JP2005511042A5 - - Google Patents

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デング熱の病因物は、デングウイルスであり、これはフラビウイルス科ファミリーのフラビウイルス属に属している(Burke and Monath,2001)。フラビウイルスのとりわけ重要な亜群は、蚊媒介性フラビウイルスと呼ばれる群、すなわち蚊によって伝達されるフラビウイルスである。この群には、以上で言及したデングウイルス以外に、西ナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、黄熱病(黄色熱)ウイルスのような他の重要なウイルスが含まれる(Fields Virology,ed.Fields B.N.,Lippincott−Raven Publishers,3rd edition 1996,ISBN:0−7817−0253−4,931−1034ページ)。これらのウイルスによって伝達される典型的な疾患は、西ナイルウイルスによって誘発される西ナイル熱および西ナイル脳炎、日本脳炎ウイルスによって誘発される脳炎、黄色熱ウイルスによって誘発される黄色熱およびデングウイルスによって誘発されるデング熱、デング出血性熱(DHF、以下を参照のこと)およびデングショック症候群(DSS)である。
すべてのフラビウイルスに存在する糖タンパク質NS1は、ウイルス生存性に関して重要であるようである。デングウイルスNS1は、可溶性六量体形態にて、哺乳動物感染細胞より分泌される(Flamand et al.,1999)。この非共有結合六量複合体は、3つの二量体サブユニットにより形成され、310kDaの分子量を持つ。二量体化は、NS1タンパク質の細胞質膜への輸送のために必要条件であり、その際、感染細胞表面の固有のウイルス常駐タンパク質として残る。
その4つのセロタイプ、デングウイルスセロタイプ1(Den−1)〜デングウイルスセロタイプ4(Den−4)までを持つデングウイルスが、ヒトの感染に関して、フラビウイルス属のもっとも重要なメンバーであり、インフルエンザ様症状から、重度または致命的な病気である、ショック症状を伴うデング出血性熱までの範囲の疾患を産生する。デング発生は、蚊ベクターが豊富である、熱帯および亜熱帯地帯の人口密度の高い領域における、主要な公衆の健康問題であり続けている。
DFのほとんどの場合が、任意の4つのセロタイプによる第一感染の後に顕著化する一方で、大きな割合のDHFの場合、デングウイルスの第一感染セロタイプからはことなるセロタイプによる、二回目として感染した対象において起こる。これらの観察により、適切な間隔において、異なるウイルスセロタイプによる、1つのデングセロタイプに対する抗体を持つ個体における連続感染が、結果として、特定の数の場合で、DHFとなりうるという仮説が生じる。抗体依存増強(抗体依存性増強)(ADE)が、デングウイルスならびに他のエンベロープウイルスに関して、in vitroにて示されてきており、DHFの病因における重要な機構であると考えられる。
DHFが通常、多数(3または4)のウイルスセロタイプが一緒に循環する、地理上区域で問題になることがまた観察されてきた。東南アジア諸国のような風土性DHFのある領域で、年齢特異的な発病率は、子供において非常に高く、より高年齢群でのDHFケース数は減少する。これは、デングへの血清有病率の増加と大まかに相関し、天然の感染が、保護免疫を誘発することを示している。この現象は、A型肝炎ウイルスのような他のウイルス感染で観察されたものと同じではない。ケーススタディ臨床観察により、患者が2回DHFを経験する可能性がある(Nimmannitya et al.,1990)が、これはまれであり、第二および続く感染を引き起こすセロタイプを実際に同定することは難しい。いままでに、すべての4つのデングウイルスセロタイプが、同一の領域で循環するにも関わらず、同一の個体での、第四の感染の報告はなかった。このことは、本質的に、2または3デングウイルスセロタイプによる、同一個体での感染が、結果として、交差反応抗体となるか、または交差反応細胞毒性リンパ球応答となりうることが示唆される。これは、本質的に、残っているデングウイルスセロタイプによる感染に対して、調整または保護しうる。
この目的のために、国際公開第98/13500号公報は、全てのデングウイルスセロタイプからの抗原を発現している、組換え体改変(修飾)ワクシニアウイルスアンカラ(Modified Vaccinia Virus Ankara(MVA))を使用すること、または組換え体MVAが、1つのデングウイルスセロタイプの少なくとも1つの抗原を発現するような4つの組換え体MVAを使用すること、を提案している。両方の戦略により、全てのデングウイルスセロタイプに対してワクチン化するための、非常に前途有望な戦略が提供される。しかしながら、投与に際し、1つ以上のフラビウイルスに対する、または1つ以上のデングウイルスのセロタイプに対する、好ましくはすべてのデングウイルスセロタイプに対する免疫応答となる、単一のサブユニットワクチンを提供することが望ましい。さらに、国際公開第98/13500号公報は、デングウイルスNS1をコードしている組換え体MVAを開示している。国際公開第98/13500号公報は、1つのデングウイルスセロタイプから由来する抗原が、抗原が由来するデングウイルスセロタイプに対してのみでなく、他のデングウイルスセロタイプに由来する抗原に対しても、免疫応答を誘発することは開示していない。
国際公開第99/15692号公報は、免疫増強または抗体依存増強に影響を与え得ない、デングウイルス抗原をコードしている1つまたはそれ以上のDNA配列を含み、発現可能な、組換え体MVAを開示している。国際公開第99/15692号公報は、1つのデングウイルスセロタイプから由来した抗原が、抗原が由来するデングウイルスセロタイプに対してのみでなく、他のデングウイルスセロタイプに由来する抗原に対しても、免疫応答を誘発することは開示していない。
したがって、安定であり、簡単に産生可能であり、ワクチンが由来するフラビウイルスまたはフラビウイルスセロタイプに対してのみでなく、他のフラビウイルスまたはフラビウイルスセロタイプに対しても、ワクチンを接種した(ワクチン化した)個体を保護する免疫応答を導く、フラビウイルスまたはフラビウイルスセロタイプから由来するワクチンを産生することが、本発明の目的である。ワクチンが由来する蚊媒介性フラビウイルスまたはフラビウイルスセロタイプに対してのみでなく、他の蚊媒介性フラビウイルスまたはフラビウイルスセロタイプに対しても、ワクチン化した個体を保護する、蚊媒介性フラビウイルスから由来するワクチンを提供することが、本発明の特定の目的である。デングウイルスセロタイプから由来し、少なくとも2つ、好ましくは全てのデングウイルスセロタイプとの感染に対して、個体を保護する、ワクチンを提供することが本発明のさらなる目的である。
これらの目的は、それぞれ、フラビウイルスのNS1タンパク質またはその部分、およびフラビウイルスNS1タンパク質またはその部分をコードしている発現カセットを含んでいるDNA配列を用いて解決されてきた。とりわけ、蚊媒介性フラビウイルスから由来する、およびワクチンが由来する蚊媒介性フラビウイルスによる感染に対して、また少なくとも1つの他の蚊媒介性フラビウイルスの感染に対して、個体を保護するワクチンを提供する目的は、それぞれ、蚊媒介性フラビウイルス、とりわけデングウイルス、好ましくはデングウイルスセロタイプ2のNS1タンパク質またはその部分、および相当するDNA断片配列を用いることによって解決されてきた。よりとりわけ、1つのデングウイルスセロタイプから由来する、そして少なくとも、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくはすべてのデングウイルスセロタイプとの感染に対して、および好ましくはまた、他のフラビウイルス、とりわけ、日本脳炎ウイルス、黄色熱ウイルスおよび西ナイルウイルスのような蚊媒介性ウイルスでの感染に対しても、個体を保護するワクチンを提供する目的は、それぞれ、デングウイルス、とりわけデングウイルスセロタイプ2のNS1タンパク質またはその部分、および相当するDNA断片配列を用いることによって解決されてきた。
NS1タンパク質またはその部分に加えて、発現カセットが、分離タンパク質/ペプチドとして、さらなるフラビウイルスタンパク質/ペプチドを発現する場合、発現カセットは、NS1タンパク質またはその部分をコードしている配列と、さらなるフラビウイルスタンパク質をコードしている配列の間に、内部リボソーム侵入部位(IRES)を含みうる。IRES要素は、当業者に公知である。IRES要素に関する例は、ピコルナウイルスIRES要素またはC型肝炎ウイルスの5’非コード領域である。
好ましい実施様態において、NS1タンパク質またはその部分をコードしているDNA配列の上方に、E−タンパク質の糖鎖付加(形成)シグナル配列(glycosylation signal sequence)をコードしている配列が存在する。この実施様態にしたがって、融合タンパク質は、NS1タンパク質またはその部分に融合したE−タンパク質糖鎖形成シグナル配列を含むように産生される。以上で指摘したように、E−タンパク質由来アミノ酸ストレッチは、可能な限り短いべきであり、このアミノ酸ストレッチが、ADEおよびDHFの産生に関与するエピトープを含むことを排除すべきである。E−タンパク質の糖鎖形成シグナル配列は、この要求を満たす。
本発明の好ましい実施様態にしたがって使用した発現カセット中のフラビウイルス配列の一般的な構造を理解するために、フラビウイルスのゲノム構造を簡単に要約することが役に立つ。天然のフラビウイルス感染の間、ウイルスは、まず宿主細胞プロテアーゼによって、ついでウイルスにコードされたプロテアーゼによって、以下のタンパク質、C、PrMおよびM、E、NS1、NS2A、NS2B、NS3、NS4A、NS4BおよびNS5(ポリタンパク質前駆体に沿ったタンパク質順)に切断される、単一ポリタンパク質を産生する。したがって、DNA配列、とりわけ、NS1タンパク質またはその部分をコードしているcDNA配列は、「ATG」開始コドンを必要とするはずである。好ましい実施様態において、開始ATGに、糖鎖付加シグナルをコードしている配列が続き、新規に合成したNS1タンパク質が、小胞体内で糖付加される。そのようなシグナル配列が、当業者に公知である。最終的に、タンパク質コードカセットは終止コドンが必要であり、cDNA配列をコードしているタンパク質の3’末端に付加したTAGでありうる。本発明で使用した例において、「ATG+シグナル配列」要素は、アミノ酸M(ATG)で始まるEタンパク質の疎水性C末端(デングウイルスニューギニア株「NGC株」に関する、GeneBank受け入れ番号第AF038403号の最後の28アミノ酸)をコードしている配列から由来した。本発明にしたがった典型的な発現カセットは、図2およびSEQ:ID No9およびSEQ:ID No10にて示されている。
語句「NS1タンパク質またはその部分(NS1 protein or part therof)」の文脈中の語句「その部分(part thereof)」は、NS1タンパク質のアミノ酸ストレッチを意味し、「その部分」が由来するNS1タンパク質に対する特異的免疫応答を誘発するのに十分長い。フラビウイルスがデングウイルスである場合、アミノ酸ストレッチは、すべてのデングウイルスセロタイプのNS1タンパク質に対して、ヒトを含むワクチン接種(ワクチン化)動物中で、免疫応答を誘発する、アミノ酸ストレッチであるべきである。実施例項において、当業者が、どのようにして、NS1タンパク質またはその部分が、すべてのデングウイルスセロタイプに対して特異的な免疫応答を誘発するかどうかを決定可能であるかを示している。好ましい実施様態にしたがって、フラビウイルスDNA配列は、全NS1タンパク質をコードしている。したがって、語句「NS1タンパク質またはその部分」は、天然に存在するNS1タンパク質の全配列、および免疫応答を誘発する、より短いエピトープストレッチを意味する。
さらに、語句「NS1タンパク質」はまた、天然に存在するNS1タンパク質の誘導体(誘発体)に関する。そのような誘発体は、天然に存在するNS1タンパク質に関連して、1つまたはそれ以上のアミノ酸置換、欠失および/または挿入を持つタンパク質でありうる。実施例の方法によって、そのような誘発体は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列における相同性を持つ。したがって、語句「その部分」もまた、そのようなNS1タンパク質誘発体の部分に関する。
本発明はさらに、上述したようなDNAを含むベクター、および本発明にしたがった免疫応答を誘発するための、前記ベクターの使用に関する。語句「ベクター」は、当業者に公知の任意のベクターを意味する。ベクターは、pBR322のようなプラスミドベクター、またはpUCシリーズのベクターでありうる。より好ましくは、ベクターは、ウイルスベクターである。本発明の文脈において、語句「ウイルスベクター(viral vector)」または「ウイルスベクター(virus vector)」は、ウイルスゲノムを含む感染性ウイルスを意味する。この場合、本発明のDNAは、それぞれのウイルスベクターのウイルスゲノム内にクローン化されるべきである。組換え体ウイルスゲノムがついでパッケージされ、したがって、得られた組換え体ベクターは、細胞および細胞株の感染のため、とりわけヒトを含む生動物の感染のために使用可能である。本発明にしたがって使用しうる典型的なウイルスベクターはアデノウイルスベクター、レトロウイルスベクターまたはアデノ随伴ウイルス2(AAV2)に基づいたベクターである。もっとも好ましいのは、ポックスウイルスベクターである。ポックスウイルスは、好ましくはカナリア痘ポックスウイルス(canarypox virus)、鶏痘ポックスウイルス(fowlpoxvirus)またはワクシニアウイルスである。より好ましいのは、修飾ワクシニアウイルスアンカラ(Ankara)(MVA)(Sutter,G.et al.[1994]、Vaccine 12:1031−40)である。典型的なMVA株は、寄託番号第ECACC V00120707号にて欧州菌培養収集所(European Collection of Animal Cell Cultures)に寄託された、MVA575である。もっとも好ましいのは、PCT明細書国際公開第02/42480号(PCT/EP01/13628)にて記述された、MVA−BNまたはその誘発体である。この明細書の内容は、本明細書に参考文献にて組み込まれている。MVA−BNは、寄託番号第ECACC V00083008号にて、欧州菌培養収集所に寄託された。MVA−BNウイルスベクターが、極度に弱毒化されたウイルスであることが示されたので、MVA−BNまたはその誘発体を使用することによって、フラビウイルスに対するとりわけ安全なウイルスワクチンを提供するためのさらなる技術的な問題が解決された。とりわけ、MVA−BNは、本技術分野で以前より公知のMVA株よりもより弱毒化されたことが示された。MVA−BNは改変ワクシニアアンカラウイルスより由来し、ヒト細胞株における増殖複製のその能力の欠如により特徴づけられる。MVA−BNは、ヒトにおける複製の欠如により、他の公知のワクシニアウイルスよりも安全である。好ましい実施様態において、本発明は、以上で定義したようなDNAを含むウイルスベクターとして、MVA−BNおよびMVA−BNの誘発体に関する。MVA−BNの特徴、MVA株が、MVA−BNまたはその誘発体であるかどうかを評価可能である生物学的アッセイの記述、またはMVA−BNまたはその誘発体を得ることを可能にする方法の記述は、国際公開第02/42480号にて開示されている。
第ECACC V00083008号にて寄託したようなウイルスの「誘導体(誘発体)(derivatives)」という語句、すなわちMVA−BNの誘発体を、国際公開第02/42480号公報にて定義したように、本発明で使用する。以下で、MVA−BNの誘発体の特徴を簡単に要約する。MVA−BNの誘発体の定義に関するより詳細な情報、とりわけ、MVAウイルスが、MVA−BNの誘発体であるかどうかを決定するために使用した生物学的アッセイに関する詳細な情報に関して、参考文献が、国際公開第02/42480号公報に対して作製される。したがって、前記語句は、寄託された株MVA−BNの以下の特徴のうち少なくとも1つを示し、そのゲノムの1つまたはそれ以上の部分で相違が見られるワクシニアウイルスを意味する。好ましくは、誘発体は、少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、もっとも好ましくはすべての、以下のMVA−BNの4つの特徴を持つ。
−ニワトリ胎児繊維芽細胞(CEF)、幼児ハムスター腎臓細胞株BHK(第ECACC85011433号)における増殖複製の能力、ただし、ヒトケラチノサイト細胞株HaCat(Boukamp et al.1988,J Cell Biol.106(3):761−71)における増殖複製の能力はない。
−生体内における複製の失敗
−致死チャレンジモデルにおける、公知の株MVA575(第ECACC V00120707号)と比較した場合の、より高い免疫原性の誘発、および/または
−DNA−プライム/ワクシニアウイルスブースト法と比較した場合、ワクシニアウイルスプライム/ワクシニアウイルスブースト法において、少なくとも本質的に同一のレベルの誘発
とりわけ、MVA−BNの誘発体は、MVA−BNと比べて、本質的に同一の複製特性を持つ。寄託されたウイルスに比べて、同一の「複製特性(replication characteristic)」を持つウイルスは、CEF細胞および細胞株BHK、HeLa、HaCatおよび143Bにおいて、寄託された株と比べて、同様の増幅比で複製され、AGR129トランスジェニックマウスモデルにおいて決定されたように、生体内にて同様の複製を示すウイルスである。
語句「増殖複製の能力無し(Not capable of reproductive replication)」が、国際公開第02/42480号にて定義されたように、本明細書で使用される。したがって、「増殖複製の能力無し」であるウイルスは、ヒトケラチノサイト細胞株HaCat(Boukamp et al.1988,J Cell Biol.106(3):761−71)において、1より少ない増幅比を示すウイルスである。好ましくは、本発明にしたがったベクターとして使用したウイルスの増幅比は、ヒト細胞株HaCatにて、0.8またはそれ以下である。ウイルスの「増幅比(amplification ratio)」は、第一の位置で細胞を感染させるために元々使用した量(Input)に対する、感染細胞から産生されるウイルス(Output)の比である(「増幅比」)。OutputおよびInput間の「1」の比は、感染細胞から産生されるウイルス量が、細胞を感染させるために最初に使用した量と同一である、増幅状態を定義する。
MVA−BNおよびその誘発体の定義の文脈において、語句「生体内における複製の失敗(failure to replicate in vivo)」が、国際公開第02/42480号にて定義されたように、本明細書で使用される。したがって、前記語句は、国際公開第02/42480号において説明したように、ヒトおよびマウスモデルにおいて、複製しないウイルスである。国際公開第02/42480号にて使用したマウスは、成熟BおよびT−細胞の産生が不可能である(AGR129マウス)。とりわけ、MVA−BNおよびその誘発体は、腹腔(腹膜)内に投与された10 pfuウイルスでのマウスの感染の後、少なくとも45日以内、より好ましくは少なくとも60日以内、もっとも好ましくは90日以内、AGR129マウスを殺さない。このましくは、「生体内における複製の失敗」が、マウスに10pfuウイルスを腹膜内投与した後、少なくとも45日間、より好ましくは少なくとも60日間、もっとも好ましくは90日間、AGR129マウスの器官または組織から、ウイルスが回収されないことでさらに特徴づけられる。
MVA−BNおよびその誘発体は、好ましくは、国際公開第02/42480号にて説明したような致死チャレンジマウスモデルにおいて測定されたように、公知の株MVA575と比較して、より大きな免疫原性によって特徴づけられる。そのようなモデルにおいて、ワクチン化されていないマウスは、ウエスタンリザーブ(Western Reserve)株L929 TK+またはIHD−Jのような、複製能力を有するワクシニア株の感染の後、死亡する。複製能力を有するワクシニアウイルスの感染は、致死チャレンジモデルの記述の文脈中、「チャレンジ(challenge)」として参照される。チャレンジの4日後、マウスを通常殺し、卵巣におけるウイルスタイターを、VERO細胞を用いる標準のプラークアッセイによって決定する。ウイルスタイターは、ワクチン化していないマウス、およびMVA−BNおよびその誘発体でワクチン化したマウスに関して決定する。よりとりわけ、MVA−BNおよびその誘発体が、10 TCID50/mlウイルスでのワクチン化の後、この試験にて、卵巣ウイルスタイターが、ワクチン化していないマウスと比較して、少なくとも70%まで、好ましくは少なくとも80%まで、より好ましくは少なくとも90%まで減少することで特徴づけられる。
以上で定義したようなDNAを、ポックスウイルスDNA内に挿入するための方法、および組換え体ポックスウイルスを得るための方法は、当業者に公知である。組換え体ワクシニアウイルスにおいて、本発明にしたがったDNAの発現が、好ましくは、しかし排他的ではなく、ポックスウイルスプロモーターの、より好ましくはワクシニアウイルスプロモーターの転写制御下である。本発明にしたがったDNAの挿入は、好ましくは、ウイルスゲノムの非必須領域内である。本発明の他の好ましい実施様態において、異種核酸配列を、(第PCT/EP96/02926号明細書にて開示された)MVAゲノムの天然に存在する欠失部位にて挿入する。
好ましい実施様態において、本発明は、数種のフラビウイルスまたはフラビウイルスセロタイプに対するワクチン化のための、本発明にしたがったDNAによって、または本発明にしたがったベクターによってコードされたNS1タンパク質またはその部分の実用性に関する。本発明にしたがったNS1タンパク質またはその部分の定義に関しては、参考としては、NS1をコードしているDNAが、前記DNAから発現した産物によって定義された、以上の記述部分である。本発明にしたがったタンパク質に関する以下の要約はしたがって、本発明の制限としては認識されるべきでない。まとめとして、NS1タンパク質は、任意のフラビウイルスによってコードされた単離NS1タンパク質またはその部分でありうる。NS1タンパク質またはその部分は、好ましくはデングウイルス、より好ましくはデングウイルスセロタイプ2から由来する。タンパク質は、ウイルスNS1タンパク質またはその部分のアミノ酸配列のみを含みうる。好ましい実施様態において、NS1タンパク質は、タンパク質の効果的な発現のために必要な追加アミノ酸を含みうる。そのようなアミノ酸/アミノ酸配列に関する例は、以上で示しており、追加ATGコドンによってコードされたタンパク質のN−末端におけるメチオニン、およびNS1タンパク質またはその部分の糖付加のためのシグナル配列としてはたらく、E−タンパク質のC−末端から由来するアミノ酸配列である。他のシグナル配列もまた、本発明の範囲内である。他の実施様態において、NS1アミノ酸配列またはその部分は、他のタンパク質/ペプチドに融合可能である。融合パートナーに関する例としては、タグのようなタンパク質の同定を可能にする配列、または他のフラビウイルスタンパク質またはその部分である。
以上で説明したように、本発明の発明者らは、1つのフラビウイルスの本発明にしたがったNS1タンパク質またはその部分が、他のフラビウイルスのNS1タンパク質に対する免疫応答を誘発することを発見した。以上で指摘したように、「フラビウイルス」は、好ましくは蚊媒介性フラビウイルスである。言い換えれば、本発明の発明者らは、他の実施様態において、1つの蚊媒介性フラビウイルスの本発明にしたがったNS1タンパク質またはその部分が、ワクチンが由来する蚊媒介性フラビウイルスのNS1タンパク質に対する、およびまた他の蚊媒介性フラビウイルスに対する免疫応答を誘発することを発見した。したがって、蚊媒介性フラビウイルスから由来するワクチンは、1つまたはそれ以上の蚊媒介性フラビウイルスに対するワクチンとして有用である。本明細書の文脈中の語句「フラビウイルスから由来したベクター(vector derived from a Flavivirus)」または同様の語句は、以上で定義したようなベクター(たとえばポックスウイルスベクターまたはプラスミド)が、以上で定義したようなDNAを含むことを意味する。したがって、この語句は、ベクターの挿入部分を意味し、ベクター骨格を意味しない。「フラビウイルスに由来したベクター」の例は、ポックスウイルスプロモーター、フラビウイルスNS1タンパク質またはその部分を含む発現カセットを含む、MVAのような、ポックスウイルスベクターであって、その際フラビウイルスNS1タンパク質またはその部分をコードしている配列は、ATGコドンおよび糖鎖形成シグナル配列が上方にあり、前記コード配列は翻訳の終止コドンにて終止する。
したがって、DNA、ベクターまたはNS1タンパク質またはその部分でのワクチン化は、広い範囲のフラビウイルスまたは少なくともフラビウイルスセロタイプに対する、単一サブユニットワクチンとして有用である。フラビウイルスまたはフラビウイルスセロタイプからのNS1タンパク質またはその部分をコードしているDNAまたはベクター、または前記フラビウイルスまたはセロタイプからのNS1タンパク質またはその部分はしたがって、それぞれ他のフラビウイルスおよびフラビウイルスセロタイプに対するワクチン接種のためのワクチンとして使用することができる。たとえば、デングウイルスセロタイプ2から由来したワクチンは、1つ、2つまたはすべてのセロタイプ1、3および4に対するワクチンとして、ならびセロタイプ2に対するワクチンとして使用可能である。さらに、西ナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、黄色熱ウイルスのような、他のフラビウイルスに対して、個体を保護するためにも、さらに有用であり得る。
好ましい実施様態において、本発明にしたがったDNAをワクチンとして使用する。本発明でのように、真核細胞発現カセットを含む裸のDNAの投与、とりわけ、DNAの筋肉内注射が、発現カセットによってコードされたタンパク質の発現を導くことは、当業者によって知られている。タンパク質は、免疫システムに暴露され、特定の免疫応答が起こる。
ワクチン接種(ワクチン化)のために使用される、ワクシニアウイルスに基づくワクチン、とりわけMVA−BNに基づくワクチンを、凍結乾燥状態で保存することが、とりわけ好ましい。1つのフラビウイルスのNS1タンパク質によって誘発される、それぞれ異なるフラビウイルスおよびフラビウイルスセロタイプのNS1タンパク質に対する、免疫応答並びに免疫応答の交差反応の割合は、ワクチン化に使用されるウイルスを、凍結乾燥ウイルスとして保存したときに、とりわけ高いことが実施例において示されている。したがって、ワクチンショットは、好ましくは、製剤化においてウイルスの段階的凍結乾燥によって産生することが可能である。この製剤(処方)は、生体内投与に好適な、マンニトール、デキストラン、糖、グリシン、ラクトースまたはポリビニルピロリドンのような追加添加物、または抗酸化剤、不活性気体、安定剤、または組換え体タンパク質(たとえば ヒト血清アルブミン)を含みうる。凍結乾燥に好適な典型的なウイルス含有処方は、10mM Tris緩衝液、140mM NaCl、18.9g/lデキストラン(MW36000−40000)、45g/lスクロース、0.108g/l L−グルタミン酸一カリウム塩一水和物 pH7.4を含む。凍結乾燥の後、ついでガラスアンプルを密封し、4℃〜室温の間で、数ヶ月間保存可能である。しかしながら、必要性がない限り、アンプルは、好ましくは−20℃以下の温度で保存する。ワクチン化のために、凍結乾燥物を、水、生理食塩水またはTris緩衝液のような水性の溶液0.1〜0.5ml中に溶解可能であり、そして、全身または局所いずれかで、すなわち、非経口、筋肉内または実施者に公知の他の任意の投与経路にて投与可能である。投与の様式、投与の用量と回数は、公知の様式で当業者によって最適可能である。ポックスウイルスベクターに対してもっとも好ましいのは、皮下または筋肉内投与である。もっとも好ましくは、ワクチン化は、たとえば3〜5週間の間隔での、2ワクチンショットの投与によって実施する。
ワクチンが、本発明にしたがったDNAを含むMVA−BNベクターまたはその誘発体である場合、本発明の特定の実施様態は、第一バイアル/容器内における第一ワクチン化(「初回(priming)」)のための、および第二バイアル/容器内における第二ワクチン化(「追加 (boosting)」のための、本発明にしたがったMVA−BNウイルスベクターを含むワクチン化のためのキットに関する。
ワクチンが、以上で定義したようなDNAを含むMVA−BNベクターまたはその誘発体である場合、本発明の特定の実施様態は、第一接種(初回接種)(「初回接種」)および第二接種(「追加 接種」)における、治療的に効果的な量のワクチンの接種に関する。初回接種と追加 接種の間の間隔は、たとえば2〜12週間、好ましくはたとえば3〜6週間、より好ましくはたとえば約3週間である。ワクチン化に使用するウイルス量は、少なくとも1×10TCID50、好ましくはたとえば1×10TCID50〜1×10TCID50であるべきである。さらに、本発明の特定の実施様態は、第一バイアル/容器内における第一ワクチン化(「初回(priming)」)のための、および第二バイアル/容器内における第二ワクチン化(「追加 (boosting)」のための、本発明にしたがったMVA−BNウイルスベクターを含むワクチン化のためのキットに関する。
したがって、本発明は、ワクチン実施様態において、以上で定義したようなDNA、ベクターまたはNS1タンパク質またはその部分を含むワクチン、および、ワクチンの調製のための、前記DNA、ベクターまたはタンパク質の使用に関する。好ましい実施様態にしたがって、本発明は、ワクチンの調製のための、前記DNA、ベクターまたはタンパク質の使用に関し、その際NS1タンパク質またはその部分、DNAまたはベクターによってコードされたNS1タンパク質またはその部分が、1つのデングウイルスセロタイプより由来し、前記DNA、ベクターまたはNS1タンパク質またはその部分が、2つ、3つまたはすべてのデングウイルスセロタイプに対するワクチンとして使用される。もっとも好ましくは、デングウイルスセロタイプは、セロタイプ2である。
本発明はさらに、接種が必要である、ヒトを含む動物に、以上のようなDNA、以上のようなベクター、または以上のようなNS1タンパク質またはその部分を接種させることを含む、フラビウイルス感染の処置または予防のための方法に関する。とりわけ、本発明は、以上のような方法に関し、その際、NS1タンパク質またはその部分、またはDNAまたはベクターによってコードされたNS1タンパク質またはその部分が、1つのデングウイルスセロタイプより由来し、前記DNA、ベクターまたはNS1タンパク質またはその部分が、2つ、3つまたはすべてのデングウイルスセロタイプに対するワクチンとして使用される。
核酸又はNS1タンパク質またはその部分が由来する、蚊媒介性フラビウイルスに対する、および少なくとも1つの他の蚊媒介性フラビウイルスに対するワクチンの調製のための、
−転写調節要素および、少なくとも蚊媒介性フラビウイルスのNS1タンパク質またはその部分をコードしている配列を含む、発現カセットを含む核酸。
−前記核酸を含むベクター、および/または
−前記フラビウイルスのNS1タンパク質またはその部分、
の使用。
核酸又はNS1タンパク質またはその部分が由来する、前記蚊媒介性フラビウイルスが、デングウイルスである、前記のような使用。
すべてのデングウイルスセロタイプに対する、そして任意に少なくとも1つの他の蚊媒介性フラビウイルスに対する、ワクチンの調製のための、
−転写調節要素および、少なくともデングウイルスセロタイプのNS1タンパク質またはその部分をコードしている配列を含む、発現カセットを含む核酸。
−前記核酸を含むベクター、および/または
−前記デングウイルスセロタイプのNS1タンパク質またはその部分、
の使用。
核酸又はNS1タンパク質またはその部分が由来する、前記デングウイルスが、デングウイルス セロタイプ2である、前記のような使用。
前記ポックスウイルスベクターが、修飾ワクシニアウイルスアンカラ(Modified Vaccinia Virus Ankara;MVA)、とりわけ、番号第V00083008号にて、European Collection of Cell Culturesに寄託されたMVA−BNまたはその誘発体である、前記のような使用。
接種を必要としているヒトを含む動物に、
−転写調節要素および、少なくとも蚊媒介性フラビウイルスのNS1タンパク質またはその部分をコードしている配列を含む、発現カセットを含む核酸、
−前記核酸を含むベクター、および/または
−前記フラビウイルスのNS1タンパク質またはその部分、
を接種させることを含む、フラビウイルス感染の処置または予防のための方法であって、前記フラビウイルス感染が、核酸又はNS1タンパク質またはその部分が由来する、蚊媒介性フラビウイルスによる感染、および/または他の蚊媒介性フラビウイルスによる感染である、方法。
核酸又はNS1タンパク質またはその部分が由来する、前記蚊媒介性フラビウイルスが、デングウイルスである、前記のような使用。
接種を必要としているヒトを含む動物に、
−転写調節要素および、少なくともデングウイルスセロタイプのNS1タンパク質またはその部分をコードしている配列を含む、発現カセットを含む核酸、
−前記核酸を含むベクター、および/または
−前記デングウイルスセロタイプのNS1タンパク質またはその部分、
を接種させることを含む、フラビウイルス感染の処置または予防のための方法であって、前記フラビウイルス感染が、核酸又はNS1タンパク質またはその部分が由来する、デングウイルスセロタイプによる感染、および/または他のデングウイルスセロタイプによる感染および/または他の蚊媒介性フラビウイルスによる感染である、方法。
前記ポックスウイルスベクターが、修飾ワクシニアウイルスアンカラ(Modified Vaccinia Virus Ankara;MVA)株である、前記のような方法。
前記ポックスウイルスベクターまたは薬学的調合物が、第一接種(初回接種)「初回接種」および第二接種「追加 接種」にて、治療的に効果的な量で投与される、前記のような方法。
転写調節要素および、少なくともフラビウイルスNS1タンパク質またはその部分をコードしている配列を含む、発現カセットを含むDNAを持つポックスウイルスベクターであって、前記ポックスウイルスが、番号第V00083008号にて、European Collection of Cell Culturesに寄託されたMVA株BNまたはその誘発体である、ポックスウイルスベクター。
フラビウイルスNS1タンパク質またはその部分をコードしている配列に、ATGコドンおよび糖鎖形成シグナル配列が上方に存在し、前記コード配列が、翻訳の終止コドンによって終止する、前記のようなポックスウイルスベクター。
第一バイアル/容器内における第一接種(初回接種)(「初回接種」)のための、および第二バイアル/容器内における第二接種(「追加接種」)のための、前記のようなポックスウイルスベクターまたは前記のような薬学的調合物を含む、初回/追加免疫のためのキット。
図面の簡単な説明
図1A:
本発明において例として使用したコンストラクトの、デングNGC株「シグナル配列+NS1」cDNAタンパク質コード配列。通常の文脈におけるNS1遺伝子の開始を、矢印によって示す。重要な特徴は、ATG開始コドンおよび終止コドン(本例では「TAG」)の添加である。ヌクレオチド配列数字は、NGC株ゲノム中の位置を意味する(Genbank委託番号第AF038403号)。図1Aにおけるヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、SEQ:ID No.5に相当する。アミノ酸は別に、SEQ:ID No.6として示す。
図1D:
上段:デングNGC株NS1アミノ酸配列(Genbank Accession AF038403号のデングNCGポリタンパク質のアミノ酸776〜1127)のKyte−Doolittle親水性プロット。ゼロより上の値=疎水性。
下段:Eタンパク質のC−末端の最後の28アミノ酸から由来するシグナル配列を含む、デングNGC株NS1アミノ酸配列(アミノ酸748〜775)の、Kyte−Doolittle親水性プロット。全アミノ酸配列は、この株に関して、「ATG」開始コドンにて開始するが、終止コドンを欠く、デングNCGポリタンパク質(Genebank Accession 第AF038403号)のアミノ酸748〜1127を表している。Sig=シグナル配列。ゼロより上の値=疎水性。
図2:
「ポックスウイルスプロモーター+シグナル配列+NS1」発現カセットのヌクレオチド配列。図2のヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、SEQ:ID No.9に相当する。アミノ酸は、SEQ:ID No.10として別に示す。簡単に記すと、最小のポックスウイルス早期/後期プロモーター要素が、デングウイルスセロタイプ2のNS1タンパク質の発現を制御し、その際、NS1タンパク質のN−末端は、E−タンパク質の28C−末端アミノ酸に融合する。翻訳は、核酸配列内へ挿入されたTAG終止コドンにて終止する。
図4:
すべての3匹のウサギに関する、免疫後血清滴定の、エライザ(ELISA)吸光度(吸収)読み取りのプロット。
図5:
エライザ交差反応研究。第38日(上部)および第66日(下部)のウサギ血清の、DENV−1、DENV−3、DENV−4、JEVおよびWNVが感染した細胞の溶解物との交差反応を、エライザアッセイで試験した。
例1:
mBN07の構築
1.NS1抗原の詳細(図1)
本実施例は、ニューギニア(New Guinea)C株−NGC株から由来するセロタイプ2のNS1に関する(例:Genbank配列第AF038403号)。フラビウイルスのNS1タンパク質は、ポリタンパク質前駆体の部分として産生されるので、相当するDNA内のNS1遺伝子は、「ATG」開始コドンが上方に存在しない。
したがって、NS1タンパク質をコードしているcDNA配列は、「ATG」開始コドンの添加が必要でなければならない。ついで、新規に合成されたNS1タンパク質が、小胞体中で糖付加されるように、シグナル配列を付加(添加)する。最終的に、タンパク質コードカセットは、終止コドンが必要であり、この実施例では、タンパク質コードcDNA配列の3’末端に、TAGを添加した。本発明で使用した実施例において、「ATG+シグナル配列」要素が、Eタンパク質の疎水性C末端から由来した(最後の28アミノ酸、NGCに関して、アミノ酸M(ATG)によって開始)。
RT−PCR産物をついで、多くの市販されている入手可能な細菌クローニングプラスミドに存在する任意のマルチクローニングサイト(多重クローニング部位)のBamHI部位内にクローン化可能であり、ただし本実施例では、pAF7内にクローン化して、pAF7D2NS1を作製した。pAF7D2NS1に関する配列の詳細に関しては、図1Bおよび1Cを参照のこと。図1Dは、NS1アミノ酸配列、およびEタンパク質のC−末端アミノ酸コード配列からの付加(添加)シグナル配列を含むNS1の、疎水性プロットを示している。短いN−末端疎水性ドメインが、シグナル配列を示している。
2.NS1発現カセットの詳細(図2)
カナリア痘ポックス、鶏痘ポックス、ワクシニアまたはMVAのようなポックスウイルスベクターからのこの「シグナル配列+NS1」を発現するために、ポックスウイルスプロモーターが、本cDNAの5’末端に添加される必要がある。ポリアデニル化シグナル配列は、すべてのポックスウイルス合成RNAが、この機能を実施するために、ポリA添加シグナル配列を必要としない、ウイルスがコードした酵素によってポリアデニル化されるので、必要ない。このカセットの発現のために、任意のポックスウイルスプロモーターが使用可能である。図2およびSEQ:ID No.9および10は、本発明の実施例として使用した、「ポックスウイルスプロモーター+シグナル配列+NS1」カセットのヌクレオチド配列を示している。
PCRプライマーはPsプロモーターを持つ。
oBN338:5’−TTGTTAGCAGCCGGATCGTAGACTTAATTA(30マー)(SEQ:ID No.1)
oBN345:
5’−CAAAAAATTGAAATTTTATTTTTTTTTTTTGGAATATAAATAAAAACACGATAATACCATGG−3’(SEQ:ID No.2)
(下線ヌクレオチドは、ポックスウイルス最小プロモーター配列を表している。)
最初の5サイクルのための、PCR増幅反応に関するアニーリング温度は、oBN345のクローニングベクター内の相同配列に結合するヌクレオチド配列より計算した。
3.MVA内へのNS1発現カセットの組み込み
PCR増幅産物の、切断され、平滑末端化されたプラスミドpBNX07(図3aを参照のこと)のXhoI部位への平滑末端クローニングにより、プラスミドpBN41(図3aを参照のこと)が形成した。pBN41は、相同組換えによって、MVAの欠失部位2内へ「ポックス プロモーター+シグナル配列+NS1」カセットを組み込むためのベクターである。
pBN41(図3aを参照のこと)の必須の特徴は、以下のようである。
−プラスミド骨格は、ストラタジーン(Stratagene)からのpBluescript SK−プラス(Genbank VB0078)である。
−D2F1:欠失2フランク1相同組換えアーム。これは、MVA Genbank配列U94848の20117〜20717のヌクレオチド配列を表している。
−PPr:ポックスウイルスプロモーター
−NPT II:ネオマイシンホスホトランスフェラーゼタンパク質コード配列(Genbank V00618のタンパク質コード配列)
−IRES:脳心筋炎ウイルス(encephalomyocarditis virus)からの内部リボソーム侵入配列(Internal Ribosome Entry Sequence)(Jang et al.,1989,Genbank M16802)
−EGFP:増強グリーンフルオレセンスタンパク質(Enhanced Green Fluorecence Protein)コード配列(タンパク質コード配列−Genbank配列U57609からのヌクレオチド675〜ヌクレオチド1394)
−NS1:デングNGC株からの「シグナル配列+NS1」タンパク質コード配列
−D2F2:欠失2フランク2相同組換えアーム。これは、MVA Genbank配列U94848の20719〜21343のヌクレオチド配列を表している。
−AmpR:pBluescriptのアンピシリン耐性遺伝子
3.1 相同組換えによる、MVAの欠失部位内へのデング「ポックスプロモーター+シグナル配列+NS1」の組み込み
3.1.1 相同組換えによる、MVAゲノム内への組み込み
上記組み込みベクターpBN41を使用して、pBN41のフランク1とフランク2アーム、およびMVAゲノム内の相同標的配列間の相同組換えによって、MVAゲノム内へ、デングNS1発現カセット+さらにレポーターカセット(Poxプロモーター+NPTII−IRES−EGFP)を挿入する。これは、先に低い感染多重度(MOI、たとえば0.01感染ユニット/細胞)で、MVAを先に感染させた、ニワトリ胎児繊維芽細胞(CEF)内へ、直線化組み込みベクターをトランスフェクトすることによって達成する。感染後48時間の時点、または感染が密に達成されたときに、ウイルス抽出物を調製し、望む組換え遺体MVA(rMVA)の選別およびクローン精製の準備のために、−20℃にて保存する。
3.1.2 rMVAの選別およびクローン精製
非組換え体MVA(空ベクターウイルス)の除去およびrMVAの増幅は、G418の存在下で、低いMOIにて、コンフルエントな(コンフレント)ニワトリ胎児繊維芽細胞(CEF)の感染によって達成する(G418の量は、CEF細胞を殺さない、もっとも高い用量を決定するために最適化されなければならない)。NPTII遺伝子を含まず、挿入されていない任意のウイルスは、細胞維持培地に加えたG418の存在下で複製はしない。G418は、DNA複製を阻害するが、CEF細胞が、静止非複製状態であるので、G418の活性によって影響を受けないであろう。rMVAが感染したCEF細胞は、増幅フルオレセントグリーンタンパク質の発現のために、蛍光顕微鏡下で可視化可能である。
相同組換え段階からのウイルス抽出物を、連続希釈し、G418の存在下で、新鮮なCEF細胞を感染させるために使用し、低融点アガロースでオーバーレイした。感染2日後、アガロース感染プレートを、緑色感染細胞の単一叢(single foci)に関して、蛍光顕微鏡下で観察する。これらの細胞をマークし、細胞の感染叢を含むアガロースプラグをとり、無菌細胞保持培養液を含む1.5ml微小遠心チューブに入れる。ウイルスを、チューブを3回、−20℃にて凍結融解することによって、アガロースプラグより放出させる。
もっともよいクローンまたはクローン類をさらに、PCR解析によって、空のベクターの汚染の兆候がないまで(3〜30ラウンドのクローン精製)、アガロース下でクローン精製する。これらのクローンを次いで、正確な挿入配置、プロモーター外来遺伝子カセットの配列確認、およびRT−PCRによる発現解析のための、さらなる厳格な試験のために増幅する。これらの解析の後、ただ1つのクローンを、G418選別下、さらに増幅し、さらなる特性化および免疫原性試験のために、マスターストックを調製する。
本発明で記述した挿入デングNS1発現カセットを含む組換え体MVAを、mBN07と名付けた。図3bは、mBN07内の挿入外来配列の配置を示している。
4.MVAによる、真性NS1の発現
組換え体MVA、mBN07からのNS1タンパク質の発現を、非変性条件下での標準のウエスタンブロット解析によって確かめた。よりとりわけ、NS1発現を、精製mBN07を、哺乳動物組織培養細胞、たとえばBHK−21細胞を、1.0感染ユニット/細胞のMOIにて感染させるために使用した後に、解析した。未精製タンパク質抽出物を、感染24〜30時間後に、これらの感染細胞より調製し、その際、これらの抽出物の部分を、2−メルカプトエタノール(2−ME)含有、または2−MEを含まないSDS−PAGEゲルローディング緩衝液と混合した。これらの試料+陽性対照として、デングNGC株に感染した細胞(蚊細胞)からのタンパク質抽出物を、SDS−PAGEゲルにて、電気泳動分離し、ついで、ニトロセルロース膜上にブロットした。膜を、抗デングNS1モノクローナル抗体でプローブした。
mBN07によって発現したNS1が、抗デングNS1モノクローナル抗体によって認識されること、およびデング感染細胞からのNS1と同様な、正確な二量体形態を形成すること(2−MEなし未煮沸mBN07レーンを、2−MEなし未煮沸DEN2レーンと比較する)が示された。さらに、二量体形態が、変性条件下で、単量体形態に分解されることが示された(2−MEありの煮沸mBN07レーン)。
mBN07に感染した細胞内で発現したNS1はまた、回復患者の保存血清によって、および、ウエスタンブロット解析におけるすべての4つのデングのセロタイプのNS1に交差反応するモノクローナル抗体で、認識される。このことは、mBN07によって発現したNS1が免疫原性であることを示唆している。
例2:
mBN07によって発現したNS1の、セロタイプ2以外のデングウイルスのNS1、および日本脳炎ウイルス(JEV)および西ナイルウイルス(WNV)のNS1に対する交差免疫原性
1.mBN07から発現したNS1:患者回復期血清に対する応答性
mBN07によって発現したNS1が、先のデングウイルス感染の証拠を持つ個体からの、回復期患者血清によって認識される可能性を試験した。(デングセロタイプ1〜4から調製した、真正抗体に対するイムノブロッティングによって)デングウイルスエンベロープタンパク質に対する抗体を持つ68人の個体からの血清を、mBN07感染細胞抽出物から、および対照としてMVA−GFP感染細胞抽出物から調製した免疫ブロットストリップに対する試験のために選別した。抗原含有細胞溶解物を、2メルカプトエタノール無しの試料緩衝液で処理し、熱しなかった。試験した68人の個々の血清の内、62(91.2%)が、免疫ブロットにて、mBN07によって発現したBN07 NS1に反応した。これらの血清を、すべての4つのデングウイルスセロタイプ、ならびに日本脳炎ウイルス(JEV)のNS1に対する反応性に関して解析した。結果は表1に示している。54の血清が、すべてのデングウイルスセロタイプおよび日本脳炎ウイルス(JEV)のNS1に反応し、これらの54血清のうち53(98.2%)がまた、mBN07から発現したNS1と反応した。7血清が、少なくとも1つのデングウイルスセロタイプのNS1に関して特異的であり、JEVのNS1とは反応しなかった。すべてのこれらの7血清がまた、mBN07によって発現したNS1と反応した。他の7血清は、JEVのNS1とのみ反応したが、任意のデングウイルスセルタイプのNS1とは反応せず、これらのJEV−特異的血清のうち2つ(28.6%)はまた、mBN07によって発現したNS1と反応した。
同一の68血清をまた、前膜(premembrane)タンパク質に対する反応性によって解析した。本発明者らの実験において、前膜に対する抗体は、NS1またはEに対する抗体よりも、非常に特異的である。したがって、デングが感染した患者は、デングウイルス前膜を認識するが、JEV前膜は認識しない、およびその逆の抗体を産生する可能性がある。これらの株にそった解析により、個体の感染の歴史のよりよい予測が提供されうる。表2は、22人の患者からの血清が、真正デング前膜タンパク質のみと反応することを示しており、したがって、これらの22人の患者が、デングウイルスに対してのみ暴露され、JEVに対しては暴露されていないことが示唆されている。すべてのこれらの22の血清が、mBN07によって発現したNS1と反応した。他の22患者は、デングおよびJEV両方が先に感染した証拠を持ち、再びすべての22の血清が、mBN07によって発現したNS1と反応した。このシリーズにて、JEVのみの先の感染の証拠を持つ21人の患者がまた存在する(これらの血清は、デングEに対して交差反応する抗体を有するけれども)。興味深いことに、21の内17(82%)のJEV反応者は、mBN07によって発現したNS1と反応した。全セットのうち、デングまたはJEVいずれかの前膜タンパク質と反応しなかったものが、ただ3血清、ただし、これらのうち1つがmBN07によって発現したNS1と反応した。このことに関してもっとも可能性のある理由は、抗体タイターが低すぎて、免疫ブロッティングによって検出できないことである。
表2:真正前膜およびBN07 NS1に対する抗血清反応の比較。括弧内:試験した陽性試料の数/試験した試料の総数。DEN=デング、JEV=日本脳炎ウイルス。
表2でのデータはまた、mBN07によって発現したNS1と反応しなかった6血清のうち、4つが、デングではなく、JEVに先に感染した個体からのものであったことを、明らかに示している。残りの2人は、デングまたはJEVいずれかの前膜タンパク質に対する検出可能な抗体を持たず、低いタイターである可能性があった。
2.ウサギのmBN07ワクチン化および、デングウイルスおよび日本脳炎ウイルス免疫ブロットおよびエライザアッセイに対する、免疫後血清の試験
3匹の特異的病原体フリーウサギを、以下で示したような、ワクチン化スケジュールにしたがって、皮下経路によって免疫した。各ウサギを、第0日に無菌水にて1mlまで再構成した、1バイアルの凍結乾燥ワクチン(1×10e8 TCID50 BN07凍結乾燥ワクチン)によってワクチン化し、ついで第28日目に再び行った。血液試料を、第一ワクチン化前(前採血)、および再び第二ワクチン化10日後に採取した。
0日目=前採血、つづいて第一ワクチン化
28日目=第二ワクチン化
38日目=血液採取
56日目=第三ワクチン化
66日目=血液採取
112日目=各ウサギから50ml血液採取
2.1 デングセロタイプ2免疫ブロットに対する前採血および免疫後血清の試験
デング2ウイルス抗体および未感染C6/36細胞の抗体を、非変性条件下で、SDS PAGEによって分離した。免疫ブロット解析のために、38日目の血清(1:200に希釈)を使用した。結果は、mBN07によるワクチン化に際し、すべての3匹のウサギが、組織培養蚊細胞のデングセロタイプ2感染から産生された、真正NS1と交差反応する高タイターの高NS1抗体を産生したことを明らかに示唆した。ワクチン化の前に採取した血清は、免疫ブロットにおいて、どのデングタンパク質に対しても反応しなかった。
各ウサギの免疫後血清に関する滴定結果を、図4で示したようにプロットした。各ウサギ免疫後血清に関する予想されたエンドポイントタイターは、1:1000である。
2.2 デングウイルスセロタイプ1、3および4、日本脳炎ウイルス、西ナイルウイルス免疫ブロットに対する、前採血および免疫後血清の試験
38日目の各ウサギ血清を、デング1、2、3、4およびJEウイルスの免疫ブロットストリップ+非変性条件下、SDS PAGEによって分離した未感染C6/36細胞の対照ストリップ上で、1:1000希釈にて試験した。各ウサギ免疫後血清は、デングセロタイプ1、3および4からのNS1、ならびに日本脳炎ウイルス免疫ブロット上のNS1と反応することが示された。
66日目の各ウサギ血清を、デング1、3、4、WNVおよびJEウイルス抗原の免疫ブロットストリップ+非変性条件下、SDS PAGEによって分離した未感染C6/36細胞の対照ストリップ上で、1:1000希釈にて試験した。各ウサギ免疫後血清は、デングセロタイプ1、3および4からのNS1、ならびに日本脳炎ウイルスおよび西ナイルウイルス免疫ブロット上のNS1と反応することが示された。
免疫ブロットアッセイを確認するために、エライザ交差反応アッセイを実施した。マイクロタイタープレートのウェルを、DENV−1、DENV−3、DENV−4、JEV、WNVおよび未感染細胞溶解物で、1:250希釈にてコートした。血清は、38日目(図5A)および66日目(図5B)からの血清であった。
免疫ブロットアッセイ、ならびにエライザ実験から、デングウイルスNS1によって誘発された抗体が、すべてのデングセロタイプ、JEVおよびWNVと交差反応すると結論づけることが可能である。
2.3 結論
mBN07ワクチンによって免役したウサギは、真正デングウイルスセロタイプ2NS1を認識する抗体を誘発した。
−非常に高い免疫応答が、エンドポイントがそれぞれ免疫ブロットアッセイおよびエライザ両方で、1:10−4および1:10−3であった場合に観察された。
−ウサギにて誘発された抗体は、すべての他のデングセロタイプ(1、3および4)と交差反応した。
−抗体はまた、JEVおよびWNVのような、異種ウイルスからのNS1と交差反応した。
3.マウスにおける免疫原性試験
メスアウトブレッドマウスを、以下で示すような異なる量およびスケジュールにて、デングウイルスNS1を発現しているmBN07にて、腹膜内経路によって免疫した。mBN08、mBN07に相当するがNS1を発現していないMVAおよびPBSを、対照として使用した。マウスの血清を使用して、マウスで産生された抗体が、それぞれ異なるフラビウイルスセロタイプから、および日本脳炎ウイルスからのNS1タンパク質と、ウエスタンブロット上で反応可能であるかどうかを確認した。対照マウスからの血清は、すべての試験で陰性であった。
次のグループを調べた。
Figure 2005511042
前記免疫ブロット実験により、以下の結果が得られた。
非常に似た実験を、Balb/cマウスで行った。マウスを、0日目および21日目にて、1×10 TCID50 BN07(凍結乾燥および水による再構成)の2ショットでワクチン化した。血清を42日目に得た。100%の血清が、デングウイルス2 NS1と反応し、100%の血清が、すべての4つのデングウイルスセロタイプからのNS1タンパク質と反応し、75の血清が、JEVのNS1タンパク質と反応した。1×10 TCID50非凍結乾燥BN07によって得られた結果は以下のようであった。100%の血清が、すべての4つのデングウイルスセロタイプ由来のNS1と反応した。血清は、凍結乾燥BN07によってワクチン化したマウスから得られた血清とは同じ程度ではないが、JEVからのNS1を認識した。
図1Aは、本発明において例として使用したコンストラクトの、デングNGC株「シグナル配列+NS1」cDNAタンパク質コード配列を示す。 図1Bは、デングNGC株「シグナル配列+NS1」タンパク質コード配列を含むプラスミドpAF7NS1のダイアグラムを示す。 図1Cは、oBN45およびoBN338でのカセットのPCR増幅のためのプライマー結合部位を示している、プラスミドpAF7内のNS1カセットのヌクレオチド配列を示す。 図1Dの上段:デングNGC株NS1アミノ酸配列(デングNCGポリタンパク質Genbank Accession AF038403号)のKyte−Doolittle親水性プロットを示し、下段はEタンパク質のC−末端の最後の28アミノ酸から由来するシグナル配列を含む、デングNGC株NS1アミノ酸配列(アミノ酸748〜775)の、Kyte−Doolittle親水性プロットを示す。 図2は、「ポックスウイルスプロモーター+シグナル配列+NS1」発現カセットのヌクレオチド配列を示す。 図3AはクローンpBN41を産生するための、NS1発現カセットの、pBNX07の平滑末端化XhoI部位内へのクローニング(平滑末端クローニング)を示す。 図3BはMVAの6つの欠失部位の局所を示す、MVA(Genbank U94848)のHind IIIマップ(−J−=欠失部位の連結)を示す。 図4はすべての3匹のウサギに関する、免疫後血清滴定の、エライザ吸収読み取りのプロットを示す。 図5はエライザ交差反応研究を示す。

Claims (4)

  1. 転写調節要素、ならびに全フラビウイルスNS1タンパク質または免疫応答を誘発するその部分、および任意に他のペプチド/タンパク質をコードしている配列を含む、発現カセットを含むDNAを含有するポックスウイルスベクターであって、前記ポックスウイルスが、番号第V00083008号下で、欧州菌培養収集所にて寄託された改変(修飾)ワクシニアウイルスアンカラ(Modified Vaccinia Virus Ankara:MVA)BN株またはその誘導体(誘発体)であり、前記ペプチド/タンパク質が全E−タンパク質でない、ポックスウイルスベクター。
  2. 株MVA−BNの誘発体が、少なくとも1つの以下の特徴、
    (i)ニワトリ胎児繊維芽細胞(CEF)、幼児ハムスター腎臓細胞株BHKにおいて増殖複製(reproductive replication)ができること、ただし、ヒトケラチノサイト細胞株HaCatにおいては増殖複製ができないこと、
    (ii)生体内において複製ができないこと、
    (iii)致死チャレンジモデルにおいて、公知の株MVA575と比較した場合に、より高い免疫原性を誘発すること、および/または
    (iv)DNA−プライム/ワクシニアウイルスブースト法と比較した場合、ワクシニアウイルスプライム/ワクシニアウイルスブースト法において、少なくとも本質的に同一のレベルの免疫性を誘発すること
    を持つことによって特徴づけられる、請求項1に記載のポックスウイルスベクター。
  3. 前記ワクチンを、核酸又はNS1タンパク質またはその部分が由来するフラビウイルスまたはフラビウイルスセロタイプに対する、および/または1つまたはそれ以上のフラビウイルスおよび/またはフラビウイルスセロタイプに対するワクチン接種のために使用する、請求項10に記載のポックスウイルスベクター。
  4. NS1タンパク質またはその部分が誘導されるフラビウイルスまたはフラビウイルスセロタイプに対する、および/または1つまたはそれ以上のさらなるフラビウイルスおよび/またはフラビウイルスセロタイプに対するワクチンの調製のための、転写調節要素、ならびに全フラビウイルスNS1タンパク質または免疫応答を誘発するその部分、および任意にさらなるペプチド/タンパク質をコードしている配列を含む発現カセットを含むDNAを含有するポックスウイルスベクターの使用であって、前記さらなるペプチド/タンパク質が、全Eタンパク質ではない、前記使用。
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