JPH08301899A - Igf−1スーパーアゴニスト - Google Patents

Igf−1スーパーアゴニスト

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JPH08301899A
JPH08301899A JP8111473A JP11147396A JPH08301899A JP H08301899 A JPH08301899 A JP H08301899A JP 8111473 A JP8111473 A JP 8111473A JP 11147396 A JP11147396 A JP 11147396A JP H08301899 A JPH08301899 A JP H08301899A
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igf
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peptide
insulin
analog
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JP8111473A
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Richard Dennis Dimarchi
リチャード・デニス・ディマーチ
Li Fan
リー・ファン
Harlan B Long
ハーラン・ビオール・ロング
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Eli Lilly and Co
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Eli Lilly and Co
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    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/575Hormones
    • C07K14/65Insulin-like growth factors, i.e. somatomedins, e.g. IGF-1, IGF-2
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インスリンおよびIGF−1の活性を有する
合成ペプチド(IGF−1類縁体)、該類縁体の組換え生
産に有用な合成および半合成DNA配列、組換えDNA
ベクターおよび形質転換宿主細胞、ならびに該類縁体を
含む医薬製剤を提供すること。 【解決手段】 式: BCn,A (1) [式中、BはIGF−1のBドメインまたはその機能的
類縁体;CはIGF−1のCドメインまたはその機能的
類縁体;nはCドメイン中のアミノ酸の数であり、約6
〜約12;およびAはIGF−1のAドメインまたはそ
の機能的類縁体である]で示されるIGF−1類縁体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インスリンおよび
IGF−1の活性を有する合成ペプチドに関する。また
本発明は、該ペプチドの産生に有用な組換えDNA化合
物、ベクターおよび形質転換細胞系に関する。さらに本
発明は、ヒトの心身の苦悩の治療における該ペプチドの
使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ソマ
トメジンCとしても知られるIGF−1は、成長ホルモ
ンの活性を仲介し、かつインスリン様活性を有する血清
ポリペプチドである。ハンベル(Humbel,R.E.)(1990
年)「European Journal of Biochemistry」190,445
〜462“インスリン様成長因子IおよびII”。IG
F−1は、そのインスリン様活性および軟骨におけるS
4 2-取り込みの刺激活性が知られている。したがっ
て、IGF−1は成長促進物質としても糖尿病の治療薬
としても有用である。IGF−1は、ヒトの成長ホルモ
ン欠乏症の治療、家畜の発育速度の増加、筋肉の相対的
割合の増加もしくは食物変換効率の改良、ヒトのやけど
後,感染または他の外傷などの重篤な異化状態における
体タンパク質の損失の抑制、ヒトおよび動物の創傷治癒
の改善、および培養細胞の成長の援助に用いることがで
きる。IGF−1は、やけど、骨外傷、感染、癌、嚢胞
性腺維症、デュシェン筋ジストロフィー、ベッカージス
トロフィー、常時染色体の劣性ジストロフィー、多発性
筋炎ならびに他の筋障害およびエイズなどの組織破壊を
伴う疾患の治療に用いることができる。IGF−1は、
哺乳類のタンパク質蓄積不全の治療に用いることができ
る。IGF−1が有効な欠乏症あるいは不全としては、
未熟児性関連欠乏症、成長ホルモン欠乏症、ソマトメジ
ン欠乏症、やけど,感染,癌,嚢胞性腺維症,デュシェン筋
ジストロフィー,ベッカージストロフィー,常時染色体の
劣性ジストロフィー,多発性筋炎ならびに他の筋障害お
よびエイズに関連するものが挙げられる。IGF−1を
用いて、赤血球産生を刺激することができ、したがって
IGF−1はヒトの発育不全の治療および異化状態に伴
う負の窒素出納の制限に有用である。したがって、天然
のIGF−1の活性よりも強い活性を有するIGF−1
類縁体を得ることが望まれる。このような類縁体は、イ
ンスリンおよびIGF−1活性の両方の欠乏症である糖
尿病などの異化状態の治療に対して適用しうる有効性を
有する。
【0003】IGF−1の構造−活性の相関関係につい
て、合成的、半合成的および生合成的手法からのアプロ
ーチがなされている。ディマーチ(DiMarchi,R.D.)ら
は、十分なIGF−1受容体親和性を達成するためにC
ドメインが重要であることを報告した。ディマーチらの
“インスリン様成長因子Iとの構造的相同性に基づく速
作用インスリンの合成”,「1991年6月16〜21
日マサチューセッツ州ケンブリッジにて開催された第1
2回アメリカン・ペプチド・シンポジウムの会報:化学
および生物学;ペプチド類」(1992年),スミス(Smit
h,J.A.)およびリヴィエール(Rivier,J.E.)編,26〜2
8,ESCOM,レイデン。インスリンの二鎖IGF−1
等価物が、インスリンおよびIGF−1受容体に対し
て、インスリンおよびIGF−1とほとんど等しい親和
性を有することが報告された。インスリン残基と相当な
置換性をもつ、さらに別の二鎖IGF−1関連ペプチド
が製造されている。すべての場合において、これらのヘ
テロ二量体IGF−1のIGF−1受容体に対する親和
性は、類似のIGF−1リガンドと比べて低い値を示し
た。IGF−1類縁体の生合成は、単鎖ペプチドのみに
焦点を合わせて行われてきた。キャサイエリ(Cascieri,
M.A.)らの(1988年)「Biochemistry」,27:322
9〜3233;ベイン(Bayne,M.L.)らの(1988年)
「J.Biol.Chem.」,249:11004〜11008。
【0004】本発明者らは、驚くべきことに、IGF−
1分子を分割してCドメインを完全に除去するとIGF
−1の活性が低下し、Cドメインを部分的に除去すると
スーパーアゴニストが得られることを見出した。この観
察は、プロインスリンのCドメインを逐次除去していっ
た場合に、インスリン受容体親和性が着実に増加したと
いうインスリン受容体における観察結果と対照的であ
る。これら2つの相同性の高い受容体が、異なる挙動を
するということは全く予期し得ないことであった。すな
わち本発明者らは、IGF−1受容体へのスーパーアゴ
ニストであり、さらなる利点として、天然のIGF−1
よりもインスリン活性が非常に大きい特殊なIGF−1
類縁体を提供するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0005】本発明は、天然の単鎖IGF−1の誘導体
である、短縮されたCドメインを有する二鎖IGF−1
スーパーアゴニストを提供する。また本発明は、これら
の類縁体の組換え生産に有用な合成および半合成DNA
配列、組換えDNAベクターおよび形質転換宿主細胞を
提供する。また本発明は、これらのIGF−1類縁体を
含む医薬製剤を提供する。また本発明は、種々の治療上
の適用におけるこれらの類縁体の使用方法を提供する。
【0006】 本発明は、式: BCn,A (1) [式中、BはIGF−1のBドメインまたはその機能的
類縁体;CはIGF−1のCドメインまたはその機能的
類縁体;nはCドメイン中のアミノ酸の数であり、約6
〜約12;およびAはIGF−1のAドメインまたはそ
の機能的類縁体である]で示されるIGF−1類縁体を
提供する。
【0007】用語の定義 これまでの記載において、B、C、AおよびDは、IG
F−1分子のサブユニットを意味する。BはIGF−1
のBドメインを意味する。CはIGF−1のCドメイン
を意味する。AはIGF−1のAドメインを意味する。
DはIGF−1のDドメインを意味する。BCAD I
GF−1という表現は、第1のアミノ酸配列(アミノ末
端からカルボキシ末端まで)がIGF−1のBドメイン
であり、BドメインがIGF−1のCドメインに連結
し、CドメインがIGF−1のAドメインに連結し、A
ドメインがIGF−1のDドメインに連結して単鎖隣接
ペプチドユニットを形成している状態を示す。B(8)な
どの番号を付したアミノ酸残基は、IGF−1のBドメ
インの8番の位置に存在するアミノ酸を示す。IGF−
1中の特殊な残基の番号付けは、IGF−1の公知の分
子に対する慣例的な番号の付け方にしたがって行う。た
とえば上記の例の場合、たとえアミノ酸が問題にしてい
る特殊な類縁体のBドメインにおいて8番目の残基でな
いとしても、B(8)という名称は一貫して保持される。
構造中のコンマ(すなわち、BC,A)は、たとえ分子が
ジスルフィド結合によって一緒になっているとしても、
ポリペプチド骨格構造中に裂け目が存在することを示
す。全IGF−1構造から一つの文字が欠如しているの
は、問題にしている特殊な分子中に特定のサブユニット
が存在しないことを示す。名称中の上つき文字(すなわ
ち、BC12,A)は、Cドメインのアミノ酸の数が12で
あるという、そのサブユニット中のアミノ酸の数を示
す。後記のbおよびaは、それぞれインスリンのb鎖お
よびa鎖を意味し、cは、プロインスリン(bca)にお
いてbおよびaを結合する連結ペプチドを意味する。
【0008】幾つかのIGF−1およびインスリン構築
物を作成し、そのIGF−1活性の検定を行った。天然
のヒトインスリンおよびプロインスリンも比較のために
含まれている。その結果を下記表Iに要約する。
【表1】 IGF−1類縁体の活性 構築物1 IGF-1活性(%)2 インスリン活性(%)2 比率3 BCAD(IGF-1) 100 1.2 83 BCA 77 2.4 32 BC12*,A 127 9.8 13 BC10*,A 186 16 12 BC8*,A 141 16 8.8 BC6*,A 57 18 3.2 B,A 7.7 18 0.43 b,a(インスリン) 0.37 100 0.0037 bca(プロインスリン) <0.1 2.4 <0.41 1)天然に存在するヒトペプチドを用いてすべての構築物を作成した。 2)実施例5の記載にしたがって測定した。 3)比率=IGF−1活性÷インスリン活性 *)これらの実施例において、上つき文字は、N末端残基で始まるCドメイン のアミノ酸残基の数がこれらの数値に対応することを意味する。
【0009】上記データは、Cドメインを保有するIG
F−1の“分割された”(すなわち、二鎖)誘導体が、単
鎖IGF−1分子と比べて、より活性が大きいことを示
している。該データはまた、Cドメインにアミノ酸が6
個以上存在することが、IGF−1受容体における最大
活性を引き出す必須条件であることも示している。天然
のBCAD(IGF−1)と比較すると、約10±2個の
残基がCドメインの最適長さであることは明らかであ
る。Cドメインが、インスリン活性ではなくIGF−1
活性にとって必須であることに注目することが重要であ
る。実際、インスリン活性は、IGF−1のCドメイン
のアミノ酸を6個まで短縮することによって最大化さ
れ、さらにアミノ酸を削除しても変化しない。
【0010】天然に存在するペプチドb,a(インスリ
ン)およびBCAD(IGF−1)を、類縁体という面に
おいて互いに比較すると、明確な分子の構造上の差異が
あることがわかる。単鎖IGF−1(BCA)と比較する
と構築物B,AにはIGF−1のCドメインが欠如して
いることから、IGF−1受容体との相互作用にはCド
メインが必須であることがわかる。Cドメインの大きさ
が10以下に減少するにつれて、二鎖IGF−1類縁体
のIGF−1受容体への結合親和性は付随的に減少す
る。他の重要な点は、インスリン受容体親和性が、IG
F−1受容体親和性と同時に変化しうることを認識する
ことである。結果として、IGF−1受容体への親和認
識性および選択性を高めることにおいて、IGF−1の
Cドメインが重要な役割を果していると推断することが
できる。インスリン受容体親和性は、主としてAドメイ
ンに対するCドメインの共有結合によって調節される
が、Cドメインの直線的大きさもある程度は関与してい
る。この後者の特徴は、BC12,Aが、天然に存在する
単鎖型のIGF−1と比較すると、IGF−1受容体親
和性が僅かに低くなり、受容体選択性が大きく増加して
いることから証明される。Cドメインが10残基以上に
伸びると、活性が低下した。その例として、BC10,A
に対するBC12,Aおよびb,aに対するbcaが挙げら
れる。
【0011】インスリン受容体およびIGF−1受容体
は、ある生物学的機能を分担しているように思われる。
各受容体は、代謝的およびマイトジェン的細胞活性を仲
介する能力を有する。外傷などが原因となる急性の異化
的生理状態を、IGF類およびインスリンを投与するこ
とによって逆行させることができる。同様に、糖尿病な
どの慢性の異化的状態のための最適療法には、インスリ
ンおよびIGF−1などのこのようなホルモン因子の正
常化が必要である。驚くべきことに本発明者らは、ヘテ
ロ二量体IGF−1構築物の製造によって、IGF−1
自体よりも活性の大きなペプチドを誘導しうることを見
出した。BCA鎖において、CドメインとAドメインの
連結点に、ただ1つの裂け目が存在することによって、
比較対照となる単鎖BCAのほとんど2倍の活性をもつ
独特の新規なIGF−1ペプチドがもたらされる。二鎖
IGF−1類縁体は、単鎖ペプチド類と比較して、さら
に別の能力をも持つ。これらのペプチドは相当に大きな
インスリン活性を有する。Cドメインの残基を2〜6個
に短縮することによって、最大インスリン活性を得るた
めのほとんど最適なサイズが、容易に実現される。IG
F−1活性は、最初のCドメイン残基の削除から、Cド
メインの長さが10アミノ酸残基である最大活性点に至
るまで増加する。配列をさらに削除すると、IGF−1
活性は減少する。新規および独特なIGF−ペプチドB
10,Aが、最大のIGF−1およびインスリン活性が
得られる最良の構築物であることがわかる。このタイプ
のIGF−1類縁体は、IGF−1受容体に対する活性
がより大きいIGF−1と比較した場合、独特の能力を
もち、同時に、より大きいインスリン活性を付与しうる
のである。
【0012】本発明はさらに、式(1)で示されるIGF
−1の機能的類縁体を提供する。機能的類縁体とは、天
然に存在するその分子または化合物と同様の機能的特性
を有するが、修飾された構造をもつ分子を意味する。機
能的類縁体には、親分子と同様の機能的特性および反応
性を有するフラグメントも(親分子に加えて)包含され
る。このような機能的類縁体は、ペプチドの特徴を変更
するように設計することもできるが、通例は、その天然
に存在するペプチド同じ性質の生物学的活性を示す。機
能的類縁体は通常、人工的に工作された変化体である
が、このような機能的類縁体には、ペプチドアミノ酸配
列の天然に存在するアロタイプまたは中間種変化体も包
含される。
【0013】このような機能的類縁体は、IGF−1類
縁体をコードするDNAを修飾し、その後、該DNAを
組換え細胞培養において発現させることによって製造す
ることができる。公知の配列を有するDNAにおいて、
予定の部位における置換突然変異を作製する技術は公知
である(たとえば、M13プライマー突然変異誘発な
ど)。機能的類縁体ペプチドをコードするDNAに作製
する突然変異は、読み取り解読枠の外に設置してはなら
ず、二次的mRNA構造を産生しうる相補的領域を創造
しないのが好ましい。IGF−1の機能的類縁体は一般
に、ペプチドのアミノ酸配列を特殊な限定された作法で
修飾することによって創造される。アミノ酸配列変化体
を導入する部位は予め決定しておくが、突然変異それ自
体は予め決定する必要はない。たとえば、所定の部位に
おける突然変異の作業を最適化するために、標的コドン
または領域においてランダム突然変異を行い、得られる
機能的類縁体をスクリーニングして所望の活性の最適な
組み合わせを得る。
【0014】ペプチドの機能的類縁体は通例、1個(ま
たは2〜3個)のアミノ酸残基の欠失、挿入または置換
によって生産される。天然に存在するアミノ酸に対する
このような修飾は、下記表2にしたがって行われる。
【表2】
【0015】機能または免疫学的同一性における実質的
変化は、表2の置換と比較して、保存性がより低い置換
を選択すること[すなわち、(a)ポリペプチドバックボ
ーンの二次あるいは三次構造;(b)残基の電荷または疎
水性;または(c)側鎖の嵩を維持する効果においてより
有意に相異する残基を選択すること]によって生じ得
る。ポプチドの特性が最大に変化することが一般に予期
される置換とは、(a)親水性残基が、疎水性残基によっ
て置換される;(b)システインまたはプロリンが、その
他のいずれかの残基と置換される;(c)荷電側鎖を有す
る残基が、中性残基と置換される;または(d)疎水性側
鎖を有する残基が、αカルボニルにおける立体化学を変
化させるような小さい疎水性側鎖のひとつと置換される
ような置換である。
【0016】いろいろなアミノ酸修飾がIGF−1の一
次構造に導入されてきた。これらの機能的類縁体は、各
タイプの糖尿病の治療に有用であり、商業的(特に、組
換え)生産を促進し、および/またはより望ましい医薬
製剤を提供するための多種多様な望ましい特徴を示し
た。アップルバウム(Applebaum)らの米国特許第487
6242号(1989年10月24日登録)には、血清成
分への親和性が低下されていると同時にI型受容体への
親和性を保有していることによって高レベルのIGF−
1活性を有するヒトIGF−1類縁体が記載されてい
る。ウエダ(Ueda)らの米国特許第4745179号(1
988年5月17日登録)には、臭化シアンの適用によ
って生産を簡単化するVal59−IGF−1類縁体が記載
されている。ベイン(Bayne)およびキャサイエリの欧州
特許公開番号EP−379338(1990年7月25
日公開)には、報告によるとI型インスリン受容体に結
合する能力は保有しているが、28K IGF結合タン
パク質への結合能力が低下しているヒトIGF−1の類
縁体が記載されている。ここに記載されたIGF類縁体
は、3T3細胞中でDNA合成を刺激することにおい
て、天然のIGF−1の100倍の大きさの活性をもつ
ことが報告されている。多くのその他の特許、特許出願
および刊行物は、当業者が容易に入手して化合物(1)の
一次構造への有用な修飾を行うことができる。たとえ
ば、日本特許公開番号01−050899(1989年
2月27日公開:住友製薬KK);米国特許第4769
361号(1988年9月6日登録);日本特許公開番号
01−063597(住友製薬KK);日本特許公開番号
62−190199(藤沢薬品工業KK);日本特許公開
番号62−169733(藤沢薬品工業KK);米国特許
第5070075号(1991年12月3日登録);米国
特許第5077276号(1991年12月31日登
録);および欧州特許公開番号EP−346429(19
89年12月20日公開)。本発明は、式(1)で示され
るIGF−1の機能的類縁体に行われる、このような公
知のIGF−1のハイブリッド機能的類縁体の構造の修
飾をも包含する。
【0017】本発明の好ましい具体例においては、IG
F−1類縁体(1)のサブユニットのアミノ酸配列は、I
GF−1のAドメインの天然に存在する配列、IGF−
1のBドメインの天然に存在する配列およびIGF−1
のCドメインの天然に存在する配列の短縮型からなる。
本発明の別の具体例は、サル、ブタ、ウシ、モルモッ
ト、サカナまたはアヒルなどの別種の動物のIGF−1
類縁体から誘導されたIGF−1分子の機能的類縁体に
関する。本発明のさらに好ましい具体例においては、
B、CおよびAは、天然のヒトIGF−1の配列から誘
導される。本発明の最も好ましい具体例においては、I
GF−1類縁体(1)は、BC10,Aという構造をもつ。
【0018】IGF−1類縁体(1)は、下記(a)または
(b)のいずれの方法を用いて構築してもよい。 (a)単鎖IGF−1前駆体を化学的および酵素的に逐次
切断して所望のIGF−1類縁体を得る。 (b)独立したIGF−1ペプチドサブユニット鎖から組
み立てる。 単鎖(BCAまたはBCAD)IGF−1前駆体および/
または独立したB、C、AまたはDドメインは、固相ペ
プチド合成法、液相ペプチド合成法または組換えDNA
法によって生産することができる。
【0019】天然源から完全なIGF−1分子を単離し
てもよい(欧州特許公開番号EP−209331、19
87年1月21日公開を参照;天然源からのIGF−1
の精製が記載されている)。日本特許公開番号01−0
63597(1989年3月9日公開)には、アミノ酸ユ
ニットの縮合によるIGF−1誘導体の合成が記載され
ている。次いで、完全なIGF−1分子を化学的または
酵素的に切断し、化合物(1)を得る。化合物(1)はま
た、それぞれBCnおよびAドメインを固相合成法ある
いは組換えDNA法によって独立したサブユニットとし
て生産し、当業者には公知の技術を用い、独立した2つ
の鎖から組換えヒトインスリンを組み立る際に行ったも
のと同様の仕方にて、該2つのサブユニットから化合物
(1)を組み立ててもよい。固相ペプチド合成技術は、当
業者には公知である。たとえば、ゲッセルシェン(Gesel
lschen,P.D.)およびサンテレ(Santerre,R.F.)の“化学
的およびバイオテクノロジーの手段によるペプチドおよ
びタンパク質の合成",「Peptide and DrugDelibery」,リ
ー(Lee,V.H.L)編,チャプター2(1991年),マーセル
・デッカー,ニューヨーク,NY10016;一般的なも
のとしては「Methods in Enzymology」,v.185(19
90年),およびゲデル(Goeddel,D.V)編を参照。
【0020】
【発明の実施の形態】IGF−1類縁体ペプチドは、ア
プライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)43
0Aペプチド合成機(カリフォルニア94404フォス
ター・シティーのアプライド・バイオシステムズ社から
購入)を用いる固相法によって合成した。Bocアミノ酸
樹脂およびその他の試薬は、アプライド・バイオシステ
ムズ社製のものおよびその他市販されているものを用い
た。ダブルカップルプロトコルを用いる連続的なBocの
化学反応および酢酸無水物によるキャッピングを、所望
のBoc−アミノ酸−4−(オキソメチル)−フェニルアセ
トアミドメチル[PAM]樹脂に適用する。予め作製し
たヒドロキシベンゾトリアゾールエステルを用い、アス
パラギン、ヒスチジン、グルタミン、アルギニン、[α
−(p−ヒドロキシフェニル)酢酸]、[β−(p−ヒド
ロキシフェニル)プロピオン酸]、p−ヒドロキシ安息
香酸、p−ヒドロキシ桂皮酸およびp−ヒドロキシフェ
ノキシ酢酸をカップリングさせた。予め作製した対称無
水物を用い、その他の残基すべてを、ジシクロカルボジ
イミド(DCC)とカップリングさせた。
【0021】側鎖の保護には下記の保護基を用いた。A
rg:トシル、Asp:シクロヘキシル、Cys:4−メチル
ベンジル、Glu:シ クロヘキシル、His:ベンジルオキシメチル(BOM)、
Lys:2−クロロベンジルオキシカルボニル、Ser:ベ
ンジル、Thr:ベンジル、Tyr:2−ブロモベンジルオ
キシカルボニル。Bocの脱保護は、塩化メチレン中、ト
リフルオロ酢酸(TFA)を用いて行った。合成完了後、
該ペプチドを脱保護し、約10%のメタクレゾールまた
は5%のメタクレゾールおよび5%のチオクレゾールを
含有する無水フッ化水素(HF)にて樹脂から切断した。
後記実施例1に示すように、Met(O)を含有するペプチ
ジル樹脂に対し、TFA、DMSおよびHClを用いる
操作を行った後、樹脂から切断した。後記実施例1およ
び2に示すように、HFを除去した後、エチルエーテル
でペプチド/樹脂を洗浄し、ペプチドの亜硫酸分解を行
った。精製は、後記実施例4に示す方法で行った。
【0022】式(1)で示されるペプチドの合成は、固相
ペプチド合成法または組換え法によって行うことができ
るが、高収率で行うには組換え法が好ましい。IGF−
1の組換え合成が報告されている。ディマーチらの(1
989年)「J.Cellular Biochemistry」,86:283
〜294。IGF−1ペプチドの組換え産生における基
本的なステップは下記のとおりである。 a)IGF−1類縁体(1)をコードする合成または半合
成DNAを構築し; b)IGF−1類縁体の発現に適した作法によって発現
ベクターへ該DNAを組込み(直接あるいは融合タンパ
ク質として); c)該発現ベクターで適当な真核または原核宿主細胞を
形質転換し; d)該形質転換またはトランスフェクションされた宿主
細胞を、IGF−1ペプチドの産生に好適な条件下で培
養し;ついで e)組換え産生されたIGF−1類縁体を回収し、精製
する。
【0023】組換え手段によるIGF−1分子(もしく
は独立したサブユニット)の産生を選択する場合は、所
望のIGF−1前駆体をコードするDNA配列を得るこ
とが必要である。該DNAコーディング配列は、完全合
成、半合成または天然のIGF−1のcDNAを修飾す
うることによって得られる。その遺伝子のインビトロま
たはインビボ転写および翻訳の結果としてIGF−1ペ
プチドが産生される合成遺伝子は、公知の技術によって
構築することができる。遺伝暗号には天然の縮重がある
ために、手頃な大きさであるがまだ数の限定されていな
いDNA配列を用いて、IGF−1ペプチドをコードす
るように構築しうることを当業者であれば理解するであ
ろう。合成的方法論によってIGF−1ペプチドをコー
ドする遺伝子を創製することができる。このような合成
的遺伝子構築の方法論は、当業者には公知である。ブラ
ウン(Brown)らの(1979年)「酵素学における方法」,
アカデミック・プレス,N.Y.,Vol.68,109〜15
1。常套のDNA合成装置(アプライド・バイオシステ
ムズから市販,フォスター・シティ,カリフォルニア)を
用いて、合成IGF−1ペプチド遺伝子に対応するDN
A配列を産生することができる。ウエダ(Ueda)らの(米
国特許第5019500号:1991年5月28日登
録)には、ヒトIGF−1の組換え産生に有用な合成遺
伝子が記載されている。
【0024】所望のコードおよびコントロール配列を含
む適当なベクターの構築には、標準の連結反応技術を用
いる。単離したプラスミドまたはDNAフラグメントを
切断し、必要な操作を加え、所望の形体に再連結し、必
要とするプラスミドを得る。所望のIGF−1の翻訳を
成し遂げるために、適当な制限エンドヌクレアーゼを用
いて、IGF−1ペプチドDNAをコードする配列を適
当な組換えDNA発現ベクターに挿入する。これらの増
殖物からの単離および発現プラスミドへの組込みを促進
するために、転写産物の両端に制限エンドヌクレアーゼ
切断部位を有するように、合成IGF−1類縁体をコー
ドする配列を設計する。公知の技術によって、所望のベ
クターへの該配列の結合を促進するために、合成リンカ
ーを用いて該コード配列を容易に修飾することができ
る。使用した特定のエンドヌクレアーゼを、使用される
発現ベクターの制限エンドヌクレアーゼ切断パターンに
よって決まる。転写解読およびIGF−1ペプチドの発
現が正確に行われるようにするために、コントロール配
列をともなうIGF−1ペプチドコード配列を正確に配
向するように制限部位を選択する。
【0025】一般に、宿主細胞に適合する動物種由来の
プラスミドベクター(プロモーターおよびコントロール
配列を含む)を該宿主とともに用いる。通常、ベクター
は、形質転換細胞において表現型の選択を可能にする複
製部位およびマーカー配列を保有する。IGF−1ペプ
チドコード配列は、発現ベクターのプロモーターおよび
リボソーム結合部位(これらの両方はIGF−1ペプチ
ドが発現されるべき宿主細胞において機能的である)を
含む正しい転写解読枠内に位置するように配置する。プ
ロモーター−オペレーター領域はそれ自身が誘導された
遺伝子のATG出発コドンを占有しているので、該領域
はIGF−1ペプチドをコードするDNA配列のATG
出発コドンと同じ配列配向性で配置されるのが好まし
い。
【0026】融合タンパク質としてのIGF−1ペプチ
ドの発現に関しては、幾つかの例が公知である。たとえ
ば、米国特許第5028531号(1991年7月2日
登録;本発明の参考文献である)には、融合タンパク質
としてのヒトIGF−1の製造が記載されている。日本
特許公開番号63−263085(1988年10月3
1日公開)には、IGF−1ペプチドを含む融合タンパ
ク質としてヒトIGF−1を産生し、次いで該融合IG
F−1から保護ペプチドを除去して成熟IGF−1を得
る方法が記載されている。このような方法論は、本発明
のIGF−1ペプチドの産生に応用することができる。
【0027】単鎖BCAまたはBCAD IGF−1構
造(固相合成法または組換え法にて調製)を経由し、次い
で酵素的または化学的に切断する方法によって化合物
(1)を製造することができる。多数のペプチダーゼ(た
とえばカルボキシペプチダーゼ)は、特異的部位でポリ
ペプチドを切断する、あるいはペプチド鎖のアミノまた
はカルボキシ末端からペプチドを分断することが知られ
ている。さらに、特定の化学製品(たとえば臭化シアン
(CNBr))は、特異的部位でポリペプチド鎖を切断す
る。トリプトファン残基の欠如した組換え産物は、たと
えばIGF−1では、トリプトファン残基をコードする
コドンを、前駆体融合タンパク質に(IGF−1ペプチ
ドの第1残基の先に直接に)結合させることによって得
られる。たとえば、ディマーチらの米国特許第4745
178号(1988年5月17日登録;本発明の参考文
献である)には、濃度0.14Mの有機スルホキシド、
濃度0.12MのHClおよび水を含む最大濃度0.1
5〜0.55のTFA溶液中にて、ペプチドまたはタン
パク質を処理することによって、該ペプチドまたはタン
パク質をトリプトファン残基の位置で選択的に切断する
方法が記載されている。当業者であれば、部位特異的内
部切断部位を結合するためのアミノ酸配列(および組換
え手段を採用する場合であれば合成または半合成コード
配列)に必要な修飾を認識するであろう。
【0028】天然の配列のIGF−1分子において、分
断可能なアミノ末端リーダー配列を結合するための配列
の修飾を行うことによって、特徴的なアミノ末端メチオ
ニン残基がない分子を得ることができる。たとえば、シ
ュン(Hsiung)の欧州特許公開番号EP−361956
(1990年4月4日公開)には、小さい分子量のタンパ
ク質を発現させるための、タンパク質誘導体をコードす
るDNA配列に対する修飾、次いで行う余分のアミノ酸
の切断による天然タンパク質の生産が記載されている。
この方法を用い(たとえば、CNBrまたはヒドロキシ
ルアミン)、余分の配列を切断して天然のタンパク質を
生産することができる。たとえば、ディマーチらの欧州
特許公開番号EP−220958(1987年5月6日
公開)には、式:H−X−Pro−IGF1[式中、Xは
天然に存在するアミノ酸である]で示されるペプチドの
設計が記載されている。得られたH−X−Pro−[IG
F−1]は、(a)非プロトン性溶媒中で弱酸性条件下に
置くか、または(b)水性緩衝液中で中性もしくはアルカ
リ性条件下に置いてH−X−Pro部分のジケトピペラジ
ンが形成されると同時にペプチドが切断・放出されるこ
とにより、容易に切断して天然IGF−1化合物または
類縁体を単離することができる。同様に、ミラー(Mille
r)らの欧州特許公開番号EP−441955(1991
年8月21日公開)には、IGF−1ペプチドへの正に
荷電したリーダー配列[ここで、このリーダー配列は奇
数のリシン、アルギニンまたはヒスチジン残基からなる
が、次の段階でジアミノペプチダーゼ(好ましい)を用い
て除去しうる1〜3個のリシン残基が好ましい]の添加
が開示されている。スクライバー(Skriver)らの国際公
開番号WO9203477(1992年3月5日公開)に
は、ジアミノペプチダーゼを用いて分断して成熟IGF
−1を生産しうる、AlaGlu−IGF−1(AlaGluア
ミノ末端伸長IGF−1)の組換え産物が記載されてい
る。
【0029】IGF−1の産生方法の一例が、ケイン(C
ain)らの米国特許第5104796号(1992年4月
14日登録)に記載されており、ここには、IGF−1
を産生する高力価発酵過程が開示されている。IGF−
1または類縁体は、グラム陰性菌を用いる組換え操作を
行って産生することもできる。ウォン(Wong)およびビッ
トナー(Bittner)の米国特許第5084384号に、グ
ラム陰性菌中での遺伝子の発現を伴うIGF−1の産生
方法が記載されており、該遺伝子の発現とは、lamBま
たはompFシグナルペプチドコード配列をコードする第1
のDNA配列がIGF−1をコードする第2のDNA配
列に作動的に結合し、その結果としてグラム陰性菌の細
胞周辺腔へIGF−1が分泌されることである。
【0030】該IGF−1ペプチドは、真核発現系を用
いる組換え操作を行って産生することもできる。グリネ
ル(Grinnell)の欧州特許公開番号EP−478333
(1992年4月1日公開)には、真核細胞における水泡
性口内炎ウイルスプロモーター(VSV)の制御下でのI
GF−1の産生方法が記載されている。真核発現系の利
点は、分泌されたタンパク質産物が得られることであ
る。もしこのような結果を所望するならば、翻訳された
シグナルペプチドをコードする配列に結合するようにI
GF−1のコード配列を修飾することが必要である。一
般に、タンパク質が宿主のペリプラズムまたは培養培地
へ輸送される分泌過程の一部として、シグナルペプチド
は残りのタンパク質部分からタンパク質分解的に切断さ
れる。
【0031】シグナルペプチドが原核細胞系および真核
細胞系の両方において分泌タンパク質の細胞外分泌を促
進することは当業界においては公知である。大腸菌にお
いて、通常は細胞質ゾル性のタンパク質に異種のシグナ
ルペプチドを付加すると、通常は細胞質ゾル性のタンパ
ク質の細胞外輸送が行われることが明らかにされている
[マクインタイヤ(McIntyre)らの(1987年)「J.Biol.
Chem.」,262:8416〜8422]。代替のシグナ
ルペプチド配列が、異種のコード配列と作用しうること
は当業界においては公知である。このような融合タンパ
ク質の組換え産生は、該タンパク質をコードする配列の
5'および転写解読枠内に、宿主有機体に適するシグナ
ルペプチドをコードするDNA配列を付加することによ
って達成することができる。
【0032】同様に、IGF−1類縁体構造にシグナル
ペプチドを結合しうることは当業界において公知であ
る。本発明の好ましい実施態様においては、使用したシ
グナルペプチドは、宿主細胞系の分泌タンパク質本来の
シグナルペプチドである。さらに、該シグナル配列は完
全合成配列であってもよい。本発明の発現ベクターで宿
主細胞を形質転換し、プロモーターの誘発、形質転換物
の選択または遺伝子の増殖に適当なように変更された慣
例の栄養培地中で培養することができる。温度、pHな
どの培養条件は、発現のために選択された宿主細胞に対
してこれまでに適用された条件であり、当業者には明白
であろう。前述のベクターを用いて細胞を形質転換する
技術は当業界において公知であり、マニアチス(Maniati
s)らの(1989年)「モレキュラー・クローニング:ア
・ラボラトリーズ・マニュアル」,コールド・スプリン
グ・ハーバー・プレス,コールド・スプリング・ハーバ
ー研究所,コールド・スプリング・ハーバー,ニューヨー
クまたは「カレント・プロトコルズ・イン・モレキュラ
ー・バイオロジー」,オースベル(Ausubel)ら編,ジョン
・ウイリー・アンド・サンズ,ニューヨーク(1989
年)および増補などの一般的参考文献に見出すことがで
きる。
【0033】原核生物以外にも、酵母培養物などの真核
微生物が使用可能である。幾つかの他の菌株も一般に利
用可能であるが、サッカロミセス・セレビシアエまたは
普通のパン酵母が、最も普通に用いられる真核微生物で
ある。サッカロミセスでの発現には、プラスミドYRp
7[ATCC−40053,スティンコン(Stinchcomb)
らの(1979年)「Nature」,282:39;キングス
マン(Kingsman)らの(1979年)「Gene」,7:14
1;チェンパー(Tschemper)らの(1980年)「Gene」,
10:157]が、通例、用いられる。バール(Barr)ら
の米国特許第427233?号(1984年11月1日
登録)には、酵母を用いたヒトIGF−1の組換え産生
方法が記載されている。この方法は、宿主によって認識
された分泌リーダーおよび切断シグナル配列をもつ固有
の転写解読枠に結合したIGF−1をコードする構造遺
伝子を有する宿主細胞を成長させ、分泌されたヒトIG
F−1を培地から単離することを特徴とする。同様に、
ベインおよびキャサイエリの欧州特許公開番号EP−3
79338(1990年7月25日公開)には、酵母を用
いたヒトIGF類縁体の組換え産生方法が記載されてい
る。ホーレンベルグ(Hollenberg)およびシュトラッサー
(Strasser)の欧州特許公開番号EP−394538(1
990年10月31日公開)には、IGF−1またはそ
の類縁体を産生しうる形質転換されたシュワニオミセス
酵母細胞が記載されている。
【0034】IGF−1ペプチド化合物の製剤は、「ペ
プチド・アンド・プロテイン・ドラッグ・デリバリ
ー」,リー(Lee,V.H.)編,マーセル−デッカー,ニューヨ
ークなどに見出すことができる一般的製剤原理にしたが
って設計すればよい。たとえば、IGF−1類縁体(1)
を慣例の医薬用担体および賦形剤と混合し、錠剤、カプ
セル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップおよびカシェ
剤などの剤形で使用することができる。IGF−1類縁
体化合物を含む組成物は、約0.1〜90重量%の活性
化合物を含有し、さらに一般的には約10〜30重量%
を含有する。該組成物には、コーンスターチまたはゼラ
チン、ラクトース、スクロース、微結晶セルロース、カ
オリン、マンニトール、リン酸ジカルシウム、塩化ナト
リウムおよびアルギン酸などの通常の担体および賦形剤
が含まれてよい。本発明製剤に通例用いる崩壊剤として
は、クロスカルメロース、微結晶セルロース、コーンス
ターチ、ナトリウムスターチ、グリコール酸塩およびア
ルギン酸が挙げられる。使用しうる錠剤結合剤として
は、アカシアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(Povid
one)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スクロー
ス、スターチおよびエチルセルロースなどが挙げられ
る。使用しうる滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシ
ウムまたはその他のステアリン酸金属塩、ステアリン
酸、液状シリコン、タルク、ワックス、オイルおよびコ
ロイド状シリカなどが挙げられる。ペパーミント、冬緑
油、チェリーフレーバーなどのフレーバーを用いること
もできる。投与剤形を見かけ上さらに魅力的にするた
め、あるいは製品を見分ける補助とするために、着色剤
を加えるのが望ましい。
【0035】静脈内(IV)投与用には、水溶性形状の化
合物(1)を、通例用いられる静脈内投与用液体のひとつ
に溶解し、注入によって投与することができる。このよ
うな液体としては、たとえば生理的食塩水、リンゲル溶
液または5%デキストロース溶液を用いることができ
る。フィンケナウアー(Finkenaur)の米国特許第417
9497号には、生物学的活性が損失しないようにペプ
チドを安定化するための水溶性ポリサッカライドを含
む、IGF−1含有水性医薬組成物が記載されている。
筋肉内投与用には、適当な可溶性塩の形状の化合物(1)
(たとえば塩酸塩など)の滅菌製剤を、発熱物質なしの水
(蒸留水)、生理的食塩水または5%グルコース溶液など
の医薬的希釈剤に溶解し、投与することができる。適当
な不溶性形状の本発明化合物を調製し、水性基剤または
の医薬的に許容しうる油性基剤(たとえばオレイン酸エ
チルなどの長鎖脂肪酸のエステル)に懸濁して投与して
もよい。
【0036】経口投与用には、蒸留水または脱イオン水
などの希釈剤とともに配合した、適当な塩形状の化合物
(1)(たとえば塩酸塩など)の滅菌製剤が特に有用であ
る。本発明化合物(1)を鼻腔内投与するのが望ましい場
合もある。IGF−1の鼻腔内吸収に有用な製剤は、当
業界では公知である。たとえば、日本特許公開番号2−
078632(1990年3月19日公開)には、IGF
−1の鼻腔用製剤が記載されている。このような製剤に
は、0.1〜10%のIGF−1および0.05〜2重量
%のカルボキシビニルポリマーが含まれる。日本特許公
開番号2−000214(1990年1月5日公開)に
も、インスリン様成長因子Iおよびスクロース脂肪酸エ
ステルを含む小人症治療用の鼻腔用製剤が記載されてい
る。
【0037】治療上の適用においては、徐々に放出する
製剤として本発明化合物を投与するのが望ましい場合が
ある。本発明化合物(1)をこのような遅延放出製剤とし
て製剤する方法は、当業界においては公知であり、この
問題に関する一般的なテキストに見出すことができる。
たとえば、ギストリッチ(Geistlich)の国際公開番号W
O90−03810(1990年4月19日公開)には、
IGF−1および/または他の成長因子を含有する水性
溶液で膨潤したヒドロゲルを含む創傷治癒用の徐放性組
成物が記載されている。これらの組成物は、一般に、シ
ート形状の創傷用包帯として、遊離皮膚移植用の創傷基
剤の調製における外科処置時、形成外科術における分離
植皮片除去後のドナー部位の治療時、および表層の手術
傷の被覆において用いられ、剥き出しの栄養緩徐な組織
が乾燥しきるのを防ぐ。さらに、チュー(Chu)らの米国
特許第4950483号(1990年8月21日登録)に
は、創傷治癒を促進するのに有用なIGF−1および/
または他の成長因子を含み、生体活性剤を放出するコラ
ーゲンインプラントが記載されている。
【0038】さらにまた本発明化合物の単位投与剤形と
して、該化合物、好ましくはその塩を適当な希釈剤に溶
解させた溶液にして滅菌シールしたアンプルが挙げられ
る。単位投与剤形あたりの化合物の濃度は、化合物の特
別な形態およびその溶解度ならびに医師によって処方さ
れた用量によって、約1%〜約50%の間で変化しう
る。本発明方法を実施するにおいて、化合物(1)は、一
日一回投与または複数回投与にて投与することができ
る。治療養生において、長期間にわたる投与を行っても
よい。一用量当たりの量または全投与量は、疾患の性質
および重篤度、患者の年齢および体調、ならびに患者の
該化合物に対する寛容性などの因子に依存して変化す
る。本発明投与方法は、有効量のIGF−1類縁体を約
1〜1000μg/kgの用量で生体に投与することを特
徴とする。好ましい活性化合物の用量は、約10〜10
0μg/kgである。ヒト成人に対する代表的な一日当た
りの用量は、約0.5〜5mgである。該治療法の実施に
あたっての簡便な方法は、化合物(1)を静脈内注入にて
投与することである。この操作では、本発明化合物の適
当な塩の滅菌製剤を、5%デキストロース溶液などの生
理的溶液と組み合わせ、得られる溶液をゆっくりと静脈
内注入する。別法として、ピギーバック法で静脈内注入
を行うこともできる。インスリン療法に類似した療法に
おいては、皮下筋肉内注射によって、IGF−1および
その類縁体をより簡便に投与することができる。本発明
化合物の別の好ましい製剤は、経皮パッチである。この
ような経皮パッチを用いて、投与量を制御しながら本発
明化合物を継続的または断続的に注入することができ
る。薬剤デリバリーのための経皮パッチの製造法および
使用方法は、当業界においては公知である。継続的、断
続的または要時デリバリーのためのパッチを製造するこ
とができる。
【0039】前記化合物(1)を含む医薬製剤は、治療効
果のために生体に投与することができる。IGF−1
は、そのインスリン様活性および軟骨によるSO4 2-
取り込みの刺激活性が知られており、細胞におけるタン
パク質およびDNAの合成を増強することができる。し
たがって、IGF−1は成長促進物質としても糖尿病の
治療薬としても有用である。IGF−1は、ヒトの成長
ホルモン欠乏症の治療、家畜の発育速度の増加、筋肉の
相対的割合の増加もしくは食物変換効率の改良、ヒトの
やけど後,感染または他の外傷などの重篤な異化状態に
おける体タンパク質の損失の抑制、ヒトおよび動物の創
傷治癒の改善、および培養細胞の成長の援助に用いるこ
とができる。本発明化合物は、やけど、骨外傷、感染、
癌、嚢胞性腺維症、デュシェン筋ジストロフィー、骨粗
鬆症、ベッカージストロフィー、常時染色体の劣性ジス
トロフィー、多発性筋炎ならびに他の筋障害およびエイ
ズなどの組織破壊を伴う疾患の治療に用いることができ
る。本発明化合物は、哺乳類のタンパク質蓄積不全の治
療に用いることができる。本発明化合物が有効な疾患と
しては、未熟児性関連欠乏症、成長ホルモン欠乏症、ソ
マトメジン欠乏症、やけど、感染、癌、嚢胞性腺維症、
デュシェン筋ジストロフィー、ベッカージストロフィ
ー、常時染色体の劣性ジストロフィー、多発性筋炎なら
びに他の筋障害に関連するものが挙げられる。本発明化
合物は、赤血球産生の刺激剤として有用であり、したが
って本発明化合物はヒトの発育不全の治療および異化状
態に伴う負の窒素出納の制限に有用である。フロエシュ
(Froesch)らの米国特許第5106832号には、糸球
体濾過および腎臓血漿流の改善に対するIGF−1を含
む医薬製剤の使用が記載されており、該製剤は、腎臓疾
患の患者の治療および腎臓疾患治療用の合剤の製造に用
いることができる。本発明のIGF−1類縁体は同様に
有用である。国際公開番号WO9118621−1(1
991年12月12日公開)には、成長ホルモンとIG
F−1および/またはその類縁体の組み合わせを用いる
哺乳動物の成長の増加方法が記載されており、このよう
な組み合わせで用いると、IGF−1また成長ホルモン
の当量を単独で使用する場合の成長の増加よりも、用量
が少なくてよいことが記載されている。本発明のIGF
−1類縁体は同様に有用である。このような組み合わせ
治療はまた、成長ホルモン単独で治療すると高インスリ
ン血症/高血糖症がアナボリック効果を引き下げる糖尿
病の治療においても有用である。
【0040】
【実施例】
実施例1 IGF−1のAドメイン(“A”)(S−SO3 -)4の製造 ダブルカップリングおよび無水酢酸キャッピングサイク
ル、アプライド・バイオシステムズ430Aペプチド合
成機(カリフォルニア州フォスター・シティのアプライ
ド・バイオシステムズから市販されている)、0.63g
のBoc−Ala−PAM樹脂を用いてペプチドの固相合成
(0.5ミリモルスケール)を行った。予め作製したヒド
ロキシベンゾトリアゾールエステルを用いてアルギニン
をカップリングさせた。予め作製した対称無水物を用い
て、他のすべてのアミノ酸をDCCとカップリングさせ
た。ディマーチらの米国特許第4853254号(全記
載内容が本発明の参考文献である)に記載の操作に従っ
て、ペプチジル樹脂を約1mg/mlの濃度でTFAに懸濁
し、次いでジメチルスルフィド(10容量%)および12
M HCl(1容量%)を加え、ペプチジル樹脂[Met
(0)含有]を還元した(Met)。1時間反応させた後、サ
ンプルを濾過し、CH2Cl2で洗浄し、室温にて減圧乾
燥した。5%メタクレゾールおよび5%パラチオクレゾ
ールを含有する20mlの無水HFを用いて0℃で1時間
処理し、ペプチドを脱保護し、樹脂から切断した。減圧
蒸留によって揮発物を除去した後、ペプチド/樹脂をエ
チルエーテルで洗浄し、減圧乾燥した。0.2Mトリ
ス、0.1M四チオン酸ナトリウムおよび0.1M亜硫酸
ナトリウムを含有する50mlの8Mグアニジン塩酸塩を
添加してペプチド/樹脂を亜硫酸分解し、pH8.6に
て3時間激しく撹拌した。切断された樹脂を濾去した
後、3×87cmのファルマシアG−10セファデックス
(登録商標Sephadex)カラムおよび0.05M重炭酸アン
モニウムを用いてサンプルを脱塩した。所望の画分を集
め、凍結乾燥した。ペプチドを40mlの0.1M重炭酸
アンモニウムに溶解し、2.12×25cmのデュポンゾ
ルバックス(登録商標Zorbax)C8逆相HPLCカラムに
て、アセトニトリル/0.1M重炭酸アンモニウムの直
線勾配を用いて精製した。適当な画分を集め、凍結乾燥
した。
【0041】実施例2 IGF−1のBC10ドメイン(S−SO3 -)3の製造 ダブルカップリングおよび無水酢酸キャッピングサイク
ル、アプライド・バイオシステムズ430Aペプチド合
成機(カリフォルニア州フォスター・シティのアプライ
ド・バイオシステムズから市販されている)、0.66g
のBoc−Ala−PAM樹脂を用いてペプチドの固相合成
(0.5ミリモルスケール)を行った。予め作製したヒド
ロキシベンゾトリアゾールエステルを用いてアルギニ
ン、アスパラギンおよびグルタミンをカップリングさせ
た。予め作製した対称無水物を用いて、他のすべてのア
ミノ酸をDCCとカップリングさせた。10%メタクレ
ゾールを含有する25mlの無水HFを用いて0℃で1時
間処理し、ペプチドを脱保護し、樹脂から切断した。減
圧蒸留によって揮発物を除去した後、ペプチド/樹脂を
エチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥した。0.2Mトリ
ス、0.1M四チオン酸ナトリウムおよび0.1M亜硫酸
ナトリウムを含有する50mlの8Mグアニジン塩酸塩を
添加してペプチド/樹脂を亜硫酸分解し、pH8.6に
て3時間激しく撹拌した。切断された樹脂を濾去した
後、3×87cmのファルマシアG−10セファデックス
カラムおよび0.05M重炭酸アンモニウムを用いてサ
ンプルを脱塩した。所望の画分を集め、凍結乾燥した。
ペプチドを40mlの0.1M重炭酸アンモニウムに溶解
し、2.12×25cmのデュポンゾルバックスC8逆相
HPLCカラムにて、アセトニトリル/0.1M重炭酸
アンモニウムの直線勾配を用いて精製した。適当な画分
を集め、凍結乾燥した。
【0042】実施例3 ジスルフィド結合によるBC10,A対の形成 チャンス(Chance)らの“組換えDNA技術および新規な
鎖組み合わせ操作を用いるヒトインスリンの産生”,「P
EPTIDES:Synthesis-Structure-Function」,リッチ(Ric
h,D.H.)およびグロス(gross,E.)編(1981年),ピアス
・ケミカル・コーポレイション,ロックフォード,イリノ
イ州,721〜728頁に記載の操作に実質的に従っ
て、21mgの凍結乾燥したBC10S−スルホン酸塩(実
施例2で製造したもの)を、18mgのIGF−1のAド
メイン(S−SO3 -)4(実施例1で製造したもの)と結合
させた。各ペプチドを約7mg/mlの濃度で0.1Mグリシ
ン,pH10.5に溶解し、濾過し、4℃に冷却し、次い
で155μlの0.1M DTT/0.1Mグリシン溶液を
添加して結合させた。4℃で24時間撹拌した後、HC
lを用いてpHを3に調節して反応を停止した。
【0043】実施例4 BC10,Aの精製 反応を停止した(酸性化による)ペプチド鎖連結サンプル
を2.6×56cmのファルマシアセファデックスG−5
0SFカラムを通して溶離することにより、部分的に
(不完全に)精製し、脱塩した。溶離は1M HOAcを
用い、4℃で行った。選んだ画分を集め、0.46×2
5cmのデュポンゾルバックスC8カラムにて、室温で、
アセトニトリル/0.1M NaH2PO4,pH2.3の直
線勾配を用いてさらに精製した。精製水で所望の画分を
2倍に希釈し、ウォーターズC18セプパク(登録商標S
epPak)(ミルフォード,MA)を用いて脱塩した。50%
アセトニトリル中の0.1%TFAを用いてサンプルを
溶離した。溶出液を凍結乾燥して0.5mgの純粋なタン
パク質を得た。アミノ酸分析およびFABマススペクト
ロメトリー(FAB/MS)によって該物質を同定した。
FAB/MSの結果から分子量6643(理論値664
4)が得られた。モル単位としてアスパラギン酸を採用
したアミノ酸組成は、下記のとおりである。Asp5.0
(5);Thr2.0(2);Ser4.0(4);Glu5.2
(5);Pro3.3(3);Gly7.4(7);Ala4.2
(4);1/2Cys4.9(6);Val2.7(3);Met0.7
3(1);Ile0.65(1);Leu5.1(5);Tyr2.9
(3);Phe4.0(4);Lys1.1(1);Arg5.9
(6)。
【0044】実施例5 IGF−1およびインスリンのラジオレセプターアッセ
イ操作 グルップソ(Gruppso)らの(1988年)「Clin.Endocri
n.and Metab.」,37:194〜197に教示されてい
る内容に実質的に従って、インスリンおよびIGF−1
活性の測定を行った。簡単に述べると、30〜50μg
のヒト胎盤膜タンパク質を、約10フェムトモルの[
125I]リガンドとともに、最終容量500μlの100
mMHEPES,pH7.8,120mM NaCl,5mM
KCl,1.2mM MgSO4,8mMグルコースおよび0.
25%BSA中で4℃にて24時間インキュベートし
た。細胞採集器(スカトロン(Skatron),リエル(Lier),
ノルウェー)を用い、0.1%ポリエチレンイミンで前処
理したガラスファイバーフィルター上に膜を集める。E
50値決定用のプレフィット/アリフィット(登録商標P
refit/Alifit)ソフトウェアを用いて4パラメーターモ
デルに置換曲線を適合させることによって結合データを
分析した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リー・ファン アメリカ合衆国60148イリノイ州ロンバー ド、ノース・ロンバード・アベニュー418 番 (72)発明者 ハーラン・ビオール・ロング アメリカ合衆国46032インディアナ州カー メル、エデン・プレイス3624番

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: BCn,A (1) [式中、BはIGF−1のBドメインまたはその機能的
    類縁体;CはIGF−1のCドメインまたはその機能的
    類縁体;nはCドメイン中のアミノ酸の数であり、約6
    〜約12;およびAはIGF−1のAドメインまたはそ
    の機能的類縁体である]で示されるIGF−1類縁体。
  2. 【請求項2】 B、CおよびAがヒトIGF−1から誘
    導されたものであり、n=10である請求項1に記載の
    化合物。
  3. 【請求項3】 有効成分として請求項1または2に記載
    のIGF−1類縁体またはその医薬的に許容しうる塩を
    含み、かつ1種または2種以上のその医薬的に許容しう
    る担体を含む医薬製剤。
JP8111473A 1995-05-05 1996-05-02 Igf−1スーパーアゴニスト Withdrawn JPH08301899A (ja)

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US435252 1995-05-05
US08/435,252 US5622932A (en) 1995-05-05 1995-05-05 IGF-1 superagonists

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EP0742228A1 (en) 1996-11-13
US5622932A (en) 1997-04-22

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