JP2004506768A - ポリマーメチン紫外線吸収剤 - Google Patents
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Abstract
Description
(技術分野)
本発明は、ポリオキシアルキレン成分を有して成る、新規なメチン系紫外線吸収化合物に関する。そのような化合物は、熱可塑性プラスチックを包含するがそれに限定されない種々の媒体において、低コストで紫外線暴露に対する優れた保護を与える。メチン主鎖におけるポリオキシアルキレン鎖の存在は、熱可塑性プラスチックへの導入を可能にする一方、目的とする基材からの極めて低い程度の移行を可能にする。本発明は、上記の紫外線吸収熱可塑性組成物を製造する方法にも関する。
【0002】
(背景技術)
紫外線吸収化合物は、紫外線スペクトルにおける光の特定波長の有害な分解性作用を防止するために、皮膚を覆う組成物、衣類および他のタイプの布、透明プラスチック容器等を包含する多くの保護用途に使用されている。最もよく知られている紫外線吸収剤は、Ciba−GeigyからTinuvin(登録商標)の商品名で市販されているベンゾトリアゾール、およびCytec IndustriesからCyasorb(商標)の商品名で市販されているベンゾフェノンである。そのような化合物は、紫外線吸収能において極めて有効であるが、それらは極めて高価格であり、目的とする種々の媒体へ組み込むことが困難であり、ある種の媒体(例えばプラスチック)から移行する傾向を有する。さらに、これら2つのタイプのよく知られた紫外線吸収剤は、一般に粉末形態で製造および使用され、比較的低い融点を有するので、取り扱いが困難である。特に、プラスチック媒体において、これらの化合物の粉末形態は問題を有する;液体は、取り扱いが極めて容易であり、溶融させる必要がなく、目的とするプラスチック全体におけるより効果的かつ充分な混合を可能にする。さらに、これまで使用されてきたこれらの紫外線吸収剤は、比較的狭い範囲の波長(ベンゾトリアゾールについては約290〜約340nm、ベンゾフェノンについては260〜300nmのλmax)において紫外線保護を与え、そのような保護は、結果的に、非保護紫外線暴露(約400nmへの暴露)による潜在的損傷範囲を残す。従って、種々の媒体および基材に組み込まれるかまたは適用される多用性を有し、代替的に、約290〜約400nmの紫外線スペクトルにおける波長範囲において保護を与えうる(紫外線暴露に伴って起こりうる損傷および/または分解からの最大の全般的保護を与えるため)、高い有効性の液体紫外線吸収剤が必要とされている。
【0003】
メチン系化合物、特に、L’Oreal SAのヨーロッパ特許アブストラクト350−386−Aに開示されているようなある種のマロネート誘導体は、化粧用日焼け止め剤組成物における紫外線吸収剤として有効であり、一般に低コストで製造でき、約280〜約360nmのスペクトルにおいて紫外線保護を与える。しかし、そのような化合物は、有機溶剤に高可溶性であり、従って、導入の際にプラスチックのような固体組成物から容易に移行しうる。従って、マロネート誘導体のような有効な紫外線吸収剤をプラスチックにおいて使用することは極めて好ましいが、そのような安定な、従って高い有効性の紫外線吸収組成物を、そのようなメチン系の化合物から製造することは極めて困難であるが故に、そのような使用は、紫外線吸収剤の先行技術には、開示されず、全く示唆されていない。従って、、熱可塑性プラスチック等(上記)のような媒体に留まる必要な能力を有し、従って、紫外線暴露による分解からの必要かつ好ましい保護を与える、好ましくは低価格のメチン系紫外線吸収剤が必要とされている。
【0004】
(発明の開示)
メチン系紫外線吸収剤化合物へのポリオキシアルキレン鎖の付加によって、新規な紫外線吸収剤の可能な用途における多様性が増すことが見出された。従って、そのようなポリオキシアルキレン化メチン系化合物は、広いスペクトル(約320〜約400nm、より好ましくは約350〜約390nmのλmax)において、有害なUV−A(長波長紫外線)およびUV−V(中波長紫外線)を濾過するのに極めて有効な紫外線吸収剤を与えることが見出された。さらに、ベンゾトリアゾールおよび/またはヒドロキシベンゾフェノン、または他の同様の紫外線吸収剤化合物と組み合わせた場合、得られる組成物は、潜在的に損傷を与える多量の紫外線(約250〜約400nm)からの保護を付与できることが見出された。加えて、そのような組み合わせは目的とする媒体において極めて安定であり、従って、処理したプラスチック物品内に保存された所望の試料に、長期間の保護を与える。
【0005】
メチン系紫外線吸収剤化合物(即ち、L’Orealのマロネート誘導体)の分野にいくらかの関心が示されたが、特定の媒体(例えばプラスチック)、または他の表面(例えば、皮膚、布)、または他の用途(例えばインキ等)における、そのような紫外線吸収剤のポリオキシアルキレン化誘導体の能力に関する用途に関して、現在まで開示も示唆もなされていない。特に、約320〜約400nmの紫外線暴露からの有効な保護波長範囲を付与するメチン系ポリオキシアルキレン化紫外線吸収剤化合物についての開示は存在しない。従って、紫外線吸収剤市場において、特に透明プラスチックフィルムおよび容器(食品、錠剤等の保存および保護用)市場において、本発明のポリオキシアルキレン化メチン系紫外線吸収剤化合物によって得られる比較的低コストの材料および方法に関連したその種の改善が極めて必要とされている。
【0006】
従って、本発明の目的は、新規なメポリオキシアルキレン化チン系紫外線吸収化合物を提供することである。本発明の他の目的は、種々の媒体内において、および種々の基材上において、有効な紫外線濾過化合物として使用しうるか、または潜在的に有害な紫外線の保護用の好適な組成物において使用しうるポリマー紫外線吸収剤を提供することである。本発明のさらに他の目的は、目的とする媒体または基材用の着色剤としても同時に作用するポリオキシアルキレン化メチン系紫外線吸収剤を提供することである。本発明の別の目的は、広範囲な紫外線保護を与える新規なポリオキシアルキレン化メチン系紫外線吸収剤および他の紫外線吸収化合物を含んで成る、有効な紫外線吸収組成物または物品を提供することである。
【0007】
洗浄溶液、洗剤、繊維柔軟剤、マーキングインキおよび着色剤、ならびにケラチン染料。有機配合物の非制限的な例は、非水性型の洗浄溶液、洗剤、繊維柔軟剤、マーキングインキおよび着色剤、ケラチン染料、ならびにスケール除去剤、界面活性剤配合物、炭化水素組成物等を包含する。本発明の紫外線吸収剤の添加は、液体化合物を目的とする溶剤系に、充分に混合しながら単に添加することによって行われる。
【0008】
印刷インキは、例えば、ボールペンおよび万年筆を包含するがそれら限定されないペン、ドット−マトリックスプリンター、標準的複写機用トナー、インクジェット用途、永久マーカー、乾燥消去マーカー、新聞印刷用インキ、雑誌印刷用インキ、レーザージェットプリンター等における着色剤として使用される組成物を包含する。本発明の紫外線吸収剤の添加は、液体化合物を目的とする印刷インキ配合物に、充分に混合しながら単に添加することによって行われる。
【0009】
「布処理組成物」という用語は、布に適用されるあらゆる配合物を包含する(従って、布表面に少なくとも一時的な紫外線吸収被覆剤等を残す)。皮膚保護剤および皮膚日焼け配合物は、皮膚を太陽光から保護するのに使用される新規な紫外線吸収化合物を含んで成るあらゆる組成物を基本的に包含する。
【0010】
従って、本発明は、少なくとも1つのポリオキシアルキレン鎖を含んで成るメチン系紫外線吸収剤化合物を包含する。特に、本発明の化合物は、式(I):
【化3】
[式中、
Rは、C1 〜 20アルキル、ハロ、ヒドロキシル、水素、シアノ、スルホニル、スルホ、スルファト、アリール、ニトロ、カルボキシルおよびC1 〜 20アルコキシから成る群から選択され;
XおよびYは、同一または異なって、C(O)OR、C(O)R、C1 〜 20アルキルおよびC1 〜 20アルコキシから成る群から選択され、Rは前記のように定義され;
Zは、N、OおよびSから成る群から選択される結合基であり;
mは、1、2または3であり;
Aは、式(II):
【化4】
(ここで、アルキレンオキシ成分は、C2 〜 20アルキレンオキシから成る群から選択される)
で示され、;
R’は、水素、C1 〜 20アルコキシ、C1 〜 20アルキルおよびC1 〜 20エステルから成る群から選択され;
Bは、水素、低級アルキルおよびAから成る群から選択され;
nは、0または1であり、ZがNのときnは1であり、ZがOまたはSのときnは0である]
で示される。
本発明は、本発明のメチン系紫外線吸収剤および(a)プラスチック、(b)印刷インキまたは(c)溶剤系の組成物、ならびに(1)本発明のメチン系紫外線吸収剤で被覆または含浸された、または(2)本発明の紫外線吸収剤を拡散させた個々の繊維を有して成る織物を含む生地も包含する。
【0011】
好ましくは、前記の式(I)のR基は、水素、ヒドロキシルまたはC1 〜 10アルキルであり;最も好ましくは、Rは水素またはヒドロキシルである。好ましくは、XおよびYはCO(O)ORであり、RはC1 〜 10アルキルである。好ましくは、アルキレン成分はオキシエチレン、オキシプロピレンまたはオキシブチレンであり、オキシエチレンおよびオキシプロピレンが最も好ましく;R’は好ましくは水素であり;zは好ましくは2〜80であり、より好ましくは3〜50であり、最も好ましくは約5〜約20である。
【0012】
種々の組成物および用途に使用される適切な量は、それら個々の可能性にかなり依存する。従って、例えばプラスチックの場合、本発明の紫外線吸収剤は、全プラスチック組成物の約0.001〜約1.5重量%、好ましくは約0.01〜約1.0%、最も好ましくは約0.1〜約0.5%の量で添加される。
【0013】
(発明の好ましい実施態様)
好ましい本発明の紫外線吸収剤の一般的な製造法および使用法を以下に示す。
紫外線吸収剤の製造
本発明の紫外線吸収化合物の一般的な製造方法は、ポリアルキレン化アニリンまたはレゾルシノールまたは同様の化合物と、マロネート、エステル、または他の同様のカルボキシル基含有化合物との反応を基本的に含む。特に好ましい方法(および好ましい化合物)を以下に示す。
【0014】
(実施例)
実施例1
1000部のp−ホルミル−N,N−ポリオキシエチレンアニリン(7モルEO)を、124部のマロン酸ジエチルおよび30部の炭酸アンモニウムと混合した。次に、混合物を70℃〜75℃で10時間加熱した。混合物のUV−可視光スペクトルによって反応をモニタした。377nmにおける吸収極大(A/gl=20.1)の存在によって示される反応の終了時に、生成物を減圧下にさらにストリッピングして、最終生成物を得た。
【0015】
実施例2
100部のp−ホルミル−N,N−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアニリン(7モルEOおよび15モルPO)を、24部のマロン酸ジエチル、4.4部のモルホリンおよび3.3部の酢酸と混合した。次に、混合物を80〜85℃で3時間加熱した。混合物のUV−可視光スペクトルによって反応をモニタした。377nmにおける吸収極大(A/gl=22.0)の存在によって示される反応の終了時に、生成物を減圧下にさらにストリッピングして、最終生成物を得た。
【0016】
実施例3
250部のp−ホルミル−N,N−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレントルイジン(16モルEOおよび10モルPO)を、43部のマロン酸ジエチル、7.9部のモルホリンおよび5.7部の酢酸と混合した。次に、混合物を80〜85℃で3時間加熱した。混合物のUV−可視光スペクトルによって反応をモニタした。383.5nmにおける吸収極大(A/gl=17.5)の存在によって示される反応の終了時に、生成物を減圧下にさらにストリッピングして、最終生成物を得た。
【0017】
実施例4
520部のp−ホルミル−N,N−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアニリン(7モルEOおよび15モルPO)を、78部のエチルアセトアセテート、24部のモルホリンおよび70部の酢酸と混合した。次に、混合物を80〜85℃で3時間加熱した。混合物のUV−可視光スペクトルによって反応をモニタした。387.5nmにおける吸収極大(A/gl=14.7)の存在によって示される反応の終了時に、生成物を減圧下にさらにストリッピングして、最終生成物を得た。
【0018】
実施例5
540部の2,4−ポリオキシアルキレン−ベンズアルデヒド(10モルEOおよび10モルPO)を、105部のマロン酸ジエチル、20部のモルホリンおよび14部の酢酸と混合した。次に、混合物を95℃に加熱した。混合物のUV−可視光スペクトルによって反応をモニタした。反応の終了時に、生成物を温水で洗浄し、次に、脱水して、358nmにおいて吸収極大(A/gl=12.5)を示す最終生成物を得た。
【0019】
実施例6
前記実施例3からの生成物500部を、55部のドデシルコハク酸無水物および1部の1−メチル−イミダゾールと混合した。混合物を窒素雰囲気下に90℃で4時間撹拌した。混合物を減圧下にさらにストリッピングして、383nmにおいて吸収極大(A/gl=15.7)を示す最終生成物を得た。
【0020】
実施例7
100部のp−ホルミル−N,N−ポリオキシエチレン(8)−ポリオキシプロピレン(2)−m−メチル−アニリンを、32部のマロン酸ジエチル、10部の酢酸アンモニウムと混合した。混合物を80〜85℃に加熱した。混合物のUV−可視光スペクトルによって反応をモニタした。反応の終了時に、生成物を同量の温水で2回洗浄した。生成物を減圧下にさらに脱水して、最終生成物を得た(383.5nmにおける吸収極大:A/gl=35.0)。
【0021】
熱可塑性組成物の製造
紫外線吸収剤を、ポリオレフィン熱可塑性プラスチック、例えばポリプロピレンの射出成形操作に導入した。液体吸収剤を、容積形ポンプまたは移送ポンプによって、連続的に、好ましくは断続的に、射出成形機(例えばArburg Molder)に加えた。同時に、液体吸収剤を計量供給する移送ポンプと連携して作動するスクリューによって、ポリプロピレン樹脂(ペレット形態)を成形機の供給口に供給した。ポンプにより成形機の同じ領域へ液体吸収剤を導入しながら、回転スクリューにより樹脂ペレットを供給口に導入した(このようにして、ペレット/吸収剤の定比率を可能にした)。その際に、吸収剤およびペレットの混合物を、成形機内の混合室に重力供給した。供給領域において、回転している(成形機のバレルから移動した熱により)加熱されたスクリュー押出機の使用によって、溶融を行った。回転スクリューは、吸収剤と溶融樹脂との充分な混合も行って、均質プラスチックメルトを形成し、次に、メルトを型に注入して、所望の熱可塑性プラスチック物品を形成した。
【0022】
吸収の向上および他の重要な基準に関する試験を、処理したポリエチレンテレフタレート(PET)(および他の種類の)樹脂のプラックの形成によって行った。これらのプラックは、先に説明した方法によって、吸収剤およびPET樹脂に関して下記表1に示す特定の組成物を使用して形成した。
【表1】
上記プラックは、200〜400ppmの量の紫外線吸収剤を使用して形成され、50ミルの厚みであった。次に、得られたプラックについて下記のように試験を行った。
【0023】
プラスチック組成物の紫外線特性についての試験
プラックAを多くの基準について試験した。第一に、プラック製造の際に種々の量の本発明吸収剤を導入したプラックについて、紫外線吸収スペクトルを測定した。プラックをキセノンアーク灯源(広いスペクトルにおいて日光をシミュレートする)に10、20および40時間暴露し、次に、紫外線吸収の変化について各時間間隔後に試験した。暴露前にも測定して、特定の暴露時間後の耐光性の変化を求めた。暴露した時間、および存在する紫外線吸収剤の量に関して、試験の結果を下記の表に示す。
【0024】
ポリエチレンテレフタレート樹脂中に約700ppmの導入量における耐光性について、プラックAおよびCを試験した。この導入量は、500ppmのTinuvin(登録商標)234を含有するPETから製造した比較プラックに匹敵する色添加量測定値(color loading measurement)を可能にする。同様の色添加量で開始し、次に、2つのプラックをキセノンアーク灯の存在下に(日光をシミュレートする)、0時間、10時間、20時間および40時間の暴露時間において、同じ波長(この場合370nm)における耐光性(K/S)を測定した。経時における同様のK/S測定値によって、高い耐光性が示された。この比較の結果は以下の通りである。
【表2】
これらの測定値が示すように、経時における各プラックのK/S値は、統計誤差の範囲において同じである。従って、本発明の紫外線吸収剤は、市販製品と比較しうる性能を発揮する。
【0025】
ポリプロピレン樹脂についての透過率データ
紫外線の透過率パーセントを比較するために、下記の表に従って2種類のポリプロピレン樹脂プラックを製造した。
【表3】
【0026】
これらのプラックは、同じ色値を有するように配合された。両方のプラックの透過スペクトルは、5nm増分で290nm〜425nmの範囲で測定した。結果は以下の通りである。
【表4】
【0027】
低い%透過率が高い性能を示すから、広範囲の波長において、少量の市販の紫外線吸収剤と組み合わせた本発明の紫外線吸収剤は、目的とするポリプロピレン樹脂により高い全般的保護を与えることが明らかである。
【0028】
PET樹脂の透過率データ
紫外線の透過率パーセントを比較するために、下記の表に従って4種類のPET樹脂プラックを製造した。
【表5】
【0029】
これらのプラックは、同じ色値を有するように配合された。全プラックの透過スペクトルは、5nm増分で290nm〜425nmの範囲で測定した。結果は以下の通りである。
【表6】
【0030】
低い%透過率が高い性能を示すから、広範囲の波長において、少量の市販の紫外線吸収剤と組み合わせた本発明の紫外線吸収剤は、目的とするPET樹脂により高い全般的保護を与えることが明らかである。
【0031】
スクリュー滑り試験
最後の試験は、押出機内でのスクリュー滑り押出量分析であった。使用した押出機は、直径1インチのスクリューおよび32:1の長さ/直径比率を有するKillion押出機であった。1000gの樹脂を押し出すのに要した時間を記録した。各樹脂組成物の押出率を、純粋な対照試料に対して1000gの処理試料を押し出すのに要した時間の比として測定した。1.00かまたは約1.00(1.00以上または以下)の押出率は、極めた少ないスクリュー滑り、従って極めて好ましい結果を示す。プラックAおよびBに使用した配合の組成物を、ポリエチレンテレフタレート樹脂だけの対照樹脂と比較して試験した。これらの両方の本発明組成物は、樹脂だけの場合とほぼ同じ1.01の優れたスクリュー滑り率を示した。
【0032】
熱硬化性組成物の製造
紫外線吸収剤を下記の標準ポリウレタンフォーム先駆組成物に添加した。1つは実施例3からの紫外線吸収剤を含有し、1つは実施例4からの紫外線吸収剤を含有した(紫外線吸収剤を含有しない対照も、同じ配合で製造した)。
【表7】
【0033】
次に、組成物を処理し、水を導入して、イソシアネートと反応させると、二酸化炭素を発生して、発泡体を形成した。得られた各発泡体を160℃で3分間硬化し、冷却し、次に、切り開いた。本発明の紫外線吸収剤を含有する得られたフォームと対照フォーム生成物とを比較した場合、バン高さ(bun height)または上昇時間(rise time)において測定しうる差異はなかった。
【0034】
本発明の特定の特徴を記載したが、それらに変更を加えることができ、本発明の原理の他の実施態様を当業者は認識しうる故に、当然、本発明は、本発明のいずれの特定の形態または実施にも限定されるものではないと理解すべきである。従って、請求の範囲の真の意味、意図および範囲における、本発明の特徴を有するあらゆるそのような改質も請求の範囲に含まれるものとする。
Claims (13)
- 約320〜約400nmの紫外線吸収極大を有するメチン系紫外線吸収剤化合物であって、少なくとも1つのポリオキシアルキレン鎖を含んで成る紫外線吸収剤化合物。
- 該ポリオキシアルキレン鎖が、少なくとも1つのC2〜C10アルキレンオキシド、グリシドールおよびそれらの混合物から成る群から選択されるオキシアルキレン成分の少なくとも2つの基を含んで成る請求項1に記載の化合物。
- 該オキシアルキレン成分が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、グリシドールおよびそれらの混合物から成る群から選択される請求項2に記載の化合物。
- 該メチン系紫外線吸収剤化合物が、式(I):
Rは、C1 〜 20アルキル、ハロ、ヒドロキシル、水素、シアノ、スルホニル、スルホ、スルファト、アリール、ニトロ、カルボキシルおよびC1 〜 20アルコキシから成る群から選択され;
XおよびYは、同一または異なって、C(O)OR、C(O)R、C1 〜 20アルキルおよびC1 〜 20アルコキシから成る群から選択され、Rは前記のように定義され;
Zは、N、OおよびSから成る群から選択される結合基であり;
mは、1、2または3であり;
Aは、式(II):
で示され、;
R’は、水素、C1 〜 20アルコキシ、C1 〜 20アルキルおよびC1 〜 20エステルから成る群から選択され;
Bは、水素、低級アルキルおよびAから成る群から選択され;
nは、0または1であり、ZがNのときnは1であり、ZがOまたはSのときnは0である]
で示される構造を有する請求項1に記載の化合物。 - 少なくとも1つの熱可塑性成分、および請求項1に記載の化合物を含んで成る熱可塑性組成物。
- 該熱可塑性成分が、ポリエステル、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリマー、ポリアミド、およびそれらの混合物から成る群から選択される請求項5に記載の熱可塑性組成物。
- 該熱可塑性プラスチックがポリエステルである請求項6に記載の熱可塑性組成物。
- 該ポリエステルがポリエチレンテレフタレートである請求項7に記載の熱可塑性組成物。
- 該熱可塑性プラスチックがポリオレフィンである請求項6に記載の熱可塑性組成物。
- 該ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンおよびそれらの混合物から成る群から選択される請求項9に記載の熱可塑性組成物。
- 該ポリオレフィンがポリプロピレンである請求項10に記載の熱可塑性組成物。
- 少なくとも1つの熱硬化性成分、および請求項1に記載の化合物を含んで成る熱硬化性組成物。
- 該熱硬化性プラスチックがポリウレタンである請求項12に記載の熱硬化性組成物。
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