JP2005500409A - ポリビニリデンフルオリド複合材料及びその製法 - Google Patents
ポリビニリデンフルオリド複合材料及びその製法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005500409A JP2005500409A JP2003512990A JP2003512990A JP2005500409A JP 2005500409 A JP2005500409 A JP 2005500409A JP 2003512990 A JP2003512990 A JP 2003512990A JP 2003512990 A JP2003512990 A JP 2003512990A JP 2005500409 A JP2005500409 A JP 2005500409A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composite material
- nanotubes
- polymer
- composite
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y10/00—Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y30/00—Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J3/00—Processes of treating or compounding macromolecular substances
- C08J3/20—Compounding polymers with additives, e.g. colouring
- C08J3/205—Compounding polymers with additives, e.g. colouring in the presence of a continuous liquid phase
- C08J3/21—Compounding polymers with additives, e.g. colouring in the presence of a continuous liquid phase the polymer being premixed with a liquid phase
- C08J3/212—Compounding polymers with additives, e.g. colouring in the presence of a continuous liquid phase the polymer being premixed with a liquid phase and solid additives
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K7/00—Use of ingredients characterised by shape
- C08K7/22—Expanded, porous or hollow particles
- C08K7/24—Expanded, porous or hollow particles inorganic
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01B—CABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
- H01B1/00—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
- H01B1/20—Conductive material dispersed in non-conductive organic material
- H01B1/24—Conductive material dispersed in non-conductive organic material the conductive material comprising carbon-silicon compounds, carbon or silicon
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2327/00—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Derivatives of such polymers
- C08J2327/02—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
- C08J2327/12—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment containing fluorine atoms
- C08J2327/16—Homopolymers or copolymers of vinylidene fluoride
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S977/00—Nanotechnology
- Y10S977/70—Nanostructure
- Y10S977/734—Fullerenes, i.e. graphene-based structures, such as nanohorns, nanococoons, nanoscrolls or fullerene-like structures, e.g. WS2 or MoS2 chalcogenide nanotubes, planar C3N4, etc.
- Y10S977/742—Carbon nanotubes, CNTs
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S977/00—Nanotechnology
- Y10S977/70—Nanostructure
- Y10S977/788—Of specified organic or carbon-based composition
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Nanotechnology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- Composite Materials (AREA)
- Mathematical Physics (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
Abstract
Description
【0001】
本願明細書は、U.S.S.N.09/903,189、2001年7月11日出願の部分継続出願である。
本発明は、一般にカーボンナノチューブを含む電気伝導性のポリビニリデンフルオリドの複合材料、及びこれらを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリビニリデンフルオリド
プラスチックスは、範囲の広い性質を有する合成のポリマーであって、その性質は、包装やビルディング/建築から運送まで;消費者向けや工業用製品;家具そして備品;接着剤、インキや塗料、そしてその他と各種の応用商品に対し有用なものとしている。一般に、プラスチックスは、そのタフな性質、耐久性、複合体形状への二次加工の容易さ、そしてそれらの電気絶縁性に価値を認められている。
【0003】
このように広く用いられているプラスチック一つのとして、ポリビニルフルオリド(−H2C=CF2−)、(“PVDF”)があり、これは1,1−ジフルオロエチレンのホモポリマーであって、分子量が60,000〜534,000の間のものが入手できる。交互に−CH2−と−CF2−の基をポリマー主鎖に沿って含んでおり、この構造が、特異な化学的そして絶縁性の性質に寄与するPVDF材料の極性を与えている。
【0004】
PVDFは半結晶質の工学的熱可塑性プラスチックであり、その利するところは、熔融加工性及び選択的溶解度に加えて、化学的な、そして熱的安定性を含んでいる。PVDFは、耐クリープ性や他の有利な特性と同様に、ガスや液体の低い透過性を提供し、低火炎性と低煤煙特性、耐摩耗性、耐候性を与えている。その魅力的な性質の結果として、PVDFは、商業上の共通の品目であり、そして広い各種の応用製品を有している(例えば、ケーブル外被、電線の絶縁、そして薬品タンクやその他の装置)。
【0005】
ホモポリマーを形成することに加えて、PVDFはまた他のポリマーやモノマー系とコポリマーを作り、最も一般的には、ターポリマー及びオレフィンと同様に、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、そしてテトラフルオロエチレン(TFE)のコモノマーとコポリマーを作る。コポリマーの性質は、重合の方法と同様に、コモノマーのタイプ及び部分に強く左右される。例えば、HFPはPVDFと均質的なコポリマーを作る。一方、もし他のモノマーがフッ素化されていないならば、PVDFコポリマーは相分離をする。
【0006】
伝導性プラスチックス
最近、電気伝導性プラスチックスの需要、そしてその適用が大きくなってきた。これらの用途において、しばしば、金属の代替物として、プラスチックスの独特な性質を開発しようと捜し求められている。例えば、電気伝導性のポリマー材料が、多くの用途に望ましいものであって、電気部品からの静電荷の除去、ペイントの静電塗装、そして電磁波の透過を防ぐ電気製品の遮蔽材などがこれに含まれる。
【0007】
プラスチックスの伝導性(例えば、熱、或は電気を伝導または伝達する材料の能力)は、一般にバルクの固有抵抗(即ち容積固有抵抗)の点から測定される。バルクの固有抵抗は、これは伝導性の逆数であって、均一な断面を有する物質の単位長さ当りの電気抵抗として定義され、ohm−cmで測定される。従って、この意味で、物質の電気伝導性は物質の電気抵抗を測定することによって決定される。
【0008】
電気伝導性プラスチックスは、これらの用途に従って、幾つかのカテゴリーに分けることができる。例えば、約104〜108ohm/cmの範囲にある、高レベルの固有抵抗性(即ち低レベルの伝導性)は、一般に静電気の放電(“ESD”)に対して防御性を授け、そして伝導性のESD遮蔽レベルとして言及されている。これはまた、静電塗装に対して必要とされる伝導性のレベルである。固有抵抗の次のレベルは、これは約104ohm/cmからそしてこれ以下の範囲であり、このようなプラスチックを内部に含んだ構成部品は、妨害放射線の放出を防止するのと同様に、電磁気の干渉(“EMI”)から保護するものであり、伝導性のEMI遮蔽レベルとして言及されている。電気化学的な電池の中で、電流のコレクター又は分離プレートのような、伝導性のエレメントとして用いられるプラスチックの製品用のためには、102ohm/cmよりも小さい固有抵抗値が要求される。
【0009】
プラスチックスの電気伝導性を増加させる主な方法は、金属粉、金属繊維、イオン伝導性ポリマー、本質的な伝導性ポリマー粉例えばポリピロール、カーボン繊維、又はカーボンブラックのような、伝導性添加剤でプラスチックを満たすことであった。しかしながら、これらのそれぞれのアプローチは、幾つかの欠点を有している。金属繊維及びその粉体で高められたプラスチックスは、耐腐食性に乏しく、そして機械的な強度が不充分である。さらに、その密度から高重量の添加が必要とされている。従ってこれらを使用することば、しばしば実際的ではない。
【0010】
ポリアクリロニトリル(“PAN”)やピッチ−ベースのカーボン繊維を加えて伝導性のポリマーを創造するとき、伝導性を達成するにはフィラーの高い含有量が必要とされ、最初の樹脂に特有の特性を悪化させてしまう結果を招いてしまう。もし複雑な形状を有する最終製品が射出成形によって作られるなら、比較的大きなサイズの繊維によって、不均一な充填材の分布、そして繊維の配向が発生する傾向があり、これは不均一な電気伝導性を結果として生じてしまう。
【0011】
主としてこれらの要因とコストのために、カーボンブラックが多くの用途に、添加材として選ばれてきた。しかしながら、カーボンブラックの使用は、また数多くの著しい欠点を有している。第一に、ポリマー又はプラスチック中の電気伝導性を達成するために必要とされるカーボンブラックの量は、比較的高く即ち10〜60%である。これらの比較的高い添加量は、ポリマーの機械的性質の劣化を導く。特に、低温での衝撃抵抗(即ち、粘り強さの測定値)が、特に熱可塑性において、しばしば妥協させられてしまう。バリアー特性もまた損害をこうむる。材料の表面に生ずるカーボンのかさぶたがしばしば経験させられる。これは多くの電気製品には特に望ましくないものである。同様に、加熱の間にガスの放出が観察されるかもしれない。これは表面仕上げに不利な影響を及ぼす。たとえガスの放出がないとしても、カーボンブラックの高い充填量は、伝導性のプラスチック部品の表面を、自動車用途には不適当なものとしてしまう。
【0012】
全体として見ると、これらの欠点は、カーボンブラックを充填した伝導性ポリマーを、低末端の伝導性の範囲に限定してしまう。EMIの遮蔽用、又は伝導性のより高いレベルには、設計者は一般に、付随する欠点全てを有している金属充填材を、或は金属構造物を、又は機械加工グラファイトでさえ頼りにしているのである。
【0013】
プラスチックの中に置くことができる、カーボンブラックの量がどのように究極的に限定されるかは、プラスチックが望み通りに部品を形成するかどうかその能力によって決まる。プラスチック、カーボンブラック、そしてプラスチックが作ろうとしている特定の部品に従って、たとえ物理特性が重要ではないとしても、20〜60重量%のカーボンブラックを有するプラスチック製品を作ることは不可能になる。
【0014】
カーボンフィブリル
カーボンフィブリルは、カーボンブラックの代わりに、数多くのポリマー応用品に用いられている。ナノチューブ、ウイスカー、バッキーチューブなどと、その代わりに呼ばれているカーボンフィブリルは、1.0μよりも小さく、そして通常は0.2μよりも小さい直径を有する虫様のカーボン沈積物である。これらは種々の形態で存在し、そしていろいろな炭素−含有気体を金属表面で触媒的に分解することによって調製される。このような繊維は、そのサイズと形態のために、構造体に組み込まれたとき有意な表面積を与える。これらは高い純度そして均一性を持って作ることができる。
【0015】
ポリマーにカーボンフィブリルを添加するとき、カーボンブラックが用いられる量よりも少ない量で、伝導性の最終製品を作ることが認められている。例えば、ここに参考として引用する、米国特許第5,445,327号(Creehan)は、熱可塑性樹脂のようなマトリックス材料、及びカーボン繊維又はカーボンフィブリルのような1種又はそれ以上の充填材を、攪拌ボールミル中に導入することによって複合材料を作る方法を開示している。さらに、またここに参考として引用する、U.S.S.N.08/420,330、表題“フィブリル充填エラストマー組成物”は、カーボンフィブリルそしてエラストマーのマトリックスを含有する組成物及びその製法を開示している。
【0016】
ポリマーにカーボンフィブリルを添加することが、最終製品の引っ張り及び曲げの特性を強化するため、用いることできることがまた認められていた。(例えば、ここに参考として引用する、Gotoほか、米国出願番号511,780号、1990年4月18日出願を参照)。
【0017】
加えるに、両方をここに参考として引用する、1992年3月18日出願のMoy他、米国出願番号855,122号、そして1991年2月23日出願のUehara他、米国出願番号654,507号は、フィブリル凝集体の生産、及び伝導性ポリマーの創造にその使用を開示している。Moy他は、特定のタイプのカーボンフィブリル凝集体、即ち、コーマ糸の製造を開示しており、そして複合材料にその使用を言及している。Uehara他はまた、ポリマー材料にフィブリル凝集体の使用を開示している。フィブリル凝集体は、100〜250ミクロンの好ましい直径の範囲を有している。これらのフィブリル凝集体がポリマー組成物に加えられそして加工されるとき、伝導性が達成される。
【0018】
ここに参考として引用する、Nahass他の、米国特許第5,643,502号は、ポリマーのバインダー、そして0.25〜50重量%のカーボンフィブリルを含有するポリマー組成物が、著しく増加したIZODノッチ付衝撃強さ(即ち約2ft−lbs./inよりも大きい)、そして減少した容積固有抵抗(即ち、約1x1011ohm‐cmよりも小さい)を有していることを開示している。Nahassは、その中にカーボンフィブリルを分散して複合材料を形成することができる、ポリマー(ポリビニリデンフルオリドを含む)の長いリストを開示している。伝導性、高いタフネスのポリマー組成物を用意するために、’502特許の実施例中で、Nahassが用いたポリマーには、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリ(フェニレンエーテル)、及び熱可塑性ウレタン樹脂、そして配合物が含まれている。
【0019】
ナノチューブを含むこの技術のポリマー複合材料が、有用で価値のある強度と伝導特性を持っているとは言え、このような複合材料の新しい多くの用途は、ナノチューブの低いポリマー中の添加量で、非常に高い強度と低い伝導性を達成することを要求している。従ってこの技術は、これらの結末を達成する新しい複合材料組成物を捜し求めているのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
発明の目的
本発明の主な目的は、機械的に強くそして電気的に伝導性であるポリマー複合材料を提供することにある。
本発明の特別の目的は、公知のポリマー複合材料よりも高いレベルの伝導性を有するポリマー複合材料を提供することにある。
本発明の更なる他の目的は、低レベルのナノチューブ添加量で、並外れたレベルの伝導性を達成するポリマー複合材料を提供することにある。
本発明のはるかな目的は、機械的に強く、そして電気的に伝導性であるポリマー複合材料を用意する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
発明の要約
ポリビニリデンフルオリドポリマー又はコポリマー、及びカーボンナノチューブを含む複合材料が、並外れた電気伝導性を有していることをここに見出したのである。1重量%よりも少ないカーボンナノチューブを有する複合材料が、同一のナノチューブ添加量を有する他のポリマー複合材料のバルク固有抵抗値よりも、数倍低いバルク固有抵抗を有していることを見出したのである。13重量%程度の少ない量のカーボンナノチューブを有する複合材料が、純粋なナノチューブマットのそれと同様なバルク固有抵抗を有している。
【0022】
ポリビニリデンフルオリドのポリマー又はコポリマー、そしてカーボンナノチューブを含む複合材料は、ポリマーを溶剤に溶解してポリマー溶液を形成し、そしてその後に溶液にカーボンナノチューブを添加することによって作ることができる。溶液はソニケーター(sonicator)又はワリングブレンダー(Waring blender)を用いて混合される。沈澱成分が加えられ、ポリマーとナノチューブを含有する複合材料を沈澱析出させる。複合材料は、溶液をろ過することにより、そして複合材料を乾燥することによって分離される。
【0023】
ポリビニリデンフルオリドポリマー又はコポリマー、そしてカーボンナノチューブを含む複合材料はまた、カーボンナノチューブをポリマーエマルションに添加し、そしてその後エマルションをワリングブレンダーで混合することによって作ることができる。水/溶剤はその後蒸発して除去され、ポリマーとナノチューブを含有する複合材料を得る。
【0024】
発明の詳細な記述
PVDF−ナノチューブ複合材料
PVDFポリマー又はコポリマー、そしてカーボンナノチューブを含む複合材料が、当業界に知られている他のポリマー/カーボンナノチューブ複合材料よりも、非常に高い電気伝導性を有していることをここに見出したのである。この後ここに用いているように、“PVDF複合材料”の名称は、PVDF、又はビニリデンフルオリドと他のモノマーとのコポリマー、そしてカーボンナノチューブを含む任意の複合材料を広く指すものである。他のポリマー複合材料とは違って、純粋なカーボンナノチューブと同じような低いバルクの固有抵抗を有する、PVDF複合材料を形成することができる。簡単にするため、パーセントナノチューブ添加量(%ナノチューブ添加量)の用語は、複合材料中の重量によるナノチューブのパーセントを指して用いられる。
【0025】
PVDF複合材料における低い添加量のナノチューブが、同様な添加量の他のポリマー複合材料よりも、はるかに高い導電性をもたらすことをここに発見したのである。例えば、5%のナノチューブの添加量を有するPVDF複合材料が、.42ohm−cmのバルクの固有抵抗を有しているのに対し、5%のナノチューブ添加量を有するポリ(パラフェニレンスルフィド)は、3.12ohm−cmのバルクの固有抵抗を有している。
【0026】
1重量%のような、又はこれよりも少ない量のカーボンナノチューブを含むPVDF複合材料は、純粋なPVDFポリマー又はコポリマーと比較して、並外れた低いバルクの固有抵抗を有し、そして同様なナノチューブ添加量の他のポリマー複合材料と比較しても、非常に低い固有抵抗を有している。ナノチューブの添加量は広い範囲で変化させることができる。例えば、PVDF複合材料は、広く、.01〜30%、望ましくは0.5〜20%、そして好ましくは1〜15%のナノチューブの添加量を用いて作ることができる。任意に与えられたナノチューブの添加量で、他のポリマー複合材料と比較しても、PVDF複合材料が非常に小さいバルクの固有抵抗を有していることを見出したのである。
【0027】
約13%のような非常に少ないナノチューブ添加量を有するPVDF複合材料が、純粋なナノチューブマット、即ち.02ohm−cm〜.08ohm−cmの間、に匹敵するバルクの固有抵抗を有することをさらに見出したのである。約13%〜20%のナノチューブ添加量を有するPVDF複合材料はすべて、純粋なナノチューブマットの固有抵抗値の範囲内にある、バルクの固有抵抗値を有している。PVDF複合材は、約10ohm−cmよりも小さい、又は約1ohm−cmよりも小さいバルクの固有抵抗を持った複合材を形成することができる。PVDF複合体のバルク固有抵抗は、ナノチューブ添加量を変えることで調整することができ、意図する応用に対し要求される伝導性のレベルに合致させることができる。
【0028】
どのように複合体が調製されるかによっても、PVDF中の13〜20%のナノチューブ添加量を超えた伝導性の更なる改善は観察されることがなく、.02ohm−cmの限界の固有抵抗値(即ち、カーボンナノチューブの純粋なマットの固有抵抗)に到達した。ナノチューブ添加量の低いほうの限界は、パーコレーション(percolation)の限界によって設定され、そして複合体形成の方法、用いる材料などのような種々のファクターに依存して決まる。例えば表1は、表1における条件下で、低いほうのナノチューブ添加量の限界は、1%未満で十分であるが、明らかに0.2%を超えた値であることを示している。
【0029】
ビニリデンフルオリドモノマーと共に用いられ、本発明の複合材料に用いられるPVDFコポリマーを形成するモノマーは、ヘキサフルオロプロピレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、CTFE、TFE、ターポリマー、又はオレフィンが含まれる。コポリマーは、ビニリデンフルオリドとは違うモノマーの最小量から、このモノマーの90重量%のような多い量まで、広い範囲で作ることができる。本発明の望ましいコポリマーは、1重量%〜70重量%のこのような他のモノマー、そして好ましくは10重量%〜50重量%を含んでいる。
【0030】
本発明のPVDF複合材料はまた、PVDFと他のポリマーの混合物を含むものであり、ここでPVDFと他のポリマーとが互いに混和性又は不混和性であるポリマーを含んでいる。本発明のPVDF複合材料はまた、PVDFと、そしてビニリデンフルオリドと上記のごとき他のモノマーから形成されたコポリマーの混合物を、そしてこれらの混合物と他のポリマーとの混合物を含むものである。
グラファイトのような充填材がまた、PVDFコポリマー複合材料と共に用いられる。
【0031】
カーボンナノチューブ
各種の異なるカーボンナノチューブが、PVDF又はPVDFコポリマーと併用することができ、本発明の複合体を形成する。好ましくは、本発明に用いられるナノチューブは、0.1よりも小さい、好ましくは0.05ミクロンよりも小さい直径を有している。
【0032】
ここに参考として引用する、Tennentの米国特許第4,663,230号には、連続した熱的なカーボンのオーバーコートを有さず、そして多重の配列したグラファイトの外側の層を有し、この層が実質的にフィブリル軸に平行である、カーボンフィブリルが記載されている。ここに参考として引用する、Tennent他の米国特許第5,171,560号には、熱的なオーバーコートはなく、そしてフィブリル軸に実質的に平行なグラファイト層を有し、前記フィブリル軸上の前記グラファイト層の投影が、少なくとも2つのフィブリル径の距離で延びているような、カーボンナノチューブが記載されている。これらのTennentフィブリルはc軸を持っているものとして特徴付けられるかも知れないが、それはそれとして、グラファイトのカーブした層の接線に垂直である軸は、円筒状の軸に実質的に垂直なのである。一般にこれらは0.1μよりは大きくはない直径を有し、長さと直径の比率は少なくとも5である。望ましくは、これらは、連続した熱的なカーボンのオーバーコートを実質的に有しておらず、即ちこれらを作るために用いたガス供給物の、熱クラッキングから生じた熱分解性の沈着カーボンを有していないものである。これらのフィブリルが本発明においても有用である。これらのTennentの発明は、触媒的に成長した多重の、実質的に連続したカーボン原子オーダーの層が配列した外側の領域を有する、より小さい径のフィブリルへの到達を提供したのであって、この層は約3.5〜70nmの間の外径、そして明確な内側のコアーの領域を有し、それぞれの層とコアーは、フィブリルの円筒状の軸の周りに配列した実質的な同心円であり、前記のフィブリルは熱分解的に沈着した熱的なカーボンを実質的に含んでいないものである。完全な構造には欠けるフィブリルのカーボンではあるが、また熱分解カーボンを含んでいない外側の層が成長した。
【0033】
ここに参考として引用する、Geusの米国特許第4,855,091号は、実質的に熱分解オーバーコートを有してない魚の骨フィブリルの調製方法を提供している。ナノチューブ軸上のグラファイト層の投影が、2つのナノチューブ直径よりも少ない距離で延長するとき、断面図における、グラファイトナノチューブの炭素平面は、ニシンの骨の外観を見せる。このゆえに、名称が魚の骨フィブリルである。これらのカーボンナノチューブは、また本発明の実施に有用である。
【0034】
“非接着”前駆体のナノチューブは、ばらばらの形態のナノチューブ、ナノチューブの凝集体、又はその両者であることができる。
【0035】
ナノチューブは幾つかの段階又は程度で凝集する。ここに参考として引用する、1997年5月15日出願のU.S.S.N.08/856,657号に従って作られた触媒的に成長したナノチューブは、凝集体で形成され、実質的にその全てが700ミクロンの篩を通過する。凝集体の約50重量%は、300ミクロンの篩を通過する。勿論、作られたままの凝集体のサイズは、色々な手段で小さくすることができるが、このような離解は凝集体が小さくなるほど益々困難になってくる。
【0036】
ナノチューブはまた、種々の形態(morphologies)(走査型電子顕微鏡によって決定されるように)を有する凝集体として調製され、これらはランダムにお互いにからまって、鳥の巣に似たナノチューブの絡まったボールを形成し(“BN”);或はまた真っ直ぐから僅か曲がった、又はよじれたカーボンナノチューブの束から成る凝集体であって、実質的に同一の相対的な配向を有し、そして例えばコーマ糸(“CY”)の外観を有し、各々のナノチューブの縦軸(個々の曲がり又はよじれにもかかわらず)は、束の中の周囲のナノチューブのように、同一の方向に延びており;或はまた真っ直ぐから僅か曲がった又はよじれたナノチューブから成る凝集体であって、お互いにルーズに絡み合い“オープンネット”(“ON”)構造を形成している。オープンネット構造においてナノチューブの絡み合いの程度は、コーマ糸凝集体中(この中で個々のナノチューブは実質的に同一の相対的な配向を有している)で観察されたものよりも大きいが、鳥の巣のそれよりも小さい。CYおよびONの凝集体は、BNよりも更に容易に分散され、それらは構造いたるところで均一な性質が望まれる複合材料の二次加工には有用とされている。
【0037】
凝集体の形態は、触媒支持体の選択によってコントロールされる。球状の支持体は全ての方向にナノチューブが成長し鳥の巣凝集体の形成を導く。コーマ綿そしてオープンネスト凝集体は、一つ又はそれより多くの容易に裂くことのできる平らな表面を有する支持体を用いて調製され、例えば鉄又は鉄含有金属触媒粒子が、一つ又はそれ以上の容易に容易に裂くことのできる表面、そしてグラム当り少なくとも1平方メートルの表面を有する支持体材料上に沈積されて用いられる。ここに参考として引用する、Moy他の米国特許出願第08/469,430号、表題“カーボンフィブリル製造の改善された方法及び触媒”、出願June 6,1955,には種々の形態を有する凝集体として調製されたナノチューブが記載されている。
【0038】
カーボンナノチューブ又はナノファイバー凝集体の形成に関して、更なるその詳細は、米国特許第5,165,909号(Tennent);米国特許第5,456,897号(Moy他);米国特許出願第149,573号(Snyder他、出願January 28,1988)、そしてPCT出願US89/00322(出願January 28,1989、(“カーボンフィブリル”))WO89/07163、及び米国特許出願第413,837号(Moy他、出願September 28,1989)、そしてPCT出願番号US90/05498(出願Sept.27,1990、(“フィブリル凝集体及びその製法”))WO91/05089、そして米国出願第08/479,864号(Mandeville 他、出願June 7,1995)、及び米国出願第08/329,774号(Bening他、出願Oct.27,1984)、及び米国出願第08/284,917号(出願August 2,1994)、及び米国出願第07/320,564号(Moy他、出願Oct.11,1994)に見出すことができ、これら全てを参考としてここに引用する。
【0039】
本発明に有用な異なる微視的、そして巨視的形態の他のフィブリルは、米国特許第5,550,200号、第5,578,543号、第5,589,152号、第5,650,370号、第5,691,054号、第5,707,916号、第5,726,116号、そして第5,877,110号に開示された多重壁フィブリルを含み、これら各々を参考として引用する。
【0040】
単一壁のフィブリルもまた、本発明の複合材料に用いることができる。単一壁のフィブリル及びそれらの製造方法は、米国特許第6,221,330号、及びWO 00/26138号に記載されており、この両者をここに参考として引用する。単一のグラファイトの外側の層のみを有し、その層がフィブリルの軸に実質的に平行であるという点を除いては、単一壁のフィブリルは、上記の多重‐壁フィブリルより良好又は類似の特性を有している。
【0041】
異なるグレード、サイズ、形態、又はタイプを有するカーボンナノチューブを含んだPVDF複合材料は、与えられたフィブリルの添加量で、異なるバルクの固有抵抗を有している。例えば、PVDF複合材料中、低いナノチューブ添加量で、コーマ綿菓子(“CC”)ナノチューブは、鳥の巣(“BN”)ナノチューブよりも低いバルクの固有抵抗を与えることが見出された。いかなる理論にも縛られることを欲しないが、平行な束で凝集しているCCナノチューブは、BNナノチューブよりポリマー中に容易に分散して、複合材料中で更に一様なフィブリルの分布をもたらし、そしてこれにより、より低いバルクの固有抵抗を与えると信じられる。
【0042】
PVDFポリマー又はコポリマー、そしてカーボンナノチュ−ブから形成されたPVDF複合材料を用いて得られる伝導性のレベルは、全てのその性質及び二次加工の長所と共に、金属、又は純粋なグラファイトの代わりに、多くの応用製品に伝導性プラスチックとして用いることを可能としている。
【0043】
PVDF複合材料の使用
本発明のPVDF複合材料は、優れた電気伝導性が重要とされる応用製品に用いることができる。このような用途の例としては、ハイパワーの電気化学的なコンデンサー、そしてバッテリー用の集電装置を含む。これらの目的で用いられる市販の電流材料は、約1ohm−cmのバルクの固有抵抗を有している。他の用途としては、伝導性のガスケット、またはEMFシールド塗装が含まれる。これらの用途において、例えば.04ohm−cmのバルク固有抵抗の違いは、製品の性能に著しいインパクトを与える。
【0044】
なお更なる用途としては、リチウム電池陰極への二官能性(バインダー及び伝導性の増強材)添加剤と同様に、PEM燃料電池の二極性のプレートを含んでいる。これらの二極性のプレートは、ここに開示のごとく、PVDF複合材料を用意し、その後、例えば2mmの厚さのPVDF複合材シートに押し出すことによって形成される。一軸スクリュー押出し機が、シートの押出しに用いることができる。流路を二つのホットプレートの間に彫刻することができ、一つはフロントプレートの溝の鏡像パターンを有し、そして他はバックプレート溝の鏡像パターンを有している。溝はお互いに平行に一つのコーナーから他のコーナーへ走ることができ、それぞれの溝は他の溝から0.5mmの距離で離されている。この溝は0.5mmの幅と深さを持つことができる。
【0045】
複合材の調製法
PVDF複合材料は、PVDFポリマー又はコポリマーを、アセトンのような溶媒に溶解して溶液を形成する溶液法によって作ることができる。他のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミド、テトラメチル尿素、ジメチルスルホキシド、トリメチルホスフェート、2−ピロリドン、ブチロアセトン、イソフォロン、及びカービトールアセテートのような、溶解性の溶媒を用いることができる。
【0046】
ポリマー−ナノチューブ混合物にエネルギーを適用して、ナノチューブを溶媒中に分散する。エネルギー源は機械的なホモジナイザー、超音波発生器、高速ミキサー、ワリングブレンダー(Waring blender)、又は当業界に知られている任意の他の混合方法であることができる。沈澱するように、水のような沈澱成分が加えられ、或はポリマー及びナノチューブを含む固体の複合材を急冷する。沈澱成分は、溶媒と混和性であるが、その中でPVDFポリマー又はコポリマー混合物が不溶性である任意の媒体であることができる。
【0047】
溶媒は、所望により、ろ過、又は蒸発によって除去することができ、そして乾燥してPVDF複合材を分離する。複合材料は、当業界に知られている、加熱乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等のような乾燥又は蒸発工程によって分離することができる。
【0048】
PVDF複合材はまた、メルトコンパウンディングの方法で調製することができ、PVDFポリマー又はコポリマーをナノチューブと、ブラベンダー(Brabender)のようなミキサーのミキシングヘッド中で、混合物が熔融するよう高温(即ち200℃以上)で、そしてPVDFポリマー又はコポリマーがカーボンナノチューブ中に配合され複合材を形成するように混合される。
【0049】
複合材料がいったん得られれば、圧縮成形又は射出成形装置を用いて、そして当業界に知られた方法で、その後必要に応じて成形することができる。
【0050】
従来のメルト配合方法を用いて作られたPVDF複合材よりも、溶剤溶液の方法を用いて調製したPVDF複合材のほうが、著しく低いバルクの固有抵抗を有しており、従って電気伝導性材料には良好である。いかなる理論にも縛られることを欲しないが、溶媒溶液方法はPVDF複合材の中でPVDFとカーボンナノチューブの混合が良くなるので、このように低い固有抵抗が得られるものと信じられる。
【0051】
また、低いナノチューブ添加量で、ソニケーター(sonicator)又は超音波の音波発生器(sonifiers)を用いたPVDF複合材が、ワリングブレンダーのような機械的混合の手段を用いて作ったPVDF複合材よりも、低いバルクの固有抵抗を有していることを見出した。どのような理論にも縛られたくはないが、ソニケーター又は超音波発生器は、ポリマー中低レベルのナノチューブを、機械的な混合の手段よりも良く分散することが可能で、良好な複合材中のナノチューブの分布を結果として生じ、そしてまたこのゆえにより良い伝導性を与えると信じられる。
【0052】
どのような工業的な製法においても有機溶媒を使用することは好ましくなく、PVDF複合材料もPVDFエマルションを用いて調製することができる。この方法において、カーボンナノチューブはPVDFエマルション(又はPVDFラテックス又は任意の水中PVDF分散物)に直接混合されるか又は分散され、分散には、機械的なホモジナイザー、超音波ソニファイアー、高速ミキサー、ワリングブレンダー、又は任意の当工業界に知られている他の手段のような、エネルギー源が適用される。混合物中の水(又は液体)は、例えば蒸発、又は当業界に知られている任意の乾燥方法によってその後除去され、PVDF複合材が回収される。
【0053】
電気的に伝導性のPVDF複合材料の実施例、及びその製法を以下に記載する。
【実施例1】
【0054】
PVDFポリマー、Kynar 761はElf Atochemから入手し、そしてアセトンに溶解した。HyperionCCカーボンナノチューブを添加し、高せん断ブレンダー(即ちワリングブレンダー)を用いて、2〜5分間ポリマー溶液に分散した。水を分散液に添加し、ナノチューブと共にポリマーを沈澱させた。この材料を濾過し、そしてろ過液を真空オーブン中、100℃で乾燥してアセトンと水を除去し、乾燥ナノチューブ/PVDF複合材をその後に残した。厚さ0.003〜0.01インチの複合材のシートを多数、圧縮成形器を用いて作った。薄いシートサンプルのバルク固有抵抗を4探触子法を用いて測定した。引っ張り強度も同様に測定した。異なる量のカーボンナノチューブを有する多数のバッチもテストした。結果を以下の表1に報告する。
【0055】
【表1】
【0056】
実施例1の結果は、ナノチューブ添加量が1%よりも少ないPVDF複合材料であっても、純粋なPVDFポリマーよりも著しく低いバルクの固有抵抗を有していることを示している。ナノチューブ添加量が約3%まで増加すると、複合材料のバルクの固有抵抗は著しく低下した。約5%のナノチューブ添加量で、PVDF複合材のバルクの固有抵抗は1ohm−cm以下であった。約13%のナノチューブ添加量では、バルクの固有抵抗は.08ohm−cmに近づき、これは純粋なCCナノチューブマットの値に相当する。13%よりも高いナノチューブの添加量では(即ち、13〜25%)、PVDF複合材は、純粋なCCナノチューブマットの範囲内のバルク固有抵抗を持っていた。
【実施例2】
【0057】
実施例1の手順、そしてKynar761PVDFを用い、HyperionCCナノチューブ、及びHyperionBNナノチューブを夫々用いて調製した複合材料の、固有抵抗の比較を行った。結果を以下の表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
実施例2の結果は、低いナノチューブの添加量で、PVDF/CCナノチューブ複合体が、PCDF/BNよりも著しく低いバルク固有抵抗を有していることを確認している。
【実施例3】
【0060】
ナノチューブをポリマー溶液中に分散するため、ワリングブレンダーの代わりに超音波ソニケーター又はホモジナイザーを用いた点以外は、実施例1を繰り返した。結果を以下の表3に報告する。
【0061】
【表3】
【0062】
これらの結果は、ソニケーターを用いて作った、低いカーボンナノチューブ添加量のPVDF複合体は、一般にワリングブレンダーで作られた複合体よりも低いバルク固有抵抗を有していることを明らかにしている。ホモジナイザーで作られたPVDF複合体は、ワリングブレンダーで作られたそれと同等のバルク固有抵抗の値を有している。
【実施例4】
【0063】
ポリマー溶液中に分散する以前に、ナノチューブを、水素、アルゴン、又は空気の存在下で加熱処理した点以外は、実施例1を繰り返した。ナノチューブの加熱処理は、次の条件のガス流下でナノチューブを加熱することにより実施した:水素‐600℃、30分間;アルゴン‐1000℃、30分間。空気酸化はナノチューブをオーブン中、空気中で450℃で2時間加熱することによって実施した。
【0064】
【表4】
【0065】
一般に、水素、又はアルゴン下のナノチューブの加熱処理は、未処理のナノチューブから形成した複合体と比較して、PVDF複合体の伝導性改善が認められなかった。空気酸化したナノチューブから形成したPVDF複合体は、未処理のナノチューブから形成した複合体と比較して、著しくより乏しい伝導性(即ち、より高いバルクの固有抵抗)、しかしより高い引っ張り強度(5〜20%のフィブリル添加で)を示した。
【実施例5】
【0066】
ポリビニリデンフルオリド−ヘキサフルオロプロピレン(即ち、PVDF/HFP)コポリマーをSolvay Advanced Polymers(21508)から入手し、そして実施例1の手順を、純粋なPVDF kynar 761ポリマー代わりに、PVDF/HFPコポリマーを用いて繰り返した。結果を表5に再現する。
【0067】
【表5】
【0068】
PVDF/HFPコポリマーは、PVDFポリマーよりも低い結晶性を有している。実施例5の結果は、0.6%程度の少ないナノチューブの添加量では、30ohm−cm程度の低いバルクの固有抵抗を生ずることを示している。ナノチューブの添加量が約13%まで増加して行くとき、PVDF/HFP複合体のバルクの固有抵抗は低下し続けた。バルクの固有抵抗は、3.1%ナノチューブ添加量で1ohm−cm以下に低下し、そして最低の報告され観察されたバルクの固有抵抗は、13.3%ナノチューブ添加量で0.072ohm−cmであり、これは純粋なCCナノチューブマットのバルク固有抵抗の範囲内である。しかしながら、13.3%よりも多いナノチューブの添加量を有するPVDF/HFP複合体に対しては、バルク固有抵抗の改善は観察されなかった。図1は、バルクの固有抵抗が、3%ナノチューブ添加量までは途方もなく低下することを、そしてそれから3%以上のナノチューブの添加量では、バルクの固有抵抗がむしろ直線状に減少することを説明している。図1のグラフの中に挿入したプロットは、ナノチューブ添加量3〜13%の間の固有抵抗が、直線状に減少することを更に良く表示している。
【0069】
約3%以下のナノチューブ添加量を有するPVDF/HFP複合材は、同一のナノチューブを有するPVDF複合材よりも低いバルク固有抵抗を持っているように思える。従って、低いナノチューブの添加量で、PVDF/HFPコポリマー又は低結晶の低グレードのPVDFを、純粋なPVDFポリマーの代わりに用いることによって、PVDF複合材の伝導性を改良することができる。しかしながらまた、このPVDF/HFP複合材はその引っ張り強度が低く、従ってコポリマー複合材又はポリマー複合材のいずれを選択するかは、最終応用品の要求特性に依存するであろうことが観察された。
【0070】
反対に、PVDF複合材のバルクの固有抵抗は、高いナノチューブ添加量(即ち、〜20%又はそれより大)ではPVDF/HFPのそれよりも低い。更に、16%を超えたナノチューブの添加量を有するPVDF/HFP複合材は、粗い表面と穴を有し、容易に壊れてしまうので成形することが困難であることが観察された。
【実施例6】
【0071】
異なるグレードのPVDF/HFPコポリマー(Kynar2801)を、Elf Atochemより入手し、そして実施例1の方法を繰り返した。Kynar2801はまた、Kynar−Flexとして知られている。結果を表6に再現する。
【0072】
【表6】
【0073】
実施例5のPVDF/HFP複合材と違って、Kynar2801コポリマー複合材は13%を超えるナノチューブ添加量で低いバルクの固有抵抗を示している。20%のナノチューブの添加量で、Kynar2801複合材は約.05ohm−cmのバルクの固有抵抗値を有し、これは純粋なCCナノチューブマットの範囲内である。
【実施例7】
【0074】
PVDF複合材料を、PVDF(Kynar761)とHyperionCC、そして/又はグラファイト(LonzaKS−75)をブラベンダーミキサーの混合ヘッド中で、100RPMで約5分、規定の温度で熔融配合することによって調製した。各混合物を、もし混合物が星印(*)で示すようにプレミックスされていない場合、次の通り:PVDF、ナノチューブ、それからグラファイトの順序で、成形材料を順次加えることによって調製した。いったんコンパウンド化したのち、少量の複合材を薄いクロームメッキプレートの間で約240℃で圧縮し、薄いプレートを1〜2分室温に冷却して、平らなシートを調製した。固有抵抗を直線状の4プローブヘッドで測定した。結果を以下の表7で報告する。
【0075】
【表7】
【0076】
非常に伝導性の良い複合材料が、熔融コンパウンディングによって形成できることを結果は示している。プレミックス材料は、順次添加によって形成された複合材よりも低いバルクの固有抵抗を有する複合材料を生ずるように見える。
【0077】
バッチ8〜12に示すように、与えられたナノチューブ添加量において、PVDF複合材中のグラファイト濃度を上昇すると、複合材の伝導性が上昇することを見出した。バッチNo8〜12の固有抵抗をプロットした図2は、13%ナノチューブ添加量を有するPVDF複合材料において、グラファイト濃度増加の関数として、バルクの固有抵抗の減少を例示している。
【実施例8】
【0078】
固有抵抗のテストを、幾つかのナノチューブ添加量で、数個のポリマー複合材について実施した。複合材料は実施例1の溶液方法を用いて、或は実施例7の熔融コンパウンディング方法を用いて作成した。以下のポリマーを用いた。
PVDF−Sol(溶液から作ったPVDF/ナノチューブ複合材);
Kynar−Flex(溶液から作ったPVDF/HFPナノチューブ複合材);
PVDF−Melt(熔融コンパウンディングによって作ったPVDF/ナノチューブ複合材);
PPS(熔融コンパウンディングによって作ったポリ(パラフェニレンスルフィド)/ナノチューブ配合物);
EVA(熔融コンパウンディングによって作ったポリ(コ‐エチレン‐ビニルアセテート)/ナノチューブ配合物);
PS(熔融コンパウンディングによって作ったポリスチレン/ナノチューブ配合物);そして
PE(熔融コンパウンディングによって作ったポリエチレン/ナノチューブ配合物)。
実施例8の結果を以下の表8に示す。
【0079】
【表8】
【0080】
ナノチューブの重量フラクションは、ナノチューブの重量を複合体重量で割ることにより計算した。ナノチューブの容積フラクションは、ナノチューブの容積を複合材の容積で割ることによって計算した。これらの容積は、夫々のナノチューブとポリマーの重量をそれら各々の密度で割ることによって計算した(複合体の容積はナノチューブとポリマーの容積の合計である)。
【0081】
実施例8の結果は、PVDF及びPVDF/HFP複合体の固有抵抗は、任意の与えられたナノチューブ添加量のレベルで、最良の伝導性ポリマーの固有抵抗よりもなお低いオーダーであることを示している。例えば、5%ナノチューブ添加量で、PVDF及びPVDF/HFP複合体は.42〜.55ohm−cmの範囲のバルク固有抵抗値を有している一方、PPS複合体のバルクの固有抵抗は3.12ohm−cmであった。20%ナノチューブ添加量で、PVDF、そしてPVDF/HFP複合材は.04〜.09ohm−cmのあいだのバルク固有抵抗値を有しており、これは純粋なCCナノチューブマットの範囲内である。20%のナノチューブ添加量で、又は任意のより高いナノチューブの添加レベルで、他のポリマー複合材は、純粋なCCナノチューブマット範囲内のバルクの固有抵抗値は有していない。これらの差異は電気伝導性が重要である応用分野には著しいものである。
【0082】
図3は、ナノチューブの重量対固有抵抗の、対数のプロットが明らかにされている。PVDF複合体の固有抵抗を、全ての他のポリマー複合体から明白にはっきりと区別する線が描かれており、PVDF複合体が他のポリマー複合材料よりも電気伝導性において優れていることを明らかに示している。
【0083】
図4はナノチューブ重量と伝導性の間のプロットを示す。図4で確認されるように、PVDF複合材料は、当業界に知られている他のポリマー複合体よりも明らかに優れた伝導性を有している。その上に図4は更に、当業界に知られている他のポリマー複合体とは違って、ナノチューブ添加量が約20%に増加されるとき、PVDF複合体の伝導性が急激に増加することを示している。PVDF複合体はまた、純粋なCCナノチューブマットの伝導性(即ち、12.5〜50/ohm−cm)を得ている。他のポリマーから作られた複合体は、ナノチューブ添加量が30%を越えて増加したときでさえ、純粋なCCナノチューブマットの伝導性の範囲に到達することは不可能であった。
【実施例9】
【0084】
多層構造は、PVDF複合体の第一の層、熱可塑性の、又は熱可塑性ブレンド/複合体の第二の層、そして所望により第一と第二の層の間の第三の接着層を含有する。第二の層は、ナイロン−6(6,6、11、又は12)、優れた遮断、及び高熱変形の性質に優れた層として知られているナイロン−クレー複合材料、又はナイロンブレンドであることができる。接着層は比較的低い粘度を有する、PVDF−ナイロンブレンドであることができる。この層構造はシートの形態に、又は任意の外形及びサイズの容器に、又はチューブ材料/パイプに二次加工することができる。容器のそしてチューブ形態の内部層は、好ましくはPVDF複合材料の層である。PVDFポリマーは熱と炭化水素に対する耐性が知られており、そしてナイロン材料、特に、ナイロン−クレー複合材料が高い熱変形温度、優れた遮断性能、そして良好な機械特性を有することで知られているので、この多層の構造から形成された容器やチューブ材料の構造は、広い範囲の炭化水素の貯蔵と輸送に安全に用いることができる。
【0085】
多層のチューブ材料は以下の材料;Kynar761のPVDF複合材料と13%添加したナノチューブ、クレー−ナイロン−6の複合体、そしてPVDF(Kynar741)−ナイロン−6(30%)のブレンド、を用いて作ることができる。3層チューブ材料の作成は3つの押し出し器を備えた共押し出しのシステムで実施した。チューブ材料の内側の径、そして各層の厚さは:内部直径:20mm;内部PVDF複合材層の厚さ:0.6mm;接着PVDF−ナイロンブレンド層の厚さ:0.2mm;外部クレー−ナイロン複合材層の厚さ:1mmである。
【実施例10】
【0086】
ある一つのPVDFエマルション、Kynar720をElf Atocchemから入手した。Hyperion CCカーボンナノチューブを、Kynar720エマルション中に添加し、そして高せん断ブレンダー(即ち、Waring blender)を用いて分散した。この混合物中に存在する水/液体を蒸発させて除去し、そして約0.5’x3’x0.01’の寸法のPVDF複合物の薄い試験片をホットプレスによって作成した。固有抵抗を測定し、以下に報告する。
【0087】
【表9】
【0088】
実施例10の結果は、低いバルクの固有抵抗を有するPVDF複合体が、PVDFエマルションを用いて作成できることを確認している。20%ナノチューブ添加で、この方法を用いて作成したPVDF複合体は、純粋なCCナノチューブマットの範囲内のバルク固有抵抗を有していた。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】PVDF/HFP複合体中のナノチューブ添加量の関数として、複合体の固有抵抗をプロットしたグラフ。
【図2】13%ナノチューブ添加PVDF複合材料のグラファイト濃度の関数として、複合体の固有抵抗をプロットしたグラフ。
【図3】各種ポリマー複合材料のナノチューブ重量フラクションの関数として、固有抵抗をプロットした対数グラフ。
【図4】各種ポリマー複合材中のナノチューブ添加量の関数として、複合材料の伝導性をプロットしたグラフ。
Claims (62)
- ポリマー複合材料であって:
ポリビニリデンフルオリド;及び
前記複合材料の約0.01〜30重量%の量のカーボンナノチューブを含有し、
前記のナノチューブが約100ナノメートルよりも小さい直径を有する、複合材料。 - カーボンフィブリルを含有するナノチューブであって、フィブリルが、
実質的に一定の直径;
直径の約5倍よりも大きい長さ;
配列した外側の領域であって、触媒的に成長した、多重の、実質的に連続の配列した炭素原子の層で、約3.5〜70ナノメートルの間の外径を有する領域;そして
明確な内側のコアの領域で、夫々の層及びコアがフィブリルの円柱状の軸の周囲に実質的に同心円状に配列されており、前記フィブリルが熱分解的に沈積した熱カーボンを実質的に含んでいない領域、を有している請求項1の複合材料。 - ナノチューブが単一の壁のカーボンフィブリルを含有する、請求項1の複合材料。
- ナノチューブが複合材料の約0.5〜20重量%の間の量で存在する、請求項1の複合材料。
- ナノチューブが複合材料の約1〜15重量%の間の量で存在する、請求項1の複合材料。
- ナノチューブが複合材料の約13〜20重量%の間の量で存在する、請求項1の複合材料。
- 前記の複合材料が約10ohm−cmよりも小さいバルクの固有抵抗を有する、請求項1の複合材料。
- 前記の複合材料が約1ohm−cmよりも小さいバルクの固有抵抗を有する、請求項1の複合材料。
- 前記の複合材料が約0.02〜0.08ohm−cmの間の、バルクの固有抵抗を有する、請求項1の複合材料。
- 前記の複合材料が、純粋なカーボンナノチューブマットのバルク固有抵抗範囲内にある、バルクの固有抵抗を有する、請求項1の複合材料。
- 更に、充填材を含有する、請求項1の複合材料。
- 前記の充填材がグラファイトである、請求項12の複合材料。
- ポリマー複合材料であって:
ビニリデンフルオリドと他のモノマーのコポリマー、そして
前記複合材料の約0.01〜30重量%の量のカーボンナノチューブを含有し、前記のナノチューブが約100ナノメートルよりも小さい直径を有している複合材料。 - 前記のモノマーが、ヘキサフルオロプロピレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ターポリマー、そしてオレフィンからなる群から選ばれる、請求項13の複合材料。
- 前記のモノマーが、前記コポリマーの約90重量%よりも少ない量で存在する、請求項13の複合材料。
- 前記のモノマーが、前記コポリマーの約1〜70重量%の間の量で存在する、請求項15の複合材料。
- 前記のモノマーが、前記コポリマーの約10〜50重量%の間の量で存在する、請求項16の複合材料。
- カーボンフィブリルを含有するナノチューブであって、フィブリルが、
実質的に一定の直径;
直径の約5倍よりも大きい長さ;
配列した外側の領域であって、触媒的に成長した、多重の、実質的に連続の配列した炭素原子の層で、約3.5〜70ナノメートルの間の外径を有する領域;そして
明確な内側のコアの領域であって、夫々の層及びコアがフィブリルの円柱状の軸の周囲に実質的に同心円状に配列されており、前記のフィブリルが熱分解的に沈積した熱カーボンを実質的に含んでいない領域、を有している請求項13の複合材料。 - ナノチューブが単一の壁のカーボンフィブリルを含有する、請求項13の複合材料。
- ナノチューブが複合材料の約0.5〜20重量%の間の量で存在する、請求項13の複合材料。
- ナノチューブが複合材料の約1〜15重量%の間の量で存在する、請求項13の複合材料。
- ナノチューブが複合材料の約13〜20重量%の間の量で存在する、請求項13の複合材料。
- 前記の複合材料が、約10ohm−cmよりも小さいバルクの固有抵抗を有する、請求項13の複合材料。
- 前記の複合材料が、約1ohm−cmよりも小さいバルクの固有抵抗を有する、請求項13の複合材料。
- 前記の複合材料が、約0.02〜0.08ohm−cmの間の、バルクの固有抵抗を有する、請求項13の複合材料。
- 前記の複合材料が、純粋なカーボンナノチューブマットのバルク固有抵抗範囲内の、バルクの固有抵抗を有する、請求項13の複合材料。
- 更に、充填材を含有する、請求項13の複合材料。
- 前記の充填材がグラファイトである、請求項27の複合材料。
- ポリマー複合材料で;
ポリビニリデンフルオリド、ビニリデンフルオリドと他のモノマーのコポリマー、そして他のポリマーから成る群から選ばれる、少なくとも2種の物質の混合物を含有する配合物;そして
前記複合材料の約0.01〜30重量%の量のカーボンナノチューブであって、前記のナノチューブが約100ナノメートルよりも小さい直径を有しているナノチューブを含有する複合材料。 - 前記のモノマーが、ヘキサフルオロプロピレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ターポリマー、そしてオレフィンからなる群から選ばれる、請求項29の複合材料。
- 前記のモノマーが、前記コポリマーの約90重量%よりも少ない量で存在する、請求項29の複合材料。
- 前記のモノマーが、前記コポリマーの約1〜70重量%の間の量で存在する、請求項29の複合材料。
- 前記のモノマーが、前記コポリマーの約10〜50重量%の間の量で存在する、請求項29の複合材料。
- カーボンフィブリルを含有するナノチューブであって、フィブリルが、
実質的に一定の直径;
直径の約5倍よりも大きい長さ;
配列した外側の領域であって、触媒的に成長した、多重の、実質的に連続の配列した炭素原子の層で、約3.5〜70ナノメートルの間の外径を有する領域;そして
明確な内側のコアの領域で、夫々の層及びコアがフィブリルの円柱状の軸の周囲に実質的に同心円状に配列され、前記のフィブリルが熱分解的に沈積した熱カーボンを実質的に含んでいない領域、を有している請求項29の複合材料。 - ナノチューブが単一の壁のカーボンフィブリルを含有する、請求項29の複合材料。
- ナノチューブが複合材料の約0.5〜20重量%の間の量で存在する、請求項29の複合材料。
- ナノチューブが複合材料の約1〜15重量%の間の量で存在する、請求項29の複合材料。
- ナノチューブが複合材料の約13〜20重量%の間の量で存在する、請求項29の複合材料。
- 前記の複合材料が、約10ohm−cmよりも小さいバルクの固有抵抗を有する、請求項29の複合材料。
- 前記の複合材料が、約1ohm−cmよりも小さいバルクの固有抵抗を有する、請求項29の複合材料。
- 前記の複合材料が、約0.02〜0.08ohm−cmの間の、バルクの固有抵抗を有する、請求項29の複合材料。
- 前記の複合材料が、純粋なカーボンナノチューブマットのバルク固有抵抗範囲内の、バルクの固有抵抗を有する、請求項29の複合材料。
- 更に、充填材を含有する、請求項29の複合材料。
- 前記の充填材が、グラファイトである、請求項43の複合材料。
- 電気的に伝導性の複合材料を調製する方法であって、
(a) ポリビニリデンフルオリド、及びビニリデンフルオリドと他のモノマーのコポリマーから成る群から選ばれるポリマーを、溶剤中に溶解して溶液を形成する工程;
(b) 前記の溶液中にナノチューブを分散する工程;そして
(c) 前記の溶液に沈澱成分を加えて、前記のポリマーと前記のナノチューブを含有する複合材料を沈澱させる工程;
を含有する方法。 - 前記の溶液を濾過して、前記の複合材料を分離する工程を更に含有する、請求項42の方法。
- 前記の複合材料を乾燥する工程を更に含有する、請求項42の方法。
- 前記の分散工程が、ソニケーター又は超音波発生器を用いて行われる、請求項42の方法。
- 前記の溶剤がアセトンである、請求項42の方法。
- 前記の溶剤が、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミド、テトラメチル尿素、ジメチルスルホキシド、トリメチルホスフェート、2−ピロリドン、ブチロールアセトン、イソフォロン、及びカービトールアセテートから成る群から選ばれる、請求項42の方法。
- 前記の沈澱成分が水である、請求項42の方法。
- 前記のモノマーが、ヘキサフルオロプロピレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ターポリマー、又はオレフィンから成る群から選ばれる、請求項42の方法。
- 請求項42の方法によって作られた電気的に伝導性の複合材料。
- 二極性プレートを作る方法であって、
(a) ポリビニリデンフルオリド、及びビニリデンフルオリドと他のモノマーとのコポリマーから成る群から選ばれるポリマーを溶剤中に溶解し、溶液を形成する工程;
(b) 前記のナノチューブを前記の溶液中に分散する工程;
(c) 前記の溶液中に沈澱成分を添加して、前記のポリマーと前記のナノチューブを含有する複合材料を沈澱析出させる工程;
(d) 前記の複合材料を分離する工程;
(e) 前記の複合材料を押出加工する工程;そして
(f) 前記の複合材料上に1種又はそれ以上の流路を彫刻する工程;
を含有する方法。 - 前記のモノマーが、ヘキサフルオロプロピレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ターポリマー、又はオレフィンから成る群から選択される、請求項54の方法。
- 電気伝導性の複合材料を調製する方法であって、
(a) カーボンナノチューブをポリマーエマルションと混合する工程で、前記のエマルションが、液体と、ポリビニリデンフルオリド、及びビニリデンフルオリドと他のモノマーのコポリマーから成る群から選ばれるポリマーを含有する工程;そして
(b) 前記の液体を除去して、前記のナノチューブと前記のポリマーを含有する複合材料を形成する工程;
を含有する方法。 - 液体が水である、請求項56の方法。
- 前記の除去の工程が、前記の液体を蒸発させることによって行われる、請求項56の方法。
- 前記混合の工程が、高せん断ブレンダーで行われる、請求項56の方法。
- 前記の混合の工程が、ワリングブレンダーを用いて行われる、請求項56の方法。
- 前記のモノマーがヘキサフルオロプロピレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ターポリマー、又はオレフィンから成る群から選ばれる、請求項56の方法。
- 請求項56の方法によって作られた電気的に伝導性の複合材料。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US09/903,189 US6783702B2 (en) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | Polyvinylidene fluoride composites and methods for preparing same |
US09/988,973 US6746627B2 (en) | 2001-07-11 | 2001-11-20 | Methods for preparing polyvinylidene fluoride composites |
PCT/US2002/021754 WO2003007314A1 (en) | 2001-07-11 | 2002-07-10 | Polyvinylidene fluoride composites and methods for preparing same |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005500409A true JP2005500409A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=27129350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003512990A Pending JP2005500409A (ja) | 2001-07-11 | 2002-07-10 | ポリビニリデンフルオリド複合材料及びその製法 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP1415309A4 (ja) |
JP (1) | JP2005500409A (ja) |
KR (1) | KR100912147B1 (ja) |
CA (1) | CA2453424C (ja) |
MX (1) | MXPA04000240A (ja) |
WO (1) | WO2003007314A1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010155953A (ja) * | 2009-01-05 | 2010-07-15 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 充填剤並びに非相溶性の樹脂若しくはエラストマーにより構成される構造体及びその製造方法若しくはその用途 |
US7989535B2 (en) | 2005-06-24 | 2011-08-02 | Daikin Industries, Ltd. | Surface-modified nanofiller and polymer composite material |
JP2017128721A (ja) * | 2016-01-19 | 2017-07-27 | ゼロックス コーポレイションXerox Corporation | 導電性ポリマーコンポジット |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6680016B2 (en) * | 2001-08-17 | 2004-01-20 | University Of Dayton | Method of forming conductive polymeric nanocomposite materials |
WO2004039883A1 (ja) * | 2002-10-29 | 2004-05-13 | Daikin Industries, Ltd. | 含フッ素樹脂組成物、含フッ素成形品、含フッ素層含有積層体及び含フッ素層含有積層体使用方法 |
JP4489558B2 (ja) | 2004-10-25 | 2010-06-23 | 三桜工業株式会社 | 多層樹脂チューブ |
US7732029B1 (en) | 2006-12-22 | 2010-06-08 | Xerox Corporation | Compositions of carbon nanotubes |
JP2008163081A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Fujifilm Corp | レーザー分解性樹脂組成物およびそれを用いるパターン形成材料ならびにレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版 |
US9041228B2 (en) * | 2008-12-23 | 2015-05-26 | Micron Technology, Inc. | Molding compound including a carbon nano-tube dispersion |
KR101281626B1 (ko) | 2010-05-28 | 2013-07-04 | 부산대학교 산학협력단 | 고분자/탄소나노튜브 복합체 제조 방법, 이를 이용한 고분자/탄소나노튜브 복합체 박막 제조 방법, 고분자/탄소나노튜브 복합체 및 고분자/탄소나노튜브 복합체 박막 |
US9463977B2 (en) | 2012-07-31 | 2016-10-11 | Raytheon Company | Sacrificial limiter filter |
US11929526B2 (en) | 2018-11-12 | 2024-03-12 | Fischer Eco Solutions Gmbh | Method for bonding two plates together for a fuel cell, especially gluing bipolar plates in a fuel cell |
KR102430316B1 (ko) * | 2020-08-20 | 2022-08-10 | 최재훈 | 고열전도성 및 저기체투과성 불소수지 튜브 |
KR20220055334A (ko) * | 2020-10-26 | 2022-05-03 | 주식회사 엘지화학 | 폴리(부틸렌 아디페이트-co-테레프탈레이트)-탄소나노튜브 복합체의 제조 방법 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6403696B1 (en) * | 1986-06-06 | 2002-06-11 | Hyperion Catalysis International, Inc. | Fibril-filled elastomer compositions |
US5445327A (en) * | 1989-07-27 | 1995-08-29 | Hyperion Catalysis International, Inc. | Process for preparing composite structures |
US5591382A (en) * | 1993-03-31 | 1997-01-07 | Hyperion Catalysis International Inc. | High strength conductive polymers |
US5705120A (en) | 1994-02-08 | 1998-01-06 | Osaka Gas Company, Limited | Method of producing graphite fiber-reinforced fluororesin composites |
DE19507025A1 (de) * | 1995-03-01 | 1996-09-05 | Huels Chemische Werke Ag | Mehrschichtrohr mit elektrisch leitfähiger Innenschicht |
JP2002070938A (ja) * | 2000-08-25 | 2002-03-08 | Shimadzu Corp | 圧電制振材料 |
CN1189512C (zh) * | 2003-02-28 | 2005-02-16 | 清华大学 | 含有碳纳米管的高介电复合材料及其制备方法 |
-
2002
- 2002-07-10 MX MXPA04000240A patent/MXPA04000240A/es active IP Right Grant
- 2002-07-10 WO PCT/US2002/021754 patent/WO2003007314A1/en active Application Filing
- 2002-07-10 CA CA2453424A patent/CA2453424C/en not_active Expired - Fee Related
- 2002-07-10 EP EP02749893A patent/EP1415309A4/en not_active Withdrawn
- 2002-07-10 JP JP2003512990A patent/JP2005500409A/ja active Pending
- 2002-07-10 KR KR1020047000483A patent/KR100912147B1/ko not_active IP Right Cessation
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7989535B2 (en) | 2005-06-24 | 2011-08-02 | Daikin Industries, Ltd. | Surface-modified nanofiller and polymer composite material |
JP2010155953A (ja) * | 2009-01-05 | 2010-07-15 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 充填剤並びに非相溶性の樹脂若しくはエラストマーにより構成される構造体及びその製造方法若しくはその用途 |
JP2017128721A (ja) * | 2016-01-19 | 2017-07-27 | ゼロックス コーポレイションXerox Corporation | 導電性ポリマーコンポジット |
JP7005145B2 (ja) | 2016-01-19 | 2022-01-21 | ゼロックス コーポレイション | 導電性ポリマーコンポジット |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA2453424C (en) | 2011-01-04 |
EP1415309A1 (en) | 2004-05-06 |
CA2453424A1 (en) | 2003-01-23 |
KR100912147B1 (ko) | 2009-08-14 |
EP1415309A4 (en) | 2006-06-21 |
KR20040030044A (ko) | 2004-04-08 |
WO2003007314A1 (en) | 2003-01-23 |
MXPA04000240A (es) | 2004-05-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6746627B2 (en) | Methods for preparing polyvinylidene fluoride composites | |
AU2002320378A1 (en) | Polyvinylidene fluoride composites and methods for preparing same | |
JP2005500409A (ja) | ポリビニリデンフルオリド複合材料及びその製法 | |
DE69519305T3 (de) | In der schmelze verarbeitbarer elektrisch leitfähiger fluorkunststoff | |
US6184280B1 (en) | Electrically conductive polymer composition | |
DE60104885T2 (de) | Leitfähige fluorpolymere | |
EP1004618B1 (de) | Artikel mit antistatischen Eigenschaften | |
US7481952B2 (en) | Electrically conductive PTFE tape | |
CN102227467B (zh) | 膨胀石墨在聚合物材料中的用途 | |
JP4065400B2 (ja) | 多層高分子構造物 | |
CN107099078B (zh) | 导电树脂组合物及利用其的塑料成型品 | |
CN1704447A (zh) | 一种具有正温度系数效应的导电复合材料及其制备方法 | |
JP3791919B2 (ja) | ポリプロピレン系導電性複合繊維及びその製造方法 | |
DE102022108350A1 (de) | Hochwiderstandsfähiges, elektrisch leitfähiges PEEK für ein Flugzeugkraftstoffsystem | |
US20130099175A1 (en) | Electrically conductive ptfe tape | |
JP4241379B2 (ja) | 変性ポリプロピレン樹脂 | |
WO2024042245A1 (en) | Graphene coated polymer particulate powder | |
US20240067795A1 (en) | Resin composition, method for its production and molded body |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050511 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070813 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070817 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20071105 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20071112 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071121 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20071121 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080129 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20081224 |