JP2005502772A - 親油性流体を使用する皮革ケア - Google Patents

親油性流体を使用する皮革ケア Download PDF

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Abstract

本発明は、皮革物品を処理するための方法及びシステム、特に皮革物品を処理するための親油性流体システムに関する。さらに詳細には、本発明は、皮革物品の処理前の当初の外観と比較して該皮革物品の外観に損傷を引き起こすことなく皮革物品を処理、例えば洗浄する、処理剤を用いた方法及びシステムに関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、皮革物品を処理するための方法及びシステム、特に皮革物品を処理するための親油性流体システムに関する。さらに詳細には、本発明は、皮革物品の処理前の当初の外観と比較して該皮革物品の外観に損傷を引き起こすことなく皮革物品を処理、例えば洗浄する処理剤を用いた商業的なドライクリーニング方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
皮革物品、特に皮革衣類のような完成皮革物品の洗浄は、従来様々な手段によって実施されてきた。このような手段は種々の形態の拭き取り布、ブラシ、及びその他の局所適用組成物及び/又はシステムを、多くの場合は該組成物及び/又はシステムの性能を増強するために使用される化学添加剤と併せて含む。
【0003】
さらに、浸漬洗浄が皮革物品に実施される。皮革衣類の浸漬洗浄は典型的には局所処理よりも良好な洗浄結果を与える。但し、皮革衣類の浸漬洗浄の実行は、溶媒に誘発される皮革への損傷という欠点を持つ。皮革の洗浄に使用される最も一般的な溶媒は、水及びペルクロロエチレン(PERC)である。水及びPERCに加え、炭化水素ベース及び/若しくは石油ベースのシステム並びに/又はCO2ベースのシステムのような、その他のドライクリーニング溶媒又はシステムを使用してもよい。
【0004】
しかし、皮革物品を洗浄及び/又は処理において望ましい状態にするには、従来全ての方式では欠点が生じる。水及びPERCはいずれも、皮革から加脂剤及び染料を除去し、許容できない硬さ及び/又は変色をもたらすことが知られている。水かPERCを使用することの問題は、当該技術分野において周知である。結果として、水洗浄可能及び/又はドライクリーニング可能な皮革を製造する皮革製造に使用される皮革処理システムの開発に多大な努力が払われてきた。例えば、米国特許第5,501,707号を参照のこと。
【0005】
炭化水素ベース及び/又は石油ベースの溶媒システムは、たいていは除去が困難な、不快な臭気を有する。
【0006】
CO2の使用は、それを効果的に機能させるために高圧が必要であることにより、重大な技術的困難を呈する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、皮革物品、特に皮革衣類のような完成皮革物品を処理及び/又は洗浄するための改善された浸漬洗浄方法が考案されることが非常に望ましい。
【0008】
皮革の浸漬洗浄溶媒として親油性流体(D5のような)を使用することは、特許文献に言及されているが、ユーザーがそれを皮革洗浄に満足できる仕方で使用できるほど十分に詳細に記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、皮革物品、特に皮革衣類のような完成皮革物品の処理(例えば洗浄)のための、上述の従来の皮革処理及び/又は洗浄方法に伴う問題がない方法及び/又はシステム、特に浸漬方法及び/又はシステム(本明細書全体を通して浸漬方法に参照されるが、非浸漬方法もまた本発明に包含される)を提供することによって、上述の長年感じられてきた必要性を満たす。
【0010】
本発明の1つの態様では、皮革物品を親油性流体及び処理剤を含む処理組成物に接触させる工程を含む皮革物品を処理するための方法であって、その際該処理剤が水に不溶性であり、そのため該皮革物品の外観が処理組成物に接触させる前の当初の外観と比較して損なわれないような方法が提供される。
【0011】
本発明の別の態様においては、皮革物品を処理するための方法であって、皮革物品を親油性流体及び処理剤を含む処理組成物と接触させ、その際該処理剤が水に不溶性であり、皮革物品を処理組成物に接触させる前、間及び/又は後に、皮革物品の外観が処理組成物に接触させる前の当初の外観と比較して損傷されないように皮革物品を補充組成物に接触させる工程を含む方法が提供される。
【0012】
本発明の別の態様においては、本発明に記載の方法で処理された皮革物品が提供される。
【0013】
本発明のさらにもう1つの態様では、汚れた皮革物品を、有効量の、好ましくは処理組成物の約0.001重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約3重量%、さらにより好ましくは約0.01重量%〜約1重量%の処理剤を含む処理組成物に接触させることを含む汚れた皮革物品を処理するための方法であって、皮革物品の外観が皮革物品を処理組成物と接触させる前の当初の外観と比較して損傷されることなく、汚れが皮革物品から除去及び/又は低減されるような方法が提供される。
【0014】
本発明のさらに別の態様では、
a.約0.001重量%〜約5重量%の処理剤;
b.約0重量%〜約5重量%の水;
c.約80重量%〜約99.999重量%の親油性流体;
d.任意選択的に、約0重量%〜約5重量%の皮革補助剤を(使用する際に)含む皮革物品処理組成物が提供される。
【0015】
以下を含む処理組成物に皮革物品を接触させる工程を含む、皮革物品を処理するための方法:
a.処理組成物の約0.001重量%〜約5重量%
の処理剤;及び
b.任意選択的に、水;及び
c.任意選択的に、皮革補助剤;及び
d.残部の親油性流体、が提供される。
【0016】
処理組成物が処理剤及び水を合計濃度が処理組成物の約0.001重量%〜約5重量%で含む方法が提供される。
【0017】
本発明のさらに別の態様では、皮革物品を損傷しうる非皮革布地物品処理剤に、非皮革布地物品を接触させることによる非皮革布地物品の処理に、過去に使用されていた装置内で、皮革物品が処理される皮革物品処理方法であって、
a.装置内に存在する皮革物品を損傷しうる非皮革布地物品処理剤を除去及び/又は濃度低下する工程;
b.皮革物品を装置に入れる工程;
c.皮革物品を、親油性流体及び処理剤を含む処理組成物と接触させる工程であって、その際処理剤が水に不溶性であり、そのため皮革物品の外観が処理組成物と接触させる前の当初の外観と比較して損傷されないような工程;及び
d.任意選択的に、工程(c)からの処理された皮革物品を補充組成物に接触させる工程;及び
e.任意選択的に、皮革物品を乾燥する工程;及び
f.任意選択的に、皮革物品を装置から除去する工程を含む方法が提供される。
【0018】
本発明のさらに別の態様では、
a.約1重量%〜約100重量%の処理剤;
b.約0重量%〜約99重量%の水;
c.約0重量%〜約99重量%の親油性流体;
d.任意選択的に、約0重量%〜約99重量%の皮革補助剤を含む消費可能な皮革物品処理組成物(ニート製品)が提供される。
【0019】
本発明の目的は、皮革自体が洗浄方法によって重大な劣化又は損傷を受けない、皮革の浸漬洗浄のための改善された方法を提供することにある。これは、D5及び/又はその他のシロキサン溶媒を含む溶媒システム中で皮革を浸漬洗浄することによって達成される。他の洗浄成分の濃度及び種類が、洗浄システムがD5及び/又はその他のシロキサン溶媒を含むことに加え、本発明の目的を達成するために極めて重要である。本発明のさらなる目的は、性能目標(例えば、洗浄及び衣類の安全)を、容易に及び経済的に使用できるような効率的で単純な手段で達成することである。
【0020】
本発明の第一の態様は、皮革及びスエードをD5及び/又はその他のシロキサン中で洗浄するための好ましい方式であって、皮革からの染料の損失及び他の表面への染料の移行が大幅に減少される方式を提供する。低濃度の水及び特定の界面活性剤が、皮革からの染料の非常に好ましくない損失及びその後に続く洗浄液中の他衣類表面への再付着を引き起こす可能性があることが発見された。重要なことに、水又は界面活性剤のどちらか一方の欠損が、皮脂性汚れの洗浄に重大な影響を与えることはない。
【0021】
本発明は、皮革物品への損傷を避ける皮革物品の洗浄及び/又は処理のための方法並びにこのような方法で使用する組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(定義)
本明細書において「皮革物品」という用語は、該物質が腐敗しないようになめされた又は処理された動物の皮又は皮膚からなる物質を全体又は部分的に含むいかなる物品も意味する。皮革物品の例は、銀面革物品及び/又はスエード革物品である。
【0023】
本明細書において「完成皮革物品」という用語は、消費者(即ち、該完成皮革物品の購入者)に価値を付加する形で加工された(即ち仕上げられた)皮革物品を意味する。完成皮革物品の非限定例としては、皮革衣類(即ち、スカート、コート、パンツ)、皮革服飾品(即ち、ベルト、手袋、バッグ、財布、靴)、及び皮革家具/室内装飾品(即ち、革の椅子、革のソファ、敷布、掛け布、家具のカバー)、防水布等が挙げられる。このような完成皮革物品は、慣習的に、従来の洗濯方法及び/又はドライクリーニング方法で洗浄される。
【0024】
本明細書において、皮革物品への「悪影響」及び/又は「損傷」という用語は、完成皮革物品の物理的及び/又は美観的特性がマイナスの影響を受けることを意味する。このような悪影響は、完成皮革物品の構造及び/又は一体性に起こる、及び/又は完成皮革物品の完成面上に起こる場合がある。完成皮革物品への悪影響の非限定例には、収縮、割れ、変色、しなやかさの損失及び/又は触感の損失が挙げられる。完成皮革物品にいったん悪影響が生じると、所有者が該完成皮革物品の使用を中止又は減らす可能性があることから、該完成皮革物品は一般的に所有者にとっての価値を失う。
【0025】
本明細書で使用される用語「親油性流体」とは、以下でより詳細に記載されるように、皮脂を除去しうるいかなる非水性流体も意味することを意図する。
【0026】
固有用語「D5」は、本明細書で特に指定のない限り、本明細書に記載されているいかなる親油性流体も意味することを意図する。
【0027】
用語「皮革物品洗浄組成物」及び/又は「皮革物品処理組成物」は、本明細書で用いられる時、洗浄及び/又は処理される皮革物品に直接接触されるいかなる組成物も意味し、特に親油性流体含有組成物を意味することを意図する。前記用語は、コンディショニング及びサイジングなどの洗浄以外の用途を包含すると理解されるべきである。さらに、上述の界面活性剤以外の追加の界面活性剤、及び漂白剤などの任意選択的な洗浄補助剤が、「処理組成物」に添加されてもよい。即ち、洗浄補助剤が、親油性流体と任意選択的に組み合わされてもよい。これらの任意の洗浄性補助剤を、以下にさらに詳細に説明する。このような洗浄補助剤は、処理組成物の約0.01重量%〜約10重量%の濃度で本発明の処理組成物中に存在してもよい。
【0028】
用語「汚れ」とは、除去されることが望まれる皮革物品上の不必要なあらゆる物質を意味する。用語「水をベースにした」又は「親水性」汚れとは、最初に皮革物品と接触した時に汚れが水を含んでいたか、又は汚れが皮革物品上で相当な分量の水を保持することを意味する。水をベースにした汚れの例には、限定的ではないが、飲み物、多くの食物汚れ、水溶性染料、汗、尿、又は血液などの体液、草のしみ、及び泥などの戸外の汚れが挙げられる。
【0029】
用語「親油性流体中に水を懸濁しうる」は、ある物質が、成分の最初の混合後少なくとも5分間静置した時に、水が目に見えて懸濁、溶媒和又は乳化した状態を保つ形で、親油性流体と不混和性である水を懸濁、溶媒和又は乳化することができることを意味する。本発明の組成物の幾つかの実施例では、組成物は、コロイドの性質であっても、及び/又は乳濁性に見えてもよい。本発明の組成物の他の実施例では、組成物は透明であってもよい。
【0030】
用語「不溶性」とは、流体物質に添加された時に、剤が、該物質への添加後5分以内に該物質から物理的に分離(即ち、沈殿、凝集、浮揚)し、及び/又は得られる混合物が該物質への添加後少なくとも5分後に目に見えて混濁していることを意味する。
【0031】
用語「親油性流体に可溶性」とは、親油性流体に添加された時に、物質が、添加後5分以内に親油性流体から物理的に分離(即ち、沈殿、凝集、浮揚)せず、及び/又は得られる混合物が該親油性流体への添加後少なくとも5分後に目に見えて透明であることを意味する。
【0032】
用語「可溶化助剤及び/又は可溶化剤」は、流体内での物質の可溶性を増加させる剤を意味する。可溶化剤の非限定例は、アルコール、特にイソプロピルアルコールを含む。
【0033】
用語「消費可能な皮革物品処理組成物」とは、分離した別個の親油性流体と組み合わせた時、本発明の皮革物品処理組成物が得られるいかなる組成物も意味する。
【0034】
用語「加工助剤」とは、消費可能な皮革処理組成物を親油性流体との配合、安定性、及び/又は希釈にさらに好適にし、本発明の処理組成物を形成するいかなる物質も表す。
【0035】
本明細書で使用する時、「混合」という用語は、2つ以上の物質(即ち、流体、より具体的には親油性流体及び消費可能な洗剤組成物)を均一な混合物が形成されるように組み合わせることを意味する。好適な混合方法は、当該技術において既知である。好適な混合方法の非限定的な例には、攪拌混合方法、及び静的混合方法が挙げられる。
【0036】
(皮革物品処理/洗浄組成物)
本発明は、皮革物品からの汚れの洗浄(即ち、汚れの除去及び/又は低減)、及び/又は皮革物品のケア、及び/又は皮革物品の処理の改善を示す組成物を提供する。これらの利益は、本発明の組成物によって処理される皮革物品に送達され得るとともに、処理の結果生じる皮革物品への損傷を防止する。
【0037】
本発明による処理組成物は、親油性流及び処理剤、並びに任意選択的に水を含む。水が処理組成物中に存在する時、処理剤及び水は約1対0〜約1対100の重量比で存在してもよい。任意選択的に、処理組成物はさらに皮革補助剤を含んでもよい。本発明の組成物によって得られる所望の利益に応じて、特に所望の利益が皮革物品から汚れを除去することである場合、組成物を処理/洗浄組成物とみなしてもよい。組成物は、補充組成物とみなしてもよい。処理/洗浄組成物は、相対的に皮革補助剤よりも処理剤を多く有し得る。補充組成物は、相対的に処理剤よりも皮革補助剤、特にコンディショニング剤及び/又は防水剤を多く有し得る。
【0038】
本発明の1つの態様では、組成物は、処理剤及び皮革補助剤、特に防水剤、の両方を含む、1つで2つの機能を持つ組成物(1つの組成物から洗浄及び補充の利益を得る)である。
【0039】
実施形態の1つでは、皮革物品処理組成物は、
a.約0.001%〜約5%の処理剤;
b.約0%〜約2%の水;
c.約85%〜約99.999%の親油性流体;
d.任意選択的に、約0%〜約10%の皮革補助剤を含む。
【0040】
もう1つの実施形態では、処理組成物は、親油性流体処理組成物中で使用した時に、該処理組成物の約0.001重量%〜約2重量%の濃度で処理剤が存在するような濃度の処理剤を含む。
【0041】
さらに別の実施形態では、皮革物品処理組成物は、
a.処理組成物の約0.001重量%〜約1重量%
の処理剤;及び
b.任意選択的に、水;及び
c.任意選択的に、皮革補助剤;及び
d.残部の親油性流体を含む。
【0042】
さらに別の実施形態では、処理組成物は、処理剤及び水を合計濃度で処理組成物の約0.001重量%〜約1重量%、好ましくは約0.001重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約0.05重量%含む。
【0043】
本発明のさらにまた別の実施形態では、本発明の処理組成物は、皮革物品が処理組成物に接触された際に処理されるような有効量の処理剤を含む。典型的には、処理剤は処理組成物の約5重量%〜約0.001重量%又は約3重量%〜約0.001重量%又は約1重量%〜約0.005重量%又は約0.5重量%〜約0.005重量%又はさらに約0.05重量%〜約0.005重量%の濃度で処理組成物中に存在する。
【0044】
処理組成物はさらに、処理剤が少なくとも部分的に親油性流体及び/又は水に可溶になるような、処理剤のための可溶化助剤を含んでもよい。
【0045】
消費可能な皮革物品処理組成物は、
a.約10重量%〜約100重量%の処理剤;
b.約0重量%〜約60重量%の水;
c.約0重量%〜約80重量%の親油性流体;
d.任意選択的に、約10重量%〜約80重量%の皮革補助剤を含んでもよい。
【0046】
(親油性流体)
本明細書の親油性流体は、布地/皮物品処理機器の運転条件下で、換言すれば、本発明の布地物品の処理中に、液相が存在するものである。一般的に、このような親油性流体は周囲温度及び圧力において完全に液体であることができ、容易に融解する固体、例えば約0℃〜約60℃の範囲の温度で液体になるものであることができ、又は例えば25℃及び1気圧の周囲温度及び圧力において液相及び蒸気相の混合物を含むことができる。したがって、親油性流体は、二酸化炭素のような圧縮性気体ではない。
【0047】
本明細書の親油性流体は、既知の慣用的なドライクリーニング流体の性質と等しい、又は好ましくはそれを上回る不燃性を有するか又は比較的高い引火点及び/若しくは低VOC(揮発性有機化合物)性を有することが好ましく、これらの用語はドライクリーニング産業で使用されるような慣用的な意味を有する。
【0048】
さらに、本明細書の好適な親油性流体は、流動し易く、粘性ではない。
【0049】
一般に、本明細書の親油性流体は、本発明書で後述する試験の中で定義されるように、皮脂又は身体の汚れを少なくとも部分的に溶解しうる流体であることが必要である。親油性流体の混合物もまた好適であり、以下に記載される親油性流体試験の要件が満たされることを条件として、親油性流体は、任意の分率のドライクリーニング溶媒、特にフッ素化溶媒、又は過フッ素化アミンを含む、より新しい種類のものを含むことができる。パーフルオロトリブチルアミンのような一部の過フッ素化アミンは、親油性流体として使用するには適さないが、親油性流体含有組成物中に存在し得る多くの潜在的な補助剤の1つとして存在してよい。
【0050】
他の好適な親油性流体には、以下に限定されないが、ジオール溶媒系、例えば、C6−若しくはC8−などの高級ジオール、又はさらに高級のジオール、環状及び非環状型の両方を含む有機シリコーン溶媒等、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0051】
本発明の組成物の主成分として組み込むのに好適な非水性親油性流体の好ましい群には、低揮発性非フッ素化有機物、シリコーン、特にアミノ官能性シリコーン以外のもの、及びこれらの混合物が挙げられる。低揮発性非フッ素化有機物には、例えばオレアン(OLEAN)(登録商標)及びその他のポリオールエステル、又は特定の比較的非揮発性の生分解性中鎖分枝状石油留分が含まれる。
【0052】
本発明の組成物の主構成成分として組み込むのに好適な非水性親油性流体の別の好ましい群には、以下に限定されないが、グリコールエーテル、例えば、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールt−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテルが挙げられる。組成物の主成分として、例えば、50%を超過して用いられる好適なシリコーンには、「D5」と称されることもあるシクロペンタシロキサン、及び/又はほぼ同様の揮発性を有し、任意に他の適合性のシリコーンにより補完される直鎖類似体が挙げられる。好適なシリコーン類は、文献で周知であり、例えば、カークオスマーの工業化学百科事典を参照されたい。そして、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)、東芝シリコーン(株)、バイエル(Bayer)、及びダウ・コーニング(Dow Corning)を含む多数の民間の供給源から入手可能である。他の好適な親油性流体が、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble)、又はダウ・ケミカル(Dow Chemical)、及び他の供給元から購入可能である。
【0053】
(親油性流体の適格性及び親油性流体試験(LF試験))
ドライクリーニング流体に対する既知の要求(例えば、引火点など)を満たし得るとともに、下記の試験法に示されるように少なくとも部分的に皮脂を溶解しうるいかなる非水性流体も、本明細書の親油性流体として好適である。一般指針としてパーフルオロブチルアミン(フロリナート(Fluorinert)FC−43(登録商標))はそれ自体(補助剤とともに、又は補助剤なしで)が標準物質であり、定義上は本明細書で使用される親油性流体として好適でない(本質的に非溶媒である)が、一方でシクロペンタシロキサンは好適な皮脂溶解特性を有し、皮脂を溶解させる。
【0054】
以下は親油性流体として使用する他の物質、例えば、他の低粘度、自由流動性シリコーンの調査及び適格性認定方法である。この方法は、皮脂に関するモデルの汚れとして、市販品として入手可能なクリスコ(Crisco)(登録商標)キャノーラ油、オレイン酸(純度95%、シグマ・アルドリッチ社(Sigma Aldrich Co.)から入手可能)及びスクアレン(純度99%、J.T.ベーカー(J.T.Baker)から入手可能)を使用する。試験物質は、評価中、実質的に無水であり、いずれの添加補助剤も他の材料も含んでいてはならない。
【0055】
3本のバイアル瓶を用意し、各バイアル瓶に一種類の親油性汚れを入れる。第一のバイアル瓶にキャノーラ油1.0gを入れ、第二のバイアル瓶にオレイン酸(95%)1.0gを入れ、最後の第三のバイアル瓶にスクアレン(99.9%)1.0gを入れる。各バイアル瓶に、親油性を試験する流体を1g入れる。室温及び常圧で標準的な攪拌混合機において最大設定で20秒間、試験される親油性汚れ及び流体を含有する各バイアル瓶を個別に混合する。バイアル瓶を作業台に載置し、室温及び常圧で15分間安定させる。静止した時に、親油性汚れの入ったいずれかのバイアル瓶に透明な単一相が形成された場合は、その非水性流体は、本発明による「親油性流体」として使用するに好適であるとみなされる。しかし、3本のバイアル瓶全部に2つ以上の分離相が形成されている際には、非水性流体が適切なものとして拒絶する又は容認する前に、油相中に溶解される非水性流体の量をさらに測定する必要がある。
【0056】
このような場合には、注射器により、各バイアル瓶の各層から200μlのサンプルを注意深く抜き取る。各3つのモデル、汚れ及び試験される流体の較正サンプルの保持時間の決定後、注射器で抜き取った層のサンプルをGCオートサンプラーバイアル瓶に入れ、慣用的なGC分析にかける。オレイン酸層、キャノーラ油層、又はスクアラン層からなる層のいずれか1つに、試験流体が1%を超えて、好ましくはより多く、存在することがGCで見つかった場合には、その試験流体も親油性流体として使用するのに適切であるとみなされる。必要であれば、方法はヘプタコサフルオロトリブチルアミン、つまりフルオリネート(Fluorinert)FC−43(不合格)及びシクロペンタシロキサン(合格)を使用してさらに較正することができる。好適なGCは、スプリット/スプリットレス注入器及びFIDを装備したヒューレットパッカード(Hewlett Packard)のガスクロマトグラフHP5890シリーズIIである。親油性流体存在量を決定するのに使用する好適なカラムは、J&Wサイエンティフィック社(J&W Scientific)の、30メートル、内径0.25mm、0.1umのフィルム厚、カタログ番号1221131のキャピラリーカラムDB−1HTである。GCは以下の条件下で操作されるのが好適である:
【表1】
Figure 2005502772
【0057】
本明細書で使用するのに好適な好ましい親油性流体を、優れた衣類ケア特性を有することに基づいて、使用のためにさらに格付けすることができる。衣類ケア特性試験は当該技術分野において周知であり、継ぎ目等、及び様々なボタンに使用される布地、糸及びゴムひもが挙げられる幅広い範囲の衣類又は布地物品構成要素を使用して格付けされる流体を試験することを含む。本明細書に用いるのに好ましい親油性流体は、優れた衣類ケア特性を有する、例えば、良好な収縮及び/又は布地ひだ寄せ特性を有し、プラスチックボタンに目立った損傷を与えない。例えばエチルラクテートのような、皮脂の除去において親油性流体として使用するのが適格である特定の物質は、ボタンを溶解する傾向があるために極めて好ましくなく、そのような物質が本発明の組成物中に使用される場合、混合物全体が実質的にボタンに損傷を与えないように、水及び/又は他の溶媒と配合される。他の親油性流体、D5は、例えば、衣類ケアの要件を極めて良く満たす。幾つかの好適な親油性流体は、付与された米国特許第5,865,852号、第5,942,007号、第6,042,617号、第6,042,618号、第6,056,789号、第6,059,845号、及び第6,063,135号の中に見出されるであろうが、これらは本明細書に参考として組み入れられる。
【0058】
親油性流体には、直鎖及び環状ポリシロキサン、炭化水素、及び塩素化炭化水素などを挙げることが出きるが、本明細書で使用される親油性流体の定義によって明確に含まれないPERC及びDF2000は例外とする。より好ましいのは直鎖及び環状ポリシロキサン、及びグリコールエーテル、アセテートエステル、ラクテートエステル類の炭化水素である。好ましい親油性流体には、760mmHgにおいて約250℃未満の沸点を有する環状シロキサンが挙げられる。本発明で使用する特に好ましい環状シロキサンは、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン及びドデカメチルシクロヘキサシロキサンである。好ましくは、環状シロキサンはデカメチルシクロペンタシロキサン(D5、ペンタマー)を含み、実質的にオクタメチルシクロテトラシロキサン(テトラマー)及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン(ヘキサマー)を含まない。
【0059】
しかしながら、有用な環状シロキサン混合物は好ましい環状シロキサンに加えて微量の他の環状シロキサンも含有する可能性があることが理解されるべきであり、こうした他の環状シロキサンには、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、又はテトラデカメチルシクロヘプタシロキサンのようなより高級な環状物が挙げられる。一般的に、有用な環状シロキサン混合物中のこれら他の環状シロキサンの量は、混合物の全体の約10重量%未満である。環状シロキサン混合物の工業規格では、このような混合物は混合物の約1重量%未満のオクタメチルシクロテトラシロキサンを含む。
【0060】
したがって、本発明の親油性流体は、親油性流体の好ましくは約50重量%超過、より好ましくは約75重量%超過、さらにより好ましくは少なくとも約90重量%、最も好ましくは少なくとも約95重量%のデカメチルシクロペンタシロキサンを含む。あるいは、親油性流体は、混合物の約50重量%超過、好ましくは約75重量%超過、さらに好ましくは少なくとも約90重量%、最も好ましくは少なくとも約95重量%〜約100重量%までのデカメチルシクロペンタシロキサン、並びに混合物の約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、より好ましくは約2重量%未満、さらにより好ましくは約1重量%未満、最も好ましくは約0.5重量%未満〜約0重量%までのオクタメチルシクロテトラシロキサン及び/又はドデカメチルシクロヘキサシロキサンを有する環状シロキサンの混合物であるシロキサンを含み得る。
【0061】
親油性流体の濃度は、本発明の処理組成物中に存在する場合、好ましくは処理組成物の約70重量%〜約99.99重量%、さらに好ましくは約90重量%〜約99.9重量%、さらにより好ましくは、約95重量%〜約99.8重量%である。
【0062】
親油性流体の濃度は、本発明の消費可能な皮革物品処理/洗浄組成物中に存在する場合、好ましくは消費可能な皮革物品処理/洗浄組成物の約0.1重量%〜約90重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約75重量%、及びさらにより好ましくは約1重量%〜約50重量%である。
【0063】
(処理剤)
本発明の処理組成物に用いるのに好適な処理剤には、界面活性剤、その他の洗浄剤、及びその他の有益剤が挙げられるがこれらに限定されない。
【0064】
実施形態の1つでは、処理剤は水に不溶性である。もう1つの実施形態では、処理剤は水に不溶性であるが、親油性流体に可溶性である。さらに別の実施形態では、処理剤は水に不溶性であり、親油性流体に可溶性であり、及び約1〜約9又は約1〜約7又は約1〜約5のHLBを有する。
【0065】
処理剤は、水に不溶性であるが、疎水性成分及び親水性成分を有してもよい。疎水性成分は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非値置換炭化水素及び/又はシロキサン部分並びにこれらの混合物から成る群から選択される疎水性部分を含んでもよい。親水性成分は、アルコキシレート(即ち、エトキシレート、プロポキシレート、ブトキシレート等)、カルボキシレート、ヒドロキシ、カルボニル、アミン、スルホネート、スルフェート、アミンオキシド及びホスフェート部分並びにこれらの混合物から成る群から選択される親水性部分を含んでもよい。
【0066】
処理剤は、以下の特性の1又はそれ以上を具備してもよい。
【0067】
a.プロポキシ又はそれより大きなアルコキシ基;
b.エトキシ基対プロポキシ又はそれより大きなアルコキシ基のモル比が約1:1未満、好ましくは約2:5未満、より好ましくは約1:5未満、さらにより好ましくは約1:10未満;
c.シリコン部分;
d.約9未満、好ましくは約7未満、より好ましくは約5未満のHLB;
e.OH置換基;
f.荷電置換基を含まない;
g.窒素含有部分がない;及び
h.これらの組み合わせ。
【0068】
処理剤は次の式を有してもよい。
【0069】
R−X
式中Rは、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の炭化水素部分であり、Xはプロポキシ又はそれより大きなアルコキシ基である。
【0070】
さらに別の実施形態では、処理剤は水に不溶性であり、及び親油性流体に不溶性である。さらに別の実施形態では、処理剤は可溶化剤とともに、親油性流体及び/又は水に少なくとも部分的に可溶性である。可溶化剤の実施形態において、処理剤は処理組成物の約0.001重量%〜約5重量%、又は約0.001重量%〜約3重量%又は約0.001重量%〜約1重量%の濃度で処理組成物中に存在する。
【0071】
1つの分類の物質には、シロキサンをベースにした界面活性剤(シロキサンをベースにした物質)を含むことができる。この用途のシロキサンをベースにした界面活性剤は、他の用途向けのシロキサンポリマーであってよい。シロキサンをベースにした界面活性剤の重量平均分子量は、典型的には、500〜20,000である。ポリ(ジメチルシロキサン)に由来するこのような物質は、当該技術分野において周知である。本発明では、このようなシロキサンをベースにした界面活性剤全てが好適であるとは限らないが、それは、これらが親油性流体自体によって提供される洗浄のレベルと比較して、改善された汚れの洗浄を提供しないためである。
【0072】
シロキサンをベースにした好適な界面活性剤は、次式:
D’D”M’2〜a
を有するポリエーテルシロキサンを含み、式中aは、0〜2であり;bは0〜1000であり;cは0〜50であり;dは0〜50であり、但しa+c+dは少なくとも1であり、;
Mは、R 3〜eSiO1/2であり、式中Rは独立して、H、又は一価の炭化水素基であり、Xはヒドロキシル基であり、eは0又は1であり;
M’は、R SiO1/2であり、式中、Rは、独立して、H、一価の炭化水素基、又は(CH−(CO−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、但し、少なくとも1つのRが(CH−(CO−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、式中Rは、独立して、H、一価の炭化水素基、又はアルコキシ基であり、fは1〜10であり、gは0又は1であり、hは1〜50であり、iは0〜50であり、jは0〜50であり、kは4〜8である;
Dは、R SiO2/2であり、式中、Rは、独立して、H又は一価の炭化水素基であり;
D’はR SiO2/2であり、式中、Rは独立にRであり、但し、少なくとも1つのRは、(CH−(CO−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、式中、Rは独立してH、一価の炭化水素基、又はアルコキシ基であり、fは1〜10であり、gは0又は1であり、hは1〜50であり、iは0〜50であり、jは0〜50であり、kは4〜8であり;
D”は、R SiO2/2であり、式中、Rは、独立してH、一価の炭化水素基、又は(CH(C(A)−[(L)−(A’)−]−(L’)Z(G)であり、式中、lは1〜10であり、mは0又は1であり、nは0〜5であり、oは0〜3であり、pは0又は1であり、qは0〜10であり、rは0〜3であり、sは0〜3であり、Cは、非置換又はC1〜10アルキル若しくはアルケニルで置換されており、A及びA’は、それぞれ独立して連結部分であって、エステル、ケト、エーテル、チオ、アミド、アミノ、C1〜4フルオロアルキル、C1〜4フルオロアルケニル、分枝鎖若しくは直鎖ポリアルキレンオキシド、ホスフェート、スルホニル、サルフェート、アンモニウム、及びこれらの混合物を表し、L及びL’は、それぞれ独立して、非置換又は置換の、C1〜30直鎖若しくは分枝鎖アルキル又はアルケニル又はアリールであり、Zは、水素、カルボン酸、ヒドロキシ、ホスフェート、ホスフェートエステル、スルホニル、スルホネート、サルフェート、分枝鎖又は直鎖ポリアルキレンオキシド、ニトリル、グリセリル、非置換又はC1〜30アルキル若しくはアルケニルで置換されているアリール、非置換又はC1〜10アルキル若しくはアルケニル又はアンモニウムで置換されている炭水化物であり、Gは、H、Na、Li、K、NH 、Ca+2、Mg+2、Cl、Br、I、メシラート、若しくはトシラートなどの陰イオン又は陽イオンである。
【0073】
シロキサンをベースにした前述の界面活性剤の種類の例は、EP−1043443A1、EP−1041189、及びPCT国際公開特許WO01/34,706(全てGEシリコーンズ(GE Silicones)に発行)、及び米国特許第5,676,705号、米国特許第5,683,977号、米国特許第5,683,473号、及びEP−1092803A1(全てリーバー・ブラザーズ(Lever Brothers)に発行)に見出すことができる。
【0074】
処理剤は、本発明の皮革物品処理/洗浄組成物中に存在する場合、好ましくは皮革物品処理/洗浄組成物の約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.02重量%〜約5重量%、さらにより好ましくは約0.05重量%〜約2重量%含まれる。
【0075】
処理剤は、本発明の消費可能な皮革物品処理/洗浄組成物中に存在する場合、好ましくは該消費可能な皮革物品処理/洗浄組成物の約1重量%〜約99重量%、より好ましくは約2重量%〜約75重量%、さらにより好ましくは約5重量%〜約60重量%含まれる。
【0076】
好適な処理剤の非限定例としては、ダウ・コーニング(Dow Corning)よりダウ・コーニング(Dow Corning)1248などの商標名で市販されている処理剤、並びにオレイン酸及び以下のやや好ましさは低いがなお好適なSF1528、DC5225C及びDCQ43667、及びウィトコ(Witco)よりL8620、L7210、L7220などの商標名で市販されているシルウエット(Silwet)が挙げられる。
【0077】
(水)
任意選択的に、本発明による組成物は水を含有してもよい。
【0078】
水は、本発明の皮革物品処理/洗浄組成物中に存在する場合、好ましくは皮革物品処理組成物の約0.001重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.005重量%〜約5重量%、さらにより好ましくは約0.01重量%〜約1重量%含まれる。
【0079】
水は、本発明の消費可能な皮革物品処理/洗浄組成物中に存在する場合、好ましくは該消費可能な皮革物品処理/洗浄組成物の約0重量%〜約80重量%、より好ましくは約1重量%〜約75重量%、さらにより好ましくは約5重量%〜約40重量%含まれる。
【0080】
水が存在する場合、消費可能な皮革物品処理組成物中に存在するのでなく、皮革物品処理組成物を形成するために皮革物品処理装置に別に添加されてもよい。
【0081】
(皮革補助剤)
本発明の処理組成物は、任意選択的に皮革補助剤を含む。皮革補助剤の非限定例には、コンディショニング剤(加脂剤を含む)、香料、防水剤、移染防止剤、染料固着剤、及びなめし剤が挙げられる。
【0082】
(コンディショニング剤)
シリコーン化合物は、その潤滑能力において周知である。未変性PDMS(ポリジメチルシロキサン)又はオルガノPDMSのいずれかを本発明に使用することができる。非限定例には、GEのCM2233、SM2658、又はダウ・コーニング(Dow Corning)51が挙げられる。さらに、Osiスペシャルティズ(Osi Specialties)よりシルウェット(SILWET)−7500の商標名で入手可能なポリアルキレンオキシド変性ポリジメチルシロキサンも、本発明の処理組成物に使用することができる。
【0083】
加脂剤は、従来的になめし業で皮革を柔軟にするために使用されている。加脂剤は一般に、植物性、動物性及び海産脂肪又はこれらのブレンドである。加脂剤は、多くの場合において水性媒質に均一に分散され、皮革に効果的に浸透できるよう、部分的に硫酸化又はスルホン化される。時として、油を乳化するために界面活性剤が添加される。加脂剤の非限定例は、ケムタン社(Chemtan Co.)によるケモール(Chemol)45及びケモール(Chemol)130である。
【0084】
特に有効な加脂剤の1つの分類は、アミドカルボキシシリコーン(米国特許第6,110,230号、BASF参照)であり、溶媒又は洗浄流体が主にD5からなる浸漬洗浄方法で皮革の加脂剤及び/又は防水剤に従来のシリコーン(アミノシリコーン)の代わりに使用されている。これらは防水剤として本発明に使用されてもよい。
【0085】
好適なフッ化炭素ポリマーには、三菱インターナショナル(Mitsubishi International Corp.)のリパール(Repearl)F84、リパール(Repearl)F89及びリパール(Repearl)F3700フルオロポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。
【0086】
コンディショニング剤として有用な好適な四級アンモニウム化合物には、ジタロージメチルアンモニウムクロリドが挙げられるがこれらに限定されない。
【0087】
市販のレシチン、又はリン脂質化合物は、皮革を柔軟化及び硬化するために使用される。これは、加脂工程中に加脂化合物の浸透を助けるための乳化剤としても使用できる。このような物質の非限定例は、セントラル・ソヤ・カンパニー(Central Soya Company)から市販されているセントロレン(Centrolene)A及びセントロフェーズ(Centrophase)HR2Bである。
【0088】
好適な脂肪酸のスクロールエステルを、靴の表面、特に皮革を含有する靴の表面を潤滑するための人工脂肪として使用できる。
【0089】
コンディショニング剤は、洗浄剤(1つで2つの機能を持つ)の一部として適用するか、又は別に添加することができる。別に適用する時、コンディショニング剤は、本発明の方法にしたがって皮革物品を処理する前に皮革物品に適用される予備処理組成物として添加できる。さらに、1又はそれ以上のコンディショニング剤が、皮革物品の処理の間(即ち、「洗浄を通じて」)にコンディショニング剤を含有する処理組成物を介して皮革物品に適用されてもよい。さらにまた、1又はそれ以上のコンディショニング剤が皮革物品の処理後に皮革物品に適用されてもよい(即ち、後処理)。
【0090】
皮革補助剤の送達方法は、本方法での有効及び効率的な使用に重要である。好ましい送達方式は、D5処理溶液を通じることである。したがって、皮革補助剤は、D5中で有効に送達されるようにD5に可溶性又は分散性であることがさらに好ましい。
【0091】
一般に、皮革補助剤は処理組成物とともに送達されるか、又は処理組成物の前若しくは後に送達されるか、又はこれら3通りのすべて若しくはいずれかの組合わせであってもよい。
【0092】
すすぎ方法は、主洗浄に送達されたいかなる皮革補助剤も除去するのに十分強力である可能性がある。したがって、すすぎに皮革補助剤を包含することが望ましい場合がある。
【0093】
あるいは、洗浄方法の前又は後のいずれかに、有益剤を皮革衣類に適用してもよい。
【0094】
(防水剤)
本発明の組成物は、防水剤も含んでもよい。好適な防水剤の非限定例には、BASFから市販されているデンソドリン(Densodrin)SI;ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)から市販されているラブリタン(Lubritan)AS;エポキシシリコーン、特にGEシリコーンズ(GE Silicones)からUV9400及びUV9315の商標名で市販されているものが挙げられる。防水剤はコンディショニング剤としても機能してよい。防水剤の機能は、それがいつ使用されるか及び得られる所望の利益に依存する。例えば、デンソドリン(Densodrin)SI及びラブリタン(Lubritan)ASは、本発明による防水剤並びにコンディショニング剤の両方として機能し得る。
【0095】
(香料)
本発明の組成物は、1つ以上の香料を含んでもよい。好適な香料は、親油性流体に可溶性である。実施形態の1つでは、組成物は、親油性流体の約10重量%までの親油性流体に可溶性の香料を含む。
【0096】
(本発明の方法)
界面活性剤及び水は、多くの場合、非皮革衣服の親油性流体洗浄に使用される。本発明の皮革ケア及び/又は洗浄方法で卓越した性能を提供するには、皮革物品を再生した親油性流体に接触させる前に、残留する水及び/又は界面活性剤のような汚染物質を該親油性流体から除去及び/又は低減することが望ましい。該方法は、洗浄前のシステムの清浄性を確保するため、蒸留又は別の方法で精製した親油性流体で、存在しうる汚染物質(水、界面活性剤、その他)から、ラインのプライミング及びドラムのすすぎを行う工程を含むことができるとさらに考えられる。
【0097】
実施形態の1つでは、皮革物品を損傷しうる非皮革布地物品処理剤に、非皮革布地物品を接触させることによる非皮革布地物品の処理に、過去に使用されていた装置内で、皮革物品が処理される皮革物品処理方法が提供され、前記方法が:
a.装置内に存在する皮革物品を損傷しうる非皮革布地物品処理剤を、除去及び/又は濃度低下する工程;
b.皮革物品を装置に入れる工程;
c.皮革物品を、親油性流体及び処理剤を含む処理組成物と接触させる工程であって、その際処理剤が水に不溶性であり、そのため皮革物品の外観が処理組成物に接触させる前の当初の外観と比較して損傷されないような工程;及び
d.任意選択的に、工程(c)からの処理された皮革物品を補充組成物に接触させる工程;及び
e.任意選択的に、皮革物品を乾燥する工程;及び
f.任意選択的に、皮革物品を装置から除去する工程を含む。
【0098】
処理方法は、少なくとも1分、より好ましくは10分、及びさらにより好ましくは20分であるが、90分を超えない、より好ましくは40分を超えない洗浄時間を使用する。処理システムへの暴露が長いことによる利益は周知である。しかし、前記利益は、洗浄機内の過度の機械的攪拌によって生じる皮革への損傷の可能性に対して釣り合いをとらなければならない。一般に、長い洗浄時間は、より緩やかな攪拌とともに使用できる。
【0099】
洗浄剤が皮革の表面上又は皮革内に残らないことが望ましい場合がある。この場合、処理組成物での皮革の処理の後、親油性流体及び好ましくは皮革補助剤での処理を行うのが好ましい。
【0100】
皮革をすすぎ有り又は無しで処理した後、D5が衣類から実質的に除去されなければならない。皮革をD5で処理する場合のように、本発明の目的が達せられるような皮革の乾燥方法の十分な記載はない。
【0101】
典型的には、皮革(特に衣類又はその他の衣服物品)がD5中でドライクリーニングされる時、該皮革は目に見えるD5残留物又はD5臭が残らない濃度まで乾燥(D5を除去)されなければならない。皮革のD5乾燥は、主にその高い沸点により、D5の水乾燥と比較して遅くなり得る。他の衣類の種類(例えば木綿)は、D5乾燥に必要な温度が皮革よりも低い。しかし、多くの他の布地と異なり、皮革は特に熱の影響を受け易い。植物及び(より低い程度で)合成物でなめされた皮革は、クロムでなめされた皮革よりも温度の影響を受け易い。したがって、本発明の目的を達成するには、乾燥が、皮革への損傷を伴わずに素早く皮革が乾燥されるように実施されることが不可欠である。
【0102】
したがって、皮革衣類を乾燥するための好ましい方法が与えられ、その際乾燥機温度は約25℃〜約75℃、より好ましくは35℃〜65℃である。減圧は、満足できる乾燥結果を達成するために必要な温度範囲を低下するため又は逆に所与の温度で乾燥時間を短縮するためにも好ましい。同様に好ましい変形は、皮革が空気加熱を通じて加熱される場合よりも効果的に乾燥されるように、最終サイクルで皮革に接触させるD5が予備加熱されることである。これは、通風若しくは真空乾燥又はこれら2つの組み合わせと合わせると特に有用である。
【0103】
上述のように、同じ乾燥機温度でD5の蒸気圧は水の蒸気圧より低いため、D5処理した皮革の乾燥は、水処理した皮革の乾燥と比較して遅い。したがって、水はD5よりも素早く皮革から除去される。水は皮革の重要要素であり、水の過剰な除去は、皮革を大きく破損し得る。したがって、皮革を低濃度のD5まで乾燥することは、皮革を損傷し得る濃度の水まで皮革を水乾燥する可能性がある。これは、冬のような相対湿度が低い状況又は冷却方法が相対湿度を低下する空調された建物において特に問題になり得る。この問題を低減又は改善するため、皮革をD5(又は沸点が水の沸点以上の任意の溶媒系)で洗浄するための方法であって、水が非破壊的な手段で皮革に補充される。前記方式は、水の除去がわずかな速度まで減少又は減速されるように乾燥機内の水の蒸気圧を適切に維持すること又は乾燥方法中若しくは乾燥方法後に皮革をミスト/蒸気処理することを含み得る。同様に、水の損失(部分的又は完全に)は、皮革を加脂剤又はその他の皮革コンディショニング剤で処理することによって改善される。一般に、水の損失は加脂剤又はその他のコンディショニング剤の添加によって完全に回復できる見込みがないことが認識されている。むしろ、加脂剤の使用は水の完全な補充の必要性を低下し、その結果方法をより柔軟で実施し易くすることができる。
【0104】
類似の改善は、乾燥方法のさらに別の改善で考慮される。上述のように、皮革(特に衣類又はその他の衣服物品)がD5中でドライクリーニングされる時、該皮革は、目に見える残留物又は臭気が残らない濃度まで乾燥(D5を除去)されなければならない。過熱又は過乾燥しないための「停止」デバイス、装置又は機構を設けることが簡便である。多くの場合、(木綿、レーヨン、ポリエステル、絹等の)布地のD5乾燥では、D5センサーは濃縮された塊のD5を検出する。皮革は一般的に上述の一般的な布地よりもはるかに遅くD5乾燥することから、乾燥機は皮革からのD5の低速の放出により早期に停止する可能性がある。即ち、乾燥機は所望の濃度のD5乾燥が達成される前に停止する。同様に、停止デバイスを用いない乾燥は、水が多く除去されすぎて皮革を損傷する可能性のある過乾燥も招く。したがって、皮革を乾燥するためのさらに別の好ましい方法は、布地衣類に一般的に使用されるよりも低濃度でD5を検出するD5検出システムを利用する。典型的には、検出器及び停止システムは1000ppm〜0.01ppm、好ましくは100ppm〜0.1ppm及びより好ましくは50ppm〜1ppmのD5を検出することが好ましい。
【0105】
皮革物品は、最適でない溶液又は皮革に有害な溶液が存在するシステムで処理される可能性があることから、D5が精製され及びシステムから皮革に有害な溶液が除去された方法が非常に望ましい。このような方法は、洗浄前のシステムの清浄性を確保するため、存在しうる汚染物質からのラインのプライミング及びドラムのすすぎを行う工程を含むことができる。
【0106】
処理方法は、少なくとも1分、より好ましくは10分、及びさらにより好ましくは20分であるが、90分を超えない、より好ましくは40分を超えない接触時間も使用する。
【0107】
染料を捕捉するために炭素フィルタを利用する、皮革及びスエード衣類を処理するための方法も使用してもよい。起こり得る衣類への染料移行を最小限に抑えるため、フィルタは洗浄サイクル全体を通して連続的に用いられることが好ましい。
【実施例】
【0108】
(実施例1)
以下は、本発明による皮革物品処理組成物の非限定例である。
【表2】
Figure 2005502772
【0109】
(実施例2)
以下は、本発明による消費可能な皮革物品処理組成物の非限定例である。
【表3】
Figure 2005502772

Claims (18)

  1. 皮革物品を親油性流体、好ましくはシロキサン、及び処理剤を含む処理組成物に接触させる工程を含む皮革物品を処理するための方法であって、前記処理剤が水に不溶性であり、前記皮革物品の外観が、処理組成物に接触させる前の当初の外観と比較して損傷されないような方法。
  2. 前記処理組成物がさらに、親油性流体及び/又は水が処理組成物中に存在する場合は、親油性流体及び/又は水に処理剤が少なくとも部分的に可溶になるような処理剤用の可溶化助剤を含み、処理剤が以下の特性の1又はそれ以上を含む、請求項1に記載の方法。
    a.プロポキシ又はそれより大きなアルコキシ基;
    b.エトキシ基対プロポキシ又はそれより大きなアルコキシ基のモル比が約1:1未満;
    c.シリコン部分;
    d.約9未満のHLB;
    e.OH置換基;
    f.荷電置換基を含まない;
    g.窒素含有部分がない;及び
    h.これらの組み合わせ。
  3. 前記処理組成物が、水並びに/又は、香料、防水剤、移染防止剤、染料固着剤、コンディショニング剤、なめし剤及びこれらの混合物から成る群から選択される皮革補助剤をさらに含み、好ましくは水が存在する時、処理剤及び水が処理組成物中に約1対0〜約1対100の重量比で存在する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記処理剤が、次の式を有する請求項1に記載の方法:
    R−X
    式中Rは、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の炭化水素部分であり、Xはプロポキシ又はそれより大きなアルコキシ基である。
  5. 前記処理剤が、次の式を有する請求項1に記載の方法:
    D’D”M’2〜a
    式中、aは0〜2であり、bは0〜1000であり、cは0〜50であり、dは0〜50であり、但しa+c+dは少なくとも1であり;
    Mは、R 3〜eSiO1/2であり、式中Rは独立して、H、又は一価の炭化水素基であり、
    Xはヒドロキシル基であり、eは0又は1であり;
    M’は、R SiO1/2であり、式中Rは、独立してH、一価の炭化水素基、又は(CH−(CO−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、但し少なくとも1つのRは(CH−(CO−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、その際Rは独立してH、一価の炭化水素基又はアルコキシ基であり、fは1〜10、gは0又は1、hは1〜50、iは0〜50、jは0〜50、kは4〜8であり;
    Dは、R SiO2/2であり、式中、Rは独立にH又は一価の炭化水素基であり;
    D’はR SiO2/2であり、式中、Rは独立してRであり、但し、少なくとも1つのRは、(CH−(CO−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、式中、Rは独立してH、一価の炭化水素基、又はアルコキシ基であり、fは1〜10であり、gは0又は1であり、hは1〜50であり、iは0〜50であり、jは0〜50であり、kは4〜8であり;
    D”は、R SiO2/2であり、式中、Rは独立してH、一価の炭化水素基、
    又は(CH(C(A)−[(L)−(A’)−]−(L’)Z(G)であり、式中、lは1〜10であり、mは0又は1であり、nは0〜5であり、oは0〜3であり、pは0又は1であり、qは0〜10であり、rは0〜3であり、sは0〜3であり、Cは、非置換又はC1〜10アルキルもしくはアルケニルで置換されており、A及びA’は、それぞれ独立して連結部分であって、エステル、ケト、エーテル、チオ、アミド、アミノ、C1〜4フルオロアルキル、C1〜4フルオロアルケニル、分枝鎖若しくは直鎖ポリアルキレンオキシド、ホスフェート、スルホニル、サルフェート、アンモニウム、及びこれらの混合物を表し、L及びL’は、それぞれ独立して、非置換又は置換の、C1〜30直鎖若しくは分枝鎖アルキル又はアルケニル又はアリ−ルであり、Zは、水素、カルボン酸、ヒドロキシ、ホスフェート、ホスフェートエステル、スルホニル、スルホネート、サルフェート、分枝鎖又は直鎖ポリアルキレンオキシド、ニトリル、グリセリル、非置換又はC1〜30アルキル若しくはアルケニルで置換されているアリール、非置換又はC1〜10アルキル若しくはアルケニル又はアンモニウムで置換されている炭水化物であり、Gは、H、Na、Li、K、NH 、Ca+2、Mg+2、Cl、Br、I、メシラート、若しくはトシラートなどの陰イオン又は陽イオンである。
  6. 前記処理剤がキャリアに放出可能に結合しており、好ましくはキャリアが不織布シートの形態である、請求項1に記載の方法;及び/又は
  7. 前記処理組成物が、処理剤、親油性流体及び水から成る群から選択されるその場成分によってその場で形成され、好ましくはその際その場成分の1又はそれ以上がキャリアによって送達される、請求項3に記載の方法。
  8. 前記処理剤が疎水性成分及び親水性成分を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記皮革物品が完成皮革物品である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記方法がさらに皮革物品を補充組成物に接触させる工程を含み;好ましくはその際皮革物品を補充組成物に接触させる工程は皮革物品を処理組成物に接触させる工程の後に続き、及び/又は好ましくはその際処理した皮革物品を補充組成物に接触させる工程が実質的に皮革物品の当初の物理的状態を回復し;好ましくはその際補充組成物は、親油性流体、水、加脂剤及びこれらの混合物から成る群から選択される補充剤を含み;より好ましくはその際補充組成物がさらに、香料、防水剤、移染防止剤、染料固着剤、コンディショニング剤、なめし剤及びこれらの混合物から成る群から選択される皮革補助剤を含み;及び/又は好ましくはその際補充組成物は皮革物品の当初の外観が実質的に回復されるように噴霧及び/又はミスト及び/又は蒸気の形態で皮革物品に送達され;及び/又はその際該方法はさらに皮革物品を補充組成物に接触させた後、皮革物品を約25℃〜約75℃の温度に暴露することによって皮革物品を乾燥する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記方法が、皮革物品を処理組成物に接触させる前に該皮革物品を親油性流体を含む予備処理組成物で予備処理する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記方法が、皮革物品を処理組成物に接触させた後、皮革物品を約25℃〜約75℃の温度に暴露することによって皮革物品を乾燥する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記皮革物品が汚れた皮革物品であり、該汚れが皮革物品から除去及び/又は低減される、請求項1に記載の方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法に使用するための皮革物品処理組成物であって、
    a.約0.001%〜約5%の処理剤;
    b.約0%〜約5%の水;
    c.約85%〜約99.999%の親油性流体;
    d.任意選択的に、約0%〜約10%の皮革補助剤を含む組成物。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法に使用するための消費可能な皮革物品処理組成物であって、該組成物が、親油性流体処理組成物中で使用した時に、該処理組成物の約0.001重量%〜約5重量%の濃度で処理剤が存在するような濃度の処理剤を含み、好ましくはその際消費可能な皮革物品処理組成物が、
    a.約1%〜約100%の処理剤;
    b.約0%〜約99%の水;
    c.約0%〜約99%の親油性流体;
    d.任意選択的に、約0%〜約99%の皮革補助剤を含む組成物。
  16. 皮革物品を損傷しうる非皮革布地物品処理剤に、非皮革布地物品を接触させることによる非皮革布地物品の処理に、過去に使用されていた装置内で、前記皮革物品が処理される場合に、前記方法がさらに:
    a.装置内に存在する皮革物品を損傷する可能性がある非皮革布地物品処理剤を除去及び/又は濃度低下する工程;
    b.皮革物品を装置に入れる工程;
    c.皮革物品を、親油性流体及び処理剤を含む処理組成物と接触させる工程であって、その際処理剤が水に不溶性であり、そのため皮革物品の外観が処理組成物と接触させる前の当初の外観と比較して損傷されないような工程;及び
    d.任意選択的に、工程(c)からの処理された皮革物品を補充組成物に接触させる工程;及び
    e.任意選択的に、皮革物品を乾燥する工程;及び
    f.任意選択的に、皮革物品を装置から除去する工程、を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の皮革物品処理方法。
  17. 前記処理組成物が
    a.処理組成物の約0.001重量%〜約1重量%
    の処理剤;及び
    b.任意選択的に、水;及び
    c.任意選択的に、皮革補助剤;及び
    d.残部の親油性流体、を含む、請求項1のいずれかに記載の方法。
  18. 前記処理組成物が処理剤及び水を合計濃度が処理組成物の約0.001重量%〜約1重量%で含む、請求項1に記載の方法。
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