JP2009040923A - 皮革用艶出し保護剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮革に対する艶出し効果、撥水性の付与効果、汚れの除去効果、および柔軟性の付与効果をバランスよく備える皮革用の艶出し保護剤を提供すること。
【解決手段】本発明の皮革用艶出し保護剤は、シリコーンオイル、ワックスなどを含む艶出し成分と、リン脂質ポリマーとを含有し、さらに必要に応じて、増粘剤を含有する。この皮革用艶出し保護剤は、皮革に対し、十分な艶と、撥水性と、柔軟性とを付与する効果と、皮革の汚れを除去する効果とを有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、皮革用艶出し保護剤に関する。
従来、皮革製品の艶出しや表面の保護のために用いられる艶出し保護剤として、シリコーンオイルを炭化水素系溶剤やフッ化炭化水素系溶剤などの有機溶剤に溶解した、いわゆる溶剤タイプの艶出し保護剤が知られている。しかしながら、溶剤タイプの艶出し保護剤は、皮革に色落ちやしみを生じさせるおそれがあり、しかも、有機溶剤によって環境や人体に悪影響を及ぼすおそれもある。
一方、近年、シリコーンオイルを界面活性剤で水中に乳化分散させた、いわゆる水性タイプの艶出し保護剤が提案されている(特許文献1〜3)。このようなシリコーンオイルを含有する水性タイプの艶出し保護剤によれば、皮革表面の汚れを除去しつつ、皮革表面への艶出し効果と、撥水性付与効果とを得ることができる。
特開平9−53050号公報 特開平11−302542号公報 特開平11−302543号公報
しかしながら、上記の水性タイプの艶出し保護剤は、シリコーンオイルが皮革内部に浸透しやすいことから、艶出し効果や撥水効果が経時的に低下するおそれがある。しかも、撥水効果の低下により、皮革に水が滲み込みやすくなるため、皮革の柔軟性の低下や、皮革の劣化が生じるおそれもある。
そこで、本発明の目的は、皮革に対する艶出し効果、撥水性の付与効果、汚れの除去効果、および柔軟性の付与効果をバランスよく備える皮革用の艶出し保護剤を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の皮革用艶出し保護剤は、艶出し成分と、リン脂質ポリマーとを含有することを特徴としている。
また、本発明の皮革用艶出し保護剤は、艶出し成分が、シリコーンオイルを含有することが好適であり、さらにワックスを含有することが好適である。
また、本発明の皮革用艶出し保護剤は、さらに増粘剤を含有することが好適である。
本発明の皮革用艶出し保護剤によれば、皮革に対し、十分な艶、撥水性、および柔軟性を付与することができ、しかも、皮革の汚れを除去することができる。
本発明の皮革用艶出し保護剤は、艶出し成分と、リン脂質ポリマーとを含有する。
艶出し成分としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーンレジン、ワックスなどが挙げられる。艶出し成分は、上記成分のうち、少なくともシリコーンオイルを含有することが好ましい。また、さらに好ましくは、シリコーンオイルと、ワックスとを含有し、特に好ましくは、シリコーンオイルと、シリコーンレジンと、ワックスとを含有する。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル、例えば、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイルなどの非反応性シリコーンオイル、例えば、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイルなどの反応性シリコーンオイル、などが挙げられる。これらシリコーンオイルは、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。また、シリコーンオイルは、上記例示のなかでも特に、ジメチルシリコーンオイルや、アルキル変性シリコーンオイルが好適である。
シリコーンオイルの動粘度は、好ましくは、100〜100000cStであり、さらに好ましくは、500〜10000cStである。シリコーンオイルの動粘度が上記範囲を下回ると、シリコーンオイルの皮革内部への浸透が著しくなり、皮革表面に残存しにくくなるため、艶出し効果が得られなくなるおそれがある。逆に、シリコーンオイルの動粘度が上記範囲を上回ると、シリコーンオイルが皮革表面で伸びにくくなり、皮革用艶出し保護剤の塗布時の作業性が低下するおそれがある。
上記皮革用艶出し保護剤において、シリコーンオイルは、好ましくは、エマルション(乳化液)として配合される。
シリコーンオイルエマルションには、シリコーンオイルの乳化作用を有する各種の界面活性剤を用いることができる。このような界面活性剤は、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、および両性界面活性剤のいずれであってもよい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸塩、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル・カルボン酸塩、N−アシルサルコシン酸塩、N−アシルグルタミン酸塩などのカルボン酸型、例えば、ジアルキルスルホ・こはく酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィン・スルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼン・スルホン酸塩、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、アルキルナフタレン・スルホン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンなどのスルホン酸型、例えば、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル・硫酸塩、油脂硫酸エステル塩などの硫酸エステル型、例えば、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル・リン酸塩、ポリオキシエチレン・アルキルフェニルエーテル・リン酸塩などのリン酸エステル型、などの各種のアニオン界面活性剤が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステルなどのエステル型、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなどのエーテル型、例えば、脂肪酸ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのエステル・エーテル型、例えば、脂肪酸アルカノールアミドなどのアルカノールアミド型、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、などの各種のノニオン界面活性剤が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩などのアルキルアミン塩型、例えば、ハロゲン化トリメチルアンモニウム、ハロゲン化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム塩型、などの各種のカチオン界面活性剤が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインなどのカルボキシベタイン型、例えば、イミダゾリン誘導体型、グリシン型、アミンオキシド型、などの各種の両性界面活性剤が挙げられる。
シリコーンオイルエマルション中でのシリコーンオイルの含有割合は、特に限定されないが、シリコーンオイルエマルションの総量に対し、好ましくは、10〜75重量%であり、さらに好ましくは、20〜60重量%である。シリコーンオイルの含有割合が上記範囲を下回ると、皮革用艶出し保護剤中でのシリコーンオイルの含有割合が低下して、皮革に対する艶出し効果や撥水性付与効果が不十分になるおそれがある。逆に、シリコーンオイルの含有割合が上記範囲を上回ると、シリコーンオイルエマルションや皮革用艶出し保護剤中でのシリコーンオイルの分散性が低下するため、皮革用艶出し保護剤の使用時にシリコーンオイルの塗布ムラを生じるおそれがある。
シリコーンオイルエマルションにおいて、界面活性剤は、シリコーンオイルを乳化させるために必要な量を含有していればよい。界面活性剤の含有量は特に限定されないが、シリコーンオイル100重量部に対し、好ましくは、50重量部以下であり、さらに好ましくは、10〜30重量部である。界面活性剤の含有量が上記範囲を下回ると、シリコーンオイルの乳化が不十分になり、皮革用艶出し保護剤中でのシリコーンオイルの分散安定性が低下するため、皮革用艶出し保護剤の使用時にシリコーンオイルの塗布ムラを生じるおそれがある。逆に、界面活性剤の含有量が上記範囲を上回ると、皮革用艶出し保護剤中での界面活性剤の含有割合が高くなるため、皮革用艶出し保護剤の使用により、皮革表面および内部に過剰の界面活性剤が付着または浸透し、皮革の撥水性が低下するおそれがある。
シリコーンオイルのエマルションは、市販品として入手可能である。具体的には、例えば、製品名「BY 22−007」(動粘度350cStのジメチルシリコーンオイルをノニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、有効成分量50重量%、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)、製品名「SH7036」(動粘度350cStのジメチルシリコーンオイルをノニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、有効成分量38.0重量%、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)、製品名「P2003」(動粘度1000cStのジメチルシリコーンオイルを、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とで水に乳化分散させたもの、有効成分量55重量%、旭化成ワッカーシリコーン(株)製)、製品名「KM−788」(動粘度10000cStの高重合メチルポリシロキサンをアニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、有効成分量30重量%、信越化学工業(株)製)、製品名「SH8710」(乳化重合法により得られた動粘度100000cStのメチルポリシロキサンを、アニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、有効成分量38重量%、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)、製品名「SM8701」(乳化重合法により得られた動粘度1000000cStのメチルポリシロキサンを、アニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、有効成分量30重量%、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)、製品名「シルキャストU」(アルキル変性シリコーンをアニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、有効成分量32重量%、信越化学工業(株)製)、製品名「polon MF−14」(アミノ変性ジメチルポリシロキサンをノニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、有効成分量15重量%、信越化学工業(株)製)、製品名「polon MF−18」(エポキシ変性ジメチルポリシロキサンをノニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、有効成分量38重量%、信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
シリコーンレジンは、上記皮革用艶出し保護剤の任意の成分であって、皮革表面に艶を出す目的と、皮革表面に形成される被膜を強固なものにする目的で配合される。このシリコーンレジンとしては、例えば、下記式(1):
((CHSiO1/2(SiO …(1)
(式中、xは、1〜3の範囲の組成比を示し、yは、0.5〜8の範囲の組成比を示す。)
で示されるシリコーンレジンなどが挙げられる。
シリコーンレジンの分子量は特に限定されないが、分子量が大きすぎると、シリコーンレジンが皮革表面で伸びにくくなるおそれがある。このため、シリコーンレジンの分子量は、皮革用艶出し保護剤の塗布時の作業性を勘案して、適宜設定することが好ましい。
上記皮革用艶出し保護剤において、シリコーンレジンは、好ましくは、溶剤に溶解され、かつ界面活性剤によって水に乳化分散されたエマルションとして配合されるか、または、界面活性剤によって水中に懸濁されたサスペンションとして配合される。
シリコーンレジンの溶剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル)およびその変性体や、環状シリコーンなどの各種ポリシロキサン、例えば、流動パラフィン、スピンドル油、各種アルコール類、各種炭化水素系溶剤などが挙げられる。
シリコーンレジンのエマルションやサスペンションには、溶剤に対する乳化作用や、水中での懸濁作用を有する各種の界面活性剤を用いることができる。このような界面活性剤は、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、および両性界面活性剤のいずれであってもよく、具体的には、シリコーンオイルのエマルションに用いられる界面活性剤と同様のものが挙げられる。また、シリコーンオイルエマルションに用いられる界面活性剤がアニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤である場合において、シリコーンレジンのエマルションまたはサスペンションに用いられる界面活性剤は、ノニオン界面活性剤であるか、あるいは、シリコーンオイルエマルションに用いられる界面活性剤と同じタイプの界面活性剤であることが好ましい。
シリコーンレジンのエマルションまたはサスペンション中でのシリコーンレジンの含有割合は、特に限定されないが、シリコーンレジンのエマルションまたはサスペンションの総量に対し、好ましくは、5〜40重量%であり、さらに好ましくは、10〜30重量%である。シリコーンレジンの含有割合が上記範囲を下回ると、皮革用艶出し保護剤中でのシリコーンレジンの含有割合が低下するため、皮革に対する艶出し効果や撥水性付与効果が不十分になるおそれがある。逆に、シリコーンレジンの含有割合が上記範囲を上回ると、上記エマルションまたはサスペンション中でのシリコーンレジンの分散性や、皮革用艶出し保護剤中でのシリコーンレジンの分散性が低下するため、皮革用艶出し保護剤の使用時にシリコーンレジンの塗布ムラを生じるおそれがある。
また、シリコーンレジンのエマルションが、シリコーンレジンをジメチルポリシロキサンなどのポリシロキサンで溶解後、界面活性剤によって水に乳化分散されている場合において、ポリシロキサンは、シリコーンレジンを溶解するために必要な量を含有していればよい。この場合のポリシロキサンの含有量は特に限定されないが、シリコーンレジンの含有量に対し、好ましくは、4倍以下であり、さらに好ましくは、1〜3倍である。
シリコーンレジンのエマルションまたはサスペンションにおいて、界面活性剤は、シリコーンレジンまたはその溶解液を乳化するために必要な量を含有していればよい。界面活性剤の含有量は特に限定されないが、シリコーンレジンの溶解液100重量部に対し、またはシリコーンレジン100重量部に対し、10〜50重量部であることが好ましく、15〜30重量部であることがさらに好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲を下回ると、皮革用艶出し保護剤中でのシリコーンレジンまたはその溶解液の分散安定性が低下するため、皮革用艶出し保護剤の使用時にシリコーンレジンの塗布ムラを生じるおそれがある。界面活性剤の含有量が上記範囲を上回るときの不具合は、シリコーンオイルのエマルションの場合と同様である。
シリコーンレジンのエマルションまたはサスペンションは、市販品として入手可能である。具体的には、例えば、製品名「KM−9717」(トリメチルシロキシケイ酸を低粘度シリコーンオイル(動粘度6cSt)に溶解させ、アニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、トリメチルシロキシケイ酸の含有量20重量%、低粘度シリコーンオイルの含有量39重量%、信越化学工業(株)製)、製品名「R−2701」(粘度2000cs(25℃)のトリメチルシロキシケイ酸を、動粘度350cStのジメチルポリシロキサンに溶解させ、さらに、ノニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、トリメチルシロキシケイ酸の含有量12重量%、ジメチルポリシロキサンの含有量28重量%、旭化成ワッカーシリコーン(株)製)、製品名「X−52−1451」(トリメチルシロキシケイ酸を環状シリコーンに溶解させ、さらに、ノニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、シリコーンレジンの含有量25重量%、環状シリコーンの含有量25重量%、信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
ワックスとしては、天然または合成の各種ワックスまたはワックス状物が挙げられる。具体的には、例えば、脂肪酸およびその誘導体、例えば、カルナバワックス、キャンデリラワックス、シュガーワックス、ライスワックス、木ロウ、硬化ヒマシ油などの植物系天然ワックス、例えば、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリンおよびその誘導体などの動物系天然ワックス、例えば、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの石油系天然ワックス、例えば、モンタンワックス、オゾケライトワックス、セレシンなどの鉱物系天然ワックス、例えば、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスおよびその誘導体、ポリプロピレンワックスなどの合成ワックス、などが挙げられる。これらワックスは、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。また、ワックスは、上記例示のなかでも特に、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックスは、撥水性が極めて良好であることから好適である。また、カルナバワックスは、光沢性が極めて良好であることから好適である。
上記皮革用艶出し保護剤において、ワックスは、好ましくは、エマルション(乳化液)またはサスペンション(懸濁液)として配合される。
ワックスのエマルションまたはサスペンションには、ワックスの乳化または懸濁作用を有する各種の界面活性剤を用いることができる。このような界面活性剤は、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、および両性界面活性剤のいずれであってもよく、具体的には、シリコーンオイルエマルションに用いられる界面活性剤と同様のものが挙げられる。また、シリコーンオイルエマルションに用いられる界面活性剤がアニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤である場合において、ワックスのエマルションまたはサスペンションに用いられる界面活性剤は、ノニオン界面活性剤であるか、あるいは、シリコーンオイルエマルションに用いられる界面活性剤と同じタイプの界面活性剤であることが好ましい。
ワックスのエマルションまたはサスペンション中でのワックスの含有割合は、特に限定されないが、ワックスのエマルションまたはサスペンションの総量に対し、好ましくは、5〜50重量%であり、さらに好ましくは、10〜40重量%である。ワックスの含有割合が上記範囲を下回ると、皮革用艶出し保護剤中でのワックスの含有割合が低下するため、皮革に対する艶出し効果や撥水性付与効果が不十分になるおそれがある。逆に、ワックスの含有割合が上記範囲を上回ると、上記エマルションまたはサスペンション中でのワックスの分散性や、皮革用艶出し保護剤中でのワックスの分散性が低下するため、皮革用艶出し保護剤の使用時にワックスの塗布ムラを生じるおそれがある。
ワックスのエマルションまたはサスペンションにおいて、界面活性剤は、ワックスを乳化または懸濁させるために必要な量を含有していればよい。界面活性剤の含有量は特に限定されないが、ワックス100重量部に対し、5〜50重量部であることが好ましく、10〜30重量部であることがさらに好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲を下回ると、ワックスの乳化または懸濁が不十分になり、皮革用艶出し保護剤中でのワックスの分散安定性が低下するため、皮革用艶出し保護剤の使用時にワックスの塗布ムラを生じるおそれがある。界面活性剤の含有量が上記範囲を上回るときの不具合は、シリコーンオイルエマルションの場合と同様である。
ワックスのエマルションまたはサスペンションは、市販品として入手可能である。具体的には、例えば、製品名「EMUSTAR−0001」(マイクロクリスタリンワックスをアニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、不揮発分40質量%、日本精鑞(株)製)、製品名「EMUSTAR−042X」(マイクロクリスタリンワックスをノニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、不揮発分40質量%、日本精鑞(株)製)、製品名「EMUSTAR−0413」(カルナバワックスを、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とで水に乳化分散させたもの、不揮発分35質量%、日本精鑞(株)製)、製品名「EMUSTAR−0135」(パラフィンワックスをアニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、不揮発分40質量%、日本精鑞(株)製)、製品名「EMUSTAR−0136」(パラフィンワックスをノニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、不揮発分40質量%、日本精鑞(株)製)、製品名「EMUSTAR−0443」(低融点ポリエチレンワックスを、アニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、不揮発分40質量%、日本精鑞(株)製)、製品名「EMUSTAR−3015」(合成ワックスを、アニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、不揮発分40質量%、日本精鑞(株)製)、製品名「EMUSTAR−3215B」(合成ワックスを、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とで水に乳化分散させたもの、不揮発分45質量%、日本精鑞(株)製)などが挙げられる。
リン脂質ポリマーは、リン酸エステル部位を有する脂質の重合体であって、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする重合体または共重合体(以下、これらをまとめて「MPCポリマー」という。)が挙げられる。
リン脂質ポリマーは、市販品として入手可能であり、例えば、製品名「Lipidur(登録商標)−CF72」(カチオン性の親水性MPCポリマー、日本油脂(株)製)、製品名「Lipidur(登録商標)−MF3」(アニオン性の親水性MPCポリマー、日本油脂(株)製)、製品名「Lipidur(登録商標)−NS」(MPCポリマーの親水性ナノ粒子、日本油脂(株)製)、製品名「Lipidur(登録商標)−AF」(アニオン性のMPCポリマー、日本油脂(株)製)、製品名「Lipidur(登録商標)−R05」(ポリアルキレングリコール誘導体配合の親水性リン脂質ポリマー、日本油脂(株)製)、製品名「Lipidur(登録商標)−AG50」(弱アニオン性の親水性MPCポリマー、日本油脂(株)製)などが挙げられる。これらリン脂質ポリマーは、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
上記皮革用艶出し保護剤は、艶出し成分と、リン脂質ポリマーとともに、さらに、必要に応じて、増粘剤、その他の成分を含有してもよい。
増粘剤は、皮革用艶出し保護剤の粘度を上昇させるために、任意に配合される成分であって、塗布時の作業性に合わせて適宜配合される。この増粘剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、メチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル、例えば、キサンタンガム、アラビアガム、グアーガムおよびその誘導体、ビーガム、ウェランガム、ランタンガム、ジェランガムなどのガム類、例えば、ベントナイト、モンモリロナイトなどの鉱物類、例えば、ポリアクリル酸、アルギン酸などのイオン架橋型有機酸類などが挙げられる。これら増粘剤は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
その他の成分としては、例えば、艶出し成分として公知の、各種油性物質が挙げられる。油性物質としては、例えば、動植物油、鉱物油が挙げられ、より具体的には、例えば、ホホバオイル、スクワラン、ミンクオイル、ココナッツオイルなどの動植物油、例えば、ワセリン、流動パラフィンなどの鉱物油が挙げられる。
上記皮革用艶出し保護剤において、シリコーンオイルの含有量(シリコーンオイルエマルションの場合には、有効成分量)は、皮革用艶出し保護剤の総量に対し、好ましくは、1〜15重量%であり、さらに好ましくは、2〜10重量%である。シリコーンオイルの含有量が上記範囲を下回ると、皮革用艶出し保護剤の塗布によって皮革表面に艶を出すことが不十分になるおそれがある。逆に、シリコーンオイルの含有量が上記範囲を上回ると、皮革用艶出し保護剤の塗布時に皮革表面に過剰に残存するため、塗布にムラが生じやすくなる。
上記皮革用艶出し保護剤において、シリコーンレジンの含有量(シリコーンレジンのエマルションまたはサスペンションの場合には、有効成分量)は、皮革用艶出し保護剤の総量に対し、好ましくは、2重量%以下であり、さらに好ましくは、0.05〜2重量%であり、特に好ましくは、0.1〜1.0重量%である。シリコーンレジンを、皮革用艶出し保護剤の総量に対し、0.05重量%以上含有させることで、皮革用艶出し保護剤の塗布により皮革表面に形成される被膜の耐水性を良好なものとすることができる。シリコーンレジンの含有量が上記範囲を上回ると、皮革表面での皮革用艶出し保護剤の粘着性が高くなり、塗布時の作業性が低下するおそれがある。
また、シリコーンレジンの含有量(有効成分量)は、シリコーンオイル100重量部(有効成分量)に対し、好ましくは、70重量部以下であり、さらに好ましくは、5〜60重量部であり、特に好ましくは、5〜50重量部である。
上記皮革用艶出し保護剤において、ワックスの含有量(ワックスのエマルションまたはサスペンションの場合には、有効成分量)は、皮革用艶出し保護剤の総量に対し、好ましくは、5重量%以下であり、さらに好ましくは、0.5〜5重量%であり、特に好ましくは、1〜4重量%である。ワックスを、皮革用艶出し保護剤の総量に対し、0.5重量%以上含有させることで、皮革表面に光沢や艶を出す効果をより一層向上させることができる。ワックスの含有量が上記範囲を上回ると、皮革用艶出し保護剤中での固形分が多くなりすぎて、均一な被膜を形成できなくなるおそれがある。
また、ワックスの含有量(有効成分量)は、シリコーンオイル100重量部(有効成分量)に対し、好ましくは、150重量部以下であり、さらに好ましくは、20〜120重量部であり、特に好ましくは、30〜100重量部である。
上記皮革用艶出し保護剤において、リン脂質ポリマーの含有量は、皮革用艶出し保護剤の総量に対し、好ましくは、0.01〜5重量%であり、さらに好ましくは、0.05〜2重量%である。リン脂質の含有量が上記範囲を下回ると、皮革用艶出し保護剤の塗布によって皮革に柔軟性を付与することが不十分になるおそれがある。逆に、リン脂質の含有量が上記範囲を上回ると、皮革用艶出し保護剤の塗布によって皮革の耐水性が低下するおそれがある。
また、リン脂質ポリマーの含有量は、シリコーンオイル100重量部(有効成分量)に対し、好ましくは、10重量部以下であり、さらに好ましくは、1〜10重量部であり、特に好ましくは、1〜5重量部である。
上記皮革用艶出し保護剤は、上記の成分を水に配合し、攪拌、混合することにより、適宜調製することができる。水の含有割合は、上記皮革用艶出し保護剤の総量に対し、上記した成分が配合された残余の重量割合である。
上記皮革用艶出し保護剤には、上記の成分以外に、本発明の作用効果を阻害しない範囲において、皮革用艶出し保護剤として汎用の成分、例えば、研磨剤、分散剤、防腐剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、水溶性溶剤、光沢剤などの添加剤を、必要に応じて適宜、配合することができる。
このようにして得られた皮革用艶出し保護剤は、何ら制限されることなく、皮革製品に用いることができる。より具体的には、天然または合成皮革からなる部分を備える各種の製品(これに限定されないが、例えば、革靴、革製のブーツ、鞄、ベルト、財布、ソファーなど。)に対する艶出し、皮革の保護などの用途に用いることができる。
上記皮革用艶出し保護剤を皮革表面に処理するには、例えば、上記皮革用艶出し保護剤を布地に取り出し、皮革表面に塗布する方法が挙げられる。
布地は、特に限定されないが、例えば、綿、ポリエステル、ポリエチレン、レーヨンなどからなる織布または編布、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、パルプ、レーヨンなどからなる不織布などが挙げられる。
布地に取り出される皮革用艶出し保護剤の量は、特に限定されないが、例えば、皮革の被処理面積1mに対し、5〜30g程度であることが好ましく、10〜20g程度であることがさらに好ましい。皮革用艶出し保護剤の量が上記範囲を下回ると、十分な量の皮革用艶出し保護剤が皮革表面に付着しなくなり、本発明の効果が得られなくなるおそれがある。逆に、上記範囲を上回ると、過剰に塗布された皮革艶出し保護剤が皮革表面に残存し、塗布ムラが生じやすくなる。
次に、実施例および比較例を挙げて、本発明の皮革用艶出し剤を具体的に説明する。
実施例および比較例で使用した配合成分は、下記のとおりである。
シリコーンオイル
・BY 22−007:動粘度350cStのジメチルシリコーンオイルをノニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、有効成分量50重量%、製品名「BY 22−007」、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製
・P2003:動粘度1000cStのジメチルシリコーンオイルを、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とで水に乳化分散させたもの、有効成分量55重量%、製品名「P2003」、旭化成ワッカーシリコーン(株)製
・KM788:動粘度10000cStの高重合メチルポリシロキサンをアニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、有効成分量30重量%、製品名「KM−788」、信越化学工業(株)製
・シルキャストU:長鎖アルキル変性シリコーンをアニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、有効成分量32重量%、製品名「シルキャストU」、信越化学工業(株)製
シリコーンレジン
・KM9717:トリメチルシロキシケイ酸を低粘度シリコーンオイル(動粘度6cSt)に溶解させ、アニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、トリメチルシロキシケイ酸の含有量20重量%、低粘度シリコーンオイルの含有量39重量%、製品名「KM−9717」、信越化学工業(株)製
・R2701:動粘度2000cSt(25℃)のトリメチルシロキシケイ酸を、動粘度350cStのジメチルポリシロキサンに溶解させ、ノニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、トリメチルシロキシケイ酸の含有量12重量%、ジメチルポリシロキサンの含有量28重量%、製品名「R2701」、旭化成ワッカーシリコーン(株)製
ワックス
・エマスター0001:マイクロクリスタリンワックスをアニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、不揮発分40質量%、製品名「EMUSTAR−0001」、日本精鑞(株)製
・エマスター0413:カルナバワックスを、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とで水に乳化分散させたもの、不揮発分35質量%、製品名「EMUSTAR−0413」、日本精鑞(株)製
・エマスター0135:パラフィンワックスをアニオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、不揮発分40質量%、製品名「EMUSTAR−0135」、日本精鑞(株)製
リン脂質ポリマー
・リピジュアCF72:リン脂質ポリマーの含有割合2重量%、製品名「Lipidure(登録商標)−CF72」、日本油脂(株)製
・リピジュアMF3:リン脂質ポリマーの含有割合2重量%、製品名「Lipidure(登録商標)−MF3」、日本油脂(株)製
・リピジュアNS:リン脂質ポリマーの含有割合4重量%、製品名「Lipidure(登録商標)−NS」、日本油脂(株)製
増粘剤
・メトローズ90SH:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、動粘度15000cSt、製品名「メトローズ90SH−15000」、信越化学工業(株)製
・KELZAN:キサンタンガム(天然水溶性高分子多糖類)、製品名「KELZAN(登録商標)」、三晶(株)製
その他の成分
・エマコールNW−520:ホホバ油をカチオン界面活性剤で水に乳化分散させたもの、有効性分量25重量%、製品名「エマコールNW−520」、山栄化学(株)製
<皮革用艶出し剤の調製>
実施例1
イオン交換水に対し、「BY 22−007」15.0重量部と、「リピジュアCF72」5.0重量部とを、攪拌しながら配合し、さらに、イオン交換水で全量を100重量部に調整した。これにより、各成分が均一な分散した皮革用艶出し剤を得た。
この皮革用艶出し剤は、ジメチルシリコーンオイル(動粘度350cSt)の含有割合が7.5重量%であり、リン脂質ポリマーの含有割合が0.10重量%であった。
実施例2
イオン交換水に対し、「BY 22−007」10.0重量部と、「エマスター0001」5.0重量部と、「リピジュアCF72」5.0重量部とを、攪拌しながら配合し、さらに、イオン交換水で全量を100重量部に調整した。これにより、各成分が均一に分散した皮革用艶出し剤を得た。
この皮革用艶出し剤は、ジメチルシリコーンオイル(動粘度350cSt)の含有割合が5.0重量%であり、マイクロクリスタリンワックスの含有割合が2.0重量%であり、リン脂質ポリマーの含有割合が0.10重量%であった。
実施例3
イオン交換水に対し、「BY 22−007」8.0重量部と、「KM788」5.0重量部と、「エマスター0413」5.0重量部と、「リピジュアMF3」3.0重量部とを、攪拌しながら配合し、さらに、イオン交換水で全量を100重量部に調整した。これにより、各成分が均一に分散した皮革用艶出し剤を得た。
この皮革用艶出し剤は、ジメチルシリコーンオイル(動粘度350cSt)の含有割合が4.0重量%であり、高重合メチルポリシロキサン(動粘度10000cStのジメチルシリコーンオイル)の含有割合が1.5重量%であり、カルナバワックスの含有割合が約1.8重量%であり、リン脂質ポリマーの含有割合が0.060重量%であった。
実施例4
イオン交換水に対し、「P2003」10.0重量部と、「KM9717」2.0重量部と、「エマスター0413」5.0重量部と、「エマスター0135」2.0重量部と、「リピジュアNS」3.0重量部と、「メトローズ90SH」0.6重量部とを、攪拌しながら配合し、さらに、イオン交換水で全量を100重量部に調整した。これにより、各成分が均一に分散した皮革用艶出し剤を得た。
この皮革用艶出し剤は、ジメチルシリコーンオイル(動粘度1000cSt)の含有割合が5.5重量%であり、トリメチルシロキシケイ酸の含有割合が、約1.2重量%であり、カルナバワックスの含有割合が約1.8重量%であり、パラフィンワックスの含有割合が0.80重量%であり、リン脂質ポリマーの含有割合が0.12重量%であり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有割合が0.60重量%であった。
実施例5
イオン交換水に対し、「BY−22−007」10.0重量部と、「シルキャストU」2.0重量部と、「エマスター0413」5.0重量部と、「KM9717」2.0重量部と、「エマコールNW−520」2.0重量部と、「リピジュアMF3」6.0重量部と、「メトローズ90SH−15000」0.6重量部とを、攪拌しながら配合し、さらに、イオン交換水で全量を100重量部に調整した。これにより、各成分が均一に分散した皮革用艶出し剤を得た。
この皮革用艶出し剤は、ジメチルシリコーンオイル(動粘度350cSt)の含有割合が5.0重量%であり、長鎖アルキル変性シリコーンの含有割合が0.64重量部であり、トリメチルシロキシケイ酸の含有割合が、約1.2重量%であり、カルナバワックスの含有割合が約1.8重量%であり、ホホバ油の含有割合が0.50重量部であり、リン脂質ポリマーの含有割合が0.12重量%であり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有割合が0.60重量%であった。
実施例6
イオン交換水に対し、「P2003」10.0重量部と、「R2701」2.0重量部と、「エマスター0413」5.0重量部と、「エマスター0135」5.0重量部と、「リピジュア−NS」3.0重量部と、「KELZAN」0.6重量部とを、攪拌しながら配合し、さらに、イオン交換水で全量を100重量部に調整した。これにより、各成分が均一に分散した皮革用艶出し剤を得た。
この皮革用艶出し剤は、ジメチルシリコーンオイル(動粘度1000cSt)の含有割合が5.5重量%であり、トリメチルシロキシケイ酸の含有割合が、0.80重量%であり、カルナバワックスの含有割合が約1.8重量%であり、パラフィンワックスの含有割合が2.0重量%であり、リン脂質ポリマーの含有割合が0.12重量%であり、キサンタンガムの含有割合が0.60重量%であった。
比較例1
イオン交換水に対し、「BY−22−007」15.0重量部と、「KELZAN」0.6重量部とを、攪拌しながら配合し、さらに、イオン交換水で全量を100重量部に調整した。これにより、各成分が均一に分散した皮革用艶出し剤を得た。
この皮革用艶出し剤は、ジメチルシリコーンオイル(動粘度350cSt)の含有割合が7.5重量%であり、キサンタンガムの含有割合が0.60重量%であった。
比較例2
イオン交換水に対し、「エマコールNW−520」15.0重量部と、「KELZAN」0.6重量部とを、攪拌しながら配合し、さらに、イオン交換水で全量を100重量部に調整した。これにより、各成分が均一に分散した皮革用艶出し剤を得た。
この皮革用艶出し剤は、ホホバ油の含有割合が約3.8重量部であり、キサンタンガムの含有割合が0.60重量%であった。
比較例3
イオン交換水に対し、「BY−22−007」10.0重量部と、「エマスター0413」5.0重量部と、「KELZAN」0.6重量部とを、攪拌しながら配合し、さらに、イオン交換水で全量を100重量部に調整することにより、各成分が均一に分散した皮革用艶出し剤を得た。
この皮革用艶出し剤は、ジメチルシリコーンオイル(動粘度350cSt)の含有割合が5.0重量%であり、カルナバワックスの含有割合が約1.8重量%であり、キサンタンガムの含有割合が0.60重量%であった。
比較例4
イオン交換水に対し、「エマスター0413」5.0重量部と、「エマコールNW−520」5.0重量部と、「メトローズ90SH」0.6重量部とを、攪拌しながら配合し、さらに、イオン交換水で全量を100重量部に調整した。これにより、各成分が均一に分散した皮革用艶出し剤を得た。
この皮革用艶出し剤は、カルナバワックスの含有割合が約1.8重量%であり、ホホバ油の含有割合が約1.3重量部であり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有割合が0.60重量%であった。
<皮革用艶出し剤の評価試験>
上記実施例および比較例で得られた皮革用艶出し剤を用いて、艶出し効果、撥水性付与効果、皮革の汚れ除去効果、および柔軟性付与効果を評価した。
艶出し効果の評価
黒色の牛革(アクリル系樹脂を主成分とする皮革仕上げ剤により、表面を銀面様に加工したもの)を縦10cm、横10cmに切り取り、試験片とした。この試験片の表面全体に、皮革用艶出し剤0.2gをネルクロスで均一に塗り広げ、さらに、そのネルクロスで試験片の表面を拭き上げた。その後、試験片表面の光沢を目視で観察し、艶出し効果を下記の基準で評価した。その評価結果を下記の表1に示す。
◎:試験片の光沢が極めて優れていた(艶出し効果が極めて良好であった)。
○:試験片の光沢が良好であった(艶出し効果が良好であった)。
△:試験片に光沢が現れていた。
×:試験片に光沢がほとんど現れていなかった(艶出し効果が不良であった)。
撥水性付与効果の評価
艶出し効果の評価に使用したものと同じ試験片の表面全体に、皮革用艶出し剤0.2gをネルクロスで均一に塗り広げ、さらに、そのネルクロスで試験片の表面を拭き上げた。その後、試験片を水平な台に設置し、その表面に水を滴下した。こうして試験片の表面に形成された水玉の状態を目視で観察し、撥水性付与効果を下記の基準で評価した。その評価結果を下記の表1に示す。
◎:きれいな水玉が観察された。水をはじく効果(撥水性)が極めて良好であった。
○:水をはじいたが、水玉は変形していた。水をはじく効果(撥水性)は良好であった。
△:水をはじいていたが、水をはじく効果は、やや鈍かった。
×:水をほとんどはじいていなかった。撥水性が不良であった。
汚れ除去効果の評価
表面加工をしていない茶色のヌメ革を縦10cm、横10cmに切り取り、その表面を試験用ダスト(15種)で人工的に汚染させて、試験片とした。この試験片の表面全体に、皮革用艶出し剤0.2gをネルクロスで均一に塗り広げ、さらに、このネルクロスで試験片表面の汚れを拭き取るように、往復30回拭き上げた。その後、試験片表面の汚れを目視で観察し、汚れ除去効果を下記の基準で評価した。その評価結果を下記の表1に示す。
◎:試験片表面の汚れを8割以上除去できた。汚れ除去効果に優れていた。
○:試験片表面の汚れをほとんど(5割以上8割未満)除去できた。汚れ除去効果が良好であった。
△:試験片表面の汚れをおおむね(3割以上5割未満)取ることができた。
×:試験片表面の汚れをほとんど除去できなかった。汚れ除去効果が不良であった。
柔軟性付与効果の評価
表面加工をしていない茶色のヌメ革全体を予め水に濡らして、50℃の恒温槽で強制的に乾燥させることにより、ヌメ革の表面を硬くした。次いで、このヌメ革を縦5cm、横10cmに切り取り、試験片とした。この試験片の表面全体に、皮革用艶出し剤0.2gをネルクロスで均一に塗り広げ、さらに、このネルクロスで試験片表面を往復30回拭き上げた。その後、常温で1時間放置し、試験片の柔軟性を下記の基準で評価した。その評価結果を下記の表1に示す。
◎:試験片の表面が非常に柔らかくなり、潤いが出た。柔軟性付与効果が極めて優れていた。
○:試験片の表面が柔らかくなった。柔軟性付与効果が良好であった。
△:試験片の表面がわずかに柔らかくなった。
×:試験片の表面がほとんど柔らかくならなかった。柔軟性付与効果が不良であった。
Figure 2009040923
*1:トリメチルシロキシケイ酸として、製品名「KM9717」(信越化学工業(株)製)を使用した。トリメチルシロキシケイ酸の溶剤は、動粘度6cStの低粘度シリコーンオイルであった。
*2:トリメチルシロキシケイ酸として、製品名「R2701」(旭化成ワッカーシリコーン(株)製)を使用した。トリメチルシロキシケイ酸の溶剤は、動粘度350cStのジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル)であった。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。

Claims (4)

  1. 艶出し成分と、リン脂質ポリマーとを含有することを特徴とする、皮革用艶出し保護剤。
  2. 前記艶出し成分が、シリコーンオイルを含有することを特徴とする、請求項1に記載の皮革用艶出し保護剤。
  3. 前記艶出し成分が、さらにワックスを含有することを特徴とする、請求項2に記載の皮革用艶出し保護剤。
  4. さらに増粘剤を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の皮革用艶出し保護剤。
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