JP2005506879A - 抗生リン酸カルシウムコーティング - Google Patents
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Abstract
【課題】被覆インプラントの移植前に、沈殿により給されたリン酸カルシウム表面に治療剤を適用する、用途が広く、簡単な方法を提供する。
【解決手段】治療剤、例えば抗生物質を有するコーティングを、インプラントに適用する工程は、治療剤用貯蔵箇所として、リン酸カルシウム被覆金属インプラントの高表面積を使用する。インプラントは、リン酸カルシウム鉱物、例えばヒドロキシアパタイトの1以上の層で被覆される。通常、水溶液内で実施される結晶性層の適用後、インプラントを乾燥させ、包装する。移植直前に、インプラントを包装から取り出し、リン酸カルシウムの結晶層を、治療剤を含有する水溶液で湿らす。
【解決手段】治療剤、例えば抗生物質を有するコーティングを、インプラントに適用する工程は、治療剤用貯蔵箇所として、リン酸カルシウム被覆金属インプラントの高表面積を使用する。インプラントは、リン酸カルシウム鉱物、例えばヒドロキシアパタイトの1以上の層で被覆される。通常、水溶液内で実施される結晶性層の適用後、インプラントを乾燥させ、包装する。移植直前に、インプラントを包装から取り出し、リン酸カルシウムの結晶層を、治療剤を含有する水溶液で湿らす。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、プロテーゼ装置の無機物化コーティングに関する。更に詳細には、本発明は、治療剤、例えば水中の抗生物質、をそのなかに吸収させたコーティングを含む多孔質リン酸カルシウム鉱物被覆プロテーゼに関する。
【背景技術】
【0002】
骨傷害/疾病双方の治療にプロテーゼ装置を使用することは、活動的な人口及び老人人口が増加すると共に絶えず拡大している。骨破砕及び骨除去のための骨代替物の使用又は脆弱化した骨のためのサポートの使用は、人工骨代替物が、生来骨とともに、強い関節又は骨を形成して、構造の完全性を保障することを必要とする。骨は隣接構造中へ、特に隣接構造が、多孔質であり、骨に匹敵する場合に、その中へ成長していくことができる。けれども、骨が、多孔質構造中へ成長していけるだけではなく、中に成長した生来の骨とプロテーゼ装置との間の強い接着を可能にする形での結合があらねばならない。
【0003】
プロテーゼインプラントの骨への固着のために重要な要件は、骨がインプラント表面へ及び/又は中へ成長することである。多数の研究により、コバルト−クロム(Co−Cr)及びチタン(Ti)−合金インプラント上のリン酸カルシウムコーティング、例えば生物的アパタイト、は、合金だけの裸表面の時より遥かに迅速に骨付着を促進することが示された。生物的アパタイトCa10(PO4)6(OH)2は、ヒトの骨および歯起源の主要化合物の1つである。この無機物の合成形、ヒドロキシアパタイト(HA)は、天然産アパタイトに非常に類似している。合成HAと天然産アパタイトとの間のこの類似性は、科学者を、歯科及び整形外科インプラントでHAを使用する研究へ導いた。HA又は他の結晶性リン酸カルシウムを用いる被覆により、移植後、周囲の骨及び組織と容易に一体化するインプラントが製造される。
【0004】
合成アパタイトを使用する試みをした最初の歯科及び整形外科インプラントの幾つかは、焼結又はプラズマ溶射されたHAから完全に形成された。
【0005】
プラズマ溶射は、金属インプラントをHAで被覆する公知の工程の1つである。この工程の間、混合ガス流は、高温電気アーク中を通過し、そこで、ガスはイオン化されてプラズマ炎にかえられる。その後、結晶性HA供給(feedstock)粉末が、流れの中へ供給され、次いでインプラントの外面上に溶融状態で突き当たる。吹付けは、表面へ接着し、セラミックHAの比較的薄いコーティングを形成する。HA被覆インプラントは、純金属性インプラント及び純HAインプラントの両方の利点を示す。これらのインプラントは強靭であるので、骨組織はコーティング表面と強い骨界面を形成する傾向があり、従って生体適合性及び骨一体化を促進する。不運なことに、プラズマ溶射は、幾つかの重要な不利益をもたらす。
【0006】
プラズマ溶射は、HAを極めて高温にさらし、そのため、形態及び化学組成に好ましくない変化をひきおこす。これらの変化は、特別な問題を生じる。特に、高結晶性HAは、非晶性HAよりはるかに高い生体外安定性を有することが公知である。良好な品質の供給HAは、スプレーされる前に、完全な結晶形を有する。しかしながら、プラズマ溶射に付随する温度は、HAに作用して、その純粋で、結晶性の形から、非常に結晶構造の少ないものに部分的に変形させる。HAのこの非晶性の形は、一般に、無定形リン酸カルシウム(ACP)と呼ばれている。プラズマ溶射の間、結晶性HA供給物は、また、他の結晶化合物、例えばリン酸三カルシウム(α−TCP及びβ−TCPを含むTCP)、リン酸四カルシウム(TTCP)及び酸化カルシウム(CaO)、に部分的に変換される。要約すると、これらの不純物は、それらの水溶液への溶解度が実質的に結晶性HAより高いゆえに、結晶可溶性相と呼ばれることもある。従って、結晶性HAの低温析出工程が望ましかった。
【0007】
結晶性リン酸カルシウムコーティングは、有利には、低温1段階又は多段階工程で製造され、これらの工程は、基材表面に結晶性ヒドロキシアパタイトの強接着性の均一で薄いコーティングを施与する。その際、コーティングは、長いニードル又はホイスカーを有し、これらは、骨内殖を引き起こし、かつ生来骨とコーティングとの間に、骨内殖及び対向する孔を含むインプラントを介して強い結合を引き起こすように見える。
【0008】
コーティングは、繊維状ヒドロキシアパタイト結晶のために、高いヒドロキシアパタイトCa10(PO4)6(OH)2表面積を有することが発見された。表面積は、一般に、エリアの約1〜25m2/cm2の範囲であろう。コーティングは、約2μmの薄さであってよく、有利には、少なくとも約5μm(μm=ミクロン)、更に有利には少なくとも約10μmであり、40μm厚さまでであってよく、あるいは、必要次第では、それ以上であってもよい。通常、相対的に薄いコーティングは、基材と可塑性骨との間の厚く脆いセラミック界面を回避するために使用される。その教示が本明細書中に参考として組み入れられている米国特許No.5164187及び5188670中に教示された工程により、そのようなコーティングを製造することができる。
【0009】
米国特許No.5164187の方法で製造される単結晶又はホイスカーは、一般に、直径約0.01〜20ミクロン及び長さ約1〜40ミクロンの範囲であろう。組成は、通常、実質的に均質(≧95%)、鉱物学上純粋、即ち高結晶性(同じ結晶構造)(≧90%)、及び実質的に形態的に均質であり、一般に各寸法の平均値から±20%以上の変化はない。
【0010】
結晶性ヒドロキシアパタイトは、生理的pHで正味の正電荷を有し、帯電プロテイン、例えば、コラーゲン又は他の外因性又は内因性プロテイン、をひきつけ、これらは、成長因子、化学誘引物質等々として働く。このように、コーティングは、ヒドロキシアパタイトの表面上にそのような産物の存在を提供しうる。このコーティングの例外的に高い表面は、未被覆のインプラント又は慣用のリン酸カルシウムコーティングより、大きなオーダーの結合表面を提供する。特に、プラズマ溶射HAコーティングは、抗生物質の溶液又は懸濁液に結合しないことが判明していた。
【0011】
リン酸カルシウムコーティングは、ソリッド表面、多孔質表面、エッチング面又は他の任意のタイプの表面に適用することができる。コーティングは、液体媒質中で適用され、チャネル、孔、凹み及び他の構造的特徴に浸透できるので、実質的に全表面を被覆し、露出面が残っていない、均一なコーティングを得ることができる。対象工程は、微細なビーズ層(fine bead layer)を含む装置に特別な適用を見つけている。ビーズは2層以上であり、ビーズの少なくとも約2層が、ヒドロキシアパタイト又はその類似物により浸透され、被覆されることを要する。従って、プロテーゼ装置で使用されるような多孔質基材で、少なくとも約0.5mm、更に通常、少なくとも約1mmの浸透が得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、被覆インプラントの移植前に、沈殿により給されたリン酸カルシウム表面に治療剤を適用する、用途が広く、簡単な方法を提供することである。
【0013】
本発明のもう1つの目的は、インプラントの移植前に、水溶性抗生物質の服量を有するリン酸カルシウム被覆表面を提供する、簡単かつ迅速な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の上記目的は、インプラントに治療剤、特に抗生物質を適用する方法により達成され、これは、ヒドロキシアパタイト又はリン酸カルシウムを溶液から沈殿させることにより、有利には少なくとも2層の結晶性ヒドロキシアパタイトでインプラントを被覆することを含む。次いで、インプラントを乾燥させ、包装する。有利な態様では、移植直前に、治療剤又は抗生物質を、殺菌脱イオン水又は注射用殺菌水に添加し、インプラントを包装から取り出し、少なくともそれのヒドロキシアパタイト又はリン酸カルシウム表面を溶液中に浸漬させる。
【0015】
あるいは、抗生物質溶液又は懸濁液を、包装前に乾燥コーティング中に導入することもできる。次いで、外科医は、インプラントを供給されたままで使用するか、又はインプラントのHA抗生物質被覆部分に、抗生物質の追加的コーティングを添加することができる。
【0016】
手術室での適用時に、治療溶液を、リン酸カルシウム表面中にピペットで入れてもよい。次いで、インプラントは、湿潤状態で移植される。あるいは、治療剤をインプラント部位に施す方法は、包装前について前記したのと同じ工程により、結晶性リン酸カルシウム又は結晶性ヒドロキシアパタイトで被覆された包装済みインプラント及び治療剤を用意することを含む。手術室で、移植直前に行われるならば、リン酸カルシウム又はヒドロキシアパタイトで被覆されたインプラントを包装から取り出し、抗生物質又は骨形態発生プロテインのような治療薬を含有する水溶液で被覆する。これは、リン酸カルシウム又はヒドロキシアパタイトで被覆されたインプラントを治療剤、例えば抗生物質又は骨成長刺激剤、例えば骨形態発生プロテイン、の水溶液中に浸漬することにより遂行することができる。又は、水溶液を、表面に、ピペット注入するか又は注ぐだけでよい。インプラントは、その湿潤状態で骨管(bone canel)中に移植するか又は移植前に空気中で乾燥させてもよい。治療剤、例えば抗生物質は、水に溶解して、水溶液を形成するか、又は水中に懸濁して、水性混合物を形成してよく、これは、リン酸カルシウムヒドロキシアパタイトコーティング上に装入される。
【0017】
この方法で使用するための有用な抗生物質は、セファマンドール、トブラマイシン、バンコマイシン、ペニシリン、セファロスポリン C、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、シプロフロキサシン及びビスホスホネートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
リン酸カルシウムの単層を適用してもよいが、有利な方法は、少なくとも2層のリン酸カルシウムを金属プロテーゼに適用することを含む。第一の層は、高密度の不均一核形成部位を生じる条件を施すことにより得られた、非常に小さい結晶からなるので、基材上に、多数のヒドロキシアパタイト核形成部位がある。実質的により大きな結晶を生産するために、結晶成長が調整される低レベルの核形成を提供する条件下で、少なくとも1つの追加的被覆が、これに引き続いて行われるのが、有利である。望ましくは、1つ以上の追加コーティング層が提供され、その場合、条件は、第二コーティングと同じか又はより低いレベルの核形成であり、第二のコーティングと比較して大きなサイズの結晶を製造する。通常、5又はそれ以下、有利には約3以下のコーティングがある。
【0019】
第一層は、一般に、厚さが、約0.01ミクロン〜10ミクロンの範囲である。第二コーティングは、一般に、厚さが、約1ミクロン〜40ミクロンの範囲であり、結晶のサイズは、長さ範囲、約0.01ミクロン〜20ミクロンである。第三及びそれ以降のコーティングは、一般に、各層、約1ミクロン〜40ミクロン、有利に約5ミクロン〜10ミクロンの範囲の厚さであり、直径約0.1〜2ミクロン及び長さ約1〜10ミクロン、有利には直径約0.1〜1ミクロン及び長さ約2ミクロン〜7ミクロンの結晶を有する。第二及びそれ以降の層の合計厚さは、一般に、約5ミクロン〜20ミクロンの範囲になるだろう。
【0020】
反応体の濃度、pH、温度、反応器中での反応体の結合の仕方、液体流の性質等を変えることにより、多様な層を得ることができる。有利には、反応体及び基材は、相互に対して移動するので、基材は、連続的に特定反応混合物に出くわす。都合のよいことに、再循環され、かつ補給された成分を消費する反応混合物を管形反応器(tubular reactor)に供給するか又は混合機を使用して、層流又は乱流、有利には乱流により、反応混合物が、基材を流過でき、その際、基材の被覆すべき部分は、反応器の中心から外れた所に位置し、反応混合物は、壁等の周りを流れる流体で連続的に撹拌される。反応混合物に関する特定の条件は、流れ条件により決定され、この流れ条件は、反応体の濃度、結合形態、液流のレジメ(fluid flow regime)、容器形態等により確定される。所望の場合は、これらの条件は、1段階でコーティングを適用できる方法で変じることができる。
【0021】
コーティングを得るために、バイタリウム(Co−Cr)又はチタンインプラントを注意深く清浄し、任意には不動態化して、脱イオン水(dh2O)中の酢酸アンモニウム10重量%溶液を含むステンレススチール処理タンク中に導入する。インプラントをカルシウム及びリン酸塩添加口の下流に置き、迅速に撹拌する。ステンレススチールタンクは、蒸発熱の損失を減じるために保護蓋で覆われている。酢酸アンモニウム溶液が80℃まで加熱されると、pHがモニターされて、溶液を80℃でpH7.4に保持する。コーティング工程は、温度が80.0℃に達し、溶液がpH7.4である時に開始した。これらの条件は、コーティング工程を通して、保持された。
【0022】
次いで、濃水酸化アンモニウムの添加によりpHを保持しながら、有利には、酢酸カルシウム0.5M及びリン酸アンモニウム一塩基0.3Mである、反応体の添加を、所望のカルシウム対リン酸塩の割合を提供する割合で開始した。添加は、2〜4時間の時間にわたり実施する。添加速度は、所望の厚さのコーティングを製造するために変化させる。
【0023】
次いで、インプラント基材を取り出し、洗浄し、空気乾燥させてよい。熱空気乾燥させてもよい。被覆工程を終了すると、コーティングは、被覆率及び品質に関し視覚で検査する。被覆率又は品質が認容できないならば、コーティングを除去し、工程を繰り返すことができる。この工程の記述は、“A Novel Method For Solution Deposition Of Hydroxyapatite On To Three Dimensionally Porous Metallic Surfaces:Peri−Apatite HA”,Mat.Res.Soc.Symp.Proc.Vol.599,2000 Material Research Societyの記事に見ることができる。
【0024】
結晶コーティングがプロテーゼに適用されると直ぐに、プロテーゼは空気乾燥され、包装されかつ殺菌される。次いで、殺菌包装インプラントは、手術室で使用される準備がととのう。インプラントは、抗生物質又は他の治療剤、例えば骨形態形成プロテイン(BMP)で下塗りされていないので、外科医は、手術の時点で、抗生物質又は他の薬剤が全く必要であるかどうか、必要ならば、どのタイプの抗生物質又は他の薬剤が最良に適するのかを決定することができる。次いで、外科医は本発明の方法を使用する。
【0025】
非晶性リン酸カルシウムプラズマ被覆インプラントと、溶液からヒドロキシアパタイトを沈殿させたインプラントとの間の表面積及び表面エネルギーにおける差のために、後者は、手術の時点で外科医により混合されるか又は包装前に混合され適用される水と抗生物質との組合せを容易に吸収するであろう。どの抗生物質又は治療剤も、水に溶解するか又は懸濁させて、使用してよいが、以下の例は、多様な抗生物質を、指示された感染についての種々の阻害ゾーン(ミリメートルで)で説明する。
【0026】
【表1】
【0027】
種々の塩(異なる抗生物質を安定化させるために使用)とリン酸カルシウムコーティングとの間にイオン性相互作用がありうるという懸念を払拭するために、11の抗生物質を使用した。
【0028】
全テストにおいて、結果は、種々の抗生物質が効果的に沈殿結晶コーティング中に導入され、かつ有効濃度で迅速に放出されることを示す。抗生物質とコーティングを結合させ、それにより放出を阻害する、抗生物質塩とヒドロキシアパタイトコーティングとの間の相互作用は、無いようにみえる。
【0029】
提案された方法は、外科医に、修正手術又は他の手術の時点で、培養バクテリアのための個々の治療を準備させることができるので、この結果は臨床的に重要である。発熱性骨セメントをキャリアとして使用する場合のように、この方法は、熱感応性抗生物質の使用を排除しない。
【実施例1】
【0030】
硫酸トブラマイシン1.2gを殺菌脱イオン水12ml(100mg/ml)中に溶解した。直径12mmテストクーポン(test coupon)の形のインプラントはチタン製であり、米国特許No.5164187の方法により適用されて、結晶性ヒドロキシアパタイトで被覆されていた。溶液10μlを、沈殿被覆(HA)させたディスクのそれぞれの表面に、ピペットで注ぎ、乾燥させた。液体抗生物質溶液又は懸濁液の適用は、治療用量を同レベルに制御できない浸漬よりもむしろ、ピペット注入又はシリンジ使用により実施するとよい。次いで、吸収工程終了直後に、テストクーポンを37℃で緩衝生理食塩水中へ入れた。抗生物質全部が緩衝生理食塩水溶液中に、浸漬24時間以内に放出されたことが測定された。修正されたKirby Bauer感受性モデル(susceptibility model)の形で追加テストを遂行し、これは、放出された抗生物質は、生物学的に活性のままであり、従って、ヒドロキシアパタイト構造中への吸収により影響されなかったことを示した。公知のKirby Bauer感受性モデルでは、肉汁培地についてATCC推奨、かんてん培養基及びインキュベーション仕様書によりテスト微生物を繁殖させ、処置した。ブドウ球菌(Staphylococcus aureus:ATCC菌株#6538)は、トリプチカーゼ大豆肉汁TSBを接種し、37℃で24時間インキュベートすることにより調製した。微生物懸濁液を、分光光度計(波長=475nm)を使用して吸光度0.325に調整し、Mueller−Hintonかんてん培養基プレート上に綿棒で塗布した。各播種プレートは、抗生物質含有HAディスク及び対照として使用される抗生物質不含HAディスクの両方を用いて検証した。サンプルは2回テストした(即ち生物当たり2つのプレート)。37℃で24時間のインキュベーション後、プレートをディスクの周囲の阻害ゾーンについて検査した。阻害ゾーンはテストディスクとバクテリア増殖の端との間の距離として定義される。ぼんやりした又は「ゴースト」ゾーンは、普通、完全阻害域と完全なバクテリア増殖域との間に存在する。「ゴースト」ゾーンは、部分的阻害の結果であり、阻害ゾーンの測定値には含まれない。比較として、ヒドロキシアパタイトで被覆されているが、抗生物質溶液に浸漬されていない、未処理テストクーポンは、抗菌特性を示さなかった。
【0031】
治療溶液をピペットで表面に添加したが、テストクーポンは、正に容易に、シリンジにより適用されるか、又は溶液中に浸漬させることもできた。必要な場合は、一連の治療剤の適用/乾燥がなされ、薬剤の濃度を増加させることができる。
【0032】
明細書中の発明は、特別な態様に関し記載されているが、これらの態様は、本発明の原則及び適用の単なる例証であると理解すべきである。それゆえ、例証となる態様のために多数の変更ができ、かつ添付クレームにより定義される本発明の精神及び範囲から逸脱せずに他のアレンジメントを考案してよいことは理解すべきである。
【0001】
本発明の分野は、プロテーゼ装置の無機物化コーティングに関する。更に詳細には、本発明は、治療剤、例えば水中の抗生物質、をそのなかに吸収させたコーティングを含む多孔質リン酸カルシウム鉱物被覆プロテーゼに関する。
【背景技術】
【0002】
骨傷害/疾病双方の治療にプロテーゼ装置を使用することは、活動的な人口及び老人人口が増加すると共に絶えず拡大している。骨破砕及び骨除去のための骨代替物の使用又は脆弱化した骨のためのサポートの使用は、人工骨代替物が、生来骨とともに、強い関節又は骨を形成して、構造の完全性を保障することを必要とする。骨は隣接構造中へ、特に隣接構造が、多孔質であり、骨に匹敵する場合に、その中へ成長していくことができる。けれども、骨が、多孔質構造中へ成長していけるだけではなく、中に成長した生来の骨とプロテーゼ装置との間の強い接着を可能にする形での結合があらねばならない。
【0003】
プロテーゼインプラントの骨への固着のために重要な要件は、骨がインプラント表面へ及び/又は中へ成長することである。多数の研究により、コバルト−クロム(Co−Cr)及びチタン(Ti)−合金インプラント上のリン酸カルシウムコーティング、例えば生物的アパタイト、は、合金だけの裸表面の時より遥かに迅速に骨付着を促進することが示された。生物的アパタイトCa10(PO4)6(OH)2は、ヒトの骨および歯起源の主要化合物の1つである。この無機物の合成形、ヒドロキシアパタイト(HA)は、天然産アパタイトに非常に類似している。合成HAと天然産アパタイトとの間のこの類似性は、科学者を、歯科及び整形外科インプラントでHAを使用する研究へ導いた。HA又は他の結晶性リン酸カルシウムを用いる被覆により、移植後、周囲の骨及び組織と容易に一体化するインプラントが製造される。
【0004】
合成アパタイトを使用する試みをした最初の歯科及び整形外科インプラントの幾つかは、焼結又はプラズマ溶射されたHAから完全に形成された。
【0005】
プラズマ溶射は、金属インプラントをHAで被覆する公知の工程の1つである。この工程の間、混合ガス流は、高温電気アーク中を通過し、そこで、ガスはイオン化されてプラズマ炎にかえられる。その後、結晶性HA供給(feedstock)粉末が、流れの中へ供給され、次いでインプラントの外面上に溶融状態で突き当たる。吹付けは、表面へ接着し、セラミックHAの比較的薄いコーティングを形成する。HA被覆インプラントは、純金属性インプラント及び純HAインプラントの両方の利点を示す。これらのインプラントは強靭であるので、骨組織はコーティング表面と強い骨界面を形成する傾向があり、従って生体適合性及び骨一体化を促進する。不運なことに、プラズマ溶射は、幾つかの重要な不利益をもたらす。
【0006】
プラズマ溶射は、HAを極めて高温にさらし、そのため、形態及び化学組成に好ましくない変化をひきおこす。これらの変化は、特別な問題を生じる。特に、高結晶性HAは、非晶性HAよりはるかに高い生体外安定性を有することが公知である。良好な品質の供給HAは、スプレーされる前に、完全な結晶形を有する。しかしながら、プラズマ溶射に付随する温度は、HAに作用して、その純粋で、結晶性の形から、非常に結晶構造の少ないものに部分的に変形させる。HAのこの非晶性の形は、一般に、無定形リン酸カルシウム(ACP)と呼ばれている。プラズマ溶射の間、結晶性HA供給物は、また、他の結晶化合物、例えばリン酸三カルシウム(α−TCP及びβ−TCPを含むTCP)、リン酸四カルシウム(TTCP)及び酸化カルシウム(CaO)、に部分的に変換される。要約すると、これらの不純物は、それらの水溶液への溶解度が実質的に結晶性HAより高いゆえに、結晶可溶性相と呼ばれることもある。従って、結晶性HAの低温析出工程が望ましかった。
【0007】
結晶性リン酸カルシウムコーティングは、有利には、低温1段階又は多段階工程で製造され、これらの工程は、基材表面に結晶性ヒドロキシアパタイトの強接着性の均一で薄いコーティングを施与する。その際、コーティングは、長いニードル又はホイスカーを有し、これらは、骨内殖を引き起こし、かつ生来骨とコーティングとの間に、骨内殖及び対向する孔を含むインプラントを介して強い結合を引き起こすように見える。
【0008】
コーティングは、繊維状ヒドロキシアパタイト結晶のために、高いヒドロキシアパタイトCa10(PO4)6(OH)2表面積を有することが発見された。表面積は、一般に、エリアの約1〜25m2/cm2の範囲であろう。コーティングは、約2μmの薄さであってよく、有利には、少なくとも約5μm(μm=ミクロン)、更に有利には少なくとも約10μmであり、40μm厚さまでであってよく、あるいは、必要次第では、それ以上であってもよい。通常、相対的に薄いコーティングは、基材と可塑性骨との間の厚く脆いセラミック界面を回避するために使用される。その教示が本明細書中に参考として組み入れられている米国特許No.5164187及び5188670中に教示された工程により、そのようなコーティングを製造することができる。
【0009】
米国特許No.5164187の方法で製造される単結晶又はホイスカーは、一般に、直径約0.01〜20ミクロン及び長さ約1〜40ミクロンの範囲であろう。組成は、通常、実質的に均質(≧95%)、鉱物学上純粋、即ち高結晶性(同じ結晶構造)(≧90%)、及び実質的に形態的に均質であり、一般に各寸法の平均値から±20%以上の変化はない。
【0010】
結晶性ヒドロキシアパタイトは、生理的pHで正味の正電荷を有し、帯電プロテイン、例えば、コラーゲン又は他の外因性又は内因性プロテイン、をひきつけ、これらは、成長因子、化学誘引物質等々として働く。このように、コーティングは、ヒドロキシアパタイトの表面上にそのような産物の存在を提供しうる。このコーティングの例外的に高い表面は、未被覆のインプラント又は慣用のリン酸カルシウムコーティングより、大きなオーダーの結合表面を提供する。特に、プラズマ溶射HAコーティングは、抗生物質の溶液又は懸濁液に結合しないことが判明していた。
【0011】
リン酸カルシウムコーティングは、ソリッド表面、多孔質表面、エッチング面又は他の任意のタイプの表面に適用することができる。コーティングは、液体媒質中で適用され、チャネル、孔、凹み及び他の構造的特徴に浸透できるので、実質的に全表面を被覆し、露出面が残っていない、均一なコーティングを得ることができる。対象工程は、微細なビーズ層(fine bead layer)を含む装置に特別な適用を見つけている。ビーズは2層以上であり、ビーズの少なくとも約2層が、ヒドロキシアパタイト又はその類似物により浸透され、被覆されることを要する。従って、プロテーゼ装置で使用されるような多孔質基材で、少なくとも約0.5mm、更に通常、少なくとも約1mmの浸透が得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、被覆インプラントの移植前に、沈殿により給されたリン酸カルシウム表面に治療剤を適用する、用途が広く、簡単な方法を提供することである。
【0013】
本発明のもう1つの目的は、インプラントの移植前に、水溶性抗生物質の服量を有するリン酸カルシウム被覆表面を提供する、簡単かつ迅速な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の上記目的は、インプラントに治療剤、特に抗生物質を適用する方法により達成され、これは、ヒドロキシアパタイト又はリン酸カルシウムを溶液から沈殿させることにより、有利には少なくとも2層の結晶性ヒドロキシアパタイトでインプラントを被覆することを含む。次いで、インプラントを乾燥させ、包装する。有利な態様では、移植直前に、治療剤又は抗生物質を、殺菌脱イオン水又は注射用殺菌水に添加し、インプラントを包装から取り出し、少なくともそれのヒドロキシアパタイト又はリン酸カルシウム表面を溶液中に浸漬させる。
【0015】
あるいは、抗生物質溶液又は懸濁液を、包装前に乾燥コーティング中に導入することもできる。次いで、外科医は、インプラントを供給されたままで使用するか、又はインプラントのHA抗生物質被覆部分に、抗生物質の追加的コーティングを添加することができる。
【0016】
手術室での適用時に、治療溶液を、リン酸カルシウム表面中にピペットで入れてもよい。次いで、インプラントは、湿潤状態で移植される。あるいは、治療剤をインプラント部位に施す方法は、包装前について前記したのと同じ工程により、結晶性リン酸カルシウム又は結晶性ヒドロキシアパタイトで被覆された包装済みインプラント及び治療剤を用意することを含む。手術室で、移植直前に行われるならば、リン酸カルシウム又はヒドロキシアパタイトで被覆されたインプラントを包装から取り出し、抗生物質又は骨形態発生プロテインのような治療薬を含有する水溶液で被覆する。これは、リン酸カルシウム又はヒドロキシアパタイトで被覆されたインプラントを治療剤、例えば抗生物質又は骨成長刺激剤、例えば骨形態発生プロテイン、の水溶液中に浸漬することにより遂行することができる。又は、水溶液を、表面に、ピペット注入するか又は注ぐだけでよい。インプラントは、その湿潤状態で骨管(bone canel)中に移植するか又は移植前に空気中で乾燥させてもよい。治療剤、例えば抗生物質は、水に溶解して、水溶液を形成するか、又は水中に懸濁して、水性混合物を形成してよく、これは、リン酸カルシウムヒドロキシアパタイトコーティング上に装入される。
【0017】
この方法で使用するための有用な抗生物質は、セファマンドール、トブラマイシン、バンコマイシン、ペニシリン、セファロスポリン C、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、シプロフロキサシン及びビスホスホネートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
リン酸カルシウムの単層を適用してもよいが、有利な方法は、少なくとも2層のリン酸カルシウムを金属プロテーゼに適用することを含む。第一の層は、高密度の不均一核形成部位を生じる条件を施すことにより得られた、非常に小さい結晶からなるので、基材上に、多数のヒドロキシアパタイト核形成部位がある。実質的により大きな結晶を生産するために、結晶成長が調整される低レベルの核形成を提供する条件下で、少なくとも1つの追加的被覆が、これに引き続いて行われるのが、有利である。望ましくは、1つ以上の追加コーティング層が提供され、その場合、条件は、第二コーティングと同じか又はより低いレベルの核形成であり、第二のコーティングと比較して大きなサイズの結晶を製造する。通常、5又はそれ以下、有利には約3以下のコーティングがある。
【0019】
第一層は、一般に、厚さが、約0.01ミクロン〜10ミクロンの範囲である。第二コーティングは、一般に、厚さが、約1ミクロン〜40ミクロンの範囲であり、結晶のサイズは、長さ範囲、約0.01ミクロン〜20ミクロンである。第三及びそれ以降のコーティングは、一般に、各層、約1ミクロン〜40ミクロン、有利に約5ミクロン〜10ミクロンの範囲の厚さであり、直径約0.1〜2ミクロン及び長さ約1〜10ミクロン、有利には直径約0.1〜1ミクロン及び長さ約2ミクロン〜7ミクロンの結晶を有する。第二及びそれ以降の層の合計厚さは、一般に、約5ミクロン〜20ミクロンの範囲になるだろう。
【0020】
反応体の濃度、pH、温度、反応器中での反応体の結合の仕方、液体流の性質等を変えることにより、多様な層を得ることができる。有利には、反応体及び基材は、相互に対して移動するので、基材は、連続的に特定反応混合物に出くわす。都合のよいことに、再循環され、かつ補給された成分を消費する反応混合物を管形反応器(tubular reactor)に供給するか又は混合機を使用して、層流又は乱流、有利には乱流により、反応混合物が、基材を流過でき、その際、基材の被覆すべき部分は、反応器の中心から外れた所に位置し、反応混合物は、壁等の周りを流れる流体で連続的に撹拌される。反応混合物に関する特定の条件は、流れ条件により決定され、この流れ条件は、反応体の濃度、結合形態、液流のレジメ(fluid flow regime)、容器形態等により確定される。所望の場合は、これらの条件は、1段階でコーティングを適用できる方法で変じることができる。
【0021】
コーティングを得るために、バイタリウム(Co−Cr)又はチタンインプラントを注意深く清浄し、任意には不動態化して、脱イオン水(dh2O)中の酢酸アンモニウム10重量%溶液を含むステンレススチール処理タンク中に導入する。インプラントをカルシウム及びリン酸塩添加口の下流に置き、迅速に撹拌する。ステンレススチールタンクは、蒸発熱の損失を減じるために保護蓋で覆われている。酢酸アンモニウム溶液が80℃まで加熱されると、pHがモニターされて、溶液を80℃でpH7.4に保持する。コーティング工程は、温度が80.0℃に達し、溶液がpH7.4である時に開始した。これらの条件は、コーティング工程を通して、保持された。
【0022】
次いで、濃水酸化アンモニウムの添加によりpHを保持しながら、有利には、酢酸カルシウム0.5M及びリン酸アンモニウム一塩基0.3Mである、反応体の添加を、所望のカルシウム対リン酸塩の割合を提供する割合で開始した。添加は、2〜4時間の時間にわたり実施する。添加速度は、所望の厚さのコーティングを製造するために変化させる。
【0023】
次いで、インプラント基材を取り出し、洗浄し、空気乾燥させてよい。熱空気乾燥させてもよい。被覆工程を終了すると、コーティングは、被覆率及び品質に関し視覚で検査する。被覆率又は品質が認容できないならば、コーティングを除去し、工程を繰り返すことができる。この工程の記述は、“A Novel Method For Solution Deposition Of Hydroxyapatite On To Three Dimensionally Porous Metallic Surfaces:Peri−Apatite HA”,Mat.Res.Soc.Symp.Proc.Vol.599,2000 Material Research Societyの記事に見ることができる。
【0024】
結晶コーティングがプロテーゼに適用されると直ぐに、プロテーゼは空気乾燥され、包装されかつ殺菌される。次いで、殺菌包装インプラントは、手術室で使用される準備がととのう。インプラントは、抗生物質又は他の治療剤、例えば骨形態形成プロテイン(BMP)で下塗りされていないので、外科医は、手術の時点で、抗生物質又は他の薬剤が全く必要であるかどうか、必要ならば、どのタイプの抗生物質又は他の薬剤が最良に適するのかを決定することができる。次いで、外科医は本発明の方法を使用する。
【0025】
非晶性リン酸カルシウムプラズマ被覆インプラントと、溶液からヒドロキシアパタイトを沈殿させたインプラントとの間の表面積及び表面エネルギーにおける差のために、後者は、手術の時点で外科医により混合されるか又は包装前に混合され適用される水と抗生物質との組合せを容易に吸収するであろう。どの抗生物質又は治療剤も、水に溶解するか又は懸濁させて、使用してよいが、以下の例は、多様な抗生物質を、指示された感染についての種々の阻害ゾーン(ミリメートルで)で説明する。
【0026】
【表1】
【0027】
種々の塩(異なる抗生物質を安定化させるために使用)とリン酸カルシウムコーティングとの間にイオン性相互作用がありうるという懸念を払拭するために、11の抗生物質を使用した。
【0028】
全テストにおいて、結果は、種々の抗生物質が効果的に沈殿結晶コーティング中に導入され、かつ有効濃度で迅速に放出されることを示す。抗生物質とコーティングを結合させ、それにより放出を阻害する、抗生物質塩とヒドロキシアパタイトコーティングとの間の相互作用は、無いようにみえる。
【0029】
提案された方法は、外科医に、修正手術又は他の手術の時点で、培養バクテリアのための個々の治療を準備させることができるので、この結果は臨床的に重要である。発熱性骨セメントをキャリアとして使用する場合のように、この方法は、熱感応性抗生物質の使用を排除しない。
【実施例1】
【0030】
硫酸トブラマイシン1.2gを殺菌脱イオン水12ml(100mg/ml)中に溶解した。直径12mmテストクーポン(test coupon)の形のインプラントはチタン製であり、米国特許No.5164187の方法により適用されて、結晶性ヒドロキシアパタイトで被覆されていた。溶液10μlを、沈殿被覆(HA)させたディスクのそれぞれの表面に、ピペットで注ぎ、乾燥させた。液体抗生物質溶液又は懸濁液の適用は、治療用量を同レベルに制御できない浸漬よりもむしろ、ピペット注入又はシリンジ使用により実施するとよい。次いで、吸収工程終了直後に、テストクーポンを37℃で緩衝生理食塩水中へ入れた。抗生物質全部が緩衝生理食塩水溶液中に、浸漬24時間以内に放出されたことが測定された。修正されたKirby Bauer感受性モデル(susceptibility model)の形で追加テストを遂行し、これは、放出された抗生物質は、生物学的に活性のままであり、従って、ヒドロキシアパタイト構造中への吸収により影響されなかったことを示した。公知のKirby Bauer感受性モデルでは、肉汁培地についてATCC推奨、かんてん培養基及びインキュベーション仕様書によりテスト微生物を繁殖させ、処置した。ブドウ球菌(Staphylococcus aureus:ATCC菌株#6538)は、トリプチカーゼ大豆肉汁TSBを接種し、37℃で24時間インキュベートすることにより調製した。微生物懸濁液を、分光光度計(波長=475nm)を使用して吸光度0.325に調整し、Mueller−Hintonかんてん培養基プレート上に綿棒で塗布した。各播種プレートは、抗生物質含有HAディスク及び対照として使用される抗生物質不含HAディスクの両方を用いて検証した。サンプルは2回テストした(即ち生物当たり2つのプレート)。37℃で24時間のインキュベーション後、プレートをディスクの周囲の阻害ゾーンについて検査した。阻害ゾーンはテストディスクとバクテリア増殖の端との間の距離として定義される。ぼんやりした又は「ゴースト」ゾーンは、普通、完全阻害域と完全なバクテリア増殖域との間に存在する。「ゴースト」ゾーンは、部分的阻害の結果であり、阻害ゾーンの測定値には含まれない。比較として、ヒドロキシアパタイトで被覆されているが、抗生物質溶液に浸漬されていない、未処理テストクーポンは、抗菌特性を示さなかった。
【0031】
治療溶液をピペットで表面に添加したが、テストクーポンは、正に容易に、シリンジにより適用されるか、又は溶液中に浸漬させることもできた。必要な場合は、一連の治療剤の適用/乾燥がなされ、薬剤の濃度を増加させることができる。
【0032】
明細書中の発明は、特別な態様に関し記載されているが、これらの態様は、本発明の原則及び適用の単なる例証であると理解すべきである。それゆえ、例証となる態様のために多数の変更ができ、かつ添付クレームにより定義される本発明の精神及び範囲から逸脱せずに他のアレンジメントを考案してよいことは理解すべきである。
Claims (30)
- 治療剤を有するコーティングを、インプラントに適用する方法であって、
溶液からヒドロキシアパタイトを沈殿させて、高結晶性のヒドロキシアパタイトの層で該インプラントを被覆する工程と、
該インプラントを乾燥させる工程と、
該インプラントを包装する工程と、
所望の治療剤を水に添加する工程と、
該インプラントの包装をとり除き、該インプラントを該水及び治療剤で被覆する工程と
を含む、治療剤を有するコーティングのインプラントへの適用方法。 - 前記インプラントをその湿潤状態で移植する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
- 前記治療剤は水に溶解させる、請求項1記載の方法。
- 前記治療剤は水に懸濁させる、請求項1記載の方法。
- 前記治療剤は抗生物質である、請求項1記載の方法。
- 前記抗生物質は、トブラマイシン、バンコマイシン、ペニシリン、セファロスポリン C、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、ビスホスホネート及びシプロフロキサシン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5記載の方法。
- 前記インプラントは、水及び治療剤中に浸漬する、請求項1記載の方法。
- 前記水及び治療剤は、乾燥コーティングに滴下して添加する、請求項1記載の方法。
- 前記インプラントは、移植前に乾燥させてよい、請求項1記載の方法。
- 前記ヒドロキシアパタイトコーティングは、少なくとも2つの層を含んでなる、請求項1記載の方法。
- インプラントに治療剤を供給する方法であって、
高結晶性リン酸カルシウム鉱物で被覆されたインプラントを用意する工程と、
該インプラントを包装する工程と、
該インプラントを包装から取り出す工程と、
該治療剤の水溶液で結晶性リン酸カルシウムインプラントを被覆する工程と
を含む、インプラントへの治療剤の供給方法。 - 前記インプラントをその湿潤状態で移植する工程を更に含む、請求項11記載の方法。
- 前記治療剤は水に溶解させる、請求項11記載の方法。
- 前記治療剤は水に懸濁させる、請求項11記載の方法。
- 前記治療剤は抗生物質である、請求項11記載の方法。
- 前記抗生物質は、トブラマイシン、バンコマイシン、ペニシリン、セファロスポリン C、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール及びシプロフロキサシン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項15記載の方法。
- 前記インプラントは、治療剤の水溶液中に浸漬する、請求項11記載の方法。
- 前記インプラントは、移植工程前に乾燥させる、請求項17記載の方法。
- 高結晶性リン酸カルシウムのコーティングは、1層より多くを有する、請求項18記載の方法。
- 治療剤を有するコーティングを、インプラントに適用する方法であって、
溶液からヒドロキシアパタイトを沈殿させて、ヒドロキシアパタイトの層で該インプラントを被覆する工程と、
該インプラントを乾燥させる工程と、
所望の治療剤と水とを混合する工程と、
該ヒドロキシアパタイトを該水及び治療剤で被覆する工程と
を含む、治療剤を有するコーティングのインプラントへの適用方法。 - 前記インプラントを治療剤で被覆後、該インプラントを包装する工程を更に含む、請求項20記載の方法。
- 前記インプラントをその湿潤状態で移植する工程を更に含む、請求項20記載の方法。
- 前記治療剤は水に溶解させる、請求項20記載の方法。
- 前記治療剤は水に懸濁させる、請求項20記載の方法。
- 前記治療剤は抗生物質である、請求項20記載の方法。
- 前記抗生物質は、トブラマイシン、バンコマイシン、ペニシリン、セファロスポリン C、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、ビスホスホネート及びシプロフロキサシン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25記載の方法。
- 前記インプラントは、前記水及び治療剤中に浸漬する、請求項20記載の方法。
- 前記水及び治療剤は、乾燥コーティングに滴下する、請求項20記載の方法。
- 前記インプラントは、包装工程前に乾燥させる、請求項21記載の方法。
- ヒドロキシアパタイトコーティングは、少なくとも2つの層を含んでなる、請求項20記載の方法。
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