JP2005353550A - 表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクジェット法によりカラー液滴を所定の被塗布領域に塗布して高精細なパターンを有する液晶表示パネル等の表示装置を製造する方法を提供する。
【解決手段】 ガラス基板6表面に多数の縦バンク11と多数の横バンク12とを交差させて多数の被塗布領域20を並設するバンク層10を形成し、被塗布領域20は薄い第1被膜15が形成される第1被覆領域と、厚い第2被膜16が形成される第2被覆領域と、被膜が形成されない第1被塗布領域21とが隣接しており、被塗布領域21にカラー液滴R1を塗布してカラー薄膜Rを形成した後、膜厚低減工程で第1被膜15を除去して第2被塗布領域22を形成する。ついで、第2被塗布領域22にカラー液滴G1を塗布してカラー薄膜Gを形成する。さらに、膜厚低減工程で第2被膜16を除去して第3被塗布領域23を形成し、カラー液滴B1を塗布してカラー薄膜Bを形成する。
【選択図】 図4
【解決手段】 ガラス基板6表面に多数の縦バンク11と多数の横バンク12とを交差させて多数の被塗布領域20を並設するバンク層10を形成し、被塗布領域20は薄い第1被膜15が形成される第1被覆領域と、厚い第2被膜16が形成される第2被覆領域と、被膜が形成されない第1被塗布領域21とが隣接しており、被塗布領域21にカラー液滴R1を塗布してカラー薄膜Rを形成した後、膜厚低減工程で第1被膜15を除去して第2被塗布領域22を形成する。ついで、第2被塗布領域22にカラー液滴G1を塗布してカラー薄膜Gを形成する。さらに、膜厚低減工程で第2被膜16を除去して第3被塗布領域23を形成し、カラー液滴B1を塗布してカラー薄膜Bを形成する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、液晶表示装置等で使用するカラーフィルタを備えるカラー表示パネル等の表示装置の製造方法に係り、特に、高精細化が可能で製造が容易な表示装置の製造方法に関する。
従来、この種の表示装置の製造方法として、特許文献1に記載の薄膜パターニング用基板には、所定の高さのバンクおよび該バンクにより区切られた被塗布領域が面上に形成され、バンクの幅をa(μm)、その高さをc(μm)とし、被塗布領域の幅をb(μm)とし、かつ、薄膜層を形成する液体材料のインクジェット液滴径をd(μm)とするとき、バンクが、(d/2)<b<5dを満足するように形成されている。
ところで、前記構造の薄膜パターニング用基板は、薄膜層を形成するインクジェット工程では、液滴を噴射する機械精度が低く、位置合わせ精度やインク量の制御等でパターンの高精細化が困難であった。すなわち、フォトリソグラフィ工程では数μm程度のパターン作製が可能であるのに対し、インクジェット工程では数10から数100μm程度のパターン作製が限度であり、高精細化ができなかった。また、フォトリソグラフィ工程は工程数が多く、基板の製造が煩雑であり、コストアップの要因となっていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、フォトリソグラフィ工程と同程度の高精細なピッチで並設された被塗布領域にインクジェット法により種類の異なる薄膜を形成することができる表示装置の製造方法を提供することにある。すなわち、バンク層により形成された高精細な被塗布領域にインクジェット法により、異なる種類の薄膜を少ない工程で容易に形成できる表示装置の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る表示装置の製造方法は、基板表面に少なくとも1方向に沿って被塗布領域を並設するバンク層を形成し、前記被塗布領域にインクジェット法により異なる種類の薄膜を形成する表示装置の製造方法であって、前記被塗布領域は、被膜の形成されない第1の被塗布領域と、被膜が形成される被覆領域とが隣接して形成され、前記第1の被塗布領域にインクジェット法により液滴を塗布し薄膜を形成する第1の薄膜形成工程と、前記被膜の膜厚を低減し前記基板表面を露出して第2の被塗布領域を形成する第1の膜厚低減工程と、前記露出された第2の被塗布領域にインクジェット法により液滴を塗布し薄膜を形成する第2の薄膜形成工程とを備えることを特徴とする。被塗布領域は、例えば多数の縦バンクと多数の横バンクとを交差させたバンク層を形成し、該縦バンクと横バンクに囲まれて並設される。
バンク層とは、基板の表面から盛り上がった堤防のような形状をしており、盛り上がった縦バンクや横バンクで囲まれた領域が被塗布領域となっており、この被塗布領域に薄膜を形成する。縦バンクと横バンクとは多数が一定のピッチで平行状態に配列され、直角に交差していることが好ましい。被膜が形成されている被覆領域は、この被膜で覆われて基板表面が露出していない。被塗布領域と被覆領域は、水平方向又は垂直方向の内の1つの
方向で隣接しており、両方向で隣接している場合でも適用できる。
方向で隣接しており、両方向で隣接している場合でも適用できる。
前記のごとく構成された本発明の表示装置の製造方法は、バンク層内に並設された多数の被塗布領域のうち、1番目の薄膜を形成すべき第1の被塗布領域以外の隣接する領域には被膜を形成しているため、バンク層により囲まれた被塗布領域のパターンが高精細であっても、例えば1つおき、あるいは2つおきの領域に合わせて薄膜を形成する液滴を塗布すればよいため、粗い精度で液滴を噴射し塗布しても隣接する領域に液滴が塗布されることがない。
本発明に係る表示装置の製造方法の好ましい具体的な態様としては、前記被膜が形成される被覆領域は、所定の厚さの被膜を形成した被覆領域と、該被覆領域と被膜の厚さの異なる被覆領域とが複数隣接して形成され、前記膜厚低減工程は、第2の膜厚低減工程以降を前記複数の被覆領域数だけ繰返し、前記薄膜形成工程は、第3の薄膜形成工程以降を前記複数の被覆領域数だけ繰返し、複数の薄膜を形成することを特徴とする。
すなわち、前記膜厚低減工程は、前記複数の被覆領域のうち、一番薄い被膜の膜厚を低減し基板表面を露出して第2の被塗布領域を形成する第1の膜厚低減工程と、つぎに厚い膜厚の被膜の膜厚を低減し基板表面を露出して第3の被塗布領域を形成する第2の膜厚低減工程とを備え、順次、前記複数の被膜分だけ膜厚低減工程を繰返し、前記第1の膜厚低減工程の後に、インクジェット法により液滴を塗布し薄膜を形成する第2の薄膜形成工程を備えると共に、第2の膜厚低減工程の後に、インクジェット法により液滴を塗布し薄膜を形成する第3の薄膜形成工程を備え、順次複数の被覆領域数だけ膜厚低減工程と薄膜形成工程とを繰返すことを特徴とする。
このように構成された表示装置の製造方法では、膜厚低減工程と薄膜形成工程とを複数の被膜分だけ繰返すことにより、3種類以上の多数の異なる薄膜を被塗布領域に効率良く形成することができ、表示装置の製造を効率良く行うことができる。このため、複数の薄膜を形成する工程を簡略化でき、表示装置のコストダウンを達成できる。
また、本発明に係る表示装置の製造方法の好ましい具体的な態様としては、前記被塗布領域に薄膜を形成する工程の前に、該領域を除いて撥液性処理を実施することを特徴とし、さらに、前記被塗布領域に薄膜を形成する工程の前に、該領域に親液性処理を実施することを特徴としている。撥液性処理と親液性処理とは、少なくと一方の処理だけでもよく、両方の処理を実施してもよい。
バンク層に並設された被塗布領域に薄膜を形成するため、インクジェット法により液滴を噴射する際に、バンク層に囲まれた被塗布領域は親液処理がされ、それ以外の領域は撥液処理が施されているため、所望の領域に確実に液滴を塗布することができ、隣接する領域に液滴が混入することを防止できる。このため、領域を形成するバンクパターンのピッチを細かく形成しても、液滴を確実に目標とする被塗布領域に塗布することができ、表示装置の高精細化を簡略化された工程で達成できる。
さらに、本発明に係る表示装置の製造方法の好ましい具体的な他の態様としては、前記被塗布領域に形成される被膜は、ハーフトーン露光とフォトリソグラフィ工程によりバンク層と共に形成されることを特徴としている。このように構成された表示装置の製造方法では、異なる厚さの複数の被膜を一度のフォトリソグラフィ工程で作製することができるため、表示装置の製造方法の簡略化を達成することができ、表示装置を安価に製造することができる。
前記バンク層及び被膜は、黒色樹脂で形成されることが好ましい。このように構成する
と、形成された複数の薄膜は、その外周が黒色樹脂で形成されたバンク層により縁取られ、液晶表示装置等の電気光学装置に用いられたときに漏光を防止でき、表示装置のコントラストを上げて表示品質を高めることができる。
と、形成された複数の薄膜は、その外周が黒色樹脂で形成されたバンク層により縁取られ、液晶表示装置等の電気光学装置に用いられたときに漏光を防止でき、表示装置のコントラストを上げて表示品質を高めることができる。
本発明によれば、液晶表示パネル等に使用されるカラー表示パネル等の表示装置の高精細化をインクジェット法による液滴の噴射で達成できる。また、バンク層に高精細なピッチで並設された被塗布領域内に異なる薄膜を形成した表示装置を、少ない工程数で効率良く製造できる。この結果、高精細なピッチのバンクパターンを有する表示装置のコストダウンを達成できる。
以下、本発明に係る表示装置としてカラー表示パネルの製造方法の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る表示装置の製造方法で製造されたカラー表示パネルの要部正面図、図2は、図1の水平方向の断面図、図3は、図1,2で示すカラー表示パネルを製造する工程を示す要部断面図、図4は図3に続く工程を示す要部端面図であり、図3,4は図2に対して便宜上、上下反転している。
図1,2において、表示装置であるアクティブマトリックス型のカラー液晶表示パネル1は、一方のガラス基板上に薄膜トランジスタ(TFT)2が縦横に形成され、TFTで電圧が印加される画素電極が縦横に配列されている。また、TFT基板と対向する他方のカラー表示パネル5は、ガラス基板6上には、画素電極に対向する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のカラーフィルタ部が配列されて形成されている。本発明は、このような液晶表示パネル等で使用するR、G、Bのカラーフィルタ部が配列されたカラー表示パネル5の製造方法に関する。
カラー表示パネル5を構成するガラス基板6の表面には、バンク層10により多数の被塗布領域20が並設して形成されている。すなわち、多数の縦バンク11が水平方向ピッチHで平行状態に形成され、多数の横バンク12が垂直方向ピッチVで平行状態に形成され、縦バンクと横バンクとが直角に交差しており、縦バンクと横バンクにより囲まれた多数の被塗布領域20が水平方向、垂直方向に並設して配列されている。本実施形態では、縦バンク11と横バンク12により囲まれた被塗布領域20に、インクジェット法によりカラー液滴が塗布され、異なるカラー薄膜R、G、Bが形成される。なお、バンク層10は外周部の縦バンク及び横バンクは幅広に形成されていると共に、TFT2を覆うコーナ部が形成されている。
カラー表示パネル5として、例えば携帯電話機等で使用する2〜2.3インチ程度の縦長の液晶表示パネルの場合、水平画素数を170〜180×3(R、G、B)画素、垂直画素数を220画素程度とすると、水平方向ピッチは60〜70μm、垂直方向ピッチは200μm程度となる。カラー表示パネル5は前記の2インチ程度のものや、液晶テレビ等で使用する大型のもの、あるいはビューファインダ等で使用する小型のものがあり、水平ピッチHや垂直ピッチVは画面の大きさやアスペクト比により適宜設定される。
前記のバンク層10の縦バンク11、横バンク12は、ガラス基板6の表面から突出して堤防のように形成され、液晶表示装置等の画素を仕切る仕切り部材として機能する部材であり、下地であるガラス基板6との密着性に優れ、フォトリソグラフィ法によるパターニングが容易なポリイミド等の絶縁有機材料樹脂で形成することが好ましく、遮光性を有する黒色樹脂等で形成するとより好ましい。バンク層10の完成時の厚さは1μm程度、あるいは数μm程度が好ましいが、パネル等の寸法に合わせて適宜設定できる。
バンク層10の形成は、前記のフォトリソグラフィ法や印刷法等、適宜の方法を用いることができる。フォトリソグラフィ法でバンク層を形成する場合、スピンコートやディップコート等の手法を用いてバンク層の高さにあわせて樹脂材料を塗布し、その上にレジスト膜を形成する。そして、バンク形状に合わせてマスクを載置し、レジストを露光、現像してバンク形状のレジストを残す。最後にエッチングによりマスク以外の部分の樹脂材料を残して縦バンク11と横バンク12により、縦横にバンクが交差するバンク層10を形成する。本発明では、ガラス基板6の表面へのバンク層10の形成時に、2種類の被膜を同時に形成する点に特徴点があり、詳細は後述する。
そして、前記のように形成されたバンク層10で囲まれた隣接する被塗布領域20には異なるカラーの液滴が塗布され、例えば赤色のカラー薄膜Rの右隣りに緑色のカラー薄膜Gが位置し、左隣りには青色のカラー薄膜Bが配置され、この順番でR、G、Bのカラー薄膜が配列されている。完成されたカラー表示パネル5では、バンク層10の高さは0.1〜数μm程度、縦バンクや横バンクの幅は数μm〜10数μm程度となっている。最初に形成するバンクの高さは後述する膜厚低減工程を考慮して大きめに設定され、バンクの幅はパネルの大きさに対応して大きく設定される。
カラー表示パネル5は、一般的に水平方向に並んだR、G、Bの3画素で1表示単位を構成するため、1画素の形状は縦長の長方形状をしている。このため、水平方向の画素ピッチHは垂直方向の画素ピッチVと比較して小さい寸法となっている。したがって、バンク層内の被塗布領域にインクジェット法により液滴を塗布してカラー薄膜を形成するときには、水平方向に並んでいる画素の混色の可能性が高くなる。なお、ピッチの細かい縦バンク11を細く形成し、ピッチの粗い横バンク12を太く形成することもできる。
本実施形態では、水平方向にはR、G、Bのカラー薄膜が繰返されているが、垂直方向ではR、G、Bのカラー薄膜が1直線状に並んで形成されている。したがって、水平方向で、1列のカラー薄膜Bと、隣接するカラー薄膜Bとは前記の水平方向ピッチHの3倍となり、180〜210μm程度の粗いピッチとなる。カラー薄膜Gもカラー薄膜Rも隣接するカラー薄膜G、カラー薄膜Rとは同様に水平方向ピッチHの3倍の粗いピッチで配列される。
前記の如く構成された本実施形態のカラー表示パネル5の製造方法について、図3,4を参照して以下に説明する。図3,4はカラー表示パネルの製造方法の工程を連続して示す要部断面図と要部端面図であり、図3はハーフトーン露光とフォトリソグラフィ法により膜厚の異なる被膜を形成する工程を示し、図4はその後の膜厚低減工程(アッシィング工程)と薄膜形成工程(インクジェット工程)とを示している。
本実施形態のカラー表示パネル5は、前記のようにガラス基板6上に一定の水平方向ピッチHで配列された多数の縦バンク11と、一定の垂直方向ピッチVで配列された多数の横バンク12とが縦横に交差して升目状のバンク層10が形成され、縦バンクと横バンクにより囲まれた多数の被塗布領域20が並設して画成されている。この多数の被塗布領域に赤、緑、青の各色のインク液滴が塗布されてカラーフィルタを構成するカラー薄膜R、G、Bが形成され、カラー表示パネル5が製造される。なお、カラー表示パネル5のガラス基板6の表面には、図示していないがITO等の透明電極が画素電極として形成され、カラー薄膜は透明電極上に形成されている。
カラー表示パネル5の製造の前に、ガラス基板6上に図3cに示すようなバンク層10Aが形成される。このバンク層10Aの被塗布領域20内には、厚さの異なる被膜15,16がバンク層と同じ樹脂材料で形成される。本実施形態では、薄い膜厚の第1被膜15と、厚い膜厚の第2被膜16が形成され、2種類の被膜が形成されるとともに、被膜の形
成されていない第1の被塗布領域21が形成される。
成されていない第1の被塗布領域21が形成される。
このように、バンク層10の縦バンク11と横バンク12で囲まれた被塗布領域20は、被膜が無く貫通した第1被塗布領域21と、薄い膜厚の第1被膜15が形成された第1被覆領域と、厚い膜厚の第2被膜16が形成された第2被覆領域の3種類の領域が所定の順序で隣接した状態で配列される。第1被膜15の厚さは例えば0.5μm程度、第2被膜16の厚さは例えば1.0μm程度、バンク層10の厚さは例えば1.5μm程度で、1:2:3程度に形成されると好ましい。なお、樹脂材料の厚さは適宜設定できるものであり、第1被膜を1μm程度、第2被膜を2μm程度、縦バンク及び横バンクを3μm程度程度の薄い膜厚としてもよい。
バンク層10Aの第1被膜15および第2被膜16は、樹脂材料を用いてフォトリソグラフィ法で一度に形成することができる。すなわち、図3aに示すように、ガラス基板6の表面に、バンク層の厚さ相当の樹脂層7を形成し、図3bに示すように、樹脂層の上にハーフトーンマスク30を載置して露光し、エッチング処理で形成することができる。ハーフトーンマスク30はバンク部分に相当する部分は遮光部31により光を通さず、被膜を形成しない第1の被塗布領域21では透光部32により光を完全に通し、第1被膜15を形成する第1被覆領域に対応して光を例えば60〜70%透過する第1ハーフトーン部33と、第2被膜16を形成する第2被覆領域に対応して光を例えば30〜35%透過する第2ハーフトーン部34というような中間調のハーフトーン処理がなされている。
前記のハーフトーンマスク30を用いて露光したあと、樹脂層7をエッチング液に浸漬すると、図3cに示すように、遮光部31で露光されないバンク部分はエッチングされずにそのままの厚さが残り、透光部32で完全に露光される部分は貫通して被膜は残らずガラス基板表面が露出した第1の被塗布領域21が形成される。また、第1ハーフトーン部33では厚さの小さい第1被膜15が形成され、第2ハーフトーン部34では厚さの大きい第2被膜16が形成される。このように、ガラス基板6上に形成された樹脂層7は、貫通して膜の無い第1の被塗布領域21と、第1被膜15が形成された第1被覆領域、第2被膜16が形成された第2被覆領域および縦バンク11と横バンク12からなるバンク部分の4つの厚さが段階的に形成されたバンク層10Aが形成される。
このようにして複数の厚さの樹脂層からなる被膜15,16が形成されたガラス基板6は、図4に示すインクジェット法を用いた薄膜形成工程、膜厚低減工程を経てカラー薄膜を形成しカラーフィルタ部を形成する。前記の薄膜形成工程では、バンク層10の表面が被塗布領域20と比較して液体材料に対する非親和性の程度が異なることが好ましい。すなわち、バンク層10表面を撥液処理し、被塗布領域20を親液処理すると好適である。例えば、表面処理を施し、液体材料のバンク表面に対する接触角を50度程度とし、被塗布領域の基板表面に対する接触角を20度以下とすると好ましい。
このように表面処理を施すと、バンク層の被塗布領域内に形成される体積に比べて多量のカラー液滴が吐出されても、液体材料が縦バンク11および横バンク12を乗り越えて溢れ出ることが防止され、所定の被塗布領域のみに充填されて隣接する領域へ進入することがなくなる。また、カラー液滴の噴射位置が、目標の被塗布領域から多少ずれた場合でも、液体はバンク部分の表面からはじかれるため所定の被塗布領域に塗布され、隣接する被塗布領域での混色が防止される。
先ず、ガラス基板6の表面が露出している第1の被塗布領域21に親液(親水)処理を行う。親水処理としては、親水性基を有する界面活性剤を塗布する手法や、紫外線照射により親和性を付与する手法、酸素プラズマによる親水処理等、適宜の処理を行うことができる。この親水処理は必要に応じて実施され、必ずしも必要ではない。このあと、バンク
部分と、被膜15,16を形成する樹脂層部分に撥液(撥水)処理を施す。具体的には、例えばガラス基板6の表面にプラズマ処理で活性化したフッ素ガスを吹き付けることで、樹脂部分の表面に撥液性を持たせることができる。樹脂部分は有機材料で撥液処理が施されるが、無機材料であるガラス基板6が露出している第1の被塗布領域21は撥液処理がされない。
部分と、被膜15,16を形成する樹脂層部分に撥液(撥水)処理を施す。具体的には、例えばガラス基板6の表面にプラズマ処理で活性化したフッ素ガスを吹き付けることで、樹脂部分の表面に撥液性を持たせることができる。樹脂部分は有機材料で撥液処理が施されるが、無機材料であるガラス基板6が露出している第1の被塗布領域21は撥液処理がされない。
被塗布領域に塗布され薄膜を形成する液体材料としては、着色液体材料等を用いることができる。液体材料としては、例えばアクリル樹脂中に所定の比率で、所定の粒径の赤色顔料が分散された材料を使用できる。なお、液体材料としては前記のものに限られるものでなく、インクジェットプリンタ等で使用されるいかなる液体でも使用できる。例えば、ポリウレタン樹脂オリゴマーに無機顔料を分散させた後、溶剤を用いて粘度を調整したものでもよい。
つぎに、図4aに示すように、第1の被塗布領域21にインクジェット法によりカラー液滴R1を塗布する。本実施形態では、隣接する3つの被塗布領域のうちの1つの被塗布領域21に合わせてカラー液滴R1を噴射するため、細かいピッチでR、G、Bの各被塗布領域20が形成されていても、その3倍のピッチ(3H)に合わせてカラー液滴R1を噴射すればよく、バンク層10を構成するパターンが高精細ピッチ(H)でも確実に意図した領域に液滴を塗布することができる。塗布された液滴は被塗布領域21の外周の縦バンク11と横バンク12とにより、堤防や土手のように仕切られて外部に溢れ出すことはない。
また、隣接する領域は撥液処理がされているため、隣接する領域に噴射されたカラー液滴が塗布されることがない。第1の被塗布領域21に形成されたカラー薄膜Rは、後述するアッシィング工程で膜厚が低減することもあり、厚めに形成することが好ましい。なお、第1の被塗布領域21は垂直方向に連続している(図1のR領域参照)が、同じ色のカラー液滴R1を塗布するため混色防止を考慮する必要が無い。この第1の薄膜形成工程では、垂直方向に連続するR領域の薄膜を同時に形成することが好ましい。
このようにして、バンク層10A内で被膜が形成されず基板表面を露出している第1の被塗布領域21にインクジェット法によりカラー液滴R1を塗布し、カラー薄膜Rを形成したあと、バンク層10Aを構成する樹脂の膜厚を低減する工程を実施する。この第1の膜厚低減工程は、放電プラズマを用いたアッシィング工程で構成される。第1の被塗布領域21に例えば赤のカラー液滴R1が塗布されカラー薄膜Rが形成されたガラス基板6をアッシィング工程部に搬送すると、バンク部分及び第1被膜15、第2被膜16を形成する樹脂材料は、その厚さが低減される。具体的には、図4bに示すように、樹脂材料は厚さが2〜3μm程度、全体的に低減され、薄い方の第1被膜15は除去されガラス基板6の表面が露出して第2の被塗布領域22が形成される。このように、膜厚低減工程では、少なくとも1つの被膜15が除去されてガラス基板の表面が露出され、第2の被塗布領域を形成する。
ここで、第1被膜15、第2被膜16等の厚さを低減するアッシィング工程について説明する。アッシィング工程は、例えば大気圧近傍の圧力下で、対向する電極間の少なくとも一方の面に固定誘電体を設置し、これらの電極間に処理ガスを導入すると共にパルス状の電圧を印加し、このようにして得られるプラズマをガラス基板6の表面に接触させることで、ガラス基板上に形成された樹脂部分の厚さを低減するものである。処理ガスとしては、例えば1vol%以上の酸素を含むガスが好ましく、印加される電圧は周波数が0.5〜1000kHz、パルス継続時間は1〜1000μs程度が好ましく、大気圧条件下で安定した放電を実現でき、簡便なアッシィングを行うことができる。このアッシィング工程では、第1被膜15、第2被膜16とともに、バンク部分の厚さも同時に低減される
。大気圧近傍の圧力とは、500〜1000Torrの圧力であり、実際には圧力調整が容易で、かつ放電プラズマ処理に使用される装置が簡便となる、700〜800Torr(約9.331×104〜10.664×104Pa)の圧力が好ましい。
。大気圧近傍の圧力とは、500〜1000Torrの圧力であり、実際には圧力調整が容易で、かつ放電プラズマ処理に使用される装置が簡便となる、700〜800Torr(約9.331×104〜10.664×104Pa)の圧力が好ましい。
つぎに、このようにして、ガラス基板6の表面が露出した第2の被塗布領域22に、インクジェット法により第2の薄膜形成工程でカラー液滴を塗布するが、この場合も必要に応じてガラス基板6の表面の親液処理と、樹脂部分の撥液処理を行う。この第2のインクジェット工程では、図4cに示すように、例えば緑のカラー液滴G1を塗布する。このインクジェット工程においても、水平方向ピッチの3倍のピッチ(3H)に合わせて液滴を塗布すればよいので、高精細なピッチでバンクパターンが形成されているガラス基板6でも、隣接する領域に液滴が塗布されることなく、第2の被塗布領域22に確実にカラー液滴G1を塗布して、カラー薄膜Gを形成することができる。
このようにして、第1の被塗布領域21に赤のカラー液滴R1を塗布してカラー薄膜Rを形成し、第2の被塗布領域22に緑のカラー液滴G1を塗布しカラー薄膜Gを形成した後、第3の青のカラー液滴の塗布を行う。赤と緑のカラー薄膜R、Gが塗布されたガラス基板6をアッシィング工程部に搬送すると、図4dに示すように、バンク部分及び第2被膜16を形成する樹脂材料は、その厚さが低減され、ガラス基板6の表面が露出するように樹脂材料からなる第2被膜16を除去して第3の被塗布領域23を形成する。
この後、必要に応じて、ガラス基板6の表面が露出した第3の被塗布領域23の親液処理を行い、バンク層を形成する樹脂部分の表面の撥液処理を行う。第3の被塗布領域23は、隣接する領域が赤のカラー薄膜Rが形成された第1の被塗布領域と、緑のカラー薄膜Gが形成された第2の被塗布領域であり、3倍のピッチ(3H)で繰返すように配列されている。したがって、この第3の被塗布領域23に青のカラー液滴B1を塗布する際、図4eに示すように、3倍のピッチ間隔に合わせて噴射すればよく、画素ピッチが細かい高精細なピッチで形成されたバンクパターンの場合でも、第3の被塗布領域23に確実に塗布することができる。そして、第3の被塗布領域を囲むバンク部分に撥液処理をすると、噴射されたカラー液滴B1がバンク部分に接するように噴射された場合でも、カラー液滴B1をバンク部分で囲まれた第3の被塗布領域23内に確実に塗布させることができ、隣接する領域に進入することはない。
このようにして3種類のカラー薄膜R、G、Bが形成されたカラー表示パネル5は、カラー液滴が塗布される多数の被塗布領域20を並設して画成するバンク層10の高さが最初の高さより低減されている。すなわち、赤のカラー液滴R1を塗布した後の第1のアッシィング工程で膜厚が低減され、次いで緑のカラー液滴G1を塗布した後の第2のアッシィング工程でさらに膜厚が低減される。そして、青のカラー液滴B1を塗布した後では、バンク部分の高さは2回のアッシィング工程で最初の高さより低くなる。
3色のカラー液滴R1、G1、B1は第1〜第3の領域に充満する適量が噴射される。例えば、第1の被塗布領域21に形成されるカラー薄膜Rは、2度のアッシィング工程を実施されるため厚く形成する必要があり、カラー液滴R1の量は多くする必要があり、第2の被塗布領域22に形成されるカラー薄膜Gは、1度のアッシィング工程を実施されるためカラー液滴G1を比較的少量とすることができる。そして、第3の被塗布領域23に形成されるカラー薄膜Bは、アッシィング工程を実施されないためカラー液滴B1を最も少量とすることができる。なお、カラー液滴R1、G1、B1の吐出量を一定量として、重ね打ちして適量とすることもできる。
本実施形態では、ガラス基板6の表面に被塗布領域20を形成するバンク層10Aと共に、被膜の無い基板表面が露出した第1の被塗布領域21と、薄い第1の被膜15が形成
された第1被覆領域と、厚い第2の被膜16が形成された第2被覆領域とが同時に形成され、第1の被塗布領域21に赤のカラー液滴R1を塗布し、第1被覆領域の第1の被膜15を除去して緑のカラー液滴G1を塗布し、さらに第2被覆領域の第2の被膜16を除去して青のカラー液滴B1を塗布し、3つの隣接する領域に3種類の赤、緑、青のカラー薄膜R、G、Bを形成する液滴を塗布する例を示したが、隣接する領域に2種類、あるいは4種類以上の異なる薄膜を形成することもできる。
された第1被覆領域と、厚い第2の被膜16が形成された第2被覆領域とが同時に形成され、第1の被塗布領域21に赤のカラー液滴R1を塗布し、第1被覆領域の第1の被膜15を除去して緑のカラー液滴G1を塗布し、さらに第2被覆領域の第2の被膜16を除去して青のカラー液滴B1を塗布し、3つの隣接する領域に3種類の赤、緑、青のカラー薄膜R、G、Bを形成する液滴を塗布する例を示したが、隣接する領域に2種類、あるいは4種類以上の異なる薄膜を形成することもできる。
隣接する2つの領域に異なる2種類の薄膜を形成する場合は、被膜の形成していない第1の被塗布領域と、第1被膜を形成する第1被覆領域とバンク部分とを有するバンク層を同時に形成すればよく、アッシィング工程は1工程で、インクジェット工程は2工程で済む。また、隣接する4つの領域に異なる4種類の薄膜を形成する場合は、厚さの異なる3つの被膜を形成し、順番に除去する3つのアッシィング工程と、4つのインクジェット工程が必要となる。そして、4種類以上の領域に異なる厚さの薄膜を形成する場合は、3つ以上の必要なアッシィング工程と4つ以上のインクジェット工程を行う。
このように、基板表面にバンク層により並設して画成された多数の被塗布領域に、R、G、Bの3つの異なるカラー薄膜を形成するときには、厚さの異なる被膜は2つ必要であり、これらの被膜を除去するアッシィング工程は2工程が必要である。そして、カラー薄膜を形成するインクジェット工程は3工程が必要となる。なお、3つのインクジェット工程で、R、G、Bの順に薄膜を形成する例を説明したが、この順序は異なる順序でもよいことは勿論である。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、多数の領域に形成される薄膜として、赤、緑、青の3色のカラー薄膜の例を示したが、赤と青のカラー薄膜は各1つで、緑のカラー薄膜は2つ形成する等、適宜変更できるものである。また、使用されるカラーは、他の色でもよく、4色以上でもよいことは勿論である。
薄膜を形成するインクジェット法としては、圧電素子を用いたピエゾジェット方式でも、熱による気泡発生により液滴を吐出する方式を用いてもよい。しかし、ピエゾジェット方式では吐出するために液体を加熱しないため、カラーフィルタ等の薄膜を構成する液体材料が変質しにくく好ましい。
被塗布領域を形成するバンク層として、縦方向バンクと横方向バンクを直角に交差させた例を示したが、所定の角度傾斜させた状態で縦方向バンクと横方向バンクを交差させるように構成することもできる。また、縦バンクと横バンクとの交差部分に、TFTの遮光部を有するパターンを示したが、直線部分のみを交差させ升目状に形成してもよい。さらに、カラーフィルタの配置は前記のようなR、G、Bが一列に並んだストライプ配列でなくてもよく、デルタ(トライアングル)配列、斜めモザイク(ダイヤゴナル)配列としてもよい。
基板として、平坦な透明のガラス基板の例を示したが、樹脂や他の材料から形成される基板でもよく、湾曲可能な基板を用いることもできる。バンク層は被塗布領域を円形や楕円形に抜いたパターンでもよく、多角形等、他の形状でもよい。バンク層はポリイミド等の樹脂を好適に用いることができるが、他の樹脂材料を用いてもよい。また、前記の実施形態では、水平方向に並んだ被塗布領域について説明したが、垂直方向に並んだ被塗布領域でも、同様に実施することができる。膜厚低減工程はアッシィング工程に限らず、エッチング工程でもよく、ドライエッチングやウェットエッチングを適用してもよい。
本発明の活用例として、この表示装置の製造方法を用いてEL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイで使用する高精細パターンで配列された発光体を作製することができ、特に有機ELで使用する発光体材料薄膜の用途にも適用できる。また、プラズマディスプレイ等の電気光学装置のカラー表示部にも適用できる。
5:カラー表示パネル(表示装置)、6:ガラス基板、10,10A:バンク層、11:縦バンク、12:横バンク、15:第1被膜(第1被覆領域)、16:第2被膜(第2被覆領域)、20:被塗布領域、21:第1被塗布領域、22:第2被塗布領域、23:第3被塗布領域、30:ハーフトーンマスク、31:遮光部、32:透光部、33:第1ハーフトーン部、34:第2ハーフトーン部、R1:赤色カラー液滴、G1:緑色カラー液滴、B1:青色カラー液滴、R:赤色カラー薄膜、G:緑色カラー薄膜、B:青色カラー薄膜
Claims (5)
- 基板表面に少なくとも1方向に沿って被塗布領域を並設するバンク層を形成し、前記被塗布領域にインクジェット法により異なる種類の薄膜を形成する表示装置の製造方法であって、
前記被塗布領域は、被膜の形成されない第1の被塗布領域と、被膜が形成される被覆領域とが隣接して形成され、
前記第1の被塗布領域にインクジェット法により液滴を塗布し薄膜を形成する第1の薄膜形成工程と、
前記被膜の膜厚を低減し前記基板表面を露出して第2の被塗布領域を形成する第1の膜厚低減工程と、
前記露出された第2の被塗布領域にインクジェット法により液滴を塗布し薄膜を形成する第2の薄膜形成工程とを備えることを特徴とする表示装置の製造方法。 - 前記被膜が形成される被覆領域は、所定の厚さの被膜を形成した被覆領域と、該被覆領域と被膜の厚さの異なる被覆領域とが複数隣接して形成され、
前記膜厚低減工程は、第2の膜厚低減工程以降を前記複数の被覆領域数だけ繰返し、前記薄膜形成工程は、第3の薄膜形成工程以降を前記複数の被覆領域数だけ繰返し、複数の薄膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造方法。 - 前記被塗布領域に薄膜を形成する工程の前に、該被塗布領域を除いて撥液性処理を実施することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置の製造方法。
- 前記被塗布領域に薄膜を形成する工程の前に、該被塗布領域に親液性処理を実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置の製造方法。
- 前記被塗布領域に形成される前記被膜は、ハーフトーン露光とフォトリソグラフィ工程により前記バンク層と共に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009037874A1 (ja) * | 2007-09-19 | 2009-03-26 | Fuji Electric Holdings Co., Ltd. | 色変換フィルタ、ならびに色変換フィルタおよび有機elディスプレイの製造方法 |
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2004
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US8304265B2 (en) | 2007-09-19 | 2012-11-06 | Sharp Kabushiki Kaisha | Color conversion filter and manufacturing method of the organic EL display |
US8446091B2 (en) | 2007-09-19 | 2013-05-21 | Sharp Kabushiki Kaisha | Color conversion filter and manufacturing method of the organic EL display |
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