JP2005518418A - 浸透圧による送達システム - Google Patents

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Abstract

通路を有する水透過性層で取り巻かれた単層圧縮コアを含む浸透圧性医薬錠剤を説明する。この単層コアは、(i)1用量あたりの溶解性が約1mL-1未満の非熟成性の薬剤、(ii)約2.0重量%〜約20重量%のヒドロキシエチルセルロース(重量平均分子量が約300,000〜約2,000,000)、および、(iii)浸透圧調節物質を含む。

Description

本発明は、医薬の浸透圧による送達システム、特に、低溶解性薬剤を送達するための簡単な浸透圧性錠剤に関する。
経口治療システムの使用が当業界でよく知られているが、これは、時間的に制御された全身性の反応を得るための薬剤の徐放性を有し、分散性の錠剤やシロップのような通常の投薬形態に対して有利である。特に興味深いのは、浸透圧システムである。基本の浸透圧ポンプ(または「単純な浸透圧システム(simple osmotic systems)」とも称される)に関する先駆的な仕事は、Theeuwesの、J.Pharm.Sc.,64(12),1987〜1991(1975年)、ならびに、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第4,077,407号;および、第4,160,020号に記載されている。浸透圧調剤装置は、内部/外部の浸透圧差(例えば、透水性壁を介した外部の流体に対する浸透圧勾配)に基づいている。単純な浸透圧システムにおいて、この装置は、透水性膜で取り巻かれた固形のコアで構成される錠剤の形態で存在する。水性の体液が透水性膜を通過して連続的にシステムに入り、コア内に含まれる固形の活性物質を溶解させる。続いて、薬剤を含む溶液が開口部から押出されるのに十分な圧力が達成されたら、薬剤が膜の開口部から放出される。コアに存在する活性物質により、それ自体の十分に高い浸透圧が得られる場合、または、浸透圧を高める添加剤(すなわち浸透圧調節物質)が存在する場合、所定の速度で薬剤が放出され、所望の治療効果を得ることができる。この効果を得るのに必要な条件は、透水性膜を通過してコアに入る水の量がコア中の薬剤のほとんどを溶解させるのに十分な量であるように水溶性薬剤が十分に高い溶解性を有することである。その結果として、薬剤は、高い溶解性を有する形態で錠剤から送達される。
流体環境(例えば体液)中で不溶性または低溶解性薬剤の場合、所望の治療効果をもたらす、浸透圧が制御された薬剤送達はさらに難しい。この理由のため、単純な浸透圧システムは、一般的に、不溶性または低溶解性薬剤では不適切とみなされてきた。
この問題を解決する1つのアプローチは、米国特許第4,615,698号に記載されており、この特許では、薬剤コアを取り巻く崩壊性の透水性壁の使用が開示されている。薬剤または薬剤/浸透圧調節物質は、単独または粘性を発生させる物質との組み合わせで存在し得る。粘性を発生させる物質は、装置中の薬剤周辺の粘性を高め、それにより流出する流体に薬剤を引き込むことによって作用する。粘性を発生させる物質として適切な様々な非イオン性の水溶性化合物がいくつか列挙されている。初期の浸透圧装置とは異なり、透水性壁中の開口部から薬剤が送達されるにつれて透水性壁は崩壊する。このシステムの利点は、装置から低溶解性薬剤がほとんど全て送達されることである。しかしながら、適切に機能させるには、コア中で発生した浸透圧により外部の膜が破断しないように外部の膜を設計しなければならない。その結果として、特定の用途にあった外部の膜の適切な厚さおよび弾性を見出すこと、続いて、装置製造の際にその特性を維持することが困難となる可能性がある。これまで、この技術を用いた商業的な形態は実現されていない。
その他のアプローチとしては、2つの区画からなるシステム(または「プッシュプル」システムとして知られている)がある。例えば、米国特許第4,111,202号を参照。プッシュプルシステムにおいて、1つの区画に薬剤または製剤が存在し、第二の区画に浸透圧を発生させるための水溶性または水膨潤性添加剤(例えば塩、糖類、膨潤性ポリマーおよびヒドロゲル)が存在する。2つの区画は、フレキシブルなパーティションにより互
いに分けられており、硬い透水性膜により外部から密閉される。第二の区画に入った流体により第一の区画の体積が増加し、順繰りにフレキシブルなパーティションの拡張に作用し、薬剤区画の内容物をシステムから放出させる。プッシュプルシステムの製造は、技術的に複雑である。例えば、透水性膜の材料とは異なる材料からなるフレキシブルなパーティションを、投薬形態に取り入れなければならない。加えて、やや溶けにくい高用量薬剤(例えば200mgを超える用量)の場合、プッシュプルシステムは嵩張る可能性があるため、その摂取が困難になる恐れがある。
パーティションを有さないやや溶けにくい薬剤のためのプッシュプルシステムが、米国特許第4,327,725号に開示されている。このシステムの商業的な形態は、GITS(胃腸管治療システム(gastro−intesinal therapeutic system))として知られており、ProcardiaTMXLやGlucotrolTMXL(いずれもファイザー社(ニューヨーク,ニューヨーク州)から購入可能)のような市販品として市場に出回っている。そのコアは二層構造であり、すなわち薬剤を含む1つの層、および、浸透圧を推進する部材を含む第二層である。硬い透水性層は、コアを取り巻いており、薬剤層のみと連通する通路を有する。浸透圧を推進する部材は、膨潤性ポリマーまたはヒドロゲル(例えばポリエチレンオキサイド)である。流体がシステムへ吸収されることにより第二層のヒドロゲルが拡張し、それによって薬剤層の内容物が通路を通って押出される。通常のコーティング錠剤と比べて、これら錠剤の製造は複雑である。このシステムはより複雑な二重層の錠剤への圧縮を必要とするだけでなく、統合したコアを形成するために一緒に圧縮された2つの調合物の特性に厳しいダメージを与える。加えて、通路の配置が薬剤の順調な送達に極めて重要である(例えば、開口部を薬剤を含む層のみと連通させなければならない)。このシステムは、一般的に、活性薬剤または薬剤と機能的添加剤との組み合わせの用量を、約100mg未満に限定してしまう。
浸透圧性錠剤中のやや溶けにくい薬剤を送達するためのその他のアプローチは、ガス発生手段を錠剤コアに追加することであり、米国特許第4,036,228号および第4,265,874号では、溶解性が限定された薬剤、ガス発生手段(例えば発泡性カップル(effervescent couple))、浸透圧調節物質、および、湿潤特性、可溶化特性および発泡特性を有する界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)を含む単一層のコアを開示している。コアを取り巻く硬い透水性膜を通過して吸収された流体によりガス発生手段はガスを発生させ、そのガスが薬剤を膜の開口部から押出すのに十分な圧力を生じさせる。長期間にわたり低溶解性薬剤を押出すのに十分な圧力を提供することは困難であることがわかっており、この技術は未だ商品化されていない。
米国特許第4,627,850号および第5,869,097号では、浸透圧性カプレットの使用を開示しており、それによれば、半透性膜を有するカプセルをコーティングすることによりカプレットを形成する。この方法は、扱いにくく、製造が困難である。加えて、低溶解性薬剤に関して、このシステムは、膨潤することにより薬剤を押出すように設計された浸透圧ポリマーを含む別個の区画を必要とする。このようなシステムは複雑であり、被検体が摂取可能な形態で高用量の薬剤を提供することができない。
浸透圧システムにおける特定のやや溶けにくい薬剤の溶解性を高めることに焦点を当てた多数の特許が発行されている。例えば、米国特許第4,610,686号および第4,732,915号では、ハロペリドールの溶解性を高めるための有機酸の添加が開示されており、米国特許第6,224,907号(B1)では、ロイコトリエン受容体拮抗薬の溶解促進剤としてのアルカリ化剤の添加が開示されている。基本的な浸透圧ポンプ型システムを実現することにおいて、このアプローチが成功するかどうかは、送達しようとする薬剤の塩基性度または酸性度、および、達成された溶解性に依存する。多くの薬剤に関して、可溶化方法では、基本的な浸透圧ポンプを実現するには不十分な溶解性しか得られないか、または、その他の問題を生じさせる可能性がある。例えば、可溶化させる添加剤は、薬剤コア中で不可欠な成分となり得るため、この技術により送達できる薬剤の量を減少させる。その他の場合において、可溶化させる添加剤は、薬剤の安定性に逆に作用する恐れがある。
米国特許第4,857,336号(Re.34,990)では、カルバマゼピンのための薬剤区画を1つだけ有する経口治療用の浸透圧システムが開示されている。カルバマゼピンの水溶性は低いが、処理されるべき主要な問題は、貯蔵の際、または、水と薬剤とが接触した場合の、カルバマゼピンの結晶成長(すなわち熟成)であった。上記開示によれば、カルバマゼピンの結晶成長は、保護コロイド(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース)をコア中の薬剤の配合に添加することにより阻害することができる。この製剤の改良型が米国特許第5,284,662号で開示されており、これは、晶癖改質剤と組み合わせた2つの異なるヒドロキシ(C1〜C4)アルキルセルロースと、C6糖および単糖類または二糖類(比率は1:9〜9:1)の混合物を用いて、装置からのカルバマゼピン送達をを改善している。
その他の単層浸透圧性錠剤も報告されている。例えば、アンドレックス・ファーマシューティカルズは、高水溶性または低用量の薬剤を送達するための単層浸透圧システムの使用を報告しており、米国特許第5,654,005号;第5,736,159号;第5,837,379号;第6,099,859号;および、第6,156,342号で開示されている。シャイア・ラボラトリーズは、米国特許第6,110,498号で、薬剤を可溶型で送達するための単一の浸透圧コアの使用を開示している。
特許文献を要約し、浸透圧システムで用いられる様々なアプローチを比較した総論については、Verma,R.K.等の、Drug Development and Industrial Pharmacy,2617,695〜708(2000年)、および、Santus,G.等の「Osmotic drug delivery:a review of the patent literature」,Journal of Controlled Release,35,1〜21(1995年)を参照。
高用量の水不溶性薬剤を送達する場合、嚥下が容易な形態の投薬形態を付与することが望ましい。例えば、カプレット型または楕円形型の浸透圧性の投薬形態を提供することが有利であり得る。二重層の浸透圧による薬物送達システムにおいて、標準的な二重層錠剤プレスによる製造は、所望の錠剤を生産するためにダイとパンチがカプレット型または楕円形型であることを必要とする。これは、下部のダイに、より対称的な形状より厚く「プッシュ」層を充填することを必要とする。充填物は高さ調節されるため、プッシュ層は、相当する対称的な形状の場合よりも嵩高になる可能性がある。その上、低溶解性薬剤に適した二重層の浸透圧性錠剤は、使用中にそれらが膨潤するにつれて、コーティングに相当な歪みを与える。コーティングを割って開かせ、潜在的に制御不可能に薬剤を放出する傾向は、より対称的な錠剤の形状を支持する。そのため、これまで二重層の浸透圧性錠剤は、標準的な錠剤の形状(通常、標準的な丸く凹面型のSRC)で商業的に生産されてきた。それゆえに、本発明の目的はまた、より簡単に嚥下できる形状で機能し得る低溶解性薬剤に適した浸透圧による薬物送達システムを提供することである。
不溶性または低溶解性薬剤を有効な浸透圧システムに取り入れる試みにおいて、数々の様々なアプローチが試されてきたが、多種多様な薬剤クラスに対してより予測可能な製剤と、製造に便利な手段とを提供する改善されたシステムが未だに必要である。特に、便利な包括的な投与量サイズでより高い薬剤用量の低溶解性薬剤を送達できる改善されたシス
テムを提供することが未だに必要である。
(a)以下の(i)〜(iii)を含む単層圧縮コア:(i)1用量あたりの溶解性が約1mL-1未満の非熟成性の薬剤、(ii)重量平均分子量が約300,000〜約2,000,000のヒドロキシエチルセルロース(好ましくは約700,000〜1,500,000)、および(iii)浸透圧調節物質、ここで、前記ヒドロキシエチルセルロースは、前記コア中、約2.0重量%〜約20重量%(好ましくは約3%〜約15%、より好ましくは約5%〜約10%)で存在し、前記浸透圧調節物質は、約15重量%〜約75重量%(好ましくは約20%〜約75%、より好ましくは約40%〜約60%、最も好ましくは約40%〜約55%)で存在する;(b)前記コアを取り巻く透水性層;および、(c)前記錠剤を取り巻く流体環境に前記薬剤を送達するための前記層(b)内の少なくとも1つの通路、を含む浸透圧性医薬錠剤を提供する。好ましい実施形態において、前記錠剤は、体積(水で膨潤した錠剤の体積)に対する表面領域の比が、0.6mm-1を超過するように、より好ましくは1.0mm-1を超過するように成形される。前記コアを流体環境に連結させる通路は、錠剤のバンド領域に沿って配置されることが好ましい(以下に詳細に説明する)。特に好ましい形状は楕円形型であり、この場合、錠剤成形軸、すなわち錠剤の形状を定める主軸および短軸の比は、1.3〜3、より好ましくは1.5〜2.5である。他の好ましい実施形態において、非熟成性の薬剤と浸透圧調節物質との組み合わせの重量平均の延性は、約100〜約200Mpaであり、重量平均の引張り強さは、約0.8〜約2.0Mpaであり、重量平均脆性破壊インデックスは、約0.2未満である。
本発明に係る浸透圧性の投薬形態は、非熟成性の薬剤と、製薬上許容できるキャリアーとを含む。好ましくは、本薬剤は、コア重量に基づきコアの少なくとも30重量%を構成する。キャリアーは、概念的には、補助的な非薬剤賦形剤などであり、投薬形態でも用いられる、と考えられている。キャリアーを構成する一般的な賦形剤としては、特に、結合剤、希釈剤、矯味矯臭薬剤、緩衝液、色素、潤滑剤、増粘剤などが挙げられる。いくつかの賦形剤は、複数の機能を提供することができ、例えば結合剤と希釈剤の両方を提供することができる。本発明で必要な賦形剤としては、浸透圧調節物質、および、高分子量のヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。本発明において好ましいいくつかの賦形剤としては、生物学的利用率増強剤(例えばpH制御または調節のための酸)、シクロデキストリン(好ましくはβ−シクロデキストリン、または、スルホブチル−β−シクロデキストリン)、分散助剤、および潤滑剤が挙げられる。単層コアは、例えば、場合により、生物学的利用率を増強する添加剤、および/または、その他の製薬上許容できる賦形剤、または希釈剤が挙げられる。非熟成性の薬剤は、非晶質の薬剤、結晶質の薬剤、または、非晶質または結晶質の薬剤および賦形剤を含む薬剤粒子であり得る。
定義
本発明で用いられる用語「非熟成性の」は、(i)非晶質の薬剤の形態(例えば、無定形薬剤または薬剤−賦形剤固溶体)、または、(ii)結晶質の薬剤の形態(例えば多形または水和した形態)のいずれかであり、投薬形態中で、保護コロイドや晶癖改質剤の非存在下で水分と接触した際(通常の貯蔵条件下での貯蔵、または、装置作動中のいずれか)に、平均粒度のサイズが顕著に増加しないような平均粒度を有する医薬物質と定義される。用語「晶癖改質剤」または「保護コロイド」は、結晶成長を防ぐ機能を有し、薬剤粒子(粉末混合物)とは別個の相に存在する賦形剤、または、粒子表面に吸着された賦形剤のいずれかを意味する。「顕著な粒度変化」とは、インビボでの薬剤性能を妨げる変化のことであり、例えば、その溶解速度や投薬形態から送達される能力に作用して、その結果、生物学的利用率が目標よりも少なくとも約20%減少するような変化のことである。
薬剤の固体の結晶成長(熟成)法の例は、H.Weiss,Pharmazie,32
,624〜625(1977年)で見出すことができる。比較する目的で言えば、「熟成」薬剤の例は、無水カルバマゼピンであり、これは、水分と接触すると(2水和物を形成するにつれて)長い針状晶に成長する。無水カルバマゼピンの場合、安定化コロイドの非存在下で熟成すると、そのインビボでの吸収や浸透圧装置からの送達の両方が妨げられる。
用語「限定された溶解性」とは、生理的に適切なpH(例えばpH1〜8)で、約40mg/mL未満の溶解性を有する医薬物質について用いられる。「低溶解性」(本発明においては2mg/mL未満の溶解性と定義する)、「実質的に水不溶性」(本発明においては、生理的に適切なpHで約10μg/mL未満の水溶性を有する薬剤と定義する)、「わずかに水溶性」(本発明においては、約10μg/mL〜約1〜2mg/mLの水溶性を有する薬剤と定義する)、および「適度に可溶性」(本発明においては、約2〜40mg/mLの水溶性を有する薬剤と定義する)の薬剤も、限定された溶解性の意味に含まれる。
用語「1用量あたりの限定された溶解性」は、その用量(約1mL-1未満)で分割した、可溶性を有する活性医薬物質について用いられる。
用語「浸透圧調節物質」または「浸透圧物質」は、使用環境から浸透圧装置のコアへ水を輸送するための駆動力を生産するあらゆる物質を意味する。
用語「薬剤」は、医薬活性成分を意味し、通常のあらゆる医薬形態、例えば、製薬上許容できるそれらの塩、活性成分または塩の溶媒化合物(水和物など)、または、活性成分、塩または溶媒化合物のプロドラッグ、および、ヒトまたは動物で治療効果を誘発するように配合されたあらゆる医薬組成物が含まれる。薬剤の溶解性が十分に高い場合、薬剤が浸透圧調節物質としても作用することが可能であり、そのため所定量の薬剤を送達するのに必要な賦形剤量を減らすことができる。
用語「生物学的利用率を増強する添加剤」または「生物学的利用率増強剤」は、生物学的利用率を高める当業界既知の添加剤(例えば、可溶化剤、胃腸管での薬剤の透過性を高める添加剤、酵素阻害剤など)を意味する。生物学的利用率を増強する添加剤は、増強剤有り、無しの製剤の薬物動態学を測定することによって同定することができる。増強剤は、増強剤無しの配合に比べて平均AUC(濃度曲線下面積)が少なくとも25%の増加を示すべきである。
図面において(目盛りは記載せず)、好ましい錠剤形状の3つの様式を示す。それぞれの図面の後続との対(すなわち、図1と2、図3と4、および図5と6)は、好ましい形状を説明するものである。
本発明は、薬剤を装置から押出すための別個の膨潤可能な層または区画の助けを借りずに限定された溶解性の薬剤を送達することができる浸透圧性医薬錠剤を提供する。加えて、本発明により、摂取を容易にする比較的小さいサイズの限定された溶解性の薬剤を高用量で提供できる投薬形態を形成することができ、高用量の嚥下を可能にする形状を形成することができる。好ましくは、このようなシステムは、錠剤の片方の端に孔を有する楕円形型の形態である。本発明の浸透圧性錠剤は、最も単純な形態において、コアから薬剤を送達するための通路を有する透水性コーティングで取り巻かれた薬剤の単層コアを含む。
薬剤コアは、1用量あたりの限定された溶解性(すなわち溶解性/用量が約1mL-1未満)を有する非熟成性の薬剤、浸透圧調節物質、および、重量平均分子量が約300,0
00〜約2,000,000、より好ましくは約700,000〜1,500,000の水溶
性ポリマーのヒドロキシエチルセルロース(HEC)を含む。
医薬物質または薬剤
本発明では、あらゆる非熟成性の薬剤の形態を用いることができる;しかしながら、高用量で送達される必要がある限定された溶解性の薬剤(すなわち、浸透圧装置に吸収された流体中での水溶性が約40mg/mL未満である薬剤)が特に関心が高く、水溶性が約20mg/mL未満の薬剤が、さらにより好ましい。流体環境としては、主に消化管を意図しているが、ヒトまたは動物の治療に治療剤が用いられ得るその他の生物学的環境も含まれる。用量が十分に低い場合ならば、従来技術でも低溶解性薬剤を許容することができるが、高用量であれば、現在のところごく限られた技術しか利用できない。出願人等は、本発明により、1用量あたりの溶解性が約1mL-1未満、好ましくは0.1ml-1未満、より好ましくは0.01ml-1未満でも、有益な浸透圧による薬物送達システムが提供されることを示した。生物学的利用率増強剤を薬剤と併せて送達することが望ましい場合、本発明は、薬剤と生物学的利用率を増強する添加剤との総量が最大約750mg(好ましくは約650mg未満)となるように、このような添加剤の相当量を送達することを可能にする。
実質的には、溶解性/用量が約1mL-1未満のあらゆる医薬物質が本発明で使用可能である。加えて、薬剤は、その製薬上許容できる塩の形態、同様に、その無水物、水和物および溶媒和物の形態、および/または、プロドラッグの形態で用いることができる。上述したように、薬剤は(使用された形態で)、水分と接触しても(例えば、貯蔵の際、または、作動中の水分との接触)浸透圧装置中で熟成しない。また薬剤としては、独立して、または、相乗して作用し、1またはそれ以上の治療上の利点を提供し得る活性物質の組み合わせも挙げられる。薬剤と、活性医薬物質の総体的な有効性を改善するのに役立つ生物学的利用率を増強する添加剤とを併用することが望ましい場合がある。適切な生物学的利用率を増強する添加剤としては、生物学的な環境で薬剤の溶解性を増加させることができる可溶化剤、生物学的な環境中で過飽和を維持できる物質、pH調節剤、緩衝液、酵素阻害剤、透過増強剤などが挙げられる。
上述したように、非熟成性の薬剤は、(i)非晶質の薬剤、または(ii)結晶質の薬剤のいずれかであり、晶癖改質剤または保護コロイドの非存在下で水分と接触させた際に粒度を顕著に増加させない医薬物質と定義される。顕著な粒度変化とは、インビボで薬剤の生物学的利用率(薬物動態学的プロットにおいて曲線下面積(AUC)で示される)を約20%超で減少させることをいう。薬剤の固体の結晶成長(熟成)法の例は、H.Weiss,Pharmazie,32,624〜625(1977年)で見出すことができる。医薬物質は、投薬形態において、インビボでの薬剤性能を妨げるほど顕著に粒度が増加しない限り、結晶質でも、非晶質でも、またはそれらの混合物でもよい。
比較する目的で言えば、「熟成」薬剤の例はカルバマゼピンである。貯蔵の際または水の存在下で結晶が成長する傾向は、概して、化合物の化学的性質とその粒度の両方の特性である。一般的に、結晶成長する傾向は、粒度に反比例する(すなわち、粒子が小さければ小さいほど、水分と接触させた際に結晶成長する傾向が高くなる)。結晶成長は、投薬形態中で一時的に過飽和が生じるような条件下で、特に問題を起こす可能性がある。例えば、薬剤の無水形態が溶解し、溶液がより安定な水和物(例えば、カルバマゼピンの無水結晶の小さい粒子)で過飽和する可能性がある。保護コロイドがないと、無水結晶は水に溶解し、大きな水和結晶として熟成する(例えば、米国特許第4,857,336号を参照)。その他の例は、結晶サイズが直径約1μm未満の場合である。通常、薬剤粒子の表面特性を変化させることにより機能する晶癖改質剤(保護コロイド)が加えられる。
上述の結晶質が熟成する薬剤とは異なり、本発明の実施で使用するのに適した薬剤形態
の一つは、組み合わせることにより過飽和を起こし得る薬剤および賦形剤の均質な非晶質の混合物である。薬剤形態が結晶質ではないので、過飽和を維持するための添加剤は保護コロイドとして機能せず、それゆえに、本発明の範囲内である。このような薬剤形態の例は米国特許公報第2002/0009494号(A1)に記載されており、参照により本発明に加入する。
一般的に、結晶サイズに対する薬剤吸収の変化は、薬剤の溶解性、用量、および胃腸壁の透過性に依存する。一般的に、適切な薬剤の結晶サイズは、浸透圧装置にある通路のサイズに応じて決定されるが、ある程度は、作動中に粒子が投薬形態内に留まる傾向に応じて決定される。好ましくは、本発明の実施における平均薬剤粒度は、約500μm未満、より好ましくは約300μm未満、最も好ましくは約200μm未満である。上述したように、薬剤が結晶質の場合、粒度は、好ましくは約1μm超であり、晶癖改質剤を加える必要を省くことができる。薬剤の溶解と経口の薬剤吸収における粒度の効果の詳細な検討に関しては、R.J.HintzおよびK.C.Johnson,Inter,J.Pharm.51,9〜17(1989年)を参照。
非熟成性の薬剤は、あらゆる固形の形態が可能である(例えば、結晶質、無定形、またはそれらの混合物)。固形の形態はまた、それ自体が薬剤粒子の一部として賦形剤を含んでもよい。薬剤と賦形剤との組み合わせは、噴霧乾燥、押出し、凍結乾燥などの方法、または当業者既知のその他の技術により作製することができる。
薬剤が錠剤を出るときに、押し出す流体中に引き込まれるその薬剤に関し、重力またはその他の力による沈降は防ぐべきである。絶対的な粒子密度(引き込む媒体の密度に対する)と粒度の両方が引き込みに影響を及ぼす可能性があることから、24時間後に透水性コーティング(または層)内に残留する残存薬剤量に影響を及ぼす可能性がある。この理由のため、場合よっては、性能を改善するためにより小さい粒度(例えば、直径が約20μm未満)を用いることが好ましい。ジェットミリングや急速沈殿のような超微粉末化方法を用いた当業界既知の方法で粒度を下げることができる。本発明の実施に関して、平均直径が2μm〜約300μm未満の粒度で優れた薬物送達が可能なことが実証された。
好ましい薬剤形態は、使用環境で薬剤を過飽和させるように設計されたプロセスおよび製剤を用いて製造される。さらにより好ましくは、使用環境で吸収させるのに十分な時間中、過飽和を維持できるように設計された薬剤形態である。例えば、腸溶ポリマーと共に投与される薬剤は、WO0147495(A1)、欧州特許第1027886号(A2)、欧州特許第1027885号(A2)、および米国特許公報第2002/0009494号(A1)で説明されており、参照により本発明に加入する。
当業者であれば、本発明は、一般的に多様な治療指示および薬剤クラスに適用可能であることは理解可能である。好ましい薬剤クラスとしては、抗高血圧症薬、抗不安薬、抗うつ薬、バルビツール酸誘導体、抗凝固薬、抗痙攣薬、血糖降下剤、うっ血除去剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、抗腫瘍薬、抗不整脈薬(例えばβブロッカー、カルシウムチャンネルブロッカーおよびジゴキシン)、抗炎症薬、抗精神病薬、向知性薬、コレステロール降下剤、抗肥満薬、自己免疫疾患治療薬、インポテンス治療薬、抗菌薬および抗真菌薬、催眠薬、抗パーキンソン病薬、抗アルツハイマー病薬、抗生物質、抗ウイルス剤、およびHIVプロテアーゼ阻害剤が挙げられる。
本発明で送達可能な上記およびその他の薬剤および治療剤クラスの例としては、ニフェジピン、cGMP PDEv阻害剤クラスから選択される適切なインポテンス治療薬、例えばシルデナフィル、およびその製薬上許容できる塩(例えばクエン酸シルデナフィル、および、メシル酸シルデナフィル);セルトラリン、[3,6−ジメチル−2−(2,4
,6−トリメチル−フェノキシ)−ピリジン−4−イル]−(1−エチルプロピル)−アミン、および、3,5−ジメチル−4−(3’−ペントキシ)−2−(2’,4’,6’−トリメチルフェノキシ)ピリジン;および、ジプラシドン、およびその製薬上許容できる塩が挙げられる。
活性医薬物質は、概して、コア中に、約1〜約80重量%、より好ましくは約2〜約60%の量で存在する。本発明は、高用量、好ましくは100mgA〜600mgAを送達するのに特に適している。
生物学的利用率を増強する添加剤
生物学的利用率を増強する添加剤としては、当業界既知の生物学的利用率を高める添加剤が挙げられ、例えば可溶化剤、胃腸管で薬剤の透過性を高める添加剤、酵素阻害剤などである。適切な可溶化添加剤としては、シクロデキストリンや界面活性剤が挙げられる。溶解性を高めるように機能するその他の添加剤としては、胃腸管の局所的なpHを、薬剤の溶解性が自然の系における場合より大きくなるようなpHに変化させることにより薬剤を可溶化する酸性または塩基性の添加剤が挙げられる。好ましい添加剤は、インビボでの薬剤の溶解性を改善し、かつ、投薬形態内での浸透圧を高めるように機能する酸であり、このような酸により、追加の浸透圧調節物質の必要性を減らすかまたはなくすことができる。好ましい酸としては、アスコルビン酸、2−ベンゼンカルボン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、エデト酸、リンゴ酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、グルタミン酸、トルエンスルホン酸、および酒石酸が挙げられる。非熟成性の塩基性薬剤と組み合わせて用いるのに好ましいサブグループは、酒石酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸、フマル酸、グルタミン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、および、トルエンスルホン酸からなる。生物学的利用率を増強する添加剤としては、薬剤を分解する酵素、または、例えば流出のメカニズムに作用することにより吸収を遅延させる酵素のいずれかを阻害する物質も挙げられる。生物学的利用率を増強する添加剤のその他のグループとしては、胃腸管で薬剤を過飽和させる物質が挙げられる。このような添加剤としては、特許WO0147495(A1)、欧州特許第号1027886(A2)および欧州特許第号1027885(A2)で開示された腸溶ポリマーが挙げられ、参照により本発明に加入する。このタイプの特に好ましいポリマーとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロールアセテートスクシネート(HMPCAS)、および、セルロールアセテートフタレート(CAP)が挙げられる。
酸または塩基はまた、使用中に投薬形態のコア内のpHを調節するように機能することができ、それにより、使用環境のpHに対する薬物送達の感度を低くすることができる。特に、いくつかの薬剤に関しては、それらの分散性は分散する水のpHに依存することが観察された。効果的に機能する本発明の投薬形態に関して、薬剤は、分散し、それにより、出て行く流体に引き込まれなければならない。このような分散性におけるpH感度を有する薬剤に関して、可溶性の酸または塩基を5〜25重量%添加することにより(最適な薬剤分散性を示すpHに応じて)、薬物送達を実質的に外部環境のpHから独立させることができることがわかった。塩基性薬剤に有用な特に好ましい酸は酒石酸である。好ましい塩基としては、炭酸塩、重炭酸塩および酸化物のアルカリ金属およびアルカリ土類の塩、リン酸ナトリウム(二塩基性および一塩基性)、トリアジン塩基、グアニジン、および、N−メチルグルカミンが挙げられる。
本発明の浸透圧性錠剤は、大量の活性物質を比較的小さい投薬形態(活性化合物と性能を改善する賦形剤とが約80%以下)で送達することができるため、インビボで薬剤の性能を改善するために生物学的利用率を増強する添加剤を送達するのに特に適している。
ヒドロキシエチルセルロース
当業界で浸透圧性錠剤で用いるためのポリマーが数々開示されているが、出願人は、このようなポリマーのうち、限定された溶解性の薬剤に適した単層浸透圧システムでの薬物送達のための商業的に有用な手段を提供できるのは、ほんの一部であることを見出した。薬剤粒子が通路(例えば開口部)を通って放出される前に、投薬形態内で薬剤粒子を懸濁された状態に保つには、水溶性ポリマーが加えられる。沈降を防ぐには、高粘性ポリマー(すなわち、最大約2,000,000の分子量を有する)が有用である。しかしながら、薬剤と組み合わせたこのようなポリマーは、比較的低い圧力で通路を通って押出される。概して、一定の押出し圧力では、粘性が増加するに従って押出し速度は遅くなる。驚くべきことに、出願人は、薬剤粒子と組み合わせた高分子量のヒドロキシエチルセルロース(HEC)は、水と高粘性溶液を形成するが、比較的小さい力で錠剤から押出すことが可能な状態を保つことを見出した。それに対して、低い重量平均分子量を有する(すなわち、約300,000未満)その他のポリマーおよびHEC(実施例2および3を参照)は、薬剤が沈降するため、錠剤コア内で送達を完了させるのに十分な粘度を有する溶液を形成しない。薬剤の沈降は、ポリマーを添加しないで錠剤を製造する際に問題であり、そのために、薬剤粒子がコア内で沈降しないように絶えず錠剤を撹拌しない限り、不良な薬物送達を起こす。沈降はまた、薬剤粒子が、沈降速度が増加するほど大きい、および/または、高密度である場合も問題となる。高粘性の溶液を形成し、それでもなお低い圧力で押出し可能なHECの例は、ナトロゾール(Natrosol)TM250Hである(高分子量のヒドロキシエチルセルロース、ハーキュレス社,アクアロン・ディビジョン(Aqualon Division)(ウィルミントン,デラウェア州)より入手可能;分子量約1M相当、重合度約3,700相当)。ナトロゾールTM250Hは、浸透圧調節物質と組み合わせると(実施例の章の実施例1を参照)、コアの約3重量%もの低い濃度で有効な薬物送達を提供する。ナトロゾールTM250H NFは、温水または冷水で可溶性の高粘性グレードの非イオン性セルロースエーテルである。1%ナトロゾールTM250H溶液の粘性は、ブルックフィールドLVT(30rpm)を25℃で用いると、約1,500〜約2,500cpsである。ナトラゾール(Natrasol)TM250G(重量平均分子量300,000)を用いる場合、薬剤粒子の有効な送達には9重量%超のポリマー濃度が必要である。より低い分子量のHEC(例えばナトロゾールTM250L)を用いる場合、最大20重量%のポリマー濃度では有効な薬物送達は達成されない(実施例4を参照)。
実施例の章の実施例2と3において、浸透圧装置で一般的に使用されている多数の水溶性ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、およびカルボポール(Carbopol)TM(アクリル酸ホモポリマー、BFグッドリッチ(クリーブランド,オハイオ州)より入手可能)の間で、薬物送達効率の比較がなされている。より一般的に使用されている水溶性ポリマーとは異なり、ナトロゾールTM250Hは、標準的な試験条件下で、24時間で90%の薬剤送達を達成した。実施例3において、高分子量HECとポリ(エチレンオキサイド)(ポリオックス(Polyox)WSR N−80、および、血液凝固剤グレード、いずれもユニオン・カーバイド社から入手可能)との間で様々な薬剤を用いて比較がなされている。従って、HECは、引き込みを可能にする独特の特性を提供し、また、容易に抜き出されるため、コアから周囲の流体へのより完全な薬剤送達を可能にする。
本発明で用いられる好ましいヒドロキシエチルセルロースポリマーは、約300,000〜約2,000,000の重量平均分子量を有し、約1,500〜約6,700重合度を有し、より好ましくは700,000〜1,500,000の重量平均分子量、3,500〜5,000の重合度を有する。実施例4は、低分子量HECと高分子量HECとの比較を示す。このようなヒドロキシエチルセルロースポリマーは、分子量700,000〜1,500,000で用いる場合、通常、約2.0重量%〜約20重量%、好ましくは約3%〜約15%、より好ましくは約5%〜約10%の量でコア中に存在する。HECが分子量30
0,000〜700,000の範囲で用いられる場合、このポリマーは、好ましくは9〜20%で存在する。
HECはまた、ゲル形成を遅らせて、より均一に溶解するように設計された形態であってもよい。このようなHECの例は、表面改質型のHEC(HEC−R)(ハーキュレス社製)である。
浸透圧調節物質
本発明の薬物送達装置のコアは、浸透圧調節物質(または浸透圧物質)を含む。浸透圧調節物質は、使用環境から装置のコアへ水を輸送するための駆動力を提供する。浸透圧調節物質は、一般的に、コア中に、約15重量%〜約75重量%、好ましくは約25%〜約75%、より好ましくは約35%〜約60%、さらにより好ましくは40%〜約55%の濃度で存在する。多種多様の浸透圧調節物質が、薬剤を浸透圧装置から押出すのに必要な浸透圧を提供することができる。一般的に、装置からの薬物送達は、使用された特定の浸透圧調節物質の影響をほとんど受けない。これは、実施例の章の実施例6で示されている。本発明で使用するのに適した浸透圧調節物質を選択する際に、以下のファクターが有用であることがわかった:
(1)浸透圧調節物質およびあらゆる浸透圧調節物質の不純物と、薬剤との間で起こり得る反応;
(2)使用環境における薬剤の溶解性への浸透圧調節物質の効果;
(3)薬物送達速度への浸透圧調節物質の溶解性の影響、および、
(4)浸透圧調節物質の機械特性。
浸透圧調節物質により、使用環境における薬剤の溶解性が顕著に低くならないことが好ましい。これは、浸透圧調節物質が塩の場合、特に重要な点である。多くの場合において、塩は、一般的なイオン効果により薬剤の塩形態の溶解性を低くする可能性がある。
一般的に浸透圧調節物質は賦形剤の大部分を占めるため、浸透圧調節物質の錠剤形成特性も考慮される。典型的な錠剤形成特性としては、流動特性(一般的に、直接的な圧縮錠剤の場合)、および、機械特性が挙げられる。本発明の実施に関して、可能性のある浸透圧調節物質の延性、引張り強さ、および脆性破壊インデックス(BFI)(HiestandおよびSmithの、Powder Technology,38,145(1984年)に記載されている)と、薬剤の材料特性とを調和させることにより、最適な浸透圧調節物質を選択することができることを見出した。いくつかの薬剤に関しては、薬剤の結晶が(粒状化中に)硬質の顆粒を形成しないように浸透圧調節物質を作用させるには、薬剤同士の結合が強すぎることがあり、このような場合、微粒子状の浸透圧調節物質を用いることが好ましい。薬剤の機械特性と、浸透圧調節物質およびその他あらゆる賦形剤の機械特性とを一緒にした場合、結果生じたトータルのブレンド特性により、ブレンドにより錠剤を形成する能力が決定される。薬剤、浸透圧調節物質、およびその他の賦形剤の粒度が同程度の場合(約25%以内)、ブレンド特性は、成分の加重平均となり得る。一次近似に関して、平均の特性は、優れた錠剤(すなわち破砕性が低い錠剤)を得るために、以下の範囲内にあるべきである:延性は約100〜約200MPa;引張り強さは約0.8〜約2.0MPa;および、脆性破壊インデックス(BFI)は約0.2未満。上述したように、これらの特性は、薬剤、浸透圧調節物質、およびその他の賦形剤のブレンド(これら成分それぞれの粒度が同程度である)に対するものである。いくつかの例において、錠剤の結合特性を改善するために結合剤が望ましい場合がある。適切な結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、例えばクルセル(Klucel)TMEXF(ハーキュレス社,アクアロン・ディビジョン(ウィルミントン,デラウェア州)より入手可能)、および、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えばファーマコート(Pharmacoat)TM603(信越化学工業(日本)より入手可能)が挙げられる。
場合によっては、最初にいかにして迅速に薬剤を投薬形態から送達させるか影響を与えるため、溶解速度が異なる浸透圧調節物質を用いてもよい。例えば、マノゲム(Mannogem)EZやファーマブラスト(Pharmaburst)(いずれもSPIファーマ(ルウィーズ,デラウェア州)より入手可能)のようなアモルファス糖が、投薬形態が水性環境にある最初の2時間の間、迅速な送達を提供することができる。
いくつかの例において、浸透圧調節物質は、生物学的利用率を増強する添加剤として役立つ可能性がある。例えば、いくつかの酸は、胃腸間でいくつかの薬剤を可溶化させることができ、同様に、装置作動のための十分な浸透圧を提供することができる。これが可能な場合、可溶化剤(生物学的利用率を増強する添加剤)として浸透圧調節物質を使用することが好ましい場合があり、なぜなら、そうすることにより、所定の錠剤サイズに対して最大の活性用量が可能になるためである。可溶化作用を有する酸の、浸透圧調節物質としての使用例を、下記の実施例の章の実施例8で説明する。
好ましい浸透圧調節物質としては、塩、酸、および、糖類が挙げられる。好ましい塩としては、塩化ナトリウム、および、塩化カリウムが挙げられる。好ましい酸としては、アスコルビン酸、2−ベンゼンカルボン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、トルエンスルホン酸、および、酒石酸が挙げられる。特に好ましい酸は酒石酸である。好ましい糖類としては、マンニトール、スクロース、ソルビトール、キシリトール、ラクトース、デキストロース、および、トレハロースが挙げられる。特に好ましい糖はソルビトールである。これらの浸透圧調節物質は、単独で用いてもよいし、または、2またはそれ以上の浸透圧調節物質との組み合わせで用いてもよい。
本発明において、浸透圧調節物質としては糖類が好ましい。特に好ましい浸透圧調節物質はソルビトールであり、ソルビトールは、直接的な圧縮賦形剤(ネオソルブ(Neosorb)30/60DCと同様、ラケット・アメリカ社(Rouquette America,Inc.)(キオカック,アイオワ州)より入手可能)として、または、顆粒と共に用いるのに適切なより小さい粒度(例えばネオソルブP110、上記会社より入手可能)で、用いることができる。
分散助剤
この投薬形態を開発する過程で、いくつかの薬剤に関して、薬物送達が、試験で用いられた溶解媒体の影響を受けることを見出した。より特定には、いくつかの薬剤に関して、溶解媒体のpHが投薬形態の性能に影響を与えた。これは、その媒体に分散する薬剤の能力に帰着するものであった。このように、投薬形態に対しある種の添加剤が、いくつかの溶解媒体における薬剤の分散性を改善し得ることがわかった。例えば、分散助剤(概して、低い重量平均分子量の極性ポリマー、例えばカルボマーやポリ(ビニルアルコール))、界面活性剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム)、または、溶解媒体から独立した錠剤コア内部のpHを調整するように設計された物質が挙げられる。後者の好ましい例は、酒石酸のような酸性化物質を加えることである。使用の際、酸のレベルは、好ましくはコア成分の5〜25%;より好ましくはコアの10〜20%である。その他の好ましい分散助剤はポロキサマーであり、すなわちポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドとのブロックコポリマーであり、「Handbook Of Pharmaceutical Excipients」,第三版(米国薬剤師会),2000年,第386〜388頁に開示されたものがある。本発明で用いる場合、薬剤と密接に接触させる場合にポロキサマーが最も有効であることが見出された。このような密接な接触は、例えば、ポロキサマー溶液を薬剤結晶へコーティングすることにより実現することができる。ポロキサマーのレベルは、使用の際、好ましくはコアの1〜20重量%;より好ましくはコアの1〜10重量%で存在する。好ましいポロキサマーは、プルロニックF127(ポロキサマー407、BASF社より入手可能)である。
その他の任意の賦形剤
コアの配合は、場合により、1またはそれ以上の製薬上許容できる賦形剤、キャリアーまたは希釈剤を含み得る。賦形剤は、一般的に、打錠成型中に優れた圧縮特性が得られるように選択される。例えば、一般的に、錠剤とパンチがダイ中でこう着しないように、錠剤の配合に潤滑剤が用いられる。適切な潤滑剤としては、タルクのようなつるつるした固体、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、軽質無水ケイ酸、および硬化植物油が挙げられる。好ましい潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
その他の有用な添加剤としては、表面活性物質(例えば、セチルアルコール、グリセロールモノステアレート、およびラウリル硫酸ナトリウム(SLS))のような物質、吸着性のキャリアー(例えば、カオリンおよびベントナイト)、保存剤、甘味料、着色剤、矯味矯臭薬剤(例えば、クエン酸、メントール、グリシンまたはオレンジ粉末)、安定剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウムまたは酢酸)、分散剤、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、および、それらの混合物が挙げられる。概して、このような添加剤のレベルは、コア重量の約10%未満で存在し、これら多くの添加剤に関して、概して、コア重量の約1%未満で存在する。
製造方法
薬剤コアは、当業者周知の方法で製造される。例えば、一般的に、コア成分(すなわち、錠剤のコア部分(コーティングを除く)は錠剤の圧縮の際に形成される)を共に混合し、固形の形態に圧縮し、コアを透水性コーティングでオーバーコートし、必要に応じて、透水性コーティングを通過する送達手段を提供する(例えば、コーティングに孔を開け開口部を形成する)。いくつかの場合においては、上記成分を単に共に混合し、直接圧縮する。しかしながら、当業者既知のあらゆる技術により粒状化し、引き続き固形の形態に圧縮できるような配合が望ましい場合がある。
錠剤コアは、一般的に、標準的な錠剤形成法により、例えば当業者周知のロータリータブレットプレスにより製造される。
錠剤の形状
予想外に、この投薬形態の開発の際、薬物送達速度と、24時間後に溶解媒体中で投薬形態内に残存する薬剤の総量(残留物)が、錠剤の形状に大いに影響を受けることが見出された。特に、一定容量に対する表面領域が、薬物送達に影響を有することが見出された。より特定には、水性環境中で約1時間錠剤が膨潤した後の錠剤の表面領域がこれらのファクターを決定することが見出された。そのため、標準的なSRC(標準的な半径の凹型(standard radius concave))型が有用な送達システムで十分な薬剤送達を可能にするが、送達され得る質量(およびそれに相当する錠剤容量)が増加するに従って、体積に対する表面領域の比がより高くなる形状を用いればますます有利になる。容量と表面領域は、あらゆる標準的な方法により測定することができる。例えば、容量は、液体の置換により測定することができる。例えば、溶解媒体中で膨潤した錠剤を水を含むメスシリンダーに置く。錠剤を加える前と後で、液体メニスカスの変化により容量を測定する。各軸をキャリパー測定(またはその他の非接触型の測定方法で)、および、表面領域を計算するための適切な計算法を用いて、表面領域を推定することができる。あるいは、その他の表面領域測定技術(例えば、BET測定)を用いてもよい。例えば、SRC錠剤では、3つのパラメーター:直径(D)、カップ深さ(cd)、および厚さ(t)が、錠剤の寸本を定める。表面領域は以下のように計算することができる;
表面領域=2Π[(D/2)(t−2cd)+(D/2)2 +cd2
本発明において、体積に対する表面領域の好ましい比は、約0.6mm-1超であり、さらにより好ましくは1.0mm-1超である。以下の3つの特定の形状が好ましい:(1)楕円形型、これは、コーティング中の双晶形成が問題となり得る平らな表面を有さず、寸本の比(ダイおよびパンチの)が約1.3〜3;より好ましくは1.5〜2.5であることを特徴とする;(2)カプレット型、これは、寸本の比(ダイおよびパンチの)が約1.3〜3、より好ましくは1.5〜2.5である;および(3)円形錠剤、これは、錠剤の面が、標準的な錠剤のように外に向かって湾曲しているのではなく、対向して逆アーチ状である(すなわち内に向かって湾曲している)。最も好ましい形状は楕円形型である。好ましい形状はいずれも、1つの開口部または通路を含むように加工される。
本発明で用いられる好ましい錠剤の形状を図で説明する;図1と2は第一の好ましい形状を示し、図3と4は第二の好ましい形状を示し、図5と6は第三の好ましい形状を示す。
図1と2については、錠剤1は、一般的に楕円形型であり、コーティング中の双晶形成を不利に促進する平らな表面を有さないことを特徴とする。この錠剤はさらに、図2に示すような長軸Aと短軸Bを特徴とする。軸AおよびBにより錠剤が楕円形かまたは卵型(上部からみた場合)かが決定され、タブレットプレスにおける錠剤成形軸が定められる。短軸に対する長軸の好ましい寸法の比(ダイおよびパンチの)は、1.3〜3、より好ましくは1.5〜2.5である。錠剤1は、場合により、図2で示される楕円形の断面図に垂直なバンド2をさらに有してもよい。バンド2の中線は主軸および短軸の両方と接触しており、バンドは錠剤を取り囲んでその周りに延長し、実質的に錠剤を一周している。錠剤1は、さらに、出口開口部3を特徴とし、好ましくは、錠剤中に開口部は一つである。開口部3は、バンド2の(仮想の)中線(示さず)と長軸Aとの2箇所の交点のいずれかにちょうど位置しているか、または、その近辺(3mm以内)に位置するように、図1で示されるような位置に存在することが最も好ましい。理想的には、例えば開口部3が円形の孔であり、長軸Aが理想的にはその中心に垂直な方向で通過している場合、長軸Aは、開口部3の幾何学上の中点に一致し、および/または、それを横切っている。前述のように位置している1つの開口部のみが使用されることが好ましい。開口部は、好ましくは、直径500〜1100μmを有する。
図1と2の錠剤が好ましい実施形態を示すことを特記する。その代わりの実施形態は、図1に示すようなバンドを有さない錠剤であり、例えば図7に示すような側面図を示す錠剤31(開口部は33)である。
図3と4については、錠剤11は、一般的にカプレット型である。図4において上部からみるとわかるように、円柱部が半球形の末端部で終結していることを特徴とする場合がある。このような錠剤は、図1と2で開示された錠剤と別種の相似形である。従って、本錠剤はさらに、長軸Cおよび短軸Dを特徴とする(図4で示される)。短軸に対する長軸の好ましい寸法の比(ダイおよびパンチの)は、1.3〜3;より好ましくは1.5〜2.5である。錠剤11はさらに、図1と2に関して上述したバンドと類似の、錠剤の周りに延長したバンド12を有する。錠剤11はさらに、出口開口部13を特徴とする。開口部13は、図3と4で示されるように、バンド12の中線と長軸Cとの交点にちょうど位置するように配置される。理想的には、長軸Cは、開口部13の幾何学上の中点に一致し、および/または、それを横切っている。例えば、開口部3が円形の孔である場合、長軸Cはちょうどその中心を横切る。
図5と6については、錠剤21は、円形で、両面を有し、この場合、その両面は図6の
上面図で示されるように対向している。このような錠剤の形状は、「Tableting
Specification Manual」,第五版(米国薬剤師会,ワシントンD.C.,2001年刊)によれば、「ロゼンジ型」と称される。上面図は円形であるが、この錠剤は球状ではなく、前述したように面22と23とが対向しており(図5の断面図で示されるように)、それぞれの面が、標準的な錠剤のように外に向かって湾曲しているのではなく、内に向かって湾曲している。開口部24は、図面で示されるように、円形の面の幾何学上の中心に位置することが好ましい。錠剤の周端縁25は、その他の2種の形状1および11のバンド(2および12)と類似するものと考えることができる。
透水性コーティング
圧縮した後、錠剤コアはダイから押出される。次にコアを当業者周知の標準的な方法で透水性コーティングでオーバーコートする。透水性コーティングは、少なくとも1つの通路を含み、そこから薬剤が実質的に装置から送達される。好ましくは、薬剤は、主としてコーティング材料自体を透過することによる送達と対抗して、通路から送達される。用語「通路」、「孔」、および「開口部」は、交換可能に用いられ、口または穴を意味し、これらは使用中にインサイチュでレーザードリルにより機械的に製造してもよいし、または、使用中に破断させることにより製造してもよい。この通路は、コアに伸長させることができる。しかしながら、コアへの相当の距離をドリルすると、効力を失う可能性があるため(さらに、レーザードリルの場合は分解する可能性がある)、コアへの挿入深さを、その位置で錠剤直径の10%未満、好ましくは5%未満にすることが好ましい。好ましくは、この通路は、レーザーまたは機械ドリルにより提供される。透水性コーティングは、当業者周知の一般的なあらゆるフィルムコーティング法(例えば、パンでのスプレーコーティングまたは流動床コーティング)で塗布することができる。透水性コーティングは、一般的に、コア重量に対して約3重量%〜約30重量%、好ましくは約6重量%〜約15重量%の量で存在する。
コーティングの好ましい形態は、透水性ポリマー膜である。通路は、使用前または使用中のいずれでも形成することができる。ポリマー膜厚さは、一般的に、約20μm〜約800μmの範囲で様々であり、好ましくは約100μm〜約500μmの範囲である。通路のサイズは、薬剤の粒度、装置中の通路の数、および、作動の際の所望の薬剤送達速度により決定し得る。通常の通路の直径は、約25μm〜約2000μm、好ましくは約300μm〜約1200μm、より好ましくは約400μm〜約1000μmである。通路は、機械式またはレーザードリルによりコーティング後に形成してもよいし、または、コーティングの破断によりインサイチュで形成してもよい。コーティングの破断は、意図的に比較的小さく弱い部分をコーティングに取り入れることによって制御することができる。通路はまた、水溶性材料のプラグ(plug)を浸食させることにより、または、コアのくぼみ上でコーティングのより薄い部分を破断させることにより、インサイチュで形成してもよい。コーティングに複数の孔を作製してもよい。しかしながら、錠剤の一端に1つの孔を有する楕円形錠剤が好ましい。
コーティングは、厚い多孔質領域でサポートされた高密度領域を有する高密度コーティング、微孔質コーティングまたは「非対称」なコーティングでもよく、例えば米国特許第5,612,059号および第5,698,220号で開示されたものが挙げられ、いずれも参照により本発明に加入する。コーティングが高密度である場合、コーティングは、透水性材料から成る。コーティングが多孔質である場合、コーティングは、透水性または水不透過性材料のいずれかから成る。
高密度コーティングを利用した浸透圧装置の例としては、米国特許第3,995,631号および第3,845,770号が挙げられ、いずれも参照により本発明に加入する。高密度コーティングは外部の流体(例えば水)に対して透過性であり、上記特許に記載の材料
、およびその他の当業界既知の透水性ポリマーのいずれかで構成することができる。
また、膜は、米国特許第5,654,005号および第5,458,887号で開示されているような多孔質であってもよく、または、耐水性ポリマーで形成してもよい。米国特許第5,120,548号では、水不溶性ポリマーと、浸出可能な水溶性添加剤との混合物からコーティングを形成するその他の適切な方法が説明されており、参照により本発明に加入する。多孔質膜はまた、米国特許第4,612,008号で開示されたような孔形成剤を添加して形成することもできる。上記で引用された全ての参考文献を参照により本発明に加入する。
加えて、コーティングが多孔質である限り、高密度になると実質的に水不透過性である高い疎水性を有する材料(例えばポリエチレンまたはポリフッ化ビニリデン)を用いて透湿性コーティングを形成してもよい。
コーティング形成に有用な材料としては、生理的に適切なpHで透水性かつ水不溶性であり、または、化学的改変(例えば架橋)により水不溶性になりやすい、様々なグレードのアクリル、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、および、セルロース系誘導体が挙げられる。
コーティング形成に有用な、適切なポリマー(または架橋された形態)の特定の例としては、軟質、硬質、および、強化セルロースアセテート(CA)、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、CAプロピオネート、硝酸セルロース、セルロースアセテートブチレート(CAB)、CAエチルカルバメート、CAP、CAメチルカルバメート、CAスクシネート、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、CAジメチルアミノアセテート、CAエチルカーボネート、CAクロロアセテート、CAエチルオキサレート、CAメチルスルホネート、CAブチルスルホネート、CAp−トルエンスルホネート、アガーアセテート(agar acetate)、アミローストリアセテート、β−グルカンアセテート、β−グルカントリアセテート、アセトアルデヒドジメチルアセテート、ローカストビーンガムのトリアセテート、ヒドロキシル化エチレン−ビニルアセテート、エチルセルロース(EC)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、PEG/PPGコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピル セルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースプロピオネート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロールアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリ(アクリル)酸およびエステル、ならびに、ポリ(メタクリル)酸およびエステル、ならびにそれらのコポリマー、スターチ、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリハロゲン化ビニル、ポリビニルエステル、および、エーテル、天然ワックスおよび合成ワックスが挙げられる。
好ましいコーティング組成物は、セルロース系ポリマー、特にセルロースエーテル、セルロースエステル、および、セルロースエステル−エーテル、すなわち、エステル置換基とエーテル置換基を混合して含むセルロース系誘導体(例えばHPMCP)を含む。
その他の好ましいコーティング材料クラスは、ポリ(アクリル)酸、および、エステル、ポリ(メタクリル)酸、および、エステル、およびそれらのコポリマーである。
より好ましいコーティング組成物は、セルロースアセテートを含む。好ましいセルロースアセテートは、アセチル含量が35%〜45%であり、数平均分子量(MWn)が30,
000〜70,000であるセルロースアセテートである。さらにより好ましいコーティングは、セルロース系ポリマー、および、PEGを含む。最も好ましいコーティングは、セルロースアセテート、および、PEGを含む。好ましいPEGは、約2000〜約5000、より好ましくは3000〜4000の重量平均分子量を有する。
コーティング方法は通常の様式で行われ、一般的に、コーティング材料を溶媒に溶解させ、次に、浸漬、流動床コーティング、スプレーコーティング、好ましくはパンコーティングによりコーティングすることにより行われる。好ましいコーティング溶液は、5〜15重量%のポリマーを含む。上述のセルロース系ポリマーを用いる際に有用な一般的な溶媒としては、アセトン、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n−ブチルアセテート、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルアセテート、二塩化メチレン、二塩化エチレン、二塩化プロピレン、ニトロエタン、ニトロプロパン、テトラクロロエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、およびそれらの混合物が挙げられる。水ベースのラテックスまたはプソイドラテックス分散液のコーティングへの使用も可能である。このようなコーティングは、有機溶媒とそのなかで起こり得る環境的問題を防ぐ製造上の利点を有するため好ましい。スプレー温度でポリマーが可溶性を維持できる限り、孔形成剤、および、非溶媒(例えば水、グリセロール、および、エタノール)、または、可塑剤(例えばジエチルフタレート、および、トリアセチン)をあらゆる量で加えることもできる。孔形成剤、および、コーティングを加工する際のそれらの使用が米国特許第5,612,059号(参照により本発明に加入する)に説明されており、一般的に、より水溶性の添加剤(例えばPEG)は、コーティングの水透過性を高め(それにより、薬物送達速度も高くなる)、一方で、水不溶性の添加剤(例えばトリアセチン)は、薬物送達速度を低くする。
開口部
本投薬形態を開発する際に、開口部(例えば孔)の位置と数が、薬物送達速度と、24時間後に溶解媒体中に残存する薬剤の残量に顕著な影響を与え得ることを見出した。特に、出願人は、錠剤のバンドに開けられた1つの孔が優れた性能を提供することを見出した。楕円形またはカプレット型の錠剤については、孔は、錠剤の一方の先端でバンド上に形成されることが好ましい(すなわち、図1に示すように長軸と一致する)。このような孔位置の優れた性能は、実施例11で示される。楕円形またはカプレット型の錠剤の端に孔が存在することの利点は、出口孔へ押出し可能な材料の最終パーセンテージに焦点をあわせた形状の能力によるものと考えられる。
追加のコーティング
場合によっては、追加のコーティング、または、透水性コーティングの内側または外側のコーティングを提供することが望ましい。透水性コーティングの下のコーティングは、水透過性であることが好ましい。このようなコーティングは、透水性コーティングの錠剤コアへの付着を改善する、または、化学物質を提供する、および/または、コアと透水性コーティングとの間の物理的バリアとして作用することに役立ち得る。バリアコーティングは、透水性コーティングへコーティングする際、コアと、例えばコーティング溶媒とを遮蔽したり、または、貯蔵中の可塑剤(例えば、PEG)の移動を防ぐことができる。外側のコーティングは、製品の識別およびマーケティングを補助し、口内の感触や嚥下性を改善するための美装となり得る。このようなコーティングはまた、機能的でもある。このような機能的コーティングの例としては、腸溶コーティング(すなわち、消化管の特定の領域で溶解するように設計されたコーティング)、および、不透明コーティング(光感受性の薬剤に光が達することを防ぐように設計された)が挙げられる。その他の製品を認識する特徴をコーティングの上に加えることもできる。例えば、これらに限定されないが、認識情報のプリントや型押しが挙げられる。追加のコーティングはまた、活性医薬成分を
含んでもよく、この活性医薬成分はコアの成分と同じでも異なってもよい。これにより、組み合わせの薬物送達を提供することができ、および/または、特定の薬物動態学(例えば拍動性)において使用が可能になる。このようなコーティングは、適切な結合剤と共に錠剤コアにフィルムコーティングすることができる。
加えて、活性物質を錠剤表面に圧縮コーティングすることができる。多くの場合において、この圧縮コーティングは、2001年3月14日付けで出願された同時継続出願の米国仮出願第60/275889号(参照により本発明に加入する)で開示されたような圧縮可能なフィルムコートの使用により簡便化することができる。
パッケージング
浸透圧性錠剤は、多種多様な方法でパッケージすることができる。一般的に、流通させるための商品は、浸透圧性錠剤を収容した容器を含む。適切な容器は当業者周知であり、例えばビン(プラスチックおよびガラス)、プラスチックバッグ、フォイルパックなどの材料が挙げられる。容器はまた、パッケージ内容物への軽率な取り扱いを防ぐための不正開封防止機構、および、水分および/または酸素を除去する手段(例えば、酸素吸収剤、例えばDシリーズ・フレッシュパックス(FreshPax)TMパケット,マルチソルブ・テクノロジーズ社(Multisorb Technologies Inc.)(バッファロー,ニューヨーク州,米国)より入手可能、またはエージレス(Ageless)TM、および、ZPTJTMサッシェ、三菱ガス化学株式会社(Mitusbishi Gas Corporation)(東京,日本)より入手可能)を含んでもよい。一般的に、容器の内容やあらゆる適切な警告を記載したラベルが容器に付される。
以下の実施例で本発明の浸透圧システムを説明する。本発明の一般概念を例示するために、特定の医薬活性成分を用いた。しかしながら、当業者であれば、使用された特定の薬剤が本発明の範囲を限定するものではないし、そう解釈すべきではないことを了承するものとする。
特に他の規定がない限り、出発原料は、通常、アルドリッチケミカルズ社(ミルウォーキー,ウィスコンシン州)、ランカスター・シンセシス社(Windham,NH)、アクロス・オーガニクス(フェアーローン,ニュージャージー州)、メイブリッジ・ケミカル社(コーンウォール,イングランド)、タイガー・サイエンティフィック(プリンストン,ニュージャージー州)、およびアストラゼネカ・ファーマシューティカルズ(ロンドン,イングランド)のような商業的供給源より入手可能であり、または、当業者周知の標準的な方法を用いて製造することもできる。実施例で使用された以下の材料は、以下に列挙する対応する供給源から得ることもできる:
Figure 2005518418
塩酸セルトラリン((1S−cis)−4−(3,4−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N−メチル−1−ナフタレンアミン塩酸塩)を米国特許第4,536,518号および第5,248,699号(いずれも参照により本発明に加入する)に記載の一般的な方法を用いて製造した。
クエン酸シルデナフィル(1−[[3−(6,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−4−エトキシ
フェニル]スルホニル]−4−メチルピペラジンクエン酸塩)を米国特許第5,250,534号(参照により本発明に加入する)に記載の一般的な方法を用いて製造した。
[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−5−フルオロベンジル]−メチルアミン塩酸塩(実施例において「化合物A」と称する)をPCT公報番号WO0050380(実施例56)に記載の一般的な方法を用いて製造した。
特に他の規定がない限り、錠剤コアは、マネスティー(Manesty)TMF−プレス(シングルパンチ錠剤機,マネスティー社(リバプール,英国)より入手可能)を用いて製造された。このようなタブレットプレスの使用は、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,第二巻(H.A.Leberman,L.Lachman,J.B.Schwartz編),マルセル・デッカー社(Marcel Dekker,Inc.),ニューヨーク(1990年)に記載されている。
実施例1では、少なくとも約80%の薬剤が送達可能な、浸透圧コア製剤における高分子量のヒドロキシエチルセルロース(HEC)の使用可能な濃度範囲を説明する。
実施例1
以下の表Iで示される6種の試験ブレンドをそれぞれ、ターブラー(Turbula)TMブレンダー(グレン・ミルズ社(クリフトン,ニュージャージー州)より入手可能)で20分間混合することによりブレンドを製造した(ステアリン酸マグネシウムは含まない)。
Figure 2005518418
次に、ステアリン酸マグネシウムを、各サンプルに加え、さらに5分間混合した。錠剤コア(まだコーティングされていない)をマネスティーF−プレスで5/16”(0.79cm)SRCパンチおよびダイセットを用いて製造した(錠剤コアの重量平均は299mgとした)。次に、錠剤コアを、セルロースアセテート、ポリエチレングリコール3350、アセトン、および、水の溶液(重量比4.1/1.9/89.0/5.0)でコーティングした。ベクターハイコーター(Hi−Coater)LDCS20(ベクター社(マリオン,アイオワ州)より入手可能)を用いてコーティングを行ったところ、総錠剤重量328mgとなった。各錠剤に0.6mmのドリルビットで機械的に穴をあけ、コーティングを貫通する1つの孔を得た。
ハンソンSR8溶解装置(ハンソン・リサーチ社(チャツワース,カリフォルニア州)より入手可能)で、USP2パドル(37℃;50rpm)を用いて溶解実験を行った。溶解媒体(サンプルあたり900mL)は酢酸緩衝液(pH4.5)であった。溶解させた後、TEA/リン酸緩衝液(pH6.6)をTHF(38%)およびメタノール(16%)と共に用いてサンプルを分析した。ウォーターズのシンメトリーC−18,5μmカラム(45℃;流量1mL/分;インジェクション容量20μL;検出275nm)を備えたHP1100シリーズHPLCを用いてサンプルを分析した。この研究の結果を以下の表IIに示す(時間の関数として溶解媒体中に溶解した量をパーセント表示する);
Figure 2005518418
実施例2では、高分子量のヒドロキシエチルセルロースの使用と、浸透圧コア製剤で一般的に使用されているその他の水溶性ポリマーとを比較する。
実施例2
以下の表IIIで概説した配合を用いて錠剤を一般的な方法で製造して、様々なポリマーの薬物送達への効果を試験した。
Figure 2005518418
まずターブラーTMで上記成分を15分間混合することによりブレンドを製造した。次に、混合物を250μmメッシュのふるいで篩い分け、再度、さらに15分間混合した。上記それぞれの混合物に、ステアリン酸マグネシウム0.43gを加え、そのブレンドをさらに5分間ターブラーで混合した。7/16”(1.1cm)SRC成形用具を備えたF−プレスを用いて錠剤コアを製造し、587mg/錠剤(錠剤あたりのシルデナフィル遊離塩基200mgに相当する)を得た。セルロースアセテート35gおよびPEG3350、15gをアセトン925gおよび水25gに溶解させることによりコーティング液を製造した。錠剤コアをLDCS20コーター(ベクター社より入手可能)でコーティングし、重量を6〜8%増加させた。各錠剤に500μmドリルビットで機械的に穴をあけ1つの孔を作製した。溶解実験の結果(pH2)を以下の表IVに示す(時間の関数として溶解媒体中に溶解した量をパーセント表示する)。pH2の媒体は緩衝液(0.089NのNaCl/0.01NのHCl)であった。錠剤あたり溶液900mLで、CSPヴァンケル(Vankel)TM溶解装置で、バスケットを100rpm、37℃で用いて、溶解実験を行った。292nmでの紫外線吸収により分析を行った。
Figure 2005518418
実施例3では、HECと、浸透圧システムに一般的に使用されているその他のポリマー(ポリエチレンオキサイド)との違いをさらに説明する。
実施例3
塩酸セルトラリン125g、ソルビトール(ネオソルブ30/60DC)242.5g、ラウリル硫酸ナトリウム3.5g、および、クルセルEXF25gを用いて、ボトル中で30分間ターブラーで混合することによりブレンドを製造した。サンプル1に、ナトラゾール250H HEC(1g)、ネオソルブ30/60DC(3g)、および、上記ブレンド(15.8g)を加えた。サンプル2に、ポリオックスWSR血液凝固剤グレード(ユニオン・カーバイド社)(1g)、ネオソルブ30/60DC(3g)、および、上記ブレンド15.8gを加えた。サンプル3に、ポリオックスWSR N80(ユニオン・カーバイド社)(1g)、ネオソルブ30/60DC(3g)、および、上記ブレンド(15.8g)を加えた。各サンプルを、ターブラーで10分間混合した。それぞれの3つのビンに、ステアリン酸マグネシウム(0.2g)を加え、続いてターブラーを用いてさらに5分間混合した。5/16”SRC成形用具を備えたF−プレスを用いて各サンプルの錠剤コアを製造したところ、錠剤300mgを得た(硬度は10〜12kP)。次に、錠剤を、セルロースアセテート/ポリエチレングリコール3350/アセトン/水(重量比4.1/1.9/89.0/5.0)の溶液でコーティングした。ベクターハイコーターLDCS20(ベクター社(マリオン,アイオワ州)より入手可能)を用いてコーティングを行ったところ、6%の重量増加に相当する総錠剤重量が得られた。各錠剤に0.6mmのドリルビットで機械的に穴をあけ、コーティングを貫通する1つの孔を得た。USPタイプIIによる分析で、パドル50rpm、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)(900mL)を用いて、37℃で溶解を行った。実施例1で説明されたように分析を行った。結果を表Vに示す(時間の関数として溶解した量をパーセント表示する)。
Figure 2005518418
実施例4は、低分子量HECと比較した高分子量HECの重要性を説明する。
実施例4
下記の表Vで概説した配合を用いて錠剤を一般的な方法で製造して、様々な配合の薬物送達における効果を試験した。
Figure 2005518418
上記表VIで示されたそれぞれの3つの試験ブレンドを、ターブラーTMブレンダー(グレン・ミルズ社(クリフトン,ニュージャージー州)より入手可能)で20分間混合することによって、ブレンドを製造した。それぞれの試験ブレンドに、ステアリン酸マグネシウム(0.83g)を加え、次に、それぞれをターブラーでさらに5分間混合した。1/4”(6.35mm)SRC成形用具を備えたF−プレスを用いて錠剤コアを製造し、平均重量165.3mg(80mgAに相当する)のコアを得た。次に、コアを、セルロースアセテート/ポリエチレングリコール3350/アセトン/水(重量比4.1/1.9/89.0/5.0)の溶液でコーティングした。ベクターハイコーターLDCS20(ベクター社(マリオン,アイオワ州)より入手可能)を用いてコーティングを行ったところ、6%の重量増加に相当する総錠剤重量が得られた。各錠剤に0.6mmのドリルビットで機械的に穴をあけ、コーティングを貫通する1つの孔を得た。実施例1で説明されたように分析を行った。結果を表VIIに示す(時間の関数として溶解した量をパーセント表示する)。
Figure 2005518418
実施例5では、抗うつ薬を用いた本発明の使用、および、インビボでの(イヌ)錠剤の性能を説明する。
実施例5
以下の方法を用いて塩酸セルトラリン錠剤80mg(遊離塩基に基づく)を製造した:10Lのボウルを備えたニロSP1高剪断力造粒機に、塩酸セルトラリン(600g)、ナトロゾールTM250H(200g)、クルセルTMEXF(100g)、ラウリル硫酸ナトリウム(14g)、および、ソルビトール(ネオソルブTMP110)(1146g)を仕込んだ。高剪断力下で9:1のイソプロピルアルコール:水の混合液(460g)を加え、顆粒を形成した。顆粒を40℃のオーブンで16時間棚乾燥した。次に、0.030インチ(0.762mm)コニデュールラスピングスクリーン(Conidur rasping screen)を備えたM5Aミルを300rpmで用いて顆粒を粉砕した。材料を、ステアリン酸マグネシウム(20g)と合わせ、V−ブレンダーで5分間混合した。5/16”(8mm)SRC成形用具を備えたキリアンTMT100タブレットプレス(キリアン&Co社,IMAソリッド・ドーズ・ディビジョン(Solid Dose Division)(ホーシャム,PA)より入手可能)を用いて粉末を錠剤にし、重量299mgの錠剤コアを得た。ベクターHCT−30 EPハイコーター(ベクター社(マリオン,アイオワ州)より入手可能)を用いて錠剤をコーティングした。コーティング溶液は、セルロースアセテート/PEG3350/アセトン/水(重量比4.1/1.9/89.0/5.0)であった。錠剤コアの初期重量の10%の重量増加が達成されるまでコーティングを行った。得られた錠剤をオーブンで40℃で16時間乾燥させた。機械ドリルを用いて各錠剤の面に900μmの孔を1つあけた。インビトロでの溶解から、pH4.5では、薬剤の約50%が6時間で送達され、90%が24時間で送達されることがわかった。3匹のイヌに、錠剤4個を同時に投与した。数日後、この方法を繰り返した。便から錠剤を回収し、コア中に残留した薬剤を分析した。およその排便時間に基づきイヌにおける滞留時間を記録した。結果は以下の通り:9〜17時間で、67.6±0.6%が送達され(サンプルサイズ=8);20〜27時間で、68.5±0.6%が送達され(サンプルサイズ=12);30〜40時間で、82±1%が送達された(サンプルサイズ=4)。比較すると、インビトロにおけるpH6.8(腸内の体液を模擬した)での溶解の挙動は、9〜17時間で約62%、20〜27時間で72%、30〜40時間で85%であった。
実施例6は、優れた薬物送達性能を維持した上での、様々な浸透圧調節物質の使用のフレキシビリティーを説明する。
実施例6
表VIIIに列挙した材料を合わせることにより試験材料を製造し、実施例2に記載の方法で試験した。
Figure 2005518418
各ボトルに、ステアリン酸マグネシウム(0.43g)を加え、混合物をターブラーでさらに5分間混合した。7/16”(1.1cm)SRC成形用具を備えたF−プレスを用いて錠剤コアを製造し、587mg/錠剤(錠剤あたりシルデナフィル遊離塩基200mgに相当する)を得た。セルロースアセテート(35g)およびPEG3350(15g)を、アセトン(925g)および水(25g)にを溶解させることによりコーティング液を製造した。錠剤をLDCS20コーターでコーティングし、重量を6〜8%増加させた。各錠剤に500μmのドリルビットで機械的に穴をあけ1つの孔を作製した。溶解実験の結果(pH2)を以下の表IXに示す(時間の関数として溶解媒体中に溶解した量をパーセント表示する):
Figure 2005518418
実施例7は、生物学的利用率を増強する賦形剤(インビボで予想される挙動に基づく)と、浸透圧調節物質との両方としての可溶性の酸の使用を説明する。
実施例7
ターブラーで以下の成分を20分間混合することによりブレンドを製造した:クエン酸シルデナフィル(24.3g)、ナトラゾールTM250HX(2.14g)、ファーマコートTM603(2.14g)、キシリソルブTM90(4.29g)、および、アスコルビン酸(16.71g)。この混合物に、ステアリン酸マグネシウム(0.43g)を加え、ターブラーでさらに5分間混合した。7/16”(1.1cm)SRC成形用具を備えたF−プレスを用いて錠剤コアを製造し、587mg/錠剤(錠剤あたりシルデナフィル遊離塩基200mgに相当する)を得た。セルロースアセテート(35g)およびPEG3350(15g)を、アセトン(925g)および水(25g)に溶解させることによりコーティング液を製造した。錠剤をLDCS20コーターでコーティングし、重量を6〜8%増加させた。各錠剤に500μmのドリルビットで機械的に穴をあけ1つの孔を作製した。溶解実験(pH2)の結果により、8、12、16および24時間で、それぞれ68%、77%、81%、および87%に相当する放出が示された。
実施例8では、本発明の多角性をさらに説明する。
実施例8
[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−5−フルオロベンジル]メチルアミン塩酸塩(300mg,遊離塩基に基づく)を含む錠剤を以下の方法を用いて製造した。高剪断力造粒ユニット(ニロSP1,10Lのボウル)に、薬剤(1015.2g)、スクロース(極微細な粒状)(375.7g)、マンニトール粉末(375.7g)、ヒドロキシエチルセルロース(ナトロゾールTM250HX)(121.8g)、ラウリル硫酸ナトリウム(20.3g)、およびヒドロキシプロピルセルロース(クルセルTMEF)(101.7g)を仕込んだ。インペラー速度300rpm、チョッパー速度1000rpmで成分を5分間乾燥混合した。高剪断力下(インペラー速度500rpm、チョッパー速度1000rpm)で、5分以内に9:1のイソプロピルアルコール:水の混合液(410mL)を加えた。液体を添加した後、高剪断力下でサンプルをさらに1分間混合した。顆粒を40℃のオーブンで16時間棚乾燥した。次に、0.030”(0.762mm)のコニデュールのラスピングスクリーンを備えたフィッツパトリックM5Aミルで、バーローターを300rpmで用いて顆粒を粉砕した。次に、材料をステアリン酸マグネシウム(19.6g)と合わせ、8−クォートV−ブレンダーで5分間混合した。7/16”(1.1cm)SRC成形用具を備えたキリアンロータリータブレットプレスを用いて粉末を錠剤にし、重量675mgの錠剤コアを得た(薬剤300mg,遊離塩基に基づく)。得られた錠剤コアをLDCS−20ハイコーターを用いてコーティングした。コーティング溶液は、セルロースアセテート/PEG3350/アセトン/水(重量比4.1/1.9/89/5.0)であった。錠剤コアの初期重量の6〜8%の重量増加が達成されるまでコーティングを行った。得られた錠剤をオーブンで40℃で16時間乾燥させた。錠剤の片面に機械ドリルを用いて900μmの孔を1つあけた。pH4.5でのインビトロでの溶解(酢酸ナトリウム緩衝液)によれば、薬剤の84%が12時間で送達され、97%が24時間で送達されたことが示された。
実施例9は、製剤への酸の取り込み、および、製剤に酸を添加することの有益な効果を説明する。
実施例9
[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−5−フルオロベンジル]−メチルアミン塩酸塩(300mg,遊離塩基に基づく)の錠剤を、薬剤(15.2g)、ソルビトール(5.6g)、酒石酸(5.6g)、ヒドロキシエチルセルロース(ナトロゾール250HX)(1.8g)、ラウリル硫酸ナトリウム(0.3g)、および、ヒドロキシプロピルセルロース(クルセル−EF)(1.5g)を合わせることにより製造した。混合物を、褐色ガラスボトルでターブラーミキサーを用いて20分間混合した。ブレンドを小型造粒ユニットに仕込み、高剪断力下で9:1のイソプロピルアルコール:水の混合液(7〜8mL)を6.5分間以内に加えた。顆粒をオーブンで40℃で16時間棚乾燥した。次に、0.030”(0.762mm)のコニデュールのラスピングスクリーンを備えたフィッツパトリックL1Aミルを用いて、300rpmで顆粒を粉砕した。材料を、ステアリン酸マグネシウム(0.3g)と合わせ、ボトルでターブラーミキサーを用いて5分間混合した。粉末を7/16”(1.1cm)SRC成形用具を備えたマネスティーF−プレスを用いて錠剤にし、重量675mgの錠剤コアを得た。LDCS−20コーターを用いて錠剤をコーティングした。コーティング溶液は、セルロースアセテート(398−10;イーストマン・ケミカルズ)/PEG3350/アセトン/水(重量比4.1/1.9/89/5.0)であった。錠剤コアの初期重量の6〜8%の重量増加が達成されるまでコーティングを行った。得られた錠剤をオーブンで40℃で16時間乾燥させた。機械ドリルを用いて錠剤の片面に900μmの孔を1つあけた。pH7.5(腸内の体液を模擬した)でのインビトロでの溶解(リン酸カリウム緩衝液)によれば、酒石酸を含む配合では、薬剤の61%が12時間で送達され、薬剤の68%が16時間で送達されたことが示された。それに対して、実施例9で製造された配合(酒石酸を含まず)では、12時間で52%が送達され、16時間で53%が送達された。
実施例10では、標準的なSRC型の錠剤と比較したカプレット型の錠剤の利点を示す。
実施例10
ネオソルブP110(49.5g)、[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−5−フルオロベンジル]−メチルアミン塩酸塩(50g)、および、ステアリン酸マグネシウム(0.25g)のブレンドをボトルで混合し、篩い分け、ターブラーで混合した。フィッツパトリックIR220チルソネーターを用いてブレンドをローラー圧縮した。得られたリボンを乳鉢と乳棒で粉砕した。粉砕材料(97.8g)を、ナトロゾール250H NF(11.6g)およびクルセルEXF(5.8g)と合わせ、ボトルで混合し、篩い分け、ターブラーで混合した。ステアリン酸マグネシウム(1.2g)を加え、ターブラーで4分間混合した。化合物Aとソルビトールとの1:1(wt:wt)混合物を共にまずローラー圧縮することにより錠剤コアを製造した。ボトル中で、84%の上記混合物と、10%のナトラゾール250H NF、および、5%のクルセルEXFとを合わせることによりブレンドを製造した。材料をターブラーで20分間混合した。この時点で、1%のステアリン酸マグネシウムを加え、ブレンドを、ターブラーでさらに5分間混合した。7/16”SRCまたは0.254×0.748”カプレット成形用具のいずれかを備えたF−プレスを用いて錠剤コアを製造し、629mg/錠剤を得た。ベクターLDCS20ハイコーターを用いて、4%(w:w)セルロースアセテート398−10、2%PEG3350、89%アセトン、および、5%水溶液で、平均錠剤コア重量が9〜10%重量増加するまでコアをコーティングした。1つの孔(0.9mm)をSRC錠剤の面またはカプレットのバンドの端のいずれかに機械的にあけた。50mM酢酸ナトリウム(pH4.5)からなる媒体を37℃で用いて、USP装置2(50rpm)を用いて溶解を行った。HPLCを用いて溶液中の薬剤濃度を分析した。薬剤の50%が送達される時間は、SRC型錠剤で10.4±2.2時間であり、カプレット型で6.3±0.3時間であった。
実施例11は、カプレット型の孔の位置の利点を示す。
実施例11
ネオソルブP110(49.5g)、[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−5−フルオロベンジル]−メチルアミン塩酸塩(50g)、および、ステアリン酸マグネシウム(0.25g)のブレンドをボトルで混合し、篩い分け、ターブラーで混合した。フィッツパトリックIR220チルソネーターを用いてブレンドをローラー圧縮した。得られたリボンを乳鉢と乳棒で粉砕した。粉砕した材料(97.8g)を、ナトロゾール250H
NF(11.6g)、クルセルEXF(5.8g)と合わせ、ボトルで混合し、篩い分け、ターブラーで混合した。ステアリン酸マグネシウム(1.2g)を加え、ターブラーで4分間混合した。化合物Aとソルビトールとの1:1(wt:wt)混合物と共にまずローラー圧縮することにより錠剤コアを製造した。ボトル中で、84%の上記混合物と、10%のナトラゾール250Hおよび5%のクルセルEXFとを合わせることによりブレンドを製造した。材料を、ターブラーで20分間混合した。この時点で、1%のステアリン酸マグネシウムを加え、ブレンドをターブラーでさらに5分間混合した。0.254×0.748”カプレット成形用具を備えたF−プレスを用いてコアを製造し、629mg/錠剤コアを得た。ベクターHCT20 LDCS20ハイコーターを用いて、4%(w:w)セルロースアセテート398−10、2%PEG3350、89%アセトン、および、5%水の溶液で、平均錠剤コア重量が9〜10%重量増加するまでコアをコーティングした。孔(0.9mm)は、(1)錠剤の面;(2)バンドの端に孔1つ;または(3)バンドのそれぞれの端に孔1つ、のいずれかに、機械的にあけた。50mM酢酸ナトリウム(pH4.5)中で、37℃で、USP装置2(50rpm)を用いて溶解を行った。HPLCを用いて溶液中の薬剤濃度を分析した。50mM酢酸ナトリウム(pH4.5)からなる媒体を用いて、37℃で、HPLC効力分析を用いて溶解を行った。薬剤の50%が送達される時間は、8.2±0.2時間(錠剤の面に1つの孔の場合);6.3±0.3時間(錠剤の端に1つの孔の場合);および、6.8±0.3時間(錠剤のそれぞれの端に1つの孔の場合)であった。
実施例12は、ロゼンジ型の錠剤の利点を示す。
実施例12
42%(w:w)[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−5−フルオロベンジル]−メチルアミン塩酸塩、42%のネオソルブ30/60DC、10%のナトロゾール250H、および、5%のクルセルEXFを合わせることによって錠剤コアを製造し、#20ふるいを用いて手動で篩い分け、ボトル中でターブラーブレンダーを用いて20分間混合し
た。次に、ステアリン酸マグネシウム(1%)を加え、さらに5分間混合した。7/16”SRC(コントロール)を用いてコアを製造し、629mg/錠剤を得て、7/16”のフラット面の面取りした端を用いてコアを製造し、約750mg/錠剤を得た。次に、フラット面を有するコアを旋盤に置き、所望の形状に彫刻し、コアが629mg/コアになったら停止させた。コアを、4%(w:w)セルロースアセテート398−10、2%のPEG3350、89%アセトン、および、5%水の溶液で、ベクターHCT20 LDCS20ハイコーターを用いて、平均錠剤コア重量が9〜10%重量増加するまでコーティングした。錠剤の面に1つの孔(0.9mm)を機械的にあけた。50mM酢酸ナトリウム(pH4.5)中で、37℃で、USP装置2(50rpm)を用いて溶解を行った。HPLCを用いて溶液中の薬剤濃度を分析した。50mM酢酸ナトリウム(pH4.5)からなる媒体を用いて、37℃で、HPLC効力分析を用いて溶解を行った。薬剤の50%が送達される時間は、SRCコントロールで9.4時間、目的のSRC型で6.57.6時間であった。
実施例13は、投薬形態への分散剤の添加の利点を説明する。
実施例13
まずプルロニックF127NF(1.00g)をエタノール(15.0g)に溶解させることにより、分散剤をコーティングした薬剤を製造した。次に、薬剤[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−5−フルオロベンジル]−メチルアミン塩酸塩(10.09g)を、エタノール溶液でスラリー化した。材料をオーブンで12時間、50℃で乾燥させた。材料を#40ふるいで篩い分けた。150ccの褐色ボトルで、上記材料(7.20g)と、クルセルEXF(0.75g)、HECナトロゾール250HX(0.90g)、および、ネオソルブ30/60DC(6.00g)とを合わせることにより、試験ブレンドを製造した。150ccの褐色ボトルで、化合物A(6.48g)、クルセルEXF(0.75g)、HECナトロゾール250HX(0.90g)、および、ネオソルブ30/60DC(6.72g)を合わせることにより、コントロールブレンドを製造した。試験ブレンドとコントロールブレンドの両方を#16ふるいで篩い分け、ターブラーで20分間混合した。いずれの場合においても、ステアリン酸マグネシウム(0.15g)を加え、さらに5分間混合した。0.313×0.625”カプレット成形用具を備えたF−プレスを用いて錠剤を製造し、775mg/錠剤を得た。錠剤を、4%(w:w)セルロースアセテート398−10、2%のPEG3350、89%アセトン、および、5%水の溶液で、ベクターHCT20 LDCS20ハイコーターを用いて、9〜10%重量増加するまでコーティングした。錠剤のバンドの端に1つの孔(0.9mm)を機械的にあけた。擬似的な腸内の体液(SIN,50mMのKH2PO4,pH6.8)(900mL)中で、37℃で、USP装置2(50rpm)を用いて溶解を行った。HPLCを用いて溶液中の薬剤濃度を分析した。37℃において、リン酸緩衝液(pH6.8)で作製された擬似的な腸内の体液(SIN)からなる媒体を用いて、HPLC効力分析の使用により溶解を行った。薬剤の50%が送達される時間は、SRCコントロールで10.4時間であり、分散剤試験で8.56時間であった。
実施例14は、炭酸水素ナトリウムを投薬形態に含ませることの利点を説明する。
実施例14
プロセプト(Procept)Mi−Mi−Pro用の1.7Lのボウルで、[2−(
3,4−ジクロロフェノキシ)−5−フルオロベンジル]−メチルアミン塩酸塩(169.6g)、ネオソルブP110(ソルビトール、SPIポリオールズ)(82.9g)、および、クルセルEXF(ヒドロキシプロピルセルロース、アクアロン)(7.5g)を合わせることにより湿式顆粒を製造した。顆粒を、インペラー速度400rpm、チョッパー速度1000rpmで、4.0分間乾燥混合した。次に、インペラー速度600rpm、チョッパー速度1000rpmで、エタノール(56g)を液体添加速度20g/分で用いて、混合した材料を4.5分間湿式造粒した。次に、顆粒化した材料を、対流式オーブンで、40℃で、16時間乾燥させた。0.030インチのコニデュールのラスピングスクリーンを備えたフィッツパトリックL1Aを300rpmで稼動させて用いて、顆粒化した材料を粉砕した。顆粒化した材料(37.6g)と、以下の顆粒以外の成分とを混合することにより、炭酸水素ナトリウム製剤の最終組成物を得た:ネオソルブ30/60DC(ソルビトール,SPIファーマ,Lewes,Del.)(12.5g)、酒石酸(10.5g)、ナトロゾール250H(ヒドロキシエチルセルロース、アクアロン)(5.0g)、および、炭酸水素ナトリウム(3.5g)。列挙された成分をターブラーミキサーによりボトルで15分間混合した。次に、ステアリン酸マグネシウム(0.88g)を加え、さらにターブラーで2分間混合した。楕円形型のマネスティーシングル−ステーションF−プレス(0.3125×0.6250インチ,トーマスエンジニアリング)を用いて、錠剤コア重量が775mg、錠剤コア厚さが0.281インチになるまで、コアを圧縮した。コアを、3.3%(w:w)セルロースアセテート398−10、1.7%のPEG3350、90.0%アセトン、および、5.0%水の溶液で、ベクターLDCS20を用いて、平均錠剤コア重量が7〜9%重量増加するまでコーティングした。1つの送達ポート(1.0mm)を卵型錠剤の1つの端(バンド)に機械ドリルで配置させた。加えて、炭酸水素ナトリウムを含まないコントロール製剤を、同一のプロセス、コーティング製剤、および送達ポート位置/サイズで配合した。コントロール錠剤コアは以下の組成からなる:顆粒化した材料(42.9g)、ネオソルブ30/60DC(ソルビトール、SPIファーマ)(14.31g)、酒石酸(7.0g)、ナトロゾール250H(ヒドロキシエチルセルロース、アクアロン)(4.9g)、および、ステアリン酸マグネシウム(0.88g)。USP装置2による溶解(50rpm)を、擬似的な腸内の体液(SIN,50mMのKH2PO4,pH6.8)(900mL)を用いて行った。化合物Aの溶解サンプル濃度をHPLCを用いて測定した。溶解試験の24時間後、炭酸水素ナトリウムを含む錠剤から、薬剤の97%が放出されたが、一方で、コントロール錠剤からは薬剤のわずか91%しか放出されなかった。
実施例15は、好ましい錠剤の配合の製造、および、プロセスを説明する。
実施例15
顆粒2000gを製造するために、90%イソプロピルアルコールと10%水(2000mL)を初めに製造した。以下の成分をSP1モデル高剪断力造粒機用の10Lのボウルに加えた:ソルビトール(427.3g)、[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−5−フルオロベンジル]−メチルアミン塩酸塩(1125.6g)、HEC250HX(134.9g)、および、クルセルEXF(112.5g)。これら成分を、インペラー速度400rpm、チョッパー速度1000rpmで5分間混合した。次に、インペラー速度を500rpmに設定し、チョッパーを1000rpmで維持し、一方で、イソプロパノール/水(441.7mL)を速度100g/分でポンプで吸い出した。液体を添加した後すぐに混合を止めた。混合物を、オーブンで、40℃で16時間棚乾燥させた。前方にナイフを備えたM5Aミルを用いて(300rpm、0.0315”コニデュールラスピングプレートを用いて)、乾燥した顆粒を約4分間粉砕した。混合物を4−クォートV−ブレンダーに加え、15分間混合した。次に、この混合物を8−クォートV−ブレンダーに移し、酒石酸(396.9g)を加えた。混合物を10分間混合した。この時点で、ステアリン酸マグネシウム(21.0g)を加え、さらに5分間混合した。キリアンT−100ロータリータブレットプレスで、0.265×0.490”(150mgAの場合;錠剤重量340mg)、または、0.3175×0.635”(300mgAの場合;錠剤重量674mg)カプレット成形用具のいずれかを用いて、錠剤コアを製造した。撹拌しながらPEG3350(53.2g)を水(140g)に溶解させ、セルロースアセテート(114.8g)を加え、続いてアセトン(2492g)を加えることにより、コーティング溶液を製造した。LDCS−20パンコータースプレーを用いて、約20g/分(流出口温度28〜30℃,空気流量30cfm)で、平均コア錠剤重量に基づき目的の6〜7%の重量増加が達成されるまで、溶液をスプレーした。2サイズを別々にコーティングした。次に、錠剤を、オーブンで、40℃で16時間、棚乾燥させた。乾燥した錠剤に、0.9mmのドリルで機械的に穴をあけるか、または、同サイズでレーザードリルで穴をあけた。
実施例16
以下の本発明の範囲内のシルデナフィルの配合(表Xに示す)を実施例2の一般的な方法に従って製造した:
Figure 2005518418
好ましい位置に開口部が示された好ましい楕円形型の錠剤の側面図である。 図1の錠剤の上面図である。 開口部が好ましい位置に示されたカプレット型の錠剤の側面図である。 図3のカプレット型の錠剤の上面図である。 対向する面が内に向かって湾曲した好ましいロゼンジ型の錠剤の側面図である。 開口部が好ましい位置に示された図5のロゼンジ型の錠剤の上面図である。 図1で示した楕円形の錠剤の側面図である(ただし、この錠剤は、図1で示される側面のバンド3を有さない)。

Claims (15)

  1. (a)以下の(i)〜(iii)を含む単層圧縮コア、
    (i)1用量あたりの溶解性が約1mL-1未満の非熟成性の薬剤、
    (ii)重量平均分子量が約300,000〜約2,000,000のヒドロキシエチルセルロース、および、
    (iii)浸透圧調節物質、
    ここで、該コア中に、該ヒドロキシエチルセルロースは、約2.0重量%〜約20重量%で存在し、該浸透圧調節物質は、約15重量%〜約75重量%で存在する;
    (b)該コアを取り巻く透水性層;および、
    (c)錠剤を取り巻く流体環境に該薬剤を送達するための、該層(b)内の少なくとも1つの通路、
    を含む、浸透圧性医薬錠剤。
  2. ヒドロキシエチルセルロースの重量平均分子量が700,000〜1,500,000である、請求項1に記載の浸透圧性錠剤。
  3. ヒドロキシエチルセルロースが、コア中に、約3重量%〜約15重量%で存在する、請求項2に記載の浸透圧性錠剤。
  4. コアに存在する浸透圧調節物質が糖である、請求項1に記載の浸透圧性錠剤。
  5. 糖がソルビトールである、請求項4に記載の浸透圧性錠剤。
  6. 非熟成性の薬剤および浸透圧調節物質の組み合わせの平均延性が約100〜約200Mpaである、請求項1に記載の浸透圧性錠剤。
  7. 非熟成性の薬剤および浸透圧調節物質の組み合わせの平均引張り強さが約0.8〜約2.0Mpaである、請求項1に記載の浸透圧性錠剤。
  8. 非熟成性の薬剤および浸透圧調節物質の組み合わせの平均脆性破壊インデックスが約0.2未満である、請求項1に記載の浸透圧性錠剤。
  9. 錠剤中に、5〜25重量%のpH調節剤をさらに含む、請求項1に記載の浸透圧性錠剤。
  10. pH調節剤が、非熟成性の塩基性薬剤と組み合わせて用いられ、酒石酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸、フマル酸、グルタミン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、および、トルエンスルホン酸からなる群より選択される、請求項9に記載の浸透圧性錠剤。
  11. 体積に対する表面領域の比が0.6mm-1超である、請求項9に記載の浸透圧性錠剤。
  12. 楕円形型であり、短軸に対する長軸の比が1.3〜3である、請求項1に記載の浸透圧性錠剤。
  13. カプレット型であり、短軸に対する長軸の比が1.3〜3である、請求項1に記載の浸透圧性錠剤。
  14. 長軸と錠剤の外面との交点の3mm以内に形成された1つの孔をさらに含む、請求項1
    2または13に記載の浸透圧性錠剤。
  15. 錠剤コアの少なくとも30重量%が非熟成性の薬剤である、請求項1に記載の浸透圧性錠剤。
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