JP2005517513A - 歩行用および滑走用靴 - Google Patents
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Abstract
滑走のために靴底(24)の一領域(28)に取り付けられた様々な構成のローラー(32)を備え、他の靴底領域(26)が歩行のために露出している靴(20)。ローラー(32)は、支持表面に沿って横方向に進むために、靴(20)を上から見て、歩行方向に対し約0度と45度との間の角度で延びる主な回転軸を画定するアクスル(36)の回りを回転するように取り付けられる。これは、露出した靴底表面で走り、次に滑走するための「サーフィン」態勢に変えることによって、走行と滑走とを組み合わせた移動の方法を提供する。場合によって、ローラーは可動型トラックアッセンブリに取り付けられる。1つの特に小さなトラックアッセンブリには、コンプライアンスを可動するための楔状のブッシングを含む。
Description
技術分野
本発明は、歩行と滑走とを兼用できるようにした靴に関する。
本発明は、歩行と滑走とを兼用できるようにした靴に関する。
背景
一時的にローラースケートとして機能するように容易に変換できる歩行靴について、前世紀以降および今世紀初めに幾つかの提案があった。このような靴の基本的な利点は、それらが提供する移動状態の柔軟性が促進されることである。大抵は、実質的に任意の通常の歩行靴の裏面に固定した硬質スケートフレームについては数年前から良く知られている。この硬質スケートフレームによって、装着者は、標準のローラースケートを履いているように、2個を前方に2個を後方に配置した4個のホイールで、前方または通常の歩行方向に進むことができる。市場には、ホイールを収容する少なくとも一つの歩行靴があり、このホイールは、歩行の際には靴底内に引き込まれると共に滑走の際には延ばされる。確かに、このような靴は、引き込み時にこのようなローラーを完全に収納できる十分な厚みの靴底を必要とするが、それらの回転部品を歩行中に個別に支持する必要がない利点がある。
一時的にローラースケートとして機能するように容易に変換できる歩行靴について、前世紀以降および今世紀初めに幾つかの提案があった。このような靴の基本的な利点は、それらが提供する移動状態の柔軟性が促進されることである。大抵は、実質的に任意の通常の歩行靴の裏面に固定した硬質スケートフレームについては数年前から良く知られている。この硬質スケートフレームによって、装着者は、標準のローラースケートを履いているように、2個を前方に2個を後方に配置した4個のホイールで、前方または通常の歩行方向に進むことができる。市場には、ホイールを収容する少なくとも一つの歩行靴があり、このホイールは、歩行の際には靴底内に引き込まれると共に滑走の際には延ばされる。確かに、このような靴は、引き込み時にこのようなローラーを完全に収納できる十分な厚みの靴底を必要とするが、それらの回転部品を歩行中に個別に支持する必要がない利点がある。
これらや標準ローラースケートでの滑走状態において、装着者は一般に、アイススケートと同様の動きで、各足で前方推進力をうむことで前進することができる。移動方向は、一般に足の前後すなわち爪先/踵を通る軸線で決まる。インラインスケートは、それらのホイールを靴の前後中心線に沿って一直線上に揃えられ、ホイールのキャンバ角を変えるためにスケートを傾斜させることによってある程度の方向制御ができる。あるインラインスケートは、前後中心線と垂直な方向のレールを滑降するために採用されてきた。これは、一対の中間のローラー間で、またはホイール間のスキッドプレートでレールに位置決めして、そのレールを滑り降りることによってなされていた。
他の靴として、靴底の踵部分のキャビティ内にローラーを着脱可能に取り付けたものもある。歩行のために、キャビティからローラーを完全に取り外すことができる。滑走時では、装着者は、練習とバランス感とで、足首を固定し、すねを曲げて円筒状ローラーで前方方向に進むことができる。前方方向の推進力を得るためには、装着者は、靴底の前方部分で走り、次に、ローラーの形状および向きで決まる前後方向の継続した滑走ができるように、背をそらして両方の靴の踵部分のローラーだけを地面に接触させるように指示される。
スケートボーディングも若者になじみのある移動やスポーツの他の状態である。スケートボードは一般に、前方および後方の「トラック」で支持されるボードを特徴とし、各トラックは、傾斜可能なアクスル上に取り付けられた一対のホイールを有する。ボードでの前方への滑走中、左右の重量変動は、ボードを傾けると共に、ホイールの回転方向を変化させてボードの制御可能な操縦を提供する。したがって、この回転方向はホイールアクスルの向きで決まるが、通常、回転方向はボードの前後の主な軸線に沿っている。サーフボード上のサーファーの態勢と同じように、一方の足の後ろに他方の足をおいて、両足を主なボードの軸線に対し角度をもって乗せることはスケートボーダーにとっては普通のことである。
要約
一般に楽しく安定した移動状態は、靴の前後中心線で決まる歩行方向以外の方向に沿って滑走することができる変換可能な靴や、改良された滑走用靴およびトラックアッセンブリ構成によってもたらされることが分かった。
一般に楽しく安定した移動状態は、靴の前後中心線で決まる歩行方向以外の方向に沿って滑走することができる変換可能な靴や、改良された滑走用靴およびトラックアッセンブリ構成によってもたらされることが分かった。
発明の1つの形態によれば、靴は、通常の歩行方向を画定すると共に靴底を有し、靴底が、靴内に収容される足指および少なくとも母指球の一部の下に位置する前方領域を画定する。靴底は、前方領域にわたって露出した下部表面を有し、下部表面が歩行のための支持表面と接触する。靴は、靴底に固定され、前方領域の後方に配置されたローラーも有する。ローラーは、支持表面に沿っての横向き滑走のために、靴を上から見て、歩行方向に対して約0度と45度との間の角度で延びる主な回転軸を画定するアクスルの回りで回転するように取り付けられる。
「通常の歩行方向」は、一般に靴の長さ方向に沿って延びる前後、すなわち爪先/踵を通る軸線で画定される方向を意味する。
好ましくは、ローラーは着脱可能または格納可能であり、靴底は歩行中に快適に曲がる十分な可撓性がある。
多くの場合、ローラーは靴の最下部分を成す。
ある実施形態において、アクスルは、複数の選択可能な軸方向で靴底に取付け可能である。ある場合ではアクスルは、1つのこのような方向において、歩行方向に対し略垂直に延びる代わりの回転軸を画定する。
ある靴はこのようなローラーを2個有し、これらは靴底の横方向に離間して配置される。好ましくは、2個のローラーの中心は靴底の全長の約20パーセントの横方向の間隔を有する。ある場合では、ローラーは歩行方向に沿って離間して配置され、この場合、2個のローラーの中央面が、靴底の全長の約30パーセントの距離だけ歩行方向に沿って離間して配置されるのが好ましい。
ある実施形態において、靴は、ローラー間に配置され、レールを受ける横方向に延びるチャネルを画定するグラインド表面をも有する。グラインド表面は、例えば、回転部材の外周面であるか、または靴底に強固に固定されてもよい。
ある場合では、靴底は、靴底の下部表面に開口部を有するキャビティを画定し、ローラーがそのキャビティ内に部分的に配置され、そのキャビティ開口部を通じて延びる。
幾つかのこのような場合、ローラーアクスルは、ローラーに架かる支持カップに取り付けられ、靴底キャビティ内に配置される。支持カップは、靴底キャビティから着脱可能であるか、または支持カップ、ローラーおよびアクスルが一体として靴底キャビティから着脱可能であってもよい。
ある実施形態において、支持カップは、ローラーがキャビティ開口部を通じて延びる滑走用の第1の位置と、ローラーがキャビティ内に完全に収納される第2の位置とに、キャビティ内で選択的に位置することが可能である。好ましくは、カップは、歩行用の前記第2の位置においてローラーをキャビティ内に収納する。
ローラーは、次の1以上の特徴を有する。ローラーは細長いこと、ローラーは樽形状であること、ローラーはホイールであること、ローラーはこれをアクスル上で支持するベアリング(転動体を備えたものなど)を収容すること、および/またはローラーは円筒状であること。
多くの実施形態において、ローラーは靴底のアーチ領域に配置される。
ある構造において、ローラーは、靴底に沿って、少なくとも約2.0インチ(5センチメートル)、好ましくは少なくとも2.5インチ(6.3センチメートル)の距離に及ぶ転動面を画定する。転動面は、靴の全長の少なくとも約15パーセント(より好ましくは、少なくとも約20パーセント、最も好ましくは少なくとも約25パーセント)に及ぶのが好ましい。
ある有利な構成において、アクスルは、ローラーでの滑走中に移動方向を変更するために、靴底に対するアクスルの傾斜を可能にする対応マウントを介して靴底に固定される。
ある場合において、アクスルは、回転方向に対しヨーイングを生じさせるようにアクスルがその回りを回転する傾斜キングピン軸を画定する。アクスルは、例えば、アクスルがそのキングピン軸の回りで回転されると弾性変形する対応マウントを介して、靴底に固定されてもよい。
ある実施形態において、アクスルは2個のローラーを支持し、その一方がキングピン軸のいずれかの側に配置される。ローラーは、転動体を包含する独立のベアリングを介してアクスルの回りで回転するように取り付けられる、例えば、円筒状であってもよい。ローラーの中央面間の前後距離は、約3.0インチ(76ミリメートル)または靴底の全長の約30パーセントであるのが好ましい。
キングピン軸は、ある実施形態において、靴底に固定されたアクスル取付構造のソケット内で回転するように配置されたアクスルのピンによって、一部画定される。
アクスルは、靴底の前方領域と露出したヒール領域との間の靴底のアーチ領域に配置されるのが好ましく、歩行のために靴底から選択的に着脱可能であってもよい。
1つの好ましい実施形態において、靴は、滑走中の付加的安定性のため、傾斜キングピンを有するアクスルから横方向に間隔をおいて配置された固定アクスルの回りを回転するように取り付けられたローラーをも有する。好ましくは、固定アクスルは、靴の内側に面するキングピンの片側に配置される。
ある実施形態において、靴は、それぞれが対応する別個のアクスルの回りを回転するように取り付けられた少なくとも2個のローラーを有する。各アクスルは、アクスルが回転方向に対しヨーイングを生じさせるようにその回りを回転する傾斜キングピン軸を画定し、両アクスルは靴底の横方向に間隔をおいて配置される。
ある構成において、各アクスルは2個のローラーを支持し、一方がキングピン軸のいずれかの側に配置される。好ましくは、2個のローラーは共に、靴の全長の約20パーセントのホイールベースを画定する。
ある場合では、各キングピン軸は、特に積極的な操縦性のため、靴の近接側に向かって上方に延びる。
好ましくは、両方のアクスルとそれらの関連したローラーとは、靴の全幅を増大させないように、靴底の露出した前方領域で画定された靴幅の範囲内に完全に配置される。
ある実施形態において、ローラーは、少なくとも1.5インチ(38ミリメートル)だけ離された少なくとも2つの支持表面接触点を画定する。接触点は、単一の回転部材上に、または少なくとも2つの独立して回転可能な回転部材上に画定されてもよい。ある場合では、回転部材は、第1のローラー傾斜方向の接触点の一方と、および第2のローラー傾斜方向の接触点の他方と、で平坦な水平支持表面と接触するような形状にされる。他の場合では、回転部材は、両接触点において同時に平坦な水平支持表面と接触するような形状にされる。
本発明の他の態様によれば、靴は、通常の歩行方向を画定し、靴内に収容される足指および母指球の少なくとも一部の下に位置する前方領域を画定する靴底を有する。靴底は、歩行のための支持表面と接触する前方領域にわたって露出した下部表面を有する。靴は、靴底に固定され、前方領域の後方に配置されたローラーをも有する。ローラーは、靴の上から見て、歩行方向に対して非垂直をなす主な回転軸を画定するアクスルの回りを回転するように取り付けられる。
本発明のこの態様の多様な実施形態には、第1に挙げた態様の実施形態に関する上述の特徴をも含む。
本発明の第3の態様によれば、靴は、通常の歩行方向を画定し、歩行のための支持表面と接触するように露出した下部表面を有する靴底を有する。靴底は、靴底の下部表面に開口部を有するキャビティを画定し、ローラーは、キャビティ内に部分的に配置され、キャビティ開口部を通じて延びる。ローラーは、歩行方向以外の方向に支持表面に沿っての滑走のための主な回転軸の回りでしか回転しないように取り付けられる。
本発明のこの態様の多様な実施形態には、第1に挙げた態様の実施形態に関する上述の特徴をも含む。
本発明の第4の態様によれば、靴は、踵部分と爪先部分とを有し、通常の歩行方向を画定し、歩行状態で支持表面と接触する露出した下部表面を備えた可撓性靴底を有する。靴底は、下部表面における開口部から爪先部分の後方の靴底内に延び、滑走状態で支持表面に対する滑走のための開口部を通じて延びる着脱可能なローラーを少なくとも部分的に収容するキャビティを画定する。注目すべきは、ローラーは、靴の上から見て、歩行方向に対し約0度と45度との間の角度で延びる軸の回りを回転するように取り付けられる。
本発明のこの態様の多様な実施形態には、第1に挙げた態様の実施形態に関する上述の特徴をも含む。
本発明の第5の態様によれば、ローラー靴は、靴底と、ローラーでの滑走中に移動方向を変更するために靴底に対しアクスルの傾斜を可能にする対応マウントを介して靴底に固定されたアクスルの回りを回転するように取り付けられた一対のローラーを備えた可動型トラックアッセンブリと、可動型トラックアッセンブリのアクスルから横方向に間隔を空けて配置された固定アクスルの回りを回転するように取り付けられた非可動型ローラーと、を有する。
本発明のこの態様の多様な実施形態には、第1に挙げた態様の実施形態に関する上述の特徴をも含む。
本発明の第6の態様によれば、身体移動の方法が提供される。その方法は、それぞれが通常の歩行方向を画定する一足の靴を履くことを含む。その一足の口はそれぞれ、靴内に収容された足指および少なくとも母指球の一部の下に位置する前方領域を画定し、歩行のための支持表面と接触する前方領域にわたって露出した下部表面を有する靴底と、靴底に固定され、前方領域の後方に配置されたローラーとを有し、ローラーは、支持表面に沿って横向きに滑走するために、靴を上から見て、行方向に対し約0度と45度との間の角度で延びる主な回転軸を画定するアクスルの回りを回転するように取り付けられる。この方法は、支持表面に対し靴底の前方領域を接触させることによって通常の歩行方向に対応する所望の方向に加速させ、次に靴を支持表面に対し接触させて、靴によって画定された通常の歩行方向に対して角度をもった所望の方向に進むように再位置決めすることをも含む。
ある場合には、支持表面は歩道のものである。
加速する工程は、例えば、靴底の前方領域での歩行または走行を含んでもよい。
ある場合には、靴は、靴によって画定された通常の歩行方向に対して略垂直な方向に進むように再位置決めされる。
方法のある実施において、靴の再位置決めは、各靴を支持表面から持ち上げ、加速方向を避けてその靴を回転させ、次にローラーを支持表面上に接触させることを含む。
この方法の多様な実施形態は、第1に挙げた態様の実施形態に関する上述の他の特徴を備えた靴も含む。
本発明の他の態様によれば、可動型アッセンブリは、傾斜キングピンのいずれかの側の区画を画定する硬質取付ブラケットと、キングピンに対しほぼ垂直に延び、一対のローラーを支持するアクスルと、そのアクスルは、操縦のためのキングピンについて角度を付けて取り付けられ、ブラケットの区画内に配置され、中立アクスル位置からの角度付け中にブラケットとアクスルの幅広近接表面の間で弾性圧縮されるように配置されて、アクスルをその中立位置に向かって付勢する対応ブッシングブロックとを含む。
ある実施形態では、ブッシングは、V字状に形成され、および/またはポリウレタンから成形される。
有利に、トラックアッセンブリのある実施形態は、約1.0インチ(25ミリメートル)よりも低い全高を有し、靴底の下に直接取り付けるのに適している。
ある場合では、区画は、ブラケット基部からキングピン側に延びる中央ブラケットウエブのいずれかの側に画定される。
ある実施形態では、アクスルは、キングピンを受け入れる開口円形スロットを画定する中央体を有し、そのスロットは、ピンを半径方向に保持するための、断面で、180度超の画定された円を包含する。
本発明の1つまたはそれ以上の細部については、添付図面および以下の説明に記述されており、本発明の他の特徴、目的および利点は、それらの説明および図面から、および請求項から明白となろう。
多様な図面の同参照符号は同要素を示す。
詳細な説明
図1および図2は、本発明の幾つかの態様に従って、サーファーやスケートボーダーがとる多くの構えすなわち姿勢も、歩行方向以外の方向に沿って進むように特に適合されたローラーを靴底内に有する靴を履いて得られることを示す。例えば、図1は、ユーザ10の両足を運動方向に対してほぼ直角にして、コンクリート歩道12に沿って進むユーザ10を示す。靴14は、靴底のアーチ領域に転動体16を有しており、ユーザは、横運動に対し自重の平衡を直接的に転動体上で保つことができる。可撓性の靴の靴底の転動体16を越えた爪先領域には、ユーザがローラーを接触させないで爪先領域で走行または歩行することができる十分な空間があることが好ましい。これは、継続運動させるためのローラーでのサーフィン姿勢をとる前に助走をつけるのに有用となる。ある場合では、ローラーは、図2で示されるように、縁石の縁部18、または傾斜レールまたは手すりに沿ってのサーフィンを可能にする。
図1および図2は、本発明の幾つかの態様に従って、サーファーやスケートボーダーがとる多くの構えすなわち姿勢も、歩行方向以外の方向に沿って進むように特に適合されたローラーを靴底内に有する靴を履いて得られることを示す。例えば、図1は、ユーザ10の両足を運動方向に対してほぼ直角にして、コンクリート歩道12に沿って進むユーザ10を示す。靴14は、靴底のアーチ領域に転動体16を有しており、ユーザは、横運動に対し自重の平衡を直接的に転動体上で保つことができる。可撓性の靴の靴底の転動体16を越えた爪先領域には、ユーザがローラーを接触させないで爪先領域で走行または歩行することができる十分な空間があることが好ましい。これは、継続運動させるためのローラーでのサーフィン姿勢をとる前に助走をつけるのに有用となる。ある場合では、ローラーは、図2で示されるように、縁石の縁部18、または傾斜レールまたは手すりに沿ってのサーフィンを可能にする。
図3ないし図5で示された実施形態を先ず参照するに、靴20は、上方部分22と靴底24とを有する。靴の上方部分は公知の任意の適当な構成であればよいので、上方部分22については詳細を図示しない。上方部分22は、示されるように、履いている人の足首を覆うべく上方に延びるか、または低い位置でカットされたものであってもよい。あるいは、上方部分22は、ブーツ形式の履いている人のふくらはぎまで延びても良い。上方部分22は、可撓性材料、または、例えばスキーやスケートのブーツ外殻に採用されるように硬質形式のものであってもよい。同様に、靴底24は、用途に応じて、可撓性または硬質であっても良い。1つの好ましい実施形態において、靴底24は、前方領域26、アーチ領域28およびヒール領域30と共に可撓性エラストマから成形される。足指と母指球の部分とを覆う前方領域26の可撓性、および前方領域26とアーチ領域28との間の移行部分の可撓性は、通常の歩行中や「つま先歩行」中に靴底24を撓ませることができる。ここで、「つま先歩行」とは、履いている人が足の前方領域だけで歩くことをいい、子供によって「つま先歩き」と称される。
円筒状のローラー32は、アーチ領域28のキャビティ34内に取り付けられる。ローラー32は、靴の前後方向に延びるアクスルピン36の回りを回転するように取り付けられるので、ローラー32は図4の矢印で示されるように自由に回転できる。この図では、ローラー32は、円筒状の外部表面で、長さが約1.0インチ(25ミリメートル)、および直径が約1.25インチ(32ミリメートル)しかない。他のローラー構造の例が以下で議論される。硬質のアクスル取付カップ38又は他の支持体は、靴底24内にインサート成形されて、アクスルピン36が着脱自在に固定される取り付け構造を提供する。アクスルピン36の両端部は、カップ38の前方縁部および後方縁部の対応凹所にはまり込んでおり、アクスルピン36の両端部は、そのキャビティからローラー32を手動で引っ張ることによってそれらの凹所から取り外すことができる。ゆえに、装着者は、道具を使用したり靴を脱いだりすることなく、ローラー32を容易に取り外すことができる。
図3および図4に示されるように、ローラー32の外部表面は、靴底24の最下部分の下に延びるので、装着者は、歩道などの平らな支持表面に、靴底の他のいかなる部分を接触させることなく、ローラー32を接触させることができる。さらに、図4に示されるように、靴底24の側縁部は、面取りされるか、または靴がローラー32のいずれの側に傾いても地表との隙間が確保されるように除去される。好ましくは、靴底は、少なくとも一方向に傾斜クリアランスθが少なくとも約10度となるように除去され、ローラーは、靴底の最も低い周囲の表面から下側に露出した高さ「h」が約0.5インチ(13ミリメートル)を超えないように、十分に埋め込まれる。
図5Aおよび図5Bの実施形態では、アクスルピン取付カップ38aは、4つのアクスルピン取付凹所40を画定する。その前後の縁部に設けられたひと組は、図5Aの横方向に転がる方向にローラー32を取り付けるためのものであり、その両側縁部に設けられたもうひと組は、図5Bで示されるように、前方に転がる方向にローラー32を取り付けるためのものである。また、ローラー32は都合良く通常の歩行のために取り外されるが、示されたいずれの向きにも素早くはめ込まれるので、装着者は靴を選択的にスケートまたはサーフィン状態に構成できる。
図6および図7の実施形態では、靴20aは、そのアーチ領域に配置された砂時計状ローラー42を有し、その最大外径が約2.0インチ(51ミリメートル)、その中央の直径が約1.0インチ(25ミリメートル)となっている。その形状により、ローラー42は、縁石の縁部(図2参照)、または極端なスポーツ操縦のための階段の手すりなど、横方向に延びる支持表面形状を受ける中央のチャネル44を画定する。平坦な支持表面を進むとき、ローラー42は、その2つの間隔を空けた最大径領域46でのみ表面と接触し、低い転がり接触面積および低い対応転がり抵抗を提供すると同時に、安定性のための比較的長い範囲「L」の接触をも提供する。この場合、長手方向の転がり範囲「L」は、約2.75インチ(70ミリメートル)、または靴底24aの全長の約25パーセントである。これらの図で示された、転がり範囲「L」を超えるローラー42の2つの端部における転がり表面の湾曲は、靴がローラーの一端だけを地面と接触させるために前後方向に傾けられたときに、ある程度の操縦効果を与える。
この実施形態の他の特徴は、靴底24aに埋め込まれたアクスルピン支持構造体38aが複数組のアクスルピン収容部40を画定し、複数組のアクスルピン収容部40が異なる角度に配置されるアクスル軸を画定しており、ローラー42を3つの明確な位置のいずれかに挿入できることである。中央位置では、示されるように、ローラー42は、通常の歩行方向「D」と一直線上に揃う前後軸170の回りでしか回転しないので、ユーザは正確に横方向に滑走することができる。またある時には、ユーザは、横方向から僅かに角度をもった方向に進もうとする。そのような場合、ユーザは、ローラー42をその中心位置から素早く取り外し、回転軸が前後方向から約15度の角度αだけ外れる他の2つの位置のうち1つに、そのローラーを再び挿入してもよい。サーフィンの安定性のためには、靴の後方のローラーを中央位置にしたままで、靴の前方のローラー42を傾斜位置に配置したほうがよい。
さらなる安定性のため、一方または両方の靴は、靴の幅に沿って間隔をおいて設けられた一対のローラーを備えてもよい。例えば、図8および図9は、靴底のアーチ領域に並列に取り付けられた二つのローラー42を備えた靴を示す。この場合、両方のローラー42は、それらの中央のチャネル44が一直線上に揃えられ、靴に沿って前後方向に延びる平行の軸の回りを回転する。上述の実施形態と同様に、ローラー42は、歩行または走行のために着脱可能である。ローラーは、回転移動の方向に沿って距離「X」だけ離れた点で地面と接触し、各靴の安定性を高める。これは、長時間使用中の太股内側の緊張を低減するのに特に重要となる。好ましくは、距離「X」は少なくとも約2.0インチ(51ミリメートル)である。
図10ないし図12に示す靴は、長方形の四隅に配置された四つの回転部材48を有する。二つのローラー48は靴の踵領域に並列に配置され、他の二つのローラー48は靴のアーチ領域の直前方に並列に配置されており、ゆえに、ローラーのパターンはアーチ領域を包含する。ローラーのこの配置が優れた安定性を提供するのは、接地点が、約3.0インチ(76ミリメートル)の長さL1および約2.0インチ(51ミリメートル)の幅W1の広い平面領域を画定し且つ包含するからである。各ローラー48は、前後軸の回りを回転すると共に樽形であり、その樽の湾曲は、後輪または前輪のいずれか一方だけで転接させるために、靴を前方または後方に傾けることによってある程度の操縦を可能にする。
横方向に転がる他のローラー配置も考えられる。例えば、図13および図14は、ずらせたパターンで配置した4個のローラー48を示し、それらの接地点は平面の平行四辺形の隅を画定する。これは、ローラーが横並びに配置される場合よりもローラーの横方向の離間距離W2を狭く保ち、しかも大きな回転径を有するローラーの使用を可能にする。ローラー48は、上述のように、歩行のために容易に取り外すことができるように取り付けられるか、または示されたように、滑走用靴としてのみ使用する目的で靴底に固定されてもよい。前方のローラー48は、つま先歩きができるように、靴のつま先から十分離れた距離に取り付けられることが好ましい。
横方向に転がる転動体48は、横方向の滑走とグラインド(grinding)との兼用のアーチローラーまたはスキッドプレートと組み合わされてもよい。図15および図16は、図10の靴の四つのローラー配置の構成を有する靴であるが、前後のローラー48間の靴底のアーチ領域にグラインドローラー50を更に備えた靴を示している。ローラー48は、グラインドローラー50が突き出るよりも遠くに靴底から突出しているので、横方向の滑走時には、ローラー48だけが地面と接触する。但し、ユーザは、横方向の滑走状態からアーチローラー50で擦るためにレール上に飛び乗り、グラインドローラーの中央の径減少部分51でレールに受け止められてもよい。この実施形態のローラー48、50はそれぞれ、各ローラーアクスルの前側端部を支持構造体38b内の対応凹所から抜き出し、次に靴底から離れるようにアクスルを傾け、アクスルの他端を支持構造体内の対応ソケットから引き抜くことによって歩行状態または交換のために取り外されてもよい。
図17および図18で示されるように、グラインドローラーの代わりとしてグラインドプレート52を用い、これを靴の中心線に沿って靴底内に埋め込むこともできる。グラインドプレート52は、レールなどを受け止めてそれに沿って滑る凹面中央部分を有する。この特定の実施形態では、靴は、靴のアーチ領域の靴底側部に覆い重なるスライドプレート54を備え、スライドプレート54は、ある操縦のためグラインドプレート52とともにレールと接触する。
図19および図20で示された他の4個式ローラー構造では、4個の細長い凹状ローラー50が2列平行に配置され、2個のローラーが踵領域に、他の2個のローラーがアーチ領域の前方に配置される。これらのローラーは一緒になって、靴が横方向に進むことができる8つの個別の接地点を提供し、2つの独立のグラインドチャネルを画定する。
上述の実施形態は、全て、靴の靴底に永久的に埋め込まれた支持構造体に固定される転動体を有するものとして示されている。他の場合では、支持構造体は着脱可能である。例えば、図21〜23は、滑走のために(図22および図23)露出でき、歩行のために(図21)再配置できる2個の踵転動体48を備えた靴を示す。ローラー48は、平行アクスルピン36の回りを回転し、それらのピン36の両端部は、着脱可能なローラーカップ56の2つの側部に固定される。閉じた端部を内側にしてヒールキャビティ58内に配置されると(図22)、カップ56は、地面上を滑走するために、ローラー48の転がり表面が靴の靴底表面の周囲から下に延びるように、ローラー48を位置決めし得る。歩行または走行のため、カップは、手で取り外されて、その閉じている方を外側にしてキャビティ58内に再配置されると、カップ56の底部表面が靴の底部の靴底表面と面一となり、ローラー48は、完全に収納されて保護される。コインまたはキーを用いてローラーカップを靴底からさっと戻すために、細長い穴(図示せず)を設けてもよい。2個のヒールローラーが示されているが、他の配置には、単一のヒールローラー、または、トウローラー、アーチローラーもしくは複数のアーチローラーと組み合わせたヒールローラーを含む。単一のローラーカップは、正方形、あるいは対称足跡を有するように形成されるので、滑走状態において、横方向の滑走、または前方への「スケート状態」滑走のいずれに対してもローラーを配置すべくカップを靴底内に配置できる。
歩行状態のために靴の転動体を再位置決めする他の手段も考えられる。例えば、図24〜27で示された靴は、アクスルピンを備えたヒールローラーおよびトウローラーを有する。このアクスルピンは、横へのホイール滑走のために(図26および図27)これを位置決めすべく、取付カップ38c内の一組の凹所40にはめ込むことができ、ホイール転動面を靴底の底部表面から下に延ばす。歩行のために、ユーザは、アクスルピンをその凹所の組から取り外し、それらのアクスルを180度回転させ、第1の凹所の組合せよりも深い第2の組の凹所(図24および図25)内の取付カップ38c内にそれらを戻すようにはめ込むことで、ローラーは靴底の下部表面より完全に上になるように位置決めされる。この取付手段は、ローラーの多様な構成や組合せと共に有利に用いられてもよい。
図28A〜28Hは、考えられる多様なローラー構造の数例を示す。図28Aを先ず参照するに、ローラー42は、低摩擦材料、好ましくは鋳造の熱硬化性ポリウレタンまたは射出成形された熱可塑性のポリウレタンの転動面60を有する。適当な熱硬化性樹脂には、ユニロイヤル(Uniroyal) B836MDIのような、メチレンジイソシアネート(MDI)、およびトルエンジイソシアネート(TDI)を含む。他の適当な材料には、ポリエーテルまたはポリエステルを基材としたポリオール或いはゴムを含む。多様な硬度および摩擦特性の材料が、米国特許第5,829,757号に記載されているように、その開示は完全に記載されているかのごとく引用によりここに組み込まれる、単一の転動面に組み合わされてもよい。
低摩擦転がり表面材料は、金属またはプラスチックの硬質コア62上に射出成形され、硬質コア62は、ボールベアリング64のような転動体軸受のアウターレースが圧入される端部の穴を画定し、ボールベアリング64は、コア62および低摩擦材料60をアクスルピン36の回りで回転させる。ベアリング64のインナーレースは、示されるようにアクスルピン36を軸方向に拘束する。好ましくは、示された全アッセンブリは、軸受または転動面のいずれかが摩耗すると交換される。図6に関して上述したように、ローラー42は、凹状の中央部分44と、2つの接地点を画定する2つの球状の凸状端部46を有する。一方、図28Bのローラー66は、より広い接地を提供するが、傾けられると操縦効果を提供しない円筒状端部68を有する。単品の回転部材である代わりに、図28Cのローラー構成のように、転動面は、独立して回転可能な部材を横切って画定されてもよい。この構成では、低摩擦材料の2つの凸状ローラー48は、中央の凹状ローラー70のいずれかの側のベアリング64で回転するように取り付けられ、凹状ローラー70は、ブッシュ72上でアクスルピン36aの回りを独立して回転するように取り付けられる。全体的に、3つの転動体の転動面は図28Aのローラー42の形状に近似するが、凹状ローラー70は、凸状ローラー48よりも高い転がり摩擦材料のような異なる材料で、形成されてもよい。図28Dに示されるように、中間の転動体70aの外部表面は、円筒状であっても良い。
上述のごとく、樽状または凸状の転動体は、ローラーまたは複数のローラーの回転軸を傾けることによって、滑走方向制御を提供または操縦するのに有用である。図28Eおよび図28Fは、2つのこのようなローラー構成を示す。図28Eにおいて、単一の細長いローラー74は、図28Aのローラー42と同じ基本構成であるが、外側の低摩擦材料60aは、ローラーの中間において最大径を有する凸状の外径を有するように、成形されている。操縦するために、アクスルピン36は、地面に対し靴を傾けるように断面図で示された面内で傾けられると、ローラーの中間の一方の側または他方の側のローラーの外部表面を接触させる。同一の効果は、図28Fに示されるように、同軸に取り付けられた独立して回転する2つの凸状要素48で得られるが、横方向の安定性はある程度増加する。
転動体の外部表面は、転動体がそのアクスルの回りを回転すると滑走方向に連続的変化を起こすように、テーパー状にできることも留意されよう。図28Gでは、ローラー78の端部分76の転動面は、左回転方向に滑走する円錐状の表面に沿っている。2つのこのような転動体78は、靴を傾けることによって操縦できるようにするために、それらの大きい方の端部を互いに向かい合わせ、靴底の前後中心線に沿ってそれらの端部が並ぶように配置される。地面と平行な靴底とすると、靴は、ローラーの2つのより大きな端部で前方方向に転がる。図28Hでは、テーパー状のローラー80aおよび80bは、同一効果を得るための、同じ円錐延長上にある外部表面を有する。
操縦制御は、靴底内にアクスルピン取付構造体の所量のコンプライアンスを組み込むことによるように、対応マウントで回転部材を靴底に取り付けることによって達成されてもよい。
より積極的な操作性は、操縦入力に応答してホイールアクスルの向きを変化させるローラーマウントまたはホイールマウントで提供される。例えば、図29ないし図31の靴82は、スケートボードにペアで通常採用されるものと同タイプの、フルアクスルトラックアッセンブリ84を備えている。トラックアッセンブリ84のベース86は、靴底のアーチ領域に固定される。トラックアッセンブリ84はアクスル88を支持し、スケートボードホイールと同様の構造のほぼ円筒状の2個のローラー90が、アクスル88の回りを独立して回転する。図31に示されるように、アクスル88は、ベース86のソケット内に収容され、ソケット内で自由に回転できるピン92を有する。また、アクスル88は、2つの弾性ブッシュ96aと96bの間で傾斜ショルダーボルト94によってベース86に固定される。この配置は、アクスル88がブッシュ96aおよび96bの圧縮によって図29の面内で傾けられるとアクスル88を操縦方向に(すなわち、図30の面内で)僅かに回転させ、直感的方向(すなわちヨーイング)制御を提供する。
図31および図32の組合せを見ると、一足の靴は両方とも、「サーフィン」状態たる横向き滑走において各足の独立回転制御のためのトラックアッセンブリ84を、備えている。示された配置において、左足のトラックアクスル88は左に延びるピン92を有し、右足トラックアクスル88は右に延びるピン92を有するので、トラックアクスルは、トラックアクスルを互いに同期せずに回転させるために、それらのそれぞれの靴が同方向に傾けられると逆方向に旋回する。
トラックアッセンブリ84は、歩行または走行状態に移行するために速やかに取り外せるように、靴底に取り付けることができる。図33ないし図35では、トラックアッセンブリ84aは、靴底にトラックアッセンブリのベースを着脱可能に固定する4つの簡易着脱締結器98を有する。一方、図36ないし図38では、全トラックアッセンブリ84bは、リング102によって容易に捕らえられ、靴底から引かれる単一簡易着脱ピン100で靴底に固定される。所定位置にあるとき、ピン100は、トラックアッセンブリ84bのベースから延びる取付ボス106内の穴104を貫通して延び、特定の滑走方向および操縦状態に対しトラックアッセンブリを必要なときに2種類の対向する向きのどちらにでも取り付けることができる。
図39ないし図41を参照するに、靴108は、靴底のアーチ領域の下に取り付けられた二つのトラックアッセンブリ110を有する。トラックアッセンブリ110は、2つの独立した傾斜可能なホイールアクスル112を支持し、ホイールアクスル112はそれぞれ、ジョイントトラックアッセンブリベース114の対応ソケット内で回転可能な対応ピボットピン92を備えている。トラックアクスル112は、より積極的な操縦感のため対向配置され、両足を乗せる長いボードを必要とするよりはむしろ靴底の幅W2の範囲内に、靴108に従来のスケートボードの操縦能力の全てを与える。好ましくは、二つのトラックアッセンブリ110の全ホイールベースWBは、約2.0インチ(51ミリメートル)かまたはそれ以下である。1つの好ましい実施形態では、約12インチ(30.5センチメートル)の靴底全長LSを有するサイズ9の男性用靴で、ホイールベースWBは、約2.0インチ(51ミリメートル)であり、ホイール中央面の間の前後距離TBは、約3.0インチ(76ミリメートル)である。ゆえに、ホイール中心軌道幅TBおよびホイールベースWBは、靴長のそれぞれ約30パーセントおよび20パーセントである。2つのこのような靴108を履くことによって、装着者は、その両足を横向き滑走や操縦の間で幾つもの位置に位置決めでき、スケートボードでは不可能な操作が可能となる。上述のある他の実施形態と同様に、靴108の靴底の足指および母指球領域113は、トラックアッセンブリやそのホイール90によって邪魔されないので、装着者は、滑走しないとき靴底の前部でつま先歩行が可能となる。踵歩行も、靴底の露出した踵表面111で可能である。靴底は、より快適な歩行を行うためアーチ領域の前方が可撓性であることが好ましい。上述のトラック実施形態と同様に、二つのトラックアッセンブリ110も靴底に着脱可能に取り付けられる。
図42および図43の靴116は、横方向に滑走するために、アーチ領域に取り付けた2輪式ローラーアッセンブリ118を有するが(図39の靴と同様)、歩行のために、靴の靴底内に容易に格納可能となるように構成される。その延ばした位置において(図42)、ホイール90は、靴底の下部表面120の下に部分的に配置され、手動操作可能なラッチ122によってその位置に保持される。収納されると(図43)、全ローラーアッセンブリ118は、靴底内に画定された凹所124内に収容される。ラッチ122およびアクスル126は、両方ともそれぞれのピン128および130の回りを回動するように靴に取り付けられ、図43に示された位置に向かってねじりバネ(図示せず)によって付勢される。このような格納性は、幾つかの上述のローラー構成に容易に組み込まれることは理解されよう。
図44ないし図47は、スケート、スケートボードなどで使用する可動型ローラートラックアッセンブリ132を示す。この示された例は、例えば、前掲の横向き滑走用靴の実施形態に組み込むために、約1.0インチ(25ミリメートル)よりも小さい有用で低い全高「HT」で構成できる。アッセンブリの3つの主要な要素は、硬質の取付ブラケット134、2つの弾性の楔状のブッシュ136、および2つのホイール90を支持するアクスル138である。トラックアッセンブリを組み立てるには、最初に、2つの楔状のブッシュがブラケット134の中央ウエブ140のいずれかの側の対応区画内に配置される。次に、アクスル138がブラケット134の固定ピン142の上から滑入され、アクスル138がブッシュの角度付き前部表面に接触する。所定位置において、アクスル138は、協働してブッシング136をそれらの区画内に保持する。アクスル138は、保持クリップ144または他の締結手段によってピン142上で軸方向に保持される。アクスルが、示されるようにアクスルの内側端部においてアクスルとブラケットの間に隙間ができるように構成される場合、例えば、ブッシュに予荷重を長期間維持するために、ピン142の遠位端において調節可能なロックナット(図示せず)を採用してもよい。この配置もブッシュの追従性が通常のホイール負荷を僅かに緩和させ、同じように、必要なら補助的なブッシュワッシャ(図示せず)をピン142の内側端部におけるアクスルとブラケットの間に配置してもよい。あるいは、アクスル138は、これがブラケット134の硬質の停止面と接触するまで、ピン142に沿って滑動するように構成されてもよい。使用中、ブラケットピン142の周りのアクスル138に加えられるトルクは、ブッシュの一方または他方を弾性的に圧縮してピン142の回りでのアクスルの操縦を可能にする。ブッシュ136は、例えば、約50〜95ショアA(shore A)の硬度を有するポリウレタンから成形される。
図46を参照するに、アクスル138は、ブラケットのピンを受け入れる開口した円形のスロット148を画定する中央体146を有する。スロット148は、断面で、180度超の画定された円を包囲するので、ピンを半径方向に保持することができる。スロット148の開口側は、ブラケットの中央ウエブを収容する。スロット148側の表面150は、使用時のブッシュの角度付き表面に当接する。直径が約0.25インチ(6ミリメートル)のアクスルピン152は、中央体146のボア内で固定され、公知の技術で構成されてホイールを支持する。
図47は、取付ブラケット134の構造を示す。ピン142は、直径が約0.25インチ(6ミリメートル)のものであり、ブラケットの下方部分の穴に圧入されると共に、追加の支持のために、中央ウエブ140にろう付けされる。ブラケットの後部壁154は、ブラケットの後隅の周りの中央ウエブから延びて、クッション区画156を画定する。ピン142の遠位端における溝158は、保持クリップを受け入れる。
図48ないし図50は、可動型トラックアッセンブリ84ならびに非可動型ホイール162をそれぞれが備えた一足の靴160Lおよび160Rを示す。各靴では、非可動型ホイールは、トラックアッセンブリ84の内側に示されていると共に、図31および図32の実施形態と比べて、各靴の付加的安定性のための第3の接触ホイールを提供する。ホイール162はそれぞれ、それら自体のアクスル164の回りを回転するように取り付けられると共に、トラックアッセンブリ84から横方向に間隔をおいて配置され、さらに、トラックアッセンブリの共通ベース168から延びる硬質のフランジ166間で支えられている。
本発明の多数の実施形態が説明された。但し、様々な変形が本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく実施されても良いことは理解されよう。従って、他の実施形態も特許請求の範囲内にある。
Claims (66)
- 通常の歩行方向を画定する靴であって、
当該靴内に収容される足指と少なくとも母指球の一部との下に位置する前方領域を画定すると共に、その上を歩行するための支持表面と接触するように前記前方領域にわたり露出した下部表面を有する靴底と、
前記靴底に固定され、前記前方領域の後方に配置されたローラーと、を備え、
前記ローラーは、支持表面に沿って横向きに滑走するために、当該靴の上から見て前記歩行方向に対し約0度と45度との間の角度で延びる主な回転軸を画定するアクスルの回りを回転するように取り付けられた靴。 - 前記ローラーは、着脱可能である請求項1に記載の靴。
- 前記ローラーは、格納可能である請求項1に記載の靴。
- 前記靴底は、歩行中に曲がるために可撓性である請求項1に記載の靴。
- 前記ローラーは、当該靴の最下部分をなす請求項1に記載の靴。
- 前記アクスルは、複数の選択可能な軸方向で前記靴底に取付け可能である請求項1に記載の靴。
- 前記軸方向の1つにおいて、前記アクスルは、前記歩行方向に対し略垂直に延びる代替の回転軸を画定する請求項6に記載の靴。
- 当該靴は、二つの同様のローラーを備えた請求項1に記載の靴。
- 前記二つのローラーは、横方向に離間して前記靴底に配置されている請求項8に記載の靴。
- 前記二つのローラーの中心は、前記靴底の全長の約20パーセントの横方向の間隔を有する請求項9に記載の靴。
- 前記二つのローラーは、前記歩行方向に沿って離間して配置されている請求項8に記載の靴。
- 前記二つのローラーの中央面は、前記靴底の全長の約30パーセントの距離だけ、前記歩行方向に沿って離間して配置されている請求項11に記載の靴。
- 前記ローラー間に設けられ、レールを受ける横方向に延びるチャネルを画定するグラインド表面をさらに備えた請求項11に記載の靴。
- 前記グラインド表面は、回転部材の周囲表面で構成されている請求項13に記載の靴。
- 前記グラインド表面は、当該靴の靴底に強固に固定されている請求項13に記載の靴。
- 前記靴底は、当該靴底の前記下部表面に開口部を有するキャビティを画定し、
前記ローラーは、前記キャビティ内に部分的に配置され、前記キャビティ開口部を通って延びている請求項1に記載の靴。 - 前記ローラーアクスルは、前記ローラーに架かると共に前記靴底キャビティ内に配置される支持カップに、取り付けられている請求項16に記載の靴。
- 前記支持カップは、前記靴底キャビティから着脱可能である請求項17に記載の靴。
- 前記支持カップ、前記ローラーおよび前記アクスルは、一体として前記靴底キャビティから着脱可能である請求項17に記載の靴。
- 前記支持カップは、前記ローラーが前記キャビティ開口部を通って延びる滑走用の第1の位置と、前記ローラーが前記キャビティ内に完全に収納される歩行用の第2の位置と、に選択的に前記キャビティ内で位置することが可能である請求項17に記載の靴。
- 前記カップは、歩行用の前記第2の位置において、前記ローラーを前記キャビティ内に封じ込める請求項20に記載の靴。
- 前記ローラーは、細長い請求項1に記載の靴。
- 前記ローラーは、樽形である請求項1に記載の靴。
- 前記ローラーは、ホイールを有する請求項1に記載の靴。
- 前記ローラーは、当該ローラーを前記アクスル上で支持するベアリングを収容する請求項1に記載の靴。
- 前記ベアリングは、転動体を収容する請求項25に記載の靴。
- 前記ローラーは、円筒状である請求項1に記載の靴。
- 前記ローラーは、前記靴底のアーチ領域に配置される請求項1に記載の靴。
- 前記ローラーは、前記靴底に沿って少なくとも2.0インチ(5センチメートル)の範囲にわたる転動面を画定する請求項1に記載の靴。
- 前記転動面は、前記靴底に沿って少なくとも約2.5インチ(6.3ミリメートル)の範囲にわたる請求項29に記載の靴。
- 前記転動面は、当該靴の全長の少なくとも約15パーセントにおよぶ請求項29に記載の靴。
- 前記転動面は、当該靴の全長の少なくとも約20パーセントにおよぶ請求項31に記載の靴。
- 前記転動面は、当該靴の全長の少なくとも約25パーセントにおよぶ請求項32に記載の靴。
- 前記アクスルは、対応マウントを介して前記靴底に固定され、
前記対応マウントは、前記靴底に対し前記アクスルの傾斜を許容して、前記ローラーでの滑走中に移動方向を変更する請求項1に記載の靴。 - 前記アクスルは、傾斜したキングピン軸を画定し、
前記アクスルは、回転方向に対しヨーイングを生じさせるように、前記キングピン軸の回りを回転する請求項1に記載の靴。 - 前記アクスルは、当該アクスルがそのキングピン軸の回りを回転されると弾力的に変形する対応マウントを介して、前記靴底に固定されている請求項35に記載の靴。
- 前記アクスルは、二つのローラーを支持し、
一方のローラーは、前記キングピン軸の片側に配置される請求項35に記載の靴。 - 前記ローラーは、円筒状である請求項37に記載の靴。
- 前記ローラーは、転動体を収容する別個のベアリングを介して、前記アクスルの回りを回転するように取り付けられている請求項37に記載の靴。
- 前記ローラーの中央面の間の前後距離は、約3.0インチ(76ミリメートル)である請求項37に記載の靴。
- 中央面の間の前記前後距離は、前記靴底の全長の約30パーセントである請求項40に記載の靴。
- 前記キングピン軸は、前記靴底に固定されたアクスル取付構造体のソケット内で回転するように配置された前記アクスルのピンによって一部画定される請求項35に記載の靴。
- 前記アクスルは、前記靴底の前方領域と露出したヒール領域との間の前記靴底のアーチ領域に配置される請求項35に記載の靴。
- 前記アクスルは、歩行のために前記靴底から選択的に着脱可能である請求項35に記載の靴。
- 前記傾斜したキングピン軸を有する前記アクスルから横方向に離間して固定アクスルの回りを回転するように取り付けられたローラーを、さらに具備する請求項35に記載の靴。
- 前記固定アクスルは、当該靴の内側に面する前記キングピン軸の片側に配置される請求項45に記載の靴。
- それぞれが対応する別個のアクスルの回りを回転するように取り付けられた少なくとも二つのローラーを更に備え、
前記各アクスルは、回転方向に対しヨーイングを生じさせるように当該アクスルがその回りを回転する傾斜キングピン軸を画定すると共に、前記靴底を横方向に離間して配置されている請求項35に記載の靴。 - 各アクスルは、二つのローラーを支持し、
一方のローラーは、そのキングピン軸のいずれかの側に配置される請求項47に記載の靴。 - 前記二つのローラーはともに、当該靴の全長の約20パーセントのホイールベースを画定する請求項47に記載の靴。
- 各キングピン軸は、当該靴の近接側に向かって上方に延びる請求項47に記載の靴。
- アクスルおよびそれらの関連したローラーは両方とも、前記靴底の露出した前記前方領域によって画定される靴幅内に、完全に配置される請求項35に記載の靴。
- 前記ローラーは、少なくとも1.5インチ(38ミリメートル)だけ離れた少なくとも二つの支持表面接触点を画定する請求項1に記載の靴。
- 前記接触点は、単一の回転部材上に画定される請求項52に記載の靴。
- 前記回転部材は、第1のローラー傾斜方向の前記接触点の一方と、第2のローラー傾斜方向の前記接触点の他方とで、平坦な水平支持表面に接触するような形状に形成されている請求項53に記載の靴。
- 前記回転部材は、両方の接触点で同時に平坦な水平支持表面に接触するような形状に形成されている請求項53に記載の靴。
- 前記接触点は、独立して回転可能な少なくとも二つの回転部材上に画定される請求項52に記載の靴。
- 通常の歩行方向を画定する靴であって、
当該靴内に収容される足指および母指球の下に位置する前方領域を画定すると共に、その上を歩行するための支持表面と接触するように前記前方領域にわたり露出した下部表面を有する靴底と、
前記靴底に固定され、前記前方領域の後方に配置されたローラーと、を備え、
前記ローラーは、当該靴の上から見て前記歩行方向に対し非垂直な主な回転軸を画定するアクスルの回りを回転するように取り付けられた靴。 - 通常の歩行方向を画定する靴であって、
その上を歩行するための支持表面と接触させるために露出した下部表面を備えると共に、当該下部表面に開口部を有するキャビティを画定する靴底と、
前記キャビティ内に部分的に配置されると共に、前記キャビティ開口部を通って延びるローラーと、を備え、
前記ローラーは、前記歩行方向以外の方向に支持表面に沿って滑走するために、主な回転軸の回りのみを回転するように取り付けられた靴。 - 通常の歩行方向を画定する踵部分および足指部分と、
歩行時に支持表面と接触するために露出した下部表面を有する可撓性の靴底と、を備えた靴であって、
前記靴底は、前記下部表面の開口部から前記足指部分の後方まで当該靴底内で延びるキャビティを画定し、
前記キャビティは、滑走時に滑走のために前記開口部を通って前記支持表面に対して延びる着脱可能なローラーを、少なくとも部分的に収納し、
前記ローラーは、当該靴の上から見て前記歩行方向に対し約0度と45度との間の角度で延びる軸の回りを回転するように取り付けられた靴。 - 靴底を有するローラー靴において、
前記靴底に対応マウントを介して固定されたアクスルの回りを回転するように取り付けられた一対のローラーを有する可動型トラックアッセンブリであって、当該対応マウントが、前記ローラーでの滑走中に移動方向を変更するために前記靴底に対し前記アクスルの傾斜を許容する可動型トラックアッセンブリと、
前記可動型トラックアッセンブリの前記アクスルから横方向に離間して固定されたアクスルの回りを、回転するように取り付けられた非可動型ローラーと、
を備えたローラー靴。 - 通常の歩行方向をそれぞれが画定する一足の靴を履く工程であって、
当該靴内に収容される足指と少なくとも母指球の一部との下に位置する前方領域を画定すると共に、その上を歩行するための支持表面と接触するように前記前方領域にわたり露出した下部表面を有する靴底と、
前記靴底に固定されて前記前方領域の後方に配置されたローラーであって、支持表面に沿って横向きに滑走するために、当該靴の上から見て、前記歩行方向に対し約0度と45度との間の角度で延びる主な回転軸を画定するアクスルの回りを回転するように取り付けられたローラーと、を備えた一足の靴を履く工程と、
支持表面に対し前記靴底の前記前方領域を接触させることによって、前記通常の歩行方向に対応する所望の方向に加速する工程と、
前記支持表面に前記ローラーを接触させて、前記靴によって画定される前記通常の歩行方向に対して角度のある前記所望の方向に滑走するために、前記靴を再配置する工程と、
を含む身体の移動方法。 - 前記支持表面は、歩道を含む請求項61に記載の方法。
- 前記加速する工程は、前記靴底の前記前方領域での歩行を含む請求項61に記載の方法。
- 前記加速する工程は、前記靴底の前記前方領域での走行を含む請求項61に記載の方法。
- 前記靴は、当該靴によって画定される前記通常の歩行方向に対し略垂直な方向に滑走するように再配置される請求項61に記載の方法。
- 前記再配置する工程は、前記支持表面から各靴を持ち上げ、当該靴を前記加速方向と反対方向へ回転させ、前記支持表面に前記ローラーを接触させることで行われる請求項61に記載の方法。
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