JP2005514643A - フォトクロミックポリマー組成物およびその物品 - Google Patents

フォトクロミックポリマー組成物およびその物品 Download PDF

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ロバート ダブリュー. ウォルターズ,
アニル クマー,
フォーレスト アール. ブラックバーン,
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トランジションズ オプティカル, インコーポレイテッド
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Abstract

少なくとも1つの重合可能フォトクロミック材料と重合の際に23℃未満のガラス転移温度を有する少なくとも1つの他の共重合可能材料との反応生成物を含むフォトクロミックポリマー組成物が記載される。このフォトクロミックポリマー組成物は、フォトクロミックポリマー性能試験において、反応生成物において使用される同じフォトクロミック化合物と比較して、増大した退色半減期を提供するように調節されているが、重合可能基がない。このフォトクロミックポリマー組成物を含むフォトクロミック物品もまた記載される。

Description

(関連出願の引用)
本願は、2001年12月21日に出願された仮出願第60/345,166号に対する優先権を主張する。
(発明の背景)
本発明は、種々のポリマーマトリクスにおいて使用され得るフォトクロミックポリマー組成物に関する。より詳細には、本発明は、このフォトクロミックポリマー組成物を、異なるポリマーマトリクス(例えば、親水性ポリマーマトリクスまたは疎水性ポリマーマトリクス)と反応性またはより適合性にする化学基を有し得る、フォトクロミックポリマー組成物に関する。本発明はまた、このようなフォトクロミックポリマー組成物を含む組成物および物品、ならびに/またはこのようなフォトクロミックポリマー組成物を含む組成物でコーティングされた組成物および物品に関する。
フォトクロミック材料は、紫外線(例えば、太陽光または水銀ランプの光の中の紫外線放射)を含め、光放射に曝露した場合に色の可逆的変化を示す。種々のクラスのフォトクロミック材料が合成されており、そして太陽光誘導性の可逆的色変化または減光が所望される適用における使用が示唆されている。
種々の種類のフォトクロミック化合物によって示される色の可逆的変化(すなわち、光の可視範囲(400nm〜700nm)における吸収スペクトルの変化)の原因の一般的機構は、記載されて、そして分類されている。John C.Crano,「Chromogenic Materials(Photochromic)」,Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,第4版,1993,321−332頁を参照のこと。最も一般的な種類のフォトクロミック化合物(例えば、インドリノスピロピランおよびインドリノスピロオキサジン)の一般的機構は、電子環機構を含む。活性化放射に曝露した場合、これらの化合物は、無色の閉環化合物から着色した開環種へと変換される。対照的に、着色した形態のフルギドフォトクロミック化合物は、無色開環形態から着色した閉環形態への変換を含む電子環機構によって生成される。
上記の電子環機構では、フォトクロミック化合物は、これらの化合物が可逆的に変換し得る環境を必要とする。固体ポリマーマトリクスでは、活性化(すなわち、色形成または減光)および退色(すなわち、元の状態または無色状態へ戻ること)のフォトクロミックプロセスが生じる速度は、ポリマーマトリクス中の自由容積に依存すると考えられる。ポリマーマトリクスの自由容積は、フォトクロミック化合物を取り囲むポリマー環境の鎖セグメントの可橈性(すなわち、そのマトリクスを構成する鎖セグメントの局所移動度または局所粘度)に依存すると考えられる。Claus D.Eisenbach,「New Aspects of Photochromism in Bulk Polymers」,Photographic Science and Engineering,1979,183−190頁を参照のこと。フォトクロミック系の、より大きな商業的適用についての、Claus D.Eisenbachによって報告された主な障害の1つは、固体ポリマーマトリクス中でのフォトクロミック活性化およびフォトクロミック退色の速度が遅いことである。
近年、フォトクロミック物品(特に、光学適用のためのフォトクロミックプラスチック材料)は、かなり注目を集める対象である。特に、フォトクロミック眼科用プラスチックレンズが調査されている。なぜなら、ガラスレンズと比較してそれらが与える重さの利点のためである。さらに、乗り物(例えば、車、ボートおよび飛行機)についてのフォトクロミック透明性が目的とされている。なぜなら、このような透明性が与える潜在的な安全性特徴のためである。
良好な強度でかつ合理的な退色のフォトクロミック材料およびフォトクロミック重合可能材料が現在入手可能であるが、それらが用いられるマトリクスにそれほど依存しないフォトクロミック材料を有することが望ましい。このようなフォトクロミック材料の反応性および/または適合性を、基材またはホスト材料の反応性および/または適合性とより緊密に一致するように改変できることもまた望ましい。
(発明の詳細な説明)
本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられる場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、1つの対象に明らかにかつ明解に限定されない限り、複数の対象を包含することに留意されたい。
本明細書の目的に関して、他に示さない限り、本明細書および特許請求の範囲において用いられる、成分の量、反応条件、および他のパラメーターを表す全ての数字は、用語「約」によって、全ての場合、修飾されると理解されるべきである。従って、そうでないと示さない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に示される数字のパラメーターは、およそであり、これは、本発明によって得ることが求められる所望の特性に応じて変動し得る。少なくとも、そして特許請求の範囲の均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数字のパラメーターは、報告される有効数字の数を考慮し、そして慣用的な端数計算技術を適用することによって、少なくとも解釈されるべきである。
本発明の広範な範囲を示す数字範囲およびパラメーターは近似であるにもかかわらず、特定の実施例に示される数字の値は、可能な限り正確に報告される。しかし、任意の数字の値は、それらのそれぞれの試験測定において見出される標準偏差によって必然的に生じる特定の誤差を固有に含む。
用語「重合」は、当業者によってよく理解されている。一般的定義は、Hawley’s Condensed Chemical Dictionary,第13版,1997,John Wiley & Sons,901−902頁に見出され得る。この辞書において説明されるように、重合は、種々の方法で進行し得る。これらの方法としては例えば、以下が挙げられるがこれらに限定されない:フリーラジカルが、モノマーの二重結合の一方の側に付加し、同時に他方の側に新たな自由電子を生成することによりモノマーの二重結合と反応し得る開始剤である、「付加」によるか、または2つの反応材料による水分子の分裂を含む「縮合」による。重合可能とは、材料が本明細書中に記載されるように重合を受け得ることを意味する。重合可能基の非限定的な例としては、以下が挙げられる:ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、メルカプト、無水物、エポキシ、イソシアナト、ビニル、アクリルオキシ、メタクリルオキシまたはそれらの組み合わせ。
1つの非限定的な実施形態では、本発明のフォトクロミックポリマー組成物は、少なくとも1つの重合可能フォトクロミック材料と少なくとも1つの他の共重合可能材料との反応生成物を含み、この反応生成物は、23℃未満のガラス転移温度を有し、そして、実施例5において本明細書中に記載されるフォトクロミックポリマー性能試験において、重合可能基を含まないこと以外はこの反応生成物において用いられるのと同じフォトクロミック材料と比較して短縮した退色半減期を提供するに適合している。
このフォトクロミックポリマー性能試験では、フォトクロミックポリマー組成物を含む試験サンプルの光学密度の変化(ΔOD)および退色半減期(T 1/2)についての結果を、ベースフォトクロミック材料(例えば、重合可能基を含まないこと以外は、反応生成物において用いられるのと同じフォトクロミック材料)を含む試験サンプルの結果と比較する。光学密度変化は、以下の式に従って決定される:ΔOD=log(%Tb/%Ta)、ここで、%Tbは、漂白状態での透過パーセントであり、%Taは、活性化状態での透過パーセントであり、そして対数は、底10に対してである。退色半減期(T 1/2)は、活性化光源の除去後、72°F(22℃)にて15分間でのΔODのレベルの2分の1に到達するまでの、試験サンプル中の活性化状態のフォトクロミック材料の光学密度変化(ΔOD)についての秒での時間間隔である。フォトクロミックポリマー性能試験は、実施例5にさらに記載される。
別の非限定的な実施形態では、このフォトクロミックポリマー組成物は、以下のものの反応生成物を含む:
a.少なくとも1つの重合可能基を有する少なくとも1つのフォトクロミック材料;および
b.(a)の重合可能基と共重合可能な少なくとも1つの材料;この材料は、重合したらポリマーを形成するに適合しており、23℃未満のガラス転移温度を有する;
この反応生成物は、フォトクロミックポリマー性能試験において、重合可能基を含まないフォトクロミック材料(a)よりも短縮した退色半減期を提供するに適合している。
退色半減期の短縮は、広範に変化し得る。用語「短縮」によって、本発明のフォトクロミックポリマー組成物を含むサンプルにおいて、ベースフォトクロミック材料と比較してより短くなることにより、退色半減期が改善されたことを意味する。1つの非限定的な実施形態では、これは、退色半減期の、10パーセント以上の短縮であり得る。別の非限定的な実施形態では、この退色半減期は、50パーセント以上短縮され得る。例えば、フォトクロミックポリマー性能試験におけるベースフォトクロミック材料の退色半減期は、100秒であり、本発明の実施例については50秒である。
別の非限定的な実施形態では、このフォトクロミック材料(a)は、重合可能基に加えて、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、メルカプト、無水物、エポキシ、イソシアナト、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、ビニルまたはそれらの組み合わせから選択される、少なくとも1つの他の基をさらに含む。
さらなる非限定的実施形態では、このフォトクロミックポリマー組成物を含む試験サンプルは、本明細書中の実施例5に記載されるフォトクロミックポリマー性能試験において、15分後、重合可能基を含まないフォトクロミック材料を含む比較例よりも大きな、光学密度変化(Δ OD)(またはより高い数字)を示し得る。Δ ODにおけるこの改善は、広範に変動し得る。
なおさらなる非限定的実施形態では、フォトクロミックポリマー組成物を含む試験サンプルは、本明細書中の実施例5に記載されるフォトクロミックポリマー性能試験において、15分後、重合可能基を含まないフォトクロミック材料を含む比較例よりも小さい光学密度変化(Δ OD)(またはより低い数字)を示し得るが、ただし、フォトクロミックポリマー組成物含有サンプルについての退色半減期は、比較例の退色半減期よりも小さい。
本発明のフォトクロミックポリマー組成物は、分子量が広範に変動し得る。例えば、代替の非限定的実施形態では、これは、1,000〜100万の重量平均分子量によって特徴付けられ得るが、しかしこれに限定されない。フォトクロミックポリマー組成物の重量平均分子量は、記載した範囲を含め、これらの値の間の範囲に及び得る。例えば、重量平均分子量は、1,500〜100,000または3,000〜10,000の範囲に及び得る。重量平均分子量は、標準としてポリスチレンを用いたゲル透過クロマトグラフィーによって決定される。
1つの非限定的な実施形態において、反応生成物のガラス転移温度は、23℃未満である。別の表面限定的な実施形態において、(a)のフォトクロミック材料と共重合可能な少なくとも1つの材料のガラス転移温度は、23℃未満のガラス転移温度を有する重合の際に、ポリマーを形成するために適用される。さらなる非限定的な実施形態において、反応生成物および/または共重合可能材料のガラス転移温度は、23℃未満、0℃未満、−50℃未満またはこれらの値内の任意の数あるいは数の範囲(例えば、−70℃〜10℃)であり得る。ガラス転移温度は、ASTM E−1640 Standard Test Method for Assignment of the Glass Transition Temperature by Dynamic Mechanical Analysisに従って、TA InstrumentsによるDMA 2980を使用して決定され得る。
本発明のなおさらなる代替の非限定的な実施形態において、フォトクロミックポリマー組成物は、本明細書の後に記載されるように、ポリマーマトリクスに取り込まれる前に、前記重合可能な基で改変され得、ポリマーマトリクスとより適合するようにされ、ポリマーマトリクスへの反応するか、または自己反応(self−reacted)ポリマーを形成する。
ポリマーマトリクスと適合性であるようなフォトクロミックポリマー組成物をいう場合、1つの非限定的な実施形態において、フォトクロミックポリマー組成物とポリマーマトリクスとの組み合せが、最小の曇りまたはもやおよび最小の層分離を示し、そしてマトリクスの全体にわたって実質的により可溶性および実質的により均一であることを意味する。極性マトリクスまたは親和性マトリクスを有するフォトクロミックポリマー組成物の適合性は、1つの非限定的な実施形態において、本明細書中の後に記載されるように、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基またはその組み合わせの基のような基との反応生成物を提供することによって改善され得る。
ポリマーマトリクスと反応性であるようなフォトクロミックポリマー組成物を言う場合、1つの非限定的な実施形態において、フォトクロミックポリマー組成物が重合反応に関与し、そしてポリマーマトリクスと反応するかまたはポリマーマトリクスに結合することを意味する。例えば、マトリクスが液体と接触する場合、これは、最小の抽出をなし、そして/またはフォトクロミック材料の浸出を実質的に防止する。1つの非限定的な実施形態において、フォトクロミックポリマー組成物は、本明細書中の後に記載されるような、1つ以上の前記重合可能な基(例えば、エポキシ、イソシアナート、ビニルおよび(メチル)アクリルオキシ(例えば、アクリルオキシまたはメタクリルオキシ))を用いて反応生成物を提供することによって反応をなし得る。
なおさらなる非限定的な実施形態において、重合可能なフォトクロミックポリマー組成物の少なくとも部分的に硬化された重合物質(polymerizate)を含むフォトクロミック粒子が存在する。句「少なくとも部分的に硬化された」重合物質またはコーティングとは、使用されるどんな硬化手段によっても部分的から完全までの範囲の程度をいう。代替の非限定的な実施形態において、硬化は、当業者に公知の任意の手段(例えば、乾燥、加熱、化学線への曝露またはそれらの組み合せ)によって達成され得る。本発明の特定の非限定的な実施形態において、成分の硬化の程度は、広範に(例えば、5%〜100%の可能性のある硬化可能な成分)変化し得る。
1つの非限定的な実施形態において、重合可能なフォトクロミックポリマー組成物は、本明細書中の後に記載されるような少なくとも1つの残存する重合可能な基を有する反応生成物を含む。別の非限定的な実施形態において、重合可能なフォトクロミックポリマー組成物は、ホモ重合化(homopolymerize)され得、少なくとも部分的に硬化された重合物質を形成する。さらなる非限定的な実施形態において、少なくとも部分的に硬化された重合可能なフォトクロミックポリマー組成物は、重合可能なフォトクロミックポリマー組成物と共重合可能な材料をさらに含む。重合可能なフォトクロミックポリマー組成物と反応可能である重合可能な基を含む限り、共重合可能な材料の任意の型を使用して、重合物質を作製し得る。こような共重合可能な材料の例としては、23℃未満のガラス転移温度を有するような本明細書中に記載される材料、および23℃以上のガラス転移温度を有し得る他の材料(これらのいくつかは、本明細書中の後にホスト材料および基質として記載される)を含む。本発明のフォトクロミックポリマー組成物を含む、ホモ重合化材料または共重合化材料の重合物質は、本明細書中の後に記載されるような任意のサイズの粒子に形成され得る。
別の非限定的な実施形態において、本発明の粒子は、少なくとも部分的にコートされ得る。コーティングは、任意の型(例えば、有機コーティングまたは無機コーティング)であり得る。このコーティングは、粒子の特性(例えば、可溶性あるいは疎水性または親水性)を改変するために使用される型のコーティングであり得る。このようなコーティングの非限定的な例としては、界面活性剤、分散剤、機能的ポリマーコーティングおよび保護コーティングが挙げられる。保護コーティングは、1つの非限定的実施形態において、粒子への損耗または摩耗を防ぐために、重合反応化学物質の影響に対して保護するためおよび/または水分、熱、紫外線、酸素などのような環境条件に起因する劣化に対して保護するために、使用され得る。保護コーティングの非限定的な実施例は、本明細書中以下に議論され、そしてゾルゲル型のコーティングを含む。
さらなる非限定的な実施形態において、安定剤のような従来の添加剤および本明細書中以下に記載する他の補助剤は、さらなるプロセシングを補助するためまたは劣化を防ぐために、フォトクロミックポリマー組成物中または重合可能なフォトクロミックポリマー組成物中に含まれ得る。
フォトクロミックポリマー組成物を生成するために使用され得るフォトクロミック材料は、1つの非限定的実施形態において、約400ナノメーターと約700ナノメーターの間の範囲内の少なくとも1つの活性化吸収最大値を有し、そして、活性化される場合に、適切な色合いに呈色するフォトクロミック材料である。フォトクロミック材料は、各々単独でまたは1つ以上の他のフォトクロミック材料と組合わせて使用され得る。ある非限定の実施形態において、このような組み合わせは、本明細書中で記載したスペ−サー基のうちの1つによって結合される別のものに結合するフォトクロミック材料の1つを有し得る。
基本的なフォトクロミック材料ありまたはなしのフォトクロミックポリマー組成物のような、フォトクロミック材料の組合わせは、ある非限定的な実施形態において、以下に記載したフォトクロミック物品において、ほぼ天然の灰色または褐色または、流行の色(例えば、ピンク)のような特定の活性化した色を達成するために使用され得る。天然色のさらなる考察および色を記載するための方法は、米国特許第5,645,767号、第12欄66行目〜第13欄19行目に見出され得る。
1つの非限定的実施形態おいて、米国特許第5,166,345号の第3欄36行目〜第14欄3行目に開示される重合可能なナフトキサジン;同第5,236,958号の第1欄45行目〜第6欄65行目に開示される重合可能なスピロベンゾピラン;同第5,252,742号の第1欄45行目〜第6欄65行目に開示される重合可能なスピロベンゾピランおよびスピロベンゾチオピラン;同第5,359,085号の第5欄25行目〜第19欄55行目に開示される重合可能なフルギド;同第5,488,119号の第1欄29行目〜第7欄65行目に開示される重合可能なナフタセンジオン;同第5,821,287号の第3欄5行目〜第11欄39行目に開示される重合可能なスピロオキサジン;同第6,113,814号の第2欄23行目〜第23欄29行目に開示される重合可能なポリアルコキシル化ナフトピラン;そして、WO97/05213および2001年4月6日に提出された出願番号09/828,260に開示される重合可能なフォトクロミック化合物のような重合可能なフォトクロミック材料が使用され得る。
さらなる非限定的な実施形態において、フォトクロミック材料は、以下の材料の分類を含み得、各々の分類は、本明細書中以下に記載する方法によって、少なくとも1つの上述の重合可能な基で置換され得る:クロメン(例えば、ナフトピラン、ベンゾピラン、インデノナフトピランおよびフェナントロピラン);スピロピラン(例えば、スピロ(ベンズインドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)ベンゾピラン、スピロ(インドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)キノピランおよびスピロ(インドリン)ピラン);オキサジン(例えば、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(ベンズインドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(ベンズインドリン)ナフトオキサジンおよびスピロ(インドリン)ベンゾオキサジン);水銀ジチゾネート、フルギド、フルギミドおよびこのようなフォトクロミック化合物の混合物。このような、フォトクロミック化合物および対応するフォトクロミック化合物は、米国特許第4,931,220号の第8欄52行目〜第22欄40行目;同第5,645,767号の第1欄10行目〜第12欄57行目;同第5,658,501号の第1欄64行目〜第13欄17行目;同第6,153,126号の第2欄18行目〜第8欄60行目;同第6,296,785号の第2欄47行目〜第31欄5行目;同第6,348,604号の第3欄26行目〜第17欄15行目;および同第6,353,102号の第1欄62行目〜第11欄64行目に記載される。スピロ(インドリン)ピランはまた、教科書、Techniques in Chemistry、第3巻、「Photochromism」、第3章、Glenn H.Brown,著者、John Wiley&Sons,Inc.,New York,1971に記載される。
別の非限定的な実施形態において、使用され得る他のフォトクロミック材料(各々は、少なくとも1つの重合可能基で置換され得る)は、有機金属ジチオゾネート(すなわち、(アリールアゾ)−チオ蟻酸アリールヒドラジデート)(例えば、米国特許第3,361,706号の第2欄27行目〜第8欄43行目に記載され得る水銀ジチオゾネート);ならびにフルギドおよびフルギミド(例えば、米国特許第4,931,220号の第1欄39行目〜第22欄41行目に記載される3−フリルフルギドおよび3−チエニルフルギドならびに3−フリルフルギミドおよび3−チエニルフルギミド)が挙げられる。
欄および行番号で示される上記の特許におけるこのようなフォトクロミック化合物に関する開示は、本明細書中に参考として援用される。
代替的な非限定の実施形態において、上記のフォトクロミック化合物は、(メタ)アクリルオキシ、イソシアナト、エポキシ、ビニル、無水物、メルカプトまたはそれらの組み合わせから選択された基の付加によって反応性にされ得る。1つの非限定的実施形態において、酸アクセプターの存在下でヒドロキシ置換フォトクロミック材料と(メタ)アクリロイルクロリドまたは(メタ)アクリル無水物とを反応させて、(メタ)アクリルオキシ置換基を生成することによって、あるいは塩基の存在下でヒドロキシ置換フォトクロミック材料とエピクロロヒドリンとを反応させて、エポキシ置換基を生成することによって、メタクリルオキシ基またはエポキシ基が付加されうる。ある非限定的な実施形態において、ヒドロキシル置換フォトクロミック材料と、塩化ビニルまたはアリルブロミドとを反応させることによって、ビニル基が付加され得る。1つの非限定的な実施形態において、アミノ置換フォトクロミック材料を二官能性イソシアネートと反応させることによって、イソシアナト基を付加し得る。1つの非限定的な実施形態において、ヒドロキシル置換フォトクロミック材料と反応性の基もまた有する無水物を含む材料を反応させることにより、フォトクロミック材料に無水物基を付加し得る。このような材料の非限定的な例としては、カルボン酸基を有するシス−アコニット酸無水物および、フォトクロミック材料との反応のためのブロモを有する無水ブロモマレイン酸が挙げられる。メルカプト(marcapto)基が、スルホ置換フォトクロミック材料を還元することによって、フォトクロミック材料に付加され得る。スルホ置換フォトクロミック材料は、当業者に公知であるスルホン化反応により生成され得る。
さらなる代替的な非限定的な実施形態において、以下から選択される重合可能基の付加は、ベースのフォトクロミック材料を有機官能性シリル基で置換することによって達成され得る:イソシアナト、ビニル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、メルカプト、エポキシ、アミノ、カルボキシおよびその組み合わせ。1つの非限定的な実施形態において、ヒドロキシル置換フォトクロミックを有機官能性シランと反応させることによって、有機官能性基が付加され得る。1つの非限定的な例において、ヒドロキシル置換フォトクロミックを有機官能性シランと反応させることによって有機官能性基を、付加し得る。このようなシランの非限定的な例としては、以下が挙げられる:イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、(3−アクリルオキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、エポキシブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、カルボキシメチルトリエトキシシランおよびこれらの組み合わせ。
1つの非限定的な実施形態において、ベースのフォトクロミック材料は、アルコキシまたはハロ(例えば、クロロ、フルオロ、ブロモまたはヨード)から選択される加水分解性基を少なくとも1つ有するシリル置換基で置換され得、この置換基は、加水分解の際に縮合重合反応に参加し得るヒドロキシル基を有するシリル置換基を生成する。1つの非限定的な実施形態において、このような置換基を有するフォトクロミック材料は、ポリシランおよびポリシロキサンポリマーの調製に有用であり得る。1つの非限定的な実施形態において、少なくとも1つの加水分解性基を有するフォトクロミック材料は、ヒドロキシル置換基を有するフォトクロミック材料を、少なくとも2つの加水分解性基の存在を有するシランと反応させることによって調製され得る。このようなシランの非限定的な例としては、テトラメトキシシラン、トリメトキシクロロシランおよびジエチルジクロロシランが挙げられる。
1つの非限定的な実施形態において、フォトクロミック化合物に存在し得、フォトクロミック材料を、共重合可能な材料および/または高分子マトリックと、より反応性および/または適合性にするさらなる基としては、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノおよびこれらの組み合わせが挙げられる。フォトクロミック化合物上にこのような置換基を含めるための方法は、当業者に公知である。フォトクロミック材料上にカルボキシル置換基を提供するための非限定的な方法は、米国特許第5,645,767号の第5欄、第26行〜第11欄、第32行に開示され;アミノ置換基を提供するための非限定的な方法は、特許第6,080,338号の第6欄、第55行〜第13欄、第10行に開示され;そしてヒドロキシル置換基を提供するための非限定的な方法は、米国特許第6,113,814号の第8欄、第42行〜第22欄、第7行に開示される。上記の開示は、本明細書中に参考として援用される。
1つの非限定的な実施形態において、スペーサー基または非重合可能な二価の連結基が、フォトクロミック化合物と反応性基との間に提供される。非重合可能な二価の連結基の非限定的な例としては、以下から選択される基が挙げられる:
直鎖または分岐鎖C〜C20アルキレン、直鎖または分岐鎖C〜Cポリオキシアルキレン、環状C〜C20アルキレン、フェニレン、ナフチレン、C〜Cアルキル置換フェニレン、モノウレタンもしくはポリウレタン(C〜C20)アルキレン、モノエステルもしくはポリエステル(C〜C20)アルキレン、モノカーボネートもしくはポリカーボネート(C〜C20)アルキレン、ポリシラン、ポリシロキサンまたはこれらの混合物。二価の連結基の数は、広範に変化し得る。1つの非限定的な実施形態において、1〜100の基が存在し得るか、またはこの範囲内の任意の数が存在し得る。いくつかの場合において、これらの数の平均値は、部分(partial)数(例えば、9.5)であり得る。
米国特許第6,113,814号に開示され、本発明のフォトクロミックポリマー組成物を調製するのに使用され得る重合可能なフォトクロミック化合物の非限定的な例としては、以下が挙げられる:
a) 2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)−6−フェニル−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
b) 2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エトキシカルボニル)−6−フェニル−[2H]−ナフト[1,2b]ピラン;
c) 2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシカルボニル)−6−フェニル−[2H]ナフト[1,2−b]ピラン;
d) 2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−(2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシカルボニル)−6−フェニル−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
e) 2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
f) 2−(4−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシフェニル)−2−フェニル−5−メトキシカルボニル−6−メチル−9−メトキシ−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
g) 2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−フェニル−9−(2−ヒドロキシエトキシ)−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
h) 2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
i) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
および
j) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン。
ヒドロキシル置換基を有する上記の重合可能フォトクロミック化合物は、1つの非限定的な実施形態において、共重合可能材料と共に直接使用され得るか、またはヒドロキシル基が、共重合可能材料と反応する前に、上記の方法によって、(メタ)アクリルオキシ、イソシアナト、エポキシ、ビニルまたはそれらの組合せに変換され得る。
このフォトクロミックポリマー組成物は、当該分野で記載される種々の方法によって、ポリマーマトリクス(ポリマーホスト材料)および/またはポリマー形成コーティング組成物に組み込まれ得る。このような方法の非限定的な例としては、フォトクロミックポリマー組成物を、ポリマーおよび/またはコーティング組成物を形成するために使用される材料の1つ以上に添加することが挙げられる。このような方法において、フォトクロミックポリマー組成物は、ポリマーまたはコーティング組成物の1つ以上の成分に組み込まれえる前に、水性溶媒または有機溶媒中に溶解または分散され得る。重合の前にフォトクロミックポリマー組成物をモノマー成分に添加することは、一般的に、キャストインプレースプロセス(cast in place process)と呼ばれる。
代替の非限定的な実施形態において、このフォトクロミックポリマー組成物は、吸収、浸透または当業者に公知の他の移動方法によって、ポリマーホスト材料またはコーティングに組み込まれ得る。用語「吸収」または「吸収する」とは、1つの非限定的な実施形態において、フォトクロミック材料単独の、少なくとも部分的に硬化されたコーティングへの浸透、少なくとも部分的に硬化されたコーティングへのフォトクロミック材料の溶媒補助移動吸収、気相移動、および他のこのような移動機構を意味し、含むことが意図される。
1つの非限定的な実施形態において、本発明のポリマーホスト材料およびポリマー形成コーティングにおいて使用される、本明細書中で記載されるフォトクロミックポリマー組成物の量は、活性化された際に、裸眼に識別可能なフォトクロミック効果を生じるのに十分な量である。一般的に、このような量は、フォトクロミック量として記載され得る。フォトクロミックポリマー組成物は、フォトクロミック量で使用され、そして(混合物が使用される場合)、フォトクロミックポリマー組成物が適用されるかまたはフォトクロミックポリマー材料が組み込まれるポリマーまたはコーティング組成物が、濾光していない太陽光で活性化される場合、所望の結果の色を示すような比で使用される。代表的に、組み込まれるポリマー組成物がフォトクロミックになるほど、色強度は、特定の限界まで大きくなる。任意のより多くの材料の添加が、顕著な効果を有さなくなる点が存在する。
使用される上記のフォトクロミックポリマー組成物の相対量は、変化し、そして一部、このような材料の活性化種の色の相対強度、所望される最終的な色、およびホスト材料または基板への適用方法に依存する。一般的に、ポリマーマトリクス(コーティング、キャストインプレイスポリマーまたはその両方)に組み込まれる全フォトクロミックポリマー組成物の量は、広範に変化し得る。1つの非限定的な実施形態において、これは、ポリマーマトリクスの全重量に基づいて、0.01〜90重量%にわたり得る。
1つの非限定的な実施形態において、重合可能フォトクロミック材料と反応する共重合可能材料は、重合の際に、23℃未満のガラス転移を有する任意のタイプのモノマーであり得る。これは、フォトクロミック材料上の重合可能基と共重合可能な基を有する限り、置換されていてもされていなくてもよい。種々の置換基が使用され得、非限定的な例は、ヒンダードアミン光安定化剤である。
1つの非限定的な実施形態において、選択されるモノマーは、重量可能フォトクロミック材料と組み合わされる場合、重合可能基を含まないベースのフォトクロミック材料と比較した場合に、フォトクロミックポリマー性能試験において改善されたFade半減期を示すポリマーを生成するモノマーである。
本発明の共重合可能材料として使用されるモノマーの例としては、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、メルカプト、ビニル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、無水物、エポキシ、イソシアネートまたはそれらの組合せから選択される少なくとも1つの反応性基を有するモノマーが挙げられるが、これに限定されない。1つの非限定的な実施形態において、共重合可能材料上には、アクリルオキシ基またはメタクリルオキシ基から選択される少なくとも1つの基が存在する。別の非限定的な実施形態において、アクリルオキシ基とメタクリルオキシ基の組合せが存在する。この共重合可能材料は、1つ以上の列挙された反応性基を有するモノマーと、異なるモノマーとのコモノマーであり得る。この異なるモノマーは、列挙された反応性基以外の反応性基を含み得る。別の非限定的な実施形態において、この共重合可能材料は、少なくとも2つの重合可能フォトクロミック材料と反応され得る。非限定的な例は、ヒドロキシル置換基を有するフォトクロミック材料と、イソシアネート末端ポリマー(例えば、イソホロンジイソシアネート末端ポリ(1,4−ブタンジオール))との反応であり、この反応は、ポリマーの両末端にフォトクロミック材料を有するフォトクロミックポリマーを生成する。
1つの非限定的な実施形態において、共重合可能材料の例としては、少なくとも1つの重合可能基を有する先に記載の有機官能性シラン、および/またはポリシロキサンまたはシリコーンの形成に関与し得る少なくとも2つの加水分解可能基を有する先に記載のシランが挙げられる。
共重合可能材料として使用されるモノマーの非限定的な例としては、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、メルカプト、ビニル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、無水物、エポキシ、イソシアナト、またはその組み合わせから選択されるさらなる反応性基を有するエチレン性不飽和モノマー;エチレン性不飽和モノマー;あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。
ヒドロキシル官能性エチレン性不飽和モノマーの非限定的な例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(すなわち、ヒドロキシエチルアクリレートおよびヒドロキシエチルメタクリレート)、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチルエチルアクリレート、ヒドロキシメチルプロピルアクリレート、およびそれらの混合物が挙げられる。
他のエチレン性不飽和モノマーの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ビニル芳香族モノマー(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレンおよびビニルトルエン);ビニル脂肪族モノマー(例えば、エチレン、プロピレン、および1,3−ブタジエン);(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロニトリル;ハロゲン化ビニルおよびハロゲン化ビニリデン(例えば、塩化ビニルおよび塩化ビニリデン);ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル);アルキル基中に1〜17個の炭素原子を有するアクリル酸およびメタクリル酸のアルキルエステル((メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルおよび(メタ)アクリル酸ラウリルを含む);エポキシ官能性エチレン性不飽和モノマー(例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル);カルボキシ官能性エチレン性不飽和モノマー(例えば、アクリル酸およびメタクリル酸)ならびにこのようなエチレン性不飽和モノマーの混合物。
無水物官能性モノマーとしては、以下が挙げられるが、これらに限定しない:無水マレイン酸および無水物官能基を有するエチレン性不飽和モノマー(例えば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水プロペニルコハク酸など)。
メルカプト官能性モノマーとしては、メルカプト官能性を有するエチレン性不飽和モノマー(例えば、メルカプトエチルメタクリレート)が挙げられるが、これに限定されない。イソシアナト官能性モノマーとしは、イソシアナト官能性を有するエチレン性不飽和モノマー(例えば、イソシアナトエチルメタクリレート)が挙げられるが、これに限定されない。アミノ官能性モノマーとしは、アミノ官能基を有するエチレン性不飽和モノマー(例えば、p−アミノフェノキシ−アクリレート)が挙げられるが、これに限定されない。
1つの非限定的な実施形態において、共重合可能材料は、1つの重合可能基、2つ以上の同じ重合可能基、または2つ以上の異なる重合可能基を有し得る。別の非限定的な実施形態において、共重合可能基は、1つの重合可能基を有する。共重合可能材料は、熱放射、化学放射、またはこれらの混合物(これらに限定されない)である種々の方法によって硬化可能である。触媒または開始剤は、必要な場合、含まれ得るが、使用される硬化機構に適切な触媒または開始剤は、当業者に公知なように選択される。
別の非限定的な実施形態において、フォトクロミックポリマー組成物は、適切な開始剤の存在下でのフリーラジカル重合法によって、または溶液重合技術によって調製され得る。このような開始剤は、代表的に、有機過酸化物またはアゾ化合物(例えば、過酸化ベンゾイルまたはN,N−アゾビス(イソブチロニトリル))である。重合は、当該分野で従来的な技術によって、有機溶液中で実施され得、ここで、このモノマーは、可溶である。あるいは、フォトクロミックポリマー組成物は、当該分野において周知の水性乳化重合技術または分散重合技術によって調製され得る。
1つの非限定的な実施形態において、フォトクロミックポリマー組成物は、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、メルカプト、ビニル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、無水物、エポキシ、イソシアナト、またはこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの反応性基を有し得る。これは、重合可能フォトクロミック材料と過剰の反応性基を有する共重合可能材料との組み合わせ、または過剰の反応性基を有する重合可能フォトクロミック材料と少なくとも1つの反応性基を有する共重合可能材料との組み合わせから生じる残余の基であり得る。
別の非限定的な実施形態において、ポリマーマトリクスに依存して、フォトクロミックポリマー組成物上の反応性基は、そのフォトクロミックポリマー組成物をより適合性にするために、異なる反応性基に変換され得る。例えば、ヒドロキシルは、メタクリルオキシに変換され得、その結果、フォトクロミックポリマー組成物は、ポリマーマトリクスに反応し得るか、自己重合してホモポリマーを形成し得るか、異なるフォトクロミックポリマー組成物と重合してコポリマーを形成し、その後ポリマーマトリクスに組み込まれ得る。
さらなる非限定的な実施形態において、ホモポリマーまたはコポリマーは、粒子に形成され得る。この工程は、操作を容易にし、そして後にポリマーマトリクスに組み込まれ得る生成物を作製するためになされ得る。この粒子は、任意のサイズであり得る。粒子サイズは、測定されるサイズについて適切な技術を使用して決定され得る。より大きなサイズは、篩測定技術によって特徴付けられ得、一方、より小さなサイズは、当業者に公知のコンピューター支援画像分析を用いてなされ得る。1つの非限定的な実施形態において、サイズは、0.01〜100μmの間、0.1〜10μmの間、またはこの範囲内の任意の数字の範囲であり得る。
粒子は、非限定的な従来の物理的方法(例えば、ポリマーを微粉化することかまたはポリマーをスプレー乾燥すること)によって生成され得る。非限定的な方法は、重合されたフォトクロミックポリマーの粒子を生成する化学的プロセスを使用し、このプロセスとしては、乳化重合、界面活性剤非含有乳化重合、非水分散重合、シード乳化重合または懸濁重合が挙げられる。これらの方法は、所望される粒子サイズおよび重合されたフォトクロミックポリマーの特性に依存して適切に選択され得る。これらの粒子形成法の記載は、米国特許第4,931,220号第7欄第26行目〜第63行目(この開示は,参考として本明細書中に援用される)に含まれる。
1つの非限定的な実施形態において、保護コーティングをフォトクロミックポリマー組成物から作製される粒子の表面に適用することは有用であり得る。保護コーティングは、粒子の成分の、酸素、水分、モノマー、触媒およびポリマーマトリクスを生成するために使用される他の化学物質との相互作用およびその逆の相互作用を防ぐための障壁として働く。保護コーティングの適用は、コーティング技術において使用される任意の方法(例えば、スプレーコーティング、スピンコーティング、拡散コーティング、カーテンコーティング、ディップコーティング、キャスティングまたはロールコーティング)によってであり得る。
保護コーティングの使用(これらのいくつかは、無機酸化物(例えば、ゾルゲル生成物)を含み得る)は、米国特許第4,367,170号第5欄第46行目〜第7欄第11行目に記載された。懸濁物重合中の、保護コロイド(例えば、セルロース誘導体、ポリアクリレート塩、デンプン、ポリ(ビニルアルコール)、ゼラチン、タルク、粘土および粘土誘導体)の使用は、米国特許第4,931,220号第6欄第24〜41行目に記載される。両方の前述の開示は、参考として本明細書中に援用される。
別の非限定的な実施形態において、重合性フォトクロミック材料の組込みの前に、それと同時に、またはその後に、安定化剤がまた、フォトクロミックポリマー組成物に組込まれ、反応生成物を形成し得る。例えば、UV光吸収剤は、フォトクロミックポリマー組成物が形成される前に、重合性フォトクロミック材料と混合され得る。さらに、安定化剤は、安定化剤をポリマーコーティング組成物または重合性マトリクスに添加する前に、フォトクロミックポリマー組成物と混合され、フォトクロミック化合物の疲労耐性を改善し得る。安定化剤の非限定的な実施例として、ヒンダードアミン光安定化剤(HALS)、抗酸化剤(例えば、ポリフェノール性抗酸化剤、非対称性ジアリールオキサールアミド(オキサニリド)化合物および一重項酸素クエンチャー(例えば、有機配位子とのニッケルイオン錯体)または安定化剤の混合物)が挙げられることが企図される。これらは、単独で使用されるか、または組み合わせて使用され得る。このような安定化剤としては、米国特許第4,720,356号、同第5,391,327号および同第5,770,115号に記載される。
さらなる非限定的な実施形態において、アジュバント材料(例えば、所望の特性をポリマーに付与する従来の成分)もまた、フォトクロミックポリマー組成物に組込まれ得るか、またはこのアジュバント材料は、ポリマーマトリクス中にフォトクロミックポリマー組成物を組込み、そして硬化するために使用されるプロセスに必要であるか、もしくはそのアジュバント材料から作られる硬化されたポリマーマトリクスを強化する。例えば、1つの非限定的な実施形態において、可塑剤は、必要な場合、ポリマーマトリクス中のフォトクロミックポリマー組成物のフォトクロミック性能特性を調節するために使用され得る。
他のこのような成分としては、レオロジー制御剤、界面活性剤、開始剤、硬化阻害剤、遊離ラジカルスカベンジャーおよび接着促進剤が挙げられ、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、およびアミノエチルトリメトキシシランを含む、トリアルコキシシラン(好ましくは、1〜4個の炭素原子のアルコキシ置換を有する)である。
フォトクロミックポリマー組成物は、当業者に公知の種々の方法によってポリマーマトリクスに組込まれ得る。フォトクロミックポリマー組成物の含入について意図されるポリマーマトリクスの型は、任意の型であり得る。
代替の非限定的な実施形態において、ポリマーマトリクスまたはホスト材料は、透明であり得るが、半透明であるか、または不透明でさえもあり得る。ホスト材料は、電磁気スペクトルの、フォトクロミック材料を活性化する部分(例えば、着色形態または開形態の材料を生成する紫外線(UV)光の波長)およびにそのUV活性化形態(すなわち、開形態)中の材料の最大吸収波長を含む可視スペクトルの部分に対してのみ透明でなければならない。1つの非限定的な実施形態において、ホストの色は、フォトクロミックポリマー組成物の活性化形態の色を遮蔽せず、従って、例えば、色の変化は、観察者に対してたやすく明らかである。
1つの非限定的な実施形態において、フォトクロミックポリマー組成物は、基材の少なくとも1つの表面上の少なくとも部分的に硬化されたフォトクロミックコーティング組成物の少なくとも一部のコーティングに含まれる。熱可塑性または熱硬化性フィルム形成ポリマーコーティングを生成するために使用されるフィルム形成ポリマーコーティング組成物を含むフォトクロミックコーティング組成物は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、6巻、669〜750ページに記載される。句「少なくとも部分的コーティング」は、基材の一部から基材の全表面までを覆うコーティングの量を意味する。句「少なくとも部分的に硬化される」コーティング組成物は、本明細書中に定義された。句、基材の「少なくとも一表面の上に」は、コーティングが、基材の1つ以上の表面または全ての表面に適用されること、および適用されるコーティングが基材表面の「上」であり得るか、または、基材内へ移動することによって表面「上」および下であり得ることを意味する。1つの非限定的な実施形態において、保護コーティングは、コーティング組成物成分の移動を制限するために、基材に適用され得る。
別の非限定的な実施形態において、コーティングにおける使用のための熱可塑性フィルム形成ポリマーは、当業者に周知である。1つの非限定的な例は、熱可塑性ポリカーボネートである。さらなる非限定的な実施形態において、コーティングは、硬化の際に、少なくとも部分的に硬化されたポリマー性コーティングを形成するものの1つであり、それは、熱硬化性でありまた、ポリウレタン、アミノプラスト樹脂、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリアクリレートおよびポリメタアクリレート、ポリ無水物、ポリアクリルアミド、およびエポキシ樹脂)から選択される。さらなる実施形態において、フォトクロミックポリマー組成物を用いた使用のために企図される他のポリマー形成コーティング組成物としては、ポリシロキサン、ポリシランおよびゾルゲルコーティングが挙げられる。
1つの非限定的な実施形態において、本発明のフォトクロミックコーティングされた物品を調製するために使用される得るフォトクロミックポリウレタンコーティングは、フォトクロミック化合物の存在下で、有機ポリオール成分およびイソシアネート成分の触媒されたか、または触媒されない反応によって生成され得るコーティングである。ポリウレタンの調製のための材料および方法は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、1992、A21巻、665〜716ページに記載される。ポリウレタンコーティングを調製するために使用され得る有機ポリオール、イソシアネートおよび他の成分の非限定的な例は、米国特許第4,889,413号および米国特許第6,187,444B1号;欧州特許0146136B1;および日本特許出願3−269507および5−28753に開示される。
別の非限定的な実施形態において、本発明のフォトクロミックコーティングされた物品を製造するために使用され得るフォトクロミックアミノプラスト樹脂コーティング組成物は、活性水素基(例えば、ヒドロキシル、カルバメート、尿素またはこれらの組み合わせおよび、アミノプラスト樹脂(例えば、米国特許第4,756,973号および米国特許第6,432,544B1号;および日本特許出願62−226134;3−2864および3−35236に記載の架橋剤))を含む成分の反応生成物とフォトクロミックなポリマー組成物とを組み合わせることによって調製され得る。アミノプラスト樹脂コーティングを調製するために使用され得る機能的成分、アミノプラスト樹脂および他の成分の非限定的な例は、米国特許第5,602,198号、同第5,663,244号、同第5,814,410号、および同第5,976,701号に開示される。
1つの非限定的な実施形態において、本発明のフォトクロミックなコーティングされた物品を調製する際に使用することが企図されるフォトクロミックポリシランコーティング組成物は、触媒ありまたは触媒無しで加水分解されたシランモノマーと本明細書に開示されるフォトクロミックポリマー組成物とを結合することによって調製され得る。そのようなシランモノマーの非限定的な例としては、以下;米国特許第4,556,605号に記載されるような、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランおよびメチルトリメトキシシランが挙げられる。
本発明のフォトクロミックコーティングされた物品の調製における使用のために企図されるフォトクロミックなポリ(メタ)アクリレートコーティング組成物の非限定的な例は、フォトクロミックポリマー組成物と以下から選択されるモノマーを組み合わせることによって調製され得る;ペンタエリスリトール ジアクリレート、トリアクリレート、およびテトラアクリレート、ペンタエリスリトール ジメタクリレート、トリメタクリレート、およびテトラメタクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリ(オキシアルキレンジメタクリレート)(例えば、ポリエチレングリコール(600)ジメタクリレート)、エトキシル化ビスフェAジメタクリレートモノマー、エチレングリコールビスメタクリレートモノマー、ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマー、多価アルコールポリアクリレートモノマー(例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート)、アルコキシル化多価アルコールポリアクリレートモノマー(例えば、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマー)、ウレタンアクリレートモノマー(例えば、米国特許第5,373,033号に記載のウレタンアクリレートモノマー):例えば、一官能的、二官能的または多官能的アクリレートおよび/またはメタクリレートモノマー)、C〜C12アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート)、アルコキシル化フェノールメタクリレート;ポリオール[(メタ)アクリロイル末端化カーボネート]モノマー(例えば、2,5,8,10,13−ペンタオキサヘキサデク−15−エン酸、15−メチル−9,14−ジオキソ−2[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチルエステル;エポキシ、ウレタン、アクリルおよびポリエステルのアクリル化オリゴマーまたはこれらの混合物)。
1つの非限定的実施形態において、本発明のフォトクロミックコート物品を調製するために使用され得るポリ無水物フォトクロミックコート組成物は、米国特許第6,432,544B1に記載される少なくとも1つのフォトクロミックポリマー組成物を含む組成物における、少なくとも2つのヒドロキシル基を有するヒドロキシル官能基構成成分と、少なくとも2つの環状カルボン酸無水物基を有するポリマー無水物官能基構成成分との反応により、調製され得る。このポリ無水物フォトクロミックコーティングを調製するために使用され得るヒドロキシル官能基構成成分、無水物官能基構成成分、および他の構成成分の非限定的例は、米国特許第4,798,745号、同第4,798,746号、および同第5,239,012号に開示される。
本発明のフォトクロミックコート物品を調製する際に使用するために企図されるフォトクロミックポリアクリルアミドコーティング組成物は、1つの非限定的実施形態において、a)25重量%〜80重量%のN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドと;b)20重量%〜75重量%の少なくとも1つの他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを含む、重合可能なエチレン性不飽和組成物のフリーラジカル開始反応産物と、フォトクロミックポリマー組成物とを合わせることによって、調製され得る。この重量パーセントは、米国特許第6,060,001号に記載されるように、重合可能なエチレン性不飽和モノマーの総重量に基づく。N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド官能基ポリマーを調製するための非限定的方法は、米国特許第5,618,586号に記載される。用語N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドとは、N−アルコキシメチルアクリルアミドまたはN−アルコキシメチルメタクリルアミドのいずれかを意味する。
上記の重合可能な組成物において使用されるアルコキシアクリルアミド官能基を含まない共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、ビニル芳香族モノマー(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、および三級ブチルスチレン);(メタ)アクリルアミドブチルアルデヒドジアルキルアセタールモノマー(例えば、アクリルアミドブチルアルデヒドジエチルアセタール(ABDA)、メタクリルアミドブチルアルデヒドジエチルアセタール(MABDA)など);ビニル脂肪族モノマー(例えば、エチレン、プロピレン、および1,3−ブタジエン);ポリ(アルキレングリコール)(メタ)アクリレート(例えば、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート);エポキシ官能基モノマー(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、およびグリシドキシプロピル(メタ)アクリレート);ならびにアルキル基中に1個〜17個の炭素原子を有するアクリル酸とメタクリル酸とのアルキルエステル(メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、およびラウリル(メタ)アクリレートを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
1つの非限定的実施形態において、本発明のフォトクロミックコート物品を調製するために使用され得るフォトクロミックエポキシ樹脂コーティング組成物は、米国特許第4,756,973号および同第6,268,055B1;ならびに英国特許第1,419,985号に開示されるように、フォトクロミックポリマー組成物、エポキシ樹脂またはポリエポキシド、および硬化剤を合わせることによって、調製され得る。使用され得るポリエポキシドの内にあるのは、エポキシ含有アクリルポリマー、エポキシ縮合ポリマー(例えば、アルコールおよびフェノールのポリグリシジルエーテル、およびポリカルボン酸のポリグリシジルエステル、特定のポリエポキシドモノマー、ならびにそのようなポリエポキシドのオリゴマーおよび混合物である。これらの材料の非限定的例は、米国特許第5,256,452号、カラム3、28行〜カラム4、46行目に記載される。
1つの非限定的実施形態において、本発明のフォトクロミックエポキシ樹脂コーティング組成物のための硬化剤は、1分子当たり少なくとも2つの酸を有するポリ酸硬化剤であり得る。使用され得るポリ酸硬化剤の内にあるのは、カルボン酸基含有ポリマー(例えば、アクリルポリマー、ポリエステル、およびポリウレタン);オリゴマー(例えば、エステル基含有オリゴマーおよびモノマー)である。そのような硬化剤および他のエポキシ樹脂コーティング組成物の構成成分の非限定的例は、米国特許第4,764,430号および同第5,196,485号に開示される。
本発明のフォトクロミックコート物品を調製するために使用される上記のフォトクロミックポリマー形成コーティング組成物は、望ましい物理的特徴をコーティング組成物または得られる硬化層に付与する、さらなる従来成分;コーティング組成物を基材に適用して硬化するために使用されるプロセスのために必要な、さらなる成分;および/あるいはそれから生成した硬化コーティング層を増強する、さらなる成分を、さらに含み得る。そのような非限定的なさらなる成分としては、溶媒、レオロジー制御剤、可塑剤、平滑(leveling)剤(例えば、界面活性剤)、触媒(例えば、重合開始剤(例えば、熱重合開始剤および光重合開始剤))、硬化阻害剤、およびフリーラジカルスカベンジャーが、挙げられる。
非限定的な実施形態において、その基材(例えば、コーティング組成物が適用される材料)は、任意の型(例えば、紙、ガラス、セラミック、木、石工物(masonry)、繊維、金属、および有機重合材料)であり得る。1つの非限定的例において、その基材は、光学的要素として使用されるポリマー材料(特に、固体の透明な熱硬化性ポリマー材料または熱可塑性ポリマー材料(例えば、熱可塑性ポリカーボネート型ポリマーおよび熱可塑性ポリカーボネート型コポリマー、ならびにポリオール(アリルカーボネート)のホモポリマーもしくはコポリマー))である。
非限定的な実施形態において、この基質の少なくとも1つの表面に塗布されるコーティング組成物の量は、十分量のフォトクロミックポリマー組成物を組み込んで、硬化されたコーティングがUV照射に曝された場合に裸眼で識別可能なフォトクロミック効果を示すコーティングを作製するのに必要な量(例えば、フォトクロミック量)である。このコーティングの厚みは、非常に広範であり得る。別の非限定的な実施形態において、この硬化されたコーティングは、1〜10,000ミクロンまたは5〜1,000ミクロンまたは10〜400ミクロン(例えば、30ミクロン)の厚みを有し得る。塗布されるコーティングの厚みは、列挙された値(例えば、1.1〜9,999.9ミクロン)を含めて、これらの値の任意の組み合わせの間の範囲であり得る。
1つの非限定的な実施形態において、変更されたコーティング厚を有する本発明のフォトクロミック物品は、噴霧コーティング、スピンコーティング、スピンコーティングおよび噴霧コーティング、スプレッドコーティング、浸漬コーティング、キャスティングまたはロールコーティングを使用して、一回または複数回のコーティング塗布によって作製され得る。代替の非限定的な方法は、本明細書中以下に記載されるオーバーモールディングプロセスである。このーバーモールディングプロセスは、単独でかまたは当該分野で公知の別のコーティング方法と組み合わせて、使用され得る。
さらなる非限定的な実施形態において、本発明のフォトクロミックポリマー組成物を含有するフォトクロミックコーティング組成物の接着性コーティングを有する、半仕上げの単焦点(semi−finished single vision)(SFSV)レンズは、オーバーモールディングプロセスによって調製され得る。代表的には、所定容量のフォトクロミックコーティング組成物は、凹球面またはマイナスガラス型によって規定される容量内に分配される。この容量は、SFSVレンズの前面曲線および外径とほぼ一致する。このガラス型は、この型の約0.2mm上に延びかつこのガラス型の外径より約4mm未満小さい内径を有する、環状塩化ポリビニルガスケットと一致する。この組成物が分配された後、このSFSVレンズは、規定容量を満たすように広がる分配組成物上に慎重に配置される。このレンズの外径と等しいかまたはそれより大きい外径を有する環状ガラスプレートが、このレンズの背面上に配置される。バネクランプは、このクランプの一方面が凹型の前面上にあり、このクランプの他方面がガラスプレートの背面上にあるように、位置決めされる。得られるアセンブリは、ポリウレタンテープを使用して、プレート−レンズ−ガスケット−型の周縁をテーピングすることによって閉塞される。このアセンブリは、30〜95℃の空気乾燥機中、60分間隔で予熱され、そして続いて、その温度は、95℃〜125℃まで上昇され、そして3時間間隔で82℃まで低下される。このアセンブリは、レンズと型との間のガスケットの下にウェッジを挿入することによって分離される。ここで、このレンズは、150〜180ミクロンの接着性コーティングを有する。さらなる非限定的な実施形態において、オーバーモールディングプロセスを使用して、10,000ミクロンまでの厚みを有するコーティングを作製する。
このコーティング組成物を基材の処理表面に塗布した後、1つの非限定的な例において、このコーティングは、硬化される。フォトクロミック重合可能なコーティング組成物を硬化させるための方法としては、熱、化学線またはそれらの組み合わせが挙げられる。さらなる非限定的な方法は、このコーティングを、赤外線、γ放射線または電子放射線で照射して、このコーティングにおける重合可能な成分の重合反応を開始させる工程を包含する。この後に、加熱工程が続き得る。
必要とされる場合および適切な場合、1つの非限定的な実施形態において、コーティングされるべき基材表面は、コーティングの接着を促進する目的のために、コーティング組成物を塗布する前に浄化され得る。プラスチックおよびガラスに対して有効な処理技術は、当業者に公知である。
いくつかの非限定的な実施形態において、本発明のフォトクロミックポリマー組成物を含有するコーティング組成物の塗布前に、基材表面に下塗り組成物を塗布することが、必要であり得る。この下塗りは、1つの非限定的な実施形態において、少なくとも部分的に硬化されたフォトクロミックコーティング組成物と基材との間に、少なくとも部分的に挿入される。句「少なくとも部分的に挿入される」とは、この下塗りが基材の一部から完全な表面までを覆い、引き続くコーティングの前にこの基材に塗布されることを意味する。
この下塗り組成物は、このコーティング成分と基材との相互作用(逆も同様)を防止するための遮断コーティング、および/またはこのコーティング組成物を基材に接着するための接着層として、作用し得る。この下塗りの塗布は、例えば、コーティングを塗布するための前記方法のようなコーティング技術において使用される方法のうちのいずれによってであり得る。
引き続いて塗布されるコーティングの接着性を改善するための下塗りとしての、保護コーティング(これらのうちの数種は、ポリマー形成有機シランを含有し得る)の使用は、米国特許第6,150,430号に記載されている。1つの非限定的な実施形態において、着色不可能(non−tintable)なコーティングが使用される。市販のコーティング製品の非限定的な例としては、それぞれ、SDC Coatings,Inc.およびPPG Industries、Inc.から市販されている、SILVUE(登録商標)124およびHI−GARD(登録商標)コーティングが挙げられる。さらに、このコーティングされた物品の意図される用途に依存して、1つの非限定的な実施形態において、適切な保護コーティング(すなわち、接着耐性コーティングおよび/または酸素障壁として働くコーティング)を、コーティング組成物の露出表面に塗布して、それぞれ、摩擦作用および接着作用ならびに酸素とフォトクロミック化合物との相互作用による引っ掻きを防止することが必要であり得る。いくつかの場合には、下塗りおよび保護コーティングは、交換可能である。例えば、同じコーティングが下塗りおよび保護コーティングとして用いられ得る。ハードコートの非限定的な例としては、無機材料(例えば、ケイ素、二酸化チタンおよび/またはジルコニア)に基づくハードコート、ならびに紫外光硬化性である型の有機ハードコートが挙げられる。
1つの非限定的な実施形態では、本発明の物品は、基材、フォトクロミックコーティングおよび保護ハードコートを組み合わせて含む。当業者に公知の種々の保護ハードコート(例えば、メラミン、(メタ)アクリレートおよびゾルゲルに基づく保護ハードコート(例えば、有機シラン))が存在する。1つの非限定的な実施形態では、この保護ハードコートは、有機シランハードコートである。別の意図される非限定的な実施形態は、本発明のフォトクロミックポリマー組成物を含むフォトクロミックコーティング組成物と、フォトクロミック光学物品を生じる光学素子との組み合わせの使用である。このような物品は、少なくとも部分的に硬化されたポリマーホスト材料(例えば、光学素子)に、下塗り組成物の少なくとも部分的なコーティング、少なくとも部分的に硬化されたフォトクロミックコーティング組成物の少なくとも部分的なコーティング、および適切な保護コーティングの少なくとも部分的なコーティング(必要な場合)を順次適用することによって調製され得る。
さらなる非限定的な実施形態では、他のコーティングまたは表面処理(例えば、着色可能コーティング、反射防止表面など)もまた、本発明の物品(例えば、フォトクロミックコーティングされた基材またはフォトクロミックインビビションホスト)に適用され得る。反射防止コーティング(例えば、金属酸化物、金属フッ化物または他のこのような材料の単層または多層)は、真空蒸着、スパッタリングまたは他の何らかの方法によって、本発明のフォトクロミック物品(例えば、レンズ)上に沈着され得る。
1つの非限定的な実施形態では、本発明のフォトクロミックポリマー組成物についてのホストまたは基材であり得るポリマー材料は、透明であり得るが、これはまた、半透明または不透明でさえあり得る。別の非限定的な実施形態では、ポリマー材料は、固体の透明または光学的に透明な材料(例えば、光学適用に適切な材料)(例えば、平面(plano)レンズ、眼科用レンズおよびコンタクトレンズ、窓、自動車の透明部分(automotive transparency)(例えば、風防ガラス)、航空機の透明部分(aircraft transparency)、プラスチックシーティング、ポリマーフィルムなど)である。
インビビションフォトクロミックポリマー組成物についてのホストとして、または本明細書中に記載されるフォトクロミックポリマー組成物を含むポリマーコーティングについての基材として用いられ得るポリマー材料の非限定的な例としては、以下が挙げられ得る:ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリシラン、ポリシロキサン、ポリチオウレタン、熱可塑性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリ(αメチルスチレン)、コポリ(スチレン−メチルメタクリレート)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリビニルブチラール、ポリ(酢酸ビニル)、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリスチレン、あるいはビス(アリルカーボネート)モノマー、スチレンモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、ビニルベンゼンモノマー(例えば、米国特許第5,475,074号に記載されるビニルベンゼンモノマー)、ジアリリデン(diallylidene)ペンタエリトリトールモノマー、ポリオール(アリルカーボネート)モノマー(例えば、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート))、酢酸ビニルモノマー、アクリロニトリルモノマー、単官能性または多官能性(例えば、2官能性または多官能性)(メタ)アクリレートモノマー(例えば、(C−C12)アルキル(メタ)アクリレート(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなど)、ポリ(オキシアルキレン)(メタ)アクリレート、ポリ(アルコキシル化フェノール(メタ)アクリレート)、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールA(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、エトキシル化フェノール(メタ)アクリレート、アルコキシル化多価アルコール(メタ)アクリレート(例えば、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマー)、ウレタン(メタ)アクリレートモノマー(例えば、米国特許第5,373,033号に記載されるウレタン(メタ)アクリレートモノマー))、またはこれらの混合物から選択されるモノマーのポリマー(例えば、ホモポリマーおよびコポリマー)。ポリマー有機ホスト材料のさらなる例は、米国特許第5,753,146号の第8欄、第62行〜第10欄、第34行に開示され、この開示は、本明細書中に参考として援用される。
別の非限定的な実施形態では、透明なコポリマーおよび透明なポリマーのブレンドもまた、ポリマー材料として適切である。フォトクロミックコーティング組成物についての基材および/またはフォトクロミックポリマー組成物についてのホストは、以下から調製された光学的に透明な重合材料であり得る:熱可塑性ポリカーボネート樹脂(例えば、ビスフェノールAおよびホスゲンから誘導されたカーボネート連結樹脂)(これは、商標LEXANで販売される);ポリエステル(例えば、商標MYLARで販売される材料);ポリ(メチルメタクリレート)(例えば、商標PLEXIGLASで販売される材料);ポリオール(アリルカーボネート)モノマー重合物(特に、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)(このモノマーは、商標CR−39で販売される)重合物)、およびポリオール(アリルカーボネート)(例えば、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)と他の共重合可能モノマー材料とのコポリマー重合物、ならびに米国特許第4,360,653号および同第4,994,208号に記載されるような末端ジアクリレート官能性を有するポリウレタンとのコポリマー重合物;ならびに米国特許第5,200,483号に記載されるような、末端部分がアリル官能基またはアクリルイル官能基を含む脂肪族ウレタンを有するコポリマー。
1つの非限定的実施形態は、ホスト材料または基材(例えば、光学適用(例えば、光学素子(例えば、平面レンズおよび視力矯正眼科用レンズおよびコンタクトレンズ)、窓、透明ポリマーフィルム、自動車の透明部分(例えば、風防ガラス)、航空機の透明部分、プラスチックシーティングなど)に適切な材料)としての、光学的に透明な重合物の使用である。このような光学的に透明な重合物は、1.48〜2.00(例えば、1.495〜1.75または1.50〜1.66)の範囲に及び得る屈折率を有し得る。この屈折率は、記載の範囲を含め、これらの値の任意の組み合わせの範囲に及び得る。
別の非限定的な実施形態では、ホスト材料または基材として意図されるのは、Sola Internationalによって販売されるSpectralite(登録商標)レンズの重合物であるTRIVEXTMレンズおよびCR−名称(例えば、CR−307およびCR−407)の下でPPG Industries,Inc.によって販売される光学樹脂、ならびにハードコンタクトレンズまたはソフトコンタクトレンズとしての用途のために調製される重合物である。両方の型のコンタクトレンズを製造するための方法は、米国特許第5,166,345号、第11欄、第52行〜第12欄、第52行に開示される。本発明のフォトクロミック組成物についての使用が意図されるさらなる重合物は、米国特許第5,965,630号に記載される高い水分含有量を有するソフトコンタクトレンズおよび米国特許第5,965,631号に記載される長期装着コンタクトレンズを形成するために用いられる重合物である。
本発明のさらなる非限定的な実施形態では、このフォトクロミック物品は、少なくとも部分的に硬化された有機ポリマーホスト材料の少なくとも1つの表面上の、少なくとも部分的に硬化されたフォトクロミックコーティング組成物の少なくとも部分的なコーティングを含む、少なくとも部分的に硬化されたポリマーホスト材料を含み、このフォトクロミックコーティング組成物は、フォトクロミック量の少なくとも1つのフォトクロミックポリマー組成物を含み、このフォトクロミックポリマー組成物は、以下の反応生成物を含む:
(a)少なくとも1つの重合可能基を有する、少なくとも1つのフォトクロミック材料;および
(b)(a)のフォトクロミック材料と共重合可能な少なくとも1つの材料;この材料は、23℃未満のガラス転移温度を有する重合の際にポリマーを形成するに適合している;
この反応生成物は、重合可能基を含まないフォトクロミックポリマー性能試験において、フォトクロミック材料(a)よりも短縮した退色半減期を提供するに適合している。
上記のフォトクロミック物品では、別の非限定的な実施形態は、反応生成物が、フォトクロミックポリマー性能試験において、重合可能基を含まないフォトクロミック材料(a)よりも高いΔODを提供するに適合されている実施形態である。
本発明は、以下の実施例において、より詳細に記載される。以下の実施例は、単なる例示であることが意図される。なぜなら、実施例における多数の改変およびバリエーションが当業者に明らかであるからである。
実施例1〜4は、異なる共重合可能材料を含むこと以外は同じ重合可能フォトクロミック材料を利用する。比較例A、EおよびFは、実施例1〜4において用いたフォトクロミック材料のスペーサー基も重合可能基も含まない、ベースフォトクロミック材料を含む。比較例Bは、実施例1〜4のフォトクロミック材料上に、重合可能基の代わりにメトキシ基を有する以外は、同じスペーサー基を含む、ベースフォトクロミック材料を含む。比較例CおよびDは、異なる共重合可能材料が用いられる以外は、実施例1〜4と同じ重合可能フォトクロミック材料を含む。実施例5は、フォトクロミックポリマー性能試験の用いられる手順および試験結果を記載する。
(実施例1)
(工程1)
カリウムt−ブトキシド(75グラム、0.67モル)を200ミリリットル(mL)のトルエンを含む反応フラスコに添加した。反応フラスコは、オーバーヘッド撹拌機、滴下漏斗、および窒素注入口を有する凝縮器を備えていた。反応フラスコの内容物を還流温度に加熱し、そして4,4’−ジメチルベンゾフェノン(105グラム、0.5モル)、コハク酸ジメチル(90グラム、0.62モル)、およびトルエン(200グラム)の混合物を30分にわたり添加した。生じる糊状混合物をさらに2時間還流し、冷却し、そして約400mLの水を添加し、そして勢いよく混合した。水層を分離し、希釈した塩酸で酸性化し、そして200mLのトルエンで抽出した。溶媒(トルエンおよび残留t−ブタノール)をロータリーエバポレーター上で除去し、半エステル、4,4−ジ(4−メチルフェニル)−3−メトキシカルボニル−3−ブテン酸を生成した。この物質を、さらに精製せずに、次の工程で直接使用した。
(工程2)
工程1に由来する半エステルを、200mLのトルエンを含む反応フラスコに添加した。無水酢酸(100グラム)および無水酢酸ナトリウム(15グラム)を添加し、そしてこの混合物を17時間還流した。この混合物を冷却し、溶媒(トルエン)を、ロータリーエバポレーターで除去した。得られた残渣を200mLの塩化メチレンに溶解し、そして攪拌した。水(200mL)を添加し、その後、二酸化炭素の放出が止まるまで固体の炭酸ナトリウムをゆっくり添加した。塩化メチレン層を分離し、そして水で洗浄した。溶媒(塩化メチレン)をロータリーエバポレーター上で除去し、約100グラムの結晶性固体を産生した。回収した生成物(1−(4−メチルフェニル)−2−メトキシカルボニル−4−アセトキシ−6−メチルナフタレン)は、144〜146℃の融点を有した。
(工程3)
工程2に由来する生成物(約100グラム)を、350mLの10重量パーセント水酸化ナトリウム水溶液および50mLのメタノールを含む反応フラスコに添加した。この混合物を1時間還流し、冷却し、次いで約1リットルの冷たい(約4℃)希釈塩酸を含むビーカーにゆっくり注いだ。約100グラムの生じた結晶性生成物(1−(4−メトキシフェニル)−4−ヒドロキシ−6−メチル−2−ナフチオン酸(210〜213℃の融点を有する)を減圧濾過によって回収した。
(工程4)
工程3に由来する生成物(約100グラム)を、キシレン(250グラム)および250グラムの85重量パーセントリン酸溶液を含む反応フラスコに添加した。攪拌した混合物をDean−Starkトラップを備えた1リットルフラスコ中で、20時間還流した。この時間の間、固体が生成した。この混合物を冷却し、そして200mLの水を添加した。固体をへらで粉砕し、フィルター処理し、そして水、5重量パーセント炭酸水素ナトリウム水溶液、および水で連続的に洗浄した。90グラムの産物(3,9−ジメチル−5−ヒドロキシ−7H−ベンゾ[C]−フルオレン−オン)を減圧濾過によって回収した。
(工程5)
工程4に由来する産物(10グラム)を、1,1−ジ(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オール(10グラム)および100mLのトルエンを含む反応フラスコに添加した。生じる混合物を攪拌し、そして50℃に加熱し、3滴のドデシルベンゼンスルホン酸を添加し、そしてこの反応混合物を50℃に5時間保った。この反応混合物を室温に冷却後、それをフィルター処理し、そして回収した濾液を5重量パーセントの水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄した。ロータリーエバポレーター上で溶媒(トルエン)を除去し、そしてアセトンの残渣への添加により所望の生成物を結晶化した。固体を減圧濾過し、新しいアセトンで洗浄し、そして乾燥し、227〜229℃の融点を有する16グラムの生成物を得た。NMRは、この生成物が、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメチル−13−オキソ−インデノ(indeno)[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランと一致する構造を有することを示した。
(工程6)
工程5の生成物(10グラム)を50mLの無水テトラヒドロフランを含む反応フラスコに添加した。この反応物を氷浴中で冷却し、過剰のメチルグリニャール試薬を攪拌しながら反応物に添加する間、窒素パッドで湿気から保護した。さらに10分攪拌後、200mLの5重量パーセント塩酸を添加し、有機層を分離し、水で洗浄した。溶媒(テトラヒドロフラン)をロータリーエバポレーター上で除去した。約10ミリリットルのヘキサン:酢酸エチルの2:1混合物の残渣への添加は、非フォトクロミック材料の結晶化を引き起こした。この物質をろ過により分離した。この濾液を溶出液としてヘキサン:酢酸エチルの3:1の混合物を用いてシリカ上でカラムクロマトグラフィー処理した。メタノール混合物より結晶化した所望の生成物をろ過し、そして乾燥して、233〜235℃の融点を有する8グラムの生成物を得た。NMRスペクトルは、この生成物が、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−ヒドロキシ−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランと一致する構造を有することを示した。
(工程7)
工程6からの生成物(50.0g)を、500mLのジエチレングリコール、100mLのトルエン、および2mLの37%塩酸を含有する反応フラスコに加えた。この反応物を80℃に加熱し、および撹拌しながらその温度で2時間維持した。この反応混合物を500mLの水に加え、そして300mLの酢酸エチルを加えた。有機層を分離し、水で洗浄し、濾過し、そしてその溶媒、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで除去した。得られた残渣をシリカ上でのクロマトグラフィーに供した(ジクロロメタン、その後に溶出液として酢酸エチルを用いた)。そのフォトクロミック画分を合わせ、溶媒をエバポレートし、そして所望の生成物を、ヘキサン/ジエチルエーテル混合物から結晶化させた。回収した結晶を乾燥し、濾過して、199〜202℃の融点範囲を有する3gの生成物を得た。NMRスペクトルは、この生成物が、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−ヒドロキシエチル)エトキシ)−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランに対応する構造を有することを示した。
(工程8)
工程7からの生成物(20g)を、300mlのジクロロメタンを含有する反応フラスコに加えた。その反応物を5℃まで冷却し、6gの塩化メタクリロイルを20分かけて滴下した。次いで、6gのトリエチルアミンを60分かけて滴下した。5℃で60分後、200mlの水を反応物に加え、そして有機層を分離し、そして硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶媒、ジクロロメタンを、ロータリーエバポレーターで除去した。生成物を、酢酸エチルおよびメタノールの混合物から結晶化した。結晶を濾過し、そして乾燥させて、18gの生成物を得た。NMRスペクトルは、この生成物が、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−メタクリロイルエチル)エトキシ)−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランに対応する構造を有することを示した。
(工程9)
以下の物質を、撹拌機、環流カラム、添加漏斗、窒素流入口、外部電気制御装置に接続されたプローブ、および加熱マントルを備えた適切な反応容器に、記載される順番および様式で加えた。
Figure 2005514643
チャージ1を反応容器に加え;窒素を容器に導入し、そしてスターラーバーを動かしながら、反応容器に熱を加えて、溶媒の環流が起こる温度を維持した。環流温度に達した後、チャージ2を、連続様式で2時間かけて反応容器に加えた。反応物を30分間環流撹拌した。次いで、チャージ3を30分かけて反応混合物に加え、そして反応物を、環流温度でさらに30分間保持した。次いで、その溶媒、トルエンを、約50%の固体を有する混合物が得られるまでエバポレートした。次いで、反応容器の内容物を冷却し、そして適切な容器に移した。得られたポリマーは、標準としてポリスチレンを用いるゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した場合、約7,300の重量平均分子量を有した。
(実施例2)
チャージ2を以下のようにしたことを除いて、実施例1の工程9の手順を使用した。
Figure 2005514643
(3)2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレートは、報告された−54℃のTgを有し、そしてAldrichから入手可能である。
得られたポリマーは、標準としてポリスチレンを用いるゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した場合、約6,800の重量平均分子量を有した。
(実施例3)
チャージ2を以下のようにしたことを除いて、実施例1の工程9の手順を使用した。
Figure 2005514643
得られたポリマーは、標準としてポリスチレンを用いるゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した場合、約8,900の重量平均分子量を有した。
(実施例4)
チャージ2を以下のようにしたことを除いて、実施例1の工程9の手順を使用した。
Figure 2005514643
(4)TgがSartomerから入手不可能なエトキシル化(10)ヒドロキシエチルメタクリレート
生じるポリマーは、標準としてポリスチレンを用いるゲル透過クロマトグラフィーによって測定された場合に、重量平均分子量約8,200を有した。
(比較例A)
以下の物質を、撹拌器を備えた容器に添加し、2分間混合した。
Figure 2005514643
(5)99%純度のN−メチルピロリドン溶媒。
(比較例B)
(パートA)
実施例1の工程6からの生成物(20.0グラム)を、200mLのジエチレングリコールモノメチルエーテル、100mLのトルエン、および200mgのパラトルエンスルホン酸を含む反応フラスコに加えた。この反応を、80℃まで加熱し、撹拌しながら2時間この温度に保った。反応混合物を、500mLの水に加え、300mLの酢酸エチルを加えた。有機層を分離し、水で洗い、濾過し、ロータリーエバポレーターで溶媒の酢酸エチルを除いた。生じる残渣を、溶出液としてジクロロメタン続いて酢酸エチルを用いてシリカ上でクロマトグラフした。フォトクロミック画分を混合し、溶媒を蒸発させ、所望の生成物を誘導してヘキサン/ジエチルエーテル混合物から結晶化した。回収された結晶を、乾燥し、濾過して、130℃〜132℃の融点範囲を有する3グラムの生成物を生じた。NMRスペクトルは、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−メトキシエチル)エトキシ)−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランに一致する構造を有する生成物を示した。
(パートB)
フォトクロミックポリウレタンコーティングと、記載される順番および様式で、撹拌器を備えた容器に以下の材料を添加することによって調製した。
Figure 2005514643
(6)米国特許第6,187,444 B1号、列18、行53〜列19、行45に開示される手順によって調製されるポリマー固体に基づく、標準としてポリスチレンを用いるゲル透過クロマトグラフィーによって測定するように、重量平均分子量約9000およびヒドロキシル価約170を有するポリマーポリオール。
(7)Stahl 米国から入手可能な、ポリヘキサメチレンジカーボネートであると報告された脂肪族ポリカーボネートジオール。
(8)Huls America,Inc.より入手可能なメチルエチルケトオキシムブロックされた脂肪族ポリイソシアネート。
(9)DABCO T−12触媒またはMETACURE T−12触媒として入手可能な二ラウリン酸ジブチルスズ。
(10)Ciba−Geigy Corp.から入手可能なヒンダードアミン紫外光安定剤。
(11)OSi Specialtiesから入手可能なγ−グリシドキシシラン。
物質の添加が完了した後、溶液を、均一な透明の溶媒が得られるまで加熱しながら混合した。
(比較例C)
実施例1の工程9についての手順を、チャージ2が以下:
Figure 2005514643
の様であることを除いて使用した:
生じるオリゴマーは、標準としてポリスチレンを用いるゲル透過クロマトグラフィーによって測定された場合、重量平均分子量約6,300を有した。
(比較例D)
実施例1の工程9についての手順を、チャージ2が以下:
Figure 2005514643
Figure 2005514643
の様であることを除いて使用した:
生じるポリマーは、標準としてポリスチレンを用いるゲル透過クロマトグラフィーによって測定された場合、重量平均分子量約9,000を有した。
(比較例E)
フォトクロミックポリウレタンコーティングを、記載される順番および様式で撹拌器を備えた容器に以下の材料を添加することによって調製した。
Figure 2005514643
(12)Bayer Corporationから入手可能なフェニルメチルポリシロキサン。
チャージ1を、溶液が透明になるまで加熱しながら混合した。チャージ2を添加し、そして生じる混合物を、均一な溶液が得られるまで撹拌した。
(比較例F)
実施例4の1グラムの代わりに、実施例1の工程6の生成物0.30グラムを、本明細書中以後の実施例5のパートEにおいて記載される熱可塑性ポリカーボネートシートを生成するために用いた。
(実施例5)
フォトクロミックポリマー性能試験のために用いられるポリウレタンコーティング組成物は、比較例B(ここで、フォトクロミック材料は、組成物の総重量に基づき、4.4重量%のレベルで含まれた)で用いられた型であり得るか、比較例E(ここで、フォトクロミック材料は、組成物の総重量に基づき、2.5重量%のレベルで含まれた)で用いられた型であり得るか、以下のパートA(ここで、フォトクロミック材料は、組成物の総重量に基づき、25重量%のレベルで含まれた)で用いられた型であり得るか、または同じ型のコーティング組成物が、実施例および比較例の両方で用いられる限りはポリウレタンコーティング組成物の任意の型であり得る。
パートAにおいて以下のように記載されるポリウレタンコーティング組成物を、パートBにおいて実施例および比較例で処方し、パートCにおいてレンズに適用し、パートDにおいて微小硬度から試験し、パートFにおいて390nmでの紫外光吸収試験によってフォトクロミックポリマーとベースフォトクロミック材料との比較可能なレベルについて試験し、そしてパートGにおいてフォトクロミック性能特性について試験した。実施例4ならびに比較例B、EおよびFは、以下のパートAのものと異なるポリウレタンコーティング組成物、または熱可塑性ポリカーボネートのいずれかにおいて試験した。全ての実施例および比較例を、二連で試験した。本明細書中に報告された結果は、試験結果の相加平均である。
(パートA)
ポリウレタンコーティング溶液を、以下の材料を列挙される量で使用したことを除いて、比較例Eの手順に従って調製した。
Figure 2005514643
(パートB)
フォトクロミックポリウレタンコーティング溶液を、実施例1、2、3ならびに比較例CおよびDの各々の1グラムを、パートAのポリウレタン溶液の4グラムのアリコートに個々に添加し、そして各々を、クリアな溶液が得られるまで混合することによって調製した。比較例Aについては、0.85グラムの実施例を使用した。
比較例Bおよび実施例1Aのフォトクロミックポリウレタン溶液もまた使用した。0.65グラムの実施例1を使用したことを除いて、比較例Bの手順に従い、本明細書中以下で実施例1Aと指定されるコーティングを生成した。
(パートC)
パートBにおいて調製した溶液を、スピンコーティング法によって、CR−39(登録商標)モノマーから作製されたレンズに塗布した。これらのレンズは、直径76ミリメートルであり、そしてSOLA Optical USAから入手した。コーティングの塗布前に、各レンズを、規定度約2.4を有する水性水酸化カリウム溶液に3分間浸漬し、これを、55℃の温度に維持し、次いで、脱イオン水でリンスした。この浸漬およびリンスの工程を、Branson Ultrasonic Model 5200ソニケーターで実施した。約800ミリグラムの溶液を、各レンズ上に分配し、そして2000rpmでスピンさせ、これにより、1つのレンズあたり約200ミリグラムの湿潤フィルム重量を生じた。コーティングしたレンズを、75分間、140℃に維持した対流オーブン中で硬化させた。
(パートD)
パートCにおいて調製した、フォトクロミックコーティングしたレンズを、Fischer Technology,Inc.から入手可能なFischerscope HCV,Model H−100を使用して、微小硬度試験に供した。実施例および比較例のコーティングされたレンズの、微小硬度(ニュートン/mmで測定される)を、100ミリニュートンの負荷、30回の負荷工程、および負荷工程の間の0.5秒の休止の条件下で、決定した。表1に報告される結果を、2μmの圧子硬度計で測定した。
これらの結果は、比較例A、CおよびDを含むポリウレタンコーティングを有するレンズが、実施例1、2および3のコーティングより硬いことを示す。比較例Eのポリウレタンコーティングを有するレンズを、他の比較例および実施例より軟らかい、コーティングにおけるベースのフォトクロミック材料のフォトクロミック性能特性を示すように、より軟らかく処方した。実施例1Aのコーティングのついての結果は、これがまた、そのそれぞれの比較例CE−Bより軟らかいことを示した。
Figure 2005514643
(パートE)
Plasti−Corderミキサー(C.W.Brabender Instruments,Inc.製)を150℃に加熱し、そしてプレスを、開始前に約1/2時間、325°Fに加熱した。樹脂および総重量に基づいて1重量%の安定剤(Ciba Geigyからの安定剤としてIrganox 1010)を、別の秤量皿に添加し、そしてスパチュラで手で混合した。Plasti−Corderミキサーを使用して、このフォトクロミック材料を熱可塑性樹脂に合成した。50グラムのポリカーボネートビーズをボールに添加し、そして98rpmで2分間、完全に融解するまで混合した。次いで、1グラムの実施例4をこの融解した樹脂に添加し、そしてPlasti−Corder中でさらに2分間、98rpmで混合した。より短い混合時間を用いる場合、フォトクロミック材料の不均一な混合が生じた。
フォトクロミックオリゴマーを含む、融解した樹脂を、ボールから取り出し、そして2枚のTeflon(登録商標)シートの間に配置した。これらのTeflon(登録商標)シートをプレスに挿入し、1分間加熱し、そして5トンで1分間プレスした。これにより、平坦な、不均一なシートが得られた。シートを冷却した後に、小さい正方形(約3〜5g)を、このシートから切り出した。この正方形を、Nanofilmで処理した2枚の6インチ×6インチのガラスシートの間に配置した。これらのガラスシートをプレスに配置し、1分間加熱し、10トンで1分間プレスした。これにより、平滑なシートが得られ、これを、微小硬度試験およびフォトクロミック試験のために使用した。
比較例Fを、実施例4からのフォトクロミックポリマーの代わりに実施例1の工程6の生成物0.30グラムを使用して、調製した。Fischer微小酵素の結果を、以下で表2に列挙する。これらの結果は、実施例4および比較例Fが、匹敵する硬度を有することを示す。フォトクロミック性能の結果は、表4に列挙される。
Figure 2005514643
(パートF)
本明細書中で調製されたフォトクロミックコーティングされたレンズおよびパートEからのポリマーシート(これは、サンプルホルダに適合するように切断されている)を、390ナノメートルでの紫外光度について、紫外分光光度計を使用してスクリーニングした。これらの結果を、表3に列挙する。これらの結果は、CE−Cのフォトクロミック材料の量が、実施例1〜4での量に匹敵し、そして他の比較例におけるフォトクロミック材料の量が、代表的に、本発明の実施例より高かったことを明らかにする。
(表3)
Figure 2005514643
(パートG)
パートFにおいて調製されたフォトクロミック試験サンプルを、光学台でフォトクロミック応答について試験した。光学台を、72°F(22℃)の温度に維持した。光学台での試験の前に、フォトクロミックコートされたレンズを、ランプから約14cmの距離で、365nmの紫外線に約10分間曝露し、フォトクロミック材料を活性化した。サンプルでのUVA(315〜380nm)の放射束密度を、Licor Model Li−1800分光光度計で測定し、1m当たり22.2ワットであることを見出した。次いで、サンプルを、ハロゲンランプ下で、ランプから約36cmの距離で約10分間配置し、サンプル中のフォトクロミック材料をブリーチ(すなわち不活性化)した。サンプルの照度を、Licor分光光度計で測定し、21.9Kluxであることを見出した。次いで、試験レンズを、室温(70〜75°F、すなわち21〜24℃)で少なくとも1時間、暗環境に維持し、その後、光学台で試験した。
台に、Oriel Model #66011 300ワットキセノンアークランプ、遠隔制御シャッター、Schott 3mm KG−2バンドパスフィルター(これは、短波長の放射線を除去する)、中間色密度フィルター、ビームコリメーションのための集光レンズ、サンプル温度を維持するための石英ウォーターセル、および試験される試験サンプルがウォーターセルに挿入されるサンプルホルダーを据え付けられる。
出力を1mUVA当たり6.2ワットおよび18Kluxに調整された光学台で、測定を実施した。出力の確認を、ラジオメーター検出器(Model #:SED 033;Serial #:5886)または類似の装置を備えるInternational Light Reserch Radiometer(Model #:IL1700;Serial #:1290)を使用して実施した。ラジオメーター検出器を、正確なサンプル位置でレール上の光学レールキャリアに配置し、このサンプル位置は、活性化ビームとモニタリングビームとの交差点であり、光出力を測定する。出力の調整を、ランプのワット数を増加するかもしくは減少することによってか、または光路に中間色密度フィルターを追加するかもしくは除去するかによって、実施した。
試験レンズを、試験レンズの表面に対する法線から30°でキセノンアークランプを使用してUV照射に曝露した。試験サンプルに対して垂直なタングステン/ハロゲンランプからのモニタリングコリメートされた光ビームは、サンプルを通過し、次いで、光ファイバーケーブルによってOcean Optics S2000分光光度計に連結された積分球に直接入る。試験状態およびデータ取得の制御を、Ocean Optics OOI Base 32ソフトウェアと接続された家庭用視覚的ベーシックプログラムによって操作した。
不活性化状態(すなわち、ブリーチされた状態)から活性化状態(すなわち、暗状態)での光学密度(ΔOD)の変化に関して、応答測定を、初期不活性化透過率を確立すること、キセノンランプからシャッターを開放することおよび選択された時間間隔で活性化による透過率を測定することによって決定した。光学密度の変化を、以下の式に従って決定し:
ΔOD=log(%Tb/%Ta)
、ここで、%Tbは、ブリーチ状態の%透過率であり、%Taは、活性化状態の%透過率であり、対数は、底10に対してである。
ΔODを、72°F(22℃)の温度で維持された光学台で、15分のUV曝露後に測定した。活性化光供給源の除去後、72°F(22℃)で15分ΔODの半分に到達するためのフェード半減期(T 1/2)は、コートされた試験サンプル中のフォトクロミック材料の活性化形態のΔODについて、数秒の時間間隔である。フォトクロミック試験サンプルに対する結果を、表4に列挙する。
(表4)
Figure 2005514643
実施例1、2および3についての結果は、スペーサー基および重合可能基を有さないフォトクロミック材料を有する比較実施例Aに対する結果と比べる場合、およびポリウレタンコーティングに組込まれる前にモノマーと混合された同じフォトクロミック材料を有する比較実施例Cと比べる場合、フォトクロミックポリマー性能試験において、より暗いレベルが達成され、より早くブリーチされた。同じ結果が、実施例4の比較および比較実施例Fにおいて観察された。
実施例1Aについての結果は、実施例1Aのフォトクロミック材料と同じスペーサー基を有するが、重合性基を有さないフォトクロミック材料を有する比較実施例Bと比べる場合、改善されたフェード半減期(すなわち減少したフェード半減期)を示し、ΔODは減少した。コートされたレンズの曇りのために、比較実施例Dの結果を、決定し得なかった。より柔らかいポリウレタンコーティングを有する比較実施例Eについての結果は、実施例1、2および3より、いくらか低いΔODを示し、より遅いフェード半減期を有した。
本発明は、その特定の実施形態の詳細を参照して記載されるが、このような詳細が、本発明の範囲に対して限定として考えられることを意図されない。

Claims (41)

  1. 少なくとも1つの重合可能フォトクロミック材料と少なくとも1つの他の共重合可能材料との反応生成物を含むフォトクロミックポリマー組成物であって、該反応生成物は、23℃未満のガラス転移温度を有し、反応生成物において使用される同じフォトクロミック材料と比較して、フォトクロミックポリマー性能試験において減少した退色半減期を提供するように調節されているが、重合可能基がない、組成物。
  2. 以下の(a)と(b)との反応生成物:
    (a)少なくとも1つの重合可能基を有する少なくとも1つのフォトクロミック材料;および
    (b)該(a)のフォトクロミック材料と共重合可能な少なくとも1つの材料であって、該材料は、重合の際にポリマーを形成するように調節され、23℃未満のガラス転移温度を有する、材料、
    を含むフォトクロミックポリマー組成物であって、
    該反応生成物は、フォトクロミックポリマー性能試験において重合可能基がないフォトクロミック材料(a)よりも減少した退色半減期を提供するように調節されている、組成物。
  3. 請求項2に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、前記反応生成物は、フォトクロミックポリマー性能試験において、重合可能基がないフォトクロミック材料(a)よりも大きなΔODを提供するように調節されている、組成物。
  4. 請求項2に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、前記反応生成物は、標準としてポリスチレンを使用するゲル濾過クロマトグラフィーにより決定される場合、1,000〜1,000,000の重量平均分子量を有する、組成物。
  5. 請求項4に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、前記反応生成物は、1,500〜100,000の重量平均分子量を有する、組成物。
  6. 請求項5に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、前記反応生成物は、3,000〜10,000の重量平均分子量を有する、組成物。
  7. 請求項2に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、フォトクロミック材料(a)は、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、メルカプト、無水物、エポキシ、イソシアナト、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、ビニルまたはこれらの組み合わせから選択される重合可能基に加えて、少なくとも1つの他の基をさらに含む、組成物。
  8. 請求項2に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、前記反応生成物は、少なくとも1つの残余重合可能基をさらに含む、組成物。
  9. 請求項8に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、前記残余重合可能基は、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、メルカプト、無水物、エポキシ、イソシアナト、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、ビニルまたはこれらの組み合わせから選択される、組成物。
  10. 請求項2に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、前記フォトクロミック材料(a)は、400〜700nmの間の範囲内に少なくとも1つの最大活性化吸収を有するフォトクロミック化合物を含む、組成物。
  11. 請求項10に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、前記フォトクロミック化合物は、クロメン、スピロピラン、オキサジン、オルガノ金属ジチオゾネート、フルギド、フルギミドまたはこれらの混合物から選択される、組成物。
  12. 請求項2に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、前記フォトクロミック材料(a)は、フォトクロミック基礎材料と前記重合可能基とを連結する少なくとも1つの重合不能二価連結基をさらに含む、組成物。
  13. 請求項12に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、前記重合不能二価連結基は、直鎖または分枝鎖のC〜C20アルキレン、直鎖または分枝鎖のC〜Cポリオキシアルキレン、環状C〜C20アルキレン、フェニレン、ナフチレン、C〜Cアルキル置換フェニレン、モノウレタン(C〜C20)アルキレンまたはポリウレタン(C〜C20)アルキレン、モノエステル(C〜C20)アルキレンまたはポリエステル(C〜C20)アルキレン、モノカーボネート(C〜C20)アルキレンまたはポリカーボネート(C〜C20)アルキレン、あるいはこれらの組み合わせから選択される、組成物。
  14. 請求項2に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、共重合可能材料(b)は、重合の際にポリマーを形成するように調節され、0℃未満のガラス転移温度を有する、組成物。
  15. 請求項2に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、共重合可能材料(b)は、熱放射、化学線照射またはこれらの組み合わせにより重合可能である、組成物。
  16. 請求項2に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、共重合可能材料(b)は、以下:
    (a)エチレン不飽和モノマー;
    (b)ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、メルカプト、ビニル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、無水物、エポキシ、またはイソシアナトから選択される少なくとも1つのさらなる反応性基を含むエチレン不飽和モノマー;あるいは
    (c)これらの組み合わせ、
    を含む、組成物。
  17. 少なくとも部分的に硬化される重合可能フォトクロミックポリマー組成物を含む、フォトクロミック物品であって、該重合可能フォトクロミックポリマー組成物は、以下の(a)と(b)との反応生成物:
    (a)少なくとも1つの重合可能基を有する少なくとも1つのフォトクロミック材料;および
    (b)該(a)のフォトクロミック材料と共重合可能な少なくとも1つの材料であって、該材料は、重合の際にポリマーを形成するように調節され、23℃未満のガラス転移温度を有する、材料、
    を含み、
    該反応生成物は、フォトクロミックポリマー性能試験において、重合可能基のないフォトクロミック材料(a)よりも減少した退色半減期を提供するように調節される、物品。
  18. 請求項17に記載のフォトクロミック物品であって、前記反応生成物は、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、メルカプト、エポキシ、イソシアナト、ビニル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、無水物またはこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの重合可能基を含む、物品。
  19. 請求項17に記載のフォトクロミック物品であって、前記物品は、少なくとも部分的に硬化される、フォトクロミックポリマー組成物の重合物質および該重合可能フォトクロミックポリマー組成物と共重合可能な材料を含む、物品。
  20. 請求項18に記載のフォトクロミック物品であって、前記少なくとも部分的に硬化される重合可能フォトクロミックポリマー組成物は、粒子の形態である、物品。
  21. 請求項20に記載のフォトクロミック物品であって、前記粒子は、0.01μm〜100μmの平均サイズを有する、物品。
  22. 請求項20に記載のフォトクロミック物品であって、前記粒子は、少なくとも部分的にコーティングされている、物品。
  23. 請求項22に記載のフォトクロミック物品であって、前記粒子は、保護コーティングにより少なくとも部分的にコーティングされている、物品。
  24. 請求項23に記載のフォトクロミック物品であって、前記保護コーティングは、ゾルゲルコーティングである、物品。
  25. 少なくとも部分的に硬化されるポリマーホスト材料およびフォトクロミック量の少なくとも1つのフォトクロミックポリマー組成物を含む、フォトクロミック物品であって、該フォトクロミックポリマー組成物は、以下の(a)と(b)との反応生成物:
    (a)少なくとも1つの重合可能基を有する少なくとも1つのフォトクロミック材料;および
    (b)該(a)のフォトクロミック材料と共重合可能な少なくとも1つの材料、
    を含み、
    該材料は、重合の際にポリマーを形成するように調節され、23℃未満のガラス転移温度を有し;
    該反応生成物は、フォトクロミックポリマー性能試験において、重合可能基がないフォトクロミック材料(a)よりも減少した退色半減期を提供するように調節される、物品。
  26. 請求項25に記載のフォトクロミック物品であって、前記ポリマーホスト材料は、熱硬化ポリマー材料または熱可塑性ポリマー材料から選択されるポリマーである、物品。
  27. 請求項26に記載のフォトクロミック物品であって、前記ポリマーホスト材料は、ポリ(ウレア−ウレタン)、ポリ(C〜C12アルキルメタクリレート)、ポリ(オキシアルキレン)ジメタクリレート、ポリ(アルコキシル化フェノールメタクリレート)、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリシラン、ポリシロキサン、ポリチオウレタン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリ(αメチルスチレン)、コポリ(スチレン−メチルメタクリレート)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリビニルブチラル、ならびにポリオール(アリルカーボネート)モノマー、多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートモノマー、エチレングリコールビスメタクリレートモノマー、ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールメタクリレートモノマー、アルコキシル化多価アルコールアクリレートモノマー、ジアリリデンペンタエリスリトールモノマー、ウレタンアクリレートモノマー、ビニルベンゼンモノマー、スチレンモノマー、またはこれらの混合物のポリマーから選択されるポリマーである、物品。
  28. 請求項25に記載のフォトクロミック物品であって、該フォトクロミック物品は、光学要素である、物品。
  29. 請求項28に記載のフォトクロミック物品であって、前記光学要素は、眼科用レンズまたはコンタクトレンズである、物品。
  30. 基材の少なくとも1つの表面上に少なくとも部分的に硬化されるフォトクロミックコーティング組成物の少なくとも部分的コーティングを含む基材を含むフォトクロミック物品であって、該フォトクロミックコーティング組成物は、フォトクロミック量の少なくとも1つのフォトクロミックポリマー組成物を含み、該フォトクロミック組成物は、以下の(a)と(b)との反応生成物:
    (a)少なくとも1つの重合可能基を有する少なくとも1つのフォトクロミック材料;および
    (b)該(a)のフォトクロミック材料と共重合可能な少なくとも1つの材料であって、該材料は、重合の際にポリマーを形成するように調節され、23℃未満のガラス転移温度を有する、材料;
    を含み、該反応生成物は、フォトクロミックポリマー性能試験において、重合可能基がないフォトクロミック材料(a)より減少した退色半減期を提供するように調節されている、物品。
  31. 請求項30に記載のフォトクロミック物品であって、前記基材は、紙、ガラス、セラミック、木質、石工物、織物、金属、またはポリマー材料を含む、物品。
  32. 請求項31に記載のフォトクロミック物品であって、前記ポリマー材料は、熱硬化ポリマー材料または熱可塑性ポリマー材料から選択されるポリマーを含む、物品。
  33. 請求項30に記載のフォトクロミック物品であって、前記基材は、光学エレメントを含む、物品。
  34. 請求項30に記載のフォトクロミック物品であって、前記少なくとも部分的に硬化されるフォトクロミックコーティング組成物は、フィルム形成ポリマー組成物を含む、物品。
  35. 請求項34に記載のフォトクロミック物品であって、前記フィルム形成ポリマー組成物は、熱可塑性フィルム形成ポリマーまたは熱硬化フィルム形成ポリマーを含む、物品。
  36. 請求項35に記載のフォトクロミック物品であって、前記フィルム形成ポリマーは、熱硬化ポリマーであり、ポリウレタン、アミノプラスト樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ無水物、ポリアクリルアミド、エポキシ樹脂、またはポリシランから選択される、物品。
  37. 請求項30に記載のフォトクロミック物品であって、前記少なくとも部分的に硬化されるフォトクロミックコーティング組成物と前記基材との間に挟まれる下塗り組成物の少なくとも一部のコーティングをさらに含む、物品。
  38. 請求項37に記載のフォトクロミック物品であって、少なくとも部分的に硬化されるフォトクロミックコーティング組成物の表面に少なくとも部分的に適用された保護コーティングの少なくとも一部のコーティングをさらに含む、物品。
  39. 少なくとも部分的に硬化されるポリマーホスト材料を含むフォトクロミック物品であって、該ポリマーホスト材料は、少なくとも部分的に硬化されるポリマーホスト材料の少なくとも1つの表面上に少なくとも部分的に硬化されるフォトクロミックコーティング組成物の少なくとも部分的コーティングを含み、該フォトクロミックコーティング組成物は、フォトクロミック量の少なくとも1つのフォトクロミックポリマー組成物を含み、該フォトクロミックポリマー組成物は、以下の(a)と(b)との反応性生物:
    (a)少なくとも1つの重合可能基を有する少なくとも1つのフォトクロミック材料;および
    (b)該(a)のフォトクロミック材料と共重合可能な少なくとも1つの材料であって、該材料は、重合の際にポリマーを形成するように調節され、23℃未満のガラス転移温度を有し、
    該反応生成物は、フォトクロミックポリマー性能試験において、重合可能基のないフォトクロミック材料(a)より減少した退色半減期を提供するように調節されている、物品。
  40. 請求項39に記載のフォトクロミックポリマー組成物であって、前記反応生成物は、フォトクロミックポリマー性能試験において、重合可能基のないフォトクロミック材料(a)より大きなΔODを提供するように調節されている、組成物。
  41. 少なくとも2つの重合可能フォトクロミック材料と、少なくとも1つの他の共重合可能材料との反応生成物を含むフォトクロミックポリマー組成物であって、該反応生成物は、23℃未満のガラス転移温度を有し、フォトクロミックポリマー性能試験において、反応生成物において使用される同じフォトクロミック材料と比較して、減少した退色半減期を提供するように調節されているが、重合可能基がない、組成物。
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