JP2005511770A - Hmgbタンパク質およびhmgbタンパク質をコードする核酸の使用方法 - Google Patents

Hmgbタンパク質およびhmgbタンパク質をコードする核酸の使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、子宮内膜疾患を治療および/もしくは予防するための医薬品を開発および/もしくは生成するための、ならびに/または子宮内膜疾患を診断するための診断薬を開発および/もしくは生成するための標的分子としての、HMGBおよび/またはHMGBをコードする核酸および/または特に天然のHMGB相互作用パートナーおよび/またはそれをコードする核酸の使用に関する。

Description

本発明は、医薬品および/または診断薬を開発するための標的分子としての、HMGB、HMGBをコードする核酸、HMGB相互作用パートナ(特に、天然のHMGB相互作用パートナー)、および/またはHMGB相互作用パートナーをコードする核酸の使用、医薬品および/または診断薬、薬学的組成物、およびキットを生成および/または開発するための、HMGB、HMGBをコードする核酸、HMGB相互作用パートナ(特に、天然のHMGB相互作用パートナー)、および/またはHMGB相互作用パートナーをコードする核酸と相互作用する化合物の使用に関する。
HMG(high mobility group)タンパク質は小さなクロマチン関連非ヒストンタンパク質であり、その機能配列モチーフの結果として、特に、HMGBファミリー、HMGNファミリー、およびHMGAファミリーの3つのファミリーに分類される(Bustin M.「Revised nomenclature for high mobility group (HMG) chromosomal proteins.」Trends Biochem.Sci.2001, 26:152-1533)。DNA結合ドメインに基づいて、ファミリーの振り分けが行われた。HMGBファミリーのタンパク質は、結合ドメインとしていわゆるDNAボックスを有する。従って、このファミリー名の略語の文字Bはボックスを表している。HMGB1は最も詳細に研究されているHMGBファミリーのタンパク質であり、このファミリーにはHMGB2、HMGB3、SP100-HMG、さらに他のタンパク質が属している。
生殖可能な年齢の間、子宮腔内の子宮内膜は、卵巣ホルモンにより誘導される周期的な変化を受ける。子宮内膜の蓄積が子宮内部以外の部位に存在する場合、子宮内膜症と呼ばれる。子宮内膜症は、性的に成熟している年齢(約20〜40歳)の女性の約10〜15%で起こる。不妊、重篤な疼痛、出血、および流産率の増加などの総体的症状のために、子宮内膜症には極めて重要な臨床上の関連性がある(Baltzer, J.および Mickan, H.(1994) Gynakologie-Ein kurzgefasstes Lehrbuch(Gyanecology-an abridged textbook)、Thieme、Stuttgart、206-214頁)(Gogusev, J.Bouquet de Joliniere, J.、Telvi, L.、Doussau, M., du Manior, S.、Stoikoski, A.、Levardon M、(1999)「Detection of DNA copy number changes in human endometriosis by comparative genomic hybridisation.」Hum Genet 105:444-451)。考えられる療法は、ホルモン拮抗薬を用いてホルモンバランスを変える療法、およびできるかぎり臓器を保存しながら子宮内膜蓄積を除去する外科的介入(腹腔鏡検査または開腹)に基づいている(Schmidt Matthiesen, H.および Hepp, H.(1998):Gynakologie und Geburtshilfe(Gyanecology and obstetrics)、Schattauer、Stuttgart、339-340頁)。前述の療法が可能な場合の不利点は、これらの療法がどれも原因療法でないことである。
従って、本発明は、子宮内膜症形態の範囲に属する疾患の原因療法を可能にする薬剤を提供するという課題に基づいている。さらに、本発明の基礎となる課題は、子宮内膜症(一般的に、子宮内膜疾患)を治療するための医薬品の開発を可能にする薬剤を提供することである。最後に、本発明の課題は、子宮内膜疾患を診断するための薬剤を提供することである。さらに、本発明は、避妊薬および/またはそれを生成するプロセスを提供するという課題に基づいている。
本発明によれば、第1の局面では、子宮内膜疾患を治療および/もしくは予防するための医薬品を開発および/もしくは生成するための、ならびに/または子宮内膜疾患を診断するための診断薬を開発および/もしくは生成するための標的分子として、HMGBおよび/またはHMGBをコードする核酸および/またはHMGB相互作用パートナ(特に、天然のHMGB相互作用パートナー)および/またはHMGB相互作用パートナーをコードする核酸を使用することによって課題が達成される。
第2の局面では、避妊薬である医薬品を開発および/または生成するための標的分子として、HMGB、HMGBをコードする核酸、または相互作用パートナー(特に、天然の相互作用パートナー)、および/または相互作用パートナーをコードする核酸を使用することによって課題が達成される。
本発明の第1および第2の局面の態様において、医薬品は、抗体、ペプチド、アンチカリン(anticalin)、小分子、アンチセンス分子、アプタマー、スピゲルマー(Spiegelmer)、およびRNAi分子を含む群より選択される薬剤を含むことが期待される。
さらなる態様において、薬剤は、HMGBまたは特に天然のHMGB相互作用パートナーと相互作用することが期待される。
さらなる態様において、薬剤は、HMGBをコードする核酸および/または特に天然のHMGB相互作用パートナーをコードする核酸(特に、HMGBのmRNA、ゲノム核酸、またはcDNA)と相互作用することが期待される。
第3の局面において、子宮内膜疾患を治療および/もしくは予防するための医薬品ならびに避妊薬を含む群より選択される医薬品を生成もしくは開発するために、ならびに/または子宮内膜疾患を診断するための診断薬を生成もしくは開発するために、HMGBまたは特に天然のHMGB相互作用パートナーと相互作用するポリペプチドを使用することによって課題が達成される。
1つの態様において、ポリペプチドは、HMGBに対する抗体およびHMGB結合ポリペプチドを含む群より選択されることが期待される。
第4の局面において、子宮内膜疾患を治療および/もしくは予防するための医薬品ならびに避妊薬を含む群より選択される医薬品を生成もしくは開発するために、ならびに/または子宮内膜疾患を診断するための診断薬を生成もしくは開発するために、HMGBまたは特に天然のHMGB相互作用パートナーと相互作用する核酸を使用することによって課題が達成される。
1つの態様において、核酸はアプタマーおよびスピゲルマーを含む群より選択されることが期待される。
第5の局面において、子宮内膜疾患を治療および/もしくは予防するための医薬品ならびに避妊薬を含む群より選択される医薬品を生成もしくは開発するために、ならびに/または子宮内膜疾患を診断するための診断薬を生成もしくは開発するために、HMGBをコードする核酸または特に天然のHMGB相互作用パートナーをコードする核酸と相互作用する核酸を使用することによって課題が達成される。
1つの態様において、相互作用する核酸は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、および/またはRNAiであることが期待される。
さらなる態様において、HMGBをコードする核酸または特に天然のHMGB相互作用パートナーをコードする核酸は、関係するcDNAまたはmRNAであることが期待される。
本発明の全ての局面の態様において、子宮内膜疾患は、子宮内膜症、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、および子宮内膜癌を含む群より選択されることが期待される。
本発明の全ての局面のさらなる態様において、HMGBは、HMGB1、HMGB2、HMGB3、およびSP100-HMGを含む群より選択されることが期待される。
本発明の全ての局面のさらなる態様において、HMGB相互作用パートナーはRAGE(receptor for advanced glycation end products)であることが期待される。
第6の局面において、HMGB、HMGBをコードする核酸、特に天然のHMGB相互作用パートナーおよび/またはHMGB相互作用パートナーをコードする核酸と相互作用するポリペプチド、HMGBまたは特に天然のHMGB相互作用パートナーと相互作用する核酸、ならびにHMGBまたは特に天然のHMGB相互作用パートナーをコードする1つまたは複数の核酸と相互作用する核酸を含む群より選択される少なくとも1つの薬剤と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む、特に、子宮内膜疾患の治療および/もしくは予防ならびに/または避妊のための、薬学的組成物によって課題が達成される。
第7の局面において、HMGB、HMGBをコードする核酸、特に天然のHMGB相互作用パートナー、もしくはHMGB相互作用パートナーをコードする核酸と相互作用するポリペプチド、HMGB、HMGBをコードする核酸、特に天然のHMGB相互作用パートナー、もしくはHMGB相互作用パートナーをコードする核酸と相互作用する核酸、および/またはHMGBをコードする核酸もしくは特に天然のHMGB相互作用パートナーをコードする核酸と相互作用する核酸を含む、子宮内膜の状態を特徴付けるための(特に、妊娠または周期の妨害の存在を確かめるための)キットによって課題が達成される。
第8の局面において、子宮内膜疾患を治療および/もしくは予防するための医薬品を開発および/もしくは生成するために、ならびに/または子宮内膜疾患を診断するための診断薬を開発および/もしくは生成するために、RAGEまたはその誘導体を使用することによって課題が達成される。
好ましい態様において、RAGE誘導体は、sRAGEまたは配列番号:4、5、もしくは6の核酸の翻訳産物であることが期待される。
本発明は、HMGB1、HMGB2、HMGB3、およびSP100-HMGなどのHMGBタンパク質、特に、HMGB1が全ての細胞に同じ濃度で偏在していると最先端分野において以前では広く支持されていた見解が間違っているという驚くべき発見に基づいている。本発明者らは、そうではなく、HMGB(特に、HMGB1)が子宮内膜において特に強く発現していることを発見した。さらに、本発明者らは、HMGB(特に、HMGB1)の力価が子宮内膜周期の間に著しく変化することを発見した。最後に、本発明者らは、HMGB(特に、HMGB1)の相互作用パートナーであるRAGEの量および/または濃度も子宮内膜周期の間に変化することを発見した。以下において、これにとらわれる必要はないが、このことによって、HMGB1の作用を阻止する能力(通常、HMGB1および/またはその受容体をブロックすることによって観察される)が得られる。それに対応して、 治療的な考えのもとで作用の阻止を利用することができる。この場合、HMGB(特に、HMGB1)およびその相互作用パートナー(特に、RAGE)を介した作用が阻止される。このことは、例えば、本明細書で説明される子宮内膜疾患に関連した予防および治療に有利に利用することができる。さらに、HMGタンパク質およびその相互作用パートナー(特に、HMGB1およびRAGE)は、子宮内膜の状態および/または本明細書で開示される子宮内膜疾患をモニタリングするのに適した標識である。これに関連して、関係する疾患が診断され、治療され、その進行に影響が及ぼされ(好ましくは、遅くなる)、および/または治療の成功が、好ましくは、生物学的に活性なHMGBおよび/またはその相互作用パートナー(例えば、特にRAGE))を減少させることによってモニタリングされる。
HMGBおよびその相互作用パートナー(特に、RAGE)が子宮内膜での出来事に重要であるという、これらの驚くべき見識は、本発明の様々な局面の根底をなしている。
用語「HMGB」は、この場合、HMGBファミリーの全てのタンパク質を意味すると理解すべきである。このことに関して、本発明は、HMGBタンパク質およびHMGBタンパク質をコードする核酸の使用に関する。特に、本発明は、このことに関して、本明細書に開示された様々な局面において、HMGB1、HMGB2、HMGB3、およびSP100-HMG(特に、HMGB1)、ならびに/またはそれらをコードする核酸の使用に関する。HMGBは、欠失、変異、および修飾を示すHMGB分子(例えば、修飾HMGBタンパク質と一般的な名称で本明細書で呼ばれるもの)も含むと理解すべきである。本発明の意味によれば、HMGBタンパク質は、非修飾形態の特性の少なくとも1つを示す、または有する限り、HMGBタンパク質とみなされる。対応する修飾は、この分野の当業者の能力の範囲内である。
本発明は、一例としてHMGB1によって以下で説明される。
HMGB1は、高移動度タンパク質のグループに属する。HMGB1は、最も詳細に調べられているHMGBファミリーのタンパク質である。基本的に、2つの異なるHMGB1機能が知られている。一方の機能は、いわゆる、構造転写因子(architectonic transcription factor)であり、細胞核における特定の標的遺伝子の転写因子複合体の形成(例えば、エストロゲン受容体と特定のDNA配列との結合)に影響を及ぼす(Boonyaratanakornkit, V.、Melvin V.、Prendergast, P.、Altmann, M.、Ronfani, L.Bianchi, ME.、Tarasevicience, L.、Nordeen, SK.、Allegretto, EA.、Edwards, DP(1998):「High mobility group chromatin proteins 1 and 2 functionally interact with steroid hormone receptors to enhance their DANN binding in vitro and transcriptional activity in mammalian cells.」Mol.Cell Biol 18:4471-4487)。他方で、HMGB1は、細胞表面受容体RAGE(receptor for advanced glycation end products)の細胞外リガンドである(Taguchi, A.、Blood, DC.、del Toro, G.、Canet, A.、Lee, DC.、Qu, W.、Tanji, N.、Lu, Y.、Lalla, E.、Fu, C.、Hofmann., MA.、Kislinger, T.、Ingram, M.、Lu, A.、Tanaka, H.、Hori, O., Ogawa、page Stern, DM.、Schmidt, AM.(2000)「Blockade of RAGE-amphetorin signalling suppresses tumour growth and metastases.」Nature 405:354-360)。従って、RAGEは、本発明の意味によればHMGBの相互作用パートナーである。この機能において、HMGB1は腫瘍の転移化に関与し、中心的な細胞シグナル伝達経路(例えば、p21ras、MAPキナーゼ、NF-kB、およびcdc42/rac)において役割を果たしている。HMGB1を分泌する能力は、ある特定の細胞タイプ:マクロファージ(macrophagen)、ニューロン、および特定の腫瘍細胞株だけに限られている(Taguchi, A.、Blood, DC.、del Toro, G.、Canet, A.、Lee, FC.、Qu, W.、Tanji, N.、Lu, Y.、Lalla, E.、Fu, C.、Hofmann., MA.、Kislinger, T.、Ingram, M.、Lu, A.、Tanaka, H.、Hori, O., Ogawa、page Stern, DM.、Schmidt, AM.(2000):「Blockade of RAGE-amphetorin signalling suppresses tumour growth and metastases.」Nature 405:354-360)、およびMuller, S.、Scaffidi, P.、Degryse, B.、Bonaldi, T.、Ronfani, L.、Agresti, A.、Beltrame, M.、Bianchi, ME.(2001):「the double life of HMGB1 chromatin protein:architectural factor and extracellular signal.」EMBO J 20:4337-4340)。
子宮内膜症は間違いなく複雑なプロセスであり、この病因は依然としてはっきりしていない。組織学的には、支質に取り囲まれた子宮内膜腺が現れる(Thomas, C.(1998): Histopathologie. Schattauer、Stuttgart、249-250頁)。その結果として、上皮および間葉からなる組織の変化が伴う。説得力のある見解によれば、子宮内膜症は粘膜が異所に存在するもの(mucosal ectopy)である。
さらに、子宮内膜症は、その位置によって以下の異なるグループに分類される(Baltzer, J.およびMickan, H.(1994):Gynakologie-Ein kurzgefasstes Lehrbuch(Gyanecology-an abridged textbook)、Thieme、Stuttgart、206-214頁)。本明細書では子宮内膜症と一般的な名称で呼ぶ。
1.内性子宮内膜症(主に、子宮壁(子宮腺筋症)および管に存在する)
2.外性子宮内膜症(主に、子宮頚管後方のダグラス腹膜、卵巣、および部(portio)に存在する)
3.生殖器外性子宮内膜症(主に、膀胱、外科的瘢痕、胸膜、尿管、および腸に存在する)
これらの異所性の粘膜島(mucosal island)は、卵巣ホルモンの影響を受けて周期に大きく関与し、結果として、周期的な変化(すなわち、粘膜増殖、分泌期の徴候、月経前浮腫、および粘膜の分解、ならびに血液の流出)を示す。
このプロセス間に起こる変化は、蓄積の位置および程度に応じて特有の疼痛をもたらす。さらに、月経前に疼痛が始まることと、月経期間が短くなることがよくみられる。分解組織が流出できない、および出血ができない結果として、臓器の嚢胞性の膨張および癒着が生じることがあり、これは、慢性的な疼痛につながることがある(SCHMIDT-MATTHIESEN, H.およびHEPP, H.(1998):Gynakologie und Geburtshilfe(Gyanecology and obstetrics)、 Schattauer、Stuttgart、339-340頁)。
子宮内膜症の病因に関しては非常に多くの様々な仮説が存在する(Baltzer, J.およびMickan, H.(1994):Gynakologie-Ein kurzgefasstes Lehrbuch(Gyanecology-an abridged textbook)、Thieme、Stuttgart、206-214頁)(Scheider, A.(2001):Frauenheilkunde.Auszug aus der Hauptvorlesung(Gyanecology. Excerpt from the main lecture)。最も妥当と思われる仮説のうちイエナ大学(www.unijena.de/ufk/cd/endomose.htm)のものは以下の通りである。現在、最後の評価が適当であるように思われないが、おそらく、いくつかの要因が病因に役割を果たしているかもしれない。
「新規の(de novo)」(非局所部位への子宮内膜組織の拡大)。この拡大は、様々な方法で、すなわち、逆行性月経、血管増殖、(外科的介入による)機械的な拡大、子宮筋層への子宮内膜の侵入、排卵前卵管蠕動の結果としての吸い込みによって再度起こり得る(チョコレート嚢胞が形成することがある)。
「インサイチュー」(多中心性上皮から子宮内膜組織への変化):胎児性残存組織(体腔上皮、ミュラー管および/またはヴォルフ管の残存物に由来する上皮)が化生によって子宮内膜組織に変化する。
子宮内膜により誘導された化生:逆行性月経の結果として腹膜に達した子宮内膜部が未分化な間葉細胞を子宮内膜組織に分化させる。
本明細書に開示される子宮内膜組織におけるHMGB(特に、HMGB1)の発現増加の結果として、HMGBタンパク質、HMGBタンパク質をコードする核酸だけでなく、HMGB(特に、HMGB1)の相互作用パートナー(特に、天然の相互作用パートナー)が医薬品の開発に使用することができる標的分子または標的でないと、最先端分野において今まで幅をきかせていた見解と距離を置くことができる。しかしながら、本明細書でなされた開示を考慮すれば、これらはむしろ、子宮内膜組織(特に、子宮内膜疾患)に関連した医薬品または診断薬の生成または開発に最も関連している標的分子である。本明細書で用いられる用語「子宮内膜疾患」は、本明細書で説明される様々な態様において、特に、子宮内膜症に関するが、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、および子宮内膜癌にも関する。
これに関して、標的としてのHMGBタンパク質、HMGBタンパク質をコードする核酸、特に天然のHMGB相互作用パートナー、および/またはHMGB相互作用パートナーをコードする核酸の使用は、医薬品および/または診断薬の任意の生成および/または開発プロセスに関連して使用することができる。
これに関して、医薬品または診断薬は、抗体、HMGB1結合ペプチド、HMGB1結合アンチカリン、HMGB1と相互作用する小分子、HMGB1と相互作用する核酸(例えば、アプタマーもしくはスピゲルマー)、またはHMGB1をコードする核酸(例えば、mRNAもしくはcDNA)と相互作用する核酸でもよい。この場合、医薬品または診断薬はまた、RAGEの短縮形態および/または可溶性形態(いわゆる、sRAGE)、RAGEに対する抗体、RAGE結合ペプチド、RAGE結合アンチカリン、RAGEと相互作用する小分子、RAGEと相互作用する核酸(例えば、アプタマーもしくはスピゲルマー)、またはRAGEをコードする核酸(例えば、mRNAもしくはcDNA)と相互作用する核酸でもよい。医薬品または診断薬は、どのような場合でも、本明細書で開示される様々な疾患の治療、予防、および/または診断での使用に適している。
これに関して、天然のRAGEの代わりに、ヒト由来でも他に由来しても(特に、他の哺乳動物に由来しても)、その短縮形態および/または可溶性形態も使用できることは本発明の枠内であり、このことも最先端分野において周知である。さらに、例示的なパートにおいて本明細書で説明され、配列番号:4、5、および6の核酸によりコードされるRAGEの短い形態を本発明の枠内で使用できることは本発明の枠内である。
HMGB1に特異的な抗体を作成するために、最新技術に準じた周知のプロセス(例えば、この分野の当業者に周知のプロセス)が用いられる。これに関して、特に好ましいのは、CasarおよびMilsteinのプロトコールならびにそれをさらに発展したものに従って作成することができるモノクローナル抗体を使用することである。これに関して、抗体はまた、一般的にHMGBに特異的に結合することができる限り、抗体フラグメントまたは抗体誘導体(例えば、Fabフラグメント、Fcフラグメント)だけでなく、単鎖抗体でもある。モノクローナル抗体の他に、ポリクローナル抗体も使用することができる。原則的に医薬品としても使用することができる基礎研究用のポリクローナルは、例えば、HMGB1に対する抗体sc-12523(サンタクルスバイオテクノロジー(Santa Cruz Biotechnology), Santa Cruz, USA)である。好ましくは、使用される抗体はヒト抗体またはヒト化抗体である。HMGB1について上記で述べられた詳細は、その意味の点で、HMGB、HMGB(特に、HMGB1)の相互作用パートナー(例えば、RAGE)にも適用される。
HMGBタンパク質、HMGBタンパク質をコードする核酸、特に天然のHMGB相互作用パートナー、および/またはHMGB相互作用パートナーをコードする核酸を標的として使用して生成することができる医薬品のさらなるクラスは、これらに結合するペプチドである。このような結合ペプチドは、当技術分野において周知のプロセス(例えば、ファージディスプレイ)を用いたスクリーニングによって生成することができる。これらの技法はこの分野の当業者に周知である。この場合、このようなペプチドを生成する手順は、一般的に、例えば、ファージの形でペプチドライブラリーが作成され、このライブラリーが標的分子(例えば、本発明の場合ではHMGB1)と接触されるような手順である。次いで、結合ペプチドは、一般的に、複合体として標的分子と共にライブラリーの非結合メンバーから取り出される。この場合、結合特性が、具体的には、それぞれの場合で存在する試験条件(例えば、塩含有量など)に少なくともある程度まで依存することは、この分野の当業者の知識の枠内である。標的分子に向かう親和性または力が高いまたは強い結合ペプチドをライブラリーの非結合メンバーおよび/または標的分子から分離した後に、結合ペプチドを特徴付けすることができる。必要に応じて、特徴付けの前に、例えば、1つまたは複数のペプチドをコードする対応するファージの増幅による増幅段階が必要とされる。特徴付けは、好ましくは、HMGB1に結合するペプチドの配列決定を含む。これに関して、ペプチドは、原則的に、その長さに関して制限されない。しかしながら、一般的に、このようなプロセスにおいて、長さが8〜20アミノ酸のペプチドが得られる、および/または使用される。ライブラリーのサイズは、102〜1018個、好ましくは、108〜1015個の異なるペプチドである。HMGB1について上記で述べられた詳細は、その意味の点で、HMGB、HMGB(特に、HMGB1)の相互作用パートナー(例えば、RAGE)にも適用される。
標的分子に結合するポリペプチドの特殊な形態は、例えば、ドイツ特許出願第DE 197 42 706号で述べられているアンチカリンからなる。
子宮内膜疾患を治療するための医薬品を製造および/または開発するための、ならびに子宮内膜症を診断するための薬剤を製造および/または開発するための標的分子としてHMGBタンパク質、HMGBタンパク質をコードする核酸、HMGB相互作用パートナー(特に、天然の相互作用パートナー)、および/またはHMGB相互作用パートナーをコードする核酸を使用する時、小分子ライブラリーも使用することができる。この場合でも、標的分子(すなわち、HMGBタンパク質またはその相互作用パートナー(例えば、RAGE)の1つまたはいくつか)を個々に、または必要に応じて組み合わせて小分子ライブラリーと接触させることができ、標的分子に結合したライブラリーのメンバーを決定し、必要に応じて、ライブラリーの他のメンバーおよび/または標的分子から分離し、選択的に、さらに特徴付けることができる。小分子の特徴付けは、この分野の当業者に周知の手順に従って行われる。このような方法で、例えば、化合物を同定し、分子構造を決定することが可能である。これらのライブラリーは、わずか2個のメンバー、および数十万個までの多数のメンバーを含む。
アプタマーおよびスピゲルマーを生成するために、HMGBタンパク質、HMGBタンパク質をコードする核酸、特に天然のHMGB相互作用パートナー、および/またはHMGB相互作用パートナーをコードする核酸を標的分子として使用し、次いで、これらのアプタマーおよびスピゲルマーを直接的または間接的に医薬品として使用することも本発明の範囲内である。
アプタマーは一本鎖または二本鎖のD-核酸であり、標的分子に特異的に結合する。アプタマーの生成は、例えば、欧州特許第0 533 838号に記載されている。この手順は以下の通りである。
アプタマーを生成するプロセスでは、核酸(すなわち、潜在的なアプタマー)の混合物が作成され(それぞれの核酸は少なくとも8個の連続したランダムヌクレオチドのセグメントからなる)、この混合物は、標的分子または標的(本発明の場合では、HMGBタンパク質、HMGBタンパク質をコードする核酸、HMGB相互作用パートナー(特に、天然の相互作用パートナー)、および/またはHMGB相互作用パートナーをコードする核酸)と接触され、おそらく、候補混合物と比較して親和性が強い結果として標的に結合した核酸が候補混合物の残りから分離され、このように得られた標的に結合した核酸(おそらく、親和性または力が強い)が増幅される。プロセスの終わりに、関係する標的または標的分子に特異的に結合する核酸(すなわち、いわゆるアプタマー)が得られるように、これらの段階は数回繰り返される。アプタマー開発分野の当業者に周知なように、例えば、ある特定の化学基を導入することによって、これらのアプタマーを安定化することができることは本発明の枠内である。現在、アプタマーは既に治療に用いられている。このように生成されたアプタマーを標的確認に、および/または医薬品(特に、小分子医薬品)開発用のガイド物質(guide substance)として使用することも本発明の枠内である。
基本的に同様の原理が、標的分子としてのHMGBタンパク質、HMGBタンパク質をコードする核酸、HMGB相互作用パートナー(特に、天然の相互作用パートナー)、および/またはHMGB相互作用パートナーをコードする核酸に基づいて本発明の枠内で開発することができるスピゲルマーの生成または調製の基礎をなしている。スピゲルマーの生成は、例えば、国際公開公報第98/08856号の国際出願で述べられている。スピゲルマーは、例えば、L-ヌクレオチドからなるL-核酸であり、本質的に、生物系において非常に高い安定性を有することを特徴とし、同時に、アプタマーと同じ程度に標的分子と特異的に相互作用し、および/または標的分子に結合することができる。さらに正確には、スピゲルマー生成の手順は、D-核酸の不均一集団を生成し、この集団と標的分子の鏡像異性体(従って、本発明の場合では、天然のL-鏡像異性体のD-鏡像異性体)を接触させ、その後、標的分子の鏡像異性体と相互作用しなかったD-核酸を分離し、標的分子の鏡像異性体と相互作用したD-核酸を決定(必要に応じて、分離および配列決定)し、その後、先に決定されたD-核酸の配列と配列の点で同一のL-核酸を合成することからなる。アプタマーを生成するためのプロセスと同様に、この場合、前記の段階を繰り返すことによって適切な核酸(すなわち、スピゲルマー)を濃縮および/または生成することも可能である。
HMGBタンパク質、HMGBタンパク質の相互作用パートナー、および/またはそれらをコードする核酸を用いて生成および/または開発することができる化合物のさらなるクラスは、リボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびRNAiである。
これらのクラスは全て、翻訳生成のレベル、すなわち、タンパク質(HMGBタンパク質およびそのタンパク質相互作用パートナー)のレベルでタンパク質の作用を消失させることはできないが、関係するタンパク質をコードする核酸(特に、HMGB1をコードするmRNA)のレベルで作用を消失させることができるという共通の特性を有する。
リボザイムは触媒活性のある核酸であり、好ましくは、RNAから構成され、2つの部分領域からなる。第1の部分領域は触媒活性を担っているが、第2の部分は標的核酸との特異的相互作用を担っている。一般的に、本質的に互いに相補的な2塩基領域のハイブリダイゼーションによって標的核酸とリボザイムの第2の部分とが相互作用すれば、リボザイムの触媒部位が標的核酸を分子内または分子間で加水分解することができる。リボザイムの触媒作用がホスホジエステラーゼ活性である場合、後者が好ましい。その後、おそらく、さらに、コード核酸が分解され、標的分子の力価が核酸レベルおよびタンパク質レベルの両方で細胞内および細胞外で低下する。子宮内膜疾患の場合、治療アプローチがこのように提供される。リボザイム、その使用、および構築原理はこの分野の当業者に周知であり、例えば、DohertyおよびDoudna(「Ribozyme structures and mechanics.」Annu Rev Biophys Biomol Struct 2001;30:457-75)ならびにLewinおよびHauswirth(「Ribozyme gene therapy:applications for molecular medicine.」Trends Mol Med 2001、7:221-8)により述べられている。
基本的に同様の作用機構が、医薬品および/または診断薬を生成するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用の基礎をなしている。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、塩基相補性の結果として、一般的に標的RNA(通常、mRNA)とハイブリダイズし、結果として、RNアーゼHを活性化する。RNアーゼHはホスホジエステルおよびホスホロチオエート結合DNAによって活性化される。しかしながら、ホスホジエステル結合DNAは細胞ヌクレアーゼによって急速に分解されるが、例外としてホスホロチオエート結合したDNAは分解されない。非天然に生じる、これらの耐性DNA誘導体はRNAとハイブリダイズしていても、RNアーゼHを阻害しない。言い換えれば、アンチセンスポリヌクレオチドは、DNA-RNAハイブリッド複合体として存在する時だけ有効である。このようなアンチセンスオリゴヌクレオチドの例は、特に、米国特許第5, 849, 902号または同第5, 989, 912号に見られる。基本的に、アンチセンスオリゴヌクレオチドの本質的な概念は、ある特定のRNAに対する相補的核酸を提供することからなる。言い換えれば、HMGBタンパク質および/またはその相互作用パートナーの核酸配列(特に、関係するmRNA)の知識から出発して、コード核酸(特に、mRNA)の分解につながる、適切なアンチセンスオリゴヌクレオチドを塩基相補性によって生成することができる。
基本的に、医薬品および/または診断薬として適している、特に、本明細書に記載の子宮内膜疾患の治療および/または予防および/または診断にも適している化合物のさらなるクラスは、いわゆるRNAiである。RNAiは、RNA干渉を行う二本鎖RNAであり、一般的に、約21〜23のヌクレオチドの長さを有する。これに関して、RNA二本鎖の一方が、分解しようとする遺伝子の配列に対応する。言い換えれば、HMGBおよび/またはその相互作用パートナーをコードする核酸(特に、mRNA)の知識から出発して二本鎖RNAを作成することができ、RNA二本鎖の一方は、HMGBおよび/またはその相互作用パートナーをコードする核酸(好ましくは、mRNA)に相補的である。これによって対応するコード核酸が分解され、それと同時に、関係するタンパク質の力価が低下する。医薬品または診断薬としてのRNAiの生成および使用は、例えば、国際公開公報第00/44895号および同第01/75164号の国際出願で述べられている。
従って、前記で述べたクラスであるリボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびRNAiの作用機構を考慮すれば、子宮内膜疾患を治療および/もしくは予防するための医薬品を生成するために、ならびに/または子宮内膜疾患を診断するための、ならびに疾患の経過および/もしくは適用された治療をモニタリングするための診断薬を生成するために、HMGBタンパク質およびその相互作用パートナー(特に、天然の相互作用パートナー)の他に、それらをコードする核酸(特に、mRNA)を直接または標的分子として使用することも本発明の枠内である。
さらに、前記で述べた化合物のクラス(すなわち、抗体、ペプチド、アンチカリン、小分子、アプタマー、スピゲルマー、リボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびRNAi)が、子宮内膜疾患を治療するための医薬品の生成および/または避妊薬の生成に使用できることは本発明の枠内である。このように生成された様々なクラスの化合物はまた、薬学的組成物または診断薬(好ましくは、子宮内膜疾患の治療に用いられる、および/または避妊薬として用いられる)の主成分(subject matter)であってもよい。1つの態様において、薬学的組成物は、前記で述べられた、および/または生成された、本明細書で開示される化合物の1つまたはいくつかの他に、他の薬学的に活性な化合物(例えば、ステロイドホルモン)および薬学的に許容される担体も含む。このような担体は、例えば、液体でも固体(例えば、溶液、緩衝液、アルコール溶液など)でもよい。例えば、適切な固体担体として使用するのに、デンプンなどを考慮に入れてもよい。薬学的投与形態の分野の当業者は、所望の投与形態(例えば、経口、非経口、皮下、静脈内など)で投与できるようにするために、様々なクラスの対応する化合物をどのように処方する必要があるかを理解している。
様々なクラスの様々な化合物はまた個々にまたは一緒になってキットの対象になりうる。キットは、化合物と、必要に応じて、緩衝液、負の対照、正の対照、および使用説明書を含む群より選択される1つまたはいくつかの要素を含む。一般的に、個々の化合物は、乾燥した形または液体の形で(好ましくは、個々に使用するために分かれて)キットに含まれる。これに関して、好ましくは、キットは、HMGBタンパク質(特に、HMGB1)の力価と子宮内膜周期の経過との本明細書に開示される相関に基づいて、子宮内膜の状態を確かめるために使用することができる。特定の用途の1つは、妊娠および/または周期の乱れの存在を確かめるためにキットを使用することである。これは、周期段階においてHMGB発現(特に、HMGB1発現)の差が現れるという本明細書に開示される観察に基づいている。
治療薬または診断薬として本発明に従って使用することができる本明細書に開示される様々なクラスの化合物に関して、1つの局面は、ある特定のクラスが、特に、タンパク質として存在する、HMGBタンパク質および/または1つもしくは複数のHMGBタンパク質相互作用パートナーと直接相互作用することである。しかしながら、様々なクラスの化合物が、特に、ペプチド、抗体、アプタマー、およびスピゲルマーを含む場合、多少ともHMGBに特異的な相互作用によってHMGBの相互作用パートナーをブロックすることも本発明の枠内である。この点で、本明細書におけるHMGBを使用する概念はまた、1つまたは複数のHMGB相互作用パートナー(例えば、受容体)の1つまたはいくつかの使用を含むことを意味することも理解すべきである。本明細書に記載のプロセスは、HMGBタンパク質および/またはHMGBタンパク質をコードする核酸の代わりに、その相互作用パートナーが様々な選択プロセス、アッセイ、スクリーニングプロセス、または生成プロセスにおいて用いられる限り改良する必要がある。
以下において、これに縛られることは望まないが、HMGB(特に、HMGB1)または1つもしくは複数のHMGB相互作用パートナーに対する活性物質が有効である理由は、転写因子複合体の形成が阻止されること、および/または、特に、HMGB1が細胞外リガンドとして存在する子宮内膜疾患の場合、その標的構造もしくは標的構造自体との相互作用をブロックすることに基づいているように思われる。同じことが、避妊薬を生成するために本明細書に開示される化合物のクラスを使用することにも適用される。これは、HMGタンパク質(特に、HMGB1)が子宮内膜の構築に関与し、HMGBタンパク質および/またはその作用を捕捉またはブロックすることによって子宮内膜が構築されず、結果として、妊娠または受精卵の移植に必要な前提条件が実現せず、その結果として妊娠が妨げられることを出発点として用いている。
本発明の枠内では、HMGBタンパク質(本明細書では一般的にHMGBと呼ぶ)の天然の相互作用パートナーは、HMGBタンパク質と相互作用する分子および構造を意味する。特に、前記の分子および構造は、生物系においてHMGBタンパク質と正常な状態だけでなく病的な状態の下で相互作用する。これらの相互作用パートナーとして、特に、受容体、ならびにHMGBタンパク質も関与する転写因子複合体の形成に関与する分子および構造が挙げられる。HMGBタンパク質の相互作用パートナーの一例は本明細書に記載のRAGEである。
ちなみに、用語「タンパク質」、「ポリペプチド」、および「ペプチド」は、反対のことが示されていない限り本明細書では同義語として用いられる。
最後に、本発明が、本明細書に記載のプロセスにより生成することができる、または説明された様々なスクリーニングプロセスの枠内で得ることができる全ての化合物に関することは本発明の枠内である。
HMGB1、HMGB2、HMGB3、およびSP100-HMGを含む本明細書に開示されるHMGBタンパク質のグループについて、HMGB1に関する特定の結果が、特に、異なる化合物間の非常に高い相同性が存在する程度まで適用される。
以下の図面および実施例によって本発明を説明する。以下の図面および実施例から、本発明のさらなる特徴、態様、および利点が得られる。
実施例1:異なる周期段階の関数としてのHMGB1タンパク質の発現
免疫組織化学的研究を、ヒトHMGB1タンパク質内部領域のペプチドに対するヤギ由来ポリクローナル抗体(sc-12523、Santa Cruz Biotechnology、Santa Cruz, USA)を用いて、ヒト子宮内膜および子宮内膜症のパラフィン切片(5μm)上で行った。使用した抗体はHMGB1タンパク質を検出し、HMGB1タンパク質より低い程度でHMGB2タンパク質を検出する。
異なる周期段階の正常な子宮内膜および隣接する子宮筋層を有する計25個の組織切片の免疫組織化学的研究の驚くべき結果は、HMGB1タンパク質が、月経周期の増殖段階の腺上皮の細胞膜上にしか特異的に検出できなかったという事実からなる。分泌段階では、HMGB1陽性は細胞膜において全体的に減少するが、場合によっては依然として検出可能なこともある(図1)。子宮内膜の結合組織細胞および子宮筋層の平滑筋細胞は、どの周期段階でも免疫応答を示さなかった。
実施例2:子宮内膜症蓄積の免疫組織化学的検出
免疫組織化学的研究を、HMGB1抗体を用いて20個の子宮内膜症調製物において行った。驚くべきことに、子宮内膜蓄積は腺上皮の細胞膜において強い陽性を示すが、他の細胞区画および周囲組織ではHMGB1陽性を示さないことが分かった。一例として、研究の結果を図2に示す。図2は、HMGB1特異的免疫組織化学後の腺筋症組織切片を示す。腺筋症(子宮腺筋症)切片は400倍に拡大して示されている。
実施例3:インビトロでHMGB1を使用した結果としての細胞増殖の増大
方法:
増殖速度を、プロメガ(Promega)のCellTiter 96(登録商標)アクエオスワンソリューション(AQueous one solution)細胞増殖アッセイを用いて測定した。この場合、生細胞の生物学的還元能力を比色測定によって求めた。
調製では、子宮内膜癌細胞株Mz12細胞を、10%ウシ胎仔血清を含むRPMI1640培地において37℃、5%CO2で、コンフルエント密度になるまで培養した。細胞をトリプシン処理した後、無血清RPMI1640培地に吸収させ、ウェル1個につきRPMI1640培地(ウシ胎仔血清を含まない)100μlを含む96ウェルプレート上に均一に分布させ、5%CO2でガス化して37℃で一晩インキュベートした。培地を吸い取った後、培地およびHMGB1タンパク質の希釈系列から100μlの混合物を生成し、ウェル1個につき決められた濃度のHMGB1タンパク質(1ng/l、10ng/l、および100ng/l HMGB1)をMz12細胞に加えた。37℃で24時間のインキュベーションおよび5%CO2によるガス化の後、ウェル1個につき20μlのCellTiter 96アクエオスワンソリューションを添加した。1時間後に、増殖速度を求めるために、アンソス(Anthos)のアンソスリーダーモデル2001を用いて490nmでの吸収を測定することによって評価を行った。
結果:
負の対照の細胞(すなわち、HMGB1の適用なし)と比較して、HMGB1で処理した細胞の場合、増殖速度の有意な増加を測定することができた。さらに、図5に示すように、増殖速度の増加はHMGB1濃度と相関している。
実施例4:フルオレセインによるHMGB1の標識
方法:
HMGB1の標識は、ロシュ(Roche)のフルオレセイン標識キットを用いて行った。HMGB1タンパク質100μgを各バッチで凍結乾燥し、PBS緩衝液100μlに再懸濁した。溶解したHMGB1にFLUOS溶液(20mg/ml)1.5μlを添加した。FLUOSはタンパク質標識キットの蛍光色素であり、標識しようとするタンパク質の遊離アミノ基が5(6)カルボキシフルオレセイン-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルと反応して、適切なアミド結合を生じる。バッチを、光から保護して攪拌しながら室温で2時間インキュベートした。
その間、セファデックス(Sephadex)-G-25カラムを5mlのブロッキング溶液で平衡状態にした。ブロッキング溶液は、PBSのように、関係するキットの一成分であり、最初、ブロッキング剤として粉末の形で調製され、次いで、説明書に従って、二回蒸留された水ならびにPBS 30mlを用いて調製される。その後、反応バッチをカラムに移し、標識タンパク質をPBS 3.5mlで溶出する。標識タンパク質は、それぞれの場合で、最初の2つのプール(それぞれ、10滴(約0.5ml))に含まれた。
結果:
標識の確認は、C18カラムおよび二成分勾配(binary gradient)を用いた逆相HPLCにおいて保持時間を求めることによって(FLUOS溶液/標識HMGB1のピークの比較することによって)行った。さらに、標識HMGB1を変性条件下で12%PAゲルにおいて分離した。このプロセスの間、標識タンパク質はUV光下で明瞭なバンドを示し、このバンドはクマシー染色によって確認することができた。フルオレセインを用いて、最終体積1mlで約60μgのHMGB1が標識された。
実施例5:フルオレセイン標識BMGB1タンパク質と子宮内膜癌細胞株Mz-12細胞の細胞膜との結合
方法:
調製では、Mz-12細胞を、それぞれの場合で、37℃で一晩、5%CO2で、RPMI1640培地1mlを用いてレイトン(Leighton)管(すなわち、細胞培養用の特殊な管)の中でインキュベートした。その後、PBS 350μlおよび実施例4のように調製した標識HMGB1タンパク質6μg(負の対照としてFLUOS溶液6μgを使用した)をMz-12細胞に添加した。37℃、5%CO2で1時間半インキュベートした後、カバーガラスをPBSで手短に洗浄し、続いて、スライドの上にかぶせた。約2時間後に評価を行った。
結果:
2時間のインキュベーション時間後、フルオレセイン標識HMGB1タンパク質と細胞膜との結合によって、Mz-12細胞膜の標識が観察された。
純粋なフルオレセインを使用しても膜の陽性は得られず、細胞質の緑色をおびた乱反射しか見られなかった。
実施例6:3つの異なるRAGE転写物のクローニング
方法:
子宮内膜癌細胞株のPCR増幅物(実施例7)を1.2%アガロースゲルにおいて分離し、滅菌した外科用メスを用いてゲルから切り取った。キアゲン(Qiagen)のQIAEX IIシステムでDNAを溶出させた。溶出したDNAを、プロメガの「pGEM(登録商標)-TおよびpGEM(登録商標)-T Easyベクターならびに2×ラピッドライゲーション緩衝液(2×Rapid Ligation Buffer)を用いたライゲーション」のプロトコールに従って、T4 DNAリガーゼを用いてpGEM(登録商標)-T Easyベクターシステムにライゲーションし、INOUEら(1990)の方法を用いてDH5a大腸菌において形質転換した。プラスミドDNAの単離は、キアゲンの「キアプレップスピンミニプレップキットプロトコール(QIAprep Spin Miniprep Kit Protocol)」による「QIAprep(登録商標)ミニプレップ(Miniprep)」ハンドブックに従って行った。配列決定のために、プラスミドDNAからDNA 3μgをスピードバック(SpeedVac)において脱水した。配列決定は、プライマーM13 uni
Figure 2005511770
(配列番号:7)およびM13 rev
Figure 2005511770
(配列番号:8)を用いて、ABI 377DNAシークエンサー(PE-Applied Biosystems、Weiterstadt)を用いて行った。
プラスミドDNAの配列は、EditSeq、MegAlign、およびSeqman(DNAstar)コンピュータプログラムを用いて処理した。前記の配列と既に既知の配列との比較は、米国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI、USA)のBLASTサービスを用いて、BLASTプログラム(ALTSCHULら、1990)を用いて行った。同様に、RepeatMaskerプログラムを用いて、全ての繰り返し配列について配列を調べた。
結果:
PCRおよびゲル電気泳動の後に、それぞれの場合で、RAGE転写物の予想された産物の長さに対応するRAGEバンドの他に、異なる強度の3つのさらなるバンドを検出することができた。これらのバンドは、クローニングおよび配列決定の後、RAGE特異的であることが判明し、従って、sRAGE1、sRAGE2、およびsRAGE3と呼んだ。
sRAGE1は653bpの断片を指している。基本的に、これは、RAGE断片の配列に対応している。しかしながら、さらに、転写物のエキソン6とエキソン7との間にある、RAGE遺伝子の完全なイントロン6に142bpが挿入され、エキソン10が消失していた。エキソン10は、RAGE遺伝子のイントロン9の最初の82bpで置換されていた。イントロン6での挿入の結果として、エキソン6により完全にコードされる最後のアミノ酸(トリプトファン)の後に、20個の新たなアミノ酸
Figure 2005511770
がコードされる。この挿入には、新たに生成される停止コドンが含まれている。この新たな停止コドンは、タンパク質レベルでは、RAGE受容体の細胞外C'ドメイン、膜貫通ドメイン、およびサイトゾルドメインの消失をもたらす。
511bpのsRAGE2断片は、原則的に、RAGE断片の配列に対応している。しかしながら、エキソン10が遺伝子のイントロン9の最初の82bpで置換されている。結果として、エキソン9によりコードされる最後の完全なアミノ酸(アラニン)の後に、17個の新たなアミノ酸
Figure 2005511770
がコードされる。この挿入には、新たに生成される停止コドンが含まれている。これは、タンパク質レベルでは、RAGE受容体の膜貫通ドメインおよびサイトゾルドメインの消失をもたらす。
698bpのsRAGE3断片は、原則的に、RAGE断片の配列に対応している。しかしながら、さらに、転写物のエキソン6とエキソン7との間にある、RAGE遺伝子の完全なイントロン6に142bpが挿入されている。結果として、エキソン6によりコードされる最後の完全なアミノ酸(トリプトファン)の後に、20個の新たなアミノ酸
Figure 2005511770
がコードされる。この挿入には、新たに生成される停止コドンが含まれている。新たな停止コドンは、タンパク質レベルでは、RAGE受容体の膜貫通ドメインおよびサイトゾルドメインの消失をもたらす。
実施例7:
RAGE受容体を検出するためのRT-PCR
方法:
子宮内膜および子宮筋層の組織標本を、取り出した後直接、液体窒素で凍結させた。子宮内膜癌細胞株Mz12の組織および細胞からのRNA単離は、キアゲンのRNeasyミニハンドブック(RNeasy Mini Handbook)に従って行った。このプロセスの間、RNAを特定のカラムに結合させ、特定の洗浄段階によって精製した。
全RNAのcDNAを、適合プライマーAP2
Figure 2005511770
(配列番号:9)およびM-MLV逆転写酵素(インビトロゲン(Invitrogen), ライフテクノロジーズ(Life Technologies))を用いて合成した。RAGE遺伝子の検出は、プライマーRAGE2 up
Figure 2005511770
(配列番号:10)およびRAGE2 lo
Figure 2005511770
(配列番号:11)を用いて0.2mlのカップ中で20μlの反応体積で行う。125ngのcDNAをテンプレートとして使用した。反応のために、組換えTaqポリメラーゼ(5U/μl)(キアゲン、Hilden Germany)0.5μlおよびキアゲンPCR緩衝液(10×)2μlを使用した。5×Q溶液(キアゲン)4μl、2μlのdATP、dGTP、dCTP、dTTP(2mM)、およびプロプライマー(10μM)0.4μlをバッチに添加した。DNA増幅は、以下の条件下で35サイクル:94℃30秒、69℃30秒、および72℃1分、エッペンドルフ(Eppendorf)のグラジエントサーモライクラー(gradient thermocycler)において行った。最初の変性は95℃で2分間行い、最後の伸長は72℃で10分間行った。
結果:
ゲル電気泳動分離の後、10個の子宮筋層組織および10個の子宮内膜組織ならびに子宮内膜癌細胞株を用いたRT-PCRによって、RAGE転写物の予想された産物の長さに対応する明瞭で特異的なバンド(サイズ556bp)が示された。さらに、異なる強度の3つのさらなるバンドを検出することができた。これらのバンドは、クローニングおよび配列決定後に、RAGE特異的であることが判明した(実施例6)。
配列:
RAGE転写物の配列
sRAGE1(653bp)(配列番号:4)
Figure 2005511770
sRAGE2(511bp)(配列番号:5)
Figure 2005511770
sRAGE3(698bp)(配列番号:6)
Figure 2005511770
前記の説明、特許請求の範囲、および図面において開示された本発明の特徴は、様々な態様での本発明を理解するために、個々に、および任意の望ましい組み合わせで必須の場合がある。
HMGB1陽性と子宮内膜周期との相関を示す。 HMGB1特異的抗体を用いた子宮内膜症部位の免疫組織化学的な図を示す。 HMGB1遺伝子のcDNA配列(77位から始まって724位で終わるタンパク質コード配列)(アクセッション番号BC003378)を示す。 HMGB1タンパク質のアミノ酸配列(アクセッションS02826)を示す。 異なるHMGB1濃度を加えた後の子宮内膜癌細胞株Mz-12の増殖速度を示す棒グラフを示す。

Claims (19)

  1. 子宮内膜疾患を治療および/もしくは予防するための医薬品を開発および/もしくは生成するための、ならびに/または子宮内膜疾患を診断するための診断薬を開発および/もしくは生成するための標的分子としての、HMGBおよび/またはHMGBをコードする核酸および/または特に天然のHMGB相互作用パートナーおよび/またはそれをコードする核酸の使用。
  2. 避妊薬である医薬品を開発および/または生成するための標的分子としての、HMGB、HMGBをコードする核酸、または特に天然の相互作用パートナー、および/またはそれをコードする核酸の使用。
  3. 医薬品が、抗体、ペプチド、アンチカリン、小分子、アンチセンス分子、アプタマー、スピゲルマー、およびRNAi分子を含む群より選択される薬剤を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の使用。
  4. 薬剤が、HMGBまたは特に天然のHMGB相互作用パートナーと相互作用することを特徴とする、請求項3記載の使用。
  5. 薬剤が、HMGBをコードする核酸および/または特に天然のHMGB相互作用パートナーをコードする核酸、特にHMGBのmRNA、ゲノム核酸、もしくはcDNAと相互作用することを特徴とする、請求項3記載の使用。
  6. 子宮内膜疾患を治療および/もしくは予防するための医薬品ならびに避妊薬を含む群より選択される医薬品を生成もしくは開発するための、ならびに/または子宮内膜疾患を診断するための診断薬を生成もしくは開発するための、HMGBまたは特に天然のHMGB相互作用パートナーと相互作用するポリペプチドの使用。
  7. ポリペプチドが、HMGBに対する抗体およびHMGB結合ポリペプチドを含む群より選択されることを特徴とする、請求項6記載の使用。
  8. 子宮内膜疾患を治療および/もしくは予防するための医薬品ならびに避妊薬を含む群より選択される医薬品を生成もしくは開発するための、ならびに/または子宮内膜疾患を診断するための診断薬を生成もしくは開発するための、HMGBまたは特に天然のHMGB相互作用パートナーと相互作用する核酸の使用。
  9. 核酸が、アプタマーおよびスピゲルマーを含む群より選択されることを特徴とする、請求項8記載の使用。
  10. 子宮内膜疾患を治療および/もしくは予防するための医薬品ならびに避妊薬を含む群より選択される医薬品を生成もしくは開発するための、ならびに/または子宮内膜疾患を診断するための診断薬を生成もしくは開発するための、HMGBをコードする核酸または特に天然のHMGB相互作用パートナーをコードする核酸と相互作用する核酸の使用。
  11. 相互作用する核酸が、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、またはRNAiであることを特徴とする、請求項10記載の使用。
  12. HMGBをコードする核酸または特に天然のHMGB相互作用パートナーをコードする核酸が、関係するcDNAまたはmRNAであることを特徴とする、請求項10または11記載の使用。
  13. 子宮内膜疾患が、子宮内膜症、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、および子宮内膜癌を含む群より選択されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項記載の使用。
  14. HMGBが、HMGB1、HMGB2、HMGB3、およびSP100-HMGを含む群より選択されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項記載の使用。
  15. HMGB相互作用パートナー、特にHMGB1相互作用パートナーがRAGEであることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項記載の使用。
  16. 子宮内膜疾患を治療および/もしくは予防するための医薬品を開発および/もしくは生成するための、ならびに/または子宮内膜疾患を診断するための診断薬を開発および/もしくは生成するための、RAGEまたはその誘導体の使用。
  17. RAGE誘導体が、sRAGEまたは配列番号:4、5、もしくは6記載の核酸の翻訳産物であることを特徴とする、請求項16記載の使用。
  18. HMGB、HMGBをコードする核酸、特に天然のHMGB相互作用パートナー、および/またはそれをコードする核酸と相互作用するポリペプチド、HMGBまたは特に天然のHMGB相互作用パートナーと相互作用する核酸、ならびにHMGBまたは特に天然のHMGB相互作用パートナーをコードする1つまたは複数の核酸と相互作用する核酸を含む群より選択される、少なくとも1つの薬剤、ならびに少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む、特に子宮内膜疾患の治療および/もしくは予防ならびに/または避妊のための、薬学的組成物。
  19. HMGB、HMGBをコードする核酸、特に天然のHMGB相互作用パートナー、もしくはそれをコードする核酸と相互作用するポリペプチド、HMGB、HMGBをコードする核酸、特に天然のHMGB相互作用パートナー、もしくはそれをコードする核酸と相互作用する核酸、ならびに/またはHMGBをコードする核酸および/もしくは特に天然のHMGB相互作用パートナーをコードする核酸と相互作用する核酸を含む、子宮内膜の状態を特徴付けるための、特に妊娠または周期の妨害の存在を確かめるためのキット。
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