JP2005500280A - 骨形成タンパク質(bmp)をコードする配列の全身投与のための組成物および方法 - Google Patents
骨形成タンパク質(bmp)をコードする配列の全身投与のための組成物および方法 Download PDFInfo
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Abstract
骨形成を促進するための骨形成タンパク質(BMP)をコードするDNAの全身投与のための、組成物および方法が開示される。本発明の組成物および方法は、骨折修復のために利用され得る。本発明は、骨形成の促進のための骨形成タンパク質(BMP)の全身投与のための組成物および方法をさらに開示する。これらの組成物および方法は、骨折治癒および骨折修復において使用され得る。本発明のこれらの組成物は、さらに、骨鉱質密度を増加する際に利用され得る。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織修復の分野に関する。より詳細には、本発明は、骨形成性タンパク質をコードする配列の全身投与のための組成物および方法に関する。本発明はまた、骨形成の促進のための骨形成性タンパク質の全身投与のための方法および組成物を包含する。これらの組成物および方法は、骨形成を促進し、従って、その用途は、骨折治癒および骨折修復ならびに骨折治癒の促進を包含する。これらの方法および組成物はまた、骨粗鬆症性の骨の処置、ならびに/または骨粗鬆症の予防および処置のために使用され得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、骨形成性タンパク質をコードするDNA配列の全身投与のための組成物および方法に関する。本発明はまた、骨形成の促進のための骨形成性タンパク質または骨形成性ペプチドの全身投与のための、方法および組成物を包含する。この組成物および方法は、骨折治癒および骨折修復、ならびに骨折治癒の促進のために、使用され得る。これらの方法および組成物はまた、骨粗鬆症性の骨もしくは骨減少症性の骨の処置のため、ならびに/または骨粗鬆症の予防および処置のために、使用され得る。
【0003】
これらの骨形成性タンパク質およびそれをコードするDNA配列は、好ましくは、トランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)スーパーファミリーのタンパク質として公知であるファミリーのタンパク質から選択され、このスーパーファミリーは、骨形成タンパク質(BMP)、アクチビンおよびインヒビンを包含する。最も好ましくは、その活性因子としては、一般にBMPとして公知のタンパク質のサブクラスから選択されるタンパク質をコードする少なくとも1つのDNA配列が挙げられる。BMPは、骨形成活性と、他の増殖および分化型の活性とを有することが開示されている。これらのBMPとしては、さらに以下に記載される、BMPタンパク質BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、およびBMP−7、BMP−10、BMP−12、およびBMP−13、BMP−15、BMP−16が挙げられる。その骨形成因子は、最も好ましくは、BMP−6をコードするDNA配列、またはBMP−6タンパク質もしくはBMP−6ペプチドである。そのDNA配列およびタンパク質配列ならびにBMP−6を生成するための方法は、米国特許第5,187,076号、米国特許第5,459,047号および米国特許第5,849,880号ならびに米国特許出願番号09/189,157に開示され、これらの特許および特許出願の開示は、本明細書中に参考として援用される。骨成長もしくは骨折修復を誘導可能であるかまたは骨組織の形成を増加可能な他の因子、およびそれらをコードするDNA配列もまた、利用され得る。
【0004】
従って、本発明は、骨形成を促進するための組成物および方法を提供し、その組成物は、全身投与に適切な注射可能な処方物中に骨形成性タンパク質をコードするDNA配列を含む。好ましい実施形態において、その骨形成性タンパク質は、骨形成タンパク質(BMP)である。このような組成物は、骨折治癒および骨折修復のために有用である。これらの組成物は、骨鉱質密度を増加するために使用され得る。骨粗鬆症性または骨減少症性の骨は、しばしば、最適に満たない骨密度により特徴付けられ、従って、これらの組成物および方法は、骨鉱質密度を増加するためおよび骨粗鬆症を処置するために、使用され得る。
【0005】
好ましい実施形態において、本発明は、骨折修復を促進するための組成物および方法を特徴とし、その組成物は、BMP−6をコードするDNA配列を含み、その組成物は、骨折修復を必要とする患者への全身投与を包含する方法において使用される。そのDNA配列およびタンパク質配列ならびにBMP−6を生成するための方法は、米国特許第5,187,076号、米国特許第5,459,047号および米国特許第5,849,880号ならびに米国特許出願番号09/189,157に開示され、これらの特許および特許出願の開示は、本明細書中に参考として援用される。他の実施形態において、さらに以下に記載される以下のBMPが適切であり得る:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−7、BMP−10、BMP−12、およびBMP−13、BMP−15、およびBMP−16。
【0006】
本発明において、そのDNAの組み込みおよび発現のために使用されるベクターは、好ましくは、ウイルス(特に、アデノウイルスおよびレトロウイルス)起源である。アデノウイルスは、増殖状態において細胞を必要とせずかつインビトロおよびインビボの両方で高効率の感染率を有する点で有利であり、一方、レトロウイルスは、インビトロ感染のためによりしばしば適切である。アデノウイルスはまた、高レベルのトランスジーン発現ならびに高力価を達成する能力を提供する。これらの利点は、アデノウイルスを、初代細胞、初代細胞系列、および直接インビボ形質導入にためにより適切にする。さらに、そのトランスジーンの発現は一過性であり、そしてアデノウイルスベクターは、その細胞ゲノム中に組み込まれず、このことにより、そのベクターは、使用するためにより安全である。組換えアデノウイルスのすべての世代(現世代(E1が欠失している)、ならびに抗原性が減少している新世代(E1、E3、E4欠失ウイルス、またはE1、E4欠失およびE3過剰発現)を含む)が、適切である。Smith(1995);Dunbar(1996);Roemar(1992);Graham(1991);Kozarsky(1993);およびIlan(1997)。上記刊行物の各々の開示は、その内容が参考として本明細書中に援用される。
【0007】
本発明において発現される遺伝子の発現は、構成的であっても制御されていてもよい。その発現を制御することは、調節エレメントにより(例えば、誘導性制御されたプロモーター(例えば、テトラサイクリン制御されたプロモーター(本明細書中にさらに記載される))を用いて)、あるいは特定の特化した分化経路または分化の特定の段階にのみ発現を指向するための、組織特異的遺伝子または一時的に特異的な遺伝子由来の調節エレメントを使用することによって、外部制御により達成され得る。例えば、オステオカルシンプロモーターが、骨形成およびカルシウム沈着の後期段階で誘導するために使用され得る。
【0008】
好ましい実施形態において、そのBMP DNA配列(好ましくは、BMP−6)は、全身投与に適切な注射可能な処方物に含まれる、アデノウイルスベクター上に含まれる。この組成物は、骨折修復の必要がある患者に治療上有効な量のその組成物の全身投与を包含する方法において、使用され得る。
【0009】
本発明は、さらに、骨形成を促進するための方法および組成物を提供し、その組成物は、骨形成性タンパク質を含む。好ましい実施形態において、その骨形成性タンパク質は、骨形成タンパク質(BMP)である。そのような組成物は、骨折治癒および骨折修復に有用である。これらの組成物は、骨鉱質密度を増加するために使用され得る。骨粗鬆症性または骨減少症性の骨は、しばしば、最適に満たない骨密度により特徴付けられ、従って、これらの組成物および方法は、骨鉱質密度を増加するためおよび骨粗鬆症を処置するために、使用され得る。
【0010】
好ましい実施形態において、本発明は、骨折修復を促進するための組成物および方法を特徴とし、その組成物は、BMP−6を含み、その組成物は、骨折修復を必要とする患者への全身投与を包含する方法において使用される。
【0011】
他の実施形態において、さらに以下に記載される以下のBMPが適切であり得る:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−7、BMP−10、BMP−12、およびBMP−13、BMP−15、およびBMP−16。
【0012】
好ましい実施形態において、その活性因子は、トランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)スーパーファミリーのタンパク質として公知であるタンパク質の群から選択される1つ以上のタンパク質であり、そのタンパク質は、好ましくは、骨形成タンパク質(BMP)、増殖および分化因子(GDF)、ならびに本明細書中により十分に記載される他のタンパク質から選択される。本発明において有用な骨形成性タンパク質、DNA配列、組成物およびそれを生成するための方法は、BMPタンパク質、例えば米国特許第5,108,922号;同第5,013,649号;同第5,116,738号;同第5,106,748号;同第5,187,076号;同第5,459,047号;同第5,849,880号および同第5,141,905号に開示される、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、およびBMP−7;PCT公開WO91/18098に開示されるBMP−8;ならびにPCT公開WO93/00432に開示されるBMP−9、PCT出願WO94/26893に開示されるBMP−10;PCT出願WO94/26892に開示されるBMP−11、またはPCT出願WO95/16035に開示されるBMP−12もしくはBMP−13、またはPCT出願WO96/36710に開示されるBMP−15、または同時係属中の米国特許出願番号08/715/202(1996年9月18日提出)に開示されるBMP16を含むものである。
【0013】
また有用であり得る他のDNA分子およびそのDNA分子がコードするタンパク質としては、Vgr−2をコードするもの、ならびに増殖および分化因子[GDF](PCT出願WO94/15965;WO94/15949;WO95/01801;WO95/01802;WO94/21681;WO94/15966などに記載されるものを含む)のいずれかが挙げられる。本発明においてまた有用であり得るのは、WO94/01557に開示されるBIP;およびPCT出願WO93/16099に開示されるMP52である。上記出願のすべての開示は、その出願に含まれる開示が参考として本明細書中に援用される。
【0014】
BMPタンパク質をコードするDNAに加えて、有用であり得る他のDNA分子およびそのDNA分子がコードするタンパク質としては、他の治療上有用な因子をコードするDNA分子が挙げられ、その治療上有用な因子としては、増殖因子(例えば、表皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF−αおよびTGF−β))、ヘッジホッグタンパク質(例えば、ソニックヘッジホッグ、インデアンヘッジホッグ、およびデザートヘッジホッグ)、副甲状腺ホルモンおよび副甲状腺ホルモン関連ペプチド、カドヘリン、アクチビン、インヒビン、およびIGF,FSH、frizzledタンパク質、frzbタンパク質もしくはfrazzledタンパク質、PDGFおよび他の内皮増殖因子、BMP結合タンパク質(例えば、コルジンおよびフェチュイン)、エストロゲンおよび他のステロイドならびにそれらの短縮バージョン、ならびに転写因子(例えば、wntタンパク質)、mad遺伝子およびcbfaが挙げられる。
【0015】
上記で同定された出願の開示は、本明細書中に参考として援用される。これらのタンパク質の独特の誘導活性は、それらのタンパク質が骨に存在することとともに、それらのタンパク質が、骨および軟骨の修復プロセスの重要な調節因子であり、そして骨組織の正常な維持に関与し得ることを示唆する。
【0016】
(発明の詳細な説明)
本発明は、骨形成を促進する組成物および方法を提供する。本発明の組成物は、全身的投与に適切な注射可能処方物中に、骨形成性タンパク質をコードするDNA配列を含む。好ましい実施形態において、骨形成性タンパク質は、骨形成タンパク質(BMP)である。このような組成物は、骨折治癒および骨折修復に有用である。これらの組成物は、骨鉱質密度を増加させるために使用され得る。骨粗鬆症または骨減少症の骨は、しばしば、最適未満の骨密度によって特徴付けられ、従って、この組成物および方法は、骨鉱質密度を増加させるため、および骨粗鬆症を処置するために使用され得る。
【0017】
好ましい実施形態において、本発明は、骨折修復を促進するための組成物および方法を特徴とし、ここで、この組成物は、BMP−6をコードするDNA配列を含み、そして骨折修復を必要とする患者への全身投与を包含する方法において使用される。DNA配列およびタンパク質配列は、BMP−6を産生するための方法は、米国特許第5,187,076号、同第5,459,047号および同第5,849,880号ならびにUSSN09/189,157(これらの開示は、本明細書中で参考として援用される)に記載される。さらに好ましい実施形態において、BMP DNA配列は、アデノウイルスベクターに含まれる。
【0018】
他の実施形態において、以下のBMPが適切であり得る:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7、BMP−9、BMP−10、BMP−12およびBMP−13、BMP−15、BMP−16(本明細書中の以下にさらに記載される)。
【0019】
本発明はさらに、骨形成を促進するための方法および組成物を提供し、ここで、この組成物は、骨形成性タンパク質を含む。これらのタンパク質は、全身的投与に適切な注射可能処方物を提供するために、化学的に改変され得る。このような改変は、当業者に公知である。好ましい実施形態において、骨形成性タンパク質は、全身投与に適切な骨形成タンパク質(BMP)である。このような組成物は、骨折治癒および骨折修復に有用である。これらの組成物は、骨鉱質密度を増加させるために使用され得る。骨粗鬆症または骨減少症の骨は、しばしば、最適未満の骨密度によって特徴付けられ、従って、この組成物および方法は、骨鉱質密度を増加させるため、および骨粗鬆症を処置するために使用され得る。
【0020】
好ましい実施形態において、本発明は、骨折修復を促進するための組成物および方法を特徴とし、ここで、この組成物は、上記のBMP−6を含み、そして骨折修復を必要とする患者への全身投与を包含する方法において使用される。
【0021】
他の実施形態において、以下のBMPが適切であり得る:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−7、BMP−9、BMP−10、BMP−12およびBMP−13、BMP−15、BMP−16(以下にさらに記載される)。
【0022】
従って、本発明は、骨形成を促進するための組成物および方法を提供し、ここで、この組成物は、骨形成性タンパク質をコードするDNA配列を含む。好ましい実施形態において、この骨形成性タンパク質は、骨形成タンパク質(BMP)である。このような組成物は、骨折治癒および骨折修復に有用である。これらの組成物は、骨鉱質密度を増加させるために使用され得る。骨粗鬆症または骨減少症の骨は、しばしば、最適未満の骨密度によって特徴付けられ、従って、この組成物および方法は、骨鉱質密度を増加させるため、および骨粗鬆症を処置するために使用され得る。この方法および組成物は、骨質量密度を増加させ得、そして骨粗鬆症関連の骨折の発生率を最小化または低減し得る。この方法は、骨折修復に有効な量での全身的投与に適切な骨形成性タンパク質をコードするDNA配列の注射可能な処方物を投与する工程を包含する。この組成物は、薬学的に受容可能なビヒクルと混合されて投与され得る。
【0023】
好ましい実施形態において、本発明は、骨折修復を促進するための組成物および方法を特徴とし、ここで、この組成物は、BMP−6をコードするDNA配列を含み、そして骨折修復を必要とする患者への全身投与を包含する方法において使用される。さらに好ましい実施形態において、BMP DNA配列は、アデノウイルスベクターに含まれる。
【0024】
他の実施形態において、以下のBMPが適切であり得る:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7、BMP−10、BMP−12およびBMP−13、BMP−15、BMP−16(以下にさらに記載される)。
【0025】
本発明はさらに、骨折修復を促進するための方法およびを組成物さらに提供し、ここで、この組成物は、骨形成性タンパク質を含む。好ましい実施形態において、この骨形成性タンパク質は、骨形成タンパク質(BMP)である。このような組成物は、骨折治癒および骨折修復に有用である。これらの組成物は、骨鉱質密度を増加させるために使用され得る。骨粗鬆症または骨減少症の骨は、しばしば、最適未満の骨密度によって特徴付けられ、従って、この組成物および方法は、骨鉱質密度を増加させるため、および骨粗鬆症を処置するために使用され得る。従って、注射可能薬剤としてのこの組成物および方法は、外科的介入を伴わない骨折の予防および処置において有用である。この組成物および方法は、骨粗鬆症の骨に対する骨折の発生および/または重得度を低減する。
【0026】
好ましい実施形態において、本発明は、骨折修復を促進するための組成物および方法を特徴とし、ここで、この組成物は、BMP−6を含み、そして骨折修復を必要とする患者への全身投与を包含する方法において使用される。
【0027】
他の実施形態において、以下のBMPが適切であり得る:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7、BMP−9、BMP−10、BMP−12およびBMP−13、BMP−15、BMP−16(以下にさらに記載される)。
【0028】
骨形成性タンパク質をコードする配列ならびにタンパク質は、好ましくは、トランスフォーミング増殖因子−β(TGF−β)スーパーファミリーのタンパク質(これには、骨形成タンパク質(BMP)、アクチビンおよびインヒビンが挙げられる)として公知のタンパク質ファミリーから選択される。最も好ましくは、活性因子としては、BMPとして一般に公知のタンパク質サブクラス(これは、骨形成活性ならびに他の増殖活性および分化型活性を有することが開示されている)から選択される少なくとも1種のタンパク質が挙げられる。これらのBMPとしては、以下のBMPタンパク質が挙げられる:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5およびBMP−7、BMP−10、BMP−12およびBMP−13、BMP−15、BMP−16(以下にさらに記載される)。骨形成因子は、最も好ましくは、BMP−6をコードするDNA配列またはBMP−6タンパク質もしくはペプチドである。DNA配列およびタンパク質配列、ならびにBMP−6を産生するための方法は、米国特許第5,187,076号、同第5,459,047号および同第5,849,880号ならびにUSSN09/189,157(これらの開示は、本明細書中で参考として援用される)に開示される。骨増殖もしくは骨折修復を誘導し得るか、または骨組織の形成を増加させ得る、他の因子およびこれらの因子をコードするDNA配列もまた、利用され得る。
【0029】
本発明において有用なDNA分子およびタンパク質では、とりわけ、BMPタンパク質(BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7(これらは、例えば、米国特許第5,108,922号;同第5,013,649号;同第5,116,738号;同第5,106,748号;同第5,187,076号および同第5,141,905号において開示される);BMP−8(これは、PCT公開WO91/18098において開示される);およびBMP−9(これは、PCT公開WO93/00432において開示される);BMP−10(これは、PCT公開WO94/26893において開示される);BMP−11(これは、PCT公開WO94/26892において開示される);またはBMP−12もしくはBMP−13(これらは、PCT公開WO95/16035において開示される);またはBMP−15(これは、PCT公開WO96/36710において開示される);またはBMP−16(これは、同時係属中の特許出願番号08/715/202(1996年9月18日出願)において開示される))のうち1種以上についてのコード配列を含むものである。
【0030】
これもまた有用であり得る他のDNA分子としては、Vgr−2をコードするDNA分子、ならびに任意の増殖因子および分化因子[GDF]が挙げられ、これには、PCT公開WO94/15965;WO94/15949;WO95/01801;WO95/01802;WO94/21681;WO94/15966などに記載されるものが挙げられる。本発明においてこれもまた有用なものは、BIP(WO94/01557において開示される);およびMP52(PCT公開WO93/16099において開示される)であり得る。上記出願の全ては、これらに含まれる開示について、本明細書中で参考として援用される。
【0031】
BMPタンパク質をコードするDNAに加えて、これもまた有用であり得る他のDNA分子としては、他の治療的に有用な因子(これには、増殖因子(例えば、上皮増殖因子(EGF)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF−αおよびTGF−β)、hedgehogタンパク質(例えば、sonic hedgehog、indian hedgehogおよびdesert hedgehog)、副甲状腺ホルモンおよび副甲状腺ホルモン関連ペプチド、カドヘリン、アクチビン、インヒビンおよびIGF、FSH、frizzled、frzbまたはfrazzledタンパク質、PDGFおよび他の内皮増殖因子が挙げられる)、BMP結合タンパク質(例えば、chordinおよびfetuin)、エストロゲンおよび他のステロイドならびにこれらの短縮バージョン、および転写因子(例えば、wntタンパク質)、mad遺伝子およびcbfaをコードするDNA分子が挙げられる。
【0032】
本発明において、DNAの組み込みおよび発現のために使用されるベクターは、好ましくは、ウイルス起源であり、特にアデノウイルスおよびレトロウイルス起源である。アデノウイルスは、増殖状態の細胞を必要とせず、そしてインビトロおよびインビボの両方での高い感染効率を有する点において有利であるが、一方、レトロウイルスは、インビトロの感染についてよりしばしば適切である。アデノウイルスはまた、高レベルの導入遺伝子発現および高い力価を達成する能力を提供する。これらの利点は、アデノウイルスを、初代細胞、細胞株およびインビボの直接的形質導入により適切なものにする。さらに、導入遺伝子の発現は、一過的であり、そしてこのアデノウイルスベクターは、細胞ゲノムに組み込まれず、このことが、このベクターを使用のためにより安全にする。全ての世代の組換えアデノウイルスが適切であり、これには、現在の世代(E1欠失)、および低減した抗原性を有する新たな世代(E1、E3、E4欠失ウイルス、またはE1、E4欠失およびE3過剰発現)が挙げられる。Smith(1995);Dunbar(1996);Roemer(1992);Graham(1991);Kozarsky(1993);およびIlan(1997)。上記出願各々の開示は、その内容について、本明細書中で参考として援用される。
【0033】
本発明において発現される遺伝子の発現は、構成的であっても制御されてもよい。発現制御は、調節エレメント(例えば、誘導的に制御されるプロモーター(例えば、テトラサイクリン制御プロモーター(本明細書中にさらに記載される))による外的制御によってか、あるいはある特定の分化経路への発現のみを指向するか、または特定の分化段階での発現のみを指向するために、組織特異的遺伝子または時間特異的遺伝子由来の調節エレメントを使用することによって、達成され得る。例えば、オステオカルシンプロモーターは、骨形成および石灰化の後期段階での誘導のために使用され得る。
【0034】
本発明において有用なBMPタンパク質をコードするDNA配列としてはまた、上記で引用された参照された出願および特許において開示されるような、他のタンパク質性物質をコードするDNA配列と関連せず、本発明のタンパク質についての発現をコードする、開示されたDNA配列が挙げられる。これらのDNA配列としては、表IIおよび表IIIに、5’から3’の方向で示される配列またはこれらの部分が挙げられる。特定のDNA配列に、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件[T.Maniatisら、Molecular Cloning(A Laboratory Manual)Cold Spring Harbor Laboratory(1982)、387頁〜389頁を参照のこと]下でハイブリダイズし、かつ軟骨形成活性および/または骨形成活性を実証する配列がさらに含まれる。このような軟骨形成活性および/または骨形成活性は、ラット骨形成アッセイにおけるものであり得る。このようなストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、4×SSCで65℃でのハイブリダイゼーション、その後の0.1×SCCで65℃での1時間の洗浄である。あるいは、例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、50%ホルムアミド、4×SCCで42℃である。
【0035】
同様に、開示された配列によってコードされるタンパク質に類似するタンパク質をコードするが、遺伝子コードの縮重または対立遺伝子改変体(アミノ酸変化を生じても生じなくてもよい、種の集団において天然に存在する塩基変化)に起因してコドン配列が異なるDNA配列もまた、本明細書に記載される本発明のタンパク質をコードする。点変異によって引き起こされるか、またはこれらのDNA配列によってコードされるポリペプチドの活性、半減期もしくは産生を増強するために誘導された改変(挿入、欠失および置換を含む)によって引き起こされるDNA配列中のバリエーションもまた、本発明に包含される。
【0036】
同様に、本明細書に提供されるタンパク質としてはまた、天然に存在するBMP関連タンパク質(例えば、BMP−6)の配列と類似するが、改変が天然に提供された(例えば、ポリペプチド中のアミノ酸変化を引き起こし得る、ヌクレオチド配列中の対立遺伝子バリエーション)配列、または意図的に操作された配列によってコードされる因子が挙げられる。例えば、合成ポリペプチドは、特定のBMPのアミノ酸残基の、完全にかまたは部分的に複製した連続配列であり得る。これらの配列は、天然に存在するBMPの骨誘導性ポリペプチドと、一次構造、二次構造または三次構造、およびコンフォメーション特徴を共有することによって、これらの間で共通する生物学的特性を有し得る。
【0037】
さらなる実施形態において、本発明の組成物および方法は、例えば、BMPタンパク質をコードするDNA配列に加えて、さらなるタンパク質(例えば、上記のTGF−βスーパーファミリータンパク質のさらなるメンバー)をコードするDNA配列を含み得る。
【0038】
これらの組成物および方法は、骨形成を促進させるために使用され得、そして骨折修復において使用され得る。これらの組成物および方法はまた、骨密度(bone mass density)を増加させる際に有用であり得る。
【0039】
本発明の1つの実施形態において、全身性に投与されるタンパク質である場合、このようなタンパク質は、全身性投与のために改変され得る。このような改変は、当業者に公知の手順および方法による化学的改変を含み得る。
【0040】
別の実施形態において、タンパク質は、改変されてもさもなければ制御された放出のために処方されてもよい。このような組成物において、BMPタンパク質は、好ましくはカプセル化されるか、さもなければ、例えば、継続期間にわたる徐放性を可能にする様式で投与される。例えば、BMP成分は、吸収可能なポリマー(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸またはこれらのコポリマー、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネートおよび他のポリマー)の送達系中にカプセル化され得る。適切なポリマーは、たとえば、EP0145240に開示され、この開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0041】
骨形成性タンパク質は、他の関連タンパク質および増殖因子と協力してかまたはおそらく相乗的に作用し得ると予期される。よって、本発明のさらなる治療法および治療組成物は、治療量の骨形成タンパク質または骨形成性タンパク質もしくはペプチドをコードする配列を、治療量の上記のBMPタンパク質の少なくとも1つとともに含む。このような組成物は、BMPタンパク質の別々の分子または異なるBMP部分から構成されるヘテロ分子を含み得る。
【0042】
本発明の組成物および方法は、欠損、損傷または問題の組織の処置に有利な他の因子と組み合わせられ得る。
【0043】
本発明において、DNAの組込みおよび発現に使用されるベクターは、好ましくは、ウイルス(特定には、アデノウイルスおよびレトロウイルス)起源である。アデノウイルスは、増殖状態の細胞を必要とせず、そしてインビトロおよびインビボの両方で高い感染効率を有する点で有利であるが、レトロウイルスは、インビトロ感染に対してよりしばしば適切である。アデノウイルスはまた、高レベルの導入遺伝子発現および高力価を得る能力を示す。これらの利点は、初代細胞、細胞株および直接のインビボ形質導入により、アデノウイルスを適切に作製する。さらに、導入遺伝子の発現は一過性であり、そしてアデノウイルスベクターは、細胞ゲノム中に組み込まれず、これらのベクターの使用をより安全にする。組換えアデノウイルスの全ての世代(現在の世代(E1欠失)、および抗原性が減少されている新たな世代(E1、E3、E4欠失ウイルスまたはE1、E4を欠失しかつE3過剰発現するウイルス)を含む)が適切である。Smith(1995);Dunbar(1996);Roemer(1992);Graham(1991);Kozarsky(1993);およびIlan(1997)。上記の刊行物の各々の開示は、その内容について本明細書中に参考として援用される。
【0044】
本発明において発現される遺伝子の発現は、構成的であっても制御されてもよい。発現の制御は、調節エレメント(例えば、本明細書中にさらに記載されるような誘導性制御プロモーター(例えば、テトラサイクリン制御プロモーター))による外部制御によって、あるいは特定化された特定の分化経路のみの発現または分化の特定の段階における発現を指向する組織特異的遺伝子または一時的に特異的な遺伝子由来の調節エレメントを使用することによって、達成され得る。例えば、骨形成プロモーターは、骨形成の後期および石灰化における誘導のために使用され得る。
【0045】
治療法は、注入可能物としてこの組成物を全身性に投与する工程を包含する。特定の実施形態において、本方法は、局所注射を含む。組成物はさらに、移植物またはデバイスを含み得る。投与される場合、本発明における使用のための治療組成物は、もちろん発熱物質を含まない生理学的に受容可能な形態である。さらに、組成物は、望ましくは、組織損傷部位への送達のためにカプセル化されても粘着性形態で注入されてもよい。上記のような組成物中にまた必要に応じて含まれ得る治療的に有用な因子は、代替的または付加的に、本発明の方法において組成物と同時または連続的に投与され得る。さらに、本発明の組成物は、現在利用可能な処置とあわせて使用され得る。
【0046】
例えば、骨粗鬆症状態の処置についての実施形態において、本発明の実施の際にキャリアとして有用であり得る物質としては、薬学的に受容可能な物質が挙げられ、これは、粘性および極性を有し、その結果、骨形成タンパク質に添加される場合、骨粗鬆症性または骨減少症性の骨の部位への注入可能な適用のための適切な操作特性を有する組成物を形成する。骨形成タンパク質(BMP)へのキャリアの添加は、浸潤する哺乳動物前駆細胞または他の細胞の再生性骨形成活性の別の本来の速度をこのタンパク質が増加させ、そして新たな組織が増殖し得かつ細胞の内生成を可能にし得る空間を形成するに十分な時間にわたって、疾患部位または損傷部位にこのタンパク質を残存させる。キャリアはまた、前駆細胞の再生性骨形成活性の速度を最適に増加させるに適切な時間間隔にわたって、骨形成タンパク質(BMP)を疾患部位または損傷部意から放出させ得る。キャリアはまた、重篤な骨粗鬆症の骨における新たな形成を誘導するためのフレームワークを供給し得る。
【0047】
キャリアの最も好ましいファミリーは、膠原性材料を含む。これらは、好ましくは、注入に適切な形態(例えば、ゲル)で存在する。このようなゲルは、架橋していても架橋されていなくてもよい。コラーゲンの他の形態(例えば、分散液または繊維性コラーゲン)もまた、本発明の方法において有用であり得る。キャリアの別の好ましいファミリーは、セルロース物質(例えば、アルキルセルロース(ヒドロキシアルキルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースを含む))であり、最も好ましくは、カルボキシメチルセルロース(CMC)のカチオン性塩である。
【0048】
セルロース性キャリアおよびコラーゲンゲルの場合において、このキャリアは、水酸化セルロース粘性ゲルの形態であることが好ましい。粘度は、機械的手段(例えば、適切な時間にわたる高攪拌、その後のオートクレーブ)によってかまたは化学的に増加され得る。活性因子およびセルロースキャリアは、好ましくは、適切な緩衝溶液中にある。1つの好ましい緩衝化溶液は、活性因子に加えて、約1.0〜約10.0(w/v)グリシン、約0.1〜約5.0%(w/v)の糖(好ましくは、ショ糖)、約1〜約20mMのグルタミン酸塩酸、および必要に応じて約0.01〜0.1%の非イオン性界面活性因子(例えば、polysorbate 80)を含む組成物である。好ましい溶液は、約1%〜約20%w/vのセルロース性キャリア/緩衝液である。所望ならば、塩が添加され得る。好ましい粘性ゲルキャリアは、以下の実施例2に記載される。粘性ゲルキャリアを用いる有用な骨形成性タンパク質の量は、一般に、必要とされる移植物材料のcm3当たり約0.1〜約100mg、好ましくは、約1〜約100mg;最も好ましくは、約10〜約80mgの範囲である。
【0049】
注入可能なキャリアについての特に目的の別のクラスの材料は、吸収可能なヒドロキシアパタイトならびに鉱物、セラミックおよびホスフェートである。吸収可能なヒドロキシアパタイトは、例えば、種々の吸収速度を有する種々の多孔度で処方され得;ゲル粘稠度に対するこれらの操作特性は、硬質な移植可能型から注入可能であるが体温で堅くなる型にまで変動する。適切なヒドロキシアパタイトおよびセラミックキャリアは、例えば、以下に記載される:WO96/36562;および米国特許第5,543,019号;同第5,306,305号;同第5,258,044号;同第5,496,399号;同第5,455,231号;同第5,336,264号;同第5,178,845号;同第5,053,212号;同第5,047,031号;同第5,129,905号;同第5,034,059号;同第4,880,610号;同第5,290,763号;および同第5,563,124号(これらの開示は、本明細書中に参考として援用される)。
【0050】
本発明の活性因子の投与について別の好ましいファミリーのキャリアは、注入可能なポリマーであり、これは、粘性であり得、そして必要に応じて、同様に封鎖剤を含み得る。適切なポリマーおよび封鎖剤は、米国特許第5,171,579号(その開示全体が、本明細書中に参考として援用される)に記載されるものを含む。他のポリマーとしては、プルロニック(例えば、Poloxamer 407ゲル)が挙げられる。プルロニックは、水溶性ABA型ブロック界面活性因子コポリマーのクラスであり、逆熱ゲル化(reverse thermal gelation)の独特な特性を示す。これらは、4℃で液体(および注入可能である)が、体温でゲルである。Poloxamer 407(MW12,500)は、全身性吸収後に変化することなく尿中に排出され、そして動物中でおそらく非毒性であることが示されている。ポリラクチドおよび/またはポリエチレングリコールは、(ポリ(ラクチド)/ポリ(エチレングリコール)ゲル)を含む。ポリラクチドは、水性環境中への注入の際にPLAを沈殿させる注射可能な溶液を産生するために、ポリエチレングリコール中に溶解され(例えば、PEG中に溶解した低分子量(2000)PLA)、比較的堅いゲルを生じ得る。さらに、文献(Miyamoto et al.,Clin.Orthop.Rel.Res.294:333(1993))は、BMPに適切なキャリアとして、ポリ(乳酸)−ポリ(エチレングリコール)結合体のような結合体を列挙する。封鎖剤として有用な物質は、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム、ポリ(エチレングリコール)、ポリオキシエチレンオキシド、カルボキシビニルポリマーおよびポリ(ビニルアルコール)、ならびにセルロース物質(例えば、ヒドロキシセルロース)である。このような好ましい因子の1つが、カルボキシメチルセルロースである。
【0051】
封鎖剤として有用であることが開示される上記の物質は、これら自体注射用のキャリアとして有用であり得る。さらに、上記の物質の組合せが使用され得る。
【0052】
キャリアが最適な粘度よりも高い粘度であり得る場合、キャリアは、必要に応じて希釈剤(例えば、水性グリセロール)と組み合わせられ得、好ましくは、キャリア希釈剤は、約10〜約80%(v/v)の濃度で存在する。また、上記の物質は、本発明の特定の実施形態と合わせられ得る。例えば、多孔性粒子性ポリマーのようなポリマーは、粘度を増加させるためにセルロース性キャリアまたはゲルキャリア中に溶解されても懸濁されてもよい。
【0053】
本発明の好ましい実施形態において、活性因子は、キャリアとしての適切な緩衝液のみを使用する注射を介して局所的に投与される。1つの適切な緩衝液は、グリシン、ショ糖、およびグルタミン酸塩酸を6.0未満のpHで含む。緩衝溶液の好ましい組成物は、約1.0〜約10.0%(w/v)のグリシン、約0.1〜約5.0%(w/v)の糖(好ましくは、ショ糖)、約1〜約20mMのグルタミン、グルタミン酸またはグルタミン酸塩酸、および必要に応じて約0.01〜約0.1%の非イオン性界面活性因子(例えば、polysorbate 80)を含む。本発明の好ましい実施形態において、この処方物は、約2.5%のグリシン(g/100ml(w/v))、約0.5%のショ糖(w/v)、約5mMのグルタミン酸塩酸(約0.1%w/v)、および約0.01%(w/v)のpolysorbate 80を、約4.5のpHで含む。この緩衝液は、MFR842と記載される。本発明の使用に適切なさらなる緩衝液は、米国特許第5,385,887号(この開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載される。好ましい溶液はまた、緩衝液と他のキャリアとの組み合わせ(例えば、緩衝液とセルロース性キャリアとの組み合わせ)を含み得る。この組み合わせの好ましい範囲は、約1%〜約20%w/vセルロースキャリア/緩衝液である。所望ならば、塩が添加され得る。
【0054】
特定の実施形態において、組成物は、キャリアとして適切なマトリクスおよび/または封鎖剤を含み得る。例えば、マトリクスは、組成物を支持し得るか、あるいは軟骨組織形成および/もしくは骨組織形成、ならびに/または他の組織形成の表面を提供し得る。マトリクスは、タンパク質の徐放性および/または適切な環境の提示を提供し得る。封鎖剤は、注入または他の手段を介する容易な投与を補助する物質であり得るか、または適用部位からのタンパク質の移動を遅延し得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、遺伝子操作された細胞は、例えば、組成物を支持するため、ならびに骨、軟骨および/または他の結合組織増殖のための表面を提供するために適切なマトリクスと組み合わせて投与され得る。マトリクスは、伝統的なマトリクス生物材料の形態であり得る。マトリクスは、発現したタンパク質の徐放性ならびに分化した細胞および/または適切な環境の提示を提供し得る。いくつかの実施形態において、種々のコラーゲン性タンパク質または非コラーゲン性タンパク質は、アップレギュレートされそして多能性幹細胞から分泌されることが予期される。この現象は、マトリクス沈着を増強することによって組織再生を加速する。マトリクスタンパク質はまた、遺伝子操作された細胞において発現され得、そして移植領域に移植された細胞の移植および接着を増強し得る。
【0056】
キャリア材料の選択は、生体適合性、生分解性、機械的特性、審美的外観、および界面特性に基づく。この組成物の特定の適用により、適切な処方が規定される。この組成物の潜在的なマトリクスは、生分解性かつ化学的に規定され得る。さらにマトリクスは、純粋なタンパク質または細胞外マトリクス成分から構成される。他の潜在的なマトリクスは、非生分解性かつ化学的に規定される。好ましいマトリクスとしては、Helistat7(Integra LifeSciences,Plainsboro,N.J.)のようなコラーゲンベースの材料(スポンジを含む)または注射可能な形態のコラーゲン、ならびに例えば、ヒアルロン酸由来の金属イオン封鎖剤(生分解性であり得る)が挙げられる。生分解性材料(例えば、セルロースフィルムまたは手術用メッシュ)はまた、マトリクスとして役立ち得る。このような材料は、傷害部位に縫合されるかまたは軟骨の周りに巻きつけられ得る。
【0057】
別の好ましいクラスのキャリアは、ポリマーマトリクスであり、これらのマトリクスとしては、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)のポリマー、および乳酸とグリコール酸とのコポリマーが挙げられる。これらのマトリクスは、スポンジの形態または多孔性粒子の形態であり得、そしてまた金属イオン封鎖剤を含み得る。適切なポリマーマトリクスは、例えば、WO93/00050(この開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載される。
【0058】
金属イオン封鎖剤の好ましいファミリーとしては、血液、フィブリン凝固および/またはアルキルセルロース(ヒドロキシアルキルセルロースを含む)のようなセルロース材料(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースを含む)が挙げられ、最も好ましくは、カルボキシメチルセルロース(CMC)のカチオン性塩である。他の好ましい金属イオン封鎖剤としては、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム、ポリ(エチレングリコール)、ポリオキシエチレンオキシド、カルボキシビニルポリマーおよびポリ(ビニルアルコール)が挙げられる。本明細書中で有用な金属イオン封鎖剤の量は、処方物の総重量に基づいて、0.5〜20重量%、好ましくは、1〜10重量%である。これは、ポリマーマトリクスからタンパク質の脱着を防止し、組成物の適切な取り扱いを提供するために必要な量を表すが、先祖細胞が、マトリクスに浸潤することを妨げるほどではなく、それによりこのタンパク質に先祖細胞の活性を補助する機会を提供する。
【0059】
本出願の実施において有用なさらなる適切な組成物としては、例えば、マンニトール、スクロース、ラクトース、グルコースまたはグリシンのような凍結保護剤(cryogenic protector)(凍結乾燥の間にタンパク質が変性するのを防ぐため)、抗微生物性防腐剤(例えば、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、ならびにベンジルアルコール);抗酸化剤(例えば、EDTA)、クエン酸およびBHT(ブチルヒドロキシトルエン);ならびに界面活性因子(例えば、ポリ(ソルベート)およびポリ(オキシエチレン))が挙げられる。
【0060】
骨粗鬆症または骨減少症の状態を含む種々の状態の処置が必要な患者の同定は、当該分野で周知の手順により達成され得る。これらの手順としては、複式エネルギーX線吸収測定(dual energy X−ray absorptiometry)(DEXA)(Kilgusら、J.Bone&Joint Surgery,75−B:279〜287(1992);Markelら、Acta Orthop Scand,61:487〜498(1990));および定量的コンピュータ連動断層撮影(QCT)(Laval−Jeantetら、J Comput Assist Tomogr,17:915〜921(1993);Markel,Calcif Tissue Int,49:427〜432(1991));シングルフォトン吸収測定(single−photon absorptiometry)(Markelら、Calcif Tissue Int,48:392〜399(1991));超音波伝達速度(UTV)(Heaneyら、JAMA,261:2986〜2990(1989);Langtonら、Clin Phys Physiol Meas,11:243〜249(1990));ならびにX線写真評価(radiographic assessment)(Gluerら、J.Bone&Mineral Res,9:671〜677(1994))を使用する骨質量/骨密度の測定が挙げられる。骨折の危険性のある患者の他の同定方法としては、年齢に関する因子(例えば、認知、および骨粗鬆症に関する骨折の発生前)の評価が挙げられる。Poterら、BMJ,301:638〜641(1990);Huiら、J.Clin Invest,81:1804〜1809(1988)。上記の刊行物は、本明細書中に参考として援用される。
【0061】
投薬レジメンは、担当医が組成物の作用を緩和する種々の因子(例えば、形成を所望される組織の量、組織損傷の部位、損傷を受けた組織の状態、創傷のサイズ、損傷を受けた組織の型、患者の年齢、性別および食事、任意の感染の重篤度、投与の時間および他の臨床的因子)を考慮することによって決定される。投薬は、再構成に使用されるビヒクルキャリアまたはマトリクスの型、および組成物中のさらなるタンパク質またはDNA配列の型で変化し得る。最終組成物に対する他の公知の増殖因子の添加はまた、投薬に影響し得る。
【0062】
このような生理学的に受容可能な核組成物またはタンパク質組成物の調製および処方(pH、等張性、安定性などに関して適切である)は、当業者の範囲内である。治療用組成物はまた、TGF−βタンパク質における種特異性の欠如に起因して、獣医学的適用のために現在価値がある。特に、ヒトに加えて、家畜動物およびサラブレッドウマは、本発明の組成物を用いるこのような処置について、望ましい患者である。
【0063】
進行は、組織形成、組織増殖および/もしくは組織修復の定期的評価によりモニタリングされ得る。この進行は、当該分野で公知の方法(例えば、X線、関節鏡検査、組織形態決定およびテトラサイクリン標識)、ならびに以下の実施例に記載される種々の方法によりモニタリングされ得る。
【0064】
その特定の実施形態において、本発明は、以下の実施例によって例示される。これらの実施例は、制限されない。当業者によって理解されるように、以下の実施例の多くの変化および組み合わせが利用可能である。これらの組み合わせおよび変化は、本発明の一部を構成する。
【0065】
(実施例1:BMP−6A.BMP−6アデノウイルスベクターの全身性投与)
全長BMP−6クローンは、513個のアミノ酸hBMP−6をコードする1539塩基対のオープンリーディングフレームを規定する。ヒトBMP−6 cDNAを、BMP−6EMCベクターからのSalIフラグメントとして単離し、そしてその末端を、Ventポリメラーゼ(New England Biolabs,Beverly,MA)で埋めた。Adori1−1 BMP−6ベクターを、アデノウイルスベクターAdori1−1のEcoRV制限部位へのBMP−6 cDNAの挿入により生成した。最終構築物を、BMP−6挿入物全長の広範な制限マッピングおよび配列決定によって確認した。このAdori1−1 EGFP(増強された緑色蛍光タンパク質)ベクターは、EcoR1およびNot1でのpEGFP−N1(CLONTECH Laboratories,Inc.,Palo Alto,CA)の消化物に由来し、そしてこのEGFP cDNAを、Adori1−1のEcoR1部位とNot1部位との間に挿入した。Adori1−1 EGFP構築物を、制限マッピングおよび5’末端配列決定によって確認した。hBMP−6およびGFP mRNA転写物の発現は、サイトメガロウイルス(CMV)最初期プロモーター配列およびエンハンサー配列に由来する。発現カセットは、SV40起点およびエンハンサーの下流、ならびに5型アデノウイルス(Ad5)の0−1マッピング単位に位置される。SV40のスプライシングドナー配列およびアクセプター配列は、CMVプロモーターとこのcDNAとの間に配置される。挿入物の後ろは、SV40ポリA部位、Ad5の9−16マッピング単位、およびpuc 19起点である。
【0066】
複製欠損でありE1およびE3がマイナスである、5型(del327)組換えアデノウイルスを、ヒト胚性腎臓293細胞(ATCC,Rockville,Maryland)中での相同組換えによって生成した。ウイルスを、上記のAdori発現プラスミド、およびアデノウイルス骨格の9〜36マッピング単位の同時トランスフェクションによって生成した。組換えアデノウイルスを増幅し、そして3回の凍結融解によって293細胞から放出させた。このウイルスを、2回の塩化セシウム勾配を介する遠心分離によって、さらに精製し、そしてリン酸緩衝化生理食塩水(pH 7.2)に対して平衡になるまで4℃透析した。透析に続いて、グリセロールを、最終濃度10%まで添加し、そして使用するまでウイルスを−80℃で保存した。粒子/mlで示されるウイルスの濃度を、260nmでの吸光度を測定することによって決定した。エンドトキシンレベルを、Limulus Amebocyte Lysateキット(BioWhittaker,Walkersville,MD)を使用して測定した。このウイルスを、以下のベクター特異的プライマーを用いて挿入物をPCR増幅することによってさらに特徴づけた:
【0067】
【化1】
。
【0068】
PCR産物を配列決定して挿入物の完全性を確認した。導入遺伝子の発現および成熟BMP−6の分泌を、293細胞の代謝標識およびBMP−6選択的モノクローナル抗体での免疫沈降によって確認した。
【0069】
(B.大腿骨閉鎖骨折モデル)
12週齢と16週齢との間のC57BL/6雄マウス(Jackson Lab.)を、ペントバルビタール(60mg/kg、IP)で麻酔した。滅菌した眼の軟膏剤を、保護のために両方の目に塗布した。右上の後肢を皮膚まで悌毛し、そして露出した皮膚を、エタノールおよびDuraprepパッドで連続的に磨いた。
【0070】
手術の準備後、マウスを滅菌した手術台に置いた。大腿の頭の背後を5〜10mm切開した。25ゲージの1インチの針を、転子窩を介して挿入し、そして遠位の大腿骨へ骨髄管を押し下げた。針を挿入した後、針を、皮膚の真下で切断した。切開部を、Nexaband手術接着剤を使用して閉じた。マウスを、手術手順の間モニタリングして、麻酔および体温を維持した。
【0071】
大腿骨の閉鎖骨折を、BonnarensおよびEinhorn(J.Orthop.Res.2:97〜101,1984)によって記載されるのと同じ様式で作製した。骨折装置は、図1に示される。
【0072】
大腿骨の中間部が、二又の動物固定台と鈍い刃との間に置かれるように、予めピンで固定されたマウスの右足を、しっかりと固定した。150グラムの重さを、7.5cmの高さまで上げ、次いで下のバネ上に落とした。大腿骨に対する鈍い刃の衝撃置換(impact displacement)が、約1mmとなるように、骨折装置を調整した。
【0073】
各マウスを、一回の衝撃傷害後に骨折装置から除き、そしてデジタルカメラX線キャビネット(Faxitron X−Ray Corporation;MX−20)を使用してX線写真分析に供した。動物を、X線写真撮影して骨髄内ピンの位置および骨折の質の両方を評価した。ピンの位置を以下の場合に上手く判断した:i)外科的挿入が、一匹のマウス当たり5分を超えないか、または過剰な動物操作を必要としない場合;ii)ピンを、骨髄管の中間部に位置した場合;およびiii)ピンを曲げないか、または大腿骨の別の部分に刺す場合。骨折を、以下の場合に上手く判断した:i)骨折が大腿骨の中間部で生じる場合;ii)骨折を横断させて粉砕しない場合。これらの診断基準を満たさない動物を、すぐに安楽死させた。
【0074】
X線写真の診断基準を満たすマウスを、モニタリングの間、暖かい毛布の上で回復させた。
【0075】
(C.骨折修復に対するアデノウイルスの構築物の効果)
大腿骨の骨折を有するマウスを、これらが手術の麻酔から回復する前に、無作為に2つの群に割り当てた。群1のマウスに、尾静脈中にアデノウイルスGFP50μlを注射した。群2のマウスに、尾静脈中にアデノウイルスBMP−6 50μlを注射した。各動物に投与したウイルス粒子の数は、5×1010粒子/注射であった。マウスを、5日目、7日目および10日目の予定された安楽死の2日前にモニタリングした。予定時に、マウスを、安楽死させ、そしてX線写真分析に供してピンの位置および骨折の質を評価した。骨折が、ピンによって安定化されないようである動物を、研究から切り捨てた。残りのマウスの右足を、除いた。骨髄内ピンを、この時は除かずに、脚(皮膚および毛のない)を、10%の中性緩衝化ホルマリン(Hydrol Chemical Co.,Yeadon,PA)の溶液中に固定した。
【0076】
(D.骨折した大腿骨の組織学的分析)
組織を切片化し、そしてヘマトトキシリンおよびエオシンで染色した。
【0077】
(5日目)
2つの群各々由来の代表的な大腿骨は、骨折修復プロセスの開始を示した。この修復プロセスを、骨折に隣接する骨膜細胞増殖の切片の領域によって(2倍の倍率で)明らかにした。より高い倍率(20倍)において、肥大性軟骨細胞の存在によって決定されるような活性軟骨生成の領域が、BMP−6群由来の大腿骨において容易に明らかであった。対照的に、肥大性軟骨細胞は、GFP群由来の骨折に隣接する領域で容易に検出されなかった。いずれの群においても、5日目において、十分に規定された外部仮骨は存在しなかった。
【0078】
(7日目)
GFP群由来の大腿骨における骨折の領域周辺に、十分に規定された外部仮骨が存在した。この切片は、5日目のGFP大腿骨と類似しているようであった。対称的に、BMP−6群由来の骨折した骨の周囲に、明らかであり十分に規定された外部仮骨が存在した。
【0079】
(10日目)
GFP群由来の大腿骨における骨折の領域周辺に、十分に規定された外部仮骨は存在しなかった。低い倍率では、この切片は、5日目および7日目のGFP大腿骨と類似しているようであった。しかし、より高い倍率において、骨折に隣接する限定された数の骨膜細胞が、肥大性軟骨細胞であることを見ることが可能であった。対称的に、BMP−6群由来の骨折した骨の周囲に、明らかであり十分に規定された外部仮骨が存在した。この仮骨は、骨形成および新生血管形成の兆候を有していた。
【0080】
骨の他の領域は、骨折の作製の間に損傷を受けた。例えば、大腿頂部は、ピン挿入のプロセスの間に穿孔された。損傷を受けた骨のこれらのさらなる領域もまた、BMP−6群由来の大腿骨における骨修復/形成プロセスの明らかな兆候を示したが、GFP群由来の大腿骨においては示さなかった。
【0081】
この組織学的データは、肝細胞から主に分泌される全身BMP−6が、骨折修復を促進し得ることを示す。
【0082】
(実施例II)
(A.骨の異所形成)
いくつかの独立した実験を、hBMP−6アデノウイルスベクターの骨形成効果を評価するために実施した。これらの実験において、雌C57BI/6 SCIDまたは免疫応答性マウスを、hBMP−6またはGFPをコードする1用量のアデノウイルス(1〜2.5×1010粒子/注射)を、両方の四頭筋中に筋肉内注射した。それぞれの実験群由来のマウスを注射後の種々の時点(通常1または2)で屠殺した。組織を採取し、ホルマリンに固定し、そして組織病理学のためにヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。全ての実験において、hBMP−6は、免疫無防備マウス由来の筋肉中で軟骨内骨形成を引き起こし、そして免疫応答性マウスにおいてはより少ない程度軟骨内骨形成を誘導した。以下は、実験から得られた、免疫無防備マウスを使用し、組織を注射後の5時点で収集した結果を記載する。
【0083】
C57BL/6 SCID雌マウス(Jacson Lab.)を、hBMP−6の骨同化作用を研究するために2つの群に分けた。全てのマウスを、イソフルランの吸入で短く麻痺させた。麻痺させた後、アデノウイルス−GFPまたはアデノウイルスBBMP−6のいずれかを、各マウスの両方の四頭筋に筋肉内注射した。それぞれの四頭筋に25μlの容量中の1.25×1010ウイルス粒子を注射した。マウスをカゴに5匹ずついれ、標準的な餌および水を摂取させ、そして動物の群を、2日目、3日目、4日目、7日目、および14日目に安楽死させた。両方の四頭筋を解剖し、それらの動物から取り出して、10%の中性緩衝化ホルマリン(Hydrol Chemical Co.,Yeadon,PA)の溶液中で固定化した。14日目のマウスを、デジタルカメラX線キャビネット(Faxitron X−Ray Corporation;MX−20)の使用によってX線分析に供した。この群の動物を、四頭筋中の異所性の骨形成を評価するためにレントゲン写真を撮った。
【0084】
選択した筋肉細胞をとっておき、そしてRNAgentsキットおよびRAeasyキット(それぞれ、PromegaおよびQiagen)の使用によって全てのRNAを単離した。このRNAgentsキットを製造業者に薦められるように使用し、そしてそのキットは、イソプロパノールの使用によるRNA沈降を含む。イソプロパノールを、75%のエタノール溶液の使用によってRNAペレットから洗い落とした。全てのRNAを、微量遠心機を使用して収集し、そしてそのペレットをRAeasyキットの溶解緩衝液中に溶かした。RNA精製を、製造業者に薦められるとおりに実施した。全てのRNAを水中に溶出し、そしてその濃度を、分光光度計を使用して決定した。
【0085】
RT−PCRを使用してGFPおよびBMP−6の相対レベルを測定した。RT−PCRを、ABI PRISM 7700 Sequence Detection System(Applied Biosystems)を使用して実施した。プライマーおよびプローブは、GFPアデノウイルス構築物およびBMP−6アデノウイルス構築物の両方に共通であるSV40ポリA配列内に配置されるヌクレオチド配列に依存した。使用されたプライマーおよびプローブは、以下のとおりであった:
【0086】
【化2】
RT−PCRを実施する前に、全ての総RNAサンプルを、RNaseを含まないDNaseによる処理に供し、わずかな量のゲノムDNAを除去した。Taqman EZ RT−PCR CORE REAGENTSキット(Perkin Elmer)を、製造業者の指示に従って使用した。このPCRを、50ngの総RNAならびに5μMのプローブおよびプライマーを含む50μlの溶液中で行った。このPCR条件は、以下のとおりであった:
【0087】
この分析は、四頭筋中のGFPおよびBMP−6についてのmRNAの局所的発現を示した。
【0088】
(D.四頭筋の組織学分析)
組織を切片化し、そしてヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。
【0089】
アデノウイルス−GFPの注射は、筋肉の目視検査、X線写真および組織学によって評価した場合、筋肉中に異所性骨形成を引き起こさなかった。この組織切片の組織学分析は、好中球、リンパ球およびマクロファージの浸潤によって特徴付けられる急性および亜急性の炎症を明らかにした。この細胞浸潤を、2日目程度の早期に検出され、4日目および7日目にピークに達するように見え、そして14日目に消滅したように見えた。細胞浸潤に加えて、3日目および4日目における水腫および骨格筋繊維退化ならびに7日目および14日目における筋繊維退化の再生もあった。
【0090】
アデノウイルス−BMP−6の注射は、筋肉の目視検査、X線写真および組織学によって評価した場合、筋肉中に異所性骨形成を引き起こした。注射後、4日目程度の早期に筋肉のサイズの増加を検出し得た。X線画像は、14日目の動物の筋肉中に放射線不透過性の塊の存在を示した。この組織切片の組織学分析は、2日目および3日目における急性炎症を明らかにした。間葉性細胞増殖を、4日目、7日目および14日目に観察した。軟骨組織は、7日目および14日目に明らかであった。顕著な骨形成が14日目に明らかに同定された。
【0091】
これらのデータは、アデノウイルス−BMP−6の筋肉内投与が、軟骨内性骨形成を生じることを示す。
【0092】
(実施例III.アデノウイルス/BMP−6は、ウサギ尺骨モデルにおいて骨切り治癒を促進する)
ウサギ尺骨モデルを使用して、BMP−6 cDNAを含むアデノウイルスの経皮注射が、骨切り治癒を促進させるために使用し得るか否かを決定した。このモデルは、コラーゲンスポンジ上およびリン酸カルシウムキャリア中のrhBMP−2の外科移植に応答する骨切り治癒の促進を示すためのスクリーニングモデルとして使用された。
【0093】
(A.方法)
両側性骨幹尺骨中部の1〜2mmの骨切りを、18匹の成体の雄ウサギに行なった。術後1×1012アデノウイルス/BMP−6粒子を含む、200mlを、12匹の動物において骨切り内に経皮的に注射した。同じ数のアデノウイルス/GFP粒子を含む同様の体積を、残りの6匹の動物における骨切り内に注射した。このアデノウイルス/GFP動物は、BMP−6 cDNAを含まないアデノウイルスの投与の効果に関するコントロールとして役立った。両方の群において、両側性の骨切りは、未処置の手術コントロールとして役に立った。アデノウイルス/GFPの筋肉注射もまた、多くの動物に投与し、送達されたcDNAを発現するためのウイルスベクター系の効力を実証した。アデノウイルス/BMP−6群の6匹の動物を、術後6週目および8週目で安楽死させた。アデノウイルス/GFP群の動物を、術後6週目で安楽死させた。結果の測定は、連続的なX線撮影、捻転バイオメカニクス、組織学およびGFP発現を含んだ。
【0094】
(B.結果)
筋肉内アデノウイルス/GFP注射の組織学評価は、ウイルス注射後にcDNA発現が存在することを実証した。連続的なX線写真は、アデノウイルス/BMP−6の注射後2週間(骨切りの作製後3週)程度の早期での鉱化仮骨の存在を明らかにした。骨切り作製後6週目において、全てのアデノウイルス/BMP−6注射マウス中の骨切り部位を通る鉱化仮骨の架橋が存在した。骨切りは架橋され、その骨切りは、骨切り作製後8週目でアデノウイルス/BMP−6の肢においてもはや見られなかった。鉱化骨および架橋する仮骨の発生は、手術コントロール骨切りおよびアデノウイルス/GFPを注射した骨切り中で遅くなった。手術コントロールおよびアデノウイルス/GFPを注射した肢の全ては、8週目で目に見える骨切りライン(osteotomy line)を有した。
【0095】
最大の捻転強度および捻転剛性の骨切りは、骨切り作製後6週目および8週目の両方における対側性外科的コントロール肢と比較して、アデノウイルス/BMP−6肢において大きかった(表1および2)。アデノウイルス/BMP−6骨切りにおける最大捻転強度および捻転剛性は、これらの時点において正常なウサギの尺骨に等しかった。対側性手術コントロールについての最大捻転強度は、骨切り作製後6週目および8週目における正常なウサギの尺骨について44%および66%の値であった。捻転剛性は、骨切り作製後6週目および8週目における正常なウサギの尺骨に対ついて56%および72%の値であった。骨切り作製後6週目での対側性手術コントロールと比較して、捻転強度および捻転剛性は、アデノウイルス/GFP肢と類似していた。
【0096】
この研究の結果は、術後1週間に投与されたアデノウイルス/BMP−6の経皮注射は、ウサギ尺骨モデルにおける骨切り治癒を促進することを示す。BMP−6を含まないアデノウイルスの投与は、効果がなかった。BMP−6のcDNAを含むアデノウイルスの使用は、ヒトにおける閉鎖骨折修復を促進するための潜在的な注射可能処置を示す。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
前述の記載は、本発明の現在の好ましい実施形態を詳述する。これらの実施における多くの改変および変化は、これらの記載を考察すると当業者の心に浮かぶと予想される。これらの改変および変化は、本明細書に添付される特許請求の範囲内に包含されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図1は、閉鎖大腿骨折モデルにおいて使用される骨折装置の例示である。
【0001】
本発明は、組織修復の分野に関する。より詳細には、本発明は、骨形成性タンパク質をコードする配列の全身投与のための組成物および方法に関する。本発明はまた、骨形成の促進のための骨形成性タンパク質の全身投与のための方法および組成物を包含する。これらの組成物および方法は、骨形成を促進し、従って、その用途は、骨折治癒および骨折修復ならびに骨折治癒の促進を包含する。これらの方法および組成物はまた、骨粗鬆症性の骨の処置、ならびに/または骨粗鬆症の予防および処置のために使用され得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、骨形成性タンパク質をコードするDNA配列の全身投与のための組成物および方法に関する。本発明はまた、骨形成の促進のための骨形成性タンパク質または骨形成性ペプチドの全身投与のための、方法および組成物を包含する。この組成物および方法は、骨折治癒および骨折修復、ならびに骨折治癒の促進のために、使用され得る。これらの方法および組成物はまた、骨粗鬆症性の骨もしくは骨減少症性の骨の処置のため、ならびに/または骨粗鬆症の予防および処置のために、使用され得る。
【0003】
これらの骨形成性タンパク質およびそれをコードするDNA配列は、好ましくは、トランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)スーパーファミリーのタンパク質として公知であるファミリーのタンパク質から選択され、このスーパーファミリーは、骨形成タンパク質(BMP)、アクチビンおよびインヒビンを包含する。最も好ましくは、その活性因子としては、一般にBMPとして公知のタンパク質のサブクラスから選択されるタンパク質をコードする少なくとも1つのDNA配列が挙げられる。BMPは、骨形成活性と、他の増殖および分化型の活性とを有することが開示されている。これらのBMPとしては、さらに以下に記載される、BMPタンパク質BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、およびBMP−7、BMP−10、BMP−12、およびBMP−13、BMP−15、BMP−16が挙げられる。その骨形成因子は、最も好ましくは、BMP−6をコードするDNA配列、またはBMP−6タンパク質もしくはBMP−6ペプチドである。そのDNA配列およびタンパク質配列ならびにBMP−6を生成するための方法は、米国特許第5,187,076号、米国特許第5,459,047号および米国特許第5,849,880号ならびに米国特許出願番号09/189,157に開示され、これらの特許および特許出願の開示は、本明細書中に参考として援用される。骨成長もしくは骨折修復を誘導可能であるかまたは骨組織の形成を増加可能な他の因子、およびそれらをコードするDNA配列もまた、利用され得る。
【0004】
従って、本発明は、骨形成を促進するための組成物および方法を提供し、その組成物は、全身投与に適切な注射可能な処方物中に骨形成性タンパク質をコードするDNA配列を含む。好ましい実施形態において、その骨形成性タンパク質は、骨形成タンパク質(BMP)である。このような組成物は、骨折治癒および骨折修復のために有用である。これらの組成物は、骨鉱質密度を増加するために使用され得る。骨粗鬆症性または骨減少症性の骨は、しばしば、最適に満たない骨密度により特徴付けられ、従って、これらの組成物および方法は、骨鉱質密度を増加するためおよび骨粗鬆症を処置するために、使用され得る。
【0005】
好ましい実施形態において、本発明は、骨折修復を促進するための組成物および方法を特徴とし、その組成物は、BMP−6をコードするDNA配列を含み、その組成物は、骨折修復を必要とする患者への全身投与を包含する方法において使用される。そのDNA配列およびタンパク質配列ならびにBMP−6を生成するための方法は、米国特許第5,187,076号、米国特許第5,459,047号および米国特許第5,849,880号ならびに米国特許出願番号09/189,157に開示され、これらの特許および特許出願の開示は、本明細書中に参考として援用される。他の実施形態において、さらに以下に記載される以下のBMPが適切であり得る:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−7、BMP−10、BMP−12、およびBMP−13、BMP−15、およびBMP−16。
【0006】
本発明において、そのDNAの組み込みおよび発現のために使用されるベクターは、好ましくは、ウイルス(特に、アデノウイルスおよびレトロウイルス)起源である。アデノウイルスは、増殖状態において細胞を必要とせずかつインビトロおよびインビボの両方で高効率の感染率を有する点で有利であり、一方、レトロウイルスは、インビトロ感染のためによりしばしば適切である。アデノウイルスはまた、高レベルのトランスジーン発現ならびに高力価を達成する能力を提供する。これらの利点は、アデノウイルスを、初代細胞、初代細胞系列、および直接インビボ形質導入にためにより適切にする。さらに、そのトランスジーンの発現は一過性であり、そしてアデノウイルスベクターは、その細胞ゲノム中に組み込まれず、このことにより、そのベクターは、使用するためにより安全である。組換えアデノウイルスのすべての世代(現世代(E1が欠失している)、ならびに抗原性が減少している新世代(E1、E3、E4欠失ウイルス、またはE1、E4欠失およびE3過剰発現)を含む)が、適切である。Smith(1995);Dunbar(1996);Roemar(1992);Graham(1991);Kozarsky(1993);およびIlan(1997)。上記刊行物の各々の開示は、その内容が参考として本明細書中に援用される。
【0007】
本発明において発現される遺伝子の発現は、構成的であっても制御されていてもよい。その発現を制御することは、調節エレメントにより(例えば、誘導性制御されたプロモーター(例えば、テトラサイクリン制御されたプロモーター(本明細書中にさらに記載される))を用いて)、あるいは特定の特化した分化経路または分化の特定の段階にのみ発現を指向するための、組織特異的遺伝子または一時的に特異的な遺伝子由来の調節エレメントを使用することによって、外部制御により達成され得る。例えば、オステオカルシンプロモーターが、骨形成およびカルシウム沈着の後期段階で誘導するために使用され得る。
【0008】
好ましい実施形態において、そのBMP DNA配列(好ましくは、BMP−6)は、全身投与に適切な注射可能な処方物に含まれる、アデノウイルスベクター上に含まれる。この組成物は、骨折修復の必要がある患者に治療上有効な量のその組成物の全身投与を包含する方法において、使用され得る。
【0009】
本発明は、さらに、骨形成を促進するための方法および組成物を提供し、その組成物は、骨形成性タンパク質を含む。好ましい実施形態において、その骨形成性タンパク質は、骨形成タンパク質(BMP)である。そのような組成物は、骨折治癒および骨折修復に有用である。これらの組成物は、骨鉱質密度を増加するために使用され得る。骨粗鬆症性または骨減少症性の骨は、しばしば、最適に満たない骨密度により特徴付けられ、従って、これらの組成物および方法は、骨鉱質密度を増加するためおよび骨粗鬆症を処置するために、使用され得る。
【0010】
好ましい実施形態において、本発明は、骨折修復を促進するための組成物および方法を特徴とし、その組成物は、BMP−6を含み、その組成物は、骨折修復を必要とする患者への全身投与を包含する方法において使用される。
【0011】
他の実施形態において、さらに以下に記載される以下のBMPが適切であり得る:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−7、BMP−10、BMP−12、およびBMP−13、BMP−15、およびBMP−16。
【0012】
好ましい実施形態において、その活性因子は、トランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)スーパーファミリーのタンパク質として公知であるタンパク質の群から選択される1つ以上のタンパク質であり、そのタンパク質は、好ましくは、骨形成タンパク質(BMP)、増殖および分化因子(GDF)、ならびに本明細書中により十分に記載される他のタンパク質から選択される。本発明において有用な骨形成性タンパク質、DNA配列、組成物およびそれを生成するための方法は、BMPタンパク質、例えば米国特許第5,108,922号;同第5,013,649号;同第5,116,738号;同第5,106,748号;同第5,187,076号;同第5,459,047号;同第5,849,880号および同第5,141,905号に開示される、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、およびBMP−7;PCT公開WO91/18098に開示されるBMP−8;ならびにPCT公開WO93/00432に開示されるBMP−9、PCT出願WO94/26893に開示されるBMP−10;PCT出願WO94/26892に開示されるBMP−11、またはPCT出願WO95/16035に開示されるBMP−12もしくはBMP−13、またはPCT出願WO96/36710に開示されるBMP−15、または同時係属中の米国特許出願番号08/715/202(1996年9月18日提出)に開示されるBMP16を含むものである。
【0013】
また有用であり得る他のDNA分子およびそのDNA分子がコードするタンパク質としては、Vgr−2をコードするもの、ならびに増殖および分化因子[GDF](PCT出願WO94/15965;WO94/15949;WO95/01801;WO95/01802;WO94/21681;WO94/15966などに記載されるものを含む)のいずれかが挙げられる。本発明においてまた有用であり得るのは、WO94/01557に開示されるBIP;およびPCT出願WO93/16099に開示されるMP52である。上記出願のすべての開示は、その出願に含まれる開示が参考として本明細書中に援用される。
【0014】
BMPタンパク質をコードするDNAに加えて、有用であり得る他のDNA分子およびそのDNA分子がコードするタンパク質としては、他の治療上有用な因子をコードするDNA分子が挙げられ、その治療上有用な因子としては、増殖因子(例えば、表皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF−αおよびTGF−β))、ヘッジホッグタンパク質(例えば、ソニックヘッジホッグ、インデアンヘッジホッグ、およびデザートヘッジホッグ)、副甲状腺ホルモンおよび副甲状腺ホルモン関連ペプチド、カドヘリン、アクチビン、インヒビン、およびIGF,FSH、frizzledタンパク質、frzbタンパク質もしくはfrazzledタンパク質、PDGFおよび他の内皮増殖因子、BMP結合タンパク質(例えば、コルジンおよびフェチュイン)、エストロゲンおよび他のステロイドならびにそれらの短縮バージョン、ならびに転写因子(例えば、wntタンパク質)、mad遺伝子およびcbfaが挙げられる。
【0015】
上記で同定された出願の開示は、本明細書中に参考として援用される。これらのタンパク質の独特の誘導活性は、それらのタンパク質が骨に存在することとともに、それらのタンパク質が、骨および軟骨の修復プロセスの重要な調節因子であり、そして骨組織の正常な維持に関与し得ることを示唆する。
【0016】
(発明の詳細な説明)
本発明は、骨形成を促進する組成物および方法を提供する。本発明の組成物は、全身的投与に適切な注射可能処方物中に、骨形成性タンパク質をコードするDNA配列を含む。好ましい実施形態において、骨形成性タンパク質は、骨形成タンパク質(BMP)である。このような組成物は、骨折治癒および骨折修復に有用である。これらの組成物は、骨鉱質密度を増加させるために使用され得る。骨粗鬆症または骨減少症の骨は、しばしば、最適未満の骨密度によって特徴付けられ、従って、この組成物および方法は、骨鉱質密度を増加させるため、および骨粗鬆症を処置するために使用され得る。
【0017】
好ましい実施形態において、本発明は、骨折修復を促進するための組成物および方法を特徴とし、ここで、この組成物は、BMP−6をコードするDNA配列を含み、そして骨折修復を必要とする患者への全身投与を包含する方法において使用される。DNA配列およびタンパク質配列は、BMP−6を産生するための方法は、米国特許第5,187,076号、同第5,459,047号および同第5,849,880号ならびにUSSN09/189,157(これらの開示は、本明細書中で参考として援用される)に記載される。さらに好ましい実施形態において、BMP DNA配列は、アデノウイルスベクターに含まれる。
【0018】
他の実施形態において、以下のBMPが適切であり得る:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7、BMP−9、BMP−10、BMP−12およびBMP−13、BMP−15、BMP−16(本明細書中の以下にさらに記載される)。
【0019】
本発明はさらに、骨形成を促進するための方法および組成物を提供し、ここで、この組成物は、骨形成性タンパク質を含む。これらのタンパク質は、全身的投与に適切な注射可能処方物を提供するために、化学的に改変され得る。このような改変は、当業者に公知である。好ましい実施形態において、骨形成性タンパク質は、全身投与に適切な骨形成タンパク質(BMP)である。このような組成物は、骨折治癒および骨折修復に有用である。これらの組成物は、骨鉱質密度を増加させるために使用され得る。骨粗鬆症または骨減少症の骨は、しばしば、最適未満の骨密度によって特徴付けられ、従って、この組成物および方法は、骨鉱質密度を増加させるため、および骨粗鬆症を処置するために使用され得る。
【0020】
好ましい実施形態において、本発明は、骨折修復を促進するための組成物および方法を特徴とし、ここで、この組成物は、上記のBMP−6を含み、そして骨折修復を必要とする患者への全身投与を包含する方法において使用される。
【0021】
他の実施形態において、以下のBMPが適切であり得る:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−7、BMP−9、BMP−10、BMP−12およびBMP−13、BMP−15、BMP−16(以下にさらに記載される)。
【0022】
従って、本発明は、骨形成を促進するための組成物および方法を提供し、ここで、この組成物は、骨形成性タンパク質をコードするDNA配列を含む。好ましい実施形態において、この骨形成性タンパク質は、骨形成タンパク質(BMP)である。このような組成物は、骨折治癒および骨折修復に有用である。これらの組成物は、骨鉱質密度を増加させるために使用され得る。骨粗鬆症または骨減少症の骨は、しばしば、最適未満の骨密度によって特徴付けられ、従って、この組成物および方法は、骨鉱質密度を増加させるため、および骨粗鬆症を処置するために使用され得る。この方法および組成物は、骨質量密度を増加させ得、そして骨粗鬆症関連の骨折の発生率を最小化または低減し得る。この方法は、骨折修復に有効な量での全身的投与に適切な骨形成性タンパク質をコードするDNA配列の注射可能な処方物を投与する工程を包含する。この組成物は、薬学的に受容可能なビヒクルと混合されて投与され得る。
【0023】
好ましい実施形態において、本発明は、骨折修復を促進するための組成物および方法を特徴とし、ここで、この組成物は、BMP−6をコードするDNA配列を含み、そして骨折修復を必要とする患者への全身投与を包含する方法において使用される。さらに好ましい実施形態において、BMP DNA配列は、アデノウイルスベクターに含まれる。
【0024】
他の実施形態において、以下のBMPが適切であり得る:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7、BMP−10、BMP−12およびBMP−13、BMP−15、BMP−16(以下にさらに記載される)。
【0025】
本発明はさらに、骨折修復を促進するための方法およびを組成物さらに提供し、ここで、この組成物は、骨形成性タンパク質を含む。好ましい実施形態において、この骨形成性タンパク質は、骨形成タンパク質(BMP)である。このような組成物は、骨折治癒および骨折修復に有用である。これらの組成物は、骨鉱質密度を増加させるために使用され得る。骨粗鬆症または骨減少症の骨は、しばしば、最適未満の骨密度によって特徴付けられ、従って、この組成物および方法は、骨鉱質密度を増加させるため、および骨粗鬆症を処置するために使用され得る。従って、注射可能薬剤としてのこの組成物および方法は、外科的介入を伴わない骨折の予防および処置において有用である。この組成物および方法は、骨粗鬆症の骨に対する骨折の発生および/または重得度を低減する。
【0026】
好ましい実施形態において、本発明は、骨折修復を促進するための組成物および方法を特徴とし、ここで、この組成物は、BMP−6を含み、そして骨折修復を必要とする患者への全身投与を包含する方法において使用される。
【0027】
他の実施形態において、以下のBMPが適切であり得る:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7、BMP−9、BMP−10、BMP−12およびBMP−13、BMP−15、BMP−16(以下にさらに記載される)。
【0028】
骨形成性タンパク質をコードする配列ならびにタンパク質は、好ましくは、トランスフォーミング増殖因子−β(TGF−β)スーパーファミリーのタンパク質(これには、骨形成タンパク質(BMP)、アクチビンおよびインヒビンが挙げられる)として公知のタンパク質ファミリーから選択される。最も好ましくは、活性因子としては、BMPとして一般に公知のタンパク質サブクラス(これは、骨形成活性ならびに他の増殖活性および分化型活性を有することが開示されている)から選択される少なくとも1種のタンパク質が挙げられる。これらのBMPとしては、以下のBMPタンパク質が挙げられる:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5およびBMP−7、BMP−10、BMP−12およびBMP−13、BMP−15、BMP−16(以下にさらに記載される)。骨形成因子は、最も好ましくは、BMP−6をコードするDNA配列またはBMP−6タンパク質もしくはペプチドである。DNA配列およびタンパク質配列、ならびにBMP−6を産生するための方法は、米国特許第5,187,076号、同第5,459,047号および同第5,849,880号ならびにUSSN09/189,157(これらの開示は、本明細書中で参考として援用される)に開示される。骨増殖もしくは骨折修復を誘導し得るか、または骨組織の形成を増加させ得る、他の因子およびこれらの因子をコードするDNA配列もまた、利用され得る。
【0029】
本発明において有用なDNA分子およびタンパク質では、とりわけ、BMPタンパク質(BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7(これらは、例えば、米国特許第5,108,922号;同第5,013,649号;同第5,116,738号;同第5,106,748号;同第5,187,076号および同第5,141,905号において開示される);BMP−8(これは、PCT公開WO91/18098において開示される);およびBMP−9(これは、PCT公開WO93/00432において開示される);BMP−10(これは、PCT公開WO94/26893において開示される);BMP−11(これは、PCT公開WO94/26892において開示される);またはBMP−12もしくはBMP−13(これらは、PCT公開WO95/16035において開示される);またはBMP−15(これは、PCT公開WO96/36710において開示される);またはBMP−16(これは、同時係属中の特許出願番号08/715/202(1996年9月18日出願)において開示される))のうち1種以上についてのコード配列を含むものである。
【0030】
これもまた有用であり得る他のDNA分子としては、Vgr−2をコードするDNA分子、ならびに任意の増殖因子および分化因子[GDF]が挙げられ、これには、PCT公開WO94/15965;WO94/15949;WO95/01801;WO95/01802;WO94/21681;WO94/15966などに記載されるものが挙げられる。本発明においてこれもまた有用なものは、BIP(WO94/01557において開示される);およびMP52(PCT公開WO93/16099において開示される)であり得る。上記出願の全ては、これらに含まれる開示について、本明細書中で参考として援用される。
【0031】
BMPタンパク質をコードするDNAに加えて、これもまた有用であり得る他のDNA分子としては、他の治療的に有用な因子(これには、増殖因子(例えば、上皮増殖因子(EGF)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF−αおよびTGF−β)、hedgehogタンパク質(例えば、sonic hedgehog、indian hedgehogおよびdesert hedgehog)、副甲状腺ホルモンおよび副甲状腺ホルモン関連ペプチド、カドヘリン、アクチビン、インヒビンおよびIGF、FSH、frizzled、frzbまたはfrazzledタンパク質、PDGFおよび他の内皮増殖因子が挙げられる)、BMP結合タンパク質(例えば、chordinおよびfetuin)、エストロゲンおよび他のステロイドならびにこれらの短縮バージョン、および転写因子(例えば、wntタンパク質)、mad遺伝子およびcbfaをコードするDNA分子が挙げられる。
【0032】
本発明において、DNAの組み込みおよび発現のために使用されるベクターは、好ましくは、ウイルス起源であり、特にアデノウイルスおよびレトロウイルス起源である。アデノウイルスは、増殖状態の細胞を必要とせず、そしてインビトロおよびインビボの両方での高い感染効率を有する点において有利であるが、一方、レトロウイルスは、インビトロの感染についてよりしばしば適切である。アデノウイルスはまた、高レベルの導入遺伝子発現および高い力価を達成する能力を提供する。これらの利点は、アデノウイルスを、初代細胞、細胞株およびインビボの直接的形質導入により適切なものにする。さらに、導入遺伝子の発現は、一過的であり、そしてこのアデノウイルスベクターは、細胞ゲノムに組み込まれず、このことが、このベクターを使用のためにより安全にする。全ての世代の組換えアデノウイルスが適切であり、これには、現在の世代(E1欠失)、および低減した抗原性を有する新たな世代(E1、E3、E4欠失ウイルス、またはE1、E4欠失およびE3過剰発現)が挙げられる。Smith(1995);Dunbar(1996);Roemer(1992);Graham(1991);Kozarsky(1993);およびIlan(1997)。上記出願各々の開示は、その内容について、本明細書中で参考として援用される。
【0033】
本発明において発現される遺伝子の発現は、構成的であっても制御されてもよい。発現制御は、調節エレメント(例えば、誘導的に制御されるプロモーター(例えば、テトラサイクリン制御プロモーター(本明細書中にさらに記載される))による外的制御によってか、あるいはある特定の分化経路への発現のみを指向するか、または特定の分化段階での発現のみを指向するために、組織特異的遺伝子または時間特異的遺伝子由来の調節エレメントを使用することによって、達成され得る。例えば、オステオカルシンプロモーターは、骨形成および石灰化の後期段階での誘導のために使用され得る。
【0034】
本発明において有用なBMPタンパク質をコードするDNA配列としてはまた、上記で引用された参照された出願および特許において開示されるような、他のタンパク質性物質をコードするDNA配列と関連せず、本発明のタンパク質についての発現をコードする、開示されたDNA配列が挙げられる。これらのDNA配列としては、表IIおよび表IIIに、5’から3’の方向で示される配列またはこれらの部分が挙げられる。特定のDNA配列に、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件[T.Maniatisら、Molecular Cloning(A Laboratory Manual)Cold Spring Harbor Laboratory(1982)、387頁〜389頁を参照のこと]下でハイブリダイズし、かつ軟骨形成活性および/または骨形成活性を実証する配列がさらに含まれる。このような軟骨形成活性および/または骨形成活性は、ラット骨形成アッセイにおけるものであり得る。このようなストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、4×SSCで65℃でのハイブリダイゼーション、その後の0.1×SCCで65℃での1時間の洗浄である。あるいは、例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、50%ホルムアミド、4×SCCで42℃である。
【0035】
同様に、開示された配列によってコードされるタンパク質に類似するタンパク質をコードするが、遺伝子コードの縮重または対立遺伝子改変体(アミノ酸変化を生じても生じなくてもよい、種の集団において天然に存在する塩基変化)に起因してコドン配列が異なるDNA配列もまた、本明細書に記載される本発明のタンパク質をコードする。点変異によって引き起こされるか、またはこれらのDNA配列によってコードされるポリペプチドの活性、半減期もしくは産生を増強するために誘導された改変(挿入、欠失および置換を含む)によって引き起こされるDNA配列中のバリエーションもまた、本発明に包含される。
【0036】
同様に、本明細書に提供されるタンパク質としてはまた、天然に存在するBMP関連タンパク質(例えば、BMP−6)の配列と類似するが、改変が天然に提供された(例えば、ポリペプチド中のアミノ酸変化を引き起こし得る、ヌクレオチド配列中の対立遺伝子バリエーション)配列、または意図的に操作された配列によってコードされる因子が挙げられる。例えば、合成ポリペプチドは、特定のBMPのアミノ酸残基の、完全にかまたは部分的に複製した連続配列であり得る。これらの配列は、天然に存在するBMPの骨誘導性ポリペプチドと、一次構造、二次構造または三次構造、およびコンフォメーション特徴を共有することによって、これらの間で共通する生物学的特性を有し得る。
【0037】
さらなる実施形態において、本発明の組成物および方法は、例えば、BMPタンパク質をコードするDNA配列に加えて、さらなるタンパク質(例えば、上記のTGF−βスーパーファミリータンパク質のさらなるメンバー)をコードするDNA配列を含み得る。
【0038】
これらの組成物および方法は、骨形成を促進させるために使用され得、そして骨折修復において使用され得る。これらの組成物および方法はまた、骨密度(bone mass density)を増加させる際に有用であり得る。
【0039】
本発明の1つの実施形態において、全身性に投与されるタンパク質である場合、このようなタンパク質は、全身性投与のために改変され得る。このような改変は、当業者に公知の手順および方法による化学的改変を含み得る。
【0040】
別の実施形態において、タンパク質は、改変されてもさもなければ制御された放出のために処方されてもよい。このような組成物において、BMPタンパク質は、好ましくはカプセル化されるか、さもなければ、例えば、継続期間にわたる徐放性を可能にする様式で投与される。例えば、BMP成分は、吸収可能なポリマー(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸またはこれらのコポリマー、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネートおよび他のポリマー)の送達系中にカプセル化され得る。適切なポリマーは、たとえば、EP0145240に開示され、この開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0041】
骨形成性タンパク質は、他の関連タンパク質および増殖因子と協力してかまたはおそらく相乗的に作用し得ると予期される。よって、本発明のさらなる治療法および治療組成物は、治療量の骨形成タンパク質または骨形成性タンパク質もしくはペプチドをコードする配列を、治療量の上記のBMPタンパク質の少なくとも1つとともに含む。このような組成物は、BMPタンパク質の別々の分子または異なるBMP部分から構成されるヘテロ分子を含み得る。
【0042】
本発明の組成物および方法は、欠損、損傷または問題の組織の処置に有利な他の因子と組み合わせられ得る。
【0043】
本発明において、DNAの組込みおよび発現に使用されるベクターは、好ましくは、ウイルス(特定には、アデノウイルスおよびレトロウイルス)起源である。アデノウイルスは、増殖状態の細胞を必要とせず、そしてインビトロおよびインビボの両方で高い感染効率を有する点で有利であるが、レトロウイルスは、インビトロ感染に対してよりしばしば適切である。アデノウイルスはまた、高レベルの導入遺伝子発現および高力価を得る能力を示す。これらの利点は、初代細胞、細胞株および直接のインビボ形質導入により、アデノウイルスを適切に作製する。さらに、導入遺伝子の発現は一過性であり、そしてアデノウイルスベクターは、細胞ゲノム中に組み込まれず、これらのベクターの使用をより安全にする。組換えアデノウイルスの全ての世代(現在の世代(E1欠失)、および抗原性が減少されている新たな世代(E1、E3、E4欠失ウイルスまたはE1、E4を欠失しかつE3過剰発現するウイルス)を含む)が適切である。Smith(1995);Dunbar(1996);Roemer(1992);Graham(1991);Kozarsky(1993);およびIlan(1997)。上記の刊行物の各々の開示は、その内容について本明細書中に参考として援用される。
【0044】
本発明において発現される遺伝子の発現は、構成的であっても制御されてもよい。発現の制御は、調節エレメント(例えば、本明細書中にさらに記載されるような誘導性制御プロモーター(例えば、テトラサイクリン制御プロモーター))による外部制御によって、あるいは特定化された特定の分化経路のみの発現または分化の特定の段階における発現を指向する組織特異的遺伝子または一時的に特異的な遺伝子由来の調節エレメントを使用することによって、達成され得る。例えば、骨形成プロモーターは、骨形成の後期および石灰化における誘導のために使用され得る。
【0045】
治療法は、注入可能物としてこの組成物を全身性に投与する工程を包含する。特定の実施形態において、本方法は、局所注射を含む。組成物はさらに、移植物またはデバイスを含み得る。投与される場合、本発明における使用のための治療組成物は、もちろん発熱物質を含まない生理学的に受容可能な形態である。さらに、組成物は、望ましくは、組織損傷部位への送達のためにカプセル化されても粘着性形態で注入されてもよい。上記のような組成物中にまた必要に応じて含まれ得る治療的に有用な因子は、代替的または付加的に、本発明の方法において組成物と同時または連続的に投与され得る。さらに、本発明の組成物は、現在利用可能な処置とあわせて使用され得る。
【0046】
例えば、骨粗鬆症状態の処置についての実施形態において、本発明の実施の際にキャリアとして有用であり得る物質としては、薬学的に受容可能な物質が挙げられ、これは、粘性および極性を有し、その結果、骨形成タンパク質に添加される場合、骨粗鬆症性または骨減少症性の骨の部位への注入可能な適用のための適切な操作特性を有する組成物を形成する。骨形成タンパク質(BMP)へのキャリアの添加は、浸潤する哺乳動物前駆細胞または他の細胞の再生性骨形成活性の別の本来の速度をこのタンパク質が増加させ、そして新たな組織が増殖し得かつ細胞の内生成を可能にし得る空間を形成するに十分な時間にわたって、疾患部位または損傷部位にこのタンパク質を残存させる。キャリアはまた、前駆細胞の再生性骨形成活性の速度を最適に増加させるに適切な時間間隔にわたって、骨形成タンパク質(BMP)を疾患部位または損傷部意から放出させ得る。キャリアはまた、重篤な骨粗鬆症の骨における新たな形成を誘導するためのフレームワークを供給し得る。
【0047】
キャリアの最も好ましいファミリーは、膠原性材料を含む。これらは、好ましくは、注入に適切な形態(例えば、ゲル)で存在する。このようなゲルは、架橋していても架橋されていなくてもよい。コラーゲンの他の形態(例えば、分散液または繊維性コラーゲン)もまた、本発明の方法において有用であり得る。キャリアの別の好ましいファミリーは、セルロース物質(例えば、アルキルセルロース(ヒドロキシアルキルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースを含む))であり、最も好ましくは、カルボキシメチルセルロース(CMC)のカチオン性塩である。
【0048】
セルロース性キャリアおよびコラーゲンゲルの場合において、このキャリアは、水酸化セルロース粘性ゲルの形態であることが好ましい。粘度は、機械的手段(例えば、適切な時間にわたる高攪拌、その後のオートクレーブ)によってかまたは化学的に増加され得る。活性因子およびセルロースキャリアは、好ましくは、適切な緩衝溶液中にある。1つの好ましい緩衝化溶液は、活性因子に加えて、約1.0〜約10.0(w/v)グリシン、約0.1〜約5.0%(w/v)の糖(好ましくは、ショ糖)、約1〜約20mMのグルタミン酸塩酸、および必要に応じて約0.01〜0.1%の非イオン性界面活性因子(例えば、polysorbate 80)を含む組成物である。好ましい溶液は、約1%〜約20%w/vのセルロース性キャリア/緩衝液である。所望ならば、塩が添加され得る。好ましい粘性ゲルキャリアは、以下の実施例2に記載される。粘性ゲルキャリアを用いる有用な骨形成性タンパク質の量は、一般に、必要とされる移植物材料のcm3当たり約0.1〜約100mg、好ましくは、約1〜約100mg;最も好ましくは、約10〜約80mgの範囲である。
【0049】
注入可能なキャリアについての特に目的の別のクラスの材料は、吸収可能なヒドロキシアパタイトならびに鉱物、セラミックおよびホスフェートである。吸収可能なヒドロキシアパタイトは、例えば、種々の吸収速度を有する種々の多孔度で処方され得;ゲル粘稠度に対するこれらの操作特性は、硬質な移植可能型から注入可能であるが体温で堅くなる型にまで変動する。適切なヒドロキシアパタイトおよびセラミックキャリアは、例えば、以下に記載される:WO96/36562;および米国特許第5,543,019号;同第5,306,305号;同第5,258,044号;同第5,496,399号;同第5,455,231号;同第5,336,264号;同第5,178,845号;同第5,053,212号;同第5,047,031号;同第5,129,905号;同第5,034,059号;同第4,880,610号;同第5,290,763号;および同第5,563,124号(これらの開示は、本明細書中に参考として援用される)。
【0050】
本発明の活性因子の投与について別の好ましいファミリーのキャリアは、注入可能なポリマーであり、これは、粘性であり得、そして必要に応じて、同様に封鎖剤を含み得る。適切なポリマーおよび封鎖剤は、米国特許第5,171,579号(その開示全体が、本明細書中に参考として援用される)に記載されるものを含む。他のポリマーとしては、プルロニック(例えば、Poloxamer 407ゲル)が挙げられる。プルロニックは、水溶性ABA型ブロック界面活性因子コポリマーのクラスであり、逆熱ゲル化(reverse thermal gelation)の独特な特性を示す。これらは、4℃で液体(および注入可能である)が、体温でゲルである。Poloxamer 407(MW12,500)は、全身性吸収後に変化することなく尿中に排出され、そして動物中でおそらく非毒性であることが示されている。ポリラクチドおよび/またはポリエチレングリコールは、(ポリ(ラクチド)/ポリ(エチレングリコール)ゲル)を含む。ポリラクチドは、水性環境中への注入の際にPLAを沈殿させる注射可能な溶液を産生するために、ポリエチレングリコール中に溶解され(例えば、PEG中に溶解した低分子量(2000)PLA)、比較的堅いゲルを生じ得る。さらに、文献(Miyamoto et al.,Clin.Orthop.Rel.Res.294:333(1993))は、BMPに適切なキャリアとして、ポリ(乳酸)−ポリ(エチレングリコール)結合体のような結合体を列挙する。封鎖剤として有用な物質は、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム、ポリ(エチレングリコール)、ポリオキシエチレンオキシド、カルボキシビニルポリマーおよびポリ(ビニルアルコール)、ならびにセルロース物質(例えば、ヒドロキシセルロース)である。このような好ましい因子の1つが、カルボキシメチルセルロースである。
【0051】
封鎖剤として有用であることが開示される上記の物質は、これら自体注射用のキャリアとして有用であり得る。さらに、上記の物質の組合せが使用され得る。
【0052】
キャリアが最適な粘度よりも高い粘度であり得る場合、キャリアは、必要に応じて希釈剤(例えば、水性グリセロール)と組み合わせられ得、好ましくは、キャリア希釈剤は、約10〜約80%(v/v)の濃度で存在する。また、上記の物質は、本発明の特定の実施形態と合わせられ得る。例えば、多孔性粒子性ポリマーのようなポリマーは、粘度を増加させるためにセルロース性キャリアまたはゲルキャリア中に溶解されても懸濁されてもよい。
【0053】
本発明の好ましい実施形態において、活性因子は、キャリアとしての適切な緩衝液のみを使用する注射を介して局所的に投与される。1つの適切な緩衝液は、グリシン、ショ糖、およびグルタミン酸塩酸を6.0未満のpHで含む。緩衝溶液の好ましい組成物は、約1.0〜約10.0%(w/v)のグリシン、約0.1〜約5.0%(w/v)の糖(好ましくは、ショ糖)、約1〜約20mMのグルタミン、グルタミン酸またはグルタミン酸塩酸、および必要に応じて約0.01〜約0.1%の非イオン性界面活性因子(例えば、polysorbate 80)を含む。本発明の好ましい実施形態において、この処方物は、約2.5%のグリシン(g/100ml(w/v))、約0.5%のショ糖(w/v)、約5mMのグルタミン酸塩酸(約0.1%w/v)、および約0.01%(w/v)のpolysorbate 80を、約4.5のpHで含む。この緩衝液は、MFR842と記載される。本発明の使用に適切なさらなる緩衝液は、米国特許第5,385,887号(この開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載される。好ましい溶液はまた、緩衝液と他のキャリアとの組み合わせ(例えば、緩衝液とセルロース性キャリアとの組み合わせ)を含み得る。この組み合わせの好ましい範囲は、約1%〜約20%w/vセルロースキャリア/緩衝液である。所望ならば、塩が添加され得る。
【0054】
特定の実施形態において、組成物は、キャリアとして適切なマトリクスおよび/または封鎖剤を含み得る。例えば、マトリクスは、組成物を支持し得るか、あるいは軟骨組織形成および/もしくは骨組織形成、ならびに/または他の組織形成の表面を提供し得る。マトリクスは、タンパク質の徐放性および/または適切な環境の提示を提供し得る。封鎖剤は、注入または他の手段を介する容易な投与を補助する物質であり得るか、または適用部位からのタンパク質の移動を遅延し得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、遺伝子操作された細胞は、例えば、組成物を支持するため、ならびに骨、軟骨および/または他の結合組織増殖のための表面を提供するために適切なマトリクスと組み合わせて投与され得る。マトリクスは、伝統的なマトリクス生物材料の形態であり得る。マトリクスは、発現したタンパク質の徐放性ならびに分化した細胞および/または適切な環境の提示を提供し得る。いくつかの実施形態において、種々のコラーゲン性タンパク質または非コラーゲン性タンパク質は、アップレギュレートされそして多能性幹細胞から分泌されることが予期される。この現象は、マトリクス沈着を増強することによって組織再生を加速する。マトリクスタンパク質はまた、遺伝子操作された細胞において発現され得、そして移植領域に移植された細胞の移植および接着を増強し得る。
【0056】
キャリア材料の選択は、生体適合性、生分解性、機械的特性、審美的外観、および界面特性に基づく。この組成物の特定の適用により、適切な処方が規定される。この組成物の潜在的なマトリクスは、生分解性かつ化学的に規定され得る。さらにマトリクスは、純粋なタンパク質または細胞外マトリクス成分から構成される。他の潜在的なマトリクスは、非生分解性かつ化学的に規定される。好ましいマトリクスとしては、Helistat7(Integra LifeSciences,Plainsboro,N.J.)のようなコラーゲンベースの材料(スポンジを含む)または注射可能な形態のコラーゲン、ならびに例えば、ヒアルロン酸由来の金属イオン封鎖剤(生分解性であり得る)が挙げられる。生分解性材料(例えば、セルロースフィルムまたは手術用メッシュ)はまた、マトリクスとして役立ち得る。このような材料は、傷害部位に縫合されるかまたは軟骨の周りに巻きつけられ得る。
【0057】
別の好ましいクラスのキャリアは、ポリマーマトリクスであり、これらのマトリクスとしては、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)のポリマー、および乳酸とグリコール酸とのコポリマーが挙げられる。これらのマトリクスは、スポンジの形態または多孔性粒子の形態であり得、そしてまた金属イオン封鎖剤を含み得る。適切なポリマーマトリクスは、例えば、WO93/00050(この開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載される。
【0058】
金属イオン封鎖剤の好ましいファミリーとしては、血液、フィブリン凝固および/またはアルキルセルロース(ヒドロキシアルキルセルロースを含む)のようなセルロース材料(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースを含む)が挙げられ、最も好ましくは、カルボキシメチルセルロース(CMC)のカチオン性塩である。他の好ましい金属イオン封鎖剤としては、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム、ポリ(エチレングリコール)、ポリオキシエチレンオキシド、カルボキシビニルポリマーおよびポリ(ビニルアルコール)が挙げられる。本明細書中で有用な金属イオン封鎖剤の量は、処方物の総重量に基づいて、0.5〜20重量%、好ましくは、1〜10重量%である。これは、ポリマーマトリクスからタンパク質の脱着を防止し、組成物の適切な取り扱いを提供するために必要な量を表すが、先祖細胞が、マトリクスに浸潤することを妨げるほどではなく、それによりこのタンパク質に先祖細胞の活性を補助する機会を提供する。
【0059】
本出願の実施において有用なさらなる適切な組成物としては、例えば、マンニトール、スクロース、ラクトース、グルコースまたはグリシンのような凍結保護剤(cryogenic protector)(凍結乾燥の間にタンパク質が変性するのを防ぐため)、抗微生物性防腐剤(例えば、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、ならびにベンジルアルコール);抗酸化剤(例えば、EDTA)、クエン酸およびBHT(ブチルヒドロキシトルエン);ならびに界面活性因子(例えば、ポリ(ソルベート)およびポリ(オキシエチレン))が挙げられる。
【0060】
骨粗鬆症または骨減少症の状態を含む種々の状態の処置が必要な患者の同定は、当該分野で周知の手順により達成され得る。これらの手順としては、複式エネルギーX線吸収測定(dual energy X−ray absorptiometry)(DEXA)(Kilgusら、J.Bone&Joint Surgery,75−B:279〜287(1992);Markelら、Acta Orthop Scand,61:487〜498(1990));および定量的コンピュータ連動断層撮影(QCT)(Laval−Jeantetら、J Comput Assist Tomogr,17:915〜921(1993);Markel,Calcif Tissue Int,49:427〜432(1991));シングルフォトン吸収測定(single−photon absorptiometry)(Markelら、Calcif Tissue Int,48:392〜399(1991));超音波伝達速度(UTV)(Heaneyら、JAMA,261:2986〜2990(1989);Langtonら、Clin Phys Physiol Meas,11:243〜249(1990));ならびにX線写真評価(radiographic assessment)(Gluerら、J.Bone&Mineral Res,9:671〜677(1994))を使用する骨質量/骨密度の測定が挙げられる。骨折の危険性のある患者の他の同定方法としては、年齢に関する因子(例えば、認知、および骨粗鬆症に関する骨折の発生前)の評価が挙げられる。Poterら、BMJ,301:638〜641(1990);Huiら、J.Clin Invest,81:1804〜1809(1988)。上記の刊行物は、本明細書中に参考として援用される。
【0061】
投薬レジメンは、担当医が組成物の作用を緩和する種々の因子(例えば、形成を所望される組織の量、組織損傷の部位、損傷を受けた組織の状態、創傷のサイズ、損傷を受けた組織の型、患者の年齢、性別および食事、任意の感染の重篤度、投与の時間および他の臨床的因子)を考慮することによって決定される。投薬は、再構成に使用されるビヒクルキャリアまたはマトリクスの型、および組成物中のさらなるタンパク質またはDNA配列の型で変化し得る。最終組成物に対する他の公知の増殖因子の添加はまた、投薬に影響し得る。
【0062】
このような生理学的に受容可能な核組成物またはタンパク質組成物の調製および処方(pH、等張性、安定性などに関して適切である)は、当業者の範囲内である。治療用組成物はまた、TGF−βタンパク質における種特異性の欠如に起因して、獣医学的適用のために現在価値がある。特に、ヒトに加えて、家畜動物およびサラブレッドウマは、本発明の組成物を用いるこのような処置について、望ましい患者である。
【0063】
進行は、組織形成、組織増殖および/もしくは組織修復の定期的評価によりモニタリングされ得る。この進行は、当該分野で公知の方法(例えば、X線、関節鏡検査、組織形態決定およびテトラサイクリン標識)、ならびに以下の実施例に記載される種々の方法によりモニタリングされ得る。
【0064】
その特定の実施形態において、本発明は、以下の実施例によって例示される。これらの実施例は、制限されない。当業者によって理解されるように、以下の実施例の多くの変化および組み合わせが利用可能である。これらの組み合わせおよび変化は、本発明の一部を構成する。
【0065】
(実施例1:BMP−6A.BMP−6アデノウイルスベクターの全身性投与)
全長BMP−6クローンは、513個のアミノ酸hBMP−6をコードする1539塩基対のオープンリーディングフレームを規定する。ヒトBMP−6 cDNAを、BMP−6EMCベクターからのSalIフラグメントとして単離し、そしてその末端を、Ventポリメラーゼ(New England Biolabs,Beverly,MA)で埋めた。Adori1−1 BMP−6ベクターを、アデノウイルスベクターAdori1−1のEcoRV制限部位へのBMP−6 cDNAの挿入により生成した。最終構築物を、BMP−6挿入物全長の広範な制限マッピングおよび配列決定によって確認した。このAdori1−1 EGFP(増強された緑色蛍光タンパク質)ベクターは、EcoR1およびNot1でのpEGFP−N1(CLONTECH Laboratories,Inc.,Palo Alto,CA)の消化物に由来し、そしてこのEGFP cDNAを、Adori1−1のEcoR1部位とNot1部位との間に挿入した。Adori1−1 EGFP構築物を、制限マッピングおよび5’末端配列決定によって確認した。hBMP−6およびGFP mRNA転写物の発現は、サイトメガロウイルス(CMV)最初期プロモーター配列およびエンハンサー配列に由来する。発現カセットは、SV40起点およびエンハンサーの下流、ならびに5型アデノウイルス(Ad5)の0−1マッピング単位に位置される。SV40のスプライシングドナー配列およびアクセプター配列は、CMVプロモーターとこのcDNAとの間に配置される。挿入物の後ろは、SV40ポリA部位、Ad5の9−16マッピング単位、およびpuc 19起点である。
【0066】
複製欠損でありE1およびE3がマイナスである、5型(del327)組換えアデノウイルスを、ヒト胚性腎臓293細胞(ATCC,Rockville,Maryland)中での相同組換えによって生成した。ウイルスを、上記のAdori発現プラスミド、およびアデノウイルス骨格の9〜36マッピング単位の同時トランスフェクションによって生成した。組換えアデノウイルスを増幅し、そして3回の凍結融解によって293細胞から放出させた。このウイルスを、2回の塩化セシウム勾配を介する遠心分離によって、さらに精製し、そしてリン酸緩衝化生理食塩水(pH 7.2)に対して平衡になるまで4℃透析した。透析に続いて、グリセロールを、最終濃度10%まで添加し、そして使用するまでウイルスを−80℃で保存した。粒子/mlで示されるウイルスの濃度を、260nmでの吸光度を測定することによって決定した。エンドトキシンレベルを、Limulus Amebocyte Lysateキット(BioWhittaker,Walkersville,MD)を使用して測定した。このウイルスを、以下のベクター特異的プライマーを用いて挿入物をPCR増幅することによってさらに特徴づけた:
【0067】
【化1】
。
【0068】
PCR産物を配列決定して挿入物の完全性を確認した。導入遺伝子の発現および成熟BMP−6の分泌を、293細胞の代謝標識およびBMP−6選択的モノクローナル抗体での免疫沈降によって確認した。
【0069】
(B.大腿骨閉鎖骨折モデル)
12週齢と16週齢との間のC57BL/6雄マウス(Jackson Lab.)を、ペントバルビタール(60mg/kg、IP)で麻酔した。滅菌した眼の軟膏剤を、保護のために両方の目に塗布した。右上の後肢を皮膚まで悌毛し、そして露出した皮膚を、エタノールおよびDuraprepパッドで連続的に磨いた。
【0070】
手術の準備後、マウスを滅菌した手術台に置いた。大腿の頭の背後を5〜10mm切開した。25ゲージの1インチの針を、転子窩を介して挿入し、そして遠位の大腿骨へ骨髄管を押し下げた。針を挿入した後、針を、皮膚の真下で切断した。切開部を、Nexaband手術接着剤を使用して閉じた。マウスを、手術手順の間モニタリングして、麻酔および体温を維持した。
【0071】
大腿骨の閉鎖骨折を、BonnarensおよびEinhorn(J.Orthop.Res.2:97〜101,1984)によって記載されるのと同じ様式で作製した。骨折装置は、図1に示される。
【0072】
大腿骨の中間部が、二又の動物固定台と鈍い刃との間に置かれるように、予めピンで固定されたマウスの右足を、しっかりと固定した。150グラムの重さを、7.5cmの高さまで上げ、次いで下のバネ上に落とした。大腿骨に対する鈍い刃の衝撃置換(impact displacement)が、約1mmとなるように、骨折装置を調整した。
【0073】
各マウスを、一回の衝撃傷害後に骨折装置から除き、そしてデジタルカメラX線キャビネット(Faxitron X−Ray Corporation;MX−20)を使用してX線写真分析に供した。動物を、X線写真撮影して骨髄内ピンの位置および骨折の質の両方を評価した。ピンの位置を以下の場合に上手く判断した:i)外科的挿入が、一匹のマウス当たり5分を超えないか、または過剰な動物操作を必要としない場合;ii)ピンを、骨髄管の中間部に位置した場合;およびiii)ピンを曲げないか、または大腿骨の別の部分に刺す場合。骨折を、以下の場合に上手く判断した:i)骨折が大腿骨の中間部で生じる場合;ii)骨折を横断させて粉砕しない場合。これらの診断基準を満たさない動物を、すぐに安楽死させた。
【0074】
X線写真の診断基準を満たすマウスを、モニタリングの間、暖かい毛布の上で回復させた。
【0075】
(C.骨折修復に対するアデノウイルスの構築物の効果)
大腿骨の骨折を有するマウスを、これらが手術の麻酔から回復する前に、無作為に2つの群に割り当てた。群1のマウスに、尾静脈中にアデノウイルスGFP50μlを注射した。群2のマウスに、尾静脈中にアデノウイルスBMP−6 50μlを注射した。各動物に投与したウイルス粒子の数は、5×1010粒子/注射であった。マウスを、5日目、7日目および10日目の予定された安楽死の2日前にモニタリングした。予定時に、マウスを、安楽死させ、そしてX線写真分析に供してピンの位置および骨折の質を評価した。骨折が、ピンによって安定化されないようである動物を、研究から切り捨てた。残りのマウスの右足を、除いた。骨髄内ピンを、この時は除かずに、脚(皮膚および毛のない)を、10%の中性緩衝化ホルマリン(Hydrol Chemical Co.,Yeadon,PA)の溶液中に固定した。
【0076】
(D.骨折した大腿骨の組織学的分析)
組織を切片化し、そしてヘマトトキシリンおよびエオシンで染色した。
【0077】
(5日目)
2つの群各々由来の代表的な大腿骨は、骨折修復プロセスの開始を示した。この修復プロセスを、骨折に隣接する骨膜細胞増殖の切片の領域によって(2倍の倍率で)明らかにした。より高い倍率(20倍)において、肥大性軟骨細胞の存在によって決定されるような活性軟骨生成の領域が、BMP−6群由来の大腿骨において容易に明らかであった。対照的に、肥大性軟骨細胞は、GFP群由来の骨折に隣接する領域で容易に検出されなかった。いずれの群においても、5日目において、十分に規定された外部仮骨は存在しなかった。
【0078】
(7日目)
GFP群由来の大腿骨における骨折の領域周辺に、十分に規定された外部仮骨が存在した。この切片は、5日目のGFP大腿骨と類似しているようであった。対称的に、BMP−6群由来の骨折した骨の周囲に、明らかであり十分に規定された外部仮骨が存在した。
【0079】
(10日目)
GFP群由来の大腿骨における骨折の領域周辺に、十分に規定された外部仮骨は存在しなかった。低い倍率では、この切片は、5日目および7日目のGFP大腿骨と類似しているようであった。しかし、より高い倍率において、骨折に隣接する限定された数の骨膜細胞が、肥大性軟骨細胞であることを見ることが可能であった。対称的に、BMP−6群由来の骨折した骨の周囲に、明らかであり十分に規定された外部仮骨が存在した。この仮骨は、骨形成および新生血管形成の兆候を有していた。
【0080】
骨の他の領域は、骨折の作製の間に損傷を受けた。例えば、大腿頂部は、ピン挿入のプロセスの間に穿孔された。損傷を受けた骨のこれらのさらなる領域もまた、BMP−6群由来の大腿骨における骨修復/形成プロセスの明らかな兆候を示したが、GFP群由来の大腿骨においては示さなかった。
【0081】
この組織学的データは、肝細胞から主に分泌される全身BMP−6が、骨折修復を促進し得ることを示す。
【0082】
(実施例II)
(A.骨の異所形成)
いくつかの独立した実験を、hBMP−6アデノウイルスベクターの骨形成効果を評価するために実施した。これらの実験において、雌C57BI/6 SCIDまたは免疫応答性マウスを、hBMP−6またはGFPをコードする1用量のアデノウイルス(1〜2.5×1010粒子/注射)を、両方の四頭筋中に筋肉内注射した。それぞれの実験群由来のマウスを注射後の種々の時点(通常1または2)で屠殺した。組織を採取し、ホルマリンに固定し、そして組織病理学のためにヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。全ての実験において、hBMP−6は、免疫無防備マウス由来の筋肉中で軟骨内骨形成を引き起こし、そして免疫応答性マウスにおいてはより少ない程度軟骨内骨形成を誘導した。以下は、実験から得られた、免疫無防備マウスを使用し、組織を注射後の5時点で収集した結果を記載する。
【0083】
C57BL/6 SCID雌マウス(Jacson Lab.)を、hBMP−6の骨同化作用を研究するために2つの群に分けた。全てのマウスを、イソフルランの吸入で短く麻痺させた。麻痺させた後、アデノウイルス−GFPまたはアデノウイルスBBMP−6のいずれかを、各マウスの両方の四頭筋に筋肉内注射した。それぞれの四頭筋に25μlの容量中の1.25×1010ウイルス粒子を注射した。マウスをカゴに5匹ずついれ、標準的な餌および水を摂取させ、そして動物の群を、2日目、3日目、4日目、7日目、および14日目に安楽死させた。両方の四頭筋を解剖し、それらの動物から取り出して、10%の中性緩衝化ホルマリン(Hydrol Chemical Co.,Yeadon,PA)の溶液中で固定化した。14日目のマウスを、デジタルカメラX線キャビネット(Faxitron X−Ray Corporation;MX−20)の使用によってX線分析に供した。この群の動物を、四頭筋中の異所性の骨形成を評価するためにレントゲン写真を撮った。
【0084】
選択した筋肉細胞をとっておき、そしてRNAgentsキットおよびRAeasyキット(それぞれ、PromegaおよびQiagen)の使用によって全てのRNAを単離した。このRNAgentsキットを製造業者に薦められるように使用し、そしてそのキットは、イソプロパノールの使用によるRNA沈降を含む。イソプロパノールを、75%のエタノール溶液の使用によってRNAペレットから洗い落とした。全てのRNAを、微量遠心機を使用して収集し、そしてそのペレットをRAeasyキットの溶解緩衝液中に溶かした。RNA精製を、製造業者に薦められるとおりに実施した。全てのRNAを水中に溶出し、そしてその濃度を、分光光度計を使用して決定した。
【0085】
RT−PCRを使用してGFPおよびBMP−6の相対レベルを測定した。RT−PCRを、ABI PRISM 7700 Sequence Detection System(Applied Biosystems)を使用して実施した。プライマーおよびプローブは、GFPアデノウイルス構築物およびBMP−6アデノウイルス構築物の両方に共通であるSV40ポリA配列内に配置されるヌクレオチド配列に依存した。使用されたプライマーおよびプローブは、以下のとおりであった:
【0086】
【化2】
RT−PCRを実施する前に、全ての総RNAサンプルを、RNaseを含まないDNaseによる処理に供し、わずかな量のゲノムDNAを除去した。Taqman EZ RT−PCR CORE REAGENTSキット(Perkin Elmer)を、製造業者の指示に従って使用した。このPCRを、50ngの総RNAならびに5μMのプローブおよびプライマーを含む50μlの溶液中で行った。このPCR条件は、以下のとおりであった:
【0087】
この分析は、四頭筋中のGFPおよびBMP−6についてのmRNAの局所的発現を示した。
【0088】
(D.四頭筋の組織学分析)
組織を切片化し、そしてヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。
【0089】
アデノウイルス−GFPの注射は、筋肉の目視検査、X線写真および組織学によって評価した場合、筋肉中に異所性骨形成を引き起こさなかった。この組織切片の組織学分析は、好中球、リンパ球およびマクロファージの浸潤によって特徴付けられる急性および亜急性の炎症を明らかにした。この細胞浸潤を、2日目程度の早期に検出され、4日目および7日目にピークに達するように見え、そして14日目に消滅したように見えた。細胞浸潤に加えて、3日目および4日目における水腫および骨格筋繊維退化ならびに7日目および14日目における筋繊維退化の再生もあった。
【0090】
アデノウイルス−BMP−6の注射は、筋肉の目視検査、X線写真および組織学によって評価した場合、筋肉中に異所性骨形成を引き起こした。注射後、4日目程度の早期に筋肉のサイズの増加を検出し得た。X線画像は、14日目の動物の筋肉中に放射線不透過性の塊の存在を示した。この組織切片の組織学分析は、2日目および3日目における急性炎症を明らかにした。間葉性細胞増殖を、4日目、7日目および14日目に観察した。軟骨組織は、7日目および14日目に明らかであった。顕著な骨形成が14日目に明らかに同定された。
【0091】
これらのデータは、アデノウイルス−BMP−6の筋肉内投与が、軟骨内性骨形成を生じることを示す。
【0092】
(実施例III.アデノウイルス/BMP−6は、ウサギ尺骨モデルにおいて骨切り治癒を促進する)
ウサギ尺骨モデルを使用して、BMP−6 cDNAを含むアデノウイルスの経皮注射が、骨切り治癒を促進させるために使用し得るか否かを決定した。このモデルは、コラーゲンスポンジ上およびリン酸カルシウムキャリア中のrhBMP−2の外科移植に応答する骨切り治癒の促進を示すためのスクリーニングモデルとして使用された。
【0093】
(A.方法)
両側性骨幹尺骨中部の1〜2mmの骨切りを、18匹の成体の雄ウサギに行なった。術後1×1012アデノウイルス/BMP−6粒子を含む、200mlを、12匹の動物において骨切り内に経皮的に注射した。同じ数のアデノウイルス/GFP粒子を含む同様の体積を、残りの6匹の動物における骨切り内に注射した。このアデノウイルス/GFP動物は、BMP−6 cDNAを含まないアデノウイルスの投与の効果に関するコントロールとして役立った。両方の群において、両側性の骨切りは、未処置の手術コントロールとして役に立った。アデノウイルス/GFPの筋肉注射もまた、多くの動物に投与し、送達されたcDNAを発現するためのウイルスベクター系の効力を実証した。アデノウイルス/BMP−6群の6匹の動物を、術後6週目および8週目で安楽死させた。アデノウイルス/GFP群の動物を、術後6週目で安楽死させた。結果の測定は、連続的なX線撮影、捻転バイオメカニクス、組織学およびGFP発現を含んだ。
【0094】
(B.結果)
筋肉内アデノウイルス/GFP注射の組織学評価は、ウイルス注射後にcDNA発現が存在することを実証した。連続的なX線写真は、アデノウイルス/BMP−6の注射後2週間(骨切りの作製後3週)程度の早期での鉱化仮骨の存在を明らかにした。骨切り作製後6週目において、全てのアデノウイルス/BMP−6注射マウス中の骨切り部位を通る鉱化仮骨の架橋が存在した。骨切りは架橋され、その骨切りは、骨切り作製後8週目でアデノウイルス/BMP−6の肢においてもはや見られなかった。鉱化骨および架橋する仮骨の発生は、手術コントロール骨切りおよびアデノウイルス/GFPを注射した骨切り中で遅くなった。手術コントロールおよびアデノウイルス/GFPを注射した肢の全ては、8週目で目に見える骨切りライン(osteotomy line)を有した。
【0095】
最大の捻転強度および捻転剛性の骨切りは、骨切り作製後6週目および8週目の両方における対側性外科的コントロール肢と比較して、アデノウイルス/BMP−6肢において大きかった(表1および2)。アデノウイルス/BMP−6骨切りにおける最大捻転強度および捻転剛性は、これらの時点において正常なウサギの尺骨に等しかった。対側性手術コントロールについての最大捻転強度は、骨切り作製後6週目および8週目における正常なウサギの尺骨について44%および66%の値であった。捻転剛性は、骨切り作製後6週目および8週目における正常なウサギの尺骨に対ついて56%および72%の値であった。骨切り作製後6週目での対側性手術コントロールと比較して、捻転強度および捻転剛性は、アデノウイルス/GFP肢と類似していた。
【0096】
この研究の結果は、術後1週間に投与されたアデノウイルス/BMP−6の経皮注射は、ウサギ尺骨モデルにおける骨切り治癒を促進することを示す。BMP−6を含まないアデノウイルスの投与は、効果がなかった。BMP−6のcDNAを含むアデノウイルスの使用は、ヒトにおける閉鎖骨折修復を促進するための潜在的な注射可能処置を示す。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
前述の記載は、本発明の現在の好ましい実施形態を詳述する。これらの実施における多くの改変および変化は、これらの記載を考察すると当業者の心に浮かぶと予想される。これらの改変および変化は、本明細書に添付される特許請求の範囲内に包含されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図1は、閉鎖大腿骨折モデルにおいて使用される骨折装置の例示である。
Claims (30)
- 骨形成を促進するための組成物であって、該組成物は、骨形成タンパク質(BMP)をコードするDNA配列を含む、組成物。
- 骨折治癒のための組成物であって、該組成物は、骨形成タンパク質(BMP)をコードするDNA配列を含む、組成物。
- 骨鉱質密度を増加するための組成物であって、該組成物は、骨形成タンパク質(BMP)をコードするDNA配列を含む、組成物。
- 骨粗鬆症を処置するための組成物であって、該組成物は、骨形成タンパク質(BMP)をコードするDNA配列を含む、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記骨形成タンパク質(BMP)は、BMP−6である、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記骨形成タンパク質(BMP)は、BMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−7、BMP−10、BMP−12、BMP−13、BMP−15、およびBMP−16からなる群より選択される、組成物。
- 請求項2に記載の組成物であって、前記骨形成タンパク質(BMP)は、BMP−6である、組成物。
- 請求項2に記載の組成物であって、前記骨形成タンパク質(BMP)は、BMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−7、BMP−10、BMP−12、BMP−13、BMP−15、およびBMP−16からなる群より選択される、組成物。
- 請求項4に記載の組成物であって、前記骨形成タンパク質(BMP)は、BMP−6である、組成物。
- 骨折修復治癒を促進するための組成物であって、該組成物は、BMP−6をコードするDNA配列を含む、全身投与に適切な注射可能な処方物を含む、組成物。
- 請求項9に記載の組成物であって、前記DNA配列は、アデノウイルスベクター上に含まれる、組成物。
- 骨形成の必要がある患者において骨形成を促進するための方法であって、該方法は、請求項1に記載の組成物の全身投与を包含する、方法。
- 骨折を治癒する必要がある患者において骨折を治癒するための方法であって、該方法は、請求項2に記載の組成物の全身投与を包含する、方法。
- 骨粗鬆症を処置する必要がある患者において骨粗鬆症を処置するための方法であって、該方法は、治療上有効な量の請求項3に記載の組成物の全身投与を包含する、方法。
- 骨折修復の必要がある患者において骨折修復を促進するための方法であって、該方法は、BMP−6をコードするDNA配列の全身投与を包含する、方法。
- 骨形成を促進するための組成物であって、該組成物は、全身投与に適する骨形成タンパク質(BMP)を含む、組成物。
- 骨折治癒のための組成物であって、該組成物は、全身投与に適する骨形成タンパク質(BMP)を含む、組成物。
- 骨鉱質密度を増加するための組成物であって、該組成物は、全身投与に適する骨形成タンパク質(BMP)を含む、組成物。
- 骨粗鬆症を処置するための組成物であって、該組成物は、全身投与に適する骨形成タンパク質(BMP)を含む、組成物。
- 請求項16に記載の組成物であって、前記骨形成タンパク質(BMP)は、BMP−6である、組成物。
- 請求項16に記載の組成物であって、前記骨形成タンパク質(BMP)は、BMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−7、BMP−10、BMP−12、BMP−13、BMP−15、およびBMP−16からなる群より選択される、組成物。
- 請求項17に記載の組成物であって、前記骨形成タンパク質(BMP)は、BMP−6である、組成物。
- 請求項17に記載の組成物であって、前記骨形成タンパク質(BMP)は、BMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−7、BMP−10、BMP−12、BMP−13、BMP−15、およびBMP−16からなる群より選択される、組成物。
- 請求項19に記載の組成物であって、前記骨形成タンパク質(BMP)は、BMP−6である、組成物。
- 骨折修復治癒を促進するための組成物であって、該組成物は、全身投与に適切なBMPタンパク質BMP−6を含む、組成物。
- 請求項19に記載の組成物であって、前記タンパク質は、BMP−6である、組成物。
- 骨形成を促進する必要がある患者において骨形成を促進するための方法であって、該方法は、請求項16に記載の組成物の全身投与を包含する、方法。
- 骨折を治癒する必要がある患者において骨折を治癒するための方法であって、該方法は、請求項18に記載の組成物の全身投与を包含する、方法。
- 骨粗鬆症を処置する必要がある患者において骨粗鬆症を処置するための方法であって、該方法は、有効量の請求項18に記載の組成物の全身投与を包含する、方法。
- 骨折修復を促進する必要がある患者において骨折修復を促進するための方法であって、該方法は、適切なベクター中にあるBMP−6の全身投与を包含する、方法。
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