JP2005353138A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 可とう性高分子支持体上に、少なくともグラニュラ構造を有する磁性層および硬度、摺動特性、潤滑剤の吸着性を確保した保護層を形成することによって、高性能で高信頼性を有し、かつ安価な高容量磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】 可とう性高分子支持体の少なくとも一方の面に、少なくともグラニュラ構造を有する磁性層および保護層をこの順に形成した磁気記録媒体であって、前記保護層の少なくとも一部分が、イオンビームデポジション法を用い、膜厚方向に連続的に窒素含有率を変化させたものであることを特徴とする磁気記録媒体およびその製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 可とう性高分子支持体の少なくとも一方の面に、少なくともグラニュラ構造を有する磁性層および保護層をこの順に形成した磁気記録媒体であって、前記保護層の少なくとも一部分が、イオンビームデポジション法を用い、膜厚方向に連続的に窒素含有率を変化させたものであることを特徴とする磁気記録媒体およびその製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、磁気記録媒体およびその製造方法に関する。
近年、インターネットの普及により、パーソナル・コンピュータを用いて大容量の動画情報や音声情報の処理を行う等、コンピュータの利用形態が変化してきている。これに伴い、ハードディスク等の磁気記録媒体に要求される記憶容量も増大している。
ハードディスク装置においては、磁気ディスクの回転に伴い、磁気ヘッドが磁気ディスクの表面からわずかに浮上し、非接触で磁気記録を行っている。このため、磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触によって磁気ディスクが破損するのを防止している。高密度化に伴って磁気ヘッドの浮上高さは次第に低減されており、鏡面研磨された超平滑なガラス基板上に磁気記録層等を形成した磁気ディスクを用いることにより、現在では10nm〜20nmの浮上高さが実現されている。媒体においては、一般的にCoPtCr系磁性層/Cr下地層が用いられており、200℃〜500℃の高温にすることで、Cr下地層によりCoPtCr系磁性層の磁化容易方向が膜面内となるよう制御している。さらに、CoPtCr系磁性層中のCrの偏析を促し、磁性層中の磁区を分離している。この様なヘッドの低浮上量化、ヘッド構造の改良、ディスク記録膜の改良等の技術革新によってハードディスクドライブの面記録密度と記録容量はここ数年で飛躍的に増大してきた。
取り扱うことができるデジタルデータ量が増大することによって、動画データの様な大容量のデータを可換型媒体に記録して、移動させるというニーズが生まれてきた。しかしながら、ハードディスクは基板が硬質であって、しかも上述のようにヘッドとディスクの間隔が極わずかであるため、フレキシブルディスクや書き換え型光ディスクの様に可換媒体として使用しようとすると、動作中の衝撃や塵埃の巻き込みによって故障を発生する懸念が高く、使用できない。
さらに、媒体製造において高温スパッタ成膜法を用いた場合、生産性が悪いばかりでなく、大量生産時のコスト上昇につながり、安価に生産できない。
一方、フレキシブルディスクは基板がフレキシブルな高分子フィルムであり、接触記録可能な媒体であるため可換性に優れており、安価に生産できるが、現在市販されているフレキシブルディスクは記録膜が磁性体を高分子バインダーや研磨剤とともに高分子フィルム上に塗布した構造であるため、スパッタ法で磁性膜を形成しているハードディスクと比較すると、磁性層の高密度記録特性が悪く、ハードディスクの1/10以下の記録密度しか達成できていない。
そこで記録膜をハードディスクと同様のスパッタ法で形成する強磁性金属薄膜型のフレキシブルディスクも提案されているが、ハードディスクと同様の磁性層を高分子フィルム上に形成しようとすると、高分子フィルムの熱ダメージが大きく、実用化が困難である。このため高分子フィルムとして耐熱性の高いポリイミドや芳香族ポリアミドフィルムを使用する提案もなされているが、これらの耐熱性フィルムが非常に高価であり、実用化が困難となっている。また高分子フィルムに熱ダメージを生じないように、高分子フィルムを冷却した状態で磁性膜を形成しようとすると、磁性層の磁気特性が不十分となり、記録密度の向上が困難となっている。
そこで記録膜をハードディスクと同様のスパッタ法で形成する強磁性金属薄膜型のフレキシブルディスクも提案されているが、ハードディスクと同様の磁性層を高分子フィルム上に形成しようとすると、高分子フィルムの熱ダメージが大きく、実用化が困難である。このため高分子フィルムとして耐熱性の高いポリイミドや芳香族ポリアミドフィルムを使用する提案もなされているが、これらの耐熱性フィルムが非常に高価であり、実用化が困難となっている。また高分子フィルムに熱ダメージを生じないように、高分子フィルムを冷却した状態で磁性膜を形成しようとすると、磁性層の磁気特性が不十分となり、記録密度の向上が困難となっている。
それに対し、強磁性金属合金と非磁性酸化物からなる強磁性金属薄膜磁性層とRu系下地層とを組み合わせて用いた場合、室温で成膜した場合においても、200℃〜500℃の高温条件下で成膜したCoPtCr系磁性層とほぼ同等の磁気特性を得られることがわかってきた(特許文献1及び2参照)。このような強磁性金属合金と非磁性酸化物からなる強磁性金属薄膜磁性層はいわゆるグラニュラ構造であり、特許文献3や特許文献4に記載されているものが使用できる。磁性層上には走行耐久性、耐食性を確保するため、カーボンからなる保護層が形成されるが、特に硬質保護層を高分子フィルム基板に変形無く成膜する手法として、基板をキャンに沿わせた状態で成膜するRFプラズマCVD方式DLC(ダイヤモンドライクカーボン)保護層が好適とされる(特許文献5、6等)。RFプラズマCVD方式で保護層成膜する際には、基板側にバイアス電圧を印加させることで、プラズマ中でイオン化されたカーボンを引き寄せる必要がある。しかし、グラニュラ構造を有する磁性層は、導電性物質と絶縁性物質が混在しているため、バイアス電圧を印加した場合に、磁性層表面に充分なバイアスが印加できない。そのため、高硬度の保護層を得ることが困難であった。この課題に対し、硬質保護層をイオンビームデポジション法により成膜する手法も検討されてきた(特許文献7,8等)。しかし、熱フィラメントが短寿命であること、またイオン源と基板間にグリッドを有することによるコンタミネーションの発生から、長時間の保護層成膜が困難であった。また、これらの手法を用いて硬質な水素添加DLC膜を形成した場合、磁気ヘッドに接触する際の摺動耐久性についてはいまだ不充分であった。特にフレキシブルディスクは磁気ヘッドと摺動しながら記録再生を行うため、より高いレベルの摺動特性、潤滑剤の吸着性が求められる。そのため、保護層としては、より摺動性が高く、かつ保護層上の潤滑剤に対する吸着性の高い水素窒素添加DLC膜が好ましいが、グラニュラ構造を有する磁性層上に直接水素窒素添加DLC膜を形成すると、磁性層中に窒素が混入し、磁性層の磁気特性を劣化するという問題があった。これらを克服するため、グラニュラ磁性層直上に水素添加DLC膜、その上に水素窒素添加DLC膜を積層することも可能だが、その場合、上層保護層と下層保護層間の膜応力差により、膜の密着性が確保できない懸念がある。一方、保護層中の窒素濃度を厚さ方向に変える提案もなされている(特許文献9)。しかし、高分子フィルムを搬送させながら連続的にDLC保護層を形成する際、該文献に記載されている、異なるチャンバの使用や成膜中のガス種変更は困難である。
DVD−R/RWに代表される追記型および書き換え型光ディスクは磁気ディスクのようにヘッドとディスクが近接していないため、可換性に優れており、広く普及している。しかしながら光ディスクは、光ピックアップの厚みとコストの問題から、高容量化に有利な磁気ディスクのように両面を記録面としたディスク構造を用いることが困難であるといった問題がある。さらに、磁気ディスクと比較すると面記録密度が低く、データ転送速度も低いため、書き換え型の大容量記録媒体としの使用を考えると、未だ十分な性能とはいえない。
上記の通り、大容量の書き換え可能な可換型記録媒体は、その要求が高いものの、性能、信頼性、コストを満足するものが存在しない。
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、可とう性高分子支持体上に、少なくともグラニュラ構造を有する磁性層および硬度、摺動特性、潤滑剤の吸着性を確保した保護層を形成することによって、高性能で高信頼性を有し、かつ安価な高容量磁気記録媒体を提供することにある。
前記目的を達成するための手段は以下の通りである。
(1)可とう性高分子支持体の少なくとも一方の面に、少なくともグラニュラ構造を有する磁性層および保護層をこの順に形成した磁気記録媒体であって、前記保護層の少なくとも一部分が、膜厚方向に連続的に窒素含有率を変化させたものであることを特徴とする磁気記録媒体。
(2)可とう性高分子支持体の少なくとも一方の面に、少なくともグラニュラ構造を有する磁性層および保護層をこの順に形成する磁気記録媒体の製造方法であって、前記可とう性高分子支持体上に前記磁性層を形成する工程と、前記磁性層が形成された可とう性高分子支持体を搬送させながら、複数のイオンソースを用いたイオンビームデポジション法により、膜厚方向に連続的に窒素含有率が変化した保護層を成膜する工程とを有する磁気記録媒体の製造方法。
(3)前記磁性層が形成された可とう性高分子支持体を搬送させながら、前記磁性層をプラズマ処理した後、保護層を成膜することを特徴とする前記(2)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(1)可とう性高分子支持体の少なくとも一方の面に、少なくともグラニュラ構造を有する磁性層および保護層をこの順に形成した磁気記録媒体であって、前記保護層の少なくとも一部分が、膜厚方向に連続的に窒素含有率を変化させたものであることを特徴とする磁気記録媒体。
(2)可とう性高分子支持体の少なくとも一方の面に、少なくともグラニュラ構造を有する磁性層および保護層をこの順に形成する磁気記録媒体の製造方法であって、前記可とう性高分子支持体上に前記磁性層を形成する工程と、前記磁性層が形成された可とう性高分子支持体を搬送させながら、複数のイオンソースを用いたイオンビームデポジション法により、膜厚方向に連続的に窒素含有率が変化した保護層を成膜する工程とを有する磁気記録媒体の製造方法。
(3)前記磁性層が形成された可とう性高分子支持体を搬送させながら、前記磁性層をプラズマ処理した後、保護層を成膜することを特徴とする前記(2)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
本発明によれば、高密度磁気記録装置に用いて好適な、強磁性体間の相互作用が小さく、低ノイズであり、硬度、摺動特性、潤滑剤の吸着性を確保した保護層を有することから、高信頼性を有する磁気記録媒体を提供することができる。また本発明の製造方法によれば、室温成膜できることから、前記の磁気記録媒体を安価に生産することができる。
本発明の磁気記録媒体は、少なくともグラニュラ構造を有する磁性層を備えているので、室温成膜した場合においてもハードディスクのような高密度記録が可能となり、高容量化が可能となる。また強磁性体間の相互作用も小さい。
さらに、該磁性層上に、イオンビームデポジション法により窒素含有率が膜厚方向に少なくとも一部分連続的に変化する硬質炭素膜のような保護層を形成しているので、例えば磁性層側に硬質な保護膜、かつ表面側に潤滑剤の吸着性に優れる窒素含有保護膜が備えられ、磁気ヘッドとの接触記録再生時においても充分な走行耐久性を得ることが可能となり、信頼性の高い磁気記録媒体を提供することが可能となる。
また、下記で説明する本発明の製造方法の一形態によれば、グラニュラ構造を有する磁性層が形成された可とう性高分子支持体が成膜ロールに沿って搬送される状態で、イオンビームデポジション法により保護層が形成されるため、支持体の熱変形がない。また、同一チャンバ内で複数のイオンソースを支持体進行方向に設置し、各イオンソースに窒素量の異なるガスを導入することで、窒素含有率が膜厚方向に連続的に変化する保護層を形成することが可能となる。
この様な磁性層、保護層を形成することによって、従来のような基板加熱が不要となり、基板温度が室温であっても、良好なS/N特性を有する磁気記録媒体を得ることが可能となる。このため、支持体が高分子フィルムであっても熱ダメージを生じることなく、接触記録に耐性のある、平坦な磁気テープやフレキシブルディスクも提供することが可能となる。
本発明の製造方法は、テープ形状でもフレキシブルディスク形状でも製造することができる。可とう性高分子フィルム基板を用いたフレキシブルディスクは、中心部にセンターホールが形成された構造であり、プラスチック等で形成されたカートリッジ内に格納されている。なお、カートリッジには、通常、金属性のシャッタで覆われたアクセス窓を備えており、このアクセス窓を介して磁気ヘッドが導入されることにより、フレキシブルディスクへの信号記録や再生が行われる。
以下、フレキシブルディスクについて説明するが、その内容はテープについても適用可能である。
フレキシブルディスクは可とう性高分子フィルムからなるディスク状支持体の両面の各々に、磁性層、保護層を有するものであるが、さらに、表面性とガスバリヤ性を改善する下塗り層、密着性・ガスバリヤ性等の機能を有するガスバリヤ層、磁性層の結晶配向性を制御するための下地層、磁性層、磁性層を腐食や磨耗から保護する保護層、及び走行耐久性および耐食性を改善する潤滑層が、この順に積層されて構成されていることが好ましい。
フレキシブルディスクは可とう性高分子フィルムからなるディスク状支持体の両面の各々に、磁性層、保護層を有するものであるが、さらに、表面性とガスバリヤ性を改善する下塗り層、密着性・ガスバリヤ性等の機能を有するガスバリヤ層、磁性層の結晶配向性を制御するための下地層、磁性層、磁性層を腐食や磨耗から保護する保護層、及び走行耐久性および耐食性を改善する潤滑層が、この順に積層されて構成されていることが好ましい。
磁性層は、磁化容易軸が基板に対して水平方向に配向している面内磁気記録膜でも、基板に対して垂直方向に配向している垂直磁気記録膜でもかまわない。この磁化容易軸の方向は下地層の材料や結晶構造および磁性膜の組成と成膜条件によって制御することができる。
磁性層は、グラニュラ構造を有するものであり、これをグラニュラ磁性層とも言う。グラニュラ磁性層は、強磁性金属合金と非磁性酸化物からなる。グラニュラ構造は、強磁性金属合金と非磁性酸化物がマクロ的には混合されているが、ミクロ的には強磁性金属合金微粒子を非磁性酸化物が被覆するような構造となっており、強磁性金属合金粒子の大きさは1nmから110nm程度である。この様な構造となることで、高い保磁力を達成でき、また磁性粒子サイズの分散性が均一となるため、低ノイズ媒体を達成することができる。
強磁性金属合金としてはCo、Cr、Pt、Ni、Fe、B、Si、Ta、Nb、Ru等の元素との合金が使用できるが、記録特性を考慮するとCo−Pt−Cr、Co−Pt−Cr−Ta、Co−Pt−Cr−B、Co−Ru−Cr等が特に好ましい。
非磁性酸化物としてはSi、Zr、Ta、B、Ti、Al、Cr、Ba、Zn、Na、La、In、Pb等の酸化物が使用できるが、記録特性を考慮するとSiOxが最も好ましい。
強磁性金属合金と非磁性酸化物の混合比(モル比)は、強磁性金属合金:非磁性酸化物=95:5〜80:20の範囲であることが好ましく、90:10〜85:15の範囲であることが特に好ましい。該混合比を上記のように調整することにより、磁性粒子間の分離が充分となり、保磁力が確保されるとともに磁化量が確保されるので信号出力が確保される。
グラニュラ磁性層の厚みとしては好ましくは5nm〜60nm、さらに好ましくは5nm〜30nmとすることにより、ノイズの低減とともに熱揺らぎの影響を抑えて出力を確保することができ、かつヘッド−メディア接触時にかかる応力に対する耐性を確保し、走行耐久性を確保することができる。
グラニュラ磁性層を形成する方法としては真空蒸着法、スパッタ法などの真空成膜法が使用できる。中でもスパッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可能であることから、本発明に好適である。スパッタ法としては公知のDCスパッタ法、RFスパッタ法等が使用可能である。スパッタ法は連続フィルム上に連続して成膜するウェブスパッタ装置が好適であるが、Al基板やガラス基板を用いる場合に使用されるような枚様式スパッタ装置や通過型スパッタ装置も使用できる。
スパッタ時のスパッタガスとしては一般的なアルゴンガスが使用できるが、その他の希ガスを使用しても良い。また非磁性酸化物の酸素含有率の調整や表面酸化の目的で微量の酸素ガスを導入してもかまわない。
スパッタ法でグラニュラ磁性層を形成するためには強磁性金属合金ターゲットと非磁性酸化物ターゲットの2種を用い、これらの共スパッタ法を使用することも可能であるが、磁性粒子サイズの分散性を改善し、均質な膜を作成するため、強磁性金属合金と非磁性酸化物の合金ターゲットを用いることが好ましい。この合金ターゲットはホットプレス法で作成することができる。
スパッタ法でグラニュラ磁性層を形成する際のAr圧としては、0.4Pa以上10Pa以下が好ましく、1.0Pa以上7Pa以下が特に好ましい。成膜時Ar圧をこの範囲とすることにより、磁性層の結晶性及び磁性粒子間の分離が確保されて、充分な磁気特性が得られ、低ノイズで、膜強度のある信頼性の高い磁気記録媒体を提供することができる。
スパッタ法でグラニュラ磁性層を形成する際の投入電力としては、1W/cm2以上100W/cm2以下が好ましく、2W/cm2以上50W/cm2が特に好ましく、結晶性及び膜の密着性が確保されるとともに支持体変形やスパッタ膜へのクラック発生を防止することができる。
保護層は、硬質炭素膜からなるのが好ましく、磁性層に含まれる金属材料の腐蝕を防止し、磁気ヘッドと磁気ディスクとの擬似接触または接触摺動による摩耗を防止して、走行耐久性、耐食性を改善するために設けられる。これらの目的を達成する保護層としては、磁気ヘッド材質と同等またはそれ以上の硬度を有する硬質膜であり、摺動中に焼き付きを生じ難くその効果が安定して持続するものが、摺動耐久性に優れており好ましい。また、同時にコンタミやピンホールが少ないものが、耐食性、走行耐久性に優れておりより好ましい。このような保護層に用いる硬質炭素膜としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)と呼ばれるものが挙げられる。以下、保護層が硬質炭素膜からなる硬質保護層である場合について説明する。
磁気記録再生において磁気ヘッドと磁性層の距離が小さい方が高記録密度に有利なため、保護層厚みは2nm以上10nm以下が望ましく、2nm以上8nm以下がさらに望ましい。
このような硬質炭素膜を形成する手法としては、RFプラズマCVD方式やイオンビームデポジション方式が挙げられるが、膜質、コンタミ、基板変形、膜厚分布等の観点から、イオンビームデポジション方式が望ましい。
イオンビームデポジションに用いるイオンソースに、炭化水素系ガスが流された状態で、適切な磁場と電場を与えることにより、高密度のプラズマが形成される。イオンソースに強力な正電位を与えることで、イオン化されたカーボンが押し出されるため、緻密なカーボン膜が形成される。すなわち、支持体へのバイアス電圧印加や、コンタミ発生の要因となるグリッドが必要ないため、グラニュラ磁性層のような導電性物質と絶縁性物質が混在するような支持体に対しても、硬質で、かつコンタミの少ない硬質保護膜を形成することが可能となる。また、熱フィラメントのような短寿命の部品を使用しないため、長時間にわたって安定に硬質な保護層を形成することが可能となる。
イオンソース内のアノードに与える電位は100V以上3000V以下が望ましく、500V以上2000V以下がより望ましい。また、カソードの与える電圧は、0から−1000Vが望ましく、0から−500Vがさらに望ましい。また、イオンソース表面に与える磁場は、0.03T(300G)〜1T(10000G)が望ましく、0.05T(500G)〜0.5T(5000G)がさらに望ましい。このように電位及び磁場を設定することにより、プラズマ密度を確保し、イオン化を促進し、イオン化されたカーボンに対して押し出すエネルギーを確保し、充分緻密な硬質炭素膜を形成するとともにイオン化されたカーボンによる支持体に与える影響も少なく、支持体変形や膜のクラック発生を防止し、アノード−カソード間でのアーク発生をも防止することができる。
本発明では、角型イオンソースを用いるのが好ましい。ここで本発明でいう角型イオンソースとは、可とう性高分子支持体の幅方向に対し、均一な密度でイオンビーム照射が可能となるものであり、具体的には、その放電部が可とう性高分子支持体の幅以上の長さを有するものである。放電部形状は、可とう性高分子支持体の幅以上の長さを有するものであればとくに制限されず、例えば長方形、楕円形等が挙げられる。このような角型イオンソースを用いることで、支持体の幅方向に対し、均一な硬質炭素膜が形成できる。そのため、膜厚分布補正のためのマスク等が不要となり、コンタミネーション発生が抑制できる。なお、角型イオンソースは市販されており、例えばAdvanced Energy社製、商品名LIS、Diamonex社製、商品名CD Ion Beam Source、ナノテック社製、商品名NANOCOAT、Common Wealth Scientific社製、商品名Mark、KRI社製、商品名EH等が挙げられる。
本発明では、保護層の少なくとも一部分の窒素含有率を、膜厚方向に連続的に変化させることが必要である。本発明によれば、窒素を含まないかあるいは僅かに含む水素添加DLC膜が磁性層側となり、窒素を多く含む水素窒素添加DLC膜が表面側となるように形成するのが好ましい。磁性層側に前記の水素添加DLC膜を形成することで、硬度と耐食性が確保され、表面側にかけて窒素含有率を連続的に増加させ、摺動特性や潤滑剤吸着性の改善に効果的な窒素含有率が高い水素窒素添加DLC膜を設けることで、耐食性と耐久性とを高い次元で両立することが可能となる。また、膜応力差による密着性不良の問題も回避できる。水素添加DLC膜および水素窒素添加DLC膜に用いるガスは公知であり、炭化水素系ガス、Ar等の希ガス、窒素等を用いることができる。成膜時のチャンバ圧は、1.5Pa以下が望ましく、0.7Pa以下がさらに望ましい。チャンバ圧が1.5Pa以下の場合、高密度プラズマ中でイオン化されたカーボンイオンが他のイオンに衝突する可能性が低いため、カーボンイオンが持つエネルギーが高い。そのため、基板に到達する際により緻密で硬質な膜が形成される。
次に、保護層の少なくとも一部分の窒素含有率を、膜厚方向に連続的に変化させる手段の一例について説明する。例えば、磁性層が形成された可とう性高分子支持体を成膜ロールに沿って搬送するようにし、少なくとも2基のイオンソースを、各イオンソースから生じるイオンビームが一部重なるように、該成膜ロールの上方に設置する。例えば2基のイオンソースを用いる場合には、第1のイオンソースには、窒素を含まないかあるいは僅かに含む水素添加DLC膜形成用のガス種を導入し、第2のイオンソースには窒素を多く含む水素窒素添加DLC膜形成用のガス種を導入しておく。続いて、成膜ロールを回転させて支持体を搬送させながら、各イオンソースからイオンビームを照射することにより、一回の成膜ロールの通過で、保護層の少なくとも一部分の窒素含有率を、膜厚方向に連続的に変化させることができる。
本発明で使用される成膜ロールは、前述のように、最大表面粗さ(Rz)が0.01μm以上0.4μm以下、好ましくは0.01μm以上0.2μm以下、さらに好ましくは0.01μm以上0.1μm以下である。ここで本発明でいう最大表面粗さ(Rz)とは、JIS B 0601−2001に準拠して求められる値である。本発明では、このようにRzを規定することにより、成膜ロールの表面が非常に平滑になっているため、支持体に対して、ロール表面粗さが悪影響を及ぼすことがない。また、支持体への密着性も向上するため、支持体搬送時における搬送ずれも防止できるため、媒体上への欠陥発生防止も可能となる。最大表面粗さ(Rz)の調整は、成膜ロールの表面仕上げにより可能である。例えば、金属ロールの表面を硬質クロームめっきした後、鏡面研磨仕上げすること等が挙げられる。
図1は、本発明の製造方法の1実施形態を説明するための図である。図1において、磁性層が形成された可とう性高分子支持体11が、巻きだしロール12からロール13,14,15を経て成膜ロール161に搬送される。可とう性高分子支持体11は、成膜ロール161に沿った状態で搬送され、成膜ロール161の上方に設置された第1のイオンソース171から窒素を含まないかあるいは僅かに含む水素添加DLC膜形成用のガスが、第2のイオンソース172から窒素を多く含む水素窒素添加DLC膜形成用のガスが照射され、磁性層上にDLC保護層が成膜される。2基のイオンソース171,172は、各イオンソースから生じるイオンビーム1711,1721が一部重なるように、成膜ロール161の上方に設置されている。2基のイオンソース171,172は、支持体が沿って搬送される位置における成膜ロールの接線に対し垂直な方向からイオンビーム1711,1721が照射されるように設置するのが好ましい。また、イオンソースと支持体との距離が、250mmであり、成膜ロール161の中心部と支持体との距離が300mmである場合、2基のイオンソース171,172間距離(最大近接部の距離)は1mmから300mmの範囲で隣接させ設置することが好ましい。
また前述のように、第1のイオンソース171に導入されるガス種および組成、第2のイオンソース172に導入されるガス種および組成は、目的に応じて適宜決定すればよいが、例えば2基のイオンソースを用いる場合、第1のイオンソース171に導入されるガスとしては、例えば炭化水素系ガス10〜20sccm、アルゴンガス5〜10sccmであり、第2のイオンソース172に導入されるガスとしては、例えば炭化水素系ガス10〜20sccm、アルゴンガス5〜10sccm、窒素5〜10sccmである。
なお、本発明においては、図1に示したように磁性層が両面に形成された可とう性高分子支持体11を複数の成膜ロール161,162に沿って搬送させながら、複数のイオンソース171,172,173,174により適宜組成の異なるイオンビームを照射することにより、窒素含有率が磁性層から表面に向かって滑らかに増加した保護層を両面に形成することもできる。保護層の成膜後は、ロール18を経て、巻取りロール19で巻き取られる。なお、本発明は成膜ロール、イオンソース、ロールの数は、図1に示すものに限られるものではなく、目的に応じて適宜変更できることはもちろんである。
また、成膜ロールは、前記支持体を密着させて搬送ずれを防止するためにも、前記イオンソース源に対し前記支持体がほぼ対向するためにも、ある程度以上大きい方が好ましく、少なくともロール直径が250mm以上、さらに好ましくは400mm以上であることが望ましい。
また、前記支持体の搬送速度は、1cm/分〜10m/分の範囲が好ましく、10cm/分〜8m/分の範囲がさらに好ましい。1cm/分未満の場合、生産性が悪く、10m/分を超える場合、前記支持体の搬送ずれの影響が無視できなくなる恐れがある。
また、前記支持体上に保護層が形成される前に、プラズマ処理し磁性層表面を物理的、化学的に活性な状態とすることで、磁性層と保護層との密着性を向上させることが好ましい。プラズマ処理に用いるガスとしては、Arガスが好ましいが、それ以外のガスを用いることもできる。プラズマ処理を行う際、投入電力は10Wから1000Wの範囲が好ましく、100Wから500Wの範囲がさらに好ましい。時間は1秒から2分の範囲が好ましいが、フィルム変形や生産性を考慮すると、1秒から30秒の範囲がさらに好ましい。
図2は、本発明の製造方法の別の実施形態を説明するための図である。前述のように、磁性層が形成された可とう性高分子支持体11は、巻きだしロール12からロール13,14,15を経て成膜ロール161に搬送されるが、例えばロール13,14の上方にプラズマ照射装置21,22の一方または両方を設け、プラズマ処理を行うことができる。このように、プラズマ処理は、巻きだしロール12と成膜ロール161の間に設けることが好ましいが、成膜ロール161上で行ってもよい。
図2は、本発明の製造方法の別の実施形態を説明するための図である。前述のように、磁性層が形成された可とう性高分子支持体11は、巻きだしロール12からロール13,14,15を経て成膜ロール161に搬送されるが、例えばロール13,14の上方にプラズマ照射装置21,22の一方または両方を設け、プラズマ処理を行うことができる。このように、プラズマ処理は、巻きだしロール12と成膜ロール161の間に設けることが好ましいが、成膜ロール161上で行ってもよい。
なお、成膜ロール以外の各種ロールは、前記支持体をシワやキズなく搬送する目的で適宜表面加工を施すことができる。例えば、金属ロールの表面を硬質クロームめっきした後、鏡面研磨仕上げすることで、表面粗さRzを0.8μm以下に仕上げることが好ましく、0.4μm以下に仕上げることがさらに好ましい。0.8μm以下の表面仕上げにすることで、平滑な支持体を密着搬送させる場合においても、ロール表面粗さが転写することなく、表面平滑性を有する磁気記録媒体の作製が可能となる。
下地層は磁性層の結晶配向性を制御する目的で設けることが望ましい。そのような下地層としては、Ru、Ru系合金、Cr、Cr系合金、Ti、Ti系合金等を用いることができるが、室温成膜で充分な結晶性を得るために、Ru、Ru系合金を用いることが望ましい。この様な下地層を用いることによって、磁性層の配向性を改善できるため、記録特性が向上する。
下地層の厚みは5nm〜100nmが好ましく、5nm〜50nmが特に好ましい。これよりも厚みが厚くなると、生産性が悪くなるとともに、結晶粒の肥大化によりノイズが増加してしまう。また、ヘッド-メディア接触時にかかる応力に対する耐性が低いため、走行耐久性の低下を引き起こしてしまう。逆にこれよりも厚みが薄くなると、下地層効果による磁気特性の向上が得られない。
下地層を成膜する方法としては真空蒸着法、スパッタ法などの真空成膜法が使用できる。中でもスパッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可能であることから、本発明に好適である。スパッタ法としては、DCスパッタ法、RFスパッタ法、DCパルススパッタ法のいずれも使用可能である。スパッタ法は、可とう性高分子フィルムを支持体としたフロッピーディスクの場合、連続フィルム上に連続して成膜するウェブスパッタ装置が好適であるが、Al基板やガラス基板を用いる場合に使用されるような枚様式スパッタ装置や通過型スパッタ装置も使用できる。
下地層スパッタ時のスパッタガスとしては一般的なアルゴンガスが使用できるが、その他の希ガスを使用しても良い。また、下地層の格子定数制御の目的で、微量の酸素ガスを導入してもかまわない。
下地層の結晶配向性向上・導電性付与等の目的で下地層の真下にシード層を設けても構わない。
このようなシード層としては、Ti系、W系、V系の合金を用いることが望ましいが、それ以外の合金を用いても構わない。
シード層の厚みは、1nmから30nmが好ましい。これよりも厚みが厚くなると、生産性が悪くなるとともに、結晶粒の肥大化によりノイズが増加してしまい、逆にこれよりも厚みが薄くなると、シード層効果が得られない。
シード層を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタ法などの真空成膜法が使用でき、中でもスパッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可能である。
密着性の改善、ガスバリヤ性の目的で、支持体と下地層との間にガスバリヤ層を設けることが望ましい。
このようなガスバリヤ層としては、非金属元素単体かその混合物、もしくはTiと非金属元素の化合物からなるものを用いることができる。これらの材料は、ヘッド-メディア接触時の応力に対しても、耐性を有する。
上記ガスバリヤ層の厚みは5nm〜100nmが好ましく、5nm〜50nmが特に好ましい。これよりも厚みが厚くなると、生産性が悪くなるとともに、結晶粒の肥大化によりノイズが増加してしまい、逆にこれよりも厚みが薄くなると、ガスバリヤ層効果が得られない。
ガスバリヤ層を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタ法などの真空成膜法が使用でき、中でもスパッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可能である。
支持体は、磁気ヘッドと磁気ディスクとが接触した時の衝撃を回避するために可とう性を備えた樹脂フィルム(可とう性高分子支持体)で構成されている。このような樹脂フィルムとしては、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセテートセルロース、フッ素樹脂等からなる樹脂フィルムが挙げられる。本発明では基板を加熱することなく良好な記録特性を達成することができるため、価格や表面性の観点からポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートが特に好ましい。
また、支持体として樹脂フィルムを複数枚ラミネートしたものを用いてもよい。ラミネートフィルムを用いることにより、支持体自身に起因する反りやうねりを軽減することができ、磁気記録層の耐傷性を著しく改善することがきる。
ラミネート手法としては、熱ローラによるロールラミネート、平板熱プレスによるラミネート、接着面に接着剤を塗布してラミネートするドライラミネート、予めシート状に成形された接着シートを用いるラミネート等が挙げられる。接着剤の種類は、特に限定されず、一般的なホットメルト接着剤、熱硬化性接着剤、UV硬化型接着剤、EB硬化型接着剤、粘着シート、嫌気性接着剤などを使用することがきる。
支持体の厚みは、10μm〜200μm、好ましくは20μm〜150μm、さらに好ましくは30μm〜100μmである。支持体の厚みが10μmより薄いと、高速回転時の安定性が低下し、面ぶれが増加する。一方、支持体の厚みが200μmより厚いと、回転時の剛性が高くなり、接触時の衝撃を回避することが困難になり、磁気ヘッドの跳躍を招く。
下記式で表される支持体の腰の強さは、b=10mmでの値が0.5kgf/mm2〜2.0kgf/mm2(4.9〜19.6MPa)の範囲にあることが好ましく、0.7kgf/mm2〜1.5kgf/mm2(6.86〜14.7MPa)がより好ましい。
支持体の腰の強さ=Ebd3/12
なお、この式において、Eはヤング率、bはフィルム幅、dはフィルム厚さを各々表す。
支持体の腰の強さ=Ebd3/12
なお、この式において、Eはヤング率、bはフィルム幅、dはフィルム厚さを各々表す。
支持体の表面は、磁気ヘッドによる記録を行うために、可能な限り平滑であることが好ましい。支持体表面の凹凸は、信号の記録再生特性を著しく低下させる。具体的には、後述する下塗り層を使用する場合では、光学式の表面粗さ計で測定した表面粗さが平均中心線粗さRaで5nm以内、好ましくは2nm以内、触針式粗さ計で測定した突起高さが1μm以内、好ましくは0.1μm以内である。また、下塗り膜を用いない場合では、光学式の表面粗さ計で測定した表面粗さが平均中心線粗さRaで3nm以内、好ましくは1nm以内、触針式粗さ計で測定した突起高さが0.1μm以内、好ましくは0.06μm以内である。
支持体表面には、平面性の改善とガスバリヤ性を目的として下塗り層を設けることが好ましい。磁性層をスパッタリング等で形成するため、下塗り層は耐熱性に優れることが好ましく、下塗り層の材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコン樹脂、フッ素系樹脂等を使用することができる。熱硬化型ポリイミド樹脂、熱硬化型シリコン樹脂は、平滑化効果が高く、特に好ましい。下塗り層の厚みは、0.1μm〜3.0μmが好ましい。支持体に他の樹脂フィルムをラミネートする場合には、ラミネート加工前に下塗り層を形成してもよく、ラミネート加工後に下塗り層を形成してもよい。
熱硬化性ポリイミド樹脂としては、例えば、丸善石油化学社製のビスアリルナジイミド「BANI」のように、分子内に末端不飽和基を2つ以上有するイミドモノマーを、熱重合して得られるポリイミド樹脂が好適に用いられる。このイミドモノマーは、モノマーの状態で支持体表面に塗布した後に、比較的低温で熱重合させることができるので、原料となるモノマーを支持体上に直接塗布して硬化させることができる。また、このイミドモノマーは汎用溶剤に溶解させて使用することができ、生産性、作業性に優れると共に、分子量が小さく、その溶液粘度が低いために、塗布時に凹凸に対する回り込みが良く、平滑化効果が高い。
熱硬化性シリコン樹脂としては、有機基が導入されたケイ素化合物を原料としてゾルゲル法で重合したシリコン樹脂が好適に用いられる。このシリコン樹脂は、二酸化ケイ素の結合の一部を有機基で置換した構造からなりシリコンゴムよりも大幅に耐熱性に優れると共に、二酸化ケイ素膜よりも柔軟性に優れるため、可とう性高分子からなる支持体上に樹脂膜を形成しても、クラックや剥離が生じ難い。また、原料となるモノマーを支持体上に直接塗布して硬化させることができるため、汎用溶剤を使用することができ、凹凸に対する回り込みも良く、平滑化効果が高い。更に、縮重合反応は、酸やキレート剤などの触媒の添加により比較的低温から進行するため、短時間で硬化させることができ、汎用の塗布装置を用いて樹脂膜を形成することができる。また熱硬化性シリコン樹脂はガスバリヤ性に優れており、磁性層形成時に支持体から発生する磁性層または下地層の結晶性、配向性を阻害するガスを遮蔽するガスバリヤ性が高く、特に好適である。
下塗り層の表面には、磁気ヘッドと磁気ディスクとの真実接触面積を低減し、摺動特性を改善することを目的として、微小突起(テクスチャ)を設けることが好ましい。また、微小突起を設けることにより、支持体のハンドリング性も良好になる。微小突起を形成する方法としては、球状シリカ粒子を塗布する方法、エマルジョンを塗布して有機物の突起を形成する方法などが使用できるが、下塗り層の耐熱性を確保するため、球状シリカ粒子を塗布して微小突起を形成するのが好ましい。
微小突起の高さは5nm〜60nmが好ましく、l0nm〜30mmがより好ましい。微小突起の高さが高すぎると記録再生ヘッドと媒体のスペーシングロスによって信号の記録再生特性が劣化し、微小突起が低すぎると摺動特性の改善効果が少なくなる。微小突起の密度は0.1〜100個/μm2が好ましく、1〜10個/μm2がより好ましい。微小突起の密度が少なすぎる場合は摺動特性の改善効果が少なくなり、多過ぎると凝集粒子の増加によって高い突起が増加して記録再生特性が劣化する。
また、バインダーを用いて微小突起を支持体表面に固定することもできる。バインダーには、十分な耐熱性を備えた樹脂を使用することが好ましく、耐熱性を備えた樹脂としては、溶剤可溶型ポリイミド樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、熱硬化型シリコン樹脂を使用することが特に好ましい。
保護層上には、走行耐久性および耐食性を改善するために、潤滑層が設けられる。潤滑層には、公知の炭化水素系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、極圧添加剤等の潤滑剤が使用される。
炭化水素系潤滑剤としては、ステアリン酸、オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル等のエステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホン酸類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類、ステアリルアミン等のアミン類などが挙げられる。
フッ素系潤滑剤としては、前記炭化水素系潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑剤が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基としては パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピレンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3)CF2O)n、またはこれらの共重合体等である。具体的には、分子量末端に水酸基を有するパーフルオロメチレン−パーフルオロエチレン共重合体(アウジモント社製、商品名「FOMBLIN Z−DOL」)等が挙げられる。
極圧添加剤としては、リン酸トリラウリル等のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチオ亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジベンジル等の硫黄系極圧剤などが挙げられる。
前記の潤滑剤は単独もしくは複数を併用して使用することができ、潤滑剤を有機溶剤に溶解した溶液を、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ディップコート法等で保護層表面に塗布するか、真空蒸着法により保護層表面に付着させればよい。潤滑剤の塗布量としては、1〜30mg/m2が好ましく、2〜20mg/m2が特に好ましい。
また、耐食性をさらに高めるために、防錆剤を併用することが好ましい。防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキル側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メルカプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環類およびこの誘導体等が挙げられる。これら防錆剤は、潤滑剤に混合して保護層上に塗布してもよく、潤滑剤を塗布する前に保護層上に塗布し、その上に潤滑剤を塗布してもよい。防錆剤の塗布量としては、0.1〜10mg/m2が好ましく、0.5〜5mg/m2が特に好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記の例によって制限されるものではない。
実施例1
厚み63μm、表面粗さRa=1.4nmのポリエチレンナフタレートフィルム上に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、塩酸、アルミニウムアセチルアセトネート、エタノールからなる下塗り液をグラビアコート法で塗布した後、100℃で乾燥と硬化を行い、厚み1.0μmのシリコン樹脂からなる下塗り層を作成した。この下塗り層上に粒子径25nmのシリカゾルと前記下塗り液を混合した塗布液をグラビアコート法で塗布して、下塗り層上に高さ15nmの突起を10個/μm2の密度で形成した。この下塗り層は支持体フィルムの両面に形成した。次にウェブスパッタ装置にこの原反を設置し、水冷したキャン上にフィルムを密着させながら搬送し、下塗り層上に、DCマグネトロンスパッタ法で、Cからなるガスバリヤ層を30nmの厚みで形成し、Ruからなる下地層を20nmの厚みで形成し、(Co70−Pt20−Cr10)88−(SiO2)12からなる磁性層を20nmの厚みで形成した。このガスバリヤ層、下地層、磁性層はフィルムの両面に成膜した。次にこの原反を図1に示したようなウェブ式の保護層成膜装置に設置し、Rzが0.05μmの表面性を有する成膜ロール161又は162に沿った状態で搬送されたウェブに対し、2基の角型イオンソース171及び172又は173及び174にそれぞれ、イオンソース171または173にはエチレンガス:20sccm、アルゴンガス:5sccmを、イオンソース172または174にはエチレンガス:15sccm、アルゴンガス:5sccm、窒素ガス:5sccmを反応ガスとして流し、チャンバ圧:0.08Pa条件で、イオンビームデポジション法によりDLC保護膜を6nmの厚みで両面に形成した。なおこのときアノードには1500Vの電圧を印加し、角型イオンソースに与えた磁場は0.3Tであった。角型イオンソースはAdvanced Energy社製、商品名LISを用いた。各イオンソース171及び172又は173及び174は支持体が沿って搬送される位置における成膜ロール161または162の接線に対し垂直な方向からイオンビーム1711及び1721又は1731及び1741が照射されるように設置した。また、イオンソース171及び172又は173及び174の最大近接部の距離は180mmとした。なお、保護膜成膜時、可とう性高分子支持体の幅は150mmであり、イオンソースの放電部の形状は楕円形でありその直線部分は300mmであり、イオンソースと支持体との距離は、250mmであり、成膜ロール161の中心部から支持体までの距離は300mmであった。また支持体の搬送速度は1m/分であった。
次にこの保護層表面に分子末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤(アウジモント社製FOMBLIN Z−DOL)をフッ素系潤滑剤(住友スリーエム社製HFE−7200)に溶解した溶液をグラビアコート法で塗布し、厚み1nmの潤滑層を形成した。この潤滑層もフィルムの両面に形成した。次にこの原反から3.7inchサイズのディスクを打ち抜き、これをテープバーニッシュした後、樹脂製カートリッジ(富士写真フイルム社製Zip100用)に組み込んで、フレキシブルディスクを作製した。
厚み63μm、表面粗さRa=1.4nmのポリエチレンナフタレートフィルム上に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、塩酸、アルミニウムアセチルアセトネート、エタノールからなる下塗り液をグラビアコート法で塗布した後、100℃で乾燥と硬化を行い、厚み1.0μmのシリコン樹脂からなる下塗り層を作成した。この下塗り層上に粒子径25nmのシリカゾルと前記下塗り液を混合した塗布液をグラビアコート法で塗布して、下塗り層上に高さ15nmの突起を10個/μm2の密度で形成した。この下塗り層は支持体フィルムの両面に形成した。次にウェブスパッタ装置にこの原反を設置し、水冷したキャン上にフィルムを密着させながら搬送し、下塗り層上に、DCマグネトロンスパッタ法で、Cからなるガスバリヤ層を30nmの厚みで形成し、Ruからなる下地層を20nmの厚みで形成し、(Co70−Pt20−Cr10)88−(SiO2)12からなる磁性層を20nmの厚みで形成した。このガスバリヤ層、下地層、磁性層はフィルムの両面に成膜した。次にこの原反を図1に示したようなウェブ式の保護層成膜装置に設置し、Rzが0.05μmの表面性を有する成膜ロール161又は162に沿った状態で搬送されたウェブに対し、2基の角型イオンソース171及び172又は173及び174にそれぞれ、イオンソース171または173にはエチレンガス:20sccm、アルゴンガス:5sccmを、イオンソース172または174にはエチレンガス:15sccm、アルゴンガス:5sccm、窒素ガス:5sccmを反応ガスとして流し、チャンバ圧:0.08Pa条件で、イオンビームデポジション法によりDLC保護膜を6nmの厚みで両面に形成した。なおこのときアノードには1500Vの電圧を印加し、角型イオンソースに与えた磁場は0.3Tであった。角型イオンソースはAdvanced Energy社製、商品名LISを用いた。各イオンソース171及び172又は173及び174は支持体が沿って搬送される位置における成膜ロール161または162の接線に対し垂直な方向からイオンビーム1711及び1721又は1731及び1741が照射されるように設置した。また、イオンソース171及び172又は173及び174の最大近接部の距離は180mmとした。なお、保護膜成膜時、可とう性高分子支持体の幅は150mmであり、イオンソースの放電部の形状は楕円形でありその直線部分は300mmであり、イオンソースと支持体との距離は、250mmであり、成膜ロール161の中心部から支持体までの距離は300mmであった。また支持体の搬送速度は1m/分であった。
次にこの保護層表面に分子末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤(アウジモント社製FOMBLIN Z−DOL)をフッ素系潤滑剤(住友スリーエム社製HFE−7200)に溶解した溶液をグラビアコート法で塗布し、厚み1nmの潤滑層を形成した。この潤滑層もフィルムの両面に形成した。次にこの原反から3.7inchサイズのディスクを打ち抜き、これをテープバーニッシュした後、樹脂製カートリッジ(富士写真フイルム社製Zip100用)に組み込んで、フレキシブルディスクを作製した。
実施例2
実施例1において保護層成膜前処理として、図2に示したようにプラズマ照射装置21、22を用い、磁性層上にArプラズマ処理を300Wの投入電力で20秒間行うとともに、保護層厚を5nmとした以外は実施例1と同様にフレキシブルディスクを作製した。
実施例1において保護層成膜前処理として、図2に示したようにプラズマ照射装置21、22を用い、磁性層上にArプラズマ処理を300Wの投入電力で20秒間行うとともに、保護層厚を5nmとした以外は実施例1と同様にフレキシブルディスクを作製した。
比較例1
実施例1において、まずイオンソース171及び173のみを稼動させ、水素添加DLC保護層を4nm形成した後一旦巻き取って、続いてイオンソース172及び174のみを稼動させ、水素窒素添加DLC保護層を2nm形成し、水素添加DLC保護層と水素窒素添加DLC保護層とを段階的に形成したこと以外は実施例1と同様にフレキシブルディスクを作製した。
実施例1において、まずイオンソース171及び173のみを稼動させ、水素添加DLC保護層を4nm形成した後一旦巻き取って、続いてイオンソース172及び174のみを稼動させ、水素窒素添加DLC保護層を2nm形成し、水素添加DLC保護層と水素窒素添加DLC保護層とを段階的に形成したこと以外は実施例1と同様にフレキシブルディスクを作製した。
比較例2
実施例1において、イオンソース171及び173のみを稼動させ、水素添加DLC保護層を6nm形成したこと以外は実施例1と同様にフレキシブルディスクを作製した。
実施例1において、イオンソース171及び173のみを稼動させ、水素添加DLC保護層を6nm形成したこと以外は実施例1と同様にフレキシブルディスクを作製した。
比較例3
実施例1において、イオンソース172及び174のみを稼動させ、水素窒素添加DLC保護層を6nm形成したこと以外は実施例1と同様にフレキシブルディスクを作製した。
実施例1において、イオンソース172及び174のみを稼動させ、水素窒素添加DLC保護層を6nm形成したこと以外は実施例1と同様にフレキシブルディスクを作製した。
評価
前記で得られた各種磁気記録媒体について、下記の評価を行った。
(1)保護層中窒素含有率
実施例1で作成した磁気記録媒体に対し、保護層中の窒素含有率の変化を、オージェ電子分光装置により測定した。結果を図3に示す。
(2)記録再生特性
再生トラック幅0.25μm、再生ギャップ0.09μmのGMRヘッドを用いて、線記録密度400kFCIの記録再生を行い、再生信号/ノイズ(S/N)比とを測定した。なおこのとき回転数は4200rpm、半径位置は35mmとした。なお、S/N値は実施例1での値を基準として、その値からの増減を示した。結果を表1に示す。
(3)磁気ヘッドロード時の走行耐久性
得られた磁気記録媒体に対し、記録再生を繰り返し行いながら走行させ、出力が初期値−3dBとなった時点で走行を中止し、耐久時間とした。なお環境は23℃50%RHとし、試験は最大300時間とした。結果を表1に示す。
前記で得られた各種磁気記録媒体について、下記の評価を行った。
(1)保護層中窒素含有率
実施例1で作成した磁気記録媒体に対し、保護層中の窒素含有率の変化を、オージェ電子分光装置により測定した。結果を図3に示す。
(2)記録再生特性
再生トラック幅0.25μm、再生ギャップ0.09μmのGMRヘッドを用いて、線記録密度400kFCIの記録再生を行い、再生信号/ノイズ(S/N)比とを測定した。なおこのとき回転数は4200rpm、半径位置は35mmとした。なお、S/N値は実施例1での値を基準として、その値からの増減を示した。結果を表1に示す。
(3)磁気ヘッドロード時の走行耐久性
得られた磁気記録媒体に対し、記録再生を繰り返し行いながら走行させ、出力が初期値−3dBとなった時点で走行を中止し、耐久時間とした。なお環境は23℃50%RHとし、試験は最大300時間とした。結果を表1に示す。
図3の結果から、実施例1で作製した磁気記録媒体の保護層は、磁性層(磁気記録層)から表面側に向かって窒素含有率が少なくとも一部分、連続的に変化していることが分かる。
また表1の結果から、本発明の磁気記録媒体は、充分な磁気特性と、走行耐久性を有することがわかる。一方、比較例1−2は、磁気ヘッドとの接触記録再生において走行耐久時間が短く、信頼性の高い磁気記録媒体とはいえない。また、比較例3では磁気特性の劣化が見られている。
また表1の結果から、本発明の磁気記録媒体は、充分な磁気特性と、走行耐久性を有することがわかる。一方、比較例1−2は、磁気ヘッドとの接触記録再生において走行耐久時間が短く、信頼性の高い磁気記録媒体とはいえない。また、比較例3では磁気特性の劣化が見られている。
11 磁性層が形成された可とう性高分子支持体
12 巻きだしロール
13,14,15,18 ロール
161,162 成膜ロール
171,172,173,174 イオンソース
19 巻取りロール
21,22 プラズマ照射装置
12 巻きだしロール
13,14,15,18 ロール
161,162 成膜ロール
171,172,173,174 イオンソース
19 巻取りロール
21,22 プラズマ照射装置
Claims (3)
- 可とう性高分子支持体の少なくとも一方の面に、少なくともグラニュラ構造を有する磁性層および保護層をこの順に形成した磁気記録媒体であって、前記保護層の少なくとも一部分が、膜厚方向に連続的に窒素含有率を変化させたものであることを特徴とする磁気記録媒体。
- 可とう性高分子支持体の少なくとも一方の面に、少なくともグラニュラ構造を有する磁性層および保護層をこの順に形成する磁気記録媒体の製造方法であって、前記可とう性高分子支持体上に前記磁性層を形成する工程と、前記磁性層が形成された可とう性高分子支持体を搬送させながら、複数のイオンソースを用いたイオンビームデポジション法により、膜厚方向に連続的に窒素含有率が変化した保護層を成膜する工程とを有する磁気記録媒体の製造方法。
- 前記磁性層が形成された可とう性高分子支持体を搬送させながら、前記磁性層をプラズマ処理した後、保護層を成膜することを特徴とする請求項2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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Legal Events
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