JP2005517435A - 新規の真菌リパーゼ - Google Patents

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Abstract

実質的に配列ID番号:2に示されるか、又はATCC寄託番号PTA−4086号に含有されるDNA挿入部によってコード化されるアミノ酸配列に実質的に類似のアミノ酸配列を有する、新規のポリペプチドを開示する。また、ポリペプチドをコード化する、実質的に配列ID番号:1に示される単離ポリヌクレオチド、又はATCC寄託番号PTA−4086号の識別特性すべてを有するプラスミドに含有されるヌクレオチド配列に実質的に類似の単離ポリヌクレオチドも開示する。更に、上記ポリヌクレオチドを含む発現系も開示する。

Description

本発明は、単離された真菌リパーゼに関する。本発明はまた、真菌リパーゼをコード化するポリヌクレオチドに関する。本発明は、リパーゼ及びリパーゼをコード化するポリヌクレオチドの生成方法に更に関する。本発明は、リパーゼを使用してリパーゼの阻害物質をスクリーニングする方法に更に関する。
控え目に見積もっても、人口の50%を超える人がふけに悩んでいる。この一般的な状態は、無害であるが、不愉快であり、頭皮からの死んだ皮膚の剥離を特徴とする。この状態の原因は、普通は脂漏性皮膚炎、即ち、頭皮上の痒みを伴う鱗屑状の発疹である。ふけの弊害は、毛髪内及び/又は襟もしくは肩の上に白い薄片の形態で存在して個人の衣類を汚すという美的弊害から、頭皮の掻痒感の形態での身体的不快感の弊害までに及ぶ。
長年にわたり、ふけを処置する活性物質がいくつか開発されてきた。これらの抗ふけ活性物質には、ジンクピリチオン、コールタール、及び硫化セレンが含まれる。これらの活性物質の有効性は様々であるが、より有効な活性物質、及び/又は同様の有効性でより安価な活性物質、及び/又はより高い配合自由度を提供する有効な活性物質が、引き続き必要とされている。そのため、このような新規の抗ふけ活性物質を同定する新しいツールが必要とされている。
本発明は、単離された真菌リパーゼを対象としており、当該ポリペプチドは、実質的に配列ID番号:2に示されるか、又はATCC寄託番号PTA−4086号に含有されるDNA挿入部によってコード化されるアミノ酸配列に実質的に類似であるアミノ酸配列を含む。
本発明は、真菌リパーゼをコード化する単離されたポリヌクレオチドに関し、当該ポリヌクレオチドは、実質的に配列ID番号:1に示されるか、ATCC寄託番号PTA−4086号に含有されるポリヌクレオチド挿入部に実質的に類似のヌクレオチド配列、ATCC寄託番号PTA−4086号に含有されるDNA挿入部によってコード化されるアミノ酸配列に実質的に類似のアミノ酸配列をコード化するヌクレオチド配列、又は前述のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列を含む。
本発明は、前述の核酸配列のうちの1つを含む核酸ベクターに更に関する。
本発明は、前述のベクターを含む宿主細胞に更に関する。
本発明は更に、実質的に配列ID番号:2に示されるアミノ酸配列、又はATCC寄託番号PTA−4086号に含有されるDNA挿入部によってコード化されるアミノ酸配列に実質的に類似であるアミノ酸配列を含むポリペプチドの生成方法に関し、当該方法は、ポリペプチドをコード化するヌクレオチド配列を宿主細胞中へ導入し、核酸から当該ポリペプチドが発現される条件下に当該宿主細胞を培養することを含む。
本発明は更に、リパーゼ・ポリペプチドを脂質の存在下にある期間の時間にわたって候補阻害物質と接触させ、その後脂質の加水分解について測定することを含む、リパーゼ阻害物質の同定方法に関し;当該リパーゼ・ポリペプチドは、実質的に配列ID番号:2に示されるか、又はATCC寄託番号PTA−4086号に含有されるDNA挿入部によってコード化されるアミノ酸配列に実質的に類似であるアミノ酸配列を有する。
本発明の前述及びその他の特徴、態様、並びに利点は、本開示を読むことにより当業者に明らかになる。
本明細書は、本発明を特に指摘し、明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は以下の説明からよりよく理解されると考えられている。
本出願人らは、ふけを処置する新しい活性物質を同定する手段の必要性に答えた。具体的には、本出願人らは、ふけに関連した真菌の成長に必要と考えられているポリペプチド及び当該ポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドを同定した。
マラセチア属(genus Malassezia)真菌は、癜風、毛包炎、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、及びふけを含む、いくつかのヒトの皮膚の疾病及び状態に関係している(フェルグマン,J.(Faergemann,J.)の「ピチロスポルム酵母−最新情報(Pityrosporum Yeasts-What's New?)」、真菌症(Mycoses)(1997)40:29〜32を参照)。マラセチア属は、以前はピチロスポルム属として知られていた、新しく記載された属である。この属には、7つの種、即ち、パチデルマティス(pachydermatis)、フルフル(furfur)、グロボーサ(globosa)、シンポジアリス(sympodialis)、レストリクタ(restricta)、スローフィー(sloofiae)、及びオブツーサ(obtusa)が記載されている(ゲーオ,E.(Gueho,E.)、T.ベークホート(T.Boekhout)、H.R.アシュビー(H.R.Ashbee)、J.ギヨ(J.Guillot)、A.ヴァン・ベルクム(A.van Belkum)、及びJ.フェルグマン(J.Faergemann)の「ヒトの皮膚の生態環境における病原体としてのマラセチア種の役割(The role of Malassezia species in the ecology of human skin and as pathogens)」、医学真菌学(Medical Mycology)(1998)36、補遺(Suppl.)I:220〜229を参照)。近年、これらの種は、リボソームDNA領域内のゲノムの相違を用いて識別されており(グプタ,A.K.(Gupta,A.K.)、Y.コーリ(Y.Kohli)、及びR.C.サマーベル(R.C.Summerbell)の「7つのマラセチア種の分子的区別(Molecular differentiation of seven Malassezia species)」、臨床微生物学雑誌(J.Clinical Microbiology)(2000)38:1869〜1875を参照)、並びに異なる脂質乳化剤の存在下での成長によって識別されている(マイゼル,P.(Mayser,P.)、P.ヘイズ(P.Haze)、C.パパバッシリス(C.Papavassilis)、M.ピッケル(M.Pickel)、K.グリュエンダー(K.Gruender)、及びE.ゲーオ(E.Gueho)の「マラセチア種の区別:マラセチア・フルフルに関するクレモフォアEL、ヒマシ油、及びリシノール酸の選択性(Differentiation of Malassezia species:selectivity of Cremophor EL,castor oil and ricinoleic acid for M.furfur)」、英国皮膚科学雑誌(British J.of Dermatology)(1997年)137:208〜213を参照)。マラセチア・パチデルマティス(M.pachydermatis)を除き、これらの種は、ヒトの皮膚上に見られる。
7つのマラセチア種のうち6つは、成長に脂質を必要とし、残りの種であるマラセチア・パチデルマティスは、親油性である(ギヨ,J.(Guillot,J.)及びR.ボンド(R.Bond)の「マラセチア・パチデルマティス:概説(Malassezia pachydermatis:a review)」、医学真菌学(Medical Mycology)(1999)37:295〜306を参照)。実験室における培養では、脂質要件は、オリーブオイルで対処することができる(マイゼル,P.(Mayser,P.)、M.ピッケル(M.Pickel)、P.ヘイズ(P.Haze)、F.エルドマン(F.Erdmann)、C.パパバッシリス(C.Papavassilis)、及びR.シュミット(R.Schmidt)の「マラセチア・フルフル及びマラセチア・シンポジアリスによる中性脂質利用の相違(Different Utilization of Neutral Lipids by Malassezia furfur and Malassezia sympodialis)」、医学真菌学(Medical Mycology)(1998)36:7〜14を参照)。このことから、これらの有機体がヒトの皮膚上に存在するときにも、これらの有機体の成長にやはり脂質が必要かどうかという疑問が提起される。必要であれば、脂質の代謝を阻害することでヒトの皮膚上のマラセチアの数が減少し、その結果、ふけを含むマラセチアに関連したヒトの皮膚の慢性症状の重篤度が軽減されることになる。
マラセチア・フルフル(M.furfur)由来のリパーゼについては、文献に記載されている(ラン,Y.(Ran,Y.)、T.ヨシイケ(T.Yoshiike)、及びH.オガワ(H.Ogawa)「マラセチア・フルフルのリパーゼ:いくつかの特性と細胞成長との関連性(Lipase of Malassezia furfur:some properties and their relationship to cell growth)」、医学・獣医学真菌学雑誌(J.Medical and Veterinary Mycology)(1993)31:77〜85;プロトキン,L.I.(Plotkin,L.I.)、L.スキケラ(L.Squiquera)、I.マソフ(I.Mathov)、R.ガリムベルティ(R.Galimberti)、及びJ.レオニ(J.Leoni)の「マラセチア・フルフルのリパーゼ活性の特性(Characterization of the lipase activity of Malassezia furfur)」、医学・獣医学真菌学雑誌(J.Medical and Veterinary Mycology)(1996)34:43〜48;ムシン,T.M.(Muhsin,T.M.)、A.H.オーベイド(A.H.Aubaid)、及びA.H.アル・デュブーン(A.H.Al-Duboon)の「固体培地上での皮膚糸状菌及び酵母単離株の細胞外酵素活性(Extracellular enzyme activities of dermatophytes and yeast isolates on solid media)」、真菌症(Mycoses)(1997)40:465〜469を参照)。しかし、マラセチアの他の種に関するリパーゼについては記載されていない。
マラセチアから単離された遺伝子は、ほとんど存在しない。クローニングされたキチン・シンターゼ遺伝子の例はいくつか存在しており(カノ,R.(Kano,R.)、T.アイザワ(T.Aizawa)、Y.ナカムラ(Y.Nakamura)、S.ワタナベ(S.Watanabe)、及びA.ハセガワ(A.Hasegawa)の「マラセチア種のキチン・シンターゼ2遺伝子配列(Chitin synthase 2 gene sequence of Malassezia species)」、微生物免疫学(Microbiol.Immunol.)(1999)43:813〜815を参照)、また抗原をコードする遺伝子及びcDNAの例もいくつか存在しており(リンドボルグ,M.(Lindborg,M.)、C.G.M.マグナッソン(C.G.M.Magnusson)、A.ザルガリ(A.Zargari)、M.シュミット(M.Schmidt)、A.シャイニウス(A.Scheynius)、R.クラメリ(R.Crameri)、及びP.ホイットリー(P.Whitley)の「ファージ提示法による、皮膚にコロニーを形成する酵母マラセチア・フルフル由来のアレルゲンの選択的クローニング(Selective cloning of allergens from the skin colonizing yeast Malassezia furfur by phage display technology)」、調査皮膚科学雑誌(J.Investigative Dermatology)(1999)113:156〜161;ヤスエダ,H.(Yasueda,H.)、T.ハシダ・オカド(T.Hashida-Okado)、A.サイトウ(A.Saito)、K.ウチダ(K.Uchida)、M.クロダ(M.Kuroda)、Y.オオニシ(Y.Onishi)、K.タカハシ(K.Takahashi)、H.ヤマグチ(H.Yamaguchi)、K.タケサコ(K.Takesako)、及びK.アキヤマ(K.Akiyama)の「親油性酵母マラセチア・フルフル由来の2つの新規アレルゲンの同定及びクローニング(Identification and cloning of two novel allergens from the lipophilic yeast,Malassezia furfur)」、生化学・生物物理学研究通信(Biochemical and Biophysical Research Communications)(1998)248:240〜244;シュミット.M.(Schmidt,M.)、A.ザルガリ(A.Zargari)、P.ホルト(P.Holt)、L.リンドボン(L.Lindbom)、U.ヘルマン(U.Hellman)、P.ホイットリー(P.Whitley)、I.ヴァン・デル・プローグ(I.van der Ploeg)、B.ハーファスト(B.Harfast)、及びA.シャイニウス(A.Scheynius)の「マラセチア・フルフルの第1主要アレルゲン性タンパクMal f 1の完全なcDNA配列及び発現(The complete cDNA sequence and expression of the first major allergenic protein of Malassezia furfur,Mal f 1)」、欧州生化学雑誌(Eur.J.Biochem)(1997)246:181〜185;ラスール,O.(Rasool,O.)、A.ザルガリ(A.Zargari)、J.アルムクヴィスト(J.Almqvist)、H.エシャギ(H.Eshaghi)、P.ホイットリー(P.Whitley)、及びA.シャイニウス(A.Scheynius)の「3つのIgE結合マラセチア・フルフル・アレルゲン、Mal f 7、Mal f 8、及びMal f 9の、完全なコード化配列のクローニング、特性、並びに発現(Cloning,characterization and expression of complete coding sequences of three IgE binding Malassezia furfur allergens,Mal f 7,Mal f 8 and Mal f 9)」、欧州生化学雑誌(Eur.J.Biochem)(2000)267:4355〜4361;クラメリ,R.(Crameri,R.)、R.コジウス(R.Kodzius)、Z.コンサー(Z.Konthur)、H.レーラヒ(H.Lehrach)、K.ブレーザー(K.Blaser)、及びG.ウォルター(G.Walter)の「先端クローニング技術によるアレルゲン・レパートリーの開拓(Tapping allergen repertoires by advanced cloning technologies)」、国際アレルギー学会(Int Arch Allergy Immunol)(2001)124:43〜47を参照)、それらのうちの1つは、ミトコンドリア・リンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子類似性を有する(オオニシ,Y.(Onishi,Y.)、M.クロダ(M.Kuroda)、H.ヤスエダ(H.Yasueda)、A.サイトウ(A.Saito)、E.ソノ・コヤマ(E.Sono-Koyama)、S.ツナサワ(S.Tunasawa)、T.ハシダ・オカド(T.Hashida-Okado)、T.ヤギハラ(T.Yagihara)、K.ウチダ(K.Uchida)、H.ヤマグチ(H.Yamaguchi)、K.アキヤマ(K.Akiyama)、I.カトウ(I.Kato)、及びK.タケサコ(K.Takesako)の「アトピー性皮膚炎に関するマラセチア・アレルゲンの二次元電気泳動並びにミトコンドリア・リンゴ酸デヒドロゲナーゼを含むMal f 4相同体の単離(Two-dimensional electrophoresis of Malassezia allergens for atopic dermatitis and isolation of Mal f 4 homologs with mitochondrial malate dehydrogenase)、欧州生化学雑誌(Eur.J.Biochemistry)(1999)261:148〜154を参照)。しかし、いずれかのマラセチア種由来のリパーゼをコード化するポリヌクレオチド配列の単離については報告されていない。
本明細書で引用されるすべての文献は、その関連部分において参照により本明細書に組み入れられており、いずれの文献の引用も、それが本発明に関連する先行技術であるとの容認として解釈すべきでない。
特に指定のない限り、すべての百分率は、総組成物の重量によるものである。
特に指定のない限り、すべての比率は、重量比である。
本明細書では、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語には、「から成る」及び「から本質的に成る」という用語が包含される。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載される追加又は任意の成分、構成要素、工程、もしくは制限事項のいずれかを含み、それらから成り、それらから本質的に成ることができる。
本明細書では、「単離された」とは、本発明のポリペプチドの実施形態又はポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドの実施形態に関する場合、ポリペプチド又はポリヌクレオチドが、それが自然発生する複雑な細胞環境から離れて存在しており、ポリペプチドが、適切な調節配列に動作可能に結合されると、それを自然に発現しない細胞内のポリヌクレオチドから発現可能になることを意味する。具体的には、ポリヌクレオチド(例えば、DNA)に適用されるときには、「単離」とは、DNAが、それが自然発生する複雑な細胞環境に対して実質的に単離されている(即ち、その細胞環境から実質的に離れて存在する)か、又は単純にそれが自然発生する核酸の状況とは異なる状況に存在する(例えば、クローニングされるとき、もしくは制限断片の形で存在するとき)ことを示す。したがって、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは、多種多様なベクター、及び/又は多種多様な宿主細胞(又は他の環境、例えば、緩衝液、ウイルス、もしくは細胞性滲出物など)のいずれか、及び/又は様々な組成物のいずれかに存在する場合があるが、それでもなお、本明細書で使用される意味において、そのようなベクター、宿主細胞、又は組成物がポリヌクレオチドもしくはポリペプチドの自然な環境の一部でないという点で、ポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは単離されている。
本明細書では、「実質的に示される」又は「実質的に類似の」とは、ポリペプチドに関する場合、その主要な機能を果たす構造もしくはアミノ酸配列が同一であるか又は十分に類似性があることを意味しており、ポリヌクレオチドに関する場合、所望のポリペプチドもしくは遺伝子産物をコード化する構造もしくはヌクレオチド配列が同一であるか又は十分に類似性があることを意味する。換言すれば、特定の対象配列(アミノ酸又はヌクレオチド配列)は、例えば突然変異誘発によって変化している場合、1以上の置換、欠失、又は付加の点で参照配列と異なるが、その最終的な結果として参照ポリペプチドの生物活性を保持している。あるいは、ヌクレオチド配列及び類似体は、当該ヌクレオチド配列が遺伝子コードにおける縮重の結果として参照アミノ酸配列に実質的に類似のアミノ酸配列をコード化する場合、本明細書に開示される特定のヌクレオチド配列と「実質的に類似」である。加えて、「実質的に類似」は、本発明のポリペプチド又はポリペプチド由来のペプチドに対して生成された抗体と反応する、ポリペプチドを意味する。
本明細書では、「配列同一性」は、最適比較目的で対象とする2つのポリペプチド(アミノ酸)又はポリヌクレオチド配列を整列させることによって決定される(例えば、最適整列のために第1及び第2アミノ酸又は核酸配列の一方又は両方にギャップを組み込むことができ、比較目的では非相同配列を無視することができる)。好ましい実施形態では、比較目的で整列される参照配列の長さは、参照配列(即ち、コード配列全体に100%等しい)の長さの少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、更に好ましくは少なくとも70%、80%、又は90%である。次いで、対応するアミノ酸位置又はヌクレオチド位置において、アミノ酸残基又はヌクレオチドが比較される。第1配列内の位置が、第2配列内の対応する位置と同一のアミノ酸残基又はヌクレオチドで占められているときには、それらの分子はその位置で同一である(本明細書で使用するとき、アミノ酸又は核酸「同一性」は、アミノ酸又は核酸「相同性」と等価である)。2つの配列間のパーセント同一性は、2つの配列に共通する同一位置の数によって決まり、2つの配列の最適整列のために導入する必要のあるギャップの数及び各ギャップの長さは無視する。
本明細書で言及する生物学的寄託物は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の下で維持される。したがって、それらの寄託物は、本特許出願の対応物又はその子出願/孫出願が出願される国の特許法によって必要に応じて利用可能である。ただし、寄託機関が寄託物の試料を分配することに対する認可についての本出願人らの容認は、本特許出願又は他のいずれかの特許を踏まえて発行されるいずれかの特許で請求される、発明を実施するための表現又は黙示許容を成すものではない。寄託は、単に当業者への利便性を考えて提供されるにすぎず、寄託物が本発明の実施に不可欠であることを認めるものではない。寄託物に含有されるポリヌクレオチドのヌクレオチド配列、並びにそれらによってコード化されるポリペプチドのアミノ酸配列は、本明細書の配列のいずれかの記述に抵触する場合、参照によって本明細書に組み込まれる。当業者が本明細書に記載される開示内容から本出願人らの業績を再現すれば、日常的技術を用いてこのような配列の抵触を発見できることに留意する。
A.(ポリペプチド)
本発明の一実施形態は、実質的に配列ID番号:2に示されるアミノ酸配列を有する単離されたポリペプチド、又は寄託番号PTA−4086号の識別特性すべてを有するプラスミドに含有されるヌクレオチド配列によってコード化されるアミノ酸(amini acid)配列に実質的に類似のアミノ酸配列を有する単離されたポリペプチドに関する(以後、集合的に「リパーゼ・ポリペプチド」と呼ぶ)。
本明細書では、「ポリペプチド」とは、1つに連結してペプチド結合を形成したアミノ酸で構成されるポリマーを指しており、好ましくはプレプロタンパク、プロタンパク、タンパク、又はそれらの断片を形成している。本明細書では、「プレプロタンパク」とは、シグナル配列、プロ領域、及び成熟領域から成るポリペプチドを指し、「プロタンパク」は、プロ領域及び成熟領域から成るポリペプチドを指す。組換え体の生成手順で用いられる宿主によっては、リパーゼ・ポリペプチドをグリコシル化してもよく、又はグリコシル化しなくてもよい。また、リパーゼ・ポリペプチドには、初期メチオニンアミノ酸残基を含めてもよい。
リパーゼ・ポリペプチドは、自然発生源からの精製、組換え技術によって作られた供給源からの発現、化学合成、又はこれらの組み合わせによって得ることができる。
一実施形態では、リパーゼ・ポリペプチドは、配列ID番号:2に示されるか、又はATCC寄託番号PTA−4086号の識別特性すべてを有するプラスミドに含有されるアミノ酸配列に対し、少なくとも約60%の配列同一性(即ち、相同性)を有するアミノ酸配列であり、より好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%の配列同一性を有する。好ましくは、このような配列同一性を有する配列が、リパーゼ活性を提供することができる。
B.(ポリヌクレオチド)
本発明の別の実施形態は、実質的に配列ID番号:1に示されるか、ATCC寄託番号PTA−4086号の識別特性すべてを有するプラスミドに含有されるヌクレオチド配列に実質的に類似のヌクレオチド配列、又はリパーゼ・ポリペプチドをコード化するヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチドに関する(以後、集合的に「リパーゼ・ポリヌクレオチド」と呼ぶ)。
本明細書では、「ポリヌクレオチド」とは、1本鎖又は2本鎖であり得るDNA又はRNAのポリマーを指しており、任意で、DNA又はRNAポリマーに組み込むことのできる、合成の又は自然物でない、又は変性されたヌクレオチド塩基を含有する。ポリヌクレオチドは、別個の断片の形態で存在してよく、又はより大きなヌクレオチド配列構造の構成要素として存在してもよく、これは標準的な生化学的方法によって、例えばクローニングベクターを用いて、配列及びその構成ヌクレオチド配列の同定、操作、及び復元が可能な量又は濃度で少なくとも1回単離されたヌクレオチド配列から誘導されたものである。また、関連した配列を含有するゲノムDNAも使用することができる。翻訳されていないヌクレオチドの配列は、コード領域の操作又は発現に干渉しない、オープンリーディングフレームから5’又は3’の位置に存在することがある。本発明によって提供されるポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドを、DNA断片及び短いオリゴヌクレオチド・リンカーから、又は一連のオリゴヌクレオチドから組み立てて、組換え転写ユニットにおいて発現可能な合成遺伝子を提供することができる。
本発明のリパーゼ・ポリヌクレオチドには、リパーゼ・ポリペプチドをコード化する限りにおいて、いずれの配列を有するヌクレオチド配列も包含する。遺伝子コードにおける縮重の結果として、いずれか特定のアミノ酸配列を異なる多くのヌクレオチド配列によってコード化してもよい。当業者には、遺伝子コードの縮重によって、様々なヌクレオチド配列から同一のポリペプチドを提供できるようになることが理解される。場合によっては、同一のペプチドをコード化するが天然のヌクレオチド配列とは異なるヌクレオチド配列を調製することで、配列決定又は合成の容易さ、ペプチドの発現の増加、及び/又は特定の異種宿主が特定の遺伝子暗号(コドン)に対して他のものよりも選択性が高くなることを含め、様々な利点がもたらされる。これら実用的な考慮事項は広く知られており、本発明のユーザーに有利な可能性のある実施形態を提供する。したがって、天然ヌクレオチド配列、又は配列リストもしくは参照によって本明細書に組み込まれた文献に列挙されたヌクレオチド配列が、本発明によって想定される唯一の実施形態又はヌクレオチド配列ではないことが、明らかに企図される。
リパーゼ・ポリヌクレオチドは、自然発生源からの精製、クローニング、化学合成技術による生成、又はこれらの組み合わせによって得られる、mRNAのようなRNAの形態、又はcDNA及びゲノムDNAを含むDNAの形態にすることができる。核酸、とりわけDNAは、2本鎖又は1本鎖にすることができる。1本鎖核酸は、コード鎖(センス鎖)又は非コード鎖(アンチセンス鎖)にすることができる。
一実施形態では、リパーゼ・ポリヌクレオチドは、配列ID番号:1に示されるか、又はATCC寄託番号PTA−4086号の識別特性すべてを有するプラスミドに含有されるヌクレオチド配列に対し、少なくとも約60%の配列同一性(即ち、相同性)を有するヌクレオチド配列であり、より好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%の配列同一性を有する。好ましくは、このような配列同一性を有する配列が、リパーゼ・ポリペプチドをコード化することができる。
C.(発現系)
本発明の他の態様は、リパーゼ・ポリヌクレオチドを含む発現系に関する。このような発現系には、リパーゼ・ポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクター、並びにそのような組換え発現ベクターによって遺伝子操作された宿主(「組換え宿主」)が含まれる。
1.(ベクター)
本明細書では、「組換え発現ベクター」とは、所望のポリペプチド(例えば、リパーゼ・ポリペプチド)をコード化するポリヌクレオチドを発現するために使用されるDNA構造を指しており、これには、(1)遺伝子の発現を調節する役割を有する遺伝要素、例えばプロモーター及びエンハンサー、(2)mRNAに転写されてタンパクに翻訳される構造又はコード配列、並びに(3)適切な転写及び翻訳の開始及び終止配列の集合を含む、転写サブユニットが含まれる。当該技術分野において周知の方法を用いて、本発明の組換え発現ベクターを構築することができる。本発明にはベクターの性質は重要でなく、プラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、及びトランスポゾンを含む、あらゆるベクターを使用してよい。本発明に使用するのが可能なベクターには、染色体性、非染色体性、及び合成DNA配列、例えばSV40の誘導体;細菌プラスミド;ファージDNA;バキュロウイルス;酵母プラスミド;プラスミド及びファージDNAの組み合わせから誘導されるベクター、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、及び仮性狂犬病ウイルスのようなウイルス性DNAが挙げられるが、これらに限定されない。更なる有用なベクターとしては、哺乳類細胞では、pcDNA−1(インビトロジェン(Invitrogen)、カリフォルニア州サンディエゴ)及びpSV−SPORT1(ギブコ−BRL(Gibco-BRL)、メリーランド州ゲイサーズバーグ);昆虫細胞では、pBlueBacIII又はpBlueBacHisバキュロウイルス・ベクター(インビトロジェン、カリフォルニア州サンディエゴ);並びに細菌性細胞では、pET−3(ノバジェン(Novagen)、ウィスコンシン州マディソン)が挙げられるが、これらに限定されない。宿主内で複製可能且つ生存可能であれば、他のベクターも同様に使用してよい。リパーゼ・ポリヌクレオチドは、調節要素に動作可能に連結したベクター内に存在させることができる。
リパーゼ・ポリヌクレオチドは、様々な手順によってベクターに挿入してよい。一般に、ポリヌクレオチドは、当該技術分野において既知の手順によって適切な(1又は複数の)制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。このような手順及び他の手順は、当業者の技能範囲内にあると思われる。
ベクターは、好ましくは、リパーゼ・ポリヌクレオチドに動作可能に連結してそれらを好適なレベルで発現させる、1又は複数の発現要素を含んでいてよい。多種多様な発現要素のいずれを使用してもよい。1又は複数の発現要素は、例えば、プロモーター、エンハンサー、リボソーム結合部位、オペレーター、及び活性化配列から選択してよい。このような発現要素は、調節可能なもの、例えば(誘導物質の添加を介して)誘導可能なものであってよい。有用なプロモーターの代表例には、LTR(レトロウイルス由来の長い末端反復)又はSV40プロモーター、大腸菌(E.coli)lac又はtrpプロモーター、ファージ・ラムダPLプロモーター、並びに原核細胞もしくは真核細胞又はそれらのウイルスにおける遺伝子の発現を制御することで知られている他のプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。発現ベクターはまた、好ましくは、翻訳開始及び転写終止のためのリボソーム結合部位も含有する。また発現ベクターには、発現を増幅する適切な配列も含めてよい。
好ましい実施形態では、発現ベクターは、真核細胞の培養のためのジヒドロ葉酸レダクターゼもしくはネオマイシン耐性、又は原核細胞の培養のためのテトラサイクリンもしくはアンピシリン耐性のような、形質転換された宿主細胞の選択のための表現型形質を与える1以上の選択可能なマーカー遺伝子を更に含有する。
細菌用途に有用な発現ベクターは、機能的プロモーターを備える動作可能なリーディングフレーム内に好適な翻訳開始及び終止シグナルをもつリパーゼ・ポリヌクレオチドを挿入することによって構築される。ベクターは、好ましくは、ベクターを確実に維持し、また望ましければ宿主内の増幅をもたらすために、1以上の表現型選択可能マーカー及び複製起点を含有する。
代表例として、ただしこれだけに限定するものではないが、細菌用途に有用な発現ベクターは、周知のクローニングベクターpBR322(ATCC37017)の遺伝要素を含む市販のプラスミドから誘導される、選択可能マーカー及び細菌性複製起点を含むことができる。このような市販のベクターには、例えば、pKK223−3(ファルマシア・ファイン・ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemicals)、スウェーデン、ウプサラ)及びpGEM1(プロメガ・バイオテック(Promega Biotec)、米国、ウィスコンシン州マディソン)が含まれる。これらのpBR322「骨格」部分は、適切なプロモーター及び発現すべきリパーゼ・ポリペプチドと組み合わされる。他の好適な細菌性ベクターには、pQE70、pQE60、及びpQE−9(キアゲン(Qiagen));pbs、pD10、ファージスクリプト(phagescript)、psiX174、pブルースクリプト(pBluescript)SK、pbsks、pNH8A、pNH16a、pNH18A、及びpNH47A(ストラタジーン(Stratagene));並びにptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、及びpRIT5(ファルマシア(Pharmacia))が挙げられる。
酵母と併せて使用するのに有用な発現ベクターは、宿主の染色体DNAに一体化するのに必要な酵母複製起点又はDNA断片、選択可能マーカー、好適なプロモーター及びエンハンサー、また更にいずれか必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、転写終止配列、及び5’フランキング非転写配列を含むことができる。好適な酵母発現ベクターには、好ましくはピキア・パストリス(Pichia pastoris)に関する、pPIC3、pPIC3K、pPIC3.5K、pPIC9、pPIC9K、pAO815、pHIL−D2、pHIL−S1、pPICZaA、pPICZaB、及びpPICZaC(インビトロジェン(Invitrogen));好ましくはサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)に関する、pYES2(インビトロジェン)及びpRSシリーズのベクター(ストラタジーン(Stratagene))が挙げられるが、これらに限定されない。
哺乳類の発現ベクターは、好ましくは、複製起点、好適なプロモーター及びエンハンサー、また更にいずれか必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー及びアクセプター部位、転写終止配列、及び5’フランキング非転写配列を含む。必要な非転写遺伝要素を提供するために、SV40スプライスから誘導されるDNA配列及びポリアデニル化部位を使用してもよい。
好適な哺乳類ベクターの例としては、pWLNEO、pOG44、pXT1、pSG(ストラタジーン(Stratagene));pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(ファルマシア(Pharmacia))が挙げられるが、これらに限定されない。
2.(宿主)
リパーゼ・ポリヌクレオチド並びに適切なプロモーター又は制御配列を含有する組換え発現ベクターを使用して、適切な宿主を形質転換させ、組換え宿主にリパーゼ・ポリペプチドを発現させてもよい。
組換え宿主には、本発明の組換え発現ベクターによって形質転換された、細菌、真菌、昆虫、植物、又は哺乳類細胞を含んでもよい。また、組換え宿主には、組換え発現ベクターによって形質転換された、完全な植物、昆虫、又は非ヒト哺乳類を含めることもできる。インビトロ生成に適した宿主の代表例としては、大腸菌(E.coli)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、バチルス・ズブチルス(Bacillus subtilis)のような細菌性細胞、並びに一般的なシュードモナス、ストレプトマイセス、及びスタフィロコッカスに含まれる様々な種が挙げられるが、選択肢としては他のものも採用してよく、例えば、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、カンジダ・ボイジニ(Candida boidinii)、及びサッカラマイセス・セレビシエ(Saccharamyces cervisiae)のような酵母又は真菌細胞;ドロソフィラ(Drosophila)及びSf9のような昆虫細胞;サル腎線維芽細胞のCOS−7株(グルツマン(Gluzman)「細胞(CELL)」23:175(1981)に記載)、C127(マウス)、3T3(マウス)、CHO(ハムスター)、及びBHK(ハムスター)のような動物細胞;HeLa細胞のようなヒト細胞がある。あるいは、非ヒト哺乳類においてインビボ生成するための組換え宿主には、ウシ、ヤギ、モルモット、ハムスター、マウス、ブタ、ウサギ、及びヒツジ;昆虫、例えばカイコの幼虫;並びに植物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な宿主の選択は、本明細書の教示を読めば当業者の技能範囲内にあると思われる。
本明細書では、「形質転換」とは、DNAが染色体外要素として又は染色体成分によって複製可能であるように、DNAを細胞又は有機体に導入することを意味する。形質転換は、使用される宿主細胞に応じて、そのような細胞に適した標準的な技術を用いて実施される。頑丈な細胞壁バリアを含有する原核細胞又は他の細胞には、コーエン,S.N.(Cohen,S.N.)の「米国科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.)(USA)」69:2110(1972);マンデル(Mandel)ら「分子生物学雑誌(J.Mol.Biol.,)」53:154(1970);及びリルゲストロム(Lilgestrom)らの「遺伝子(Gene)」40:241〜246(1985)に記載されているような塩化カルシウムを用いるカルシウム処理が一般に使用される。そのような細胞壁をもたない哺乳類細胞では、グラハム(Graham)及びファン・デル・エブ(van der Eb)の「ウイルス学(Virology)」52:456〜457(1978)のリン酸カルシウム沈殿法が好ましい。哺乳類細胞宿主系の形質転換の一般的な態様は、1983年8月16日に発行されたアクセル(Axel)による米国特許第4,399,216号に記載されている。酵母への形質転換は、通常はバン・ゾリンゲン(Van Solingen)らの「細菌学雑誌(J.Bact.)」130:946(1977)、及びシャオ(Hsiao)らの「米国科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.)(USA)」76:3829(1979)の方法に従って実施される。あるいは、宿主への発現ベクターの導入は、「分子生物学における基本的方法(Basic Methods in Molecular Biology)」(D.L.デイヴィス(D.L.Davis)及びI.M.バテイ(I.M.Battey)(1986))に記載されているような、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストランを介したトランスフェクション、又は電気穿孔法によって達成することもできる。ただし、核注入又は原形質融合など、DNAを細胞に導入する他の方法も使用してよい。
D.(組換えによるリパーゼ・ポリペプチドの生成)
本発明の一態様は、組換え技術を介して単離されたリパーゼ・ポリペプチドを生成するプロセスに関する。このプロセスは、リパーゼ・ポリヌクレオチドを好適な組換え発現ベクター(前述のもの)に挿入し、その後、この組換え発現ベクター(前述のもの)によって好適な宿主を形質転換させることを含む。続いて、形質転換された宿主を使用してリパーゼ・ポリペプチドを発現させ、その後、宿主から得られたリパーゼ・ポリペプチドを精製する。
一実施形態では、組換えリパーゼ・ポリペプチドは、宿主細胞からリパーゼ・ポリペプチドが分泌されるように生成される(ミレト.D(Mileto,D.)、S.ブロカー(S.Brocaa)、M.ロッティ(M.Lotti)、M.タカギ(M.Takagi)、C.アルクアティ(C.Alquati)、及びL.アルバージーナ(L.Alberghina)の「カンジダ・ルゴサ・リパーゼ系の特性及び非従来的な酵母内のLip1イソ酵素の過剰発現(Characterization of the Candida rugosa Lipase System and Overexpression of the Lip1 Isoenzyme in a Non-conventional Yeast)」、脂質の物理化学(Chemistry of Physics of Lipids)(1998)93:47〜55を参照)。これは、分泌された様々なタンパク由来のシグナル配列をリパーゼ・ポリペプチドと融合させることによって実施してもよい(カシム,M.A.(Qasim,M.A.)、P.J.ガンツ(P.J.Ganz)、C.W.サウンダース(C.W.Saunders)、K.S.ベイトマン(K.S.Bateman)、M.N.G.ジェームズ(M.N.G.James)、及びM.ラスコフスキー・ジュニア(M.Laskowski,Jr.)の「構造間加算性、エグリンc及びシチメンチョウ・オボムコイド第3ドメインのP1変異型とセリンプロテイナーゼとの関連性(Interscaffolding Additivity.Association of P1 Variants of Eglin c and of Turkey Ovomucoid Third Domain with Serine Proteinases)」、生化学(Biochemistry)(1997)36:1598〜1607を参照)。あるいは、リパーゼ・ポリペプチドを宿主細胞内で生成してもよい。この手順の一実施形態では、リパーゼ・ポリペプチドは、融合タンパクの一部として生成される(タン,S.(Tang,S.)、K.サン(K.Sun)、G.サン(G.Sun)、T.チャン(T.Chang)、及びG.リー(G.Lee)の「大腸菌内のカンジダ・ルゴサlip4リパーゼの組換え発現(Recombinant Expression of the Candida rugosa lip4 Lipase in Escherichia coli)」、タンパクの発現及び精製(Protein Expression and Purification)(2000)20:308〜313を参照)。
好ましい実施形態では、この方法は、リパーゼ・ポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターによって形質転換された酵母宿主細胞を培養することを含む。続いて、培養された酵母宿主細胞を使用してリパーゼ・ポリペプチドを生成し、その後、培養した培地から得られるリパーゼ・ポリペプチドを精製する。この手順の実施形態には、リパーゼ・ポリヌクレオチドをサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisae)α−因子に関する遺伝子と融合させることが含まれており、これで、α−因子シグナル配列(カージャン,J.(Kurjan,J.)及びI.ハスコウィッツ(I.Herskowitz)の「酵母フェロモン遺伝子(MFα)の構造:推定α−因子前駆体は、成熟α−因子の4つのタンデム・コピーを含有する(Structure of a Yeast Pheromone Gene(MFα):A Putative α-Factor Precursor Contains Four Tandem Copies of Mature α-Factor)」、細胞(Cell)(1982)30:933〜943を参照)が、リパーゼ・ポリペプチドの分泌を誘導する。
好適な宿主株を形質転換し、当該宿主株が適切な細胞密度まで成長した後に、選択されたプロモーターを適切な手段(例えば、温度シフト又は化学的な誘導)によって誘導し、細胞を更にある期間にわたって培養する。
培養培地内にリパーゼ・ポリペプチドを分泌するように宿主細胞を修飾する代替的な実施形態では、細胞内に蓄積するリパーゼ・ポリペプチドを生成するように宿主を修飾することができる。このような細胞は、通常は遠心単離によって集められ、物理的又は化学的手段によって単離され、得られる粗抽出物が保持されて更に精製される。
リパーゼ・ポリペプチドの発現に使用される微生物細胞は、凍結融解循環、超音波処理、機械的単離又は細胞溶解剤の使用を含むいずれかの便利な方法によって単離することができ、このような方法は当業者には周知である。
リパーゼ・ポリペプチドは、硫酸アンモニウム沈殿又はエタノール沈殿法、酸抽出法、陰イオン又は陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロース・クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイト・クロマトグラフィー、及びレクチン・クロマトグラフィーを含む、様々な方法によって組換え細胞培養から回収して精製することができる。成熟タンパクの構造を完成させる際に、必要に応じてタンパク・リフォールディング工程を使用することができる。最後に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を最終精製工程に使用することができる。
E.(リパーゼ・ポリペプチドの化学合成)
リパーゼ・ポリペプチドは、当業者に周知のタンパクを化学的に合成する方法を用い、化学合成を通じて生成してよい(例えば、ウイルス,J.A.(Wilce,J.A.)、S.G.ラブ(S.G.Love)、S.J.リチャードソン(S.J.Richardson)、P.F.アレウッド(P.F.Alewood)、及びD.J.クレイク(D.J.Craik)の「位置選択的な化学的ライゲーションを介した甲状腺ホルモン結合タンパク・トランスサイレチンの類似体の合成(Synthesis of an analog of the thyroid hormone-binding protein transthyretin via regioselective chemical ligation)」を参照)。
F.(リパーゼ・ポリヌクレオチドの化学合成)
リパーゼ・ポリヌクレオチドは、当業者に周知の方法を用い、化学合成を通じて生成してよい(例えば、トラウブ,P.C.(Traub,P.C.)、C.シュミット・ダナート(C.Schmidt-Dannert)、J.シュミット(J.Schmitt)、及びR.D.シュミッド(R.D.Schmid)の「遺伝子の合成、大腸菌内での発現、並びにシュードモナス種KWI56及びクロモバクテリウム・ビスコースム・リパーゼ及びそれらのシャペロンのインビトロ・リフォールディング(Gene Synthesis,Expression in E.coli and in vitro refolding of Pseudomonas sp.KWI 56 and Chromobacterium viscosum lipases and their chaperones)」、応用微生物学・生体工学(Applied Microbiology and Biotechnology)(2001)55:198〜204を参照)。このような手法により、コドン使用のような宿主特異的条件についての合成遺伝子の最適化が可能になる。
G.(他のリパーゼ遺伝子の単離)
リパーゼ・ポリヌクレオチドを使用し、ポリヌクレオチド配列の類似性に基づいて他のリパーゼ遺伝子を単離することができる。例えば、B.ヒューベ(B.Hube)、シュテール,F.(Stehr,F.)、ボセンツ,M.(Bossenz,M.)、マジュール,A.(Mazur,A.)、クレシュマー,M.(Kretschmar,M.)、及びW.シェーファー(W.Schafer)の「カンジダ・アルビカンスの分泌リパーゼ:少なくとも10個のメンバーを有する新規遺伝子ファミリーのクローニング、特性、及び発現分析(Secreted Lipases of Candida albicans:Cloning,Characterisation and Expression Analysis of a New Gene Family with at least Ten Members)」、微生物学記録(Arch Microbiol)(2000)174:362〜74に記載のサザン・ブロット・ハイブリダイゼーション・アッセイにおいて、カンジダ・アルビカンス・リパーゼ遺伝子をリパーゼ・ポリヌクレオチドに置き換えて、他のリパーゼ遺伝子を同定してもよい。
H.(リパーゼ阻害物質のスクリーニング方法)
本発明は、リパーゼ・ポリペプチドを、脂質の存在下にある期間の時間にわたって候補阻害物質と接触させ、その後脂質の加水分解について測定することを含む、リパーゼ・ポリペプチドの阻害物質の同定方法に更に関する。
リパーゼは、脂質(例えば、脂肪)を加水分解(細かく分解)してグリセロールと脂肪酸とにする酵素である。本発明のリパーゼ・ポリペプチド阻害物質のスクリーニング方法では、脂質の加水分解について測定する様々な手段を使用してよい。このような方法には、候補阻害物質と接触させた後でグリセロール生成の変化について測定することが含まれる。グリセロールの生成が減少されるか、又はグリセロールの生成がされなければ、候補阻害物質がリパーゼ・ポリペプチドを阻害したことになる。あるいは、脂質を比色分析化合物(colormetric compound)に結合させることができる。脂質が加水分解されると、その系が無色から、例えば黄色に変化する。色の変化がなければ、候補阻害物質がリパーゼ・ポリペプチドを阻害したことになる。リパーゼ・アッセイにおける比色分析基質の使用に関する記述は、例えば、パブロ,G.(Pablo,G.)、A.ハモンズ(A.Hammons)、S.ブラッドリー(S.Bradley)及び、J.E.フルトン(J.E.Fulton)の「コリネバクテリウム・アクネ及び表皮ブドウ球菌由来の細胞外リパーゼの特性(Characteristics of the Extracellular Lipases from Corynebacterium acnes and Staphylococcus epidermidis)」、調査皮膚科学雑誌(J.Investigative Dermatology)(1974)63:231〜238を参照のこと。
I.(リパーゼ・ポリペプチドの他の用途)
本発明のリパーゼ・ポリペプチドの実施形態は、抗ふけ活性物質のスクリーニングに有用であることに加えて、抗ふけ以外の他の用途も有する。例えば、洗濯用洗剤の技術分野では、洗剤組成物が酵素系を含むのが有利な場合があることが周知である。このような酵素系には、セルラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、及びリパーゼが含まれる。本発明のリパーゼ・ポリペプチドの実施形態は、顆粒状及び/又は液体洗剤組成物において有用である。リパーゼ・ポリペプチドを使用してよい顆粒状及び液体洗剤組成物の実施形態の例としては、米国特許第6,133,220号(2000年10月17日にプロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に付与)及び米国特許第5,733,473号(1998年3月31日にプロクター・アンド・ギャンブル社に付与)に記載のものが挙げられ、これらの特許に開示されるリパーゼが本発明のリパーゼ・ポリペプチドの実施形態に置き換えられることになる。代替的な実施形態では、このような顆粒状又は液体洗剤組成物で既に使用されているリパーゼに加えて、リパーゼ・ポリペプチドを含めることになる。
以下の実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態について更に詳しく説明し、実証するものである。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明の多くの変形形態が可能であるので、これらの実施例は、単に説明を目的として与えるものにすぎず、本発明を制限するものとして解釈すべきではない。
(実施例1)
この実施例は、自然発生源からリパーゼ・ポリペプチドを精製する方法を示す。
マラセチア・グロボーサ(M.globosa)細胞を、ニュー・ブランズウィック・サイエンティフィック社(New Brunswick Scientific Co.)(ニュージャージー州エディソン)製インキュベータ内で200rpmで振動させながら綿栓付き2リットルガラスフラスコ内で培養した。500mlのmDixon培地(水1リットル当たり:36gの麦芽抽出物(ディフコ(Difco))、20gの乾燥酸化酵素(ox bile)(フルカ(Fluka))、10mlのトゥイーン(Tween)40(アルドリッチ(Aldrich))、24gのペプトン(ディフコ(Difco))、2mlのグリセロール(シグマ(Sigma))、2mlのオレイン酸(ベイカー(Baker))を含んでおり、pH6.0に調製して(1規定のHCl使用)、500μg/mlのクロラムフェニコール(IBI)を加えたもの)を使用した。培養物が不透明に変わった後(通常は5日〜7日かかる)、培養物を31℃で1週間インキュベートした。次いで、冷凍ソルバル(Sorval)(商標)RC3CPLUS遠心単離器内で2900rpmで10分間回転させることによって細胞を集めた。上清を取り除き、細胞のペレットを、pH8.0の25mMのトリスHCl50mlに再懸濁させた。細胞を50ml円錐管に移動し、ベックマン(Beckman)GS6K遠心単離器内で室温で3750rpmで10分間回転させ、上清を取り除いた。細胞を−80℃で凍結させた。細胞を室温で解凍して、細胞1グラム当たり8mlの抽出バッファ(pH8の25mMのトリスHCl、90mMのNaCl、8mMのKCl、1mMのCaCl2)に再懸濁させた。
細胞の懸濁液を室温で2時間インキュベートし、ラボ・ロテーター(Lab Rotator)(ラボライン(Lab-Line))で回転させて混合することによって、リパーゼを抽出した。次いで、細胞をベックマン(Beckman)GS6K内で3750rpmで10分間回転させ、上清を回収した。更に5回細胞を同様に抽出し、そのたびに上清を回収した。リパーゼ活性について個々の上清にアッセイを実施し(以下参照)、活性抽出物を組み合わせた。
リパーゼ活性についてアッセイを実施するために、始めに、基質の原液である、イソプロパノール中の50mMのp−ニトロフェニルオレエートを調製した。アッセイを実施する日に、基質の原液をpH5.5の25mMのMESで40倍に希釈した。アッセイは、125μlの1.25mMの基質、125μlまでのリパーゼ、並びにpH5.5の25mMのMES、90mMのNaCl、8mMのKCl、1mMのCaCl2を残りの体積に含む、液体1mlの入ったプラスチック製キュベット内で実施した。キュベットを室温で20分間インキュベートし、pH8の2MのトリスHClを20μl加えてpHを増加させる。次いで、ベックマンDU(Beckman DU)(登録商標)640分光分析装置を用いて、410nmにおける吸光度を測定する。
(実施例2)
この実施例は、リパーゼ・ポリペプチドの阻害物質をスクリーニングする方法を示す。
アッセイは、96ウェルのディープウェル・プレート(コースター(costar)(登録商標)4412)内で実施される。各ウェルに、270μlのpH5.5の25mMのMES、90mMのNaCl、8mMのKCl、1mMのCaCl2を加える。次いで、ジメチルスルホキシドで3倍に希釈されたオリーブオイル(脂質源)10μlを加える。次いで、候補阻害物質(15μl)を加える。次いで、5μlのリパーゼ・ポリペプチドを加える。次いで、キャップを用いてマイクロタイタープレートに覆いをする。VX−2500マルチチューブ攪拌装置(VX-2500 Multi-tube Vortexer)(サイエンティフィック・プロダクツ(Scientific Products))で振動させながら、溶液を室温で1時間置く。1時間後、マイクロタイタープレートを遠心単離器内に短時間入れて回転させ、液体をウェルの底部に移動させる。
回転後、pH8.0の1MのトリスHClを50μl加えることによってpHを増加させる。一部(90μl)を標準マイクロタイタープレート(コースター(costar)(登録商標)3596)に移動させ、90μlのグリセロール検出溶液を加える。このグリセロール検出溶液は、pH7.6の100mMのトリスHCl、10mMのMgCl2、2mMの4−アミノアンチピリン、3mMのN−エチル−N−(3−スルホプロピル)−mアニシジン、1mMのアデノシン5’−トリホスフェート、20単位/mlのペルオキシダーゼ、8単位/mlのグリセロール−3−リン酸オキシダーゼ、0.5単位/mlのグリセロールキナーゼを含有する。混合物をラボライン(Lab-Line)のラボ・ロテーター(Lab Rotator)によって室温で15分間回転させる。アッセイで生成されたグリセロール量の指標として、540nmにおける光学密度を測定する。アッセイで生成されたグリセロールの絶対量を知るには、既知のグリセロール濃度を用いて標準曲線を形成することができる。候補阻害物質が存在しないときにリパーゼ・ポリペプチドによって生成されたグリセロールの量と、候補阻害物質が存在するときにリパーゼ・ポリペプチドによって生成されたグリセロールの量とを比較する。阻害物質によってグリセロール濃度が少なくとも半分に減少すれば、リパーゼ・ポリペプチドの脂質分解能力が阻害されたことになる。
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【配列表】
Figure 2005517435
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Claims (8)

  1. (a)実質的に配列ID番号:2に示されるか;又は
    (b)ATCC寄託番号PTA−4086号に含有されるDNA挿入部によってコード化されるアミノ酸配列に実質的に類似である
    アミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
  2. 前記アミノ酸配列が:
    (a)配列ID番号:2と少なくとも60%の配列同一性を有し;
    (b)ATCC寄託番号PTA−4086号に含有されるDNA挿入部によってコード化されるアミノ酸配列と少なくとも60%の配列同一性を有する、
    請求項1に記載の単離されたポリペプチド。
  3. (a)実質的に配列ID番号:1に示されるか;
    (b)ATCC寄託番号PTA−4086号に含有されるDNA挿入部に実質的に類似であるか;
    (c)ATCC寄託番号PTA−4086号に含有されるDNA挿入部によってコード化されるアミノ酸配列に実質的に類似のアミノ酸配列をコード化するか;又は
    (d)(a)、(b)、もしくは(c)のヌクレオチド配列のいずれかに相補的な
    ヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
  4. 前記ヌクレオチド配列が:
    (a)配列ID番号:1と少なくとも60%の配列同一性を有するか;
    (b)ATCC寄託番号PTA−4086号に含有されるDNA挿入部と少なくとも60%の配列同一性を有するか;又は
    (c)(a)もしくは(b)のヌクレオチド配列のいずれかに相補的である、
    請求項3に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  5. 請求項2に記載の核酸配列を含む核酸ベクター。
  6. 請求項3に記載のベクターを含む宿主細胞。
  7. (a)実質的に配列ID番号:2に示されるか;又は
    (b)ATCC寄託番号PTA−4086号に含有されるDNA挿入部に実質的に類似である
    アミノ酸配列を含む、ポリペプチドの生成方法であって、当該方法は、当該ポリペプチドをコード化するヌクレオチド配列を宿主細胞中へ導入し、当該ポリペプチドが核酸から発現される条件下に当該宿主細胞を培養することを含む方法。
  8. 請求項1に記載のリパーゼ・ポリペプチドを、脂質の存在下にある期間の時間にわたって候補阻害物質と接触させ、その後脂質の加水分解について測定することを含む、リパーゼ阻害物質の同定方法。
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