JP2005507944A - ウイルスの抑制における改善およびその関連 - Google Patents

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Abstract

生理的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体との混合剤中に、ここに定められる一般式(I)または(II)に従うリボヌクレオシド類似体を含む医薬組成物が開示される。

Description

【技術分野】
【0001】
この発明は、ウイルスにおける突然変異を誘導する方法と、ウイルスの複製を抑制する方法と、ウイルスの複製を抑制するために用いるための医薬組成物と、ウイルス複製を抑制するための薬の調製におけるさまざまな化合物の用法とに関する。この発明は特に、RNAウイルス、すなわちRNAゲノムを有するか、または必須のRNA中間体を介して複製するウイルスに適用する。
【背景技術】
【0002】
RNAウイルスはヒトおよび動物の多くの疾患の原因である。ヒト病原体であるRNAウイルスの例は、インフルエンザウイルス、ポリオウイルス、ライノウイルスおよびHIVを含む。必須のRNA中間体を介して複製する病原性DNAウイルスの特定的な例は、B型肝炎ウイルス(HBV)である。
【0003】
現在、有効な抗ウイルス剤はほとんど入手できない。HIVに対して適度に有効な特定の化合物はデオキシヌクレオシド類似体である。これらは、「鎖ターミネータ」として作用する、すなわちHIV逆転写酵素の介在するDNA合成を終了させることによってHIV複製を抑制することによって作用する。しかし、ウイルスの耐性株の出現のために、こうした薬物の効力は限られている。一般的なRNAウイルス、特にHIVは複製の際に非常に高い突然変異率を有し、この高い突然変異頻度が耐性株の出現の可能性を高める。
【0004】
近年、RNAウイルスは「生存度の端縁」に近いのではないかという考えが発達した。すなわち、こうしたウイルスの突然変異頻度は非常に高いため、突然変異頻度の比較的少ない増加によって十分にウイルスゲノムにおける必須の座における有害な突然変異の存在によってウイルスの大半を生存不可能にさせ得る。この周知の概念は「エラーカタストロフィ」として知られ、ポリオウイルスの状況における広域スペクトル抗ウイルスリバビリンによる結果は、この概念に確かな根拠があることを強く示唆する(クロッティ(Crotty)ら、2000 Nature Medicine 6、1375-1379、クロッティら、2001 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98、6895-6900、シエラ(Sierra)ら、J. Virol.、2000、74、8316−8323)。
【0005】
ローブ(Loeb)ら(WO98/18324号およびUS6,063,628号)は、HIVまたはHCVなどのRNAウイルスの突然変異率を増加させる(およびそれによってその複製を抑制する)ためのリボヌクレオシド類似体の用法を開示する。ローブらは、リボヌクレオシド類似体は典型的にはシチジン、ウリジン、アデノシンまたはグアノシンの類似体であってもよいが、シチジンまたはウリジンの類似体(すなわちピリミジン類似体)が好ましいと述べている(US6,063,628号第3欄44−45行)。ローブらは、多くのプリンヌクレオシド類似体には特に言及していないが、特定的に挙げられたアデノシン類似体は、1,N6−エテノアデノシン、3−メチルアデノシンおよびN6−メチルアデノシンを含む。特定的に挙げられたグアノシン類似体は、8−ヒドロキシグアノシン、O6−メチルグアノシン、O6−エチルグアノシン、O6−イソプロピルグアノシン、3,N2−エテノグアノシン、O6−アルキルグアノシン、8−オキソ−グアノシン、2,N3−エテノグアノシン、および8−アミノグアノシンを含む。
【0006】
興味深いことに、WO98/18324号またはUS6 063 628号はいずれも、そこに示される請求項を支持するために発明者によって行なわれた実験によるいかなるデータも含まない。記載されるただ1つの実験においては、5−ヒドロキシウリジンまたは5−ブロモシチジンの存在下でHIVがin vitroで継代接種される。4継代接種後の結果がUS6 063 628号の図3に示される。その図においてはウイルス力価の低下は明らかでない。
【0007】
この明細書において言及されるすべての文書の内容をここに引用により援用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、ローブらによって示されたデータとは対照的に、in vitroにおける4継代接種においてもRNAウイルス複製の抑制に有効であることをこの発明の発明者らが見出した特定のヌクレオシド類似体に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の第1の局面はRNAウイルスの複製を抑制し、および/またはその突然変異率を増加させる方法を提供し、この方法は(ここに定義される)RNAウイルスに感染した細胞にRNAヌクレオシド類似体を投与するステップを含み、この類似体はポリメラーゼによってウイルスゲノム核酸分子のRNAコピーに取込まれ、このヌクレオシド類似体は次の一般式IまたはIIに適合する。
【0010】
【化1】
Figure 2005507944
【0011】
ここで
n=1−4、好ましくは2−4、
1=NまたはCHまたはCR5
2=NまたはSまたはCR5
2=NのときX3=NR6またはOまたはSまたはR6、X2=SのときX3=NR6またはR6、X2=CR5のときX3はなし
1=Hまたはアルキルまたはアリールまたはアルカリール(alkaryl)またはアシル
2=Hまたはアルキルまたはアリールまたはアルカリール(alkaryl)またはアシル、X2=SのときR2はなし
3=HまたはNR56またはNR5NR56またはNR5OR5
5=Hまたはアルキルまたはアルケニルまたはアルキニルまたはアリールまたはアルカリール(alkaryl)またはアシル
6=Hまたはアルキルまたはアルケニルまたはアルキニルまたはアリールまたはアルカリール(alkaryl)またはアシル
4=Hまたは
【0012】
【化2】
Figure 2005507944
【0013】
ここで
Z=OまたはSまたはCH2またはCHFまたはCF2またはNR5
4=OHまたはF
7=HまたはPO3 2-またはP26 3-またはP39 4-またはマスクされたリン酸塩誘導体。
【0014】
アルキル基は、存在するときには、(望ましくは置換されていない)メチル基であることが好ましい。アリール基は、存在するときには、置換または置換されないフェニル基であることが好ましい。一般式に従った分子中には1つよりも多くのアリールまたはアルカリール基が存在しないことが望ましい。都合良くはR1−R6の少なくとも1つがHであり、好ましくはR1−R6の少なくとも2つがHである。
【0015】
マスクされたリン酸塩誘導体は、修飾されないリン酸基に通常存在する負電荷が付加的な部分によって減少または(より好ましくは)完全に中和された、修飾されたリン酸基である。これは、修飾されたリン酸基を含む化合物の脂質膜を横切る(たとえば細胞膜を横切る)輸送を促進する利益を有する。マスクされたリン酸塩誘導体の例は、ビス−POM/ビス−POM PMEA(デラニー(Delaney)ら、2001、抗ウイルス化学および化学療法(Antiviral Chemistry and Chemotherapy)12、1-35を参照)、シクロサル(cycloSal)(マイヤー(Meier)ら、Eur. J. Org. Chem. 1998、837)およびSATE(ルフェーブル(Lefebvre)ら、J. Med. Chem.、1995、38、3941-3950)である。(SATEはS−アシルチオエチルの略である。)
この目的に対し、「RNAウイルス」は、RNAゲノムを有するすべてのウイルス(「従来の」RNAウイルスおよびレトロウイルスの両方を含む)、および複製の目的のためにゲノムRNA中間体を必要とするあらゆるウイルスを含むことが考えられる。関連するウイルスの例は、オルトおよびパラミクソウイルス、ポリオウイルス、ライノウイルス、レトロウイルス(特にHIV−1およびHIV−2)、B型およびC型肝炎ウイルス(順にHBVおよびHCV)、ロタウイルス、フラビウイルス(例、西ナイルウイルス)ならびに特定のアルボウイルス(例、デング熱ウイルス)を含む。
【0016】
「従来の」RNAウイルスは、(−)および(+)鎖ss(一本鎖)RNAウイルスの両方ならびにds(二本鎖RNAウイルス)を含む。特に、「従来の」RNAウイルスは、ウイルスRNAポリメラーゼをコードする一本鎖または二本鎖RNAゲノムを有するウイルスと定義されてもよい。RNAウイルスの広範だが必ずしも網羅的ではない一覧表を付表の表1に示す。宿主が脊椎動物(特に哺乳脊椎動物、特にヒトまたは家畜哺乳動物)であるものは、この発明に従った医薬組成物による抑制に特に適している。
【0017】
この発明は、感染した細胞へのリボヌクレオシド類似体(すなわちリボシル残基に共有結合した塩基類似体)の投与を含む。投与されたリボヌクレオシド類似体は、細胞内で公知の酵素によって対応するリボヌクレオチド類似体に転換され得る。しかし、(付加されたリボシル残基なしの)塩基類似体を投与することによってこの発明を行なうことも可能であり、その塩基類似体は次いで(生きた多細胞生物に投与されたときにはin vivoで、in vitroで細胞に投与されたときには細胞内で)ホスホリボシル化によってリボヌクレオチド類似体に転換される。同様に、この発明の範囲には、リボヌクレオチド類似体(すなわちリボヌクレオシド類似体がリン酸基または二リン酸塩もしくは三リン酸塩にエステル化されたもの)の投与が含まれる。節約の目的のため、この発明において用いる化合物はリボヌクレオシド類似体と呼ばれるが、先に示した一般式は塩基類似体およびリボヌクレオチド類似体の両方を含むことを当業者は認識するであろうし、状況が他に規定しない限り、「リボヌクレオシド」類似体という用語は塩基類似体およびリボヌクレオチド類似体の両方を含むことが意図される。リボヌクレオシド類似体に組入れられる塩基類似体はプリン塩基類似体であることが一般的に好ましく、この用語は特定的に7−デアザプリン類似体を含む。
【0018】
いくつかの場合においては、特にリボヌクレオシド類似体よりもむしろ塩基類似体を用いてこの発明を行なうことが好ましくてもよい。なぜなら、これらはin vivoにおける投与の後に哺乳動物の被験者により良く吸収され得るためである。
【0019】
この発明において用いるための、先に示した一般式に従った化合物は商業的に入手可能であり、および/または発表されたプロトコルを用いて当業者によって容易に合成され得る。その他の化合物は、この明細書において与えられる詳細な教示に従って得られるであろう。
【0020】
好ましい実施例において、ZはOである。同じまたは他の好ましい実施例において、X2はNである。同じまたは他の好ましい実施例において、X3はOであるか、またはNを含む。同じまたは他の好ましい実施例において、X4はOHである。実施例の1つにおいては、ZはO、X2はN、X3はNまたはO、X4はOHであることが望ましい。特に好ましい実施例において、ZはO、X2はN、X3はO、X4はOH、R1はアルキル特にメチルである。
【0021】
一般的に好ましいのは、低い細胞毒性を有するが、高いウイルス突然変異誘発性および/または高いウイルス抑制活性を有するリボヌクレオチド類似体である。好ましいリボヌクレオシド類似体の特定的な例は、図3、7および11に例示されるもの、ならびに対応する塩基類似体およびリボヌクレオチド類似体を含む。細胞毒性は、たとえば関連組織(例、CHO細胞、HeLa細胞、CEM/O細胞など)の組織培養物を用いて当業者によってin vitroで容易に定量できる。典型的には、IC50値を定めることができる(すなわち、未処理の対照培養物に対して組織培養細胞の50%の生育抑制をもたらす調査中の薬剤の濃度)。生育抑制の量は、たとえばトリチウム化チミジンの取込、培養物が集密に達するまでにかかる時間などのあらゆる好適な手段によって評価されてもよい。
【0022】
in vivoまたはin vitroで抗ウイルス活性を測定してもよい。この開示の利益によって好適なアッセイ法が当業者に明らかになるであろう。特に、たとえばウイルス抑制は、プラーク低減アッセイを用いて、たとえば試験中の化合物のIC50濃度(すなわち、固定された長さのインキュベーション後に抵抗性のない細胞の単層において形成されたウイルスプラークの数を、試験化合物の不在下で生育されたウイルスに対して50%減少させる濃度)を定めることによってin vitroで測定されてもよい。
【0023】
図11に示される構造を有するリボヌクレオシド類似体、すなわち正式名称2−アミノ−6−メトキシアミノ−9−β−D−リボフラノシルプリンを有し、簡単のためにrKと略される化合物、ならびに対応する塩基類似体Kおよびリボヌクレオチド類似体rKP(この表現は特に一リン酸塩、二リン酸塩および三リン酸塩を組入れる)が特に有用であり得る。二リン酸塩および三リン酸塩はrKDPおよびrKTPと呼ばれてもよい。発明者らは、rKがウイルス力価、特にウイルスが組織培養物中でin vitroで生育されるときのHIV−1の力価の低減において活性であることを見出した。
【0024】
有効であるために、この発明のリボヌクレオシド類似体は妥当な効率をもってウイルスゲノム核酸のRNAコピーに取込まれる必要があり、したがって宿主細胞内の関連RNAポリメラーゼによって好適な基質として認識可能である必要がある。「従来の」RNAウイルスにとって、これはウイルスによってコードされるRNAポリメラーゼである。レトロウイルスにとっては、関連RNAポリメラーゼは宿主細胞によってコードされるRNAポリメラーゼである。一般的にいって、ウイルスRNAポリメラーゼは宿主細胞RNAポリメラーゼほど忠実かつ弁別的ではなく、三リン酸塩へのin vivo転換(必要なとき)の後に基質としてリボヌクレオシド類似体を用いる可能性が高い。したがって、この発明の医薬組成物、方法およびその他の関連する局面は、ウイルスRNAポリメラーゼをコードする従来のRNAウイルスによる感染の防止および/または治療において用いるために意図され適合されることが好ましい。
【0025】
発明者は加えて、上述の一般式IまたはIIに従うことが好ましいが必然的ではない特定のリボヌクレオチド類似体がレトロウイルス転写を抑制できるという驚くべき発見をし、この所見は先行技術において過去に示唆またはなんらかの態様で開示されていない。あらゆる特定の理論に結び付られることを望むことなく、発明者らはこれは5′末端反復配列(“LTR”)によって行なわれる転写に対するリボヌクレオシド類似体の抑制的な効果によるものではないかと考えているが、この抑制を仲介し得る機構は知られていない。したがって、この発明に従った好ましいリボヌクレオシド類似体は、たとえば転写の抑制またはエラーカタストロフィ機構によってウイルス生成を抑制する性質を示すものである。こうした性質に対して化合物を定量する方法がここに開示され、当業者によって用いられることによってこの望ましい特徴を有するリボヌクレオシド類似体を識別してもよい。レトロウイルス転写を抑制する効果とは、感染した細胞中にウイルスゲノムのより少ないRNAコピーが存在することである。したがって、リボヌクレオシド類似体の所与の濃度において、突然変異誘発性のリボヌクレオシド類似体の取込を逃れる可能性のあるウイルスゲノムのRNAコピーが少なくなる。これに関する好ましい化合物は、図2に示される構造によって示される簡単のためにrPと呼ばれるもの(モリヤマら、Nucleic Acids Research、1998、26、2105-2111)と、対応する塩基類似体(P)と、対応するリボヌクレオチド類似体rPP(特に三リン酸塩rPTP)とである。
【0026】
この発明の第1の局面の態様で突然変異率を増加させることは、エラーカタストロフィの概念に従うと、時間とともにウイルスゲノム中に突然変異が蓄積するため、特にウイルス複製の複数のサイクルに対してリボヌクレオシド類似体が有効濃度で存在するときに、生成される非生存可能ウイルス粒子の数をかなり増加させ得ることが評価される。これとは対照的に、リボヌクレオシド類似体は宿主細胞のメッセンジャRNAに取込まれ得る(その結果突然変異ポリペプチドの生成をもたらす)が、mRNAは迅速に回転されて分解されるため、時間とともに突然変異を蓄積しない。同様に、リボヌクレオシド類似体は一般的に宿主細胞のDNAゲノムには取込まれないか、もし取込まれたとしても宿主細胞ゲノムの完全性を維持する責を負う「ハウスキーピング」酵素によって取除かれる。したがって、この発明の方法はRNAウイルス感染の治療における治療上の適用を見出す。
【0027】
したがって、第2の局面において、この発明はヒトまたは動物被験者におけるRNAウイルス感染を治療する方法を提供し、この方法はRNAウイルスに感染した被験者に一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の有効量を投与するステップを含む。
【0028】
第3の局面において、この発明は生理的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体との混合剤における、一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の有効量を含む医薬組成物を提供する。
【0029】
第4の局面において、この発明は医薬組成物を作製する方法を提供し、この方法は一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体を生理的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体と混合するステップを含む。この方法は、組成物を単位投与量の形に包装するさらなるステップを任意に含む。
【0030】
第5の局面において、この発明はヒトまたは動物被験者におけるRNAウイルス感染を治療するための薬の調製における、一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の用法を提供する。
【0031】
この発明のさまざまな局面の1つまたはそれ以上に用いるリボヌクレオシド類似体は、水に実質的に可溶性であり、ウイルス感染した細胞に容易に入れることが好ましい。化合物が塩基類似体からなるとき、その化合物は一般的にin vivoで、または少なくとも細胞内でリボシル化およびリン酸化される。化合物がリボヌクレオシド類似体であるとき、それは典型的にリン酸化されてリボヌクレオチド類似体を形成してもよい。RNAウイルス(または必須のゲノムRNA中間体を介して複製するDNAウイルス)のRNAゲノムに組込まれるのはリボヌクレオチド類似体である可能性もあるが、発明者らは作用様式に関する想定を行なわないことに注目することが重要である。したがって、活性化合物は塩基類似体および/またはリボヌクレオシド類似体および/またはリボヌクレオチド類似体であってもよい。特定的に、HIVなどのレトロウイルスの組込に関しては、細胞のポリメラーゼによって取込まれる活性化合物の存在によって、宿主ゲノムへの組込に先立つDNA合成の際に逆転写酵素による突然変異が導かれる可能性があり、その突然変異は修復酵素によって認識できないため、いくつかのサイクルにわたってこのような突然変異が蓄積する。
【0032】
この発明に従った医薬組成物は、当業者に公知のあらゆる従来の経路によって投与されてもよい。好ましい経路は経口投与であるが、組成物は代替的に、たとえば静脈注射、皮下注射、経皮によって、または直腸もしくは鼻腔経路を介して投与されてもよい。
【0033】
組成物は固体として(たとえば錠剤、丸薬、カプセル、粉末などの形で)投与されても、または液体(たとえば溶液、懸濁液)、半固体(たとえばゲル)、エアロゾルまたは噴霧であってもよい。
【0034】
生理的に許容可能な賦形剤、希釈剤および担体は医療用調合物の当業者に周知であり、たとえば食塩水、リンゲル液、滅菌水、デキストロース溶液、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、澱粉および修飾された澱粉、ならびに植物由来の多糖ゴムおよびゲル(たとえばキサンタンガム、カラゲナンなど)を含む。
【0035】
リボヌクレオシド類似体またはそれを含む医薬組成物の「有効量」とは、この目的に対し、被験者から取った好適な試料(たとえば血液、唾液または組織生検標本)におけるウイルス力価の測定可能な減少、またはこうした試料において検出されるウイルス抗原の量の測定可能な減少、または被験者によって経験されるウイルス感染の症状の認識できる改善をもたらすために十分な量を意味することが理解される。被験者から好適な試料を得る方法、およびそれを分析してウイルス力価または(たとえばELISAまたはその他のイムノアッセイによって)ウイルス抗原を測定する方法は当業者に周知である。
【0036】
リボヌクレオシド類似体の適切な投与量は、被験者の体の質量、類似体の毒性(あれば)のレベル、被験者の年齢およびウイルス感染の深刻度(および/または被験者を苦しめるあらゆる付加的な条件)などのいくつかの因子に依存する。US6,063,628号に指導が与えられる。都合良くは、リボヌクレオシド類似体の投与量は1日当り1mg/Kg体重から500mg/Kgの範囲、好ましくは5mg/Kg−250mg/Kgの範囲、より好ましくは10mg−100mg/Kgである。
【0037】
典型的には、許容可能な範囲の下方端の投与量が被験者に投与され、被験者の状態に認識可能な改善がないときには、有効な投与量が得られるまで禁忌がなければ投与量を増加してもよい。こうした試行錯誤によって、臨床医はあらゆる特定の被験者に対する適切な投与量を容易に見出すことができる。
【0038】
有利には、この発明に従った医薬組成物は1つよりも多くの抗ウイルス剤を含んでもよい。たとえば、組成物は各々が前に定める一般式IまたはIIに従った複数の異なるリボヌクレオシド類似体を含んでもよい。
【0039】
付加的または代替的に、組成物は一般式IまたはIIに適合しない1つまたはそれ以上の抗ウイルス剤を含んでもよい。たとえばリバビリン、AZT、HIVプロプテアーゼ阻害剤、およびUS6063628号に明示的に開示される種類の化合物などの従来の抗ウイルス剤である。この発明の他の局面はこうした実施例を都合良く反映してもよい。
【0040】
代替的には、被験者を治療する方法は、前述のもの、またはリボヌクレオシド類似体がウイルスRNAゲノムへの取込のために競合する必要のある自然に発生するリボヌクレオチドの細胞内濃度を減少させる物質などの付加的な抗ウイルス剤を含むさらなる医薬組成物の別個の投与を含んでもよい。
【0041】
さらなる局面において、この発明は、植物のRNAウイルス感染を防止または治療する目的のために、植物への適用に適した組成物を提供し、この組成物は前述において定めた一般式IまたはIIに適合するRNAヌクレオシド類似体を含み、「ヌクレオシド類似体」という用語はヌクレオチド類似体および塩基類似体への言及も組入れる。
【0042】
組成物は典型的に、活性抗ウイルス剤の溶液または懸濁液(典型的には水性の溶液または懸濁液)を噴霧することによって植物に適用される。都合良くは、組成物は濃縮された形で使用者に供給され、適用に先立って水で希釈される。都合良くは、組成物は植物保護の分野における従来のその他の物質をさらに含むことにより、組成物が適用される植物への組成物の付着および植物による活性剤の摂取を助ける。こうした物質はたとえば、適切な技術分野における当業者に周知の界面活性剤および浸透促進剤を含む。
【0043】
付表におけるウイルスの一覧表は、植物に感染する多くのRNAウイルスを示す。原則として、それらのいずれもが前述で定めた組成物によって抑制され得る。したがってこの発明は抵抗性のない植物におけるRNAウイルス感染を防止および/または治療する方法をさらに提供し、この方法は前述において定めた一般式IまたはIIに適合するRNAヌクレオシド類似体を含む組成物の有効量を植物に適用するステップを含み、この発明はさらに、植物におけるRNAウイルス感染を防止および/または治療するための植物保護組成物を作製する方法を提供する。
【0044】
例示的な実施例によって、また添付の図面を参照してこの発明をさらに説明する。
【実施例】
【0045】
実施例1−プリンリボヌクレオシド類似体の合成
発明者らは、一般式IまたはIIに従ったいくつかのリボヌクレオシド類似体、およびUS6 063 628号においてローブらによって特定的に言及されたリボヌクレオシド(N4−ヒドロキシシチジン)を合成した。簡潔のため、合成された化合物をここではJA22−JA31と呼ぶ。付加的な化合物JA21(ヒルら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、1998、95、4258-4263)を合成して対照として用いた。JA21はリボヌクレオシド類似体JA22のデオキシリボヌクレオシド同等物である。JA29は、ローブらによって、RNAウイルスの突然変異頻度を増加させるのに有用であるとして示された化合物である(ただしその主張を支持するローブらによるデータは示されていない)。発明者らはまた、いくつかの異なる塩基類似体(JA32−JA39)を調製した。下の表(表1)は、JA21−JA39と呼ばれる化合物の各々の系統的な名前と、以前に何らかの慣用名が用いられていた場合にはその名前とを示す。
【0046】
【表1】
Figure 2005507944
【0047】
化合物JA21−JA39の構造をそれぞれ図1−19に示す。治療薬剤としてのヌクレオシド類似体に関する主要な問題の1つは、それらはしばしばキナーゼによって不十分にしか一リン酸塩にリン酸化されないか、または全くキナーゼに対する基質ではないことである。細胞中でヌクレオシド一リン酸を生成する方法がある。1つは核酸塩基、たとえば類似体JA32−JA39を用いることである。これらの核酸塩基は次いでin vivoまたはin vitroにおいてヌクレオシドホスホリラーゼによってそれらのヌクレオシド一リン酸に転換されてもよい(総説に対してはプグマイア(Pugmire)およびイーリック(Ealick)、Biochem. J.、2002、361、1-25を参照)。代替的な方法は、SATE−、シクロサル−またはPMEA−誘導体などのマスクされた一リン酸塩の使用を必要とする。リポソーム(たとえば、原則としてあらゆる商業的に入手可能なリポソームで十分であるが、特定的な例として発明者らはギブコBRLのDMRIE−Cを用いた)などのトランスフェクション剤を用いてヌクレオシド一リン酸、二リン酸または三リン酸が細胞に届けられてもよい。
【0048】
この発明に従い、一般式IまたはIIに従って用いる化合物の例として、JA23−JA31(JA29を除く)を、6−クロロ−9−β−D−リボフラノシルプリンまたは2−アミノ−6−クロロ−9−β−D−リボフラノシルプリン(アルドリッチ)から合成した。これらを以下の入手可能な試薬によって処理した。すなわち、塩酸ヒドロキシルアミン、塩酸メトキシアミン、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩、無水ヒドラジンおよびN−メチルヒドラジンである。
【0049】
一般的な方法の実施例
2−アミノ−6−メトキシアミノ−9−β−D−リボフラノシルプリン(JA31)
この化合物の合成は以前に記載されている(ウエダら、Chem. Pharm. Bull. 1978、26、2122)。
【0050】
エタノール(9ml)中の2−アミノ−6−クロロプリン誘導体(302mg;1mMol)、塩酸メトキシアミン(160mg;4当量)およびトリエチルアミン(0.2ml)を、光を遮蔽した密封瓶中で85℃にて1晩加熱した。反応の完了を、20%MeOH−CH2Cl2中の薄層クロマトグラフィ(tlc.)によって判定した。真空内での蒸発、次いで残渣のエタノールによる粉砕により、白い粉末(90%)としての生成物が得られ、これはジオキサン−水からの結晶化において針状結晶を与えた。
【0051】
6−クロロ−9−β−D−リボフラノシルプリンからの化合物の合成においては、反応条件はより低い温度およびより短い反応時間を必要とした。
【0052】
一般式IまたはIIに従った化合物の合成は、いくつかの他の出版物に記載されている。
【0053】
JA23、24、27および30、タイト(Taito)ら、(1964、Chem. Pharm. Bull. 12、951)を参照
JA25、ジョンソンら、(1958、J. Amer. Chem. Soc. 80, 699)を参照
JA26、フジら、(1991、Chem. Pharm. Bull. 39, 39)を参照
JA28、ジナー−ソロラ(Giner-Sorolla)ら、(1966、J. Med. Chem. 9、143)を参照
JA32、ベイカーら、(1969、J. Med. Chem. 12、684、687)を参照
JA33、JA34、モンゴメリーら、(1957、J. Am. Chem. Soc. 74、2185)を参照
JA37、フジイら、(1983、Chem. Pharm. Bull. 31、3149-3159)を参照
JA39、フジイら、(1971、Chem. Pharm. Bull. 19、1731)を参照
類似体7−デアザ−N6−アミノアデノシン(図20)は以前に調製され、サイトメガロウイルス(HCMV)に対するわずかな活性を有することが示されていた(パドロ(Pudlo)ら、J. Med. Chem. 1988、31、2086-2092)。HCMVはDNAウイルスであり、この化合物の作用様式は、アデノシンキナーゼ阻害剤としてのものであると示唆される。このように、その作用様式はここに記載されるものとは異なる。
【0054】
パドロらによって開示される特定の化合物においては、ここで用いられる一般式Iの表現でいうと、X1=CH、X2=N、X3=NR6、R1=H、R2=H、およびR6=Hである。好ましい実施例において、したがってこの発明は、唯一の活性抗ウイルス化合物がすぐ上に定められるものである医薬組成物をその範囲から除く。パドロらはアシクロビル類似体(アシクロビルは「ウイルスにコードされるDNAポリメラーゼの選択的阻害剤」である)にのみ関心を持っていたため、この先行技術はそこに開示される化合物がRNAウイルスの抑制に有用であり得ることは一切示唆していない。さらに、問題の化合物(パドロらの表1における1d)は、ヒト包皮線維芽細胞(HFF)に対して2μMのIC50を有し、一方でサイトメガロウイルスに対するプラーク低減アッセイにおけるIC50は4μMであることが示され、すなわちこの化合物はウイルス複製よりもHFF細胞に対してより抑制的であり、よってほとんどまたは全く治療に有用ではない。
【0055】
よって、代替的な好ましい実施例において、この発明の医薬組成物は、パドロらによって開示されるアッセイ法に従って、たとえばプラーク低減アッセイによって判断されるときに、HFF細胞に対するIC50よりも低い、従来のRNAウイルス(特に、たとえばポリオウイルス)に関するIC50を有する抗ウイルス活性剤を含むことが好ましい。
【0056】
合成されたすべての化合物は再結晶化され、nmrによって特徴付けられ、実質的に純粋であることが示された。
【0057】
実施例2
合成に続き、ヒトTリンパ球(CEM/O細胞)の増殖における化合物の抑制効果に関してIC50(すなわち50%抑制をもたらす濃度)を測定することにより、さまざまな化合物の毒性をin vitroで試験した。その結果を下の表2に示す。
【0058】
【表2】
Figure 2005507944
【0059】
a50%抑制濃度。
【0060】
実施例3
さまざまな化合物の毒性の指標を確立した後、リボヌクレオシド類似体がin vitro細胞培養物におけるRNAウイルスの複製に何らかの効果を示すかどうかを定めるために試験した。
【0061】
試験中の化合物の副次的毒性濃度(それぞれのIC50値の10−20%の範囲)の存在下で、HIV−1感染したCEM細胞を4−5日ずつ継代培養した。各継代培養において、無細胞上清(10−20μl)を新鮮な1ml細胞培養物に移した。一定の間隔をおいて培養物を顕微鏡で検査し、あらゆる細胞変性効果(巨大細胞形成)の程度を査定した。代替的には、イムノアッセイを行なってウイルスp24生成を定量化することも可能である。
【0062】
下の表3に、7継代接種までの予備的な結果を示す。
【0063】
【表3】
Figure 2005507944
【0064】
a薬物処理したHIV−1(IIIB)にさらしたCEM細胞培養物の継代培養は5日ずつ行われた。
【0065】
bデータは顕微鏡によって記録された細胞変性効果(巨大細胞形成)のパーセンテージを表わす。
【0066】
この結果は、HIVによって例示されるRNAウイルスの複製の抑制にJA31(rK)が特に有効であることを示す。その他の化合物、特にJA23およびJA27も適度に有効であることが明らかである。ローブらによって言及されたJA29はこのアッセイにおいていかなる抗ウイルス活性も示さない。
【0067】
観察される細胞変性効果の減退によって証明されるウイルス力価の低減はウイルスゲノム中の蓄積された突然変異の誘導のためであることを示すために、培養物からプロウイルスDNAを単離し、ルーチンDNA配列決定反応によって逆転写酵素遺伝子の配列を定める。定められた配列を元の投入ウイルスの公知の配列と比較して、対照培養物中のウイルスのものに対する突然変異の数を算出できる。
【0068】
さらなる研究
HIV−1逆転写酵素に触媒されるヌクレオチド類似体を含むRNAのDNAへの転換に加えて、ヒトおよびウイルスRNAポリメラーゼに触媒されるRNA合成に対するリボヌクレオチド類似体の5′−三リン酸誘導体の効果を研究するために、作用機構研究に着手する。また、組換えにより生成されたリボヌクレオシドキナーゼのリボヌクレオシド類似体に対する基質親和性およびリボヌクレオシド類似体の5′−一リン酸への転換のそれらの効力が定められる。リボヌクレオシ(チ)ド類似体の前述の特徴における洞察により、毒性を理想的に最小化しながらの化合物のウイルス突然変異誘発性の最適化が可能となり、化合物の治療における有用性を高める。リボヌクレオシド類似体のマスクされたリン酸誘導体も調査される。
【0069】
実施例4
トランスフェクション剤の存在下でリン酸化されたリボヌクレオチドとして存在するリボヌクレオシド類似体を用いて他の実験が行なわれた。たとえば、rKTPと呼ばれるrKの三リン酸塩が、モリヤマら(1998 Nucl. Acids Res. 26、2105)によって記載されるとおりに合成された。rPの三リン酸塩rPTPも同様の態様で調製された。
【0070】
これら2つの化合物の、持続的に感染したMolt4/IIIB細胞または急性的に感染したMT4/IIIB細胞におけるHIVの複製に対する抑制的な効果が調査された。化合物は同等の濃度のジデオキシシチジン(ddC)またはジデオキシシトシン三リン酸(ddCTP)、または負の対照(薬品なし)と比較された。
【0071】
持続的に感染した細胞への効果
800μlの無血清RPMI1640培地(シグマ)中で、2nmolの関連薬品(最終濃度1μM)を4μlのリポソームDMRIE−C(ギブコBRL)と混合した。室温にて45分間インキュベート後、200μlの無血清RPMI1640培地中の105Molt4/IIIB細胞を加え、37℃にて4時間保持した。この期間の終わりに20%血清を補充した1mlのRPMI1640培地を加え、混合物を37℃にて24時間、72時間および5日間培養し、上清のアリコートを集めて、存在するp24抗原の量をルミパルスTMシステム(富士レビオ)を用いて定めた。その結果を図21に示す。
【0072】
急性的に感染した細胞への効果
1mlの無血清RPMI1640培地中で103pfuのHIVIIIBを105MT4細胞に加え、37℃にて90分間インキュベートした。細胞を無血清培地中で3回洗浄し、200μlの無血清培地に再懸濁した。前述と同様に、薬品投与(100nM最終濃度)、培養およびp24アッセイを行なった。その結果を図22に示す。
【0073】
図21は時間(日)に対する(ng/mlでのp24抗原の量によって測定された)ウイルス力価のグラフであり、薬品なし(「対照」、三角)、または1μM最終濃度のddC(白丸)、ddCTP(白四角)、PTP(黒丸)もしくはrKTP(黒四角)の場合の、持続的に感染したMolt4/IIIB細胞の培養物に対する結果を示す。図22は最終濃度100nMの薬品の存在下での急性的に感染したMT4/IIIB細胞の培養物に対する、時間(日)に対するp24抗原(ng/ml)のグラフであり、凡例は図21と同様である。
【0074】
図21および22に例示される結果は、rKTPおよびrPTPはいずれも対照に比べてウイルス複製を顕著に抑制することを示し、逆転写酵素を抑制する公知のジデオキシ鎖ターミネータ化合物に匹敵するレベルにまでウイルス力価を低減させることを示す。しかし、この発明のリボヌクレオチド類似体は、耐性ウイルス株の発達を受けにくいと考えられる。
【0075】
実施例5
PTPまたはKTPによってMT4/IIIBのHIV−1pol遺伝子に誘導される突然変異
薬品投与(最終濃度は100nM)の3日後に、DNイージーティッシュキット(DNeasy Tissue Kit)(キアゲン)によってMT4/IIIBのゲノムDNAを回収した。2段階ポリメラーゼ連鎖反応(2ステップPCR)によって、pol遺伝子の一部(873bp)を増幅した。第1のPCR反応混合物は、50pmolの順方向(forward)プライマ−1(5’−GGTACAGTATTAGTAGGACC−3’)、50pmolの逆方向(reverse)プライマ−1(5’−TGTGTCAGTTAGGGTGACAA−3’)、200μMの各dNTP、5μlの集められたゲノムDNA、3UのPfu DNAポリメラーゼ(プロメガ)、20mMトリス−HCl pH8.8、10mM KCl、10mM (NH42SO4、2mM MgSO4、0.1%トリトンX−100、および0.1μg/μl BSAを50μl中に含有し、5つの管に分けられた。各混合物を95℃にて2分間インキュベートした。次いでそれを、95℃、1分間、52℃、30秒間、および72℃、2分間を含む熱サイクル反応に45サイクルにわたって適用し、その後72℃にて5分間インキュベートし、このサイクルはマスターサイクラーグラジエント機器(エッペンドルフ)によって制御した。
【0076】
第2のPCR反応混合物は、50pmolの順方向プライマ−2(5’CAGGGATTAGATATCAGTAC−3’)、50pmolの逆方向プライマ−2(5’−TCTCTAACTGGTACCATAAT−3’)、200μMの各dNTP、1μlの各管からの第1PCR生成物、1.5UのPfu DNAポリメラーゼ(プロメガ)、20mMトリス−HCl pH8.8、10mM KCl、10mM (NH42SO4、2mM MgSO4、0.1%トリトンX−100、および0.1μg/μl BSAを50μl中に含有し、同様に5つの管に分けられた。各混合物を95℃にて2分間インキュベートした。次いでそれを、95℃、1分間、52℃、30秒間、および72℃、2分間を含む熱サイクル反応に30サイクルにわたって適用し、その後72℃にて5分間インキュベートした。
【0077】
分けられた第2PCR生成物(1試料に対し合計25管)を1つの管に集め、エタノール沈殿し、EcoRVおよびKpnIによって切断した。pブルースクリプトIISK(+)による連結反応の後、構築されたプラスミドを大腸菌(Escherichia coli)DH5αにエレクトロポレーションにより導入した。クローニングしたPCR生成物を、順方向配列決定プライマ(5’−AAAGCTGGAGCTCCACCGCG−3’)または逆方向配列決定プライマ(5’−AGTGAGCGCGCGTAATACGACTCACTATAGGGCGAATTGG−3’)およびサーモシークエナーゼII(Thermo Sequenase II)ダイターミネータサイクルシークエンシングキット(アマシャムファルマシアバイオテク)を用いて標準的なDNA配列決定反応に適用した。電気泳動および分析は、DNAシークエンサ378A(アプライドバイオシステムズ)によって行なった。
【0078】
下の表4に示される結果に従って、配列決定は、rPTPまたはrKTPのいずれかの存在は突然変異頻度を増加させることを示した。
【0079】
【表4】
Figure 2005507944
【0080】
実施例6
発明者らは、HIV Tatタンパク質を補充したHeLa核抽出物を用いる、HIV5′−末端反復配列(LTR)によって促進されるin vitro転写システムを構築した。HIV5′−LTRプロモータおよびルシフェラーゼ遺伝子を含む、pLTR−lucプラスミドからの668bpのPCR生成物を転写反応のDNA鋳型として用いた。この鋳型から310量体ランオフ転写物(run-off transcript)が生成された。このシステムを図23に概略的に例示する。
【0081】
転写反応における200μMにおけるrPTPの取込の効果を調査した。反応混合物は、従来のヌクレオチド三リン酸(ATP、GTP、CTPおよびUTP)を50μM(GTPは10μCiの放射能によってα32P放射ラベルされた)、+/−200μM PTP、100ngの鋳型DNA、40ユニットのRNアーゼ阻害剤(和光)、1μlの希釈(1:20)Tatタンパク質および8ユニットのHeLa細胞核抽出物を1x転写緩衝液(10mM HEPES pH7.9、2mM DTT、6.25μM ZnSO4、100mM KCl、20%グリセロール、4mM MgCl2)中に含有した。反応混合物を30℃にて10分間インキュベートし、7倍体積の停止溶液(300mMトリスHCl pH7.4、300mM酢酸ナトリウム、0.5%SDS、2mM EDTA、3μg/ml tRNA)を加えることによって反応を終了した。次いで転写物をフェノール/クロロホルム抽出およびエタノール沈殿によって精製した。全試料を5%ポリアクリルアミドゲルに載せ、電気泳動(40W、2時間)にかけた。310量体転写物に対応するバンドの強度をBAS−2000イメージアナライザ(富士フィルム)によって測定した。対照反応(PTPなし)におけるバンドの強度を100%とした。図24に対照反応およびrPTP反応の結果を示す。これは、200μMにおけるrPTPの存在が、生成される転写物の量を50%近く低減させたことを示す。
【0082】
実施例7
前述の実施例は主に、HIVの複製に対するさまざまなリボヌクレオシド類似体の抑制的な効果を示すことに関するものである。しかし、上に説明したとおり、この発明の組成物は「従来の」RNAウイルスによってもたらされる感染を抑制することにも特定の用法を見出すはずである。
【0083】
一般的にいって、当業者は、試験中のリボヌクレオシド類似体のさまざまな濃度の存在または不在下で好適な抵抗性のない宿主細胞とともに対象RNAウイルスをインキュベートし、適切なパラメータを用いてウイルス複製の量を測定することによって、さまざまなリボヌクレオシド類似体の予想される効力を容易に確かめることができる。好適なパラメータはたとえば、一定の長さのインキュベート後のウイルスのpfu数のアッセイ、またはウイルス抗原のアッセイ、または細胞変性効果の量を含んでもよい。
【0084】
ポリオウイルスの複製を抑制するのに効果的な化合物を識別するための、好適なスクリーニングアッセイの特定的な例を以下に示す。その他の「従来の」RNAウイルスに対して活性の化合物をスクリーニングするために、本質的に類似のプロトコルを好適に変更して用いてもよい。
【0085】
透析した胎仔ウシ血清(2%、インビトロジェン)を補充したD−MEM/F−12培地(インビトロジェン)中でHeLa細胞を増やす。ポリオウイルス感染アッセイのために、実験の48時間前に細胞を24ウェルディッシュ(1X105細胞/ウェル)中で培養し、実験の24時間前に試験化合物を予め加え、細胞にウェル当たり2000pfuポリオウイルスを感染させる。100%細胞変性効果(CPE)に達すると、凍結融解によってウイルスを採取し、一連の希釈液を集密HeLa S3細胞の6ウェルディッシュにプラークする。72時間後、細胞をクリスタルバイオレット(20%エタノール中に0.2%)で染色してプラークを視覚化する。100%CPEまでの時間は、視覚的に完全な細胞死をもたらすためにポリオウイルス(2000pfu)が必要とする日数として記録される。
【0086】
実施例8
三リン酸塩の一般的な合成
0.5cm3の水中の50mgの6−クロロプリンリボシド三リン酸または2−アミノ−6−クロロプリンリボシド三リン酸の溶液に、ヒドロキシルアミンまたはヒドラジン誘導体(5当量)を加え、室温にて4時間反応を行なわせた。2−アミノ誘導体の合成は40℃にて4時間の反応を必要とした。溶液を凍結乾燥し、水に再溶解し、HPLCによって精製した。HPLC(フェノメネックスルナ(直径10μm粒子サイズ)C−18逆相カラム、緩衝液A、0.1M TEAB、緩衝液B、0.1M TEAB、50%MeCN)%から40%緩衝液B、8ml/分にて40分間)。試料を蒸発させ、ダウエックス50WX4−200樹脂(Na+形)を通すことによってナトリウム塩に転換した。
【0087】
JA23 5′−三リン酸収量49mg。δp(D2O)−4.40(d,γ−P),−9.73(d,α−P),−20.22(t,β−P)。
【0088】
JA24 5′−三リン酸収量20mg。δp(D2O)−4.56(d,γ−P),−9.80(d,α−P),−20.43(t,β−P)。
【0089】
JA26 5′−三リン酸収量30mg。δp(D2O)−4.71(d,γ−P),−9.79(d,α−P),−20.36(t,β−P)。
【0090】
JA27 5′−三リン酸収量27mg。δp(D2O)−4.41(d,γ−P),−9.74(d,α−P),−20.22(t,β−P)。
【0091】
JA28 5′−三リン酸収量24mg。δp(D2O)−4.49(d,γ−P),−9.77(d,α−P),−20.35(t,β−P)。
【0092】
JA31 5′−三リン酸収量24mg。δp(D2O)−4.51(d,γ−P),−9.77(d,α−P),−20.36(t,β−P)。
【0093】
実施例8A
ポリオウイルス株3D(PV3D)によるsym/sub−Uおよびsym/sub−Cへのヌクレオシド類似体の取込
これは一般的に前述のとおりに行なった(クロッティら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、2001、98、6895-6900、クロッティら、Nature Medicine、2000、6、1375-1379)。すべてのヌクレオチドおよびヌクレオシド取込実験は、50mM HEPES pH=7.5、5mM MgCl2、10mMベータメルカプトエタノール、および60μM ZnCl2を含有する反応緩衝液中で、ウラシルまたはシチジンのいずれかを取込が行なわれる対向側(opposite)の第1塩基として含む短い合成プライマ/鋳型システム(順にsym/sub−Uまたはsym/sub−Cと呼ぶ)を用いて行なわれた。アッセイはPV3Dポリメラーゼ(2μM)をsym/sub−Uまたはsym/sub−C(1μM)のいずれかとともに30℃にて90秒間インキュベートすることによって行なわれ、反応はヌクレオチドまたは類似体(500μM)の添加によって開始された。開始の2分後に、EDTA(50mM最終濃度)によるクエンチングによって反応を停止した。
【0094】
反応中に形成された生成物の分析は、23%PAGE変性ゲルを用いて行なわれた。ゲルはホスホルイメージャ(PhosphorImager)を用いて視覚化され、イメージクオント(ImageQuant)ソフトウェアを用いて量が定められた。
【0095】
sym/sub−Uプライマ/鋳型の配列
Figure 2005507944
結果を図25A/Bおよび26ABに示す。図25Aおよび26Aは、それぞれsym/sub−Uおよびsym/sub−Cシステムを用いて得られた生成物のPAGE分析の画像である。図25Bおよび26Bは、結果を棒グラフの形で図形で表わしたものである。棒の高さは、ATPヌクレオチドを含む対照反応混合物に対する得られた生成物の量(任意の単位)を示す。JA番号はそれぞれの5′−三リン酸塩を示す。
【0096】
図25A/Bは、PV3Dpolによるすべての化合物のsym/sub−Uへの取込が正しいヌクレオチドATPと同様の程度起っていることを示す。図25Aは、反応中に形成された生成物を伴う23%PAGE変性ゲルを示す。鋳型はゲルの下方の主要なバンドである。伸長した生成物は、ゲルの上方のより薄いバンドによって表わされる。図25Bは、阻害剤が用いられたときの形成される生成物の量をAMPの取込と比較して示す。
【0097】
JA番号はその5′−三リン酸塩を示す。
【0098】
図26A/Bにsym/sub−Cによる結果を示す。sym/sub−Cの場合、取込の効率がGMPの半分近くであるJA−26を除いては、類似体の取込はGMPの取込と類似の規模で起る。sym/sub−Cによる反応は、主要生成物として12ヌクレオチドの長さの生成物の形成を示す。これは互いに隣接するシチジンおよびウラシルの両方に対向する(opposite)類似体の取込の結果である。上述のsym/sub−Uの場合には、ウラシルの次にアデノシンがあり、これは類似体に対する良い「鋳型」ではないことが示される。JA−28は12および13ヌクレオチド長の取込の生成物を示す。このことは、JA−28がプリンおよびピリミジン類似体の両方であり得ることを示す。
【0099】
実施例9
核酸塩基の一般的な合成
水中の2−クロロプリンまたは2−クロロ−6−アミノプリンの溶液に、10当量の試薬(たとえばメトキシアミン、メチルヒドラジン、たとえば塩酸ヒドロキシルアミンなどの塩酸塩の場合には10当量のトリエチルアミンも加えられる)を加え、溶液を60℃にて1−48時間加熱した(2−クロロプリンは2−クロロ−6−アミノプリンよりも速く反応する)。冷却によって生成物が沈殿し、濾過によって単離される。
【0100】
実施例10
マスクされたリン酸誘導体の一般的な合成
10.1 シクロサル誘導体の一般的な構造を図27に示し、ここでXはHまたはCH3であり、YはClまたはHである。
【0101】
溶剤としてのDMFおよびアセトニトリル、塩基としてのDIPEA、ならびに3−メチルクロロホスファンまたは5−クロロクロロホスファンの混合物を用いて、マイヤーら(Eur. J. Org. Chem. 1998、837-846)に従ってヌクレオシドを調製し、t−BuOOHによって酸化した。
【0102】
10.2 SATE誘導体の一般的な構造を図28に示す。
【0103】
ビス(S−ピバロイル−2−チオエチル)N,N−ジイソプロピルホスホラミダイト(bis(S-pivaloyl-2-thioethyl)N,N-diisopropylphosphoramidite)は、ルフェーブルら(J. Med. Chem. 1995、38、3941-3950)によって記載されるとおりに調製された。DMFおよびTHFの混合物中のリボヌクレオシド類似体およびビス(S−ピバロイル−2−チオエチル)N,N−ジイソプロピルホスホラミダイト(1.2当量)の攪拌された溶液に、Turbo-Tet(エチルチオテトラゾール)(3当量)を加えた。溶液を室温にて30分間攪拌した。溶液は次いで−40℃に冷却され、ジクロロメタン中の3−クロロ過安息香酸(1.3当量)の溶液が加えられ、溶液は1時間にわたって室温まで暖められた。次いで亜硫酸ナトリウムを加えて3−クロロ過安息香酸を中和した。代替的には、反応混合物はヨウ素酸化溶液(DNA合成等級)によって処理された。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルに溶解し、水性重炭酸ナトリウムで洗浄して蒸発させた。生成物はカラムクロマトグラフィによって精製した。
[付表]
【0104】
【表5】
Figure 2005507944
【0105】
【表6】
Figure 2005507944
【0106】
【表7】
Figure 2005507944
【0107】
【表8】
Figure 2005507944
【0108】
【表9】
Figure 2005507944

【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】デオキシリボヌクレオシド類似体dPの構造式を示す図である。
【図2】図1に示される化合物の「リボ」等価物であるリボヌクレオシド類似体rPの構造式を示す図である。
【図3】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図4】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図5】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図6】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図7】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図8】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図9】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図10】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図11】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図12】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図13】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図14】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図15】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図16】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図17】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図18】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図19】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図20】前述において特定した一般式IまたはIIに従ったリボヌクレオシド類似体の構造式を示す図である。
【図21】時間(日)に対するp24抗原(ng/ml)のグラフである。
【図22】時間(日)に対するp24抗原(ng/ml)のグラフである。
【図23】この発明において用いるためのリボヌクレオシド類似体のスクリーニングにおいて用いる転写システムを概略的に表わす図である。
【図24】リボヌクレオチド類似体rPTPの存在または不在下での、図23に例示される種類の転写システムによって生成されるRNA転写物の量(フェムトモル)を示す棒グラフである。
【図25】図25Aはこの発明に従った特定のリボヌクレオチド類似体を用いて行なわれる核酸伸長アッセイのPAGE分析の画像であり、図25Bは同じ結果を棒グラフの形で表わした図である。
【図26】図26Aはこの発明に従った特定のリボヌクレオチド類似体を用いて行なわれる核酸伸長アッセイのPAGE分析の画像であり、図26Bは同じ結果を棒グラフの形で表わした図である。
【図27】この発明において用いる特定のマスクされたリン酸誘導体の一般的な構造式を示す図である。
【図28】この発明において用いる特定のマスクされたリン酸誘導体の一般的な構造式を示す図である。

Claims (36)

  1. 医薬組成物であって、生理的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体との混合剤中に、一般式IまたはIIに従うリボヌクレオシド類似体を含み、
    Figure 2005507944
    ここで
    n=1−4、好ましくは2−4、
    1=NまたはCHまたはCR5
    2=NまたはSまたはCR5
    2=NのときX3=NR6またはOまたはSまたはR6、X2=SのときX3=NR6またはR6、X2=CR5のときX3はなし
    1=Hまたはアルキルまたはアリールまたはアルカリールまたはアシル
    2=Hまたはアルキルまたはアリールまたはアルカリールまたはアシル、X2=SのときR2はなし
    3=HまたはNR56またはNR5NR56またはNR5OR5
    5=Hまたはアルキルまたはアルケニルまたはアルキニルまたはアリールまたはアルカリールまたはアシル
    6=Hまたはアルキルまたはアルケニルまたはアルキニルまたはアリールまたはアルカリールまたはアシル
    4=Hまたは
    Figure 2005507944
    ここで
    Z=OまたはSまたはCH2またはCHFまたはCF2またはNR5
    4=OHまたはF
    7=HまたはPO3 2-またはP26 3-またはP39 4-またはマスクされたリン酸誘導体である、医薬組成物。
  2. リボヌクレオシド類似体は塩基類似体またはリボヌクレオチド類似体として与えられる、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. リボヌクレオシド類似体はプリン類似体を含む、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. ヒトまたは動物被験者への投与に続き、被験者の細胞内で、細胞中に存在する細胞または好ましくはウイルスのRNAポリメラーゼによってRNA分子に取込まれる化学的実体を生じさせる、請求項1から3のいずれかに記載の医薬組成物。
  5. 細胞はRNAウイルスにより感染され、RNA分子はウイルスゲノム核酸分子の少なくとも一部のRNAコピーである、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. リボヌクレオシド類似体はZがOである、請求項1から5のいずれかに記載の医薬組成物。
  7. 2はNを含む、請求項1から6のいずれかに記載の医薬組成物。
  8. 3はOであるか、またはNを含む、請求項1から7のいずれかに記載の医薬組成物。
  9. 4はOHである、請求項1から8のいずれかに記載の医薬組成物。
  10. 2はNであり、X3はN2である、請求項1から9のいずれかに記載の医薬組成物。
  11. 図3または図7に示される構造を有するリボヌクレオシド類似体を含む、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 2はNであり、X3はOであり、R1はアルキルである、請求項1から9のいずれかに記載の医薬組成物。
  13. 1はメチルまたは置換されたメチルである、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 図11に示される構造を有するリボヌクレオシド類似体または対応するリボヌクレオチド類似体を含む、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. ヒトまたは動物被験者におけるRNAウイルス感染を防止および/または治療するために好適な医薬組成物を作製する方法であって、前記方法は、一般式IまたはIIに従うリボヌクレオシド類似体を生理的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体と混合するステップを含む、方法。
  16. 実行の結果、請求項1から14のいずれかに記載の医薬組成物が調製される、請求項15に記載の方法。
  17. 複数の異なるリボヌクレオシド類似体を組合せるステップを含み、各類似体は一般式IまたはIIに従う、請求項15に記載の方法。
  18. 医薬組成物中にさらなる抗ウイルス剤を含めるステップを含む、請求項15または16に記載の方法。
  19. さらなる抗ウイルス剤は逆転写酵素の阻害剤である、請求項18に記載の方法。
  20. さらなる抗ウイルス剤はHIVまたはその他のレトロウイルスに対して活性である、請求項18に記載の方法。
  21. 組成物を単位投与量の形に包装するステップをさらに含む、請求項15から20のいずれかに記載の方法。
  22. ヒトまたは動物被験者におけるRNAウイルス感染を防止および/または治療するための薬の調製における、一般式IまたはIIに従うリボヌクレオシド類似体の用法。
  23. ヒトまたは動物被験者におけるRNAウイルス感染を防止および/または治療するための、請求項1から14のいずれかに記載の医薬組成物の調製における、一般式IまたはIIに従うリボヌクレオシド類似体の用法。
  24. ヒトまたは動物被験者におけるRNAウイルス感染を治療する方法であって、前記方法はRNAウイルスに感染した被験者に一般式IまたはIIに従うリボヌクレオシド類似体の有効量を投与するステップを含む、方法。
  25. 請求項1から14のいずれかに記載の医薬組成物を被験者に投与するステップを含む、請求項24に記載の方法。
  26. ウイルス核酸のLTRの介在する転写を抑制することによってヒトまたは動物被験者におけるRNAウイルス感染を防止および/または治療するための薬の調製における、リボヌクレオシド類似体の用法。
  27. リボヌクレオシド類似体は図2に示される構造を有するか、または対応するリボヌクレオチド類似体である、請求項26に記載の用法。
  28. 薬は請求項1から14のいずれかに記載の医薬組成物である、請求項26に記載の用法。
  29. RNAウイルスに感染したヒトまたは動物被験者に投与されるときに、ウイルスの複製を抑制し、および/またはウイルスの突然変異頻度の増加をもたらす、請求項1から14のいずれかに記載の医薬組成物。
  30. RNAウイルスに感染したヒトまたは動物被験者に投与されるときに、ウイルス核酸のLTRの介在する転写の抑制をもたらす、請求項1から14のいずれかに記載の医薬組成物。
  31. RNAウイルスに感染したヒトまたは動物被験者に投与されるときに、ウイルス核酸のLTRの介在する転写の抑制をもたらす、請求項1から14のいずれかに記載の医薬組成物。
  32. 植物のRNAウイルス感染を防止および/または治療する目的のために、植物への適用に好適な組成物であって、前記組成物は一般式IまたはIIに適合するRNAヌクレオシド類似体を含む、組成物。
  33. 界面活性剤および/または植物浸透促進剤をさらに含む、請求項32に記載の組成物。
  34. 抵抗性のない植物におけるRNAウイルス感染を防止および/または治療する方法であって、前記方法は請求項32または33に記載の組成物の有効量を植物に適用するステップを含む、方法。
  35. 実質的に上に記載し添付の図面を参照した、医薬組成物。
  36. 実質的に上に記載し添付の図面を参照した、RNAウイルス感染を防止および/または治療するための薬の調製における、一般式IまたはIIに従うリボヌクレオシド類似体の用法。
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