JP2005501155A - 低色調の紫外線吸収剤化合物およびその組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、本質的に液状で、色調が極めて低く(従って、透明で、無色の用途におけるあらゆる変色にも対処すべく、他の着色剤を大量に併用して添加する必要のない使用を可能とする)、低色調の紫外線吸収剤を用いた以前の試みでは達成できなかった波長範囲において保護を与えるのに極めて有効である新規な紫外線吸収化合物に関する。そのような化合物は、透明熱可塑性樹脂を含むがこれに限定されない様々な媒体中での紫外線暴露から、優れた、安価で有利な保護を与える。特定の化合物は一般に、様々な鎖長のポリオキシアルキレン類を含む本質的には高分子であって、取り扱いや目的媒体中への導入を容易とするため、本質的に液状である。また、そのような紫外線吸収剤は極めて低い移行特性も示すため、目的媒体に対して長期にわたる保護の利益をも与え得る。本発明は、最終物品、そのように有利な性質を与える特に広く定義される種類の化合物、そのような低色調の化合物を製造する方法、並びにそのような透明で、UV保護された最終物品を製造する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書全体を通じて引用する全ての米国特許を、ここに言及することによって全体として明細書中へ組み入れる。
紫外線吸収剤化合物は、UVスペクトル中のある波長の光の有害で分解性の作用に対処すべく、皮膚保護用の組成物中、衣料および他の種類の繊維物品上および内部、透明なプラスチック容器中、などを含む数多くの保護用途のために利用されてきた。最もよく知られたUV吸収剤は、ベンゾトリアゾール(Tinuvin(登録商標)の商品名でCibaから入手可能)およびベンゾフェノン(CyasorbTMの商標名でCytec Industriesから入手可能)である。そのような化合物はそのUV吸収剤性能において非常に有効である。しかし、それらはかなり高価であって、種々の目的媒体中へ組み入れることは困難であり得るし、また、ある種の媒体(例えばプラスチック)中から移行する傾向がある。さらに、これら2つの著名な種類のUV吸収剤は、それらが一般にパウダー形態で製造、利用される点で取り扱いが困難であり、また融点が比較的低い。特に、プラスチック媒体中では、これらの化合物がパウダー形態であることは問題である。液体は遥かに取り扱いが容易であり、融解を要さず、対象プラスチック全体へのより効果的かつ充分な混合を与える。また、以前に利用されたこれらのUV吸収剤は、比較的狭い波長範囲(ベンゾトリアゾールにつき約290〜約340nm;ベンゾフェノンにつき260〜300nmのλmax)にわたりUV保護を与えるが、非保護UV暴露(約400nmまでの暴露)の潜在的損傷範囲は結果的に残されたままとなる。このようなより広い波長範囲にわたる潜在的保護を与えるためにそのようなUV吸収剤化合物の量を増やす試みは効果的でなく、言うまでもなく、そのように多量の吸収剤は、対象とする透明プラスチックや同様の他の用途において好ましくない着色の生成を増加させる結果、マスキング化合物(例えば青味剤)を比較的多量に用いて変色作用に対処しなければならない。従って、種々の様々な媒体および基材中へ組み込まれるか若しくは適用される多様性を有し、代替的に、約290〜約400nmの紫外線スペクトルにおける波長範囲において保護を与えうる(紫外線暴露に伴って起こりうる損傷および/または分解からの最大の全般的保護を与えるため)、高い有効性の液体紫外線吸収剤が必要とされている。
【0003】
メチン系化合物、特に、L'Oreal SAのヨーロッパ特許アブストラクト350−386−Aに開示されているようなある種のマロネート誘導体は、化粧用日焼け止め剤組成物における紫外線吸収剤として有効であり、一般に低コストで製造でき、約280〜約360nmのスペクトルにおいて紫外線保護を与える。しかし、そのような化合物は、有機溶剤に高可溶性であり、従って、導入の際にプラスチックのような固体組成物から容易に移行しうる。従って、マロネート誘導体のような有効な紫外線吸収剤をプラスチック中に使用することは極めて好ましいが、そのように安定で従って有効性の高い紫外線吸収組成物を、そのようなメチン系原料から製造することは極めて困難であるため、そのような使用は、紫外線吸収剤の先行技術には教示がなく全く示唆されていない。従って、熱可塑性プラスチック等(上記)のような媒体中に留まるために不可欠な能力を示し、よって、紫外線暴露による分解に対し必要かつ好ましい保護を与える、低価格の紫外線吸収剤(好ましくはメチン系)が必要とされている。
【0004】
ある種のポリマー媒体(例えばポリエステル)の紫外線保護のためのさらなる開発には、メチン系化合物が含まれ、そのような熱可塑性樹脂からの低抽出の点で効果的であるためには、これらはベース熱可塑性ポリマー自体の実際の重合反応中に導入しなければならない。例えば、米国特許第4,617,374号(Pruettら)はポリエステル最終用途のためのそのようなUV吸収剤を教示している。しかし、そのような化合物もやはり、エステルモノマーと重合予定の反応物質自体としてこれらを重合段階で添加するのでなければ、非常に高い抽出結果を示す。重合段階で添加するような場合には、これらのUV吸収剤はポリマー中へ実際に組み込まれ、単に熱可塑性樹脂媒体中へ混合されたものではない。従って、そのような化合物は、目的とするポリエステル中へ重合した場合には優れた結果を示すものの、有効な導入の可能な時点が前記の重合操作中のみであるため、該化合物は残念ながら多様性において制限されるものである。このように、製造者が目的とする熱可塑性樹脂を製造する間の任意の時点でUV吸収剤を導入し得、該添加剤がさほど高抽出を示さず、さらに、優れたUV吸収特性を与えるような、より多様性のある熱可塑性樹脂最終用途のためのUV吸収剤を提供する必要が依然として残されている。
【0005】
特定の紫外線吸収剤化合物へのポリオキシアルキレン鎖の付加によって、特に、必要とされる前記の低抽出の点で、新規な紫外線吸収剤の可能な用途における多様性が増すことが見出された。従って、そのようなポリオキシアルキレン化化合物(例えばバニリンおよびレゾルシノールを出発原料として用いるメチン系化合物があるが、これらに限定されない)は、広いスペクトル(約280〜約400nm、より好ましくは約320〜約400nmのλmax)において、有害なUV-AおよびUV-Bを濾過するのに極めて有効な紫外線吸収剤を与えることが見出された。さらに、ベンゾトリアゾールおよび/またはヒドロキシベンゾフェノン、または他の同様の紫外線吸収剤化合物と組み合わせた場合、得られる組成物は、潜在的に損傷を与える多量の紫外線(約250〜約400nm)からの保護を付与できることが見出された。さらに、ベンゾトリアゾールおよび/またはヒドロキシベンゾフェノン、または他の同種の紫外線吸収剤化合物と組み合わせた場合、得られる組成物は、潜在的に損傷を与える多量の紫外線(約250〜約400nm)からの保護を付与できることが見出された。加えて、そのような組み合わせは目的とする媒体中において極めて安定であり、従って、処理した目的プラスチック物品内に保存された所望の試料に、長期間の保護を与える。また、そのような化合物は、ある手順に従い、とりわけ、限定されるものではないが、金属水酸化物および他の塩基を含むある種のアルコキシル化触媒を単独でおよびアミン系アルコキシル化触媒(特に存在するプロトンへの親和性のあるもの)の存在下で、並びに希土類のリン酸塩(例えば米国特許第5,057,627号、第5,057,628号、第5,059,719号、第5,118,870号、第5,208,199号に教示されたもの)を用いて調製する場合には非常に低色調となる。従って、そのような低色調の代替物は、必要な効果的UV保護を同時に与える一方で、所望の透明プラスチックなどの無色の(クリアで透明な)用途における効果的利用のための基礎を与える。
【0006】
メチン系紫外線吸収剤化合物(即ち、L'Orealのマロネート誘導体)の分野にいくらかの関心が示されたが、特定の媒体(例えばプラスチック)、または他の表面(例えば、皮膚、繊維物品)、または他の用途(例えばインキ等)における、そのような紫外線吸収剤のポリオキシアルキレン化誘導体の能力に関する用途に関して、現在まで開示も示唆もなされていない。特に、波長が約320〜約400nmの紫外線暴露からの有効な保護を付与する、低色調で低抽出(低移行)のポリオキシアルキレン化紫外線吸収剤化合物についての開示は存在しない。従って、紫外線吸収剤市場において、特に透明プラスチックフィルムおよび容器(食品、錠剤等の保存および保護用)市場において、本発明のポリオキシアルキレン化メチン系紫外線吸収剤化合物によって得られる比較的低コストの材料および方法に関連したその種の改善が極めて必要とされている。
【0007】
他の紫外線吸収化合物および組成物は、例えばTinuvin(登録商標)(Cibaより市販)の名称で既知の化合物類および上記したもののように、ある種のプラスチック(熱可塑性、熱硬化性など)用途向けに開発若しくは変更がなされてきた。そのような化合物は一見、プラスチック自体および該プラスチックから作られた容器中の貯蔵された任意の液体、固体等へ非常に良好な紫外線保護を付与するが、残念ながらこの種の化合物は好ましくない若しくは問題のある欠陥を示す。特に、UVスペクトル中の保護幅は、そのような化合物では一般に約320〜約375nmに限られる。従って、それらは一般にUV波長の全範囲にわたりプラスチック包装の内容物に対する充分なUV保護を与えるものではない。また、前記Cibaの化合物は一般に、本質的に本来固体であり、そのため目的樹脂中へ固体粉末として調合するか、または、効果的であるためには調合に近い時点でエンドユーザーによって液体中へ分散させなければならない。実際に液状である前記CibaのUV吸収剤があるとしても、それらはやはり波長範囲の点で、そのUV保護幅に制限がある。最後に、前記Cibaの化合物は、目的とするプラスチック樹脂、とりわけポリエチレンテレフタレートのような熱可塑性樹脂中からの抽出レベルおよび移行特性が比較的高いことである。このように、該化合物はUV保護のためにある程度は有効であるものの、改善が求められ必要である数多くの欠点がある。これまで、前記欠陥を取り除く効果的なUV吸収剤を提供するという大きな要請が残されている。
【0008】
【特許文献1】
欧州特許アブストラクト350−386−A
【特許文献2】
米国特許第4,617,374号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,057,627号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,057,628号明細書
【特許文献5】
米国特許第5,059,719号明細書
【特許文献6】
米国特許第5,118,870号明細書
【特許文献7】
米国特許第5,208,199号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、新規な低色調、低い熱可塑性樹脂移行性(例えば低抽出性)の紫外線吸収化合物であって、さらに純粋、不希釈状態にて室温で存在する場合に液状であり得て、少なくとも390nmまでの広い波長範囲にわたりUV保護を付与する化合物を提供することである。本発明の他の目的は、種々の媒体内において、および種々の基材上において、有効な紫外線濾過化合物として使用しうるか、または潜在的に有害な紫外線に対する保護用の好適な組成物において使用しうるポリマー紫外線吸収剤を提供することである。
本発明の他の目的は、鮮やかで透明なプラスチック物品を与えるメチン系UV吸収剤を提供することである。本発明のさらに他の目的は、透明熱可塑性樹脂用途における低黄変作用を付与する(即ち、より澄んだ透明性を目的とするプラスチックまたは他の媒体に付与する)ために相当量の青味剤を存在させることを要さない特定のポリオキシアルキレン化メチン系紫外線吸収剤を提供することである。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、本発明の低色調で、低熱可塑性樹脂移行性の紫外線吸収化合物であって、特に該化合物が希釈せずに室温で本質的に液状であるものを含む、効果的なUV吸収性化合物または物品を提供することである。
また、本発明の目的は、UV波長範囲が250〜400nmの暴露によって分解が容易く起こらないように、透明熱可塑性樹脂パッケージ中の内容物を保護する低色調のUV吸収剤を提供することである。
また、そのような低色調のUV吸収性化合物を製造する方法も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明は、
波長390nmで物品が10%以下のUV透過を示すように約300〜約400の波長範囲にわたる紫外線吸収特性を示す少なくとも1つの紫外線吸収剤化合物を含んでなる、平均厚みが35ミル以下の透明熱可塑性樹脂物品であって;
該少なくとも1つの化合物は、2時間暴露後の加熱アルコール抽出溶液が示す吸光度レベルとして測定される該熱可塑性樹脂物品からの抽出レベルが、光路長10.0cmのセル中で0.1吸光度単位以下(好ましくは0.05吸光度単位以下、より好ましくは0.025吸光度単位以下、最も好ましくは0.0吸光度単位)を示し;かつ
該紫外線吸収剤は全オキシアルキレンが6モル以上である少なくとも1つのポリ(オキシアルキレン)鎖を含み、
若しくは、該紫外線吸収剤は、該物品の製造中の任意の時点で該熱可塑性樹脂中に導入され、
若しくは、該少なくとも1つの紫外線吸収剤は、該熱可塑性樹脂物品中に混入前に、室温下、純粋、不希釈状態で液体である、透明熱可塑性樹脂物品を包含する。
【0012】
黄色度レベルが2.5以下、明度レベルが90以上を同時に示す前記透明熱可塑性樹脂物品もまた、本発明の一部と見なされる。また、本発明は、ガードナー色調値が11以下であって、2時間暴露後の加熱アルコール抽出溶液が示す吸光度レベルとして測定されるポリエチレンテレフタレートからの抽出レベルが0.1吸光度単位以下(好ましくは0.05吸光度単位以下、より好ましくは0.025吸光度単位以下、最も好ましくは0.0吸光度単位)を示す液状紫外線吸収剤化合物を包含する。さらに、式(I)に表わされる構造に従う紫外線吸収剤化合物が本発明に包含される。
【化1】
[式中、R1, R2, R3, R4, およびR5は、同一または異なり、C1-20アルキル、ハロ、ヒドロキシル、水素、シアノ、スルホニル、スルホ、スルファト、アリール、ニトロ、カルボキシル、C1-20アルコキシ、およびB-Aよりなる群から選ばれ、ここでR1, R2, R3, R4, およびR5の少なくとも1つはB-Aであり、BはN, O, S, SO2, SO3, CO2よりなる群から選ばれ、Aは式(II):
【化2】
(式中、ポリオキシアルキレン成分は少なくとも1つのC2-20アルキレンオキシ基、グリシドール、グルシジル、またはそれらの混合物の少なくとも3種のモノマーよりなる群から選ばれ、R'は水素、C1-20アルコキシ、C1-20アルキル、およびC1-20エステルよりなる群から選ばれ;ここでBがNの場合Zは2であり、BがNでない場合Zは1である)により表わされ;XおよびYは同一または異なっていてよく、水素、シアノ、C(O)OR, C(O)R, C(O)NR''R''', C1-20アルキル、およびC1-20アルコキシよりなる群から選ばれ、若しくはXおよびYは結合して環系を形成し、R, R'', およびR'''は、任意のR1, R2, R3, R4, およびR5についてと同様に定義され、XおよびYが結合して環系を形成しない場合、該XおよびYの少なくとも1つはシアノまたは水素のいずれかである。]
【0013】
本発明の他の重要部分は、低色調の紫外線吸収性化合物、並びにそのような低色調の紫外線吸収剤化合物を形成する方法であって、該紫外線吸収剤化合物は式(III):
【化3】
[式中、Aは式(II):
【化4】
(式中、ポリオキシアルキレン成分は少なくとも1つのC2-20アルキレンオキシ基、グリシドール、グルシジル、またはそれらの任意の混合物の少なくとも3種のモノマーよりなる群から選ばれ、R'は水素、C1-20アルコキシ、C1-20アルキル、およびC1-20エステルよりなる群から選ばれる)]で表わされ;該方法は、一連のステップ:
a)バニリンと、少なくとも1つのC2-C20アルキレンオキシド、グリシドール、およびそれらの任意の混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1つのオキシアルキレン含有基を有する少なくとも1つの化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物とを触媒の存在下に反応させ;
b)ステップ“a”の反応生成物を、少なくとも1つのアルキルシアノエステル(限定されないが、例えばシアノ酢酸エチル)と反応させる、
を含んでなる。
【0014】
このような新規化合物は、メタノール溶液中、5%体積濃度で存在する場合に最大10のガードナー色調レベルを示すべきであり、厚み1mm以下のポリエステル物品中に0.5重量%添加した際、400nm以下、好ましくは390nm以下の各波長で測定される紫外線透過が最大10%であって、320〜400nmの波長範囲内で最大の紫外線吸収を示すべきである。また、該新規化合物は、取り扱いを容易にし、限定されないが熱可塑性樹脂のような所望の媒体中への導入を容易にするため、室温で、純粋、不希釈状態では液状であってよい。
【0015】
また、本発明は低色調の紫外線吸収剤化合物を形成する方法を包含し、該紫外線吸収剤化合物は、式(IV):
【化5】
[式中、Aは式(II):
【化6】
(式中、ポリオキシアルキレン成分は少なくとも1つのC2-20アルキレンオキシ基、グリシドール、グルシジル、またはそれらの任意の混合物の少なくとも3種のモノマーよりなる群から選ばれ、R'は水素、C1-20アルコキシ、C1-20アルキル、およびC1-20エステルよりなる群から選ばれる)]で表わされ;該方法は、一連のステップ:
a)レゾルシノールと、少なくとも1つのC2-C20アルキレンオキシド、グリシドール、およびそれらの任意の混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1つのオキシアルキレン含有基を有する少なくとも1つの化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物とを触媒の存在下に反応させてポリアルコキシル化レゾルシノールを生成させ;
b)ステップ“a”の反応生成物を、ポリアルコキシル化水酸基を保護する化合物と反応させ;
c)ステップ“b”の生成物を、ビルスマイヤー錯体の生成により芳香族アルデヒドへ転化させ;
d)次いでステップ“c”のアルデヒドを、ポリアルコキシル化水酸基を遊離させる塩基性物質と反応させ;
e)次いでステップ“d”の反応生成物を、アルキルシアノエステル(限定されないが、例えばシアノ酢酸エチル)と反応させる、
を含んでなる。
【0016】
上記構造式(III)に定義されたような新規化合物は、メタノール溶液中、5%体積濃度で存在する場合に最大約11のガードナー色調レベルを示すべきであり、厚み1mm以下のポリエステル物品中に0.5重量%添加した際、400nm以下、好ましくは390nm以下の各波長で測定される紫外線透過が最大10%であって、320〜400nmの波長範囲内で最大の紫外線吸収を示すべきである。また、該新規化合物は、取り扱いを容易にし、限定されないが熱可塑性樹脂のような所望の媒体中への導入を容易にするため、室温で、純粋、不希釈状態では液状であってよい。
【0017】
前記化合物(III)および(IV)を含んでなる組成物、とりわけ前記化合物と青味剤を含んでなる組成物も、所望の溶融熱可塑性樹脂配合物中へさらに導入する液体またはペレットとして、本発明に包含される。前記化合物(I)、(III)、および(IV)を含んでなるこのような組成物、とりわけ熱可塑性樹脂を製造する方法もまた、本発明に包含される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
「熱可塑性樹脂」の用語は、十分高い温度にさらすと固体から液体へ物理状態が変化する任意の高分子材料を包含するように意図される。最も注目すべき好ましい熱可塑性材料のタイプには、ポリオレフィン(即ち、ポリプロピレン、ポリエチレンなど)、ポリエステル(即ち、ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリアミド(即ち、ナイロン-1,1、ナイロン-1,2、ナイロン-6またはナイロン-6,6)、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリハロゲン化ビニル(即ち、単なる例示としてポリ塩化ビニルおよびポリ二フッ化ビニル)などがある。本発明において好ましい熱可塑性樹脂はポリエステルであり、最も好ましいものはポリエチレンテレフタレートである。
【0019】
このような熱可塑性樹脂の物品には、ボトル、貯蔵容器、シート、フィルム、繊維、プラーク、ホース、チューブ、シリンジなどが含まれる。これらには、強力および弾力機能のために窓に存在するポリエステル、ポリスチレンおよび他の同様のシート状樹脂材料が含まれる。そのような場合には、本発明の低色調のUV吸収剤は、室内にある対象包装物品(例えばボトル、容器など)を有する内容物または人(例えば家屋、建物、自動車などで、該添加剤を有するもの)に対し、優れたUV保護を付与し或いはこれに寄与する。基本的に、前記低色調で低移行性のUV吸収剤の可能性ある用途は膨大であって容易に網羅し得ない。しかし、他の可能な用途には、溶剤系、印刷用インキ、繊維物品加工用組成物(繊維物品、繊維、布などの上または内部)が含まれる。
【0020】
本発明において特に開示する透明なUV保護熱可塑性樹脂として意図される他種の物品には、限定されるものではないが、フィルム、シート、ボトル、容器、バイアルなどが含まれる。紫外線吸収剤は一般に、射出成形(または他種の成形、例えばブロー成形)の間に該組成物へ添加されるが、それには、限定されるものではないが、液状吸収剤を樹脂ペレットと混合し、コートされたペレット全てを溶融させることによる添加、若しくは樹脂および吸収剤を予備混合し、一緒に組み込んでペレット状とするマスターバッチ溶融ステップによる添加が含まれる。このようなプラスチックには、限定されるものではないが、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、および他の既知の樹脂、例えば米国特許第4,640,690号(Baumgartnerら)、第4,507,407号(Klugerら)中に「熱可塑性プラスチック」の用語で開示されたような樹脂が含まれる。一般に、そのようなUV吸収剤添加剤を含むプラスチックは、前記米国特許に開示された技術のようないくつもの様々な押出等の技術によって形成される。好ましい熱可塑性樹脂はポリエステルであり、例えば一つの非限定的な実施形態としてはポリエチレンテレフタレートである。「プラスチック包装」には保存目的で使用される容器、シート、ブリスター包装などが包含され、前記のように任意に組合せたプラスチックが含まれる。
【0021】
UV吸収性化合物に関連して用いられる「純粋、不希釈状態で」の用語は、いかなる添加剤も含まない該化合物自体が室温にて液状であることを示す。従って、このような所望の物理的状態を達成するために、溶剤、粘度調整剤、および他の同様の添加剤をUV吸収剤へ添加する必要はない。
【0022】
このような本発明のポリマーUV吸収剤は、前記のように非常に低色調[例えば、CieLabスケールで2.5を超えるb*値(この場合、黄変度をいう)を示さない]である。従って、そのような所望の低色調(低黄変)特性を付与するために、その特定のUV吸収剤へ大量の他の着色剤(例えば青味剤)、酸捕捉剤、および他の同様の添加剤を添加する必要はない。当業者によって良く理解されるべきことは、他のいかなる添加剤も存在しないで低黄変性であるという利点は、専らその特定の化合物に対して当てはまるのであって、そのような化合物を含んでなる任意の組成物が熱可塑性樹脂添加剤として専ら本発明の該化合物を含有することを意味しないということである。実際、他の添加剤、例えば前記の青味剤、酸捕捉剤、帯電防止剤、蛍光増白剤などを、所望の最終物品媒体(例えば熱可塑性樹脂)への導入前、導入中および/または導入後に、前記化合物へ添加してもよい。ポリマー種は、一例として、分解分析(例えばメタノリシス)、さらにはアニリンポリ(オキシアルキレン)化合物の痕跡を確認するための分光学的分析によって決定してよい。
【0023】
「溶剤系」の用語は、任意の水性または有機液状配合物を包含する。意図される水性系の非限定的な例には、洗浄液、洗浄剤、柔軟仕上剤、マーキングインキおよび着色剤、およびケラチン染料が含まれる。有機配合物の非限定的な例には、非水性型の洗浄液、洗浄剤、柔軟仕上剤、マーキングインキおよび着色剤、ケラチン染料、並びにスケール除去剤、界面活性剤配合物、炭化水素組成物などが含まれる。本発明のUV吸収剤の添加は、該液状化合物を目的とする溶剤系へ同時に十分混合しながら単に添加することにより行なわれる。
【0024】
印刷用インキには、単なる例示として挙げるものであるが、ボールぺンおよび万年筆を含むがこれらに限定されないペン、ドット・プリンター、標準的複写機用トナー、インクジェット用途、永久マーカー、乾燥消去マーカー、新聞印刷用インキ、雑誌印刷用インキ、レーザージェットプリンター等における着色剤として利用される組成物が含まれる。本発明のUV吸収剤の添加は、該液状化合物を目的とする印刷用インキへ同時に十分混合しながら単に添加することにより行なわれる。
【0025】
テキスタイル処理組成物という用語は、繊維物品へ適用するための任意の配合物を包含する(従って、少なくとも一時的なUV吸収性被覆剤等を繊維物品表面上に残す)。本発明の化合物を繊維物品の繊維中へ組み込むことも、この用語に、従って本発明に包含される。皮膚保護剤および日焼け剤配合物は太陽放射から皮膚を保護するために利用される新規なUV吸収性化合物を含んでなる任意の組成物を基本的に包含する。
【0026】
前記の新規紫外線吸収化合物によって得られる利点は、現段階の技術水準を考慮すると数多い。例えば、前記物品中に含まれる組成物および配合物の認識を容易とするためには、明白な理由で、透明な熱可塑性または熱硬化性樹脂物品が非常に望ましい。美観上の目的では、このような透明物品はいかなる変色も示してはならない。今日使用されている最も標準的なUV吸収剤を用いると、UV範囲内で吸収するためにそのような色を与える化合物自体の固有の性質によって、黄変が広く起こる。従って、前記のように、この作用に対処して所望の無着色樹脂を得るため、比較的多量の青味剤が必要とされる。本発明のプラスチック(および本発明の化合物)は、かかる変色をそのような程度に示すことがなく、そのため、たとえ該化合物によって、即ち目的の熱可塑性樹脂中で幾分の変色が起こり得た場合であっても、遥かに少量の青味剤を用いて必要とされる透明で無着色の樹脂が得られ、その結果、費用を抑え、そのように適当な透明物品およびより鮮やかな物品を得るために要する労力が減少する。青味剤は目的とする媒体の黄変防止に役立つだけでなく、その灰色化にも寄与するため、かかる薬剤の大量使用は一般に避けられる。従って、本発明の化合物は、これを用いると得られる低色調性によって、灰色化レベルの低い透明性を与える。その結果、所望の透明プラスチックはこれまで未達成であった輝度レベルと同時に広範囲で効果的な紫外線保護を広い波長範囲(前記したように)にわたって示す。さらに、このように効果的なUV吸収特性は、目的とする熱可塑性樹脂の保存物品のある種の内容物を保護する点で顕著である。後述するように、このような本発明のUV吸収剤は、非常に望ましい約300〜約400nmの波長範囲にわたる紫外線吸収特性を示す結果、該透明熱可塑性樹脂物品中に存在するリボフラビンの水性組成物は、高輝度UV光(例えば、以後に挙げるこのような実験の全てにつき、少なくとも全部で8つのSylvania(登録商標) 350 ブラックライト電球、モデル番号F40/350 BL、各40ワットの条件下)への20時間暴露後に300〜400nmの波長範囲にわたる紫外線暴露を行なった後、75%以下の分解速度を示す。
【0027】
さらに、前記本発明の化合物は、プラスチックおよび他の媒体からの極めて低い移行(例えば低抽出)レベルを示す。化合物上にポリ(オキシアルキレン)鎖が存在すると、非常に多様性の高いUV吸収性化合物が液状若しくは低粘度の添加剤として得られ、目的とする熱可塑性樹脂中へ導入すると充分で効果的な混合を示し、その後に成形、冷却すると樹脂からの非常に低い抽出レベルを示す。このような低抽出レベルの結果は、前記本発明の化合物(並びに前記本発明の熱可塑性樹脂)によって示されるものであって、本発明のUV吸収剤化合物はいつでも目的とする熱可塑性樹脂中へその製造の間に導入される。従って、重合段階での導入(Pruettらの方法と同様)、また射出成形段階での導入、若しくは目的とする熱可塑性樹脂とその添加剤との初期混合段階での導入のいずれであっても、本発明のUV吸収剤が非常に低抽出であるとの結果が得られる。このように多様性であるため、使用者にとって、低抽出UV吸収剤化合物の効果的な導入(ここではPruettらにおける場合)によって課される制約より、むしろ他の制約の点からその反応方法を設定することが可能となる。こうして、かかる利点により使用者は、熱可塑性樹脂を製造する間の任意の時点で必要な効果的UV吸収剤を導入する自由度を得ることができる。従って、製造プロセスの間の任意時点でかかるポリマー化合物を目的樹脂中へ導入することは、本発明のポリマーUV吸収剤化合物の殆どの液体性質によって容易となる。その結果、取扱い性は大きく改善され、所望の媒体中へのより充分な分散も達成される。また、性能および低抽出特性の点で同時に或いは付随する信頼性を備えた前記本発明の化合物を利用することを通じ、単純さによりコストが削減され、より充分な混合などに伴い信頼性が高まる。
【0028】
また、このように信頼性が高く、取扱いが容易で、低色調の低移行性(低抽出性)UV吸収性化合物は、現在当業界で提供されている標準的UV吸収剤よりも大きな保護の範囲を与える。一般に、目的媒体(例えばポリエステル)中での該化合物量を増加しても、そのような標準的UV吸収剤が有効であるのは約380nmまでである。そのような標準的UV吸収剤を目的媒体(例えば熱可塑性樹脂)中に多量に存在させても、より広範囲の保護波長における相関的な利点はなく目的媒体における変色がより著しい。これに対し、本発明の化合物は約400nmまでの保護を与える。この作用は、UV攻撃および分解の影響を非常に受け易い保存液体および固体中で使用される特定化合物の選択を通じて容易に示される。例えば、詳細を以下に示すように、リボフラビン(ビタミンB2)はかかる記述を満足する;標準的UV吸収剤(例えばTinuvin(登録商標) 234)と比較して、水性溶液中のリボフラビンを、透明ポリエチレンテレフタレート容器中に保存し、320〜400nmの間のUV源に20時間暴露した場合の保護は、本発明のバニリン系およびレゾルシノール系化合物について著しく高い。このような改善は、これらの本発明の化合物によって示される他の性質の一部或いは全てと結合して、特に透明で、恐らくプラスチックの用途において、かかる化合物の新規性と有用性を示すものである。
【0029】
特に、このような本発明のUV吸収性化合物は、以下の構造(I):
【化7】
[式中、R1, R2, R3, R4, およびR5は、同一または異なり、C1-20アルキル、ハロ、ヒドロキシル、水素、シアノ、スルホニル、スルホ、スルファト、アリール、ニトロ、カルボキシル、C1-20アルコキシ、およびB-Aよりなる群から選ばれ、ここでBはN, O, S, SO2, SO3よりなる群から選ばれ、Aは式(II):
【化8】
(式中、アルキレンオキシ成分はC2-20アルキレンオキシよりなる群から選ばれ、R'は水素、C1-20アルコキシ、C1-20アルキル、およびC1-20エステルよりなる群から選ばれ;ここでBがNの場合Zは2であり、BがNでない場合Zは1である)により表わされ;XおよびYは同一または異なっていてよく、水素、シアノ、C(O)OR, C(O)R, C1-20アルキル、およびC1-20アルコキシよりなる群から選ばれ、Rは、任意のR1, R2, R3, R4, およびR5についてと同様に定義され;ここでR1, R2, R3, R4, およびR5の少なくとも1つはB-Aであり; XおよびYの少なくとも1つはシアノまたは水素のいずれかである。]に従うものである。好ましくは、Xがエステル基である場合、Yはシアノであり、BはOである。好ましくは、アルキレン成分はオキシエチレン、オキシプロピレン、またはオキシブチレンのいずれかであり、オキシエチレンおよびオキシプロピレンが最も好ましく(かかるモノマーは2〜100単位;好ましくは2〜50単位;最も好ましくは5〜20単位);R'は好ましくは水素である。このような化合物も、前記のように低色調で低移行(プラスチックのような目的媒体から)特性を示すことが必要であり、またその無希釈状態では室温にて液体で存在する。
【0030】
好ましくは、このような低色調の紫外線吸収化合物は、前記式(I)、(III)、および(IV)に表わされる構造に従う。前記のように熱可塑性樹脂からの所望される低抽出レベルを与えるために、かかる化合物をポリ(オキシアルキル)化する。前記式(I)および(III)に従う構造、即ちレゾルシノール系ではない化合物にとって、このような低色調種を付与する能力は、限定されるものではないが、希土類の塩(例えばリン酸ランタン)、特定の金属水酸化物(例えば単独および反応媒体自体内で遊離しおよび/または利用し得るプロトンに対し強い親和性のある化合物の存在下での水酸化カリウム、以下「プロトンスポンジ」と称する。)などを含む特定種類のアルコキシル化触媒を利用することによって、明らかに制御される。そのような触媒、特に希土類のリン酸塩は明らかに、反応物自体中に存在する不純物と出発原料の濃度が他の標準的アルコキシル化触媒(例えば水酸化ナトリウム)と比較して大幅に低減されるように設定される(そのように有利な低色調形成の背後に存在する真の理由は完全には分かっていないが)。平均粒度(D50)が5〜50ミクロンで、ランタンを有し、含有量が少なくとも58重量%で、塩素を実質的に有さない白色粉末状原料であるリン酸ランタン触媒が好ましい。それを触媒として得られるポリ(オキシアルキル)化生成物は、他の標準的なアルコキシル化触媒(前記のようにNaOHなど)と比べてかなり低色調を示す。このような好ましい触媒は、以下の特定の実施例で使用するものと同じである。
【0031】
さらに、いかなる特定の科学理論にも限定するものではないが、このような前記プロトンスポンジ化合物は、強く帯電したプロトン種の有害となり得る反応を防ぎ、最終反応物質および反応生成物を攻撃させずに、その結果最終生成物自体の中に変色性化合物が生じることを軽減させるものと推測される。このようなプロトンスポンジ化合物の例には、限定されるものではないが、1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、1,8-ビス(ジエチルアミノ)-2,7-ジメトキシナフタレン、4,5-ビス(ジメチルアミノ)-フルオレン、4,5-ビス(ジメチルアミノ)フェナントレン、キノ[7,8-n]キノリン等が含まれ、1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレンが好ましい。
【0032】
好ましくは、アルコキシル化化合物はエチレンオキシド或いはプロピレンオキシド、またはこれらの混合物のいずれかを含み、鎖長は2〜約100、より好ましい鎖長は約2〜約50、最も好ましい鎖長は約5〜約10であり、全てがエチレンオキシドであることも非常に好ましい。従って、式(III)の構造を有するバニリン系UV吸収性化合物は式(I)の構造の好ましい態様である。
【0033】
式(IV)に従う構造もまた式(I)の構造の好ましい態様であって、ビルスマイヤー錯化および引き続き該化合物を脱アセチル化することにより、ヒドロキシル保護されたアルコキシル化レゾルシノールに前記修正ホルミル化を施すことによって、低色調のポリ(オキシアルキレナート)として生成する。この場合、最初のアルコキシル化を最も標準的なアルコキシル化触媒を用いた触媒反応によって行なってよい。また、式(I)および(III)の構造のための同種のオキシアルキレンおよび前記の鎖長は、式(IV)の構造にとっても好ましい。従って、このような化合物を製造する方法における出発物質は任意のレゾルシノール系化合物であり、レゾルシノール自体が好ましい。
【0034】
アルコキシル化の後、得られた化合物を遊離水酸基のための保護化合物と反応させる。そのような保護化合物はエステル無水物であってよく、好ましくは少なくとも1つのC1-C20エステル無水物、より好ましくは無水酢酸である。次いで、保護された化合物は、例えば、N,N-ジメチルホルムアミドおよびオキシ塩化リンから形成されたビルスマイヤー錯体によってホルミル化するが、単なる例示として非限定的に、オキシ塩化リン、ホスゲン、またはトリフルオロメタンスルホン酸(triflic acid)のいずれかと反応した二置換のホルムアミドを含む、この種のあらゆる標準的化合物であってよい。保護されたレゾルシノールポリオキシアルキレン化化合物[例えばレゾルシノール(6モルのエチレンオキシド、別名EO)二酢酸]に基づく芳香族アルデヒドを製造するために、もちろん任意の他のアルデヒド形成基がこの方法において機能する。低色調のアルデヒド生成物を得るため、ホルミル化反応を、低温にて(即ち、90℃に対して70℃)、次亜燐酸の存在下で行う。次亜燐酸は既知の還元剤であって、これを存在させると大きく着色した酸化種の形成を阻害することが知られている。反応中に酸素を除去することも非常に重要である。アルデヒドが形成された後、pHレベルが少なくとも12である任意の化合物または化合物混合物、例えばNaOH、KOH、それらの混合物等を用いて、保護された水酸基を塩基加水分解反応により遊離(例えば脱保護)させる。該2つの塩基混合物が好ましい。
【0035】
このような化合物を含んでなる組成物、特に該化合物と青味剤を含んでなる液体状またはペレット状の組成物も本発明に包含される。これらの広く定義される化合物並びにより特定された種類のものは、低色調、低移行性、液状、目的媒体中への効果的で充分な混合の点で透明用途(非限定的一例として透明プラスチック)に必要な特性を付与するものである。
【0036】
種々の組成物および用途に使用される適切な量は、それら個々の可能性に大きく依存する。従って、例えばプラスチックの場合、本発明のUV吸収剤は、全プラスチック組成物の約0.001〜約1.5重量%、好ましくは約0.01〜約1.0重量%、最も好ましくは約0.05〜約0.5重量%の量で添加される。そのようなプラスチックは、抗酸化剤、清澄剤、核剤、酸捕捉剤、香料、着色剤(透明用だが着色用途)、帯電防止剤等を含む他の標準的添加剤を含有してよい。
【0037】
好ましい実施形態の説明
好ましい本発明のUV吸収剤の一般的な製造法および使用法を以下に示す。
化合物の調製
【0038】
[実施例1]
2280gのバニリン、20gのリン酸ランタン触媒をオートクレーブへ投入した。次にオートクレーブを窒素ガスで数回シール、パージし(60PSIGの圧力まで)、次いで窒素で5PSIGまで加圧した。オートクレーブを121℃に加熱した後、エチレンオキシドを合計3960gが添加されるまで時間をかけて反応混合物へ添加した。全エチレンオキシドを添加したら、混合物を全部で30分間、後加熱した。次に、混合物を93℃に冷却し、未反応エチレンオキシドを除去するため減圧下で15分間ストリッピングした。生成物はヒドロキシル価が134の浅黄色液体である。
【0039】
前記反応から得られる938gの4-ポリオキシアルキレン-3-メトキシ-ベンズアルデヒド、30gのビタミンE、8gのグリシン、150gの水および305gのシアノ酢酸エチルを5リットルの三ツ口丸底フラスコへ投入した。窒素雰囲気下で混合物を70℃に加熱し、3時間保持した。室温まで冷却してから2500mLの水を添加し、混合物を75℃に加熱した。相分離させた後、生成物層を再度2500mLの水で洗浄した。回転式蒸発器で水を除去すると、メタノール中でのλmaxが358nmである862gの生成物が得られた。そのメタノール中での色値(メタノール1000ml中での試料1g当たりの吸収と定義される)は41abs/g/Lである。
【0040】
次に、1300gの前記UV吸収剤を5gのClearTint(登録商標) PC Violet 480 (青味剤)[Milliken & Company]と混合した。その後、UVブレンドを適用試験のために用いた。
【0041】
[実施例2]
456gのバニリン、1gのKOHフレークおよび4gのプロトンスポンジ [1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン]をオートクレーブへ投入した。次にオートクレーブを窒素ガスで数回シール、パージし(60PSIGの圧力まで)、次いで窒素で5PSIGまで加圧した。オートクレーブを121℃に加熱した後、エチレンオキシドを合計792gが添加されるまで時間をかけて反応混合物へ添加した。全エチレンオキシドを添加したら、混合物を全部で30分間、後加熱した。次に、混合物を93℃に冷却し、未反応エチレンオキシドを除去するため減圧下で15分間ストリッピングした。1253gの生成物(収率97%)がヒドロキシル価142の淡黄色液体として得られる。
【0042】
前記反応から得られる100.4gの4-ポリオキシアルキレン-3-メトキシ-ベンズアルデヒド、0.82gのビタミンE、0.92gのグリシン、20gの水および26.3gのシアノ酢酸エチルを250-mLの三ツ口丸底フラスコへ投入した。窒素雰囲気下で混合物を70℃に加熱し、3時間保持した。室温まで冷却してから150mLの水を添加し、混合物を75℃に加熱した。相分離させた後、生成物層を再度150mLの水で洗浄した。回転式蒸発器で水を除去した後、残液を200mLのメタノールで希釈した。次に、混合物を5ミクロンのフィルターで濾過し、メタノール中でのλmaxが360nmである80gの淡黄色液状生成物が得られた。そのメタノール中での色値(メタノール1000ml中での試料1g当たりの吸収と定義される)は42abs/g/Lである。
【0043】
次に、1300gの前記UV吸収剤を5gのClearTint(登録商標) PC Violet 480 [Milliken & Company]と混合した。その後、UVブレンドを適用試験のために用いた。
【0044】
[実施例3]
1830gの4-ヒドロキシベンズアルデヒド、20gのリン酸ランタン触媒(実施例で使用したもの)をオートクレーブへ投入した。次にオートクレーブを窒素ガスで数回シール、パージし(60PSIGの圧力まで)、次いで窒素で5PSIGまで加圧した。オートクレーブを121℃に加熱した後、エチレンオキシドを合計3960gが添加されるまで時間をかけて反応混合物へ添加した。全エチレンオキシドを添加したら、混合物を全部で30分間、後加熱した。次に、混合物を93℃に冷却し、未反応エチレンオキシドを除去するため減圧下で15分間ストリッピングした。生成物はヒドロキシル価144の浅黄色液体である。
【0045】
前記反応から得られる860gの4-ポリオキシアルキレン-ベンズアルデヒド、30gのビタミンE、8gのグリシン、150gの水および305gのシアノ酢酸エチルを5Lの三ツ口丸底フラスコへ投入した。窒素雰囲気下で混合物を70℃に加熱し、3時間保持した。室温まで冷却してから2500mLの水を添加し、混合物を75℃に加熱した。相分離させた後、生成物層を再度2500mLの水で洗浄した。回転式蒸発器で水を除去すると、メタノール中でのλmaxが338nmである862gの生成物が得られた。
【0046】
[実施例4]
800gのレゾルシノール、400gのトルエンおよび4gの水酸化ナトリウムペレットをオートクレーブへ投入した。次にオートクレーブを窒素ガスで数回シール、パージし(60PSIGの圧力まで)、次いで窒素で5PSIGまで加圧した。オートクレーブを121℃に加熱した後、エチレンオキシドを合計1920gが添加されるまで時間をかけて反応混合物へ添加した。全エチレンオキシドを添加したら、混合物を全部で30分間、後加熱した。次に、混合物を93℃に冷却し、未反応エチレンオキシドとトルエンを除去するため回転式蒸発器によって100℃でストリッピングを行なった(トルエンの除去を助けるため水を定期的に添加した)。最終生成物はヒドロキシル価が304であった。
【0047】
前記反応から得られる266gのポリオキシアルキレンレゾルシノール、193gの無水酢酸および2gのN-メチルイミダゾールを1Lの三ツ口丸底フラスコへ投入した。窒素雰囲気下で混合物を130℃に加熱し、3時間保持した。室温まで冷却した後、混合物を2Lの一口丸底フラスコへ移し、200mLの水を添加した。酢酸 副生成物を除去するため回転式蒸発器によって100℃でストリッピングを行なった。酢酸を除去した後、310gのポリオキシアルキレンレゾルシノール二酢酸が残った。
【0048】
5Lの三ツ口フラスコへ、915gのN,N-ジメチルホルムアミドを投入した。窒素パージを行ないながら、34gの50%次亜燐酸をその5Lフラスコへ投入した。得られた混合物を-5℃に冷却し、温度を-5〜0℃の間に保ちながら664gのオキシ塩化リンをゆっくり添加した。得られたビルスマイヤー錯体を1138gのポリオキシアルキレンレゾルシノール二酢酸、28gの50%次亜燐酸および30g無水酢酸の混合物(窒素でパージ)へ添加した。ビルスマイヤー錯体の添加中に、温度は25℃を超えなかった。添加が完了したら、混合物を窒素雰囲気下で70℃に加熱し2時間保った。引き続き、混合物を室温へ冷却し、2492gの水と1566gの50%水酸化ナトリウム溶液を含む溶液へ添加した。この混合物を窒素雰囲気下で75℃に加熱し相分離させた。生成物層を876gの水、546gの50%水酸化ナトリウム溶液および92gの45%水酸化カリウム溶液と混合した。窒素雰囲気下で、混合物を70℃に加熱し3時間保持した。室温に冷却後、93%硫酸溶液でpH7に中和した後に1000gの水を混合物へ添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下で75℃に加熱し相分離させた。生成物層をストリッピングし、フィルターを通過させると880gの浅黄色液体が残った。この溶液の5%メタノール溶液はガードナー色調(1953シリーズ)が6であった。この生成物のIRスペクトルは1670cm-1(アルデヒド カルボニル伸縮)にピークを示す。メタノール中で、この物質のλmaxは273nm並びに第二ピーク312nmであった。
【0049】
500mLの三ツ口丸底フラスコへ、前記反応から得られる91gの2,4-ポリオキシアルキレンベンズアルデヒド、3gのビタミンE、0.85gのグリシン、31gのシアノ酢酸エチルおよび20gの水を投入した。窒素雰囲気下で、反応混合物を70℃に加熱し3時間保持した。混合物を室温に冷却後、250gの水を添加し、混合物を窒素下で75℃に加熱した。相分離させた生成物層を再度250gの水で洗浄した。ストリッピングを行なうと、95gの生成物が残った。メタノール中で、この物質はλmaxが367nmである。
【0050】
1000gの前記UV吸収剤を8gのClearTint(登録商標) PC Violet 480 (Milliken chemical)と混合した。その後、このUVブレンドを適用試験のために用いた。
【0051】
[比較例1]
2280gのバニリン、20gの水酸化ナトリウム触媒をオートクレーブへ投入した。次にオートクレーブを窒素ガスで数回シール、パージし(60PSIGの圧力まで)、次いで窒素で5PSIGまで加圧した。オートクレーブを121℃に加熱した後、エチレンオキシドを合計3960gが添加されるまで時間をかけて反応混合物へ添加した。全エチレンオキシドを添加したら、混合物を全部で30分間、後加熱した。次に、混合物を93℃に冷却し、未反応エチレンオキシドを除去するため回転式蒸発器によって100℃で真空ストリッピングを行なった。生成物はヒドロキシル価が134の琥珀色液体であった。
【0052】
前記反応から得られる938gの4-ポリオキシアルキレン-3-メトキシ-ベンズアルデヒド、30gのビタミンE、8gのグリシン、150gの水および305gのシアノ酢酸エチルを5リットルの三ツ口丸底フラスコへ投入した。窒素雰囲気下で混合物を70℃に加熱し、3時間保持した。室温まで冷却してから2500mLの水を添加し、混合物を75℃に加熱した。相分離させた後、生成物層を再度2500mLの水で洗浄した。回転式蒸発器で水を除去すると、メタノール中でのλmaxが358nmである862gの生成物が得られた。そのメタノール中での色値(メタノール1000ml中での試料1g当たりの吸収と定義される)は25abs/g/Lである。
【0053】
[比較例2]
500mLの三ツ口フラスコへ、135gのN,N-ジメチルホルムアミドを投入し、窒素パージした。-5℃に冷却した際、温度を-5〜0℃の間に保ちながら99gのオキシ塩化リンをゆっくり添加した。得られたビルスマイヤー錯体を169gのポリオキシアルキレン(6EO)レゾルシノール二酢酸および4.5g無水酢酸の混合物(窒素でパージ)へ添加した。ビルスマイヤー錯体の添加中に、温度は25℃を超えなかった。添加が完了したら、混合物を窒素雰囲気下で70℃に加熱し2時間保った。その後、混合物を室温へ冷却し、369gの水と232gの50%水酸化ナトリウム溶液を含む溶液へ添加した。この混合物を窒素雰囲気下で75℃に加熱し相分離させた。生成物層を153gの水、95gの50%水酸化ナトリウム溶液および16gの45%水酸化カリウム溶液と混合した。窒素雰囲気下で、混合物を70℃に加熱し3時間保持した。室温に冷却後、93%硫酸溶液でpH7に中和した後に112gの水を混合物へ添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下で75℃に加熱し相分離させた。生成物層をストリッピングし、フィルターを通過させると110gの淡オレンジ色液体が残った。この溶液の5%水溶液はガードナー色調(1953シリーズ)が7であった。
【0054】
[比較例3]
500mLの三ツ口フラスコへ、135gのN,N-ジメチルホルムアミドを投入し窒素パージした。-5℃に冷却した際、温度を-5〜0℃の間に保ちながら99gのオキシ塩化リンをゆっくり添加した。得られたビルスマイヤー錯体を169gのポリオキシアルキレン(6EO)レゾルシノール二酢酸および4.5g無水酢酸の混合物(窒素でパージ)へ添加した。ビルスマイヤー錯体の添加中に、温度は25℃を超えなかった。添加が完了したら、混合物を窒素雰囲気下で90℃に加熱し2時間保った。その後、混合物を室温へ冷却し、369gの水と232gの50%水酸化ナトリウム溶液を含む溶液へ添加した。この混合物を窒素雰囲気下で75℃に加熱し相分離させた。生成物層を153gの水、95gの50%水酸化ナトリウム溶液および16gの45%水酸化カリウム溶液と混合した。窒素雰囲気下で、混合物を95℃に加熱し3時間保持した。室温に冷却後、93%硫酸溶液でpH7に中和した後に112gの水を混合物へ添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下で75℃に加熱し相分離させた。生成物層をストリッピングし、フィルターを通過させると107gの暗赤褐色液体が残った。この溶液の5%水溶液はガードナー色調(1953シリーズ)が13であった。
【0055】
100mLの三ツ口丸底フラスコへ、前記反応から得られる37gの2,4-ポリオキシアルキレンベンズアルデヒド、3gのビタミンE、0.5gのグリシン、10gのシアノ酢酸エチルおよび20gの水を投入した。窒素雰囲気下で、反応混合物を70℃に加熱し3時間保持した。混合物を室温に冷却後、100gの水を添加し、混合物を窒素下で75℃に加熱した。相分離させた生成物層を再度100gの水で洗浄した。ストリッピングを行なうと、30gの生成物が残った。メタノール中で、この物質はλmaxが367nmである。
【0056】
[比較例4]
500mLの三ツ口フラスコへ、136gのN,N-ジメチルホルムアミドを投入した。窒素パージ下で、5.2gの50%次亜燐酸をその500mLフラスコへ投入した。得られた混合物を-5℃に冷却した際、温度を-5〜0℃の間に保ちながら99gのオキシ塩化リンをゆっくり添加した。得られたビルスマイヤー錯体を170gのポリオキシアルキレン(6EO)レゾルシノール二酢酸、4.2gの50%次亜燐酸および4.5g無水酢酸の混合物(窒素でパージ)へ添加した。ビルスマイヤー錯体の添加中に、温度は25℃を超えなかった。添加が完了したら、混合物を窒素雰囲気下で90℃に加熱し2時間保った。引き続き、混合物を室温へ冷却し、369gの水と232gの50%水酸化ナトリウム溶液を含む溶液へ添加した。この混合物を窒素雰囲気下で75℃に加熱し相分離させた。生成物層を153gの水、95gの50%水酸化ナトリウム溶液および16gの45%水酸化カリウム溶液と混合した。窒素雰囲気下で、混合物を95℃に加熱し3時間保持した。室温に冷却後、93%硫酸溶液でpH7に中和した後に112gの水を混合物へ添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下で75℃に加熱し相分離させた。生成物層をストリッピングし、フィルターを通過させると100gの暗赤褐色液体が残った。この溶液の5%メタノール溶液はガードナー色調(1953シリーズ)が11であった。
【0057】
[比較例5]
1000gのp-ホルミル-N,N-ポリオキシエチレンアニリン(7モルEO)を124部のマロン酸ジエチルおよび30部の炭酸アンモニウムと混合した。次に混合物を70〜75℃で10時間加熱した。この反応を混合物のUV-可視光スペクトルによって監視した。377nmにおける吸収極大(A/gl=20.1)の存在が示すように、反応の終了時に、生成物を減圧下でさらにストリッピングして最終生成物を得る。
【0058】
[比較例6]
17gの3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、70mLのトルエン、1gのピペリジンおよび15gのシアノ酢酸エチルを250mLの三ツ口フラスコへ投入した。窒素雰囲気下に、混合物を110℃に加熱し2時間保持した。冷却すると沈殿物が生成した。この沈殿物を回収し、1:1のトルエン:アセトンから再結晶させた。70℃に設定したオーブン中で乾燥後、メタノール中でのλmaxが357nmである浅緑黄色固体が残った。
【0059】
[比較例7]
17gの2,4-ジメトキシベンズアルデヒド、70mLのトルエン、1gのピペリジンおよび15gのシアノ酢酸エチルを250mLの三ツ口フラスコへ投入した。窒素雰囲気下で、混合物を110℃に加熱し2時間保持した。冷却すると沈殿物が生成した。この沈殿物を回収し、1:1のトルエン:アセトンから再結晶させた。70℃に設定したオーブン中で乾燥後、黄色い針状結晶が残った。この物質を含有するメタノール溶液はのλmaxが368nmであった。
【0060】
[比較例8および9]
バニリン UVA モデル化合物エチル 2- シアノ -3 ( 4- ヒドロキシ -3- メトキシフェニル)プロペノエートの合成
【化9】
【0061】
(比較例8):バニリン(15.2 g、0.1モル)、シアノ酢酸エチル(12.5g、1.1当量)およびエタノール(100mL)を、還流冷却器を備えた250-mLの三ツ口丸底フラスコ中で混合した。撹拌しながら、ピペリジン(1.5g)を添加し、全混合物を2時間還流させた。室温に冷却後、10%HClによって混合物をpH5〜6に酸性化した。生成した沈殿物を濾過により回収し、メタノールで数回洗浄し、空気中乾燥させるとアセトン中で360nmの吸収を有する鮮黄色結晶生成物(9g)が得られた。
【0062】
(比較例9):バニリン(15.2g、0.1モル)、シアノ酢酸エチル(12.5g、1.1当量)およびトルエン(100mL)を、還流冷却器を備えた250-mLの三ツ口丸底フラスコ中で混合した。撹拌しながら、ピペリジン(1.5g)を添加し、全混合物を2時間還流させた。室温に冷却後、数的の10%HClによって混合物を酸性化した。生成した沈殿物を濾過により回収し、メタノールで数回洗浄し、空気中乾燥させるとアセトン中で360nmの吸収を有する黄色結晶生成物(19.2g)が得られた。
【0063】
Tinuvin(登録商標) 234の市販試料をCibaから入手した。Eastman Heatwave(登録商標) UV の濃縮物試料も比較目的で入手し試験した。次に、前記他の比較例に関しては、これらの市販試料を特定の熱可塑性樹脂最終用途に取り込んだ。このEastmanのUV吸収剤の取り込みは、該UV吸収剤を熱可塑性樹脂自体と実際に重合させることにより行なった。CibaのUV吸収剤はパウダーとして溶融した熱可塑性樹脂配合物中へ添加し、次いで充分に混合した。
【0064】
熱可塑性樹脂組成物の調製
UV吸収剤をポリエステル熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンテレフタレートの射出成形操作に導入した。液体吸収剤を、撹拌によりチャンバー内で高温の乾燥ポリエチレンテレフタレート樹脂(ペレット形状)にブレンドした。これにより樹脂による吸湿が最小となる。吸収剤およびペレットの混合物を、成形機内の供給口に重力供給した。供給領域において、回転している(成形機のバレルから移動した熱により)加熱されたスクリュー押出機の使用によって、溶融を行った。スクリュー回転は、吸収剤と溶融樹脂との充分な混合も行って、均質プラスチックメルトを形成し、次に、メルトを型に注入して、中間の熱可塑性プラスチック物品(例えばパリソン)を形成した。
【0065】
中間物品(例えばパリソン)は、さらに加工する前に、通常の室温および湿度に平衡させた。パリソン温度をその軟化点に上げる一式の赤外線ヒーターの前に、該物品を設置した。次に、加熱したパリソンを型へ移動させ、そこでロッドをパリソン中へ挿入してパリソンの末端を型の底部へ伸ばした。引き続き、圧縮空気を延伸したパリソン中へ吹き付け、パリソンの外壁を型に対して押し付けて、15〜20ミルの平均厚みを有する所望の熱可塑性樹脂物品(例えばボトル)を形成した。
【0066】
ポリエステル樹脂への透過データ
5つの異なるPETボトル壁断片を通したUV光のパーセント透過を、50mmの積分球を備えたPerkin-Elmer Lambda 35 UV-可視光分光器で測定した。試料全部の肉厚は約0.43mm(17ミル)である。UV透過データを表2にまとめる。
【0067】
【表1】
【0068】
PETボトル壁断片の透過率スペクトルを250nmから450nmまで増分5nmで測定した。結果は以下の通りである。
【0069】
【表2】
【0070】
より低い透過%がより良い性能を表わすため、より大きな波長範囲では、本発明のUV吸収剤は目的とするPET樹脂にとって、より大きな全体的保護を与えることは明らかである。本発明のUV吸収剤は、遥かに改善されたUV保護をより長波長範囲(370〜390nm)に付与する。さらに、本発明のUV吸収剤を用いたPETボトルだけが波長390nm以下で透過が10%以下というスペックを満足する。
【0071】
UV 損傷からの内容物保護
UV吸収剤をPET包装中へ組み込む主目的は、有害なUV損傷から内容物を保護することである。この必要は食品包装においてより重大である。UV光が様々な栄養素、例えばビタミンの分解を引き起こすことが一般に知られている。本発明のUV吸収剤は、市販のUV吸収剤と比較して、UV損傷に対し遥かに改善された保護を付与することが分かった。
【0072】
ビタミンB群は人体において広くて多様な範囲の機能を有する。殆どのビタミンBは、血糖をエネルギーに変換するプロセスに関与する。ビタミンB中に豊富な食物は、妊娠し、授乳する女性にとって、また、スポーツ選手や重労働者のようにより多くのエネルギーを要する人々にとって、特に重要である。ビタミンB2(リボフラビン)はエネルギー生成において非常に重要である。ビタミンB2は牛乳、補強乾燥シリアル、および低脂肪ヨーグルト中に見つけることができる。欠乏すると皮膚および粘膜に影響を及ぼす。リボフラビンは熱に対してかなり安定だが、光に対して非常に敏感である。リボフラビンは紫外線に対し特に敏感である。
【0073】
光線暴露によるビタミンB2の分解を妨げるためにPET包装の有効性を決定する検討を行なった。脱イオン水に50mg/Lで溶解することによってリボフラビン原液を調製した。この原液を光線から保護した。先の実施例(表1に列挙)によるPETボトルを用いた。これらのPETボトルを原液で充填した。UVA-351電球を備えたQ-Panel QUV 促進耐候性試験機中にボトルを設置した。UVA光線電球の選択は、倉庫、スーパーマーケットまたは他の屋内貯蔵の間の蛍光灯暴露をシミュレートするものである。リボフラビンの分解は、444nmにおける可視吸収ピークの吸収をモニターすることによって追跡した。対照標準試料をアルミホイルで覆い、同一の処理を施した。試験データを表3にまとめる。
【0074】
【表3】
【0075】
データは、ホイルで覆った対照標準試料が同一濃度のリボフラビンを保持することを示している。従って、分解は光線暴露によって専ら引き起こされる。UV吸収剤を含有するPETボトルは全て、対照標準よりも遥かに高レベルの残存リボフラビンを示す。本発明のUV吸収剤を用いたボトルは、最良の市販製品を用いたボトルよりも著しく高いレベルの残存リボフラビンを示している。全てのボトルの中で、ボトルFは光線暴露に対し最高の内容物保護を示している。
【0076】
ポリエステル樹脂についての比色分析データ
より長波長を吸収する他のUV吸収剤が開示されてきたが、これらは通常、ポリエステル物品中で色調を与える。多くの包装用途にとって、無色で透明な包装が必須である。本発明のUV吸収剤は、並外れたUV遮断能力を与えPET物品への着色のない絶妙のバランスを有している。
【0077】
種々のPETボトル壁断片の比色分析データを、Gretag-Macbeth ColorEye 7000A分光光度計で測定した。PETボトル壁断片のCieLabスケールを用いた比色分析データ、とりわけL*(明度/暗度を示す)およびb*(黄色度/青色度)は以下の通りである。
【0078】
【表4】
【0079】
このように、比較例は同様のL*値(明度)を示すものの、同時に高い黄色度(b*値)を示す。ごく少量の灰色化青味剤を用いた低黄変性樹脂、従って、非常に明るい外観を示すためには、これらの評価の測定値は、L*について90以上、b*について約2.5以下であることが好ましい。比較例におけるUV吸収剤のb*値(例えば黄色度)を低減させる試みは、青味剤の添加を必要とし、その結果、目的樹脂の明度(L*)が目標値である90以下に低減した。
【0080】
液状 UV 吸収剤についての比色分析データ
前記したように、無色であることはこの用途にとって非常に重要である。本発明の方法によって、本発明のUV吸収剤における色調レベルを低減させることができる。この実験では、UV吸収剤をメタノールに溶解して5%溶液とした。ガードナー色調を測定した。データを表5に示す。ガードナー色調がより高いことは、UV吸収剤の最終PET物品へ色調を与える傾向がより強いことを示している。
【0081】
【表5】
【0082】
このように、本発明の方法は、本発明の液状UV吸収剤における色調レベルを著しく低減させることを、データは示している。
【0083】
抽出
食品包装は、包装材料においてUV保護を要する最大用途の一つである。従って、通常の使用条件下で非移行特性を示すことは、本発明による無色のUV吸収剤にとって重要な要請である。その移行特性を以下の抽出試験によって検討した。
【0084】
UV吸収剤添加剤を含有するポリエステルプラックを、標準的な配合方法を用いて調製した。各プラックは表面積が12.5 in2であった。PETプラックはClearTuf(登録商標) 8006 PET(M&G Polymers)樹脂を用いて製造し、PENプラックはPEN Hypertuf(登録商標)(M&G Polymers)を用いて製造した。
【0085】
各添加剤について、以下の抽出手順に従った。
95%エタノール溶液を食品シミュレート溶剤として用いた。USP 200プルーフ(100%)の無水エタノールを脱イオン水で希釈し、抽出溶剤を調製した。本検討では、テフロン(登録商標)ライニングされた先端部を有するステンレス製圧力容器を抽出容器として用いた。本検討では、容器当たり125gの抽出溶剤および6つのプラックを使用した。抽出溶剤にプラックが浸漬し全ての側面がさらされるようにプラックを配置した。
【0086】
6つのプラックを半分に切断してステンレス製抽出容器内に置き、125gの95%エタノール(70℃に予備加熱したもの)を添加した。次に、その容器を密閉して70℃のオーブン内に2時間置き、その時点で取り出した。その後、プラックを抽出容器から取り出し、溶剤を周囲温度に放冷した。次に、抽出溶液を分光光度法によって分析し、UV吸収剤が目的樹脂から抽出されたか否かを決定した。
【0087】
抽出物を分光光度法によって分析し、抽出された着色剤の有無を決定した。光路長が10.00cmのセルを備えたBeckman(登録商標) DU 650分光光度計を用いた。無着色のポリエステルプラックから得た抽出物を用いて、最初に装置のゼロ調整を行なった。次に、様々な添加剤を含有するプラックの抽出から得た抽出物を、紫外/可視範囲でスキャンし、添加剤のλmaxでの検出可能ピークの有無と対応する吸光度を測定した。添加剤のλmaxでの吸収レベルがより高ければ、より高い抽出レベルを示す。本発明に関連する「加熱アルコール抽出試験」の用語は、本発明に関するこのような分析手法を包含する。
結果を下記表6および表7にまとめる。
【0088】
【表6】
【0089】
【表7】
【0090】
このように、本発明のUV吸収剤は、比較例および市販UV吸収剤よりも遥かに低減された抽出レベルを示すことを、データは示している。本発明のUV吸収剤は食品接触用途により適している。比較例8および9では、前記表6に示した結果は、目的とする熱可塑性樹脂の実際の重合段階よりむしろ射出成形段階で前記UV吸収剤(Pruettらの特許によるもの)を導入すると、特に本発明のポリマーUV吸収剤と比較して、極めて望ましくない抽出測定値となることを示している。
【0091】
本発明の特定の特徴を記載したが、それらに変更を加えることができ、本発明の原理の他の実施態様を当業者は認識しうる故に、当然、本発明は、本発明のいずれの特定の形態または実施にも限定されるものではないと理解すべきである。従って、請求の範囲の真の意味、意図および範囲において本発明の特徴を取り入れるいかなる変更も、請求の範囲に含まれるものとする。
Claims (54)
- 式(I):
R1, R2, R3, R4, およびR5は、同一または異なっていてよく、C1-20アルキル、ハロ、ヒドロキシル、水素、シアノ、スルホニル、スルホ、スルファト、アリール、ニトロ、カルボキシル、C1-20アルコキシ、およびB-Aよりなる群から選ばれ、
ここで、BはN, O, S, SO2, SO3よりなる群から選ばれ、Aは式(II):
ポリオキシアルキレン成分はC2-20アルキレンオキシよりなる群から選ばれ、R'は水素、C1-20アルコキシ、C1-20アルキル、およびC1-20エステルよりなる群から選ばれ;
ここでBがNの場合Zは2であり、BがNでない場合Zは1である)
により表わされ;
XおよびYは、同一または異なっていてよく、水素、シアノ、C(O)OR, C(O)R, C1-20アルキル、およびC1-20アルコキシよりなる群から選ばれ、
Rは、R1ないしR5の任意につき前記したと同様に定義され、
R1, R2, R3, R4, およびR5の少なくとも一つはB-Aであり、
該XおよびYの少なくとも一つはシアノまたは水素のいずれかである。]
に表わされる構造に従う紫外線吸収剤化合物。 - 少なくとも一種の熱可塑性樹脂、少なくとも一種の熱硬化性樹脂およびそれらの任意の混合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂成分、および請求項1に記載の少なくとも一種の化合物を含んでなる樹脂組成物。
- 前記少なくとも一種の樹脂成分は熱可塑性樹脂である請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂成分は、ポリエステル、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリマー、ポリアミド、およびそれらの任意の混合物よりなる群から選ばれる、請求項3に記載の樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂はポリエステルである請求項4に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートである請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1記載の少なくとも一種の化合物および少なくとも一種の青味剤を含んでなる液状組成物。
- 請求項1に記載の少なくとも一種の化合物および少なくとも一種の青味剤を含んでなるペレット化組成物。
- (a) 既に重合した熱可塑性樹脂の溶融配合物を供給し;
(b) 請求項1に定義された化合物に従う少なくとも一種の化合物を前記溶融配合物中へ導入し;
(c) 得られた溶融配合物を冷却する
ステップを含んでなる熱可塑性樹脂物品の製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂はポリエステルを含んでなる請求項9に記載の方法。
- 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含んでなる請求項10に記載の方法。
- (a) 既に重合した熱可塑性樹脂の溶融配合物を供給し;
(b) 請求項7に定義された組成物を前記溶融配合物中へ導入し;
(c) 得られた溶融配合物を冷却する
ステップを含んでなる熱可塑性樹脂物品の製造方法。
熱可塑性樹脂物品の製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂はポリエステルを含んでなる請求項12に記載の方法。
- 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含んでなる請求項13に記載の方法。
- (a) 既に重合した熱可塑性樹脂の溶融配合物を供給し;
(b) 請求項8に定義された少なくとも一種のペレットを前記溶融配合物中へ導入し;
(c) 得られた溶融配合物を冷却する
ステップを含んでなる熱可塑性樹脂物品の製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂はポリエステルを含んでなる請求項15に記載の方法。
- 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含んでなる請求項16に記載の方法。
- ガードナー色調値が11以下を示す液状紫外線吸収剤化合物であって、2時間暴露後の加熱アルコール抽出溶液が示す吸光度レベルとして測定されるポリエチレンテレフタレートからの抽出レベルが、光路長10.00cmのセル中において0.1吸光度単位以下である液状紫外線吸収剤化合物。
- 前記化合物は0.05吸光度単位以下の抽出レベルを示す請求項18に記載の液状紫外線吸収剤。
- 前記化合物は0.025吸光度単位以下の抽出レベル請求項19に記載の液状紫外線吸収剤。
- 前記化合物は0.0吸光度単位の抽出レベルを示す請求項20に記載の液状紫外線吸収剤。
- 前記化合物は、5容積%の濃度でメタノール中に存在する際のガードナー色調値が11以下を示す請求項1に記載の化合物。
- a)レゾルシノールと、少なくとも1つのC2-C20アルキレンオキシド、グリシドール、およびそれらの任意の混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1つのオキシアルキレン含有基を有する少なくとも1つの化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物とを触媒の存在下に反応させてポリアルコキシル化レゾルシノールを生成させ;
b)ステップ“a”の反応生成物を、ポリアルコキシル化水酸基を保護する化合物と反応させ;
c)ステップ“b”の生成物を、ビルスマイヤー錯体の生成により芳香族アルデヒドへ転化させ;
d)次いでステップ“c”のアルデヒドを、脱アセチル化化合物と反応させてポリアルコキシル化水酸基を遊離させ;
e)ステップ“d”の反応生成物を、少なくとも1つのアルキルシアノエステルと反応させる、
一連のステップを含んでなる請求項23に記載の化合物の製造方法。 - 請求項23に記載の化合物を含んでなる熱可塑性樹脂。
- 前記熱可塑性樹脂はポリエステルである請求項25に記載の熱可塑性樹脂。
- 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートである請求項26に記載のポリエステル。
- 請求項23に記載の化合物および少なくとも一種の青味剤を含んでなる組成物。
- 請求項23に記載の化合物および少なくとも一種の青味剤を含んでなるペレット化組成物。
- (a) 熱可塑性樹脂の溶融配合物を供給し;
(b) 請求項23に定義された化合物に従う少なくとも一種の化合物を前記溶融配合物中へ導入し;
(c) 得られた溶融配合物を冷却する
ステップを含んでなる熱可塑性樹脂物品の製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂はポリエステルを含んでなる請求項30に記載の方法。
- 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含んでなる請求項31に記載の方法。
- (a) 熱可塑性樹脂の溶融配合物を供給し;
(b) 請求項28に定義された組成物を前記溶融配合物中へ導入し;
(c) 得られた溶融配合物を冷却する
ステップを含んでなる熱可塑性樹脂物品の製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂はポリエステルを含んでなる請求項32に記載の方法。
- 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含んでなる請求項33に記載の方法。
- (a) 熱可塑性樹脂の溶融配合物を供給し;
(b) 請求項29に定義された少なくとも一種のペレットを前記溶融配合物中へ導入し;
(c) 得られた溶融配合物を冷却する
ステップを含んでなる熱可塑性樹脂物品の製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂はポリエステルを含んでなる請求項36記載の方法。
- 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含んでなる請求項37に記載の方法。
- 請求項39に定義された化合物を含んでなる熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂はポリエステルを含んでなる請求項41に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含んでなる請求項42に記載のポリエステル組成物。
- 請求項39に記載の化合物および少なくとも一種の青味剤を含んでなる組成物。
- 請求項39に記載の化合物および少なくとも一種の青味剤を含んでなるペレット化組成物。
- (a) 熱可塑性樹脂の溶融配合物を供給し;
(b) 請求項39に定義された化合物に従う少なくとも一種の化合物を前記溶融配合物中へ導入し;
(c) 得られた溶融配合物を冷却する
ステップを含んでなる熱可塑性樹脂物品の製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂はポリエステルを含んでなる請求項46に記載の方法。
- 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含んでなる請求項47に記載の方法。
- (a) 熱可塑性樹脂の溶融配合物を供給し;
(b) 請求項44に定義された化合物を前記溶融配合物中へ導入し;
(c) 得られた溶融配合物を冷却する
ステップを含んでなる熱可塑性樹脂物品の製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂はポリエステルを含んでなる請求項49に記載の方法。
- 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含んでなる請求項50に記載の方法。
- (a) 熱可塑性樹脂の溶融配合物を供給し;
(b) 請求項7に定義された少なくとも一種のペレットを前記溶融配合物中へ導入し;
(c) 得られた溶融配合物を冷却する
ステップを含んでなる熱可塑性樹脂物品の製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂はポリエステルを含んでなる請求項52に記載の方法。
- 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含んでなる請求項53に記載の方法。
- 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含んでなる請求項53に記載の方法。
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