JP2005351657A - 断面を有する試料の製造方法 - Google Patents

断面を有する試料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フレキシブル基板等の各種材料、構成物から必要な微小片を千切れたり剥がれたりすることなく容易に切り出すことが可能な試料製造方法を提供する。
【解決手段】 試料10の表面にチャージアップ防止用の金属膜5のコートを施し、その後、FIB装置に導入し、試料10から試料片11を切り出す。こうすることにより、試料が剥がれたり、千切れたり、或いはカールすることなく、容易に断面評価用の試料片を切り出すことができる。
【選択図】 図1


Description

本発明は、フレキシブル基板材料等の試料断面を作製する、断面を有する試料の製造方法に関するものである。
従来、生態系、プラスチックを始めとする有機物を用いたフレキシブル基板材料或いはデバイスの断面評価や微細な構造の加工は、機能性デバイスの増加と共にその需要が増えつつある。有機物構造に関する情報を求めるために用いられている主な断面作製法としては、刃物による切断法、樹脂包埋法、凍結包埋法、凍結割断法、イオンエッチング法等が知られているが、有機物の内部構造を光学顕微鏡或いは電子顕微鏡で観察する場合には、通常、有機物を樹脂で包埋した後、ミクロトームで切断するといった方法が採用されている。
特開平6−288882号公報に記載されているようにポリマー材料をミクロトーム法で薄片化して透過型電子顕微鏡用試料を作製する方法がある(特許文献1参照)。
特開平6−288882号公報
上述した従来のミクロトーム法では、フレキシブル基板上の各種材料、構成物が切断時に剥がれてしまうことがあった。また、薄片化後メッシュ上に掬い取る際、試料がちぎれたり、カールする場合があった。また、ミクロトーム法では評価位置をねらうことが難しかった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、フレキシブル基板等の各種材料、構成物から必要な微小片が千切れたり剥がれたりすることを低減し、容易に切り出すことが可能な断面を有する試料の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、集束させたイオンビームを用いて試料断面を作製する、断面を有する試料の製造方法であって、加工前に試料表面に金属薄膜を堆積するステップと、前記イオンビームを用いて断面試料を切り出すステップと、前記イオンビームを用いて選択的に薄膜堆積し断面試料とマイクロプローブを接着するステップと、前記基板から前記マイクロプローブに接着した試料片を切り離すステップと、評価台に前記試料片を固定するステップと、前記マイクロプローブを試料片から切り離すステップとを含むことを特徴とする。
本発明の試料製造方法で作製された断面構造は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)装置、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)装置、元素分析装置等を用いて評価することが可能である。
また、用いるイオンビームは、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)加工装置等を用いることができる。本発明においては、加工前に金属薄膜を堆積することで、導電性の低いフレキシブル基板材料等の試料を加工する場合でも、チャージアップを防止し、イオンビームを用いた加工を可能にし、評価位置を切り出すことができる。切り出した試料片は、マイクロプローブとイオンビームを用いた選択的な薄膜堆積技術を用いて取り出すので、試料片は水等のダメージや切断のストレスが少なく、フレキシブル基板上の構成薄膜であっても剥がれたり千切れたりすることなく、断面を作製することが可能となる。
また、最表面が特に剥がれやすい材料を含む場合でも、マイクロプローブ付着位置にイオンビームで予め穴を開け、その後、同じ位置に選択的に薄膜堆積した後、マイクロプローブを近づけて選択的に薄膜堆積することによって評価位置を切り出すことができる。
本発明における断面の切り出しまたは加工が施された面とは、試料の内部のある一面から見た面の他、試料が加工(堆積、エッチングを含む)された場合において、その加工後にある視点から見た時に観察できる面も含む。
本発明によれば、評価位置がちぎれたり、剥がれたり、或いはカールすることがなく、評価したい位置の断面作製を容易に行うことができ、評価位置の正確な形態評価が可能となる。
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は本発明による断面を有する試料の製造方法の実施形態1を示すフローチャート、図2は断面加工の一例を示すプロセス工程図である。以下、図1、図2を参照して本実施形態による試料製造方法の手順を説明する。
まず、図2(a)に示すようにフレキシブル基板1上に構成層2と最上層3が積層された試料10をFIB装置用試料台に固定し(ステップS10)、これに図2(b)に示すように金属膜5をコートする(ステップS11)。金属膜5はFIB加工中のチャージアップを防止し、更には加工中のダメージに対し試料表面保護のためにコートするものである。
具体的には、金属膜5として、Au,Pt,Ag等の貴金属、Cr,Ti等の金属等FIB加工中のチャージアップを防ぐ金属であればどのような種類でも構わない。試料表面材料の種類によって適宜選択する。また、コートする膜厚はチャージアップを防ぐ目的で20nm以上コートすることが望ましい。更に、通常、FIB加工によって断面を作製する場合、イオンビームで試料表面をスキャンする必要がある。その際、最表面は、わずかにエッチングされてしまう。
従って、イオンビームスキャンの際の最表面保護のため100nm程度コートすることで、試料最表面を保護することが可能である。また、FIB装置中で必要な位置のみ選択的に薄膜堆積することも可能であるが、この薄膜堆積の初期に試料最表面がエッチングされる。従って、選択的薄膜堆積を行う場合でも、試料最表面の保護膜は有効である。
また、試料最表面が微小な凹凸を持つ場合には、最表面に直接金属膜をコートしてしまうと、TEMで断面構造を評価する場合、凹部に付着した金属が凸部の構造と重なってしまい、凹凸のある最表面の断面構造が正しく評価できない。そのような場合には、予めTEM中でコントラストの高いC等の材料でコート後に金属膜をコートすると良い。Cで表面の凹凸以上の膜厚を覆った後に金属膜を成膜することによって、断面試料加工後TEM評価しても最表面の断面情報を得ることが可能である。
このようなFIB加工前の金属やC等の保護膜の形成方法としては、抵抗加熱電子ビーム等の蒸着法、スパッタ法、CVD法、プラズマCVD法等の方法を用いることができる。また、C膜はプラズマ成膜法を用いると、最表面に凹凸のある試料でも、ステップカバーレッジの良い保護膜が形成できる。
次に、FIB装置に導入し、試料10の表面のSIM観察を行う(ステップS12)。このSIM観察では、観察用の弱いイオンビームを用いる。次いで、試料10の表面のSIM観察によって得られた像(表示されたSIM像)から断面評価位置を精度よく決定し(ステップS13)、その決定した断面評価位置を更に加工用のイオンビームでSIM観察する(ステップS14)。
また、必要に応じて断面評価位置を決定後、加工ビームでSIM観察する前に、ガスを導入し、加工部分を含む試料10の周辺に保護膜を堆積する。
次いで、FIB加工条件を設定する(ステップS15)。このFIB加工条件設定では、ステップS14の試料表面SIM観察によって得られたSIM像上で切り出し領域及び切り出し位置を決定し、更に加速電圧、ビーム電流及びビーム径の断面加工条件を設定する。断面加工条件には、粗加工条件と仕上げ加工条件があり、この時点でそれぞれ設定する。粗加工条件は、ビームの径及びエネルギー量が仕上げ加工条件のそれより大きい。
なお、切り出し領域及び切り出し位置の決定は、ステップS12で得られる観察用イオンビームのSIM像上で行うことも可能であるが、精度上の問題を考慮すると、実際に加工を行うイオンビームが用いられるSIM像上で行うことがより望ましい。フレキシブル基板デバイスの断面を評価する場合でも、金属膜5をコートしてあるので、チャージアップすることなくSIM像観察することができ、正確な位置を決定することができる。
加工条件設定後、図2(c)に示すように表面方向のイオンビーム6の方向からFIB加工を行う(ステップS16)。これは、設定された加工条件に従って図示しないFIB加工装置により自動でFIB加工を行う。この表面からの加工では、評価に必要な位置を含んだ試料の一部を分離させるために、試料表面から見て後に最小限の加工で切断可能な部分を残し、ほとんどの周囲を少なくとも評価位置より深く加工する。
表面からの加工後、試料10の表面をSIM観察し、このSIM観察によって得られた像(SIM像)上で所望の位置近くまで加工されているかを確認する(ステップS17)。更に、試料を傾斜させてイオンビーム7の方向からの加工ができるようにする(ステップS18)、表面からの加工により作製された断面を観察用ビームでイオンビーム7の方向からSIM観察し、断面の形態を確認する(ステップS19)。
所望の深さ位置近くまで加工されていなかった場合は、ステージ傾斜を元の角度に戻し、ステップS16からS19の処理を繰り返し行う。
次に、断面方向からのFIB加工条件を設定する(ステップS20)。このFIB加工条件設定では、ステップS19の断面SIM観察によって得られたSIM像上で切り出し領域及び切り出し位置を決定し、更に加速電圧、ビーム電流及びビーム径の加工条件を設定する。その後、断面方向からのFIB加工を行う(ステップS21)。このFIB加工も設定された加工条件に従って図示しないFIB加工装置により自動でFIB加工を行う。
ここでいう断面方向とは、試料表面とは異なる角度であり、試料表面からのFIB加工で形成された断面が観察可能な角度方向を表す。従って、表面に対して垂直な角度を持った方向である必要はない。この断面方向からの加工によって前述の最小限の加工で切断可能な部分を残し、ほとんどの部分が試料から分離される。
また、試料傾斜を行い(ステップS22)、試料を元の角度に戻した後、表面から観察用の弱いビームを照射し、試料10の表面SIM観察を行う(ステップS23)。ステップS23の表面SIM像を元に、切り出し予定の微小片上にプローブ8を移動させる(ステップS24)。SIM像のコントラスト変化等でプローブ8が微小片に接触したことを確認し、ガスを導入した後、そのプローブ8と微小片の接触部分を含んだ位置にFIBビームを照射することで薄膜9を堆積し、プローブ8を貼り付ける(ステップS25)。このプローブ貼り付けは、予めFIBビームの照射位置等の加工条件の設定を行い、その加工条件に従って図示しないFIB加工装置により自動でプローブ貼り付けを行う。
更に、前述の最小限の加工で切断可能な部分を加工ビームで切り取ることで(ステップS26)、試料片11は試料10から分離され、プローブ8側に固定された状態になる。この場合にも、予めFIBビームの照射位置等の加工条件の設定を行い、その加工条件に従って図示しないFIB加工装置により自動で試料10から試料11が切り取られる。
次に、図2(d)に示すように試料片が貼り付けられたプローブ8を評価用試料台15上に移動させて(ステップS27)、試料片が試料台15上に接触したことを確認後、ガスを導入し、FIBビーム照射によって試料片を試料台15に貼り付ける(ステップS28)。これも同様に予めFIBビームの照射位置等の加工条件の設定を行い、その加工条件に従って図示しないFIB加工装置により自動でFIB加工を行い、試料片を試料台15上に貼り付ける。
その後、プローブ8の一部をイオンビームで切断することで(ステップS29)、試料片11を試料台15に移すことができる(図2(e))。プローブ8を切断する場合も、同様にFIBビームの照射位置等の加工条件の設定を行い、その加工条件に従って図示しないFIB加工装置によりプローブ8の切断を行う。
また、必要に応じて試料台15を傾斜させることで、試料台15をやや傾け、ガス導入、イオンビーム照射による薄膜堆積を行い、試料片と試料台15の貼り付けを補強することもできる。更に、プローブ先端部はプロ−ブの貼り付け、切断をスムーズに行うため、試料表面に垂直方向と試料断面に垂直方向からの角度は避け、やや傾いた角度にすることで、SIM像による位置確認、イオンビーム加工を可能にする。
このように評価用試料台15に試料片11を貼り付けた後、観察用ビームでの試料表面SIM観察(ステップS30)によって所望の位置に貼り付けられたことが確認されると、続いて、FIB加工(仕上げ加工)を行う(ステップS31)。この仕上げ加工の場合にも、予め設定された加工条件に従ってFIB加工装置により自動で仕上げ加工を行う。この仕上げ加工により、例えば、透過型電子顕微鏡を用いた高倍率での観察を行うことができる平滑な断面を作製することができる。
最後に、試料表面のSIM観察(ステップS32)を行い、所望の厚さの評価用試料とすることが可能になる。
所望の厚さまで加工されていなかった場合には、ステップS31及びS32を繰り返し行う。また、走査型電子顕微鏡用の断面加工も片面の仕上げ加工によって作製することができる。
以上の様に、本実施形態の試料断面作製方法では、試料最表面にチャージアップ防止用の金属保護膜を形成してあるため、FIB加工中に試料10の形態がSIM像観察できる。よって、イオンビームによるチャージアップを受けやすい試料でも正確な微細構造評価を行うことができる。
上述した各形態における試料断面作製方法は、各種フレキシブル基板上のポリマー構造、マイクロ粒子、液晶を含むポリマー構造、電気泳動表示素子、繊維状材料への粒子分散構造解析に対して有効である。
(実施形態2)
本実施形態においては、図3に示すように実施形態1の断面加工方法に加え、プローブ貼り付け位置に予め穴を開け、選択的に薄膜堆積して穴を埋めることで、試料片とプローブの貼り付けを確実なものとし、取り出しにくい基板からでも断面試料片を取り出す方法である。
まず、ステップS10からステップS13までは図1と同様であり、試料評価位置決定後(図1:ステップS13)、プローブ貼り付け位置を決定する(ステップS41)。その貼り付け位置に穴開け加工を行うため加工ビームで表面SIM観察を行い(ステップS42)、加工条件を決定する(ステップS43)。決定した条件で穴開け加工を行う(ステップS44)。
次に、穴開け加工を行った位置に薄膜堆積を行うため、FIBデポに用いるビームでSIM観察を行い(ステップS45)、ステップS44で穴を開けた位置にFIBデポによる薄膜堆積を行う(ステップS46)。その後、図1のステップS14に進んで加工ビームで試料表面のSIM観察を行い、以下、ステップS15以降の加工を行う。これらのステップS41〜S46を加えることによって、試料最表面に剥がれやすい層があってもプローブの貼り付けを確実にし、評価したい位置を試料片として取り出し、評価することができる。また、穴開けを行う加工面積はプローブ先端よりやや大きく、深さは保護膜と最表面層更に基板側の構成層に達するまで行うとよい。
(実施形態3)
実施形態3では、本発明における試料断面作製方法を電気泳動表示装置または有機半導体の製造工程における断面作製に用いる場合について説明する。即ち、比較的大面積の試料の一部を断面評価する形態について述べる。
電気泳動表示装置に使用される液晶が塗布されたフレキシブル基板等の大型の試料の一部分において、断面の状態を正確に評価したい場合は、加工部付近の領域のみを局所的に金属コートしてもよい。基板全体を何点か断面評価する場合は、前面に金属コートしても良い。
次に、上述の各実施形態の試料断面作製方法を用いて実際に試料の断面を作製し、試料の断面評価を行った実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1では、図4に示す液晶ポリマー構造を持つ素子の断面作製を行った。ポリイミド基板上に液晶(チッソ社製二周波駆動液晶;DF01XX)を含むポリマー構造体(重合成モノマー;HEMA,R167,HDDA)を液晶と共に混合し重合したものが作製された試料の断面作製を以下の手順で行った。
まず、試料を試料台にカーボンペーストで固定し、このユニットを試料ステージにセットした。この試料が固定された試料ステージに保護膜としてCr膜を100nmコートした。通常のEB蒸着装置を用いて、膜厚をモニターしながら成膜した。この試料がセットされた試料ステージをFIB装置に導入した後、試料室内を所定の低圧力になるまで排気した。
次に、試料の断面観察位置を含んだ領域について表面SIM観察を行った。表面SIM観察によって得られた像から試料のほぼ中央部を断面観察位置として決定した。
次に、決定した断面観察位置にイオンビームを照射しSIM像を取り込んだ。この時のイオンビームは、観察モードのごく弱い条件で行った。具体的には、ガリウムイオン源を用い、加速電圧30kV、ビーム電流20pA、ビーム径約30nmとした。そして、取り込んだSIM像に対して断面加工位置を指定した。
次に、指定した断面加工位置をFIB加工(表面加工)した。具体的には、まず、加速電圧30kV、ビーム電流50nA、ビーム径約300nmとして断面加工位置に40μm角で、深さ30μmの矩形状の凹部を形成した。
次に、この矩形状の凹部とつながるように評価用位置を残し、L字型に同様の加工用ビームで加工した。更に、試料を傾斜させてSIM観察用の弱いビームで所望の位置まで加工できていることを確認した後、残した評価用位置の底部を試料を傾斜した状態でFIB加工(断面加工)した。
傾斜角度は約60°とした。図4(a)はこのFIB加工により作製された試料の模式図である。試料30のほぼ中央部にイオンビーム20の照射並びに試料傾斜後のイオンビ−ム照射により矩形状の凹部32が形成され、試料傾斜後のイオンビーム21によって底部を切り離された短冊状の試料片31が試料と一部つながった状態で形成されている。
更に、試料傾斜を元に戻し、試料と一部つながった試料片にプローブを接触させてガスを導入し、FIBビーム照射によってプローブと試料片が接触した位置に薄膜形成を行うことで、プローブと試料片を貼り付けた。その後、試料片と試料の一部とつながった部分をFIB加工し、試料片を試料から切り離し、プローブを位置を上昇させて試料片をプローブごと持ち上げた。図4(b)はその際の切り出した試料片を示す模式図である。図4(a)に示す試料30と一部つながった試料片は、プローブ40に貼り付けられ、つながった部分が切り離されて試料30とは分離され、試料片31として吊り上げられた。
薄膜形成用のガスには、タングステンカルボニル(W(CO))を用いた。更に、プローブ上の試料片31をプローブと共に、試料台上に移動させて温度調節した試料台に接触させ、プローブの貼り付けと同様にガス導入を行い、試料片を試料台に貼り付けた後、試料片の移動に用いたプローブをFIB加工することで切断した。図4(c)は試料片を貼り付けた試料台を示す模式図である。試料片31は堆積膜60によって試料台50に固定されている。
続いて、仕上げ加工を行った。ここでは、TEM観察用に薄片化を行った。この仕上げ加工では、少しずつ段階的に弱い条件で加工するようにし、加工中は時々加工中の試料表面を観察用ビームでSIM観察し、所望の位置近くまで加工されているかを確認した。最後に、断面加工精度を上げるため、SIM観察の場合と同等の弱い条件で、断面加工位置を更に加工した。
以上のように本実施例では、試料表面にCr膜をコートし、FIB加工によって試料片の切り出しを行ったため、評価位置がちぎれたり、剥がれたりすることなく断面の切り出しを行うことができた。このようにTEM用の薄片化を行った後、FIB装置から取り出し後、TEM観察したところ、基板上のポリマー層構造を断面観察することができた。
(実施例2)
実施例2では、図5に示すようにペット基板上に作製されたポリマー粒子(ポリスチレン)の断面作製を以下の手順で行った。保護膜として、C膜とAu膜をコートした。C膜はプラズマ重合成膜装置を用いて、ハイドロカーボン膜を約100nm程度コートした。このプラズマ重合C膜は、通常の蒸着膜と比べ凹凸のある試料でも回り込みよく成膜できた。
次に、通常のスパッタ法でAu膜を20nm程度コートした。次にプローブ付着位置の中心に10μm角程度の面積で10μm程度の深さで穴を開けた後、実施例1と同様にガス導入、FIBビーム照射を行って穴をW膜で埋めた。
更に、実施例1と同様に粒子と基板を含むように切り出しを行った後、プローブの先端を評価したいポリマー粒子に接触させ、ガス導入、FIBビーム照射を行い、ポリマー粒子とプローブを貼り付けた。図5(a)はその際の貼り付けたプローブ40と試料35、堆積膜60を示す模式図である。
次に、プローブごとポリマー粒子とその下の基板を切り取り、移動させた後、断面観察位置のFIB加工を行った。図5(b)は断面加工後のプローブ40と試料36を示す模式図である。
このようにポリマー粒子の断面加工を行った後、プローブごと試料を取り出し、別の評価装置で断面SEM観察、元素分析を行った。まず、SEM観察したところ、ポリマー粒子は内部に気泡もなく、均質であることがわかった。この時の条件は、加速電圧15kV、倍率〜3万倍程度までとした。
また、プローブ近傍を拡大したところ、図5(c)に示すようにプローブと粒子はW膜でつながり、付着していることがわかった。次に、上記SEM観察中に試料36の断面から放出された特性X線を取り込みマッピング像を得たところ(元素分析)、ポリマー中にアルミニウムが分散していることがわかった。
以上、試料の断面を作製評価する方法に関して説明してきたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、表面の付着物質を取り除き、観察したい表面を露出させ、表面観察を行う構成も本発明に含まれる。
本発明による断面を有する試料の製造方法の実施形態1を示すフローチャート図である。 本発明による断面を有する試料の製造方法の実施形態1を説明する模式図である。 本発明の実施形態2を示すフローチャート図である。 本発明の実施例1を説明する模式図である。 本発明の実施例2を説明する模式図である。
符号の説明
1 基板
2 構成層
3 最上層
5 金属膜
6、7、20、21 イオンビーム
8、40 プローブ
9、60 堆積膜
10、30、35 試料
11、31、36 試料片
15、50 試料台
32 凹部

Claims (3)

  1. 集束させたイオンビームを用いて試料断面を作製する、断面を有する試料の製造方法であって、
    加工前に試料表面に金属薄膜を堆積するステップと、
    前記イオンビームを用いて断面試料を切り出すステップと、
    前記イオンビームを用いて選択的に薄膜堆積し断面試料とマイクロプローブを接着するステップと、
    前記基板から前記マイクロプローブに接着した試料片を切り離すステップと、
    評価台に前記試料片を固定するステップと、
    前記マイクロプローブを試料片から切り離すステップとを含むことを特徴とする断面を有する試料の製造方法。
  2. 断面試料切り出し後、マイクロプローブ付着位置に穴を開けるステップと、前記イオンビームを用いて前記穴に選択的に薄膜堆積して穴を埋めるステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の断面を有する試料の製造方法。
  3. 前記試料は、フレキシブル基板材料であることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の断面を有する試料の製造方法。

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