JP2005514629A - 画像パターン認識を用いたコイル状チュービング検査システム - Google Patents

画像パターン認識を用いたコイル状チュービング検査システム Download PDF

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Abstract

コイル状チュービング(100)の予め設定された特徴を識別するための検査システムは、パターン認識ソフトウェアを実行するように構成されたコンピュータシステムと、コイル状チュービング(100)が撮像装置(300)を通過するときにチュービングの映像を捕捉するように構成された複数の撮像装置(300)とを有する。検査システム(310)によって捕捉された画像はコンピュータシステムへ伝達され、パターン認識ソフトウェアが画像を分析し、画像から特徴を抽出し、画像内で欠陥が識別された場合には表示を発生する。コンピュータシステムは、欠陥が位置するコイル状チュービング(100)に沿った長手方向位置を識別するためカウンタ信号(330)を読み取る。カウンタ信号(330)は、また、検査システムを実行可能又は実行不能にするのに使用される。映像を選択的に記憶することによって、システムは実時間処理あるいはその後の処理が可能である。コイル状チュービング(100)は、予め設定された特徴の環方向位置を明確にするための基準として、長手方向ストライプを含む。

Description

連邦政府の支援による研究又は開発に関する陳述
適用なし
発明の背景
発明の分野
本発明は、一般に、使用中のパイプ及びチュービングの監視に関し、より詳しくは、使用中のパイプ及びチュービングの摩耗及び欠陥の検出に関する。さらに詳しくは、本発明は、画像処理及びパターン認識を用いて、膨大な長さの複合コイル状チュービングにおける変化、摩耗及び欠陥を突き止めて識別する自動検査監視システムに関する。
背景技術
油井掘削の分野では、伝統的な鋼製セグメント化パイプに代わるものとして、コイル状チュービングがますます一般的になっている。従来のドリルストリングは数百の直線状鋼製チュービングセグメントから構成されており、それらは、ストリングが井戸ボア内へと降下されるときに、掘削装置床部へ一緒にねじ止めされる。コイル状チュービングでは、ドリルストリングは一つ以上の連続する長さのコイル状チュービングから構成され、それらは、掘削が進行するときに、一つ以上のドラム又はスプールから引き出されて、掘削装置から井戸ボアへの投入のため一緒に接続される。コイル状チュービングを使用することにより、時間、労力、失敗及び怪我の発生が、掘削プロセスから見られなくなる。
図1は、油井掘削の用途においてコイル状チュービングがどのように使用されるかを簡単に示している。コイル状チュービング100は、リール又はドラム110に保管されている。チュービング100がリール110から引き出されて掘削装置120へ向かうときに、チュービングは均等巻き機構140に取り付けられた一組のガイドローラ130を通過する。均等巻き機構140は、サービスリール110から引き出されるとき、及びサービスリールに巻き取られるときに、コイル状チュービングの位置を制御するのに使用される。チュービングが掘削装置120に接近するときに、最初の接触点は雁首つまりガイドアーチ150である。チュービングガイドアーチ150はチュービングの支持体となり、掘削装置120へ入る前に、チュービングをサービスリールから湾曲範囲を通って案内する。チュービングガイドアーチ150は、チュービングがガイドアーチを移動して投入装置160へ向かうときに、チュービングをセンタリングする一連のローラを含む。投入装置160はチュービングの外側を把持して、井戸ボアへのチュービングの展開及び井戸ボアからの回収のための力を制御自在に提供する。図1に示された掘削装置120は掘削装置を簡単に表したものであることに注意すべきである。当該技術の熟練者であれば、図1には様々な部品が欠けていることに気づくだろう。例えば、充分に作動可能な状態の掘削装置は、クリスマスツリー又は坑口装置で見られるような一連のバルブ又はスプールを含む。このような部品は、明瞭化のため、図1では省略されている。
コイル状チュービングで従来よく見られたものは、例えば、炭素鋼、耐食合金、チタンで構成される金属構造のものである。これらのコイル状チューブは、長さの短いチュービングを連続ストリングへと溶接することにより製造されていた。より近年の設計では、複合材料が取り入れられている。複合コイル状チュービングは、例えば、エポキシ又は樹脂のマトリックス中にガラス繊維、炭素繊維、ポリフッ化ビニリデン(「PVDF」)を含む様々な材料の同心層で構成される。これらの材料は、より軽量で可撓性を有しており、そのために、リール110へ行ったり来たりを繰り返す間に生じる疲労応力を比較的受けにくいため、一般的にコイル状チュービングの用途では望ましい。複合コイル状チュービングは、以前使用されていた鋼製の対応物よりも高い耐久性を有する可能性があるが、やはり時間とともに摩耗及び引裂きを受ける。その結果、摩耗、衝撃、応力又は他の力により生じる欠陥について、コイル状チュービングの状態が定期的に監視されなければならない。
さらに、鋼製コイル状チュービングを検査するのに使用されてきた技術は、複合チュービングに使用される時には適用可能でないか、あるいは比較的効果が低い。例えば、米国特許第5,303,592号及び第5,090,039号にそれぞれ開示された音響及びx線検査技術は、鋼製コイル状チュービングに使用するように考えられたものであった。鋼の密度のため、複合材料よりも金属製のチュービングに対してこれらの検査技術が有益である。別の欠陥検査技術はマニュアル式のチュービングの視覚的検査であるが、定期的に検査されなければならない数千フィートのパイプを考えると、この解決法は全く実用的でない。さらに視覚的検査は人間によるエラーを被りやすい。
結果的に、連続する長さの複合チュービングを検査するために新技術が開発されなければならない。センサ及び接触ゲージは確かにコイル状チュービングを検査するための一つの可能性であるが、このような装置は局所的な欠陥の検出が可能であるにすぎない。例えば、チュービングが井戸へ投入されるか井戸から取り出されるときに、チュービングを連続的に測定するために、チュービングの周囲にセンサが配置される。この構造では、これらのセンサは、センサによって追跡されたラインに沿ったチュービングの外面の監視が可能であるに過ぎない。このタイプの物理的センサの間に欠陥が位置している場合には、欠陥が検出されずに通過することもあり得る。さらに、井戸掘削用途が地中で行われる性質を有するというのは、チュービングに付着した異物や物体が間違った示数又はエラーを発生させてセンサそのものを故障させることがあり得るということである。したがって、このタイプの検査では物理的接触は理想的でない。
非接触検査方法が用いられれば、これらの問題が回避される。考えられる解決法の一つは、チュービングが井戸へ投入されるか井戸から取り出されるときに、チュービングの外側寸法を測定するのにレーザの使用を含む。しかし、点接触センサの場合と同様に、レーザはやはり局所的な測定に限定される。そのため、チュービングの全表面及び全長にわたって表面の欠陥を識別するコイル状チュービングを自動的に検査するためのシステムを開発することが望ましい。検査システムは、亀裂や剥離などの局所的欠陥を検出する非進入方法を提供することが望ましい。さらに、検査システムは、チュービングの外形の変化によって識別される軸方向応力に起因する縮径又は座屈などの大きい欠陥を識別することができなくてはならない。
本発明は、先行技術の欠陥を克服する。
米国特許第5,303,592号明細書 米国特許第5,090,039号明細書 米国特許第6,321,596号明細書 米国特許第6,296,066号明細書 米国特許第6,031,931号明細書 米国特許第6,005,613号明細書 米国特許第5,767,671号明細書 米国特許第5,680,473号明細書 米国特許第5,408,104号明細書 米国特許第5,210,704号明細書 米国特許第4,563,095号明細書 米国特許第3,770,111号明細書
発明の概要
上記の問題は、コイル状チュービングの欠陥を識別するための自動検査システムにより大部分が解決される。検査システムは、パターン認識ソフトウェアを実行するように構成されたコンピュータシステムと、撮像装置の前をコイル状チュービングが通過するときにチュービングの映像を捕捉するように構成された複数の撮像装置とを含む。撮像装置は、CCDカメラ、光ファイバ撮像装置、あるいは他の何らかの適当な撮像装置である。三つの撮像装置がチュービングの軸を中心として相互に120°離間して配置されることが望ましい。
検査システムにより捕捉された画像はコンピュータシステムへ伝達され、パターン認識ソフトウェアが画像を分析し、画像から特徴を抽出し、画像に欠陥が識別された場合には警告表示を発生させる。この警告表示を受けて、コンピュータシステムは、モニタ上のポップアップ式表示又はプリントアウトを含む幾つかのユーザ警告を発する。未認識の特徴の大きさがユーザ指定閾値を超えるかどうかを判断することにより、検査システムは特徴を欠陥と識別する。同様に、システムは、特徴が前に欠陥として認識され、最初の大きさに対するユーザが指定した割合を超えた場合には、特徴を欠陥と識別する。パターン認識ソフトウェアは、さらに、チュービングの外径を測定して、その径がユーザ指定公差範囲外である場合には、警告表示を発生させる。
検査システムは、コイル状チュービングでの位置を識別するのにカウンタ又は深度信号を使用する。パターン認識ソフトウェアにより警告表示が発生された時には、コンピュータシステムはカウンタ信号を読み取り、欠陥が位置するコイル状チュービング上の長手方向位置を識別する。カウンタ信号は、システムを実行可能又は実行不能にするのにも使用される。コイル状チュービングが移動していないか、閾値よりも低速で移動していることをカウンタ信号が示す場合には、検査システムは実行不能となる。逆に、コイル状チュービングが閾値よりも高速で移動していることをカウンタ信号が示す場合には、検査システムが実行可能にされる。
検査システムは映像スタッカをさらに有する。これは、カウンタ信号を用いて、複数の撮像装置から取得された周方向映像を相互に相関させたり、また、コイル状チュービングに沿った長手方向位置と相関させたりするように構成されている。映像は、欠陥の実時間識別のため、コンピュータシステムへ伝達される。システムは複数の撮像装置からの映像を記憶するように構成された映像読取装置を選択的に含む。実行されると、記憶された映像は、後で欠陥を識別するために、コンピュータシステムへ伝達される。
検査システムで使用されるコイル状チュービングは、チュービングの欠陥の環方向位置を識別するための基準として、チュービングの外面上に少なくとも一つの長手方向ストライプを有することが望ましい。さらに、コイル状チュービングは摩耗を示すため予め設定されたカラー層を含む。
本発明の他の目的及び利点は以下の説明から明らかになるであろう。
表記及び術語
特別のシステム構成要素を指すために、以下の説明及び特許請求の範囲を通じて、ある用語が使用される。当業者であれば理解できるように、当業者はある構成要素を異なる名称で指すことがある。この文書は、名称は異なるが機能は異ならない構成要素を区別しようとするものではない。以下の説明及び特許請求の範囲では、「含む(including)」及び「有する(comprising)」という語は非制限的に使用され、そのため、「...を含むがこれに限定されない(including, but not limited to...)」と解釈されるべきである。また、「結合する(couple)」又は「結合する(couples)」の語は、間接的又は直接的な接続を意味するものである。そのため第1装置が第2装置に結合(couple)されている場合、その結合は直接的な結合によるものであっても、他の装置及び結合を介した間接的な電気的結合によるものであってもよい。
さらに、「撮像装置(imaging device)」は、好ましい実施形態を説明するためにビデオカメラとして以下に記載されているが、当業者であれば、写真カメラ、光ファイバ撮像部品、また、おそらくは、赤外線撮像装置など、他の撮像又は画像捕捉装置が、改良検査方法の別の実施形態として適切に構成されることを認識するであろう。
好ましい実施形態の詳細な説明
発明の好ましい実施形態についての詳細な説明のために、添付図面が参照される。
ここに記載された好ましい実施形態は、一般に、コイル状チュービングが井戸へ投入されるか井戸から取り出されるときに、一つ以上の撮像装置を使用して、チュービングの画像及び/又は映像を作成する自動検査システムが開示している。これらの画像は、様々な方法のいずれかでデータを処理する制御センターへ伝達される。画像は、ビデオテープ、コンピュータディスク、他の適当な媒体に記憶される。画像はコンピュータシステムへ伝達され、ここにおいて、コンピュータで動作中のハードウェア及びソフトウェアが映像を捕捉し、第三者画像処理ソフトウェアバンドルの助けを借りて、画像を処理するとともに不要な欠陥などの予め定められたチュービングの特徴について、望ましくは実時間で走査する。好ましい実施形態の全範囲が関連する図2から6と関連させて以下に説明される。
図2を参照すると、好ましい検査システムの主要な要素の幾つかを含む制御センター200が略図の形態で示されている。特に、検査システムはコンピュータシステム210を含む。このコンピュータシステムは、摩耗、パターン、亀裂、剥離、欠陥などのチュービング100の予め特定された特徴を検出することのできる画像処理パターン認識ソフトウェア220を実行するように構成されている。制御センターは、また、コイル状チュービング100の映像を捕捉するのに使用される撮像装置のための電源230及び光源240を含む。好ましい撮像装置については、以下でさらに詳しく述べられる。撮像装置からの映像は制御センターへ戻され、そこで、個別撮像装置からの画像がビデオスタッカ250によって相互に積み重ねられ、コイル状チュービング100上の対応する長手方向及び周方向位置がスタンプされる。位置情報はカウンタ信号を介して提供される。カウンタ信号については、以下で詳述される。スタッカ250の積重ね機能は、コンピュータロジック又は標準的な映像記録装置によって実行され、別々の画像又は映像フィードを単一のフィードへ組み合わせることを伴うか、単純に映像を位置カウンタ情報と相関させることを含む。コンピュータ210又は完全に独立したコンピュータ(図示せず)によって、積重ね機能が実行されることは、確かに可能である。
実時間処理が実行可能でない(コンピュータ処理上の制約のため)か、必要でない場合には、積み重ねられた映像信号は適切な映像記録装置260を用いて記録されることができる。映像記録装置260は、標準的なVHS、SVHS、8mmビデオテープに映像を記録できるアナログ記録装置である。同様に、記録装置は光ディスク上、あるいは、磁気テープ、ディスク又はドライブ上に映像を記憶できるデジタル記録装置である。記録装置260がスタッカ250の映像積重ね機能を実行可能であることにも注意すべきである。
さらに、好ましい実施形態によれば、検査プロセスは、撮像装置から実時間で、あるいは、映像記録装置260に記録された媒体から、映像をコンピュータ210へ伝達することを必要とする。コンピュータシステム210は、パターン認識ソフトウェア220によって認識可能な入力映像信号から画像を生成するためのフレーム獲得装置(frame grabber)270又は他の適当な映像ボードを有することが望ましい。信号をコンピュータへ伝達するための手段、つまり、使用されるケーブルやコネクタのタイプは、採用される特別のハードウェアに左右される。したがって、Toslink光ファイバ、SPDIF、又はアナログRCAケーブルなどの業界規格の映像送信ケーブル布線がこの作業に適している。
好ましい実施形態で実行される好ましいパターン認識ソフトウェアの一つは、Amerinex Applied Imagingが開発に一部携わったAphelionTM(商標名)画像分析システムである。AphelionTM(商標名)ソフトウェアパッケージは、形態、セグメント化、フィルタリング、エッジ検出、測定を含む様々な標準的画像分析機能を実行できる。そのうえ(そして、おそらくより重要なことに)、このソフトウェアは上記の機能から収集した情報を用いたパターン認識及び分類作業を実行できる。ソフトウェアは、二進法及びファジー理論を用いて、画像から抽出された情報がどのように解釈されるべきかについての規則を作成する。これらの規則は、グラフィックユーザインタフェースを介して作成及び変更される。したがって、人間による決定プロセスを模倣した分類決定を行うために、多数の規則が組み合わせることができる。ソフトウェアパッケージの別の利点は、調整集合をあまり大きくする必要のないことである。最も一般的な統計的ニュートラルネットワークパターン認識ルーチンでは、広範囲の調整集合を必要とする。したがって、好ましい実施形態のオペレータは、検出されるべき代表的特徴(例えば、ある大きさの摩耗、亀裂、剥離、変色)、あるいは、無視されるべき特徴(例えば、製造者のマーキング又は小さな欠陥)を有する多数のサンプル画像を提供するだけでよい。
調整が済んで作動可能となると、パターン認識ソフトウェア220は入力画像を監視して、画像から特徴を抽出し、これらの特徴が通知されるべき欠陥であるかどうかを判断することができる。このような欠陥が発見されると、ソフトウェアは割込みを発生させるか、あるいは、欠陥が検出されたことをコンピュータ作動システム又はプロセッサに通知することができる。コンピュータ210は、次に、システムオペレータに欠陥について注意を促すための警告280を発する。検査が実時間で行われる場合には、注意はコンピュータスクリーン上の警告メッセージであるか、又は、コンピュータが点滅灯の点灯など、より重要な警告事象を開始させるか、コイル状チュービング投入装置160又はコイル状チュービングに接続された地中モータ又は地中推進システムの運転停止を強制することさえある。様々な警告技術のいずれもが使用可能である。他方、検査が処理後事象として行われる場合には、ポップアップウィンドウ、出力ログ、プリンタ出力など、より抑制された警告方法が使用される。いずれの場合にも、警告は、欠陥が発見された画像のコピーを表示することが望ましく、さらに、チュービングに沿った欠陥の正確な座標及び位置を示すための長手方向位置又は深度値を含むことが望ましい。この特徴によって、オペレータは、画像を見て、欠陥が実際に問題であるかどうかを判断できる。しかし、画像が決定的なものでない場合には、深度値により、オペレータはチュービングの欠陥を突き止めて、手動で欠陥を検査できる。
図3を参照すると、撮像装置の構造が示されている。図3は好ましい実施形態によるコイル状チュービングリール110を図示している。リールは、井戸のボア穴への展開のため巻かれた或る長さのコイル状チュービング100と、リール110に巻き取られたりリールから引き出されるときにチュービングを位置決めするためのガイドローラ130を有する均等巻き機構140とを有する。さらに、均等巻き機構140のガイドローラ130に近接して、多数の撮像装置300が配置されている。撮像装置300は、チュービングがガイドローラ130を通過するときに、チュービング100の映像を捕捉及び送信するように構成されていることが望ましい。これらの画像は、さらなる処理のため、映像ケーブル310を介して制御センター200へ伝達される。長くて扱いにくいケーブルに代わるものとして、映像信号はRF受信機又は他の無線手段を介して制御センター200へ伝達される。撮像装置300へ電力及び/又は照明を提供するために、追加ケーブル320が設けられている。
撮像装置300から捕捉された画像をチュービング100上の位置とうまく相関させるために、カウンタ信号330が映像信号とともに制御センター200へ伝達される。カウンタ信号は、撮像装置を通過したチュービングの長さをデジタル表示するものであっても、あるいは、チュービングがリール100から引き出されるときのガイドホイール130の回転速度を表してもよい。後者の構造では、長手方向深度位置を撮像装置300によって捕捉された画像と相関させるために、ホイールの回転速度が時間とともに検査処理システムに組み込まれる。当業者であれば認識できるように、画像と位置とを相関させる他の方法が確かに可能である。例えば、別の実施形態では、図3に図示された位置以外の位置においてカウンタ/深度測定値を発生させることができる。
制御センター200でカウンタ情報を監視することの別の利点は、検査システムが完全に自動化されることである。つまり、コンピュータシステム210は、チュービングが移動中であることをカウンタ信号が示す場合のみ、入力映像信号の監視を開始するように構成される。逆に、チュービングが移動していない場合(又は、低い閾値よりも低速でチュービングが移動している場合)には、検査システムはアイドリング状態すなわち実行不能となり、それによって、撮像装置へ電力及び/又は光線信号を連続的に送信する必要が無くなる。検査システムを実行不能にすることは、また、二重画像を捕捉する可能性を有利に無くす。
カウンタ情報は、リール110(リール回転に基づく)又は投入装置160(チュービング供給速度に基づく)など、他の位置からも得られる。いずれの場合にも、チュービングの最高速度は、検査システムが各装置300から毎秒3から5の画像を捕捉及び処理できるように、毎時2500フィート(〜毎秒8.3インチ(21.0cm))であるべきと考えられる。当然、これらの値は目標値であり、検査システムがチュービングの全長にわたって欠陥を充分に識別できるかぎり、変更が可能である。
撮像装置300は、様々な製造業者のいずれかから容易に入手できる電荷結合素子(「CCD」)カメラであることが望ましい。標準的なCCDカメラ及びバックライト付CCDカメラの両方がこれら画像を捕捉する目的に充分である。さらに、画像捕捉装置は凝視(staring)又は走査の多様性のあるものである。さらに、カメラはアナログ又はデジタル映像信号を送信できるが、デジタルCCDは640×480画素の最低解像度を必要とし、1画素当たり8ビットのカラー又はグレースケール深度を有すると思われる。好ましい実施形態では、CCDカメラが採用されているが、CMOS画像センサカメラ又は赤外線撮像装置など他の幾つかの撮像装置も、コイル状チュービングの画像を捕捉するという所期の目的のために作用すること考えられる。
説明した光導電性の撮像装置の別の例として、光ファイバ撮像装置もコイル状チュービング100の映像を作成するのに利用できる。この別の実施形態では、照明光線及び捕捉された画像が移動する光ファイバケーブルは、チュービング100から延びて制御センター200へ戻る。この構造により、撮像装置300に電力を伝える必要性が無くなるという利点が得られる。これは、光源及び画像収集装置が、制御センター200に、望ましくは、画像処理コンピュータ210及び映像記憶装置260に近接して配置されているためである。
好ましい検査システムは、一日のうちいかなる時にも様々な天候条件下で作動しなければならないと考えられる。したがって、撮像装置300には一体化された光源が設けられることが望ましい。また、補助光源が各撮像装置に結合されていてもよい。さらに別の例は、(撮像用でない)光ファイバケーブルによって光線を供給することである。光ファイバ光源は、白熱光又はハロゲン光(つまり、電球)光源よりも望ましい。なぜなら、後者では光源を点灯させるのに付加的な電源を必要とするからである。これは、光ファイバ照明システムが同じ電力要件を有さないということではなく、単に、この電源が制御センター200などの遠隔の環境的に安全な容器に配置される光源に設けられるだけでよいということである。光ファイバケーブルは、光源から撮像装置300まで受動的に光線を伝達し、チュービング100を照明する。さらに、すべての撮像装置300のチュービング100を照明するために、共通の光ファイバ光源が使用できる。耐候性の要件を満たすため、撮像装置300及び光源は耐候性で防爆形及び/又は飛散防止設計の容器(図2には明示されていない)に収容することもできる。
図4を参照すると、好ましい実施形態によれば、検査システムにおいては図のような三つの同一の撮像装置300を含むことが望ましい。撮像装置300は、方位角方向に相互に120°離間して配置され、コイル状チュービングの中央長手軸を中心とすることが望ましい。撮像装置とチュービング100の長手軸との間の距離は、撮像装置300の光学装置の焦点距離によって必然的に決定され、焦点の合ったチュービングの画像が撮像装置の窓の大部分を占めるようにされることが理想的である。この構造では、各個別撮像装置300は、チュービングが撮像装置を通過するときに、チュービングのおよそ3分の1の画像を捕捉する。各撮像装置は、現実的には、チュービング100の片側(つまり、半分)を「見ている」が、画像の縁はチュービングの曲率と動きのため歪む。結果的に、好ましい構造では、個別の撮像装置300によって捕捉される画像は重複して、画像のエッジにある欠陥は、二つでないとしても、少なくとも一つの撮像装置によって検出されるという確実性のための何らかの手段が設けられる。同じ論理から、四つ以上の撮像装置であればチュービングの欠陥が見つかる確実性がより高くなると推定される。不都合なことに、映像又は画像が追加されると、コンピュータハードウェア又はソフトウェアに対する処理要件が追加される。したがって、画像処理又は記憶システムの容量を超えないかぎり、システム信頼性の点では、「多いほど良い」というアプローチが一般的に当てはまる。
図3及び4に示されるように、撮像装置の長手方向位置は、撮像装置の各々について同じであることが望ましい。これは、他の要因に加えて、スペース及びパッケージングの問題によるものであるが、撮像装置が互い違いの構造で配置できないという理由はない。互い違いの構造により、撮像及び処理機能を並列にではなく直列に行うことができ、それにより、パターン認識ソフトウェアが一度に1画像以上の処理が不可能である場合には、ある種の救済手段となる。しかし、上述したように、好ましい実施形態は積重ね機能も組み込んでおり、画像が組み合わされ、カウンタ値と相関されて、システムにより通知された欠陥の位置を正確に識別する。そのため、好ましい構造はこの積重ね機能によく適している。
図4をさらに参照すると、上述したように、撮像装置300の各々はチュービング100の二分の一の像を捕捉する。チュービング100及び撮像装置300が制約されるとすると、画像は撮像装置300の視線に対して垂直な方向におけるチュービングの外径の量的測定を好都合に行う。事実、特徴測定は好ましいパターン認識ソフトウェア220が実行する機能である。したがって、欠陥認識に加えて、検査システムは、また、幾つかの位置(つまり、各撮像装置300について一つの位置)におけるチュービングの直径全体を測定することができる。複合チュービングの張力及び圧縮がチュービング100の構造に影響していないことを確認するために、これらの直径測定は、上下の公差に対してコンピュータシステム210によってチェックされることが望ましい。
図4Aは、好ましい実施形態による代表的なコイル状チュービングの詳細な断面図を示す。コイル状チュービングは、不透過性のPVDF400の内張りに始まる様々な材料の同心層を含む。次の層は、ガラス繊維410及び430を各側の境界とする炭素繊維420で構成される。別の不透過性のPVDF層440が続き、最外の摩耗層450は別のガラス繊維層である。この摩耗層の厚さは、16分の1インチ(1.59mm)であることが望ましいが、他の厚さでももちろん許容可能である。最外のPVDF層440は外側の摩耗層450とは明確に異なるカラーであることが望ましい。好ましい実施形態では、摩耗層は主として灰色であり、その下のPVDF層は明るい白色である。色の対照的な違いによって、検査システム及びオペレータは、剥離又はその他の力により摩耗層が摺り切れた時を文字通り「視認」する。パターン認識ソフトウェアは、図5に示されるように、対照領域として表れるこの色の対照を好ましくは識別する。
図5は、チュービング100の代表的部分の等角図を示す。好ましいチュービング検査システムは、図5に示されたタイプの特徴を認識及び通知するように構成されている。つまり、略円形の特徴500は摩耗、大きい穴、又はその他の何らかの欠陥の領域を表す。欠陥500は、また、摩耗層450の下にある層440の対照色(contrasting color)を表す。検査システムは大きさがほぼ1平方インチ(6.45cm2)であるこのタイプの特徴を通知すると考えられる。しかし、上述したように、この閾値はユーザが調整可能な閾値として組み込まれる。
図5は、また、好ましい実施形態により検出される代表的な亀裂510を示している。複合コイル状チュービングの最外層は、主として螺旋形状である繊維を含むことが望ましい。したがって、外層に現れる多くの亀裂は、おそらく、層450を構成する繊維の分離に起因して、この螺旋方向に見られる。図5に見られる亀裂510はこの種の傾斜亀裂を表す。上述した略円形の欠陥500の場合のように、検査システムは、予め設定された調整自在な閾値よりも大きい亀裂を検出するように構成されることが理想的である。例えば、検査システムは、望ましくは、幅0.03インチ(0.76mm)、長さ0.50インチ(12,7mm)よりも大きい亀裂を検出するべきである。
図5に見られるような好ましくない欠陥500,510を検出することは好ましい実施形態の望ましい目的であるが、製造表示又は模様などの欠陥でないことが分かっている特徴を無視することも同じように望ましい。そのため、好ましい検査システムのユーザは、パターン認識システムを形成して、英数字530、あるいは異なる色であるか明確な模様を有するストライプ550,560などの他の既存特徴を無視するための規則を設定すると好都合である。
コイル状チュービング100上の長手方向ストライプ550,560は、好ましい検査システムについて考えられる別の特徴のために含まれている。この点について、好ましい実施形態に関する説明では、パターン認識ソフトウェア220は、撮像装置300によって捕捉された画像から特徴を抽出し、1)特徴が欠陥であるかどうかを判断し、欠陥である場合に、2)欠陥の大きさをユーザ決定による閾値と比較する。しかし、欠陥の画像を同じ欠陥についての前の画像と比較して、欠陥の大きさが変化しているかどうかを判断することも望ましい。この特徴を組み込むために、特徴の周方向位置を判断する何らかの方法が必要である。このため、チュービングの外面には、コイル状チュービングの全長にわたって、ストライプ550,560が刻印されている。ストライプ550,560は、色、厚さ、又は模様によって区別可能であることが望ましい。これらストライプの利点は、チュービング100が井戸への投入及び井戸からの取り出しのときに回転するという事実から生じる。結果的に、該当する特徴が次の画像の異なる位置に常に表れる。ストライプによって与えられるような規準がなければ、欠陥は正しく認識されない。
図5に関する例を挙げると、撮像装置300の一つは、コイル状チュービングが均等巻き機構140を通って井戸へ移動するときに、チュービング100の映像を捕捉する。画像捕捉装置は凝視又は走査の多様性のあるものである。映像は、コイル状チュービングが地中へ移動するときに、チュービング100の長手方向に沿った所与の時点におけるコイル状チュービング100の小セグメントの画像を捕捉するスチール写真又はフィルムフレームのようなものであることが理解されるべきである。撮像装置300は毎秒15から20枚以上の映像を捕捉し、チュービング100は毎秒約8インチ(20.3cm)以下の速度で均等巻き機構140を通過することが望ましい。したがって、撮像装置は、チュービング100が撮像装置100を通過するときに、この8インチの長さのチュービング100について15〜20枚の画像を捕捉する。検査システムは、これら画像のうち3から5枚のみを検査用に処理することが望ましい。撮像装置300はアナログ又はデジタル映像信号を伝達するが、デジタルCCDは640×480画素の最低解像度で画像を生成するのに使用され、1画素8ビットのカラー又はグレースケース深度を有すると考えられる。アナログ撮像装置300が使用される場合には、画像パターン認識ソフトウェア210への伝達のために、コンピュータ210のフレーム獲得装置270又は他の画像捕捉装置は、この同じ解像度及びカラー深度で画像を形成すると考えられる。記憶及び処理の容量によって定められる制限をともなって、より高い解像度及びカラー深度を有する画像を使用することもできる。
好ましくは、映像撮像装置300によって捕捉されたチュービングセグメントについて、チュービング100の縦座標が決定される。縦座標を知ることにより、捕捉された映像のチュービングセグメントが、その後の検査及び検討のために、後で識別される。3から5枚の捕捉映像により記録されたチュービングのセグメントを正しく位置決め及び識別する様々な手段によって、チュービングの縦座標が決定される。好ましい方法の一つは、カウンタ信号と捕捉された映像とを相関させることである。カウンタ信号は、一般的に、ボア孔に延在するコイル状チュービングの長さを連続して判断するための周知の手段によって生成される。このカウンタ信号は、捕捉された映像を提供するチュービングセグメントの縦座標を提供する。カウンタ信号330は映像信号とともに制御センター200へ伝達されて、撮像装置を通過したチュービングの長さのデジタル表示を提供する。また、縦座標は、後述するように、チュービングがリール110から引き出されるときのガイドホイール130の回転速度によって決定される。さらに別の方法は、均等巻き機構140を通過するチュービングの速度と、撮像装置300によるチュービング100の映像取得速度とを相関させることである。さらに別の方法は、チュービング100の捕捉映像の縦座標を決定するのに、後述するようなチュービングのストライプを使用することを含む。当業者であれば認識できるように、画像と位置とを相関させる他の方法ももちろん可能である。
撮像装置300からの映像は制御センターへ伝達され、そこで、撮像装置300からの映像が映像スタッカ250によって相互に積み重ねられ、コイル状チュービング100上の対応する長手方向位置がスタンプされるか、又は他の方法で識別される。位置情報は、カウンタ信号を介して提供される。スタッカ250の積重ね機能は、映像を位置カウンタ情報と相関させるために、コンピュータ論理又は何らかの標準的な映像記録装置により実行される。コンピュータ210又は完全に独立したコンピュータ(図示せず)によって積重ね機能を実行することはもちろん可能である。映像は、撮像装置300から実時間で、あるいは、映像記録装置260に記録された媒体からコンピュータシステム210へ伝達される。コンピュータシステム210のフレーム獲得装置270又は他の何らかの適当な映像ボードは、パターン認識ソフトウェア220によって認識可能な入力映像信号から画像を形成する。
コンピュータシステム210は、画像処理パターン認識ソフトウェア220を実行するように構成されている。画像処理パターン認識ソフトウェア220は、画素及び位置情報とともに各捕捉画像を受け取り、形態、セグメント化、フィルタリング、エッジ検出、測定を含む画素情報に対する様々な標準的画像分析機能を実行する。さらに、このソフトウェアは、上記機能から収集された情報を用いて、パターン認識及び分類の作業を実行する。
画像処理パターン認識ソフトウェア220は、チュービング100上の予め設定された特徴を分析、認識、分類するようにプログラムされている。ソフトウェアは、二進法及びファジー理論を用いて、捕捉された画像から抽出された情報をどのように解釈すべきかについての規則を形成する。これらの規則は、グラフィックユーザインタフェースを介して作成及び変更される。限定的ではなく一例として挙げると、画像処理パターン認識ソフトウェア220は、摩耗、亀裂、模様、剥離、色、変色、寸法、欠陥などのチュービングの特徴を分析、認識、分類して、製造者のマーキングなどの特徴は無視するようにプログラムされている。画像処理パターン認識ソフトウェア220は、これらの予め設定された特徴を検出するだけでなく、画像処理パターン認識ソフトウェア220が最小の予め設定された寸法集合を有する特徴のみを報告するように、これらの特徴の大きさを認識及び分類できる。画像処理パターン認識ソフトウェア220は、また、チュービング100の径の変化をその全長にわたって判断し、例えば、摩耗の表示を与える。
画像処理パターン認識ソフトウェア220は、入力捕捉画像を監視し、画像を分析及び分類してから、画像から予め設定された特徴を抽出する。欠陥である特徴は、割込みを発生させることによって、あるいは、欠陥が検出されたことをコンピュータ作動システム又はプロセスに他の方法で知らせることによって通知される。コンピュータ210は、次に、システムオペレータに欠陥について注意を促すための警告280を発する。検査が実時間で行われる場合には、注意はコンピュータスクリーン上の警告メッセージであるか、又は、コンピュータが、点滅灯の点灯など、より重要な警告事象を開始させるか、おそらくは、コイル状チュービング投入装置160又はコイル状チュービングに接続された地中モータや地中推進システムの動作停止を強制するなどする。様々な警告技術のいずれもが使用可能である。他方、処理後事象として検査が行われる場合には、ポップアップ式ウィンドウ、出力ログ、プリンタ出力など、より抑えられた警告方法が使用される。いずれの場合にも、警告は、欠陥が発見された画像のコピーを表示し、さらに、チュービング上の欠陥の正確な座標及び位置を示す長手方向位置又は深度値を含むことが望ましい。この特徴によって、オペレータは画像を見て、欠陥が実際に心配すべきものであるかどうかを判断できる。しかし、画像が決定的でない場合には、深度値によってオペレータはチュービング上の欠陥を突き止めて、手動でこの欠陥を検査することができる。
上述したストライプ550,560及び深度カウンタ値が欠陥の成長を監視するのにどのように利用されるかの一例が、図6に示されている。図6は、異なる時に取得されたチュービング100の同じ欠陥についての2枚の画像を表すものである。各画像は、上述したように、3枚の撮像装置300によって撮影されたチュービング100全体を表す「積重ねられた」画像又は組合せ画像である。したがって、実際の画像は、図示された1枚の画像又は3枚のサブ画像によって表される。図6に示された画像については、垂直軸は深度カウントを表し、水平軸はチュービングの周方向位置を表し、座標を形成している。ストライプ550の一つは、チュービング100上の周方向位置の始点を意味することが留意される。左側の画像では、検査時点で欠陥600の警告が発せられているが、それは、その大きさがユーザ指定閾値を超えたからである。しかし、さらに視覚的検査をしたところ、オペレータは、亀裂の性質は表面的なものであるが、さらに監視するに値すると分類し得る。その結果、欠陥は、欠陥を識別する主要情報(例えば、大きさ及び位置)とともにコンピュータシステム210に記憶される。欠陥600は、その後、連続的して何回も監視されるが、欠陥が最初の大きさのある割合を超えないかぎり、警告は発せられない。しかし、留意される点は、次の回(右側の画像)で、欠陥610は成長しているだけでなく、画像内の別の位置にあることである。深度及び周方向位置座標情報がなければ、おそらく、欠陥は前に通知された欠陥として識別されないであろう。
上述したように、チュービング100の外面全体を完全にカバーして監視するには、三つの撮像装置300を使用することが好ましい。一つの撮像装置はチュービング100の一方の180°側のみの画像を捕捉し、画像上に現れるチュービングのエッジは、エッジでのチュービングの曲率により歪曲される。したがって、撮像装置300は、この歪みを克服してコイル状チュービング100の全面を完全にカバーするように、方位角方向に相互に120°離間して配置されて、チュービング100の中央長手軸を中心とされることが望ましい。三つの撮像装置100が120°離間して配置されるが、チュービング100の180°の側面の画像が捕捉されると、捕捉された画像の境界には重複が生じる。前に述べたように、ストライプ550は、画像の重複が必要に応じて識別及び消去されるように、チュービング100の画像における周方向の基準となる。例えば、チュービング100の360°の視界は、3枚の画像を組み合わせて重複を無くすことによって生成される。より詳しく述べると、ストライプによって、異なる時点で収集されたチュービング100の異なる回の撮像が比較される。それは、長手方向及び周方向座標の両方が所定のチュービングセグメントの各捕捉画像について提供されるからである。
したがって、上記実施形態は、連続する長さのコイル状チュービングにわたって欠陥を識別するために、画像パターン認識及び分類を用いた完全に自動的な欠陥検査システムを開示している。上記説明は、本発明の原理及び様々な実施形態を説明することを意図している。上記の開示が完全に理解されれば、多数の変更及び変形が当業者に明らかとなるであろう。例えば、説明では油井掘削で一般的に使用される複合コイル状チュービングの検査を中心としているが、金属製チュービングを含めて他の材料で構成される連続する長さのチュービングを検査するのに好ましい検査システムを使用することももちろん可能である。さらに、上に開示された発明は、油井掘削以外の用途で使用されるチュービングの初期の品質管理又は実地検査への拡張が可能である。添付の特許請求の範囲は、これらの変更及び変形をすべて包含すると解釈されるものとする。
発明の好ましい実施形態が図示及び説明されたが、当業者あれば発明の趣旨を逸脱することなくその変形が可能であろう。
従来のコイル状チュービング保管リール及び掘削装置を通って井戸ボアへと延びるコイル状チュービングを示す図である。 撮像装置からのチュービング画像を制御及び処理することのできる自動チュービング検査制御センターの好ましい実施形態を示す図である。 均等巻き機構に配置された撮像装置の好ましい位置を示すコイル状チュービング保管リールの側面図である。 好ましい実施形態の撮像装置によって監視される好ましいコイル状チュービングの断面図である。 好ましいコイル状チュービングの詳細な断面図であって、チュービングの様々な層を示す図である。 好ましい実施形態で使用するためのコイル状チュービングの代表的部分の斜視図である。 異なる時点で取得されたチュービングの同じ欠陥の2枚の画像を示す図であって、コイル状チュービングのストライプがどのように周方向の基準として用いられるかを示す図である。

Claims (43)

  1. 井戸に使用されるコイル状チュービングのための検査システムであって、
    コイル状チュービングが井戸に使用されるときに、そのコイル状チュービングのセグメントの映像信号を記録する撮像装置と、
    映像信号をプロセッサへ伝達する導体と、
    映像信号からチュービングセグメントの画像を生成する画像獲得装置と、
    画像を分析してチュービングセグメントの予め設定された特徴を検出するためのプロセッサのプログラムと、
    を有するシステム。
  2. チュービングセグメントの縦座標を形成するための手段をさらに含む請求項1に記載のシステム。
  3. チュービングの縦座標がチュービングセグメントの画像にスタンプされる請求項2に記載のシステム。
  4. 映像信号が640×480画素の最低解像度を有し、一画素8ビットのカラー又はグレースケール深度を有する請求項1に記載のシステム。
  5. 画像を積み重ねる映像スタッカをさらに含む請求項1に記載のシステム。
  6. プロセッサが、画像に示されたチュービングセグメントの予め設定された特徴を認識及び分類するようにプログラムされている請求項1に記載のシステム。
  7. 予め設定された特徴が、摩耗、亀裂、模様、剥離、色、変色、寸法のうち一つ以上を含む請求項1に記載のシステム。
  8. 予め設定された特徴がチュービングの直径を含む請求項1に記載のシステム。
  9. プロセッサが、チュービングの欠陥を検出することによって信号を発生させ、その欠陥についての警告を発する請求項1に記載のシステム。
  10. 自動欠陥検査システムで使用するためのチュービングであって、
    外側摩耗層と、
    その摩耗層の下の対照層と、
    を有し、
    外側摩耗層が摩耗した場合に、対照層がチュービング上の対照特徴として目に見えるようになるチュービング。
  11. チュービングの長手軸と平行に外側摩耗層上に配置された少なくとも一つのストライプをさらに有する請求項10に記載のチュービング。
  12. 複数のストライプが外側摩耗層に配置された場合に、それらのストライプが個別に識別可能である請求項11に記載のチュービング。
  13. 検査システムであって、
    チュービング壁を形成する繊維の層を有する複合コイル状チュービングと、
    長手方向ストライプを有する最外層と、
    コイル状チュービングが撮像装置の前に現れるときに、コイル状チュービングのセグメントの映像信号を記録する撮像装置と、
    撮像装置からの映像信号を受け取るプロセッサと、
    映像信号を分析してチュービングセグメント上のストライプを検出するためのプロセッサのプログラムと、
    を有する検査システム。
  14. チュービングが予め設定されたカラーを有する少なくとも一つの外層を有し、プログラムが映像信号を分析してチュービングセグメント上の予め設定されたカラーを検出する請求項13に記載のシステム。
  15. コイル状チュービングの欠陥を識別するための自動検査システムであって、
    パターン認識ソフトウェアを実行するように構成されたコンピュータシステムと、
    コイル状チュービングが撮像装置の前を通過するときに、そのチュービングの映像を捕捉するように構成された複数の撮像装置と、
    を有し、
    画像がコンピュータシステムへ伝達され、パターン認識ソフトウェアがその画像を分析し、その画像から特徴を抽出し、画像に欠陥が識別された場合に表示を発生するようになっている検査システム。
  16. 撮像装置が光ファイバ撮像装置である請求項15に記載の検査システム。
  17. 複数の撮像装置が三つのCCDカメラから構成されている請求項15に記載の検査システム。
  18. コイル状チュービング上の位置を識別するカウンタ信号をさらに有し、
    コンピュータシステムは、カウンタ信号を読み取って、欠陥が位置するコイル状チュービングに沿った位置を識別するようになっている請求項15に記載の検査システム。
  19. コイル状チュービングが移動していないか、又は、閾値より低速で移動していることをカウンタ信号が示す場合には、検査システムが実行不能である請求項18に記載の検査システム。
  20. コイル状チュービングが閾値より高速で移動していることをカウンタ信号が示す場合には、検査システムが実行可能である請求項18に記載の検査システム。
  21. 映像スタッカをさらに有し、その映像スタッカは、カウンタ信号を用いて、複数の撮像装置から取得された映像信号を相互に相関させたり、また、コイル状チュービングに沿った長手方向位置と相関させたりするように構成されている請求項18に記載の検査システム。
  22. 欠陥の実時間識別のために、映像がコンピュータシステムへ伝達される請求項15に記載の検査システム。
  23. 映像記録装置をさらに有し、その映像記録装置は、その後の欠陥識別のために、複数の撮像装置からの映像を記憶するように構成されている請求項15に記載の検査システム。
  24. コイル状チュービングが、チュービングの特徴の環方向位置を識別するための基準として、そのチュービングの外面上に少なくとも一つの長手方向ストライプを有する請求項15に記載の検査システム。
  25. パターン認識ソフトウェアが、チュービングの外径をさらに測定し、その径がユーザ指定の公差範囲外である場合に表示を発生する請求項15に記載の検査システム。
  26. なし
  27. 自動チュービング検査システムに使用するためのコンピュータシステムであって、
    プロセッサと、
    少なくとも一つの出力装置と、
    映像信号を受け取って映像入力から連続画像を形成するように構成された入力装置と、
    画像を読み取って、それらの画像から特徴を抽出し、その特徴の大きさをユーザ設定の閾値と比較するように構成されたパターン分類ソフトウェアプログラムと、
    を有し、
    特徴の大きさがユーザ設定の閾値に包含されないことをパターン分類ソフトウェアが判断した場合には、欠陥が位置していることを示す割込みをそのソフトウェアが発生させるようになっているシステム。
  28. 入力画像が取得された位置を示す位置データを受け取るための入力をさらに有し、
    パターン分類ソフトウェアが警告割込みを発生させるとき、コンピュータシステムが、欠陥及び対応する位置データとを含む画像を出力装置へ伝達するようになっている請求項27に記載のコンピュータシステム。
  29. 出力装置がプリンタである請求項28に記載のコンピュータシステム。
  30. 出力装置がモニタである請求項28に記載のコンピュータシステム。
  31. パターン分類ソフトウェアが、望ましくない欠陥を認識して無害の特徴を無視するように設定される請求項28に記載のコンピュータシステム。
  32. 連続する長さのコイル状チュービングの欠陥を識別する方法であって、
    複数の撮像装置の前を連続する長さのコイル状チュービングを通過させる段階と、
    撮像装置でチュービングの外周の画像を捕捉して、それらの画像をプロセッサへ伝達する段階と、
    プロセッサにより画像を受け取って、そのプロセッサで実行中のコンピュータビジョンソフトウェアにそれらの画像を入力する段階と、
    コンピュータビジョンソフトウェアで画像を処理する段階と、
    チュービングの予め設定された特徴を識別する段階と、
    を有する方法。
  33. チュービングに欠陥を検出したときに、警告事象を開始させる段階をさらに含む請求項32に記載の方法。
  34. 通過させる段階が、コイル状チュービングが保管リールに巻き取られたり保管リールから引き出されるときに、そのチュービングをガイドローラ機構に案内する段階と、複数の撮像装置の窓をガイドローラ機構に近接させて配置する段階とを含む請求項32に記載の方法。
  35. プロセッサへ深度カウンタ値を伝達して、画像が取得されたチュービング上の位置を識別する段階と、
    特徴の画像を表示する段階と、
    をさらに有する請求項32に記載の方法。
  36. チュービングの欠陥の位置を表示する段階をさらに含む請求項35に記載の方法。
  37. チュービングの外径上に配置された少なくとも一つの長手方向ストライプによって確立される環方向基準に対して予め設定された特徴の環方向位置を特定する段階と、
    予め設定された特徴の環方向位置を表示する段階と、
    を有する請求項32に記載の方法。
  38. 撮像装置を作動させるための電力を伝達する段階と、チュービングを照明するために光線を伝達する段階とをさらに有する請求項32に記載の方法。
  39. チュービングが巻かれるリールに結合された均等巻き機構上に撮像装置が配置されている請求項32に記載の方法。
  40. 画像の処理に先立って、それらの画像を記録媒体に記憶する段階をさらに有する請求項32に記載の方法。
  41. 深度カウンタ値とともに画像を記憶する段階をさらに有する請求項40に記載の方法。
  42. 未認識の特徴の大きさがユーザ設定の閾値を超えるかどうかを判断することによって、特徴を欠陥として識別する段階をさらに有する請求項32に記載の方法。
  43. 前に認識された欠陥の大きさがユーザ設定の最初の大きさに対する割合を超えたかどうかを判断することによって、特徴を欠陥として識別する段階をさらに有する請求項32に記載の方法。
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