBM − 界面バイオマテリアル
IgG − 免疫グロブリンG型
ITO − インジウムスズ酸化物
I.U.B. − 国際生化学者連合(International Union of Biochemists)
Ka − 会合定数(association constant)
MRS − プロトン磁気共鳴分光法
MTI − 磁化転移画像化(magnetization transfer imaging)
NHI − 国立保健衛生研究所
pIII − コートタンパク質をコードするM13ファージ遺伝子
PIII − M13ファージコートタンパク質
PBS − リン酸緩衝化食塩水
PBS−T − PBS+1% TRITON−X(登録商標)界面活性剤
PEG − ポリエチレングリコール
PELL − ペレタン(pellethane)
PEPT − ポリエチレンテレフタレート
PET − 陽子射出断層撮影法
PFU − プラーク形成単位
PGA − ポリグリコール酸
PHEMA − 2−ヒドロキシエチルメタクリレート
PLA − ポリラクテート
PMMA − ポリメチルメタクリレート
PPACK − D−フェニルアラニル−L−プロリル−L−アルギニンクロロメチルケトン
TNF − 腫瘍壊死因子
scFv − 単鎖フラグメント可変抗体
SPECT − 単光子射出コンピューター断層撮影
SPR − 表面プラスモン共鳴
TG1 − E.coli細胞の一系統
TSAR − 完全合成的親和性試薬
VEGF − 脈管内皮増殖因子。
(アミノ酸略語および対応するmRNAコドン)
Figure 2005518442
Figure 2005518442
(発明の背景)
有機分子によって示される結合および機能の目立った特異性は、新規の手法でこれらの結合活性および機能的活性を使用するための努力を、動機付けてきた。分子ディスプレイ技術は、殆どのすべての標的分子に対する特異的結合剤の迅速な同定を促進することにより、これらの努力を促進してきた。特に、ペプチドおよびタンパク質(抗体を含む)のファージディスプレイは、天然結合部位および設計結合部位の発見へと導いてきた。
ファージディスプレイ系は、コードされる可変タンパク質配列が、ファージコート上に提示されるように、ファージコートタンパク質をコードする遺伝子にDNA縮重配列を融合することによって構築される、高度に多様なライブラリーを使用する。望ましい結合特異性を有する個々のファージは、固定化された標的分子または選択可能な標的分子に結合することにより、単離される。結合を付与するペプチドまたはタンパク質は、選択されたファージ内でのDNA配列決定により、同定される。
独特の結合特性および機能特性を有するペプチドおよびタンパク質は、治療剤として(Raumら(2001))、分子設計のテンプレートとして(薬物設計を含む(Ballingerら(1999);Bolinら(2000);Wolfeら(2000);Mourezら(2001);RudgerおよびPalzkill(2001)))、薬物送達のためのホーミング分子として(Arapら(1998);Nilssonら(2000);Ruoslahti(2000))、そして組織治癒または組織修復の場合に細胞接着を促進する組成物(例えば、米国特許出願第5,856,308号;同第5,635,482号;および同第5,292,362号)として、使用され得る。
ファージディスプレイは、高い特異性で無機表面へ結合するペプチドを選択するためにもまた、使用されてきた。半導体表面結合ペプチド(第二分子も結合する)は、電子構造物の組み立てについて示唆される。Whaleyら(2000)を参照のこと。
最近の興味は、生物学的分子が相互作用を媒介する認識能力および機能的能力を模倣する組成物(非生物学的物質を含む)において発展してきた。例えば、ペプチドは、プロテーゼデバイスをコートするために使用され得、それによって移植後の内皮細胞の接着を促進する。米国特許出願第6,280,760号;第6,140,127号;第4,960,423号;および第4,378,224号を参照のこと。
本発明の開示の前に、ペプチドコート表面およびペプチドコートデバイスの調製が、誘導体化された表面へのペプチドのカップリング、または表面に共有結合したリンカー分子へのペプチドのカップリングにより、非特異吸着によって達成された。これらの手順は、比較的退屈で時間がかかり、そしてペプチドと基材との効果的な会合のためには、一般に多くの工程を必要とする。しかし、非生物学的表面および非生物学的デバイス(生物学的コートを含む)の潜在的な利点は、明白である。
従って、当該分野には、非生物学的基材と生物学的基材との間の特異的相互作用を促進するための、効率的かつ広範に適応可能な方法を開発する、長期的に感じられている必要性が、存在する。さらに、分子および/または細胞の間の相互作用を指示するための方法を開発させる、継続中の必要性が、特に診療処置および治療処置に関連して、存在する。
この必要性を満たすため、本発明は、生物学的基材と非生物学的基材との間の選択的相互作用を媒介し得る界面バイオマテリアル、標的非生物学的基材および/または標的生物学的基材に特異的に結合し得る新規結合剤、ならびにこれらを作製し使用する方法を、提供する。
(発明の要旨)
本発明は、複数の結合剤を含む、界面バイオマテリアルを提供し、ここで、各々の結合剤は、非生物学的基材に特異的に結合する第一リガンドおよび生物学的基材に特異的に結合する第二リガンドを含み、そしてその複数の結合剤は、非生物学的基材と生物学的基材との間の界面を含む。
本発明は、複数の結合剤を含む、界面バイオマテリアルもまた、提供し、ここで各々の結合剤は、生物学的基材に特異的に結合する第一リガンドおよび第二リガンドを含み、そしてその複数の結合剤は、生物学的基材間の界面を含む。一実施形態において、第一リガンドおよび第二リガンドは、同じ生物学的基材を結合する。別の実施形態において、第一リガンドおよび第二リガンドは、異なった生物学的基材を結合する。
本発明は、複数の結合剤を含む、界面バイオマテリアルもまた、提供し、各々の結合剤は、標的非生物学的基材に特異的に結合するリガンド、および標的生物学的基材への結合を実質的に欠く非結合ドメインを含む。
界面バイオマテリアルは、複数の同一の結合剤または非同一結合剤を含み得る。界面バイオマテリアルが、複数の非同一結合剤を含む場合、一実施形態において、複数の非同一結合剤の各々は、非生物学的基材を特異的に結合する同一のリガンドを含む。
本発明は、結合剤が空間的に界面の範囲内に制限されている、パターン化された界面バイオマテリアルを、さらに提供する。
代表的な非生物学的基材としては、合成ポリマー、プラスチック、金属、金属酸化物、非金属酸化物、シリコーン、セラミック材料、薬物、または薬物キャリア含む非生物学的基材が挙げられるが、限定はされない。一実施形態において、合成ポリマーは、ポリグリコール酸を含む。別の実施形態において、合成ポリマーは、ナイロン縫合糸を含む。プラスチックは、一実施形態においてポリカーボネートを、別の実施形態においてポリスチレンを、およびまた別の実施形態においてポリウレタンを含む。一実施形態において、金属はチタンを含む。別の実施形態において、金属はステンレス鋼を含む。
代表的生物学的基材としては、組織、細胞、または高分子が挙げられるが、限定はされない。一実施形態において、標的生物学的基材は、コラーゲンを含む。別の実施形態において、生物学的基材は、Tie2レセプターを含む。
界面バイオマテリアルの調製のための方法もまた、提供される。従って、本発明の一実施形態において、この方法は、(a)非生物学的基材へ複数の薬剤を塗布する工程であって、複数の結合剤の各々は、非生物学的基材に特異的に結合する第一リガンドおよび標的生物学的基材に特異的に結合する第二リガンドを含み、かつこの塗布工程はカップリングを含まない、工程;(b)非生物学的基材を、標的生物学的基材を含むサンプルと接触させる工程であって、複数の結合剤は非生物学的基材に結合されている、工程;および(c)標的生物学的基材の複数の結合剤への結合に充分な時間を与える工程であって、界面バイオマテリアルが調製される、工程、を包含する。開示された発明に従って、接触させる工程は、インビトロ、エキソビボ、またはインビボで接触させる工程を包含し得る。
本発明の別の一実施形態において、界面バイオマテリアルは、生物学的アレイを含む。一実施形態において、界面バイオマテリアルを調製するための方法は、(a)複数の位置を有する非生物学的基材を提供する工程;(b)複数の位置の各々に、非生物学的基材に特異的に結合する第一リガンドおよび標的生物学的基材に特異的に結合する第二リガンドを含む結合剤を塗布する工程であって、この塗布工程はカップリングを含まない、工程;および(c)非生物学的基材を、標的生物学的基材を含むサンプルと接触させる工程であって、複数の結合剤が非生物学的基材に結合されている、工程;および(d)標的生物学的基材の複数の結合剤への結合に充分な時間を与える工程であって、ここで生物学的アレイが調製される、工程、を包含する。一実施形態において、複数の結合剤を投与するための方法は、ディップペン印刷(dip−pen printing)を含む。
本発明のさらに別の実施形態において、界面バイオマテリアルの調製のための方法は、(a)非生物学的基材へ複数の薬剤を塗布する工程であって、複数の結合薬物が各々、非生物学的基材に特異的に結合するリガンド、および標的生物学的基材への結合を実質的に示さない非生物学的ドメインを含み、かつこの塗布工程はカップリングを含まない、工程;および(b)非生物学的基材を、標的生物学的基材を含むサンプルと接触させる工程であって、複数の結合剤が非生物学的基材に結合されており、ここで界面バイオマテリアルが調製される、工程、を包含する。
本発明は、結合剤を調製するための方法をさらに提供する。本発明の1つの実施形態において、この方法は、(a)標的非生物学的基材上で種々の分子のライブラリーをパニングする工程であって、これにより、標的非生物学的基材に特異的に結合する第1のリガンドが、同定される、工程;ならびに(b)この第1のリガンドと第2のリガンドとを連結する工程であって、この第2のリガンドは、標的生物学的基材に特異的に結合し、これにより、結合剤が調製される、工程、を包含する。この方法は、リガンドを標的生物学的基材上でパニングする工程をさらに包含し得、これにより、標的生物学的基材に特異的に結合するリガンドが、同定される。
本発明の別の実施形態において、結合剤を調製するための方法は、(a)標的非生物学的基材に対して種々の分子のライブラリーをパニングし、それによって、標的非生物学的基材に特異的に結合するリガンドが同定される工程;および(b)リガンドを非結合ドメインに結合する工程であって、ここで、非結合ドメインは、標的生物学的基材への結合を実質的に示さず、それによって結合剤が調製される、工程、を包含する。この方法は、標的生物学的基材に対してリガンドをパニングし、それによって標的生物学的基材に対する結合を実質的に示さない非結合ドメインが同定される工程をさらに包含し得る。
また、上記方法により生成される結合剤も提供される。本発明の1つの実施形態において、結合剤は、第1のリガンドと第2のリガンドとを連結するリンカー、または第1のリガンドと非結合ドメインとを連結するリンカーを、さらに含む。
本発明の1つの実施形態において、第1のリガンドは、非生物学的基材に特異的に結合するペプチドまたは単鎖抗体を含む。代表的なプラスチック結合リガンドは、配列番号1〜23および66〜71に示される。代表的な金属結合リガンドは、配列番号24〜36および51〜65に示される。1つの実施形態において、第2のリガンドまたは非結合領域は、ペプチドまたは単鎖抗体を含む。
従って、本発明はまた、ポリスチレン結合リガンド、ポリウレタン結合リガンド、ポリカーボネート結合リガンド、ポリグリコール酸結合リガンド、チタン結合リガンド、ステンレス鋼結合リガンドを含む、合成ペプチドを提供する。1つの実施形態において、この合成リガンドは、約20個未満のアミノ酸残基を含む。代表的なポリスチレン結合リガンドは、配列番号1〜22に示される。代表的なポリウレタン結合リガンドは、配列番号23に示される。代表的なポリカーボネート結合リガンドは、配列番号66〜71に示される。代表的なチタン結合ペプチドリガンドは、配列番号24〜36に示される。代表的なステンレス鋼結合リガンドは、配列番号51〜65に示される。
本発明は、界面バイオマテリアルを使用するための代表的な方法をさらに提供する。これらの方法としては、細胞培養のための方法、被験体においてデバイスを移植するための方法、生物学的基材の活性を調節するための方法、非ファウリング(fouling)コーティングを調製するための方法、薬物送達のための方法、および生物学的基材との相互作用について試験物質をスクリーニングするための方法が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明に従う細胞培養のための方法は、(a)複数の結合剤を非生物学的基材に塗布する工程であって、ここでこの複数の結合剤の各々は、非生物学的基材に特異的に結合する第1のリガンドおよび細胞、高分子、またはその組み合わせに特異的に結合する第2のリガンドを含み、ここで、上記塗布する工程は、カップリングを含まない、工程;(b)この非生物学的基材を細胞と接触する工程であって、ここで複数の結合剤は、この非生物学的基材に結合される、工程;(c)この複数の結合剤に細胞を結合するために十分な時間放置する工程;および(d)細胞を培養する工程、を包含し得る。
本発明はまた、被験体にデバイスを移植する方法を提供する。本発明の1つの実施形態において、この方法は、(a)複数の結合剤を移植片に塗布する工程であって、ここでこの複数の結合剤の各々は、移植片に特異的に結合する第1のリガンドおよび移植部位で細胞に特異的に結合する第2のリガンドを含み、ここで塗布する工程は、カップリングを含まない、工程;および(b)この移植部位で被験体中に移植片を配置する工程、を包含する。被験体に移植された場合、そのように調製されたデバイスは、そのデバイスへの細胞ファウリングを促進し得る。
本発明はまた、潤滑性界面を生成する方法も提供し、この方法は、複数の結合剤を第1の基材に塗布する工程を包含し、ここで、この塗布する工程は、カップリングを含まず、ここでこの複数の結合剤の各々は、(a)第1の基材に特異的に結合するリガンド;および(b)第2の基材に対する結合を実質的に示さない非結合性ドメイン、を含む。この第1の基材は、非生物学的基材または生物学的基材を含み得る。
従って、本発明の別の実施形態において、被験体にデバイスを移植する方法は、(a)複数の結合剤を移植片に塗布する工程であって、ここでこの複数の結合剤の各々は、移植片に特異的に結合するリガンド、および移植部位への結合を実質的に示さない非結合ドメインを含み、ここで塗布する工程は、カップリングを含まない、工程;および(b)この移植部位で被験体中に移植片を配置する工程、を包含し得る。被験体に移植された場合、そのように調製されたデバイスは、移植部位にて潤滑活性を提供し得る。
境界潤滑剤を含む界面バイオマテリアルを調製するための方法はまた、(a)複数の結合剤を対象に施す工程であって、ここで、この複数の結合剤の各々は、第1の生物学的基材に特異的に結合するリガンドと、第2の生物学的基材への結合を実質的に示さない非結合ドメインとを含む、工程;ならびに(b)、第1の生物学的基材へのこの複数の結合剤の結合のために十分な時間を放置することによって、界面バイオマテリアルが生成される、工程、を包含し得る。
また、生物学的基材の活性を調節するための方法が提供され、この方法は、(a)生分解性非生物学的基材を複数の結合剤でコーティングする工程であって、ここでこの複数の結合剤の各々は、生分解性の非生物学的基材に特異的に結合する第1のリガンド、およびこの生物学的基材に特異的に結合する第2のリガンドを含み、ここでこのコーティングする工程は、カップリングを含まない、工程;(b)標的部位にコーティングされたこの生分解性で非生物学的な基材を配置する工程であって、ここでこの生物学的基材は、標的部位に存在する、工程;および(c)標的部位でこの生物学的基材がこの結合剤に結合するのに十分な時間放置する工程であって、ここでこの結合は、この生物学的基材の活性を調節する、工程、を包含する。1つの実施形態において、生物学的基材は、脈管内皮細胞である。別の実施形態において、生物学的基材は、腫瘍脈管内皮細胞である。なお別の実施形態において、生物学的基材は、Tie2レセプターである。1つの実施形態において、標的部位は、創傷部位であり、この調節工程は、創傷治癒を促進する。別の実施形態において、標的部位は脈管形成部位であり、この調節工程は、新脈管形成(腫瘍新脈管形成を含むが、これに限定されない)を阻害する。
本発明はさらに、非ファウリング(fouling)コーティングを伴う非生物学的基材を調製するための方法を提供する。このコーティングは、複数の結合剤を含み、この複数の結合剤の各々は、(a)非生物学的基材に特異的に結合するリガンド、および(b)ファウリング(fouling)因子への結合を実質的に示さない非結合ドメイン、を含む。
本発明はまた、界面バイオマテリアルを含む薬物送達のための方法を提供する。この方法は、(a)非生物学的薬物またはその薬物の非生物学的キャリアに、複数の結合剤を塗布する工程であって、この複数の結合剤の各々は、その薬物または薬物キャリアに特異的に結合する第1のリガンドと、標的細胞に特異的に結合する第2のリガンドとを含む、工程;(b)この薬物を被験体に投与する工程;ならびに(c)その標的細胞への複数の結合剤の結合のための十分な時間を放置する工程、を包含する。
また、生物学的基材との相互作用について試験物質をスクリーニングする方法が提供される。1つの実施形態において、この方法は、(a)複数の生物学的基材を含む生物学的アレイを調製する工程であって、ここで、この複数の生物学的基材の各々は、非生物学的基材上の複数の位置の1つに特異的に結合される、工程;(b)この生物学的アレイを候補物質と接触させる工程;(c)この生物学的アレイにこの候補基材が結合するのに十分な時間放置する工程;および(d)1つ以上のこの生物学的基材とこの候補基材との間の相互作用をアッセイする工程であって、これにより相互作用分子が同定される、工程を包含する。
従って、基材間の直接結合相互作用および非結合相互作用を媒介し得る界面バイオマテリアルを提供することが、本発明の目的である。この目的は、本発明によって、全体的にかまたは部分的に達成される。
本発明の目的が上記に述べられているが、本発明の他の目的および利点が、本発明の以下の説明および非限定的実施例の研究の後に、当業者に明らかになる。
(発明の詳細な説明)
(1.定義)
以下の用語は、当業者により十分に理解されると考えられるが、以下の定義は、本発明の説明を容易にするために示される。
用語「リガンド」は、本明細書中で使用される場合、基材への結合についての能力を有する分子または他の化学的実体を指す。リガンドは、ペプチド、オリゴマー、核酸(例えば、アプタマー)、低分子(例えば、化合物)、抗体もしくはそのフラグメント、核酸−タンパク質融合物、ポリマー、多糖類、および/または他の任意の親和性因子を包含し得る。
用語「非結合ドメイン」は、本明細書中で使用される場合、標的物質への結合を実質的に示さない、分子、高分子、または他の化学的実体を指す。非結合ドメインは、標的物質への結合を実質的に示さない、ペプチド、オリゴマー、核酸(例えば、アプタマー)、低分子(例えば、化合物)、抗体もしくはそのフラグメント、核酸−タンパク質融合物、ポリマー、多糖類、および/または他の任意の親和性因子を包含し得る。
用語「基材」とは、本明細書中で使用される場合、界面バイオマテリアルを調製するために使用される生物学的組成物または非生物学的組成物を指す。従って、用語「基材」は、本発明のリガンドへの結合についての能力を有する組成物、ならびに本発明の非結合ドメインに対する結合を実質的に示さない組成物を包含する。
用語「標的」は、代表的には、異なる結合特異性を有する複数の基材のうちの1つとしてある基材の説明を条件付けるために使用される。従って、用語「標的」は、一般的には、本発明のリガンドにより特異的に結合された基材、または本発明の非結合ドメインへの結合を実質的に示さない基材を指す。
用語「結合」は、2つの分子間(例えば、ペプチドと基材との間)の親和性を指す。本明細書中で使用される場合、「結合(する)」とは、分子混合物中の基材に対するペプチドの優先的結合を指す。基材へのペプチドの結合は、その結合親和性が約1×10−1〜約1×10−1以上である場合に、特異的であるとみなされ得る。
句「特異的(または選択的)に結合する」とは、リガンドの結合能力を言及する場合、他の基材の不均質集団における基材の存在を確定する結合反応を指す。特異的結合は、非特異的吸着、化学反応を介する共有結合、および連結部分を介するカップリングを除外する。
用語「結合のために十分な時間」とは、一般的には、リガンドと基材との特異的結合のために十分な時間的期間を指す。
句「結合を実質的に欠く」または「結合を実質的に示さない」とは、基材へのリガンドまたは非結合ドメインの結合を記載するために本明細書中で使用される場合、非特異的結合またはバックグラウンド結合を包含する結合レベルを指すが、特異的結合を包含しない。
用語「被験体」とは、本明細書中で使用される場合、任意の非脊椎動物種または脊椎動物種を指す。本発明の方法は、温血脊椎動物の処置および診断において特に有用である。従って、本発明は、哺乳動物および鳥類に関する。より詳細には、哺乳動物(例えば、ヒト)、絶滅しつつあるのに起因して重要な哺乳動物(例えば、シベリアトラ(Siberian tiger)、ヒトにとって経済的に重要な哺乳動物((ペットとしてかもしくは動物園において飼育される動物)ヒトによる消費のための飼育場で飼育される動物)、ヒトにとって社会的に重要な哺乳動物(例えば、ヒト以外の肉食動物(例えば、ネコおよびイヌ)、ブタ(イノシシ・ブタ類、食用ブタ、およびイノシシ)、反芻動物(例えば、ウシ類、雄ウシ、ヒツジ、キリン、シカ、ヤギ、バイソン、およびラクダ)およびウマ)の、処置および診断が、企図される。絶滅の危機にある種類の鳥類、動物園に飼育される種類の鳥類、ならびに家禽(より詳細にはニワトリ)、例えば、家禽(例えば、シチメンチョウ、ニワトリ、アヒル、ガン、ホロホロチョウなど)の処置を包含する、鳥類の処置もまた、企図される。なぜなら、これらもまた、ヒトにとって経済的に重要であるからである。従って、家畜(家畜用イノシシ・ブタ(イノシシ・ブタ類およびイノシシ)、反芻動物、ウマ、家禽などを含むが、これらに限定されない)の処置が、企図される。
用語「約」は、本明細書中で使用される場合、測定可能な値(例えば、アミノ酸の数など)に言及する場合、特定された量から、1つの実施形態においては±20%または±10%の変動を、別の実施形態においては±5%の変動を、別の実施形態においては±1%、そしてなお別の実施形態においては±0.1%の変動を、そのような変動が開示される方法を実施するために適切である場合には、包含することになっている。
(II.界面バイオマテリアル)
本発明は、複数の結合剤を含む界面バイオマテリアルを提供する。本発明の一実施形態において、各結合剤は、非生物学的基材および生物学的基材に特異的に結合し、それにより、非生物学的基材と生物学的基材との間に界面を生成する。以下に本明細書中にさらに記載されるように、これらを結合剤およびこの結合剤を作製する方法もまた提供される。
用語「界面バイオマテリアル」は、広義に、複数の結合剤を含む組成物であって、これらの複数の結合剤が、2つ以上の基材の間に機能的界面を生成する、組成物をいうために本明細書中で使用される。結合剤の各々は、2種以上の所望の結合特異性、または結合特異性の所望の組み合わせを含み、これらとしては、以下が挙げられる:(a)少なくとも1種の非生物学的基材の特異的結合;および(b)少なくとも1種の標的生物学的基材の特異的結合または標的生物学的基材に実質的に結合しないこと。
いくつかの以前の研究は、2つ以上の結合特異性を有するリガンドを記載している。例えば、Kayらへの米国特許第5,948,635号は、二価の融合ペプチドを含む、全体的に合成の親和性試薬(TSAR)を開示する。その中に定義されるとおり、二価ペプチドは、2つの機能的領域(結合ドメイン、および発現されたTSARの発現および/または検出を増強するために有用であるエフェクタードメイン)を含む。Kayらへの米国特許第5,948,635号に記載される二価ペプチドと対照的に、本発明の界面バイオマテリアルは、2つ以上の結合ドメインを含み、そして界面バイオマテリアルの発現および/または検出を増強するためのエレメントを必要としない。さらに、Kayらへの米国特許第5,948,635号は、複数の結合剤を含む界面バイオマテリアルであって、これらの複数の結合剤が、2つ以上の基材間に機能的界面を生成する、界面バイオマテリアルの生成を開示しない。
用語「機能的界面」とは、その界面の機能性が、複数の結合剤を必要とする、界面をいう。より詳細には、機能的界面は、単一の結合剤と基材との間の結合反応により生成されるのではない。例えば、固体支持体(例えば、精製カラム)と目的の分子との間の結合相互作用は、相互作用の機能性(精製)が単一の試薬および目的の単一の分子を含み得るという点において機能的界面を構成しない。
代表的な機能的界面としては、複数の結合剤が、結合界面、非結合界面、またはその組み合わせを構成する、コーティングが挙げられる。用語「結合界面」とは、第1の基材(例えば、非生物学的基材)に特異的に結合する第1のリガンド、および第2の基材(例えば、生物学的基材)に特異的に結合する第2のリガンドを含む結合剤を使用して生成される界面をいう。従って、結合界面は、2つ以上の基材の各々について親和性を与えることにより、2つ以上の基材間の相互作用を媒介する。一実施形態において、2つ以上の基材は、全て同じものである。別の実施形態において、2つ以上の基材は、全てが同じというわけではない。
用語「非結合界面」とは、第1の基材(例えば、非生物学的基材)に特異的に結合する第1のリガンド、および第2の基材(例えば、標的生物学的基材)への結合を実質的に示さない第2のリガンドを含む結合剤を使用して生成される界面をいう。従って、非結合界面は、標的非生物学的基材への結合を実質的に示さない第1のリガンド、および生物学的基材に特異的に結合する第2のリガンドを含む結合剤を使用して生成され得る。従って、非結合界面は、2つ以上の基材間の相互作用の欠如を確実にする。
機能的界面はまた、生物学的アレイを構成し得、このアレイにおいて、複数の結合剤の各々は、所定位置で基材に接着され、そして複数の結合剤の各々の合計が、パターンを構成する。本発明によるパターン化された界面バイオマテリアルの一実施形態において、本発明の結合剤は、本明細書中以下にさらに記載されるように、空間的に制限された様式で非生物学的界面に塗布される。
本発明の界面バイオマテリアルは、複数の結合剤の各々が同一である、均質な界面バイオマテリアルを含み得る。あるいは、界面バイオマテリアルは、複数の非同一な結合剤を使用して界面バイオマテリアルを構築することにより、不均質であり得る。一実施形態において、複数の非同一な結合剤の各々は、以下を含む:(a)第1の基材(好ましくは、非生物学的基材)に特異的に結合する同一のリガンド;および(b)可変ドメイン。この可変ドメインは、基材についての種々のリガンドまたは非結合ドメインのいずれかの中から選択され得(一実施形態において、生物学的基材)、その結果、複数の基材(一実施形態において、生物学的基材)は、結合し得、そして/または結合し得ない。
例えば、不均質界面バイオマテリアルは、複数の非同一の結合剤を含み得、ここで複数の非結合剤の各々は、以下を含む:(a)ポリスチレンに特異的に結合する第1のリガンド;および(b)種々の細胞型のうちの1つに特異的に結合する第2のリガンド。この複数の結合剤は、ポリスチレン基材に接着され得る。混合された細胞集団を含むサンプル(ここで、この混合された細胞集団中の異なる型の細胞の各々が、複数の第2のリガンドのうちの1つに特異的に結合する)は、ポリスチレン基材に対して提供され得る。この混合細胞集団が、複数の結合剤に結合するために十分な時間の後、不均質な界面バイオマテリアルは、ポリスチレン基材と混合細胞集団との間に形成される。
本発明の一実施形態において、不均質な界面バイオマテリアルの調製は、以下を包含し得る:(a)非生物学的基材の無作為な位置に、複数の非同一の結合剤の各々を接着する工程;または(b)非生物学的基材上の既知の位置に、複数の非同一の結合剤の各々を接着する工程。従って、不均質な界面バイオマテリアルは、無作為に不均質な界面バイオマテリアルまたはパターン化された不均質な界面バイオマテリアルを含み得る。
パターン化された界面バイオマテリアルは、一実施形態において、複数の結合剤の各々を、非生物学的基材上の個別の位置に、結合剤を分配するのに適切な任意の技術を使用して送達することにより調製され得る。この技術としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:吹き付け、塗装、インクジェット、ディップペン式ライティング(実施例15)、マイクロコンタクトプリンティング(米国特許第6,180,239号および同第6,048,623号)、スタンピング(米国特許第5,512,131号および同第5,776,748号)、またはリソグラフィー(Bhatiaら、1993)、PCT国際公開番号WO00/56375。
本発明はさらに、界面バイオマテリアルを調製するための方法を提供する。本発明の一実施形態において、結合界面バイオマテリアルを調製するための方法は、以下を包含する:(a)非生物学的基材に複数の結合剤を塗布する工程であって、ここでこの複数の結合剤の各々は、非生物学的基材に特異的に結合する第1のリガンド、および標的生物学的基材に特異的に結合する第2のリガンドを含み、そしてここでこの塗布する工程が、カップリングすることを含まない、工程;(b)非生物学的基材(ここで、複数の結合剤が、この非生物学的基材に結合している)を、標的生物学的基材を含むサンプルと接触させる工程;および標的生物学的基材の複数の結合剤への結合に十分な時間の間放置し、それにより界面バイオマテリアルが調製される、工程。
あるいは、非生物学的基材および生物学的基材の各々への複数の結合剤の結合は、特定の塗布に依存して、同時にかまたは逆の順序で行われ得る。従って、結合界面バイオマテリアルを調製するための方法はまた、以下を包含し得る:(a)複数の結合剤(ここで、この結合剤の各々は、非生物学的基材に特異的に結合する第1のリガンド、および標的生物学的基材に特異的に結合する第2のリガンドを含む)を接触させる工程であって、そしてここでこの塗布する工程が、カップリングすることを含まない、工程;(b)非生物学的基材に、複数の結合剤を塗布する工程;ならびに(c)非生物学的基材の複数の結合剤への結合に十分な時間の間放置し、それにより界面バイオマテリアルが調製される、工程。
本発明の別の実施形態において、非結合界面バイオマテリアルを調製するための方法は、以下を包含する:(a)非生物学的基材に、複数の結合剤を塗布する工程であって、ここでこの複数の結合剤の各々は、非生物学的基材に特異的に結合するリガンド、および標的生物学的基材への結合を実質的に示さない非結合ドメインを含み、そしてここでこの塗布する工程が、カップリングすることを含まず、そして共有結合を含まない、工程;ならびに(b)非生物学的基材(ここで、複数の結合剤は、この非生物学的基材に結合している)を、標的生物学的基材を含むサンプルと接触させて、それにより、界面バイオマテリアルが調製される、工程。
(II.A.非生物学的基材)
用語「非生物学的基材」は、生物系の性質でも構成要素でもない基材を記載するために、本明細書中で使用される。代表的な非生物学的基材としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:一般的なプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート)、シリコーン、合成ポリマー、金属(混合金属合金を含む)、金属酸化物(例えば、ガラス)、非金属酸化物、セラミック、薬物、薬物キャリア、およびこれらの組み合わせ。
非生物学的基材は、その意図された用途に適切な任意の形態を含み得、これらとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:平坦な表面(例えば、培養プレート)、平坦でない表面(例えば、皿、移植物、または管)、または溶液中の基材。一実施形態において、非生物学的基材は、少なくとも約20nmの最小寸法を含む。例えば、非生物学的基材は、約50nm、約100nm、約200nm、約500nm、約1μm、約50μm、約100μm、約200μm、約500μm、または約1mmの最小寸法を含み得る。
代表的な合成ポリマーとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ポリテトラフルオロエチレン、発泡ポリテトラフルオロエチレン、GORE−TEX(登録商標)(Gore & Associatess,Inc.,Newark,Delaware)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ペレタン(pellethane)(市販のポリウレタン、PELL)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA)、ポリエチレンテレフタレート(PEPT)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリヒドロキシ酸、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミノ酸、およびこれらの組み合わせ。一実施形態において、合成ポリマーは、発泡ポリマーまたは多孔性ポリマーを含む。別の実施形態において、合成ポリマーは、ナイロン構造を含む。
本発明の方法に従って使用され得る代表的な金属としては、チタン、ステンレス鋼、金、銀、ロジウム、亜鉛、白金、ルビジウム、および銅が挙げられるが、これらに限定されない。適切なセラミック材料としては、酸化シリコーン、酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、ヒドロキシアパタイト、ガラス、石英、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、酸化インジウムすず(ITO)、ポリシラノール、酸化リン、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
他の非生物学的基材としては、炭素ベースの材料(例えば、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボン「バッキーボール」、およびメタロ−炭素複合材)が挙げられる。
薬物送達のための界面バイオマテリアルの調製は、薬物または薬物キャリアを含む非生物学的基材を使用し得る。用語「薬物」とは、本明細書中で使用される場合、生物学的活性または検出可能な活性を有する任意の物質をいう。従って、用語「薬物」は、薬学的薬剤、検出可能な標識、またはこれらの組み合わせを含む。用語「薬物」はまた、標的細胞に望ましく送達される任意の物質を含む。
非生物学的基材を記載するために本明細書中で使用される場合の用語「薬物キャリア」とは、薬物調製および/または薬物投与を容易にする組成物をいう。任意の適切な薬物送達ビヒクルまたはキャリアが使用され得、これらとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:遺伝子治療ベクター(例えば、ウイルスベクターまたはプラスミド)、ミクロカプセル(例えば、ミクロスフェアまたはナノスフェア、Manomeら、1994;SaltzmanおよびFung,1997)、脂肪乳濁液(米国特許第5,651,991号)、ナノ懸濁液(米国特許第5,858,410号)、ポリマーミセルまたは結合体(Goldmanら、1997;米国特許第4,551,482号、同第5,714,166号、同第5,510,103号、同第5,490,840号および同第5,855,900号)、リポソーム(米国特許第6,214,375号;同第6,200,598号;同第6,197,333号);およびポリソーム(米国特許第5,922,545号)。
用語「検出可能な標識」とは、検出され得る任意の基材をいい、これらとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:非侵襲性の方法(例えば、シンチグラフィ法、磁気共鳴画像化、超音波、分光法、酵素、電気化学、および/または蛍光)を使用して検出され得る因子。非侵襲性画像化に有用な代表的な基材は、本明細書中以下に記載される。
非生物学的基材は、生体適合性、分解性、表面積対体積比、および機械的完全性を含むがこれらに限定されない多数の要因に基づいて、所望の塗布について選択される。臨床塗布には、非生物学的基材は、生体適合性の非生物学的基材(例えば、チタン、合成ポリマー(例えば、シリコーン)、および任意のその他の生体適合性非生物学的基材)を含み得る。非生物学的基材はまた、本明細書中に開示されるような複数の結合剤の塗布により生体適合性にされ得る。適切な非生物学的基材の選択は、当業者の技術範囲内である。
(II.B.生物学的基材)
用語「生物学的基材」とは、本明細書中で使用される場合、生物系に関与する性質または構成要素をいう。とりわけ、「生物学的基材」は、器官、組織、細胞またはその構成要素を含み得る。従って、生物学的基材は、高分子(タンパク質(例えば、抗体、コラーゲン、レセプター)が挙げられるがこれらに限定されない)、ペプチド、核酸(例えば、アプタマー)、オリゴマー、低分子(例えば、化学化合物)、核酸−タンパク質融合物、および/または任意の他の生物学的親和性因子を含み得る。用語「生物学的基材」はまた、生物系から単離された基材、および組み換え的または合成的に産生された基材を含む。
(III.結合剤)
用語「結合剤」とは、2つの基材の間の結合的相互作用または非結合的相互作用を媒介する構成物をいう。1つの実施形態では、結合剤は、生物学的基材と非生物学的基材との間での相互作用を媒介する。従って、本発明の1つの実施形態では、結合剤は、以下を含む:(a)非生物学的基材に特異的に結合するリガンド;および(b)生物学的基材に特異的に結合するリガンド。本発明の別の実施形態では、結合剤は、以下を含む:(a)非生物学的基材を特異的に結合するリガンド;および(b)標的生物学的基材への結合を実質的に示さない非結合ドメイン。
非生物学的基材を特異的に結合するリガンドは、共有結合も連結部分を介する結合もない状態で、特異的結合を示す。例えば、このリガンドとこの非生物学的基材との間での結合は、例えば、結合剤の第1リガンドと第2リガンドとの連結に関連すると本明細書中で以下に記載されるいずれの形態の連結も含まない。
生物学的基材を特異的に結合するリガンドは、特異的結合の結果として、さらなる生体活性を有し得る。例えば、リガンドは、キナーゼ活性、ホスファターゼ活性、DNA修復活性、癌遺伝子活性、腫瘍サプレッサー活性、新脈管形成刺激活性、新脈管形成阻害活性、マイトジェン活性、シグナル伝達活性、輸送活性、酵素活性、汚れ止め活性、抗細菌活性、抗ウイルス活性、抗原活性、免疫原性活性、アポトーシス誘発活性、抗アポトーシス誘発活性、細胞傷害性活性、潤滑活性、およびそれらの組み合わせをさらに示し得る。
結合剤は、第1リガンドと第2リガンドとを、またはリガンドと非結合ドメインとを連結して、単一の分子または複合体を形成するすることによって構築され得る。連結は、実施例12および実施例13に記載のように、合成の間に2以上のペプチドリガンドを融合することを含み得る。必要に応じて、2つのドメインの間のペプチドリンカー領域もまた、合成の間に組み込まれ得る。あるいは、第1リガンドおよび第2リガンド、またはリガンドおよび非結合ドメインは、本明細書中以下にさらに記載されるように、共有結合または化学的カップリングにより、リンカーを介して組み合わされ得る。
(III.A.ペプチド)
本発明の1つの実施形態では、リガンドは、非生物学的基材および/または生物学的基材に特異的に結合するペプチドリガンドを含む。同様に、1つの実施形態では、非結合ドメインは、標的生物学的基材への結合を実質的に示さないペプチドを含む。
用語「ペプチド」とは、天然に存在するアミノ酸、合成アミノ酸、遺伝的にコードされるアミノ酸、遺伝的にコードされないアミノ酸、およびそれらの組み合わせを包含する、アミノ酸鎖を広範にいう。ペプチドは、L型およびD型の両方のアミノ酸を包含し得る。本発明のペプチドは、種々の変更、置換、挿入、および欠失に供され得、ここで、このような変更は、その用途において特定の利点を提供する。従って、用語「ペプチド」は、アミド、タンパク質との結合体、サイクロン(cyclone)ペプチド、重合ペプチド、保存的置換改変体、アナログ、フラグメント、化学的に改変されたペプチド、およびペプチド模倣物を包含する種々の形態のペプチド誘導体のうちのいずれをも包含する。
本発明の1つの実施形態では、このペプチドは、少なくとも約3残基、別の実施形態では約3〜約50残基、そしてなお別の実施形態では約3〜約25残基を含むアミノ酸配列を包含する。特異的結合特性を示す任意のペプチドリガンドは、本発明の実施において用いられ得る。1つの実施形態では、約25未満のアミノ酸残基を含むペプチドフラグメントが用いられる。別の実施形態では、約20未満のアミノ酸のペプチドフラグメントが用いられる。
遺伝的にコードされない代表的なアミノ酸としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:2−アミノアジピン酸;3−アミノアジピン酸;β−アミノプロピオン酸;2−アミノ酪酸;4−アミノ酪酸(ピペリジン酸);6−アミノカプロン酸;2−アミノヘプタン酸;2−アミノイソ酪酸;3−アミノイソ酪酸;2−アミノピメリン酸;2,4−ジアミノ酪酸;デスモシン;2,2’−ジアミノピメリン酸;2,3−ジアミノプロピオン酸;N−エチルグリシン;N−エチルアスパラギン;ヒドロキシリジン;アロ−ヒドロキシリジン;3−ヒドロキシプロリン;4−ヒドロキシプロリン;イソデスモシン;アロ−イソロイシン;N−メチルグリシン(サルコシン);N−メチルイソロイシン;N−メチルバリン;ノルバリン;ノルロイシン;およびオルニチン。
代表的な誘導体化アミノ酸としては、例えば、遊離アミノ基が誘導体化されてアミン塩酸塩、p−トルエンスルホニル基、カルボベンゾキシ基、t−ブチルオキシカルボニル基、クロロアセチル基またはホルミル基を形成している分子が挙げられる。遊離のカルボキシル基は、誘導体化されて、塩、メチルおよびエチルエステルまたは他の型のエステルもしくはヒドラジドを形成し得る。遊離のヒドロキシル基は、誘導体化されて、O−アシル誘導体またはO−アルキル誘導体を形成し得る。ヒスチジンのイミダゾール窒素は、誘導体化されて、N−im−ベンジルヒスチジンを形成し得る。
用語「保存的に置換された改変体」とは、1以上の残基が機能的に類似の残基で保存的に置換されている、参照ペプチドの配列に実質的に同一なアミノ酸残基配列を有するペプチドをいう。1つの実施形態では、保存的に置換された改変体は、参照ペプチドと比較した場合、類似の結合特異性または非結合性を提示する。用語「保存的に置換された改変体」はまた、残基が、化学的に誘導体化された残基で置換されているが、ただし、得られるペプチドは、本明細書中に記載されたとおりの結合特異性または非結合性を有する、ペプチドを包含する。
保存的置換の例としては、以下が挙げられる:1つの非極性(疎水性)残基(例えば、イソロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオニン)での別の非極性残基の置換;1つの極性(親水性)残基での別の極性残基の(例えば、アルギニンとリジンとの間、グルタミンとアスパラギンとの間、グリシンとセリンとの間での)置換;1つの塩基性残基(例えば、リジン、アルギニンまたはヒスチジン)での別の残基での置換;または1つの酸性残基(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)での別の酸性残基での置換。
本発明のペプチドはまた、このペプチドの必要な結合特異性または非結合性が維持される限り、配列が本明細書中に開示されるペプチドの配列に対して、1以上の付加および/または欠失もしくは残基を有するペプチドを包含する。用語「フラグメント」とは、本明細書中に開示されるペプチドのアミノ酸残基配列よりも短いアミノ酸残基配列を有するペプチドをいう。
ペプチドは、末端NHアシル化(例えば、アセチル化、またはチオグリコール酸アミド化)または末端カルボキシルアミド化(例えば、アンモニアまたはメチルアミンを用いる)によって改変され得る。末端改変は、プロテイナーゼ消化による感受性を低減するため、それゆえ、溶液(特に、プロテアーゼが存在し得る生物学的流体)中でのペプチドの半減期を延期するために有用である。
ペプチド環化もまた、環化によって形成される安定な構造およびこのような環状ペプチドについて観察される生物学的活性の観点から、有用な改変である。代表的なペプチド環化方法は、SchneiderおよびEberle(1993)Peptides,1992:Proceedings of the Twenty−Second European Peptide Symposium.September 13−19,1992,Interlaken,Switzerland,Escom,Leiden,The Netherlandsによって記載される。代表的に、tertブトキシカルボニル保護ペプチドメチルエステルは、メタノール中に溶解され、水酸化ナトリウム溶液が添加され、そして混合物が20℃にて反応させられて、加水分解によってメチルエステル保護基が除去される。溶媒をエバポレートした後、このtertブトキシカルボニル保護ペプチドを、酸性化水性溶媒から酢酸エチルで抽出する。次いで、tertブトキシカルボニル保護基は、ジオキサン共溶媒中で、穏やかな酸性条件下で除去される。このようにして得られた、遊離のアミノ末端およびカルボキシル末端を有する、保護されていない直鎖状ペプチドは、その直鎖状ペプチドの希釈溶液を、ジクロロメタンおよびジメチルホルムアミド混合物中で、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびN−メチルモルホリンの存在下でジシクロヘキシルカルボジイミドと反応させることによって、その対応する環状ペプチドへと転換される。次いで、得られる環状ペプチドは、クロマトグラフィーによって精製される。
必要に応じて、本発明のリガンドまたは非結合ドメインは、本明細書中以下にさらに記載されるリンカー分子への連結を容易にするために1以上のハロゲン(例えば、フッ素、臭素、またはヨウ素)を含むように改変された1以上のアミノ酸を含み得る。
用語「ペプトイド」は、本明細書中で用いられる場合、ペプチド結合のうちの1以上が、以下を含むがこれらに限定されない偽ペプチド結合によって置換されているペプチドをいう:カルバ(carba)結合(CH−CH)、デプシ結合(CO−O)、ヒドロキシエチレン結合(CHOH−CH)、ケトメチレン結合(CO−CH)、メチレン−オキシ結合(CH−O)、還元結合(CH−NH)、チオメチレン結合(CH−S)、N−改変結合(−NRCO−)、およびチオペプチド結合(CS−NH)。例えば、Garbay−Jaureguiberryら,1992;Tungら,1992;Urgeら,1992;Corringerら,1993;Pavoneら,1993を参照のこと。
非生物学的基材に特異的に結合する代表的なペプチドは、配列番号1〜71として示される。実施例2〜8を参照のこと。
生物学的基材に特異的に結合するペプチドリガンドとしては、以下を包含するがこれらに限定されない、既知の結合特異性を有するペプチドが挙げられる:(a)表1(配列番号74〜98)に列挙した細胞結合ペプチド;(b)標的基材を特異的に結合することが公知の他のペプチド;または(c)本明細書中に以下に記載されるディスプレイ技術によって見出されるペプチド。
Figure 2005518442
本発明のペプチド(ペプトイドを包含する)は、ペプチド合成の分野の当業者に公知の任意の技術によって合成され得る。合成化学技術(例えば、固相Merrifield型合成)は、純度、抗原特異性、望ましくない側鎖保護がいらないこと、生成の容易さなどから用いられる。代表的な技術の要約は、とりわけ、StewartおよびYoung(1969)Solid Phase Peptide Synthesis.Freeman,San Francisco,California,United States of America;Merrifield(1969)Adv Enzymol Relat Areas Mol Biol 32:221−296;FieldsおよびNoble(1990)Int J Pept Protein Res 35:161−214;ならびにBodanszky(1993)Principles of Peptide Synthesis,第2改訂版.Springer−Verlag,Berlin,New Yorkに見出され得る。代表的な固相合成技術は、Anderssonら(2000)Biopolymers 55:227−250、その中に引用される参考文献、ならびに米国特許第6,015,561号;同第6,015,881号;同第6,031,071号;および同第4,244,946号に見出され得る。溶液中でのペプチド合成は、SchroederおよびLuebke(1965)The Peptides,Academic Press,New York,New York,United States of Americaに記載される。ペプチド合成に有用な適切な保護基は、上記の教科書およびMcOmie(1973)Protective Groups in Organic Chemistry,Plenum Press,London,New Yorkに記載される。本発明の1つの実施形態では、ペプチドは、実施例11〜13に記載される自動ペプチド合成機を用いて生成される。
ペプチドはまた、米国特許第6,184,344号に記載されるようなネイティブ化学連結によって合成され得る。手短には、この連結工程は、保護されていない2つのペプチドセグメントの化学選択的反応を用いて、一過性のチオエステル連結中間体を生成する。この中間体は、自発的に再配置されて、全長連結生成物を作製する。
ペプチド(遺伝的にコードされないアミノ酸を含むペプチドを含む)はまた、無細胞翻訳系(例えば、Shimizuら(2001)Nat Biotechnol 19:751−755によって記載される系)において生成され得る。さらに、特定のアミノ酸配列を有するペプチドは、商業的供給源(例えば、Biopeptide Co.,LLC,San Diego,California,United States of America、およびPeptidoGenics, Livermore,California,United States of America)から購入され得る。
ペプチドの内部の位置またはカルボキシル末端に1以上のチロシン残基を保有するペプチドは、例えば、ヨウ素化または放射性ヨウ素化によって便利に標識され得る。
用語「ペプチド模倣物」とは、本明細書中で用いられる場合、参照ペプチドの抗原性が実質的に重複するが、ペプチドでもペプトイドでもないことによって、参照ペプチドの生物学的活性を模倣するリガンドをいう。1つの実施形態では、ペプチド模倣物は、約700ダルトン未満の分子量を有する。ペプチド模倣物は、当業者に公知の方法を用いて設計または選択され得る。例えば、米国特許第5,811,392号;同第5,811,512号;同第5,578,629号;同第5,817,879号;同第5,817,757号;および同第5,811,515号を参照のこと。
本発明の任意のペプチドまたはペプチド模倣物は、薬学的に受容可能な塩の形態で用いられ得る。本発明のペプチドとともに用いられ得る適切な酸としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:無機酸(例えば、トリフルオロ酢酸(TFA)、塩酸(HCl)、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アントラニル酸、ケイ皮酸、ナフタレンスルホン酸、スルファニル酸など。1つの実施形態では、薬学的に受容可能な塩は、HClである。別の実施形態では、薬学的に受容可能な塩はTFAである。
本発明のペプチドと塩を形成し得る適切な塩基としては、無機塩基(たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムなど);ならびに有機塩基(例えば、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、およびトリアルキルアミン、ならびにモノアリールアミン、ジアリールアミン、およびトリアリールアミン(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルアミン、ジメチルアミンなど)、ならびに必要に応じて置換されたエタノールアミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミンなど))が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のペプチドリガンドは、1つ以上の架橋部分(例えば、光架橋可能な部分、イオン的に架橋可能な部分、または末端架橋可能な部分)をさらに含み得る。架橋部分は、二次元または三次元の界面バイオマテリアルを作製するために使用され得る。
(III.B.抗体)
本発明の別の実施形態において、リガンドまたは非結合ドメインは、単鎖抗体を含み得る。用語「単鎖抗体」とは、直接的にかまたはペプチドリンカーを介してかのいずれかで一緒に接合されて、連続的なポリペプチドを形成する、可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体をいう。従って、用語「単鎖抗体」は、免疫グロブリンタンパク質またはその機能的部分を包含し、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ハイブリッド抗体、変異誘発抗体、ヒト化抗体、および抗原結合部位を含む抗体フラグメント(例えば、Fab抗体フラグメントおよびFv抗体フラグメント)が挙げられるが、これらに限定されない。
抗体リガンドは、本明細書中以下に記載されるパニング方法によって、同定され得る。あるいは、所望の結合特異性または所望の非結合性質を有する、既知の単鎖抗体が使用され得る。例えば、Rockwellらに対する米国特許第5,874,542号は、血管内皮増殖因子(VEGF)レセプターに特異的に結合する単鎖抗体を開示する。VEGFは、マクロファージ中および増殖中の上皮ケラチノサイトで発現され、従って、創傷治癒を促進するために使用され得る(Brownら、1992)。癌細胞に特異的に結合する多数の単鎖抗体(例えば、米国特許第5,977,322号および同第5,837,243号)、ヒト免疫不全ウイルスに特異的に結合する多数の単鎖抗体(例えば、米国特許第5,840,300号)、および分泌されたシグナル伝達分子に特異的に結合する多数の単鎖抗体(例えば、腫瘍壊死因子(TNF);米国特許第5,952,087号)が、同定されている。これらの抗体リガンドは、例えば、本明細書中以下に記載される、薬物送達および検出方法のために有用である。
(III.C.他のリガンドおよび非結合ドメイン)
本発明の結合剤はまた、ペプチドまたは抗体リガンド以外の特異的結合を示すリガンドを包含し得る。同様に、標的基材に対して実質的に結合を示さない、任煮の適切な非結合ドメインが、結合剤を調製するために使用され得る。従って、本発明のリガンドまたは非結合ドメインはまた、タンパク質、合成ポリマー、天然ポリマー、多糖類、核酸(例えば、アプタマー)、低分子(例えば、化合物)、核酸−タンパク質融合物、および/または任意の他の親和性因子もしくは非結合剤を包含し得る。
例えば、非結合ドメインは、アニオン性ポリマーまたはアニオン性炭水化物を含み得る。これらの分子は、実質的に細胞結合を示さず、従って、線維症、瘢痕形成、および外科的接着の阻害のために有用である。例えば、米国特許第5,705,177号を参照のこと。代表的なアニオン性ポリマーとしては、天然プロテオグリカン、プロテオグリカンのグリコサミノグリカン部分、硫酸デキストラン、ペント酸ポリスルフェート、硫酸デキストラン、またはセルロース誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。アニオン性ポリマーは、市販の供給源(例えば、Sigma Chemical Company,St.Louis,Missouri,United States of America)から入手され得るか、天然の供給源から精製され得るか、または合成的に調製され得る。ポリマーの精製および合成のための方法は、とりわけ、Budavari(1996)The Merck Index:An Encyclopedia of Chemicals,Drugs,and Biologicals,第12版、Merck,Whitehouse Station,New Jersey,United Stattes of Americaに見出され得る。
非結合ドメインはまた、血小板に対する結合を実質的に示さない多糖類を含み得、これは、米国特許第4,378,224号に記載されるように、石灰化インヒビターとして使用され得る。適切な石灰化インヒビターとしては、天然タンパク質の多糖類(例えば、コンドロイチン硫酸およびヒアルロネート)、硫酸化多糖類、ジホスホネート、リンタンパク質、および他のポリアニオンが挙げられる。
リガンドまたは非結合ドメインはまた、低分子を含み得る。用語「低分子」とは、本明細書中において使用される場合、1つの実施形態においては約1,000ダルトン未満、別の実施形態においては約750ダルトン未満、別の実施形態においては約600ダルトン未満、そしてなお別の実施形態においては約500ダルトン未満の分子量を有する、化合物(例えば、有機化合物)をいう。1つの実施形態において、低分子は、約−4〜約+14の範囲の計算されたlogオクタノール−水分配係数を有し、そして別の実施形態においては、約−2〜約+7.5の範囲である。
(III.D.リンカー)
界面バイオマテリアルの調製のために有用な結合材は、必要に応じて、第一のリガンドと第二のリガンドとの間、またはリガンドと非結合領域との間に、リンカーをさらに含む。リンカーは、2つ以上のリガンドの組み合わせを容易にし得る。さらに、リンカーは、2つ以上のドメイン間の潜在的な立体障害を最小にするために、スペーサー機能を含み得る。
1つの実施形態において、リンカーは、リガンド結合強度、リガンド結合特異性、または非結合ドメインの実質的に結合しない性質を、廃止も変更もしない。1つの実施形態において、リンカーは、その連結活性および/またはスペーサー活性を除いて、実質的に、生物学的に不活性である。
適切なリンカーは、2炭素原子〜約50炭素原子の、1つ以上の直鎖または分枝鎖を含み、ここで、この鎖は、完全に飽和されているか、完全に不飽和であるか、またはこれらの組み合わせである。代表的に、リンカーは、リガンド結合のための2と約100との間の部位を含む。連結のために使用される方法は、選択されるリガンド、非結合ドメイン、およびリンカーの各々の、化学的性質に従って変動する。
リンカーの適切な反応性基としては、アミン、カルボン酸、アルコール、アルデヒド、およびチオールが挙げられるが、これらに限定されない。リンカーにおけるアミン基は、リガンドのカルボン酸基(例えば、ペプチドリガンドのカルボキシル末端)と共有結合を形成し得る。リンカーにおけるカルボン酸基またはアルデヒドは、ペプチドリガンドのアミノ末端または他のリガンドアミン基と、共有結合を形成し得る。リンカーにおけるアルコール基は、ペプチドリガンドのカルボキシル末端または他のリガンドカルボン酸基と共有結合を形成し得る。リンカーにおけるチオール基は、ペプチドリガンドのシステインまたはリガンドチオール基と、ジスルフィド結合を形成し得る。
連結反応のために使用され得るさらなる反応性基としては、ホスフェート、スルフェート、ヒドロキシド、−SeH、エステル、シラン、尿素、ウレタン、チオール−ウレタン、カーボネート、チオ−エーテル、チオ−エステル、スルフェート、エーテル、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の1つの実施形態において、リンカーは、ペプチドを含む。1つの実施形態において、ペプチドリンカーは、1〜約40のアミノ酸を含む。ペプチドリガンドに対するリガンド結合のための部位としては、アミノ酸側鎖官能基ならびにアミノ末端基およびカルボキシル末端基が挙げられる。複数の反応性部位を有する代表的なペプチドリンカーとしては、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリシステイン、ポリグルタミン酸およびポリアスパラギン酸が挙げられる。あるいは、実質的に不活性なペプチドリンカーとしては、ポリグリシン、ポリセリン、ポリプロリン、ポリアラニン、および他のオリゴペプチド(アラニルアミノ酸残基、セリニルアミノ酸残基、プロリニルアミノ酸残基、またはグリシニルアミノ酸残基を含む)が挙げられる。
ペプチドリンカーは、ペナント(pennant)またはカスケーディング(cascading)であり得る。用語「ペナントポリペプチド」とは、直鎖ペプチドをいう。代表的に天然に見出されるポリペプチドと同様に、ペナントポリペプチドのアミド結合は、1つのアミノ酸残基の末端アミンと、隣のアミノ酸残基の末端カルボン酸との間で形成される。用語「カスケーディングポリペプチド」とは、分枝ペプチドをいい、ここで、アミド結合のうちの少なくともいくつかは、アミノ酸残基の側鎖官能基と、隣のアミノ酸残基のアミノ末端基またはカルボキシル末端基との間で形成される。
本発明の別の実施形態において、リンカーは、ポリマーを含み得、このポリマーとしては、合成ポリマーまたは天然ポリマーが挙げられる。代表的な合成ポリマーとしては、ポリエーテル(例えば、ポリエチレングリコール;PEG)、ポリエステル(例えば、ポリ乳酸(PLA)およびポリグリコール酸(PGA)、ポリアミド(例えば、ナイロン)、ポリアミン(例えば、ポリメチルメタクリレート;PMMA)、ポリアクリル酸、ポリウレタン、ポリスチレン、および約200ダルトン〜約1000キロダルトン分子量を有する他の合成ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。代表的な天然ポリマーとしては、ヒアルロン酸、アルギネート、コンドロイチン硫酸、フィブリノゲン、フィブロネクチン、アルブミン、コラーゲン、および約200ダルトン〜約20,000キロダルトン分子量を有する他の天然ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーリンカーとしては、ジブロックポリマー、マルチブロックコポリマー、櫛形ポリマー、スターポリマー、樹状ポリマー、ハイブリッド直鎖−樹状ポリマー、またはランダムコポリマーが挙げられ得る。
リンカーとしてはまた、メルカプト(アミド)カルボン酸、アクリルアミドカルボン酸、アクリルアミド−アミドトリエチレングリコール酸、およびこれらの誘導体が挙げられ得る。米国特許第6,280,760号を参照のこと。
リンカー分子をリガンドまたは非結合ドメインに連結するための方法は、各分子上に存在する反応性基に従って変動する。上記反応性基および分子を使用する連結のためのプロトコルは、当業者に公知である。例えば、Goldmanら、1997;Cheng 1996;Neriら、1997;Nabel 1997;Parkら,1997;Pasqualiniら、1997;BaumingerおよびWilchek 1980;米国特許第6,280,760号および同第6,071,890号;ならびに欧州特許番号0 439 095および同第0 712 621号を参照のこと。
(IV.ファージディスプレイを使用するリガンドの同定)
ディスプレイ技術は、基材を特異的に結合するリガンドの同定のために、効果的なアプローチである(例えば、ファージディスプレイ法)。このアプローチに従って、さまざまなリガンドのライブラリーが、標的基材に対して提示され、そしてこの基材を特異的に結合するリガンドが、選択される。逆に、標的基材に対して実質的に結合を示さないリガンドもまた、発見され得る。リガンドおよび非結合ドメインは、パニングと称される、複数回の連続回の選択に従って、選択され得る。
種々のライブラリーおよびパニング法の任意のものが、以下にさらに記載されるように、本発明の方法において有用なペプチドを同定するために使用され得る。
(V.A.ライブラリー)
本明細書中において使用される場合、用語「ライブラリー」とは、分子のコレクションを意味する。ライブラリーは、約10の分子〜数十億の分子またはそれより多くまで変動し得る、少数または多数の異なる分子を含み得る。分子としては、天然に存在する分子、または合成分子(これは、天然には見出されない)が挙げられ得る。必要に応じて、複数の異なるライブラリーが、インビボパニングのために同時に使用され得る。
代表的なライブラリーとしては、ペプチドライブラリー(実施例1ならびに米国特許第6,156,511号、同第6,107,059号、同第5,922,545号、および同第5,223,409号)、オリゴマーライブラリー(米国特許第5,650,489号および同第5,858,670号)、アプタマーライブラリー(米国特許第6,180,348号および同第5,756,291号)、低分子ライブラリー(米国特許第6,168,912号および同第5,738,996号)、抗体または抗体フラグメントのライブラリー(米国特許第6,174,708号、同第6,507,098号、同第5,922,254号、同第5,840,479号、同第5,780,225号、同第5,702,892号、および同第5,667,988号)、核酸−タンパク質融合物のライブラリー(米国特許第6,214,553号)、ならびに潜在的に標的基材に結合し得る他の任意の親和性因子のライブラリー(例えば、米国特許第5,948,635号、同第5,747,334号、および同第5,498,538号)が挙げられるが、これらに限定されない。
ライブラリーの分子は、インビトロで生成され得るか、またはこれらは、例えば、インビボでの分子の発現によって、インビボで合成され得る。また、ライブラリーの分子は、任意の関連する支持体上(例えば、細菌ピリ(pili)(Luら、1995)またはファージ(Smith,1985))にディスプレイされ得る。
ライブラリーは、分子のランダムなコレクションを含み得る。あるいは、ライブラリーは、特定の配列、構造、またはコンホメーションについての偏りを有する分子のコレクションを含み得る。例えば、米国特許第5,264,563号および同第5,824,483号を参照のこと。種々の型の分子のさまざまな集団を含むライブラリーを調製するための方法は、当該分野において公知であり、例えば、本明細書中上記で引用された米国特許に記載されている。多数のライブラリーがまた、市販されている。
1つの実施形態において、開示されるパニング法のために使用されるライブラリーは、1つのライブラリーあたり少なくとも約1×10〜約1×10の異なる分子の複雑さを有する。従って、1×1011のファージの投入を伴う代表的なパニング実験は、ライブラリーにおける各分子の、平均100コピー〜1000コピーをサンプリングする。
本発明の1つの実施形態において、パニングのための方法は、ファージライブラリーを使用して実施される。ファージは、組換えライブラリーをディスプレイするための足場として、ならびにまた、所望の結合特異性を有するリガンドの回収および増幅を提供するために、使用される。
T7ファージは、その溶解段階の間に遺伝子10によってコードされる、415のタンパク質から作製される十二面体キャプシドを有する。T7ファージディスプレイシステムは、15アミノ酸の大きさまでのペプチドを、高いコピー数(1つのファージあたり415)で表示する能力を有する。フィラメント状ファージディスプレイシステムとは異なり、T7ファージの表面に表示されるペプチドは、ペプチド分泌が可能ではない。T7ファージはまた、他のファージと比較すると、より迅速に複製し、そして極度に強力である。
本発明のパニング法に従って使用されるファージライブラリーはまた、フィラメント状ファージ(例えば、M13またはM13由来ファージ)で構築され得る。1つの実施形態において、リガンドは、例えば、M13ウイルスタンパク質8への融合によって、ファージの外側表面で表示される。M13ライブラリーを調製するための方法は、とりわけ、SambrookおよびRussell(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York,United States of Americaに見出され得る。M13ファージにおいて調製され、そして本発明の方法において有用な、代表的なペプチドライブラリーは、実施例1に記載されている。
他の適切なファージベクターとしては、mAEKベクターおよびmACKベクターが挙げられ、これらは、M13mp18骨格から誘導される。これらの広範なベクターは、広範なスクリーニング形式(細胞ベース、溶液相、および固相のパニングが挙げられる)と適合性である。mAEKベクターは、結合のためのペプチドの定量およびパニング以外の機能的アッセイにおいて有用な、独立したペプチドエピトープを提供する。mAEKベクターはまた、特異的に結合したファージの非常に効率的かつ選択的な溶出のための、トロンビン切断部位を含む。トロンビン切断はまた、「オフファージ」アッセイを可能にし、このアッセイにおいて、ペプチド分子は、アッセイを実施する前に、ファージからクリップされる。このパニング法はまた、完全なファージ粒子が存在する場合に、認容不可能に高い骨格結合を生じる実験のために使用され得る。
ファージベクターは、代表的に、ウイルスコート遺伝子pIIIの1つの対立遺伝子を含み、従って、3〜5コピーの同一のリガンド−pIII融合タンパク質が、各組換えファージの表面上に生成される。この多価により、標的基材についての選択されたリガンドの増大した結合力が生じる。従って、ファージベクターは、その目的が、代表的には、さらなる特徴付けのための1またはいくつかの標的特異的結合モチーフを同定することであり、高親和性リガンドが必須でない一次スクリーニングのために使用され得る。
本発明の別の実施形態において、パニングに使用されるライブラリーは、ファージミドベクターを含む。ファージミドは、ファージf1複製起点(パッケージシグナルとしても作用する)および単一コピーのPIIIをコードする遺伝子(上記に記載の発現カセットを含む)の両方を含むファージミドである。有用なファージミドベクターは、pAEKプラスミドおよびpACKプラスミドを含み、これらのベクターは、ベクターpGEM−3z−f(+)(Promega Corporation,Madison,Wisconsin,United States of America)に由来する。
ファージミドライブラリーは、プラスミドとして維持され、それらは、パッケージ欠損ヘルパーファージでの重感染によってレスキューされる。子孫ウイルスは、pIII融合遺伝子以外のファージ遺伝子を欠くファージミドDNAを優先的にパッケージする。このヘルパーウイルスは、野生型pIIIのコピーを提供する一方、そのファージミドは、より少ない量の組換えリガンド−pIII融合タンパク質を発現する。従って、リガンド−pIII融合タンパク質を発現する大部分の組換えウイルスは、わずか1コピーを発現する。これらの一価のライブラリーは、より高い親和性リガンドを生じる傾向がある。なぜなら、低い親和性結合は、増大した結合力により補完され得ないからである。従って、ファージミドベクターは、結合モチーフを最適化するためおよび高親和性リガンドを生成するための二次スクリーニングのために使用され得る。
プラスミド発現系は、標準的結合アッセイにおけるさらなる特徴付けのための十分な量のリガンドおよび非結合ドメインを生成するために使用され得る。あるいは、パニングによって選択されるリガンドおよび非結合ドメインは、適切な量に合成され得る。
化学合成に対する前駆体として、標準的な発現カセット(例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、および細菌性アルカリホスファターゼ(BAP)(YamabhaiおよびKay,2001))において融合タンパク質として発現されるペプチドリガンドの活性を決定することは、しばしば有用である。これらの発現モジュールは、ペプチドリガンドの発現、安定化および精製を容易にし、ペプチド結合の指標としても働き得る。
(ペプチドライブラリー) 本発明の1つの実施形態において、ペプチドライブラリーは、開示されるパニング法を行うために使用され得る。ペプチドライブラリーは、1つの実施形態において、3つ以上のアミノ酸、別の実施形態においては、少なくとも5つ、6つ、7つまたは8つのアミノ酸、別の実施形態においては、50個までのアミノ酸、別の実施形態においては、100個までのアミノ酸、別の実施形態においては、約200個までのアミノ酸、なお別の実施形態においては、約300個までのアミノ酸を含むペプチドを含む。1つの実施形態において、ペプチドライブラリーは、約500ダルトン〜約3500ダルトンの分子量を有するペプチドを含む。
ペプチドは、直鎖状、分枝状、または環状であり得、非ペプチジル部分を含み得る。ペプチドは、天然に存在するアミノ酸、合成アミノ酸、遺伝的にコードされるアミノ酸、遺伝的にコードされないアミノ酸、およびこれらの組み合わせを含み得る。
偏ったペプチドライブラリーもまた使用され得、偏ったペプチドライブラリーは、そのペプチドのうち1以上の(しかし全てではない)残基が一定であるペプチドを含む。例えば、内部残基は、一定であり得、その結果、そのペプチド配列は、以下:
(Xaa−(AA)−(Xaa
として示され、ここで、XaaおよびXaaは、任意のアミノ酸であるか、またはシステイン以外の任意のアミノ酸であり、ここでXaaおよびXaaは、同じアミノ酸または異なるアミノ酸であり、mおよびnは、Xaa残基の数を示し、ここで1つの実施形態において、mおよびnは、独立して、2残基〜20残基(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および/または20残基)の範囲から選択され、別の実施形態において、mおよびnは、4残基〜9残基(例えば、4、5、6、7、8、および/または9)の範囲から選択され、AAは、ライブラリー中の全てのペプチドに関して同じアミノ酸である。1つの実施形態において、AAは、ペプチドの中心付近または中心に位置する。1つの実施形態において、mおよびnは、2を超える残基が異なることはなく;別の実施形態において、mおよびnは、等しい。
1つの実施形態において、ライブラリーは、AAがトリプトファン、プロリン、またはチロシンであるライブラリーである。別の実施形態において、ライブラリーは、AAがフェニルアラニン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、ロイシン、またはイソロイシンであるライブラリーである。別の実施形態において、ライブラリーは、AAがアスパラギン、セリン、アラニン、またはメチオニンであるライブラリーである。なお別の実施形態において、ライブラリーは、AAがシステインまたはグリシンであるライブラリーである。
代表的なライブラリーは、NNKとしてコードされる縮重コドンを使用して調製され得る。ここでN=A、C、GまたはTであり、K=GまたはTである。コドンの揺らぎ位置の制限は、その遺伝コードに固有のコドンバイアス(例えば、セリン、アルギニンおよびロイシンについては6つのコドンであるが、メチオニンおよびトリプトファンについてはそれぞれ1つだけ)を減少させるが、排除するのではなく、そして3つの終止コドンのうちの2つを排除する。さらなるライブラリー形式としては、表2に示される形式が挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、XPXライブラリーが使用される。別の実施形態において、SCX16Sライブラリーが使用される。なお別の実施形態において、XYXライブラリーが使用される。ライブラリー合成についての代表的なアプローチはまた、実施例(例えば、実施例1を参照のこと)に開示される。
Figure 2005518442
注:Xは任意のアミノ酸である。実線は、ペプチド結合を示し、破線は、システイン−システイン結合を示す。
(抗体ライブラリー) 本発明の別の実施形態において、パニング法は、抗体ライブラリーを使用する。抗体ライブラリーの構築のためのベクターは、pCANTAB−5EまたはpCANTAB−6ベクター(Amersham Biosciences,Piscataway,New Jersey,United States of America)を含む。これらのベクターは、定常領域単鎖フラグメント可変抗体(scFv)足場を含み、可変配列は、抗体重鎖および抗体軽鎖をコードするベクター配列にクローニングされる。抗体リガンドは、例えば、本明細書中上記のようにM13ファージベクターを使用して提示され得る。M13またはM13由来ファージにおいて抗体ライブラリーを構築するための方法は、とりわけ、米国特許第6,225,447号;同第5,580,717号;および同第5,702,892号において見いだされ得る。
開示されるパニング法に使用される抗体ライブラリーは、未処理の(naive)ライブラリーまたは免疫ライブラリーを含み得る。未処理の抗体ライブラリーは、正常被験体および/または免疫学的に欠損した被験体からプールされた末梢血リンパ球に由来するIgG超可変領域を用いて構築され得る。未処理のライブラリーは、あまり免疫原性エピトープを含まない標的をスクリーニングするにあたって特に有用である。あるいは、IgG超可変領域が、標的基材で以前に免疫したマウスの脾細胞に由来する免疫ライブラリーが調製され得る。
(IV.B.パニング法)
本発明の方法において使用されるパニング技術は、固相スクリーニング、液相スクリーニング、抗体指向性近位(antibody-directed proximity)スクリーニング、細胞ベースのスクリーニング、組織ベースのスクリーニング、またはそれらの組み合わせを含み得る。スクリーニング形式は、本明細書中以下にさらに記載される。実施例2〜8もまた参照のこと。
基材に結合するリガンドを回収するための方法は、そのライブラリーに存在する分子に共通する1以上の特徴に基づいて選択される。例えば、質量分析法および/またはガスクロマトグラフィーは、共通のコア構造を共有する分子を分離するために使用され得る。従って、ライブラリーが、概して有機分子の構造に基づいて多様な分子を含む場合、特定の分子についての親ピークの存在を決定することにより、リガンドが同定され得る。
あるいは、ライブラリーの多様な分子の各々は、回収および同定を容易にするタグを含み得る。例えば、代表的なタグは、オリゴヌクレオチドまたはビオチンのような低分子である。例えば、BrennerおよびLerner 1992;Norrisら,1999;Paigeら,1999;米国特許第6,068,829号を参照のこと。
タグはまた、分子が結合され得る支持体または表面であり得る。例えば、支持体は、生物学的タグ(例えば、バクテリオファージ(「ファージ」)のようなウイルスまたはウイルス様粒子;細菌;または真核生物細胞(例えば、酵母、昆虫細胞、または哺乳動物細胞)(例えば、内皮前駆細胞または白血球))であり得るか;またはリポソームまたはマイクロビーズのような物理的タグであり得る。分子が支持体に連結される場合、基材と相互作用すると疑われる分子の一部は、相互作用に関与し得るように配置され得る。
(固相スクリーニング) 固相スクリーニング法は、結合基材が非生物学的表面を含む場合に使用される。実施例2〜8を参照のこと。固相スクリーニングはまた、実施例9に記載されるように、生物学的標的が固相支持体(例えば、マイクロタイタープレートのウェル中)にコーティングされるパニング法を包含する。このアプローチは、標的生物学的基材が、支持体上に固定化された場合に、ネイティブな構造および機能に少なくとも近い構造および機能を維持することが必要である。
(液相スクリーニング) このアプローチは、溶液中で生物学的基材に特異的に結合するリガンドを同定するために使用され得る。特に、この方法は、生物学的基材に特異的に結合するリガンドの同定に適している。ここで、この生物学的基材は、複合体の一部として他の生物学的成分に結合される。液相スクリーニングはまた、生物学的基材の結合能力が、基材に対する固定化によって減少される場合に適切である。このアプローチに従って、本明細書中に記載されるように、生物学的基材、この基材と複合体化される成分、またはリガンドが、基材の回収を容易にするタグを含むように改変される。
(抗体指向性近位スクリーニング) 精製された標的を得ることができない場合、標的に特異的に結合する抗体は、その標的にも結合するリガンドを回収するために使用され得る。この方法は、代表的には、標的基材を結合するリガンド(ここで、この標的基材は、抗体または別のタンパク質と複合体化される)は、抗体または他の関連するタンパク質により結合される領域に隣接する標的基材上の部位において結合するという観察に基づく。結合したリガンドは、過酸化水素の存在下でビオチン−チラミンの西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)活性化によって検出される。活性化されたビオチン−チラミンは、次いで、接触される任意の分子をビオチン化する。しかし、活性化されたビオチン−チラミンは、水によってクエンチされ、その結果、極めて制限された拡散半径を有する。このようにして、HRPに近位にある分子(近くの部位に結合されるファージを含む)のみが、ビオチン化される。ビオチン化ファージは、ストレプトアビジン磁性ビーズに対する親和性により集団から分画される。回収されたファージは、感染により増幅され、次いで、特徴付けられ得るか、またはさらなる回のパニングに供され得る。Osbournら,1998a;Osbournら,1998bを参照のこと。
(細胞ベースのスクリーニング) 細胞表面上に存在するレセプターまたは他の分子を含む標的基材は、細胞ベースのスクリーニングにおいて使用され得る。このアプローチは、細胞集団に対してファージライブラリーをパニングする工程を包含する。細胞表面分子を結合するファージを選択するために、この方法は、細胞膜に存在する他の分子に対するファージ結合を検出する工程を最小にするための工程を包含する。実施例9を参照のこと。
非標的結合の検出を最小にするための1つのアプローチは、レセプターを発現する「標識細胞」およびレセプターを欠く大過剰の「非標識」細胞の混合した集団を使用するディファレンシャルスクリーニングを包含する。この方法に従って、両方の細胞集団に共通する分子を結合する任意のファージは、過剰な非標識細胞に優先的に結合され、多数回の選択にわたって除去される。標的レセプターに結合するファージは、それにより、多数回の選択の間に富化される。
別のアプローチは、抗体指向性スクリーニング方法と細胞ベースのスクリーニング方法とを組み合わせる。抗体が、細胞表面分子またはそのエピトープタグ化バージョンに対して利用可能である場合、抗体は、細胞表面上の標的分子に結合される。この場合、標的レセプター以外の分子に結合する多数のファージは、それらがビオチン化されるので、検出されない。
(組織スクリーニング) 生物学的基材に特異的に結合するペプチドの同定はまた、米国特許第6,086,829号に記載されるように、インビボパニングにより同定され得る。この方法に従って、多様なペプチドのライブラリーは、被験体に、または被験体から入手される単離された標的組織もしくは器官、またはその一部に投与され、標的組織または器官を特異的に結合するファージが回収される。
(V.塗布) 本発明の界面バイオマテリアルは、2つの基材の間(例えば、非生物学的基材と生物学的基材の間)の相互作用が、望ましくは制御される、任意の塗布において使用され得る。本発明の界面バイオマテリアルの代表的な使用は、本明細書中以下に簡単に記載される。その相互作用は、結合相互作用、非結合相互作用、またはこれらの組み合わせを含み得る。相互作用の性質および量は、界面バイオマテリアルを作製するために使用される複数の結合剤の結合特異性、結合強度、または非結合量に依存する。
(V.A.細胞培養)
本発明の1つの実施形態において、界面バイオマテリアルは、細胞培養のために表面に対する細胞接着を媒介するコーティングを包含する。実施例14は、細胞およびポリスチレンに特異的に結合する結合剤を含む界面バイオマテリアルを記載する。界面バイオマテリアルは、ポリスチレン培養プレートに複数の結合剤を接着し、次いで、複数の結合剤を細胞に接着することにより作製される。
細胞培養のための界面バイオマテリアルは、任意の型の細胞の培養を容易にするために使用され得、これらの細胞型としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:線維芽細胞、大動脈内皮細胞、幹細胞、胚細胞および新生児の組織細胞、脊椎動物の内皮細胞、軟骨細胞、骨芽細胞、脂肪細胞、ならびに筋芽細胞。細胞は、任意の種に由来し得、これらの種としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ヒト、霊長類、ブタ、マウス、および昆虫の細胞。
非生物学的基材と細胞を含む生物学的基材との間の結合界面を生成するために、複数の結合剤の各々が、細胞接着分子由来のペプチドリガンド(例えば、表1に列挙されるリガンド(配列番号74〜98)のいずれか))を含み得る。用語「細胞接着分子」とは、細胞接着、または細胞の表面への結合を促進することが見出された任意のファミリーのタンパク質およびペプチドをいう。あるいは、結合剤は、細胞外マトリクスタンパク質を特異的に結合するペプチドリガンドを含み得る。結合界面を調製するための代表的な方法は、実施例16に記載される。
培養物表面への細胞接着についての界面バイオマテリアルは、複数の非同一の細胞結合ペプチドを含む不均質界面を含む。複数の結合剤の各々は、(a)培養物表面基材を特異的に結合するリガンド;および(b)可変性細胞結合リガンド、を含む。
細胞培養物は、界面バイオマテリアルと、二次元または三次元の組織様構造(例えば、骨様組織または血管化組織)を生成するのに十分な条件および時間、接触されたままにされ得る。
本発明はまた、後に被験体に移植するためのインビトロまたはエキソビボの細胞培養物を包含する。培養された細胞は、界面バイオマテリアルから分離され得、そして被験体に提供され得る。別のアプローチは、被験体に、非生物学的基材、界面バイオマテリアルおよび細胞基材を含む組成物を移植する工程を包含する。
(V.B.生物学的アレイ)
本発明は、生物学的アレイを調製する方法をさらに提供する。用語「アレイ」とは一般に、接着スポットのパターンおよびこれに特異的に結合された生物学的基材のパターンをいう。用語「スポット」は、非生物学的基材に特異的に結合された本発明の結合剤を含む領域を示すために本明細書中で使用される。
本発明の一実施形態において、生物学的アレイを調製する方法は、以下を包含する:(a)複数の位置を有する非生物学的基材を提供する工程;(b)これらの複数の位置の各々に、非生物学的基材に特異的に結合する第1のリガンド、および標的生物学的基材に特異的に結合する第2のリガンドを含む結合剤を塗布する工程であって、ここで、この塗布は、カップリングを含まない、工程;(c)この非生物学的基材を、標的生物学的基材を含むサンプルと接触させる工程であって、ここで、複数の結合剤が非生物学的基材に結合している、工程;ならびに(d)この標的生物学的基材が複数の結合剤に結合するのに十分な時間放置し、それにより生物学的アレイを調製する工程。複数の結合剤を複数の位置に塗布する例示的な方法は、実施例15に記載されるような、ディップペン(dip−pen)印刷工程を包含する。
分配される結合剤の量、スポットの大きさおよびスポットの形状は、分配されるリガンドの濃度および容量、分配が行われる温度、および/または塗布技術を改変することによって、変化し得る。代表的には、スポットの寸法は、約0.2μm〜約1.0μmの最小寸法を含むが、特定の用途のために所望されるようなより大きな最小寸法を含み得る。本明細書中に示される開示を精査した後に、特定の用途のために、結合剤のスポットの大きさ、形状および量を最適化することは、当業者の技量内である。
スポットは、標的生物学的基材への結合に適切であるような任意の適切な大きさおよび形状であり得る。例えば、細胞結合剤を含有する結合剤を分配することによって調製されるスポットは、接着した細胞の大きさより小さい最大寸法、またはこのサイズにほぼ等しい最大寸法を含み得る。例えば、白血球は、約20μmの直径であり、そしてXenopus laevis卵母細胞は、1mmほどの大きさの直径である。表面に置かれる場合、これらの細胞は、表面に接着した場合には実質的に平坦化されない。内皮細胞は代表的に、表面に接着した場合に平坦化し、そして約250〜4,000μmの面積を有し得る。同様に、肝細胞は、約500〜10,000μmの面積を有し得る。
用語「スポット間寸法」とは、アレイのスポットの間の距離をいう。本発明の一実施形態において、スポット間寸法は、隣接するスポットを区別するのに十分であり、そしてアレイに特異的に結合した生物学的基材である。例えば、パターン化された界面バイオマテリアルが、細胞アレイを調製するために使用される場合、スポット間寸法は、隣接するスポットにおける細胞の間の接触を防止するのに十分である。スポット間寸法はまた、アレイに結合した基材の相互作用を可能にしつつ、隣接するスポットを区別するように決定され得る。
従って、スポットは、単一の細胞の結合のための寸法にされ得る。さらに、平坦化された細胞の寸法よりも実質的に小さいスポットが、接着細胞を丸い形態に維持するために使用され得る。細胞の性質(例えば、生存率、成長、増殖、分化、タンパク質プロセシング、配向、拡散)に影響を与えるために細胞−細胞接触が所望される場合、1つよりも多くの細胞に接着し得るスポットが使用され得る。
用語「境界領域」は、1つ以上のスポットを除く領域を示すために、本明細書中で使用される。非生物学的基材の境界領域は、境界に吸着されたかまたは境界に結合された生物学的基材をさらに含み得るか、あるいは任意の他の処理が所望される。例えば、細胞は、細胞結合を促進するための血清を使用して、境界領域に接着され得る。
異種のパターン化された界面バイオマテリアルは、サイトメトリーのような細胞操作のために有用である。例えば、サンプル中の異なる細胞型の数および比は、以下によって決定され得る:(a)結合剤を、非生物学的基材上の複数の位置の各々に塗布すること;(b)細胞懸濁液と非生物学的基材を接触すること;および(c)この非生物学的基材に結合した細胞の数を決定すること。サンプルは、任意の細胞サンプル(例えば、血液、尿、脳脊髄液、パパニコラウスミア、生検、土、水、および1つ以上の細胞型の存在、数または相対度数を決定することが所望される任意の他の塗布)を含み得る。自動化検出装置が、スポット位置における細胞を検出するように設計されたプログラムを使用して、結合した細胞の数を決定するために使用され得る。細胞の存在または非存在は、分光光度法、細胞標識(例えば、蛍光標識)の検出または顕微鏡分析を使用して検出され得る。
本明細書中に開示されるようにして調製された細胞アレイはまた、マイクロインジェクション実験のための細胞を固定化するために有用である。
より一般的には、本発明の生物学的アレイは、試験基材の存在下で、複数の生物学的基材をスクリーニングするために有用である。相互作用している細胞を同定するための方法は、以下を含み得る:(a)複数の生物学的基材を含む生物学的アレイを調製する工程であって、ここで複数の生物学的基材の各々は、非生物学的基材上の複数の位置の1つに特異的に結合される、工程;(b)この生物学的アレイと候補物質とを接触させる工程;(c)この候補物質が生物学的アレイに結合するのに十分な時間放置する工程;および(d)この生物学的基材の1つ以上と候補物質との間の相互作用をアッセイし、それにより相互作用している分子を同定する工程。
例えば、試験基材をスクリーニングするために使用される生物学的アレイは、細胞アレイを含み得る。相互作用している分子は、生物学的結果(例えば、細胞形態の変化、試験物質の存在の変化)を観察することによって同定され得る。
細胞アレイをスクリーニングする方法は、細胞アレイと検出試薬とを接触させる工程をさらに包含し得る。代表的な検出試薬としては、標識リガンドおよび標識核酸が挙げられるが、これらに限定されない。組換えDNA技術を使用してトランスフェクトされた細胞集団が調査されて、トランスフェクトされたDNAを首尾良く発現する細胞のサブセットが決定され得る。
(V.C.生物学的材料間の相互作用の増大)
本発明は、2つ以上の材料の間の相互作用を増大するための界面バイオマテリアルを提供する。これらの材料は、同じかまたは異なり得、そして生物学的または非生物学的であり得る。本発明は、複数の結合剤を含む界面バイオマテリアルを提供し、ここで、各結合剤は、生物学的基材に特異的に結合する第1および第2のリガンドを含み、そしてここで、複数の結合剤は、生物学的基材の間の界面を含む。一実施形態において、この第1および第2のリガンドは、同じ生物学的基材に結合する。別の実施形態において、この第1および第2のリガンドは、異なる生物学的基材に結合する。
本発明はまた、生物学的材料の間の相互作用を増大するための界面バイオマテリアルを調製するための方法を提供する。生物学的材料の間の相互作用を増大するための界面バイオマテリアルを調製する方法は、以下を包含する:(a)第1の生物学的材料に、複数の結合剤を接着する工程であって、ここで複数の結合剤の各々が、第1の生物学的材料に特異的に結合する第1のリガンド、および第2の生物学的材料に特異的に結合する第2のリガンドを含む、工程;(b)この第2の生物学的材料と、接着した結合剤を有する第1の生物学的材料とを接触させる工程;および(c)第2の生物学的材料が複数の結合剤に結合するのに十分な時間放置する工程。
(V.C.1.コーティングされた移植デバイス)
本発明は、インビボにおける改善された使用のために移植片をコーティングするための界面バイオマテリアルをさらに提供する。この界面バイオマテリアルは、移植デバイスの移植の前(インビトロまたはエキソビボ)または後(インビボ)で形成され得る。用語「コーティング」とは、基剤にコーティングを塗布することを示すために本明細書中で使用される場合、リガンドまたはリガンドを含む結合剤と基材とを接触させること、およびこの基材にリガンドまたは結合剤が結合するのに十分な時間放置することをいう。非生物学的基材をコーティングするための代表的な方法は、実施例14に記載される。
用語「移植片」とは、一般に、損傷した組織の機能を回復させるためにヒトまたは動物の身体に導入され得る非生物学的材料をいう。移植デバイスは、本明細書中に開示されるように、結合剤が特異的に結合し得る任意の生体適合性基材を使用して作製され得る。例示的な移植片としては、股関節部内蔵式人工臓器、人工関節、顎および顔の移植片、腱および靱帯の置換物、皮膚置換物、骨置換物および人工骨ネジ、血管プロテーゼ、心臓ペースメーカー、人工心臓弁、乳房移植片、陰茎インプラント、ステント、カテーテル、シャント、神経成長誘導装置、眼内レンズ、創傷包帯および組織シーラントが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、非生物学的移植片基材は、生体適合性であり、別の実施形態において、生分解性であり、そして細胞増殖および細胞輸送を可能にするために、大きな表面積 対 容量の比を有する。例えば、適切な非生物学的基材としては、合成ポリマーおよび/またはポリ乳酸とポリグリコール酸とのコポリマーが挙げられ、これらは、高度に多孔性の分解性の骨格に処理され得る。例えば、Mikosら,1994;Harrisら,1998を参照のこと。
本発明の一実施形態において、界面バイオマテリアルは、非生物学的移植片への細胞接着を媒介する結合界面を生成し得る。本発明の方法に従って調製された移植デバイスは、細胞接着の量および速度を制御し、従って、インビボにおけるデバイスの組織組み込みの速度を制御する。増大した細胞接着および組織組み込みは、移植部位を細胞の保護層で封止することによって、感染を最小限にするように働く。この保護細胞層はまた、瘢痕を軽減し得る。
従って、本発明によると、被験体にデバイスを移植するための方法(ここで、コーティングされた移植片は、細胞接着を促進する)は、以下を包含する:(a)複数の結合剤を移植片に塗布する工程であって、ここでこの複数の結合剤の各々は、移植片に特異的に結合する第1のリガンド、および移植部位の細胞に特異的に結合する第2のリガンドを含み、ここでこの塗布は、カップリングを含まない、工程;(b)被験体の移植部位に、この移植片を配置する工程;および(c)この複数の結合剤に細胞が結合するのに十分な時間放置する工程。用語「結合するのに十分な時間」とは、宿主細胞が、移植片付近まで移動し得、そして結合剤を介してこの移植片に結合し得る時間をいう。
例えば、シリコーン乳房移植片の組み込みを促進するための界面バイオマテリアルは、複数の結合剤を使用して調製され得、ここで各結合剤は、(a)シリコーン移植片に特異的に結合するリガンド;および(b)脂肪細胞に特異的に結合するリガンド、を含む。複数の結合剤は、シリコーン乳房移植片上にコーティングされ、この移植片が次いで、宿主に移植される。脂肪細胞に特異的に結合するリガンドは、移植片への細胞接着を促進、そして移植片の首尾良い組み込みを促進する。
別の例として、結合剤は、チタン移植片に特異的に結合するリガンド、および移植部位付近の細胞に特異的に結合するリガンドを含み得る。実施例13を参照のこと。チタンに結合するために適切な代表的なペプチドリガンドは、配列番号24〜36として記載される。代表的な細胞結合ペプチドは、表1および配列番号74〜98に列挙される。
本発明の別の実施形態において、縫合糸材料が、この縫合糸材料に特異的に結合する結合剤でコーティングされる。コーティングされた縫合糸は、創傷部位における結合剤の結合特異性に依存して、タンパク質または細胞を固定することによって、組織の回復および修復を促進し得る。従って、コーティングされた縫合糸は、機械的強度および創傷の閉鎖を提供し得る。
容易に受容可能ではない創傷部位について、または縫合糸なしの処置が所望される場合、組織シーラントを含む界面バイオマテリアルが使用され得る。このような治療用「接着剤」は、簡単さ、投与および細胞回復の迅速性、ならびに安全性を含む利点を提供する。一実施形態において、組織封止のための界面バイオマテリアルは、組織回復(壊死細胞および/または異常な量の水分を含む組織の修復を含む)を促進するのに十分な接着力をさらに含む。一実施形態において、界面バイオマテリアルは、創傷部位における組織機能および構造的完全性を実質的に減じない。
創傷治癒を促進するための界面バイオマテリアルを調製するための方法は、以下を包含する:(a)複数の結合剤を生分解性ポリマーに接着する工程であって、ここで複数の結合剤の各々は、生分解性ポリマーに特異的に結合する第1のリガンド、および細胞に特異的に結合する第2のリガンドを含む、工程;(b)このポリマーを創傷部位に移植する工程;および(c)この複数の結合剤に細胞が結合するのに十分な時間放置する工程。
組織シーラントを含む界面バイオマテリアルは、封鎖を必要とする任意の創傷(漏出間ブレブ(interleaking bleb);外科的介在(整形外科または再建外科を含む)によって切断された組織;気管支胸腔瘻、消化性潰瘍;鼓膜穿孔;角膜穿孔;角膜移植;網膜孔;裂傷または破裂した腱;および整形的および再建的修復に供せられた組織を含むがこれらに限定されない)の修復を促進するために有用である。
本発明のさらなる実施形態は、高度に配向された細胞構造(例えば、器官、皮膚、または筋肉)のための移植可能なテンプレートとしての界面バイオマテリアルの使用である。界面バイオマテリアルは、テンプレート材料および細胞またはタンパク質に特異的に結合する結合剤を使用して作製される。標的細胞またはタンパク質は、界面バイオマテリアルによってテンプレートに組み立てられ、次いで、さらなる細胞またはマトリクスを補充して、増殖し、または分化して、多細胞器官または組織を作製する。界面バイオマテリアルは、本明細書中において上記のようにインビトロまたはエキソビボで形成され得る。あるいは、界面バイオマテリアルは、複数の結合剤でコーティングされた非生物学的基材の移植によってインビボで形成され得る。
本発明の別の実施形態において、移植片コーティングは、非結合界面を作製するために使用され得る。非結合移植片コーティングを調製するための方法は、以下の工程を包含する:(a)移植片に複数の結合剤を塗布する工程であって、ここで、この複数の結合剤の各々が、移植片に特異的に結合するリガンドおよび移植片部位における細胞に実質的に結合を示さない非結合ドメインを含み、この塗布する工程が、カップリングがない、工程;ならびに(b)移植片を被験体の移植部位に配置する工程。
本発明の非結合界面は、外科的癒着を妨げるかまたは最小化するために有用である。臨床的に有意な癒着が、約5%〜約10%の外科的手順において、いくらかに手順についてほぼ100%までで生じる。外科的癒着は、閉塞、不妊、疼痛、および第2の手術的手順の必要性を含む合併症を生じ得る。di Zerega 1993;Stangelら、1984を参照のこと。
非結合界面は、損傷した組織間の界面バイオマテリアルの配置により、損傷組織間の癒着の形成を妨げるために使用され得る。例えば、2つの表面を含むバリア基材は、健常な細胞のファウリングおよび損傷した細胞の非ファウリングを差示的に媒介し得る。バリアの第1表面は、複数の結合剤でコーティングされ、各々の結合剤が、非生物学バリア基材に特異的に結合するリガンドおよび実質的に細胞結合を示さない非結合ドメインを含む。バリア基材の第2表面は、複数の結合剤で必要に応じてコーティングされ、各々の結合剤が、非生物学バリア基材に特異的に結合するリガンドおよび創傷部位の細胞に特異的に結合するリガンドを含む。コーティングされるバリアは、被験体の損傷の部位に配置される。1つの実施形態において、非生物学的バリア基材は、生分解性基材(例えば、生分解性ポリマー)を含み、その結果、最小の瘢痕または癒着形成を伴って治癒が生じる。
手術後の癒着の予防のためのアプローチは、線形合成ポリマーおよび天然ポリマーの投与を含んだ(米国特許大6,060,582号;(Diamond & Decherney;Linskyら、1987;Leach & Henry,1990;Steinleitnerら、1991)。本明細書中に開示される手術後癒着を妨げるかまたは最小化するための方法と対照的に、これらのアプローチは、複数の結合剤(ここで、複数の結合剤の各々が、非生物学的基材に特異的に結合するリガンドおよび生物学的基材に実質的に結合を示さない非結合ドメインを含む)を含む界面バイオマテリアルを使用しない。
非結合界面バイオマテリアルはまた、生物学的潤滑剤として機能し得る。効果的な境界潤滑剤は、多くの移植状況について重要であり、ここで、過剰な摩耗が、合成移植片と宿主との間で生じる。従って、潤滑剤のための界面バイオマテリアルは、複数の結合剤を使用して調製され得、ここで、複数の結合剤の各々は、(a)移植片に特異的に結合するリガンド;および(b)移植部位において宿主細胞に対して実質的に結合を示さない非結合ドメインを含む。
本発明の別の実施形態において、境界潤滑剤を含む界面バイオマテリアルは、複数の結合剤を使用して調製され得、ここで、この複数の結合剤の各々は、(a)第1の生物学的基材に特異的に結合するリガンド;および(b)第2の生物学的基材に実質的に結合を示さない非結合ドメインを含む。例えば、境界潤滑剤を作製するために使用される複数の結合剤の各々は、(a)関節軟骨に特異的に結合するリガンド;および(b)滑液に存在する生物学的基材に実質的結合を示さない非結合ドメインを含む。このように調製された界面バイオマテリアルは、例えば、関節軟骨を保護し、そして滑液の粘弾性特性を保存することによって、変性関節疾患を管理するために使用され得る。
本発明のなお別の実施形態において、移植片コーティングを含む界面バイオマテリアルは、異種界面を含み得、この界面の領域は、異なる結合特異性を示し、そして異なるインビボプロセスを媒介する。例えば、移植片コーティングは、バリア基材について本明細書中に上記されるように、結合界面および非結合界面の両方を含む。1つの実施形態において、異種界面は、結合剤を非生物学的基材に空間的に制限された様式で接着させることによってパターン化される。
(V.D.移植のためのコーティング組成物)
本発明は、さらに、移植片の改善された生存力を誘発するために、ドナー移植片細胞または組織をコーティングするための方法を提供する。合成ポリマー膜は、移植のために細胞をカプセル化するために使用され得る。糖尿病の処置のために、ランゲルハンス細胞の島は、合成マイクロカプセルに移植されて、宿主細胞における移植後の免疫応答を最小化し得る(Marikら、1999)。このアプローチの欠点としては、おそらく、血管再生の欠如の乏しい組み込みの結果として、カプセル化された島細胞の制限された生存力が挙げられる。
カプセル化された細胞または組織の首尾良い移植を促進するために、複数の結合剤を含む界面バイオマテリアルが、調製され得、ここで、この複数の結合剤の各々が、(a)非生物学的マイクロカプセルに特異的に結合する第1のリガンド;および(b)移植部位において宿主細胞に特異的に結合する第2のリガンドを含む。移植に続いて、第2のリガンドは、移植部位におけるカプセル化ドナー細胞および宿主細胞の細胞一体化を媒介する。
(V.E.診断および薬物送達)
本発明は、さらに、治療界面または診断階面を含む界面バイオマテリアルを調製するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)複数の結合剤を非生物学的基材にファウリングさせる工程であって、ここで、この複数の結合剤の各々が、薬物、検出可能な標識、または薬物キャリアに特異的に結合する第1のリガンド、および標的細胞に特異的に結合する第2のリガンドを含む、工程;(b)非生物学的基材を被験体に投与する工程;および(c)複数の結合剤への標的細胞の結合に十分な時間を可能にし、それによって、界面バイオマテリアルを形成する工程。
標的細胞に特異的に結合し、そして本明細書中に開示される結合剤を調製するために使用され得る代表的なリガンドは、米国特許第6,068,829号および同第6,180,084号;PCT国際公開番号WO 98/10795およびWO 01/09611;Arapら(1998)Science 279:377−380;Stabaら(2000)Cancer Gene Ther 7:13−19;Wickhamら(1995)Gene Ther 2:750−756に記載される。
代表的な非生物学的薬物および薬物キャリアは、本明細書中の上記に記載される。本発明の1つの実施形態において、薬物は、検出可能な標識を含む。別の実施形態において、標識は、インビボで検出され得る。画像化剤(シンチグラフィー、磁気共鳴画像、超音波、および蛍光のための薬剤を含む)を含むさらなる非生物学的基材は、本明細書中において以下に記載される。
シンチグラフィー画像化方法としては、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)、PET(Positron Emission Tomography)、ガンマカメラ画像化、および直線走査が挙げられる。シンチグラフィー画像化のための標識を含む非生物学的基材は、1つの実施形態において、放射性核種標識を含み、別の実施形態において、18フッ素、64銅、65銅、67ガリウム、68ガリウム、77臭素、80m臭素、95ルテニウム、97ルテニウム、103ルテニウム、105ルテニウム、99mテクネチウム、107水銀、203水銀、123ヨウ素、124ヨウ素、125ヨウ素、126ヨウ素、131ヨウ素、133ヨウ素、111インジウム、113インジウム(mindium)、99mレニウム、105レニウム、101レニウム、186レニウム、188レニウム、121mテルル、122mテルル、125mテルル、165ツリウム、167ツリウム、168ツリウム、およびこれらから誘導される窒化物または酸化物からなる群より選択される放射性核種標識を含む。
磁気共鳴画像化に基づく技術は、独特の化学環境における水プロトンの相対的な緩和速度に基づいて、画像を作成する。本明細書中で使用される場合、用語「磁気共鳴画像化」とは、磁気供給源技術(従来の磁気共鳴画像化、磁化移動画像化(MTI)、プロトン磁気共鳴分光法(MRS)、拡散強調(diffusion−weighted)画像化(DWI)および機能的MR画像化(fMRI)を含む)をいう。Rovarisら,2001;Pomper & Port 2000;およびこれらに引用される参考文献を参照のこと。
磁気供給源画像化のための造影剤を含む非生物学的基材は、常磁性または超常磁性のイオン、酸化鉄粒子(Weisslederら,1992;Shenら,1993)、および水溶性造影剤を含むがこれらに限定されない。常磁性イオンおよび超常磁性イオンは、鉄、銅、マンガン、クロム、エルビウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、ホルミウム、およびガドリニウムからなる群より選択され得る。1つの実施形態において、金属は、鉄であり、別の実施形態において、マンガンであり、そしてなお別の実施形態において、ガドリニウムである。
超音波画像化は、標的組織の定量的情報および構造的情報を得るために使用され得る。インビボでマイクロバブルを提供するために含む非生物学的基材としては、ガス充填親油性バブルまたは脂質ベースのバブル(例えば、米国特許第6,245,318号;同第6,231,834号;同第6,221,018号;および同第5,088,499号)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、ガスまたは液体は、被験体への送達において、マイクロバブル放出を容易にする多孔性無機粒子に捕捉され得る(米国特許第6,254,852号および同第5,147,631号)。
非侵襲性画像化方法はまた、蛍光標識の検出を含み得る。蛍光標識を含む非生物学的基材は、カルボシアニンおよびアミノスチリル色素(特に、長鎖ジアルキルカルボシアニン(例えば、Molecular Probes Inc.of Eugene,Oregon,United States if Americaから入手可能なDil、DiO、およびDiD)、およびジアルキルアミノスチリル色素を含むが、これらに限定されない。蛍光標識としてはまた、スルホン化シアニン色素(Cy5.5およびCy5(Amersham of Arlington Heights,Illinois,United States of Americaから入手可能)を含む)、IRD41およびIRD700(Li−Cor,Inc.of Lincoln,Nebraska,United States of America)、NIR−1(Dejindo of Kumamoto,Japanから入手可能)、ならびにLaJolla Blue(Diatron of Miami,Florida,United States of Americaから入手可能)が挙げられる。さらに、蛍光標識としては、ランタノイドイオン(例えば、テルビウムおよびユーロピウムの蛍光キレート)から誘導される有機キレートが挙げられ得る(米国特許第5,928,627号)。
(V.F.診断、アフィニティークロマトグラフィー、および濾過塗布)
本発明は、リガンドの検出および決定ならびにリガンドの単離のための界面バイオマテリアルを使用するための組成物および方法を提供する。この界面バイオマテリアルは、非生物学的基材と生物学的基材との間の相互作用を媒介する。より詳細には、本発明は、各々の基材の特異的な結合を介して基材間で結合界面を作製する結合剤に関連する。本発明は、リガンドが液体媒体において決定される診断塗布において使用される方法を記載する。本発明はまた、液体媒体からのリガンドの単離のための方法を包含する。
(V.F.1 診断塗布についての一般的な考慮)
本発明は、液体媒体においてリガンドを定性的にまたは定量的に決定するための均質および異種特異的結合型において使用されるアッセイ方法および試薬を提供する。液体媒体中のリガンドの量は、非競合的結合プロセス(例えば、「サンドイッチ(Sandwich)」技術)を使用して決定され得る。一般的に、このアッセイは、特異的結合物質およびビオチン標識特異的結合物質を含む不溶/基材相の両方をに結合するために、少なくとも2つの反応性部位を必要とする。上記は、競合結合プロセスが使用される場合、必要ではない。
大部分の以前のアッセイは、ビオチンとストレプトアビジンまたはアビジンとの相互作用に依存する(Hillerら、1987)。ストレプトアビジン(Streptomyces avidiniiによって産生される四量体タンパク質)は、水溶性ビタミンビオチンと非常に強力かつ特異的な非共有結合複合体を形成する。結合親和性は、リガンドとタンパク質との間の非共有相互作用について最も高いことが示され、解離定数(Ka)は、1013−1〜1015−1の範囲であると推定される。結合親和性は、ストレプトアビジンとビオチンの結合が、大部分の生理学的条件下において基本的に非可逆であり、幅広い種々の臨床的および産業的塗布においてこれらの化合物の有用性の基礎を提供するような結合親和性である(Green、1975)。
ストレプトアビジンおよび相同なタンパク質アビジン(これは、ビオチンに対するその高い親和性を共有する)の両方は、それらが強いリガンド−タンパク質相互作用を示すので、調査されている。ストレプトアビジンおよびアビジンのX線結晶構造(両方とも、それらのアポおよびホロ形態にある)は、記載されている。両方の配列、ならびにいくつかのストレプトアビジン融合タンパク質の構成が記載されている。例えば、SanoおよびCantor、1991;米国特許第4,839,293号を参照のこと。
今日、ストレプトアビジン/アビジンは、商業的目的について以下の4つの技術的分野において重要な役割を果たしている:1)生体分離/細胞選別;2)画像化;3)薬物送達;および4)診断(WilchekおよびBayer、1990)。分離分野において、これらのタンパク質は、細胞選別塗布において広範囲に使用されており、例えば、これらは、骨髄移植の前に、造血幹細胞から混入する細胞を取り除くために使用され得る(Berensonら、1992)。ストレプトアビジンはまた、種々の腫瘍特異的バイオマーカーの存在について、試験するために研究設定および臨床設定の両方において広範囲に使用されている。
アビジン/ビオチン系がアッセイにおいて使用され得る前に、ビオチンおよびアビジンの両方が、適切な機能を組み込むために、化学的に改変される必要がある。ビオチン標識試薬(例えば、ビオチン標識特異的結合物質またはビオチン標識リガンド)の調製は、標識される実体を、ビオチンN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(BNHS)とともに、適切な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中で混合することによって達成され得る。BNHSが商業的に使用されるが、他の適切な試薬および/または方法が使用され得る。
決定されるべきリガンドに対する特異的な結合物質を含む基材または不溶相の調製は、公知の方法によって達成される。例えば、特定の結合物質は、架橋によってか、共有結合によってか、または物理学的カップリングによって固体キャリアに接着され得る。固体キャリアとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:ポリプロピレンチューブ、ポリスチレンマイクロタイタープレートおよびナイロンビーズ。検出されるべきリガンドが抗原である場合、その不溶性相の調製は、そのチューブまたはプレートを適切な抗体でコーティングすることによって達成され得る。この結合は、非特異的であり、そして、結果としてその抗体が以下の2つの役割を担う:基材結合およびビオチン結合。ナイロンビーズが使用される場合、その適切な抗体は、Faulstichの方法(Faulstichら,1974)によってそのビーズに共有結合され得る。
種々の酵素が、酵素標識されたアビジン試薬またはストレプトアビジン試薬を生成するために使用され得る。アビジンまたはストレプトアビジンに結合体化される酵素は、その酵素を定性的または定量的な検出のいずれかを行うために使用され得るアッセイシステムの有効性に基づいて選択される。例えば、リンガンドの定性的決定において、その酵素が着色された生成物を生じるアッセイを使用して検出されることを可能にする試薬が、市販されている。
本発明における用途に適切な酵素としては、国際生化学者連合(I.U.B.)によって分類されるような酵素(例えば、酸化還元酵素、加水分解酵素、および脱離酵素)が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な酸化還元酵素としては、CHOH基、アルデヒド基、またはケト基、CHNH基に作用する酸化還元酵素およびアクセプターとして過酸化水素に作用する酸化還元酵素が挙げられるがこれらに限定されない。1実施形態において、酸化還元酵素は、グルコースオキシダーゼである。別の実施形態において、酸化還元酵素は、西洋ワサビペルオキシダーゼである。例示的な加水分解酵素としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:エステル結合(有機エステルおよび無機エステルの両方)に作用する加水分解酵素、およびグリコシル化合物に作用する加水分解酵素、例えば、グリコシドヒドロラーゼが挙げられるがこれらに限定されない。1つ実施形態において、加水分解酵素は、アルカリホスファターゼである。別の実施形態において、加水分解酵素は、β−ガラクトシダーゼである。
生物学的物質または非生物学的物質に対するIFBMの結合をモニタリングするための他の技術としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:表面プラズモン共鳴法(SPR)、フーリエ変換赤外(FTIR)分光法、ラマン分光法、および質量分析法。例えば、米国特許第6,429,015号および同第6,428,955号を参照のこと。
「サンドイッチ」技術を使用してリガンド抗原を決定するための一般的な手順は、実施例20に記載されており、そしてParikhらに対する米国特許第4,298,685号に基づく。簡潔には、適切に希釈された抗原標準物または未知サンプルは、抗体コーティングポリプロピレンチューブに添加され、次いで、これは、室温でインキュベートされて、標準物またはサンプル中に存在する抗原が結合することを可能にする。これらのチューブは、吸引され、洗浄され、そして、ビオチン標識化抗体が添加され、そして、一晩の間4℃にて結合を可能にする。次いで、これらのチューブは、再度、吸引および洗浄され、そしてHRP標識アビジンの適切な希釈物が添加される。これらのチューブは、室温にて5〜60分間に亘ってインキュベートされ、吸引され、次いで、洗浄される。不溶相中の酵素活性が、設定した時間間隔で決定される。この反応生成物の着色強度が適切であると考えられる場合に、その酵素反応は終了され、そしてその吸光度が適切な波長にて測定される。アビジンはまた、HRPの代わりにアルカリホスファターゼで標識され得る。
アルカリホスファターゼ標識アビジンが、HRP標識化アビジンの代わりに使用される場合、その不溶相における酵素活性は、1mg/mlのp−ニトロフェニルホスフェート含有する1mlの0.05Mの炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.8)および1mM MgClを添加することによって決定される。適切なインキュベート期間の後に、その反応は、100μlの1N NaOHで停止され、そして、400nmでの吸光度が測定される。
マイクロタイタープレート中で実施される酵素免疫アッセイが、上述したものと本質的に同一の様式で実施される。この酵素アッセイは、250μlの基材溶液のみを使用して実施され、そして50μlの1N NaOHを用いて停止される。その着色強度が、定性的に推定されるか、または250μlのマイクロキュベトにその溶液を移して分光光度計を読み取ることによって定量的に測定される。
本発明に使用され得る他の免疫アッセイ系としては、米国特許第4,282,287号;同第4,298,685号;同第4,298,685号;同第4,279,992号;同第4,253,995号;同第4,230,797号;同第4,288,237号;および4,208,479号(これらの各々は、本明細書中で、その全体が援用される)に記載のアッセイ系が挙げられる。
(V.F.2 アフィニティクロマトグラフィー用途に関する一般的な考察)
アフィニティクロマトグラフィー分離技術の原理は、周知である。本発明は、種またはリガンドに選択的に結合するための支持体に接着した界面バイオマテリアルの使用を記載する。代表的には、支持体とリガンドとの間の相互作用は、非特異的である。しかし、本発明は、特異的な相互作用を利用し、その特異的な相互作用の強度は、その特異的な相互作用の特異性を最適化することによって調整され得る。結果的に、他の種は、カラムの最初の部分から離れて反応混合物の流れによって保持され得、ここで、この固定化された種は、それによって、結合した種と遊離した種との固有の分離をもたらす。この技術は、Wagnerらに対する米国特許第4,205,058号(これらは、本明細書中で、その全体が参考として援用される)に記載される。
本発明の開示に先立って、ペプチドコーティング表面およびペプチドコーティングデバイスの調整は、非特異的吸着によって、誘導体化表面へのそのペプチドのカップリングによって、またはその表面に共有結合したリンカー分子に対するそのペプチドの結合によって、達成された。これらの手順は、比較的単調でかつ時間がかかり、一般的に、そのペプチドおよびその基材の効率的な結合のために複数の工程を必要とし、しばしば固定化のための化学反応を必要とし、そして、再生可能な表面の範囲および最大限の活性の消失を達成する難度によって特徴付けられ得る。本発明は、診断クロマトグラフィーまたはアフィニティクロマトグラフィーの用途において使用され得る新規の多官能性表面バイオマテリアルで基材をコーティングして、それによって、具体的にあつらえられた強度の相互作用が存在する簡単な方法を表す。
従って、非生物学的基材と生物学的基材との間の特異的相互作用を促進するための効率的で広範に塗布可能な方法を開発するための長期にわたる必要性が当該分野に存在する。さらに、分子および/または細胞のなかでの(特に、診断クロマトグラフィーおよび親和性クロマトグラフィーにおける)相互作用を指向する方法を開発するという継続的な必要性が存在する。
これらの必要性を満たすために、本発明は、生物学的基材と非生物学的基材との間の選択的な相互作用を媒介し得る界面バイオマテリアル、標的非生物学的基材および標的生物学的基材に特異的に結合し得る新規の結合剤、ならびに診断クロマトグラフィー塗布およびアフィニティクロマトグラフィー塗布において同様のものをなすためそしてそれらを使用するための方法を提供する。
(V.G.非ファウリングコーティング)
本発明の別の実施形態において、界面バイオマテリアルは、非ファウリング界面を含み、これは、1種の非結合界面の1種である。非ファウリングコーティングは、ファウリング物に対して感受性である任意の非生物学的基材のための保護処理として有用である。この非生物学的基材としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:医療装置、医療デバイス、衣類、および海洋用機械、および製造製品。
本発明はまた、非接着性の界面をつくりだし、それによって、ファウリングおよび侵食を防ぐ界面バイオマテリアルを提供する。この「ファウリング(fouling)」との用語は、汚染され、夾雑され、侵食され、また動きを妨げる(clogg)プロセスをいう。逆に、「非ファウリング」との用語は、ファウリングを防ぎまたはそれを最小限にする性質をいう。したがって、非ファウリング界面バイオマテリアルは、病原体および他の生物体がその界面に結合することを低減させるために、そして、ファウリングによる美観的結果および操作の結果を低減するために使用され得る。
現在の抗ファウリングコーティングは、消費される毒性の化学物質および環境を汚染する化学物質を含む。したがって、非毒性および持続性の保護コーティングで種々の基材を処理するための方法に対する必要性が当該分野に存在する。
ファウリングは、以下の工程を包含する:(1)病原体による表面の接着および定着、(2)細胞外マトリクスの分泌および生体フィルムの形成;ならびに(3)他の病原体および/または多細胞生物のその生体フィルムへの接着。したがって、標的病原体と実質的に結合しないことを示す表面を含む界面バイオマテリアルは、ファウリングを効率的に低減し得る。
非ファウリング界面バイオマテリアルは、複数の結合剤を使用して調製され、ここで、複数の結合剤の各々は、ファウリングに感受性である非生物学的基材に特異的に結合する第1リガンドおよびファウリングを媒介する標的生物に実質的に結合をしないことを示す第2のリガンドを含む。
ファウリングに感受性であるが、本発明の界面バイオマテリアルを使用して保護され得る基材としては、水性環境に供される、医療デバイス、テキスタイル、および表面が挙げられるが、これらに限定されない。各々の場合において、ファウリングに対して感受性である非生物学的基材に特異的に結合する第1のリガンドは、本明細書中で開示されるパニング法を使用して同定され得る。同様に、疑われる病原体または病原体の組み合わせに特異的に結合し得る第2のリガンドは、パニングによって同定され得る。
本発明の界面バイオマテリアルはまた、移植可能なデバイスのための非ファウリングコーティングを含み得る。このようなコーティングは、例えば、化学療法、抗生物質、およびイオンチャネル型支持体、静脈栄養注入(intravenou nutrition)、診断試験のために、血液動態、静脈管のモニタリングなどに使用される中心カテーテルをコーティングするのに有用であり得る。院内感染の発生数は、中心カテーテルのような侵食性デバイスを有する患者において7倍高く(Dobbinsら、1999)、そしてカテーテル関連感染は、35%もの致死率を有する(Collin、1999)。従って、カテーテルおよび他の移植可能デバイスのファウリング物を阻害するための信頼性の高い方法に対する必要性が存在する。
カーテル関連感染としては、S.epidermis、S.auras、Bacilluss種、Corynebacterium種、Psudomonas aerouginosa、Acinetobacter、真菌類(例えば、Candida)、ならびに他の感染因子が挙げられる。宿主タンパク質(例えば、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、ラミニン)ならびにカーテル表面の性質(例えば、電荷、疎水性)は、カテーテル表面に対する感染因子の接着に寄与し得る。
したがって、界面バイオマテリアルは、複数の結合剤を含み得、ここで、複数の結合剤の各々は、カテーテル基材に特異的に結合する第1のリガンドおよび1以上の感染因子に実質的に結合しないことを示す第2のリガンドを含む。したがって、そのように調製された界面材料は、カテーテルの細菌および/または真菌の定着を防ぎ、そして、それによって、カテーテル関連感染を低減し得る。
非ファウリング界面バイオマテリアルはまた、天然起源または合成起源の織物、衣類、衣料用繊維にコーしティングするために使用され得る。例えば、長期の磨耗または細菌増殖を許す条件で使用され得ることが意図される衣類は、非ファウリング特性を有する界面バイオマテリアルによって保護される場合に長期間にわたって使用され得る。
非ファウリング界面バイオマテリアルはまた、水性環境に供される表面をコーティングされるのに有用である。このような非ファウリングコーティングは、侵食速度および操作を損なう他の効果を最小化し得る。処理され得る代表的な表面としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:
船体、ドリルプラットフォーム、ピリング、クーリングタワー、ポンドリテイナー、ポンプ、バルブオイルパイプ、導水管、ガラス、および他の透明な観測窓、ソナードーム、お濾過膜。例えば非ファウリングコーティングは、海洋環境において必要とされる、フジツボの接着を防ぐことに使用され得る。
(V.H.生物学的基材の活性を調節する)
別の実施形態において、本発明は、生物学的基材の活性を調節する方法を提供し、この方法は以下を包含する:(a)複数離合因子で、生体分解性・非生物学的基材をコーティングする工程であって、ここで、複数の結合剤の各々は、生分解性の非生物学的基材に特異的結合する第1のリガンド、および生物学的基材に特異的に結合する第2のリガンドを含み、ここで、このコーティングはカップリングを含まない工程;(b)コーティングした生体分解性の非生物学的基材を標的部位におく工程であって、ここで、生物学的基材はその標的部位に存在する、工程;(c)結合剤に対するその標的部位に御生物学的基材での生物学的基材の活性を調節する工程。
本明細書中で使用される場合、「調節」、「調節する」、および「調節された」との用語は、全て、生物学的基材の任意または全ての化学的な活性および特性ならびに生物学的な活性および特性の増大、減少、または他の変更をいう。1つの実施形態において、生物学的基材は、組織、細胞、高分子またはそれらの組み合わせからなる群より選択される。別の実施形態において、細胞は、血管内皮細胞である。別の実施形態において、細胞は、腫瘍、血管性内皮細胞である。1つの実施形態において、高分子は、Tie2レセプターである。
本明細書中で使用される場合、「モジュレーター(調節因子)」との用語は、その生物学
的基枷ヒ特異的に結合する方法の第2のリガンドをいう。本発明の1つの実施形態におい
て、モジュレーターは、生物学的基材のアゴニストである。本明細書中で使用される場合、
「アゴニスト」との用語は、生物学的基材の生物学的活性を協同させるかまたは強化する
物質を意味する。本発明の別の実施形態において、モジュレーターは、生物学的基材のアンタゴニストである。本明細書中で使用される場合、「アンタゴニスト」または「インヒビター」との用語は、生物学的基材の生物学的活性をブロックするかまたは弱める物質をいう。1つの実施形態において、モジュレーターは、Tie2レセプターに特異的に結合する。
本明細書で使用される場合、「標的部位」との用語は、インビボ、インビトロ、またはエキソビボのいずれかでの細胞または細胞の群の任意のものをいう。この用語は、単一の細胞および細胞の集団を含み得る。この用語は、腺および器官(例えば、皮膚、肝臓、心臓、腎臓、脳、膵臓、肺、胃および生殖器官)を含む細胞集団を含むが、これらに限定されない。この用語はまた、混合された細胞集団(例えば、骨髄)を含むがこれらに限定されない。さらに、これは、固形腫瘍または転移腫瘍の個々のものであろうとそれらの一部分であろうと、新生物細胞または腫瘍細胞のような異常細胞を含むがこれらに限定されない。
さらに本明細書中で使用される場合に標的部位との用語は、被験体への投与の後にリガンドが蓄積することが意図される部位をいう。1つの実施形態において、標的部位は創傷部位であり、この調節によって創傷治癒が増進される。別の実施形態において、標的部位は脈管新生部位(腫瘍の脈管新生部位を育むがこれらに限定されない)であり、そして、この調節によって、脈管新生が阻害される。
以下の実施例は、本発明の方法を説明するために包含される。以下の実施例の特定の局面は、本発明の実施において十分に作用することが、本発明の共同発明者によって見出されるかまたは企図される、技術および手順に関して記載される。これらの実施例は、本発明の共同発明者の標準的な実験作業を説明する。本発明の開示および当該分野の一般的な技術レベルを鑑みて、当業者は、以下の実施例が単に例示を意図し、多くの変化、改変、および変更が本発明の範囲から逸脱することなく使用され得ることを理解する。
(実施例1)
(ペプチドライブラリー)
以下の3つのファージペプチドライブラリーを使用した:(a)式XYXのペプチドをコードするライブラリー;(b)式XPXのペプチドをコードするライブラリー、および(c)式SCX16Sのペプチドをコードするライブラリー。
YXライブラリーを、繊維状ファージM13の遺伝子pIIIの5’末端に連結された39ヌクレオチドを含む可変配列を用いて構築した。このライブラリーによって精製されたペプチドは、各鎖上に、6つのランダムアミノ酸に隣接して中央に固定されたチロシン残基を有する13マーのペプチド配列であった。
YXライブラリーについての例示的ライブラリー構築スキームを以下に提供する。類似のストラテジーが他のライブラリー(これもまた、当該分野において周知の技術を用いて生成され得る)のために使用され得る。
YXライブラリーを生成するために、配列
Figure 2005518442
(配列番号99)のオリゴヌクレオチドを構築し、ここで、NNKNNKNNKNNKNNKNNKTATNNKNNKNNKNNKNNKNNKモジュール(配列番号100)は、このライブラリーを示す。下線を付したCTCGAGおよびTCTAGA配列は、ファージベクター中にライブラリーをクローニングするために使用したXhol制限エンドヌクレアーゼ部位およびXbal制限エンドヌクレアーゼ部位を示す。太字のTAT配列は、チロシンコドンを示す。Nは、等モルのA、C、GおよびTの混合を示す。Kは、等モルのGおよびTを示す。
PXライブラリーを、繊維状ファージM13を使用して構築した。ライブラリーによって生成したペプチドは、各側に、6つのランダムアミノ酸が隣接した中央に固定されたプロリン残基を有する13マーのペプチド配列であった。
SCX16Sライブラリーは、19マーペプチドをコードする。このライブラリーでは、各ペプチドは、中央に16個のランダムアミノ酸、各末端に1つのセリン、そして1つのシステイン残基を含む。これらのペプチドは、M13ファージのPIIIコートタンパク質のアミノ末端上に提示された。
(実施例2)
(ポリスチレンに特異的に結合するペプチドの単離)
PXライブラリー、XYXライブラリーおよびSCX16Sライブラリー(実施例1に記載される)を、96ウェル高結合マイクロタイタープレート(COSTAR(登録商標)ポリスチレンプレート、VWR Scientific of West Chester、Pennsylvania,United States of Americaから入手可能)を用いてポリスチレンへの結合についてスクリーニングした。非特異的タンパク質結合部位を、リン酸緩衝化生理食塩水+TWEEN(登録商標)(PBS−T)中の5%粉乳(100μl)を用いてブロックした。このプレートをシールし、そして50rpmで振盪しながら室温で1時間インキュベートした。次いで、これらのウェルをPBS−T(300μl)で5回洗浄し、これらのウェルを乾燥させないようにした。このライブラリーをPBS−T中で希釈し、そして全容量100μl中、1010pfu/mlの濃度で添加した。室温で、50rpmで振盪しながらさらに1時間インキュベートした後、結合していないファージをPBS−T(300μl)での5回の洗浄によって除去した。結合したファージを、3μl/μlのトロンビンを用いて、150rpmにて30分間溶出した。溶出後、1.5μl mM D−フェニルアラニル−L−プロリル−L−アルギニンクロロメチルケトン(PPACK)を添加し、そして連続希釈を力価測定のために作製した。
最も高い力価のファージストックの生成を確実にするために、溶出したファージを、2× YT培地中の、希釈していない対数期のTG1培養物(5ml)に添加した。この混合物を、210rpmで37℃のシェイカー中で約3時間にわたってインキュベートした。次いで、ファージの上清を、8500×gで10分間の遠心分離後に、力価測定のために回収した。選択の2ラウンド目および3ラウンド目を、インプットとして、以前のラウンドから増幅したファージをもちいて、第1ラウンドと同じ様式で実施した。
チタンに特異的に結合するファージを検出するために、伝統的なELISAを、HRPに結合体化した抗M13ファージ抗体を用いて、次に10%過酸化水素中の発色剤o−フェニレンジアミンを添加して実施した。ファージの相対的な結合強度を、マイクロタイタープレートリーダーを用いて、490nmでの吸光度測定によって決定した。
ポリスチレンに特異的に結合したペプチドをコードするDNAを、pIII配列に従って設計された逆プライマーを用いる鎖ターミネーター法(chain terminator method)によって配列決定した。ペプチド挿入物をコードする配列をファージゲノムに配置して翻訳し、ファージ表面に提示される対応アミノ酸配列を得た。
ポリスチレンに特異的に結合する代表的なペプチドを表3に列挙し、そして配列番号1〜22として示す。
Figure 2005518442
(実施例3)
(ポリウレタンに特異的に結合するペプチドの単離)
SCX16Sライブラリー(実施例1に記載される)を、ポリウレタンへの結合についてスクリーニングした。ファージを、実施例2に記載されるように、検出、単離、増幅および配列決定した。
ポリウレタンに特異的に結合する代表的なペプチドは、SCYVNGHNSVWVVVFWGVS(配列番号23)である。
(実施例4)
(ポリグリコール酸(PGA)に特異的に結合するペプチドの単離)
SCX16Sライブラリー(実施例1に記載される)を、ポリグリコール酸への結合についてスクリーニングした。ポリグリコール酸(PGA)メッシュを、過剰な水中でパニングする前に繰り返し洗浄した。
PGA足場にファージを添加する前に、集団からポリスチレン結合ファージおよび非特異的結合ファージを抽出するために、ファージをポリスチレンウェル標的間に連続して移した。この工程を、パニングの各ラウンドで実施した。非特異的結合部位をまた、パニングの奇数のラウンド間に、PBS中の1%BSAで、そしてパニングの偶数のラウンド間に、PBS−T中の5%粉乳でブロッキングした。BSAブロッキングタンパク質と粉乳ブロッキングタンパク質との交換は、各ラウンド間でBSAおよび粉乳に特異的に結合するペプチドの生存を防いだ。ファージを、実施例2に記載されるように、検出、単離、増幅および配列決定した。
ポリグリコール酸に特異的に結合する代表的なペプチドを表4に列挙し、そして配列番号37〜50として示す。
Figure 2005518442
(実施例5)
(ポリカーボネートに結合するペプチドの単離)
NXライブラリー、SCX16Sライブラリー、およびXPXライブラリー(実施例1に記載される)を、ポリカーボネートへの結合についてスクリーニングした。ポリカーボネートシートを、使用する前にエタノールおよび水で繰り返し洗浄した。
ポリカーボネートシートにファージを添加する前に、集団からポリスチレン結合ファージおよび非特異的結合ファージを抽出するために、ファージをポリスチレンウェル標的間で連続して移した。この工程を、パニングの各ラウンドで実施した。非特異的結合部位をまた、パニングの奇数のラウンド間に、PBS中の1%BSAで、そしてパニングの偶数のラウンド間に、PBS−T中の5%粉乳でブロッキングした。BSAブロックングタンパク質と粉乳ブロッキングタンパク質との交換は、各ラウンド間でBSAおよび粉乳に特異的に結合するペプチドの生存を防いだ。ファージを、実施例2に記載されるように、検出、単離、増幅および配列決定した。
ポリカーボネートに特異的に結合する代表的なペプチドを表5に列挙し、そして配列番号66〜71として示す。
Figure 2005518442
(実施例6)
(ナイロン縫合糸に結合するペプチドの単離)
YXライブラリー(実施例1に記載される)を、ナイロン縫合糸への結合についてスクリーニングした。ナイロン縫合糸を、使用する前にエタノールおよび水で繰り返し洗浄した。
ナイロン縫合糸にファージを添加する前に、集団からポリスチレン結合ファージおよび非特異的結合ファージを抽出するために、ファージをポリスチレンウェル標的間で連続して移した。この工程を、パニングの各ラウンドで実施した。非特異的結合部位をまた、パニングの奇数のラウンド間に、PBS中の1%BSAで、そしてパニングの偶数のラウンド間に、PBS−T中の5%粉乳でブロッキングした。BSAブロッキングタンパク質と粉乳ブロッキングタンパク質との交換は、各ラウンド間でBSAおよび粉乳に特異的に結合するペプチドの生存を防いだ。ファージを、実施例2に記載されるように、検出、単離、増幅および配列決定した。代表的な配列(配列番号105〜116)は、以下の通りである:
ssMASMTGGQYMGHsr
ssMASMTGGQWMGHsr
ssSCFYQNVISSSFAGNPWECsr
ssSCNMLLNSLPLPSEDWSACsr
ssSCPFTHSLALNTDRASPGCsr
ssSCFESDFPNVRHHVLKQSCsr
ssSCVFDSKHFSPTHSPHDVCsr
ssSCGDHMTDKNMPNSGISGCsr
ssMASMTGGQWMGHsr
ssSCDFFNRHGYNSGCEHSVCsr
ssSCGDHMTDKNMPNSGISGCsr
ssSCYYNGLVVHHSNSGHKDCsr。
(実施例7)
(チタンに特異的に結合するペプチドの単離)
SCX16Sライブラリー(実施例1に記載される)を、チタンビースへの結合についてスクリーニングした。直径約25μmの市販の純チタンビーズを、パニングする前に、過剰なヘキサンおよびエタノール中で繰り返し洗浄し、表面の有機物を全て除去した。25個のチタンビースを、96ウェルポリスチレンプレートウェル内に入れた。
チタンビーズにファージを添加する前に、集団からプラスチック結合ファージおよび非特異的結合ファージを抽出するために、ファージをポリスチレンウェル標的間で連続して移した。この工程を、パニングの各ラウンドで実施した。非特異的結合部位をまた、パニングの奇数のラウンド間に、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中の1%ウシ血清アルブミン(BSA)で、そしてパニングの偶数のラウンド間に、PBS−T中の5%粉乳でブロッキングした。BSAブロッキングタンパク質と粉乳ブロッキングタンパク質との交換は、各ラウンド間でBSAおよび粉乳に特異的に結合するペプチドの生存を防いだ。ファージを、実施例2に記載されるように、検出、単離、増幅および配列決定した。
チタンに特異的に結合する代表的なペプチドを表6に列挙し、そして配列番号24〜36として示す。
Figure 2005518442
(実施例8)
(ステンレス鋼に結合するペプチドの単離)
HXライブラリー、SCX16Sライブラリー、XYXライブラリー、Xライブラリー、およびXNXライブラリー(実施例1および表1に記載される)を、ステンレス鋼への結合についてスクリーニングした。ステンレス鋼ビーズを、使用する前に、エタノールおよび水で繰り返し洗浄した。
ステンレス鋼ビーズにファージを添加する前に、集団からプラスチック結合ファージおよび非特異的結合ファージを抽出するために、ファージをポリスチレンウェル標的間に連続して移した。この工程を、パニングの各ラウンドで実施した。非特異的結合部位をまた、パニングの奇数のラウンド間に、PBS中の1%BSAで、そしてパニングの偶数のラウンド間に、PBS−T中の5%粉乳でブロッキングした。BSAブロッキングタンパク質と粉乳ブロッキングタンパク質との交換は、各ラウンド間でBSAおよび粉乳に特異的に結合するペプチドの生存を防いだ。ファージを、実施例2に記載されるように、検出、単離、増幅および配列決定した。
ステンレス鋼に特異的に結合する代表的なペプチドを表7に列挙し、そして配列番号51〜65として示す。
Figure 2005518442
(実施例9)
(軟骨細胞に特異的に結合するペプチドの単離)
SCX16Sライブラリー(実施例1に記載される)を、軟骨細胞への結合についてスクリーニングした。このライブラリーのペプチドは、式SCX16Sであり、これは、16個の中央ランダムアミノ酸、末端に固定されたセリン、そして1つのシステイン残基を含む。これらのペプチドは、M13ファージのpIIIコートタンパク質のアミノ末端上に提示される。
ヒト軟骨細胞を、Clonetics,Inc.(San Diego,California,United States of America)から入手し、そして補充したF−12培地(Sigma−Aldrich Corp.,St.Louis,Missouri,United States of America)中で、ポリスチレン6ウェルプレートのうちの1つのウェルにおいてコンフルエントまで増殖させた。全細胞パニング手順は界面活性剤を含まなかった。このライブラリーを、細胞標的に添加する前に、2時間にわたってポリスチレンウェル中でファージをインキュベートすることによって、ポリスチレンを特異的に結合するファージまたは非特異的に結合するファージを予め取り除いた。各ラウンドにおいて、非特異的結合部位を、PBS中5%粉乳を用いてブロッキングした。ファージを、実施例2に記載されるように、検出、単離、増幅および配列決定した。代表的なペプチドは、配列SCSVYDHKIGRDSFYSGCS (配列番号101)を有する。代表的なペプチドはまた、内皮細胞よりも、10倍より高い軟骨細胞への優先性を有する。
(実施例10)
(コラーゲンに結合するペプチドの単離)
コラーゲンビーズ(BD Biosciences,Bedford,Massachusetts,United States of America製の、ウシI型およびIII型コラーゲン)を、本発明者らが以前に記載したような様式でスクリーニングした。混合ライブラリー(X、XGX、XPX、XHX、XYX、XNX、SCX16S、SSX16SおよびXCXCX)を使用して、コラーゲンへの優先的結合を保有するペプチド構造的モチーフが存在するか否かを決定した。以前のように、コラーゲンサンプルを、ミルクまたはBSAのいずれかで、ファージが添加される前に、各回にてブロッキングする。結合したファージを有するコラーゲンビーズを、洗浄し(5×)、次いで、引き続く感染および増幅のために、E.coli細胞に添加する。ファージを細胞から単離して、新たなコラーゲンサンプルに添加し、そしてこの手順を繰り返す。
ファージを、実施例2に記載されるように、検出し、単離し、増幅し、そして配列決定した。
(実施例11)
(標識ポリスチレン結合ペプチドの合成)
ペプチドフルオレセイン−FLSFVFPASAWGG(配列番号1)を、製造業者により提供される指示に従って、自動化ペプチド合成機を使用して合成した。樹脂からの切断後、ペプチドを洗浄し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製し、そして質量分析によって特徴付けた。このペプチドは、プラスチック結合ドメイン(FLSFVFPASAWGG;配列番号1)および蛍光プローブ(フルオレセイン)を有する。
(実施例12)
(ポリスチレン結合ペプチドおよび細胞結合ペプチドを含む結合剤の合成)
ペプチドFLSFVFPASAWGGSSGRGD(配列番号72)を、製造業者により提供される指示に従って、自動化ペプチド合成機を使用して合成した。樹脂からの切断後、ペプチドを洗浄し、HPLCによって精製し、そして質量分析によって特徴付けた。このペプチドは、細胞結合ドメイン(RGD;配列番号75)およびプラスチック結合ドメイン(FLSFVFPASAWGG;配列番号1)を有する。
(実施例13)
(チタン結合ペプチドおよび細胞結合ペプチドを含む結合剤の合成)
ペプチドSCSDCLKSVDFIPSSLASSRGD(配列番号103)を、製造業者により提供される指示に従って、自動化ペプチド合成機を使用して合成した。樹脂からの切断後、ペプチドを洗浄し、HPLCによって精製し、そして質量分析によって特徴付けた。このペプチドは、細胞結合ドメイン(RGD;配列番号75)およびチタン結合ドメイン(SCSDCLKSVDFIPSSLASS;配列番号27)を有する。
(実施例14)
(ペプチドリガンドによる、ポリスチレンのコーティング)
一片のポリスチレンを、ポリスチレンに特異的に結合するペプチド(例えば、配列番号1〜22のいずれか)を含む結合剤水溶液中に浸漬した。次いで、ポリスチレンを、多量のPBS(pH7.4)で洗浄し、次いで乾燥させた。70°から28°への接触角の減少が観察され、これは、ペプチドリガンドが、ポリスチレン表面上にコーティングされたことを示す。
ペプチドリガンドまたは結合剤を、非生物学的基材に塗布するためのさらなる方法は、リガンドまたは結合剤を含む溶液を、ブラッシングすることおよびスプレーすることを含む。非生物学的基材はまた、溶解可能な犠牲材料でコーティングされ、次いで、リガンドまたは結合剤でコーティングされ得、その後、犠牲材料が除去されて、パターンが得られる。犠牲材料を使用するための代表的な方法は、とりわけ、Clarkら(2001)J Am Chem Soc 123:7677−7682中に見出され得る。
(実施例15)
(ピン−ディップ技術を使用する、ポリスチレンへの結合剤の塗布)
ポリスチレンに特異的に結合するペプチド、またはポリスチレンに特異的に結合するペプチドを含む結合剤を、90部のPBS(pH7.4)および10部のジメチルスルホキシド(DMSO)の溶液中に、25mg/mlの濃度まで希釈した。次いで、溶液を、ピンアレイヤー(pin arrayer)(Cartesian Technologies,Inc.、Irvine、California、United States of America)を使用して、12ウェルの組織培養ポリスチレンプレートの別個のウェル上に2連でパターン形成した。10×10の島のアレイを、100個のスポットを塗布することによって調製し、各スポットは、直径約40μmであり、垂直および水平に、500μmの間隔が空けられている。直線パターンを、水平に70μmおよび垂直に750μmの間隔の空いた400個のスポットのアレイを用いて塗布した。
(実施例16)
(細胞培養のための、界面バイオマテリアルの調製)
25mg/mLの溶液を、90部のPBS(pH7.4)および10部のDMSOの混合物中にペプチド配列RGDFLSFVFPASAWGG(配列番号72)を含む結合剤を使用して調製した。50μlの結合剤溶液を、96ウェルポリスチレンマイクロタイタープレートの3つのウェルの各々に、1時間にわたって添加した。別の3つのウェルにおいて、50μlのコントロールペプチド25mg/mLフルオレセイン標識FLSFVFPASAWGG(配列番号1)を添加した。これらのウェルを、PBSで3回洗浄し、非特異的タンパク質結合部位を、滅菌濾過BSA(PBS中3%)で、25rpmで振とうしながら、30分間ブロッキングした。ネガティブコントロールとして、3つのさらなるウェルを、BSA溶液でブロッキングし、これらのウェルは、ポリスチレン結合ペプチドも、ポリスチレン結合ペプチドを含む結合剤も含まなかった。PBSでの4回の洗浄後、補充EBM培地中のヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を、各ウェルに播種した。細胞の接着および広がりを、1時間、2時間または一晩の培養後に、光学顕微鏡によってモニタリングした。配列番号72を含む結合剤でコーティングしたウェルは、ポリスチレンに特異的に結合するが細胞結合ドメインを欠くペプチドでコーティングしたウェル、または非コーティング細胞と比較して、細胞接着の増加および細胞の広がりの増加を示した。
(実施例17)
(Tie2レセプターに対する単鎖抗体の単離)
ヒトTie2の細胞外ドメインで免疫したマウスの脾臓由来のmRNAを調製した。マウスBリンパ球において発現される重鎖可変領域および軽鎖可変領域に特異的なプライマー対を使用して、これらの抗体フラグメントを逆転写および増幅した。重鎖および軽鎖の遺伝子を、可撓性リンカーと連結して、単鎖フラグメント可変(scFv)抗体を形成した。これらの単鎖抗体を、pCANTAB 5Eファージミドベクター(Amersham Biosciences Corp.,Piscataway,New Jersey,Untied States of America)中にクローニングして、ファージ表面での融合タンパク質としての発現を可能にした。Tie2レセプターに結合するファージクローンについての選択を、精製されたTie2レセプターの細胞外ドメイン(ExTek)を使用して実施した。繰り返される選択の間、プールされた選択されたファージクローンの、標的化ExTekタンパク質への結合レベルは、ELISAによって測定されるように、各回の選択と共に増大し、そして第二回目までにプラトーに達するようであった。無関係のコントロールタンパク質およびブロッキング剤に対する、これらの選択されたファージクローンの結合は、繰り返される選択を通じて、無視可能でありつづける。
個々のクローンを、DNAフィンガープリント分析によってクローンの不均一性の評価のために、第一回目および第二回目に選択されたプールから選別した。これらの研究は、優性種が、第二回目までに既に出現し始めていることを示した。従って、引き続く分析は、第一回目に選択されたプールから単離されたより不均一なクローンに限定された。
第一回目に選択されたプール由来の個々のクローンを、Tie2およびコントロールに対する親和性について試験した。代表的なクローンは、精製されたTie2レセプターの細胞外ドメイン(ExTek)に対する特異的結合を実証したが、精製された密接に関連するレセプターチロシンキナーゼの細胞外ドメイン(ExFms)に対しては、特異的結合を実証しなかった。非結合クローン(1C8)を、ネガティブコントロールとして行った。
これらのクローンをまた、細胞ELISAによって、239細胞の表面上で発現されたTie2を認識する能力について試験した。Tie2を発現するように安定にトランスフェクトされた293細胞に結合する多数のクローンが同定された。これらのクローンは、Tie2レセプターを欠く親293細胞には結合しなかった。
可溶性単鎖抗体を、非サプレッサー株で発現させ、そして可溶性scFv上のC末端E−ペプチドタグに対する抗体を使用して、ペリプラズム抽出物から精製した。この系は、詳細な分子分析のために十分高い量(1リットルの細菌のペリプラズム抽出物から、>500g)で、純粋なscFvを生成する。
さらなる実験により、これらのscFvのうちの1つである1B1が、アンギオポイエチン−1(Ang1)媒介性のTie2のリン酸化およびTNF誘導性アポトーシスのAng1保護の両方を阻害するそれらの能力によって測定されるように、EC上のTie2レセプターの活性化を阻害し得ることが実証された。このような抗体は、機能改変界面生体物質(function−modifying interfacial biomaterial)(IFBM)へと展開され得る。他のscFvは、Tie2生理学に対して何の影響も示さず、これは、これらの抗体が、IFBM親和性モジュールとして有用であり得ることを示唆する。
(実施例18)
(ポリスチレンへのペプチドの接着)
結合の接着強度および様式は、IFBMおよび基材の両方に依存的である。IFBMと合成の生物学的基材との間の接着力を特徴づけおよび定量するために、約0.5nmの位置解像度を有する容量性変位センサ(capacitive displacement sensor)を備える、高精度の圧電駆動撓みステージ(piezo driven flexure stage)を用いる最新の力分光器(force spectrometer)を使用した。XYXペプチドライブラリー由来のポリスチレン結合ペプチド(順方向でポリスチレン結合ドメインを含む、システインが末端にあるペプチド;CGSSLVGLHSYWSSPFF;配列番号117)を使用した。次いで、このシステインが末端にあるペプチドを、このペプチドの溶液(1mg/ml)中で片持ち梁をインキュベートすることによって、金コーティングした原子間力顕微鏡(AFM)片持ち梁に連結した。引っ張り(pull−off)力の測定を、300nm/秒の速度で、ポリスチレン表面と改変片持ち梁先端とを繰り返し係合することによって、MultiMode AFM (Digital Instruments,now Veeco Instruments,Inc.,Woodbury,New York,United States of America)で、PBS緩衝溶液中で実施した。このペプチドについての平均接着力は、約300pNであった。
(実施例19)
(細胞非親和性(cytophobic)コーティング)
ペプチド配列を同定した後、標準的なN−9−フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)プロトコルに従う自動化固相ペプチド合成を使用して、C末端ポリエチレングリコール(PEG)タグ(2500分子量PEG)を有するポリスチレン接着ペプチド(FFPSSWYSHLGVL;配列番号18)を生成した。PEGを、界面生体物質の細胞忌避セグメントとして選択した。なぜなら、PEGは、細胞の接着および広がりを阻害/防止することが周知であるからである。4cm平方のポリスチレンサンプルを、汚損のない界面生体物質でコーティングした(pH=7.4で、90%/10% PBS/DMSO中1mg/ml;一晩)。IFBMコーティングしたポリスチレンを、過剰のPBS(pH7.4)で引き続き洗浄した。対応する処理ポリスチレンおよび未処理ポリスチレンに対する接触角の測定により、界面生体物質がこの表面をコーティングしたことが確認された。
多機能ペプチドまたは界面生体物質(IFBM)FFPYSHLGVLSSG−PEG(配列番号104)が、表面をコーティングし得、そして細胞接着を防止または低減することを実証するために、本発明者らは、成体ヒト真皮線維芽細胞(NHDF)またはヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)が、IFBMコーティングしたポリスチレンに接着するか否かを決定した。第一に、FFPYSHLGVLSSG−PEG(配列番号104)の1.0 mg/ml溶液を、水で調製した。この溶液を、96ウェルのポリスチレン培養プレートのウェルに添加し、そして一晩50℃でインキュベートした。次いで、これらのウェルを、PBSで2回洗浄し、その後、いずれかの細胞型300μlを播種した。ヒト線維芽細胞および内皮細胞を、未処理のポリスチレン上(N=3)およびペプチド(非ペグ化)コーティングポリスチレン(N=3)にも播種した。37℃で一晩インキュベートした後、ウェルを、過剰のPBSで5回洗浄し、次いで、エタノール中に固定し、そして細胞計数および光学顕微鏡のために、エオシンYで染色した。NHDF細胞およびHUVEC細胞の両方が、それらの丸い形態、広がりおよび未処理のコントロールプラスチックに対する接着を喪失する。より高い倍率で、顕著な膜ラッフリング(ruffling)が明らかである。処理されたポリスチレン上に播種されたNHDFまたはHUVECは、丸い形態を維持し、表面には密に接着しない。細胞計数研究は、接着が、ポリスチレンがFFPYSHLGVLSSG−PEG(配列番号104)でコーティングされる場合に、実質的に低下し、細胞数が劇的に減少することを示す。
(実施例20)
(「サンドイッチ」技術を使用する、リガンド抗原の決定)
抗体コーティングしたポリプロピレンチューブ(12mm×75mm)を、0.5% TWEEN−20(登録商標)を含む0.9% NaClで、使用前に3回洗浄する。各チューブに、200μlの適切に希釈した抗原標準または未知のサンプルを添加する。これらのチューブにキャップをし、そして室温で3時間インキュベートする。その後、これらのチューブを吸引し、そして前述のように、0.5% TWEEN−20(登録商標)を含む0.9% NaClで3回洗浄する。200μlの適切に希釈されたビオチン標識化抗体を各チューブに添加し、そしてこれらのチューブを、4℃で一晩インキュベートする。インキュベーション後、これらのチューブを吸引し、そして0.5% TWEEN−20(登録商標)溶液を含む0.9% NaClで3回洗浄する。洗浄後、200μlの適切な希釈のHRP標識化アビジンを各チューブに添加し、そしてこれらのチューブを、室温で5〜60分間インキュベートし、吸引し、次いで、上記のように洗浄する。不溶相中の酵素活性を、5.4 mM o−フェニレンジアミンジヒドロクロリドおよび0.03% Hを含む、0.033Mのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.6)1mlを、時間間隔を空けて、各チューブに添加することによって決定する。色強度が適切であるとみなされた時点で(15〜30分)、この酵素反応を停止させ、そして吸光度を、適切な波長で測定する。
アルカリホスファターゼ標識化アビジンを、HRP標識化アビジンの環境において使用する場合、不溶相中の酵素活性を、1mg/mlのp−ニトロフェニルホスフェートおよび1mMのMgClを含む、0.05Mの炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.8)1mlを添加することによって、決定する。適切なインキュベーション時間後、この反応を、100μlの1N NaOHで停止させ、そして400nmでの吸光度を測定する。
マイクロタイタープレートで実施した酵素イムノアッセイを、本質的に上記と同じ様式で実施する。酵素アッセイを、250μlの基材溶液を使用して実施し、そして50μlの1N NaOHで停止させる。色強度を、250μlのマイクロキュベットを使用して、マイクロタイタープレートの各ウェルの内容物の分光学的分析によって、定性的に推定するか、または定量的に決定し得る。
(参考文献)
以下に列挙される参考文献ならびに本明細書中に引用される全ての参考文献は、それらが、本明細書中で使用される方法論、技術および/または組成物についての背景を補充し、説明し、提供し、またはこれらを教示する程度まで、本明細書中で参考として援用される。
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本発明の種々の詳細は、本発明の範囲から逸脱することなく変化され得ることが理解される。さらに、上記の記載は、例示の目的のためのみであり、特許請求の範囲によって規定される本発明を限定するためではない。
【配列表】
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Claims (229)

  1. 複数の結合剤を含む界面バイオマテリアルであって、ここで、各結合剤は、標的非生物学的基材に特異的に結合する第1のリガンドおよび標的生物学的基材に特異的に結合する第2のリガンドを含み、該複数の結合剤は、該標的非生物学的基材と該標的生物学的基材との間の界面を規定する、界面バイオマテリアル。
  2. 前記複数の結合剤が、複数の同一性結合剤を含む、請求項1に記載の界面バイオマテリアル。
  3. 前記複数の結合剤が、複数の非同一性結合剤を含む、請求項1に記載の界面バイオマテリアル。
  4. 前記各複数の非同一性結合剤が、標的非生物学的基材に特異的に結合する同一の第1のリガンドを含む、請求項3に記載の界面バイオマテリアル。
  5. 前記複数の結合剤が、空間パターンをさらに含む、請求項1に記載の界面バイオマテリアル。
  6. リンカーをさらに含む、請求項1に記載の界面バイオマテリアルであって、該リンカーが、前記第1のリガンドと前記第2のリガンドとを連結する、界面バイオマテリアル。
  7. 前記第1のリガンドが、ペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項1に記載の界面バイオマテリアル。
  8. 請求項1に記載の界面バイオマテリアルであって、前記第1のリガンドが、標的非生物学的基材に特異的に結合し、該標的非生物学的基材は、合成ポリマー、プラスチック、金属、金属酸化物、非金属酸化物、シリコーン材料、セラミック材料、薬物、薬物キャリア、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、界面バイオマテリアル。
  9. 前記合成ポリマーが、ポリグリコール酸を含む、請求項8に記載の界面バイオマテリアル。
  10. 前記第1のリガンドが、配列番号37〜50のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項9に記載の界面バイオマテリアル。
  11. 前記合成ポリマーが、ナイロンを含む、請求項8に記載の界面バイオマテリアル。
  12. 前記ナイロンが、ナイロン縫合糸を形成する、請求項11に記載の界面バイオマテリアル。
  13. 前記第1のリガンドが、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるプラスチックに特異的に結合する、請求項8に記載の界面バイオマテリアル。
  14. 前記第1のリガンドが、ポリスチレンを含むプラスチックに特異的に結合する、請求項13に記載の界面バイオマテリアル。
  15. 前記第1のリガンドが、配列番号X〜Xのいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項14に記載の界面バイオマテリアル。(ポリスチレン)
  16. 前記第1のリガンドが、ポリウレタンを含むプラスチックに特異的に結合する、請求項13に記載の界面バイオマテリアル。
  17. 前記第1のリガンドが、配列番号X〜Xのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項16に記載の界面バイオマテリアル。(ポリウレタン)
  18. 前記第1のリガンドが、ポリカーボネートを含むプラスチックに特異的に結合する、請求項13に記載の界面バイオマテリアル。
  19. 前記第1のリガンドが、配列番号X〜Xのいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項18に記載の界面バイオマテリアル。(ポリカーボネート)
  20. 前記第1のリガンドが、チタンを含む金属に特異的に結合する、請求項8に記載の界面バイオマテリアル。
  21. 前記第1のリガンドが、配列番号X〜Xのいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項20に記載の界面バイオマテリアル。(チタン)
  22. 前記第1のリガンドが、ステンレス鋼を含む金属に特異的に結合する、請求項8に記載の界面バイオマテリアル。
  23. 前記第1のリガンドが、配列番号X〜Xのいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項22に記載の界面バイオマテリアル。(ステンレス鋼)
  24. 前記第2のリガンドが、ペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項1に記載の界面バイオマテリアル。
  25. 前記第2のリガンドが、標的生物学的基材に特異的に結合し、該標的生物学的基材は、組織、細胞、高分子、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の界面バイオマテリアル。
  26. 前記標的生物学的基材が、コラーゲンまたはTie2レセプターを含む、請求項24または25のいずれかに記載の界面バイオマテリアル。
  27. 複数の結合剤を含む、請求項1に記載の界面バイオマテリアルであって、前記複数の結合剤の1つ以上が、配列番号27または28のアミノ酸配列を含む、界面バイオマテリアル。(リンカー)
  28. 複数の結合剤を含む界面バイオマテリアルであって、ここで、各結合剤は、標的非生物学的基材に特異的に結合する第1のリガンドおよび標的生物学的基材への結合を実質的に欠如する非結合ドメインを含む、界面バイオマテリアル。
  29. 前記複数の結合剤が、複数の同一性結合剤を含む、請求項28に記載の界面バイオマテリアル。
  30. 前記複数の結合剤が、複数の非同一性結合剤を含む、請求項28に記載の界面バイオマテリアル。
  31. 前記各複数の非同一性結合剤が、非生物学的基材に特異的に結合する同一のリガンドを含む、請求項30に記載の界面バイオマテリアル。
  32. 前記複数の結合剤が、空間パターンをさらに含む、請求項28に記載の界面バイオマテリアル。
  33. 前記複数の結合剤の1つ以上が、、前記リガンドと前記非結合ドメインとを連結するリンカーを含む、請求項28に記載の界面バイオマテリアル。
  34. 前記リガンドが、ペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項29に記載の界面バイオマテリアル。
  35. 請求項29に記載の界面バイオマテリアルであって、前記リガンドが、標的非生物学的基材に特異的に結合し、該標的非生物学的基材は、合成ポリマー、プラスチック、金属、金属酸化物、非金属酸化物、シリコーン材料、セラミック材料、薬物、薬物キャリア、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、界面バイオマテリアル。
  36. 前記合成ポリマーが、ポリグリコール酸を含む、請求項35に記載の界面バイオマテリアル。
  37. 前記合成ポリマーが、ナイロンを含む、請求項35に記載の界面バイオマテリアル。
  38. 前記ナイロンが、ナイロン縫合糸を形成する、請求項37に記載の界面バイオマテリアル。
  39. 前記リガンドが、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるプラスチックに特異的に結合する、請求項35に記載の界面バイオマテリアル。
  40. 前記リガンドが、ポリスチレンを含むプラスチックに特異的に結合する、請求項39に記載の界面バイオマテリアル。
  41. 前記リガンドが、配列番号1〜22のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項40に記載の界面バイオマテリアル。
  42. 前記リガンドが、ポリウレタンを含むプラスチックに特異的に結合する、請求項39に記載の界面バイオマテリアル。
  43. 前記リガンドが、配列番号23のアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項42に記載の界面バイオマテリアル。
  44. 前記リガンドが、チタンを含む金属に特異的に結合する、請求項35に記載の界面バイオマテリアル。
  45. 前記リガンドが、配列番号24〜36のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項44に記載の界面バイオマテリアル。
  46. 前記リガンドが、ステンレス鋼を含む金属に特異的に結合する、請求項35に記載の界面バイオマテリアル。
  47. 前記リガンドが、配列番号51〜65のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項46に記載の界面バイオマテリアル。
  48. 前記ドメインが、ペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項28に記載の界面バイオマテリアル。
  49. 前記非結合ドメインが、標的生物学的基材への結合を実質的に示さず、該標的生物学的基材は、組織、細胞、高分子、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項28に記載の界面バイオマテリアル。
  50. 前記非結合ドメインが、細胞非親和性剤を含む、請求項49に記載の界面バイオマテリアル。
  51. 前記細胞非親和性剤が、ポリエチレングリコールである、請求項50に記載の界面バイオマテリアル。
  52. 前記界面バイオマテリアルが、前記標的非生物学的基材の汚損を防止する、請求項28に記載の界面バイオマテリアル。
  53. 20未満のアミノ酸残基を有するペプチドを含むポリスチレンに特異的に結合する、合成ペプチド。
  54. 配列番号1〜22のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項53に記載の合成ペプチド。
  55. 20未満のアミノ酸残基を有するペプチドを含むポリウレタンに特異的に結合する、合成ペプチド。
  56. 配列番号23のアミノ酸配列を含む、請求項55に記載の合成ペプチド。
  57. 20未満のアミノ酸残基を有するペプチドを含むポリカーボネートに特異的に結合する、合成ペプチド。
  58. 配列番号66〜71のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項57に記載の合成ペプチド。
  59. 20未満のアミノ酸残基を有するペプチドを含むポリグリコール酸に特異的に結合する、合成ペプチド。
  60. 配列番号37〜50のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項59に記載の合成ペプチド。
  61. 20未満のアミノ酸残基を有するペプチドを含むナイロンに特異的に結合する、合成ペプチド。
  62. 20未満のアミノ酸残基を有するペプチドを含むチタンに特異的に結合する、合成ペプチド。
  63. 配列番号24〜36のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項62に記載の合成ペプチド。
  64. 20未満のアミノ酸残基を有するペプチドを含むステンレス鋼に特異的に結合する、合成ペプチド。
  65. 配列番号51〜65のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項64に記載の合成ペプチド。
  66. 20未満のアミノ酸残基を有するペプチドを含むコラーゲンに特異的に結合する、合成ペプチド。
  67. 20未満のアミノ酸残基を有するペプチドを含むTie2レセプターに特異的に結合する、合成ペプチド。
  68. 結合剤を調製するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)標的非生物学的基材上で種々の分子のライブラリーをパニングする工程であって、これにより、標的非生物学的基材に特異的に結合する第1のリガンドが、同定される、工程;ならびに
    (b)該第1のリガンドと第2のリガンドとを連結する工程であって、該第2のリガンドは、標的生物学的基材に特異的に結合し、これにより、結合剤が調製される、工程、
    を包含する、方法。
  69. 前記第1のリガンドが、ペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項68に記載の方法。
  70. 請求項68に記載の方法であって、前記第1のリガンドが、標的非生物学的基材に特異的に結合し、該標的非生物学的基材は、合成ポリマー、プラスチック、金属、金属酸化物、非金属酸化物、シリコーン材料、セラミック材料、薬物、薬物キャリア、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、方法。
  71. 前記合成ポリマーが、ポリグリコール酸を含む、請求項70に記載の方法。
  72. 前記合成ポリマーが、ナイロンを含む、請求項70に記載の方法。
  73. 前記ナイロンが、ナイロン縫合糸を形成する、請求項72に記載の方法。
  74. 前記第1のリガンドが、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるプラスチックに特異的に結合する、請求項70に記載の方法。
  75. 前記第1のリガンドが、ポリスチレンを含むプラスチックに特異的に結合する、請求項74に記載の方法。
  76. 前記第1のリガンドが、配列番号1〜22のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項75に記載の方法。
  77. 前記第1のリガンドが、ポリウレタンを含むプラスチックに特異的に結合する、請求項74に記載の方法。
  78. 前記第1のリガンドが、配列番号23のアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項77に記載の方法。
  79. 前記第1のリガンドが、ポリカーボネートを含むプラスチックに特異的に結合する、請求項74に記載の方法。
  80. 前記第1のリガンドが、配列番号66〜71のアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項79に記載の方法。
  81. 前記第1のリガンドが、チタンを含む金属に特異的に結合する、請求項70に記載の方法。
  82. 前記第1のリガンドが、配列番号24〜36のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項81に記載の方法。
  83. 前記第1のリガンドが、ステンレス鋼を含む金属に特異的に結合する、請求項70に記載の方法。
  84. 前記第1のリガンドが、配列番号51〜65のアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項83に記載の方法。
  85. 前記第2のリガンドが、ペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項68に記載の方法。
  86. 前記第2のリガンドが、組織、細胞、高分子、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される標的生物学的基材に結合する、請求項68に記載の方法。
  87. 前記標的生物学的基材が、コラーゲンまたはTie2レセプターを含む、請求項85または86のいずれか1項に記載の方法。
  88. リガンドを標的生物学的基材上でパニングし、これにより、標的生物学的基材に特異的に結合するリガンドが、同定される工程をさらに包含する、請求項68に記載の方法。
  89. 請求項68の方法によって生成される、結合剤。
  90. 前記結合剤が、配列番号72または73のいずれかのアミノ酸配列を含む、請求項89に記載の結合剤。
  91. 結合剤を調製するための方法であって、該方法は:
    (a)標的非生物学的基材に対して種々の分子のライブラリーをパニングし、それによって、標的非生物学的基材に特異的に結合するリガンドが同定される工程;および
    (b)該リガンドを非結合ドメインに結合し、それによって結合剤が調製される工程であって、ここで、該非結合ドメインは、標的生物学的基材への結合を実質的に示さない、工程
    を包含する、方法。
  92. 前記リガンドがペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項91に記載の方法。
  93. 前記リガンドが、合成ポリマー、プラスチック、金属、金属酸化物、非金属酸化物、シリコーン、セラミック材料、薬物、薬物キャリア、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、標的非生物学的基材を特異的に結合する、請求項91に記載の方法。
  94. 前記合成ポリマーが、ポリグリコール酸を含む、請求項93に記載の方法。
  95. 前記リガンドが、配列番号37〜50のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項94に記載の方法。
  96. 前記合成ポリマーが、ナイロンを含む、請求項93に記載の方法。
  97. 前記ナイロンが、ナイロン縫合糸を形成する、請求項96に記載の方法。
  98. 前記リガンドが、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるプラスチックを特異的に結合する、請求項93に記載の方法。
  99. 前記リガンドが、ポリスチレンを含むプラスチックを特異的に結合する、請求項98に記載の方法。
  100. 前記リガンドが、配列番号1〜22のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項99に記載の方法。
  101. 前記リガンドが、ポリウレタンを含むプラスチックを特異的に結合する、請求項98に記載の方法。
  102. 前記リガンドが、配列番号23のアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項101に記載の方法。
  103. 前記リガンドが、ポリカーボネートを含むプラスチックを特異的に結合する、請求項98に記載の方法。
  104. 前記リガンドが、配列番号66〜71のアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項103に記載の方法。
  105. 前記リガンドが、チタンを含む金属を特異的に結合する、請求項93に記載の方法。
  106. 前記リガンドが、配列番号24〜36のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項105に記載の方法。
  107. 前記リガンドが、ステンレス鋼を含む金属を特異的に結合する、請求項93に記載の方法。
  108. 前記リガンドが、配列番号51〜65のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項107に記載の方法。
  109. 前記非結合ドメインが、ペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項91に記載の方法。
  110. 前記非結合ドメインが、組織、細胞、高分子、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される標的生物学的基材に対する結合を実質的に示さない、請求項91に記載の方法。
  111. 前記非結合ドメインが、細胞非親和性剤を含む、請求項91に記載の方法。
  112. 前記細胞非親和性剤が、ポリエチレングリコールである、請求項111に記載の方法。
  113. 標的生物学的基材に対してリガンドをパニングし、それによって標的生物学的基材に対する結合を実質的に示さない非結合ドメインが同定される工程をさらに包含する、請求項91に記載の方法。
  114. 請求項91に記載の方法によって産生される、結合剤。
  115. 界面バイオマテリアルを調製するための方法であって、該方法は:
    (a)複数の結合剤を非生物学的基材に塗布する工程であって、それによって、該複数の結合剤の各々は、第1のリガンドおよび第2のリガンドを含み、該第1のリガンドは、非生物学的基材を特異的に結合し、該第2のリガンドは、標的生物学的基材を特異的に結合する工程であって、ここで該塗布工程は、カップリングを含まない、工程;
    (b)非生物学的基材をサンプルと接触させる工程であって、ここで、該複数の結合剤は、該非生物学的基材に結合され、該サンプルは、該標的生物学的基材を含む、工程;ならびに、
    (c)該標的生物学的基材が該複数の結合剤に結合するのに十分な時間放置する工程であって、ここで界面バイオマテリアルが調製される、工程、
    を包含する、方法。
  116. 前記塗布工程が、空間的制限様式で、該複数の結合剤を塗布する工程を包含する、請求項115に記載の方法。
  117. 前記非生物学的基材が、合成ポリマー、プラスチック、金属、金属酸化物、非金属酸化物、シリコーン材料、セラミック材料、薬物、薬物キャリア、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項115に記載の方法。
  118. 前記合成ポリマーが、ポリグリコール酸を含む、請求項117に記載の方法。
  119. 前記合成ポリマーが、ナイロンを含む、請求項117に記載の方法。
  120. 前記ナイロンが、ナイロン縫合糸を形成する、請求項119に記載の方法。
  121. 前記プラスチックが、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項120に記載の方法。
  122. 前記プラスチックが、ポリスチレンを含む、請求項121に記載の方法。
  123. 前記プラスチックが、ポリウレタンを含む、請求項121に記載の方法。
  124. 前記プラスチックが、ポリカーボネートを含む、請求項121に記載の方法。
  125. 前記金属が、チタンを含む、請求項117に記載の方法。
  126. 前記金属が、ステンレス鋼を含む、請求項117に記載の方法。
  127. 前記複数の結合剤が、複数の同一性結合剤を含む、請求項115に記載の方法。
  128. 前記複数の結合剤が、複数の非同一性結合剤を含む、請求項115に記載の方法。
  129. 前記複数の非同一性結合剤の各々が、同一性リガンドを含み、該リガンドが、非生物学的基材に特異的に結合する、請求項128に記載の方法。
  130. 前記複数の結合剤の1つ以上が、配列番号72または73のアミノ酸配列を含む、請求項115に記載の方法。
  131. 前記結合剤の1つ以上が、前記第1のリガンドと前記第2のリガンドとを連結するリンカーを含む、請求項115に記載の方法。
  132. 前記第1のリガンドが、ペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項115に記載の方法。
  133. 前記第1のリガンドが、配列番号37〜50のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項132に記載の方法。
  134. 前記第1のリガンドが、配列番号1〜22のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項132に記載の方法。
  135. 前記第1のリガンドが、配列番号23のアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項132に記載の方法。
  136. 前記第1のリガンドが、配列番号66〜71のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項132に記載の方法。
  137. 前記第1のリガンドが、配列番号24〜36のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項132に記載の方法。
  138. 前記第1のリガンドが、配列番号51〜65のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項132に記載の方法。
  139. 前記第2のリガンドが、ペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項115に記載の方法。
  140. 前記第2のリガンドが、組織、細胞、高分子、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される標的生物学的基材を特異的に結合する、請求項115に記載の方法。
  141. 前記標的生物学的基材が、コラーゲンまたはTie2レセプターを含む、請求項139または140のいずれかに記載の方法。
  142. 前記接触工程が、インビトロ、エキソビボ、またはインビボで接触する工程を含む、請求項115に記載の方法。
  143. 請求項115に記載の方法に従って調製される界面バイオマテリアル。
  144. 生物学的アレイを調製する方法であって、該方法は:
    (a)複数の位置を有する非生物学的基材を提供する工程;
    (b)該複数の位置の各々に結合剤を塗布する工程であって、該結合剤は、第1のリガンドおよび第2のリガンドを含み、該第1のリガンドは、非生物学的基材を特異的に結合し、該第2のリガンドは、標的生物学的基材を特異的に結合し、ここで、該塗布工程は、カップリングを含まない、工程;
    (c)非生物学的基材をサンプルと接触させる工程であって、ここで、複数の結合剤は、該非生物学的基材に結合され、サンプルは、該標的生物学的基材を含む、工程;ならびに、
    (d)該標的生物学的基材が該複数の結合剤に結合するのに十分な時間放置する工程であって、ここで生物学的アレイが調製される、工程、
    を包含する、方法。
  145. 前記非生物学的基材が、合成ポリマー、プラスチック、金属、金属酸化物、非金属酸化物、シリコーン材料、セラミック材料、薬物、薬物キャリア、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項144に記載の方法。
  146. 前記合成ポリマーが、ポリグリコール酸を含む、請求項145に記載の方法。
  147. 前記合成ポリマーが、ナイロンを含む、請求項145に記載の方法。
  148. 前記ナイロンが、ナイロン縫合糸を形成する、請求項147に記載の方法。
  149. 前記プラスチックが、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項145に記載の方法。
  150. 前記プラスチックが、ポリスチレンを含む、請求項149に記載の方法。
  151. 前記プラスチックが、ポリウレタンを含む、請求項149に記載の方法。
  152. 前記プラスチックが、ポリカーボネートを含む、請求項149に記載の方法。
  153. 前記金属が、チタンを含む、請求項145に記載の方法。
  154. 前記金属が、ステンレス鋼を含む、請求項145に記載の方法。
  155. 前記塗布工程が、ディップペン印刷を含む、請求項144に記載の方法。
  156. 前記複数の結合剤が、複数の同一性結合剤を含む、請求項144に記載の方法。
  157. 前記複数の結合剤が、複数の非同一性結合剤を含む、請求項144に記載の方法。
  158. 前記複数の非同一性結合剤の各々が、同一性リガンドを含み、該リガンドが、非生物学的基材に特異的に結合する、請求項157に記載の方法。
  159. 前記複数の結合剤の1つ以上が、配列番号72または73のアミノ酸配列を含む、請求項144に記載の方法。
  160. 前記複数の結合剤の1つ以上が、前記第1のリガンドと前記第2のリガンドとを連結するリンカーを含む、請求項144に記載の方法。
  161. 前記第1のリガンドが、ペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項144に記載の方法。
  162. 前記第1のリガンドが、配列番号37〜50のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項161に記載の方法。
  163. 前記第1のリガンドが、配列番号1〜22のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項161に記載の方法。
  164. 前記第1のリガンドが、配列番号23のアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項161に記載の方法。
  165. 前記第1のリガンドが、配列番号66〜71のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項161に記載の方法。
  166. 前記第1のリガンドが、配列番号24〜36のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項161に記載の方法。
  167. 前記第1のリガンドが、配列番号51〜65のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項161に記載の方法。
  168. 前記第2のリガンドが、ペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項144に記載の方法。
  169. 前記第2のリガンドが、組織、細胞、高分子、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される標的生物学的基材を特異的に結合する、請求項144に記載の方法。
  170. 前記標的生物学的基材が、コラーゲンまたはTie2レセプターを含む、請求項168または169の1つに記載の方法。
  171. 請求項144に記載の方法に従って調製される界面バイオマテリアル。
  172. 界面バイオマテリアルを調製するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)複数の結合剤を非生物学的基材を塗布する工程であって、ここで、該複数の結合剤の各々は、該非生物学的基材に特異的に結合するリガンドおよび標的生物学的基材に実質的に結合を示さない非結合性ドメインを含み、ここで該塗布する工程は、カップリングを含まない、工程;および
    (b)該非生物学的基材を該標的生物学的基材を含むサンプルと接触する工程であって、ここで該複数の結合剤は、該非生物学的基材に結合され、これによって界面バイオマテリアルが調製される、工程、
    を包含する、
    方法。
  173. 前記塗布する工程が、空間的に制限された様式で、前記複数の結合剤を塗布する工程を包含する、請求項172に記載の方法。
  174. 請求項172に記載の方法であって、前記非生物学的基材が、以下:合成ポリマー、プラスチック、金属、金属酸化物、非金属酸化物、シリコーン物質、セラミックス物質、薬物、薬物キャリアおよびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
  175. 前記合成ポリマーが、ポリグリコール酸を含む、請求項174に記載の方法。
  176. 前記合成ポリマーが、ナイロンを含む、請求項174に記載の方法。
  177. 前記ナイロンが、ナイロン縫合糸を形成する、請求項176に記載の方法。
  178. 請求項174に記載の方法であって、前記プラスチックが、以下:ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタンおよびそれらの組み合せからなる群から選択される、方法。
  179. 前記プラスチックが、ポリスチレンを含む、請求項178に記載の方法。
  180. 前記プラスチックが、ポリウレタンを含む、請求項178に記載の方法。
  181. 前記プラスチックが、ポリカーボネートを含む、請求項178に記載の方法。
  182. 前記金属が、チタンを含む、請求項174に記載の方法。
  183. 前記金属が、ステンレス鋼を含む、請求項174に記載の方法。
  184. 前記複数の結合剤が、複数の同一性結合剤を含む、請求項172に記載の方法。
  185. 前記複数の結合剤が、複数の非同一性結合剤を含む、請求項172に記載の方法。
  186. 前記複数の非同一性結合剤の各々が、前記非生物学的基材に特異的に結合する同一のリガンドを含む、請求項185に記載の方法。
  187. 1つ以上の前記結合剤が、前記リガンドおよび前記非結合性ドメインを連結するリンカーを含む、請求項172に記載の方法。
  188. 前記リガンドが、ペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項172に記載の方法。
  189. 前記リガンドが、配列番号37〜50のうちの任意の1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項188に記載の方法。
  190. 前記リガンドが、配列番号1〜22のうちの任意の1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項188に記載の方法。
  191. 前記リガンドが、配列番号23のアミノ酸配列を含むペプチド含む、請求項188に記載の方法。
  192. 前記リガンドが、配列番号66〜71のうちの任意の1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項188に記載の方法。
  193. 前記リガンドが、配列番号24〜36のうちの任意の1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項188に記載の方法。
  194. 前記リガンドが、配列番号51〜65のうちの任意の1つのアミノ酸配列を含むペプチドを含む、請求項188に記載の方法。
  195. 前記非結合性ドメインが、ペプチドまたは単鎖抗体を含む、請求項172に記載の方法。
  196. 請求項172に記載の方法であって、前記非結合性ドメインが、以下:組織、細胞、高分子およびそれらの組み合せからなる群から選択される生物学的基材に対して実質的に結合を示さない、方法。
  197. 前記非結合性ドメインが、細胞非親和性剤を含む、請求項196に記載の方法。
  198. 前記細胞非親和性剤が、ポリエチレングリコールである、請求項197に記載の方法。
  199. 前記接触工程が、インビトロ、エキソビボまたはインビボで接触する工程を包含する、請求項172に記載の方法。
  200. 請求項179の方法に従って調製された界面バイオマテリアル。
  201. 細胞培養のための方法であって、該方法は、以下:
    (a)複数の結合剤を非生物学的基材に塗布する工程、ここで該複数の結合剤の各々は、非生物学的基材に特異的に結合する第1のリガンドおよび細胞に特異的に結合する第2のリガンドを含み、ここで、前記塗布する工程は、カップリングを含まない、工程;
    (b)該非生物学的基材を細胞と接触する工程であって、ここで複数の結合剤は、該非生物学的基材に結合される、工程;
    (c)該複数の結合剤に細胞を結合するために十分な時間放置する工程;および
    (d)細胞を培養する工程、
    を包含する、
    方法。
  202. 被験体にデバイスを移植する方法であって、該方法は、以下:
    (a)複数の結合剤を移植片に塗布する工程であって、ここで該複数の結合剤の各々は、移植片に特異的に結合する第1のリガンドおよび移植部位で細胞に特異的に結合する第2のリガンドを含み、ここで塗布する工程は、カップリングを含まない、工程;および
    (b)該移植部位で被験体中に移植片を配置する工程、
    を包含する、
    方法。
  203. 生物学的基材の活性を調節するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)非生物学的基材を複数の結合剤でコーティングする工程であって、ここで該複数の結合剤の各々は、生分解性で非生物学的な物質に特異的に結合する第1のリガンド、および該生物学的基材に特異的に結合する第2のリガンドを含み、ここで該コーティングする工程は、カップリングを含まない、工程;
    (b)標的部位にコーティングされた該生分解性で非生物学的な基材を配置する工程であって、ここで該生物学的基材は、標的部位に存在する、工程;および
    (c)標的部位で該生物学的基材が該結合剤に、結合するのに十分な時間放置する工程であって、ここで該結合は、該生物学的基材の活性を調節する、工程、
    を包含する、
    方法。
  204. 請求項203に記載の方法であって、前記生物学的基材が、以下:組織、細胞、高分子およびそれらの組み合せからなる群から選択される、方法。
  205. 前記細胞が、血管内皮細胞である、請求項204に記載の方法。
  206. 前記血管内皮細胞が、腫瘍血管内皮細胞である、請求項205に記載の方法。
  207. 前記高分子が、Tie2レセプターである、請求項204に記載の方法。
  208. 前記標的部位が損傷部位であり、そして前記調節が損傷治癒を増強する、請求項203に記載の方法。
  209. 前記標的部位が新脈管形成部位であり、そして前記調節が新脈管形成を阻害する、請求項203に記載の方法。
  210. 前記新脈管形成が、腫瘍新脈管形成である、請求項209に記載の方法。
  211. 前記第2のリガンドが、Tie2レセプターに特異的に結合する、請求項203に記載の方法。
  212. 潤滑性界面を生成する方法であって、該方法は、複数の結合剤を第1の基材に塗布する工程を包含し、ここで、該塗布する工程は、カップリングを含まず、ここで該複数の結合剤の各々は以下:
    (a)第1の基材に特異的に結合するリガンド;および
    (b)第2の基材に対する結合を実質的に示さない非結合性ドメイン、
    を含む、
    方法。
  213. 前記第1の基材が、非生物学的基材を含む、請求項212に記載の方法。
  214. 請求項212に記載の方法であって、該方法は、以下:
    (a)複数の結合剤を移植片に塗布する工程であって、ここで、該複数の結合剤の各々は、該移植片に特異的に結合するリガンドおよび移植部位で細胞に対して結合を実質的に示さない非結合性ドメインを含み、ここで、該塗布する工程はカップリングを含まない、工程;および
    (b)該移植部位で被験体中に該移植片を配置する工程であって、これによって潤滑性界面が生成される、工程、
    をさらに包含する、
    方法。
  215. 前記第1の基材が、生物学的基材を含む、請求項212に記載の方法。
  216. 請求項212に記載の方法であって、該方法は、以下:
    (a)複数の結合剤を被験体に投与する工程であって、ここで、該複数の結合剤の各々は、第1の生物学的基材に特異的に結合するリガンドおよび第2の生物学的基材に対する結合を実質的に示さない非結合性ドメインを含む、工程;および
    (b)該第1の生物学的基材に該複数の結合剤を結合するのに十分な時間放置する工程であって、これにより潤滑性界面が生成される、工程、
    をさらに包含する、
    方法。
  217. 非ファウリング剤を用いて非生物学的基材を調製するための方法であって、該方法は、複数の結合剤で非生物学的基材をコーティングする工程を包含し、ここで該複数の結合剤の各々は、以下:
    (a)非生物学的基材に特異的に結合するリガンド;および
    (b)ファウリング剤に対して結合を実質的に示さない非結合性ドメイン、
    を含む、
    方法。
  218. 被験体に薬物を投与するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)非生物学的薬物または該薬物の非生物学的キャリアに、複数の結合剤を塗布する工程であって、ここで、該複数の結合剤の各々は、該薬物または該薬物キャリアに特異的に結合する第1のリガンドおよび標的細胞に特異的に結合する第2のリガンドを含む、工程;
    (b)被験体に該薬物を投与する工程;および
    (c)該標的細胞に該複数の結合剤を結合するのに十分な時間放置する工程、
    を包含する、
    方法。
  219. 前記標的細胞が、その表面にTie2レセプターを有する、請求項218に記載の方法。
  220. 前記第2のリガンドが、前記細胞表面上のTie2レセプターに結合する、請求項218に記載の方法。
  221. 生物学的基材との相互作用のための候補基材をスクリーニングする方法であって、該方法は、以下:
    (a)複数の生物学的基材を含む生物学的アレイを調製する工程であって、ここで、該複数の生物学的基材の各々は、非生物学的基材上の複数の位置の1つに特異的に結合される、工程;
    (b)該生物学的アレイを候補基材と接触させる工程;
    (c)該生物学的アレイに該候補基材が結合するのに十分な時間放置する工程;および
    (d)1つ以上の該生物学的基材と該候補基材との間の相互作用をアッセイする工程であって、これにより相互作用分子が同定される、工程、
    を包含する、
    方法。
  222. 請求項221に記載の方法であって、前記相互作用分子は、前記生物学的基材または前記非生物学的基材のうちの1つ上の検出可能な標識によって、分光技術、酵素学的技術および電気化学的技術からなる群から選択される技術によって同定される、方法。
  223. 請求項1に記載の界面バイオマテリアルを含む第1の容器を備えるキット。
  224. 請求項29に記載の界面バイオマテリアルを含む第1の容器を備えるキット。
  225. 界面バイオマテリアルを調製するためのキットであって、該キットは以下:
    (a)非生物学的基材に特異的に結合するリガンドを含む第1の結合剤;および
    (b)生物学的基材に特異的に結合するリガンドを含む第2の結合剤、
    を含む、
    キット。
  226. 界面バイオマテリアルを調製するためのキットであって、該キットは以下:
    (a)非生物学的基材に特異的に結合するリガンドを含む結合剤;および
    (b)非結合性ドメインであって、ここで、該非結合性ドメインは、標的生物学的基材に対する結合を実質的に示さない、非結合性ドメイン、
    を含む、
    キット。
  227. 結合剤および非結合性ドメインを連結するための試薬をさらに備える、請求項225および請求項226のいずれか1項に記載のキット。
  228. 非生物学的基材をさらに備える請求項223〜請求項226のいずれか1項に記載のキット。
  229. 前記非生物学的基材が、生分解性または非生分解性である、請求項203に記載の方法。
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