JP2005511614A - 新規な上皮細胞増殖因子タンパク質及び遺伝子、及びその使用方法 - Google Patents

新規な上皮細胞増殖因子タンパク質及び遺伝子、及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

タンパク質分解耐性を有する上皮細胞増殖因子及び工業的生産生物による最適使用頻度のコドンを有するそれをエンコードする遺伝子配列を提供する。

Description

技術分野
本発明は増加したタンパク質分解耐性及び通常ヒトEGFと同等の能力を有する上皮細胞増殖因子(EGF)タンパク質配列及び工業生産生物の最適コドン使用頻度を有する遺伝子配列に関する。
背景技術
完全長、野生型ヒト上皮細胞増殖因子(EGF;配列番号1参照)は分子量6217ダルトンで種々の生物学的機能を有する53アミノ酸タンパク質である(Karnes,W.、Epidermal growth factor and transforming growth factor alpha(上皮細胞増殖因子及び形質転換増殖因子α)、1994、Raven Press、New York)。C末端のアミノ酸配列の修飾は組換えDNA工学遺伝子研究による変質形の構築体由来のもの、及び天然型から単離したEGFとして観測されるものの両方が報告されている。EGFはエンド及びエキソプロテアーゼ両方の影響を受けやすく、血流中のEGFだけでなく、唾液腺で生成されて飲み込まれたEGFに胃内においてタンパク質分解攻撃が起こったのが観測された(Araki et al.、Chem.Pharm.Bull.37(2)、404-406、1989;Playford et al.、Gastronenterology(胃腸病学)、108、92-101、1996)。
46アミノ酸長以下のEGFは、47アミノ酸以上の鎖長のEGF種と比較すると実質的に生物活性を失っている。受容体への親和力及びEGFクリアランスのin vivo速度など機能的生物活性への鎖長の実際の効果について矛盾したデータがある。長さ47、48及び51のアミノ酸のEGF(“EGF47”、“EGF48”等と示す)は胃酸分泌を抑制することができ(米国特許第3,917,824号)、例えば、ヒトEGF47はEGF53と同じ能力で酸分泌を抑制するが、該タンパク質は線維芽細胞増殖を刺激する能力を約10分の1しか保持しない(分裂活性;Hollenberg et al.、Molecular Pharmacology 17(分子薬理学17)、314-320、1980;Gregory et al.、Regulatory Peptides 22(調節ペプチド22)、217-226、1988)。これらの文献が示すように、組成物がある生物活性に関して高生物活性を示すという事実があっても、全ての生物活性が完全長組成物と等しい量で存在するということは意味しない。
EGF52は酸分泌の抑制及び細胞増殖刺激の両方についてEGF53と等しい力を有する。マウスEGFの分裂活性は鎖長が48アミノ酸よりも小さい場合、大部分が失われる(Burgess et al.、Biochemistry 27(生化学27)、4977-4985、1988)。さらに、hEGF51及びEGF53は類似の薬物動態を示す(Kuo et al.、Drug Metabolism and Disposition 20(薬物代謝及び薬物動態20)、23-30、1992)。EGF51は、免疫抑制活性を保持することを除き(Koch et al.、J.Molecular Biochemistry 25(分子生化学25)、45-59、1984)、EGF53と類似の活性を有する(Calnan et al.、Gut 47、622-627、2000)。EGF48はタンパク質分解に対して安定であり、生物活性を保持することが報告されている(米国特許第5,434,135号;Kuo et al.同上;Sizemore et al.Peptides 17(ペプチド17)、1229-1236、1996)。しかしながら、EGF48はEGF53よりも著しく低い活性を有する(Goodlad et al.、Clinical Science(臨床科学)、91、503-507、1996)。
EGF中のジスルフィド結合の正しい構造及びその生物活性は5アミノ酸までのN末端の短縮によっては影響を受けない(Shin,S.et al.、Peptides 16(ペプチド16)、205-210、1995;DiAugustine et al.、Analytical Biochemistry 165(分析生化学165)、420-429、1987)。21位置のメチオニン残基の酸化は酵母菌によって生成された組換えh−EGFの生物活性に影響を与えない(George−Nascimento et al.Biochemistry(生化学)、27、797-802)。
組換え型EGFは生成時に微生物プロテアーゼにより分解される。サッカロマイセス・セレヴィシエに生成された組換え型hEGF53は、発酵時のプロテアーゼ活性の結果、長さ52、次に51アミノ酸配列に分解される(George−Nascimento、Biochemistry、27、797-802、1988)。メタノール資化性酵母(Pichia pastoris)が生成したEGFは安定な48アミノ酸を有する形状に分解され、高生物活性を保持することが記載されている(米国特許第5,102,789号)。同様に、メタノール資化性酵母が生成、分泌するマウスEGFは発酵中に部分的に51アミノ酸長に分解される(Clare et al.、Gene 105(遺伝子105)、205-212、1991)。
これらデータの比較により、様々な形状のEGFによるタンパク質分解の受け易さ、及びこれら異なる形状の長さと異なる生物活性の範囲の相互関係についての問題が提起される。生物活性はそれぞれ発現され得る受容体の系統、すなわち組織特異性、により仲介されるので、修飾EGFの関連生物活性はその活性について、その機能レベルを解明するために検査しなければならない。生物活性レベルは別の生物活性分析を用いて得たデータからは必ずしも予測可能ではないからである。
TGFαなどのEGF及びEGF受容体配位子は、米国及びその他の地域で蔓延している病気、糖尿病治療に含むことが示されている(1999年、3月23日発行のNardi et al.、米国特許第5,885,956号;及び2001年9月11日発行のNardi et al.、第6,288,301号)。
タンパク質分解に対して安定であり、単一の分子種として高収率で安全に生成され、複製可能な構成を備えた便利な生成有機体であり、薬物承認に必要な純度を有し、治療目的などのための実質的な生物活性を保持したEGFタンパク質が必要とされている。
発明の概要
本発明は長さXのアミノ酸配列を含む組成物を特徴とし、Xは少なくとも48かつ53以下の整数、該配列は(i)配列番号1の1位置からX−1位置までの配列番号1の部分と実質的に相同であり、及び(ii)配列番号1のアミノ酸残基と異なるアミノ酸残基をX位置に有する。関連する実施態様において、X位置のアミノ酸残基は中性アミノ酸である。X位置のアミノ酸残基は、例えばアスパラギンである。さらに、Xは51位置である。該組成物は配列番号1と比較してタンパク質分解に対する増加した耐性を有する。生物活性は配列番号1の少なくとも75%であり、例えば生物活性は配列番号1の少なくとも90%である。生物活性は以下からなる群より選択される:有糸分裂生起、胃粘膜細胞保護作用、酸分泌の抑制、組織前駆細胞の増殖、組織前駆細胞の分化、及び組織前駆細胞の増殖及び分化。有糸分裂生起は上皮細胞の有糸分裂速度におけるアミノ酸配列の効果によって決定される。酸分泌は胃ろう形成した動物(gastric fistulated animal)から決定する。分化は島新生または粘膜細胞形成により決定される。
関連する実施態様において、Xは疎水性アミノ酸であり、Xは中性アミノ酸、またはXは荷電アミノ酸である。関連する実施態様において、Xが中性アミノ酸の場合、Xはグルタミン、アラニン及びセリンから選択できる。
他の側面において、本発明は配列番号1と実質的に相同なアミノ酸配列を含む組成物を提供し、ここで配列番号1の51位置のアミノ酸残基はグルタミン酸以外のアミノ酸である。該組成物の生物活性は少なくとも配列番号1の50%である。例えば、該組成物の生物活性は少なくとも配列番号1の75%であり、例えば、該組成物の生物活性は少なくとも配列番号1の90%である。該組成物は配列番号1と実質的に等しい生物活性を有する。関連実施態様において、1−50位置のアミノ酸残基は配列番号1と少なくとも75%の同一性を有する。
他の側面において、本発明は配列番号2、3及び4からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む組成物を提供する。例えば、1の実施態様において本発明は配列番号2に示すアミノ酸配列組成物を提供する。さらに、他の実施態様において本発明は51アミノ酸長のポリペプチドを提供し、残基1−50は実質的に配列番号1に示すアミノ酸配列と相同であり、残基51はアスパラギン残基である。該ポリペプチドは配列番号1と比較してタンパク質分解に対する増加した耐性を有する。
関連実施態様において、本発明は残基1−50の少なくとも1つが配列番号1に示す配列中アミノ酸の同類置換であるポリペプチドを提供する。関連する実施態様における該ポリペプチドはさらに、配列番号1に示す位置1−5から選択された残基の少なくとも1つの欠失を含む。該ポリペプチドは配列番号1に示すヒトEGFの生物活性の少なくとも50%を有する。
他の側面において、本発明は配列番号1に示す少なくとも位置1−47のアミノ酸配列に実質的に相同であるアミノ酸配列を有し、かつEGFカルボキシ末端の位置48−53において少なくとも1のアミノ酸置換を有し、該アミノ酸配列が配列番号1の配列よりもタンパク質分解に対してより安定であるヒト上皮細胞増殖因子(EGF)を含む組成物を提供する。関連する実施態様において、1−50位置における残基のアミノ酸配列は実質的に配列番号1に示すものであり、51位置の残基はグルタミン酸以外のアミノ酸である。51位置における関連する実施態様の残基は、アスパラギン、グルタミン、アラニン及びセリンからなる群より選択され、例えば51位置における残基はアスパラギンである。1−50位置におけるアミノ酸の少なくとも75%は配列番号1に示すものである。該組成物の生物活性は配列番号1に示すものの少なくとも50%である。生物活性は有糸分裂生起、胃粘膜細胞保護作用、酸分泌の抑制、組織前駆細胞の増殖、前駆細胞の分化、及び前駆細胞の増殖及び分化からなる群より選択される。有糸分裂生起は上皮細胞の有糸分裂速度によって決定される。酸分泌は胃ろう形成した動物(gastric fistulated animal)より決定する。分化は島新生または粘膜細胞形成により決定される。
他の実施態様において、本発明はここに記載する組成物を、薬学的に許容できるキャリア内に効果的な量で含む医薬組成物を提供する。関連する実施態様において該医薬組成物はさらに、追加の治療薬を含む。例えば、追加の治療薬は増殖因子受容体配位子である。例えば、配位子は増殖因子である。例えば、配位子はガストリン/コレシストキニン受容体配位子である。
関連する実施態様において、本発明はここに記載するEGF組成物をエンコードするヌクレオチド配列を提供し、該ヌクレオチド配列は工業的に許容できる生産生物において最適使用頻度に適合させたコドンを有する。工業的に許容できる生産生物は酵母菌である。例えば、酵母菌はメタノール資化性酵母(Pichia pastoris)である。
別の側面において、本発明は51残基長のポリペプチドをエンコードするヌクレオチド配列を有し、ヒトEGFの生物活性を有し、該配列はPichia種において発現するために最適化されたコドンを含み、かつカルボキシル末端にタンパク質分解耐性を与えることができるアミノ酸を有するポリヌクレオチドを提供する。関連する実施態様において、本発明は配列番号6に示すヌクレオチド配列を有するPichiaの組換え型菌株;配列番号2に示すアミノ酸配列を生成できるPichiaの組換え型菌株;及び配列番号2に示すアミノ酸配列をエンコードするヌクレオチド配列を提供する。
他の側面において、本発明は長さXのアミノ酸配列を含む組成物を得る方法を提供し、Xは少なくとも48かつ53以下の整数であり、該配列は(i)配列番号1の1位置からX−1位置までの配列番号1の部分と実質的に相同であり、及び(ii)X位置に配列番号1のアミノ酸残基と異なるアミノ酸残基を有し、該方法は以下を含む:該組成物をエンコードする遺伝子の設計、工業的に許容できる生物における最適使用頻度に関するコドンの選択;及び生物の発酵による生物内での組成物の生成。
別の側面としては、組織再生が必要な対象を治療するために用いる医薬組成物の製造方法であり、医薬組成物は長さXのアミノ酸配列を含み、Xが少なくとも48かつ53以下の整数であり、該配列は(i)配列番号1の1位置からX−1位置までの配列番号1の部分と実質的に相同であり、及び(ii)X位置に配列番号1のアミノ酸残基と異なるアミノ酸残基を有し;及び対象の組織再生の処置として前駆細胞の再生に十分効果的な量で該組成物を対象に投与することを含む。従って、該組成物の投与はさらに追加の治療薬を投与する。例えば、追加の治療薬は増殖因子受容体配位子である。例えば、配位子は増殖因子である。例えば、配位子はガストリン/コレシストキニン受容体配位子である。関連する実施態様において、Xは整数の51である。Xにおけるアミノ酸残基は中性アミノ酸である。例えば、アミノ酸残基はアスパラギンである。該組成物は配列番号1に示す配列を有する組成物よりもタンパク質分解耐性を有する。関連する実施態様において、対象は島細胞再生を必要としており、例えば対象は糖尿病;または対象は粘膜細胞再生を必要とする対象である。
他の側面において、本発明は天然型EGF(nature identical EGF)よりもタンパク質分解耐性があり、実質的に生物活性を保持するEGFの修飾アミノ酸配列を得る方法を提供し、該方法は以下を含む:工業的に有用な生物によりタンパク質分解を受ける天然型EGF配列の少なくとも1の残基を同定する工程;タンパク質分解の対象として同定された残基が欠失または異なるアミノ酸で置換されている修飾アミノ酸配列を設計する工程;及び天然型EGFよりもタンパク質分解耐性がある修飾EGFを得るために修飾アミノ酸配列を提供してタンパク質分解を天然型EGFと比較して評価する工程。従って、天然型EGFはヒト由来である。修飾アミノ酸配列の設計は、関連する実施態様において、新しいカルボキシル末端アミノ酸配列を得るために少なくとも1のカルボキシル末端残基を少なくとも1のアミノ酸で置換し、修飾EGFがよりタンパク質分解耐性を有するようにする。関連する実施態様において、タンパク質分解を受ける残基の同定は工業的に有用な生物の組換え型細胞の培地において天然型EGFの生成中に、タンパク質分解の部位を決定する。関連する方法において、修飾アミノ酸配列の設計の後で修飾EGFを提供する前に、該方法は修飾アミノ酸配列をエンコードするヌクレオチド配列を設計することを含む。該ヌクレオチド配列は工業的に有用な生物における最適使用頻度のために選択されたコドンを有する。関連する方法において、修飾ヌクレオチド配列の設計の後で修飾EGFを提供する前に、該方法はさらに修飾ヌクレオチド配列をベクター内に組み込み、工業的に有用な生物の細胞中にベクターを形質転換させる工程を含む。1の実施態様において、修飾EGFの提供は配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク質を提供する。工業的に有用な生物は菌類であり、例えばPichiaなどの酵母菌、メタノール資化性酵母(P.pastoris)などである。その他の工業的に有用な生物はアカパンカビ(Neurospora)、アルペルギルス、サッカロマイセス、トルラ及びシゾサッカロマイセスの種を含む。他の側面において、本発明は従来方法に従って得られるPichiaの組換え型菌株を提供する。関連する実施態様において、有用な生物は細菌であり、例えばストレプトマイセス、例えばS.lividans、S.coelicolor、S.rimosusの菌株またはアクチノマヅラ及びノカルジアなどの放線菌類のその他の有用な菌株がある。その他の工業的に有用な非放線菌細菌種はバチルス、エシェリキア及び水素細菌を含む。
本発明はさらに、薬学的に許容できるキャリア中に少なくともここに記載する組成物の1単位用量を含むキットも提供する。該キットは関連する実施態様において、さらに追加の治療薬を含む。例えば、追加の治療薬は増殖受容体配位子であり;例えば、増殖受容体配位子はガストリン/コレシストキニン受容体配位子、例えば、配位子はガストリンである。単位用量は組織再生が必要な対象の治療に十分な量である。組織は膵島または胃粘膜である。
他の側面において、本発明は工業的に許容できる生物における最適使用頻度のために適合されたコドンを有するここに記載する組成物をエンコードするヌクレオチド配列を持つトランスジェニック動物を提供し、工業的に許容できる生物は動物である。関連する実施態様において、ヌクレオチド配列は特定組織で発現するための別の調節配列情報を含む。動物はさらに天然型と同一の内生EGFをエンコードする遺伝子中に挿入変異を含み、動物の内生EGF生成は効果的に不活性化される。
詳細な実施態様の説明
ヒトEGFはヒトの尿で発見され、胃内でのその酸分泌抑制能力のためにウロガストロンと名付けられた(Greory,H.et al.Hoppe Seylers.Z.Physiol Chem.356、1765-1774、1975)。さらに、EGFはマイトジェン活性(分裂促進活性)を有し、すなわち、種々の細胞及び組織の増殖を刺激する(Karnes supra;Carpenter,G.et al.J.Cell Physiol 88、227-237、1976;Gasslander、T.et al.Eur.Surg.Res.29、142-149、1997)。EGFはまた、in vivoで創傷に向かって、または培養基中で単層の細胞に導入されたギャップに向かって細胞の遊走を刺激し、傷治療を促進する細胞保護効果を有することがわかっている。これらの生物活性は、EGF、TGF−α、アンフィレギュリン及びヘパリン結合EGF様増殖因子(Karnes,supra)などの構造的に関連する増殖因子の系統に特異的である。増殖因子のこの系統に属するものはアミノ酸配列の11残基において同一のアミノ酸を有し、そのうちの6つはジスルフィド結合を形成するシステイン残基である。
完全長、天然(標準または野生型)ヒト上皮細胞増殖因子(EGF)は分子量6217ダルトンの53アミノ酸タンパク質であり、該タンパク質はin vivo及びin vitroで様々な生物活性を有する(Karnes,W.、Epidermal growth factor and transforming growth factor alpha(上皮細胞増殖因子及び形質転換増殖因子アルファ)、1994、Raven Press、New York)。ここで用いる“天然型EGF”の語は、配列番号1に示す完全長、標準ヒトEGFを意味するものとする。本明細書中及び請求の範囲で用いる“上皮細胞増殖因子”または“EGF”の語はポリペプチド生成物または薬学的に許容できるこれらの塩をいい、1以上のバイオアッセイで測定して天然型ヒト上皮細胞増殖因子(hEGF;配列番号1)と類似の生物活性を示す。
EGF受容体配位子は様々な組織における様々な細胞タイプの細胞上の様々なEGF受容体に結合でき、これらの細胞にシグナルを発信でき、特定の細胞タイプの増殖及び発達の変化を生じることができるタンパク質の系統を含み、EGF及びTGFαなどを含む。
“修飾EGF”の様々な形態は、天然EGFの鎖長及びアミノ酸配列とは異なり、ここに記載するような設計がされ及び特徴付けられる。これらの修飾は生物活性及びEGFのクリアランス速度の両方に影響が見られる。さらに、該語はhEGFと同じまたは類似のアミノ酸配列を有するペプチドを含み、例えば、様々な残基において同類アミノ酸置換を有する。1以上のC末端から最後の5つのアミノ酸は1以上のその他のアミノ酸で置換でき、または欠失できる。
21位置にロイシン残基で置換されたメチオニンを有する組換え型EGFが記載されている(米国特許第4,760,023号)。組換え型hEGFは保存中11位置のアスパルチル残基から大きく減少された生物活性を示すイソアスパルチル型に変換された(George−Nascimento et al.、Biochemistry、29、9584-9591、1990)。EGF及びTGF−αに大きく類似するタンパク質の系統をエンコードする一連の核酸分子は記載されている(WO00/29438)。中性または酸性アミノ酸で置換したヒスチジンを16残基に有するEGFムテイン(変異EGF)が説明されており(WO93/03757)、該形態は低いpHで活性を保持する。EGF及びTGF−αの化学的アナログ及び断片はEGF受容体系統の様々な種類を結合する能力を保有する(米国特許第4,686,283号)。さらに、完全長かつその他の形態のEGFは酸化及びタンパク質分解の両方にin vivo及びin vitroにおいて影響を受けやすい。
本発明の実施態様はEGFのC末端アミノ酸配列への特定の修飾がエンド及びエキソプロテアーゼ活性に対する耐性を有するEGF形態を生じ、十分な生物活性を保持し、該C末端が48位置から53位置のアミノ酸残基であるという発見に基づく。これらはアミノ酸が欠失または置換されているEGFの形態を含み、例えば、48位置(天然型EGFにおけるリジン)及び53位置(アルギニン)の塩基性アミノ酸、49位置(トリプトファン)及び50位置(トリプトファン)の芳香族アミノ酸、及び52位置(ロイシン)の脂肪族アミノ酸である。本発明における実施態様は修飾EGFの薬学的に許容しうる塩を含む。
“薬学的に許容しうるキャリア”はあらゆる溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌及び抗真菌剤などの抗菌薬、等張化剤及び吸収遅延剤及び生理学的適合性のある類似物を含む。好ましくは、キャリアは静脈内、筋肉内、経口、腹腔内、経皮または皮下投与に適したものである。“Controlled Release of Drugs:Polymers and Aggregate Systems(薬物の制御放出:ポリマー及び会合体システム)”、M.Rosoff、Ed.,John Wiley,Inc.,NY(1989)を参照されたい。
ここで用いる“薬学的に許容しうる塩”とは親化合物の所望の生物活性を保持し、望ましくない毒性効果与えない塩をいう。このような塩の例としては(a)無機酸を含んで形成される酸付加塩であり、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸等;及び有機酸を含んで形成される塩であり、例えば酢酸、シュウ酸、流石酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタリンスルホン酸、ナフタリンジスルホン酸、ポリガラクツロン酸;(b)多価金属カチオンを含む塩であり、例えば亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウム等;または(c)N,N’−ジベンジルエチレンジアミンまたはエチレンジアミンから形成される有機カチオンを含んで形成される塩;または(d)(a)及び(b)または(c)等の組み合わせ、例えば亜鉛タンニン酸塩等。
医者または当業者は所望の該医薬組成物の“効果的な用量”を容易に決定及び処方できる。例えば、医者は所望の治療効果、例えば糖尿病I型またはII型またはストレプトゾトシン糖尿病の治療、を達成するために必要な量より低いレベルで医薬組成物において本発明の化合物の一回分の投与をすることができ、及び所望の効果、すなわち糖尿病の治療が達成されるまで時間と共に投薬量を増やすことができる。
用量は例えば治療反応、特にここでは糖尿病の改善などの最適で望ましい反応を得るために調整できる。ボーラス一回など単一の用量が投与でき、長期にわたって何回かに分けて投与でき、または用量は糖尿病が示す緊急度により減少または増加することができる。医者またはその他の薬理学の熟練者は所望の医薬組成物の効果的な用量を容易に決定及び処方できる。例えば、熟練者は所望の治療効果を得るために必要なレベルより低い用量で投与は開始し、時間と共に所望の効果、特に糖尿病I型、2型またはストレプトゾトシン糖尿病の症状緩和を得るために投与量を増加させることができる。通常、修飾EGF組成物の適当な効果的な投与量は、インスリン生成によるグルコース惹起(challenge)への反応の不適合及び血糖濃度の減少の緩和などの症状の緩和が得られる最も低い投与量である。
他の実施態様において、本発明の医薬組成物は追加の治療薬も含む。従って、本発明の方法に従い、修飾EGFを含む医薬組成物は、追加の薬剤、例えばコレシストキニン受容体配位子との組み合わせで併用治療の一部として投与できる。
治療上効果的な投与量は本発明の組成物を投与しない非治療対象と比較して、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%または少なくとも約80%症状を低減する。
本願明細書中の様々なアミノ酸配列中に現れるアミノ酸は通常、当業界でよく用いられる3及び1文字の省略形を有する。“疎水性”アミノ酸はチロシン、トリプトファン及びフェニルアラニンなどの芳香族アミノ酸、及びイソロイシン、ロイシン及びバリンなどの脂肪族アミノ酸を含む。“荷電”アミノ酸はグルタミン酸及びアスパラギン酸などの酸性アミノ酸、及びリジン及びアルギニンなどの塩基性アミノ酸を含む。非荷電のその他のアミノ酸は“中性”アミノ酸である。
アミノ酸“同類”置換変異はEGFの特定部分にあるアミノ酸、または化学的に類似のアミノ酸によって置換された関連分子を意味する。アミノ酸同類置換の例としては:Gluで置換されたAspなど同じ荷電の異なるアミノに置換された荷電アミノ酸、または例えば異なる芳香族疎水性アミノ酸、例えばPheで置換されたTrpなどの芳香族疎水性アミノ酸である(2001年3月27日に発行された米国特許第6,207,154号を参照。)修飾EGF、例えば、アミノ酸の1以上の同類置換を有するEGF51Nはここに記載される様々な修飾EGF組成物と意味上等しいものとして、実施態様として包含されるものとみなす。
アミノ酸配列組成物は、最初の配列を作るアミノ酸残基の特定タイプの大部分が、位置を基準にして比較できるようにそれぞれ直線に並ぶその他の配列中のアミノ酸と同一である場合、“実質的に相同”である。例えば、配列中のアミノ酸が少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%が同一である。51残基長のタンパク質を同じ長さの別のものと比較して、少なくとも50%とは配列中少なくとも26のアミノ酸が同一でなければならず;75%とは配列中少なくとも39のアミノ酸が同一でなければならず;85%とは配列中少なくとも43のアミノ酸が同一でなければならず;90%とは配列中少なくとも46のアミノ酸が同一でなければならず;及び95%とは配列中少なくとも48のアミノ酸が最初の配列のアミノ酸と比較して同一でなければならない。
Figure 2005511614
Nardi et al.によって最近示されたEGF活性は(米国特許第5,885,956号及び第6,288,301号)、EGF受容体配位子とガストリン/コレシストキニン(CCK)受容体配位子との組み合わせを対象へ投与すると対象の膵島前駆細胞を分化させ、インスリン分泌細胞に成長させることができというものである。EGF受容体配位子は従って、単独またはCCK受容体配位子などその他の薬剤と組み合わせて非分化前駆細胞の分化を引き起こす役割を果たす。“前駆”細胞は数世代に分割し、様々な異なる細胞タイプに分化させる能力を有する。
EGF及びその他のEGF受容体配位子は有糸分裂活性を有し、細胞数、特に培地中またはin vivoで上皮細胞増殖を刺激することができる。EGF受容体配位子の他の活性はろう形成された動物、例えばろう形成ラットなどの実験動物で示されるような酸分泌の抑制である。EGFはさらに、組織前駆細胞の成長及び分化のいずれかまたは両方を刺激することができる。
本発明の修飾EGF組成物は、in vivoで修飾EGFの薬理効果を短縮するであろう別のタンパク質分解を抑制する目的で、1以上のアミノ酸位置に化学的類似物を組み込むためにさらに修飾することができる。本発明の修飾EGF組成物は天然型hEGFより明らかにタンパク質分解耐性を有するが、ここに記載する本発明の実施態様によりさらに望ましい化学的変化が想定される可能性もある。そのようなさらなる修飾は、例えば、特定位置のL−アミノ酸を置換する少なくとも1のD−アミノ酸置換の存在または少なくとも1のアラニンまたはその他のアミノ酸残基のノルバリン、アセチルシステインまたはメチルフェニルグリシンでの置換を含む。アミノ酸修飾はペプチド骨格窒素のN−メチル化であってもよい。
本発明で用いるタンパク質分解”の語は、加水分解酵素として知られる酵素グループの中で、プロテアーゼまたはペプチダーゼによりペプチド結合が加水分解される工程を意味する。ここで用いるタンパク質分解は、基質タンパク質の末端から単一のアミノ酸を順次遊離するエキソペプチダーゼの前進性(processive)活性、及び基質分解の後に2以上のポリペプチド、オリゴペプチドまたはアミノ酸断片を生成するエンドプロテアーゼの切断活性の両方を含む。
“工業的に有用な生物”とは、一般的に安全と考えられている微生物菌株または細胞株を意味し、該生物はマイナスの副作用または後遺症を引き起こすさらなる化合物に寄与せず、ヒトまたは動物に投与するための治療薬を生成できる。様々な細菌は工業的生産のために用いられており、例えばストレプトマイセスである(1988年5月17日に発行された米国特許第4,745,056号を参照)。タンパク質分解に敏感なタンパク質にとって、真菌類、例えばサッカロマイセス・セレヴィシエのようなサッカロマイセス種、メタノール資化性酵母(P.pastoris)のようなPichia種などの酵母菌は特に力強い成長のために有用である。
さらに、ここに記載する修飾EGF体、例えばEGF51Nは、調節因子の制御下で哺乳類または鳥類などのトランスジェニック動物内で生成でき、哺乳類トランスジェニック動物の乳液内での生成または鳥類トランスジェニック動物の卵のアルブミン中での生成など、都合の良い生産媒体に異所性EGFの発現を導く。さらに、トランスジェニック動物の内生遺伝子はノックアウト変異により不活化でき、従ってヒト修飾EGFはトランスジェニック動物中で生成される単一EGFである。2001年6月5日に発行された米国特許第6,242,666号及び2001年8月7日に発行された米国特許第6,271,436号を参照されたい。
ここで使用する“異所性”の語は、例えばヒトの細胞などある種の生物の細胞から単離された遺伝子であり、遺伝子工学技術により酵母など異なる種の生物または豚など異種哺乳類の細胞に導入されたものをいう。
ここで用いる“最適コドン使用頻度”は、異なる生物のゲノム内の遺伝子で見られる、同じアミノ酸をエンコードする多数の異なるトリヌクレオチドコドンの頻度の違いを反映するために組換え型人工遺伝子のヌクレオチド配列を調節することをいう。trp及びmet以外の全アミノ酸は多数のコドンによってエンコードされ得る。より具体的には、最適コドン使用頻度の語は、タンパク質またはポリペプチドをエンコードする人工ヌクレオチド配列を、in vivoで細胞中でタンパク質を生成するために異種細胞へ挿入する目的で、天然型遺伝子から異なるコドンを用いて実質的に同じ天然型アミノ酸配列をエンコードするように変化させる手順をいう。人工遺伝子設計における異なるコドンセットは生成細胞中の使用頻度に従い選択され、生成細胞の翻訳装置部分が生産量を制限しないようにする。
ここで用いる“タンパク質”、“ペプチド”及び“ポリペプチド”の語は同じ意味を有するものとする。
ここに記載する全特許及び文献の内容はここに引用するものとする。ここに記載されるものと類似または同等の方法及び物質が本発明の実施において使用できるが、適した方法及び物質を以下に説明する。本発明は以下の実施例及び請求の範囲により十分に記載及び説明されるが、さらに限定する趣旨ではない。
実施例
実施例1 生産に最適なコドンを有するEGF遺伝子、及び安定性を高めるアミノ酸配列修飾の設計及び合成。
工業的に適した酵母、Pichia pastoris中で、例えばInvitrogen社(カールスバッド、カリフォルニア州)市販のベクターを用いて外来遺伝子をクローニング及び発現させることができる。細胞、ベクター及び媒体を含むキットが購入できる。手順はInvitrogen社から入手できる。P.pastoris中のコドンの最適化は1998年10月27日発行の米国特許第5,827,684号に記載の方法により決定でき、Aptamer,Inc(ロックビル、メリーランド州)の商業サービスが利用可能である。
完全長EGFのC末端のアミノ酸配列は48から53残基であり、上記1文字コードを用いると、KWWELRである(図1パネルA及び配列番号1を参照)。驚くべきことに、5C末端アミノ酸の少なくとも1のアミノ酸の欠失と少なくとも1のアミノ酸の置換の組み合わせは生物活性を保持し、タンパク質分解耐性を有する修飾EGF体を生じる。これらのアミノ酸の修飾は、48位置(天然EGFではリジン、K)及び53(アルギニン、R)の塩基性アミノ酸及び49位置(トリプトファン、W)及び50(トリプトファン、W)の芳香族アミノ酸及び52位置(ロイシン、L)の脂肪族アミノ酸の欠失または置換を含む。
これらのアミノ酸は、胃液、循環中及びP.pastorisなどの生産微生物の培養基中に見られる様々な型のエキソ及びエンドプロテアーゼのための標的基質として同定される。天然型EGFカルボキシ末端のアミノ酸間のペプチド結合は公知の特異性を有するいくつかのプロテアーゼ及びペプチダーゼにより分解される。例えば、52から53残基間、leu−argの結合はカルボキシペプチダーゼB活性;それぞれ49から50(trp−trp)及び50から51(trp−glu)間の結合はキモトリプシン分解を受け;及び48から49(lys−trp)間の結合はトリプシン分解を受ける。(“Proteolytic Enzymes(タンパク質分解酵素)”、Ed.Beynon,R.and Bond J.、IRL Press(オックスフォード)、付属書II、p.232参照。)別のプロテアーゼはその他の優先傾向を有し、または非特異的であるが、glnなどの中性アミノ酸はあまり好ましい基質でない。例外はグラム陽性土壌細菌バチルス・ズブチリスの生産物である、プロテアーゼ・スブチリシンである。そのため、細菌バチルス・ズブチリス中における、ここに記載される中性または酸性残基を有する修飾EGFの生成は好ましくない。
本発明の実施態様は51アミノ酸長を有するヒトEGFのアミノ酸配列を含むペプチドである組成物であり、51位置の残基はグルタミン酸以外のアミノ酸であり、例えばアスパラギンである(EGF51Nとして同定)。関連する実施態様は図1パネルBに示す修飾EGF組成物EGF51N(配列番号2)の遺伝子をエンコードするヌクレオチド配列である。このヌクレオチド配列は工業的に許容できる生産生物、治療薬として使用するための組成物の生成のために、例えばPichia pastoris中の発現ベクターなどのベクター中に挿入するために設計する。同様にEGF51A、EGF51Q及びEGF51Sは修飾EGF体のさらなる実施態様である。これらの修飾体はここに記載するようにタンパク質耐性を有する(それぞれ図1パネルB、C及びDを参照)。
修飾EGFをエンコードする遺伝子配列のここでの設計は、さらに生産生物内でのタンパク質合成時に認識されるために最適なコドンを用いる。これらのコドンは、生物の細胞増殖時に高収率を得るためにEGFをエンコードする天然ヒトヌクレオチド配列中にあるコドンと置換される。
さらに、データ(下)はタンパク質分解耐性を得るための修飾EGFの設計、例えば52及び53位置の2つの末端アミノ酸の欠失、及び51位置の天然グルタミン酸をアスパラギンに置換、は本発明の目的を満たすものであったことを示す。さらに、下の実施例に示すように、EGF51Nの修飾体は望ましい生物活性を有し、特にストレプトゾトシン糖尿病ラットにインスリンを供給するための島新生を刺激する能力を有することがわかった。
実施例2 最適化されたコドンを有する合成遺伝子を用いた組換え型生物からのEGF生成
Pichia pastoris中でEGF51Nを生成するために用いた図1に示す遺伝子配列により驚くべきことに発酵生成媒体中で高収量の生成物を得た(図2参照)。収率は以前報告されたものに匹敵するものであった(1992年4月7日に発行された米国特許第5,102,789号)。
実施例3 EGF51Nのタンパク質分解耐性
生成物の分子量の決定及びEGF51N分解により得たペプチドの分析により、単一種が予測分子量に一致する分子量を有し、天然EGFと比較して2つのアミノ酸欠失を有することを確認し、該物質の同一性及び単一種のEGFタンパク質の生成を確認した。EGF51Nの生成の時間的経過において、得られる高収量のEGFは単一の分子量種として特徴付けられることが観測された(図2を参照)。従って、発酵培地において修飾hEGFの著しいタンパク質分解は観測されなかった。
表2は別の基準を用いて得たEGF51Nのプロテアーゼ活性耐性を示すデータ、すなわち酵素カルボキシペプチダーゼBを用いたin vitroでの分解耐性を示すデータである。これらのデータは天然ヒトEGF53と比較して、EGF51NはカルボキシペプチダーゼBを用いた培養過程の後に6から30倍以上の活性を維持することを示す。これらのデータは酵素分解の基質となる残基を除去するC末端の設計が、微生物生産時及び対象内などの環境におけるカルボキシペプチダーゼBなどその他の酵素への暴露時のEGF保護に効果的であることを確認にするものである。
Figure 2005511614
実施例4 BGF51Nの生物活性
上記の生成BGF51Nを、糖尿病ラットを用いて、グルコース刺激に対する低血糖治療動物を測定して、in vivoで島新生刺激を測定する分析に用いた。従って、図3に示すように、hEGFは別のEGF受容体配位子である陽性対照TGFαに等しい潜在力を有することがわかった(2001年9月11日に発行された米国特許第6,288,301号)。
さらに、修飾EGF51Nはin vivoの麻酔胃ろう形成ラットにおいて胃酸分泌を抑制できることがわかった。8μgのEGF51N静脈内ボーラス投与後、胃酸生成の抑制開始が投与後10−20分内に起こり、20−50分間抑制が続いた。酸分泌抑制開始及び継続のこの時間は陽性対照、市販の完全長TGFαに匹敵する。
これらのデータは、ここに記載のEGFに行ったC末端修飾はEGFをタンパク質分解から保護し、少なくとも2つの異なる治療に重要な生物活性、酸分泌の抑制及び島新生療法を維持する両方の機能を有する。
実施例5 放線菌(Streptomyces lividans)の菌糸体におけるEGF51Nの発現
S.lividansのプロトプラストを標準的な方法で調製し(Hopwood et al.、1985、Genetic manipulation of Streptomyces(ストレプトマイセスの遺伝子操作)、ノリッジ、イングランド;The John Innes Foundation)、及びEGF51Nをエンコードする遺伝子を含むプラスミドをトランスフォームした。放線菌ベクターpCAN46をCANGENE(ウィニペグ、マニトバ州)から入手した。プラスミドはpIJ101レプリコンを有する放線菌−大腸菌シャトルベクターを用い、多数の宿主ストレプトマイセス細胞種において複製する高コピー数の複数コピープラスミドである(米国特許第4,745,056号)。このプラスミドはチオストレプトン耐性をエンコードする各種の抗生物質耐性遺伝子を有する。EGF51Nの発現はタンパク質発現のためのアミノグリコシド・ホスホトランスフェラーゼ(aph)をエンコードするストレプトマイセス・フラジアエ(S.fradiae)遺伝子由来プロモータを用いる。該構築体は、タンパク質分泌を得るために、さらにEGF51Nのアミノ末端アスパラギンからストレプトマイセス・グリセウス由来プロテアーゼBシグナル配列の遺伝子融合体を用いる。
EGF51Nの著しく有用な生成をこの構築体を含む菌株の菌糸成長から観測した。
Figure 2005511614
Figure 2005511614
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パネルAは、EGF51N(配列番号2)、EGF51A(配列番号3)、EGF51Q(配列番号4)及びEGF51S(配列番号5)のタンパク質及び遺伝子をエンコードするアミノ酸配列及びヌクレオチド配列を示し、これらはEGFの修飾型であり、それぞれ51アミノ酸鎖長及びそれぞれアスパラギン、アラニン、グルタミンまたはセリンであるC末端残基を有する。エンコード遺伝子はそれぞれ配列番号6、7、8及び9である。 パネルBは、EGF51N(配列番号2)、EGF51A(配列番号3)、EGF51Q(配列番号4)及びEGF51S(配列番号5)のタンパク質及び遺伝子をエンコードするアミノ酸配列及びヌクレオチド配列を示し、これらはEGFの修飾型であり、それぞれ51アミノ酸鎖長及びそれぞれアスパラギン、アラニン、グルタミンまたはセリンであるC末端残基を有する。エンコード遺伝子はそれぞれ配列番号6、7、8及び9である。 パネルCは、EGF51N(配列番号2)、EGF51A(配列番号3)、EGF51Q(配列番号4)及びEGF51S(配列番号5)のタンパク質及び遺伝子をエンコードするアミノ酸配列及びヌクレオチド配列を示し、これらはEGFの修飾型であり、それぞれ51アミノ酸鎖長及びそれぞれアスパラギン、アラニン、グルタミンまたはセリンであるC末端残基を有する。エンコード遺伝子はそれぞれ配列番号6、7、8及び9である。 パネルDは、EGF51N(配列番号2)、EGF51A(配列番号3)、EGF51Q(配列番号4)及びEGF51S(配列番号5)のタンパク質及び遺伝子をエンコードするアミノ酸配列及びヌクレオチド配列を示し、これらはEGFの修飾型であり、それぞれ51アミノ酸鎖長及びそれぞれアスパラギン、アラニン、グルタミンまたはセリンであるC末端残基を有する。エンコード遺伝子はそれぞれ配列番号6、7、8及び9である。 Pichia pastorisによるEGF51Nの生成を示す。A、B、及びCで示される、それぞれアミノ酸残基長さ49、51及び50である3つの各イソ型が生成される量を、hEGFの合計量と同様に、生成中の時間の関数として表す。A及びC型(49または50アミノ酸残基長さ)はどちらもほとんど観測されず、一方長さ51残基のEGFは細胞増殖に応じて継続的かつ安定に生成された。 腹腔的にヒトガストリン及びEGF51Nをそれぞれ40μg/kg/日で14日間連続注入したストレプトゾトシン糖尿病ラットの治療結果である。治療後、ラットの血漿グルコースを安静時のレベルまで回復する能力を評価し、経口グルコース惹起後に横軸で示す時間(分)の関数として縦軸で示す。血漿グルコースの安静時レベルへの素早い回復はEGF51Nの生物活性を表す。
【配列表】
Figure 2005511614
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Claims (82)

  1. 長さXのアミノ酸配列を含む組成物であって、Xは少なくとも48かつ53以下の整数であり、該配列は(i)配列番号1の1位置からX−1位置までの配列番号1の部分と実質的に相同であり、及び(ii)X位置に配列番号1のアミノ酸残基と異なるアミノ酸残基を有する。
  2. X位置のアミノ酸残基が中性アミノ酸である、請求項1に記載の組成物。
  3. X位置のアミノ酸残基がアスパラギンである、請求項1に記載の組成物。
  4. Xが51位置である、請求項3に記載の組成物。
  5. 配列番号1と比較して増加したタンパク質分解耐性を有する、請求項1に記載の組成物。
  6. 生物活性が配列番号1の生物活性の少なくとも75%である、請求項5に記載の組成物。
  7. 生物活性が配列番号1の生物活性の少なくとも90%である、請求項6に記載の組成物。
  8. 生物活性が、有糸分裂生起、胃粘膜細胞保護作用、酸分泌の抑制、組織前駆細胞の増殖、組織前駆細胞の分化、及び組織前駆細胞の増殖及び分化、からなる群より選択される、請求項6または7に記載の組成物。
  9. 有糸分裂生起が上皮細胞の有糸分裂速度によって決定される、請求項8に記載の組成物。
  10. 酸分泌は胃ろう形成した動物において決定する、請求項8に記載の組成物。
  11. 分化は島新生または粘膜細胞形成により決定される、請求項8に記載の組成物。
  12. Xが疎水性アミノ酸である、請求項1に記載の組成物。
  13. Xが荷電アミノ酸である、請求項1に記載の組成物。
  14. Xが負荷電アミノ酸である、請求項13に記載の組成物。
  15. Xがグルタミン、アラニン及びセリンから選択される、請求項2に記載の組成物。
  16. 51位置のアミノ酸残基はグルタミン酸以外のアミノ酸である配列番号1と実質的に相同なアミノ酸配列を含む組成物。
  17. 組成物の生物活性が少なくとも配列番号1の50%である、請求項16に記載の組成物。
  18. 組成物の生物活性が少なくとも配列番号1の75%である、請求項17に記載の組成物。
  19. 組成物の生物活性が少なくとも配列番号1の90%である、請求項18に記載の組成物。
  20. 組成物が配列番号1の生物活性と実質的に等しい生物活性を有する、請求項16に記載の組成物。
  21. 1−50位置のアミノ酸残基は配列番号1のアミノ酸残基と少なくとも75%の同一性を有する、請求項16に記載の組成物。
  22. 配列番号2、3及び4からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む組成物。
  23. 配列番号2に示すアミノ酸配列を含む組成物。
  24. 51アミノ酸長のポリペプチドであって、残基1−50は実質的に配列番号1に示すアミノ酸配列と相同であり、残基51はアスパラギン残基である、ポリペプチド。
  25. 配列番号1と比較してタンパク質分解に対する増加した耐性を有する、請求項24に記載のポリペプチド。
  26. 残基1−50の少なくとも1つが配列番号1に示す配列中のアミノ酸の同類置換である、請求項24に記載のポリペプチド。
  27. さらに、配列番号1に示す位置1−5から選択される残基の少なくとも1つの欠失を含む、請求項24に記載のポリペプチド。
  28. 配列番号1に示すヒトEGFの少なくとも50%の生物活性を有する、請求項26に記載のポリペプチド。
  29. 配列番号1に示す少なくとも位置1−47のアミノ酸配列に実質的に相同であるアミノ酸配列を有し、かつEGFカルボキシ末端の位置48−53において少なくとも1のアミノ酸置換を有し、該アミノ酸配列が配列番号1の配列よりもタンパク質分解に対してより安定であるヒト上皮細胞増殖因子(EGF)を含む組成物。
  30. 実質的に配列番号1に示す1−50位置における残基のアミノ酸配列を含み、51位置の残基はグルタミン酸以外のアミノ酸である、請求項29に記載の組成物。
  31. 51位置の残基がアスパラギン、グルタミン、アラニン及びセリンからなる群より選択される、請求項30に記載の組成物。
  32. 51位置の残基がアスパラギンである、請求項30に記載の組成物。
  33. 1−50位置のアミノ酸が少なくとも75%は配列番号1に示すものである、請求項30に記載の組成物。
  34. 組成物の生物活性が配列番号1の示す生物活性の少なくとも50%である、請求項30に記載の組成物。
  35. 生物活性が有糸分裂生起、胃粘膜細胞保護作用、酸分泌の抑制、組織前駆細胞の増殖、前駆細胞の分化、及び前駆細胞の増殖及び分化からなる群より選択される、請求項34に記載の組成物。
  36. 有糸分裂生起が上皮細胞の有糸分裂速度によって決定される、請求項35に記載の組成物。
  37. 酸分泌は胃ろう形成した動物より決定する、請求項35に記載の組成物。
  38. 分化が島新生または粘膜細胞形成により決定する、請求項35に記載の組成物。
  39. 請求項1、16及び29のいずれかに記載の組成物を薬学的に許容できるキャリア内に効果的な量で含む医薬組成物。
  40. さらに追加の治療薬を含む、請求項39に記載の医薬組成物。
  41. 追加の治療薬が増殖因子受容体配位子である、請求項40に記載の医薬組成物。
  42. 配位子が増殖因子である、請求項41に記載の医薬組成物。
  43. 配位子がガストリン/コレシストキニン受容体配位子である、請求項42に記載の医薬組成物。
  44. 請求項1、16及び29のいずれかに記載の組成物をエンコードするヌクレオチド配列であって、工業的に許容できる生産生物における最適使用頻度に適合させたコドンを有するヌクレオチド配列。
  45. 工業的に許容できる生産生物が酵母菌である、請求項44に記載のヌクレオチド配列。
  46. 酵母菌がPichia pastorisである、請求項45に記載のヌクレオチド配列。
  47. 51残基長のポリペプチドをエンコードするヌクレオチド配列を有し、ヒトEGFの生物活性を有し、該配列はPichia種において発現するために最適化されたコドンを含み、かつカルボキシル末端にタンパク質分解耐性を与えるアミノ酸を有する、ポリヌクレオチド。
  48. 配列番号5に示すヌクレオチド配列を有するPichiaの組換え型菌株。
  49. 配列番号2に示すアミノ酸配列を生成できるPichiaの組換え型菌株。
  50. 配列番号2に示すアミノ酸配列をエンコードするヌクレオチド配列。
  51. 長さXのアミノ酸配列を含む組成物を得る方法であって、Xは少なくとも48かつ53以下の整数であり、該配列は(i)配列番号1の1位置からX−1位置までの配列番号1の部分と実質的に相同であり、及び(ii)X位置に配列番号1のアミノ酸残基と異なるアミノ酸残基を有し、該方法は以下を含む:工業的に許容できる生物において最適使用頻度のコドンを有する、該組成物をエンコードする遺伝子を設計する工程;及び生物の発酵により生物内で該組成物を生成する工程。
  52. 組織再生が必要な対象を治療する組成物の使用であり、該医薬組成物は長さXのアミノ酸配列を含み、Xが少なくとも48かつ53以下の整数であり、該配列は(i)配列番号1の1位置からX−1位置までの配列番号1の部分と実質的に相同であり、及び(ii)X位置に配列番号1のアミノ酸残基と異なるアミノ酸残基を有し;該方法は以下を含む:請求項51に記載の方法により該組成物を得る工程;及び対象の組織再生の処置として前駆細胞の再生に十分効果的な量で該組成物を対象に投与する工程。
  53. 組成物の投与においてさらに追加の治療薬を投与する、請求項52に記載の使用。
  54. 追加の治療薬が増殖因子受容体配位子である、請求項53に記載の使用。
  55. 配位子が増殖因子である、請求項54に記載の使用。
  56. 配位子がガストリン/コレシストキニン受容体配位子である、請求項54に記載の使用。
  57. Xが整数の51である、請求項52に記載の使用。
  58. Xにおけるアミノ酸残基が中性アミノ酸である、請求項57に記載の使用。
  59. アミノ酸残基がアスパラギンである、請求項58に記載の使用。
  60. 組成物が配列番号1に示す配列を有する組成物よりもタンパク質分解耐性を有する、請求項52に記載の使用。
  61. 対象が島細胞再生を必要としている、請求項52に記載の使用。
  62. 対象が粘膜細胞再生を必要としている、請求項52に記載の使用。
  63. 対象が糖尿病を有する、請求項52に記載の使用。
  64. 天然型EGFよりもタンパク質分解耐性があり、実質的に生物活性を保持するEGFの修飾アミノ酸配列を得る方法であり、該方法は以下を含む:工業的に有用な生物によりタンパク質分解を受ける天然型EGF配列の少なくとも1の残基を同定する工程;タンパク質分解の対象として同定された残基が欠失または異なるアミノ酸で置換されている修飾アミノ酸配列を設計する工程;及び天然型EGFよりもタンパク質分解耐性がある修飾EGFを得るために、修飾アミノ酸配列を提供し、タンパク質分解を天然型EGFと比較して評価する工程。
  65. 天然型EGFがヒト由来である、請求項64に記載の方法。
  66. 修飾アミノ酸配列の設計が、関連する実施態様において、新しいカルボキシル末端アミノ酸配列を得るために少なくとも1のカルボキシル末端残基を少なくとも1のアミノ酸で置換し、修飾EGFがよりタンパク質分解耐性を有するようにする、請求項65に記載の方法。
  67. タンパク質分解を受ける少なくとも1の残基の同定が、工業的に有用な生物の組換え型細胞の培地における天然型EGFの生成中にタンパク質分解の部位を決定する、請求項65に記載の方法。
  68. 修飾アミノ酸配列の設計の後で修飾EGFを提供する前に、さらに修飾アミノ酸配列をエンコードするヌクレオチド配列を設計することを含み、該ヌクレオチド配列が工業的に有用な生物における最適使用頻度の選択されたコドンを有する、請求項65に記載の方法。
  69. 修飾ヌクレオチド配列の設計の後で修飾EGFを提供する前に、さらに修飾ヌクレオチド配列をベクター内に組み込み、工業的に有用な生物の細胞中にベクターを形質転換させる工程を含む、請求項68に記載の方法。
  70. 修飾EGFの提供が配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の提供である、請求項69に記載の方法。
  71. 工業的に有用な生物がメタノール資化性酵母(Pichia pastoris)である、請求項70に記載の方法。
  72. 薬学的に許容できるキャリア中に請求項1、16及び29に記載する組成物の少なくとも1単位用量を含むキット。
  73. さらに追加の治療薬を含む、請求項72に記載のキット。
  74. 追加の治療薬が増殖受容体配位子である、請求項73に記載のキット。
  75. 増殖受容体配位子がガストリン/コレシストキニン受容体配位子である、請求項74に記載のキット。
  76. 配位子がガストリンである、請求項75に記載のキット。
  77. 単位用量が組織再生の必要な対象の治療に十分な量である、請求項72に記載のキット。
  78. 組織が膵島または胃粘膜である、請求項77に記載のキット。
  79. 請求項71の方法により得られるPichia組換え型菌株。
  80. 配列番号5に示すヌクレオチド配列を有するストレプトマイセス組換え型菌株。
  81. 配列番号2に示すアミノ酸配列を生成するストレプトマイセス組換え型菌株。
  82. 請求項71の方法により得られるストレプトマイセス組換え型菌株。
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