JP2005509727A - 精留を伴うストリッピングによる中間分留を含む、中間留出物を水素化処理するための2段プロセス - Google Patents

精留を伴うストリッピングによる中間分留を含む、中間留出物を水素化処理するための2段プロセス Download PDF

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Abstract

【課題】 特に、扱いにくい並の品質の原料流を処理して、高品質燃料を製造するために使用することが可能な、高性能水素化処理プロセス、すなわち、精留を伴うストリッピングによる中間分留を含む、中間留出物を水素化処理するための2段プロセスを提供する。このプロセスによって、第2のステップにおける汚染物含量、特にHSおよび水分がきわめて低くなるので、このことは第2のステップにおいて、貴金属ベースの触媒または貴金属を含む触媒を、それら触媒にとって最高の使用条件下で使用できる。
【解決手段】 プロセスには、少なくとも2つの反応ステップを含み、第1のステップからの流出物を加圧水素ストリッピング塔を用いて中間で分留して第2のステップの触媒にとって望ましくない不純物を除去すると共に、実質的に脱硫された軽質液体留分を製造して、そのものは第2のステップに供給しない。中間分留に含まれるのは、加圧水素を使用して第1のステップからの液状流出物をストリッピングすること、および実質的に脱硫された液体の還流液の手段によりストリッピング蒸気を精留することである。

Description

本発明は、炭化水素留分、例えばガソリンまたは中間留出物を水素化処理して、特に内燃機関燃料の分野において使用される、低硫黄含量、低窒素含量、そして場合によっては低芳香族化合物含量の炭化水素留分を製造することに関する。そのような炭化水素留分としては、ジェット燃料、ディーゼル燃料(またはガスオイル)、灯油、減圧蒸留留出物および脱アスファルト油などが挙げられる。本発明では、石油原料流、特に中間留出物の深度脱硫を、コスト的に有利な方法で実施することが可能である。
現在のところ、原油の直留から、または接触分解プロセスからの中間留出物タイプの留分にはまだ、芳香族化合物、窒素含有化合物および硫黄含有化合物が無視できない量で含まれている。多くの先進工業国における現時点での法律が求めるところでは、ディーゼルエンジンに使用する燃料に含まれる硫黄は約500パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満でなければならないとしているが、この規格値はまもなく50ppmにまで下げられるに違いなく、中期的にみればおそらく間違いなく10ppm以下にさらに下げられることになるだろう。現在のところ、ディーゼル燃料の芳香族化合物含量についての規制はないが、場合によっては、セタン指数の規格値を満足させる目的で、ベース留分中の芳香族化合物の量が制限されることになるに違いない。
従って、規格値が変更されることによって、従来法の直留中間留出物から、または接触分解から(LCO留分)またはその他の転化プロセス(コークス化、ビスブレーキング、残油水素化転化など)から、セタン指数に関しておよび芳香族化合物含量または窒素含量と共に特に硫黄含量に関しての両方で改良された特性を有する製品を製造するための、信頼がおけて高効率なプロセスを開発する必要性が生じてくる。
本発明は、特に、扱いにくい並の品質の原料流を処理して、高品質燃料を製造するために使用することが可能な、高性能水素化処理プロセスに関する。そのプロセスには、少なくとも2つの反応ステップを含み、第1のステップからの流出物を加圧水素ストリッピング塔を用いて中間で分留して第2のステップの触媒にとって望ましくない不純物を除去すると共に、実質的に脱硫された軽質液体留分を製造して、そのものは第2のステップに供給しない。中間分留に含まれるのは、加圧水素を使用して第1のステップからの液状流出物をストリッピングすること、および実質的に脱硫された液体の還流液の手段によりストリッピング蒸気を精留することである。
このプロセスによって、第2のステップにおける汚染物含量、特にHSおよび水分がきわめて低くなるので、このことは第2のステップにおいて、貴金属ベースの触媒または貴金属を含む触媒を、それら触媒にとって最高の使用条件下で使用できることを意味する。そのことはさらに、第2のステップにおいて使用する反応器をより小さなものとすることが可能となり、そのためにそのユニットのコストが下がるとともにエネルギー効率を上昇させることができるということを意味している。
本発明はまた、本発明のプロセスを使用することにより得られる、場合によっては部分的に脱芳香族化もされている、実質的に脱硫された炭化水素留分、および前記留分を含む各種炭化水素留分または燃料に関する。
本発明において使用される定義と約束事
本発明についてのこの記述では、以下の表記方法、定義および約束事を使用する。すなわち、
・ppmは、パーツ・パー・ミリオンであり、重量基準で表す。
・慣習的に、反応ステップの圧力とは、そのステップの反応器(または最後の反応器)からの出口における圧力とする。慣習的に、水素リッチなリサイクルループの圧力は、リサイクル圧縮機の吸気口における圧力とする。
・水素含有ガスに適用し、「Pur」として表される「純度」という用語は、分子状水素のモルパーセントを意味する。すなわち、1例として、ガスの純度Pur1が85と言うときには、そのガスには85モル%の(分子状)水素が含まれているということを意味する。慣習的に、「水素リッチガス」または「水素」とは、分子状水素の純度が約50を超えるガスを言う。慣習的に、水素リッチなリサイクルガスの純度(またはそのループの中のガスの純度)とは、そのループのためのリサイクル圧縮機の吸気口におけるガスの純度を言う。
・「リサイクルループ」または「水素リサイクルループ」という用語は、下流で気液分離をさせ、リサイクルさせるためにガス(またはガスの一部)を圧縮させた後の、水素化処理反応器へリサイクルされる水素リッチガスに適用する。もっと広く、「リサイクルループ」にはさらに、リサイクルガス(液体相(例えば原料流)との混合物であってもよい)が通過している配管および装置も含まれる。具体的には、リサイクルループに含まれるのは、少なくとも1基のリサイクル圧縮機、水素化処理反応器、反応器の下流の気液分離ドラム、および/または、場合によっては、加圧水素ストリッピング塔がリサイクルガス循環路に入っているのならば、その供給口より上に位置する塔の部分、などであって、つまり、リサイクルループには、リサイクルガスが流路に位置する配管および装置が含まれていて。それにはさらに、分岐やバイパスが含まれていてもよく、例えば、圧縮ガスの一部を反応器の上流でリサイクルガスの流れから抜き出して、急冷ガスとして使用するために中間部分で反応器に供給したり、および/または(ストリッピングガスとして)ストリッピング塔に供給したりすることも可能である。従って「リサイクルループ」という用語は、閉じた循環路を形容するのに使用され、その閉じた循環路にはリサイクル圧縮機の下流、循環路の分岐および並流部分、ガス流路に沿った部分が含まれ、通常前記の部分は、そのループのための1基または複数のリサイクル圧縮機の上流で合流している。
・本発明のプロセスのための原料流とは、水素化処理ゾーンに供給される炭化水素の液体流れ、およびさらには、例えば部分的に脱硫された原料流とも呼ぶことも可能な、前記水素化処理ゾーンの下流で回収された液体流れなどを指し、この場合その部分的に脱硫された原料流が化学的には最初の原料流から変化していてもよいが、そのような変化が起きる理由は、主として硫黄がある種の化合物から除去されたためであったり、芳香族化合物の一部が飽和されたり、反応ステップにおいて液体の形では回収できない軽質ガス状生成物が生成するために、その原料流の一部が除去されたりするからである。
・本発明のプロセスに関連して「水素化処理」という用語は、水素の圧力下で炭化水素原料流をプロセス処理することに適用されるが、そのプロセスの全圧は約2〜20MPa、通常は約3〜18MPaの範囲であり、以下の各反応として表される群からの1種または複数の化学反応が実施される、すなわち、水素化脱硫、水素化脱窒素、水素化脱金属(1種または複数の金属、例えばバナジウム、ニッケル、鉄、ナトリウム、チタン、ケイ素、銅の除去)、および水素化脱芳香族。
・石油留分の(沸点による)分留(従って現実の、理想的ではない分留)の場合に適用される「カットポイント」という用語は、理想的な分留(無限大の理論段と無限大の還流比)における軽質留分と重質留分との間の境界にある化合物の沸点であって、そのような理想的な分留は、現実の分留に比較して、同じ比率の軽質留分と同じ比率の重質留分とを与える。
少なくとも2段のステップで実施される水素化処理プロセスは公知であり、一般にその第1のステップは脱硫ステップであり、その第2のステップ(または最終ステップ)は、深度脱硫ステップ、または脱芳香族化ステップ、または脱硫と脱芳香族化の組合せのいずれかであり、それぞれのステップには、1基または複数の反応器、1つまたは複数の触媒ゾーン(または床)を含むことができ、同一または別な触媒が使用できる。
水素化処理(水素化脱硫および/または水素化脱金属、および/または水素化、特に芳香族化合物の水素化、および/または水素化脱芳香族)のために使用される触媒としては一般に、多孔質鉱物質担体、少なくとも1種の周期律表の第VIII族からの金属または金属化合物(前記の族に含まれるのは、コバルト、ニッケル、鉄、ロジウム、パラジウム、白金など)および少なくとも1種の周期律表の第VIB族からの金属または金属化合物(前記の族に含まれるのはモリブデン、タングステンなど)を含む。
金属または金属化合物の合計量は、仕上がり触媒の重量に対する金属の重量で表して、通常0.5〜45重量%の範囲である。
第VIII族からの金属または金属の化合物の合計量は、仕上がり触媒の重量に対する金属の重量で表して、通常0.5〜15重量%の範囲である。
第VIB族からの金属または金属の化合物の合計量は、仕上がり触媒の重量に対する金属の重量で表して、通常2〜30重量%の範囲である。
鉱物質担体としては次のような化合物が挙げられる(これらに限定される訳ではない)。すなわち、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化チタン、マグネシア、または、上記の化合物から選択された2種の化合物例えばシリカアルミナまたはアルミナ−ジルコニウム、またはアルミナ−酸化チタン、またはアルミナ−マグネシア、または、上記の化合物から選択された3種以上の化合物例えばシリカアルミナ−ジルコニウムまたはシリカアルミナ−マグネシアなどである。
担体が部分的または完全にゼオライトからなっていてもよい。
よく使用される担体はアルミナ、または主としてアルミナ(例えば80〜100%のアルミナ)からなる担体である。前記担体にはさらに、1種または複数の他の元素、または、例えばリン、マグネシウム、ホウ素、ケイ素系、またはハロゲンを含む助触媒化合物を含んでいてもよい。例を挙げれば、担体には、0.01〜20重量%のB、またはSiO、またはP、またはハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)、または0.01〜20重量%の複数のこれら助触媒の組合せが含まれていてもよい。
通常使用される触媒の例を挙げれば、コバルトおよびモリブデン系の触媒、またはニッケルおよびモリブデン系の触媒、またはニッケルおよびタングステン系の触媒を、アルミナ担体に担持させたものである。前記担体には、先に挙げたような1種または複数の助触媒が含まれていてもよい。
少なくとも1種の貴金属または貴金属の化合物を含む他の触媒が使用されることも多く、前記貴金属としては通常ロジウム、パラジウムまたは白金、通常パラジウムまたは白金(または前記元素の混合物、例えばパラジウムおよび白金)である。
そのような触媒の中の1種または複数の貴金属の量は通常、仕上がり触媒に対して0.01〜約10重量%である。
そのような貴金属タイプの触媒は一般に、特に水素化の場合には、従来タイプの触媒よりは効率が高く、触媒量を減らし、使用温度をより低温にすることが可能となる。しかしながら、それらはコストが高く、また不純物の影響を受けやすい。
水素化処理のための操作条件は当業熟練者には公知である。
その温度は典型的には、約200〜460℃の範囲である。
その全圧は典型的には、約1〜20MPaの範囲、一般的には2〜20MPaの範囲、好ましくは2.5〜18MPaの範囲、より好ましくは3〜18MPaの範囲、通常は約4〜15MPaの範囲である。
それぞれの触媒反応ステップにおける液体原料流の、総合的な時間当たりの空間速度は典型的には約0.1〜12の範囲、一般には約0.4〜10の範囲である。
水素の純度は典型的には50〜100の範囲である。
それぞれの触媒反応ステップにおける液体原料流に対する水素の量は、典型的には反応器の出口において約50〜1200Nm/mの範囲、通常は反応器の出口において約100〜1000Nm/mの範囲である。
本発明のプロセスは、特定の水素化処理触媒や特定の操作条件に拘束される訳ではなく、各種の水素化処理触媒(または複数の触媒)および水素化処理のための各種の操作条件を使用することが可能であって、それらは、当業熟練者に既に公知のものであっても、また将来開発される可能性のあるものであってもよい。
操作条件やガス精製技術や水素化処理に使用される触媒に関わるその他の要素については、公表されている文献や特許類、特にそれらに限定される訳ではないが、本明細書に引用された文献または特許、特に欧州特許出願第A−0 1 063 275号(特許文献4)、第5〜6頁に見い出すことが可能である。
本発明を実施するため、およびそれぞれの水素化処理反応器においては、当業熟練者ならば、先行技術文献に開示された1種または複数の触媒とその操作条件を採用することが可能であり、特に本出願にまとめられたものか、または、将来において開発される新規な触媒および新規な水素化処理条件であってもよい。
米国特許第A6 217 748号 特許文献1には、ディーゼル留分を脱硫するための2段プロセスが記載されていて、中間蒸留を行って軽質留分と重質留分とを分離しているが、前記2つの留分の間のカットポイントは、320〜340℃の範囲である。
そのプロセスでは、第2の反応ステップより前に軽質留分を抽出することが可能で、それによってそのセクションでの反応器のサイズを小さくしている。しかしながら、中間蒸留のために大きなエネルギー消費が必要である。さらに、そのような蒸留は、ディーゼル留分の水素化処理ステップの圧力(通常約4MPaを超える)では考えられないが、それは、そのようにすると塔底温度が高くなりすぎて、通常なら、クラッキング開始温度(典型的には約400℃)を超えてしまうからである。上で引用した特許には蒸留圧力が明記されていないが、実施例では大気圧または標準状態が使用されている。従って、そのプロセスでは大気圧に近い中程度の蒸留圧力が使用されていると考えることができるが、ディーゼルタイプの留分を「大気圧」蒸留で分留するための精製で使用される圧力は典型的には、0.5MPa未満の圧力で操作される。従って、前記のプロセスでは、第2の反応ステップにフィードするためには、高い圧力差を与えるポンプが必要である。
前記プロセスのためのフローチャートでは、中間分留を伴う2つの連続した水素化処理ユニットをつなぎ合わせたものが示されていて、一体化されたプロセスにはなっていない。典型的にはこれは、第1のユニットからの流出物(通常は原料流/流出物の交換によって約50℃とする)を冷却することになり、次いでその流出物を中間蒸留さらには第2の下流の水素化処理ユニットのために再加熱することになるが、それには、非常に大きな交換表面積が必要となる。
さらに、高圧の水素を使用した中間ストリッピングと一体化させた2段またはそれ以上のステップで水素化処理を行うプロセスに関する特許類も公知であって、そのストリッピングでHSを除去して、第2の反応ステップが、比較的HS含量の低い好ましい条件下で操作されるようにしている。
米国特許第A5 114 562号 特許文献2には、脱硫および脱芳香族化された炭化水素留分を製造するための、少なくとも2段の連続したステップにおいて中間留出物を水素化処理するためのプロセスが記載されており、それには第1の水素化脱硫ステップが含まれていて、それからの流出物が水素ストリッピングゾーンに送られたその中に含まれる硫化水素が除去される。そうして得られた脱硫された留分は、第2の反応ゾーン、特に直列につないだ少なくとも2基の反応器を含む水素化反応ゾーンに送られ、そこで芳香族化合物が水素化される。このストリッピングゾーンには還流は含まれていない。 米国特許第A−5 110 444号 特許文献3には、少なくとも3段の別個のステップで、中間留出物を水素化処理することを含むプロセスが記載されている。第1の水素化脱硫ステップからの流出物は、水素ストリッピングゾーンに送られて、それに含まれる硫化水素が除去される。それによって得られた脱硫された液体留分は、第1の水素化ゾーンに送られ、それからの流出物は第1のものとは別な第2のストリッピングゾーンに送られる。最終的には、第2のストリッピングゾーンからの液体部分が第2の水素化ゾーンに送られる。このストリッピングゾーンには還流は含まれていない。 欧州特許出願第A−1 063 275号 特許文献4には、炭化水素原料流を水素化処理するためのプロセスが記載されていて、それに含まれるのは水素化脱硫ステップ、部分的に脱硫された流出物が水素ストリッピングゾーンに送られるステップ、次いで水素化処理ステップに送られて、部分的に脱芳香族化され、実質的に脱硫された流出物が得られる。前記のプロセスにおいては、ストリッピングステップからのガス状流出物は、液体留分を形成するに充分な温度にまで冷却され、その液体留分は、メインのフィードと同じレベルのストリッピングゾーンの塔頂に戻されるが、それは図示されている通りである。
中程度の加圧水素ストリッピングを用いるそれらの水素化処理プロセスはすべて、共通の要素を有していて、それは、すなわち、ストリッピングは(典型的には無水または低水分の)水素を用いて実施され。ストリッピングの後では、水素は水素ループにリサイクルされるので、そのために高圧(水素ループの圧力)でストリッピングされることになり、またストリッピングに先だって第1のステップからの液状流出物を実質的に除圧することもない。2段の水素化処理ステップはまた、共通のまたは混合水素ループ(異なった循環路からの水素の混合物)と高度に一体化されている。
前記特許文献1のプロセスと比較すると、これらのプロセスでは、いくつかの利点がある。すなわち、水素ストリッピングによるHSの除去では、蒸留よりは少ないエネルギーしか消費しない。さらに、ストリッピングされた液体を移送して第2の反応ステップに供給するのに、ポンプが必要ないか、あるいは比較的小さな差圧のポンプでよい。
逆に、それらには欠点もある。すなわち、第1の反応ステップを出る液体原料流はすべて、第2のステップに供給されるが、このことは、第2のステップのための反応器のサイズを小さくすることができないということを意味しており、これは米国特許第A−6 217 748号(特許文献1)のプロセスにおけるユニットの場合である。
中間蒸留を有するプロセスで使用される技術と、加圧水素を用いた中間ストリッピングを有する一体化されたプロセスで使用される技術とは、等価ではなく、組み合わせることができない。高圧下での水素ストリッピングと中程度または大気圧での蒸留は同時には実施できないし、一体化されていないプロセスと高度に一体化されたプロセスの両方を使用することも不可能である。
しかしながら驚くべきことには、本発明者らは、上記のプロセスの利点を有しかつそれらの欠点を持たないプロセスを実施することが可能であることを見出した。本発明のプロセスで具体的に可能となるのは、次のようなことである。
・エネルギー効率が高く、蒸留による分留の場合のような大量のエネルギーを必要としない。
・第1の水素化処理ステップからの流出物を冷却する必要がほとんどまたは全くないので、その結果として、上記のプロセスの場合に比較して小さな熱交換表面しか必要としない。
・大きな減圧をかけなくてもストリッピングが実施でき、ストリップした製品を取り出すのに大きな差圧のポンプを必要としない。
・第2の水素化処理ステップの上流の液体原料流の一部を、ユニットを出る製品の平均硫黄含量に悪影響をおよぼすことなく、抜き出すので、その結果として、第2の水素化処理ステップのための反応器のサイズを小さくすることができる。
本発明のプロセスにおける典型的な原料流は、中間留出物原料である。本発明の文脈において「中間留出物」という用語は、約130〜410℃、一般的には約140〜375℃、例えば約150〜370℃の範囲で沸騰する、炭化水素留分を指している。中間留出物原料流には、ガスオイルやディーゼル留分をさらに含むこともできるし、あるいはそれらの用語の1つで呼ばれることもある。
本発明のプロセスは、ナフサ範囲に位置する沸点を有する直留炭化水素留分を処理するのに適用することも可能であり、それは、溶剤または希釈剤として使用され、好ましくは芳香族化合物含量が低い炭化水素留分を製造するために使用することが可能であるが、ここで「ナフサ」という用語は、炭素原子数5の炭化水素から終留点が約210℃の炭化水素までを含む炭化水素留分を指す。
このプロセスは、ガソリン、特に、流動接触分解ユニット(FCC)で製造されたガソリンまたはその他のガソリン留分で、例えばコークス化、ビスブレーキング、または残油水素化転化ユニットからのガソリンの、水素化処理および脱硫に使用することも可能であるが、ここで「ガソリン」という用語は、約30〜210℃の間の沸点を有する、クラッキングユニットからの炭化水素留分を指す。
可能な原料流としてはさらに灯油がある。「灯油」という用語は、約130〜250℃の範囲の沸点を有する炭化水素留分を指す。
本発明のプロセスはさらに、より重質な留分、例えば約370〜565℃の範囲の沸点を有する減圧蒸留留出物を水素化処理するために使用することもできる。
本発明のプロセスはさらに、減圧蒸留留出物よりも重質な留分、特に脱アスファルト油留分を水素化処理するために使用することもできる。
「脱アスファルト油」という用語は、重質残油、例えば減圧残油を、プロパン、ブタン、ペンタン、軽質ガソリンタイプの溶剤または当業熟練者に公知のその他各種の好適な溶剤を使用して脱アスファルト化することによって得られる、約565℃を超える(または、やや低い温度例えば約525℃)沸点の留分を指す。
最後になるが、このプロセスは、例えば(これらに限定される訳ではないが)、上で定義した留分の少なくとも2つを混合することによって得られるような、より広範囲な炭化水素留分を水素化処理するために使用することもできる。
例えば沸点が約565℃を超え、アスファルテンを含み、非揮発性の減圧残油のような、残留原料流を使用することも可能である。
本発明のプロセスには以下のステップが含まれる。すなわち、
・水素化処理をするための第1のステップa1)であって、前記原料流および過剰の水素を第1の水素化処理触媒の上に通し、前記原料流中に含まれる硫黄の少なくとも大部分をHSに転化させる、ステップa1)。
・ステップa1)の下流側に位置しているステップa2)であって、ステップa1)からの前記部分的に脱硫された原料流を、少なくとも1種の水素リッチなストリッピングガスを使用して加圧ストリッピング塔の中でストリッピングし、それにより前記塔頂における少なくとも1種のガス状流出物と少なくとも1種のストリップされた液状流出物を製造し、前記塔頂における前記ガス状流出物は冷却して部分的に凝縮させ、次いで少なくとも1基のストリッピングステップの気液分離器の中で少なくとも1種の軽質炭化水素液体留分とガス状のストリッピングステップ流出物とに分離する、ステップa2)。
・ステップa2)の下流に位置する、第2の水素化処理ステップa3)であって、前記ストリップされた液状流出物および過剰の水素を第2の水素化処理触媒の上に通す、ステップa3)。
本発明のプロセスにおいては、以下の操作もまた実施される。すなわち、
・ストリッピング塔の供給口よりも上に位置する、前記塔の上側部分においては、供給口より上に上昇してくるストリッピング蒸気を、硫黄含量が約50ppm未満の還流液を用いて精留するステップを実施する。
・軽質炭化水素液体留分の少なくとも一部を抜き出して、直接下流へと排出する。
・以下のようなパラメーターを選択する。すなわち、ストリッピング塔への供給液の温度、ストリッピングガスの流量、および還流液の流量を選択して、ストリップされた液状流出物がステップa1)に供給される原料液の最大で90重量%となるようにし、また前記パラメーターと組み合わせて、ステップa1)における脱硫度を精留ステップの分離効率に応じて決めることで、前記軽質炭化水素液体留分中の硫黄含量が約50ppm未満となるようにする。
本発明においては、還流液および軽質炭化水素液体留分の硫黄含量は、(硫黄含有炭化水素に含まれる)有機硫黄含量であると見なさなければならない。前記液体流れには、液状炭化水素相の中に溶解している形のHSがかなりの量で含まれていてもよい。
本発明のプロセスにおいては、下流に直接排出された軽質炭化水素留分の部分は、抜き出して各種補完的な水素化処理にかけるので、ステップa1)にリサイクルすることはないし、また、ステップa3)に供給したり他の水素化処理ステップにかけたりすることもない。この排出された部分は独立して扱う、すなわち、下流側だけに送ることが多いが、別な方法としてはそれを、水素化処理された液体留分(通常は塔への還流ドラムでもある、ストリッピングステップの気液分離器の上流側)の一部または全部と混合して、混合物として下流へ排出することも可能である。
従って本発明のプロセスでは、第1の反応ステップにおいて原料流の深度脱硫を実施することで、典型的には、脱硫に対する抵抗性が最も少ない前記原料流の軽質留分(特にディーゼルまたはガスオイル留分、すなわち中間留出物の場合)が深度脱硫され、それに対して重質留分にはまだ、より抵抗性のある硫黄含有化合物が含まれているが、前記深度脱硫と組み合わせて、得られた軽質炭化水素液体留分がより重質な硫黄含有化合物によって汚染されず、充分な分留品質が得られるよう、ストリッピングおよび精留条件を決める。このことが意味しているのは、実質的に脱硫された留分を第2の反応ステップへ送る原料流から抜き出すことが可能であって、それによって第2のステップのための反応器のサイズを小さくすることが可能となる、ということである。
従って本発明のプロセスは、脱硫に対して比較的抵抗性のある化合物を脱硫させるために、第2のステップで高活性な触媒、例えばアルミナに担持させた白金/パラジウム触媒を使用する、2段のステップで深度脱硫するのには、特に好適である。前記の触媒は非常に活性が高いが、高価でもあるので、その反応ステップに供給される原料流の量を減らすことによって、その触媒容積も実質的に減少させることが可能となる。このように精留を伴うストリッピング塔は2重の機能を有している。すなわち、第1には、それが第2の水素化処理ステップへの供給液から汚染物質特にHSを除去しており、また第2には、それが脱硫された軽質留分を排出しているので、第2の水素化処理ステップにフィードされる原料流の量が減少し、それによって第2のステップのための触媒容積と反応器のサイズを減らしている。
本発明のプロセスは、深度脱硫と共に中程度またはある程度の脱芳香族化を望む場合にも適していて、前記脱芳香族化を実施するには、第2の水素化処理ステップにおける原料流の全部を処理する必要はない。
このプロセスは脱硫および場合によっては脱芳香族化だけに限定されるものではなく、その他の反応、特に脱窒素および場合によっては脱金属と組み合わせることも可能である。
ストリッパー中で(HSリッチなガスだけではなく)軽質の脱硫された留分を有る程度の量で製造しようとすると、そのストリッピング塔への供給液の温度を上げることができ、そのため、前期塔の上流側における第1のステップからの留出物の冷却を減らしたりあるいは無くしたりすることが可能となり、それは、公知の2段水素化処理プロセスに比較して、必要とされる熱交換表面積を減らすことが可能となることにつながる。
本発明のプロセスは各種の変形形態や実施態様で存在しうるが、それについては後に説明する。
一般的に言って、ステップa3)からの流出物を冷却してから、第2の反応ステップ(または第2の水素化処理ステップ)の気液分離器の中で、第2の反応ステップからの、水素化処理された液体留分とガス状流出物とに分離する。1つの変形形態においては、前記ステップa3)からの流出物を、塔頂からのガス流出物またはストリッピングステップからのガス流出物と混合して、例えば、2つの反応ステップからの流出物またはリサイクルガスを併せて処理することも可能である。
リサイクルガスを精製するための処理には、HS除去を含むことができるが、それには例えば、アミン洗浄および/または脱水素および/またはその他の処理などの方法があり、特に残存微量HSを精製するのには、例えば酸化亜鉛床での捕捉などの方法を用いる。しかしながら、リサイクルガスの精製処理は、第2の反応ステップa3)へ送る単一のリサイクルガスに対して、任意に実施することも可能である。
従って、第2の反応ステップa3)は以下のようにして実施することが可能である。すなわち、
・精製されたリサイクルガスを使用するか、
・リサイクルはせずに、直接循環路に補給用水素(実質的に不純物ゼロ)を使用するか、
・または、(第1の反応ステップa1)のループとは混合ポイントや共通部分を持たずに)ステップa3)には別途のリサイクルループを使用するが、前記ループには実質的に不純物ゼロの補給用水素だけを供給するのが好ましい。2つの別々なリサイクルループを有する、2段の水素化処理および水素ストリッピングプロセスであるこの変形形態は、本出願と同時に出願された特許の主題を形成している。そのプロセスにおいては、リサイクルガスのアミンによる処理を、場合によっては、第1の反応ステップa1)へリサイクルさせるためのリサイクルガスだけに、実施することができる。リサイクルガスのアミン処理を実施せずに、第2のループには実質的に不純物ゼロの補給用水素を供給するようにすることも可能である。それによって、コストのかかるリサイクルガスのアミン洗浄ステップを実施せずにすむ。
還流液および軽質液状(炭化水素)留分の(有機)硫黄含量は、好ましくは約30ppm未満、通常は約20ppm未満、さらには15ppm、より好ましい含量は10ppm未満である。これが意味していることは、第1の反応ステップa1)において高い脱硫度が得られるような操作を実施して、原料流中の最も軽質な留分が深度脱硫されて先に述べた含量になる、特にその留分を単独または混合物で使用する場合に必要とされる規格値(例えばディーゼル燃料の規格値)になるようにする、ということである。第1の反応ステップa1)におけるこの高い脱硫度が意味しているのは、軽質炭化水素液体留分の一部を実質的に脱硫された還流液として使用することが可能であって、それによって、硫黄含有生成物、特に比較的重質な硫黄含有化合物をストリッピング塔の塔底に、流し戻すことができるようになる、ということである。
2段(またはそれ以上の)水素化処理ステップにおけるそれぞれの脱硫度、および水素化処理の特性(特にそれらの脱硫効率、さらにはそれらの脱窒素および/または脱芳香族化効率)は、2種の液状流出物(軽質炭化水素液体留分抜き出し物および水素化処理された液体留分)の混合物が、〔一般には、残存HSおよび規格値、例えば初留点または軽質化合物含量または蒸留間隔(distillation interval)〕を満足させるには沸点が低すぎる留分を除去してこの混合物を安定化させるためのステップの後で)必要とされる規格値を満たすように決めるのが好ましい。特に、注意すべきは、ディーゼル燃料の場合、このユニットからの2つの液状流出物を混合して得られる生成物が、安定化させた後で、その硫黄含量が50ppm未満、通常は30ppm未満、さらには20ppm未満、好ましくは15ppm未満、高度に好ましくは10ppm未満、例えば5ppm未満で、セタン指数が現行の規格値を満たすのが好ましい。
好ましくは、還流液には前記軽質炭化水素液体留分の一部を含むことができ、また、例えば還流液が、直接下流に排出される部分を除いた後の、前記軽質炭化水素留分の残存部分の一部または(この方が好ましいが)全部で構成されていてもよい。前記液状還流液が軽質炭化水素原料流の一部であり、従って前記軽質炭化水素液体留分と同じ硫黄含量であるのが一般的であり、かつ好ましい。
この還流液にはさらに、前記水素化処理された液体留分の一部または、前記水素化処理された液体留分の一部と軽質炭化水素液体留分の一部との混合物を含むか、それらで構成されていてもよく、いずれの場合においても得られる液体はきわめて低い硫黄含量を有している。後者の場合、混合は一般に、前記水素化処理された液体留分または前記水素化処理された液体留分の一部と、ストリッピング塔からの塔頂流出物との間で、ストリッピングステップの気液分離器(または場合によっては第2の分離器)の上流側で、接触を起こさせることによって実施される。
塔頂からの流出物は単一のステップで冷却するのが好ましく、その温度は一般に20〜250℃の範囲、多くは100℃未満、通常は約70℃未満、例えばほぼ50℃とする。
塔頂からの流出物を2段のステップで冷却することも可能であり、それを実施するには、
・第1の冷却ステップで塔頂流出物の部分凝縮を行い、次いで還流ドラム(または第1のストリッピングステップの気液分離器)の中で気液分離し、そして例えば、凝縮させた液体を(好ましくは還流液として、および/または場合によっては部分的に供給液と共に)全部塔に戻し、前記還流ドラムにおける温度は約80〜250℃の範囲とし、例えば、ある程度の量の炭化水素が前記分離器ドラムからのガス中に残るようにする。
・前記第1の分離器ドラムからのガスを補完的に冷却し、次いで第2のストリッピングステップの気液分離器において気液分離を行い、軽質炭化水素液体留分単独または接触液体(例えば水素化処理された液体留分)との混合物を凝縮して排出する。前記(任意の)接触液体は、第2の気液分離器の上流側に導入されるのが好ましく、一般に軽質炭化水素を吸収することが可能であって、それにより、リサイクルループから軽質炭化水素を除去し、そのループの中の水素の純度を向上させる。
多くの場合この精留ステップは、1〜30理論段(両端を含む)の範囲、好ましくは2〜20理論段の範囲、より好ましくは5〜14理論段(両端を含む)の範囲の分離効率を有する精留ゾーンで実施される(通常は、精留ステップの分離効率は精留ゾーンの分離効率に等しい)。実質的に脱硫された還流液を使用すると、前記精留セクションでは、比較的重質の硫黄含有生成物、例えばジベンゾチオフェンを塔底に流し戻すことができる。
ストリッピング塔のストリッピングゾーン(供給口より下に位置するゾーン)には、例えば、3〜60理論段、一般には5〜30理論段、例えば8〜20理論段(両端を含む)に相当する効率を持たせることができる。
還流液およびストリッピングガスの流量は、いくつかのパラメーターに依存するが、そのようなものとしては、例えば、ストリッピング塔への供給液の温度や、抜き出す軽質炭化水素液体留分の量などが挙げられる。これらのパラメーターは、(単独ではなく)組合せとして決定するのが好ましい。一般に、このストリッピングガスの流量は、ステップa1)に供給される原料流1mあたり2.5〜520Nmの範囲、通常は、ステップa1)に供給される原料流1mあたり5〜250Nmの範囲である。このストリッピングガスの流量は、(このストリッピングガス流れの中の水素が完全に消費されると仮定して)、ステップa1)で消費される水素の、好ましくは約5〜150%、より好ましくは10〜100%に相当させる。
一般に、還流液の量はステップa1)に供給される液状原料流1gあたり0.05〜1.2kgの範囲、通常は、ステップa1)に供給される液状原料流1gあたり0.15〜0.6kgの範囲である。
精留ゾーンのための還流比(還流液と抜き出す軽質炭化水素液体留分との間の重量比)は、0.05〜20の範囲とするのが好ましい。(通常最も多く行われているように)還流液が塔頂流出物に含まれ、冷却により凝縮した炭化水素の一部のみで構成されている(そして、水素化処理された液体留分の一部を含まない)場合には、還流比を0.25〜3の範囲とするのが非常に好ましい。
還流液に水素化処理された液体留分の一部を含む場合には、還流液を先に挙げた範囲から選択した量で使用するか、または先に挙げた範囲の還流比を用いるのが好ましく、その留分が単独ではなく、水素化処理された液体留分の一部との混合物として排出されるとしても、軽質炭化水素液体留分の抜き出しに対して計算する。
ストリッピングガスおよび還流液の適切な(充分な)流量は、当業熟練者ならば、所望の分離条件に合うように分留のコンピューターシミュレーションを行うことによって、容易に求めることができる。
塔頂におけるガス状流出物を冷却して、部分的に凝縮させ、次いでストリッピングステップの気液分離器中で分離させて、軽質炭化水素液体留分とガス状のストリッピングステップ流出物とに分離するのが好ましく、好ましくは、次いで前記軽質炭化水素液体留分の一部を抜き出して直接下流に排出し、前記軽質炭化水素液体留分の抜き出しの相補的な部分を通常、そのすべてをストリッピング塔に戻し、(補完的な水素化処理と熱交換のいずれをも行うことなく)還流液として直接使用するか、または場合によっては、前記相補的部分を部分的または全面的に熱交換させてから使用する。一般的には、その相補的な部分の全部を還流液として使用する。本発明の範囲には、例えば塔の原料流の温度を調節するために、前記相補的な部分の一部をステップa1)からの流出物との混合物として戻すことも含まれる。還流として戻した部分および/または原料流と共に戻した部分は、場合によっては、1基または複数の熱交換器中で、単独または混合物として再加熱してもよい。
典型的には、この軽質炭化水素液体留分の抜き出しは、ステップa1)への原料流の少なくとも10重量%とする。ほとんどの場合では、軽質炭化水素液体留分の抜き出しは、ステップa1)への原料流の少なくとも20重量%とし、ストリップされた液状流出物は、ステップa1)への原料流の多くても80重量%とする。好ましくは、前記軽質炭化水素液体留分の抜き出しをステップa1)への原料流の20〜70重量%の間とし、ストリップされた液状流出物をステップa1)への原料流の30〜80重量%の間とする。さらに好ましくは、前記軽質炭化水素液体留分の抜き出しをステップa1)への原料流の30〜60重量%の間とし、ストリップされた液状流出物をステップa1)への原料流の40〜70重量%の間とする。
軽質炭化水素液体留分中に存在する比較的重質の硫黄含有化合物(例えばジベンゾチオフェン)の量が多すぎる場合には、軽質炭化水素液体留分の抜き出し量を減らして、それらの化合物がストリップされた液状流出物中に多く見いだされるようにすることができるし。さらに、精留のための理論段数を増やすか、および/またはリサイクルガスの流量および還流比を増やすかすることによって、分留を改善することも可能であり、最後の方法として、ステップa1)における脱硫度を上げて、軽質炭化水素液体留分中の硫黄含量を調整することも可能である。
本発明のプロセスにおいて、第1のステップからの原料流の大量(典型的には少なくとも10重量%、通常20%またはそれ以上)かつ実質的に脱硫された留分を前記のように排出することは、中間に加圧水素ストリッピングを持つ先行技術のプロセス技術から論理的に導かれるものではない。それらのプロセスでは、ストリッピング蒸気の中に含まれる中間沸点の炭化水素(例えばディーゼル燃料の領域)の量を限定しようとしており、その目的のために、第1の反応ステップからの流出物をストリッピング塔に供給する前に、(典型的には少なくとも100℃までの)実質的には冷却を行っている。それらのプロセスにおいては、回収された軽質留分は典型的には、第1の水素化処理ステップにリサイクルされ、必要とされる硫黄の規格値にはなっていない。
それとは対照的に、本発明のプロセスでは好適にも技術的手段を組合せて使用し、特に比較的高い塔入口温度を使用し、それに加えて充分なストリッピングガス流量を保つことによって、ストリッピング蒸気が大量の軽質および中質の炭化水素を含み、それらは凝縮させて、補完的な水素化処理をすることなく排出させることができる。前記の蒸発と比較的高い程度のストリッピングとを組み合わせて、ストリッピング塔中では、本発明のプロセスは、先行技術においては言及も示唆もされていない、プロセスにおける2種類の処置法を採用している。すなわち、
・第1の水素化処理ステップにおいて充分に厳しい条件を使用することで、原料流中の最も軽質な留分の非常に深度な脱硫を実施している(硫黄50ppm未満、特に30ppm未満、好ましくは20ppm未満またはさらに15ppm未満、より好ましくは硫黄10ppm未満、例えば硫黄約5ppm)。
・各種条件下(具体的には、理論段数、還流液流量および還流液体の非常に低い硫黄含量)でストリッピング蒸気の精留のためのセクションを使用し、そのため、充分な分留品質が確保され、上述のような硫黄含量にまで実質的に脱硫された軽質炭化水素液体留分をかなりの量で製造し抜き出すことが可能となるが、いずれの場合においても前記留分が、高硫黄含量のより重質な炭化水素によって汚染されることはなく、重質な炭化水素は、実質的に脱硫された還流液を用いた精留によって塔底に戻る。
水素化処理ステップa1)からの流出物は、反応ステップa1)からの出口における温度(単一の反応器からの出口、またはステップa1)を複数の反応器で実施している場合には最後の反応器からの出口における温度)から、生じうる温度差を多くても90℃として、分留塔に供給するのが好ましい。この温度差は、非常に好ましくは約70℃未満、多くの場合約50℃未満がよい。温度差が実質的にゼロであってもよい。
本発明のプロセスの好ましい変形形態においては、水素化処理ステップa1)からの流出物は次いで、水素化処理ステップa1)からの出口における温度と実質的に等しい温度で、分留塔に直接供給される。
本発明のプロセスのさらに好ましい変形形態においては、水素化処理ステップa1)からの流出物は、多くても90℃、好ましくは多くても70℃、より好ましくは多くても50℃までの限定した冷却をした後で、分留塔に供給される。
本発明のプロセスのさらなる変形形態においては、水素化処理ステップa1)からの流出物は、多くても90℃、好ましくは多くても70℃、より好ましくは多くても50℃までの限定した再加熱をした後で、分留塔に供給される。
これら3種の変形形態においては、ストリッピングステップを実施する前に第1の水素化処理ステップa1)からの流出物に大幅な冷却を加える必要はなく、そのことによって、ストリッピング塔に大きなエンタルピー供給できるという利点が生じる。このことは、蒸発させる炭化水素の量、従って還流液の量を増やすことにも役立ち、それにより所定の量の、取り出して直接下流に排出する軽質炭化水素液体留分が得られることになり、実施した分留の品質、さらには取り出して直接下流に排出する軽質炭化水素液体留分の硫黄含量についての品質が向上する。(冷却ゼロまたは冷却を少なくすることで)必要とされる熱交換器表面積を少なくすることができるので、設備コストも抑制される。
通常、水素化処理ステップa1)からの流出物が分留塔に供給される温度は、約255〜390℃の範囲の温度、好ましくは約270〜390℃の範囲の温度、より好ましくは約305〜390℃の範囲の温度、特には約315〜380℃の範囲の温度である。
さらに低い温度、例えば180〜255℃の範囲の温度を使用することも可能ではあるが、その場合には、より大量の水素をストリッピングガスとして使用しなければならない。
ストリッピングガスの量が同じならば、除去される軽質炭化水素液体留分の量は一般に、供給温度が高い場合よりも少なくなる。
ガスオイル留分、中間留出物またはディーゼル燃料ベースを処理する場合には、分留条件、特に精留セクションにおけるパラメーター(理論段数、および還流量または還流比)を選択して、除去される軽質留分に、比較的脱硫するのが困難な、例えばジベンゾチオフェンのような比較的重質な化合物が実質的に含まれないようにするのが好ましい。次いで、例えば、軽質炭化水素液体留分とストリップされた液体留分との間のカットポイントを選択することも可能で、好ましくは200〜315℃の間、より好ましくは235〜312℃の間、例えば250〜305℃の間とする。さらに、軽質炭化水素液体留分の95重量%ポイントを選択することも可能で、好ましくは200〜315℃の間、より好ましくは235〜312℃の間、例えば250〜305℃の間とする。
ストリッピング塔(塔頂)の圧力は典型的には、第1の反応ステップである第1の水素化処理反応器の出口圧力に近いものとし、例えば第1の水素化処理反応器からの出口における圧力よりも、約0〜1MPa、好ましくは約0〜0.6MPa、より好ましくは約0〜0.4MPaまでの間で低くする。
ステップa1)における水素化脱硫の程度は、本発明のプロセスでは高いが、軽質炭化水素液体留分中の硫黄含量が非常に低く、約50ppm未満、特に30ppm未満、好ましくは20ppm未満、特に約10ppm未満、例えば5ppm未満となるように調節する。
ステップa1)における水素化脱硫の程度も、ストリップされた液状流出物の硫黄含量を制限し、その結果第2の反応ステップa3)のための触媒が良好な効率を発揮できるように、調節する。
ディーゼル留分または中間留出物をプロセス処理する場合に使用可能な、本発明のプロセスの1つの好ましい方法においては、第1の反応ステップa1)およびカットポイントのための充分に厳しい条件と、軽質炭化水素液体留分とストリップされた液状流出物との間の充分な分留条件との両方を選択して、軽質炭化水素液体留分が厳しく脱硫され(多くても50ppmまで、通常は多くても30ppm、特には多くても20ppm、好ましくは多くても10ppm、さらには5ppmまで)、しかも、比較的脱硫するのが困難な、ストリップされた液状流出物のより重質な留分に、依然として大量の硫黄含有生成物(例えばジベンゾチオフェン)が含まれるようにする。このことは、第1のステップにおいて、比較的脱硫するのが容易な軽質留分は実質的に完全に脱硫するが、それに対して、脱硫に対してより抵抗性のあるより重質な留分は完全に脱硫するには不十分な、充分厳しい脱硫を選択することにより、実施可能となる。従って、第1のステップa1)終了時に全原料流中に残存する(有機)硫黄の量は、一般に約50〜2000ppmの範囲、通常は約70〜1000ppmの範囲、ほとんど場合は100〜450ppmの範囲とする。
場合よっては、本発明の文脈において、ステップa1)において非常に厳しい脱硫を実施し、原料流中のトータルの硫黄含量を、例えば50ppm未満、10ppm未満あるいはさらには硫黄5ppm未満とすることも可能であり、その場合ステップa3)は、実質的には水素化ステップとなることもある。
ストリップされた液状流出物で最も適切な硫黄含量の範囲は、ステップa3)で使用される触媒のタイプによって変わる。
ステップa3)において、例えばアルミナに担持させたニッケル/モリブデンのタイプの触媒のような、従来タイプの触媒が使用されているならば、場合によっては、硫黄含量を200〜2000ppmまたはそれ以上のオーダーとすることができる。
ステップa3)の触媒が、硫黄に対してより敏感なもの(例えば、白金/パラジウム触媒)であるならば、ステップa1)での条件、カットポイントおよび分留条件を選択して、ストリップされた液状流出物が、脱硫されて、例えば残存量が多くても硫黄約500ppm、好ましくは多くても約250ppm、より好ましくは多くても硫黄約200ppm、例えば硫黄約120ppmまたはそれ以下になるようにするのが好ましい。従って、ステップa1)からの出口における原料流全体についての硫黄含量は通常、約100〜450ppmの範囲である。しかしながら、これらの数値は限界を示すものではなく、採用する白金/パラジウム触媒の硫黄抵抗性によって決まるものである。脱硫の程度がより低い、例えば硫黄1000ppmまたはそれ以上の原料流を使用して、ステップa3)で白金/パラジウム触媒を使用することも、本発明の範囲に含まれる。
原料流の軽質の部分には厳しい脱硫をし、同時にストリップされた液状流出物には充分な脱硫をするためには、
・ステップa1)で実施される脱硫の過酷度を調節して、ステップa1)において充分に厳しい条件を使用すること(低いHSV=空間速度、高温、高い水素の分圧、その原料流に適した高効率の触媒)。触媒と操作条件の選択は、プロセス処理する原料流に大いに依存するが、当業熟練者ならば、原料流に応じて容易に決定することが可能である。すなわち、
・カットポイントと充分に効率のよい分留条件、特に精留ゾーンにおける理論段数、還流液の流量および還流液中の硫黄含量を決めて、その軽質炭化水素留分を所望の硫黄含量とし、重質の硫黄含有生成物によって汚染されないようにすること、が可能である。
これらの操作では、パラメーターを、それぞれについて一通りのものにしたり、きわめて正確に決めたりする必要はなく、広い範囲で操作パラメーターを使用することができ、特にステップa1)における脱硫度は大幅に変化させることが可能であって、最小限度を超えていたり、および/または厳密に必要とされるよりは多い理論段数に変更することもでき、またそれと同様に、原料流の特性が変化したような場合においても、充分な操作における許容度を与えるために、理論的に可能なよりも少し低いカットポイントにしてもよい。
これらのパラメーターはすべて、当業熟練者には容易に決定できるものであるが、そのためには、触媒が異なり、原料流の質が異なった場合にも脱硫度と水素化処理操作条件との間の相互関係を把握しなければならず、また、追加の精留セクションを有するストリッピング塔の分留をシミュレートできるコンピューターシミュレーションの手段を有していることも必要であろう。場合によっては、当業熟練者は、対象としている原料流の脱硫の程度を変えた実験室的試験を行い、(カットポイントを変更することによって)各種分留させた留分中での硫黄の分布を分析した結果を利用することもできる。
好適な設計条件および操作条件を見いだすための1つの方法については、以下の概説において説明する。当業熟練者は、この方法または本発明を実施するのに可能なその他の方法を使用し、適合させることができる。すなわち、
・ステップa1)の過酷度、特に充分な脱硫度であって、処理された留分の軽質部分および残存する重質部分が少なくとも所望のレベルまで脱硫されるようにするための、「初期」条件を決定することによって開始することができる、1例を挙げれば、最初の原料流の20重量%に相当し、多くても10ppmの硫黄を含む軽質炭化水素留分を製造して直接下流に排出しようとするならば、ステップa1)のためには充分に厳しい条件を定めて、20重量%の理想カットポイントに相当する軽質留分を脱硫して約10ppmとするか、残存の重質留分中の硫黄含量がステップa3)で使用するための触媒にとって高すぎるようならばさらに厳しい条件とする。
・次いで、塔のための「初期」または「第1回の反復」操作条件を選択して、例えば、分離効率は精留のための5理論段とストリッピングのための15理論段とし、還流の質量流量は除去される軽質炭化水素液体留分の量と等しくする(使用する還流液は、生成した軽質炭化水素液体留分の一部とする)、ストリッピングガスの流量はステップa1)で消費される水素の100%に相当するものとするなどとし、例えば、塔への供給温度は、望むだけの量の軽質炭化水素液体留分が得られるように決める。さらにコンピューターシミュレーションを用いて、「初期」の作動条件(特に塔底温度)と、前記の条件で達成される分留を求める。
・次いで、好ましくは、その作動条件を修正して、別なパラメーター類(例えば、ストリッピングガスの流量、還流液の流量など)を変更することによってエネルギー的に一体化させる可能性を改良し、それによって、好ましくは塔の供給温度をステップa1)の反応器の出口温度に近づけ、ストリッピングステップの気液分離器の温度を好ましくは、ステップa1)などからの流出物を冷却させるための従来の手段と合わせる。次いで、シミュレーションによって得られた軽質炭化水素液体留分の硫黄含量と、シミュレーションによって得られたストリップされた液体留分の硫黄含量とを求める。これらの修正は、1回または複数の繰り返しステップで実施することができる。
・次いでステップa1)における脱硫の過酷度を、精留ゾーンの分離効率に合わせて調節し、軽質炭化水素液体留分の硫黄含量を所望の値に適合させ、場合によっては安全率を織り込む。ストリッピング塔中、特に精留ゾーン中で実施される分留は理想系ではなく、軽質炭化水素液体留分は実際には、(理想的な)カットポイントよりは沸点が高い硫黄含有生成物が少量は含まれる。ステップa1)において平均的な脱硫度をあてはめ、および/または精留ゾーンの分離効率を組み合わせてあてはめることによって、前記少量の比較的重質な硫黄含有生成物の存在を限定することができ、また、微量の前記硫黄含有生成物の存在を、軽質炭化水素液体留分中の他の化合物の平均硫黄含量を削減させることで埋め合わさせることも可能である。このようにして、所望の硫黄含量とすることは可能である。ステップa3)で想定している触媒に関して、ストリップされた液状流出物の硫黄含量が高すぎるような場合には、ステップa1)における脱硫度をさらに高くするか、ステップa3)には、硫黄の影響を受けにくい触媒を選択することができる。
ステップa3)の触媒が硫黄の影響を非常に受けやすいような場合(例えば、ステップa3)において主として芳香族化合物の水素化を実施するために選択される白金触媒)に使用できるような、本発明のプロセスのさらなる実施態様においては、ステップa1)のための条件を選択して、このステップからの全流出物およびさらにはストリップされた液状物が深度脱硫されて、例えば硫黄の残存濃度が多くても約200ppm、好ましくは多くても約100ppm、特に多くても約50ppm、非常に好ましくは多くても約10ppmまたはそれ未満となるようにする。
本発明のプロセスにおいては、水素化処理ステップa3)は、場合によっては、パラジウムおよび白金からなる群より選択された少なくとも1種の貴金属または貴金属の化合物を含む少なくとも1種の触媒(例えばアルミナに担持させた白金のタイプ、好ましくはアルミナに担持させた白金/パラジウム)で実施することができる。本発明のプロセスにおけるこの変形形態では、芳香族を水素化するための高い活性を有する第2の反応ステップa3)を有していてもよく、従って、ステップa1)が通常主として脱硫を実施し(一般に、従来タイプの触媒、例えばアルミナに担持させたコバルト/モリブデンまたはニッケル/モリブデンタイプの触媒を使用)、その一方でステップa3)では典型的には、補完的な脱硫および芳香族の水素化を実施して、特にセタン指数の改良を図る。貴金属または貴金属化合物タイプの前記触媒は、それらの配合および製造プロセスにもよるが、HS、NH、およびさらにはHOのように不純物が異なれば、異なった抵抗性を有している。アルミナに担持させた白金のタイプの触媒は一般に、アルミナに担持させた白金/パラジウムのタイプの触媒よりは硫黄および水分の影響を受けやすく、後者の触媒は一般に、従来タイプの触媒例えばアルミナに担持させたコバルト/モリブデン、またはニッケル/モリブデン触媒よりも硫黄および水分の影響を受けやすい。
ステップa3)で許容される水分含量に関しては、より有利には、触媒が貴金属(または貴金属化合物)タイプのものである場合には、実質的に水分を含まない(例えば2ppm未満)のストリッピングガスを使用することができ、必要があれば、ステップa3)に供給されるリサイクルガスを所望のレベルまで脱水させる(例えば当業熟練者に公知の乾燥剤を用いて、500ppm未満、または100ppm、または10ppm、またはさらに2ppm未満とする)。水レベルが非常に低いかまたは実質的に無水のストリッピングガスによって、ストリッピング塔に供給される原料流の液状部分中に含まれる水分をストリップする。
一般に、ステップa3)のための触媒が貴金属(または貴金属化合物)タイプのものである場合には、ステップa3)における不純物を減少させることを可能とする好適な技術要素としては、ストリッピング塔で可能な限り不純物(特にHS、NH、および場合によってはHO)を除去しておくことがある。この目的のためには、ストリッピング塔には、処理済みで精製した水素および/または1種または複数の供給源から取り出した補給用水素を使用したストリッピング水素(水素リッチガス)を供給するのが好ましく、この補給用水素は、実質的に不純物ゼロであって、好ましくは例えば、約5ppm未満、好ましくは2ppm未満のHSまたはNHしか含まず、またステップa3)の1種または複数の触媒の水分の影響の受けやすさにもよるが、場合によっては少量の水分、例えば500ppm未満、または100ppm、例えば10ppm未満、またはそれ以下の水分しか含まない。(従来からと同じであるが)ストリッピングガスが、接触改質ユニットからの補給用水素および/または水蒸気改質ユニットからの補給用水素であり、それらが(当業熟練者にはPSA(=pressure swing adsorption、圧力スイング吸着)として公知の)モレキュラーシーブまたはその他の固体吸着剤床を用いて精製をされているならば、これらの条件は一般に、実際には組み合わされている。
最後に、反応ステップa3)における硫黄および不純物含量に関する第3の好ましい技術要素は、(第1の要素はストリッピング液状流出物中の有機硫黄の量であり、第2の要素はストリッピングガス中の硫黄およびその他の不純物の量である)、反応ステップa3)に供給されるリサイクルガス中の硫黄およびその他の水素不純物の量である。
本発明のプロセスの1つの変形形態において、第2の水素化処理ステップa3)は、シングルパス中を循環している補給用水素によって構成される過剰の水素中で実施され、そして、第2の反応ステップからのガス状流出物(ステップa3)からの出口から分離されたもの)はステップa1)にリサイクルされる。この変形形態が使用できるのは、もし大部分の補給用水素が第1のステップ中で消費される場合、および(これは好ましいことではあるが)比較的高い割合の軽質炭化水素液体留分が製造されて抜き出される場合であり、そうすると、ステップa3)への原料流が大幅に減少し、きわめて少量の水素しか必要としない。この場合、第2の反応ステップa3)からの水素のように、すべて完全に補給用水素を使用することも可能であり、すると、ステップa3)からの出口における水素の量を触媒が必要とするのに充分な量に保ちながら、リサイクルループを形成することなく機能させることができる。この補給用水素は、接触改質および/または水蒸気改質ユニットからPSAユニットを経由して送られてきたものならば、実質的に不純物がゼロであり、特にPSAユニットの後では、通常高い水素純度(モルパーセント)を有している。
本発明のプロセスのさらなる変形形態においては、第2の水素化処理ステップa3)を、ステップa1)のリサイクルループとの混合ポイントを持たない特定の水素リサイクルループの存在下に実施する。その場合、ステップa3)のリサイクルループには、その水素が上述の供給源からもたらされるのならば、実質的に不純物ゼロの補給用水素が供給されて、ステップa1)の中に存在していることが多い不純物、特に高濃度のHSで「汚染」されていないことが好ましい。
本発明のプロセスのさらなる変形形態においては、第2の水素化処理ステップa3)が、第1のステップa1)の水素リサイクルループと共通、言い換えればステップa1)のループと混合ポイントを有する、水素リサイクルループの存在下で実施される。この場合、第2の反応ステップa3)においては非常に低いHS含量が有利であるならば、そのリサイクルガス(またはステップa3)に供給されるこのガスの少なくとも一部)を精製して、反応ステップa3)の上流でHSのほとんど全部を除去し、そのHS含量を例えば15ppm、さらには例えば10ppmまでにする必要がある。この処理には、当業者に公知の技術のアミン溶液を用いたガスの洗浄や、当業者に公知のその他のプロセスが含まれていてよい。この精製では、場合によっては、その後でこれも公知のプロセス、例えば酸化亜鉛床上での捕捉などの方法を使用して残存している微量のHSを除去してもよい。このようにすれば、ガスを精製してHSを5ppm未満、さらには1ppm未満とすることができる。
ガスの精製、あるいは最終的な精製をPSAタイプの分離(吸着)により実施することも可能である。
ガス精製処理については、例えば、欧州特許第A0 1 063 275号に記載されている。
ステップa3)の触媒が水分の影響を受けやすいような場合には、好ましくはアミン洗浄の後で、前記ステップに供給するリサイクルガスを、固体のモレキュラーシーブタイプの吸着剤(またはアルミナゲルまたはシリカゲルのようなその他の吸着剤)の上を通すか、または例えばジエチレングリコールまたはトリエチレングリコールで洗浄して水分を吸収させるか、または、当業者に公知のその他の水分除去プロセスを使用することによって、乾燥させることが可能である。ステップa3)において貴金属または貴金属化合物触媒を使用する場合に好ましい残存水分含量は通常、約500ppm未満、好ましくは100ppm未満、より好ましくは10ppm未満またはそれ以下であって、アルミナに担持させた白金触媒の場合には一般に上記の最低値が用いられる。しかしながら、アルミナに担持させたある種の白金/パラジウムタイプの貴金属触媒では、上に述べたよりはかなり高い水分含量にも耐えられる。
本発明のプロセスの任意ではあるが好ましい処理方法においては、洗浄水をストリッピング塔の塔頂の、冷却用の1基または複数の交換器(例えばリサイクルガス熱交換器または空冷式交換器)の上流で、蒸気の中に注入し、窒素含有化合物、特に反応器中で形成されたアンモニアおよびアンモニウムスルフィドを捕捉する。塔頂の蒸気と混合した後ではそれらの好ましくない化合物の大部分を含む、この水層を下流のストリッピングステップの気液分離器ドラムの中で回収するのが好ましく、また、軽質炭化水素液体留分とこの水層との間でデカンテーションを行わせるのが好ましい。回収された水層は次いで排出する。
本発明はさらに、本発明のプロセスを使用して水素化処理された少なくとも1種の留分を含む、ガス、ジェット燃料、灯油、ディーゼル燃料、ガスオイル、減圧蒸留留出物および脱アスファルト油からなる群より選択される各種炭化水素留分に関する。
本発明は、特に、扱いにくい並の品質の原料流を処理して、高品質燃料を製造するために使用することが可能な、高性能水素化処理プロセスに関する。そのプロセスには、少なくとも2つの反応ステップを含み、第1のステップからの流出物を加圧水素ストリッピング塔を用いて中間で分留して第2のステップの触媒にとって望ましくない不純物を除去すると共に、実質的に脱硫された軽質液体留分を製造して、そのものは第2のステップに供給しない。中間分留に含まれるのは、加圧水素を使用して第1のステップからの液状流出物をストリッピングすること、および実質的に脱硫された液体の還流液の手段によりストリッピング蒸気を精留することである。
このプロセスによって、第2のステップにおける汚染物含量、特にHSおよび水分がきわめて低くなるので、このことは第2のステップにおいて、貴金属ベースの触媒または貴金属を含む触媒を、それら触媒にとって最高の使用条件下で使用できる。さらに、第2のステップにおいて使用する反応器をより小さなものとすることが可能となり、そのためにそのユニットのコストが下がるとともにエネルギー効率を上昇させることができる。
本発明はまた、本発明のプロセスを使用することにより得られる、場合によっては部分的に脱芳香族化もされている、実質的に脱硫された炭化水素留分、および前記留分を含む各種炭化水素留分または燃料に関する。
本発明のプロセスによれば、各種の原料流および製品規格値に対して、本発明のプロセスは、第1の水素化処理ステップにおいて、存在する汚染物全部をより効率的に除去することが可能で、第2のステップに使用可能なベストの触媒を最適に使用でき、第2のステップの反応器のサイズを小さくすることが可能で、中間蒸留を必要としないので高いエネルギー効率が得られる。
本発明のプロセスを実施するのに好適な方法の中から4種の実施態様を図1〜4に示す。
図1には、本発明のプロセスの第1の実施形態を実施するための水素化処理ユニットのためのフローチャートを示しているが、前記ユニットには2つの分離された水素リサイクルループが含まれ、混合ポイントは無い。
この水素化処理ユニットの原料流、例えば直留中間留出物タイプの留分は配管1を経由して供給され、配管23中を流れてくる水素リッチなリサイクルガス流れが加えられる。それによって形成された混合物が配管2の中を流れて、原料流/流出物用熱交換器3の中で再加熱されてから、配管4を経由して炉5に送られ、炉の中で、第1の反応ステップa1)で必要な温度にまで昇温される。炉5の出口から、その反応混合物は配管6中を流れて、次いで水素化処理反応器7に供給されるが、この反応器は典型的には、固定触媒床の下向流反応器である。前記反応器7(第1の反応ステップa1)を実施)からの流出物は、次いで配管8を経由して原料流/流出物熱交換器3を通り、次いで配管9を経由してストリッピング塔10に供給される。
この塔にはさらに、2種類の供給源からの水素リッチなストリッピングガスが、配管34および58を経由して供給されている。すなわち、配管34を経由して供給されるガスは典型的には、補給用水素であって、中程度または場合によっては高純度で、HSおよび/または水蒸気のような不純物が実質的にゼロであるのが好ましい。このガスは、例えば、接触改質ユニットおよび/または水蒸気改質ユニットから得られるもので、PSAタイプの分離ユニットで最終的な精製をされたものであるのが有利である。
配管58を経由して供給されるストリッピングガスの第2の流れは、任意である。前記の流れは、ステップa3)に供給される水素リッチガス(補給用)が過剰であった場合に供給されるものであって、その過剰ガスが、配管58を経由して供給されるストリッピングガスとして(特に)使用することが可能である。反応ステップa3)における過剰の補給用水素をこのようにして使用することによって、このステップにおけるリサイクルガスの純度が上昇する。
このストリッピング塔には、図1には示していない他のストリッピングガス源からも供給することは可能であり、具体的には、場合によっては、配管23の中を流れるリサイクルガスから取り出したストリッピングガス(充分に純度が高ければ)を供給することも可能で、塔中には、配管58を経由するREC2ループのためのパージガス供給口と同じかそのすぐ上から導入する。
一般的に言って、塔10に供給される1種または複数のストリッピングガスは、(特にそれらがリサイクルループから来る場合には)、予め乾燥装置(任意、図示せず)中で乾燥させておいて、(さらに詳しくは、水素化処理ステップa3)の触媒が、水分の影響を非常に受けやすい貴金属を含んでいる場合には)このストリッピングステップから実質的に水分を除去するのがよい。
一般的に言って、塔10に供給される1種または複数のストリッピングガスはさらに、(特にそれらがリサイクルループから来る場合には)、例えばアミンを用いて洗浄しさらに任意工程として酸化亜鉛床の上で吸着させることによって、少なくとも大部分のHSを除去して予め精製しておき、(さらに詳しくは、水素化処理ステップa3)のための触媒が、HSの影響を非常に受けやすい貴金属を含んでいる場合には)このストリッピングステップでより完全にHSをストリップできるようにしておくのがよい。
しかしながら、このストリッピングガスが接触改質装置からの補給用水素で実質的に不純物を含まないような場合には、ストリッピングガス(1種または複数)をこのように精製することは一般的には、必要ない。この補給用水素が少なくとも部分的には水蒸気改質で製造されたものである場合には、水蒸気改質の後で、好ましくは(一般に99.5を超える)非常に高純度の水素を製造できる、モレキュラーシーブまたは同等の吸着剤処理(PSAタイプ分離)の上で、水素以外の化合物をほとんど完全に除去しておくのが好ましい。
ストリッピング塔10には、主原料フィード(反応器7からの流出物)より上の部分には、例えば5〜14理論段の範囲の分離効率を有する精留ゾーンがあり、供給ポイントより下には8〜20理論段の範囲の分離効率を有する液体の流れのためのストリッピングゾーンがある。
塔10の塔頂からのガス状流出物は配管11の中を通って、配管25を経由して供給される洗浄水が補われてから、空冷式交換器12の中で冷却して部分凝縮され、次いで配管13を経由して移送されてから、ストリッピングステップの気液分離器ドラム14の中で分離される。前記ドラム14は3つの相の間の分離を行う。すなわち、
・配管16に送られるガス流れ、すなわち「ガス状ストリッピングステップ流出物」。
・配管15を介して抜き取られ、非常に低い硫黄含量、例えば10ppm未満を有する、軽質炭化水素液体留分。前記軽質炭化水素液体留分の第1の部分は、配管15を経由して還流液として塔10にリサイクルされ、残りの液体留分、すなわち「軽質炭化水素液体留分の抜き出し部分」は次いで抜き出され、配管27を経由して下流で排出される(すなわち、このものは反応ステップa3)で処理されることもなく、またさらなる水素化処理ステップも受けない)。場合によっては、軽質炭化水素液体留分の一部を(図1には図示されていない配管を経由して)さらに戻して、ストリッピング塔への供給物と混合し、塔10のすぐ近くの上流側で反応器7からの流出物を限定的に冷却することも可能であり、ストリッピング塔への供給物の温度を任意に一定に保つことができる。
・配管26を経由して排出される、一般に窒素含有不純物を含む水性液体相。
軽質炭化水素液体留分として除去される割合は、例えば、ステップa1)からの最初の原料流の約30重量%であってもよく、それによって、ステップa3)の反応器には最初の原料流の約70重量%しか供給されないので、この反応器のサイズを小さくすることができる。
塔底10における液状物、すなわち「ストリップされた液状流出物」は、配管41を経由して第2の反応ステップa3)に送られる。
配管16中を流れるストリッピングステップのガス流出物は、場合によっては、装置17を通過させて、そのガスの中に含まれるHSの少なくとも一部を除去する。この装置17は典型的には洗浄装置、またはアミン溶液を使用したHS吸収装置であってよく (アミン溶液の入口および出口は、図1には図示せず)、それはさらに、HSを除去するための機器、および/またはHSと水とを除去する機器であってもよく、例えば、アミン洗浄装置とHSの精製を行ったガスのための乾燥装置とを連結したものであって、上に記載した機器の1つを使用してもよいし、あるいは当業者に公知のまた別な機器であってもよい。その装置17(図1においては単一の装置として描かれているが、HSを除去し次に水を除去するような2つ以上の機器が含まれていてもよい)は必須ではない。すなわち、それを使用するかどうかは、いくつかのパラメーター、特に原料流中の硫黄含量、および第1の反応器7で使用される空間速度に依存するが、もしそれが充分に低ければ、REC1ループ中でアミン洗浄をしなくても、第1のステップa1)の中で所望の脱硫が可能となる。
前記装置17の出口から、ガスは配管18の中に流れ、配管59の中を流れてきた水素化処理された液体留分の流れと合流し(この混合または接触または配管19内での接触の目的は、ステップa1)のリサイクルループ中に存在する軽質炭化水素を捕捉して除去するためである)、次いで気液分離器ドラム20に入る。
ドラム20からの液状流出物または液状接触流出物は配管24を経由して排出され、水素化処理ユニットからの液状流出物を構成する(さらなる流出物、前記「軽質炭化水素液体留分の抜き出し部分」は配管27を経由して排出される)。これら2つの流出物は、場合によっては混合することも可能であるし(それらは、気液分離器ドラム20の上流側で接触させて配管24を経由して共に抜き出されてもよいし、あるいは気液分離器ドラム14の上流側で接触させて、配管27を経由して共に抜き出されてもよい)、あるいは別々なままで下流に送られてもよい。典型的には、このユニットからのこの2種の液状流出物の混合物は、硫黄含量が50ppm未満、特に30ppm、好ましくは10ppm、例えば約5ppm未満である。この2種の液状流出物の混合および/または分別のための(任意の)手段は図1には示されていない。
ドラム20の中で分離されたガス、すなわち「ガス状接触流出物」は、リサイクルガスとして配管21を経由して圧縮機22に送られ、次いで配管23を経由して反応ステップa1)の入口にリサイクルされる。
配管41の中を流れるストリップされた液状流出物は、ポンプ40で加圧されて、反応ステップa3)のために充分な値にまで昇圧されるが、この例における前記圧力はステップa1)の圧力よりは高い。ポンプ40から排出されたところで、この液体に、配管56を経由して供給される水素リッチガスが加えられ、次いで配管43の中を流れて、原料流/流出物熱交換器44を通過し、次いで配管45の中を流れて、交換器(または炉)46で(再)加熱され、次いで配管47を経由して反応ステップa3)の反応器48に入る。前記反応器の出口から、流出物は配管49を経由して移動し、交換器44を通過し、配管50の中を流れ、そして空冷式交換器51で冷却され、次いで配管52の中を流れて、「第2の反応ステップの気液分離器」と呼ばれるドラム53に達する。「水素化処理された液体留分」と呼ばれる液体留分が配管59に送られて、第1の反応ステップa1)のためのリサイクルループの配管18中を流れるガスと混合され、一方で「第2の反応ステップからのガス状流出物」と呼ばれる気体留分は、配管54を経由してガスリサイクル圧縮機55に送られる。場合によっては、前記気体留分の一部(おそらくは、過剰ガス、すなわち、ステップa3)の水素リサイクルループ中のすべてのパージガス)を除去して、(任意の)配管58を経由してストリッピング塔10の下部(および/または、場合によっては、図には示されていない手段を用いて、ステップa1)の水素リサイクルループ中の任意のところ)に送る。
次いで補給用水素の流れを、圧縮機55の上流側で、配管54の中を流れる残存のガス流れに加える。この流れは配管31を経由して上流から供給されるが、場合によっては(任意の)乾燥装置32(または好ましくは分離器およびPSAタイプの精製機器)を通過してきて、配管33の中を流れ、配管54につながっている。
前記の水素添加をした後で、次いで前記ガスを圧縮機55の中で圧縮して、配管56を経由して反応ステップa3)の入口にリサイクルする。
図1に示したユニットの中で、ステップa1)のリサイクルループには、今後は「ガス流路」と呼ばれる以下の要素が含まれる。すなわち、21、22、23、2、3、4、5、6、7、8、3、9、10(供給口9よりは上に位置する塔の上側部分、供給されたガスは塔内を上昇する)、11、12、13、14、16、17、18、19、20、そして21で、これでループが閉じることになる。
ステップa3)のリサイクルループには以下の要素が含まれる。すなわち、54、55、56、57、43、44、45、46、47、48、49、44、50、51、52、53、そして54で、これでループが閉じる。
図1のユニットにおいては、前記2つのリサイクルループには共通部分がなく、混合ポイントが存在しないことが判る。ステップa3)のループには、(配管33を経由して)外部からの補給用水素だけが供給されていて、そのために、ステップa1)のループ中には存在することの多い不純物(HS、NH、場合によってはHO)や1〜4個の炭素原子を含む軽質炭化水素による汚染が避けられる。
このユニットには、図1には示されていないような他の要素を含んでいてもよく、例えばそのようなものとしては、
・配管23のポイントから分岐されて反応器7の中央部分(2つの連続した触媒床の間に位置する1つまたは複数のゾーンの中)に供給される1本または複数の急冷ガス配管。
・配管23の1つまたは複数のポイントから分岐されて塔10に供給される、1本または複数のストリッピングガス配管、などがある。
このユニットにはさらに、ステップa1)のためのリサイクルループ中のポイントからパージガスを排出するための配管、および/またはストリッピング塔を経由することなく(例えば配管23のところで)このループの中のポイントから補給用水素を導入するための配管などが含まれていてもよい。
同様にして、ステップa3)のリサイクルループにおいても図1に示されていないような要素が含まれていてもよく、例えば、配管56中のポイントから分岐され、反応器48の中間の位置(触媒床の間のゾーン)に供給される1本または複数の急冷配管などである。このユニットにはさらに、ステップa3)のためのループ中のポイントからパージガスを排出して、ステップa1)のためにループに供給することも、あるいはそのパージガスをステップa1)のループには供給しないことも、含まれていてもよい。
本発明の範囲には、熱交換器および相当の装置の追加および/または削減、および/またはこのユニットの熱の統合を異なった方法で組み立てることなどもまた含まれる。1例を非限定的に挙げてみると、ステップa3)のループの交換器46は炉5そのもの(またはその炉の一部、特に炉の対流ゾーンの一部)であってもよい。ステップa3)からの流出物を用いて、ステップa1)への原料流および/または特にストリッピングのための補給用水素および/またはステップa3)のためのループのリサイクルガスを予熱することも可能であるし、あるいは、塔10の塔頂における流出物の熱を回収して、例えば、ステップa3)のループのためのリサイクルガスおよび/またはステップa1)ループからのリサイクルガスおよび/またはストリッピングガスおよび/またはステップa1)への原料流を加熱することも可能である。還流液を例えば塔などへ再導入する前の塔頂流出物と熱交換させることによって、再加熱して、例えば約100〜200℃の範囲の温度とすることも可能である。
好ましくは、ステップa1)への原料流をステップa3)からの流出物と(図1には示していないが、配管2の上に位置する1基または複数の熱交換器の中で)熱交換させて、それによって交換器3に反応器7からの流出物のための冷却力を持たせて、高くても90℃、好ましくは高くても70℃、例えば高くても約50℃までとする。
当業熟練者ならば、ユニット中で移動している流れの間で、それらそれぞれの温度に応じて、また別の熱交換を利用することは可能である。
本発明の範囲にはさらに、HS精製装置17の位置を変更することも含まれていて、その装置を圧縮機22の下流側(配管23中に)位置させることもできる。
同様にして、本発明の範囲には、前記軽質炭化水素液体留分の一部(抜き出す部分とは別に)を、ステップa1)または補完的な水素化処理ステップにリサイクルすることも含まれる。しかしながら、ステップa1)のための条件は、軽質炭化水素液体留分の抜き出し部分を直接下流側に排出し、そして場合によってはそれを水素化処理された留分の一部または全部と混合するか、および/またはそれを分留して(例えば、単独または混合物としてストリッピングによってHSを除去して安定化させる)例えばディーゼル燃料として使用できるように決めるのが好ましい。ステップa1)において充分に効果的な脱硫ができるようにして、前記軽質炭化水素液体留分のどの留分にも補完的な水素化処理をしたりステップa1)にリサイクルしたりすることなく、軽質炭化水素液体留分の硫黄含量がその用途に適したものとなっているのが好ましい。
本発明の範囲にはさらに、2つの反応ステップa1)およびa3)の内の一方またはそれぞれが、1基ではなく、直列に接続した2基以上の反応器の中で実施され、場合によっては中間で(間接的熱交換、または冷たい液またはガスによる急冷による)温度の調節をするか、または1基の反応器の中に直列の複数の反応ゾーン(同一の触媒でも、異なった触媒でもよい)を設けて実施することも、含まれる。
この水素化処理反応器(7、48)は典型的には、固定触媒床で、ガスおよび液体が下向き流れとなる反応器である。本発明の範囲には、1基または複数の反応器が、さらに別なタイプまたは複数の別なタイプの組合せであるようなものも含まれていて、具体的には、移動床タイプまたは沸騰床(リサイクルガスの導入による)または流動床(リサイクルガスによる流動)、またはガスが上向き流で、液が下向き流となるような固定床または移動床などが含まれる。
図2、図3および図4に、本発明のプロセスのまた別な実施形態を実施するための、ユニットの実施形態を示すが、複数の図で共通な要素に対しては同一の参照番号を使用している。これら共通の要素は通常、別の図ですでに説明している場合には、再度説明することはしない。
図2、図3および図4のユニットにおける実施形態では、図1のユニットとは対照的に、単一の水素リサイクルループ、従って単一の水素リサイクル圧縮機しか含まれない。
ここで図2について説明する。
図2のユニットが図1のユニットと違う第1の点は、そのリサイクルループに関して、である。図2のユニットでは、単一の圧縮機55があるだけで、それが2つの反応ステップのためのリサイクル水素を圧縮し、前記リサイクル水素が、2つの反応ステップ、すなわちまずステップa1)次いでステップa3)へと順に移動していく。
図1のユニットとのまた別の違いは、ポンプ加圧または移送手段に関するもので、これは異なった反応ステップにおける圧力と関係がある。図1のユニットとは対照的に、図2のユニットでは、ステップa1)における圧力よりもステップa3)における圧力の方が低い。従って、ストリッピングの液状流出物を配管41経由で移送するのにポンプを使用する必要はない。
さらなる違いは、水素化処理された液体留分とリサイクルループのガスとの間の接触に関わるもので、図2のユニットではステップa3)の下流側(気液分離器53のところ)で実施されていて、単一のリサイクルループが使用されているために、図1における分離器ドラム20は省略されている。
配管1の中を流れる図2のユニットのための原料流に、配管56中を流れてくるリサイクル水素を加え、次いで熱交換器70の中で、第2の反応ステップa3)のための反応器48からの流出物と熱交換させる。水素を加え予熱したこの原料流を、ユニットの第1の反応ステップa1)に相当する部分に入れる。第1のステップa1)のための反応器7の出口から、この反応器からの流出物を再加熱や冷却をすることなく、直接ストリッピング塔10に供給する。ストリップされた液状流出物もまた、追加の再加熱をすることなく、直接第2の反応ステップa3)に送る。
S除去装置17(ステップa3)で水分の影響を受けやすい触媒が使用されている場合には、HSを除去した後で水分も除去してもよい)の出口から、精製されたリサイクルガスが配管18の中を流れ、次いで熱交換器72の中で再加熱されるが、この熱交換は(図2には示されていないが)、この精製されたガスと、例えばステップa3)からの流出物または塔頂10からの流出物との間で実施される。精製されそして再加熱されたリサイクルガスは次いで、配管65、さらに配管47を経由して、このガスは直接すなわち補助的な再加熱なしで、供給されるストリップされた液状流出物に加えてから、反応器48に入る。
従って図2に示したタイプのユニットでは、ストリッピング塔の中に比較的高温(例えば約310〜350℃)で供給することが可能であり、例えば、最初の原料流の約30〜70重量%に相当するような大量の軽質炭化水素液体留分を分離、除去することが可能であるが、ただし前記の数値に限定される訳ではない。
補給用水素がストリッピングガスとして配管34を経由して供給されるが、その一部または全部を水素リサイクルループの中の他のポイントで供給することも可能である。
前記ユニットでは、例えば(これに限定される訳ではないが)、ステップa1)においては従来タイプの触媒、例えばアルミナに担持させたコバルト/モリブデン、またはアルミナに担持させたニッケル/モリブデン系のもの、そしてステップa3)においては貴金属触媒、例えばアルミナに担持させた白金/パラジウム系のものを使用することができる。
図2に示されたその他の要素については、図1に関連して先に述べた。
図3に示すユニットには、図2のユニットと同様に、単一の水素リサイクルループを含むが、前記リサイクル水素が、2つの反応ステップ、すなわちまずステップa3)次いでステップa1)へと、リサイクル圧縮機を出発点とすると、図2とは逆の順序で、移動していく。
図3のユニットにおいては、図2のユニットにおけるのとは対照的に、反応ステップa3)中の圧力の方が反応ステップa1)中での圧力よりも高く、ポンプ40を使用することでストリップされた液状流出物を移送して配管42の中へ流し、限定再加熱炉73を通過させてから配管66中を流して、配管65中を流れてきたリサイクルガスと混合ポイントで合流させ、それから配管47を経由して第2の反応ステップa3)のための反応器に供給する。典型的には、ストリップされた液状流出物を炉73で限定的に再加熱するが、多くても約90℃、通常は多くても約70℃、たいていは多くても約50℃の昇温をさせる。炉73の上流での温度は通常、255〜375℃の範囲であるのに対して、炉73からの出口における温度は、285〜390℃の範囲である。
配管1を経由して供給されるこのユニットへの原料流は、配管54の中を流れてくる第2の反応ステップからのガス状流出物で構成されるリサイクルガスと混合されてから、配管2を経由して熱交換器70に入り、ステップa1)の原料流全体(すなわちリサイクル水素を含む)とステップa3)からの流出物全体との間で熱交換される。
図3に示されたその他の要素については、図1および/または図2に関連して先に述べた。
図3に示したタイプのユニットでも、ストリッピング塔には比較的高温で供給することが可能であり、例えば、最初の原料流の約30〜70重量%に相当するような大量の軽質炭化水素液体留分を分離、除去することが可能であるが、ただし前記の数値に限定される訳ではない。
ここで図4について説明する。
このユニットにおいては、圧縮機22からのリサイクルガスは、反応ステップa1)だけにフィードされる。反応ステップa3)へ供給される水素は、反応ステップa3)だけに単回通過、すなわちリサイクルなしの補給用水素のみである。この補給用水素は、配管31を経由して供給され、熱交換器74の中で再加熱されてから配管65を経由して、ストリップされてから再加熱された液状流出物と合流し、次いで配管47を経由して反応器48に供給される。第2の反応ステップからのガス状流出物(ステップa3)からの残存水素)は配管54の中を流れて、熱交換器75の中で再加熱されてから、配管34を経由してストリッピングガスとして塔10に供給される。
一般的に言って、その第2の流体が特定されていない交換器類(熱交換器類)では、その温度さえ充分であれば、ユニット中を流れている他のどのような流体を第2の流体として使用してもよい。1例を挙げれば、水素再加熱用の交換器74および75では、その熱源として、塔頂流出物またはステップa3)からの流出物を使用することができる。
図4に示されたその他の要素については、先行する図面の少なくとも1つに関連して先に述べた。
図4のユニットは、ステップa1)における方がステップa3)におけるよりも水素消費量が相対的に高いような場合に使用することができ、前記第2のステップの際に、充分な残存ガス−キャップガスを確保することが可能である。
図1〜4、特に、リサイクルガスが2つの反応ステップ中を直列に流れるような図2および3の設備のステップa3)において貴金属触媒または貴金属化合物触媒を使用する場合には、参照番号17を付けた装置は一般に、第2の反応ステップa3)における不純物レベルをきわめて低く抑えるよう設計される。
参照番号17を付けた装置には、HSを除去してその残存量を例えば10ppmとするようなアミン洗浄装置と、その後に、水分の残存量が約500ppmまたは100ppm、さらには、触媒が水分の影響をきわめて受けやすいような場合には10ppmになるまで水分を除去するための乾燥装置とを備えることができる。参照番号17を付けた装置では、場合によっては最終的に、例えば酸化亜鉛のHS捕捉床のような、微量の残存HSを除去するための機器を(装置の最後の部分に)備えていてもよい。それとは別な方法で、そのような捕捉床を反応器48の中で一体化させておくことも可能である。装置17の中で任意に実施される機能(アミン洗浄、部分的または完全な脱水、酸化亜鉛床での微量HS除去)は、図1〜4には図示されていない、別途の装置で実施することもできる。
本発明は、図1〜4に図示された設備に限定されるものではない。1例を挙げれば、図2のユニットで、(図3のユニットにおけると同様にして)ストリップされた液状流出物を再加熱するための炉を使用することも可能であるし、逆に、図3のユニットで、ストリップされた流出物を再加熱するための炉を無くすことも可能である。図1〜4の設備にはさらに、ステップa1)の反応器7からの流出物のために加熱炉を無くして直接ストリッピング塔10に供給するようにしてもよいし、あるいは、ストリップされた液状流出物のための加熱炉を無くしてステップa3)の反応器48に直接供給してもよい。場合によっては、例えば、比較的低温で機能するような貴金属または貴金属化合物触媒を使用するような場合には、ステップa3)の反応器48の上流側に、ストリップされた液状流出物を冷却するための交換器を設けて、前記ストリップされた液状流出物を再加熱するための炉を無くすことも可能である。本発明の範囲にはさらに、ストリッピング塔10の上流側で、反応ステップa1)からの流出物を、限定的に(例えば、多くても90℃までまたは多くても70℃)再加熱することも含まれる。
図2〜4に示した設備、および本発明のその他各種ユニット(場合によっては他のフローチャート)には、図1に関連した説明した1種または複数の機器または装置が含まれていてもよい。
当業熟練者ならば、本発明のユニットの概念を容易に理解することが可能であろうが、これに含まれるのは、
・ステップa1)のための反応器7の下流側で、かつストリッピング塔10の上流側には、(反応器からの流出物を、好ましくは多くても90℃まで、より好ましくは多くても70℃まで、特に多くても50℃、冷却するための)冷却用交換器、または(反応器からの流出物を、好ましくは多くても90℃まで、より好ましくは多くても70℃まで、特に多くても50℃、再加熱するための)炉、のいずれか、または熱移動装置なし。
・ストリッピング塔10の下流側で、かつステップa3)の反応器48の上流側には、(ストリップされた液状流出物を、好ましくは多くても90℃まで、より好ましくは多くても70℃まで、特に多くても50℃、冷却するための)冷却用交換器、または(反応器からの流出物を、好ましくは多くても90℃まで、より好ましくは多くても70℃まで、特に多くても50℃、再加熱するための)炉のいずれか、または熱移動装置なしで、前記ストリップされた液状流出物は次いで、(好ましくは加熱した)水素、例えば加熱したリサイクル水素の流れを添加した後、直接第2の水素化処理反応器48に供給される。
・ストリッピング塔10においては、場合によっては、塔底液のためのリボイラー(図1〜4には図示せず)を使用して、例えば塔底温度を、255〜390℃の範囲、好ましくは約305〜390℃の間に維持することも可能である。
本出願において説明した設備において、さらに一般的にはこのユニットのフローチャートには関係なく、当業熟練者ならば、ユニット内で移動している複数の流れの間で、前記各種の流れのそれぞれの温度を利用して、熱を交換させることも可能である。
当業熟練者ならば、2段またはそれ以上(例えば3段)の水素化処理ステップにおいて、また別の水素化処理ユニットのフローシートで、機能する本発明のユニットについても、概念を容易に理解することが可能であろう。本発明の方法は具体的に、先行技術中または、前記出願中に引用された特許のいずれかに記載された設備の1つを修正することによって得られるユニット中(および第1の水素化処理ステップと第2の水素化処理ステップの間に水素ストリッピングを含む)で使用することもできるが、そのためには、
・ストリッピング塔に、実質的に脱硫された還流液の流れが導入される、充分な理論段数を有する精留セクションを加える。
・好ましくは、実質的に脱硫された軽質炭化水素液体留分の部分の下流側に直接排出用配管27を加える。
・(動力を削減するために)ステップa1)のための反応器7の下流側かつストリッピング塔10の上流側、または、ストリッピング塔10の下流側かつステップa3)の反応器48の上流側のいずれかに位置させる、再加熱炉(または交換器)または冷却用交換器を、任意に加えるか、任意に除くか、または任意に変更する。
1例を挙げれば、そのユニットには単一の水素リサイクルループを含み、リサイクル圧縮機の下流側で、リサイクルガス循環配管を分岐させて特に、2つの水素化処理ステップa1)およびa3)のための反応器に個別に並行して供給する2本の配管とし、好ましくはステップa3)にリサイクルされる(反応器の上流側、および触媒床の間に)水素の流れ(1つまたは複数)を処理するための精製機器(HS除去および場合によっては水分除去)を含み、そして場合によっては精製されたリサイクル水素からストリッピングガスを供給する。
本発明のユニットはさらに、第1の反応ゾーンa1)からの流出物(反応器7の下流側)のための気液分離を含めて、ストリッピング塔には前記分離器からの液体だけを供給するようにすることもできる。この場合、反応器7からの流出物は、比較的低い温度(例えば約120℃未満、例えば約50℃に)冷却するのが好ましい。前記の比較的低温の分離器からのガスは、次いで精留にかけることもできるし、あるいはそこでは精留しなくてもよい。
しかしながら、本発明によれば、塔には第1の反応ゾーンa1)からの流出物の全部を供給するのが好ましい。
一般に、本発明による炭化水素原料流を水素化処理するためのユニットには、以下のものが含まれる。
・少なくとも1基の第1の水素化処理反応器7を含む、第1の水素化処理反応セクション。
・第1の反応器7の上流側に接続され、水素リッチガスを用いて前記反応器からの流出物をストリップするための、加圧ストリッピング塔10を含むストリッピングセクションで、そこでは、塔10の塔頂が、塔10からのガス状流れを冷却して部分凝縮させるための手段12に接続されるが、前記冷却手段は、少なくとも1基のストリッピングステップの気液分離器14の下流側に接続されている、ストリップセクション。
・第2の水素化処理反応セクションであって、ストリッピング塔10の底部の上流側に接続され、前記ストリッピング塔10の底部から出てくるストリップされた液状流出物を水素化処理するための、少なくとも1基の第2の水素化処理反応器48を含み、第2の反応ステップ気液分離器53の下流側に接続される、第2の反応セクション。
前記ストリッピング塔10には、第1の反応器7からの流出物のための供給口より上に、少なくとも1理論段の分離効率を有する精留ゾーンを含み、前記ゾーンの上側が実質的に脱硫された還流液を供給するための配管15に接続されている。
好ましくは、このユニットにはさらに前記ストリッピングステップの気液分離器14から除去された軽質炭化水素液体留分を下流に直接排出するための配管27が含まれ、前記排出配管は、前記ストリッピングステップの気液分離器14の上流側に接続されている。
前記精留ゾーンは、2〜20理論段、特に5〜14理論段に相当する効率を有する塔セクションであるのが好ましい。(供給口より下側に落ちてくる液をストリッピングする)ストリッピング塔のストリッピングセクションに加えて、棚板例えば多孔板および/または充填要素(例えば、当業者に公知のポールリングまたはラシヒリング)、または分留効率を有するその他の同等の技術手段を含んでいてもよい。
このユニットには、ストリッピングステップの気液分離器14の上流側に接続された、実質的に脱硫された還流液を供給するための配管15が含まれることも多い。さらに、ガス/第2の反応ステップ液体分離器53の上流側に接続された、実質的に脱硫された還流液を供給するための配管が含まれていてもよい。さらなる実施形態においては、塔頂10を少なくとも1本の接続配管11、13を経由してストリッピングステップの気液分離器14に接続するが、前記の接続配管は第2の反応ステップの気液分離器53に接続され、例えばガス状塔頂からの流出物が、水素化処理された液体留分の全部または一部と接触できるようにする。1つの代替えの方法としては、ステップa3)からの(全部の)流出物を回収して、ストリッピング塔の塔頂からの流出物と混合することも可能である。この場合、ストリッピングステップの気液分離器と第2の反応ステップの気液分離器は、同じ装置(共通)である。しかしながら、この装置は分離されているのが普通である。
ストリッピング塔の塔頂からの流出物を冷却して部分凝縮させるための手段12には、当業者に公知の各種のタイプ(または数種類のタイプ)の1種または複数の熱交換器を含むことができ、非限定的に例を挙げれば、1本または複数の管式交換器および/または直列に配したプレート交換器で、1種または複数の他のより冷たい流れを用いて熱交換を実施するが、場合によっては空冷式交換器および/または水冷却器を後につなぐ。
塔頂からの流出物は任意に、複数の、特に2段のステップで冷却することが可能で、最初の冷却に続けて第1のストリッピングステップの気液分離器における気液分離を行い、前記第1の分離器からのガスに第2の冷却を行って、第2のストリッピングステップの気液分離器の第2の気液分離に続ける。第1の分離は、場合によっては、実質的に脱硫された還流液を与え(場合によっては凝縮した液の全部を還流として使用する)、第2の分離は、場合よっては、直接下流に抜き出される軽質炭化水素液体留分を与える。さらに、第1のストリッピングステップの気液分離器の上流側を流れている流れ、および/または、この方が好ましいが、第2のストリッピングステップの気液分離器の上流側を流れている流れ(第1の分離器からのガス状流出物)を、水素化処理された液体留分の全部または一部と接触させることも可能である。洗浄水を注入することは、任意ではあるが好ましく、これらの気液分離器のいずれかまたはそれぞれの上流側で実施することもできる。
本発明のユニットの好ましい実施形態の1つにおいては、第1の水素化処理反応器7を、前記反応器からの流出部のための限定冷却手段3の下流側に直接接続するが、この冷却手段は(前記流出物を冷却するときに)多くても90℃、好ましくは多くても70℃、特に多くても50℃に相当する冷却能力を有していて、この限定冷却手段3はストリッピング塔10の下流側に直接接続される。「直接」という用語は、その接続を単純な配管で実施し、途中に熱交換器がないということを意味する。
限定的な冷却手段とは一般に、他と熱を交換する熱交換器(どのようなタイプでもよく、例えば管式交換器またはプレート交換器)で、ユニット、例えばステップa1)への原料流またはその他の冷却流体など、より冷たい流れがそのユニットの中に流れていて、さらに、直列および/または並列に複数の交換器が構成されていてもよい。水素化処理反応器7からの流出物を、より冷たい液体流れ、特に(典型的にはストリッピングステップの気液分離器で回収される)軽質炭化水素液体留分の一部と混合することによって限定的な冷却を使用することも可能であり、この限定された冷却手段にはより冷たい液体流れを供給するための配管が含まれる。この限定的な冷却は、時間的に調節したりおよび/または変化させたりすることが可能であり、例えばストリッピング塔への供給温度を一定に保ちながら、反応器の出口における温度7を時間とともにすこしずつ上昇させて、(特に経時変化および/または触媒のコーキングが原因の)時間経過に伴う触媒活性の低下を補うことができる。
ストリッピング塔への供給温度は、例えば、適切な手段を使用して冷却流体の流量を(直接的または混合によって)変化させる、および/またはその限定冷却手段を部分的にバイパスさせることによって調節することが可能である。
本発明のユニットのさらに好ましい実施形態においては、第1の水素化処理反応器7の下流側にストリッピング塔10を直接接続する。そのようにすると、この反応器と塔との間には中間の熱交換器は存在しない。
以下の実施例を用いて、本発明のプロセスにおいて使用される操作条件を、非限定的に説明する。
(実施例1)
処理にかける原料流:以下の特性を有する直留ガスオイル:
蒸留間隔(5〜95%蒸留):210〜370℃
密度:0.85
硫黄含量:10000ppm
セタン指数:48
第1のステップa1)における操作条件:
触媒:HR416、アルミナに担持させたCo−Mo触媒、アクセンス(AXENS、旧プロカタリーゼ(PROCATALYSE))販売
反応器出口温度:350℃
反応器出口圧力:4.2MPa
分圧、反応器出口:2.5MPa
HSV(時間当たりの空間速度):2.0h−1
水素(反応器入口+急冷):200Nm/m(原料流)
ステップa1)で消費される水素:0.5重量%(原料流基準)
ステップa2)における操作条件:
ストリッピング塔入口温度:320℃
ストリッピング塔入口圧力:4.0MPa
供給段より上の理論段数:9
供給段より下の理論段数:15
還流の性質:軽質炭化水素液体留分の一部(硫黄含量8ppm)
還流比(塔への炭化水素原料流基準):0.33kg/kg/
ストリッピング水素:第1のステップ中で消費される水素の95%に相当する流量
ストリッピング塔ボトム温度:315℃
除去される軽質炭化水素液体留分の量:約30重量%(最初の原料流基準)
ストリップされた液状流出物の流量:最初の原料流の約70重量%
第2の反応ステップa3)のための操作条件:
触媒:HR448触媒、アルミナに担持させたNi−Mo、アクセンス(AXENS、旧プロカタリーゼ(PROCATALYSE))販売
反応器入口温度:315℃
反応器出口温度:335℃
反応器出口圧力:4.9MPa
HSV:1.5h−1
水素(入口+急冷):350Nm/m(ステップa3)のための原料流)
この2段水素化処理によって以下のような結果が得られた。すなわち、
ステップa1)からの全流出物の液体留分の硫黄含量(有機、すなわちHS以外):約250ppm
除去された軽質炭化水素液体留分(最初の原料流の30重量%に相当)の硫黄含量:8ppm
ストリップされた液状流出物中の硫黄含量:約355ppm
水素化処理された液体留分中の硫黄含量:8ppm
全部の再構成された液状流出物(水素化処理された液体留分+軽質炭化水素液体留分の抜き出し)の硫黄含量:8ppm
再構成された全液状(安定化)のセタン指数:51
(実施例2)
原料流、第1の反応ステップa1)、およびストリッピングステップa2)は実施例1と同じであった。実施例2が実施例1と異なっている点は、反応ステップa3)において、貴金属系のアルミナに担持させた白金/パラジウムのタイプの触媒を使用したことである。
第2の反応ステップa3)のための操作条件:
触媒:アルミナに担持させた白金/パラジウム、含量(重量%):0.23%白金;0.84%パラジウム;1.13%塩素;4.20%フッ素
反応器入口温度:315℃
反応器出口温度:335℃
反応器出口圧力:4.9MPa
HSV:4.3h−1
水素(入口+急冷):350Nm/m(ステップa3)のための原料流)
実施例2のステップa3)のこの水素化処理によって以下のような結果が得られた:
水素化処理された液体留分の硫黄含量:8ppm
全部の再構成された液状流出物(水素化処理された液体留分+軽質炭化水素液体留分の抜き出し)の硫黄含量:8ppm
再構成された全液状(安定化)のセタン指数:56
原料流は、実施例1と2では、最終的には同じ含量にまで脱硫された。実施例2のユニットでは、貴金属系のアルミナに担持させた白金/パラジウムのタイプの触媒をステップa3)で使用したが、より大きな時間当たりの空間速度が使用できる(そのために、反応器のサイズが小さくできる)ことと、セタン指数が5ポイントあがるという大きな利点があった。しかしながら、この触媒はかなり高価である。
この2つのケースでは、第2のステップからの反応器で、軽質炭化水素液体留分を製造しないユニットに比較して、実質的に触媒容積を減らすことができ、ステップa3)に供給される原料流が少なくなったために、実質的に(8ppmまで)脱硫された。
さらに、エネルギーの一体化の割合が高く、ストリッピング塔の上流側/下流側での大きな冷却/再加熱が無いので、熱交換器類に必要な表面積を最小限に抑えることができる。
従って、各種の原料流および製品規格値に対して、本発明のプロセスは、第1の水素化処理ステップにおいて、存在する汚染物全部をより効率的に除去することが可能で、第2のステップに使用可能なベストの触媒を最適に使用でき、第2のステップの反応器のサイズを小さくすることが可能で、中間蒸留を必要としないので高いエネルギー効率が得られる。
本発明のプロセスの第1実施形態を実施するための水素化処理ユニットのためのフローチャートを示している。 本発明のプロセスの第2実施形態を実施するための水素化処理ユニットのためのフローチャートを示している。 本発明のプロセスの第3実施形態を実施するための水素化処理ユニットのためのフローチャートを示している。 本発明のプロセスの第4実施形態を実施するための水素化処理ユニットのためのフローチャートを示している。
符号の説明
1:直留中間留出物タイプの留分供給配管
5:加熱炉
7:水素化処理反応器
10:ストリッピング塔
12:空冷式交換器
14:気液分離器ドラム
17:洗浄装置またはHS吸収装置
20:気液分離器ドラム
22:圧縮機
32:乾燥装置
40:ポンプ
44:原料流/流出物熱交換器
46:熱交換器
48:反応器
51:空冷式交換器
53:気液分離器(ドラム)
55:ガスリサイクル圧縮機
70:熱交換器
72:熱交換器
73:再加熱炉
74:熱交換器
75:熱交換器

Claims (20)

  1. 硫黄含有化合物を含有する炭化水素原料流を水素化処理するためのプロセスであって、以下のステップ、すなわち、
    水素化処理をするための第1のステップa1)であって、前記原料流および過剰の水素を第1の水素化処理触媒の上に通し、前記原料流中に含まれる硫黄の少なくとも大部分をHSに転化させる、ステップa1)と、
    ステップa1)の下流側に位置しているステップa2)であって、ステップa1)からの前記部分的に脱硫された原料流を、少なくとも1種の水素リッチなストリッピングガスを使用して加圧ストリッピング塔の中でストリッピングし、それにより前記塔頂における少なくとも1種のガス状流出物と少なくとも1種のストリップされた液状流出物とを製造し、前記塔頂における前記ガス状流出物は冷却して部分的に凝縮させ、次いで少なくとも1基のストリッピングステップの気液分離器の中で少なくとも1種の軽質炭化水素液体留分とガス状のストリッピングステップ流出物とに分離する、ステップa2)と、
    ステップa2)の下流に位置する、第2の水素化処理ステップa3)であって、前記ストリップされた液状流出物および過剰の水素を第2の水素化処理触媒の上に通す、ステップa3)とを含み、
    ここで、前記ストリッピング塔の供給口よりも上に位置する、前記塔の上側部分においては、供給口より上に上昇してくるストリッピング蒸気を、硫黄含量が約50ppm未満の還流液を用いて精留するステップを実施し、前記軽質炭化水素液体留分の少なくとも一部を抜き出して、直接下流へと送排出し、
    以下のようなパラメーターを選択する、すなわち、前記ストリッピング塔への前記供給液の温度、前記ストリッピングガスの流量、および前記還流液の流量を選択して、前記ストリップされた液状流出物がステップa1)に供給される前記原料液の最大で90重量%となるようにし、また前記パラメーターと組み合わせて、ステップa1)における脱硫度を前記精留ステップの分離効率に応じて決めることで、前記軽質炭化水素液体留分中の硫黄含量が約50ppm未満となるようにすることを特徴とする、プロセス。
  2. ステップa3)からの前記流出物を冷却してから、第2の反応ステップの気液分離器の中で、第2の反応ステップからの水素化処理された液体留分とガス状流出物とに分離する、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記還流液が、前記軽質炭化水素液体留分の一部を含む、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 前記還流液が、前記水素化処理液体留分の一部を含む、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記精留ステップを、1〜30理論段(両端を含む)の範囲の分離効率を有する精留ゾーンにおいて実施する、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記塔頂からの前記ガス状流出物を冷却して部分的に凝縮させ、次いでストリッピングステップの気液分離器中で軽質炭化水素液体留分とガス状のストリッピングステップ流出物とに分離し、そして前記軽質炭化水素液体留分の一部を除去して直接下流に排出し、前記軽質炭化水素液体留分の抜き出しの相補的な部分を、直接または前記相補的な部分のすべてまたは一部に任意に熱交換を実施してから、すべて前記ストリッピング塔に戻し、前記相補的な部分の少なくとも一部が前記塔のための還流液を構成するようにする、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記軽質炭化水素液体留分の抜き出しを、ステップa1)への前記原料流の少なくとも20重量%とし、前記ストリップされた液状流出物を、ステップa1)への前記原料流の多くても80重量%とする、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 水素化処理ステップa1)からの前記流出物を、前記反応ステップa1)からの出口温度と多くても90℃の許容される温度差をもって、前記分留塔に供給する、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記水素化処理ステップa1)からの前記流出物を、多くても90℃の限定的な冷却を行った後で分留塔に供給する、請求項8に記載のプロセス。
  10. 前記水素化処理ステップa1)からの前記流出物を、前記反応ステップa1)の出口における温度と実質的に等しい温度で前記分留塔に直接供給する、請求項8に記載のプロセス。
  11. 前記水素化処理ステップa1)からの前記流出物を、約255℃から約390℃までの範囲の温度で前記分留塔に供給する、請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 前記第2の水素化処理ステップa3)を、単回通過で流れる補給用水素によって構成される過剰の水素の存在下で実施し、そして前記第2の反応ステップからのガス状流出物をステップa1)にリサイクルする、請求項2〜11のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  13. 請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載のプロセスによって水素化処理された少なくとも1種の留分を含む、ガソリン、ジェット燃料、灯油、ディーゼル燃料、ガスオイル、減圧蒸留留出物および脱アスファルト油からなる群より選択される炭化水素留分。
  14. 炭化水素原料流を水素化処理するためのユニットであって、
    少なくとも1基の第1の水素化処理反応器7を含む、第1の水素化処理反応セクション、
    前記第1の反応器7の上流側に接続され、水素リッチガスを用いて前記反応器からの前記流出物をストリップするための、加圧ストリッピング塔10を含むストリッピングセクションであって、そこでは、前記塔10の塔頂を、前記塔10からの前記ガス状流れを冷却して部分凝縮させるための手段12に接続するが、前記冷却手段が、少なくとも1基のストリッピングステップの気液分離器14の下流側に接続されている、ストリッピングセクション、
    第2の水素化処理反応セクションであって、少なくとも1基の第2の水素化処理反応器48を含み、前記ストリッピング塔10の底部の上流側に接続され、前記ストリッピング塔10の底部から出てくる前記ストリップされた液状流出物を水素化処理し、そして第2の反応ステップ気液分離器53の下流側に接続されている第2の水素化反応セクション、を含み
    前記ストリッピング塔10には、第1の反応器7からの流出物のための供給口より上に、少なくとも1理論段の分離効率を有する精留ゾーンを含み、前記ゾーンの上側が実質的に脱硫された還流液を供給するための配管15に接続されている、
    ユニット。
  15. 前記ストリッピングステップの気液分離器14から除去された軽質炭化水素液体留分を下流に直接排出するための配管27をさらに含み、前記排出配管が、前記ストリッピングステップの気液分離器14の上流側に接続されている、請求項14に記載のユニット。
  16. 実質的に脱硫された還流液を供給するための前記配管が、ストリッピングステップの気液分離器14の上流側に接続されている、請求項14または請求項15に記載のユニット。
  17. 実質的に脱硫された還流液を供給するための前記配管が、前記第2の反応ステップの気液分離器53の上流側に接続されている、請求項14〜16のうちのいずれか一項に記載のユニット。
  18. 前記塔頂10が、少なくとも1つの接続配管11、13を経由して前記ストリッピングステップの気液分離器14に接続され、前記接続配管が前記第2の反応ステップの気液分離器53に接続されている、請求項14〜17のうちのいずれか一項に記載のユニット。
  19. 前記第1の水素化処理反応器7が、下流側のストリッピング塔10に直接接続されている、請求項14〜18のうちのいずれか一項に記載のユニット。
  20. 前記第1の水素化処理反応器7が、冷却能力が多くても90℃の限定冷却手段3の下流側に直接接続されていて、前記限定冷却手段が下流の前記ストリッピング塔10に直接接続されている、請求項14〜18のうちのいずれか一項に記載のユニット。
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