JP2005503485A - アノードアセンブリ用電極部品 - Google Patents
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Abstract
本発明は電気メッキに関する。特に、本発明は、金属を基材へ電気メッキするための改良されたアノード、およびこのアノードを用いて金属を基材へ電気メッキする方法に関する。このアノードは、固体の金属製部分と、シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に突き出た1以上のバーブを有する金属製電極シャフトとを有する。このバーブはボディの中に固定されており、その中に伸びている。
【選択図】図2
【選択図】図2
Description
【発明の開示】
【0001】
[発明の背景]
[発明の分野]
本発明は電気メッキに関する。特に、本発明は、金属を基材に電気メッキするためのアノード、およびこのアノードを用いて金属を基材に電気メッキする方法に関する。
[関連技術の説明]
マイクロエレクトロニクスデバイスの製造において、種々の目的で金属を基材にメッキすることがある。典型的には、金属はセルやリザーバーの中で基材にメッキされ、このセルやリザーバーには、金属を基材表面にメッキするための金属イオンを含む液であるメッキ溶液が入っている。
【0002】
半導体チップ、プリント基板、ならびに他の回路部品およびデバイスの製造において、これらデバイスの導体は、錫および/または鉛を含んでなるはんだ材料によって電気メッキされ、デバイスのはんだ性が改善される。電気メッキ工程は、典型的には、いくつかの半導体デバイスがリードフレーム(このリードフレームは、電気メッキ槽中に設置されたカソードラックにフックで吊されている)に取り付けられている間、若しくは、デバイスが分離される前(すなわち、ウエハの形態にて)に、行われる。このメッキ槽には、カソードへと流れる電流を伝導するアノードと、金属をデバイスの鉛上に電着させるためのリードフレームとが含まれる。電気メッキした後、リードフレームが外されて、個々の半導体チップが分離される。
【0003】
電着した金属の均一性は、電流密度、メッキ槽の純度、およびアノードの純度の関数である。メッキ槽の組成とメッキ槽内の条件とを注意深く制御して、基材上に所望の金属を所望の状態で電着させる。メッキ率(plating rate)、均一性、および電着の質は、種々の要因によって影響を受ける。例えば、メッキのメッキ率、均一性、および電着の質に影響を与え得るパラメータとしては、メッキ槽内の薬品の濃度、メッキ系における電流の接触および電圧の状態および分布がある。電気メッキ系の物理的形状も、その系内の条件およびその系で行われるメッキに影響を与えることがある。
【0004】
メッキ槽内のアノードは電流をメッキ溶液へと通し、アノードとカソードワークピース(workpiece)との間に電界を生じさせる。通常のメッキ操作においては、電気メッキが行われるにつれ、アノードが消耗し、アノード不純物によってアノードファインと呼ばれる粒子が生じる。アノードファインの量が増えると、アノードファインはスラッジを形成する。電気メッキを行い続け、アノードが消費され続けると、アノードスラッジが大きくなり続ける。多くの問題がアノードスラッジと関連している。例えば、イオンがアノードスラッジを通ってメッキ溶液に移動することから、アノードスラッジは電気メッキセルにおいて電圧降下を引き起こすことがあり、メッキ電圧を上昇させることがある。メッキ電圧が上昇すると、電着物が不均一になってしまう。アノードスラッジの影響は、多くの要因の中でも、とりわけセルのデザインおよびメッキのパラメータに依存する。また、アノードスラッジは、メッキされる金属の構造中に取り込まれ、メッキされるワークピースを汚染することがある。
【0005】
アノードスラッジが形成し、メッキの品質が低下(例えば、メッキの均一性の低下)してしまうことから、電気メッキシステムにおいて、アノードのメンテナンスが典型的に必要になる。アノードのメンテナンスには、セルからアノードを除去すること、過剰のスラッジを掻き出して除去すること、適当な溶液中でエッチングして残留したスラッジを除去し、次いで、1以上の長期に渡るアノード再生工程を行うことを含んでよい。再生工程は、約5〜約16時間続くことがある。また、不純物は、気泡(例えば、空気の泡)を生じることがあり、この気泡は、アノードと、ウエハあるいはワークピースとの間の電界の向きの線(electric field lines、電界力線)を干渉してしまうことがある。電気メッキシステムにおいて電界が干渉されることによって、過電圧が生じることがある。過電圧によってメッキ電圧が異常な態様で上昇し、設定された許容電圧まで電圧が供給され、電源が遮断されてしまう。また、気泡が原因の電気的工程の乱れは、電着物の均一性に影響を与えることがある。メッキされた膜の厚さは、泡に近接する部分で薄くなる傾向がある。メッキされるイオンの濃度勾配がアノードアセンブリの中で大きくなることがある。メッキされるイオンの濃度は、アノードの近くで高く、メッキ対象のウエハやワークピースの近くで低くなることがある。この濃度勾配は濃度分極を生じうる。この分極は、また、メッキ電圧を上昇させることがある。濃度勾配は、このような条件下でメッキされるウエハの均一性に影響を与えるだけでなく、メッキ電圧を許容電圧値まで上昇させ、再び、メッキセルのシャットダウンを引き起こしうる。空気または気体の泡は、望ましくないセルの分極を生じるだけでなく、メッキされたフィルムの均一性を損なうことがある。というのは、電界がワークピースに到達するまでに、空気や気体の泡の周囲で電界が曲げられてしまうからである。これによって、平行であることが好ましい電界の向きの線(電界力線)が曲げられ、ワークピース上に好ましくない金属電着を均一に生じてしまう。
【0006】
ワークピース全体により均一にメッキするために、外部からの不純物が実質的に存在しないメッキ槽を作製することが必要である。溶液の純度が改善されると、濃度勾配、濃度分極が抑制され、メッキセルにおけるメッキとすべての操作を改善するのに役立つ。また、本発明によれば、メッキセルの生産性を劇的に改善することができる。メッキ槽における不純物の一つの原因はアノードアセンブリである。典型的には、アノードには、アノード構造物自体に加えて、アノードをメッキ溶液中に導入および保持するために用いられる金属製ハンドルが含まれる。典型的には、このハンドルはアノードに固定されている。典型的には、結合部はハンダ組成物を用いて形成されるが、ハンダ組成物自体が金属の不純物をメッキ槽に導入しがちである。アノードをハンドルにハンダで結合することなく固定して連結することが望ましい。本発明は、改善されたアノードとホルダーを提供する。本発明のアノードおよびホルダーの特徴の一つは、ホルダーに対する少なくとも1つのバーブを有する一端である。機械的な結合部により、優先的に浸食が生じ、さらに断続的あるいは間断的な電気的接触が生じる。バーブ(羽枝)化された一端がアノードの穴を通して固定され、それによって、その一端とアノードとの間には、ハンダ組成物が必要なくなるか、低減される。
【0007】
また、本発明は、金属を基材に電気メッキする方法を含む。基材は電気メッキ組成物中に配置され、改善されたアノードから基材に電流が供給され、その結果、より純粋なメッキ溶液から基材上に金属がメッキされる。
[発明の概要]
本発明は、成形された、実質的に固体の金属製ボディと;シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に突き出た1以上のバーブ(barb)を有する金属製電極シャフトと;該ボディ内に固定された該1以上のバーブとを、含んでなるアノードを提供する。
【0008】
また、本発明は、金属製電極シャフトと、このシャフトの一端のまわりに鋳造(casting)された、成形された、実質的に固体の金属製ボディとを、含んでなるアノードを提供する。
【0009】
さらに、本発明は、a)シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に突き出た1以上のバーブを有する金属製電極シャフトを提供し;b)成形された、実質的に固体の金属製ボディを提供し;c)上記1以上のバーブを上記ボディの側壁を通して固定すること:を含むアノードの製造方法を提供する。
【0010】
さらにまた、本発明は、a)金属製電極シャフトを提供し;b)溶融した金属を上記シャフトの一端のまわりへ注入し、該溶融した金属を冷却して、それによって、前記シャフトの端を包む固体の金属製ボディを含むアノードを形成させ;およびc)次いで、アノードをモールドから取り出すこと:を含むアノードの製造方法を提供する。
【0011】
また、本発明は、a)導電性流動体を含む容器と;b)導電性流体中の、電気回路に接続された請求項1に記載のアノードと;c)導電性流体中の、電気回路に接続されたカソード:とを含む電極の配置を提供する。
[好ましい態様の詳細な説明]
図2は本発明のアノード2を示す。このアノードは、金属製ボディ4と、この金属製ボディ4の側壁8を介して固定されている金属製電極シャフト6とを有する。このアノードは、上側の縁8と、外壁面12と、下側の縁16とを有する。上側の縁8と下側の縁16が平行する面内にあることが好ましい。アノード部4は円盤状の形状を有するように示されているが、アノード部は、アノードを形成するためのいかなる形状、断面を有することができる。例えば、長方形、四角形、立方形、円形、楕円形、台形、楔型、管状、三角形、環状に成形された形状、不規則に成形された形状、球状、円筒状その他のものが挙げられる。これらは固体であり、開口部を有してもよい。
【0012】
図1からよくわかるように、金属製電極6は、シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に放射状に突き出ている1以上のバーブ20を有するシャフト18を含む。アノード2の組立において、バーブ20は、金属製ボディ4の上側の縁8を通じて固定され、バーブが該ボディ4の中に位置するように、上側の縁8を通って下側の縁16に向かってある間隔だけ入っている。好ましい態様において、すべてのバーブはアノードのボディ内にある。本発明の一つの態様において、ボディ内のシャフト部分はバーブを有していない。
【0013】
金属製ボディは、電気を通すことができ、電気メッキ条件下においてイオン種に解離することのできる金属あるいは金属合金を含んでなる。このような金属の非限定的な例としては、錫、鉛、銅、アルミニウム、銀、ビスマス、インジウム、アンチモン、またはこれらの組み合わせが含まれる。好ましいボディの金属としては、非限定的に、錫、錫−鉛合金、錫−銀−銅合金、銀−ビスマス合金、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0014】
より好ましい態様において、本発明の金属製ボディには、約0%〜約100%の錫と、約0%〜約100%の鉛とが含まれ、さらに好ましくは、約5%〜約63%の錫と約37%〜約95%の鉛とを含む合金が含まれる。
【0015】
シャフト18とバーブ20は、電気を通すが、金属製ボディがイオン種に解離するような電気メッキ条件下において顕著にイオン種に解離することのない、金属または金属の合金を含んでなることが好ましい。このような金属の非限定的な例としては、チタン、銅、銀、プラチナ、タンタル、ステンレス鋼、金、およびこれらの組み合わせがある。より好ましくは、シャフトおよび1以上のバーブはニッケルメッキされたチタンを含んでなる。
【0016】
金属製電極6は、シャフト18を適当な道具(例えば、旋盤など)で加工して、シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に突き出た1以上のバーブ20を付与することにより、形成させることができる。このようなバーブを備えたシャフトを製造するいかなる方法(例えば、鋳造)を用いことができる。
【0017】
シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に突き出た1以上のバーブを有する金属製電極シャフトを提供し;金属製ボディを提供し、次いで、上記1以上のバーブを、金属製ボディを通して固定することにより、本発明のアノードを製造することができる。本発明のアノードを組み立てる一つの方法は、上記金属製ボディに穴を開け、次いで、バーブが付いた端を上記ボディ中に押し入れることによるものである。しかし、上記ボディを、シャフトのバーブが付いた端のまわりの金属に、鋳造することによる方法が好ましい方法である。
【0018】
1以上のバーブを有する金属製電極シャフトを提供し;フラックス組成物を上記1以上のバーブに付着させ;上記電極のバーブを準備台に入れ;上記準備台と上記電極を鋳造用モールドに入れ;溶融した金属を鋳造用モールドに注入し、この溶融した金属を冷却して、それによって、アノードを形成させ、次いで、このアノードをモールドから取り出すことによって、アノードを製造することができる。このような鋳造方法は、当業者によく知られている。本態様においては、シャフトおよびボディ用の金属は、あるものを他のもののまわりへ注入(鋳造)して、真の金属学的結合とできるような金属を選択することが好ましい。その他に、本発明のシャフトは、鋳造において、シャフトと固体ボディの金属との両方を容易に濡らすような金属によってメッキされたシャフトの端部を有してもよい。
【0019】
本発明の他の観点からは、ワークピースを電気メッキする方法が提供される。カソードのワークピースとアノードは電気メッキ槽に浸漬され、アノードからカソードへ流れる電流によって、アノード材料がワークピース上に電着される。
【0020】
図3は、導電性流体24を含む容器22を含む、電極の配置を示す。アノード2は導電性流体中に配置されている。アノードはシャフト6を介して電気回路に接続されている。カソードのワークピース26もまた、導電性流体24中に配置されている。カソード26は適当な支持体28を介して電気回路に接続されている。
【0021】
カソードのワークピース26は、好適には、ウエハであり、この材料上に、少なくとも1つの金属および/または少なくとも一つの合金が電気メッキされる。これには、半導体、セラミック、シリコン、およびこれらの組み合わせなどの材料が含まれることが好ましい。従来技術のメッキ槽を用いてメッキすることができるすべてのカソードを、本発明に従って被覆することができる。例えば、良好な電着物を、銅、ニッケル、鉄、鋼などの物品上に製造することができる。比較的純粋な金属のアノードが用いられる場合に、このメッキ槽で最も良好な結果を得ることができ、錫−鉛合金のアノード、若しくはスズだけのアノードと鉛だけのアノードのいずれかを用いることができる。アノードの組成は電着物の組成に大きな影響を与え、メッキされる合金において望ましいものと近似する金属の比率を有するアノードを用いることが一般に好ましいことに注意すべきである。また、電着物の組成は、分離されたスズと鉛のアノード(これに対して、適当に電流を振り分けることができる)を使用することによって、制御することができる。
【0022】
導電性流体は、水と少なくとも1つのイオン種(好ましくは、アノード材料から解離したイオン種)とを含んでなることができる。典型的なメッキ槽は、米国特許第4,118, 289号および第4,440,608号によって知られている。組成の異なる、電着された錫−鉛合金が、数多くの応用例(例えば、錫−鉛の7/93の合金が典型的に用いられるベアリングの接触表面の提供や、錫−鉛の60/40合金が好ましいハンダ用表面(例えば、プリント回路基板など)の提供)の中でも特に価値がある。錫−鉛合金の電着用に適当な水性酸メッキ槽は、約5〜80(好ましくは約45〜65)グラム/リットルの第一スズイオン;約85〜10(好ましくは、約35〜15)グラム/リットルの鉛イオン;および少なくとも約100(好ましくは、少なくとも約150)グラム/リットルの、フッ化ホウ酸(fluoborate)、フッ化シリケート、およびサルファメートからなる群より選択されるラジカルとを含んでなる。メッキ槽がフッ化ホウ酸ラジカルを用いるときは、メッキ槽は、少なくとも約50グラム/リットルの遊離のフッ化ホウ素酸と、少なくとも約10グラム/リットルの遊離のホウ酸とをさらに含むことが好ましい。第一スズイオンの量は鉛イオンより多く、約45〜65グラム/リットル(鉛の量は約35〜15グラム/リットルの範囲)であることが好ましい。本発明の最も好ましい特徴は、錫−鉛合金の共融点または共融点付近での組成(それゆえ、メッキ槽における最も好ましいイオン組成は、約53〜57グラム/リットルの第一スズイオンと約27〜23グラム/リットルの鉛イオンである)を有するハンダ付着物の形成が可能になることである。フッ化ボレート槽が好ましく、満足のいくものとするには、少なくとも約100グラム/リットルのフッ化ボレートラジカル(好ましくは、フッ化ボレートのラジカルの量は約150グラム/リットル以上)を含んでいなければならない。かかる槽は、少なくとも約50グラム/リットルのフッ化ホウ素酸(fluoboric acid)と少なくとも約10グラム/リットルのホウ酸を含んでいるべきである。このメッキ槽は、約3未満(好ましくは約1未満)のpHを有していることが好ましい。添加剤として精製ペプトンを用いることは、錫、鉛メッキにおいて一般的な方法である。
【0023】
メッキ槽は、かなり広い範囲のカソード電流密度にわたって、使用することができ、この範囲は、温度、撹拌等の他の要因に依存する。より具体的には、使用することのできる範囲は、約10〜200アンペア/平方フィート(好ましくは約20〜120アンペア/平方フィート)であり、25〜35アンペア/平方フィートというより狭い範囲が、実質的に共融組成を有する付着物の製造に対して最も好ましい。本発明のメッキ効率は一般に極めて高く、最適条件下において(電着物の理論値に対して)約95%を超えるだろう。優れた品質を有する光沢電着物が、槽効率が70%を超える範囲で最も良く製造される。適用する電圧は、約0.2〜5ボルト(好ましくは0.5〜4ボルト)である。
【0024】
メッキ槽は、少なくとも約50Fの温度(好ましくは、約60〜90F)で運転する。約50F未満で運転すると、効率が悪く、好ましくない電着物が生じてしまい、一方、約90Fを超える温度では、錫イオンが第2スズまで酸化されてしまい、光沢のない、粗く、一般に許容できない電着物が生じてしまう。さらに、過度に高い温度だと、メッキ槽がかなりの早さで消耗してしまう。
【0025】
ある程度撹拌を行うことは、高品質で均一な電着物を得、スラッジやフィルムの増大を防ぐために好ましい。大きな電流密度および高温におけるメッキは、より強く撹拌することにより改善される。しかし、過度に強く撹拌することは好ましくない。というのも、過度に強い撹拌によって、メッキ槽が激しく消耗し、光沢(明るさ)を出すための電流密度が制限されてしまうからである。メッキ槽自体の撹拌のみが好ましいのではなく、カソードの撹拌も、均一な面を得ること、および、充分な電流密度の範囲を拡大させることにおいて有益である。
【0026】
本発明の方法は、同等の有効性を有したまま、静止メッキおよびバレルメッキ装置に適用され、ストリップ、ワイヤー、およびコネクターストリップ用に用いることができる。上述した槽および方法を使用することは、作製された面が優れたハンダ適性を有することから、コネクターストリップ、プリント回路基板等に関し特に重要である。ろ過は必須ではないが、槽の汚染が空気からの不純物および他の仕上げ工程から持ち越されたものに起因するときは、通常有利である。したがって、ろ過は、連続式の場合に効果があるだろう。種々のろ過用メディア(例えば、ポリプロピレンおよびその他の従来のろ過用メディア材料)を使用することができる。
【0027】
メッキ槽における種々の成分の減少は、ある設備において確立された周期的な基準に基づいていくつかの成分を分析することにより、最適に是正することができる。必要な第一スズ塩の量を決定するために、ヨウ素滴定法を使用することができる。鉛含量は希硫酸による沈殿により検出することができる。プリント基板および他の回路に、錫−鉛合金を用いて、ハンダ付け可能な最終製品、接触材料、あるいは腐食に耐性のあるものを提供する場合、錫−鉛合金は、典型的には約0.2〜約2ミリの範囲の厚さで、電解的に付着される。
【0028】
本発明は、集積回路の製造および組立の分野に一般的に適用することができ、特に、ハンダバンプ(solder bumps)の電気メッキにおいて、あるいはフリップチップ電気相互接続に対するバンプ冶金に適用できるが、本発明は、均一な厚さのメッキを得ることが望まれるいかなる電気メッキ装置および電気メッキ方法とともに使用するために、適用することができる。本明細書において記載したアノードはアノードを有するが、いかなる電極(例えば、カソード)としての使用も見出される。
【0029】
好適な実施態様を引用しつつ、本発明を示し、説明してきたが、本技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更および修飾を行うことができることを容易に理解できるであろう。本発明のクレームは、開示された実施態様、上で説明したその代替物、およびそのすべての均等物を含むものと意図される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に突き出たバーブを有する金属製電極シャフトを示す。
【図2】図2は、金属製ボディと、バーブが金属製ボディの側面に固定されている金属製電極シャフトとを有する、本発明のアノードを示す。
【図3】図3は、アノードと、電気メッキ槽中に吊されたワークピース・ウエハー・カソードとの概略図である。
【0001】
[発明の背景]
[発明の分野]
本発明は電気メッキに関する。特に、本発明は、金属を基材に電気メッキするためのアノード、およびこのアノードを用いて金属を基材に電気メッキする方法に関する。
[関連技術の説明]
マイクロエレクトロニクスデバイスの製造において、種々の目的で金属を基材にメッキすることがある。典型的には、金属はセルやリザーバーの中で基材にメッキされ、このセルやリザーバーには、金属を基材表面にメッキするための金属イオンを含む液であるメッキ溶液が入っている。
【0002】
半導体チップ、プリント基板、ならびに他の回路部品およびデバイスの製造において、これらデバイスの導体は、錫および/または鉛を含んでなるはんだ材料によって電気メッキされ、デバイスのはんだ性が改善される。電気メッキ工程は、典型的には、いくつかの半導体デバイスがリードフレーム(このリードフレームは、電気メッキ槽中に設置されたカソードラックにフックで吊されている)に取り付けられている間、若しくは、デバイスが分離される前(すなわち、ウエハの形態にて)に、行われる。このメッキ槽には、カソードへと流れる電流を伝導するアノードと、金属をデバイスの鉛上に電着させるためのリードフレームとが含まれる。電気メッキした後、リードフレームが外されて、個々の半導体チップが分離される。
【0003】
電着した金属の均一性は、電流密度、メッキ槽の純度、およびアノードの純度の関数である。メッキ槽の組成とメッキ槽内の条件とを注意深く制御して、基材上に所望の金属を所望の状態で電着させる。メッキ率(plating rate)、均一性、および電着の質は、種々の要因によって影響を受ける。例えば、メッキのメッキ率、均一性、および電着の質に影響を与え得るパラメータとしては、メッキ槽内の薬品の濃度、メッキ系における電流の接触および電圧の状態および分布がある。電気メッキ系の物理的形状も、その系内の条件およびその系で行われるメッキに影響を与えることがある。
【0004】
メッキ槽内のアノードは電流をメッキ溶液へと通し、アノードとカソードワークピース(workpiece)との間に電界を生じさせる。通常のメッキ操作においては、電気メッキが行われるにつれ、アノードが消耗し、アノード不純物によってアノードファインと呼ばれる粒子が生じる。アノードファインの量が増えると、アノードファインはスラッジを形成する。電気メッキを行い続け、アノードが消費され続けると、アノードスラッジが大きくなり続ける。多くの問題がアノードスラッジと関連している。例えば、イオンがアノードスラッジを通ってメッキ溶液に移動することから、アノードスラッジは電気メッキセルにおいて電圧降下を引き起こすことがあり、メッキ電圧を上昇させることがある。メッキ電圧が上昇すると、電着物が不均一になってしまう。アノードスラッジの影響は、多くの要因の中でも、とりわけセルのデザインおよびメッキのパラメータに依存する。また、アノードスラッジは、メッキされる金属の構造中に取り込まれ、メッキされるワークピースを汚染することがある。
【0005】
アノードスラッジが形成し、メッキの品質が低下(例えば、メッキの均一性の低下)してしまうことから、電気メッキシステムにおいて、アノードのメンテナンスが典型的に必要になる。アノードのメンテナンスには、セルからアノードを除去すること、過剰のスラッジを掻き出して除去すること、適当な溶液中でエッチングして残留したスラッジを除去し、次いで、1以上の長期に渡るアノード再生工程を行うことを含んでよい。再生工程は、約5〜約16時間続くことがある。また、不純物は、気泡(例えば、空気の泡)を生じることがあり、この気泡は、アノードと、ウエハあるいはワークピースとの間の電界の向きの線(electric field lines、電界力線)を干渉してしまうことがある。電気メッキシステムにおいて電界が干渉されることによって、過電圧が生じることがある。過電圧によってメッキ電圧が異常な態様で上昇し、設定された許容電圧まで電圧が供給され、電源が遮断されてしまう。また、気泡が原因の電気的工程の乱れは、電着物の均一性に影響を与えることがある。メッキされた膜の厚さは、泡に近接する部分で薄くなる傾向がある。メッキされるイオンの濃度勾配がアノードアセンブリの中で大きくなることがある。メッキされるイオンの濃度は、アノードの近くで高く、メッキ対象のウエハやワークピースの近くで低くなることがある。この濃度勾配は濃度分極を生じうる。この分極は、また、メッキ電圧を上昇させることがある。濃度勾配は、このような条件下でメッキされるウエハの均一性に影響を与えるだけでなく、メッキ電圧を許容電圧値まで上昇させ、再び、メッキセルのシャットダウンを引き起こしうる。空気または気体の泡は、望ましくないセルの分極を生じるだけでなく、メッキされたフィルムの均一性を損なうことがある。というのは、電界がワークピースに到達するまでに、空気や気体の泡の周囲で電界が曲げられてしまうからである。これによって、平行であることが好ましい電界の向きの線(電界力線)が曲げられ、ワークピース上に好ましくない金属電着を均一に生じてしまう。
【0006】
ワークピース全体により均一にメッキするために、外部からの不純物が実質的に存在しないメッキ槽を作製することが必要である。溶液の純度が改善されると、濃度勾配、濃度分極が抑制され、メッキセルにおけるメッキとすべての操作を改善するのに役立つ。また、本発明によれば、メッキセルの生産性を劇的に改善することができる。メッキ槽における不純物の一つの原因はアノードアセンブリである。典型的には、アノードには、アノード構造物自体に加えて、アノードをメッキ溶液中に導入および保持するために用いられる金属製ハンドルが含まれる。典型的には、このハンドルはアノードに固定されている。典型的には、結合部はハンダ組成物を用いて形成されるが、ハンダ組成物自体が金属の不純物をメッキ槽に導入しがちである。アノードをハンドルにハンダで結合することなく固定して連結することが望ましい。本発明は、改善されたアノードとホルダーを提供する。本発明のアノードおよびホルダーの特徴の一つは、ホルダーに対する少なくとも1つのバーブを有する一端である。機械的な結合部により、優先的に浸食が生じ、さらに断続的あるいは間断的な電気的接触が生じる。バーブ(羽枝)化された一端がアノードの穴を通して固定され、それによって、その一端とアノードとの間には、ハンダ組成物が必要なくなるか、低減される。
【0007】
また、本発明は、金属を基材に電気メッキする方法を含む。基材は電気メッキ組成物中に配置され、改善されたアノードから基材に電流が供給され、その結果、より純粋なメッキ溶液から基材上に金属がメッキされる。
[発明の概要]
本発明は、成形された、実質的に固体の金属製ボディと;シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に突き出た1以上のバーブ(barb)を有する金属製電極シャフトと;該ボディ内に固定された該1以上のバーブとを、含んでなるアノードを提供する。
【0008】
また、本発明は、金属製電極シャフトと、このシャフトの一端のまわりに鋳造(casting)された、成形された、実質的に固体の金属製ボディとを、含んでなるアノードを提供する。
【0009】
さらに、本発明は、a)シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に突き出た1以上のバーブを有する金属製電極シャフトを提供し;b)成形された、実質的に固体の金属製ボディを提供し;c)上記1以上のバーブを上記ボディの側壁を通して固定すること:を含むアノードの製造方法を提供する。
【0010】
さらにまた、本発明は、a)金属製電極シャフトを提供し;b)溶融した金属を上記シャフトの一端のまわりへ注入し、該溶融した金属を冷却して、それによって、前記シャフトの端を包む固体の金属製ボディを含むアノードを形成させ;およびc)次いで、アノードをモールドから取り出すこと:を含むアノードの製造方法を提供する。
【0011】
また、本発明は、a)導電性流動体を含む容器と;b)導電性流体中の、電気回路に接続された請求項1に記載のアノードと;c)導電性流体中の、電気回路に接続されたカソード:とを含む電極の配置を提供する。
[好ましい態様の詳細な説明]
図2は本発明のアノード2を示す。このアノードは、金属製ボディ4と、この金属製ボディ4の側壁8を介して固定されている金属製電極シャフト6とを有する。このアノードは、上側の縁8と、外壁面12と、下側の縁16とを有する。上側の縁8と下側の縁16が平行する面内にあることが好ましい。アノード部4は円盤状の形状を有するように示されているが、アノード部は、アノードを形成するためのいかなる形状、断面を有することができる。例えば、長方形、四角形、立方形、円形、楕円形、台形、楔型、管状、三角形、環状に成形された形状、不規則に成形された形状、球状、円筒状その他のものが挙げられる。これらは固体であり、開口部を有してもよい。
【0012】
図1からよくわかるように、金属製電極6は、シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に放射状に突き出ている1以上のバーブ20を有するシャフト18を含む。アノード2の組立において、バーブ20は、金属製ボディ4の上側の縁8を通じて固定され、バーブが該ボディ4の中に位置するように、上側の縁8を通って下側の縁16に向かってある間隔だけ入っている。好ましい態様において、すべてのバーブはアノードのボディ内にある。本発明の一つの態様において、ボディ内のシャフト部分はバーブを有していない。
【0013】
金属製ボディは、電気を通すことができ、電気メッキ条件下においてイオン種に解離することのできる金属あるいは金属合金を含んでなる。このような金属の非限定的な例としては、錫、鉛、銅、アルミニウム、銀、ビスマス、インジウム、アンチモン、またはこれらの組み合わせが含まれる。好ましいボディの金属としては、非限定的に、錫、錫−鉛合金、錫−銀−銅合金、銀−ビスマス合金、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0014】
より好ましい態様において、本発明の金属製ボディには、約0%〜約100%の錫と、約0%〜約100%の鉛とが含まれ、さらに好ましくは、約5%〜約63%の錫と約37%〜約95%の鉛とを含む合金が含まれる。
【0015】
シャフト18とバーブ20は、電気を通すが、金属製ボディがイオン種に解離するような電気メッキ条件下において顕著にイオン種に解離することのない、金属または金属の合金を含んでなることが好ましい。このような金属の非限定的な例としては、チタン、銅、銀、プラチナ、タンタル、ステンレス鋼、金、およびこれらの組み合わせがある。より好ましくは、シャフトおよび1以上のバーブはニッケルメッキされたチタンを含んでなる。
【0016】
金属製電極6は、シャフト18を適当な道具(例えば、旋盤など)で加工して、シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に突き出た1以上のバーブ20を付与することにより、形成させることができる。このようなバーブを備えたシャフトを製造するいかなる方法(例えば、鋳造)を用いことができる。
【0017】
シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に突き出た1以上のバーブを有する金属製電極シャフトを提供し;金属製ボディを提供し、次いで、上記1以上のバーブを、金属製ボディを通して固定することにより、本発明のアノードを製造することができる。本発明のアノードを組み立てる一つの方法は、上記金属製ボディに穴を開け、次いで、バーブが付いた端を上記ボディ中に押し入れることによるものである。しかし、上記ボディを、シャフトのバーブが付いた端のまわりの金属に、鋳造することによる方法が好ましい方法である。
【0018】
1以上のバーブを有する金属製電極シャフトを提供し;フラックス組成物を上記1以上のバーブに付着させ;上記電極のバーブを準備台に入れ;上記準備台と上記電極を鋳造用モールドに入れ;溶融した金属を鋳造用モールドに注入し、この溶融した金属を冷却して、それによって、アノードを形成させ、次いで、このアノードをモールドから取り出すことによって、アノードを製造することができる。このような鋳造方法は、当業者によく知られている。本態様においては、シャフトおよびボディ用の金属は、あるものを他のもののまわりへ注入(鋳造)して、真の金属学的結合とできるような金属を選択することが好ましい。その他に、本発明のシャフトは、鋳造において、シャフトと固体ボディの金属との両方を容易に濡らすような金属によってメッキされたシャフトの端部を有してもよい。
【0019】
本発明の他の観点からは、ワークピースを電気メッキする方法が提供される。カソードのワークピースとアノードは電気メッキ槽に浸漬され、アノードからカソードへ流れる電流によって、アノード材料がワークピース上に電着される。
【0020】
図3は、導電性流体24を含む容器22を含む、電極の配置を示す。アノード2は導電性流体中に配置されている。アノードはシャフト6を介して電気回路に接続されている。カソードのワークピース26もまた、導電性流体24中に配置されている。カソード26は適当な支持体28を介して電気回路に接続されている。
【0021】
カソードのワークピース26は、好適には、ウエハであり、この材料上に、少なくとも1つの金属および/または少なくとも一つの合金が電気メッキされる。これには、半導体、セラミック、シリコン、およびこれらの組み合わせなどの材料が含まれることが好ましい。従来技術のメッキ槽を用いてメッキすることができるすべてのカソードを、本発明に従って被覆することができる。例えば、良好な電着物を、銅、ニッケル、鉄、鋼などの物品上に製造することができる。比較的純粋な金属のアノードが用いられる場合に、このメッキ槽で最も良好な結果を得ることができ、錫−鉛合金のアノード、若しくはスズだけのアノードと鉛だけのアノードのいずれかを用いることができる。アノードの組成は電着物の組成に大きな影響を与え、メッキされる合金において望ましいものと近似する金属の比率を有するアノードを用いることが一般に好ましいことに注意すべきである。また、電着物の組成は、分離されたスズと鉛のアノード(これに対して、適当に電流を振り分けることができる)を使用することによって、制御することができる。
【0022】
導電性流体は、水と少なくとも1つのイオン種(好ましくは、アノード材料から解離したイオン種)とを含んでなることができる。典型的なメッキ槽は、米国特許第4,118, 289号および第4,440,608号によって知られている。組成の異なる、電着された錫−鉛合金が、数多くの応用例(例えば、錫−鉛の7/93の合金が典型的に用いられるベアリングの接触表面の提供や、錫−鉛の60/40合金が好ましいハンダ用表面(例えば、プリント回路基板など)の提供)の中でも特に価値がある。錫−鉛合金の電着用に適当な水性酸メッキ槽は、約5〜80(好ましくは約45〜65)グラム/リットルの第一スズイオン;約85〜10(好ましくは、約35〜15)グラム/リットルの鉛イオン;および少なくとも約100(好ましくは、少なくとも約150)グラム/リットルの、フッ化ホウ酸(fluoborate)、フッ化シリケート、およびサルファメートからなる群より選択されるラジカルとを含んでなる。メッキ槽がフッ化ホウ酸ラジカルを用いるときは、メッキ槽は、少なくとも約50グラム/リットルの遊離のフッ化ホウ素酸と、少なくとも約10グラム/リットルの遊離のホウ酸とをさらに含むことが好ましい。第一スズイオンの量は鉛イオンより多く、約45〜65グラム/リットル(鉛の量は約35〜15グラム/リットルの範囲)であることが好ましい。本発明の最も好ましい特徴は、錫−鉛合金の共融点または共融点付近での組成(それゆえ、メッキ槽における最も好ましいイオン組成は、約53〜57グラム/リットルの第一スズイオンと約27〜23グラム/リットルの鉛イオンである)を有するハンダ付着物の形成が可能になることである。フッ化ボレート槽が好ましく、満足のいくものとするには、少なくとも約100グラム/リットルのフッ化ボレートラジカル(好ましくは、フッ化ボレートのラジカルの量は約150グラム/リットル以上)を含んでいなければならない。かかる槽は、少なくとも約50グラム/リットルのフッ化ホウ素酸(fluoboric acid)と少なくとも約10グラム/リットルのホウ酸を含んでいるべきである。このメッキ槽は、約3未満(好ましくは約1未満)のpHを有していることが好ましい。添加剤として精製ペプトンを用いることは、錫、鉛メッキにおいて一般的な方法である。
【0023】
メッキ槽は、かなり広い範囲のカソード電流密度にわたって、使用することができ、この範囲は、温度、撹拌等の他の要因に依存する。より具体的には、使用することのできる範囲は、約10〜200アンペア/平方フィート(好ましくは約20〜120アンペア/平方フィート)であり、25〜35アンペア/平方フィートというより狭い範囲が、実質的に共融組成を有する付着物の製造に対して最も好ましい。本発明のメッキ効率は一般に極めて高く、最適条件下において(電着物の理論値に対して)約95%を超えるだろう。優れた品質を有する光沢電着物が、槽効率が70%を超える範囲で最も良く製造される。適用する電圧は、約0.2〜5ボルト(好ましくは0.5〜4ボルト)である。
【0024】
メッキ槽は、少なくとも約50Fの温度(好ましくは、約60〜90F)で運転する。約50F未満で運転すると、効率が悪く、好ましくない電着物が生じてしまい、一方、約90Fを超える温度では、錫イオンが第2スズまで酸化されてしまい、光沢のない、粗く、一般に許容できない電着物が生じてしまう。さらに、過度に高い温度だと、メッキ槽がかなりの早さで消耗してしまう。
【0025】
ある程度撹拌を行うことは、高品質で均一な電着物を得、スラッジやフィルムの増大を防ぐために好ましい。大きな電流密度および高温におけるメッキは、より強く撹拌することにより改善される。しかし、過度に強く撹拌することは好ましくない。というのも、過度に強い撹拌によって、メッキ槽が激しく消耗し、光沢(明るさ)を出すための電流密度が制限されてしまうからである。メッキ槽自体の撹拌のみが好ましいのではなく、カソードの撹拌も、均一な面を得ること、および、充分な電流密度の範囲を拡大させることにおいて有益である。
【0026】
本発明の方法は、同等の有効性を有したまま、静止メッキおよびバレルメッキ装置に適用され、ストリップ、ワイヤー、およびコネクターストリップ用に用いることができる。上述した槽および方法を使用することは、作製された面が優れたハンダ適性を有することから、コネクターストリップ、プリント回路基板等に関し特に重要である。ろ過は必須ではないが、槽の汚染が空気からの不純物および他の仕上げ工程から持ち越されたものに起因するときは、通常有利である。したがって、ろ過は、連続式の場合に効果があるだろう。種々のろ過用メディア(例えば、ポリプロピレンおよびその他の従来のろ過用メディア材料)を使用することができる。
【0027】
メッキ槽における種々の成分の減少は、ある設備において確立された周期的な基準に基づいていくつかの成分を分析することにより、最適に是正することができる。必要な第一スズ塩の量を決定するために、ヨウ素滴定法を使用することができる。鉛含量は希硫酸による沈殿により検出することができる。プリント基板および他の回路に、錫−鉛合金を用いて、ハンダ付け可能な最終製品、接触材料、あるいは腐食に耐性のあるものを提供する場合、錫−鉛合金は、典型的には約0.2〜約2ミリの範囲の厚さで、電解的に付着される。
【0028】
本発明は、集積回路の製造および組立の分野に一般的に適用することができ、特に、ハンダバンプ(solder bumps)の電気メッキにおいて、あるいはフリップチップ電気相互接続に対するバンプ冶金に適用できるが、本発明は、均一な厚さのメッキを得ることが望まれるいかなる電気メッキ装置および電気メッキ方法とともに使用するために、適用することができる。本明細書において記載したアノードはアノードを有するが、いかなる電極(例えば、カソード)としての使用も見出される。
【0029】
好適な実施態様を引用しつつ、本発明を示し、説明してきたが、本技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更および修飾を行うことができることを容易に理解できるであろう。本発明のクレームは、開示された実施態様、上で説明したその代替物、およびそのすべての均等物を含むものと意図される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に突き出たバーブを有する金属製電極シャフトを示す。
【図2】図2は、金属製ボディと、バーブが金属製ボディの側面に固定されている金属製電極シャフトとを有する、本発明のアノードを示す。
【図3】図3は、アノードと、電気メッキ槽中に吊されたワークピース・ウエハー・カソードとの概略図である。
Claims (29)
- 成形された、実質的に固体の金属製ボディ;
シャフトの一端において該シャフトの表面から外側に突き出た1以上のバーブを有する、金属製電極シャフト;
上記ボディ内に固定された上記1以上のバーブ
を含むアノード。 - 前記シャフトが、前記ボディ内に固定された複数のバーブを含む、請求項1に記載のアノード。
- 前記1以上のバーブが、前記ボディを前記1以上のバーブのまわりに鋳造されること(casting)によって、前記ボディ内に固定されている、請求項1に記載のアノード。
- 前記シャフトのうち前記ボディの外側にある部分に、バーブがない、請求項1に記載のアノード。
- 前記ボディが、錫、鉛、銅、アルミニウム、銀、ビスマス、インジウム、アンチモン、錫−鉛合金、錫−銀−銅合金、銀−ビスマス合金、またはこれらの組み合わせを含んでなる、請求項1に記載のアノード。
- 前記ボディが、約0%〜約100%の錫と約0%〜約100%の鉛とを含んでなる、請求項1に記載のアノード。
- 前記ボディが、約5%〜約63%の錫と約37%〜約95%の鉛とを含んでなる、請求項1に記載のアノード。
- 前記シャフトと1以上のバーブが、チタン、銅、銀、プラチナ、タンタル、ステンレス鋼、金、またはこれらの組み合わせを含んでなる、請求項1に記載のアノード。
- 前記シャフトと1以上のバーブが、ニッケルメッキされたチタンを含んでなる、請求項1に記載のアノード。
- シャフトの一端において該シャフトの表面から外側に突き出た複数のバーブを含む、請求項1に記載のアノードであって、
上記バーブが上記ボディ内に固定されており、上記ボディが約5%〜約63%の錫と約37%〜約95%の鉛とを含んでなり;さらに、前記シャフトと1以上のバーブがニッケルメッキされたチタンを含んでなる、上記アノード。 - 前記ボディが、固体の、長方形の形状、四角形の形状、円形の形状、楕円形の形状、台形の形状、三角形の形状、環状の形状、または不規則な形状を有し、その中に開口部があってもなくてもよい、請求項1に記載のアノード。
- 金属製電極シャフトと、該シャフトの一端のまわりに鋳造された、成形された、実質的に固体の金属製ボディとを含んでなるアノード。
- シャフトの一端において該シャフトの表面から外側に突き出た1以上のバーブを有する金属製電極シャフトと、上記バーブのまわりに鋳造された金属製ボディとを含む、請求項12に記載のアノード。
- a)シャフトの一端においてシャフトの表面から外側に突き出た1以上のバーブを有する金属製電極シャフトを提供し;
b)成形された、実質的に固体の金属製ボディを提供し;
c)上記金属製ボディを通して上記1以上のバーブを固定すること
を含むアノードの製造方法。 - シャフトの一端において該シャフトの表面から外側に突き出た複数のバーブを含む、請求項14に記載の方法であって、
上記バーブが上記ボディ内に固定されており、上記ボディが約5%〜約63%の錫と約37%〜約95%の鉛とを含んでなり;上記シャフトと1以上のバーブがニッケルメッキされたチタンを含んでなる、上記方法。 - a)金属製電極シャフトを提供し;
b)溶融した金属を前記シャフトの一端のまわりへ注入し、前記溶融した金属を冷却して、それによって、前記シャフトの一端を包む固体の金属製ボディを含むアノードを形成させ;および
c)次いで、アノードをモールドから取り出すこと:
を含むアノードの製造方法。 - a)金属製電極シャフトを提供し;
b)この電極の一端を準備台(fixture)へ入れ;
c)この準備台と、準備台中の電極の一端とを、鋳造用モールドに入れ;
d)溶融した金属をこの鋳造用モールドへ注入し、前記溶融した金属を冷却して、それによって、前記シャフトの一端を包む固体の金属製ボディを含むアノードを形成させ;および
f)次いで、アノードをモールドから取り出すこと:
を含む請求項16に記載の方法。 - a)金属製電極シャフトを提供し;
b)フラックス組成物をこのシャフトの一端へ付着させ;
c)フラックスが付着した電極の一端を準備台(fixture)へ入れ;
d)この準備台と、フラックスが付着した電極の一端とを、鋳造用モールドへ入れ;
e)溶融した金属を鋳造用モールドへ注入し、前記溶融した金属を冷却して、それによって、フラックスが付着した前記シャフトの一端を包む、固体の金属製ボディを含む、アノードを形成させ;および
f)次いで、アノードをモールドから取り出すこと:
を含む請求項16に記載の方法。 - フラックスが付着したシャフトの端が、前記シャフトの一端において前記シャフトの表面から外側に突き出た1以上のバーブを有し、1以上のバーブが前記ボディ内に固定されている、請求項16に記載の方法。
- 前記シャフトの一端において前記シャフトの表面から外側に突き出た複数のバーブを含む請求項16に記載の方法であって、
上記バーブが上記ボディ内に固定されており、上記ボディが約5%〜約63%の錫と約37%〜約95%の鉛とを含んでなり;上記シャフトと1以上のバーブがニッケルメッキされたチタンを含んでなる、上記方法。 - 請求項16に記載の方法によって製造されるアノード。
- 請求項17に記載の方法によって製造されるアノード。
- 請求項18に記載の方法によって製造されるアノード。
- 請求項19に記載の方法によって製造されるアノード。
- 請求項20に記載の方法によって製造されるアノード。
- a)導電性流体を含む容器と;
b)該導電性流体中の、電気回路に接続されている請求項1に記載のアノードと;
c)該導電性流体中の、電気回路に接続されているカソード:
とを含む電極の配置。 - 前記導電性流動体が、水と少なくとも1つのイオン種とを含んでなる、請求項26に記載の電極の配置。
- 前記導電性流動体が、前記アノード材料由来のイオン種を含んでなる、請求項26に記載の電極の配置。
- 前記カソードが、半導体、セラミックス、シリコン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含んでなる、請求項26に記載の電極の配置。
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