JP2005503742A - スピーカシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】スピーカ駆動ユニット(1)と、このスピーカ駆動ユニットの後部に接続された多数のチューブを備えた後部吸音システム(20)とを備えるスピーカシステムを提供する。
【解決手段】一例では、後部吸音システム(20)は、スピーカ駆動ユニットの磁石アッセンブリ内の通路から現れる音波のための収集チューブ(22)と、ダイヤフラム(4)の背部からの音波のための減衰ディフューザ(24)と、収集チューブ(22)により収集された音波のためのディスク状ディフューザ(26)とを備える。ディスク状ディフューザ(26)は、磁石アッセンブリ(6)の後部に装着されたバスケット状アッセンブリ(28)の一部である。減衰ディフューザ(24)は、スピーカ駆動ユニット(1)が装着されているエンクロージャの壁(2)に装着される。減衰ディフューザ(24)は、渦巻き配列された一体の直立ベーン(24B)を有した基部(24A)を備える。多数のチャネル(24C)がベーン(24A)間に画成され、エンクロージャの壁(2)はチャネル(24C)の開放面を閉じ、チャネルが多数のテーパチューブを形成する。
【選択図】図3
【解決手段】一例では、後部吸音システム(20)は、スピーカ駆動ユニットの磁石アッセンブリ内の通路から現れる音波のための収集チューブ(22)と、ダイヤフラム(4)の背部からの音波のための減衰ディフューザ(24)と、収集チューブ(22)により収集された音波のためのディスク状ディフューザ(26)とを備える。ディスク状ディフューザ(26)は、磁石アッセンブリ(6)の後部に装着されたバスケット状アッセンブリ(28)の一部である。減衰ディフューザ(24)は、スピーカ駆動ユニット(1)が装着されているエンクロージャの壁(2)に装着される。減衰ディフューザ(24)は、渦巻き配列された一体の直立ベーン(24B)を有した基部(24A)を備える。多数のチャネル(24C)がベーン(24A)間に画成され、エンクロージャの壁(2)はチャネル(24C)の開放面を閉じ、チャネルが多数のテーパチューブを形成する。
【選択図】図3
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスピーカシステムにおいて、取付けは、通常、スピーカ駆動ユニットの後部のキャビネットで行われ、このスピーカ駆動ユニットに音が回る。後部キャビネットの主たる機能は、後方放射を防止することにある。後方放射は前部へ回り込み、位相ずれがあるので前方放射を相殺することになる。
後部ボックスは全体として密閉することができ、その場合、後方への直接音の、前部への回り込みが防止される。或いは、後部ボックスに孔を設けることができ、その場合、孔内の空気質量および後部ボックス内の空気の剛性により「ヘルムホルツ」共鳴が生じる。このヘルムホルツ共鳴は、スピーカの低域応答を強化するために用いることができる。
【0003】
後方放射と前方放射との相殺を防止するその他の方法には、(a)スピーカを大きなバッフルに配置する方法と、(b)十分長いチューブに音を通す方法とがあり、後者の方法では、チューブ長に依存する時間が経過してチューブ端から音がでたとき、音の位相が前方放射の低周波部分の位相と一致し、前方放射の低周波部分が相殺されずに強化される。
更に、スピーカ後部からの不所望の音響出力を吸収するために、減衰四分の一波長伝送線路(或いはこれよりも長い伝送線路)としてチューブを使用することは、現今では十分に確立している。また、その様な装置の断面積を逆ホーン状に先細にすると、吸収効率がかなり改善されることが知られている。この先細チューブは、スピーカ駆動ユニットの後部に音響的に連結され、スピーカ駆動ユニットの後部で生じた音波を離れる方向へ導いて吸収するものになっている。
【0004】
特許文献1には、低域ユニット、中域ユニット、高域ユニットおよびツィータユニットを備えたスピーカシステムが開示されている。各ユニットは、それぞれのスピーカ駆動ユニットを含んでいる。そして、スピーカ駆動ユニットは、このスピーカ駆動ユニットのダイヤフラムの後ろに実質的な後部反射面が存在しないように取り付けられる。各スピーカ駆動ユニットのそれぞれの磁石システムの磁極片には開口が設けられ、使用時には、ダイヤフラムの後側からの音がこの開口を通る。各スピーカ駆動ユニットは、スピーカ駆動ユニットの後部から延びる円形断面のチューブを有している。各チューブは、グラスファイバなどの吸音材を含み、スピーカ駆動ユニットから離れる方向へ先細になっている。
【0005】
特許文献2には、スピーカ駆動ユニットと、このスピーカ駆動ユニットの後部に音響的に連結されスピーカ駆動ユニットの後部に生じた音波を離れる方向に導いて吸収するチューブとを備えるスピーカシステムが開示されている。このチューブは、中空の共鳴エンクロージャによってスピーカ駆動ユニットに音響的に連結され、また、スピーカ駆動ユニットは、エンクロージャの外壁の開口内に装着されている。そして、チューブは、エンクロージャの内部に連通し、エンクロージャから外方へ延びている。
【特許文献1】
英国特許出願公開第2290672号明細書
【特許文献2】
国際公開第98/51121号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スピーカ駆動ユニットの後部にチューブを有する公知のシステムは、少なくとも低域および中域ユニットの場合には扱いにくく、従って、スペースが重視されることの多い家庭での使用にあたり十分な満足が得られないという欠点がある。
近年、いわゆるフラットパネルスピーカシステム(ここで、用語「スピーカシステム」は一つ以上のスピーカ駆動ユニットとスピーカエンクロージャとの組み合わせを指す)が導入されている。伝統的な設計のスピーカシステムに比べて、フラットパネルスピーカシステムは、全体の厚さが極めて低減される。この様に厚さを低減可能な理由は、前後方向寸法を低減した中域および低域スピーカ駆動ユニットが開発されたことにある。
【0007】
スピーカ駆動ユニットの後部にチューブを有した公知のシステムは、空間的な制約によって、フラットパネルスピーカシステムには事実上使用不能である。
本発明の目的は、公知のスピーカシステムよりも手間のかからない、後部チューブによる吸音を行うスピーカシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、スピーカ駆動ユニットと、このスピーカ駆動ユニットの後部に接続された多数のチューブを具備した後部吸音システムとを備えることを特徴とするスピーカシステムを提供する。
先行技術に係る単独チューブを本発明による多数のチューブで置き換えると、合計断面あたりのチューブの音響学的な内部寸法が小さくなる。音響学的な内部寸法の小さいチューブは、その曲率半径よりも小さい波長の通過を過度に妨げることなく、大型のチューブよりもきつい半径にまで曲げることができる。従って、共通の入口を有し利用可能空間を埋めるような形状に容易に形成可能な多数のチューブにより、先行技術に係る単独チューブを置換することができる。
【0009】
単独チューブを多数の小さなチューブで置換した場合、バルク音響パラメータまたは長さ方向の定在波共鳴が大きく変化しないばかりではなく、単独チューブに比べて個々のチューブの断面積が小さいので粘性損失が増大するという利点がある。更に、高周波数において問題となるチューブ幅方向にわたるチューブの横モードの空洞共鳴を、ほぼ完全になくすことができる。一般的にいえば、現在の音周波数(current sound frequency)の半波長の整数がチューブの横方向寸法に対応するときに、横モードが発生する。縦モードは、チューブ内の吸音材または空気の粘性損失によって吸収されるべきものであるが、この縦モードは、現在の音周波数の半波長の整数がチューブ長(但し、端の条件が考慮され、また、テーパがあればこのテーパも考慮される)に対応するときに発生する。大部分のチューブはその断面寸法がチューブ長よりも相当小さいので、縦モードよりも相当高い周波数で横モードが生じることになる。
【0010】
中域スピーカシステムを作るために、各チューブの長さは50ミリメートル以上かつ200ミリメートル以下であることが好ましく、より好ましくは50ミリメートル以上かつ150ミリメートル以下、より好ましくは50ミリメートル以上かつ100ミリメートル以下、更に好ましくは60ミリメートル以下かつ80ミリメートル以下である。なお、高周波(ツィータ)スピーカ駆動ユニットについては、長さを10分の1ないし5分の1に低減させることが好ましい。
【0011】
チューブの数は、好ましくは4以上かつ20以下、より好ましくは5以上かつ15以下、更に好ましくは6以上かつ12以下である。これらの数は、低音、中域および高周波のスピーカ駆動ユニットに適用可能であるが、特に中域スピーカ駆動ユニットに適用することができる。
各チューブの断面積は、250平方ミリメートル未満、好ましくは200平方ミリメートル未満、より好ましくは150平方ミリメートル未満、更に好ましくは100平方ミリメートル未満であることが好都合である。
【0012】
チューブは、スピーカドライバの軸線に対して如何なる角度をなしても良い。
チューブをスピーカ駆動ユニットの軸線を横断する方向に配し、好ましくはスピーカ駆動ユニットの軸線に対して直角に配することが都合が良い。
また、チューブを渦巻き状に延在させることが好都合である。
スピーカ駆動ユニットの軸線を横断してチューブを延在させることにより、省スペース構造を実現することができる。空間効率の最大化、使用材料の経済性および音響性能の改良を図るには、チューブを一連の略同軸の渦巻き状に配置することが有利である。また、ベーンにより分離された渦巻きチャネルを具備した基部の形式をとるディフューザを、チューブを画成するために使用しても良く、このディフューザは、例えば、スピーカ駆動ユニットの磁石アッセンブリの背面に合う面を有する。
【0013】
但し、渦巻きディフューザの使用は、ディフューザが磁石アッセンブリの一面と合う面を有するような応用に限定されない。渦巻きディフューザは、磁石アッセンブリから離隔したままでも良く、また、接続チューブによりその中心に供給されるものでも良い。中心に装着したダイヤフラムを、音が環状の渦巻きディフューザへ半径方向に入るように設けても良い。
【0014】
ディフューザへの入口は、必要であれば、その外周に設けても良い。典型的には、ディフューザは、1を上回る指数の対数型の渦巻きを用いても良く、ディフューザの基部は、合わせ面に向けて凹である。ディフューザは、タービンシリンダに類した形式のもので良く、或いはフェルマー型の渦巻きであっても良い。
チューブを、スピーカ駆動ユニットの後部から離れる方向に、好ましくは指数関数的に低減するテーパをもって、先細にすることが有利である。
【0015】
但し、チューブは、従来公知の如何なる逆ホーン形状を備えるものでも良く、より小さい寸法まで先細にしても良い。
ディフューザは、スピーカ駆動ユニットの磁石アッセンブリの背面に対して凹である基部を有し、ベーンは、指数が1未満のフェルマー渦巻きにより定義される経路にしたがうものであることが有利である。この様に、最適にテーパをつけた単独チューブ伝送線路の経路長およびテーパ度合いのマッチングを行うことができる。渦巻き経路長は磁石アッセンブリの背面の半径によっては限定されない。溝は、磁石アッセンブリの後部を囲むカップ形状のディフューザの内壁まで続くものでもよい。溝は、ディフューザのカップ状の壁の内側にねじ状のパターンを形成するように回旋しつづけるものであるのが良い。
【0016】
好ましくは、多数のチューブは吸収材を含む。
有利には、チューブは、並設された第1及び第2の部品によって画成され、好ましくは第1の部品に配された多数のチャネルにより画成される。チャネルの開放面は、第2の部品の一面により閉じられ、前記チューブを画成する。
チャネルの開放面は一つの面内で終端をなし、第2の部品の平坦面により閉じられるもので良い。
【0017】
これに代えて、チャネルの開放面は、湾曲表面内で終端をなし、第2の部品の相補的な湾曲面により閉じられるものでも良い。
チャネルは、第1の部品の直立壁により画成されるものでも良い。
各チャネルの深さは、3ミリメートル以上かつ10ミリメートル以下、好ましくは、4ミリメートル以上かつ7ミリメートル以下で良い。
【0018】
第1の部品は環状で良い。
第1の部品は円錐状部分でも良い。
第1の部品はディスクでも良い。
公知の高忠実度、高周波のスピーカ駆動ユニット(すなわちツィータ)は、放射ドームダイヤフラム、ボイスコイル、包囲体、リング状磁石アッセンブリ、および、磁石アッセンブリの後方のテーパ付きチューブを備えている。ドーム放射は、リング状磁石アッセンブリの中心を通って後方へ通り、また、チューブを通り、チューブにおいて吸音詰め物により吸収される。チューブ内に詰め物を一定に配置することは商業的な製造では困難である。
【0019】
中域ユニットは、典型的には、コーン形状のダイヤフラムを備えている。このダイヤフラムは、ボイスコイルに固定されコーンに対して軸対称に装着されたドーム形状のダストドームを備えても備えなくとも良い。コーンは、通常、後部が密閉ボリューム(air tight volume)に連通しており、また、ダストドームの後部は、磁極片の中心を通って孔を介して同じキャビティに連通するもので良く、或いは、全く別のボリュームに連通するもので良い。
【0020】
公知の低域ユニットは中域ユニットと同様に構成されるが、全ての要素は中域ユニットのものよりも大型である。
どの場合にも、商業的な製造において、後部に装着されるチューブに吸音詰め物を一定に配置することは面倒であり或いは問題になる。個々の小型チューブに詰め物を充填することは、大型の単独チューブへの充填よりも更に面倒である。
【0021】
有利には、本発明によれば、吸収材の層が第1の部品と第2の部品との間に挟まれる。
この手段により、チューブに吸音材を充填することの困難さを解消することができ、従来の伝送線路に匹敵する音響性能を達成することができ、しかも、分布が向上すると共に充填が容易になる。吸音材のパッドは、チューブへの充填、および、2つの嵌め合い部品の表面をシールするガスケットの配設の双方に使用することができる。ガスケットの圧縮の度合いは、隣接チューブの面間を十分シールされたものにするのが好ましいか或いは漏れのあるものにとするのが好ましいかに応じて調整可能である。
【0022】
チューブの断面積は、内部の空気の粘性に対して十分に小さく、相当な吸音を行うものであることが好都合である。
後部吸音システムは、スピーカ駆動ユニットの後部を多数のチューブに接続する共通の接続チューブを含むことが有利である。
好ましくは、接続チューブは、スピーカ駆動ユニットの軸線と略同軸状に延びる。
【0023】
多数のチューブは、接続チューブの長さ方向の異なる点に接続されるもので良い。
有利には、チューブは、一つのチューブでの定在波の高圧力点が隣りのチューブでの低圧力点に隣るように設けられ、相隣るチューブの間の連通が両チューブの長さ方向に設けられる。
渦巻き配置のチューブにおいて、近隣の渦巻きは、一つのチューブにおける定在波の近隣の高圧力点が次のチューブにおける定圧力点に隣接するように都合よくに配置される。一つのチューブからその他のチューブへの連通は、チューブ長さに沿って、各チューブに存する定在波共鳴が相殺されるように選択された点に設けられる。
【0024】
チューブの全長に沿って多数の点に連通を設けることが有利である。チューブがチューブ全長に沿って連通可能である場合、各チューブにおける定在波共鳴を相殺することができる。
好ましくは、チューブのそれぞれの端は閉じられる。
これに代えて、チューブのそれぞれの端を開放するようにしても良い。
【0025】
スピーカシステムは、
第1の堅固なパネルと、
第1のパネルから離隔しかつ第1のパネルと略平行に整合した第2の堅固なパネルと、
両パネルの平面を横断して延び、エンクロージャの内部空間を第1のパネルの内側に一面が結合されると共に第2のパネルの内側に反対面が結合された一層のセルに分割し、第1のパネルの内側に一面が結合されかつ第2のパネルの内側に反対面が結合された多数の隔壁と、
一層のセルの相隣るセル間を連通させる隔壁内の多数の開口と
を備えるエンクロージャを含むもので良い。
【0026】
セルの各々は、両パネルに平行かつ0.25平方センチメートルから10平方センチメートルまでの範囲の断面積を有するもので良く、開口の各々は、0.04平方センチメートル以上の断面積を有するもので良く、セルとこれに隣接するセルとの間の壁の55%以上が無孔であっても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施する形態を例示的に説明する。
添付図面を参照すると、図1は、エンクロージャの壁2の開口に装着された先行技術に係る中域ハイファイスピーカ駆動ユニット1を示す。スピーカ駆動ユニット1は、孔あきシャーシ3と、円錐台状のダイヤフラム4と、磁石アッセンブリ6と、ボイスコイル8と、包囲体10と、サスペンション12とを有している。ダイヤフラム4の中央にはダストドーム14が設けられ、軸方向通路16が磁石アッセンブリ6を貫通している。
【0028】
スピーカ駆動ユニットの動作時、音波は、孔あきシャーシ3を介してダイヤフラム4から、また、通路16を介してダストドーム14から、後方へ通ることができる。
図2は、背面音波を吸収するために適用される本発明による後部吸音システム20を示す。この後部吸音システム20は、通路16から現れる音波のための金属製の収集チューブ22と、ダイヤフラム4の背面から来る音波のための、プラスチック材料からなる環状ディフューザ24と、収集チューブ22により収集された音波のための、ダイキャスト金属からなるディスク状ディフューザ26とを備えている。ディスク状ディフューザ26は、磁石アッセンブリ6の背面に例えばねじ(図示略)により装着されたバスケット状アッセンブリ28の一部であり、環状ディフューザ24を装着する役割りをもっている。環状ディフューザ24はエンクロージャの壁2に装着され、このエンクロージャの壁にはスピーカ駆動ユニット1が例えば接着剤で固定されて装着されている。
【0029】
環状ディフューザ24は基部24Aを備え、基部24Aは、渦巻き配列された10個の一体直立ベーン24Bを備えている。直立ベーン24Bは、環状ディフューザ24の中央付近で高さが最大であり、環状ディフューザの外側に向かうほど浅くなる。基部24Aは平坦ではないが、ベーンから離れる方向のテーパに対応するように(ベーン側からみて)凹の形状にされているので、直立ベーン24Bの先端縁は共通の平面にある。このため、直立ベーン24A間には多数のチャネル24Cが画成され、これらのチャネルは、環状ディフューザ24の中心から外側に向かって螺旋状に離れるに従ってチャネルの幅および高さの双方が減少するものになっている。エンクロージャの壁2は、チャネル24Cが多数のテーパチューブを形成するようにチャネル24Cの開放面を閉鎖している。好ましくは、環状ディフューザ24と壁2との間に挟持された吸音材の環状ディスクにより、チューブに吸音材が設けられる。
【0030】
収集チューブ22は、フランジ部22Bに導く入口部22Aを備えている。この入口部は、中央孔22Dを囲む凸の環状面22Cを有している。中央孔22Dはテーパ部22Eを有し、このテーパ部には、フランジ部22Bの中央で開放するフレア部22Fが続いている。フレア部22Fは放物曲線にならうのが好ましい。
ディスク状ディフューザ26は、渦巻き配列の6つの一体直立ベーン26Bを具備した基部26Aを備え、この点で全体的な構成が環状ディフューザ24に類似している。ベーン26Bは、ディスク状ディフューザ26の中心で高さが最大であり、ディフューザの外側に向かうほど浅くなる。基部26Aが平坦であるので、ベーン26Bの先端縁は湾曲面上にある。このため、ベーン26A間には多数のチャネル26Cが画成され、これらチャネルの幅および高さは双方共に、ディフューザ26の中心から外側へ渦巻き状に離れるにしたがって減少する。ベーン26Bは、突出した中央部26Dの中心で互いに合流する。接続管22はチャネル26Cの開放面を閉鎖し、チャネルは多数のチューブを形成する。これらのチューブの外方端は、基部26Aの周辺部によって閉鎖されている。好ましくは、ディフューザ26と接続管22との間に挟まれた吸音材(図示略)によってチューブ内に吸音材が設けられる。
【0031】
ディフューザ26は、収集チューブ22のフレア部22Fに嵌合し、また、幾分か中央孔22D内に延びている。ディフューザ26は、中央孔22Dにおいて好ましくは出口曲線が始まる手前にベーン26Bを有し、これらベーン26Bは、中央孔を多数の小さい別個のチャネルに直径方向に分割するものになっている。ディフューザ26の中央部26Dは曲率半径を有する放物コーンを画成し、この放物コーンは中央孔22Dと略同心状になっている。ベーン26Bは、円錐部の面に沿って下方へ続き、ベーンの外方縁は孔の形状をぴったりなぞるものになっている。従って、多数の非円筒状チューブが形成され、これらのチューブは、壁としてのベーン、床としての中央部および天井としての収集チューブの内側により結合されている。これらのチューブは、孔の中央から放射状に延びている。これらの壁、床および天井は、それぞれの中心軸線に垂直なチューブ合計断面積が設計モデルとしての仮想逆ホーンに沿うそれぞれの位置により定義されるものになることを実現するような幾何形状を有している。或いは、仮想直線チューブにより設計モデルを形成可能である。
【0032】
ベーンは、個々のチューブへ分離するものであり、ベーンの中心点から或る半径の点までの経路長は、相隣るベーン間の初期角度に応じて変化することになる。
多数の個々のチューブは、これらチューブの長さ方向の任意の点における断面積の合計が、スピーカ駆動ユニットからの背音吸収のための公知の単独チューブのものと等価になるような大きさにすることができる。
【0033】
基本パイプ共鳴を弱めるために、渦巻き同士を連通させることが望ましい。渦巻き間の連通は、ベーン長さ方向に一連の孔を形成することによるもので良く、これらの孔は、一種のベーンの気孔として考えられるよう十分に小さくかつ多数であっても良い。例えば、これらの孔は、断面積が各々0.04平方センチメートル以上で良く、相隣るチューブ間のベーンの55%以上で良い。一つのチューブでの共鳴ノードをこれが隣りのチューブでのアンチノードに隣接するように配置し、これら2つの隣接チューブでの定在波が事実上消滅するようにすることが特に有利である。
【0034】
図4は、公知の高忠実、高周波スピーカ駆動ユニット(すなわちツィータ)30を示し、このものは、放射ドームダイヤフラム32、ボイスコイル34、包囲体36およびリング状磁石アッセンブリ38を備えている。
図5及び図6は、スピーカ駆動ユニット30からの背面音波を吸収するために適用される本発明に係る後部吸音システム40を示す。この吸音システム40は、ドームダイヤフラム32の背部から現れる音波のための収集チューブ42と、収集チューブ42により収集された音波のためのディスク状ディフューザ44とを備えている。ディスク状ディフューザ44は、雌ねじ付きのハウジング部48にねじ込まれる雄ねじ付きねじ部46を有している。
【0035】
図示例において、図3の接続チューブ22と図5及び図6の接続チューブ42は同一であり、接続チューブ42について更に説明する必要はない。
ディスク状ディフューザ46はプラスチック材料からなり、ディフューザ26の基部26A及びベーン26Bに対応し、従って、より詳細な説明は不要である。
音響詰め物ディスク49は、収集チューブ42とディフューザ44との間に挟まれている。音響吸収は、ディフューザと磁石の平坦(或いは溝付き)背面との間にルース詰め物ディスクを単に挟むことにより行っても良い。詰め物は、嵌め合わせガスケットの役割りを奏し、また、ディフューザの溝付きチャネルの一部分を充填するものになっている。これに代えて、幅が相当に狭い多数の溝を用いて粘性損失を大いに増大させる。その結果として得たチューブ表面は、減衰材を別途設けることを不要とし、よって、ディフューザのベーンを磁石アッセンブリの面に簡単に貼り付けることができる。従って、チューブが十分に狭くなり、空気中の粘性損失により所要の音響損失メカニズムを提供可能になる。
【0036】
多数チューブ構成により製造方法を簡易化でき、特に深さに制約がある利用可能空間を効率的に利用でき、また、従来のテーパ付きチューブシステムに類似の音響性能を付与しつつ、詰め物またはその他の形態の減衰を簡易かつ一定に適用可能になる。
多くの場合、スピーカ駆動ユニットの磁石アッセンブリの背面は平坦でかつ孔に垂直になる。しかしながら、これは、本発明を適用する上で本質的ではない。事実上、任意の特定の断面形状を相補形状でマッチングさせることができる。
【0037】
溝およびディフューザ自体は、チャネルを囲むプロフィールプレートまたはカップを備えた磁石アッセンブリの面に形成することができる。別の構成では、これらのチャネルは、2つの合わせ表面の溝の組み合わせにより形成することができる。
本発明は、平坦パネル型スピーカシステムとくにPCT/GB01/03249号の特許明細書に記載のような構成のものに用いることが特に有用である。以下、その様な構成を説明する。
【0038】
図7を参照すると、スピーカシステム71は、本発明を実施し且つエンクロージャ75に装着された、物理的深さを低減した現代型のスピーカ駆動ユニット73を備えている。このスピーカ駆動ユニット73は、ツィータまたは中域ユニットのいずれでも良い。エンクロージャ75は第1の平坦な金属パネル77を備え、該パネルは、エンクロージャの前部を形成し、また、スピーカ駆動ユニット73が装着される開口79を有している。エンクロージャ75は第2の平坦な金属パネル81を更に備え、このパネルは、第1の金属パネル7と離隔し且つ略平行に整合しており、エンクロージャの後部を形成している。
【0039】
各セルの、パネルに平行な断面積は、0.25ないし10平方センチメートルの範囲内にあり、また、各々の開口は0.04平方センチメートル以上の断面積を有し、また、セルと隣りのセルとの間の壁の55%以上は無孔である。
周壁83は、第1及び第2の金属パネル77,81の周辺のまわりに延在し、両金属パネル間の空間を囲んでいる。また、周壁は、両金属パネルの平面を横断して延び、第1の金属パネルの前部と第2の金属パネルの後部に結合されている。エポキシ樹脂が、周壁83を適所に固定するための接着剤として好適である。
【0040】
金属パネル77、81の平面を横断して多数の金属隔壁85が延び、エンクロージャの内部空間を一層のセル87に分割している。これらのセルの前部は第1の金属パネル77の内側に結合され、また、後部が第2の金属パネル81の内側に結合されている。隔壁の前部は第1の金属パネルの内側に結合され、後部は第2の金属パネルの内側に結合されている。
【0041】
金属隔壁85の多数の開口89(図7では図示せず)は、一層のセル87の相隣るもの同士を連通させる。
隔壁85は、図8に概略を示すように、セルのネットワークへ展開され相互に結合された多数の層により形成されている。セルネットワークへの層の展開は、紙製のクリスマス演出物(paper Christmas directions)を圧縮状態から開く方法に類似している。
【0042】
金属パネル77、81および隔壁85はいずれもアルミニウム製であり、両金属パネルは約1ミリメートル厚であり、隔壁の厚さは0.1ミリメートルよりも少し薄い。
図8から分かるように、セルは六角形であり、この六角形は正六角形である。
エンクロージャ75を構成するとき、隔壁85は、エポキシ樹脂接着剤によって両パネルに貼付けられて結合される。
【0043】
周壁83も金属製すなわちアルミニウム製である。周壁は、パネルの周囲に対応する長さの金属ストリップの形であり、形状に折り曲げられ、適所に結合される。
パネル77、81は矩形パネルであり、エンクロージャの全体深さは約25ミリメートルであって、本システムは所謂「フラットパネル」システムである。セルの直径(一側面から他側面までの計測)は約25ミリメートルである。
【0044】
必要ならば、セル87の層の幾つかのあるいは全てのセル内に吸音材(図示略)を設けることができる。
開口89は、図8に示すように、隔壁の縁の溝の形をとる。これらの開口は、幾つかの或いは全ての方向に隣のセルと連通するようにセルの幾つかの或いは全ての側面に設けることができる。図9に示すように、各セルは、互いに平行な2つの壁92を有し、そこに開口89が設けられる。図8に示すように、これらの開口は対93A、93Bをなして配され、各対の一方の開口は金属隔壁85の前部にあり、他方の開口はその後部にある。但し、セル壁の中央領域にある開口などのその他数多くの配置が可能である。スピーカ駆動ユニットからの距離に伴って所望の法則たとえば対数法則に応じて変化する寸法を有する孔を設けることができる。
【0045】
エンクロージャ5の全体寸法は、約650×300×25ミリメートルであり、従って、各金属パネルは約1950平方センチメートルの全体面積を有している。
図示した構成は、スピーカダイヤフラムからエンクロージャ後部までの距離が比較的短く、(内部が複数のセルに分割された公知のスピーカにみられる)その方向におけるセル内の定在波が問題になることがないという利点を有している。
【0046】
隔壁83をパネル7、11と別個にすることに代えて、ダイキャストにより隔壁を一方のパネルと一体に形成し、次に、接着結合により他方のパネルを固定することが可能である。その場合、隔壁は、一方のパネルに一体に結合され、他方のパネルには接着剤で結合される。隔壁を両パネルに対して垂直に配置することは必須ではなく、パネルに対して角度をなすようにしても良い。例えば、公知の卵トレイのようにピークと窪みを有する材料からなる三次元シートを用いて傾斜隔壁を作ることができる。公知の卵トレイでは卵を保持する窪みがセルを形成し、ピーク間の空間がセル間の開口を形成する。単一シートの一側を他側に接続する開口を設けることができる。
【0047】
必要であれば、パネルの一方に、一つ以上の反射ポート或いは一つ以上のABR(補助低音放射器)を含めることができる。ABRは従来形式のものでも或いはWO00/32010号明細書に記載のものでも良い。
必要ならば、それ自体別個の部品としてではなく、隔壁の最外方部分により周壁を形成することができる。
【0048】
上記構造の音響効果は、セルおよび開口の寸法に依存する。図9は、遅延効果を奏するのに特に好都合な大きさを有した単一のセル90を示し、このセルは、上記構造のセルが遅延効果を奏するための寸法に合致する場合に企図される遅延効果を奏するものになっている。開口92の配置は必ずしも均一でなくても構わない。文字により特定されるマークづけした寸法は次のとおりである。
【0049】
【表1】
【0050】
図10はフラットパネル型スピーカシステム100を示し、このスピーカシステムは、透明ガラスからなる2つの矩形パネル102(一方のみを図示)と、両パネル間に挟まれ且つ結合された一層の六角形セル104と、セル周辺まわりにあって両パネルに結合された周壁106と、ツィータ駆動ユニット108と、中域駆動ユニット110と、2つの低域駆動ユニット112とを備えている。ユニット108,110は本発明を実施するものであり、図5及び図2のスピーカ駆動ユニットにそれぞれ対応している。スピーカシステム100の全体構造は、図7、図8及び図9を参照して既に記載したものに対応するが、より多くのスピーカ駆動ユニットを含み、また、シースルー構造になっている。必要ならば、一つ以上のスピーカシステムをABRで置換可能である。
【0051】
本発明の特定的に記載した実施形態につき多くの変形が可能である。
PCT/GB01/03249号特許明細書に記載しかつ図7ないし図10に記載したセル構造のタイプを、本発明で用いられる多数のチューブのうちの複数のチューブを画成または充填あるいは画成および充填するために使用することができる。
チューブ自体は、事実上如何なる断面形状でも良い。
【0052】
チューブは、磁石アッセンブリの背面に当接する平坦な一側面を有するもので良く、それ以外の側面は事実上如何なる断面形状でも良い。この断面形状は、粘性吸収損失に対して最適化することができる。
接続チューブは、スピーカ駆動ユニットの軸線に対して事実上如何なる角度をなして延在するものでも良い。
【0053】
多重チューブは、単一チューブに対して事実上如何なる角度をなして延在しても良い。
チューブの寸法を50ないし200ミリメートルなどにすることができ、チューブの数を4および20とし、各チューブが250平方ミリメートル未満の断面積を有するので、本発明は、中域および高周波スピーカ駆動ユニットへ適用することが特に有用である。その一方で、本発明を幾つかの応用に際して低域ユニットに適用することを除外するものではない。但し、チューブの寸法を相当大きくする必要が生じる。
多数のチューブにおけるチューブの数は2つ、3つあるいはそれ以上で良い。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】エンクロージャの壁に装着された先行技術の中域ハイファイスピーカ駆動ユニットの概略断面図である。
【図2】本発明による後部吸音システムを備えた図1のスピーカ駆動ユニットを示す概略図である。
【図3】図2の後部吸音システムの分解斜視図である。
【図4】先行技術に係る高周波ハイファイスピーカ駆動ユニットの概略断面図である。
【図5】本発明による後部吸音システムを備えた図4のスピーカ駆動ユニットを示す概略図である。
【図6】図5の後部吸音システムの分解斜視図である。
【図7】フラットパネルスピーカシステムの概略断面図である。
【図8】図7のスピーカシステムのエンクロージャに用いられるセルのネットワークを示す。
【図9】セル寸法を特定する単一セルの概略図である。
【図10】第2のフラットパネルスピーカシステムの正面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 スピーカ駆動ユニット
2 エンクロージャの壁
4 ダイヤフラム
6 磁石アッセンブリ
20 後部吸音システム
22 収集チューブ
24 減衰ディフューザ
24A 基部
24B 直立ベーン
24C チャネル
26 ディスク状ディフューザ
28 バスケット状ディフューザ
【0001】
本発明は、スピーカシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスピーカシステムにおいて、取付けは、通常、スピーカ駆動ユニットの後部のキャビネットで行われ、このスピーカ駆動ユニットに音が回る。後部キャビネットの主たる機能は、後方放射を防止することにある。後方放射は前部へ回り込み、位相ずれがあるので前方放射を相殺することになる。
後部ボックスは全体として密閉することができ、その場合、後方への直接音の、前部への回り込みが防止される。或いは、後部ボックスに孔を設けることができ、その場合、孔内の空気質量および後部ボックス内の空気の剛性により「ヘルムホルツ」共鳴が生じる。このヘルムホルツ共鳴は、スピーカの低域応答を強化するために用いることができる。
【0003】
後方放射と前方放射との相殺を防止するその他の方法には、(a)スピーカを大きなバッフルに配置する方法と、(b)十分長いチューブに音を通す方法とがあり、後者の方法では、チューブ長に依存する時間が経過してチューブ端から音がでたとき、音の位相が前方放射の低周波部分の位相と一致し、前方放射の低周波部分が相殺されずに強化される。
更に、スピーカ後部からの不所望の音響出力を吸収するために、減衰四分の一波長伝送線路(或いはこれよりも長い伝送線路)としてチューブを使用することは、現今では十分に確立している。また、その様な装置の断面積を逆ホーン状に先細にすると、吸収効率がかなり改善されることが知られている。この先細チューブは、スピーカ駆動ユニットの後部に音響的に連結され、スピーカ駆動ユニットの後部で生じた音波を離れる方向へ導いて吸収するものになっている。
【0004】
特許文献1には、低域ユニット、中域ユニット、高域ユニットおよびツィータユニットを備えたスピーカシステムが開示されている。各ユニットは、それぞれのスピーカ駆動ユニットを含んでいる。そして、スピーカ駆動ユニットは、このスピーカ駆動ユニットのダイヤフラムの後ろに実質的な後部反射面が存在しないように取り付けられる。各スピーカ駆動ユニットのそれぞれの磁石システムの磁極片には開口が設けられ、使用時には、ダイヤフラムの後側からの音がこの開口を通る。各スピーカ駆動ユニットは、スピーカ駆動ユニットの後部から延びる円形断面のチューブを有している。各チューブは、グラスファイバなどの吸音材を含み、スピーカ駆動ユニットから離れる方向へ先細になっている。
【0005】
特許文献2には、スピーカ駆動ユニットと、このスピーカ駆動ユニットの後部に音響的に連結されスピーカ駆動ユニットの後部に生じた音波を離れる方向に導いて吸収するチューブとを備えるスピーカシステムが開示されている。このチューブは、中空の共鳴エンクロージャによってスピーカ駆動ユニットに音響的に連結され、また、スピーカ駆動ユニットは、エンクロージャの外壁の開口内に装着されている。そして、チューブは、エンクロージャの内部に連通し、エンクロージャから外方へ延びている。
【特許文献1】
英国特許出願公開第2290672号明細書
【特許文献2】
国際公開第98/51121号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スピーカ駆動ユニットの後部にチューブを有する公知のシステムは、少なくとも低域および中域ユニットの場合には扱いにくく、従って、スペースが重視されることの多い家庭での使用にあたり十分な満足が得られないという欠点がある。
近年、いわゆるフラットパネルスピーカシステム(ここで、用語「スピーカシステム」は一つ以上のスピーカ駆動ユニットとスピーカエンクロージャとの組み合わせを指す)が導入されている。伝統的な設計のスピーカシステムに比べて、フラットパネルスピーカシステムは、全体の厚さが極めて低減される。この様に厚さを低減可能な理由は、前後方向寸法を低減した中域および低域スピーカ駆動ユニットが開発されたことにある。
【0007】
スピーカ駆動ユニットの後部にチューブを有した公知のシステムは、空間的な制約によって、フラットパネルスピーカシステムには事実上使用不能である。
本発明の目的は、公知のスピーカシステムよりも手間のかからない、後部チューブによる吸音を行うスピーカシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、スピーカ駆動ユニットと、このスピーカ駆動ユニットの後部に接続された多数のチューブを具備した後部吸音システムとを備えることを特徴とするスピーカシステムを提供する。
先行技術に係る単独チューブを本発明による多数のチューブで置き換えると、合計断面あたりのチューブの音響学的な内部寸法が小さくなる。音響学的な内部寸法の小さいチューブは、その曲率半径よりも小さい波長の通過を過度に妨げることなく、大型のチューブよりもきつい半径にまで曲げることができる。従って、共通の入口を有し利用可能空間を埋めるような形状に容易に形成可能な多数のチューブにより、先行技術に係る単独チューブを置換することができる。
【0009】
単独チューブを多数の小さなチューブで置換した場合、バルク音響パラメータまたは長さ方向の定在波共鳴が大きく変化しないばかりではなく、単独チューブに比べて個々のチューブの断面積が小さいので粘性損失が増大するという利点がある。更に、高周波数において問題となるチューブ幅方向にわたるチューブの横モードの空洞共鳴を、ほぼ完全になくすことができる。一般的にいえば、現在の音周波数(current sound frequency)の半波長の整数がチューブの横方向寸法に対応するときに、横モードが発生する。縦モードは、チューブ内の吸音材または空気の粘性損失によって吸収されるべきものであるが、この縦モードは、現在の音周波数の半波長の整数がチューブ長(但し、端の条件が考慮され、また、テーパがあればこのテーパも考慮される)に対応するときに発生する。大部分のチューブはその断面寸法がチューブ長よりも相当小さいので、縦モードよりも相当高い周波数で横モードが生じることになる。
【0010】
中域スピーカシステムを作るために、各チューブの長さは50ミリメートル以上かつ200ミリメートル以下であることが好ましく、より好ましくは50ミリメートル以上かつ150ミリメートル以下、より好ましくは50ミリメートル以上かつ100ミリメートル以下、更に好ましくは60ミリメートル以下かつ80ミリメートル以下である。なお、高周波(ツィータ)スピーカ駆動ユニットについては、長さを10分の1ないし5分の1に低減させることが好ましい。
【0011】
チューブの数は、好ましくは4以上かつ20以下、より好ましくは5以上かつ15以下、更に好ましくは6以上かつ12以下である。これらの数は、低音、中域および高周波のスピーカ駆動ユニットに適用可能であるが、特に中域スピーカ駆動ユニットに適用することができる。
各チューブの断面積は、250平方ミリメートル未満、好ましくは200平方ミリメートル未満、より好ましくは150平方ミリメートル未満、更に好ましくは100平方ミリメートル未満であることが好都合である。
【0012】
チューブは、スピーカドライバの軸線に対して如何なる角度をなしても良い。
チューブをスピーカ駆動ユニットの軸線を横断する方向に配し、好ましくはスピーカ駆動ユニットの軸線に対して直角に配することが都合が良い。
また、チューブを渦巻き状に延在させることが好都合である。
スピーカ駆動ユニットの軸線を横断してチューブを延在させることにより、省スペース構造を実現することができる。空間効率の最大化、使用材料の経済性および音響性能の改良を図るには、チューブを一連の略同軸の渦巻き状に配置することが有利である。また、ベーンにより分離された渦巻きチャネルを具備した基部の形式をとるディフューザを、チューブを画成するために使用しても良く、このディフューザは、例えば、スピーカ駆動ユニットの磁石アッセンブリの背面に合う面を有する。
【0013】
但し、渦巻きディフューザの使用は、ディフューザが磁石アッセンブリの一面と合う面を有するような応用に限定されない。渦巻きディフューザは、磁石アッセンブリから離隔したままでも良く、また、接続チューブによりその中心に供給されるものでも良い。中心に装着したダイヤフラムを、音が環状の渦巻きディフューザへ半径方向に入るように設けても良い。
【0014】
ディフューザへの入口は、必要であれば、その外周に設けても良い。典型的には、ディフューザは、1を上回る指数の対数型の渦巻きを用いても良く、ディフューザの基部は、合わせ面に向けて凹である。ディフューザは、タービンシリンダに類した形式のもので良く、或いはフェルマー型の渦巻きであっても良い。
チューブを、スピーカ駆動ユニットの後部から離れる方向に、好ましくは指数関数的に低減するテーパをもって、先細にすることが有利である。
【0015】
但し、チューブは、従来公知の如何なる逆ホーン形状を備えるものでも良く、より小さい寸法まで先細にしても良い。
ディフューザは、スピーカ駆動ユニットの磁石アッセンブリの背面に対して凹である基部を有し、ベーンは、指数が1未満のフェルマー渦巻きにより定義される経路にしたがうものであることが有利である。この様に、最適にテーパをつけた単独チューブ伝送線路の経路長およびテーパ度合いのマッチングを行うことができる。渦巻き経路長は磁石アッセンブリの背面の半径によっては限定されない。溝は、磁石アッセンブリの後部を囲むカップ形状のディフューザの内壁まで続くものでもよい。溝は、ディフューザのカップ状の壁の内側にねじ状のパターンを形成するように回旋しつづけるものであるのが良い。
【0016】
好ましくは、多数のチューブは吸収材を含む。
有利には、チューブは、並設された第1及び第2の部品によって画成され、好ましくは第1の部品に配された多数のチャネルにより画成される。チャネルの開放面は、第2の部品の一面により閉じられ、前記チューブを画成する。
チャネルの開放面は一つの面内で終端をなし、第2の部品の平坦面により閉じられるもので良い。
【0017】
これに代えて、チャネルの開放面は、湾曲表面内で終端をなし、第2の部品の相補的な湾曲面により閉じられるものでも良い。
チャネルは、第1の部品の直立壁により画成されるものでも良い。
各チャネルの深さは、3ミリメートル以上かつ10ミリメートル以下、好ましくは、4ミリメートル以上かつ7ミリメートル以下で良い。
【0018】
第1の部品は環状で良い。
第1の部品は円錐状部分でも良い。
第1の部品はディスクでも良い。
公知の高忠実度、高周波のスピーカ駆動ユニット(すなわちツィータ)は、放射ドームダイヤフラム、ボイスコイル、包囲体、リング状磁石アッセンブリ、および、磁石アッセンブリの後方のテーパ付きチューブを備えている。ドーム放射は、リング状磁石アッセンブリの中心を通って後方へ通り、また、チューブを通り、チューブにおいて吸音詰め物により吸収される。チューブ内に詰め物を一定に配置することは商業的な製造では困難である。
【0019】
中域ユニットは、典型的には、コーン形状のダイヤフラムを備えている。このダイヤフラムは、ボイスコイルに固定されコーンに対して軸対称に装着されたドーム形状のダストドームを備えても備えなくとも良い。コーンは、通常、後部が密閉ボリューム(air tight volume)に連通しており、また、ダストドームの後部は、磁極片の中心を通って孔を介して同じキャビティに連通するもので良く、或いは、全く別のボリュームに連通するもので良い。
【0020】
公知の低域ユニットは中域ユニットと同様に構成されるが、全ての要素は中域ユニットのものよりも大型である。
どの場合にも、商業的な製造において、後部に装着されるチューブに吸音詰め物を一定に配置することは面倒であり或いは問題になる。個々の小型チューブに詰め物を充填することは、大型の単独チューブへの充填よりも更に面倒である。
【0021】
有利には、本発明によれば、吸収材の層が第1の部品と第2の部品との間に挟まれる。
この手段により、チューブに吸音材を充填することの困難さを解消することができ、従来の伝送線路に匹敵する音響性能を達成することができ、しかも、分布が向上すると共に充填が容易になる。吸音材のパッドは、チューブへの充填、および、2つの嵌め合い部品の表面をシールするガスケットの配設の双方に使用することができる。ガスケットの圧縮の度合いは、隣接チューブの面間を十分シールされたものにするのが好ましいか或いは漏れのあるものにとするのが好ましいかに応じて調整可能である。
【0022】
チューブの断面積は、内部の空気の粘性に対して十分に小さく、相当な吸音を行うものであることが好都合である。
後部吸音システムは、スピーカ駆動ユニットの後部を多数のチューブに接続する共通の接続チューブを含むことが有利である。
好ましくは、接続チューブは、スピーカ駆動ユニットの軸線と略同軸状に延びる。
【0023】
多数のチューブは、接続チューブの長さ方向の異なる点に接続されるもので良い。
有利には、チューブは、一つのチューブでの定在波の高圧力点が隣りのチューブでの低圧力点に隣るように設けられ、相隣るチューブの間の連通が両チューブの長さ方向に設けられる。
渦巻き配置のチューブにおいて、近隣の渦巻きは、一つのチューブにおける定在波の近隣の高圧力点が次のチューブにおける定圧力点に隣接するように都合よくに配置される。一つのチューブからその他のチューブへの連通は、チューブ長さに沿って、各チューブに存する定在波共鳴が相殺されるように選択された点に設けられる。
【0024】
チューブの全長に沿って多数の点に連通を設けることが有利である。チューブがチューブ全長に沿って連通可能である場合、各チューブにおける定在波共鳴を相殺することができる。
好ましくは、チューブのそれぞれの端は閉じられる。
これに代えて、チューブのそれぞれの端を開放するようにしても良い。
【0025】
スピーカシステムは、
第1の堅固なパネルと、
第1のパネルから離隔しかつ第1のパネルと略平行に整合した第2の堅固なパネルと、
両パネルの平面を横断して延び、エンクロージャの内部空間を第1のパネルの内側に一面が結合されると共に第2のパネルの内側に反対面が結合された一層のセルに分割し、第1のパネルの内側に一面が結合されかつ第2のパネルの内側に反対面が結合された多数の隔壁と、
一層のセルの相隣るセル間を連通させる隔壁内の多数の開口と
を備えるエンクロージャを含むもので良い。
【0026】
セルの各々は、両パネルに平行かつ0.25平方センチメートルから10平方センチメートルまでの範囲の断面積を有するもので良く、開口の各々は、0.04平方センチメートル以上の断面積を有するもので良く、セルとこれに隣接するセルとの間の壁の55%以上が無孔であっても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施する形態を例示的に説明する。
添付図面を参照すると、図1は、エンクロージャの壁2の開口に装着された先行技術に係る中域ハイファイスピーカ駆動ユニット1を示す。スピーカ駆動ユニット1は、孔あきシャーシ3と、円錐台状のダイヤフラム4と、磁石アッセンブリ6と、ボイスコイル8と、包囲体10と、サスペンション12とを有している。ダイヤフラム4の中央にはダストドーム14が設けられ、軸方向通路16が磁石アッセンブリ6を貫通している。
【0028】
スピーカ駆動ユニットの動作時、音波は、孔あきシャーシ3を介してダイヤフラム4から、また、通路16を介してダストドーム14から、後方へ通ることができる。
図2は、背面音波を吸収するために適用される本発明による後部吸音システム20を示す。この後部吸音システム20は、通路16から現れる音波のための金属製の収集チューブ22と、ダイヤフラム4の背面から来る音波のための、プラスチック材料からなる環状ディフューザ24と、収集チューブ22により収集された音波のための、ダイキャスト金属からなるディスク状ディフューザ26とを備えている。ディスク状ディフューザ26は、磁石アッセンブリ6の背面に例えばねじ(図示略)により装着されたバスケット状アッセンブリ28の一部であり、環状ディフューザ24を装着する役割りをもっている。環状ディフューザ24はエンクロージャの壁2に装着され、このエンクロージャの壁にはスピーカ駆動ユニット1が例えば接着剤で固定されて装着されている。
【0029】
環状ディフューザ24は基部24Aを備え、基部24Aは、渦巻き配列された10個の一体直立ベーン24Bを備えている。直立ベーン24Bは、環状ディフューザ24の中央付近で高さが最大であり、環状ディフューザの外側に向かうほど浅くなる。基部24Aは平坦ではないが、ベーンから離れる方向のテーパに対応するように(ベーン側からみて)凹の形状にされているので、直立ベーン24Bの先端縁は共通の平面にある。このため、直立ベーン24A間には多数のチャネル24Cが画成され、これらのチャネルは、環状ディフューザ24の中心から外側に向かって螺旋状に離れるに従ってチャネルの幅および高さの双方が減少するものになっている。エンクロージャの壁2は、チャネル24Cが多数のテーパチューブを形成するようにチャネル24Cの開放面を閉鎖している。好ましくは、環状ディフューザ24と壁2との間に挟持された吸音材の環状ディスクにより、チューブに吸音材が設けられる。
【0030】
収集チューブ22は、フランジ部22Bに導く入口部22Aを備えている。この入口部は、中央孔22Dを囲む凸の環状面22Cを有している。中央孔22Dはテーパ部22Eを有し、このテーパ部には、フランジ部22Bの中央で開放するフレア部22Fが続いている。フレア部22Fは放物曲線にならうのが好ましい。
ディスク状ディフューザ26は、渦巻き配列の6つの一体直立ベーン26Bを具備した基部26Aを備え、この点で全体的な構成が環状ディフューザ24に類似している。ベーン26Bは、ディスク状ディフューザ26の中心で高さが最大であり、ディフューザの外側に向かうほど浅くなる。基部26Aが平坦であるので、ベーン26Bの先端縁は湾曲面上にある。このため、ベーン26A間には多数のチャネル26Cが画成され、これらチャネルの幅および高さは双方共に、ディフューザ26の中心から外側へ渦巻き状に離れるにしたがって減少する。ベーン26Bは、突出した中央部26Dの中心で互いに合流する。接続管22はチャネル26Cの開放面を閉鎖し、チャネルは多数のチューブを形成する。これらのチューブの外方端は、基部26Aの周辺部によって閉鎖されている。好ましくは、ディフューザ26と接続管22との間に挟まれた吸音材(図示略)によってチューブ内に吸音材が設けられる。
【0031】
ディフューザ26は、収集チューブ22のフレア部22Fに嵌合し、また、幾分か中央孔22D内に延びている。ディフューザ26は、中央孔22Dにおいて好ましくは出口曲線が始まる手前にベーン26Bを有し、これらベーン26Bは、中央孔を多数の小さい別個のチャネルに直径方向に分割するものになっている。ディフューザ26の中央部26Dは曲率半径を有する放物コーンを画成し、この放物コーンは中央孔22Dと略同心状になっている。ベーン26Bは、円錐部の面に沿って下方へ続き、ベーンの外方縁は孔の形状をぴったりなぞるものになっている。従って、多数の非円筒状チューブが形成され、これらのチューブは、壁としてのベーン、床としての中央部および天井としての収集チューブの内側により結合されている。これらのチューブは、孔の中央から放射状に延びている。これらの壁、床および天井は、それぞれの中心軸線に垂直なチューブ合計断面積が設計モデルとしての仮想逆ホーンに沿うそれぞれの位置により定義されるものになることを実現するような幾何形状を有している。或いは、仮想直線チューブにより設計モデルを形成可能である。
【0032】
ベーンは、個々のチューブへ分離するものであり、ベーンの中心点から或る半径の点までの経路長は、相隣るベーン間の初期角度に応じて変化することになる。
多数の個々のチューブは、これらチューブの長さ方向の任意の点における断面積の合計が、スピーカ駆動ユニットからの背音吸収のための公知の単独チューブのものと等価になるような大きさにすることができる。
【0033】
基本パイプ共鳴を弱めるために、渦巻き同士を連通させることが望ましい。渦巻き間の連通は、ベーン長さ方向に一連の孔を形成することによるもので良く、これらの孔は、一種のベーンの気孔として考えられるよう十分に小さくかつ多数であっても良い。例えば、これらの孔は、断面積が各々0.04平方センチメートル以上で良く、相隣るチューブ間のベーンの55%以上で良い。一つのチューブでの共鳴ノードをこれが隣りのチューブでのアンチノードに隣接するように配置し、これら2つの隣接チューブでの定在波が事実上消滅するようにすることが特に有利である。
【0034】
図4は、公知の高忠実、高周波スピーカ駆動ユニット(すなわちツィータ)30を示し、このものは、放射ドームダイヤフラム32、ボイスコイル34、包囲体36およびリング状磁石アッセンブリ38を備えている。
図5及び図6は、スピーカ駆動ユニット30からの背面音波を吸収するために適用される本発明に係る後部吸音システム40を示す。この吸音システム40は、ドームダイヤフラム32の背部から現れる音波のための収集チューブ42と、収集チューブ42により収集された音波のためのディスク状ディフューザ44とを備えている。ディスク状ディフューザ44は、雌ねじ付きのハウジング部48にねじ込まれる雄ねじ付きねじ部46を有している。
【0035】
図示例において、図3の接続チューブ22と図5及び図6の接続チューブ42は同一であり、接続チューブ42について更に説明する必要はない。
ディスク状ディフューザ46はプラスチック材料からなり、ディフューザ26の基部26A及びベーン26Bに対応し、従って、より詳細な説明は不要である。
音響詰め物ディスク49は、収集チューブ42とディフューザ44との間に挟まれている。音響吸収は、ディフューザと磁石の平坦(或いは溝付き)背面との間にルース詰め物ディスクを単に挟むことにより行っても良い。詰め物は、嵌め合わせガスケットの役割りを奏し、また、ディフューザの溝付きチャネルの一部分を充填するものになっている。これに代えて、幅が相当に狭い多数の溝を用いて粘性損失を大いに増大させる。その結果として得たチューブ表面は、減衰材を別途設けることを不要とし、よって、ディフューザのベーンを磁石アッセンブリの面に簡単に貼り付けることができる。従って、チューブが十分に狭くなり、空気中の粘性損失により所要の音響損失メカニズムを提供可能になる。
【0036】
多数チューブ構成により製造方法を簡易化でき、特に深さに制約がある利用可能空間を効率的に利用でき、また、従来のテーパ付きチューブシステムに類似の音響性能を付与しつつ、詰め物またはその他の形態の減衰を簡易かつ一定に適用可能になる。
多くの場合、スピーカ駆動ユニットの磁石アッセンブリの背面は平坦でかつ孔に垂直になる。しかしながら、これは、本発明を適用する上で本質的ではない。事実上、任意の特定の断面形状を相補形状でマッチングさせることができる。
【0037】
溝およびディフューザ自体は、チャネルを囲むプロフィールプレートまたはカップを備えた磁石アッセンブリの面に形成することができる。別の構成では、これらのチャネルは、2つの合わせ表面の溝の組み合わせにより形成することができる。
本発明は、平坦パネル型スピーカシステムとくにPCT/GB01/03249号の特許明細書に記載のような構成のものに用いることが特に有用である。以下、その様な構成を説明する。
【0038】
図7を参照すると、スピーカシステム71は、本発明を実施し且つエンクロージャ75に装着された、物理的深さを低減した現代型のスピーカ駆動ユニット73を備えている。このスピーカ駆動ユニット73は、ツィータまたは中域ユニットのいずれでも良い。エンクロージャ75は第1の平坦な金属パネル77を備え、該パネルは、エンクロージャの前部を形成し、また、スピーカ駆動ユニット73が装着される開口79を有している。エンクロージャ75は第2の平坦な金属パネル81を更に備え、このパネルは、第1の金属パネル7と離隔し且つ略平行に整合しており、エンクロージャの後部を形成している。
【0039】
各セルの、パネルに平行な断面積は、0.25ないし10平方センチメートルの範囲内にあり、また、各々の開口は0.04平方センチメートル以上の断面積を有し、また、セルと隣りのセルとの間の壁の55%以上は無孔である。
周壁83は、第1及び第2の金属パネル77,81の周辺のまわりに延在し、両金属パネル間の空間を囲んでいる。また、周壁は、両金属パネルの平面を横断して延び、第1の金属パネルの前部と第2の金属パネルの後部に結合されている。エポキシ樹脂が、周壁83を適所に固定するための接着剤として好適である。
【0040】
金属パネル77、81の平面を横断して多数の金属隔壁85が延び、エンクロージャの内部空間を一層のセル87に分割している。これらのセルの前部は第1の金属パネル77の内側に結合され、また、後部が第2の金属パネル81の内側に結合されている。隔壁の前部は第1の金属パネルの内側に結合され、後部は第2の金属パネルの内側に結合されている。
【0041】
金属隔壁85の多数の開口89(図7では図示せず)は、一層のセル87の相隣るもの同士を連通させる。
隔壁85は、図8に概略を示すように、セルのネットワークへ展開され相互に結合された多数の層により形成されている。セルネットワークへの層の展開は、紙製のクリスマス演出物(paper Christmas directions)を圧縮状態から開く方法に類似している。
【0042】
金属パネル77、81および隔壁85はいずれもアルミニウム製であり、両金属パネルは約1ミリメートル厚であり、隔壁の厚さは0.1ミリメートルよりも少し薄い。
図8から分かるように、セルは六角形であり、この六角形は正六角形である。
エンクロージャ75を構成するとき、隔壁85は、エポキシ樹脂接着剤によって両パネルに貼付けられて結合される。
【0043】
周壁83も金属製すなわちアルミニウム製である。周壁は、パネルの周囲に対応する長さの金属ストリップの形であり、形状に折り曲げられ、適所に結合される。
パネル77、81は矩形パネルであり、エンクロージャの全体深さは約25ミリメートルであって、本システムは所謂「フラットパネル」システムである。セルの直径(一側面から他側面までの計測)は約25ミリメートルである。
【0044】
必要ならば、セル87の層の幾つかのあるいは全てのセル内に吸音材(図示略)を設けることができる。
開口89は、図8に示すように、隔壁の縁の溝の形をとる。これらの開口は、幾つかの或いは全ての方向に隣のセルと連通するようにセルの幾つかの或いは全ての側面に設けることができる。図9に示すように、各セルは、互いに平行な2つの壁92を有し、そこに開口89が設けられる。図8に示すように、これらの開口は対93A、93Bをなして配され、各対の一方の開口は金属隔壁85の前部にあり、他方の開口はその後部にある。但し、セル壁の中央領域にある開口などのその他数多くの配置が可能である。スピーカ駆動ユニットからの距離に伴って所望の法則たとえば対数法則に応じて変化する寸法を有する孔を設けることができる。
【0045】
エンクロージャ5の全体寸法は、約650×300×25ミリメートルであり、従って、各金属パネルは約1950平方センチメートルの全体面積を有している。
図示した構成は、スピーカダイヤフラムからエンクロージャ後部までの距離が比較的短く、(内部が複数のセルに分割された公知のスピーカにみられる)その方向におけるセル内の定在波が問題になることがないという利点を有している。
【0046】
隔壁83をパネル7、11と別個にすることに代えて、ダイキャストにより隔壁を一方のパネルと一体に形成し、次に、接着結合により他方のパネルを固定することが可能である。その場合、隔壁は、一方のパネルに一体に結合され、他方のパネルには接着剤で結合される。隔壁を両パネルに対して垂直に配置することは必須ではなく、パネルに対して角度をなすようにしても良い。例えば、公知の卵トレイのようにピークと窪みを有する材料からなる三次元シートを用いて傾斜隔壁を作ることができる。公知の卵トレイでは卵を保持する窪みがセルを形成し、ピーク間の空間がセル間の開口を形成する。単一シートの一側を他側に接続する開口を設けることができる。
【0047】
必要であれば、パネルの一方に、一つ以上の反射ポート或いは一つ以上のABR(補助低音放射器)を含めることができる。ABRは従来形式のものでも或いはWO00/32010号明細書に記載のものでも良い。
必要ならば、それ自体別個の部品としてではなく、隔壁の最外方部分により周壁を形成することができる。
【0048】
上記構造の音響効果は、セルおよび開口の寸法に依存する。図9は、遅延効果を奏するのに特に好都合な大きさを有した単一のセル90を示し、このセルは、上記構造のセルが遅延効果を奏するための寸法に合致する場合に企図される遅延効果を奏するものになっている。開口92の配置は必ずしも均一でなくても構わない。文字により特定されるマークづけした寸法は次のとおりである。
【0049】
【表1】
【0050】
図10はフラットパネル型スピーカシステム100を示し、このスピーカシステムは、透明ガラスからなる2つの矩形パネル102(一方のみを図示)と、両パネル間に挟まれ且つ結合された一層の六角形セル104と、セル周辺まわりにあって両パネルに結合された周壁106と、ツィータ駆動ユニット108と、中域駆動ユニット110と、2つの低域駆動ユニット112とを備えている。ユニット108,110は本発明を実施するものであり、図5及び図2のスピーカ駆動ユニットにそれぞれ対応している。スピーカシステム100の全体構造は、図7、図8及び図9を参照して既に記載したものに対応するが、より多くのスピーカ駆動ユニットを含み、また、シースルー構造になっている。必要ならば、一つ以上のスピーカシステムをABRで置換可能である。
【0051】
本発明の特定的に記載した実施形態につき多くの変形が可能である。
PCT/GB01/03249号特許明細書に記載しかつ図7ないし図10に記載したセル構造のタイプを、本発明で用いられる多数のチューブのうちの複数のチューブを画成または充填あるいは画成および充填するために使用することができる。
チューブ自体は、事実上如何なる断面形状でも良い。
【0052】
チューブは、磁石アッセンブリの背面に当接する平坦な一側面を有するもので良く、それ以外の側面は事実上如何なる断面形状でも良い。この断面形状は、粘性吸収損失に対して最適化することができる。
接続チューブは、スピーカ駆動ユニットの軸線に対して事実上如何なる角度をなして延在するものでも良い。
【0053】
多重チューブは、単一チューブに対して事実上如何なる角度をなして延在しても良い。
チューブの寸法を50ないし200ミリメートルなどにすることができ、チューブの数を4および20とし、各チューブが250平方ミリメートル未満の断面積を有するので、本発明は、中域および高周波スピーカ駆動ユニットへ適用することが特に有用である。その一方で、本発明を幾つかの応用に際して低域ユニットに適用することを除外するものではない。但し、チューブの寸法を相当大きくする必要が生じる。
多数のチューブにおけるチューブの数は2つ、3つあるいはそれ以上で良い。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】エンクロージャの壁に装着された先行技術の中域ハイファイスピーカ駆動ユニットの概略断面図である。
【図2】本発明による後部吸音システムを備えた図1のスピーカ駆動ユニットを示す概略図である。
【図3】図2の後部吸音システムの分解斜視図である。
【図4】先行技術に係る高周波ハイファイスピーカ駆動ユニットの概略断面図である。
【図5】本発明による後部吸音システムを備えた図4のスピーカ駆動ユニットを示す概略図である。
【図6】図5の後部吸音システムの分解斜視図である。
【図7】フラットパネルスピーカシステムの概略断面図である。
【図8】図7のスピーカシステムのエンクロージャに用いられるセルのネットワークを示す。
【図9】セル寸法を特定する単一セルの概略図である。
【図10】第2のフラットパネルスピーカシステムの正面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 スピーカ駆動ユニット
2 エンクロージャの壁
4 ダイヤフラム
6 磁石アッセンブリ
20 後部吸音システム
22 収集チューブ
24 減衰ディフューザ
24A 基部
24B 直立ベーン
24C チャネル
26 ディスク状ディフューザ
28 バスケット状ディフューザ
Claims (39)
- スピーカ駆動ユニットと、前記スピーカ駆動ユニットの後部に接続された多数のチューブを具備した後部吸音システムとを備えることを特徴とするスピーカシステム。
- 各チューブの長さが50ミリメートル以上かつ200ミリメートル以下であることを特徴とする請求項1記載のスピーカシステム。
- 各チューブの長さが50ミリメートル以上かつ150ミリメートル以下であることを特徴とする請求項2記載のスピーカシステム。
- 各チューブの長さが50ミリメートル以上かつ100ミリメートル以下であることを特徴とする請求項3記載のスピーカシステム。
- 各チューブの長さが60ミリメートル以下かつ80ミリメートル以下であることを特徴とする請求項4記載のスピーカシステム。
- チューブの数が4以上かつ20以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のスピーカシステム。
- チューブの数が5以上かつ15以下であることを特徴とする請求項6記載のスピーカシステム。
- チューブの数が6以上かつ12以下であることを特徴とする請求項7記載のスピーカシステム。
- 各チューブの断面積が250平方ミリメートル未満であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 各チューブの断面積が200平方ミリメートル未満であることを特徴とする請求項9記載のスピーカシステム。
- 各チューブの断面積が150平方ミリメートル未満であることを特徴とする請求項9記載のスピーカシステム。
- 各チューブの断面積が100平方ミリメートル未満であることを特徴とする請求項9記載のスピーカシステム。
- 前記チューブが、前記スピーカ駆動ユニットの軸線を横断する方向に配されることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記チューブが、前記スピーカ駆動ユニットの軸線に対して直角に配されることを特徴とする請求項13記載のスピーカシステム。
- 前記チューブが渦巻き状に延在することを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記チューブが、前記スピーカ駆動ユニットの後部から離れる方向に先細になっていることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記チューブが、指数関数的に低減するテーパで先細になっていることを特徴とする請求項16記載のスピーカシステム。
- 前記多数のチューブが吸収材を含むことを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記チューブが、並設された第1及び第2の部品により画成されることを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記チューブが、前記第1の部品に配された多数のチャネルにより画成され、前記チャネルの開放面が、前記第2の部品の一面により閉じられて前記チューブを画成することを特徴とする請求項19記載のスピーカシステム。
- 前記チャネルの前記開放面が一つの面内で終端をなし、また、前記第2の部品の平坦面により閉じられることを特徴とする請求項20記載のスピーカシステム。
- 前記チャネルの前記開放面が、湾曲表面内で終端をなし、また、前記第2の部品の相補的な湾曲面により閉じられることを特徴とする請求項20記載のスピーカシステム。
- 前記チャネルが、前記第1の部品の直立壁により画成されることを特徴とする請求項20ないし22のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 各チャネルの深さが3ミリメートル以上かつ10ミリメートル以下であることを特徴とする請求項20ないし23のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 各チャネルの深さが4ミリメートル以上かつ7ミリメートル以下であることを特徴とする請求項24記載のスピーカシステム。
- 前記第1の部品が環状であることを特徴とする請求項19ないし25のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記第1の部品が円錐状部分であることを特徴とする請求項26記載のスピーカシステム。
- 前記第1の部品がディスクであることを特徴とする請求項19ないし25のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記吸収材の層が前記第1の部品と前記第2の部品との間に挟まれることを特徴とする請求項19ないし28のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記チューブの断面積が、内部の空気の粘性に対して十分に小さくて相当な吸音を行うことを特徴とする請求項1ないし29のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記後部吸音システムが、スピーカ駆動ユニットの後部を前記多数のチューブに接続する共通の接続チューブを含むことを特徴とする請求項1ないし30のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記接続チューブが、前記スピーカ駆動ユニットの軸線と略同軸状に延びていることを特徴とする請求項1ないし31のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記多数のチューブが、前記接続チューブの長さ方向の異なる点に接続されることを特徴とする請求項31または32記載のスピーカシステム。
- 前記チューブが、一つのチューブでの定在波の高圧力点が隣りのチューブでの低圧力点に隣るように設けられ、相隣るチューブの間の連通が両チューブの長さ方向に設けられていることを特徴とする請求項1ないし33のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記チューブの全長に沿って多数の点に連通が設けられることを特徴とする請求項34記載のスピーカシステム。
- 前記チューブのそれぞれの端が閉じられていることを特徴とする請求項1ないし35のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記チューブのそれぞれの端が開放されていることを特徴とする請求項1ないし27のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記スピーカシステムがエンクロージャを含み、前記エンクロージャが、
第1の堅固なパネルと、
前記第1のパネルから離隔しかつ前記第1のパネルと略平行に整合した第2の堅固なパネルと、
前記両パネルの平面を横断して延び、前記エンクロージャの内部空間を前記第1のパネルの内側に一面が結合されると共に前記第2のパネルの内側に反対面が結合された一層のセルに分割し、前記第1のパネルの内側に一面が結合されかつ前記第2のパネルの内側に反対面が結合された多数の隔壁と、
前記一層のセルの相隣るセル間を連通させる前記隔壁内の多数の開口と
を備えることを特徴とする請求項1ないし37のいずれかに記載のスピーカシステム。 - 前記セルの各々が、両前記パネルに平行かつ0.25平方センチメートルから10平方センチメートルまでの範囲の断面積を有し、
前記開口の各々が、0.04平方センチメートル以上の断面積を有し、
セルとこれに隣接するセルとの間の壁の55%以上が無孔であることを特徴とする請求項38記載のスピーカシステム。
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