JP2005503946A - エレクトログラフィ式の印刷機または複写機における中間支持ベルトのためのプラスチック製のエンドレスベルトを製作する方法および装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、プラスチック箔（１０）の端部を溶接して、エレクトログラフィ式の印刷機または複写機における中間支持ベルトのためのプラスチック製のエンドレスベルトを製作する方法および装置に関する。プラスチック箔（１０）の端部が、端面側で互いに突き合わされ、プラスチック箔（１０）が箔端部の領域で圧力下で保持され、プラスチック箔（１０）が、照射によって、端部の溶接にとって必要な温度で加熱される。溶接のあとで、再結晶ステップが、場合によってはエネルギ供給下で行われる。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、エレクトログラフィ式の印刷機または複写機における中間支持ベルトのためのプラスチック製のエンドレスベルトを製作する方法および装置に関する。
【０００２】
エレクトログラフィ式の印刷機または複写機では中間支持ベルトが使用され、これによって静電潜像を形成し、かつ／または転写しようとするトナー像のための支持体を提供することができる。たとえば中間支持ベルトとして、光導電性の層（感光層）を備えたエンドレスベルト、たとえばＯＰＣベルト（organic-photo-conducting）が用いられ、このベルトは、所定の画像パターンに従って露光することによって、適当な静電的な電荷像、いわゆる電荷潜像を形成する。現像ステーションで、電荷潜像にトナー材料が付着され、このトナー像はあとで紙、または別の記録担体に転写され、そこで定着される。
【０００３】
エンドレスな中間支持ベルトは、転写ベルトとして、トナー像を集めてこれを転写箇所に送るのにも役立つ。たとえば多色刷り印刷では、第１のインキの第１のトナー像が中間支持ベルトに移される。次いでこの第１のトナー像に、第２のインキを有する第２のトナー像が移され、これが繰り返される。そのように中間支持ベルトに上下に重ねられた多色トナー像は、次いで転写箇所に送られ、そこで記録担体に転写して定着される。
【０００４】
エンドレスな中間支持ベルトを製作するために、プラスチック箔の両端部を相互結合する必要がある。この場合に生じる溶接シームは、多くの障害の原因となり得る。たとえば溶接シームに沿って生じる厚み部分によって、中間支持ベルトの回転走行に際して比較的高い摩耗が生じる。さらに溶接シームの領域における材料特性が変化し得るので、この領域は、一般的に光導電性の領域として、またはトナー像を受容するための領域として利用することはできない。
【０００５】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９８３２１６８号明細書から、レーザ光を用いて熱可塑性のプラスチックを溶接するための装置が公知である。熱可塑性のプラスチック箔の両端部は突き合わせ状態で配置され、かつ保持エレメントと石英ガラス板とを用いて保持されることができる。石英ガラス板を介してレーザ光が入力結合され、これによって両端部は互いに溶接される。均一な溶接シームを製作するための特別な手段については記載がない。
【０００６】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９５１６７２６号明細書から、折り畳みボックスを成形して閉鎖する方法が記載されており、ここではプラスチック層が包装のために放射を用いて互いに溶接される。溶接過程は圧力を及ぼすことによって助成される。
【０００７】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第３７１３５２７号明細書には、両端部で突き合わせ案内されるプラスチック部分の溶接について記載されている。プラスチック部分は端部でプロフィールを有しているので、これらのプロフィールは互いに入り込むことができる。レーザ溶接装置によって、プロフィールを有する端部は互いに溶接される。
【０００８】
欧州特許公開第０７０５６８２号明細書から、ポリマーから成る基板を熱結合する方法が公知であり、ここでは少なくとも１つの基板が、マイクロ波吸収性の媒体でコーティングされる。基板はマイクロ波フィールドで互いに溶接される。
【０００９】
同一出願人の国際公開第０２／２６４７６号パンフレット（事前公開されていない）から、溶接によって中間支持ベルトのためのエンドレスベルトを製作する方法が公知である。本願発明は、このパンプレットで開示された内容を援用し、この内容を含むものとする。
【００１０】
実際に国際公開第０２／２６４７６号パンフレットで記載された方法に基づいて溶接されたプラスチック箔はシーム領域で多くの場合変化された無定形構造を有しており、この無定形構造は、熱負荷下では原材料の構造よりも小さな引張り強さを有している。さらにこのような不均質としての無定形構造によって、シーム領域と原材料との間で負荷形成が生じ得る。溶接によって製作される中間支持ベルトがエレクトログラフィ式の印刷機または複写機に使用されると、この中間支持ベルトは高温度条件下で高い持続負荷にさらされる。シーム領域の無定形構造によってこのように製作された支持ベルトの耐用寿命が低下され得る。
【００１１】
したがって本発明の課題は、熱可塑性プラスチック製のエンドレスベルトを製作する方法および装置を改良して、エンドレスベルトの表面が僅かな摩耗で十分に使用でき、かつエンドレスベルトが負荷に対する高い耐久性を有しているようなものを提供することである。
【００１２】
この課題は、請求項１の特徴部に記載した方法によって解決される。有利な方法および構成は従属請求項に記載した。
【００１３】
また本発明では、エレクトログラフィ式の印刷機または複写機における中間支持ベルトのための熱可塑性プラスチック製のエンドレスベルトを製作する装置についても記載されている。このような装置によって得られる利点は、方法について述べた利点と一致する。
【００１４】
次に図面につき本発明の実施例を詳しく説明する。
【００１５】
図１の実施例では、熱可塑性のプラスチック箔１０が、透過性の保持エレメント、たとえばガラス板１１と、透過性の対抗保持エレメント、たとえば同様にガラス板１２との間で、箔端部の端面側で正確に突き合わせられるように、挿入される。プラスチック箔１０を固定するため、ならびに隆起していない平滑な溶接シームを確保するために押圧枠１３，１４が設けられており、これらの押圧枠１３，１４は所定の力Ｆをガラス板１１，１２に及ぼし、ひいてはプラスチック箔１０に及ぼす。ガラス板１１，１２の、プラスチック箔１０に接触するフラットな面は、フラットな押圧面１１ａ，１２ａを形成する。選択的にこれらの押圧面１１ａ，１２ａは、同心的に形成してよく、たとえば円筒面を成していてよい。つまり適当なガラス板は円筒外套部を成す。図平面に対して垂直方向で、プラスチック箔は、標準印刷サイズ、たとえばＤＩＮ−Ａ４の最小幅を有している。ガラス板１１，１２は、この幅よりも大きな長さを有している。
【００１６】
放射ガイドファイバ１５，１７ならびに集束光学系１６，１８を介して、突き合わせ状態で位置する箔端部の領域でプラスチック箔１０を加熱するための、図示していない放射源から、溶融点を超える放射が供給される。これによって箔端部の間に溶接シーム１９が形成される。放射源は、有利にはレーザ放射源、たとえばダイオードレーザ、固体レーザ、気体レーザまたはレーザダイオードアレーである。プラスチック箔１０の材料の吸収率に応じて、放射の特定部分が吸収されて熱に変換される。押圧面１１ａ，１２ａは相互間隔を有しており、この間隔は、冷間状態でのプラスチック箔１０の厚さによって特定されている。プラスチック箔１０の端部を加熱して溶融する際に、前記間隔は維持され、つまり力Ｆは適当な高さに選択される。溶融材料は、突き合わせられた端部に沿って前記間隔に応じた厚さを有して一定に分配される。
【００１７】
集束光学系１６，１８を介して両側から同時にプラスチック箔１０に照射を行うことによって、プラスチック箔１０の厚さ全体にわたって均等な溶接シーム１９が得られ、このことは特に吸収性の箔材料を用いる場合に有利である。対抗保持エレメント１２は、放射に対して透過性の材料、たとえばガラスから成っている。このことは特に半分の箔厚さよりも小さな放射侵入深さを有する箔材料を用いる場合に有利である。この場合もはや考慮すべき放射透過成分は存在しない。
【００１８】
溶接過程の品質を改善するため、また箔材料変動を補償するために、さらに有利には、溶接シーム１９の領域で温度が測定される。制御回路において、この温度は、放射出力を変化させることによって所定の値で一定に維持することができる。
【００１９】
図２では、また図３以下においても、同じ構成要素には同じ符号を用いた。図２の実施例では、プラスチック箔１０、保持エレメント１１および押圧フレーム１３の片側にしか放射源が設けられておらず、この放射源は放射ガイドファイバ１５と集束光学系１６とを介して溶接シーム１９のための放射を供給する。
【００２０】
この実施例では、放射に対して十分な程度の不透過性を有するプラスチック箔１０材料と、透過性の対抗保持エレメント１２とを用いる場合、追加的にプラスチック箔１０の、溶接しようとする両端部の間にまだギャップが存在するかについて検査を行うことができる。このためにプラスチック箔１０の、照射側とは反対側で、放射検出器２０、たとえばフォトダイオードが配置されており、この放射検出器２０は、場合によっては存在するギャップを通過する放射成分を検出する。プラスチック箔の端部を正確に位置決めした場合にしか、通過する放射成分はほとんどゼロにならない。プラスチック箔１０の端部の正確な位置決めは手動または自動で行うことができ、この場合通過する放射成分は最小であるのが望ましい。
【００２１】
別の実施例では、プラスチック箔１０の厚さ、および放射源１５，１６から供給される放射の波長が次のように互いに適合されており、つまり放射の光学的な侵入深さがプラスチック箔１０の半分の厚さよりも小さいかまたはこれと同じであるように適合されている。これによってプラスチック箔１０に、正確に溶接するために十分なエネルギが供給される、ということが保証されている。
【００２２】
効率を改善するために、保持エレメント１１，１２の一方、有利には対抗保持エレメント１２が、有利には該当する押圧面１２ａで反射性に形成することができる。したがって透過性の放射はプラスチック箔１０に戻し照射される。保持エレメント１２は、たとえば鏡または研磨された金属薄板、有利には銅薄板もしくはアルミニウム薄板として形成するか、または反射性コーティング材料を有することができる。
【００２３】
図１および図２に示した前述の実施例、ならびに以下に説明する図３の実施例では、保持エレメント１１および対抗保持エレメント１２は、プラスチック箔１０の側で、図示していない非付着性コーティング、たとえばテフロンまたは疎水性のＤＬＣ−コーティングを備えることができる。これによって溶接過程の間のプラスチック箔１０の付着が回避される。
【００２４】
片側からしか照射の行われない図２の装置において比較的高品質の溶接シームを確保するために、プラスチック箔１０は反転（裏返し）することもできるので、前後して連続的に両側から照射が行われる。
【００２５】
図１および図２と同じ構成要素には同じ符号を用いて示した図３の実施例では、不動に支承された緊締エレメント３０と可動に支承された緊締エレメント３１とを用いた、追加的なプラスチック部分１０の緊締手段が設けられている。プラスチック箔１０の端部を互いに押し合わせるための、これらの緊締エレメント３０，３１の運動は矢印Ａで示した。別の実施例では、緊締エレメント３０も緊締エレメント３１も可動に支承することができる。緊締エレメント３０，３１を用いて押し合わせることによって、品質、特に溶接シームの強度を改善することができる。
【００２６】
本発明の製作装置は、この装置に固定されるプラスチック箔１０で、リニアテーブルを用いて、集束されるビームを越えて図平面に対して垂直方向で移動することができる。さらにまた放射が、本発明の製作装置に固定された、溶接しようとする箔領域を越えて移動するようにすることもできる。ここでは放射源、つまり放射ガイドファイバ１５，１７ならびに集束光学系１６，１８を可動に形成する必要がある。放射をたとえばガルバノミラーで偏向するか、またはたとえばリニア光学系で拡開することができる。後者の場合箔幅全体にわたる同時の溶接が可能である。
【００２７】
図１と同じ構成要素には同じ符号を用いて示した図４の実施例では、追加的にプラスチック箔１０と保持エレメント１１，１２との間にそれぞれ１つの吸収装置４０，４２が挿入されている。吸収装置４０は、保持エレメント１１とプラスチック箔１０との間で直に設けられていて、かつ第１の押圧面１１ａを形成する。吸収装置４２は、対抗保持エレメント１２とプラスチック箔１０との間で直に設けられていて、かつ第２の押圧面１２ａを形成する。吸収装置４０，４２の、放射源１６，１８に向いた面は、それぞれ放出された放射エネルギを吸収して、かつこの放射エネルギを熱に変換する。この熱はプラスチック箔１０の、互いに向かい合った端部に伝達されて、この熱によって溶接が行われる。したがってこの実施例では、それぞれの吸収特性とは無関係に、任意の熱可塑性プラスチック材料、たとえば完全に透過性のプラスチック箔を用いることができる。
【００２８】
図５に示した別の実施例では、吸収装置４０，４２が、薄い金属薄板、たとえばＣｒＮｉ−鋼薄板から成っており、この薄い金属薄板は、プラスチック箔１０と保持エレメント１１，１２との間に配置されている。金属薄板５２の、放射側に向いた面は、吸収を改善するために粗面化するか、または吸収性のコーティング５０、特に黒クロムまたは焼き付けエナメル（Ofenlack）を備えることができる。
【００２９】
図６の実施例では、吸収装置４０，４２は、吸収性の層６２、有利にはそれぞれ約０．２〜３μｍの厚さを有する、特に疎水性のＤＬＣ−層または硬質材料層から成っていて、かつ支持体として役立つ透過性のガラス板６０に沿って設けられている。このガラス板６０は同時に保持エレメント１１，１２の機能を引き受ける（図４参照）。吸収性の層６２は、放射とは反対側で追加的に、有利には約０．５〜３μｍの厚さを有する、非付着層６４、特にＤＬＣ−コーティング、ナノコンポジット層、テフロンまたはシリコーンを備えることができる。これによって溶接過程の間のプラスチック箔１０の付着が回避される。
【００３０】
本発明の方法および本発明の装置は、原則としてあらゆる熱可塑性プラスチックに用いることができる。場合によっては吸収しようとする放射の侵入深さを調整するための吸収性の添加物を有する、ポリエステル、ポリカーボネートまたはポリアミドを使用すると特に有利である。この場合ブラックカーボンを含んだポリアミドまたはポリカーボネートが有利である。箔厚さは、有利には５０〜２００μｍである。
【００３１】
本発明の方法および本発明の装置は、エンドレスな光導電ベルト、いわゆるＯＰＣ−ベルト（organic-photo-conducting）ならびにエレクトログラフィ装置のための転写ベルトを製作するために用いられる。溶接シームは極めて均一で、かつプラスチック箔と同じ厚さを有している。これによって溶接シームの領域を潜像支持体またはトナー像支持体として利用することもできる。したがってこのように製作されたエンドレスベルトは比較的短い長さを有することができ、溶接シームの領域の損耗は低減され、またこのベルトは紙損失なくエンドレスペーパーに印刷を行うために使用することができる。
【００３２】
エンドレスベルトの端部を溶接するための記載の実施例では、材料として部分結晶質のプラスチック箔を用いることができる。この場合結合しようとするシート端部はたとえば２つのガラス板の間に位置する。溶融されるプラスチックの溶融段階からの冷却速度は、結晶化度に直接的に関連しており、この冷却速度は、プラスチック材料およびガラス板への熱導出によって特定される。したがって溶融される材料の領域における結晶化度は、主に熱伝導効率に関連していて、かつこれに影響を与えるのは困難である。
【００３３】
部分結晶質のプラスチック材料の熱溶接ひいては液化に際して、存在する結晶構造が破壊される。後続の冷却および凝固に際して、プラスチックに応じて、結晶構造は部分的にしか再形成されないか、または全く再形成されない。プラスチックの一例としてＰＥＴが挙げられ、その約４０％の高い結晶化度は溶接領域でほぼゼロになるので、材料は無定形である。シーム領域で存在する無定形構造は、大幅に低下されたガラス転移温度を有している。これによって熱負荷下で引張り強さが小さくなる。
【００３４】
部分結晶質の熱可塑性プラスチックが用いられる場合、本発明に従って溶接のあとで再結晶化ステップが行われ、ここではシーム領域のプラスチック材料が再結晶化される。たとえば再結晶化ステップは、シーム領域のプラスチック材料の冷却段階を長くするような手段を有している。このことは比較的低い熱伝導性を有する材料を使用することによって得られる。別の可能性によれば、押圧面を形成する部分を、所定の時間比較的高い温度で保持するので、冷却プロセスが減速される。たとえば押圧面を形成する部分は、溶接前に加熱することができ、したがって溶接過程は追加的なエネルギ供給下で行うことができる。予備加熱に基づいて、冷却過程が減速されており、これによって再結晶化を行うことができる。
【００３５】
別の実施例によれば、再結晶下ステップの際にエネルギ供給が行われる。たとえばエネルギ供給は、所定の温度−時間線図を維持して行われる。
【００３６】
溶接後の結晶形成を促進する別の可能性によれば、一度または幾度か焼き戻しが行われる。シーム領域は、冷却後に少なくとも一度新たに行われるエネルギ供給によって、溶融温度を下回る温度で加熱される。この場合有利には所定の温度−時間線図が維持される。
【００３７】
有利にはエネルギ源によって溶接が行われ、このエネルギ源は再結晶化のためのエネルギ供給にも用いられる。たとえば帯状に拡開される定常レーザ光線を用いた、大面積の溶接では、レーザ光線は、プラスチック箔の端部を溶接したあとで、さらに低下出力でシーム領域に照射される。走査型の放射系では、溶接のためのビームの直後における追加的なビームが、追加的な放射源または同じ放射源から追加的なエネルギを、溶融段階のあとの冷却段階の間送ることができる。またたとえば遮蔽体、抵抗加熱素子、ペルティエ素子などによる、局所的な制限手段を有するたとえば熱放射器を別のエネルギ源として用いることもでき、このようなエネルギ源は、適当な形式で局所的なエネルギを、構造変化されるシーム領域に導入すことができる。たとえばプラスチック箔１０の端部を溶接するために両側からビーム負荷を行う、図１に示した実施例では、再結晶化のための追加的なエネルギ導入を片側から行えば十分である。
【００３８】
焼き戻しによる熱処理のために、大面積で照射を行う熱放射器を用いることができる。熱放射は、同時に溶接シームの全長にわたって吸収される。この熱放射は遮蔽体および／または凹面鏡によって制限される。
【００３９】
非結晶質で不定形の熱可塑性プラスチックが用いられるか、または溶融状態からの冷却中に再び結晶化される熱可塑性プラスチックが用いられる場合、追加的な再結晶化ステップは省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【００４０】
【図１】本発明の製作装置の１実施例を示す概略図である。
【００４１】
【図２】本発明の製作装置の別の１実施例を示す概略図である。
【００４２】
【図３】図１および図２に示した実施例に対して追加的に使用可能な、本発明の製作装置の一部を示す概略図である。
【００４３】
【図４】図１に示した実施例の変化形として、２つの吸収装置を備えた、本発明の製作装置の別の１実施例を示す概略図である。
【００４４】
【図５】吸収層を備えたＣｒＮｉ−鋼薄板から成る吸収装置を示す図である。
【００４５】
【図６】透過性のガラス板とＤＬＣ−層と非付着層とを備えた吸収装置を示す図である。
【符号の説明】
【００４６】
１０ プラスチック箔、 １１ 保持エレメント、 １１ａ 押圧面、 １２ 対抗保持エレメント、 １２ａ 押圧面、 １３，１４ 押圧枠、 １５，１７ 放射ガイドファイバ、 １６，１８ 集束光学系、 １９ 溶接シーム、 ２０ 放射検出器、 ３０，３１ 緊締エレメント、 ４０，４２ 吸収装置、 ５０ 吸収性のコーティング、 ５２ 金属薄板、 ６０ ガラス板、 ６２ 吸収性の層、 ６４ 非付着層

Claims (39)

1. エレクトログラフィ式の印刷機または複写機における中間支持ベルトのためのプラスチック製のエンドレスベルトを製作する方法において、
   少なくとも標準印刷サイズ幅を有する、部分結晶質で熱可塑性のプラスチック箔（１０）の両端部を、互いに端面側で突き合わせ、
   プラスチック箔（１０）の両端部を、照射によって、溶接にとって必要な温度に加熱し、これらの端部を互いに溶接し、
   溶接のあとで、再結晶化ステップを行い、プラスチック材料をシーム領域で再結晶化することを特徴とする、エレクトログラフィ式の印刷機または複写機における中間支持ベルトのためのプラスチック製のエンドレスベルトを製作する方法。
2. 再結晶化ステップが、シーム領域におけるプラスチック材料の冷却段階を延長する手段を有する、請求項１記載の方法。
3. 再結晶化ステップに際してエネルギ供給を行う、請求項１または２記載の方法。
4. 所定の温度−時間線図を維持してエネルギ供給を行う、請求項３記載の方法。
5. シーム領域を、冷却後に、少なくとも一度新たに行われるエネルギ供給によって、溶融温度を下回る温度で加熱する、請求項１から４までのいずれか１項記載の方法。
6. 所定の温度−時間線図を維持する、請求項５記載の方法。
7. 溶接を生ぜしめるエネルギ源を、再結晶化のためのエネルギ供給にも用いる、請求項１から６までのいずれか１項記載の方法。
8. 再結晶化のためのエネルギ供給のために、追加的なエネルギ源を用いる、請求項１から７までのいずれか１項記載の方法。
9. 端部の両側にそれぞれ１つの押圧面（１１ａ，１２ａ）を配置し、これらの押圧面（１１ａ，１２ａ）の長さが、少なくとも標準印刷サイズ幅に相当しており、前記押圧面が、端部の面を互いに押し合わせ、互いに押し合わされる端部の端面でプラスチック材料を溶融する際に、押圧面（１１ａ，１２ａ）の、冷間状態のプラスチック箔（１０）の厚さによって特定される間隔を維持する、請求項１から８までのいずれか１項記載の方法。
10. プラスチック箔（１０）を、片側から照射して加熱する、請求項１から９までのいずれか１項記載の方法。
11. プラスチック箔（１０）を、両側から照射して加熱する、請求項１から１０までのいずれか１項記載の方法。
12. プラスチック箔（１０）を、両側から同時に照射して加熱する、請求項１から１１までのいずれか１項記載の方法。
13. プラスチック箔（１０）を、片側から照射して加熱し、次いでプラスチック箔（１０）を裏返したあとで、別の片側から加熱する、請求項１２記載の方法。
14. プラスチック箔（１０）の溶接を、レーザビームによって行う、請求項１から１３までのいずれか１項記載の方法。
15. 放射を、プラスチック箔（１０）の、放射源（１５，１７）に向いた側で吸収する、請求項１から１４までのいずれか１項記載の方法。
16. プラスチック箔（１０）の、向かい合った端部に、溶接の間プレロードをかける、請求項１から１５までのいずれか１項記載の方法。
17. 溶接過程の間、かつ／または再結晶化のためのエネルギ供給の間、プラスチック箔（１０）を溶接シーム（１９）で温度測定し、放射出力を、測定した温度に応じて調節するかまたは制御する、請求項１から１６までのいずれか１項記載の方法。
18. プラスチック箔（１０）を、片側から照射し、別の片側で、溶接しようとする端部の間のギャップを通過する放射を検出する、請求項１から１７までのいずれか１項記載の方法。
19. 押圧面（１１ａ，１２ａ）を、板（１１，１２）によって形成する、請求項１から１８までのいずれか１項記載の方法。
20. 少なくとも１つの板（１１，１２）を、放射に対して透過性の材料、有利にはガラスから形成し、有利にはテフロンまたは疎水性のＤＬＣ−層から成る非付着層を有する板を用いる、請求項１９記載の方法。
21. プラスチック箔（１０）の厚さと、放射源（１５，１６）から供給される放射とを互いに適合させ、放射の光学的な侵入深さが、プラスチック箔（１０）の半分の厚さよりも小さいかまたはこれと同じであるようにする、請求項１から２０までのいずれか１項記載の方法。
22. プラスチック箔（１０）の少なくとも片側で、プラスチック箔（１０）に接触して、放射を吸収するための吸収装置（４０，４２）を設ける、請求項１から２１までのいずれか１項記載の方法。
23. 吸収装置（４０，４２）が、プラスチック箔（１０）に直接的に接触している、請求項２２記載の方法。
24. 吸収装置（４０，４２）が、押圧面（１１ａ，１２ａ）を形成する、請求項２２または２３記載の方法。
25. 吸収装置（４０，４２）が、金属薄板（５２）、有利にはＣｒＮｉ−鋼薄板として形成されている、請求項１から２４までのいずれか１項記載の方法。
26. 金属薄板（５２）が、有利には黒クロムまたは焼き付けエナメルから成る吸収性のコーティング（５０）を有している、請求項２５記載の方法。
27. 金属薄板（５２）の、放射源に向いた面が粗面化されている、請求項２６記載の方法。
28. 吸収装置（４０，４２）が、有利には０．２から３μｍの間の厚さを有する吸収性の硬質材料層または吸収性のＤＬＣ−層を備えている、請求項１から２７までのいずれか１項記載の方法。
29. プラスチック箔として、ポリエステル、ポリカーボネート、ＰＥＴまたはポリアミドを用いる、請求項１から２８までのいずれか１項記載の方法。
30. カーボンブラック小片の含有されたポリアミドから成るプラスチック箔を用いる、請求項２９記載の方法。
31. プラスチック箔（１０）のための標準印刷サイズ幅が、少なくともＤＩＮ−Ａ４に相当する、請求項１から３０までのいずれか１項記載の方法。
32. プラスチック箔（１０）が、２０から５００μｍの範囲の厚さ、有利には５０から２００μｍの範囲の厚さを有している、請求項１から３１までのいずれか１項記載の方法。
33. エレクトログラフィ式の印刷機または複写機における中間支持ベルトのためのプラスチック製のエンドレスベルトを製作する装置において、
    少なくとも標準サイズの幅を有する、部分結晶質で熱可塑性のプラスチック箔（１０）の両端部が、互いに端面側で突き合されるようになっており、
    プラスチック箔（１０）の両端部が、照射によって、溶接にとって必要な温度に加熱されて、これらの端部が互いに溶接されるようになっており、
    溶接のあとで、プラスチック材料をシーム領域で再結晶化させる手段が設けられていることを特徴とする、エレクトログラフィ式の印刷機または複写機における中間支持ベルトのためのプラスチック製のエンドレスベルトを製作する装置。
34. シーム領域におけるプラスチック材料の冷却段階を延長する手段が設けられている、請求項３３記載の装置。
35. 再結晶化のためにエネルギ供給が行われるようになっている、請求項３３または３４記載の装置。
36. 所定の温度−時間線図を維持してエネルギ供給が行われるようになっている、請求項３５記載の装置。
37. シーム領域が、冷却後に、少なくとも一度新たに行われるエネルギ供給によって、溶融温度を下回る温度で加熱されるようになっている、請求項３３から３６までのいずれか１項記載の装置。
38. 溶接を生ぜしめるエネルギ源が、再結晶化のためのエネルギ供給にも用いられる、請求項３３から３７までのいずれか１項記載の装置。
39. 再結晶のためのエネルギ供給のために、追加的なエネルギ源が用いられる、請求項３３から３８までのいずれか１項記載の装置。