JP2013057533A - 試料作製方法および集束イオンビーム加工装置 - Google Patents

試料作製方法および集束イオンビーム加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】FIB加工装置で試料を加工するにあたって、FIB加工装置の真空装置内でプローブ先端に付着した異物を、真空状態を維持したまま除去することが可能な試料作製方法を提供すること。
【解決手段】作業が失敗してプローブの先端部に試料片の一部または全部が異物として付着してしまった場合に、真空を保持したまま、試料片の一部をイオン液体(常温溶融塩)に接触させてから引き離すことによって、前記異物がプローブの先端部から除去されることを特徴とする試料作製方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、集束イオンビーム加工装置を用いた試料作製方法にかかわる。
従来、電子顕微鏡、特に透過電子顕微鏡(TEM)では、試料を電子線が透過する程度の厚みに薄片化する必要があり、様々な薄片化方法が用いられてきた。薄片化方法としては、乳鉢で試料を粉砕する粉砕法や、研磨とイオンミリングを用いたイオン研磨法、断面切削装置であるウルトラミクロトームを用いたミクロトーム法や、集束イオンビーム加工装置(以下、FIB加工装置と称する。)を用いた薄片加工方法、電解液中で試料を溶解させていく電解研磨法、酸やアルカリでエッチングする化学エッチング法など、が主な薄片化方法としておこなわれている。
一般的に、高分子材料や生体材料等有機系の材料は、ウルトラミクロトームを用い、ダイヤモンドナイフで薄片化をおこなうことが多い。しかし、金属、セラミックなどの無機物質は高硬度のものが多いため、FIB加工装置が用いられる。また、導電性のある材料であれば電解研磨、また、化学エッチング法などが用いられることがある。
FIB加工装置は、真空装置内にイオンビームを発するイオン銃と、イオンビーム源から発せられたイオンビームを絞る電磁レンズを有している。電磁レンズで集束された集束イオンビームは、FIB加工装置の試料ステージ(以後、単にステージと称する。)に置かれた試料に照射される。イオンビームとしては、ガリウムイオンビームが用いられる。
また、FIB加工装置には、試料を観察するための電子ビームを発する電子銃を有するものが存在する。電子銃から発せられた電子ビームは、電磁レンズによって絞られて、ステージに向けて進む。試料に電子ビームが照射されると、二次電子が放出される。FIB加工装置は、この二次電子を検出する検出器を備えている。
検出器で検出された検出信号は、検出信号処理ユニットに送られる。検出信号処理ユニットで処理された検出信号は、二次電子像としてモニタに出力される。
また、FIB加工装置には、ガス銃を有するものも存在する。ガス銃から発せられたデポジションガス(成膜に用いるガス)にイオンビームが照射されると、ガスが分解し、イオンビームが照射された試料表面に膜が形成される。イオンビームの走査した箇所にさまざまな形状に膜を形成することが可能である。デポジションガスの種類としては、W、C、Pt、SiOなどが成膜できるものが市販されている。
また、FIB加工装置には、様々な目的で使用するプローブを有するものも存在する。プローブには例えば、タングステン等の金属材料が用いられている。SEM用の断面ブロックをつくりピックアップ(プローブの先端に接着して拾い上げること。)する場合や、TEM用の薄片を作製する目的で試料片をピックアップする場合もある。
次に、FIB加工装置を用いて電子顕微鏡用試料を作製する場合の手順について示す。TEM観察用の薄片を作製する場合は、イオンビーム照射で試料を超薄片(サブマイクロメートルの厚さの薄片)に加工し、その超薄片を装置外に取り出し、ガラスプローブにてその超薄片を支持膜付きグリッド上にファンデルワールス力で付着する方法と、超薄片になる手前のマイクロメートルオーダーの厚みまで加工し、その試料をプローブを用いて、
FIB加工装置内で半円状のグリッドにデポジションガスを用いたデポジション(成膜)を局所的に行うことにより接着してから、観察部をイオンビーム照射して超薄片化する方法がある。
イオン銃と電子銃を両方搭載したデュアルビーム式FIB加工装置では、FIB加工装置内でグリッド上に試料を接着し加工するピックアップ法が良く用いられている。FIB加工装置内でピックアップ法を用いる場合には、装置に設置されたマイクロマニピュレータに装着された針状のプローブが必須である。
プローブを用いたピックアップ法では、様々な方法が存在するが、作業の流れは、ほぼ同様である。
まず、試料を加工すべき形状にWやC等の薄膜のデポジションをおこなうことにより部分的に保護膜を形成し、次にその周囲をイオンビーム照射により掘り下げてスロープ状に加工し、試料を載せたステージの傾斜角度を変化させるなどして、掘り下げた部位の下部を底抜きするように加工(底抜き加工)する。
底ぬき加工後、プローブを試料片に近づけて接触させ、デポジションを行うことで試料片とプローブを接着させた状態で、試料片を持ち上げる。底抜き加工の際、試料と試料片(試料の一部を切り取った部分)の繋ぎ目を残し、加工をする場合もある。ここでは次の様な場合を説明する。すなわち、プローブと試料片を、薄膜をデポジションすることで接着したのち、残した繋ぎ目を加工して試料本体から試料片を完全に切り離し、プローブを持ち上げる。試料片をプローブで持ち上げた後、試料片をグリッドに接した状態でデポジションを行うことで試料片をグリッドに接着する。
その後、グリッドに接着した試料片をさらに、薄片状になるように両面よりイオンビーム照射で追加工し、最終的に電子顕微鏡で観察可能な厚みまで薄片化する。
このプローブと試料の一連の作業中に、試料本体と試料片を完全に切り離せなかったり、デポジションがうまくいかない事態が生じ、試料片が斜めに付着したり、試料片の保護膜が剥がれて保護膜のみプローブに付着することがある。特に作業に慣れない初心者でこのような事態が生じやすく、また、プローブの先端に付着物があると、その後の加工を進められなくなる。
また、グリッドに試料片を付着する際に、デポジションによる接着が不十分で試料片が倒れたり、プローブに修正困難な傾斜状態で付着する場合もある。一連の作業をやり直す際に、プローブ先端に保護膜や試料片、または異物が付着しているとピックアップ作業ができないため、プローブ先端から付着物を除去する必要がある。
この場合、プローブ先端と付着物の界面を狙い、イオンビーム加工をおこない、付着物を飛ばす方法がある。または異物を試料などにデポジションで固定したのち、プローブと異物界面を加工し、切り離す方法もある。それでも困難な場合は、プローブを装置から抜き出して、洗浄し、再度セットすることとなる。
しかしながら、従来一般的におこなわれてきたイオンビーム照射で付着物を飛ばす、あるいは異物をデポジションで固定したのち、切り離す方法では、付着物がイオンビーム照射を避けるように、プローブの陰へ移動したり、帯電の影響でプローブの根元に上がって取りにくくなることもある。中途半端な状態で背後に回った異物が、その後の作業中に試料本体や試料片に付着したりして作業を乱すこともある。また、プローブをFIB加工装置から抜き出し再セットする作業は時間がかかるため、作業効率が下がる、などの問題点があった。
特許文献1〜3には本発明に近い技術分野の技術が開示されているが、本発明とは課題が異なる。
特開2001―311681号公報 特許第4581100号公報 特開2009−162666号公報
本発明は、上記のような問題点に鑑み、FIB加工装置で試料を加工するにあたって、FIB加工装置の真空装置内でプローブ先端に付着した異物を、真空状態を維持したまま除去することが可能な試料作製方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、集束イオンビーム加工装置により試料を加工する試料作製方法であって、
前記集束イオンビーム加工装置の真空装置内が真空状態を維持したままプローブを動かしプローブ先端をイオン液体に接触させる工程と、
前記プローブ先端をイオン液体から離間する工程と、を備えることを特徴とする試料作製方法である。
また、請求項2に記載の発明は、集束イオンビーム加工装置により試料を加工する試料作製方法であって、
前記試料の表面にデポジションガスを出しながらイオンビーム走査を行うことで所望のパターン形状を持つ保護膜を試料の表面に形成する保護膜パターン形成工程と、
前記保護膜パターンをエッチングマスクとしてイオンビーム加工を行うことによって前記試料表面から深さ方向にエッチング加工する掘り下げ加工工程と、
前記保護膜の下に残留している試料の保護膜に近い部分を残して、その部分より保護膜から離れた試料の残留部を、試料全体を傾けてイオンビーム加工を行うことで除去する底抜き工程と、
集束イオンビーム装置に備えられているプローブを前記保護膜の表面に接触させ、その接触部とその周辺に、前記保護膜パターン形成工程で保護膜を形成したのと同等の方法で薄膜を形成することによってプローブと試料片(試料の表面を保護膜で覆った試料の部分で、最終的に薄片状の観察用サンプルとなる部分)の保護膜側を接着するプローブ接着工程と、
前記保護パターン形成工程で形成されたパターンは、前記底抜き工程で試料片が落ちてしまわない様に試料片を支持するための部分(試料片支持部)を備えているが、その試料片支持部をイオンビーム加工して除去する試料片切り取り工程と、
前記プローブを上げるか、試料を載置しているステージを下げるかして、相対的にプローブと接着した試料片を試料から引き上げ、透過電子顕微鏡観察用のグリッド(銅製のメッシュ)上に接触させ、前記保護膜パターン形成工程で保護膜を形成したのと同等の方法で薄膜を形成することによって前記グリッド上に試料片を接着した後、プローブを引き上げることで、試料片を前記グリッド上に固定させる試料片/グリッド接着工程と、
グリッドに接着した試料片の表裏からイオンビーム加工を施すことによって、透過電子顕微鏡観察が可能な試料片の厚さまで薄くする追加エッチング工程とからなり、
少なくとも前記プローブ接着工程と前記試料片切り取り工程と前記試料片/グリッド接着工程の何れかの工程において、作業が失敗してプローブの先端部に試料片の一部または全部が異物として付着してしまった場合に、真空を保持したまま、試料片の一部をイオン液体(常温溶融塩)に接触させてから引き離すことによって、前記異物がプローブの先端部から除去されることを特徴とする試料作製方法である。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2の試料作製方法で使用する集束イオンビーム加工装置であって、前記集束イオンビーム加工装置の真空装置内に、イオン液体を保持するための容器を備えたことを特徴とする集束イオンビーム加工装置である。
本発明の試料作製方法を用いることにより、真空状態を維持したままプローブ先端の帯電異物の除去を確実におこなうことが可能となった。
イオン液体を入れる容器の例を示す概念図。 イオン液体を入れる容器より高さが高い試料の場合に、イオン液体を入れる容器を試料に接着した状態の一例を示す概念図。 イオン液体を入れる容器と同等以下の高さの試料の場合に、イオン液体を入れる容器をFIB加工装置のステージ上に接着した状態の一例を示す概念図。 (a)プローブをイオン液体に近づけている状態の一例を示す概念図、(b)プローブ先端の異物のみをイオン液体に付着した状態の一例を示す概念図、(c)プローブを引き上げて異物のみイオン液体中に残存した状態の一例を示す概念図。
本発明の方法について図を用いて詳しく説明する。
プローブ先端に異物が付着した場合、プローブを上昇させ、ステージを、イオン液体を保有した異物除去用治具の場所まで移動させる。イオン液体を保有した治具は図1に示すような容器でありイオン液体を入れる凹みを備える。プローブを固定させて、ステージを動かしてもよいし、逆にステージを固定し、プローブのみを動かしてもよいが、プローブ先端の異物を治具の凹部に入れたイオン液体に接触させる。接触すると、異物はイオン液体の表面張力により絡まり、プローブを上げるとプローブからはずれる。異物がプローブとデポジションされた薄膜でつながっている場合には、イオン液体に接触させた後、プローブと異物のつなぎ目をイオンビームにて切断する。すると、イオン液体が異物に絡まり、プローブからはずれる。はずれた異物はイオン液体中に沈み、イオン液体と異物の成分によっては異物が溶解する場合もある。
FIB加工装置はデュアルビーム型の場合、作業をSEM観察でおこなうことができ、プローブと容器がビームダメージを受けにくいため、望ましい。
真空装置内に入れるため、治具は揮発性がなく、容器外側は導電性がある金属材料などが望ましい。
図1に示すように容器上が開いた形状で、開口部の直径は1〜2mm程度、深さも1〜2mm程度、が望ましい。容器が大きいと、ステージで傾斜をかけた際に液体が表面張力で支えられずに容器からこぼれることがある。高さの高い試料の場合は、図2のように容器を直接試料の側面部に両面テープや接着剤で固定してもよい。高さの低い試料の場合は、図3のようにステージに固定してもよい。装置内での接触事故を防ぐため、試料と極端に高さを変えた位置に治具を設置しないことが望ましい。
異物を絡め取る材料としては、蒸気圧が非常に低いイオン液体を用いることができる。異物の除去に当たっては、市販の接着剤を用いることも考えられるが、接着剤の場合、揮発性(接着剤に含有される溶剤などの蒸気圧と比例する。)がわずかに高く、高真空装置内や真空排気系を汚染する可能性がある。また、長く真空に放置すると接着力が変化するものもあるため、接着剤の選定には十分な物性確認が必要となってしまうため、望ましくはない。
一方、イオン液体は真空状態でも液体状態であり、蒸気圧が非常に低いため、真空装置内を汚染する可能性が低い。イオン液体を用いることにより、真空装置内で真空状態を維持したままプローブ先端の異物の除去を効率的におこなうことができる。図4(a)にはプローブをイオン液体に近づけている状態の一例を示した。(b)にはプローブ先端の異物のみをイオン液体に付着した状態の一例を示した。(c)にはプローブを引き上げて異物のみイオン液体中に残存した状態の一例を示した。
イオン液体としては、イミダゾリウム系、ピリジニウム系、脂肪族系、ホスホネート系のイオン液体が挙げられる。種類に限定はないが、親水性のものであると洗浄をおこないやすいため、好ましい。また、粘性が高いもののほうが、異物を付着させる力が強いため、好ましい。
次に異物除去の方法について更に詳細に説明する。
プローブ先端に異物が付着した際、ビームを照射すると、特に異物が細長い場合に異物が上昇することがあるため、異物とプローブの接点の最小限のエリアを集中的にビーム加工する。それでも異物が落下しなかった場合は、イオン液体の入った容器までステージを移動させる。このとき、プローブが低い状態だと、ステージや試料と接触する可能性があるため、プローブはステージと接触しない程度まで上昇させ、または、ステージを接触しない程度まで下げてからプローブを移動させることが望ましい。イオン液体の入った容器まで移動したら、なるべく、ステージを水平にし、イオン液体が水平状態になるようにする。
そして、容器真上からプローブを少しずつおろす。この作業中、デュアルビーム型の場合は、イオン銃で観察しても電子銃で観察してもよいが、水平状態が真横から見える側の銃で最終的にプローブを下げた方が望ましい。また、特にイオンビームで観察する場合は、容器やプローブがビームダメージを受けるため、また、異物がビーム照射によって動いたり変形したりするのを防ぐため、弱い電流密度のビームで観察することが望ましい。また、プローブを下ろす速度は遅いほうが望ましく、イオン液体がなるべく異物先端のみにつくようにすることが望ましい。プローブに付着した場合は、少量の場合はそのまま作業を続けてもあまり支障はないが、多く付着した場合は、プローブを取り出し、先端を不織布で拭くか、洗浄をしなくてはならなくなる。
本発明の試料作製方法にあっては、前記集束イオンビーム加工装置の真空装置内が真空状態を維持したままプローブを動かし、プローブ先端をイオン液体に接触させる工程と、前記プローブ先端をイオン液体から離間する工程と、を備えることにより、プローブ先端に付着した異物を除去することが容易となる。なお、異物の除去以外にも、プローブ先端をイオン液体に接触させることにより、プローブ先端にイオン液体を少量付着させ、そのプローブ先端を加工後の帯電部位に付着することにより、導電性を付与し、チャージアップを抑えることができる。
デュアルビーム型FIB加工装置において、装置内で1mm厚のガラス基材上に形成された無機多層膜の加工をおこなった。ガラス基材の試料を設置したステージの5mm脇にイオン液体をいれた容器を両面テープで貼り付け、所定の位置上に1μm×15μmの大きさで厚み約1μmでW(タングステン)保護膜をデポジションにより形成し、デポジション膜の前後約15μm×10μm、周囲を所定位置に近づくに従い深くなるように最深約8μmとなるようにスロープ状に加工した。また、ステージをイオンビームに対し、約50°に傾斜をかけたのち、底辺を加工し、底抜きをおこなった。
底抜き作業では、デポジション膜の一端を1μm×2μmの矩形で加工し、反対側は表層1μmを残すように加工し、底抜き後、ステージ傾斜を戻し、水平にした。水平状態で、タングステン製プローブを下ろし、試料に近づけた。試料に接した箇所で、プローブと試料が接している1μm×1μmの範囲にW(タングステン)のデポジションをおこなった。その後、ステージを下げて試料片を試料本体から離そうとした。その際、ガラス基材の上部の多層膜が剥離し、多層膜のみプローブ先に付着した。
そのため、ステージをわずかに下げ、プローブ先端と多層膜の界面あたりをイオンビームにて加工した。すると、多層膜片は、付着した角度から移動し、針の裏側、ビーム照射方向の陰側に回りこみ、斜め45°程度に付着した。デポジションされた膜は削られており、ファンデルワールス力によりプローブと多層膜片が付着した状態となった。
そこで、プローブを上昇させ、ステージを移動し、イオン液体の容器までステージを移動した。そののち、プローブを少しずつ下げ、プローブをイオン液体表面まで近づけた。無機多層膜片がイオン液体に接するまでゆっくり下げ、接したところでプローブを上昇させた。すると、無機多層膜片とプローブは離れ、無機多層膜片はイオン液体中に残存した。その後、プローブのみ上昇させ、再度加工を続けた。イオン液体としては、N、N―Diethyl―N−methyl−N(2−methoxyethyl)ammonium
tetrafluoroborate(C20ONBF)を使用した。
1・・・イオン液体を入れる容器
2・・・厚い試料
3・・・FIB加工装置のステージ
4・・・薄い試料
5・・・イオン液体
6・・・異物
7・・・プローブ

Claims (3)

  1. 集束イオンビーム加工装置により試料を加工する試料作製方法であって、前記集束イオンビーム加工装置の真空装置内が真空状態を維持したままプローブを動かしプローブ先端をイオン液体に接触させる工程と、前記プローブ先端をイオン液体から離間する工程と、を備えることを特徴とする試料作製方法。
  2. 集束イオンビーム加工装置により試料を加工する試料作製方法であって、
    前記試料の表面にデポジションガスを出しながらイオンビーム走査を行うことで所望のパターン形状を持つ保護膜を試料の表面に形成する保護膜パターン形成工程と、
    前記保護膜パターンをエッチングマスクとしてイオンビーム加工を行うことによって前記試料表面から深さ方向にエッチング加工する掘り下げ加工工程と、
    前記保護膜の下に残留している試料の保護膜に近い部分を残して、その部分より保護膜から離れた試料の残留部を、試料全体を傾けてイオンビーム加工を行うことで除去する底抜き工程と、
    集束イオンビーム装置に備えられているプローブを前記保護膜の表面に接触させ、その接触部とその周辺に、前記保護膜パターン形成工程で保護膜を形成したのと同等の方法で薄膜を形成することによってプローブと試料片(試料の表面を保護膜で覆った試料の部分で、最終的に薄片状の観察用サンプルとなる部分)の保護膜側を接着するプローブ接着工程と、
    前記保護パターン形成工程で形成されたパターンは、前記底抜き工程で試料片が落ちてしまわない様に試料片を支持するための部分(試料片支持部)を備えているが、その試料片支持部をイオンビーム加工して除去する試料片切り取り工程と、
    前記プローブを上げるか、試料を載置しているステージを下げるかして、相対的にプローブと接着した試料片を試料から引き上げ、透過電子顕微鏡観察用のグリッド(銅製のメッシュ)上に接触させ、前記保護膜パターン形成工程で保護膜を形成したのと同等の方法で薄膜を形成することによって前記グリッド上に試料片を接着した後、プローブを引き上げることで、試料片を前記グリッド上に固定させる試料片/グリッド接着工程と、
    グリッドに接着した試料片の表裏からイオンビーム加工を施すことによって、透過電子顕微鏡観察が可能な試料片の厚さまで薄くする追加エッチング工程とからなり、
    少なくとも前記プローブ接着工程と前記試料片切り取り工程と前記試料片/グリッド接着工程の何れかの工程において、作業が失敗してプローブの先端部に試料片の一部または全部が異物として付着してしまった場合に、真空を保持したまま、試料片の一部をイオン液体(常温溶融塩)に接触させてから引き離すことによって、前記異物がプローブの先端部から除去されることを特徴とする試料作製方法。
  3. 請求項1または2の試料作製方法で使用する集束イオンビーム加工装置であって、前記集束イオンビーム加工装置の真空装置内に、イオン液体を保持するための容器を備えたことを特徴とする集束イオンビーム加工装置。
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