JP2005505412A - 相互連結フィルタ枠および枠組方法 - Google Patents

Abstract

フィルタ製品は、多部品枠組立体と連結される濾過媒体を含む。この枠組立体は、濾過媒体をその縁に近接する適所において所望の向きにしたがって効果的に支持することができ、この組立体を、解放可能なロック結合部により濾過媒体に接触することができるように選択的に分解することができる。好ましくは、枠構造内に、スナップ嵌合解放可能なロックシステムを組込む。本発明は、特に、プリーツ型濾過媒体を含む濾過媒体に適用可能である。かかる支持機構には、ラック状媒体係合要素が含まれ、それら要素を有利には、好ましくは濾過媒体を上方および下方からその側縁および端縁に近接して係合するように設けることにより、好ましくは圧縮し枠と濾過媒体との間の有効な密閉および支持連結を確実にする。かかる構造は、さらに、粒状物質の層または他の添加材を含む濾過媒体を支持する場合に有益である。媒体係合要素を、支持枠と押え枠との側部に沿って間隔を空けて配置し、側部枠要素は、組合せの側壁を含む。側壁を、濾過媒体をその側縁および端縁から内部に支持し好ましくは圧縮するように媒体係合要素から間隔を空けて配置することにより、濾過媒体およびその内部の任意の粒状材料を支持し効果的に包含する。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、フィルタ媒体の周りに枠を作製することにより特定の用途に対して成形することができる枠付きフィルタ製品を作製する、多要素枠組構造に関する。特に、本発明は、かかる枠組構造と、濾過媒体（濾材）を適所に位置付けして保持するように複数の枠部品を組立てるための組立の方法と、に関する。
【背景技術】
【０００２】
フィルタ製品は、典型的には、濾過媒体と、濾過媒体を部分的に封入し支持するように寸法および形状が決められるだけでなく、フィルタ製品を特定の用途に基づいて適所に挿入しまたは支持することができるようにも寸法および形状が決められた枠と、を有する。従来、フィルタ枠は、複数の要素から構成されており、それらは、支持体および用途特定フィルタ枠を設けるように一緒に組立てられるかまたは濾過媒体の周辺等に連結される。かかる枠要素は、金属、プラスチックおよび厚紙を含む種々の材料から作製することが知られている。たとえば、矩形フィルタ製品の場合、矩形濾過媒体の４つの側面を、角で連結してもよいおよび／または濾過媒体の４つの側縁に連結してもよい枠部品で包囲する。このため、濾過媒体の大部分をその濾過能力に使用することができる。
【０００３】
さらに、これらの典型的な枠要素は、濾過媒体をその縁で部分的に封入するように寸法および形状が決められた３次元要素を備える。枠は、接着、溶接、摩擦嵌合、スナップ嵌合、メカニカルファスナ等を使用して組立てられた複数の部分を備えてもよい。あるいは、枠全体またはその選択部分を一体として作製してもよい。すなわち、複数の要素が一緒にされた枠部分を、たとえば、射出成形プロセスによって設けてもよい。いずれの場合も、１つまたは複数の枠要素を、選択組立プロセスにより組立てて濾過媒体と連結しなければならない。かかる選択組立プロセスには、組立てるための要素の操作が必要である。
【０００４】
また、多くの異なるタイプの用途に対して、多くのタイプのフィルタ製品が開発されてきた。用途は、大部分、濾液およびキャリア流体の特性と特定用途のシステムの支持要件とに基づく。濾過要件により、すべてのキャリア流体と濾液とがフィルタ製品を通過しなければならないことを保証する構造仕様の下でフィルタ製品を組立てることが必要になる場合がある。これには、たとえば１つまたは複数のガスケットによる枠とそのシステム支持体との間と、たとえば接着シーラントによる枠と濾過媒体との間と、に適当な密封機構が必要となる場合がある。かかる接着シーラントを、枠全体に沿って枠と濾過媒体との間の中間面において延在するビードとして設けてもよい。たとえば、典型的な高効率粒子空気（ＨＥＰＡ）フィルタは、その縁の周りでその周辺全体に設けられる枠に密封されるプリーツ型濾過媒体を使用する。このため、濾過媒体および枠は、濾過されないキャリア流体のバイパスを防止する流体密封組立体を提供する。
【０００５】
フィルタ製品によっては、濾過媒体を適所に保持し支持する枠が必要である。たとえば、濾過材料を、特定の用途に対して寸法および形状が決められたプリーツ型濾過媒体として支持してもよい。かかる枠組要素は、プリーツを維持し濾過媒体を所定の場所に支持する（すなわち、濾過媒体のプリーツの間隔を空けそれらを適当に方向付けする）責務を負う場合がある。この支持機能を、プリーツ型濾過媒体の縁のうちの１つまたは複数に沿っておよび／または中間位置において濾過媒体に接触するように設けることができるプリーツ形支持体を有する枠要素によって行ってもよい。すなわち、プリーツ支持要素は、側縁枠要素から分離してもよい。縁枠に連結されるかかる要素の例は、ドリンジャー（Ｄｏｌｌｉｎｇｅｒ）に対する特許文献１に記載されている。
【０００６】
他の枠構造では、かかるプリーツ型濾過媒体を側縁支持機構から所定の場所に支持するものもあり、それもまた、濾過媒体の縁を枠要素に結合することにより、実質的にすべてのキャリア流体および濾液がフィルタ製品の濾過媒体部を通過することを確実にする。例として、クルーズ（Ｋｒｕｓｅ）に対する特許文献２、特許文献３および特許文献４は、プリーツ型濾過媒体の平行して間隔が空けられた側縁を支持するプリーツ形状の支持機構と、濾過媒体を所定の場所に保持するために枠のものと噛合う協働機構を有する押え枠と、を有する矩形縁枠について記載している。特許文献２および特許文献３は、特に、かかるプリーツ支持機構が、支持枠または押え枠各々の側壁に隣接しかつ沿って延在する棚として形成されたプリーツ形状面を備え、他方の枠部品が同様に画定された縁を有する、ということを開示している。特許文献４は、枠要素の上縁と押え枠の下縁とを備えるかかるプリーツ形状面を開示している。
【０００７】
【特許文献１】
米国特許第２，０５８，６６９号明細書
【特許文献２】
米国特許第４，６１７，１２２号明細書
【特許文献３】
特開平９−２７６６３７号明細書
【特許文献４】
仏国特許出願公開第２７９５６５６号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
これらの従来技術によるフィルタ枠の協働する側縁支持機構は、一対の間隔が空けられた側縁に沿ってプリーツ型濾過媒体を効果的に支持し、これらの支持機構はさらに、濾過媒体の間隔が空けられた縁を挟持するかまたは折り曲げる。しかしながら、かかる挟持または折り曲げ構造は、媒体を濾過媒体縁に沿って粉砕する傾向にあり、この粉砕により、媒体が粉末化しおよび／または媒体に含まれる粒状媒体（濾過媒体から炭素等の顆粒）が追出されそれらが濾過媒体から失われる可能性がある。また、かかる挟持または折り曲げ動作により、濾過媒体が挟持されまたは折り曲げられた縁から内側にシフトする傾向があり、このシフトにより、濾過媒体が弛緩しまたは縁部において有効に支持されなくなる可能性がある。
【０００９】
また、プリーツのための濾過媒体支持機構を有するタイプのものを含むフィルタ製品によっては、交換可能濾過媒体を設けるように設計されたものもある。典型的には、濾過媒体は、複数の枠部分のうちの１つまたは複数を別の部分から除去することにより接触可能である。すなわち、プリーツ支持機構を含むような枠要素を、濾過媒体を取除くことができるように取除いてもよい。そして、新たな濾過媒体を所定の場所に支持した後、新たな濾過媒体を備えたフィルタ製品を作製するように枠要素を再組立てしてもよい。上述した特許文献２、３および４は、濾過媒体を取除き交換する可能性を開示している。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明は、従来技術の欠陥および欠点を、多部品枠組立体と連結される濾過媒体を有するフィルタ製品を提供することによって克服する。この多部品枠組立体は、濾過媒体をその縁に近接する適所において所望の向きにしたがって効果的に支持することができ、この組立体を、解放可能なロック結合により濾過媒体に接触することができるように選択的に分解することができる。好ましくは、枠設計内に、スナップ嵌合解放可能なロックシステムを組込む。
【００１１】
さらに、本発明は、濾過媒体をその縁に近接して支持し、好ましくは、濾過媒体を枠部品によって効果的に密封するようにその縁に近接して少なくともわずかに圧縮するように支持する。特に、複数の支持機構を、好ましくは、複数の協働する部品から提供し、それによって複数の支持機構が噛合う関係にて協働して作用し、濾過媒体を支持し好ましくは圧縮し、濾過媒体を枠に密閉連結する。
【００１２】
本発明は、特に、プリーツ型濾過媒体を含む濾過媒体に適用可能である。かかる支持機構には、ラック状媒体係合要素が含まれ、それら要素を有利には、好ましくは濾過媒体を上方および下方からその側縁および端縁に近接して係合するように設けることにより、好ましくは圧縮し枠と濾過媒体との間の有効な密閉および支持連結を確実にする。かかる構造は、さらに、粒状物質の層または他の添加材を含む濾過媒体を支持する場合に有益である。協働する媒体係合要素は、濾過媒体をその縁に近接して効果的に密封することにより、粒状物質を媒体内に保持する。非プリーツ型媒体の場合、本発明により他の支持機構を利用してもよい。
【００１３】
より好ましくは、媒体係合要素を、支持枠と押え枠とを備える枠部品の側部枠要素に沿って間隔を空けて配置し、側部枠要素は、組合せの側壁を含む。側壁を、濾過媒体をその側縁および端縁から内部に支持し好ましくは圧縮するように媒体係合要素から間隔を空けて配置することにより、濾過媒体およびその内部の任意の粒状材料を支持し効果的に包含する。さらに、媒体係合要素を側壁から間隔を空けて配置することにより、濾過媒体縁に隣接して枠に沿って延在する溝を設けることができる。好ましくは、枠に沿って連続した溝を作製する。さらに好ましくは、濾過媒体の上方および下方に連続した溝を設ける。支持枠および押え枠を好ましくは一緒に組立てて解放可能にロックし、そのロックした組立体において、媒体係合要素を、濾過媒体を枠組立体に対して正しくかつ効果的に支持し好ましくは圧縮し密閉するように位置付ける。
【００１４】
本発明の一態様によれば、上記利点は、濾過媒体と濾過媒体の縁の少なくとも一部に沿って設けられる枠組立体とを備え、濾液成分を取除きながらキャリア流体が通過することを可能にする濾過媒体の入口面と出口面とを有するフィルタ製品であって、枠組立体が、長さを有しかつ濾過媒体の少なくとも一部に沿って延在し、濾過媒体の第１の側上において濾過媒体の縁と支持接触しかつそれに近接するように配置された複数の媒体係合要素を備える支持枠と、長さを有しかつ濾過媒体の少なくとも一部に沿って延在し、濾過媒体の第２の側上において濾過媒体の縁と支持接触しかつそれに近接するように配置された複数の媒体係合要素を備える押え枠と、を備え、支持枠および押え枠が、相互作用するように一緒に組立てられることにより濾過媒体の縁の少なくとも一部に沿いかつ近接する枠組立体を設け、支持枠の媒体係合要素が押え枠の媒体係合要素と相互作用することにより、濾過媒体とその第１および第２の側において接触することによってそれらの間に濾過媒体を支持し、支持枠と押え枠とのうちの少なくとも一方が、さらに、その媒体係合要素から間隔が空けられた壁部を含むことにより、濾過媒体の縁の一部に沿って走るように位置付けられる溝を画定する、フィルタ製品によって達成される。
【００１５】
本発明の別の態様によれば、上記利点は、濾過媒体と濾過媒体の縁の少なくとも一部に沿って設けられる枠組立体とを備え、濾液成分を取除きながらキャリア流体の通過を可能にする濾過媒体の入口面と出口面とを有するフィルタ製品であって、枠組立体が、長さを有しかつ濾過媒体の少なくとも一部に沿って延在し、壁部と、壁部から間隔が空けられ濾過媒体の第１の側上において濾過媒体の縁と支持接触しかつそれに近接するように配置された少なくとも１つの媒体係合要素と、を備える支持枠と、長さを有しかつ濾過媒体の少なくとも一部に沿って延在し、壁部と、壁部から間隔が空けられ濾過媒体上の第２の側上において濾過媒体の縁と支持接触しかつそれに近接するように配置された少なくとも１つの媒体係合要素と、を備える押え枠と、を備え、支持枠および押え枠が、相互作用するように一緒に組立てられることにより濾過媒体の縁の少なくとも一部に沿って枠組立体を設け、支持枠の媒体係合要素が押え枠の媒体係合要素と相互作用することにより、濾過媒体とその第１および第２の側において接触することによりそれらの間に濾過媒体を支持し、支持枠と押え枠とのうちの一方の壁部が、媒体係合要素と他方の壁部との間に位置付けられる、フィルタ製品によって達成される。
【００１６】
本発明のさらに別の態様によれば、上記利点は、濾過媒体と濾過媒体の縁の少なくとも一部に沿って設けられる枠組立体とを備え、濾液成分を取除きながらキャリア流体の通過を可能にする濾過媒体の入口面と出口面とを有するフィルタ製品であって、枠組立体が、長さを有しかつ濾過媒体の少なくとも一部に沿って延在し、濾過媒体の第１の側上において濾過媒体の縁と支持接触しかつそれに近接するように配置された少なくとも１つの媒体係合要素を備える支持枠と、長さを有しかつ濾過媒体の少なくとも一部に沿って延在し、濾過媒体の第２の側上において濾過媒体の縁と支持接触しかつそれに近接するように配置された少なくとも１つの媒体係合要素を備える押え枠と、を備え、支持枠および押え枠が、相互作用するように一緒に組立てられることにより濾過媒体の縁の少なくとも一部に沿って枠組立体を設け、支持枠の媒体係合要素が押え枠の媒体係合要素と相互作用することにより、濾過媒体とその第１および第２の側において接触することによりそれらの間に濾過媒体を支持し、支持枠と押え枠とのうちの少なくとも一方が、さらに、その媒体係合要素から間隔が空けられた壁部を含み、その媒体係合要素が壁部からある角度を有する、フィルタ製品によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
各図面を通して同様の構成要素には同様の数字が付されている添付図面、最初に図１および図２を参照すると、複数の枠部品を有する枠１４に結合された、成形された濾過媒体１２を含む本発明によるフィルタ製品１０が設けられている。図示するように、濾過媒体１２は、全体的に矩形形状に形成されたプリーツ型濾過媒体を備える。本発明は、濾過媒体１２がプリーツ型媒体または他のものを備えるか否かに係らずいかなる形状の濾過媒体１２にも適用可能である、ということが理解される。しかしながら、本発明は、下の説明に基づいてより理解されるように、複数の枠部品のうちの１つまたは複数が濾過媒体１２に対する支持態様を提供する場合に、特に適用可能である。
【００１８】
枠１４が濾過媒体１２をその周縁に沿って実質的に包囲することが好ましい。しかしながら、かかる枠は、部分的に濾過媒体１２を包囲するのみであってもよい、ということが考えられる。さらに、濾過媒体１２によって画定される周縁形状により、枠は、濾過媒体１２の周縁の１つまたは複数の部分に接触してもしなくてもよい。上記のように、本発明には、プリーツ型濾過媒体を使用する場合に特別な適用可能性があるため、枠が、プリーツ型濾過媒体の少なくとも１つの側縁に近接するプリーツの間隔および向きを維持することを支援することが好ましい。
【００１９】
枠１４は、支持枠１６と押え枠１８とを含む複数の部品を備える。好ましくは、支持枠１６と押え枠１８とがともに濾過媒体１２を包囲し、互いに嵌合することにより濾過媒体１２の周りに周縁枠１４を形成する。結果として、フィルタ製品１０は、濾過媒体１２の略平面部分全体の主面として入口フィルタ面２０と出口フィルタ面２２とを呈する。このように、特定の用途にしたがってフィルタ製品１０を所定の場所に支持することにより、キャリア流体および濾液の流体流を入口面２０に向けることができ、それにより濾液がキャリア流体を離れて出口面２２から出る。図示するように、フィルタ製品１０を、いかなる用途に対して設計してもよいハウジング（図示せず）に嵌合するように設計し、かかるハウジングは、従来、押え枠１８の外縁が係合する面（図示せず）を含む。したがって、いかなる所与の用途の流体力学もフィルタ製品１０をその適当な場所に維持する傾向があるように、入口面２０および出口面２２各々を設置する。
【００２０】
好ましい実施形態によれば、好ましくは、押え枠１８の周縁に沿って周縁ガスケット１９が延在するが、その構造については後により詳細に説明する。図示するように、入口面２０からフィルタ製品１０を通過し出口面２２への流体の流れにより、ガスケット１９が用途特定のハウジングの面（図示せず）に対して外側に張出す傾向があり、それによりガスケット１９のハウジング（図示せず）に対する密封が強化される。さらに、枠１４が、任意の特定の用途に基づく位置においてフィルタ製品１０の取付または支持に適応するために、任意の機能を含むかまたは任意の形状（濾過媒体１２の周縁形状と同じであっても異なっても）を呈してもよい、ということが考えられる。押え枠１８から張出すようなガスケット１９はまた、支持枠１６から押え枠１８を取除く（後述するスナップロック機構を解放することを含む）とともに、張出したガスケットが枠を集める（funnel）ように作用する組立中に押え枠１８を支持枠１６上に位置合せするために、押え枠１８の把持をより容易にする。
【００２１】
支持枠１６および押え枠１８のさらなる部品の以下の説明は、濾過媒体１２がプリーツ型濾過媒体である特定の例示に基づく。濾過媒体１２がその主要サービス全体を画定する異なる形状または機構を呈する場合、後述するような同様の概念および特徴が同様に適用可能である、ということが理解される。たとえば、本発明によれば、濾過媒体１２を支持する際、濾過媒体が完全に平坦である場合であっても、支持機構は、いかなる濾過媒体形状またはその一部の形状を呈してもよい。
【００２２】
本発明はまた、濾過媒体が部品、副層または添加剤として粒状材料を含む状況に対しても特定の適用可能性がある。粒状材料を含む濾過媒体の問題は、濾過媒体から粒状材料が分離する可能性があることであり、分離した粒状材料は、潜在的に、汚染されていないキャリア流体流を汚染する可能性がある。しばしば濾過媒体に組込まれる一般的な材料は、粒状炭素である。従来、粒状炭素を含む濾過媒体は、炭素を濾過し保持する高分子濾過媒体の層の間に設けられる粒状炭素の層を備えた炭素プリーツパックとして提供されることが知られている。かかる高分子濾過媒体材料は周知であり、超極細繊維を含む不織布、連続フィラメント等として作製してもよく、あるいは、任意の繊維および織物構造を有する織布として作製してもよい。そうでない場合、かかる粒状炭素を、かかる織布または不織布の厚さ内に、粒子添加ウェブとして散在させてもよく、あるいは、オープンセル材料等の構造内に保持してもよい。プリーツ状にすることができる適当な粒状炭素媒体の特定の例は、米国特許第３，９７１，３７３号明細書に記載されており、その開示内容はすべてこの引用をもって本明細書内に包含されたものとする。
【００２３】
本発明によれば、濾過媒体１２がその所望の形状の間隔および向きにしたがって支持されるように、支持枠１６および押え枠１８の支持機構を提供することが望ましい。また、濾過媒体１２を、適所に適当に保持されるように支持枠１６と押え枠１８との間に適当に保持する一方で、供給されるキャリア流体がすべて濾液とともに、濾過媒体１２の縁の周りで著しく洩れることなく濾過媒体１２を通過するように、濾過媒体１２の縁を枠１４に効果的に密封することも好ましい。すなわち、支持枠１６と押え枠１８との支持機構の間で濾過媒体１２を少なくともわずかに圧縮することがさらに好ましく、その利点については後述する。したがって、濾過媒体縁と枠との間の中間面において接着剤等のシーラントを使用する代りに、枠１４は、好ましくは、濾過媒体をその縁に近接して効果的に挟持する機構を含む。そのようにして、著しい漏れが効果的に防止される。また、濾過媒体１２が上述したように粒状物質を含む場合、濾過媒体をその縁の少なくともいくつかに近接する部分で挟持しそれにより圧縮することにより、濾過媒体１２からの粒状物質の喪失が効果的に最小化される。
【００２４】
これらの目的を達成するために、支持枠１６と押え枠１８とに、好ましくは、濾過媒体をその縁の少なくとも１つの少なくとも一部に近接しかつそれに沿って、好ましくは濾過媒体の周縁に亙って実質的に完全に係合する、より好ましくは挟持し圧縮する、協働する濾過媒体支持機構を提供する。特に、押え枠１８は、好ましくは、側部媒体係合要素２４と端部媒体係合要素２６とを含む。支持枠１６は、好ましくは、側部媒体係合要素２８と端部媒体係合要素３０とを含む。これらの機構は、好ましくは、合せて濾過媒体１２の周りに実質的に完全に延在する。
【００２５】
特に、支持枠１６は、好ましくは、端壁３４によって互いに結合される一対の間隔が空けられた側壁３２を備え、それにより、図示する実施形態によれば、プリーツ型濾過媒体１２の周縁によって画定される形状に形状が類似する矩形の支持枠１６がもたらされる。押え枠１８は、好ましくは、同様に、端ガスケット壁３８によって互いに結合される、一対の間隔が空けられた側ガスケット壁３６を備え、それにより、図示する実施形態にしたがって、プリーツ型濾過媒体１２の周縁によって画定される形状に形状が類似する矩形の押え枠１８がもたらされる。上述したように、このようにガスケット１９は好ましくは、有利には、合せて、押え枠１８の一体機構として適用ハウジング（図示せず）に隣接する周縁ガスケット１９を設ける、側ガスケット壁３６と端ガスケット壁３８との各々の張出し部分によって形成される。ガスケット１９は、複数部分によって作製される場合、その張出し構造により、それら部分自体または側部および端ガスケット壁３６および３８全体をより可撓性である（すなわち、より薄いかまたはより可撓性の材料からなる）ように作製してもよい場合であっても、押え枠１８に対し構造的完全性も追加する。ガスケット１９部は、十分に可撓性であり、かかる適用ハウジング（図示せず）による効果的な密封を容易にするような寸法であることが好ましい。
【００２６】
図８および図９は、濾過媒体１２を図示せずに支持枠１６と押え枠１８とを互いから分離して示す。図１０および図１１は、支持枠１６の側壁３２と押え枠１８の側ガスケット壁３６との各々の機構を示す。図６は、プリーツ型濾過媒体１２とともに側壁３２と側ガスケット壁３６との相互関係を示す。支持枠１６の端壁３４と押え枠１８の端ガスケット壁３８との特徴および相互関係は、プリーツ型濾過媒体１２とともに図７に最もよく示される。
【００２７】
支持枠１６は、複数の側部媒体係合要素２８を含み、それらは、好ましくは、実質的に完全に側壁３２の長さに沿って延在するように寸法が決められかつ数を有する。すなわち、側部媒体係合要素２８によってカバーされる累積的な長さは、好ましくは、側壁３２の長さと実質的に同じである。各側部媒体係合要素２８は、プリーツ型濾過媒体１２に対して間隔および向きを含む支持を設ける場合、好ましくは、濾過媒体１２のその縁面に近接する部分にしたがうために三角形かまたは歯状であるように成形される。側部媒体係合要素２８の組合せは、プリーツ型濾過媒体１２の縁に近接する部分の形状に類似する歯付きラックを形成する。
【００２８】
側部媒体係合要素２８は、好ましくは、互いに一体的に形成され、より好ましくは、側壁３２に一体的に形成される。１つの係合要素２８を別の係合要素２８と相互連結するために（すなわち、要素２８によって形成される頂部間の谷部において）、好ましくは相互連結部３９もまた設ける。複数の側部媒体係合要素２８を相互連結し部分３９を側壁３２と相互連結するために、底壁部４０を設ける。底壁部４０は、好ましくは、側壁３２に沿って実質的に完全に延在することにより、側部媒体係合要素２８の各々との相互連結を提供する。図１０に示すように、側壁３２と一続きの側部係合要素２８との間に溝４２を形成し、その溝４２を、底壁部４０によって底部で閉鎖する。溝４２の幅を、一続きの側部媒体係合要素２８と側壁３２との間の間隔によって確定し、その深さを、相互連結部３９が底壁部４０から延在する程度によって最小限画定する。この溝４２は、有利には、フィルタ製品１０の組立または使用中に、濾過媒体を含む微粒子（使用する場合）から分離する可能性のある粒状物質を保持することができる閉鎖ボリュームを提供する。支持枠１６、押え枠１８および濾過媒体１２の相互作用を含むフィルタ製品１０の組立状態において、このボリュームは、好ましくは、いかなる分離した粒状物質をも包含する溝４２の上に設けられた濾過媒体１２により、実質的に閉鎖される。好ましくは、支持枠１６の各側壁３２は、濾過媒体１２の設計に基づいて同様に構成され、各々の側壁３２の側部媒体係合要素２８が互いに対向し好ましくは互いに同期する。
【００２９】
端壁３４は、各々、好ましくは、図７および図９に示すような端部媒体係合要素３０を含む。端部媒体係合要素３０は、好ましくは、端壁３４に比較して内部に向きかつ角度を有することにより、水平位置から好ましくは３０度と８０度との間のαの角度を画定する。端部媒体係合要素３０はまた、好ましくは、端壁３４の横方向の幅を実質的に全体的に延在し、別の底壁部４４により端壁３４と相互連結される。側壁３２と同様に、各端壁３４は、好ましくは、互いに対向する端部媒体係合要素３０により同様に構成される。しかしながら、側部媒体係合要素２８とは異なり、単一の端部媒体係合要素３０を各端壁３４に設けることができる。それはその目的が、濾過媒体１２の端縁に近接する部分に係合する、ということだからである。しかしながら、端部媒体係合要素３０を、複数の部分で形成する等、他の方法で設けてもよい。また、各端部媒体係合要素３０とその各々の端壁３４との間に、溝４０に類似する溝４６を形成し、溝４６の幅は、底壁部４４が端部媒体係合要素３０とその連結された側壁３４との間に延在する距離に基づく。溝４６はまた、濾過媒体１２の可変の端長を容易にする。さらに、側壁３２および端壁３４の各々の底壁部４０および４４が、支持枠１６の周縁の周りに延在し、その内部に画定された領域の残りの部分が、流体がフィルタ製品１０を流れるのを可能にするように開口したままである、連続底壁を形成することが好ましい。同様に、側部媒体係合要素２８は、部分３９によって相互連結されると、溝部４２と溝部４６とを各々連続して含む実質的に連続した溝をもたらすように、端部媒体係合要素３０とともに連続して延在する。図７および図９に示すように、端部媒体係合要素３０の側縁を、各端壁３４に最も近い最後の側部媒体係合要素２８の傾斜縁に沿って連結することができる。
【００３０】
押え枠１８はまた、側部媒体係合要素２４も含み、側部媒体係合要素２４は、好ましくは、図９に示すように、側ガスケット壁３６の長さに沿って実質的に完全に延在するように、寸法が決められかつ数を有する。すなわち、側部媒体係合要素２４によってカバーされる累積的長さは、好ましくは、側壁３６の長さと実質的に同じである。プリーツ型濾過媒体１２に対して、間隔および向きを含む支持および圧縮を提供する場合、各側部媒体係合要素２４は、好ましくは、プリーツ型濾過媒体１２の縁面に近接する部分にしたがうために三角形または歯状であるように成形される。側部媒体係合要素２４の組合せは、プリーツ型濾過媒体１２の縁に近接する部分の形状に類似する歯付きラックを形成する。
【００３１】
側部媒体係合要素２４は、好ましくは、互いに一体的に形成され、より好ましくは、側ガスケット壁３６と一体的に形成される。１つの側部媒体係合要素２４を別の側部媒体係合要素２４と相互連結する（すなわち、要素２８によって形成される頂部間の谷部において）ために、好ましくは相互連結部４８を設ける。複数の側部媒体係合要素２４を相互連結し部分４８を側ガスケット壁３６と相互連結するために、頂壁部５０を設ける。頂壁部５０は、好ましくは、側壁３６に沿って実質的に完全に延在することにより、側部媒体係合要素２４の各々との相互連結を提供する。図１１に示すように、側壁３６と一続きの側部係合要素２４との間に溝５２を形成し、その溝５２を、頂壁部５０によってその頂部で閉鎖する。溝５２の幅を、一続きの側部係合要素２４と側壁３６との間の間隔によって確定し、その幅を、相互連結部４８が頂壁部５０から下方に突出する程度によって画定する。この溝５２はまた、フィルタ製品１０の向きにより、有利には、フィルタ製品１０の組立または使用中に、濾過媒体を含む粒子（使用する場合）から誤って追出されるかまたは分離する可能性のある粒状物質を保持することができる閉鎖ボリュームを提供することができる。上述したように、支持枠１６と押え枠１８とを適所において濾過媒体１２と組立てる場合、濾過媒体１２は、側部媒体係合要素２４にしたがうため、濾過媒体１２と溝５２との間のボリュームを実質的に閉鎖することが好ましい。好ましくは、押え枠１８の各側ガスケット壁３６は、濾過媒体１２の設計に基づいて同様に構成され、各々の側ガスケット壁３６の側部媒体係合要素２４は互いに対向し好ましくは互いに同期する。
【００３２】
端ガスケット壁３８は各々、好ましくは、図７および図９に示すように端部媒体係合要素２６を含む。端部媒体係合要素２６は、好ましくは、端ガスケット壁３８に実質的に平行に向けられているが（図７および図９に示すように）、水平位置からの角度を画定するように端ガスケット壁３８に比較して角度を形成してもよい。端部媒体係合要素２６はまた、好ましくは、端ガスケット壁３８の横方向の幅に亙って実質的に完全に延在し、別の頂壁部５４によってそれと相互連結する。側ガスケット壁３６のように、各端ガスケット壁３８を、好ましくは、端部媒体係合要素２６が互いに対向するように同様に構成する。しかしながら、側部媒体係合要素２４とは異なり、各端ガスケット壁３８に単一の端部媒体係合要素２６を設けることができ、それは、その目的が、プリーツ型濾過媒体１２の端部に近接する濾過媒体１２に係合することであるためである。しかしながら、端部媒体係合要素２６を、複数の部分から形成する等、他の方法で設けてもよい。また、各端部媒体係合要素２６とその各々の端ガスケット壁３８との間に、溝５２に類似する溝５６を形成し、溝５６の幅は、頂壁部５４が端部媒体係合要素２６とその連結された側ガスケット壁３８との間に延在する距離に基づく。各々の側ガスケット壁３６と端ガスケット壁３８との頂壁部５０および５４が、押え枠１８の周縁の周りに延在し、その内部に画定される領域の残りの部分が、流体がフィルタ製品１０を流れるのを可能にするように開口したままである、連続した頂壁を形成することが、さらに好ましい。同様に、側部媒体係合要素２４は、部分４８によって相互連結されると、溝部５２と溝部５６とを各々連続して含む実質的に連続した溝を形成するように、各媒体係合要素２６とともに連続して延在することも好ましい。図７および図９に示すように、端部媒体係合要素２６の側縁を、側ガスケット壁３６の各端部において最後の側部媒体係合要素２４に連結することができる。図７に示すように、連結点は、濾過媒体１２の端部に関して端部媒体係合要素２６の所望の位置付けによって決まる。また図７に示すように、端部媒体係合要素２６は、その端部と支持枠１８の端部媒体係合要素３０の表面との間に挟持ゾーンを形成し、その間を濾過媒体１２が延在することができる。より好ましくは、濾過媒体１２の端縁は、挟持ゾーンを越えて端部媒体係合要素３０に沿って溝４６に向って延在する。
【００３３】
また、一続きの溝部５２および５６によって設けられるような、押え枠１８に沿って延在する周縁溝は、支持枠１６と押え枠１８との間の入れ子式型構成および嵌合に適応する。特に、支持枠１６の側壁３２と端壁３４との上部は、一続きの側部媒体係合要素２４および端部媒体係合要素２６と押え枠１８の側ガスケット壁３６および端ガスケット壁３８の組合せとの間に位置付けられるように、押え枠１８の各々の溝部５２および５６内で嵌合する。このため、側部媒体係合要素２８および２４各々と端部媒体係合要素３０および２６各々とが、濾過媒体１２のプリーツ型構造にしたがって互いに効果的に噛合うことができるように、押え枠１８と入れ子式に係合した支持枠１６を位置付けることが可能である。本発明によれば、協働する平坦な機構を有する平坦な媒体の可能性さえも含む、利用される濾過媒体に基づき、複数の異なる形状からかかる協働するまたは噛合う機構を提供してもよい、ということが考えられる。かかる機構は、濾過媒体とのその縁に沿った実質的に連続する接触を提供することが好ましい。
【００３４】
支持枠１６の側壁３２と端壁３４とが押え枠１８の頂溝５２および５６に嵌合する構造により、頂壁部５０および５４の内面が、側壁３２および端壁３４各々の頂縁と隣接することにより、支持枠１６と押え枠１８との入れ子式効果が制限される。重要なことは、この制限により、側部媒体係合要素２８と側部媒体係合要素２４との間の間隔と、端部媒体係合要素３０と端部媒体係合要素２６との間の間隔と、がまた設定される、ということである。好ましくは、この間隔は、実質的にずっと均一であり、濾過媒体１２に適応するような程度である。より好ましくは、この間隔は、あらゆる係合要素と濾過媒体１２のその縁に近接する部分との間の実質的に連続する接触を可能とするのみではなく、濾過媒体１２の全周縁に近接する部分を挟持ししたがって圧縮する。特定の濾過媒体１２の既知の厚さと上記部品の寸法とに基づいて確定することができるように、いかなる所望のレベルの圧縮をも含む間隔も効果的に画定することができる。
【００３５】
図４に示すように、側部媒体係合要素２４および２８は、各々一続きの側部媒体係合要素２４および２８と相互接続部４８および３９との上に延在するそれらの間の間隙を画定し、そこでは、支持枠１６の頂部が、好ましくは押え枠１８の谷部に嵌合し、その逆も可能である。この間隙は、好ましくは、濾過媒体１２を総間隙長に沿って均一に保持するように実質的にずっと均一であるが、本発明により、特に後述するように側部媒体係合要素２４および／または２８のうちの１つまたは複数を位置合せすることにより、変形を有利に適応させることができる。いずれの場合も、一続きの側部媒体係合要素２４および２８の間に画定される間隙内に、濾過媒体１２のその側縁に近接する部分を適切に保持することが好ましい。
【００３６】
さらに、側部媒体係合要素２４および２８が、ともに配置されると、濾過媒体１２の縁から内部に間隔が空けられた点において実質的に線接触する濾過媒体１２に沿って濾過媒体を支持し好ましくは圧縮する、ということが本発明の有利な態様である。代りに、間隙に沿って随時の圧縮点を使用してもよい、ということが考えられる。
【００３７】
図１３に示すように、濾過媒体１２は、好ましくは、溝４２によって画定されるボリューム内で延在し、濾過媒体１２の拡張部１３は、上述したようにそのボリュームを閉鎖するように作用する。好ましくは、拡張部１３は、濾過媒体１２の圧縮ゾーン１５を濾過媒体１２の側縁から間隔を空けて配置するように少なくとも濾過媒体１２の厚さの倍である。有利には、この構成は、濾過媒体１２の寸法のより大きい変動に適応し、濾過媒体１２の優れた側面支持を保証する。濾過媒体１２の端縁にもまた、ほかの場所で述べたように、それらがそれらの圧縮点を越えて延在することができるため、同じことが言える。また、圧縮ゾーン１５を濾過媒体１２の側縁から内部に間隔を空けて配置することにより、圧縮ゾーンによってもたらされるように発生する可能性のあるいかなるピロー（ｐｉｌｌｏｗｉｎｇ）効果も、濾過媒体１２に含めることができる。このように、濾過媒体１２自体または特に濾過媒体１２内に散在させまたは層として設けてもよい炭素等の任意の粒状材料の何らかの粉砕または変位がある場合であっても、圧縮ゾーン１５を内部に間隔を空けて配置することにより、粒状材料が濾過媒体１２の縁から分離することが最小限になる。対照的に、媒体縁において把持することにより、いかなる粒状材料も粉砕されまたは追出される可能性があり、側縁から分離する可能性がある。さらに、縁からの分離により、媒体のその縁における厚さが低減し、それにより側縁がより緩く支持されるようになることによって、枠システムの保持力が低下する可能性もある。本発明によれば、濾過媒体１２が、濾過媒体１２の側縁から間隔が空けられるがそれに近接する点において、圧縮され恐らくは幾分か粉砕された場合であっても、優れた圧縮支持を達成する。
【００３８】
また、支持枠１６と押え枠１８とが、上述した制限位置により画定されるように組立状態にある場合、互いに解放可能にロックされることが好ましい。しかしながら、代りに、支持枠１６を、押え枠１８とともに永久的に組立ててもよい。かかる永久的組立は、非限定的な例として、超音波接合、熱かしめ、接着およびメカニカルファスナを含む、いかなる従来のまたは開発された接合または連結技術も利用することができる。解放可能なロック技術は、非限定的な例として、スナップ要素、フック・ループコネクタ等の機械的干渉タイプロックと、剥離可能接着剤、磁気的相互作用要素等と、を含んでもよい。
【００３９】
支持枠１６を押え枠１８に保持する好ましい方法には、解放可能なスナップロックシステムがある。特に、支持枠１６は、好ましくは、さらに周縁ロックフランジ５８を備える。ロックフランジ５８は、支持枠１６の上部周縁の周囲に完全に延在してもよく、あるいは、解放可能スナップロックシステムにおいて機能する必要に応じて、１つまたは複数のセグメントで設けてもよい。ロックフランジ５８またはその任意のセグメントは、支持枠１６に構造的強度を付加し、それにより有利には、かかる補強を備えた支持枠１６を作製する際により薄い材料を使用することが可能になり得る。
【００４０】
押え枠１８の溝５２および／または５６の一方または両方内で、図１１において溝５２内の側ガスケット壁３６の内面から延在するように示すように、任意の数のロック突起６０を設けることができる。好ましくは、かかるロック突起６０を、両溝部５２内の均一に間隔が空けられた場所に設ける。各ロック突起６０は、ロックフランジ５８が支持枠１６および押え枠１８が完全に組立てられた時にそこに嵌合することができる寸法および形状を有する、収納空間６２を画定する。各突起６０はまた、好ましくは、周縁ロックフランジ５８が各々の上のロック空間６２に嵌合するためにロック突起６０を通過することを容易にするカム面６４も備える。
【００４１】
容易なスナップ嵌合に適応し押え枠１８の支持枠１６からの容易なロック解除を可能にするために、カム面６４とロックフランジ５８との相互作用内によりすぐれた可撓性をもたらすことが望ましい。これを行う１つの方法を、図８に示す。そこでは、押え枠１８の隅において可撓性スリット６６を切断しまたは形成し、側ガスケット壁３６を端ガスケット壁３８から実質的に分割している。スリット６６は、ロック突起６０が側部媒体係合要素２４からより容易に変位可能となり、それにより周縁ロックフランジ５８がより容易にロック突起６０を通過することができる。周縁ロックフランジ５８は、溝５２内に挿入されると、各カム面６４に接触することにより、ロック突起６０としたがって側ガスケット壁３６とを外側に付勢し、それにより追加のすきまを設ける。その後、周縁ロックフランジ５８が完全に空間６２内に位置付けられると、側ガスケット壁３６の弾性特質により、ロック突起６０が側部媒体係合要素２４に向って戻るように付勢され、周縁ロックフランジ５８下でロックする。さらに、ロックおよびロック解除をより容易にするために、各ロック突起６０のロック面６８が、側ガスケット壁３６の内面から下方にわずかに傾斜していることが好ましい。傾斜面６８はまた、濾過媒体１２の厚さの変動に適応する補償機能を提供するという点でも有利である。すなわち、濾過媒体１２がその完全な入れ子式の挿入を制限するために周縁ロックフランジ５８が空間６２に完全に嵌合しない場合であっても、傾斜により、周縁ロックフランジ５８が適所においてロックすることが可能になる。たとえば、濾過媒体が計画よりわずかに厚い場合、面６８の傾斜により、その傾斜が実際に空間６２への開口を増大させるため周縁ロックフランジ５８とのロックが可能になる。
【００４２】
好ましい実施形態によれば、押え枠１８の側部媒体係合要素２４と支持枠１６の側部媒体係合要素２８とに対し、側壁３６および３２各々からわずかに離れるように角度を形成する。特に、図１０に示すように、側部媒体係合要素２８に対し、図示するように水平位置から９０度未満の角度βを形成してもよい。同様に、図１１に示すように、側部媒体係合要素２４に対し、図示するように水平位置から９０度未満の角度θを形成してもよい。
【００４３】
図１２に示すように、側部媒体係合要素２４および２８の両方に対し、側壁３２と側ガスケット壁３６との組立体から内部に角度を形成することができる。なお、図１２は、例示の目的で濾過媒体１２を設けずに組立てた支持枠１６と押え枠１８とを示す。側部媒体係合要素２４および２８を側壁３６および３２に平行な位置から少なくとも５°の角度で設けることにより、濾過媒体１２をその支持された位置においてより効果的に挟持し圧縮するために組立内により大きい可撓性をもたらす。すなわち、支持枠１６が押え枠１８の溝５２および５６内において移動する結果として、各媒体係合要素２４と各媒体係合要素２８とが内部に独立して撓曲することができる（この内部移動は、わずかな角度で容易になる）という意味で、可撓性がもたらされる。このため、濾過媒体１２のその縁における１つまたは複数の部分が、いずれかの理由によりより密集しているかより厚いかまたはより圧縮性でない場合、それによって影響を受ける媒体係合要素２４および２８は撓曲し、それにより媒体係合要素２４および２８の他の対が互いに接近し続けることができる。効果的には、濾過媒体１２の縁に近接するよりすぐれた連続的な濾過媒体の挟持および密封が達成される。また、媒体係合要素の互いに噛合う対の間の撓曲により、粉砕力からもたらされる可能性のある濾過媒体１２自体に対するいかなる破損も最小化される。さらに、角度を有する端部媒体係合要素３０は、端部媒体係合要素２６がそれらに向ってそれらの間の濾過媒体１２とともに移動するのと同様に作用する。さらに、端部媒体係合要素２６または３０のいずれかの中に可撓性をさらに促進しまたは増大させる機構を組込んでもよい、ということが考えられる。
【００４４】
さらに、本発明の枠組立体を利用して、上で説明し示唆したものと組合せて他の媒体も支持することが考えられる。たとえば、本発明による枠組立体を並べてまたは他の関連パターンで結合してもよく、あるいは特定の用途によっては積重ねてもよい。さらに、単一または変更された枠組立体により、互いに同じかまたは異なる複数の濾過媒体を支持することが考えられる。すなわち、枠支持構造内に複数層の濾過媒体を積重ねることができ、その媒体を同様に支持することができ（プリーツ型材料の層等）、あるいはそれらは異なる特徴または構成を有してもよい。
【００４５】
さらなる例として、図１４は、別の媒体層１１２と組合せた上述したプリーツ型濾過媒体１２を示す。媒体層１１２を、濾過媒体１２のプリーツの頂部と押え枠拡張フランジ１１４との間に支持することができる。かかる拡張フランジ１１４は、周縁フランジとして（すなわち、周囲すべてに亙る）または１つまたは複数の選択位置においてのみ、押え枠１８の上面５０および／または上面５４から延在してもよい。１つまたは複数の拡張フランジ１１４は、好ましくは、媒体１１２内部におよびそれを越えて延在することにより、それを濾過媒体１２とともに適所に保持することができる。かかる拡張フランジを、上面５０および／または５４より低いレベルで他の方法で設けてもよく、他のかかる要素を利用して濾過媒体１２からの支持なしに媒体層を支持してもよい、ということが考えられる。また、角度付きの歯１１５等の把持強化機構は、下方におよび恐らくは内部にまたは他の方法で延在することにより、媒体１１２の適当な場所における保持を強化することができる。かかる追加の媒体は、たとえば、媒体１１２がより容易に交換可能な場合に、異なるサイズの粒子に対してふるいにかけることにより、フィルタ製品１０の濾過効果を補ってもよく、あるいは、たとえば粒状物質に対し臭気を除去する別の濾過概念を追加することにより濾過を補ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【００４６】
【図１】濾過媒体と結合された複数の枠部品を有する本発明によるフィルタ製品の斜視図であり、枠は、協働して濾過媒体を支持し、好ましくは少なくともわずかに圧縮することにより、入口面と出口面とを備え空気等のキャリア媒体から濾液を濾過するために使用するフィルタ製品を提供する、支持枠と押え枠とを備える。
【図２】図１のフィルタ製品の組立分解斜視図であり、押え枠をプリーツ型濾過媒体から分離して示し、またそれらをともに支持枠から分離して示し、支持枠と押え枠との各々が、協働して濾過媒体を、その側縁に沿いかつ近接する濾過媒体と係合することにより所定の場所に位置付ける、濾過媒体支持機構を有する。
【図３】図１のフィルタ製品の平面図であり、矩形のプリーツ型濾過媒体の周辺を包囲し部分的にそれの上に延在するように設けられた押え枠を示す図である。
【図４】図３の線４−４に沿って取出された断面図であり、支持枠と押え枠との協働する端壁とともにその協働するフィルタ媒体支持機構によって画定されるプリーツ型形状を示す図である。
【図５】図１および図３に示すようなフィルタ製品の側面図であり、支持枠側壁の上部をカバーする押え枠ガスケット壁を示す図である。
【図６】図５の線６−６に沿って取出された断面図であり、相互に関連する支持枠側壁および押え枠ガスケット壁と支持枠および押え枠各々の濾過媒体支持機構とを、それらが濾過媒体を所定の場所に支持し粒子溝を画定するようにスナップ機構によって相互連結されるように示す図である。
【図７】図４に示すような右側端壁相互連結の拡大部分図であり、押え枠の端壁押え機構と支持枠の端壁支持機構とをそれらの間の濾過媒体の端部とともにより詳細に示す図である。
【図８】図２に類似する斜視図であるが、濾過媒体を図示せずに互いから分離した押え枠と支持枠とを示す図である。
【図９】図８の線９−９に沿って取出された拡大断面図であり、側面から、下部支持枠から分離された上部押え枠を示す図である。
【図１０】図９の線１０−１０に沿って取出された拡大断面図であり、媒体係合要素の側面と支持枠の側壁の断面とを示す図である。
【図１１】図９の線１１−１１に沿って取出された拡大断面図であり、押え枠の媒体係合要素と押え枠のガスケット壁との断面を示す図である。
【図１２】互いに噛合う媒体係合要素によって組立てられた支持枠および押え枠の図であるが、例示の目的でそれらの間に濾過媒体は示していない図である。
【図１３】図４の線１３−１３に沿って取出された拡大図であり、支持枠の側部媒体係合要素の頂部間の谷部内に位置付けられる押え枠の側部媒体係合要素の頂部を通して断面をとることにより、支持枠側壁から間隔が空けられた側部媒体係合要素を通して延在しかつ好ましくはそれらの間で圧縮される濾過媒体を示す図である。
【図１４】濾過媒体と追加の濾過媒体層とを支持するような押え枠の側部の拡大部分断面図である。

Claims (22)

1. 濾過媒体と該濾過媒体の少なくとも一部に沿って設けられる枠組立体とを備え、濾液成分を取除きながらキャリア流体の通過を可能にする該濾過媒体の入口面と出口面とを有する、フィルタ製品であって、該枠組立体が、
   長さを有しかつ該濾過媒体の少なくとも該一部に沿って延在し、該濾過媒体の第１の側上において該濾過媒体の縁と支持接触しかつそれに近接するように配置された複数の媒体係合要素を備える支持枠と、
   長さを有しかつ該濾過媒体の少なくとも該一部に沿って延在し、該濾過媒体の第２の側上において該濾過媒体の該縁と支持接触しかつそれに近接するように配置された複数の媒体係合要素を備える押え枠と、
   を備え、
   該支持枠および押え枠が、相互作用するように一緒に組立てられることにより該濾過媒体の該縁の少なくとも一部に近接する該枠組立体を提供し、該支持枠の該媒体係合要素が該押え枠の該媒体係合要素と相互作用することにより、該濾過媒体とその第１および第２の側において接触することによってそれらの間に該濾過媒体を支持し、該支持枠と該押え枠とのうちの少なくとも一方が、さらに、その媒体係合要素から間隔が空けられた壁部を含むことにより、該濾過媒体の該縁の該一部に沿って走るように位置付けされる溝を画定する、フィルタ製品。
2. 前記濾過媒体が、前記支持枠と前記押え枠との前記媒体係合要素間の圧縮ゾーン内に位置付けられ、さらに、該媒体係合要素から間隔が空けられた前記壁部に向って該圧縮ゾーンを越えて延在する、請求項１に記載のフィルタ製品。
3. 前記濾過媒体が、少なくとも該濾過媒体の厚さの２倍に等しい距離だけ前記壁部に向って延在する、請求項２に記載のフィルタ製品。
4. 前記支持枠と前記押え枠とがそれぞれ、少なくとも１つの側部枠部品と端部枠部品とを備え、各側部枠部品が該側部枠部品に沿って連続して配置された前記複数の媒体係合要素を備える、請求項２に記載のフィルタ製品。
5. 前記媒体係合要素が、一続きの頂部および谷部を画定する歯状突起を備え、前記支持枠の側部媒体係合要素が、前記押え枠の側部媒体係合要素と噛合う、請求項４に記載のフィルタ製品。
6. 前記支持枠と前記押え枠とが各々、一対の間隔が空けられた側部枠部品と一対の端部枠部品とを備え、各側部枠部品が、該側部枠部品に沿って連続して配置された前記複数の媒体係合要素を備え、該媒体係合要素が、一続きの頂部および谷部を画定する歯状突起を備えることにより、該支持枠の側部媒体係合要素が該押え枠の側部媒体係合要素と噛合う、請求項５に記載のフィルタ製品。
7. 前記濾過媒体が、当該フィルタ製品の間隔が空けられた側において前記支持枠と前記支持枠との前記側部媒体係合要素間に位置付けられるプリーツ型媒体を備える、請求項６に記載のフィルタ製品。
8. 前記プリーツ型媒体が、その組成内に粒状物質を含む、請求項７に記載のフィルタ製品。
9. 各支持枠側部部品が、壁部によりその各々の側部媒体係合要素から間隔が空けられた側壁を備え、該壁部が、該側部媒体係合要素と該間隔が空けられた側壁との間に相互連結されることによりそれらの間に溝を画定する、請求項７に記載のフィルタ製品。
10. 前記支持枠の前記側部媒体係合要素が、各支持枠側部部品において前記側壁からある角度で延在する、請求項９に記載のフィルタ製品。
11. 各押え枠側部部品が、別の壁部によりその各々の側部媒体係合要素から間隔が空けられたガスケット側壁を備え、該壁部が、該側部媒体係合要素と該間隔が空けられたガスケット側壁との間に相互連結されることによりそれらの間に溝を画定し、前記支持枠の前記側壁が、該押え枠の該側壁溝内に位置付けられる、請求項９に記載のフィルタ製品。
12. 少なくとも１つの支持枠側部部品の前記側壁と少なくとも１つの押え枠側部部品の前記ガスケット側壁との間に解放可能なスナップ結合部をさらに具備する、請求項１１に記載のフィルタ製品。
13. 前記スナップ結合部が、少なくとも１つの支持枠側部部品の前記側壁から延在するフランジと、前記押え枠側部溝内の前記押え枠側部部品の前記ガスケット側壁から延在するロック突起とを備えることにより、該押え枠側部溝内の該ロック突起によって画定される空間内で該フランジを解放可能にロックする、請求項１２に記載のフィルタ製品。
14. 前記ロック突起が、前記フランジの真下で嵌合する傾斜ロック面を有し、その傾斜が、該傾斜ロック面が前記ガスケット側壁から延在するにしたがい前記押え枠側部溝内の該ロック突起によって画定される空間を増大させる、請求項１３に記載のフィルタ製品。
15. 前記押え枠の前記側部媒体係合要素が、各押え枠側部部品上において前記ガスケット側壁からある角度で延在する、請求項１１に記載のフィルタ製品。
16. 前記ガスケット側壁が、当該フィルタ製品の適用取付ガスケットの少なくとも一部を備える張出し部を含む、請求項１５に記載のフィルタ製品。
17. 前記支持枠と前記押え枠との前記端部枠部品が、互いに向って延在しかつそれらの間に該濾過媒体をその端部に近接して適所に固定するための濾過媒体圧縮ゾーンを画定する、端部媒体係合要素を備える、請求項４に記載のフィルタ製品。
18. 前記支持枠の前記端部枠部品が、壁部によってその端部媒体係合要素から間隔が空けられた端壁を備えることにより、それらの間に溝を画定し、該端部媒体係合要素が該間隔が空けられた端壁からある角度で延在する、請求項１７に記載のフィルタ製品。
19. 前記押え枠の前記端部部品が、壁部によってその端部媒体係合要素から間隔が空けられたガスケット端壁を備えることにより、それらの間に溝を画定し、前記支持枠の前記端壁が、該押え枠の該端壁溝内に位置付けられる、請求項１８に記載のフィルタ製品。
20. 前記ガスケット端壁が、当該フィルタ製品の適用取付ガスケットの少なくとも一部を備える張出し部分を含む、請求項１９に記載のフィルタ製品。
21. 濾過媒体と該濾過媒体の少なくとも一部に沿って設けられる枠組立体とを備え、濾液成分を取除きながらキャリア流体の通過を可能にする該濾過媒体の入口面と出口面とを有するフィルタ製品であって、該枠組立体が、
    長さを有しかつ該濾過媒体の少なくとも該一部に沿って延在し、壁部と、該壁部から間隔が空けられ該濾過媒体の第１の側上において該濾過媒体の縁と支持接触しかつそれに近接するように配置された少なくとも１つの媒体係合要素と、を備える支持枠と、
    長さを有しかつ該濾過媒体の少なくとも該一部に沿って延在し、壁部と、該壁部から間隔が空けられ該濾過媒体の第２の側上において該濾過媒体の該縁と支持接触しかつそれに近接するように配置された少なくとも１つの媒体係合要素と、を備える押え枠と、
    を備え、
    該支持枠および押え枠が、相互作用するように一緒に組立てられることにより該濾過媒体の該縁の少なくとも一部に近接する該枠組立体を設け、該支持枠の該媒体係合要素が該押え枠の該媒体係合要素と相互作用することにより、該濾過媒体とその第１および第２の側において接触することによりそれらの間に該濾過媒体を支持し、該支持枠と該押え枠とのうちの少なくとも一方の該壁部が、その媒体係合要素と他方の壁部との間に位置付けられる、
    フィルタ製品。
22. 濾過媒体と該濾過媒体の少なくとも一部に沿って設けられる枠組立体とを備え、濾液成分を取除きながらキャリア流体の通過を可能にする該濾過媒体の入口面と出口面とを有するフィルタ製品であって、該枠組立体が、
    長さを有し該濾過媒体の少なくとも該一部に沿って延在し、該濾過媒体の第１の側上において該濾過媒体の縁と支持接触しかつそれに近接するように配置された少なくとも１つの媒体係合要素を備える支持枠と、
    長さを有し該濾過媒体の少なくとも該一部に沿って延在し、該濾過媒体の第２の側上において該濾過媒体の該縁と支持接触しかつそれに近接するように配置された少なくとも１つの媒体係合要素を備える押え枠と、
    を備え、
    該支持枠および押え枠が、相互作用するように一緒に組立てられることにより該濾過媒体の該縁の少なくとも一部に近接する該枠組立体を設け、該支持枠の該媒体係合要素が該押え枠の該媒体係合要素と相互作用することにより、該濾過媒体とその第１および第２の側において接触することによりそれらの間に該濾過媒体を支持し、該支持枠と該押え枠とのうちの少なくとも一方が、さらに、その媒体係合要素から間隔が空けられた壁部を含み、その媒体係合要素が該壁部からある角度を成す、
    フィルタ製品。