JP2005508419A - 固相重合によるブロックコポリマーの製造方法 - Google Patents

固相重合によるブロックコポリマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
固相重合でブロックコポリマーを製造する方法。
【解決手段】
活性化末端アリールオキシ基、例えば末端メチルサリチル基を有する部分結晶質ポリカーボネートの混合物は、固相重合条件下で、反応性末端ヒドロキシ基を有するオリゴマー状ポリエステルと共に加熱すると、ブロックコポリマーを生成する。この活性化末端アリールオキシ基は、出発原料のブロック長を保存する上で重要な役割を果たす。部分結晶質ポリカーボネートが活性化末端アリールオキシ基を欠いている対照試料、例えばフェノールで置換したポリカーボネートは、ずっと低い分子量でより高度にランダム化されたコポリマー生成物を生成する。このブロックコポリマー生成物は「耐候性」プラスチック材料として有用である。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、固相重合によるコポリマーの製造方法に関する。さらに具体的には、当該方法は、ポリカーボネート構造単位とポリエステル構造単位を含むブロックコポリマーの固相重合による製造に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロックコポリマーは、ポリマーの物理的性質がどの程度ポリマーの構造で決定されるかによって評価される。ブロックコポリマーの構造は、ブロックを構成するモノマー、ブロックの長さ及びコポリマー分子当たりのブロックの数を調節することによって変えることができる。2種類の互いに反応性の二官能性オリゴマー(例えばオリゴマー状二酸クロライドとオリゴマー状ジオール)から製造されたブロックコポリマーは、マルチブロックコポリマーと呼ばれ、第一のオリゴマーの構造単位からなるブロックと第二のオリゴマーの構造単位からなるブロックとが交互に複数存在する構造を有する。マルチブロックコポリマーの物理的性質は、出発オリゴマーのブロック長の注意深い制御と、出発オリゴマーのブロック長を最終マルチブロックコポリマーに保つ合成法の選択によって調節できる。
【0003】
ポリカーボネート構造単位とポリエステル構造単位を有するブロックコポリマー、すなわちブロックコポリエステルカーボネートは、UV耐性熱可塑性材料としての有効性が実証されており、これらの要因に対する耐性が要求される用途に使用する「耐候性」プラスチック材料として期待できる。ブロックコポリエステルカーボネートは通例次のようにして製造される。水と溶媒(例えば塩化メチレン)、酸受容体(例えば水酸化ナトリウム)及びアミン触媒(例えばトリエチルアミン)の存在下で、1種類以上の芳香族ジヒドロキシ化合物と1種類以上の芳香族ジカルボン酸二塩化物を反応させてヒドロキシ末端オリゴマー状ポリエステルを生成させる。次に、このヒドロキシ末端オリゴマー状ポリエステルを、1種類以上のジヒドロキシ芳香族化合物の存在下、ポリカーボネート(例えばビスフェノールAポリカーボネート)の製造で用いられるものと同様の界面条件下で追加のカーボネート単位源(ホスゲンなど)とさらに反応させる。ポリエステルブロックとポリカーボネートブロックを有するブロックコポリエステルカーボネートが生成する。
【0004】
現在のブロックコポリエステルカーボネートの製造方法には、ホスゲンのような毒性の高い薬品の使用に伴う固有の欠点がある。さらに、ヒドロキシ末端オリゴマー状ポリエステルの製造時、またヒドロキシ末端オリゴマー状ポリエステルとホスゲン及び1種類以上のジヒドロキシ芳香族化合物の反応時に1種以上の溶媒を用いるため、使用装置からプロセス溶媒の漏れを防ぐ段階が必要とされる。プロセス溶媒の漏れを防ぐために採られる制御手段はコスト及び製造プロセスの複雑さを増大させる。ホスゲンによらず、有機溶媒の使用を最小限にできるコポリエステルカーボネートの製造方法を提供できれば望ましい。
【0005】
ポリカーボネートの溶融製造法と同様の代替法は、その反応条件下で構造単位がランダムに配置される傾向があるため、ブロックコポリエステルカーボネートの製造には不向きである。例えば、1種類以上のジヒドロキシ芳香族化合物と、エステル単位源(例えばテレフタル酸ジフェニル)及びカーボネート単位源(例えばジフェニルカーボネート)との混合物を、水酸化ナトリウムのような触媒の存在下高温メルト中で処理すると、コポリエステルカーボネートの構造単位が溶融重合条件下でポリマー鎖全体にわたって統計的に分布する傾向があるため、ランダムコポリエステルカーボネートが生成する。
【0006】
同様に、溶融法ポリカーボネートの製造に用いられる条件下で、ヒドロキシ末端オリゴマー状ポリエステルとカーボネート単位源(例えばジフェニルカーボネート)及びジヒドロキシ芳香族化合物との反応でヒドロキシ末端オリゴマー状ポリエステルをそのままポリカーボネート鎖に組み込もうとすると、ポリエステルブロックが重合反応の進行に伴ってランダム化する傾向があるためランダムコポリエステルカーボネートが生成する。ランダムコポリエステルカーボネートが生成するだけでなく、この「溶融」法では、ホスゲン又は塩化メチレンのような有機溶媒が必要とされないものの、高温及び比較的長い反応時間が必要とされる。そのため、成長ポリマー鎖のカーボネート単位とエステル単位のフリース転位による生成物のような副生物が生成しかねない。フリース転位は、無秩序なポリマーの枝分れを引き起こし、ポリマーの流動性と性能に悪影響を及ぼしかねない。さらに、フリース転位は、コポリエステルカーボネート生成物の「黄変」も生じかねない。そこで、ポリカーボネート構造単位とポリエステル構造単位を有するブロックコポリマーの製造方法であって、高温を用いる必要がなく、またフリース生成物の生成を最小限に抑制できる方法を提供できれば望ましい。
【0007】
ポリカーボネートとコポリエステルカーボネートは固相重合(SSP)でも製造されている。SSPには、溶融相法及び界面重縮合法の両者に対して幾つかの利点がある。SSPでは、界面法の重要な要素をなすホスゲンを使用する必要がない。さらに、SSPでは、ジフェニルカーボネートのようなジアリールカーボネートとビスフェノールAのようなビスフェノールとの溶融重合による高分子量ポリカーボネート製造で必要とされる温度よりもかなり低い温度を利用する。また、SSP法では、溶融相法と異なり、高温で極めて粘稠なポリマーメルトを取り扱う必要がなく、しかもSSP法の実施には、溶融法で必要とされるような高温真空下でポリマーメルトを混合できる特別な装置は必要ない。
【0008】
固相重合法では、ジフェニルカーボネートのようなジアリールカーボネートとビスフェノールAのようなビスフェノールとの溶融反応で前駆体ポリカーボネート(典型的には比較的低分子量のオリゴマー状ポリカーボネート)を製造する。ビスフェノールAポリカーボネートオリゴマーの製造では、水酸化ナトリウムのような触媒の存在下でジフェニルカーボネートのようなジアリールカーボネートをビスフェノールAと共に加熱し、その間フェノールを除去する。フェノールは、成長ポリマー鎖のフェノール性基とジフェニルカーボネート又はフェニルカーボネートポリマー鎖末端基とのエステル交換反応の副生物として生成する。このオリゴマー化反応は、通例、フェノール副生物の的確な除去を図るため減圧下で実施される。所望のレベルのオリゴマー化が達成されたら、反応を止め、生成物のオリゴマー状ポリカーボネートを単離する。こうして製造したオリゴマー状ポリカーボネートは非晶質であり、固相重合に適したものとするには部分的に結晶化しなければならない。
【0009】
オリゴマー状ポリカーボネートは、粉末又はペレット化オリゴマーを熱溶媒蒸気に暴露したり、非晶質オリゴマーを塩化メチレンのような溶媒に溶解した後メタノールや酢酸エチルのような溶媒に加えて結晶質オリゴマー状ポリカーボネートを沈澱させるといった幾つかの方法で部分的に結晶化させることができる。通例、かかる溶媒蒸気又は液体溶媒結晶化法では、示差走査熱量計で測定して約20〜約40%の結晶化度を有する部分結晶質オリゴマー状ポリカーボネートが得られる。この範囲の結晶化度は、通常、SSPに付されるペレット又は粉末の融着を起こすことなく、オリゴマー状ポリカーボネートを固相重合に付すのに十分である。溶媒結晶化だけでなく、オリゴマー状ビスフェノールAポリカーボネートは、溶融非晶質ポリカーボネートオリゴマーにジフェニルカーボネートを溶解させた後混合物を周囲温度に冷却してジフェニルカーボネートとの混合物として部分結晶質ポリカーボネートを得ることによっても結晶化されている。最後に、非晶質オリゴマー状ポリカーボネートの結晶化は、部分結晶質ポリカーボネートの融点未満の温度に長時間加熱することによっても行われている。しかし、かかる熱的結晶化は上述の結晶化法に比べると格段に遅い。
【0010】
粉末、粒子又はペレットのような固体形態の部分結晶質オリゴマー状ポリカーボネートは、次いで、固相重合条件下で、オリゴマー状ポリカーボネートの粘着温度又は融点よりも低いが部分結晶質オリゴマー状ポリカーボネートのガラス転移温度よりは高い温度に加熱され、鎖成長に伴って生成する揮発性副生物、フェノール、ジフェニルカーボネートなどを除去する。こうした条件下で、低分子量オリゴマーを高分子量ポリマーに変換する重縮合反応が固相で実現される。
【特許文献1】
欧州特許出願公開第0908483号
【特許文献2】
米国特許第5191001号
【特許文献3】
ドイツ特許出願公開第2919629号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
現在の固相重合法は溶融法及び界面法コポリエステルカーボネート合成の有用な代替法を提供するものの、固相重合法には幾つかの短所がある。通例、部分結晶質前駆体ポリカーボネート及び部分結晶質オリゴマー状ポリエステル前駆体は、それらの製造にオリゴマー化段階と結晶化段階という2段階が必要である。また、固相重合プロセス自体比較的遅く、コポリエステルカーボネート生成物中でエステル構造単位とカーボネート構造単位がランダムに分布する。そこで、部分結晶質前駆体ポリカーボネートの製造効率を高め、非晶質又は結晶質オリゴマー状ポリエステル前駆体のいずれも使用でき、固相重合の速度を高めてエステル構造単位とカーボネート構造単位のランダム化の原因となる過程よりも迅速にポリマー鎖の成長が進行する改良法を見出すことができれば極めて望ましい。かかるランダム化プロセスは通例ポリエステルブロックとポリカーボネートブロックの長さの劇的な低下として現れる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様では、本発明はブロックコポリマーの製造方法を提供する。この方法は、固相重合条件下で、活性化末端アリールオキシ基を有する部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)を、反応性末端ヒドロキシ基を有する1種類以上のポリマー種(B)と接触させて生成物のブロックコポリマーを生成させることを含んでなる。本発明の一態様では、ブロックコポリマーはマルチブロックコポリエステルカーボネートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明及び実施例を参照することによって本発明の理解を深めることができよう。本明細書及び特許請求の範囲では多くの用語を用いるが、以下の意味をもつものと定義される。
【0014】
単数形で記載したものであっても、前後関係から明らかでない限り、複数の場合も含めて意味する。
【0015】
「適宜」という用語は、その用語に続いて記載された事象又は状況が起きても起きなくてもよいことを意味しており、かかる記載はその事象又は状況が起こる場合と起こらない場合を包含する。
【0016】
本明細書で用いる「ポリカーボネート」という用語は、1種類以上のジヒドロキシ芳香族化合物から誘導された構造単位を有するポリカーボネートをいい、コポリカーボネート及びポリエステルカーボネートを包含する。
【0017】
本明細書で用いる「溶融法ポリカーボネート」という用語は、1種類以上のジアリールカーボネートと1種類以上のジヒドロキシ芳香族化合物とのエステル交換で製造されたポリカーボネートをいう。
【0018】
本明細書中で「BPA」はビスフェノールAと定義され、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4′−イソプロピリデンジフェノール及びp,p−BPAとしても知られる。
【0019】
本明細書で用いる「ビスフェノールAポリカーボネート」という用語は、基本的にすべて繰返し単位がビスフェノールA残基からなるポリカーボネートをいう。
【0020】
本明細書で用いる「活性化末端アリールオキシ基を有する部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)」という用語は、「部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)」及び「出発原料(A)」という用語と同義に用いられ、いずれの用語も活性化末端アリールオキシ基を有する部分結晶質のポリカーボネートをいう。
【0021】
本明細書で用いる「反応性末端ヒドロキシ基を有するポリマー種(B)」という用語は、「ポリマー種(B)」及び「出発原料(B)」という用語と同義に用いられ、いずれの用語も反応性末端ヒドロキシル基を有するポリマー種をいう。
【0022】
本明細書で用いる「部分結晶質ポリカーボネート出発原料」という用語は、固相重合反応で反応体として用いられる任意の分子量の部分結晶質ポリカーボネートをいう。
【0023】
本明細書で用いる「ポリマー種」という用語には、ポリマー材料及びオリゴマー材料共に包含される。ポリマー材料(物質)は重量平均分子量Mwが15000ダルトンを超えるものと定義され、オリゴマー状材料(物質)は重量平均分子量Mwが15000ダルトン未満のものと定義される。
【0024】
「部分結晶質前駆体ポリカーボネート」という用語は、重量平均分子量が15000ダルトン未満で、示差走査熱量計による結晶化度が約15%以上のオリゴマー状ポリカーボネートをいう。
【0025】
「部分結晶質前駆体ポリカーボネート」と「部分結晶質オリゴマー状ポリカーボネート」という用語は同義に用いられる。
【0026】
本明細書で用いる「ポリエステル」という用語には、脂肪族ポリエステル及び芳香族ポリエステルいずれも包含される。従って、本明細書で用いる「ポリエステル」という用語には、「ポリアリーレート」とも呼ばれる芳香族ポリエステルも包含される。
【0027】
本明細書で用いる「オリゴマー状ヒドロキシ末端ポリエステル」という用語には、脂肪族及び芳香族オリゴマー状ヒドロキシ末端ポリエステル共に包含される。従って、「オリゴマー状ヒドロキシ末端ポリエステル」という用語には、オリゴマー状ヒドロキシ末端ポリアリーレートも包含される。
【0028】
本明細書で用いる「オリゴマー状ヒドロキシ末端ポリエステル」という用語は、重量平均分子量(Mw)が15000未満で、その鎖末端の約50%以上にヒドロキシ基を有するオリゴマー状ポリエステルをいう。例えば、イソフタル酸ジフェニルとテレフタル酸ジフェニルの1:1混合物と過剰レゾルシノールとの溶融反応で製造され、9000ダルトンの重量平均分子量を有し、鎖末端の80%にヒドロキシ基、鎖末端の20%にフェノキシ基を有するポリエステルがオリゴマー状ヒドロキシ末端ポリエステルの代表例として挙げられる。
【0029】
本明細書で用いる「反応性末端ヒドロキシル基」という用語は、ポリマー種の鎖末端に位置するヒドロキシ基をいい、例えば、10モル%過剰のビスフェノールAとイソフタロイルジクロライドとの界面反応で製造されたオリゴマーの鎖末端にあるヒドロキシ基をいう。
【0030】
本明細書で用いるビス(メチルサリチル)カーボネートという用語とビス(2−メトキシカルボニルフェニル)カーボネートという用語は同義であり、互換的に用いられる。
【0031】
本明細書で用いる「末端封鎖率」という用語は、ヒドロキシル基以外のポリカーボネート鎖末端の百分率をいう。ジフェニルカーボネートとビスフェノールAから製造されるビスフェノールAポリカーボネートの場合、約75%という「末端封鎖率」の値は、全ポリカーボネート鎖末端の約75%がフェノキシ基からなり、鎖末端の約25%がヒドロキシル基からなることを意味する。「末端封鎖率」と「末端封鎖百分率」という用語は同義に用いられる。
【0032】
本明細書で用いる「芳香族基」という用語は、1以上の芳香族基を含む原子価1以上の基をいう。芳香族基の具体例には、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ナフチル、フェニレン及びビフェニルがある。この用語には、芳香族成分と脂肪族成分を共に含む基、例えばベンジル基も包含される。
【0033】
本明細書で用いる「脂肪族基」という用語は、環状でない線状又は枝分れ原子配列からなる原子価1以上の基をいう。かかる配列は、窒素、イオウ及び酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよいし、或いは炭素と水素だけからなるものでもよい。脂肪族基の具体例には、メチル、メチレン、エチル、エチレン、ヘキシル、ヘキサメチレンなどがある。
【0034】
本明細書で用いる「脂環式基」という用語は、環状であるが芳香族ではなく、芳香族環を含まない原子配列からなる原子価1以上の基をいう。かかる配列は、窒素、イオウ及び酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよいし、或いは炭素と水素だけからなるものでもよい。脂環式基の具体例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−シクロヘキシルエチ−1−イル、テトラヒドロフラニルなどがある。
【0035】
本明細書で用いる「多層物品」という用語は、2以上の層を含む物品をいう。
【0036】
本発明は、ブロックコポリマーの製造方法であって、固相重合条件下で、活性化末端アリールオキシ基を有する部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)を、反応性末端ヒドロキシ基を有する1種類以上のポリマー種(B)と接触させてブロックコポリマー生成物を生成させることを含む方法に関する。本発明の一態様では、ブロックコポリマーはマルチブロックコポリエステルカーボネートである。
【0037】
本発明の方法における部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)は、次の構造Iの活性化末端アリールオキシ基を含む。
【0038】
【化1】
Figure 2005508419
【0039】
式中、R1は各々独立に、C1〜C20脂肪族基、C4〜C20脂環式基又はC4〜C20芳香族基であり、R2は各々独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1〜C20アルコキシカルボニル基、C1〜C20アシル基、C4〜C20シクロアルコキシカルボニル基、C6〜C20アリールオキシカルボニル基、C1〜C20アルキルアミノカルボニル基、C2〜C40ジアルキルアミノカルボニル基又はC1〜C20ペルフルオロアルキル基であり、pは0〜4の値を有する整数であり、qは1〜5の値を有する整数である。
【0040】
構造Iを有する末端基の具体例は、2−メトキシカルボニルフェノキシ基、2−シアノフェノキシ基、2−アセチルフェノキシ基、2−ニトロフェノキシ基、4−ニトロフェノキシ基及び2,4,6−トリフルオロフェノキシ基である。
【0041】
本発明の一実施形態では、活性化末端アリールオキシ基を有する部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)は、1種類以上のジヒドロキシ芳香族化合物を1種類以上のジアリールカーボネートと溶融反応させて非晶質ポリカーボネートを得て、次に第二段階でこれを結晶化させることによって製造される。場合によっては、活性化末端アリールオキシ基を有する部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)は、ポリカーボネート生成物の結晶化を促進する反応条件下でのジヒドロキシ芳香族化合物とジアリールカーボネートの反応、例えばビスフェノールAとビス(メチルサリチル)カーボネートの反応で直接得ることもできる。別法として、活性化末端アリールオキシ基を有する部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)は、1以上の「活性化性置換基」を含むヒドロキシ芳香族化合物連鎖停止剤と酸受容体の存在下での、ホスゲンと1種類以上のジヒドロキシ芳香族化合物の界面反応で得ることもできる。活性化性置換基には、アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子がある。1以上の活性化性置換基を有する連鎖停止剤の具体例は、サリチル酸メチル、2−シアノフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノールなどである。
【0042】
本発明のさらに別の実施形態では、活性化末端アリールオキシ基を有する部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)は、溶融反応条件下で、反応性末端ヒドロキシ基を有するポリカーボネートを、活性化性置換基を有するジアリールカーボネート、例えば構造IIを有するジアリールカーボネートで処理することを含む方法で製造される。例えば、溶融重合又は界面重合のいずれかで製造した反応性末端ヒドロキシ基を有するポリカーボネートを、活性化性置換基を有するジアリールカーボネートとさらに反応させれば、反応性末端ヒドロキシ基の全部又は一部を活性化末端アリールオキシ基を有する末端基に転化させることができ、活性化末端アリールオキシ基を有するポリカーボネートが得られる。この活性化末端アリールオキシ基を有するポリカーボネートを結晶化させると出発原料(A)が得られる。
【0043】
「溶融重合条件」という用語は、触媒及び適宜助触媒の存在下でジアリールカーボネートとジヒドロキシ芳香族化合物との反応を起こすのに必要な条件を意味する。触媒は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物及びこれらの混合物のような数多くのエステル交換触媒のいずれでもよい。助触媒には、水酸化テトラメチルアンモニウムのようなテトラアルキルアンモニウム水酸化物、水酸化テトラブチルホスホニウムのようなテトラアルキルホスホニウム水酸化物、及び酢酸テトラブチルホスホニウムのようなテトラアルキルホスホニウムカルボン酸塩がある。反応温度は通例約100〜約350℃、さらに好ましくは約180〜約310℃である。圧力は大気圧でも加圧でもよいし、反応の初期段階で大気圧〜約15トルの圧力とし、後段で減圧、例えば約0.2〜約15トルとしてもよい。反応時間は一般に約0.1〜約10時間である。
【0044】
本発明の一実施形態では、部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)は、溶融重合条件下で1種類以上のジヒドロキシ芳香族化合物を1種類以上の次式のジアリールカーボネートIIと反応させることを含む方法で製造される。
【0045】
【化2】
Figure 2005508419
【0046】
式中、R1、R2、p及びqは構造Iと同様に定義される。
【0047】
ジアリールカーボネートIIの具体例は、ビス(2−メトキシカルボニルフェニル)カーボネート、ビス(4−クロロ−2−メトキシカルボニルフェニル)カーボネート、ビス(2−エトキシカルボニルフェニル)カーボネート、ビス(2−ブトキシカルボニルフェニル)カーボネート、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)カーボネート、ビス(2−ニトロフェニル)カーボネート及びビス(2−シアノフェニル)カーボネートである。
【0048】
部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)の製造に使用できるジヒドロキシ芳香族化合物には、次式のビスフェノールIIIがある。
【0049】
【化3】
Figure 2005508419
【0050】
式中、R3は各々独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC6〜C20アリール基であり、n及びmは独立に整数0〜4であり、Wは結合、酸素原子、イオウ原子、SO2基、C1〜C20脂肪族基、C6〜C20芳香族基、C6〜C20脂環式基又は次式の基である。
【0051】
【化4】
Figure 2005508419
【0052】
式中、R4及びR5は独立に水素原子、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基もしくはC4〜C20アリール基、又はR4とR5が一緒にC4〜C20脂環式環を形成するものであるが、該C4〜C20脂環式環は適宜1以上のC1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、C5〜C21アラルキル、C5〜C20シクロアルキル基もしくはこれらの組合せで置換されていてもよい。
【0053】
構造IIIを有するビスフェノールの具体例は、ビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキシ−1,1−ビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−3、3′−ジメチル−1,1−ビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジオクチル−1,1−ビフェニル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン及び1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)ベンゼンである。
【0054】
本発明の一実施形態では、部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)は、ビスフェノールAから誘導された繰返し単位と次式の2−メトキシカルボニルフェノキシ基IVとを含んでおり、2−メトキシカルボニルフェノキシ基IVは活性化末端アリールオキシ基を含む。
【0055】
【化5】
Figure 2005508419
【0056】
通例、部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)は末端封鎖率が約50〜約100%で、示差走査熱量計で測定して約15〜約40%の結晶化度を有する。通例、出発原料(A)は約1000〜約30000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0057】
本発明の一実施形態では、部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)は本明細書中で定義した「部分結晶質前駆体ポリカーボネート」であり、この部分結晶質前駆体ポリカーボネートは15000ダルトン未満、好ましくは約1000〜約14000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0058】
反応性末端ヒドロキシ基を有するポリマー種(B)は、1種類以上のポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド及びこれらの混合物とし得る。
【0059】
本発明の一実施形態では、反応性末端ヒドロキシ基を有するポリマー種(B)は、以下の(1)及び(2)からなる群から選択される構造単位を含む。
(1)次式の構造Vに対応するポリエステル構造単位。
【0060】
【化6】
Figure 2005508419
【0061】
式中、R6及びR7は各々独立に、ハロゲン原子、C1〜C20脂肪族基、C4〜C20脂環式基又はC4〜C20芳香族基であり、r及びsは独立に0〜4の値を有する整数である。
(2)次式の構造VIに対応するポリカーボネート構造単位。
【0062】
【化7】
Figure 2005508419
【0063】
式中、R3、n、m及びWは構造IIIで定義した通りである。
【0064】
本発明の別の実施形態では、反応性末端ヒドロキシ基を有するポリマー種(B)は、次式の構造単位VIIを含む重合度約4以上のオリゴマー状ポリエステルである。
【0065】
【化8】
Figure 2005508419
【0066】
構造Vを有する繰返し単位を含むポリエステルは様々な公知方法で製造することができ、例えば、酸受容体及びトリエチルアミンのようなアミン触媒の存在下、1種類以上の二酸クロライド(例えばテレフタロイルジクロライド及びイソフタロイルジクロライド)と1種類以上のジヒドロキシ芳香族化合物(例えばレゾルシノール)との界面反応で製造できる。
【0067】
一実施形態では、レゾルシノールを界面条件下でテレフタロイルジクロライドとイソフタロイルジクロライドの混合物と、テレフタロイルジクロライドとイソフタロイルジクロライドの合計モルに対するレゾルシノールのモル比が約1.01〜約1.5となり、かつテレフタロイルジクロライドとイソフタロイルジクロライドのモル比が約1対約10〜約10対約1となるようにして反応させる。
【0068】
また、構造Vを有する繰返し単位を含むポリエステルは、アルカリ金属水酸化物のようなエステル交換触媒とテトラアルキルアンモニウム水酸化物のような助触媒の存在下、溶融重合条件下で、1種類以上のジヒドロキシ芳香族化合物(例えば、レゾルシノール及びヒドロキノン)を1種類以上のジアリールエステル(例えば、テレフタル酸ジフェニル及びイソフタル酸ジフェニル)と接触させることによっても製造できる。過剰のジヒドロキシ芳香族化合物を使用すると、ヒドロキシ末端ポリマー種の生成に有利に働く。
【0069】
本発明の一実施形態では、ポリマー種(B)は、繰返し単位VIIと、さらに反応性末端ヒドロキシ基を有するポリエステルであり、これは、溶融重合条件下エステル交換触媒の存在下でレゾルシノールをテレフタル酸ジフェニルとイソフタル酸ジフェニルの混合物と反応させることによって製造される。この反応は、テレフタル酸ジフェニルとイソフタル酸ジフェニルの合計モル数に対するレゾルシノールのモルのモル比が約1.01〜約1.5となり、かつテレフタル酸ジフェニルとイソフタル酸ジフェニルのモル比が約1対約10〜約10対約1となるようにして実施される。
【0070】
本発明の別の実施形態では、繰返し単位VIIと、さらに反応性末端ヒドロキシ基を有するポリマー種(B)は、溶融重合条件下、触媒の非存在下で、レゾルシノールをテレフタル酸ジフェニルとイソフタル酸ジフェニルの混合物と反応させることによって製造される。この反応は、テレフタル酸ジフェニルとイソフタル酸ジフェニルの合計モル数に対するレゾルシノールのモル数のモル比が約1.01〜約1.5となり、しかもテレフタル酸ジフェニルとイソフタル酸ジフェニルのモル比が約1対約10〜約10対約1となるようにして実施される。
【0071】
ブロックコポリマーは、本発明の方法に従って、固相重合条件下で、活性化末端アリールオキシ基を有する部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)を、反応性末端ヒドロキシ基を有する1種類以上のポリマー種(B)と接触させることで製造される。出発原料(A)は本明細書で定義した部分結晶質「ポリマー材料」であればよく、「ポリマー材料」とは重量平均分子量Mwが15000ダルトンを超えるポリカーボネートを意味する。別法として、部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)は、Mw15000ダルトン未満の部分結晶質のオリゴマー状ポリカーボネートであってもよい。
【0072】
活性化末端アリールオキシ基を有する部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)と反応性末端ヒドロキシ基を有する1種類以上のポリマー種(B)との固相重合条件下での接触は、出発原料(A)と(B)の混合物を形成し、この混合物を固相重合条件に付すことによって実施し得る。この混合物は、粉末形態の部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)を粉末形態のポリマー種(B)と混合することによって形成し得る。混合は、各種の機械装置、例えばローラーミキサー又はヘンシェルミキサーを用いて2種類の粉末を乾式混合することによって達成し得る。
【0073】
通例、結晶質ポリカーボネート出発原料(A)と1種類以上のポリマー種(B)は、出発原料(A)と出発原料(B)との重量比が約0.01対約100〜約100対約0.01となるように混合される。例えば、出発原料(B)1グラム当たり出発原料(A)0.01〜100グラムの重量比で出発原料(A)と(B)を混合する。さらに典型的には、出発原料(A)と出発原料(B)の重量比は約1対約5〜約5対約1である。出発原料(A)が部分結晶質で、出発原料(B)が非晶質である場合、出発原料(A)が混合物の主成分として存在するのが望ましい。
【0074】
場合によって、ポリマー種(B)は部分結晶質材料であってもよいし、非晶質であってもよい。例えば、ポリマー種(B)がポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートのようなヒドロキシ末端ポリエステルである場合、部分結晶質材料とし得る。また、ポリマー種(B)がレゾルシノール、テレフタル酸ジフェニル及びイソフタル酸ジフェニルから誘導された構造単位を含むヒドロキシ末端ポリアリーレートである場合、これは通例非晶質材料である。
【0075】
出発原料(A)と(B)の混合物の別の製造法では、活性化末端アリールオキシ基を有するポリカーボネート出発原料とポリマー種(B)を含む溶液を製造し、貧溶媒を加えて上記2種類の材料を混合物として沈澱させる。適当な溶媒には、塩化メチレンのようなハロゲン化溶媒がある。貧溶媒には、メタノールのようなアルコール、アセトンのようなケトン及び酢酸エチルのようなエステルがある。沈澱はポリマー種(B)が部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)と混じり合ったものを含む。
【0076】
本発明の一実施形態では、粉末形態の部分結晶質前駆体ポリカーボネート(A)を、2種類以上のポリマー種(B)、例えば粉末化形態のポリエチレンテレフタレート及び構造単位VIIを含むポリアリーレートオリゴマーと混合し、次にこの粉末混合物を固相重合条件下で反応させてブロックコポリエステルカーボネートを生成させる。
【0077】
本発明の方法で用いられる固相重合条件は、約100〜約240℃の温度で約0.5〜約10時間、好ましくは約140〜約220℃で約2〜約9時間、部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)と1種類以上のポリマー種(B)の混合物を加熱することからなる。固相重合は、固相重合する固体と不活性ガス流との接触及び固相重合の副生物の除去に適した反応容器で実施すればよい。固相重合の副生物は、主に、1以上の活性化性置換基を有するヒドロキシ芳香族化合物、例えばサリチル酸メチルである。副生物のヒドロキシ芳香族化合物は、出発原料(B)の反応性ヒドロキシ基が出発原料(A)の活性化末端基と反応するときのような鎖成長段階で生じる。また、固相重合の副生物には、IIのようなジアリールカーボネート及び例えばフェニルサリチルカーボネートのような混成カーボネートが含まれることもある。混成カーボネート及びフェノールは、出発原料(A)が活性化末端アリールオキシ基を有していて、出発原料(B)が末端フェノキシ基を有しているときに、固相重合の副生物に存在することがあり、出発原料(B)を1種類以上のジフェニルエステルとモル過剰のジヒドロキシ芳香族化合物との溶融反応で製造する場合も同様である。
【0078】
固相重合プロセスは回分法又は連続法のいずれで実施してもよい。本発明の一実施形態では、固相重合に付される固体混合物を固定床として、その中に不活性ガスを流す。
【0079】
本発明の方法で製造されるブロックコポリマー生成物は通例マルチブロックコポリマーである。場合によっては、出発原料(A)と出発原料(B)がいずれも、反応性ヒドロキシ基の攻撃を受け易い内部官能基を含んでいることもあり、例えば出発原料(A)の内部カーボネート基又は出発原料(B)がオリゴマー状ポリエステルであるときに存在する内部エステル結合などがある。末端反応性ヒドロキシ基と内部官能基が反応すると、ブロックコポリマー生成物中に存在する1以上のブロックの平均ブロック長が低下する。ある条件下では、ブロックコポリマー生成物に存在する繰返し単位が完全にランダムに分布することがある。本発明の方法の重要な特徴は、ブロックコポリマーに存在する構造単位のランダム化を制御できることである。これは、出発原料(A)の末端基の反応性を高めることによって出発原料(A)と出発原料(B)との結合形成過程を有利に導くことで達成される。従って、本発明の方法では、部分結晶質ポリカーボネートが活性化末端アリールオキシ基Iをもたない他の固相重合法に比べ、出発原料のブロック長が保存される度合いが大きい。このブロック長の保存は、ブロックコポリマー生成物に存在するブロック長を、コポリマーの構造単位がポリマー鎖にランダムに分布したと仮定した場合に予想されるブロック長と比較することによって定量化できる。本発明の一実施形態では、ブロックコポリマー生成物のブロック長は、同じ構成のコポリマーにおける構造単位の対応ランダム分布よりも50〜約90%長く、好ましくは60〜約90%長い。
【0080】
本発明の方法で製造したブロックコポリマーは、適宜、染料、UV安定剤、酸化防止剤、熱安定剤及び離型剤を始めとする慣用添加剤とブレンドして成形品を形成してもよい。特に、所望の成形品の成形のための加工処理に役立つ添加剤とブロックコポリマーのブレンドを形成するのが好ましい。ブレンドは、適宜、所望の添加剤を約0.0001〜約10重量%、さらに好ましくは約0.0001〜約1.0重量%含有し得る。
【0081】
本発明のブロックコポリマーに添加できる物質又は添加剤には、特に限定されないが、耐熱性安定剤、UV吸収剤、離型剤、帯電防止剤、スリップ剤、粘着防止剤、滑剤、防曇剤、着色剤、天然油、合成油、ワックス、有機充填材、無機充填材及びこれらの混合物がある。
【0082】
上記耐熱性安定剤の具体例には、特に限定されないが、フェノール系安定剤、有機チオエーテル系安定剤、有機リン系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、エポキシ系安定剤及びこれらの混合物がある。耐熱性安定剤は固体又は液体の形態で添加し得る。
【0083】
UV吸収剤の具体例には、特に限定されないが、サリチル酸系UV吸収剤、ベンゾフェノン系UV吸収剤、ベンゾトリアゾール系UV吸収剤、シアノアクリレート系UV吸収剤及びこれらの混合物がある。
【0084】
離型剤の具体例には、特に限定されないが、天然及び合成パラフィン、ポリエチレンワックス、フルオロカーボンその他の炭化水素系離型剤、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸その他の高級脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸その他の脂肪酸系離型剤、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアルアミドその他の脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミドその他の脂肪酸アミド系離型剤、ステアリルアルコール、セチルアルコールその他の脂肪族アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロールその他のアルコール性離型剤、ステアリル酸ブチル、ペンタエリトリトールテトラステアレートその他の脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステルその他の脂肪酸エステル系離型剤、シリコーン油その他のシリコーン系離型剤、さらにはこれらのいずれかの混合物がある。
【0085】
着色剤は顔料でも染料でもよい。本発明では、無機着色剤及び有機着色剤を別々に使用してもよいし、併用してもよい。
【0086】
本発明の方法で製造したブロックコポリマーは、該ブロックコポリマー、又は該ブロックコポリマーとビスフェノールAポリカーボネートのような第二のポリマーとのブレンドを、射出成形、圧縮成形、押出法及び溶液キャスト法で成形して、所望の物品にすることができる。射出成形が物品の好ましい成形法である。一実施形態では、本発明の方法で製造したブロックコポリマーから成形される成形品は多層物品である。本発明の方法で製造した構造単位V及びVIを含むブロックコポリマーから製造される多層物品は、アウトドアビークルのボディ部材などの様々なアウトドア用途に特に適している。
【実施例】
【0087】
以下の実施例は、特許請求の範囲に記載した方法をいかに実施し評価するかの詳しい説明を当業者に提供するために記載するものであり、本発明者らが発明として把握している範囲を限定するものではない。特記しない限り、部は重量部であり、温度は℃である。
【0088】
分子量は、数平均分子量(Mn)又は重量平均分子量(Mw)として報告し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で求めた。2通りのGPC較正法を用いた。第一の方法では、ポリカーボネート分子量標準を用いて広範囲の標準較正曲線を作成し、これを用いてポリマー分子量を決定した。この較正法は、本明細書に記載のブロックコポリカーボネートの製造に用いたサリチル酸メチル末端封鎖ポリカーボネートオリゴマーの分子量の決定に用いた。第二のGPC較正法では、既知分子量の一連のポリスチレン標準を用いて較正曲線を作成し、これをコポリエステルカーボネート生成物の分子量の決定に用いた。この第二のGPC較正法は、本明細書に記載のオリゴマー状ポリエステルの分子量の決定にも用いた。GPCでポリカーボネートの特性を決定する場合、ポリカーボネート標準を用いて得られる分子量の方が、ポリスチレン標準を用いて得られるものよりも正確であると一般に考えられている。一般に、GPC法でポリスチレン標準を用いて求めたポリカーボネートの分子量は、ポリカーボネート標準を用いて求めた値に比べ、Mn値及びMw値が約1.5〜約2.5倍高い。本願明細書では、ポリカーボネート及びポリエステルオリゴマーの重合度(DP)はNMRを用いて得た。NMRで得られるポリカーボネートオリゴマーの重合度の値は、一般に、GPCでポリカーボネート分子量標準を用いて得らたMn値とよく相関する。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーは、カラム温度が約25℃になるように実施し、移動相はクロロホルムであった。
【0089】
固相重合は次のように実施した。「固相重合条件下での加熱プロトコル」に付すべき材料約1グラムを、10mLガラス濾過器に入れて対流式オーブンに配置した。オーブンの底部は窒素導入口を備えていた。窒素を、対流式オーブン内部に収容された約16メートルの銅管を通して予熱し、濾過器の底部から、固相重合中の材料を通して、濾過器の頂部へと流した。窒素の流速は約2.5リットル/分であった。通例、固相重合反応の過程で、温度は、約140℃の初期温度から約165〜約220℃の最終温度まで1以上の段階で上昇した。固相重合反応の進行は、ガラス濾過器内の材料の試料を定期的に採取し、示差走査熱量分析(DSC)に付すことによってモニターした。固相重合のコポリエステルカーボネート生成物は、DSCでガラス転移温度を測定し、ポリスチレン標準を用いたGPCでMn及びMwの値を求め、NMRでコポリエステルカーボネート生成物の組成とブロック度を求めた。コポリエステルカーボネート生成物は「マルチブロックコポリエステルカーボネート」であるが、本明細書では便宜上これを単に「ブロックコポリエステルカーボネート」という。
【0090】
サリチル酸メチル末端封鎖ポリカーボネートオリゴマーの調製
螺旋型攪拌機、蒸留ヘッド及び目盛付受器を備えた500mL又は1000Lガラス製回分式反応器で、ビス(メチルサリチル)カーボネートとビスフェノールAとの溶融反応を行った。ガラス壁からの外来ナトリウムを除去するため、反応器を3N HCl中に12時間以上浸し、次いで脱イオン水(18MΩ)で濯いで脱イオン水に12時間以上浸した。次いで、反応器を使用前にオーブンで一晩乾燥した。反応器をPID制御器付きの流動砂浴で加熱した。浴温は反応器と砂浴の界面付近で測定した。反応器の圧力はフラスコ受器下流での窒素放出で調節した。圧力はMKSピラニ真空計で測定した。
【0091】
実施例1
非晶質メチルサリチル末端封鎖ポリカーボネートを以下のようにして調製した。反応器に、150グラム(0.6571モル)の固体ビスフェノール−A(BPA)と、243.6グラム(0.7368モル)の固体ビス(メチルサリチル)カーボネート(BMSC)を仕込み、反応開始時のBMSCとBPAのモル比が約1.12となるようにした。酢酸テトラブチルホスホニウム助触媒を、BPA1モル当たり助触媒2.5×10-4モルに相当する量で加えた。触媒のEDTAマグネシウム二ナトリウム塩を、BPA1モル当たり触媒1.0×10-6モルに相当する量で加えた。反応器を密閉し、雰囲気を窒素で3回交換した。最後の窒素交換の後、反応器内の圧力を約5〜約15mmHgにした。最初の段階で、反応器を170℃の流動浴中に沈めた。5分後に、60rpmの速度で攪拌を開始した。さらに10〜15分経過後、反応体が完全に融解し、攪拌機の速度を200rpmに上げた。反応混合物を攪拌・加熱しながら、遊離サリチル酸メチルを受器に回収した。170℃で理論量(BPAとBMSCとの完全な反応を基準)の約90〜約95%のサリチル酸メチル副生物が除去された。次に、210℃、240℃及び270℃という一連の温度段階で浴温を上昇させ、各段階で反応混合物を20分間攪拌した。最後の2段階(240℃及び270℃)で、反応混合物上の圧力は約1トル以下に下げた。次に、この反応容器を砂浴から取り出し、容器を窒素ガスで穏やかにパージした。非晶質オリゴマー状生成物を回収した。ポリカーボネート分子量標準を用いたGPCで測定したところ、Mw=4820、Mn=2138であった。末端封鎖率は99%であった。
【0092】
実施例2〜6は、同様に調製した非晶質メチルサリチル末端封鎖ポリカーボネートオリゴマーを示す。実施例2〜6のオリゴマー状ポリカーボネートデータをまとめて表1に示す。
【0093】
【表1】
Figure 2005508419
【0094】
実施例7〜10
メチルサリチル末端基を有する結晶質オリゴマー状ポリカーボネートを同様にして調製した。反応器に、固体BPA(150g又は300g、0.6571又は1.3141モル)と固体BMSCとを仕込み、反応開始時のBMSCとBPAのモル比が約1.00〜約1.15となるようにした。触媒の種類と量は実施例1で用いたものと同一であった。反応器を密閉し、雰囲気を窒素で3回交換した。最後の窒素交換の後、反応器内の圧力を約5〜約15mmHgにした。最初の段階で、反応器を170℃の流動浴中に沈めた。5分後に、60rpmの速度で攪拌を始めた。さらに10〜15分経過後、反応体が完全に融解し、攪拌機の速度を200rpmに上げた。反応混合物を攪拌・加熱しながら、遊離サリチル酸メチルを受器に回収した。低分子量の結晶質オリゴマーを得るため、理論量(BPAとBMSCの完全な反応を基準)の約90〜約95%のサリチル酸メチル副生物が除去されるまで、サリチル酸メチルを反応容器から留去した。しかる後、反応容器を砂浴から取り出し、容器を窒素ガスで穏やかにパージした。冷却すると、結晶質オリゴマー状生成物が収縮して砕けるのが観察された。冷却した結晶質生成物は反応器から容易に注ぎ出すことができた。この方法で調製した結晶質メチルサリチル末端封鎖ポリカーボネートオリゴマーのデータをまとめて表2に示す。
【0095】
【表2】
Figure 2005508419
【0096】
表1及び表2において、「BMSC/BPA」比は使用したビス(メチルサリチル)カーボネートとビスフェノールAのモル比を表す。記号「[OH]」は百万分率(ppm)で表し、生成物ポリカーボネートでみられた遊離ヒドロキシル基の濃度を示す。遊離ヒドロキシル基濃度は定量的赤外分光法で求めた。「EC(%)」はヒドロキシル基以外のポリマー鎖末端の割合(パーセント)を表す。サリチル末端基は生成物の加溶媒分解後にHPLC分析で求めた。「%Cryst」という用語は生成物ポリカーボネートの結晶化度(%)を表し、示差走査熱量計で測定した。
【0097】
ヒドロキシ末端ポリエステルオリゴマーの調製
実施例11
機械式攪拌機、Vigreuxカラム付Dean Starkトラップ及び真空装置接続部を備えたガラス製反応器に、レゾルシノール(3.03g、0.0275モル)、イソフタル酸ジフェニル(3.98g、0.0125モル)、テレフタル酸ジフェニル(3.98g、0.0125モル)、水酸化リチウム(2.2ミリグラム[mg])及び水酸化テトラメチルアンモニウム(25wt%溶液、10マイクロリットル)を仕込んだ。窒素雰囲気を確立し(3回真空パージ)、ゆっくりとした攪拌を開始した。反応器を降ろして、約200℃に調節した塩浴中に沈めた。15分後に圧力を100トルに下げた。この圧力と温度を45分間維持したところ、その間に約1mLのフェノールが回収された。次に圧力を50トルに下げて60分間維持したところ、さらに1mLのフェノールが回収された。次いで、温度を220℃に上げたところ、60分後さらに1.2mLのフェノールが得られた。次の30分間反応器を220℃、25トルに保った。最後に、温度を240℃に上げ、45分間真空にしたところ、最終的なフェノールの量は約3.5mLとなった(理論量の80%)。この粘稠な琥珀色の物質をアルミニウム製の鍋に注ぎ入れたところ、4.5グラムのオリゴマー状ヒドロキシ末端ポリエステル生成物が得られた。GPC分析の結果、Mwは8026であった。この物質のTgは112℃であった。レゾルシノールとイソフタル酸とテレフタル酸又はこれらの誘導体から誘導される各構造単位を含むオリゴマー状ヒドロキシ末端ポリエステルを「ITRオリゴマー」と呼ぶ。
【0098】
実施例11に記載の方法に従って、イソフタル酸ジフェニルとテレフタル酸ジフェニルの1:1混合物とレゾルシノールとの溶融反応で、実施例12〜19の一連のオリゴマー状ヒドロキシ末端ポリエステルを調製した。実施例11〜19のオリゴマー状ヒドロキシ末端ポリエステルに関するデータをまとめて表3に示す。重量平均分子量Mwの値は、ポリスチレン分子量標準を用いたGPCで決定した。
【0099】
【表3】
Figure 2005508419
【0100】
固相重合によるブロックコポリマー
実施例20
実施例1で調製した重合度約8.4の非晶質サリチル酸メチル末端封鎖ポリカーボネートオリゴマー(Mw=4820、Mn=2138)1.0グラムと、実施例11と同様にして調製したITRオリゴマーであってジオキサホスホラン誘導体の定量的13C−NMR及び/又は31P−NMRで測定した重合度(DP)が約9.2のITRオリゴマー2gから調製した混合物を塩化メチレンに溶解した。塩化メチレンの量の約2倍に相当する量の酢酸エチルを加えて結晶化させ、溶液からオリゴマー混合物を沈殿させた。こうして沈澱した物質を濾過により液相から分離した。次に、この液相を蒸発乾固し、その残渣を濾過で回収した固体と一緒にした。真空オーブン中約60℃で一晩乾燥させた後、得られた粉末の特性を示差走査熱量計(DSC)で決定したところ、約100℃にガラス転移(Tg)を示し、それぞれ約148℃及び200℃の融点に相当する2本のブロードなピークを示した。この部分結晶質メチルサリチル末端封鎖ポリカーボネートオリゴマーとITRオリゴマーの混合物の一部は、実施例21で用いるため保存した。次に、第二の粉末部分を次の固相重合条件下での加熱プロトコルに供した。
【0101】
【表4】
Figure 2005508419
【0102】
固相重合後、ブロックコポリエステルカーボネート生成物をDSCで分析したところ、約129℃のTg、及びそれぞれ約187℃及び208℃の融点に相当する2本のブロードなピークを有していた。ポリスチレン標準を用いたGPCでは、Mw=28000ダルトン、Mn=9540ダルトンの単一ピークを示した。定量的13C−NMRで、平均ポリカーボネートブロック長が約4.05で平均ポリエステルブロック長が約7のブロック状コポリマーであることが判明した。
【0103】
実施例21
実施例20で後の使用のために保存しておいた粉末混合物の一部を次の固相重合条件下での加熱プロトコルに付した。
【0104】
【表5】
Figure 2005508419
【0105】
ポリスチレン標準を用いたコポリエステルカーボネート生成物のGPC分析で、Mw=18880、Mn=9230の単一の狭いピークを示した。定量的13C−NMRで、平均ポリカーボネートブロック長が約4.15で、平均ポリエステルブロック長が約8.9のブロック状コポリマーであることが判明した。
【0106】
実施例22
実施例1で調製したサリチル酸メチル末端封鎖ポリカーボネートオリゴマー(Mw=4820、Mn=2138、DP約8.4)を塩化メチレンに溶解し、その後使用した塩化メチレンの量の約5倍に相当する量の酢酸エチルを加えて沈澱させた。この沈澱を液相から濾別した。次に液相を蒸発乾固させて固体残渣を得た。その後、沈澱と液相からの固体残渣とを一緒にして、沈澱と、液相の蒸発で得られた固体残渣との混合物を形成した。この混合物を粉砕した後機械的に振盪して、実質的に部分結晶質メチルサリチル末端封鎖ポリカーボネートオリゴマーからなる粉末を得た。次に、部分結晶質メチルサリチル末端封鎖ポリカーボネートオリゴマーを粉砕し、同じ重量の、実施例11の方法と比率を用いて調製したオリゴマー状ヒドロキシ末端ポリエステル(ポリスチレン標準を用いたMw=8845、DP=約9.2)の微粉末と共に実験室用ミルミキサーで数分間混合した。DSCで分析したところ、このオリゴマーの混合物は約105℃のTgと、約170℃の融解温度に相当するブロードなピークを示した。一部を実施例23及び24で使用するために保存した。この混合物の残りの部分を次の固相重合条件下での加熱プロトコルに付した。
【0107】
【表6】
Figure 2005508419
【0108】
生成物のコポリエステルカーボネートは、約135℃のTgと、それぞれ約169℃及び221℃の融点に相当する2本のブロードなピークを有していた。ポリスチレン標準を用いた生成物のGPC分析で、Mw=79830、Mn=21720のブロードなピークを示した。定量的13C−NMRは、平均ポリカーボネートブロック長が約6.7で、平均ポリエステルブロック長が約8.6のブロック状コポリマーであることが判明した。
【0109】
実施例23
実施例22で調製したオリゴマーの部分結晶質混合物の一部を固相重合条件下次の加熱プロトコルに付した。
【0110】
【表7】
Figure 2005508419
【0111】
生成物のコポリエステルカーボネートは、約143℃のTgと、それぞれ約130℃、161℃及び243℃の融点に相当する3本のブロードなピークを有していた。ポリスチレン標準を用いた生成物のGPC分析で、Mw=73540、Mn=24000のブロードなピークを示した。定量的13C−NMRで、平均ポリカーボネートブロック長が約4.25で、平均ポリエステルブロック長が約6.4のブロック状コポリマーであることが判明した。
【0112】
実施例24
実施例22で調製したオリゴマーの部分結晶質混合物の一部を次の固相重合条件下での加熱プロトコルに付した。
【0113】
【表8】
Figure 2005508419
【0114】
生成物のコポリエステルカーボネートは、約133℃のTgと、それぞれ約162℃及び221℃の融点に相当する2本のブロードなピークを有していた。ポリスチレン標準を用いて生成物のGPC分析をしたところ、Mw=41250、Mn=14020のブロードなピークが認められた。定量的13C−NMRで、平均ポリカーボネートブロック長が約5.65で、平均ポリエステルブロック長が約7のブロック状コポリマーであることが判明した。
【0115】
比較例1
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートの溶融反応で調製した重量平均分子量(Mw)約5600ダルトン、数平均分子量(Mn)約2300ダルトン(DP約9.1)の非晶質オリゴマー状ビスフェノールAポリカーボネート粉末の試料を、米国特許第6031063号に記載の方法に従ってイソプロパノール蒸気を用いて結晶化した。部分結晶質オリゴマー状ポリカーボネート粉末が得られた。この部分結晶質オリゴマー状ポリカーボネートは末端封鎖率約60%であり、換言すれば、オリゴマー鎖末端の60%がジフェニルカーボネート由来のフェノキシ基であり、鎖末端の約40%がヒドロキシ基であった。この部分結晶質オリゴマー状ポリカーボネートの一部を、同じ重量の、実施例11の方法と比率を用いて調製したオリゴマー状ヒドロキシ末端ポリエステル(13C−NMRによるDP=約9.2)の微粉末と共に実験室用ミルミキサーで数分間混合した。次に、この混合物を次の固相重合条件下での加熱プロトコルに付した。
【0116】
【表9】
Figure 2005508419
【0117】
固相重合で得られた生成物をポリスチレン標準を用いてGPC分析したところ、Mw=13020、Mn=5080のブロードなピークを示した。定量的13C−NMRから、平均ポリカーボネートブロック長が約2.35で、平均ポリエステルブロック長が約4.3のブロック状コポリマーであることが判明した。
【0118】
実施例20〜24で得られたデータは、温和な条件下でブロック状コポリエステルカーボネートが得られる本発明の方法を例証している。比較例1は、コポリエステルカーボネートを製造する従来の固相重合技術の限界を例証している。実施例20〜24及び比較例1のデータを表4に示す。
【0119】
【表10】
Figure 2005508419
【0120】
実施例20〜24では、初期ポリエステルブロック長の約70〜約97%がコポリエステルカーボネート生成物で保存されている。例えば、実施例20では、ヒドロキシ末端ITRオリゴマーの平均ブロック長(その重合度(DP)ともいう。)は約9.2であった。固相重合後のコポリエステルカーボネート生成物は、平均ブロック長約7のポリエステルブロック(ITRブロック)を含んでいた。すなわち、元のポリエステルブロック長の約76%がコポリエステルカーボネート生成物で保持されている。実施例20〜24を比較例1(CE−1)と対比すると、ポリカーボネートとポリエステルのいずれについてもオリゴマー状出発原料のブロック長がよく保存されるだけでなく、分子量増加が格段に速いことも分かる。すなわち、本発明の方法では、実質的な分子量(Mw約19000〜約79000ダルトン)を有するブロック状コポリエステルカーボネートが得られるのに対して、従来の固相重合技術を用いると、低分子量(Mw<15000ダルトン)のランダムなコポリエステルカーボネートが得られた(比較例1)。
【0121】
本発明をその好ましい実施形態を特に参照して詳細に説明してきたが、本発明の要旨及び技術的範囲内で変更及び修正をなすことができることは当業者には明らかであろう。

Claims (37)

  1. 固相重合条件下で、活性化末端アリールオキシ基を有する部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)を、反応性末端ヒドロキシ基を有する1種類以上のポリマー種(B)と接触させてブロックコポリマー生成物を生成させることを含んでなる、ブロックコポリマーの製造方法。
  2. 部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)が次の構造Iの末端アリールオキシ基を含む、請求項1記載の方法。
    Figure 2005508419
    式中、R1は各々独立に、C1〜C20脂肪族基、C4〜C20脂環式基又はC4〜C20芳香族基であり、R2は各々独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1〜C20アルコキシカルボニル基、C1〜C20アシル基、C4〜C20シクロアルコキシカルボニル基、C6〜C20アリールオキシカルボニル基、C1〜C20アルキルアミノカルボニル基、C2〜C40ジアルキルアミノカルボニル基又はC1〜C20ペルフルオロアルキル基であり、pは0〜4の値を有する整数であり、qは1〜5の値を有する整数である。
  3. 部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)が、1種類以上のジヒドロキシ芳香族化合物及び1種類以上の次式のジアリールカーボネートIIから誘導された構造単位を含む、請求項1記載の方法。
    Figure 2005508419
    式中、R1は各々独立に、C1〜C20脂肪族基、C4〜C20脂環式基又はC4〜C20芳香族基であり、R2は各々独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1〜C20アルコキシカルボニル基、C1〜C20アシル基、C4〜C20シクロアルコキシカルボニル基、C6〜C20アリールオキシカルボニル基、C1〜C20アルキルアミノカルボニル基、C2〜C40ジアルキルアミノカルボニル基又はC1〜C20ペルフルオロアルキル基であり、pは0〜4の値を有する整数であり、qは1〜5の値を有する整数である。
  4. ジアリールカーボネートIIが、ビス(2−メトキシカルボニルフェニル)カーボネート、ビス(2−エトキシカルボニルフェニル)カーボネート、ビス(2−ブトキシカルボニルフェニル)カーボネート及びビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)カーボネートからなる群から選択される、請求項3記載の方法。
  5. ジヒドロキシ芳香族化合物が次の構造IIIのビスフェノールである、請求項3記載の方法。
    Figure 2005508419
    式中、R3は各々独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC6〜C20アリール基であり、n及びmは独立に整数0〜4であり、Wは結合、酸素原子、イオウ原子、SO2基、C1〜C20脂肪族基、C6〜C20芳香族基、C6〜C20脂環式基又は次式の基である。
    Figure 2005508419
    式中、R4及びR5は独立に、水素原子、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基もしくはC4〜C20アリール基、又はR4とR5が一緒にC4〜C20脂環式環を形成するものであるが、該C4〜C20脂環式環は適宜1以上のC1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、C5〜C21アラルキル、C5〜C20シクロアルキル基もしくはこれらの組合せで置換されていてもよい。
  6. 部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)が、次式の2−メトキシカルボニルフェノキシ末端アリールオキシ基IV及びビスフェノールAから誘導された構造単位を含む、請求項1記載の方法。
    Figure 2005508419
  7. 反応性末端ヒドロキシ基を有するポリマー種(B)が、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルイミドからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  8. 反応性末端ヒドロキシ基を有するポリマー種(B)が以下の(1)及び(2)からなる群から選択される構造単位を含む、請求項1記載の方法。
    (1)次式の構造Vに対応するポリエステル構造単位。
    Figure 2005508419
    式中、R6及びR7は各々独立に、ハロゲン原子、C1〜C20脂肪族基、C4〜C20脂環式基又はC4〜C20芳香族基であり、r及びsは独立に0〜4の値を有する整数である。
    (2)次式の構造VIに対応するポリカーボネート構造単位。
    Figure 2005508419
    式中、R8は各々独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC6〜C20アリール基であり、n及びmは独立に整数0〜4であり、Wは結合、酸素原子、イオウ原子、SO2基、C1〜C20脂肪族基、C6〜C20芳香族基、C6〜C20脂環式基又は次式の基である。
    Figure 2005508419
    式中、R4及びR5は独立に、水素原子、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基もしくはC4〜C20アリール基、又はR4とR5が一緒にC4〜C20脂環式環を形成するものであるが、該C4〜C20脂環式環は適宜1以上のC1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、C5〜C21アラルキル、C5〜C20シクロアルキル基もしくはこれらの組合せで置換されていてもよい。
  9. 反応性ヒドロキシ基を有するポリマー種(B)が、次式の構造単位VIIを含む重合度約4以上のポリエステルである、請求項8記載の方法。
    Figure 2005508419
  10. 部分結晶質ポリカーボネート出発原料(A)が約50〜約100%の末端封鎖率を有する、請求項1記載の方法。
  11. 出発原料(B)が、触媒の非存在下でレゾルシノール、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル及び触媒を含んでなる混合物を加熱して製造されたコポリマーである、請求項1記載の方法。
  12. テレフタル酸ジフェニルとイソフタル酸ジフェニルが、約1対10〜約10対1のモル比を有する、請求項11記載の方法。
  13. 出発原料(B)が、レゾルシノールと、テレフタロイルジクロライド及びイソフタロイルジクロライドとの界面重合で製造されたコポリマーである、請求項1記載の方法。
  14. テレフタロイルジクロライドとイソフタロイルジクロライドが、約1対10〜約10対1のモル比を有する、請求項13記載の方法。
  15. 出発原料(A)が約15〜約40%の結晶化度を有する、請求項1記載の方法。
  16. 固相重合条件が、約100〜約240℃の温度に約1〜約10時間加熱することを含む、請求項1記載の方法。
  17. さらに、出発原料(A)と(B)の混合物を製造することを含む、請求項1記載の方法。
  18. 出発原料(A)と出発原料(B)を乾式混合することを含む、請求項17記載の方法。
  19. 出発原料(A)と(B)の混合物を溶液から沈澱させることを含む、請求項17記載の方法。
  20. 出発原料(A)と(B)が、出発原料(B)1グラム当たり約0.01〜約100グラムの出発原料(A)の重量比を有する、請求項1記載の方法。
  21. 生成物コポリマーが、対応するランダム分布の構造要素よりも50%以上長いブロック長に相当する測定可能なブロック度を有する、請求項1記載の方法。
  22. 請求項1記載の方法で製造されたコポリマー生成物を含んでなる成形品。
  23. 多層物品である、請求項22記載の物品。
  24. 固相重合条件下で、次式の末端2−メトキシカルボニルフェノキシ末端基IVを有する部分結晶質ビスフェノールAポリカーボネートを、反応性ヒドロキシル基を有する1種類以上のポリエステルと接触させて生成物コポリエステルカーボネートを生成させることを含んでなる、コポリエステルカーボネートの製造方法。
    Figure 2005508419
  25. 部分結晶質ビスフェノールAポリカーボネートが、ビス(メチルサリチル)カーボネートとビスフェノールAの溶融反応を含む方法で製造される、請求項24記載の方法。
  26. 前記溶融反応で、部分結晶質ビスフェノールAポリカーボネートが直接生成する、請求項25記載の方法。
  27. 部分結晶質ビスフェノールAポリカーボネートが約50〜約100%の末端封鎖率を有する、請求項26記載の方法。
  28. 前記溶融反応で、約90〜約100%の末端封鎖率を有する非晶質ビスフェノールAポリカーボネートが生成する、請求項26記載の方法。
  29. ポリエステルが次式の構造Vに対応する構造単位を含む、請求項25記載の方法。
    Figure 2005508419
    式中、R6及びR7は各々独立に、ハロゲン原子、C1〜C20脂肪族基、C4〜C20脂環式基又はC4〜C20芳香族基であり、r及びsは独立に0〜4の値を有する整数である。
  30. ポリエステルが、触媒の非存在下で、レゾルシノール、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル及び触媒を含む混合物を加熱して製造されたポリエステルである、請求項29記載の方法。
  31. テレフタル酸ジフェニルとイソフタル酸ジフェニルが約1対10〜約10対1のモル比を有する、請求項30記載の方法。
  32. ポリエステルが、レゾルシノールと、イソフタロイルジクロライド及びテレフタロイルジクロライドの混合物との界面反応を含む方法で製造される、請求項29記載の方法。
  33. イソフタロイルジクロライドとテレフタロイルジクロライドが、約1対10〜約10対1のモル比を有する、請求項32記載の方法。
  34. 部分結晶質ビスフェノールAポリカーボネートが約20〜約40%の結晶化度を有する、請求項25記載の方法。
  35. 固相重合条件が、約100〜240℃の温度に約2〜約9時間加熱することを含む、請求項25記載の方法。
  36. 請求項25記載の方法で製造されたコポリマー生成物を含んでなる成形品。
  37. 多層物品である、請求項36記載の物品。
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