JP2005512042A - 粒子インピーダンスセンサ - Google Patents

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Abstract


インピーダンスセンサを用いて粒子を分析する装置および方法。フロー・スルー・インピーダンス・センサは、逆位相で駆動される2つのインライン電極を使用する。共通のセンサ電極を用いて、たとえば、インピーダンスを検出し、センサ領域を通じて軌跡を測定することができる。このセンサは、位置、速度、サイズ、濃度などの粒子特性を判定すると共に、細菌の胞子ならびに場合によっては戦争および生物テロで使用されるその他の生物剤の検出するマイクロ流体装置との使用を含むが、それに限らない様々な用途に用いることができる。

Description

発明の背景
政府は、以下の助成金、すなわち、連邦国防高等研究計画局、海軍研究局(Defense Advance Research Projects Agency, Office of Naval Research)、契約番号 N6601-97-C-8608、米国がん研究所(National Cancer Institute)、1 R21 CA88364-01、および連邦国防高等研究計画局、陸軍研究局(Defense Advance Research Projects Agency, Army Research Office)、No. DAAD10-00-1-0515に従って本発明の権利を所有することができる。
発明の分野
本発明は、概して流体処理およびセンサ技術に関する。特に、本発明は、マイクロ流体環境において粒子特性を検知する様々な装置および方法に関する。特に、本発明は、粒子のマイクロ流体インピーダンス検知に関する新規の技術に関する。
関連技術の説明
従来のインピーダンスベースの粒子の検知は、粒子の数および粒径を求める方法として十分に受け入れられており、臨床研究所および獣医学研究所において血液、細胞懸濁液、およびその他のサンプルの分析に広く適用されている。この技術では、使用時に、計数すべき粒子が懸濁させられたキャリア流体が、通常膜の穴からなる小容積のチャネルを通過させられる。粒子がチャネルを通過する際、膜の各側のキャリア流体に浸漬された電極同士の間の電流の流れが摂動させられる。回路内の電極を駆動する電子機器は、粒子がチャネルを通過する際にこの電気的摂動を検出し、粒子の粒径に関する情報をこのような信号の特性から推論することができる。チャネル内の粒子の存在による電気的摂動の強度は概ね、粒子の体積とチャネルの容積との比と、チャネルを通過する電流の大きさとに依存する。計量された体積の懸濁媒体がチャネルを通して引き込まれる際に起こる電気的イベントを計数し、次いでこの計数値を体積で割ることによって、サンプル中の粒子の濃度が求められる。
インピーダンスを使用する様々なセンサが開発されている。米国特許第5,683,569号は、参照として本明細書に組み入れられており、検知材料と、隙間によって電極から分離されたチャネルを含むインピーダンスセンサを用いて化学物質を検知する方法を開示している。表面電位を電気インピーダンスと比較することによって、化学種が存在するかどうかを判定することができる。表面電位を用いて低濃度の粒子を検出することができ、抵抗を用いて高濃度の粒子を検出することができる。
国際公開公報第9804355号は、参照として本明細書に組み入れられており、一連の異なる周波数誘電泳動電界を受けたチャンバ内の粒子の振舞いを判定する方法を開示している。電気的測定を用いてインピーダンスの変動が検出される。
米国特許第6,149,789号は、参照として本明細書に組み入れられており、インピーダンスセンサからのフィードバックを用いて粒子を操作する方法を開示している。米国特許第6169394号は、参照として本明細書に組み入れられており、マイクロ分析システムにおいてサンプルを電気的に検出するインピーダンスセンサを開示しており、少なくとも1対の電極を用いてマイクロチャネル内のサンプルの導電率またはインピーダンスが検出される。インピーダンスセンサは、各々が参照として本明細書に組み入れられる米国特許第6,084,503号、5,569,591号、および第5,580,435号にも開示されている。
このような従来の技術は少なくともいくつかの利点をもたらすが、それにもかかわらずいくつかの顕著な欠点を含む。AC法は粒子のインピーダンスをいくつかの周波数で測定するのを可能にするが、より広い範囲の周波数にわたるより多くの測定を各粒子について行うことができるならば、粒子特性に関するずっと多くの情報を得ることができる。さらに、濃度を測定する際に、設定された体積の流体を正確に計量する必要があるため、流体制御機構に厳しい制約が課される。このため、通常、多くの場合センサと電子機器の組合せよりも体積が多い専用の流体プラットフォームが必要になる。他の問題として、粒子検知に用いられる従来の膜は詰まりが生じる可能性が高く、勢い良く洗浄できるように膜に接近する必要がある。高速にかつ好都合に膜に接近するために、粒子インピーダンスセンサは通常、自動化サンプルハンドリング用途やインライン検出用途に容易に適合できないベンチトップ装置の形をとる。最後に、従来の装置のセンサは、高価で交換が困難であることが多い。
本開示は、特に、膜を導入し、新規の電子検出および信号処理法を使用することによってこのような欠点を解消する。この開示の構成および方法は、従来粒子インピーダンスセンサ装置に適用されていない原則を用いて、外部の流体計量を不要にし、小形化を可能にし、他の流体システムおよび装置によるインライン動作を可能にし、各センサ素子を高速に場合によっては自動的に交換するのを容易にする確実な多周波数インピーダンスセンサ機能を実現する。
発明の概要
本発明の用途は、広く、コールターカウンタが使用されるあらゆる用途、細胞および粒子計数、細胞および粒子濃度分析、細胞生存度分析、細胞および粒子濃度分析、細胞微分分析、医学用途、獣医学用途、生物工学、食品分析、土壌分析、流体回路およびシステムにおけるインライン粒子検出、細菌の胞子、ならびに戦争およびテロリズムに用いられる可能性のあるその他の生物剤の検出、場合によっては有害な生物薬品の、花粉のような無害な生物細胞および埃、煙、生育不能な細胞などの不活性粒状物質からの区別、ヒト血液細胞亜母集団などの細胞の、生物剤および化学剤に対する反応の検出、医学、農業、環境、および生物テロ(bio-warfare and bio-terrorism)検出用途に関する細菌の細胞および胞子(を含む)の検出および区別が含まれるが、それらに限らない。
一局面では、本発明は、センサ電極と、第1および第2の電極と、チャネルとを含むインピーダンスセンサである。第1および第2の電極は、センサ電極に結合され、逆位相で駆動され、センサ電極で約零の正味出力信号を生成する。チャネルは、センサ電極ならびに第1および第2のドライバ電極を貫通するよう規定される。
他の点では、センサ電極は銅を含んでよい。センサ電極は、検出器電極を挟む第1および第2の誘電膜を含んでよい。第1または第2誘電膜はポリイミドを含んでよい。第1または第2誘電膜は薄板上でもよい。第1および第2ドライバ電極はそれぞれ、第1および第2誘電膜に接触することができる。第1および第2ドライバ電極は複数の周波数で駆動することができる。第1および第2ドライバ電極は交流信号によって駆動することができる。チャネルの断面は矩形であってよい。センサは、センサ電極に結合されたプログラム可能な流体プロセッサも含んでよい。
他の態様では、本発明は、チャネル、複合膜センサアセンブリ、ならびに第1および第2のドライバ電極を含むフロースルーインピーダンスセンサである。チャネルは、キャリア媒体および粒子をインピーダンスセンサを通して輸送するためのものである。複合膜センサアセンブリは、チャネルに結合されており、第1の誘電膜と第2の誘電膜との間に挟まれた検出器電極を含んでいる。第1および第2のドライバ電極は、チャネルに結合され、複合膜センサアセンブリの両側に隣接して位置している。第1および第2のドライバ電極は、逆位相で駆動され、(a)インピーダンスセンサ内に粒子がないときに検出器電極で約零の正味出力信号を生成し、(b)インピーダンスセンサ内に粒子があるときに検出器電極で非零の正味出力信号を生成する。
他の点では、第1および第2のドライバ電極は、複合膜センサアセンブリに接触する。第1および第2のドライバ電極は複数の周波数で駆動することができる。第1および第2のドライバ電極は交流信号によって駆動することができる。インピーダンスセンサは、センサ電極に結合されたプログラム可能な流体プロセッサも含んでよい。
他の局面では、本発明は、パケットの特性を判定する方法である。パケットを含む流体は、逆位相で駆動されて、センサ電極で約零の正味出力信号を生成する第1および第2のドライバ電極を含むインピーダンスセンサを通って流される。インピーダンスセンサ内のパケットの存在に関連するインピーダンスの変化によって生じる正味出力信号の摂動が測定される。次いで、摂動からパケットの特性が判定される。
他の点では、パケットの特性はパケットのサイズを含んでよい。パケットの特性は、インピーダンスセンサを通してパケット経過時間を含んでよい。パケットの特性はパケット速度を含んでよい。パケットの特性はパケット濃度を含んでよい。パケットの特性は、インピーダンスセンサ内の相対変位を含んでよい。パケットの特性は、パケットインピーダンスを含んでよい。
他の局面では、本発明は、粒子の特性を判定する方法である。センサ電極と、センサ電極に結合され、逆電位で駆動されてセンサ電極で約零の正味出力信号を生成する第1および第2ドライバ電極と、センサ電極ならびに第1および第2ドライバ電極を貫通するよう規定されたチャネルとを含むインピーダンスセンサが備えられる。第1および第2のドライバ電極に多周波数駆動信号が印加される。センサ電極からインピーダンス信号が受け取られる。駆動信号の各周波数でインピーダンス信号の同相および位相外れ成分が求められる。粒子イベントを示す同相および位相外れ成分の変化が検出される。粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分が分析されて、粒子の特性が判定される。
他の点では、駆動信号は、各周波数が基本周波数の整数倍数である異なる周波数の別々の波形の複合体を含んでよい。駆動信号は、周波数f、2f、4f、8f、16f、32f、64f、および128fを有する8つの別々の正弦波で構成することができる。インピーダンス信号成分は、24ビット語として表すことができる。この方法は、同相および位相外れ成分の変化の大きさの移動和を含む複合信号を導く段階を含んでもよい。粒子イベントを示す変化を検出する段階は、複合信号がノイズフロアよりも大きい閾値をいつ超えるかを判定する段階を含んでよい。粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階は、重なり積分を算出する段階、同相成分および位相外れ成分に関連する曲線をクラーマースクローニヒの関係に従うように制限する段階、粒子の速度を測定する段階、平均流体速度を測定する段階、粒子の濃度を測定する段階、粒径を測定する段階、粒子の相対変位を測定する段階、粒子の誘電特性を判定する段階、粒子の導電率特性を判定する段階、粒子のインピーダンスを測定する段階、粒子の細胞膜誘電率を測定する段階、および/または粒子の細胞質誘電率を測定する段階を含んでよい。
添付の図面は、本明細書の一部を形成しており、本発明のある局面をさらに実証するために含まれている。本発明は、これらの図面のうちの1つまたは複数を、本明細書に示されている特定の態様の詳細な説明と組み合わせて参照することによってよりよく理解することができる。
例示的な態様の説明
本開示は、ある態様において、粒子の特性と濃度の両方を測定するのに用いることのできる確実な多周波数インピーダンスセンサであるセンサを提供することによって当技術分野の問題を解消する。このセンサは、マイクロ流体システムにおいてインライン構成要素として他の流体システムおよび装置と一緒に用いることができ、センサ素子を容易に交換することができる。センサ読取り値を用いて流体の特性を判定する処理方法も提供される。
流体システム
流体システムおよびマイクロ流体システムにおける技術は進歩しており、小さな化学サンプルおよび生物サンプルの操作および分析に利用できる多数の装置およびシステムが存在する。当業者には理解されるように、これらのシステムを本開示の技術と一緒に使用すると有利である。
本開示のセンサ装置は、たとえば、参照として本明細書に組み入れられる米国特許第6,294,063号に開示された装置および方法と一緒に使用することができる。この特許は、反応面、入口、プログラム可能な操作力、位置センサ、およびコントローラを用いた材料のパケットの操作に関する技術を開示している。この開示の一態様では、入口によって反応面上に材料を導入することができる。材料は、パケットを形成するようにすることができ、位置センサによってパケットの位置を追跡することができる。この開示の恩恵を有する当業者には、この特許で開示されている技術を位置センサに適用して材料のパケットの効率的で確実な追跡が可能になることが認識されよう。プログラム可能な操作力(一態様では、誘電泳動力を含んでよい)を、パケットの位置の関数として調整することができ、かつパケットが任意の選択された経路に沿ってプログラム可能に移動させられるようにかけることができる。
本発明のセンサと一緒に用いることのできる他の特許および出願には、1996年10月18日に出願され1999年1月12日に発行された「らせん電極を用いた操作方法および装置(Method and apparatus for manipulation using spiral electrodes)」という名称の米国特許第5,858,192号、1996年2月23日に出願され1999年3月30日に発行された「一般化された誘電泳動および電界流分別を用いた分別方法および装置(Method and apparatus for fractionation using generalized dielectrophoresis and field flow fractionation)」という名称の米国特許第5,888,370号、1996年1月31日に出願され1999年11月30日に発行された「従来の誘電泳動および電界流分別を用いた分別方法および装置(Method and apparatus for fractionation using conventional dielectrophoresis and field flow fractionation)」という名称の米国特許第5,993,630号、1996年2月1日に出願され1999年11月30日に発行された「一般化された誘電泳動および電界流分別を用いた分別方法および装置(Method and apparatus for fractionation using generalized dielectrophoresis and field flow fractionation)」という名称の米国特許第5,993,632号、1999年9月14日に出願された「一般化された誘電泳動および電界流分別を用いた分別方法および装置(Method and apparatus for fractionation using generalized dielectrophoresis and field flow fractionation)」という名称の米国特許出願第09/395,890号、2001年6月14日に出願された「流体注入装置および方法(Apparatus and method for fluid injection)」という名称の米国特許出願第09/883,109号、2001年6月14日に出願された「アナライト混合物の磁気泳動および誘電泳動複合操作方法および装置(Method and apparatus for combined magnetophoretic and dielectrophoretic manipulation of analyte mixtures)」という名称の米国特許出願第09/882805号、8 2001年6月14日に出願された、「誘電構成された微粒子(Dielectrically-engineered microparticles)」という名称の米国特許出願第09/883,112号、および2001年6月14日に出願された「細胞亜母集団分析システムおよび方法(Systems and methods for cell subpopulation analysis)」という名称の米国特許出願第09/883,110号が含まれる。これらはそれぞれ、参照として本明細書に組み入れられる。
本発明の教示と一緒に使用できる他の用途は、参照として本明細書に組み入れられる「細胞分析および粒径測定のマイクロ加工されたインピーダンス分光流サイトメータ(Micromachined impedance spectroscopy flow cytometer of cell analysis and particle sizing)」Lab on a Chip, vol. 1, pp. 76-82(2001)に記載された用途が含まれる。たとえば、本明細書で開示する、信号を粒子濃度を測定するように処理し、信号を粒子軌跡に関して補正する方法は、この論文に記載された平面電極態様に適用することができる。特に、この開示の方法は、(a)粒子のより正確なインピーダンスデータを与えると共に、(b)センサの外部の方法によって流体流の体積を明示的に測定する必要なしに粒子濃度値を与えることができる。
上記で参照したシステムの多くでは、研究または分析中のサンプルのある特性を判定するのに通常、インピーダンス測定が用いられる。たとえば、電極の上方の誘電媒体が、異なる誘電特性および/または導電特性を有する材料のパケットによって変位された場合、電極素子で検出されるインピーダンスが変化する。したがって、パケットに関連するインピーダンス測定値に注意することによってパケットの位置を判定することができる。
パケットの他の特性も、電極素子で検出されるインピーダンスから判定することができる。たとえば、パケットがある電極の上方にある時間と、同じパケットが第2の電極の上方にある時間との時間差を用いることによって、電極を越えて流れるパケットの速度を測定することができる。電極同士の間の間隔が既知である場合、それに応じて速度を測定することができる。電極を越えて流れるパケットの数を測定することもできるので、パケットの濃度を適切なインピーダンスセンサから直接測定することができる。
この開示によって、当業者には、本明細書の説明を多数の方法で実現できることが理解されよう。特に、当技術分野で1つまたは複数の電極と一緒に機能することが知られている任意の適切な種類のインピーダンス測定装置を用いることができる。このような装置は、インピーダンス分析器、DC/AC導電率計、あるいはこれらの装置、または同一もしくは同様の機能を有するその他の装置を動作させる方法に基づく任意の回路を含んでよい。
インピーダンスセンサ
インピーダンスセンサは、断面積にわたる電圧の変化を測定することができる。
パケットの特性を調べる簡単な従来のインピーダンスセンサは、図1Aおよび1Bに示されているように、電流生成装置からの電流によって励磁される単一のチャネル装置を含んでよい。駆動電流およびセンサのインピーダンスに比例する電圧が、センサ全体にわたって発生する。電流は、直流(DC励磁)であっても、任意の波形を含む1つまたは複数の正弦成分から成るAC信号であっても、DC成分と任意の成分の混合物であってもよい。粒子は、センサチャネルに入ると、チャネルインピーダンスを摂動させ、それによって出力電圧特性が変化する。電圧変化を分析することによって、粒子の有効インピーダンスを演繹することができる。駆動電流が1つまたは複数のAC周波数を含む場合、電圧変化を分析することによって、これらの周波数のそれぞれについて粒子の有効インピーダンスを演繹することができる。この方法は基本的に簡単であり、1つのセンサチャネルしか使用しないが、粒子インピーダンス情報を分析するのに、出力電圧の場合によっては小さな摂動を検出する必要があるという欠点を有する。
図2は、通常粒子カウンタおよびサイザーで用いられる他の従来の粒子インピーダンスセンサ素子の代表的な構成を示している。電流は、センサ膜の小さな穴(センサチャネル)を介して一方の電極から他方の電極に駆動される。素子のインピーダンスは、センサチャネル内のキャリア流体の狭いカラムのインピーダンスに支配される。粒子は、外側のキャリア媒体懸濁液からセンサに引き込まれ、センサチャネルを通過するときにセンサチャネルのインピーダンスを摂動させる。
図3Aおよび3Bには、他の従来のマイクロ製造されたインピーダンスセンサの図が示されている(図3Aは側面図であり、図3Bは平面図である)。この構成では、粒子の体積とセンサの容積との比を十分に高くする要件は、チャネルの壁の短い区間に沿って互いに向かい合う電極1を有するキャピラリチャネル11をマイクロ製造することによって実現される。チャネル11は、キャリア媒体を含んでいる。センサチャネル11の有効容積は、電極1同士の間の領域内に含まれる流体の体積に概ね等しい。マイクロ流体チャネル11内のキャリア媒体によって輸送される粒子による電極1同士の間の流体の変位によって、2つの電極間の電気インピーダンスが摂動する。
本開示の態様では、2つのチャネル11は、図4Aおよび4Bに示されているように、接続され、2位相電流源20から得られる、同一であるが逆の電流信号21(+i)および22(-i)によって駆動される。それぞれインピーダンスZ1およびZ2を有する2つのセンサ30および31の接合部の所の出力電圧23は、V=i(Z1-Z2)として与えることのできる2つのセンサ電圧の和を含む。2つのセンサ30および31が同一のインピーダンスを有するとき、出力電圧23は零である(すなわち、Z1=Z2である場合、V=0である)。粒子は通常、一方のセンサチャネル30のみを通過し、他方のチャネル31は基準チャネルである。粒子40がセンサ粒子30(図4B)に入ると、そのチャネルのみのインピーダンスが摂動する。これによってチャネル内の釣合いが崩れ、出力電圧23が零から逸脱する。したがって、この方式は、サンプルインピーダンスのみを反映する出力信号23を与える。
実際には、出力信号23は、最初はセンサとその駆動回路の一致が不完全であるために生じる電圧も含んでいる。それにもかかわらず、信号処理は、各センサチャネルからのほぼすべての電圧を打ち消すことによって大幅に簡略化される。回路は対称的であり、チャネル31を通過した粒子によって、チャネル30を通って流れる粒子によって生じる出力電圧とは逆の位相の出力電圧が得られる。
2センサ法の変化において、および、この開示のもう1つの態様によって、図5に示されているように、2つのセンサを同じチャネル11内で接続することができる。この場合、各センサが同じマイクロ流体チャネル11内にあり、かつ各センサに同じキャリア流体が満たされるので、センサのインピーダンスを釣り合わせる能力が強化される。前述のように、センサ23の電圧の出力は、センサと駆動回路が不完全でないときは、合計で零になる。第1のセンサ30に入った粒子は、回路内の釣合いを崩し、それによって信号+vが生成される。粒子が流体によって下流側に運ばれ、第2のセンサ31に入ると、同じ粒子によって信号-vが生成される。この方法では、各粒子があるセンサから次のセンサに移るときに各粒子を追跡するのが可能でないかぎり、曖昧な信号が得られる可能性がある。このため、この技術は従来の技術に勝る大きな利点を有するにもかかわらず、センサ同士が離れている場合には問題が生じることがある。
2つのセンサの改良態様、すなわち、インライン法では、図6に示されているように、各粒子が、第2の粒子がインピーダンスセンサ30に入る前にインピーダンスセンサ30とインピーダンスセンサ31の両方を通過する際に、各粒子を観察するこことが可能になるように、2つのセンサを互いに非常に近くに配置することができる。これは、キャピラリチューブ11内で互いに近くに配置された2つのセンサをマイクロ製造することによって実現することができる。各粒子があるセンサから次のセンサに移る際に各粒子を追跡するのに必要な2つのセンサ電極間の小さな間隔は、ある態様では、500μm、400μm、300μm、200μm、または100μm未満である。しかし、当業者には、他の離隔距離も適切であることが認識されよう。
インラインセンサを形成する他の方法では、各電極および各センサ膜を貫通するチャネル11を形成することができ、かつ出力23に接続され、2つのセンサ30および31からの電圧を合計する電極を単一の電極として組み合わせ、2つのセンサを実際上混成することができる。これによって、製造が簡略化されるだけでなく、電気的な観点からは、出力電圧が検知される電極を小形化できるという利点がもたらされる。さらに、センサは実際上、励磁信号が与えられる電極同士の間に挟まれており、したがって、センサが、導電性のキャリア媒体を通って運ばれる電気雑音から遮断されるという有利な効果が得られる。
図7は、センサチャネルの構成が2センサハイブリッド構成に基づくインピーダンスセンサの態様の断面図である。センサ電極4は、第1誘電膜が12aで示され第2誘電膜12bで示されている2枚の誘電膜12に囲まれている。2枚の誘電膜12とセンサ電極4は全体として、複合膜センサアセンブリを形成する。電極3および4ならびに膜12はそれぞれ、チャネル11によって上半分と下半分に区分されているように見えるが、実際には、図8の異なる観点で示されているように位置している。ドライバ電極3aおよびドライバ電極3bは、既知の周波数および位相を持つ1つまたは複数の正弦波の和から成る波形を与えるようにプログラムされた任意の波形生成装置20からの互いに逆の位相21および22を持つ励磁信号によって励磁される。センサ膜12が対称的に構成されているため、各ドライバ電極3からの信号がセンサ電極4の所で打ち消しあい、チャネル内に粒子がないときには検出器24に零信号を与える。しかし、粒子40(図10参照)は、チャネル11に入るときに電気的な対称性を乱し、センサ電極4上に正味信号を現させる。この信号23は信号処理電子機器24によって検出され分析される。この信号23は、チャネル11内の粒子40の位置に依存し、粒子40が流体流によってチャネル11を通って運ばれるときに変化する。例示的な信号の性質について図12で論じ説明する。
図8Aおよび8Bは、ドライバ電極3、センサ電極4、および誘電膜12を示す図7の粒子インピーダンスセンサの分解図である。複合膜センサアセンブリ13への流体流経路および複合膜センサアセンブリ13からの流体流経路は、ドライバ電極3を通じてチャネル11を介して形成される。インピーダンスセンサチャネル11は、複合膜センサアセンブリ13にくり貫かれた小さな穴である。動作時には、流体流経路に配管を備えることができ、各ドライバ電極3を複合膜組立体13の誘電膜12の近くに、または誘電膜12に接触するように取り付けることができる。
この開示の態様による組立て済みの3層複合センサ13の2つの図が図9Aおよび9Bに示されている。チャネル11は、センサアセンブリを貫通しており、センサチャネルである。頂部誘電層12bのみを通過するより大きな穴15は、センサ電子機器への電気的な接触を可能にするセンサ電極4に到達できるようにする。
粒子位置
粒子40は、図10によって示されているように、懸濁媒体の流れによってセンサチャネル11を通って運ばれる。粒子40は、その進入点に従ってチャネル11を通るそれぞれの異なる軌跡に沿って移動することができる。軌跡1、2、および3は、粒子の3つの異なる進入点に対応する。粒子40の存在によって生じる電気的な対称性の摂動は、チャネル内の粒子位置に応じて変化し、様々な軌跡に沿って移動する粒子の通過によって、検知電極4上にそれぞれの異なる信号が生成される。たとえば、チャネルの縁部の近くからチャネルに入った粒子は、中心線(センサチャネルの中点を通る水平な線)の近くからチャネルに入った粒子よりも、電極で検出されるインピーダンスに大きな影響を与える。
中心線から粒子までの距離の関数としての、インピーダンスセンサを通過する直径10μmの粒子によって生じる電圧摂動のピークが、図11に与えられている。円は、駆動電圧-10Vおよび+10Vによって導電率100mS/mの懸濁媒体で運ばれる、導電率1.5S/mの、直径10μmの球についての有限要素分析から求められたピーク摂動を示している。
有限要素シミュレーション
インピーダンスセンサ内の電位分布に対する粒子の影響を判定するために、有限要素シミュレーションを行った(図12)。この例では、2枚の誘電膜の間に挟まれたセンサ電極を有するセンサを用いた。複合膜センサアセンブリの各側のドライバ電極を-10Vおよび+10Vで駆動した。粒子は、第1誘電膜12aを半分だけ貫通するチャネルの水平方向中心線上に配置される。粒子40が存在しない場合、センサ電極4上の電位は零であるが、図示のように、粒子40が存在すると電位が摂動させられる。この摂動は、センサチャネル11内の粒子位置に依存する。このような有限要素分析は、それぞれの異なる粒子位置ならびにセンサおよびドライバのそれぞれの異なる形状についてセンサの応答を算出するのに用いることができる。
図13Aおよび13Bは、第1誘電膜12aから左に25μmの位置から第2誘電膜12bから右に25μmの位置までの範囲の、センサチャネル内の粒子位置の関数としての、図12に示されている有限要素分析から求められたセンサ電極電位のプロットである。パケット位置75μmは、水平(x)方向のチャネルの中心に対応する。3本の曲線は、チャネルの水平方向中心線(軸)からそれぞれの異なる距離に位置する粒子について示されている。図13Aは、チャネルを満たしている媒体よりも導電率が15倍高いパケットによって生じた電位摂動に対応する。図13Bは、チャネルを満たしている媒体よりも導電率が1000倍低いパケットによって生じた電位摂動に対応する。チャネル高さは50μmであり、誘電膜およびセンサ電極の厚さは50μmであった。チャネル内の媒体の導電率は100mS/mであった。このデータから、パケットがインピーダンスセンサを通過する際にインピーダンスセンサによって生成される信号がパケットの軌跡に依存することが明らかである。したがって、インピーダンスセンサデータからパケットに関するインピーダンス情報を推論するにはパケット位置を演繹する必要がある。
粒子速度
流体が層流条件、すなわち、チャネルを通る流れが乱れを引き起こさないほど低速である条件(水力学では低レイノルズ数下と呼ばれる)の下でチャネルを通って流れるとき、より高速の流体流がチャネルの中心に生じ、より遅い速度がチャネルの壁の所に生じるような流速プロファイルが形成される。したがって、層流体流の影響下でチャネルを通って移動する粒子は、流体フロープロファイルにおける粒子の位置を正確に反映する速度で運ばれる。図14は、チャネル壁からそれぞれの異なる距離にある軌跡に沿って移動する2つの粒子を示している。任意の粒子がチャネル内を移動する速度が既知である場合、チャネル壁に対する粒子の位置を流速プロファイルの知見によって推論することができる。簡単な形状では、簡単な数式を用いてフロープロファイルを算出することができる。より複雑な形状では、有限要素または他のモデル化方法を用いて流体フロープロファイル分布を算出することができる。
センサチャネル内のキャリア媒体の速度は、図15の放物線フロープロファイルの中心線からの距離の関数として与えることができる。このプロファイルは、チャネルが十分に長く、流体が層流条件が確立されるほど遅い速度で流れるときのプロファイルである。これらのまたはその他の条件の下では、有限要素法またはその他の方法を用いてフロープロファイルをシミュレートすることができる。図15では、チャネル高さ(H)は50μmと仮定され、平均流速v0、矩形のチャネルのチャネル壁からの速度距離xは次式によって与えられる。
Figure 2005512042
図16は、放物線フロープロファイルを有するキャリア媒体によって運ばれる粒子が、図12に示されている有限要素シミュレーション結果の水平軸を、チャネル内の粒子の位置に対応する相対流量を考慮してスケーリングすることによって算出される中心線に平行な3つの軌跡に沿ってセンサを通過するときの、粒子のパルス形状を表している。一般に、このようなデータへの当てはめを用いてセンサチャネルの振舞いについての特性曲線を導くことができる。
サンプル分析
図17の有限要素シミュレーションは、水平方向における、ピーク電圧が摂動するセンサの中心からセンサ電極までの位置が、粒子の軌跡がチャネルの水平方向中心線からどれだけ離れているかに依存することを示している。粒子が第1誘電膜を通って移動する際に1つのピークが生じ、粒子がセンサから離れる前に第2誘電膜を通って移動する際に逆の符号の第2のピークが生じる。図17に示されている曲線は、双曲型余弦関数に基づいて上記に示されているチャネル形状についての近似である。有限要素法またはその他の分析方法を用いて、本明細書に示されている手順と、たとえば、流体力学の分野で理解されているものとの組合せに基づいて、任意のチャネル形状の特性を得ることができる。
インピーダンスセンサチャネルを通って移動する10μm粒子のピークとピークの間の電圧は、粒子が第1のピーク位置から逆の符号を有する第2のピーク位置まで移動するのにかかる時間の関数として表すことができる(図18)。この曲線は、図11〜17に示されている特性から算出された曲線であり、ピークの位置と、ピークの高さと、流体の流速と、センサの水平方向中心線から粒子軌跡までの距離との関係を考慮に入れている。この曲線は、ピークとピークの間の時間が0.028秒であり、0.2Vのピークとピークの間のセンサ電圧摂動を生じさせる10μm粒子が、0.03Vのピークとピークの間の電圧摂動を与える0.037秒のピークとピークの間の時間を有する10μm粒子と同一であることを示している。それぞれの異なる粒子のピークとピークの間の時間を測定し、次いで使用中のセンサ形状に関して構成されたこのような特性曲線を用いることによって、センサチャネルを通る粒子の軌跡にかかわらずすべての粒子に正確なインピーダンスデータを与えるようにセンサ電圧を補正することができる。
インピーダンスセンサを用いてサンプルを分析する間、粒子のピークとピークの間の時間の関数としての、センサ粒子を通過する粒子の数の計数値を、センサ電圧データから測定することができ、上記のようなプロファイルを描くことができる。図19の曲線は、センサチャネル内のフロープロファイルによって得られる粒子速度の分布を反映している。観察される最も短い移動時間は、チャネルの中心線に沿って運ばれる粒子に生じる最大流速に対応する。したがって、プロファイルを用いてチャネル内の流量を算出することができ、所与の期間に計数される粒子の総数を知ることによって、この情報を用いてサンプル内に存在する粒子の濃度を算出することができる。このようにして、サンプル内の粒子の濃度を、チャネルを通って流れるサンプル懸濁液の体積を測定するための補助方法を使用せずにインピーダンスセンサ信号から測定することができる。これは、センサが粒子の濃度を測定するのを可能にするうえで精密な流体制御および計量装置に依存する従来のエレクトロゾーンセンサに対する主要な改良を表している。このような計量機器を使用する必要がないため、本明細書に開示されているセンサは従来の構成よりも簡単でより融通性に富んでいる。
交流励磁
本来のコールターカウンタおよびその他の標準的なインピーダンスセンサに用いられる直流(DC)法は、チャネルを通過する電流がDC電流だけでなくAC電流も含む交流(AC)手法によって補足されている。この補足によって、粒子に関する誘電情報も演繹することができ、より優れた同定機能がこの方法に追加される。AC電圧を励磁に用いると、センサ電極上に現れる信号は、粒子がセンサチャネルを通過する際に大きさおよび位相が変調されるAC電圧になる。センサ信号の位相および強度は粒子応答(図20A)とAC信号(この例では、単一周波数正弦関数、図20B)を掛算した値を反映する。結果として得られるセンサ信号は、図20Cに示されている。粒子応答がAC周波数における有効インピーダンスを反映することに留意されたい。一般に、粒子応答は周波数に依存し、周波数依存性を用いて粒子を特徴付けるかまたは同定することができる。粒子特性を検出するには、センサ信号に励磁波形またはその成分の1つを掛けることができ、結果として得られた信号を低域通過フィルタを通過させて、図20Aに示されている粒子応答を回復することができる。このようなパケット検出は、アナログ方法によって行っても、当技術分野で既知のように、たとえばDSPチップやFPGAチップを用いたデジタル信号処理によって行ってもよい。
粒子の誘電特性を完全に特徴付けるのに十分な情報を与えるために、複数の周波数成分で構成された励磁信号を用いるのが望ましい場合がある。たとえば、図21に示されている波形は、128:1の範囲にわたる8つの異なる周波数を含んでいる。他の励磁信号は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、40個、41個、42個、43個、44個、45個、46個、47個、48個、またはそれ以上の異なる周波数を含んでいる。各周波数は、基本周波数の倍数(すなわち、基本周波数に2、4、8、16、32、64、および128を掛けた値)であっても、より無作為な関係を有してもよい。インピーダンスセンサ応答は、励磁信号の各周波数成分からの寄与も含んでいるが、各成分は、その周波数での粒子の誘電応答特性に従って修正される。
センサ交換
マイクロ流体システムにおける多数のセンサおよび構成要素に関する1つの問題は、素子内の不要な堆積のために様々な素子を確実に洗浄または交換する必要があることである。小直径チューブまたはチャネルを用いた任意のシステムの場合、システムを清浄に保つことが問題を伴う場合がある。少量の材料が実際上通路を詰まらせ、装置の機能を大幅に低下させる可能性がある。多くのシステムは、実質的な時間および試薬を必要とする、手作業によるかまたは自動化された厳密な洗浄プロトコルを有する。しかし、最適化された洗浄プロトコルを用いた場合でも、清浄なシステムを得るのは困難であることが多い。使い捨て素子を使用し、使用のたびに清浄な基板を準備することが望ましいことが多い。本開示のインピーダンスセンサは、センサ素子の迅速で、場合によっては自動化された交換を容易にし、詰まりおよび洗浄に関する問題を解消するように構成されている。
本システムは、センサ素子を迅速に交換するのを可能にする。センサ素子は、手作業で交換することも、自動的に交換することもでき、実験の合間に交換することも、実験中に、センサチャネルを通る流れが停止したときに交換することもできる。このようなセンサ素子は、センサの特性をそれぞれの異なる粒子検知ニーズに一致するように動作中に最適化するのを可能にする、形状やサイズのような様々なチャネル特性を有することができる。たとえば、センサ素子、または2枚の誘電膜間に挟まれたセンサ電極を含む複合膜センサアセンブリを、フローシステムから取り外し、多少狭まった流体チャネルを持つセンサ素子を形成するように異なるサイズまたは形状の穴を有する他のセンサまたは複合膜センサアセンブリと交換することができる。分析すべき粒子が前のサンプルから得た実質的に異なる粒径を有するとき、センサ素子をこのように交換すると有利である。
インピーダンス信号処理I
センサからの信号が、本明細書に記載されたようなセンサチャネル特性を用いてセンサチャネルを通る軌跡を考慮して補正され、検出器電子機器による処理が完了した後、結果として得られるデータは、励磁信号に存在していた各周波数における粒子インピーダンス摂動の同相および位相外れ成分である。これらのインピーダンスパラメータはそれぞれ、電子機器の技術分野で公知のように熱雑音からの不要な寄与を含む。しかし、1kHzから1GHzの間の周波数範囲の粒子のインピーダンス特性は、共振型ではなく分散型である。このことは、インピーダンスセンサによって粒子に関して得られる同相および位相外れインピーダンスデータがどちらも、平滑な周波数の関数および限られた1組の許容される曲線のメンバーでなければならないことを意味している。さらに、クラーマースクローニヒの関係式(Kramers, H. A., Nature, 117 (1926)775, Kronig, R. de L., J. Opt. Soc. Am. 12 (1926) 547)が、誘電体の技術分野で公知であり、同相および位相外れ曲線との間に、侵害できない明示的な関係を与えている。分散型誘電応答の特性を示す1組の曲線から得た平滑な曲線を、励磁信号に含まれるそれぞれの異なる周波数における同相および位相外れインピーダンスデータポイントに当てはめ、同相および位相外れ曲線を、クラーマースクローニヒの関係に従うようにさらに制限することによって、センサを通過する粒子のインピーダンスデータの品質を、インピーダンス測定値の有効信号対雑音比を高めるように大幅に向上させることができる。
さらに、測定中の粒子タイプが、他の何らかの点で制限される誘電特性を有することが分かっている場合、分析を、粒子誘電特性の適切な数学的モデルを含むようにさらに制限することができる。たとえば、多くの哺乳類細胞は、シングルシェル誘電モデルによって十分な説明が与えられる誘電特性を有している。インピーダンスセンサから得た誘電データの曲線当てはめを、このモデルに当てはめるように制限することによって、測定中の細胞の構造を反映する明示的なデータを導くことができる。すべてのこれらのデータ分析段階は、適切なアルゴリズムを用いてコンピュータで行うことも、この目的のためにプログラムされた専用のDSPまたはFPGAハードウェアで行うことも、これらの手段の組合せで行うこともできる。使用されるデータ分析技術は、データ処理の技術分野で公知のシングルパス最小自乗法または対話型誤差最小化法、あるいはこれらの組合せであってよいが、これらの方法に限らない。
複数の周波数を含むセンサ信号は、それに元の励磁の各周波数成分を掛算し、その後低域通過フィルタリングを行う(積検出)ことによって並列処理することができる。このようにして、励磁電極が各周波数を単一の複合信号として同時に印加したにもかかわらず、各周波数における粒子の有効インピーダンスをセンサ信号から独立に導くことができる。これは、当技術分野で既知のDSPチップまたはFPGAチップを用いたデジタル信号処理によって行うことができる。
信号処理およびインピーダンス分析の後、個々の粒子、各粒子群についてのデータ、および粒子の母集団についての統計データを与えることができる。この種の処理済みデータまたは個々の粒子データは、粒子の分析、同定、または分類に用いることができる。このようなデータは、当業者が結論を導くのを可能にする。たとえば、細胞のインピーダンス特性の母集団分布により、当業者である生命科学者によって、細胞のタイプ、サイズ、生存度、アポトーシス状態、膜および細胞質状態を導くことができ、かつ血液細胞亜母集団微分分析を行うことができる。この開示の利益によって、当業者には、他の多数の潜在的な用途が認識されよう。
インピーダンス信号処理II
一態様では、インピーダンスセンサ膜の各側の電極を駆動するのに用いられる波形が、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA, model Altera FLEX EPF10k200SBC600-1)によって合成される。例示的な波形(図21)は、周波数f、2f、4f、8f、16f、32f、64f、および128fを有する8つの別々の正弦波の複合体から成っている。基本周波数fは、調整可能であり、通常約10kHzである。FPGAは、Burr Brown DAC902Uデジタルアナログ変換器のような適切な機器によって電圧信号に変換されるデジタル数のストリングの形でこの複合信号を生成する。出力段階は、センサ膜の各側の電極を駆動し、一方の電極をこの駆動信号によって駆動し、他方の電極信号を、逆の位相を有する信号で駆動する。ある信号と、逆の位相を有する信号とを含む、ドライバ電極を駆動する信号は、総称的に「駆動信号」と呼ばれる。当技術分野で既知の他の方法および他の電子構成要素を用いて、フーリエ成分に対する任意の所望の構成を有してよい波形を生成し、かつセンサを駆動することができる。駆動信号によって波形を生成しかつ電極を駆動する他の手法が当技術分野で公知である。
一態様では、センサの非常に近くに配置された低雑音前置増幅器が、センサ膜の中央金属層からの信号を増幅する。結果として得られるより高い振幅の信号は、所望のインピーダンス情報を組み込んでおり、Analog Devices AD9224 12ビットアナログデジタル変換器(DAC)に基づく回路に供給することができる。本発明者は、センサ膜から得られるこの信号を「インピーダンス」信号と呼ぶ。この回路からのデジタル出力は、第2のAltera FLEX FPGAに供給することができる。このインピーダンス信号のサンプリング速度では16倍のオーバーサンプリングが実現され、当技術分野で公知の機構によるデジタルアナログ変換器の12ビット幅を超える余分な3ビットの解像度が追加される。
この態様では、第2のFPGAは、インピーダンス信号のフーリエ型分析を行い、駆動信号を構成するのに用いられるのと同じ周波数の同相および位相外れ成分の強度をインピーダンス信号から導く。これらのインピーダンス信号周波数成分は、Texas Instruments TM S320 C6211集積回路に基づくものであってよいデジタル信号プロセッサ(DSP)ボードに渡される24ビット語として表される。この段階で、インピーダンスデータは、8つの周波数の各々の各実数成分および虚数成分に1つの16個の24ビット語を各サンプルが含む、毎秒1600個のデジタルサンプルのストリームによって表される。本発明者は、これらの16個のデータを「データチャネル」と呼ぶ。8つの周波数の各々に2つのデータチャネルがあり、この一方は同相成分であり、他方は位相外れ成分である。
DSPの機能は、インピーダンスデータから得たこのデータストリームを分析し、インピーダンスセンサを通過する粒子に対応するデータの変化を検出する。本発明者はこのような変化を「粒子イベント」と呼ぶ。粒子イベントに対応するインピーダンス信号の例示的な形状は、この開示ですでに示されている。インピーダンスデータが高速にサンプリングされるので、単一の粒子イベントは、通常、粒子がセンサを通過するときに1ミリ秒から5ミリ秒持続することができ、各々が16個の24ビット語(8つの周波数の各々の各実数成分および虚数成分ごとに1つの24ビット語)を含む16個から80個の間のデジタルサンプルに対応する。各信号は、特に、インピーダンス信号前置増幅器が、小さなインピーダンス信号を生成する小さな粒子を検出するように高利得に設定される場合に、顕著な電気雑音を含む。当技術分野で公知のように、信号をフィルタリングして雑音をできるだけ少なくすると有利である。一態様では、第1のフィルタリング段階で、Nは、粒子イベントに対応するデジタルサンプルの数の2分の1程度(すなわち、通常8から40の間)である、N個のデジタルサンプルの移動和を算出することによって信号の低域通過デジタルフィルタリングが適用される。
粒子イベント中に時間に応じて起こるデジタルデータの変化は通常、16個のデータチャネルのそれぞれについて異なる強度および異なる位相を有する。位相に依存しないアルゴリズムを用いて16個のチャネルにおける時間変化を相関することによって、粒子イベントを検出する確実な方法が実現される。
一態様では、16個のデジタルチャネルの各々における時間に応じた変化の(符号のない)大きさの移動和を含む複合信号を導くのに、DSPにおけるアルゴリズムが用いられる。この和は、N1個のデジタルサンプルにわたって求められ、この場合、N1は通常、粒子イベント内のデジタルサンプルの数の2分の1である。これによって、すべての16個のチャネルについて合計された変化の出力密度の平均平方根に関する信号が生成される。この信号は、平均雑音(「ノイズフロア」)を反映する平均値であり、粒子イベントが起こると増大する。一態様では、粒子イベントは、この信号がいつ、ノイズフロアよりも大きい所与の閾値を超えるかを判定することによって検出される。この閾値は、それぞれの異なる粒径に対するシステムの感度を変更するように調整することができる。
粒子イベントが検出された後、信号の、粒子イベントに関する部分が分析される。一態様では、閾値を超えた点よりも前のN3個のデジタルデータサンプルおよびこの点の後に続くN4個のデジタルデータサンプルのすべての16個のチャネルが、DSPによって将来分析できるように保存される。このような追加的な分析は、DSP自体によって行っても、追加的なDSPまたはマイクロコンピュータによって行っても、(N3+N4)個のサンプルをアップロードした後でホストコンピュータによって行ってもよい。N3およびN4は、保存されたデータが粒子イベント全体をカバーし、すなわち、粒子がインピーダンスセンサに入り、通過して離れるときのインピーダンス信号のデータレコード全体を含むのに十分な大きさになるように選択される。たとえば、所与の実験において粒子イベントが最大で80個のサンプルにわたる場合、ピークの前の50個のポイントからピークの後の50個のポイントまでの範囲にわたる100個のサンプルを保存することができる。粒子イベントのデジタルサンプルを保存した後、DSPは引き続き、デジタルサンプルストリームを分析し、他の粒子イベントを探す。このようにして、インピーダンスデータは連続的に粒子イベントについてスクリーニングされ、これらのデータのみが将来分析できるように保存される。
保存された粒子イベントの16個のチャネルの信号変化の大きさの移動和は、粒子がインピーダンスセンサを半分だけ通過したときに位置によってそのことを示すピークを有する。ノイズフロアを超えるピークの高さの2分の1におけるピークの幅は、粒子がセンサを通って移動するのにかかった時間に比例する。一態様では、各粒子の速度は、センサの長さを、ピーク幅から推論される、粒子がセンサを通過するのにかかる時間で割算することによって、保存されているイベントデータから算出される。粒子は、それがセンサの軸からどれだけ離れているかに応じて異なる速度で移動する。多数の粒子の速度の平均を求めることによって、平均流体速度を演繹することができる。この平均流速にセンサオリフィスの面積を掛算することによって、平均流体流量を演繹することができる。単位時間当たりに計数された粒子の平均数を平均流量で割算すると、サンプル内の粒子の濃度が得られる。
一態様では、保存された粒子イベントはさらに分析され、各粒子についてサイズデータ、誘電データ、および導電率データが演繹される。すでにコンピュータシミュレーションによって示されているように、粒子イベントに対応するインピーダンスセンサ信号の形状は、センサの中心からの粒子移動経路の軸方向の変位に依存する。非常に正確な粒子データが必要であるときは、この軸方向変位を考慮することができる。当技術分野で既知のように、チャネル内を層流条件の下で流れる流体は放物線フロープロファイルに従うので、粒子速度データおよび平均流速データから変位位置を算出することが可能である(上述の方法を用いて演繹される)。所与の粒子について算出された速度がvpであり、多数の粒子の速度の平均に基づく平均流体流速がvmである場合、インピーダンスセンサがオリフィス半径rを有すると仮定して、粒子がセンサをその中心軸から横断した相対変位x/rは、放物線フロープロファイルについては以下の数式によって表される。
Figure 2005512042
軸方向変位x/rについての粒子移動経路に沿った距離lの関数としてのインピーダンス信号を表す一群のインピーダンスセンサ応答特性S(l, x/r)は、インピーダンス信号分析システムの一態様では参照テーブルに記憶することができる。または、他の態様では、これらの特性を実験式から算出することができる。各特性曲線は、粒子がセンサに入った点からセンサから出た点までの粒子移動の全長にわたる経路Lに沿った積分が以下の式に従うように正規化される。
Figure 2005512042
ここで、lは、センサを通る粒子の移動の中心から粒子までの距離であり、
Figure 2005512042
は、粒子移動経路に沿った標準的な粒子のインピーダンス信号の真の強度であり、
Figure 2005512042
は、
Figure 2005512042
と同じ形式を有するが、積分式による正規化が確実に行われるようにスケーリングされている。すでに示されているように、インピーダンス信号の形状特性は、移動経路の中点の周りで非対称である。
Figure 2005512042
これらの特性によって、8つの周波数(保存されたインピーダンス信号サンプルにおいて具体化される)の実部および虚部を含む16個のインピーダンス信号Ciの強度係数Aiは、関連する形状特性を用いて各チャネルについて重なり積分を算出することによって得ることができる。
Figure 2005512042
上式で、定数Biは16個のチャネルの電子機器における利得の不完全さを補正する。16個のAi係数は、粒子によってセンサチャネルの全体的なインピーダンスにもたらされる摂動の周波数特性および位相特性を概略的に示す。この重なり積分技術を用いるだけでなく、(a)補正関数または自動補正関数を算出することや、(b)信号の二重積分を行うことなどであるが、それらに限らない他の公知の信号処理手法を用いることもできることが理解されよう。二重積分技術は雑音が発生する可能性がより高いが、それにもかかわらず雑音比に対して良好な信号に有効である。
この問題を解く他の手法は、当技術分野で既知のデジタル信号処理方法から導くことができる。したがって、上述のアルゴリズムは特定の態様のみの例である。
図22〜30は、本開示のデータ処理局面の特定の態様によって得られたシミュレーションデータを示している。図22には、センサを通過する9個の粒子の列のシミュレートされたインピーダンス信号が示されている。シミュレートされたガウス雑音が含まれている。16個の別々の信号は、図示のように、8つの周波数の各々の実数成分および虚数成分を表している。
図23は、低域通過フィルタ、この場合は16個のデジタルサンプルの移動和を適用した後の、図22のデータを示している。
図24は、すべての8つの周波数の実数成分と虚数成分の両方について合計された16個のデジタルサンプルにわたる絶対差の移動和を算出することによって導かれた信号を示している(すなわち、この図は、各チャネルにおける出力を算出し、次いですべてのチャネルを足算することを示している)。平均信号レベルが引算され、ノイズフロアが除去されている。
図25は、閾値を用いることによって図24の信号から検出されたピークを示す表である。図示のように、表の各列は、左から右に、ピーク開始時間(秒単位)、ピーク終了時間(秒単位)、およびピーク高さを含んでいる。
図26は、理論上の信号(単一の平滑な曲線)と、シミュレーションにおける9つの粒子についてのf1における同相成分のデジタルサンプルから抽出された信号との比較を示している。
図27は、1つのデータチャネルから得た信号に理論上の信号形状を掛算した図である。図28は、インピーダンス信号の強度を反映するこの掛算の領域を示している。
図29および30は、処理後に回復されるインピーダンス信号のそれぞれ虚部および実部を示している。これらのプロットは、同一の細胞の9つの別々の信号イベントについてのデータを示している。
インピーダンスデータ
インピーダンス摂動情報が関心対象であるが、多くの用途でより有用なパラメータは、個々の粒子自体についてのインピーダンスデータである。一態様では、明示的な粒子インピーダンス情報を抽出するように係数Aiの追加的な分析が用いられる。これを行うには、まず、奇数の指数を有する係数A1, A3, A5 ...A15が8つの周波数のインピーダンス摂動の同相成分または抵抗成分に比例し、一方、偶数係数が対応する位相外れ成分または容量成分に比例することに留意されたい。この分析では、粒子インピーダンスの位相外れ部分が、粒子のキャパシタンスから生じ、インダクタンスからは生じないと仮定されている。誘導インピーダンスは負のキャパシタンス値に対応する。
図31のインピーダンスセンサ態様は、図32に示されている有効インピーダンス回路を有している。インピーダンスが電圧波形Vおよび-Vを有する対称的な電圧源によって駆動されると仮定すると、各インピーダンスの接合点における電圧は次式によって与えられる。
Figure 2005512042
粒子が無い場合、Z1=Z2であり、出力信号は零である。接合電圧は、K1=1/Z1であるK1およびK2=1/Z2であるK2の各項で表した場合、次式によって与えられる。
Figure 2005512042
たとえば、細胞の特性のような、多くの用途では、粒径がセンサ容積と比べて非常に小さい(たとえば、1%未満)。このような場合、分母を、2K1として近似することができ、かつ粒子が存在するときの電圧摂動をQ(K2-K1)(Qは測定用の較正定数)によって正確に近似できるように一定であると仮定することができる。導電率K1およびK2は、センサの幾何学的特性およびセンサの内側の流体の複素誘電率の各項で以下の形で表すことができる。
Figure 2005512042
上式で、AorificeおよびLorificeはそれぞれ、膜センサチャネルの有効面積、および粒子がセンサに入った点からセンサの中点までの電気的距離である。センサの内側の流体の複素誘電率は、粒子からのあらゆる寄与を含んでおり、次式のように書くことができる。
Figure 2005512042
上式で、εsensorfluidは流体の実数誘電率(「誘電定数」)であり、σsensorfluidは流体の導電率であり、ω=2πfは、検討中のVの電圧成分の角度周波数であり、j=(-1)1/2である。Vが多数の周波数の複合体であるとき、センサからの信号は、各々が同様の依存性を有する各周波数の電圧の和になる。
AorificeとLorificeはセンサにおける両方のインピーダンスについて同じであるので、粒子に対応する電圧信号はさらに
Figure 2005512042
に簡略化することができる。この複素数は、信号の同相(実数)および位相外れ(虚数)成分の両方を含む。ここで説明する態様では、各データサンプルは、各々が同相および位相外れ成分について別々のチャネルを有する、8つの周波数の各々について1つのΔε* sensorを含む。8つのΔε* sensorkデータポイントは、次式のように16個の係数Aiに記憶される。
Figure 2005512042
センサ内の流体の有効誘電率に対する粒子の存在の影響は、誘電混合理論によって説明することができる。この混合理論から次式が得られる。
Figure 2005512042
これによって、センサの左側の部分と右側部分の流体特性の違いから生じるセンサ信号は、次式のように与えられる。
Figure 2005512042
各式で、すべての複素誘電率(星で示されている)は前述のようにε*=ε-jσ/ωの形をとる。
すでに指摘されているように、粒子は通常、センサに比べて非常に体積が小さく、したがって、
Figure 2005512042
は非常に大きい。したがって、信号式は通常、次式のように正確に近似することができる。
Figure 2005512042
懸濁流体の誘電率および導電率ならびにセンサ体積は、所与の測定条件について既知であり、未知であるのは粒子の体積と複素誘電率だけである。インピーダンス信号を分析することの目標は、これらのパラメータを演繹することである。8つの測定周波数の値Δε* sensorkを表す係数Aiにさらにフィルタリングを施し、測定の雑音の影響を小さくすることができる。誘電理論では、Δε* sensorの実数成分と虚数成分の両方が周波数の連続関数であり、かつ(位相成分における)実数Δεsensorが、周波数が高くなっても一定であるか、または周波数が高くなるにつれて小さくなる必要がある。周波数に応じたこれらの関数の変化率も制限される。というのは、分散システムにおける最も幅の狭い誘電応答が、10進法で約1.1の周波数の高さの2分の1の幅を有するデバイ分散関数によって与えられるからである。最後に、クラーマースクローニヒの関係でも、Δε* sensorの実部と虚部が以下の関係に従う必要がある。
Figure 2005512042
上式で、aは定数であり、Δσ0は、粒子のDC導電率に関係している。一態様に用いられる幾何学的な間隔を置いて設定された測定周波数f, 2f, 4f, ...の場合、このことは、係数A(2k-1)を次式による係数Akに関係付けなければならないことを意味する。
Figure 2005512042
上式でaoおよびagは、所与のイベントに対して一定な、信号処理シーケンスにおける前述の電子機器およびアルゴリズムに関するオフセットパラメータおよび利得パラメータである。一態様では、係数Aiを曲線当てはめ手順によって分析し、すべてのこれらの制約に従う最良当てはめ値で置き換えることができる。このことは、測定雑音を低下させる効果がある。
調査中の粒子に関して誘電モデルが存在する場合、そのモデルを用いて、調整されたAi係数から粒子の明示的な特性を演繹することができる。たとえば、哺乳類細胞の誘電特性を単一細胞構造によって良好な近似にモデル化することができる。この構造は、厚さdおよび誘電率ε* memの薄い膜に囲まれた複素誘電率ε* intを有する半径rの電気的に均質の細胞質を含む。このような粒子の複素誘電率は次式によって与えられる。
Figure 2005512042
前述のように、各複素誘電率はε*=ε-jσ/ωの形をとり、
Figure 2005512042
は、細胞膜誘電率および導電率を反映し、
Figure 2005512042
は細胞内部誘電率および導電率を反映する。このモデルによって表される粒子の複素誘電率は周波数に強く依存するため、対話型当てはめアルゴリズムを用いて粒子誘電率式を係数Aiに当てはめ、細胞の体積、細胞質の導電率および誘電率、ならびに細胞膜の導電率および誘電率の最良当てはめ推定値を求めることが可能である。当技術分野で既知のように、他の誘電モデルを必要に応じて特定の粒子タイプに使用することができ、それに応じて上記の分析を調整することができる。
一態様では、DSPは、各粒子イベントの調整された係数Aiをホストパーソナルコンピュータにアップロードする。このコンピュータはNelder-Meade単純アルゴリズムまたはその他の線形曲線当てはめて順を用いてvparticle、εmemおよびσintの値を導き、実験中のすべての粒子イベントの累積結果を、一般に血球計算データを表示する場合と同様にドットプロットおよびヒストグラム上に表示する。ホストコンピュータは、DSPシステムおよびFPGAシステムとの通信によって、これらのシステムの測定パラメータおよびデータ分析パラメータを設定するのも可能にする。
すでに示されているように、シングルシェルモデルは、哺乳類細胞の誘電特性をかなり厳密に近似する。明示的な細胞パラメータを最も効果的に測定にするは、誘電シェルモデルによる係数Aiの当てはめが確実なものになるように細胞誘電率が周波数の有力な関数になる条件の下でインピーダンス測定を行うと有用である。これは、本態様における測定の周波数範囲の場合、細胞懸濁流体の導電率が生育可能な細胞の導電率よりもずっと低いときに相当する。生育可能な細胞の代表的な細胞質導電率は〜0.6S/mであり、したがって、懸濁流体の導電率が0.1S/m以下であることが好ましい。これらの条件の下で、生育可能な細胞の誘電率とその懸濁媒体の誘電率との差は、周波数が高くなるにつれて負の値から正の値へと変化し、いわゆる交差周波数で零になる。理想的には、懸濁流体導電率は、実験サンプルにおけるモデル細胞タイプの交差周波数が8f、すなわち、8周波数オクターブ間隔態様で調べられる中心周波数に近くなるように選択された値を有する。
壊死細胞は、低誘電率懸濁流体に懸濁させられると、通常その内部からイオンを失い、その細胞質導電率が低下する。このような損傷した細胞は、交差周波数を示さず、インピーダンス測定によって、細胞質イオンを保持している同じ種類の正常な細胞と容易に区別することができる。このように、インピーダンスセンサ測定を用いて生育可能な細胞を生育不能な細胞および壊死細胞と区別することができる。これは、たとえば組織培養施設で細胞生存度を評価するための有用な手段を構成する。
細胞の膜誘電率は、細胞タイプと、細胞分割、アポトーシスの間の所与の細胞タイプの変化の特徴、および細胞が生物信号にさらされた場合に、化学的に修飾されるか、またはトキシンによって損傷されるかを明確に示すことも分かっている。このため、ACインピーダンス検知法によって様々な細胞タイプを区別し同定することができる。さらに、細胞の生理および形態の変化、ならびに様々な薬品に対する細胞応答を、インピーダンスセンサデータから演繹することができる。この分析手順を適切に調整することによって、様々な粒子測定用途に適切な他のデータ分析段階を実現することができる。
インピーダンス測定段階
図33は、本開示の態様によるインピーダンス測定段階の概要を示している。センサチャネルを横切る圧力差によって生じる懸濁媒体の流れは、サンプルおよび懸濁した粒子をセンサを通過させる。各ボックスは、サポート電子機器で具体化される機能を表している。デジタルアナログ変換器50を通過する前に複合正弦周波数(f1, f2, f3...fn)52の波形を含む参照テーブルから励磁信号21および22がデジタル的に生成されると仮定する。さらに、アナログデジタル変換器51を通過した後でセンサ信号23が分析されると仮定する。ただし、いずれかまたは両方のプロセスに、当技術分野で既知のようにアナログ方法を使用することができる。クロック信号53を用いて励磁プロセスと分析プロセスを同期させることができる。センサ信号23を得た後、信号は信号処理54に送られ、そこでセンサ信号23にそれぞれ1つの正弦周波数(f1, f2, f3...fn)が掛算され、n個の別々の並列プロセスにおいて低域通過フィルタリングが施され、各周波数(1-n)ごとにセンサデータの連続的なストリームが得られる。ピークの固有反転に従うセンサデータの摂動は粒子応答として認識され、それぞれの異なる周波数における数組のインピーダンスデータは各粒子ごとに出力される。センサ信号23の信号分析55では、センサチャネル11を通過する移動時間に基づいて、粒子に対応する数組のインピーダンスデータが分析され、データの軌跡が補正される。各粒子についての周波数スペクトルを構成し、粒子の同定または分類に用いることができる。流体の流量およびフロープロファイルを算出し、これを用いて粒子濃度を算出することができる。
濃度アルゴリズム
前述のように、本開示の態様を用いてサンプルの濃度を分析することができる。この特定の非制限的態様は以下の一般的な段階を含んでよい。
1.複数(たとえば、約500個)の粒子の信号強度および移動時間を測定する。測定全体の時間を記録する。
2.(選択的)(たとえば、図19のようなデータを用いて)移動時間の周波数ヒストグラムを作成する。
3.(選択的)ヒストグラムを層流(または他の種類の)フロープロファイルに曲線当てはめする。
4.平均時間を求め、それをある係数で割算して、オリフィスを通る流量に変換する。
5.流量に測定全体の時間を掛算することによって全体積を算出する。
6.計数された粒子の数を測定全体の体積で割算することによって粒子濃度を算出する。
当業者には、本開示の恩典によって、本明細書で調べられた技術を用いて濃度などの特性を算出するのに他のいくつかの方法を利用できることが認識されよう。すべてのこのような修正態様は、この開示の範囲内とみなされる。
様々な細胞モデル
当技術分野で既知のように、様々な細胞タイプはそれぞれの異なる誘電特性を有する。さらに、埃や煙などの不活性粒子は、生物細胞とは著しく異なる誘電周波数スペクトルを有する。それぞれの異なる粒子間の誘電差を本開示の技術によって検出することができ、これによって、均質懸濁液中の粒子を同定することができ、異質粒状混合物中の互いに異なる粒子をその誘電差に従ってプロファイリングすることができる。このように、インピーダンス検知によって血液細胞差分分析を行うことができ、細菌の胞子などの細胞を哺乳類細胞や花粉のような他の細胞タイプならびに不活性粒子と区別することができる。
したがって、本開示の技術は、細胞懸濁液を伴う臨床用途および粒子プロファイリングが望ましい他の用途だけでなく、農業、水産養殖、戦争およびテロ検出用途における生物剤用途に用いられる検出および区別要素として用いられるのに適している。インピーダンス技術は、独立形態で使用することも、他の装置用のインライン検出要素として使用することもできる。たとえば、この技術は、粒子検出機能および区別機能を実現するために米国特許第6,287,832号、第5,993,632号、第5,993,630号、第5,888,370号、および第5,858,192号(それぞれ参照として本明細書に組み入れられる)に記載されたような装置および方法と一緒に使用することができる。さらに、誘電構成されたパケットを含む、固有誘電差を有するように選択されたビードまたはその他の粒子の差亜母集団同士を区別するのにこの開示の技術を用いることができる。なお、参照として本明細書に組み入れられる米国特許出願第09/883,112号が有用である場合がある。
電極構成
駆動電極およびセンサ電極は、当技術分野で既知の方法を用いて形成することができる。これらの電極は、キャピラリ面または反応面と一緒に形成するか、または両方の要素を形成した後で結合することができる。一態様では、各材料を積層することによって電極を形成することができる。
図34Aおよび34Bは、ドライバ電極3およびセンサ電極4が、誘電体10内の、円形断面を有するチャネル11の内側にマイクロ製造された、本開示の態様によるインピーダンスセンサの構成を示している。流体フロープロファイルは、積層膜構成に存在するプロファイルに類似しており、流体フロー特性および粒子インピーダンス補正値を演繹するための信号形状および信号処理方法は同じである。このマイクロ製造された態様は、キャビラリチューブからなるチャネルとより大きな構造内のチャネルとについて実現することができる。インピーダンスセンサが構成される材料に対する1つの制約は、インピーダンスセンサの導電率を、検知すべき粒子をチャネルを通して運ぶキャリア媒体と比べて低くする必要があることである。図示の構成では、チャネルは円形断面を有し、各電極は、端面図で示されているチャネルの周りに点線で表されたように、チャネルに沿って円形に配置されている。
インピーダンスセンサの他の構成(図35Aおよび35B)は、ドライバ電極3およびセンサ電極4が、矩形断面を有するチャネル11の内側にマイクロ製造される構成である。一態様では、各電極をチャネルケースの2つの互いに向かい合う側に製造することができる。流体フロープロファイルは、円形断面を有するチャネルに存在するプロファイルに類似しているが、それよりも複雑であり、それに応じて、流体フロー特性および粒子インピーダンス補正値を演繹するための信号形状および信号処理方法も、円形センサチャネルケースと異なっているが、当業者には理解されるように同様に取り扱うことができる。このマイクロ製造された態様は、キャピラリチューブ内のチャネル、または矩形チャネルをより容易に実現できるより大きな構造について実現することができる。インピーダンスセンサが構成される材料の導電率は、検知すべき粒子をチャネルを通して運ぶキャリア媒体と比べて低くする必要がある。
各電極は、標準的なフォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。たとえば、参照として本明細書に組み入れられるD. Qinら「マイクロ製造、マイクロ構造、およびマイクロシステム(Microfabrication, Microstructures and Microsystems)」Microsystem Technology in Chemistry and Life Science(Ed. Manz and Becker)、Springer、ベルリン、1997年、pp1〜20を参照されたい。さらに、参照として本明細書に組み入れられるMadou「マイクロ製造の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」CRC Press、Boca Raton、1997年を参照されたい。特定の用途、およびパケットおよび区分媒体の性質に応じて、電極のサイズおよび間隔は、パケットの直径より小さくても、パケットの直径と同様のサイズであっても、パケットの直径より大きくてもよい。駆動電極とセンサ電極との間の間隔は様々であってよいが、一態様では、この間隔は約2ミクロンから約50μmの間であってよい。各電極は、線、方形、円形、ダイヤモンド、多角形、その他の適切な形状のような様々な形態を有してよい。各電極の寸法は様々であってよいが、代表的な電極は約0.2μmから約10mmの間であってよく、特に、約1μmから約200μmの間であってよい。
定義
本明細書では、「キャリア流体」は、他の物質を懸濁させて反応面上にパケットを形成するようにすることのできる物質を指す。キャリア流体は、流体とパケットとの疎水性の差を利用することによって作用することができる。たとえば、炭化水素分子は水溶液のパケット用のキャリア流体として働くことができる。これは、懸濁炭化水素流体に導入される水溶液の分子は、互いに関連付けられたままになる傾向が強いからである。この現象は疎水効果と呼ばれ、パケットの区分および容易な輸送を可能にする。キャリア流体は、サンプル溶液と混和しない誘電キャリア液体であってもよい。他の適切なキャリア流体には、空気、水溶液、有機溶剤、油、および炭化水素が含まれるがこれらに限らない。
本明細書では、「プログラム可能な流体プロセッサ」(PFP)は、個々の素子をそれぞれの異なる電気信号によってアドレス指定することのできる電極アレイを指す。電極信号によって電極素子をアドレス指定することによって、様々な電界分布を開始し、電極面上および電極面の上方でパケットを捕捉し、はねつけ、輸送し、またはパケットに対してその他の操作を行う誘電泳動力またはその他の操作力を生成することができる。電極信号によってアレイ内の電極素子にプログラム可能にアドレス指定することによって、パケットを任意に選択された経路または所定の経路に沿って操作できるように、電界分布およびパケットに作用する操作力をプログラムすることができる。インピーダンスセンサを、PFPに結合されたコントローラに結合することもできる。コントローラは、インピーダンスセンサからのフィードバックをPFPに与えるようにすることができる。
逆位相は、2つの電極が互いに同一であるが逆の電流によって駆動されることを意味する。互いに同一であるが逆の電流信号(+i)と(-i)は、理想的な値の5%以内、より好ましくは2%以内でなければならない。
本明細書では、「パケット」と「粒子」はどちらも、任意の区分された物質を指す。これらの用語は、流体パケットもしくは粒子、カプセル化されたパケットもしくは粒子、および/または個体パケットもしくは粒子を指すことができる。流体パケットまたは粒子は、液体または気体の液滴または気泡を指すことができる。流体パケットまたは粒子は、水の液滴、試薬の液滴、溶剤の液滴、溶液の液滴、サンプルの液滴、粒子もしくは細胞の懸濁液、中間生成物の液滴、最終反応生成物の液滴、または任意の材料の液滴を指すことができる。流体パケットまたは粒子の一例は、油に懸濁させた水溶液の液滴である。パケットまたは粒子はカプセル化することができ、個体であってもよい。個体パケットまたは粒子の例には、表面に結合された試薬が水溶液に懸濁させられたラテックスミクロスフェア、細胞、胞子、顆粒状の澱粉、埃、沈殿物などがある。本明細書に定義されたパケットまたは粒子を生成するかまたは得る方法は当技術分野で既知である。当技術分野で知られているように、パケットまたは粒子のサイズおよび形状は様々であってよい。
本明細書では、「アレイ」は任意のグループ分けまたは配列を指す。アレイは、素子の線形配列であってよい。アレイは、列および行を有する二次元グループ分けであってもよい。列および行を一様な間隔に配置する必要はなく、また直交させる必要もない。アレイは任意の三次元配列であってもよい。
本明細書に記載され請求されたすべての方法は、本開示を考慮して不当な実験なしに準備し実行することができる。本発明の技術は特定の態様に関して説明したが、当業者には、本明細書に記載された方法および段階、または方法の段階のシーケンスに、本発明の概念、趣旨、および範囲から逸脱せずに変形を施せることが明らかになろう。当業者に明らかなすべてのそのような同様の代替態様および修正態様は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨、範囲、および概念内とみなされる。
単一のチャネルを有する従来のインピーダンスセンサの概略図である。図1Aは、センサチャネル内に粒子を有さない装置を示している。図1Bは、センサチャネル内に1つの粒子を有する装置を示している。 粒子カウンタおよびサイザーに用いることのできる従来の粒子インピーダンスセンサ素子の代表的な構成を示す概略図である。 従来のマイクロ製造されたインピーダンスセンサの概略図である。図3Aは側面図である。図3Bは平面図である。 本開示の態様による、2つのチャネルを有するインピーダンスセンサの構成を示す概略図である。図4Aは、センサチャネル内に粒子を有していない。図4Bは、センサチャネル内に1つの粒子を有している。 本開示の態様による、1つのチャネルとチャネルに連結された2つのセンサとを有するインピーダンスセンサの構成の概略図である。 本開示の態様による、1つのチャネルと、粒子が、第2の粒子が第1センサに到達する前に両方のセンサを通過するように、互いに近づけてチャネルに連結された2つのセンサとを有するインピーダンスセンサの構成の概略図である。 本開示の態様による、2センサハイブリッド構成に基づくセンサの断面図である。 本開示の態様による、ドライバ電極、センサ電極、および誘電膜を示す粒子インピーダンスセンサの分解図である。 本開示による粒子インピーダンスセンサの態様の概略図である。図9Aは、3つの個々の層の構造の平面図である。層IおよびIIIは誘電膜であり、層IIはセンサ電極である。図示のすべての寸法および材料(たとえば、底部は50μポリイミドであり、中央は50μ銅であり、頂部は50μポリイミドである)は例示的なものに過ぎない。図9Bは、組立て後の構造の側面図である。センサアセンブリを貫通する穴はセンサチャネルである。頂部誘電層のみを通過するより大きな穴は、センサ電子機器との電気的な接触を可能にするセンサ電極に到達できるようにする。 本開示の態様による、懸濁媒体の流れによってセンサチャネルを通って運ばれる粒子のフローパターンを示す概略図である。 本開示の態様による、センサチャネルの中心から粒子までの距離の関数としての、直径10μmの粒子によって生じるセンサ電極上の電圧摂動のピークのプロットである。線は、双曲型余弦関数のデータへの当てはめを示している。 本開示の態様による、2膜インピーダンスセンサにおける電位分布に対する粒子の影響を示す有限要素シミュレーションの図である。 図13Aおよび13Bは、本開示の態様による、チャネルを充填する媒体よりも導電率が15倍高いパケット(図13A)および1000倍低いパケット(図13B)によって電位の摂動が生じたセンサ電極電位のプロットである。 本開示の態様による、層流条件の下での流速プロファイルを示す図である。 本開示の態様による、放物線フロープロファイルの中心線からの関数としてのセンサチャネル内のキャリア媒体の速度のプロットである。 本開示の態様による、粒子がセンサを通過するときに放物線フロープロファイルを有するキャリア媒体によって運ばれる粒子のパルス形状を示すプロットである。 本開示の態様による有限要素シミュレーションの図である。曲線は、双曲型余弦関数に基づくチャネル形状の近似である。 本開示の態様による、第1のピーク位置から逆の符号を有する第2のピーク位置に至るまでにかかる時間の関数としての、インピーダンスセンサチャネルを通って移動する10μm粒子のピークとピークの間の電圧を示すプロットである。 本開示の態様による、粒子のピークとピークの間の時間の関数としての、センサチャネルを通過する粒子の数を示すプロットである。 図20A、20B、および20Cは、センサ信号の位相および強度が粒子応答(図20A)とAC信号(単一周波数正弦関数として示されている、図20B)を掛算した値を反映することを示す、本開示の態様によるプロットである。結果として得られるセンサ信号は、図20Cに示されている。 本開示の態様による、128:1の範囲にわたる8つの異なる周波数を含む波形を示すプロットである。 本開示のデータ処理局面の特定の態様によって得られたシミュレーションデータを示す図である。 本開示によるインピーダンスセンサ態様を示す図である。 図31の有効インピーダンス回路の図である。 本開示の態様による、インピーダンス測定段階を示す、フローチャートと概略図の組合せである。 図34Aおよび34Bは、ドライバ電極およびセンサ電極が円形断面のチャネルの内側にマイクロ製造された、本開示の態様によるインピーダンスセンサの概略図である。 図35Aおよび35Bは、ドライバ電極およびセンサ電極が矩形断面のチャネルの内側にマイクロ製造された、本開示の態様によるインピーダンスセンサの概略図である。

Claims (40)

  1. 以下を含む、インピーダンスセンサ:
    センサ電極;
    センサ電極に結合され、かつ逆位相で駆動されてセンサ電極で約零の正味出力信号を生成する、第1および第2ドライバ電極;ならびに
    センサ電極および第1と第2ドライバ電極を貫通するよう規定されたチャネル。
  2. センサ電極が、銅を含む、請求項1記載のインピーダンスセンサ。
  3. センサ電極が、検出器電極を挟む第1および第2誘電膜を含む、請求項1記載のインピーダンスセンサ。
  4. 第1または第2誘電膜が、ポリイミドを含む、請求項3記載のインピーダンスセンサ。
  5. 第1または第2誘電膜が、薄板状である、請求項3記載のインピーダンスセンサ。
  6. 第1および第2ドライバ電極が、それぞれ、第1および第2誘電膜に接触する、請求項3記載のインピーダンスセンサ。
  7. 第1および第2ドライバ電極が、複数の周波数で駆動される、請求項1記載のインピーダンスセンサ。
  8. 第1および第2ドライバ電極が、交流信号によって駆動される、請求項1記載のインピーダンスセンサ。
  9. チャネルの断面が、矩形である、請求項1記載のインピーダンスセンサ。
  10. センサ電極に結合されたプログラム可能な流体プロセッサをさらに含む、請求項1記載のインピーダンスセンサ。
  11. 以下を含む、フロースルーインピーダンスセンサ:
    キャリア媒体および粒子をインピーダンスセンサを通して輸送するチャネル;
    チャネルに結合されかつ第1および第2誘電膜の間に挟まれた検出器電極を含む、複合膜センサアセンブリ;ならびに
    チャネルに結合され、かつ複合膜センサアセンブリの両側に隣接している第1および第2ドライバ電極であって、逆位相で駆動されて、
    (a)インピーダンスセンサ内に粒子がないときに検出器電極で約零の正味出力信号を生成し、および
    (b)インピーダンスセンサ内に粒子があるときに検出器電極で非零の正味出力信号を生成する、第1と第2ドライバ電極。
  12. 第1および第2ドライバ電極が、複合膜センサアセンブリに接触する、請求項11記載のインピーダンスセンサ。
  13. 第1および第2ドライバ電極が、複数の周波数で駆動される、請求項11記載のインピーダンスセンサ。
  14. 第1および第2ドライバ電極が、交流信号によって駆動される、請求項11記載のインピーダンスセンサ。
  15. センサ電極に結合されたプログラム可能な流体プロセッサをさらに含む、請求項11記載のインピーダンスセンサ。
  16. 以下の段階を含む、パケットの特性を判定する方法:
    逆位相で駆動されて、センサ電極で約零の正味出力信号を生成する第1および第2ドライバ電極を含むインピーダンスセンサを通して、パケットを含む流体を流す段階;
    インピーダンスセンサ内のパケットの存在に関連するインピーダンスの変化によって生じる正味出力信号の摂動を測定する段階;ならびに
    摂動からパケットの特性を判定する段階。
  17. パケットの特性が、パケットのサイズを含む、請求項16記載の方法。
  18. パケットの特性が、インピーダンスセンサを通してパケット経過時間を含む、請求項16記載の方法。
  19. パケットの特性が、パケット速度を含む、請求項16記載の方法。
  20. パケットの特性が、パケット濃度を含む、請求項16記載の方法。
  21. パケットの特性が、インピーダンスセンサ内の相対変位を含む、請求項16記載の方法。
  22. パケットの特性が、パケットインピーダンスを含む、請求項16記載の方法。
  23. 以下の段階を含む、粒子の特性を判定する方法:
    センサ電極、センサ電極に結合されかつ逆電位で駆動されてセンサ電極で約零の正味出力信号を生成する第1および第2ドライバ電極、ならびに、センサ電極および第1と第2ドライバ電極を貫通するよう規定されたチャネル、を含むインピーダンスセンサを備える段階;
    第1および第2ドライバ電極に多周波数駆動信号を印加する段階;
    センサ電極からインピーダンス信号を受け取る段階;
    駆動信号の周波数でインピーダンス信号の同相および位相外れ成分を測定する段階;
    粒子イベントを示す同相および位相外れ成分の変化を検出する段階;および
    粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階。
  24. 駆動信号が、各周波数が基本周波数の整数倍数である異なる周波数の別々の波形の複合体を含む、請求項23記載の方法。
  25. 駆動信号が、周波数f、2f、4f、8f、16f、32f、64f、および128fを有する8つの別々の正弦波から成る、請求項24記載の方法。
  26. インピーダンス信号成分が、24ビット語として表わされる、請求項23記載の方法。
  27. 同相および位相外れ成分の変化の大きさの移動和を含む複合信号を導く段階をさらに含む、請求項23記載の方法。
  28. 粒子イベントを示す変化を検出する段階が、複合信号がノイズフロアよりも大きい閾値をいつ超えるかを判定する段階を含む、請求項27記載の方法。
  29. 粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階が、重なり積分を算出する段階を含む、請求項23記載の方法。
  30. 粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階が、同相および位相外れ成分に関連する曲線をクラーマースクローニヒの関係に従うように制限する段階を含む、請求項23記載の方法。
  31. 粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階が、粒子速度を測定する段階を含む、請求項23記載の方法。
  32. 粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階が、平均流体速度を測定する段階を含む、請求項23記載の方法。
  33. 粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階が、粒子濃度を測定する段階を含む、請求項23記載の方法。
  34. 粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階が、粒径を測定する段階を含む、請求項23記載の方法。
  35. 粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階が、粒子の相対変位を測定する段階を含む、請求項23記載の方法。
  36. 粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階が、粒子の誘電特性を判定する段階を含む、請求項23記載の方法。
  37. 粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階が、粒子の導電率特性を判定する段階を含む、請求項23記載の方法。
  38. 粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階が、粒子のインピーダンスを測定する段階を含む、請求項23記載の方法。
  39. 粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階が、粒子の細胞膜誘電率を測定する段階を含む、請求項23記載の方法。
  40. 粒子イベントに関するインピーダンス信号の部分を分析して粒子の特性を判定する段階が、粒子の細胞質誘電率を測定する段階を含む、請求項23記載の方法。
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