JP2005352840A - ポインティング装置およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 スクリーン上の画像表示を用いたプレゼンテーション等で用いられるポイント画像表示の制御と、任意の撮像画像のスクリーン上への表示を簡便な操作によって行うことができる技術を提供する。
【解決手段】 指示装置兼撮像装置101によって撮像した画像をスクリーン102に投影表示する撮像画像表示モードと、スクリーン102に投影したポイント画像103の位置を指示装置兼撮像装置101の指向方向によって制御するポイント画像制御モードとを切替え可能な構成とする。こうすることで、撮像した画像のスクリーン102上への投影操作と、スクリーン102に表示されたポイント画像103の表示位置の制御操作とを一つの装置を用いて簡単に行うことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表示画面上にポイント画像を表示する機能とカメラとしての機能を有するポインティング装置に関する。
スクリーン上に投影した画像を用いたプレゼンテーション手法が知られている。この手法においては、スクリーン上に図表等のプレゼンテーションで用いる画像を表示し、それをポインティング装置で指し示しながら、プレゼンテーションが行われる。
ポインティング装置としては、レーザポインタが知られているが、視聴者の目に直接レーザ光を照射してしまった場合の危険性や不快感が指摘されている。レーザポインタ以外の方法としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているような、矢印等の目印となるポイント画像をスクリーン上に表示し、それをスクリーン上で動かす方法がある。
特開2002−154083号公報 特開平11―271675号公報
しかしながら、上述した特許文献1あるいは特許文献2に記載されているような、ポインティング装置は、説明者がスクリーンに向けてポインティング装置を向ける必要があり、説明者の動きを制約する点で更なる改善が求められていた。
一方、スクリーン上への画像表示機能を利用した授業や講義が模索されている。例えば、算数の授業において、生徒がノートの書いた解答をスクリーン上に映し出し、授業に利用するといった手法が考えられている。このような手法を実現する方法としては、デジタル・スチールカメラを用いる、小型のハンディカメラを用いる、といった方法が挙げられる。
しかしながらこの場合、教師は上述したポインティング装置を用いて説明を加えつつ、さらに別にカメラの操作も行わなくてはならず、ハードウェアとして扱いやすいものではなかった。
本発明は、表示画面にポインティング装置を向けなくてもポイント画像の位置制御を行うことができる技術を提供することを目的とする。また本発明は、スクリーン等に表示した画像を用いてプレゼンテーションや授業等を行う場合にポイント画像のポインティング操作とスクリーン等への撮像画像の表示とを簡便な操作によって行うことができる技術を提供することを目的とする。
本発明のポインティング装置は、撮像装置によって撮像した撮像視野内の画像の移動量と移動方向とから前記撮像装置の指向方向の変化を検出し、この変化に応じて表示画面上におけるポイント画像の位置を決めるポイント画像制御モードと、前記撮像装置によって撮像した画像を前記表示画面上に表示する撮像画像表示モードとを備え、これら両モードのいずれかを選択する信号を生成するモード選択信号生成装置を備えることを特徴とする。
本発明のポインティング装置は、以下の2つのモードを選択することができる機能を有している。第1のモードは、ポインティング装置が備えた撮像装置により撮像した画像をスクリーン等に表示させる撮像画像表示モードである。撮像画像表示モードを選択した場合、例えばプレゼンテーションにおいて、説明者(プレゼンター)が撮像した任意の画像をスクリーン等に投影表示することができる。
第2のモードは、ポインティング装置の指向方向を制御することで、スクリーン等上に表示されたポイント画像の位置を制御するポイント画像制御モードである。ポイント画像制御モードを選択した場合、例えばスクリーン等に表示した画像の任意の部分をポイント画像によって指し示しながらプレゼンテーションを行うことができる。
ここで、ポイント画像というのは、任意の表示画面上に矢印や注意を引く目印を表示し、その表示を表示画面上において自在に動かすことで、表示画面上の所定の部分を指し示す機能を有する画像のことをいう。
上述した2つのモードを選択できることで、例えば以下のようなプレゼンテーションを行うことができる。例えば、生徒がノートの書いた解答をスクリーン上に映し出し、授業に利用する手法において、撮像画像表示モードにより生徒のノートを撮像してそれをスクリーンに投影し、ついでポイント画像制御モードに切替え、その投影した生徒のノートの内容をポイント画像で指し示しながら授業を行うことができる。
また例えば、スクリーン上に投影表示した画像を用いてプレゼンテーションを行っている状況において、説明者が手にしたポインティング装置を画像撮像モードに設定し、手元にある資料を撮像し、その撮像画像をスクリーン上に投影することで、資料の画像をスクリーン上に映し出し、視聴者に提示することができる。次にポインティング装置をポイント画像制御モードに切替えることで、スクリーン上に映し出された先に撮像した画像を矢印等のポイント画像で指し示しながら、説明を行うことができる。
このような手法を用いることで、生徒のノート、表示用に予め画像データを用意した以外の資料、あるいはプレゼンテーション会場に持ち込んだサンプルの撮像画像を用いた説明やプレゼンテーションを行うことができる。
上述した撮像画像表示モードにおいて、表示した画像を静止させる画像静止制御を行わせるための信号を生成する画像静止信号生成装置をさらに備えることは好ましい。
例えば、画像撮像モードを選択し、ポインティング装置に備えた撮像装置によって撮像した画像をスクリーン等の表示媒体に表示した場合、ポインティング装置を動かせば投影表示した画像もそれに従って動いてしまう。視聴者に画像を見せる場合、ポインティング装置の動きに従って、画像が動いてしまうと、視聴者には画像が見づらくなってしまう場合がある。この場合、撮像した画像が静止状態で表示されている方が好ましい。
上述の画像静止信号生成装置を用いると、撮像し、スクリーン等に投影表示した画像を任意のタイミングにおいて静止表示させることができる。そのため、ポインティング装置によって撮像した画像を視聴者に見やすく表示することができる。そして、この静止表示した画像を用いることで、ポイント画像を用いたプレゼンテーションをより効果的に行うことができる。
このようなポインティング装置の利用方法は、授業において、特定の生徒のノートを撮像して、それをスクリーン上に表示させ、その表示を教室内の生徒全員に見せながら、授業を進めて行く、といった手法に利用することができる。また、例えば手芸教室等において、特定の生徒の作品を撮像し、それをスクリーン上に表示させ、その表示を教室内の生徒全員に見せて解説を加える、といった手法に利用することができる。
本発明のポインティング装置において、撮像装置で撮像した画像を表示する表示装置をさらに備える構成とすることは好ましい。この態様によれば、ポインティング装置に撮像した画像を表示することができ、例えばプレゼンテーション時に説明者が撮像した画像を手元で確認する用途に利用することができる。
本発明のポインティング装置において、撮像した画像の移動量に対応したポイント画像の移動量を調整する移動量調整手段をさらに備えることは好ましい。この態様によれば、ポインティング装置の動かし方の個人差に応じて、ポインティング装置の動きとポイント画像の動きとの対応関係を調整することができる。例えば、ポインティング装置を小さく動かしてもポイント画像が大きく動くような設定や、ポインティング装置を大きく動かしてもポイント画像が少ししか動かないような設定を任意に決めることができる。
本発明のポインティング装置において、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)操作手段を制御する制御信号を生成するGUI制御信号生成装置をさらに備えることは好ましい。この態様によれば、通常のパーソナル・コンピュータを操作する感覚でポインティング装置を用いたグラフィカル・ユーザ・インターフェースの操作を行うことができる。この機能を用いることで、例えばweb上のコンテンツを利用したプレゼンテーション等を行うことができる。
本発明は、ポインティング装置を動かすためのプログラムとして把握することもできる。すなわち、本発明は、表示画面上における指示位置を指し示すポイント画像の位置を決める制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、撮像装置により撮像した画像を前記表示画面上に表示する撮像画像表示モードと、前記撮像装置によって撮像した撮像視野内の画像の移動量と移動方向とから撮像装置の指向方向の変化を検出し、この変化に応じて前記表示画面上に表示される前記ポイント画像の位置を決めるポイント画像制御モードのいずれかを選択する機能と、前記撮像画像表示モードが選択された場合に、前記表示画面上に前記撮像装置で撮像した画像を表示するための画像データを送信する機能と、前記ポイント画像制御モードが選択された場合に、前記ポイント画像の表示位置を制御するための画像データを送信する機能とを実行させるためのプログラムとして把握することが可能である。
本発明によれば、任意の撮像画像を解析することで、ポインティング装置の指し示す位置の変化を割り出すので、スクリーン等の表示画面にポインティング装置を向けなくてもポイント画像の位置制御を行うことができる技術が提供される。また本発明によれば、撮像画像を表示する撮像画像表示モードと、撮像装置による撮像視野内の画像の移動量と移動方向から撮像装置の指向方向の変化を検出し、この変化に応じてポイント画像の位置を決めるポイント画像制御モードのいずれかのモードを適時選択することができるので、スクリーン等に表示した画像を用いてプレゼンテーションや授業等を行う場合に、スクリーン等への撮像画像の表示操作とポイント画像のポインティング操作とを簡便な操作によって適宜選択することができる。
1.第1の実施形態
(第1の実施形態の構成)
図1は、本発明のポインティング装置を利用したプレゼンテーション・システムの概要示す概念図である。図1には、指示装置兼撮像装置101、スクリーン102、ポイント画像103、指示装置兼撮像装置101の撮像対象の範囲104、投影装置105、説明者(プレゼンテーションを行なう人物)106、ポイント画像制御装置107およびパーソナル・コンピュータ108が示されている。
このシステムでは、指示兼撮像装置101を撮像画像表示モードとポイント画像制御モードのいずれかのモードで使用することができる。撮像画像表示モードを選択した場合、指示装置兼撮像装置101をカメラのように用いて、任意の撮像対象を撮像することができる。この場合、撮像した画像はスクリーン102上に投影することができる。ポイント画像制御モードを選択した場合、説明者106が指示装置兼撮像装置101を動かすと、その動きに対応してスクリーン上に投影されたポイント画像103を動かすことができる。この際、指示装置兼撮像装置101が撮像した撮像視野内での動きをポイント画像制御装置107で解析し、ポイント画像103の移動方向および移動量が算出され、それに従いポイント画像103の表示位置が制御される。
また、指示装置兼撮像装置101は、また各種の制御信号をポイント画像制御装置107に送る機能を有する。この制御信号には、撮像画像表示モードとポイント画像制御モードのいずれかを選択する信号が含まれる。
パーソナル・コンピュータ108は、適当なアプリケーションソフトを利用して加工作成したプレゼンテーションする内容の画像を記憶し、所定の操作に従ってその画像データをポイント画像制御装置107に出力する。
ポイント画像制御装置107は、指示装置兼撮像装置101が撮像した画像を投影装置105に送る機能、指示装置兼撮像装置101が撮像した画像を静止画像として投影装置105に送る機能を備える。また、ポイント画像制御装置107は、指示装置兼撮像装置101から送られてきた信号に基づいて、スクリーン102上におけるポイント画像103の位置を制御する処理を行う。また、ポイント画像制御装置107は、パーソナル・コンピュータ108から送られてきた画像にポイント画像を重ね合わせる処理を行なう。
投影装置105は、液晶プロジェクタや3管型プロジェクタ等であり、ポイント画像制御装置107から送られてくる画像信号に基づいた画像をスクリーン102上に投影する機能を有する。
図2は、指示装置兼撮像装置101の構成の一例を示すブロック図である。図2に示す指示装置兼撮像装置101は、撮像装置111、画像信号生成装置112、制御スイッチ113、位置リセットスイッチ114、移動量調整ダイアル115、制御信号生成装置116、電源スイッチ117、画像静止スイッチ118および信号出力装置119を備えている。
撮像装置111は、CCD撮像素子を備えたカメラである。画像信号生成装置112は、撮像素子111で撮像した画像を伝送に適した適当な電気信号(画像信号)に変換する。制御スイッチ113は、後述するマウス機能等を利用する場合に利用されるスイッチである。たとえば、制御スイッチ113として、マウスの右クリックおよび左クリックに対応する機能を割り当てることができる。位置リセットスイッチ114は、ポイント画像103の位置を初期設定するためのスイッチである。たとえば、位置リセットスイッチ114を操作すると、スクリーン102の中央に強制的にポイント画像103を表示させることができる。
移動量調整ダイアル115は、指示装置兼撮像装置101の指向方向または指向位置の変化量とスクリーン上のポイント画像103の移動量との関係を調整するダイアルである。たとえば、指示装置兼撮像装置101の指向位置の移動量に比較して、スクリーン上のポイント画像103の移動量が大きく変化するように調整した場合、指示装置兼撮像装置101を少し動かしただけで、ポイント画像103が大きく移動するように設定することができる。
モード切替えスイッチ116は、撮像画像表示モードとポイント画像制御モードのいずれかを選択する機能を有する。モード切替えスイッチ116を操作することで、撮像画像表示モードとポイント画像制御モードのいずれかを選択する選択信号が後述する制御信号生成装置119において生成される。
電源スイッチ117は、指示装置兼撮像装置101の電源スイッチである。画像静止スイッチ118は、撮像装置111によって撮像し、例えばスクリーン102に投影表示されている画像を静止画像にする際に操作されるスイッチである。
制御信号生成装置119は、制御スイッチ113、位置リセットスイッチ114、移動量調整ダイアル115、モード切替えスイッチ116、電源スイッチ117および画像静止スイッチ118の操作内容を、ポイント画像制御装置107に送信するのに適当な電気信号に変換する機能を有する。信号出力装置120は、ポイント画像制御装置107に画像信号生成装置112および制御信号生成装置119において生成された電気信号を電波信号として送信する機能を有している。
図3は、ポイント画像制御装置107(図1参照)の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すポイント画像制御装置107は、受信装置121、信号分離装置122、画像取り込み装置123、移動量調整装置124、初期設定位置制御装置125、画像解析装置126、ポイント画像制御信号生成装置127、画像静止装置128、画像合成装置129および信号出力装置130を備えている。
受信装置121は、指示装置兼撮像装置101からの電波信号を受信する機能を有する。信号分離装置122は、受信装置121で受信した信号の中に含まれる画像信号および各種制御信号を分離し、所定の装置に導く機能を有する。移動量調整装置124は、指示装置兼撮像装置101の移動量調整ダイアル115の調整内容を反映した制御信号を受け、ポイント画像103の移動量の割合を調整する機能を有する。たとえば、移動量調整装置124は、指示装置兼撮像装置101が撮像した画像の動きに対応する移動量の大きさを所定の基準値に対して任意倍する機能を有し、調整量ダイアル115(図2参照)の設定具合に応じて、この任意倍する数値を変える機能を有する。
画像取り込み装置123は、撮像装置111(図2参照)が撮像した画像を取り込む機能を有する。画像解析回路126は、画像取り込み装置123で取り込んだ画像(撮像装置111が撮像した画像)を解析し、撮像視野内におけるその移動方向と移動量を算出する。画像の解析方法については、後に詳述する。
ポイント画像制御信号生成装置127は、画像解析装置126で算出された指示装置兼撮像装置101が撮像した画像の撮像視野内における移動方向と移動量とに基づいて、ポイント画像103の移動方向と移動量とを算出し、さらにその算出結果に基づいてポイント画像を表示すべき位置の座標データを生成する。
また、ポイント画像制御信号生成装置127は、移動量調整装置124からの信号に応じて、ポイント画像103の移動量が移動量調整ダイアル115(図2参照)の操作に応じた値になるように処理を行なう。また、ポイント画像制御信号生成装置127は、初期設定位置制御装置125からポイント画像103を強制的に所定の位置に表示させる旨の信号を受けた場合に、ポイント画像103をスクリーン102上の所定の位置に表示するための処理を行う。
画像静止装置128は、指示装置兼撮像装置101によって撮像されている画像を任意のタイミングで切り取り静止画とする処理を行う機能を有する。例えば、画像撮像モードが選択され、任意の撮像対象の撮像が行われている状況において、画像静止スイッチ118(図2参照)が押されると、リアルタイムでスクリーン102(図1参照)に投影表示されている画像を静止画像とすることができる。
画像静止装置128は、図示しないメモリを備えている。このメモリには、指示装置兼撮像装置101によって撮像されている画像が所定のサンプリング間隔で繰り返し記憶され、さらにこの記憶された画像データは所定の時間メモリ内に保持される。画像静止処理においては、このメモリに蓄えられた画像データが読み出され、信号出力装置に送られる。
画像合成装置129は、ポイント画像制御信号生成装置127において生成された座標データによって決められる位置にポイント画像を表示するための画像データを生成し、その画像データを、パーソナル・コンピュータ108(図1参照)から送られてくる画像に合成する処理を行う。この処理により、パーソナル・コンピュータ108(図1参照)から送られてくる画像中の所定位置にポイント画像が表示される合成画像が生成される。
また、画像合成装置129は、ポイント画像制御信号生成装置127において生成された座標データによって決められる位置に画像データを生成し、それを画像静止装置128から送られてくる画像に合成する機能を有する。
信号出力装置130は、画像合成装置129において処理された画像信号を投影装置105(図1参照)に送り出す機能を有する。また、信号出力装置130は、信号分離装置122で分離された画像信号を投影装置105に送信する機能を有する。
本実施形態において、投影装置105における光学的なズーム機能を指示装置兼撮像装置101によって操作できるようにしてもよい。この場合、指示装置兼撮像装置101にズーム調整操作スイッチをさらに備え、ポイント画像制御装置107にズーム調整信号生成装置をさらに備えた構成とする。この態様では、指示装置兼撮像装置101のズーム調整操作スイッチを操作することで、その操作結果を反映した信号がポイント画像制御装置107に送られ、その信号を受けて、ポイント画像制御装置107のズーム調整信号生成装置において、投影装置105の光学ズーム機能を制御するための制御信号が生成され、その制御信号により投影装置105の光学ズーム機能が制御される。
なお指示装置兼撮像装置101に画像表示装置を備えても良い。この場合、説明者は、撮像装置111によって撮像した画像を手元で見ることができる。また、指示装置兼撮像装置101にポイント画像制御装置107の機能の一部または全部を格納した構成にしてもよい。
(第1の実施形態の動作)
(動作の概略)
図4は、本実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図1に示すシステムにおいて、説明者(プレゼンター)が指示装置兼撮像装置101を用いてプレゼンテーションを行う場合を例に挙げ、実施形態の動作の一例を説明する。この例においては、図4に示す処理手順がポイント画像制御装置107において行われる。
図1に示すシステムにおいて、説明者106が指示装置兼撮像装置101を手にし、その電源スイッチ117(図2参照)をONにすると、撮像装置111によって撮像された画像のデータがポイント画像制御装置107に送られ、ポイント画像制御装置107において、図4に示す処理フローがスタートする(ステップS401)。なお、電源スイッチ117がONにされると、指示装置兼撮像装置101における各種制御スイッチの操作内容を反映した制御信号が制御信号生成装置119において生成され、それが信号出力装置120から、ポイント画像制御装置107に対して送信される。ポイント画像制御装置107は、この指示装置兼撮像装置101から送られてくる各種の制御信号に基づいて以下に述べる処理を実行する。
図4に示す処理がスタートすると、指示装置兼撮像装置101のモード切替えスイッチ116がポイント画像制御モードになっているか否かが判断される(ステップS402)。モード切替えスイッチ117がポイント画像制御モードに設定されていれば、ステップS403に進む。また、モード切替えスイッチ117が撮像画像表示モードになっていれば、ステップS412に進む。
ステップS403〜S408においては、ポイント画像103の位置制御を行うためのポイント画像制御モードの処理が行われる。ポイント画像制御モードでは、指示装置兼撮像装置101の指向位置の変化に応じたポイント画像103の表示位置の制御が行われる。例えば、図1に示す状況において、説明者106が、手にした指示装置兼撮像装置101を動かし、その撮像範囲104を矢印109の方向に移動させた場合、その動きに対応してポイント画像103もまたスクリーン102上において、矢印110の方向に動くような制御が行われる。ステップS403〜S408に示す処理の詳細については後述する。
ステップS402の判断がNOである場合、ステップS412に進み、撮像画像表示モードの処理が実行される。この撮像画像表示モードにおいては、まず指示装置兼撮像装置101から送信されてくる画像信号を、受信装置121(図3参照)において受信し(ステップS412)、さらに画像静止スイッチ118(図2参照)がONであるか否か、が判断される(ステップS413)
画像静止スイッチ118が押されていれば、スクリーン102上に表示されている画像を静止表示させる処理が画像静止装置128において行われ(ステップS414)、画像静止スイッチ118が押されていなければ、指示装置兼撮像装置101から送られてきた画像の画像信号を信号出力装置130から投影装置105に送信する(ステップS415)。
そして電源スイッチ117がOFFであるか否か、が判断され(ステップS410)、電源OFFでなければステップS402の前段階に戻り、電源OFFであれば処理を終了する(ステップS411)。
この態様によれば、指示装置兼撮像装置101によって撮像された画像の画像信号がポイント画像制御装置107を介して投影装置107に送られ、それが投影装置105からスクリーン102上に投影表示される。つまり、指示装置兼撮像装置101によって撮像した画像をスクリーン102に投影表示することができる。さらに画像静止スイッチ118をONにした場合に、投影表示している画像を静止表示させることができる。これにより例えば、説明者106が、指示装置兼撮像装置101を用いて手にした資料等を撮像し、適当なタイミングで画像静止スイッチ118を押すことで、この撮像画像を静止画像としてスクリーン102に静止表示させることができる。
また、画像静止スイッチ118を操作して、任意のタイミングで切り取った撮像画像の1コマをスクリーン102上に投影表示し、その後にモード切替えスイッチ116を操作して、ポイント画像制御モードにモードを切り替え、さらにスクリーン102上に投影表示されているこの静止画像をポイント画像103により指し示しながら、プレゼンテーションを行うことも可能である。
このように指示装置兼撮像装置101を操作してモードを切り替えることで、撮像画像のスクリーン102上への表示操作と、ポイント画像103の位置制御操作とを簡単な操作により適宜行うことができる。したがって、プレゼンテーションに説明者が自らその場で撮像した画像を用いる等の手法を簡単に実現することができる。またポイント画像制御モードにおいて、指示装置兼撮像装置101をスクリーン102に向ける必要はなく、適当な任意の場所に向けて、振り回すだけで、ポイント画像103の位置を制御することができる。このため、レーザポインタのようなレーザ光が視聴者の目に入ってしまう問題や、プレゼンテーション中に説明者の動きや制約されてしまう問題を解決することができる。
(ポイント画像制御モードの詳細)
以下、図4のステップS403〜S408において行われるポイント画像制御モードの一例を説明する。図5は、画像解析の方法の一例を説明するための概念図である。図5には、指示装置兼撮像装置101(図1参照)が撮像している撮像視野133が示されている。この撮像視野133は、図1における撮像範囲104に相当する。図5には、説明者106の操作に従う指示装置兼撮像装置101の指向方向の変化に伴って、撮像視野133内における特定画像131が図5(A)に示される位置から、矢印132で示される方向に動き、図5(B)に示される位置に移動した場合の例が示されている。
図5には、撮像視野133内に5つの監視ポイント134〜138を設けた場合の例が示されている。監視ポイント134〜138は、撮像視野133における撮像画像の動きを検出するために利用される。すなわち、監視ポイント134〜138によって撮像視野133内の画像を部分的に5箇所で切り取り、この切り取った画像のデータを所定の時間間隔をおいて比較することで、指示装置兼撮像装置101の撮像装置111が捉えた撮像画像の動きを検出する。
監視ポイント134〜138は、格子状にXm×Yn個のドット(画素)に分割されている。図5には、一例として監視ポイント135〜138が5×5画素のマトリクスに分割されている例が示されている。この監視ポイント134〜138によって、撮像画像の中から5つの部分が切り出される。なお、m,nは、0を除く自然数である。
各監視ポイントにおいて切り出された撮像画像の一部それぞれは、(Xm,Yn)の記憶領域に格納したテーブルデータによって表される。このテーブルデータが、各監視ポイントにおける画像を特定するための画像データとなる。
たとえば図5に示す例おいて、白黒画像を対象とする場合、監視ポイント134〜138のそれぞれにおける画像データは、0または1の画素データを記憶した5×5個のテーブルデータとして表される。
監視ポイント134〜138を用いるのは、撮像した画像の動きを検出し、さらに画像の移動方向とその移動量を算出するための基礎データを得るためである。後に詳述するように、5カ所の監視ポイントにおける画像データの時間的な変化を解析することで、画像の移動方向と移動量とが算出される。監視ポイントを設定する方法は、画像全体に関する画像データを扱わなくて済むので、解析に要する処理時間を短くでき、また解析に必要なハードウェアやソフトウェアプログラムを簡素化できる。なお、監視ポイントの設定は、図5に示す例に限定されるものではなく、その設定箇所の数や設定位置は任意に設定可能である。
以下、監視ポイント134〜138を利用して、撮像画像の動きを検出する処理の一例を説明する。以下に説明する画像処理は、図3の画像解析装置126、ポイント画像制御信号生成装置127および画像合成装置129において行われる。
まず、所定の時点における監視ポイント134〜138における画像データ(第1の画像データ)を記憶する(ステップS403)。この画像データは、画像解析装置126内に備えられた図示しないメモリに記憶される。
画像データの記憶は所定のサンプリング周波数に従って、繰り返し行われる。従って、ステップS403の実行から所定の時間が経過した段階で、再び監視ポイント134〜138における画像データ(第2の画像データ)が記憶される(ステップS404)。
次に第1の画像データと第2の画像データとを比較し、所定の監視ポイントにおける画像データに違いはあるか、を判断する(ステップS405)。ステップS405においては、各監視ポイントそれぞれにおける第1の画像データと第2の画像データとが比較される。すなわち、監視ポイント134における第1の画像データと第2の画像データとが比較され、監視ポイント135における第1の画像データと第2の画像データとが比較され、監視ポイント136における第1の画像データと第2の画像データとが比較され、という処理が行われる。
監視ポイントにおける第1の画像データと第2の画像データとの間に違いが1つでもあればステップS406に進み、そうでなければステップS404の前段階に戻る。たとえば、図1に示す状態において、説明者106が指示装置兼撮像装置101を動かさなければ、撮像画像は動かないから、各監視ポイントにおいて上述の第1の画像データと第2の画像データとは同じであり、ステップS405の判断はNOとなり、ステップS404以下の処理が再度繰り返し行われる。
ステップS406では、異なる監視ポイントにおける画像データの一致があるか、が判断される。つまり、ある監視ポイントの第1の画像データと他の監視ポイントの第2の画像データとが一致するか、が判断される。この判断は、監視ポイント毎に行われる。たとえば、監視ポイント134における第1の画像データと監視ポイント135〜138における第2の画像データとが比較され、両者に一致するものがあるか、が判断され、さらに監視ポイント135における第1の画像データと監視ポイント134、136〜138における第2の画像データとが比較され、両者に一致するものがあるか、が判断され、という処理が各監視ポイントそれぞれにおいて行われる。
そして、異なる監視ポイントにおける画像データの一致があれば、ステップS407に進み、そうでなければステップS404の前段階に戻る。
ステップS407では、画像データの一致した2つの監視ポイントの位置から撮像画像の移動方向と移動量とを算出する。そしてステップS407において算出された撮像画像の移動方向と移動量とに基づいて、ポイント画像制御信号生成装置127(図3参照)において、ポイント画像の移動方向とその移動量とが算出される(ステップS408)。そして、算出されたポイント画像の移動方向と移動量のデータに基づいて、画像合成装置129においてポイント画像がスクリーン102に投影表示している画像に合成される(ステップS409)。
ここでは、モード切替えスイッチがポイント画像制御モードに設定されている場合を考えているから、電源スイッチ117がOFFになっていなければ、ステップS410の判断はNO、ステップS402の判断はYESとなり、ステップS403以下の判断が繰り返し行われる。こうして、指示装置兼撮像装置101の指向方向(指向方向)を変化させると、それに応じてスクリーン309上に表示されているポイント画像310を移動させるための処理が繰り返し行われる。つまり、撮像画像の動きに応じたポイント画像の位置制御が行われる。
なお、電源スイッチ117がOFFにされると、ステップS410の判断からステップ411に進み、処理が終了する。また、モードが撮像画像表示モードに切替えられた場合は、ポイント画像103の位置制御は行われず、ステップS412以下の撮像画像表示モードの処理に切り替わる。
以下、ポイント画像103の位置制御について、より具体的な例を挙げて説明を加える。図5には、特定画像131が図5(A)に示される位置から図5(B)に示される位置に移動した状態の例が示されている。ここで、図5(A)の状態で第1の画像データの記憶(ステップS403)が行われ、図5(B)の状態で第2の画像データの記憶(ステップS404)が行われたとする。
この場合、図5(A)における監視ポイント135の画像データと、図5(B)における監視ポイント135の画像データとが相違する。また図5(A)における監視ポイント136の画像データと、図5(B)における監視ポイント136の画像データとが相違する。また図5(A)における監視ポイント137の画像データと、図5(B)における監視ポイント137の画像データとが相違する。したがって、ステップS405の判断は、YESとなる。
またこの際、図5(A)における監視ポイント135の画像データと、図5(B)における監視ポイント136の画像データとは一致する。また図5(A)における監視ポイント136の画像データと、図5(B)における監視ポイント137の画像データとは一致する。つまり、異なる監視ポイントにおいて、第1の画像データと第2の画像データとが一致する。したがって、ステップS406の判断はYESとなる。
そして、画像データが一致した監視ポイントの位置関係から、矢印132により示されるような特定画像131の図5(A)に示す位置から図5(B)に示す位置への移動が算出される。つまり、特定画像131の移動方向と移動量とが算出される。特定画像131は、撮像画像の一部であるから、特定画像の移動方向と移動量とを算出することで、撮像画像の移動方向と移動量とが算出されることになる。こうして、図3に示す画像解析装置126において、撮像画像の異動方向と移動量とが算出される。
図5に例示するように、撮像画像が矢印132の方向に移動する場合、指示装置兼撮像装置101はその方向とは反対の方向に指向位置が動かされていることになる。たとえば、図1の矢印109の方向に撮像範囲104が動くように、指示装置兼撮像装置101の向きを動かした場合、撮像装置111が撮像している撮像画像は、矢印109とは180度異なる方向である矢印132(図5参照)の方向に移動する。この関係を利用することで、ポイント画像制御信号生成装置127(図3参照)において、ステップS408の処理が行われ、ポイント画像103(図1参照)の移動方向110と移動量とが算出される。この算出結果に基づいてポイント画像の表示位置を指定する信号が生成され、画像合成装置129においてパーソナル・コンピュータ108から送られてくる画像信号中の所定の座標にポイント画像が合成される。
このように、説明者106が指示装置兼撮像装置101の向きを変え、その指向位置が例えば矢印109の方向に移動すると、撮像装置111の撮像画像が図5の矢印132の方向に移動する。この撮像画像の移動方向と移動量を、監視ポイント134〜138間の画像データの比較から算出し、その結果に基づいてポイント画像103の移動方向および移動量が算出され、矢印110で示されるようなポイント画像103の表示位置の制御が行われる。
以上説明した監視ポイント135〜138を利用して、撮像画像の移動を検出する方法は、扱うデータ量が少なくて済み、そのため演算速度を速くでき、応答性に優れたものとできる優位性がある。そのため、説明者がストレスを感じずに、ポイント画像103を利用したプレゼンテーションを行うことができる。また、扱うデータ量が少なくて済み、また演算が比較的簡単なため、必要なハードウェアが簡単で済み、低コスト性と信頼性に優れたものとできる。
なお、指示装置兼撮像装置101が撮像した画像を解析し、指示装置兼撮像装置101が指向した方向(あるいは指向位置)の変化を検出する方法としては、撮像した画像の特徴点(たとえば、エッジ等の明るさや色合いの変化点)を検出することで、特定の画像を捉え、その画像の撮像視野内における移動を検出する方法を採用することもできる。
本実施形態においては、ポイント画像103の移動量は、移動量調整装置124(図3参照)により調整可能になっており、指示装置兼撮像装置101の指向位置の変化あるいは振り角に対応したポイント画像103のスクリーン102上における移動量は、任意に調整できるようになっている。
この調整は、指示装置兼撮像装置101の移動量調整ダイアル115(図2参照)の操作によって行われる。すなわち、移動量調整ダイアル115を調整すると、その調整内容を反映した信号が制御信号生成装置119において生成され、その制御信号が指示装置兼撮像装置101からポイント画像制御装置107に送られる。この制御信号は、受信装置121を経て、信号分離装置122から移動量調整装置124に送られる。移動量調整装置124では、移動量調整ダイアル115の操作状態に応じて、ポイント画像103の移動量の設定を行い、その内容を指定する信号をポイント画像制御信号生成装置127に送る。
この態様によれば、図1に示す説明者106による指示装置兼撮像装置101の動かし方の癖や個人差に応じて、指示装置兼撮像装置101の撮像範囲104の移動量に応じたポイント画像103のスクリーン102上での移動量を調整することができる。
また、本実施形態においては、ポイント画像103のスクリーン102上での位置を任意のタイミングで強制的に位置合わせできるようになっている。すなわち、スクリーン102上におけるポイント画像103の位置を強制的にスクリーンの中央等に表示させることができる。
以下、この動作の詳細な一例を説明する。説明者106(図1参照)が指示装置兼撮像装置101の位置リセットスイッチ114(図2参照)を操作すると、制御信号生成装置119においてその旨を指示する信号が生成され、その信号は信号出力装置120からポイント画像制御装置107(図1および図3参照)に送信される。その信号は、ポイント画像制御装置107の受信装置121において受信され、信号分離装置122を経て、初期設定位置制御装置125に送られる。初期設定位置制御装置125では、その信号を受けて、スクリーン102の所定の位置(たとえばスクリーン102の中央)にポイント画像103を表示させるための信号をポイント画像制御信号生成装置127に送る。この信号を受けて、ポイント画像制御信号生成装置127では、スクリーン102の所定の位置にポイント画像103を表示する信号を生成し、画像合成装置129に送る。そして、画像合成装置129において、パーソナル・コンピュータ108から送られてきた画像の中央にポイント画像103が表示されるような合成画像が作られ、その合成画像信号が投影装置105に送られる。投影装置105は、この合成画像をスクリーン102上に投影する。こうして、ポイント画像103がスクリーン102の中央に強制的に表示される。
この態様によれば、説明者106が任意のタイミングにおいて、スクリーン102上におけるポイント画像103の位置を初期設定あるいはリセットすることができる。この機能により、説明者106(図1参照)がポイント画像103を見失った際にポイント画像の位置を所定の位置に表示し直すリセット操作を行うことができる。また、この操作は、プレゼンテーションを始める際におけるポイント画像103の初期位置の設定に利用することもできる。
2.第2の実施形態
(第2の実施形態の構成)
本発明において、ポイント画像制御モードを用いて、GUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)(Graphical User Interface)を使うこともできる。グラフィカル・ユーザ・インターフェースとは、ユーザに対する情報の表示にグラフィックを多用し、アプリケーションソフトの操作をマウス等のポインティングデバイスによって行うことができるユーザインターフェースのことをいう。
以下、パーソナル・コンピュータが備えているポイント画像(マウスポインタ)の制御機能を利用して、スクリーン上に投影表示したポイント画像を用いたグラフィカル・ユーザ・インターフェース機能を実行する構成の一例について説明する。
図6は、本発明のポインティング装置を利用した他のプレゼンテーション・システムの概要を示す概念図である。図7は、図6におけるポイント画像制御装置201の構成の一例を示すブロック図である。
図6には、説明者301、指示装置兼撮像装置302、指示装置兼撮像装置302が撮像している撮像範囲303、ポイント画像制御装置201、パーソナル・コンピュータ304、USB(Universal Serial Bus)ケーブル305、画像伝送ケーブル306、投影装置308、スクリーン309およびポイント画像310が示されている。
指示装置兼撮像装置302は、図2に示す構成と同様の構成を有している。ポイント画像制御装置201は、図7に示すように、受信装置202、信号分離装置203、画像取り込み装置205、移動量調整装置206、初期設定位置制御装置207、画像解析装置208、ポイント画像制御信号生成装置209、USBインターフェース装置210、画像静止装置211および信号出力装置212を備えている。
図7において、USBインターフェース装置210以外の装置は、図3に示した各装置と重複する機能を有するので、説明を省略する。USBインターフェース装置210は、ポイント画像制御信号生成装置209において生成された信号に基づいて、ポイント画像の位置を指定するUSB規格の信号を生成し、それをパーソナル・コンピュータ304(図6参照)に送信する機能を有する。また、USBインターフェース装置210は、指示装置兼撮像装置302(図2参照)から送られてくる、ポイント画像を利用した右クリック操作信号および左クリック操作信号をUSB規格の信号に変換し、それをパーソナル・コンピュータ304(図7参照)に送信する機能を有する。
本実施形態においては、指示装置兼撮像装置302を操作することで、撮像画像表示モードまたはポイント画像制御モードを選択できる。さらにポイント画像制御モードを選択した場合に、スクリーン309上の表示画面上においてポイント画像310を用いたグラフィカル・ユーザ・インターフェースを操作することができる。
ポイント画像制御モードが選択された場合、指示装置兼撮像装置302が撮像した画像をポイント画像制御装置201において解析することで、指示装置兼撮像装置302の撮像対象の移動方向と移動量とを算出する。そして、その解析結果に基づいてポイント画像制御装置201は、ポイント画像310の表示位置を指示するUSB(Universal Serial Bus)規格の信号を生成し、それをパーソナル・コンピュータ304に送る。パーソナル・コンピュータ304は、GUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)機能に備わっているポイント画像の表示位置制御機能を用いて、ポイント画像を所定の座標に位置させた画像を生成し、それを投影装置308に送り、投影装置308は、その画像をスクリーン309上に投影する。こうして、指示装置兼撮像装置302の動きに追従させてスクリーン309上にポイント画像310を表示させることができる。
本実施態様では、パーソナル・コンピュータ304が一般的に備えているポイント画像の表示機能を利用して、ポイント画像310の位置制御を行う。この点において、パーソナル・コンピュータが生成した画像にポイント画像を外付けの装置で合成する第1の実施形態と異なっている。本実施態様では、パーソナル・コンピュータのポイント画像制御機能を利用するので、ポイント画像を用いたGUI機能の操作が可能となる。
本実施形態においては、指示装置兼撮像装置302の制御スイッチ113(図2参照)には、通常のマウスが備えている右クリックスイッチと左クリックスイッチに対応するスイッチが含まれており、このスイッチを操作することで、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを操作することができる。
ポイント画像制御装置201から出力され、パーソナル・コンピュータ304のUSB入力ポートに入力される信号は、通常のポインティングデバイス(たとえばマウス)からパーソナル・コンピュータに入力される信号と同じものである。また、ポイント画像310の位置制御を行うためのパーソナル・コンピュータ304における処理内容も同じである。したがって、指示装置兼撮像装置302を用いて、通常のマウスと同様に右クリックおよび左クリックの処理操作を行うことが可能となり、指示装置兼撮像装置302を用いたグラフィカル・ユーザ・インターフェースの操作が可能となる。
(第2の実施形態の動作)
以下、図6に示すシステムにおいて、ポイント画像制御モードが選択された場合の動作について説明する。この場合、説明者301が指示装置兼撮像装置302を動かして、その指向方向を変えると、相対的に撮像範囲303が動き、撮像視野内の画像が動く。この画像の動きを含む画像データは、指示装置兼撮像装置302からポイント画像制御装置201に送られる。ポイント画像制御装置201では、それを受信装置202で受信して、信号分離装置203を介して画像取り込み装置205に送る。画像取り込み装置205で取り込まれた画像データは、画像解析装置208において解析され、第1の実施の形態と同様な手順に従って、撮像視野内における画像の動きが解析される。この解析により、撮像装置111(図2参照)で撮像された画像の移動方向と移動量が算出される。
画像解析装置208での解析結果に基づき、ポイント画像制御信号生成装置209において、ポイント画像の移動方向と移動量が算出され、さらにその算出結果に基づいてポイント画像の座標データが生成される。ポイント画像制御信号生成装置209における処理内容は、第1の実施形態で説明した方法と同じである。ポイント画像制御信号生成装置209から出力されるポイント画像の座標データはUSBインターフェース装置210において、USB規格の信号に変換され、USBケーブル305を介してパーソナル・コンピュータ304のUSB入力ポートに送られる。
パーソナル・コンピュータ304では、ポイント画像制御装置201から送られてくるポイント画像の表示位置を指定する信号に基づいて、投影装置308に送る画像にポイント画像を合成する。この処理は、通常行われるポインティングデバイス(たとえばマウス)からの信号の処理と同じである。パーソナル・コンピュータ304で生成された画像(この画像にはポイント画像が含まれている)は、投影装置308に送られ、投影装置308からスクリーン309上に投影される。こうして、スクリーン309上に表示されるポイント画像310の位置を指示装置兼撮像装置302の指向位置を変えることで制御することができる。
本実施形態においては、ポイント画像310により、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を用いた処理をスクリーン309上で行うことができる。たとえば、スクリーン309上にGUIを利用できるアプリケーションソフトウェアを用いた画面が表示されているとする。この際、スクリーン上のポイント画像310の位置は、上述したように、指示装置兼撮像装置302の指向方向によって操作することができる。さらに、指示装置兼撮像装置302の制御スイッチ113(図2参照)を操作することで、通常のパーソナル・コンピュータの操作において行われるマウスの右クリックおよび左クリックに対応する操作をスクリーン309上に表示された画面上で行うことができる。
つまり、指示装置兼撮像装置302の指向方向を調整することによりポイント画像310の表示位置を制御し、さらにそのポイント画像を用いての右クリックおよび左クリック操作を行うことができる。
たとえば、指示装置兼撮像装置302の制御スイッチ113(図2参照)を操作し、左クリックに相当する操作を行ったとする。この場合、左クリックを伝える信号が、制御信号発生回路119(図2参照)において生成され、その信号は、信号出力装置120からポイント画像制御装置201(図8参照)に送られる。この信号は、ポイント画像制御装置201内の受信装置202で受信され、信号分離装置203からUSBインターフェース装置210に送られ、そこでUSB規格の信号に変換されてパーソナル・コンピュータ304(図7参照)に送られる。パーソナル・コンピュータ304では、通常のマウスによる操作の際と同様の処理が行われ、ポイント画像310を用いた左クリック操作が行われる。
このようにして、図6に示すシステムにおいて、指示装置兼撮像装置302を用いて、ポイント画像310を用いたグラフィカル・ユーザ・インターフェースの操作を行うことができる。
図6に示す構成においては、モード切替えスイッチ116(図2参照)を操作することで撮像画像表示モードを選択することもできる。撮像画像表示モードを選択した場合、指示装置兼撮像装置302で撮像した画像がスクリーン309上に直接投影される。この場合、指示装置兼撮像装置302の撮像装置111で撮像された画像の画像信号は、図7のポイント画像制御装置201の受信装置202で受信され、さらに信号分離装置203から画像静止装置211を介して信号出力装置212に送られる。信号出力装置212は、この画像信号をパーソナル・コンピュータ304に画像伝送ケーブル306を介して送り、パーソナル・コンピュータ304ではこの画像信号を適当なアプリケーションソフトウェアを用いて処理し、投影装置303に送り、投影装置303は、この画像をスクリーン309上に投影する。
本実施形態においても撮像画像表示モードの実行中に、画像静止スイッチ118(図2参照)を操作することで、指示装置兼撮像装置302によって撮像され、スクリーン309上に投影表示された画像を静止させることができる。
図6に示す実施形態において、指示装置兼撮像装置302の指向方向の変化に応じたポイント画像310の移動量を調整することができる。この場合、移動量調整ダイアル115(図2参照)の操作を受けて、ポイント画像制御装置201(図8参照)の移動量調整装置206においてポイント画像の移動量を設定するための制御信号が生成される。そして、ポイント画像制御信号生成装置209において指定されるポイント画像の位置が、調整された移動量を反映したものとなるような処理が行われる。
また、図6に示す本実施形態において、ポイント画像310の位置を強制的に所定の位置に表示し直すことができる。この場合、位置リセットスイッチ114(図2参照)の操作により、ポイント画像制御装置201内の初期設定位置制御装置207(図7参照)において、ポイント画像を強制的に所定の位置に表示する旨の信号が生成され、ポイント画像制御信号生成装置209において、スクリーン309に投影した画像中の所定の位置にポイント画像310を強制的に表示する処理が行われる。
以上の例示では、投影装置を用いてスクリーン上に画像を投影し、その投影画面上にポイント画像を表示する場合を説明したが、画像を表示する表示装置は、ブラウン管、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイあるいは適当な発光デバイスを用いた表示装置であってもよい。また、本発明は、プレゼンテーションへの適用に限定されるものではなく、ポイント画像を用いた各種の処理、操作、画像を用いた遊技、表現活動、授業や講義等に利用することができる。
3.第3の実施形態
第1の実施形態において、指示装置兼撮像装置101として市販のカメラ付き携帯電話を使用することも可能である。
カメラ付き携帯電話を使用する場合、図4に示したような処理手順を実行させるためのプログラムを適当な記録媒体やweb上等から携帯電話中にダウンロードし、携帯電話を指示装置兼撮像装置101として使用する。
この場合、制御スイッチ113、位置リセットスイッチ114、移動量調整ダイアル115、モード切替えスイッチ116、電源スイッチ117および画像静止スイッチ118は、携帯電話の10キー入力を適当に割り振ったもので代用する。例えば、数字1のボタンがモード切替えスイッチ、数字2のボタンが位置リセットスイッチといった具合に操作スイッチの役割を携帯電話の入力機能に割り振る。
携帯電話からポイント画像制御装置107への信号は、電話回線、光通信、ブルートゥース(Bluetooth)規格のような高周波信号、光ケーブル、その他公知の信号規格を用いて伝送すればよい。
本実施形態は、第2の実施形態において示したような グラフィカル・ユーザ・インターフェースの操作手段に適用することもできる。この場合、カメラ付き携帯電話をプレゼンテーション時のツールとしてだけではなく、マウスとして利用することもできる。
4.実施形態の応用
上述の第1実施形態〜第3の実施形態において示したポインティング装置は、プレゼンテーション以外に例えば学校での授業に利用することができる。
例えば、従来から行われている典型的な数学の授業においては、生徒が解いた解答を生徒自身が黒板等に板書し、それを教師が講評しながら授業を進めるといった手法が用いられている。
本実施形態の構成を採用した場合、このような手法の代わりに以下に説明するような手法を実現することができる。まず、教師は、指示装置兼撮像装置101を撮像画像表示モードに設定して生徒のノートを撮像し、その撮像画像をスクリーン102上に投影する。そして、撮像した生徒のノートがスクリーン102上に表示された状態の適当なタイミングにおいて、教師は画像静止スイッチ118を押し、表示された画像を静止表示させる。
次に、教師はモード切替えスイッチ116を操作して、モードをポイント画像制御モードに切替える。ポイント画像制御モードに切替えることで、スクリーン上に表示されているポイント画像103の表示位置の制御が行えるようになり、指示装置兼撮像装置101を動かしてポイント画像103の位置を制御することができる。こうすることで、先に撮像し、スクリーン102上に静止表示させた生徒のノートの内容を、ポイント画像103により指し示しながら解説する、あるいは批評するといった授業を行うことができる。
本発明は、スクリーン等の適当な画像表示装置に表示した画像を用いたプレゼンテーションや授業等において、利用することができる。
発明を利用したプレゼンテーション・システムの一例を示す模式図である。 指示装置兼撮像装置の概要を示すブロック図である。 ポイント画像制御装置の概要を示すブロック図である。 実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。 画像解析の一例を説明する概念図である。 発明を利用したプレゼンテーション・システムの他の一例を示す模式図である。 他のポイント画像制御装置の概要を示すブロック図である。
符号の説明
101…指示装置兼撮像装置、102…スクリーン、103…ポイント画像、104…撮像範囲、105…投影装置、106…説明者、107…ポイント画像制御装置、108…パーソナル・コンピュータ、109…撮像範囲の移動方向、110…ポイント画像の移動方向、111…撮像装置、112…画像信号生成装置、113…制御スイッチ、114…位置リセットスイッチ、115…移動量調整装置、116…モード切替えスイッチ、117…電源スイッチ、118…画像静止スイッチ、119…制御信号生成装置、120…信号出力装置、121…受信装置、122…信号分離装置、123…画像取り込み装置、124…移動量調整装置、125…初期位置設定制御装置、126…画像解析装置、127…ポイント画像制御信号生成装置、128…画像静止装置、129…画像合成装置、130…信号出力装置、131…特定画像、132…撮像視野内における特定画像の移動方向、133…撮像視野133、134…監視ポイント、135…監視ポイント、136…監視ポイント、137…監視ポイント、138…監視ポイント、301…説明者、302…指示装置兼撮像装置、303…撮像範囲、304…パーソナル・コンピュータ、305…USBケーブル、306…画像伝送ケーブル、308…投影装置、309…スクリーン、310…ポイント画像、201…ポイント画像制御装置、202…受信装置、203…信号分離装置、205…画像取り込み装置、207…初期設定位置制御装置、208…画像解析装置、209…ポイント画像制御信号生成装置、210…USBインターフェース装置、211…画像静止装置、212…信号出力装置。

Claims (6)

  1. 撮像装置によって撮像した撮像視野内の画像の移動量と移動方向とから前記撮像装置の指向方向の変化を検出し、この変化に応じて表示画面上におけるポイント画像の位置を決めるポイント画像制御モードと、
    前記撮像装置によって撮像した画像を前記表示画面上に表示する撮像画像表示モードとを備え、
    これら両モードのいずれかを選択する信号を生成するモード選択信号生成装置を備えることを特徴とするポインティング装置。
  2. 前記撮像画像表示モードにおいて、
    表示した画像を静止させる画像静止処理を行わせるための信号を生成する画像静止信号生成装置をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のポインティング装置。
  3. 前記撮像装置で撮像した画像を表示する表示装置をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のポインティング装置。
  4. 前記画像の移動量に対応した前記ポイント画像の移動量を調整する移動量調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポインティング装置。
  5. グラフィカル・ユーザ・インターフェース操作手段を制御する制御信号を生成するGUI制御信号生成装置をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポインティング装置。
  6. 表示画面上における指示位置を指し示すポイント画像の位置を決める制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    撮像装置により撮像した画像を前記表示画面上に表示する撮像画像表示モードと、前記撮像装置によって撮像した撮像視野内の画像の移動量と移動方向とから撮像装置の指向方向の変化を検出し、この変化に応じて前記表示画面上に表示される前記ポイント画像の位置を決めるポイント画像制御モードのいずれかを選択する機能と、
    前記撮像画像表示モードが選択された場合に、前記表示画面上に前記撮像装置で撮像した画像を表示するための画像データを送信する機能と、
    前記ポイント画像制御モードが選択された場合に、前記ポイント画像の表示位置を制御するための画像データを送信する機能と
    を実行させるためのプログラム。
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