JP3050743U - スキー板と保持要素との間に設ける中間スペイサーおよびスキー板とスペイサーを含むスキー板組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、スキー板とこのスキー板上にスキ
ー靴を保持するための要素との間に設ける中間スペイサ
ーに関する。 【解決手段】 このスペイサーは、好ましくは、スキー
板の下方および前方へ向けて傾斜する支持盤６を有す
る。この支持盤は、スノーサーフに用いられる基準に則
って正方形の頂点に配分した４個のオリフィスを備え
る。この支持盤はスノーサーフ用のシェルを受け入れる
ために設けられる。該支持盤は、脚部によってスキー板
に連結される。該スキー板はショートタイプのスキー板
であるのが好ましい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 本考案は、スキー板と該スキー板上にスキー靴を保持するための要素との間に 設ける中間スペイサーに関する。また、本考案はスキー板と上記スペイサーとを 含むスキー板組立体に関する。

【０００２】 雪上を滑走するスポーツにおいては、解除可能な保持用締め具を備えた２本の スキー板をスキーヤーが使用して行うアルペンスキーが知られている。アルペン スキーの場合、スキーヤーは、スキー板に直接結合される保持用締め具、あるい は嵩上げ用の中間スペイサーと共働するために設けられる規格化された２の端部 を有する、補強された頑丈な靴を履く。

【０００３】 近年、長さが例えば０．９ｍないし１．４ｍの間で変化する大人用の短尺型（ ショートタイプ）スキー板が出現した。現行の短尺型スキー板で使用する靴は従 来型のスキー靴である。これらの靴は、靴の規格化された端部に嵌合するアーチ 形部分を備えた締め具によって保持される。

【０００４】 より詳しく述べると、本考案は、このようなショートタイプ（短尺型）のスキ ー板を目的とする。

【０００５】 この種の滑走具にとっては、従来からあるスキー靴の使用が必須であることが 明らかである。実際、在来のスキー靴は歩行を難しくすることが知られている。 逆に、これらの短尺型スキー板は運搬が極めて容易である。

【０００６】 在来のスキー靴以外の靴を装着した滑走具を雪上で使用することが知られてい る。雪上サーフの分野では、場合により、在来のスキー靴よりも柔軟で、かつ歩 行をさらに容易にするブーツを用いることが知られている。このようなブーツは 、雪上サーフボードに一体連結されるシェル（殻体）内に保持される。

【０００７】 このような靴の履き心地はより快適ではあるが、短尺型スキー板上で直接使用 するのには向いていない。実際、このブーツとシェルとの結合体は、在来のスキ ー板よりも幅広である。スキー滑走を実施する際、この幅広のスキー板は方向転 換時のエッジングを妨げる。その理由は、雪に接触するとシェルがスキー板を雪 から引き離してしまう恐れがあるからである。さらに、このような靴におけるス キーヤーの後方支承条件は、靴が滑走具の前進方向に対して軸がずれている雪上 サーフにおける条件、および靴が滑走板の軸内にあるスキー滑走における条件と 同じではない。

【０００８】 本考案は、一対のスキー板、特に短尺型（ショートタイプ）スキー板を、該ス キー板の滑走条件を損なうことなしに、在来のスキー靴以外のスキー靴と共に使 用できるようにして、その使用可能性を拡大することを目的とする。

【０００９】 この目的のために、本考案は、短尺型スキー板とスノーサーフ用ブーツを収容 するために設けられるシェル（殻体）との間に改装する中間スペイサーを提案す る。

【００１０】 この中間スペイサーは上部支持盤を有し、この支持盤は、正方形の４つの頂点 に配分され、かつ該支持盤の中央部分に位置する取付用のオリフィス（孔部）を 備えている。該スペイサーは該支持盤の下部に、滑走板に一体連結するための手 段を備える支持用脚部を有する。

【００１１】 本考案の第二の特徴によれば、支持盤は、シェルを受け容れるために設けられ る取付用表面を有し、この取付用表面は、前方から後方に、また上方から下方に 傾斜して、スキーヤーがスキー板上でより前屈みになる自然な姿勢を取るように する。

【００１２】 本考案は、以下の記載とこの記載の一部分をなす添付の図面を参照することに よって、より良く理解されよう。

【００１３】 図１は、所定の使用者のための短尺型（ショートタイプ）スキー板１（すなわ ち、在来のスキー板よりも長さが短いスキー板）を示す。このスキー板の長さは 、大人の使用者について見た場合、９０cmないし１４０cmである。もちろん、こ の数字は参考としてのみ示す値である。公知のように、該スキー板は、スキー板 の休止時に、その長手方向中央部分がその両端部より僅かに持ち上げられるよう 、僅かに湾曲したビーム（梁）の形状を呈する。上方から見た場合、このビーム はまた、その中央部分がその両端部におけるよりも狭くなっている。

【００１４】 図１に示すスキー板は、それぞれアップターン（スパチュール）の形をした２ の持ち上がり端部３、４を有する。

【００１５】 スキー板の中央部分２には、スペイサー５が乗っている。このスペイサーは上 部支持盤６を有し、スキー板の長手方向に沿って方向付けられ、かつその長さは 靴の長さにほぼ等しい。なお、この支持盤は上方から下方に、また後方から前方 に傾斜して、靴底の下表面とスキー板の上表面との間に傾斜角を形成するのが好 ましい。

【００１６】 また好ましくは、該支持盤６の中央部分は、両端部辺りよりも幅が広く、それ により靴の着座表面および後程説明する保持用シェルの着座表面を大きくする。

【００１７】 該スペイサーは、支持盤６の下部で、下方へ向かう支持用脚部を有し、この脚 部を介して滑走板上に乗る。図示の例において、該支持盤は、その全長に亙り、 ２の速報縁部に沿って配分された８本の脚部を有する。図３には、これら脚部の 片方８ａ、８ｂ、８ｃ、８ｄのみを示す。横断方向に沿う脚部の離間距離はほぼ 等しく、また幅のより広い板の中央部分は２対の中央脚部間に位置するのが好ま しい。この脚部の少なくとも一部分は、滑走板に固定するためのねじを収容する ように設けられた肩部付きの凹所を有する。場合により、これら脚部は横断方向 のリブによって連結される。この配置構成により、スキー板の良好な撓曲を保つ ことができる。

【００１８】 図示の例において、該支持盤６は、スキー板の上表面に対して４cmないし６cm の高さに位置し、また、その後端部は前端部より１cm持ち上がっている。また、 該支持盤の中央部は最大幅が１１cmとなっている。しかしながら、これら諸数値 は参考として示すに過ぎない。

【００１９】 本考案によるスペイサーは、何らか適宜な材料、例えばプラスチック材料を鋳 造成形して製作される。場合により、この支持盤の上表面は、より柔軟で、かつ 弾性変形可能な材料から成る小板部材１０、１３を有してもよい。これら小板部 材の数や、表面状態や、該小板部材の位置や、材質には特に制限がない。また、 該支持盤はくり抜き部１１、１２のような凹部を有してもよい。

【００２０】 図３で明らかなように、該支持盤の中央部分は、正方形の四隅に配分される４ 個のオリフィス（孔部）１４、１５、１６、１７を有する。これらオリフィスの 配置および相互間の距離は、シェルを組み立てるためにスノーサーフの分野で現 在用いられており、かつ「規格“４×４”」の名称で知られているものである。 これらのオリフィスには、各々が支持盤の下面に位置し、該支持盤の厚み部分を 貫通する円筒状部を載せた、収容部内に嵌合するように設けられるナットを含む ねじ切りを施した取付け用挿入部が貫通する。

【００２１】 他のあらゆる結合手段もこの目的に適っており、例えば、スキー板に締め具要 素を取り付けるために用いられるねじがある。

【００２２】 幅広の中央区域と４個のオリフィスを有する該支持盤の上表面は、スノーサー フ用のシェルを取り付けるための区域を形成する。

【００２３】 ブーツ保持用の殻体（シェル）１８は挿入部材にねじ止めされるねじにより該 支持盤に結合される。このシェルも何らか適宜な型式のものでよく、特にスノー サーフを実施するため流通市場で入手できるものでよい。公知のように、このよ うなシェルは靴底が乗る下部プラットフォーム１９と、ブーツに後方支承を付与 する背部スリーブ２０とを有する。このシェルはまた、ブーツを側方に保持する ための側縁部ならびにブーツをプラットフォームとスリーブに対して支承保持す るための緊締用ベルトあるいは紐を有する。

【００２４】 該シェルのプラットフォーム１９は支持盤６の幅広の中央部分上に乗るのが有 利であって、これにより良好な応力伝達が行われる。４個のねじを用いて結合す る方法により、シェルとスキー板との間に極めて良好な連結を実現する。原則と してシェルを設けるための方向調節手段により、スキー板の長手方向軸に該シェ ルのプラットフォームを配向することができる。この方向調節手段によりスキー 板に対して該シェルに一定の角度を付与することも可能である。

【００２５】 該プラットフォーム１９をスキー板の表面よりも高く持ち上げると、方向変換 に際して、シェルあるいはブーツの側縁部が雪と接触状態に入る恐れなしにスキ ーヤーが体を傾斜させることができ、それによってスキー板からの離脱が生じる ので有利である。さらに、支持盤６を前方から後方に僅かばかり傾斜させるのが 好ましいことは先に述べたとおりである。このことはシェルとブーツに対して僅 かに傾斜下位置を与え、ひいてはスキーヤーを前方へ自然に傾斜させた姿勢に保 つ。このようにして、該支持盤は、スキーヤーが姿勢を立ち直らせるとき、また は後方へもたれ掛かるとき、後方でのアンバランスの恐れを減少させ、スキー板 の上表面に平行な支持盤とのアンバランスをさらに少なくする。

【００２６】 本考案は、ブーツを収容するために設けられるシェルをショートタイプのスキ ー板に具備することができて有利である。該支持盤の傾斜は、スキー板上でスキ ーヤーの姿勢のバランスを改善する上で有利である。

【００２７】 本考案は、以上に記載した実施態様に限定されるものではなく、またスペイサ ーは、審美的観点から求められる他の形状を採ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による滑走板組立体の側面図である。

【図２】厚み出し用のスペイサーを示す上面図である。

【図３】本考案によるスペイサーの一部断面側面図であ
る。

【符号の説明】

１ スキー板 ２ スキー板の中央部分 ３、４ スキー板のアップターン ５ スペイサー ６ 上部支持盤 １０、１３ 小板部材 １１、１２ くり抜き部 １４、１５、１６、１７ 支持盤の孔（オリフィス） １８ シェル（殻体） １９ 下方プラットフォーム ２０ スリーブ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 ミシェル テソ フランス国．74330 ラ バルム ド シ ィンジー，ル ボワ デ パン (72)考案者 エルヴェ ヴィタリ フランス国．74000 アネシー，シュマン デ フェン スュド 18 ビス

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ショートタイプのスキー板とスキーヤー
   が装着する靴との間に介装されるために設けられる嵩上
   げ用のスペイサーにおいて、 前記スペイサー（５）は、その中央部分に、正方形の四
   隅に配分される４のオリフィス（１４、１５、１６、１
   ７）を有する支持盤（６）を具え、かつ前記支持盤の下
   部には、スキー板上に該スペイサーを載置するために設
   けられる脚部（８ａ、８ｂ、８ｃ、８ｄ）を備え、前記
   脚部の少なくとも一部分は前記スキー板に該スペイサー
   を組付けるねじを受け入れるために設けられることを特
   徴とするスペイサー。
2. 【請求項２】 前記オリフィス（１４、１５、１６、１
   ７）が組立用挿入部の各々に設けられることを特徴とす
   る請求項１によるスペイサー。
3. 【請求項３】 前記支持盤（６）が後方から前方に、ま
   た上方から下方に傾斜することを特徴とする請求項１に
   よるスペイサー。
4. 【請求項４】 支持面に対する前記支持盤（６）の高さ
   が４cmないし５cmであることを特徴とする請求項１によ
   るスペイサー。
5. 【請求項５】 前記支持盤（６）が、その中央部分にお
   いて、その両端辺りにおけるよりも幅広であることを特
   徴とする請求項１によるスペイサー。
6. 【請求項６】 前記支持盤（６）が、柔軟で変形可能な
   材料より成る少なくとも１の小板部材（１０、１３）を
   備えることを特徴とする請求項１ないし５のいずれか１
   によるスペイサー。
7. 【請求項７】 請求項１ないし６のいずれか１によるス
   ペイサー（５）を載置したスキー板（１）を有すること
   を特徴とするスキー板組立体。
8. 【請求項８】 前記スキー板（１）がショートタイプの
   スキー板であることを特徴とする請求項７によるスキー
   板組立体。
9. 【請求項９】 スノーサーフ用のシェル（１８）をスペ
   イサーの支持盤（６）に組付けることを特徴とする請求
   項８によるスキー板組立体。