JP2005500637A - 項目の選択 - Google Patents

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Abstract

項目の選択物からの少なくとも1つの項目の選択を容易化する方法であって、各前記項目はそれぞれの前記項目を識別する識別情報を有する方法。前記方法は、各前記項目を少なくともアクセスされた最後の時間についての情報と関連付けるステップと、各前記項目のアクセス頻度についての情報を提供するステップと、前記アクセスされた最後の時間及び前記アクセス頻度に関連する選択基準を規定するステップと、前記規定された選択基準に基づいて前記項目の限定された選択物を提示するステップとを有する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、項目(item)の選択物からの少なくとも1つの項目の選択を容易化する方法、かような項目に関連するデータ構造、及び多数のかような項目を有するジュークボックス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの消費者は家庭にオーディオ録音物のコレクションを持つ。現在かような録音物は、ビニール製のレコード、コンパクトカセット、コンパクトディスク等のような物理的なメディアにある。典型的にかようなメディアは棚、ラック又は他の保存用構造物に保存される。消費者即ちユーザは、例えばジャンル毎に、アーティスト又はタイトルのアルファベット順に、70年代、80年代、90年代といったような10年代別に等のように、前記物理的なメディアを配置する種々の方法を持つ。
【0003】
しかしながら、前記コレクションが増大したとき、前記メディアの物理的な形態は、その配置及び再配置を面倒で複雑なものとしてしまう。更に、かようなコレクションはしばしば、例えば家族のメンバーのような幾人かのユーザによって共有されており、該ユーザはどの配置方式が好ましいものであるかについての異なる意見を持ち得る。ユーザにとって前記配置方式が複雑すぎるものであると感じられる場合には、該ユーザは無理に前記メディアを使用後適切に配置することをせず、前記メディアを再生装置のまわりに乱雑に置きっ放しにしてしまう。例えば、どれだけ頻繁に録音物が再生されたかといった、より複雑な配置方式は殆ど継続が不可能である。とりわけ、好ましい録音物が録音されたメディアの数ある中でも1つである場合である。
【0004】
音楽の多くのコレクションがある場合は、ユーザにとってどの音楽を聞くかを決定し該音楽を選択することは難題となり得る。事実上ユーザは該ユーザの音楽コレクションの内容についての該ユーザの記憶に頼る必要があるか、又は該ユーザは該ユーザが聴きたい音楽を見つけるためにコレクション全体を通覧する必要がある。
【0005】
家庭のような複数ユーザ環境における物理メディアの配置及び扱いという当該問題に対する従来のアプローチは、ジュークボックスである。これらの装置はしばしば、ジャンル、アーティスト、年代又はその他の分類による選択物の自動的な再生を可能にし、それによってユーザがどの音楽を聴くかを決定することを支援する。従来のジュークボックスの欠点は、主に該ジュークボックスが保存し及び扱う必要がある物理メディアのため、該ジュークボックスは例えば家庭の居間に受け入れるにはかさばりすぎ、動作が遅すぎることである。
【0006】
MP3ファイルのような圧縮されたデジタルオーディオフォーマットの出現、及びハードディスクの価格の低下に伴って、上述の状況は変化している。従って、種々のハードディスクベースのジュークボックスの問題解決策が消費者エレクトロニクス市場に提示されてきた。その一例は国際特許出願公開WO−A−99/64969であり、参照によって本明細書に組み込まれたものとする。
【0007】
また、個人向けマルチメディア・コンピュータにおける利用のための非常に多くのジュークボックス・ソフトウェアが開発されてきた。幾つかはインターネットから自由にダウンロードできる、かようなソフトウェアを利用することにより、通常のマルチメディアPCは事実上ジュークボックスとして機能する。
【0008】
これらのソフトウェアアプリケーションの多くは、音楽と共にメタデータを保存するために、非公式のID3規格を利用する。該規格は、ジャンル、アーティスト、アルバムのタイトル、トラックのタイトル、歌詞、カバーの写真、及び多くの他のタイプの情報についての情報によってMP3ファイルがタグ付けされることを可能にする。上述した配列に関しては、これらのデータは予め不可能であった新しいタイプの配置及び分類を可能にする。
【0009】
とりわけID3規格は、本発明に重要な2つのフレームを持つ。第1のフレームは、MP3ファイルが再生された回数を示す再生カウンタフレームPCTNである。第2のフレームは特定のユーザがどれくらい頻繁に前記MP3ファイルを再生したかを示す人気インジケータPOPMである。このために、前記ユーザはeメールアドレスによって識別される。
【0010】
ハードディスクベースのジュークボックスに関しては、専用のユニットとしてであろうと、汎用のマルチメディア・コンピュータとしてであろうと、音楽を保存するハードディスクはローカルである必要はないことは留意されるべきである。パーソナルコンピュータ又は専用のユニット上のジュークボックスのインタフェースを介してアクセスされ、インターネットによって受信される幾分集中的に保存された音楽は容易に想像可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、音楽の選択物を配置及び提示する改善された可能性にもかかわらず、上述のジュークボックスの中には、ユーザがどの音楽を聴くかを決定し該音楽を選択することを十分に支援するものが無い。
【0012】
本発明の目的は、ユーザが項目を選択することを支援する方法、データ構造及びジュークボックスを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様によれば、本目的は、最初の段落に記載の方法であって、各前記項目を少なくともアクセスされた最後の時間についての情報と関連付けるステップと、各録音物のアクセス頻度に関する情報を提供するステップと、前記アクセスされた最後の時間及び前記アクセス頻度に関連する選択基準を規定するステップと、前記規定された選択基準に基づいて、前記項目の限定された選択物を提示するステップと、を有する方法によって達成される。
【0014】
このことはユーザが該ユーザに最も好ましい音楽の動的な選択を提示されるという効果を持つ。好みに関する最も重要な基準は、新鮮さ(freshness)及び人気(popularity)、即ち最後に項目がアクセスされてから経過した時間及び前記項目がアクセスされた全体の数である。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、本目的は、項目に関連したデータ構造であって、少なくとも前記項目がアクセスされた最後の時間についての情報と、前記項目のアクセス頻度についての情報を導き出し得る情報とを有するデータ構造の利用によって達成される。
【0016】
このデータ構造は、本発明の第1の態様による方法の実行を可能とする。
【0017】
本発明の第3の態様によれば、本目的は、最初の段落に記載のジュークボックス装置であって、前記入力手段は、アクセスされた最後の時間及びアクセス頻度に関連する選択基準を規定するための本質的に連続的に可変な入力手段を有するジュークボックス装置によって達成される。
【0018】
これにより、本発明の第1の態様による方法を実装し、本発明の第2の態様によるデータ構造を効率良く利用する装置が提供される。
【0019】
前記方法、前記データ構造及び前記ジュークボックスの有利な実施例は、それぞれの従属請求項において見出される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は図に示された、限定するものではない実施例に基づき、以下により詳細に説明される。とりわけ、該実施例は音楽の項目に関連しているが、本発明は、映画、音楽ビデオ、ビデオ、静止画像、芸術、ウェブページ、電子ブック等のような、他のオーディオ又はビデオの記録物にも十分に適用できるものであることを強調しておく。
【0021】
完全に実装された本発明の好適な実施例は、項目がどれだけ頻繁にアクセス、即ち前記項目が音楽の項目である場合には再生されたかに基づき、録音された音楽のような前記項目を選択するための方法、データ構造、及び装置を有する改善されたシステムをユーザに提供する。項目がアクセスされる度に、前記システムは該項目がどの項目であるか、該項目がアクセスされたのはいつか、及び好ましくは誰が聴いているかに関する情報を収集する。該情報を用いて前記システムは、「まれにアクセスされる」から「頻繁にアクセスされる」まで、及び「最近アクセスされた」から「アクセスされていない」までに渡る、又はこれらの任意の組み合わせによる、該項目の個人向けに整理された概観を生成することが可能である。
【0022】
項目がどれだけ頻繁にアクセスされたか及びどれだけ最近にアクセスされたかは、どの音楽を聴くかを決定するのに重要な2つの心理的なパラメータ、即ち「新鮮さ」及び「人気」に関連する。これらの2つのパラメータは併せて、所定の時点においてユーザに該項目がどれだけ「聴き慣れた(familiar)」ものであるかの示唆を与え、これは同様に前記ユーザにとって該項目がどれだけ好まれるかの推定に重要である。これらの2つのパラメータがどのように関連するかは図7に示される。
【0023】
本発明の好適な実施例は、これらの2つのパラメータが保存され、次いでユーザにとって好ましい音楽の選択の表示に利用されることを可能にし、かくして前記ユーザにとって好ましいと主に考えられる音楽の選択を可能にするデータ構造を提案する。
【0024】
ユーザが録音された音楽項目を購入したばかりであるならば、それが幾つかの録音された項目の新しいレコードであろうと単一の項目の新しいレコードであろうと、該ユーザは通常、該音楽が非常に良いかどうかは未だわからない。図1のデータ構造130において、このことはフレーム「アクセスされた回数」がゼロであることを意味する。好ましくはフレーム「最後にアクセスされた日付」は、該アイテムが実際にアクセスされるまで現在の日付を常に示すダミーデータで埋められており、実際にアクセスされると、該フレームは実際のアクセスの日付を含む。図2のデータ構造210においては、1つのフレーム「アクセスされた時刻/日付」のみが存在し、好ましくは現在の日付を示す同様のダミーデータをデフォルトとして含む。代わりに、データベースの分野において一般に知られているように、特定のNILL値が利用されても良い。
【0025】
前記項目に何度かアクセスした後は、前記音楽に対する評価は、特に該音楽が前記ユーザの好みに合致する場合には増大する。
【0026】
これらのアクセスのイベントのそれぞれは、データ構造130又は210の内容を更新する。データ構造130においては、フレーム「アクセスされた回数」は毎回増加させられ、フレーム「最後にアクセスされた日付」は更新される。データ構造210においては、フレーム「アクセスされた時刻/日付」に新たな付加的なエントリが追加される。
【0027】
しばしばユーザは、新しい音楽を繰り返し聴くことに飽き、一般に購入された直後には前記新しい音楽ほど頻繁には再生されていないがコレクション中にあった時間全体に渡っては多くの回数再生された、古い音楽を聴くことに立ち戻る。この音楽は従って、図1のデータ構造130においては、フレーム「アクセスされた回数」には高い値を持ち、フレーム「最後にアクセスされた日付」には低い値を持つ。
【0028】
データ構造130中に保存された基準「新鮮さ」及び「人気」の両方を組み合わせて利用することは、項目への「聴き慣れ度合い(familiarity)」の示唆をユーザに与える。ユーザの気分に依存して、彼の「好み」は聴き慣れた音楽項目を聴くことであり得る。前記好みは、多くの回数アクセスされた項目及び/又は最近アクセスされた項目か、又は聴き慣れていない(unfamiliar)項目、例えば頻繁にアクセスされてはいないもの及び/又はかなり前にアクセスされただけのものとなり得る。
【0029】
本発明は、それぞれの選択の基準のユーザ入力に基づき、好ましい項目の選択を表示するために、この「好み」の示唆を利用する。
【0030】
図3は、新鮮さ及び人気によって定義される(図8を参照のこと)聴き慣れ度合いに基づく項目の選択を可能とするグラフィカル・ユーザインタフェースを示す。画面には4つの部分、即ち2つのスライダ310及び350、選択の基準を示すフィードバック・ウィンドウ390、並びに該基準に合致する項目370(CD)の項目を表示するスタックされた水平のバーがある。前記2つのスライダを用いて前記ユーザは、CHIプロシーディング(1992)の「Dynamic Queries: Database Searching by Direct Manipulation」においてB.Shneidermanによって明示されているように、人気及び新鮮さについての値を設定することにより、動的なクエリを形成することができる。スライダ310及びボタン320又はボタン330の1つを用いて、ユーザは人気に関する選択基準を設定することができる。ボタン320を選択することは、例えば25回以上項目を聴いた(人気のある項目)というような、前記スライダの位置からの範囲に帰着する。一方ボタン330を選択することは、例えば25回以下しか項目を聴いていない(人気のない項目)というような、前記スライダの位置からの範囲に帰着する。図3はボタン330が選択され、従ってフィードバック・ウィンドウ390に示されるように、ユーザが25回以下しかアクセスしていないアルバムの選択に帰着した状況を示す。スライダ350を用いて、ユーザは個々のユーザにとっての項目の新鮮さに関する選択基準を設定することができる。図3は、25回以下しかアクセスされておらず且つ今週アクセスされていない項目が選択されている状況を示す。スライダ310若しくは350の位置を変更すること、又はボタン320及び330を切り換えることは、新たな基準に合致するように項目370のスタックを動的に更新することに帰着する。前記スタックにおいて、前記項目は好ましくは少なくとも前記項目の識別情報を保持する前述のバーによって表現される。図3から判るように、前記バーは項目がアクセスされた回数のような付加的な情報をも保持する。ユーザはそれぞれのバーにおいて、例えばタッチスクリーン、マウス、トラックボール、画面上へのレーザポインタによって選ぶこと、音声の命令を利用すること、又は仮想現実環境においてジェスチャを利用すること等により、項目を選択することができる。
【0031】
図2のデータ構造を利用することにより、ユーザがどの音楽を聴くかを決定し該音楽を選択することを支援する可能性は大きく改善される。図4はかような可能性を示す。
【0032】
幾つかの音楽は短いライフサイクルを持ち、幾つかの音楽はいつまでも留まる(ポップミュージックのチャートの週間トップ10及び年間トップ100を参照)ことは良く知られている。ある人物が好んで聴く音楽は今や、該人物が数年前に好んでいた音楽とはしばしば異なる。しかしながら、人々はしばしばコレクションに依然として昔の音楽を持っており、時々該音楽を再び聴くことは素晴らしい驚きとなる。この意味で、人々が自身の鑑賞履歴を探査することができれば該人々にとって素晴らしい特徴となり得る。該人々は、何ヶ月、何年、又は何十年前にしばしば再生していた音楽を探査しその時期に戻り、昔の音楽に新たな発見をし、又は単に該人物の音楽の好みが変わったことに気付くことができる。
【0033】
図4は、個人の鑑賞履歴の探査を可能とするユーザインタフェースを示す。画面は時期420(本例では月)毎に5つの項目430(CD)のグループを持つラック410を提示する。前記項目は柱として表現される。1999年の6月の月についてのみ示されているが、全ての柱は項目の識別情報を有する。それぞれの5個のグループ中の項目は、該当する期間の最も人気のあった5個の項目である。前記柱の高さは、当該期間における前記CDの実際の人気を示す。前記柱は、図示されるように、該柱の高さに対応するテキストを備えていても良い。例えば1999年6月のグループの最初のCDは、1999年6月に13回アクセスされている。ボタン450A及び450Bを用いて、ユーザは更に先に及び前にスクロールすることができる。ボタン470を用いて、ユーザは、月から年、10年、又は時間スケール無し(全体)まで、時間のスケールの解像度を選択することができる。ユーザは、例えばタッチスクリーン、マウス、トラックボール、画面上のレーザポインタによってそれぞれの柱を選ぶことによって、音声の命令を利用して、又は仮想現実環境においてジェスチャを利用して等により、項目を選択することができる。時間スケール無し(全体)を選択することによって、これまで(システムが利用されている間)に最も人気のあった項目が表示される。このとき、かような最も人気のある項目は左側に表示され、次に人気のある項目に後続される等する。各期間内に表示される異なる項目の数は選択の問題であって、図4に示されるように5個でも良いし、図6に示されるように10個でも良いことは更に留意されるべきである。使用される数はユーザによって選択可能であるか、又はディスプレイのサイズによって自動的に適合させられても良い。
【0034】
図2のデータ構造は異なるユーザインタフェースをも可能とする。図5においては、アクセスの数が単一の特定の項目について提示されるユーザインタフェースが示されている。特定の項目について、アクセスの数は、ユーザによって選択された特定の期間について算出される。1つの項目しかないため、ディスプレイは柱530を利用しても良いし、近似曲線を利用しても良く、これらは選択されても良い。ボタン570を利用して、ユーザは月、年、10年又は全体といった、所望の時間間隔を規定しても良い。後者は、単に前記項目がこれまでにアクセスされた総数を表示する1つの柱となる。また、ここでは前記表示はスクロールボタン550A及び550Bを持っても良く、ユーザが現在又は過去を見ることを可能とする。
【0035】
図2のデータ構造を利用することにより、ユーザのコレクション中の項目の相対人気を算出することも可能である。即ち、前記算出においては、前記項目が所有された時間が考慮に入れられる。項目についての相対人気はこのとき以下のように算出される。
【0036】
相対人気=人気×時間単位/存続期間
ここで存続期間(life time)とは項目が所有された時間であり、例えば図2のデータ構造に保存された最初のアクセスの日付に基づき算出されることができる。時間単位はユーザによって選択される。従って、20年間所有され100回アクセスされた項目は5(アクセス/年)という相対人気を得るし、一方で1ヶ月しか所有されていないが5回再生された項目は、(見積もられた)60(アクセス/年)という相対人気を得る。月毎にすると、これらの相対人気についての数はそれぞれ0.42及び5となる。また相対人気が絶対人気を超えないように決定することもでき、このとき本例の年毎の相対人気は共に5となる。このことは見積もられた数によってユーザを誤解させることを回避する。
【0037】
図6において、この相対人気は他のユーザインタフェースにおいて利用されている。前記システムが初期化されてから平均して最も頻繁にアクセスされた10個の異なる項目が柱として表示されている。前記柱の高さはスケール520と共に前記時間単位毎の人気を示す。この場合、項目630についてそれぞれ平均して月に13及び14回である。ボタン670は時間単位を変更し、従ってどの項目が提示されているかに関連してスケール520を変更する。それぞれの柱を選ぶことにより、前記項目が選択されることができる。前記項目を識別するために、前記柱は好ましくは、項目630について示されるような識別テキストを備える。図に見られるように、前記表示はスクロールボタン650を備えることができ、ユーザがより低い平均の人気を持つ選択を見るように表示をスクロールすることを可能とする。
【0038】
前述したように、図8は前記項目の聴き慣れ度合いに関連する。図2のデータ構造を利用して、前記聴き慣れ度合いは以下のように算出されても良い。
【数1】
Figure 2005500637
ここでTEはi番目のアクセスから経過した時間であり、以下によって与えられる。
TE=本日−タイムスタンプ
この情報は図8に示されたような表示を生成するために利用されても良い。図8においては、前記柱の高さは、上述のような式を用いて算出された、ユーザにとって最も聴き慣れた10個の項目の聴き慣れ度合いを表す。図に見られるように、前記表示はより聴き慣れていない項目にスクロールする可能性をも持つ。例えばスクロールボタン850によってであるが、ここでは1つしか表示されていない。なぜなら最も左の柱は全体で最も高い聴き慣れ度合いを持つ項目であるからである。
【0039】
種々の表示の上述の説明からわかるように、本発明によるデータ構造は、ユーザが該ユーザの音楽コレクションの内容の記憶に頼る必要をなくし、又は該ユーザが聴きたいと欲する音楽を見つけるために該コレクションの全体を通覧する必要をなくすることを可能にする。
【0040】
前述したように、家庭においてはオーディオのコレクションはしばしば1人以上の人物によって利用され、項目の人気及び特に新鮮さが該項目の厳密な個人的なパラメータであり、識別のための何らかの手段が提供される必要がある。従ってこの場合、上述したユーザインタフェースの両方は、「ユーザ」と呼ばれるエントリ110の管理を必要とする。この識別に関しては、RFID技術、指紋認識、顔認識、話し手識別、又は他のいずれの識別技術に頼っても良い。
【0041】
エントリ「ユーザ」110の他に、何らかの一意の項目識別情報120が必要とされる。音楽のようなオーディオ録音物に関しては、前記識別情報は例えば国際レコード産業連盟(International Federation of Phonographic Industry)によって管理されるISRCコードであっても良い。ユーザデータと録音物との組み合わせのため、録音物の再生の間、新鮮さ及び人気についてデータが収集される。
【0042】
ここからは、前記ユーザインタフェースにおいて必要とされる詳細は、どのアクセスデータが収集される必要があるかを決定する。累積されたデータ、即ち全てのユーザ及び項目についてのみの収集のための全体の選択のみを支援する、図3に示されたユーザインタフェースの場合には、アクセスされた総回数と、一番最近のアクセスイベントのタイムスタンプとを含む1つのデータベースのレコード(エンティティ130「アクセスデータ」)がある。
【0043】
(例えば誰かが3週間前に再生した実際のアルバムを、図4に示されたようなユーザインタフェースにおいて表示する)実際のアクセス履歴の提示を可能とするためには、図2に示されるようなデータモデルが必要である。図1と対照的に、全てのアクセスイベントはタイムスタンプと共に管理される(エンティティ210「アクセス履歴」)。即ち、全てのユーザ−項目の組み合わせについて、特定のユーザが特定の項目を再生した回数だけのデータベースのレコードがある。これらのデータから、異なる期間について、項目の新鮮さ及び人気に関する累積データを算出することができる。
【0044】
既に述べたように、本発明はオーディオ録音物の環境において説明されているが、音楽ビデオ、静止画像、芸術などのような、ビデオ記録物又は結合されたオーディオビジュアル記録物にも利用されても良い。
【0045】
更に、本発明は訪問されたウェブページの人気の調査のために利用されることもできる。この意味では、所定の期間において最も人気のあった10個のウェブページの自動的に収集された概観が、訪問の頻度、どれだけ最近訪問されたか、又はこれらの組み合わせによってソートされて与えられることができる。また本発明のデータ構造を用いて、図3、4、5、6及び8に示された表現がこれらのデータについて可能である。これらの種類の特徴は典型的に標準的なウェブブラウザの一部である。
【0046】
本発明は、ことによると特定の期間に渡って本が借りられた回数と頻度とを見る、コレクション中の本の人気を調査するための図書館システムに適用されることもできる。とりわけ、これらの図書館は家庭のe−ブック(e-books)の電子図書館であっても良く、ここでは図3及び図4のような表現が個人の選択のために有意義である。このことは子供の本に特に有用である。なぜなら子供は繰り返し読むからである。電子図書館は典型的に、例えばGlassbook社、Librius社、NuvoMedia社及びSoftBook Press社のような今日広く利用可能なe−ブックを利用する。
【0047】
他の分野の利用は、個人的なコレクションの環境であれ、レンタル店においてであれ、電子ゲームのコレクションであり得る。メディアがより大きくなった場合、PlayStation(登録商標)とNintendo(登録商標)のゲームとは単一の記録メディアに結合されるかも知れない。この場合に本発明がゲームのコンソールに実装されれば、単一のメディアに保存された前記ゲームへの迅速で容易なアクセスが可能となる。同様の方法で、本発明は多くのゲームを保存した家庭におけるPCに適用されることができる。これらの環境は全て、図3、4、5、6及び8に示された本発明による提示から恩恵を得ることができる。
【0048】
見られたように、前記データ構造は多くの種類のメディアを用いて利用され得る。前記データ構造が保存される方法は、該データ構造が関連する実際のメディアに依存する。図1のデータ構造が利用される場合、利用の頻度に関する情報は、パーソナライズされていようがいまいが、前記項目自体と共に保存されることができる。このことは勿論、ハードディスク、固体RAM、再書き込み可能なCD若しくはDVD又はこれら若しくはこれらの組み合わせを含むジュークボックス等のような、再書き込み可能なメディアに保存されていることが条件となる。これは例えば、ファイルがID3タグを持つMP3オーディオファイルである場合に当てはまる。しかしながら、このことは非常に大きなユーザのグループに関しては非常に実用的であるわけではない。なぜなら、その場合には各項目と共に保存されるべき非常に多くの情報を必要とするからである。この場合、同一の媒体か又は別個の媒体かのいずれかに、前記データ構造を利用プロファイルとして別個に保存することがより適切である。後者は明らかに、前記項目自体がCD若しくはDVDのような読み取り専用メディアに保存されている場合、又は前記項目がユーザに書き込みを許容しないリモートのサーバに関係して保存されている場合には必須となる。例えば、CDのジュークボックスシステムは、ハードディスク又は固体メモリのような別個の記憶手段を備えることができる。このことは、ことによると一意のIRSCコードCD識別子と共に、図1のデータ構造に必要とされるような頻度、即ちアクセスされた回数及び最後にアクセスされた時間、又は図2のデータ構造に必要とされるような個々のタイムスタンプの保存を可能とする。
【0049】
上述した実施例は本発明を限定するものではなく説明するものであって、当業者は添付された請求項の範囲から逸脱することなく、多くの代替実施例を設計することが可能であろうことは留意されるべきである。請求項において、丸括弧の間に記された参照記号は、請求を限定するものとして解釈されるべきではない。「有する(comprise)」という語は、請求項に記載されたもの以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアによって、及び適切にプログラムされたコンピュータによって実施化されることができる。幾つかの手段を列挙する装置の請求項において、これらの手段の幾つかは全く同じハードウェアの製品によって実施化されることができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列記されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に利用されることができないということを示すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による情報構造の第1の例を示す。
【図2】本発明による情報構造の第2の例を示す。
【図3】好みに基づく録音物の選択を可能にするグラフィカル・ユーザインタフェースを示す。
【図4】ユーザの個人的なアクセス履歴の利用のための第2のグラフィカル・ユーザインタエースを示す。
【図5】単一の項目の時間に対する人気を示す第3のグラフィカル・ユーザインタフェースを示す。
【図6】多数の項目の平均の人気の評価を可能にする第4のグラフィカル・ユーザインタフェースを示す。
【図7】人気と新鮮さとの間の関係を示す。
【図8】最も聴き慣れた項目のグラフィカル表示を示す。

Claims (15)

  1. 項目の選択物からの少なくとも1つの選択を容易化する方法であって、各前記項目はそれぞれの前記項目を識別する識別情報を有する方法において、
    各前記項目を少なくともアクセスされた最後の時間についての情報と関連付けるステップと、
    各前記項目のアクセス頻度に関する情報を提供するステップと、
    前記アクセスされた最後の時間及び前記アクセス頻度に関連する選択基準を規定するステップと、
    前記規定された選択基準に基づいて、前記項目の限定された選択物を提示するステップと、
    を有することを特徴とする方法。
  2. 前記アクセス頻度に関する情報は所定の期間についてのものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 各前記項目を前記項目がアクセスされた各時間についての情報と関連付けるステップと、前記所定の期間及び前記項目がアクセスされた各時間についての情報に基づき、各前記項目のアクセス頻度を算出するステップとを有することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 各前記項目を前記項目がアクセスされた回数についての情報と関連付けるステップと、前記所定の期間、及び前記項目がアクセスされた各時間についての情報に基づき、各前記項目のアクセス頻度を算出するステップとを有することを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 少なくともアクセスされた最後の時間についての各前記項目に関連付けられた情報と、各前記項目のアクセス頻度についての提供された情報とは、特定のユーザについての情報と更に関連付けられ、前記規定された選択基準は、前記ユーザの識別情報を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. アクセスされた最後の時間に関する前記選択基準と、前記アクセス頻度とは、本質的に連続的に可変な入力手段によって規定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 項目に関連するデータ構造において、少なくとも前記項目がアクセスされた最後の時間についての情報と、前記項目のアクセス頻度についての情報を導き出し得る情報とを有することを特徴とするデータ構造。
  8. 前記項目のアクセス頻度についての情報を導き出し得る情報は、前記項目がアクセスされた各時間についての情報を有することを特徴とする、請求項7に記載のデータ構造。
  9. 前記項目のアクセス頻度についての情報を導き出し得る情報はカウンタを有することを特徴とする、請求項7に記載のデータ構造。
  10. 少なくとも1人のユーザについての識別情報と、特定の前記ユーザについての前記項目がアクセスされた最後の時間についての情報と、前記項目のアクセス頻度についての情報を導き出し得る情報とを更に有することを特徴とする、請求項7に記載のデータ構造。
  11. 前記データ構造は前記項目を有することを特徴とする、請求項9又は10に記載のデータ構造。
  12. 多数の項目を保存するメモリと、前記項目を識別する識別情報を表示するディスプレイと、前記項目の少なくとも1つを選択するための入力手段と、前記項目の中から選択された項目にアクセスするための出力手段とを有するジュークボックス装置において、前記入力手段は、アクセスされた最後の時間及びアクセス頻度に関連する選択基準を規定するための本質的に連続的に可変な入力手段を有することを特徴とするジュークボックス装置。
  13. マルチメディア・コンピュータを有し、該コンピュータには関連する請求項7に記載のデータ構造を持つ項目が保存されていることを特徴とする、請求項12に記載のジュークボックス装置。
  14. 請求項7に記載のデータ構造が保存された記憶媒体。
  15. 項目の選択物からの少なくとも1つの項目の選択を容易化する装置であって、各前記項目はそれぞれの項目を識別する識別情報を有する装置において、
    各前記項目を少なくともアクセスされた最後の時間についての情報と関連付ける手段と、
    各前記項目のアクセス頻度についての情報を提供する手段と、
    前記アクセスされた最後の時間及び前記アクセス頻度に関連する選択基準を規定する手段と、
    前記規定された選択基準に基づいて、前記項目の限定された選択物を提示する手段と、
    を有することを特徴とする装置。
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